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1998/10/13 第143回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第143回国会 地方行政委員会 第3号
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1998/10/13 第143回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第143回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第143回国会 地方行政委員会 第3号
平成十年十月十三日(火曜日)
   午前十時開議
出席委員
  委員長 坂井 隆憲君
   理事 平林 鴻三君 理事 宮路 和明君
   理事 山本 公一君 理事 古賀 一成君
   理事 葉山  峻君 理事 桝屋 敬悟君
   理事 佐藤 茂樹君
      安倍 晋三君    大石 秀政君
      佐田玄一郎君    桜井 郁三君
      滝   実君    平沢 勝栄君
      藤本 孝雄君    宮島 大典君
      持永 和見君    森  英介君
      矢上 雅義君    川端 達夫君
      桑原  豊君    近藤 昭一君
      松崎 公昭君    白保 台一君
      富田 茂之君    西村 章三君
      穀田 恵二君    春名 直章君
      畠山健治郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 西田  司君
 出席政府委員
        警察庁生活安全
        局長      小林 奉文君
        自治大臣官房長 嶋津  昭君
        自治省財政局長 二橋 正弘君
 委員外の出席者
        参議院議員   木村  仁君
        参議院議員   松村 龍二君
        参議院議員   輿石  東君
        参議院議員   照屋 寛徳君
        参議院議員   高橋 令則君
        参議院議員   岩瀬 良三君
        地方行政委員会
        専門員     蓼沼 朗寿君
委員の異動
十月八日
 辞任         補欠選任
  中野 正志君     安倍 晋三君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  石橋 一弥君     森  英介君
  木部 佳昭君     大石 秀政君
  西川 公也君     桜井 郁三君
  藤井 孝男君     佐田玄一郎君
  保岡 興治君     矢上 雅義君
  田中  甲君     近藤 昭一君
同日
 辞任         補欠選任
  大石 秀政君     木部 佳昭君
  佐田玄一郎君     藤井 孝男君
  桜井 郁三君     西川 公也君
  森  英介君     石橋 一弥君
  矢上 雅義君     保岡 興治君
  近藤 昭一君     田中  甲君
    ―――――――――――――
十月八日
 当せん金付証票法の一部を改正する法律案(松
 村龍二君外六名提出、参法第八号)(予)
同月九日
 当せん金付証票法の一部を改正する法律案(参
 議院提出、参法第八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月十二日
 地方議会の権限及び機能強化に関する陳情書外
 四件(山口県小野田市日の出一の一の一小野田
 市議会内石川宜信外四名)(第二五八号)
 過疎地域振興のための法的措置に関する陳情書
 外十六件(徳島県那賀郡木沢村大字木頭字広瀬
 五の三木沢村議会内西山一憲外十六名)(第二
 五九号)
 過疎地域の活性化のための新立法措置に関する
 陳情書(長崎県北松浦郡小値賀町笛吹郷二三七
 六小値賀町議会内江川六一郎)(第二六〇号)
 個人住民税及び法人事業税等の地方税の改正に
 関する陳情書外二件(鳥取市東町一の二二〇鳥
 取県議会内藤井省三外二名)(第二六一号)
 地方税財源の充実と自治体による課税自主権の
 拡大に関する陳情書外一件(福岡県大牟田市有
 明町二の三大牟田市議会内那須俊春外一名)(
 第二六二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 当せん金付証票法の一部を改正する法律案(参
 議院提出、参法第八号)
     ――――◇―――――
#2
○坂井委員長 これより会議を開きます。
