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#1
第142回国会 経済・産業委員会 第6号
平成十年四月二日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     平田 健二君     勝木 健司君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     平田 健二君
     鈴木 和美君     村沢  牧君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉村剛太郎君
    理 事
                沓掛 哲男君
                畑   恵君
                平田 耕一君
                平田 健二君
                梶原 敬義君
    委 員
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                中曽根弘文君
                成瀬 守重君
                西田 吉宏君
                吉川 芳男君
                小島 慶三君
                前川 忠夫君
                海野 義孝君
                加藤 修一君
                村沢  牧君
                山下 芳生君
                平井 卓志君
                水野 誠一君
                椎名 素夫君
   国務大臣
        通商産業大臣  堀内 光雄君
   政府委員
       農林水産省食品
       流通局長     本田 浩次君
       通商産業大臣官
       房長       村田 成二君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        岩田 満泰君
       通商産業大臣官
       房審議官     古田  肇君
       通商産業省生活
       産業局長     水谷 四郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○理事補欠選任の件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十一日、平田健二君が委員を辞任され、その補欠として勝木健司君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(吉村剛太郎君) 商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○平田耕一君 おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 商品先物取引といいますと、プライシングとプライスリスクヘッジという二大機能を持って、言ってみれば自由主義経済特有の機能であろうというふうに思っております。そういう状況の中で、資源の多くを輸入しております我が国にとりまして、この商品先物市場というのは、産業にとりましては本当に重要な基盤ではないかというふうに思います。とはいいつつも、我が国におきましては、シカゴ、ニューヨーク、ロンドン等の海外市場には大変おくれておるのではないかというふうに思います。
 さらに、昨日から本格的な金融ビッグバンということで改正外為法も施行されておるわけでありまして、あるいはこの市場のおくれというものから資金流出すら懸念される状況であるというふうに思っておりますので、今回のこの取引所法の改正というものは実は大いに期待できるものではないかという考えもあるわけでありますが、まず総論として、その改正の基本的な考え方をお聞きいたしたいというふうに思います。
#5
○国務大臣(堀内光雄君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、商品先物市場は、価格変動のリスクヘッジを行うとかあるいは公正かつ透明な価格指標を提供するというような、そういう機能を有する重要な産業基盤でございます。しかし、我が国の商品先物市場は、御指摘のとおり、海外の商品先物市場に比べましておくれをとっていることは確かでございます。加えまして、外為制度の改正される中で、現状のままでは我が国の商品先物市場からの資金が流出されるというおそれが懸念されているところでございます。
 そういう意味で、今回の改正は、我が国の経済の活性化及び経済構造の改革に役立つという観点から、我が国の商品先物市場をビッグバン等の内外の環境の変化に対応してアジアを代表する市場として発展をさせてまいりたい、そのために委託者保護の強化を図るということが一方にございます。同時に、その利便性、新規の商品の上場だとかあるいは試験上場を楽にするというような利便性だとか、あるいは管理監督などを的確に行って不公正な取引がないようにするというような、信頼性を向上させる措置を講ずるものが今回の法改正でございます。
#6
