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#1
第142回国会 災害対策特別委員会 第5号
平成十年四月十日(金曜日)
   午前十一時五十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     田  英夫君     瀬谷 英行君
     山下 芳生君     緒方 靖夫君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     平野 貞夫君     戸田 邦司君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         浦田  勝君
    理 事
                清水 達雄君
                田浦  直君
                本岡 昭次君
                但馬 久美君
    委 員
                阿部 正俊君
                芦尾 長司君
                岩井 國臣君
                長谷川道郎君
                馳   浩君
                依田 智治君
                足立 良平君
                平田 健二君
                前川 忠夫君
                木庭健太郎君
                瀬谷 英行君
                緒方 靖夫君
                戸田 邦司君
                平野 貞夫君
       発議者      本岡 昭次君
       発議者      但馬 久美君
    委員以外の議員
       発議者      田  英夫君
       発議者      山下 芳生君
       発議者      島袋 宗康君
       発議者      栗原 君子君
       発議者      都築  譲君
       発議者      菅川 健二君
   政府委員
       阪神・淡路復興
       対策本部事務局
       次長       田中 正章君
       国土庁防災局長  山本 正堯君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        八島 秀雄君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       樋口俊一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正
 する法律案(第百四十回国会田英夫君外五名発
 議)(継続案件)
○阪神・淡路大震災の被災者に対する支援に関す
 る法律案(第百四十一回国会都築譲君外四名発
 議)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(浦田勝君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 昨九日、山下芳主君及び田英夫君が委員を辞任され、その補欠として緒方靖夫君及び瀬谷英行君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(浦田勝君) 災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案及び阪神・淡路大震災の被災者に対する支援に関する法律案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○田浦直君 自由民主党の田浦直でございます。
 日本は自然災害が大変多い国でございます。このような災害被災者の自立支援ということで、発議者の先生方には大変御苦労をされてこういう法案をつくられたということにつきまして、心から敬意を表したいというふうに思っているわけでございます。
 私も二法案を読ませていただきましたが、その中にはいささか無理じゃないかなというものとか少し理解に苦しむなというものがあるわけでございまして、その辺をお尋ねさせていただきたいというふうに思います。
 二法案ございますので、この災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案というのを弔慰金改正法と略して呼ばせていただきたいと思います。また、阪神・淡路大震災の被災者に対する支援に関する法律案は阪神・淡路法ということで省略させて呼ばせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 私、二法案を見まして、まず一番初めに適用について、弔慰金改正法では阪神・淡路以降に遡及するということになっておるわけですね。この阪神・淡路以降ということに限定したというのはどういう根拠があるのかなというふうな気がするわけです。直前には三陸はるか沖地震なんかもあったわけでございまして、そういったものに対してはどうなのかなというふうな気がするわけです。
 また、阪神・淡路法ではこれは阪神・淡路の大震災にだけ適用するということになっておるわけですけれども、それならばその前に先ほど述べました三陸はるか沖とか、その後には私どもで視察に行きました針原川のはんらんですね、こういったもので人命も失われておりますし居住しているところも全壊しているわけですが、こういったものはもう見捨てていいのかというふうな気がするわけでございまして、その適用について両案の先生方に御答弁をお願いしたいと思います。
#5
○委員以外の議員(栗原君子君) お答え申し上げます。
 市民案の提出者の一人でございます栗原でございます。
 確かに、阪神・淡路大震災以前にも雲仙・普賢岳の噴火によります災害、あるいは北海道の南西沖の地震の災害、いわゆる奥尻地震でございますけれども、そういったことが起こっております。それらにつきましては、全国からたくさんの義援金が集まってきました。そのために被災者の生活再建はほぼ果たすことができた、このように解釈をしております。
 しかし、阪神・淡路大震災の場合、全国から多額の義援金が集まりました。しかし、被災者の数が余りにも多かったために配分されました義援金だけで生活再建をするということは全く不可能でございました。市民の人たちから聞きます情報によりますと、阪神の人におきましてはお一方二十四万円、あるいはまたあと幾らか追加をされまして、それでも二十九万円であったということを聞きます。こうした状況の中では生活再建ということは不可能でございまして、まず阪神・淡路大震災に遡及をしていくということが必要かと思います。
#6
○委員以外の議員(都築譲君) 阪神・淡路法ということでお名前をつけていただきましたが、私どもが提出いたしました法案では、今、田浦委員御指摘のように、阪神・淡路大震災の生活支援に着目した対策を講ずるということにしておりまして、その点について、なぜ阪神・淡路だけなのか、日本は災害が多いからほかのところでもたくさんの災害が起こってまた災害の犠牲者も出ているのではないか、こういう御指摘でございました。
 ただ、今日まで、例えば政府が講ずる各般の施策あるいはまた災害弔慰金の支給等に関する法律、災害救助法、さまざまな施策が講じられておるわけでございますけれども、阪神・淡路大震災はその規模において、またその範囲において戦後未曾有の大災害であったわけでございまして、死亡者が約六千四百人、そしてまた全半壊住宅四十五万世帯を超える、こういう大変大規模なものでございました。
 そして、政府が講ずる施策以外にも全国の篤志の方々から善意の寄附が寄せられまして、そういったものでまた被災に遭った方たちの生活の支援等を行ってきたわけでございますが、先ほど栗原議員からもお話しございましたように、例えば最近の事例で比較をしてみますと、北海道南西沖地震では義援金総額が約二百五十九億円、そしてそれが一軒当たりにいたしますと約二千二百万円になる。さらにまた、雲仙・普賢岳の噴火災害では二百三十三億円の義援金が寄せられ、そしてそれが一軒当たり約二千万円、こういう状況になっているのに対し、先ほどお話しございましたように、阪神・淡路大震災は被害者の規模が相当数に上るということからわずか数十万円程度という状況になっていることも勘案をいたしますと、こういった状況の中で大変困窮に貧している皆様方の生活支援をどういうふうにして進めていくのかということで、私どもは阪神・淡路大震災といった異例の、尋常でないこの災害に対して国として手を差し伸べることが必要ではないのか、こういうことで立案をしたわけでございます。
 今日まで政府が、あるいはまた都道府県あるいは市町村が講じてきた措置によりまして社会資本等のハード面は相当程度復興しつつあるわけでございますけれども、ただ、人々の生活に目を向けた場合、まだ復興は完了していないというふうに考えるわけでございまして、その被害の甚大さ、規模の広範さ、こういったものを考えますと特別な立法措置を講ずる必要がある、このように考えております。
 なお、このことを申し上げますが、恒久法の必要性といったものを私どもとしても当然否定するものではないということは申し上げたいと存じます。
#7
○田浦直君 主に義援金の話が出ておりましたけれども、義援金というのはこれは善意の寄附ですので、これによって期限をどこまでさかのぼるというのはどうかなという気がするわけです。もともと遡及するということ自身が法律としてなじむのかな、どこまで遡及すると決めることができ得るのかな、それならその前後で起こった被災者は一体救済しなくていいのかなと。そこにたくさんの義援金が本当に来るかどうかもわからないわけですから、私はやはりその辺は整理しておかなければならぬのではないかなというふうに思うわけでございます。
 次に、弔慰金改正法の方では、生活基盤回復支援金制度を弔慰金法改正で行う、こういうことになっておるわけですね。これもどうかなという気がするわけです。現在の災害弔慰金法は回復不能な死亡や重度障害者など人的な被害に対して給付を行うというのが目的でありますから、その基本的な考えが全く違うんじゃないかという気がするわけでございます。
 それから今度は、阪神・淡路法では見舞金ということになっているわけですが、この見舞金というのも、生活再建という面からいって私どもはやはり生活再建を重視した法案にするべきだというふうに思っておるわけですが、両案についてお答えをお願いしたいと思います。
#8
○委員以外の議員(田英夫君) お答えいたします。
 私どもが災害弔慰金の支給等に関する法律の改正という形にいたしましたのは、この災害弔慰金の支給等に関する法律は昭和四十八年に制定をされておりますが、災害によって命をなくされる、あるいは大きなけがをされる、いわば人的な被害に対して率直にはお見舞いといいますか、弔意とお見舞金を出す、そういう形で公的なお金が災害の被災者に対して支払われた日本で初めての法であると思います。
 これは人的被害に対するものでありますけれども、同じような考え方から物的な被害、家が全壊あるいは半壊をした、生活の基盤が失われてしまったということに対しても同じような意味で公的なお金を出す、こういうことでありますから、災害弔慰金の支給等に関する法律の改正という形にいたしまして、今申し上げたような趣旨から、全体の構造が変わりますから法律の題名も第一条で変える、こういう形にいたしました。
 いわば両方とも、つまり人的な被害も物的な被害も、これに対して公的なお金を出すことによってお見舞いないし生活基盤を回復するためのお金を差し上げるということでありまして、考え方としては社会保障的な考え方、これが基盤になっているというふうにお考えいただきたいと思います。
#9
