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1947/04/14 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 議院運営委員会 第28号
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1947/04/14 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 議院運営委員会 第28号

#1
第002回国会 議院運営委員会 第28号
昭和二十三年四月十四日(水曜日)
    午前十一時三十四分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
      小澤佐重喜君    石田 博英君
      高橋 英吉君    益谷 秀次君
      佐々木更三君    森 三樹二君
      小島 徹三君    椎熊 三郎君
      鈴木彌五郎君    石田 一松君
      中野 四郎君    林  百郎君
 委員外の出席者
        議     長 松岡 駒吉君
        議     員 田中 健吉君
        事 務 総 長 大池  眞君
四月十三日委員星島二郎君及び廣川弘禪君辞任に
つき、その補欠として石田博英君及び高橋英吉君
が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國政調査承認要求に関する件
 日本國憲法実施一周年記念式典に関する件
 議員の出欠発表に関する件
 國会法の改正に関する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それではこれより会議を開きます。
 本日は國会法改正について御協議を願うのでありますが、それまでに三点ほど先議を願う事項があります。第一は國政調査に関する件。事務総長から御説明を願うことにいたします。
#3
○大池事務総長 文化委員会から國政調査の承認要求が参つております。その調査事項は、用紙割当ないし著作出版に関する事項の調査をしたい。関係方面から意見を聽取したり、資料を要求し、場合によつては委員の派遣、小委員の設置というようなことが書いてあります。こういう申出であります。
#4
○淺沼委員長 國政調査の件の関係は、許可することに異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○淺沼委員長 ではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○淺沼委員長 次に五月三日新憲法実施一周年記念式典挙行に関する件を議題に供します。
#7
○大池事務総長 この点は、ちようど議長が御同席でございますから、議長から詳しく御説明願つた方がよいと思うのでありますが、私からごく概略を申し上げますと、五月三日が新憲法制定の一周年目に当るわけであります。その機会に式典並びに祝典を適当に考慮してやつてはどうかという意味合であります。それは関係方面からも、それとなくお話があつたやに聞いておりまして、要するにこういう際であるから大げさなお祭り騒ぎ的な催しはなるべく避けるべきが当然であろうし、國会開会中のことでもあり、一方においては民主政治教育連盟というような國民的な運動の母体もできておることであり、なおかつ五月三日の当日に少くとも立法部代表、行政部の代表、あるいは司法部の代表というものが、何らかの形において式を挙げて、これを全國的に放送して、この実況を知らせ、相呼應して地方の団体においても運動の趣意に相当するようなことを考えてはどうかという話もあつたわけでありまして、これに関連して参議院の方では、ぜひこの機会に國会内においても式典をあげ、並びに赤坂離宮が今度國会並びに法務廳で使用することになつたのであるから、これを議員各位に紹介する意味においても一應見ていただく形において祝賀を行う場合にはそちらの方で祝賀会をやり、式典の方はこの國会内で行うようなことを考えてはどうかという議論が運営委員会で起りまして、その点を衆議院の方にも話を申し込んであるわけであります。從つてこの点は、式の次第あるいは詳しいことは後日といたしましても、あげるかあげないかという根本だけをなるべく早くきめていただきませんと、準備並びに主催者側のことが問題になるのでお願いいたしたいと思います。
#8
○淺沼委員長 今の式典のことについては、異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○淺沼委員長 異議なければさよう決定することにいたします。
#10
