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1998/10/02 第143回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第143回国会 本会議 第15号
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1998/10/02 第143回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第143回国会 本会議 第15号

#1
第143回国会 本会議 第15号
平成十年十月二日(金曜日)
    ―――――――――――――
  平成十年十月二日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件
 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件
 国会等移転審議会委員任命につき同意を求めるの件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件
 公安審査委員会委員任命につき同意を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央労働委員会委員任命につき同意を求めるの件
 債権管理回収業に関する特別措置法案(保岡興治君外三名提出)
 金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案(保岡興治君外三名提出)
 競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案(保岡興治君外四名提出)
 特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案(保岡興治君外四名提出)
 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案(菅直人君外十二名提出)
 金融再生委員会設置法案(菅直人君外十二名提出)
 預金保険法の一部を改正する法律案(菅直人君外十二名提出)
 金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(菅直人君外十二名提出)

    午後五時三十八分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件
 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件
 国会等移転審議会委員任命につき同意を求めるの件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件
 公安審査委員会委員任命につき同意を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央労働委員会委員任命につき同意を求めるの件
#3
○議長(伊藤宗一郎君) お諮りいたします。
 内閣から、
 科学技術会議議員
 宇宙開発委員会委員
 国会等移転審議会委員
 公害健康被害補償不服審査会委員
 中央更生保護審査会委員
 公安審査委員会委員
 運輸審議会委員
 電波監理審議会委員
 日本放送協会経営委員会委員
 労働保険審査会委員
及び
 中央労働委員会委員に
次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 内閣からの申し出中、
 まず、
 科学技術会議議員に前田勝之助君を、
 国会等移転審議会委員に新井明君、石井進君、石井威望君、石井幹子君、石原信雄君、宇野收君、海老沢勝二君、下河辺淳君、寺田千代乃君、中村桂子君、中村英夫君、野崎幸雄君、濱中昭一郎君、堀江湛君、溝上恵君、宮島洋君、森亘君及び鷲尾悦也君を、
 公安審査委員会委員に大川隆康君及び山崎惠美子君を、
 運輸審議会委員に大堀太千男君、佐々木建成君及び瀧田あゆち君を、
 日本放送協会経営委員会委員に須田寛君及び八島俊章君を、
 中央労働委員会委員に岡部晃三君、諏訪康雄君、花見忠君及び若菜允子君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 宇宙開発委員会委員に澤田茂生君を、
 中央労働委員会委員に谷口隆志君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 国会等移転審議会委員に牧野洋一君を、
 公害健康被害補償不服審査会委員に伊藤卓雄君及び加藤信世君を、
 中央更生保護審査会委員に深澤道子君を、
 電波監理審議会委員に岩男寿美子君を、
 日本放送協会経営委員会委員に宮崎満君を、
 労働保険審査会委員に藤村誠君を、
 中央労働委員会委員に磯部力君、今野浩一郎君、落合誠一君、小野旭君、菊池信男君、菅野和夫君、西田典之君及び横溝正子君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
#7
○岸田文雄君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 保岡興治君外三名提出、債権管理回収業に関する特別措置法案、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案、保岡興治君外四名提出、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案、菅直人君外十二名提出、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案、金融再生委員会設置法案、預金保険法の一部を改正する法律案、金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、右八案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#8
