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#1
第142回国会 行財政機構及び行政監察に関する調査会 第3号
平成十年五月十一日(月曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         井上  孝君
    理 事
                岡  利定君
                佐々木 満君
                吉川 芳男君
                大森 礼子君
                渡辺 四郎君
                山下 芳生君
    委 員
                石渡 清元君
                亀谷 博昭君
                小山 孝雄君
                武見 敬三君
                宮澤  弘君
                守住 有信君
                小川 勝也君
                萱野  茂君
                藁科 滿治君
                猪熊 重二君
                志苫  裕君
                高橋 令則君
                山田 俊昭君
                堂本 暁子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        和田  征君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○行財政機構及び行政監察に関する調査
 (時代の変化に対応した行政の監査の在り方の
 うち政策等の評価制度に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○会長(井上孝君) ただいまから行財政機構及び行政監察に関する調査会を開会いたします。
 行財政機構及び行政監察に関する調査を議題といたします。
 「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」のうち、政策等の評価制度に関する件について、関係省庁に対する質疑、また参考人からも意見を聴取し質疑を行う等、広範な調査を進めてまいりました。
 本日は、今までの御意見や答弁を整理した「意見整理項目」と称する資料をお手元に配付いたしておりますので、これも御参考にしながら、委員間で自由討議の形で御意見をお述べいただきまして、最終報告に向けた御議論をお願いいたしたいと存じます。
 おおむね二時間程度をめどに自由に御意見をお述べいただきますが、御発言のある方は挙手をしていただきまして、会長の指名を受けて御発言を願います。
 なお、御発言は座ったままで結構でございます。
 それでは、御意見のある方は順次御発言願います。
#3
○岡利定君 それでは、お許しいただきまして、トップを切らせていただきます。
 この調査会で評価の問題を勉強する機会をいただきましたが、政策とか施策を具体的に評価するという段になりますとなかなか難しい問題があるんだなということを感じております。
 参考人で来ていただきました岡山大学の山本参考人が述べられておりますように、評価を行うに当たっては基本的に評価者の主観的要素が常に介在せざるを得ないということを認識しておく必要があるというように述べられております。一つの政策なり施策なりを評価しようとした場合に、評価する者がどの視点に重点を置くか、また受益者をどうみなすかによって異なった評価結果が出てくることがあり得ると思います。
 それを避けるためには客観的で統一的な評価基準というのが必要になるわけでありますが、その基準自体も、どのような評価要素を入れるかによって基準そのものが違ってくるという可能性もあるんじゃないかと考えるわけでございます。
 しかし、いろいろ難しい問題があるにしましても、国民への情報公開、開示が求められている現在では、行政分野における評価制度の充実強化は重要な課題でございます。
 また、参考人からも評価基準の設定や第三者的立場からの評価を国会、立法府が行うことが望ましいという意見が述べられておりますが、国会においても今後何らかの対応が求められると考える次第でございます。
 このような観点から、取りまとめていただきました意見整理項目は、抽象的な表現にとどまっている面がございますけれども、これまでの議論を踏まえた内容でまとめていただいているということの面もございます。評価制度を今後いろいろと検討していかなきゃいかぬということから考えますと、大変重要な項目が並べられておるんじゃないかと思っております。
 具体的な項目についてちょっと述べさせていただきますと、私は評価は行政みずからがまず行うべきであると考えております。各省庁の所管する事業が一番わかっているのは当該省庁でありますし、どういう評価をすればよいかというのを理解しているはずだからでございます。この場合、評価は可能な限り事前、途中、事後の各段階で行われることが必要であります。
 特に、科学技術政策とかあるいは研究開発などは結果が出るまでかなりの長い期間が必要になるわけでございますし、また大規模公共事業は事業完成までに大変長いスパンを要します。このような場合には、途中にということで節目節目に適時適切な評価が行われることが必要ではないかと思っておる次第でございます。
 さらに、行政みずからが行った評価が独善的あるいは我田引水的なものであってはならないということで、第三者的な機関がチェックする必要がございます。
 また、行政は国民のために行われる以上、所管事業に対する評価結果を国民の前に明らかにするとともに、その内容は国民が理解できる内容のものでなければなりません。そこで、この整理項目にあります一番最初の「政策等の評価制度の在り方」のパラグラフの第二項目及び二ページ目にあります「評価のための第三者機関の必要性」については、大変大事な項目としてぜひ入れられるのがいいんじゃないかと思う次第でございます。
 さらに、四の関係でございますけれども、立法府としての評価制度への関与の問題であります。この点についてはどういうかかわりを持つことがよいのか、どこまで立法府がかかわるのか、あるいは行政府が行った評価に係る情報の提供を法律的に義務づけた方がよいのかどうかといった点、もっともっと検討しなければならないことがいっぱい残っておると思いますけれども、整理項目に掲げておりますような程度の内容を本調査会の意見として申し述べておくということは許されるんじゃないかというように思っておるところでございます。
 以上、この整理項目について一言意見を申し上げました。
#4
○亀谷博昭君 今、同委員から今後のまとめ方についての御意見があったんですけれども、私はこの調査会のこれからの進め方について会長のお考えも伺いたいと思いますし、ちょっと意見を述べさせていただきたいと思うんです。
 最終報告に向けてというさっき会長のお話があったようにお聞きしましたが、国会が大変タイトになってきて、この調査会、これからどのくらいの回数開くことができるのか、時間的な疑問も少しあります。そういう意味では、これからきょうの自由討議を踏まえてどんな形の最終報告にしていくのか、いわゆるもう一冊、政策評価に対してのこの間の二回の調査会の大まかな取りまとめが出ておりますけれども、きょうのフリーディスカッション、フリートーキングもこういう形で並べて、これをもって最終報告とするのか、それとも意見はある程度集約していって、今、同委員のお話にもありましたが、できればこれとこれとこれは今後何かの形で進めるべきであるというふうに提案的なものもここに盛り込むのか、その辺の進め方を会長にちょっとお伺いをしたいと思います。
 私としては、ただ並べるだけではなくて、やっぱり少しまとまった意見集約なりあるいは提案的なものがそれに盛り込められればなお結構なのではないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
#5
○会長(井上孝君) 冒頭にごもっともな私に対する質問と存じますが、実は皆さん方も御承知のように、平成七年でしたかこの調査会ができまして、御承知のように長ったらしい名前なんですが、前半の行財政機構というのはその後政府自身が取り上げまして国会に法案まで提出されて、そして衆参両院に行財政機構に関する特別委員会までできたというような状況なものですから、私としては、当初、下半分、行政の監察に関する問題を取り上げたということでございました。
 したがって、前半の行財政機構については、もうこの調査会でやるとおかしくなるんじゃないかという感じがしますので、この問題は済んではいませんし、非常に重要な問題で大切なんですけれども、そのための特別委員会が両院にできたし、法案の審議にも入ってきた、こういう状況を踏まえてこの問題はもう調査会で取り上げる必要はないだろうと思っております。
 それから、後半の行政監察に関しては、ちょうどこの調査会が発足しましてから行政側のいろんな不祥事が続出いたしましたし、またそのために民主党の菅代表を中心とする方々からGAOの、GAOと言ってはいけないんですが、行政監視院の御提案がございましたりして、この調査会の行政監視に関する結論を早めなきゃいかぬということから、皆様方の御協力もいただきまして二年間で実は一応の結論を出してしまいました。参議院の中に第二種常任委員会としてオンブズマン的機能を備えた行政監視委員会をつくるべきだと、こういう提案を調査会として正式に議長に出させていただきました。幸い、国会の皆様方の御賛同を得て、今行われております通常国会の冒頭に行政監視委員会の設置を見まして、既にこの委員会が動き出しておるという状況にございます。
