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1998/09/24 第143回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第143回国会 本会議 第13号
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1998/09/24 第143回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第143回国会 本会議 第13号

#1
第143回国会 本会議 第13号
平成十年九月二十四日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十号
  平成十年九月二十四日
    午後一時開議
 第一 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
     ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
小渕内閣総理大臣の国際連合第五十三回総会及び日米首脳会談出席等に関する報告及び質疑

    午後一時四分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長古賀正浩君。
    〔古賀正浩君登壇〕
#4
○古賀正浩君 ただいま議題となりました法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における金融環境の変化に対応し、中小企業者に対する事業資金の融通の一層の円滑化を図るため、去る八月二十八日に閣議決定されました中小企業等貸し渋り対策大綱を踏まえ、中小企業信用保険について、無担保保険の付保限度額を三千五百万円から五千万円に、特別小口保険の付保限度額を七百五十万円から一千万円に、それぞれ引き上げるものであります。
 本案は、去る九月十六日本委員会に付託され、同月十八日与謝野通商産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、直ちに金融安定化に関する特別委員会との連合審査を行いました。そして、同日本委員会において質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 内閣総理大臣の発言(国際連合第五十三回総会及び日米首脳会談出席等に関する報告)
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 内閣総理大臣から、国際連合第五十三回総会及び日米首脳会談出席等に関する報告について発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣小渕恵三君。
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#8
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 私は、二十日から二十二日までニューヨークを訪問し、第五十三回国連総会におきまして一般討論演説を行うとともに、クリントン米大統領、ブレア英首相との二国間会談を行ったほか、オペルティ国連総会議長やアナン国連事務総長とも会談いたしました。
 二十一日に行った国連演説では、冷戦後、国際社会が直面する課題として、二十一世紀に向けての新しい国際秩序をいかにして構築するかという観点から、相互に関連する三つの問題、すなわち平和及び開発への取り組み、並びにこれらの取り組みに必要不可欠な国連の改革への取り組みを同時に推進することを訴えました。
 平和の問題につきましては、核不拡散体制の強化や核軍縮の推進、対人地雷や小火器の問題等に一層の役割を果たしていくとの決意を述べ、この関連で、平和維持活動等に従事する国際機関の要員の安全確保のために百万ドルを目途に拠出することを表明いたしました。
 また、紛争の根底にある貧困を初めとする経済社会問題に総合的に対処することが必要不可欠であり、開発の問題にも一層貢献していく考えを表明いたしました。
 さらに、改革に関しては、これら平和と開発の問題につき実効性ある対処を行っていくためには、普遍的国際機関である国連の機能強化が必要不可欠であり、特に、今次会期中に安保理改革の枠組みに合意するよう、加盟国の政治的決断を要請いたしました。
 二十二日には、クリントン大統領と三時間余にわたり初の首脳会談を行いました。極めて和やかな雰囲気の中で、日米関係の重要性を再確認するとともに、今後幅広い事項につき緊密に協議していくことで意見の一致を見、大統領との信頼関係を構築することができたと思います。
 また、クリントン大統領から、来年の前半に米国を公式に訪問するよう招待があり、これをお受けいたしました。
 会談では、厳しい情勢下にある世界経済について、日米両国が相携えて対応することの重要性につき意見が一致いたしましたが、この中で、私より次のことをクリントン大統領に伝えました。
 第一に、金融システム全体の包括的な安定性を揺るがさないとの決意で臨み、早急に一連の法案の成立と具体的実施を図ること、第二に、景気の回復のため、総合経済対策の着実な実施に加え、第二次補正予算の編成、恒久的な減税の実施及び我が国経済の再生のために、今後も適切な措置をとっていくことの重要性、第三に、規制緩和、市場開放の努力を続けることであります。
 クリントン大統領は、こうした私の説明を評価し、内需主導による成長の刺激と金融システムの強化のための、迅速かつ効果的な措置の緊要性を強調いたしました。
 安全保障の問題に関しては、先般の北朝鮮によるミサイルの発射は、日本の安全保障に直接かかわるだけでなく、北東アジアの平和と安定にとって極めて憂慮すべき行為であるとの認識で一致いたしました。また、この関連で、日米安保条約上のコミットメントは確固たるものであることを再確認いたしました。
 さらに、ロシア、中国等の国際情勢や、コンピューター二〇〇〇年問題等、日米間の最近の協力の進展についても話し合いました。
 今後とも、十一月のAPEC非公式首脳会議、公式訪米の機会をとらえ、日米間で緊密に政策調整を行っていきたいと思います。
 オペルティ国連総会議長及びアナン国連事務総長との会談では、我が国としては、国連を重視し、引き続き積極的な役割を果たしていくとともに、できる限りの支援を行っていくことを説明し、国連改革の早期実現等につき意見を交換いたしました。
 また、ブレア英首相との会談では、本年春の天皇皇后両陛下の御訪英の成功に象徴される極めて良好な二国間関係をさらに発展させること、また、現下の世界経済問題に対して政治指導者が正面から取り組んでいくことの重要性、国連改革の早期実現に向けて日英が協力していくこと等につき、意見が一致いたしました。
 以上、終わります。(拍手)
     ――――◇―――――
 内閣総理大臣の発言(国際連合第五十三回総会及び日米首脳会談出席等に関する報告)に対する質疑
#9
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中谷元君。
    〔中谷元君登壇〕
#10
○中谷元君 自由民主党の中谷元でございます。自由民主党を代表して、質問をさせていただきます。
 今回の訪米において小渕総理は、国連総会で演説し、地域紛争を抑止するためには、平和、開発、国連改革を同時並行で進める新たな国際秩序の枠組みが必要だと提唱いたしました。
 中でも、総理が懸命のリーダーシップを発揮した対人地雷禁止条約は、締結国が四十カ国を超え、一年余りのごく短時間で、来年三月から発効することになりました。この条約は、NGOを中心とする国際連携が多くの国々を動かし、非人道的な兵器の使用禁止を実現した、人類史上特筆すべき条約であり、国連の新たな役割や軍備管理を示唆したものであります。外務大臣当時からこの条約に信念を持って強く行動し、政治決断された小渕総理の世界平和に対する人間的良心に敬意を表するものであります。
 国連改革について、総理は、これからの国連のあるべき姿として、タジキスタンでPKO活動中に亡くなられた故秋野豊助教授の言葉を引用され、踊らされず踊る、国連は何よりも主体性を持っていかなる課題にも正面から取り組むべきだとの主張をされましたが、総理の国連に対する思いと今後の我が国の貢献のあり方、安保理事国入りへの意欲についてお伺いをいたします。
 さて、日米首脳会談において、世界一位、二位の経済大国が、世界経済の安定のために密接に連携することを再確認したことは、最も重要なことだと思います。
 アメリカ経済は、長期のドル高政策によって米国への資金流入が続き、証券市場の活況を支えておりますが、その弊害は、日米貿易不均衡や各国の対外債務をさらに重くしております。国内では、金融業重視で製造、輸出産業は軽視されたままで、ウォール街のことしか考えていないように思えますが、一方では、ドル安やドルバブルの崩壊による世界マネーの大逆流が心配されるところです。
 今回、日米間でどのような経済政策や経済運営が話し合われたのか。IMF等、通貨危機の再発防止を目的とする国際金融システムの見直し作業に積極的にかかわることにも同意されましたが、この構想と今後の対応についてお伺いいたします。
 また、クリントン大統領は、米国を含む多くの国における歴史的経験にかんがみ、日本の金融当局が、存続可能な銀行を、適切な条件のもと十分な額の公的支援によって支援する必要性を強調しましたが、これは大変重要なサジェスチョンだと思います。どこの国でも、金融危機に対しては、金融機関に公的な資本を注入し、失業や連鎖倒産、社会的混乱を未然に防止するのは当然のことであり、預金者保護の公的資金がよくて、どうして借り手を公的に保護することが悪いのでしょうか。
 金融の安定を図りながら、クレジットクランチ、信用逼迫を防止するには、公的資本が極めて重要な役割を果たします。日米首脳会談を受けて、総理は、どのような手法で我が国の金融再生を図るのか、また、訪米中の発言の中には、新しい景気対策の検討も用意しているとありましたが、どのような対策をいつごろ実施するのか、お伺いをいたします。
 次に、安全保障面についてお伺いをいたします。
 先月三十一日の北朝鮮のテポドン弾道ミサイル射撃に対して、日本政府は北朝鮮の軽水炉建設への協力を一時凍結しました。しかるに米国では、米朝会談において、三十万トンの麦の食糧援助やKEDOの早期実施を合意し、今回の日米会談において合意された枠組みやKEDOへの支援を求めてきております。
