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#1
第142回国会 交通・情報通信委員会 第14号
平成十年四月三十日(木曜日)
   午後一時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     渕上 貞雄君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     松前 達郎君     菅野 久光君
 四月三十日
    辞任         補欠選任
     渕上 貞雄君     瀬谷 英行君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         川橋 幸子君
    理 事
                景山俊太郎君
                亀谷 博昭君
                陣内 孝雄君
                寺崎 昭久君
                但馬 久美君
    委 員
                高木 正明君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                守住 有信君
                山本 一太君
                菅野 久光君
                中尾 則幸君
                鶴岡  洋君
                及川 一夫君
                瀬谷 英行君
                上田耕一郎君
                筆坂 秀世君
                戸田 邦司君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  藤井 孝男君
       郵 政 大 臣  自見庄三郎君
   政府委員
       運輸省航空局長  楠木 行雄君
       郵政大臣官房長  天野 定功君
       郵政大臣官房総
       務審議官     濱田 弘二君
       郵政省通信政策
       局長       木村  強君
       郵政省電気通信
       局長       谷  公士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   説明員
       厚生省健康政策
       局医事課長    尾嵜 新平君
   参考人
       国際電信電話株
       式会社代表取締
       役社長      西本  正君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        安藤  理君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○電気通信分野における規制の合理化のための関
 係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○航空法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十八日、松前達郎さんが委員を辞任され、その補欠として菅野久光さんが選任されました。
 また、本日、渕上貞雄さんが委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行さんが選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(川橋幸子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日、参考人として国際電信電話株式会社代表取締役社長西本正さん及び国際電信電話株式会社常務取締役安藤理さんの出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(川橋幸子君) 電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。自見郵政大臣。
#6
○国務大臣(自見庄三郎君) 電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国経済の体質を強化し、活性化を図るためには、我が国経済全体の構造改革を進めていくことが必要でありますが、特に、リーディング産業としての電気通信分野においては、市場構造の改革を大胆に実現していくことが極めて重要であります。
 電気通信分野における構造改革の具体策につきましては、昨年十一月十八日に経済対策閣僚会議で決定された「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」において種々の規制緩和策を盛り込んだところでありますが、これらの施策を確実に実現することにより、強靱で活力に満ちた日本経済の実現を図ることを主な目的といたしまして、今般、この法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の概要について申し上げます。
 まず、国際電信電話株式会社について、特殊法人としての根拠法であります国際電信電話株式会社法を廃止し、同社を完全に民営化することとしております。
 次に、電気通信事業法及び電波法の一部改正の内容であります。
 その第一は、第二種電気通信事業者について、一定の要件のもとで、みずから設置した端末系伝送路設備を用いて電気通信役務を提供することができるようにすることとしております。
 第二に、国内業務を営む特別第二種電気通信事業について、現行の規模基準を廃止し、専用回線を介して公衆網を相互に接続して不特定かつ多数の者に音声を伝送する電気通信役務を提供する第二種電気通信事業に限定することとしております。
 第三に、第一種電気通信事業者が定める料金について、現行の認可制を原則届け出制とするとともに、地域通信市場において利用者に及ぼす影響の大きい電話等の基本的なサービスに関する料金については、郵政大臣が基準値を定め、その基準値を超えることとなる場合には、郵政大臣の認可を要することとしております。
 第四に、端末機器及び無線設備が技術基準に適合することの認証制度について、内外の民間事業者による無線設備等の点検結果の活用、一定の要件を満たす外国の証明機関による証明の受け入れ及び工事設計を単位とする技術基準への適合性の認証ができるようにすることとしております。
 以上のほか、免許を要しない無線局の要件を緩和するなど所要の改正を行うこととしております。
 なお、この法律は、それぞれの改正内容に応じ、施行の準備に要する期間を勘案して、公布の日から一定期間経過後の政令で定める日から施行することとしております。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(川橋幸子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○中尾則幸君 民主党・新緑風会の中尾でございます。
 ただいまの郵政大臣の趣旨説明にもございましたが、本法律案は、昨年十一月十八日に政府の経済対策閣僚会議で決定されました「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」に盛り込まれております規制緩和策に基づいて法案化されたと認識してございます。緊急の経済対策として今週の法律案による規制緩和が果たしてどこまで有効か等々、新聞報道をひもといてもさまざまな意見がございます。
 改めて申し上げるまでもなくて、アメリカを初め世界各国で情報通信一高度情報化を二十一世紀のリーディング産業、社会、産業、経済のいわゆるパイオニアとして位置づけていることは今さら私が申し上げることではございません。
 そこでまず、本法律案によるKDDの完全民営化、情報通信分野の規制緩和策は我が国の情報通信政策に省いてどんな意義を持つのか、その位置づけを初めに明らかにしていただきたいと思います。
#9
○政府委員(谷公士君) 情報通信分野におきましては、高度情報通信社会の到来に向けまして、それはふさわしい市場構造の整備、情報通信基盤の整備、それから社会の仕組みの見直しといった体制の整備を図ることが必要不可欠であると考えております。
 このような高度情報通信社会に向けました体制整備の一つといたしまして、サービスを担う事業体を中心といたします市場構造におきまして競争原理が一層効果的に働きますように、現在、NTTの再編成でございますとか、接続ルールの制度化による公正有効競争条件の整備、こういったことを図るように努めておりますけれども、あわせて規制緩和も推進しているところでございます。
 今回の法律案におきましても、このような基本的な考え方に基づきまして、KDDの完全な民営化によります機動的な経営の実現、それから料金の原則届け由化等によりまして電気通骨事業者がより柔軟で積極的な経営展開をできるようにこれを促進すること、それから電気通信機器に係る基準・認証制度の合理化によりまして、機器のメーカーなどがなっております認証制度の利用者でございますけれども、この利用者の経済的、時間的負担の軽減を図りますこと、こういったことなど、電気通信分野の抜本的な規制緩和策を盛り込んでいるところでございます。
 このような抜本的な規制緩和策の着実な実施によりまして、情報通信分野におけるさらなる改革の推進が図られるものと期待しておるところでございます。
#10
○中尾則幸君 ただいま各局長からも御答弁がございました情報通信分野における規制緩和は、この二、三年一気に進んできたなという実感がございます。
 今お話にもありました競争原理が公平に働くような社会というのは私も賛成でございますが、それと同時に、公共性という視点もこれはぜひともつけ加えていただきたい。競争原理だけではなかなか旧体のこの広い国土、情報通信の分野では立ち行かないんではないかということだけ申し上げておきたいと思います。
 そこで、郵政大臣に伺います。
 今回の規制緩和のみならず、我が国の経済構造改革のためにはさらなる規制緩和が求められてこようと思われます。今後の規制緩和についての基本的な大臣の考えをお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(自見庄三郎君) 中尾委員にお答えをさせていただきます。
 電気通信行政の目的とするところは、平常時であれあるいは緊急時でも当然でございますが、国民利用者にとって使いやすいサービスの円滑な提供を確保することにあるというふうに思うわけでございます。このような観点から電気通信事業者に対する規制が存在しているものというふうに考えております。
 一方、電気通信分野におきましては、事業者の事業活動については、市場メカニズム、マーケットメカニズムのもとで競争原理にゆだねる仕組みとすること、競争原理に耐えてこのことにゆだねるというにとも私は大事な基本的な考え方だというふうに思っております。したがって、例えばNTTの独占的な地域網に起因する不公平な競争を防止するなど、公正有効競争の確保を図ることが私は大変大事なことだ、こう思うわけでございます。
 今先生から公共の福祉のことも考えると、こういうことも御発言があったわけでございますけれども、やはり公共性もあるわけでございますから、地域的な独占をしている分野については一つの公的な責任もあるわけでございますから、そういったきちっと別の仕組みを、別の仕組みといいますか原則、これは私は、今回の法律改正は大変コペルニクス的な転回だと思っております。明治以来、通信料金というのは基本的に政府が決めたわけでございますけれども、原則届け出、原則自由そして例外規制というわけでございます。その規制する分野もこの法律に書いてありますように、NTTの独占的な地域網に起因するところは、これは公権力できちっと今の段階ではやらせていただかなければならないだろう、こういうふうに思っているわけでございます。また、いずれ競争も進展すると思うわけでございますから、競争め進展に応じて規制緩和を推進して、規制を必要最小限のものとしていくことが私は将来的には必要であるというふうに考えております。
 このような基本的な考えを踏まえて、先月閣議決定されました規制緩和推進三カ年計画に基づいて、今後ともさらなる規制緩和推進に努めてまいりたいというふうに思っております。
#12
○中尾則幸君 今大臣からコペルニクス的転回と、その意気込みはよしと思いますが、私はそこまでは、なかなかまだ転回までは行っているのかどうか。
 そこで、質問通告にはないんですが、ちょっと関連して、コペルニクス的転回というのであれば、これはアメリカでも大変焦点となっております放送と通信の融合、確かにこの三カ年計画にも書いてありますけれども、これについて今どう取り組んでおられるのか。質問通告にないんですが、ちょっと簡単にお答え願えれば。
#13
