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#1
第142回国会 交通・情報通信委員会 第6号
平成十年三月二十七日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         川橋 幸子君
    理 事
                景山俊太郎君
                亀谷 博昭君
                陣内 孝雄君
                寺崎 昭久君
                但馬 久美君
    委 員
                加藤 紀文君
                高木 正明君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                守住 有信君
                山本 一太君
                中尾 則幸君
                松前 達郎君
                及川 一夫君
                渕上 貞雄君
                上田耕一郎君
                筆坂 秀世君
                戸田 邦司君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  藤井 孝男君
   政府委員
       運輸省鉄道局長  小幡 政人君
       運輸省航空局長  楠木 行雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   説明員
       防衛庁防衛局計
       画課長      金澤 博範君
       防衛庁経理局施
       設課長      櫻井 修一君
       建設省道路局有
       料道路課長    久保田荘一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中部国際空港の設置及び管理に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 中部国際空港の設置及び管理に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#3
○陣内孝雄君 自由民主党の陣内孝雄でございます。
 藤井大臣は、先々週末にはトンボ返りで訪米され、長年の重要な懸案であった日米航空協定を締結されました。大変に御苦労さまでございました。運輸行政進展のための藤井大臣のたゆまざる御尽力に心から敬意を表したいと思います。
 さて、私は中部国際空港の設置及び管理に関する法律案に賛成する立場から少し質問させていただきます。
 航空輸送が現代社会で他の交通機関を圧し主役の座を不動のものにしつつあるということは、だれの目から見てもそう思われると思います。政治・経済分野で進むボーダーレス化の進展で、国際的な人、物、金の動きがさらに加速し、航空の持つ大量高速輸送という特性に今後一層期待がかかっていくことは間違いありません。航空需要は旅客、貨物とも右肩上がりに成長しておりまして、二十一世紀初頭には大航空交流時代が到来するものと思います。
 そのような予測のもとで、アジア諸国は交流の基盤たる国際ハブ空港の整備に力を注いでおります。我が国も、アジア経済の中心として、空港が交流のボトルネックにならないように国際ハブ空港の整備に国を挙げて取り組む必要があると思います。折しも、今回のアジア経済危機は、改めて我が国がアジア経済において果たすべき中心的役割の必要さを痛感させました。我が国として、地球社会時代に向けた新しい戦略的取り組みが必要でございますが、航空政策を確固たるものとしてそういう観点から進めていただきたいと思うわけでございます。
 その場合に留意すべき点として、私は、我が国が国土の均衡ある発展を実現するために、東京、大阪、名古屋といった事業集積ごとに空港が役割をうまく分担して、かつまた連携して全体として機能を果たしていくことが重要であると考えます。
 そこで大臣にお伺いしたいんですが、我が国の国際ハブ空港整備の基本的な考え方、さらに成田空港、関西空港、中部空港にどのような役割を分担させようとお考えがお尋ねしたいと思います。
#4
○国務大臣(藤井孝男君) お答えをいたします。
 ただいま陣内委員から、二十一世紀はまさに大交流時代、その主役というのは航空であるという御趣旨の御指摘がございました。私も同じ観点に立ちまして、これからの大交流時代にどう対応していくかというのは運輸行政にいたしましても大変大切でありますし、また我が国が今後国際社会の中で確固たる地位を占め、そして発展を続けていくためにも、やはり今お話にございました交流の基盤施設である国際ハブ空港を時期を失することなく整備することが大切だと認識をいたしております。
 運輸省といたしましては、第七次空港整備七カ年計画に従いまして、成田空港、関西空港、そして中部国際空港等、大都市圏における拠点空港の整備を最優先課題として推進してまいる方針でございます。今、国土の均衡ある発展という御発言がございました。私どもの考えも、まさにその均衡ある発展を基軸といたしましてこうしたハブ空港の整備を進めていかなきゃならない。
 東南アジアを初め、お隣の韓国あるいは中国におきましても次々と大規模なハブ空港の建設が進められております。ただ、日本の置かれている地形的な面を考えますと、一カ所に集中したハブ空港をつくることが効率的か効果的かというのは、私自身もそこにはいささか疑問な点があるのではないか。むしろ、おっしゃられましたように、いわゆる首都圏あるいは近畿圏そして中部圏、航空需要はもとより、いろいろな産業がそれぞれの地域で集積されておるわけですから、そういった観点から成田、関空、そして中部におきましては、そうした航空需要に対応するため、この三空港を整備することによって、そのことがお互いに三空港が相まって我が国の国際航空の需要をカバーできるんではないか、そういう意味からもぜひこのハブ空港を積極的に推進していかなければならない、こう考えておるところでございます。
#5
○陣内孝雄君 最近、財政事情が厳しいということで、これからの公共事業の進め方としてPFIという手法を積極的に導入していかなければならないと思うわけでございますが、ただ、公共的な事業に民間活力の活用を図る場合の共通の問題でもございますけれども、民活といっても国の資金を投入するわけですから投資効果を上げるということは当然ですが、同時に、国土管理上あるいは国土経営上から適切な資源配分がなされなければならない、こういうことを考えるわけでございます。したがいまして、それぞれのプロジェクトの位置づけ、必要性、こういうものをはっきりさせた上で進めなければいけない、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、中部国際空港の整備の必要性、緊急性についてお尋ねいたしたいと思います。また、あわせて地元の準備状況はどういうふうになっておるのか、この点についても御説明願います。
#6
○政府委員(楠木行雄君) お答えをいたします。
 中部国際空港につきましては、現在の名古屋空港の滑走路の処理能力が二十一世紀初頭に限界に達することが予測されることから、中部圏の航空需要の増大に対応するため必要となるものでございます。昨年閣議決定されました空港整備七カ年計画におきまして、最優先課題として整備を推進する大都市圏における拠点空港の一つとして位置づけられております。
 また、この空港は、名古屋空港が能力の限界に達する時期や空港建設に要する期間を勘案いたしますれば、緊急にその整備に取りかからなければならない事業でありまして、このため、平成十年度政府予算案において新規事業化のための予算が計上されているところでございます。
 なお、最後のお尋ねの地元の点でございますが、地元は今、地域の官民が一体になりまして準備を進めておりまして、事業主体となることが予定をされる株式会社の設立準備作業を行っております。三月三十一日に発起人会を開催し、四月中には会社を設立したいということで関係者間で調整を進めていると聞いております。
 このため、地元の三県一市、愛知、三重、岐阜県と名古屋市でございますが、既に出資についての議決を議会でしていただいていると聞いております。このような地方自治体の対応と合わせ、民間の出資も順調に集まっていると聞いております。
#7
○陣内孝雄君 民間活力を活用する場合、期待されるメリットやそれを実現するための工夫についても明確にしておくべきだと思います。その際に、中部国際空港の事業主体に対する国の一定の監督は当然必要になってくるわけでございますが、同時に利用者のメリットが確保されるようにするため、透明性を一層高めていくことも大事だと思います。会社の自主的な意思を重んじる、そのことも必要だろうと思います。
 そこでお尋ねいたしますが、空港の建設や運営に当たりまして、どのような点で民間活力の活用のメリットが期待できるのか、御説明願いたいと思います。
#8
○政府委員(楠木行雄君) この中部国際空港の建設や運営に当たりましては、民間の経営ノウハウを活用することによりまして、効率性の向上によるコストの縮減効果や空港利用者に対するよりきめ細かく機動性のあるサービスの提供などが期待されるわけでございます。
 特に民間のイニシアチブの発揮が期待される分野といたしましては、旅客、貨物のターミナルあるいは店舗等を中心としたいわゆる機能利便施設の運営や海外等へのポートセールス、空港収入の増加策などが考えられます。
#9
○陣内孝雄君 事業スキームではどういう点が工夫されているんですか。
#10
○政府委員(楠木行雄君) このプロジェクトにおきましては、先生お触れになりましたPFIの精神を生かしつつ、これを推進することとしているところでございます。
 具体的には、空港の事業主体につきまして、これは関西空港のような特殊法人、特殊会社ではございませんで、商法上の株式会社として地元の主導により設立されるものといたしまして、この会社が空港の設置、管理を行うことといたしております。
 また第二点として、民間のイニシアチブがより発揮できるように、この会社への出資比率を五〇%としていること等の措置を講じているところでございます。
#11
○陣内孝雄君 関西空港に比べればかなりその点についての努力の跡といいますか進歩の跡が見えると思います。
 この中部国際空港が、先ほど大臣お話しのように、我が国の航空ネットワークの形成上非常に重要だということはわかりますけれども、同時に、この事業を円滑に計画どおりに進めていくためには、これが地元にどういうメリットがあるのか、そういうことも十分理解させなければならないと思います。その点について御説明を願いたいと思います。
#12
○政府委員(楠木行雄君) もともと第七次空港整備五カ年計画におきまして、地元におきましてやはり経済に対する刺激あるいは雇用の確保といった点が述べられておる点でございまして、こういった点を我々は考えまして、従来から地元では中部方式と言われておりますけれども、国、地域の地方団体、そして民間が一体となってこういった点を勘案しながら連携して進めてまいったわけでございます。
#13
○陣内孝雄君 同時に、地元ではいろいろな影響が出てくる。特に環境アセスメントとかあるいは漁業問題、これは関空の場合非常に大きい問題でございましたけれども、そういう問題も伴うわけでございます。こういうことについて、これは地元も真剣に一緒になって考えているというか、むしろ地元の方が先にこういう問題について積極的に取り組んできたやに伺っております。大変結構な取り組みだと思うわけでございます。
 環境アセスメントのことについてちょっとお伺いしたいと思いますけれども、中部国際空港はこれからつくるということで、二十一世紀へ向けての大きなプロジェクトでございますけれども、それだけにこのアセスメントについては十分な配慮が必要だと思います。今アセス法の適用ということは法的には義務づけられていないと思います。閣議決定に基づいたアセスになろうかと思いますが、しかし、重要なプロジェクトであるだけにその辺については特段の配慮が必要だと思いますが、どういうぐあいにお取り組みでしょうか。
#14
○政府委員(楠木行雄君) 前段で先生お触れになりましたように、環境アセスメントにつきましては、地元の一体的な取り組みの中で大変留意して進めてまいったわけでございます。具体的には、昨年三月三十一日に、地元の中部国際空港推進調整会議というのがございますが、そこの場で何点かのセットの中で地元において中間まとめがなされた、その中におきまして一定の環境についての評価がなされておるというものでございます。
 後段で先生御質問ございました環境アセスメントについて、これはタイミング的には現行制度が適用されるというけれども新しいアセス法の対応についてどうするかという御趣旨かと思います。
 中部国際空港につきましては、平成十年度に事業を着手する予定でございますため、アセス手続の実施もアセス法の施行、これは平成十一年六月でございますが、それより前となりますことから、基本的には現行制度で実施することとなるものと考えております。
 しかし、御指摘のように、この場合でありましても、アセス法の趣旨を生かした対応を工夫したいと考えておりまして、具体的にはアセス法に基づき今後策定される技術的な指針を踏まえ、現行制度との相違点などを吟味した上で、できる限りその趣旨を生かして対応するよう事業主体を指導してまいりたいと考えております。
#15
○陣内孝雄君 公共事業は工事の途中で、いろいろな要因がございますけれども、結果的には総事業費が膨らんでしまうということがややもすると起こりがちでございます。そのことは公共事業に対する不信をもたらし、この場合はPFIですので採算性の問題等にもかかわる大変重要な問題になるわけでございますので、そういうことがないような配慮、工夫が必要だと思います。
 自然条件の問題もあるでしょうし、物価上昇の問題などいろいろあろうかと思いますけれども、そういうものが仮にあったとしても、全体として総事業費がかさばらないような工夫をすべきだ。それは工法とかいろんな形で絶えず工夫しながら効率的な施工あるいはまたその後の管理に取り組むようなことを運輸省としては努力してもらいたいと思うんですが、その辺についてのお考えを伺っておきたいと思います。
#16
○政府委員(楠木行雄君) この中部国際空港につきましては、事前の調査を十分行う方針で進められてきております。中部国際空港の調査会が現地にございまして、この調査会におきましてもボーリング調査を行うとかそういったようなことで着々と地元と一体になって調査を進めてまいりました。
 こういった調査の結果から、新空港の建設予定地、これは大体水深が平均六メーターぐらいだと思いますが、非常に浅うございます。また地盤は、常滑層という地盤がございますが、これは強固であるということが確認されております。こういったことから自然条件による事業費の増嵩は基本的にはないものと考えております。
 また、先生御指摘のような工法上のチェックとかあるいは効率的な施工、こういった点は私どもも十分配意しながら行ってまいりたいと考えております。運輸省といたしましては、こういった点を踏まえまして、空港会社に対して建設コストの縮減について必要な助言を行う等、事業費が増嵩しないよう一層の努力を行ってまいりたいと考えております。
 また、昨年の年末におきましても、こういった点を踏まえまして、予算折衝の最終段階の大臣折衝におきまして、こういう事業費が原則として上限であるということが最終的な大臣折衝のいわばぎりぎりとした折衝で決められたということで、何としてもこういった点は守っていきたいと考えておる次第でございます。
#17
○陣内孝雄君 先ほどお話しございました二十一世紀初頭には名古屋空港が需要を賄い切れないようになるということで、この中部国際空港の建設が急がれるわけでございますが、たまたま二〇〇五年には愛知万博もあるわけでございますので、ぜひそのときまでにきちっと開始できて、日本にはこういう立派な空港があるんだと、中部地方というのはアジアの将来の中心になり得るんだということをこの機会にアピールできるようにしないと大変もったいない話になると思います。先ほどの施工面で工費を上げないようにいろいろ工夫せよというのと若干矛盾するようなお願いになるかもしれませんが、そこを両立させることをひとつこれから最高の技術官庁であります運輸省に私は期待しておきたいと思います。
 そういうわけでございますが、現時点で、これから着工するまでいろいろな手続あるいは課題も多かろうと思います。早急に必要な手続を済ませてきちっと着工できるようにすること、これがまず一番大事でございますが、と同時に、その後は万全の施工を整えて進めていただきたいということでございます。
 着工時期及び開港の時期について今どのように見ておられるのか、ここで改めてお尋ねしておきたいと思います。
#18
○政府委員(楠木行雄君) まず、先生が御指摘になりました着工までの課題というのはどういうことがあって、それをどうこなしていくかというのが前提になるわけでございますが、現時点での建設着工までの課題といたしましては、何といいましてもこの事業主体となる空港株式会社の早期の設立と事業推進体制の早期構築が挙げられるわけでございます。最初にちょっと申し上げましたように、三月三十一日に設立発起人会が現地で開かれまして、四月中には会社の創立総会、すなわち会社設立ということで現在調整中でございます。会社の早期設立を期し、それぞれ事業の体制、これは初めて会社がそこで立ち上がるわけでございますので、何とかスムーズに構築されるように我が方としても全力を挙げてやってまいりたいと思います。
 それから、その後は、環境アセスメントの迅速な実施、それから漁業補償問題の早期解決、公有水面埋立法等の手続促進などが考えられるわけでございます。
 こういった課題をこなしていくという過程におきまして、着工の時期につきましては、漁業補償等の課題が順調に解決されますれば平成十一年度には着工できるのではないかと考えております。
 また、先生御指摘がございましたように、愛知万博との関係で地元から要望の強い二〇〇五年までの空港の開港ということ、私どもこれはできる限り行いたいと考えておるわけでございますが、それを行いますためには、環境アセスメント、漁業補償等を迅速に処理するなどの努力の積み重ねが必要となりますために、地元関係者に一層の御努力をしていただきつつ、運輸省といたしましても最大限の努力を行ってまいりたい。そうすることによって、アジアで行われておりますようなこういったさまざまな国際ハブ空港、こういったものに伍してやっていける体制ができるのではないかと考えておる次第でございます。
#19
○陣内孝雄君 中部圏というのは我が国の国土の中心でございますし、いろいろな意味で、ヒンターラントも広いし、また将来は東京、首都圏へのリニアモーターでの接続なんかも見込まれているということで、私は将来の発展の可能性が非常に高い地域、発展させなければならない地域だと思うわけでございます。
 そこで、そういう地域での空港整備でございますので、国家戦略として、単に需要を追随するような開発ではなくて、もっと需要をむしろ開発していくという観点からの航空政策を私は打ち立てるべきじゃないかと思うわけでございます。そういう点も踏まえて、私は中部国際空港の整備の将来に非常な期律をかけております。
 そこで、最後に大臣に中部国際空港整備に関する御決意を伺って質問を終わりたいと思います。
#20
○国務大臣(藤井孝男君) 冒頭の陣内委員からの質問でもお答え申し上げましたが、来るべき二十一世紀の大交流時代を迎えるに当たりまして、その増大する需要、交流にこたえていくためにも、この中部国際空港の役割というものは非常に重要であるというお答えを申し上げました。また、今委員おっしゃられましたように、中部地域は大変人口あるいは産業の集積が著しい地域でありますから、そういう中での今後の発展の礎としてこの空港を位置づけて、重要なプロジェクトとして進めていきたいと考えております。
 今後とも航空輸送需要の増大に適切に対応するために、また、これも先ほどお答えいたしましたけれども、国際社会の一員である我が国は、その責任も果たさなきゃなりません。そういう中で、中部地域の経済社会の発展を支える基盤とするためにも、二十一世紀にふさわしい新空港をぜひともつくっていきたい。そして、御指摘がございましたように、ただ単に空港をつくるというのではなくて、この空港をつくることによって新たな需要を掘り起こす、切り開く、この点も大変大切なことでありますから、そういった魅力のある空港つくりをしなきゃならないと思っております。
 いずれにいたしましても、国、地方自治体、そして民間が三位一体となりまして、期待にこたえられるような空港の整備をしていかなければならないと思います。
 実は、二〇〇五年の愛知万博、国際博覧会が開かれるわけですが、昨晩駐日各国大使をお招きいたしましてのレセプションがございました。私も運輸大臣としてお招きにあずかりましたので、出席をいたしました。各国大使からの大きな期待もございますし、この万博には二千五百万人以上の多分入場者があるだろうと予想されていますから、それにふさわしいと申しましょうか、外国から大勢のお客さんも見えるわけですから、その玄関口として、また運輸行政といたしましても交通網の整備もしていかなきゃならない、そんなことをきのうのレセプションで私もごあいさつさせていただき、また各国大使ともお話をさせていただきました。
 そういう中で、この中部国際空港というのはいろんな意味で私は世界からも注目されている空港だと思っております。それがひいては中部地域の発展、さらには日本国の発展にもつながるものと私どもも期待をいたしておりますし、そのために最大限の努力を傾注する決意でございます。
#21
○亀谷博昭君 亀谷博昭でございます。陣内委員に続きまして質問させていただきます。
 先ほどもお話がありましたが、大臣には先々週末、日米航空交渉の調印をしてこられたということで、大変御苦労さまでございました。四十六年ぶり、我が国にとっては大きな前進があった協定がここに正式発効することになったわけでございまして、これから我が日本企業がアメリカ企業に伍してどのように国際競争に立ち向かっていくのかという課題が新たに生じてきたというふうにも思います。
 そこで、先日スレーター・アメリカ運輸長官と署名式に臨まれたわけでありますが、日米間の航空問題等について、今回合意して調印、署名をした時点でありますけれども、今後に向けて何かアメリカの運輸長官とお話し合いをなさったようなことがあれば、共同声明は出されているようでありますが、何か大臣から御報告いただくことがあればお願いをしたいと思います。
#22
○国務大臣(藤井孝男君) 去る三月十四日、ワシントン・ダレス空港におきまして日米交渉の最終合意文書に署名を行ったわけでありますが、その際にスレーター米国運輸長官と会談する機会を得ました。大変限られた時間でございまして、もっともっとお互いに時間があればなという感じで会談を終えたわけであります。
 その会談におきましては、まず私の方から、四十六年前に協定が結ばれたわけですが、日米間で唯一と言ってもいい不平等協定と申しましょうか、それが、お互いの機会均等を得ることにより同じレベルでこれからの日米航空あるいはこれからの航空業界の発展のために大変有意義な協定が今回結ばれたわけで、まさに歴史的な合意であったわけであります。