○委員以外の議員(都築譲君) 今見舞金というより生活支援、生活再建を重視すべきではないか、こういう御指摘でございますが、私どもの法案の方では、震災見舞金、そしてまた特別支援金という二つの措置を講ずることとしております。そして、見舞金という名称を用いておりますが、その趣旨は被災された方たちの生活基盤の再建、そこに重点を置いたものでございまして、その観点から今現在政府が講じている生活再建支援金の支給がありますけれども、実は対象が六十五歳以上、さらにまた要援護世帯、さらにまた所得要件もかけられているという状況の中で対象が極めて限定をされておるわけでございまして、対策としては極めて不十分ではないか、こんなふうに考えております。
 そのことが、とりもなおさず今日に至ってなお仮設住宅に二万世帯以上が入居しているという現状にもあらわれているのではないか。そんなことから、こういった生活再建に困難を来している皆様方がより多く本当の生活再建をできるようにするために、家財道具等の逸失に対して見舞金を支給すると同時に、特別支援金というふうな形で震災後所得が前年に比し大幅に減少した人たちに対して特別支援金を支給して生活の再建を支援していきたい、こういうものでございます。
#10
○田浦直君 今特別支援金の御説明がありましたけれども、僕はこれもちょっと不合理ではないか、あるいは難しいんじゃないかというふうな気がするわけです。これは阪神・淡路法ですけれども、平成六年度と平成八年度を比べて所得が三分の二以下になった場合というふうになっているわけですね。一つは所得の把握というのが実際できるのか。税金を納めている人はわかるかもしれませんけれども、そうでないところの前後の把握というのができるのかどうか。それからもう一つは、被災でなくて所得が減った場合もたくさんありますね。平成六年と八年ですから、その間に定年で退職したというような場合だって三分の二以下になるかもしれません。こういった方々に対しても支給するということになるわけなんですが、その辺は少し不合理ではないかなという気がするわけですが、いかがでしょうか。
#11
○委員以外の議員(都築譲君) 今特別支援金の支給基準が不合理ではないか、こういうお尋ねでございますけれども、例えば今、政府がとっております災害援護資金の方におきましても、年収の基準を定めてそしてそれに基づいて貸付額等を決定していく、こういう措置があるわけでございます。私どもとしても、その観点から、平成六年度と平成八年度の二年間における所得の減少の割合三分の二未満といったものを基準として特別支援金を支給していこう、このように考えておるわけでございまして、その点では何ら不合理ではない、このように考えております。
 また、現実に今御指摘になりましたような事例も考えられるところでございますけれども、ただ、実際に今阪神・淡路大震災で起こっております経済活動の著しい打撃が、さまざまな住宅の損壊とか、あるいはまた事業所、工場、商店、こういったところの損壊によって起こったものであるといった証明もとることが可能でございます。さらにまた、今具体的な所得額の問題につきましても、納税証明とかそういったものを採用する、あるいはまた非課税世帯については、これは申告ベースの話になるかもしれませんが、そういった形で運用していくことは十分可能である、こんなふうに考えております。
#12
○田浦直君 納税証明をもらえる人はいいですが、低所得者とか、あるいはその年はたまたま収入、所得がないという場合だってあるわけで、その人たちの把握ができるのかなというのが疑問でございます。
 それから、高額所得者に対しても支給するように書いてあるんですね。弔慰金改正法の場合は二千万未満であるし、阪神・淡路法では一千万未満ということになるわけです。そうしますと、少しそういう面ではどうかなというふうな気がするわけでございます。これは平等の観点という意味からも少し高過ぎるんじゃないかという気がするんですが、両法案、御答弁をお願いしたいと思います。
#13
○委員以外の議員(田英夫君) 災害によって生活基盤を破壊されてしまった、それを回復するという精神、考え方からいたしますと、どのような所得であってもダメージは同じだと思います。ただ、非常に高額な所得者の場合はおのずから違うと思いますので、二千万という上限、制限を設けました。しかし、中堅所得者も、家が全壊するあるいは半壊するというような形で生活基盤が失われた場合には、やはり回復のためには一定の資金が必要だ、こういう考え方であります。
#14
○委員以外の議員(都築譲君) 私どもの阪神・淡路法案の方も基本的には同じような考え方に立っておりまして、災害によって例えば家財道具とかあるいはまた什器、備品等、こういったものが現実に住宅が全半壊するあるいは全半焼するという事態になれば逸失したことは事実であるわけでございまして、そういった部分についてどういうふうに対応していくのかというふうな問題もあるわけでございます。
 これとはまた別途、実際に高額所得者まで対応することはどうかと。私どもの場合は一千万円というふうなものを設定しておるわけでございまして、これは震災見舞金の方でございますが、一千万円に満たない世帯に対して補償というか震災見舞金を支給するということにいたしております。今申し上げたようなことで生活の基盤である日常の生活用品、家具、家財、あるいはまた什器、備品、こういったものが逸失することで日常生活の再建さえ不便を感じる、こういった事態に対してどういうふうに対応するのかということでございまして、高額な所得というものがいろんな方によって基準が違うんだろう、このように思いますけれども、私どもは一応一千万円というふうにしておりまして、一千万円ということでおおむね八五%相当の被災家族がカバーできるんではないか、こんなふうに考えております。
#15
○田浦直君 今、都築先生がおっしゃられましたように、地域によっても所得の格差というものがあるし、考え方が違うと思うんですが、やはり一千万、二千万というのは庶民から見れば高額になるんではないかなというふうな気が私はするわけでございます。
 それから、両案とも支援金の使途というのが特定されていないような気がするわけです。その場合、日常生活費に消費されてしまうということも生じるかもしれません。そういうことで、両案によれば、必ずしも生活基盤の回復のために使われないという可能性があるような気がするわけでございます。真の生活再建につながらないということになれば、これは税金ですから、大変ゆゆしき問題でございます。
 私どもも、細かく一つ一つチェックするという必要はないし、またそれは弊害があるというふうな気がするわけですけれども、やはり何かで生活再建のためにこれは使われているんだというものを設けた方がいいんじゃないかというふうに思うわけですけれども、これは両案にお尋ねをしたいと思います。
#16
○委員以外の議員(田英夫君) おっしゃる意味はよくわかりますけれども、被災をされた方それぞれに御事情が違うこともあり得ると思います。
 一般的に予想されるのは、例えば全壊をされた方の場合はもう住めないわけですから、新しいところを賃貸でも探さなければならない、当面。あるいは、そのための引っ越しの費用も要るし、新しいところの敷金や礼金も要るだろう。あるいは、家具も恐らく大きな損害を受けているので、新しい家具も必要だろう。さらに、衣類とか寝具とか、そうした日用品を新たに購入しなければならないだろうというような事情が、それぞれまた損害の程度や生活態度によって異なるだろうと思いますので、その辺は被災者の方のそれぞれの御事情によってお任せをする。
 半壊の場合でも、これは全壊とはまた違ってくるだろうとは思いますけれども、やはり家は半壊だったけれども家財はほとんど失われだというような方もあり得る。その違いがあると思いますので、それぞれの御事情によって使途が変わってくるだろうということで特に使途を指定していない、金額だけを決めた、こういうことになっているわけであります。
#17
○委員以外の議員(都築譲君) 田浦委員のお話を聞いておりますと、できる限り要件を絞ってそして厳格な運用を何かお考えになっているような印象を受けるんですが、実際に阪神・淡路大震災が起こったときの状況を思い起こしていただければ、あのときに、あなたは生活再建支援のためのお金はどういうふうに使いますか。家具ですか、衣類ですか、日用品ですか、あるいはまた連絡をとるための電話代ですか、通信費ですか、そんなことを一々審査している余裕があの大震災直後に本当にあったんだろうかということをぜひ考えていただきたいと思います。
 今この法案を出しておりますが、もう既に三年が実は経過をしておりまして、この三年の間にもなお生活再建ができなかった人たちがこれだけいるということをぜひ思い起こしていただきたいというふうに思うわけでございます。実際に、政府が講ずる施策の中でその使途を特定して、そしてまた、さらにそれを審査するような話になったりした場合に、事務が本当にできるのか、あるいはまた煩雑になってしまわないか、そのための体制ができるのか。そしてまた、みんながわあわあ言って困っているときに、だれがそんなところに何がしかのお金をもらうために行くだろうかというふうなことも私は考えなければいけないと思います。
 実際に、被災された方たちの生活というのはそれぞれ多様なものがありましょうから、ある程度のまとめたお金、もちろんその積算の根拠として今申し上げたようないろんな分野がありますけれども、そういったものをベースにして一定の金額を渡して、その使途をそれぞれの個人の判断にゆだねる方がより効果的で合理的ではないかと私どもは考えております。
#18
○田浦直君 私も、冒頭に言いましたように、細かくは規制する必要はないと思うんです。ただしかし、もうやりっ放したと、確かにおっしゃられるように多くの人は必要なものに使用されるかもしれませんけれども、そうでない場合もあるんじゃないかという危惧はどうしても起こってきます。これはやはり税金ですから、その辺はきちんと決めておかなければならぬのじゃないかなと心配をするわけでございます。
 それから、この弔慰金改正法では、支給額は全壊の場合は五百万円以内、半壊は二百五十万円以内としておりますけれども、それらの額が何に使われると考えて想定されたのか、それから生活再建支援に必要な、不可欠な経費としては少し多過ぎるんじゃないかなという気もするわけですが、その点についてお尋ねをいたします。
#19
○委員以外の議員(田英夫君) 先ほど申しましたように、それぞれ御事情が違うとは思いますけれども、家が全壊ないし半壊をして生活基盤が失われたということになれば、まず新しい住みかを探さなければならない、つくらなければならない、これが一番大きな問題だろうと思います。あるいは家財、当面の生活というようなことを考えますと、事情が違うとはいいながら、やはり相当多額の費用がかかる。
 そうかといって、この私どもがつくりました法律案の考え方は、家が壊れたから家を建て直す費用をお出しするということではないのであります。これは、到底被災者皆さんにそういうことをやってさしあげるということは、公的な資金でやるということはいかがなものかと言わざるを得ませんから、やはり冒頭申し上げたような社会保障的な考え方で、生活基盤をこれで回復してください、元気を出してくださいという意味でお出しする以上は一定額の制限を設けざるを得ない。
 金額につきましては、実は先ほどおっしゃった全壊五百万、半壊二百五十万という数字は四人家族の一番最高の場合でありまして、これが上限であります。例えば、一人世帯の場合は全壊が二百万、半壊が百万、それで四段階を考えておりまして、家族数によって当然生活費というもの、再建をするに当たっての費用というものは違いが出てくるということであります。そう思いますから、世帯の人数によって四段階を設けました。最高が五百と二百五十ということであります。
#20
○田浦直君 私がそういう質問をいたしますのは、被災者の支援については、災害救助法によって炊き出したとか避難場所の確保、あるいは応急仮設住宅の供与とか、あるいは災害援護資金を初めとする各種の融資、公営住宅の建設等によって幅広くかつきめ細かく対応しておるところですね、現状でも。新たな支援をつくる場合に、私はそれらとの整合性というものも必要ではないかなというふうに思うわけでございます。