 したがいまして、上半分をやめて、じゃ下で一体何をやるのかということを、ことしの国会の冒頭のこの調査会を開きますときに理事さん方とも御相談をいたしました。
 その結果として、行政監視のために行政の評価というこの手法が手段として、また道具として極めて重要だということで、この一年間はひとつ行政評価について少し掘り下げようではないかということでこの調査会を開き、既に二回にわたって参考人や政府の意見を聴取いたしました。
 したがいまして、私としては、今おっしゃるように会期も非常に迫っておりますし、そこまでできるかどうかという若干の危惧もございますが、手をつけたことでございますし、行政評価について一応の何らかの提案をやっぱりしたいということでございます。ただ勉強するだけじゃなくて、今、岡さんもちょっとおっしゃいましたけれども、できればこの調査会で行政評価はこうあるべきだというような何らかの提案をいたしたいなと思っております。
 ただ、何遍も申しますが、日も迫っておりますのでそこまで行けるかどうかわかりませんけれども、皆様方のひとつ掘り下げた御議論の上で何らかの提案をそれぞれできるようなところまで持っていきたいなと思っております。これは皆様方にまだお諮りしたことではございませんが、私の気持ちの中はそういうことでございますので、もし御理解を賜ればありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
#6
○小山孝雄君 会長の並々ならぬ御決意を承ったわけでありますが、過去数回本調査会で参考人質疑等、あるいは自由討議は初めてでしょうか、拝聴してまいりまして、私なりに今この政策評価制度というものに対しての考え方を申し述べさせていただく次第であります。
 既に省庁再編の基本法にも、たしか二十九条に「政策評価機能の充実強化を図るための措置を講ずるものとする。」ということになりまして、そして具体策としては、「府省において、それぞれ、その政策について厳正かつ客観的な評価を行うための明確な位置付けを与えられた評価部門を確立すること。」と、既に基本法にこのように書かれておるわけです。そして、その評価部門は、府省の枠を超えて政策評価を行う機能を強化することと、さらに国民に対する説明責任を明確にする部門でなければならないという三項目が明記されて、間もなくこれは衆議院を通過して本院に参るわけであります。
 したがって、省庁再編が進むに従って個々の部門が新たに設けられるという現実具体の展開でありますので、せっかく本調査会で論議してきたことでありますから、何らかの提言を行いたいという会長の意欲につきましてはぜひそのようにしていただきたいと思うわけであります。
 そこで、まず第一に、私はこの論議を通じて感じましたのは、最小にして最大の効果を上げなければならないというこの基本線は、これはもうこの政策評価制度が制度化されていようといまいと、政策の立案、企画、執行、そしてまたその事後においても貫かなければならないテーマだと思いますし、今まで全くそのことが行われてきていなかったというものではないと思うわけであります。
 それでは、現実の制度としての政策評価のあり方はどうかということを見ましたときに、この制度下においては先輩のアメリカなんかの例を見ました場合、七〇年代に導入されたPPBSという、プランニング・プログラミング・バジェッティング・システムというものだそうですが、これは国防政策には適用できたけれども、福祉や教育、いわゆる数量化に向かないというか困難なものについても進めようと、そうした結果、アメリカの七〇年代に導入されたPPBSというのは既に完全に挫折したという経過があります。
 それから、クリントン政権になりまして法律がつくられたのが略称GPRA、ガバメント・パフォーマンス・リザルツ・アクトという、これは法律までつくってやろうとしたわけでございます。クリントン政権は今二期の半ばにかかろうとしておりますが、実際やろうとした段階で行政機関の各所で猛反発に遭いまして、進捗状況は極めて悪い、このように承知をいたしております。
 こうしたアメリカの現状などを見ましたときに、日本でこの政策評価を制度化する際に果たしてどうなのか、かなりなじみにくい面が出てくることが多々危惧されるわけでありますが、何点か意見を申し述べさせていただきます。
 それは、現実にどういう政策を評価するのか、どういう方法でやるのかだれが評価するのか。すなわち、総論賛成各論反対になる可能性が極めて強い点が第一に指摘されると思います。
 それから第二点目には、この省庁再編法案に入る、そして制度化されて、新たにスタートする各省庁に政策評価部門ができる。そうすると当然評価が行われる。そこで、日本社会で一番危惧されることでありますけれども、数字というものが発表されますと、さも絶対的な科学的な根拠でもあるかのような権威を持ってひとり歩きするという日本社会、そしてそれが全体の社会の空気を支配していくというその危惧でございます。
 例えば、各新聞社が絶えず行います世論調査、これはおのおの賛否のパーセンテージが示されるわけでありますが、それを見ますと何となくそれが事実と思ってしまう面があります。あるいは、産廃問題や原発問題などで各地で今行われつつあります住民投票、これも、自分の住む町に産廃施設が、処理場がある方がいいか悪いか原発がある方がいいか悪いかと言われれば、それはノーに決まっているんです。
 しかし、その背景には、こういったことを考える場合には、じゃ原子力発電所なしに日本のエネルギー需要は賄えるのかという問題、ごみは出したら必ずどこかで処分されなければいけない、そのことはもうだれも逃れられないわけでありますけれども、そういったことは一切、一切と言ったら語弊がありましょうか、投票行動のときにはほとんど除外されるわけであります。それでも住民投票の結果というものがやはりいろんな問題の解決に大きな示唆を与え、あるいは時には縛っていくということもあります。
 この前の沖縄のヘリポート基地の賛否両論もそうでありました。名護市の住民投票にかけたわけでありますけれども、現実にあの海上ヘリ基地がつくられるところの地域の人たちは圧倒的に多数が歓迎だったわけでありますが、それは全体の賛否両論の数字の中に埋もれてしまうわけであります。
 それからまた、よく新聞発表されます豊かさの指標ということなんかでも同じことが言えるわけでありまして、ついせんだっても新しい指標が発表されました。それによりますと、一番住みやすい県が福井県であり一番住みにくい県が埼玉県だ、こういう数字が発表されました。私は今埼玉県に住んでいるから、本当に住みにくいのかな、こう思うのでありますが、これはどういうことでこうなるのかということを調べてみますと、経済企画庁が新国民生活指標というものを発表する、それを全分野の評価を単純平均化した総合順位をマスコミが勝手に順位をつける、そしてそれが発表される。そうすると、おらっちは住みいいうちは住みにくいというようなことが非常にひとり歩きしやすい記事として発表される、こういうことでありまして、数字というものが及ぼす心理的な影響、そして、さも絶対的な権威でもあるかのようにひとり歩きしていくことの日本社会の特徴ということも考慮しなければならないであろう、こう思うわけであります。
 そして、次には、政策評価にもやっぱり大きな費用が要るという点は見逃すわけにはまいりません。評価する部署がつくられるということは、省庁再編で部局を何局何部削減しろというようなことが目標に掲げられているわけでありますけれども、例えばその中で政策評価課というものが各府省に新設される、まさに行政機構の肥大化の一端を担うことにはならないかという指摘もしておかなければなりません。
 そしてまた、評価する専門家を育てるということが必要だということがこの前の勉強でも明らかになったわけでありますが、人間の配置とその育成ということにおいてやはり費用がかかる。そこで、費用対効果を意識することが必要だというわけでございますから、どの程度の費用がいいのか。この前の委員会では、たしか武見委員と参考人とのやりとりの中で、一%についていいか悪いかということで論議があったやに記録に残っておりますが、参考人は、x%としか言えないと、こういうことでありました。その費用の査定についても大変難しい問題があるわけであります。
 結局は、政策評価の制度を導入するコストが結果的に全体に及ぼす影響などから見まして費用がかかり過ぎるということになれば、この制度はまさにむだな政策であったということになりはしまいかということも指摘しておかなければいけないかなという感じを持ちました。
 以上でございます。
#7
○山田俊昭君 これ、持ち時間の制限は別にありませんか。
#8
○会長(井上孝君) ありません。全体で二時間ぐらいに抑えていただきたい。
#9
○山田俊昭君 余りしゃべることもあれですが、本日は行政評価に対するフリートークということで、何でもありと理解してきょう出席したわけなんですが、先ほど亀谷委員から会長への質問で、この本調査会が発足してから今日に至るまでの経過、した仕事どきょうの調査会のテーマ、行政評価をどうまとめて提言するかというところに来ているようでありますが、これ余談ですが、当調査会の原委員は会長と私だけでございまして、いささか誇りにしているところであるわけであります。
 行政評価ということで、きょうフリートークということで行政法なり行政学の勉強をいろいろしてみたんですけれども、行政学の本を読んでみても行政評価なんて、教科書の中には何も書かれていないんです。学者が今いろんな新聞とか雑誌とかで発表しているわけでありまして、結構それが学問的体系にやがて位置づけされていくという状況にあるんだなというところであって、学説もまだ定かではない。
