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1998/09/18 第143回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第143回国会 安全保障委員会 第4号
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1998/09/18 第143回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第143回国会 安全保障委員会 第4号

#1
第143回国会 安全保障委員会 第4号
平成十年九月十八日(金曜日)
    午前九時三十七分開議
出席委員
  委員長 塩田  晋君
   理事 安倍 晋三君 理事 浅野 勝人君
   理事 江口 一雄君 理事 仲村 正治君
   理事 石井 紘基君 理事 前原 誠司君
   理事 赤松 正雄君 理事 西村 眞悟君
      麻生 太郎君    伊藤 達也君
      臼井日出男君    大野 功統君
      嘉数 知賢君    河井 克行君
      岸本 光造君    栗原 裕康君
      小泉純一郎君    佐藤  勉君
      阪上 善秀君    杉山 憲夫君
      田村 憲久君    中谷  元君
      中山 利生君    船田  元君
      山崎  拓君    吉川 貴盛君
      伊藤 英成君    岡田 克也君
      玉置 一弥君    中野 寛成君
      横路 孝弘君    冨沢 篤紘君
      若松 謙維君    達増 拓也君
      中路 雅弘君    東中 光雄君
      辻元 清美君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 額賀福志郎君
 出席政府委員
        防衛庁長官官房
        長       藤島 正之君
        防衛庁防衛局長 佐藤  謙君
        防衛庁運用局長 大越 康弘君
        防衛庁人事教育
        局長      坂野  興君
        防衛庁装備局長 及川 耕造君
        法務省刑事局長 松尾 邦弘君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省欧亜局長 西村 六善君
 委員外の出席者
        会計検査員事務
        総局次長    深田 烝治君
        会計検査員事務
        総局第二局長  諸田 敏朗君
        安全保障委員会
        専門員     田中 達郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月十八日
 辞任         補欠選任
  池田 行彦君     中谷  元君
  河上 覃雄君     若松 謙維君
  佐藤 茂樹君     達増 拓也君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷  元君     池田 行彦君
  若松 謙維君     河上 覃雄君
  達増 拓也君     佐藤 茂樹君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の安全保障に関する件
     ――――◇―――――
#2
○塩田委員長 これより会議を開きます。
 この際、防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。額賀防衛庁長官。
#3
○額賀国務大臣 おはようございます。
 前回九月十日に本委員会におきまして調達実施本部の問題について御報告をさせていただきましたが、その後の事態の動き及びこれに対する防衛庁の対応を中心にここに改めて御報告をさせていただきます。
 今月三日に東洋通信機事案に関連をして上野憲一元調達実施本部副本部長ほか企業側関係者三名が背任の容疑で逮捕されるとともに、防衛庁内部部局及び調達実施本部が東京地方検察庁により家宅捜索を受け、また、翌四日には諸富増夫前防衛施設庁長官・元調達実施本部長も背任の容疑で逮捕されたことは前回御報告いたしましたとおりであります。
 その後十二日以来、本事案に関連いたしまして調達実施本部において組織的に証拠隠滅を行っていたとの報道がなされたところであり、また十四日には、本事案につきまして再度当庁が東京地方検察庁の家宅捜索を受けました。これらについては、我が国の平和と安全を守ることを任務とする組織への国民の信頼を失墜させたという点で、一切の弁明の余地がないものと考えており、まずもって、この場をおかりいたしまして委員の皆様、国民の皆様方に対しまして心からおわびを申し上げる次第であります。
 防衛庁といたしましては、報道されているような、組織的に東洋通信機事案に係る証拠書類が大量に焼却、処分されるといった証拠隠滅が仮に事実であった場合、大変重大な事態であると考えており、検察当局の今後の捜査等の進展を見守ってまいるとともに、当庁としましてもみずからの自浄能力を発揮をし、事実関係の徹底解明に当たり、これを明らかにした上で、調査結果を踏まえた厳正な措置をとってまいる所存であります。
 当庁としては、十二日の証拠隠滅報道後、直ちに四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会を設置し、検察当局の捜査に影響を与えない範囲で、昨日までに既に八十五名の関係部局職員の事情聴取を行うなど、鋭意調査活動を実施しているところであります。
 さらに一昨日、現下の状況を踏まえ、右委員会の拡充を行うことにより調査の徹底を図るため、委員長を事務次官とし、新たに参事官を委員会に加えるなど、同委員会の組織の強化を行うことといたしたところであります。
 同委員会においては、報道されている昨年九月、本年五月における東洋通信機事案に係る関係書類の組織的な大量焼却、処分や、本年八月から九月初めの時期における関係書類の執務室以外での保管等といった点を含め、現在事実の解明を急いでいるところであります。
 なお、防衛装備品の調達制度をめぐる基本的課題につきまして徹底的な検討を行うための防衛調達制度調査委員会及び、自衛隊員の再就職に関する透明性の確保、規制のあり方等の問題について検討を行うための自衛隊員の再就職の在り方に関する検討委員会の設置につきましては、前回御報告をいたしました。今回生起している問題は、防衛庁・自衛隊の行政のあり方について問われているものと認識をしており、今後これらの委員会を通して防衛調達、自衛隊員の再就職に関する問題を鋭意検討してまいりたいと思っております。
 最後に、今回の事案を深刻かつ重大な事態と受けとめ、今後は、国民の信頼を回復するため、綱紀の粛正及び規律の保持を徹底するとともに、以上述べました諸施策の推進に全力を挙げて取り組んでいくことを申し上げまして、私の報告といたします。
 御審議のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。
     ――――◇―――――
#4
○塩田委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安倍晋三君。
#5
○安倍(晋)委員 自由民主党の安倍晋三であります。
 私は、このたびの防衛庁の装備品調達にかかわる不祥事について質問をしたいと思います。
 防衛庁の任務は、もう皆さん御承知のように、国民の生命と財産を守るという極めて崇高な業務であります。そして、時には武力をもって国民の生命と財産を守らなければいけないということでございますから、当然国民との信頼関係があってこそ初めて成り立つ業務であろう、こういうふうに思います。
 このたびの不祥事は、まさにそうした国民との信頼関係を危うくする大変重大な問題であろう、こういうふうに思います。特に、八月三十一日には北朝鮮のミサイル発射事件があったばかりであります。まさに、本来であれば、この安全保障問題にかかわる重大な事案に集中をして当たってもらわなければならないときに、このような不祥事があったということはまことに残念でならないわけであります。
 しかも、今度は背任容疑だけではなく証拠隠滅の疑いまで出てきたわけであります。ある意味におきましては、背任容疑そのものよりも、この証拠隠滅というのはまさに取り返しのつかないことをもしかしたらしてしまったということになるのではないか、こういうふうに思います。もし事実であればということでありますが。
 この証拠隠滅の重大性というのは当然長官も認識をしておられると思いますが、この証拠隠滅について、長官の御認識をお伺いをしたいと思います。
#6
○額賀国務大臣 今安倍委員の御指摘のとおり、もし、報道されているような、東通事件に関連をいたしまして大量に証拠隠滅が組織的に行われているような事態が本当だとすれば、まさにこれは、国民の生命財産を守る防衛庁、自衛隊におきましては、国民の信頼の失墜につながることであると受けとめております。
 事の重大性にかんがみまして、私は、即座に内部に内部文書の管理に関する調査委員会を設けまして、徹底的に事実を解明して防衛庁内の自浄能力があることを国民の皆さん方に知らしめて、そして、それから国民の信頼を回復する第一歩を図りたいというふうに思っております。
 隠し立てばしないうそはつかない、そういう信念のもとに、この事実関係の徹底究明を行ってまいりたいと思っております。
#7
○安倍(晋)委員 今、長官から、隠し立てはしないうそはつかない、徹底的にやるというお言葉をいただいたわけでありますが、その信念で自浄能力を発揮するかどうかが、まさに失われつつある信頼関係を回復することができるかどうかではないか、私はそのように思っているわけであります。
 そしてまた、今度のこの証拠隠滅について、一個人また課ではなくて、役所ぐるみではないかという指摘もあるわけであります。役所ぐるみとすれば、まさに防衛庁全体の意思として証拠隠滅を行ったということでありますから、これが本当であれば、まさに立ち直れない事態に立ち至るのではないかと私は本当に心配をしているわけであります。
 もし役所ぐるみで組織的に行われていたとすれば、当然官房長はそれを知り得る立場にあったのであろう、こういうふうに思うわけでありますが、この役所ぐるみという指摘に対して官房長はどういう認識を持っているか、また、もし知っていることがあれば、この場で公表していただきたいと思います。
#8
○藤島政府委員 現在、調査委員会をつくりまして、その件を含め調査中でございまして、まだその点も明らかにはなっておらない状況でございます。
#9
○安倍(晋)委員 今そういうお答えをいただいたわけでございますが、当然、官房長としては全くこの証拠隠滅についてはもちろんかかわっていなかったということなのでしょうか。
#10
○藤島政府委員 いわゆる組織的なというような点におきまして、私は全く指示等はいたしておりません。
#11
○安倍(晋)委員 この組織的ということでありますが、この背任についてもそういう指摘がなされているわけでありますが、その中で、防衛庁が法務省に出したと言われる上申書の問題があります。
 これにつきましては、防衛庁側からこの上申書がどういう性格であったかということについてはお話を伺ったわけでありますが、今この上申書は証拠物件として東京地検に押収をされた、こう伝えられているわけであります。
 先ほど理事会におきまして刑事局長の方から、この上申書が提出できるかどうかということについて説明があったわけでありますが、この委員会の場においても説明をしていただきたい、こういうふうに思います。
 法務省にお伺いをしたいと思うわけでありますが、この上申書というのはどういう性格のものであったのかということをまずお伺いしたいと思います。
#12
○松尾政府委員 捜査当局の押収している資料について、その内容がどんなものであるかとか、そういったことについては、まさに捜査内容そのものに密接に関連することになりますので、その点についてはお答えすべき性格のものではないということだと思います。
#13
○安倍(晋)委員 残念ながら私の質問には答えていただけなかったわけでありますが、この上申書と同時に、関連当該企業との間で防衛庁が交わしたと言われている覚書についても、この委員会の中で提出の要求が出ているわけでありますが、この上申書と覚書を果たして提出することができるかどうかということについて、法務省の見解を伺いたいと思うわけであります。
 刑事訴訟法の四十七条には「公にしてはならない。」ということが書いてあるわけでございます。それと同時に「公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」といっただし書きがあるわけであります。国会の要求というのは当然公益上の必要ということになるかもしれない、私はこういうふうに思うわけでありますが、それを踏まえた上で、国会法もありますが、御答弁をいただきたいと思います。
#14
○松尾政府委員 刑事訴訟法の四十七条でございますが、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。」ということになっております。
 この趣旨でございますが、大きく分けますと三点というふうに言われております。
 第一点は、証拠物あるいは証拠書類等の問題でございますが、任意に提出される場合、あるいは捜索差押令状によって押収される場合、いろいろなケースがございます。いずれにしても、そうした強制にわたっても押収することがあるということで、基本的人権との兼ね合い等で捜査機関に対して認められた権限ということになろうかと思います。したがいまして、押収されている物あるいは書類については、人の名誉や秘密にわたる事項も含めまして、刑事裁判における証拠とする目的でという限定をかぶされた上で収集、作成したものということになるわけでございます。
 二番目には、公判の場以外の場で、捜査資料の存否も含めましてその内容等が公にされることになりますと、関係者らによる証拠隠滅活動を招くおそれもありますし、あるいは裁判所に予断を抱かせるということにもなるわけでございます。今の刑事訴訟の構造は起訴状一本主義ということでございまして、裁判所の心証は公判廷における証拠等によって順次形成されていくという建前になっておりますので、そうした予断の排除ということが厳しく要求されるわけでございます。
 それから三番目には、証拠の収集に協力した関係者はやはり刑事裁判における証拠とする目的でということで提出しているわけでございまして、そうした目的で収集した証拠が他の目的のために公にされるということになりますと、捜査機関に対する国民の信頼が損なわれまして、犯罪の捜査に対する国民の協力に将来にわたって重大な支障が生ずる可能性があるということが言われておるわけでございます。
 そのようなことから、刑事訴訟法四十七条本文は、訴訟関係書類の非公開の原則を定めているわけでございます。
 また、刑事訴訟法四十七条は、そのただし書きで、今安倍先生御指摘のように、「公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」という規定もまた置いているわけでございます。議院あるいは委員会からの記録の提出の要求あるいは資料の提出要求がなされた場合には、一般に公益上の必要がある場合に当たると考えておりますが、こうした場合であっても、要求に係る書類の存否や内容を公にすることが相当と認められることが必要とされるわけでございます。
 この相当性の有無の判断でございますが、先ほど申し上げました、四十七条の本文が定める訴訟関係記録の書類の非公開の原則によって保護されるべき公益と、国政調査権の行使によって得られるべき公益との比較考量をして決定すべきものとされております。そして、その判断は、現に書類の保管者として提出を求められた者が行うものとされております。
