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1998/10/16 第143回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第143回国会 安全保障委員会 第7号
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1998/10/16 第143回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第143回国会 安全保障委員会 第7号

#1
第143回国会 安全保障委員会 第7号
平成十年十月十六日(金曜日)
    午前十時十八分開議
出席委員
  委員長 塩田  晋君
   理事 安倍 晋三君 理事 浅野 勝人君
   理事 江口 一雄君 理事 仲村 正治君
   理事 石井 紘基君 理事 前原 誠司君
   理事 赤松 正雄君 理事 西村 眞悟君
      麻生 太郎君    伊藤 達也君
      池田 行彦君    臼井日出男君
      江渡 聡徳君    大石 秀政君
      大島 理森君    大野 功統君
      嘉数 知賢君    河井 克行君
      栗原 裕康君    小泉純一郎君
      佐田玄一郎君    佐藤  勉君
      阪上 善秀君    杉山 憲夫君
      田村 憲久君    中谷  元君
      中山 利生君    萩山 教嚴君
      船田  元君    矢上 雅義君
      吉川 貴盛君    伊藤 英成君
      岡田 克也君    玉置 一弥君
      中野 寛成君    横路 孝弘君
      河上 覃雄君    冨沢 篤紘君
      佐藤 茂樹君    二見 伸明君
      中路 雅弘君    東中 光雄君
      中川 智子君    保坂 展人君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 額賀福志郎君
 出席政府委員
        防衛庁長官官房
        長代理     伊藤 康成君
        防衛庁防衛局長 佐藤  謙君
        防衛庁運用局長 大越 康弘君
        防衛庁人事教育
        局長      坂野  興君
        防衛庁装備局長 及川 耕造君
        防衛施設庁長官 萩  次郎君
        防衛施設庁施設
        部長      守屋 武昌君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省北米局長 竹内 行夫君
 委員外の出席者
        安全保障委員会
        専門員     田中 達郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十六日
 辞任         補欠選任
  池田 行彦君     萩山 教嚴君
  臼井日出男君     江渡 聡徳君
  河井 克行君     矢上 雅義君
  岸本 光造君     中谷  元君
  小泉純一郎君     佐田玄一郎君
  杉山 憲夫君     大島 理森君
  山崎  拓君     大石 秀政君
  辻元 清美君     中川 智子君
同日
 辞任         補欠選任
  江渡 聡徳君     臼井日出男君
  大石 秀政君     山崎  拓君
  大島 理森君     杉山 憲夫君
  佐田玄一郎君     小泉純一郎君
  中谷  元君     岸本 光造君
  萩山 教嚴君     池田 行彦君
  矢上 雅義君     河井 克行君
  中川 智子君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  保坂 展人君     辻元 清美君
    ―――――――――――――
十月十二日
 新ガイドライン関連法案の廃案に関する請願
 (畠山健治郎君紹介)(第七八一号)
 同(濱田健一君紹介)(第七八二号)
 同(伊藤茂君紹介)(第七九〇号)
 同(保坂展人君紹介)(第七九一号)
 同(前島秀行君紹介)(第七九二号)
 同(北沢清功君紹介)(第七九九号)
 同(辻元清美君紹介)(第八〇〇号)
 同(土井たか子君紹介)(第八〇一号)
 同(中西績介君紹介)(第八〇二号)
 同(保坂展人君紹介)(第八〇三号)
 同(村山富市君紹介)(第八〇四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月十二日
 アメリカの軍事介入に日本を参戦させる周辺事
 態法制定反対に関する陳情書(秋田県雄勝郡皆
 瀬村川向字沢梨台五一皆瀬村議会内佐藤利吉)
 (第二九七号)
 周辺事態法案等新ガイドライン関連法案の廃案
 に関する陳情書外十六件(大阪市天王寺区真法
 院町一七の二八新村賢二外五十三名)(第二九
 八号)
 防衛庁背任事件の徹底追及と情報公開に関する
 陳情書外一件(鹿児島市山下町一一の一鹿児島
 市議会内赤崎正剛外一名)(第二九九号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 国の安全保障に関する件
     ――――◇―――――
#2
○塩田委員長 これより会議を開きます。
 この際、御報告いたします。
 本会期中、当委員会に付託になりました請願は六十五件であります。各請願の取り扱いにつきましては、理事会等において検討いたしましたが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、御了承願います。
 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付しておりますとおり、周辺事態法案の抜本修正に関する陳情書外十一件であります。念のため御報告いたします。
     ――――◇―――――
#3
○塩田委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 第百四十二回国会、内閣提出、周辺事態に際し
  て我が国の平和及び安全を確保するための措
  置に関する法律案
 及び
 第百四十二回国会、内閣提出、自衛隊法の一部
  を改正する法律案の両案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○塩田委員長 起立多数。よって、両案につきまして、閉会中審査の申し出をすることに決しました。
 次に
 第百四十二回国会、小川元君外三名提出、自衛
  隊員倫理法案及び
 国の安全保障に関する件の両案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。
 まず、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、その派遣地、期間、派遣委員の人選等所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、閉会中審査におきまして、委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選、出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十時二十二分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時四十五分開議
#8
○塩田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 この際、防衛庁長官から、四社事案関連文書の管理実態に関する中間報告について発言を求められておりますので、これを許します。額賀防衛庁長官。
#9
○額賀国務大臣 四社事案関連文書の管理実態に関する中間報告について御説明をさせていただきます。
 調達実施本部の元幹部ほかの背任事件に関連をいたしまして、先月、防衛庁が組織的に東洋通信機関連資料を大量に焼却処分し証拠隠しを行っているとの報道がなされたことに伴い、防衛庁は、四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会を設置し、調達実施本部等関係部局の職員等から聞き取り調査を行うなど、事実関係の解明のため厳正な調査を実施してまいりましたが、これまでの調査結果を取りまとめましたので、中間報告をさせていただきます。
 九月十二日以来これまでの間、約二百人の職員等から聞き取りを行ってまいりましたが、その結果明らかになった事実関係の中には、強制捜査直前に文書類を自宅に持ち帰るなど国民の疑惑を招いたものがあり、防衛庁職員はみずからの問題として襟を正し徹底した綱紀の粛正を図っていかなければならないと考えております。
 こうした事案の再発を防止するため、今後防衛庁は、調達システムのみならず調本の解体をも視野に入れた組織の抜本的見直しを行うとともに、その実効性を確保するための職員の意識面を含めた出直し的改革を行い、国民の信頼を取り戻すことに全力を注いでまいる覚悟であります。まず、このことを冒頭に申し上げておきたいと思います。
 次に、昨年九月以降の経緯をまず御説明をいたします。
 調本は、昨年九月以降いわゆる原価差異事案についての事実関係について調査等を行ってまいりましたが、その際、調本職員が地検の事情聴取内容を記したメモ及び当時の会社関係者等からの聞き取り結果などをもとに、事案の一連の処理経過等がわかるように整理した事案処理経過表を作成したほか、そのもととなった東洋通信機に係る聞き取り結果等を本年夏に至りヒアリングファイルとしてまとめ、事実関係認識のベースとして国会、報道機関等への対応に使用をいたしました。
 また、四社、特に東洋通信機の返還額につきましては、各種検討が行われましたが、本年夏には、それまでの調査を前提に、事案についての防衛庁としての考え方、評価等を取りまとめた「東通事案に対する現時点での評価について」を作成し、地検に提出をいたしました。その後、起訴事実及び当時の一部関係者からの見解の提示により従来の見解の前提は覆ったものと考えられるため、この見解は撤回したところであります。
 このような背景のもとで、四社事案関連資料の管理状況等について申し上げますと、まず、平成九年九月から十月の時期については、捜査当局から四社事案関連資料の提出を求められる可能性があったことから、調達実施本部の関係課において、原資料を提出しても支障のないよう、業務遂行上必要な資料を昨年九月から十月の時期に大量にコピーしております。しかし、この時期に四社事案関連資料を大量に焼却した事実は、現在までの調査では確認をしておりません。
 次に、本年五月についてでございますが、例年、年度がわりの五月連休前後には、保存期間を経過した大量の文書が焼却されており、本年四月から五月も同様でありました。しかし、四社事案関連資料を大量に焼却した事実は、現在までの調査では確認されておりません。
 本年八月から九月の時期についてでありますが、四社事案関連資料を含む各種の資料を自己の執務室外に移転した事例が相当数確認されました。移転された四社事案に関連する主な資料は、ヒアリングファイル、事案処理経過表、地検に提出した評価書、想定問答集等でありました。
 一方、現在までのところ、この時期には、一部のヒアリングファイルを除き、四社事案関連資料の処分を行ったとの聞き取り結果は得られておりません。また、四社事案関連資料の移転、破棄または焼却に関する組織的な指示が行われたとの聞き取り結果は得られておりません。なお、具体的事例については、お手元の資料をごらんいただきたいと思います。
 次に、事案発生当時の原価元帳、伝票類、経費率算定資料について申し上げます。
 四社事案の返還額の算定については原価元帳や伝票類は基本的に使用しておらず、これらが昨年九月以降調本において処分されたとは考えがたいと存じます。なお、担当課で保有していた経費率算定資料については、昨年十月以降地検に任意提出されたとの聞き取り結果を得ております。