○平田耕一君 今回の改正で、利便性と上場商品の拡充、それから各種機能のディスクローズということをおっしゃっていただきました。
 お尋ねをいたしますけれども、一番最初に大変重要な、魅力がなければなりませんので、御返答いただきました新規商品上場についてその円滑化というものを具体的にどのようになさるおつもりか、御説明いただければありがたいというふうに思います。
#7
○政府委員(岩田満泰君) 今回の改正におきましては、新規商品上場の円滑化を図るという観点から、上場の認可基準を緩和することを御提案申し上げております。
 現行におきましては、十分な取引量が見込まれるといった生産及び流通を円滑にするために必要かつ適当であるという要件を満たすことが必要でございますが、今回、試験上場の認可基準につきましては、生産及び流通に著しい支障を及ぼすことがないというような基準をもって上場を認めるということにいたしたいと考えておるわけでございます。
#8
○平田耕一君 もう少し具体的にお尋ねをしたいというふうに思うんですけれども、今現在試験上場制度があって、この改正によってさらに円滑化を図りたいということでありますが、例えば商品名であるとかそのボリューム、新規上場が目される物品の市場規模とか、手元に資料がないかもわかりませんが、もう少し具体的に想定できるような具体例を一つでも挙げていただければありがたいというふうに思います。
#9
○政府委員(岩田満泰君) 今、取引所の方でさまざまな検討がされておると思いますが、通産省関係で申し上げますと、石油の関係につきまして、ガソリンでございますとかあるいは灯油、軽油というような範囲のものについて上場が可能であるかどうか、あるいは関係業界との調整がつくかどうかというような観点からもろもろの研究がされていると理解をいたしておるところでございます。
#10
○平田耕一君 新規上場はそういうことで、さらに何か問題点が出てまいりますればお尋ねをいたしたいというふうに思っております。
 また、この改正案の中で、商品取引員と商品取引所の関係というのがあるわけでありますけれども、新たに取り次ぎ等の構成員が拡充をされるようになっておりますけれども、その法改正の必要な理由をお尋ねしたいというふうに思います。
#11
○政府委員(岩田満泰君) 今回、商品取引員に取り次ぎという業務を新たに認めるということにつきましては、さまざまな環境の変化の中で多様な形態の業務に取り組んでいただくということの一環として取り次ぎを認めようとしてお願いをいたしておるところでございます。
#12
○平田耕一君 この中で、商品取引員の資格、取次員の資格等というものはどのように想定をされておられますか。
#13
○政府委員(岩田満泰君) 現行法におきましては、商品取引員と取引所の会員と申しますものは一致をいたしておりまして、取引員は会員でなければならないということになっておるわけでございますが、今回の改正案におきましては、委託の取り次ぎを解禁するということでございまして、商品取引員は必ずしも会員ではない、会員になる取引員と会員にならない取引員が存在をするという制度に改正をさせていただきたいと考えておるわけでございます。
#14
○平田耕一君 そうすると、この商品先物取引について我々が最も懸念をしなければならないのは、委託者の債権保全ということであろうというふうに思っておりますが、そのことにつきまして、会員イコール商品取引員という実態からさらに商品取次員というものが存在をしてくるということになりました場合に、その委託者の債権保全についてどのように対応されるのか、御説明いただきたいというふうに思います。
#15
○政府委員(古田肇君) 委託者の債権保全の措置の問題でございますが、既に現状におきましては分離保管措置の義務づけでございますとか、それから破綻した商品取引員にかわって弁済を行います基金でありますとか、そういったことについての法的措置が講じられておるわけでございます。
 今般、商品取引所審議会の答申におきまして分離保管措置の運用の適正化等を措置するようにという御指摘があったわけでございますが、これらを踏まえまして、商品取引員の経営破綻に対応するための措置といたしまして、さらに、一定割合の金融機関保証の義務づけでありますとか、信託方式による分離保管の採用でございますとか、あるいは分離保管財産の預託金融機関について一定レベル以上に格付されたものとすることなどにつきまして、省令改正あるいは法の運用ということで対応してまいりたいと思っておるわけでございます。
 なお、今後の問題でございますが、引き続き商品取引員の経営動向でございますとかビッグバンの進展等を見ながら適時適切な対応をやっていきたいというふうに考えております。
#16
○平田耕一君 いずれにしましても、新たにそういう取次員ということが存在してまいりますと、いわゆるブルサービスブローカー、ディスカウントブローカー、イントロデューシングブローカーという機能別の要するに業者といいますかブローカーが存在をしてくる、分化していくだろうというふうに思っておるんです。
 今、御説明がありまして、大枠のそのスキームといいますか債権保全のことはお話をいただいたんですが、一般の委託者からいたしまして安心感というのは、すなわちまずその会員の規模等の要件であろうかというふうに思います。