 ただいまお尋ねの上申書と、それから覚書という資料でございますが、我々としましても、国政調査権に基づく資料提出要求でございますので、昨夜も慎重に検討を重ねてまいりましたが、結論としましては、いずれも先ほど申し上げたような比較考量の結論としまして、公判廷以外で公にすることは相当でない、そういう意味で、お尋ねの上申書と覚書とで取り扱いを異にすべき性質のものではないという判断でございます。
 以上でございます。
#15
○安倍(晋)委員 次に、先ほど長官が、内部調査を徹底的に行いたい、また事実行っているというお話でありました。まさにこの自浄能力をいかに示すことができるかどうかが、先ほど申し上げましたように信頼を回復する手だてであろう、こういうふうに思うわけでありますが、現在行っている内部調査の進捗状況を、今わかっている状況を御報告をいただきたいと思います。
 その中で特に証拠隠滅等についてお話をいただきたいと思いますが、その中でも、石附副本部長が自宅に書類を持って帰っていた、そして、この石附副本部長が組織ぐるみ的に司令塔的役割を担って証拠隠滅を行っていたという一部の報道もあるわけでありますが、その点についても御答弁をいただきたいと思います。
#16
○額賀国務大臣 先ほど申し上げましたように、十二日にそういう証拠隠滅の疑念の報道があって以来、即座に内部調査に着手をしたわけでありますけれども、検察当局で捜査が行われているときでもあり、捜査に影響がない範囲で、我々は精力的に職員の話を今聴取をしているところである。既に昨日までに八十五人の職員から話を聞いておりますけれども、これを大体済ませるためには、あと数十人の職員から事情を聞かなければならないというふうに思っております。
 断片的にいろいろな話がありますけれども、これを、点と点を結んで整合的に体系的につくっていかなければならないというふうに思っております。しかも、なおかつこれは捜査中でもあるし、具体的な内容に触れることは影響も与えます。また、今個人的なお名前等も出されておりますけれども、その点は捜査中でもありますので、ぜひ御理解をいただければありがたいと思っております。
#17
○安倍(晋)委員 ぜひともリーダーシップを発揮をしていただいて、失われつつある名誉と信頼の回復のために全力を挙げていただきたい、こういうふうに思います。
 続きまして、先月の北朝鮮のミサイル発射問題について幾つか質問をしたいと思います。
 今月の十四日に、国務省のルービン報道官から、このミサイル発射は極めて小さな人工衛星を軌道に乗せようとして失敗したという政府見解が出されたわけであります。そしてさらに、北朝鮮はこの発射により、より長い射程の弾頭の運搬能力を示した、我々はこのミサイルが近隣国やこの地域の米国の同盟国、米軍の脅威と見ているという発表があったわけであります。
 防衛庁は、今のところ、まだ衛星であったという見解について発表していないわけでありますが、現在の防衛庁の、このミサイル発射は果たして何であったのかという見解をここで述べていただきたいと思います。
#18
○額賀国務大臣 私どもも、安倍委員御指摘のとおり、米国の発表については承知しているわけであります。
 防衛庁といたしましては、米軍の情報と我々が独自で入手した情報をかみ合わせをいたしまして、総合的に検討した結果、今回の北朝鮮のミサイル発射により実際に人工衛星が打ち上げられていたかどうかということについては確認をしていないし、可能性が低いという考え方は今も持っているわけでございます。また、北朝鮮が人工衛星の打ち上げを意図したかどうかということについても、これを裏づける情報について確認をいたしておりません。
 私どもは、当初の考え方は、ミサイルの速度が人工衛星になるまでのスピードになっていたかどうかということにどうしても疑問を持っておりましたし、また同時に、北朝鮮が言っているように、二十七メガヘルツで放送をしていると言うけれども、これもだれもキャッチした者はない等々の理由から、弾道ミサイルの可能性が強いという意見を公表させていただいたわけであります。
 しかしながら、いずれにいたしましても、アメリカでそういう発表があったわけでありますから、私は昨日、防衛庁のミサイル専門家を派遣をいたしまして、アメリカの分析と我々の分析との意見交換をすることによってさらに追求していくことにしているところであります。
#19
○安倍(晋)委員 まさに我が国の上空を通過した、世界の中で我が国が一番脅威を感じなければいけない本事態に際して、我が国独自の判断をできないというのはまことに残念でならないわけでありまして、一日も早く我が国独自でそうした判断のできるような防衛力を装備をしなければならない、このように思うわけであります。
 こうした弾道ミサイルの脅威に対してどう対応するかでありますが、現在、BMDの研究をするかどうかについて議論をしているわけでありますが、そうした、もしミサイルが発射される、また発射されそうな状況において、対抗する手段というのは二つあると思うのです。
 一つは、発射された後、上空において撃ち落とす、BMD等において迎撃をするということであります。しかし、これは、ピストルで撃ち合っているときに、相手が撃った弾をこっちもピストルの弾で撃ち落とすという極めて難しい離れわざをやらなければいけないということであります。
 通常は、もしピストルを撃ちそうになれば、こちらがピストルを持っていれば、撃ったら撃つぞと相手に向けて抑止をするわけですね。通常、ピストルを撃たれたら、そのピストルの弾を撃ち落とそうとする人は余りいないわけでありまして、撃ったら相手を撃ち返すというわけであります。
 ですから、その意味においては、当然我が国も、もしミサイルを発射された、またあるいは航空戦力によって攻撃をされたというときには、報復をするということにおいて抑止を果たすことができるのであろう、こういうふうに私は思います。
 この報復をすることについては、我が国においては、三十一年の答弁において合憲であるという政府の答弁を行っているわけでありますし、先般、本会議におきまして、民主党の前原議員からの質問に対しても、小渕総理は三十一年のときの答弁を引用しまして、合憲である、誘導弾等における攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾の基地をたたくことは、法理論的には自衛の範囲に含まれて、可能であると考えているという答弁をしたわけであります。しかし、その後続けまして、日米協力のための新たな指針が示すとおりということで、弾道ミサイル攻撃への対応に際し、米軍は、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮することになりますということであります。
 ですから、この答弁を見ますと、合憲という判断を一応示しているわけでありますが、その中で、他に手段がないと認められるということによって、他の手段が、安保条約による米軍の報復という手段があれば、我が国は反撃するということについては当然ちゅうちょせざるを得ないというふうにも受け取られるわけでありますが、この安保条約いかんにかかわらず、我が国にとって報復することが合憲であるかどうかということについて、御見解をいただきたいと思います。
#20
○額賀国務大臣 昭和三十一年の政府見解は、つまり、我が国にどこかの組織なり国が攻撃をしかけてきて、我が国が報復措置ができないということで、ただ死を待つばかりという状態でいいのかということに対しては、他に代替手段がなければその敵地、発進基地をたたいてもいい、それは自衛権の範囲内であるということについては、総理の申し述べたとおり、私も法理論上は生きているものと考えております。
 日米安保条約あるいは日米ガイドラインに基づいて米軍が日本を攻撃した基地をたたくということと、今私が述べました自衛権の範囲内であるということは、別の問題として受けとめております。それは、日米安保条約に基づいて、日本が攻撃を受けた場合は、日米間の共同対処の一環としてアメリカが攻撃する場合はあり得るでしょうということであります。
#21
○安倍(晋)委員 安保条約の本文において、日本が攻撃される事態というのは、第五条の状況であろうと思います。しかし、この第五条は、具体的に日本が攻撃されたときにアメリカが報復をするという、もちろん義務規定ではないわけであります。そして、この指針の中でも、総理が述べているように、弾道ミサイル攻撃への対応に際し、米軍は、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮するというふうに書かれているわけでありまして、必要に応じ、そして使用を考慮するということでありますから、必ず報復するということではないというふうに当然理解されるわけであります。ですから、その場合においては、我が国が報復をする能力を持っていなければ、そこに報復をするということによる抑止力の穴があいてくるのではないか、このように私は思うわけであります。
 そういう意味においては、やはり三十一年のこの答弁というのは、当時も安保条約というのは、旧安保条約はもちろんあったわけでありまして、旧安保条約の中においてはもちろんもっと義務規定が薄かったということではありますが、当然あったわけでありまして、その後改正をされたわけでありまして、さらに指針によって役割が分担をされたとはいえ、そういう穴がある限り、防衛というのは穴があっては多くの努力が全く水泡に帰してしまうということになるわけでありますから、当然その穴を埋めていく努力をしなければいけないわけであります。
 ですから、私の考えでは、米軍は報復するかどうかという、もちろんこの日米安保条約というのは信頼関係の上に成り立っているわけでありますが、ただ、報復をするかどうかという判断がはっきりとしない範囲というのは私はあると思うのですね。その範囲については日本が報復をするかもしれないということによって抑止力が完成するのではないか、私はこのように思うわけでありますが、今の状況において、もし万が一攻撃をされた場合、北朝鮮からミサイル攻撃があった場合あるいは航空戦力による攻撃があった場合、その基地をたたく能力は自衛隊にあるかどうか。例えばF15あるいはF2によって、ASMを発射してたたく能力があるかどうかということについて、現在の段階でお伺いをしたいと思います。
#22
○額賀国務大臣 特定の国の名前を挙げて議論することはいかがなものかと思いますけれども、どこかの国あるいはどこかの組織から日本が攻撃を受けたときに、我が国が装備しているものでそこをたたくことができるかどうかというのは、そのときの距離とかさまざまの要因にもよるものと思っておりますが、全体的に、日本が装備しているものは攻撃的なものはありません。また、法律上も専守防衛ということで成り立っておりますから、安倍委員が御指摘のように、あらゆる場面において万全の攻撃態勢がとれるという状況ではないというふうに思っております。
#23
○安倍(晋)委員 私があえて名前を挙げましたのは、当然、航空戦力でたたく場合は航続距離になってくるのだろうと思います。ですから、当然名前を挙げざるを得ないわけですね。ですから、あえて挙げさせていただいたわけでありますが、私が名前を挙げた国は、我が国の国民を拉致をしたり、あるいは、たとえ衛星であろうと、何の通告もなしに、いきなりミサイルなりロケットなりを発射をした国であるわけであります。その国に対して備えていくというのは、それを想定して備えるというのは当然だろうと思いますし、備えることによって抑止力が働いてくるのであろう、私はこういうふうに思うわけであります。
 今は長官の御答弁の中で若干わかりにくかったわけでありますが、最後に、具体的に一点お伺いをしたいわけであります。
 三十一年の答弁においては、座して死を待つよりも、攻撃をすることができる、報復をすることができるということでありますが、今のこの状況は昔と違って、我が国の領土に直接軍隊が上陸をしてくるというよりも、ロケット攻撃なり航空戦力による攻撃がなされるということになります。そうなりますと、我が国は、これは専ら米軍にすべてを頼らざるを得ないという状況になってくるのだろうと私は思います、その基地なりをたたくのはすべて米軍がやらなければいけないということになるわけでありますから、今の状況は戦力がないわけでありますから。ですから、この状況は少しおかしいのではないか。すべて米軍の若者の血と生命によらなければ我が国の生命と財産が守れないかもしれないということになります。もちろん、上陸をしてくれば、米軍と自衛隊が肩を並べて共同対処をするということになるわけでありますが、ロケット攻撃とか航空戦力による攻撃に対する報復ということが主になってくれば、それは専ら米軍に頼らざるを得ないということになってくるわけであります。
 最後にお伺いしたいわけでありますが、具体的にお伺いをします。
 例えばF15なりF2なりが、今ないわけでありますが、空中給油機を使ってその足を延ばして、ミサイルが発射された場合あるいは航空戦力によって攻撃された場合、第二次攻撃を防ぐためにその基地を攻撃することは果たして合憲であるかどうかということをお伺いしたいと思います。
#24
○額賀国務大臣 今安倍委員のおっしゃるように空中給油機を保有、運用いたしたとしても、現在の自衛隊は敵の基地を攻撃する目的に装備体系をしているということではないので、自衛隊が敵基地に対し軍事的な有効な攻撃を行うかどうかということはなかなか難しいのではないかというふうに思います。
#25
○安倍(晋)委員 いや、私が質問いたしましたのは、能力があるかどうかではなくて、空中給油機を使ってもしその能力を有した場合、合憲であるかどうかということをお伺いしたわけでありますが、もう時間が参りましたので、これで質問を終わります。ありがとうございました。
#26
○塩田委員長 次に、石井紘基君。
#27
○石井(紘)委員 防衛庁長官に伺います。
 例の北朝鮮の、いわゆるミサイル事件と防衛庁が言われている件ですが、これは主としてアメリカの情報に基づいて、これはミサイルである、ミサイル実験であるという見解を相当長時間検討した結果出されたと思いますが、最近になって、アメリカの方は、これはロケットであったということでありますが、アメリカの情報、もともとそれをかなり参考にしながら判断をされてきて、今まだそれを変える御意思がないということは、どういうことになっているのでしょうか。
#28
○額賀国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、私どもは、アメリカの情報と、我々も八月中旬ごろから艦船や飛行機等を出しまして警戒態勢をしき、情報収集に当たってきたわけでありまして、独自の情報も得ていたわけであります。アメリカの情報だけに頼るのではなく、みずから得た情報に基づいて総合的に分析をしていくことは当然だと思っております。その中で、我々が可能性が高いとして考えたのは、弾道ミサイルというふうに思ったわけでございます。
 最近、アメリカで、人工衛星の失敗ではなかったかというふうに公表されておりますけれども、これははっきり言えば、アメリカは静止衛星も持っているし偵察衛星も持っている、情報量において日米間で比較をすれば、アメリカの方が多いことは確かであろう。しかし、我々も独自の情報を持っているわけでありますから、何が正しいのかということについて、我々は弾道ミサイルの可能性が強いというふうには分析したけれども、さらにアメリカの分析結果と相互比較して真実を追求したらどうかということで専門家を派遣したということであります。
#29
○石井(紘)委員 今我が国に弾道ミサイルが撃ち込まれる、そういう可能性というものがあるとしたら、どこから撃ち込まれる可能性があるとお考えですか。
#30
○額賀国務大臣 どこからということではなくて、最近は、冷戦後やはり核の拡散だとか、あるいは弾道ミサイルの拡散だとか、大量破壊兵器等々の脅威が増している、アジアにおいてもそういう動きが見られている、そういう中で、我々の安全はどうやって守っていくのかということについて当然考えていかなければならない。だから、弾道ミサイルの脅威というものはどういうものなのか、そしてそれに備えていくためにはどうすればいいのかということを我々は考えているということであります。
#31