○大池事務総長 その点で大体御意見をほぼまとめていただきたいと思いますのは、この式典をあげる主催者側といいますか、主体を政治教育連盟の方でやるか、やはり國会並びに政府という、從來こういう式典をやつておりました行政部並びに立法部及び司法部が主体になつてやるかということをまずきめていただきまして、それから式場等は國会を中心にやるということと、祝賀の方は赤坂離宮を利用するという点をきめていただきたい。その祝賀をあげます際に、議員の奥さん連中も全部お呼びになつてはどうかという話が一方においてはありますので、その三点だけ御意見を承つておきたいと思います。
#11
○中野(四)委員 これは國会で主催する方が、対國民的にも対外的にも非常に有効であろうと思う。連盟でも結構でありましようが、しかしこのことの意義の重大性に鑑みて、ぜひ國会主催にいたしたい。それから今総長の報告による家内などの同伴ということはたいへんいいことでありまして、ぜひともそういうようなことでお互いによい効果があがることを期待しております。
#12
○淺沼委員長 ほかに御意見ありませんか――それでは民主教育連盟でなしに國会を中心とした政府並びに司法部ということで決定いたします。
    ―――――――――――――
#13
○淺沼委員長 次は議員の出欠発表の件、これは昨日の議決に基いて、原因を対究して、これを除去することについて事務当局で案のとりまとめを願つていたわけでありますが、今これについてとりまとめができましたから皆さんのお手もとにお配りいたします。
   議員出欠発表ノ件
 一、本会議ノ欠席者ヲ毎月末ニ取リ纒めて翌月早々衆議院公報ニ発表スルコト
  (イ) 議場の氏名標ノ立テテナイモノヲ欠席者トスルコト
  (ロ) 当日委員会ニ出席シタモノハ本会議ニモ出席シタモノトミナスコト
  (ハ) 欠席ハ、請暇、服忌、欠席届出者及ビ事故欠ニ区別スルコト
  尚委員会ニツイテハ発表シナイガ事務局ニテ出席表ヲ作製スルコト
  (イ) 各委員会毎ニ作製スルコト
  (ロ) 当日何レカノ委員会ニ出席シタ者ハ他ノ委員会ニモ出席シタコトトスルコト
  (ハ)欠席ハ請暇、服忌、欠席届出者及ビ事故欠ニ区別スルコト
   実施期日ヲ  月  日トス
#14
○中野(四)委員 毎月末にとりまとめて衆議院の公報に発表することはもとより賛成でありますが、この場合(イ)の議場の氏名標の立てない者を欠席者とするということに少し疑義があるのであります。(ロ)の方の当日委員会に出席した者は本議会にも出席した者とみなすというのはわかつておりますが、この場合委員会継続中において、議場に入場困難の場合が往々あることは皆さん御承知のことと思います。從つて氏名標を立ててない者といえども、実際上において登院し、玄関において名札をかえし、そうして委員会においてそれぞれの公務を執行中の者は本会議の氏名標を立てる機会がないのだから、それによつて欠席者とするということについて相当疑義が起つてくると思うのです。この点についてもう少し明確にしてもらいたい。
#15
○大池事務総長 その点は事務的に御報告申し上げますが、委員会の方の出欠は、そのページのうしろにありますように各委員会ごとに作成しますので、その日何々委員会が開かれてどの方が出席されたということは委員会の方でわかつております。そこで本会議の方としては議場の氏名標の立ててないのが一應の欠席者ということになるわけでありますが、その(ロ)に基きまして、委員会に出席されておる方は欠席者の中からは除かれるわけでありましてそれは簡單にできるわけであります。
#16
○中野(四)委員 私の危惧するところは、たとえば玄関におれる名札のかえしというものは、少くとも登院を意味するものであつて、あそこに設置してあることからみても、少くともその根拠を登院の際の名札のかえしに認めることにしないと、將來もいろいろの点において非常に支障を來しはしないかと私は危惧するのですが、そのおそれはないものですか。
#17
○大池事務総長 それは昨日も、登院はされておるけれども議場に出られなかつた者は発表したらどうかという案もありまして、昨日のお話合いの大体の結論として私ども了承しておりますのは、登院は一應されたけれども途中でお帰りになる、あるいは他に用務をされておつて議場に出てこられない、委員会の方にも出てこられないという方があれば、これはやはり一應欠席とせざるを得ないという御結論のように拜承して、こういう案を出したわけであります。
#18
○中野(四)委員 これは少くとも玄関における名札のかえしということが設置されておる限りは、それとにらみ合わせて、同時に委員会並びに本会議議場という三位一体の関係において出欠を見る方法をもたない限りにおいては、玄関の名札ということは非常に軽視されるおそれがあると思うが、この点について総長はどう考えるか。
#19
