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1998/09/08 第143回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第143回国会 商工委員会 第4号
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1998/09/08 第143回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第143回国会 商工委員会 第4号

#1
第143回国会 商工委員会 第4号
平成十年九月八日(火曜日)
    午前十時五分開議
出席委員
  委員長 古賀 正浩君
   理事 伊藤 達也君 理事 小此木八郎君
   理事 小野 晋也君 理事 岸田 文雄君
   理事 松本  龍君 理事 太田 昭宏君
   理事 西川太一郎君
      遠藤 武彦君    岡部 英男君
      奥田 幹生君    木村 隆秀君
      熊谷 市雄君    新藤 義孝君
      菅  義偉君    竹本 直一君
      武部  勤君    中島洋次郎君
      中山 太郎君    野田  実君
      林  義郎君    牧野 隆守君
      宮島 大典君    茂木 敏充君
      山本 幸三君    吉川 貴盛君
      川内 博史君    島   聡君
      島津 尚純君    原口 一博君
      渡辺  周君    坂口  力君
      中野  清君    宮地 正介君
      青山  丘君    小池百合子君
      大森  猛君    吉井 英勝君
      横光 克彦君    河村たかし君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  与謝野 馨君
 出席政府委員
        法務省刑事局長 松尾 邦弘君
        通商産業大臣官
        房長      村田 成二君
        通商産業大臣官
        房商務流通審議
        官       岩田 満泰君
        通商産業大臣官
        房審議官    岡本  巖君
        通商産業省産業
        政策局長    江崎  格君
 委員外の出席者
        商工委員会専門
        員       野田浩一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月八日
 辞任         補欠選任
  河本 三郎君     菅  義偉君
  村田敬次郎君     熊谷 市雄君
  山口 泰明君     吉川 貴盛君
  山本 幸三君     宮島 大典君
同日
 辞任         補欠選任
  熊谷 市雄君     村田敬次郎君
  菅  義偉君     河本 三郎君
  宮島 大典君     山本 幸三君
  吉川 貴盛君     山口 泰明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、第百四十二回国会閣法第一〇五号)
     ――――◇―――――
#2
○古賀委員長 これより会議を開きます。
 第百四十二回国会、内閣提出、不正競争防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島聡君。
#3
○島委員 民主党の島聡でございます。
 与謝野通産大臣に商工委員会で質問させていただくのは初めてのことでございますので、非常に記念すべき日に質問させていただけることを喜んでおります。
 私は一年生議員で、平成九年二月二十一日に初質問をさせていただいたんですが、この間にもう既に三人も大臣がかわった、そういう状況でございます。これは後で御質問をさせていただく伏線なんでございますが、今回の不正競争防止法を一部改正する法律につきまして、まず大臣に、この法律を改正していく意義が、日本経済さらにはそれを構成する日本企業にとってどんな意義があるかということをお答えいただきたいと思うわけであります。
 といいますのは、この不正競争防止法を一部改正する法律案、もともとはアメリカの非常に強力な後押しで実現していったと聞いております。アメリカは、海外の腐敗防止法を制定しまして、自国民の外国公務員に対する贈賄行為を取り締まっていった。今回、OECDで、九七年五月の理事会において、九八年四月一日までに各国がそれぞれの議会に自国民の外国公務員への贈賄を取り締まるための法案を提出し、九八年中に成立させるよう努力しようという話なんです。この条約に関しましては、私も外務委員でもございますが、そこで審議をさせていただいたわけでございます。
 この今回の改正のもとになりました海外での贈賄防止条約がまとまるまでには、非常にアメリカ政府の主導的な役割がありました。九七年十二月十七日にパリで行われた同条約の調印式には、オルブライト米国務長官が出席しています。非常に多忙なスケジュールを押して出席している。つまり、アメリカ政府の並々ならぬ、この条約、あるいはさらにグローバリゼーションという名のもとに規格を統一するという、一つの基準を統一するという思いが秘められているのではないかと私は思うわけであります。
 これはいろいろ調べてみますと、アメリカ政府がなぜこれほど海外での贈賄防止の実現に熱意を傾けているのか。もちろん、今グローバリゼーションという名のもとに、米国ルールを理想と考えて、その普及がいいんだ、そういうのが民主党のクリントン大統領の政策でありますので、日本や欧州各国にもアメリカと同じように海外での贈賄防止対策をとらせる、これを経済外交上の重要課題の一つと位置づけているということ、当然、それがある。
 もっと本音を言いますと、アメリカが贈賄防止法を厳しくやっておりますので、その結果、アメリカの一部試算でありますが、九四年、九五年の二年間で、アメリカが一生懸命ビジネス交渉をやっていく間に、他国の贈賄戦略によって二年間で百件以上、総額四百五十億ドル相当にも達する国際取引が米国以外の企業に渡った。だから一生懸命ロビーイング活動をしたんだというような、そういうことだそうでございます。議会や国防省を初めとする米政府に対して、強力なロビー活動を展開したということだそうでございます。
 もちろん、いわばある意味で贈賄というものをきちんとやってコストを削減していくということは重要なことであると思いますが、同時に、この法案をつくって国内に適用してまいりますと、日本の企業というものに対しても非常に大きな影響を与えることをかんがみながらも、今回の不正競争防止法を改正するという法案を提出された。先ほど申し上げましたが、この法律を制定することが、日本経済あるいはそれを構成する日本企業にとってどんな意義があるかということを、まず与謝野通産大臣にお聞きしたいと思います。
#4
○与謝野国務大臣 もともと日本人は、法律を守るとか法規範を尊重するとかということはどの国にも負けないと私は思っております。したがいまして、先生がお述べになりましたこの問題に対す
る経過ということは十分わかるつもりでございますけれども、そもそも国際的な商取引において外国公務員に対してわいろを提供し、あるいは将来提供することを約束し、その申し込みをしということは、やはり法規範としては許されざることだろうと思っております。
 何か日本のいろいろな企業が、外国によって、そのような贈賄攻勢で仕事をとってきたというようなことを言われるのは大変心外でございまして、やはり日本製品の優秀性、品質管理の優秀性あるいはアフターサービスの優秀性とか総合的な日本の国際商品の優秀性によって、日本の経済は成長してきたわけでございます。
 しかしながら、外国公務員に対するわいろの問題については、先生ただいま御説明があったように、アメリカを出発点としたことは確かでございますが、OECD諸国も熱心にこれに取り組み、日本もこれに積極的に参加をし、積極的な気持ちで条約の作成に携わったわけでございます。
 かてて加えまして、日本の主張も相当大幅に取り入れられておりますし、また、日本のこれらの不正競争を防止するという法律は、刑法本体のみならず、独禁法にも書いてありますし、不正競争防止法にも書いてありますし、その他の法律にも書いてありますが、そういう法体系全体を考えてもそごは生じないという確信のもとで今回の立法に至ったわけでございまして、日本の商慣行が誤解を受けた結果こういう法律が制定されるのだ、あるいはその以前の条約が制定されるのだという論者が存在するといたしましたら、それは現状を必ずしも正しく認識していない。
 日本の今後の国際場裏における経済活動については何ら影響はない、私はそのように確信をしております。
#5
○島委員 別に、日本の企業が贈賄をしているということを言っているわけではないわけでありまして、今回の過程が、私は、グローバリゼーションという言葉の名のもとにすべてアメリカの基準に統一していくことに対しては、やはり日本なりのスタンスを持つ必要があるのではないか。この問題については詳しく申し上げませんが。
 アメリカという国は、国家の安全保障が脅かされない限りは、政策決定において最大の優先順位を持つのは経済だと私は思っています。それだけではなくて、日本の場合はまた別の論理もあると思いますので、そこを申し上げたかったわけでありまして、日本の経済企業が何とかかんとかということは全然申し上げておりませんので、その辺は誤解なきようお願いを申し上げます。初めてでございますので、ハネムーンの時代もあるということで、これぐらいにさせていただきます。
 ということでありますと、条約に基づきまして国内法を変えていくわけであります。となりますと、この条約に基づいて各国がとるいろいろな措置が同一でないと、各国の法体系がすべて同じでないと、例えば日本だけが何かちょっと違ったものであるとすれば、かえって競争条件を、差をつけてしまうということで問題になるわけであります。今回の法律の国内法整備に当たりまして、各国がとる措置の同一性をとることが極めて重要なポイントと考えられるわけであります。
 この各国の法制度整備の内容がどうなっているかということを、五月十五日だったと思いますが、衆議院の外務委員会で東委員が聞かれました。各国が皆ばらばらな処罰措置をとっていれば、法の抑止力のレベルが当然違ってくるだろう、処罰の基準をある程度合わせないと問題が生じてくる可能性があるだろう、だからこの点について今どのような状況になっているか、せめてG7ぐらいきちんと説明してくれという質問を、五月十五日だったと思いますが質問されました。
 そのときにおきましては、今承認をしている中においても「制裁の内容の詳細についてはまだ明らかではございません。」というのが返ってきておりました。同一じゃないと日本のいわゆる国益を脅かすかもしれないということに対して、そのときは審議中であったということもあると思いますが、五月十五日にはその内容もよくわからないという状況であったわけであります。
 そこで私は、批准していいものかどうかということはそのときは悩んだわけでありますが、そのときの説明は、OECDの中で余り差をつけないような形でというようなことも条約に盛り込まれているからいいんですよという説明でございました。
 それから四カ月たちましたので、各国の処罰の範囲、罰金あるいは懲役の最高レベルなどにつきまして、どのような状況になっているかということにつきましてお尋ねをしたいと思います。
#6
○岡本政府委員 お答え申し上げます。
 先進国の中で、日本、ドイツ、アメリカを含む七カ国が既に法案を議会に提出済みでございます。それ以外の国々も、間もなく議会に法案を提出すべく準備をいたしているところでございます。
 今お尋ねの構成要件は条約の中にはっきり書いておりますので、各国ともそれを国内で実施するということで法案を準備しているわけでございますが、罰則の点につきまして、主要なところで申しますと、アメリカで十万ドル以下の罰金または五年以下の懲役あるいはその両方、それから法人について二百万ドル以下の罰金、それから、ドイツで五年以下の懲役または日本円換算二億八千万円以下の罰金ということになっています。それから、オーストラリアは法案を既に出しているわけでございますが、十年の禁錮刑または六万六千豪州ドルの罰金もしくはその双方というような罰則を法案の中で準備をいたしているところで、各国おおむね足並みをそろえた取り組みということになっております。
#7
○島委員 今お話をいただきまして、大体そういうことだという話でございます。
 私ども民主党の商工部会に対しまして、九月にこの法案についての説明をいただきました。そのときに、法律案の概要というところで、「どのような行為が贈賄に当たるかの基準は、条約上明らかであり、各国ほぼ同一の国内法規定となる。」今の御説明のとおりであります。「なお罰則は各国国内贈賄と同程度とされており、各国とも我が国と比べて遜色ないレベル。」という資料を提出していただきました。
 そのときに私が、遜色ないレベルと書いてあるのだから、きっと一緒なんでしょうね、どれぐらいですかと聞いたら、いや、調べてませんということで、それからお調べいただいた。その誠意ある対応には感謝するわけでございますが、調べてないのに、我が国と比べて遜色ないレベルというふうに資料で御提出いただくのはいかがなものかというふうに思うわけでございます。これをきょういろいろ言うつもりはありませんが、十分御注意賜りたいと思います。
