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#1
第142回国会 国土・環境委員会 第6号
平成十年三月三十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     鈴木 政二君     岩崎 純三君
     小川 勝也君     峰崎 直樹君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     井上 吉夫君
     昔野 久光君     千葉 景子君
     峰崎 直樹君     小川 勝也君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     鈴木 政二君
     千葉 景子君     菅野 久光君
     青木 薪次君     清水 澄子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         関根 則之君
    理 事
                岩井 國臣君
                山崎 正昭君
                小川 勝也君
                福本 潤一君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                太田 豊秋君
                鴻池 祥肇君
                坂野 重信君
                清水 達雄君
                鈴木 政二君
                永田 良雄君
                岡崎トミ子君
                菅野 久光君
                荒木 清寛君
                赤桐  操君
                清水 澄子君
                泉  信也君
                奥村 展三君
                山崎  力君
   国務大臣
       建 設 大 臣  瓦   力君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  大木  浩君
   政府委員
       北海道開発庁計
       画管理官     青木 東雄君
       環境庁長官官房
       長        太田 義武君
       環境庁企画調整
       局長       岡田 康彦君
       環境庁大気保全
       局長       野村  瞭君
       環境庁水質保全
       局長       渡辺 好明君
       国土庁計画・調
       整局長      河出 英治君
       厚生省生活衛生
       局長       小野 昭雄君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設大臣官房総
       務審議官     小鷲  茂君
       建設省建設経済
       局長       五十嵐健之君
       建設省道路局長  佐藤 信彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        八島 秀雄君
   説明員
       警察庁生活安全
       局生活環境課生
       活経済対策室長  柴田  健君
       警察庁刑事局刑
       事企画課長    岡田  薫君
       通商産業省基礎
       産業局化学課長  西出 徹雄君
   参考人
       日本道路公団理
       事        黒川  弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整
 備臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(関根則之君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨三十日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(関根則之君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(関根則之君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小川勝也君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(関根則之君) 公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岡崎トミ子君 今回の法改正は、大気汚染に起因する健康被害者に従来どおりの補償給付費用の一部を発生源の自動車税で負担するということですが、大気汚染の現状、とりわけ都市では余り改善されておりません。
 そこで、まず環境庁に伺います。
 NOx規制など対策がさまざまとられてきたと思いますが、過去五年間のデータでは、全体としてはやや向上と見られるものの、NO2の環境基準の未達成率が九六年度は九五年度より上昇し、また浮遊粒子状物質の達成率も依然として低い状況であります。この原因と対策をお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(野村瞭君) 御指摘いただきましたように、特に我が国の大都市におきましては、浮遊粒子状物質でありますとか窒素酸化物の状況が依然として厳しい状況にございます。
 ちょっと個別のお話をさせていただきたいと思いますけれども、今お挙げになりました浮遊粒子状物質についてでございますが、これにつきましてはいろいろと発生源がございます。一つには、工場、事業場等から発生するもの、また自動車の排ガスから出てくるもの等人為的な発生源もございますし、また土壌の巻き上げ等によっても浮遊粒子状物質が発生するわけでございます。また、大気中にガス状で出てくるものが二次的にこの粒子を発生させるというような要素もございまして、多種多様、また発生機構も複雑だというようなことでございまして、これまで私どもいろいろと浮遊粒子状物質について規制を中心に対策をとってきたわけでございますが、現在のところ十分な改善効果は見られていないと、御指摘のとおりでございます。
 このため、私ども従来から大気汚染防止法に基づきまして規制をしていたわけでございますが、規制の強化を図らなければならないということで、一部既に報道をされたわけでございますが、来月、四月には特に廃棄物焼却炉からのばいじんの排出基準を強化する予定でございます。また、今申し上げましたように、いろいろ浮遊粒子状物質については発生源でありますとか構成が複雑でございますので、それをきちんと正確に把握しなきゃならぬ。また、今後地域的に汚染の予測も図っていかなければならないということを考えておりまして、私ども、有識者から構成される浮遊粒子状物質対策検討会というところでそれらの検討を現在行っておりまして、十年度末までにその結果を取りまとめたいと思っております。その結果に従いまして、今後さらに浮遊粒子状物質対策を強化してまいりたいと思っております。
 それから、NOxに関係して申し上げますと、これにつきましても大気汚染防止法等によりまして対策を図ってきたわけでございますが、特に自動車交通量が増加をいたしておりまして、沿道のNOxの状況が厳しい状況にございますが、なかなか車一台ごとの単体規制では効果は出てこないという状況にございます。
 そういうことで、車につきましても、特にディーゼルガスが大きな要因でございますが、この排ガス規制の強化を図るほか、低公害車の普及促進等も図っていかなきゃならない、そのように考えているところでございます。
#8
○岡崎トミ子君 百三十二国会では、「環境保全に配慮した総合的な交通対策を強力に推進すること。」という決議がされております。私は、地球温暖化防止の観点を踏まえて、交通システム全体を変革するような政策で建設省への働きかけが必要と思っております。
 例えば、長期的、短期的環境負荷の評価、失った環境の回復、創造のコスト計算など環境経済を取り入れて、費用対効果などの総合的判断も取り入れることも必要というふうに思っておりますが、環境庁長官のお考えを伺いたいと思います。
#9
○国務大臣(大木浩君) 関係各省にかかわることでございますので、必要があればまたそちらからも御答弁いただいた方がいいかと思いますけれども、御存じのとおりに今、内閣に総理を本部長といたします地球温暖化のための対策本部というのをつくっておりまして、いろいろと関係各省からのヒアリングを行っております。一体どういうことができるかということでありまして、今おっしゃいましたような交通の規制というか、全体の交通の流れを見直すというようなむしろ観点じゃないかと思うのですけれども、これはなかなか難しいわけでございまして、実際にいろんなこれを規制というような形でやるとなりますと必ずしも皆さんに御賛同をいただけないような面もあります。しかし、やっぱりこれはどうしても規制しなきゃならぬなということを実際の市民の皆さんの方で実感していただかないと難しいものですから、今、温暖化対策等の観点からはそういった交通問題も目下勉強しておるところでございます。
 ただ、正直申し上げましてなかなか決め手がないということでありますので、何かむしろ市民の方で、しかも地域地域で事情に応じた対策をするということにならざるを得ないんじゃないかと思っておりますけれども、長官としての感触としては、それから今やっております現状については今言ったようなことが大体の現状かと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
#10
○岡崎トミ子君 昨年の六月に、今後の道路環境政策のあり方として道路審議会から中間答申が出ております。この基本的考え方を見ますと、道路整備の費用と効果を比較する際、道路整備を行わないことも選択肢に含めて検討する。また、計画の構想段階という早い時点での公表や事後調査の必要性を述べております。これは、一たん決めた計画は撤回しない、アセスメントはアワスメントという、住民やNGOの批判があった今までの建設省の姿勢を考えますと非常に前向きになっていると評価をいたします。
 この点からしましても、道路計画に当たっては早い段階で事業の効果とあわせて住民の意見も参考にしながら環境に十分配慮していくべきと考えておりますが、いかがでしょうか、建設省、お願いいたします。
#11
○政府委員(佐藤信彦君) 建設省といたしましては、従来から環境に配慮した道路整備を進めてきているところでございます。さらに積極的に環境保全、それからそれの向上を進めるための施策を今後展開していくことが必要と思われておりまして、早い段階から広く住民や地方公共団体の意見を伺いながら環境に関する要素を十分踏まえまして道路計画を策定していきたいというふうに考えております。
#12
○岡崎トミ子君 そこで、アセスを実施されました後、工事着手前に計画地域周辺が開発される。例えば大規模流通センターなどですが、そこで新たな環境負荷要因が生じております。また、住民や自治体が追加的なアセスをしてほしいという要望をしている場合もあります。アセスの補充を実施するというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
#13
○政府委員(佐藤信彦君) ただいまの御質問ですが、環境アセスメントをやった後、いろいろな状況が変わってきた場合にどうするかといった質問であるというふうに伺っております。
 環境アセスメントの終了の後、非常に長期間を経過した場合とか、それからその周辺に大きな開発が行われるといったような新たな状況の変化が物すごく大きいといった場合、それによりまして必要に応じ交通量とか環境に与える影響などが出てくるかと思いますが、そういったものにつきましては必要に応じましてその措置を講じていきたいというふうに考えております。
#14
○岡崎トミ子君 高速道路のアセスでは、基礎となる交通量の予想計算がされておりますが、その際、インプットした数値の公開が今まではされてきませんでした。
 この点について、基礎資料の公表を積極的に行ったり時にはNGOの意見を聞くことも必要と考えますが、いかがでしょうか。
#15
○政府委員(佐藤信彦君) アセスの中で交通量の問題というのは基本的な問題になるわけでございますが、その将来交通量の推計に当たりましては社会経済指標の予測に基づき各地域ごとの結びつきとかネットワークを考慮して予測を行っているわけでございます。これのもろもろの指標、そういったものでございますが。道路事業の説明に当たって、これまでも推計の前提とかプロセスについて必要に応じ明らかにしてきたところでございますが、今後とも一層努力していきたいというふうに思っております。
#16
○岡崎トミ子君 次に、ダイオキシンの排出調査について伺いたいと思います。
 ダイオキシン排出抑制対策検討会報告によりますと、我が国の年間のダイオキシンの排出量は毒性等価量で約五キログラムと見積もられております。しかし、この数字は実際の排出量よりもずっと小さいと研究者が指摘しております。現在、ダイオキシンの排出量のデータは一定規模以上の廃棄物処理、製鋼、製鉄、パルプ工場の排水に関するものだけで、そのほかの排出源についてはこれから順次調査をするのだと聞いております。有効な対策を立てるためにも、早急に現状についての正確な調査を行う必要があると考えます。
 例えば、小型焼却炉の数だけでも全国に九万あるということですし、緊急にRDF、ごみの固化燃料化の調査も必要だと思いますが、このような大事業を行うのに予算を伺いましたら、一千八百万円というふうに伺いました。これでは私は不十分だと思います。長官、もっと頑張っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(大木浩君) まず、私も長官を拝命いたしましてから環境庁の予算全体を見させていただきましたら、こういうことを言っていいか悪いかは知りませんけれども、ゼロが二つ落ちているんじゃないかというぐらいに環境庁の予算というのは全体としてまず非常に少ない。というのは、環境庁の仕事というのは、今までどちらかといえば調査研究というようなところで、現場でみずから事業をやる、あるいは規制をやるというところまで全体としてはいっていないものですから、環境庁の予算も非常に少ないと思います。今度ダイオキシンにつきましては、実は平成十年度は全体としては十倍にしていただいて三億円というようなことでついております。
 そういうことですから、十分じゃないという実感は私も持っておりますけれども、ひとつ努力しておりますので、これからは必要なところへできるだけ重点的につけていただいて、ダイオキシンについての施策も強力に推進できるように努力したいと思っております。
#18
○岡崎トミ子君 大臣の口からは補正とはなかなか今は言いにくいと思いますけれども、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思っております。
 次に、環境ホルモンについて伺いたいと思います。
 厚生省の食品衛生調査会の毒性部会と器具・容器包装部会の合同部会が三月十三日に行われました。その二日前の国土・環境委員会で、私はポリカーボネート製の哺乳瓶や食器の製造を見直すべきではないかという問題提起をいたしました。このことを合同部会にお伝えいただきたいとお願いをいたしましたが、どうお伝えいただけましたでしょうか、お願いをいたします。
 そして、合同部会では、文献調査のみで判断して、調査の対象となった食器類について現在の規制に加えて緊急な対応が必要ではないという結論が出たと聞いております。これでは国民の不安にこたえたことにはなりません。今後、新しい事態や研究報告など、社会的要請があった場合には速やかに対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#19
○政府委員(小野昭雄君) 先生御指摘のように、ポリカーボネート製の食器などの安全性につきましては、三月十三日に直近の科学的データを含めまして食品衛生調査会の御意見を聞いたところでございます。御指摘ございましたように、調査会の開会に当たりまして、国会におきまして御議論がございましたということで、十分そういう点を踏まえて御審議をお願いしたいということを私の方からもお願い申し上げました。公開で行われたわけでございますが、その中で、現段階におきましては使用禁止等の措置を講じる必要はないという旨の御意見をいただいたわけでございます。
 しかしながら、私は前もお話を申し上げたと思いますけれども、環境ホルモン問題というのはまだまだ非常に未解明な分野が非常に多うございますし、またその範囲、作用の仕方、それから物質をどう選択するかといったようなこと等国際的な枠組みの中で作業が行われている面もございますので、国際的な動向も踏まえながら、今御指摘のようにいろんな新しい知見が提起をされましたら、その時々に調査会の御意見をお伺いしながら対処してまいりたいと考えております。
#20
○岡崎トミ子君 ぜひ、危機管理の観点も踏まえて対応をしていただきたいとお願いいたします。
 次いで、通産省に伺います。
 塩化ビニールの製造過程や廃棄物として燃焼する際にダイオキシンが発生すると言われて、環境ホルモンとしての危険性も指摘されております。これに対して、リサイクルの油化実験などを研究していると伺っておりますが、根本的には塩化ビニールの製造や使用そのものを抑制する必要があると思います。その方向で具体的な検討はされておりますでしょうか。
#21
○説明員(西出徹雄君) お答えいたします。
 ダイオキシンの発生メカニズムに関しましては、まだ現在科学的に十分解明されていないという状況と認識しております。このため、科学的な知見の一層の集積を図るとともに、海外の規制等の検討状況に関する情報にも積極的に収集に取り組んでいるところでございます。今後、塩化ビニールとの因果関係について科学的な知見の蓄積を踏まえて、必要な措置について検討を行ってまいりたいと思います。
 ただ、先生が今御指摘のように、ダイオキシン類の発生を抑制する方法の一つとして、リサイクルによる焼却ごみの減量化というのが大変重要であるというふうに考えております。現在、容器包装リサイクル法の施行のために、その円滑な運用を図るために産業構造審議会の中で検討しておりますし、御指摘のありましたような油化技術の開発等を含めて対応しているところでございます。
 今後とも、リサイクルの促進に努力してまいりたいと考えております。
#22
○岡崎トミ子君 私の考えは元から断たなきゃだめだということがありますけれども、また別な機会にお話をしたいと思います。もう少し本当に突っ込んだ取り組みをしていただきたいと考えます。
 本日の新聞ですが、甲府地裁の判決で、山梨県の住民が訴えた産廃施設の建設差しとめが認められたとありました。ダイオキシン、環境ホルモンなどが社会問題化する中、健康被害を受ける可能性を社会的必要性のもとに受忍すべきだとは言えないという判断でありました。世論も司法の場でも認められた考え方がまだ通産省にはわかっていないというのが大変残念でございます。
 この塩化ビニールにつきましては、既にデンマーク、スウェーデン、ドイツ、オランダといった国々で、国レベル、地方レベルの差はあっても、具体的な規制措置や規制措置導入のための突っ込んだ検討がなされております。イギリスの環境庁がことしの一月に出しました報告書、これは環境新聞に報道されておりましたが、環境ホルモンの作用について科学的に不明なことが多いことを認めた上で、産業界に対して環境ホルモンと疑われている物質の使用停止を含めた自主規制を要求しております。通産省は、イギリスの環境庁の姿勢についてどうお考えになっているだろうかというふうに考えておりました。
 日本に来られた、「奪われし未来」の共著者の一人、ダイアン・ダマノスキさんが先週の土曜日、三月二十八日に青山で講演をされました。この中で、一般的な裁判の場では推定無罪の原則が非常に重要だが、将来の世代に危険にさらされているような場合には予防的アプローチをとることが必要だと発言しておりました。私は、この姿勢こそが政府の環境政策、環境問題への取り組みとして必要だというふうに考えております。
 さて、最近我が国の廃棄物が海外で処理されている公害輸出のことが問題になっております。北朝鮮への廃タイヤやアルミ残灰の輸出、フィリピンでのアルミ残灰の処理、焼却灰の路盤改良材として一部がインドネシアに輸出されていたなどの新聞記事が相次いで掲載されております。
 まず、環境庁に伺いたいと思いますが、これはバーゼル条約の観点から違反ではないでしょうか。次に厚生省に、廃棄物処理法違反ではないでしょうか、またこれらの手続はどのように行っているのか伺いたいと思います。
#23
○政府委員(渡辺好明君) バーゼル条約上の有害廃棄物に該当するかどうかでありますけれども、これは条約の附属書におきまして、廃棄物の種類、有害特性、それから利用目的と、そういうものを勘案いたしまして判断されます。
 今、先生が御指摘になりました三つでございますけれども、一点目の廃タイヤにつきましては条約上の有害廃棄物には該当しないと考えられます。それから二点目のアルミ残灰でございますけれども、これにつきましては有害特性それから輸出目的、すなわち製品輸出であるのか廃棄物の輸出であるのか、そういった点についてさらに確認が必要であろうと考えておりまして、関係省庁間でその確認作業を行っております。それから三点目の焼却灰の処理物でありますけれども、これにつきましても基本的にはバーゼル条約では好ましくないという方向だろうと思いますけれども、これの具体的な用途等につきましてバーゼル条約上のクリアがなされているのかどうか、もう少し私ども自身も調査をいたしたいと考えております。
#24
○政府委員(小野昭雄君) 廃棄物の輸出に当たりましての廃棄物処理法といわゆる関係法の関係でございますが、廃棄物を輸出しようといたします場合には、その輸出をしようとしている方が、廃棄物処理法に基づきまして厚生大臣の確認を得ることが必要でございますし、それから外国為替及び外国貿易管理法に基づきます通商産業大臣の輸出承認及び関税法に基づきます税関長の許可を得ることが必要でございます。
 今御指摘のございましたいわゆるバーゼル国内法に規定されます該当物の場合におきましては、同法によりまして、輸出の承認に当たりましては、通産大臣が環境庁長官にその旨を通知いたしまして、環境庁長官が相手国におきます環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられることを確認した後でなければしてはならないというふうにされているところでございます。
 それからなお、新聞報道されております御指摘の廃タイヤ等の案件でございますけれども、これは現在事実関係を調査中でございまして、事実関係を把握した上で廃棄物処理法上の対応が必要であれば適正に対処してまいりたいと考えているところでございます。
#25
○岡崎トミ子君 次に、十一の自治体が焼却灰の処分を委託していたということであります。このような再生品について、厚生省は促進を促す目的で一般廃棄物の溶融固化物の再生利用の目標指針を設定したと聞いております。もう少し検討の余地があるのではないかと私は考えます。目標基準値を超えた製品がつくられた場合には、厚生省はどのように指導されるのでしょうか。
#26
○政府委員(小野昭雄君) 焼却灰に関しましては、高温で溶融固化処理を行いますと、ダイオキシン類は熱分解されますし、さらに重金属類につきましても溶出しにくくなるという研究成果がございます。その固化物、いわゆるスラグでございますが、路盤材等に利用することが可能でございます。ただ、先生御指摘のように、そういったものが生活環境の保全上問題を起こしてはならないわけでございます。
 そこで、先般、焼却灰の溶融固化の実施に当たりまして、守るべき事項というものの指針を環境庁と協議の上定めまして、地方公共団体に通知をしたものでございます。これによりまして、適正ないわゆる生活環境に対しまして有害でない形でこういったものが有効利用されるということは私どもとしても好ましいものというふうに考えております。
#27
○岡崎トミ子君 実際、自治体で焼却灰の調査結果について、例えば鉛が一リットル当たり〇・〇七ミリグラム検出されたというようなところもありまして、実際は土壌の環境基準値は〇・〇一ですから、これはすべて溶出してくるというふうには考えられませんけれども、もしかしてということも含めて環境基準のことを考えたときに、ぜひ厚生省での指導というのを強めていただきたいというふうに思います。
 今後、さらに一般廃棄物の処分灰の利用が盛んになって、年月の経過とともに有機物が土壌に浸出してくる場合も考えられます。このような事態を想定した対策を早急に考えるべきだと思いますが、環境庁いかがでしょうか。
#28
○政府委員(渡辺好明君) 廃棄物の場合には、特に土壌とか地下水に各種の影響を与えることが考えられます。したがいまして、その実態をまず十分に調査して、それぞれ土地の利用目的に応じた一定の指導なりガイドラインをつくる。あるいは規制をすることも将来必要なのかもしれませんけれども、そういったことも踏まえまして、もう少し実態を調査した上で的確な対処をすべきだというふうに考えております。
#29
○国務大臣(大木浩君) 岡崎委員の御質問のお気持ちは、少なくともいろいろと調査研究はするんだけれども、とにかくいろいろと疑いのあるような状況があちこちにあらわれているんじゃないか、どうするんだというお話だと思うんです。実は、私もその場をいろいろ回りましてそういう感じを持っております。ということですから、できることは疑わしきは罰するというんじゃないんですけれども、疑わしきは何か手は打てないかという問題がいろいろあると思います。
 ということで、先般、例えば学校では、小さな焼却炉をたくさん持っているのを使うなというようなことを既に文部省の方の通達の中で勧めておられる。ですから、これは一般論として、これはまだすぐにいきなり実態を調査するということは、まずもちろん原則はそうでありますけれども、やっぱり警戒警報が出てくるというような状況についてはどういうことができるか、私どもとしてもこれからまたひとつよく勉強させていただきたいと思っております。
#30
○岡崎トミ子君 よろしくお願いをいたします。
 最後に、警察庁に伺いたいと思いますが、産業廃棄物業者と暴力団や企業舎弟との関係が取りざたされております。静岡県警で逮捕されたアルミ残灰放置事件、また御嵩町の産廃施設をめぐる町長襲撃事件など、関連した事件は後を絶ちません。これら産廃事件の現状はどのようになっておりますでしょうか。フィリピンへのアルミ残灰輸出についての捜査状況も含めて御報告をお願いいたします。
#31
○説明員(柴田健君) 廃棄物事犯に対します暴力団の関与状況でございますが、昨年、廃棄物事犯、二千百十七件、二千四百九十三人検挙しておりますが、うち暴力団は百六件、百八十一名という数字となっております。全体の約八%が暴力団ということでございます。最近五年間で見てまいりますと、暴力団の検挙はこの間に約六割増加という状況でございます。
 そこで、委員御指摘の静岡県の事件でございますが、三月十九日、浜松市内に所在するアルミニウム製錬等を行う会社の役員で暴力団の幹部ら四名を逮捕して現在捜査中でございます。捜査中の事案でございますが、昨年末から本年の二月までの間に無許可でアルミ残滓約七百トンを収集、運搬するとともに、約数十トンを田んぼに投棄したという容疑でございます。
 また、フィリピンへの輸出ということもございますので、関係機関と連携をとりながら解明に努めてまいりたいと考えております。
#32
○岡崎トミ子君 ぜひこれらの事件の徹底解明をお願いしたいと思います。また、ふえ続ける産廃事件の対策に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 その人の配置と増員なんですけれども、たくさんの件数があって逮捕者も次々出ているということで取り締まりの強化をぜひお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#33
○説明員(柴田健君) 限りある捜査力を最大限に生かして効果を上げていくということがやはり大事だろうと思います。特に悪質な違反に重点を絞って取り締まりを行うということを重点といたしておりまして、廃棄物事犯につきましては、組織的、計画的に行われる事犯ですとか、行政指導を無視して行われる事犯など、悪質な事犯に重点を絞る取り締まりということを積極的に行ってまいりたいと考えております。
#34
○岡崎トミ子君 以上で質問を終わります。
#35
○福本潤一君 公明の福本でございます。公健法について最初お伺いさせていただきます。
 公健法で現在七万人が認定されておるということでございます。平成十年度で八百二十億円が補償に回されるということでございますが、この旧第一種指定地域に係る十年度以前、平成九年度までの予算ベースで大体金額にしてトータル幾ら補償費が払われておるか。
#36
○政府委員(岡田康彦君) お尋ねの件でございます旧第一種指定地域に係る昭和四十九年度から平成九年度までの予算ベースでの補償給付累積総額、約一兆九千五百億円でございます。
#37
○福本潤一君 一兆九千五百億円という金額が補償で払われているということでございますが、この中には二種の水俣病、イタイイタイ病等々は入っていませんね、確認です。
#38
○政府委員(岡田康彦君) 旧一種指定地域分だけでございますので、入っておりません。
#39