○大池事務総長 それは軽視という意味ではないので、やはり登院者と現実の議場並びに委員会への出席者というものは、場合によつてはちぐはぐがあり得るわけでありまして、從つて登院者と本会議の出席者というものとは、やはりそこに差があつてしかるべきではないかと思いますので、お話もそういうふうに承つたわけであります。
#20
○淺沼委員長 そうするとこれは本決定としてよろしゆうございますか。――それではこれを原案にして各党間において審議をしていただくことにいたします。その審議の際に根本的問題として問題になつたものを、まだ刷つておりませんからここに申し上げます。
 一、議員待遇、その内容は滯在雜費、宿舎に関する件。
 二、議員の立法に資するための調査機関の整備に関する件、具体的には法制部、調査部の拡充。
 三、政府の法案提出方整備促進に関する件、政府の法案の提出は不ぞろいである、これをなるべくとりまとめて出してほしい。
 四、休会に関する件、ばらばら議会にしないで、休むべきときには必ず休んで、能率をあげる。
 五、本会議開会の時刻を厳守すること。
 六、議員の出欠席発表の件。
 昨日議論になつたのは大体この六点であります。
 それでは以上のことを御研究願うことにして、今日はその問題はこの程度にしておきます。
    ―――――――――――――
#21
○淺沼委員長 次に國会法の改正案について、これを議題に供します。皆様の手もとに昨日事務当局の方から配つていただいたのでありまして、十五條第二項から、議論のないところは仮決定をしながら協議を進めたいと思つております。
#22
○中野(四)委員 総長に伺いたいが、十五條の第二項の「各議院は十日以内においてその院の休会を議決することができる。」という十日以内というのは……。
#23
○大池事務総長 御説明申し上げます。これは原案では「七日以内において」というので、七日に制限があるわけであります。それを七日ではとうてい北海道、九州等は不便があるという意味で、一應十日以内ということになつたわけであります。十日間が十分であるかないかどいうことはもちろん議論があるわけでありまして、私どもとしては十四日ぐらいの方がよいという考えをもつております。実は各一院の休会を一週間に限れるというようなことに相なつておつた関係上、急速にこれを増加するということも種々の関係で困難な点がありまして、ようやく十日というところにおちついておるわけであります。不十分であることは十分了承いたしておりますが、やむを得ないような情勢に相なつておる次第であります。
#24
○淺沼委員長 何か御意見ありませんか。――なければ「七日」を「十日以内」ということに改めて異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○淺沼委員長 さよう仮決定しておきます。
 それから第二十七條第二項について。
#26
○大池事務総長 第二十七條は、現在の通りになつておるところへ、現在では職員の採用、あるいはやめるという場合に、議長の同意だけに相なつておるわけでありますが、議長の同意以外に議院運営委員会の承認を得るという点を殖やしたわけであります。
#27
○淺沼委員長 同様仮決定するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○淺沼委員長 それでは次に願います。
#29
○小澤(佐)委員 ちよつと忘れましたが、十七條の規定には両院とも議長、副議長は一名ということになつておりますが、これは衆議院に限つては副議長二名にするという改正案を出したいのであります。その理由は、参議院の議席の倍であるということばかりではなく、いやしくも國会は憲法の規定によつて國権の最高機関である。しかも衆議院と参議院と比較する場合においては、衆議院が上位にあるということが原則になつております。そういう点を考えますと、國会の代表即衆議院議長であるということになつてくると思うのであります。そういうことから考えますと、やはり議長は大きな動きをして、いわゆる事務的なことは副議長二人でもやつていけるような建前にした方が、議長の活動範囲を拡張するゆえんであつて、ひいては國権の最高機関であるという実を収めていくことができる、こういう見地から副議長二名を提唱いたします。文句は適当にお願いします。
#30
○中野(四)委員 副議長二名という例は、小沢君の説明によつてたいへんよいことではあるけれども、これはやはり対外的な問題も相当考慮する必要があると思います。実質においては二名結構だと私は思う。しかしながら各國において副議長二名というような例がありますか。
#31
