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#1
第142回国会 経済・産業委員会 第2号
平成十年三月十日(火曜日)
   午後零時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十日
    辞任         補欠選任
     山下 芳生君     笠井  亮君
 二月十二日
    辞任         補欠選任
     笠井  亮君     山下 芳生君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     海野 義孝君     猪熊 重二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉村剛太郎君
    理 事
                沓掛 哲男君
                畑   恵君
                平田 耕一君
                平田 健二君
                梶原 敬義君
    委 員
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                中曽根弘文君
                成瀬 守重君
                西田 吉宏君
                小島 慶三君
                前川 忠夫君
                猪熊 重二君
                加藤 修一君
                山下 芳生君
                平井 卓志君
                水野 誠一君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       通商産業大臣   堀内 光雄君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       尾身 幸次君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      塩田 薫範君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   上杉 秋則君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        山田 昭雄君
       経済企画庁長官
       官房長      林  正和君
       経済企画庁調整
       局長       塩谷 隆英君
       経済企画庁調整
       局審議官     小林 勇造君
       経済企画庁国民
       生活局長     井出 亜夫君
       経済企画庁物価
       局長       金子 孝文君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       経済企画庁調査
       局長       新保 生二君
       通商産業大臣官
       房長       村田 成二君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   及川 耕造君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        岩田 満泰君
       通商産業大臣官
       房審議官     杉山 秀二君
       通商産業大臣官
       房審議官     古田  肇君
       通商産業大臣官
       房審議官     岡本  巖君
       通商産業省通商
       政策局長     伊佐山建志君
       通商産業省通商
       政策局次長    佐野 忠克君
       通商産業省貿易
       局長       今野 秀洋君
       通商産業省産業
       政策局長     江崎  格君
       通商産業省環境
       立地局長     並木  徹君
       通商産業省基礎
       産業局長     作田 頴治君
       通商産業省生活
       産業局長     水谷 四郎君
       工業技術院長   佐藤 壮郎君
       資源エネルギー
       庁石油部長    林  良造君
       資源エネルギー
       庁石炭・新エネ
       ルギー部長    篠原  徹君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  奥村 裕一君
       特許庁長官    荒井 寿光君
       中小企業庁長官  林  康夫君
       中小企業庁次長  中村 利雄君
       中小企業庁計画
