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#1
第142回国会 交通・情報通信委員会 第11号
平成十年四月十四日(火曜日)
   午後二時三十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         川橋 幸子君
    理 事
                景山俊太郎君
                亀谷 博昭君
                陣内 孝雄君
                寺崎 昭久君
                但馬 久美君
    委 員
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                守住 有信君
                山本 一太君
                中尾 則幸君
                松前 達郎君
                及川 一夫君
                渕上 貞雄君
                上田耕一郎君
                戸田 邦司君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  藤井 孝男君
   政府委員
       運輸省海上技術
       安全局船員部長  土橋 正義君
       運輸省港湾局長  木本 英明君
       海上保安庁次長  長光 正純君
       郵政大臣官房総
       務審議官     濱田 弘二君
       郵政省放送行政
       局長       品川 萬里君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   説明員
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部精
       神保健福祉課長  田中 慶司君
   参考人
       日本放送協会理
       事        田畑 和宏君
       社団法人日本民
       間放送連盟専務
       理事       酒井  昭君
       株式会社テレビ
       東京代表取締役
       社長       一木  豊君
       株式会社テレビ
       東京専務取締役
       編成総局長    岡  哲男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査
 (放送の視聴覚機能に与える影響に関する件)
○海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出)
○船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査のため、本日、参考人として社団法人日本反間放送連盟専務理事酒井昭さん、株式会社テレビ東京代表取締役社長一木豊さん及び株式会社テレビ東京専務取締役編成総局長岡哲男さんの出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(川橋幸子君) 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査のうち、放送の視聴覚機能に与える影響に関する件を議題といたします。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして御礼を申し上げます。
 本日の議事の進め方について御説明いたします。
 最初に郵政省及び厚生省から説明を聞き、次に田畑参考人から意見を聞いた後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 それでは、まず郵政省から説明を聴取いたします。郵政省品川放送行政局長。
#5
○政府委員(品川萬里君) つい先般、放送と視聴覚機能に関する検討会の中間報告をまとめることになりました。その若干の経緯それからその後の状況等につきまして御説明申し上げます。
 まず、本検討会の検討の経緯でございますが、昨年十二月十六日に発生いたしましたいわゆるポケットモンスターのアニメーション番組の問題につきまして、事態を大変重大に受けとめまして、そこで直ちに、事案が生じたのは十二月十六日でございましたが、十二月二十六日に問題の事案に即しまして、原島博東京大学工学部教授を座長といたしまして、工学、医学、心理学、メディア論、放送事業者等各方面にわたる専門家の方々にお集まりいただきまして、放送と視聴覚機能に関する検討会を開催してまいりました。
 以降、この検討会におきまして五回にわたる検討をいただきまして、本件番組に使われましたセルアニメーションの表示方法につきまして先行して取りまとめいただきまして、四月六日に中間報告をちょうだいしたわけでございます。
 この検討会におきましては、@「再発防止」、A「放送文化・映像文化の発展」、B「子供たちの健全な発達」の三点を検討目的として検討を進めていただきました。
 本件のポケットモンスターにつきましての事案の要因分析でございますが、この報告書におきましては、本件の要因分析といたしまして、透過光撮影によって制作された画面を視聴した光感受性のある子供たちを中心として生じたものであり、「今回の症例は光感受性てんかんに関する医学的研究の積み重ねと比較して大枠外れるものではない」との分析がなされております。
 本件の検討の基本的な考え方でございますが、これまでの検討の結果、セルアニメーションの映像が視聴覚に与える問題に関する以下四点に整理されました。
 @ 行政は広い観点から基本的方向性を示し、放送事業者が自主的に具体的ガイドラインを定めることが望ましい。
 A 成長途上の子供向けの番組については十分配慮することが必要。
 B 基準の遵守だけでは問題は解決されないため、良好な視聴環境の確保が不可欠であり視聴者の理解を深めるべき。
 C 表現の自由との関係を特に配慮することが必要。
 以上の四つの基本的な考え方に立ちまして、この中間報告によっては五つの提言をちょうだいいたしました。
 @ 放送事業者は、放送番組の映像表示に関して視聴者に対する視覚的効果への配慮に努め、科学的裏付けのあるできるだけ具体的なガイドラインを自主的に策定し、適正な運用を図ることが適当である。
 A ガイドラインには、以下の項目に触れることが望ましい。
   ア 閃光
   イ 規則的パターン
   ウ 赤色
   エ 強度(輝度)
   なお、英国の基準(ITC基準、BBC基準)は、我が国の専門家からみても、類似先例として参考に値すると考えられる。
 B 視聴環境について、番組前に視聴者の注意喚起を行う措置をとることは、既に一部で行われているところであるが、視聴者の良好な視聴環境の確保は問題回避に重要であるので、このような情報提供・啓蒙活動に放送事業者等の関係者は努め、視聴者の努力を求めていくことが望ましい。
 C 視覚的効果とストーリーへの集中度の関係については、今後研究が深められることが望ましい。
 D この分野の今後の研究に資するため、今回の事案に関して得られた知見を広く国際的に情報提供していくことが望ましい。
の五点の提言をいただいたところでございます。
 なお、この提言は厚生省における研究成果も織り込まれております。
 四月六日にこの中間報告をいただきまして、同日付で当方からテレビ東京、NHK及び民放連に対し再発防止を要請し、中間報告を参考に自主的なガイドラインの策定を要請するとともに、放送番組制作者等に対して中間報告書を参考までに送付しております。
 このような経緯を受けて、四月八日、中間報告を受けられて、NHK及び民放連の共同のガイドラインが策定され、公表されたところであります。また、九日には、テレビ東京の「アニメ番組の映像効果に関する製作ガイドライン」が策定、公表されました。
 この中間報告を受けての今後の私どもの予定でございますが、今回の中間報告は、検討会におきましてセルアニメーションの関係の部分について緊急の課題として中間報告という形でまとめていただきました。しかし、放送と視聴覚との関係については、今後、例えばセルアニメーション以外の映像の表示手法、映像表示と映像内容、音を含めた人体に対する影響、望ましい視聴環境等について検討をいただくことが必要と考えておりまして、本年六月に以上の点について最終的な報告をいただくことにしております。
 以上、中間報告の内容及び前後の事情につきまして御報告を申し上げましたが、この間、先生方に大変御心配もおかけし、また御指導を賜りましたことにお礼申し上げるとともに、郵政省といたしましては、今後とも放送の健全な発達に資するよう、関係者とも連携を図りつつ迅速に取り組んでまいりたいと考えておりますので、引き続き御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
#6
○委員長(川橋幸子君) 次に、厚生省から説明を聴取いたします。厚生省田中精神保健福祉課長。
#7
○説明員(田中慶司君) 今回のアニメ番組による健康被害に対する厚生省としての対応について御報告申し上げます。
 アニメ番組ポケットモンスターの視聴中に起こされました健康被害について、その症状の実態を把握し、症状発現の機序を明らかにし、これを予防するのに必要な保健上の対策について、昨年十二月に厚生科学特別研究において埼玉医科大学精神医学教授山内俊雄先生を班長とする光感受性発作に関する臨床研究班を発足させたところでございます。
 研究班においては、まず、アニメ番組ポケットモンスターによる症状の発生頻度とその背景因子の解明を行うことを目的とした実態調査班、ここでは九千二百人分の調査票を分析いたしました。二つ目は、今回の視聴者のうち明らかな症状を発現した者についての医学的検討を行うことを目的とした症例研究班、ここでは何らかの症状を発現しました百十五人について詳細な問診を行い分析をし、協力を得られました五十三人について脳波検査等を行ってさらに分析を行いました。三つ目は、光感受性発作を誘発する光刺激の物理的特性と生体に与える影響を明らかにすることを目的とした基礎研究班の三つの班に分けて研究を行ってきたところでございます。
 研究班発足以来、平成九年十二月二十六日から四月三日までの三回、研究班会議を開催し、四月三日に研究結果の報告を行ったところでありまして、本日、速報版の確定したものを資料として提出しております。さらに、五月中旬をめどに最終報告書を提出する予定で現在作業中でございます。
 研究内容についてでございますが、時間等の関係もございますので、個別班ごとの詳細な研究内容については速報版をごらんいただくことにしまして割愛させていただき、総括的な研究結果を御報告させていただきます。
 今回のような映像による健康被害を防ぐためには、刺激側の要因とそれから個体側の要因の二つの側面から考える必要がございます。
 まず、刺激側の要因でございますが、今回のポケットモンスターの三十八週の映像は、それまでのものに比べ赤青の複合刺激が多用されており、特に十八時五十分前後の映像には赤赤赤青青刺激が成分として抽出され、基礎研究班の検討からも、このような赤青の複合刺激で、しかも十ないし十五ヘルツの頻度のとき脳の反応が顕著であることが明らかになっております。
 また、神経生理学的検査の結果からも、九ないし十五ヘルツで光突発反応が見られた者が多いことからも、一定以上の点滅周波数でかつ脳に強い影響を与える刺激を避けることが健康被害を防ぐ一つの方法であると考えられております。
 次に、個体側の要因ですが、今回の検討から、健康被害を受けた方々の中には幾つかのタイプがあるということが明らかになっており、それに応じた対応が求められております。
 まず、発作性の症状を呈した人、特にこれまでにも同じような症状が発現したことがあり、症状を繰り返すような場合には、医学的診察、特に脳波検査等により光に特有な反応を示すかどうか、これは光突発反応の有無ということでございますけれども、それを確かめる必要がございます。
 また、強い発作性の症状がなかった方でも、一般脳波で突発性異常波が見られ、かつ光刺激で突発波が誘発されたときには、治療の必要性並びにテレビなどによる光入力に対する防御策の指導を専門家から受けるべきであります。
 さらに、一般脳波では異常がなく、光刺激にだけ反応して突発性異常波が誘発されたときには、強い光入力を避ける工夫が必要であります。このタイプでは年齢依存性が高く、年齢とともに光誘発発作は起こりにくくなるのが一般的でありますので、経過の観察だけでよい場合が多いと思われます。
 最後に、以上のような脳波異常を示さず、強い視覚刺激のために自律神経系の症状や視覚系の症状、不定愁訴を呈する者が今回の健康被害を示した方々の三分の一近くに見られましたが、このような群では赤青の複合刺激を避け、テレビなどは明るい部屋で、少なくとも一メートル以上は離れて見ることが好ましいと考えられます。この群では特別な医学的対応を必要としないものと思われます。