 以上、総括をいたしますと、現時点では、四社事案関連資料を組織的、大量に焼却した事実及び焼却するよう指示した事実は確認できておりませんが、本年八月から九月の時期にヒアリングファイル等の四社事案関連資料を自己の執務室外に移転した事例があったことは事実であります。これらの行為自体が背任事件の証拠隠滅に該当するかどうかは、捜査当局の判断にまつべきところでありますが、不適切あるいは非難されてもやむを得ないものも含まれておりました。関係者のみならず、防衛庁といたしましても深く反省をしているところであります。
 最後に、再発防止策と国民の信頼回復について申し上げますと、昨年九月以降今日までの防衛庁の動きが、国民の目にわかりにくく、不透明なものと映り、結果として、国民の信頼を大きく損なう事態を招いたことは厳粛に受けとめております。
 私としては、二十一世紀に向け、国民に信頼をされ、魅力ある防衛庁、自衛隊を確立するため、事件の徹底糾明に努めるとともに組織の現状を真摯に反省し、さらに、今回の一連の事件の背景にまで踏み込んだ改善策を国民の前に提示しなければならないと考えております。
 具体的には、防衛装備品の調達制度をめぐる基本的課題についての抜本的改善、自衛隊員の再就職のあり方に関する検討を行ってまいりますとともに、調本の組織につきましても、そのあり方の基本に立ち返って、解体をも視野に入れた徹底的な見直しを行う必要があると考えております。これら諸施策の推進に、みずから先頭に立って、職員の意識面を含めた防衛庁の出直し的な改革を行い、国民の信頼を取り戻すことに全力を注いでいく決意であります。
 最後に、国民の皆様の御理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、御審議のほどを何とぞよろしくお願い申し上げて、報告といたします。
    ―――――――――――――
#10
○塩田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷元君。
#11
○中谷委員 本日、臨時国会が終了するわけでありますが、その最終日に、国会に提出されていますガイドライン法案の議論ではなくて、防衛庁納入の装備品の契約や証拠隠しの中間報告によってこの委員会を開催することになりました点を、まず私は大変不幸だというふうに思います。
 しかも、委員会の開催が大幅におくれた上に、要求をした野党の一部の政党の理事、委員はこの場に出ていないということは全くけしからぬことで、我々委員も無視され、まして日本国の国民も非常にばかにされたというような意味がいたしまして、大変けしからぬ問題だと思います。
 まして、本年八月三十一日に北朝鮮からミサイルが日本に飛んできた問題も、多く問題を残しておりますが、その後、法律も制度もこの国会で整備された形跡がありません。また、一昨年の日米首脳会談で、アメリカと、東アジアの地域安全保障の整備を約束したにもかかわらず、この法案が国会につるされたままで、いまだ質疑がされていないということについても遺憾です。
 私は野党の政党の理事とか委員の方にお尋ねしたいのは、こういう問題がありながら、そして防衛庁の調達事件もあります。しかし、その調達事件と、我が国の安全保障体制の整備に対する法律案の質疑と、どちらが重要で、どちらに力を入れて議論しなければならないかという問いでもありますし、ましてやこの国民の気質として、改革が嫌いというか、国益とか、主権国家たる日本として主体的にこの問題をどう考えるという問題意識が非常に低い。
 我々の努力不足もありますが、このミサイルが一部では人工衛星ではないかというような報道もあって、それ以来急激に関心が低下して、この委員会でもその後の処置がされていないというのは大変大きな問題でありまして、こういう問題を先送りをしたり、危なっかしい議論に発展するというような点で、現状から逃げようとするのは決してよくないし、まして北朝鮮からの軍事的挑戦と外交的な威圧が明らかになった時点で、日本もきちっと対処しなければならないという点が非常に重要な問題であるという点であります。
 経済対策もツーリトル・ツーレートと言われておりますが、まさに安全保障政策もツーリトル・ツーレートでございます。ですから、今後、我が国の国益とか独立国としての国の骨格づくりについては、真剣に研究をし、議論をして整備しなければなりません。具体的に言うと、平時から政治の場において決めておくべきことに有事法制、領域警備、またROEという、警護に当たる自衛隊に、自動的に、超法規ではなくて――超法規で対処しろといっても自衛隊は絶対にできません。ですから、きちっとした法的整備が必要でございますが、まずこの点について、防衛庁長官の御認識をお伺いさせていただきます。
 こういった有事法制とか領域警備とかROEとか、自動的に自衛隊が、政治決断前に、きちっとした安全を確保するために出られるための法的整備が必要になってくるわけです。(発言する者あり)ROEというのは、事態が発生したときに命令なく自動的に安全システムが働くという決まりで、ここまでのレベルはもう自衛隊に任せるからやってもいいんだというシステムづくりなのですけれども、そういう整備について、その必要性について、防衛庁長官のお考えをお伺いさせていただきます。
#12
○額賀国務大臣 もし有事というか緊急事態が発生した場合には、中谷委員の認識は私は当然考えておかなければならないことかなという印象を持っております。今後、あらゆる事態を想定をして、いろいろと研究をしていくことは必要であろうというふうに思っております。
#13
○中谷委員 次に、シビリアンコントロールについてお伺いをいたします。
 現在、防衛庁の中にいるシビリアンというのは、防衛庁長官と政務次官の二人だけでございます。そこで、今回中間報告がございましたが、今回の調査において、そのシビリアンコントロールという観点に立ちますと、今回の調査の長が事務次官だったのですけれども、政務次官を長として、いわば当事者である事務次官ではなくて、ある程度政治家であり、その組織に今まで直接いなかった政務次官がこの調査の責任者として当たる方が調査や措置に対して徹底できると思いますが、なぜ、政務次官ではなくて事務次官を責任者にしたのか、この考えについてお伺いさせていただきます。
#14
○額賀国務大臣 中谷委員の御指摘も大変参考になる御意見であるというふうに私は思っております。
 そのときは、四社事案に対するいわゆる証拠隠滅の報道がなされて、私どもは、防衛庁の自浄能力を発揮する形で事実関係を明らかにしていくことが国民に対する信頼回復の第一歩であるという観点から、防衛庁内部で、官房長を中心として調査をするように指示をしたわけでありますけれども、当時、藤島官房長が東京地検から事情聴取を受けたということも確認したので、今後、事実関係を明らかにしていく上で支障が起こってはならないということで、秋山事務次官に長として陣頭指揮をとるように指示をしたわけでございます。防衛庁内部のことについて知悉をしており、そして明確に、きちっと事実関係を把握するように強く指示したところであります。もちろん、途中経過等につきましては、私と浜田政務次官が報告を受け、その報告に基づいてさらに指示をしたり注意をしたりして今度の中間報告をまとめさせていただいたわけでございます。
 今後、最終報告に向けてさらに精査をしてまいりますので、中谷委員の御指摘も踏まえまして、私と浜田政務次官と二人でこれを強力に指示をしていって、国民の期待にこたえるような最終報告をつくってみたいというふうに思っております。
#15
○中谷委員 まさにシビリアンコントロールというのは国会や内閣がその軍組織をコントロールすることをシビリアンコントロールというわけであって、文民統制という言葉がありますけれども、文官統制ではございません。我々自身の問題でございます。
 そこで、現在問題点になっている点が一点ございますが、現在では、昔から軍令と軍政というのがありまして、昔は明確に分かれておりましたが、今はそのすべての権限が防衛局長並びに防衛事務次官に集中して、軍令も軍政も両方やっているわけです。
 この点について、この前の八月三十一日のミサイルの事例でも、私たち国会議員、また安保委員のメンバーですら、この事実を知ったのは、私自身は夕方のニュースでした。またほかの先生方はそれぞれ知ったわけですが、お昼に起こったニュースを国会議員が晩まで知れなかったというところも問題がございますが、それ以前に、我々が知るよりももっと機敏に行動してもらいたいのが自衛隊です。このミサイルに対して、我々に報告する以前に行動して対処してもらわなければならないのが自衛隊であって、そのためにROEが必要だというふうに思いますが、勧進元の司令塔が現在防衛局長であり事務次官だと。
 この教訓の反省点として、防衛庁長官は、記者会見で、今は運用局と防衛局と二つに分かれている情報系統による混乱があるから、一つに絞って防衛局にすることも検討しようというふうに改革案を出されていますが、問題はそれではなくて、そのつかさつかさにいる人が的確に情報を集約して長官に報告できるかという能力の問題でございます。事軍事に対しては、専門知識と日ごろからの経験と部隊の実情がわかった人でないと正しい判断ができませんが、そのために情報本部というものをつくって、そこでいわゆる軍事的な情報を集約して、ある結論を出しているわけであって、そこの結論がもうすぐ長官に伝わってもいいと思うのですね。
 ですから、この情報機構、せっかく情報本部をつくったわけですから、これを直属の意思上達、伝達機関として採用すると同時に、総理官邸にも、やはり自衛官のような軍事的に訓練も積み知識を持った人がすぐ総理にアドバイスをしたり、状況判断の助言をしたり、こういう軍事専門家を官邸の中にも置かなければなりません。
 それで、今の組織は、こういったシビリアンコントロールということで、内局がすべての情報を集約して長官に伝えるというシステムになっていますが、別に内局が悪い存在だとは言いません。しかし、その内局の幹部の登用に、やはりそういう軍事的な知識を積み経験を持った人が当たる、いわゆる制服組が、防衛局長なりあるいは官房長なり事務次官になるということにも道を開いてもいいと思いますが、過去の答弁を調べてみますと、「文民たる参事官」というふうに書かれております。
 そこで、私なりに防衛庁の設置法を調べてみますと、その参事官が文民であらなければならないという文章が全くありませんでした。ですから、その運用によっては文民じゃない参事官が当然任用されてしかるべきなのですが、この内局幹部への制服任用の禁止を解除すべきではないかと。
 この防衛白書の中にも、ことしの白書の九十二ページに、「基本的方針の策定について長官を補佐するいわゆる文官の参事官が置かれている。」というふうに、文民のというふうに書かれていますが、この文民のという根拠がその法律にはないわけです。
 ですから、こういった運用とか防衛計画とか警備とか訓練、これについては制服を、そして行政の中でも、予算とか法的整備とか装備品の納入とか、そういう点は事務官で結構だと思うのですけれども、いわゆる軍令と軍政をきちっと仕分けをして運用するということが大事だというふうに思います。
 ですから、この防衛二法の改正並びに防衛庁設置法、これも行革の際に議論になると思いますけれども、この点について長官はどのようにお考えになっておられるのか、お伺いします。
#16
○額賀国務大臣 今、国務大臣たる長官は、自衛隊を管理し運営することについて政務次官、事務次官に補佐をしてもらうと同時に、基本的な方針につきましてはいわゆる文官の参事官が補佐をするという形をとっているわけであります。これがこれまでのシビリアンコントロールの原則であったというふうに思っております。
 今、中谷委員御指摘の、言ってみれば制服組が参事官と兼務するような形をとったらどうかというお考えのような御指摘でございますけれども、自衛隊の隊務を行う自衛官と防衛庁の所掌事務に関する基本方針を策定する参事官が兼務できるかどうか、あるいは自衛官がやめて参事官になるという場合は考えられるでしょうけれども、兼務できるかどうかについては、シビリアンコントロールの原則から、今のところ、私どももちょっと研究をしてみなければ回答が出せないのではないかという感じがいたしております。