 そのような意味から、この弔慰金改正法の支援金というのは支給額も大きいし、このような既存の施策と整合性のとれていないものになっておるのではないかなというふうに思うわけでございますけれども、整合性という意味でいかがでしょうか。
#21
○委員以外の議員(田英夫君) 金額をどの程度に設定するかということにつきましては私どもも随分議論をいたしました。阪神・淡路の現場にも何回か行きまして、被災者の皆さんの実態を調べてもみたわけでありますが、もちろん非常に乱暴な言い方をすれば多いにこしたことはないということは言えるのかもしれませんけれども、おのずから国ないし自治体の財源とのかかわりがございますから、あの大災害の中で家が壊れ、あるいは焼けてしまったという皆さんの実態からするとこのくらいはというところで設定した数字でありまして、先ほど申しましたように、やはり世帯の人数によって段階を設けるというようなこともきめ細かく考えたつもりでございます。
#22
○田浦直君 整合性はどうですか。
#23
○委員以外の議員(田英夫君) これは整合性といいましても、金額の設定というのは被災者の実態から算出したと申し上げる以外にないと思います。
#24
○田浦直君 では次に、支給対象世帯についてお尋ねしたいんですが、両案とも住家半壊世帯も対象となっておるわけですが、この半壊世帯というものは、統一基準によれば補修すればもとどおりに再使用できる程度のものということになります。それから、損壊の程度も非常に幅が広がっておるわけで、例えば損壊部分がその住家の延べ面積の二〇%以上七〇%未満と幅が広いんですよね。したがって、補修できて直るものも使えるものもあるし、もう取り壊さなければならぬというものもあるわけでございまして、それを一つにするというのはどうかなと思うわけです。
 これは阪神・淡路の今の措置でも、半壊し解体した世帯のみが対象ということになっておるわけでございます。私どもはこのために半壊世帯をすべて対象とすることには生活支援の必要性からいっても妥当性を欠くんじゃないかというふうに思っておるわけですが、これは両案の先生方にお尋ねをしたいと思います。
#25
○本岡昭次君 お答えをいたします。
 全壊、半壊という問題ですが、全壊、半壊の認定というのは政府の方も「災害の被害認定基準の統一について」ということで昭和四十二年六月十四日に出しているわけで、阪神・淡路大震災もこれに基づいて、先ほど田浦委員もおっしゃいましたけれども、一応ここまでは全壊、ここまでは半壊というふうに決めているわけで、そのこと自体に問題があるとは私は考えません。そして、全壊と半壊とは当然生活基盤を回復させていくということには差が生じるわけでありますから、支援金の金額に差があることも当然であろう、このように私どもは思っております。
 そしてまた、阪神・淡路大震災なりの経験から見て、半壊と全壊の認定がかなり困難であったということは確かにございます。したがって、私たちが法案をこういう形でつくって、これが成立した場合は、全壊に対しては幾ら、半壊に対しては幾らというふうに生活基盤回復支援金が支給されるわけでありますから、より厳格に、従来の認定基準というのをもとにしてさらに新しいものをつくるというふうなことも必要になってくるんではないかと思います。従来の基準というのはそれに従ってお金が出るというふうな仕組みになっていなかったということがございますから、政令でそうしたものをきちっと押さえていくということが必要ではないかというふうに私は思っております。
#26
○委員以外の議員(都築譲君) 田浦委員の御指摘、今の生活再建支援金の対象要件の中で半壊については半壊で解体した世帯とあるわけでございまして、それを引用されて御指摘されておるわけですが、私ども住宅の損壊程度を基準にしておりますけれども、それは生活の基盤がどの程度破壊されたのか、そしてそのためにどの程度の支援をしなければいけないのかを判断するための基準として住宅の損壊の状況を基準として採用したわけでございます。一たん半壊とか半焼という事態になればこれは今の基準でも大体二〇%から五〇%までの面積の喪失とかそういったふうになるわけでございまして、そのときにでは家財とか家具とか衣類とか日用品とかさまざまなものが打撃を受けたことは当然類推できるわけでございます。その点に私どもは着目をして生活基盤の再建のために震災見舞金といったものをつくろう、こういうことを言っておるわけでございまして、その現状というものが、住宅が半壊したまま解体をされたからでは何が変わったかと言われれば何も変わるものなどないわけでありまして、生活がダメージを受けたという事実だけは厳然としてあるわけでして、それを測定する基準として住宅の半壊といったものをつくっておるわけでございます。
#27
○田浦直君 半壊という言葉で一くくりにしているわけですから、それが二〇%から七〇%、これは面積ですね。そうすると同じ半壊であっても差ができてくるんじゃないか、不公平感が出てくるんじゃないかと逆に思うわけです。今五〇%と言われたのは、住家の時価の二〇から五〇%ということになりますね、その被害ということになると思うんです。その辺もやはり不公平感が出ないようにやらぬといかぬのではないかと思って質問をさせていただいたわけでございます。
 次に、経費及び負担区分です。
 弔慰金改正法においては、支援金の支給のためには阪神・淡路分だけでも約一兆一千億の国費を要する上に、恒久法として今後の災害時にも多額の国費が必要になるというわけでございます。また阪神・淡路法におきましても、約三千四百億の国費を要する、必要にするということになっておるわけです。
 現在及び今後の財政状況を考えてみれば、阪神・淡路分も含めその財源を確保していくことは極めて困難であろうということは予測されるわけですが、この財源をどのように確保していくのかということについて具体的にお答えをしていただきたいというふうに思います。
#28
○本岡昭次君 私が財源をどう調達するかという私案的なものは若干後で申し上げます。
 しかし、基本は私は財源調達の問題ではないと考えています。一兆円だからどうだ、五千億円だからどうだ、一千億円だからどうだ、五百億円だからどうだということではない。出してはならないものは一円だって出してはならないということになろうかと思います。出さねばならないものはたとえ一兆円でも出さなければならないというところが私は大事であろう、こう思うのであります。
 そういう意味で、今、私たちが自然災害によって被災した被災者個人に対して法的支援をするということが果たしていいのか悪いのかという問題の議論をまずきちっとしなければならないと考えます。
 今までは、それはすべきでないという一つの立場に立って法制度が組まれていたのであります。それを、私たちは支援をすべきであるという立場に立つこの法律を今提示いたしております。
 それでは、今までしてはならない、すべきではないというそういう考え方をすべきであるというふうに変えていく、一体その理屈はどこにあるのかという問題がございます。それはいろいろあるわけでありますが、私たちが生活基盤回復支援金というここのところに着目したのは、すべきでないという今までの論理をすべきであるというところに変えていくという意味がここに非常に強くございます。
 それで、私は、被災地の復旧・復興というのはやはり大きな柱が二つあると。一つは被災地の公共的なもの、インフラ的なもの、こうしたものをきちっとやっていかなければ地域社会そのものは復興しないわけであります。もう一つは、被災者の生活は一体だれがどのようにして復興させていくかと。しかし、今まではそこのところは自助努力、自力復興、自分のことは自分でやるべきだという立場が貫かれていたのであります。そういうことになれば地域の復興と個人の問題がばらばらであってうまくいかない、両方がきちっとした手だてが行われて初めて被災した地域社会の復興ができるんだ、どちらが欠けてもいけないと、こう私は思うのであります。
 だから、そういう立場に立ちますと、公共的なものに国の税金を使うのは公共の利益、公益に値する、しかし私的なものはそうならないというふうな理屈でいいのかどうか。私は、被災者個人が自助努力で自力復興をしていくその基本的な経済的な条件を整えていくということも公共的なものであるとも考えるし、公益に資するものであるというふうに考えなければいけないんじゃないかというふうに思います。
 とすれば、個人の被災者に対して、自力復興あるいは自助努力というもので立ち上がっていくまでの崩壊された生活基盤を回復するための経済的な支援を国がすべきだということになれば、あとは一千億であれ五千億であれ一兆であれ、それは政府の責任で調達して、そうした公益に資する対応をするのが当然であろうと思います。
 そして、今公的資金という問題は、金融の不安定な状態の中で金融の安定化とか預金者の預金保護とかいうことで三十兆円という公的資金の出し方も現にあるし、住専では六千八百億というお金が一般会計の中から出されておりますし、また現に復興基金だってさまざまな知恵がそこに働かされております。そういうふうに出すべきであるとなればその出し方はいろいろあるし、建設国債あるいは赤字国債というふうな形の国債を発行して財源を得る方法だって、今までもいろんな場合に考えて政府は対応してきたと私は思っております。だから、そういう意味で、やるべきだという立場になれば、それは政府の責任でおのずからやる方法はある。七十七兆円の国の予算を全部使えというような乱暴な話では絶対ないわけでありまして、可能である、私はこう考えます。
#29
○田浦直君 この弔慰金改正法の中には先生のそういう精神が盛り込まれ過ぎているんじゃないかなというふうに思うんです。
 一つは、阪神・淡路にまで遡及適用されるわけですけれども、阪神・淡路は十分の十なんですね、国の持ち分というのがね。しかし、ほかのものは二分の一だと書いてあるわけなんですよ。どうして阪神が十分の十で、ほかのものは二分の一なのか、そこの辺の合理性というのがちょっと理解できないわけなんです。やはり被災者は同じ被災者だと思うんですよ、大きな災害であれ小さな災害であれ、個人に対するこれは救済ですから。その辺が均衡がとれていないんじゃないかなという気がしてならないんですが、いかがでしょうか。
#30
○本岡昭次君 この法律では、今おっしゃいましたように、費用の負担を国が二分の一、都道府県が四分の一、市町村が四分の一というふうに定めてあるわけで、この法律が可決、決定されれば各地方自治体は条例をつくってこれに対応できるようにしなければならないというふうになると思います。
 それで、各自治体は死亡弔慰金を支給するための条例を現に持っているわけであります。条例を別途新設しなくても、現在ある条例の中にこの災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案、つまりこれは災害被災者等支援法になるわけでありますが、ここに言う生活基盤回復支援金をどう支給するかということを条例の中に組み込んでいくという作業になると思います。その結果、今、田浦委員がおっしゃったようなことが今後の震災に対する対応として起こるのであります。
 だから、阪神・淡路大震災は三年三カ月前に起こった震災として、関係の県なり自治体がこれに関する条例にそれでは今から新しくこの内容を入れて、それで直ちにそのお金を支給せよ、支出せよということを求めても、未曾有の大震災という中で現在でももう多額の財政支出を行っており、やがて皆赤字団体に転落するんではないかどいうふうな現状にあるわけで、そこにさらにこれだけのものを求めるというのは酷ではないか。