 そこで、せっかくの機会でありましたから、単に歴史的な合意にとどまらず、今後とも、日米間の航空に限らずもっと広い意味で運輸行政全般にわたってもっともっと密接に話し合いを続けていきたいということで、お話がありましたように共同声明を出すことができたわけであります。
 さらに、この協定が結ばれることによりまして航空サービスの向上あるいは運賃にも好影響を与えるというお互いの認識のもとで、利用者と申しましょうか消費者に対しましても非常に私は利益が高まると確信をいたしておりますし、このことも話しましたが、スレーター長官もそのとおりであるという認識でございました。そしてさらに、今後とも運輸全般についても先ほど申し上げましたように密接に協力をしていくことを確認したわけであります。
 短い時間ではありましたけれども、そういう中で大変有意義な会談を持てたことを喜んでいる次第でございます。
#23
○亀谷博昭君 大変御苦労さまでございました。
 さらに四年後ですか、新たな協定へ向けての取り組みも我が国として始めなければいけないわけでありますが、今回の共同声明にありますように、運航効率が向上し、消費者の利益につながるということをぜひ期待したいと思っております。
 そこで、この協定が発効した後の我が日本企業の問題、大変厳しい国際競争にさらされていく我が日本企業が、今大変採算性が悪いということになっているわけでありますが、国際線に力を入れるということで採算性の余り芳しくない国内線にどういう影響が出てくるのかということが一つ心配をされるわけであります。
 特に、今回、両方三社という中で新たに加わりましたANAとかJASとか、これは主にこれまでは国内線主力でやってきた航空会社でありまして、これが国際線に乗り出すに当たって国内線の不採算路線を整理してくるというようなことが起こり得るのではないかという懸念があるわけであります。現にJASでは九八年度四十路線ぐらい運休あるいは休止をするのではないかというような報道もなされております。日米の競争のあおりを国内路線が受けないようにしっかりと対応していかなければいけないと思いますが、その辺の受けとめ方。
 それから、いわゆる生活路線につきまして、国と自治体が運航費を補助し赤字を補てんするというような考え方も運政審で出されてきているようでありますが、その辺のことも含め、国際競争時代に立ち向かうに当たって、国内線あるいは国内ローカル線をどのようにこれから維持していこうとしておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#24
○国務大臣(藤井孝男君) 亀谷委員、大変重要な点を御指摘いただきました。
 確かに、先ほどお答えいたしましたように、日米航空協定が歴史的な合意が結ばれ、お互いに機会均等を与えられて、利用者、消費者にとっては大変利益を享受できるんではないかということは、私はこれはそのとおりだと思っております。
 ただ、その一方、また別の角度から見ますと、それは大変な競争時代に入ってくるわけであります。しかも、これも委員御承知のことと存じますけれども、アメリカの航空事業者と申しましょうか航空業界は世界の三分の一のシェアを持っておりまして、大変な強力な産業であります。そういった業界と伍していくためには、国内の航空会社も相当なリストラを含めた合理化を進めていかなければならない、そういったことが求められていると思います。
 そして、御質問にありましたように、国内線の赤字路線というものにしわ寄せが来るんではないか。その辺は、ある程度この大競争時代の中でそれぞれの国内の航空会社も赤字の負担のもとに路線を維持していくことは限界があることも、私はそういう認識を持っております。
 また、運輸行政は大変な一大転換を平成八年に行いまして、他の運輸分野も同様でありますけれども、いわゆる需給調整規制を廃止して、これも目標年限を決めましてそういう方針の大転換をしたわけであります。そういうことによりまして、これはある意味では規制緩和の観点と申しましょうか、その流れを先取りした形の対応をしているわけでありますけれども、前にこの委員会でも申し上げましたように、この規制緩和というものは非常にドライな面を持っておりまして、強いものだけが勝ち残って弱いところが負けていくという面がございます。
 そういった中で、やはり私どもとしましては、生活路線、例えば離島路線あるいは地方の空港、地方、地域の生活路線、こういったものに、日常生活に大きな影響を与えてはいけませんので、この点は十分配意していかなければなりません。また、このことにつきましては運輸政策審議会において今検討を行っております。その点を十分審議会の方でも慎重に審議をし、答申が来月に行われると思っております。
 その点は大変重要なポイントでありますし、大事なところでありますから、生活路線あるいは離島路線といったものが維持できるように最善を尽くしていかなければならないと考えておるところでございます。
#25
○亀谷博昭君 国際競争時代、そして同時に需給調整規制の撤廃ということでいわゆる運賃の自由化が進んでいく、国際的にも国内的にも競争時代を迎えてくる、こういうことなんだろうと思います。しかしながら、生活路線をどう維持するかというのは政治、行政の基本でありますから、ぜひしっかりお取り組みをいただきたいと思います。
 そうした中で、先日、地方空港の着陸料を自治体の裁量に任せるとの方針を打ち出されたと聞いておりますが、いわゆるこれは二種空港の中でも地方自治体が、地方公共団体が管理する空港、それから三種空港すべてを対象とする考え方なのかどうか、まずそこを伺いたいと思います。
#26
○政府委員(楠木行雄君) 今お話が出ましたのは、恐らく九州の佐賀空港につきまして、その着陸料を向こうの方でかなり減額をしたいと、こういう話に対して、私どもの方でそれは弾力的に考えたいということが報道されたことであろうかと思います。
 そもそも飛行場の設置者につきましては、航空法におきまして、その着陸料を定めようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならないとされておるわけでございます。
 先生、今御指摘のございましたような、二種Bとかあるいは三種の地方公共団体が飛行場の設置者である場合におきましては、地方の自主性を尊重した運用を現に行っておるわけでございまして、今後ともこうした運用を行ってまいる所存でございます。
#27
○亀谷博昭君 そうすると、国内の地方自治体が管理をする空港全般についてそういう方向で進んでいくということなんだろうと思いますが、そういうことになると、じゃ、国はどうするのかということになってくるわけであります。
 先日、この委員会での私の質問に対して航空局長は、「空港使用料が空港整備の主要な財源となっておるこの事実を考えますと、その水準を直ちに引き下げることが非常に困難」であるという御答弁をされました。今の仕組みの中では全くそうなんだろうと思います。しかし、やっぱり考えていかなければいけないことであることも事実であります。
 国際的には、新しい財源というんでしょうかアメリカ等が導入している上空通過料というのがございますね。これは多分まだ我が国としては取り入れていない。しかし、これを例えばヨーロッパ並みの徴収率で考えると、年間百億ぐらいになるというような試算もあるようであります。
 そういった新しい財源確保のあり方等々も含め、この間も伺いましたから細かいことは申し上げませんけれども、着陸料その他燃料税等々が非常に大きな、航空会社の負担というだけではなくて、これは運賃にそのままはね返ってきているわけでありますから、そういう意味で国としてもやっぱりここはもう少し考えていく時期に来ているのではないかと思いますが、いかがですか。
#28
○政府委員(楠木行雄君) 最初に、先生おっしゃいましたとおり、着陸料につきましては、国管理空港は空港整備特別会計にこれが入るということで、大変貴重な自己財源でございます。今後ますます空港の整備が必要な状況のもとにおきましては所要の財源を確保する必要がございまして、着陸料の弾力化とかそういうことを検討するということがなかなか困難であるわけでございますけれども、例えば今先生おっしゃいました米国が取っておる上空通過料、これは日本でいいますと航行援助施設料の一種かと思いますが、米国の場合は航行援助施設料を取らずに上空通過料を取っておると仄聞しております。
 そういった体系的な面とかいろいろ考えなければいけない点があるという御指摘かと思いますけれども、私ども、現在におきましては、なかなかこの貴重な財源をどう確保するかという観点と相反する面がございまして、大変悩ましい問題であると考えております。
#29
○亀谷博昭君 空整特会その他の議論はまた別の機会にさせていただきたいと思いますが、ぜひ今後とも新しい財源の捻出を含めてお考えをいただきたいと思っております。
 それから、先ほど陣内委員から中部国際空港に触れて、いわゆるPFI、民間資金等の活用による公共施設等の維持管理、企画運営等々について御意見がありましたが、今回、関空と違って指定法人という方式をとられた。これはどうして指定法人という方式をとられたのか、そのことによって何が一番変わるとお考えなのか、その辺をまずお伺いいたします。
#30
○政府委員(楠木行雄君) 端的に申し上げますと四つございまして、一つは、中部国際空港につきまして緊急の整備を行うためには莫大な資金を短期間に集中して調達する必要がございまして、資金調達の多様化を図る必要がある。それから二番目に、地元の主導によりまして空港の事業主体となる受け皿の準備が進められておるということがございます。三番目に、早期に開港するためには漁業補償等の諸調整を地域と一体として進める必要がございまして、そのためには空港の設置管理者を地元主導の会社とすることが適当であるという点がございます。それから第四番目に、空港の整備につきまして民間の活力や経営ノウハウ、こういった点を活用した効率的な整備が求められておるという点、以上四点がございまして、特殊法人、特殊会社であります関西国際空港と異なりまして、新たな整備手法として指定法人方式をとることになったわけでございます。
#31
○亀谷博昭君 公団とか特殊法人ではなくて、あえて指定法人方式を採用されるということは、民間活力を大いに利用していく、あるいはまた民間の意欲を引き出していく、そういうねらいがあるんだろうと思います。どこかで藤井大臣も中部国際空港はPFIのモデル事業だというような表現もされているようであります。
 ただ、今いろいろなところで検討されているPFI推進法なるものもあるわけですけれども、このPFIについては、民間事業者による公共施設等の企画、建設及び維持管理ないし運営を促進する、それから民間にゆだねることが適切なものはできる限り民間にゆだねることを基本理念とする、あるいは国等の民間事業者に対する関与を必要最小限のものとすることにより、民間事業者の有する技術・経営資源、創意工夫等が十分に発揮されるように配慮をする、こういうことが多分このPFIの基本的な物の考え方なんだろうと思うんです。
 ただ、今回の法律を見ると、かなり縛りがかかっているな、国の関与が結構多いのではないか、こういう感じがいたします。国の資金を投入することでもあり、やむを得ない部分もあるのだろうと思いますが、この法律で見る限りにおいては関空とも余り変わらないのじゃないか、指定法人にしたメリットが出てきているのかなという疑問もちょっと感じるんですが、いかがですか。
#32
○政府委員(楠木行雄君) まず、PFIとの関係でございますが、この中部国際空港の場合は、最初に商法上の株式会社として地元で設立されるという点が関西国際空港と大変違う点でございます。関西国際空港の場合は、先生御承知のように、法律によって強制的に特殊会社として設立されるいわゆる特殊法人でございます。そうなりますと、中部国際空港の場合は、まず地元が株式会社としての十分なメリットと申しますか自由さと申しますかそういったことを発揮して設立してくるという点が大分違うわけでございます。
 それに対して、今度は運輸省の関与が強過ぎないかという点でございますけれども、これも先生御指摘がございましたように、中部国際空港は一種空港として国際、国内の空港ネットワーク形成の拠点となる空港であることから、その事業運営の適正さが求められるわけでございますし、政府が直接出資をしたり無利子貸し付けをしたり、債務保証あるいは税制特例、こういった支援を行っておるとの立場から、その経営の健全性もまた求められるということがございまして、国は所要の許認可等の制度をとることになっておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、運輸省としては、こうした許認可の運用に当たりまして、事業主体である指定会社の効率的な運営というものに十分配慮して対処してまいりたいと考えております。
#33
○亀谷博昭君 やってみなければわからない部分もたくさんあると思います。やってみてこれはちょっと煩雑過ぎるなとか、これは許認可ではなくて届け出でいいのかというような部分もこれから出てくるかもしれない。そういう意味で、民間のよさを引き出す工夫をしながらぜひ対応していただきたいと思っております。
 そこで、今回の中部国際空港は、七次空整の中における大都市圏における拠点空港整備の一環、こういうことになっておりまして、成田あるいは関空、羽田等を含め、着々と整備が進んでいるわけでありますけれども、反面、七次空整の中で地域拠点空港あるいは地方空港についてもしっかりやる、こう書いてあるわけであります。
 地域の拠点空港、さっきも大臣お話しの中で、ハブ空港が一つでいいとは思わない、首都圏、近畿圏、中部圏、それぞれ必要だというお話がありました。そうだと思うんです。その考えを広げていけば、北海道にも東北にも広島にも九州にもそれなりの空港があっていいのではないかということに当然なるわけでありますから、そういう意味で、地域あるいは地方の空港の整備がどのように進んでいると御認識をされておられるのか、基本的なことを伺います。
#34
○政府委員(楠木行雄君) 私どもは、今大都市圏拠点空港以外の空港につきましては、地域拠点空港と申しますブロックの拠点空港とその他の一般的な地方空港と分けて考えておるわけでございますが、第七次空港整備七カ年計画におきましては、大都市圏における拠点空港の整備を最優先課題として取り組む、こういった方針になっておりますけれども、地域拠点空港及び地方空港の整備については継続事業を中心として事業を進めるとともに、新規事業については需要への対応を基本としつつ、就航率の向上など既存施設の高質化を図るための滑走路延長等所要の整備を進めることとしております。
 特に、先生御指摘の地域ブロックの中心空港である地域拠点空港、例えば福岡、新千歳、仙台等につきましては、大都市圏の拠点空港に準ずる機能を持つべきものとして、国際・国内ネットワークの形成及び強化を図るために航空需要の動向等を勘案しながら所要の整備を推進していくこととしているところでございます。
#35
○亀谷博昭君 私も、世界的な流れから見れば日本のハブ空港と言われる空港だってまだまだ小さいというか、滑走路一本や二本のハブ空港というのは世界的に見ればまだまだ貧弱でありますから、もっと整備していくということに異論があるわけではありません。ですから、今回の法律にも賛成の立場であります。
 ただ、例えば主な空港の出入国者数というのがありまして、私は仙台で、特に仙台のことを申し上げるわけではないんですが、平成三年と平成八年の五年間の変化をとってみると、一位から五位までは同じなんです。成田、関空、名古屋、福岡、羽田、これは常に一位から五位。ところが、仙台が今度八位から六位に上がってきた。広島が十位の番外にあったのが第九位に上がってきた。この五年間の伸び率を見ると、人数はそんなに多くないんですけれども広島は何と五〇〇%の伸びであります。仙台も約二〇〇%国際線の出入国が伸びている。それから仙台空港はこの間三千メーターに滑走路が延長されました。スタートをしたわけでありますが、貨物の取扱量も、平成二年と平成八年の比較で何と仙台空港は三十倍にふえているわけです。
 要するに、地方というのは、国際化というのは……(発言する者あり)資料のあるものをお話し申し上げているわけでありますけれども、国際化というのはもう国と国ではないんだ、都市と都市、地方と地方だと。
 そういうことから、今話題になっております五全総、五全総とは言わないんだそうでありますが、新しい全国総合開発計画、これもいろいろ評価がありますが、これの考え方も、多軸型国土構造に大胆に転換をしていく、その中で広域国際交流圏をつくっていくんだという考え方が示されているんです。全国各地が世界に広く開かれ、独自性のある国際的役割を担い、東京等の大都市に依存しない自立的な国際交流活動を可能とする地域的まとまりを国土に複数形成をしていく、こういうような考え方が盛られるようであります。
 そういうことで、ハブ空港はハブ空港として、国際化の流れの中での地域拠点空港、地方空港の整備にもやはりきちっと対応していただかなければいけないのではないか。
 なぜこのことを申し上げるかというと、今継続事業はきちっとやるというお話がありました。例えば二千メーターのやつを二千五百にする計画があればこれはやります、二千五百のを三千にする計画があればこれはやりますよと。そしてそれはまあまあ進んでいるのかもしれない。ところが、三千メーターに延ばして新たなところと国際線を飛ばそうとする、そうすると人がどうしても必要である。CIQ体制の整備とか開港時間、運用時間を延ばしていくということになれば、そこでまた人が必要となってくる。そういうソフト面がなかなか追いつかない。
 ですから、今お話しのように、地方空港の整備はハード面では私も進んできていると思います。ただそれが、せっかくハード面を充実しても、宝の持ちぐされとまでは言わないけれども、生かせない。こういう人減らしの時代でありますから、対応が難しいこともわかるのでありますが、地方というものの持つ国際性、国際化時代の中での地方というものの持つ役割、意味合いというものを考えると、もっとそういうソフト面での対応が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
#36
○政府委員(楠木行雄君) ただいま先生御指摘のように、地域のブロックの拠点空港におきます出入国の外客数がかなりふえておる、特に出国日本人がその空港を利用する比率というのはかなり高まっておる、これは最近のかなり顕著な傾向であろうかと私どもも思っております。新千歳とか仙台、あるいは広島といった従来成田とかあるいは関空に依存しておりましたところが、いわば独立した形で県民の集客を図っておるという機能がかなり出てきておるというふうに認識をしております。
 また、全総なんかにおきましても、こういった点を配慮いたしまして、いわゆる大都市圏拠点空港は世界に対するグローバルゲートであるけれども、そういった地域拠点空港につきましてはアジアゲートとしての役割を果たすといったような指摘も検討されておるかに仄聞をしております。
 そこで、そういったハード面に対してソフト面の工夫にもう少し足りない点があるんじゃないかという点でございますけれども、例えばCIQといったような体制の整備につきまして、これは運輸省がお答えするのはなかなか難しいわけでございますけれども、国際線の就航空港につきまして運用時間の延長が行われたり、新たに国際線が就航するとか増便になるとかそういう場合にはCIQについて何らかの形での対応が必要になる場合がありまして、これは私たちも関係省庁との十分な連携の確保に努めておるところでございます。
 また、その他のソフト面につきましても、なかなか定員事情等難しいところもございますけれども、十分こういった状況を踏まえながら利用者の利便の向上を図るための対応といったことを考えてまいりたいと思っております。
#37
○亀谷博昭君 いずれにしても、ハブ空港でも地方空港でもお金と人が必要なものでありますから、なかなか両方一緒に満足いくようにというのは難しいことはよくわかりますが、ぜひ地方の持つ特殊性、よさというものも御認識いただきながらお取り組みをいただきたいと思っております。
 最後に、今回の法律の中で空港整備法の一部改正というのがありますね。そこで中部国際空港を第一種空港に加える、こういうことになっております。第一種空港というのは空港整備法によって新東京国際空港、関西国際空港、そして今度中部国際空港が入って三つになるということでありますが、この国際空港の定義というのはどういうことなんでしょうか。
#38
○政府委員(楠木行雄君) 空港の整備及び管理に当たりましての国と地方の費用の負担のあり方、こういうルールを定めております空港整備法におきましては、先生御指摘のように、新東京国際空港、関西国際空港及び国際航空路線に必要な飛行場を第一種空港といたしまして法律及び政令において国際空港の名称を付しております。今般の中部国際空港につきましても、第一種空港として国際空港の名称を付した。あくまで法律上の一つの決めだということでございます。
#39
○亀谷博昭君 時間もありませんから簡単にいたしますが、国際空港というのは国際便を飛ばしていれば国際空港だという認識もあるんです。ここではこう決めているからこの三つだけ国際空港と言わせると。
 私は、前の黒野航空局長の時代にもお話ししたことがあるんですけれども、例えば便数とか国際線の飛んでいる地点の数である程度の制限をすることはやむを得ないとしても、もっとほかの空港も国際空港という表現をさせてもいいのではないか。例えば広島国際空港、福岡国際空港。そしてこの三つだけ特別に言いたいのなら、スーパーインターナショナルエアポートとかなんとかという呼び方もできるのかもしれない。やっぱりこの国際化時代の中で、これだけ国際線がふえている、もう少しそういうことも考えていいんじゃないかと思いますが、どんなふうにお考えになりますか。
#40
○政府委員(楠木行雄君) 第一種空港以外に現在十七の空港におきまして国際線が就航しております。ただ、これらは主として主要な国内航空路線に必要な飛行場または地方的な航空運送の確保に必要な飛行場でございまして、空港整備法の政令におきましては国際空港の名称を付していないわけでございます。
 なお、地域におきまして自主的に国際空港という通称が用いられていることは十分承知しておるところでございます。
#41
○亀谷博昭君 これは質問ではありません。主に国際航空路線に必要な飛行場ということなら、国内線よりも国際線の方が多いのだったらこれに該当するかもしれない、そういう解釈もあります。これからまた御検討いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#42
○寺崎昭久君 このところの第一種空港の整備の経過をなぞってみますと、成田は公団方式、関西空港は特殊会社方式、そして中部国際空港は商法に基づいて設立される株式会社に国が出資するというやり方をとっております。
 元来、一種空港については国の費用で、責任において建設するというのが原則ではなかったのかなと思うわけでありますけれども、この原則は今日も生きているのかどうか。私は、国際空港の重要性にかんがみ、第一種空港は国の費用で建設する、そして運輸省が設置し管理するという原則を今後とも堅持するべきであると思いますけれども、いかがでしょうか。大臣にお伺いします。