 これはいずれにしてもその認定は大臣になっておるかと思いますが、その辺もお教えをいただきたいんですが、その場合の資格要件は、従来の取引員と新たに発生をする取次員ということで異なっておりますか。具体的にひとつお教えをいただきたいというふうに思います。
#17
○政府委員(岩田満泰君) 取り次ぎをするものといわゆるみずから受託をする取引員につきましては、基本的には資格要件は同一のものとするということになっております。
#18
○平田耕一君 数字は何かありますか。
#19
○政府委員(岩田満泰君) さまざまな財産の要件その他につきましては、今後省令を作成する段階で決定をいたしたいと考えております。
#20
○平田耕一君 基本的に、取次員と取引員、同じような資格であるということであれば、現状は取引員はその資格要件は決まっておりますですね。
#21
○政府委員(岩田満泰君) 財産でございますとか、受けた仕事を的確に遂行する能力でございますとか社会的な信用の問題ですとか、さまざま法定されておる基準に従いまして許可をしているというのが現状でございます。
#22
○平田耕一君 ぜひ知りたいと思っておるんですけれども、例えば純資産であるとか総資産であるとか資本金であるとかそういうようなものが、既存の取引員というものはどういう、おおよその幅があっても結構でありますけれども、認可をされておられる基準を何か一つ数字をお示しいただければありがたいと思います。なければないで、どのような基準であるのか。その辺が一番、ぱっと見て安心できる、我々が判断できる一つだと思いますので。
#23
○政府委員(岩田満泰君) 現在、取引員につきましては、一種、二種というような二つの分け方がされておりますが、一種につきましては、例えば資本金でいいますと五億円というような基準を設けております。それからまた、外務員の数というようなものによりましても、百三十人以上の外務員を抱える取引員を一種として許可を与える、このようなことになっておるわけでございます。
#24
○平田耕一君 そうしますと、概略、委託者の債権保全についての考え方は、新たに派生をした構成員であっても同じような感覚でやっていくんだという御答弁でありまして、まあそれはそれで結構かと思います。先ほど申し上げましたように、取次員なり取引員というその商品取引の流通業者というものはいろいろ機能分化をしてまいるだろうというふうに思います。中には、ディスカウントブローカーとか、大変小規模であるとか、いろんなことが出てくるだろうというふうに思いますので、その辺は必ずしも同じということでなくても、一般の者から見て安心できるような具体的な基準をぜひひとつ御検討いただきたいと要望させていただきたいというふうに思います。
 さらに、この法案の中で委託手数料の自由化というのがうたってありまして、これは当然の流れであろうかというふうに思います。大変長い年月をかけて自由化をしていこう、こういう法案になっておりますので、もっと短時間でできないものかなというふうに考えておりますが、法案の趣旨をひとつ御説明いただきたいというふうに思います。
#25
○政府委員(岩田満泰君) 御指摘のように、委託者の利便性の向上でございますとか国際的に競争力のある取引コストというものを実現するという観点から、商品先物取引の委託手数料につきましては、その自由化というものは、御指摘のように可能な限り早期に行うということが適当であると私どもも考えておるわけでございますが、他方、現在の商品取引員の実情というものを見ますると、その収入の九割以上を委託手数料に依存しているという現状がございます。そのために、完全自由化までには一定の期間を置くことが必要であると考えておるところでございます。
 このような点を踏まえまして、完全自由化の時期を二〇〇四年末ということで御提案を申し上げておるわけでございますが、それまでに段階的に自由化を進めていこうということで考えておるところでございます。
 なお、この二〇〇四年ということにつきましては、現に証券業界におきまして手数料の自由化が進められておるわけでございますが、証券業界におきましてほぼ八年程度準備期間を置かれたということも一方に頭の中に置きまして、この二〇〇四年はちょうど七年ぐらいになるかと存じますけれども、このくらいの期間で準備を段階的に自由化の方向で進めていこう、私どもこのように考えておるところでございます。
#26
○平田耕一君 二点、それに関してお尋ねをしておきますが、九割が委託手数料とおっしゃられましたけれども、では委託手数料以外というのは自己売買なのか何なのか一遍ちょっと概略のイメージを教えてもらいたいのと、それから、証券の取扱手数料と比較をされましたけれども、これは市場が違うわけでありまして、証券の場合は日本国有の上場銘柄というのがあって、それなりに手数料というのは若干の格差があっても日本の市場というものは存在をしていくんだろうというふうに思っておりますので、それぐらい緩慢な自由化というのも許容されるわけであります。先ほど来、法改正の趣旨にありますように、もうすぐに資金流出も懸念されるということになってまいるぐらい商品先物というものは海外との共通性が多いわけでありまして、これはやはりもっと緊急に進めるべきではないのかということも思えなくもないわけでありまして、そのことにつきまして、二点、どうぞひとつ御答弁をいただきたいというふうに思います。
#27