○福本潤一君 激甚な公害だったそういう二種が入っていない場合でこれだけの費用になっているということで、公害にかかわる今後の行政、また環境問題を扱う行政に関しては本格的に取り組んでいただかないと、この法案による患者の認定というのはもう既に終わっておりますのでこの法案に基づいては起こらないと思いますが、今後例えばダイオキシン、環境ホルモン等々にかかわって補償等々が出てくるような場合はまたさらに大きな額が含まれていくのではなかろうかというふうに私も想像されます。その点から考えますと、現在、ダイオキシン、環境ホルモン、大きな問題になっておりますので、これからそちらの方の質問をさせていただきたいと思います。
 公明がダイオキシン対策本部というのをつくりまして、かなり活発に予算委員会でも質疑させていただいております。その中で、環境庁はばいじん規制とかダイオキシン対策で今年度に入ってから新たな施策というものをとられているか、またとられたらその中身はどんなものか、教えていただきます。
#40
○政府委員(野村瞭君) ダイオキシンについての新たな施策ということでお尋ねがございました。
 ダイオキシンの排出抑制につきまして、昨年の六月でございますけれども、中央環境審議会から答申をいただきました。その中で触れられているわけでございますが、排ガス中のダイオキシン類はその多くがばいじんに吸着されているために、主要な発生源である廃棄物焼却施設に対する排ガス中のばいじんの規制強化もダイオキシン類の低減に有効である、早急に対応する必要があるとされておるところでございます。
 焼却炉からのばいじんにつきましては、ダイオキシンの問題だけでなくてばいじんによる生活公害というようなこともございまして、いろいろ苦情件数も多いというような背景もございます。
 これらの問題に対応するために、実はばいじんにつきましては昭和五十七年に基準の改正を行っておりますけれども、それ以降の焼却炉に係る技術の進展でありますとか、それからばいじんの排出実態等を検討いたしまして、検討結果がまとまりましたので、先ほどもお話し申し上げましたが、来月にもこのばいじんの規制の大幅な強化を図りたいと考えております。
 中身でございますが、大ざっぱに申し上げますと、これまでの基準値の半分ぐらいになる、裏返して申し上げますと倍厳しくなるということでございます。スケジュール的には、新設の焼却炉につきましては七月から、それから既設のものにつきましては二年後でございますけれども二〇〇〇年の四月から施行をいたしたい、そのように考えておるところでございます。
 私ども、このばいじんだけではなくて、その他ダイオキシンの発生源につきましても順次排出の実態をも調査いたしましてダイオキシン問題の対策をさらに推進してまいりたい、そのように考えておるところでございます。
#41
○福本潤一君 厚生省にもお答えいただこうかと思いますが、時間が余りなくなるといけませんので先に、今の環境庁の言われたばいじん規制を強化するという方針でございます。これは、ばいじん規制強化でダイオキシンにかかわるごみ焼却炉からの規制の強化ではないようでございます。
 前回のときにも御質問させていただきましたけれども、現在、厚生省の方でダイオキシン規制については二〇〇二年までは八十ナノグラムという甘い基準が焼却炉において行われておりますが、この暫定の基準、今から四年ばかりあるわけですが、そのままでいくと、さまざまな甘い規制のためにこれだけ大きな問題になっておりながら問題が生じるんではなかろうかと思います。
 厚生省の方から見て、この暫定の基準のままだとどういう問題が生じるかというのをまずお伺いさせていただいて、私の方から意見もまた言わせていただこうと思います。
#42
○政府委員(小野昭雄君) 既設の廃棄物焼却施設につきましては平成十四年の十一月までは八十ナノグラムという当面の基準を定めているわけでございますが、この基準を定めました根拠についてでございますが、焼却施設から出ます排ガスの影響を最も受けやすいというそういう地点におきましてもさまざまな経路からのダイオキシン類の摂取量が耐容一日摂取量を超えることのないよう十分な安全率を考慮して定めたものでございます。
 ただ、これは、ダイオキシン類につきましては可能な限り低い値が望ましいわけでございますので八十ナノグラムであるからということではなくて可能な限り低減をする必要はあるとは思いますが、とりあえず施設の改造あるいは施設の運転停止というふうなことを行う基準としては八十ナノということで定めております。
 したがいまして、八十ナノグラムを超えれば当然施設の改善命令の対象になりますし、あるいはそれが達成できない場合には休止といったような事態も考えられるわけでございます。そういう意味ではかなり基準の発動という意味の基準でございまして、しかもその基準の設定に当たりましては私どもとしては十分な安全率を考慮して定めたというふうに考えております。
#43
○福本潤一君 今の点は前回の質疑の中でも、八十ナノというのが現状の施設の水準も考慮してやったということで、私の方からは、健康の方から、生命の安全の方から考えるべきではないかというお話をさせていただきましたので、そういう対応を今後していただけるような方向で進むと思います。
 あともう一つ、二百キログラム以上の焼却炉という一つの制限を設けておられますが、産廃業者に伺いますと、基本的には百九十八キログラムのものを五個か十個つくれば問題ないんだから、しかも基準もまだ八十ナノグラムだからという声は一般の廃棄物業者も言っておりますけれども、それに対する対応はどういうふうに考えておられるか。
#44
○政府委員(小野昭雄君) 先生御指摘の複数の小規模の焼却炉が同一の設置者のもとで近接して設置されているというふうなケースが考えられるわけでございます。
 例えば、今先生御指摘の百九十八キログラムの炉が三つとかあるというふうなケースが想定されるわけでございますが、施設の構造あるいは焼却されます廃棄物の種類から見まして小規模の焼却炉が一体として機能する。すなわち三つあれば、百九十八キロが三つとも動いているというふうな場合につきましては全体として一つの施設としてとらえまして、このおのおのを合算した処理能力をもって許可が必要かどうかを判断するということといたしておりまして、この旨につきましては都道府県に文書で指示をしているところでございます。
#45
○福本潤一君 お役所的にはそういうふうに答えるんでしょうけれども、具体的に現場へ行きますとその三つが一体がどうかというのはほとんどわからない。埼玉の方へ行きますと、もうもうと二百キログラム以下のものが燃やされている。
 さらに問題なのは、委員長は埼玉におられるわけですから日常的にかなり見ておられるだろうと思いますけれども、ごみの不法廃棄の山になっておるわけです。そういう基準に触れない形でごみの山を延々とやっている中でもう一つ起こるのは、これは全国産廃業者の連合体がありますけれども、全国で八万産廃業者があると言われているうちの一万ぐらいしかそこに登録していない。その七万の方の業者には手が及ばない。
 それで、その七万の業者が今言っているのは、ちょうど二〇〇二年までにとにかくぼんぼん燃やして、やるだけやって後はやめればいいじゃないか、それでもう商売がえするというようなことを公然と言っている人もおるわけですが、そういった者に対する対応をどういうふうに考えておられるか、これをお伺いしたいと思います。
#46
○政府委員(小野昭雄君) 先生御指摘のようなお話があるということを私もお伺いしたことがございます。ただ、焼却の基準というのがございまして、例えば野焼き同然で焼却をしてはならないというふうなこと等の基準も一方にございます。
 したがいまして、設置の許可を要しない業者でありましても、いわゆる野焼き同然で焼却することに対しましては、これはきちっとした対応ができるように廃棄物処理法を改正いたしておりますので、個々のケースに応じまして適正に対処してまいりたいと考えております。
#47
○福本潤一君 今、野焼き同然のには対応できると言われましたけれども、具体的に言ってもらえますか。
#48
○政府委員(小野昭雄君) 廃棄物処理法の改正を行いまして、関係の政令、省令、告示等を改正したわけでありますが、施設の規模にかかわりませず焼却する際に守らなければならない処理基準、いわゆる焼却設備及び焼却方法というものを明確化したわけでございます。
 ちょっと具体的に申し上げますと、焼却設備の構造といたしましては、空気取り入れ口あるいは煙突の先端以外に焼却設備内と外気とが接することなく廃棄物を焼却できるものであること、あるいは焼却に必要な量の空気の通風が行われるものであること。また、焼却の方法といたしましては、煙突の先端以外から燃焼ガスが出ないように焼く、あるいは煙突の先端から火炎または黒煙を出さないように焼く、あるいは煙突から焼却灰及び未燃物が飛散しないように焼却することという基準を定めておりまして、これに違反した場合は改善命令の対象となりますということで現在定めているところでございます。
#49
○福本潤一君 またお役所的にはそういうふうに言われるのかなと思いますが、具体的な業者、埼玉の現場を、東松山から新座、所沢、川越等々、埼玉に行っている八割のごみは東京と言われますけれども、あの関越道路をおりて、夜中のうちに急にごみの山ができ上がっているところの現場へ行ってみますと、現実にはそういうものでは全然規制できていないというのがすぐわかると思いますので、一度ぜひともおられる方々で行っていただければと思います。そういう中で、特にくぬぎ山が大変な状況になっている。ダイオキシンの表層の土壌もかなり厳しい。
 データの出し方がいろいろ違う形で出ておりますけれども、例えばこの前、愛媛大学の脇本先生が、愛媛県の水田に高い濃度でごみ焼却と農薬を含めてかなり蓄積しているというデータを出しております。その中に、水田十三地点、これは愛媛ですから、データとして公表しますと、二百二十六ピコグラム・パーグラムというデータ、これが最大の値として出ているというのがあります。これはごみ焼却だけじゃなくて、ダイオキシンは異性体が多いですから、どこから出ているかなというのがわかります。むしろ農薬からかなり入っているという値です。
 この二百二十六ピコグラムというのがどれぐらいの値になるかといいますと、くぬぎ山で、やはり摂南大学の先生が出されておるデータ、いろいろ出ていますが、表層土壌で水田と同じように空気中から土壌に蓄積されたやつですけれども、四千二百八十七ピコグラムが最大で、最低が二百七ピコグラム。この前愛媛大学で発表されたデータの最大値がくぬぎ山では最低値だ。最大値はそれの二十倍ぐらい行っておるというデータが出ておるわけです。
 いろいろな方面からさまざまなデータは出ますが、このデータの信頼度というのは非常に今後気をつけていただきたいなと思うわけですけれども、学者の出したデータは学者生命がかかっていますからかなり信頼が置けると思います。例えば、データをこれだけの焼却炉から出しなさいという形で出てきたデータは、さまざまな声を聞きますと、いろいろな出し方をしておるわけです。中には、高い値を出しておけば予算がつきそうだという形でデータをちょっと上げる、逆に、ちょっとこれは高いデータが出たからやばいぞ、近所の人からまた問題が起こるかもわからぬから下げておこうというようなことがかなり行われるという実態、実例もあるんです。
 ですから、そこのデータも踏まえた上で今後地元から吸い上がったデータも読んでいかないといけないという面がありますが、くぬぎ山が非常に高いということと、データの信頼度をどういうふうに担保しようと思われているか、それをお伺いします。
#50
○政府委員(渡辺好明君) 大気中の濃度の話、あるいは水質中の濃度の話、土壌中の濃度の話といろいろあるわけでございますけれども、土壌中の濃度の測定の仕方につきましては、確かに空気中から降ったものが偏って存在をしがちだというふうなこともございまして、やり方によってかなりデータに大きな差が出るというのは御案内のとおりでございます。
 そういうことも踏まえまして、ことしの一月に環境庁の方から、このダイオキシンの土壌中における調査分析方法に関するマニュアルを定めまして全国に通知したところでございます。今先生が脇本先生の調査データと宮田先生の調査データをお出しになりましたが、脇本先生の調査方法はかなり環境庁のマニュアルに近いというふうに考えております。
 いずれにしても、調査方法を統一するということはこれからのデータの信頼度を図る上で、対策をとる上で重要なことだと考えております。
#51
○福本潤一君 環境庁が脇本先生のとり方が近いというのは、恐らく大体ダイオキシンの測定技術というのは日本では脇本先生から出ていますから、逆に脇本先生の方の考え方を環境庁は取り入れたんじゃなかろうかと思います。そういう具体的なデータの測定方法とは別個に、そういうふうなデータの吸い上げ方をきちっと細かく見ていかないと、かなりいいかげんな形で出がちだということも今後踏まえておいていただきたいと思います。
 ということで、環境庁長官、せっかく来ていただいていて声が一言も聞こえないというのは寂しいですので、今後ダイオキシン問題対策、また環境ホルモン対策等にどういうふうに取り組まれるか、決意をお伺いします。
#52
○国務大臣(大木浩君) 正直申し上げまして、最近非常に世間の耳目を集めておる問題でございますけれども、先ほどからの議論のとおりに正確にどういう状況になっているかというのは非常に科学的に言えば十分な知見が得られていないという面がまだまだあるとは思います。では疑わしきはほかっておくかということになるわけでありますから、例えばいろんな焼却炉から出てくるばいじんというようなものは、これは本当に毒性が非常に強い少ないでなくて、やっぱりそれはそれ自体が健康に対する被害を起こすものでありますから、それについては十分考えなきゃいかぬと思います。
 それから、科学的知見の方は、これは衆議院か参議院の予算委員会でも申し上げまして、総理も言っておられましたけれども、日本だけでなかなか十分な知識が得られないという面もございますから、これはひとつできるだけ外国の研究成果というようなものも勉強させていただきまして、できるだけ早く大体はこの辺の状況になっているんじゃないかというようなことを確かめて、あえて疑わしきは罰するとは申しませんけれども、できるだけ予防措置も進めたいというふうに感じております。
#53
○福本潤一君 五十分と思っていましたが、五十二分でしたね。あと三十秒ぐらいあるようでございます。
 外国の例を予算委員会で同僚議員がかなり質問されて余り答えられなかった現状がありますが、スウェーデン等では、塩ビ製品、産業界の製品側からもう全廃にほとんど近い形になっているという先進的な国もありますので、そういう国の精査はまた外務省を通じてでも調べておいていただければと思います。
 今後、環境ホルモン、ダイオキシン、委員会等でかなり熱心に審議していくと思いますので、行く行くは環境省に昇格するという環境庁が、その省に昇格する勢いでこの方面の研究、対応を含めてやっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
#54
○清水澄子君 環境庁は昭和六十二年に公健法を改正したわけですが、それによってぜんそくのような大気汚染によって発生する疾病の新規の認定を打ち切ってきました。そして、被害の補償から未然の防止に重点を置いた総合的な環境保健施策を展開するということで、その一つとしてこの環境保健サーベイランスシステムの構築に重点を置くんだという施策をとってこられたわけでございます。
 これらの施策が現時点でどのような知見を得ているのか、その知見は具体的にどのような政策に反映されているかということをお答えいただきたいと思います。時間が短いですから、簡潔にお願いします。
#55
○政府委員(岡田康彦君) 簡単に申し上げます。
 ただいまの環境保健サーベイランスシステムは、地域の人口集団とその健康状態と大気汚染の環境を定期的、継続的に観察して必要に応じ所要の措置を講ずるというものでございまして、六年、七年度の試行調査を経まして八年度から稼働いたし、九年度には三十五自治体の協力を得て調査を行っております。なお、八年度は初年度だということで若干データミス等がございましたものですから集計に手間取っていまして、現在なお集計解析中でございますが、できるだけ早くにまとめたいと思っております。
 要は、三歳児健診の機会を利用しまして、呼吸器症状等の質問票により調査する健康モニタリングと、一方でその地域の大気汚染測定局におきまして測定されたデータを集積しまして、そのいわば健康モニタリングと一方の環境モニタリング、これらの結果を解析評価するものでございます。
 これによりまして、継続して調査を行いまして異常を発見した場合には必要に応じて大気汚染防止対策や予防対策の所要の措置に生かしていくと、こういうシステムでございまして、現在軌道に乗ったところという状況もございます。
#56
○清水澄子君 しかし、ぜんそくは全国的にずっと増加の傾向ですね。これは、なぜぜんそくが増加しているかということは、未然防止というのが効果を上げていないのではないかと思うわけです。
 例えば、東京都の大気汚染に係る健康障害についての医療費助成の認定患者というのは、この法律改正後の昭和六十三年以来ふえ続けております。平成八年度、四万四千九百七十九人のうち二十三区内のみでも二万七千六百五十一人という数字が出ているわけです。このことは東京都内の大気汚染が依然として改善されていないということを証明しているわけですけれども、それはこれまでの状況よりも、後からいろいろSPMの話を聞きたいんですが、東京都内の特に大気汚染というのは、ばいじんですね、SPMとかNOxとかSOxの複合影響が大きいのではないかと思うんです。
 この環境庁の指定物質というのは非常に狭い範囲に限定されている、そういう意味で今日の状況に合っていないのではないかと思いますが、それはどのようにお考えになりますか。
#57
○政府委員(岡田康彦君) 私ども、先ほど申し上げましたが、環境保健サーベイランスシステムとの関係で申し上げますと、保健モニタリングで三歳児健診でデータを集めると同時に一方で環境モニタリングをやると言いました。その際の大気環境測定データはNO2、SO2とほかにSPMも対象としておるところでございまして、その問題意識を持って取り組んでいるつもりでございます。
#58
○清水澄子君 でも本当に私はもう少し、これまでの従来の公害被害認定とか、そういう基準だけでは、やっぱり状況が変化をしてきているんじゃないかと思うわけです。環境庁が調査したこの自動車の排出ガスの結果が三月二十六日の各新聞に載っておりましたけれども、それによりますとNOx、窒素酸化物の総排出量は年間五十五万トン、その七五%がディーゼル車の排出であるということを環境庁は調査をされているわけですけれども、そのことはやはりNOxとSOxとの複合的な影響の悪化ということが、その可能性は十分私はここでも証明されていると思うわけです。
 そういう意味で、私は環境庁は従来型の個別物質に限定したそういう考え方ではなくて、やはり最近は特にダイオキシンとか環境ホルモン等もあるわけですけれども、SPMというばいじんとのそういう関係も含めた複合的な有害化学物質の環境リスクに対応した、そういうやはり環境庁自身の取り組み、システムというものも大事でしょうし、発想の転換も大事じゃないかと思うわけです。そして、それと同時に、それらに基づいた新たな健康被害救済の方策もまたそこに求められていると思うわけですけれども、その点につきまして大臣はどのようにお考えになりますか。
#59
○国務大臣(大木浩君) 私はこれは一般論のお答えで恐縮でございますけれども、いろんな問題についてまだまだ環境庁内部でもあるいは政府全体としても非常に総合的な対策ができ上がっていないという面が多いと思います。いろんな問題について私がヒアリングを庁内で求めましても、十人ぐらい来ないとなかなか全貌をわからないというようなことでございますから、これはあくまでも先ほど申し上げましたように一般論でございますけれども、できるだけそういったことに総合的に対応するような体制をつくりたいと思っております。
 あと具体的に何か個別の問題でございましたら、ひとつ政府委員に答弁させます。
#60
○政府委員(岡田康彦君) 先生の御指摘のような問題意識を我々も持ちまして、平成八年に専門家で構成する研究班を設置いたしました。それは個々の化学物質だけを対象とするのではなくて、全体的にとらえてどういう影響があるかというものを見出す手法ができないかという問題意識でございます。
 現在はだんだん標準的な検査手法の評価手法を確立しつつございまして、平成十年度から化学物質の複合影響による実態調査をまだ一部でございますが実施していこうと、そういう取り組みをやっております。いわば培養する培地みたいなものをバイオでうまく見つけ得たというのが出発点でございます。
#61
○清水澄子君 最近、特にこのSPMの健康被害影響についていろんな調査が始まっていると思います。
 特に、一九九七年の六月二十五日にアメリカのクリントン大統領は、アメリカにおける大気中の浮遊粒子状物質、いわゆるSPMの基準値を強化するスケジュールを発表しています。これは、この基準の規制の強化によって毎年数万人以上の死亡を回避できると推定してそういう実行をしているわけです。そしてSPMによる健康被害はアメリカのみではなくて幾つかの国においても疫学的な研究が始まっていて、SPM、ばいじんですね、これによる病気といいますか、それに暴露した場合の死亡や疾病の原因というのは、ぜんそくもそうなんですけれども、非常に心臓とか血管及び呼吸器官、それからこれはもちろんアメリカのEPAとかWHOでもこの研究が始まっておりますが、これらのばいじんの濃度の高い地域では急性及び慢性の肺疾患、いわゆる気管支炎、ぜんそく、息切れなどの患者が多いという疫学的な研究結果が出ていると思うわけです。
 そういう中で、日本でも最近名古屋大学の松岡教授のグループが環境影響の予測モデルを開発しているわけですが、これによりますと、SPMの影響で世界の乳児の死亡者数は二〇二〇年には一九九〇年に比べて百四十万人ふえるおそれがあるというショッキングな予測結果を出しているわけです。このことは発展途上国のことである、日本の問題とか先進国の問題ではないと環境庁はおっしゃるんですが、私はそういう見方では非常におくれるのではないかと思うわけです。
 特に、このSPMの濃度基準はWHOの年平均というのが大気濃度一立方メートル当たり六十から九十マイクログラム、一日平均百五十から二百三十とある中で、日本は一時間値の一日平均が百にもなっているわけです、それで一時間で二百にもなっている。WHOよりも高く、アメリカの倍です、日本の濃度は。そういう数字が既に出されているにもかかわらず、これらの問題が今時に、これらは発がん物質を含んでいますし、それから環境ホルモン等とも関係して、従前の公健法による四疾病のほかにもっとさまざまな肺がんとか呼吸器系のがんとか、特に環境ホルモンがそれに加わりますとさまざまな疾病がふえてきているでしょうし、ふえる可能性が非常にあると思うわけです。
 そういう意味で、私はこの問題についてやはり環境庁は一日も早く十分なる調査研究をして、やはり公健法の全面的な見直しということも視野に置いた調査研究をすべきであると思いますが、どのようにお考えになるでしょうか。
#62
○政府委員(野村瞭君) 前段の浮遊粒子状物質、SPMについての考え方をまず私からお答えしたいと思いますが、後段の公健法関係については企調局の方でお答えいただきたいと思います。
 御指摘いただきましたように、アメリカにおきましてもこのSPMについての考え方がかなり変わりつつございまして、昨年、御指摘ございましたように規制の強化を図っております。
 この考え方は、これまで私ども日本でもそうなんですが、SPMというのは十ミクロン以下のものについてそれを対象として基準をつくっているわけでございますが、そういう微粒子の中でも特に細かい微粒子が肺の奥まで入る可能性がある。それで呼吸器症状なり、またディーゼルの排気微粒子の場合には肺がんのおそれもあるということで特に細かい微粒子が問題になっているわけです。アメリカでは二・五ミクロン以下についても基準を定めるというような措置をとっているわけでございます。
 私どももそういう情報を把握したものですから、現在いろいろデータを集めまして、我が国においても浮遊粒子状物質、SPMの基準の強化を図る必要があるのではないかということで今勉強しておる最中でございます。
 それからSPM全体につきましても、先ほどの岡崎委員の御質問にもお答えいたしましたけれども、浮遊粒子状物質については発生源はいろいろございますし、今後その構成割合の実態も調べなくてはならない、それから局所的にも汚染の予測を図っていかなきゃならぬということで、現在、有識者からなる検討会で、今後の総合的な対策をどうするかというようなことにつきまして、平成十年度内には結論を出していただくということで進めておるということでございます。
#63
○政府委員(岡田康彦君) 後段について簡単に申し上げます。
 私ども今も申し上げましたし、先ほど環境保健サーベイランスのお話も申し上げました。そうした取り組みを一生懸命やっておるところでございまして、当面それの取り組みに万全を尽くしていきたい。
 それからまた公健法の改正についてとおっしゃいましたが、公健法そのものにつきましては指定地域を変えるとかそういうことにまで結びつくわけでございますので、そういうことについては私ども現在そういう考えは持っておりませんことを付言させていただきます。
#64
○清水澄子君 今、改正とは言いませんけれども、こういう現状がすべてがはっきり表へ出てきてからでは遅いと思うんです。そのためにいろいろサーベイランスをやっていらっしゃるんだと思います。
 そういうものをいつもお伺いすると、研究、調査しておりますと、そしてどんどん状況は進行していて新たな問題が起きている。こういう中でこれまでの基準値とかそういうものも見直さなきゃいけないという意味で、こういう問題ももっと調査をされて、その結果次第では公健法の全面的な見直しも必要になってくるんではないかと申し上げたのであって、今これを変えなさいという形を私は申し上げておりません。絶えず見直していくという姿勢と視点がないと私は追いつかないと思いますし、今の基準ではそこから外れる被害者は認定の対象にならないわけですから、そういう点も申し上げておきたいと思います。
 それで、最後に環境大臣にお願いしたいんですけれども、前にも発言したわけですが、昨年五月に開かれましたG8、環境大臣会合、また六月のデンバー・サミットでも、環境リスク評価や環境基準の設定に当たっては非常に感受性の強い、いわゆる弱い立場、子供とか妊婦とかそういう人たちを対象にした基準値というものが必要だと、そういう基準値に取り組みを変えていこうということが約束されたと思うわけです。
 特に、環境ホルモンなどの有害化学物質とかSPMなどが子供に与える影響の深刻さについて、さまざまな知見がいろんな各国で積み重ねられておるわけですが、私も日本の環境政策もそういう意味でも抜本的にその視点で早急にこの見直しをやっていくということをぜひ大臣は進めていただきたいと思うわけです。同時に、日本が率先してやりながら、国際的にそれを進めていくために国際的な場においても積極的な提案をされていくような、そういう環境庁に調査研究、基準の設定、見直しなどに真剣に取り組んでいただきたいということを私は要望したいわけですが、大臣の御決意を伺いたいと思います。
#65
○国務大臣(大木浩君) 昨年のG8、環境大臣会合で子供を対象としていろいろ議論があったということは私も承知しております。
 幸いにしてというか、まもなく環境大臣、G8の会議もございますので、私は短時間ですけれども出席させていただきますし、それからもちろんことしのG8、サミット自体でも環境問題が取り上げられますので、その辺の場も十分に意識しながらできるだけそういった問題についての日本政府の立場をまたひとつきちっと整備してまいりたいと考えております。
#66
○緒方靖夫君 日本共産党は、認定患者への補償、給付を国が責任を持って行うということは当然のことであって、またこの関係を充実させるということも当然だと思いますので、この法案には賛成いたします。
 全国公害患者の会連合会、こういう組織がありますけれども、そこが一月二十三日付で大木環境庁長官あてに補償費の引き上げについての要請、これを行っていると思うんです。
 大臣、覚えられていると思いますけれども、暮らしの実情などを切々と訴え海がら、やはり一般的にも生活が大変だという中でさらにまた医療が大変になっているという中で幾重もの苦情を訴えられております。そうした中で、彼らにとっては補償費というのは命綱だということを述べておりますし、やはりこの中で述べられているように全年齢にわたって前年度のランクを下回らないようにしてほしいということ、それから補償費を上げていただきたいという、その二点について強く大臣にお願いしていると思うんですけれども、その点について大臣はどのように受けとめられ、どのようにされていくのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
#67
○国務大臣(大木浩君) そういう御要望があったということは承知しております。
 ただ、今のシステムにいろんな基準というか計算方法があって、例えば対象となる労働者の平均賃金の八%が基準だとか、そういったいろんなことがありますので、直ちにその基準を直してとにかく前年より下がらないとか、そういった取り組みというのはこれは非常に難しいと思うんです、法律自体をまたどうするということになりますので。
 ただ、問題がいろいろあるということについては引き続き一般論としては検討させていただきたいと思いますけれども、まさしく審議中のこの法律を今この時点で見直すということは、ちょっと私どもとしても難しいというふうにお答えせざるを得ないかと思います。
#68
○緒方靖夫君 現行制度のもとで補償費をわずかでも上げてほしいという切実な願いを訴えられていると思いますので、その点をやはり大臣、きちっと受けとめていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 現行制度のもとで被認定患者は高齢化するばかりという現状があると思うんですね。亡くなる方も非常に多くて、公害患者の皆さんとの懇談でも、次に死ぬのは自分かというそういう声も聞きました。