#43
○国務大臣(藤井孝男君) 空港整備法上、第一種空港は必ず国が直接かつ一〇〇%資金負担によりこれを整備すると規定されているわけではございません。国際的な拠点空港の整備には多額の資金を要する一方、一定の収支採算性が見込まれることや、このような空港を早期に整備しなきゃならない緊急性等を勘案しつつ、その時点の社会経済状況等々に応じ、最もふさわしい方式を整備方式としてとっていくというのが肝要ではなかろうかということで、公団方式や特殊会社方式、また今回の指定法人方式というふうに整備を進めてきたところでございます。
#44
○寺崎昭久君 空港整備法を見てみますと、国が必ず建設しなければいけない、整備しなければいけないとは確かに書いておりませんけれども、もともとこの空港整備法は民間の資本等を活用することが予定された法律なんでしょうか。もう一度お伺いいたします。
#45
○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘のとおり、空港整備法は一種空港、二種空港というようなことで定義をされておりますけれども、必ずしも民間というものを予定しているとか予定していないとかそういう形には特になっておりません。
#46
○寺崎昭久君 二種空港、三種空港について国の費用負担割合を定めているのはどういう根拠、理由に基づくものでしょうか。
#47
○政府委員(楠木行雄君) もともと空港整備法と申しますのは、航空法で定められております飛行場の設置のいわば公的な助成等の形態の特例法のような形もございまして、そういった意味で、二種空港それから三種空港につきまして、国と地方の分担関係というものを定めたというふうに考えております。
#48
○寺崎昭久君 国が負担するのかしないのか、それが原則なのかどうかというのにこだわるのは、とかく日本の施設使用料が高いといううわさがあり、それがこの建設費の負担と無関係なんだろうかということを検証したいためでございます。
 関西空港が開設された際に、在日航空会社代表者協議会、BOARから、関西空港の施設の使用料が高過ぎるということから、このような費用負担をするようになれば航空各社の採算がとれない、したがって関空への乗り入れは断念しなければいけない航空会社が出てくるかもしれないという声明が発表されました。
 この整備の原則、つまり国が建設費を負担するということを変えたことがこうした使用料の高騰につながっているということは言えないでしょうか。
#49
○政府委員(楠木行雄君) 先生御承知のとおり、関西空港の前にまず成田空港がございまして、成田空港というのを公団方式でやり、その後関西空港についてあのような形の特殊法人というものになったわけでございますが、関西空港は環境への十分な配慮から泉州沖五キロメーターの大阪湾上に建設された。そのためにその建設に膨大な費用を要しておりまして、その費用を回収するためには利用者に料金面で相応の負担を求めざるを得ない、そういうことがあったわけでございます。
 なお、関西国際空港の整備につきましては、国としても出資等の所要の助成措置を講じておるところでございます。
#50
○寺崎昭久君 今の御説明によりますと、空港を建設する際に幾らの費用がかかりましたと、これを何年で償還するとかあるいは黒字化するとかいうことで例えば滑走路の着陸料を設定しているという御説明でございましょうか。
#51
○政府委員(楠木行雄君) 例えば関西空港などの例をとりますと、あくまでこれは利用する側との協議によりましてその着陸料等の使用料を決定するというのが原則でございますけれども、その際に、そこにかかりました原価というものを基本としてこれを定めておるということであろうかと考えております。
#52
○寺崎昭久君 空港使用料が世界的な水準に比べてどのレベルにあるのかちょっとお尋ねいたします。
 例えば具体例で、成田の第一ターミナルと関西空港の施設を比較した場合に、チェックインカウンターは関西の方が何倍か高いとか、あるいは事務所スペースを使うにしても高いという声がありますが、それは本当でしょうか。
#53
○政府委員(楠木行雄君) 今お話が出ました成田の一ビルあるいは関空のビル、こういったところにおきますチェックインカウンターの使用料とかあるいは事務所のスペースの使用料、どのように違うのかという点でございますが、率直に言いまして関空の方が高いということは、そういう傾向にあろうかと考えております。
 ただ、先ほど申し上げましたが、関空は非常にお金がかかりました。平均水深が十八メーターの海域を埋め立て造成をするということから、施設の取得コストが相対的に高くなる傾向があるわけでございますし、成田の場合は五十二年の五月に第一ビルができたわけでございますが、関空の場合は平成六年ということで、かなりこういった建設時期の違いによるコストの差異が使用料に反映されているものと考えております。
#54
○寺崎昭久君 着陸料について、海外とそれから国内空港の使用料を具体的な数字で教えてほしいと思うんですが、例えば関西空港の着陸料とフランクフルト、ドゴール、ヒースロー、ケネディ、チャンギというようなところとの比較を教えていただきたいと思います。
 それからもう一つは、国内空港でも成田と関西と福岡の着陸料に違いがあるのかないのか、あるとすればなぜそういうことになっているのか教えてください。
#55
○政府委員(楠木行雄君) まず、国際線につきましてお尋ねでございますが、ボーイング747−400を例にとりますと、関空の着陸料を一〇〇といたしますと、先生御指摘のフランクフルトのマイン空港は四五という数字になります。以下、パリのシャルル・ドゴール空港が四三、ロンドンのヒースロー空港が、これはピーク時とオフピーク時で分けておりますが、ピーク時が一〇、オフピーク時が八、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港は四〇、シンガポールのチャンギ空港は三四ということになっております。
 それから、国内線で今御指摘がございました成田、関空、福岡、これは例えば今のボーイング747−400の国際線仕様のものが着陸した場合の着陸料は、成田が九十四万八千円、関空はちょっと安いんですが九十万八千五百円、福岡は七十二万五千六百円ということになっております。
 なぜ違うかということでございますが、これはもう簡単に言って主体が違うということになるわけですが、成田は新東京国際空港公団が、関空は関西国際空港株式会社が、福岡は国が直轄でそれぞれ着陸料を定めるところでございまして、空港の整備、管理に要する費用が異なる、費用を賄う収入構造が異なる、こういったこと等々を踏まえ算定されたものでございます。
#56
○寺崎昭久君 今のお答えから、二つ質問したいんです。
 一つは、例えばチャンギ空港に比べて関西空港の着陸料が三倍近くも高いということですが、国土の狭さなどを比較してみますと、シンガポールがそんなに広いところとは思えません。したがって普通の計算では日本の三分の一になるというようなことは考えられないと私は想像するんですが、その原因について考えて、分析なり国の関与があるのかないのか等々について御検討されたことがあるのかどうか、あればどういう原因があってこの差がついているのかお話しいただきたい。
 それからもう一つは、これも関西空港にかかわる問題でありますけれども、関西空港の経営方針として、いわゆる五・九・二三、五年で単年度黒字にする、九年で累積赤字を一掃する、二十三年で借入金を完済するという少し実態から離れた経営方針があるために高目の空港使用料をセットせざるを得ないんだというような話を聞いたことがありますが、この五・九・二三というのは今でも生きている大原則なのか、曲げられない考え方なのか、この二点をお尋ねいたします。
#57
○政府委員(楠木行雄君) 最初の点でございますが、シンガポールのチャンギ空港につきましては、シンガポールの民間航空庁と申します、これは国がやっておるということもございまして、その建設費につきましては一〇〇%政府の拠出であるというふうに私の手元の資料ではなっております。
 それから二点目の、五・九・二三、これがまだ生きているのかそれと着陸料との関係いかんという御趣旨かと思います。
 関西空港の一期の経営目標のうちで、実は単年度黒字まで五年程度、累積損失解消まで九年程度という目標につきましては、平成六年九月の開港以来、乗り入れ便数が国際線を中心に順調に増加し、これに伴いまして関空会社の経営状況も平成七年度三百五十八億円の経常損失が平成八年度では三百億円にまで減少し、償却前損益では三十一億円の黒字に転じるなど、着実に改善をされております。
 しかしながら、依然として厳しい経営状況にありますため、今後とも増収に対する積極的な取り組みと、なお一層の経費削減努力を行うよう関空会社を指導していく所存でございます。
 一方、もう一つの指標でございます一期事業の借入金完済までおおむね二十三年程度という経営目標につきましては、一期事業の借入金完済の目標年以前に実は二期事業が供用開始をされる予定になっております。二期事業に係る借入金を含めた全体としての借入金の完済に取り組んでいくことになることから、一期事業の借入金だけを特別に取り出してその返済時期を議論していくことはちょっと難しいのかなと、必ずしも適当ではないと考えておるわけでございます。
 また、冒頭ございました関空の着陸料につきましては、空港の建設に要した膨大な費用を勘案しつつ、利用者である航空会社とも交渉を行った上で設定されているものでありまして、経営目標からいわば逆算して設定されているものではないと認識しております。
#58
○寺崎昭久君 前段でお答えいただいたチャンギ空港の件でございますが、お話ですと、建設費、運営についても政府が一〇〇%関与しているということでよろしいんでしょうか。
#59
○政府委員(楠木行雄君) 私の手元では運営費がすべてそうかまではちょっとわかりませんけれども、いわゆる建設主体がシンガポールの民間航空庁であるということと、建設費に対する助成という面では政府の拠出が一〇〇%であるという点はわかっております。
#60
○寺崎昭久君 今のお話だけで、政府が出資しているから建設費、使用料が安くなっているとにわかに断じるわけにはいかないんですが、そういうことが背景になっているのではないかと私は大変懸念しております。もし日本が名実ともに国際空港をつくろうとかハブ空港をつくろうということであれば、国際比較だとか国際競争力ということを念頭に置いた政府の支援、てこ入れというものが必要なのではないかと思うわけであります。
 先日、大臣がこの法案の趣旨説明をされた際も、国際社会において一定の地位を確保するため、あるいは国際ハブ空港の整備を行うためにこの法案を提出するというお考えを示されたわけでありますけれども、単に物をつくるというだけじゃなくて、そういう使用料も国際並みにする、そのために政府がどう関与するかという考えが入らなければいけないのではないかと思います。要すれば、助成もするということがこれからも必要なのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#61
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど航空局長からもお答えいたしましたように、我が国で空港をつくるとなりますと、国土の条件と申しましょうか、そういったさまざまな条件等からしますと、どうしても空港建設費がある程度高くなってくるということは委員もその点は御理解をいただけるところと思います。
 また、日本の場合、特に漁業補償というものもございまして、こういったものも建設コストの中に入ります。海外では余り例のないそういった漁業補償というものも勘案しますと、どうしてもそれに対しまする空港使用料が高くならざるを得ないというのが現況だと思います。
 しかしながら、やはり先ほど亀谷委員にもお答えいたしましたように、これからの大航空交流時代、そして大競争時代、そういう中にあって、日本の空港の使用料というものをどうすれば国際水準並みにできるのか、今の財政状況からいきますと、国の助成にもある程度限界があるという中で、正直率直に申し上げて非常にこれは悩ましい課題であることは事実であります。
 しかしながら、一方で航空会社が路線を形成するといいますか決定をするに際しまして、いろんな要素があるわけでありますけれども、基本的には利用者の需要がその空港に対してどうあるのか、またはその空港の周辺と申しましょうか後背圏と申しましょうか、そういったところの経済力、そういったものも影響があろうかと思います。
 そういったことを考えますと、空港使用料の水準というのは、使用料が高いから利用される価値がなくなるあるいは競争に負けるという、一概にそういう面でのハンディキャップが生じることはないという考え方も一方にはあろうかと思います。
 しかし、いずれにしましても、やはり世界水準に比べまして非常に高いということは厳然たる事実でありますので、これは寺崎委員も含めまして、本当に今後のこうした国際競争下の時代の中でどうこれを直していくか、あるいは改善していくか。それから一方、空港の整備を進めていかなきゃならないということになりますと、どうしてもその財源は空整特会という形に財源を求めておりますけれども、それが一般会計の真水で賄われればそういった面につきましてもいわゆる低減できる環境は整いますけれども、そういう財政状況にないことも事実であります。
 大変悩ましいと申し上げましたけれども、私どもはできれば少しでも使用料を安くする、あるいは着陸料を含めまして安くしていくというのは前向きに検討していかなきゃなりませんけれども、現況はなかなか難しいなという感じはどうしても今の段階では言わざるを得ないかなということを率直に申し上げたいと思います。
#62
○寺崎昭久君 空港というのは、もちろん器を使っているわけでありますけれども、本来から言えばその機能が使えるかどうかということが一番大事なことなんだと思います。やはり国際的に見た水準で使えるようにするために国がどういう関与をしなければいけないのかということについては引き続き御検討を賜りたいと思います。
 ところで、中部国際空港の事業主体に係る問題をお尋ねしたいと思います。
 今さら改めて申し上げるまでもなく、中部国際空港は、事業主体が商法に基づいて設立された株式会社でございます。これまでの例で言いますと、民間の株式会社に国が直接関与するということはほとんど例を見ないことだと思います。それだけに、事業主体の自主性と監督官庁の権限がうまく調整できるんだろうかぶつかるということはないんだろうかということが懸念されます。
 例えば、増資をしたいという経営上の必要性が出た場合に、どちらがイニシアチブをとって決めるかというような問題も生じるんではないかと思いますし、人の採用の問題やら何やらいろいろ出てくると思います。そういう事業主体と運輸省の権限がぶつかり合うような懸念のある分野については、あらかじめ整理し、できれば御担当なり監督すべき立場の人がかわったとしても読み間違いのないように、解釈のそごを来さないように、あらかじめ明文化しておく等の措置を講じる必要があると思いますが、いかがでございましょう。
#63
○政府委員(楠木行雄君) まず基本的な考え方は、先ほども別の委員の方に御説明いたしましたように、中部国際空港につきましては、第一種空港として事業運営の適正さが求められる、それから国の支援の受け皿として経営の健全性が求められるということから、国が所要の監督措置を講ずることとしているわけでございます。
 ただ、先生おっしゃいました点、これは私どもも十分留意をせにゃいけませんし、最初のケースのような点もございますので、こういった点につきまして運輸省といたしましては、これらの許認可の運用に当たりましては、事業主体であります指定会社の効率的な運営というのが何よりも大事であるということで、効率的な運営に十分配慮して対処してまいりたいと考えております。
#64
○寺崎昭久君 あらかじめ問題を想定しながら仕分けするというのは大変な作業だと思いますけれども、経験の中でぜひ責任の所在を明らかにする、どちらの主体が決めるのかというようなことを整理していっていただきたいと思います。
 次に、中部国際空港の事業費の問題についてお尋ねいたしますが、関西国際空港の場合、第一期工事では約一兆円ぐらいの建設費がかかるであろうという見込みが立てられましたが、その後膨らみまして最終的には一兆四千五百八十二億円になりました。その理由というのは、報道もされておりますから改めて繰り返すまでもないわけでありますけれども、将来事業費が膨らむのではないかという国会における質問、やりとりの際に、当時の航空局長は、長年の調査の結果、また相当数のボーリングによって地盤の状況を調べており、大きな変動は生じないと考えていると、つまり事業費が膨らむことはありません、もし膨らむとすれば物価が上昇したとかその程度でしょうという趣旨の御発言があったと思いますけれども、実際にはそうではなかったわけであります。
 中部国際空港の建設についても、十分な調査も行われ、長年かけて検証もされてきたんだと思いますけれども、さはさりながら、事業費が絶対に膨れないという保証はないわけでありまして、その際の資金負担の割合はどうするのか、つまり今の国と自治体と民間の出資割合等を持ち込むのか、あるいは国が全部しょいますとおっしゃるのかあらかじめ決めておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#65
○政府委員(楠木行雄君) 関西国際空港が一兆とあと少し、たしか五百億円ぐらいでしょうか、の最初の予算から、事業費がふえたというのは先生御指摘のとおりかと思います。そして、その原因として海域条件、地盤の条件、そういった点、非常に難しい点もいろいろあった点も事実でございます。
 中部国際空港につきましては、現地におきまして中部国際空港に関する公益法人の中部空港調査会などがボーリングを行うなどさまざまな事前の調査を行いまして、こういった調査を十分行う方針で進められてきたわけございます。そして、関西空港などとも大分違いますのは、調査の結果から、新空港の建設予定地は水深が浅くまた地盤も強固であるということが確認されております。自然条件による事業費の増嵩は基本的にはないものと考えております。
 また、御指摘のような点も踏まえて、我々も大臣折衝まで上げまして、こういった点ぎりぎりと予算におきます事業費の額というものも詰めました結果、「総事業費は、七千六百八十億円とし、原則としてこれを限度とする。」といったような大臣折衝結果というのもまた得られておるわけでございます。
 運輸省といたしましては、空港会社に対して建設コストの縮減について必要な助言を行うなど、事業費が増嵩しないよう一層努力を行ってまいりたいと思います。
#66
○寺崎昭久君 決意のほどはわかるんですけれども、同様の趣旨の御発言が関空建設の際にございまして、実際には建設費五割アップになったわけであります。
 そういう状況が生じないことを願っていますし、期待しておりますけれども、でも、万一あったらどうするんですかあらかじめ現時点で決めておく必要があるんじゃないでしょうか、そうすることの方がお金を出す方もある程度の心構えというのができるんじゃないでしょうかと申し上げているんですが、どうでしょうか。
#67
○国務大臣(藤井孝男君) 今、寺崎委員のおっしゃられたことは私どもも重大なポイントとして認識をいたしております。
 関空の例を見ましても、五割増ということで、これは当初計画から見れば大変残念な結果であったということであります。そういう中で、むしろ委員の方は大変親切に、もしそうなった場合、増嵩した場合の負担割合というのはあらかじめ決めておいた方がいいんじゃないかという大変ありがたいお言葉だと思っておりますが、先ほど航空局長が申し上げましたように、今の中部空港の自然条件等々から勘案すれば増嵩することはないと考えておるとの発言がありました。
 実は、このことは、私も関空を視察いたしましたけれども、世界に冠たる日本の土木技術を駆使してあの空港はでき上がったわけでありますが、しかし、いまだに少しずつ沈んでいるという、それをもう大変な数のジャッキでゆがみがないようにという工夫もなされている。これは世界で唯一のそういった空港であるということ、私は改めて日本の技術力の高さというものを認識したところであります。
 また、これは例が妥当かどうかわかりませんが、先般、私の岐阜県と長野県の間の安房トンネルという三十数年間の悲願のトンネルができ上がりまして、冬の間は約半年間通行不能なところが通年車両が通行することができたと。これも火山帯の中にトンネルを掘りまして、水蒸気爆発やあるいはまた大量の熱湯が出たり、大量の水が湧出したりということで、いっときはあきらめかけたときもありましたけれども、それを克服しまして見事完成させたわけであります。
 そういった土木技術と申しましょうか技術の蓄積というものは私は大変なものがあろうかと思います。あの関空の水深十八メートル、そして海底も非常にヘドロ状で、大変な難しい工事も、確かに結果的には五割増しということになったわけですけれども、そういった経験を生かしながら、今度の中部国際空港におきましては、委員御指摘の御心配は十分承知した上で大臣折衝におきましてもぎりぎりな形で財政当局と合意を見たわけでありますので、これが増嵩しないように今後とも最善の努力をしていく決意でございます。
#68
○寺崎昭久君 先ほど事業主体の責任、運輸省の権限の問題にも触れましたが、実は、こういう問題が起きた場合にどこの責任で追加資金を調達するのか負担するのかという問題が出てくるんではないかということもありまして、あらかじめ権限とか責任の所在を明確にしておく必要があると申し上げたわけでございますが、これ以上本日詰めでもはっきりした答えがいただけないようでありますから、建設期間まだ長いわけでありますので、折に触れて尋ねていきたいと思います。
 それから、事業スキームを拝見しますと、無利子資金と借入金の割合が四〇対六〇に分かれております。また、無利子資金の負担割合について、国、自治体、民間がそれぞれ四対一対一という割合になっているわけでありますが、建設費を安くしたい、抑えたいということを考えますと、当然借入金の比率を下げることが好ましいわけでありますが、四〇対六〇の無利子と借入金にした理由、根拠、それから無利子資金の四対一対一というこの比率というのは今後も基準になる数字なのかお尋ねします。
#69
○政府委員(楠木行雄君) まず最初の四〇%の無利子資金という点でございますが、中部国際空港の事業スキームにおきます無利子資金の割合、これにつきましては、この事業の採算性を検討した結果、民間出資が確保できる経営目標を達成するためには事業費の四〇%の無利子資金が必要であると判断したものでございます。四〇%の無利子資金が投入されることによりまして事業主体としての採算性を確保することが十分可能となっているものと考えております。
 また、四対一対一という点でございますが、無利子資金の負担割合につきましては、この空港が大都市圏における拠点空港として我が国航空ネットワーク形成の拠点となるものであるとともに、また、地域におきましても、周辺地域における雇用の拡大、経済の発展等の波及効果をもたらすものであるということから、関西国際空港の一期と同様に、国が四、地方自治体が一、民間が一という形の四、一、一の比率にしたものでございます。
