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1998/09/18 第143回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第143回国会 本会議 第12号
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1998/09/18 第143回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第143回国会 本会議 第12号

#1
第143回国会 本会議 第12号
平成十年九月十八日(金曜日)
    ―――――――――――――
  平成十年九月十八日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 額賀国務大臣の調達実施本部元幹部背任容疑事案に係る問題への対応についての発言及び質疑

    午後一時十三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(調達実施本部元幹部背任容疑事案に係る問題への対応について)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 額賀国務大臣から、調達実施本部元幹部背任容疑事案に係る問題への対応について発言を求められております。これを許します。国務大臣額賀福志郎君。
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#4
○国務大臣(額賀福志郎君) 御報告をいたします。
 調達実施本部は、平成六年二月、東洋通信機株式会社から提出をされました契約に関する原価計算の見積資料等に問題があったことから、同年三月から四月にかけて特別調査を実施したところ、加工費の工数計算に問題があることが判明をいたしました。
 調達実施本部では、当該契約が信義則に反して行われ、かつ、同社もその事実を認めたことから、過去五年間の契約について、過払い分の返還額に関するさまざまな試算を行うとともに、東洋通信機株式会社との折衝を進め、履行中の契約から減額補正を行うことで過払い分の返還を行うことを合意したところでございます。
 本件事案につきましては、平成九年九月、東洋通信機株式会社を含む四社との契約において過払い問題があったことがクローズアップされ、それ以来、国会においても御審議をいただいております。防衛庁としましても、同月、調達実施本部に原価差異事案対策特別委員会を設置し、このような事案が発生した原因などについて分析を行い、これを踏まえて、平成十年二月、原価差異事案再発防止策を発表いたしました。
 同防止策の一つの柱である制度調査により、日本航空電子工業株式会社との契約において、工数計算に問題があることを発見いたしました。現在、平成四年度分から調査を進めているところであります。
 これら事案を踏まえまして、当庁では、防衛装備品の調達制度をめぐる基本的課題につきまして徹底的な検討を行うための防衛調達制度調査委員会(仮称)及び自衛隊員の再就職に関する透明性の確保、規制のあり方等の問題について検討を行うための自衛隊員の再就職の在り方に関する検討委員会(仮称)を設置することといたしました。今後、これらの委員会を通して、防衛調達、自衛隊員の再就職に対する問題を鋭意検討してまいりたいと思っております。
 さらに、今月三日、東洋通信機事案に関連をして、上野憲一元調達実施本部副本部長ほか企業関係者三名が背任の容疑で逮捕されるとともに、防衛庁内部部局及び調達実施本部が東京地方検察庁により家宅捜索を受け、また、翌四日には諸冨増夫前防衛施設庁長官、元調達実施本部長も背任の容疑で逮捕をされました。その後、十二日以来、本事案に関連をし、調達実施本部において組織的に証拠隠滅を行っていたとの報道がなされたところであり、また十四日には、本事案につきまして、再度当庁が東京地方検察庁の家宅捜索を受けました。
 これらにつきましては、我が国の平和と安全を守ることを任務とする組織への国民の信頼を失墜させたという点で、まことに遺憾であり、まずもって、この場をおかりいたしまして、議員の皆様、国民の皆様方に心からおわびを申し上げる次第であります。
 防衛庁といたしましては、報道されているような、組織的に東洋通信機事案に係る証拠書類が大量に焼却、処分されるといった証拠隠滅が仮にあった場合、大変重大な事態であると考えており、検察当局の今後の捜査等の進展を見守ってまいるとともに、当庁としても、みずからの自浄能力を発揮し、事実関係の徹底解明に当たり、これを明らかにした上で、調査結果を踏まえた厳正な措置をとってまいる考えであります。
 当庁としましては、十二日の証拠隠滅報道後、直ちに四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会を設置し、検察当局の捜査に影響を与えない範囲で、昨日までに既に八十五名の関係部局の職員の事情聴取を行うなど、鋭意調査活動を実施しているところであります。
 さらに、一昨日、現下の状況を踏まえ、右委員会の拡充を行うことにより調査の徹底を図るため、委員長を事務次官とし、新たに参事官を委員会に加えるなど、同委員会の組織の強化を図ったところであります。
 同委員会におきましては、報道されている昨年九月、本年五月における東洋通信機事案に係る関係書類の組織的な大量焼却、処分や、本年八月から九月にかけましての時期における関係書類の執務室以外での保管等といった点を含め、現在、事実の解明を急いでいるところであります。
 最後に、今回の事案を深刻かつ重大な事態と受けとめ、今後は国民の信頼を回復すべく、綱紀の粛正及び規律の保持を徹底するとともに、以上述べました諸施策の推進に全力を挙げて取り組んでいくことを申し上げまして、私の報告にかえる次第であります。
 御審議のほどを何とぞよろしくお願い申し上げる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(調達実施本部元幹部背任容疑事案に係る問題への対応について)に対する質疑
#5
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。安倍晋三君。
    〔安倍晋三君登壇〕
#6
○安倍晋三君 私は、自由民主党の安倍晋三であります。
 私は、自由民主党を代表し、このたびの防衛庁不祥事に関連して質問をいたします。
 本年九月三日及び四日、防衛装備品調達の業務に従事した防衛庁の元調達実施本部長及び元副本部長が背任容疑で逮捕されるとともに、同月三日及び十四日には、防衛庁に対し検察当局による強制捜査が実施される事態が発生し、さらには、かかる事態に関する組織的な証拠隠滅の疑いまで伝えられており、もしこれが事実であるとすれば、極めて残念な事態であると言わざるを得ません。
 しかも、三日前の八月三十一日には、我が国の安全保障上ゆゆしき事態である北朝鮮のミサイル発射事件が発生したばかりであります。
 本来ならば、防衛庁を挙げて、さきのミサイル発射事案に対し、情報収集体制の強化や弾道ミサイルへの対処等、国民の生命と財産を守るため必要な措置を講ずるという極めて重要な任務を遂行することに集中しなければならないにもかかわらず、ほぼ同時に発生した調達実施本部の背任事件への対応に追われているということは、まことに情けないという思いがいたしますし、第一線で国防を命をかけて担っている自衛隊の諸君も無念の思いでいっぱいであろうと思います。
 政府として、調達実施本部にかかわる一連の疑惑を徹底的かつ早急に解決し、防衛庁が国民の信頼を回復し、本来の業務である国民の生命と財産を守る任務に専念できるようにしなければならないと考えますが、この点についての総理の御認識をお伺いしたいと思います。
 次に、先ほど述べた、防衛庁元幹部の背任容疑及び証拠隠滅疑惑についてでありますが、国の平和と安全を守ることを任務とする防衛庁にとっては、真相を究明することと同時に、国民の信頼を回復することが重要であると考えております。そのためには、今後の調査結果を踏まえて、厳正な措置をとると同時に、九月十六日に総理大臣から指摘のあったように、防衛庁職員のさらなる綱紀の粛正と規律の保持について、血のにじむような努力が必要であろうと思います。
 本件については、現在検察当局による捜査が続けられているところでありますが、このような事件が発生した防衛庁においては、自浄能力を発揮し、全力を挙げて事に当たることが、防衛行政に対する国民の信頼を回復するために必要不可欠なことではないかと考えております。つきましては、まず、防衛庁として、今回の背任容疑のような事案の再発防止のため、みずからどのような措置をとってきたのか、お伺いをしたいと思います。
 また、頻繁に報道されております組織的な証拠隠滅疑惑については、仮にこれが事実であったとすれば、重大な事態に立ち至ると言わざるを得ません。最前線で事実関係の究明に当たっておられる防衛庁長官として、現在把握し得ている事実関係についてお伺いをしたいと思います。
 さらに、報道によりますと、今回の背任容疑で逮捕された防衛庁の元幹部は、会社側に対し、査定等で手を加える見返りに、防衛庁OBの再就職を受け入れるよう働きかけていたとされております。この防衛庁OBは、いずれもシビリアンであるということでありますが、他方、自衛官の再就職の状況を見ますと、これは非常に厳しい一面があると言えます。
 なぜならば、大部分の自衛官については、我が国の平和と独立を守る自衛隊の精強性を確保する観点から、民間や一般の公務員より若い五十歳代で定年を迎える若年定年制を採用しているためであります。国防上の観点からは、当然、この若年定年制を引き続き維持していくべきと考えますが、その上で、若年で定年を余儀なくされる自衛官が、退職後の生活に不安を抱くことなく専念できるようにするために、防衛庁のみならず、国全体で考えていく必要があると考えます。
 この点について、総理の御認識をお伺いしたいと思います。
 いずれにせよ、防衛庁においては、失われた名誉と国民の信頼を回復するため、額賀長官の強力なリーダーシップのもと、調達実施本部にかかわる一連の疑惑について早急に真相を究明するとともに、国民だれもが納得する厳正な措置を迅速に講じて、うみを出し切ることにより、平和と安全を守るという崇高な任務に一日も早く専念できるようになることを期待し、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 安倍晋三議員にお答えいたします。
 調達実施本部の疑惑解決についてお尋ねがありました。
 御指摘のような事態に至ったことにつき、極めて遺憾であり、国民の皆様に対し、心からおわびいたします。