 何も私が地元出身の議員だからといって身びいきをしているわけでなく、文字どおり何百年に一回、千年に一回起こるかどうかと言われる大地震、そしてこの未曾有の状況の中で必死になって立ち上がっていった阪神・淡路大震災の被災地域に対して、この分に関しては特例的に国が負担をすべきであるということをこの附則のところに設けたわけでありまして、そうした特例的の特例というそういう現状認識を皆さん方がしていただけるのかどうかというところにかかってくるわけでありますが、発案者としてはそういうふうにお考えをいただきたいという思いであります。
#31
○田浦直君 先生の阪神・淡路にかける情熱というものはよくわかるんですが、国でつくる場合に、本当なら、私どもが賛成するわけじゃないけれども、全部十分の十と書かれるか、いや阪神・淡路も二分の一だ、そしてそのような方法でやるんだと、そういうふうに書かれた方がいいんじゃないか。これは先ほども言いましたように、個人個人に対するお金でありますから、震災の大きさによってどうこうということはないと思うんですね。それはもうどんな小さな災害でも家がなくなっている人もあるし、そういう大きいものにはまた公的なものがたくさん入ってきているわけですから、それとは別にまた考えないといかぬのじゃないかなと私は思っているわけでございます。
 それで、議員立法をつくるときには、特に予算を伴うわけですから、そういったときには政府との調整というか、国会法によりますと「内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。」と、こういうふうになっているわけですけれども、その辺はまだ済まされておられぬのじゃないかなというふうに思うんですね。そして、今の金額からいうとこれは非常に難しいんじゃないかなというふうな気がするわけですけれども、その辺はどうお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。
#32
○委員以外の議員(栗原君子君) お答えをいたします。
 日本は三権分立の国でもございますし、予算を先に考えて、それから事業を考えていくというのは大変おかしいのではなかろうか、そういうことを思います。そして、まずどんな政策の方が先か、こちらの方が優先するのではないでしょうか。市民案におきましては生活基盤の回復ということを強く求めておりますので、国民のニーズにこたえる政策をまず立法府の国会の方でつくっていくということが先決ではなかろうかと思います。
 そしてまた、予算につきましては政府の方で十分対応していただけるものと確信をしております。
#33
○委員以外の議員(菅川健二君) 阪神・淡路案につきましてちょっと私どもの見解を申させていただきたいと思います。
 基本的には本岡委員との考え方は一致しておるわけでございますけれども、阪神・淡路大震災というのは未曾有の災害でございまして、しかも個人の責めに負わざる災害だということで、個人の生活再建のために国が特別の措置をするということは、憲法上の最低限度の生活の保障という意味からも当然の責務であると我々は考えておるわけでございます。
 金額的に言いましても、先ほども話がございましたけれども、金融システム支援に対して三十兆円出す、それに対して、人間の尊厳なり生活の再建のために数千億あるいは一兆円前後を出すということについては、それだけでも余りにもバランスを失しておるのではないかというような感じがいたしておるわけでございまして、そういった面で我々としては公的支援というのは十分可能であるというふうに考えております。
 それから、議員立法につきまして、予算を伴うものについては政府の意見を聞くということでございますけれども、これは本日からこの法案につきまして実質審議をいただいておるわけでございまして、大方の委員の皆様方の賛意をいただくということになりますと、委員会の方でひとつ内閣の意見を求めていただけましたら、この委員会の熱意でもって十分政府を説得することは可能ではないかと思うわけでございます。
#34
○田浦直君 私が言っているのは、国会法に意見を聞きなさいと書いてあるわけです。それに別に従いなさいということではないんです。そういう手続はやっぱり踏まなければならないという話をさせていただいたわけでございます。ぜひそういう手続を踏んでいただきたい、こういうふうに思うんです。
 それから、災害が起こりますと当然都道府県が直面をするわけです。そういう意味では、全国知事会では基金構想についても平成七年七月より検討を開始し、平成九年七月に都道府県の相互扶助による基金制度の創設について決議するなど積極的な検討を行ってきておるところでございますけれども、両案の先生方も、やはり第一線で災害対策を行っておる全国知事会の考え方も踏まえられた方がいいんじゃないかなというふうに思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#35
○委員以外の議員(山下芳生君) 全国知事会の今御紹介のあった平成九年七月十七日の決議を見ますと、一瞬にして生活基盤を破壊された被災者が自力のみで復興することは極めて困難であるというふうに書かれてあります。私どもも、被災者の生活再建は自助努力では限界がある、公的支援が必要だという立場ですから、この点では認識は一致しておるというふうに評価をしているわけであります。
 その上で、じゃどういう公的支援が必要なのか。私どもは公的支援制度を創設するに当たり、やはり戦後未曾有の大災害である阪神・淡路大震災の教訓を現在と将来に生かす必要があると考えております。その点では、少なくとも今から述べる三つの点を押さえることが大事ではないかという考えであります。
 第一は、給付の金額は生活基盤の回復を支援するに足る額であること。
 これは、阪神・淡路大震災の全壊世帯の平均被害総額が二千五百万円になるという調査結果もございます。また、雲仙や奥尻の災害でも一千万円程度の支援金が生活再建の大きな支えとなりました。したがって、給付金額が低金額でありますとか、用途の限定でありますとかになりますと、生活再建に対する効果的な支援となり得ないのではないかという認識であります。
 第二は、給付の対象は中堅層も含む広範な世帯とすることであります。
 阪神・淡路大震災の教訓の一つは、自然災害における中堅層の打撃の大きさではなかったかと思います。そのことが地域経済全体にも大きな影響を与えているわけであります。したがって、低所得層あるいは要援護世帯のみを対象とするのではなくて、中堅層も含んだ広い支援対象とすべきではないか、これが二つ目であります。
 そして、三つ目は、言うまでもなく阪神・淡路大震災の被災者に適用するということであります。
 この三つというのは、阪神・淡路大震災の被害の実態を知る人には広く合意を得られる考えではないかと思っておりますし、私たちの法案にはこの考え方を盛り込み、それに立脚して作成をさせていただきました。
 それから、もちろん実施者、最前線で災害と対峙する地方自治体の意向を踏まえるということはもちろんであります。同時に、私たちは、意向を踏まえるということであればまず被災者の意向を踏まえるべきではないか、被災者の実態を踏まえることが大事ではないかというふうに考えております。
 その点では、被災者から今ぜひ公的支援制度をつくってほしいという強烈な要望が出ているにもかかわらず、本来それをやるべき政府がやらない。したがって、私たちは立法府に身を置く者として、そういう被災者の声にこたえた新たな法制度をつくり、行政府がそれを実施しなければならないようにしよう、これが今の阪神・淡路大震災後に立法府に身を置く者の使命ではないかという決意で私たちは取り組みを進めてきたわけであります。
 そういう観点で、知事会の皆さんの考え方とも大いに一致するし、さらにそこから私たちは独自に内容についても研究し、こういう法案をつくったわけでございます。
#36
○委員以外の議員(菅川健二君) 全国知事会の基金の創設でございますが、これはただいま話がございましたように、これからの災害に適用になるということでございまして、それはそれとして大変傾聴に値するといいますか、妥当なものと考えておるわけでございます。
 我々としては、あくまで阪神・淡路の被災者に対して救済措置を適用いたしたいということでございます。それで、我々の制度は、これをつくるまでに関係自治体とか被災者の意見を十分にしんしゃくしたものでございまして、この制度ができれば、関係自治体としても十分望ましいものとして受け入れていただけるものと考えております。
#37
○田浦直君 もう時間が参りました。
 私たち自由民主党におきましても、芦尾先生初め震災や災害に熱心な先生方がおられまして、先ほどの全国知事会とかあるいは政府ともいろいろ折衝をしながら、あるいは御意見を聞きながら、今国会に間に合うように、被災者の住宅再建、生活再建に役立つような法案をつくりたいというふうに思っておるところでございます。先生方の御意見を聞かせていただいて、また参考にさせていただきながら、あるいは相談をいたしながら今国会で成立させたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 以上で、終わります。
#38
○平田健二君 民友連の平田健二でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほどもございましたが、阪神・淡路大震災が発生をいたしまして三年が経過をしております。長い間の懸案でございました阪神・淡路大震災の被災者の支援に関する二つの議員立法が本日初めて、この委員会に付託をされてこれから審議が始まるわけですけれども、審議をスタートするに当たって、早くこの被災者支援の法案が成立することを最初に私は祈るものでございます。
 また、この二法案の提出者となられました先生方におかれましては、本当に御苦労さまでございました。心から敬意をあらわすものでございます。また、この法案の行方に大きな関心を持たれ熱心にこの法案の成立に取り組まれてこられました被災者の皆さんにも心から敬意をあらわします。
   〔委員長退席、理事情水達雄君着席〕
 私は幾つか御質問を申し上げたいと思いますが、まず最初に、被災地の現状認識そして今後の課題ということについて初めにお伺いをいたしたいと思います。
 三党案の提出者の皆さん、それから市民案の皆さん、そして政府、それぞれにお伺いをいたしますが、阪神・淡路大震災の被災地の現状、復興の進展ぐあい、個人個人の生活再建の状況をどうとらえておりますか。現状認識についてまずお伺いをいたしたいと思います。そして、復興さらには生活再建がなかなか進まないという理由は何なのでしょうか。これもぜひお聞かせをいただきたいと思います。また、この間、政府の施策を皆さんはどのように評価をされておられますか。そしてまた、今後の政府としての課題は何だと思いますか。こういった点について最初にお答えをいただきたいと思います。
 まず、政府からお答えいただきたいと思います。
#39
○政府委員(田中正章君) お答え申し上げます。
 阪神・淡路大震災の発生から三年余りが経過したわけでございます。阪神・淡路の復旧状況、復興状況につきまして、政府、地元自治体、それから地域住民の一体となった努力のもとに、おかげさまをもちまして主要なインフラ施設について復旧が行われたというふうに受けとめておるところでございます。
 その後は本格的な復興段階を迎えたわけでございますけれども、まず生活再建の前提となります住宅確保対策といたしましては約三万九千戸の公営住宅を供給することといたしまして、これまでに計画の半数以上、この二月末時点でございますけれども二万戸以上が完成をいたしております。さらに、残る公営住宅につきましてもその建設を急いでおるところでございます。
 また、その公営住宅の家賃でございますが、例えば四十平米で年収百万円程度以下の世帯の場合には月額で六千円までにするというような大幅に引き下げる措置も講じてきておるところでございます。
 次に、生活再建支援という観点からは、地元地方公共団体が阪神・淡路復興基金、これは基金総額で九千億円ございますが、これを活用いたしまして生活再建支援金、これは月額で一万五千円から二万五千円でございます。これの給付を昨年から開始しております。また、被災中高年に対しましても被災中高年自立支援金、これは月額一万五千円と二万円でございますが、現在これの受け付けを行っているところと承知をしておるところでございます。このような支援金の措置を含めて百以上のメニューを行ってきている復興基金に対して地方財政措置による支援を行っておるところでございます。