○石井(紘)委員 もう既に先日は実験弾が撃ち込まれたのだ、こう言っているわけです。撃ち込まれたというか、北朝鮮から発射されたのだ、日本の上空を通過していったのだ、こう言っているわけでありますから、北朝鮮からミサイルが飛んでくる可能性というものはあるのではないでしょうか。どうでしょうか。
#32
○額賀国務大臣 もちろん、北朝鮮が我々に何の通告もなく、警戒水域の設定もなく、弾道ミサイルであろうと人工衛星であろうと打ち上げたということは、それだけの技術を持っているということでございますから、これは我が国の安全、あるいはアジアの地域ばかりではなく、大きな不安定要因になっているということは委員と同じ認識を持っているわけでございます。
 したがって、これは一国だけではなく、国際的な枠組みの中で弾道ミサイルの輸出だとか拡散がないようにすると同時に、我々も国を守る立場として、国民の生命財産を守る立場としてどうしたらいいのかということも、弾道ミサイルの脅威に対しては、今数年前から日米間でいろいろと調査研究をしているというのが実態であります。
#33
○石井(紘)委員 数年前かち研究しているというのはわかっているのですが、もし近々のうちにミサイルが飛んできたという場合に、それに対応できる能力というものは現時点ではないということですね。
#34
○額賀国務大臣 二年前からアメリカと、弾道ミサイルについては早期警戒情報を得るという仕組みになっておりまして、今回も北朝鮮の弾道ミサイルの発射については、米軍から情報を、第一報を得たわけであります。情報を得たけれども、ではそれに対応する措置というのは何かできるのかということでありますが、今のところ、これに対しては決定的な対応策というものは、我が国もないし、世界のどこの国でもないのではなかろうかというふうに思っております。
#35
○石井(紘)委員 研究開発中の、あるいは検討中のBMDだとかTMDだとかというシステム、これに早急に重点的に取り組んでいく、このためにはどういうことが必要なのですか。あるいは財政的には、およそこのぐらいの規模が必要ではないかというふうなことのお考えはあるのですか。
#36
○佐藤(謙)政府委員 弾道ミサイルに対する防衛ということで、今先生からの御指摘もあり、また大臣からも御答弁していますように、我が国の防衛にとって極めて重要な課題だという認識に立って、アメリカの知識も協力を得ながら研究してきております。
 我々といたしましては、BMDの意義、我が国の専守防衛という考え方から考えますと、ぜひこれを進めていく必要があるのではないか、こう思います。そのためには、弾道ミサイルに対する対抗手段としてどういう技術が必要かということの見きわめ、また、それを日米で共同で研究していくとすればどういう部分を研究していったらいいのか、こういったことを見きわめていくということが必要になろうかと思います。
#37
○石井(紘)委員 どうもこれは、まだまだ絵もかけていない、その前の、構想みたいな、構想にもいっていないですね、何か非常に抽象的で漠としたお考えしかないように見受けるわけです。
 専守防衛というのが我が国の防衛姿勢。これはやはり、言うなれば侵さず侵されず。防衛庁長官の、あるいは防衛庁の最大の任務というものは、この国を他国に、あるいは他人に侵されない、このことは、常に、一刻一刻万全の体制を目指して緊張感を持って対処しなきゃならない問題だと思うのですね。今のような答弁では、日本というのは一体守れるのかという大きな疑念を、不安を国民は抱くわけですよ。どうですか、防衛庁長官、これは長官の最大の責任です。ぜひもっと真剣に取り組んでもらわなくちゃ困るということを申し上げて、そして、同様に国民からの信頼を大きく失墜しているいわゆる防衛庁の背任事件、この問題について引き続き伺っていかなければなりません。
 まず、いわゆる四社について過払いがあったということで、その金額を一応、和解という形だと言っているわけですが、金額はこのぐらいだというのをかつて防衛庁は出した。それを具体的に言いますと、東洋通信機の場合は八億七千四百万だった、こういうわけですが、私は、この数字というものは非常にいいかげんな数字である、何の根拠もなくてつくられた数字だと前々から言っているわけです。
 会計検査院にもう一回確認をしたいと思うのですが、もしここで過払いがあったとすると、その過払い分というものは国に返納させなきゃいけないというのが会計法上の原則だということは先日の答弁でいただいたわけですね。しかし、会計検査院としては、なぜ八億七千万なのかということが、それをつかむ資料等が提示されなかったために要するにそこのところが定かでない、定かにならないので、したがってこの過払い分が国に返納されることの確認までいき得ないんだというようなことじゃないかと思うのですね。そうすると、なぜ東洋通信機の場合は八億七千万になるのかということを会計検査院は検査をし、そしてそのことを確認しなかったのか、それを伺いたいと思います。
#38
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 私どもは、平成六年の六月に調達実施本部の方から本件について報告を受けました。そうしまして、その後に、平成七年の一月に調達実施本部を検査したわけでございます。その際、東洋通信機事案の金額の詳細と返納方法の考え方の説明を求めたわけでございますが、本件は工数のずれ、すなわち原価差異を是正させるもので水増してはないとのことで、金額計算の裏づけとなる資料や説明は得られなかったわけで、正確な金額の算定ができなかったものでございます。返納方法につきましても、その妥当性について疑問を述べましたが、水増してはないということで、当局がその処理の正当性を主張したわけでございます。
 その後も調査を続けましたが、結局、東洋通信機につきましては、その返還額、返還方法等の適否について結論を出すことができなかったというものでございます。
 さらに、平成九年、昨年でございますが、九月に通常検査の一環といたしまして同社に対して肩越し検査を実施したわけでございますが、その際、本件についても事情聴取をしたわけでございますが、資料がない、あるいは当時の担当者がいないというような理由で協力を得られなかったということでございます。
#39
○石井(紘)委員 今の検査院の説明ですと、検査院としては、防衛庁の説明が、これは工数のずれ、すなわち原価差異を是正させるものであって水増してはないという説明を受けた、こういうことなのですね。それは防衛庁の方の従来の答弁と全く食い違っているわけです。防衛庁の方は、当初は原価差異事案というふうなことで出してきているわけですが、いろいろ審議のやりとりの中では過払いという答弁でありましたが、防衛庁の方は、原価差異ということと過払いというものを同義で使っておられるのですか。それとも、原価差異という防衛庁の認識と過払いという認識とは違うのですか。
#40
○及川政府委員 お答えを申し上げます。
 基本的には過払いでございますが、その発生の原因に、例えば四社それぞれ若干の違いがございます。したがいまして、それを踏まえて原価差異ということでくくったということでございます。
#41
○石井(紘)委員 会計検査院にもう一回聞きますけれども、原価差異というのは、防衛庁の説明を受けられてどういう認識をされたのですか。原価差異というものの概念はどういうものですか。
#42
○諸田会計検査院説明員 私ども、原価差異と当時認識したのは、長年の契約の中で、当初とあるいは何年かたった時期との工数が、自然的といいますか、その差が出てくるというふうに認識したわけでございます。
#43
○石井(紘)委員 そうしますと、会計検査院の方は、原価差異というものは、防衛庁からの説明では、機械や設備が更新される、そうすると、更新されることによって、それだけじゃありませんけれども、そのことによって人の労力というものの質が変わってくる、時間も変わってくる――防衛庁の原価差異を計算するマニュアルを見ますと、そういうことが非常に細かくあるいは複雑にこのマニュアルの中には示されているわけです。ですから、機械が新しくて生産性が高いというものを扱う人の労力、工数というものは、古い機械で長時間働いてこれだけのものしかできないというものに携わっている人のカウントとはまた違うカウントの仕方をしてある、そういうことの差が、年月がたつにつれて機械、設備の条件が変わってくるので、それによって原価差異というものが生じてくるんだ、したがって、原価差異というものは、たまたま偶然に何かの事件として起こってくるというよりは、常にある意味ではいわば想定されている概念だというふうなことだったんだろうと思うんですが、防衛庁はどうなんですか、それは。
#44
○及川政府委員 原価差異という概念が会計法あるいは原価計算理論上あるということは私も承知しておりますけれども、専門家でございませんのでその定義等はここでは申し上げられないのでございますが、先ほど申し上げましたように、四社事案に関して原価差異という言葉を使いましたのは、工数の違い等によって過払いが発生している、ただ、工数の違い等、処理の仕方がさまざま違っていたものでございますから原価差異という言葉で一括してくくった、こういうことでございます。
#45
○石井(紘)委員 従来の防衛庁の答弁は、原価差異というものについては、こういうことだったんです。いわゆる人の数だけなんですね。何人の人が何時間働いたかということの、そこの工数の部分が間違った見積もりを企業の方が出してきたんだ、こういう説明だったわけですよね。
 そうすると、今会計検査院の言うには、防衛庁はそういう説明ではなくて、原価差異というものは通常想定されているものであって、この問題は水増してはないんだ、こういう説明であったので、会計検査院としては、これをさらに検査を徹底させて、そして指摘をするというところまではできなかったんだ、こういうことだと思うんですが、これは防衛庁と会計検査院との見解がまるっきり違うじゃないですか。これはどういうわけなんですか。防衛庁。
#46
○及川政府委員 当時の詳しい状況を、御説明をどのようにしたかという点について、今検査院がそのような御認識かと思いますけれども、私ども受けている報告では、工数の違い等について認識した上で御説明を申し上げたというふうに聞いております。
#47
○石井(紘)委員 国の唯一の検査機関である会計検査院が検査をしなかった、例えば東洋通信機について、過払い分は八億七千万だったということについてのチェックを十分しなかったというのは、そういうことを防衛庁から言われたからそれで検査をするに至らなかったんだ、こういうことでありますので、そこが違っていると、これはもう国の会計検査の機能が果たせなくなるわけですね。
 防衛庁はそれでもなお、会計検査院の方がこれは間違っているんだ、こういうふうに言われるんですか。
#48
○及川政府委員 検査院がただいま御答弁申し上げましたような検査院側の御認識というものは初めてきょう伺いましたので、私どもの方がどういう御説明をしたのか、もう少し私どもで調査させて、御返事をさせていただきたいと思います。
#49
○石井(紘)委員 防衛庁は覚書か何かによって決めて、減額された過払い分を隠しておこうと思ったんじゃないですか。これは検査されたくないと思ったんじゃないですか。
 それがどういう根拠でそういう金額になったのかということは、根拠がないというのが前防衛庁長官の答弁でしたけれども、改めて確認したいと思います。そうでしょう。
#50
○及川政府委員 もうこれは石井先生に御説明するのは時間のむだでございますが、八億七千万の算定は、決算報告書から防衛庁向けの売上高を算出いたしまして、その決算報告書等を基礎として、売上原価、一般管理販売費、利益等おのおの算出いたした上で、合算して修正計算価格を算定し、この価格と防衛庁向けの売上高との差を過払いとしたものでございます。
#51
○石井(紘)委員 東洋通信機の場合には、中途確定契約は金額でいうと三五%ぐらいですね。その他は一般確定契約。決算委員会で昨年十一月に初めてこの問題を提起されたときにも、防衛庁は一般確定契約のことだけしか出してこなかった。中途確定契約のことは隠しておられたわけですね。これはもう既に明らかになったわけですが。その一般確定契約というのは、最初に契約金額を決めてしまうものである。要するに、企業の側から見積書を出させて、そして計算価格を出して、さらにそれを予定価格ということでもって、これをもとにして契約価格をつくる。これは当初に契約を結んでしまう。その場合に、もう資料の保存義務がないということになっているそうですね。そうすると、そこでもってすべて決着がついてしまうわけですよ。決着がついてしまったものを後でもって、あるいは中途確定契約の場合は途中で監査を入れて、そして納品の前に金額を確定してしまうわけですね。ですから、そういう資料の保存義務もないというような契約の方法の中で、一体どうして過払いというようなことを認識したか。防衛庁は、現にとられた行動は東洋通信機等四社に対して二十一億余りの返納を求めたわけですね、どうしてこれが過払いであったということを認識されたわけですか。
#52
○及川政府委員 御指摘の四社のうち二件、日本工機と藤倉航装については外部からの情報によるものでございます。また、他の二件、いわゆる東通、ニコー電子につきましては、調本が契約締結に当たりまして実施しております価格調査それから経費率の調査それから原価調査などの各種の調査におきまして疑義が認められましたので、これを踏まえまして同本部が過去の契約にさかのぼって特別調査を実施いたしましたところ、工数の集計方法の一部に適切さを欠くという事実が認められたということを聞いております。
#53
○石井(紘)委員 先ほどからの議論の経過の中で私言っているわけですから、そういうことを聞いているのではなくて、どこが間違っていたのかということなんですよ。これは工数が間違っていたということでしょう。要するに、何人の人が何時間働いたか、その工数でもって企業の側が出してきたものがうそであった、こういうことですよね。
 だから、先日の委員会でも申し上げましたように、これは明らかに企業側がうその申告をしてきた、それを確定してしまった。だから、もうそれは既に確定されてしまっているものなんだから、後でもってそういうことがわかった場合は、これはもう詐欺しかないのですよということなんですよ。そこは繰り返し申し上げておきたいと思うのです。
 そこで、また会計検査院に戻りたいと思うのですが、これは、大体、原価差異を是正させるものであって水増してはなかったというようなことを言われたのは、防衛庁のどういう方が言われたのですか。
#54
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 当時、調達実施本部の担当の職員から話は聞いていると思いますが、私はその辺の詳細についてはわかりかねますので御答弁をちょっと控えさせていただきたいといいますか、調本の担当職員だと思います。
#55
○石井(紘)委員 当時の調本の課長ないし課長補佐、今課長補佐クラスと言われましたが、というと安藤さんということになるわけですね。
 そうすると、さらに進みたいと思うのですが、そこで覚書というものがどうしてもまた必要になってくるわけですね。金額を覚書というものの中で修正しますよ、あるいは変更しますよ、あるいは新たにしますよというような、いわば基本方針みたいなものを取り決めているのだと思うのですね。そうでないとその後のつじつまが合ってこないのですね。
 その後、この過払い分をどういうふうにしたかというと、履行中の契約の中から差し引いたということで、その表も先日出してもらいましたが、先ほどの答弁のように、防衛庁は過払いであったということを認めているわけですね、今も認めたわけですね、過払いであったからそれを返納させることにした、そして、これこれこういうぐあいに返納をさせましたと防衛庁なりの表を出してきたわけですね。そうすると、会計検査院としては、過払いがあったわけですから、過払いがあったらそれは国庫に、予算上に計上しなければならないというのが先日の見解、答弁でした。ところが、防衛庁の出してきたものでは、予算上に計上していないわけですね。ということは、ここで非常に複雑な問題になってくるわけですが、この返納されたと防衛庁が言っているものはもともと国の債権だったという認識にならないとおかしいわけですね。要するに、前の鴇田装備局長も答弁されているように、覚書をもって新たな債権債務関係を生じさせたのだ、こう言っているわけですから、それは、返納させた金額というものは過払いであってそれは国の債権ですよということになったものですね。もう一回、防衛庁。