 以上が研究報告のまとめでございます。
 厚生省といたしましては、研究班の研究結果に基づきまして精神保健福祉センター、保健所における今後の相談活動や、医療機関や光感受性発作を起こした人などへの必要な情報提供に活用していきたいというふうに考えております。また、郵政省や民放連等の検討に対して必要な情報提供を行い、その取り組みに協力していきたいと考えております。
 以上でございます。
#8
○委員長(川橋幸子君) 次に、NHK理事田畑参考人から意見を聴取いたします。田畑参考人。
#9
○参考人(田畑和宏君) お許しを得まして、私からはNHKと民放連が四月八日、共同で作成いたしました「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」について御説明させていただきます。
 お手元に資料があると思いますが、ガイドラインのタイトルを「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」といたしました。「アニメーション等」のということでありますから、これはアニメーション以外のすべての放送番組及びコマーシャルを含んだものであります。
 ガイドラインの第一でありますが、「映像や光の点滅は、原則として一秒間に三回を超える使用を避けるとともに、次の点に留意する。」としまして、「(1)「鮮やかな赤色」の点滅は特に慎重に扱う。(2)前項(1)の条件を満たした上で一秒間に三回を超える点滅が必要なときは、五回を限度とし、かつ、画面の輝度変化を二〇パーセント以下に抑える。加えて、連続して二秒を超える使用は行わない。」となっております。
 「原則として一秒間に三回を超える使用を避ける」といいますのは、原則として一秒間に四回以上の使用は行わないという意味であります。また、一秒間に三回までの点滅を行う場合であっても、鮮やかな赤色を使った点滅は特に慎重に扱うことにしております。
 テレビの「鮮やかな赤色」といいますのは、若干専門的になりますが、光の波長が六百二十ナノメートルあたりに鋭いピークのある赤のことを言っております。また、一秒間に四回、五回と点滅が必要な場合には、鮮やかな赤色は使用せず、さらに画面の輝度変化を二〇%以下に抑え、かつ連続して二秒を超えては行わないという条件をつけた上で、特例として一秒間に四回と五回の点滅に限って認めることにし、六回以上は禁止であります。
 「輝度」という言葉が出てまいりますが、輝度というのは画面の明るさのことであります。黒は輝度がゼロであります。そして白は輝度が一〇〇というふうに考えていただきたいと思います。そして、いわゆるパカパカで暗い画面から明るい画面に変化した場合、明るい画面の輝度から暗い画面の輝度を引いたものが輝度差というふうに意味するところであります。この輝度差二〇%の根拠は、イギリスのアストン大学のハーディング教授の研究により導き出された数値でありまして、輝度差が二〇%を超えると目に強い刺激を与えることになり、それ以下に抑えることが必要であるとの考えに基づくものであります。
 また、連続して二秒を超える使用を禁止しているのは、光感受性発作は、通常、光刺激を与え始めてから二秒以上経過してから脳波に異常があらわれ、その時点で刺激することをやめるとけいれんなどの症状にはつながらないという医学専門家の意見に基づいたものであります。
 次に、ガイドラインの第二でありますが、「コントラストの強い画面の反転や、画面の輝度変化が二〇パーセントを超える急激な場面転換は、原則として一秒間に三回を超えて使用しない。」となっております。
 画面が白と黒で構成されていて、その白と黒がそれぞれ速いスピードで反転する画面は目に強い刺激をもたらします。そのような同一画面でしかも輝度差の大きい画面を「コントラストの強い画面」というふうに考えております。
 また、「一秒間に三回を超えて使用しない。」といいますのは、四回以上の使用を行わないということであります。
 ガイドラインの第三は、「規則的なパターン模様(縞模様、渦巻き模様、同心円模様など)が、画面の大部分を占めることも避ける。」というふうにしてあります。
 光感受性の人の多くはコントラストの強い規則的な幾何学パターン模様に対しても感受性が強いと報告されております。パターン感受性は規則的なパターン模様の縞模様の細かさと密接に関連しているんですけれども、ガイドラインではパターンの縞模様の細かさを数値で規定はしていません。その理由は、テレビを見る距離によって縞模様の見かけの細さが変化するという理由であります。
 NHKと民放連はこのガイドラインを遵守し、今回のような問題が再び起こらないように努めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
#10
○委員長(川橋幸子君) 以上で政府及び参考人からの説明及び意見の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○保坂三蔵君 自民党の保坂でございます。
 きょうは参考人の皆様方、連日にわたりましてお出ましいただきまして、ありがとうございました。
 きょういただきました報告に基づきまして何点かお尋ねをしてまいりたいと思います。ごく限られた時間でございますので、恐れ入りますが、私もできるだけ簡にして明なお尋ねをいたしますが、御答弁の方もそのあたりで御配慮のほどをお願いいたします。
 冒頭に申し上げたいのでございますが、今日の中間報告、またガイドライン策定、そしてアニメチェッカーだとかあるいは参考計測機の完成など、いろいろそれぞれの対策が立てられて今日に至ったわけでございますけれども、私は冒頭で、巷間伝わるポケモンの放送再開、長期の番組予想などを見てみますと、十六日の七時からテレビ東京さんでは番組変更の場合ありとこう書いてあります。私は、基本的には三十七話以前の技法に基づきガイドラインを守った制作であるならば、そして今日の業界並びに関係者の反省のもとに制作された番組であるならば、全国の子供たちが待っているポケモンの放送の再開は支持すべきだと、やってやるべきだと、こう思って、質問に入りたいと思います。
 ただ、であればこそ、問題点の解決が今日完全に至ったかという問題が残るわけでございますので、そのあたりをきょうはお尋ねしてまいりたいと思うのでございます。
 今まで、衆議院、参議院、過去四回にわたりましていろいろ御報告いただきましたけれども、総じて予期せぬ出来事であった、知らなかったと。中には、今回お世話になったイギリスの独立テレビジョン委員会、いわゆるITC、この存在も知らなかった、こういうお話もありました。
 また、民放連の酒井参考人の発言、言葉じりをとらえるわけじゃないけれども、結果責任ありやなしやというお尋ねに対して、これは罪刑法定主義じゃないから、法定主義のもとで放送法にないんだからこの責任のそしりは免れると、こういうようなニュアンスの御答弁もありました。これは言葉じりをとるわけじゃありません。だけれども、私は、刑法上の責任だとか放送法上の責任というのではなくて、この問題がまだ継続していることから考えると、業界に大いに反省すべき責任ありと、こうあえて冒頭で申し上げたいのでございます。
 予期せぬ出来事であったと、こういうお話でありましたけれども、一体予期せぬ出来事であったのか。今回の報告の中にも、光感受性てんかんの研究の大枠の中の事件であった、こう御報告がありました。そうすると、それは光感受性てんかんの大枠の中での事件であるということならば、当然それらに基づいた対策も打ってしかるべきであった。こういうメッセージが既に出ていたということですね。
 それから、海外での研究、特にITC参りだとか、あるいは例のITCの基をつくっていただきました教授のところへも、グラハム・ハーディング教授ですか、イギリスまでお出かけになったり、おいでいただいたり、おやりになったようですけれども、海外の研究と日本の研究が全く離れてなされていたというのではなくて、むしろ日本からの情報の発信もあった。あるいは、ハーディング教授などは日本の精神・神経科学振興財団の補助も受けられているような形で、国際的に交流をしながらてんかんという問題点の中で行われていたんではないだろうか、PSEという問題の中で。そうなってくると、予測ができ得たことではなかったか。これは私ひとつ厚生省からお答えいただきたいんです。
 当時、一九九〇年代の前半、例のテレビゲームで影響が出ましたとき、これは日経の平成五年一月九日の記事ですが、「TVゲーム子供にどう影響」、「厚生省、専門家集め研究班」と、こうなっていますね。これは結果的にてんかんとは関係ない、こう言うんですけれども、しかし十万人に五、六人のPSE、いわゆる光感受性てんかんの素因を持った子供たちもいる、しかもそういう素因を持っていなくても先突発性の反応、これは五%から一〇%ぐらいでいる、こういう科学的な臨床例がわかっていながら、なぜ予期せぬ出来事と言い切るのか、これが一つ。
 それからもう一つは、私は業界の体質にも随分起因するところがあるんじゃないかとあえて申し上げたいのでございます。
 それは、任天堂の事件が起きました。この任天堂の事件が起きたときは、これはあくまでもテレビゲームの問題。しかし、テレビゲームの業界はその後対応しているんですね。それは後ほど申し上げます。
 それから、その後、これは九〇年代のあれですけれども、任天堂は九三年、例えば英国のテレビで九三年に起きた事件で、カップヌードルの白黒のテレビの点滅で事件が起きて、これで三人ぐらいぐあいの悪い人が出て、ITCに視聴者から申し出て、それをITCが取り上げて調べてガイドラインの策定になっていくわけですね。だから、イギリスで起きていた。カナダやアメリカでもテレビゲームで事故が起きたことは既に訴訟にもなったけれども、そういう事件も起きていた。
 そして、これは日本放送協会、NHKにおかれましても、例の話題になった「YAT安心!宇宙旅行」ですか、あの事件だけではなくて、既に九五年、今から四年以上前に、仙台のローカル局でスポーツニュースのCG、コンピューターグラフィックスでつくった画像に対して、仙台在住の高橋先生という精神科医から申し入れられて、それを受けて修正しているんです。その高橋剛夫さんという精神科医は今度の厚生省の研究班のメンバーにもなっている、権威がある人なんですね。その申し入れも、我々は貴重な体験やメッセージを無視しているんじゃないか。
 それから、NHKさんは、その後の九五年の教育番組で子供が四人もけいれんを起こした。教育番組でけいれんを起こしたんだからNHKは大変だろう、動燃と同じような気持ちになるかもしれませんけれども、少なくともこれは外部に出さなかった。民放連にも報告しなかった。これもわかっている。こういう実態があるんです。
 それから、動画業界にも私はあえて申し上げたいんですけれども、やっぱり基本的には商業第一主義で来過ぎているんじゃないか。今度はやった「もののけ姫」なんかは三億五千万の制作費を使ったといいますけれども、これは二時間十五分ぐらいの作品ですけれども、三十分物のポケモンは伺うところによるとトータルで制作費二千万、そして局側が払う制作費は何と七百万だと。これは本当ですか。
 アニメでは、九〇年ちょっと後でアニメの声優の人たちがストライキまで起こしましたよね、安過ぎると。こういうストライキも起こした。やっぱりこれは安くつくれと言えば、視聴率第一主義でいいものをつくれと言えば、例えば本来一秒間に二十四こま必要なアニメが半分の十二こまだとか八こまでつくっちゃえば、勢い光の点滅のパカパカだとかそういうところに走っていっちゃうでしょう、安く上げようと思えば。費用対効果ですよ、僕らに言わせれば。本当に怖いような、業界の搾取とは申し上げませんけれどもね。
 結果的に今度の「もののけ姫」なんか、徳間とディズニーで組んでセルビデオで五千万本売ると豪語していますけれども、そういうどちらかというと一つ当たれば問題になったメディアミックスのような広範囲に四千億市場というのが待っているわけですね。にもかかわらず、子供の文化と言われるアニメ制作に、片や二時間の番組かもしれませんけれども三億五千万かけて、片っ方は二千万円でつくっちゃう。じゃ、ディズニーの漫画やそういう漫画でこういう事件が起きたのかと、こういう私は業界の体質というのを感じるんです。
 そういうものをもろもろ含めてこの問題は一向にまだ解決していない。技術的にノウハウとしてクリアできるような中間報告にはなっていますけれども、これからもこの問題は起き得る要因を持っていると、こう申し上げたいんですけれども、このあたり全体の答えを一本まとめて品川放送行政局長、御答弁いただければ幸いでございます。
#12
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。
 私ども今回の事案につきましては、確かにアニメーション番組が始まって三十有余年たつわけでございますけれども、社会事象的が起きたというのは今回が初めてでございます。