 参議院提出、当せん金付証票法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者から趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員松村龍二君。
    ―――――――――――――
 当せん金付証票法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○松村参議院議員 ただいま議題となりました当せん金付証票法の一部を改正する法律案につきまして、発議者を代表して、その提案理由と要旨について御説明申し上げます。
 この法律案は、当せん金付証票に係る委託業務に関し競争の確保を図り、透明性の向上に資するため、受託金融機関の範囲の拡大、地方公共団体が行う検査の拡充等を図るとともに、当せん金付証票を取り巻く厳しい環境を踏まえ、当せん金付証票の発売方策の改善を行うほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、受託金融機関の範囲の拡大及び委託事務の再委託の透明性の確保に関する事項であります。
 まず、都道府県知事または特定市の市長は、当せん金付証票の発売等について、銀行その他政令で定める金融機関にその事務を委託して取り扱わせることとしております。
 次に、当せん金付証票の発売等の事務の委託を受けた銀行等は、都道府県知事または特定市の市長の承認を得て、当該委託を受けた事務の一部を再委託することができることを明確にするとともに、都道府県知事または特定市の市長は、承認基準を作成し、公表しなければならないことといたしております。
 第二は、受託金融機関に対する都道府県知事または特定市の市長が行う検査の拡充に関する事項であります。
 まず、都道府県知事または特定市の市長は、職員をして、その委託業務に関し、少なくとも年三回、受託銀行等の営業所または事務所に立ち入り、帳簿その他の関係書類を検査させることとしております。
 次に、都道府県知事または特定市の市長は、特に必要があると認めるときは、委託業務に関し、
当該職員以外の者で監査に関する実務に精通しているものに検査させることができることとしております。
 第三は、販売方策の改善に関する事項であります。
 まず、加算型当せん金付証票の発売のため、所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、当せん金の最高金額の倍率の制限を、原則として証票金額の二十万倍以内とし、自治大臣が世論の動向等を勘案して指定する当せん金付証票について、証票金額の百万倍以内とすることとし、そのうち、加算金のある加算型当せん金付証票については、その二倍の二百万倍以内とすることとしております。
 最後に、郵政省の任務として受託銀行等から再委託された当せん金付証票の売りさばき及び当せん金品の支払いまたは交付に関する業務を加える等所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、当せん金付証票法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○坂井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○坂井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松崎公昭君。
#6
○松崎委員 この法案の改正は各党の共同提案ということでございますので、私も提案者の一部ということで聞かさせていただきます。
 いわゆる宝くじ法案でありますけれども、いろいろな意味で歴史のある、そしてまた今特に財政の厳しいところ、全国の自治体が大変財源難の中でこの二年ほど大分売り上げが下がっている、いろいろな原因があるのだと思いますが、その辺で今回は、売り上げ増加、それから、売り出されていないいろいろな場所があるのでそれを広げてほしい、そういう意図に感じております。
 まず、きょうは大臣もお見えでございますので、今回の法律改正を受けまして、特につい最近、昨年でしょうか、第一勧銀の不正融資問題、その第一勧銀が一手に引き受けていましたことによりまして、国民に対しましても、この辺が不安あるいは非常に不信感を生んだ、その辺のことも今回の改正の中に含まれているのではないかと思います。
 健全な運営を行っていく必要がさらにあると思いますが、今回の法律改正を受けまして、大臣の決意、その辺をぜひお聞かせをいただきたいと思います。
#7
○西田国務大臣 今回の法改正によりまして、受託業務の競争それから透明性の確保、不正の未然防止の徹底など、受託業務の一層の改善が図られるものと考えておるところでございます。