○政府委員(岩田満泰君) 手数料以外の収入の可能性のあるものとしては、御指摘のとおりでございまして、自己の売買取引によるもの、あと若干、若干かどうかあれでございますが、金融面における収入というようなものもあり得るかと存じますが、そうしたものが商品取引員の主な収入源になろうというふうに理解をいたしております。
 それから、もっと早くすべきではないかということでございますが、基本的にはできる限り早くすることが望ましいとは考えますが、手数料の自由化は大変一方で、先生も御指摘のようにいろんな形の取引員の業態を生み出すと同時に、手数料そのものの競争というものも発生をすると考えまして、それが急激に進められた場合には業界の中に混乱が起き、またそのことがひいては市場に混乱をもたらすということにもなるということをあわせ考えまして、先ほどちょっと申し上げましたように、証券業界などで進められた準備のプロセスなども参考にしながら二〇〇四年末ということで完全自由化の時期を設定させていただいておる、こういうことでございます。
#28
○平田耕一君 ちょっとこだわってみますけれども、個々の商品ごとの取引員であり、取次員もそのような個々の商品別の取次員であるのかどうか、ひとつお教えをいただきたいというふうに思っております。
 それから、そういった自由化であれば、期間をとるにいたしましても、その期間を置いて一括で自由化するということもないんだろうというふうに思っておりまして、漸次の自由化というのはあり得るのかどうかということと、それから、万が一取引員なり取次員の手数料の自由化というものがそれぞれの経営を圧迫していくんだということであれば、それらの認可基準というものは、先ほどおっしゃられましたようにこれからの検討課題でありますので、その辺で制約をしていくということも可能であろうというふうに思いますので、両面作戦がなというふうに思いますが、その辺のことを御答弁いただければと思います。
#29
○政府委員(岩田満泰君) 商品取引員の許可の制度につきましては、今御指摘ございましたように、今回の改正におきまして、従来、商品ごと市場ごとに許可の制度が細かく決められておりましたものを大ぐくり化をするということとの関係で商品別の許可制度にする、市場ごとではない、市場ごとの許可を必要としないという制度に切りかえることで御提案をいたしておるところでございます。
 一方、段階的な自由化ということを先ほど御答弁申し上げましたけれども、二〇〇四年末を完全自由化の時期とは設定をいたしますが、それまでの間に段階的に幾つかの取引につきましては自由化を図りたいと考えております。例えば特定の電子取引、インターネットというようなものを使って勧誘その他が行われるような電子取引及び商品ファンド、商品投資の顧問業者によりまして運用される資金に係る取引につきましては、まず今年末、九八年末には自由化をいたしたいと考えております。
 さらに、その先には大口の取引、あるいは当業者と呼ばれておりますが、いろいろな商品の生産、流通の業に携われる方々、そういう人との受託につきましても、二〇〇四年末の前に、可能な限り早期にそうしたものの自由化を先行的に行いたいと、このように考えております。そういう形で、段階的自由化で二〇〇四年末ということで完全自由化ということにいたしたいと考えておるわけでございます。
#30
○平田耕一君 御説明の向きのそういう当業者なり商品ファンドの取り扱いの顧問業なりの区別でもって自由化の度合いを変えていくというのは若干競争原理からして無理があるかなというように思いますが、これは私の意見であります。ぜひその辺のスケジュールは緻密にひとつ御検討いただきたいというふうに思います。
 御答弁の中で出てまいりましたように、商品ファンドなるものがいっとき随分クローズアップされたわけであります。これは要するに、こういう実態が進展をしていきますと、金融とこの商品先物の垣根というのはさらになくなってくるんだろう、その一例であろうかというふうに思うわけであります。したがって、商品ファンド法はこれも大変歴史の新しい法律でありますので、ぜひその関係についてはお尋ねをしておきたいというふうに思っておるわけでありますが、商品ファンドと今回の法改正とどのような関連を想定されておられるか、あるいは懸念をされるべき点があれば概略お教えをいただきたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕
#31
○政府委員(古田肇君) 商品ファンドでございますが、多数の投資家から集めた資金を貴金属でありますとか農産物でありますとかそういった先物取引を含む商品で主として運用して、約百十八社が商品ファンド業者として営んでおられるわけでございます。こういった商品ファンドにつきましては、近年、逐次、最低販売単位の引き下げ等の規制緩和を進めてまいったところでございます。これによりまして、投資家の層が法人投資家から個人投資家に拡大しつつある状況にあるわけでございます。
 今回の法改正によります試験上場の円滑化によりまして上場商品の拡大が見込まれますことから、いわゆる商品ファンド業者はさらに投資対象の拡大ということでより多様な商品ファンドの開発が可能になるわけでございまして、そういったことからさらなる投資家層の拡大が期待をされるということでございます。