 我が国へのミサイル発射の抗議に対して、北朝鮮側から何の回答もないままに、KEDOに対する資金援助を行うことは、どう考えても納得ができません。あたかも、日本が北朝鮮に対し怒りや叫び声を上げているのに、同じ安全保障の同盟国であるアメリカはあくびをしているように思えます。
 ミサイル発射について、米国首脳はどう認識をし、どう対処をしようとしているのか、我が国の外交姿勢をお伺いします。
 今回の北朝鮮の行動は、ある意味では、我が国に対する武力による威嚇または外交的挑戦とも考えられます。日米安全保障条約とは、いかなるときに機能し発効するのか。また、今後我が国が攻撃を受けたときに、我が国はどう反撃するのか。いかなるときも米国が確実に日本を支援するという日米安保体制の信頼性は、揺るぎがないものとして認識して、すべて他人任せのままで安心できるのでしょうか。
 日本全土がテポドンミサイルの射程圏内に入った現在において、私は、専守防衛という言葉自体が大きく変質するのは当然だし、直接国民の生命を脅かす危機に対しては、みずからが責任を持って努力しなければならないと考えますが、政府としての見解をお伺いいたします。
 また、防衛庁にお伺いしますが、2プラス2において、BMD、弾道ミサイル防衛の共同技術研究を実施する方向で作業を進めていくとの表明がありましたが、それは事実でしょうか。
 BMDを日米で共同研究すること自体は、日米の連携の強さを明示するものであり、意義のあることと考えますが、その前に、我が国としての防空システムをいかに整備するのか、偵察衛星、早期警戒衛星を含めた情報収集衛星をいかに保持するかなど、総合的に検討する必要があると考えますが、その検討は進んでいるのでしょうか。
 最後に、今回の2プラス2や日米防衛首脳会議において、ガイドラインの実効性を確保するために必要なすべての措置をとるということが確認されましたが、政府は、今後、日米間でどのような連携を図っていくのか。また、今回の北朝鮮ミサイル発射などを教訓として、昭和五十年代に検討された有事法制検討を再開し、有事における対米支援、有事ACSAや、防空体制を含めた有事以前の段階での自衛隊の役割、法的根拠の検討なども真剣に行う必要があるのではないかと思いますが、政府の日本有事法制の整備に対する姿勢と見解をお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 中谷元議員にお答えいたします。
 まず、国連への思いと今後の我が国の貢献のあり方、我が国の安全保障理事会常任理事国入りの意欲についてお尋ねがございました。
 今回の国連演説でも申し述べましたとおり、冷戦後の国際社会は、二十一世紀に向けて新しい国際秩序をいかに構築するかという観点から、平和と開発への取り組みと、そのための必要な国連の改革を同時に進める必要がありまして、我が国は、そのための国連の努力に率先して参画していく考えであります。
 また、我が国の常任理事国入りの問題につきましては、安保理改革の議論の中で扱われている問題ですが、安保理改革の早期実現に向け、引き続き最大の努力を払っていく考えであります。
 日米首脳会談における経済問題についてお尋ねがありました。
 我が国の経済運営につきまして、私より、第一に、金融システム全体の包括的な安定性を揺るがさないとの決意で、早急に一連の法案の成立と具体的実施を図ること、第二に、景気回復のため、総合経済対策の着実な実施に加えまして、第二次補正予算の編成、恒久的な減税の実施、及び我が国経済の再生のために今後も適切な措置をとっていくことの重要性、第三に、規制緩和、市場開放の努力を続けることを説明いたしました。
 また、世界経済に甚大な影響力を有する日米両国における持続可能な成長と金融の安定のための条件を維持し、あるいはつくっていくことへのコミットメントを強く再確認し、政策協調のための努力を強化していくことに合意をいたしました。
 IMFと通貨危機の再発防止についてお尋ねがありました。
 通貨危機の再発防止に関しては、私はクリントン大統領と国際金融体制を強化することに合意をいたしました。両国の蔵相及び中央銀行総裁に対して、他のG7各国及び主要な新興市場国のカウンターパートと、十月の会合において協力することを要請いたしておるところであります。
 また、危機に陥った国における人道上の必要に対応し、民間及び金融部門の再建のための包括的プログラムを促進する努力を加速するため、国際開発金融機関と並んで協力することとし、我が国は、特にアジアにおいてこのための方策を検討することに合意をいたしました。
 次に、我が国の金融再生をどのように図るかということでございます。
 我が国経済の再生は、アジア、ひいては世界の経済的安定と繁栄にとりまして大きなかぎであると考えており、そのためには、金融システムの全体の包括的安定性を揺るがさないとの決意で臨み、早急に一連の法案の成立と具体的実施を図ることにより、金融の再生を図ってまいります。
 現在の経済情勢の低迷、先行きの不透明には、最終需要の弱さ、不良債権問題、構造的問題という三つの問題があると考えております。政府といたしましては、景気対策につきまして、日本経済を再生するため、まず総合経済対策の実施に全力を挙げることといたしておりますが、あわせて、先ほど申し上げましたように、金融再生に関する法案の早期実現を目指しておるところでございます。
 こうした経済再生の施策等を政治主導のもとでスピーディーに実行することによりまして、一日も早く我が国の経済を回復軌道に乗せるよう努力をいたしてまいりたいと思っております。
 北朝鮮への対応についてお尋ねがありました。
 日米首脳会談におきまして、先般のミサイル発射は、日本のみならず北東アジアの平和と安定にとって、極めて憂慮すべき行為との認識で一致をいたしました。
 KEDOを含む合意された枠組みにつきましては、支持することを確認しつつ、その実施に当たりましては、米国が日本側と密接に協議する旨確認いたしました。我が国は、KEDOへの資金拠出を当面見合わせるとの方針のところ、今後の対応ぶりは、内外の種々の要素を総合的に勘案の上決めていく旨、米国に伝えたところであります。
 日米安保体制についてお尋ねでありました。
 日米首脳会談では、先般の北朝鮮によるミサイル発射は、我が国の安全保障に直接かかわるだけでなく、北東アジアの平和と安定にとり極めて憂慮すべき行為であるとの認識で一致をいたしました。この関連で、我が国及び極東の平和と安全の維持を目的とする日米安保条約上の双方のコミットメントは、確固たるものであることを再確認いたしました。
 次に、我が国に対する攻撃への反撃についてのお尋ねがありました。
 我が国に対して急迫不正の侵害が行われ、その手段として我が国土に対し誘導弾等による攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、例えば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他の手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくのは法理的には自衛の範囲に含まれ可能であると考えていることは、従来国会で明らかにいたしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、我が国として、外交努力に加え、適切な防衛力を保有し、これを効果的に運用し得る態勢を築き、我が国の防衛意思を明示するとともに、日米安保体制を堅持することにより、我が国に対する侵略の未然防止に努めることとしており、この考えには変わりはありません。
 指針の実効性確保についてのお尋ねでありましたが、政府といたしましては、計画についての検討を含む指針のもとでの日米共同の取り組みを、引き続き着実に実施してまいります。また、指針の実効性確保のための法案及び協定を本年四月末に国会に提出いたしましたが、我が国の平和と安全にとって重要なこれらの法案や協定が、早期に国会で審議され、成立または承認されることを期待いたしております。
 政府の日本有事法制の整備についての姿勢と見解についてお尋ねがありました。
 我が国に対する直接侵略が生じた場合には、これに即応して行動し、米国との適切な協力のもと、我が国の防衛力を総合的に運用することによって、極力早期にこれを排除することといたしております。こうした対処を可能とするためには、日ごろから政府としても、御指摘の点も含めまして種々の課題に真剣に取り組み、適切に対処していくことが必要と考えております。
 なお、政府がこれまで行ってきた有事法制研究については、現実に法制化を図ることは高度の政治判断にかかわる問題であり、現在の有事法制研究は立法の準備ではないとの前提が置かれていること等を十分踏まえつつ、さらにその取り扱いについての検討が必要であると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#12
○国務大臣(額賀福志郎君) 中谷議員にお答えをいたします。
 まず、弾道ミサイル防衛の共同技術研究に関する質問でありますけれども、2プラス2におきまして、共同技術研究を実施する方向で作業を進めていくことを表明したところでありますが、これは、共同技術研究を実施する方向性を示し、そのための政府部内での調整を含めた作業を今後進めていくことを示したものであり、政府として共同技術研究に着手することを決定したわけではありません。
 いずれにいたしましても、本件につきましては、我が国の防衛政策上も、日米安保体制の運用上も重要な課題であり、今後適切に対処してまいりたいと考えております。
 また、防空システム等の整備に関するお尋ねでありますけれども、防衛庁といたしましては、弾道ミサイル攻撃などの空からの脅威に対処するための防空システムにつきまして、米国の協力も得ながら総合的な調査研究を実施してきております。
 また、情報収集衛星につきましても、有力な情報収集の手段の一つであることから、防衛庁としては、これまでも各種人工衛星の機能等に関し、技術的な見地から一般的な調査研究を行っているところであります。
 いずれにいたしましても、情報収集衛星につきましては、現在、政府全体でそのあり方を検討しているところであり、防衛庁といたしましても、この検討に適切に協力をしてまいりたいと考えております。