○政府委員(木村強君) 技術の進歩が通信と放送との既成の概念からは異なった形で進展していくという状況でございます。これにつきましては、事業者の融合といったようなこと、あるいは機器の関係の融合化いったようなこともございます。また、伝送施設の融合といいますか共有化といったようなこともございます。いろいろ新しい現象もそのことによって生じておりますが、大臣からも御答弁いたしましたように、最終的には情報通信技術というものの成果を国民の皆様にできるだけ安く使い勝手よく還元をするというのが私ども行政の立場であります。
 そういう面では、大臣の懇談会ということで、もう四年目になりますが、通信・放送の融合に関する懇談会で有識者の方々からも御議論を承りながら、私どもとして時宜に応じた通信・放送の融合といったような問題につきましても取り組んでおるという状況でございまして、状況の進展に応じて適切な措置を今後ともとってまいりたい、このように考えております。
#14
○中尾則幸君 私は国民のコンセンサスを得ないままに何でも規制緩和をやれということを申し上げているわけじゃございません。恐らく放送・通信の融合というのは世界的な流れで、四年前から取り組んでおられるということも承知しておりますので、しっかりと国民の声を聞きながら進めていただきたいなと思っています。
 続いて、第二種電気通信事業者の回線保有についてお尋ねいたします。
 今回の措置で第二種事業者についてもアクセス回線の保有が認められることになりました。インターネットのプロバイダー、大手の接続会社など大変関心が高いと言われておりますけれども、果たして実効性がどうなのかという声も聞かれてございます。回線保有をすることについては、自前で持つためにはやはり敷設工事の設備投資等も必要であるということで、大変難しいんではないかと言われております。
 こうした第二種事業者の回線保有が今後どのように進んでいくのか、また今回の規制緩和による効果はどこら辺にあるのか、お尋ね申し上げます。
#15
○政府委員(谷公士君) 確かにこの電気通信回線設備の設置にはそれなりの費用も必要でございますし、なかなか難しい問題でございます、ただ、今回の改正によりまして第二種電気通信事業者がみずから設置をいたしますセンター設備とそこから比較的近距離にあります利用者の方との間のアクセス回線などにつきましては、二種事業者が一種事業者から回線を借りて使うよりもみずから設置した方が経済的に見合う場合があると考えるわけでございまして、そういった場合には回線設備の設置が行われるのではないかというふうに考えております。
 今回の改正は、そもそもは二種事業者の方の御要望をきっかけとしたものでございまして、そういう意味で、これに上って事業者の方のより柔軟な事業展開が可能になるのではないかというふうに考えたところでございます。
#16
○中尾則幸君 さて、今回の法案の中で、第一種電気通信事業者の料金規制の見直しが挙げられております。現在の原則認可制を原則届け出制に緩和するということでございます。また、地域通信市場における加入電話等基本的なサービスについてはプライスキャップ方式に移行するというふうにうたってございます。こうした規制緩和が料金値下げにどうつながっていくのか。
 聞くところによりますと、既に通信事業者はたび重なる料金の値下げを実行してきている、直接的に今回の規制緩和がさらなる値下げにつながるかどうかも非常に厳しいというような指摘もございますが、この点についてお答え願います。
#17
○政府委員(谷公士君) 今回の改正におきましては、御指摘のとおり料金の規制を原則届け出制といたしますとともに、競争の進展が不十分な地域電話サービスなどにつきましては、行政が物価などの経済事情や生産性の向上率などを考慮いたしまして、基準料金指数と申しておりますが、こういったものを定め、それ以下であれば原則届け出制とするといういわゆるプライスキャップ、上限価格方式を採用することといたしております。
 競争が進展しております分野の料金規制を届け出制とすることによりまして、事業者はより戦略的かつ機動的な料金設定が可能となると考えられますので、事業者間の切磋琢磨を通じて料金の一層の低廉化が期待されるわけでございます。
 それから、地域電話などの料金につきましても、技術革新による生産性向上などを織り込んだ適切なキャップを設定することができますれば、事業者の自主的な経営効率化努力による料金の低廉化が進むものというふうに期待したところでございます。
#18
○中尾則幸君 郵政省は、さきの第百四十通常国会において料金制度に関する規制緩和について、競争が十分進展した段階で検討することを明らかにしておりまして、そこら辺をしっかりと見きわめて政策を推進していただきたいなと思っております。
 続いて、KDD法の廃止に関してKDDにお尋ね申し上げたいと思います。
 今回やっとKDD法の廃止が実現いたしますが、KDDとしてはこの法律が廃止されるに至ったことについてどのように評価されておられるのか。また、KDDとして今後どのようなビジョンでいわゆるメガコンペティション、大競争時代に立ち向かっていくのか。国際通信市場の競争は御存じのように大変激化してございまして、KDDの環境も大変厳しいものがあるというふうに伺っております。どんな方針をお持ちなのか、簡潔にお答え願えれば大変ありがたいと思います。
#19
○参考人(西本正君) KDDの西本でございます。
 御指摘のように、電気通信を取り巻く国内外の競争は大変厳しいものがございますけれども、これに対応していくためには、KDD法の廃止によりまして経営の迅速性、柔軟性といったものを高める必要があるというふうに考えておりまして、今国会におきましてこの法案が一日も早く成立することを私ども希望いたしております。
 それから、KDDの今後の事業展開についてのお尋ねでございますけれども、国内外での規制緩和が進む中で、私どもは、国際通信事業に軸足を置きながら国内通信事業あるいは海外での通信事業を展開してまいり、国内通信サービスから国際通信サービスまでをシームレスに提供するグローバル総合通信企業を目指してまいりたいと考えております。
 この中で、国内通信に関しましては、昨年の七月から主に企業向けのサービスを提供してまいりましたけれども、本年の七月からは一般のお客様を対象に本格的な国内電話サービスを開始することとしております。
 また、海外におきましては、アメリカのAT&Tやシンガポール・テレコムなど世界十八の事業者と提携をしてワールド・パートナーズというチームを結成しております。多国籍企業向けのサービスを提供いたしておりますが、これを一層拡充強化していくとともに、当社独自でも世界各国のKDDの海外現地法人を結んでグローバルなネットワークを構築するなどの事業展開を積極的に進めてまいりたいと考えております。
#20
○中尾則幸君 ありがとうございました。
 時間がございませんので、次に進ませていただきたいと思います。
 この法律案のもととなった昨年十一月の緊急経済対策に引き続き、先週二十四日、政府は十六兆円余りの総合経済対策を発表いたしました。今回の経済対策は、規制緩和というアプローチではなくて、新社会資本整備の一環として情報通信の分野にも重点的に配分しようということでございました。私も大変期待しておりまして、我が国も高度情報通信社会にいよいよ乗り出したのかなと思いまして、いろいろメニューがきら星のように並んでおったのを拝見しておりましたが、結果としてなかなか、中身が中途半端だなというのが実感でございます。これらに関して何点か伺わせていただきたいと思います。
 今回の総合経済対策、総事業費十六兆五千億円余りのうち、公共事業、社会資本整備には約七兆七千億円が投入されるということでございます。今も指摘しましたけれども、情報通信分野への重点投資については、当初の要望は恐らく一兆六千億円オーダーであったと思いますが、十分の一以下になりました。その理由はどこにあったのか。また、総事業費千二百五十億円と言われている情報関連施策の目玉は何か、簡単にお答え願いたいと思います。
#21
○国務大臣(自見庄三郎君) 中尾委員にお答えをいたします。
 今回の総合経済対策は、情報通信を初めとしたいわゆる二十一世紀を見据えた社会資本の整備に重点が置かれたものというふうに私は認識をいたしております。
 情報通信につきましては、科学技術の振興と合わせて約一兆円程度の事業の実施が盛り込まれたところでございまして、このうち当省関係の施策としては、研究開発用超高速光ファイバーネットワークや地上放送デジタル化推進のための研究開発施設の整備等が盛り込まれ、今先生御指摘のとおり、総事業量千二百五十億円を確保させていただいたところでございます。
#22
○中尾則幸君 確かに、郵政省のこれまでの年度予算から比べれば大変な額だろうと私も推測をいたすわけでございます。
 今大臣からも御答弁ございましたが、その中で地上放送デジタル化推進のための研究開発施設整備について七カ所、約三百五十億円がついてございます。さきの委員会で私も質疑いたしましたが、郵政省は二〇〇〇年以降、地上波のデジタル放送を開始するというような方針でございました。まさにこの三百五十億円はどのように生かされるのか、その計画と見通しをお伺いできればありがたいなと思っています。
#23
○政府委員(天野定功君) 放送行政局長がきょうは出ておりませんので、かわって私の方からお答え申し上げます。
 先生御指摘の地上放送デジタル化推進のための研究開発施設整備、約三百五十億円の予算が確保されておるわけでございますが、御承知のように、地上放送網は現在基本的にアナログの放送網になっております。これを全国的な規模でデジタル放送に切りかえるのは大変な投資負担を伴うわけでございますが、今回の予算で地上放送網のデジタル化を円滑に推進するために大規模研究開発用の共同利用施設を全国で七カ所程度整備しまして、ここに放送事業者や地元企業あるいは地方自治体等が一緒になりまして利用できるような研究施設を構築していきたいというふうに考えております。
 先生御質問の今後の具体的な整備計画は、これから予算化が進みまして、今申しました関係の放送事業者や地元企業あるいはメーカー、地方自治体等の団体とも協議いたしまして決めてまいりたいというふうに考えております。
#24
○中尾則幸君 実用実験の段階に入っているのかなと思ってございまして、その点も十分踏まえてこの計画を遂行していただきたいと思っております。続いて、さきの大臣の所信の質疑の際にも質問いたしましたけれども、地域の情報化推進についてでございます。
 今回の情報通信分野への重点投資の中で、地域活性化のための電気通信格差是正事業の推進で約百八十七億円の予算が盛り込まれております。私は大変これは期待しておりまして、前にも申し上げましたが、自治体ネットワーク施設整備事業、これは私も大いに進めるべきだと申し上げました。今回は自治体ネットワーク事業の追加として約七十五億円を盛り込んだわけでございますが、これは単年度だろうと思ってございます。
 それで、今回は追加分、三分の一補助、十数カ所というふうに案が出されておりますけれども、これは今後の自治体ネットワーク施設整備事業とどう関連して取り組んでいかれるのか、御答弁願いたいと思います。
#25
○政府委員(木村強君) 地域情報化施策につきましても今回の総合経済対策の中にぜひ織り込むべき必要があろうということで、先ほど大臣からも御説明申し上げましたギガビットのネットワークを全国展開する、あるいは地上放送デジタル化の研究施設ということについても全国七カ所、これはすべて地域の情報化にも密接に関連する施策だと考えております。
 しかし、まさにこれまでの地域情報化の予算の中に絡むものとしての今回の中身には、今先生御案内ございましたように百八十七億、それからその他施策の中にも地域情報化の関連は盛り込めておりますので、私どもといたしましては総計約二百二十五億、今回千二百五十億のうちの二百二十五億程度はこの地域情報化にずばり的を絞ったものだというふうに認識しております。
 自治体ネットワーク施設整備事業につきましては七十五億ということでありますが、これは当初予算が八十五億程度でございますから、ほぼ十年度当初予算と同じ規模の量に当たります。これから地方公共団体等に照会をいたしまして、この年度中に執行をというようなことでもございますので、そういう状況め中で、これから地域の掘り起こし、あるいはこれまでにも地域からも熱烈な要望等もございますので、そういうことと関連いたしまして、当初予算と合わせて本年度内に地域の情報化を爆発的に起こす非常にいい契機になろうものというように考えております。
#26
○中尾則幸君 今、木村局長からお答えをいただきまして、私もこれは額がもっとあればなと思いますけれども、大変起爆剤になるんではないかと思います。各地域を私も見させていただきました。例えば遠隔教育だとか離島を結んだ遠隔医療、実際に各都道府県、市町村が本当に少ない予算の中で大変健闘している。実例を見てまいりまして、こうした取り組みこそ新しい時代の二十一世紀の情報通信社会のあり方ではないかと私は思っているんです。
 ですから、いろいろあろうかと思います。今回、学校あるいは病院に光ファイバーをどんと敷設しようという、大規模な予算を投入するということも一つの考え方であろうかと思いますけれども、私は、その地域や住民の方々が何を要望しているか、それが先にありき、それがなければ高度情報化社会の発展はあり得ない、箱物行政ではだめだということを再三指摘してまいりました。木村局長それから自見郵政大臣、これは皆さんの両腕にかかっておりますので、ぜひともしっかり地域のニーズを聞きながら進めていただきたいなと思っております。