 ただ、内局とそれから自衛隊の業務の問題について、統幕あるいは各幕とそれぞれ密接な連絡体系がなされなければ戦略戦術がスムーズに展開されていかない、それは御指摘のとおりでございまして、この前の北朝鮮のミサイル発射の問題に当たりましても、私は情報の一元化を策定をし、そういう系統をつくりまして、そして機敏に対応していくことが大事である、なおかつ、その場合、いろいろなケースを想定して、こういう場合にはこうする、ああいう場合にはああするという形のことも研究をすべきであるというふうに思っているところであります。
#17
○中谷委員 この問題は昭和二十五年の、日本が独立して二十七、八、九年ごろの保安隊や警察予備隊から自衛隊に移るまでの間、非常に根本議論としてなされたところでもございます。
 ですから、非常に不透明で不確実な時代になればなるほど、我が国の自衛隊や安全保障の体制については、長官が判断をするということに対して迅速また的確性が求められるわけでありまして、自衛官の最大限の活用を図りつつ、総理や長官に対する軍事上の補佐に万全を期するよう、もちろんシビリアンコントロールの本旨に立ち返って、防衛庁の中央機構を改革すべく防衛二法についての検討をお願いいたしたいというふうに思います。
 それから次は、今回の契約の事例についての質問でございます。
 今回私がショックだったのは、やはり日本の防衛計画をきちっと整備するということで、毎年大変たくさんの予算が必要です。しかし、大きな人員を抱えて、訓練をしながら、生活をしながら、いろいろな隊員処遇をしながら、その一部として装備の購入もしているということで、両方とも必要なのですけれども、我々は、やはりきちっとした防衛体制をつくりたいということで、伸び率が〇・〇〇一、〇・〇〇〇一%の攻防ということで、相当労力をとって防衛費の問題について当たっているわけでありますが、こういった努力をした防衛費の一環で使われている装備費の金額が、一個人の惑意的な判断とか業者との話し合いによって十億とか二十一億とか数百億とか、そんなに大きくぶれてしまう。それでは防衛費のああいったぎりぎりの折衝、議論というのは本当に何なのか、また大蔵省の査定とか防衛庁内での予算の積み上げ、こういう仕組みは何なのかという点で、その額の大きさに非常に驚いているわけでありますけれども、実際にその契約を結ぶ場合に、現在、市場価格方式と原価計算方式で決定して装備品の契約価格が決定されておりますが、契約についてはどこでだれが決定して、防衛庁としてはどういうチェックの仕方で見ているのか、この点についてお伺いをさせていただきます。
#18
○及川政府委員 お答え申し上げます。
 防衛庁が調達契約を行う場合は、いわゆる支担官、支出負担行為担当官等が、調達物品等の予定価格の算定基準に関する訓令に定めるところによりまして予定価格を決定し、契約方式に従いまして、企業から入札書または見積書の徴収を行い、予定価格の範囲内で契約が締結される、こういうことになっているわけでございます。さらに調達実施本部におきまして、支出負担行為認証官というのが予算執行の適正を期しているところでございます。
 しかしながら、先生御指摘のございましたように、今般の防衛装備品の調達をめぐる問題につきましては、過払い案件の処理につきましてチェック体制等十分働かなかったということで、透明性の確保等につき大きな問題があったかというふうに思っているところでございます。
#19
○中谷委員 そこで私がシステム的にお伺いしたいのは、大蔵省に対して、概算要求ということで予算の積み上げがありますね。例えば、戦車一両何千億とか、航空機一機何億とか、車両一両何億とか、そういう装備品を積み上げて金額をはじくわけでありますが、積み上げる段階で、陸幕だとか経理局とか装備局、防衛局等の段階で大体この兵器はこれくらいかかるということがわかっていて、それから調本の方へ行って、企業と契約を結ぶということになっていますが、その調本の段階で契約金額が十億とか二十億とか実際に変動をしたということで問題になっていますが、それならチェックの一つの方法として、予算要求の段階で大体の金額はわかるわけですから、陸海空の幕だとか経理局とか装備局とか防衛局で、適当な兵器の価格というものがその時点で大体計算ができるという能力を持っているわけですから、調本だけにその契約を任せてチェックできないのではなくて、経理局や装備局の段階で契約についての、正しいか間違いかがチェックできるのではないかなというふうに思いますが、この点についてはどうお考えになられますでしょうか。
#20
○及川政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のような点も多々あろうかと思いますが、装備品の内容によりましていろいろな局面があろうかと思います。契約単価につきましては、まさに概算要求等の、単価を算定する時期の違いによりまして、為替レートでございますとか物価、賃金等の変動が生じることから、概算要求等のまさに予算要求をいたしているときの単価と最終的な価格に違いが生じるということは間々あるところでございます。
 また、特に製造期間が長期にわたる装備品等につきましては、あらかじめ契約価格を確定するというのは困難でございますので、いわゆる監査つきの契約を締結いたしまして、契約価格を最終段階で見直すということにもしているところでございます。したがいまして、こういう契約につきましては、為替レート、物価、賃金等の変動によりまして、当初の契約価格と相当異なることもあり得るかと思っております。
#21
○中谷委員 そういう不安定要素もありますし、見積もりの段階でどこまで正確な金額が出るかという点についても、我々にはわからない世界であります。つまり、秘の部分もあるし、防衛産業の置かれている特殊性というものもあって、一般論として、兵器を開発するために研究開発費なりラインに投資する費用や設計の費用、これは当然かかっていくわけでありますが、一連の新聞報道によりますと、業者が上申書を出して、そういった初期投下の研究開発費や設計費が原価としてほとんど認められていない、だから原価計算の制度疲労を水増しをしたりする分でつじつまを合わせていたケースもあるのではないか、だから、業界の言い分として、不正に利益を得ているわけではない、不正という認識もない、頑張ってコストを減らせば、その分利益が小さくなる、水増しをしなければ赤字になってしまうという新聞報道の内容がございます。
 また、輸出三原則によって海外に出せないということで、非常に海外との競争力のない中で、コストの高いラインで生産をせざるを得ないという業界側の実態がありますけれども。
 今回の事例等にも際して検討が行われておりますが、これから防衛庁は、防衛産業の実態に対して、どう認識して、どう育成していくのか、その考えの概要をお聞かせいただきたいと思います。
#22
○額賀国務大臣 防衛産業は、やはりその国の技術水準、工業力、そういう総合的な力を反映するものであり、防衛装備品の平均あるいは順調な確保を期していくためには、どうしても防衛産業の健全な発展は育成していかなければならないというふうに思っているところであります。最近は財政が大変厳しい折から、恐らく調達数量も少なくなってきており、防衛産業の企業もそれぞれ効率化、合理化を迫られている、そういう状況であろう、苦しい立場であるだろうというふうにも認識をいたしております。
 したがって、先ほど中谷委員がおっしゃられるように、それぞれの契約価格あるいは予算、そしてまた原価計算等々について、合理的な形をつくり出すようなシステムにつくり直して、そして健全な防衛産業をつくり出すと同時に、国民の皆さん方にも透明でオープンな形で防衛調達の制度が仕組まれていくように、私は調本を解体するような視野を持って抜本的な見直しを図らなければならないというふうに思っているところであります。
#23
○中谷委員 一般論としまして、軍需産業というのは、どこの国もそうなんですけれども、国家の防衛の一翼を担う部分であり、昔は国が責任を持ってやっていましたが、今は民間に発注ということで、国がやるべきことを民間もやりながらやっている。そういう中で、民間は企業として生き残っていくために、いろいろな制約もありながら防衛産業をやっているという非常に難しい構図でありますが、しかし、総じて言えば、やはり日本の国益とか国家の防衛に関することであって、非常に厳しくし過ぎると、では海外の兵器を買って海外に依存するということになってしまうわけであって、非常に難しい問題でありますが、今置かれている現状をもっともっと説明をして、国民の理解をいただいて整備をしていただきたいと思います。
 そして、最後にもう一点、この事件を契機として、自衛官の再就職についても規制の対象とされ、検討されていますが、本事案の問題点は一般職の指定職ということで行われた事例であって、有事に身を賭して国防の任に当たって、戦力維持の観点から若くして組織を離れる自衛官というのとは若干というか大いに次元が違う問題であって、これに一般の自衛官を巻き込まれますと、部隊の士気とか組織上、非常に問題がございます。ですから、かかる事案において、こういう一般の指定職の再就職といわゆる制服自衛官の再就職を同一次元で論じられることは、若干慎重を要する点もございます。
 そういう意味で、若年隊員の自衛官の援護について配慮していくべきではないかと思いますが、どのような点について再就職先を確保していこうとされるのか、この点についてお伺いをいたします。
#24
○額賀国務大臣 今度のいわゆる防衛庁の背任事件をめぐって、防衛庁と天下りの問題についても御批判を浴びたわけでございます。
 私も中谷委員と認識は同じでございまして、若年定年制、それから任期制に伴う自衛隊員の再就職の問題というのは、やはり一般公務員とは同列に論じることができない側面を持っているものというふうに思っておりまして、この点については、先般、学識経験者等の専門の方々に議論をしていただいて、私に提言をするように指示をしたところであります。と同時に、内部でも、防衛庁の将来の展望を見出すために、自衛隊の再就職の問題についても、私が本部長になり、そして政務次官を本部長代理とする検討会でもこの問題について取り組んでいきたいというふうに私は思っているところであります。
#25
○中谷委員 これで質問を終わりますが、安全保障の問題は、積み残しの問題が非常にたくさんございます。ですから、一事象にとらわれて委員会の質疑に出てこずに安全保障の議論をしないのではなくて、やはり政治、外交、軍事、経済等において国家としての国益のかかった、そしてこれからまさに改革をして変えていかなければならない重要な問題でありますので、この点の世の中の変化というものも本日出席されていない議員の政党の方は肝に銘じて、国の、国民の安全保障が脅かされないように、国がシビリアンコントロールでリーダーシップを持って議論ができるようにお願いをいたしまして、終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#26
○塩田委員長 次に、冨沢篤紘君。
#27
○冨沢委員 平和・改革の冨沢篤紘でございます。
 神奈川県が沖縄に次ぐ第二の基地県であるところから、まず神奈川県の基地対策について、次に一昨日の中間報告について伺います。簡潔な御答弁をお願いをいたします。
 先月の九月十八日の閣議決定で、神奈川県厚木基地隣接の産廃処理施設へ国が改善費用を負担することが閣議決定をされた。この施設が出す排気は、日本の環境基準の数値は全部クリアをしているが、基地内の米軍住宅に被害があるということで米軍からの改善注文がついておった。その救済の手だてが講じられるということで、大変結構なことと認識をしております。
 そこで伺いますが、負担する改善費用がどのくらいになるのか。当然政府が負担をすることになろうと思いますが、この負担をする根拠がどういうことであるのか、この点をお伺いいたします。
#28