 それから、ガイドラインの実効性確保についてでありますけれども、ただいまの総理の御答弁と同じでありますけれども、指針の実効性確保につきましては、防衛庁といたしましては、本年四月末に国会に提出した指針の実効性確保のための法案等が早期に国会で審議をされまして、成立または承認されることを期待し、引き続き米側とも緊密に協力をしながら、指針のもとで行われる共同の取り組みを着実に実施してまいりたいと考えております。
 また、政府の日本有事法制の整備に対する姿勢でありますけれども、これは総理がお述べになったとおりでございますので、重複しますから割愛させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 鳩山由紀夫君。
    〔鳩山由紀夫君登壇〕
#14
○鳩山由紀夫君 私は、小渕総理の行われた国際連合第五十三回総会及び日米首脳会談出席等に関する報告について、民主党を代表して質問いたします。
 今回行われた小渕総理就任以来初の日米首脳会談は、世界第一位と第二位の経済大国が、世界的な経済の混乱に歯どめをかけるための戦略に合意できるかどうかという意味で、世界じゅうの人々やマーケットから注目をされておりました。しかしながら、ある米国の新聞は、今回の首脳会談を評して、来年前半にまた会うことと、両首脳がお互いをファーストネームで呼ぶことを決めたにすぎず、経済問題は何一つ解決していないと皮肉たっぷりに報じております。我々も、三時間の首脳会談の割には内容が極めて乏しいことに対し、全く納得をしておらないということを、まずもって残念ながら申し上げなければなりません。
 さて、十八日の党首会談において、総理は、長銀問題について、野党三会派の金融再生法案で言う特別公的管理等で対処することを確認なさいました。にもかかわらず、総理の訪米中に、この「等」をめぐって解釈の違いというか、銀行業界と不適切な関係にある自民党の一部の幹部による、恐らくは確信犯的な歪曲があったのは、大変残念なことであります。
 単刀直入に言えば、長銀救済のための公的資金投入について、民主党としてはそれをしないということで合意をしたわけでありますが、一部の自民党幹部は長銀に対する公的資本注入を明言なさいました。総理も、ニューヨークでこの問題に触れられ、長銀に公的資金を投入し、破綻させないで住友信託と合併させる旨発言されたと伺っています。
 こうした一連の発言は、さきの合意を踏みにじり、与野党間の信頼関係を損なうものであります。結局、森幹事長が二十二日に統一見解を出され、長銀は現行法のスキームではなく特別公的管理スキームで対処することを確認されてはいますが、総理のニューヨーク発言との食い違いは、完全には埋まっておりません。
 長銀に対して金融機能安定化法に基づく公的資金の投入はすべきではありませんし、長銀に日本リース等の関連会社について債権放棄をさせるべきでもありません。またさらに、長銀は特別公的管理により整理すべきであるという民主党の考え方は、いささかも変わりありません。改めて、この間の経緯も含めて、総理の御見解を伺います。(拍手)
 また、いわゆる財金分離の完全実施と金融行政の一元化についても党首会談で合意しましたが、これについても、金融危機管理・破綻処理部門は大蔵省に残すといった発言が与党幹部の間から聞かれました。この点については、先日の森幹事長の見解では触れられておりません。あわせて、総理の明確な御説明を求めます。
 次に、日米首脳会談における金融システム安定化に関する議論についてお尋ねをいたします。
 クリントン大統領は、存続可能な銀行を適切な条件のもとで十分な額の公的資金で支援する必要があると発言されたと報道されています。また、サマーズ財務副長官も、公的資金の投入は不可欠だとの認識を示しながらも、安直な銀行救済にならないように慎重に注入する必要があるとの条件をつけておられます。
 こうした米国サイドの発言は、決して公的資金による銀行救済のための資本注入を認めているものではないと我々は考えます。総理はどのように理解をされておられるのか、そして米国とはどのような議論をなさったのか、説明を求めます。
 続いて、北朝鮮のミサイル発射が、日本の安全保障及び北東アジアの平和と安定に極めて憂慮すべき行為との日米首脳間の認識については、我々としても同じく思いを共有するものであります。北朝鮮が発射した物体のいかんにかかわらず、北朝鮮のミサイルが日本の安全保障にとって重大な要素であることは言をまちません。
 このミサイルに対する抑止、抑止といっても軍事的なものばかりではなく外交的なものも含まれるわけでありますが、この抑止を日本政府としてどのように考えておられるのか、総理のお考えを伺います。
 関連をして、朝鮮半島エネルギー開発機構、いわゆるKEDOへの拠出問題に対する対応について、基本的な考え方を説明いただきたい。
 ところで、去る二十日、日米安全保障協議委員会は、弾道ミサイル防衛、BMD構想に関して、調査段階から格上げをして、共同技術研究を実施する方向で作業を進めていく旨を合意しています。
 BMDあるいはTMDでミサイルの脅威に対する防衛措置を考えることは、非常に重要なことだと思っておりますが、BMDにはまだ、予算上の問題だけでなく、技術的信頼性、外交、軍事関係への影響など、検討すべき課題が山積をしています。国会等での議論もなく、北朝鮮のミサイルまたは人工衛星発射直後の混乱の中で、2プラス2における事実上の合意を行ったことについては、いささか早計の感を免れません。
 今回の2プラス2合意の背景及びBMD日米共同技術研究に対する政府の見解と、共同技術研究の正式合意に至るまでの今後の国内的手続を、この際、総理の口から明らかにしていただきたい。
 また、こうした重大な安全保障上の問題に取り組むためには、防衛庁、自衛隊の組織がしっかりしていることと、それに対する国民の信頼が確立されていることが大前提であります。この際、今般の防衛庁部品調達にかかわる背任事件の責任を、防衛庁のトップである長官の更迭によって明らかにすべきではないかと考えます。この点について、総理の見解を求めます。(拍手)
 次に、総理は首脳会談で、日米特別行動委員会、いわゆるSACO最終報告の内容が依然実現していないことを遺憾に思うと述べられたようであります。沖縄米軍基地の整理、縮小、移転問題については、橋本前総理のもとで地元沖縄県の理解を求めることに失敗をし、むしろ中央政府と沖縄県あるいは沖縄県民との間に溝をつくったまま今日に至っていることこそ、大変残念なことであります。
 まず、総理、就任以来はや二カ月、あなたが総理として沖縄基地問題の解決のためにどのようなイニシアチブをとってこられたのか、お聞きをしたいと思います。
 次に、沖縄県とのコミュニケーションを、今後、いつまでに、どのような形で改善しようと考えておられるのか、普天間の代替地として、名護沖のヘリポート以外の代替案の可能性について、県外移転や後方配備も含めて米国と交渉するのかどうか、ぜひ明確な言葉でお答えをいただきたい。
 クリントン大統領と小渕総理は、日米関係ほど重要な二国間関係はないことを確認されておられます。我々も日米関係は日本外交の基軸であると認識をしており、それ自体は非常に結構なことでございます。しかしながら、日本を取り巻く安全保障環境や外交環境は激変しており、日米関係の観点からのみ日本外交を組み立てるのは、いささか無理になってきているのも事実であります。
 例えば、さきの訪中でクリントン大統領は、中国に対して三つのノー政策を従来より明確に表明いたしましたが、米国の対中政策に少なくとも変化の兆しが見られるということは、日本の対外政策にもおのずから重大な影響を及ぼします。首脳会談では、この点についてクリントン大統領とどのような意見交換が行われたのでしょうか、総理にお尋ねをいたします。
 また、日米防衛協力の指針に言う周辺事態についても、事実上米国との協議で決まる以上、米国の外交スタンスによっては、ある紛争や事態が周辺事態になったりならなかったりするわけであります。米中関係の進展が日米ガイドラインに与える影響について、総理の御認識を御説明いただきたいと思います。
 先週、政府・与党は、小渕総理の訪米に合わせて慌ただしく、野党案を基礎とした金融再生法案の修正に合意をいたしました。我々としては、日本経済と世界経済の混乱を防止するために、一刻も早く、我々の考え方をベースに、よりよい金融危機管理策を策定したいと考えて、合意に至ったわけでございます。しかしながら、いわゆるお土産外交的発想によるのではなく、日本国民と世界経済のためにあるべき政策を、日ごろから堂々と議論することこそ、一国の総理に求められる役割でなければなりません。
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 鳩山由紀夫君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#16
○鳩山由紀夫君(続) 私は、かねてから金融問題をいたずらに政局、いわゆる政争の具にすべきではないと申し上げてまいりました。しかしながら、あの党首会談、まさに与野党間の信義が裏切られるようなことになるのであるならば、私どもが好むと好まざるとにかかわらず、政局にならざるを得ません。
 あえて総理に苦言を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 鳩山由紀夫議員にお答え申し上げます。
 長銀問題への対処の方針について、まずお尋ねがございました。
 長銀問題につきましては、今般の与野党合意におきまして、これに適用できる特別公的管理の枠組みを早急に確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされております。政府といたしましては、新法が成立し、新しい利用可能な枠組みのもとで対処することを望んでおります。この具体的な枠組みにつきましては、今後、与野党間の政策責任者間で検討されるものと理解しております。
 いずれにしても、長銀につきましては、住友信託銀行との合併構想が我が国金融システムの安定と国民経済の円滑な運営に資することを強く期待いたしておるところであります。
 財政と金融の分離等に関する問題につきましては、中央省庁等改革の枠組みの中で、金融庁の設置により対処することとし、次期通常国会終了までに必要な法整備を行ってまいる所存でございます。
 金融システム安定化に関する議論についてお尋ねがございましたが、クリントン大統領は、存続可能な銀行を適切な条件のもと、十分な額の公的支援によって支援する必要性を強調され、私は、金融システム全体の包括的な安定性を揺るがさないとの決意で臨んでいると応じたところでございます。