 特に、前回め質疑でも申し上げましたけれども、遠隔教育あるいは例えば自治体の届け出事務の簡案化だとかいろいろありますけれども、私は、今、少子・高齢化社会の中で一番社会が求めているものは遠隔介護支援システムではないか。二〇〇〇年に介護保険がスタートいたします。マンパワーを確保する、これは並々の努力ではならない、それを情報通信の分野で補っていくべきだと私は考えでございます。
 それで、厚生省に伺いたいんですが、厚生省もいろいろこれまで検討されていると思います。ところが、法整備、これは規制緩和の話ですが、例えば医師法の二十条では対面診療ということになっているわけです。それから保険点数をどうするのか、さまざまな問題があります。例えばテレビ電話でお医者さんが患者さんを診る、その場合の保険点数はどうなるか。いろいろな解決しなければならない問題点があろうかと思いますけれども、厚生省のこの遠隔医療、介護を含めての支援システム、いわゆる法制度を含めての制度の見直しはどういうふうになっているのか、簡単にお答え願います。
#27
○説明員(尾嵜新平君) お答え申し上げます。
 遠隔医療につきましては、僻地や離島に対します医療支援のほか、在宅医療の応用あるいは放射線診断、病理診断などの分野におきます専門医によります支援等、今後の医療の新しい形態として期待されているというふうに私ども認識をいたしております。
 こういったことから、私どもといたしましては、最近の情報通信技術の進歩を踏まえまして、かかりつけ医を支援し、医療機関の連携を促進する目的で、テレビ電話を用いる遠隔医療推進試行的事業というものを平成九年度から実施をいたしておるところでございます。本事業は、診療所と居宅で療養していらっしゃいます患者さんの家庭の間をテレビ電話等を使って結ぶことによりまして在宅医療を支援していく、そういった事業でございますが、今後は地域におきます保健、医療、福祉分野の情報化を一層推進するという観点から、今後介護問題ということも大いに視野に入れながらこの展開を図ってまいりたいというふうに考えております。
 それと、もう一点お尋ねがございました法制的な面でございますが、先生御指摘のございましたように、医師法あるいは歯科医師法の第二十条に無診察におきましての治療を禁ずるという規定がございます。これにつきましては、昨年の十二月に私ども、直接の対面診療による場合と同等ではないにいたしましても、代替し得る程度の患者の心身の有用な情報が得られる場合には直ちにこれの規定に抵触するものでないという解釈を局長通知で流させていただいたところでございます。
 それともう一点、最後でございますが、診療報酬上の対応でございますけれども、これまで電話の再診につきましては診療報酬上認められておりました。これにつきましては、本年の四月から新しく診療報酬が改訂をなされておりまして、その際、今申し上げましたテレビ電話につきましても、そういった面像によります再診につきましては診療報酬上請求できるということで認められておるところでございます。
 以上でございます。
#28
○中尾則幸君 厚生省もこの医師法だとか診療報酬のあり方、随分研究されて、実態に即した対応をしているということでございますけれども、この際、制度をきっちりつくってお示しいただきたいなと思っております。
 残り一分しかございません。いろいろお尋ねしたいんですが、今、自治体ネットワーク施設整備事業の話をしました。木村局長に意見だけ申し上げたいんですが、通産省でやっている先進的情報通信システムモデル都市構築事業、これは医療だとか防災^教育、行政、さまざまな分野で取り組んでおるわけでございまして、この関連もひとつ十分に考えてやっていただきたいなと思っております。
 最後に、自見郵政大臣、遠隔医療の話をしました。自見郵政大臣はその道の専門家でございまして、一言だけお伺いして私の質問を終わります。
#29
○国務大臣(自見庄三郎君) 中尾委員の御指摘にもございましたように、今、例として遠隔医療あるいは介護にマルチメディアの新しいツールを利用してはどうかという大変貴重な御意見であると思います。情報通信の高度化というのは、まさに先生が御指摘になったように、電気通信の分野だけでなくて社会全体の諸制度と関係があるわけでございますから、そういったことを、今さっき厚生省からも発表があったように、いろいろな分野にまたがるものだと、まさに社会全体の私は変革だと、こう思っておるわけでございます。
 私も高度情報通信社会推進本部の副本部長でございまして、そういったいろいろな諸制度の積極的な見直しについて、政府部内でもしっかり責任を果たすべくリードさせていただきたいというふうに思っております。
#30
○中尾則幸君 どうもありがとうございました。終わります。
#31
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。
 この電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備に関する法律案、まず、大臣にお伺いいたします。
 この法律案の全体について、昨年十一月に政府が打ち出されました緊急経済対策に盛り込まれました種々の規制緩和策を具体化したものであります。内容的には、従前から見直しが検討されていたものが多くて新鮮味に欠けるところもあります。これらの規制緩和によって直接的な景気浮揚効果が余り期待できないのですけれども、そういう批判がありますけれども、この点、どのようにお考えなのか、お聞かせください。
#32
○国務大臣(自見庄三郎君) 電気通信分野においてはこれまでも積極的な規制緩和の推進を図ってきたところでございますが、さらに電気通信制度全般の見直しを図った結果、KDDの完全民営化、料金の原則届け出化、電気通信機器に係る基準・認証制度の合理化など、抜本的な規制緩和策を今回の法律案において盛り込ませていただいたというふうに私は認識をいたしております。
 このような法改正による定量的な経済効果を予測することは困難でございますが、電気通信事業分野の参入規制あるいは料金規制等の抜本的な規制緩和が図られることにより、電気通信市場への新規参入あるいは通信事業者の積極的な経営展開が一層促進されるものと期待をいたしております。
 また、電気通信機器に係る基準・認証制度の合理化によりまして、機器のメーカー等認証制度の利用者にとりましても経済的あるいは時間的負担の軽減が図られるものと期待をいたしておるところでございます。
 さらに、これらにより、結果といたしまして電気通信料金の低廉化、あるいはサービスの多様化、高度化が促進され、経済活動全般の一層の活性化が図られるなど、我が国の経済構造改革の推進に大きく貢献し得るものがあるというふうに私は期待をいたしております。
#33
○但馬久美君 ありがとうございました。
 今後、見ていくわけでございますけれども、昨年の通常国会でKDD法の改正案が審議されたわけであります。同僚の松あきら議員の本会議での質問に対しまして、橋本総理は、KDD法の廃止についてこのように語っておられます。「我が国と国民の利益を守る上で、常に全世界と安定的につながるネットワークを有する通信事業者が必要であります。現時点におきましては、この役割はKDDに期待せざるを得ないことから、KDDを引き続き特殊法人としているものでありますが、将来のあり方につきましては、国際通信市場の動向等を踏まえながら、時期を逸することなく検討してまいりたい」、こういうような答弁がございました。
 その中で幾つかお伺いいたします。まず、大臣にお伺いいたします。
 本法案によってKDD法が廃止され、KDDが純粋の民間企業になりました。今までのようにはKDDに対し行政指導をすることができないと思いますけれども、この点、どう考えていらっしゃるのか。
 国際通信について、アメリカや中国、韓国など、我が国と通信のやりとりの多い国、特に事業として採算性のよい国だけではなくて、通信需要の少ない国々とも連携がとれる体制の維持、また発展が望まれるんですけれども、総理の言うところの常に全世界と安定的につながるネットワーク、これをどういうふうに確保されていくのか、お伺いいたします。
#34
○国務大臣(自見庄三郎君) まず最初の質問でございますが、KDD法が廃止され、KDDが完全民営化されることによりまして、KDDに対する特別の義務を課すような指導をすることはできなくなるものであるというふうに認識をいたしております。
 二点目の御質問でございますが、常に全世界と安定的につながるネットワークをどういうふうに考えるのか、こういった御質問だったと思います。
 従来から、KDDにおいては年間数回の利用しかないところを含めて全世界で二百三十五の国・地域との間で国際通信を提供してきており、これらによって常に全世界と安定的につながるネットワークが確保されてきたところでございます。
 ちなみに、私の手元には、これは民間の事業者でございますが、AT&Tが二百三十二、あるいはMCIが二百四十六。ブリティッシュ・テレコムが二百四十、ドイツ・テレコムが二百三十、フランス・テレコムが二百十八。対地の考え方が事業者によって少し違うようでございますが、そういったところで、二百二十五の国・地域との間でKDDが国際通信を提供してきたわけでございます。
 今度法律が変わるわけでございますが、他方、新規参入の国際系の事業者の取り扱い対地数は近年急速に実は増加しておりまして、KDDとこれら二社との取り扱い対地数は遜色のないものになってきたというふうに認識いたしております。
 ちなみに、KDDが二百二十五というのは申し上げましたが、日本テレコムが二百十七、それからIDCが二百十三でございまして、そういった意味で近年KDD及びこれらの残りの二社の比較では取り扱い対地数は遜色のないものになってきた、こういうふうに思っております。また、欧米の主要な国際通信事業者の状況を見ましても、大体KDDに匹敵する対地を各国確保しておりまして、このような状況を考えますと、KDDが純粋の民間会社となった後も、今後は、まさに今さっき申しました三社が切磋琢磨する中で、引き続き対地の確保に努めるものというふうに考えております。
 以上のようなことから、KDD法廃止後も常に全世界と安定的につながるネットワークは確保されるものというふうに思っております。
#35
○但馬久美君 そこで、現在、KDDの株式の約一割はNTTが保有しております。KDD株式の上場時に市場で消化し切れなかった分をNTTが引き受けた、こういう歴史的な経緯によるものでありますけれども、KDDが国内へ、またNTTが国際通信市場へ参入が本格化している今現在、通信市場の公正競争の観点から、相手方の株式を多量に保有しているのは問題であると思うんですけれども、その点、郵政省の見解はいかがでしょうか。
#36
○政府委員(谷公士君) ただいま御指摘いただきましたとおり、確かにそういう歴史的な経緯によってNTTはKDDの株式一〇%を保有いたしております。ただ、そういう経緯でございまして、これまでも積極的にKDDの経営に関与していくということでもございませんでしたし、そういう運用が行われたこともないというふうに承知をいたしております。
 今後の問題といたしましては、NTTが保有いたしますこれらのKDD株式の扱いについて、関係当事者のお考え、それからNTTによる株式保有が公正競争上問題を生ずるような動きはないかといったような点をよく勘案いたしまして、適切に対応していかなきゃならぬというふうに考えております。
#37
○但馬久美君 適切に関与していくということですけれども、この点、KDDの方はいかがでしょうか。
#38
○参考人(西本正君) お答え申し上げます。
 先ほども御説明がありましたとおり、私どもの株式をNTTが所有しているということにつきましては、当社設立当初の歴史的な経緯によるものでございまして、現実にはこれまで当社の経営に関与したことがないということでございます。それとまた、NTTは国際通信に進出するに当たりまして、公正競争にも十分配慮するということを表明しておりますこともございまして、私どもとしましては、今後もNTTが株式を保有することについて特段の支障はないものというふうに考えております。
#39
○但馬久美君 それを聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 それでは次に、郵政省は、これまで第一種の電気通信事業者として国際通信事業を行う場合、自社回線で直接つながっている地域が百以上なければ第三国の中継を認めないとするいわゆる百対地ルールをとってきました。これについても、経営基盤の弱い日本テレコムやIDCを守る典型的な保護行政であるとの批判もありました。
 郵政省が百対地ルールを課する理由として、通信事業者にインフラ整備の投資意欲を維持させるためとか、また通信インフラを外国事業者に依存すれば国益が損なわれる、第三国経由がふえて外国への中継の支払いがかさむのは国益上問題があるためとか、そういうような報道があります。