○議長(伊藤宗一郎君) 岸田文雄君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 債権管理回収業に関する特別措置法案(保岡興治君外三名提出)
 金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案(保岡興治君外三名提出)
 競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案(保岡興治君外四名提出)
 特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案(保岡興治君外四名提出)
 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案(菅直人君外十二名提出)
 金融再生委員会設置法案(菅直人君外十二名提出)
 預金保険法の一部を改正する法律案(菅直人君外十二名提出)
 金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(菅直人君外十二名提出)
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 債権管理回収業に関する特別措置法案、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案、金融再生委員会設置法案、預金保険法の一部を改正する法律案、金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、右八案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。金融安定化に関する特別委員長相沢英之君。
    〔相沢英之君登壇〕
#11
○相沢英之君 ただいま議題となりました各案につきまして、金融安定化に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、債権管理回収業に関する特別措置法案について申し上げます。
 本案は、第一に、法務大臣の許可を受けた債権回収会社は、弁護士法の規定にかかわらず、金融機関の有する貸付債権等の一定の金銭債権について、その管理及び回収を行うことができることにしております。
 第二に、債権回収会社の取締役の一名以上に弁護士の選任を義務づけるとともに、暴力団員等の参入等を防止するための措置を講ずるほか、業務を遂行するに当たって相手方を困惑させる等の行為を禁止すること等にしております。
 第三に、法務大臣は、法令に違反するなどした債権回収会社に対し、業務改善命令、許可の取り消し等の処分を行うことができることとするとともに、その業務もしくは財産に関して報告等を命じ、または当該職員に債権回収会社の営業所等に立入検査をさせる等ができることにしております。
 次に、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案について申し上げます。
 本案は、第一に、金融機関等が、その有する根抵当権の担保すべき債権の全部を特定債権回収機関に売却しようとする場合において、債務者に対し、売却する旨及び新たに元本を発生させる意思を有しない旨を書面により通知したときは、民法の定める元本の確定事由に該当するものとみなすことにしております。
 第二に、これにより元本が確定した場合の登記は、根抵当権の移転の登記とともに申請する場合に限り、根抵当権者のみで申請することができることにしております。
 次に、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案について申し上げます。
 本案は、第一に、不当な執行抗告の制限、買い受けの申し出をした差し押さえ債権者のための保全処分の制度等を新設するとともに、執行官等の調査権限を強化することにしております。
 第二に、配当期日の呼び出し状の送達方法の改善等のほか、売却の見込みのない場合の特別の措置を定めることにしております。
 第三に、買い受け人が銀行等から融資を受けた場合の代金納付による登記の嘱託方法を改善し、買い受け人が銀行ローンを活用することができることにしております。
 第四に、根抵当権の担保すべき元本の確定登記について、一定の場合に、根抵当権者のみでこれを申請することができることにしております。
 次に、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案について申し上げます。
 本案は、第一に、執行裁判所は、預金保険機構等の特定債権者が申し立てた特定競売手続について、特定債権者から不動産の現況を明らかにする書面の提出を受けた場合において、相当と認めるときは、現況調査を命じないことができることにしております。
 第二に、執行裁判所は、特定債権者から不動産の評価を記載した書面の提出を受けた場合において、相当と認めるときは、評価人を選任することなく、その書面に記載された評価に基づいて最低売却価額を定めることができることにしております。