 それから、今意識して言われなかったのかどうかわかりませんが、各国ともほぼ遜色ないレベルで、事前にいただいた資料では、オーストラリアは今おっしゃったように十年の禁錮刑または六万六千豪ドル、約五百四十万円、日本は三年以下の懲役または三百万円以下、これは自然人だそうでございます。法人が、日本は三億円以下の罰金で、オーストラリアはこの資料によりますと三十三古豪ドル、約二千七百万円の罰金となっております。
 法人に対して、三億円以下の罰金というのと二千七百万円の罰金というのは、私の感覚では同一の内容でないと思うわけでありますが、これは通産省の感覚ですと同一の内容ということになるわけでありますか。
#8
○岡本政府委員 条約上、各国が、自国の贈賄に対する罪、そういうものをしんしゃくしながら同程度のということになっているという側面がございますのと、それから、オーストラリアにつきまして、法人についての罰金は今先生御指摘のとおり三十三古豪州ドルでございますが、個人に対する量刑の方が十年の禁錮刑ということで、こちらについては日本が今回提案申し上げているよりもはるかに重いものを一方で彼らは提案をいたしておりまして、その辺を勘案いたしますと、全体としてそれぞれ遜色のない罰則を用意いたしているものと私ども考えているところでございます。
#9
○島委員 遜色がないと思っておられる。私はどうも遜色があるように思うわけでありますが、いろいろな基準があるのだなということですが、三億円以下の罰金と二千七百万円の罰金が遜色ないというのは私はよくわかりかねますけれども、そういうことだそうでございます。
 イギリス、フランス、イタリア、カナダというのは法案策定作業中です。これがまたオーストラリアの基準の方に流れるようなことはないと思いますけれども、そういうふうになった場合には、日本の法案というのが、極めて、何というのか、情報不足の中で起案をされたのではないかということになるかもしれませんので、それは重々、今後とも私自身も注意をしていきたいと思っておる次第でございます。
 次でございますが、今回の改正は、いわゆる不正競争防止法の一部改正となっております。不正競争防止法というのは、私の理解では、悪質な類似商品販売行為なんかの取り締まりに使うことを一般的にしていたと私は思っております。それで、外国公務員への贈賄防止を同法に追加するというのは、何か私としては違和感を覚えたわけであります。それにつきましても、五月二十一日の参議院外交・防衛委員会では、日本国が他国の公務員の潔癖性というところにまで刑罰法規をもって関心を持つということは、これはやはり国家間の問題としては相当問題があるということでこういうふうにしたのだという話がありました。
 それで、いろいろなこの間の経緯、報道なんかを通じて見てみますと、いろいろなことが書いてありました。条約が贈賄側だけを処罰対象として刑法のように収賄側の処分を考えていないから不正競争防止法でいいのだとか、刑法の贈賄罪には見られない法人への罰則規定があるからだとか、条約の目的が国際商取引の公正な競争確保にあり、公務員の職務の公正に対する国民の信頼を確保する刑法のねらいと食い違いが大きいからだとか、いろいろなことが書かれておりました。
 それで、一番私がこういうことかなと思いましたのは、法制審議会に諮る必要が刑法だとある、そうすると、手直しとはいっても基本法の一つである刑法改正をするとかなり大変である、だから今回は何か法務省が刑法の一部改正で対応することには難色を示したというようなことを、報道ですからどこまで真偽があるかどうかわかりません。それで、聞いてみましたら、じゃ、他の国というのは刑法でやっていないのですかと聞いたら、ドイツとオーストラリアは刑法で対応しているという話だそうでございます。
 どうも、参議院の外務委員会での議事録を拝見したのですが、しっかりと理解が私としてはっきませんので、きちんとした説明をお願いしたいと思います。
#10
○松尾政府委員 先生御指摘のように、いろいろな議論があったことは間違いございません。ただ、一番のその核心の問題といいますと、ある法律を立案する場合に、どの体系の中に取り込むのかという問題になろうかと思います。
 この贈賄の規定の問題なのですが、同じ贈収賄といいましても、我が国の刑法に規定する贈収賄でございますが、これは、我が国の公務員の職務の廉潔性といいますか公正性、あるいはそれに対する国民の信頼、こういったものを保護法益としているわけでございます。これに対しまして、今御審議いただいております法案で、外国公務員に対する贈賄行為の処罰規定でございますが、国際商取引における公正な競争を確保するということを目的としております。したがいまして、今御説明申し上げました刑法の贈収賄の規定とは保護法益を異にするということになります。つまり、体系が違うということになろうかと思います。
 先ほど先生御指摘のように、法制審議会の問題とか、いろいろ議論されたことも事実だと思いますが、なぜ刑法に取り込まなかったかの核心はここにあるということでございます。保護法益、体系が違う、つまり、刑法の中に取り込むにはなかなか難しい問題があるということでございます。そういったことで、今回は不正競争防止法の改正によって対応することが相当であると法務省は考えている次第でございます。
 以上でございます。
#11
○島委員 その説明で国際的に十分通用するわけだとお考えですか。
#12
○松尾政府委員 先ほど他国の例を先生御質問の中でお引きになりましたが、それぞれの国がこういった国際的な問題あるいは国内における自国の公務員に対する贈収賄をどう規定するかという問題は、必ずしも同一ではございません。それぞれの国でそれぞれの考え方に基づいて体系ができ上がっているということでございます。そうしたことは、各国では他国の事情ということも当然理解の範囲内にはあるかと思いますので、我が国がこのような形で立法することについては違和感はないものと私は考えております。
#13
○島委員 違和感がないということなのですから、まあそういうことだということでしょう。後でこれも調べてみたいと思いますが、施行後。
 次に移らせていただきます。
 同じく衆議院外務委員会で松沢議員が質問をされたときに、この条約ができて法律が施行されますと、民間の経済界からは、わいろを要求されたとき、このような条約があるから自分たちはできませんというように断る口実になるという答弁がございました。それで、こんなに日本企業がわいろを出しているのでけしからんという話をするわけではなくて、こういうような商慣行のもとにかなり、いわゆる高コストになっているということがあると思うわけです。そういう観点からの、一体どれぐらいこういうものに使われているかということについて御質問をしたいわけでございます。
 例えば世界銀行なんかは、発展途上国に対する直接投資や輸出総額の五%がわいろ、リベートとして使われているだろうということで、推計では年間八百億ドルぐらいにはなるだろうというような形で推計をしているわけであります。条約に基づいたこの法案ができることによって、そしてまた世界全体がそういうことをしなくなることによって、どれぐらいのコスト削減をされるかという意味でお尋ねをするわけでございますが、一体、このわいろとかリベートとか、あるいは、要するにこの法案をつくって世界全体が条約を守ったときに世界経済に与えるコスト削減効果といいますか、それを一体どれぐらいだと推定をしておられますか。
#14
○江崎政府委員 お答えいたします。
 従来、こういうことについて各国が一斉に犯罪化をして取り締まっているということではないわけでございまして、したがいまして、正確なデータというものは極めて乏しい状況にございます。
 今先生の御指摘になったその五%というものも一つの例でございますし一私どもが聞いておりますのは、もう一つは、民間の団体、これはトランスペアレンシー・インターナショナルという団体ですが、ここの調査によりますと、ある期間の国際取引の一〇ないし二〇%に及ぶぐらいのわいろの供与がなされたというようなデータもございますが、これは、カバーしている範囲がどのぐらいかとか、どういう定義のものを取り上げたのかとかいうあたりがはっきりいたしませんでして、正確なことはわかりにくいわけでございます。
 ただ、アメリカにおきましては、先ほどもお話ございましたが、腐敗行為防止法というのが既に早くから施行されておりまして、これを見ますと、数量的にはわかりかねますが、件数では既に二十数件に及ぶ立件がなされているというふうに承知をしております。
#15
○島委員 いろいろなデータがありますので、言いにくいことだろうと思いますが、一つのデータとして、例えば国際取引の一〇から二〇%に及ぶというようなことでございますから、これはきちんとやったら、実効性を確保していけば、それだけ非常にいい方向性になっていくと思います。
 例えば、今回のこのような法律、条約に基づく法律でございますが、これは条約ができて法律が各国でつくられるわけでございますから個別具体事例があったと思うわけでございますが、例えばどんな個別具体事例があったということを把握しておられるか、御質問申し上げます。
#16
○岡本政府委員 アメリカが一九七七年に海外腐敗行為防止法を制定いたしているわけでありますが、アメリカの場合について私どもが承知しておりますところでは、外国政府との軍用機補修部品契約獲得のためにその国の在米大使館の外交官に十三万ドルを供与したことによって、罰金七十八万五千ドル、それから税の追徴二十二万五千ドルが課されたというようなケースがございます。それからまた、別のアメリカ企業が、軍用機の外国政府への納入のためにその国の国会議員に百万ドルを供与して、罰金ニ千四百八十万ドル、それから民事賠償三百万ドルが課されたというような、そういうケースを聞き及んでおります。
 こういったケースが、営業上の不正の利益を得ることを目的とした外国公務員に対する贈賄ということで、我が国に今後発生した場合には、御提案申し上げております不正競争防止法の適用対象になり得るようなケースというふうに考えております。
#17
○島委員 今後こういうようなことが日本で起きた場合に、不正競争防止法の適用になるということでございますので、そういう意味では、この法案、非常に意義があると私は思っておる次第でございます。
 ただ、これから先、この法、先ほど各国の法体系がそれぞれあるという御答弁もございました。そしてまた、各国によっていろいろな、例えば公務員の定義一つとりましても各国によって随分違ってくるわけでございます。いわゆる外国公務員の範囲とか各当事国の公務員の範囲が一致しないときに、例えば日本企業が公務員じゃないと思ってやったのも、ひょっとしたら公務員だったということもあり得るわけであります。
 特に日本の場合は、例えばこういうことが起こり得る可能性の高い、いわゆる発展途上国と申しますか、そういうところとのつき合いが、ほかの先進国から比べると、ほかの先進国は例えば昔宗主国であったとか、それからあるいは従来より情報網というのを極めて完備しているとかそういうことがあるわけでありますが、日本の場合にはまだまだ、今回のいわゆる北朝鮮のミサイル発射を見てもわかりますように、非常に情報網を含めてまだまだ完備が行き届いていないわけでございます。
 そこで、まず一つ最初に質問申し上げますが、外国公務員の定義というのは、もちろん条約の方では第一条の四その他で定義がされておりますが、その外国公務員の定義につきまして、外国の議員、官僚、裁判官ということがございました。委任機関、特殊法人の職員、国が支配権を持つ企業の従業員、ただ、これはNTTやフランスの国営自動車メーカーのように一般の民間企業と同等の条件で競争している企業は含まないというふうになっております。このように、日本の場合、NTTのように特にここは含まないというようなことがあったらきちんと御答弁いただきたい。
 それからさらには、これは同じく外務委員会でございますが、外国の政党職員についてどう考えるかというのがございました。その政党職員につきましては、これは小渕総理が外務大臣だった当時でございますが、政党の法的な厳密な定義がなかなか困難なゆえをもちまして、慎重な対応が必要と考えられている、だから、OECD等においての政党に対しての本条約の適用というようなことについては、いろいろな論議をひとつ注目をしながら今後検討してまいりたい、このように考えておりますという、私にはよくわからない答弁があったわけでございます。
 外国公務員の定義、二つございまして、一つは政党職員というのを今どのように検討しておられるのか、それから、今申し上げたNTTのようなものは含まないというようなただし書きがあったわけでございますけれども、特にこういうのは含まないのだという具体事例がありましたら御答弁をいただきたい。といいますのは、それで日本企業が活動するときにやはり判断を誤るときがございますので、それを明快にしていただきたいと思います。
#18
○江崎政府委員 この法案が適切に運用されますためには、産業界などを中心にしまして十分この法案の内容を理解していただくということが大変大切だというふうに思っております。したがいまして、今御指摘になりましたような問題も含めまして、具体的な事例に即して解釈指針のようなものをつくって公表したいというふうに思っておりますし、また説明会などを開きまして、この法案の成立の経緯とかあるいは内容につきまして、十分産業界に対して周知徹底を図りたいというふうに思います。