 そこで、本年三月に策定されました規制緩和推進三カ年計画で、百対地ルールについて「国際電気通信事業への影響等について検討を行った上で、平成十年六月末までに廃止する。」と明記しております。今までの状況にどういう変化があったのか、国益が損なわれることはないのか、また今回、百対地ルールの廃止を検討するに至った理由を御説明いただきたいと思います。
#40
○政府委員(谷公士君) 先ほど先生御指摘いただきました百対地原則、いろいろな観点があるわけでございますけれども、この原則につきましては、WTOの基本電気通信交渉の合意に基づきます外資規制の撤廃、それから国際公事公接続の自由化、こういった世界的な規制緩和の流れの中で、規制制度の国際的調和を図ることも必要である。それからまた、KDDを初めとする既存の国際一種、三社でございますけれども、それぞれ百を超える直通対地を確保いたしておりまして、そういうようなことも考慮いたしまして、本年六月末に廃止することとした次第でございます。
 今後、この原則を廃止いたしましても、これまで既存三社におきまして一定の直通対地を確保済みでございますので、我が国の国際通信の安定的確保に問題は生じないものというふうに考えたところでございます。
#41
○但馬久美君 では次に、電報事業についてお伺いいたします。
 現在、電報事業は電気通信事業法の附則第五条でNTT、KDDの独占となっています。KDD法を廃止してKDDが純粋の民間企業になった場合、独占としておく根拠が薄れると思うんですけれども、郵政省はどういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
#42
○政府委員(谷公士君) 昭和六十年の四月に電気通信分野に競争原理が導入されたわけでございますけれども、電報につきましては、極めて高い人力依存度を有する事業でございまして、しかも大幅な赤字を抱えておりました。それから、国民生活における最低限の通信手段として全国あまねく確保されなければならないという考え方もございまして、NTTとKDDの独占事業という位置づけをいたしました。
 現在、国際の方の電報事業でございますけれども、KDD以外の一種事業者は国際電報のための設備も運用の経験もございません。それからまた、サービスとしてもその後も利用の減少が続いておりまして。その収支も赤字となっております。したがいまして、仮に他の一種事業者がこの分野に参入するとすればさらに状況が悪化すると見込まれるわけでございます。
 同時に、この国際電報は、先ほども申し上げましたけれども、人命安全それから気象等、人命、財産等に極めて深い関係を有する公共的な情報を送受信する役割も担っている公共的な性格がございまして、その重要性は通信手段の多様化や通数の減少が顕著となった現時点でも変わりはないと考えられます。そういったことから、これまでどおりKDDに国際電報事業の独占を継続する必要があるものと考えました。
 なお、国際的に見ましても、ほとんどの国・地域におきまして、事実上電報は独占体制にあるというふうに承知をいたしております。
#43
○但馬久美君 次はKDDにお伺いいたします。
 まず、今回いよいよKDD法が廃止されるわけですけれども、KDDとしては感慨深いものがあると思います。どのようにそのごとに対して評価されているのか。先ほど中尾議員の話もありましたけれども、もう一度お聞かせください。
#44
○参考人(西本正君) お答え申し上げます。
 当社といたしましては、KDD法の廃止によりまして、事業範囲が拡大されるあるいはKDD法上で認可対象となっております毎年度の事業計画の決定、変更あるいは取締役及び監査役の選解任、利益処分の決定、新株、転換社債の発行などが当社の自主的な経営判断にゆだねられることになりまして、そのことによりまして経営の迅速性、柔軟性を高めることができるというふうに考えております。
#45
○但馬久美君 民営化されてこれからいよいよ力を発揮するわけですけれども、本当に頑張っていただきたいと思います。
 現在、KDDのみが国際通信を提供している国はどれぐらいあるのか、またKDDは今後どのような事業展開を考えていらっしゃるのか。特に、国際通信のユニバーサルサービスについて、この方針の転換はあるのか、お聞かせください。
#46
○参考人(西本正君) お答え申し上げます。
 KDDのみが国際通信を提供している国あるいは対地の数でございますけれども、先ほど二百三十五ということでございますが、その中で日本テレコムあるいは国際デジタル通信、両社とも提供していない対地、当社のみが提供している国・地域は十四対地ございます。
 それから、今後どのような事業展開を考えているのかという御質問でございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、KDDとしましては、国内外での規制緩和が進む中で、国際通信事業に軸足を置きながらも国内通信事業や海外での通信事業を展開して、国内通信サービスから国際通信サービスまでをシームレスに提供するグローバル総合通信企業を目指して頑張ってまいりたいというふうに思っております。
 それから、ユニバーサルサービスの確保に関して方針の転換はあるのかという御質問でございますけれども、当社はこれまで全世界の国あるいは地域に対して国際電話サービスを提供するとともに、昨年のペルー日本大使公邸人質事件のような緊急時におきましても国際通信サービスの円滑かつ安定的な供給に努めてきたところでございます。KDD法の廃止後も引き続き国際的なユニバーサルサービスあるいは緊急時の通信確保につきましては、広く国民の皆様からKDDに寄せられている期待におこたえできますよう今後も最大限努力してまいりたいと考えております。
#47
○但馬久美君 この十四対地、国際通信をつないでいらっしゃると伺っております。その中にアフガニスタンとかルワンダとか、ちょっと日本の国になじみのない国がたくさん挙げられておりますけれども、その点少し細かく十四対地、どのような国が含まれているのか、お聞かせください。
#48
○参考人(西本正君) お答え申し上げます。
 十四対地でございますが、アジアでは二対地でございます。アフガニスタンと東ティモール、ヨーロッパでは旧ソ連邦でございましたトルクメニスタンがございます。アフリカは六対地ございまして、ブルキナファソ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、西サハラ、モーリタニア・イスラム共和国、そしてルワンダ共和国の六対地、それから、オセアニアでは三対地ございまして、アメリカン・サモア、ミッドウェー、ウェーク島、さらに西インド諸島にも二対地ございまして、アルバという地域とオランダ領アンティルという地域、以上の十四対地につきましてはKDDだけがサービスをしているということでございます。
#49
○但馬久美君 どうもありがとうございました。私も、今回これを勉強させていただいて、本当にいろんな国、特に日本ではなじみのないところもこうやって電信を結んでいらっしゃるということを伺いまして、この点に関しましては非常に大事な役目をなさっていらっしゃるというふうに思い、頑張っていただきたいと思います。
 時間がありませんので、最後に端末機と無線設備の規制緩和についてお伺いいたします。
 今回のこの法案で、端末機の技術基準の適合認定制度及び無線整備の技術基準の認証制度において内外の民間事業者及び外国の認証機関の検査結果をそのまま受け入れる規制緩和を行うわけでありますけれども、同様の制度を現段階で実際に実施している国は今ないと思います。今回のこの措置は突出した印象を受けるのですけれども、郵政省はこの点どういうふうな御説明をいただけるのでしょうか。
#50
○政府委員(谷公士君) 電気通信のグローバル化に伴いまして、端末機器の国際的流通や利用が進んでおりまして、今後ともそういった傾向は一層強まるものというふうに考えております。
 そういった中で、世界的に輸出国において輸出先国の認証手続に従い行われました認証結果を輸入国においてそのまま受け入れるという動きが広がってまいりまして、昨年十一月開催されましたAPECの閣僚会議におきまして、輸出国で輸入国の認証手続に従い行われた認証結果を受け入れることを内容とする相互承認協定の策定に向けた基本的枠組みを支持する声明が出されたところでございます。また、各国間におきましても、アメリカとEUとの間、それからカナダとEUとの間でも、昨年六月、電気通信設備の基準・認証制度におきまして相手国の認証機関による認証結果を受け入れるということが合意されました。
 今回私どものお願いしております改正は、こういった国際的な動向を踏まえまして、外国の認証機関が行った認証結果を積極的に受け入れるための制度を整備したいということでございます。
 我が国といたしましては、率先してこういった国内の制度の整備を図ることによりまして、欧米等の先進国に対して我が国において行った証明の結果を先方でも受け入れてくれるように積極的に求めてまいりたいというふうに考えております。
#51
○但馬久美君 ありがとうございました。時間ですので終わります。
#52
○及川一夫君 社民党の及川でございます。
 私は、プライスキャップ制の問題と長期増分費用方式、法案には直接関係ございませんけれども、その二つを中心にして質問したいと思います。
 まず、プライスキャップ制というのは我が国にとっては初めての採用ということになると思います。したがって、一体具体的な内容というのはどうされるのか。現実に英国で実施をしている内容もありますし、アメリカではかってAT&Tというものに対して、支配業者という前提なんでしょう、かぶせたことがあるわけですね。そういう内容等もある程度私も知ってはおるんですけれども、この法律が成立をすると、具体的には省令というふうに見えるし、またそうされるんでしょう。じゃその省令に行く前にどこでどのように決めるのか、論議をするのかということが大変私としては気がかりなんですけれども、その点はどうなんでしょうか。
#53
○政府委員(谷公士君) 確かに、この法律におきましては省令で定めるべき事項について書いてございますけれども、具体的な中身はまさに省令で具体的に決まっていくことになるわけでございまして、その中身は私ども今検討中でございます。
 法律的に決められております概念といたしましては、特定電気通信役務、地域のネットワークの中で提供されますサービスで国民生活に非常にかかわりの大きいもの、そういったものを省令で決めるわけでございます。それから、能率的な経営のもとにおける適正な原価、物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができる水準の料金を料金の指数として定めるというふうなことが書いてございます。
 そういったことが一般的な私どもの考え方でございまして、先生御指摘の外国の例といたしましては物価上昇率、それに目標とします生産性向上率、これをマイナスしまして、上限としての値を決めるという例がございます。
 基本的にはそういうことかなと思うわけでございますが、ただ、具体的なところはまだ決定しておりませんで、これから十分検討した上でというふうに考えております。
#54
○及川一夫君 具体的には電気通信審議会になるのか、あるいは審議会の小委員会的なところでやるのか、それも今のところ定かではないんですけれども、これもひとつ明らかにしてもらいたい。
 それから関連して、郵便料金の改正問題がありますね、どう取り扱うか。法律で決まっていることだが、これは各局長も御存じじゃないかと思うんだけれども、これはキャップ制になるのかならないのか、定義的に言うとこれはキャップ制の枠内に入るか入らないか、郵便料金のこの決定システムというのは。
#55
○政府委員(濱田弘二君) お答えいたします。
 及川先生御指摘の郵便料金でございますが、基本的に手紙、はがきの料金というのは御案内のように法律で定められておるわけですが、料金決定方法の特例という条文が法律の二十七条の四とそれから二十七条の五にございまして、先生ただいま御指摘のもので関連で申し上げますと、物価等変動率の範囲内というのが一つの要件としてあるわけでございます。卸売物価指数、消費者物価指数、そして賃金指数、これらをベースにしまして政令で定める一定の方式に基づきまして物価等変動率というのを定めるわけでございます。前回改定のときから次に改定するときまでにどのぐらいの物価等の変動率があったかということで、その変動率の中で料金というのは定めなければならない。
 ただ、これだけじゃございませんで、詳細は省略いたしますけれども、郵便事業におきまして単年度の赤字という要件がございますし、また累積欠損金が単年度の収益の五%というような要件もあるわけですが、いずれにしても、そのようないろいろな要件が全部満たされた場合には、法律で定めずに郵政審議会に諮った上で郵政省令で定めることができることになっておりまして、先生の御指摘に即して申し上げますと、物価等変動率の範囲内で定めるという意味におきましては、ある意味におきまして上限が定められている方式というふうにもあるいは言えようかと思っております。
#56