○大池事務総長 ありません。これは実は議院振粛委員会当時の決定が副議長は二人ということになつておりまして、國会法を最初つくりますときにも、やはり副議長は二人ある方が仮議長の選挙というようなことがほとんど行われる機会がなくてよいのでなかろうかという案もあり、いろいろお話もありましたが、やはり各國にそういう事例がまつたくないために、仮議長制度を置く限りはその必要はないのじやないかということで、実はとられたわけであります。そうして議長の代理をするときの副義長の第一、第二の順位をきめなければならぬというようないろいろな関係で、それを置くなら仮議長の制度は要らないのじやないかということで、仮議長の制度を置いたために、これと関連して一應きまらなかつたのであります。
#32
○小澤(佐)委員 仮議長は議長、副議長が故障があつた場合に……。
#33
○大池事務総長 議長、副議長二人ともに故障があつた場合には、副議長一人だとそういう場合が起り得る。二名おればまず仮議長をおくようなことは起らない。それでもなおこしらえておく必要はあると思います。
#34
○小島委員 ぼくは正副議長という正副の言葉を使つてよいが、とにかく議長も副議長ももちろん議院を代表するのだから、國会を代表する人間をそうたくさんつくることは本則じやないと思う。だからぼくはやはり副議長は一人でよいと思う。仮議長制度を設けておけば、議長と副議長が仕事をするとかしないとか言うが、事務的なことは事務局でやるし、議会を代表する人間がそうたくさんあることはおもしろくない。結局一人でよいと思う。
#35
○小澤(佐)委員 議論はどうにでも立つが、代表するのはいつでも議長一人ですよ。だが議長が故障ある場合に副議長が全員を代表するのであつて、たとえば議長がきようは本会議があるから何々会に出られぬ。あるいは政府との関係があるが行けないということでは、ひいては國会の事務に澁滯を來す。そういう点を考えて、議長は國会の事務的なことには出なくても、対外的にどんどん活動し得るような立場に置きたいというのが副議長二名の案であつて、今のように正副議長二名あつても、議長が事務をとる場合においては副議長はとるべき何らの案件もない、ただ名前があるだけにすぎないと法制上私は解釈している。
#36
○小島委員 そうばかりとは言えない。
#37
○中野(四)委員 副議長二名を提案された小沢君の氣持はよくわかるが、実質上に及ぼす影響を考えると、國会法にこういう制度ができると、全國地方自治法に基く各地方団体においてもこのような傾向が多く見られる結果が起つてくると私は思う。例をあげれば、たとへば衆議院において歳費、実費、すべての手当、雜費等を上げていけば、それがただちに影響して、各地方議会においてもこれと同等の決議が行われ、現在地方の支出に面に大きな影響を及ぼしているような点から考えても、中央においてその例が布かれることによつて、地方に及ぼす影響も考えなければならぬと思う。二名あればそれに越したことはないと思うが、諸外國にその例も見ず、今の小島君の意見も一應尊重すべき点もあり、さらに地方に及ぼす影響を考えて、私らは副議長二名置くことには賛成できがたいのです。
#38
○小澤(佐)委員 地方の実情としては、府縣会、町村会ともに議長、副議長一名ずつということは法律できまつているのだから、法律を改正しなければ勝手に二名置くことはできない。
#39
○高橋(英)委員 今中野君は地方議員の手当、歳費などが増額されたことが、あたかも國会の方でまず上げたからその例にならつたようにとらえたが、私は違うように聞いております。その筋から、從來のような薄い手当ではいけない、それでは眞の名誉職その他の公職の遂行を全うすることはできないということから増額されたのであつて、かえつて國会の方が地方にならつたという傾向としては逆ではないかと思います。これはあげ足をとるのではないけれども、ただ國会が地方議会の歳費値上げにまで影響したと思われても困りますから、ちよつと申し上げておきます。
 それで今の小沢君の問題ですが、機構が厖大になればいろいろな機関が必要なので、今の副議長二名といつたような傾向も最近、殊に戰爭中からたくさんあつたように思う。小沢君のねらいが今言われただけのものか、言外に各政党間の摩擦を少しでも少くして、議会運営上裨益あらしむるために言われているのか、そこはわかりませんが、いろいろな意味において副議長二名説は議会運営上至当ではないか、理屈はいろいろつきますけれども、機構が厖大になつたら必要だと思います。その意味において私は賛成します。
#40
○中野(四)委員 横道にはいるようですが、大事なことだから申し上げておきます。私は地方議会に長い間関係しておつて、淺沼君も御承知の通り、過去衆議院議員が歳費三千円とつている時分から、これが五千円、六千円に上り、同時に東京市会においても各府縣会においてもこれにならつて上つたという傾向は御承知の通りであります。今関係方面からというお説がありましたが、地方議会の歳費の値上げ、実費弁償の値上げは関係方面からの慫慂によつて行われたとあるならば、ある一定の基準が設けらるべきであるにかかわらず、全國の地方議会においては非常に凸凹が激しい。殊に東京都議会においてしかり、あるのは各地方縣会においてしかりでありますから、この点は認識の相違だと思う。