 今御指摘のありました問題の、まずNTTの問題ですが、これは我が国の場合は、この法案の定義にございますけれども、独占的な権益を与えられているものではないということでございまして、日本におけるNTTはこれに当たらないのではないかというふうに私どもは考えております。
 いずれにしましても、この公務員の定義に際しましても、私どもの認識では、この法案の第十条の二の二項の一号から五号まで掲げておりますもの、例えば第一のものはいわゆる政府とか自治体の公務員ですけれども、第二号のもの、これは、私どもの考え方では、いわゆる日本でいう特殊法人とか特認法人、こういうものに当たるケースだろうというふうに思いますし、それから第三号のものが、日本でいいます特殊会社に当たるようなもの、こういったものが当たる。ただ、今申し上げたNTTなどは、独占的な権益を与えられていないということでこれに当たらないと思いますけれども、外国でこういうようなケースがあれば、それが三号に当たるということだと思います。それから、四号は国際機関ですし、それから一番最後の五号は、これは日本でいいますと、委任を受けて国のあるいは公的な検査を請け負っているということで、いわゆる指定検査機関のようなもの、こういったものが当たるかというふうに思っております。
 いずれにしましても、こうした具体的な例につきまして、解釈指針などで明らかにしていきたいというふうに思っております。
#19
○島委員 ほかにも、いわゆるファシリテーションペイメンツといいますか、一般的に言うと、そでの下というのですかね一そういうものに対するガイドラインなどにつきましても、どこまでがそうで、例えばOECD贈賄防止条約の概要では、いわゆる従業員や家族を保護するために警察を含めた司法機関職員にちょっとお金を渡すとか、そういうことは除外するのだというようなことがありまして、その辺も聞きたかったのですが、時間の関係がありますので。
 要するに、ガイドラインをきちんとしてもらいまして、それぞれ判断ができやすいような形にしていただきたいと思うわけであります。とりわけ、アメリカというような国は訴訟が非常に多くて、その意味ではそちらが得意な国でございますので、逆に言うと、日本の慣習というのはそういうのがどちらかというと少ないところでございますので、そういう意味では、きちんとしたガイドラインというものをつくっていただきたいことをお願いしたいと思う次第でございます。
 それで、大臣にお聞きするわけでありますが、これからきちんと法律の実効性の確保のためには、OECD等、有効なフォローアップが必要と考えます。今後どのようにされるかにつきまして、大臣にお答えいただきたいと思います。
#20
○与謝野国務大臣 この法律の実効性を確保するためには、各国が、日本と同様、条約と整合的な形で実施法を整備し一運用していくことが不可欠であるということは、先生御承知のとおりでございます。したがいまして、先生御指摘のとおり、このような観点から、条約の国内実施にかかわるフォローアップ作業は重要と私どもは認識をしております。
 フォローアップにつきましては、今後OECDの場で各国の国内実施法の内容、運用状況等について作業を進めていく予定でございまして、通産省としても関係省庁と協力しながらOECDの取り組みに積極的に参加してまいりたい、そのように考えております。
#21
○島委員 最初に私は、平成九年二月二十一日に商工委員会で初質問をさせていただいたという話をしました。その間に三人の大臣がかわったわけでございます。今回の法律によって、先ほど申し上げたように日本全体、日本全体というか世界全体の、中長期的に見れば、すべての企業が贈賄という形でコスト高だった、それを低くするという意味で意味があると私は申し上げたわけでございますけれども、その最初の質問のときに、いわゆるコスト削減ということで公共工事コスト等について質問をさせていただいたわけでございます。
 そのときに、公共工事コスト縮減対策閣僚会議をつくるとか、商慣行調査をしてこれからやっていきますとか、調査をします、調査をしますというような話が出ました。そしてさらに、当時の佐藤通産大臣からは、商慣行というものをどこまで直せるかがポイントだということの答弁もありました。
 その後、三人の大臣がかわったわけでございます。佐藤通産大臣、そして堀内通産大臣、そして今回与謝野通産大臣というわけでございますが、その間に、各大臣ごとに、この商慣行を直し、コストを削減する、どのように対応されるのですかということを私はお聞きしたわけですが、その大臣ごとに一体どこまでそれは進んでいるのかということについてお尋ねをしたいと思います。
#22
○岩田政府委員 お答え申し上げます。
 民間の建設工事に関します資材の調達、流通などに関します商慣行調査につきまして、佐藤元大臣のもとで平成八年の十二月に経済構造の変革と創造のためのプログラムというものが作成されました。そこで商慣行調査を実施するということが決定をされました。これを踏まえまして、平成九年度に、大臣との関係で申し上げれば堀内前大臣の時代でございますが、民間の建設工事における資材の調達ということで、具体的に言えばセメント・生コン及び建設用の鋼材を対象に商慣行の実態調査を、建設省と連携いたしまして実施いたしました。
 現在、その調査結果を関係業界に示しまして、その中には改善をすべき点が明記をされております。したがいまして、この内容をお示しした上で、現在、セメント・生コン及び建設用鋼材の関係業界の中で具体的な改善方策について検討が進められている段階にございます。
 調査自身は本年の五月にまとまりまして、その結果を関係業界に周知をしたところでございます。今後、関係業界の中でのもろもろの検討に即しまして、必要に応じて必要な助言、指導を行っていきたい、こういう段階にあるわけでございます。
#23
○島委員 その二月二十一日の私の初質問のときに、調査はわかります、それは事前にお聞きしております、調査はするは結構でございますけれども、調査をした後、一体どのようにされるのか、それをどうやって取り組んでおられるのかという質問をしたわけであります。要するに、調査して分析して、その結果を出さなければいかぬわけでありますから。
 それで、今のお話の説明を聞いていると、こういう理解でよろしいですか。佐藤通産大臣のときに経済構造改革プログラムに基づいてやると決めた。それで、次の堀内通産大臣のときにとりあえず調査をした。そして、そのとりあえず調査をした上で、今どうするかこうするかということを議論していて、やっと次のときに、与謝野通産大臣のときに結果がとりあえず出る。そういう判断でよろしゅうございますか。
#24
○岩田政府委員 現在、ただいま申し上げましたセメント・生コン、建設用鋼材、それぞれの業界におきまして、関係業界の中で、指摘をされた改善すべき事項についてどのような具体的な対応策があるかを検討されておる状況でございます。
 先生も御案内と思いますが、商慣行問題、いわば古くて新しいと申しましょうか、なかなか難しい、現実問題としての解決がすべて一挙に解決するということにいくかどうかという点はなかなか予断を許さないところがございますが、いずれにせよ、この春以来、関係業界の中でそうした改善の方策について具体的な検討が開始されたということでございます。
#25
○島委員 わかりました。検討は開始したことはわかりました。
 つまり、一つ私が、これはどうなっていますかと、一つの業界について、そういう経済構造改革プログラムでコスト削減の動きをするよと申し上げたときに、一人の大臣が、いわゆる商慣行というものをどこまで直せるかがポイントだと答弁されている。まあ、古くて新しい問題はわかっていますけれども、だからポイントだとおっしゃった。そこで決めて調査をするのが一大臣で、それでこれからやるという、要するに三大臣にわたってやるというふうに私は今理解をいたしました。これでいいのかなというのが私の素朴な疑問であります。
 きょう、特に与謝野大臣に初めての質問をさせていただくという意味で私はお話をしているわけでございますが、大臣の在任期間というのは平均しますと戦後三百日だそうでございます。与謝野大臣は優秀ですからもっと長くされるかもしれませんが、平均しますとそれぐらいだそうでございます。優秀だとされるかもしれませんけれども、平均だと三百日。それで、大臣が一年ぐらいでやると、一つのことをやろうとしましても三つ要る。これを解決するには二つありますね。
 一つは、当然、このシステムというのは、大臣がたった一年でかわるというのは、自民党がつくり上げたシステムだと思います。要するに、できるだけたくさん大臣を輩出するためにどんどん改造をしていく。大臣の任期をなるべく短くして、たくさんの方に、例えば当選六回生以上の方はだれでも大臣ができるようにするということがあるかもしれません。
 憲法を見ましても、大臣の任期というのは余り書いてありません。基本精神から考えたら、幾つかの条文から考えていきますと、多分、衆議院選挙のたびに内閣は総辞職しなくてはいけないという七十条とか、新しい内閣総理大臣を指名しなければならないというのが六十七条の一項にありますから、それぐらいでありますから、できるなら衆議院の選挙から選挙までやるのがいいのだろうと私は思いますが、とはいうものの、それがなかなかすぐにはできないということもわかっております。
 となると、それが一つの方法。これは、私どもは民主党として十分これから考えていくつもりでおります。
 とはいうものの、平均してもちろんそれぐらい、一年ぐらいだというところにおいて、そうなれば一つのことをできるだけスピードアップして結果を出さなくてはいけない。一つの、私が一年生議員で初質問して、やる、大臣はそれがポイントだと言った、それがやっと調査が終わってこれからだ、その間に大臣が三人かわっている。これで果たして通産行政というのが本当にきちんとやっていけるのか。いわゆる国民の声を聞いて国民の声を体現しているのが大臣でありますから、その指導のもとにやっていけるのかどうかということが極めて私は疑問に思うわけでございます。
 そういう意味で、今後ぜひとも通産行政はスピードアップをして、もし本当に平均してそれぐらいならばもっと早くやるということを思っておりますが、その見解に対しまして、与謝野大臣、どう思われますでしょうか。
#26
○与謝野国務大臣 日本の憲法の構造からいいますと、内閣がかわろうが通産大臣がかわりましょうが、日本国政府としてやっておりますことには連続性がなければならないというのは当然でございまして、少しは政策的なニュアンスは変わってはまいりますけれども、政府としては、どの政党が内閣をつくって、ある政策をやっても、後に他の政党の方が内閣総理大臣になっても、内閣としての責任は連続しているということは、私は日本国の憲法の建前であろうと思っております。
 一般的に、政治家のあり方でございますけれども、政治家は、日本全体のことを考えたり世界全体のことを考えるといういわばゼネラリストという側面と、また、自分の得意な政策分野を非常に深く掘り下げて勉強するというスペシャリストという面と、私は二つの側面を今後の政治家は兼ね備えていかなければならないと思っております。
 そういう意味で、先生、三人も通産大臣がかわったから仕事が進まないのではないか、もう少しスピードアップをせよ、こういう御質問それからまた御激励だと思いますが、先生が御指摘になられた以降、通産省はこの問題には一生懸命取り組んでまいりました。大臣が何人かわろうが、先生が最初御指摘になった点は、通産省としては誠心誠意やっておりますので、いずれ、先生の御期待におこたえできるようないろいろな検討がなされるということは、またなされるべきということは当然でございます。
 先生の御指摘は大変重要な点でございますけれども、私どもは、手抜きをせずにきちんと仕事をする、そういう中で行政の連続性を確保していく、そういうことでございますので、御理解をぜひ賜りたいと思っております。
#27
○島委員 時間が来ましたけれども、きょうは初めてでございますので、今後とも厳しく論戦をさせていただくことをお願いしまして、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#28
○古賀委員長 太田昭宏君。
#29
○太田(昭)委員 今回の法改正の背景には、公正な市場の確保、また島さんから今も話のありましたように、アメリカの業界の不満というようなものも背景にあるということが言えると思います。
 そこで、根本的な考え方、思想ということについてまず冒頭お聞きしますが、やはり、公正な市場の確保ということの中で、企業わいろはあしきビジネスだ、自由市場制度の中で製品の販売というのは、価格、サービスあるいは品質、そういうことによって形成されるべきである、企業わいろというのはまさにこの基本原則に反するということが基本思想であろうと思います。この法の全体的な賛否とかそういうことについては、当然のことであろうというふうに思いますが、それゆえに、私は、そういう思想が徹底をされるということは極めて大事であろうというふうに思っております。
 昨年五月のOECD閣僚理事会におきましても、コミュニケで、贈賄が競争を妨げ、貿易を歪曲するんだということを明言しております。まず、今回の法改正の根底にあります思想について確認をしたいと思いますが、私が申し上げたようなことでよろしいでしょうか。
#30