 しかし、先生おっしゃいましたように、じゃそういった社会事象に至る前段の兆候というのがなかったのかといえば、確かにございました。しかも、今拝見しますと、テレビゲームの問題につきましても、テレビ画面というような言葉もございますし、そういう意味では私どもこれまでいろんな勉強会やりましたけれども、この勉強会の中で医療の専門家がおられたことは少のうございまして、それからITCコードについて勉強した勉強会もございますが、残念ながら、ITCコードのすべてについて研究も至っていなかったということで、私どもの問題意識の不十分さということを痛感したわけでございます。
 今回、検討会におきましては、特にセルアニメーションの問題につきまして、今先生からお話しございましたように、視聴者の希望もある、それから国際的に日本のアニメーションはどうなっているのだということもございましたから、これは緊急に先行して結論をいただくことが大事ということで、中間報告という形でいただきましたけれども、御指摘のように、例えばコンピューターグラフィックでございますとか、あるいは実写でどうなるかとか、立体画像がどうなるかということは、既に個別事例としては言われておるわけでございますので、こうした問題については引き続く検討会の中で検討していただこうと思っております。
 ですから、これから私どももいろんなテレビに関連する事象があろうかと思いますけれども、視野を広くしまして、その内容に応じまして十分フォローして、そしてまた研究を深めて、場合に上っては注意喚起をさせていただく、物によりましてそのような対応をとらせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
#13
○保坂三蔵君 業界の問題点なんかを一方的に私は論じましたけれども、やっぱり基本的には、例えばアニメにいたしましても世界市場六五%のシェアを持っているわけでしょう。さすれば、安全であるかということは世界的な問題でもあるわけです。
 そういうことを考えますと、今回のように事件が起きた、共産党さんに言わせますと、どういう計算をされたか知りませんが、上田先生は二十万、三十万の被害があったと。それでも二百人から入院したり、七百人から病院へ行ったり、一万人以上の人たちが不快感を訴えたり、これは大々事件ですよ。ITCはたった三人の子供の発作から始まったんですよ。それできちんと、独立テレビジョン委員会といいますけれども、向こうでは放送法に基づいてできた委員会ですから、しかも後ほど申し上げますが、罰則規定まである。これは、もう抑止力があるのです。ですから、私はそういう点では業界はまず前例の学習効果をしてもらいたい。
 それから二番目に、任天堂を褒めるわけじゃありませんが、ここに、(資料を示す)読んでいただきますと、今回の当局が指示したガイドラインだとかあるいはテレビにテロップを流せとかというのを極めて先取りした。もう六年前、七年前の措置なんです。この会社は外国で生きているんですよ、グローバルスタンダードの中で生きているんです。
 そういうことは、同じESGSという国際研究グループに任天堂さんは一億五千万出している、セガさんやなんかは一千万以上出している。そして、日本てんかん協会を経由して学者に助けを出して研究してくれとやっているわけですよ。失礼ながら、郵政省さんはこの問題に関しては検討委員会をつくられたけれども、予算措置はされていない。私は、任天堂さんやテレビゲーム業界、あるいはITCがとった措置というものをやっぱり生かしてもらいたい。これは今起きているんじゃなくて過去に起きていることです。
 それで、これからの対策の件なんですが、時間がないのでかいつまんで申し上げますが、一つは、今回の事件がPSE、いわゆる光感受性てんかんという中で、大勢の子供が見ますから、十万人のうち五、六人が素因を持っているといいましても、やっぱりてんかんという一つの疾病の中での問題もあるわけです。これはどうするのかということです。それから、疾病がなくても起きる問題とは分けて考えなくちゃいけない。これは厚生省からできれば簡単にお答えいただきたい。
 それから、放送と視聴覚機能との関連の検討会、これはとてもいいタイムリーにつくられた検討会ですけれども、中間報告が出て、もうガイドラインができているんですから、私は六月の最終答申、何も六月に短兵急に出してもらわなくてもいい、それよりももっとこの検討会を長く継続して二弾、三弾という答申を出してもらいたい。
 それは、今度の光感受性の問題だけではなく、そのほかにもサブリミナルの問題だとか、あるいはテレビと暴力事件、いわゆるVチップの導入の問題だとか、あるいは今度の事件のようなことがCMからも起きているんですから、CMや一般放送、CSまでどう影響するのか、多チャンネル時代です。それから、そのほかにも音楽療法というのがありますけれども、音楽で体が治るというんだから逆に言えば音楽で体を壊すものだってあり得ると、ポテンシャルの問題として。
 そのほか、アメリカでは、法律で禁止されたタイ・イン、要するに一つの業種でいろんなものを利用するメディアミックスの技法で、テレビを見ながらそれがすべて宣伝になっていくような、聴視者特に子供たちが誤解するような番組のつくり方というのはアメリカでは法律で禁止しているんです、あれだけ自由の国が。
 そういうものの研究だとか、もろもろ視聴覚機能と放送との関係をひとつ研究を続けていただけないだろうか。そして、大いにその研究の成果を、例えば厚生省、通産省あるいは文部省と共管でやっていただいて、特に郵政省さんは中心になってやっていただいて、業界にノウハウとしてあるいは新たな情報として発信してもらえないだろうか、これが一つ。したがって、当然予算化もお願いをしたい。この点についての御答弁をいただきたいと思います。
#14
○説明員(田中慶司君) 御説明申し上げます。
 新しいガイドラインができたことによって、これを遵守されるということであれば、このような事故が再発するということはほとんどなくなるというふうに期待を申し上げておりますけれども、発作の症状を起こした方で特にこれまでも同じような症状が発現したことがあるような方々に関しましては、医学的診察あるいは脳波検査というのをきちっとしていただいて、お医者さんの管理を続けていただくということがまず大切だと思います。
 そして、今回たまたまこのような症状が起きた方で検査によって光刺激で突発波が誘発される、そういう素因があるというようなことがわかった方々に関しましては、これはやはり治療が必要であるのかどうか、あるいは今後どのような日常生活上の注意をすべきなのか、こういうようなことについて御指導をお医者さんから受けていくということが必要ではないかと思います。
 それから、発作を起こして検査をして特に異常がなかったような方々も当然多いわけでございますけれども、このような方々に関しましては、恐らく特に強い刺激がなければ余り心配されることはないというふうに考えておりますので、経過観察といいますか、今後強い光刺激を受けないような日常生活上の注意をしていく、こういうようなことでよろしいのではないかというふうに考えているところでございます。
#15
○保坂三蔵君 品川局長、もう一つお尋ねします。一緒に答えてください。
 私の最後のお尋ねなのでございますけれども、いろいろ問題点があって、一番のテーマはやはり事件の再発防止、こうなってくるわけなんですが、私は再発防止には一定の抑止力がなくてはだめだと。ガイドラインができた、あるいは放送基準だとか放送人に対していろんな倫理規程がある。それはもうがんじがらめなんですね、マニュアルだけでも。
 そういう中でも、実際、さっき申し上げたような業界の体質からやむを得ず出てくる事件もある。私は、TBSの事件でつくづく感じたんです。あれだけの良識と言われるTBSの報道番組で犯した事件、これは知らず知らず落ち込んでいった事件もあると思うんです。なかなか責められない業界の背景もあると思う。
 そこで、私は、ITCの例のように、最初は注意、そして警告、罰金、そして最後は免許の取り消し。これは英国の例は厳しいですよ。こういうペナルティーまで科して、これはもう表現の自由だとかあるいは公共の福祉とのバッティングだとか、そういう問題をすべて考えた上で、あなたが公器を預かっている以上、犯したらこれだけのペナルティーをやりますよと、しっかりと書いてある。
 ところが、今回、行政は自主性に任せましたね。放送業界の自律性に任せましたね。私は、それが基本ではあるかもしれないけれども、何らかの法整備もこれから必要になってくるんだろう。特に多チャンネル化の傾向の中で、もう三百局も三百五十局もデジタル放送で入ってくる。だれがモニタリングするんでしょうか。本当にできるんでしょうか。今までのように、これだけ情報が事件として発信され、それを受けとめられなかったんです。
 ところが、さっき言ったテレビ東京さんはアニメチェッカー、NHKさんは参考計測機というのができたけれども、あんな機械が突然できますか。やっぱり長い時間を助走路をかけて研究されてきたからできたんでしょう。となれば、そういう研究をしているよ、問題があるよというのはなぜ表に出てこないんだろう、そして番組をつくる際の良心に転化していかないんだろうか、私は疑問に思うんです。
 そこで、今申し上げたように、抑止力として法の整備はぜひとも必要だと思いますし、特にマルチメディアの中で必要なことだ。そして、最後に申し上げますけれども、今回は行政が初めて踏み込む。要するに、良好な視聴覚環境を守れと。僕に言わせますと、Vチップまで導入しないで非常に冷静であった行政が、何ですか、六畳一間、四畳半一間で見なくちゃならない日本の家庭環境もわかりながら、一メーター五十、二メーター離れて見ろとか、こういうところまで踏み込んだということは、放送にはそういう危険な、技術の発達の中から落とし穴があるよということをいみじくも行政が発信しているわけですから、このあたりを含めて最後にまとめた御答弁いただいて、私の質問を終わります。
#16
○政府委員(品川萬里君) 今回、中間報告で出していただきました一つの方向というのは、これまでもかねがね申し上げておりますけれども、私どもの放送行政の基本になります放送法の一つの大きな原則であります放送事業者の自律によるという考え方、やはり一義的には放送事業者の自律によるという基本的精神に沿ったものということでこのガイドラインについて私ども受けとめまして、また関係の業界にもその旨お伝えしたわけでございます。
 今後のことでございますけれども、今回の事案、NHK、民放連、あるいはテレビ東京さん、それぞれ大変事態を重く見られまして再発防止に全力を尽くされる、万全を尽くされるということでございますので、この御努力を、私どもきっと再発防止に万全を期されて今回のようなことがないということを祈っているわけでございます。また、そのように信じておる次第でございます。
 先生今おっしゃったように、放送の実態等もどんどん変わってまいります。それから、視聴者あるいは国民の放送に対する考え方というものも変わってまいるわけでございますから、一般論でございますけれども、放送制度に限らずいろんな制度というのはやはり社会情勢の変化に応じてその時代の中で基本理念を、放送なら放送の基本理念を守りながら、憲法の要請する基本理念を守りながらいかに制度の改善運用を図っていくかということが大事なことでございますので、十分研究をしてまいりたいと思います。
 それから二点目の、先ほどのお尋ねの今後この検討会をどうするかということでございます。
 こうした勉強会の一般的なサイクルといたしまして、大体夏ごろにワンサイクル終わるということで、また先生方にもそういうことでお願いしておりますので、ひとまず六月は区切りとしたいと思いますけれども、申し上げましたように五つないし六つのテーマが既に予定されておりますから、その中でこれは六月以降も継続検討を要するもの、あるいはその検討のためには予算措置を要するものがあろうかと思いますので、十一年度の予算要求をどうするかということもにらみながら、今後の検討課題について、六月に一区切りつけるかあるいは継続検討テーマにするか、テーマに応じまして検討体制を考えてまいりたい。
 その際には、今大変貴重な御示唆をいただきましたけれども、今回関係省庁ともいろいろ共同作業をする経験も得ましたので、十分政府を挙げて取り組むべきものは取り組んでいくということで対処してまいりたいと思います。
 以上でございます。
#17
○保坂三蔵君 どうもありがとうございました。
#18
○中尾則幸君 民主党・新緑風金の中尾でございます。
 参考人の皆さん、お忙しいところ本日は本当に御苦労さまでございました。私も持ち時間が限られておりますので、何点か今回の問題について御質問申し上げますけれども、端的に御返答願えればと思います。
 まず、四月八日、NHK、民放ラインが共同で出したガイドライン、私も読ませていただきました。この中で、NHK、民放連とも今回の事態を大変重く受けとめていらっしゃるということがわかりました。放送界全体の問題である、医学者や心理学者などと分析、調査研究を重ねてきた、さらには再発防止の具体的ルールをつくるというような決意、私は大変結構だと思います。先ほどからの質疑もございましたけれども、イギリスのITC、これも大変参考にされたというふうに書いてございます。私は、放送事業者がみずからガイドラインをつくったというのは大変評価できるというふうに思ってございます。