 この行政評価とは、行政が行われればそれに対する評価が当然昔からなされていて当たり前であって、これが政策立案の事前段階か途中段階か後でやるかということだけであるわけであって、言ってみれば、この行政評価とは、極めて易しいことを難しくしてやっているような気がしないこともないわけであるんですけれども、学者のいわゆる論文を幾つか読んでみたんですけれども、確かに、いろんな問題点が提起されているというところかと思います。
 そこで、私はきょう、この行政評価をするスタッフの養成という観点から私なりの意見の陳述と提言をしたいと思います。評価スタッフの養成ということに絡みまして、身分保障とシンクタンク等の活用、国会との連携という形に絞りまして述べたいと思います。
 私は、政策評価といいますか行政評価を行うには評価スタッフの役割が極めて重要であると考えるわけであります。しかし、日本ではこれまで行政評価について軽視されてきた嫌いがありまして、行政評価を行う体制が極めて不十分であると言えるのではないかと思うわけであります。そこで、行政を執行する行政府内部において人材養成の方策を具体的に検討する必要があるのではなかろうかと思うわけであります。
 外部監査については、従来、適法性、合法性という観点から評価がされてきましたが、現在は効率性、有効性へと重点を移しているというふうに言われているところであります。この外部監査の担い手であるところの会計検査院、総務庁の行政監察局がありますけれども、その監査部門に関しまして、先回、ことしの三月に参考人として出席された山本先生の平成八年十一月十九日付の日経新聞に紹介されている論文によりますと、「行政監視に会計検査院活用」というテーマで述べていらっしゃるわけですが、行政監視能力を高めるために会計検査院職員が高度の専門的能力を有する組織集団を目指す必要性が主張されているのであります。
 さらに、同じ日に出た参考人の金本さんの論文を見てみますと、アメリカのGAOの職員の人材育成については、内部の人間を大学院などに送って人材を育成しているようなことが指摘されているわけであります。我が国の既存の監督機関の充実の観点から、会計検査院及び総務庁の行政監察局のスタッフを充実強化しなければならない。これらの機関は、言うまでもなく監査の専門家でありますので、監査関係の人材の養成についてはそのプログラムを速やかに作成し、普及させる必要があると考えます。また、最終的に行政監視の責任を負う観点から、国会の調査スタッフについてももっと定員をふやしまして、国内外の留学の機会等を与えてその充実強化を図る必要があろうかと考えるものであります。
 次に、評価をする人の身分保障についてでありますけれども、前に述べた金本参考人の論文を読んでみますと、GAOの委員長の任期が十五年だ、これがGAOを外部の圧力から守るのに有効な役割を果たしていることが指摘されております。さらに、山本参考人のさきに挙げた論文を見ましても、会計検査院職員の身分保障の必要性が述べられているところであります。
 私は、行政監察、会計検査、評価の職務に従事する職員は特段の身分保障が必要であると思います。しかし、日本では、会計検査院の検査官は別としまして、総務庁で行政監察に携わる職員や会計検査院の一般職員にこのような特別な身分保障はないのであります。一般省庁と同様に総務庁なんかの人事システムは六十歳定年制の退職慣行がとられているために、再就職先のあっせんについて監察等の相手方省庁に依存している状況であると聞いております。これでは監察等に手心が加えられるという感を否めないのであります。
 そこで、行政監察、会計検査、評価の職務に従事する職員については定年までの勤務を保障して、能力があったりやる気のある人は場合によっては再雇用制度を導入するなどの身分保障を厚くして、再就職をしなくても済むような形がとられるべきではなかろうかと思うわけです。
 次に、シンクタンクの活用という点からの意見でありますが、欧米諸国を見てみますと、皆さん御存じだと思いますけれども、アメリカにはランド研究所、またブルッキングス研究所があります。イギリスには王立国際問題研究所がありまして、フランスにはアトランチック研究所があります。ドイツはIFO研究所とかハンブルク経済研究所というような有名な研究シンクタンクを持っているわけであります。
 このように欧米では政策立案のためのシンクタンクがたくさんあるんですが、我が国においては政策立案のためのシンクタンクがないと言っていいのか、少しはあると言っていいのか、余り見受けられないところであります。したがって、我が国においても欧米諸国に見られるようなシンクタンクを育成して設立する必要があるのではないかと考えるものであります。
 最後に、国会との連携についてでありますけれども、先ほど小山先生も御指摘になったように、現在審議中の中央省庁改革基本法案によると、中央省庁再編後の各府省には明確な位置づけを与えられた評価部門が確立されております。そこで、私は、国会の行政監視機能充実のために、この評価部門による評価結果を参議院行政監視委員会及び衆議院決算行政監視委員会に報告することを政府に対して義務づける制度を設置すべきであることを提案するものであります。
 以上が私の行政評価に対する評価スタッフの養成という観点からの意見陳述であります。
#10
○会長(井上孝君) ありがとうございました。
 山田君に申し上げますが、冒頭おっしゃいましたことに若干誤りがございます。初めからの委員は、きょう出席しておられる中でも亀谷君、小山君、武見君、守住君、そして猪熊君とおられますので、御承知おき願います。
#11
○山田俊昭君 いや、調査室の人に聞いていただくとわかるが、後から来られたような気がするけれどもね。
#12
○会長(井上孝君) 私が今ちょっと調べた結果で、私が間違っているかもしれません。
#13
○山田俊昭君 そうですか。それは失礼いたしました。
#14
○会長(井上孝君) 大変積極的な御意見、ありがとうございました。
 ほかにいらっしゃいませんか。
#15
○小山孝雄君 今の最後の御提案は大変傾聴に値するものだと、私ども同期三人も同様にうなずいてお聞きしておりましたので、あえて申し上げさせていただきます。
#16
○大森礼子君 評価をめぐって調査会で参考人質疑があったわけですが、私いまだによくわからないのが、評価というのは非常に中身がいろいろありまして、参考人のお話を聞いていても、この方の頭の中にある評価と我々の考えるのとお互い違っているのではないかと、こういうふうに思うことがあるわけです。
 評価といっても、例えば私という人間でも、国会議員としての評価、弁護士としての評価、人間としての評価、いろいろあるんですけれども、何を目的にするものかということが決まらないと後の具体的な論議ができないんじゃないかという気がして仕方がないんです。
 それで、調査室の方の「評価制度関係資料集」というのをいただきまして、この中の三ページにも、これは「政策評価の理論とその展開」という、ここから作成されたもののようなんですけれども、この中でも評価という言葉が「多義的な解釈が存在し、これらの解釈に応じて多くの学問分野が関わっている。したがって統一的な定義がなされないまま理論化が進められ、実務への適用の議論が重ねられていると言ってよい。」と。それでちょっと飛んで、「「評価」の内容の複雑さ、使われる「専門用語」の多様さ、それによって生じる難解さは深まる一方である。」とあるんですが、本当に同じような思いがいたします。
 それで、例えば先ほど来の政策評価、この作業に投じる予算の割合であるとかスタッフの養成とかいろいろあるわけなんですけれども、これを考えるにつきましても、我々がここで考えている評価というものが一体何を目的とするものか、これをまず明確にする必要があるのではないかと思います。
 同じく調査室がつくってくださったこの資料の中で、これは岐阜県地方自治大学校の「政策評価モデル」、この中からの抜粋があります。この項目の七のところで、例えば評価について、評価の結果をだれがどのように活用すべきか、これが大事であるということと、それから次に政策決定者のための評価情報なのか、それとも民衆のための情報なのか、それから次に管理統制のための評価が、自己改善のための評価が、こういうふうな分類がされているわけです。このどちらをまず優先して考えるべきかによりまして、スタッフのあり方とか養成の仕方とかというのはその目的によりまして評価の手法も異なってくると思うからです。ここら辺が違ってくるのではないかと思います。
 それから、参考人質疑のときにも第三者機関ということについて私何回か質問したんですけれども、第三者機関のあり方につきましても、例えば政策決定者のための情報としてこれを重視するのか、あるいは国民への情報提供を重視するのか、あるいは管理統制のための評価か自己改善のための評価かによりまして、第三者機関のあり方というのはおのずから違ってくるだろうと思います。例えば、国民に対する情報提供である、あるいは立法府による行政チェックなんだとすれば、第三者機関というのはおのずから立法府のもとに置かれる、あるいは本当に客観的な第三者機関というものを用意するということになるであろうと思います。
 それで、これからこの評価の取りまとめに入るわけなんですけれども、まず調査会としては、この調査会の提言、意見というものを実務的にどのように実現していくか、これが目的だと思うわけなんです。そういう実務的な観点からしますと、評価の特にどちらをまず優先すべきなのか、それから対象をどうすべきなのか、これらの範囲を少し限定した方が議論が進めやすいのではないかと思うわけですが、委員の方の御意見をまたお聞かせいただければと思います。
#17
○武見敬三君 今の大森さんの評価についての目的、対象等についての御意見、よく整理されていて、私自身も参考になったわけであります。