○江崎政府委員 お答えいたします。
 今回の不正競争防止法の改正でございますけれども、今先生御指摘のように、これは、国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約という条約の国内的な実施法として提案をしているわけでございます。
 この条約が、今委員御指摘のように、公正な競争、国際的な商取引における公正な競争の確保を目的にするということになっているわけでございまして、この不正競争防止法というものの法目的というのが、事業者間の公正な競争を確保するということが法目的になっておりまして、その意味で、この法体系で受けるのが一番いいのだということで、不正競争防止法の改正の御提案を申し上げているところでございます。
#31
○太田(昭)委員 そうしますと、贈賄のみに限らないのではないか。条約は贈賄者側のみを対象としているわけですが、収賄側ということについても当然大事なことであろうというふうに思います。それは一体なぜなのか。
 あるいは、国内法で対処ということになると思いますが、問題点と対処の仕方ということについて、どうお考えになっているか。まず贈賄側を規制して、次にというようなお考えなのか、先行してからまた考えていくのか。その辺についてお聞きしたいと思います。
#32
○江崎政府委員 こうしたわいろのような行為を国際商取引においてなくしていこうという場合に、贈賄だけではなくて、その行為が行われる国において、そこの公務員が収賄の取り締まりの対象になるということがあった方がより効果的であるというのは、当然先生の御指摘のとおりだというふうに思っております。
 ただ、国によってはまだこれが、必ずしも収賄というものが法律の処罰の対象になっていないという国が幾つかあるわけでございます。
 したがいまして、この問題につきましては、国連などの場におきまして、収賄の防止が非常に重要であるという認識が、機運が今高まってきておりまして、例えば一九九六年には汚職の防止に関する合意について検討しようというような決議がなされておりますけれども、こうした取り組みが進展するということを私どもも期待をしておりまして、通産省としましても、こうした国際的な場における取り組みに積極的に貢献していきたい、このように思っております。
#33
○太田(昭)委員 そうしますと、それは、具体的に進む方向というものはある程度予測をしているということですか。
#34
○江崎政府委員 公務員の収賄罪というようなものにつきまして、必ずしもその法律上処罰の対象にしていない国がありますけれども、こういう国におきまして、それをその法律上処罰の対象にするというそれぞれの国における国内法が実施されることを、この国連等の活動を通じまして国際的に広げていきたいということでございます。
#35
○太田(昭)委員 贈賄側と収賄側の双方を考えますと、できるだけ世界が同じ思想、土俵の上でこの問題に取り組むことが大事になると思います。そうした観点からも、OECD非加盟国も含めて、多くの国の参加が必要だと思います。これについての働きかけを積極的にやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#36
○岡本政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、我が国としましては、条約の締約国の範囲を拡大することが条約の実効性を高める上で有意義であると考えておりまして、こういう認識は、OECD加盟国の間で共有されております。
 OECDとして、条約の参加国拡大を目指して、条約には参加していない国を対象にしたセミナーの開催等を計画しております。たまたま第一回が、きのう、きょうとアルゼンチンで開かれているわけでございますが、我が国もそれに参加をいたしております。
 こういった形で、我が国といたしましても、OECDの取り組みに積極的に関与をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#37
○太田(昭)委員 そのセミナー等は、どんな規模で、どういう形で今後行われていくという状況なのでしょうか。
#38
○岡本政府委員 第一回のアルゼンチンで開催されておりますのは、米州機構の加盟国の中で今回の条約に加盟していない国を対象にして行われているわけでございますが、OECDの場で、各国とも相談しながら、逐次こういったセミナーの計画、その対象範囲を拡大していくという方向に向けて、我が国としても努力してまいりたいと考えているところでございます。
#39
○太田(昭)委員 公正な市場ということで、せっかく大臣が来られていますからちょっとお話を聞きたいのですけれども、金融ビッグバンというのが行われて、これは不良債権を抱えていて大変早かったのではないかというような声が当初からありましたが、二カ月前ぐらいですか、特にそんな声が出たり。
 昨今私は、どちらかといいますと、金融ビッグバンというもの自体についてはこれは結構かもしれないが、しかし、余りに無防備過ぎた状況の中で行われたのではないかという危惧を持っていまして、まあわきが甘いといいますか、そういうことで、私たちの党でも論議をしまして、この間の金融特などでは、例えば空売り対策であるとか、あるいは銀行株の現物銘柄化ということをした方がいいのではないかとか、風説の流布対策などを初めとする、そうした市場のいわゆる暴走についての対応というようなことが非常に必要じゃないかという議論をし、また質問でもさせていただいたわけなんです。
 あるいは、きのうの新聞ですか一昨日ですか、むしろ、市場の暴走というよりも、市場自体が不完全という方が適切だろうというような論議があったり、きょうの日経新聞等でも、市場というものをどう考えるかというようなことが書かれていたりということなんですが、大臣、せっかくですから、金融ビッグバンについてどうお考えなのか。
 市場の暴走ということで、私の申し上げた空売り対策であるとか、あるいは風説の流布対策であるとか、銀行株の現物銘柄化、一つ一つについてお答えにならなくても結構なんですが、何らかのそういう措置をとらなくてはいけないのではないか。あるいは、市場が不完全であるということの認識を逆に持っていらっしゃるのか。それについて、市場の健全さということからいきますとどうお考えかということについて、非常に今の大きな課題でありますので、お答えいただければと思います。
#40
○与謝野国務大臣 戦後の国際金融の歴史を振り返ってみますと、為替取引というのは原則禁止をされておりまして、原則禁止、例外自由という時代から、今から多分十五年ぐらい前ですが、外国為替法が改正されまして、為替取引は原則自由、例外禁止というふうに思想が変わりました。
 昨年の一月だったと思いますが、橋本前総理が金融ビッグバンというものを打ち出したわけでございます。ビッグバンという言葉自体は、イギリスのサッチャー首相のもとで行われました、いわゆるシティー、ロンドンの証券取引市場を中心とした改革で使われた言葉でございますが、日本で使われた金融ビッグバンというのは、証券取引関係のみならず、銀行を含め、金融関係あらゆるものを含めたものを金融ビッグバンと称したわけでございます。この中には生保、損保ももちろん入ったわけでございます。
 この構想を打ち出した当初から、やや時期尚早ではないかという議論と、いや、こういうふうに国際金融が国境を越えて本当に自由になってきた時代に、やはり日本の市場のルール等々、あるいは銀行、証券、生保、損保、そういうものの間の関係を国際的なルールと整合性のあるものにしよう、これは当然だという議論と、もう一つは、先生が少し御指摘になりましたけれども、不良債権処理で忙しくしている金融機関にビッグバンも同時にやれというのは少し無理があるのではないか。私の友人などは、病気で相当弱っているのにオリンピックに出ろというのはちょっと無理だと言って、私のどころに言ってきた人もいます。
 しかし、日本国政府が日本国政府の方針として決めた以上は、困難も伴いますし大変苦しいわけでございますけれども、これは天下に公約したことですから、ビッグバンというものを進めていかなければならないと私は思っております。これは逆戻りはできない状況になっていると思います。
 そこで、今先生が第二に御指摘になりました市場の問題あるいは短資の問題、投機の問題ですが、これは全く私の個人の見解として聞いていただきたいと思います。
 例えば、マレーシアのマハティール首相がおっしゃっていること、これは短資の攻勢。多分マハティールさんがおっしゃったのはヘッジファンドの話だと思いますが、これが急速に流入する、急速に流出するということによる自国の通貨の変動はもはや耐えがたいところまで来ている、こういうものの、短資の横暴を許してはいけない、こういうことをずっと去年から主張されていて、マレーシアはついにいわばペッグ制、固定相場制を採用しました。
 もちろんこれは国内の問題だけで、貿易の決済等はそうではありませんが、短資が世界じゅうで暴れ回るということによって次々に国の通貨が脅かされるという状況は、本当に放置していいのか、それが市場原理と言えるのかどうかということは、私はやはり世界的に検討すべき段階に来ていると思うわけでございます。
 もちろん、為替相場というのは一国の経済のファンダメンタルズ等によって決まるものですから、それなりに為替の相場は変動するにしても、やはり短資の攻勢によって一国の通貨が危機に陥るということが果たして健全な世界経済の発展に資するかどうかということは、私は大変個人的には考えるべき点かなと実は思っております。
 そして、東京の株式市場の問題ですが、特に今問題になっております点は、幾つか先生は正確に御指摘になったと思いますが、一つは空売りの問題でございます。
 格付機関が格付をして、その直前に相当な空売りが行われているという説もあります。ですから、格付機関というものが世界で幾つかございますけれども、本当にこの格付機関というものは公正中立なものなのかという疑問を市場関係者は非常に強く持っているというふうに私は伺っております。
 したがいまして、東京市場に上場されております株式は、信用取引の対象になっているものと、信用取引の対象になっていないものと、二種類あるわけですから、そういう問題を含めて、日本の株式市場で、売買を通じ、株式の需給を通じて正しい株価形成が行われるということを担保する必要があります。従来は証券監視委員会がやっておりまして、今回は金融監督庁がその監視をやっておりますが、金融監督庁の健闘をひたすら祈りたいと私は思っております。
 それから、風説の流布、仮装売買、いろいろなものが証券取引法上禁止をされております。
 マスコミ等が非常に気をつけていただかなければならないことは、風説とまでは言わなくても、根拠あいまいなことに基づいて記事が書かれますと、それ自体、社会的な影響は甚大でございます。宮澤総理がよく御説明されるように、日本長期信用銀行の危機は一つの雑誌の記事によって始まったとも言われております。そういう意味では、それが風説の流布に当たるかどうかはわかりませんけれども、金融システムというのは大変強いようにも見えた時期もありますけれども、うわさ、風説、こういうものには大変弱い組織であるということも認識しながら、今後金融行政をやっていかなければならないと私は思っておりまして、それは多分、太田先生の御主張に近いものだと思っております。
 しかしながら一方では、東京市場というものは株式、商品その他の金融取引、まだまだ改善すべき点はあると思いますし、きちんと世界の市場と遜色のない市場に成長させていくための努力は、今後は国会も政府も市場関係者もしていかなければならないということも、また先生の御指摘のとおりだと私は考えております。
#41
○太田(昭)委員 問題意識が共有されていると思いますので、ぜひとも大きく、早く推進をしていただきたいというふうに思います。
 先ほど島さんからもありましたが、この法改正を別の角度から見ますと、世界各国による企業監視といいますか、経済監視という問題でもあろうと思います。
 アメリカ企業は、非常にアグレッシブである。日本もかつてはエコノミックアニマルなんということを言われたわけなんですが、どちらかというと、先ほど答弁にもありましたように、まじめで、一たんルールが決まると非常に謹厳実直に実行するという嫌いがあるけれども、それが果たして手を縛り過ぎないのかなというようなこともあるわけですね。
 そこで、互いの国の企業が監視し合って情報戦になるかもしれない。私は、あからさまに言わない方がいいと思ってあえてこういうぐらいの表現にとどめているわけなんですが、問題は、日本はそうした経済監視活動に疎いのではないかと私には思えてならないのですが、他の国に比して、こうした観点から日本の企業にとって不都合になるということはないのかどうか、このことについてお答えをいただきたいと思います。
#42
○江崎政府委員 先生御指摘の、今回のこの条約とかあるいは国内法によりまして日本企業だけが特に不利になるのではないかという御懸念でございますけれども、これは、私どももこの法案の立法作業、あるいは法律ができました場合の運用に際しまして常に留意すべき点だというふうに思っております。
 ただ、現状を見ますと、アメリカにおきましては、御案内のように一九七七年に海外腐敗行為防止法というのが制定されまして、アメリカ企業の外国公務員への不正利益の供与の防止に非常に積極的に取り組んできておりまして、現在までに二十数件の立件を行っているというふうに聞いておりますし、欧州におきましても、OECDの議論の場のほかに、欧州委員会などにおきましても同様の検討が真摯に行われております。