 また現在、宝くじの発売額は二年連続をいたしましてマイナスという厳しい環境の中にあります。最高限度額の引き上げや新種の宝くじの導入、さらに発売空白市町村の解消が図られることは、国民の多様な要望にこたえ、宝くじの魅力の増大を通じて地方財源の確保に資するのではないかと考えております。
 今回の法改正の趣旨、内容を十分に踏まえまして、所管省庁として、国民世論の動向等に配慮しつつ、宝くじのより一層の健全な発展を図るため、適切な制度の運用に努めてまいる考えでございます。
#8
○松崎委員 趣旨は大体わかったわけでありますけれども、少し各論に入ります。時間もありませんので、簡単に御質問を申し上げます。
 今回、今大臣のお話の中にもありましたように、最高限度額を引き上げることになった。これは欧米では、天井のない、どんどん上がっていくというようなこともあるようでありますけれども、日本の今回の改正でも幾つかかなり思い切った倍率にされた。いわゆる新しく導入を考えていらっしゃるロト、これなんかも、繰り越しをやりましても、二百万倍といいますと大体百円で二億円と、今までにない大きな形でありますけれども、この辺の基本的な、上げた考え方、それと欧米との関係、そしてまた新種のロト、これを導入した理由、この辺もあわせてお聞きしたいと思います。
#9
○輿石参議院議員 宝くじの最高限度額引き上げに対する基本的な考え方はどうか、こういう御質問だと思いますが、現在、当せん金付証票法においては、当せん金の最高賞金につきましては証票の二十万倍までとされております。例えば一枚三百円のジャンボくじの一等賞金は六千万円までとなっております。
 今回の最高倍率を引き上げることとした理由でありますけれども、一つには、現行の最高倍率は昭和六十年以来十四年間も据え置かれている状況にあること。
 また、宝くじの購入者からも最高賞金額の引き上げを求める声が強まっております。世論調査によりますと、一等賞金額の希望額について、一億円以上を望む者の比率は、昭和六十一年時点では九%程度でありましたけれども、平成七年度時点では三〇・一%と大きく伸びているというようなこと。
 さらに、全国知事会、市長会、町村会等の地方団体からも、宝くじをめぐる発売環境が厳しい中にありまして、その発売額を確保するために最高賞金額の引き上げの要望等がなされていること等を踏まえまして、国民の宝くじに対するニーズにこたえ、健全な娯楽として定着している宝くじの魅力をさらに高め、その一層の発展を図る観点から、最高限度額の引き上げを行おうとしたものであります。
#10
○松崎委員 先ほどちょっと御質問したのですけれども、ロトというのは初めてのことだということでございます。この辺も、実は私は宝くじを買ったことがないので、協力していないということでこの前怒られてしまったのですけれども、何となく買う気がなかったのですが、この新しいものはその気持ちを起こさせるのかな、そんな感じはしておりますけれども、ロトというものを説明していただいて、そして、なぜ導入したかということもお聞きをしたいと思います。
#11
○輿石参議院議員 ロトの導入の理由と、ロトというのはどういうものか、そんな御質問かと思います。
 私もこのロトを買ったこともないし、日本でまだ入っていないという状況ですので詳しくはわからないわけですけれども、ロトというのは、数十個の数字の中から五、六個の数字を選択しまして、それが抽せんされた数字と全部合致していれば一等、一つ欠けていれば二等というふうに、そんなくじの中身のようであります。
 さらに、ロト導入の理由についてでありますが、宝くじに関する世論調査を見てみますと、宝くじのイメージとしては、夢がある、明るい、庶民的だ、そんな答えが返ってきますし、国民の大多数はそういうイメージでとらえておりますけれども、反面、スマートとか新しいというイメージに欠けている、二割程度しかそういうイメージを持っていないという状況にもあります。
  一方、近年の宝くじの発売状況を見てみますと、ジャンボくじを初め最初からくじ引きの組と番号が決まっている普通くじの売り上げは、先ほど大臣からも御答弁がありましたように、ここ二年連続落ち込んでいるという中で、我が国でも平成七年四月から全国で発売されていますナンバーズは、自分で数字を選択していけるという参加型くじということや新しいイメージということもあってでしょうか、その売り上げが若干ずつではありますけれども伸びている状況にあります。
 さらに、諸外国においても、例えばイギリス、ドイツでは売り上げの七割程度、アメリカ、フランスでは三、四割程度をロトが占めている状況にあります。
 今回新型宝くじであるロトを導入することとしたのは、このような状況を踏まえまして、常に宝くじを国民のニーズにこたえたものとし、その魅力を高めるとともに、先ほど大臣からも御指摘が
ありました地方の財源確保にも資することができるようにするものであります。