 一方、こういった商品ファンドの販売額が拡大してまいりますと、そのこと自身が今度は逆に我が国の商品先物取引市場への資金の流入を促すということにつながるわけでございまして、促そういった意味で、先物取引市場の発展にも資するというふうに考えておるわけでございます。
 なお、今後、委託手数料の自由化等を背景にいたしまして、商品取引員の方々が経営の多角化を図るという観点から商品ファンド関係のビジネスに取り組んでいかれる動きも高まってくるのではないかというふうに見ておるわけでございます。
   〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕
#32
○平田耕一君 商品ファンド法とこの今回の法改正との関連というのは余り御説明がなかったのでありますけれども、なかなかこれは微妙なことになってくるのではないかというふうに思っております。商品ファンド法の中における顧問業、これは例えば、しからば今回の法改正が完結をしてしかる後に商取法の中のどういうものとイコールなのか、あるいはどれと取引をするのか、ファンド法における顧問業というものがどういう形で今回の法改正における構成員と関係を持つのか、御説明いただければありがたいと思います。
#33
○政府委員(古田肇君) 商品ファンド業者につきましては、商品投資顧問業ということで許可制になっておるわけでございまして、主務大臣の許可ということであるわけでございます。許可を受けるためには、一定の資本金以上の株式会社でありますこととか、財産的基礎その他所要の要件が規定されておるわけでございます。
 この投資顧問業者は多くの投資家から集めた資金を運用するということで商品先物取引市場にかかわってくるということでございまして、そこから得られた利益を投資家に分配する事業ということで商品投資顧問業が営まれておるということでございます。
#34
○平田耕一君 そのファンド法の中の顧問業というのは、資産預かりはないんじゃないですか。資産の預かりというのはあるんですか、ないんですか。
#35
○政府委員(古田肇君) ファンド法のもとでは、資産要件は許可要件としてございます。
 それで、補足して御説明申し上げますと、商品投資顧問業者が商品先物市場の取引員に運用に当たって注文を出すということの関係になるわけでございます。
#36
○平田耕一君 顧問業は委託者からの債権を引き受けないということですね。なぜお尋ねしているかといいますと、販売業者が委託者からお金を受け取って、そしてお金は顧問業の口座を通らない、こういうことであれば、その委託者の債権保全というのはどこでなすべきなのかということで、明確にしていただきたいというふうに思ってお尋ねしているわけです。
#37
○政府委員(古田肇君) 顧問業者でございますが、御指摘のとおり、資産を預かるわけではございませんで、運用を取引業者につなぐといいますか、注文を出すということでございます。
#38
○平田耕一君 そうすると、今回の法改正で商取法と商品ファンド法とのかかわりのある構成員というものは、ファンド法における販売業者と、商取法における会員あるいは取次業者と、こういうことになるわけでしょうか。
#39
○政府委員(岩田満泰君) 現在、商品ファンドの投資販売業者と申しますのは、商品取引員みずからがファンド業者になっているケースもございますが、それ以外に、リース会社でございますとか商社でございますとか信販会社でございますとか、そういうところの方々もこの販売業者になっておられるわけでございます。
 したがいまして、一般の投資家に対して商品ファンドとしてのある商品をつくり、デザインされて、これに投資をされませんかということで販売業者は販売をするわけでございます。
 それで、集まったお金をみずから今度は商品先物取引市場につなぎ、つまり取引員なり会員につなぐことによってそこで運用をし、そしてその運用益をそのファンドとしての形で集めたお金の一般投資家に対してお返しをすると、いわば一般投資家が間接的に商品先物市場に参加をしてくるという形でございます。一般投資家とファンド業者との関係において、先ほど債権保全というようなお話が出てまいりましたが、言ってみればそういうところの契約と申しますか、いわば投資の際の約束事として債権関係は整理をされる。
 したがいまして、商品先物市場におきましては、一番末端と申しましょうか、である一般の大衆投資家との関係は一たん切れている、間接的なものになっている、こういう関係になっていると理解をいたしておるわけでございます。
#40
○平田耕一君 そうすると、ファンド法における販売業者が商取法における会員なり商品取引員を兼ねておる例が多いということであれば、余り詳しく知らないんですが、たしかファンド法の中では投資顧問業を使わなければいけないというふうになっていませんか。
#41
○政府委員(岩田満泰君) 御指摘のとおりだと思います。したがいまして、ある商品取引員が商品投資顧問業を兼ねている場合ですと、この業者、この会社は商品取引員としての大臣の許可と同時にファンド法上の投資顧問業者としての許可の二つの許可を持って事業を営んでいるというふうになるということだと存じます。
#42
○平田耕一君 これ以上私も余り知りませんので、やったことがないものですから難しいんですけれども、ともに非常に歴史の新しい法律であろうというふうに思っております。将来ぜひ拡大すればいいなという市場でございますので、その辺の関係というものを頻繁に改めるのは非常にいいことだというふうに思っておりますが、どんどんその御研究をいただきたいというふうに思います。