 実際のところ、昨今の行政に対する国民の不信というものの中に、やはり公共事業等が実際に社会にそして人々にきちんと役に立っていないのではないか、むだに使われているのではないかというような不信感というものがその根底に相当根強くできてきているということを、やはり国会に籍を置く者としては重く受けとめなければならないだろうと思うんです。
 したがいまして、特にこうした評価というものをだれのためにやるのかということを考えるときに、私は、広く国民一般に対してやるべきものというふうに、まずその基本を定めておくことが必要ではないかというふうに思います。したがって、その手法というものは極めてわかりやすいものであることがそこで求められるわけでありますし、また極めて具体的であるべきだということにもなるわけであります。
 そして、そういう一つ一つのわかりやすく具体的な事例に対する評価というものを国民一般にひとしく知らしむることによって国民の判断というものをやはりさらに深めていく、そういう助力を私どもはしていかなければならないだろう。こうした観点に立って、この評価についての議論というものを今日の政治状況の中では進めていくべきものというふうに私は考えます。
#18
○会長(井上孝君) ありがとうございました。
 確かに大変基本的な疑問を大森さんがお出しになって、私も、そういえば評価というものをどういうふうに定義づけるのか、我々は反省しないでやっているんじゃないかなと思いました。
 ただ、今、武見さんもおっしゃったように、最近の情勢からこういう行政監視の一環として、政策、事業の評価というものを取り上げた以上、先ほど岡さんがおっしゃったように、適法性とか合規性という面は割に、例えば具体的には会計検査院とかそういうところでやっているんですね。それから、国会でも適法性、合規性ということはしばしば取り上げるんだけれども、効率性、有効性という問題が少し抜けているんじゃないかなというところから、私どもは、最近の日本の情勢を見て、政策評価あるいは具体的には事業評価といいますか、やはりそういうものが大切なんじゃないかなと。こういうことで、皆さん知らず知らずの間にそういうことを取り上げてきたような気がいたしますが、いかがでしょうか、そういう考えは。
#19
○猪熊重二君 今、会長がおっしゃったように、従前からもいろいろないわゆる評価はされているわけです、この前もちょっと申し上げたつもりなんだけれども。
 その場合、評価するといえば何が基準になるかといえば、法があれば法律が評価の基準になるし、予算措置による行政執行ならば予算が一つの基準になる。そういうふうな意味で、法律もしくは予算という物差しによる評価というのは、適法性、合法性というところにアクセントがあるだろうと思うんです。そういう評価は、金の面では会計検査院がやっているし、部分的な細かいところにもあるけれども、総務庁の行政監察局がやっている。
 それに対して、行政執行の効率性、効果性、有用性というふうなことになってくると、これは政策判断になってくるわけです。こんなところに橋をつくってみたけれども、人がたまにしか通らぬじゃないか、何でこんなところに橋をつくったんだということになってくると、そこに橋をつくるということ自体の当否の問題になってくる。そのような政策の評価をやるべきところは本来的にはないといえばないし、あるとすれば国会にあるはずなんですね。
 だから、その意味で、この表題にも「政策等の評価制度に関する件」ということが書いてありますけれども、いわゆる行政評価の問題と政策評価の問題はやや質が違うんだと。要するに、行政というのは、内閣が勝手にやるものじゃなくて、法律と予算に基づいて執行しているんです。そういう意味じゃ、法律と予算に適合しているかしていないかだけをやっておけば、行政としてはそのとおりやったよ、全然人が通らない橋も、予算のとおりつくったよということになるんだろうと思うんです。
 こんなところへ橋をつくってどうしようもないじゃないか、鉄道と道路とどっちがいいかと。道路をつくったけれども、道路よりも鉄道の方がよかったとかどうだったとかなんという政策評価の問題は直接的な行政執行からは出てこない。それをもとにして出てくるんだけれども、直接の行政に対する、行政執行の評価という側面では直接的な問題じゃないはずだろうと思うんです。
 そういうふうな意味からいって、行政評価に対する適法性、合法性というような評価の問題でいいのか。さらに政策的な評価まで踏み込んだものが求められるのか。
 まさに会長が先ほどおっしゃったように、今までお上がやって、お上の中に国会も入れて、国会が法律をつくってその法律を行政府がまじめにやっていれば、これは多分いいことに違いないということで全部おさまってきたけれども、それも余りいいことばかりじゃないんですね。むだなことをやったり、干拓事業をやって米をつくろうと思ったときには米が余っているとか。いろんなことがあるから、その政策自体をもう少しちゃんと国民に説明せいという時代なんだろうと思うんです。
 そうすると、そういう政策評価をするような機関というのがどこにあるんだろうか。先ほど申し上げたように、政策評価は国会が立法によって解決するべき問題だけれども、しかし、それだったら年じゅう今やっているわけですよ、ちゃんとやっているかやっていないかは別にして。
 そうすると、現在の行政評価を含めて政策評価をするのにどういう機関が適切なんだろうか。こういうことを考えると、この前も申し上げ、きょう同じことを申し上げて恐縮なんですが、経理的な側面とすれば会計検査院が今でもまあまあ作用している。
 それで、今度はいわゆる行政評価を含めての政策評価というときになると、行政監察局はやる立場にはないしやる能力もないし、要するに立場が違うだろうと私は思うんです。要するに、行政監察局というのは行政内部における自己監察ですからね。そうじゃなくて、国会と内閣の間というとおかしいけれども、何かそこら辺の独立した行政監察機関みたいなものがあるべきだと。
 会計検査院も会計検査院法に、本来、そういう会計検査のほかにも行政の政策効果的なことも提言しろということは書いてあるんです。しかし、会計検査院はそこまで全然手が回らないし、やる気もないんです。
 だから、もし、そろばん勘定のほかにもそういう政策評価まで会計検査院に全部やらせようというんなら、会計検査院を拡大強化してやればいいだろうし、会計検査院はそろばん勘定の方をやってもらおうというんだとしたら、会計検査院に対応する行政検査院でもいいし行政監察院でもいいし、こういう広い意味の行政機関ではあるけれども、しかし、行政府と別個、独立の機関をやっぱり設けるべきじゃないか。
 国会にこれを置くということは私は無理だろうと思うんです。この機関は常設の朝から晩まで仕事をしなきゃならぬ機関だから、国会の委員会的な問題じゃなくて、行政検査院というか、名前はどうであれそんなものをつくるか、あるいは会計検査院を拡大強化するか。
 もう一つ申し上げさせてもらうと、各行政庁が行政の評価をせいと。それはそれで手前たちでやってもらえばいいわけですよ。そこは政策評価までなんかほとんどできないだろうし、もし政策評価できるようだったら閣法を幾らでも出してくればいいんであって、そういう意味では、省庁再編によって各行政機関が行政評価せいと言った場合の行政評価というものにそんなに過大評価し得ないし、するべきでもないんじゃなかろうか。
 何かごちょごちょ申し上げました。申しわけありません。
#20
○会長(井上孝君) ありがとうございました。
 大変分析的に物を見ていただいて、私も参考になりましたが、猪熊先生の最後の、国会じゃ無理だというところはちょっと賛成しがたい気がいたします。
 ちょっと大げさに言いますと、福祉に一億使うのがいいのか公共事業に一億使うのがいいかという、こういう評価になると、政府機関のどんなところでもこれは無理だと思います。これはやっぱり政治の世界である国会でやるんじゃないかなという気が猪熊先生のお話を伺ってしました。そんな感じでございます。
#21
○志苫裕君 そうまとまった意見はないんですが、私も率直に言って、この調査会のメンバーになってここへ来ているけれども、この調査会は何をする場所かなと思っているんです。
 今いろいろとお話がありましたが、私は行政監察は議会でいいと思うんです、議会は最高の機関ですから。ただ、政策評価になりますと、根底は議会が定めるわけですから、これを評価できる者はいない、できるのは国民だけです。議会で法律をつくって、どれに幾ら財政を支出しようかとか決めて、それをまさか行政府がそれは間違いだと言う権限も何もないわけで、ほかの機関をつくったって、国権の最高機関は国会ですから、この最高の機関に向かってその法律を直せとか言えるのは国民だけですよ。そういう意味で、私は政策評価というのは議会で十分じゃないかと。例えば、こういう調査会があってときどきその政策評価をテーマにするということをすればいいんじゃないかと思います。
 ただ、行政評価の方は、これは行政評価の一つとしては会計検査もあれば行政監察も、いろいろな部分がありますけれども、これは我々もなじみの深いところでできぬわけでもない。それをどういうスタッフでどう効果的にやるか、どうやってそれを実行させるかというようなことはここでは議論できると思いますが、行政評価は難しいなと私は思います。難しいというか、一体そんな機能があるのかという感じがしないわけでもないですね。
 それらをどうやってこれからまとめていくのか、みんなとの相談事ですけれども、少し政策評価と行政評価の概念を分けて考える方があるいは整理しやすいのかもしれません。しかし、評価の仕方も絶対的な評価も相対的な評価もありますし、僕らが子供のころ、私たちの先輩は学校は甲乙丙丁だったんですね。私らのときには十点満点、百点満点方式でした。今は偏差値方式でしょう。全体の中で中庸を得ているかどうかということを見ればいいわけで、だからそれを一体どの方式で評価をするか、見るかというその辺もまだまだ整理がついていないという感じがいたします。