       部長       中澤 佐市君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (通商産業行政の基本施策に関する件)
 (経済計画等の基本施策に関する件)
 (平成九年における公正取引委員会の業務の概
 略に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨九日、海野義孝君が委員を辞任され、その補欠として猪熊重二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(吉村剛太郎君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題といたします。
 まず、通商産業行政の基本施策に関し、通商産業大臣から所信を聴取いたします。堀内通商産業大臣。
#4
○国務大臣(堀内光雄君) 第百四十二回国会における経済・産業委員会の御審議に先立ちまして、今後の通商産業行政を行うに当たっての私の所信を申し上げさせていただきます。
 私は、二十一世紀に向けて活力ある日本を実現するため、これから申し述べます通商産業行政の内外の課題に当省の総力を挙げて取り組む所存であります。
 第一の課題は、一日も早い景気の回復であります。
 このため、緊急経済対策、二兆円規模の特別減税、九年度補正予算を的確に遂行するのに加え、十年度税制改正においては、法人課税の税率を引き下げるなど、企業活動を行いやすい環境整備に踏み出しました。また、貸し渋り対策にも引き続き万全を期してまいります。貸し渋りの影響は、中堅企業、中小企業を中心に、大企業にまで広がっております。
 かかる状況を踏まえ、私みずから先頭に立つで実態把握と対応策の検討を行い、昨年十二月には、政府系金融機関の新たな融資制度の創設や信用保証協会の基本財産の大幅な積み増しなどの具体的な対策を取りまとめ、平成九年度及び十年度において、信用保証分も含め総額約二十五兆円の資金量を確保いたしました。また、政府系金融機関及び信用保証協会等に特別相談窓口を設置し、事業者のきめ細かなニーズをくみ上げてきたところであります。ここで得られた具体的なニーズに対応し、先日、信用保証協会に係る第三者保証要件の弾力化や日本開発銀行の貸し渋り関連融資の融資比率を一定の場合に引き上げる等のきめ細かな対応を講ずることといたしました。さらに、年度末を控えた中小・中堅企業への対応に万全を期すべく、政府系金融機関及び信用保証協会に対し、窓口においで親身な対応を徹底するよう再度指示をいたしました。
 第二の課題は、経済構造改革の強力な推進であります。
 我が国経済か民間需要主導による内需中心の成長をするためには、当面の対策に加え、経済構造改革を進め、国民や企業の経済に対する信頼感を回復しなければなりません。
 まずは、新規産業の創出のための環境整備であります。新規産業創出を資金供給の面で支援する観点から、年金資金や海外投資家などからのベンチャー企業への資金供給を促進し資金供給源の多様化を図るための中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案を今国会に提出する予定であります。また、新規産業創出を技術の面で支援する観点から、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律案及び知的財産権の保護強化等を図るための特許法等の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしました。さらに、情報通信の高度化の面では、電子商取引実証実験等におけるこれまでの成果も踏まえ、より広い分野への電子商取引の導入を促進するための施策を一層推進するとともに、行政、教育、医療・福祉などの公的分野の情報化にも積極的に取り組んでまいります。
 次に、国際的に魅力ある事業環境の創出のために、平成十三年までに国際的に遜色のない産業基盤サービスを実現することを目指し、電力、石油等のエネルギー分野の規制緩和を中心とした制度改革に努力してまいります。また、国際水準の商品先物市場を整備することを目標として、商品取引所法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしました。
 さらに、企業の収益率や投資先としての我が国の魅力に大きな影響を及ぼす企業税制改革を推進してまいります。企業税制における国際整合性の確保を図るため、十年度の税制改正において、国税と地方税を合わせた実効税率を約五〇%から四六%台に引き下げる等の措置を講ずることといたしております。しかし、今回の改革は、主要先進国に比へ実効税率で一〇%程度高い我が国法人課税の水準を国際水準に近づけていくという目標の実現を目指した第一歩にすぎません。今後ともこの大きな目標の実現に向けて、法人事業税の改革等を含めた大胆な法人課税改革を全力で進めてまいります。
 第三の課題は、商業を含む中心市街地の活性化であります。