 なお、最後の点でございますが、こういった点が即一般的なルールになるかということでございますが、今後の空港整備における費用負担のあり方につきましては、諸事情を勘案しながらやはり個別に検討すべきものと考えております。
#70
○寺崎昭久君 出資金の出資割合についてお尋ねします。これは大臣にお尋ねします。
 中部国際空港の出資金の出資比率を見ますと、国、自治体、民間がそれぞれ四対一対五になっております。今回は株式会社方式をとったわけでありますから、せっかくですから、私は、株式会社としての機能もこの会社に備えるようにした方がよろしいんではないかと思うわけであります。
 改めて言うまでもないことですが、ビジネス社会というのは多数決原理の基盤の上に競争と契約が乗っかっている社会なんだろうと思います。したがって、一定のルールのもとで弱肉強食と言われる状況が生まれたり、あるいは比較優位にある者が他を支配するという関係が生まれているわけでありまして、株式会社の場合にはその総発行株式数の何%を保有しているかということは極めて大事なことであろうと思います。
 商法を見ましても、株式総数の三%を持っている株主は株主総会を開くように要求することができますし、一〇%を持っている株主は帳簿の閲覧権もあるわけであります。一株につき一票の議決権があるという権利も認めているわけでありますし、また代表訴訟権も認めているというのが資本主義のルールみたいなものであり、それを国が商法という法律を通じて根拠を与えているんだろうと思います。
 しかし、今回の事業スキームを見ておりますと、民間の資本金の出資比率を五〇%に抑えておりまして、これでは決定権がどっちにあるのか大変わかりにくい数字になっているわけであります。
 このスキームのつくり方というのは、民間の出資比率は五〇%に抑えます、そして国の支配権といいましょうか、を担保するために規制とか認可とかそういったものをかぶせますというやり方をとっているわけであります。これは、従来の、民間資本を出させても、つまり金は出しても口は出すなということにも通じるやり方なので、せっかくの株式方式をとりながら残念だなと思うわけであります。
 本来の趣旨から言えば、例えば国が五一%の株式を保有していろんな規制などの網をかけずに株主の権利を行使するという行為を通じて国の目的も確保する、実行するという仕組みをつくるのがいいんではないかと思いますし、もし、そうではなくてお金をたくさん出してもらうことが大事なんだというのであれば、国の出資はもっと抑えて民間にたくさん出してもらう、国の関与はできるだけ小さくするということで割り切った方がいいんじゃないかと思うわけであります。
 今後のこともありますので、万一こういう方法をとられるのであれば、株式の保有というのは大事なことですから、五〇%などという中途半端なことを避けてほしいものだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#71
○国務大臣(藤井孝男君) 国と地方自治体、また民間との出資割合を四対一対五とした理由につきましてお答えをいたしたいと存じます。
 中部国際空港は我が国航空ネットワークの拠点となる国際ハブ空港として位置づけられておるわけでございまして、その整備に当たりましては、先ほど来申し上げておりますように、国による財政支援が必要とされるところから、民間の出資割合が過半数を超えるというのは適当ではなく、また一方で、同事業は民間主導のプロジェクト、いわゆるPFIのような形で進めていきたいということでありますから、民間の自主性等を確保する必要もあることから、民間の出資割合を五〇%としたところでございます。
 また、このプロジェクトは地元自治体及び民間が一体となって空港計画の段階から推進してきたものでございまして、その推進に関する民間の総意が既に形成をされております。また、概算要求の段階で民間主導型の事業主体を想定しておりまして、民間の間にもみずからがイニシアチブをとるべきプロジェクトであるという認識が十分浸透しておりますので、したがいまして民間出資比率が五〇%に減少し、政府が筆頭株主になったからといって民間主導型の事業主体の性格が何ら変化を及ぼすものとは考えておらないところであります。
 しかしながら、委員御指摘のように、やはり事業主体である指定会社の効率的な運営を十分配慮して対処していかなければならないということは当然のことだと思っております。
#72
○寺崎昭久君 大臣は、私が保有比率五一%がいかに大事かということを申し上げている意味はおわかりいただいていると思うので、今後この種の事業をやるときに、軽々にというと大変語弊があるかもしれませんが、民間の資本を引っぱり出すんだ、金は出すけれども口は出すなというやり方は通用しません。PFIのお話もございましたけれども、そのコンセプトの中にもそうした考え方の検証、検討というものが含まれているんだろうと思います。ぜひそのようにお受けとめいただきたいと思います。
 次に、空港アクセスについてお尋ねします。
 関西空港の場合には、空港と対岸を結ぶ連絡橋の事業費が総事業費の中に含まれて空港と一体的に整備をされてまいりました。しかし、中部国際空港の場合、連絡橋というのは事業主体の業務から外されているわけであります。総事業費のスキームには含まれていないわけでありまして、いまだに連絡橋はだれがつくるのか、どこの責任でつくるのか、いつできるのか、だれがいつ決めるのかということがどうもわかっていないように聞いておりますが、実態はいかがですか。
#73
○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘のように、関西空港におきましては連絡橋も含めて空港本体とあわせて関空会社が整備をしておるという実態がございます。関西空港の場合は、空港島すべてが空港施設ということで、橋につきましても空港施設の一部ということで建設をしたわけでございます。
 ところが、中部国際空港の場合につきましては、島の中に空港機能のほかにいわゆる関連開発の用地というものが一部ございます。そして、前島と言われております空港の対岸にございます埋立部分、造成部分、そういったところとを結ぶところにも関連開発用地がございまして、これが一般的な機能をそこで果たしておるということになっておるわけでございます。したがいまして、そういう一般的な機能をいわば結ぶという意味からいきまして空港の建設とは直接関係がないということから、空港の直接の事業には取り入れなかったというものでございます。
 しからば、だれがそれを責任持って整備するのかといった点でございますが、現在、連絡橋の事業方式につきましては、鉄道部につきましては事業化に向けた検討及び事業主体となる第三セクターの設立に関する調整、協議を行うことを目的に、地元自治体、経済界、鉄道事業者等から成る中部新国際空港連絡鉄道整備協議会が設置されておりまして、その場において平成十年度の事業主体設立に向けて検討が進められております。
 道路の部分につきましては、愛知県が中心になって受益関係機関からの負担等により建設する方向で検討が進められておりまして、平成十年度に事業計画を確定する予定と聞いております。
 連絡橋の鉄道部、道路部とも地域においては平成十一年度には事業着手をし、開港までに整備するよう関係者間の調整が進められているところでございます。
#74
○寺崎昭久君 今の連絡橋の件ですけれども、総事業費から連絡橋の事業費が抜けた結果、アクセス整備における国の支援策というのが明確になっていないわけであります。全部地元任せということなのか。先ほどもお話がございましたように、関西空港の場合にはあらかじめ総事業費に含まれており、つまり国の支援策というのが中に入っていたと見るべきなんですが、今回は支援しないと、こういう宣言をされているわけですか。
#75
○政府委員(楠木行雄君) こういった連絡橋の事業方式につきましては、鉄道部分と道路部分におきましてその内容を分けて現在検討が進められておるわけでございまして、そういった検討の中で支援のあり方等についても検討をする、そして関係者の連絡橋の整備に関する関与のあり方についてもあわせて検討が進められるものと考えております。
#76
○寺崎昭久君 もう一つアクセスについてですが、報道によりますと、開港時までに名鉄の常滑線の延長あるいは知多横断道路の延長が可能なように検討している旨の報道もございます。これを見ておりまして、膨大な費用が必要になるだろうなと想像しているわけでありますけれども、この費用はどこから調達するんだろうか、それも心配になります。もし、道路については建設省だとおっしゃるんであれば、常滑線の延長にかかわって運輸省は費用の面でどういう支援なりをするのか、お尋ねします。
#77
○政府委員(小幡政人君) 鉄道アクセスの整備に関しましてお答え申し上げたいと思います。
 新空港開港までに名鉄の常滑線を延長しましてこれを鉄道アクセスとして整備しようということで考えているわけでございますが、この部分で二つの対策が必要と考えております。一つは、常滑から新空港までの整備と、それから現在の常滑線はスピードの面あるいは輸送力の面でまだ十分でございませんので、既存の新名古屋−常滑間についての基盤整備、この二つが必要と考えております。
 それで、前者につきましては、先ほど航空局長から申し上げましたように、第三セクターをつくりまして整備をしていこうということで、せっかく今検討、協議をしていただいているわけでございます。ここに対する国の支援でございますけれども、我々といたしましては、第三セクターの設立に向けての調整、協議の結果を十分に踏まえまして支援のあり方については検討していきたいということでございます。
 ただ、我々としての空港アクセスに対する整備という観点からの補助制度は現在はございません。また、昨今の財政の厳しい状況ではございますけれども、先ほど申し上げました地元の検討結果を踏まえて検討させていただきたいということでございます。
 それから、名鉄の既存の新名古屋−常滑間の整備でございますけれども、これは名古屋鉄道の方におきまして開港に間に合うべく準備を進めていただいているところでございまして、一部既に着手に入っているところもあるように聞いてございます。これらにつきましては、現在の名古屋鉄道における整備を我々としても見守りながら、必要があれば支援させていただきたいということでございます。
#78
○寺崎昭久君 名古屋空港の今後の活用、利用ということについてお尋ねいたします。
 中部国際空港が完成した後は、名古屋空港の定期便を中部国際空港に一元化するということが前提になっていると伺っております。名古屋空港というのは、言うまでもなく、今は国が設置、管理する第二種空港であるわけなので、この一元北後は、愛知県が名古屋空港のターミナル用地の一部を買い取って、いわゆるコミューター飛行機なんかが使えるようなゼネラルアビエーションに使うという報道もあるわけでありますけれども、こういうやり方については当事者間で既に合意がされたのかどうか、伺っておきたいと思います。
#79
○政府委員(楠木行雄君) 第七次空港整備五カ年計画策定時におきまして、定期便の一元化というものが中部国際空港の建設促進に当たりましてその前提となるという決定がなされたわけでございまして、新空港の計画決定に当たりまして地元関係者の方からもゼネラルアビエーションの空港として今後活用したい、あるいは地元においてその用地についても買い取る方向で検討したい、こういったようなことが行われたことは事実でございます。
 それで、先生今お尋ねのそういったことの調整状況ということでございますが、定期便の一元化後の現名古屋空港のあり方につきましては、空港周辺の二市一町、春日井市、小牧市、豊山町、これと名古屋市、愛知県、地元経済界、学識経験者で構成する名古屋空港将来構想検討会議というのがございまして、ここにおきまして平成十年度じゅうの構想取りまとめを目指して検討が進められているところでございます。
 この会議におきましては、一元化後の名古屋空港の活用方策につきまして、GA、いわゆるゼネラルアビエーションを中心に可能性を検討するとともに、それに関連した地域振興方策についての検討を進めることになっておりまして、実は一昨日の二十五日にも第五回目の会合が開かれ、来月に検討結果の中間取りまとめを行うこととなったと聞いております。
 今後、この検討会議において地元の要望も踏まえて具体的な構想が描かれてくるものと考えておりまして、運輸省といたしましても、その結果を踏まえてできる限り協力をしてまいりたいと思います。
#80
○寺崎昭久君 先ほど大臣から、中部国際空港を検討するに当たってPFI手法も活用されたというような御紹介もありましたし、昨年十一月十八日の経済対策閣僚会議においては、国際拠点空港の整備に関して、「中部新空港については、二〇〇五年の愛知万博の開催をふまえ、PFI手法も活用しつつ、」、こういうことがうたわれております。
 PFIというのは私は寡聞にしてよく知らないんですけれども、中部国際空港というのはかなり以前から計画をされてきたわけでありまして、急にPFIと言われても、どこがPFIなんですかと思わず目を疑うわけでありますけれども、御説明いただけますか。
#81
○政府委員(楠木行雄君) 先生おっしゃるようにPFIというのは非常に新しい概念で、一九八二年だったでしょうか九二年だったでしょうか、イギリスの方から始まったというふうに聞いておりまして、三つぐらい形態がある。民間の方でお金を出して行いましたサービスを国が利用する、あるいは買い取っていくというような形、例えば刑務所とかそういうものを利用する、こういったものとか、あるいは独占的な事業を与えて料金を取ってそれで収益的に成り立たせていくというようなもの、三番目には、ジョイントの出資のような方式で、官民が出資を出し合ってものをやっていく、こういうようなものがあると聞いております。
 私どもは、中部国際空港につきましては、その三番目のパターンに非常に似ていると思っておるわけでございますが、いわば、これまで進めてまいりました官民の協調連携の方式で行ってまいりましたものがそれに非常に合致したというふうに考えておるわけでございます。
 具体的にPFIをどういうふうにこのスキームにおいて活用しているかという点につきましては、この空港の事業主体につきまして、特殊法人ではなくて、商法上の株式会社として地元の主導により設立されるものとして、その会社が空港の運営を行うということと、その会社に対する民間部門の出資比率を二分の一まで引き上げて、民間のイニシアチブをより発揮できるようにするといったことがPFIの考え方に沿ったものであるというふうに考えております。
#82
○寺崎昭久君 PFIはイギリスで言われている手法だと聞いておりますけれども、だからといって、バックグラウンドや条件が違う我が国でそのままそっくり取り入れられるかとなると、私は甚だ疑問であり、まだまだ日本流のPFI的な手法というのは開発されなければいけないのかなと思っております。
 物の本によりますと、この方法というのは、手法に限らず理念まで立ち至って、これは公共の仕事としてやっていいのかあるいは民間がやるべき仕事なのかというようなところまで立ち至って検討する手法だとも聞いておりますし、政策判断あるいは効率性の問題、あるいは経営としての判断、そういったものがきちんと独立した格好で評価されるような仕組みがあって初めてこのPFIというのは威力を発揮するというようなことも物の本には紹介されておりますので、この手法をどこで取り入れたのかとお尋ねして、ここでございますと言っても、にわかに私もそのままそうですかと受けとめるわけにはまいりませんけれども、ぜひ今後とも御検討をお願いしたいと思います。
#83
○国務大臣(藤井孝男君) 我が国もPFIというものを初めて導入するといいますか活用するというふうにしておりますし、今委員御指摘のとおり、確固たるこれがPFIだというものがないのではないかという、確かにそういう面もあろうかと思います。
 ただ、民間による五〇%の出資ということ等から考えて、我々が期待するのはやはり民間の経営のノウハウと申しましょうか、そういったものを活用することによって経営の効率化を図っていき、それがいわゆるコスト縮減効果というものに寄与する、そういった点で非常にきめ細かな機動的なサービスが期待されるのではないかなという期待があります。
 そして、これは陣内委員のときにも航空局長の方からお答えをいたしましたけれども、特に民間のイニシアチブということになりますと、具体的に申し上げますと、例えば旅客ターミナルあるいは貨物ターミナル、店舗等を中心としたいわゆる機能利便施設の運営や海外等へのポートセールス、空港収入の増加策などが考えられるのではないかと思いますが、そういった民間の経営ノウハウというものをできるだけ生かすようにして、日本版PFIの一つのモデルケースにさせていくように努力をしてまいりたいと考えております。
#84
○寺崎昭久君 終わります。
#85
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。
 先ほどから質問をずっと聞いておりまして、ほとんどもう出尽くしたような気がいたしますけれども、私の方からはまた角度を変えて少しお伺いしたいと思っております。
 中部国際空港の設置についての地元の思いは痛いほどよくわかるのですけれども、法案の中身について少しお尋ねいたします。
 空港整備法の第三条第一項は、「第一種空港は、運輸大臣が設置し、及び管理する。」と。いわゆる第一種空港は国営にするという規定であると思います。本法律案の第二条で中部国際空港を第一種空港と位置づけておりますけれども、しかし、設置も管理もこの法案で設置される指定会社に任せるということになっております。本来の国が設置して管理するという規定は一体どこに行ってしまったのかというような思いがします。この法案はそうした権限また義務規定を民間に責任を移しているような図式になっております。
 羽田空港の国の直営方式から、成田の公団方式、また関西国際空港の特殊法人化、そして今度は指定会社方式へと変化しておりますけれども、国は、変化するたびに国の負担の重みを減らしながら自治体あるいは民間に転嫁しているのじゃないか。
 そこでお聞きいたします。
 まず、空港整備法に第一種、第二種、第三種空港の区分けが定められておりますけれども、先ほど申し上げましたように、第一種空港においても、羽田のように一〇〇%運輸省の直営方式、また一〇〇%国の資金で経営する公団方式、成田ですね。そして国の資金が三分の二になった関西国際空港、国の資金が四〇%になった今回のこの中部国際空港というように、また第二種においても二十五の空港がありますけれども、国が設置も管理も一〇〇%の空港と、設置は国であるけれども管理は自治体というように、第一種、第二種の色分けがあいまいになってきております。今日その区分けの必然性があるのかどうか、改善すべきときが来ているのではないかと思いますけれども、御所見をお伺いいたします。
#86
○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘のように、一種空港、二種空港、三種空港という形で空港整備法では空港の色分けをしておるわけでございます。
 第一種空港につきましては、「国際航空路線に必要な飛行場」、それから第二種空港につきましては、「主要な国内航空路線に必要な飛行場」、ただし、地方の団体が管理を行うものにつきましては、二種Bと私ども言っておりますが、こういったものもこの中に含まれております。それから、「地方的な航空運送を確保するため必要な飛行場」、これは第三種空港と定義づけをしております。
 こういった空港の種別は、まず第一には、空港の設置をいたしますときにおいてその設置・管理主体や費用負担を決める際の基準となるものでございます。また、そのときの各種の空港の整備の必要性の問題あるいは空港が全国ネットワークの中でどういうふうな地理的配置になっておるか、こういうふうなことも考えながら現実に位置づけをしておるものでございます。
 先生御指摘のように、少し時代によって一種の中でもあるいは二種の中でも差があるではないかという点でございますが、先ほど別の委員の方の質問の際にも、成田、関空、中部がそれぞれの時代に応じて違っておるという御説明を大臣あるいは私の方からしておりますように、その時々の状況というものに応じて差が出ておるのは事実でございます。ただし、これはそれぞれのそのときの法人設立の状況あるいは政府の財政状況、地域の熱心さの度合い、こういったものがいろいろ相まって行われておるものでございます。
 それから、二種につきましてのAとBの区分け、これは二種空港は当初はAだけであったわけでございますが、制度的に三種から二種に格上げをしたいという話がございまして、その中から、たしか五つあったと思いますが、二種Bに格上げされ二種空港になったというふうに承知しております。
#87
○但馬久美君 非常にわかりにくいんですけれども、地域性とか、そしてまた、そうやって第二種でもAとかBとかというふうな必然性があるのかどうかまだまだはっきりしない部分があるんです。この部分についてはもう一度改善の余地があるんではないかと申し上げておきたいと思います。
 中部国際空港は、万博等が開催されることもありまして地元主導の面がかなり強く表に出ていると思います。地元の要請をうまく利用する形で自治体等に負担を強いる方法が見えてきているような気がいたします。地元はそれを指摘されることはつらいと思いますけれども、地方分権が叫ばれる昨今、財源は手元に置いておいて負担だけを押しつける、一般論で申し上げますと、この方法で国の借金が少なくなっても、地方に借金が移るだけ。払い切れればそれはいいんですけれども、払い切れなければ結局のところ国民にツケが回る、こういう状態になります用地元に負担がかかる、この心配部分を、先ほども話が出ておりますけれども、どのようにお考えであるかお聞かせください。
#88
○政府委員(楠木行雄君) 中部国際空港プロジェクトは、計画の初期の段階からいわば地元主導で空港計画案なども調査、検討されてきております。もともとが地元主導で進められてきたプロジェクトでありまして、地元では中部方式と言われておるようでございますが、国も地方も民間も一体になりまして、中部国際空港推進調整会議といったものの中で計画づくりなどを進めてきたわけでございます。
 現時点におきましても、地元においてその事業主体となる株式会社の設立準備が積極的に進められているところであります。さらに、この空港につきましては、現名古屋空港の処理能力が二十一世紀初頭には限界に達すること、また地元において二〇〇五年の万博開催に間に合うように整備することが強く要望されていることから、これを緊急に整備する必要があるわけでございます。
 このため、地元主導の事業主体によりまして事業を推進することにより、事業の効率かつ円滑な推進を図るとともに、国もこのような事業主体に対して出資、無利子貸し付け、政府保証あるいは税制の特例、こういったさまざまな支援を行うことによりまして、国及び地域が一体となりまして整備を推進することとしております。決して地元への負担の押しつけというふうに考えておるわけではございません。
#89
○但馬久美君 地元、そしてまた国が一体になってとおっしゃいますけれども、将来空港の民営化を目指している部分というのはどういうふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#90