#56
○及川政府委員 変更の方法は、その時点において契約をしておりました他の案件の防衛庁と東通との間の契約から補正をして行うということで行ったものでございます。
#57
○石井(紘)委員 ちょっと待ってください。債権だったかと聞いているのですよ。
#58
○及川政府委員 新しい契約におけるそういう額が確定したということでございますので、ただ、法律的な解釈は、ちょっと私は、これは恐らく捜査の中で確定していく一つのものではないかと思いますので……
#59
○石井(紘)委員 いや、法律的ではないですよ。国が返してもらうべきお金というのは、これは国の側の債権になるわけですから、法律的でも何でもないですよ。
#60
○及川政府委員 国が新しい契約をもって東通からそれだけの額を返してもらうという契約を結んだことは事実でございます。債権かどうかは、ちょっと私、法律的に解釈できませんので……
#61
○石井(紘)委員 ちょっと待ってくださいよ。返してもらうということはこちらに権利が生じるわけです、そこで。そういうことでしょう。
#62
○及川政府委員 そうです。
#63
○石井(紘)委員 ではそれは債権だったわけですね。債権債務の関係がそこで生じたということですね。
#64
○及川政府委員 契約上はちょっとその覚書の中身に立ち入りますので、答弁は御容赦させていただきたいと思います。
#65
○石井(紘)委員 いやいや、中身をまさに言っているのであって、これは予算決算の、国の財政の問題ですから、そこで国は企業から返してもらうのですよということになったわけでしょう。そうですね。
#66
○及川政府委員 さようでございます。
#67
○石井(紘)委員 会計検査院に聞きたいと思います。
 そうすると、これは債権債務関係が、前の鴇田装備局長が答弁をしたとおりの関係がそこで生じたというのが今の答弁ですね。そうすると、これはつまり水増しであった、だからそれを返してもらうという債権が生じたのだ。そうすると、会計法上はこれは国の債権ですから、国庫に返納をさせるということになりますね、予算に計上させるというものになりますね。
#68
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 先日も御答弁したわけでございますけれども、過年度に締結した契約におきまして過払いというものが生じ、それが債権ということになれば、会計法令上、返納額は現年度の歳入に計上すべきであったということでございます。
#69
○石井(紘)委員 返納額は現年度の歳入に計上しなければならないというものですよ。防衛庁は歳入に計上していませんね。
#70
○及川政府委員 先ほど申し上げたような契約で行ったものでございますので、計上いたしておりません。
#71
○石井(紘)委員 これは、国の会計検査の唯一の権威ある、まあ権威は余りないかもしれないけれども、会計検査院の公式な見解ですよ。防衛庁はそのようにしていない。そうすると、会計法違反になるわけです。
 防衛庁長官、先ほどから御発言がございませんが、今までのやりとりで防衛庁の答弁はよろしいですか。
#72
○額賀国務大臣 これまで会計検査院には御報告を申し上げて、後で御報告を申し上げておった、そのときに、即座に違法ではないというふうにも聞いていたという報告は受けておりました。
#73
○石井(紘)委員 何を言われているのかよくわかりませんが、今までの防衛庁の、主として装備局長が答弁されましたが、その答弁はそれでよろしかったのですか。よろしかったか、違っているところがあれば違っているということを言ってくださればいいわけであります。
#74
○額賀国務大臣 装備局長はこの問題についていろいろ経緯を承知しておりますから、そのとおりであろうと思っております。
#75
○石井(紘)委員 長官は、前大臣からの引き継ぎの際も、こういう問題があるからこれをきちっと対処してほしいということで、内容まで引き継ぎを受けたとこの間おっしゃった。総理からも一生懸命この問題の解決に取り組めということを言われたというふうに言われておりました。そして、きょう冒頭お読みになったこの文書の中では、事実関係の徹底解明に当たって、これを明らかにする、みずからの自浄能力を発揮するということをお述べになっているわけです。
 今の議論の中で、防衛庁の見解が非常にあいまいなのは、この覚書というものの中身に触れる問題は言えないというような答弁をしているわけですよ。ところが、その覚書でもって国の国損、そのとき生じていた国損を取り返すことにしたのかどうなのかということが明らかにならない。そうすると、会計検査院は、債権債務関係が生じたのであれば、返納の方といいますか、契約の中から差し引いたのじゃだめであって、それは別の項目を起こして国の歳入に繰り入れなきゃいけない、こういうふうに言っているわけです。私はそのことを、もうこの議論は一年近くにわたって行われているわけですから、再三再四繰り返してきているわけです。そしてこれは、防衛庁の調達実施本部の、個人名も挙げましたが、背任罪の行為である、背任で訴えなさいということも再三再四言ってきたわけです、防衛庁に対して。
 ところが、防衛庁はそういう動きを全然しないで、むしろ犯罪を犯した人たちをかばうことばかりやってきた。あげくの果てには上申書まで出した。覚書は出さない。覚書もこの委員会に提出するように言っても出さない。防衛庁長官は、前の防衛庁長官が言っておる資料も出さなきゃいけませんというようなことについても、引き継ぎを受けても実行していない。就任されてからもう一月半もたってもいまだに何か第三者みたいなこんな文書を出している、「組織的に東洋通信機事案に係る証拠書類が大量に焼却・処分される」。
 私はもう六月から防衛庁に言っているのですよ。防衛庁調本はこの書類を焼却したでしょう、昨年の夏に燃やしちゃったのですよ。そのことは私はもう六月から言っているのですよ。この間の十日の日にも言ったじゃないですか。それなのに、きょうもまだ、調査をしていると。きのうかおとついは六十人聞いた、きょうは六十五人に聞いたと言っている。五人ふえた。それでどうなったのですか。中身は何も書いていないじゃないですか。これで一体真剣にこの問題に取り組んでいるということが言えるのですか。
 この東洋通信機その他の企業との間に、こういうやり方をすればこういう金額になる、こういうやり方をすればこういう金額になる、いろいろあった、そういうことを出してよこさない。これは事実の徹底解明に当たるということと違うじゃないですか。先ほどの、隠し立てばしないうそはつかない、安倍委員の質問に対する答弁と違うじゃないですか。防衛庁長官、そういうことで責任が果たせるでしょうか。
 再三再四私は覚書というものを要求してまいりました。そして、先ほども安藤さんという名前が出ましたが、当時の調本の担当者を、これは防衛庁の人なのですから、この委員会にお呼びくださいと、自民党以外の各党の皆さんは賛成をしてくださって、そして呼ぶべしと言っているのですよ。ところが、防衛庁はかたくなに拒否しているじゃないですか。
 きょうだって、法務省の刑事局長がいらっしゃつたけれども、刑事局長でさえも、国政調査権の行使上あるいは公益の必要がある場合、それが具体的に国政調査権の行使の上でなくてはならないものであれば、提出するということは必要な場合があるのだと言っているじゃないですか。
 これは国の予算決算の問題ですよ。あるいは安全保障上の問題です。こうした国政調査権の上でなくてはならないものですよ、こういう覚書という債権債務の関係を生じさせたそうしたものは。それがどう処理されたのか、国民の税金がどう処理されたのかということは、なくてはならないものですよ。
 覚書をお出しになるのですか、出さないのですか、もう一回伺いたいと思います。大臣の答弁をお願いします。大臣にお願いします。大臣に言ってくださいと言っているのですよ。
#76
○額賀国務大臣 今の御質問に対しましては、これはもう既に検察に行っておりますので、我々が持っているわけではございません。したがって、また捜査に直接関係することでございますので、我々の判断で今は対応できるものではないと思います。
#77
○石井(紘)委員 捜査に何らかの形でそれは関係するかもしれないけれども、国政に重大な、なくてはならないものなんですよ。予算決算の審査あるいは国政の審査になくてはならないものなんです。しかも、これは前から言っているんですよ。もう何カ月も前から言っているんですよ。そういう答弁では私は納得できません。これはとてもじゃないけれども、こういう審議をやっても、そんな答弁じゃむだだと思います。
 委員長、これは覚書がなければ、これ以上質問が続けられません。
#78
○塩田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#79
○塩田委員長 速記を起こしてください。
 引き続いて審議を進めます。
 その前に一言、先ほど来、覚書並びに上申書についての提出要求について、石井議員から要請がございました。これにつきましては、国政調査権の上から、本委員会といたしまして資料の提出要求をすることにいたします。
 審議を続行いたします。石井紘基君。
#80
○石井(紘)委員 ありがとうございました。
 上申書と覚書についてこの委員会として提出要求をしていただく。上申書については、これは防衛庁が勝手に出したものですから、これは押収されたものでも何でもないものであるということを申し添えておきたいと思います。
 防衛庁長官、先ほどから議論をしてまいりましたが、会計検査院の見解と防衛庁の見解と全然違う。防衛庁は、今の話にもあるように、捜査中だとかなんとか言って、事実を明らかにするという姿勢がさっぱりない。これについては防衛庁長官のやはり重大な責任があるだろうと思います。おわびするというような文書をきょう出しましたけれども、これはどういう意味なのかわかりません。捜査が防衛庁に入ったということで国民に心配をかけているのをおわびするのか、あるいは防衛庁がやったことについておわびするのかわからない。防衛庁長官に私は重大な責任があると思うのですが、前の長官も責任があるということは認めておりましたが、どういうふうにお考えですか、長官は。
#81
○額賀国務大臣 防衛庁、自衛隊というのは、国民の生命と財産を守り、国の安全を確保するために日夜汗を流している方々が集まっているところであります。そういう純粋な気持ちで活動している中で、こういう幹部の逮捕者を出したり、強制捜査を受けたりした事態が起こったことについて、私は大変重大な事態であるというふうに認識をしておりまして、しかも、なおかつ、真実を解明することが大事であるというふうに思っております。
 したがって、東京地検の捜査には全面的に協力をして、一日も早く真実を明らかにすることが大事であり、一方で、マスコミの報道等で、東通事案に関連をして大量に証拠、文書等を焼却する等組織的に行ったという報道もありましたので、そういう事実関係をきっちりとしていくことが私に課せられた今の仕事である、責任であるというふうに思っているところであります。そういうことから国民の皆さん方の信頼を回復していくことが第一歩であろうというふうに思っております。その上で、もしそういう事実があるとするならば、厳しく厳正な処分を含めて措置をとっていくことが私のやることであろうというふうに思っております。その後、私どもは、こういうことが二度と起こらないように、先ほど御指摘されましたように、調達制度調査委員会等々の中で、自衛隊のあり方あるいは防衛庁の行政のあり方等々について広く学識経験者等から御意見を聞く中で、対応策をきっちりと考えていきたいというふうに思っているところであります。
#82
○石井(紘)委員 焼却を、あるいは証拠隠滅というようなことをやったということがまだわからないのですか。
#83
○額賀国務大臣 東通事案に関連してそういうことが組織的に大量に行われたかどうかということについては、今、調査委員会を設けて捜査に影響を与えないような範囲において毎日職員から事情を聞いているということでありまして、鋭意この調査を進めて、できるだけ早く結果を出すように努力をしているところであります。
#84
○塩田委員長 石井委員に申し上げます。
 時間が参りますので、締めくくって質問をしていただきたいと思います。
#85
○石井(紘)委員 はい、わかりました。これで終わります。
 きょう出された文書の中にも、参議院で出されたものにちょっとつけ加わっているところがあるのですね。これはどこかというと、東通事案について証拠隠滅と書いてあるのですよ。東通事案ということで限定しているのですよ。どういうわけですか、これは。証拠隠滅は昨年の夏から行われているのですよ。東通事案だけじゃないですよ。こういうふうに逃げていて、しかも現にあったことをいまだに隠しておられるということは重大な問題でありますので、防衛庁長官も責任を強く感じながらやはり指導に当たっていただきたい、このことを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#86
○塩田委員長 次に、若松謙維君。
#87
○若松委員 新党平和の若松謙維でございます。平和・改革を代表して質問させていただきます。けさ五時過ぎまで金融関係を追っておりましたので若干体調万全ではありませんけれども、今回の防衛庁調達問題、非常に重要な問題でありまして、気力を振り絞って問題解明のために当たっていきたいと思っております。
 また、ここで一言意見を申し上げさせていただきますけれども、本来、この問題は決算委員会から発した問題でありまして、それがいまだに開かれていない。これは決算委員長の怠慢だと思います。この場をかりて主張させていただきます。
 私は、防衛庁調達問題、いわゆる故意か過失かという観点で、昨年の十一月十二日、決算委員会で最初に質問をさせていただきました。そういった観点から引き続き関心を持って見守っていたわけですけれども、特に捜査が入るにつれていろいろな形で事実関係が、正式なルートではありませんけれども、明るみになってまいりました。
 その中で、まず第一点目にお伺いしたいのが、ちょうど九月十三日、十七日付の新聞報道、これはともに毎日新聞ですけれども、上野容疑者が大手通信電機メーカーの総利益率を退官間際に〇・五%引き上げた、この動機づけ等については今捜査が行われていると思いますけれども、この〇・五%引き上げた、これについては事実かどうか、それはもうわかる話だと思いますので、防衛庁、答えていただけますか。
#88
○及川政府委員 お答え申し上げます。
 調本におきましては、平成七年度、一部の企業におきまして暫定的に経費率を算定する必要がございましたので、平成七年の五月に平成六年度の会社決算確定予想値、予想値でございますが、これを基礎として算定をしました結果、前年度の標準の総利益率よりも下がったわけでございます。ただし、同年の七月に平成七年度の標準の総利益率というものを算定することになりまして、その時点では平成六年度の会社決算が既にでき上がっておりました。したがいまして、これを基礎として算定した結果、暫定的に算定した総利益率も上がったというふうに聞いております。
#89
○若松委員 では、この〇・五%引き上げというのは事実だということですね。
 そうしますと、そのときの総利益率の決定権はだれにあったのか。そして、その引き上げの理由について、今、平成六年度の決算後ということですけれども、そのときの決定権はだれだったのですか。
#90
○及川政府委員 決裁は調達実施本部長がいたしております。
#91
○若松委員 そのときはどなたでしたか。
#92
○及川政府委員 諸富本部長でございます。
#93
○若松委員 諸冨本部長ですね。現在逮捕中でございます。