 簡単にお答え願いたいと思いますが、イギリスのITCの指針よりちょっと厳しい今回のガイドラインだろうと思いますけれども、簡単にどこが違うのか、相違点をちょっと御説明願います。
#19
○参考人(田畑和宏君) 最も大きな相違点は、ITCでは輝度の差について強調しておりますけれども、色については余り触れておりません。民放とNHKが今度つくりましたガイドラインは、色、とりわけ鮮やかな赤というものに対する危険を強調しているというのが一つの特徴であります。これについては、鮮やかな赤についてこういうガイドラインに盛り込んだのは我々のが最初でありまして、よく名前の出るハーディングさんも、ITCがこれからやるには十分参考にしたいというような発言もされております。
 それから、そのほかで言いますと、コントラストの強い画面の反転、あるいは画面の輝度変化が二〇%以上ある急激な場面転換といったものについても一項目を設けて入れているということでありまして、全体としては、研究が進んだということもありますけれども、ITCのよりも若干厳しくなっているというふうに理解しております。
#20
○中尾則幸君 続いて厚生省に伺います。
 ただいま保坂委員からも御指摘がありましたけれども、確認させてください。今回のNHK、民放から出されましたガイドライン、これをどう評価されているのか。
 それから、確認したいのは、七百人近くのお子さんが病院に入院された、中には重症の患者というかお子さんもいらっしゃったと。後遺症の心配、あるいはこれがほとんど一過性のものであるか、それの確認をさせてください。
#21
○説明員(田中慶司君) ガイドラインに関しましては、私どもの研究班の成果もある程度反映された、そしてそれを評価した上でつくられたものではないかというふうに考えているところでございます。
 また、被害者の予後でございますけれども、一般的には、このような発作が起こったということで、何かその発作と同時に事故が起きたというようなことであればまた話は変わってくると思いますが、発作そのもので何か重篤な後遺症を起こすということは非常に考えにくいというふうに考えております。
#22
○中尾則幸君 続いて民放連に伺います。
 郵政省の今回出された中間報告にも指摘がございますけれども、テレビ視聴環境の問題も取り上げでございます。既に字幕スーパー等で注意を喚起しているというふうに聞いておりますけれども、民放連としては今後どういうふうに、例えばお子さんを中心とした視聴者に対してテレビ視聴環境への注意喚起をしていくのか、お答え願います。
#23
○参考人(酒井昭君) 今回の問題につきまして、アニメを放送している在京社のテレビの中には、できるだけ明るいところで、あるいは距離を何メーター以上にというふうに自発的にそういうスーパー挿入はしてございますが、私どもとしては、これから放送基準審議会の中でいろいろ論議した上で、どういう形で画像に接近する場合の環境整備、視聴態度が重要であるかを論議してまいりたい。
 といいますのは、余りにもスーパーばかり入れますと、逆に視聴効果を妨げるという点もないわけではございません。特に、ニュース、ドキュメンタリーではそういうものは必要ないと思いますが、この光感受性の問題、パカパカの問題につきましては注意喚起する必要はあるんじゃないか。これから真剣に論議してまいりたい。
 以上でございます。
#24
○中尾則幸君 続いてNHKと民放に伺います。
 今回の事件を契機に、NHK、民放ともこれまでのテレビアニメーション番組がたくさんありますので、それを独自にチェックされたというふうに聞いております。これは膨大な量だろうと思うんです。チェックするのに一本三十分当たり、恐らく五時間ぐらいかかるんではないでしょうか。いわゆるスロー再生でやられる。
 その調査の結果、例えばこうした今回のガイドラインと、やっぱりちょっと問題があるなど、ポケモンの三十八話は特定のかなり危険性があったから子供たちが倒れたりしたわけですけれども、そうしたこれまでの調査の状況はどうでしょうか。簡単にお示しください。
#25
○参考人(田畑和宏君) 今回のガイドラインというのと正確に比較はできないんですが、ポケットモンスターの事件が起こりました直後から、たまたま暮れと正月でありますのでお子さん向けのアニメーションが大変多かったので、NHKは結果としては今よりもより厳しい暫定基準というのをつくりました。それで、それに基づいてチェックいたしまして、それに合わないものは直しました。その数が私の把握している範囲で二十八本について部分的な手直しをして放送したということはございます。
#26
○中尾則幸君 民放も。
#27
○参考人(酒井昭君) まだ正確には情報を入手しておりませんけれども、東京、大阪の局では過去のアニメ作品をプレビューしまして、それで機械によりまして光の度合いを発見し、そういうものはほとんどなかったわけですけれども、もしあるとすれば再放送の場合にひっかかりますので、それは修正して放送していくということを東京、大阪の局からは聞いております。
 以上でございます。
#28
○中尾則幸君 民放連にもう一度伺います。
 今回、ガイドラインが自主的にできたわけですけれども、今後、皆さんは自主判断でこの内規を重んじてアニメを制作したり、ほかにも先ほど出ましたCGのタイトルだとかいろいろあるんですが、これはどういうふうなチェックをされていくのか、一本一本チェックをしていくのか、そういう独自のチェック体制はどういうふうにされていくのか、ちょっとお知らせください。
#29
○参考人(酒井昭君) 各局では番組台本のチェック、それから作品のプレビューにつきましては考査セクションが主体的に検査しておりますけれども、アニメに関しましては技術的な要素がございますので、各セクションとも協力しながら、特に技術の方たちを含めながらチェックする。ある局では既に機械をつくっておりまして、これによって光の発生ぐあいやなんかがチェックできるということも聞いておりますので、主体的にいいますと考査部、それから技術制作部、それに映画部とか、そういうセクションが協力して事前にプレビューする、それで万全を期した上で放送というシステムになっています。
 以上でございます。
#30
○中尾則幸君 こうした事件の重大さ、これは先ほど保坂委員から指摘がありましたけれども、なぜ気がつかなかったんだ、予兆があったんじゃないかと。
 NHKも、確かにスポーツタイトルあるいは教育テレビでもありました。時間があればそれについても聞きたいんですが、そうした中で、やはりメディアの発展と同時に表現の手法も変わってくるんです。
 私どもがやったときに、アニメーションをつくったわけじゃないですけれども、今でもアニメは二十四こまですね、これをワンフレームずつ撮影していくわけです。今回のポケモンについては、後半の問題シーンが四秒余りですから、二十四フレ掛ける四だけでも大体百ですね。これは今ビデオでやりますから三十フレームなんですけれども、そういった赤と青の交互の反応が非常にお子さんに影響を与えたと。
 しかし、今回のガイドラインを見まして、これはやっぱり見ている側、いわゆる事件の再発防止、事故の再発防止というものは、当然のことでありますけれども絶対に避けられない問題だ、例えば「一秒間に三回を超える点滅が必要なときは、五回を限度とし、」とか、かなり厳格にされております。
 それで、ガイドライン作成に当たって、アニメ制作担当者からも意見交換をされていると思うんですよ。大きく表現方法が制約されてくる、それはもう当然事故の再発防止が重点なんだからというような意見もあったろうと思いますけれども、こうした点に関してアニメ制作者側からどんな話が出たのか、ちょっと私は気になるところなんです。民放さんに伺った方がよろしいでしょうか、どんな意見が出されていましたでしょうか。
#31
○参考人(酒井昭君) 私ども、今回の検討委員会の中には、各局の専門部会で構成されている特別部会のほかに、お医者さん等、実際にアニメーションをおつくりになっている演出家を含めました顧問会議というものを設置いたしまして、そこで論議したわけですが、お医者さんの方は当然のことながら医学的な見地からの発言、検討でございますが、アニメーションの制作者の方からは、これは多少厳しくなるかもしれぬけれども、自分たちの映像手法といいますか技術をもってすれば良心的な番組は可能であるはず、これからは制作者自身が危ないなと思うそういう手法は使わないとはっきりおっしゃっておりますし、我々はアニメをおつくりになっている動画製作者連盟等とも意見交換をしながら、この段階でこの程度の制約についてどうかという意見交換はしております。
 したがいまして、制作者は今後知恵を絞って新しい表現手法、それが人体に影響が及ばない手法でもってつくっていくということを申しておりますので、今回のガイドラインはかなり十分といいますか、新しい事態が発生しないようにつくったというふうに自負しております。
 以上でございます。
#32
○中尾則幸君 日本のアニメ市場、これはもう言うまでもなく、世界の六五%と言われております。その中で、日本のアニメは安心であるというようなアピールというのはどうしても必要になってくると思いますけれども、外国の事業者に対して情報公開、情報提供を今後どうやっていくのか、お答え願いたいと思います。
#33
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。
 今回の中間報告でも提言の一つとしていただいておりますけれども、今先生御指摘になったような点も踏まえまして、行政としても一応の措置をとったということを知っていただくために、この中間報告を英訳して、今までいろんな調査に御協力いただいたところ、あるいは関係の団体にお届けする予定でおります。
#34
○中尾則幸君 NHKさんにちょっと聞きたいんですが、先ほど指摘もありましたけれども、九五年六月の仙台のスポーツ番組のCGタイトル、精神科の専門医からと先ほど指摘がございました。これは十秒から二十秒CGによる不自然な幾何学的図形がぐるぐる回ってぴかぴか点滅したと、危険性が指摘されたというふうに新聞報道がなされております。このお医者さんは民間放送にも連絡して情報を伝えて、テレビ業界全体の問題として考えたらどうだというような指摘もあった、しかしそれは内部処理で終わってしまったと。それから、昨年三月の教育テレビアニメの問題もございます。私は、公共放送としての自覚にいま一つ欠けていたんではないかというふうに思ってございます。
 NHKは、今後こういうようなことがないように取り組むということはこれまでの記者会見等でその意気込みはわかりますけれども、情報公開等についてどう取り組んでいくのか、お聞かせください。
#35
○参考人(田畑和宏君) 委員御指摘のように、私ども、今考えてみますと幾つかの兆候があったことは事実でございまして、その兆候を線で結んで理解するところに今考えると若干欠けていた点があったということは十分考えて残念に思っています。
 したがって、今後はもちろんそういうことがないようにいたしますし、今度のガイドラインをつくったことによって、これからは同じような問題が起こらないとは思いますが、仮に何らかの事態があったときには部内的にも当然全体として局内に設けているプロジェクトで検討いたしますし、必要に応じて民放さんとも協議、連絡をするし、世間の皆さんに対しても事実関係の御説明をするということは責任を持ってやっていきたいというふうに思っております。
#36
○中尾則幸君 郵政省にお伺いします。
 六月までに最終答申をまとめるというふうに言われています。場合によっては引き続き継続して調査すると。大いに結構だと思います。でも、今回アニメが中心になっての中間報告ですけれども、いろいろ映像がたくさんございます。それについて最終報告で一定の見解を示すのか。それから、例えばテレビゲーム等についてはこれは郵政省の所管でないんですか。
#37
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。
 今後引き続き検討していただくテーマといたしましては、デジタルアニメーション、それから実写、立体画像、バーチャルリアリティー、コンピューターグラフィックス、こんなところを主としていろいろ検討しておく必要があるんじゃないかという御意見を既にいただいておりまして、これについては今後検討してまいりたいと思います。
 それから、前にも先生から御指摘がございましたが、メディアリテラシー、この件もあわせて検討していく必要があるだろうと思っております。
 最後にお尋ねのテレビゲームでございますが、テレビゲームそのものにつきましては、これは放送という概念には入りませんけれども、現実にテレビの画面に放送の番組として出てくるというような場合もあるとすれば今後考えなければならないと思っておりますけれども、今申し上げましたように、今この検討会で主として考えておりますのは以上申し上げました五つの点とメディアリテラシーの件でございます。
#38