○政府委員(楠木行雄君) 空港の民営化の定義ということであろうかと思いますが、私どもの方は一つ一つの空港のあり方につきましては、先ほど来申し上げておりますように、成田、関西、中部という形で民的な部門というのが徐々にふえてきた、こういった推移をよく勘案しながらこれからは検討すべき課題であろうかと考えております。
#91
○但馬久美君 諸外国では、確かに英国なんかは空港や港湾の民営化を行っていると聞いております。そのためにかどうかわかりませんけれども、輸送実績とか、旅客、貨物ともに世界で第二位、我が国よりもはるかに量を超えているのですけれども、こうした英国の実態がどうなのか、もしわかれば御説明をお願いいたします。
#92
○政府委員(楠木行雄君) イギリスにおきます空港管理の民営化でございますが、一九六五年に空港公社法というのができまして、BAA、英国空港公社が設立され、ヒースロー空港、ガトゥィック、スタンステッド、プレストウィツク空港をこれに移管したわけでございます。その後、エディンバラ、アバディーン、グラスゴーといった空港がその後の経緯で移管され、そしてサッチャー保守党政権の誕生によりまして空港の民営化政策というものが打ち出され、最終的には一九八七年に株式を売却して英国空港会社が設立されたわけでございます。現在はヒースロー等主要七空港の管理を行っておる、このように聞いております。
 なお、政府はゴールデンシェアと呼ばれる特別な権利を付した株式一株をBAAに対して保有しておるというふうに聞いております。
#93
○但馬久美君 今のお話を伺いまして、大臣は将来の空港のあり方についてどのようなお考えを持っていらっしゃいますでしょうか。
#94
○国務大臣(藤井孝男君) 英国の状況と我が国の、とりわけ拠点空港と申しましょうか、その状況はかなり差があると思いますし、大規模空港がほとんど整備されている英国と我が国の空港の整備状況にはまだ大きな差異があろうかと思います。
 ただ、但馬委員御指摘のように、将来この整備が進み、また今回中部国際空港におきましても民間活力を導入する、そういうものがどんどん進み、将来的にこれはもう国で管理するよりも民間に移した方がいいのではないかというときが来るのではないかと私自身は個人的に思っております。ただ、現在の日本の状況からしますと、まず国が、そして今般は地方自治体あるいは民間という三位一体の中で、その中でも民間のノウハウというものを活用しながらこの中部国際空港を進めていこうという、まだその段階ではないかなという気がいたします。
 しかし、今の御指摘については、将来そういったことを検討しなきゃならないときが来るのではないかというふうに私も頭の中にはそう描いておるところでございます。
#95
○但馬久美君 二十一世紀は大交流時代と言われておりますし、ぜひ夢のある展望を持っていただきたいと思います。
 話は変わりますけれども、また国際空港の話でございます。
 空港島、関西空港も埋め立てで空港がつくられております。同様に、今回の中部国際空港もそういう形をとられるんですけれども、連絡橋が当然つくられると思います。先ほども寺崎委員が質問なさっていらっしゃいましたけれども、関空の連絡橋は特殊法人の株式会社が負担しております。中部国際空港については指定会社の負担から外されております。ここは気になるところです。
 この連絡橋をどこが設置し管理するのかという問題もありますけれども、関空の連絡橋への車両の乗り入れについては、料金所があり非常に不便を感じている人が多い。私も現に何回かあそこを通りましたけれども、主要都市の大阪、神戸から高速を通ってまいりますと、料金所がたびたびあるんですね。特に関空に入るときには、橋の入り口にまず料金所がありまして非常に渋滞をします。料金所でお金を払う人たちのそういう混雑にもっと便宜を図ってほしいという利用者からのお話があります。技術革新で料金所を取り払って利用者の利便を図ってほしいという思いがするんですけれども、運輸省の御意見をお伺いしたいと思います。
#96
○政府委員(楠木行雄君) ただいまの御質問は、料金収受の際にも車がスムーズに流れるような工夫をすべきだと思うかどうかという御趣旨かと思います。
 中部国際空港の道路部の連絡橋につきましては、現在その検討が行われておりまして、今後有料の道路を前提に、愛知県が中心となって受益関係機関からの負担等により建設するよう関係者間で調整が進められていくことになるわけでございますが、やはり利用者にとって便利なものとなるようにするということは非常に重要なことであろうと思います。
 そういった御指摘の点も踏まえ、またいろいろ通信技術等を活用して、将来の技術開発がどのようになるかといった点も踏まえまして、御指摘の点はよく配慮しながら関係者に対して可能な限り御配慮をお願いしていきたいと考えております。
#97
○但馬久美君 関西空港と同じ轍を踏まないように、ぜひ今回の中部国際空港の連絡橋というのを考えていただきたいと思います。
 きょうは建設省の方にも来ていただいておりますので、この点について建設省にお伺いいたします。
 現在、ETCといって、ノンストップ自動車料金収受システムというのが開発されております。料金所でとまらなくても通り抜ける際に自動的に料金が計算されるシステムですけれども、その開発状況は今どんな状態でしょうか。
#98
○説明員(久保田荘一君) ETCでございますが、委員御指摘のように、このシステムは、有料道路の料金所に設置した路側機器と利用者が車に搭載する車載器との間で無線通信によりまして自動的に料金を支払いまして、料金所で停止することなく通行しようというシステムでございます。
 この実用化につきましては、現在道路公団の小田原−厚木道路とか、先般開通をいたしました東京湾アクアラインで試験運用を実施してございます。
 たまたま、本日でございますけれども、このために必要な機器類の仕様書の案を公表いたしたところでございまして、現在広く内外に意見の招請を行っているところでございまして、この仕様書を近々決定いたしまして民間の方で機器開発をお願いする、そういうことにしようとしてございます。平成十年度には路側機器の調達を一部開始できるのではないかというふうに考えてございます。
#99
○但馬久美君 ありがとうございました。
 こういうシステムが導入され、関空も、それからまた中部国際空港もスムーズに行ける、そういうような便宜をぜひ工夫して図っていただきたい、運輸省の方にもお願い申し上げます。
 先ほどの寺崎委員とちょっとダブるんですけれども、もう一度お伺いしたいと思います。
 この指定会社と特殊法人との違いで、事業計画についてお尋ねいたします。
 まず、関西国際空港株式会社と中部国際空港株式会社は、同じ株式会社でも一方は特殊法人でもう一方は指定会社であります。この違いをもう一度御説明をお願いいたします。
#100
○政府委員(楠木行雄君) 中部国際空港プロジェクトにつきましては、PFIの精神を生かしつつこれを推進していくこととしております。関西空港と比較して具体的に違いを申し上げますと、先生今御指摘のように、空港事業主体につきまして、特殊法人ではなくて、中部の方は商法上の株式会社として地元が最初に会社を立ち上げていく、つまり地元の主導により設立されるものといたしまして、その会社が設置、管理を行うという点がまず第一点でございます。
 それから、民間のイニシアチブがより発揮できるよう、当該会社への出資比率を五〇%、関空の場合は六分の一でございますので一六・七%でございまして、そういうものとしているところが違う点でございます。
   〔委員長退席、理事寺崎昭久君着席〕
 それからまた、規制等で申し上げますと、例えば配当につきまして、関西空港につきましては、特殊法人等々の性格もございまして高率の配当をするには制限がございますし、そういった利益が上がりました場合に国庫納付をするといった制度がございますが、中部国際空港の指定法人の場合はこういった規制はないというのが違う点でございます。
#101
○但馬久美君 では、この指定会社の出資関係について、総額千二十四億円のうち五〇%の五百十二億円を民間が出資することになっておりますけれども、どのように出資を募るのか。この地方公共団体の出資及び無利子貸付金はそれぞれ百二億円と四百十億円で、総計五百十二億円でありますけれども、どこの自治体がどういう割合でこの出資等を行うのか、お聞かせください。
#102
○政府委員(楠木行雄君) まず民間の出資でございますが、中部国際空港の事業主体となります株式会社への民間出資につきましては、地元におきまして中部国際空港民間出資促進委員会を結成し進められてきたところでございますが、順調に集まりつつあり、先生御指摘の五百十二億円、これは中央と地方、地元の財界でおよそ半々ぐらいという目標があるやに聞いておりますが、そういった地元あるいは中央の目標につきまして、順調に達成される見込みであると聞いております。
 それから自治体の無利子資金出資及び無利子貸付でございますが、中部国際空港に係ります地元自治体間の負担割合につきましては、愛知、三重、岐阜及び政令市であります名古屋市、この三県一市におきまして、各自治体の地理的な状況、財政状況、空港の利用予測、こういった点を踏まえて協議を行いまして、愛知県が五八・七%、岐阜県が六・五%、三重県も同様六・五%、名古屋市が二八・三%ということで合意に達したというふうに聞いております。
#103
○但馬久美君 ところで、関西国際空港は九四年に開港しておりますけれども、現在、金利の負担はどのくらいで、払い切れているのか、累積しているのか、お聞かせください。
#104
○政府委員(楠木行雄君) 関西国際空港株式会社の八年度決算をとって御説明いたしますと、営業収益が一千百七十五億円に対しまして営業費用は九百四十六億円と営業損益では二百二十九億円の黒字のところ、支払い利息が五百二十七億円に上っておりますので、経常損益では三百億円の赤字となっております。これは約一兆円の有利子の負債を抱えていることによるものでありまして、金利が負担になっていることは御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、市場金利の低下を反映いたしまして金利負担が少し軽減する結果となっておりまして、さらに乗り入れ便数の増加により空港収入が増加していることから、その一部を償還財源に充当しているため、この面からも金利負担の軽減が図られているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後ともできるだけ低利の資金調達をするというのも大事でございますので、そういった点に努めるよう関空会社を指導してまいりたいと考えております。
#105
○但馬久美君 成田も関空もともに世界一高い空港使用料を払っておりますけれども、中部はその点どういうふうな形式をとっていかれるのか、お聞かせください。
#106
○政府委員(楠木行雄君) これは着陸料等の空港使用料をどう決めるかというやり方がまずあるわけでございますが、収支採算性の確保を基本としつつ、空港の事業主体と航空会社との交渉により決まるものでございまして、現時点において中部国際空港の着陸料は確定していないわけでございます。
 ただ、いろいろ採算性の計算をいたします前提といたしましては、関空と同一水準の着陸料を前提としておりますので、その場合は国際線はトン当たり二千三百円、国内線はトン当たり千九百円という前提としております。
#107
○但馬久美君 この問題は先ほどから各委員からも出ておりますので、今後こういう空港使用料、いろいろと問題たくさん出てきておりますけれども、ぜひこういう問題に対しての考慮をよろしくお願いしたいと思います。
 今度は環境問題についてお伺いいたします。
 空港建設に当たって、アセスメントの調査は綿密に行われていると思いますけれども、この伊勢湾、たしか海洋汚染では日本の三大悪の一つに数えられております。関西国際空港も同じ条件でありますけれども、特に要望したい点は、この海洋汚染防止にどういう対策を講じていらっしゃるか、お聞かせください。
#108
○政府委員(楠木行雄君) 海洋汚染防止につきましては、まず建設段階におきまして工事区域周辺への汚濁防止膜の敷設などにより濁りの拡散防止に努めるとともに、空港開港後におきましては、航空機燃料の荷役時におけるタンカーバース周辺へのオイルフェンスの敷設、あるいはCODや窒素、燐を極力低減する下水の高度処理の導入等、こういった方策が必要であると考えておりまして、適切に対策を講じたいと考えております。
#109
○但馬久美君 それに引き続いて、漁業補償問題についても、これは問題になっている部分でございまして、この湾内の漁業組合の漁業補償問題はこれから本格的な交渉が始まると思いますが、一貫して反対を続けている漁業組合に対しては今後どういう対応をされていくのか、お聞かせください。
#110
○政府委員(楠木行雄君) 過去、平成五年にボーリング二十一本を含む現況調査をいたしましたし、また平成六年には常滑の沖に海上環境測定局を設置するということで、そういったことについても調整をいたしました。また現在、実機飛行調査の実施に伴う海上工作物の設置についても平成五年とか八年とか、こういった点での調整もしております。
 こういった経緯も踏まえまして、漁業関係者との調整につきましては、漁業者の了解を得て進めてきたところでございます。最近では、新空港の整備に向けてのボーリング調査等につきまして、愛知県漁連の合意は得られました。そして三重県漁運からも、同意はしないが調査の実施を妨げないという回答があったところでございます。
 先生おっしゃる点、大変重要でございますので、今後とも地域と連携し、漁業関係者の御理解を得つつ、漁業補償問題も含めて新空港の円滑な整備が図られるように努めてまいりたいと思います。
#111
○但馬久美君 本当にきめの細かいそういう配慮をぜひお願いいたします。
 最後に、関西空港の現状についてお伺いしたいと思っております。
 きょうの日経にも出ておりましたけれども、関西では二〇〇八年の大阪オリンピック招致を目指して関西国際空港の第二期の工事がいよいよ本年度から始まります。九八年度の予算に着工準備金が九百十七億円計上されておりまして、着々と進んでいるようです。この経済波及効果も十兆円以上、約八十万人分の雇用が創出できると言われておりますが、第二期工事の飛行コースがどうも陸上部分を飛ぶのではないかと心配されているんです。実際これはどうなのか、事実ならば騒音対策などかなり困難な問題が予想されますけれども、この点いかがでしょうか。
#112
○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘のように、平成十年度予算におきまして、関西国際空港の現地着工準備事業費ということで九百十七億円を計上し、これによりまして、諸般の手続が順調に進みますならば十年度中に現地着工するということも可能な予算ということになっておるわけでございます。
 御指摘の飛行ルート、陸上ルートの問題でございますが、関西国際空港におきます飛行経路につきましては、昭和五十六年にいわゆる三点セットということで地元に提示をされました。そして現在の経路によりまして運用されているわけでございますが、三点セット策定時には想定し得なかった問題点が乗り入れ便数の増加とともに現実のものとなりまして、現行経路によっては現在の一本の滑走路でも今後の増便等が困難になっている状況にございます。
 このような状況にかんがみまして、一昨年の七月以来、地元三府県に対しまして飛行経路の現状と問題点につきまして御説明を続けてきた結果、一定の御理解をいただき、昨年の六月には、私どもの方から「関西国際空港の飛行経路問題に係る総合的な取り組みについて」というものを地元三府県に提示をさせていただきました。その中で、大津、河和方面への新たな出発経路、これは大阪府の府域の上空を通過する経路でございますが、そういった点の設定等を含む新しい飛行経路案を提示したところでございます。
 その後、このような総合的な取り組みについて理解をいただけるように地元三府県に対して説明を続けておるわけでございますが、その中で特に新しい飛行経路案につきまして、実際の騒音レベルや飛行高度を検証するとともに、地元に体感していただくことを目的として、平成十年二月九日の早朝と夜間に実機飛行調査を実施いたしました。二月二十四日、地元に調査の結果を報告したところでございます。
 また、ちょっと新しい話といたしまして、四月十一日には、新しい飛行経路案につきまして騒音値等をさらに検証するとともに、地元に再度体感していただくために実機飛行調査をもう一度実施することとしております。
 今後とも地元に十分な説明を行い、理解を得ていく所存でございます。
#113
○但馬久美君 時間が参りましたので、このほか埋め立て用地の土砂の調達とか先ほどから申しております漁業補償とかそしてまた環境アセスメントの問題とか、やはり地域としっかりと根を張って交流していただいてこの問題を解決していただきたいと思っております。
 以上です。どうもありがとうございました。
#114
○渕上貞雄君 社会民主党の渕上でございます。
 運輸大臣におかれましては、日ごろの運輸行政に対する積極的な姿勢にまず敬意を表しておきたいと思います。同時にあわせて、三月二十一日、九州整備新幹線鹿児島ルートの起工式にお出ましいただきまして、ありがとうございました。
 このように、運輸省にかかわる陸海空それぞれ大型の開発プロジェクトがあるときでございますから、やはり今世の中で騒がれている大蔵省のような不祥事件の起こらないように、ゆめゆめ私はないと思っていますけれども、緊張してどうかこれらの問題成功のために奮聞いただきたいと思っているところでございます。
 中部国際空港の設置及び管理に関する法案についての質問でございますけれども、中部国際空港の整備に際しまして、昨年末の与党予算編成大綱にありますように、財政構造改革の趣旨、環境問題については十分に配慮すべきであるというふうに思っています。
 以下、幾つかの点について御質問申し上げたいと思うのでありますが、中部国際空港の整備に当たっては、今同僚委員の方からお話がありましたが、大事なことは二つあると思うんです。
 一つは、やはり海で生活をしていた漁業者の方々の生活権が脅かされることになるわけでありますから、そこのところは、今お話を聞けば一部反対の方もおられるようでありますけれども、これはひとつ積極的に解決していただきたい、要望をまずは申し上げておきたいと思っております。
 次に、やはり一番心配になってくるのはもう一つの点で、環境評価の問題でございます。これらにつきましては、積極的にひとつ万全を期して対応をしていただきたいと思うのであります。運輸行政に携わる者として、今日のCO2問題については、京都会議に見られるように環境問題が非常に大きく問題になってくる。そういうことなどを考えますと、環境に対する国民の反応というのは非常に敏感なものがございますので、これらの問題については、さきに何人かの方から質問がございましたけれども、やはりこういう大型の公共事業を進めるに当たっての環境評価については、さすが運輸省だと言われるようなことをひとつやっていただきたいと思うのであります。
 大臣、この環境問題にかかわって運輸省としての決意をどうかひとつ聞かせていただきたいし、でき得れば、環境問題は万全だというお答えをいただきたい、こういうふうに思っています。
#115
○国務大臣(藤井孝男君) 今度の中部国際空港を整備するに当たりまして、一つの大きなテーマといたしましては、環境に優しい空港をつくらなきゃいけないということでございます。
 そこで、先ほど委員御指摘いただきましたけれども、これからこの整備を推進するに当たりましては、地元の漁業関係者の皆さん方との漁業補償の問題等々の合意に向けて最善の努力をしていかなきゃいけませんし、十分に配慮しながら、漁業関係者の生活権とおっしゃいましたけれども、そういったものも確保していかなきゃならない。
 いま一つは、今もう世界的規模で、地球的規模と申しましょうか、環境問題が大変大きなテーマになっていまして、まさに二十一世紀は環境といわゆる我々の生活との共生、それが一大テーマになってくるだろうと思います。
 そういう中でこうしたビッグプロジェクトを推進するに当たりましては、やはり環境面では最善の配慮をしていかなきゃならない、このように考えているところでございます。
#116
○渕上貞雄君 どうか大臣の決意が現場で生かされるように、今後ともひとつ積極的な努力を期待しておきたいと思います。
 二つ目には、何といっても第一種空港を別のところにつくるわけですから、残された、現在使用されている定期空港路線の一元化に伴う名古屋空港周辺の地域振興の問題について、これはしっかりやはり考えていかなくてはならないと思っているところです。
 先ほどのお答えによりますと、委員会をつくってその中で検討をしている最中だというふうな答弁があったようでございますが、その委員会の中で出てくる地元の要望、地元が考えている地域振興策について、やはり国としても積極的に参加をして、残された周辺地域の再開発ができるようにしていかなくてはならないと私は思っているんです。
 一方で光の部分があり一方では影の部分があっては、せっかく新しいPFIというんですか、日本型PFIと言われている今回の開発方式が台なしになると私は思うのでありまして、そういう地元自治体や地元の人たちの要求や要望にこたえていただくようにまずはお願いをすると同時に、やはりあったものがなくなるわけでありますから非常に不安になると思うのでありますけれども、それらの対応についてひとつ万全な配慮をしていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#117
○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘のように、今、空港周辺の二市一町あるいは名古屋市、愛知県、地元経済界、学識経験者で構成する名古屋空港将来構想検討会議におきまして、平成十年度中の構想取りまとめを目指して検討が進められているところでございます。
 現在の名古屋空港につきましては、愛知県はゼネラルアビエーション空港として活用したいという意向がございますし、あるいは防衛庁も航空自衛隊による使用を継続する希望もあると聞いております。こういった地元の御要望をどうまとめていくかということでございますが、先ほどもちょっと御紹介いたしましたが、一昨日、第五回目の検討会議の会合も開かれて、来月には検討結果の中間取りまとめを行うことになったと聞いております。
 私どもといたしましては、御指摘も踏まえ、この検討会議において地元の要望もいろいろ出てくると思いますので、そういう点、具体的な構想が描かれてくるという考えのもとに、運輸省といたしましてもその結果を踏まえてできる限り協力をしてまいりたいと考えております。
#118
○渕上貞雄君 ただいまのできる限り地元の要望にこたえたいというのは、いろいろあると思うんです。やはり新しいことを考えて新しいものを実施していくなら新しい対応策があってよかろう、そのときにいろんなことを言ったにしても、やっぱり財政が問題になると思いますので、もし財政的な要求が出てきた場合についても、どうかひとつ十分運輸省はこたえるような予算措置を考えてやることが大事ではないかと思っていますので、これは来年度の予算になると思いますけれども、ひとつ要望だけしておきたいと思います。そして、やはりそういう地元の要求が出てきた場合の支援策については。今申し上げましたようなことを含めて、どうか運輸省の積極的な支援をお願いしておきたいと思うんです。