 それでは、二番目の質問に移らせていただきますけれども、今回、今おっしゃった諸富さらに上野、この調本の二人のトップが逮捕されましたけれども、いわゆる証拠隠滅ということで現、前官房長が今地検特捜部の事情聴取を受けております。いわゆる防衛庁組織ぐるみの犯罪はこの委員会等で議論がなされておりますけれども、それで、ずっと問題になっておりますいわゆる返還額の決定、特に四社ですね、東洋通信機を中心とする四社、この処分をだれが決定したのか。そのときは調達本部長ですか、事務次官ですか、それとも防衛庁長官ですか。答えてください。
#94
○及川政府委員 お答え申し上げます。
 いずれも本部長まで上がって決裁をいたしております。
 なお、日本工機という最初の案件につきましては、次官まで上げて審議をいたしております。
#95
○若松委員 そうすると、その四社のうち三社、日本工機を除いた三社は、いわゆる事務次官、防衛庁長官は知らない、そういう事実でよろしいわけですか。
#96
○及川政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#97
○若松委員 長官にお伺いしますけれども、今こういう、どちらかというと、議会制民主主義、議院内閣制で、いわゆる選挙で、本来防衛庁を仕切らなければいけない政治家が論外にされております。その現状に対して防衛庁長官としてどういうお考えですか。
#98
○額賀国務大臣 それまでの長年の慣例等あるいは調達本部の権限等々のこともあったかもしれませんけれども、若松委員御指摘のとおり、こういう問題については、やはり議院内閣制でありますから、長官は行政のトップであると同時に国民の代表者として行政をどうしていくかという視点も持たなければならないし、持っているわけでございまして、当然そういうことについて報告を受けることが適切であるというふうに思います。
#99
○若松委員 それでは、東洋通信機の返還額、これもいまだに議論になっております。特に石井議員に対し九月十日のこの安保委員会で、いわゆる返還額について複数の試案があった、こう答弁しているわけですけれども、それがなぜわかったのか。というのは、複数あるということは、当然防衛庁内にさまざまな数字、資料を根拠に幾つかの試案があったのではないか、そう思われるのですけれども、それについていかがですか。
#100
○及川政府委員 いろいろ試算があったことは事実でございますが、内容につきましては、恐らく捜査に触れることになりますので、御容赦いただきたいと思います。
#101
○若松委員 いつもその手で逃げますね。
 それでは、これも報道ですけれども、過去三回にわたって証拠隠滅が行われた、こういうふうに言われております。去年の九月、いわゆるこの問題が発覚して、そして調達実施本部に原価差異事案対策特別委員会が設置されました。それから、ことしの二月、同じく調本の原価差異事案再発防止策発表、そしてことしの八月二十四日に原価差異事案に関する施策の概要、こういう形で一年間何かやっているのですけれども、さらに二百八十件、五年間で調査すると言いながら、実際に調査している社数は、平成九年度十四社、平成十年度八月末まで六社、一年半で二十社しかやっていないのですよ。何十年かかるのですか、二百八十社やるには。声ばかりで、文書ばかりでパフォーマンスなんですよ。本当に防衛庁の体質は、後で長官に聞きますけれども、全然変わっていないのですよ。どうなんですか。
#102
○及川政府委員 二百八十社につきましては、今後五年間をかけて調査いたしたいと思っております。
 御理解賜りたいのは、調査には相当の人手がかかりますので、新たにチームを編成して行わなければならないかと存じておりまして、来年度以降その体制をつくるべくやっております。よろしく御理解を賜りたいと存じます。
 なお、今既に、その制度調査に関しましては、本年度もかなりの人数を割いてあるところでございます。
#103
○若松委員 では、九月以降あと何社できるのですか。自分たちのマンパワーが足りなければ外部調査とかできるでしょう。
 要は、はっきり言いますが、あなたたちが調査をやったって調査じゃないのですよ。当事者が調査をやったって、自己証明は証明にあらずというのが監査の原則なんです。そういう自覚を持って答えてください。
#104
○及川政府委員 平成十年度につきましては、三十五社、四十事業所を行おうと思っているところでございます。
#105
○若松委員 それで、これも恐らくなかなか渋ると思いますけれども、今たしか、四社事実のどうのこうのという調査委員会をつくられましたね。これだって、基本的に先ほどの特別対策委員会と同じだと思うんですよ、本当に。
 今この調査委員会で調査中ということですけれども、七十人に事情聴取ですか、今までどんなことがわかっているんですか。いつまでに調査を終えるんですか。それを答えてください。
#106
○藤島政府委員 報道にございますように、昨年九月ごろの時点と四、五月ごろの時点、それから本年八月から九月にかけての三つの時点についてあるわけでございます。
 まず、昨年九月ごろに調達実施本部の複数の課において、当時、地検任意出頭等に備えコピーを作成したことは、複数の職員からの聞き取り調査の結果により、事実と思われます。その際に書類の焼却、処分を行ったかどうか、また、行ったとして、その中に今回の元調本長らの背任容疑事件に関する重要書類が含まれていたかどうかは、確認の手だてが乏しいこともありまして、いまだ確認ができておらず、調査中でございます。
 また、四、五月ごろの件でございますけれども、毎年、年度がわりには、四、五月ごろには他の時期に比べまして大量の書類焼却が発生するとの聞き取り調査結果はあるわけでございますが、本年五月ごろに、通常行われている書類整理以外に本件に関する重要書類を大量に焼却したかどうか、まだ確認できておらず、調査中でございます。
 また、本年八月から九月にかけて、種々の書類を自宅保管したり、他の建物に持ち込んで保管したことがあるという聞き取り結果を得ているわけでございますが、どういう理由で、またどういう状況下でそのようなことが行われたのか、また、今回の元調本長らの背任容疑事件に関する書類が含まれていたかどうかといった点については、現在確認作業を行っているところでございまして、できるだけ早く結果を出したいというふうに考えておるところでございます。
#107
○若松委員 いずれにしても、マスコミで言われるようなさまざまな事実関係というのは、その聴取の中で出てきているわけですね。
 では、これは刑事局長にお伺いしますけれども、法務省、検察としまして、今回の事件の性質をどんなふうに考えているのか。そして、私としては、今回二回にわたって防衛庁などを家宅捜索しましたので、これはあくまでも調達本部の部分的な問題ではなくて、やはり、前官房長、現官房長あわせての事情聴取もやっているということは、結局、防衛庁が組織的に証拠隠滅をはかった可能性があったからやっているんじゃないか、そう認識しますけれども、局長、いかがですか。
#108
○松尾政府委員 まず、お尋ねの件でございますが、現在東京地方検察庁におきまして、この九月三日から十日までの間に元防衛庁の調達実施本部長の諸冨増夫、同副本部長上野憲一ほか七名、いずれも背任の事実で逮捕して、所要の捜査を進めているところでございます。
 また、先生お尋ねの捜索につきましても、同背任の事実に基づいて捜索を実施したというのが東京地検の発表でございます。
 それから、さらにお尋ねの点については、具体的な状況、捜査中のことでありますので触れるのは難しいわけでございます。
 一般論として申し上げますと、刑法の証拠隠滅の規定そのものは、個人の行為責任を追及する刑法の建前からいいますと、団体あるいは法人の責任を追及する処罰規定は置いてございません。そういうことで御理解いただきたいと思います。
#109
○若松委員 個別事案ですのでそんなに答えられないでしょうけれども、いずれにしても、ぜひ検察当局として全力を尽くしていただきたいと思います。
 今、背任ということがこの捜査の性格とおっしゃいました。この背任に対しては、実際に去年からわかっていた。それで、一年間さまざまなパフォーマンス的な委員会をつくったり調査なんかをしたり、だけれども、結果的に証拠隠滅という疑惑もかかっている。これが事実ということになりましたら、防衛庁としては大変な信頼失墜で、これは大変な問題ですよね。
 長官に聞きたいのですけれども、この証拠隠滅、組織的な観点からの一つの結果というものが出た場合に、長官としてどのように責任をとられますか。
#110
○額賀国務大臣 今御指摘のような報道が事実とすれば、つまり、東通案件をめぐって大量に文書等を焼却して証拠隠滅をはかったというようなことが事実であるとすれば、これはまことに重大な案件であり、私どもはまずその前に、事実関係をみずからの自浄能力を示す形で明らかにしていくことが前提であるということで、先ほど来申し上げておりますように、文書等の管理の調査委員会をつくって鋭意努力をしているところでございます。
 そういうことが事実であるような事態になれば、これは厳正な処分を含めて、措置を厳しくしてまいりたいというふうに考えているところであります。そして、国民の信頼を回復していくことはそこから出発するものと思っております。
 さらに、私どもは防衛調達制度の調査委員会等をつくっておりまして、今後再びこういうことが起こることがないように、システム的に変えていくことも最も大事なことであるというふうに考えております。
#111
○若松委員 事実がわかった場合に厳正に措置すると。その厳正に措置というのは、ちょうどさっきも長官がきようの報告で、先ほど石井議員も触れられましたけれども、調査結果を踏まえた厳正な措置をとってまいる所存ですと。これは当然自分の責任も含むんですか、結果次第では。
#112
○額賀国務大臣 今、事実関係の究明に全力投球をいたしております。その事実関係を明らかにした上でそういうことは考えるべきものと思っております。
#113
○若松委員 私先ほど言いましたように、四社のうちの一社日本工機、それは報告したけれども、それ以外は現場で処理していると。それで結局、そういう事実が、いわゆる先ほどの議院内閣制、機能していないという事実があれば、ではどうやって現場をしっかり議員中心のシビリアンコントロールに持たせることができるんですか。
 そこで、最大の綱紀粛正、規律の保持、これは長官の引責辞任が最高の綱紀粛正だと思いませんか。現に、昭和六十三年、ちょうど瓦防衛庁長官、潜水艦「なだしお」と遊覧船「富士丸」が衝突して、この任務懈怠。では、現場の事務次官が、本部長が責任をとってやめればそれで済むんですか。それで自衛隊全体の綱紀粛正ができるんですか。万が一、今検察当局が調査して、その結果が、事実ということが判明したときは、まさに綱紀粛正は、長官、あなたみずからの責任しかないんじゃないですか。それを常に政治家として発することが、決意を示すことが、そして約束することが最大の自衛隊の綱紀粛正じゃないんですか。いかがですか。
#114
○額賀国務大臣 私は、先ほど来言っておりますように、一連の問題について、捜査に協力をいたすことと、そして真実解明をやってもらうようにこちらも全面協力をするということ、と同時に、私どもも自浄能力を発揮して、事実関係を明らかにするように秋山次官に指示をし、今一生懸命その努力をしているところであります。そういう事実関係を明らかにすることが私の最大の今の仕事であり、その上に立って再びこういうことが起こることのないように考え、そして全体的に事実関係が明らかになった時点でまた考えることが私の仕事であると思っております。
#115
○若松委員 果たしてそういう姿勢で、この事実が確定して、大変失礼な言い方ですけれども、万が一長官がおやめになる、そういっただ場当たり的な辞任では綱紀粛正にならないと私は思いますよ。まさに現場が言うことを聞かなくなった、それは政治家の力不足だ、だから政治家が綱紀粛正のために国民の皆様に責任をとる、それを常に意思表示することが今最も大事じゃないんですか。違いますか、長官。
#116
○額賀国務大臣 おのれをむなしくして、私情を挟まないで断固事実関係を明らかにすることが私の今の当面の責任であるというふうに思っております。
#117
○若松委員 私は、ぜひこの本を読んでいただきたいと思います。「海は甦える」江藤淳。これは、明治末期から大正にかけて、山本権兵衛総理大臣、元海軍省大臣です。そのときに、御存じのシーメンス事件が発覚して、当時の海軍機関少将藤井光五郎、少将ですから今の局長クラスですよ、本部長クラスですよ、彼がわいろを受け取ったということで、ちょうど大正三年ですか、一月二十三日に時事新報がこのシーメンス会社贈賄事件を報道いたしました。そして同じ月の三十一日、機関少将、先ほどの藤井光五郎が査問委員会に召喚されました。そして三月二十四日、山本権兵衛内閣総辞職、元海軍省大臣みずからやめて、綱紀粛正のために、当時の海軍の国民的な信頼を維持するために、みずからの政治家としての責任をとったわけですよ。そして昭和になって、やはり常にこういう大きな予算を使う、常にわいろが出る、そういうことで原価計算制度もできてきた、私もそういったところは勉強しました。それで同じ年の九月三日、先ほどの藤井少将、当時は帝国海軍ですから、それにも海軍軍法会議というのがありまして、懲役四年六カ月の判決、当然罰金も出ております。ぜひこの四部、五部を読んでください。
 今、日本の政治家にとって、こういった姿勢が一番大事じゃないんですか、長官。司法当局の結論が出てからみずからの政治家の結論を出すというのではだめなんですよ、それは。後追いなんですよ。対症療法なんですよ。根本治療は、そうなった場合に、常に政治家みずからがその組織全体の責任を議院内閣制の責任者としてとるんだ、それを今出すことが本当の綱紀粛正の第一歩じゃないんですか。長官、どうですか。
#118
○額賀国務大臣 私は、だから、防衛庁の自浄能力を示す意味で、おのれをむなしくして、私情を挟まないで事実関係を明らかにしていく、その過程で、事実関係がどういう形になっているかということを示すことによってこそ、国民に対して、失われた信頼を取り戻す第一歩であるというふうに思っております。
 ただいまの若松委員の御提言については、一つの見識として承っておきます。
#119
○若松委員 ぜひ、私の見識か、長官の良識か、一つの結果責任という形ではなくて、大きく政治の流れを、信頼を取り戻すという観点から、今、長官の政治家としての発言というのは非常に重要だと思います。タイミングも大事だと思います。それをよく含みおきの上、当然この調査は厳格にやってもらう、協力してもらう、かつ、みずからの組織全体の長としての綱紀粛正のための英断も私は求めます。
 そして、会計検査院にも伺います。
 今回、防衛庁関連の四つの財団に四人の天下りということで、検査する側が、結局その部下が防衛庁関係に行っている。独立性という観点からは、大変諸外国のグローバルスタンダードから全く認められない話です。
 そういうことで、今回捜査が入りました。これについて、会計検査院として、本当は捜査が入る前にこの今回の問題が、先ほど石井議員も会計法とかの議論がありました、そのときに徹底して検査を行うべきだったのですよ。確かに、金額の確定はわからない、減額処分が幾らかわからない、だけれども会計法として疑義がある、はっきり問題があるということで、金額はわからない、だけれども問題がある、片肺でも前に進んで、検査報告書にしっかり書くべきだったのですよ。そうすれば、この防衛庁の問題というのは、捜査が入る前にもっと具体的な解明が進んだのですよ。それについてどうお考えになりますか。どう責任をとられますか。
#120
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 先ほど石井先生にも御答弁したわけでございますけれども、私どもといたしましては、当時我々としてできる範囲の検査はやったつもりでおります。結果的には検査報告という形にはならなかったわけでございますけれども、それは、あくまでも金額等、我々として確かな数字を確認できなかったということから検査報告ということにならなかったということを御理解いただきたいと思います。
#121