○伊藤(康)政府委員 先生、大変申しわけございません、手違いで施設庁の者がただいま来ておりませんので、ちょっと先ほど御質問の金額を私はお答えすることができません。申しわけございません。
 負担の根拠につきましては、先生御指摘の先般の閣議決定ということであると聞いております。
 大変申しわけございませんが、そういうことでございます。
#29
○冨沢委員 閣議決定により、隣接の産廃処理施設に金を出す、こういうことでよろしゅうございますね。
#30
○伊藤(康)政府委員 大変申しわけございません、私どもの担当ではないものですから、しかと申し上げることはできませんが、そういうふうに聞いております。
#31
○冨沢委員 文書で結構ですから、後ほど御回答をお願いします。
 米軍からの注文を受けて、超法規で産廃処理施設への改善費用の負担が決定をしたと、日米安保体制のかなめの基地ですから当然の措置で、また大変結構な措置であると認識をしております。
 米軍の垂れ流しの騒音、NLP騒音がもう何十年となく厚木基地周辺で続いておるわけですが、これへの政府の対応は極めて冷たい。NLP騒音被害への直接補償がない。加害者はパートナーの在日米軍、被害者は日本国民であります。
 長官の御認識をいただくために簡単に御説明をしますが、空母キティホークは横須賀が母港だ、キティホークに八十機の艦載機が乗っている。これが厚木基地に飛来をして、翼を休めます。パイロットが熟練度を維持する目的で、一定時間のNLP訓練をしなければいけない、受忍限度を超えた夜間騒音が発生をする。厚木基地周辺には百五十万人の住民が住んでおりまして、この音に長年苦しんできました。この事実を長官は御承知でしょうか。
#32
○額賀国務大臣 実際に夜間訓練の現場にいて聞いたわけではありません。しかし、そういう騒音が問題になっているということについては認識をいたしております。
#33
○冨沢委員 この音に対して、国は具体的な施策、直接の施策は何ら施してこなかったのが事実でございまして、住民がたまりかねて、騒音訴訟を横浜地裁に起こしている。原告団全部で五千人を超えておりまして、国が違憲状態を解消する責任があるという裁判所の判決で、総額二十七億三千万円、被害補償が決定をしております。これに対して答弁要りません。
 さて、私は、市会議員、県会議員を経験をして、この問題に取り組んでおりまして、騒音被害への補償制度を新設する必要がある、こういう主張をしてまいりました。九月十日の本委員会でも、長官にこの点をただしたところであります。
 いろいろ調べてみますと、三沢市、小松市では、これは軍民共用空港でありますが、これに対しては、離発着する民間機の騒音については被害の補償の交付金が出ている。民間機の進入表面下の騒音には交付金として補償金が出ておるのでございます。民間機というのは、これはもうけ仕事でやっている会社なんです。そして、利用客は県民、市民。民間会社がやっているその騒音に対して市や県が騒音補償の交付金を出している。
 厚木基地の進入表面下は、これは軍用機が飛んでいる。この軍用機の目的はというと、国防であり、日本の安全保障。私は、民間機に交付金が出ているのならば、民間機に税金の補償が出ているのならば、軍用機の騒音にはもっと補償の必要がある、こういう認識なんですが、長官、どんなふうにこの点お考えになりますか。
     〔委員長退席、仲村委員長代理着席〕
#34
○額賀国務大臣 今冨沢委員御指摘の、石川県及び小松市が小松基地周辺の町内会で組織する団体、あるいは三沢市が三沢基地周辺の町内会に対しまして、それぞれ一般財源から交付金を出しているということは承知をいたしております。
 防衛施設とのかかわり合いで国が地方公共団体に対しまして一般財源として交付する資金としては、自治省から交付されている国有提供施設等所在市町村助成交付金及び施設等所在市町村調整交付金があり、さらに、平成九年度以降は、米軍及び自衛隊の基地が所在することによって生ずる地方団体の清掃、渉外事務等の財政需要を普通交付税に算入するというふうにされております。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のように、今後とも地元の負担をできるだけ軽減するように努力をしていく必要はあろうかというふうに思っております。
#35
○冨沢委員 国がいろいろ施策を講じていただいていることは事実なんですよ。例えば、音そのものを少なくする、そのためにもう一本の滑走路を硫黄島に建設をして、NLP全体の音の量を十とすれば、八割方硫黄島で訓練をされている。この国の御努力は多とするところであります。また、残っている音に対して住宅防音工事を実施をしている。これも住民への補償の一つであると認識をしておりますが、小松や三沢の対策というのは、航空機の滑走路へおりる進入表面下の自治会に対して直接金が出ている。こういう制度は軍用飛行場にはないわけです。
 さっき申し上げたこととダブるわけですが、民間機にこういう補償が出ておる。安全保障、国防のための軍用飛行場の進入表面下にはこれと同じ金は全く出てない。いろいろな手当は出ているけれども、進入表面下の自治会に対しての交付金という形の制度は今ない。これは、防衛、国の責任で、民間機よりもっと補償すべきですよ。こうお考えになりませんか。
#36
○額賀国務大臣 厚木基地の騒音問題については、我々も鋭意取り組んできたところであり、今後も、冨沢委員御指摘のとおり、地元の方々の騒音公害に対しまして引き続いて努力をしていかなければならないというふうに認識をいたしておりますし、また、今御指摘のようなことについても、どういう方法でそういうことができるのか、検討をさせていただきたいというふうに思います。
#37
○冨沢委員 冒頭申し上げました基地隣接の産廃処理施設、この改善費用を閣議決定で国が出す、大変結構なことなんだ。日米安保のかなめの基地ですから、大変結構な施策なんだ。米軍に対しては日本政府はこういう思いやりをすぐやるのですよ、閣議決定して。私は、もう少し、国防の犠牲になっている基地の周辺の住民、自治体に、もっと米軍に対するようなこの思いやりを、思いやり制度をつくる、この必要があると長年感じておりますが、防衛庁の責任として、軍用飛行場の進入表面下の住民への思いやり補償制度と申しますか、これを新しくつくっていただきたい。
 長官、いつまで御就任かわかりませんけれども、もう一度その御決意、伺わせていただきたい。
#38
○額賀国務大臣 それは当然、日米安保条約に基づきまして、自衛隊の基地も米軍の基地も日本の安全保障に不可欠のことでありますし、日本の方々の迷惑が高じておればそれを減じていくのは我々の仕事でありますから、検討させていただきたいというふうに思います。
#39
○冨沢委員 お願いをいたします。
 一昨日の「四社事案関連文書の管理実態に関する中間報告」についてお尋ねをいたします。
 中身に入る前に、おとといの朝、私はびっくりしたのですが、十月十四日の午後中間報告がいただける、こういうふうに防衛の方から聞いておりましたが、朝六時に起きて神奈川新聞を見ましたら、神奈川新聞の第三面にもう記事が出ているんですね。「証拠隠し「深く反省」 組織的隠滅、確認できず 防衛庁調査委の中間報告」、こう出ている。
 この委員会で長官は、まず国民、国会に報告をする、こう約束をされた。我々が中間報告を受け取ったのは一昨日の午後。一昨日の朝刊の神奈川新聞に既にこの中間報告の内容が出ている。これは一体どういうわけですか。
#40
○伊藤(康)政府委員 私、神奈川新聞を見ておるわけではございませんが、十四日の各紙の朝刊で、中間報告の内容と称する記事があったことは承知しております。ただ、私どもといたしまして、当然、今先生御指摘のように、十四日の指定の時刻以前に報告書の内容を外に明らかにしたことはございません。
 ただ、これは推測で申しわけございませんけれども、報告書の中身の一部の事実関係につきましては、これまで各委員会等の御質問でお答えしたことが含まれております。そういう意味では、推測を申し上げるのはいかがかとは存じますが、ある程度のことはそういうものを集積すれば書けたのではないかという想像はしておりますけれども、いずれにいたしましても、私どもの方で事前にこの内容をどこかに漏らしたということはございませんので、御了承いただきたいと存じます。
#41
○冨沢委員 報告の内容まで含めた記事でありますので、このニュースが大蔵省から出たわけでもない、文部省から出たわけじゃない。防衛庁から出たのは決まっているので、情報管理をしっかりしていただかないといけませんよ。いかがですか。
#42
○伊藤(康)政府委員 先ほど申し上げましたように、今回の報告書につきましても非常に注意をしたつもりでございますが、今後とも引き続き注意をいたしたいと存じます。
#43
○冨沢委員 中間報告をじっくり読ませていただきました。
 一ページ目の、再発防止のために調本の解体をも視野に入れた組織の抜本的な見直しを行うへその実効性確保のために職員の意識面を含めた出直し的改革も行う、こう決意が述べられております。
 もともと、調達本部というのは、特定品を限られた業者に発注するという制度。特定品ですから、自由な市場があるわけではない、市場原則を変えるわけにもいかぬ。具体的にどんなふうに改めようとされているのか。
#44
○額賀国務大臣 今度の防衛庁をめぐる背任事件の発端となりましたのは調達本部でございます。したがって、調達本部の組織あるいはこれまでの運用等々につきまして総点検をして、どこに問題があったのか、こういうことについて洗い出していくことが、これから二度とこういうことを起こさないための必須の条件であろうというふうに思っております。
 結果的にこういう事件を起こしたわけでありますから、価格決定のシステムあるいは原価計算の方法あるいはそのチェック体制等々について、私は万全ではなかったというふうに思っておりまして、その意味で、調本を解体するという視野も入れて、抜本的な見直しをして、透明な調達システムをつくっていく。そのために、外部で防衛調達制度検討委員会をつくって御意見をいただくと同時に、内部でも、私が本部長になって、そして浜田政務次官を本部長代理として、外部の提言と内部の積み重ねによって抜本的な改革を成し遂げたいというふうに思っているところであります。
#45
○冨沢委員 昨年九月以降の経過の結びとして、「結局調本としては、過去に決裁を経た返還額に誤りがあったと判断するには至らなかった。」こう結んでおられます。
 業者の東洋通信機の水増し請求と過払い額、返還額は適正であった、こういう御認識なんでしょうか。返還金額の不正圧縮はなかった、こういう防衛庁の見解ですか。
#46
○伊藤(康)政府委員 報告書に書きましたことは、当時の経過、過去のことを申し述べております。したがいまして、現時点ではなくて、調本でいろいろと作業をしたその限りにおいては、残念ながら、先ほど申された、その金額が誤りだったということを発見できなかったということを述べているわけでございます。
#47
○冨沢委員 次に、三番目の四社事案関連資料の管理状況、昨年の九月からことしの九月までの調査についての報告でございますが、まさに、強制捜査、押収に備えて、防衛庁調達本部が右往左往の大騒ぎをしている状況が書かれておりますが、五月のころの時期、これは長官御就任前のことなのですが、どうも私には理解できない点があります。
 平成十年五月のころの時期、報告には、上司から書類を整理整とんするよう指示を受け焼却をした、簡潔に言えばこういう文章で、上司から指示を受け焼却をした。これは、世に言う組織的な証拠隠滅ということになりませんか。
    〔仲村委員長代理退席、委員長着席〕
#48
○伊藤(康)政府委員 ここでは、報告書にも書きましたように、上司から書類を整理整とんしろという、いわば一般的な指示を受けたわけでございます。それを聞きました部下である課長補佐クラスの者でございますが、その者が確かにその他の書類も整理したんだと思いますけれども、その中で、自分の判断でここに掲げましたような藤倉航装関連の書類の一部を焼却したということでございまして、このことをもって、組織的な証拠隠しあるいは証拠隠滅というような行為にかかわるものではないというふうに判断をした次第でございます。