#41
○淺沼委員長 それでは今の問題は小沢君から提議があつたということで、意見は決定を見ずに留保しておくということにしておきます。
 次に三十四條。
#42
○大池事務総長 三十四條の二は、先日議員の逮捕の問題について運営委員会にかけられまして、非常に議論になつた点であります。結局その点は從來の通り令状なしに要求を受けて、こちらが承認を與えた後に令状を発行した方がよいか、令状の写しまで來た場合に承認を求めるべきであるかという点が中心になろうかと思います。從來の通りでよろしいということになれば、これは要らないことになります。その点はつきりした方がいいのではないかということで書いてあるわけであります。それと内閣が要求してくることにしておるが、その点は裁判所の方から來るべきではないかというお説が小沢さんからこの前出ておつたわけでありますが、私どもとしてはこれは一つの要求の案件でありますから、その案件に対する責任を負うべき内閣、國会に対しては内閣は連帶をして責任を負つておるので、裁判所の方から要求をして、内閣から出る。從つてすべての責任は内閣においてもつという関係から、内閣の方が穏当ではないかという意味で、ここに書いてあるのであります。
#43
○小澤(佐)委員 今総長の議論もありましたが、原則として、司法、行政、立法という三つが分立していることは言うまでもないのであつて、こういう司法に関する問題は、要求する行為が司法行為ということはただちに断定するものではないけれども、先だつての原君の事例でもはつきりしている通り、あれがかりに内閣から出たものでないとすれば、政治問題化することはない。内閣からたまたま出たから問題になつた。やはりこれは司法部の問題として、裁判所から請求するというように制度を改めることによつて、この問題を政治問題化しないという現実の姿が出てくると思う。事務総長の意見もありますが、何も内閣だけが責任を負うのではなくて、裁判所が出す場合には裁判所が責任を請うべきものですから、やはり私は管轄裁判所の方から出すという形にした方がいいと思います。
#44
○小島委員 これはぼくがこの間から議論しておる問題ですが、裁判所が令状を出すということは一つの裁判である。ところが裁判所が令状を出した場合には、裁判権執行の上において逮捕する必要があるということを裁判所が認定して裁判しておるということになる。その裁判所の認定した裁判に対して國会が同意を與えなかつた場合には、國会が裁判所の裁判権の執行についてこれを不可能ならしめる。だからぼくは裁判所というものが独立した以上は、立法府が直接裁判権に干渉する形をとることは好まない、そんなことま間違つておると思う。そういう意味から言つて、私はあくまで逮捕の要求は檢察廰がなすべきであると思う。但し今小沢君の言つたように、内閣から要求する場合においては、そこに妙な行政上のいろいろな問題があつてよくないというならば、檢察廰はその同地区の裁判所を経て要求しろ、こういうふうにしておいた方がいいと思う。それだつたら裁判に対して立法府が干渉するとかしないとかいう問題は起きてこない。
#45
○石田(一)委員 私はこの前の原君の逮捕の許諾を求められた件のときにも、この委員会において討論のときに、今後國会法のこの條項がわれわれの主張する司法裁判所の手を経てこれが行われるということの改正がなされることを強く希望して、私は賛成の意を表したのであります。ただいま小島君の御議論によると、司法権が独立しているその裁判の結果、出される令状である。この令状の執行を不能ならしめるように國会がこれを拒否した場合には、國会が司法権に容喙し、またその権限を犯すかのごときことになる、こういうお説でございますが、司法権が立法機関に犯されていけないと御じように、少くとも日本の國権の最高機関である國会も、司法権に犯されることがあつてはいけない。それは小島君の意見でいうと、何かしらこの立法府の上に位する司法権があるかのごとき説明でございますが、たとえ司法権がその者を逮捕を許諾してほしいと國会に要求しても、永久に國会はこれを逮捕すべからずというのではない。國会の審議を全うするために、その会期中これを逮捕すべからずということになるのでありますから、逮捕する時期が遅れるだけであります。國権の最高たる國会の審議権を尊重することの方が、小島君の司法権の尊重よりか、より重要な意味をもつと私は考えております。その点で私は今小沢君のおつしやつた意見に全面的に賛成をいたします。但し時期の問題について、ただいま事務総長の言われたような問題が事実あるとするならば、これは専門的な法律的な観点において一應考慮することは、あえて私は反対するものではありません。