○若松委員 いや、全然そんなのは理解しないです。天下りを会計検査院も、わかりますよ、生活がかかっている。でも、腐っても会計検査院なんですよ。検査をする立場なんですよ。独立を疑われてはいけない立場なんですよ。その結果、こうやって捜査が入った。検査院として、どういうふうに理解しているのですか。会計検査院も背任じゃないですか。
#122
○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 今回の防衛庁の事案につきましては、これまで委員会で担当局長から御答弁申し上げましたとおり、防衛庁において事態を発見し、是正の措置をとった旨の報告を受けたものでございまして、その後、会計検査院といたしまして、その報告内容について必要な検査を行うなどして、可能な限り事態の解明に努力してきたところでございます。
 申し上げるまでもないことでございますが、私どもの検査は、相手方の協力をいただくことを前提にいたしまして検査を行っているところでございます。しかしながら、今回この事案が司法当局におきまして捜査の対象になったということは、財政監督機関であります私どもといたしまして、まことに残念なことであるというふうに考えております。
 こういうような事態を受けまして、私どもといたしましては、検査のあり方に改善すべき点はないかどうか今検討をしているところでございまして、その点も御理解をいただきたいと思います。
#123
○若松委員 全然反省が伝わってきません。結局、行政が行政にお世話になっている。その行政の検査院がお世話になっている行政を検査している。(「なれ合いじゃないか」と呼ぶ者あり)同僚議員がなれ合いと言いましたけれども、もう日本のシステムは全部こうなってしまっているのですよ。金融問題だって結局あれでしょう、メーンバンクという形で追い貸しもし、今の上場会社だってメーンバンクが今のロールオーバーしている融資を継続断念して欧米並みにしたらどうなりますか。三分の一、半分はつぶれてしまいますよ。そういう、今なれ合いの日本のシステムが全部行き詰まっているわけですよ。
 会計検査院、今の姿勢でこれだけの国民の不満、不祥事、解決できますか。文書を読まないで、次長、自分の心からの決意を言ってください。
#124
○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 私どもといたしましては、司法当局によります事態の解明を見守りながら、検査院のこれまでの検査の方法に改善すべきところがないかどうか早急に点検いたしまして、必要な対策を講じるなどいたしまして、今後の検査の実施に最善を尽くしてまいりたい、このように考えております。
#125
○若松委員 もう防衛庁長官も検査院もみんな同じなのですよ。実態を将来よくして、責任としていきたいと。こんなのでは責任にならないですよ。私は、いずれにしても、この問題は、当然決算委員会なのでしょうけれども、そういったところで、会計検査院全体としての責任の所在を明確化するために、再度院長に聞いてまいります。検査院長ですよ。検査院もそろそろ時代の認識の変化を理解して、行政に遠慮しながらの検査ではなくて、国民の側に立った、まさに国会の側に立った、いわゆるGAO的ですよ、そういう発想でこれからやってくださいよ。いいですね。特に答弁を求めません。
 最後、時間が来ましたので一点だけ。これは防衛庁に、自衛隊法改正について、今天下り問題があります。これについて、現行の自衛隊法六十二条、これが天下りの規制について顧問が対象になっておりません。ところが、国家公務員法は全部、顧問も対象になっているのですよ。これが自衛隊法のループホールなのです。それが、上野容疑者も抜け穴を利用して複数の企業の顧問になりまして、そして多額の報酬を受けていた。自衛隊法を改正して天下りの規制の対象に顧問も入れるべきだと思いますけれども、防衛庁、どういうお考えですか。ぜひ運用の改善を図ってください。
#126
○額賀国務大臣 私が先ほど来言っておりますように、今度の一連の問題は、防衛庁、自衛隊のあり方が問われている、行政のあり方が問われているということだと思います。その意味で、自衛隊の再就職の問題につきましても、これは調査委員会をつくりまして、第三者的な方々の、学識経験者の方々の意見を聞きながら、透明化した形でルール化していくことが必要である。幸いに国家公務員の退職のあり方も検討されておりますので、そういうことと同時に、自衛隊の再就職の問題についてもきちっとした形をつくっていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#127
○若松委員 もう時間が終わりましたので、ぜひ法改正という形で、これは難しい話ではありません。実は四月二十二日も、官房副長官のときに、一生懸命天下り、やりますと私に言いました。ぜひその実行を期待して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#128
○塩田委員長 次に、西村眞悟君。
#129
○西村(眞)委員 私は三十分質問をいたしますが、このまま経過するならば本会議開始に重なっていきますので、余裕を残してやめたいと思いますが、お答えは簡潔にいただきたいと存じます。
 今、調達本部の問題がずっと一貫して議論されておりました。私はこの場で、もう一つの重大問題であるミサイル発射に関連する我が国の国防の問題について質問させていただきます。
 先ほどから長官は、防衛庁、自衛隊というものは国民の生命身体を守るための崇高な任務を負った組織であるとおっしゃっておられます。防衛庁長官は、就任に当たり栄誉礼を受けられる、それから身の危険を顧みず職務を遂行するという宣誓をされる、閣僚の中で唯一の立場であるわけですね。なぜその栄誉礼も宣誓もされるのかといえば、まさに防衛庁というものが国民の命と財産、そして国家を守るという組織であるからでございます。
 さて、今問題は、この組織が果たしてその栄誉礼に、また宣誓にかなう実態と能力を備えておるのかということでございます。
 前回、東祥三議員の質問に対する御答弁を聞いておりまして、私は、長官にはもう少し根本の問題からお聞きしたいなという思いがいたします。なぜなら、この装備の能力はともかく、法制また政府の見解というソフトの部分でこれが機能しないのならば、国民に対する背任、先ほどから背任という言葉がよく出ておりましたが、これこそ真の意味の背任である。神戸の大震災で六千名の方々がむざむざ亡くなっていきましたけれども、それと同じようなことが、いざ国防の問題で任務を果たさなければならないときに起こるだろう。これこそ非常に国民に対する裏切りであると思うので、この問題から質問させていただきます。
 まず、根本の問題は、この崇高な任務を負って、そのためにイージス艦であれ戦車であれ保有している組織が、政府の見解では、国内では軍隊ではありません、海外では軍隊として扱ってもらえるものと期待しております、これが政府の見解でございます。家の中では女であり家の外では男でございます、こういうことで、わけがわからぬ。
 それで、防衛庁長官は、この答弁、この政府見解よりも、自衛隊は軍隊である、国の内部でも国の外でも軍隊である、こういう方向に編成し、答弁を変更していくのが望ましいのか、それとも今のままでいいのか。二つに一つ、どちらに御判断されていますか。
#130
○額賀国務大臣 今、委員御指摘のことを率直にお聞かせ願っていろいろと考えましたけれども、私は、今我が国の憲法の中で、そして専守防衛、そういう前提の上に立って自衛隊が成り立っている、そういう意味からいいますと、現状のとおりでいきたいというふうに思っております。
#131
○西村(眞)委員 では、専守防衛と言われましたが、我が国の自衛官の諸君が本来の任務を遂行するのは我が国内でございますね、専守防衛ですから。ということは、我が国内で任務を遂行する。任務の遂行というのは、我が国内に敵がおるということでございますな。そのときに、政府みずからが、我が国内で任務を遂行するその組織が軍隊ではないと言っておりましたときに、相手方にジュネーブ四条約に言う捕虜の待遇、軍人としての捕虜の待遇を与えなくてもいいという発信をなさっておる、こういうことになるんです。軍隊、軍人ではない者が武器を携行して戦場をうろうろすれば、相手方は、利敵行為者として、軍人捕虜の裁判を経ずして射殺してもいいわけですね。これで崇高な任務が果たせると長官はお考えですか。
#132
○額賀国務大臣 自衛隊も、国際法的には、現実的には軍隊の扱いを受けているものと思っております。
#133
○西村(眞)委員 政府が公式に自衛隊は軍隊ではないと言ったことが、相手方にいかなる口実を与えるか考えたことがないのですか、このことを言っておるんです。みずから軍隊ではないと言いながら、国際的には軍隊として扱ってもらえる、こういうふうなことを言っておったら、栄誉礼を受ける資格があるかどうか。栄誉礼というのは何の意味ですか。長官の命令によって命を捨ててもいいですよ、あなたの命令に従いますよ、こういう部下のもとに栄誉礼を受けた長官が、今の答弁、相手方に与える影響を考えずして安易にされたら困る、このように私は申しておきます。
 さて、防衛出動の下命の要件、これは専守防衛とかいろいろなのが出てきます。私は、防衛には専守もへっちゃくれもない、防衛するためには攻撃精神が必要なんだ、攻撃精神なき防衛なんか防衛にはならぬ。しかし、専守防衛という、どういうふうに外国語に訳していいのかわからぬお言葉を使われるから、防衛出動の下命の要件は専守防衛のもとで三つある、急迫不正の侵害である、他にとる手段がない、必要最小限である、これが政府の見解ですから、この前提でお聞きします。
 ミサイルの攻撃に対してこの防衛出動の下命の要件は維持することが現実的ですか、非現実的ですか。どうですか、現実的なんですか。
#134
○額賀国務大臣 そのミサイルを発射するところがどこであるのか、また、そこの発射したところのトップの首脳の意図がどこにあるのか、あるいはどういう継続性をもって行われているのか、規模とか状況とかさまざまなことを考えなければ最終的な判断はできないのではないか。ただ、委員おっしゃるように、ミサイルがいきなり飛んできたときにどういうふうに我が国民を守っていくかどうかということについては我々も大きな課題であるというふうに認識をしておりまして、目下、これに対応していくためにどうするかということについて日米の間でもさまざまな調査研究をしているというところでございます。
#135
○西村(眞)委員 マッハ九で飛んでくる物体を発射した人間がどういう意図で発射しているか即座にわかるはずがない。だから、防衛出動の下命の要件は、口では言っておりますけれども、現実にはミサイルには機能しないんでしょう。急迫不正の侵害なりこの三つの要件、敵さんが海に足をつけてのこのこ海岸に上がってくるという前提なんですから、機能しないでしょう。
 さて、機能しないという前提で、ミサイルに対する防衛はいかがされますか。
#136
○額賀国務大臣 今、冷戦後、弾道ミサイルとか大量破壊兵器とかが拡散をして脅威があるという認識を、あるいはまた大きな不安定要因になっているということは共通の認識を持っておる国々が多いと思います。そういう中でどういうふうにやっていくかということについて、これを得れば完璧に対応できるというものは、今のところ、日本だけではなくて、確立されていないのではないかというふうに思っております。
 したがって、最終的には、我々の国を守るためには、外交の努力だとか国際的な枠組みをつくるとか、そういう環境づくりを政治の舞台、外交の舞台でつくり上げると当時に、そういう事態の変化が起こったときにどういうふうに実際的に国を守るかということになったときに、我々は最悪の事態を想定をして、今、弾道ミサイルのそういう脅威に対してどういうふうに対応するかということを研究中である、それは大きな政治課題として取り組んでいるというふうに考えております。
#137
○西村(眞)委員 私はこの質問の冒頭で、長官が部下の栄誉礼を受けられたということの確認から始めました。栄誉礼というものの意味の確認もいたしました。あなたの命令で、今の危険があっても命令に従うという誓約をあなたは受けた。したがって、長官に私がお聞きしているのは、長官は部下にどういう命令を下すのか、そういう事態になれば自衛隊にどういう命令を下すのかということなんです。そのことにはお答えいただいていない。東祥三議員のときもそうでしたけれども。この問題ではお答えはいただけない防衛庁長官であるということだけは確認させていただく。
 専守防衛というふうな言葉を安易に使われて、それが現実にはいかなる事態に遭遇してから命令を下さざるを得ないのかということを想像していただきたい。二年前の神戸の地震のように一つの町がミサイルで燃えて、そしてのこのこ動く、非常に非道徳、道徳的に容認できない防衛出動である、ミサイル攻撃に対する専守防衛というものは。
 では次に進みますが、昭和三十一年の船田防衛庁長官のとき以来、数日前も私がこの場で確認させていただいたけれども、ミサイル基地をたたくのは自衛権の範囲である、こういうことが政府の方針である。私は、その方針は、それはそれでしか、長官のお答えにあるように、それでしか国民の命を守れないのですから、今の時点ではそれでしかないだろうと思います。
 さて、その前提で、今の内閣の一貫した防衛思想、ミサイル基地をたたくという思想のもとで、我が国の装備、兵器の能力、これを早急に、具体的には朝鮮半島のミサイル基地を破壊することができる装備を調えるべきであるか否かについてどうお考えですか。
#138
○額賀国務大臣 政府の憲法解釈においては、我が国を守る場合においても、必要最小限の武力体制で守るということになっております。これを、戦闘、戦力アップのために攻撃的な機能を高めていくことにはおのずと限界があります。
#139
○西村(眞)委員 矛盾したことを御答弁されては困る。政府みずからが敵のミサイル基地をたたくことは自衛の範囲であると言っている。したがって、自衛の範囲の、自衛隊の、まさに長官がおられる組織の名誉ある任務を遂行するためにその装備が足りぬではないか、したがって、国民の命を守るその任務を遂行するためにはその装備が必要なのではないですかと言っておるのです。兵器はすべて攻撃的なんですよ。攻撃的でない兵器なんか兵器ではないんですよ、水鉄砲ですよ。しかし、その兵器を使う、自衛の範囲であると政府が認定した以上、その自衛の任務を全うするための能力を装備する必要があるんですか、ないんですかと言っておるのです。簡単にお答えください。
#140
○額賀国務大臣 今我々は受動的な立場で、そういう意味では防衛体制を整えていることであり、そして、全体的に日本の安全を守っていくために日米安保条約ということを考えて、我が国が攻撃をされた場合は、日米の共同対処という形で我々の安全を守っていこうという形をとっているわけであります。そこを我々はすき間のないように何とか考えていきたいというふうに思っているわけであります。
#141
○西村(眞)委員 軍人から栄誉礼を受けた長官なら、はっきり言われたらどうですか。これだけ言っておきます。
 さて、先ほど長官も、我が国も独自の情報を収集しておると申されましたので。ロシアは北朝鮮情報の宝庫でございまして、私は、数日前にロシアに行ってロシア国防省の文書等々を持ち帰った者と会いました。その前提で、これは防衛庁に、また外務省に聞かねばならないと思うので、確認しておきます。
 北朝鮮は、ロシアの文書では、核弾頭を既に保有しておって、そして、核起爆装置は既に一九九〇年に完成しているというふうにロシア国防省の北朝鮮戦力分析は記載されておりますが、それは、防衛庁としては、北朝鮮は核弾頭を既に保有しているか否かについて、どういう情報を持っておりますか。
#142
○佐藤(謙)政府委員 北朝鮮につきましては、既に同国が核兵器一、二個を製造するに十分なプルトニウムを抽出、保有している、こういう報道等もございますけれども、具体的に、明確に私どもの方からこうだという情報は持ち合わせておりません。
#143