 こうした動きを受けまして、現在、欧米におきまして、自国の企業を取り締まるための国内法の手当てというのを行っておりまして、これは、先ほど来の議論にもありましたけれども、条約にかなり構成要件等が明確に書いてありまして、これに沿って国内の立法作業を行っております。したがいまして、今回御提案しておりますこの国内法によりまして我が国だけが一方的に不利になるということはないのではないかというふうに考えております。
 それからさらに、各国の実施状況につきまして条約上フォローアップをするということが明記をされております。したがいまして、もし万一、条約の実施に当たりまして著しくアンバランスのようなことが生じる場合には、フォローアップにおきましてこれを是正するということも考えていきた
 いというふうに思っております。
#43
○太田(昭)委員 自国の企業監視はいいのですが、他国の企業監視ということに相当行くのではないかということについて、もう一遍お答えください。
#44
○江崎政府委員 この点につきましては、条約の加盟国等におきまして捜査協力等が行われることになっておりますので、日本だけの情報ということではなくて、加盟国全体によりまして、こうした情報の交換等を通じまして有効な法律の運用を図っていきたいというふうに思っております。
#45
○太田(昭)委員 バックグラウンドの整地というのが、商慣行がばらばらでありますから、私は非常に大事な点になろうというふうに思います。商慣行あるいは文化の大きな違いの中での取引ですから、その辺のバックグラウンドの整地作業や理解させる作業ということについてしっかり通産省としても取り組んでいかないと、なかなか企業としても言いたいことが言えないのではないかと思いますが、その辺はいかがですか。
#46
○岡本政府委員 先生御指摘のように、この条約あるいは国内実施のための本法の運用に当たりまして、私ども、解釈指針をつくり、今後はこういうふうにしていただかなければなりませんというようなことを大企業はもとより広く産業界に解釈指針というような形でお示しをし、あるいはいろいろな形での説明会というようなものを繰り返す中で、これから企業の商慣習、ビヘービアというものの見直しに向けて適切な指導、啓蒙をしてまいりたいというふうに考えております。
#47
○太田(昭)委員 要するに、統一基準というのは現実には非常に、同じ言葉を使っても日本語に置きかえればニュアンスは当然違ってくるというようなことで、この辺は大変苦労することだと思いますが、そうしたことも含めた統一基準の準備ということが私は非常に大事だと思います。
 犯罪の構成要件や運用や罰則等を各国の国内実施法に任せて好きなようにやらせるということは、商売への影響も国によって異なるということになるわけで、不公平になると思いますが、この辺の統一基準ということについて、まあ確保しておりますというお答えになるのかと思いますが、私の質問するところをよく含んでお答えください。
#48
○岡本政府委員 法律の内容、それからその運用の状況につきまして、先ほど江崎局長もお答え申し上げましたが、OECDの場でこれから各国が相談をしていくということになっておりまして、条約そのもので外形的な構成要件は決まり、それを受けて各国が国内実施法を逐次準備いたしているところですが、先生の御指摘は多分すぐれて、実際の運用の段階で各国がほぼ同じような考え方のもとに法律を適用していくのか、その点でいたずらなディスアドバンテージを日本の企業がこうむるというようなことがないようにという御懸念かと思います。
 OECDのフォローアップというのがまさに、最初は法律の中身、どういうものを各国準備したかということを確認し合い、その上で逐次運用の状況についても各国が情報を出し合いながらフォローアップをやっていくということになっておりますので、私ども、日本はもちろんですが、各国の運用が一定の整合性をとれた形での運用がなされるように、そういう中でしっかりした対応をしてまいりたいと考えております。
#49
○太田(昭)委員 きょうはせっかくの時間をいただきましたので、前通常国会の一番焦点でありました、大店法の廃止に伴って町づくり三法を審議したわけなんですが、この三法の意味するところは、共同体意識に立っての町づくりというものを、各省庁結束して、同じ思想のもとで展開するということにあろうというふうに私は思いますが、それが附帯決議等にも盛り込まれているというわけです。
 中心市街地活性化法が七月下旬に施行され、改正都市計画法も十一月末に施行ということになっている。立地法については、二年後の施行に向けて、今後、第四条の指針づくりということについてこれが本格化するのではないかというふうに思いますので、ちょっとこれについて最後に若干の時間をちょうだいして質問したいと思います。
 初めに、指針の今後の検討の進め方について。まず、スケジュールはどう考えているのか。そして、前国会において私も質問をいたしまして、堀内前通産大臣から、審議会等の開催等で議論をするということも答弁をいただいているわけですが、その辺についてはどういう段取りになっているか。具体的な見解をお伺いしたいと思います。
#50
○岩田政府委員 お答えを申し上げます。
 まず、スケジュールでございますが、指針の作成につきまして、おおむね来年の中ごろをめどに策定、公表に至りたい、このように考えております。これは、その後の関係者に対する周知期間をも考慮しまして、来年の中ごろ以降、大体一年間ぐらいを使って関係者の間に周知を図る、その意味で来年の中ごろまでには策定をしたいということでございます。
 指針の策定の作業でございますが、現在、基礎的な実態調査というようなものの準備作業も進めているところでございます。御指摘のとおり、この作成につきましては関係者の御意見を幅広く聴取することが必要だと考えておりまして、その一環といたしまして、審議会あるいは委員会というような、専門家あるいは識者で構成されるそうした場も設置をするということも、一つの作成のプロセスとして検討したいと考えております。
 検討委員会を立ち上げるべき時期についてまだ確定をいたしておりませんが、できるだけ早くこの基礎的な調査を終了いたし、その解析を終了して、その上で委員会あるいは審議会というような場での検討に移りたい、このように考えておるところでございます。
#51
○太田(昭)委員 指針の策定に当たっては、この法律が広義の生活環境の保持、住民利便の確保ということを目的にするということで、私も生活環境概念ということについてここで相当議論をさせていただきました。この辺が確認をされて推進をされているのかどうかということについて大変懸念をしているわけなのですが、交通問題とかごみ問題等の狭義のものに進んでいるのではないかというようなことを危惧するわけですが、町づくりの観点からどのような事項を指針に盛り込んでいくつもりなのか、具体的な今の作業状況等について御報告をいただきたいと思います。
#52
○岩田政府委員 生活環境の問題につきましては、法案審議の過程でも御議論をいただいたところでございます。
 その問題につきましてでございますが、一方で、町づくりという概念は、これも法案審議の過程で御議論をさせていただいたところでございますが、大変広範な概念を含むということでございまして、全体として、今先生から町づくり三法というようなお言葉をいただいたわけでございますが、都市計画法の改正でございますとか、あるいは中心市街地法といったようなものの全体の中でこうした町づくりを推進するというのが私どもの提案の趣旨であったわけでございます。
 その意味において、町づくりの問題をすべて大店立地法で対応するということは可能でない事項があるかと思いますが、一方で、この法律の趣旨に照らしまして、適切な事項についてはそうしたいわゆる町づくりと言われるものの一部と申しますか、その一翼をこの法律が担うということも同時に必要であろうということでございます。
 現在、先ほど実態調査をしていると申し上げたわけでございますが、この実態調査の中から、具体的に大型店の出店というものが、その周辺のいわゆるいろいろな意味での町づくりというものとの関係がどのようになっているかということも、当然視野に入っておるわけでございます。その上で、具体的な、近い将来に検討委員会のある場を設けて、識者あるいは専門家の方々にも、そうした観点からこの法律が担うべき事項としてどのようなことが盛り込み得るか、また適切なのかという点について御審議をいただきたい、このように思っているところでございます。
 現在は、そうしたものの御判断をいただくための基礎的な材料をいろいろと集めて解析をしている、こういう状況でございます。
#53
○太田(昭)委員 町づくり三法の論議の中でもありましたが、郊外誘導というものを来すのではないかということが言われて、また最近もそういうことを心配する向きがあるのですが、これについてはいかがですか。
#54
○岩田政府委員 お答えを申し上げます。
 大店立地法につきましては、まさに御案内のとおり生活環境上の問題を扱うわけでございまして、大型店の規模ですとか業態ですとか、あるいは立地環境がどうなっているかというようなことで、さまざまな事情が異なるわけでございまして、必ずしも郊外立地が有利であって、これを誘導するということになるとは私どもも考えておりませんし、立法の意図としてもそのようなことはもちろんないことは既に法案審議のプロセスでも御説明をさせていただいたところでございますが、同時に一方で、郊外立地というものについて、地域によりましてこれに一定の懸念と申しましょうか、そういうものがある、存在することも、これまた事実でございます。
 そのような郊外立地を含めた、郊外に限らず、一定のエリアと申しましょうか、そういうものの立地についてどう考えるかということは、結局のところ決め手になるのは土地利用の問題ということになるわけでございまして、これも法案審議のプロセスで御答弁させていただいたところでございますが、そうした立地の適否あるいは土地利用の問題という意味合いにおきましては、やはり改正都市計画法の活用も含めまして、いわゆるゾーニングの手法ということで対応をされ、その上でまた大店立地法によって周辺の環境との調整というものも図る。この両方をあわせ活用するということが、これがまさに地域地域の取り組みとして今後期待されるところではないかというふうに考えておるところでございます。
#55
○太田(昭)委員 大臣、今私がずっと立地法について、町づくり三法について言ってきたのですが、この指針づくりとか附帯決議をつけた内容とかいうことが極めて大事な要素になってきておりまして、法律が通過をしたのですが、その指針の内容とか事項とかあるいは解釈とかさまざまなこと以上に、これは通産省に任せられているわけなのですが、ぜひともその辺については趣旨というものをよく把握した上で指針づくりを初めとするものについてお願いをしたいということを、最後にお願いをしておきますので、一言だけ御答弁をお願いします。
#56
○与謝野国務大臣 大店法が改正されるまでのいきさつは、もう先生御承知なので、これは繰り返しません。
 これは各県がいろいろな御判断をされることになるわけですが、それの指針については通産省あるいは中小企業庁全体で物事を判断していくということでございますが、そういう中では、町づくりとの調和あるいは中小企業の問題、万般考えまして、県が適正な判断をできるように、また、先生が御指摘になられましたように、この大店法改正については真剣な討議が委員会でなされ、また附帯決議も付されているわけでございますから、そういう精神をも生かして指針をつくっていくということは当然のことであると私どもは考えております。
#57
○太田(昭)委員 終わります。
#58
○古賀委員長 次に、小池百合子君。
#59
○小池委員 自由党の小池百合子でございます。
 与謝野新大臣にとりましては、実質的な初めての商工委員会の御答弁だと思います。先ほどから今回の法案についての御質問、各委員から出ております。共通の部分もございますので、まずは大くくりのところから少々大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今回の法案もそうなのですが、米国で動きが始まって、それがいつの間にか国際的なルールに広がっていくということ、今回の法案もその一例ではないかと思います。だからだめだということではございませんで、やはり公正な、そして透明な取引というのが世界の市場に求められているということは事実だと思います。
 そこで、昨今あちこちのメディアでもこの言葉が躍っているわけでございますが、数年前はたしかデファクトスタンダードという言葉が使われていた、つまり事実上の基準という言葉が使われておりましたが、最近はすっかりグローバルスタンダードという言葉に取ってかわられております。そして、それはすなわち、多くのメディア、そして多くの方々の意識の中で、アングロサクソンのシステムではないかというようなことで、そしてまたそれはアメリカンスタンダードではないかというような、そういう考え方が底流にもはやでき上がっているのではないかと思うわけでございます。
 そこで、大臣にとって、このグローバルスタンダードの考え方について、またどういうことをイメージしておられるのか、さらにはそれを踏まえて、今後の我が国としての通商政策であるとか、そして産業政策であるとか、そういったものをどのようにして構築していかれようとしておられるのか、御所見を伺いたいと思います。