 また、大統領と私は、日本が不良債権処理を加速し、金融に係るディスクロージャーを向上させ、監督体制を強化し、預金者保護を図りつつ金融システムを再建することの重要性について合意いたしました。なお、御指摘のサマーズ財務副長官の発言も、大統領と同様の趣旨を述べたものと承知をいたしております。
 次に、北朝鮮のミサイル発射についてお尋ねがありました。
 これは、日本のみならず、北東アジアの平和と安定にとっても極めて憂慮すべき行為であり、この関連で、日米安保条約上の双方のコミットメントは確固たるものであることを、今般の日米首脳会談でも再確認いたしたところであります。また、あわせて、北朝鮮に対し、これ以上のミサイル発射、開発及び輸出を行わないよう、種々の場において働きかけていく旨確認いたしました。
 KEDOを含む合意された枠組みは、引き続き維持すべきと考えますが、今般の事態を受けまして、KEDOへの資金拠出を当面見合わせるとの方針を現在とっております。今後の対応ぶりにつきましては、内外の種々の要素を総合的に勘案の上、決めていく考え方であります。
 弾道ミサイル防衛に関するお尋ねでありましたが、先般の2プラス2では、BMDの意義等にかんがみ、共同技術研究を実施する方向性を示し、そのための政府部内での調整を含めた作業を今後進めていくことを示したとの報告を受けております。
 いずれにいたしましても、政府といたしまして共同技術研究の着手を決定したわけではなく、今後、本研究を実施する場合の予算に関連する防衛庁の作業等を含め、適切に対処してまいりたいと考えております。
 防衛庁長官の責任についてお尋ねがありました。
 防衛装備品の調達をめぐりまして、国民の信頼を失墜させる事態が生起したことにつきましては、心からおわびいたします。今後、事実関係を徹底的に究明するとともに、再発防止に向け、調達の仕組みの抜本的改善と綱紀の保持に全力で取り組み、国民の信頼を早期に回復することが、防衛庁長官として最大の責務であると考えております。
 沖縄の基地問題についてお尋ねがありました。
 本問題は内閣の重要課題であり、SACOの最終報告の内容を着実に実施することが、問題解決のため必要と考えております。また、前内閣のもと、知事と会う以上は問題解決に資するものにしたいとの国の考えを伝えまして、県より、知事も同じ意向とのお考えが示されたと承知いたしております。私といたしましては、具体的、建設的な話し合いを持つことができればよろしいと考えておるところであります。
 普天間飛行場の返還に必要な代替ヘリポートについてお尋ねがありました。
 これにつきましては、政府といたしましては、海兵隊の運用特性や地元から表明された種々の懸念を念頭に置きながら、あらゆる角度から検討を行った結果、地元に提示した海上へリポート案が最良の選択肢と考えておりますが、これまでの経緯も踏まえつつ、今後、本問題につきましては、県内においてどのような議論がなされていくのか、関心を持って見守りつつ、真摯に取り組んでまいりたいと考えております。
 日米関係と対中政策についてお尋ねがありました。
 混迷する世界経済、北朝鮮への対応といった困難な課題に直面している今日、日米間の緊密な協議、協調がますます重要となっております。さきの首脳会談で、このような認識に基づいて、日米関係の重要性を再確認しつつ、例えば中国との関係につきましても、今後とも緊密に協議していくことで意見の一致を見たところであります。
 新たな指針についてもお尋ねがありました。
 この事態が周辺事態に該当するか否かにつきましては、既に日米両国政府がおのおの主体的に判断いたすことといたしておりまして、また、指針は特定の地域における事態を議論して作成したものでないことは、従来より御説明申し上げておるとおりであり、米国と中国との関係いかんによりまして、指針が影響を受けるということはありません。
 以上をもって、私の答弁とさせていただきます。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(伊藤宗一郎君) 東順治君。
    〔東順治君登壇〕
#19
○東順治君 私は、平和・改革を代表いたしまして、小渕総理大臣及び額賀防衛庁長官に質問をいたします。
 まず第一に、世界経済の立て直しに関して、今回の首脳会談でも重要案件として議論された我が国の経済運営について、質問をいたします。
 今回の会談でクリントン米大統領は、米国を含む多くの国の歴史的経験をかんがみ、日本の金融当局が、存続可能な銀行を適切な条件のもと、十分な額の公的支援によって支援する必要性を強調した。このことに対して、小渕総理は、金融システム全体の包括的な安定性を揺るがさない決意で臨んでいるという旨を応答しております。これは、金融システム安定化のためには、日本長期信用銀行を含めて大手銀行を破綻させない考えを強調したものでしょうか。
 ここで、喫緊の課題である長銀問題について伺います。
 クリントン大統領が強調した存続可能な銀行に、ずばり長銀が含まれるのかどうか、総理の見解を求めます。
 これに関連して、小渕総理は現地での内政懇において、長銀は破綻させないということで合意していると発言をしております。これは、明らかにさきの党首会談の合意と食い違っており、二十二日の自民党森幹事長の発表した統一見解とも相違しております。この点、総理の明確な見解と釈明を伺うものであります。
 次に、一部報道によりますと、総理は、二十二日付の米紙ニューヨーク・タイムズでのインタビュー記事で、世界経済の波乱要因となっている日本の不良債権問題や景気低迷の責任は、迅速な対応を怠った橋本龍太郎前首相や大蔵省のほか、金融機関の経営陣にあると語り、官民がそろって大きな過ちを犯したことが困難な状況をもたらしたとの認識を示し、さらに、日本は迅速な政策転換ができなかったと述べ、景気低迷を深刻化させた橋本前政権の財政構造改革路線と消費税率引き上げに問題があったとの見解を示したと報じられていますけれども、この報道内容は事実なのでしょうか。もし事実であるとすれば、この発言は重大な問題をはらんでおります。
 総理、あなたは、去る八月十八日の本院予算委員会におきまして、堺屋経済企画庁長官の著書「あるべき明日 日本・いま決断のとき」を引用しての、橋本政権下の消費税アップを含む九兆円の増税が失政であったと思うかどうかという質問に対して、当時としてはこの二%アップにつきましてはやむを得なかった、こう考えております、あるいは、橋本内閣の行ってきました政治のすべてについて、これを失政だとは考えておりません、このように答弁をされておられます。
 この質疑の内容と、ニューヨーク・タイムズのインタビュー記事の内容は百八十度異なるものであり、わずか一カ月少々で、橋本政権と消費税アップに対するあなたの認識をがらりとお変えになったのでしょうか。あるいは、米国での発言の方が実は真意だったのでしょうか。そうだとすれば、委員会審議の軽視であり、なおまた、橋本政権下の一閣僚として失政の責任をともにしたあなたの立場にしては、まるで人ごとのような発言で、到底看過することはできません。果たしてどちらの認識が真実なのか、明確なる答弁を求めます。(拍手)
 第三に、いわゆるTMD構想なるものに関してお伺いをいたします。
 日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2の協議後の米側との共同記者会見によりますと、額賀防衛庁長官は、戦域ミサイル防衛構想、いわゆるTMD構想については、共同技術研究を実施する方向で今後作業を進めていくことを合意したと述べ、これまでの調査段階を一歩進めて、日米共同技術研究へと入る旨を強調したと伺っています。
 TMDは、配備するにしても二十年はかかり、仮に開発に成功したとしても、二十年後には北東アジアの軍事的脅威は現在よりも大きくさま変わりして、配備が不必要な状況になっているやもしれない。しかも、配備までに二兆円、三兆円とも言われる巨額な経費がかかるとも言われている。我が国の防衛予算との関係はどうなるのか。また、研究と配備は別と言うが、共同研究に入った後では配備を断るのは難しいのではないかなどなど、このTMD構想については、あいまいな部分が余りにも多過ぎるのが現実であります。
 他方、これに対する我が国周辺国の対応はどうでしょうか。この2プラス2の合意に対して、中国はいち早く反対の声を上げています。中国は、いかなる国であれ、軍事的な優勢を求め、地域の安定を破壊するやり方には反対すると強く反発をしているのでございます。TMDの共同研究が本格化し、将来、技術が台湾に渡るなどすれば、中国保有の弾道ミサイルが威力を失うとの懸念などから警戒を強めているのでありましょう。
 そこで、現時点では、調査の段階から一歩踏み出すには反対であるという立場から、防衛庁長官にお聞きしたい。
 そもそも額賀長官の記者会見での合意という発言からして、それを聞いた日本政府関係者は、発表文書に合意という言葉はなかったので当惑したとも報じられておりますけれども、まず、合意というものが実際にあったのか否か。あったというなら、この合意とは、日本政府として共同研究に着手することを事実上決定したという意味なのかどうか。
 野中官房長官は二十一日の記者会見で、この合意について、共同技術研究を実施する方向を示し、そのことに必要な政府部内の調整を進めていくことを示したもので、政府として共同研究に着手することを決定したという意味ではないと述べているようですが、もしそうであれば、着手を決定していないのに、政府は既に研究費を来年度予算に織り込む方針を固めているではありませんか。一体これはどういうことなのでしょうか。着手を決定せずして、予算に織り込む方針を固められるのでしょうか。防衛庁長官に明確にお答えをいただきたい。
 第四に、北朝鮮のミサイル発射問題に対する我が国の対応に関し、KEDO事業への出資金拠出再開について伺います。
 先般ニューヨークで行われた日米安全保障協議委員会終了後の記者会見において、高村外務大臣は、出資金拠出再開に関し北朝鮮謝罪は絶対条件ではないという旨を発言し、今回の日米首脳会談においても、小渕総理は、北朝鮮の核兵器開発を防止する米朝枠組み合意を支持して、今後日米間で緊密に協議、協力していく旨を表明されました。