 検察当局の事態究明とともに、防衛庁に対し、徹底的に事実関係を解明し、同様の事案が再び生じないよう、防衛調達の改善に全力を挙げて取り組むよう指示いたしておるところであり、ミサイル事案対策を含めた各種の防衛行政の推進に万全を期してまいりたいと考えております。
 自衛官の若年定年制についてお尋ねでございましたが、我が国の平和と安全を確保する自衛隊の精強性を保持するという観点から、自衛隊員については若年定年制をとっておるところでありますが、若年での退職を余儀なくされている自衛官に対し、就職援護や若年定年退職者給付金制度等の施策を講じておるところであり、今後とも十分配慮してまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#8
○国務大臣(額賀福志郎君) 安倍議員にお答えをいたします。
 再発防止についてのお尋ねでありますけれども、本年二月におきまして調達実施本部で取りまとめ、公表した原価差異事案再発防止策を着実に実施するとともに、本件問題が防衛庁、自衛隊の行政のあり方について問われているものと認識をしておりまして、近々設置する防衛調達制度調査委員会における検討や、自衛隊員の再就職のあり方の検討等、諸施策の推進に全力を挙げて取り組むことを明らかにしておるところであります。今後、こういうことをしながら、再び事件が起こらないように、万全の対策をとってまいりたいと思っております。
 また、証拠隠滅疑惑についてのお尋ねでございますけれども、防衛庁といたしましては、仮に、組織的な東洋通信機に関する資料の大量焼却といった報道の内容が事実であれば、大変重大な事態であると考えておりまして、今後、検察当局による捜査等の進展を慎重に見守るとともに、事務次官を長とする四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会におきまして、事実関係の徹底究明に向け、全力を挙げて調査活動を実施しております。調査の結果を得るまでは若干時間がかかるかもしれませんが、早急に仕上げるように全力を尽くしたいと思っております。
 いずれにいたしましても、当庁といたしましては、徹底的に事実解明を行い、かかる調査の結果を踏まえて、厳正な措置をとってまいりたいと思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 坂上富男君。
    〔坂上富男君登壇〕
#10
○坂上富男君 私は、民主党を代表して、防衛庁の不祥事問題について質問をいたします。
 まず最初に、現在、防衛庁問題をめぐる論点の焦点は、先般の北朝鮮による事前通告なしの危険な行為に対する対策のあり方や、いわゆるガイドライン法案の中身であるはずであります。国民があるべき防衛政策について真剣に論議をしようとするとき、このような不祥事を取り上げざるを得ないということは、大変残念なことであります。
 言うまでもなく、防衛庁の本務は、日本の防衛であり安全保障であります。しかるに、ここにおいて、防衛庁の上級幹部の背任や組織的な証拠隠滅という、悪質きわまりない犯罪について審議するがごときは、まさに本末転倒であります。私は、防衛庁の憎むべき組織的犯罪行為に激しい怒りに駆られ、厳しく糾弾しながら質問をするものであります。(拍手)
 まず、総理、防衛庁の不祥事件に対し、国民にどうおわびをし、総理として国会にどのような責任をとられますか。
 外国でも大きく報道され、日本の威信を傷つけたことは著しいものがあります。どのようにして外国の信頼を回復されようとしますか。
 防衛庁の組織的証拠隠滅に対する防衛庁長官の監督責任は重大であります。長官は辞任をすべきと思いますが、総理の御見解はいかがでございますか。
 防衛庁長官に対しましては、長官は、進退をどう考えておられますか。
 秋山事務次官の責任も極めて重大であります。直ちに辞職すべきであると思いますが、いかがでございますか。
 東洋通信機に国の損害十七億を返還要求するとのことでありますが、他の三社についても、国の損害が判明すれば、返還要求をいたしますか。
 防衛庁は、民主党の疑惑解明プロジェクトの調査に当たっても、依然として、会計検査院は東洋通信機等の過払い処理については承認したと主張し、会計検査院では、これを承認したことはない、防衛庁が非協力的で資料等の調査を拒否しているため違法性を確認できないと主張しております。長官は、この点についてどのように考えておられますか。
 ニコー電子及び東洋通信機の減額処理によって余った予算を、どのように処理をしたのでありますか。
 防衛庁長官、背任容疑事件について、検察にいわゆる上申書として提出したその上申書の中に、事案処理の考え方について、返還額の算定について記載がありますが、長官は、このようなことについてどのような感想をお持ちですか。逮捕された調本幹部と足並みをそろえて、あくまでも検察側と争う方針なのか、お答えをいただきたいと思います。会計法令上の精神に逸脱をしているのではないかと思っておりますが、いかがでありますか。
 逮捕された二人は防衛庁の天下り枠を拡大するねらいであったと検察庁は見ているようでございますが、長官はどのような報告を受けておられましたか。
 NECに対し、どのような行政処置をとるお考えでございますか。
 特に許すことのできないのは、この上申書において、防衛庁は、行政目的達成のため、安全保障上の深刻なジレンマを抱え、裁判に過払い金の返還を求めれば防衛上の秘密も明らかとなり、安全保障上の問題となり、考慮の必要ありとして、本件問題は刑法第三十五条の正当行為であると防衛庁が上申書で主張している点であります。
 みずからの保身の犯罪に、安全保障に藉口して捜査当局に圧力をかけようとすることは、断じて許されないことであります。軍部が横暴をきわめた日本帝国軍隊時代においてすら、このようなことはありませんでした。天人ともにこれを許さず、その罪万死に値し、断固糾弾されねばなりません。総理、長官、法務大臣の答弁を求めるところであります。
 法務大臣、本件背任事件では、元本部長らについては、どのような任務違背行為があったのでありますか。
 背任罪の構成要件である図利、任務違背、損害の発生は、東洋通信機とニコー電子は全く共通であります。ニコー電子関係の捜査はどうなっておるのでありますか。
 東洋通信機、ニコー電子はもちろん、藤倉、日本工機の四社の水増し請求は詐欺罪に当たるものでないかと思いますが、今後の捜査についての方針をお述べください。
 防衛庁長官、組織的証拠隠滅の疑いについて質問をいたしたいと思うのであります。
 これまでの防衛庁の内部調査で判明した事実関係、関係書類の処分、資料の隠匿について、そして内部調査の進捗状態、具体的な調査方法、防衛庁としての調査結果が出る目途について。防衛庁の内部調査委員会が既に聴取を終えた約八十人の調本職員は、具体的にどのように供述をいたしておりますか。途中経過でいいですから、断片的にでも、彼らの証言内容をお聞きいたしたいと思います。
 そもそも、内部調査委員会に公正な調査が期待できますか。委員会は、事実を認める職員たちに免責など何らの保護措置も準備しておりません。立場の弱い普通の職員たちにとって、仮に上司から証拠隠滅の指示があったとしても、証言すれば職場から追われると不安と恐怖を感じている職員が多数いるのでありませんか。
 検察庁は防衛庁内にある焼却施設に持ち込まれた資料類の予約リストを押収していると報道されております。長官は、このリストの存在を承知しておられますか。その内容の記述がどのようなものであるか、御存じでございましょうか。
 九月一日、職員を集め、石附副本部長が口頭で、地検の捜査が近づいているとした上で、書類の管理について具体的な指示をしたとされますが、現在まで判明しておる事実関係について明確にしていただきたいのであります。
 今日まで、石附副本部長が中心になって、地検の事情聴取を受けた職員から、聴取内容や検事とのやりとりの聞き取り調査をしたところ、そのような経過を踏まえましても、防衛庁は返還額算定は適正だったとの主張を今日まで繰り返してまいりました。その上、七月、東京地検に上申書まで提出をしたのでありますが、これは一体いかがでございますか。防衛庁は、返額の不正圧縮の経過の全貌は当時既に把握したのでありませんか。
 疑惑が表面化した昨年秋以降、防衛庁として、元本部長、元副本部長らからはどの程度事実関係の聞き取り調査をしたのか、これも明らかにすべきであります。
 最後に、総理に対し。防衛庁は、ことしの二月、企業側の請求内容をチェックする制度調査準備室の設置、六月には、防衛装備品の調達、維持費用を五年間で二千億円削減する案を策定しております。しかし、この程度の方策で防衛庁の調達行政が正当なものに改善できるでありましょうか、甚だ疑問であります。防衛庁退職者天下りの廃止や、装備品調達会計に対する外部機関の監査権限の強化、装備品予算使途明細の情報公開など、抜本的な改革を行わない限り、国民の行政に対する信頼の回復は望めません。
 防衛庁は有識者の意見を聞いて対策を講じるとのことでございますが、それは調達のあり方そのものに踏み込んだものになると理解してよろしいのでございましょうか。具体的にどのような制度、組織改革を行うのか、総理にお伺いをして、質問を終わります。
 以上であります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 坂上富男議員にお答えいたします。
 防衛庁の装備品調達に関する問題についてお尋ねがございました。
 防衛装備品の調達をめぐって国民の信頼を失墜させる事態が生起したことにつきまして、極めて遺憾であり、国民の皆様に対し心からおわび申し上げます。今後、事実関係を徹底的に究明するとともに、再発防止に向け、調達の仕組みの抜本的改善と綱紀の保持に全力で取り組み、国民の信頼回復に万全を期することが私の責務と考えております。
 今回の事案が外国でも報道され、どう対処するかについてのお尋ねでありました。
 今回のような事態に至ったことにつき心からおわび申し上げますが、今後の検察当局による事態の究明とともに、防衛庁も徹底的に事実関係を解明し、同様の事態が再び生じないよう、防衛調達の改善に全力を挙げて取り組むことにより信頼を回復すべきであると考えております。
 証拠隠滅の疑いが生じた事態に関し、防衛庁長官の責任についてのお尋ねでございました。
 報道が仮に事実であれば、大変重大な問題であると認識しております。目下、検察当局の捜査を見守るとともに、防衛庁におきましても、防衛庁長官の指示により設置された調査委員会で、事実関係の徹底的な解明に努めており、もって国民の信頼等を早期に回復することが防衛庁長官として最大の責務であると考えております。
 捜査に対する防衛庁の姿勢についてお尋ねがございましたが、防衛庁としても検察当局の捜査に全面的に協力する所存であると聞いており、今後の捜査の進展を慎重に見守ってまいる所存でございます。いずれにせよ、防衛庁を中心として、失われた国民の信頼の回復に全力を挙げて取り組まなければならないと考えております。
 再発防止についてもお尋ねがございました。