 以上の各案につきましては、去る八月二十五日、提出者保岡興治君から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行いましたところ、本日、自由民主党、民主党、平和・改革及び自由党より、債権管理回収業に関する特別措置法案に対し、本案の立法目的として、金融機関等の不良債権処理が喫緊の課題となっている状況に対応するためのものであることを明記すること、取り扱い対象債権につき、原案で規定されていたもののうち、貸金業者が有する貸付債権については、金融機関系列の貸金業者が有する不動産担保つき事業者向け貸付債権に限定することを主な内容とする修正案が、また、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案に対し、金融機関等に保険会社を加えること、特定債権回収機関に住宅金融債権管理機構を加えることを内容とする修正案が、それぞれ提出されました。
 次いで、各案及び両修正案を一括して質疑を行い、これを終了した後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、債権管理回収業に関する特別措置法案及び金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案については、修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも多数をもって可決され、両案は修正議決すべきものと決し、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案及び特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案については、いずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案について申し上げます。
 本案は、第一に、金融機関の破綻処理の原則を定め、金融再生委員会が講ずる金融機関の破綻に対する施策を、平成十三年三月三十一日までに集中的に実施することにしております。
 第二に、金融機関に対して定期的に資産の査定と公表を義務づけることにしております。
 第三に、金融再生委員会は、平成十三年三月三十一日までを限り、金融機関が破綻した場合において、裁判所の認可を受けて、その金融機関に対し、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分をすることができることにしております。
 また、金融再生委員会は、金融整理管財人に対し、資金の貸し付けその他の業務の暫定的な維持継続に係る方針、業務の整理及び合理化に関する方針等に関する計画の作成を命ずることができることにしております。
 なお、金融整理管財人は、管理を命ずる処分のあった日から原則として一年以内に、管理を終了するものとしております。
 第四に、金融再生委員会は、銀行が破綻した場合において、裁判所の認可を受けて、その銀行の特別公的管理の開始を決定することができることとするとともに、預金保険機構が特別公的管理銀行の株式を取得することを決定することにしております。
 特別公的管理銀行は、金融再生委員会の承認を得て定める基準に従って、資金の貸し付けその他の業務を行うこととともに、平成十三年三月三十一日までに、営業の譲渡等により、特別管理を終了することにしております。
 第五に、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律は、廃止することにしております。
 次に、金融再生委員会設置法案について申し上げます。
 本案は、第一に、国家行政組織法第三条第二項の規定に基づき、総理府の外局として、金融再生委員会を設置することにしております。
 第二に、金融再生委員会は、金融制度及び証券取引制度について調査、企画及び立案をするほか、金融機関の破綻に対し必要な措置を講ずるとともに、預金者、投資者等の保護、銀行業、保険業、証券業その他の金融業を営む民間事業者等について検査その他の監督をし、及び証券取引等の公正が確保されるようその監視をすることを主たる任務とすることにしております。
 第三に、金融再生委員会は、委員長及び委員四名をもって組織し、委員長は国務大臣を充て、委員は両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命することにしております。
 第四に、金融再生委員会に、金融監督庁及び株価算定委員会を置くことにしております。
 次に、預金保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、第一に、預金保険機構の出資により整理回収機構を設立し、整理回収機構は、破綻金融機関からその営業を譲り受け、その整理を行うこと及び破綻金融機関からその資産を買い取り、その管理、処分を行うことにしております。
 第二に、整理回収機構は、整理回収銀行及び住宅金融債権管理機構の営業の全部を引き継ぎ、その業務を行うことができることにしております。
 次に、金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について申し上げます。
 本案は、金融再生委員会設置法の施行に伴い必要となる関係法律の整備を図るとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。