○及川一夫君 これは郵政からもらった資料だが、「料金決定の特例」ということで図式してあるわけです。その中で「料金引上げの上限」という言葉が使われているわけです。だから、キャップ制ということになれば、ある一定の上限を設けるという意味になるわけだから、内容はともかくとして、料金の決定方式もじゃこれはキャップ制に入るのかなと思ってみたりなんか私はする。
 ところが、その下に今度は「料金引下げの下限」という言葉が使われているわけです。これは「郵便事業から生ずる収入を減少させないことが確実と見込まれる範囲内であること」、こう書いてあるわけです。郵便料金の決定がこういうことを含めて今運用されているとすれば、今ここで提起しているプライスキャップ制というのは何をねらいにしてやるんですかということを聞きたいということです。
#57
○政府委員(谷公士君) お答えします前に、先ほど私舌足らずでございました点を補足させていただきます。
 ブライスキャップの定め方、それから具体的な数値、これにつきましては電気通信審議会に諮問をするということを法律で書いてございます。その前にこういったことについて学者の方々の御意見も聞きまして案をおつくりしてございますので、これは研究会で検討するということにいたしております。
 それから、このねらいでございますけれども、これは経営効率化による報酬をそのまま自己の利益とすることができるということで、現在の総括原価主義に基づく料金認可制と比べまして事業者にとってより自主的な経営努力を促す、いわゆるインセンティブ規制方式であると言われております。
 そういう意味で、私どもとしましては、この方式をお認めいただくことによりまして、基準料金指数の設定につきましても、適正な原価や物価などを考慮して、これは法律の文句でございますけれども、通常実現可能なそういう水準とするように事業者の経営のことも十分考えて定めていくという考え方でおります。
#58
○及川一夫君 結局、いろいろ難しいことをおっしゃるようだけれども、このプライスキャップ制というのは、国民生活に関係があるわけですよ。郵便料金でも同じです。だから、こういう法律的な行為をしている。電話料金だってそうです。電報料金だって関係しますよ、いずれにしたって。
 したがって、そういう面を考えると、何ぼ経営上の事情があるからといって、得手勝手にぼんぼん値上げしていってもらっては困るというところに私は大きなねらいがあるんじゃないか。したがって、いろいろな要素はあるけれども、上限というものを決めて、これを超えるということになれは、やはり郵政省というか監督官庁の認可というか、あれしてもらわなきゃ困りますよ、そういう前提で届け出、こうなっていると私は理解するんですよ。
 そうすると、料金を値上げする場合の一つの基準というか上限であって、それ以外のことは民間企業なんだからどんどん競争でやっていいわけでしょう。料金を下げようがその枠内で上げようがいいということを前提にしないと、今度企業性が生きてこないというふうに私は思うんです。ですから、もう少しねらいというやつをはっきりしてもらわないと困る。
 したがって、郵便料金の場合は、これは国営事業で料金はもともと国会で決定しなきゃいかぬということのものを、私も参加をしてこういう扱いにしたんだから、いきさつはよくわかっているわけです。やっぱり郵便事葉もある程度の企業性があるんだかも、もう我々から言えば当然じゃないかというぐらいの気持ちで私は賛成したいきさつがあるんですよ。
 だから、これはこれとして私は何も文句はない。しかし、今度は民間企業というものを土台にした料金の決め方ということになると、そこにはやっぱり自由競争という中でサービスをよくしてもらうということが前提になるとすると、上限はある程度考えておかないと、得手勝手に上げられては困るということは確かにあるから、そういう意味で定めるんだという意味でこのプライスキャップ制というものを私は受けとめたいんだが、間違いですか。
#59
○政府委員(谷公士君) 御指摘のとおりでございまして、基本的には届け出制ということで自主的に料金を定める。もちろん、認可制でございましても発意するのは事業者でございますから自主的ではあるわけでございますが、今回、届け出制とすることによりまして基本的に事業者が自由にお定めになる。しかし、競争の実現しておりません地域のネットワークにおいて国民生活にかかわりの深いサービスにつきましては、公共的な観点から一定の基準というものが必要になる、その中で具体的な料金をどうお決めになるかは事業者の経営判断によるという、そういう趣旨でございます。
#60
○及川一夫君 わかりました。
 それで郵政大臣、いいとか悪いとか言ったって実態なんだから、それをよくするために努力をしていかなきゃならぬということを前提にして、今の現状というのは、十一のNTTの支社があってそのうち四つの支社だけが俗に言う黒字で、ほかのところは黒字に到達をしないという現状にあるわけです。これを東西に分ける、それで国際通信を別にするわけでしょう。したがって、当然それはどうやって収支相償うようにするかということについて懸命な努力をしなきゃならぬという中で、このプライスキャップ制をやるということになれば、届け出制になったということはもう大歓迎なんだけれども、実際問題としてそういう条件の中で今第一種電気通信事業者というのを考えると、何やかんや言ったって規制があるのはNTTであって、あとのNCCやなんかについては規制がない、何でやというのがあるんですよ。
 もちろん、それは郵政省自体が言われたから、巨象とアリ論というのがあるでしょう。でっかいのは少し遠慮せい、アリみたいなのはちょろちょろ動かしてもいいやないか、少々それを保護するというか、いわば支えてあげてもいいんじゃないかという意味で使われたかどうかは知りませんが、巨象とアリ論というのがあるわけですね。
 だから、郵政大臣、率直に言って、KDDじゃないけれども、将来的にはああいうところに私は持っていかなきゃいけないんだろうと思うんですよ。要するに、もう規制というものはないというのが前提、ただし届け出はきちっとしてくださいよ、そういう中で行き過ぎを是正していくとか、あるいは変な競争になったのはもうけんか両成敗にするとか、そういう自由な制度に全体を持っていきませんと、いつまでたっても私は大変じゃないかなという気がするんですが、この点郵政大臣はどう思いますか。
#61
○国務大臣(自見庄三郎君) 及川先生の大変含蓄のある御質問でございます。
 先生の方がずっと御専門でございますが、御存じのようにNTTというのはかっては電電公社ということでございまして、現在でも実際には市内の通信網は独占状態にあるわけでございます。今回、規制緩和をして料金を原則自由化にする、しかし例外規制だと。だからその規制の部分は、先生御存じのようにNTTの市内網が独占状態はありますから、そこで料金を自由化するとなりますと独占の弊害が出て大変利用者に高い料金になったりする可能性もあるわけでございますから、キャップをつくりまして、その中で一生懸命経営努力があればそのキャップより安い値段で、それはもう経営者の御判断で決めていただくということでございます。
 一体、将来どうなるのかという話でございますが、これは大変大事な話でございますが、今は御存じのように市内の通信網が独占状態でございますから、将来またいろんなところが参入をしてきて実際に公正な競争ができるというふうな状況になってくれば、私は基本的に中長期的には料金規制というのは外れていくだろうというふうに思っております。
 一例は、先生御存じのように携帯電話でございます。携帯電話は四社が大体公正状態で競争できるという状態になって携帯電話の料金は規制を外したわけでございます。このことが、今大変携帯電話全体の市場と申しますかパイが大きくなったということも、これはもう大体四社の競争体制ができ上がった、大体公正競争ができるということを考えて料金規制を外させていただいたわけでございますから、そういった意味で、現在は要するに電気通信網、市内網はNTT独占でございますけれども、将来公正に競争ができる状況ができれば、数社が参入すると申しますか、そういう状態になれば私はいずれこの問題は大きな問題になってぐるというふうに思っております。
#62
○及川一夫君 大臣も逓信委員会が長いのでいろいろ御存じだと思うんですが、NTTが独占体だ独占体だという言葉が出てくるんですが、私から言うと、私的資本が発展してきて今日あるのなら独占と言われてもいたし方がないと思うんです。しかし、今の電気通信事業の発展史を見れば、アメリカと違うわけでしょう。アメリカは民営でずっとやってきているんですから、地域に勝手にでき上がったやつをATTがまとめて買って、それでAT&Tということで事業をやったという経過がありますよ。それをさらにばらしたという状況でしょう。
 しかし、我が国の場合には、もともと民間企業でやろうといったって、金がかかってしようがない、お金がないということで、いわば国営的なシステムでやってきたわけでしょう。そして、二十八年から電信電話債券というものを発行して、それを買っていただくことによって、それを資金にして今日のNTTというものができ上がっているんですよ。
 だから、私はここに資料を持っているけれども、NTTは一体どのくらい投資してきたんだと。四十五兆六千億、これは大ざっぱな計算でやっているんですけれども、四十五兆以上の投資をやっているわけですよ。それで今日あるわけです。しかも、宮津さんという社長のぽっぽにみんな入るわけじゃないんです。電電公社という国民の財産というものだと思うんですよ。そういうところに、電話事業をやり、あるいは電報事業をやって、利益が上がればそれをまた投資に回していくというやり方で来ているわけでしょう。
 だから、独占独占という言葉が、私はそれに参加したから言うわけじゃないけれども、そんな気持ちは一切ないんですよ。私的資本なんかをやったつもりは全然ありませんから。だから、そこのところをある程度正確に使ってもらわないと誤解を受けるような気がしてしようがないんですよ。だから、NCCの方々は私的資本なんですから、そういった方々がNTTにこれを何とかしろというような話になると、NTTに遣いすがって何だか食いちぎるような感じがしてしようがないんですよ。食いちぎられる方は国民だということになれば、ちょっとおかしいんじゃないのと、もうそろそろ一人前のつもりでやったらどうですかと。
 携帯電話だって、大臣はそうおっしゃるけれども、あれは電話に違いないんですよ。多少感度が悪いかなという気がしないでもないけれども、要するに、あれだけのもので自由に電話を使えるようになったということになれば、単独のボタン式の電話機であろうが携帯電話であろうが何も違いがなくなってきているんですよ。
 ですから、総じて競争の世界に入ってそれなりに全体的には発展してきている、こういう状況ですから、これからの問題ではありますけれども、そういう認識を私は持っているということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、このプライスキャップ制の問題は、アメリカはやめちゃったね、やめちゃったというよりも、支配的電話事業者でないということになったので自動的に外れたということなんですが、かなり限られたところでしかやっていないんですよ。もちろん、州単位でいえば五十二州のうち三十二州まではプライスキャップ制というものがあってやっているというふうには聞いています。
 ですから、それはそれなりの意味があるし、僕もこれ自体には反対しているわけじゃないですから、かけてもらってもいいんですけれども、イギリスとアメリカぐらいで、あとほかのところでプライスキャップ制を採用している国はありますか。
#63
○政府委員(谷公士君) イギリスにおきまして、日本のNTTに匹敵しますBTについてプライスキャップが適用になっているというふうに聞いております。
 それから、アメリカにおきましては御指摘のとおりでございまして、かつてAT&Tに対してプライスキャップ制がかけられておりましたが、現在はAT&Tは支配的な事業者ではなくなったということでかけられておりません。
 しかし日本も、今回私どもお願いしておりますのは、長距離は全く単純な届け出でございまして、プライスキャップは地域についてだけでございますので、言うなれば、アメリカでいえば州内の通信、州内については先生御指摘ございましたようにそれぞれ州の公益事業委員会がこれを決めておりますので、それぞれいろいろな状況であろうというふうに思います。
#64
○及川一夫君 そういう中で採用してやっていくこと自体については反対はいたしませんし、むしろ賛成をするという立場ですから。ただ、内容的な決め方については、かなりこれから、NTTにしろNCCにしろ、新しい一つの対応が出て、それに対していかに対処していくかという話が出てくるわけですから、私は、基準については意見というものをやっぱり参酌してあげるようなことで決められるということでなきゃいかぬのじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、今度は、長期増分費用方式。この言葉の意味が余りよくわからぬのです。内容は何だと。どうもこれは横文字をストレートに訳した言葉らしいんですな。こんなのが電気通信事業用語に僕はあると思っていない。どこを探してもない。何か横文字をそのまま直訳したというふうに私は聞いているんです。それはどうでもいいんだけれども、内容については、接続料金というものを改定するに当たってどういう方式でやるかということを内容とされているようですね。