 政府としては、このような事態が再び起こらないよう、額賀防衛庁長官を中心として、部外有識者による委員会における防衛調達の改善策や自衛隊員の再就職のあり方に関する検討を踏まえ、公正性、透明性を基礎とした調達の仕組みの抜本的改善等に全力で取り組み、国民の信頼回復に万全を期していく所存でございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#12
○国務大臣(額賀福志郎君) 坂上議員の質問にお答えをいたします。
 私は、このたび防衛調達品をめぐりまして防衛庁幹部が逮捕をされ、しかも、なおかつ防衛庁に強制捜査が入ったことにつきまして、まことに重大な事態だと受けとめております。しかも、なおかつ防衛庁が組織ぐるみで大量の証拠書類を焼却したという疑惑を持たれたことにつきましても、ゆゆしき事態と受けとめております。国民の皆さん方に対しまして、心からおわびを申し上げたいと思っております。
 私は、今後、先ほど言いましたように、調査委員会を設けて、こうした事態が再び起こることがないように、適切なチェックシステムをつくり、しかも、なおかつ、防衛庁あるいは自衛隊のあり方を問われている問題として、二十一世紀における自衛隊、防衛庁のあり方を目指して、国民の皆さん方に適切な方針を示してまいりたいと思っております。
 しかも、なおかつ、今強制捜査を受けていることでございますから、東京地検に全面的に協力をし、真実を解明してもらうとともに、私どもも、自浄能力を発揮する意味で、調査委員会で全力を注いで内部調査を行い、事実関係を明らかにしてまいりたいと思っております。この事実関係を明らかにすることがまず国民の信頼を回復する第一歩であると思って、私は責務を果たしてまいりたいと考えております。
 また、秋山事務次官に対しましては、今言った制度改正、あるいは事実関係を明らかにするように、調査委員会の委員長を命じ、そして全力を挙げて事実関係を明快にしていく、徹底究明を図っていくように指示したところでございます。今後、綱紀粛正と改革に向けて全力を尽くしていくことが私の当面の責務であることを申し上げたいと思います。
 また、返還要求についてのお尋ねでございますけれども、本事案の具体的な事実関係につきましては、今後検察当局による捜査により明らかにされることと考えておりまして、その推移を慎重に見守ってまいりたいと思っております。なお、仮に国に損害があると判明した場合は、当然のことながら、返還要求をすることになるものと考えております。
 また、過払い処理についての会計検査院の主張についてのお尋ねでございますけれども、東洋通信機の過払い処理については、平成六年六月ごろ、会計検査院に対して事案の概要を説明したところでありますけれども、その際、特に同院より指導等は受けておらず、また、平成七年一月、調達実施本部が会計検査院の検査を受けた際にも特に指摘がなかったと聞いております。
 なお、その際、防衛庁が同院の検査に対し非協力的であったということはないわけでございまして、資料等の調査を拒否したというようなことはないと聞いております。
 また、減額処理により生じた契約余剰金を予算上どのように処理したのかとのお尋ねでございますけれども、単価増による他の装備品の経費不足等に予算の同じ目の範囲内で充当するか、または不用額としての処理を行ったと聞いております。
 さらに、東京地検に対しまして防衛庁が提出した文書についてのお尋ねでございますけれども、東洋通信機事案に関し、東京地方検察庁に対し、その時点での当庁の調査内容を前提に、当庁としての評価等を提出したことは事実であります。しかし、その内容は、これを公にすることによりまして検察当局の捜査に影響を与えるため、お答えを差し控えさせていただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、防衛庁といたしましては、検察当局の捜査に全面協力をしていく考え方であります。
 東京地検に対して防衛庁の提出した文書についてのお尋ねがさらにありましたけれども、既に申し上げたとおり、提出文書の内容については、これを公にすることにより捜査に影響を与えるものと思っておりますので、防衛調達の遂行に当たり法令を遵守すべきことは当然と思っておりますけれども、差し控えさせていただきたいと思っております。
 東洋通信機事案における返還額の問題についてのお尋ねでございますけれども、本事案に関する具体的な事実関係につきましては、今後、検察当局の捜査により明らかにされると考えており、その推移を慎重に見守ってまいりたいと思っております。
 日本電気に関する行政措置についてのお尋ねでございますけれども、現在検察当局で捜査が行われていることから、その捜査の進展状況を見守ってまいりたいと考えております。
 検察当局に対する防衛庁の姿勢についてのお尋ねでございますけれども、東洋通信機事案に関しまして、防衛庁といたしましては、検察当局の捜査に全面的に協力するとともに、今後の捜査の推移を慎重に見守ってまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、防衛庁といたしましては、国民の信頼の回復のために全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 また、四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会の調査で判明した事実関係についてのお尋ねでございますけれども、防衛庁といたしましては、仮に、組織的な東洋通信機に関する資料の大量焼却といった報道の内容が事実であれば大変重大な問題であると考えておりまして、今後、検察当局による捜査等の進展を慎重に見守る一方で、同調査委員会において、事実関係の徹底究明に向け全力を挙げて調査活動をしているところであります。
 調査の結果を得るまでは若干時間がかかりますけれども、できるだけ早く結論を得るように努力をしてまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、当庁といたしましては、徹底的な事実関係を解明して調査を行い、かかる調査の結果を踏まえて厳正な処置をしてまいりたいと思っております。
 また、調査委員会の公正さについてのお尋ねがありました。
 防衛庁といたしましては、今月十二日、官房長を長として、秘書課長、総務課長、人事第一課長、監査課長をメンバーとして、四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会を設置し、さらに十六日には、より強力に実態の解明を進めるため、委員長を事務次官とし、新たに参事官を委員会に加えることなどにより、同委員会の組織の強化を図ったところであります。事実関係を徹底解明すべく、速度を速めて調査を行ってまいりたいと思っております。
 本調査は、具体的には、委員長によって指名された調査委員などにより、職員に対し個別に聞き取り調査を実施し、事実関係の確認に努めているところであるが、職員に対しましては強制力を持っておりませんけれども、全面的な協力を得てこれを実施してまいり、本調査により直ちに行政処分を行うものではなく、御指摘のようなことはないと思っております。
 焼却施設の予約リストについてのお尋ねでございますが、四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会におきましても、焼却施設の予約を受け付ける文書焼却予約受付簿を調査対象としているが、さきに述べたとおり、現在、同委員会において事実関係の徹底究明に向け調査活動を実施しているところであり、調査の結果を得るまでいましばらく時間がかかるものと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
 続きまして、調本副本部長の指示についてのお尋ねでございますけれども、現在までの調査においては、御指摘のような事実は確認されておりません。
 東京地検に対しまして防衛庁が提出した文書についてのお尋ねでありますが、東洋通信機事案に関し、東京地方検察庁に対し、その時点での当庁の調査内容を前提に、当庁としての評価等を提出したことは事実でありますけれども、その経緯や内容については、これを公にすることによって検察当局の捜査に影響を与えることになりかねないので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 防衛庁の元調達実施本部長及び副本部長への聞き取り調査についてのお尋ねでありますが、検察当局による捜査が始められておりますので、捜査の進展を見守ってまいりたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣中村正三郎君登壇〕
#13
○国務大臣(中村正三郎君) 坂上議員にお答えをいたします。
 まず、防衛庁の調達実施本部をめぐる背任事件に関して、防衛庁の上申書に係る主張についての御質問でございますが、お尋ねの件につきましては、現に捜査中の事件にかかわる事柄でありますので、法務大臣として所見を申し上げるべき性格のものではないと考えております。
 なお、お尋ねの背任事件については、現在、東京地方検察庁において所要の捜査を進めているところでありまして、適切に捜査、処理がなされるものと考えております。
 次に、元本部長らの任務違背行為についての御質問がございました。
 元本部長らに対する被疑事実にある任務違背行為は、国に返還すべき金額を適正に確定させた上、債権の減免を行うことなく、その全額を現年度歳入への一括組み入れの方法により国に返還させる契約を締結すべき任務に背き、広告宣伝費等の非原価項目の金額を控除せず、ゼロとすべき支払い利子を費用に算入して契約金額を過大に修正し、国に返還すべき金額を過少に確定させ、その返還方法についても、現年度歳入への一括組み入れの方法によることなく、翌年度までに履行される契約の契約金額から均等割合で減額するという方法により順次返還させる旨の契約を東洋通信機との間で締結したというものであります。
 次に、ニコー電子等の水増し疑惑に関する捜査状況についての御質問でございますが、御質問の件につきましては、検察当局がいかなる事項について捜査するかということは、捜査機関の活動内容にかかわる事柄でありますので、申し上げる性格のものではないと考えております。
 さらに、ニコー電子の水増し請求は詐欺罪に当たるのではないかというお尋ねでございますが、これにつきましても、一定の状況を想定して犯罪の成否を問われるものであり、具体的事件における犯罪の成否は、捜査機関が収集した証拠に基づき、法に照らして判断されるべき事柄でありますので、法務大臣として申し上げるべき性格のものではないと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 赤松正雄君。
    〔赤松正雄君登壇〕