○西村(眞)委員 ノドンが発射されてから、ロシアが北朝鮮戦力報告命令を書きまして、戦力報告がエリツィン大統領のもとに多く届けられております。その中には、弾頭は仕上げの段階に入っている、広島タイプであるということがあるわけですね。それから、ノドンの発射目的、テポドンの発射目的もちゃんと記載されておる。これはなぜかといえば、百九十五名のロシア技術者が北の核開発のために北に渡って核開発の援助をしておる、だからわかるわけですね。
 テポドンが人工衛星か人工衛星でないのかという議論がありますけれども、テポドンとノドンの発射実験目的を押さえておけば、そういう議論は全く意味をなさないというのがわかるのですね。ノドンの発射目的は命中精度を確かめることだとこの国防省の報告では述べておる。テポドンの発射目的は六千キロに達するか否かを確かめることだ、命中精度についてはノドンで完成しておる、こういうふうに書いておるわけです。これは、エリツィン大統領からクリントン大統領に渡されたと言われる文書にあるわけですが、アメリカは、六千キロ飛ぶということを甘く見ておったのだろう、こういうふうに思います。
 防衛庁は、数年前のノドンの命中精度を、私の記憶では一キロから二キロと把握しておられると思うのですが、そのとおりでございますか。
#144
○佐藤(謙)政府委員 これも推定の域を出ないわけでございますけれども、我々としては、ノドンというものがこれまでのスカッドをベースにして開発が進められているということからすれば、特定の施設をピンポイントでねらえるような、こういうものではないだろう、こういうふうに考えてございます。いろいろな情報の中には、CEPが約三キロ程度、こういうふうにも言われているところでございます。
#145
○西村(眞)委員 今までのロシアの報告書では、ノドンの命中精度は百メートルから二百メートルの間だという報告がなされております。
 いろいろ聞いていっても仕方がありませんが、ロシアは、テポドン発射の瞬間を空中からヘリで撮影しておる、そして撮影の映像はクレムリンの国防省にあるというふうに言っておりますが、このことは把握しておりますか。映像を見れば性能がわかるということですから。
#146
○佐藤(謙)政府委員 今お話しのロシア国防省の保有する映像の件でございますが、私どもとしては、その存在を承知してございません。
#147
○西村(眞)委員 燃料は、映像を見る限り、煙は余り見られない、炎は見られるということは、あれは固形燃料の可能性が高い。アメリカは、第三段目が固体燃料だ、固形燃料だというふうに言っております。
 これは、ロシアの情報では、湾岸戦争の教訓で、北朝鮮が固形燃料の技術をくれくれと盛んに言った、そして渡してやった、支払いはにせドルであった、真正ドルとにせドルとの交換比率は一対五ですから、五枚の一ドル札を持っていけば一枚の真正ドル札とかわるから、北朝鮮はにせドルで支払ったんだ、このように言っておるというふうに私は数日前聞きました。
 さて、多分、防衛庁は、また外務省は、九三年十月二十三日付ロシア国防省からエリツィン大統領あて報告書、北朝鮮の戦力報告書は見ておられないのだろうと思いますが、こういう文書が存在するか存在しないかということについては、認識はいかがですか。見ておられなかったら、それはいいのですが。
#148
○西村(六)政府委員 今おっしゃられました文書を私どもが所持しているかどうかにつきまして、今現在調査中でございますので、入手するに至っているという確認をすることはできません。
 しかしながら、一般論として申し上げたいと思いますけれども、この点は先生よくよく御承知のことと存じますけれども、特定の文書を私どもが入手いたしているか否かということを申し上げるに際しましては、安全保障上のいろいろな国益等あるいは利害関係といったようなものをよく考えなければいけないと思いますので、入手しているか否かについてお話をする段階には、そのような考慮をした上でお話をさせていただくということになろうと思います。
#149
○西村(眞)委員 これ以上お聞きしませんが、これは私一議員でも見られた文書です。これだけ申し上げておきましょう。
 それから、百九十五名のロシア人技術者が北朝鮮で核開発に携わってロシアに戻っておる、したがって、ロシアは北朝鮮核技術、ミサイル技術の情報収集の宝庫である、こういうことだけは、防衛庁長官、御認識なさってください。
 それから、ジュネーブ条約において、在外公館員は情報収集の機能を持っておる、ただし、接受国の法令を遵守しなければならない。我が国は、接受国の法令というスパイ防止法を持たずしてジュネーブ条約だけに加入しているわけですね。したがって、我が国はスパイ天国になるわけですね。
 しかし、モスクワに駐在する防衛庁からの武官であれ外務省職員であれ大使であれ、情報収集できることはジュネーブ条約で保障されておるわけですから、そして、まさに情報は金で買うか奪うか交換するかしか集まらぬわけですから、こういう情報というのが非常に大切であるというふうな認識のもとに、これは我が国の政治のこれからの課題ですが、国内においてはスパイ防止法を制定しながら、海外においては情報収集する特務機関の育成、これが不可欠だと思います、これほど冷戦後錯綜してきた国際社会にあっては。
 まあ、時間どおりやっておれば本会議が始まりますので、最後に、九月に火力演習を見学してそしてまた自衛隊機の墜落事故の報に接し何を考えたかといえば、あの墜落等々の事故が起こるのは練習密度が低いからではないか、練習、訓練の費用をけちばっているからこういうことになるのではないか。
 したがって、防衛庁長官にお尋ねしたいのは、火力演習であれ何であれ、訓練でありますからもう少し多くの費用をかけて演習をする。航空機であれヘリコプターであれまた戦車であれ、訓練にはもう少し費用をかけたらよかろうと、私は事故の報に接したのと富士山の火力演習を見たので思いましたけれども、長官はどうですか。長官は火力演習に来られていませんでしたけれども、どういう考えを持っていますか。あの飛行機の事故に関してでもよろしいですが、あの事故の原因は何か。パイロットのいわゆる練度、訓練飛行時間が足らないからだ。確かに足らないのです、アメリカとか韓国に比べれば足りない。これが原因だ。この事故をなくすためには訓練だ、たゆまなく訓練に金をかけねばならない、こう思うのですが、いかがですか。
#150
○額賀国務大臣 私は火力演習に行きたいと思っておりましたけれども、国会の日程でどうしても都合がつかなくて、残念に思っております。また、委員御指摘のように、練度の高い航空士が訓練の中で事故を起こしましたことにつきましては、改めて残念であり、心からお悔やみを申し上げたいというふうに思っております。
 委員御指摘のとおり、訓練はやはり自衛隊員の精度を高める最も重要な分野であるというふうに思っております。財政状況が厳しい中で、私どもも、今年度も、また来年度につきましても訓練費が下がることがないように努力をしておるところでございまして、委員御指摘のことを踏まえながらこれからも対応させていただきたいと思っております。
#151
○西村(眞)委員 これで質問をやめますが、やはり直蔵な答えが欲しい。防衛庁長官、これはあなたが栄誉礼を受けて、部下に何を命令するかを私が聞いておるわけですから、今後またこの委員会でそのような方向での御答弁の御準備をお願いします。
#152
○塩田委員長 次に、中路雅弘君。
#153
○中路委員 本会議の時間がありますので、お答えも簡潔にお願いしたいと思います。
 防衛庁のいわゆる証拠隠滅の疑いの問題、もう一つは上申書の問題、二つの問題について御質問したいと思います。
 東京地検が、防衛庁の内局を再度家宅捜索をしました。今度の水増し請求の算定に必要な資料、これを焼却するなど証拠隠滅の疑いがあるとして調本のほか長官官房や内局部局を捜索されたわけですが、防衛庁の組織ぐるみの証拠隠滅の疑いがあり、これが事実だとすれば非常に重大な問題だと思います。
 昨日の参議院の委員会で防衛庁長官は、調本の職員が資料を自宅に持ち帰ったり、移していた事実はあったということは認められましたけれども、問題は、焼却したかどうかということです。
 この点について、今どういう調査をされているのか。昨年の九月とことしの四、五月、あるいはことしの八月、九月に焼却をしたという報道もありますけれども、この事実は今どのように調査をされていますか。
#154
○額賀国務大臣 今委員御指摘の件につきましては、ああいう報道が、例えば東通案件に対しまして、大量の文書が組織的に焼却をされたというようなことが事実であるとすれば、これはゆゆしき事態であり、我々も徹底的に解明をしなければならないということで、委員会を設けまして、今職員から話を聞いているところであります。既に、昨日までに八十五人の職員から話を聞いたところであります。
 これについてはほかの委員の質問に対しまして官房長からお話がありましたが、昨年の九月、本年の五月、そして本年八、九月といった時期の事実関係について、今申し上げられる点を申し上げますと、昨年九月ごろに調達実施本部の複数の課において、当時地検への任意提出等に備えてコピーを作成したことは複数の職員からの聞き取り結果によってわかっております。その際に書類の焼却処分を行ったかどうか、また行ったとして、その中に今回の元調本長らの背任容疑事件に関する重要な書類が入っていたかどうか等については目下調査中であり、まだ確認はされていないということであります。
 もう一つは、毎年度、年度がわりの四、五月には他の時期に比べ大量の書類焼却が発生するとの聞き取り結果もあるわけでありますが、本年五月ごろに、通常行われている書類整理以外に、本件に関する重要書類を処分をしたとかいうことについても今調査中であります。
 八月から九月にかけては種々の書類を自宅に保管したり、ほかの建物に持ち込んだりしたという聞き取り調査を受け取っておりますけれども、私どもはあと数十人以上の職員から事情を聞かなければならないので、鋭意、できるだけ早くこの作業を終えて結論を出して、オープンな形で国民の皆さん方に示すことによって、そして国民の皆さん方の信頼を得ていくように努力をしたいというふうに思っております。
#155
○中路委員 これは一番に聞いておきますが、前の鴇田装備局長は、東洋通信機への返納額をどうするかの作業についての算定作業は九四年の六月に終了したと答弁をされています。九八年のこの委員会ですね。このときの資料、八億七千万円の算定根拠になった資料は、委員会に提出するかどうかということは別にしても、今あるのかないのか、これを聞きたいと思います。
#156
○及川政府委員 私どもで保管しております資料、細かい点はちょっと私掌握いたしておりませんけれども、当然算出いたしましたときの資料はございますけれども、細かいさまざまな原始的な伝票でございますとかそういった点については、現在調本の方には保管していないというふうに聞いております。
#157
○中路委員 これは焼却してないと断言することはできますか。
#158
○及川政府委員 恐縮でございますが、調査中でございますので、私からはお答えできないところでございます。
#159
○中路委員 今長官からお話があった、職員が資料を自宅に持ち帰ったり、移したりしたということは認められているわけですが、この時期に自宅に持ち帰る、あるいは移すということ自体がまさに証拠の隠滅と言われても仕方がないと思うのですね。
 資料を自宅に持ち帰る、あるいは職員が資料を別の建物に移すということは、これはだれかの指示でなければできないことです。調本というのは職員のうち六十九名が現職自衛官ですね。特に自衛官の場合は、上官の指示がなかったら動かないですよ。こういう中で職員が独断でやるというようなことは考えられないわけですが、これを指示したのはだれか。今八十数人の職員から聴取をして、移したとか、あるいは自宅へ持ち帰ったということは認められているわけですから、これはだれの指示かということはその聴取の中でわかるはずですが、これはいかがですか。
#160
○額賀国務大臣 今全体的にそういう話を聞いているところであり、だれからの指示でこうしたというようなことが明確にまだ整理されているところではありません。全体の中で、これを、事情聴取を終えた段階できちっと整理をさせていただきたいというふうに思います。
#161
○中路委員 自宅へ持ち帰ったり建物を移したというのは調査の中で出ているわけですね。出ているわけですから、それはだれの指示であったかということは同じように調査でわかるんじゃないですか。今までの段階での調査の範囲で、その範囲の中でわかるんじゃないですか。移したということは調査でわかっているんでしょう。職員が言っているんでしょう。じゃ、その職員はだれの指示でやったんだということは報告できるんじゃないですか。
#162
○額賀国務大臣 移す場合は、いろいろな書類があったと思うんですけれども、そういうことも含めて今事情聴取、事情聴取と言うと語弊がありますけれども、職員から事情を聞いているということであります。
#163
○中路委員 答えないわけですけれども、やはり指示がなければこういうことはできないわけですから、物を移す場合も。そういう点で、やはりこの点は非常に重要な問題なんですね。防衛庁は本当に、疑惑が組織ぐるみと言われていますけれども、この問題を解明する上でも大変重要な問題だと思います。
 防衛庁長官のきょうの冒頭の報告が、再度東京地検から家宅捜索を受けた、これについては、我が国の平和と安全を守ることを任務とした組織への国民の信頼を失墜さしたというので、一切の弁明の余地がないと考えるということを述べておられますけれども、防衛庁、調達本部が組織的にこうした証拠隠滅をしたという容疑が今かけられているわけです。これが事実だとすれば、前の久間防衛庁長官、そしてことしの八月、九月というのはもう長官自身が就任のときですから、時期的にも額賀防衛長官のもとで証拠隠滅が行われたということになるわけです。その点で、防衛庁長官は、この事実について承知していなくても、監督責任というのは長官としてあるわけですから、この責任は免れないと思います。この調査の結果によってどう長官自身その責任をおとりになるお考えですか。
#164
○額賀国務大臣 防衛庁の元幹部が背任容疑で逮捕され、そして防衛庁が強制捜査を受けたということについては、まことに国民の信頼を失墜したことであり、重大なこととして私も深刻に受けとめているわけでございます。
 したがって、検察当局の捜査に全面協力をして真実を明らかにしていただくと同時に、我々もまた自浄能力を発揮して事実関係を明らかにしていくことがまず私の仕事であるというふうに思っております。と同時に、こういうことが再び起こることがないように、防衛調達制度のあり方、チェックシステムをどういうふうにつくるのか等々について、今我々は、多くの国民の知恵をかりながらそういうルールをつくっていく必要があると思っております。
 それから、大量に文書等を焼却して組織的に証拠隠滅を図ったというようなことは、まことにこれも重大な問題であり、私といたしましては、事実関係をきちっと明らかにすることが先決であり、そしてそれをもって、国民の皆さん方に我々の調査でもって事実を明らかにすることによって信頼構築の第一歩としたいというふうに思っているところでございます。
#165
○中路委員 この証拠隠滅が事実だとすれば、あなたが長官のときに行われているわけですね。その点で、私は長官の政治責任は非常に重要だ、この問題について、明らかになれば、きっぱりと責任をとるべきだということを強調しておきたいと思います。
 もう一つ、上申書についてですが、ことしの七月十四日に防衛庁が東京地検に提出した上申書についてお聞きしたいんですが、私あの上申書はここに持っているんですけれども、理事会で協議しても防衛庁なかなか出されないというので、入手をして持っていますが、すべて目を通しました。
 この内容は本当にひどいですね。上申書は、調達本部の背任事件から逃れようとして、みずからの行為を正当化する、言い逃れしようとするものであって、その内容は私は本当に重要な内容だと思います。
 まず、上申書について、項目だけちょっとお聞きしますが、この上申書の中に、事案処理についての当時の考え方と評価、一ですね。あるいは、返還させる法的根拠について。四番目に、安全保障上の問題への考慮など、こういう項目が、出された上申書にあるかどうか、まずお聞きしたい。