○中尾則幸君 テレビゲームは放送ではないということであれば、ただ、映像の問題がこれからいろんな問題が起こってくる中で、これは郵政省だあるいはこれは通産省だという省庁の垣根を越えた取り組みがやっぱり私は必要でないかと思っております。
 それから、今局長が触れられましたメディアリテラシーの問題、それから前回の委員会でもありましたVチップ、私は簡単に導入は反対でございますが、そういった問題も、根本的にはテレビをどう読み取っていくか、このはんらんする映像の中でどう子供たちをいわゆる防御していくかというか、そういうことも私は必要じゃないかと再三指摘申し上げてきました。
 もう残り時間一分三十秒でございますから、最後にテレビ東京さんに伺います。
 ポケモンの再開に当たって、私も保坂委員と同様の考えを持っております。こうしたガイドラインに乗ってやれば、これでだめだったら本当にテレビ、まあ見るなというのはあれですけれども、テレビというのは光の点滅で映像を送るわけですから、この厳格なあれに沿ってやれば、多くのお子さんが見られている、しかも一六%の視聴率というのは大変な視聴率でございます。やはり子供たちが大変待ち望んでいるという観点から、しっかりとこの基準を守るということを前提に再開されたらいかがかなと思っておりますが、その点についてテレビ東京のお考えを伺って、私の質問を終わります。
#39
○参考人(一木豊君) 私どもいろいろ検討を重ねてまいりまして、先ほどから御説明がありますような機械によるチェックとかいろんな問題も解決しております。
 また、ガイドラインにつきましても、民放連、NHKの共同基準よりももっと厳しい、当事者でございますので、もっと一段と厳しい基準を設けまして、例えば一秒間に三回というところを私どもの方では三分の一秒に一回と。これは一秒間に三回といいましても三分の一秒の間にパカパカ三回やれば相当刺激が多いわけでございますので、私どもは三分の一秒に一回というふうになっておりますし、また鮮烈な赤、こういうところも、赤はもうだめだよということで、赤を排除するというぐあいに非常に厳しくしております。
 それから、チェックに当たりましても、制作会社にはもちろんこういう基準は徹底しておりますが、それで上がってきた作品につきましては技術陣のもとで制作技術の面々が検討をし、それからプロデューサーがそれをレビューして、今までやっておったのでありますが、その間にもう一回自動的に機械にかけるということで万遺漏なきを期したい、これで大丈夫ではないかと私ども思っております。
 特に前回の三十八回の場合は、宇宙の中に入ったということで宇宙というものを象徴するために特段のパカパカとかそういう表現がございましたので、普通であればああいうことは起きないんであろうと思っております。
#40
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。きょうは参考人の皆様、大変御苦労さまでございます。
 私は、まず厚生省にお伺いいたします。
 このポケモン問題が発生した直後、独自の調査研究班を設置されまして、医学的見地から原因究明に当たられました。速報を出されるなどその解明がかなり進んでいるように思われますけれども、閃光刺激により脳波に発作波が誘発された事例は、早くも外国では一九四六年に報告されております。日本では一九八九年にテレビゲームによるてんかんの報告がされておりますけれども、その時点から増加傾向が予想できたのではないかと思われるんですけれども、その予防対策として、医学的にもっと早く反応してこういう調査研究をしておくべきではなかったか、そういうふうな点をどうお考えでいらっしゃるか、お聞かせください。
#41
○説明員(田中慶司君) 御指摘の健康影響を受けた事例というのは、光誘発発作という意味では一般的な医学的な知見で昔から知られていたことではございますけれども、特にテレビゲームに関する事例というのは最近のことでございまして、これについてはてんかんとかあるいはそういう既往の素因を持った者に多く発症したわけでございます。今回のポケットモンスターに関する健康影響とは多少違っております。つまり、テレビゲームそのものは、例えばゲームをするときに画面を追う目の動きだとか、あるいは手の指の素早い運動だとか、あるいは画面に没入していろいろ計算をしたりあるいは意思決定をしていくというようなさまざまな心理、精神的な要因が入ったものでございまして、今回のいわゆるアニメ番組のテレビの健康影響とはちょっと違った要素があるんではないかというふうに考えております。
 今回のアニメ番組を視聴したことによって起きた健康影響というのは、過去に知られているようなそういう事例と比較しまして、素因とは直接関係のない要素もありますし、それから影響も非常に幅広くまた甚大であったというふうに考えておりまして、今回のような事例に対して予測するというのは非常に困難であったのではないかというふうに考えております。
#42
○但馬久美君 次は郵政省と民放連にお伺いいたします。
 去る六日、郵政省の放送と視聴覚機能に関する検討会が中間報告を発表されまして、アニメ映像の視聴覚機能に与える問題について「行政は広い観点から基本的方向性を示し、放送事業者が自主的に具体的ガイドラインを定めることが望ましい。」との基本的な考え方を示しました。
 ところで、この視聴覚機能に対するテレビ映像に関する指針を設けている唯一の国である先ほどから話が出ております英国では、BBCが独自の規定を持つほか、商業放送については独立監督機関である独立テレビ委員会、ITCが指針を定め、公的規制を行っております。
 一般的には、放送事業者は表現の自由番組編集の自由が認められておりますけれども、これからはこの自由が公共の福祉に従うべきことは当然であります。また、今回のこの問題は表現の内容に対する規制ではなくて、つまり表現の自由の範疇外にある技術的映像手法による規制、また国民の生命、健康を守るという国政の重要課題にかかわる問題であります。サブリミナル的手法や過度の光学的刺激を与える映像を規制することは、むしろ放送の健全な発展に資するものであり、公共の福祉にかなうと思われます。
 今回の報告書では、ガイドラインづくりが放送事業者の、NHK、民放の自主性にゆだねられておりますけれども、この問題の深刻さ、広範さから、行政のより積極的な関与、そしてまた強い指導性を発揮すべきであると思います。
 郵政省のこの点に関しての御所見をお伺いし、また民放連の感想をお伺いしたいと思います。
#43
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。
 イギリスの状況につきましては今先生御指摘のとおりでございますが、放送番組と国との関係についていろんな形がおろうかと思いますけれども、我が国の放送法制につきましては、まずは放送事業者の自律という考え方のもとに、今先生おっしゃった公共の福祉と表現の自由の調和ということも確保していくという原則にあるわけでございます。番組準則、それからみずから設定した番組基準というものをもとに、あるいは番組審議会を設けて番組の適正を図っていくというところにあるわけでございます。
 今回、このセルアニメーションの表現技法につきましては、確かに一秒間に何回やるかというような技術的なこともございますけれども、これも言葉の整理と申しましょうか法律の解釈でいきますと、やはり番組の一部ということでございますから、これは表現の自由という観点からも考えなければならないというような立場でこの問題に対処したわけでございます。
 今回、この中間報告では、まずは行政は基本的方向を出して、自主的に放送事業者の自律のもとにガイドラインをつくるのが望ましいという基本的方向性を行政のレベルでは示すことという中間報告をいただきましたが、これは私ども放送法の期待するところ、意図するところに沿った報告ではないかなというふうに受けとめて、その線で対処をさせていただいたわけでございます。
 したがいまして、今回の事態を大変重視されて関係の放送事業者の方々がそれぞれガイドラインを設けられたわけでございますので、まずそのみずから設定されたガイドラインをしっかり正しく運用していただくということが、今日私どもが放送法のもとで行政としても、また事業者の立場においてもとっていただくべきところかなというふうに考えております。
#44
○参考人(酒井昭君) あくまでも放送番組につきましては放送機関の自主規制によって守っていくのが基本的なものであると考えますし、放送への公的規制は避けなければならない、基本的にそういうふうに考えております。
 私ども民放連では、放送基準、それからNHKと共同で作成いたしました放送倫理基本綱領というもの、なおかつ民放連の報道指針というものをつくりまして放送倫理の向上に努めておりますので、今後ともこの形を崩さないで自主自律でやってまいりたい、かように考えております。
 以上でございます。
#45
○但馬久美君 自主そしてまた権力を導入しないという方向性は非常に大事だと思いますけれども、世界のアニメの六割以上が日本のアニメでもありますし、世界の人たちに安心してアニメを見てもらうためにもやっぱり行政の事故防止策というのは大事だと思います。この点よろしくお願いいたします。
 次に、NHKと民放連にお伺いいたします。
 昨年四月、NHKはTBS問題の反省を踏まえて番組基準を改定しました。サブリミナル的手法による表現を行わないことを明示しました。また、今回NHKと民放連が共同でまとめたガイドラインを指針から基準のレベルに高めるために各放送事業者が放送基準また番組基準の改定を検討すべきであると思いますけれども、この点、NHKのお考え、そしてまた民放連のお考えをお聞かせください。
#46
○参考人(田畑和宏君) 民放連と一緒につくりましたガイドラインはこれはこれとして大切にして守っていきます。それと同時に、NHKではNHKの内規というのをつくってより徹底しております。これはこれでやっていきます。
 そのほかに御指摘の番組基準につきましては、お話がありましたように、私どもはサブリミナルのときにもこういうことが起こらないようにということで番組基準に入れました。今度のアニメーションの問題についても、我々としては番組基準に盛り込むことで既に検討を始めております。
#47
○参考人(酒井昭君) 私ども民放連の場合で申し上げますと、ガイドラインで各放送局は自主的に運用上の内規等を定めるようにというふうに要請してございまして、民放各社におきましては、今回のガイドラインを参考に社内対応をしていくというふうに考えております。
 現在、このガイドラインを運用するときに参考となるような解説資料の作成に取りかかっている段階でございまして、この解説資料はこれから一カ月後ぐらいに全社に配付したいというふうに考えております。
 放送基準との関連について申し上げますと、民放連の放送基準の解説書にこのガイドラインをきちんと掲載し、全放送局に遵守を求めるという考えでございます。
 去年、サブリミナルにつきましては、解説書の中にもサブリミナルは使わないと、これは放送基準審議会の申し合わせ事項にもなっておりまして、そのことは解説書の中にはっきりうたってあります。
 以上でございます。
#48
○但馬久美君 次に、放送番組に対する規制のあり方について民放連にお伺いいたします。
 まず、放送法は、「放送を公共の福祉に適合するように」と記述しております。また、その健全な発達を図ることを目的として、放送事業者は番組の編集に当たって公序良俗を害しないこと、また番組基準を定めこれに従って番組編集をすべきこと、また放送番組の適正を図るため、放送番組審議機関を設置すべきことを義務づけております。
 そして、これに基づいてNHKは番組基準において、暴力行為は是認しない、不健全な男女関係を魅力的に取り扱ったり肯定するような表現はしない、卑わい宣言葉や動作による表現はしない等の規定を置いております。
 また民放では、公共の福祉、文化の向上等に寄与することを使命として健全な娯楽、児童及び青少年の人格形成への貢献、性差別の排除、暴力表現の場合の青少年への影響の配慮、そしてまた下品、卑わいな表現の回避等の規定をそれぞれ設けているようです。
 ところが、多発する青少年犯罪の映像メディアの影響とその規制が広く論議される状況に至っている現在、児童が視聴する可能性がある時間帯の不健全な男女関係と性描写を売り物にした番組、また深夜の娯楽番組とはいえ成人男女であっても通常の良識の持ち主であれば正視し得ない露骨な性表現、性を売り物にしあるいはむしろ性を侮辱した表現を内容とする番組がはんらんしているのが現実であります。
 視聴者に見る見ないの決定権が保留されるとはいえ、公共の電波を使用して公然わいせつすれすれの番組を放送するということは、表現の自由編集の自由を逸脱するものであるとの批判は到底避けられないと思います。
 そこで、民放連はこのような現実及びこれに対する国民の強い批判をどのように受けとめていらっしゃるか、これがまず一点。また、暴力表現、性表現について番組審議機関ではどのような議論がなされているのか、これが二点目。さらに、放送事業者間における自律的な批判、検討は番組の制作にどのように生かされているのか、この三点をお伺いいたします。