#15
○赤松正雄君 新党平和の赤松正雄でございます。
 会派平和・改革を代表いたしまして、先ほど来問題になっております防衛庁最高幹部による装備品購入をめぐる背任並びに証拠隠滅問題を中心に、総理並びに防衛庁長官に問題点をただしたい、こういうふうに考えます。
 北朝鮮の危険きわまりない事件に日本じゅうが揺れているまさにそのときに、防衛庁の中心部が腐っているとしか言いようのない事件が起こりました。検察当局の捜査の手が防衛庁そのものに入った上、証拠隠滅までやっていた疑いが強いということは、二重、三重のショックを国民に与えていると思われます。額賀長官就任後の証拠隠滅がもし事実とするならば、これは当然長官の責任問題に直結すると思います。
 自衛隊の最高責任者である総理に、先ほども答弁がありましたけれども、改めて、この事態をどうとらえておられるのかをお聞きしたいと思います。
 ただ、この問題は、言うまでもないことでありますが、突然今に始まったことではありません。昨年、一部報道機関のスクープに始まり、今日に至るまで、約一年間引きずってきた問題であります。しかも、この事件の発端は、遠く一九八八年にまでさかのぼることができ、見ようによっては、十年越しの防衛庁の病巣であると言っても過言ではありません。
 といいますのも、大手通信機器会社四社が製造原価を水増しするなどして、約二十億円もの巨額のお金を過大に受け取っており、同庁調達実施本部としてはそれを返還させていたというものの、どうにも、その後の捜査などを通じてわかる事実結果を見る限り、水増し請求それ自体、双方了解の上ではないのかとの疑惑が募るのであります。詳しくは検察当局のこれからの捜査にまたねばなりませんが、この一年間の報道あるいは国会審議などから知り得る情報は、まさにそういうシグナルを鳴らし続けていると言わねばなりません。
 少なくとも、世間にこの問題がオープンになってからこの一年、総理は、外相兼副総理として、今また総理として情報に接してこられたわけでありますけれども、どう考えてこられたか、お尋ねするものであります。
 また、この問題は、事の起こりから始まり、節目節目が内部告発によって進展しているものと思われます。新聞社のスクープ、その後の報道のありよう、あるいは一般国民からの投書によって、会計検査院が検査に入ったり、また調本が伝票類を大量焼却したという事実が複数の内部関係者から明らかになったことなどが、それらを物語っているものと思われます。
 まず、そういった点を認められるのかどうかということと、それなら、もしそういった内部告発がなかったなら、今日まで実態はわからずじまいで、うやむやになった可能性があるのではないか。先ほど長官の答弁、聞いておりますと、結局、防衛庁の後手後手の対応が改めてはっきりした、こんなふうに言えると思います。そういう報道機関の指摘を受けて腰を上げるということではなくて、なぜ、防衛庁としてこれまできちんとした実態調査ができなかったのかという点について、防衛庁長官にお聞きしたいと思います。
 また、防衛庁当局は、この問題について、当初は企業側の単純ミスとしてとらえ、返還させたから問題ないとさえしてまいりました。特に、前久間防衛庁長官は、この六月の安保委員会において、過払いした分を取り返すために、その金額について折衝して、一種の和解契約でそれを取り返したということ、こういうふうに発言をされ、今回の問題についての防衛庁の対応を一貫して正当化する発言を繰り返されてきたことは、周知のとおりであります。
 また、現額賀長官も、就任以来既に一カ月半余りになっておりますが、去る九月十日の安保委質疑におきましても、基本的には前久間長官の答弁の域を出ず、まるで人ごと、自分には責任がないと言わんばかりでありました。
 その際に示された報告書では、平成九年九月に調達実施本部に原価差異事案対策特別委員会を設置し、原因分析を行い、再発防止策を本年二月に発表したことが、唯一防衛庁の対応策として挙げられています。しかし、調本が犯した誤りを当の調本に調べさせたというのでは、限界があります。現に、その後新たな事実が次々と発覚しているではありませんか。防衛庁の中に、調本とは別に、この問題の徹底調査を行う新たな組織をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 東京地検の強制捜査が行われる前に証拠隠滅工作をしていた公算が強くなってきた今日、現長官は、この反国民的行為をどうとらえられるか。防衛庁そのものの責任について、お考えを聞かせていただきたい。
 既に政府は防衛庁事務次官は更迭するとの方針のようでありますけれども、政治の側の責任はどうなるのか。
 去る七月、東京地検に対して、東洋通信機の返還額算定は適正な方法であったとする上申書なるものが、防衛庁の名のもとに出されたと言われております。この上申書については、今、委員会におきまして資料要求が出されていますけれども、改めてその中身を伺いたい。
 そして、防衛庁長官はこれにどう関与したのか。していたら、その中身への責任が問われますし、していなかったと言われるならば、監督不行き届きの責任があるのではないか、このあたりをどう考えるのか。また、上申書の撤回を含めて、今後の対応について、総理に改めてお聞きをしたいと思います。
 さらに、一連の捜査、報道の中で浮き彫りになってきましたのは、これら企業への防衛庁OBの再就職問題、いわゆる天下りの実態という点であります。返還額を圧縮した見返りに天下りの大幅受け入れを要求したとの疑いが指摘されていますけれども、もしこれが事実とすれば、一国の防衛にまつわる装備品の調達をめぐって、企業と防衛庁との癒着構造という、本来あってはならないことが堂々と行われていたわけであり、ゆゆしき一大事と言わねばなりません。
 この問題について、従来、防衛庁は、特に自衛隊の就職の場合は、各部隊に至るまで、早く若くしてやめるものですから、地連なんかを通じまして、みんなが非常に努力をして就職援護活動をやっておるわけであります、だから、むしろそういう形で全国的にお願いをしているものですから、各企業などの名前を出すことによって、今後そういうような就職活動に支障を来すということになると実は大変困るわけであります、こういうふうに弁解をしてまいりました。現長官も、ほぼ同じ考えを、民放の番組やさきの安全保障委員会においても表明されています。
 しかし、これは、かえって事の本質をごまかすことではないのかと私は思います。国の防衛という重要な職務につかれた方々の再就職先についての現状を隠すということそのものに、今日のような事態を招く温床があったのではないかとさえ指摘せざるを得ません。
 むしろ、そういう再就職を隠密裏に運ぼうとする防衛庁長官の卑屈な姿勢が問題であります。企業との癒着などないならば、堂々と名を明かす方が、お互いにとって、また国民にとっても、重要な情報公開になると思われますけれども、防衛庁長官のお考えをお聞きしたい。ともに、この際、防衛庁からの再就職先の一覧を公表する考えはないかどうか。
 また、先ほども問題になりましたけれども、従来、自衛隊法第六十二条で、退職後二年間は、直前五年以内にいた役職と密接なかかわりのある防衛関連企業の役員かそれに相当する地位には再就職できないと定められているけれども、防衛庁の場合、特に制服の場合は、体力的な点から早目にやめざるを得ないという場合、従来どおりの規定ではきついということがあるのかどうか。あるのなら、ほかの省庁とは違う規定があってもいいのではないかと思うが、どう考えられますでしょうか、お聞きをしたい。
 一方、内局の方はむしろもっと厳しくてもいいのではないかと思います。今回のケースのように、顧問やコンサルタントについては規定がないとされていることを盾に、権限を遺憾なく利用するというのでは、極めて悪質と言わざるを得ません。
 今日まで、防衛関連予算について、私たちは、事あるごとに防衛庁当局の方から、人件費がかさばり、装備の充実に予算を割けないという苦渋の現状を聞かされてきたものであります。そのこと自体は決してうそ偽りのないものと信じたいと存じますけれども、今回のような事件が起こりますことは、余計な不信感を国民の間に醸し出すことになります。
 再発防止に向けて、先ほど来長官の方からも繰り返し出ておりますけれども、防衛調達制度調査委員会あるいは自衛隊員の再就職の在り方に関する検討委員会、こういった二つの委員会をつくり、検討しますということでありますけれども、学者、有識者任せだけであってはなりません。国民の代表としての与野党政治家、なかんずく野党の意見を聞くべきだと考えますが、いかがでしょうか。総理自身のお考えをお伺いしたい。
 あわせて、この際、自衛隊の装備品調達についての基本的な問題についての考え方をお聞きしたいと存じます。
 装備品の経費が高いということが指摘されるたびに出される問題に、日本は武器輸出三原則で武器の輸出を禁じているために、どうしても生産調達価格が高くなるという点が挙げられます。一部に、この原則を緩めるべきだとの主張があるやに聞きます。しかし、この原則は、非核三原則にも比べられる、重要な、世界に誇ってよい、日本の防衛にまつわる自制心のあらわれだろうと思います。このあたり、今日の自衛隊の装備品開発をめぐる課題について、どう考えられているのか、この際に長官に改めて確認をしておきたい。
 さらに、従来からの武器輸出三原則は、共産圏の崩壊から、ココムは九四年三月に解消されており、第一の原則の前提が崩れてしまったとも見られます。変形された三原則としてこのまま堅持するのかどうか。私は、この際、むしろ武器輸出禁止原則と名を変えて、三つの原則から一つの原則へと整理統合するべきだと考えますけれども、これについて、改めて総理にお考えをお聞きしたい。
 装備品開発という問題は、一にも二にも国民の理解が大切だと思います。何でも隠そうとする防衛庁ではなくて、もっと国民に開かれた、思い切った情報公開をしていける防衛庁、自衛隊に変身せねばなりません。これが可能となって、初めて今回の恥ずべき事件を教訓にでき、国民から信頼される防衛庁となることを強く訴えまして、私の質問といたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#16
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 赤松正雄議員にお答え申し上げます。
 まず、防衛調達問題について、この事態をどうとらえておるかというお尋ねでございました。
 北朝鮮の弾道ミサイル発射が大きな懸念を生じさせております中、こうした御指摘のような事態になりましたことにつきまして、改めて心からおわびいたします。検察当局による事態究明とともに、防衛庁も徹底的に事実を解明し、同様な事態が再び生じないよう防衛調達の改善に全力を挙げて取り組み、国民の信頼を回復いたしてまいるべきと考えております。
 防衛庁調達実施本部の問題についてお尋ねがございました。