 被認定患者のうち三級は五三・二%、級外が三七・二%という形で、その部分が圧倒的に多いわけですけれども、級外患者には医療費の補助のみで補償費はないというのが現状です。しかも、級外に一度認定されると、どんなに病状が悪化してもそのまま固定化されるという傾向が非常に強いわけです。現に、級外で級内患者よりも病状が重いという方、そういう方もおられるわけです。
 特に、私はここで提起したいのは、級外にかなりの不均衡があるという問題なんです。例えば、私の手元に資料があるわけですけれども、倉敷市では級外は三・八%、四日市市では四・三%。ところが、東京の江戸川区では八八%、足立区、江東区でも七〇%台なんです。東京都全体では五六%。こうなっている理由はいろいろあると思うんですけれども、改善可能な方法がないものかどうか、私もちょっといろいろ調べてみました。
 そうすると、級外患者本人が補償費の請求をしないと認定は認められないという仕組みがある。そこにやっぱり一つの問題があるなと思いました。これは制度ですから、そこをどう突破するかということがあるわけですけれども、患者自身がこういう制度を知らない、仕組みを知らないということが一つあるわけです、問題として。
 それで私は、固定化の原因になっている問題として、これは全国公害患者の会の皆さんが言っているわけですけれども、あらゆる機会に級外患者に補償制度、請求の制度があることを環境庁としても自治体等に周知徹底してほしい、このことを非常に強く要望しているわけです。この周知徹底、それをぜひお願いしたいと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#69
○政府委員(岡田康彦君) 端的にその点にお答えいたしますが、私どもとしても自治体に対する指導、もちろん指導、監査というのもやっておりますし、それから先生が御指摘のような被認定者に周知徹底させるための指導、これもいろんな機会をつかまえてやっております。
 それから、もちろん企画調整局長の名前あるいは環境保健部長の名前による通知によりまして評価についても詳細に示しておりますし、また若干細かい点になりますが、どういうところでやっているかというと、例えば公健法の主管課長会議なんということで自治体から集まってもらえば、そういう場所でもくどく言うというようなことで徹底を図っておるところでございます。
#70
○緒方靖夫君 そういう指導を丁寧に積極的にさらに進めていただきたい、そのことを要望しておきたいと思います。
 呼吸器疾患に悪影響を与える高濃度二酸化窒素のワーストテン、これは圧倒的に東京が多いわけです。東京の箇所が七つランクされておりまして、そのあと神奈川二カ所、大阪一カ所と、そういうふうになっていると思います。全国で一番大気汚染のひどい東京都条例による認定患者数、これを見ますと、八九年には二万二千三百十三人だった。ところが九六年は四万四千九百七十九人と、七年間で二倍以上になっているわけです。
 東京など大都市圏では大気汚染が悪化しているということが私は言えると思うんですけれども、環境庁の認識を伺いたいと思います。
#71
○政府委員(岡田康彦君) ぜんそくにつきましては、大気汚染のみならずさまざまな要因によって発症する、いわゆる非特異的疾病というふうに言われているわけでございまして、確かに厚生省の患者調査によりますと、東京都のぜんそく患者の受診率は増加傾向にあるというふうに承知しておりますし、もっとも最近は横ばい状況のようでございますけれども、そういう傾向にある。
 一方、ぜんそくの患者数の増加というのは全国的な傾向でもございまして、またこれが大気汚染の影響の少ないと考えられる地域においても増加傾向にあるというようなことがございまして、正直申してなかなかそこのところはクリアカットにはよくわかりません。全国的にぜんそく患者数が増加傾向にあることにつきましては、いろいろと研究、調査はされているんですが、国民の健康意識だとか医療水準の向上もあるとか、アレルギー素因者の増加があるとか、都市的な生活様式の拡大による食生活だとか、あるいは住環境等の変化があるではないか、それから高齢化の進展等の原因等々いろいろと挙げられてはおりまして、それなりにそれぞれ分析はされておるんですが、トータル的に科学的に十分解明がされていない状況にございます。
 なお、先生が御指摘の東京都の制度につきましては、これは公健法のような形でのものではなくて、保健福祉的な観点から行われるものと承知していますので、余り詳しくわかっておりません。
#72
○緒方靖夫君 いろんな要因があるということは当然だと思うんですけれども、私は特に注目したいと思いますのは、先ほどお話が出ておりましたけれども、自動車の排ガスの問題なんです。
 これは環境庁が三月二十六日に発表した自動車排出ガスに関する調査結果というものがありまして、ディーゼル車保有台数は全体の一八%にもかかわらずNOx排出量では七五%を占める、そういう調査結果が述べられておりまして、私はこれ自身は非常に大切なデータであるというふうに思っております。
 東京で言いますと、旧指定に含まれていない杉並区とか世田谷区でも幹線道路の沿道でやはり著しい大気悪化が起こっている。これは私も調査いたしましたけれども、本当にそれはひどい状況で、その原因というのはやはり自動車の排ガス、これが端的に言ってひどいということは東京都もこれは認めているわけです。
 そういう点で私は思うのですけれども、民間の研究機関、この調査によっても東京の公害で病んでいる方々の人数、これは特定はもちろん難しいわけですけれども、五十万とも六十万とも言われているんですね。国と都条例の認定は合わせても七万四千人余りですから、国と東京都の手が届かない、そういう潜在的な患者が五十万、六十万として、やはりそれが八八%に上るということにもなってくる。そうすると、この数についてはいろんな議論がもちろんあると思いますけれども、やはり公害で病んでいる方で救済に手が届いていないという方が少なくとも相当数に上るということは推定できるわけです。そういう実態があるということは認められると思うんですが、いかがでしょうか。
#73
○政府委員(岡田康彦君) 現実にも先ほど申し上げたようにデータがございますので、その点は承知しております。
 我々としては、大気汚染によるそうしたもろもろの影響、疾病について予防的に一生懸命頑張っていきたいと思っています。
#74
○緒方靖夫君 その点で、八八年三月の新規患者の認定打ち切りは私は今や実態に合っていない、そう強く思うわけです。
 当時の中曽根首相は、ちょうどこれは昭和六十二年九月十八日の本院の環境特別委員会でこう答弁されているわけです。「科学的調査をやりまして、その結果事態が著しく悪化しまして憂慮すべきこういうような事態になった場合には再指定を行うということも辞するものではない、」と。私はこの答弁というのは非常に大事な答弁だというふうに思うんです。今や旧指定地域の再指定あるいは新たに幹線道路の周辺に指定を拡大する、このことはやはり求められていると思いますし、少なくとも科学的知見が得られていない。
 いろんなことを述べられると思いますけれども、どれだけの方が病んでいるという実態に照らしてこの問題はやはり俎上にのせて検討する、そのことが必要だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(大木浩君) こういう問題、どこまで国で全部いきなりということになるのか、あるいはそれぞれの地方公共団体でまずは検討していただくか。別に責任を押しつけるという意味ではございませんけれども、実態につきまして全国的ということになりますとなかなかまた問題もあります。
 たまたま私、先般青島知事ともいろんなほかの問題も含めて環境問題を議論しておりましたし、特に先ほど来のお話で東京都において非常に事態が深刻になっているぞと、こういう御指摘でもございますから、まず実情を調べるということについては私どもとしても努力したいと思います。
#76
○緒方靖夫君 ぜひお願いしたいと思います。
 それから、先ほどから出ている話なんですけれども、やはり大型ディーゼル車対策、これが非常に肝心だと思うんです。例えば、特定地域の乗り入れを禁止あるいは規制するとか交通流対策、こうしたことを、これはもちろん環境庁だけではできないことですけれども、例えばこれは自治省とかあるいは建設省とかいろんな関係各省と連携をとりながらやはりそういうイニシアチブをとって、大事な研究調査結果を出されているわけですから、それをぜひお願いしたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
#77
○政府委員(野村瞭君) ディーゼル車と大型の貨物章に対する交通流対策というお尋ねでございます。
 私ども、御存じのように平成四年にいわゆる自動車NOx法というのを制定させていただきまして、特に大都市における窒素酸化物の総量を削減するということで対策を講じてきておるわけでございます。国としては総量削減にかかわって基本的指針を示しております。その中でいろいろ触れておりますが、その中に交通流対策、物流対策等いろいろあるわけでございますが、それについても地域のそれぞれの事情によって、ソフトな対策でございますので規制的措置ではございませんけれども、できるだけの措置を講ずるよう関係府県に指示をしているということでございます。
#78
○緒方靖夫君 最後に大臣にお尋ねしたいんですけれども、東京公害患者と家族の会、そういう組織がありまして、そこの事務局長を務められた加藤恵子さんという方が四十歳を少し超えた時点で九二年十二月にぜんそくで非常に苦しみながら亡くなりました。その方はブラジルの地球サミットを前にして当時の中村環境庁長官に送った訴えがあるんです。それをちょっと読ませていただきますけれども、こういうふうに述べられております。
  公害病は死に至る病気です。大気汚染は決して良くなっていません。悔しいことですが、私が身をもって証明することになってしまいました。私は公害は犯罪だと思います。
  私達の暮らしや健康を守る立場にある行政がこれにきっぱりとした態度が取れないのはとても悲しいことです。
  大臣にお願いがございます。私のような犠牲者を二度と作らないために空気をきれいにしてください。私も自由に歩けるようになったら、空気をきれいにする運動を世界中の人達と一緒にやりたいと思っています。これは私のライフワークですから。あなたも政治家として何よりも人間として私と一緒に頑張って下さい。
 これが訴えで、この方は亡くなっておりますけれども、やはりこの方の気持ちというのは今も変わらないと思うんです、状況はもっと悪くなっているわけですから。
 こうした訴え、これは一人一人の公害に悩んでいる方々の声だと思いますけれども、大臣、どのように受けとめられどのように今後行動されるのか、決意をお聞きしたいと思います。
#79
○国務大臣(大木浩君) 公害問題というのは非常にその範囲が広くなる可能性があるし、現実にそういう問題だと思っておりますので、いろいろと科学的知見が得られるまでと言っておりますと、先ほどから申し上げておりますけれども対策がおくれるおそれはある。そういう点は十分に配慮しながら、私どもはこれからの環境政策を進めてまいりたいと思っております。
#80
○緒方靖夫君 終わります。
#81
○泉信也君 少しのどを痛めておりましてお聞きづらい点があるかと思いますが、お許しをください。
 今回の法律改正は、過去にも何度がこうした改正がなされておりますが、今回の改正に当たって、特に費用負担の仕組みについてでございますけれども、審議会等で御意見をいただくというようなことはございましたでしょうか。
#82
○政府委員(岡田康彦君) 十二月二十四日に答申をいただいています。
#83
○泉信也君 費用負担のあり方について、特に御意見はございませんでしたか。
#84
○政府委員(岡田康彦君) 特に変更すべしというような意見はございませんでした。
#85
○泉信也君 大変大きなお金でございますし、いい仕組みであったという思いを持っております。
 しかし、固定発生源の負担のあり方と自動車にかかわる部分との負担のあり方が若干違うように思っておりますが、簡単にこの負担の仕組みについて御説明いただけますか。
#86
○政府委員(岡田康彦君) 固定発生源の方は、かつて実際に発生させていた事業体のグループと現に発生させているグループと分けましてそれぞれのウエートづけ等をいたしまして、各事業体ごと、九千ほどになりますが、九千ほどの事業体に割り振る形で、これは企業でなくて個々の事業場に割り振るという形でやっています。
 一方、自動車の方は、全体の二割を負担しているわけですが、ただこれは個々の自動車保有者に一人一人の公害健康被害の民事責任を問うというような形では仕組めないものですから、自動車を総体として見た場合に、大気汚染に対する共同責任者としての立場に立つという形で二割を負担していただくというふうにやっております。
#87
○泉信也君 広く負担をしていただくという仕組みも私は意味があると思います。審議会の中でもそういう御議論をしていただいていることを承知いたしておりますが、過去に被害をもたらした車と新たに車を所有することになった方々にも同じような負担を課していくということについて、私にとってはちょっと理解できない点があるんですが、その点は議論はなかったんでしょうか。
#88
○政府委員(岡田康彦君) 先ほど申し上げましたように、結局総体として自動車保有者に負担していただくというのが一番現実的な手法ということで考えられた手法なものですから、このあり方そのものについて問題だというような指摘はありません。
#89
○泉信也君 指定された地域の患者さんにお支払いするお金を固定された九千事業所からの方々に負担をしていただく。一方では、既に指定地域の解除からもう十年近くたっておりますね。さらにこれから五年間延長しますと十五年たちます。恐らく十五年後ぐらいの自動車重量税を納める方々にとっては、指定された地域の患者さんにお払いするという因果関係が厳密に言うとちょっと違うんじゃないかという思いを持っておりますが、いかがでしょうか。
#90
○政府委員(岡田康彦君) 理論的には恐らく御指摘のような点は大いにあるんだと思います。
 問題は、要はどういうような制度で負担をしていただくかということですから、現実的な対応、例えば自動車について申しますと、ただいま自動車重量税の一部をいただいているわけでございますが、新たに賦課制度を設けるとなりますと、自動車自身はもう既に取得の段階あるいは保有の状況あるいは走行の段階それぞれにそれなりの負担を求めているわけでございまして、さらにもう一つ別の負担を求めるという手だてをつくるとさらに複雑になるという点が一つあります。
 それからまた、先生御指摘の点で、車は移動するものですから、地域との対応を、一つ一つの車でうまく対応が仕組めないという現実問題もございます。
 そうした点がございまして、新たな仕組みを今からつくっていくということはなかなか難しいし、さらにその必要性があるかということについては、そこまでの必要性についての議論はされていない状況にございます。
#91
○泉信也君 大変技術的に難しい問題があることもお話を伺っておるわけでありますが、負担の因果関係が必ずしも明確ではないということについては、ぜひ今後また御検討をいただきたい。
 むしろ、私は、自動車の排気ガスの問題というのは大変重要なことでございますので、この法律に基づく予防事業関係にこの費用を振りかえていく、そういうことの方が負担者の理解が得やすいし矛盾がないんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#92
○政府委員(岡田康彦君) 予防事業そのものの重要性も十分感じているわけで、環境庁自身も取り組んでいますし、協会の大きな事業としてもやっているところでございます。現在はあくまで補償給付等の原資という形で自動車重量税の方にお願いしている、その関係の今法律改正をお願いしているわけでございまして、この仕組みはこの仕組みとして維持させていただき、予防の方には予防の方でまた頑張らせていただきたいと思っております。
#93
○泉信也君 取りやすいところから取る、ちょっと言葉は悪うございますけれども、そういうことにならないようにまたお考えをいただきたいと思います。
 それで、予防協会が行っておられますいろんな調査研究があるわけでありますが、同僚議員からの御質問もございましたが、本当に成果が上がっておるのか、この分野に働いておられる方が何人ぐらいいらっしゃるのか、教えていただけますか。
#94
○政府委員(岡田康彦君) 今の協会の中で予防事業をやっている職員という意味であれば、七十余名の職員のうちの十七名でございます。
#95
○泉信也君 研究の成果はどういうものが具体的に上がってきておるんでしょうか。
#96
○政府委員(岡田康彦君) 学識経験者から成りますところの検討会の評価を得まして、意義があって地域にも喜ばれるような事業を推進しようということでやっております。
 実際には、まず一つは、予防事業でいろいろ取り組む場合の実効性のあるマニュアルをつくってそれぞれのところにお配りする。例えば、小児気管支ぜんそく児には水泳がいいということで水泳教室等をやっていますが、ただ、これも漫然とやればいいわけではありませんから、どういうカリキュラムでやったらいいか、どういう患者さんに対してはどういう前処置をした上でやらせたらいいか等々のマニュアルをつくって配る。そのほかにも、小児ぜんそく、アレルギー疾患の予防と治療に役立つ栄養食生活のものだとか、あるいは健康診査事業の実施マニュアル等、マニュアルをつくるということをまず大きくやっています。
 そのほかに、さらにもっと前向きに、土壌を用いた大気浄化システムだとか光触媒による窒素酸化物分解など、新たな対策技術の開発にも一定の成果を上げるようにやっております。
#97
○泉信也君 大変結構なことだと思いますが、実際、協会でこの予防事業に携わっておられる方はこの基金事業部の方々ということになるんでしょうか。
 もしそうだとすれば、十七名という方々でこれからの大気汚染を中心とする予防事業をやっていただくについてはもう少し強化をしていただいた方が本当に成果が上がるんではないか。ほかの事業が決して手を抜いていいというつもりではございませんけれども、いかがでしょうか。
#98
○政府委員(岡田康彦君) 予防事業そのものは先ほど来申し上げていますように真剣な取り組みをやっておるわけでございますが、もっとも、人件費を余り多くするのもなんでございまして、中身の方で勝負しなきゃいけないということもございまして、外部の先生方の力をおかりするような形で中身の充実を図っておるところでございます。
#99
○泉信也君 しっかりやっていただくようにお願いをいたしておきます。
 それから、先ほども幾つか指摘がございましたディーゼル車の排ガスの問題でございますが、道路沿いに住まわれる方々の健康影響を考えたときには、NOxだけということではなくて、いわゆる排気微粒子の問題についても、もう少し厳しいといいましょうか基準が考え直されるべきではないかと思いますが、環境庁の取り組み方はいかがでしょうか。
#100
○政府委員(野村瞭君) 車、特にディーゼル車から排出される微粒子の問題、先ほども御質問がございました。
 私ども、これまでもディーゼル車の排ガス規制については漸次規制の強化を図ってきているわけでございますが、直近で申し上げますと、中央公害対策審議会の平成元年の答申で長期目標というのが平成九年から十一年に達成するようにということで示されておりますが、現在その規制強化を図っているところでございます。
 しかしながら、先ほどから御議論がございましたように、大都市におきまして交通量が予測以上に伸びているというようなこともございまして、窒素酸化物、また黒煙など、目に見える形での微粒子の排出量が多くなっているということもございまして、いろいろソフトの対策も進めなきゃなりませんけれども、やはりベースになるのはこの単体規制だろうと私ども認識をしているわけでございます。
 そこで、現在の状況を申し上げますと、中央環境審議会の大気部会におきまして、新たなディーゼルの排出ガスの低減目標を定めるべきということで現在御審議をいただいておりまして、年内目途で御答申をいただく予定にしております。この中で、排気微粒子につきましても規制の強化について結論を出していただく予定でございます。答申に基づきまして新たな施策の展開を図ってまいりたいというふうに思っております。
#101
○泉信也君 終わります。
#102
○山崎力君 山崎でございます。
 今ちょうど泉先生からも話がありましたものですから、その問題から続けていきたいと思います。
 昨年の十月の環境庁大気保全局からの発表の大気汚染状況について、やはり二酸化窒素と浮遊粒子状物質、SPM、この問題が余り改善されていないということでございますが、まずその前提として、今話題になっておりますディーゼルの排気微粒子、これがやはりSPMの大きな原因だというふうに環境庁としてはとらえていると考えてよろしいんでしょうか。
#103
○政府委員(野村瞭君) 先ほど御指摘もございましたが、三月末日に私どもの車に関する調査結果を発表させていただきました。
 保有台数で言えばディーゼル車は二割程度でございますけれども、そのディーゼル車がどのくらい排ガスを出しているかということからいいますと、窒素酸化物で言えば四分の三、七五%、それから排気微粒子、黒煙でございますけれども、これについてはほとんどがディーゼル車というようなことでございますので、私ども先ほどからも御答弁申し上げておりますけれども、ガソリン車もさることながらディーゼル車の方にかなり力を入れていかなきゃならないというように考えております。
#104
○山崎力君 そういったところで、これからということなんですが、ディーゼル車の場合、これは環境庁の問題がどうかわかりませんけれども、ディーゼル車の排気ガスというのを見ていますと、場合によって出方が非常に違うんですね。いわゆる吹かしたときとかアイドリングのときとか、あるいは負荷がかかってトルクをかけたときとか、いろいろ違っている。そういったことの、ディーゼル車の排ガスの測定自体も考えていかなくちゃいかぬ問題だろうと思っております。その点についてもいろいろ御検討を願う。
 環境庁がやるという部分と同時に、運輸省とか通産省、関連官庁がこの問題であるということでございますので、その辺のところはまさに今いろいろ問題になっているところでございますので、これからはっきりした形で国民の前にその結果を出して対策を出していただくというふうに御要望申し上げたいと思います。
 それと関連しましてですが、昨今日本で最初の実用的ないわゆる低公害車といいますか、そういったものがメーカー側から量産発売されまして、何年か前も電気自動車その他、環境庁さんがいろいろそういう無公害車をサンプルでつくってはそのまま実際は実用化されないということを繰り返してきたことを見ると非常に心強いものがあるんです。ただ、やはりここで問題なのは、費用の問題で消費者にどれだけ受け入れられるか。幸い聞くところによると好調のようなところはございますけれども、これはごくわずかということと、スタートの時点の目新しさという部分もあろうかと思いますので、これを定着させるためにはやはりある程度の助成が国としても必要であろう。
 この点、いわゆるつくらせる側というか通産省と、あるいは環境の面を考えての環境庁と、これは二通りの面からあると思うんですが、その辺の対応、これから将来に向けての考え方はどうなっておりますでしょうか。
#105
○政府委員(野村瞭君) 低公害車についてのお尋ねでございます。
 御指摘ございました最近注目を浴びている低公害車につきましては、メーカー側が採算を度外視して発売をしているということもございまして人気を集めているという状況にございます。一般的にはやはり価格がかなり高こうございますので、私どもとしてもこれまでいろいろな援助等を行ってきているわけでございます。
 環境庁がやっているものといたしましては、地方自治体によります低公害車の集中導入をする場合に補助を行うというような制度を一昨年から設けさせていただいておりますが、そのほか関係省庁、通産省、運輸省におきましても、民間事業者等による導入でありますとか、燃料スタンド、低公害車については電気だとかガスだとか新たなスタンドが必要でございますが、そういうものについての補助を他省庁でも行っているわけでございます。
 それから、税制優遇措置といたしましては、これも通産なり運輸省と共同要求というような形でございますが、自動車取得税等の軽減措置を実施しておるところでございます。直近では、平成十年度の税制改正におきましても新たなハイブリッド自動車等をも対象に加えさせていただいたということでございます。
 そのほか、やはり社会的にこの低公害車を広めなきゃならないというようなことがございまして、私ども、今出されている低公害車にどんなものがあるかというようなこと、あるいはどんな性能を有しているかというようなことにつきましてガイドブックを発行いたしまして、関係団体等に配付等をさせていただいております。
 まだ基本的には、昨年の三月時点、現在はもっと伸びているかと思いますが、昨年三月では四千五百台ぐらいというようなこともございますので、まだまだ私どもは関係省庁と提携をして低公害車普及のための努力を重ねていかなければならない、そのように認識をいたしております。
#106
○山崎力君 この問題は、自動章というものの便利さを将来も私どもが享受するとすれば避けて通れない問題だろうと思っております。アメリカではもう一歩進んで、ある程度の比率で低公害車をつくらぬとだめよということもやっておりますが、我が国も先ほど来の話を考えますと、これは改善が見られないという意味では極めて深刻な状況になっているわけですから、これを改善させる方向に行くとすれば、ここのところに国としてどういうふうな対応をとるかということが極めて重要であると私は認識しております。
 今いろいろやっておられますけれども、まだどちらかというとテスト段階で、本格的に大気の汚染状況を改善するために車社会において低公害車を持ってくるんだというところまでは行ってないと思うんですが、その辺の将来性についてどうやっていくかというラインは出ているんでしょうか。
#107
○政府委員(野村瞭君) 先ほど申し上げたような政策は、他省庁も含めてでございますけれども、やはり補助を中心としたソフトの対策に限られているわけでございます。
 御指摘もございましたが、やはり将来的なことを考えますと、制度的にやはり何らかの配慮をしなければならないのではないか。アメリカにおきましても、メーカーサイドあるいは導入側のユーザーサイドにつきましても義務化の方向で進んでおりますし、私どもも必ずしもそれと同じということではございませんけれども、我が国において導入するとすればどんな制度が望ましいのか。あるいは高速道における料金の減免制度だとか駐車場における減免制度等、誘導的な方策も含めまして、新年度におきましてはそういう制度的導入あるいは誘導的な導入策をも総合的に検討していただくための検討会費を要求させていただいておりまして、その中で一定の結論が出れば他省庁とも御相談申し上げて、我が国のあるべき低公害車導入策について具体化を図ってまいりたい、そのように考えております。
#108
○山崎力君 よろしくお願いします。
 ただ、この問題がある程度進んだとしても、ディーゼルの問題はこれまた性格上別でございます。具体的に言えば、これは環境庁さんの問題ではないかもしれないんですけれども、いわゆる大型のディーゼル、ディーゼルエンジンでなければならないという性格上の部分と、いわゆるガソリンのエンジンでもできるんだけれどもディーゼルの方が安上がりだからそちらの方に行くと、その部分との行政指導的なあるいは価格指導的な部分というのは、これは現実的には一番ディーゼル対策としては効果があると思いますので、その辺のところを関係各庁との協議のときにぜひ強調していただきたいと思います。
 それで、ちょっと話は飛ぶようなんですが、今いろいろな方が苦労している話を聞く花粉症とこのディーゼルの微粒子の関係があるのではないかというような話も伝わっているんですが、その辺環境庁はどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
#109
○政府委員(岡田康彦君) ディーゼル排気微粒子DEPと花粉症の関係についてはいろいろな議論があるものですから、環境庁の方でもその関係について平成三年ぐらいから研究に取り組んでおります。
 具体的には、モルモットを使いまして、DEPの濃度を変えたものを鼻の頭に、例えば二十分ごとにずっと繰り返しやり続ける。そうするとどういうことになるかというと、やはり濃度が濃くなりますと次第にくしゃみをするとか、モルモットでございますが、それから鼻水を出すとかということがあります。ただし、その濃度というのは相当程度環境基準よりもさらに何倍も、あるいは十倍とかだんだん大きくするわけですが、そうするとそういうことになるというのは実験結果で得られてはおります。
 他方、これは我々の研究なんですが、一方で我が国の研究者によります人の疫学調査の結果からは、大気汚染物質と形花粉症との関連を示す明確な結果はまだ得られていないという状況がございます。したがって、正直申して何がしか可能性の問題として我々はあるのではないかと思いつつも、でも人の関係では明確でないという状況もございますので、さらに積極的に研究を推進してまいりたいと考えております。
#110
○山崎力君 最後の質問を大臣にお願いしたいと思いますが、いずれにしろ大気汚染被害者が出て、それに関する法律の一部改正案というわけですけれども、改善された部分もないわけではないけれども、全体的に見ればこれは悪い意味での現状維持がせいぜいで、将来的にこれを維持するためにもかなりの努力をせにゃいかぬという状況だろうと思います、