 なお、宝くじの収益金は、平成八年度は三千九十八億円になっているというふうなことも聞いているわけですが、これは今盛んに話題になっておりますたばこ税、三千八百億にも匹敵する貴重な地方の財源にもなっているという事実であります。
 以上です。
#12
○松崎委員 ありがとうございました。
 今回の改正の中で、販売体制を拡充するという中で、特に郵便局を中心にしながら空白区でありますところを広げていきたい、そういうことでありました。
 サッカーくじなんかは今度はコンビニとか、今もうコンビニで宝くじを売っているわけでありまして、いろいろな方法があるわけですけれども、その中で、なぜ特定郵便局を中心とした郵便局をこの空白区の拡充の一番のターゲットにしたのか、そういう理由をお聞かせください。
#13
○輿石参議院議員 空白市町村を解消していくためになぜ郵便局を取り上げたか、その理由はという御質問であります。
 現在、宝くじの売りさばき場所のない市町村、いわゆる売り場空白市町村というのは、全国で千二百八十七市町村というふうなことが言われ、約千三百団体と承知をしているところでありますけれども、今回の法改正におきまして、国民の間で健全な娯楽として定着しております宝くじをより国民の身近なものにするために、そうした売り場空白市町村においても身近に宝くじを購入できるように、郵便局で宝くじの売りさばき及び当せん金の支払い等の業務が行えるものとするものであります。
 なぜ郵便局を選んだのかということでありますけれども、売り場空白市町村の解消に郵便局を活用することといたしましたのは、御案内のように、郵便局は全国三千二百三十二のすべての市町村に設置されていること、過疎地を含め、現在の売り場空白市町村をカバーできるということが一つであります。
 また、郵便局は地域住民にとっても身近な存在であり、明るく庶民的という宝くじのイメージに合致しているのではないかというような理由で郵便局を選定させていただきました。
#14
○松崎委員 ありがとうございます。
 そうしますと、聞いてみますと、どうも特定局を中心にしながら千六百カ所ぐらいふやすのではないかということでございますが、実は、最近この特定局に対する強盗事件が非常に多いわけですね。最近の犯罪、特に金融関係の犯罪の中でも、銀行よりも郵便局が、平成九年でいいますと、銀行が二十四、郵便局が六十五、その中の約半分以上が特定郵便局に集中しているという強盗事件が多いわけであります。
 ですから、わずかなお金かもしれませんけれども特定郵便局にお金がふえる、そうなりますとねらわれる頻度が高くなるのではないかということで、郵政省は専従の警戒員を置くというようなことも言っております。これもかなりお金をかけて郵政省そのものが特定局を警戒するということでありますけれども、ここで一言警察庁の方にお聞きしたいのは、こういう金融犯罪、あるいは特に宝くじから急にふえるかどうかわかりませんけれども、そういう可能性がふえるわけでありますので、特定局に対する警察としての警備に対する考え方がありましたらお答えをいただきたいと思います。
#15
○小林(奉)政府委員 特定郵便局におきまして宝くじが販売されることとなる場合に、そのことによって強盗事件等の犯罪の発生が増加するかどうかについては、予測することは実際上困難だと思います。
 警察におきましては、従来から特定郵便局に対しまして、立ち寄り警戒を行うとともに、警戒員の配置、非常通報装置、防犯カメラ等の防犯設備の整備充実など、防犯体制の強化について指導し、また適宜共同して防犯訓練をも実施しているところでございます。今後も一層、郵便局と連携した所要の防犯措置を講じ、強盗事件等の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
#16
○松崎委員 ありがとうございました。
 ただ、今回の宝くじの販売の拡充が郵便局に集中していくおそれがある。金融機関を広くオープンにしたわけでありますけれども、信金等も簡単には、ノウハウがないわけですから。そうすると郵便局に集中するとなりますと、いろいろちまたでは、どうも郵政族の方々のためになるのではないかみたいな話もございますので、その辺はしっかりと、国民全体に公平になるのだということも含めまして、それから第一勧銀の問題もありましたので、きちんとした運営をしていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#17
○坂井委員長 次に、春名直章君。
#18
○春名委員 日本共産党の春名直章です。
 まず、自治大臣にお伺いしたいと思います。昭和二十九年二月十二日の閣議決定について伺いたいと思います。
 自治大臣は、参議院の質疑で、この決定があたかも変更、廃止されたかのような発言をなさっておられます。しかし、この閣議決定は現在も生きている、有効だと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
#19