#49
○参考人(酒井昭君) 放送法の第三条だったかと思いますが、放送番組は何人も法律によらなければ規制されることはないということがありまして、それに関連して、先ほどの公序良俗に反してはならぬとか、あるいは政治的公平の問題だとか三、四項目ありますけれども、各放送局はそれに基づいて番組を編集し放送しているというのが現実でございまして、今御質問ございました暴力、性表現につきましては、過剰なものがないとは言い切れないのが現実で、そのとおりかと思いますが、これについての是正措置としては、組織的に民放連の中に放送基準審議会がございますし、それから外部の有識者五人を含めた放送番組調査会というのがございます。これは隔月議論を展開しておりまして、有識者と各局の編成局長クラスの方の合同会議でございます。ここでいろんな意見が飛び交うわけでございますが、これを参考にしながら各局の現場の制作者にその意見を反映させていくというのが一つございます。
 それから、各局の番組審議会の中で暴力表現、性表現がどの程度問題になっているかということでございますが、最近私ちょっとセクションを離れておりますので、百九十一社の番組審議会の議事録を全部読んでいるわけではございませんが、ローカルの審議会の委員はかなりその地域における文化人でございますので、その都度いろいろ批判、感想を述べて、そのことが制作局、キーステーションの方に反映されていくということでございますので、おいおい是正されていくのではないか。
 即座にということは、番組をつくりますときにワンクール十二回でございますので、その辺の浸透の度合いが遅いという懸念はないわけではございませんけれども、情報多様化の時代を迎えまして、放送の公共性というものをなお一層念頭に置きながらこれを改善していきたいというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたように、私どもの放送基準審議会とかあるいは番組調査会の中でも少年犯罪と番組という関連についてもいろいろ意見をいただいておりますので、私どもとしては、放送する側の社会的責任というものを十分勘案しながら、これから質のよい番組をつくっていくように放送基準審議会を中心といたしまして各社に要請していきたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
#50
○但馬久美君 時間がありませんので、次に参りますけれども、次は郵政省にお伺いいたします。
 放送番組の健全性の確保について、民放の方から今お話しいただきました。郵政省は、法令に基づき放送事業者に対し放送施設に対する免許等の規制以外にも、最近のテレビ朝日の報道局長発言問題、またTBSのオウム報道の問題等への措置。にあらわれているように、直接または間接に番組規制も行っているようですけれども、もう一歩深くお聞きしたいところは、アメリカではテレビ受像機へのVチップの設置を来年から義務化する規制が制定されております。郵政省も導入の検討を表明していますが、このVチップの場合、導入の前提となるレーティングは各放送事業者が自主的に行うことが一般的であり、これでは放送事業者及び機器メーカーに規制を依存することになるのではないか。
 また、青少年の健全育成は第一義的には家庭と地域社会にその責任と役割があります。映像メディアの極めて大きい影響力を考えれば、放送行政も積極的な関与をすべきは当然であると思います。
 また、この意味でCS放送における一部のアダルト専門チャンネルを放送として認可した郵政省の考え方には疑問があります。放送の健全な発達のためにも、行政の積極的な関与と指導力を求めたいのですけれども、郵政省はどのようにお考えですか。
#51
○政府委員(品川萬里君) CS放送、それからVチップといろいろ御指摘ございましたが、まず前段のVチップの問題につきましては、ただいまの視聴者とそれから番組の関係、表現の自由と公共の福祉という観点から、私ども放送法を所管する立場からいろいろ検討課題としておりますけれども、御案内のように、青少年問題、青少年の健全な育成とテレビの問題、政府としてどう取り組むべきかというのは政府挙げての課題でございますから、その一員として的確に対応してまいらなければならないと考えております。
 Vチップというものは、これはあくまで視聴者が番組を選択する際のいわば選択支援技術というのが位置づけでございまして、また視聴者がそのように番組を積極的に選択して見ることができる、そういうためのものであるというところを見失わずに、いろいろ今先生おっしゃったレーティングの問題あるいは放送時間の問題、幅広く深く関係者の御意見も承りながら議論してまいりたい、検討をさせていただきたいと思っている次第でございます。
 それから、CS放送のアダルト向け番組を放送する事業者が認定されたことについて疑義があるという御指摘でございます。
 個々の条文を申し上げていると長くなりますので一言申し上げますけれども、憲法で保障された表現の自由あるいは放送法で言う放送のあり方というところからしますと、いわゆるアダルト向け番組であるからこれは放送事業として放送することは認めないというのはやはり法の趣旨に沿ったものではないのではないかというふうに基本的に考えております。
 しからば、どのような形であっても認めなければならないかといえばそうではないわけでございまして、放送法の基本理念にございますように、放送の健全な発達あるいは公共の福祉ということもあわせて、もちろんその規律あるいは健全な発達というのは表現の自由ということを担保した上でのことでございますけれども、やはりこの点も見逃すわけにはいかぬわけでございまして、その点に沿って認定に当たっては判断をしているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、CS放送のいわゆるアダルト向け番組を提供している放送事業者は、親によるいわゆるペアレンタルロックですね、親、保護者、親権者がこの番組は子供には見せないといいましょうか、暗証番号を知っている人だけが見れるという仕組みを導入しております。ということで、青少年が勝手に見れないような仕組みでこの番組を放映しているというようなこと、こうした一定の措置がとられておりまして、これは放送法で言う公共の福祉に適合あるいは健全な発達という趣旨合いに沿ったものということで認定をしているわけでございます。
 一方でいろいろな番組を見たい、あるいは一方でいろんな番組を流したい、表現をしたいというそれぞれの番組のあり方、対応に応じた制度の運用に努めておるつもりでございますが、これからもそのように対処してまいりたいと存じております。
#52
○但馬久美君 ありがとうございました。終わります。
#53
○及川一夫君 社民党の及川と申します。
 参考人の皆さん、大変御苦労さまでございます。
 まず第一に、この問題のきっかけをつくったというか、論議をするに値するということでさまざまな研究会あるいは放送事業全体で考えるきっかけをつくったのはテレビ東京さんだと思いますので、このモンスター問題がかように問題になったときにどんな受けとめ方をまずされたのか、ちょっとそれを聞きたい。
#54
○参考人(一木豊君) 率直に申しまして、とんでもない事態を引き起こしてしまったと、こういうことでございます。
#55
○及川一夫君 なぜ私はこういうことを聞くかというと、放送行政局長の答弁なんかでも私は非常に問題意識を持つんですけれども、例えばこれは産経新聞の四月九日、「「躍動感を出す方法としてよく使っていた。原画の枚数を多くすることより、予算が安いので便利だった」と話し」、「制作現場では困惑の声も」というのが載っかっているわけですよ。
 要すれば、安くそれから関心の寄る番組というものがつくられればそれで放送事業者としてはよろしいということにつながるような認識でこの問題をとらえておったら、私はせっかく出たこのガイドラインも無に等しいものになってしまう、こういう思いで実は見ているわけであります。
 これが問題になったときに、NHKさんはどういうふうにこれを感じられましたか。
#56
○参考人(田畑和宏君) 私どもも大変ああいう事態が起こったことを驚きを持って受けとめ、早速我々自身の放送がどうかということを検証して、早速部内にもそういうプロジェクトをつくるなど、すぐ対応に取り組んだという次第であります。
#57
○及川一夫君 私からいうと非常に重大な問題だなと。幾ら放送事業者としていかなる番組も規制されてはならないよという法律上の保障があったとしても、アニメでもって映像が提供されてそれを見た子供がどこかでひっくり返っているということになったら、それも全体的にテレビが原因だったということが立証された限りは、私はそんなものは簡単にやめるべきだという気持ちの方が非常に強いんですよ。放送法だとかそういうものに反するものだと私は思っていないんだ。
 どちらにしても、NHKさんにしてもそれからテレビ東京さんにしても、アニメの放映が非常にたくさんやられていますよね。テレビ東京さんだけ見ても一週間に二十本出しておられます。それからNHKにしましても十本ですが、しかし毎日のように放送されているものもありますから、大体同じような規模なんだろうというふうに思うんです。
 そこで、私は、モンスターだけじゃなしに、先ほど但馬さんがお話しになりましたけれども、アニメ映像から受ける影響の問題として、どうも言葉の問題が大変あるなと思っているんですが、放送事業者として、アニメで使われている言葉というものを見直したことがありますか。NHKそれからテレビ東京、それぞれお答えください。
#58
○参考人(田畑和宏君) 今の御質問のアニメーションで使っている言葉について、特段、現段階では見直すということはございません。
 NHKのアニメーションは、やはりお子さんたちの健全な育成とかそういうことを大切にした番組をつくっているつもりでございますので、そう極端に悪い言葉というのは使っておりません。ただ、もちろん全体の番組の流れの中で、一部いいことを強調するために若干の、悪役的な人が出て必ずしもいい言葉を使っていないかもしれませんが、それはいわば悪い例として出していて、よりいいものはこっちなんだよという比較の形で若干荒い言葉を使うことはございますが、基本的にはNHKのアニメ番組で聞くにたえないとか余り使ってはいけない言葉といったようなものは使っていないつもりでございます。
#59
○参考人(一木豊君) 私どもも、二十本ある番組の言葉を子細に聞いているわけではございませんが、こういう表現を子供はするのかなという程度のことはございますが、委員が御指摘のような、それが何か子供の文化全体に悪影響を及ぼすような言葉を使っているという認識もございませんし、いまだかってそういうような点で苦情を受けたことはございません。
#60
○及川一夫君 私はぜひ見直してもらいたいなという気持ちがするんです。
 実は、私の孫は四年生の女の子と三年生の男の子と二・五歳の女の子、三人なんです。私は、ここで皆さん方に質問するに当たって、ふだんから感じておったものですから、嫁さんに子供たちの会話の中で気になる言葉があったら私に連絡をくれと。一時間たったらすぐファクスで送られてきたんですよ。
 これは厚木の森の里小学校というところの子供たちなんですが、子供の会話として、例えば「死ね」という言葉が使われている。あるいは「復讐してやる」という言葉も使われている。「でぶ」とか「ちび」というのはこれは当たり前の話だけれども、あるいは「ぶっ殺す」という言葉が使われています。先生の名前を呼び捨てにするということを含めてそういう言葉が交わされる。あるいは女の子が男言葉を使う。これは多少のことはあれですが、そんなこと。それから、「ふざけんなよ」、これもあり得ることかもしれません。しかし、「てめえ」という言葉が通常使われている。
 こんなことが出ておりまして、果たしてこれは親の会話、親のそぶりから受けとめて使っている言葉とはどうしても思えないんですよ。「復讐してやる」という言葉を大体現同士が使っているかどうか。子供との関係で使っていると思えませんでしょう。そうすると、子供が見るドラマもあるでしょう。あるいは少し知能指数の高い子はそういうのも理解する力もあるかもしれませんけれども、総じてアニメの会話の中で何かの番組でちょいちょい出る言葉であるのかなと、こう思ったりなんかしているわけです。しかし、私もアニメを全部見ているわけじゃありませんから、わかりませんが、皆さん方にはぜひ、この言葉の問題というのは大変な問題であります。
 それから、アニメの中で人を殺す場面があるんです。しかし、その殺された人間が次の瞬間生き返ってくるんですね。というと、幼い子供にしてみれば、殺してもこの人は生き返るんだということが常態として頭の構図になっていくと、今大変な事態になっているナイフでもって刺すということについて、我々から見ると本当に考えられないことなんだけれども起きていることにどうもつながるんじゃないか、こんな感じがするんですが、こういったことについて民放連の方は何か放送業界としてお話をされたことがありますか、ありませんか。
#61