 昨年九月以降、重大な関心を持ってまいりましたが、今般、同本部の元幹部が逮捕されるという事態が生起したことは、極めて遺憾であります。防衛調達行政につきまして、公平性、公正性、透明性を確保することが必要と認識しており、かかる考え方に基づき、適正に執行されるべきものと考えております。
 防衛庁長官の責任についてのお尋ねですが、まず、地方検察庁への文書の提出について、同地検に対し、その時点での防衛庁の調査内容を前提として、防衛庁としての考え方、評価についてまとめた上提出したものであり、その取り扱いにつきましては、関係当局において適切に対応するものと考えております。今般の事件により失われた国民の防衛庁に対する信頼の回復に全力を挙げることが、防衛庁長官の責務であると考えております。
 再発防止についてのお尋ねがありました。
 政府としては、このような事態が再び起こらないように、特に国会における御意見、御批判を真摯に受けとめ、額賀防衛庁長官を中心として、部外有識者による委員会における防衛調達等の改善策や自衛隊員の再就職のあり方に関する検討を踏まえ、防衛行政に対する国民の信頼を回復するための施策を推進していく所存でございます。
 最後に、武器輸出についてのお尋ねがございました。
 武器輸出につきましては、平和国家としての我が国の立場に立ち、国際紛争の助長を回避するため、いわゆる武器輸出三原則等に基づいて、厳格に対処してきております。今後とも、武器輸出につきましては、武器輸出三原則等に基づき、厳格に対処いたしてまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#17
○国務大臣(額賀福志郎君) 赤松議員にお答えをいたします。
 内部告発についてのお尋ねでございますけれども、今回の装備品購入をめぐる背任や証拠隠滅疑惑につきましての内部告発等がその端緒となったものであろうと考えておりますけれども、今回の事件の反省に立って、このような案件が二度と起こらないように、防衛調達制度の抜本的見直し、さらなる綱紀の粛正、また規律の保持など、再発防止策の徹底に全力を傾けてまいりたいと思っております。
 事案発生の原因分析のお尋ねでございますけれども、昨年九月に調達実施本部に原価差異事案対策特別委員会を設置し、本年二月、再発防止対策を公表し、推進をしてきたところでございます。防衛調達制度のあり方につきまして検討を進める必要があるとの認識のもとに、近々設置予定の防衛調達制度調査委員会において、調達制度に関する基本的課題について部外の有識者により検討をしていただく中で、本問題についても御議論をしていただきたいと考えております。
 証拠隠滅工作と防衛庁の責任についてのお尋ねでございますけれども、いわゆる四社事案に関連して、調達実施本部において組織的に証拠隠滅を行っていたとの報道がなされたところであり、そのような疑いを持たれるに至ったことにつきましては、我が国の平和と安全を守ることを任務とする我々組織への国民の信頼を失墜させたということについて、まことに重大に受けとめておりまして、国民の皆さん方に対しまして、心からおわびを申し上げているところでございます。
 防衛庁といたしましては、報道されているような、組織的な東洋通信機に関する資料の大量焼却といった証拠隠滅が仮に事実であった場合、大変重大な事態であると考えており、検察当局の捜査の進展を見守っていくとともに、防衛庁としても、事務次官を委員長として、四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会を設け、徹底的に事実関係を解明すべく調査を行っているところであり、かかる調査結果を踏まえまして、厳正な処置を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
 今般の東洋通信機事案に関連をいたしまして、九月上旬に、元調達実施本部長、副本部長などが背任容疑により東京地方検察庁に逮捕され、かつ、九月十四日までに防衛庁が二度にわたり家宅捜査を受けるといった事態が生じ、私どもは、大変大きなショックを受け、国民の信頼を失墜させたことに極めて遺憾と思って、国民の皆さん方におわびを申し上げているところであります。
 政治責任をどう考えるかということでございますが、私は、防衛庁、自衛隊のあり方が問われているものと認識をしておりまして、当庁に対する国民の信頼を回復するために、一層の綱紀粛正を徹底的に図るとともに、近々設置する防衛調達制度調査委員会における検討や、自衛隊の再就職の問題への取り組み等の推進に全力を挙げることによって、皆さん方の信頼回復に努めてまいりたいと思っております。
 また、組織的に証拠隠滅のための大量焼却をはかったということについても、これについても全力を挙げて事実関係を明らかにしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 東京地検に対して防衛庁が提出した文書についてのお尋ねでございますけれども、東洋通信機事案に関し、東京地方検察庁に対し、その時点での当庁の調査内容を前提に、当庁としての評価等を取りまとめ、提出したことは事実であり、私もその概要について報告を受けております。その内容につきましては、これを公にすることによって検察当局の捜査に影響を与えかねないために、お答えを差し控えさせていただきたいと思っております。
 さらに、再就職先の公開についてのお尋ねでございますけれども、自衛隊員の再就職先につきましては、これまでも、個人のプライバシーにかかわる場合等を除き、可能な限り国会等に提出をしてきたところでございます。近々設置する自衛隊員の再就職の在り方に関する検討委員会におきましては、委員御指摘のとおり、各先生方の御議論も尊重をしながら、再就職に係る透明性の確保の問題についても鋭意検討してまいりたいと考えております。
 また、自衛隊の装備品の調達に関するお尋ねでございますけれども、防衛関連装備品の市場が防衛庁に限定をされており、これが装備品のコスト高の一要因となっている面は否めないが、武器等の輸出については、先ほど総理の御答弁にもありましたとおり、武器輸出三原則等に基づいて厳格に対処してまいりたいと思っております。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
#18
○副議長(渡部恒三君) 東祥三君。
    〔東祥三君登壇〕
#19
○東祥三君 私は、自由党を代表して、ただいまの防衛庁長官の報告に関連して質問いたします。
 今回の事件は、前防衛施設庁長官らが逮捕されただけでなく、防衛庁の現職幹部が証拠隠滅容疑で東京地検から事情聴取されるという事態に発展しております。防衛庁が組織的に関係資料を破棄し、あるいは証拠書類を他の場所に移すなどの証拠隠滅を行っていたとするならば、まことに言語道断であり、国民に対する背信行為と言うほかありません。
 まず、額賀防衛庁長官にお尋ねいたします。
 防衛庁長官は、この問題の責任をどのようにお考えなのでしょうか。野中内閣官房長官は、防衛庁長官の責任問題については、時期的には事件とは関係ないと述べ、事件が就任以前の問題であるため、辞任には発展しないとの認識を示したと伝えられております。
 額賀長官、あなたはいやしくも自衛隊員からの栄誉礼を受けておられるのであります。栄誉礼を受けるとは、自衛隊の組織を支えている彼らが、あなたの言葉には命をささげても従うということであります。他の閣僚は受けていないその栄誉礼を受けたあなたが、たとえ就任以前のことであれ、トップとしての責任を感じずに職責を全うすることができるのでありましょうか。
 個人の出処進退について、私はとやかく申し上げるつもりはありません。それは長官自身がお決めになることであります。当該の問題は、単に防衛庁長官の個人的な責任を問えば済むといったものではなく、我が国の国家、内閣、そしてそれを運営する官僚組織としての姿勢、あり方そのものが問われているということを我々は自覚しなければならないと思います。
 危機的状況にあってもなお、何も改革することができない政府、国としての方針を責任を持って明示することもできない政府、内閣の姿勢が、今日の行政の体質を形づくってきたと言わなければなりません。
 防衛庁に関して言えば、国家として最も重要な我が国の防衛、そして安全保障、危機管理の問題について、国としての明確な方針を示し対応していく体制を整えることを怠り、先般の北朝鮮のミサイル発射事件や阪神・淡路大震災の対応に見られたように、いざというときに機能しない組織や体制を惰性的に維持していく事態を示しております。
 その結果として、防衛庁が、有事に備え、必要な組織や装備を少しでも効果的、効率的にして、国民のために尽くすという意識を欠き、業界と癒着して、適当につじつまを合わせてその場をやり過ごすという体質をつくり出してきたのではないのでしょうか。
 厚生省汚職や大蔵官僚の接待不祥事に続く今回の事件は、羅針盤のない船が航海を続けていくがごとく、政治指導者が国家の目標を定めないために、官僚本来の使命感を喪失してしまっているという、国家としての根の深い問題であります。これを改めるには、その腐った根を根本から断ち切って、新しく出直す以外にはないと考えますが、この点についての総理の基本認識をまずお伺いいたします。
 国防という崇高な使命を果たすために、士気を保ち続けなければ全うできない組織の事件であるだけに、事態は極めて深刻であります。防衛庁は、この際、徹底的に疑惑を解明してうみを出し切ることが、隊員の士気を高め、国民の信用を回復する唯一の道であると思います。
 以下、数点にわたりお尋ねいたします。
 今回の背任容疑は、防衛装備品を納入する通信機メーカー、東洋通信機の過剰請求に対しての不明朗な減額措置で、本来防衛庁に返還されるべき過剰請求額約二十四億円を圧縮し、国に十数億円の損害を与えた疑いが持たれているというものであります。
 そこでお尋ねいたしますが、防衛庁が当初、平成元年度から五年間の契約額約三百七十八億円分を特別調査した結果、過剰請求額を、約二十四億円と算定した過剰請求額を、最終的に約八億七千四百万円に減額したというのは事実なのかどうなのか。事実であるとするならば、どのような方法で減額措置を講じたのか。
 その際、返還額算出の実質的責任者だった元副本部長は、東洋通信機側に防衛庁OBを顧問として再就職させることなどを条件としていたというのは、事実なのかどうなのか。
 東洋通信機とともに水増しが明らかになった企業にも、同様の対応をとった事実はなかったのかどうなのか。
 組織ぐるみの隠滅工作が行われたのか。それが事実であるとすれば、何を目的として行われたのか。また、組織のどのレベルまで行われたのか。
 これらの点について、防衛庁としての調査の結果を明らかにしていただきたいのであります。特に、行政が組織ぐるみで証拠隠滅を図っていたというのが事実であれば、事は重大であり、この点についての総理の御所見を伺いたいのであります。