#60
○与謝野国務大臣 第二次世界大戦が終わりましたときに、世界じゅうの方が、なぜこの戦争は起こったのだろうかということを反省をしたのだろうと思うわけでございます。
 そういう中で、一番大きな考え方は、やはり経済がブロック化して排他的な経済圏ができた、そういうことが一つの原因であって、またもう一つは、国際的な決済システムが完全ではなかった。そのような反省の上に立って、IMFの体制もでき、またガットの体制もできた。これは私は多分、グローバルスタンダードというのか、グローバルな通商と金融に関する最初のルールづくりがそこで行われたと思うわけです。
 ただ、そういう体制も例外がたくさんあって、各国のそれぞれの事情によって例外が大変多いので、必ずしもこれは世界的なスタンダードにはなっていないという反省のもとで、多分WTOにそれが進んでいったのだろうと私は思っております。
 ところが、今の日本を見てみますと、実は人の移動も国際的に自由、物もお金もすべて自由になっておりますから、そういう場合にはやはり、まず税制から申しますと、例えば法人税などは、世界の水準とかけ離れたような水準の法人税を課するということは経済活動に対する中立性を税制が失うという意味では、これは法人税などは先進諸国間である一定の幅の中におさまっていかざるを得ない。そういう意味では、これをグローバルスタンダードと私は呼んでもいいのではないかと思いますし、また、国境なき経済がどんどん広がっている状況の中では税制もまた例外ではなく、ある種の幅の中におさまっていかざるを得ない、そういう傾向は今の国際経済の中に出てきていると思います。
 そこで、今先生が御指摘になられましたのは多分、デファクトスタンダードであったものが、押しつけがましく、このルールをのめ、あのルールをのめと言われるとしたら、それは少々愉快なことではないよという気持ちを持っておられる方が日本の国内にもおられるということは私は否定をいたしません。
 しかし、金融の取引のように瞬時に世界と取引ができる、あるいは二十四時間順繰りに、ニューヨークがあき、東京があき、シンガポールがあき、ロンドンがあきといって二十四時間取引されているような金融商品等については、やはり同じようなルールで取引されるということが今求められていると私は思っております。
 グローバルスタンダードを称してアングロサクソンスタンダード、あるいはアメリカンスタンダードと言う方がおられますが、そういう名前によってそれらのスタンダードを評価するということではなくて、やはりそういうスタンダードが果たして世界の共通の標準となり得るものであるかどうかという客観的、合理的な判断をしながら、そのスタンダードについての日本の評価を決めていく、私は、そのような作業と申しますか、理性的な判断が必要であると思っております。
 ただ、日本には日本の長い歴史の中ではぐくまれてきたいろいろな社会的慣行もありますし、商慣行もありますので、それまで捨てる必要はなくて、日本のよきものはよき伝統として残しておくということが我々の後世の世代に対するまた責任でもある、私はそのように考えてその言葉を解釈をしております。
#61
○小池委員 今大臣の御解釈を伺ったわけでございますが、すべからくアメリカンスタンダード、アメリカが強いという状況ではもちろんございませんで、分野分野によってそれはまだら模様であるかと思います。ただ、重要な部分、基幹の部分において、アメリカンスタンダードという名のグローバルスタンダード、どっちがどっちかわかりませんが、それが非常に今大きなトレンド、大きな波をつくっていることは事実かと思います。
 そして、それはただ一朝一夕、そしてその部分だけにぽこつとグローバルスタンダードという名のアメリカ支配が起こっているのではなくて、私が思いますには、やはりアメリカには、世界をグローバルスタンダードという名のアメリカンスタンダードに持っていくいろいろな多層的、多重的構造が、既にいろいろな意味で、これは意識的に、もしくは無意識のうちにできた、そういうシステムがあるのではないかと思うのですね。
 ですから、グローバルスタンダードにこれから日本がどのようにして共生していくのか、いや、日本がこれからグローバルスタンダードを引っ張っていくんだというふうに思うときに、やはりその一面だけではなくて、いろいろな多構造を考えていかなければならないのではないかと思うわけでございます。
 もっと具体的に申しますと、例えば今回の不正競争防止法に関連いたしまして、アメリカの場合は、ODA等はちょっと今回のビジネスとは若干違う部分もあるかとは思いますけれども、NGOが非常に発達をしていて、海外経済援助協力などの分野においてもNGOの活動というのが非常に多層構造をつくって、それが情報を本国の方に持っていく。
 例えばインドネシアの例でいきますと、スハルト政権だけにどっぷりと、ある意味では我が国というのはそちらにかなりの比重をかけてやっていた。一方で、アメリカも、そうはしつつも、いわゆる人権というような面で対抗する方の組織をバックアップしていたということで、そこからいろいろな情報が入ってきて、アミン・ライスはデモには参加しないであるとか、これはむしろ情報の方に入ってしまうわけでございますが、そういう意味で、国家としての、全体としての、NGOそのものは国家のためにやっているわけでは決してないわけですし、だからこそNGOというわけでございますが、いろいろな多層的な構造が、アメリカの場合、現時点でうらやましいぐらいに効果を出しているというふうにも思うわけなんですね。ですから、今回の不正競争防止法の改正につきましても、この一部分だけではなくてもっと全体的に考えて、そしてそのバックアップシステムというのをしっかりと構築しないと、現実に世界はすさまじい競争をしている、そしてわいろがまかり通っている国というのは残念ながらまだまだおびただしくある、そういった中で日本のビジネスが活動していく場合に、さて、この不正競争防止法で改正をいたしましたよ、日本もさあやりなさいといったときに、ある意味でアメリカの方ははっきり申し上げてダブルスタンダードの国でございますから、そこでバックアップの体制があるのにもかかわらず、日本だけがまた、ああやはり日本というのはずる賢いんだというような、ステレオタイプに訴えかけるようなイメージがさらに強化されて、結局、この防止法のもとにおいて日本にとって不利な状況が出てくるということはまずいのではないかというふうに思うわけでございます。
 そういった点で、グローバルスタンダード、もしくはこれからのあるべき国際競争原理というものを、これはもちろん当然なすべきことではございますが、そういった多重構造でもって日本の海外における活動などを支えていく必要があると私は思うのでございますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#62
○与謝野国務大臣 日本国政府は一つしかございませんから、政府が多重構造で海外で活動するということは、多分理屈の上ではあり得ないのだろうと思います。
 ただ、アメリカは非常に各方面で世界じゅうに大変な人脈を持っておりまして、そういう意味では、日本が到底及びもつかないだけの人間関係や、あるいは自然にアメリカに入ってくるいろいろな情報という源を持っているということは先生御指摘のとおりでございます。
 ただ、日本も大変優秀な民間会社がたくさんおりまして、そういう人たちが、不正なことを行わないで日本の製品をきちんと海外に売り込んでいくという努力はずっと続けてきております。そういう意味では、アメリカにはない、日本の商社とかあるいは海外に行っている企業というのは、むしろ政府が持たないたくさんの情報を持って、非常に力強い企業活動をやっている。
 何もそれは、世界に後ろ指を指されるようなことをやってそういうことをやっているのではなくて、長年それぞれの国の方々と非常に深い人間関係を持ち、信頼関係を持ちながら、日本の国際競争力を持った商品を売り込んできているわけでございますから、こういう法律によって日本が著しく不利な立場になるとか、あるいは競争に負けていくということは、全く想像はできないと思っております。
 ただ、今インドネシアの情勢等を先生お話しになりましたが、実はインターネットというシステムがございますから、インドネシアにおられる日本人の方々は極めて正確にインドネシアの状況をインターネットを通じて日本の方に送ってきていたということも、先生は多分御存じだと思います。
#63
○小池委員 今、情報の話も最後に出ました。
 世界が、冷戦構造が終わりまして、そしていわゆる中央情報局、アメリカのCIAが、これまでの安全保障という概念をさらにある意味で広げて、経済をそのテーマにするというふうにシフトしたことは大臣も御存じだと思います。CIAだけではなく、国家安全保障局、NSAという機関がワシントンのすぐそばの米軍のミード基地にあるのも御存じだと思います。
 昨今は、テポドンのミサイル発射以来、我が国でも偵察衛星、監視衛星を持つべきだというような議論が今盛んに行われております。そしてまた、それは多機能のものであった方がいいのではないかなどといったような議論も行われているようではございます。
 先ほどのCIA、そしてNSA。特にNSAなどは、あらゆる通信を傍受する機能をハイテクを駆使して持っている。そして、それはもちろん解読し分析し、それをあらゆるところに生かす。これは同盟国や友好国の企業のスパイはしないということはうたっているものの、何でもとる機能はあるわけですね。
 現実に、企業の方に伺いますと、大事な書類ほどマル秘という判こは押さない、わざわざこれは大切ですよというのを教えてあげるようなことになるわけだからというようなことでございますし、また通産省におかれましては、日米自動車摩擦の際に電話の盗聴などについては当事者であられまして、これについては対応策を既にしっかりと練っておられると期待をするところでございます。
 私が先ほど申し上げたのは、NGOしかり、そしてこの通信傍受、これがいいとは申しませんが、相手がやっていてこちらの日本側が、もうもともとスパイ天国と言われているところで、手のうちを全部わかっているというような状況の中で、今回のこの不正防止法なり今後のその国際的な運用が起こってきた場合に、こちらは材料がない、相手は材料がある。さあ、これはどうだなどということを示された場合に、バーゲニングのあれが全くないわけなのですね。
 ですからこれは、この防止法ができて、そしてその後運用されても、日本が丸腰でいくというのは、日本の産業、企業にとってやはり心もとないことなのではないかと思うのでございますが、大
 臣のお考えはいかがでしょうか。
#64
○与謝野国務大臣 今の時代は、やはり情報というのは非常に有力な武器でございまして、情報を持っているかどうかということで勝負が決まってしまう場面があるというのは先生の御指摘のとおりでございます。
 日本は平和国家として歩んでまいりましたから、国際的な諜報機関というような考え方はもとよりとれないわけでございますが、世界じゅうのあらゆるフォーマルな情報、インフォーマルな情報というものをよくキャッチする仕組みをつくれということが仮に先生の御指摘であったとしたら、やはり、我々は平和国家ではあるけれども、いろいろな地域、いろいろな場面で何が行われているかということをよく知っておかなければ日本の立場を守れないということは、先生の御指摘のとおりだと私は思っております。
 そこで、いろいろな法律の体系がございますが、一つは法務委員会で議論しております組織犯罪対策法というものも、通信傍受という部分で今各党で真剣な議論をしております。
 もう一つ、先生の御質問の中に重要な点があったと思いますのは、日本には室内盗聴を禁止する法律が実はありません。室内盗聴というのは、何も壁に耳を当てて人の話を聞くというのではなくて、機械をその部屋に備えつけて外で会議の様子を聞いたりするということでございまして、これは国会でも大いに議論していただきたいのですが、大事な企業情報等が、そういう室内盗聴の方法というのは数限りなくあって、秋葉原でも公然とそういう機械が売られている。そういうものに対して日本の社会がどういう防御をしていくかということも、これから国会の中で皆様方に考えていただかないと。
 また、過激派が、先般、押収をしましたら一万四千本かぎを持っていて、一万四千本のかぎを持っていると日本国じゅうのどこのオフィスにも入れる。そんなような無防備な状況というのは果たして社会としていいのかという問題は、国会でこれから皆様方に真剣に議論をしていただく大事なテーマであるというふうに私は思っております。
#65
○小池委員 私は、先ほどの産業の話、ビジネスの話もございましたが、やはり国家として何を最も優先して守るべきかということ、これが真剣に討議されてこなかった、これについては国会自体も本当に反省すべきところではないかと思っております。
 それで、その意味では、日本は極めて丸腰。そしてまた、ある意味ではアメリカの方が、日本のことを棚に上げて、例えば政官財のトライアングル云々が日本で問題視されてまいりましたけれども、そしてまた、かつてジャパン・インク、日本株式会社というふうに世界の脅威としての存在と言われておりましたが、私は、アメリカこそUSインクでやっているのではないかとしばしば思うわけでございます。