 その場合、今の名古屋空港でともに、一緒に運航をしている自衛隊の問題について防衛庁の方に質問したいわけであります。
 基本的には、なくなった後軍事空港化していくのではないかという懸念が一部やはり周辺の方々にあるわけでございまして、自衛隊の持つ性格、任務、役割というのでありましょうか、そして今後自衛隊としてこの名古屋空港をどのように位置づけてこの問題を考えておられるのか、そういうことについてひとつ明確にしていただきたいと思うのであります。自衛隊があそこにどういう基地の機能をより期待しているのか、また拡大しようとしているのか、どういうような施設を将来考えておられるのか、その点について御質問申し上げます。
#119
○説明員(櫻井修一君) お答え申し上げます。
 名古屋空港、我々は小牧飛行場と呼んでおりますけれども、この小牧飛行場につきましては、日本の中央部に位置しておる飛行場でございまして、全国各地への航空輸送等を実施する輸送機部隊の根拠地として非常に有用性が高いという認識を持っております。
 したがいまして、防衛庁といたしましては、中部国際空港ができた後にあっても今までのように小牧飛行場を引き続き使わせていただきたいと考えております。これに当たりましては、今後とも地元との関係にも十分配慮しながら維持してまいりたいと思っております。
#120
○渕上貞雄君 小牧飛行場として使われるということでございますが、今持っている空港の機能というのは、日本全国に対する輸送機能の役割と。それ以上の機能を拡大しようというふうに考えていますか、考えていませんか。
#121
○説明員(金澤博範君) 現在、小牧基地には輸送任務を行うためのC130、あるいは航空救難の要員の教育を行うためのMU2型機等約三十機の航空機を配備しているところでございますけれども、現時点で小牧基地の機能を強化するといったような計画は持っておりません。
#122
○渕上貞雄君 小牧空港で、新しい空港に定期路線が移管された後、県としていろんな空港の活用を考えられていますね。そのことと今ある機能との関係については支障はありますか、ありませんか。
#123
○説明員(櫻井修一君) 私どもが承知しております限り、民間のところは現在の民間のところで使われる、それから我々の希望としては今自衛隊が使用している部分はそのまま使わせていただきたいということで、特段の支障ということはないであろう、かように考えております。
#124
○渕上貞雄君 防衛庁の方、ありがとうございました。結構でございます。
 七千六百八十億の費用の問題について、先ほど寺崎委員からふえたときの割合についてどうするかというお話がございましたけれども、これは新しい方式でいくとするならば、やはり運輸省の決意としてはこれ以上絶対にふやさないということにしておかないと、何が新しいかと言われたら、出てきたものはかつがつふやしますよではいかぬと思うのであります。大変財政が厳しいときであります。
 しかし、この空港が第一種空港である限りはやはりどんなことがあっても国の責務においてやらなきゃならない仕事だと思いますよ。経営形態はいろいろありましょう。中部空港方式があり、関空方式があり、成田方式があるでしょうけれども、どんな方式があったとしても、第一種空港としての役割は国が責任を持つ、このことをまずは明らかにしていただいた上で、総事業費について、それは特別な事情があればそんなことまでだめだというようなことじゃございませんけれども、極力この中で抑えていかなくてはならないと私は思うのであります。そうしないと、次から次に増加が出てくるようなことになってはならないと思うんです。
 その点は、明らかに十分な調査をした上でこれ以上はない、しかしこれ以上はないと言って関西空港は建設したにもかかわらずという言葉がありましたように、そこのところはやはりこれは運輸省の名誉にかけてもきちっとこれ以上使わないと言っておかないと、またぞろそういうようなことになったら、運輸省のこういう大型のプロジェクトに対しては信用が出てきませんと私は思います。
 したがって、そこらのところは運輸省、どう考えますか。
#125
○政府委員(楠木行雄君) 私ども、この中部国際空港につきましては、当初は中部新空港という名前でいわば種別不明のような形で概算要求をしておったわけでございますが、現実に年末までの間にこれを第一種の国際空港にするという形から、現在のような国が四〇%、地方が一〇%、民間が五〇%出すという仕組みに途中で概算要求のものが切りかわり、また無利子資金について四対一対一というものを関西空港並みに守っていくというような形でやってきたわけでございます。こういった考え方をとったのも、一種空港ということがあったというのが大きな理由でございます。
 また、先生おっしゃいます総事業費の増嵩の点でございますけれども、これはもうたびたび実は申し上げておりますように、現地におきます中部空港調査会等の事前の調査は十分に行ってまいりましたし、調査の結果から新空港の建設予定地は水深が浅くて地盤は強固であることが確認されておりますし、自然条件による事業費の増嵩というのは基本的にはない、こういうふうに考えておる次第でございます。
 運輸省といたしましては、空港会社に対して建設コストの縮減について必要な助言を行うなど、事業費が増嵩して地元の負担が増加するとかあるいは全体的な負担が増加するとか、こういうふうにならないよう一層努力を行ってまいりたいと思います。
#126
○渕上貞雄君 やはりきちっと今のような調査というものを明らかにしていただいて、ふえないということを明らかにした上で、なおかつ、私は事業ですからわからないと思うんです。ふえることだってあると思いますよ。あるときはきちっと国の責務でやるという決意を示しておかなきゃならないんじゃないですか。その点はいかがですか。
#127
○政府委員(楠木行雄君) 先ほど別の委員のときに大臣がお答えいたしましたように、これは大臣折衝におきまして、総事業費は七千六百八十億円とし、原則としてこれを限度とするというぎりぎりの折衝をしたわけでございますが、これが限度であるという強い決心をしているところでございます。
#128
○渕上貞雄君 そのような決意が実行できるようにひとつ努力していただきたいと思っております。
 次に、何人かの方からもお話ございましたが、空港島までのアクセス問題について御質問申し上げたいのであります。
 なぜ空港島とそのアクセスについて分けたかという問題について、先ほどの説明では、状況から考えてみて空港島と一緒に開発する必要はないんじゃないかそれはそれなりにやらなきゃならないというのは、名鉄の常滑線自体もきちっと整備しなきゃならないというようなことがあってのことなのか。それとも、距離も短いし、こういうことはやれるんじゃないか、総事業を抑制するためにはこういうことはのかしておこうというふうに言ったのかどうかわかりませんが、とりあえずアクセスという問題については開港と同時にやっておかなきゃならない問題でございますから、関連開発用地というふうに説明されましたかね、第三セクターにしなければならない一つの要因に関連開発用地という理由をつけておられるようでありますが、そのことがなぜ分離しなければならないことになったのかどうか、説明できれば説明をしていただきたいと思う。
 やはり、連絡橋にかかわる鉄道と道路の問題について、これは道路は道路、鉄道は鉄道で何か別々に建設するようにしているのかどうか。先ほどの但馬委員の質問では別々にやるようにちょっと私聞こえたのでありますが、そこらのところは整理をしていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#129
○政府委員(楠木行雄君) お答えいたします。
 まず、説明が大変まずくて申しわけなかったんですが、空港島の中にもいわゆる空港に関連する開発用地というのがございまして、物流だとかあるいは情報とかあるいは公共用地とか、公共用地というのは公共的な施設という意味でございますが、そういったものが現実にあると。それはできる限り空港の機能に関連してより近いものが空港の中におさめられる、こういうわけでございます。
 それから、同じような開発関連用地でも、空港の機能に少し遠いもので地域整備全体に必要なものが前島というような形で対岸部につくられる、こういうことでございまして、これは確かに空港の機能とは関係あるものではございますが、直接空港の事業とかかわりがあるというものではございませんので、空港の直接設置、管理を行います指定法人の事業からは除外をしておる、こういうものでございます。
 それから、そうなりますと、別の主体で連絡施設をつくり前島と空港を結んで、さらに鉄道の場合ですと名鉄に結んでいく、道路ですとそれの接続道路に結んでいく、こういったことが必要になるわけでございますが、今、鉄道と道路につきましては、関西空港のように上下で鉄道と道路が分かれるという形ではなくて、横に並んで併設するような形でやったらどうかという形になっておる。これは、関西空港の場合は五キロぐらいございますけれども、こちらの場合は三キロぐらいしかないわけでございますので、なかなか縦に、上下にするというのは難しい。横に併設をするという形になっておりますが、それをどのような形でどのような事業主体でというのは、先ほど御説明した点でございますので、お許しをいただいて省略させていただきたいと思います。
#130
○渕上貞雄君 それでは、アクセスについてそういう形でやっていくときに、それを支援していかなければできないことだと思うんですが、その支援措置についてはまだ十分に法的な裏づけがない、こういうふうに言われました。これはおいおいつくっていくことになりますか、どういうことになりますか。
#131
○政府委員(楠木行雄君) もともと、中部国際空港へのアクセスにつきましては、地元の自治体や地元経済界、それから建設省の出先の地方建設局あるいは運輸省の出先機関などによりまして構成する中部新国際空港推進調整会議が昨年三月にアクセス整備方策案というのを公表したところでございます。
 こういったものにつきまして全体的に、名鉄常滑線の延伸、そして空港に至る連絡鉄道施設の整備あるいは名古屋駅の乗り継ぎ利便の向上等々いろいろなことが盛り込まれておりますが、先生今御指摘の連絡施設が中心かと思うんですけれども、こういうものにつきましては現在関係者におきます検討が進められておりますので、そういったものを踏まえてこれから検討するということであろうかと思います。
#132
○渕上貞雄君 よろしく御支援のほどをお願い申し上げておきたいと思います。
 最後になりますけれども、本法案の指定会社については、新しくPFIというんですか、それのモデル事業、とりわけ日本型、これはこれから先の公共事業の開発に一定の役割を私は果たすと思うんです。したがって、このことは失敗できないと思うのでありますが、やはり空港整備にかかわって一番大事なことは、地域住民との信頼関係が一番私は重要なことになってくるのではないかというふうに思っていますので、どうか地元との関係については密接に連絡をしながらそごのないようにひとつやっていただきたい。
   〔理事寺崎昭久君退席、委員長着席〕
 その場合に、いわゆるこの会社の設立等から考えてみまして、責任体制の確立というのは明確にしておかなきゃならないと思うんです。私は、これは特殊会社であれ国がきちっと責任を持たなければならないと思います。その上で大事なことは、いかにして情報公開をしていくかということが大事なことではないかと思います。そのことを通じて、やはり情報が明らかになれば信頼も増してくるわけでありますから、でき得る限り情報公開に努めていただきたいと思いますし、運営の透明化については十分ひとつ配慮をしていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、建設に向けての大臣の決意のほどをお伺いして、質問を終わります。
#133
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど来他の委員の方にも御答弁申し上げておりますように、商法上の株式会社として地元の主導により設立されるものでございます。その出資が五〇%ということで、地元経済界を含む多くの民間事業者が拠出するものでございますから、商法の規定に基づきまして、業務執行体制の確立、株主を通じた民主的な運営、情報公開等、今御指摘のございましたように、これが十分確保されていくものと考えております。
 またさらに、指定会社に対しまして国といたしましても空港の適切な設置、管理、健全な経営の確保の観点から所要の監督を行うことといたしておりまして、運輸省といたしましても、こうした監督を通じまして適正な事業運営が確保できるよう指定会社を指導してまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、せっかくPFIというものを活用しようというわけでありますから、そういう中でできる限り地元の皆さん方、地域の皆さん方の御理解を得るために、情報の公開あるいは透明性は十分確保していかなければならないと思っております。
#134
○筆坂秀世君 中部新国際空港の位置づけとして、成田、関空に次ぐ三番目の国際ハブ空港の整備を図るというふうに言われています。大臣の趣旨説明でも、「航空ネットワークの拠点となる国際ハブ空港」というふうに言われております。
 国際ハブ空港というのはそもそもどういうものなんでしょうか。
#135
○政府委員(楠木行雄君) ハブ空港といいますのは、一体いつごろからそういう言葉が出てきたかというのもなかなか定かではないわけでございますが、ハブ・アンド・スポーク、いわば自転車の車軸とその中心部分といったような形で、米国の中でこれが言われてきたというのが最初であろうかと思います。
 国際ハブと言った場合には、そうすると国際的な乗り継ぎということだけを行うのか、あるいは国内と国際の乗り継ぎを行うのか、さらには国内が中心で国際もある程度あるといったものをやるのか、そういった点は余り定かになっていないのではないかと私は思います。
 今、世界的に言いました場合、例えばシンガポールのように地理的に航空機の一定の航続距離がございますところに位置しておるものにつきましては、そういった意味でかなり国際線と国際線を乗り継いでいくようなハブになるであろう。
 それから、アメリカのように非常に国際、国内の需要がともに大変あるといったところでは、やはりそういった国際、国内の乗り継ぎをこなしていくような、際内とでも申しますか、そういった意味でのハブ空港というのがあるのではないか。
 日本のはちょっと私は変わっていると思うんですが、周辺の需要というものをまず第一にとらえて、それに対して国際線が付加されていく、そして国際線もだんだん育っていく。こういった日本型のハブ空港のような感じがしておるわけでございます。以上三点あると思います。
#136
○筆坂秀世君 要するに、単純化して言えば乗りかえ拠点空港、これがハブ空港と。それは、国内から国際、国際から国内、流れはいろいろあるでしょうけれども。こういう空港を整備促進しなければならないその理由というのは一体何でしょうか。
#137
○政府委員(楠木行雄君) 私どもの第七次空港整備七カ年計画にもうたっておりますように、今、世界のそういった人的、物的交流というのが非常に盛んになっておるわけでございます。また、現在アジア太平洋地区におきましては、若干の経済危機等もございますけれども、これはやはり将来的に見ると非常に伸びる地域でございまして、IATA、国際航空運送協会の予測によりましても、二〇一〇年にはアジア太平洋地区が世界全体の航空輸送量の半分を占める地域であるという予測もなされておるわけでございます。
 こういった世界の交流の増加、そしてそれが世界の国のそれぞれの地位につながっていく、こういった状況にかんがみまして、やはりこれから日本が世界に伍してその地位の維持向上を図るために、どうしてもこういった国際ハブ空港の整備というものが必要である、こういう考え方から整備を進めておるものでございます。
#138
○筆坂秀世君 確かに、航空審議会の九六年十二月の答申でもこう述べていますね。「東アジア地域においては、大規模な空港の整備が積極的に進められているが、東アジアの主要な一員である我が国としても、今後とも増大が予想される需要に適切に対応するため、国際ハブ空港を中心とした国際交流拠点の整備を進めることが焦眉の急である。」。
 しかし、簡単に言えば、アジア諸国で整備が進んでいる、日本も乗りおくれてはならないということですよ、航空審や、今おっしゃったことも。何か国際ハブ空港をつくらないと日本はアジアから立ちおくれる、乗りおくれるという議論があるわけですけれども、本当にそういうことで国際ハブ空港をつくるのが妥当なのかどうなのか。
 なぜなら、例えばアジアで言えば、香港、シンガポール、ソウルは乗り継ぎの役割を文字どおり果たしています。一九九五年四月二十八日に日本開発銀行がまとめたリポートを見ましたら、この当時で、際際需要、際際需要というのは国際間の乗り継ぎですね、この際際需要がシンガポールは約二五%、香港が約二〇%、成田は一一・八%。
 この日本開発銀行のリポートというのは、ハブ空港、あるいは空港がどうあるべきかということについて非常に詳細な調査、分析をやっています。
 結論は何かというと、今確かにハブ空港、交流拠点、乗り継ぎ拠点としてシンガポール、香港、ソウルがある。しかし、果たしてこれがいつまで続くのか。こう言っていますよ。「際際需要は過渡的需要に留まる可能性が高い。」、だから、「我が国の国際空港の整備に際しては、当面はターミナル需要対応を基本にすべきである。」と。
 シンガポール、ソウル、香港がそうだから日本もそういう拠点をつくらなきゃいけないと、そんなことをやると、こんなものは一時的な傾向なんだ、だから慌ててそんなことをやっちゃいけないよと。これは開発銀行の分析結果ですよ。どう思いますか。
#139
○政府委員(楠木行雄君) 私、最初に申し上げましたように、日本型、シンガポール型、アメリカ型、こう三つあるんではないかということを申し上げました。
 シンガポールとか、例えばオランダのスキポールとか、こういったところが発着量の割にはどうもそこを利用する人間の航空旅客の数が少ないなというのは、私たちもそういうふうに考えております。
 そうなりますと、日本型のハブ空港のように、まず基本的に国内の需要があり、そこに国際の需要というものがオンされていく、そういったものがやはり空港間競争という点では強いんではないか、これは私どももそのように考えておりますので、現在はこの整備というのはそういうラインに乗って整備をしていると承知しております。
#140
○筆坂秀世君 私、何でこういうことを取り上げるかというと、ハブ空港ハブ空港、ハブ港湾とも言いますね。何かハブと使えば時代に乗っているかのような、ハブを使わなきゃもう時代おくれのような、沖縄じゃないんだから、ハブ、そんな感じがするんですよ。(「毒がないよ」と呼ぶ者あり)だから、毒があるんじゃないのかなと。
 調べて見ると、先ほど局長おっしゃったように、ハブ・アンド・スポークシステム、アメリカで生まれたんですね。何で生まれたかというと、これは航空会社の要求で生まれたんですよ。何でかというと、例えば十の地点に一カ所から十便出して例えば百人乗せるよりも、どこか一カ所ハブ空港をつくって、ここでまとめて、そこからは大型機でぽんと行く。この方がはるかにコストを下げることができるという航空会社の要求からハブ空港、ハブ・アンド・スポークシステムというのが誕生したわけですよ。
 しかも、それが何で可能になったかというと、この日本開発銀行のリポートでは、アメリカ型の「乗り継ぎ拠点空港」、つまりハブ空港「が成立するためには、航空自由化が前提となる」、しかし、「国際航空では領空主権のもと、二国間で路線、輸送力等を協定することとなっている。特に、三カ国の航空会社間の競争を招くいわゆる以遠権に関しては一部の国を除き消極的なため、航空会社のネットワークは自国空港中心となっている。」と。
 つまり、国際ハブ空港というのが以遠権の関係で非常に難しいというのが開発銀行の分析結果なんです。だから、先ほど言ったように、ハブ空港は乗り継ぎ拠点空港型じゃなくて、やるならターミナル需要、ここを中心にすべきだと。
 何でシンガポール、香港が乗り継ぎ拠点になっているのかハブ空港としての役割を果たしているのかというと、香港などの旅客流動、旅客移動がアジア域内中心になっている。香港の場合は七九%がアジア、シンガポールは七一%。ソウルは七五%。
 例えば日本からだってそうでしょう。日本からだって今ソウル経由でヨーロッパに行くという方が随分多いですよ。何でかと言えば、大韓航空機の方が安いからですよ。わざわざ関空から行かないんです、ソウルまでしか。ソウルからパリに行く、ロンドンに行く。これうんと割安になるから。だからソウルはそういう意味ではハブとしてのいわば一種の役割を果たしているわけです。
 日本はそんな役割を果たせないですよ。そんなものは航空会社がやることですから、航空会社はそんなに割安にはできないわけですから。ですから、中部新国際空港は国際ハブ空港と言うんだから、どだい無理なことを前提にやろうとしている、私はそう言わざるを得ないと思うんですけれども、どうでしょうか。
#141
○政府委員(楠木行雄君) アメリカの例を先生引き合いに出されましたけれども、例えばサウスウェスト航空がハブ・アンド・スポークなんかやっておりますのも、アメリカの場合は非常に大都市圏の中に比較的スロットのすいた空港があって、そこを利用することが可能であるということによって、非常によい時間、よいダイヤを組んでいくということもできるわけでございます。
 日本の場合は、これまた先生御指摘のように、なかなかそういうところは、空港が大都市圏に数多くあるというような状況もございませんので、やはりそうなりますと大都市圏を中心に、そこの周りの需要に対応していく日本型のハブ空港というような形になるわけです。私どもはこれを大都市圏拠点空港というふうに呼んでおります。
 それから、ソウルなんかに逃げているではないかというお話もございますが、実は関西空港なんかでその辺を調査しますと、ソウルに向かっていくお客の約一割ぐらいがそのさらに以遠に行くというぐらいでございまして、それほどでもないのかなというふうに私どもは考えております。
 そういった日本型のハブ空港といいますか大都市圏拠点空港というものを整備していくという点につきましては、私どもはここに書いてあります文書、こういったもので十分根拠になるものと考えております。
#142
○筆坂秀世君 ソウルから遠くへ行くのが一〇%程度だから大した影響はないとおっしゃったけれども、問題はそんなことじゃないんですよ。名古屋で乗り継ぐメリットがどこにあるんだと。そうでしょう。ソウルで乗り継げば安い航空運賃で行けるからソウルに行くわけですよ。高い運賃で名古屋に来て高い運賃で名古屋から乗り継ぐ必要が生まれてきますか。これは生まれてくるわけはないでしょう。
 しかも、私が言いたいのは、アメリカでハブ・アンド・スポークシステム、これはそのハブになる空港の周りの地域経済がそれによって活性化するとか、そんなことはもともと想定の枠外なんですよ。乗り継ぎなんですから、そんなこと全く想定の枠外。あるとすれば着陸料が入るぐらいなものです。