 とりあえずその辺の意見です。
#22
○会長(井上孝君) 今の志苫先生の御意見を伺っていて、行政もいろんな部門がありますから、行政評価というのは、一義的には各省、行政をやっているのがみずから評価するのが一番いいんじゃないかという、そういう御意見がたしか参考人からもありました。それはやるんだけれども、それをいかにチェックし、いかにそれこそ評価するかというのは国会というか政治の仕事だろう、行政評価であっても、やるのは行政庁でやっても結果を判断するのは国会じゃないのかなという気がいたしておりますので、一言。
#23
○渡辺四郎君 先ほどからもお話があったように、現在国民から行政に対する不信が非常に強いという中で、公共事業関係についての問題でいろいろと疑問を感じた部分があると思うんです。ですから、今お話がありましたように、政策評価については立法府の責任だというふうに言われますけれども、考えてみれば、例えば国鉄問題なんかを考えても、国会で議論をするのは運輸省から出てくる部分だけの問題の議論であって、線路の新設とかなんとかは別に鉄建公団でどんどんやっていくものですから、鉄道は敷いたが最終的に一回も走らずに廃線になったというようなことだってあったわけです。
 ですから、その当時から国費を投じてやる部分についての、例えば効率性、効果性あるいは経済性、そういう部分について確かに国民から指摘をされるように立法府の我々自身の役割が果たされていなかったということはやっぱり反省をしなきゃいけない、そういう立場から今こういう調査会を設けてやっていこうということでやっておるわけです。
 今までのずっと議論をお聞きしますと、大体全体としては第三者機関を設置すべきであるというのは多くの先生方の御意見のようですから、そういう中でもこの間から議論がありましたように、行政組織法の八条委員会にするのかどうなのかというような問題等もありますから、私は中間報告をまとめる段階ではやっぱり一定程度姿の見えるような方向の報告にまとめて提起をすべきではないか。そういう点から見れば、確かにさっきからお話がありましたように、評価というのは一体何なのかということもそれぞれ各人違った感覚でも持つものですから、そういう部分もやっぱり一定程度議論をして評価のもとといいますか、こういうものを大体調査会としては評価として考えておるんだというぐらいの一つのたたき台といいますか、そういう部分ぐらいはお示しをする必要があるんじゃないか、そういう気が一つしておるわけです。
 それからいま一つは、山田委員なり猪熊先生の方からもお話がありましたように、志苫さんからもあったんですけれども、会計検査院の関係については確かに行政評価をするような権限がないわけですね。ただ、金の出し入れについて間違いがあったかどうなのか、あるいは公共事業であればその支出が本当に完全に果たされておるかどうかというのが会計検査院の役割であって、行政評価をするとかあるいはもちろん政策評価をする権限もない。総務庁の方の行政監察の方は一定程度は行政評価をやっていくわけですね。しかし、それから後の突っ込みが、これは身分上の保障もないし、そういう権限もないものですから、何か国民から見れば屋上屋を重ねるんじゃないかという見方があるいはされるかもしれません。
 第三者機関をつくるという中での問題として、先ほどもお話がありましたように、今の会計検査院のあり方、それから総務庁の行政監察のあり方、そして今我々が議論をしておる第三者機関のあり方といいますかそういうものをひとつ考え直して、一つの大きなまとまった一定の身分保障をしながらの力を持った、権限を持ったそういう組織をもって当たったらどうだろうかという気がいたしておりますから申し上げておきたいと思います。
#24
○守住有信君 先ほど冒頭のところ、調査会長から、ここの調査会ができる直前からこの問題意識というか経緯を御説明になりましたので大分前を思い出しましたけれども、私はそれ以前にずっと、もう十何年前から決算委員会、やっぱり参議院は決算だという認識がありましたから、これを離れぬで今もずっとやっております。それをずっと審議して、総括から個別からやっておった中で、今いろんな議論が出ておりますような検査院の限界というものを検査官にもぼんぼんやってみましたけれども、当時痛感したわけですね。
 そのもっと前に各省庁には内部監査というのがあるわけだ。内部の監査というよりも検査だな。ところが、これにやっぱり自信を持たせにゃいかぬ。いわゆる局あって省なしかな、縦割りになっておるから。それを横断的に、まず適法性をやれるのは内部監査だ。したがって、今度は行政上の評価的な要素を入れていく場合も、やはりまず省庁のみずからの自律というか、ここから始まってということ、そして次のやつが適法性の会計検査院。ところが、これは限界あり。
 そこで、盛んに私は決算委員会で行政監察の方を呼び出しまして、両方並べてやったんだ。行政監察も非常に効果を上げていますね。いろんな悉皆調査、抽出法じゃアンケートもやって、こんな厚いレポート、提言していますよ、各省庁に勧告という形で。ところが、勧告の保障がない。立派な行政監察の勧告が各省庁に向かって出ているけれども、これをバックアップするいわば内閣というか総理というか、あるいは国会というか、これのバックアップ体制がないということを痛感しておったんです。そういうところにもう何年前ですかな、二、三年前だな、この調査会を参議院でまずみずからつくるという、これが一番スタートだったですね。衆議院の動きよりもっと早いんだな、ここが。
 そして今お話しのようないろんな学者先生方、その他フリートーキングもやりながら詰めていって、だんだんと今度は評価の問題に入ってきたと、こういう感じがしておりますけれども、やはりもう一遍原点に戻って、今までの仕組みの強化策も積み重ねながら、その延長線上の参議院、国会としての機能、役割というものに視点を持っていかにゃいかぬだろうなと、こういう感じがしております。
 しかし、何せこの評価というのはなかなか難しいから、まあそこは最後は政治で、本当を言うとその評価も予算にあらわれてくるわけですよ。その重点志向は必ず予算にあらわれてくる。そこがまず私は予算委員会のあり方であり、その予算のためには前年度までの決算の中でえぐっていって、それが翌々年ぐらいになりますけれども、翌々年の予算編成に本当に反映されなければ国会というものの役割、三権分立の役割というものはできないんじゃないか、こういう大筋の気持ちでおるわけで、あとはいろいろな、評価という問題は非常に難しいからこの点は後回しにしておきますけれども、その程度で言わせていただきます。
#25
○会長(井上孝君) ありがとうございました。
 今、守住さんの話で私も調査会を始めたころのことを思い出しておったんですが、まず初めは会計検査と言ったんです。会計検査はもう全く国会からも行政からも独立した憲法上の組織ですから、いわばアンタッチャブルですし、確かに現状では合法性、合規性というような観点から勘定が合っているかどうかそういうものだけをやっていますので、これは余り役に立たぬな、役に立たぬなんと言うとあれでありますが、我々の目的には余り沿わないなと思いまして、その次に私が皆さん方と相談して考えたのは総務庁の行政監察です。
 これをこの調査会で、あるいは調査会が結果として行政監視委員会をつくりましたけれども、ああいうところで徹底的に審査して、それをさっきの勧告の実行までやったらどうだと、こういう意見を出しました。これを今度は行政側から、あれは閣議決定に基づいて毎年やることを決めて監察をし、報告をし、勧告しているんです。ですから、国会に余り設置されちゃ困るという、そうはっきりは言いませんでしたけれども、なるべくお取り上げ願わないようにという感じてした。
 それで、今ちょっと言い過ぎかもしれませんが、総理府の行政監察の方でやっている中で大変これはいいなと思ったのが行政相談員制度です。全国に五千人おるそうです。五千人おって無報酬ですよ、みんな。それで市町村別ぐらいにありますから、いろんな苦情を聞いてこれを物によっては報告する、あるいは物によっては行政庁へ行って相談員がかけ合う、こういうことを実に地道にやっていますので、これを利用できないかと思ったんですが、これもなかなか政治に関係するということを非常に警戒する空気が相談員の集まりの中にあるようです。
 そこで、結局皆さんと相談してやったのが請願。今、請願制度があるんですから、これをもう少し行政に対する苦情、不服、そういうものを数多くといいますか、質をよくして、場合によっては行政相談員がそれを指導してもいいんじゃないかと思いますが、この請願制度を取り上げてやったらどうだと。これだけはたしか行政監視委員会の所掌事務の中に取り上げてもらっております。
 ただ、今たくさん出てきている請願は行政に対する苦情とかなんとかだけじゃありません。いろいろな陳情みたいなものもたくさんございますので、その方が多いんですよね。ですから、これは取り上げないで、行政に対する国民の不服を適当に取り上げて行政監視委員会で審議をしたらどうだ、こういうふうに仕組みはつくったつもりでおります。
 ちょっと余計なことまで言いましたが。
#26
○守住有信君 いや、一遍もとへ戻って。
#27
○亀谷博昭君 さっき大森先生がおっしゃったように、確かに評価ということの意味とかあるいは評価の仕方というのは学者によっていっぱいあるようでよくわからない部分がありますけれども、ただ、先ほどからお話が出ているように、一応我々の立場では政策評価と行政評価、わかりやすくこの二つを考えていけばある程度の目的は達せられるのかなというふうに私は今現時点では考えているんです。そういう意味では行政改革会議の最終報告で、各省庁別に評価部門を確立することと、そしてもう一つは省庁横断的な評価部門を確立することと二つ述べられているんです。