 その点について、大臣として何をポイントにこれからのことをやっていくのか。特に、被害者に対しての補償、そういったものの移り変わりの中でどういうふうに取り組んでいくかという点を再度お尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。
#111
○国務大臣(大木浩君) 大気汚染というのは、大気汚染が現実に発生して、それで病人が出たからそれを後から追いかけるということよりは、事前に防止するというところにやっぱり主眼を置くべきだと思います。
 ただ、これはまた非常にたくさんの人、あるいはたくさんの例えば車というものを対象にしての施策でございますからなかなかそこら辺が難しいわけですけれども、やはり事前の防止ということを中心にして、それからまた地域によってかなり差異もありますから、その辺の状況もよく把握してこれから必要なことをできるだけ強力に進めたいと考えております。
#112
○委員長(関根則之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(関根則之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
#114
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、日本共産党、自由党、新党さきがけ及び改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
   公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、被認定者に対する認定更新等が適切に行われるよう関係自治体の長を指導するとともに、治癒によって制度を離脱した者に対するフォローアップ事業についても、再発の防止に役立つよう努めること。また、被認定者の健康回復を図るための公害保健福祉事業については、その一層の充実強化を図ること。
 二、健康被害の未然防止は環境政策の基本であり、健康被害予防事業については、これまでの効果を踏まえ、適切かつ効率的な実施に努めるとともに、環境保健サーベイランスシステムについては、的確な運用を図ること。
 三、主要幹線道路沿道等の局地的な大気汚染による健康影響については、科学的知見が未だ十分でない現状にかんがみ、その早急な解明に努めるとともに、必要に応じ、被害救済の方途を検討すること。
 四、大都市地域における窒素酸化物、浮遊粒子状物質等による複合的大気汚染については、改善が大幅に遅れ、依然として深刻な状況にあることにかんがみ、早急に環境基準の達成を図るため、大気汚染防止対策を一層強化すること。なかんずく窒素酸化物については、平成四年五月の参議院環境特別委員会の決議を踏まえ、遅くとも二〇〇〇年までには環境基準が達成されるよう、最大限の努力を行うこと。
 五、近年の大気汚染については、ディーゼル車を中心として、自動車排出ガスの寄与度が高いことにかんがみ、自動車単体規制の強化、低公害車の開発普及の促進に一層努めるとともに、環境保全に配慮した総合的な交通対策を強力に推進すること。
 六、今後の環境保健施策の推進に当たっては、ダイオキシン等の問題が国民に大きな不安感を与えている現状を踏まえ、その実態解明に向けての調査研究を充実強化するなどにより健康被害の未然防止に万全を期すこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#115
○委員長(関根則之君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(関根則之君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大木環境庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大木環境庁長官。
#117
○国務大臣(大木浩君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#118
○委員長(関根則之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(関根則之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#120
○委員長(関根則之君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、日本道路公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(関根則之君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(関根則之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#123
○委員長(関根則之君) 道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#124
○太田豊秋君 自民党の太田でございます。
 まず初めに、瓦大臣には大臣御就任以来、公務御多々の中、私ども福島県に三春ダムの竣工式など数度にわたってお出ましをいただきましたことに心から感謝を申し上げる次第でございます。まことにありがとうございました。また、大臣に御臨席をいただき各種行事が行われますことによって、地方の方々が建設行政というもの、あるいは建設事業というものに対して大変に理解を深められ、そしてまたその期待も大臣がおいでになることによって大きく膨らんでくるわけでございます。そういった意味では、今後も時間の許す限り大臣には地方にお出かけいただきまして、地方の実状などを篤と御調査いただきまして、また国政の中にこれを反映していただければと、このようなことをお願い申し上げる次第でございます。
 本日は、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律について質問させていただくわけでございますが、時間の都合もありますので、特に道路整備五カ年計画の策定と、所要の規定の整備にかかわる道路整備緊急措置法の一部について御質問をさせていただきます。
 平成十年、本日は三月三十一日、早くも四分の二がもう過ぎようとしている現在でございますが、目前に迫りつつある希望に満ちた二十一世紀、新たな時代の幕あげに向けて、私は今日の政治に携わる者の一人として、次代を担う若い人たちに自信を持ってこの国が託し得るような、そういった国土づくりをすることが私どもの最大の責務であるというふうに認識いたしておるものであります。
 今日、景気の低迷によりまして、なかなかトンネルから出口の明かりが見えてこないという状況の中で、国も地方も厳しい財政の中、さらにこれから加速度的に進むであろう高齢社会に向かいまして、経済に活性、活力を与え、そしてまた都会に住む方々も、また私どものように地方に住む者にとっても、よりよい生活環境の中で安心して生活でき得る、こういった均衡のとれた国土をつくっていくことが必要であろうと、このように考えておるわけでございます。
 建設省といたしまして、今後どのような方針で社会資本の整備を進めていかれるのか、そのお考えについてお示しをいただきたいと思います。
#125
○国務大臣(瓦力君) 太田委員から、どのような方針で我が国の社会資本整備を進めるのか、その所見をただいま問われたわけでございます。
 私も就任いたしましてなかなか時間がございませんが、土曜日であるとか日曜日を通じましてそれぞれの現場に出まして、ときによりましては工事に携わる方々を激励、督励いたしましたり、また国土そのものをよく見ておかなきゃならぬ、こういうことでただいま取り組んでおるところでございます。今委員もお触れになりましたが、次世代に安心したしっかりした国土を残していくための社会資本整備というのは、私ども欠くことのできない仕事であると思っております。
 社会資本整備に対する予算も欧米諸国に比べますと多いわけでございますが、それは国土形成を考えてみましても、安心、安全を得るというその基盤をつくり上げるためには、私は必要とする財政というものを確保してまいらなければならぬ、かように感じておるわけであります。欧米諸国と比較いたしまして社会資本整備は依然として格差が存在しておる状況でございますし、また二十一世紀に向けた真に豊かで活力ある国土づくりを進めるためには、国民生活の質の向上に直結する分野や経済構造改革に資する分野などに重点を置くとともに、安全な地域づくり、国づくりに積極的に取り組んでいくことが必要だと考えておるわけであります。
 その際、ストックの利用やいわゆる更新という問題も視野に入れまして、総合的な国土整備、利用、保全を行う、そういう意味におきましては国土マネジメントへと視点を転換することが今日重要であろう、こう考えております。
 行政改革、財政改革等の実施を通じまして公共事業執行の透明化や効率化を重視する必要がある、かように考えるものでございますし、こういう考え方に立ちまして諸課題に積極的に取り組むことによりまして、質の高い住宅・社会資本整備を着実に推進してまいりたい、かように考えておるところであります。
#126
○太田豊秋君 私は、日本の道路整備というのは、これほど国民生活あるいは経済の流通にとっても非常に重大な影響を及ぼすというにもかかわりませず、欧米あるいは諸外国に比べましても大変おくれているというふうに認識をいたしておるわけでございます。
 例えば、高速道路の整備水準の一つで比較をしてみますと、自動車の保有台数一万台に占める高速道路の延長で見た場合、日本の一・一二キロメートルに対しましてアメリカが三・七八キロメートル、これは一九九四年の調査でありますが、フランスでは三・〇一キロメートル、同じく九四年、ドイツでは二・六四キロメートル、これは九三年の調査でございますが、イタリアでは二・〇五キロメートル、これも九三年、イギリスでは、これも九三年でございますが一・三八キロメートルとなっております。それぞれの国の国土の面積に大小がございますので、高速道路の総延長では単純に比較することはできないと思いますが、車一台当たりの水準で考えますと、我が国の整備率はただいま示したようにワーストワン、ある意味では一番低い整備率になっておるというふうに考えられるわけであります。
 こういった中で、この整備率がおくれているということは、言うなれば渋滞だとかそれに伴うさまざまな障害がここに起きてくるわけであります。例えば物流の非効率あるいは経済の損失、そして二酸化炭素や窒素酸化物による環境への影響、そしてまた騒音など沿線住民に与える大変な迷惑、こういったことを考えてみましても、私どもが過去から今日にかけ、また今日から将来にわたって解決しなければならない大きな課題ではなかろうかと、このように考えられるわけでございます。
 そこで、こうしたおくれている現在の道路整備状況をどのように考えられておられるのか、御所見をお伺いいたします。
#127
○政府委員(佐藤信彦君) 先生から欧米との比較がございましたが、欧米におきましては御存じのように馬車交通の時代から道路がございまして、それに対応した道路をもとにしまして自動車交通に対応した道路の整備が行われてきているといった状況でございます。
 それに対しまして、本格的な道路整備が我が国で行われましたのが昭和二十九年の第一次道路五計のスタートでございます。したがいまして、そういった意味で日本の道路というのは非常におくれて始まったといった状況でございます。このため、高速道路の整備水準、それから国道を二車線から四章にした場合、四章化率と言っておりますが、こういったもの、それから電線類の地中化、都市の道路面積、それから空港、港湾といった交通拠点と高規格幹線道路縄との連絡状況、こういった我が国の道路整備の一つの水準でございますが、こういったものが欧米と比較してまだまだ依然として低い状態でございます。
 例えば、インターチェンジと国際港湾。高速道路のインターチェンジということでは、高速道路がそういった国際港湾とおおむねつながって使えるところ、こういったものがアメリカでは約九割でございますが、我が国では三割程度といったことで、我が国の道路につきましては今なお質、量ともに不十分でありまして、そういったことで今後とも道路整備を積極的に推進していかなくてはならないというふうに考えているところでございます。
#128
○太田豊秋君 ただいま、港湾とかそういったアクセス、いろんなことにつきましても御答弁いただいたわけであります。後ほどまた触れさせていただきます。
 国として均衡ある国土を形成していく上でも、公共事業による生活基盤の整備というのは大変重要なことだと考えられるわけであります。ただ一部には、もう国による公共投資は不必要などという、さも公共事業は税金のむだ遣いであるかのようにおっしゃられる方がいらっしゃるということにつきまして、私どものように地方に住んでいる者にとってはこれは大変な憤りすら感じるものでございます。そういった方は、恐らくや大変便利な都会にお住まいになっていて、地方の生活を本当に御存じではないんではなかろうかとすら私は思うのでございます。
 例えば、私どもの地方では、都会のように三分間隔、五分間隔に電車を利用できるとか、地下鉄を利用できるとか、あるいは路線バス網が整備されているとか、こういったことではなくて、まさに移動のほとんどのものが道路によって、自家用自動車があるいは路線バスによって利用し省ければならない。そしてまた、特に雪深いところにあっては道路整備がおくれているということの関係からどうしても除雪が間に合わない。こういったことで、例えば寝たきりの在宅の要介護者がいた場合などはどうしても何人かの人の手をかりながら自動車に乗せていかなければならない。あるいは緊急事態が出た場合には、むしろ人のとうとい命にすらかかわってくるような緊急事態のこともあるわけでありまして、本当にどういうことを起点にしてあのようなことをおっしゃるのかなと私は本当に不思議でしょうがないのでありまして、まだまだ公共投資による社会資本の整備は私は日本では必要だというふうに考えるわけでございます。
 私の議員会館の事務所にもさまざまな陳情あるいは要望が届きます。私ごと的な福島県の狭い話をして大変申しわけないのでありますが、例えば常磐自動車道あるいは東北中央自動車道の早期の施行命令だとか、整備路線への格上げの要望だとか、東北横断自動車道暫定二車線供用区間の、これはもう大変観光シーズンになりますと今困っておりますが、四車線の整備など高速自動車国道の整備促進、福島空港とか阿武隈南道路、郡山西環状道路、会津縦貫北道路、南道路など地域高規格道路の整備促進など高速交通体系の整備促進から生活基盤の道路の整備まで道路整備の促進に関する事柄が非常に多いのであります。ここにこういった要望書があるわけでありますが、これの六割はこの道路整備にかかわる問題でございます。
 中でも、幹線道路の整備が大変重要と考えられるわけでありますが、その整備の方針についてお示しをいただければとお願いを申し上げます。
#129
○政府委員(佐藤信彦君) 地域経済の活性化とか物流の効率化、そういった経済構造の改革を支援するために、高規格幹線道路並びに地域高規格道路等の幹線道路網の整備といったものが非常に重要ではないかというふうに考えております。
 そのうち、高規格幹線道路についてでございますが、これは二十一世紀初頭までに一万四千キロのネットワークの概成を目途として整備を進めているところでございまして、ただいま御指摘の常磐自動車道など地域間の広域的な交流を支える道路や都市圏の環状道路等を重点的に整備することとしております。
 また、こういった全国的な高規格幹線道路と一体となりまして幹線道路ネットワークを形成します地域高規格道路につきましては、長期的には六千キロから八千キロを整備することとしておりまして、地域発展の核となります都市圏の育成、地域間の交流、空港、港湾等の広域拠点との連結の強化に資する道路を重点的に整備することとしております。
 そういったことで、今後とも地域経済の活性化など経済構造の改革を支援するためにも高規格幹線道路や地域高規格道路のような幹線道路網の整備を推進してまいりたいと思っております。
#130
○太田豊秋君 ぜひ地域住民が待望しておるこういった重要な道路でございますので、早期な整備に御努力をいただきたいと思います。
 今日の景気の回復はもとより、また将来にわたり経済力を維持して発展していくためにも、どうしても社会資本の整備は重要だというふうに考えるわけでございます。特に道路は人や車が行き交うだけでなくて、先ほど来も御答弁がございましたが、他の交通機関、例えば鉄道の利用だとか、航空だとか、あるいはまた航路の利活用を図るためにも重要でございます。と同時に、また通信などによる情報の通り道でもございます。そしてまた、水とか電気とかガスとか、人間の生活、言うなれば日常生活の生命にもかかわるような形のものの通り道でもあるわけでございます。こういったことで国民生活に利便性やゆとりの空間を提供するなど、その他たくさんの役割がここにあるわけでございまして、まさに道路整備は国民生活に一番密着した生活基盤の整備であると認識をいたしております。
 これらを将来にわたりまして推進していくことは大変重要なことだと考えられるわけでございますが、この意味におきましても道路整備による経済効果には施工時だけのいわゆる短期的な効果だけではなくて長期的にも相当な効果があると考えられますが、それらの点についての御所見をお聞かせいただきたいと思います。
#131
○政府委員(佐藤信彦君) 道路整備の経済効果でございますが、先生がおっしゃられるように道路整備によりましてその財政支出が有効需要を創出していきます。創出してGDPの増加をもたらすといったフロー効果、短期的な効果でございますが、こういったものと、それから道路が建設された後に輸送条件の改善によりまして生産とか流通の合理化、企業立地の増加などを通じまして社会全体の生産力を継続して拡大していくといった、そういう長期的な効果でありますストック効果、その二つを有しております。
 そういったものでございますが、さらにその結果といたしまして、地域の人口、雇用、それから所得、税収等が増加し、地域の活性化が図られたり、それから地方定住、地域間交流が促進されるなど、道路の経済的な効果につきましては極めて広範多岐にわたっているところでございます。
 今回の新たな五カ年計画でございますが、その中では七十八兆円の総額の道路投資によりまして、平成十年から、今年度からでございますが、平成十九年度までの十年間の累計でフロー効果として百三十兆円、ストック効果として約七十兆円、合わせまして二百兆円のGDP増大効果があるものというふうに推計しているところでございます。ストック効果につきましても、平成二十年度以降も引き続き継続して増加するということでございます。
#132
○太田豊秋君 公共事業による経済効果、これはまさに地方においても大きなウエートを占めているわけでございまして、特に昨今の地方の景気低迷というのは大変深刻な状況にあると考えられるわけでございます。公共事業による景気回復に対する効果は非常に大きいと私は認識をいたしておるわけであります。しかし、ただいま審議中の平成十年度においての公共事業費が大きく減額になっておりまして、そういった中で地方においては建設業従事者の割合が都会に比べて非常に多く、地方の経済全体に対する建設業の占める割合が大変大きいことをこれは意味しておるわけでございます。
 先週三月二十七日に総務庁が発表いたしました二月の労働力調査によりますと、完全失業者は二百四十六万人、それから完全失業率は三・六%と最悪の数字を示しているところでございまして、地方の景況感はさらに深刻なものとなっております。先日も私のところに地元の建設業協会から一通の要望書が届きました。その中には、倒産が相次ぐなど未曾有の危機に直面している現状が切々と訴えられてありました。
 私は、景気回復のため、雇用機会の確保のためにも地方の経済の活性化を図るためにも、公共事業による社会資本整備の充実を推進していただき、その事業により深刻な景気低迷に悩む地域の中小企業者を活用することが必要であると考えております。地域の中小企業者に対する受注機会の拡大あるいは確保対策などについてお伺いをいたします。
#133
○政府委員(小野邦久君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、建設投資の低迷といった建設市場の大きな構造改革が今行われているわけでございますが、その中でも、特に受注の減少とかあるいは利益率の低下といったことで大変厳しい状況に今建設業界はございます。特に、公共事業の依存度の高い地方の中小建設業者の方々にとっては大変大きな影響が出るということでございます。
 私どもといたしましては、毎年度予算の執行に当たりまして、官公需法に基づく中小企業者向けの国等の契約の方針というのを定めまして、具体的に中小企業者向けの契約の目標額というのを定めるわけでございます。この措置によりまして、中小建設業の方々にもそれ相当の受注があるような、そういうことを目指しているわけでございます。
 また、最近の情勢は大変厳しいものでございますから、去る一月三十日には大臣の御指示もございまして、建設省では建設業の経営改善に関する対策というのをつくりまして、特に上位ランク工事への参入機会の拡大でございますとか、あるいは中小中堅の方々がJV制度を活用して仕事ができるような方法、あるいはこれは従来からやっておりますけれども、分離分割発注をきちっと推進していくというようなことを措置としてきちっと。やろう、こういうことを定めたわけでございます。
 御指摘の点は十分私どもも踏まえまして、中小建設業者の受注機会の確保が図られるようにいろいろな観点から考えてまいりたい、こう思っております。
#134
○太田豊秋君 これで終わらさせていただきます。ありがとうございました。
#135
○小川勝也君 民友連の小川でございます。
 この法案に関しましては、衆議院の方で対案を提出させていただいております。どういうことかと申しますと、今、太田委員からもお話がありましたとおり道路は身近な社会資本ということで国民の生活に密着しておる、そして大変大事なものである、あるいは物流を初め経済産業の要である、道路の果たしてきた役割の大きさにかんがみて、この道路の問題あるいは道路予算の問題が議論を省略して進められてきた現状があるのではないかな、その辺を問題点として挙げさせていただきたいと思っております。
 道路の重要性は今申し上げたとおりでございますが、歴史とともにその役割が変化してきていると思います。道というのは、古くから例えばシルクロード、日本で言いますと東海道、あるいはそのほかの五街道もありますけれども、その産業によって塩の道であるとか絹の道であるとか、歴史をつくってきた代名詞でもあると思います。
 そして、現在、先ほどもお話がありましたとおり、私が生まれたのは昭和三十八年でございましたが、このもとになる法律ができたのが昭和三十三年。国道ではありませんけれども、私の実家も幹線道路に面しておりました。私が子供のころはまだ砂利道でございました。当然、馬と車が併存しておる時代でございました。そんな中、高度経済成長の幕あけとともに、自動車あるいは物流が経済発展のかなめである、何をおいてでも道路をどんどん整備しなければいけない、これは国の考え方として非常に大切な考えでありましたし、それは間違っていなかったと私は思っております。
 しかしながら、現代に至りまして道のあり方も変わってまいりました。地方に旅行に行きましても、車で砂利道を探すとなるとなかなか見つからない。それどころか、午前中審議されましたように道そのものが人々に多大な影響を与える公害生産の場にもなっておる。あるいは新しい道路を開設するときには、環境破壊、騒音問題等住民の中からも反対運動が出てくる。
 あるいは、さまざまな問題点が起こっております。例えば、先ほどの話にもありましたとおり道路は大変重要なのでありますが、今回の五年間の予算を取り上げましても、七十八兆円と非常に巨額であります。これが国会の審議を経ずして作成される、そのことに大きな問題点を指摘するところでございます。
 この問題を考えるに当たって、幾つかのポイントを挙げさせていただきたいと思っております。
 今、話にありましたように、道路を建設する場合に環境との調和が必要である。あるいはその道路をどのようにつくっていくのか、あるいはメンテナンスするかということに関して、いわゆる住民、国民との情報交換を行うために情報公開が必要である。そして、先ほどもちょっとお話がありましたとおり道路は自動車だけが通るものではないので、新しい時代に対応するべく道路のあり方を国会で審議する必要がある、あるいはでき上がりました結果や自後の報告を国会に求めたい、このような問題点がございます。
 まず最初に大臣にお伺いをしたいのでありますが、この法律の題名が緊急措置法とあります。これは、私が先ほど申し上げましたように道路の整備が高度経済成長のかなめであった時代、道路を何とかして整備しないと日本の経済がうまくいかないぞという緊急性のあらわれがこの法律の表題にあらわれているのだと私は理解します。
 今申し上げた事情等を勘案しますと、何も道路だけが緊急ではない、むしろ逆に緊急性はもうほとんど意味をなしていないのではないかというふうに考えるわけであります。この緊急性あるいは「緊急」という法律の中に入っている文字に関する大臣の御所見と、五カ年計画を今までもつくってまいりましたが、それではいつまで緊急措置なのか、お伺いをしたいと思います。
#136
○国務大臣(瓦力君) このたびの道路整備緊急措置法、まさに委員御指摘のように法律名に「緊急」とうたって、またお願いを申し上げておるところであります。
 御案内のとおり、昭和二十九年に始まる第一次道路整備五カ年計画から道路整備が本格化いたしまして今日に至る間、十一次にわたる五カ年計画を経て我が国の道路整備そのものが着実に進展をしてきたと、かように考えております。
 高規格幹線道路網の整備はまだ道半ばでございまして、これから将来を考えましても、いわゆる電線類の地中化率も諸外国に比べて低いわけでございますし、市街地内の道幅もまだ狭うございます。歩道の問題を考えましてもまだ四分の一程度しか整備されていないわけでございまして、これからの道路整備、質、量、また時代の変化等を踏まえてまいりますと緊急な整備が望まれるところでございます。
 また、世論調査等を見ましても道路整備に対する要望は極めて高いわけでございまして、委員御指摘のとおり戦後我が国が国土整備をし、加えて経済発展のために国土基盤整備を進める中で道路の果たした役割は極めて大きいわけでございますが、さらに時代に即応した道路整備をしていく、そのことが国民からの強いニーズでもございます。それを引き続き緊急かつ計画的に整備していこうと、こういう趣旨を持ちまして緊急という言葉を使わせていただいておるところであります。
#137
○小川勝也君 今の大臣のお話、わかりやすかったと思います。
 これは私見でございますが、先ほどお話ししましたとおり緊急措置法の始まったときの最初の緊急は何かというと、砂利道にアスファルトを敷くということだったと私は思います。しかしながら現在においては、大臣からお話がありましたとおり電柱の地中化でありますとか歩行者に優しい歩道の整備であるとか、さまざまな現代的課題にその要求は移り変わっておるものと思います。
 建設省がアンケートを実施しながらその内容を決めるのも私は結構なとだと思いますが、その住民の要求は那辺にあるのかというのを審議するのは私は国会の役割だと思っております。建設省がアンケートするのではなくて、太田委員が先ほど指摘されましたように、我が地域は高規格道路が必要だ、高速道路が必要だというのをこの国会の場で議論を交わすことが、我が国の国会、議会民主主義制度の役割だと私は思っております。
 私の考えはいかがでしょうか。
#138
○国務大臣(瓦力君) 委員御指摘のように、このたび五カ年計画をお示しをしながら、委員会におきまして委員各位から御質問あり、御批判あり、そういった声は委員各位にとりましては国民を代表する声でございますので、私どもも十分に承りながら時代の要請にこたえてあるべき姿を追求していく。これは行政の立場でさらにそれを追求していくということにおきましては、今回の道路整備五カ年計画につきまして当委員会で真摯にお取り組みをいただきますことを感謝いたしておるところでございます。
#139
○小川勝也君 私どもの考え方といたしましては、住民、国民の意見を集約する場所は我が国においては国会であるので、その道路が必要で整備が緊急な問題なので、その計画をすべて政府にゆだねるのではなくて、こういう議論があったのでこれに留意して計画をつくってください、これを国会が政府に申し上げる、そして政府がこんな整備をしました、これは大変地方に喜ばれましたという報告を国会で承れる、そんな施政も模索していきたいと我々は考えているところでございます。
 各論に移っていきますが、先ほども申し上げましたとおり道路は非常に国民に密着しておりますし、利便性においては非常に大きなメリットがあります。ですから、最初計画が作成されていたころというのは、喜ばれこそすれ反対の意見などというのは非常に少なかったと思います。
 しかしながら、私が知り得る限りでも、自然破壊あるいは動物保護の観点から新しい道路の計画がとんざする、あるいは騒音、排気ガスの問題で付近住民から反対の声が出る、こんなことが各地で起こっておるように聞いております。この代表的な反対運動にどんなものがあるか、お伺いをしたいと思います。
#140
○政府委員(佐藤信彦君) 道路の整備に当たりましては、地域の皆様方に対し計画の内容を十分御説明することにより、そこの地域の御理解を得ながら事業を進めているといった状況でございますが、通常事業を進めるに際しまして地域の方々からさまざまな要望が寄せられております。その中でも一部の事業におきましては、周辺の環境に与える影響を懸念する声が強く出されている場合がございます。