 さらに、経済の本格的な復興というものを一層着実にするために、被災地の経済を単に震災前に戻すということではなくて、被災地の既存産業の高度化を図るとともに被災地に新たな産業を育成していく、こういうことが重要でございます。このために、地元の地方公共団体が取りまとめられ被災地における復興策を網羅いたしました産業復興支援充実策について、国としても必要な支援を行っておるところでございます。
 また、新しい産業、これを育てる芽といたしましては、例えば地元の真珠産業というものに目をつけましてワールドパールセンター事業といったもの、こういうものを含めまして七つの事業を復興特定事業という災害から立ち直るための新たな施策として位置づけまして国としても必要な支援を行っているところでございます。
 政府といたしましては、このように被災地の実情に応じたさまざまなきめ細かい支援策を講じており、今後ともこれらの施策を着実に実施し被災地の復興に向けた努力を続けてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#40
○但馬久美君 平田議員にお答えいたします。
 まず、政府の施策をどう評価されているかというところから入りたいと思います。
 今お話もありましたけれども、阪神・淡路大震災の復旧・復興にはこれまで約四兆円の予算が投入され、いわゆるインフラ面の復旧はほぼ完了したと評価できると思います。しかしながら、大震災発生後三年有余の月日が経過した今なお、仮の住まいであるはずの仮設住宅に二万世帯以上の被災者が入居していること、これ一つとりましても生活再建が進んでいるとはとても言えない状態です。
 深刻な不況と重なり生きる希望の持てない被災者がふえ続け、仮設住宅での孤独死も二百名を超えました。また、自己破産を宣告した人も平成七年度で九百六十五件、また平成八年度で一千二百二十二件と激増しております。さらに、被災の最もひどかった神戸市の長田区、人口が震災前の十二万人から三分の二の八万人に減少したままで復興状況の遅さを物語っております。人口の減少のあおりを受けて、被災地の商店街では全体の二割が店じまいを余儀なくされておりますし、また営業を開始した商店のうち、震災前の売り上げ状態に回復していない商店は全体の九割にも上ります。
 今後、被災地を支えてきたこの中堅層の被災者に活力を与えるためにも、今こそ、地元自治体の深刻な財政状況を考慮する国の公的支援の実施が何より先決だと思います。
#41
○委員以外の議員(山下芳生君) 被災地の実態というのは各種の調査が切実に物語っているというふうに思います。
 例えば、住宅の問題ですが、震災前に住んでいた家に戻るめどが立たない人、断念した人も含めて持ち家の約四割、借家の約六割余りに上っております。また、持ち家を再建した人にも経済的な課題が残っておりまして、蓄えがなくなったと答えた方が半数を超え、ローンの負担が大きいと答えた方が四割近く、二重ローンも一割に達しております。
 それから、自営業の方、被災二年後の調査では本格再開にこぎつけた方が約六割でしたが、三年後には四割台に後退をしております。一方、休業、廃業の方は急増して、二年後から三年後にかけて両者の合計が約二倍の割合になっております。震災後一たん営業を再開しながら、周辺の復興のおくれなどによって休業や廃業に追い込まれたケースがふえてきているということであります。
 仮設住宅にお住まいの方々の健康面での悪化の状況も、孤独死が二百人を超えたということにもあらわれていると思っております。
 私どもは、そういう実態が今現実にあるわけですから、政府がいろんな施策をやってきたことを否定はしませんが、いろいろやってきた結果、こういう被災者は三年たった今も深刻な実態に置かれているということが大事な問題ではないかと思っております。これは政府の責任であります。時間がたてば被災者の復興というのはよくなるという思いが現実には通用しないという実態であります。
 私は、これまでの政府の施策に欠けていたものがあると。それは、生活再建に直接効果のある復興策、これが抜けていたということではないかと思うわけであります。事実、被災地で国や自治体に対する要望を問いますと、四人に三人が生活再建の資金を支給する公的支援を求めているというふうに出ております。これは決して将来の問題ではない、現在の阪神・淡路大震災の被災者の問題として新たな生活再建に対する公的支援が必要であり、政府はそれをやるべきだというのが私たちの認識であります。
#42
○平田健二君 次は、個人補償の可能性ということについて政府にお伺いをいたします。
 地震発生以来今日まで、政府は一貫して個人補償はできない、こういう立場をとられておるようですけれども、これは住専に大変な額の税金を使いながら阪神・淡路大震災の被災者には個人補償はやらない、頑として政府はそういう立場をとっておるわけです。問題は違うというふうに橋本総理はおっしゃいますが、問題は違うんじゃなくて、公的な援助が、支援が国として本当にできないのか、生活再建のための公的支援が本当に私は必要ではないかなと思っております。
 改めてお伺いいたします。個人支援、個人の補償はできないという立場は変わりませんか。
#43
○政府委員(山本正堯君) お答えを申し上げます。
 当委員会でもたびたび私どもの大臣がお答えをさせていただいておるところでございますが、御案内のとおり、自然災害によりまして個人財産が損害をこうむった場合に、私有財産制度のもとでは個人の財産を自由かつ排他的に処分し得るという一方、個人の財産は個人の責任のもとに維持することが原則であるということでございまして、補償という考え方をとることは難しいというふうに考えております。
 もとより災害は自然現象でございまして、一般的には何人にも責任がないということでございますから、これによりまして個人の私有財産に損失が生じました場合には自助努力による回復を原則としておるということでございます。こうした考え方は政府として従来から一貫してとっておる考え方でございます。したがいまして、災害対策におきましては、個人財産の損害を補償するということについては相当慎重に考えるべきものであろうというふうに考えております。
 また、私ども政府といたしましては、各種の公共施設の災害復旧に努めておりますほか、被災者の生活再建のための支援という考え方をとっておるわけでございます。被災者の自助努力を基本としてそれを公的に支援するという仕組みを幾つか考えておるわけでございまして、先ほどからお話がございます災害救助法による炊き出してございますとか、避難所の確保でございますとか、あるいは応急仮設住宅の供与でございますとか、あるいはまた死亡者に対します災害弔慰金や災害障害者に対する見舞金の制度でございますとか、あるいは災害の援護資金の貸し付けでございますとか、公営住宅の建設でございますとか、そういったいろんな諸制度がございまして、これらの生活再建の支援のための施策を的確に運用することによりまして従来から対応してきておるところでございます。今後とも被災者の生活再建に向けまして適切に各種の支援策を講じてまいる所存でございます。
#44
○平田健二君 重ねてお尋ねいたします。
 今日までこういった自然災害を含めて、一切過去に個人補償というのはなかったんでしょうか。
#45
○政府委員(山本正堯君) ただいま申し上げましたように、私ども政府といたしましては、従来から一貫して個人補償については相当慎重に考える必要があるということで考えてきております。
#46
○平田健二君 いや、あるかないかでいいんです。あったかなかったか。
#47
○政府委員(山本正堯君) 自然災害に対します支援策につきましては、個人補償の考え方はとっておりません。
#48
○平田健二君 わかりました。冷たいですね、国は。
 次は、両法案のお金の性格についてお尋ねをいたします。
 生活基盤回復支援金それから震災見舞金の性格についてちょっとお伺いしたいんですが、今ちょっといろいろお聞きしました。政府の言うところの個人補償なのかそうではないのか、また住宅再建への支援なのか生活への支援なのか、もしくは家という財産への補償なのか、いかがでしょうか。それぞれの案についてお尋ねいたします。
#49
○委員以外の議員(都築譲君) 三党案の震災見舞金制度につきましては、御指摘のような個人補償というふうな考え方ではございませんで、生活の再建を支援するためにこういった見舞金を設けてはどうかと、こういうことで考えております。
 住宅が全壊あるいは半壊、または全半焼したというふうな場合には、通常、日常生活を送るのに必要な家財、家具、什器、備品あるいは衣類、こういったものが喪失するということは当然あるわけでございます。そういった日常生活を送ることさえ困難な状況に置かれた人たちの生活を再建するために、一つは物的な損害に着目をいたしまして生活基盤の再建を図っていこうということで設けるものでございまして、住宅の損壊程度を基準とすることが一つの客観的な基準ではないか、こう考えて震災見舞金という名称で行っておりますが、本来の趣旨は生活への支援を行うものというふうに私どもは考えて立案をしております。
#50
○委員以外の議員(田英夫君) 都築さんの言われたことと私どもも全く同じ考え方と言っていいと思います。
 つまり、個人補償というよりも、阪神・淡路の被災者の皆さんの実態を見ても、家屋が全半壊するという物的な損害によるダメージ、同時にそれは大変な精神的なダメージにもなる。このことを含めまして、やはり個人補償というよりは社会保障的な考え方と言っていいと思いますが、そういう意味で生活基盤を回復する、そして元気を出してくださいという意味で支援金をお出ししよう、こういう考え方であります。
#51
○平田健二君 両案とも家ということを基準にされていますね。これについてちょっとお尋ねをいたしたいんですが、今精神的なダメージとかいろいろありました。その生活補償といいますか、社会保障的なという観点からしますと、家が全部倒れてなくなろうが半壊しようが、必ずしもそれが絶対的な条件である必要はないと思うんですね、そういった今おっしゃられたようなことで見ますと。住宅補償なら家をつくり直すということを要件にする必要がある、こういう意見もありますけれども、この辺のところのお考え方はどうでしょうか。
#52
○委員以外の議員(都築譲君) 三党案、私どもの法案の方では今回の内容として二つの支給金を設けることとしておりまして、一つが震災見舞金、もう一つが特別支援金、こういう形のものを支給することによって被災者の生活再建を支援していこう、こういう考え方でございます。
 実際にあの大震災に遭われた方たち、まず住宅、そういったものが非常に大きなダメージを受けて、生活をする基盤が物的に破壊をされているというところがございますし、もう一つは、実際に日々の生活の糧を得る職業が、例えば経済的な打撃が広範に及んだことによって事業活動が停滞する、あるいはまた工場が倒壊をする、こういった状況の中で働いて賃金を得ることさえできなくなるというふうなケースもあるわけでございます。
 前者の震災見舞金の方は、日常起居する住宅が破壊されたことによって物的に生活基盤が破壊されたという点に着目をしたものでございまして、そして後者の特別支援金の方は、経済活動が停滞したことによって所得が減少する、それによって生活がなかなか従来どおり立ち行かなくなった、そういったものをどう立ち行かせるようにするか、支援を行うかというこういうものでございます。