 今回の事件には、冒頭に述べた国家の基本的な姿勢を背景に、官僚と関係業界との癒着という問題が問われております。その一つが、いわゆる天下り、再就職の問題であります。
 報道によれば、防衛庁にミサイルや戦車などの装備品を納入している防衛産業の主要企業百三十五社に、約千四百二十人に上る防衛庁OBが天下っているという指摘があります。このような再就職の仕組みは、結果として官と業との癒着を生み出し、談合体質をつくり出す構造的問題の温床となっているのであります。
 特に、政策決定にかかわっていたような高級官僚の再就職は早急に是正されなければなりませんが、それだけではありません。定年の早い自衛官の場合には再就職先を探さなければならないという問題もあり、その経験や知識を生かせるような方策を考えるべきであります。また、次官レースと言われる出世競争の中で、一部を除き若年で退職せざるを得ないという今の官僚システムそのものにメスを入れない限り、問題の根本的な解決にはならないと考えます。
 天下り、再就職の問題について、防衛庁長官並びに小渕総理のお考えをお聞かせいただきたいのであります。
 防衛計画の大綱及び昭和四十五年の事務次官通達等により、我が国の防衛力の整備に当たっては、民間企業の開発力、製造力に大きく依存することが国家の方針として示されております。今回の問題は、防衛庁と防衛産業との間の長い関係の中での甘えや惰性によって生じたと思います。防衛庁と防衛産業との健全な関係を築いていくことが急務であると考えますが、この点に関し、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、防衛庁長官の御所見をお聞かせ願いたいと思います。
 この半月の間に、北朝鮮のミサイル発射事件、防衛庁の背任・証拠隠滅疑惑事件が相次いで起こりました。北朝鮮が日本の政治、経済の中枢拠点をすべて完全に射程におさめるミサイル発射技術を持つことが確認されたことは、我が国の安全保障上極めて重大な事態であります。これに対して、我が国は、危機管理体制の不備を改めて露呈させると同時に、総理、防衛庁長官初め関係閣僚は、日本の安全保障上重大な脅威が発生したという認識を欠いた対応に終始いたしました。
 自由党は、かねてより、国家存立の基礎である安全保障政策は、原理原則に基づいた行動方針を明確に示し対応すべきであって、その場の場当たり的な対応で憲法や法令を拡大解釈したり、行動範囲や対象をなし崩し的に拡大させたりすべきではないと一貫して主張しております。
 北朝鮮のミサイル発射事件を契機に、政府・与党内部から、偵察衛星の導入やTMDへの参加など、これまで意図的に先送りしてきた問題を取り上げて、一気に決着させようという動きが出たことも、その場当たり的対応の延長線上にあり、また一方において、このたびの防衛庁の背任・証拠隠滅事件に絡めて、防衛技術の開発や防衛予算の確保が説得力を失ったという議論が頭をもたげてきておりますが、我々は基本的にはそのような姿勢にくみすることはできません。
 衛星やTMDについて、再び防衛産業と政府官僚の癒着が起こることが心配ですが、これを防止するため、どのような具体的措置をとろうとしておられるのか、お伺いしたい。
 最後に、防衛庁中枢に捜査のメスが入ったため、我が国唯一の実力組織である自衛隊組織に動揺が広がり、意気消沈しておると推察します。できるだけ速やかに問題を解決し、自衛隊を本来の有事に対応できる、本来の使命が達成できる組織にしていくことを強く求め、そして、それがまさに政治の責任であることを強く訴えて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#20
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 東祥三議員にお答えいたします。
 我が国の防衛政策及び防衛庁の組織等に関する御質問でございましたが、中期防衛力整備計画のもと、防衛力の合理化、効率化、コンパクト化を一層進めるとともに、必要な機能の充実と防衛力の質的な向上に努めているところであり、また、今回の背任事件の反省の上に立ち、防衛庁と防衛産業の健全な関係を築いていくべく、防衛調達制度調査委員会(仮称)の場で、防衛調達のあり方につき徹底的に見直すことといたしてまいります。
 官僚の使命感についてもお触れになられました。
 政治の指導的立場にある者として、責任を深く痛感して、対処いたしてまいりたいと考えております。
 防衛庁が組織ぐるみで証拠隠滅をはかっていたとの報道についてのお尋ねでありますが、報道内容が仮に事実であれば大変重大な問題であると考えており、今後、検察当局の捜査等により事態が究明されるとともに、防衛庁におきましても事実関係を徹底的に解明し、その結果を踏まえ、厳正な措置をとっていく必要があると考えております。
 いわゆる天下り問題についてお尋ねでありますが、御指摘のとおり、昇進管理や処遇のあり方など、人事システム全般を見直すことが重要と考えております。現在、公務員制度調査会におきまして、公務員の退職、再就職を含めた公務員制度全般の見直しについて調査審議をお願いいたしておるところであり、その結果も踏まえ、速やかに必要な改革を実施してまいりたいと思います。
 防衛庁内の動揺を防止するための、問題の速やかな解決についてお尋ねがございました。
 私といたしましても、検察当局の事態の究明とともに、防衛庁自身が徹底的な事実関係の解明を行い、同様な事態が再び生じないよう、防衛調達の改善、綱紀の粛正に全力を傾注し、国民の信頼を回復していくことが、隊員諸君を自衛隊の本来の任務に専念させる上で最も重要なことであると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#21
○国務大臣(額賀福志郎君) 東議員にお答えをいたします。
 まず、組織的証拠隠滅等についての責任はどう考えるかということでありますけれども、いわゆる四社事案に関連をして、調達実施本部において組織的に東洋通信機に関する資料の大量焼却といった証拠隠滅を行っていたとの報道がなされたところであり、そのような疑いを持たれるに至ったことにつきまして、我が国の平和と安全を守ることを任務とする組織への国民の信頼を失墜させたという点で、まことに遺憾であり、申しわけないと思っておるところであります。
 防衛庁といたしましては、報道されているような証拠隠滅が仮に事実であった場合、大変重大な事態であると受け取っておりまして、検察当局による真相究明の捜査を見守っていくとともに、防衛庁としても、事実関係の徹底解明に向けて調査を行っているところであり、その結果を踏まえまして、厳正な措置をとってまいりたいと思っているところであります。そのための先頭を走ってまいりたいと思っておりますし、東議員の御指摘のように、うみを出し切ってまいりたいというふうに思っておるところであります。
 東洋通信機に対する減額措置についてのお尋ねでございますけれども、本事案につきましては、既に検察当局による捜査が始められているところであり、返還額に係る具体的な事実関係につきましては、今後、検察当局の捜査により明らかにされるものと考えております。その推移を見守ってまいりたいと考えております。
 東洋通信機事案に関する事実関係についてのお尋ねでありますけれども、本事案に関する具体的な事実関係につきましては、これもまた、今後、検察当局の捜査により明らかにされるものと考えております。
 東洋通信機事案以外の事案についてのお尋ねでございますけれども、現在、背任容疑の逮捕者が出た事案は東洋通信機の事案のみであると認識しているけれども、いずれにいたしましても、今後の検察当局による捜査の推移を見守っていくことにしたいと思っております。
 組織ぐるみの隠ぺい工作についてのお尋ねでございますけれども、防衛庁といたしましては、報道されているような証拠隠滅が仮に事実であった場合、大変重大な事態であると考えておりまして、今後、検察当局による捜査を見守ると同時に、防衛庁としても、調査委員会を設置をして調査を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘のような組織的な証拠隠滅については、そのような事実があったかどうかを含め、現在調査中であり、今後速やかに事実関係を解明していくことが、まず先決であると考えております。
 自衛隊員の再就職についてのお尋ねでございますけれども、自衛隊につきましては、委員御指摘のように、精強性維持のため若年定年制をとっておりまして、その中で優秀な人材を確保していくという観点からは、退職者がみずからの知識経験を生かして再就職の道を確保することが最も大事であると考えておりますが、この点に配慮しながら、今後、このたび設置した自衛隊員の再就職の在り方に関する検討委員会において、十分な国民の皆さん方の知恵を拝借しながら、自衛隊員の再就職のあり方について、国家公務員の退職後のあり方も含めて、できるだけ早く結論を出してまいりたいと思っております。
 また、防衛庁と防衛産業の関係についてのお尋ねでございます。
 今回の防衛装備品調達をめぐる背任事件の反省の上に立ちまして、防衛庁と防衛産業の健全な関係を築いていくためには、防衛調達制度の透明性、公正性の一層の確保が大切であると思っております。
 この観点から、先ほど来申し上げておりますように、防衛調達制度調査委員会を設置いたしまして、学識経験者とか多くの先生方の御意見を聞きながら、抜本的に見直しをし、防衛産業と防衛庁との健全な関係を築いてまいりたい。また、国民の信頼を得るように努力をしてまいりたいというふうに考えているところであります。
 防衛産業との癒着防止についてのお尋ねでございますけれども、先ほど来言っておりますように、人工衛星とかTMDに関連をいたしましても、今回の背任事件の反省の上に立って、再びこういうことがないように、防衛調達制度の仕組みのチェック制度を、きちっと透明性を持った形にしてまいりたいというふうに思っているところであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○副議長(渡部恒三君) 東中光雄君。
    〔東中光雄君登壇〕
#23
○東中光雄君 私は、日本共産党を代表して、一連の防衛調達疑獄事件について質問をいたします。
 今回の事件は、軍事装備品の調達をめぐり、我が国有数の軍需企業NECグループと防衛庁の調達本部が共謀して、長期にわたり数十億円にも及ぶ巨額の国民の血税を食い物にした、まさに前代未聞の極めて悪質な大疑獄事件であります。この防衛調達疑獄の全容を解明し、再発を防止することは、政府と国会に課せられた大切な責務であります。
 総理も防衛庁長官も、事実関係を徹底的に解明する、徹底的に究明すると言いましたが、何を解明し、何を究明するというのでありますか。総理自身の責任において、一連の防衛調達行政の不正の全容を解明し、関係資料の隠匿の真相を徹底的に究明すべきではありませんか。答弁を求めます。