 以上の各案につきましては、去る九月四日提出者池田元久君から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行いましたところ、本日、自由民主党、民主党及び平和・改革より、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案に対し、金融整理管財人による管理及び特別公的管理に係る裁判所の認可の規定を削除すること、金融整理管財人による管理の開始事由に当該金融機関の運営が著しく不適切であることを加えること、預金保険機構は、破綻した金融機関の業務を承継させるため、ブリッジバンクを設立できることとすること、金融再生委員会は、銀行がその業務または財産の状況に照らし預金等の払い戻しを停止するおそれが生ずると認める場合にも、特別公的管理の開始の決定ができるものとすること、金融機関等の資産の買い取りに関する緊急措置を講ずることとすることを主な内容とする修正案が、また、金融再生委員会設置法案に対し、金融再生委員会の所掌事務は、現行の金融行政に関する総理府の所掌事務と、金融機関の破綻の処理等に関する事務及び金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関する企画立案事務とすること、金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関する企画立案事務及び預金保険機構の監督に関する事務は、金融再生委員会と大蔵大臣の共管とすること、農水産業協同組合貯金保険機構の監督に関する事務は、金融再生委員会と農林水産大臣及び大蔵大臣の共管とすることを主な内容とする修正案が、また、預金保険法の一部を改正する法律案に対し、住宅金融債権管理機構と整理回収銀行を一体とした株式会社組織として整理回収機構を創設し、その際、住宅金融債権管理機構が整理回収銀行を吸収合併すること、特定合併については、平成十一年四月一日から廃止することを主な内容とする修正案が、また、金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に対し、金融再生委員会設置法案に修正が行われることに伴い、所要の修正を行うことを主な内容とする修正案がそれぞれ提出されました。
 次いで、各案及び各修正案を一括して質疑を行い、これを終了し、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案及び金融再生委員会設置法案の両案について、内閣の意見を聴取した後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、各案は修正議決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 八案につき討論の通告があります。順次これを許します。小池百合子君。
    〔小池百合子君登壇〕
#13
○小池百合子君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました法案のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案を除くすべての法案の原案と修正案に賛成し、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案については、修正案を除く原案に賛成、修正案に反対する立場から討論をいたします。(拍手)
 金融再生についての最大の問題、不良債権についての問題は、そもそも住専処理策の誤りに端を発します。小渕総理をして最大最強の大蔵大臣と言わしめたはずの宮澤蔵相は、審議の場で、あれは農協救済だったとあっさりと認められました。当時、政府・自民党は、住専への公的資金の投入こそが世界の金融システムを守ると豪語されておられたのは、一体何だったのでありましょうか。現実には、金融システムどころか農協の救済さえろくにされず、単に問題を先送りしただけであることが如実に証明されました。
 政府の不良債権処理の見通しの誤りとおくれが今日の金融不安を招いているのは、火を見るよりも明らかであります。本会議場で、委員会の場で、我々が何度も何度も繰り返し指摘してきたように、政府・自民党の金融政策は隠ぺい、場当たり、先送りの連続であり、その失政のツケが今国民に回されているのであります。
 また、政策手順の誤りを指摘しなければなりません。本来、我々が新進党時代より提唱してきましたように、大減税、景気回復、税収増、財政再建、そして減税といったサイクルを選択すべきところを、政府・自民党は意地を張り続け、九兆円の増税、負担増、デフレ予算、景気のさらなる悪化、税収減と、財政再建のかけ声とは裏腹に、財政破綻、悪循環の道を突き進みました。
 ちなみに、本年一月二十日、この本会議場で、私は、これらの失政が我が国を混乱に陥れようとする第三国の陰謀ならともかく、自国政府が胸を張って実施した政策であることが信じられないと指摘いたしました。橋本政権から小渕政権へと顔ぶれが少々入れかわったものの、小渕総理のリーダーシップの欠如で、さらに不信感は募るばかりであります。
 さらなる政策手順の誤りは、政府が不良債権の根本問題に決着をつけないまま、金融ビッグバンに手をつけたことであります。その結果、我が国の金融機関は、世界規模の再編の中での生き残りと不良債権の処理を同時に進めなければならない、極めて困難な局面を迎えました。
 不良債権処理が進まないのは、政府の見通しの誤り、マクロ経済政策の誤りは言うまでもなく、事実上ビッグバンがスタートした今となっては、我が国金融機関の収益性の低さが最大の問題であり、すなわち、金融システムの安定と金融機関の健全化ということにほかなりません。我が国金融機関の体質強化こそが求められているのであります。
 本来、この臨時国会は、我が国の金融システム安定のための議論を行わなければならないはずが、破綻金融機関の処理策のみの議論に終始していることはまことに残念であり、憂慮すべき事態であります。
 預金者は預金保険により全額保護されております。また、決済システムの維持に国や日本銀行が責任を負って、デフォルトを起こさないようにするのは当然であります。借り手は、我々自由党がいち早く提唱したように、中小企業信用保険公庫など信用保証制度の改革で支援することが最も効果的である旨のことは、宮澤大蔵大臣も本日の閣僚懇談会で指摘されておられます。政府は、金融機関が破綻すれば大変なことになると、ただ国民を不安に陥れ、おどすのではなく、金融機関が破綻しても対応は万全であると言っていただきたいのであります。