 震災見舞金は、先ほど申し上げましたように、住宅の倒壊、損壊程度、こういったものが一つの客観的な基準になるだろうと。全壊したあるいはまた半壊したという区分をしておりますけれども、実際にそういうダメージがあればそれに伴って家財とか衣類とかあるいはまた家具、什器、備品、さまざまなものが損失を受けたわけでございますから、まず日常生活をふだんどおりに行えるようにするために最低限の支援をするということで見舞金制度を設けたわけでございます。住宅の損壊を基準としておりますが、住宅の復旧を目指しているものではないということを御理解いただきたいと思います。
#53
○委員以外の議員(栗原君子君) お答え申し上げます。
 まず、阪神・淡路大震災のときの公園でのテント生活、あるいはまた学校の体育館での生活といったことはあくまでも緊急避難的なものでございましたし、そしていまだに仮設住宅にお住まいの方もたくさんいらっしゃるわけですけれども、これもあくまでも一時的なものである、このように考えます。
 それで、まさに生活基盤を回復するためには、まず住むところ、要するに家が必要である、このように考えております。そこで、私たちが出しております法案の十条第一項で「その居住する住宅」ということを書いておりますけれども、「その居住する住宅」というのは持ち家だけに限りません。借家も含まれます。また、二戸建ての住宅に限らずマンションとかアパートなどの集合住宅も含まれるものでございまして、まさに家こそ生活基盤回復のための重要な手段である、このように考えております。
#54
○平田健二君 確かにそうだと思いますが、例えば家は大丈夫だったけれども会社が全部つぶれてしまったという人もおるわけです。そうしてみますと、家というものの倒れ方、全壊、半壊、そのことが今回の支援の基準になるということは、いろいろな見方がありますからそうでしょうけれども、必ずしも家の全壊、半壊だけでこのことをとらえて、最終的には金額の多寡になりますから、それだけで果たして基準としていいものかどうか、もう一度お伺いします。
#55
○委員以外の議員(栗原君子君) 雇用の場がなくなった人たちも確かにたくさんいらっしゃるわけでございますけれども、それでも雇用については次の手段と考えて、まず住むところを優先に考えていくべきではないか、このような発想からでございます。
#56
○委員以外の議員(都築譲君) 今、平田委員御指摘のように、私どもが震災見舞金と特別支援金と二種類に分けておりますのは、生活基盤ということで物的な損害部分とさらに日常の生活の糧を得る職場を失ってしまうといったところに着目をして、その二方面から生活再建を支援していこう、こう考えておるものでございます。
 特別支援金というのはまだ御説明を十分しておりませんけれども、平成六年度と平成八年度の間で所得が三分の二未満に激減をしたというふうな場合には、特別支援金をそれぞれ家族の数に応じて、もちろん所得限度もありますけれども、それに応じて支給するということであります。そういった所得が減少した、結局働く場所が、例えば阪神・淡路大震災の場合は本当に広範でしかも甚大な被害を受けたわけでございますから、経済活動も相当に停滞したということはもう皆さん御承知のとおりでございまして、そういったところに着目して、個々のそれぞれの個人個人の生活、あるいは家族家族の生活が十分に成り立つように支援をしていこうということで特別支援金を設けたわけでございます。
#57
○平田健二君 それでは、全壊、半壊という証明、罹災証明、これについてちょっとお尋ねいたしますが、今回のこの法案の基準になる証拠としては罹災証明というので全壊、半壊を認定する、こういうことでよろしいわけですね。
 そうしますと、当時の報道でも国会の議論の中でも、同じ程度の被害なのにこっちは全壊、こっちは半壊、基準が相当問題になったことがありますし、現在もそれは問題だと思います。
 地震が発生した当時に、今回このような法案が提出されるとは罹災者の皆さんは、被災者の皆さんは考えていないわけですね。ですから、罹災証明をもらった人もいるしもらわない人もいる。またその罹災証明を出す側の人たちも、こういうことを想定して罹災証明を、罹災を証明するのをいいかげんにやったということではありませんが、まあこれは半壊だろう、ああこれは全壊だろうと、こういう程度だったと断定はしませんけれども、そういうことだったのではないかなと。そうしますと、罹災証明がない人はどうするのか。そういった判断基準が、何人かの特定のチームで全部を見たのならわかるんですが、それぞれの区や市町で罹災証明を発行しておるわけですよ。基準があいまいなんですね。この辺をどういうふうに整合性を持つのか。この辺が一番問題だと思いますが、いかがでしょうか。
#58
○委員以外の議員(都築譲君) 御指摘のように、震災見舞金の要件として全壊、半壊といった証明を求めていくことになるわけでございまして、御指摘のような点、確かに心配されるわけでございます。私どもが承知しておりますところでは、震災直後には確かに混乱がいろいろあったことは事実だろう、こういうふうに思いますが、その後再調査の請求には極力応じておるというふうに承知をしておりますし、現にまた各区役所では住宅地図に照らして全半壊の判定結果がデータとして残されているというふうに聞いておりまして、今後罹災証明の発行は十分可能である、このように考えております。
 ただ、損壊の程度が全壊なのか半壊なのかという問題につきましては、これはそれぞれ実際のところで御相談をいただくというふうなお話であろうと思いまして、この法律案の話とは少し次元を異にするのかなというふうに思います。公平、公正、適正な判定結果が出るように期待をしたいと思っております。
#59
○委員以外の議員(山下芳生君) 今の都築議員のお話と同じ答弁になるかと思いますが、阪神・淡路大震災へ私どものつくっております法案が実施される場合の遡及適用に当たっては、やはり各市が全半壊の認定作業を行った記録を保管しておりますので、それに基づいて支援金を支給することになるわけであります。
 その認定の基準というのは、先ほど来の質疑の中で明らかにされておりますとおり、昭和四十三年の「災害の被害認定基準の統一について」という統一基準に基づいて各市とも判定をしております。仮に私どもの法案によって阪神・淡路大震災への遡及適用がされるときにもこの基準に基づいて行われますので、新たな見直しは基本的には必要ないものと理解をしております。
#60
○平田健二君 終わりますけれども、先ほど申し上げましたように、地震が発生してもう既に三年有余、やはり被災地、被災者の方々の生活を思うと何らかの支援が必要だ、しかもそれは急がれるということで、きょうこうやって本委員会で審議がスタートいたしました。できるだけ早く委員会審議が進みますように協力をしてまいりたいと思います。
 本日はどうも御苦労さまでした。ありがとうございました。
#61
○木庭健太郎君 今、平田委員もおっしゃいましたように、ようやく審議ができるようになった。この災害特別委員会の理事の皆さん方の御努力もいただいてこういう幕を開くことができた。今、委員長はちょっとどこかへ行っていますけれども、委員長もそういう意味では御努力をしたところもありますし、何より市民の皆さんに後ろ支えをしていただいて国会の場でこういうふうな形で議員立法を審議できることについて本当によかったなと思っております。
 今、平田委員がおっしゃったように、法案の名前を言いますと長くなりますので略称させていただいて、災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案を市民案と略称させていただき、阪神・淡路大震災の被災者に対する支援に関する法律案、これを三党案と言わせていただいて、何点か御質問をさせていただきたい、こう思っております。
 まず、先ほども議論になっておりましたけれども、整理する意味で再度簡潔に、これは基本的考え方の問題ですからお答えをいただきたい。
 第一点は、今、政府も言っておりましたけれども、いわゆる自然災害で受けた個人の財産上の損害を国民の税金で補てんすることは許されない、これは政府の考え方ですよね。これをある意味じゃ一つの足かせにして公的支援というものを閉ざしてきている面が私はあると思います。この政府の考え方、これについてどうお考えになるのか。三党案の提案者の方、市民案の提案者の方、それぞれ簡潔に基本的考え方を述べていただきたいと思います。
#62
○但馬久美君 木庭議員にお答えいたします。
 私どもの三党案に盛り込まれております公的支援は、政府、大蔵省の言うような自然災害で失った財産を補てんする個人補償ではないということをまずはっきりと申し上げたいと思います。このたびの阪神・淡路大震災のような未曾有の大震災で生活基盤の損失を余儀なくされた被災者が生活再建に立ち向かう中で、自立再建がままならない被災者に対してその自立再建を支援するための公的支援であります。
 今申し上げましたような状況の中で、国が被災者である国民に対して公的資金を支給するということは、憲法二十五条、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、そういうものに照らしましても当然の措置であると思います。
#63
○委員以外の議員(田英夫君) 先ほども申し上げたように、自然災害で被害を受けられた被災者の皆さんはまさに大きなダメージを受けておられる。それを、ひとつ生活基盤を回復してください、元気を出してくださいということでありまして、公的資金つまり国民の皆さんの税金を使って財産である家をこれで建て直してくださいというそういう性格のものではないわけであります。まさに社会保障的な考え方、これを基盤とするもので、政府がおっしゃる個人補償という考え方とは全く違いますし、政府こそ、社会保障制度は各種いろいろやっているわけですから、災害という国民生活の中の非常に大きなダメージに対してやはり社会保障的な考え方で対応をすべきだというふうに思っております。
#64
○木庭健太郎君 アメリカではノースリッジでしたか、大地震が発生した際に、アメリカ政府はいち早く被災者に援助小切手を配り、これは総額十四億ドルの公的資金を導入いたしました。大災害の場合はこのようにいち早く公的支援をすることが被災者が一番望んでいることではないか、これは当たり前のことだと私は思います。
 三党案の提出者の旧新進党のメンバーの方ですけれども、大震災発生後すぐに特別見舞金法案及び地震災害共済保険法案、そして昨年の春には二重ローン救済法案、また本阪神・淡路大震災被災者支援法案、計四本の公的支援にかかわる法案を衆議院に提出もいたしております。そのときのメンバーが今後ろに座って、見張っているわけじゃないでしょうけれども、見ております。しかしながら、これらについては残念ながら政府・与党の反対で審議されることなく本日を迎えたわけでございますけれども、提案者としてこのことに対する感想もきちんと聞いておきたいなと思いますので、これは三党案の提出者の方にお聞きしておきたいと思います。
#65
○但馬久美君 ありがとうございます。
 いち早く公的支援をした米国政府ですけれども、自己責任が確立し保険制度が行き届いている米国と日本とを一概に比較できるかどうかは論議のあるところであると思います。しかし、未曾有の大震災が起こった場合、国が被災者である国民に対していち早く公的資金を直接に支給するということは、被災者の立場からすると国は我々を見捨ててはいないというそういう安心感を与える、そういうことになります。その後の自立再建、そしてまた被災地の復興に対して大きなメリットがあると考えております。
 その意味で、私たちの同僚の衆議院議員が国会に提出したこの四本の公的支援法案を本日まで実質的に審議されぬまま放置してきた政府・与党の政治的責任は余りにも重いと言わざるを得ません。どうか本日より十分な審議を尽くして、何としても阪神・淡路大震災の被災者の自立再建の支援に値する本法案の成立を心からお願いするものです。よろしくお願いいたします。
#66
○木庭健太郎君 先ほども話が少し、これは都築発議者がおっしゃっておる特別支援金というのを三党案の中には別建てで設けているわけでございます。ほかの問題がすべて住家の全壊とか半壊、こういう条件が盛り込まれておるわけですけれども、この特別支援金というのを読みますと、そういうものが全く盛り込まれていない。その辺も理由を提案者としてきちんと説明しておいていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#67