#46
○小島委員 石田君の意見も意見ですが、裁判権が完全に独立している現在において、令状を出して裁判したということになつているにかかわらず、その裁判権を執行することができない。立法府においてその執行をたとえ一箇月でも止めたということは、これは裁判権に干渉することになる。だから險察廳が今までのように内閣を通してくると、政治的な魂膽があるように見られるから、裁判所を通して要求する。要求する法人は險察廳だ。たとえば東京高等險察廳ならば、東京高等裁判所の手を経て國会に要求してくる。こういうことになればいいと思う。内閣に來ることになれば、政治問題化するおそれがあるから、内閣を除外して、裁判所を経て要求する。こうすれば、政治問題化することはなくなるし、殊に裁判に対して立法権が干渉することもなくなる。
#47
○中野(四)委員 令状の写しは要らないのですか。
#48
○小島委員 令状を出したということは、すでに裁判をしてしまつたことになる。これに対して國会が承認しないことは、裁判が執行できないことになる。
#49
○高橋(英)委員 小島君の議論は、結局司法権は絶対無制限な独立性をもつているということになるけれども、司法権の独立性というものは、立法権や行政権に從來制約されておつたのを独立さすために、特に独立性という言葉が與えられたのであつて、それは行政権も独立しておるが、立法権も本來的に独立しておる。從來司法権は行政権の陰に隠れておつたのを、近代になつて独立さすために独立という言葉を使つておるけれども、これは絶対司法権のみが独立しておるのではない。これは無制限のものではなく、要するに立場々々が違うのであつて、議員の一身上の保護ということは特別に憲法にあるのだから、それによつて立法権もある程度の制約を受けようし、行政権もそれから司法権も受けるのであります。ぼくはそれが当然であると思う。險察廳で出すのも、裁判所で出すのも結局は同じことになる。それはそれぞれの法律に基く特別の制限なんだから、その制限がいいか悪いかの問題であるけれども、小島君の議論は根本的に了解できないから賛成できない。小沢君の意見に賛成しますが、今内閣から請求するかどうかという問題は、これは事務総長の御説によると、責任制の方からいくと、責任制は結局裁判所がやろうがどこがやろうが、最後の最高責任は内閣がもたなければならない。内閣の責任制というものと、裁判所の方で法的措置をすることには矛盾はないと思う。從つて内閣の手を通じてやるということになれば、また何か法律を改正して裁判所から内閣へ請求し、内閣は必ずそれに対してその要求をまた議院に取次ぐ必要がある。それがなければならぬというような法律でもこしらえるか、もしくはこしらえないとすれば、内閣が請求されても拒絶し得る権限があるというようなことになつてくる。そういうふうな関係法律の改正の必要があると思いますから、憲法や國会法の正面解釈から裁判所ででき得ないとすれば、私は内閣ということは省略して、直接裁判所に議院の許諾を請求できるようにするのが当然であると思う。
#50
○小澤(佐)委員 小島君の議論は前から聽いておるが、どうやら君の議論は、法律を設けること自体が裁判権を拘束するというふうな議論であると思う。法律が一旦できている以上は、裁判所はその法律の範囲内で司法権を行使しなければならない。從つて今法律でこういうことをしろと要求することは、少しも司法権を抑えるのではなく、司法権は法律の範囲内においてのみ行使できるのであるから、むしろ議院の許諾を求めるという條項全部を削らなければならぬことになる。そういうことがあるのは少しもふしぎはないのであつて、それがあつてこそかえつて法律を設ける理由になる。
#51
○小島委員 それはあなたの裁判権というものに対する意識が足りないので、裁判権の独立というものはあくまで徹底したものでなければならぬ。ぼくはこれは絶対通らぬと思う。
#52
○中野(四)委員 議事進行に関して……。大体通るところもあるし、ひつかかるところも二、三箇所あると思うから、これは留保して、進行していただきたい。
#53
○淺沼委員長 中野さんの御意見のように留保しておきまして、次に第三十九條。
#54
○大池事務総長 議員は、その任期中内閣総理大臣、その他の國務大臣、内閣官房長官及び別に法律で定めた場合を除いては、官吏又は地方公共団体の吏員となることができない。(「嘱託は差支えないという意味か」と呼ぶ者あり)嘱託というのはなくなつてしまいました。
#55
○小澤(佐)委員 政務次官の設置に関する法律とか、ああいう法律をかえればどんどんできることになるのですか。たとえば「別に法律で定めた場合を除いては」というのは。
#56