○参考人(酒井昭君) 言葉の問題についてはまだそれほど本格的には論じておりませんけれども、「切れる」とか、何かいろいろ我々が日常使っていない言葉が流行し始めたということについての関心はあります。
 私も今国語審議会の委員をやっておりますので、日本の言葉の乱れについてはそこでも論じております。特に今やっておりますのは敬語の問題で、敬語の問題から、日常用語についていわゆる丁寧語といいますかそういう言葉の普及にも努めなきゃいかぬということが論じられておりますが、子供たちのアニメ番組の中で、戦といいますか戦いの中では多少乱暴な言葉が出てくるかと思いますけれども、悪い言葉が普及しないようにこれからは注意してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#62
○及川一夫君 どちらにしても、アニメというのはちょっと見ただけでも、闘争の場面とかあるいは暴力の場面みたいなのが結構多いんです。ですから、少なくとも番組全体について子供が育っていく上でよろしくないような問題は大人の常識というか良識である程度考えて規制をしていくということでないと、今度の問題でも自主規制というのが前提になっていますけれども、やっぱり放送業者の私は心の問題じゃないかという思いがしてならないんですよ。
 そこで、行政局長にちょっとお聞きしたいんだけれども、要するに、今度の中間報告の中の4のCで、表現の自由という問題について配慮せにゃいかぬと、モンスター問題に関連してそういうことが書かれているわけですね、提言されているわけです。なぜこれ表現の自由という形でこのモンスターというものをとらえられるのか、行政局長、どんなふうにお考えになるか。
#63
○政府委員(品川萬里君) 表現の自由ということにつきましては、特段、定義もないわけですが、通説的には意思を発表する自由であるが、その発表のためには多様な手段が使われるということで表現の自由という意味がなされておりますが、今回、表現の自由ということがこの中間報告に特に記されたのは、当然のことながら、先ほど申し上げましたように、セルアニメーションでどのような色彩を使うとかどの程度点滅させるかというのはある意味では技術ではないかという御議論もありましたけれども、これは番組のいわば表現技法でございますから、やはりこれは番組の一部をなすものだろうということが一つございました。しからば、番組ということになりますと、まさに放送法に言うところの番組の編集というものは一定の考え方で編集されるべきということがございますので、その点をこの中間報告の中で放送法の考え方として付記したものというふうに私ども理解しております。
#64
○及川一夫君 言論というものを大事にしなきゃいけない、表現の自由も侵してはいけない、憲法二十一条でも保障されている問題だという点では十分理解しているつもりです。
 しかし、じゃ今回のモンスターに当てはめて、パカパカという色の変化を繰り返すことによって子供の体に影響を与える、下手をすると死にまで行っちゃうというようなことがわかったときに、それ自体まずいんじゃないか、やめようじゃないかというときに、これが表現の自由にひっかかるという意味で書かれているとすればとんでもない話だなというふうに私は常識的に思うんですよ。バカバカというのは、光なんでしょうけれども、これは人間が勝手につくっているわけで、技術者がつくっているわけで、それがあってもなくてもそんなに子供にとっては、アニメ全体の表現かどうのこうのとか、あるいはこのアニメはおもしろくないとか、そういうものではないと私は思うんですよ。
 だから、私は別に中間報告を全面否定しているわけじゃないが、どうも言論界の方々というのは、何かそういう問題があると、言論の自由を侵してはいけないとかあるいは表現の自由を侵してはいけないというようなことを必ずつけるんですよ。私はそんなどでかい問題とも思っていないですよ、パカパカをなくすぐらいの話というのは。むしろ人間の命の方が大事なんだから、やめたらいいじゃないかと。やめるという前提でこの中間報告が出されているのかどうかということの方が私から言うと非常に重大事だと思っているわけですよ。
 この点は、大変恐縮だけれども、テレビ東京の方は、一体この中間報告の中で言う表現の自由に配慮しなければいけないということをどういうふうに受けとめられておるんですか。
#65
○参考人(一木豊君) パカパカで子供さんに被害が出る、それをしも表現の自由であるから勝手であるなどということは毛頭考えておりません。これは技法であるといっても本当に生命に異常があるわけですから、これはまことに大変なことをしてしまったと。
 ただ、アニメ全体というものの文脈からとらえますと、これはそういうものをなくす努力をしていけば子供の文化に資するものがあると考えておるわけでございまして、今度も、パカパカの手法そのものをどうやって厳密に抑え込んでいけるかということを研究をして、今一応の結論が出たわけでございます。
#66
○及川一夫君 大人でも子供でもそうですが、人間の体にはそれぞれ体質の違いがありますから、したがって、百回パカパカをやったから子供があちこちで障害を起こして、三回にすれば起きないという保証は絶対ないんですよ、これは。しかも、三回やって、そのために子供一人がどこかで倒れたといったら、それ自体が問題ですよ。
 だから、そういった点では、一番先にお答えいただきましたように、大変なことをやったな、大変なことを我々はやっているんだなという思いとして受けとめたというのは極めて大事なことだし、非常に立派な態度だと私は思います。
 したがって、私は、いろんな画面をつくっていくに当たっては、その筋の専門家ですから、しかも会社からは安い値段でと言われるのは当たり前だし、効率化ということが問題になっているんですから、それはそれとして子としながらも、こういう画面やドラマをつくる技術者というのは意外とそれだけに集中していきますから、そのことによって起こる影響というのは二の次になるんですよ。
 私も電気通信事業にかかわった技術者の一人として、そういうものだということを前提にされて、これからのアニメ全体の見直しとか、やはりこれは問題ではないのかというふうなことがあったら、率先してそれを規制するということをやっていただかないと困るという思いがありますので、私の最後の意見をつけて終わりたいと思います。
#67
○上田耕一郎君 参考人の皆さん御苦労さまです。日本共産党の上田でございます。
 郵政省の出された中間報告の基本的視点は、一、再発防止。二、放送文化・映像文化の発展。三、子供たちの健全な発達。私は、適切な基本的観点だと思うんですが、二と三は必ずしも展開されておりませんで、一の再発防止に重点を置かれていると思うんです。
 被害の規模について、先ほど保坂議員から、私が十二月二十五日の委員会で二十万人から三十万人被害があったんじゃないかと、根拠はどうだったかと言われましたけれども、私はあのときちゃんと根拠も明示しまして、岡山の教育委員会の調査、ポケモンを見たのは三万三千八百七十三名。うち七・一%の子供が異常を訴えて、二千四百六名。テレビ東京が発表したポケモン視聴世帯数四百十四万、これに七・一を掛けると二十八万になる、そういう根拠を私は述べたんです。
 今回の厚生省の調査を見ますと、二ページです。私の岡山の七・一%より高いんですね。当該アニメ視聴者四千二十六人、回答者の四三・七%です。健康被害の発生者数四百十七人、視聴者の一〇・四%、一割ですよ。四百十四万世帯にこの一割掛けますと私が推定した二十八万より多いです。
 どうですか、厚生省、推定してやっぱり四十万人ぐらい出たと言っていいんですか。
#68
○説明員(田中慶司君) 先生の試算に従えば確かにそういうことになるとは思いますが、健康被害と申しましても、問診によって生徒さんが直接あるいは親御さんが健康影響があったというようなことを書かれているわけで、その内容については、単に目が痛くなったというようなものから、頭がくらくらしたとか、あるいは周りのことがわからなくなったということまで、かなり内容に関しては差がございます。
#69
○上田耕一郎君 私もそう思いますけれども、相当重大な事件だったということは明白だと思うんですね。ですから、この再発防止というのは、ガイドラインを皆さんお決めになってこれを本当に守っていくことが社会的な責任になっていると思うんです。
 そこで、テレビ東京にお伺いしたいんですが、朝日新聞の二月十八日に、「ポケモンその後」という記事があって、テレビ東京が一月中旬、アニメ制作に携わる編集会社、代理店、制作監督など外部関係者八十人に集まってもらった。パカパカばかり問題になっているが、光の点滅に限らず、例えば背景の絵が急激に変わる、これも一秒間に三回背景が変わるのもいけないと。そうしたらみんな困惑したというんですね。それは大変だと、パカパカだけじゃなくて背景が急に変わるのもと。なるほど輝度が二〇%以上変わるものはそうなっているでしょう。
 そうなると、外部関係者がみんな困っちゃうようなガイドラインで、かなり厳しいですよ、イギリスのITCよりも厳しいというんだから。それを実際に本当に再発防止のためにすべての関係者に徹底させるということは大仕事だと思うんですけれども、一木さんいかがでしょうか。どういう方針でおやりになりますか。
#70
○参考人(一木豊君) アニメ関係の制作会社の方にいろいろ御説明をして、今委員がおっしゃられたような、いやこれはとてもできないというような声があれば、そこはまた話し合い、どういうことをしたらいいかというお話をするわけでございますが、少なくとも私どもがやった範囲内においては、制作者それから局内も含めましてこれはやれるという御了解を得ております。
#71
○上田耕一郎君 ぜひこの再発防止のために郵政省も民放連もNHKもテレビ東京もしっかりやっていただきたいと思います。
 二番目の放送文化・映像文化の発展の問題ですが、同じ朝日の記事に、NHKのことでこういう話が出ている。「NHK内では、子供に刺激を与える演出が本当に必然性のあるものかという根源的な議論が出ている」と。再発防止だけでなくて、映像文化として子供用のアニメに根源的議論が出ている、こういうのがあるんですが、そういう根源的な検討もNHKで進んでいるんですか。田畑さんどうですか。
#72
○参考人(田畑和宏君) NHKではNHKの放送技術研究所というところがございまして、ここに去年からヒューマンサイエンスというグループをつくりました。これは、人に優しい放送というのをいろんな面で研究しようというためにつくったものでありまして、そこの一番大きなテーマが、子供の視聴覚環境にテレビ及びテレビ周辺の新技術がどういう影響を与えるのかということについての研究をしております。それは、視聴覚ですから音も絵も含めてであります。そういう研究をして、お子さんたちに大きな影響を与えないようなものというのは研究をしております。
 それから、当然のことながら番組制作グループの中でも、我々が期待する、希望する、お子さんたちに送りたい映像表現というのがそういう危害、悪い影響を与えないような表現方法はどうしたらいいかということはこれまでも検討してきましたし、これからもまた検討していくつもりでございます。
#73
○上田耕一郎君 二番目の問題としては、日本のアニメが、アニメ王国と言われるように手塚治虫のものや宮崎駿さんのものなど非常にレベルが高く、しかも興行成績も非常に大きいいいものもあると同時に、さまざまな問題があるものもある。特に、ポケモン市場は四千億円と言われるような商業主義の問題等々あるんですけれども、それから劣悪な制作環境、アメリカと比べて制作費は五分の一で賃金は四分の一だというようなデータもあるんですが、私、前回この問題を取り上げましたので、田畑さんが言われた問題と絡んで、基本的視点の三番目にある子供たちの健全な発達とテレビアニメ番組の問題、それを少し質問したいと思います。
 先ほど但馬さんも取り上げられましたが、Vチップ、もう一つはSチップ、バイオレンスとセックス、これの社会的規制というのが各国でも非常に大きな問題になった。カナダ、アメリカなどはVチップを決めているんですけれども、これはテレビの暴力番組が特に青少年の犯罪に影響を与えるということについての科学的な研究の結果、そういう結論が出てやっているんです。
 カナダの場合は、八九年、モントリオール工科大学で女子学生十四人が無差別で銃撃された。その事件が起きて、カナダのCRTC、カナダラジオテレコミュニケーション委員会が二つの研究をテレビ暴力に関して委嘱した。その研究結果が二年後に出て、CRTCは、テレビ暴力と社会における暴力には直接的因果関係があるとは限らないが関連がある、こういう結論が出た。
 九二年に、自分の妹がレイプされて殺害されたのは暴力番組が要因であったとして、十二歳の少女が百五十万人の署名を集めて政府にテレビでの暴力番組の禁止を求める請願書を出したということが非常に大きな問題になった。それでカナダではこういうことで数年間議論をして、九六年にVチップの導入を決めたというんです。かなり研究をして出しているわけです。
 アメリカもそうです。アメリカについては、このNHKの「放送研究と調査」、これにかなり詳細な論文がありまして、少し勉強させていただきました。