 自由党は、破綻金融機関の処理方策も大切だが、金融システム安定化策はもっと大切であると一貫して主張してきた唯一の政党であります。政府は、長銀の救済を金融システム安定化策として行うことにこだわり続け、無用の混乱を生じさせました。金融問題を政治問題としてしまったのは、政府・自民党にほかなりません。そして、破綻金融機関をきっぱりと清算させることで、真の金融ビッグバンが実現できるのであります。
 野党三党は、破綻金融機関を整理清算するための法律を提出いたしました。一連の協議を経て、小渕総理の訪米直前、野党三会派は個別の党首会談に臨みました。自由党に対し、小渕総理、自民党首脳は、長銀は特別公的管理等によって対処するとし、長銀の関連ノンバンクに対する債権放棄は合併契約に盛り込まれているものでありやめさせることはできない、合併前資本注入は十三兆円スキームが廃止された場合でも新しいものを用意したいとし、極めてあいまいもことした内容に終始したため、我々自由党は賛否を留保したのであります。
 その後の実務者協議における各党関係者、特に民主党、平和・改革の御努力には心から敬意を表しますが、自民党実務者からの修正案内容説明は、余りにも当初の野党三党案からかけ離れているものであり、もはや別物と言わざるを得ません。
 以下、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案の修正案に反対する理由を申し述べます。
 まず第一に、野党三党案は破綻金融機関の清算整理のための法律であるにもかかわらず、修正案では、破綻を認めないままに特別公的管理に入ることができるとしている点、第二に、野党三党案では、特別公的管理下にある金融機関に対し、金融再生勘定からその業務の実施により生じた損失の補てんを行うことができるとしていたのに加え、預金保険法上の資金援助をも認めている点、第三に、破綻金融機関の処理ではないにもかかわらず、営業の譲り受けまたは株式の譲り受けを行う金融機関に株式引き受けなどの資金援助を行えるとしている点であります。
 つまり、破綻していない金融機関を特別公的管理下に置き、資金を贈与して財務内容を改善させた上、それを譲り受ける金融機関にも資金援助をするということであり、弱体金融機関の救済にほかなりません。事実、自民党の実務者も、生きたまま特別公的管理に入り、きれいになって出ていくと述べておられます。これでは、破綻金融機関を整理清算するという野党三党案の原則から逸脱していると言わざるを得ません。長銀に対する処理を念頭に置いたものだとしか思えないのであります。
 金融再生関連法案をめぐる一連の審議、協議において改めて明らかになったことは、我が国の統治能力、とりわけ小渕総理のリーダーシップの欠如であります。
 バーティゴという航空用語があります。空間識失調症と訳され、宙返りしたり、機体がきりもみ状態になった際に、空間の認識、みずからが上を向いているのか、下を向いて落ちているのかわからなくなる状態を意味します。小渕総理、操縦桿を握っているのは、あくまでも総理、あなたでございます。乗客が不安を抱き、中には気絶している状態で、総理に、操縦桿を握っているのは自分だという意識、そして我が国が直面している危機への認識、そして空間識が欠如しているようでは、絶望的であります。
 政策立案、法案化作業を野党にお任せになり、内閣の延命を図るだけが小渕内閣の方針であるならば、一刻も早く退陣を願いたい。小渕内閣の存続こそが政治空白、いや、我が国にとって大きな障害であります。政権交代こそが最大の景気回復策であることを改めて強く訴えます。
 以上、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案を除くすべての法案の原案と修正案に賛成し、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案については、修正案を除く原案に賛成、修正案に反対する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 小沢鋭仁君。
    〔小沢鋭仁君登壇〕
#15
○小沢鋭仁君 私は、自民党、民主党及び平和・改革を代表して、ただいま議題となりました八案に対し、いずれも賛成の立場から討論を行います。
 本日、東証の終わり値は一万三千二百二十三円でありました。いっときは一万三千円の大台を下回り、一万二千九百七十三円にまで落ち込みました。バブル崩壊後の最安値をきのうまで二日間連続で更新しましたが、本日も力強い反転はできなかったのであります。一方、世界経済のかぎを握るニューヨーク・ダウ平均の一日の終わり値も二百十ドル下げ、二日連続で四百ドルを超す下落となりました。
 ただいま提案されました各法案は、まさにこうした金融・証券、さらには日本経済、世界経済の吹き荒れるあらしのような中で協議をされ、成案を得たものであります。まさに、世界じゅうがいわば息をのんで注目している中で審議が行われ、成案がまとめられました。金融安定化に関する特別委員会委員の皆様及びその他関係者の皆様の、昼夜を分かたぬ御尽力に対し、心から敬意を表したいと思います。
 以下、いわゆる金融再生法案に賛成する理由を申し述べます。
 まず第一に、金融再生法案は、六つの明確な原則により、不良債権問題を先送りせず、二〇〇一年三月までに金融機関の破綻に対する施策を集中的に実施する旨、宣言していることです。
 六つの明確な原則とは、破綻した金融機関の不良債権等の財務内容その他の経営の状況を開示すること、経営の健全性の確保が困難な金融機関を存続させないものとすること、破綻した金融機関の株主及び経営者等の責任を明確にするものとすること、預金者等を保護するものとすること、金融機関の金融仲介機能を維持するものとすること、金融機関の破綻処理に係る費用が最小となるようにすることです。