 かつて、ブラウン長官、商務長官でしたでしょうか、ボスニアかどこかで飛行機事故で亡くなつた。あの人は馬でしたっけ、ちょっとわからなくなっちゃった。たしかブラウン長官だと思うのですが、あのとき、亡くなったときも、アメリカの財界の重鎮が同乗していて、それはもちろんたまたま乗り合わせたのではなくて、アメリカから、せえので一緒に行って、そしてあの混乱の中での商機を探しに行くというようなことも堂々とやっているわけです。そしてまた、今回のクリントン大統領の中国訪問でも、千人規模のビジネスマンがついていくというようなことが堂々と行われている。
 だから一緒に日本もやれと言っているのではございません。むしろその辺のところは、アメリカの方に、それはちょっとUSインク、やり過ぎじゃないですかというぐらいことを言うべきではないかというふうにも思うわけでございます。あともう一つ思い出すならば、ブッシュ大統領が日本に来られて、宮澤さんの足元に転げ落ちたあのときも、たしかアメリカから何十人ものビジネスの代表団が一緒にくっついてきたというのも、私の記憶にあるところでございます。
 いずれにいたしましても、日本はある意味では余りにもナイーブ過ぎるというふうにも私は思う。そして、日本は本音と建前の国だというけれども、実はそれ以上の国は幾らでもある。その中でどう立ち向かっていくのか。だけれども、そのときにはやはり日本は、今回のは外国公務員を対象にしているわけでございますが、その前に防衛庁の天下りの問題で、これは外国公務員ではなくて、我が国公務員の問題こそむしろはっきりとさせていかなければならない。人のことは余り言えないのではないかというようにも思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、そろそろ十二歳から卒業して次の段階に行かなければ、いわゆるグローバルスタンダードで日本は本当にひどい目に遭うことだって考えられないこともない。そして、今回の金融問題で、本来は世界のグローバルスタンダードとして立派にやっている企業でさえ、もたついてきている。例えば日立さんなんかも、このところ非常に、マイナスの要因、年金資金なども含めてですけれども出てきている。ですから本当に、ここだけは、日本の最後のとりでというところでさえ、今のままでいってしまいますと失ってしまうのではないかというような危惧があるわけでございます。
 時間がなくなりましたので、これについての大臣の御答弁は結構でございますが、法案の中身で幾つかお聞きしておきたいと思います。
 これまでの話は、すべて相手国が、特にLLDCなどの場合は、政府の組織そのものが未熟であったり、それから野党勢力がなかったり、マスコミが育っていなかったり等々で、わいろがはびこってしまう。そういう国が存在するということがまず基盤となって、そして今回の法律、条約の各加盟国がどのようにして対処していくかということでございますが、今後もまさに日本がグローバルスタンダードをつくれるぐらいの公平、公明正大な、そして技術、ビジネスの商品で、もしくはソフトで勝ち抜くという土壌がつくれることを私も願っている一人でございます。
 ただ、一方で、大臣も幼少のときにお過ごしになりました、そして私が学生時代に過ごしたエジプトなどは、給料のほかに、バクシーシというのは、これは一種の収入の一つの財源として、もらう方ももう入ってしまっているのですね。ですから、彼らの意識が今後変わるようなそういった努力を、今回の条約を批准する各国がそろってできればいいかとは思うのでございます。
 それで、実際にこの条約の適用が始まりましても、外国公務員という概念、これは各国でまた受け取り方が違うと先ほどから各委員も御指摘なさっておられますが、公務員という形ではなくて、例えば部族の長などというのは公務員でも何でもないわけなんですね。こういう場合はここの規定ではどういうふうに受けとめられるのか。単にそれは入りませんよというだけなのか。それについて伺います。
#66
○江崎政府委員 今度御提案しております改正案の十条の二というところに、公務員のカテゴリーを五つに分けて定義をしているわけでございますけれども、今御指摘の部族の長あるいは王族といった実力者の方についてどう扱うかという問題ですけれども、こうした方々が先ほどの五つのカテゴリーのどれかに当たるという場合には、もちろんこの法律の処罰の対象になります。
 それから、それに当たらない場合でも、実質的に公務員に利益を供与したのと同じような場合、例えば王族の家族が公務員だ、その王族と家族が同一の家計で生計を立てている、ちょっと王族に生計というのはおかしいのですが、同一の家計で生活をしている。その場合に、公務員でない部族とか王族の方に利益を供与したという場合でも、実質的ということで処罰の対象になると思うのです。
 ただ、全くいずれにも当たらない、つまり、公務員の官職にもついていないし、それから今申し上げた例にも当たらないという場合ですと、単に実力のある部族だとか王族だからといって、その人に何か利益を供与しても、ちょっとこの法律で対応するのは難しいのではないかというように思います。
 いずれにしても、個別のケースに即して公務員に該当するかどうかを認定されるということになろうかと思います。
#67
○小池委員 それから、運用が始まった後のフォローアップの件も含むわけでございます。これは、OECDでもってお互いに監視をし合うということかと思います。
 それから、ドイツやフランスなどはたしか、わいろは営業経費として損金算入を認めていたはずでございますが、これはこの後どうなったのか。
 それから、今回の日本の場合、罰金が法人三億円以下ということでございますけれども、これは日本の刑法の体系に一体なじむのかどうか。
 最初の質問は結構です。後の二つ、ドイツ、フランスの場合、そして罰金が体系になじむのかどうか、お答えください。
#68
○岡本政府委員 損金算入の点でございますが、贈賄についての損金算入につきまして、九六年にOECD閣僚理事会における勧告がございまして、損金算入を認めないように各国整備するということが求められておりまして、日本の場合には従来から損金算入は認めておりませんが、今御指摘のありましたような国におきましても、理事会勧告を踏まえての適切な対応が行われるものと期待しております。
 今度の条約で、わいろそのものの構成要件というのは条約の中で明確に定められておりますので、その点での各国の足並みというのはそろうことになろうかと思いますが、税の扱いにつきましては、先ほど申しました理事会勧告を踏まえての各国の適切な対応を期待しているところでございます。
 第二の点につきましては、あるいは法務省からお答えいただいた方が適当かもしれませんが、私ども、従来の日本における贈賄の量刑と、それから今度の条約で、不正な利益の供与によって営業上の利益を得たというような人に対して十分な金銭的な制裁というものが科されるように措置すべしという、そういう条約の趣旨も勘案をして、御提案申し上げているような量刑にした次第でございます。
#69
○松尾政府委員 罰金の点でございますが、個人に対する三百万円、これはさておきまして、法人に対して三億円ということでございます。これは現在の罰金の体系の中では最高の部類に属するもの、こういうことでございます。
#70
○小池委員 主な質問は終わりました。
 それで、最後、これはお答えは文書ででもいただければと思うのですが、十条の二に関して、例外規定のところがございますね。例えばエージェントを使った場合にはどうなるのかということなんですが、議員にとって一番わかりやすいのは選挙違反の連座制ですね。秘書がというか、スタッフとしてわかっていてやったのか、勝手にやっていたのかという、その辺のところはどういう解釈をしておられるのか。
 短いお答えでしたら今、長ければ書面でお願いいたします。
#71
○松尾政府委員 時間の関係がありますので、非常にラフな言い方をさせていただきますと、現地でわいろを贈ったというケースで、その犯罪行為が一部でも日本にかかわってくることが前提ではございますが、これがどう処罰の対象になるのかということにつきましては、若干誤解が生まれるかもしれませんがラフな言い方をさせていただくと、主役はどちらかということだろうと思います。
 現地の法人なりあるいは個人がわいろを贈った、それのアシストを我が国の企業のしかるべき者がしたということになりますと、これは処罰対象外ということになります。主役が我が国の企業である、向こうに指示をしたというふうなことでありますと、共謀が日本の国内でありますので、これは処罰対象になるということで御理解いただきたいと思います。
#72
○小池委員 ありがとうございました。
#73
○古賀委員長 吉井英勝君。
#74
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 国内の取引であれ、国際的な取引であれ、入札、契約をめぐって曇りのないものにする、公正なものにしていくということは極めて大事な問題だと思っております。そういう立場から、この法律案について、時間が限られておりますので、順次伺っていきたいと思います。
 行為の主体について、日本企業の海外子会社は不正競争防止法の対象にならないと説明を受けておりますが、海外子会社の行為が日本親会社の意思と資金によるということが立証されれば適用ということになるし、海外子会社の行為が日本親会社の意思と資金によることが立証できない場合にはこれは適用にならない、こういうことなんですが、海外の支社とかあるいは営業所でなくて、海外の子会社が贈賄行為を行って利益を伸ばすと、それは日本の親会社の方も利益を伸ばすという関係にあります。だから、この法律に関しては、法律違反に問われない海外子会社を利用してやっていく、そういうことに道を残すという問題を持っていると思うのですが、この点はどういうふうにお考えですか。
#75
○松尾政府委員 先生の御質問は、事実の設定いかんによっては非常に微妙な問題がある、つまり判断が変わってくるということでございます。
 先ほど小池先生の御質問でも申し上げましたが、いろいろな事実が設定されますが、例えば、現地と我が国の親会社といいましょうか、事実上の連絡がありまして、わいろの供与を行う事実上の指示を日本国内にあります親会社の役員の方が行えば、先ほど主役と申し上げましたけれども、これはこの法律の適用があるということでございます。
 ただ、現地の独自の判断でといいますか、そういうことで行われますと、仮に利益が親会社にある程度帰属した、あるいはその利益も親会社が享受したというような事態ではございましても、こ
の法律の適用としては消極ということになります。
#76
○吉井委員 ですから、親会社の意思とか資金が海外の子会社の方に及んでいるということが立証できれば今おっしゃったとおりなんですよね、しかし、そこが非常に難しいわけですね。
 ですから私は、そういう点で少し見ていきますと、固有名詞を挙げると、別にここが問題だからということを言っているわけじゃないのですが、わかりやすい例ですからちょっと申し上げるのですが、例えばトヨタ自動車の例で見ますと、海外支店、駐在員の事務所は、中国で二つ、台湾、ベトナム二つ、インド、バーレーン、サウジアラビア、イギリスが二つあり、アメリカが一つ、コロンビア、ベネズエラが一つずつで、南アフリカが二つあり、オーストラリア、合計十六支店、営業所があるわけですよ。一方、連結子会社の方は、米国トヨタ自動車販売など、海外子会社で百三社あるわけです。
 そうすると、本社の直接の支店、営業所、駐在員事務所より、むしろ海外子会社の活動が営業成績を伸ばしていく上で非常に大きな意味を持っているわけなんです。
 そこで、子会社が利益を伸ばせば親会社の利益の増加につながる。他の問題をちょっと置いておいて、この点だけははっきりしていると思うのですが、これはそのとおりですね。
#77
○岡本政府委員 ただいまの先生の御指摘は、外国の公務員に対する贈賄の有無ということとは関係なしに、一般論として、海外子会社の利益が上がった場合に、連結で親会社の利益もその分大きくなってくる、その点はお話のとおりだと思います。
#78
○吉井委員 そこで、もう一つ、松下電器産業の例で見ますと、海外支店、駐在員事務所は十七なんです。海外連結子会社は、事業会社で九十七、販売会社で二十六社ですから、合計百二十三社。
 ですから、海外の支店とか駐在員事務所よりも連結子会社に事業活動の上では随分意味があるわけなんですが、その連結子会社が不正競争に当たる贈賄行為を行った場合に、私は、意思と資金が立証できなければということじゃなしに、連結子会社の場合にはこの法律を適用するという立場を考えていくべきだと思うのですが、大臣、やはりこういう点を考えるべきじゃないでしょうか。
#79
○岡本政府委員 先生御案内のように、条約において、場所的な適用範囲に関しまして、まずもって属地主義というものを条約の四条一項で規定をいたしておりまして、他方で、我が国の刑法は、御案内のように、属地主義を原則といたしております。
 そういう事情を考えて、私ども、今般の外国公務員に対する贈賄を禁止するという立法に当たりまして、一部で、刑法の中で殺人その他海外で行われた場合にもひとしく罪を問うという、そういう構成要件というか扱いをしている例もございますが、本件に関しては、条約の一義的な考え方というのが属地主義であり、刑法の属地主義の原則ということの範囲内で対応して差し支えないということで、御提案申し上げているような構成にしているわけでございます。