 今回の事件は、国の行政機関である防衛庁調達実施本部が行った軍事装備品の調達業務そのものが、本来の職務に背き、国に対して重大な損害を与えたとして、刑事上の背任罪に問われているものであります。このことは、国家の防衛行政そのものが犯罪に問われているのであります。国の行政行為が犯罪となれば、法治国家は成り立ち得ません。さらに、防衛庁が組織ぐるみで行った関係資料の隠滅、処分、焼却は、国家行政を根底から掘り崩す、国民の信頼を真っ向から裏切る行為になります。
 防衛行政の最高責任者である総理は、極めて重大な責任があります。明確な答弁を求めます。
 そもそも防衛庁の調達行政は、年間二兆円に上る軍事装備品等を調達するもので、その八割以上が競争原理が働かない随意契約によるものであり、不透明で産軍癒着の水増しがかねて指摘されてきたところであります。これに対して防衛庁は、調達装備品の契約金額は、予定価格算定の防衛庁訓令三十五号に従って厳格に決定しているところだと主張してまいりました。
 九三年に発覚した日本工機の水増し請求事件では、訓令に従って返還金額を算定し、全額一括返還をさせ、取引停止などのペナルティーを科して解決したのであります。ところが、翌九四年に発覚した東洋通信機については、返還額の算定に訓令の予定価格算定基準を適用しないで、国への返還額を二十億円近くも減額したのであります。
 防衛庁は、水増し分返還の処理基準がない、ルールがないと繰り返して答弁しておりますけれども、水増しが発覚すれば、訓令、予定価格算定基準に従って、それに戻って処理するのが当然ではありませんか。なぜ東通事件ではこの訓令を適用しなかったのか。防衛庁長官、はっきりとした答弁を求めます。
 東通事件について防衛庁がとってきた態度は、極めて異常、不可解きわまるものであります。防衛庁は、本年七月十四日、法務・検察当局に「東通事案に対する現時点での評価について」と題するいわゆる上申書を提出し、東通に関する調達行政の正当性、合法性を主張し、本件背任事件の被疑者の弁護をしたのであります。防衛庁は、この上申書の国会提出を今なお拒否し続けております。極めて不当であります。
 私は、ここにそのいわゆる上申書、「東通事案に対する現時点での評価について 平成十年七月十四日 防衛庁」という表題を書いた上申書を持っております。この上申書によれば、契約価格算定の訓令は一般的な基準にすぎず、客観的数値を計算するのは不可能に近く、担当者によって計算値が違うことはやむを得ない、こう書いています。算定は担当者の経験と知識、責任と権限にゆだねられているところが大きい、こう述べているのであります。
 これは、調達契約価格の厳正を確保するためにつくられた訓令を無視して、担当者が恣意的に調達価格、したがって返還金額を決定することを容認しているものであります。まさに言語道断であります。この上申書の見解は、今なお防衛庁はとっておるのかどうか、この点を答弁願います。
 また上申書は、訓令三十五号が調達契約金額の中に入れることを認めないとしている、企業の退職手当引当金、事業税、広告宣伝費・交際費等の諸経費を企業存続のための必要な費用として原価計算基準に入れることを認め、そうすることによって国に対する返還額を減らすことを正当だとしているのであります。防衛庁は、軍需企業の利益を図るためには訓令を無視してやってもいいというこの見解を、今なお持っておるのですか。
 さらに上申書には、「安全保障上の問題への考慮」と題して、東通の特別扱いを正当化していることも重大です。安全保障のためとさえ言えば、企業の不正行為が許されるとでもいうのですか。防衛庁長官の答弁を求めます。
 防衛庁長官は、今後の対策として、原価差異事案対処に関する統一的かつ明確な基準の策定をするんだと言っております。これは、今後も企業の水増し請求があり、国の過払いが起こる、いわゆる原価差異事案が発生することを前提とするものであります。今求められているのは、そんなルールづくりじゃなくて、ルールは訓令に戻ればいいのです。企業の水増し請求そのものをなくするためにどうするか、ここではありませんか。答弁を求めます。
 今回の事件でもう一つ重大な問題は、水増し返還額圧縮の見返りとして、調本幹部職員らが企業に天下りを要求したことであります。この背景には、長年の軍需企業と防衛庁の癒着を形成してきた大量の天下りがあることは明らかです。予定価格の算定、契約の締結、監督検査にかかわる防衛庁職員が天下りし、予算の執行を検査すべき会計検査院の職員までが契約企業に天下りするという状況のもとで、行政の公正が保持できないのは当たり前ではありませんか。
 この際、契約企業への天下りを厳格に禁止すべきであると考えますが、総理の見解を求めます。
 最後に、額賀防衛庁長官の責任問題についてであります。
 七月の就任以来、長官は、その時点では適正な処理であった、こう答弁しています。そして、みずから減額措置の真実の究明に積極的に乗り出さなかったのであります。そのもとで、九月三日の防衛庁強制捜査を前にして、長官直属の防衛庁内部部局や調達実施本部において、許しがたい組織ぐるみの証拠隠滅工作が行われたようであります。額賀長官自身の責任も極めて重大であります。長官は、みずからの責任をとって辞職すべきであります。総理は長官を罷免すべきだと考えます。
 総理の明確な答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#24
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 東中光雄議員にお答え申し上げます。
 防衛庁の装備品調達に関する問題についてお尋ねでございましたが、この調達をめぐりまして国民の信頼を失墜させる事態が生起いたしましたことにつきましては、国民の皆様に心からおわび申し上げます。今後、事実関係を徹底的に究明するとともに、再発防止に向けまして、調達の仕組みの抜本的改善と綱紀の保持に全力で取り組み、国民の信頼回復に万全を期することが私の責務と考えております。
 私自身の責任による真相究明に関するお尋ねでございますが、私といたしましては、今回の事案に関する検察当局の捜査を見守るとともに、防衛庁に対し、御指摘のような事実関係の解明に全力を挙げて、かつ徹底的に行うよう、強く指示いたしておるところでございます。
 契約企業への天下りについてのお尋ねでございますが、政府といたしましては、国会における御意見、御批判を真摯に受けとめまして、額賀防衛庁長官を中心として、防衛調達の改善に努めるとともに、部外有識者による委員会を設け、契約関係のある企業への再就職のあり方も含め、自衛隊員の再就職に関する問題を鋭意検討してまいる所存でございます。
 防衛庁長官の責任問題についてお尋ねでございました。国民の信頼を裏切るような事態に至りましたことを心からおわび申し上げますが、報道されているような証拠隠滅が仮に事実であった場合、大変重大な事態であり、事実関係を徹底的に解明することが防衛庁長官として目下の最大の責務であると考えており、その旨指示をいたしておるところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#25
○国務大臣(額賀福志郎君) お答えをいたします。
 その前に、先ほど、東議員からの御質問の中で、自衛隊員の再就職の在り方に関する検討委員会について既に設置をしたというふうに話をいたしましたけれども、これは近く設置することになっておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 東中議員にお答えをいたします。
 事実関係の徹底的究明に関するお尋ねでございますけれども、私といたしましては、仮に、組織的に東洋通信機に関する資料の大量焼却を行っていたといった報道が事実とすれば、大変重大な事態であると認識をしておりまして、今回の事案に関する検察当局の捜査を見守るとともに、防衛庁自身により事実関係の解明が徹底的に行われることが最も大事であると考えております。
 また、予定価格算定訓令の適用の問題についてのお尋ねでございますけれども、当事者がなぜ訓令を適用しなかったのかといった、返還額にかかわる具体的な事実関係につきましては、今後、検察当局の捜査により明らかになっていくものと考えております。その推移を慎重に見守ってまいりたいと思います。
 また、東京地検に対して防衛庁が提出した文書についてでございますけれども、東洋通信機事案に関しまして、東京地方検察庁に対し、その時点での当庁の調査内容を前提に、当庁としての評価等を取りまとめ、提出したことは事実でありますけれども、その内容につきましては、これを公にすることにより検察当局の捜査に影響を与え得るために、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 また、東京地検に対して提出した文書についてのお尋ねでございますけれども、既に申し上げましたとおり、提出文書の内容については、これを公にすることによって検察当局の捜査に影響を与え得るため、お答えを差し控えさせていただきたいと思っておりますが、防衛調達業務の遂行に当たっては、当然、法令を遵守すべきものと思っております。
 東京地検に対しまして防衛庁が提出した文書についてのお尋ねでありますが、既に申し上げたとおり、提出文書の内容については、これを公にすることにより検察当局に影響を与えます。安全保障のために違法な行為が行われていいということでは、当たらないわけでございます。正当化されるものではないというふうに認識をしております。
 国の過払いについてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、過払いといった問題が発生しないように、近々設置予定である防衛調達制度調査委員会で、防衛装備品の調達制度をめぐる基本的な課題について検討していきたいと思っているところでございます。
 これは、仮に、万が一、過払いといった問題が発生しました場合に、公正かつ適切に対処できるように統一的な基準をつくっておくことが、危機管理的によいのではないかということでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○副議長(渡部恒三君) 保坂展人君。
    〔保坂展人君登壇〕
#27
○保坂展人君 社会民主党・市民連合を代表して、きょうここに明らかになってきた防衛装備品調達をめぐる不祥事、わけても捜査妨害と自己保身を意図した組織的証拠隠滅工作の存在について、総理並びに関係大臣に伺います。
 防衛庁に巨大な焼却炉が存在し、疑惑の対象となる背任事件の関係書類が次々と焼き捨てられていたとすれば、官僚の倫理はもはや地に落ちた、こう言う以外にありません。しかも、本件証拠隠滅で取り調べを受けている防衛庁の調達実施本部副本部長は、小渕総理大臣の官房長官時代の秘書官を務めた後、警察庁捜査二課長、長崎県警本部長などを歴任した警察庁のキャリアだ、こう聞いて、全くあきれてしまいます。