 余りこだわっておってもいけませんので、次にお尋ねいたしますが、法案の中で店頭商品先物取引という言葉がございますので、これについて御説明いただきたいというふうに思います。
#43
○政府委員(古田肇君) 店頭商品先物取引でございますが、いわゆる当業者と申しておりますけれども、商品の生産、流通等を業として営んでいる者が店頭商品先物取引業者との間で商品市場の外で相対で行います、商品市場の相場を利用して差金を授受することを目的とする取引等を店頭商品先物取引というふうに申すわけでございます。
#44
○平田耕一君 それはオプション取引とか、そういうことをおっしゃっているのかなというふうに思います。株式市場で店頭と言いますと、店頭市場があるように若干意味が違いますのでややこしいなと思うんです。これは別にこだわりませんけれども、店頭商品先物取引と法案の中に書いてあると、試験上場みたいな予備的な別個の商品、小さな市場のものを相対取引でやっていくみたいに錯覚も起こすので非常にややこしいなというふうに思っておったんです。
 これはそうすると、各種商品というのは、商品ができた、市場の原案ができたときに、どういうふうに精査をされて認可をされるのか、あるいは自由にやっていけるのか、御説明いただきたいというふうに思います。
#45
○政府委員(古田肇君) 解禁する商品につきましては、商品ごとにそれぞれの当業者のニーズでございますとか、あるいはその商品の生産・流通構造等を勘案しながら省令で認めていくということになるわけでございます。
#46
○平田耕一君 大変、さらに危険な商品になるような気もしますので、どうぞひとつ慎重に推し進めていただきたいというふうに思います。
 さて、全体的にいろいろ疑問な点を御説明いただいたんでありますが、いずれにいたしましても一番大事なことは市場が信頼を得る、こういうことだろうというふうに思います。株式市場においてはさまざまの事象が起こったわけであります。このことについてぜひひとつ適切な御指導をお願いしたいというふうに思っております。
 次元が違うかもわかりませんが、委託者とのトラブルということも頻繁に起こっておるように聞いておりますので、そういうトラブルの状況というものをどのように把握しているか御説明いただきたいというふうに思います。
#47
○政府委員(岩田満泰君) お答えを申し上げます。
 その前に、先ほど先生から商品ファンド法のファンド業者と取引員との関係の御質問がございましたときに、二つの許可を持っている業者があり得るというようなときに、私、商品投資顧問業者というふうに申し上げましたが、商品投資販売業者の間違いでございますので、訂正をさせていただきたいと存じます。
 御質問の件でございますけれども、委託者とのトラブルの関係でございますが、平成八年度をとってまいりますと、通産省及び農水省に寄せられました国内商品先物取引に関します苦情の件数は五百五十件になっております。平成八年度におきます各商品取引所に対する紛争仲介の申し出の件数は三十五件ということになっております。それから自主規制機関でございます日本商品取引員協会に対します苦情の申し出件数は平成八年度で二百三件となっておるわけでございます。近年の傾向を見ておりますと、委託者とのトラブルは必ずしも減少というわけにはいかないという状況にございます。
 苦情の内容を見ますと、なお過当勧誘でございますとか仕切り拒否あるいは無断売買というようなことを訴えるものが多いというふうに理解をいたしております。
#48
○平田耕一君 訂正された答弁ですと私の質問が生きてまいりまして、商品ファンド法における販売業者と取引員とが一致しておりながら、ファンド法で投資顧問業者を使わなければならないという理由があるのかなというふうにも思っておるんですが、その辺は明確にそうしなくてもいいのかどうか。そうすると、投資顧問業者の存在とは何なのかという疑問もわいてきたのでお尋ねをしたんですが、質問の意味がおかしければお答え要りませんけれども、合っておれば何か答えてもらいたいというふうに思います。
#49
○政府委員(岩田満泰君) 顧問業者はいわば運用が中心でございますが、専門的な知識を持って販売業者に対して言ってみれば一種の運用知識のサービスの提供をするというような業者でございます。その意味では、販売業者というものはいわば投資家から資金を集めるというような役割で、この顧問業者というものが例えば商品ファンドであればいろいろな商品の組み合わせをつくって、それによって顧客に対して一定の利益を提供でき、うまく運用できるという、この運用の妙と申しますか、この能力こそ恐らく商品ファンドというものがうまく伸びていけるかいけないか、あるいは商品ファンドをめぐって日本の商品先物取引の市場がさらに拡大できるかどうかという意味において、顧問業者の能力と申しましょうか、そういうものは極めて重要なものがあるのではないかと私どもは理解をいたしておるわけでございます。
#50
○平田耕一君 もうそれ以上答えは要りませんけれども、それはまことに妙でして、取引所法における会員とか取引構成員というのはもう個々の市場の商品においては要するにプロでありますから、それで十分ではないかというふうに思います。個々にプロでない者が総体的にプロであり得るということがあるのかなという疑問を持ちます。