 確かに、核不拡散体制を維持する見地から、米朝の枠組み合意を支持し、北朝鮮による核開発を防止する意義は十分に理解できますし、資金協力凍結を続けることが、北朝鮮の核開発再開の口実になるようなことは絶対にあってはなりません。しかし、だからといって、KEDOの事業への出資金拠出は、国民の血税をもって行われることもまた事実でございます。しからば、国民世論の同意を得ずして、その拠出再開に安易に踏み込むことはできないはずです。出資金拠出再開には、少なくとも北朝鮮の誠意ある謝罪が最低の条件ではないのでしょうか。
 にもかかわらず、一部報道によれば、北朝鮮のミサイル発射実験を非難した小渕総理の国連演説に対し、北朝鮮は盗人の論理だと厳しく反論し、日本は我が国の衛星打ち上げが平和と安全への脅威だとし、事前通告がなかったと批判するが、日本は過去に衛星打ち上げを我が国に通告したことはない、日本の衛星打ち上げは平和と安全への脅威ではないのかと、開き直りとも言える主張をして、さらに、ミサイル発射が正当な主権行為であり、日本の敵対行動に対しては報復すると警告したとあります。
 もとより、我が国の衛星打ち上げについては、運輸省を通じて、シカゴ条約等にのっとり、空路、海路の両面の安全確保のため、全世界に向け衛星打ち上げの事実を事前通告しております。この義務を怠った事実は一度もないのであります。
 北朝鮮とは、事ほどさように大変な難しい国です。国交もありません。しかし、だからこそ、なおさらのこと、米朝協議の行く末を目安にするのみではなくて、一方で、我が国自身が直接北朝鮮に対して誠意ある態度、謝罪というものを求めるあらゆる努力を懸命になすべきなのではないでしょうか。しかし、現状では、残念ながら日本の顔の見える外交が感じられません。
 このKEDO事業への出資金拠出再開の問題は、日本外交のかなえの軽重を問われている重大な問題だと私は認識をしております。私は、決して感情論ではなくて、当たり前のことを当たり前に申し述べているつもりでございます。
 最後に、この点についての小渕総理の御所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#20
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 東順治議員にお答え申し上げます。
 金融システムの安定化につきましてお尋ねがありました。
 金融機関の破綻が経済に対して与える悪影響やコストも踏まえ、適切に対処していくことが重要であり、いずれにいたしましても、金融システム全体の包括的安定性を揺るがさないとの決意で臨んでまいりたいと思っております。
 クリントン大統領が強調いたしました存続可能な銀行に長銀が含まれるかとのお尋ねでありましたが、首脳会談におきましては、長銀問題を含めまして、個別の銀行の話は行われませんでした。
 長銀問題の取り扱いについてお尋ねですが、長銀問題につきましては、今般の与野党合意におきまして、これに適用できる特別公的管理の枠組みを早急に確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされております。政府といたしましては、新法が成立し、新しい利用可能な枠組みのもとで対処することを望んでおります。この具体的な枠組みにつきましては、今後、与野党間の政策責任者間で検討されるものと理解しております。
 いずれにしても、長銀につきましては、住友信託銀行との合併構想が我が国金融システムの安定と国民経済の円滑な運営に資することを強く期待いたしております。
 次に、二十二日付の米紙ニューヨーク・タイムズにおきまして、私自身、インタビューをいたしましたことの記事につきましてお尋ねがございました。
 すなわち、前政権の財政構造改革路線と消費税率の引き上げに問題があったのではないか、その見解を示した、こう言われておりますが、私は、橋本内閣における財政構造改革や消費税への取り組みにつきまして、従来から国会におきまして答弁を申し上げている認識といささかも変わるものがありません、そのように申し上げたところでございます。
 なお、私自身、政治家としてのことをお尋ねがありましたから、私自身も、かつて本院の、衆議院の大蔵委員長の任に当たりました。折しも、日本におきまして銀行法の改正の問題がございました。私は、米国にも赴きまして、当時の状況につきまして勉強をさせていただきました折、日本におきましても、特にディスクロージャーの問題につきましては、一日も早くこれをSEC基準等によりまして開示することなくしては、金融機関の信頼が得られないということを考えておりましたが、大変微力ながら、当時の国会におきましてこのことを貫き通すことができなくて、今日の長きにわたって、その後の経過の中で、金融機関自身がディスクロージャーの問題について十分な開示がされないままに存在し、かつ今日の大きな不良債権問題を惹起したことを思いますと、私としては、政治家としての責任はみずから考えておる旨は申し述べたところでございますが、申し上げたように、橋本内閣並びに消費税の問題等につきましてはコメントをいたしておりません。
 次に、KEDOに関するお尋ねでございましたが、資金拠出につきましては、内外のさまざまな要素を総合的に判断した上で、米韓両国と協議をしながら、対応ぶりを決めたいと考えております。
 北朝鮮に対しては、先般のミサイル発射に関し遺憾の意を直接伝達いたしましたが、北朝鮮側は誠意ある回答を示しておりません。今後とも、議員の御指摘も踏まえながら、効果的な方法を考え、関係国とも協力し、あらゆる努力を傾注してまいりたいと思いますが、御指摘にありましたように、国連におきましても、加盟国でございますので、北朝鮮に対して、我が政府としてもあらゆる意味で強くアプローチをいたしておるところでございますが、残念ながら、今日まで何らの回答を得られておらないということでございます。
 しかしながら、あくまでも粘り強く、政府といたしましては、議員の貴重な御意見も踏まえながら、今後ともさらなる努力を傾注いたし、北朝鮮との関係の、将来におきましては究極の正常化のために努力をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上申し述べましたが、残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕
#21
○国務大臣(額賀福志郎君) 東先生の御質問にお答えをいたします。
 弾道ミサイル防衛の共同技術研究に関する御質問でありましたが、私が共同記者会見で申し上げましたのは、政府として共同技術研究に着手することを決定したわけではないが、共同技術研究を実施する方向で作業を進めていくことを示したのであります。したがって、政府としては、共同技術研究に着手することを決定したわけではないのであります。
 防衛庁といたしましては、今後、共同技術研究を実施する場合における予算に関連する防衛庁としての作業等を始める必要があると考えておりまして、御指摘の点についても、今後適切に対応していきたいというふうに考えております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
#22
○副議長(渡部恒三君) 西川太一郎君。
    〔西川太一郎君登壇〕
#23
○西川太一郎君 私は、自由党を代表して、ただいまの小渕総理大臣の報告に関して質問をいたします。
 小渕総理は、外務大臣時代にはクリントン大統領との会談を行っていないことと伺っており、今回の日米首脳会談は、文字どおり、初顔合わせでありました。
 日米両国は、世界第一位、第二位の経済大国であり、安全保障の上でも重要な同盟国であります。クリントン大統領が日米関係は二国間関係で最も重要だと語っていたように、双方がそれぞれ十分に意思の疎通を図りながら対外的な役割を果たすことは、両国にとっての利益だけではなく、世界にとって大きな意味を持つものであります。それが世界に対する責任でもあります。
 折あたかも、世界経済はデフレの危機に直面しており、それを回避するために日米両国がどのようなリーダーシップを発揮するのか。また、核不拡散問題や環境、エネルギー、アジア経済危機、犯罪など、国際的な諸問題にどのように取り組んでいくのか。この会談を、両国民のみならず、世界は注目して見守っていたはずであります。
 ところが、今回の会談は、政府・与党が、野党とも十分話し合いをつけないまま、訪米に合わせて金融問題の結論を出すかのような対応に終始した結果、ニューヨーク・タイムズに金融問題では成果はなかったと報道されるように、何の収穫もない残念な結果に終わってしまったと言わざるを得ません。
 問題の焦点が日本の経済危機に絞られ、アジアの金融危機が始まって以来、日本の景気回復のおくれを批判し続けてきた米国に対して、小渕総理からは、内需拡大による日本経済の景気回復を実現するために全力を挙げるという抽象的な意気込みだけが伝えられ、それに米国側が理解を示したというだけの、何の益もない会談に終わってしまったのではないでしょうか。経済危機克服を初めとする、世界が直面している共通のテーマについて、両首脳が世界に向けたメッセージを共同文書として発表するということもありませんでした。
 総理は、出発前に、世界的な不況の中で、世界経済全体をその不安から解消して、しっかり好転させなければいけない、率直に話し合いたいと言っておられましたが、今回の会談で世界経済の不安が解消されたとお考えなのか、率直な御感想をまずお聞かせいただきたいのであります。
 また、会談の中で総理は、我が国の経済、景気対策に関して、今後さらに適切なあらゆる手段を講ずることについて理解を得たところだと述べたと伝えられていますが、それはどのような手段なのか。
 恒久的減税の実行や、補正予算と来年度予算を一体的に運用するいわゆる十五カ月予算の編成、総理の諮問機関である経済戦略会議が年末までに景気てこ入れ策をまとめるという、これまで言ってこられたことのほかにも新たな対策を講ずるということなのか。そうであるならば、それはどのような対策なのか、国民に具体的にお示しいただきたいのであります。
 次に、いわゆる長銀問題について伺います。
 小渕総理は、訪米前、野党三会派と個別に会談をし、長銀問題は特別公的管理等によって対処するといたしました。自民党首脳は、我々自由党との会談において、長銀の関連ノンバンクに対する債権放棄は合併契約に盛り込まれているものでありやめさせることはできない、合併前資本注入は十三兆円スキームが廃止された場合でも新しいものを用意したいとし、極めてあいまいもことした内容に終始していたため、我々自由党は賛否を留保したのであります。