#49
○冨沢委員 どうも世の中の理解とは大分違うようでありますね。
 ことしの八月、九月の時期、額賀長官はもう既に御就任をされております。「四社事案関連資料を含む各種の資料を自己の執務室外に移転していた」。「移転していた」、これは世の中では隠匿と言うんじゃないですか。
 移転もいろんな移転があって、自宅への移転。その他は、建物内の会議室への移転、他機関の知人の執務室への移転、車の中。これは公用車なんですかね。あるいは部下の自宅等への移転。これは、八月三十一日、石附副本部長の指示のようなんですが、移転先もこれほどいろいろある。これは職務命令によるものに間違いないと私は思うのですが、いかがですか。
 まず、移転と隠匿の違い、さらに、移転といえば、この移転は職務命令によって行われたものじゃないのですか。
#50
○伊藤(康)政府委員 先生今御指摘のところは、四ページの(3)アのところの部分だろうと存じます。その具体例につきましては、さらに五ページのところで(ア)、(イ)、(ウ)ということで幾つか記しておるわけでございますが、総論的にこのアのところで述べた次第でございます。
 そこで、移転とはどういうことかということでございますが、私どもの聞き取りの中では、四ページの今御指摘の次の段落のところでございますが、移転の理由につきましては、自宅における勉強のためですとか、休日、夜間における上司等の照会に対応するためというような典型例、あるいは当面の業務遂行上必要な資料だというような理由が述べられているわけでございます。このようなことでありますと、私どもは、それはそれなりの一つの理由ということで、移転というふうに整理をしたわけでございます。
 なお、そのことに関しましては、次の五ページの中で、(ア)の三行目の後段でございますか、そこから、「自宅での勉強等それぞれの理由があるとは言え、押収を避けたいとの意識も働いていたものと思われる。」という評価は私どもの方でしたということでございます。
 それから、それは職務命令なのかという御指摘でございますが、ここに私どもが知り得た事実の大半は、それぞれ個人が自分の部屋のものを自分で持って帰った、あるいはどこかへ移したというケースでございまして、組織的に部下とかそういうものを使い、そして大量にというふうなケースというものは実はないわけでございます。
 ただ、石附前副本部長の関係で申しますと、これは確かに部下に運ばせておることは事実でございます。ただし、ここでは、その中身と申しますものは、自分の管理している、自己の執務室内にあった資料でございまして、言葉は適当かどうかわかりませんが、いわば部下に手伝わせた、手足として使ったというふうに理解しておりまして、これを、組織的という言葉の定義にもよるのかもしれませんが、そういうものとは思っておりません。
#51
○冨沢委員 もう一点伺います。
 検察の強制捜査が入りそうだということで、調本内では、強制捜査が入った場合の心構え、対応ぶりなどに関する説明、注意があった。これを、繰り返し、九月一日、九月三日、捜査直前にもおやりになっている。念を入れておやりになっている。これは、強制捜査に備えた共同謀議と言うのではないですか。
#52
○伊藤(康)政府委員 九月一日及び九月三日の会議の関係につきましては、六ページのところで比較的詳しく書いたつもりでございますが、ここに、ごらんいただけますように、まさに強制捜査というようなものが入った場合にどういうふうにそれを受けるかということを話したわけでございまして、そこで、何らかの、物を隠せとか、あるいは何らかの謀議をした、先生のお言葉をおかりすれば、謀議をしたという事実はなかったというふうに思っております。
#53
○冨沢委員 これ以上細かくは申し上げませんが、中間報告の、捜査を受ける注意事項の説明会ですか、あるいは書類の移転、ほかの場所での保管、文書の焼却、これは我々の理解では、共同謀議であり、書類の隠匿であり、証拠隠滅ですよ。八月末、九月の大わらわの防衛庁の動きです。これを、移転と言い、焼却と言い、保管と言いかえているだけのことで、クリントンさん、アメリカの大統領がモニカ・ルインスキーさんとの関係を不適切な関係と言い直しているのと同じことで、世の中の笑い物になりますよ。これが果たして公文書なのですかと私は申し上げたい。
 それで、最後になりますが、長官、犯罪行為も含まれています。これは、額賀長官就任後の防衛庁の仕事です。前回の委員会で私は、部下の不始末は親分の責任、こう申し上げておいた。このごろ政治家が責任をとらなくなっている。これだけの不始末を、防衛庁、一生懸命おやりになっているわけだ。責任問題、どうお考えになりますか。
#54
○額賀国務大臣 九月の十二日に、防衛庁がこの背任事件をめぐって組織的に大量に証拠隠滅を行ったという報道がなされ、これが事実だとすれば重大な、ゆゆしき事態であるというふうに考えまして、即座に内部調査委員会を発足をさせまして、みずからの力で、自浄能力を示す意味でもこれを明らかにしていくことが信頼回復の第一歩であるということでスタートし、十四日に、これまで聞き取り調査をした中間報告として御報告をさせていただいたわけでございます。
 私は、引き続いて、これを精査をし、事実関係を明らかにして、そして厳正なる処分をしてけじめをつけていくことがまず私の責務であるというふうに思っております。
 さらに、こうした事態が再び起こってはならない。そのためにはどうすればいいのか。その点について、防衛調達のシステムを透明でオープンなものにしていく。そのためには今の調本を抜本的に改革をしていく必要がある。また、あわせて、天下りと防衛庁との関係につきましても御批判をいただいておりますけれども、自衛隊員の再就職の問題についても検討をし、そして、自衛隊が安心して二十一世紀も士気を持って、基盤が整備されていくことの端緒を開いていかなければならない、そういうふうに思っているところであります。
#55
○冨沢委員 時間が参りましたので、終わります。
 ありがとうございました。
#56
○塩田委員長 次に、佐藤茂樹君。
#57
○佐藤(茂)委員 自由党の佐藤茂樹でございます。予定の質問者がまだ見えませんので、先に質問をさせていただきます。
 まず、防衛庁長官、調達実施本部の元幹部に絡む背任事件で大変苦境に立たされているかと思うのですが、参議院の方から問責決議案なども出されておりますけれども、私は、大変若輩で失礼かもわかりませんけれども、ほかの閣僚と違って防衛庁長官は、やはり国防、国民の生命と財産を守る大変重要な立場にあられる、そういう閣僚でございますので、ぜひ、出処進退については、恥ずかしくない、そういうけじめのつけ方を最初にお願いをしておきたいと思います。
 その上で、私は、きょうは貴重な時間をいただきましたので、国防問題につきまして何点か質問をさせていただきたいと思います。
 それで、最初に、全体として、BMD構想について何点かお尋ねをしたいのです。
 九月下旬の2プラス2で、共同会見して表明された内容について、その後、こちらに帰国されて、本会議また委員会等で防衛庁長官が一貫して言われていることは、あのときの表明というのは、共国技術研究を実施する方向性を示し、そのための政府部内での調整を含めた作業を今後進めていくことを示したものであり、政府として共国技術研究に着手することを決定したわけではありません、そういうように、一貫して、これは総理も含めて述べておられるわけですね。
 そこで、これからのことについて最初にお尋ねをしたいのですけれども、今政府部内でどういう作業を進めておられるのかということが一点。二点目に、今後どういう手続を踏まれて決定されようとしているのか。例えば、安全保障会議にきちっと諮るとか、閣議で決定するとか、どういうことを考えておられるかというのが二点。それと三点目は、アメリカとの合意でございますから、アメリカのスケジュールも考慮に入れた上で、例えば十一月にはクリントン大統領も来日される予定になっておりますけれども、いつごろまでに日本政府としての方針を決定される御予定なのか。まず最初にお伺いしたいと思います。
#58
○額賀国務大臣 今委員が御指摘のとおり、先般の2プラス2で日米共国技術研究の方向を目指して作業に入るということを表明させていただき、政府部内で作業を進めつつあるところであります。
 今どういう作業をしているのかということについては、来年度の予算措置も含めた形で一定の手続を進めさせていただきたいということで作業を進めていることでございます。その上で今後のことも考えていくことになるわけでありますけれども、今の時点では、目下鋭意作業を進めているということでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#59
○佐藤(茂)委員 それで、作業を進めていることはもう存じているのですが、今後、決定の手続としてどういうことを考えておられるのかということと、ある程度のその作業のめど、この辺まではきちっと作業をしていただいて、果たしてどの辺までに、政府としてこの共国技術研究にきちっと参加するのかどうかという決定をされるつもりなのか、そのことの答弁をいただきたいと思います。
#60
○額賀国務大臣 概算要求等を決めていく場合には、今委員御指摘の安保会議等にも御議論をしていただくことになっておりますから、そういう手続はいずれ考えなければならないというふうに思っております。
#61
○佐藤(茂)委員 その上で、これは他国との合意ですから、基本的には遵守される予定なんでしょうが、その方向を守られる予定なんでしょうが、これは微妙な答弁をされていて、方向性を示したんだ、そういう表現になっているのですけれども、その方向性が、こちらの国内事情で万が一にでも覆されるというようなことはあり得ると考えてよろしいのでしょうか。
#62
○額賀国務大臣 今、そういう方向性を示し、政府部内で作業を進めていることでございますから、委員御指摘のような事態にならないように努力をしているということであります。
#63
○佐藤(茂)委員 それで、TMD構想について、防衛庁はBMD構想と言っていますけれども、防衛庁長官がどういうようにイメージされているかにもかかわることなんですけれども、今回のこのBMD構想への参加というのは、基本的には、やはり我が国の安全保障政策であるとか、これからの外交のあり方に非常に大きな影響を与えて、今までの外交とかあるいは安全保障政策のある部分を変容させる可能性も秘めていると私は思うのですね。
 そういう意味からすると、今政府内の調整をされているのですけれども、これは、政府も国会も一体となって十分な議論をして、日本の国内できちっと合意を得た、そういう形にすることが不可欠であるのではないのかなというようには思っているのですが、防衛庁長官のこのBMD構想に対する所見をお伺いしたいと思います。
#64
○額賀国務大臣 もう委員御案内のように、先般の北朝鮮の弾道ミサイルの発射にも見られるように、弾道ミサイルが拡散をしており、大量の破壊兵器が拡散している。そういう中で我が国の安全をどう守るかということを考えた場合に、この弾道ミサイル対策というのは不可欠であるというふうに考えておりまして、数年前から日米間で研究を重ねてきた。その一環として、今度の日米共国技術研究に参画する方向性を示させていただいたわけでございまして、私は、我が国の防衛政策上の大きな課題であり、当然、国会、国民の皆さん方にも御理解を得るべく議論を重ねていかなければならないというふうに思っております。
#65
○佐藤(茂)委員 そこで、さらにそのことに関連してお尋ねをしたいのですけれども、これは日米間では、たしか平成六年九月に防衛庁長官と向こうの国防長官で一致して、たしか日米弾道ミサイル防衛共同研究の開始ということが決定されて、平成七年から当初の予定では九年まで、日本では総合的調査研究、そういう名目で研究をされてまいりました。