○但馬久美君 震災発生後三年間、さまざまな復興支援策がとられ、先ほど言いましたように約四兆円の予算が投入されました。しかし、実現した支援策はすべて住まいが全壊または半壊であることがその支援を受けるための必要条件でありました。義援金の配分についても同じ条件であります。
 でもしかし、地元選出の議員としまして私は週末ごとに被災地に帰りまして現場を歩いておりますと、これまでの支援策の中で光の当たらない部分、今なお大変御苦労されているそういう被災者によく出会います。
 これまでの支援策の対象から外れてきた被災者とは、例えば、先ほども話がありましたけれども、住まいは一部損壊して、そしてまた商売をしているけれども店舗が損壊してしまった、また収入が激減したままの被災者、また同じく住まいは助かったものの会社がつぶれて失業し失業保険の給付が切れた後も再就職できずにいる被災者たちであります。
 このような被災者の自立再建支援を目的とし、私たちの本法案におけるこの特別支援金の支給条件には住まいの全半壊は特に求めずに、震災前後の所得の回復ぶりに着目をしております。つまり大震災が原因で所得が激減した被災者世帯のうちで、被災後の平成八年の所得が震災前の平成六年の所得の三分の二まで回復していない被災世帯に対して特別支援金を支給するものとなっております。
#68
○木庭健太郎君 今三党案の但馬委員が御説明されていましたけれども、今御指摘のあった例えば住家は一部損壊ながら店がつぶれ収入が激減したまま苦労されている被災者、こういった人たちは、逆に言えば、市民案を見てみますと、いわゆる市民案の生活基盤回復支援金の支給対象からはこういう人たちは外れてしまうのだろうと思うんです。
 そうすると、いわゆる住家が全壊とか半壊、そういう以外の被災者への支援というものをどう考えていけばいいのか、やはりこういうものも何らかの形で必要ではないかと思うんですけれども、これは市民案の提出者の方にその辺どういうふうにお考えになっているかお伺いしておきたいと思います。
#69
○本岡昭次君 私、今の質問を聞きながら改めて私たちの法案の趣旨説明のところをずっと読んでいたのであります。生活基盤回復支援金、こういう名前で被災者個人に対してお金を支給するということが最大の目的であります。その生活基盤の回復という問題を公的に支援することが公益に合致するということで我々は可能だと、こう考えているんです。
 そのとき、生活基盤の崩壊あるいは損壊、破壊、いろいろな言葉があると思いますが、私は生活基盤が崩壊するという言葉を使いたいと思います。それが崩壊したというものを何によって認定するのかというときに、やはり住宅というんですか、住宅というより住まいという言葉、その人の生活の根拠となっている、そこがつぶれてしまったという状態を考えています。だから、そうなると住まい、住家の全壊、半壊というものが一つの生活基盤損壊のメルクマールになる、こう考えております。そういう意味で、今おっしゃった店舗とかいうのはここに書き上げられないのであります。
 しかし、私も被災地の実情をかなり知っているつもりです。店といってもいろいろあるわけでありまして、神戸のさまざまな自営業者の中には店そのものが住まいという要件を持っているところもかなりあります。一日二十四時間であれば、家で寝る時間は八時間で、あとの十六時間はその店でその人が暮らしているとすれば、住まいというのは何なのかという問題の議論が出てくる、こう私は考えております。
 そういう意味で、自営業を営んで、そして店そのものがその人の住まいとして生活の基盤という条件を持つものであれば、それは生活基盤回復の一つの要件に加えることを考えなければならないのではないかというふうに私は思っております。したがって、この法案を審議するについて、そうした自営業者の店舗というものをこの要件に加えるということを、法律の中で修正を議論していくということも私は可能ではないかというふうに考えております。
 きょうはここまで申し上げておきます。
#70
○木庭健太郎君 もう一つの点は何かといいますと、本岡委員も但馬委員も地元ですから、とにかくこの阪神・淡路、いろんな意味で災害に対する一つの警鐘を鳴らし、その意味では歴史上ないような災害であったわけです。
 ただ、市民案を見てきた場合、恒久法案でありながらも、一応阪神・淡路大震災までは遡及する。それはやると。ただ、それ以前の大災害、例えば私は九州でございますけれども、雲仙という問題は確かにありました。これは除外になるのかならないのか、その辺の問題がやはり起きてくるのだろうと思います。その辺、恒久法案にするならばするできちんとした形の御説明というのができてないとどうなんだろうか、これだけになぜという話がどうしても出てくると思うんです。ですから、その辺についてもきちんと、最初の審議でございますから、お話をお聞きしておきたいと思います。
#71
○委員以外の議員(栗原君子君) 確かに阪神・淡路大震災以前にも雲仙・普賢岳の噴火の災害あるいは北海道の南西沖地震の災害などたくさんのそうしたものがございました。それらにつきましては全国からたくさんの義援金が寄せられまして、新築の家を建てるだけの義援金が来た、こういう報告も受けているところであります。しかし、阪神・淡路大震災の場合は、全国から多額の義援金が集まってきましたけれども、余りにも規模が大きかったために、二十万円から三十万円しか手元に来なかった、こういう報告も受けているところであります。
 そう考えますと、配分されました義援金だけで生活再建をするということには大変な無理があろう、このように思います。ここに至りまして、被災者の生活再建を義援金に頼ってきたこれまでのやり方がむしろ深く反省をされるということになったと思います。公的支援の必要性が大変痛感されるということでございます。
 私たちの市民案は恒久法としておりますけれども、災害被災者に公的な支援を行うことを基本にしながら、公的支援の必要性を認識していただき、かつ現実に今なお公的支援を必要としている阪神・淡路大震災まで遡及をしていく必要が大切であろう、このように考えております。
 阪神・淡路につきましては、御案内のように三年経過いたしましてもいまだに生活再建になっていないわけであります。そこで、今からでも生活再建のために公的な支援をする必要がある、このように考えております。もう自助努力だけではできない課題であろう、このように思います。
#72
○木庭健太郎君 三党案の方には逆にお聞きをしたいわけです。何をお聞きしたいかというと、今回の法案というのは、結局阪神・淡路だけのものである。一体、こういった災害が起きたときに本当にこういった問題に対して公的支援を導入することをどう考えるかという問題が残されているのだろうと思います。
 ですから、三党案の提出者の方には恒久法、これを阪神・淡路大震災に遡及させるような法律のあり方もあるだろうと思うんです。この辺について、どんなふうにお考えになるか、逆にお聞きをしておきたいと思います。
#73
○但馬久美君 今のお話を伺っておりまして、阪神・淡路大震災を教訓とした恒久法を私は基本的につくるべきだというふうに思っております。しかしながら、今後発生する自然災害に対する公的支援法を不十分だとはいえそれなりの施策が行われてきた阪神・淡路大震災にそのまま適用させることは不合理が生ずると思います。
 なぜならば、阪神・淡路大震災に対しては、政府は不十分ながらも、公的住宅の家賃低減策、また民間賃貸住宅の家賃補助、そしてまた高齢低所得者に対する生活再建支援金等々の復興の対策を行ってきたのも事実であります。私たちは、政府のこれまでの施策で救えなかった阪神・淡路大震災の被災者に対して効果的な支援策をつくったわけでありますので、結論としてお答えするならば、既に起こってしまった阪神・淡路大震災の公的支援策と、またこれから起こる自然災害に対する公的支援策は二本別々の法案で対応すべきであると考えております。
#74
○木庭健太郎君 もう一つぐらい聞けそうですので、市民案の方に最後に聞いておきます。
 全壊世帯五百万円という金額の問題でございます。
 一言で言えば、いわゆる生活基盤回復支援に必要な金額を五百万円と、こう決められたわけですけれども、大体この数字の根拠というものがどの辺にあるか。家だけを考えていくと、ちょっと五百万円では無理ですよね、五百万円で家の再建をするというのは。ですから、どういう考えのもとに全壊世帯に対して五百万円という金額が出てきたのかについて御説明をいただいておきたいと思います。
#75
○本岡昭次君 おっしゃるように五百万で家の再建というのは無理でありますし、もともとそれを直接の目的としたものではありません。これは、あくまで先ほどから繰り返し言っておりますように、被災者が自力で復興していく、自助努力をしていくための経済的な基盤というものをつくろう、こういうことがその目的であります。
 それで、その五百万円は何かといいますと、私はこう考えておるんです。奥尻そして普賢岳、それぞれこれは国民の義援金ということであるにしろ、その義援金というものを頭から全壊の被災者に対して四百万あるいは四百五十万というものを配っております。それから、家財道具を買い入れるための百五十万というお金も入れております。そして、それを配る根拠として、それぞれの自治体の当事者は、これは損失補てんではありません、これは被災者が自力で生活を再建していくための支援のお金ですと言って渡している。文字どおりそれは生活基盤回復ということを考えての金額というふうにすれば、五百万という金額は私はそれほど多くないというふうに考えます。しかも四人以上の家族の世帯ということですから。
 それともう一つは、五百万の金額で当然家の再建はできません。また、借家を新しく移り変わるにしても不可能でしょう。そこで私は、この住宅再建等の資金供与の問題は、三党案の方の皆さんもおっしゃいましたけれども、国民の相互扶助精神を前提とした地震共済制度というふうなものを別途つくって、そして住宅の再建はそれによるというふうにしなければいけないんじゃないか。こういうところで住宅のことまで求める、国のお金でというのは私はどだい無理だと、こう思います。
 だから、生活基盤を回復するための支援と、住宅は住宅として別途それぞれ共済制度をつくって、そしてそれによって再建をしていくという、これは政府の方の大きな関与も必要であろうと思いますが、私らはこの法案の一定の処理ができれば次はこの地震共済制度をどうつくるかという問題に取りかからなければならない、私はこう考えております。
    ―――――――――――――
#76
○理事(清水達雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、平野貞夫君が委員を辞任され、その補欠として戸田邦司君が選任されました。
    ―――――――――――――
#77
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 当委員会に昨年提出された二つの議員立法案が本日審議開始された、このことを私は、被災者を初め心ある国民が待ち焦がれていた、そういう日だと思います。その点で重く受けとめたいと思います。
 この背景には、被災者の公的支援をというその一点で被災地ばかりか全国各地の自治体、これは数えると百数十にも上ると思いますけれども、そこで決議が出される、そういう世論の高まりがあったと思います。これに国会がどうこたえていくのか、これが問われている、私はそういう思いを込めて質問したいと思います。
 まず、災害被災者等支援法を出されている発議者に対してお伺いいたします。