○西田国務大臣 今御指摘のように、昭和二十九年二月の閣議においてそのような決定がございましたが、昭和六十年の法改正の際の閣議において、地方財政の当時の現状及び国民世論の動向等を勘案いたしまして、引き続き国民世論の動向等に配慮しつつ健全な宝くじ運営を進める旨の自治大臣発言を閣議で了解しておるところでございます。
 そういうことからいたしまして、昭和二十九年の閣議決定の趣旨は私は変更されたものである、このような理解をしておるところでございます。
#20
○春名委員 二十九年二月の閣議決定が何かということを初めて言いますので言っておきますけれども、この閣議は、「戦後における経済の実情に即応し、浮動購買力の吸収と政府及び地方公共団体の財政資金調達のための特別の措置として暫定的にこれを実施することとしたものであって、その性質上、経済の正常化に伴いなるべく早い機会に廃止せらるべきものである。」こういう決定なんですね。そして、まず政府宝くじをやめるのですけれども、「地方宝くじの発売は、地方財政の現状その他の事情にかんがみ、当分の間、これを継続するが、今回の政府宝くじ廃止の趣旨に則り、将来適当な機会においてなるべく早く全廃することを目途として、運営すべきものとする。」これが正式な閣議決定であります。
 今大臣がおっしゃった昭和六十年二月の自治大臣発言は、そういう全廃することを目途として運営すべきものとする旨の閣議決定がなされているところであるが、今回の改正は、地方財政の現状及び国民世論の動向等を勘案して行うものであり、引き続き国民世論の動向等に配慮しつつ健全な宝くじの運営を進めてまいりたいという発言を、昭和六十年に自治大臣がされているということを引用されたのだと思います。
 ただ、この昭和六十年の自治大臣の発言を読みますと、昭和二十九年の閣議決定を変更するとか廃止をするとかという中身は一切ありません。これを前提にするが、しかし経済の動向等もあるので当面は運営を進めてまいりたいという発言でございますので、昭和二十九年の閣議決定が廃止をされたという事実は私はないと思うのです。それを証拠に、自治六法の中にもこの閣議決定しか出てまいりません。今も生きている閣議決定だということで出ています。変更されたのではなしに、生きているということを私は確認したいわけであります。
#21
○二橋政府委員 経緯は、今の委員の御質疑、それから大臣の先ほどの御答弁のとおりでございます。
 ただ、六十年というのは、二十九年の閣議決定を前提にしてという発言にはなっておりませんで、それはもちろん紹介をされた上で、今回の改正は地方財政の現状、国民世論の動向等を勘案して行うものだというふうに大臣が発言されて、それが閣議で了解されておりますので、二十九年の閣議決定についてはそういう意味で趣旨の変更があったというふうに御理解をいただきたいと思います。
#22
○春名委員 しつこく聞いて申しわけないですけれども、根本的な認識の問題ですので。
 臨時、暫定的な措置として浮動購買力を吸収するためにこういうものを導入したけれども、将来はそういうものに頼らないで健全な財政運営をすべきであるということを閣議決定し、将来できるだけ早く廃止をすべき対象であるということが正式な決定なのですね。それを廃止するのであれば、閣議決定を廃止しなければなりません。そんなことはやっておりません。私は、そこの認識が非常に大事ではないかと思っております。訂正したとか変更したという事実はない。
 昭和六十年のこの発言も、いいですか、全廃することを目途として運営すべきものとする旨の閣議決定がなされています、今回の改正は、引き続き国民世論の動向に配慮し健全な宝くじの運営を進めてまいりたい、地方財政の現状もありますのでということで発言をされているだけなのです。だから、もちろん廃止をするという閣議決定は前提にしつつも、しかし今すぐにはできないということでこういう発言がされているのだろうと私は思うのですね。
 そこの自治大臣の認識を正確に聞いておきたいということで私は発言をしているわけでございまして、大臣の御認識をもう一度お聞きをしたいと思います。
#23
○西田国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたように、六十年で、その当時の地方財政のあり方、あるいは国民の世論、そういうものを考えて閣議了解をしておるわけでございますから、私は、二十九年の閣議決定というものに束縛されることはない、こういう理解をしておるということでございます。
#24
○春名委員 いや、それは大問題ではないですか。閣議決定に束縛されないというのですか。
 閣議決定はされていて、それが正式な決定であるということで、自治六法にもきちっと載っております。それは束縛されない、もう変わったのだと言われる自治大臣の発言、それであるならば、閣議決定そのものを廃止するということを決めて、新しい閣議決定をしなければならないのではないですか。そういう大問題ではないかと私は思っているのですけれども、大臣、そうじゃないですか。そういう発言をされていいのでしょうか。