 六八年、ジョンソン政権が暴力調査委員会をつくって、詳細な調査をやった。ペンシルベニア大学コミュニケーション研究所のジョージ・ガーブナー教授の分析が取り上げられたというんです。犯罪者を罰するのは裁判所ではなくて犯罪者の敵とか警察官だ、暴力行為は処罰されないというんです、ほとんどの番組はそういうのが多い。暴力調査委員会・メディア専門部会は、ガーブナー論文などを分析した結果、一、テレビ番組の暴力シーンが個人の目的達成、問題解決の有効な手段として使われている。二、テレビ番組の暴力シーンが現在のアメリカ社会にはびこる暴力行為を生み出す主要な要因の一つになっている、こういう結論を出したんです。
 その後、七一年には、連邦議会で委員会ができて、テレビと社会行動の詳細な調査をやった。一々紹介しませんけれども、一番最近のものでは、アメリカの心理学協会が九二年に「アメリカ社会におけるテレビの役割」を発表している。これまで蓄積されてきた調査研究から、テレビで暴力番組を視聴したことが原因で攻撃的な行動をとるようになるということが明確になっている。また、攻撃的番組を多数視聴する子供は暴力の行使を好むような態度や価値観を持つ傾向が強い。このことは大人にも当てはまるというのがアメリカの心理学協会の結論なんです。それからセックス描写についても、子供がテレビで低俗なセックス描写を視聴する結果、親が子供に責任ある態度や行動を身につけさせようとしてもそれができなくなってしまっている、こういう認識だというんです。
 ヨーロッパでも、EUでこの問題を取り上げていることがやっぱりNHKの「放送研究と調査」去年の六月号に報告があります。
 EUの意思決定機関である閣僚理事会は、八九年、「国境のないテレビ放送に関する命令」を採択した。これは、テレビ放送が青少年の肉体的、精神的、あるいは道徳的発達を著しく阻害するおそれのある番組、特にポルノグラフィー、無意味な暴力を含む番組を含まないことを確保するため適切な施策を講じるものとすると。これは命令なんです。
 イギリス政府は、ポルノグラフィーを放送する衛星チャンネルのイギリス国内での受信の禁止命令を九三年から九六年までに三回出したと、そういうことがずっとあるんです。
 もう一つ、これはおもしろかったのは、Vチップにも関連するんですけれども、ヨーロッパ放送連合、EBU、これがこの問題をずっと取り上げて、最後にVチップの問題について大事な結論を出しているんですね。国境を越えたヨーロッパ各国だから、それぞれVチップをやろうとしても分類が大変だというんです。そういう技術的問題の難しさも指摘すると同時に、Vチップは完全な解決策ではなく、補助的手段にとどまる。Vチップが装着されていることを前提により暴力的、性的な番組を放送する者があらわれれば、この種の番組を禁止したヨーロッパの原則の目的に反する事態が生じ得ると。だから、Vチップをつけると、これがついているからというのでその後がえってもっと過激になり得ると。
 これはきょうの朝日です。「「Vチップ」論議再燃」、これは日本でも郵政省でも決めましたし、中教審小委員会中間報告が出ましたので問題になっているんですけれども、メディア問題で有名な服部孝章立教大教授は、「「これまで以上に過激なシーンが堂々と放送される可能性もある」と指摘する。「見るのは視聴者側の責任」で片づけられるからだ。」というんです。私はこれはやっぱり聞くべき意見だと思うんです。
 私がきょう言いたいのは、テレビの無差別なひどい暴力番組やセックス番組は、明らかに犯罪だとか子供たちの発達をゆがめるんです。これはアメリカ、カナダの研究でも、日本も発達した資本主義社会で同じですからほぼ同じだと思うんです。こういう研究を郵政省も日本でもひとつやっていただきたいということが一つ。
 明らかにそういう影響があるので、バタフライナイフ問題でも影響が生まれているんですけれども、規制しなきゃいかぬが、規制をVチップというようなやり方でやるとかえって過激なことに走り得る危険もあるので、法律その他の強制的な、それから表現の自由を規制することにもかかわるような規制じゃなくて、社会的な世論による規制、それから放送事業者の自主的な規制、こういうものがやっぱり必要なんじゃないか。
 そういう点で言いますと、もう一つ郵政省に要望したいのは、いろんな懇談会に視聴者代表が入っていない。これはぜひ視聴者代表を入れて、そういう社会的な自主的規制を本当に日本の社会全体として、上から法律でやるようなやり方でなしに、またVチップなどの方法によるのじゃなくて、明らかに有害なんだから。これを自主的に規制できるように視聴者代表も入れた懇談会あるいは委員会、こういうものをつくることを検討していただきたい。
 以上二点、局長にお伺いしたいと思います。
#74
○政府委員(品川萬里君) 先生から詳しくいろいろ御教示賜りまして、ありがとうございました。
 先生おっしゃるように、確かに青少年犯罪とテレビの関係あるいは青少年の健全な発達とテレビの関係、いろいろ議論はございますが、私どもの見た限りでは、実はテレビが始まった直後、一九五七年、五九年に、NHK放送文化研究所で子供とテレビの関係が調査された。それから、日本民間放送連盟でも一九六〇年から三年間、そのような調査が行われたというふうに承知しておりますが、私どもの調査不足かもしれませんけれども、それ以降、定点観測的にあるいは体系的に子供とテレビという関係で調査があったということはちょっとつかんでおりません。これから調査したいと思います。
 いずれにいたしましても、実証的と申しますか科学的と申しますか、やはりデータに基づいた議論というのは必要でございます。諸外国の例を見ましても、アメリカでも大学における研究とかあるいは特定の学者が長期間にわたって研究しておられる例等もございますので、十分そうした例も参考にしながら、もし郵政省でやるとすればどういう形がよろしいのか、十分研究してまいりたいと存じます。
 それから、Vチップの問題でございますが、先生の御指摘のあったような指摘をされる方もおります。いずれにしましても、送り手と受け手、双方の立場を尊重した放送というのが放送の健全な発達でございますから、そういう観点に立ってこのVチップの問題も十分広い視野に立って検討をさせていただきたいと思います。
 それから、これまでいろんな審議会、勉強会を続けておりますけれども、先生御指摘のいわゆる視聴者代表、視聴者の立場でいろいろ御発言あるいは見解を述べていただく方、大体私の承知している限りでは入っていただいておりますけれども、こうした問題について、視聴者の立場でもいろんな方がおられますので、それぞれのテーマに応じてふさわしい視聴者代表として入っていただける方をできるだけ入っていただけるように努力してまいりたいと思います。
 以上でございます。
#75
○上田耕一郎君 アメリカの子供は小学校を終わるまでに平均して殺人場面を八千回、暴力シーンを十万回テレビで見る、こういうようなデータもあるんですね。日本はこれだけになっているかわからぬけれども、今局長がお答えになったように、やっぱり日本社会の非常に大きな問題だと思うんです。社会としての子供に対する教育機能が衰弱したり病んでいるという状況があるわけで、それが今、教育問題を非常に大きな焦点に浮かび上がらせたと思うんです。
 その中で非常に発達したテレビの果たす役割というのは大きいわけですので、今局長答弁されましたけれども、日本においてもテレビ番組と子供のいろいろな非行とか犯罪に対する影響、しっかりした科学的な調査研究をぜひ進めていただきたい。そういうことに基づいてこういう問題を克服する的確な方法を日本社会として生み出すために努力していただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#76
○委員長(川橋幸子君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 参考人の方々に一言御礼を申し上げます。
 本日は、お忙しい中、本委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 参考人の方々は御退席いただきまして結構でございます。
#77
○委員長(川橋幸子君) 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。藤井運輸大臣。
#78
○国務大臣(藤井孝男君) ただいま議題となりました海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 海洋の汚染の防止につきましては、従前から海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等により油の排出等があった場合における防除等について必要な措置を講じてきているところでありますが、昨年、島根県隠岐島沖で発生いたしましたナホトカ号油流出事故を初めとして、近年、我が国周辺海域において大規模な油流出事故が相次いで発生しており、これらを契機として我が国の油防除体制の一層の充実強化を求める機運が高まっているところであります。
 言うまでもなく、大規模な油流出事故が一たび発生いたしますと、海洋環境、地域経済に深刻な影響を及ぼすこととなるため、事故に伴う被害を最小限に抑えるためには事故発生当初の段階において機動的かつ適切な措置を講ずることが肝要であり、そのための体制を早急に強化することが不可欠であります。
 このような認識のもと、関係省庁が一丸となって油流出事故時における即応体制の整備に努めているところでありますが、その一環として、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律を改正し、必要な規定の整備を行うこととした次第であります。
 また、あわせて、近年の廃油処理事業の経営状況等にかんがみ、廃油処理事業の経営の合理化、事業の効率化等を促進するため、廃油処理事業に係る規制の見直しを行うものであります。
 次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、海上保安庁長官は、特に必要な場合に、関係行政機関の長等に対し油防除措置の実施を要請することができることとし、当該要請に基づき油防除措置を講じた場合には、関係行政機関の長等は当該措置に要した費用を船舶所有者等に負担させることができることとしております。
 第二に、海上保安庁長官は、領海外の外国船舶から大量の油の排出があった場合においても、海上災害防止センターに対し油防除措置を講ずることを指示することができることとし、当該措置に必要な費用を国が交付することとしております。
 第三に、廃油処理事業の開始に係る許可基準のうち、需要適合性に関する規定を廃止すること等必要な規定を整備することとしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#79
○委員長(川橋幸子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
#80
○委員長(川橋幸子君) 次に、船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。藤井運輸大臣。
#81
○国務大臣(藤井孝男君) ただいま議題となりました船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 近年の我が国の海上企業においては、その活力を維持向上していくため、社会経済情勢の動向に柔軟に対応していくことが必要となっております。そのため、海上企業においては、必要とする人材を的確に確保していきたいとのニーズが高まっており、これに対応して船員の募集に係る規制を見直すとともに、外国人船員を日本籍船において船舶職員として活用していくため、船舶職員の資格制度について見直しを行う必要があります。
 また、近年の海洋レクリエーションの進展を背景とした小型船舶操縦士の資格取得へのニーズの多様化等船舶職員制度をめぐる各般の状況の変化にも適切に対応して、所要の措置を講ずる必要があります。
 このような趣旨から、このたびこの法律案を提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、文書等による船員の募集について、事前通報の義務を廃止し、自由に行うことができることとしております。
 第二に、千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の締約国が発給した資格証明書を受有する者については、運輸大臣の承認を受けて船舶職員になることができることとしております。
 第三に、新たに五級小型船舶操縦士の資格を創設する等船舶職員の資格制度につき所要の改正を行うこととしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#82
○委員長(川橋幸子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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