○大池事務総長 「その任期中」というのを、「除いては」の下にもつていつたらどうか。つまり、「内閣官房長官及び別に法律で定めた場合を除いてはその任期中官吏又は地方公共団体の吏員となることができない。」というように、「除いては」の下にもつていく。それから二項の方は、「議員はその任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問」――嘱託というのはなくなりましたから、「顧問その他これに準ずる職務に就くことができない。但し法律で定めた場合又は國会の議決の基く場合はこの限りでない。」
#57
○田中健吉君 その他これに準ずるというのはどういう意味か。
#58
○大池事務総長 連絡員とか何々委員とか、飜訳員とか、いろいろな形で名前をつければ、それらがこれに準ずるということになります。
#59
○淺沼委員長 これは御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○淺沼委員長 それでは次に四十二條の二。
#61
○大池事務総長 四十二條の二は関係方面からの御要求に基いて、從來のように國会図書館運営委員会を両院別々に常任委員会としてやつていくよりも、一つのものとして動かす方が円満性があつてよいのではないかということで、この案ができたわけでありますが、そうなりますと、現実の問題として一番困りますことは、國会図書館に関する陳情あるいは改正法案が出た場合に、その委員会のどこへかけるか。衆議院に出ました場合に、こちらでそれを通して、また向うへ帰つていつたときに、向うでまたもう一遍同じところにかけなければならぬというようないろいろな手続上の関係がありまして、両院の図書館運営委員長が向うといろいろ折衝をした関係上、むしろ現行法通りでよかろう。これは特に改正する必要はないということになりましたので、四十二條の二は從來のままに図書館運営委員会を動かすことにいたしまして、必要があれば合同審査会をやるということで、削除を願いたいということになつております。
#62
○淺沼委員長 これは削除することに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○淺沼委員長 ではさよう決定をいたします。
 それから四十三條。
#64
○大池事務総長 四十三條は從來の名前をかえただけでございます。専門調査員というのを専門員、書記を調査主事ということにいたしました。その中間に、從來の高等官であり得る調査員というものをおく。専門員と調査員、調査主事の三段階を設ける、それから専門調査員の從來の就職禁止規定が二年間でありましたものを一年間に半減いたしました。それだけのことであります。
#65
○淺沼委員長 これは御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○淺沼委員長 それでは四十六條の二。
#67
○大池事務総長 四十六條の二は、常任委員あるいは特別委員を各比率に應じまして選挙をいたしました場合に、それが途中で所属議員数に異動がありましたために、今回の場合のように各派の割当数を変更する必要があるというときには、議長は、四十一條の第一項の規定、これは任期中その委員であるという規定でありますけれども、それにかかわらず、議院運営委員会の議を経て委員を変更できるという可能規定を定めたものであります。
#68
○淺沼委員長 これは仮決定をするのに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○松岡議長 これは運営委員会に諮つて委員を変更するということは、同時に、委員長を辞さない場合において、委員でなくしてしまえばおのずから委員長にもなれない、こういうことも意味するのですね。
#70
○大池事務総長 そういうことです。
#71
○淺沼委員長 それでは第五十五條。
#72
○大池事務総長 第五十五條は、会議を開く場合には議事日程を定めて議院に報告することが原則になつておりますが、第二項で、議長は特に緊急の必要があると認めたときは、会議の日時だけを議院に通知して会議を開くことができるという、現に今日やつておりますことをただ法文化して入れただけであります。第三項は、しばしば問題になつておりました交渉会に代る問題であります。
#73
○小澤(佐)委員 日程が組めないで会議を開くようなことがあり得るのですか。
#74
○大池事務総長 ほんとうならば、日程を組んで、明日こういうことをやるからということで会議を招集するのが普通です。ところが今日中に上つていないと、日程を組んでも通知が間に合いませんから、明日上ることが確実である、あるいはこういう事件をやるということで、今まで会議を招集しておりますが、それが違法であるとか、ないとかいう御議論があつたわけです。それを明日会議を開くということだけを通知する。