 近年のモータリゼーションの進展や消費者のライフスタイルの多様化等の影響を受け、中心市街地の空洞化か進行しておりまして、その活性化は緊急に取り組むべき課題であります。当省としましては、関係省庁との連携のもと、商業等の活性化と市街地の整備改善を車の両輪とする中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案を今国会に提出いたしました。
 また、大型小売店の出店に際しての制度の見直しにつきましては、建設省による都市計画法の改正と相まって、大型店の立地にあわせた計画的な地域づくりや交通、環境に関する諸問題を解決する大規模小売店舗立地法案を今国会に提出いたしました。
 第四の課題は、中小企業政策であります。
 我が国経済の活力の源泉である中小企業か、現在の経営環境の激変の中で、未来に明るい希望を持って事業に取り組める環境を整備するため、きめ細かな中小企業政策を実施してまいります。
 このため、中心市街地の空洞化により深刻な影響を受けている中小小売商業対策として、先ほど申し上げましたいわゆる中心市街地活性化法案を今国会に提出するとともに、関連施策の抜本的な充実強化を図ってまいります。また、貸し渋り対策として、健全な中小企業に対する必要な資金確保のための中小企業金融・信用補完制度の抜本的充実等を重点的に推進してまいります。
 さらに、今後の我が国製造業の根幹である物づくりにおいて、人材の高齢化、地域間の人材需給格差及び若者の製造業離れ等の問題に対処するため、高度な加工技術を担う人材の育成に取り組んでまいります。
 第五の課題は、地球温暖化防止対策などの循環型の経済社会の構築であります。
 昨年末に、地球温暖化防止に向けた国際的な枠組みと先進国による法的拘束力のある積極的な削減目標に合意をいたしました。
 この合意を受け、地球規模での持続的発展の基盤を形成する観点から、原子力、新エネルギーの開発・利用の促進といったエネルギー供給面の対策に加えて、エネルギー需要面の対策として、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出する予定であります。また、新たに規制対象となりました代替フロン等温室効果化学物質については、産業ごとの実態を踏まえた回収、再利用、破壊等の対策を進めるとともに、長期的な観点から新規代替物質の技術開発を推進してまいります。
 これらの地球温暖化問題への対応に加えて、資源の再利用を推進する観点から、特定家庭用機器に係る収集等及び再商品化等に関する法律案を今国会に提出する予定であります。
 さらに、国際的な環境対策に貢献するため、環境分野における円借款の最優遇要件による供与を行ってまいります。
 こうした施策は、健全な経済成長を阻害することなく、むしろ環境対策を経済に組み込むことにより、規制や制度の実行面を支える環境産業等の新規事業の発展等を通し、経済の新たな活力の醸成に貢献し、環境への負荷の少ない持続発展か可能な社会の構築につなかっていくものと確信をいたしております。
 第六の課題は、我が国を取り巻く国際経済環境の整備であります。
 まずは、アジア地域についでてあります。世界の成長センターと位置づけられておりましたアジア地域の通貨・金融市場の混乱はこの地域の経済に深刻な影響を及ぼしておりまして、これを放置すれば世界経済の不安定性を増幅させることにもなります。このため、先日、東南アジア経済安定化等のための緊急対策を決定し、アジア各国が潜在的な力を発揮して再び力強い経済成長を続けられるよう、貿易保険や日本輸出入銀行の活用等により、アジア各国の民間企業活動や我が国の輸入を金融面で強力に支援することといたしました。加えて、官民連携による人材育成や産業構造の高度化に向けたすそ野産業支援など、アジア地域の経済・産業構造の強化のための施策をODAを有効活用しつつ、ASEAN側との緊密な連携のもとで推進をいたしてまいります。
 次に、エネルギーを中心とした国際関係についてであります。本年十月には、我が国で第三回APECエネルギー大臣会合を開催することとしておりまして、本格的なエネルギー政策協議を行うべく、議長国として積極的にリーダーシップを発揮してまいります。また、ロシア、中東地域、中央アジアの国々とも、各地域の置かれた状況を踏まえまして、エネルギーを中心とした経済関係の強化に努めてまいります。
 さらに、WTOを中心とする多角的貿易体制の維持強化につきましては、本年はガット創設五十周年の節目に当たる年でありますし、五月に開催される記念事業及び第二回WTO閣僚会議を成功に導くとともに、中国、ロシア等の適切な条件のもとでの早期加盟か実現するよう積極的なリーダーシップを発揮してまいります。また、国際的に公正な競争を確保するため、不正競争防止法の一部を改正する法律案を今国会に提出する予定であります。
 最後の課題といたしまして、行政のスリム化であります。この観点から、日本貿易振興会とアジア経済研究所を統合するとともに、鉱山保安監督局を鉱山保安監督部に移行するため、日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしました。
 以上、今後の通商産業政策の基本的方向について、私の考えの一端を申し上げました。
 私といたしましては、国民各位の御理解のもと、通商産業行政の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。委員各位の御理解と御協力を賜りますようにお願い申し上げます。