 これらの原則は、情報開示の徹底、市場原理の尊重、モラルハザードの回避、セーフティーネットの構築、国民負担の最小化という、いずれも重要な要素から成り立っており、我が国金融システムに対する内外の信頼を取り戻すためにも、どれ一つとして欠くことができないものであります。とりわけ、金融機関の安易な延命、救済につながるおそれがあるとして国民の大きな批判を招いた、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律は、本法律案の成立とともに完全に廃止されることになっております。
 第二に、金融機関の破綻が金融システムに与える影響を可能な限り小さくし、信用システムの破綻が起こるのを防ぐため、金融機関の破綻処理スキームとして、三種類の枠組みを用意していることです。
 三種類の枠組みとは、金融整理管財人による管理、公的ブリッジバンク及び特別公的管理のことですが、このうち、特別公的管理は、まさに危機管理対策とも言うべき究極の選択であり、大手銀行の連鎖破綻の危険に対しても対応できるものであります。
 これらの破綻処理スキームは、いずれも存続不可能な金融機関の延命、救済には使われず、その上で、モラルハザードを防ぎつつ金融システムを守ることができます。また、金融機関の規模やその営業地域、分野におけるポジションに応じて三種類の破綻処理スキームを用意することにより、国民負担を最小化することが可能となるのであります。
 第三に、国家行政組織法第三条の規定に基づく金融再生委員会を設置し、金融破綻処理制度及び金融危機管理に関する調査、企画及び立案を所掌することにより、金融機関の破綻に対する施策を金融再生委員会が一元的に実施するのみならず、かねてから懸案となっていた財政と金融の完全分離について、その道筋をつけたことです。民間の英知を金融再生委員会に結集し、財政と金融を分離した新たなシステムのもとで、これまでの密室、裁量、護送船団方式から完全に決別することができるのであります。
 なお、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案に対する修正案とともに提出されている関係法案についても、これまで申し上げた原則にのっとったものであり、不良債権処理を促進するに当たって非常に重要な意義を有するものであることから、あわせて賛成の意を表明するものであります。
 さて、時代をさかのぼって振り返れば、私たちは、昭和恐慌から世界恐慌へとつながった不幸な歴史を持っています。その引き金は金融の破綻でありました。
 東大名誉教授の中村隆英氏は、その著書「昭和史」の中で、当時、野党政友会と結託した枢密院が、いわゆる台湾銀行救済緊急勅令案を否決したことが各銀行の取りつけ騒ぎにつながり、さらに、その後、政友会内閣になったものの、当初は否定していたものと内容は軌を同じくしている台湾銀行救済法案等を、同じ政友会が今度は与党として決定していく政争の政治のプロセスを、ひ弱なデモクラシーと表現しています。
 私たち民主党は、こうした歴史の反省に学びながら、野党とはいえ、単に政府案に反対し、それを否定することによって国民生活を混乱と苦境に追い込むような無責任な態度は、厳に慎みたいと考え、志を同じくする野党の皆さんとともに対案を提出したわけであります。(拍手)
 その後、紆余曲折はありましたが、それを乗り越え、今回、自民党、民主党及び平和・改革の与野党三会派が共同で金融再生法の修正案を提出したことは、さまざまな点で画期的なことだと評価しております。
 その中でも最も注目すべき点は、金融という極めて専門性の強い問題において、与野党の議員が、行政の手をかりることなく、非常に緻密で実効性のある法律案をつくったことであります。この本会議において、同僚各位の御同意によって成立することができますならば、これまでの国会の政策決定において、まさに新たな意思決定プロセスをつくり得たものと自負するところであります。
 ひ弱なデモクラシーを乗り越え、この国会に集う政治家が日本及び世界の経済の難局に当たるならば、必ずや明るい新しい展望が開けるものと確信いたしつつ、改めて同僚各位の御賛同を心からお願い申し上げ、私の賛成討論とさせていただきます。(拍手)
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 佐々木憲昭君。
    〔佐々木憲昭君登壇〕
#17
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、金融再生法案など八法案に対する反対討論を行います。
 まず、私は、我が党などの反対を押し切って、本法案を十分な審議を尽くさず本会議に緊急上程したことに対し、強い抗議を表明するものであります。
 九月十八日の五党の党首会談以降、合意があった自民、民主、平和・改革の三党の間で協議が延々と繰り返され、今日までの二週間、国民と国会は事実上蚊帳の外に置かれてきました。金融安定化特別委員会や正規の理事協議会でも、実質的な協議が行われず、その構成員である自由、共産、社民の三党は協議から除外されてきました。
 加えて本日、急遽提出した修正法案を、わずか二時間の委員会審議で衆議院を通過させようとする問答無用のやり方は、憲政史上に例のない、議会制民主主義破壊の暴挙であると厳しく糾弾せざるを得ません。(拍手)
 二週間にわたり国会審議が形骸化し迷走を続けた理由は、長銀など破綻前の銀行救済のために、当初の政府・自民党の案にも、野党三会派の案にもなかった、さまざまな公的資金投入の仕組みを潜り込ませようとしたことに尽きます。このことに対して、国民の大きな怒りが渦巻いているのは当然ではありませんか。
 第一の問題は、修正によって、破綻前の金融機関に対しても特別公的管理を行うことができる枠組みをつくったことであります。