 ただ、その中においても、先ほど来刑事局長からも御答弁申し上げましたように、日本の国内において謀議が行われるというような場合、そういう場合には、今回の御提案申し上げている法律をもって海外の子会社における実行行為に対して法律を適用するということも可能でございますので、外国公務員に対する贈賄の禁止という条約の趣旨を全うする上に十分かと考えている次第でございます。
#80
○吉井委員 謀議の立証ということをおっしゃったのですが、それはよくわかっているのですよ。それがはっきりすれば簡単な話なんです。こういう法律をつくるからには、実効性あるものにするためにどういうふうな取り組みが大事かということを、私はそこのところを言っているのです。
 それで、例えば、A国という国にある日本の海外子会社が、A国の中じゃなくて、そういう刑法その他の法律にしても贈収賄について甘い国B国において、そのA国の公務員をB国の領土内で例えば贈収賄を行った場合とか、いろいろなことがあり得るわけですね。それは立証していくというのはなかなか難しいのです。しかし、明らかに、この海外子会社が利益を上げれば、これは本社の利益につながっていくわけです。
 ですから私は、連結子会社については、やはりせっかくつくるわけですから、法律を実効性あるものにしていくという、この点では今後引き続き研究をするということをやっていただいた方がいいのじゃないかと思うのですが、この点だけは大臣に少し伺っておきたいと思います。
#81
○与謝野国務大臣 刑罰法規の構成要件というのは非常に厳密なものでございまして、その犯罪に参加していない人間、あるいは実行犯と意思を通じていない人間、そういう無関係な人間を処罰したり、あるいは制裁を加えたりという概念は実は全くございません。そこはそこで遮断されるべきは基本的な人権のことだろうと私は思っております。
 ただ、この問題を選挙の連座制と考える方がおりますが、連座制というのはまた全く別の物の考え方でございまして、そういう関係のない人間を処罰の対象にするということは、刑法の基本的な考え方としては私はあり得ないことだろう、そのように考えております。
#82
○吉井委員 私は、連結子会社について、そこが海外の公務員に対して贈賄事件を起こした場合、これは日本のこの法律によってやはり裁いていくことを考えるべきだというふうに思います。
 次に、「営業上の不正の利益を得るために」のところで、営業上の不正の利益に当たらないとして、通関手続等の通常の行政サービス確保のための利益供与は対象外というふうに説明がされております。しかし、よく考えてみると、これは相手国公務員の方がわいろの多寡によってサービスの差別化を生じ得るという余地があるわけです。
 もう一つの問題としては、条約参加国の中で、外国公務員への贈賄行為に対する扱いの違いがあるのです。
 先ほども少し質問がありましたけれども、例えば一つは、わいろを損金算入してもいいし、同時に国内法でも処罰されない国というのが、ドイツ、フランス、ほかにスイス、オランダがあったと思いますが、そうすると、こういう国々は、相手国で問題にならず、自国でも、わいろを使っても損金算入もあれば処罰の対象にもならない、わいろを多く使って行政サービスを受けるということもできるということになってくるわけですから。
 一方、アメリカの方は、ここは損金算入も認められないし、国内法でも処罰を受けるから、わいろを使わないかわりに、例えば通関手続が後回しにされるとか、相手国の方で受けるサービスが行政上の差別を生み出すようなことになっては、私は、国際的な公正な取引ということを考えたときに、やはりこれは問題があるのじゃないかと思うのですね。
 ですから、たばこ一箱から高額の金品にエスカレートする余地もありますから、やはりこれは対象外としないということと、それから、行政サービスには必要な場合は手数料を支払うなどの取り決めをやって、透明な取引ができるように関係各国の間で話し合いを進めていくという、今後そういう取り組みというものが私は必要じゃないかと思うのですが、この点は大臣に伺っておきたいと思います。
#83
○岡本政府委員 損金算入の点は、先ほど御答弁申し上げましたように、OECDの理事会の勧告を受けて、これ自体大変重いものでございますので、今先生が御指摘になった国々においてしかるべき国内的な措置が講じられるものと私どもは強く期待をしているところでございます。
 それから、ファシリテーションペイメントに関して先生の御指摘がありました件でございますが、これは決して望ましいものではないというふうに私どもも考えておりますが、他方で、条約交渉の中で各国がこもごも指摘をした点でございま
すけれども、やはり途上国の生活水準が全般として向上する、その中において途上国の公務員の待遇改善が進んでいく、それとあわせて公務員の規律というものの強化が図られる、そういういわゆる背景の改善というものなしに、ファシリテーションペイメントの部分だけを、支払つた側を犯罪化するというアプローチで攻めたのでは実効が上がらない、あるいは実際的でないという、そういう指摘が各国からこもごもございまして、条約の注釈において、ファシリテーションペイメントについてはこれを異なる扱いにするということにいたしたものでございます。
 途上国で実際に生活をし、仕事をするという場合に、上下水道とか電話の点でありますとか、あるいは警察がいざ困ったときにちゃんと来てくれるとか、そういった点についてファシリテートするために、少額の支払いというものが必要な場合もあるということについては、国際的にも広く理解されているという側面がある点は御理解をいただけたらと存じます。
#84
○吉井委員 二つの問題がありまして、まず一つは、損金算入だけじゃなくて国内法で処罰されるという問題の方ですね、これもやはりきちっと、損金算入は認めるところと認めないところがありますから、これを整合性を持たせていくということもそうなのですが、それとともに、国内法で処罰されるところと処罰されないところもありますから、そこもあわせてやはり参加国の側できちっと整理していくこと。
 もう一つは、やはり今おっしゃったその途上国などでの状況がわからないわけじゃないのです。ですけれども、わいろの多寡によってそのサービスに差別が生まれてくるというふうになるとやはりうまくないわけですね。ですから、それは相手国との話し合いの中で、必要ならば手数料なりなんなりきちっとお支払いするが、それが担当者にきちっとした透明なルールでもってなっていくようにしないと、やはり商取引が非常にやみに包まれてしまいますから、私はそういう今後の取り組みというのは非常に大事だというふうに思うわけです。
 それからもう一つ。先日来、防衛庁調達実施本部と東洋通信機の汚職が発覚したわけですが、これまたABCでいいますと、A国が防衛庁の公務員にわいろを贈ると、今後、A国の不正競争防止法で、企業でいいますと三億円相当ですね、国によって若干の違いはあるにしても大体三億円相当以下の罰金ということになります。東洋通信機が今度はB国の公務員にわいろを贈ると、日本の不正競争防止法で企業は三億円以下の罰金ということになります。東洋通信機が防衛庁の公務員にわいろというのでは、刑法の贈収賄罪で社員は罰せられるが、企業には罰金がかからないわけです。今度の法律は、両罰規定で罰金のかかる場合と、しかし刑法の方で国内であれば罰金がかからないという場合が出てくるわけです。
 それで、企業利益のために行われる贈収賄については、不正競争防止法と矛盾のない扱いがやはり必要だと思うのです。刑法の上かあるいは別な法律によってか、日本の国内でも実質的に両罰規定となるようにして、企業行動に内部的規律や倫理を高めさせるのはこれは当然の話なのですが、法律の上でもやはり整備することを考えていくべきじゃないか。
 と申しますのは、このA国の企業は日本の公務員にわいろを贈ったら両罰規定なのに、日本の企、業であれば企業は一切罰金等を受けない。これは、日本国内で法律がどう執行されるかということを考えても、なるほど外国の法律と日本の法律の違いはありますが、やはり同じ行為については公正な同等の罰を受けるという、そのことについては、刑法の改正で考えていくのか、別な法律で考えていくのか、これは今後やはり研究を要するところだと私は思うのですが、この点、どうでしょうか。
#85
○松尾政府委員 先生の御質問に対しまして、二つお答えしたいと思います。
 第一点は、先ほど保護法益の問題に御説明の中で立ち入りましたが、刑法における贈収賄の規定と現在御審議されている不正競争防止法の改正案、これは、保護法益、つまり切り方が違うわけでございます。したがって、同じように見える行為でも、我が国の刑法では、公務員の廉潔性あるいはそれに対する国民の信頼を保護するというところから法律が組み立てられております。不正競争防止法の方は、国際取引における公正さの担保ということだろうと思いますので、そこからくる対応の違いというものはあり得るということで御理解いただきたいと思います。
 それからもう一点でございますが、法人を処罰するかどうかという問題でございます。
 刑法は、先生御案内のとおり、個人の行為を中心に据えまして、それを処罰する体系ででき上がっております。確かに我が国でも法人処罰はさまざまな行政取り締まり法規の中で現に実現しているわけでございますが、にわかに刑法の中にこうした法人処罰の規定を持ち込むのかどうかということについては、かつてもさまざまな議論がございました。慎重に検討する必要がある事項だと思っております。つまり、組み立てにおいて、体系の中に若干異質のものを持ち込むことになるということで慎重を要するということだろうと思います。
#86
○吉井委員 これで終わりにしたいと思いますが、国際的に、国内もそうなんですが、入札契約に当たっていかに公正なものにしていくかという、ここのところは、やはりこの法律を考える上での一番大事な、もともと公正な取引を実現するというところから始まっていると思うのですが、最近でいいますと、ブータンへのODA事業をめぐる三井物産、日本情報通信コンサルティングなどの不正問題とか、あるいは、ブータンの方では、これはもう全然次元の違うぐらいの話になるかもしれませんが、日本からの四輪駆動車の輸入手続をめぐって便宜を図ったということで向こうの公務員が逮捕されてみたりとか、いろいろなことが起こっております。私は、企業と相手国政府とがいわば事実上の談合を起こして入札等をゆがめたら、本当に大変なことだと思うのです。
 いずれにしても、それぞれの国によって法律、制度はさまざまですし、そういう点では、この条約に不参加のところが、不正競争防止法もなく、一方、相手国にも刑法上の規定が不鮮明であったり、実質的には刑法による収賄等については適用されないという国であったりした場合には、参加国の努力だけではなかなか効果は上がらないという問題があります。
 ですから、この法律の改正とともに、いかに実効性を高めるかという努力がやはり引き続き必要だと私は思いますので、大臣、この点について簡単に決意だけ伺って、質問を終わりたいと思います。
#87
○与謝野国務大臣 今回御審議いただいている法律のもととなりました条約自体、非常に長い時間をかけて、OECDを中心に討議をしてまいりました。ようやくまとまった条約で、日本はいち早くこれを御承認いただいて、批准をしたわけでございます。
 今回の皆様方に御討議いただいている法律の内容は、大変この条約に忠実な内容となっているということはぜひ御理解をいただきたいと思いますし、また、日本の刑法の基本的な考え方、憲法のいろいろなデュープロセス等々、あらゆる観点から検討して、条約に忠実に作成したつもりでございまして、ぜひその点は御理解をいただきたいと思います。
 ただ、まだ不参加国が相当数ございますし、そういう方々に参加を呼びかけていくということについては、私どもは他の条約加盟国とともに努力をしなければならないと思いますし、余りにもかけ離れた国内制度を持っているところには、いろいろな面で、私どもの、例えば日本の制度等を御紹介して御理解をいただくということも一つの方法であって、そういう努力を含めて、なるべく多くの方に参加をしていただくことがこの条約の実効性を高めていく上で大変重要なことということは、先生の御指摘のとおりだと私は考えております。
#88
○吉井委員 終わります。
#89
○古賀委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#90
○古賀委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 第百四十二回国会、内閣提出、不正競争防止法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#91
○古賀委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    ―――――――――――――
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
#92
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    〔報告書は附録に掲載〕
#93
○古賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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