 ことしの四月二日に当委員会で私がTMDに関する質問をいたしましたときに、当初、去年ぐらいまでで基本的にはその研究というものは終えて、結論を出される予定ではなかったのかという質問をしましたときに、たしか防衛局長だったと思うのですけれども、もう一度ことし、BMDについての技術的な実現可能性についてさらに掘り下げて検討するんだ、そのために御予算もいただいているんだ、そういう答弁をされたというふうに記憶しているのです。
 そこで、BMDの基本的機能というのは、皆さん御存じのとおり、探知、指令、迎撃の三つのシステムから成っていて、私の聞いたところ、センサーシステム、またC3Iシステムとかウェポンシステムのそれぞれについて、もう既に総論的な検討はほとんど済まされていて、例えば高出力のレーダーであるとか、さらにはC3Iのネットワークの容量の大きさであるとか伝送速度の速さであるとか、またミサイルの頭の、シーカーの部分の敵機を見つける速さであるとか、さらには情報の処理速度などについて、もう既にほとんど検討を済まされている。技術的基盤、特に要素技術の部分については今のレベルで達成可能になりつつあるのではないのか、そういう検討結果をこの調査研究の段階でほぼ得られているというように私は伺っているのですけれども、そういう認識でよろしいのでしょうか。
#66
○佐藤(謙)政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、我が国としては弾道ミサイルに対する防衛をどう考えるかということで、平成七年から特別に予算を計上いたしまして、その脅威というものがどういうものか、それにはどういった特性があるのか、それに対してどういつだ技術的課題があるのか等々を調査してまいりました。
 そういう中で、今おっしゃいましたように、この弾道ミサイル、非常にスピードが速くしかもレーダー反射面積の小さいものをできるだけ遠くでとらえるにはどうしたらいいか、あるいはとらえたものをどういうふうに計算して、それを実際のオペレーションにつなげていく必要があるのか、また迎撃ミサイル自体の高機動性、これをどういうふうに確保していけるのか、こういった課題につきまして勉強をし、それに対応いたします技術水準がどういう水準にあるかということをいろいろ調査してまいりました。
 現在そういったことで、具体的な方向性まではあれでございますけれども、方向性といたしましては、今先生からお話がございましたように、今の技術水準である程度達成可能と思われる分野、あるいはもう少し努力をすれば達成できるであろうという分野等々の一応の研究は進めてきているわけでございます。
 さらに、本年十年度予算におきましては、こういう中で、日本としてこういうものを研究する場合に、どういう部分に寄与し得る分野があるのかということも含めまして、さらにその技術的な実現可能性について研究を行っている、こういうことでございます。
#67
○佐藤(茂)委員 そこで、私、ぜひ長官の所見を伺いたいのです。
 例えば2プラス2の翌日の報道だったと思うのですけれども、朝日新聞なんかは、これは見出しですけれども、「国内の合意、後回し 「TMD」見切り発車」などという見出しもっけられて、非常になし崩し的にずっと共国技術研究に、特に日本政府として進もうとしているんだ、そういうイメージが非常に強いわけですね。
 しかし、実際の問題としては、先ほどから申し上げているように、平成七年からアメリカの力もかりて、八年、九年そして十年と調査研究を防衛庁としてもされてきているということは、これは間違いない事実でございます。その調査研究も、大体四つの分野についてされてきているんですね。間違いのないように言いますと、一つは弾道ミサイルの特性、二つ目が技術的可能性、三つ目が弾道ミサイル対処システムの具体的内容、四つ目が費用対効果、こういう四つの分野に分けてずっと総合的調査研究をされてきているんです。
 私はここでちょっとお願いをしたいのは、アメリカの場合は、四つのコアシステムについて研究開発の状況をきちっと情報公開されているんですね。だから、きょうは時間がないので多分そこに触れられないと思いますけれども、例えばTHAADの開発状況の実験結果なんというのは、八回行われて、最近の五回は残念ながら失敗しているんだ、そういう結果まで日本にきちっと伝わってきているわけですね。
 そこで、私はぜひ長官の決断をお願いしたいのは、先ほども言いましたけれども、このBMDというのは、これから進めば進むほど、本当に我が国の安全保障政策であるとか外交のあり方に大きな影響を与えることも考えますと、どういう根拠でTMDの共国技術研究に一歩踏み込んだのか、そういうことを明らかにする意味でも、これは、機密事項は別といたしまして、この四年間の調査研究の結果というものをある程度国民の前に、またこの国会にきちっとまとめた形で公表すべきである、私はそのように考えるのですけれども、長官の御所見を承りたいと思います。
#68
○額賀国務大臣 私は、委員の御指摘は大変すばらしい見識だというふうに思っております。やはり国民に支持されての防衛体制でありますから、できるだけオープンにして、国民にわかりやすくした形でこういうものが進められていくことがよいと思っております。したがって、日米間でやることでありますから、そこの信頼性を保ちながら、できるだけオープンにしていく形がよかろうというふうに思います。
#69
○佐藤(茂)委員 ぜひ前向きに情報の公表の方も検討を進めていただきたいな、そのように思うわけであります。
 あと、TMDの導入とかそういうことをめぐっては、何点かもう既にいろいろな角度から問題点が指摘されております。結局、開発また実戦配備までに相当な年月がかかるのではないのかとか、また費用の問題であるとか、さらには技術的な問題、そして中国を初めとした周辺諸国のそういう理解をどう得るのかという、そういう問題等あると思いますが、ぜひこれは閉会中並びに次の国会に機会があれば質問をさせていただきたいと思いますが、きょうはその中でも一点、国会決議との関係についてお伺いをしたいわけであります。
 特に、今衛星のことで与党内でもいろいろな議論がされているというように報道を通じて聞いているのですが、偵察衛星の問題は置いておきまして、ミサイル発射の早期発見というのがTMDの構想の場合には一つの大きなポイントを占めてくると思うのですけれども、その役割を果たしているのが宇宙空間から監視している早期警戒衛星なんですね。そこの部分で、今のままですと、日本がTMDに参加しても、早期警戒衛星はアメリカが持っているから、実際の運用は事実上アメリカに握られるという、そういう状態を許すということなんですね。そのことも含めて、日本独自で保有できるのかどうか、それともアメリカのものを利用するのかというやはりきちっとした政策判断の根拠になる議論はしておかなければいけないだろう、そのように思うわけであります。
 一つは、日本独自で保有する方向で検討していったときに三つぐらい問題があるのではないのか。一つは、今でも費用がかかると言われているのにさらに膨大な費用がかかるという、そういう可能性があるということと、それと、早期警戒衛星を持つなどということで日本が突出することで、今までの良好な日米安全保障体制の調和が崩れるのではないのかという、そういう懸念も二点目としてあります。三点目に、これは国内の問題ですけれども、昭和四十四年に、有名な国会決議、宇宙に打ち上げられる物体、ロケットの開発利用は、平和目的に限るという、そういう内容の決議との関連で、果たして軍事衛星である早期警戒衛星を日本は持ち得るのかどうか、持つことはできないのではないかという、そういう点もやはりここではっきりさせておかなければいけないであろう。
 そこで聞きたいのは、日本がこれから独自に早期警戒衛星を開発するとなると、この昭和四十四年の国会決議であるとか、さらには宇宙開発事業団法に抵触する、そういうふうに見るべきかどうかも含めまして、今の政府の早期警戒衛星の日本独自の保有ということについての姿勢をお伺いしておきたいと思います。
#70
○額賀国務大臣 今委員御指摘のとおり、費用対効果あるいは対外的な影響、それから国内の国民のあるいは議会、国会での御理解を得ること、さらにはそういう早期警戒衛星を持つことが日本の、言ってみれば専守防衛的な必要最小限の防衛力の保持と関連してどうなのか等々、さまざまの議論が私は必要ではないかというふうに思っているのは委員と同じでございます。
 したがって、これは、アメリカは何十年の蓄積の上になされていることでありますし、技術的にも我が国が即座にできるかどうかという問題もありますし、私は、この問題は、日米の信頼関係に立って、お互いにどういう役割分担ができるのかどうかとかいろいろと今後議論をしていく中で方向性を決めることが正しいのではないかというふうに思います。
#71
○佐藤(茂)委員 五分間時間を削りましたので、これで終わりますが、あとちょっと、LEAPの、まだ研究の段階ですけれども、開発に至るときに、LEAPというのはもう大気圏外だけで機能する、そういう先端の部分ですし、そういうものが国会決議との関連でどうなるか等もお尋ねをしたがったわけですけれども、時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。
#72
○塩田委員長 次に、中路雅弘君。
#73
○中路委員 十四日に公表されました中間報告についてきょうはお尋ねしたいと思います。
 防衛庁が組織的に証拠の書類を焼却、隠滅するような行為はなかったと結論づけているわけですが、到底これは納得できないものです。防衛庁の組織ぐるみの証拠隠滅を、いわば糊塗、隠ぺいする文書だというふうに思います。
 二、三、この文書に即して具体的にお尋ねしますが、報告には、六ページですが、八月三十一日の夜、執務室内の四社事案関係資料など「相当量の資料を部下をして、部下の自宅に移転させ、さらに、後日他の部下の実家等に保管されるという例があった。」とありますが、これは石附調達本部副本部長のことだと思いますが、家宅捜索の直前に部下をして、つまり部下に指示して、部下の自宅や部下の実家にまで資料を移す、これは捜査対象とならない場所に資料を隠すつもりであったということだと思いますが、この問題について長官は、細部の調査がどうであったのかということは、この前の委員会で、さらに調査すると言っていましたが、これは明らかに隠したという事実じゃないのですか。
#74
○伊藤(康)政府委員 報告書六ページに記載いたしましたのは、委員仰せのとおり、石附前副本部長のケースでございます。
 石附前副本部長は、ここに書きましたとおり、部下を使いまして、部下の自宅に執務資料を移転させておるわけでございますが、その目的といたしましては、日常の業務に必要な書類ということでそれを持っていったというふうに言っております。
 なお、そのほかには、ここにも書いてございますように、用済み後の資料というようなものもあわせて持って帰っておるわけでございますが、基本的には、当面の業務に不可欠な資料ということで持っていかせたというふうに聞いております。
#75
○中路委員 何を言っているのですか。段ボール箱を十五箱も日常に必要だ、勉強のためだと持って帰る必要がありますか。
 私、先日テレビを見ていたら、テレビの画面に、「ニュースステーション」ですけれども、青山墓地で車から車へ資料を移しかえるところがテレビではっきり写真に出ているのですね。防衛庁の近くですね、青山墓地といえば。石附副本部長の指示で調本から段ボール箱十五箱分の資料を運び出して、資料が膨大だから青山墓地で別の車に積みかえたというこの事実、また、報告にあるように、海上幕僚部に移動した事実、これは五ページにありますが、職員の自宅や車の中にまで保管した。これが日常の業務で必要だからといって.持って帰る必要がありますか。これらの事実は、防衛庁が組織的に資料を隠そうとしたこと、これは明らかなんですね。
 皮肉に、テレビでやっていましたよ、「ニュースステーション」で。八月三十一日というのはミサイルを撃った日でしょう。ミサイルの発射の画面が出て、その次に専守防衛というのが出て、何が出るのかと思ったら、段ボール箱を移しかえる、青山墓地で、暗がりで、その画面が出ているんです。これが資料の隠匿でなくて何でしょうか。