#5
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、経済計画等の基本施策に関し、経済企画庁長官から所信を聴取いたします。尾身経済企画庁長官。
#6
○国務大臣(尾身幸次君) 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的考え方につきましては、去る二月十六日、本会議場における経済演説において明らかにしたところであります。本日、経済・産業委員会が開催されるに当たり、重ねて所信の一端を申し述べさせていただきます。
 我が国経済は、最近の株価等の動きに見られるように、市場心理には一部好転の兆しが見られるものの、金融機関の経営破綻、アジア地域における通貨・金融市場の混乱等を背景に、家計や企業の景況感の厳しさが個人消費や設備投資に影響を及ぼしているなど、景気はこのところ停滞しております。このような背景には、次のような構造的な問題、すなわち第一に、金融機関や企業の不良債権問題、第二に、日本的な経済システムの制度疲労の問題、第三に、産業の空洞化の問題があり、これらを早急に解決する必要があります。
 このため、私は、民間需要を中心として経済を順調な回復軌道に乗せ、もって豊かな国民生活の実現を図っていくことを基本とし、次の五つの点を中心とした諸施策に取り組んでまいります。
 第一に、金融システムの安定性確保と不良債権問題の早期解決であります。
 預金者保護と金融システムの安定を図る観点から、合わせて三十兆円の資金を活用できることとしたほか、いわゆる貸し渋りの問題に対しても、総額約二十五兆円の資金を用意するなどの措置を講じてまいります。また、土地の有効利用や土地取引の活性化のため、地価税を凍結し、また、法人の土地譲渡益追加課税の適用停止等の土地税制の改正を行うこととしております。
 第二に、規制緩和を初めとする経済構造改革の推進と新たな発展基盤の整備に努めてまいります。
 政府は、昨年十一月に規制緩和を中心とする経済構造改革等を柱とした「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」を取りまとめました。具体的には、情報通信分野の規制緩和、都心の商業地域等における容積率の抜本的緩和等を含め、広範な措置を講ずることといたしました。政府としては、さらに経済活性化のための具体的方策について検討を続け、より一層強力に規制緩和を中心とする経済構造改革を推進してまいります。
 また、独創的で幅広い産業のフロンティアを開拓する環境を整備するため、産学官連携による研究開発環境の整備を進めるなど、科学技術創造立国を目指して科学技術の発展に重点的に取り組んでまいります。さらに、研究開発力を有する将来有望なベンチャー企業を初めとする新規産業の創出のため、リスクマネーの供給、人材の育成と移動の円滑化、適切な知的財産権の保護の強化等に力を注いでまいります。
 なお、経済構造改革とともに、財政構造改革も車の両輪として推進していく必要があると考えております。
 第三に、企業にとって魅力ある事業環境を整備し、産業の空洞化に対応してまいります。
 法人課税については、その水準を国際水準に近づけていくことが重要であり、国、地方を合わせた法人課税の実効税率を約三・六%引き下げることとしております。また、金融のグローバル化等に対応し、有価証券取引税の税率を当面二分の一に引き下げるなど、金融・証券関係税制を改正することとしております。
 第四に、豊かで安心できる国民生活の実現であります。
 我が国は、国民一人当たり国内総生産で見れば世界のトップクラスとなっておりますが、経済活性化の成果が生活に反映され、真に豊かさを実感できる経済社会の形成に向けてなお一層の努力が必要であります。
 我が国は、都市における地上過密・空中過疎の問題と、都市と地方の間の過密過疎の問題を抱えており、長期的な視野に立って、ゆとりある居住スペースやオフィススペースの実現、国民の行動範囲の拡大など、スペース拡大を図ってまいります。
 また、消費者の自立を支援し、消費者と企業が自己責任に基づいて行動できるような市場ルールを整備する観点から、消費者利益の擁護、増進を図るため、いわゆる消費者契約法の早期立法化に向けて努力してまいります。
 さらに、国際化や高齢化の進展などの環境変化の中で、いわゆるNPOは今後重要な役割を果たすものと考えられ、その活動を促進するための環境整備を積極的に図ってまいります。
 第五に、我が国が世界とともに繁栄していくため、世界経済の持続的発展に貢献してまいります。
 通貨・金融市場の混乱等の困難に直面しているアジア諸国に対し、IMFを中心とする枠組みの中でできる限りの支援を行うとともに、経済協力の面でも、アジア地域に重点を置き、経済インフラの整備、人材育成、中小企業・すそ野産業育成等を重視した支援を行い、この地域の発展を一層促進するよう努めます。