 一例といたしまして、これは大分前になりますが、常磐自動車道、柏−流山地区の建設に当たりまして、当初自動車交通騒音といった問題、それから大気汚染、そういった懸念、そういったものから事業に対する御理解が得られなかったといった経緯がございます。これにつきましても、地元と十分に調整を図りながら、半地下構造並びに環境施設帯などの設置で対応をいたしまして完成に持っていったという事例がございます。
 そういったことで、道路の整備に当たりましては、従来から地域の状況、調和のとれたネットワークの形成、環境影響評価の適切な実施、環境施設帯やそれから遮音壁の設置とか、そういった各種の環境対策を実施することによりまして、環境に与える影響が極力少なくなるように努めてきたところでございます。また都市計画決定の手続を通じまして、地域の方々の御意見を計画に反映する等措置を講じてきているところでございます。
 そういったことで、今回の五カ年計画の中でも、そういった道路についての検討案につきまして、早期の段階からルートや構造といったような情報の公開も図るといったことも検討しておりまして、今後とも地域の要望を踏まえまして円滑な道路整備が進められるよう努めてまいりたいというふうに思っております。
#141
○小川勝也君 いろいろ大変な問題が起きているやに私は聞いております。
 先ほども申し上げましたとおり、今回が十一次の五カ年計画であります。最初五カ年計画をつくられたときと私は状況が大分変わっておるように思います。例えば今の環境との問題、これは道路をつくるとメリットを享受するけれども自然を壊すというデメリットを生ずる、これを建設省だけが決めていいものなんだろうか、こういう疑問があります。
 そういう二律背反する利益を調整するのは、国であれば国会でありますし、地方であれば地方議会だと私は思うのであります。それと同じように、道路が大事だということはわかりますけれども、道路も大事だし、福祉も大事だし、医療も大事だし教育も大事だと、そういうことで各分野でみんな大事だと思って予算がふえてきたので日本はこんなに多くの赤字国債を発行したんだ。橋本総理もその問題を憂慮されていわゆる財政構造改革法というのをつくったと思うのですけれども、そういう問題は行政あるいは政府がやるのではなくて、国会で決めるべき、議論すべき問題がまだまだたくさんあると思うところでございます。
 局長の答弁の中で情報公開の部分がありました。アセスメントの問題も変わりつつありますし、住民参加、あるいは住民の方々に御理解をいただいてということになりますと、この情報公開ということが非常に大事になってくると思います。道路に限らず建設省全体として大臣にお伺いをしたいんですが、建設省の情報公開度は自己採点で何点でしょうか。
#142
○政府委員(佐藤信彦君) 道路行政におきます情報公開の到達度といったことを私どもちょっと考えてみますと、今まで道路行政におきましては、道路事業を実施するに当たりまして都市計画、それから環境アセスメントなどの手続におきまして計画案を開示して住民の意見の反映を図るといったことが、情報公開並びに住民の方々の御意見を伺うといった点では一番基本的な大事な点かと思います。
 そういったことももちろんやってきているわけでございますが、平成九年度から、特に事業の透明性といったこともございまして、新規の採択箇所につきまして、費用便益分析を含めました客観的評価指標というのを用いた評価結果を公表したりしております。これも一つの指標でございますので、すべてをこれで判断できるというものではございませんが、こういったものを公表したり、それから今回の五カ年計画の中では個々の施策、事業の実施といったようなことを、パブリックインボルブメントと言っておりますが、国民参加の方式、約十三万人の方々の御意見をいただいておりますが、その御意見をいただくに当たってそういった施策を発表したりといったことをやらせていただいております。
#143
○小川勝也君 では、個別にお伺いします。
 本来であるならば、私が先ほどから申し上げておりますように、国会での議論をもとに、そして法律をもとに施策を決めなければならない、例えばこう申し上げますと、私たちは審議会にそれを聞いております、こういう答えが返ってくるんだろうと思います。
 道路審議会、これは我々にとってはわかりにくいブラックボックスだと思いますけれども、この審議会がどのようなものなのか。これは複雑な構成になっているというふうに聞いておりますが、まずメンバーに偏りがないか。例えば、今大事な問題であります環境を重視する立場の方が入っておるかどうか、あるいは各セクションにおきます議事録等の公開について簡単に御説明ください。
#144
○政府委員(佐藤信彦君) 道路審議会の委員でございますが、これは道路法第八十条におきまして、道路に関し学識経験を有する者及び地方公共団体の職員のうちから任命することとされております。委員の選定に当たりましては、総合的な観点から道路行政の推進等、道路審議会の趣旨にかんがみまして、委員により代表される意見、学識経験等が公正かつ均衡のとれた構成となるよう、専門的知識を有する方、道路に関し幅広い視野から検討していただける方、それから地方公共団体の方々等幅広い分野の方々にお願いしているところでございます。
 また、道路審議会の公開についてでございますが、既に平成七年九月に閣議決定で、「審議会等の透明化、見直し等について」に基づきまして、審議会の決定により議事録及び会議資料を公開して運営の透明性の確保に努めているところでございます。
#145
○小川勝也君 答えは聞いたことだけ答えていただきたいんでありまして、特に環境を重視する人、例えば自然保護団体の代表者とか、そういう市民運動をやっておられる方とか、自然保護学者とか、そういう方がどのくらいの割合で入っているかお答えください。
#146
○委員長(関根則之君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#147
○委員長(関根則之君) 速記を始めてください。
#148
○政府委員(佐藤信彦君) 委員の構成でございますが、特に環境とかそういう細かい形の対応ではなくて、むしろ学識経験者として学者の方、それから言論界の方、産業界の方、労働界の方、それから行政の実務経験者、地方自治体、そういうジャンルで選んでおりますので、特に環境だけという形ではおりません。
#149
○小川勝也君 再三申し上げますが、聞いたことだけ答えていただければ結構なので、その場合はいませんと言ってください。今、道路のあり方がこれだけ問われていまして、私が今申し上げましたように環境との調和というのは非常に大事な問題だと思うんです。これは例えば自分の選挙区に道路をたくさん引きたいと思っておられる先生方もみんな共感していただけると思います。
 そんな中で新しい時代への道路行政ということを考えますと、環境の立場から御意見をいただける方、これは道路審議会の中にいた方が僕は逆に隠れみのになると思います。こんなところで環境に配慮する人はいませんと言ってごらんなさい。こんなことやっていたら大変なことになると思います。ですから、これは一応要望というかアドバイスとして聞いていただきたいんですが、こういう時代ですので、この人、自然保護でこういう実績を上げた人を審議会の中にちゃんと抱えておりますとやった方がいいと思いますので、一応アドバイスとして申し上げておきます。
 それで、先ほどもちょっと触れたんですけれども、道路は地方にとって非常に大事なものであります。そして、公共事業が地方に経済的に与える影響も小さくありません。ですから、今まで当然歓迎されてまいりました。しかしながら、先ほど申し上げましたように、そういう要望をどんどん聞いているうちに国が倍金漬けになって、これは大変だということで橋本総理が財政構造改革法をつくりました。これはもっともなことだと思います。みんなでやりたいことばっかりやっていたら国の借金がどんどんふえていくのは当たり前です。
 しかしながら、財政構造改革法をつくった後、景気がこんな状態なんで、これを改正したらどうかという意見が出ています。大臣の御所見はいかがでしょうか。
#150
○国務大臣(瓦力君) 財政構造改革法というのは、基本的な中長期的な観点からいいまして、累積するいわゆる財政の赤字、このことを考えますと私どもは取り組んでいかなければならない課題だと、こう考えておる次第でございまして、これらを進めながら社会資本整備をどう行っていくか、また、時々、折々においてはどう取り組むかという課題は、政治でございますから、これを踏まえながら取り組んでいくということでございます。
#151
○小川勝也君 さすが政治家ですね、これは。財軍法を外して道路予算もたくさんもらった方が僕はいいと思うんですけれども。
 では、関連してお伺いします。
 財政の問題でよく言われておりますのは、建設国債と赤字国債の区別の問題であります。建設国債と言いますといいもので赤字国債だけ悪いと、何かこういうような評価があって、これは実は大した差異がないんで一緒にしたらどうだなんという議論があります。そしてまた、これは建設省も大いに関係していると思いますが、中央省庁の仕事に直轄事業、補助事業というのがあります。その補助事業について、これは国がこれだけ補助しますので地方がこのぐらい自分から持ち出ししなさい。このシステムが地方自治体の財政を著しく圧迫しているという報告も上がってきています。
 その国債の問題と、補助事業についての地方自治体の財政の圧迫の問題、二点、大臣にお伺いをしたいと思います。
#152
○国務大臣(瓦力君) 一つは、建設国債と赤字国債を区別することについていかがかという御質問でございます。
 これは我が国の財政法におきまして、世代間の負担の公平という観点から公共事業など国の資産が形成され、かつ将来の国民が利益を享受し得る場合などに限られた範囲において建設国債が認められる。また、赤字国債でございますが、これは人件費など本来は毎年の税収により賄われるべき経常分野の経費に充てられるものとして、特例法に基づき発行されておることは委員御案内のとおりでございます。世代間の負担の公平や財政運営の健全性の観点から建設国債と赤字国債の区別は意味がある、しかと区別をしておく必要がある、かように考えるものでございます。
 もう一点は、道路事業の補助事業が地方財政を圧迫しているのではないかということでございまして、地方道の整備状況は、平成八年度改良率では都道府県道で六〇%、市町村道で四九%と立ちおくれておるわけでありまして、これらにつきまして一層の整備が求められております。
 ところで、このように地方道の整備に対する補助金は、地方公共団体からの要望に基づき、全国的な観点から、国からの重点的な支援が必要な一部の道路整備に対して交付しているところでございまして、今後とも国と地方の役割分担に留意しつつ、地方公共団体が行う地方道の整備に対して積極的に支援していかなきゃいかぬ、こういうぐあいに考えております。
#153
○小川勝也君 補助金が地方にとって大変大切なものであることは当たり前のことであります。
 そんな中で、例えば国がたくさんお金を負担してくれる、地方が少しで済む、こういう事業に地方は飛びつきたいわけであります。それはその事業費がもたらす地域経済への関与が非常に大きく、地域住民も望んでいることだからであります。
 しかしながら、国の財政が赤字国債の残高等で苦しいのに匹敵するような、地方も借金がたくさんあるような状態になっておると思います。一説によりますと、国、地方合わせての借金が五百兆円を超えている、こんな話もあります。これは建設省としてではなくて、内閣の一員として建設大臣に、このことも長期にわたる重要な問題として御認識をいただきたいと思います。
 次に、道路の整備のあり方についてでありますが、先ほど来現代における道路整備というのはさまざまな問題点を勘案しながら幅広く考えていかなければならないということを申し上げております。そんな中で、先ほど太田委員からもお話がありましたように、道路は自動車だけが通るものではなくて、さまざまな情報その他ライフラインの道路にもなっておる。そのことを勘案しまして共同溝、この作業が計画的に効率的に実施されると私は大変なメリットがあると思います。
 この共同溝等におきまして現在までどのような実績があるか、そして将来にわたってどのような計画をお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。
#154
○政府委員(佐藤信彦君) 共同溝についてでございますが、これは路面の掘り返し防止といったことが主要な目的となって進められております。その中では、電力とかガスとかそういったライフラインでございますので、これの整備をこれまでも積極的に推進してきているところでございます。
 現在、共同溝につきましては平成九年度までに、これは東京も近畿の方も含めましてでございますが、四百キロ近くの整備が進んでおります。これは都市部で行う工事でもありますし、それからその中での工事費等の事業費も莫大でございますので、現在までのところ四百キロ弱といった状況でございます。
#155
○小川勝也君 公共事業がすべて悪いと言う人間はだれもいないと思います。限られた予算で、それは国民の税金でございますので、将来を見据えて大事なことに効率的にむだのないように執行していただければいいと思いますので、この共同溝の分野は私は大変期待をしております。そして将来においては、例えば天然ガスのパイプラインも道路事業にあわせて敷設するなどということも考えられるのではないかなというふうに期待をしております。
 また、タクシーに乗ると顕著なんですけれども、年度末には工事が多いとか、この道はこの間ガスが掘り返されていたばかりなのに今度は電気だと、こんな苦情というか不満が寄せられております。これも建設省の御努力によってなるべく一どきに工事が済ませられるように工夫をしておるやに聞いております。これからもそういうソフト面での技術革新といいますかやり方をどんどん勉強されまして、国民の税金のむだ遣いかないように寄与されていただきたいと思います。
 次に、道路公団にお伺いをしておきたいことがございます。
 この問題は、たまたま道路公団で道路検査員という仕事をやっておつた方から聞いております。どんな話かといいますと、例えば大蔵省の検査官が接待を受けたなどというニュースが入ってまいりました。その検査というのは仕事の内容において、相手にとりまして何といいますか少しカードを持っておる、そういう立場から例えば金品の授受であるとか接待を非常に受けやすい立場にいる人だと思います。
 私が聞いた話によりますと、例えばある地域の道路工事が終わったときに、その工事のできぐあいを検査するために検査官が本社あるいは支社からその現場に向かう。それで、ええ、よくできています、オーケーですと、こういう立場の人がおられる。その工事に問題点があったかどうかわかりませんけれども、よくできましたというサインなり判こが欲しいためにその人たちに過剰な接待が行われている。これは私がいただきましたのはかなり古い情報でございますので、過去にわたってそういう慣行があったかなかったか、そして現在はそれはなくなったのか現在でも行われているのか、そのことを御調査いただきまして、次の高速道路法の法律案の審議のときまでに御回答をいただきたいと思います。
 それともう一点は、いわゆる工事価格を算出する積算書の管理の問題と漏えいの問題であります。
 今はあるかないかわかりませんけれども、簡単に工事業者の手に渡るようなことがあったという話を聞いておりますので、過去においてあったかながったか、そして現在はあるのかないのか、その辺を次回までに御調査の上お答えをいただきたいと思いますが、この質問を聞いた御感想とお答えをいただきたいと思います。
#156
○参考人(黒川弘君) 第一点目でございますけれども、工事の竣工時には工事請負契約書に基づきまして、その完成を確認いたしますために公団が請負人に対しまして竣工検査というのを行うことにしております。この検査は公団の工事に関する監督、検査要領に基づきまして厳正かつ適正に行われているというふうに認識しております。これにつきましてはいろいろ検査官を任命したりして具体的に実地で検査をしているわけでございますけれども、そういった厳格な立場で調査が行われていたというふうに認識しております。
 しかしながら、先般私の方でもいわゆる不祥事件が起きました。そういったことも踏まえた中身でございますけれども、役職員の倫理規程というのも一月三十日につくりまして、我々も率先して現地に出向きまして今それを徹底しているところでございます。そういったことはないというふうに現在は考えているところでございます。
 それから、二番目の積算書でございますけれども、これは具体的に工事を発注いたします際に、まず設計をしてそれをもとに積算して発注する、こういう流れでございます。積算の際に具体的な金額が出てきたものは、将来、最終的には予定価格のベースになるものでございますから、私の方では公団の内規といたしまして、これは厳重にマル秘にしております。したがって、それが外に漏れるということはないというふうに確信しているところでございます。
 以上でございます。
#157
○小川勝也君 日本道路公団は、結果的にいい仕事をしておると思いますので、あるいは私の親戚も勤めておりますので、国民から後ろ指の指されないような日本道路公団になってもらいたいと思っております。
 しかしながら、この不祥事が発覚する以前から、特殊法人としての日本道路公団のあり方に関しては、私のみならず同僚の衆議院議員や、あるいは評論家、ルポライター等が言っているとおりだと思います。この際、こういう場合でございますので、私どもも心を鬼にしてさまざまな問題点を指摘したいと思いますし、日本道路公団ももう後がないという心境で内部改革に当たってほしいと思います。私も次回までにいろんなことを調べてまいりますので、今お願いした調査の件、よろしくお願いしたいと思います。
 次に移りたいと思いますが、道路の利用者に対してどんな利便が考えられるか、さまざまな側面から考えてみました。そうしますと、私どもの地方、特に積雪寒冷地でございますので、除雪の問題というのは大きな問題であります。翻って、この東京首都圏を考えてみたときには、何といっても渋滞の問題が大きな問題だと思います。
 例えば、最近は道路に標識が出ておりまして、どこからどこまで何分などというのが出ておりますし、赤いランプやオレンジのランプで、込んでいるかどうなのかというのがランプでついております。そういうさまざまな利用者サービスの点でも工夫をいただければと要望だけさせていただきます。
 そんな中で、高速道路等にカメラがついておりまして、今通った車が何分後に次のカメラを通るのかということで、いわゆる通行量、通行時間、所要時間を判定しているのだと思いましたら、それ以外の目的で使われているカメラがあるということで、私どもに手紙を送ってくれた方がおりました。
 これはどういうのかといいますと、Nシステムと呼ばれている、これは警察庁で使っているシステムだと思いますが、これが四六時中通っている車とナンバーと顔を判別して、それをデータとして保存している。建前上は犯罪捜査のためだということなんでしょうけれども、ちょっとプライバシーの問題で疑義が残る、こんな書類をいただきました。
 警察庁から、このNシステムというのはどういうものなのか、概略を御説明いただきたいと思います。
#158
○説明員(岡田薫君) 自動車ナンバー自動読み取りシステム、通称Nシステムとも言っておりますけれども、これについてお尋ねですので御説明を申し上げたいと思います。
 交通機関の発達に伴いまして、自動車を利用した犯罪が大変増加をしておりますし、また犯罪が大変広域化、スピード化してきていると言われているところであります。
 ところで、自動車を使用しました重要凶悪犯罪が発生いたしましたり、あるいは重要犯罪に使用されるおそれの強い自動車盗難事件があったりいたしました場合、従来より、検問を行ったり、あるいは警察官が走行中の自動車のナンバーを目で見てメモしたり、あるいは録音機に音声で記録をするといったことによって犯罪捜査に役立てるということは行われていたところであります。
 しかしながら、交通量が増大をいたしまして、自動車もスピードを高めできますと、人間の目でこれを正確にチェックすることは困難となりますし、人手も多く要することなどから、第一線ではコンピューターを利用して自動車のナンバーを読み取るシステムが開発できないかということが要望されてきたところであります。そうした要望を受けまして、走行中の自動車のナンバーを自動的に読み取り、手配車両と照合するシステムとして自動車ナンバー自動読み取りシステムが開発されました。
 このシステムは、盗難車両の発見ですとかあるいは重要事件の捜査に大変役立っているところでありますが、他方で、記録されますデータは、自動車を識別する目的から見やすいように表示しなければならないとされておりますナンバープレートの文字情報だけであります。先ほど御質問の中に顔写真云々ということがございましたけれども、いわゆる画像情報と申しますか、そういった情報は記録をされません。
 そういったことを考えてまいりますと、このシステムというのはプライバシーを不当に侵害するものではない、このように考えております。
#159
○小川勝也君 まず最初に、これが全国に何台設置されていて、総予算規模はどのくらいか、数字をお伺いしたいと思います。
#160
○説明員(岡田薫君) 設置されておりますのは、たしか四百台ぐらいだと思います。金額の面は、申しわけございません、手元に資料がございませんので。
#161
○小川勝也君 今のお答えによりますと、ナンバーと車は写っても顔は写らないということですね。
#162
○説明員(岡田薫君) もう少し言い足しますと、章は写らないとお考えいただいていいと思います。ナンバーの文字情報、文字と数字の情報、その情報を記録するというものであります。
#163
○小川勝也君 そうしますと、この目的が例えば犯罪捜査だとしますと、犯人が逃走しているというときの犯人の顔は写らないということでよろしいんでしょうか。
#164
○説明員(岡田薫君) そのように理解していただいて結構でございます。
#165
○小川勝也君 これは、犯人の顔が写らないんだったら余り犯罪の捜査のために役に立たないんじゃないかなというふうに思うんです。
 それと同時に、これはごくまれな方だと思いますけれども、人権の部分で非常に心配をしておられる方がいると思います。ですから、プライバシーの保護にどのような工夫をしておられるのか、それをお伺いしたいと思います。
#166
○説明員(岡田薫君) 顔は写らないんですけれども、現実の実績を見ますと、個々のケースはなかなか申し上げにくいんですけれども、例えば盗難車両ですと、平成八年ではこのシステムで千数百件ぐらいの事件の検挙に役立っております。
 それから、プライバシー保護のための話でございますけれども、先ほども申し上げましたようにこのシステムは自動車盗難事件ですとか自動車利用犯罪の捜査のために使用するシステムでございますので、警察庁としては不当な使用によってプライバシーが侵害されることのないように都道府県警察に対して指導をしておりますし、具体的にはアクセスする者を制限したり、それから目的もきちっと限定する、そういったやり方を行っております。
#167
○小川勝也君 私が所属しております民主党というところは、人権に対して非常に積極的に関与していこうという党でありますが、その中で私は最も鈍感な方に属している人間でありますけれども、もう一点お伺いしたいと思います。
 ナンバーを識別できるということは、例えば私がジャガーに乗っているとしますと、そのジャガーのナンバーというのを、小川という人間がどこに行くか調べたい、それでジャガーの番号を調べて小川の行動を追尾することは可能ですか。
#168
○説明員(岡田薫君) 小川さんのことはわからないんですけれども、具体的に事件がございますと、例えばどこかで暴力団がけん銃を発砲して人を殺害したというような事件がございましたとします。その事件についていろいろ聞き込みなどをしてまいりますと、完全にはナンバーはわからなかったけれどもある一定のナンバーはわかった。そうすると、そういうナンバーの車はその近くをどれぐらい通っているかというと、かなり限定をされてまいります。そのことから容疑者を割り出してまいりましたり、あるいは別のさまざまな捜査から疑わしい者が出てきた、それについての
#169
○小川勝也君 ですから、犯罪捜査に使われる場合はそうだと思うんですけれども、犯罪を犯していない人間を調べることも可能ですか。
#170
○説明員(岡田薫君) 犯していないという定義は、厳密に申し上げますと、容疑者というのは犯しているのか犯していないのかというようなことも議論としてはあるのだと思います。しかし、あくまで犯罪捜査として行いますので、具体的な容疑等があって、その車両について、どこでチェックしているかというようなことを調べることはございます。
#171
○小川勝也君 時間がなくなりましたので、この質疑の終了時点に修正案を提出したいと思っております。
 そんな中で、道路のあり方、道路の重要性は変わっておりませんけれども、現代において道路の持つ意味というのは多岐多様にわたっておる。それを審議する場は私は国会だと思う。そんなことから、あるいは巨額な予算でもありますし、その計画策定に当たっては国会で承認できるようになればいいな、あるいは情報公開の部分で住民が参加できるような体系になればいいな、そんなことを考えながら質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#172
○荒木清寛君 先ほど来の質疑を聞いておりまして、私もまだ我が国におきましては道路整備が質、量ともに不十分であるということはそうだと思います。ただし、個々のケースを見ますと道路整備について首をかしげざるを得ないようなケースがあることも確かだと思うんです。
 よく言われますのは、高速道路の整備が自己目的化していないかという指摘もあるわけです。東北地方であった高速道路の整備では、一般道との時間短縮に差がなく利用台数が伸びていない事例がある。あるいは道路と農道の並行整備等国民から見ればどうかなというような事例がたくさんあることも事実だと思います。私もそういうものを目にすることがあります。
 こういう指摘について、まず大臣はどう考えますか。
#173
○国務大臣(瓦力君) 荒木委員からの御質問でございますが、今次に及ぶ道路整備を昭和三十三年以降逐一時代の変化の中でとらえてみますと、その時代時代の要請といいますか国民並びに社会経済の要請にこたえながらこれらの問題に取り組んで我が国の国土整備を行ってきたと、かように私は考えておるものでございます。
 また今、農道等のいわゆるふくそうする問題でございますが、それらにつきましては、それぞれ資源とそしてその活用といいますか、限られた財政の中で効果を上げていくということが今日なおさらに求められておる事例でございます。
 これに対応いたしまして、建設省は部内検討を進め、さらに関係する例えば農林省であるとか、あるいは下水道分野においては厚生省であるとか、それぞれ重複を避けながら時代のニーズにこたえて効率的な行政を進めていくという、そういう視点に立って今仕事を進めておるところでもございます。
 道路の問題で委員が提起されました問題が二つございましたので、以上申し述べさせていただきます。
#174
○荒木清寛君 昨年来、公共工事につきましても構造改革の必要性が、昨年来というよりも以前から指摘されているわけでして、私は財革法の質疑のときにも申し上げましたけれども、やはり公共投資の投資基準をはっきり確立するということが本当の構造改革であり今必要なことだと思うんです。そういう意味では、道路整備の必要性はもちろん認められるわけですが、新しい社会資本づくりという目標に照らした優先順位を定める投資基準といいますか、そういうものをきちんとするということが効率的な投資あるいはおっしゃったような重複投資を避けていくことになるのではないかと思うんです。
 そこで今般、この緊急措置法に基づきまして新たな第十二次道路整備五カ年計画が策定されるというわけです。そこで、私は大臣に申し上げ、また質疑をいたしたいことは、この新たな五カ年計画につきまして、例えば道路の渋滞の解消ですとかあるいは交通事故の防止という観点からこういう項目に力を入れて投資していくんだというような、そういう計画にぜひしていただきたいと思うわけなんです。その点、大臣の所見をお伺いいたします。
#175
○政府委員(佐藤信彦君) 渋滞解消それから事故防止の観点から優先順位を明確にというお話でございますが、国民のニーズに対しまして道路不足の解消がまだ十分になされていないといった状況で、やはりその中で緊急課題に適切に対応していくために、五カ年計画におきましても重点的に取り組むべくテーマを設定しまして整備を積極的に進めていくことにしております。
 今回の五カ年計画の中では、特に都市圏の渋滞解消といったような問題、これは地域づくり・都市づくりの観点からとらえるといった問題。それから交通事故の防止、よりよい生活環境の確保といった観点。さらには、新たな経済構造の実現に向けた支援とか、安心して住める国土の実現とか、そういった施策の柱の中でそういったものを取り上げていきたいというふうに考えているところでございます。
#176
○荒木清寛君 私は、確かに何を優先すべきかという国民的なコンセンサスを得るのはなかなかそれは難しいかと思います。都市部の住民の人とあるいは過疎地の住民の人とはまたお考えも違うでしょうし、認識も違うかと思います。
 ただ、交通事故犠牲者を減らすということについては、私はどの国民も異論がない話だと思いますし、新たな五カ年計画策定については大きな柱としていただきたいわけです。
 今局長も言及されましたけれども、具体的にこの交通事故の防止という観点はどういうふうに盛り込んでいくつもりですか。何か数値目標等設置していくんですか。
#177
○政府委員(佐藤信彦君) 新たな五カ年計画におきましては、一般道路に比べまして安全性の高い高規格幹線道路を初めとするネットワークの体系的な整備といったものをベースとしては推進していかなくてはならないということでございます。