 金融機能再生緊急措置法案の第三十七条において、「預金等の払戻しを停止するおそれが生ずると認める場合」と、「生ずる」という言葉を加えることによって、金融機関からの申し出や金融再生委員会の決定があれば、破綻前でも特別公的管理に入ることを可能にしたのであります。また、該当する条文からも「破綻した」という言葉を削除してしまいました。
 銀行が債務超過ではなく、したがって破綻していないのなら、預金者の保護も借り手の保護も自力でできるはずであります。長銀の処理に対して、民主党も平和・改革も、破綻している銀行を破綻していないなどと称して対処することを、最も不明朗なやり方と批判していたのであります。この法案は、これまでの主張と全く矛盾するではありませんか。
 第二の問題は、破綻していない銀行の株を、譲渡される受け皿銀行にも資本注入できるようにしたことであります。
 これは、十三兆円の資本注入の枠組みを形を変えて復活させることと同じではありませんか。こうなれば、長銀を引き受ける住友信託銀行のような場合にも資本注入ができるようになってしまいます。断じて認められるものではありません。
 第三の問題は、一般のいわゆる健全な銀行からも不良債権を買い取ることができるようにしたことであります。
 三野党の原案では、日本版RTC、整理回収機構は、破綻した銀行だけからしか不良債権の買い取りができないことになっていました。ところが、今回の修正によって、「金融機関等の資産の買取りに関する業務」として、被管理金融機関、協定承継銀行、特別公的管理銀行の三つのほかに、それ以外の金融機関を加えたのであります。これは、破綻していない銀行、健全な銀行からも不良債権を買い取ることを公然と盛り込んだものであります。
 本年三月の全金融機関の自己査定による不良債権の総額は、第二分類が八十・六兆円、第三分類が六・九兆円となっております。その後の不況の深刻化、金融機関の状況を考えれば、不良債権の額はさらに膨らんでおり、今では、その分類債権の総額は百兆円以上の巨額に上ると言われております。その買い取りを進めるとなれば、投入される税金は空前の規模になってしまうではありませんか。
 また、今国会で成立をねらっている早期健全化スキームは、破綻前の銀行への資本注入の仕組みを温存し、拡大するものであります。これまでの十三兆円枠では、資本注入は健全銀行にしかできませんでした。しかし、この早期健全化スキームは、破綻前の銀行にも、自己資本比率の段階に応じて資本注入や不良債権の買い取りを行えるようにするというものであります。まさに税金の早期自動注入装置ではありませんか。
 以上見てきたように、金融再生関連四法案の修正は、野党案をベースにした修正とはいうものの、長銀処理でも、特別公的管理でも、ブリッジバンクでも、受け皿銀行への資本注入でも、さらに不良債権の買い取りでも、自民党の主張が全面的に取り入れられていることは明らかであります。当初の自民党案にさえなかったような、多面的なルートで大規模に税金を投入する、新たな仕組みを盛り込んでいるのであります。
 実際、自民党の森幹事長は、名を捨て実をとる、実際には大事なところは一つ一つ自民党の主張をきちっと全部入れてありますと発言しております。また、修正協議に加わった自民党の津島雄二議員も、資本注入は野党が最も反対してきた、我々は野党に見事に資本注入を認めさせた、ここまで野党を洗脳できたことを誇りに思っていると述べているではありませんか。
 住専以来繰り返されてきた金融機関への公的資金の投入が、どんな乱脈経営をやっても、いつかは国が税金で面倒を見てくれるという銀行のモラルハザードを助長してきたのであります。今度の修正は、これに一層拍車をかけることになるのであります。
 日本共産党は、不良債権の処理や金融機関の破綻処理のコストは、金融業界が持つべきであるものと考えるものであります。そうしてこそ、金融業界の中に自己規律を生み出すことができ、最も少ないコストで、しかも速やかに対処できるのであります。
 三野党の原案を見る影もなく改ざんし、自民党の意向を丸々盛り込んだ金融再生関連法案の修正案は、毅然として否決する以外にはありません。
 以上で、私の反対討論を終わります。(拍手)
#18
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#19
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、債権管理回収業に関する特別措置法案、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案、金融再生委員会設置法案、預金保険法の一部を改正する法律案及び金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の七案を一括して採決いたします。
 七案中、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案及び特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案の両案の委員長の報告は可決、他の五案の委員長の報告は修正であります。七案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、七案とも委員長報告のとおり議決いたしました。(拍手)
 次に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#22
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三十分散会

ソース: 国立国会図書館
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