 こういうことは株式市場も同じだと思って、国会議員の株取引を規制するというようなこともありましたけれども、この商品取引の市場について、事務方はもちろん現在取引禁止になっているんだろうというふうに思っておりますけれども、取引されない方々と我々みたいに経験のない者とで法案を審議してやっていくということのこの奇妙さというのがここにあるわけであります。私も株は随分大損しましたのでかなり知っておりますが、商品先物は親の遺言でやっていなかったものですからまともな意見が言えなくて、でもやっぱり本当に資本主義といいますか自由主義経済に必要なものであれば、健全な商品を早く開発して少しでもなじんでいくということは大変重要なことではないか。
 別に、国会議員がやったから必ずもうけさせにゃいかぬということはありませんので、これはお互いに何らかの形でオープンで例えば取引を一遍やってみるとか、これはお尋ねをしておるだけでも若干不安になってくるようなところもなきにしもあらずでありますので、これから全体について日本がそういういろんな金融あるいは商品の先物市場等の商品開発とか法律とかというようなことについては随分勉強せにゃいかぬことがあるというふうに痛感をした次第であります。雑感としてお聞きをいただきまして、ぜひ鋭意御検討いただきたいというふうに思います。
 それから、委託者保護は自主規制機関もあるし、整備もするということでありますけれども、これもまた試行錯誤していかなければいけないだろうというふうに思っております。
 もう一つは、地元を歩きましても最近は主婦の方々から、商品ファンドのPRが随分行き届いているんだろうというふうに思うんですが、商品取引について御興味を示される向きが多うございます。その辺の勧誘といいますか、そういうことはより慎重に、一つ一つ積み上がって大きな市場になるように、委託者トラブルがふえないように、宣伝の仕方、勧誘の仕方、昔はいろんなことが好きだったものですから自宅によく勧誘の電話がかかってきておりましていまだにかかってまいります。ああいう電話を聞くにつけても、まだまだ考えにゃいかぬなというところがありますので、ぜひひとつ慎重にお務めをいただいて健全な市場にしていただきたいというふうに希望を申し上げておきたいと思います。
 それから、これは通告しておりませんけれども、この打ち合わせも、実は農水の方、通産の方と二カ所と打ち合わせをさせていただくということと、それから金融先物といいますと大蔵になるだろうというふうに思っておるわけですが、いろんな役所の方と協議をしていくということになろうかと思います。聞くところによりますと、アメリカのCFTC、商品先物取引委員会として先物はすべて統括して一本でやっておるということのようでありますが、そんなことにつきまして何らかお考えというか、将来の見通し、役所の対応する窓口ということでお考えがありましたら述べていただきたいというふうに思います。
#51
○政府委員(岩田満泰君) ある種歴史の問題もあるかと存じますが、我が国の商品取引所につきましては、商品のまさに生産、流通の円滑化という一種の産業政策の一つの手段、基盤として整備をされてきた経緯がございます。そのような意味でそこに公正な価格形成をするとか、あるいはヘッジングを当業者ができる機会をつくる、そうした産業の一種のインフラとして整備をされてきておるわけでございます。その意味で、農水省、通産省でこうした産業の所管官庁としてこれに当たってきたということでございます。
 一方、金融関係につきましては、まさに信用秩序の維持というような観点、あるいは有価証券の流通の円滑化というようなこともあるかと存じますが、そういうような観点から金融先物商品についての監督と申しましょうか、そういうものが取り込まれてきたということでございまして、いわばそれぞれの目的を持ってそれぞれの官庁としての産業基盤整備を行ってきた、こんなふうなことの歴史があるわけでございます。
 確かに御指摘のように、また逆に言いますとCFTCの場合には先物に限っておる統一でございまして、現物と先物が今度分かれておるというこの問題はあるわけでございますが、先物だけに限って今度は金融と商品が一緒になると申しましょうか、そういうようなことで若干国による考え方と申しますかあるいは歴史の差というようなこともあろうかと存じます。
 私ども、今御指摘のように関係省庁、農水省と直接御一緒にやらせていただいておるわけでございますので、これまでも連携をとってやってまいりましたけれども、引き続きそのような形で立派な産業インフラとしてさらに発展ができますように努力をしていきたい、かように考えておるわけでございます。
#52
○平田耕一君 これは機関は別にしましても、将来は、先物と現物に分けて、先物を統括するというのも非常にいい方法だなというふうに思います。
 例えば金融の先物でも大変トラブルが多いわけでありまして、かなり日本の中にそれぞれの構成員がベテランで歴史を積んできてもオプション取引なんかのトラブルというのは絶えないわけであります。ましてや新たに、まだ数品しかないと思いますけれども、さらに商品の先物のしかもオプションということになってまいりますと大変な混乱というものも想定をされますので、統一機関にならないまでも、それは省庁をまたいでおっても結構でありますから、ぜひひとつプロジェクトチームなり、かなり意思疎通を図っていただいてやっておられるわけでありますが、その辺株式市場に先例を見まして、トラブルの起きないように御指導いただきたいというふうに思います。