 だからハブ空港の場合に、じゃ言ってもらいましょう、首を振っておられるから。どんなメリットがあるのかおっしゃってもらいましょう。
#143
○政府委員(楠木行雄君) 例えばデンバー空港で、現在五本ぐらい、将来は十二本ぐらいの滑走路ということを聞いておりますが、ユナイテッド航空だったと思いますけれども、そういったところが立地するに当たってその周辺の自治体と取引をいたしまして、そういうメリットがいろいろあるから、例えば乗員の施設なんかも入るから、それに従ってそこら辺について十分入っていく、こういうようなことをやったと聞いております。日本とアメリカとちょっと違いますのは、そういったいろんなターミナル施設等を空港会社が自分の空港会社として専用でつくるというような仕組みがアメリカはございますので、そういった意味でのメリットというのがそちらには出ていたというような経緯があると聞いております。
 日本の場合は、例えば関西空港を整備いたしますと、従来北海道の住民の方が海外へ出ていくに当たってほとんど伊丹空港を利用していなかったものが、現在海外へ出かけられる方の一〇%以上が関西空港を利用して、いわば札幌から関西へ行ってそこで乗り継ぐというような形もございます。国際、国内の乗り継ぎという意味でのハブ空港はそういった形で私は育っているんじゃないかと考えております。
#144
○筆坂秀世君 それは当たり前な話で、札幌から伊丹に来て関空から行く人はいるでしょう。そんなことを否定するつもりはないですよ。今おっしゃったけれども、乗員の施設ぐらいじゃない、具体的におっしゃったのは。そんなもの地域経済に一体どれほどの効果があるんですか。
 何かもう国際ハブ空港をつくらないとアジアで日本が立ちおくれるんだという議論があるんですけれども、香港、シンガポール、ソウル、これは大半がアジア域内だということをさっき申し上げましたけれども、東京はアジア四四%、北米三七%、欧州、ヨーロッパが一三%、まさに全方位ですよ。そして非常に高密度な路線が集積をされています。その上、東京の国際旅客需要は一千万人です。だからもう世界有数です。シンガポールは七百万人、香港七百万人、ソウル四百万人ですから、そういう意味では東京はアジアのハブ空港と言われるところをはるかにしのいでいるわけで、だから、何もシンガポールやソウルやこういうところが今巨大空港を整備しているから日本は立ちおくれるなと焦る必要は全くないと私は思うんです。
 これは、今事務次官をされている黒野前航空局長が「一九九六年航空行政の展望と課題」ということでお話をされたものです。私、なるほどなと思いました。「ハブ空港という言葉が非常に安易に使われている傾向はあります」、「大型空港といった程度の意味で私も使わせていただきます」と。そんな乗り継ぐ拠点空港なんてものじゃないんです、大型空港という意味で黒野さんは使っている。だから全然違うんです。
 それで、「私といたしましては、空港行政として、アジアにおけるハブ空港を目指すつもりはないということをまずはっきり申し上げておきたいと思います。これはどういうことかと言いますと、例えば韓国でこんな大きな空港ができる、シンガポールでもできる、香港でもできる、だからお前たち、負けるな、こういう言い方をされる方があります。」「他の国と競争してハブ空港をつくるということは考えていませんし、考えるべきではないと思っています。日本のような狭隘な国土で、かつ環境問題が厳しいところにおいて、例えば東アジアのゲートウェーとして日本に路線を集めるのだという時代ではないと思っています。世界全体が直行便を目指す時代でありますから、日本としては日本に来る需要、日本を目的とする需要については、これは十分受入れるだけの空港はつくらなければいけない。しかし、他国への需要を、日本でワンストップしてということを目指すよう な投資は、納税者に対して、あるいは利用者の方々に対して過大な負担を掛けることは明白でありますから、ここまでは目指すつもりはありません。」と。
 つまり、黒野前局長は、私もハブ空港という言葉は使う、それは大きな空港というそれだけの意味だと。つまり、いわゆる乗り継ぎ拠点としてのハブ空港なんかは必要ないと、もう明白に否定されている。納税者に負担をかけるだけだ、利用者に重い負担をかけるだけだと。大変立派な指摘だと思うんですが、もちろん現局長もそういう立場だと思いますけれども、どうでしょうか。
#145
○政府委員(楠木行雄君) そう言われると私もなかなか言いにくいんですけれども、何度も申し上げておりますように、私もハブ空港については日本型というのがありますということを申し上げておるわけでございまして、日本型の場合は、その周辺の需要というものをうまく処理していく、そして先ほど関西空港について申し上げました国際と国内の乗り継ぎというのをうまくこなしていくような、そういう空港が特に日本型になるんではないかというふうに考えておるわけでございまして、特に今先生がおっしゃった点を大筋で否定しておるわけではないわけでございます。
 やはり日本の場合、これから成田それから関西、それから今御提案申し上げております中部、こういったものをいわば三本の矢のごとく国際需要に対応していくために整備していく、それが非常に重要だということを申し上げたいということでございます。
 それから、ちょっと先ほど国際比較が出ましたので申し上げますと、成田の場合は今二千数百万を一年間に国際旅客として扱っております。それから関空の場合は一千万程度国際旅客として扱っております。関空の場合は国内の需要もございますので国内線も合わせますと千九百万くらいの需要ということになるわけでございますが、中部につきましてはやっと昨年の暮れに国際、国内合わせて一千万人に達したというようなことでございますけれども、非常に国際需要の伸びが大きい空港だということで、これを採択して国際の大都市圏拠点空港として整備をしておるわけでございますので、そういった意味では、大きな国際航空需要の伸びの流れというものをつかまえてこういう整備をしようというのが私どもの真意でございます。
#146
○筆坂秀世君 だったらハブ空港なんという言葉を使う必要はないですよ。小さな地方空港ならともかく、ある程度の空港なら乗り継ぎなんかあるのは当たり前でしょう、そんなものは。幾つかの複数の路線があれば乗り継きがあるのは当たり前ですよ。
 だから、さっき毒があるかないかという話があったけれども、わざわざハブ空港なんだということを言ったことに実は意味があるんです。
 なぜなら、そう言わなきゃ名古屋空港で現に間に合うじゃないかという議論になってくるんです。だから、名古屋空港とは性格が違うんです、ハブ空港なんですというので、新しい巨額の投資の仕掛けをつくるためにこのハブが使われたんです。だって、これはハブ空港じゃないんですよ、厳密な意味で言えば。ハブ空港を目指さないと前局長は言っているんですから。だから、ハブとづけることによって新空港をつくるいわば最大の仕掛け、これをつくったというふうに言われても仕方がないですよ。どうですか。
#147
○政府委員(楠木行雄君) 私ども、名古屋空港が中部国際空港というふうに名前がどう変わり、その後背圏がどう変わるのかというようなことの説明をよく求められるわけでございます。
 名古屋空港の場合は、当初は愛知県、その周辺の国際、国内の航空需要というものを処理するためにあったわけでございますけれども、周りに空港というものがない、三大都市圏としての経済力、人口等の蓄積がある、こういったことからだんだんと名古屋空港のテリトリー等が実はふえておりまして、現在の名古屋空港と申しますのは、四十七都道府県でその都道府県の方が国際的な旅行をされる場合に第一に利用される空港はどこかこういう点を調べてみますと、東海三県は名古屋空港を利用しておられる。そして北陸三県もかなりその傾向が強い。静岡、長野もそれに次いで強い。こういった非常に広域的なものを持ってきているということで、私どもは、そういう意味から大都市圏拠点空港だということを中心に申し上げておるわけでございます。
 したがって、そういう一地域、一県というものを超えたテリトリーを担っていくという意味で、これは大都市圏拠点空港として成田、関西に並ぶものだ、ここでこの整備を進めよう、こうしておるわけございます。
#148
○筆坂秀世君 そういう答弁がありましたので、私ちょっと質問の順番を変えて、その問題について聞きたいと思うんです。
 運輸省の第五港湾建設局次長だった高橋誠さんという方がいらっしゃいますね。この方は中部新空港とどういう関係があるんですか。
#149
○政府委員(楠木行雄君) 実は、たまたま私と運輸省に同期で入った人間でございまして、私は事務系、向こうは工学技術系という違いがございますが、私どもの建設課長をし、それから計画関係にもかかわり、先生今おっしゃったように中部新空港を担当する第五港湾建設局の次長を務めた、そういう人間と心得ております。
#150
○筆坂秀世君 そうですね。その方が「国際ハブ空港としての中部新国際空港」という論文を書かれています。読んでみましたら、中部新空港について事業の採算性への懸念が言われている、これやるけれども、果たして採算性があるのかと。
 そこで、高橋さんがこの論文で採算をとるためにはどういう対策が必要かということをるる説明されている。今おっしゃった、大変広い範囲で空港利用が期待できると。中部新国際空港研究会というところでアンケート調査されたと。その調査では、新空港へのアクセス時間が一時間以内であれば中部、近畿、北陸地方のほとんどと関東地方の一部地域の七〇%以上の人が利用するだろう。一時間三十分以内であれば静岡、長野、奈良県等の七〇%以上の人が、二時間以内であれば長野の人もあれだと、等々いろいろ書かれています。
 しかし、そのためにはアクセスを、こう述べておられます。「潜在航空需要の定着、すなわちいかにして中部の需要として定着させるかについてであるが、これは、我が国の空港間競争としてとらえることが出来る。この空港間競争において重要なことの一つが空港アクセスの拡充である。国際線航空旅客については、成田、関西との競争であり、国内線航空旅客については、主に関西との競争になる。」と。
 つまり、一つは、まず成田の客をとってこなきゃいかぬ、関空の客をとっていかなきゃいかぬと。これもまたナンセンスな話で、客がふえるわけじゃないんだから、百人いるのを三つの空港でどう分けるか、うちが四十だ、うちが五十だというだけの話です。こんなこと何で必要なんだと。さらに、「中部が、成田や関西との空港間競争に勝つためには、特にJRによる広域アクセスが重要であろう」というふうに述べています。
 つまり、まず成功する一つの前提として、アクセスがどうなのか、いかに便利に常滑に行けるのかということが採算性にとって非常に決定的だと、こういうわけでしょう。
#151
○政府委員(楠木行雄君) アクセスが非常に重要だというのは先生御指摘のとおりでございます。
 今、名古屋駅から現在の名古屋空港に行きますのに、バスで二十八分か三十分ぐらいかかります。今度の計画では、鉄道でございますけれども、あるいは道路にいたしましても名古屋の中心部から三十分で行けるようなアクセスの計画を立てるということにしておりまして、現に名古屋鉄道におきましても名鉄常滑線の線形改良などを行っておりますし、そういったことでこの達成は行われるんじゃないかと考えておる次第でございます。
 つまり、現在の名古屋空港が享受しております国際線、国内線の位置づけはそっくり新空港に移るんだと我々は考えておりまして、それについては先ほど来申し上げておりますように、日本型の、ハブと言うとまた言われるかもしれませんが、日本型ハブ空港の周辺部の需要を処理する。こういう意味で、どこまでが周辺部かという点については、現在割と成田は成田、関空は関空、そして名古屋は名古屋というのがございますし、若干のアクセス等によって差はございますけれども、そういったものをうまく三大都市圏に分けて吸収していくのが今後の空港整備のあり方であろうと考えております。
#152
○筆坂秀世君 でも高橋さんはそんなことは言っていないんですよ。さっきも言ったでしょう。空港間競争において重要なことは、成田、関空との競争になると。この競争に勝つためには、今言いました、一つはアクセス、これをいかにJRがちゃんとつくるのかどうか知りませんけれども、これが一つ大事だと。もう一つは、運航便数をふやし、従来成田や関西に行っていた国際線乗り継ぎ旅客を中部新国際空港に引き寄せることであるというふうに述べておられます。
 今そうおっしゃったけれども、つまり何で新空港が必要なんだと。名古屋じゃ足りないからだというのが理由になっているわけでしょう。ところが、空港をつくっている当事者が何と言っているかというと、成田や関空から客をとってこなきゃ採算がとれない。だったらこれ一体何なんだ、中部経済とどんな関係があるのか。何で新空港が必要なんだ、よそから持ってこなきゃ採算とれないんだったら、そんな空港どうして必要なんだ、持ってこれなかったら採算とれないということじゃないか。そんなことできるのか。
#153
○政府委員(楠木行雄君) 名古屋空港の現在の需要というものが中部八県、これは静岡も入れた東海四県と北陸三県、それに長野県の南の方でございますが、そういったもので成り立っておるというのは事実でございます。そういった輸送需要というものを根拠に我々は名古屋空港の今後の需要の伸びというものを予測し、そして二十一世紀の初頭におきましてはこの処理能力はパンクをするということから現在のものを要求しているわけでございます。
#154
○筆坂秀世君 じゃ、ついでですからもう一つ言いますと、高橋さんはもう実にたくさん指摘されているんですよ。例えば、「中部新国際空港の将来を考える場合、航空需要をどの程度確保できるか、」「航空需要の定着がポイントであると考えられる。」と。「新空港の場合、」「各種方策、イベント等により、国際線、国内線ともに人的交流を拡大し、航空需要の創造を図ることが必要である。これは、創意・工夫、努力により需要を新たに創ることであるが、残念なことに最近の中部新国際空港の議論では、あまり聞かれないことである。」と、こう述べた上で、ともかくもう常時いろんなイベントでもやっていなきゃいそして客をつくり出さなきゃこれは大変ですよと。しかし毎年万博するわけにいきませんよ。つまり、今需要があるんじゃなくて、わざわざ新たなイベントやいろんなことをやって創造しなきゃいかぬと。
 私、こんなことのために何でこんな巨額の投資が必要なんだと根本的な疑問が出てきますが、いかがですか。
#155
○政府委員(楠木行雄君) 中部八県の需要という地方があると私どもは思っておりまして、それに先生がおっしゃるような意味での付加価値をさらにつけるというのはこれは大変いいことだと思います。
 現に、現在中部空港の推進をされております民間人の方におきましては、例えば名古屋に産業観光、トヨタとかいろいろ産業のオリジンになるようなところがございますので、そういったところの博物館等々を回ります産業観光というようなものをやって、こちらに来られた外国人の方のエンターテインメントにしたらどうかといったようなことも考えておられると聞いておりますし、そういう意味で、やや付加価値的にそれをつけようという試み、これは非常に大事なことだと私は考えております。
#156
○筆坂秀世君 だから、高橋さんが指摘しているのは、付加価値的になんというものじゃないんですよ。根本対策として言っているんです。ですから、アクセスがちゃんと確保されるかどうかイベントが毎年、常時あるかどうか、成田や関空に勝てるかどうかこれだけの壁を全部乗り越えて初めて採算性がとれるという指摘です。
 私、もう一つ不思議なのは、一方でこういう中部新国際空港をつくるということを言いながら、他方、今ある名古屋空港の整備がどんどん進んでいるんですね。施設拡充でこの五年間に約三百億円が投入されている。さらに、今後新国際線ターミナルビルなどに最低三百億円名古屋空港につぎ込む計画があるというふうに言われています。間違いないですか。
#157
○政府委員(楠木行雄君) 近年急増いたしました名古屋空港の国際線需要に対応するために、平成五年度からエプロン、駐車場等の国際線ターミナル地域の整備を進めております。これに要する事業費は約三百四十億円でございます。
#158
○筆坂秀世君 もう一方で約八千億円近くかけて新国際空港をつくる、そしてそこへ一元化するというんでしょう。そのときに、名古屋空港、三百億円これまでも五年間でかけてきた、今度三百四十億円でしょう。何でそんな金をかける必要があるのか。
#159
○政府委員(楠木行雄君) 現在の名古屋空港の航空需要は国際線を中心に急増をしております。これに対する国際線用のエプロン、ターミナルビル等の施設が十分ではございませんで、増便の要望にも十分な対応ができないことやビル内の混雑、これもございまして、それによりまして利用者に多大な迷惑をかけている状況でございます。
 そこで、先ほど申し上げましたような平成五年度から名古屋空港の国際線ターミナル地域の整備を行っておりまして、エプロンが平成九年に供用開始をしたほかもう一つ新国際線旅客ビルについて平成十一年春ごろの供用開始を予定しております。やはりそういったこの間の国際航空需要というものに対応するためには必要最小限の施設は整備する必要がありまして、一元化の考え方とは矛盾しないと思っております。
#160
○筆坂秀世君 名古屋空港長である下野さんが、九五年に「名古屋−テンミリオン空港へ」ということを「エアポートレビュー」という雑誌で書かれています。現名古屋空港の整備がいかに必要か。
 名古屋テン・ミリオン計画というのがあるんですね。この名古屋テン・ミリオン計画がつくられた時点は、もう中部新国際空港への一元化の方向がはっきりしていたその時点ですよ、そのときに何と言っているかというと、「今後、増加が予想される航空需要に対処するため、早期にターミナル地域の拡張を図り、名古屋空港を中部圏唯一の国際空港として、またわが国の航空交通の重要拠点として位置づけを確たるものにする必要がある。」と。一元化方針がもう出ているときに、中部圏唯一の国際空港として航空交通の重要拠点として位置づけて、こういう計画をやるというんですよ。
 今、公共事業の浪費というのが大問題になっていますけれども、一方で、新中部国際空港だ、名古屋は唯一だ、そして金をどんどんかけていくと、こんなばかな話はないんじゃないですか。
#161
○政府委員(楠木行雄君) 今回、私どもが中部国際空港を御提案申し上げておりますのも、もともとの名古屋空港の旅客実績の伸びが非常に大きいからでございます。
 ちょっと数字を申し上げますと、昭和六十一年から平成八年までの十年間に国際線は六十一万人から三百六十万人、六倍、年平均二〇%の伸びになっております。こういったものが続いておるわけでございます。それから国内につきましては、同じく二百五十万人から六百十万人ということで、二・五倍、年平均九%の伸びが続いておるわけでございます。そして、先ほどテン・ミリオンというお話がございましたが、昨年の暮れ、たしか十二月二十八日ごろだったでしょうか国際、国内合わせた旅客として一千万人を達成したというふうに聞いております。
 こういった非常に急速な需要の伸びがございますので、増便の要望に十分な対応ができない、あるいはビル内の混雑により利用者に多大な迷惑をかけている、こういったところから先ほどの現在の空港の整備計画というものが成り立っているわけでございます。
#162
○筆坂秀世君 それが本当に確実なものならいいんですよ。しかし、今までも空港を地方でいっぱい整備してきたけれども、運輸省が言うとおりになっていますか。この間、例えば地方空港の国際化ということが随分言われてきました。地方空港間でも、我が空港も国際線の就航を目指すんだというんで滑走路が二千から二千五百に、あるいは二千五百から三千メートルにどんどん拡張される。福島空港みたいにつくったら壊しつくったら壊しというふうな空港もある。
 じゃ、地方空港でそうやって二千五百、三千の滑走路をつくってきたけれども、実際に国際線の乗り入れ状況というのは全体としてどうなっていますか。
#163
○政府委員(楠木行雄君) 現在、十七の空港に国際線が乗り入れております。先ほど別の委員のときにも御説明いたしましたように、特にブロックの拠点空港であります地域拠点空港というところが多いわけでございまして、例えば仙台につきましては韓国、アメリカ、シンガポール、中国、香港といったところへの乗り入れがございますし、その他、ちょっと詳細は省略いたしますが、新千歳、新潟、広島、福岡、那覇、それぞれかなりの国際線が入っておるというものでございます。
#164
○筆坂秀世君 今仙台とかふえているところだけおっしゃったけれども、これは九七年四月、昨年の四月にやっぱり当時の黒野局長がこうおっしゃっています。
 「私ども、従来から、この地方空港の国際化ということにつきましては、私どもなりの努力をし、推進してきておりますが、」「最近に至りまして、やはり、日本の近くの東南アジアの各航空会社ともに、日本に乗り入れることが採算的に合うかどうか、商売になるかどうかということを大変シビアな目で見るようになってまいりました。一時、東南アジアの国等も大変日本に対して関心は持っておりましたが、それをもう一度見直そう、こういう機運が」出てきておる、「当然韓国から新しい地点の要望があるかなと思ったら、全くないという情勢でございまして、地方空港の国際化という動きが少々歩みがのろくなっている」と、衆議院運輸委員会でこういう答弁をされておる。
 これが全体の傾向でしょう。
#165
○政府委員(楠木行雄君) 日本を取り巻きます国際航空需要の中で、やはり旅行客の数がどれだけあるかというところが基本になるわけでございますが、昨年の例で申し上げますと、日本の方は千七百万人弱の日本人海外出国者があるわけでございます。航空旅客という意味ではこれが二倍になってはね返ってまいります。それから、日本へ参ります外国人の入国外客につきましても、昨年そういったものはたしか四百二十万人ぐらいだったでしょうか、これも倍になってはね返っています。
 その場合、特に地方の空港の場合は入国外客よりもどちらかといえば出国日本人客の方が非常に大きいわけでございまして、韓国の例が今ございましたが、こういったところを目当てに需要というものを見ながら外国のエアラインが来られるというケースが非常に多うございます。
 先ほどの発言はちょうど韓国がピークに達したときであったかと思いますけれども、その後若干長崎とかあるいは熊本とかというところが休止になったりしておりましたので少し需要が違ってきておるかとは思いますけれども、一度停止した大分がまたふえたり、そういったような状況も出ておるわけでございます。
 特に韓国の場合は、日本から単一の国で出ております国という面で見ますとたしか一年に百六十万人ぐらいが韓国に行っておるということから、非常に大きなマーケットになっておりますし、そのほとんどがいわば観光客のような形でございますので、地方から直接ダイレクトに行きたいというような需要は根強いものと考えております。
#166
○筆坂秀世君 今も少しおっしゃったけれども、大体八九年から九一年にかけて地方空港の国際化というのが進められた。アジア諸国便の就航には滑走路の長さが二千五百メートル必要だ、アメリカ西海岸便の場合には三千メートル級が必要だというふうに言われた。ところが、帯広、釧路、旭川、秋田、宮崎、これは二千五百メートル級で国際定期便が就航していない。熊本は三千メートル級だけれども、やはり就航していない、チャーター便は飛ぶことはあるでしょうけれども。つまり、高い金を使って二千五百だ三千だとつくったけれども、使われていないんですよ。