#75
○中野(四)委員 議院運営委員会が選任する小委員会の構成とその運営の方法、これはまだ決定しておらぬと思うが、この見解はどういう程度まで進んでおりますか。
#76
○大池事務総長 從來の交渉会に代わるものが、最初のところは非常に極端な変り方でありましたが、それをすぐ法文化することはとうてい困難であろうと、思うのでありまして、これは議院運営委員会で十分御協議の上、どの程度に協議をするかということは運営委員会にお任せになつた方が円満にいくであろうということになつているわけです。
#77
○中野(四)委員 これは委員長に特に伺いたいのですが、從來の交渉会に代るということが基礎になつておりますが、從來の交渉会のあり方が会議制であると同時に、各党派から一名ずつの委員を選出して、國会の議事運営を円滑ならしめるのが目的でありますから、特に小委員を選任するにあたつて、その構成の方法について委員長はどういう見解をもつておられますか。
#78
○淺沼委員長 これは委員長の権限でなくて、委員会の総意として決定すべきものだと思いますが、ただ交渉会を法制化することになればおのずから別ですけれども、交渉会とは別にこの委員会から小委員を選ぶことになれば、私の考え方としては、それぞれの党派を代表する者がはいらなければ、議事の運営上そこで多数決できめるというわけにはまいらぬと思うのですが、委員と協議することができるということになつているのだから、委員と協議して、協議がまとまればそれに從う。まとまらざる場合には議長の見解をもつて議事を運営する。そういうぐあいになされていくのじやないかと思います。
#79
○中野(四)委員 そうしますと、從來の交渉会のあり方と同等に、各党から一名ずつ出して小委会を構成していくというような考えと了承してよろしゆうございますか。
#80
○淺沼委員長 一名ということでなくて、やはり比率の点は二十五名――二十五名を割れば二十名であつても小会派ははいれないという現状になつておりますから、そうすると大会派の方でずつと讓つていかなければならぬという形が出てくると思う。しかし百五十名をもつている第一党も一名、共産党も一名ということでなく、その点は何か調整していかなければならぬと思います。
#81
○中野(四)委員 そこで問題になるのは、今委員長も不用意のうちに言われるのだが、二十五名というようなことはまつたく旧観念であつて、二十名であろうと十五名であろうと交渉の過程において決定する。今日は新憲法下において何物ももつておらぬわけであります。從つて割当員数等については、とかくの論議はありませんが、各党から最小限一名を入れるということを前提としなければならぬということが一つ。いま一つは議院運営委員会が選任する小委員と協議することができるといいますと、小委員会において決定したことはすなわち議院運営委員会に一々報告することになりましようか。あるいは小委員の意見だけに議長が拘束されないのであつて、小委員会は一々議院運営委員会に拘束される結果になりましようか。
#82
○淺沼委員長 それは法文の通りにすれば小委員会と議長の関係が出てきて、重大な問題であれば議院運営委員会に報告することになろうと思います。そうでない場合は、今の本会議と委員会の関係と同様に、委員会で決定したことを全部本会議に報告することが前提でないのが今の委員会の運営ですから、それと同じように報告するほど重大問題でなければ議長との関連において議事を運営していいわけです。
#83
○中野(四)委員 そうなるとこの小委員のあり方は、あくまでも從來の交渉会に準ずるものとして了解していいわけですか。
#84
○淺沼委員長 その点は法文通り解釈して、それは議決機関でなくて委員と協議する協議機関である、そういうふうに御理解願えばいいと思う。
#85
○中野(四)委員 そういうふうに速記に明確になつておりますれば、將來小委員会の運営上疑義の発した場合においては、委員長のただいまの一言を基本にして將來運営していくというふうに了解しておきます。
#86
○高橋(英)委員 但し議長は、小委員の意見に拘束されない、というのは……。
#87
○大池事務総長 それでは、但し議長は、小委員の意見が一致しないときは、これに拘束されない。
#88
○淺沼委員長 それは当然だけれども、当然のことを書いておきますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○淺沼委員長 それではそうします。暫時休憩いたしまして、午後二時から再開いたします。
    午後零時三十一分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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