 私も、市外にしろ市内にしろ日本のNTTがやっている料金とアメリカなりそれからイギリスなりフランス、ドイツがやっているやつを一体どうなんだということで比較してみますと、単位が違うからややこしいんですけれども、ずばり言えば、これ一秒ですが、日本の場合には、市外でいうと六円十九銭、あるいは市内でいうと十二・九三円というようなことで、アメリカは、市内は十二・七円ですが、市外は二・九円のところと十一・六円のところがある。それから、アメリカのウエストアリゾナでは一・二円という市内通話があって、市外通話が八円三十銭だというようなことがずっとあります。総じて日本の市内通話の場合は三倍ぐらい高いというような計算は出てきています。
 したがってこれを変えるべきじゃないかということで、アメリカの方々が何か今度の五月のサミットで問題を提起するような話を聞いたので、与党の政調会長である山崎拓さんにもその事情を情報を入れて、変な形で取り決めをされないようにしないと本当におかしくなっちゃうんじゃないですかという意味のことを言っているんですけれども、これは谷さん、サミットの問題とか、あるいはアメリカが現状を踏まえてどういう意味で問題提起をしてきているのかということについては、どう認識されているんですか。
#65
○政府委員(谷公士君) 御案内のとおりでございますが、従来は実際にかかったコストで接続料を計算してきております。この長期増分費用方式というのは、確かに言葉は聞いただけではよくわからないのでございますけれども、意図するところは、現在の技術水準あるいは現在の機器の購入価格といったものを前提としまして一つのモデルを考え、それであればどのぐらいかかるかという考え方でございまして、結局、接続料低廉化のための一つの手法でございます。特に、独占的な分野におきましては、実際のコストといいますと、経営努力が行われたか行われないかわからない、単純な結果だということだけにすぎませんので、やはり低廉化を図るためには本来これぐらいでできるんじゃないかという考え方も入れていく必要があるということであると思います。
 ただ、アメリカにおきましても、まだ接続料の大宗を占めます州際については導入はされておりませんし。その決定もされておりません。州内の一部で州の判断で行われているところがあるという状況かと思っております。
 私どもは、この問題については、アメリカの要求は、接続料を引き下げるため、低廉化を図るためということで言っておりますので、私どもと同じ考え方だろうと思います。
 問題は、このモデルにつきましては、モデルでございますからいろいろな考え方があるわけでございまして、一年前から私どもも検討をしてきておりますけれども、非常に事業者にも大きな影響を及ぼす可能性のあるもめでございますから、十分検討いたしまして合理的なモデルを策定するということが一番基本であろうというふうに考えております。
#66
○及川一夫君 検討するに当たって、私は気を配ってもらわないと困るなというふうに思うのは、やはりNTTの場合の、日本の場合の発展とアメリカや何かの発展は全然違う。それから、国内にあってもNTTとNCCを比較したときには、どういう設備を設置しながら今日まで来たのか、そのためにはどのぐらい金がかかったのかというのと、今のNCCさんや何かは、四、五年前あたりからということになりますと、技術は物すごく進歩しましてケーブルだって物すごく進歩しているんですよ。もう合理化をしたそのままのものを技術や設備を使ってきているんですから、私から言えば、それこそ基礎的な費用というのは全くかけないでもできるような条件の中で会社が発足した、こう思わざるを得ないんです。
 先ほど言った四十五兆なんというのは、磁石方式から始まって共電式に行ってダイヤルに行ってボタン方式というふうに新しい新技術を開発しながら来ているわけでしょう。したがって、四十五兆なら四十五兆という設備投資は、当然これはペイしてもらわなきゃいかぬから、当然減価償却費というのは立てられますね。これはもうNCCなんかに比べたら相当違った減価償却のための費用というものが恐らく収支の中では大きなウエートを占めているだろう、こう思います。
 それから、ユニバーサルサービスということを盛んに言葉としては言うけれども、一体じゃ郵政省でユニバーサルサービスというのは数字に置きかえたらどのぐらいの数字になるんだということをやったことはないでしょう、恐らく。NTTだってやっているとは思えない、私から言うと。ところが、言葉はユニバーサルサービスということで、これはもうNTTならNTTに対する義務事項ですよ。だから、収支がどうなろうと電話は欲しいと言ったら上げなきゃいかぬし、一つの電話機が収支相償っていかないものであっても、それはサービスを提供しなきゃいかぬ、こういうことですから、それで、先ほど言ったように十一社のうちの四社だけはいいが、あとの七社はまだまだですよ、さらに努力をしなきゃいかぬ、こういう状況の中で再編が出てくる、こういう関係なんですよ。
 だから、モデルといった場合には、アメリカもそうなんですよ、今日の技術というもの、開発された技術、そういうものを採用して新しいネットワークをつくったり、我々で言えば電話局みたいなのをつくってサービスをやっている、こういうことなんで、モデルの選び方そのものだって、私から言えば非常に問題があるし、FCCとそれから州の電話局ですか、何か州の方とけんかになっちゃって、裁判かけられてFCCが負けたという一つのあれも恐らく入っていると思うんです。
 だから、私は別にこのこと自体に反対しているわけじゃないけれども、もう少しやっぱり電話という問題については、それぞれの国の歴史の発展とともに、あるいは文化度の差によって、あるいは経済力との関係で発展してきたという経過があるものですから、そういうあたりを慎重に扱わないとまずいのではないか、私はこう思っています。
 局長にちょっとお聞きしたいのは、この問題については、今、審議会か研究会か何かやっておられますよね。それで、私は、電気興業新聞でちょっと見たんですけれども、郵政省の態度として、十一年九月ころまでに、一定のモデルでいった場合はどう、今までのような収支実績主義でいった場合にどうというようなことを検討されて、その結論を求めて、その上でどういうふうに採用するかという問題についてはいずれにしても平成十一年度、ですから三月にそういう判断を下すような手順でいきたいというようなことを郵政省は述べているという記事があるわけです。大体そういうことでいいのかどうか。
 ずばり私から言わしめれば、したがって平成十二年四月一日実施なんというようなことにはならないんじゃないのというふうに私は思ったりしているんですけれども、その辺のことを含めてお答えいただいて、終わりたいと思います。
#67
○政府委員(谷公士君) この方式を決定いたします際には、先生御指摘ございましたいろいろな要素をすべて勘案していくということに当然なるわけでございます。
 それで、現在、研究会でいろいろモデルの検討もしております。公募いたしました幾つかのモデルについて、事業者の方からもそういう応募をいただきまして、学者の先生方にお集まりいただいていろいろ議論をいたしております。そして、その結果が出てまいりますと、今度は日本としてどんなモデルがいいかというモデルの作成に入ります。
 そして、実は昨年法改正でお認めいたださました新しい接続ルール、十年度実施されました会計のデータが来年度出てまいります。この実施データを突き合わせまして、そして最終的なモデルを決定する。それが十一年度中、十一年度の終わりになると思いますけれども、それから、そこでどのようなモデルを採用するかということが決定いたしますれば、所要の措置をまたお願いするという手順になるだろうかと思います。
#68
○及川一夫君 終わります、
#69
○上田耕一郎君 日本共産党の上田でございます。
 本法案は、昨年十一月の経済対策閣僚会議の「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」で決まったことに基づいて、規制緩和横並び法案になっていると思うんですね。私どもは、規制緩和はすべて単純に反対しませんけれどもいこの法案には賛成できません。と申しますのは、根本問題として、規制緩和と、今も若干問題になりましたけれどもユニバーサルサービス、全国民にあまねくサービスをという問題があるからです。
 郵政研究所月報の三月号に、上條昇通信経済研究部長が、「情報格差解消に向けた欧米諸国の取り組み ユニバーサルサービス政策を始めとする電気通信当局の動向を中心に」というなかなか興味ある論文を書かれています。これを見ますと、一九九八年は世界的にユニバーサルサービス制度の節目とも呼べる年だと。これはアメリカとヨーロッパ、EUで新たな制度が実施されたからだというんですね。ところが、どうも日本は逆にユニバーサルサービス後退の年になりかねない、僕はそういう危惧を持ちます。
 電気通信局長の諮問機関のマルチメディア時代に向けた料金・サービス政策に関する研究会が、先ほどの経済対策閣僚会議決定の直後、「新たな料金制度の在り方について」という報告書を出しています。このはしがきの最後にこう書いてある。「なお、本研究会におけるもう一つのテーマである「ユニバーサルサービスの在り方」については、諸外国の動向、我が国におけるサービスの進展状況等を踏まえ、今後精力的に議論を行っていくこととする。」というので、ユニバーサルサービスの問題は先送りしちゃったんだ。規制緩和、つまり料金の自由化ですよ、届け出制に全部緩めてしまおうと、それだけ出てきたわけですね。
 それで、上條論文を見ますと、やっぱりアメリカ、ヨーロッパは本気で取り組んでいます。
 アメリカは、八六年にユニバーサルサービス・ファンド、基金が創設された。九六年の電気通信法で、なかなか進んだことを決めています。基本的な電話サービス以外に、小中学校、医療機関、図書館に対して高度な電気通信サービスを提供する。それから低所得者向けの支援制度、こういうものをユニバーサルサービスの新たな対象に決めているんですね。それで、このファンドは、九八年上期の負担額を学校及び図書館については六億二千五百万ドル、日本円で七百九十億円と書いてある。医療機関に五千万ドル、日本円で六十億円、これだけファンドで支出をして進めているんですね。
 EUは、ユニバーサルサービスについてこう規定している。すべての利用者が支払い可能な料金で利用できる一定の品質を有する最小限のサービス。具体的には、固定音声電話、公衆電話、電話番号案内サービス、無料の緊急通報、身体障害者、低所得者など社会的弱者への特別措置。
 つまり、なぜこういうことが必要になってきたかというと、背景には二つの要因がある。一つは、電気通信市場への競争導入、市場化です。二番目は、マルチメディア社会の到来だと。この二つの要因で、情報強者と情報弱者との間で格差が拡大する。この格差拡大をどう解消するかということが新たな課題になってきたというので、アメリカ並びにEUは、そういうユニバーサルサービスを、単なる基本的な電話サービスだけじゃなくて、新たな対象を決めて具体的な措置をとり始めているわけですよ。
 ところが日本は、調べてみると、NTTでわずかにあるのは一〇四、今度少しふえましたけれども、視覚障害者などの無料制度をわずかにつくっているぐらいで、あとは全くないですよ。全くないだけじゃなくて、今度の法案は、どうもこのユニバーサルサービス問題については、これを守りさらに情報格差の拡大を何とか食いとめるような措置が何らないと思うんですけれども、郵政大臣、こういう基本問題についてお考えをお聞きしたいと思います。
#70
○国務大臣(自見庄三郎君) ユニバーサルサービスという概念については明確な定義が存在するわけではないというふうに私は認識をいたしておりますが、NTT法においては、電話サービスをあまねく日本全国において安定的に供給することはNTTの責務としており、これがいわゆるユニバーサルサービスについての規定であるというふうに考えております。今回の規制緩和につきましては、NTTに課されておりますこうした責務の位置づけを変えるものではないというふうに考えております。
 なお、ユニバーサルサービスの範囲、その確保のあり方につきましては、技術の進歩に伴うニーズの多様化や電気通信分野における競争の進展などに対応して見直されるべきものと考えており、現在、有識者による研究会を開催して、これらの問題についての御論議をいただいているところであります。
#71
○上田耕一郎君 お聞きのとおり全く抽象的な答弁しか出てこない。研究会で有識者の今後の審議にまつ、これにも国際的な動向、諸外国の動向、我が国におけるサービスの進展状況などを踏まえてやるというので、局長、ひとつこの研究会でも、こういうEUやアメリカの具体的な態度決定もよく参考にして、単なる抽象的な決意じゃなくて、実際に日本でユニバーサルサービスが、情報格差が広がらないようなそういう具体的な措置を努力されるよう要望しておきたいと思います。