 しかるに、総理はその後、訪米途上の専用機内において、大手銀行は破綻させないとし、自民党首脳も、長銀はできる限り健全な形で住友信託銀行と合併できるよう誘導措置をしたいと述べ、従来の方針どおり、十三兆円のスキームを利用して長銀を救済した上で、合併を強行させようとしていることが明らかになったのであります。自由党は、党首会談におけるいわゆる玉虫色の合意内容がきっと修正協議の障害になると予測していましたが、全くそのとおりの事態になったのであります。
 そこで、小渕総理に伺います。
 第一に、日本長期信用銀行はどのようにされるおつもりでしょうか。方法論はともかく、公的資金により救済されるのですか、それとも清算されるのですか。明確にお答えをいただきたいのであります。
 第二に、小渕総理は、この長銀問題に関して、アメリカ向けと日本向けと、自民党内向けと野党向けという幾つもの顔を持っておられるではありませんか。なぜ使い分けておられるのか、その真意を伺いたいのであります。
 第三の質問は、なぜ長銀救済にそこまでこだわられるのですか。何としても長銀を助けなければならない特別の理由でもあるのですか。
 第四に、規模が大きい、国際的影響が大きいと言われるが、国際的影響が大きいものはすべて公的資金で救済するおつもりですか。
 第五に、自民党政府の失政、無策によって中小企業はばたばたと倒産し、それに伴う失業と自殺の増加は目を覆うばかりであります。規模が大きいからといって救済するのは、余りにもアンフェアであると思われませんか。
 第六に、長銀の関連ノンバンクに対する債権放棄は従来どおり進められるのですか。株主責任、経営責任と並んで忘れてはならないものに、借り手責任があります。長銀の債権放棄による損失を税金により穴埋めするなら、これは日本列島総モラルハザードを招きかねません。
 第七に、早期健全化スキームと称して、金融機関救済のために税金投入する道を開こうとしているのではないですか。
 第八に、クリントン大統領が、存続可能な金融機関に公的資金投入を求めたとの報道がありますが、これは事実ですか。
 第九に、総理は、長銀がクリントン大統領の言うところの存続可能な金融機関であるとお考えですか。
 そして最後に、総理は、アメリカに対して長銀への公的資金投入を約束してきたのですか、していないのですか。もし約束してきたのであれば、野党三党への合意との整合性はどのようにとるおつもりですか。
 以上十項目について、小渕総理の明確な答弁を求めます。
 次に、北朝鮮問題について伺います。
 今回の首脳会談で、北朝鮮がこれ以上のミサイルの発射、開発、輸出を行わないよう働きかけていくことを日米両国が確認したことは当然であると考えますが、北朝鮮に対しては、食糧支援や朝鮮半島エネルギー開発機構、いわゆるKEDOによる軽水炉建設など米朝関係の改善に前向きな米国と、KEDOに対する資金協力の凍結など制裁措置を継続している日本では、考え方に開きがあり、この食い違いを解消する努力が今回の会談の重要な意義でなければならなかったと考えるものであります。
 そこでお尋ねいたしますが、小渕総理は、米国国務省が北朝鮮に対して三十万トンの食糧援助を追加実施すると発表したことについて、どのような認識を示されたのか。話題にもされなかったのか。また、我が国が実施しているKEDOの軽水炉支援の凍結解除には、北朝鮮の謝罪、ミサイル技術の拡散防止、地下施設の査察など、相応の条件が必要であることをはっきりと大統領に伝えたのか。これらの点について、明快な御答弁をいただきたいのであります。
 次に、いわゆる戦域ミサイル防衛、TMDの問題について伺います。
 日米首脳会談に先立って米国を訪問した額賀防衛庁長官は、米国防総省でコーエン国防長官と会談し、TMD構想の日米共同技術研究を行うと表明し、国内的な手続を開始したいと述べたと伝えられますが、国内的な手続とは具体的に何を指しているのか。TMDに向け踏み出すということは、防衛戦略の練り直しという大きな視点からとらえることが当然必要であると考えますが、TMDの我が国における安全保障上の位置づけについてどのようにお考えになっておられるのか、総理の御所見をお尋ねいたします。
 次に、国連総会での小渕総理の演説に関連して伺います。
 総理は国連演説で、北朝鮮のミサイル発射を強く非難し、地域紛争を防ぐために軍縮の必要性を訴えられた上で、核不拡散について、特に核兵器保有国に対しても核軍縮を一層進めることを要請されました。その趣旨はまことに結構なことでありますが、核保有国の核軍縮については、言うべくしてなかなか実現しないのが現実であり、単に国連で演説するばかりでなく、核兵器を保有する各国に対して具体的に働きかけることが求められているのであります。
 そこで伺いますが、今回の日米首脳会談において、米国に対してこの問題で何か働きかけをされたのか。また、十一月にそれぞれ予定されている総理のロシア公式訪問や江沢民中国国家主席の日本訪問の際にも、核軍縮について要請されるおつもりなのか、小渕総理の御答弁をいただきたいのであります。
 冒頭述べましたように、日米関係は最も重要な二国間関係であり、その関係強化が我が国にとって最大の国益であると言っても過言ではありません。昨年十月に総理府が実施した外交に関する世論調査によれば、日米関係を良好と考えているという答えは七一%にも達しております。また、本年四月に外務省が米国民を対象に行った対日世論調査でも、一般市民で六〇%、有識者で八九%が、日本は信頼できる友好国であると認識しております。
 このような両国民の相互信頼がますます確固たるものとなり、日米両国が世界の平和と繁栄に貢献していくことができるよう、私ども自由党も精いっぱい努力することを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#24
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 西川太一郎議員にお答え申し上げます。
 今般の日米首脳会談と世界経済についてお尋ねがありました。
 会談におきましては、世界経済に甚大な影響力を有する日米両国における持続可能な成長と金融の安定のための条件を維持し、あるいはつくっていくことへのコミットメントを再確認いたしまして、政策協調のための努力を強化していくことに合意をいたしました。また、私より、我が国経済の早期回復を確保し、持続可能な成長に乗せていくための努力と、適切な措置をとる意図を説明いたしました。これらの我が国の施策は、米国側の諸努力と相まって、現下の世界経済に建設的な寄与を行うものと確信いたしたところであります。
 私は、日米首脳会談におきまして、日本経済の早期の回復を確保し、日本経済の減退を反転させ、強力かつ持続可能な成長に確実に乗せていくための努力と適切な措置をとる意図を大統領に説明いたしました。具体的には、政府といたしまして、日本経済を再生させるため、まず総合経済対策の実施に全力を挙げることといたしておりまして、あわせて、金融再生に関する法案の早期の実現を目指しておることを申し上げました。
 その上で、一刻も早い景気回復を図るため、平成十一年度に向け切れ目なく施策を実施するため、事業規模十兆円を超える第二次補正予算と平成十一年度予算を一体のものとして編成することとしており、また税制につきましても、我が国の将来を見据えた、より望ましい制度の構築に向け、抜本的な見直しを展望しつつ、景気に配慮し、六兆円を相当上回る程度の恒久的減税を実施してまいることを申し上げました。我が国経済の再生のため、今後とも適切な措置をとっていくことが重要であると考えております。
 長銀問題についてお尋ねがありました。
 長銀問題につきましては、今般の与野党合意におきまして、これに適用できる特別公的管理の枠組みを早急に確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされております。政府としては、新法が成立し、新しい利用可能な枠組みのもとで対処することを望んでおります。この具体的な枠組みにつきましては、今後、与野党間の政策責任者間で検討されるものと理解しております。
 いずれにしても、長銀につきましては、住友信託銀行との合併構想が我が国金融システムの安定と国民経済の円滑な運営に資することを強く期待いたしております。
 国際的影響が大きい金融機関への対応に関するお尋ねでありました。
 一般的に、大規模で国際的に活動している金融機関が破綻した場合には、国際金融市場や金融システムに大きな混乱が生ずるおそれがあると考えております。政府といたしましては、このような国民経済に重大な事態が発生することを避けるとのかたい決意のもと、我が国金融システムの安定と内外の信認の向上に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 金融機関ばかりを救済するのは不公平ではないかとお尋ねがありました。
 資金は社会の血液であり、その循環をつかさどる金融機関は心臓の役割を担っておるため、部分の破綻が金融システム全体の危機を招くおそれがあります。政府といたしましては、個別金融機関の救済ではなく、金融システム全体の包括的な安定性を揺るがさないとの決意で臨んでおるところでございます。
 長銀の関連ノンバンク向けの債権放棄につきお尋ねがありました。
 長銀問題につきましては、これに適用できる特別公的管理の枠組みを早急に確定し、新しい法律で規定した上で対処することとし、関連ノンバンク向け債権を含む長銀の不良債権処理につきましては、新法の新しい利用可能な枠組みのもとで対処されることを望んでおります。
 金融システムの早期健全化スキームについてお尋ねがありました。
 これは、与野党協議を経て、今後、金融機関の過少資本状態の解消等、金融システムの早期健全化スキームについて早急に検討されることとなるものと認識しております。政府としては、具体的な枠組みにつきまして、今後、与野党間で内容の詰めが行われていくことを強く期待いたしております。
 存続可能な我が国の金融機関への公的資金投入に関するクリントン大統領の発言についてでございますが、大統領は、米国の経験にかんがみまして、日本の金融当局が、存続可能な銀行を、適切な条件のもと、十分な額の公的支援によって支援する必要性を強調されました。これに対し、私より、金融システム全体の包括的な安定性を揺るがさないとの決意で臨んでいると応じたところでございます。
 長銀は存続可能な金融機関であるかとのお尋ねでありますが、首脳会談では、長銀問題を含め、個別の話は行っておりません。