#166
○及川政府委員 いわゆる上申書の中身につきましては、先ほど来御議論ございますけれども、中身につきましては、捜査への影響を考慮いたしまして、御答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
#167
○中路委員 この最初の項目に私が言ったのがあるかどうかということを否定はされないですね。
#168
○及川政府委員 内容にわたることでございますので、御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#169
○中路委員 もう時間が限られていますけれども、一、二例を言いますが、この中に、返納額について、唯一絶対の客観的数値を求めるのは不可能だということは述べています。予定価格の訓令は一般的な基準を示しているにすぎず、具体的案件についての算定に当たっては確定要素とともに不確定要素がある、一般的に唯一絶対の客観的数値というものを計算することは不可能に近い、担当者による計算値が異なることはやむを得ないと言っていますけれども、私たちも唯一絶対の客観数値を出せと言っているんではないんですが、この調達実施本部の概況によれば、予定価格とは、国が締結する際にその契約金額を決定する基準として契約担当官等があらかじめ作成する見積価格であるということを説明しています。
 訓令で定めている予定価格は契約金額を定める基準ではないんですか。それは上申書で言っている一般的基準というものじゃなくて、客観的な基準ではないか。一般的基準というものではなくて客観的な基準ではないかと思います。そうでないということになれば、担当者によって算定が何億も違うということになる。訓令の予定価格とはそんないいかげんなものではないと思うんですね。上申書は、訓令に定める規定そのものを覆すような中身になっています。
 もう一つ、非常に限られていますから続いて聞きますが、東洋通信機の返納額の圧縮を正当化するための理屈も述べています。
 驚くべきことに、この上申書は、調達本部副本部長、この担当が、管理行為の一環として、契約に伴う原価差異の返納を求めるなど所要の利害調整措置を講じたものと思料されるということで、権限がここにあるんだということを言っているんですが、簡単に言うと、東洋通信機などの水増し請求の返納額算定、返還方法などは副本部長の責任と権限でできるということを言っています。東洋通信機などの水増し請求が明らかになって、国民の税金、これを、国費を返納させるという重大問題、予算、決算にもかかわります。この調達本部長はもちろんですけれども、装備局長やあるいは事務次官、何よりも防衛庁長官に何の報告もしないで副本部長が勝手に処理できるということなんですか。お尋ねします。
#170
○及川政府委員 その判断につきましても恐らく捜査の中の一つの内容になっているんではないかと存じますが、事実だけを申し上げますと、東通の案件に関しましては、内局の方への御相談は室長レベルのところまででございました。
#171
○中路委員 上申書について今答えられぬというお話ですけれども、委員長、私は一、二例を挙げましたけれども、この上申書は今の捜査の問題と全く関係ないんですね。捜査の妨げになるという理由を言っていますけれども、拒否していますけれども、私は、上申書すべてを読んでみて、今本当に短時間ですから一、二例を挙げましたけれども、捜査の妨げになるようなことは何も書かれていない。どこが捜査の妨げになるのかも答えられない。こういう国民の目に触れないところで、批判や干渉を受けられないところに防衛庁の体質がある、そういう中でこういう癒着や汚職が起きてきていると思うのですね。
 この上申書は、当然、国政調査権に基づいて審議するこの委員会に提出すべきだと私は思うのですが、これはもう一度防衛庁にお聞きします。
#172
○及川政府委員 お求めの資料につきましては、既に検察の方にお届けしてあるものでございますので、先ほど来御議論ございますように、私どもから提出するのは差し控えさせていただきたいと存じます。
#173
○中路委員 防衛庁は差し控えると言うんですが、委員長どうですか、理事会でもみんな要求しているわけですから、委員長が要請されれば私出しますけれども、ここに、手元にあるのですけれども、どうしますか。
#174
○塩田委員長 先ほど、当委員会で資料の提出を求めるということを申し上げました。そのように取り計らわせていただきます。
#175
○中路委員 東京地検ですか、委員長が要請されるということですね、提出について。そうですね、さっきのお話は。司法当局に。
#176
○塩田委員長 司法当局に対しまして要請いたします。
#177
○中路委員 もし要請で出すことができないということになれば、あるいは手元にないというのならば、私の方で提出しますので、ひとつ、委員長、その点は取り計らっていただきたいと思います。いかがですか。
#178
○塩田委員長 今出していただけるということですか。
#179
○中路委員 いいですか。
#180
○塩田委員長 その件につきましては、理事会で協議をさせていただきます。
#181
○中路委員 後の本会議の時間が迫っていますのでこれで終わらせていただきます、時間なので。
#182
○塩田委員長 次に、辻元清美君。
#183
○辻元委員 社会民主党の辻元清美です。
 九月十四日に防衛庁が二度目の家宅捜査を受けました。
 さて、強制捜査前に組織的に証拠を隠したという捜査妨害工作があった、それから、過去三回にわたって焼却炉などを使って関係書類を始末したという証拠隠滅行為があったという疑いから、この防衛庁背任事件はますます国民の不信を買い、大きな問題に発展しています。その認識に立ちまして幾つか質問させていただきます。
 まず、会計検査院に対して質問をいたします。といいますのは、私たち、国会、ここでもずっと審議してまいりましたけれども、国民の皆様からお預かりする税金の使い道、これは非常に重要な課題です。さて、これが使われた後のチェックを会計検査院がしっかり行っているのかどうか、ここを国会でただすことも非常に重要だと思いますので、まず検査院に質問したいと思います。
 さて、九月九日の報道、これは読売の夕刊ですけれども、このような報道が出ております。「九六年二月ごろ、検査院の担当者らは、会計法では、過払いなどの戻し入れで生じた予定外の収入は、その年度の国庫の歳入に組み入れられる規定になっていることから、同庁が「(東洋通信機の)翌年の納入分から差し引く」とした返納方式は「会計法令上問題がある」として、調査を始めたという。担当者らは、東洋通信機の契約書や予定価格などのコピーを入手。この結果、同社は八九−九三年度の五年間で、少なくとも四十億円近くの過大請求を行っていたことを突き止めた。担当者らは、検査を開始しようと、実地検査予定を作成、上司の決裁を待った。ところが、九六年四月下旬になって、担当者らは、当時の検査院幹部らから、「組織として検査はやらない」などと伝えられたという。」「担当者は本格的な調査に入ろうとしたが、検査院幹部から調査の中止を命じられていたという。」という、このような報道が出ております。
 さて、これも九日の報道ですけれども、九七年十一月の衆議院決算委員会で、きょう御答弁いただきます諸田局長ですが、答弁に立っていらっしゃいます。その答弁は「「(四社のうち)検査を行ったのは日本工機と藤倉航装だけ。資料が整備されておらず、正確な把握は出来なかった」と説明し、「調本が計算した過大額について、著しく実情に沿わないというふうには認められなかった」と弁明していた。」という、これは決算委員会での御答弁だと思います。
 さて、この二つには大きな食い違いが出てきております。といいますのも、同庁が東洋通信機の、この委員会でも私も前回問題にいたしました過払いの返納方式について、突きとめていたというふうに報道されておりますし、さらに、東洋通信機の契約書や予定価格のコピーを持っていたと。しかし、諸田局長の前回の答弁では、持っていなかった、こうおっしゃっているのですけれども、さて、これはどういうことなんでしょうか。まず、諸田局長にお伺いしたいと思います。
#184
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の読売新聞九月九日の夕刊の報道については、私も承知しております。しかし、そこに書かれてあることは、まず事実ではございません。
 それから、その後に、検査院局長、うその答弁かという記事もございますが、私は、当時、会社に対する肩越し検査は日本工機と藤倉航装の二社であり、東洋通信機、ニコー電子については肩越し検査を行っていないという答弁をしておりまして、それは事実でございまして、これまでもそのように答弁しております。したがいまして、私はうその答弁をしたということは全くございません。
 これにつきましては、読売新聞に対して厳重に抗議しております。
#185
○辻元委員 といいますことは、今は諸田局長の答弁についての御回答をいただいたわけなんですが、このような報道が一部流れてしまいました。抗議はされているということですけれども、会計検査院の内部調査ではこの件については何かされているのでしょうか。
#186
○諸田会計検査院説明員 国会答弁につきましては、私、今答弁したとおりでございます。
 当時、四十億の過払いがあって、それを会計検査院がわかっていた、それで、それに対して検査をしようとしたらそれを中止させたというような記事が出たわけでございます。それにつきましては、もちろん我々としては調査をいたしました。しかし、その結果、全くそのような事実はございません。
#187
○辻元委員 といいますのは、今さまざまな報道、報道が先に出て調査が後追いになっているというような事態も招いている中で、私はさらに調査を進めていっていただきたいというふうに考えております。
 さて、次にもう一点お伺いしたいのですけれども、前回にもちょっと触れさせていただきました、会計検査院の方が、四つの財団、防衛装備協会、防衛生産管理協会、防衛技術協会、防衛施設技術協会に検査院のOB四人が監事として再就職、俗に言われます天下りをしているということがわかってまいりました。この問題について質問したいのですが、九〇年ごろから上野容疑者は、今問題になっております上野容疑者は、会計検査院人事課に天下りの紹介をしていたとされておりますけれども、当時の検査院人事課長は諸田第二局長でいらっしゃったかと思います。諸田さんは日本経済新聞の取材に対して、広報を通じて、上野容疑者から天下りの紹介があったのは事実であるというようなことをおっしゃったというふうに聞いておりますけれども、当時、上野容疑者からどのような形で話があったのか、具体的に思い出して答えていただけますでしょうか。
#188
○諸田会計検査院説明員 お答えを申し上げます。
 その話につきましては、大分古いことでございますので、私も記憶が定かでございませんけれども、たしか上野氏は調本の総務課長ではなかったかなと思います。それで、新しい会社ができるので、会計検査院で、何といいますか、検査、監査に非常に詳しい方がいらしたらぜひ監査役ということでお願いできませんかという話でございました。ですから、天下りを紹介してというふうには私は認識しておりません。
#189
○辻元委員 ということは、それは電話でしょうか、それとも会われたのでしょうか。
 それと、上野容疑者が諸田局長にそういう、御通知というか、されてきた、それまでの関係はいかがだったのでしょうか。
#190
○諸田会計検査院説明員 多分会ったとは思いますけれども、上野氏は当時総務課長ということで、調達実施本部の人事を担当していたと思います。たまたま私が当時会計検査院の人事課長だということで、要するに官と官ということで、正式に人事をやるということから、そのときにお会いしたわけでございます。
#191
○辻元委員 もう一つ。お会いになってそういう話を、その件だけで話されたのでしょうか。
#192
○諸田会計検査院説明員 そのとおりです。
#193
○辻元委員 そうしますと、会計検査院からその話の後天下ったという報道なんかも出ておりますけれども、これの関係性はないというふうにお考えですか。
#194
○諸田会計検査院説明員 ちょっと御質問の趣旨がよく理解できませんけれども、それと今回の関係とは、全くないと思っております。
#195
○辻元委員 ただ、検査院にも天下りの、再就職の話があったという事実は今認められたかと思います。
 さて、前回の質問で一問ちょっとお答えいただいてないものがございまして、これにつきまして今回も引き続き伺いたいのですが、今度は防衛庁にお伺いいたします。
 前回、「防衛庁OB就職状況」という、このような調達実施本部総務課が出している冊子があると聞きまして、防衛庁長官もこれをごらんになったということなのですけれども、これはどんな目的でつくられたかという御質問をさせていただいたのですが、いかがですか。
#196
○藤島政府委員 調達実施本部におきましては、業務上の性格から、各方面からOBの消息につきまして問い合わせが数多くあるわけでございますが、その御指摘の名簿はそのような場合に回答するなどのために作成しているものでありまして、再就職をあっせんするとかそういうためのものではございません。
#197
○辻元委員 どうも、防衛庁の中では、再就職して退職された方が出ていったらこのポストがあくなとか、そういう確認にも使われていたというふうに聞いておりますし、たすきがけという言葉や、これは幾つもの会社にたすきがけのように顧問や嘱託で行く、またはメーンとサブ、こっちがメーンでこっちがサブということで就職をあっせんしていくというようなことが行われていたという話を聞いておりますが、これは違いますか、違うとはっきり否定されますか、そういう言葉がないと。
#198
○藤島政府委員 私は聞いておりません。
#199
○辻元委員 ということは、私は、たすきがけ、メーン、サブなんという言葉を言いましたが、このような言葉は一切聞いたことはございませんか。
#200
○藤島政府委員 ただいま申し上げましたように、私は聞いておりません。
#201
○辻元委員 わかりました。それでは、この問題はまた引き続き、きょうの御答弁をもとに追及していきたいと思います。
 あと二分ありますので、一問だけ聞きたいと思います。
 今回のこの資料の保存、それぞれの請求書等の資料の保存についてです。
 防衛庁文書処理規則によると、保存、処理などは、保存期間が一年、三年、五年、永久と四段階の基準でというのをこちらに私もいただいて、この基準を読ませていただきました。
 今回の事件で幾つかのものが焼却されたのではないかと言われておりますけれども、今から申し上げます三つの書類の保存年数を聞きたいのです。返納に使った経費率の算定資料、一つ目がこれです。二つ目が、返納額を決めるために提出された伝票、二つ目がこれです。そして三つ目が、経理元帳。それぞれ保存期間は何年と定められているのでしょうか。
#202
○藤島政府委員 ちょっと手元にございませんので、突然のお尋ねなものですから、ちょっとお答えできないのですが。
#203
○辻元委員 それでは、これは後で提出していただきたいと思いますけれども、「予算決算及び会計に関するもので重要なもの」は五年保存というふうな規定もしっかり決まっております。という中で、これらの資料が果たして防衛庁にあったのかどうか、それから、これが焼却されたのかどうか、今焦点になっておりますので、これは後で、保存期間も含めて、防衛庁にあったのかどうかという点もお知らせいただきたいと思います。
 さて、長官にも伺いたかったのですが、御決意はさっきからもう何回も聞かせていただいておりますので割愛させていただきまして、ちょっと幾つかの事実関係をきょうは確認させていただきましたので、引き続きまして、きょうのをもとに追及させていただきたいと思います。
 私の質問はこれで終わります。
#204
○塩田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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