 もう一度お聞きしますけれども、長官に聞きますけれども、日常の業務に必要なためとか、勉強のためだといって持って帰る、こんなことは、報告は、全く偽りじゃないですか。長官、いかがですか。
#76
○額賀国務大臣 私は、強制捜査直前に防衛庁の幹部がこの四社事案に絡んだ文書類を自宅に持ち帰ったり、あるいはほかの建物に移しかえたりしているということは、国民の疑惑を招いたことであり、大変公務員としてやってはならないことであったという認識をしております。
 これについては、東京地検でこれが証拠隠滅に当たるかどうか判断がなされると思いますけれども、私もさらに精査をいたしまして、事実関係を明らかにして、きっちりと厳正な処分をして、けじめをつけていくことにしたいというふうに思っております。
#77
○中路委員 九月二十五日の自民党の国防関係三部会で、これは新聞の報道ですが、及川装備局長が、家宅捜索の前にこうした調本の職員の資料の移動が幹部の指示によって行われたということを国防三部会で明らかにしているということが報道されています。
 職員が勝手にこんなことやるわけじゃないんですね。証拠隠滅というのは、幹部の指示でこうした書類を隠す、これが証拠隠滅ですね。まさにこの事実に当たるじゃないですか。官房長、さっき答弁しましたけれども、まさにこの事実が証拠隠滅じゃないですか。
#78
○伊藤(康)政府委員 九月二十五日に自民党の国防部会関係で及川装備局長から概要を御説明したことは事実でございます。ただ、その際申し上げましたことは、先生先ほど御引用の石附副本部長の事例を引用したわけでございまして、自分の資料を、部下に手伝わせてと申しますか、部下を使って運ばせたという資料でございまして、部下に指示をして一斉にあちこちの書類をどうこうさせたというようなことを申したわけではございません。
#79
○中路委員 部下に手伝わせて段ボール箱十五箱も自分の自宅へ勉強のために持って行く者はいないですよ。
 もう一つお尋ねしますけれども、私が先日の十月六日の安保委員会で藤島官房長の問題を取り上げました。家宅捜索の直前、八月下旬、調本の職員から供述内容をいろいろ聞き取った、ここに出ていますけれども、ヒアリングファイル、四社事案の関係資料等を持ち帰って破棄したということをお認めになりました。この事実は、藤島官房長から直接事情を聞いたわけですか、あるいは秋山事務次官の報告によるものですか。大臣、この書かれてある事実はどういうことなんですか。
#80
○伊藤(康)政府委員 報告書の五ページ「エ 具体的事例について」の中で藤島前官房長の例も書いてございますが、その第一節目の下から三行目ぐらいのところに「自宅に持ち帰り目を通した後不要と判断して破棄した例があった。」というのは、まさに藤島前官房長のケースでございます。この件につきましては、本人から、調査委員会に対して、このようなことがあったということを申してきたわけでございます。
#81
○中路委員 この事実も新聞で報道があってから秋山次官がやむなく記者会見で釈明したことなんですね。
 九月十八日のこの委員会で、当時まだ官房長でした藤島官房長はこう言っているんです。九月十八日ですよ。本年八月から九月にかけて、種々の書類を自宅保管したり、他の建物に持ち込んで保管したことがあるという聞き取り結果を得ている、それが背任事件に関係する資料か確認作業を行っている。本人が答弁しているんです。これが九月十八日です。
 本人自身が八月下旬にやっているんじゃないですか。自分のことは一言も言わない。やっている人間が、第三者みたいな顔して、今これから確認しています。第三者だけではないです。この藤島官房長を最初の調査委員長に任命したのは、長官、あなたなんですよ。調査委員長に任命された人間が国会の場で、自分が既にこうしたことをやっておきながら、今そういう話があるんで確認作業を行っている、こんな人間がありますか、皆さん。自分が資料を持ち帰り破棄したことについて一言も言及しない、この委員会でも。
 そして、それを調査委員長に額賀長官が任命をしたんですね。その後秋山氏にかわりましたけれども。この調査委員長にこんな人間を最初に任命した、この問題については防衛庁長官自身の責任なんですよ。いかがですか。
#82
○額賀国務大臣 私は、九月十二日に、防衛庁がいわゆる組織的、大量に証拠隠滅を図ったのではないかという報道であったものですから、即座に内部調査委員会を設けたわけでございます。そして、聞き取り調査を行い、先般の中間報告に至ったわけでありますが、その過程で、委員御指摘のとおり、藤島官房長については、東京地検の事情聴取を受けたという事実関係を知ったので、内部調査でこの証拠隠滅関係の事実関係を明らかにしていく責任者としては支障があるのではないかということ、それから防衛庁の総括的な文書管理責任者であるということ等々を踏まえまして、藤島官房長につきましては、職を解き、いわゆる参事官、官房付にして、内部調査委員会の委員長には秋山次官を充てて今日まで作業をやってきたところであります。
 したがって、私は、先ほども申し上げましたように、中間報告でございますから、さらに精査をして、事実関係をきっちりとして、厳正な処分をし、けじめをつけていくことが私の責任である、これが防衛庁の信頼回復の第一歩であるというふうに思っているところであります。
#83
○中路委員 藤島氏にかえて秋山次官を任命した。
 十月三日に、防衛庁の背任事件と証拠隠滅の疑いで三度目の防衛庁が捜索を受けました。このときに、官房長室、運用局長室のほかに、初めて秋山次官の事務次官室が捜索をされています。このことは間違いありませんね。
#84
○伊藤(康)政府委員 三度目の家宅捜索の際の捜査令状によりますと、ニコー電子に係る諸冨氏以下数名の者の犯罪容疑に係る家宅捜索であったということでございまして、なお、その場合に防衛庁の中が家宅捜索されたことは事実でございますが、個々の部屋あるいはその場所等につきましては、これは検察当局の問題でございまして、私どもの方からの答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
#85
○中路委員 あなた方自身のところじゃないですか。明らかに次官室もこのとき捜索されているんです。
 その前の調査委員長が藤島氏ですね。そして、その後任命した秋山次官の部屋も今度は捜索されている。こうした人たちが中心になってまとめた中間報告、信憑性は全くないと言わざるを得ないですね。長官が自浄能力を発揮した徹底した調査と言っていましたけれども、どうして期待できますか。官僚の作文じゃないですか。この中間報告自身は、そういう意味では全く責任のないものでありますし、中間報告とも言えないものですね。私は、こういうものを出してくる長官の責任は大変大きいと思うのです。
 時間がきょうは限られていますから、二、三最後にお話をしますけれども、第一番目に、今お話ししました中間報告なるもの、これは、全く防衛庁の組織ぐるみでなかったという結論だけが先に出て、これまでの国会答弁や、あるいは報道等で明るみに出た、それだけを述べただけであります。報告に全く値するものでないわけです。
 むしろこの中間報告を見ますと、防衛庁が昨年十月から一年がかりで東京地検の強制捜査に向けた対策を繰り広げ、東京地検から関係資料の提出を求められ、職員の事情聴取が始まると、事情聴取された職員の聞き取り、ヒアリングを実施する、対抗策を講じる。強制捜査が避けられないとなると、強制捜査に備えて対応要領を作成するといった組織防衛策にこの一年間狂奔してきた。これが組織ぐるみでないというのは、私は長官としての見識を疑うものであります。
 また、これは東中議員が先日も決算委員会で言っていましたけれども、防衛庁長官は、この事件の全容を解明する、この中間報告で述べられている問題じゃないですよ、今度の水増し、過払いの事件の全容を解明する責任があるわけですが、これが全くやられていない。それだけではなくて、上申書にあくまで固執して、そうして、この上申書で言われている、前長官から引き継いだこれを十分に検討しないまま、上申書の立場に立って、検察当局から背任事件、刑事事件として立件されるまで、かたくなに今までの返還のやり方が正しいということを繰り返してきたわけであります。
 防衛庁長官が、こうした水増し、過払い問題を解明していくために自浄能力を発揮していくと繰り返して強調しましたけれども、防衛庁は、検察当局によって起訴されるまで、その誤った見解を固守してきた。今日の中間報告においても、防衛庁は自浄能力がないということがはっきりしているわけであります。
 組織の長として防衛庁長官がその任に値しないということは、私は明らかだと思いますが、当然辞任をして責任をとるべきです。最後に、いかがですか。
#86
○額賀国務大臣 私は、今回、防衛庁の調達をめぐりまして、背任事件あるいは強制捜査等々が防衛庁を襲い、大変国民の皆さん方に不信感を与えたことに対して心を痛めております。
 したがって、防衛庁自身においても、いわゆる証拠隠滅の疑惑をかけられて、それを払拭するために、みずからの力で内部調査委員会をつくって中間報告もさせていただいたわけであります。
 したがって、私は、この中間報告をさらに精査をして、事実関係をきちっとした上で厳格な処分をし、けじめをつけるということが私の当面の責務である、そしてまた、こうしたことが再び起こることがないようにしていく、調達システムの抜本的な改革、それから、自衛隊職員の再就職の問題等々についても新しい改革をいたしまして、防衛庁を言ってみれば開かれた防衛庁に脱皮させる、その道筋をつける必要がある、それが私に課せられた責任であるというふうに思っております。
#87
○中路委員 終わりますが、私は、長官が責任をとって辞任するということを強く要求して、質問を終わります。
#88
○塩田委員長 次に、保坂展人君。
#89
○保坂委員 社民党の保坂展人です。
 本員額賀長官、参議院で問責決議案提出の動きへあるいはこの場でも進退をめぐる厳しい追及があるわけですけれども、私は、昨日の決算行政監視委員会で、長官が、証拠隠滅や焼却という不祥事、これを回復していくためには情報開示だという答弁をいただき、そしてさらに、昨日の決算行政監視委員会でお配りをしました、私が入手した、防衛庁の内部文書と言われる「東通事案における主要項目の基本認識について」、大変重大な文書なんですが、これをきのうの段階ではお目通しになっていなかった、つまり読んだことがないというふうにお答えになったのですが、当然お目通しになられたと思いますが、御感想、いかがですか。お目通しになったかどうか、そして、なったとしたら、どういう所感を持ったか。
#90
○額賀国務大臣 私、きょうの閣議後にこの文書をいただきまして、それからずっと委員会とか歩いたりなんかしておりまして、じっくりと読む暇はありませんでした。見出しだけ見させていただきました。後で読ませていただきたいと思います。
#91
○保坂委員 これがいかに大変重大な文書かということは、防衛庁が検察庁に出したと言われる上申書の中で書かれていることです。これは長官にもぜひきちっと見ていただきたいのですが、「訴えの利益もないこと」ということが、このAの注釈のところにあります。長官は、検察への上申書はお目通しになったということを昨日言われたわけですけれども、これは、告発するとすれば国側の立証責任の問題がある、あるいは、裁判の時間、コスト、執行可能性の問題、あるいは裁判中において原価計算の仕組みが明らかにされて今後の調達に影響が出るなどの問題というこの記述は、そっくりそのまま上申書の中に出てくる部分と同一なんですね。時間がないので読み上げませんが。したがって、これは、防衛庁の中の個人が趣味的に、あるいはほんのメモとしてつくったという内容には到底思えないわけです。
 そこで、装備局長に伺いたいと思います。
 装備局長は、この文書を記者から示されて一応読んだと。そしてきのうは、この文書のスタイルはちょっと違うかもしれない、内容は類似したものだと思われると。私は、直ちにこの重大性にかんがみて、文書を作成した者に確認をとって、これがその内容であるかどうかやるようにと求めましたけれども、どうですか、確認されましたか。
#92