#25
○西田国務大臣 いろいろ解釈や理解の違いはあると思いますけれども、私は、そのことによって、それでは昭和六十年から今日までどういう状況であったかということなどを考えてみますと、さほど、あなたが御指摘されるような重大な問題だとは理解をいたしておりません。
#26
○春名委員 重大な問題かどうかということではなくて、閣議決定というのはそれだけ軽いものなのですかということを問うているわけでありまして、そういう問題提起をさせていただきたいと思います。
 提案者にお聞きをしたいと思います。
 当然ながら、私はこの閣議決定の存在を前提に法改正をされているものだと思っております。
 しかし、改正案は、全体として宝くじ事業を拡大する方向での内容になっておりますね。「将来適当な機会においてなるべく早く全廃することを目途として、運営すべきものとする。」という趣旨の方向での改正ではないのではないかと思うのですが、提案者の皆さんはその点をどのように考えられてこの改正を提案されたのか、お聞かせください。
#27
○木村参議院議員 お答えいたします。
 昭和二十九年の吉田内閣時代の閣議決定、そして昭和六十年の自治大臣発言による閣議了解、こういう経過を経て現在宝くじが運営されていることは十分承知をいたしましてこの法律案を提案させていただいたのでございますが、昭和二十九年以来、なるほどそういう閣議決定のもとではございましたけれども、宝くじというのは非常に国民に愛され、親しまれ、そして国民の夢をはぐくむ、そういう役割を果たしてきました。今はやっておりませんけれども、昔は楽しく、抽せん会があって由美かおるさんみたいな俳優が出てきたりして、非常に国民に親しまれる。
 その反面、アメリカと違って、宝くじを買い過ぎて一家離散、夜逃げ、首つり、そういうようなことはほとんど日本では起こっておりませんので、非常に健全なやり方で地方財政の現在でいえば三千億という非常に貴重な財政を支え、それでいろいろないい仕事ができておる、そういうやはり時代の変化を踏まえながら昭和六十年のあの発言である、こういうふうに理解をいたしまして、今、これが魅力がなくなっていくとかあるいは販売額が現に減っていくということに対処するためにこの発案をさせていただいたわけでございます。
#28
○春名委員 これからも地方財政の財源としてますます、もうどんどん依存していこうという立場に立ってこれを検討されていくのか、そうではなしに、将来的にはなくしていく方向の立場に立ってこれを検討するのか、天地の差があるのですよ。だから私は問題提起をしているわけであります。そういう方向に依存すべきではないというのが正式な閣議決定なんです。そのことを私は指摘をしておきたいと思うんです。
 もちろん、一挙にゼロにするような改正はできませんし、今、愛好者がたくさんいらっしゃると。私もよく知っております、買ったこともありますので。それはよく知っております。しかし、その点ではこれから何度かの改正というのはあり得ると思うんです。それも否定しません。だけれども、その改正の内容や方向というのは、やはり閣議決定の方向で改定していく、縮小や廃止の方向で進んでいく、そういう方向でなければならないと私は思うんです。少なくとも、今回の改正はその二十九年の閣議決定の方向には沿ったものではないということを指摘をしておきたい。
 二点目に、もう一つきょうただしておきたい問題ですけれども、昭和六十年の改正以降、どのような宝くじ拡大の方向がとられてきたかを調べてみました。
 昭和六十年の改正では、宝くじ収益金の使途について、これまで公共事業に限定されていたものが「公共事業等」に改められまして、別の事業にも活用できるように拡大をされたんですね、「等」というのが入りまして。
 それで、その結果を見てみますと、昭和六十三年度から、国際交流の推進に係る事業、博覧会、見本市、展覧会などの事業、これが加わります。平成二年度からは、衛星通信網の管理及び運営に係る事業、これが加わります。平成三年度からは、美術館、図書館、文化会館など芸術、文化活動の拠点施設の運営の充実等、これが加わります。それぞれ収益金が活用できるように次々と拡大をされていく、これは省令で決めることができるのですけれども、そういう方向に進んでまいりました。
 驚くことに、私、省令で収益金の適用事業が拡大されるたびに、それにかかわる財団法人がつくちれて、そこに自治省から天下っているという事実を発見いたしました。