 それで、この調査会でも私は建設省にその辺の質問をしました。それから別な委員会で運輸省にも同じようなことを聞いたんですが、各役所ともその方向で取り組まなきゃいけないという意識は強く持っているようで、そういう形に徐々になっていくんだろう。ということは、行政の中でおおむね今の時点では環境アセスを含めた事前評価に偏っている部分が、途中の評価なり事後評価も含めた体制がとられていくのではないかというふうに期待をいたしているところでありますが、ただ、それで済むのかということになると、先ほどからお話しのように、多分予算とか法律に合っていますということで、これでよしとするような評価の仕方が出てくる可能性は非常に強いように私も思うんです。
 だから、そこをどうするかということになれば、今の行政監察局でもちょっと力不足、勧告してもそれを実施させるだけの立場はない。会計検査院も先ほどお話しのようないろんな問題を抱えているということになれば、まるっきり別な第三者機関をつくってそういうことをさせるのか、あるいはこの国会で、立法府でこの間つくった行政監視委員会をもっと活性化して、ここでもう少し幅を広げた評価ができるような形にしていく。あるいは別な調査会なりなんなりをつくってそういうものをやっていくというようなのも一つの方法だろうと思うし、その辺のところの論点の整理を少ししていった方がいいのではないかという感じがいたします。
 私も、例えばきょうの整理項目とか、あるいはいろいろについて私なりの意見もありますけれども、ただ、余り時間がこれからとれそうもないし、それからある程度の方向を打ち出していくということになれば、行政は行政でやっていくということを一つの前提にしながら、じゃ、それをなお効果あらしめるためにどうするのか。立法府として何ができるのか、あるいは第三者機関を設けていくべきなのかどうか、その辺について少し意見を整理していかれたらいかがかなという感じがいたします。
#28
○堂本暁子君 今の御意見に関連してなんですが、参議院の行政監視委員会のような形のものを充実することもあると思いますけれども、きょういただきました委員会の自由討論資料の中の一枚目の一番下にある「評価スタッフの養成・確保に努める必要がある。」というところがございますが、その中で私が一番注目していることは下の一行目のところなんです。民間のシンクタンク等の活用を考えるということがとても大事なのではないかという気がいたします。
 と申しますのは、行政監視というのも同じ人がいつまでもやっていると、どうしてもそこに癒着とは申しませんが、なれ合いが出てきてしまう。それから、やはり民間の方が厳しいということがどうしても、特に会計の問題ですとか効率の問題ですとかいいますと、民間の方が厳しい部分があると思うんです。
 たまたま私は外国の国連に近いような団体の理事を一つやっているんですが、非常に国際的にコンサルタントを活用して評価活動をやっています。非常に有能なコンサルタントが評価をする。日本はなかなかそういうシステムがございませんけれども、私たちは民間のシンクタンクなりコンサルタントなりを積極的にひとつ、参議院に行政監視委員会があるのもこれは恒久的なものとして必要なのかもしれませんが、テンポラリーに、随時そのときに活用できたらどんなにいいか、そういうシステムをつくることができないものかと実は思っております。
 例えば、私どもおかしいと思うようなことがさっき環境アセスメントのお話で出ましたが、特に中間並びに事後の環境アセスなんかのことで委員会で質問をしてもやりっ放しなんですね。もし立法府にそういったコンサルタントに委託するシステムのようなものがありましたらば、質問するだけではなくその委員会なりの、あるいは予算委員会なり決算委員会なりの権限においてその点を委託調査あるいは政策評価というような仕事を頼めるというようなことが予算化なりシステム化なりされるようなことになると、一人の人をずっと雇うということになりますと非常に大きな予算になりますが、臨時にそういった機能を、民間なり独立した機関を活用するというようなことも今までに議論がされたかどうか、私、去年、おととしのことを知らないものですからわからないんですが、ぜひその辺のところを教えていただきたいということ、あわせて意見を言わせていただきました。
#29
○会長(井上孝君) ありがとうございました。
 民間のシンクタンクについては先ほど山田先生からもお話がございましたが、外国では相当しっかりしたものがあるけれども日本ではないんですね、まだ。全くないとは申し上げませんけれども、余り利用されてもいません。これはこれからの世の中、こういうものがだんだんできてくるんじゃないか、またそれが企業として成り立つようになっていくんじゃないかなという気がいたします。
 それから、国会の中のスタッフの充実、これはこの調査会で提案しました行政監視委員会設置のときにも提言として議長にはっきり申し上げております。数字はたしか書いたと思いますが、少なくとも当面二十人ぐらいのスタッフをそろえてくれと。ところが、なかなか定員をふやしたりできませんので、今次善の策というんでしょうか、客員調査員という制度をあちこちの調査会でとっているようですが、本当にわずかなペイですけれどもお願いをしておる。この間ここへ参考人に来ていただいた山本清先生、あの方が行政監視委員会、今度できたものの客員調査員におなりになって仕事をしていただいております。
 ただ、使い方と言うとおかしいんですが、ごくわずからしいですね。一週に一遍も来ないんでしょう、月に一遍ぐらいしか。だから、もっともっと働いていただくという手もあると思います。
 ちょっと御参考までに申し上げておきました。
#30
○猪熊重二君 二度もしゃべらせてもらって申しわけないです。
 今、志苫先生おられませんけれども、先ほど志苫先生がおっしゃったことは非常に重要なことでして、私も行政を一〇〇%信用するわけにいかぬという意味で政策評価ということは非常に重要なことだと。
 要するに行政の効率性、有効性というふうな観点から、それをあえて政策評価という言葉で言えば政策評価ということは重要なことだ。志苫先生がおっしゃったように国会が決めた法律のその当否をだれが判断できるんだと。これは非常に重要なことで、私が申し上げたことと違うことを言っておられるように外見的に、一見。
 ただ、私は、一つの行政執行と全く無関係に政策評価するということじゃなくて、ある行政を執行する場合には、例えば法律でいえば、この法律はこうこうこういう目的のために、これを実現したいためにこの法律をつくっこういう処置をするんだということが書いてあるわけです。あるいは予算なら予算でも、こうこうこういう目的のためにこうじゃああじゃ、こういうことになっている。その掲げている目的を達成するためにこの政策、この行政執行が適切であったか、あるいは不適切であったか、他に方法があったんじゃなかろうかという具体的、個別的な問題に関して政策評価するということは国会の政策決定権、要するに立法権、これと直ちに矛盾するわけでもないし、それを補完するものとして適切じゃなかろうか。
 こういう意味で申し上げたつもりなんですが、志苫先生から、国会の政策決定を言えるのは国民だけじゃないかと。これはまことにそのとおりで、ちょっとその辺は一言だけ、個別的、具体的な政策評価。だから、政策評価政策評価と調査室で書いたのに書いてありますけれども、これを言葉どおり言うと政策評価なんて、国会のことをだれが評価するんだと、こういう言葉になるんです。
 だから、行政評価ということと政策評価ということの区分けをやっぱりきちんとしておいていかないと論議がこんがらがるんじゃなかろうかと思います。
#31
○高橋令則君 実は私も地方でございますけれども予算も少しやっておりました。それで昔の話ですが、PPBSが大分前ですが出まして、小山先生でしたか、亀谷先生からお話がありましたけれども、それができたときに話を聞きまして、これはいいものだと実は思ったんです。ところが、全然実質的には実らなかったわけですね。
 一方、民間でいわゆるQCの問題が非常に全体的に何といいますか、企業ではQC、標準化ですね、これはきちんとされている。それが民間のよさというか、あるいは発展というか、いわゆる経済の発展の基本になったと思っているんです。
 ところが、行政は同じようなのは全然少ない。なぜだろうかというふうに思うんです。結局それは二つあると思うんです。一つは、やっぱり福祉とか環境といった見えないものですね、文化がそうですね。ところが、経済的な方はできるはずなんですけれども、ごっちゃにできないことだというふうにやってしまったから、行政の標準化はなかなか、そのせいだろうなというふうに私は思っている。
 ですから、サボったんじゃないか、一つは。ですから、それはやっぱりやらせる、一つは標準化を進める、QCのようなものですね。それからもう一つは、これをやらせるための情報公開ですね。ですから、標準化と情報公開、これが基本ではないかなと思うんです。これをやる以上は必ず評価をしなければできないわけです。ですから、この評価は二つあると思うんです。
 一つは、私は立法でもあるだろうと思うんですが、政治、いわゆる立法の問題についても司法についても行政についても、判断あるいは決断する以上は必ずそこにメジャーというかそういうものがあると思うんです。ですから、それをできるだけ標準化する。そして、それをできるだけ説明できるような形のもの、それはやっぱり公開だろうなというふうに思うんです。
 ですから、究極的に言いますと、今の制度、立法それから行政、司法を含めて、これを言うなれば徹底すれば今のものでもできるんではないかと実は私は思うんです。しかし、そうはいっても、それを促進するためにはやっぱり何らかのあれが必要でございます。そのための専門のシステムがある程度必要なのかなと。