○及川政府委員 昨日の段階ではとっておりません。また、個人のメモにつきまして防衛庁として確認することは御容赦させていただきたいと存じます。
#93
○保坂委員 それでは、額賀長官、お目通しないようですから、これは不本意なんですが、伺っていきますけれども、例えばA、B、C、こういうふうにありますけれども、その中でEのところをちょっとごらんになってください。例えば、東通側から穏便な処理、内密になどの依頼があった。あるいは平成六年五月二十三日に調本に投書があり、六月十六日検査院説明時に検査院にも投書が来ているということが判明していてマスコミにも動きがあって、納入告知をして一括返還を行った場合に外部に漏れる可能性があったことを当時の担当者は認識していたと思われる。あるいは、その下ですけれども、差異額が一けたであれば特損処理を行わなくてもよいが、二けたにわたると二年にわたって処理する必要があるということを東通の社長が上野さんに説明していることから、一部上場の企業の株主に知れ渡ってしまっては困るという認識を甲乙ともに持っていた。
 それから、その次のFのところですが、六十三年から平成四年まで、これを平成元年から五年までと、一年ずらした。一番最後のところを見ると、商事時効の五年を考慮の上、対象期間をこうしたものであるというふうにあるじゃないですか。これが個人的なメモであるとしても、直ちに調査をして答えるべきじゃないでしょうか。
 長官、いかがですか。これは時間がないので長官が答えてください。
#94
○額賀国務大臣 こういう事実関係があったかどうかについては私も承知しておりませんけれども、委員の御指摘でもありますし、また、こういう文書が事実あったのかどうか、こういうふうになっているんですから、調べてみなければならないというふうに思います。
#95
○保坂委員 昨日の中間報告書がありましたけれども、防衛庁として厳しく反省して、あるいは国民の信頼を回復する道を探ろうという基本的な姿勢はわかるのですけれども、しかし、何としても情報公開が中途半端で、長官、中途半端な情報公開というのはかえって不信のもとで、私どもは、こういうものを、あることを、――この内容の一部は新聞に出ていますから。何度も何度もこれを公開したらどうですかというふうに求めたんですけれども、しかし、ここまでこういう文書があり、また、他に問題になっているところは、検察の告訴見送りの制度自体が背任に当たるのではないかという記述もあります。それから、調本職員が背任で起訴されるのなら検査院も同罪ではないかというところもあります。あるいは、最後のところを見ていくと、今回調本でこうやってチェックして取り戻しをしたからこの事案が発生したのであって、そういうことをしなければこれはなかったんだという、本当に居直りめいた見解もあります。
 個人的なメモというふうに防衛庁の当局は言っていますけれども、しかし、個人的なメモがもしこれだけの重大事件のさなかに作成されていたとしたら、やはり今回の不祥事を生んだ重要な参考文書というふうに言えるのではないかと思います。ですから、直ちに指示をして、この文書はどういう文書なのか、そして防衛庁の見解、コメントは今どうあるのかということを責任持って処理していただきたいと思うのですが、長官、いかがでしょうか。
#96
○及川政府委員 昨日も先生に申し上げましたけれども、この文書に関します私どもの考え方といたしましては、個人の私的なメモでありまして、防衛庁としてその私的なメモに対するコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
 なお、このメモの内容につきましては、今先生もおっしゃいましたように、東洋通信機事案の公判等に影響を及ぼすと思われる記述も多いだけに、防衛庁としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#97
○保坂委員 装備局長、でたらめなこと言うんじゃないですよ。検察の捜査というのは事件の筋を追っていくわけですよ。別に調本の新しい制度を検察が提案するわけじゃないんですよ。国会の場でこういうものが出てきたら、これは長官だって調べると言っているわけですから、長官の前に出てきてそういうことを言う必要はないのです。そういうことをやっているから、こういう事件が何回も何回も起こるのですよ。額賀長官、答弁お願いします。
#98
○額賀国務大臣 私は、このいわゆる証拠隠滅に絡んだ問題については内部調査で全容を明らかにしていくと言っているわけでありますから、その延長線上できちっと整理をさせていただきたいというふうに思います。
#99
○保坂委員 きちっと整理をさせていくということを一言だけ、長官、確認しますけれども、こういうものが本当に存在したかどうか、そして、ここに書かれているものについて、本当に不適切な記述、あるいは居直りとも思える表現、これについて、現在の防衛庁はこう考えているということを示すということを約束していただけますか。
#100
○額賀国務大臣 これが、今装備局長が答えたように、本当に個人的なメモであるのかどうか、それから、公判、捜査も行われているので、そういうことも考える中で、私なりに整理をさせていただきたいというふうに思っております。
#101
○保坂委員 残念ですけれども、こういったことに対する本日の対処は大きく長官の去就、進退を決していくと思いますから、ぜひ厳正に対処してください。
 終わります。
#102
○塩田委員長 次に、石井紘基君。
#103
○石井(紘)委員 この防衛庁の行ってきた背任事件、これは、昨年の十一月から一年間にわたって、この国会の中でもって重要な問題として取り上げられてきた。私ももう十数回にわたってこのことについては追及をしてきた。そして今や、防衛庁は、今まで言ってきたことはほとんど丸ごとうそであったと、違っておりましたと、すべての見解は覆りました、こういうふうに言っているわけじゃないですか。
 私は、十数時間にわたってこのことを追及してきましたよ。そういう、国会を一年間にわたって浪費しながら、一夜にして、一瞬にしてそういうふうに見解を変える。そして、その責任というものについて全く防衛庁長官が感じないということはどういうことか。私は、そのことをどうしても申し上げなければならぬということで、きょう、防衛庁長官の責任を追及をさせていただきたい。
 覚書というものはどうなったのか。いまだに出してこないじゃないか。包み隠さずすべてをあからさまにお出しします、明らかにしますと言ってきたではないですか、防衛庁長官、額賀さん。あるいは、上申書をいまだに出さないじゃないですか。どうですか。上申書に対する補足も出したはずです。この間の報告の中にはそう書かれております。その補足というのは、あなたになってから出したんじゃないですか。
 あなたの就任後、私は直ちにこの委員会でもって伺いました。あなたは前の長官から十分引き継ぎをこの件でもって受けましたかと、受けましたと。そして、それではどういう姿勢でもって取り組むのかと言ったら、行政の継続性があるので、私は従来の質疑について責任を持つということだったじゃないですか。
 それで、その中であなたがやってきたことは、あの、つい最近撤回をしたところの上申書に、さらにその上塗りをして補足を出した。その補足も、あの上申書の趣旨に沿った形で出されているじゃありませんか。あなたがもう一つ今やっていることは、内部の東通事件に関する調査をやりますということだったけれども、実際やっていることは、秘密漏えいについての調査だけじゃないですか。そして、それについての報告を出し、そして、いずれ処分を厳正にしますということを述べられている。
 あなたは、官房長の首を切った、あるいは調本の副本部長もかえさせた、あるいはさまざまな調査委員会の責任者もかえた。国防の最高責任者であるところの事務次官の部屋まで家宅捜索を受けた。そういう中で、あなた自身の責任がなくして、次々に部下の責任を追及し、首を切っていくということが許されるのですか、長官。
 私はなぜこういうことを言うか。これは我が国の防衛の士気にかかわる問題ですよ。防衛庁の職員は、課長クラス、補佐クラス、どれほどあの東京地検に呼び出されて事情聴取をされているのか。しかし、その人たちは上司の命令でほとんどやっていることじゃないですか。幹部が責任をとらなくて、一体こういうことがおさまるのか。
 これは我が国の防衛、そして防衛庁の今後の責任ある体制を築いていくためにどうしても防衛庁長官がここで責任をとってもらわなければならない問題であります。お気の毒でありますけれども、これは防衛庁が一貫して擁護してきた、防衛庁が組織を挙げて、この国会の中でも、さまざまな贈収賄事件あるいは背任事件、これに対して矢面に立って防衛をしてきたわけです。防衛庁の任務はそういう防衛ではないはずだ。したがって、これは明らかに防衛庁が組織を挙げて行ってきたところの国民に対する裏切りであります。税金の莫大なむだ遣いであります。国の予算に対する、国損を与えた背任罪であります。
 どうですか、防衛庁長官。あなたは、あなたの行ってきたこと、このことに責任をとらなければなりません。どうぞ、今この場でもって、あなたはこの責任をとって防衛庁長官をおやめになるということを言うべきであります。どうぞ。
#104
○額賀国務大臣 私は、この一カ月半、防衛庁が背任事件、強制捜査あるいはまたいわゆる証拠隠滅の疑惑等々に見舞われまして大きく揺れ動いたことに対して、大変心を痛めております。
 防衛庁はもともと、国民の生命や財産を守り、国の安全と平和な国民生活を確保するのが本来の任務であります。こういう事件があってはならない、その意味では、国民の期待を裏切ったことになっております。
 したがって、私は、このいわゆる証拠隠滅の問題につきましては、我々が自浄能力を持って、明快に事実関係を明らかにして、そして厳正な処分をしていくことが国民に対する任務であるというふうに思っておりまして、今度の中間報告をまとめさせていただいたわけであります。したがって、今後も、さらに最終報告に向けて精査をいたしまして、厳正な処分をし、けじめをつけてまいりたいというふうに思っております。
 さらに、こういうことが再び起こることがないようにするにはどうしたらいいかということについて、私は、現象面をこう薬を張るように糊塗していくのではなくて、原点に返って対策を講じていかなければならないということで、調達本部のシステムあるいは自衛隊員の再就職の問題について抜本的な改革をしていくことが私の責任であるというふうに考えているところであります。
 したがって、私は、このいろいろな事件について、背任事件については検察庁の捜査あるいは公判で明らかになっていくと同時に、私どもも、できるだけこれは調査をして明らかにしていかなければ――そして対策に活用していくことが大事だ。対策をつくっていくに当たっては、問題点を洗い出して、その対策をつくっていかなければならないからであります。
#105
○石井(紘)委員 あなたたちは、会計法に違反している、あるいは背任行為を行った、そういうようなことを一つも反省がない。これからのことはその後だ。これからの立派な体制をつくっていくには、これまでのそうしたすべての問題をきちっと整理しなければいけないのです。防衛庁長官のそういう答弁では、これは絶対納得できない。国民は納得しない。私は、この防衛庁長官の答弁は納得できません。これでは質問ができません。
#106
○塩田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#107
○塩田委員長 速記を起こしてください。(石井(紘)委員「長官はどうしたの。委員長」と呼ぶ)ちょっと待ってください。
 長官は……。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#108
○塩田委員長 速記を起こしてください。(発言する者あり)
 御静粛に願います。(発言する者あり)
 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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