 この法案は、衆参両院の超党派の議員有志による被災者支援法実現議員の会、これには私自身も参加させていただいておりますけれども、この会が被災地を初めとする市民の皆さんと相談しながら共同でつくり上げる、そういうふうにやられてきたもので、それが市民・議員立法と言われるゆえんだと思います。その点で、今もちょうど話に出ましたけれども、協議の過程で非常に大きな議論になった、それはやはり何といっても支援金額をどうするのか、どう設定するのか、この問題だったと思うんです。
 全壊世帯上限五百万円、この設定、私は、被災者の実態から見ると非常に不十分だと思わざるを得ません。これが私の実感です。しかし同時に、必要最低限な水準として実際にこれだけのものがあれば被災者が助かるという金額でもあると思うんですね。
 この法案でなぜ全壊上限五百万円という額にされたのか、その意味合いについてまずお伺いいたします。
#78
○委員以外の議員(島袋宗康君) まず、被災者への公的資金を議員立法として検討するときに何よりも重視したことは、戦後未曾有の大災害となった阪神・淡路大震災の実態と教訓に基づいて必要な支援のあり方を考えるということが一番検討されたわけであります。
 五百万円という金額は、住居が全壊し、人数が四人以上おられる世帯に対して支給されるあくまでも上限としての額であります。半壊の場合の二百五十万円も同じく上限額であります。
 私たちは、災害地の実態に照らしてこれで十分であるというふうには考えていません。阪神・淡路大震災救援復興県民会議というところが行った被害額の実態調査では、一世帯当たりの平均被害額が全壊・全焼で約二千四百九十万円、半壊・半焼で一世帯当たり約千二百十万円という結果が出ております。五百万円の支援が丸々支給されたとしても、それで壊れた家が建つわけではありません。しかし同時に、被災者の皆さんが求める少なくともこれだけは必要という声に対しては最低限こたえるべきであると考え、市民の皆さんとも何度か意見を交わしながら、結果としてこうした金額を設定したものであります。
 今なお生活再建に大変な苦労をされておられる被災者の方々の期待に対する責任を感じ、これにこたえるための法律としてこの法案を提出した次第であります。改めてその決意をここに申し上げておきたいと思います。
#79
○緒方靖夫君 今お話にありましたあるべき支援水準とともに、阪神・淡路大震災におけるいま一つの重要な教訓というのは、中堅層を含む広範な被災者が一度に大きな被害を受けた、その点だと思うんです。これが一つの大きなポイントだなと思います。
 先ほどから議論がいろいろありましたけれども、住居というものは生活の基盤です、土台です。これが災害によって全壊した、あるいは大きな被害を受けた。生活基盤への直接の被害なわけですね。被災地あるいは被災者の実態から出発する、これが非常に大事だと思います。
 仮設住宅にはいまだ二万四千世帯が残り、県外に流出したままになっている人口も九万人を超え、県外に避難した多くの被災者の皆さんがもといた町に戻れない、そういう状況があります。住宅を再建した、あるいは営業を再開したといっても、住宅で二重ローン、営業再開のために三重四重ローン、そういう想像を絶するような事態もあると思うんですね。そういう人たちの多くはやはり中堅層ですよ。
 この部分をカバーする、これは私は非常に大事な点だと思うんですけれども、その点についてどういうふうにお考えがお伺いいたします。
#80
○委員以外の議員(島袋宗康君) 最近の雲仙や奥尻の災害と比べて阪神・淡路大震災の一番大きな違いは、やっぱり、雲仙、奥尻では義援金による支援で何とか繕うことができましたけれども、この阪神・淡路大震災では何ともならなかったというふうな実態ではないかというふうに思っております。これまでの日本の災害被災者支援で表に出なかった問題だというふうに思っております。
 阪神・淡路大震災後の三年を通してわかった大事な点は、中堅層を含む圧倒的多数の被災者が生活基盤の再建のための十分な支援なしには本当の生活再建は果たすことができなかったことだというふうに思っております。このことが明らかになっておりますので、当然それを踏まえた政策を実施することは我々の務めだというふうに思っております。
#81
○緒方靖夫君 それでは、阪神・淡路大震災被災者支援法案の発議者の皆さんにお伺いいたします。
 この法案は、阪神・淡路大震災に対する限定法となっておりますけれども、昨年十二月十日、参議院で行われた勉強会の席でこの案を説明された赤羽衆議院議員、きょうお見えだと思いますけれども、赤羽議員は、阪神・淡路大震災には既に実施されてきた支援もあるがなお足らざる部分に光を当てるという目的に立っての特別措置だと述べられました。同時に赤羽議員は、それによって阪神・淡路大震災に適用された支援ができれば今後の災害にも阪神での前例が一つのガイドラインとなって新しい恒久法ができるまでの間のタイムラグを埋める役割を果たすと発言されております。私、この点非常に大事だなと思います。現時点で恒久法といっても困難がある、しかし目の前に被災者が早急に支援を待っている、この点いろいろ悩まれてそういうふうに工夫された結果だろうと私は思いました。
 その点で私が大事だと思うのは、赤羽議員も公的支援の議論を阪神・淡路大震災の現実から出発している、そこから進められているところだと思うんですね。同時に、将来の恒久的な制度の確立についても今後の課題として念頭に置かれている、そう思うんですね。
 現在の公的支援の議論は阪神・淡路大震災をまず出発点にされている、私、両案を見てそういうことを非常に痛感するんですけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
#82
○委員以外の議員(都築譲君) 今、緒方委員御指摘のとおりでございまして、今まで政府を通じて各般の施策が阪神・淡路大震災の被災者の皆さん方にとられてきたわけでございますが、先ほど来御指摘ありますように、いまだに二万四千世帯が仮設住宅に住むという大変厳しい状況の中で、ハード面は別としても生活再建という観点からはまだ復興は終わっていないという状況があるわけでございます。
 そういった実態をかんがみますと、日本も自然災害が多い国でございますから今までも多くの災害がございましたけれども、戦後これほど大きな災害は実はなかったわけでございます。そういった意味で、政府の講ずる施策のほかにも、先ほど申し上げましたように、善意の国民の皆さん方からの貴重な寄附等によります義援金が被災者の皆さん方の生活再建を支援するという観点から使われてきたわけでございますが、そういったものすべてを合わせても今回の神戸の被災者の皆さん方の生活再建支援のためには十分でないということになりました場合に、国としてもその人たちに何らかの手を差し伸べるべきではないかという観点から考え出した法案でございまして、これから実際に大きな災害が起こらないことを願いますけれども、万一起こった場合には、今回の阪神・淡路大震災に対する被災者の皆さん方の支援の施策といったものが一つの参考となって恒久的な措置というものが検討されることは大いに必要なことではないか、このように考えております。
#83
○緒方靖夫君 先ほど都築発議者が生活基盤の再建のためというふうに説明されました。私、この話、なるほどと思いながら聞かせていただきました。確かに、挙げられている項目も生活基盤の根幹をどうするかということで挙げられていると思います。そうすると、災害被災者等支援法と随分共通するものがあるのかなと、そんな思いもするわけですが、その点、一点お伺いいたします。
#84
○委員以外の議員(都築譲君) おっしゃるように共通する点はたくさんあると思います。基本的なところは、いかに生活の再建を支援していくのか、こういうことになるわけでございまして、物的な損害部分をどういうふうに支援をしていくのか、さらに所得が減少して日常の生活の糧さえ得ることもなかなか難しくなってきた場合をどうするか、私どもはこういう二つの点に着目をして二つの見舞金と特別支援金、こういう制度を設けたわけでございます。
 むしろ、例えば特別支援金の場合でございますと、現に住居は神戸市内になくても神戸市に実際に勤労する場所がある、あるいは自営業の商店の場所がある、こういった場合には、そこがダメージを受けておるということであれば、それは住宅の損害を補償というか支援をしても、実際の所得を稼ぎ出すことの打撃に対する支援にはならないわけでございますから、むしろ神戸の中で実際に稼働場所、工場あるいは商店、こういったところが被害を受けて経済活動がなかなかできなくなって所得が減少した場合、そこに実は勤務をしていた、働いていた人たちの所得をどう確保するのか、こういう観点からのものと御理解をいただければと思います。
#85
○緒方靖夫君 では次に、大蔵省にお伺いいたします。
 現金給付という自民党の案があるわけですけれども、これは政府と調整の結果と言われております。亀井国土庁長官も二月十日の記者会見でその旨を述べております。これは従来の災害スキームの中の話なのか、それともこれまでの措置の上に立って新たに積み上げた支援なのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#86
○説明員(樋口俊一郎君) 自然災害における被災者の生活再建支援を含めた災害対策につきましては、国土庁を中心として関係省庁が協力して対処してきているところでございます。
 今、先生御指摘の自民党の被災者生活再建支援法案につきましては、現在議員立法に向けて精力的に取り組まれていることは承知しておりますが、現時点におきまして具体的にいかなる内容で調整が進められているのか、私ども確たる事情を承っておりません。したがいまして、コメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#87
○緒方靖夫君 これまで現物供与の原則があったわけですけれども、現金給付でそういう方向にいくのかどうか、そういう方向になければ自民党案だって成り立たないわけで、その点はいかがですか。
#88
○説明員(樋口俊一郎君) 従来から、政府としましては、自然災害により個人の財産が被害を受けた場合には自助努力による回復を原則とするとの基本的な考え方のもとに、災害救助法等を踏まえまして、炊き出しや仮設住宅の設置、公営住宅の建設及び家賃の引き下げあるいは各種の低利融資等、幅広くかつきめ細かく被災者の生活再建を支援してきているところでございます。将来の災害に備えた対策としましては、内閣総理大臣が設置しました防災問題懇談会の提言もございます。
 いずれにしましても、御指摘の話につきまして自民党において取り組まれているというようなことは承知しておりますけれども、具体的なコメントは差し控えたいと思っております。
#89
○緒方靖夫君 全く答弁になっていません。
 もう時間がないので、私は一つ指摘したいんです。先ほど国土庁、今も大蔵省も言われたけれども、私有財産制度のもとでは自助努力でという本当にそういう冷たい態度をとられている。
 私はフランスなどヨーロッパに長い間生活して、そこで見聞してきたことからいっても、災害に遭う、水害とかいろいろあります。そのときに、国民の生活基盤が壊されたときに、それを再建する、これは国が補償するのは当たり前なんですよね。なぜやるのか。目の前に困っている人がいる、見捨てることができない。同時に最低限の住宅もない、暮らしもできない、そういう人たちをほうっておくということは、そもそも不安定要素を国内に抱える、国の安全保障の問題だという観点があるからですよ。それでやるわけですよ。アメリカだってそうでしょう。ですから、私有財産制度を持っている国々でもそういうことをきちっとやっている。私はこれは当たり前のことだと思うんですね。
 ですから、そういう点からもそういうことをきちっとやっていただきたい、そういうことを要望すると同時に、私はこの議員立法の法案が一日も早く成立するように全力で頑張りたい、このことを表明して質問を終わります。
#90
○理事(清水達雄君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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