 そのためには、現実的には今のいわゆる会検、会計検査院ですね、これを充実するのが一つだなというふうに私は思っております。それから、できれば外にあるコンサルタントのようなシステム、これが議会も行政もどちらもできるような、使えるような、そういうものは民間のところでやった方がいいのかなというふうに思っております。それからもう一つは、いろんな評価それ自体がまだ熟していませんから、熟していないからやらないというのではだめなので、やらせながら同時にやっていく。研究も必要ですね。
 そういうことで、やっぱり検査院と民間のコンサルタント、そういったものをみんなで育てていくというふうなことをやることによって、今の第一の標準化、そして公開というふうなものをやっていったらいいんではないか。
 漠然として恐縮ですけれども、私はそう思っております。
#32
○会長(井上孝君) ありがとうございました。
 今おっしゃったPPBSなんかも私が若い役所のころに聞きまして、一生懸命勉強もしたしやったんです。今から思いますと、あれはプランとそれに基づくプログラム、プログラムというのは大体三カ年とか五カ年計画ですが、バジェットというのは年次ごとの、これはいいシステムだなと思ってやったんです。結果から見ますと、事後評価というのは日本はほとんどやっていないでしょう。これがいけないんじゃないか。もう十六種類に及ぶ公共事業の五カ年計画があるわけです。あれは五カ年終わって改定はしていますよ。改定するときにああだこうだ、今度はこっちをやるんだあっちをやるんだといいますけれども、じゃ今までの五カ年、終わった五カ年どうだったんだと。それを全然やっていない。
 ところで、私、実は自分でつくった道路の五カ年計画をやってみたんです。というのは、ビジョンというかプランを六十年に置いたんですよ、四十年ごろですから。六十年はもう来てしまったわけです。振り返ったらお恥ずかしいですよ。需要を測定したのが全く少なかった、車が何台になるという。つくった道路はこれまた少ないんですよ、全然できていない。これはやっぱり役所としては発表しにくいですね、はっきり言って。しにくいからしなかったんじゃなくて、するようなシステムになっていなかったからやらなかったんですけれども、ああいうのをもっとどんどん発表して公開して、前回はこういう点が悪かった、こういうふうに改善しますというような説明を、これを評価と言うんじゃないかと思いますが、私は事後評価が大切だと思います。
 御参考まで。
#33
○堂本暁子君 今の道路のことで、私も本当に事後評価が少ないと思うんです。はっきり言ってしまえば農水省のプロジェクトなんですが、非常に積雪の多いところの道路をつくっているところですけれども、夏の間につくると冬の間にそこが必ずと言っていいほど陥没しているんです。それをまた翌年直す。結局計算したら一年に二メートルぐらいしか進んでいないような計算で、もしその路線を全部完成させると、昭和で言いますと二百年ぐらいかかるという計算になりました。ですけれども、結局なぜそこに毎回毎回予算がついていくかというと、やはりそこで仕事をする人たちがいるからその予算がついていくということが何年かフォローしているうちに私わかったんです。
 そういったことを随分委員会の場では問題にいたしましたし、農水省にも何度も何度も地元の人を連れて陳情にも行ったんですが、それはいわゆる政策として間違っていたことなんですね。最終的にそこは中止になりました。でも、中止になりましたけれども、延々十何年という間に何十億という予算がそこにはつぎ込まれている。
 そういう場合に、私ども立法府で問題にしたときに、今お話に出た民間のコンサルタントでもいいのですが、そこの効率の悪さというのを客観的にやはり評価できるシステムがございましたらそういったことは防げたのではないか。あくまでもむだなお金だった、予算だったと今でも私は思っています。もし、その人たちの生活のためにそういうことをするのであれば別のことを考えるべきであって、そういうむだな循環が北は北海道から南は沖縄までいろいろなところで今起こっているように思いますので、早くきょうの議論が具体化して実際にむだのないような方法をぜひ会長はとっていただきたい、そういうふうに願っております。
#34
○会長(井上孝君) 速記をとめたいぐらいですが、私の道路は建設省の道路でございまして……
#35
○堂本暁子君 存じております。農水省の道路とあえて申しました。
#36
○高橋令則君 今の堂本先生の案に関連ですけれども、私は地域だけを考えますと、その評価には地域の問題もあると思います。例えば、今農政関係のお話がありましたけれども、農政でできないけれども、こっちの地域は必要だから、それに見合ったような形の、言うなれば人が生きていけるようなそういう政策を直ちに時間とお金がセットしてできるような、そういう政治システムというかそういうものが必要だと思うんです。この政策評価には私はそういうものを見ていただきたいと思うんです。
 ですから、経済的な評価と同時に福祉評価あるいは文化でもいいですね、そういうふうなものがバランスがとれるような形の、人があるいは国民が、住民が生きていかれるような政治がセットできるような、そういう大きな意味の評価も必要だろうというふうに思います。
#37
○会長(井上孝君) ありがとうございました。
 高橋さんがさっきおっしゃった民間のシンクタンクですけれども、シンクタンクは日本にも能力のあるところはあると思うんです。これも言い過ぎかもしれないが、みんな財政基盤を特別な特殊なところから仰いでいるとかそういうようなこと。それからもう一つ、シンクタンクに依頼をしたら依頼主の都合の悪いことは発表しないとかそういうことになりますので、私としてはやっぱりシンクタンクというのはもっと中立的なもの、できたら国会がスポンサーになるようなシンクタンクができて、すべてその発注者の都合もともかく公開する、ここにも書いてありますけれども、評価の結果は公開するということが一番公平さを保つ決め手になるんじゃないかなという気がしてきております。
#38
○武見敬三君 まさに会長と私は同意見なんですけれども、先進諸国のそういう第三者的な評価を行うような民間のシンクタンクというのは、いずれも財政的にもあらゆる意味で独立性というものが確保されていて、それによって非常に中立的に評価ができるような仕組みになっております。
 ただ、我が国には、そういう財政的にも政策的にも独立し得るシンクタンクがつくれるような、そういう成熟社会の中のシステムというのが残念ながらできておりませんから、その場合に私どもがしなければいけないのは、やはり国会の中のそうした機能を強化していくということになる。我が国ではそういう意味では、行政監視委員会というものを当調査会が生みの親になってつくったわけでありますから、それを今度さらに機能を強化させていくべく働きかけていく必要性があるだろう。
 実は、きょうは政策等の評価ということで議論をしているわけでありますけれども、私なんか正直申しますと、やはりこの調査会が生みの親であの行政監視委員会ができたわけでありますから、行政監視委員会ができたから、それでもうつくりっ放していいんだというふうにしないで、調査会として行政監視委員会というものをつくったものの、それが果たして本当に私どもが意図したような形できちんと運営されているかどうか、こういうことを当調査会で評価するということも一度ぐらいはやってもいいかなというような、そんな感じもしないではないんですね。
 その中で、実際に行政監視委員会というものにこうした政策評価というような機能も付加することができるのかどうかということもきちんと議論していけば、そうした建設的な将来性への方向というものをつくっていくことができるんじゃないかというふうに多少思いましたので、あえて言わせていただきました。
#39
○会長(井上孝君) そういう気がしたものですから、今の行政監視委員会のメンバーとこの調査会のメンバーがどれだけダブっているかと思ってみたら、岡さんと大森さんしかいないんです。あとは途中からおやりになったけれども上吉原さんとか、案外おられないんですよ。
 これは、先ほど申しましたように、少なくとも行政評価の問題につきましては、できたら、まとまれば提案という形で議長にお出しして、そして行政監視委員会の委員長には私から説明をするという、それ以上はちょっと、国会で別の委員会ですから。
#40
○小山孝雄君 関連なんですが、これもほかの委員会になるんですけれども、ちょっと教えていただきたいんです。
 今、会長から決算委員会の決算のあり方というものの御指摘もありましたけれども、これは大分前から参議院の独自性ということで、衆議院に憲法上予算の審議優先権がある、そのことからくる参議院の独自性を発揮するのに決算重視ということが大分前々から指摘もされ、言われもしてきたことであります。
 確かに、日本人の精神構造として、お上のやることは間違いないよということ、あるいは過ぎたことはとやかく言わないものだ、こういう精神構造から出てくるものかなとも思いますが、あの予算がどのように使われてどういう事業が行われたのかということについて、決算委員会ではどのような扱いになっているのか。私も決算委員会に所属したこともありませんものですから、どういう委員会の審議内容で、また、やろうと思えばそういうことまでできるのかどうか、いわゆる事後評価みたいなことまでできるのかどうかどなたかちょっとお教え願えればと思うんです。
#41