 具体的な中身としましては、一つは、児童や高齢者などの歩行者、自転車利用者の安全を確保するために、事故率の高い道路や駅それから商店街、学校周辺の歩行者、利用者の多い道路におきます二万六千キロの歩道整備。それから幹線道路でございますが、事故多発地点、三千二百カ所ぐらいあるわけでございますが、これについての対策。さらには、商業地域とか住宅地域の中で通過交通を抑えまして、むしろ歩行者中心の面的に整備した区域、これをコミュニティーゾーンと言っておりますが、こういったものを約二百都市の四百五土地区につきまして整備を行おうといったことを取り上げているところでございます。
#178
○荒木清寛君 今言及はなかったんですが、昨年の概算要求のときに策定されましたもの、五カ年計画案という本ですね。これを見ますと、「交通安全施策の推進」というのがありまして、三十四ページですが、交通事故による死者数について言及しているんです。これは非常にわかりやすい話だと私は思いました。
 確かに、死者数の目標を決めるのはどうかという議論はもちろんあるわけなんですけれども、実際減らす以上は何人以下にということにするしかないわけです。これによると、平成八年は九千九百四十二人、平成十四年の段階では九千人以下にするという目標といいますか目安が出ているわけです。こういうことを考えていくわけですか。
#179
○政府委員(佐藤信彦君) 新たな五カ年計画の中で、先生おっしゃられるように余り死者数云々を目標とするというのはちょっといかがなものかとは思いますが、年間九千人以下を目標として引き続き交通安全施策に努めていくといった方向で考えております。
#180
○荒木清寛君 もちろん交通安全は建設省だけでできる話じゃありませんで、取り締まり当局の方がむしろ主戦部隊かもしれません。ただし、七十八億円という投資規模になるわけですから、やはりそれだけお金を使って整備をする以上は安全な道路をつくってもらいたいと思うわけです。
 九千人以下ということなんですけれども、平成四年の十月に発表された道路整備の長期構想というのがあります。きょう届けていただいたんですが、これによると三十三ページなんですが、目標とする主要な整備水準というのがあるわけです。それを見ますと交通事故死者数は二十一世紀初頭に半減する。半減というと、このもとの数字は一万一千百五人ですから、単純に言うと五千六百人ぐらいですね。本来は五カ年計画もこういうことじゃないとだめじゃないんですか。九千人以下じゃなくて、半減なんですから五千五百人ですか、そういう取り組みをしますということじゃなかったら、これは同じ建設省のつくられた計画でも一貫性がないし、要するに本気で取り組むのかというふうにも思ってしまうわけです。この点いかがですか。
#181
○政府委員(佐藤信彦君) 長期構想の場合というのは、長期構想がつくられた時点からおおむね二十年以上ぐらいかと思います。計画策定の構想の達成がそのくらいの期間は見ているかと思います。
 五カ年計画は現在の五カ年計画の中で九千人ぐらいというふうに取り上げているわけでございますが、これは今まで前の五カ年計画をつくった時代とかそこら辺の死者数が、かつて昭和四十年代には一万五千人ぐらいのオーダーであったわけでございますが、一時六千人ぐらいに減りまして、それからここ十年ぐらいは大体一万人を超えております。一万二、三千人ぐらい、ちょっと私は細かい数字を持っておりませんが、そういう経緯の中で昨年ようやく九千何百人かといったオーダーになっております。
 したがいまして、九千人以下にするということは、その間にもちろん車の増加もあったわけでございますが、それに抑えての計画を実施するというのはかなり思い切った計画になっているんではないかというふうに思っております。
#182
○荒木清寛君 いや、それはわかるんですけれども、二十一世紀初頭といったら、まさに平成十四年、二〇〇二年とかそういうことを言うんじゃないですか。そのときに、一方では五千五百人にすると言っておいて、今度の五カ年計画では九千人と言うんじゃどういうことなんでしょうか。
#183
○政府委員(佐藤信彦君) ちょっと説明が不十分だったかと思います。
 むしろ長期構想というのは二十年以上の感覚でおりますので、二〇二〇年以降ぐらいの感覚がございます。そこら辺と、それから今回の五カ年計画というのはこれから五年ですので二〇〇三年、そこに十七年ぐらいの差がありますので、我々としては二〇二〇年、長期構想の段階ではそのくらいまで持っていきたいというふうに考えているところでございます。
#184
○荒木清寛君 二〇二〇年が二十一世紀初頭なのかどうかちょっと日本語の解釈として疑問を持ちますし、またそれにしてもそこまで減らそうというのであれば五カ年計画でももっと思い切った目標設定も私はあるべきだというふうに思います。
 そこで次に、交通安全とも絡むわけですが、ITS、最近よく言われるわけでして、高度道路交通システムという問題があります。きのうも愛知県の地元新聞に一面でITSとはこういうものだというよくわかるような話がありまして、私も勉強したわけなんです。
 例えば、このITSでノンストップ自動料金収受システム、ETCなんというのが目玉商品で挙がっているんですね。私も先般、東名阪高速道というのを通りましたら、たまたま連休中でして大渋滞しておったんです。なぜ混んでおったかというと、料金を収納するところで混雑しているわけです。これは連休中ですから当然車が多いことはわかっているんですから、人をふやせばそんな混雑は何ともないんですけれども、そこがお役所仕事といいますか、柔軟な対応をしていないわけなんです。だから、料金を収受するボックスはもう十以上ずらっと並んでいるのに、人がいないものだから全部使えなくて、それで渋滞をしている。こんなこともこのETCというものが実用化されたならば渋滞の解消にも大きく役立つであろうということをそのときに思ったような次第なんです。
 それだけではなくて、ナビゲーションシステム等を用いた安全運転を誘導するようなシステムでありますとか、輸送の効率性ですとか、あるいは公共輸送の効率性ですとか、そういうものの向上を目的として最先端の情報通信技術等を駆使してシステムを構築しようという構想であるというふうに聞いております。これは道路の情報化とも言えるわけでありまして、今後早急に私も整備をしていく分野であろうと考えています。
 ところで、道路審議会に設けられました基本政策部会財政小委員会が報告しました昨年三月の「道路整備財源に関する基本的考え方について」の中では、このITSを整備するための費用負担について自動車利用者に負担を求めることも可能との意見があると、そういう指摘がなされています。だから、せっかくこういうすばらしいシステムであってもだれがシステム構築のコストを負担するのかということのデッドロックに乗り上げてしまう心配もあるわけです。
 そこで、建設省としてこのITSシステムの費用負担についてどこがどう持つべきであるかというふうに考えているのか、お伺いをいたします。
#185
○政府委員(佐藤信彦君) 先生の御質問でございますが、ETC、ノンストップの自動料金システム、これについての費用をどこで負担するかと……
#186
○荒木清寛君 ITS全部含めてです。
#187
○政府委員(佐藤信彦君) ITS全部ということになりますと、それぞれカーナビゲーション、これは現在行われておりますが、車に乗せます装置、これは個人でお持ちになることになるかと思います。ですが、むしろそれのインフラであります道路にビーコンとかそういうのを設置しなくてはこれは活用されませんので、そういったインフラ整備については道路管理者の方で行っていくといったことで考えております。
 そういったことで先ほどのETCも同じような形で整備されていくというふうに考えております。
#188
○荒木清寛君 そこで、平成十年度道路関係予算概要というところにもITSの推進というのが入っていまして、こういうインフラを整備した場合には、もちろんドライバーの方もそういう装置を買ったりするわけですから、五十兆円規模の新たな市場の創出という、そんな見通しも書いてあるわけです。それにしては、今の国の投資が余りにも少ないんではないかというふうに思うんです。
 このITSの研究開発等の総合的な推進としまして、九年度の事業費は七十八兆円、十年度事業費は八十二兆円ということで、伸びてはいるけれども微増ということで、本当にこの程度の取り組みで五十兆円ものそういう市場が創出されるのか、あるいは本当に交通安全あるいは渋滞の解消等にハイテクを利用していけるのかという疑問も持つわけです。
 そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、補正予算編成等々という話もあるわけなんですが、こういうITSといった分野の整備には国としてもっと重点的前倒しの投資をするべきじゃないんでしょうか。大臣の所見をお伺いいたします。
#189
○政府委員(佐藤信彦君) ITSにつきましては、現在実施段階に入っているものと、それからまだ準備段階にあるものもあるわけでございますが、これからそういう実施段階に入っていくといったことで、特にETCの方、これは緊急経済対策でも挙げられておりまして、そういったものもこれから進めていかなくてはならないといったことで推進を図っているところでございます。
#190
○国務大臣(瓦力君) 補正予算ということに対する答えは私の立場で極めて微妙でございますので、それはそれといたしまして、情報ハイウエーの構築につきましては今建設省も積極的に取り組んでおるところでございますが、方向づけがさらに前進をいたしますことを期待いたしまして鋭意取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
#191
○荒木清寛君 そこで、この際でございますので、中部圏の骨格となる道路整備について若干お伺いをし、また要請もしていきたいと思います。
 一つは、第二東名・名神高速道路の件でございます。
 東西交通の大動脈となっている東名・名神高速道路でありますけれども、首都圏における混雑も当然でありますが、例えば愛知県におきましても一日の交通量が九万台を超えているところがありまして、各地で渋滞が発生をしているという状況でございます。こういう大動脈の渋滞を緩和しなければいけないという必要性、あるいは中部国際空港及び二〇〇五年の日本国際博覧会に不可欠な高速交通ネットワークを形成するためにも第二東名・名神高速道路の早期整備がぜひとも必要であるというふうに私は考えております。幸い、昨日でございますけれども、この一部をなすところの伊勢湾岸自動車道のそのまた一部が開通をいたしまして、私もお招きをいただいてそこに参加したわけでございます。
 そこで、建設省に、この第二東名・名神高速道路の昨日開通をした前後の区間の部分につきましてどのような整備の見通しを持っているのか、ぜひお伺いをいたしたいと思います。特に、中部国際空港の開港や国際博覧会が開催される二〇〇五年までにどの程度の整備がきちんとできるのか、またしていかれるのかというところを前向きにお答えいただきたいと考えます。
#192
○政府委員(佐藤信彦君) 第二東名・名神高速道路でございますが、これは現行の東名・名神高速道路とあわせまして東京圏、中部圏近県の総合の物流、人流を支えるとともに、都市圏の渋滞緩和を促進する重要な路線でございます。平成五年十一月に施行命令以来、重点的に整備を進めてきております。
 このうち、名古屋市周辺でございますが、先生おっしゃられたように名古屋南インターから名港中央インターチェンジまでの九キロ間、既に供用しております名港西大橋とあわせまして昨日供用したところでございます。
 また、第二東名高速道路の名古屋南インターから東の方でございます豊田東インター、その間が一つアプローチになるわけでございますが、そこと第二名神の方の飛島インターチェンジから四日市ジャンクションまでの間につきましては鋭意事業の進捗を進めまして、今回の新たな五カ年計画の中に供用を目指してまいりたいというふうに考えております。これによりまして在来の高速道路と第二東名・名神がバイパスで連絡できるといったことで、名古屋圏の中でも最重点に整備を図っていこうというふうに思っているところでございます。
#193
○荒木清寛君 もう一つ、個別の問題で恐縮でございますけれども、東海環状自動車道の整備も中部圏にとりましては課題でございます。
 これは、愛知、岐阜、三重の三県を環状に結び地域の交流と活性化を図る上で早期整備が必要であるという要望が高いわけでございます。先ほど申しましたような二〇〇五年の万博の開催、また空港の開港ということもあるわけでございまして、そういう輸送を円滑に行うためにも中央自動車道から第二東名自動車道間を結ぶ区間は最低限でも二〇〇五年までには整備をする必要があるのではないかというふうに考えますが、この点の見通しと取り組みについてお伺いをいたします。
#194
○政府委員(佐藤信彦君) 東海環状自動車道でございますが、全線延長百六十キロでございますが、現在その九割に相当する百三十六キロの事業化が行われているところでございます。
 このうち、東名高速から中央道を結ぶ区間でございます豊田から土岐の間でございますが、この間につきましては、市街化や地域開発が進行しております愛知県の名古屋東部丘陵地域、それから岐阜県の中・東濃地域を通過するといったことで名古屋圏の東部の自動車専用道として非常に重要な路線、重要な区間でもございますので、重点的に整備することにしております。
 この区間の中でも特に豊田から瀬戸の間二十七キロ、これにつきましては比較的早い時期に事業着手しておりまして、平成二年に事業着手して平成三年に都市計画決定がなされまして、現在、用地買収を推進中でございます。
 また、瀬戸から土岐間の十キロについて、平成七年度に事業着手して、現在、都市計画決定の手続を始めているところでございます。ここの周辺は、先生おっしゃられるように瀬戸の周辺でございますので博覧会のアクセス道路というふうになってくるようなところでもございます。これからそこら辺の計画等をまとめていく段階になりますが、そういったことで積極的に進めていきたいというふうに思っているところでございます。
#195
○荒木清寛君 終わります。
#196
○赤桐操君 先般の委員会で、過去五十年と違ってこれからの五十年は大変な高齢化の時代に入ってくる、人口構成全体から見ていって社会全体が一つの転換期に入るということについて申し上げたつもりでございます。きょうはそういう観点に立ちまして、これからの道路整備緊急措置法をめぐっていろいろと考え方を申し上げながらお伺いしていきたいと思っております。
 高齢社会への道を急速に進んでいる日本の状況については、これは今申し上げたとおりでありますが、これからは高齢者の視点も踏まえた各種施策の実施が大変重要な課題になってくるであろう、こういうように思うのであります。先般の大臣の御答弁の中におきましてもいろいろとこれらについてのお考えが述べられておりますが、私はやはり道路整備に当たって、これから高齢者が急速に増加していくことを念頭に置きながら各種施策がつくり上げられていくことが必要ではないか、このように思うのであります。
 例えば、高齢者が道路を横断しようとしても足腰が非常に弱っておる、そういう関係から立体横断施設など、これは平成八年全国ベースで見ますというと、横断歩道橋が全国で一万七百三十二カ所、また地下道形態の地下横断歩道が二千七百四十七カ所、両方合わせまして一万三千を超えるという状況であります。こういういわゆる立体的な横断施設があるのでありますけれども、そのほとんど大部分が階段形式でございまして、これは高齢者にとっては大変な難渋をきわめる施設でございます。
 また、一般の横断歩道、これは公安委員会の所管でございまして、平成八年全国ベースで調べてみますというと八十九万七百二十三カ所あります。この横断歩道を渡ろうとしても、幅員の広い道路などの場合におきましては、これは我々も経験がありますが、青信号の時間内に渡ることができない場合がある。高齢者の場合にはほとんど渡り切れないうちにもう信号が変わってしまう。道路の真ん中で赤信号となって、狭く危険な中央帯の中で通行する車両に挟まれながら信号が青くなるのを待たなきゃならぬ、こういう状況にあると思います。これがこれから将来はずっと増大していくのではないかと思うんです。
 さらに、いろいろ状況によりましては、信号のない横断歩道なんかでは高齢者は通行する車を縫いながら横断することができないわけでありますから、これは全国的に大変危険な状態が多発してくるであろうということも想定しておかなければなりません。さらに、道路に歩道自体がなかったり、歩道があっても幅員が狭い、著しい段差あるいはまた傾斜、勾配がある、こういうわけでありまして、歩道部分の整備が大変立ちおくれておるために車いすでの通行が困難である。歩行者、とりわけ身体機能が低下している高齢者が歩行する場合におきましては、車をよけながら動くということができませんから、いつ車に接触しても不思議ではないという状況に置かれておる。これは全国無数にある状態であろうと思うのであります。
 次に、交通事故の死者数を見てみまするというと、高齢者が犠牲となる比率が非常に高いのであります。平成八年の交通事故死の状態は九千九百四十二人のうち六十五歳以上の高齢者が三千百四十五人、こういう数字になっておりまして、これは全体の三一・六%と、大変大きな数字になっておる、約三分の一を超えておるのであります。この傾向は今後五十年の間でもっと増大していくのではないかと思うんです。現在高齢者の総人口に占める割合は一五%、これから見ましても倍の数字となっているわけでありまして、これは大変大きな問題であろうと考えます。
 こういったようなことを見てみまするというと、現在の道路のあり方については歩行者、とりわけ高齢者が安全快適に安心して道路を利用するという状況ではない、極めて不十分な状態にあると言わざるを得ないのであります。危険な状態にあると言わなければなりません。何らかの対策が求められ、早急に講じられる必要があると思うのであります。高齢者のための道路整備施策については、現行の第十一次道路整備五カ年計画あるいは第六次特定交通安全施策等整備事業五カ年計画等々を見まするというと、こういう中で取り組まれておるわけでありますが、状況についてよく私どもも把握いたしておりません。
 まず道路局長の方から、以上申し上げたような経過の上に立ちましてひとつ御説明を願いたいと思います。
#197
○政府委員(佐藤信彦君) 特定交通安全施設等整備事業も含めまして、現行の第十一次道路五計におきましては、高齢者、身障者、それから児童等を重視した人に優しい道づくりの視点から道路整備を進めることといたしております。幅の広い歩道、駅などで二層になっている広場でございますペデストリアンデッキ、それから昇降装置を付加した立体横断施設の整備等を推進してきているところでございます。
   〔委員長退席、理事山崎正昭君着席〕
 特に歩道について見ますと、高齢者を初め身障者、児童等が安心して通行できるように平成五年十一月には道路構造令を改正いたしまして、自転車・歩行者道、それから歩道等につきまして、車いす利用者の安全、円滑にも考慮して、三メーター以上の幅員を持ついわゆる幅の広い歩道を位置づけるとともに、歩行者広場のような滞留スペースの設置などを規定いたしまして、五カ年期間中にこの幅の広い歩道等八千キロの整備を行ってきたところでございます。
#198
○赤桐操君 現行の道路五計の総事業費中の高齢者対策に向けられている各種費用があると思うんですね。現在でも各種の施策が図られているということはいろいろ伺ってはおりますが、道路整備全体の中で高齢者に対する施策が具体的にどういうように位置づけられて、金額の面でも予算の面でも裏づけられているのか。
 第十一次の道路五計の総事業費において高齢者対策経費の総額あるいは全体に占める割合、こういったものがおわかりでしたらお聞かせ願いたいと思います。
#199
○政府委員(佐藤信彦君) こういった整備につきまして、人に優しい道づくりの観点から幅広い視点で実施されておりまして、高齢者のみの対策経費の総額を算出することは非常に難しいわけでございますが、ちなみに先ほども挙げております幅の広い歩道とそれからペデストリアンデッキの整備、これに限って算出してみますと総額が三兆九千億円程度ということになります。
 したがいまして、実績額が今五カ年は七十二兆円でございますので、七十二兆円に対して五%の割合、高齢者の方々の対応としてはこれだけではございませんが、五%の割合になるといった状況でございます。
#200
○赤桐操君 新道路五計での高齢者対策についての考え方の問題に入りますが、昨年六月に出された道路審議会建議がございます。この中では、既にもう車中心の社会、車社会から人中心の道路づくりへとシフトすべきだということが指摘されております。これはもう強く出ておるところであります。あるいは高齢社会への備え、歩行者の視点からのバリアフリー化などの道路整備を進めること、こういったことが具体的に出ておるわけであります。しかし、高齢者対策についてどのような課題があって、新しい道路五計ではどのような施策を具体的に講じていくのか明確でないように思うんです。これは見ておってもわからない。
 特に、道路沿いに高齢者が歩行する場合の施策に比べて、高齢者が安心して、安全快適に道路を横断するための施策、これについては明確になっておらないのではないか。全国の歩道橋や地下横断歩道は大部分が階段式でございまして、今申し上げたとおりでありまして、高齢者対策の視点からするならば、どんなふうにこういった問題について取り組んでいくのかということは既に明示されるべきだと思うんです。
 例えば、思いつくままに考えただけでもエレベーターというのはすぐ頭に浮かんでくる。エスカレーターはどうだろうか、あるいはスロープの緩い傾斜などをつくっておいてはどんなものだろうかということは大体常識的に出てくる考え方だと思うのでありますが、これらのいろんな考え方が具体的に高齢者というものにどう当てはまるものだろうかということを検討してみると、これは絞られてくると思うんです。
   〔理事山崎正昭君退席、委員長着席〕
 エスカレーターというのは、実際には高齢者の方々は足が弱っていますから余り好まないです。これは危険なものだと考えています。若い人たちは余り感じませんが、大体高齢者はみんなそれは感ずるんです。さらにスロープについても、これはなかなかやはり大変でございます。そうするとどうしてもエレベーターになってくる。
 そこで私は、エレベーターについて若干私の身近なところで工事されたところが現実にありますのでそれを調べてみたんです。私の千葉の状態で申しわけないんですが、全国はわからないから私は千葉の例で申し上げるんですが、これは千葉駅前の地下道でのエレベーター設置工事でございますが、平成六年度から八年度にかけて行われたものであります。これで見るというと、エレベーターの本体工事だけで約五千九百万円の経費がかかっているんです、これは二つありますから。それで、また千葉市役所前の国道十六号線の歩道橋、これは高くなっているものでありますが、この横断している歩道橋、これは平成六、七年度の工事でつくられたものでありますが、エレベーター二基を設置しておりまして、外構・本体工事合わせて四千七百万円ということになっておるようであります。こういう報告を聞いております。いずれもこのうちの半分は国の補助で出ているんです。これで大分地元は助かっているわけです。それでやっているんです。
 千葉市というのは、千葉県下の各市町村から見たら一番懐ぐあいのいい市なんです。これでもこの程度なんです、率直に申し上げて。これはもう約百万人に近くなるわけでありますし、港はあるし、人の集中するところですから、これは懐ぐあいがいいんです。それでも現実にはこの程度しかできていないんです。
 いずれにいたしましても、二分の一の補助金というのがかなり効果を与えた、影響を与えたと思いますが、こういうような結果になっている。コスト的に見るとかなり金のかかるものであるということだけはこれで理解できたわけであります。
 横断歩道というのは老朽化していくものでありますから、震災時に落橋したり、あるいは復旧時の道路交通に著しい支障を及ぼすおそれが大変ございます。阪神のことは余りよく私も聞いておりませんけれども、高齢者対策の観点によらなくても、今後の一般的な施策としては横断的な歩道というのは余りいいものではないんじゃないか、一朝有事の場合などはこれが障害になるんじゃないか、こういうように私は最近考えております。
 したがって、これはよいものではないと思うけれども、当面の問題として考えていくというと、高齢者が横断する場合においては、施策としては例えばエレベーターをつけるとか車道の地下化を図るとかバイパスをつくるとか、こういったこともどうしても出てくると思いますけれども、こういうものを含めて交通量の抑制や信号機の調整、いろいろ考えてみてもこの程度です。それ以上はちょっと出てこない。これらをケース・バイ・ケースでもっていろいろ組み合わせながらやらざるを得ないと思います。
 いずれにしても、高齢者社会というものはこれは避けて通れないんです。みんなここにいらっしゃる方々はやがてそういう立場になるんです。私が一番だろうと思うんですけれども、皆そこまで行くんです。そうなると真剣にこれは考えてくるようになる。そのときでは遅いんです。
 私は、幸いにして今この席上におりますので、自分の実感を込めて申し上げておるわけでありますが、こういう状況はえてして弱い人の立場でありますから、景気のいい強い方に予算の編成にしても施策にしても持って行かれるのはわかります。わかりますが、二十一世紀、これから迎える五十年は、この前の委員会から申し上げているとおり。これは今までの五十年とは違いますよ、日本の人口構成が根本から変わってきますよ、すべての社会構成全体を変えていかなきゃなりませんよと。こういう状況の中で考えでみるというと、道路問題に対する今のこの問題については、これはどうしても高齢者対策は考えなきゃならない問題ではないんでしょうか、このように私は考えておるところであります。
 時間を節約するようにと言われていますのでこの辺でとどめたいと思いますが、言い足りないところがまだたくさんありますが、大体おわかりになっていると思いますから、心を込めてひとつ御答弁願いたいと思います。
#201
○政府委員(佐藤信彦君) 先生おっしゃられるとおり、歩行者の歩行空間といったものが現状で見ていますとなかなか整備が行き届いてなくて、問題のありそうな箇所が大分ございます。特に、歩道の延長は現在まだ二十六万キロ必要だと言われながらもその半分しかできておりませんし、その歩道もネットワークとしてまだ連続的につながっておりませんし、幅が狭い。それから、段差、傾斜、勾配が大きくて非常に危険を感ずるといったこととか、それから歩道上に電柱、放置自転車、不法占用の看板といったような通行障害、こういったものも見かけるところでございます。そういった意味で、こちらの方も量的にも質的にもまだまだ不十分といった状況でございます。
 特に、御指摘が強かったと思います横断施設でございます。これは従来階段の本当に急なものでやっていたわけでございますが、少しでも使いやすいものへの改善といったことで、階段の傾斜をもちろんスロープつきで使いやすく緩くするといったこととか、それからエスカレーター、これは使われ方が少ないかと思いますが、そういったものを整備していきたいというふうに思っております。
 特に、両側に建築物がある場合については、先ほどおっしゃられたエレベーター、こういったものなどの設置が非常に役に立つといったことで、そういった昇降機の設置とか、それからこれは従来はつくっておりませんが、沿道の建物からおりできましてまた上がっていってというのは、これは非常にロスも多いわけでございます。そういったものについては、なるべく直結でできるところは建物から建物といった専用の問題になるかと思いますが、そういった施設がつくれないかとか、そういう新たな観点からの整備を進めていきたいと思っております。
 それからまた、特に五カ年計画の中で私ども一番大事だと思っておりますのは、そういった高齢者の方々とか、それから地域の人々の視点で歩行空間を見るといったことがやはり大事なことではないかといったことで、そういうことを積極的に進めていきたいというふうに思っております。
#202
○赤桐操君 質問を終わります。
#203
○緒方靖夫君 第十二次道路五カ年計画の総額は七十八兆円です。建設省関係の五カ年計画は道路のほか治水、下水道、都市公園など全部で七本あるわけですけれども、道路だけでほかの六本の合計額の一・二九倍になる。まさに巨大な額なわけですけれども、社会資本の整備として道路だけが突出してほかの事業との関係で言って余りに均衡を欠いているのではないか、私なんかはそう思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
#204
○政府委員(佐藤信彦君) 今回の道路整備の五カ年計画の投資規模についての御質問ということと思いますが、これは財政構造改革の趣旨を踏まえまして実質的な縮減が図られた公共投資基本計画の着実な実施、達成を図っていく観点からといったものと、それから延長されたほかの長期計画、これとの整合を図って大体第十一次五計とおおむね同等程度の規模というふうになっているところでございます。
#205
○緒方靖夫君 財政構造改革という点から局長の方から答弁がありましたけれども、私はその点からいってもおかしいと思うんです。九六年度、九七年度を初年度とする五カ年計画というのは期間を七年に延長する、そういうことをやりました。建設省関係で五つの五計がこれに該当するわけですけれども、五本全体で前期計画比の四〇・三%の伸びだったものが期間延長で実質の伸びは、それぞれ言うと、都市公園では二・九%、下水道は二・六%になり、残りの三本は実質減額となったと思うんです。十二次道路五計は十一次道路五計と比較で二・六%増です。下水道並みに抑えたということになります。全体として五計の規模はバブル期とその後に軒並み急増してきたわけです。都市公園、下水道など五本の五計の総額というのはバブル期前の五計と比べて二・一倍です。期間延長で実質一・五二倍になった、そう言えるかもしれません。