 今度の法案の規制緩和でまず第一の重要問題は、KDDの民営化でございます。先ほど十四対地KDDだけが行っている国際サービスについては今後継続するという社長の表明もありました。
 そのほかに、KDDだけが実施している海外滞在中にも不便しないような日本語による〇〇五七番による総合案内サービスとか、採算の合わない外国の地域への通話取り扱いの後退だとか料金値上げだとか、そういうようなことも一切やらないでこれまでのユニバーサルサービスを維持していただきたいと思うんですけれども、西本社長にお伺いしたいと思います。
#72
○参考人(西本正君) お答え申し上げます。
 私どもとしましては、このKDD法が廃止されたことによって、直ちにそういう環境変化を契機としてサービスのあり方を見直すということは考えておりません。
 私どものサービスの中には若干不採算型のサービスもございます。それから、利用がだんだん減っていくというサービスもございますけれども、こういったものにつきましては、一層事業の効率化を図って、可能な限りサービスの維持に努めてまいるつもりでおります。
 先ほど申されました〇〇五七の案内サービスとかそういったものについても最大限努力して維持してまいるつもりでございます。
#73
○上田耕一郎君 一つ心配なのは、完全民営化を前にして早くも民間大企業並みのリストラ合理化が始まっているという問題です。
 現在五千名強の体制を二〇〇〇年度までに本体だけ三千名にするということで、六十歳定年制であるのに一般職員については三十五歳以上早期退職優遇制度というので今退職強要が進められています。既に東京で三百名、全国で八百名事実上強制的に退職させられて、英語も堪能でオペレーターとしてかなり有能な女性たちが泣く泣く職場を離れているという事態が生まれています。
 資料を見ました。なかなかのものです。例えば管理職についても、五十四歳以上の課長さんを初め管理職が系列外出向制度、つまり今まで系列のグループ企業に出向していた人が多いのに、今度はグループはもういっぱいだから系列の外に出向せよと。出向先はみずから開拓するというんだから、自分で探せというのです、管理職が。そういうことが一つは進められています。
 特に私問題だと思いますのは、KDDは共働きの方が多いのですね。社内結婚も多かったのかなと思うんですけれども、それで、管理職の共働きの夫人が強制的に退職させられています。それから三十五歳以上の一般の職員も、共働きの場合は女性に対して非常に強硬に早期退職を求める。断ると、夫をじゃ遠距離に配転するぞとか、夫の昇給にも影響するぞというようなことをされるわけです。この結果泣く泣くみんな一応希望退職で、どうもまだ裁判になっているのはないようですけれども、希望退職で先ほど言いましたように全国で八百名既に退職が行われているのです。私は、実際上これは不当労働行為だと思いますよ。特に、共働きの女性に対してこういう強要をやるというのは男女差別も甚だしいと思うんです。
 これはまだ特殊会社なんだから、この法律はまだ成立していないし、成立したとしてもあなたは先ほどユニバーサルサービスはちゃんとやると言われたぐらい、これまでの特殊法人、特殊会社としての社会的責任は大きいと思うんです。私は、こういう事実上の指名解雇みたいな不当労働行為は直ちにやめるべきだということを社長に要望したいと思います。
#74
○参考人(西本正君) 当社は、昭和六十二年から早期退職優遇制度というものを導入しておりまして、これは社内で培った能力や技能を社外で活用して第二の人生を実現しようという意欲のある社員に対して会社が退職金の積み増しをするとかという形で積極的に支援をしてまいってきたところでございます。この施策は、社員個々人が第二の人生を生きがいを持って過ごすために、その設計を早期に実現しようというふうに考えまして、あくまで本人の意思によって提出された早期退職優遇制度の申請を受理したものでございまして、会社が強要した事実はございません。
 それから、先ほどちょっと系列外出向というお話がございましたけれども、これも人材の活国策の一環でございまして、KDDグループの中で働いている人と同様に六十歳までの雇用と処遇は保障しております。
 以上、お答え申し上げます。
#75
○上田耕一郎君 そういうお答えをしましても、私は職場でいろいろな事実がずっと述べられていろいろんな資料を、東京、大阪、その他持っております。
 郵政大臣、特殊法人ですから、この間も失業率三・九%と戦後最悪の数字が出ているでしょう。雇用問題としても非常に重大ですよ。特殊会社のKDDが東京三百、全国八百名も不当労働行為と私は断じますけれども、そういうやり方で事実上の退職強要をしていることは、やっぱり郵政省としてもきちんと調査してきちっとした是正措置をとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#76
○国務大臣(自見庄三郎君) 社員の雇用また労働条件の問題につきましては、基本的にはKDDの労使において検討されるべき問題だというふうに私は考えております。
#77
○上田耕一郎君 これもまことに頼りない答弁で、納得できませんけれども次の問題に移ります。
 この規制緩和でもう一つ大きな問題は、先ほども取り上げられましたが、第一種電気通信事業者の現在の原則認可制を原則届け出制に緩和する問題です。長距離並びに国際、競争があるところは単なる届け出制にして、NTTの独占になっております地域通信市場についてはプライスキャップ制にするという内容なんですね。
 さて、一つまずお伺いしたいのは、法律の文案を見ますと、県域ごとに料金を決めることが可能になっているようですけれども、実際には県域ごとにお決めになるのか、それともNTT一本で決めるのか、あるいはいよいよ東西に分かれるんだけれども、NTT分割以降は東西の地域ごとに決めることになるのか、このことをまず局長にお伺いしたいと思います。
#78
○政府委員(谷公士君) どのような料金設定をするかということは、まずは事業者の方において判断をされることになると思います。ただ、東西会社がそれぞれ独立の事業体でございますから、独立の御判断はあると思いますけれども、それぞれの各社内において基本的な料金について地域による料金差を設けていくという合理性はないのではないかというふうに考えております。
#79
○上田耕一郎君 東西の地域会社、それぞれ体力にかなり違いができると前から言われていますね。そうすると、東と西ではかなり実際の料金に差ができるということも生まれますか。
#80
○政府委員(谷公士君) 地域会社間でそれぞれ別の経営事業体でございますので、それぞれの努力によって結果に差が出てくるということは考えられます。それが料金にも影響するということは考えられますが、ただ基本的な条件はほとんど両社同一でございますので、一時的にそういうことが生じましても、相互に競争し切磋琢磨する中で全体としての料金水準が下がっていくということを期待した制度でございます。
#81
○上田耕一郎君 この「新たな料金制度の在り方について」という研究会の文書も出ておりますし、局長も先ほど大体指数を決めると、物価上昇率マイナス生産性上昇率という方向になるのではないかというふうに言われました。そうなりますと、これは一種の物価スライド制の規制方式にすぎない。単なる物価上昇以上の料金、この物価上昇率が大体上限だと、そういう規制方式になるように思うんです。あとは企業がそれを上限としていろいろ決められると。
 そうすると、先ほどもインセンティブ規制方式という言葉が局長からも使われました。これを読むと、経営効率化のインセンティブによる規制方式なんだというんですね。インセンティブというのは、字引を引くと刺激だとかいろいろ書いてあるんだけれども、さて、じゃ経営効率化で本当に値下げになるのかというと、どうも実際にブライスキャップ制を導入したイギリスのブリティッシュ・テレコム、この実例はそうではないんです。
 この研究会の報告書の資料の七ページに「英国電気通信料金の推移」という表が出ています。これを見ますと、ブリティッシュ・テレコムはこのプライスキャップ制を八四年に導入以来、市内通話料金は八四年の八・八ペンスから九七年、十・一ペンスに値上がりしているんですね。特に基本料金は三・八ポンドから七・二九ポンド、一・九倍です。約二倍に基本料金が上がっているんですね。十三年間で九回値上げがあったというんです。
 これはどうです、実際プライスキャップ制で経営効率化が進んで、効率化をすればするほど独占利潤が入るということで一生懸命経営対率化して、その結果、値下げにもなり得るみたいなことも言われているんですが、そうじゃなくて、イギリスの場合はこんなに値上げになっているじゃありませんか。日本の住宅電話料金が、基本料金並びに電話料金が上がらないという保証はどこにありますか。
#82
○政府委員(谷公士君) 御指摘のイギリスにおきましては、一九八四年のプライスキャップ制導入時におきまして、長距離通信料金と地域通信料金との間にコスト構造のゆがみ、つまり長距離の利益で地域を補てんずるといったコスト構造のゆがみがあったと考えられております。そういったことから、制度導入以降におきまして、いわゆるリバランシングが行われたということが考えられます。
 それからもう一つは、当時イギリスは物価上昇率が非常に高うございました。そういう影響があって、長距離が下げられます一方で基本料や市内料金が引き上げられたと承知をしております、
 一方、我が国におきましては、現時点におきましてこのような構造上の問題があるというふうには考えておりませんし、それから今回の上限価格方式におきましては、長距離は対象外で地域の電話サービス等を対象としております。
 それからまたさらに、現在検討中ではございます。けれども、どのような単位でこのブライスキャップをかぶせるかということでございますが、その中でさらに内容に応じましてサブのバスケットを設けるというふうなことも検討いたしておりますので、例えば基本料等の部分について内数としてのサブキャップを設けるというようなことでございますが、そういった制度を十分うまく仕組むことによりまして、御指摘のようなことがないようにこの制度を目的に沿って運用していくことに努力していきたいと思います。
#83
○上田耕一郎君 この研究会の報告にもプライスキャップ制のメリット、デメリット、いろいろ列挙されているんですね。
 イギリスのケースについては一郵政研究所月報の一月号に、第三経営経済研究部研究官岩尾哲男氏の「欧州通信市場の新たな動向 競争の進展と規制緩和」でかなり詳細な分析が行われています。
 この十四ページを見ますと、イギリスでなぜこういう値上げになったかということについてこう書いてある。「BT内部の効率化にインセンティブを起こさせたという側面があると思われるが、他方でBTのシェア拡大および競争者排斥のだめ、競争分野での値下げ、独占分野での値上げをする反競争的料金をBTに許すことになったという側面もあったとみられる。」、競争の進むところは値下げする、独占のところは値上げでやろうというんですな。
 こういうのが日本のNTTの場合どうなるか。宮津社長はいわゆるユニバーサルサービスはもういいんじゃないかという発言をやって、私、この委員会でも御本人に追及したことがあるんですけれども、だからNTTがどういう行動をとるか大変私は危惧を持ちます。具体的には、競争状態にあった接続料金だとか長距離料金、市内通話料金は値下がりするかもしれぬけれども、基本料金に当たる回線、イギリスのように基本料金の値上げをやるんじゃないか。イギリスでも特に懸念されるのはほとんど電話をしない顧客への影響であり、つまり電話をしない人でも基本料金を払うから、毎回の電話料金は下げても電話しない人も払う基本料金を上げるということをイギリスでやったというんですね。
 私は、先ほども申しましたように、欧米では低所得者への配慮が特に言われているわけですが、そういうことからも教訓を引き継いで、日本でも苦労しないでも収入は確保できるという基本料金が上がらないようにこのプライスキャップ制についてその運用上特に配慮が必要なんじゃないかと思いますけれども、局長いかがでしょうか。
#84
○政府委員(谷公士君) 御指摘のとおりでございまして、私どもとしましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、具体的な基準料金指数を定める対象区分のつくり方でございますけれども、これを例えば加入電話サービスにつきまして、施設設置負担金、基本料、通話料といろいろあるわけでございますが、これを一つのバスケットといたしました場合でも、そのうちの基本料、施設設置負担金等の方にサブのキャップをかけますと、こういった部分はまさに非競争的な度合いの強い部分でございますので、そういった部分を抑えることによりまして御指摘のような問題が起きないような工夫をしてまいりたいと考えております。
 それから、話が逆になりましたけれども、我が国におきましては全体ではなくて独占的な地域についてのみプライスキャップをかけていくということを考えているわけでございます。
#85
○上田耕一郎君 方式としては今のバスケットのつくり方なんかもいろいろあると思うんですけれども、よく配慮して運営をしていただきたいということを要望します。