○守住有信君 最大の評価は警告決議だよ。内閣に対して、総理以下、省庁のやつも具体的に入りますけれども、警告決議。六項目から八項目ぐらいある。これは与野党とも相談して、何がより優先的な警告の内容かということを議論しまして、審議の中から拾い上げて、そして文章にして、それで本会議で内閣に対して、総理大臣以下、各省大臣、警告決議、文章で残っておりますよ、毎決算ごとに。私も本会議で読み上げて何かどなった覚えもあったけれども。それがずっと毎決算ごとに文章で残っているわけです。警告決議。これの後追い、これに対して、じゃどうだという二の矢も要るんですよ。一の矢だけじゃだめなんだ、二の矢、三の矢、それだけを話しておきます。
#42
○会長(井上孝君) ちょっと待ってください。
 ただ、決算委員会ではいわゆる政策評価みたいな、これは……
#43
○守住有信君 そうじゃないんだ。予算執行した決算の中の……
#44
○会長(井上孝君) そうでしょう。予算どおり執行されているかどうかというチェックであって、これが役に立ったか立たぬかとか、こうやった方が効率的だったじゃないかという評価は全然しないんですよ。これはさっき猪熊先生が会計検査院法のことをおっしゃったけれども、院法に書いてありますか、その行政評価みたいなもの付。
#45
○猪熊重二君 行政評価は書いてあります。
#46
○会長(井上孝君) 一応書いてあるんですかね。
 私ども、現場というか、会計検査を受けたときに、そういう本当の意味の評価、効率みたいなものを言われたときに、越権じゃないかと言って怒ったことがありますよ。あなたなんかもあるだろう。
#47
○守住有信君 いや、しかし、評価論を前面に出すんじゃないけれども、決算の論議の中から、やっぱり評価的要素も入っていますよ。頭からじゃないにしても、結果としては入っていますよ。よくチェックしてください、過去の警告決議を。
#48
○小川勝也君 途中抜けまして、失礼いたしました。
 私も途中から参加をいたしまして、つらつら考えていたことが会長がおっしゃられたことと全く同じだったと思います。決算委員会にも参加をしたことがありまして、その質疑内容というのは十二分にその権利は確保されていると思います。
 しかしながら、何が不足しているかといいますと、情報収集、調査の能力であります。当然、国会にも調査室等がありまして、いろいろ参考にもさせていただいておりますが、我々が国会で審議する情報の大部分が新聞から寄せられていることが多いわけですね。そんなことから考えましても、先ほどの話ではありませんけれども、能力のあるシンクタンクや調査機関に国会が依頼をして、さまざまな観点から情報を収集できたら、さまざまな問題点に関して国会も変わってくるなというふうに考えておりました。
 例えば、国会が予算をとって、それは行政監視委員会か決算委員会かわかりませんけれども、複数の調査機関に依頼をする、その調査機関が競って調査をしていただく。当然のことながら、依頼手とその調査する仕事の人たちの関係がこういう関係でございますので、十分じゃない調査をする調査機関は次年度から調査を依頼されないわけでございますね。そんな形で競争するのがやっぱり一番いいんじゃないかなというふうに思います。
 例えば、行政監視院法案などという法律をつくろうとしたこともございました。しかしながら、行政という観点から見ますと、調査会長もおりますので大変恐縮なんですけれども、例えば行政にいたOBの方々というのが、それは厳しい先輩ではあっても基本的に利益共同体の中におるというのが今の官僚機構だと思うんです。
 例えば、もしそういうシンクタンクが存在するとしますと、行政の現場にいてさまざまな知識を得た方が今度はそこに再就職していただく、これはもう逆に体育会系のような先輩になると思いますね。後輩のやっている仕事が本当にきちっとできているのかどうかという正しい評価ができる、こんな形で国会がお金を出して調査機関に調査してもらうのが一番いいんじゃないかというふうに思ったんですけれども、何せ国会の予算も大蔵省に査定されているという壁にもぶち当たって実現は難しいのかなというふうに思いますが、せっかくこの調査会もずっとやってきたものですから、国会に予算を伴った調査権、これが実現されるように特段の御配慮をお願いしたいと思います。
#49
○猪熊重二君 一言だけよろしいですか。
 いろいろ御意見があるんですが、要するに、国会は会期制のもとの会議体なんですよ、参議院というのは。要するに常設の機関じゃないんです。だから、予算委員会だとか決算委員会だとか、あるいは先ほどの行政監視委員会にしても、会期制のもとにおける会議体である参議院の機関なんですね。ここのところが常時行政の監視をするということについての適切性というものを考えなきゃならぬだろうと思うんです。
 それから、今度は第三者機関という御意見がありますけれども、第三者機関に物を頼むのは、頼む人がわかっていなかったら頼まれる人は何を頼まれているかわからないんですよ。だから、頼む人がきちんとわかっているんならいいけれども、たまに集まって何か相談するぐらいの人がひとつ頼むわと言ったって、頼まれる方だって何を頼まれたんだかわからぬという意味において、予算委員会、決算委員会あるいは行政監視委員会、これを大いに活用せにゃならぬという議論だとかあるいは国会が頼む第三者機関というふうなもの、それもいいけれども、よっぽど考えておかないと結局実効性がないんじゃないんでしょうか。
 だとしたら、また我田引水で申しわけないけれども、会計に関する会計検査院と同じような意味における行政監視院みたいなものはどうだ。やっぱり自分のところに、我田引水で申しわけない。一言だけ最後に申し上げさせてもらいました。
#50
○小山孝雄君 報告をおまとめなさるということでありますが、先ほども申し上げましたけれども、衆議院が予算を承認することの優先権があるのであるならば、参議院の独自性ということからかんがみて、この政策評価は参議院の承認なしには次の予算化もできないという、そういう制度をつくれないものかなということを強く思うわけであります。
#51
○会長(井上孝君) これはちょっとテークノートしておいてください。できればそういうところまで踏み込みたいところですが、会長は非力でございますので。ほかにございませんか。――それでは、そろそろ時間ですが、きょうの自由討議、大変積極的ないろんな御意見が出ましたので、それを十分取り込むつもりでございますが、きょうお渡しした意見整理項目、四角く囲ったものがございますが、こういうトーンで、トーンといってもおわかりにくいと思いますから、第一の一は、事前、途中、事後の分析・評価をして、しかもこれを国民に公開するという必要がある。それから二番目は、わかりやすくし、正確性・公正性を確保しよう。それから、たびたびこれも出ました、スタッフの養成・確保に努める。それから、手法の研究をもっとしろ、マイナス効果も出る。
 それから、第三者機関として、これはちょっと及び腰でございますが、「第三者機関を設置する必要がある。」と書いてありますが、これはいかがでしょうか。
 私の考えとしては、第三者機関といってもいろんなものがありますが、やっぱり国会がかむ、かむというと語弊がありますが、国会が関与する。しかも、それは今の段階ではこの間できた行政監視委員会、あれが主として関与するということで、国会の第三者機関としてはいかがかな、私はこう思いますが、この点何か特に御意見ございますか。もちろん、そのためには例の民間のシンクタンク、これはその前のスタッフの養成のところに書いてございます。そういうものも利用しなきゃいかぬと思います。
 それで、ちょっと最後の四まで行ってしまったような感じですが、今言ったように国会が関与する、それは今の段階では国会としては、参議院としては監視委員会ということをこの提案の中に入れたいと思いますが、いかがでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○会長(井上孝君) それでは、そこまで踏み込ませていただいて……
#53
○守住有信君 三番目だけはちょっと表現を直してください。「第三者機関」。単純に「第三者機関」と書いてあるだけだ。
#54
○会長(井上孝君) これはちょっと表現を考えてみます。今の、第三者機関にはならぬのかな、民間シンクタンクなんというのは。
#55
○守住有信君 それも含めての。
#56
○亀谷博昭君 我々が言っている第三者機関というのは、一から二まではいわゆる行政における評価への取り組みなんです。だから、そこにおける第三者機関という想定でここに書いてあるんじゃないかという感じがするんです。さっきお話が出ているように、まるで違う独立機関的な第三者機関という意味ではここではないと思うんです。だから、ここはやっぱり四に組み込んだ形でいいんじゃないかという感じがします。
#57
○堂本暁子君 提案でございますけれども、一の最後のところの評価スタッフの養成のところに「シンクタンク」というのだけが書いてあるんですけれども、言葉の表現ですけれども、民間のコンサルタントというような形で、コンサルタントあるいは評価専門家というような言葉があるかどうかわかりませんが、シンクタンク以上にその方が適切な表現じゃないかと思うのが一つでございます。
 それから、二ページ目の今お話しのございました四のところですが、ここに明確に民間のコンサルタントあるいはシンクタンクの活用というようなことを書き込んでいただけたらうれしゆうございます。
 以上です。ありがとうございました。
#58
○会長(井上孝君) 検討してみます。
 それでは、自由討議はこの程度にしまして、大変貴重な御意見を伺いましたので、本日の議論を踏まえて、今申し上げましたように、報告書という形でまとめてみます。そして、お諮りをすることにいたします。しばらく会長にお任せ願いたいと思います。
 きょうはありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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