 平成十年度経済は、以上申し上げた政策対応に加え、二兆円規模の特別減税を行うことにより、これらの効果が徐々に本格化し、また、平成十年度予算及び関連法案を早期に成立させていただくことにより、企業や消費者の我が国経済の先行きに対する信頼感の回復が期待されることから、次第に順調な回復軌道に復帰してくると考えております。もとより政府としては、今後とも内外の経済、金融の実情に応じて、経済活性化に向けて適時適切な経済運営に努めていくことは言うまでもありません。
 我が国経済は、二十一世紀の新たな発展のために、従来の発想を抜本的に転換し、民間部門中心の強靱で活力に満ちた経済へと体質を変えていくべき極めて重要な段階にあります。そして、政府の役割は、規制緩和等を通じて、民間部門の活力を最大限に発揮できるよう、発展のための基盤を整備することにあると考えます。
 我が国は、これまでに蓄積してきた千二百兆円の個人金融資産等の資本、教育水準の高い人的資源、高度な技術基盤やそれを支える文化的基盤など、新たな発展を実現するための高い潜在的能力を有しております。構造的諸問題を克服し、将来世代のためにこれらのプラスの蓄積を未来に向けて発展、継承していかなければなりません。そして、経済構造改革の必要性については国民的コンセンサスがあります。経済の実情に応じた各種の施策の総合的推進により明るい展望が開かれ、一たん回復軌道に乗れば徐々に力強い足取りの景気拡大につながっていくものと考えます。
 改革と展望が生み出す活気ある二十一世紀を目指して、国民の皆様が元気を出して仕事に取り組んでいただけるよう、私は微力ながら精いっぱい努力してまいります。
 本委員会の皆様の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。
#7
○委員長(吉村剛太郎君) 以上で両大臣の所信の聴取は終了いたしました。
 両大臣は御退席いただいて結構でございます。
 次に、平成九年における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。根來公正取引委員会委員長。
#8
○政府委員(根來泰周君) 平成九年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の違反行為については、内外の事業者の公正かつ自由な競争を促進し、消費者の利益を確保するとの観点から厳正に対処し、価格カルテル、入札談合等二十七件について法的措置をとり、違反行為の排除を命じたほか、上二件の警告を行いました。また、十件の価格カルテル、入札談合事件について、総額五十九億千百八十四万円の課徴金の納付を命じました。さらに、東京都発注の水道メーターに係る入札談合事件についで、製造業者等二十五社及び受注業務に従事していた者三十四名を検事総長に告発いたしました。
 独占禁止法における企業結合規制については、持ち株会社の全面的な禁止を改め、事業支配力が過度に集中することとなる持ち株会社のみを禁止することとされましたところ、これとあわせて、禁止される持ち株会社の解釈を明らかにし、法運用の透明性を高めるため、「事業支配力が過度に集中することとなる持株会社の考え方」を公表しております。
 独占禁止法の適用除外カルテル等制度については、二十の個別法に基づく三十五の制度について廃止等の措置が講じられましたところ、残されたものについては、本年三月末までに見直しの結論を得ることとしております。
 また、再販適用除外制度については、当委員会の指定により再販適用除外が認められていた化粧品等二十八品目の指定を平成九年四月から取り消しており、これによって再販指定商品はすべてなくなっております。さらに、著作物の再販適用除外制度の見直しについては、本年三月末までに当委員会としての結論を出すこととしており、現在検討を行っているところであります。
 事業活動及び経済実態調査については、競争政策の観点から、一般用カラー写真フィルム及びカラー写真用印画紙に関する企業間取引の実態調査、ペースメーカー等医療用具の流通・取引慣行に関する実態調査等を行い、それぞれ結果を公表しました。
 下請代金支払遅延等防止法に関する業務については、下請取引の適正化及び下請事業者の利益確保を図るため、下請代金の減額等の違反行為を行っていた親事業者五社に勧告を行ったほか、千百五十七社に対して警告の措置をとりました。
 不当景品類及び不当表示防止法に関する業務については、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、四件の排除命令を行ったほか、四百六十二件の警告を行いました。また、景品規制の見直しを進め、業種別の景品規制について、平成九年末までに、二十九の業種別告示のうち、二十八について見直しを完了しております。
 以上、簡単ではございますが、業務の概略についで御説明申し上げました。
 今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
#9
○委員長(吉村剛太郎君) 以上で説明は終了いたしました。
 両大臣の所信等に対する質疑は後日行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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