 昭和六十三年の国際交流への拡大の際には、同年、財団法人自治体国際化協会というのが設置をされまして、理事長に事務次官が、常務理事に政治資金課長が天下っておられます。平成二年の衛星通信事業への拡大、この際には、同年に財団法人自治体衛星通信機構が設立されまして、ここにも事務次官が理事長として、消防審議官が常務理事として天下っております。それから、平成三年の芸術、文化振興、これへの拡大をした後は、平成六年に財団法人地域創造ができまして、事務次官が理事長、そしてもう一名がそれぞれ天下っておられます。そして、毎年の宝くじの売り上げからその団体の運営経費が支出されているわけでございます。
 まず、こういう事実を提案者は御存じだったかどうか。また、それをどう思うか。この点について、提案者にお聞きをいたします。
#29
○木村参議院議員 お答えいたします。
 今、春名委員御指摘のようなことは、私どもも承知をいたしております。
 省令のつくり方でございますけれども、やはり宝くじの収益金があって都道府県なり市町村なりが、例えば公営住宅に使うとかあるいは道路建設に使うとか自由に使えるわけでございます、公共事業で使っていたわけでございますけれども。やはり、宝くじの収益にふさわしいものというのは、例えば国際交流であるとか、あるいは文化の振興であるとか情報化の進展に対応する措置であるとか、そういうことに使うのがいいんじゃないかと都道府県や市町村の方々がおっしゃる。そして、時代の要請とともに国際化をやりたい。国際化をやりたいけれども、財源がないから、ひとつ宝くじの益金を使おうではないかという話が起こってきて、そして省令が改正されていくわけでございます。
 そういう時代の要請があると、やはりそれに見合った国際化の協会ができて、そして今三千人か四千人でしょうか、外国から青年を招致して英語を教える仕事をしていただいている。そういうことがありましてできていくものですから、省令ができるたびに財団ができるというよりは、そういう時代の要請に対応して省令が整備され、あるいはそれに先立って機構ができていたものに歳入、宝くじ収益金が充てられるというようなことがあったり、あるいは省令ができてから数年後にそういう財団ができたりしている、こういうのが実情ではないかと考えております。
#30
○春名委員 これでは自治省が率先して閣議決定の方向から離れて、天下り先の確保と結んで宝くじ事業の拡大の先頭に立ってきたというようなことでありまして、これでは国民は到底納得できるものではないということを指摘をせざるを得ません。
 それから最後に、もう時間も終わりましたので、一等賞金をふやすということが夢を広げるんだということを言われますが、そうなりますと必然的に空くじがふえてくるんです。やるのであれば、夢を得る人をもっとふやす改正、それの方が必要なんです。
 毎日新聞十月八日付の読者欄、ぜひ見ていただきたい。「私は、毎回せっせと宝くじを買っているわけではありませんが、三億円一本より、百万円三百本、いや、十万円三千本の方がいいのです。
 そうなったら、高くなった当選確率にかけて、きっと毎回買うと思います。」こういうふうに言っておられますよ。「こんな時代だからこそ、たくさんの人が夢を見て、夢を買って、その夢が現実となって与えられたら、それが億ではなくても、心はとても豊かになると思います。」当たる確率が低くなれば、最初はともかく、結果としてますます宝くじ離れを起こすだけになりかねません。しかも、今売り上げが減ってきている根本原因は不況そのものにあることは明らかでありまして、この打開策なしにはこれを打開することはできないわけです。
 地方分権ということも言われている。地方自治と地方財政の充実強化が今求められているときです。だから、閣議決定にも沿って、廃止の方向にこそ踏み出すべきだと私は思いますし、当面存続ということを前提としても、宝くじ愛好家の望む方向に沿った改正こそ必要でして、今回の改正はその方向にも残念ながら沿っていないということを指摘いたしまして、私の質問を終わります。
#31
○坂井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#32
○坂井委員長 これより討論に入るのでありますが、理事会等の協議により、討論は御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。
 これより採決に入ります。参議院提出、当せん金付証票法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#33
○坂井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#35
○坂井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時三十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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