 アメリカに対して、長銀への公的資金投入を約束してきたかとのお尋ねでありますが、首脳会談では、長銀問題を含めまして、個別銀行の話は行っておりません。
 なお、長銀問題につきましては、今般の与野党合意において、これに適用できる特別公的管理の枠組みを早急に確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされております。政府としては、新法が成立し、新しい利用可能な枠組みのもとで対処することを望んでおります。この具体的な枠組みにつきましては、今後、与野党の政策責任者間で検討されるものと理解をいたしております。
 次に、米国の対北朝鮮食糧支援の追加実施についてもお尋ねがありました。
 今回の首脳会談におきましては、北朝鮮への対応につきましては、今後、日米間で緊密に協議、協力していくことを確認いたしましたが、御指摘の件につきましては直接取り上げておりません。
 KEDOに関するお尋ねでございますが、今回、私より大統領に対し、我が国として、米朝間における種々の協議の進展、我が国の国内状況等、さまざまな要素を総合的に判断した上で、米韓両国と相談をしながら、対応ぶりを決めたい旨を伝えたところでございます。
 額賀・コーエン両長官の会談での、弾道ミサイル防衛の扱いについてのお尋ねであります。
 御指摘の国内的手続につきましては、共同技術研究を実施する場合の予算に関連する防衛庁としての作業等であると報告を受けております。いずれにせよ、本件は、我が国の防衛政策上も、日米安保体制の運用上も重大な課題であるとの認識をいたしておりまして、今後適切に対処いたしてまいります。
 核軍縮についてお尋ねがありました。
 今般の日米首脳会談では、時間の制約もあり、取り上げられませんでしたが、国連総会での演説で、私は、STARTIIの早期発効及びSTARTIIIの早期交渉開始を含め、すべての核兵器国に対し、一層の核軍縮を要請いたしたところであります。
 私の訪ロや江沢民国家主席の訪日の際の議題は今後検討してまいりますが、核兵器国に対し、一層の核軍縮を引き続き働きかけてまいりたいと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○副議長(渡部恒三君) 佐々木憲昭君。
    〔佐々木憲昭君登壇〕
#26
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、国連総会及び日米首脳会談について総理に質問をいたします。
 初めに、金融問題についてであります。
 第一は、長銀への公的資金の投入についてです。
 総理は、アメリカで、長銀を破綻させずに住友信託銀行と合併させる、破綻していては合併できない、資本注入のスキームはぜひ必要と述べました。これは長銀に対して破綻認定なしで資本注入を行うという従来の方針を重ねて表明したものであり、それが自民党、民主党、平和・改革、三党首の十八日の合意にも反しないという認識を示したものであります。
 それならば、三党首の合意内容は、仮に長銀への公的資金の投入の根拠となる現在の資本注入スキームを廃止したとしても、それにかわるものとして新しい特別公的管理あるいは早期健全化スキームなどで装いを変え、長銀に対してあくまでも公的資金の投入を行おうとするものであることは明らかではありませんか。答弁を求めます。(拍手)
 第二は、十三兆円の資本注入スキームについてであります。
 三党の合意事項の中に「金融機関の過少資本状態の解消等、金融システムの早期健全化スキームを、早急に検討する。」というくだりがあります。これは、現行の金融安定化法を廃止した後でも、新たな資本注入の枠組みをつくって、十三兆円の公的資金投入のスキームを事実上継承しようとするものではありませんか。
 現に総理は、同行記者団との事前の懇談で、日本の大手銀行は絶対に破綻を起こしてはならないし、そのために努力する、米側にもきちんと話をすると述べています。また、日米首脳会談の席上、クリントン大統領は、日本の金融当局が存続可能な銀行を十分な額の公的資金によって支援すべきだと述べ、この点をお互いに確認し合っています。これは極めて重大であります。
 これまでの十三兆円のスキームでは、健全銀行に資本注入することが表看板となっていました。したがって、破綻の蓋然性の高い銀行には資本注入はできないというのが原則だったのであります。ところが、今度は、過少資本状態の解消ということで、不良債権を処理し自己資本が低下した銀行や破綻寸前の銀行にまで、堂々と公的資金を投入できることになるのであります。これでは十三兆円のスキームの大々的な拡大になるではありませんか。答弁を求めます。
 第三は、一般の金融機関からの不良債権の買い取りという新たに持ち込まれた合意内容についてであります。これは健全な金融機関の不良債権を公的資金で買い取るというものであります。この点は、今の金融安定化法にも、提出されている三野党の法案にも、また政府・自民党の金融再生法案にも一切なかった内容であります。一体、どの段階で、どのような理由で、だれが持ち込んだのか、明確に答えていただきたい。
 これは、預金者保護に限定するという十七兆円の枠組みの建前をも真っ向から踏みにじり、銀行救済に大変質させるものであります。これが実行に移されたならば、体力のある大手銀行の不良債権処理にまで、大っぴらに公的資金の投入が広がることになります。今、預金保険機構は、正常債権以外の分類債権すべてを買い取ることになっております。銀行の自己査定で八十兆円から九十兆円あると言われている分類債権を買い取ることになれば、公的資金の投入額は空前の規模になるではありませんか。答弁を求めます。
 次に、ガイドラインとTMD、戦域ミサイル防衛問題についてお聞きをいたします。
 総理は日米首脳会談でガイドライン関連法案の早期成立とTMDの共同研究の着手を約束されたと報道されていますが、これは極めて重大であります。
 ガイドラインはアメリカの無法な軍事干渉に日本を自動的に参戦させる仕組みであり、日本が引き受ける行為は、憲法が禁止した戦争行為そのものであります。しかも、その対象範囲とされる周辺は事実上無限定であり、自衛隊の出動に際し国会の承認を排除するなど、国民主権の原則を真っ向から踏みにじるものであります。ガイドライン関連法案の撤回を強く求めます。
 同時に重大なことは、首脳会談でTMDの共同研究の作業について合意したとされていることであります。これは、宇宙から飛んでくるミサイル弾道を、イージス艦などに配備したミサイルで撃ち落とすものだと説明されています。
 しかし、TMD計画は、今後日本が兆円単位の巨費を投入しても完成する保証もなく、特定国に対する軍事的対抗措置でアジアに新たな軍事的緊張の悪循環をつくり出すだけであります。しかも重大なのは、TMDがクリントン政権の拡散対抗構想の重要な一環をなし、アメリカの挑発的な先制攻撃戦略を軸とした危険な軍事路線を推進するための軍拡計画の一環であり、決して防御的な構想ではないということであります。
 ガイドラインの立法化とTMDへの参加に反対し、憲法の平和原則に基づいた平和外交を積極的に進めることを強く求めるものであります。(拍手)
 最後に、核問題についてお聞きをいたします。
 インドとパキスタンの核実験は、五つの核兵器保有国による核兵器独占体制の矛盾をあらわにいたしました。今こそ、期限を区切って、核兵器廃絶の国際協議の開始、未臨界実験を含むすべての核実験の中止、核兵器の先制的な不使用などの具体的課題に取り組むべきであります。米下院でも、この六月、核兵器全面禁止廃絶条約の早期締結のために多国間交渉を開始することを大統領に求める決議案が、十五名の議員によって共同提案されるという新たな動きもあります。
 ところが小渕総理は、八月十一日、我が党の不破委員長の質問に答え、期限つき核兵器廃絶や核兵器使用禁止の主張は、核兵器国を含む多くの国が受け入れておらず、核兵器国と非核兵器国の対立を助長し、核軍縮の進展を妨げるおそれがあると答弁したのであります。これは極めて重大であります。総理の答弁は、核保有国の意向に反することは何も言うなということと同じではありませんか。
 被爆国の政府として、アメリカなど他の核保有国が賛成しないなら、それを変えるための国際世論を高めていく責任があるのではありませんか。総理は、核兵器保有国が核廃絶条約の早期締結に向けて交渉のテーブルに着くべきだとは全く考えないのか、それを核保有国に向けて訴えるつもりはないのか、明確な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#27
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 佐々木憲昭議員にお答え申し上げます。
 まず、長銀への公的資金投入についてお尋ねでございます。
 長銀問題につきましては、今般の与野党合意におきまして、これに適用できる特別公的管理の枠組みを早急に確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされております。政府としては、新法が成立し、新しい利用可能な枠組みのもとで対処することを望んでおります。この具体的な枠組みにつきましては、今後、与野党間の政策責任者間で検討されるものと理解をいたしております。
 いずれにしても、長銀につきまして、住友信託銀行との合併構想が我が国金融システムの安定と国民生活の円滑な運営に資することを強く期待いたしております。
 金融システムの早期健全化スキームにつきましてお尋ねがありました。
 これまでの与野党協議を経て、今後、金融機関の過少資本状態の解消等、金融システムの早期健全化スキームについて早急に検討されることとなるものと認識をしております。政府としては、具体的な枠組みにつきまして、今後、与野党間で内容の詰めが行われていくことを強く期待いたしております。
 一般の金融機関からの不良債権の買い取りについてのお尋ねがありました。
 我が国金融機関の不良債権を早急かつ集中的に処理するとの観点から、これまでの与野党協議の中で、金融危機管理対策の一つとして出てきた考え方であると承知をいたしております。
 周辺事態安全確保法案に関するお尋ねでありますが、本法案に基づき実施することを想定している活動は、それ自体は武力の行使に該当せず、米軍の武力行使と一体化の問題が生ずることは想定されず、憲法違反であるとの御指摘はいずれも当たりません。本法案は、我が国の平和と安全にとって重要なものであり、早期に国会で審議され、成立されることを期待いたしております。