 ところが、十二次道路五計は伸び率を抑制したと今局長は言われたんだけれども、バブル期前の五計というのは三十八・七兆ありましたから二・○四倍になる。むしろ、二五%程度削減してようやくほかの五カ年計画と同程度の伸びになる、そういうことになると思うんです。やはりこれでいくとますますほかの五カ年計画と道路五計との間の差が大きくなってしまう、そういうふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
#206
○政府委員(佐藤信彦君) 私どもの方で試算しておりますところでは、建設省関係の他の社会資本、この五カ年計画の投資規模につきましては、全計画で当初大体一・四倍程度というものを二年程度延長されるといったことに伴いまして、五年間で大体〇・九から一・〇三程度の倍率になっております。これはそのときのスタートの時期によりまして多少の差はあるわけでございますが、ほぼ平均して一・〇程度の倍率で整今されているといったふうに私ども判断しているわけでございます。
#207
○緒方靖夫君 ほかの五カ年計画で言うと、減るものもあるしふえるものもある。だから、その関係で私は先ほど数を述べたわけですけれども、減らして一・五倍程度のものが、道路についてはバブル期以前と比べて二倍になる。そこにやはり巨大な額があると私は思うんです。
 先ほどから歴史的な観点からいろんな議論があったと思うんです。確かに、日本では明治維新後も海運とか鉄道を国家戦略として重視してきた。したがって、もともと車のための道路というのは整備されてこなかった、そういう歴史的経緯があると思うんです。戦後に至っても道路は極めて劣悪な状態になった、このことは事実だと思うんです。だから、そのために戦後、経済復興、高度成長のために不可欠な基盤整備として道路が特別に位置づけられてきた、そう思います。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、今日、道路もまだ整備が必要だと、そのことは私は否定しません。しかし、もう道路だけが特別におくれている、そういう状況がどうか、このことはやっぱり考える必要があると思うんです。道路だけでほかの六つの五カ年計画の総額を大きく上回るという、戦後から高度成長期にかけての道路が突出した構造、これはそろそろ再検討する、そういう時期に来ているのじゃないかと私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#208
○国務大良(瓦力君) 委員御指摘のように、我が国の道路整備は戦後昭和二十九年から始まりまして、ようやく本格化して十一次の五計を経て進展を見ておるわけでございますが、私は道路の持つ使命といいますか、そういったものに着目をいたしますと、先ほど以来議論にありました電線類の地中化率も外国から見ておくれておるではないか。また今ほども質問がございましたが、高齢化社会を迎えて、バリアフリーとかそういったものを勘案したり交差点における歩道橋のあり方、これらも検討すべきというような新たなニーズも求められておるわけでございまして、今なお質量ともに十分ではないわけであります。
 よって、平成十年度を初年度とする新たな道路五計におきましても、高規格幹線道路の整備はもちろんのことでございますが、情報ハイウエー構築の支援やら、また道路交通システムの高度情報化、いわゆる先ほど質問にもありましたITSの推進、新たに経済構造実現に向けた支援でありますとか密集市街地の解消など、これは安心して住める国土の実現ということを考えますと周辺にどうしても道路が必要でございますから、こういった課題をなお今日持っておるわけでありまして、この予算規模で言うそれぞれの五計の持つ額と道路の持つ額とは均衡すれば同じではないかというのでは少し問題がございまして、それぞれの地域であるとか特性を生かしながら五計を組み立ててまいります。
 よって、また市民の協力を得ながら取り組んでいく問題もございますから、道路五計につきましては確かに委員指摘のような突出した予算の形、姿ではございますが、よりニーズにこたえて国際的にも評価される国土基盤をつくり上げなきゃならぬということに関しますとまだ道半ばにありますので、御理解と御協力を得たい、こう思っておるところであります。
#209
○緒方靖夫君 大臣も道路が突出しているということをお認めになったと思うんです。道路整備費がなぜ急増するのかというその問題なんですけれども、やはり主な内容というのは、高規格幹線道路など自動車専用道路の建設だと私は思うんです。
 具体的に申し上げますけれども、九七年度の千葉県内の国の道路予算、これをちょっと私は見てみたんですが、直轄国道が事業費で言うと四百九十七億円、補助国道が九十九億円、地方道の補助事業が四十一億円、道路公団事業費が五百三十一億円、合計一千百六十八億円あるわけです。そのうち、高速国道や高規格幹線道路などの自動車専用道路が七百四十四億円で六三・七%を占めている。しかも、一般道路四百二十四億円のうち、何と三百九億円、七三%に当たる額が東京外環道路の側道とかアクアラインの連絡道などに使われている。自動車専用道路の建設計画に付随して整備されるというものなんです。
 したがって、自動車専用道路建設と関係のない一般道路整備、これが幾らになるかというと、百十五億円なんです。率にして九・八%。全体としては一割にも満たないわけです。余りに高速道路、自動車専用道路に偏重し過ぎているんじゃないか、私はそういう印象を持つんです。
#210
○国務大臣(瓦力君) 後ほど道路局長からも答弁があろうと思いますが、今我が国の幹線道路というものは、地方と地方のあり方や、また我が国の地形からいたしまして、それぞれの地域がどういうぐあいに交通網を利して均衡ある国土にしなければならぬかという広い視野もございます。また、関東近辺を見ましても、アクアライン、また圏央道とか、周辺整備をすることによりまして都心の交通渋滞を緩和するという問題もございます。
 よって、大きな流れ、それぞれ市民生活で必要な道路、それぞれの特性もあるわけでありますから、我が国の均衡ある発展のためには、計画いたしております高規格道路にいたしますればその道半ば、また地方道につきましても鋭意地方にも頑張っていただき、我が方におきましてもそれなりの手だてをして、我が国民がどこに住んでおっても安心が享受できるという道路体系を組みたいものだ、こう願っておるところでございます。
#211
○緒方靖夫君 こういうことでいいのかなと私は問題提起させていただいたわけですけれども、実はこうした傾向は十二次五計でさらに強まろうとしていると思います。
 十二次五計案の十一次実績に対する伸び率、これは全体で一・一〇です。高速道路は一・二〇、高規格幹線道路は一・三五、地域高規格道路は四・〇〇。これに対して一般改築は一・〇〇。安全対策でも一・〇七。数字で見てもそういう点が非常に顕著になっていると思うんです。
 十二次五計に向けた道路審議会の建議、ここにありますけれども、これは冒頭で「道路は、社会において果たすべき役割と機能の変化が求められており、今までの道路政策では、国民のニーズに対して十分に応えることは難しい。」、そういう指摘があるわけです。道路行政を原点から見直す、そのことが高らかにうたわれているわけですけれども、今回の計画というのはそうした見直しの結果なんですか。
#212
○政府委員(佐藤信彦君) 今回の五カ年計画の中でございますが、七十八兆円の投資額の中で高規格幹線道路の事業費は約十二兆三千億円でございます。その割合は一六%ということになっております。したがいまして、全体としてはやはり一般道路の割合が八四といったことで、その中ではかなり一般道路にも重点を置いているのではないかというふうに考えているところでございます。
#213
○緒方靖夫君 やっぱり数字で見ても、数字は雄弁ですので、そういうふうにはなっていないと私は思うんです。それは数字が示していると思います。
 道路審の建議は、新しい考え方として、第一に、「国民と徹底した対話を行う国民参加型の新しい方法を取り入れた。」としているわけです。具体的には、今後の道路整備の方策等に関する選択肢を示した「キックオフ・レポート」、ここにありますけれども、こういうのを発表して、これに対して寄せられた国民の意見を「ボイス・レポート」としてここに出しているわけです。この「ボイス・レポート」の四十ページにあるわけですけれども、これを見ましても、どういう声が出ているかというと、一番目の人(歩行者)中心が一二二%、五番目の交通弱者に配慮が六・三%、高齢者に対応が六・〇%。人中心の道づくりが断トツで二五%を占めているわけです。「これからの施策、対策」でも、歩道の整備とか段差の解消などが二八%を占めている。「これからの施策、対策」では道路整備を求める声が三一%と当然多いわけですけれども、そのうち高速道路とかバイパス、環状道路、都市間のネットワークなどは半分以下なわけです。
 そうすると、せっかく建設省としていいことを始めて、こういう声を集めているんだけれども、やっぱりその声に十二次五計というのはこたえているのか、私はこたえていないんじゃないか、そういう感じがするんですけれども、いかがでしょうか。
#214
○政府委員(佐藤信彦君) 道路整備については、ただいま歩行者の関係の事業が少ないのではないかというお話がございましたが、これは歩道の整備なり何なりをやっていくことのみが歩行者の事業ではございません。バイパスを整備することによりまして、従来大型車両が身近な市街地、そういったところに入り込むのをむしろ円滑に処理するといったことによりまして、そういった市街地の中の歩道を整備するのも大事でございますが、そういったところのバイパス整備によって市街地を人間中心の道路に戻していくといった、こういった観点からの整備も一つ大事な観点かと思います。一
 そういったことで、総合的にあわせて進めていきたいというふうに思っております。
#215
○緒方靖夫君 今の局長の答弁は詭弁だと私は思うんです。国民が素直に願っているものというのは、別にバイパスをつくって道路と歩道を分けて安全にしてほしいということじゃなくて、やはり家の前に通っている道路、そういうところに歩道をつけてほしいということだと思うんです。
 それで、私は、今度の道路審の建議で、新しい考え方という点で事業評価システムの導入、それが掲げられて、むだ遣い批判にこたえようという、そういう試みがあるということに注目いたしました。建設省が昨年十二月に発表した「道路事業における事業評価システムの充実について」の中で、公共事業の再評価システムの検討を行うということとともに、費用対便益を含めた客観的評価指標、これをつくってやられているということです。この客観的指標には、一、経済構造改革の支援、二、活力ある地域づくり都市づくりの支援、三、よりよい生活環境の確保、四、安心して住める国土の実現、その四つに分けてそれぞれチェック項目を掲げているわけです。十二月に発表された、ここにありますけれども、予算内示があった新規二十四カ所について評価結果を添付しているわけですけれども、そのうち三のよりよい生活環境の確保のチェック項目に該当する事業というのは二十のうち幾つありますか。
#216
○政府委員(佐藤信彦君) 環境があるかと思いますが。
#217
○緒方靖夫君 ちょっと時間がないので申しわけないですが、二つしかないんです。他方、二十四カ所のうち二十一カ所というのは、一の経済構造改革の支援の項目に該当している、そういうふうになっているわけです。そうすると、せっかく客観的指標をつくっても、国民が期待している、そういう部分というのは非常に少なくて、結局実際には自動車専用道路ネットワークをつくるとかそういう分野に偏重しているということになってしまうのではないか、そういうことを率直に思うわけです。
 それと、もう一つ私が提起したいのは、道路の事業評価システムで費用便益比が重視されている、この問題。これは非常に私は興味あるもので、大変結構だと思うんです。便益額の大部分というのは走行時間の短縮便益で、すべての自動車の走行時間合計がどれだけ短縮されるかということを人件費で換算したという非常に興味あるものです。
 建設省のマニュアルによれば、一台一分短縮した場合の便益額は、小型貨物車は四十一・八八円、乗用車は五十四・二五円とされています。建設省が述べているそういうものを皆様方がいろいろ評価している、この本ですね、「道路投資の社会経済評価」の中にあるイギリスのケースと合わせてみたんです。イギリスでは、結局レートを一ポンド二百二十円として一台一分当たりに換算すると乗用章の平均で二十三・四円になるわけです。日本の半分以下になる。どうも建設省の費用便益比の算定は便益額を大きく見過ぎているのではないか、私はそう思うんです。そうすると、どうやっても高速道路をつくれば非常に費用便益比が上がるという形になってしまう。私はそういうやり方でいいのかなというふうに思うんです。
 ついでにもう一つ挙げると、アメリカではどうかということを私は見てみたのです。アメリカは、小型貨物車について見ると一台一分当たりで三十・〇円なんです、一ドル百二十円と計算して日本は四十二円なんです。そうすると、どう考えても便益額をかなり高目に出るようにもともと設定されたものじゃないか、そう思わざるを得ないのですが、いかがでしょうか、
#218
○政府委員(佐藤信彦君) 時間価値の設定についてでございますが、これは学識経験者の指導のもとに毎月勤労統計調査年報、労働省で出しているものでございますが、この平均賃金によります客観的な統計データ、これを用いて算定させていただいております。
 現時点においては妥当なものではないかというふうに思っております。
#219
○緒方靖夫君 答弁になってないんですよ。やっぱりきちっとした客観的なデータで示すところに意味があるわけです。
 最後に大臣にお尋ねしたいんですけれども、やはり事業評価というのは社会的便益とかあるいは社会的費用とか、いろんな形で総合的に勘案してやっていく、そこに非常に大事な点があると思うんです。現在は試行段階ですけれども、やはりこれを本格化させるときに、より客観的になるような、そしてまた国民の声にこたえるような、そういうシステムをぜひつくっていただきたい、そのことを要望したいんですが、何かあれば大臣に最後に。
#220
○国務大臣(瓦力君) 客観的評価指標の充実につきまして、事業中、事業完了後の評価の実施など個別事業についての評価を幅広く行うとともに、渋滞対策や交通安全対策など施策についていろいろと評価に取り組んでまいりたい、かように存じております。
#221
○緒方靖夫君 終わります。
#222
○泉信也君 道路の必要性につきましては、これまでの議論の中でもそれぞれお認めになっておる事柄でございます。
 かつて、軽油引取税の暫定税率七円八十銭という問題がトラック業界にとって死活の問題であるということで、私自身も議論をさせていただいたことがございます。しかし、そのことが輸送コストにどうはね返るか、また道路整備にどのような問題をもたらすかということを考えて輸送業界もこれを受け入れられた経緯があるわけであります。道路は今回の五カ年計画を全うしてもなおかつまだ必要なものであるというふうに私は思っております。
 そこで、きょうはいわゆる全総計画が閣議決定されたかと思いますが、この全総計画と今審議をさせていただいております道路五カ年計画との関係はどのようになるのか、御説明をいただきたいと思います。
#223
○政府委員(佐藤信彦君) 新しい全国総合開発計画についてでございますが、その中で幾つかの柱があるわけでございますが、特に地域の自立を促進し活力ある地域社会を形成するための広域な連携の形成、並びに過密に伴います諸問題を抱える大都市の修復、更新、有効活用といった二つの柱が取り上げられております。
 これにつきまして、今回の五カ年計画などにおきましては、こういった趣旨を踏まえまして広域連携を支えます高規格幹線道路、地域高規格道路、そういったものの重点的な整備とか、それから都市圏の渋滞の解消、緩和、交通の円滑化を推進するといったような施策に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#224
○泉信也君 四全総と言われるものが多極分散型の国土構造構築ということが前提になっておったわけですが、今回は従来の一極一軸型から四つの軸、私はよくわかりませんけれども、こうした多軸型国土構造を目指すということになりますと、今局長がお答えになりましたような政策でこの目的がより実現される方向にある。
 もっと具体的に申し上げますと、今日までの五カ年計画と最も違うところはどこになるのか。今提案されております五カ年計画のポイントと申しますか、従来の国土計画との違いを受けて今次の五カ年計画はどこが一番違うというふうに受けとめたらよろしいんでしょうか。
#225
○政府委員(佐藤信彦君) 今回の新たな五カ年計画でございますが、現在、社会、経済、生活の各分野に直面しております緊急課題に対応しまして、四つの柱を取り上げております。これは、新たな経済構造実現に向けての支援とか、それから活力ある地域づくり、都市づくり、三番目によりよい生活環境の確保、四番目に安心して住める国土の実現、この四つの柱で体系的に取り組んでいくといったことが一つでございます。
 それからもう一つは、今回の五計について新たに加わってきておりますのが道路事業の進め方の改革でございます。先ほど来いろいろお話がございますが、評価システムの導入、それからパートナーシップの確立といったことが道路審議会の建議で取り上げられておりますが、これらにつきましてはまだ試行の段階でございますので、むしろ手探り的なのかもわかりませんが、そういった段階のものをさらに確実なものにしていくといったことが今回の五カ年計画の中で積極的に取り組んでいることかと思います。
 そういったことで、これからも国民の強いニーズにこたえるため、この五カ年計画の中でそういったものを取り上げていきたいというふうに思っております。
#226
○泉信也君 先ほども一部お尋ねがございましたけれども、財政構造改革法の考え方がこの五カ年計画にどのように反映をされておるかということでございます。他の五カ年計画が五カ年を七カ年に単純に延長するという方策をとったわけでありますが、私自身はむしろその時点で五カ年計画を打ち切って新たな五カ年計画を立てるべきだ、単純に二年間延長するというやり方は能がない、こういうふうに思っておるわけですが、今回の道路五カ年計画は財政構造改革法がどのように生かされておるというか、反映をされておるんでしょうか。
#227
○政府委員(佐藤信彦君) 新たな五カ年計画の投資規模について、ちょっと先ほど申し上げましたが、財政構造改革の趣旨を踏まえた形で整備されております。
 それで、道路については、もちろん五カ年計画がちょうどかわる年でございましたので、そういった点では二年延ばすという形ではなくて新しい五カ年計画をそういった規模で、その中で整備していくといった形で行わせていただいております。
#228
○泉信也君 過去の五カ年計画の達成率というか実績率を見ますとかなり高いわけですね。そういたしますと、むしろ道路の五カ年計画については、財政構造改革法という縛りの中であってももっと大型の五カ年計画を組むべきではなかったのか、こういう思いがするわけです。
 当局とされては、本来であれば、財政構造改革法がなかりせばどの程度の規模を想定しておられたのでしょうか。
#229
○政府委員(佐藤信彦君) 前回というか今の十一次五計でございますが、これの達成額が七十二兆円でございます。七十六兆に対してでございますので九十数%といった状況でございます。それに対しまして今回七十八兆円ですので、さらに二兆は加わっているといった状況でございます。今後の経済状況がどうなっていくかというのは一つ問題でございますが、そういった状況も踏まえまして調整費等も含めているわけでございますが、そういったことで七十八兆円を計上しているところでございます。
#230
○泉信也君 大臣、今局長がお答えのようにいろんなことはあると思いますけれども、十次の五カ年計画の達成率は一〇三・九%なんです。十一次が九四・三%。こういうことでありますので、公共事業のあり方の見直し論は当然やらなきゃなりませんが、これだけ多くの国民からの要望がある五カ年計画については、もっとめり張りをつけてやるべきではないか。もちろん内容そのものが、先ほど来のお話のように高齢者に対応するとか都市環境のためとかいろんなことは考えていかなきゃなりませんけれども、全体規模としてもう少し大臣として頑張っていただくべきことではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#231
○国務大臣(瓦力君) 地方からもそれぞれ道路に対する要請、要望が大変強いわけでございまして、我が国の均衡ある発展、経済の活動等を勘案いたしますと、私は道路整備は極めて重要な柱だと、かように存ずるものでございます。
 また、委員から、さすれば五計においてもさらに予算を膨らませてそれらの需要にこたえればどうかということでございますが、やはりこれは計画的に逐一その整備をしていく。その中でまた経済の構造改革に資する分野として、いわゆるインターチェンジ周辺であるとか、それを阻害するところを整備しつつやっていく。常にフォローもしながら整備を進めていくことによりまして、道路の持つ経済効果を追求してまいりたい。こういうぐあいに考えてこの五カ年計画を整備させていただいておるわけでございますが、予算が多くあればすぐできるという金の問題もありましょうが、着実に計画を進めさせていただきたい、かように考えておるところでございます。
#232
○泉信也君 規模のことばかり申し上げては誤解を招くかもしれません。そこで、内容についてでございますが、コストを下げるということはあるいは必要な場所から投資をしていく、経済分析等も先ほど来議論がなされておりますが、そうしたことは当局としてさらに進めていただかなければならないと思います。
 ところで、道路の舗装というか、道路建設会社というのは今日本にどれくらいあるんでしょうか。私がちょっと聞いたところでは七万社ぐらいあるんではないかというんですが、そんなにあるんでしょうか。これは突然のお尋ねで恐縮でございますけれども。
#233
○政府委員(佐藤信彦君) 道路だけを取り上げた数字はちょっと把握しておりませんが。
#234
○泉信也君 定義がないままにお尋ねしては恐縮でございますので、このことは結構でございます。
 ただ、非常に大中小と申しましょうか、御多分に漏れずこの道路関係の業界が多い。そういう中でどうやってコストを縮減していくかということは、今日までも建設業一般についてもそうですが、大きな課題だと思っております。このことはきょうこれ以上お尋ねすることは差し控えさせていただきますが、このコストの削減の中でいろんな手だてがあると思います。
 一つだけお尋ねをしたいのは、環境対策として高速道路に限って騒音防止さくと申しましょうか、防止壁をつくるという手だてをしていただいております。これについてはどういう設置基準でなされておるのか、またその基本的な防音壁の種類と申しましょうか機能と申しましょうか、こんなものはどんなものがあるんでしょうか。
#235
○政府委員(佐藤信彦君) 高速道路を新設していく際に、環境アセスメントを実施しておりますが、騒音の環境基準を満足するように今の遮音壁の設置などの対策を実施しているところでございます。また、既存の高速道路について、騒音が夜間の要請限度を超えまして沿道の土地利用の状況から緊急に対策が必要だというふうな区間が出てきた場合には、そういったものについて重点的に遮音壁の設置等の対策を実施しております。
 遮音壁の種別でございますが、これは反射式のもの、これはコンクリート製のものが多いようでございます。そういったものと別の材質の吸音型のもの、この二種類に大別されまして、技術開発の進展に伴いまして現在も形状とか材料に改良が加えられてきているといった状況です。
#236
○泉信也君 遮音壁のことをお尋ねしましたのは、我々が道路を通っておりますとかなり多様な遮音壁を見かけるわけでありまして、これが機能的に吸音式と反射式という二つの機能だけで整理できるとは思いませんけれども、やや種類が多過ぎるんじゃないか。もっと単一型に整理をすればコストを下げることもできるんではないかという思いが一つしております。
 年間どれくらいこの遮音壁に投資がなされておるんでしょうか。
#237
○政府委員(佐藤信彦君) 高速自動車国道についてでございますが、新設路線それから既存を合わせまして平成九年度では約二百五十億円の遮音壁の投資を行っておるところでございます。
#238
○泉信也君 二百五十億円というのは我々から見ますとかなり大きな金額だと思うんです。このことにつきまして、本当に最低コストでこうした環境対策がなされておるのかどうかということもこれからまた議論をさせていただきたい、このように思います。最後になりますが、先ほど来の投資効果の分析でありますとか、あるいは発注の仕方でありますとか、こうした問題について改めてこの委員会できちんと議論をさせていただきたいと思っておりますので、またそのときはよろしくお願いをいたします。終わります。
#239
○奥村展三君 既に各先生方から関連した質問もなされておりますが、前回の委員会で道路局長にお伺いをいたしました。七十八兆円の経済効果はいかにということでお伺いをいたしたところでありますが、百三十兆円ぐらいの効果はあるだろうと、きょうまたフローを含めていきますと二百兆円だというようなお話であります。確かに、このようにうまく影響を与えてくれれば今沈滞をしている経済もどんどん活性化していくのではないかなと期待を寄せるものであります。
 一方、先ほどのいろんな議論の中で聞いておりますと、やはり私は都会と地方との道路の格差というのは非常にあると思うんです。我々もいろんな要望をずっと聞きますと、建設関係ですとほとんど道路の要望ばかりでございます。やはりそれだけ格差がある。そうした皆さん方の思いがあるわけですから、今回のこの第十二次の五カ年計画も、治山治水なんかですと二年を延長して七年でやろう、しかし道路はそれだけ要求も多い要望も多い、だから何とか五カ年でやっていこう、七十八兆円を組み立ててやっていこうということになって、その熱意のあらわれだというように、そしてまた皆さんの理解もそのようになってきたと思います。
 そこで、やはり地域経済の活性化ということはこれはもう不可欠だと思うんです。そういうことをとらまえてみますと、この道路整備五カ年計画における基本的な取り組みについてまずお伺いをいたしたいと思います。
#240
○政府委員(佐藤信彦君) 道路整備は、先生がおっしゃられるように移動時間の短縮、輸送コスト低減といったようなことから地域経済の活性化等に寄与するものでございます。そういった意味からも積極的な整備が求められているところでございます。
 平成十年度を初年度とします新たな道路整備五カ年計画でございますが、社会、経済、生活の各分野におきまして直面してきます物流の効率化とか、それから市街地の活性化、渋滞対策、防災対策などいろいろな緊急課題を解決していくために、道路の持つ多様な機能を活用して施策を展開するということになっております。
 このために、新たな経済構造実現に向けた支援とか、それから活力ある地域づくり・都市づくり、よりよい生活環境の確保、安心して住める国土の実現を主要な施策の柱としております道路施策を重点的かつ計画的に進めてまいりたいというふうに思っております。
#241
○奥村展三君 経済効果が上がり、そして活力が生まれるようにぜひ実現方をお願いしておきたいと思います。
 次に、先般発表されました総合経済対策の中で用地の先行取得等が盛り込まれておりました。
 建設省の公共用地先行取得に対する基本的な考えをお伺いいたしたいと思うんですが、特に建設省の事業なんかは土地が解決すればもう八割あるいは九割事業が完成したのと一緒というような位置づけをよく言われるんですが、やはり土地の先行取得等を確保しながら事業を推し進めていただきたい、そういう思いから所見をお伺いしたいと思います。
#242
○政府委員(五十嵐健之君) 先生御指摘のように、公共事業の円滑な執行というためには用地の計画的かつ重点的な取得というのが大変大事でございまして、そういった意味からいきますと、公共用地の先行取得というのを非常に力を入れて展開しているところでございます。
 具体的には、用地国債制度は大体五年以内ということでありますけれども、債務負担行為によりまして事業者が先行取得を行う用地国債制度でありますとか、もう少し長期的なタームでまいりますと、俗に特先と言っておりますが、土地開発公社等の先行取得を支援いたします特定公共用地等先行取得資金融資制度、あるいは道路の関係でまいりますと、道路開発資金による先行取得制度等があるわけでございまして、これらの制度を使いましてこの進捗に努めているところでございます。
#243
○奥村展三君 地方におきましても、都道府県土地開発公社だとかいろいろ先行取得して、そして道路に着手をしていただくというようなことをやっているわけです。
 先日も質問をさせていただいた中に、私の地元でも都市計画で決定はしておる、土地はそのままもう田地のままで置いておる、しかし事業化されていない、そこへ先行取得していただけない、だからまだそのままになっておる。やはり経済効果も一方でありながら、住民の期待感あるいは事業を進めていくぞという建設省の基本的な方針をこういう都道府県なり市町村と一緒になって、ひとつ一体化してぜひ進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、先ほども高齢者等の問題への対応についてのお話、質問が出ておったと思いますが、一昨年、ノーマライゼーション七カ年計画ということで、障害者の方々のバリアフリー、高齢者も含めてですが、そういうような計画がなされたわけであります。そういうことと関連いたしまして、この道路整備五カ年計画との整合性、計画においてどのように取り組んでいこうとされておるのか、お伺いをしたいと思います。
#244