 次に、電気通信事業法の第十五条の業務委託問題、オペレーター業務と監視業務について郵政大臣の認可を外すという規制緩和です。この一〇四の問題はこれまでもこの委員会でも私ども追及してまいりましたが、今までのあのやり方の追認にやっぱりなっていく。
 NTTは、完企業務委託と同時に番号案内料金のかなり大幅な値上げに踏み切りました。この五月一日から一回目三十円が五十円、来年は六十円になる。二回目以降六十円が当面八十円、来年九十円になる。深夜、早朝は六十円から百二十円、来年百五十円になる。公衆電話は三十円から百円になる。二倍から三倍の値上げになるんですね。
 これは僕は、ユニバーサルサービスをどう思っているかと思いますよ。先ほどEUの例も言いました。この岩尾論文でもフランスはこう書いてある。二十二ページですが、フランスは、「高品質の低廉な電話サービスの提供。無料の緊急電話、電話番号案内、電話帳または電子的手帳や全国の公共的場所における公衆電話機の提供。」。そういうふうに、緊急電話、電話番号案内、それから公衆電話について、ユニバーサルサービスでフランスではそれだけやっているんですよ。日本では、公衆電話は一挙に三十円が百円になる、番号案内はこの間まで無料だったのがこれだけ取るような驚くべきことが進んでいるんですね。
 それで、三月十二日、郵政大臣はこの番号案内について基本的には電話と同様公共性の高いサービスであるとお認めになった。それなのに、こういう公共的な国民にとって必要不可欠なサービスまでなぜ認可から届け出制に規制緩和するのか。これは、全国あまねくサービスというユニバーサルサービスからの撤退や不採算部門の切り捨てを促進することになりかねないし、また本体業務でなく付随業務にすることで番号案内がさらに値上げされるということにもつながりかねないと思いますけれども、そういうことにならない保証をどう求められるか、お答えいただきたいと思います。
#86
○政府委員(谷公士君) この業務委託の認可制の見直しにつきましては、一種事業者の中核的な業務でございます伝送交換業務そのものを委託する場合に限って認可とし、それ以外は経営判断で自由にということでございますが、そのことと番号案内料の料金についてどのような扱いをしていくかということとはまた別でございまして、この委託につきましては、ほかの分野でも委託はあり得るわけでございますが、しかし料金は料金といたしまして先ほど申し上げましたような区分で考えていくことになるわけでございます。
#87
○上田耕一郎君 最後に、電波監理審議会委員の資格の緩和です。これは、第二種電気通信事業者、約五千五百社ありますけれども、その役員や一〇%以上の株主は審議会の委員になれるということなんですね。これは電波法の第九十九条の三の公共の福祉に関し公正な判断をすることができるという条項、電波監理審議会の公正、中立、公共性の立場が損なわれることになると思うんですけれども、なぜこういう業界の代表を業界の問題を公正中立て決める審議会の委員にしなければならないか、一体理由はどこにあるんですか。こういうとんでもないことを何で考えつくのか、理由をお聞かせいただきたい。
#88
○政府委員(谷公士君) 御案内のことでございますけれども、電波監理審議会は、大臣による無線局の免許等の行政処分、無線設備の技術基準の策定等に当たりまして、その諮問に対して議決を行うという大変重要な機関でございまして、大臣はその議決を尊重して措置するということになっております。
 したがいまして、この審議会の諮問事項の内容が直接かつ重要な影響を及ぼすおそれのある者につきましては、委員による公正な判断を担保するために欠格事由の対象としてきておりました。
 しかしながら、二種電気通信事業につきましては、無線通信の利用がその事業の存立にとって不可欠な基盤となっている事業とまでは言えませんし、したがって諮問事項の内容がその者が営む事業に直接かつ重大な影響を及ぼすというものでもないことから、今回、欠格事由の対象とはしないということにしたわけでございます。
 なお、現在、第二種電気通信事業者は約五千八百社を上回るという非常に多数の方々がこの分野に参入しておられるわけでございまして、産業界を代表する企業の多くは何らかの形で第二種電気通信事業に関与をしておられます。今申し上げましたように、特段この審議会の対象として考えられますような問題と直接かつ重大な影響を及ぼすほどの関係にないということを考えますと、この審議会に産業界からも有為な人材を選任し得るようにするためにはこの規制を緩和した方がよろしいだろうということでお願いをしているわけでございます。
 なお、こういった欠格事由から除くといたしましても、電波法に書いてございますように、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意をいただいて任命するという措置が講ぜられております。
#89
○上田耕一郎君 終わります。
#90
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。
 きょうは、この後、議院運営委員会、本会議という予定になっておりまして、関係者はこの委員会が終わるのをみんな待っているというような状況でもありますし、また今まで相当議論も進められまして、重ねてお伺いするのもどうかと思いますので、私は今回の法案について、ただ一点だけについてお伺いしておきたいと思います。
 今回の法案の中身、電気事業とそれから電波の分野での規制緩和、これが基本になっているわけですが、郵政省は今まで規制緩和問題で相当真剣に取り組んできたということがあります。
 電気事業関係につきましては、既に議論のあったところでありますが、例えば電波法の改正などにつきましても、無線局の設置要件の緩和とかそういったことを今回の法案の中でも扱っておるわけですが、その電波法の例えば技術基準適合証明制度、こういったものも国際的に比較しますと相当立ちおくれていたというか、日本の規制が非常に厳しいという点があったかと思います。
 そういったことで、この適合証明関係で料金が高いとか、あるいはなかなか証明がとりにくいとか、これは特にアメリカあたりと比べますと大幅に違っているという関係者の話があるわけです。それからまた、無線従事者の資格取得などにつきましても、試験の内容その他いまだに相当厳しい。比較するとアメリカあたりでは相当簡単にそういった資格を与えているというような実態があるようです。
 そこで、基本的な考え方になりますが、規制緩和をする場合に、今までのものを緩和するというような考え方だけではなくて、規制の目的がどこにあるか、それから何を担保しなければならないか、どういうことが守られなければならないかとか、そういうことを考えますと、おのずと規制の中身がはっきりしてくるのではないかと思います。
 そういった意味で、白地に絵をかくような気持ちで規制のあり方についてこれから取り組んでいっていただきたいと思いますが、この問題についてどうお考えになられるか、これからの取り組みの姿勢、その辺についてお伺いしまして、私はこの一問だけでおしまいにしたいと思います。よろしくお願いします。
#91
○政府委員(谷公士君) まさに御指摘いただきましたとおり、確かに規制緩和といいますと、現在の規制をどのようにしていくかという印象が強いのでございますけれども、やはり規制は、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、電気通信分野の場合で考えますと、国民私用者の方々がどのように便利に安定的に通信システムを利用できるかということが居的でございまして、そのためにどのような社会的仕組みが必要かという観点でございます。
 そういう意味では、おっしゃるように原点に立ち返って、必要最小限の社会的仕組みのあり方はどのようなものかということを考えて私どもも規制緩和という問題に取り組んでいくべきものだというふうに考えます、
#92
○委員長(川橋幸子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#93
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備等に関する法律案に対して、反対の討論を行います。
 本法案に反対する第一の理由は、国際電信電話株式会社法の廃止で、KDDが果たしてきた国際通信のユニバーサルサービスを免除するからであります。
 KDDの民営化、NTTの国際通信への参入で、国際通信分野の競争が激化すれば、採算の合わない外国地域への通話取り扱い、日本語案内サービスなど、これまでKDDが果たしてきた公共的役割が損なわれるおそれがあることは明白であります。また、質問で明らかにしたように、特殊会社であるKDDが民営化に向けて職員に早期退職優遇制度の名のもとで退職を強要するリストラ、大合理化を実施していることは絶対に容認できません。
 反対する第二の理由は、第一種電気通信事業者の料金を認可制から原則届け出制にし、上限価格方式を導入することにより、これまであまねく公平のユニバーサルサービスを基本にしてきた公共性を料金制度の面から放棄するからであります。今回の改悪は、これまでの全国一律料金体系を放棄し、県内料金を設定するものです。その結果、収益の低い地裁では商料金になることは明白であり、通信の公平性、機会均等の原則を踏みにじることになります。一年後に分割するNTTの東西地域会社間での料金格差を合法化するものとなります。質問で指摘したように、上限価格方式を一九八四年から導入しているイギリスでは、基本料金が毎年のように値上げが繰り返され、現在では約二倍になっていることは明白な事実であります。このような国民に料金値上げを押しつけることとなる改悪は断じて許せません。
 反対する第三の理由は、NTTなど第十種電気通信事業者のオペレーター業務、監視業務などについて認可不要にすることであります。これは、既に郵政省が認可したNTTの一〇四番の番号案内業務、電報業務の全面委託化を追認するものであります。業務の委託でベテラン労働者が強制配転させられ、サービスの低下が起きてへます。業務の委託の緩和は、NTTなど第一種電気通信事業者のアウトソーシングを一層促進させ、さらなる労働者の合理化と国民サービスの後退を招くことにつながり、認められません。
 反対する第四の理由は、公正、中立であるべき電波監理審議会の委員に第二種電気通信業者を選任できるように緩和することであります。第二種電気通信事業者といえども電波法、電気通信事業法での規制や認可の対象業者であり、「公共の福祉に関し公正な判断をすることができる」との条項からして電波監理審議会の公共性を著しくゆがめることになり、今後の電波監理審議会に汚点を与えるものであり、容認できません。
 以上が本法案の反対理由であります。
 最後に、NTT、KDDの民営化や電気通信事業者への規制緩和ではなく、国民へのユニバーサルサービス制度の確立が求められていることを指摘して、私の反対討論を終わります。
#94
○委員長(川橋幸子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(川橋幸子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#97
○委員長(川橋幸子君) 次に、航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。藤井運輸大臣。
#98
○国務大臣(藤井孝男君) ただいま議題となりました航空法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 国際民間航空条約に基づく航空安全に関する国際的な枠組みにつきましては、従来、航空機が登録国を中心に運航されていたことから、航空機の耐空証明を行うこと等の航空機の運航の安全確保に関する責務は航空機の登録国が負うものとされているところでありますが、近年、国際間で航空機のリースが行われるようになり、その結果、航空機が登録国以外の国で運航されるケースが出てきております。
 このため、国際民間航空機関において、航空機の登録国と運航国との間の協定により、登録国が負っている航空機の運航の安全確保に関する責務を運航国に移転することができることとする国際民間航空条約改正議定書が一九八〇年十月に採択され、昨年六月に発効しているところであります。
 これにより、今後、運航国の耐空証明等を受けた航空機が運航されることが予想され、我が国もそうした航空機の乗り入れを認める必要があります。
 本法律案は、このような事情を踏まえまして、国際反間航空条約改正議定書の批准に合わせ、航空機の登録国が行った耐空証明等に加え、同議定書により締結された協定に基づき航空機の運航国が行った耐空証明等についても、我が国の航空法上の耐空証明等とみなすこととするものであります。
 以上がこの法律案の提案理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#99
○委員長(川橋幸子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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