 弾道ミサイル防衛、BMDについてのお尋ねでありますが、日米首脳会談におきましては、本件の共同研究着手を約束したという事実はありません。いずれにせよ、BMDにつきましては、我が国の防衛政策上も、日米安保体制の運用上も重要な課題と認識いたしておりまして、御指摘のように、特定国に対するものでも、米国の軍拡計画の一環をなすというものでも決してありません。
 核軍縮についてお尋ねがありました。
 核兵器のない世界を実現するためには、具体的措置の積み重ねが不可欠であり、期限つき核廃絶の条約よりも、STARTプロセス等による核兵器削減の推進がより現実的と考えます。そのような立場から、私は今回の国連総会で、核兵器国に対し、核軍縮の一層の推進を呼びかけたところであります。今後とも、国際世論を喚起し、着実な核軍縮の推進に努力をしてまいります。
 以上、答弁を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○副議長(渡部恒三君) 深田肇君。
    〔深田肇君登壇〕
#29
○深田肇君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいまの総理大臣の報告と、この場における各党の質問、そしてその総理の答弁を拝聴させていただいた上で、次のことについて質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、国連総会の演説において、小渕総理は、世界各地で頻発している地域紛争の包括的な抑止策の必要性を強調されております。軍備管理・軍縮の推進や発展途上国の経済社会開発を含めた総合的な紛争抑止戦略を確立しなければ、今後、大量破壊兵器の使用を伴う深刻な地域紛争が起きかねないという認識に立ったものとして理解をした上で、その立場からすれば、事後的に対症療法的な紛争処理にいたずらにコストを費やすよりも、紛争の背後にある貧困や社会状況の改善を重視した紛争予防の方策こそを優先すべきだという考え方について、これこそが我が国の平和憲法の理念を世界に普遍化する取り組みの一環として評価するものであります。
 それゆえに、いかに具体策を提起し、実行していくかについて、包括的な紛争抑止戦略の成否はかかっていると言えます。まず、当面どのような課題から平和国家としての日本の役割を果たしていかれようとするのか、お伺いをいたしたいと思います。
 さて、このように、日本が国際社会において果たすべき先導的な任務を鮮明にしたにもかかわらず、先ほど来から多くの質問がありますように、アメリカの戦域ミサイル防衛、いわゆるTMD構想について、共同技術研究に着手したような報道も見えます。きょうの御答弁では、まだ決定していないというお話もありますが、私は、宇宙開発を平和利用に限定した国会決議との整合性や、中国を初めアジアの国々の批判の声が起きることを想定するだけに、国民的な討議が必要と考えるところでございます。
 なぜ、こんなに拙速に決定する必要があるのか。私は、強い不満を覚えながら、この機会に反対の意思を表明しておきたいと思います。
 そこで、仮にTMD構想に拍車をかけるきっかけが朝鮮民主主義人民共和国の言うところの人工衛星発射問題にあったとしても、総理の国連演説の理念に忠実であろうとするならば、国民の理解を求めつつ、朝鮮半島の安定につながる施策などにこそ、日本としてのリーダーシップを発揮すべきではないだろうかと考えているところでございます。
 その意味からいたしますと、今最も急がなければならないことは、まず朝鮮民主主義人民共和国との直接交渉を可能にすることが肝要だと思います。その上で、今回の事態についての日本の見解と立場の違いを率直に伝えて、回答を求めるべきだと考えます。
 最近の両国の関係は、皆様御承知のとおり、大変残念な閉鎖的状況になっているところでございますが、近年の日朝関係は、一九八九年の衆議院予算委員会での当時の社会党村山議員の質問に対する竹下総理の答弁、朝鮮半島の人々への反省という発言を契機にして、自民党の大先輩金丸信先生の訪朝、当時の自民党幹事長小沢一郎先生と社会党土井委員長の訪朝などがあり、金日成主席との会談などを通じまして、加えて、最近では、自民党の森訪朝団、中山訪朝団と続き、一九九五年八月十五日の村山総理の植民地政策への反省にかかわる談話などを通じて、両国間の交流が積み重ねておられたことは、御承知のとおりであります。
 また、国際的に確認されている反核のためのKEDOを初めとする具体的な協力支援活動が進めてこられたことも、御承知のとおりであります。
 さらに言えば、訪日が予定されている韓国の金大中大統領も、南北対話を通じて、和解に向けての積極的な施策を進められていることをあわせ考えるならば、今こそ、総理・総裁の決断によって、アメリカを通じるのではなくて、アメリカに任せるのではなくて、直接、朝鮮民主主義人民共和国に対して、直接交渉の場の設定を呼びかけ、その場で、国会決議の精神を初め、日本側の意思を厳重に伝え、その上で、外交上の討議を行うことが必要だと考えているところでございます。
 尊敬する総理大臣小渕先生、そして野中官房長官の英断を期待するところでございます。
 さて、次に、日米首脳会談の主題である日本経済の再建のあり方について、どのような合意に達したのかについて、少しお尋ねをしておきたいと存じます。
 金融再生問題について多くの時間が割かれたようですが、アメリカ側の言い分としては、つまるところ、国際金融市場に混乱を生じさせないためにも、市場の信認を得る形での金融再生の断行にあったのではないかと思われるところでございます。
 時間の関係がありますから、次に入りますが、先般の総理と土井党首の党首会談でも私どもが指摘してありますように、公的資金の内容、性格については、国民に対して明らかにされて、その投入の目的は預金者保護と健全な借り手の保護であることを鮮明にするとともに、金融機関の情報公開のガイドラインを策定し、銀行にその実態公表をさせることが前提と考えておりますが、いかがでしょうか。
 さらに、融資リスクが高いと言われる中小零細企業への貸し渋りがより進行すると考えるだけに、このような状況を解消する観点から、健全な借り手対策こそ重要と考えておりますが、どのようなお考えでございましょうか。
 最後になりますが、銀行からの政治献金は国民から不信の目で見られていることは、御承知のとおりであります。それだけに、金融システム安定のために必要な公的資金投入でも不信に思われるわけでございますから、そのためには、まず金融機関からの政治献金は禁止すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 経済大国日本の今後について、総理の指導性がどのように発揮されるかをお尋ねいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#30
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 深田肇議員にお答え申し上げます。
 地域紛争の包括的抑止に関する日本の役割についてお尋ねがありました。
 まず、平和への取り組みとして、核軍縮、核不拡散や対人地雷、小火器問題を含む軍備管理・軍縮の推進について努力をいたしてまいります。また、紛争の背景にある貧困などへの取り組みとして、我が国が数年来提唱してまいりました、新たな開発戦略等を推進してまいりたいと思います。さらに、これらの取り組みに必要不可欠な国連改革への早期実現に努力するとともに、これらすべての問題について、国連等での議論において主導的な役割を果たし、積極的に貢献してまいりたいと考えております。
 弾道ミサイル防衛の共同技術研究に関するお尋ねでありました。
 先般の2プラス2では、共同技術研究を実施する方向性を示し、そのための政府部内での調整を含めた作業を今後進めていくことを示したものと報告を受けており、政府として共同技術研究の着手を決定したわけではありません。いずれにしても、本件につきましては、我が国の防衛政策上も、日米安保体制の運用上も重大な課題と認識いたしておりまして、今後適切に対処してまいりたいと考えております。
 北朝鮮のミサイル発射に関してのお話でございました。
 本件は、我が国の安全保障及び北東アジアの平和と安定にとり、極めて、まことに憂慮すべき事態であります。北朝鮮が先般の国連安保理議長による声明を国際社会の一致したメッセージとして真摯に受けとめ、このような行動を繰り返さぬよう、国連総会の演説において求めたところであります。また、北朝鮮に対しても遺憾の意を直接伝達いたしましたが、北朝鮮側からは、残念ながら、誠意ある回答を示されておりません。
 今後とも、北朝鮮への働きかけを含めた外交的努力につきましては、議員の御指摘も踏まえながら、効果的な方法を考え、関係国とも協力しつつ、あらゆる努力を傾注してまいりたいと思っております。
 次に、我が国の金融再生問題と国際金融市場に関する米国の立場についてありましたが、首脳会談におきましては、世界経済に甚大な影響を有する日米両国における持続可能な成長と金融の安定のための条件を維持し、あるいはつくっていくべきことのコミットメントを強く再確認し、政策協調のための努力を強化していくことを合意いたしました。
 公的資金についてお尋ねがありましたが、御指摘のとおり、公的資金の投入は預金者等の保護を図るものであり、個別行の救済を目的とするものではありません。また、金融機関によるディスクロージャーの充実は極めて重要であり、従来からその拡充を促してきたところでございます。
 政治献金についてお尋ねがございました。
 政治活動に関する寄附につきましては、特定の分野、業界を対象とした規制は定められておりませんが、自由民主党は、住専問題等により、都銀、地銀等からの献金を自粛していたところであり、先般、改めて、金融システムの安定のため公的資金が投入されることにかんがみ、過去における借入金の返済に充当するものを除き、銀行業界からの政治献金を自粛することといたしたところでございます。
 以上、私の答弁とさせていただきます。(拍手)
#31
○副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#32
○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会

ソース: 国立国会図書館
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