○政府委員(佐藤信彦君) 新たな五カ年計画の中で、主要施策の一つといたしましてよりよい生活環境の確保といった柱を取り上げております。これは、歩道などの整備を積極的に進めまして、高齢者、障害者などだれもが安心して社会参加ができ、快適に暮らせる生活環境を確保するということにしております。
 それから、そういった歩道の整備もそうでございますが、また高齢者で運転する方々、これがふえてきているわけでございます。そういった場合に、負担の少ない運転環境を実現するために道路ネットワークの体系的な整備をするといったことで、その中には道の駅等の休憩施設とか駐車場の整備、それからわかりやすい案内標識とか道路情報提供板の整備などが挙げられております。
 そういったことで、今後とも高齢者、障害者の方々の社会参加を支援する道路整備を積極的に進めていきたいというふうに思っております。
#245
○奥村展三君 長野オリンピックの後のパラリンピックも非常に感動的な大会で終わりました。長野の周辺だけのバリアフリーじゃなくて、やはり私は日本全国津々浦々まで、お互いにハンディを持ちながら御努力をいただき、今のとうとさ、そして尊厳を大切にする社会をつくるためにも、特に公共事業の中での取り組みをぜひ今後も推し進めていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 関連するかもわかりませんが、次に交通安全総点検についてお伺いをいたしたいと思います。
 これは、今回のいろんな資料を見せていただきますと、住民の声を聞くことだと、そういうことを主眼に置いておられるわけですが、私の滋賀県というのは交通通過県でありまして非常に死亡事故が多いんです。そういう関係で、何か方策がないかというようなことでいろいろ県会のときも議論をしました。やってみようということが、交差点にナトリウム灯というんですか水銀灯というんですか、それを全部配置していったらどうだろうということです。そして、それを実際にやりますと、データ的には交差点の事故は少なくなった。特に夜間、ただ点滅信号だけのところになってしまいますから、そこに全部照明灯をつけた。その結果、相当交差点の事故が減少したという結果が出てまいりました。
 これは私の体験の一つの例でありますが、どのように取り組んでいこうとされておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#246
○政府委員(佐藤信彦君) 交通安全総点検でございますが、平成八年度に試行的に十三都道府県で実施したところでございます。九年度から全都道府県において推進しているところでございまして、これまでに約三百十市町村で実施されまして二万五千人の地域の方々の参加を得ているところでございます。その結果、道路管理者に対しまして一万八千カ所について改善が必要という御意見をいただいております。
 具体的には、段差とか勾配、傾斜などの改善など歩道に関するものが全体の二四%、四千三百カ所、それから下水の方かもわかりません、側溝のふたの補修とか、そういったものが約一二%の二千百といった箇所数が挙がっております。
 そういったいろいろな結果がありまして、これらの改善が必要とされた箇所のうち約四三%に当たります七千七百カ所について既に改善を実施いたしまして、残る箇所につきましても現在改善計画を策定中でありまして、順次対策を進めていく所存でございます。
 今後とも、地域の人々と連携を図りつつ、安全で快適な道路交通環境の整備を推進してまいりたいというふうに思っております。
#247
○奥村展三君 ぜひ関係省庁と連携をとりながら対策を進めていただきたいと思います。
 最後に、これも総合経済対策の中にPFIという字が躍り出ておりました。与党の経済対策の中に二カ所出てまいりました。これはお聞きしますと、イギリスのサッチャー首相がその当時小さな政府をつくろうということで進められたようであります。プライベート・ファイナンス・イニシアチブの頭文字をとっておられるようであります。
 建設省内もこの検討に入っておられるやに仄聞をいたしておるところでございます。日本型と言われていますが、日本に本当にマッチした効率的で透明性のあるものだったら、私はぜひ今回民間の活力を取り入れながらこれを大いに推し進めるべきだというように思う一人として、建設省の今の進めておられることについてお伺いをいたしたいと思います。
#248
○政府委員(小鷲茂君) 御指摘のPFIについてでございますけれども、昨年来、我が国の財政逼迫の状況を受けまして、各方面でPFIについての論議が大変盛んになってきております。
 御案内のとおり、我が国の場合には割合民間の力を活用するという取り組みを早くからやってきておるわけでございまして、例えば土地区画整理組合がみずからの減歩によりまして基盤整備を行うといったようなケース、いわば受益者負担、開発利益によりましてインフラ整備をやるというようなケース、あるいはまたこれも世界に先駆けまして有料道路制度を大変広範に導入いたしておるわけでございます。しかしながら、今後の我が国の財政状況の制約要因を考えますと、さらに一段と公共施設整備を円滑に進める新たな方策があれば、ぜひともそういったものを採用していきたい、こういう立場から私どもも真剣にこのPFIの導入につきまして検討いたしております。
 具体的に申し上げますると、昨年の十一月に民間投資を誘導する新しい社会資本整備検討委員会という委員会を発足させました。ここには、金融機関あるいはメーカー、商社、自治体、学識経験者、それからマスコミ、建設業団体、こういったこの話題におよそ関係あると思われますほとんどの分野の専門の方々に御参加いただいて、昨年来鋭意検討を進めてまいってきておりまして、まだ今時のところ最終的な結論が出ておりませんけれども、四月中には考え方を整理いたしたいというふうに思っておる次第でございます。
 検討の中身といたしましては、大きく分けまして二つございまして、どういう領域でこういった考え方が実現可能であろうかという検討でございます。それともう一つは、実際に仕事をするとなった場合にどういうやり方、具体的に言うと例えば手続はどういうふうになるんであろうか、そういったようなことを検討いたしているわけでございます。
 手続面に対して言いますると、アイデアを寄せていただきます場合に、なるべく民間の創意工夫を生かしたいというふうに考えておるわけでございますが、いいアイデアを寄せていただいた方がそのまま事業をやることができるかどうかという点が大変大事な点になっておりまして、どうも英国の例を見まするとアイデアを寄せる人と事業をやる人とは必ずしも一致しない。アイデアが出た段階でそれを最も効率よく遂行することができる事業団体をまた別途選定する、そういうことであるようでございますので、その点が実務上英国でも問題点の一つとされておるわけでございます。
 つまり、最も効率よく事業を実施する事業主体と、それからアイデアを寄せた人のメリットといいますか利益といいますか、それをどこで調和させるかというところが大きな問題になっておるようでございます。
 もう一点は、リスクの分担をどうするかという問題でございます。
 従来は公共部門が発注者になるわけでございますので、基本的には発注者がリスクを負うという形でございますが、今後はPFIの場合には民間事業団体も事業者の当事者となるということでございますので、計画の段階から建設終了の管理の段階までいろんなリスクがございますので、それをどういうふうに分担するのかといったようなところが実務的には大変大きな問題ということがわかってきておりまして、それぞれについて基本的な考え方を四月中には整理をさせていただきたい。その後、具体的な事業にそれを当てはめていく、こういう段階になるんではないかというふうに考えておる次第でございます。
#249
○奥村展三君 官から民へのインフラということでぜひ実現がされればいいなという思いを持っている一人であります。ただ、そうした中に、国に何もかもおんぶにだっこしてしまえば公共事業と変わらない、従来の姿と変わらない。しかし、民間の体力がしっかりしておれば思い切ってそれを導入して、国が誘導し、そして民間活力と経済の活性化が願えればというように思っておるわけでございます。
 ぜひ、またお互いに勉強しながら推し進めていきたいということを申し添えて質問を終わります。ありがとうございました。
#250
○山崎力君 最後の質問になります。お疲れのところですが、さきの先生方の質問と重なる部分も出てくるかと思うんですが、まとめの意味でもよろしくお願いいたしたいと思います。
 今回の五カ年計画、十一次に引き続いてということなんですが、その総括という意味も含めまして、十一次の五カ年計画でどの程度の予定達成をしたのか、それがどの程度全体的な中で行ったのか、そして十二次の今回の五カ年計画が達成されれば予定のどの程度の辺まで我が国の道路というものが整備されるのかという、ごく基礎的な数字の面でございますけれども、改めて確認したいと思いますので、お答え願いたいと思います。
#251
○国務大臣(瓦力君) 山崎委員からの御質問は、新たな五カ年計画の策定の基本方針を改めて整理しようということでございますので、私から申し上げて後ほど道路局長からさらに整理をさせたいと思います。
 重複もいたしますが、我が国の道路整備は昭和二十九年に始まる第一次道路整備五カ年計画から本格化いたしたわけでありまして、以来十一次にわたる五カ年計画を経て着実な進展を見てきた、道路整備を行ってきたわけであります。
 高規格幹線道路網の整備は計画の半分に達し、九年度末で七千二百六十五キロでございまして、これからまた新たに、電線類の地中化率も諸外国に比べて低く、市街地の幅の広い道路、これらの整備を進めてまいるためには、現在四分の一程度しか整備されていないわけでありまして、なお我が国の道路は質量ともに不十分であると私どもは認識をいたしておるわけであります。
 よって、社会、経済、生活の各分野におきまして直面する物流の効率化、市街地の活性化、渋滞対策、防災対策等の緊急課題を解決していくために道路の持つ多様な機能を活用してまいりたい、こう考えております。一つには新たな経済構造実現に向けた支援、二つ目には活力ある地域づくり、都市づくり、三つ目によりよい生活環境の確保、四つ目に安心して住める国土の実現と、かような柱を立てて重点的、計画的に取り組んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 事業目的と社会的な効果を十分に確認しながら投資を判断する時代に移行していることに対応いたしまして、道路政策をより効率的に執行するため、重点化、効率化、透明化の確保、適切な役割分担等の視点から道路政策の進め方の改革を図ってまいりたい、こういうことで取り組んでまいりたいと考えております。
#252
○政府委員(佐藤信彦君) 第十一次五計の達成状況でございますが、先ほどもちょっと申しましたが、七十二兆円の達成を行っております。七十六兆円の計画でございますので九四%ぐらいの達成状況ということでございます。
 整備の状況でございますが、いろいろな指標があるかと思いますが、高速道路については十一次五計において大体千四百キロ程度でございます。今回の五カ年計画でも大体千四百キロぐらい整備して、この九年度末に七千二百六十五キロの整備の状態になりますが、十二次五計におきましてさらに千三百六十一キロの整備量を計画しております。
 したがいまして、五計が終わった段階では八千六百二十六キロの供用延長になるといった状況で、それぞれ国道とか駐車場の整備とか、そういったものについては指標等掲げて今後の五カ年計画の整備を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
#253
○山崎力君 ありがとうございます。
 いずれにしろ、まだまだこれは時間も金もかかるということで、ちょっと嫌みを言えば緊急措置がいつまで続くのだということもあるんですが、もう緊急措置どころではない、恒久措置でこれはずっとやってもらわないと困る。その辺は冗談半分ですが、ある意味では真剣にその辺のところを建設省としては御検討願いたいと思います。
 まさに道路というのは、いろいろございますけれども、とにかく地方におる人間にとっては極めて要望の強い事項で、エピソード的に言えば、私の先輩でもう二十年も議員をやっている、これは自民党の先生ですけれども、その人が最初に出たときに、ここにバイパスをつくると公約して出ていまだに完成していない。保守の与党でありながらこういう事例があるわけでございまして、そういう点を考えると非常に要望の強い点だということを改めて御認識願いたいと思います。
 特に、私の地域も含めまして、積雪寒冷地という点を考えれば、これは大臣の地元でもそういったことであろうと思いますけれども、雪のないところの方々には想像もできないような道路の問題がございます。
 といいますのは、昔の道路の規格というのは全国一律だったと思いますので、雪のないところはスムーズだったんでしょうが、雪が降ってしまうと我々のところは極めて困る。二章線のところがもう完全に一車線化してしまう。そういったことで、規格を改めて、そういった道路をつくっていただいているわけですが、今までの道路と今度の新しい道路とではまさに質が違うということが明らかになりまして、そういった新しい規格の道路をつくってくれないとまさにこれは差が出てしまう、雪国の間でも差が出てしまうということで非常に要望が強くなっております。
 そういった点で、積雪寒冷地域における点も含めておりますけれども、その辺について計画に入っておりますけれども、その点についての建設省の今後の取り組み方についての考え方を伺いたいと思います。
#254
○政府委員(佐藤信彦君) 積雪寒冷地域につきましては、この五カ年計画の中に含まれておりますが、積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画といった形で含まれております。その中で、今回の五カ年計画におきましては三つの主要な施策を取り上げております。
 一つは、やはり新しい交流、連携の時代という全総計画もありますし、その中で冬期のモビリティー、冬期動けないという状態では困りますので、モビリティーの確保、基本的なことかと思います。
 それから二番目に、安全な歩道空間、快適で魅力ある生活空間の形成ということで、従来は車道の除雪が中心だったかと思いますが、歩道除雪、これもしっかりやらなくてはならないといったふうに感じております。
 それから最後の三番目でございますが、安全で信頼性を支える冬期道路の交通情報提供の充実、さらにその技術開発ということを挙げさせていただいております。
 この三つの主要な施策を中心に、投資規模としては一兆四千三百億をもって推進するよう策定を進めているところでございます。
#255
○山崎力君 そういった新しい三つの方針でということをおっしゃられております。もちろんやらないよりは新しい施策、非常によろしいんですけれども、現場にいる人間からすれば、さはさりながらその分のお金があればもっと新しい規格の道路の延長をふやしてよという考え方もあるということを御認識願いたいと思います。
 歩道のところで言えば、一部区間歩道を除雪したところで、これはどちらかというと町並みのことでございまして、幾ら国道といえども隣の集落に行く国道に歩道すらないところがあるわけで、そこのところで幾ら歩道の安全な歩行空間と言ったところでこれは絵にかいたもちでございます。ですから、歩道があるような新しい規格の国道なり道路を早くつくってほしいというのが偽らざる気持ちでございますので、その点を御認識いただきたいと思うわけでございます。
 それに関連しまして、先ほどもちょっと泉先生の方からありましたけれども、新全総についていろいろ取りまとめが行われました。そういった中で今の積雪寒冷地の問題を見てみますと、いろいろ新しい国土軸ということがあるんですが、これはマスコミで大きく目玉として取り上げられたこともあるのかもしれませんが、新たな大型事業構想ということで六つの海峡横断道とかリニアモーターとか、そういったことが出ているわけです。
 ところが、これはすべて西日本国土軸あるいは太平洋新国土軸の領域なんです。北東国土軸、日本海国土軸、いわゆる積雪寒冷地域が含まれているところには一つもないんです。それで、間もなく開通する明石大橋を踏まえて、四国の方には申しわけないんですが、もしこの新全総のこういう海峡横断道というものができれば、四国は淡路島経由の北も含めますと九州、本州への五本の道路体系が出現するんですが、積雪寒冷地の東北、北海道は道路の構想すらないということに相なるわけです。これでは道路が、これだけ希望のあるところで国土の均衡ある発展ということに対していかがかなという気がするんですが、新全総においての東北あるいは北海道の交通体系のつながりについてはどのようになっておりますでしょうか。
#256
○政府委員(河出英治君) 新しい全国総合開発計画でございますけれども、本日閣議決定をいただいたわけでございますが、太平洋ベルト地帯に偏った現在の一極一軸型の国土構造を長期的に多軸型の国土構造へと転換していくということによって、国土の均衡ある発展をねらいとしたものでございます。
 その中で、御指摘の北海道・東北地域の問題でございますけれども、その地域の特性を十分生かし、多様な地域連携、広域的な交流などを進めまして多軸型の国土構造の基礎を築くために、その基盤となるような高規格幹線道路や、あるいは地域高規格道路等の交通体系の整備を進めることとしているわけ一でございます。
 このような観点から、例えば十和田・八幡平を中心とした地域連携ですとか、あるいは東北縦貫道の八戸線の整備とか、こういったものを位置づけまして整備を進めてまいりたいと考えております。
 また、御指摘の北海道と東北地域とを結ぶ青函地域につきましては、インターブロック交流圏ということで今後の発展が期待される地域でございます。そういったことから、青函トンネルの一層の活用方策、それから新たな交通体系についての長期的視点に立った検討を行う、こういったことによってより一層の交流、連携が推進するように考えているところでございます。
 こういった取り組みを通じまして、北海道・東北地域の交通体系の整備を進め、多様な地域特性を十分に展開した国土の均衡ある発展を実現していきたいと考えている次第でございます。
#257
○山崎力君 ありがとうございます。
 ただ、これは東北の人間はわかるんですが、白河以北一山百文という時代からずっと生活しておりますと、なかなかそういうふうに今おっしゃられても、今でさえ差がついているいわゆる社会資本のところで、これからの新全総でまた差がつくんじゃないかなという、言葉は悪いんですけれども一種の恨みといいますか、嫉妬心といいますか、そういうところもないわけではございませんので、その辺を踏まえての実行をお願いしたいと思います。
 そこで、北海道開発庁の方、おいでになっておりますね。
 今そういったことでの東北、北海道の連携のことを国土庁の方から話がございましたけれども、そういった点で北海道開発庁としてもそれにのっとった形での開発あるいは事業計画というものはあると思いますが、その辺の御感想はいかがでございますか。
#258
○政府委員(青木東雄君) お答え申し上げます。
 新しい全国総合開発計画におきます北海道・東北地方の交通体系の整備方針につきましては、ただいま国土庁から御説明ありましたが、特に積雪寒冷な地域で広域分散社会であります北海道におきましては、多様な地域連携や広域的な交流などを進めるために高規格幹線道路等の交通体系の整備が重要であると考えております。また、現在策定を進めております第六期の北海道総合開発計画におきましても、北海道に隣接する東北地方との交流を重視しております。
 このために、関係機関との連携を図りながら、青函トンネルの有効活用、広域観光ルートの開発など幅広い観点から検討を行いつつ、青函地域の交流を一層推進してまいりたいと考えております。
#259
○山崎力君 ありがとうございます。
 最後に、建設大臣にお伺いしたいんですが、まさに建設大臣はこの新全総の少なくとも道路部門の実施方のある意味では最高責任者ということになろうと思います。それで、甘えるようで恐縮ですが、まさに積雪寒冷地の出身で、積雪寒冷地がどのような道路に依存しているかということは身をもって御体験ある方だろうと思います。そういった中で、そういったところの道路に対してどのような思いを住民が持っているかということは御理解願えるという前提の上で、そういった積雪寒冷地のこれからの実施方についての御決意をお伺いして私の質問を終わります。
#260
○国務大臣(瓦力君) 山崎委員から格別私に対する御質問でございます。
 積雪寒冷地におきまして冬期間の経済活動が極端に低下するわけでございまして、我が国の均衡ある発展、経済活動を考えましても、積雪寒冷地に対する道路整備というのは、従来の手法ではなくて、除雪の場合に二車線が一車線にという御質問がございましたが、新しい道路はその規格を超えて体系を新たにいたしておりますので、そういった道路整備等を含めまして、我が国のどこにおりましても経済が営める、生活環境が自然の中にそれぞれの特性を生かしながらも交通の利便は図っていけるというようなことを目指して、新しい全総のもと、地域対策にも配慮をしてまいりたいと、かように考えておるところであります。
 よく議員の立地条件は理解しておるつもりであります。
#261
○委員長(関根則之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について小川君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小川勝也君。
#262
○小川勝也君 私は、ただいま議題となっております道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、民友連を代表して修正の動議を提出いたします。
 その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その提案趣旨と概要について御説明申し上げます。
 これまで政府提出の本法案について、本委員会において審議を行ってきたところでありますが、本当にこの審議をもって五年間で七十八兆円もの税金を投入する計画を策定する権限を政府に付与してよいものでしょうか。道路は国民にとって最も身近な社会資本であり、また産業資本としても最も重要な資本財の一つであります。しかし、今般の審議を通じても、この重要な道路が今後どのような方向で整備されていくのかは全く不透明であります。
 確かに、参考資料という形で新たな道路整備計画が我々の手元にありますが、投資規模が余りにも巨大であることから、その内容が意味するところは非常にあいまいであります。また、これは閣議了解段階のものであり、法律で規定する閣議決定を行う前に変更することも可能であります。
 すなわち、この政府案が成立すること一によって、国民にとって最も身近で、かつ重要な道路の整備に関して、国会は政府に全権委任することになるのです。その結果、役所というブラックボックスの中で整備方針が決定されるとともに、七十八兆円にも及ぶ莫大な税金が役所によって配分されていくのです。
 行政の透明性の確立、情報公開が求められている現在において、国民のほとんどが知らないばかりか、我々国会議員さえもその詳細がわからない状況で、このような重大な決定がなされてよいはずはありません。この重要な計画を国会において議論し、計画の抽象的な言葉の意味するところを明らかにしていく、さらには国民の代表者である我々が最終的に責任を持って道路整備の方針を決定していくことが必要であると考えます。
 一方で、財政が危機的な状況を迎えている昨今、税金の効率的な活用は最重要課題の一つとなっています。特に公共事業においては、一度決定したらとまらない、重複したむだな投資が行われているなどの批判が寄せられています。このような批判にこたえ、税金の一層の効率的な活用を図るためには、事業の事後的なチェックが不可欠であります。政府でも同様の取り組みは始めていますが、これも政府部内のチェックでは不透明であり、恣意的になる可能性は否定できません。この点においてもやはり主体は国民の代表者である我々国会でなければなりません。
 以上のような政府案の問題点を是正するため、民友連では修正案を提出することといたしました。以下にその概要を説明申し上げます。
 第一に、政府が策定する道路整備五カ年計画を国会承認事項といたします。
 この計画を国会の場で議論することにより、自後の道路整備の方向性を国民の前に明らかにするとともに、国権の最高機関たる国会の責任において税金の使い道について判断を行うことといたします。また、政府が国会に計画を提出する際には、国民各位から寄せられた意見もあわせて提出することとした上で、国会の議論により国民各位の意見を計画に反映させるものであります。
 第二に、計画の策定過程を国民の前に明らかにすることであります。
 建設大臣が計画の原案を策定した際には、これを公告縦覧に付し、あわせて意見を有する者が意見書を提出できる機会を確保いたしました。また、道路審議会において計画を審議する際にはこれをすべて公開することとして、さらには道路審議会に公聴会の開催を義務づけております。政府は新たな五カ年計画の策定に当たり、国民から意見を募っております。私たちの修正案はこれに法律的な担保をするものであり、これは平成九年六月の道路審議会の建議にも盛り込まれている事項であります。
 最後に、計画に対する事後評価のシステム化であります。
 従来の計画あるいは予算は、これをつくる段階に余りにもエネルギーを注ぎ、その計画あるいは予算を実行した結果については軽視してきた面がありました。本修正案では、計画が終了した年度の翌年度以内に、政府はこの計画に関する報告書を作成し、これを国会へ提出することを義務づけております。これにより事業の成果あるいは進捗状況などが明らかになるとともに、税金の一層の効率的活用を図るよう自後の計画に反映させていくことが可能となります。
 本法律案によって政府が整備計画をつくる道路は、公共事業関係長期計画の中でも飛び抜けた事業額を規定するものであります。このような莫大な税金を投入する計画の中身について、国会がほとんど関与しないことの方が異常であります。また、身近な社会資本である道路に対し、国民が望むものも徐々に変化してきております。このような国民の声を反映させるためにも、国会が道路整備の中身について議論を行い、ざらに事後的な評価を行うのは当然であります。我々の修正案はてれら当然のことを行うことを規定したものであり、さらには情報公開を通じて道路整備の方針を国民の議論の中で決定していくことを提案の趣旨としております。
 何とぞ議員各位におかれましては、税金の使い道について国民から負託されている責任あるいは情報公開の場としての国会の役割を再度御認識いただきまして、本修正案に御理解を賜りたいと存じます。
#263
○委員長(関根則之君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#264
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本改正に基づく新しい道路整備計画の案は、道路特定財源と財政投融資に依存した巨大な道路投資計画であり、ほかの社会資本整備計画との関係においても、また高速道路、自動車専用道路の建設をこれまで以上に優先している内容においても著しく均衡を欠くものです。このような計画の策定を政府に白紙委任する本改正案には賛成できません。
 今日の道路建設は、一万四千キロの高規格幹線道路網の建設を最優先していますが、これは各路線の交通需要予測も行わないまま、全国一日交通圏の構築として一律に策定されたものです。その結果、採算の成り立たない自動車専用道路が全国各地に建設され、有料道路の本来の趣旨に反して巨大な税金が投入されています。高規格幹線道路網建設の優先は、一般の生活関連道路の整備や維持修繕をおくらせ、さらに自然環境、生活環境の破壊を招いています。地域の実態を無視し、高規格幹線道路網の建設計画を上からかぶせるようなやり方は改めるべきです。財政危機が深刻化し環境問題もますます重要になっている現在、従来型の自動車専用道路網の建設を中心とした道路整備を続けることはもう許されません。限りない自動車交通の増大に依存する道路特定財源制度をさらに温存することにも反対です。
 これからの道路整備は、渋滞対策、環境対策、安全対策などの地域の住民が本当に切実に感じている問題の解決を第一にすべきです。そのために必要なことは、地域の実態に基づき、生活道路の拡幅や歩道の整備など地域の道路の整備改善を進めることです。高規格幹線道路網等の建設がすべてを解決するかのような詭弁はやめ、地域の道路事情の具体的な改善計画を住民とともに民主的に練り上げていく姿勢への転換を強く求めます。
 民友連の修正案は、情報の公開、自治体や住民の意見表明、国会審議、事後評価の実施など、五カ年計画策定の手続を改善することは評価するものですが、道路事業の現在の問題を招いている根元的な仕組みである道路特定財源制度の延長は政府原案のままであり、反対せざるを得ません。
 以上で討論を終わります。
#265
○委員長(関根則之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、小川君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#266
○委員長(関根則之君) 少数と認めます。よって、小川君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#267
○委員長(関根則之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#268
○委員長(関根則之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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