 最近、元運輸省事務次官だった住田さんという方が本を出されて、運輸省の中では多分読まれているんだろうと思いますけれども、この方が、公共事業のあり方についてどうするか、きのうテレビに出ておっしゃっていましたよ。一つの方法は、この計画をだれが最終的に決めたんだ、個人の責任を明確にしろ、何とか局長なら何とか局長、成功したら褒めてもらえるけれども、何十億、何百億かけて失敗したらこれはあの人がつくったんだ、もうそういうふうにわかるようにしなきゃだめだと。それがいいかどうかわかりません。住田元事務次官はそうおっしゃっていた。
 つまり、余りにも安易過ぎるんですよ。国民の税金を使って何十億とかけてやるわけですから、予想に反して少なかったです、しかし行きたい人はいると思いますと、そんなことで国民の税金を使ったんじゃ、使われた方はたまらないですよ。
 例えば岡山空港のケースを見てみますと、この空港は第三種空港で県が管理している。八八年三月に二千メートルの滑走路で開港、九三年三月に二千五百へ延長。そのうたい文句は、北京、香港、マニラ、シンガポール、バンコク、ホノルルの各地への便の就航を可能にするということでした。こんなに飛んでいますか。
#167
○政府委員(楠木行雄君) まず、二千五百メーターの滑走路をつくります場合には、私ども、主として国内需要で一路線五十万人ぐらいあれば二千五百ぐらいにしてジャンボなんかを飛ばす能力がなければいけない、こういう形でやっているわけでございます。また、お話が出ました北の方の空港につきましては、冬季の滑走路などで航空機がいわば滑るというようなことから、少しでも安全サイドを見て滑走路長の長さを確保するということもございます。
 それから、岡山の例でございますけれども、岡山につきましては現在滑走路長二千五百で、韓国の大韓航空が就航していると承知しております。
#168
○筆坂秀世君 だから、北京、香港、マニラ、シンガポール、バンコク、ホノルル、全部飛んでいないんですよ。ソウルに往復で週四便だけです。
 どういう航空機が使用されているかといいますと、エアバスA300とダグラスMD82が使用されています。調べてみましたら、九六年の乗降客数、降りる人も含むあれですね、乗った人は三万七千人、着陸回数が三百五十五回、平均しますと一回平均百人程度しか乗っていないということなんです。そして、この機種、エアバスA300、ダグラスMD82なら二千五百の滑走路は要らないんですよ。ところが問題は、さらに三千メートルへの滑走路の拡張工事に入っているということなんです。
 一遍も大臣に質問していないので、大臣、やっぱりむだ遣いはやめなきゃいけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#169
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほどから筆坂委員と航空局長のやりとりをお聞きいたしておりまして、大変参考になりました。ハブ空港を安易につくるなということから始まりまして、さまざまな第三者の方々の御意見等も拝聴させていただきまして、本当に勉強させていただきました。
 そういう中で、私どもは、日本の置かれている状況、そして地政学的に言いますと非常に南北に長い日本列島、そこに大都市圏と言われる関東・東京圏、そして近畿圏、そしてまた中部圏、そういった大都市圏拠点空港というのは、二十一世紀を目の前にしまして、私どもは先ほど来から申し上げておりますように、国際化そして大交流時代に対応できるような、どうも委員はハブ空港というのは非常にお気に召さないようでありますが、あえて大都市圏拠点空港と申し上げますが、そういうものをやはり整備する必要があろうかと思います。
 同時に、貴重な御意見として拝聴いたしましたのは、地方空港についての御指摘が幾つかございました。やはり、それぞれの地域は地域といたしましてその需要予想、それから地域における将来に向けての目標というものを掲げておりますから、そういった点も私どもは十分こたえていかなきゃなりません。
 そこにはむだがあってはいけませんし、効率的、効果的な空の交通網の整備、その拠点となる大都市圏拠点空港であれ、また地方の拠点空港であれ、また地方空港であれ、そういった空港が本当に効率的、効果的な空港として利用される、また使用されるということが、それは利用者にとっても空港を経営する国あるいは自治体にとっても、双方がやはりつくってよかったな、そういうものにしなきゃならないということをこれから十分踏まえていかなければならない。そういう意味で、今までの委員の御指摘は大変貴重な御意見として私どもも踏まえてこれから対応していかなきゃならないと思っております。
#170
○筆坂秀世君 局長、もうちょっと伺いますが、岡山県はひどいですよ。二〇〇一年に三千メートルの滑走路を供用するようにすると。
 岡山県の資料を見ましたら。その大義名分は、ストックホルム、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、さっきはホノルルが入っていたけれども、需要予測は、乗客数年間四十七万人。今七万四千人ですよ。つまり、あと三年間で四十万人ふえる、こういう構想で三千メートル級の計画を立てているんです。さらに、これで終わりじゃないんですよ。県の将来計画では三千五百まで延ばすというんですから、一体どこまで延ばしていくんだろう。
 問題は決して岡山空港だけじゃないです。黒野前局長も答弁されていましたが、地方空港の国際就航便といいましても、大半がソウル便なんです。その総数と、そのうちソウル便だけが国際定期便で就航している空港というのは今わかりますか。
#171
○政府委員(楠木行雄君) その前に、ちょっと岡山の話がございましたので、昨年空港整備法の改正ということで、委員会はその後再編で変わりましたけれども、当時の衆参の運輸委員会で、岡山空港というものを例として地方空港整備事業という形で今二千五百のものを三千にしていきたい、その場合にFAZというようなものの対応、それから国際貨物チャーターなどもやっていく、こういうことでやったわけでございます。
 現実に、これは旅客の方でございますけれども、定期便の半分近いチャーターのものもあるというところをまずお答えさせていただきたいと思います。
#172
○筆坂秀世君 もう余りこの話ばかりで、取り上げようと思えば、まだいっぱいあるんですよ。余り岡山ばっかりやるとあれですから、もうやめておきます。
 最後に、新空港の採算性の問題について聞いておきます。
 中部新空港の採算性について、単年度黒字転換は開港後五年強、累積損失解消は十年ないし十五年目というふうに皆さんの方で計画されていますね。単年度黒字が五年目、累積損失解消が十年から十五年というのは随分差があるんですよ。十年かもわからないし十一年かもわからない、十二年か十三年か十四年か十五年か。これは計画とは言えないんじゃないですか、もっと緻密な計算をしないと。十年か十五年かといったらこれは差があり過ぎますよ。
 これ見てみたら、関空のときには非常に詳細な計算がされていますよ、「採算収支見通し」。関空のときにはこれだけのものが出ているんだから、今度新しい方式でやるわけでしょう。そうすると、一体採算はとれるのか。私は、質問するので、これぐらいのものは出してこなきゃこれは審議できないじゃないかということを言ったけれども、出てきたのはぺら一枚ですよ。計算根拠も書いてない。やはりこれだけの金を使う、空港のむだがこれだけ問題になっているというときに、この程度の調査、計算もやっていないというのでは、大変おぼつかない。やはりもっと真剣にやらなきゃだめだ。
 最後に答弁を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
#173
○政府委員(楠木行雄君) 先ほど別の委員の方からどうして無利子資金は四〇%なのかという御質問もございまして、そのときにもお答えをいたしましたが、やはり長期的に見まして空港としての経営が成り立つかどうかというところから四〇%の無利子資金というのが出てきたわけでございます。
 そういった計算と軌を一にするわけでございますけれども、実は先般、名古屋市で開催をされました中部国際空港民間出資促進委員会において、今先生お話しのように、そういった指標、例えば開港後おおむね五年強程度で損益上の利益を生じ、十ないし十五年程度で累積損失を解消することを目指すとされたところでございますが、これはやはり一定の幅を持った見通してございまして、特に一つ一つの確定した根拠があるというわけではございません。
 そして、こういった概算要求時における中部国際空港の採算見通しにつきましては、行政サイドにおける事業スキームの検討の一環として行った試算でございまして、その具体的内容につきましては、今後指定される株式会社に対してその経営に予断を与えたり、あるいは拘束をしたりする懸念もございます。また、概算要求後、事業スキームに変更がなされたために公表していない、そういったような概算要求時の数字との比較の問題もございます。そういったようなことから、やはりこれをつまびらかにすることは適当でないと考えた次第でございます。
#174
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。
 時間も余りありませんし、最後に長々とやると嫌われますから、端的に基本的な問題について三点ほどお伺いしたいと思います。筆坂委員は非常に緻密に勉強してこられて、質問時間一時間ということで、なるほど一時間必要だったわなという感じを持っております。
 私が第一点でお伺いしたいのは、やはり大都市圏での拠点空港の輸送需要ということを考えますと、相当前広に手当てをして整備しておかないと輸送需要に応じ切れないという面が非常に大きいと思います。
 東アジアでいろんな空港が整備された結果、そういった空港からの乗り入れあるいは増便、そういう要求が出てきても応じられない、そういうような状況もあるかと思いますが、中部新空港の整備が進めば、ほかのそういうような大都市圏の空港の整備も一応終わったというふうに受けとめられると。これは例えば首都圏第三空港問題、関空の二期工事がいつ終わるかといったことも考え合わせますと、今後こういった一種空港の整備が幾つか課題に上ってきていると思っておりますが、その辺の見通し、考え方をお聞かせいただければと思います。
#175
○政府委員(楠木行雄君) 私ども考えておりますのは、日本の空港は大都市圏は大都市圏でそれぞれごとに需要と供給のバランスがあって、今先生御指摘のように、中部ができたら成田や関空の方はいいかというと、やっぱりそういうことはないと思うわけでございます。
 今の御指摘は、そういった大都市圏の拠点空港が容量不足となる見通しがもうすぐ来るんじゃないかという御指摘かと思うわけでございますが、我が国における国際ハブ空港であります新東京国際空港及び関西国際空港、これはともに滑走路一本で運用されておりまして、新東京国際空港につきましては既に処理能力が限界に達しております。また、関西国際空港につきましても二十一世紀初頭には限界に達するものと予測をされております。今御提案しております中部圏におきましても、繰り返しになりますが、現名古屋空港の処理能力が二十一世紀初頭には限界に達するものと予測されております。さらに、もう一つの国内拠点空港であります羽田東京国際空港につきましても、もう通常の時間帯におきましてはその能力の限界に達しておりまして、現在沖合展開事業をさらに進めているところでございます。
#176
○戸田邦司君 私も外国の空港などを随分見て歩いたというか、利用して歩いた経験もありますが、先ほども議論のありましたアクセスの問題などは非常に利用者にとっては大きな問題になるかと思います。アクセスで一時間かかるなんという空港ですと、もううんざりする。通常三十分ぐらいが標準かと、こういうような感じもしておりますから、空港の整備については必ずそのアクセスを重要視して整備を進めていかなければならないということがあるかと思います。
 局長から今御答弁があった今後の拠点空港の整備の問題に関しましては、関空の二期あり、中部の今回の空港整備あり、さらに新東京国際空港の二期工事の問題もあり、これは一遍に来るとなかなか財源面で非常に困難ではないかと思っております。
 私は、第一種空港というようなものについては本来は国が整備すべき性格ではないかと思います。今回の場合は、地元が非常に熱心であったというような事情があって民間との負担が割合うまくまとまったのではないかと思っておりますが、首都圏の第三空港の話などになりますと、基本的な考え方からしてそういうわけにはいかないような面もあるかと思います。
 そういったことで、財源の確保というのは一番難しい問題になるかと思いますが、今後の拠点空港整備について、財源をどういうふうに考えていかれるか、その辺についてのお考えをお話しいただければと思います。
#177
○政府委員(楠木行雄君) 先生おっしゃいました点がまさに私ども第七次空港整備七カ年計画の大きな課題でございます。
 こういうふうに三大都市圏の大都市圏拠点空港がいずれも処理能力の限界に近づいている、こういう段階の中で、それを打開するために、成田空港につきましては二〇〇〇年度を目標に平行滑走路等の整備を、これは話し合いを前提に今進めておる最中でございますし、関西国際空港の二期事業もおかげさまでこの平成十年度の予算に現地着工準備事業費を九百十七億円入れていただいている。中部国際空港については、現在御提案しておるものでございますが、こういったものを時期を失することなく推進していくのがやはり急務ではないかと考えております。
 そうなりますと、今後とも相当規模の空港整備費を要するということになりますし、それぞれの事業スキームで決まりましたものにつきましてどうやって事業費の財源を確保していくか、これはなかなか難しい問題であろう。そこで、事業の重点化等を図りながら所要の空港整備財源の確保について全力を挙げて取り組む所存でございます。
 なお、平成十年度予算案におきましては、中部国際空港の事業着手及び関西国際空港二期事業の着工準備事業等について、私どもとしては必要な予算が確保されたというふうに考えておる次第でございます。
#178
○戸田邦司君 空港のキャパシティーの問題を議論しているときに、一方でスロットの問題もありますが、もう一つ非常に重要なのは航空路のキャパシティーを大きくしていくと。特に、対米航路などを考えますと、どういうふうに飛行機を飛ばしていくか、そういう点で、非常に技術的な問題も含めて、今後相当技術の進歩でカバーできる面も出てくるのではないかと思っておりますが、その辺について、新技術の取り入れによってどれぐらいキャパシティーをふやすことができるかといった問題についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
#179
○政府委員(楠木行雄君) これも先生御指摘のとおり大変重要な問題でございまして、航空機の運航は、そういったエンルート、航空路を含む一連の流れでございますので、空港のみならず、航空路における十分な容量が確保されなければ全体としての航空交通容量の増大を図ることは困難でございます。
 我が国におきましては、昭和四十六年のばんだい号の事故とかあるいは雫石の事故とか、そういう非常に悲惨な航空機事故がございました。その反省を契機といたしまして航空保安システムの近代化を進めてきたところでございます。
 具体的には、レーダー等の管制施設や航空無線標識等の航空保安施設を全国的に整備し、航空交通の飛躍的な増大に対応するとともに、安全運航の確保を図ってきているところでございます。
 今御審議いただいております中部国際空港を初めとする空港の整備の進展に伴いまして、さらに増大を続ける航空交通に対応するとともに、航空機のより安全で効率的な運航を実現するため、引き続き従来の航空保安システムの性能の向上を図るとともに、国際民間航空機関、ICAOの提唱に対応いたしまして、人工衛星等を活用した次世代の航空保安システムの確立にも積極的に取り組むなど、航空交通容量の拡大に引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。
 先生がおっしゃいましたどれぐらいふえるのだという点、非常に大ざっぱな言い方で大変恐縮でございますが、現在十五分間隔に一機入っておるものが、こういった次世代の航空保安システムで北太平洋ルートを飛ぶということになりますと五分ぐらいの間隔で入る、したがって三倍ぐらいの効率が確保されると承知しております。
#180
○戸田邦司君 そういった技術的な進歩でカバーしていくということによって中部新空港の需要もふえていくというようなことではないかと思います。
 私は、社会資本の整備というのは、必要だということがはっきりとすればできるだけ短時間で整備を進める、それが基本ではないかと思っているわけです。一定の額の予算が要るわけですから、それだけの予算を投入して、そういうものが必要であるから整備をするということになったら、できるだけ早く完成させれば、それだけ長期間利用、活用が可能になるというようなことであろうかと思います。私は、空港にしても新幹線にしてもそうだと思いますが、そういったものの整備についてはスケジュールをきちっとして、できるだけ早く完成させ、人々が一刻でも早く利用できるようにというのが基本原則ではないかと思っております。
 そういう意味では、先ほどからの議論の中で、名古屋の空港はいずれ近い将来にキャパシティーがいっぱいになってしまうということですし、また一方において二〇〇五年に名古屋でエキスポがある。そういった大きなイベントがあるというのは輸送需要の喚起という点から考えても非常に重要であろうかと思いますので、ぜひ間に合わせていただきたいという考えであります。
 これが最後の質問になりますが、この法案を上げるについて、運輸大臣に、全体を含めてそういったことも考え合わせていただいて御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#181
○国務大臣(藤井孝男君) お答えいたします。
 中部国際空港の整備スケジュールにつきましては、当面、空港建設に関しまする実施設計調査を行うとともに、順次漁業補償交渉あるいは環境アセスメント等の諸手続を進めるためにこれにまず取り組まなきゃなりません。これらのことが順調に進みますと、平成十一年度には現地着工ができるものと考えておるところであります。
 また、開港時期につきましては、今御指摘がございましたように、二〇〇五年の愛知で開催されます国際博覧会、エキスポ二〇〇五にぜひとも間に合わせてほしいという強い地元からの御要請がございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、環境アセスメントあるいは漁業補償等を迅速に処理するなど、地元の御協力、御理解が得られなければならないと思っております。一層、地元の関係者の皆さん方の御努力をぜひともお願いいたしたい。また、運輸省といたしましても最大限の努力をいたしたいと思っております。
 また、中部国際空港は、これはもう他の委員の先生方にも申し上げてまいりましたように、二十一世紀において、大交流時代と申しましょうか、ますます増大する航空ネットワークの基盤として、ぜひともこの中部国際空港を早期に整備を進めなければなりませんし、その需要におきましては、先ほど来お話がございましたように、二十一世紀初頭には今の名古屋空港が需要に対して対応ができない状況になるということから、早急に進めることが必要であると思います。また、将来におきましては、人口・産業集積が大変な我が国においてもこの中部地域は今後発展する可能性が十分ございますし、そうした地域の発展の礎としても重要なプロジェクトと考えております。
 また、本空港は、空港整備七カ年計画におきましても国際、国内の航空ネットワークの形成の拠点でございまして、最優先課題として整備を推進する大都市圏拠点空港の一つとして位置づけておりますし、国、地方自治体、民間が連携して、二十一世紀にふさわしい新空港が実現できるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 本日は、戸田委員を初め、本委員会におきましてそれぞれの委員の各先生から貴重な御意見、御質問がございました。本当に私自身も大変参考になりましたし、そうした皆さん方の貴重な御意見を十分踏まえまして、この中部国際空港が整備され開港されました折に、本当につくってよかったなという、それにふさわしい空港の完成を目指して頑張っていく決意でございます。ありがとうございました。
#182
○委員長(川橋幸子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#183
○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、中部国際空港の設置及び管理に関する法律案に反対の立場から討論いたします。
 反対の第一は、そもそも国際ハブ空港、すなわち乗りかえ拠点空港というものの意義も性格も不透明きわまることです。
 運輸省はアジアと比較しますが、地理的にも経済力も違う日本と比較することが果たして妥当なのかどうか。十分な検討が行われたとは到底思えないことであります。現に運輸省幹部ですら否定的発言を行っています。さらには、ハブ空港として整備しても、建設工事そのもので大手ゼネコンや参入が予定されているアメリカの大企業などが潤うことがあったとしても、開港後、中部経済にどのようなメリットをもたらすのか説得力ある説明はなされていません。
 第二に、計画自体の無謀さです。
 中部新国際空港が成り立つには、航空需要の創造、関空や成田との競争での勝利、莫大な投資を必要とするアクセスの拡充など、乗り越えなければならない壁が幾重にもあります。しかも、それが成功をおさめる保証は何一つありません。現に運輸省は採算性についての明確な根拠を示していません。
 第三に、もし採算が成り立たないときにはどうなるのか。国と自治体への負担増になることはないのか。銀行への三十兆円支援計画、旧国鉄長期債務の税金へのツケ回し、さらには第三セクター方式の開発で失敗すれば民間大企業がクモの子を散らすように逃げていった幾つもの例を見てもこの懸念を払拭することはできません。
 我が国の財政危機が何によってもたらされたのか。ニューヨーク・タイムズは、日本の破綻への道は公共事業によって舗装されていると書きました。今公共事業のあり方について本当に真剣な検討が求められていることを指摘して、私の反対討論といたします。
#184
○委員長(川橋幸子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 中部国際空港の設置及び管理に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#185
○委員長(川橋幸子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#186
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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