 防衛装備品をめぐる不正が国に対する背任であるなら、防衛庁ぐるみの組織的証拠隠滅工作は、国民に対しての背任そのものではありませんか。国家公務員とはだれのために存在し、また、彼ら役人の給料はだれによって支払われているのか。その根本を忘れ去って、みずからの権益と保身、利欲の塊と化した姿に愕然といたします。
 今回の事態は、長い間、多額の防衛予算を閉鎖的に情報独占し、その無軌道で自在な裁量を許してきた現在の防衛装備品調達のあり方と、メーカーに対して利益を供与することの対価として、退職後の天下り要求を当然のことのように要求してきた、このいわばシステムの生んだ犯罪だと私は認識しています。
 したがって、残念ながら、現在表に出ていることはほんの氷山の一角ではないか、既に防衛庁の焼却炉の灰と消えてしまった関連証拠書類の中には、このままやみへと埋もれてしまおうとする利権や癒着の現実が存在した確率が極めて高い、このように考えるわけです。
 以上の点を踏まえ、小渕総理に伺います。
 今回の防衛庁不祥事と組織的証拠隠滅工作に対して、総理大臣、火を噴くような強く熱い怒りが総理におありでしょうか。あるいは、困ったな、弱ったな、長年の慣習だからなと、現状追認の姿勢に終始されるのでしょうか。
 都合の悪いことは焼却炉に運んでしまうような役人の体質をそのままにした、急場を乗り切るだけの役人答弁をここでるる朗読されるのではなく、嘆きがあるならその嘆きを、怒りがあるならその怒りを、また特段の感情がおありにならなければそのままを、御自分の言葉で、真正面を向いて、きちっと語りかけていただきたいと思うのであります。
 昨年の秋、ちょうど一年前でした。当時の大蔵省の金融検査監督部局の接待疑惑に対して、私たち社民党では、疑惑解明プロジェクトを組織して、幾度となく省内の内部調査、点検の作業を開始するように要請いたしました。これに対して大蔵省の当時の対応は、まさに不誠実そのもので、結果としては、捜査の手が入るまで何らの自己調査、内部調査も行われませんでした。予算権限を握る大蔵省は、いわば捜査当局にとっても聖域であるという慢心が、このような傲慢にして不遜な態度を生んだのではないでしょうか。
 今回の防衛装備品の疑惑が浮上し、世間の耳目を集めたのは、まさに大蔵省の不祥事が、世間から、国民世論から厳しく批判されたこの春であることを思うときに、防衛庁にもまた大蔵省と同様の慢心、防衛は聖域であるとの勘違いが強く、問題を隠す努力はあっても、腐敗をみずからただす努力を忘れていたのではないでしょうか。
 総理、総理は就任以来、一体、防衛庁疑惑に対して関係者にどのような指示を行ってきたのでしょうか。それは十分なものであったのかどうか、厳しく検証していただきたいと思います。
 国に対する背任の容疑で捜査が進展しています。背任の二文字はまことに重いと言わなければなりません。役人が国に対しての背任の罪を問われたケースは、戦前戦後を通して極めてまれです。個人が倫理の道を踏み外し、出来心で罪を重ねた場合と違って、今回、組織を挙げての不正と、そして証拠隠滅が行われたとしたら、まさに組織犯罪として厳正に処罰されるべきではないかと考えます。
 率直に言って、防衛庁には検察当局に対して不満があるのではないでしょうか。日常業務を背任と決めつけられてはかなわないと。調本本部が作成した内部文書には、今回の行為が背任なら次も背任だ、検察の便宜主義、起訴見送りの制度自体も背任に当たる、調本職員が背任なら報告をした会計検査院も同罪だなどの主張がなされていたと伝えられています。防衛庁長官並びに法務大臣の見解を伺いたいと思います。
 また、防衛庁は、国に対する背任容疑に対して、組織を挙げてこれと闘うのか、あるいは組織をかけた大手術をして、この体質を根絶する道を選ぶのかも明確にしていただきたいと考えます。
 とりわけ、国会の質疑において、資料がそもそも存在しないなどと平然と答弁をしてきた防衛庁の内部で、組織的証拠隠滅工作が展開していたということが露見してくる現在、国会答弁の根本姿勢を何と心得ているのか、これは徹底して問題にせざるを得ないと思います。誠実に防衛庁は事実をもって答弁してきたのかどうかを、反省と検証の言葉、ここを防衛庁長官にはっきりと伺いたいと思います。
 小渕総理、所信表明演説の中で、公務員倫理法の早期成立を目指すとの表明をされました。国民の不安と不信は、金融システムにのみ集約されているのではなく、幾ら節約して納税をしても、その税金の使い道に信頼が置けない、この点にもあります。
 国会が行政監督の機能を回復し、役人の不祥事を根絶するためには、公務員倫理法の中に、国会における虚偽の答弁の禁止、つまり、役人は国会でうそをついてはいけない、これをどうしても入れなければならないと思います。何十時間質疑を行っても、その場しのぎの虚偽の答弁を前提に審議が繰り返されているとしたら、これは時間と税金のむだ遣いにほかなりません。議院証言法に準じた罰則をもって厳禁することを決断する時期が来た、このように考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、公務員にのみ厳しいハードルを課すことができても、政治家には手つかず、これではだれも納得しません。政治家のあっせん行為を通しての金銭等の授受に関して、私たち社民党は、あっせん利得罪をもってこれを封じることを提案してきました。防衛、金融を初めとした企業・団体献金も当然のこととして受け取るという自民党の姿勢を見直すことがなければ、政治への信頼回復の道も開けないのだということを、再三強く指摘しておきたいと思います。
 公務員倫理法とあわせて、政治腐敗防止法、政治倫理法を早急に制定し、構造的な腐敗の根を絶つ道を開くことを小渕総理大臣に強く求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#28
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 保坂展人議員にお答え申し上げます。
 調達実施本部の問題についてお尋ねがございました。
 御指摘の証拠隠滅の可能性を含め、一連の事態を招いたことにつきましては、極めて遺憾であり、心からおわびいたしております。今後、検察当局の事実究明とともに、防衛庁も徹底的に事実関係を解明し、同様の事案が再び生じないよう、防衛調達の改善に全力を挙げて取り組むことによりまして、国民の信頼を回復していかなければならないと考えております。
 防衛庁に対する指示についてのお尋ねもございました。
 私といたしましては、今回の事案に関する検察当局の捜査を見守るとともに、防衛庁に対しましては、事実関係の解明を全力を挙げて徹底的に行うよう、強く指示してきているところでございます。
 公務員倫理法についてのお尋ねでありました。
 さきの国会におきまして、議員立法として国家公務員倫理法案を御提案いただいているところでありまして、その早期成立を期待いたしております。法律が成立した暁には、その適正な運用に万全を期し、もって国民の信頼回復に努めてまいる所存でございます。
 また、国会における虚偽の答弁についてでございますが、いやしくも国権の最高機関たる国会における答弁は誠実に行うべきものであり、虚偽の答弁はあってはならないものと考えております。
 なお、議院証言法に規定されている、証人としての発言に関する規定は、国会での答弁には当てはまるものではないと考えております。
 政治腐敗防止法、政治倫理法についてもお尋ねがございました。
 国会議員のあっせん利得行為等を処罰する罪の新設を含む立法措置につきましては、自由民主党等におきましても議論が行われてきたものと承知いたしております。政府といたしましては、各党各会派で十分御議論をいただくことが基本であると考えており、その結果を踏まえ、適切に対処いたしてまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣中村正三郎君登壇〕
#29
○国務大臣(中村正三郎君) 保坂議員にお答えいたします。
 まず、組織を挙げての不正と証拠隠滅については、組織犯罪として厳正に処罰されるべきではないかとの御質問がございました。
 お尋ねの背任事件については、現在、東京地方検察庁におきまして所要の捜査を進めているところであり、適切に捜査、処理がなされるものと考えております。
 次に、防衛庁の主張に関する御質問がありましたが、これは、現に捜査中の事件にかかわっての事柄でありますので、法務大臣として所見を申し上げるべき性格のものではないと考えておりますが、なお申し添えますと、検察官は、刑事訴訟法二百四十八条により「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」ものとされておりますので、念のために申し添えさせていただきます。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#30
○国務大臣(額賀福志郎君) お答えをいたします。
 保坂委員の御質問でございますけれども、最初に、防衛庁の姿勢についてのお尋ねでございました。
 いわゆる四社事案に関連しての、調達実施本部において組織的に証拠隠滅を行っていたとの報道がなされたところであり、そのような疑いが持たれたことにつきまして、私どもは大変深刻に受けとめております。信頼を失わしめたことに対し、一日も早く信頼回復を図るために全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 防衛庁といたしましては、できるだけみずからの力で事実関係を明らかにしていくことが、国民の信頼を回復することにつながると思っております。国民の皆さん方のさまざまな御意見や御批判を謙虚に受けとめて、防衛庁の新たなあり方を探ってまいりたいと思っております。
 検察当局に対する防衛庁の姿勢についてのお尋ねでありますが、東洋通信機事案に関して、防衛庁といたしましては、検察当局の捜査に全面的に協力をいたしていきたいと思っております。検察当局の推移を見守っていく考え方であります。
 また、背任容疑に対する防衛庁の対応についてのお尋ねでございますけれども、防衛庁といたしましては、検察当局の捜査に、先ほども言いましたように、全面的に協力をしてまいりたいと考えております。今後の捜査の推移を見守ると同時に、本件事案が発生したことを厳粛に受けとめまして、我々、組織を挙げて国民の信頼回復に全力を尽くしてまいる覚悟であります。
 以上であります。(拍手)
#31
○副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#32
○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十四分散会

ソース: 国立国会図書館
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