 業界全体のそれぞれの部署のディスクローズについてはお尋ねをいたしませんでしたけれども、これにつきましても、中ほどで申し上げました市場の信頼性を得るために大いにディスクローズしていただきますように御指導をお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#53
○海野義孝君 公明の海野義孝でございます。
 最初に堀内大臣に御所見をお伺いしたいと思います。
 昨日、外為法が改正になりまして、実質的にフリーになったということで、報道等においても大変大きく取り上げられました。我が国の一千二百兆円と言われている個人の金融資産の争奪戦も内外で大変活発になってきたということでございます。
 先ほど平田委員の冒頭の御質問に対して大臣から御所見がありましたけれども、今回の商品取引所法改正につきまして、これは九〇年、平成二年に前回の商品取引所法の改正がありまして、それから既に八年近くたっている。この間の我が国を取り巻く諸情勢はかなりのピッチで変化してきているということでございまして、既に株式市場等におきましては、実質的な委託手数料の自由化という動きが大変活発であります。それから、外資が我が国に参入して、いわゆるデリバティブ関係におきましては、我が国の証券界が収益が上がらず不況で陣吟している中で、外資系が赫々たる収益を上げてきたというようなこともございます。
 そういった中で今回の商品取引所法の改正というのが、その御趣旨は大変多とするところでありますけれども、内容的にも問題がないわけではありませんが、私は大変遅きに失している。我が国のこういった行政という問題が大変後手後手に回っているというように私は感じられてならないわけであります。今回の商品取引所法の改正については、その点、大臣はどのような御所見をお持ちであるか、まずそれをお聞きしたいと思います。
#54
○国務大臣(堀内光雄君) 大変難しい御質問をいただいたんですが、外為法の自由化がこの四月一日から行われるということに対しての規制緩和、こういう問題については相当早くから取り組みを行ってきたというふうには考えております。
 その結果、今一番厳しいビッグバンの中に突入をしたわけでありますけれども、今までの規制緩和の中で、この商品市場の問題におきましても商品ファンドの規制緩和、こういうものもここ数年前から取り組みを行って自由化できるような方向で徐々に額を落としたり対象を広げたりしてまいっております。観念的には相当取り組みは進んでまいったわけでありますが、現実にこれ取り組みが始まるということになりますと、さっきも御質問の中にもございましたけれども、観念的にはわかっていても実際の動きの中ではどういう変化が来るかということは非常に難しい現実の問題が出てまいっております。
 そういう意味で、それをいかにスムーズに流れていくようにしなきゃならないかというのが法制の改正も含めて今我々の取り組みを行っているところでございまして、この内外の資本移動が自由化されると、我が国の商品市場が海外の商品市場に比べて非常に魅力のあるものでなきゃならぬということになってくると思うのであります。
 そうしませんと、先ほどのお話のように、個人資産が自由に今度は外国の市場でも取引ができるということになってまいりますので、そういう意味で海外へ市場の資金が流れたり、我が国の商品市場が空洞化するというようなおそれも考えられるわけでありまして、今度の法改正はこういう問題意識のもとで立案をいたしたということでございます。
 そういう意味では、委託者の保護を図る、要するに投資家でございます、委託者の保護を図りながら、利便性といいますか、新規の商品が、試験上場も今までなかなか難しかったんですが、今度は楽に試験上場もさせてそれの取り扱いを眺めていけるようにするとか、あるいは管理監督をしっかり行っていって信頼性をしっかりさせることによって委託者の保護を行えるようにするというようなことを行っていって、外国に負けないような我が国の商品市場をつくり上げる。そして、我が国をアジアを代表する商品市場にしなければならないというようなことを一つ大きな観点、目的として取り組んでいるというところでございます。
#55
○海野義孝君 大臣のおっしゃることはそのとおりなんですが、ただ問題は、そういった御認識が、今回の利便性とか信頼性ありますけれども、今ここでというのはいささか私は時期が遅かったんではないかと思うんです。
 私がいました証券界などでは、もう十数年前からシカゴの商品先物業者のところへ勉強に出しまして、そして証券界でのデリバティブ等についてのアービトラージにしましてもオプション等についても、何人か派遣しまして、こういったことをつぶさに研究をもうやっていたわけです。そういった証券界ですら大変、アメリカが先達でして、これには完膚なきまでに近年の証券市場がやられた、まさにじゅうりんされたと、言葉はいささかきついのですけれども、私はそのように思うんです。
 そういった面でこの商品先物市場、これの国民経済的重要性ということは、例えば日本のGDP五百兆に対しまして食料関係等の生産、輸入等、これは恐らく七、八十兆に上るということでして、日本の言われている高コストの問題を考えましても、やはり日本の従来的な生産者主導型の価格形成方式、こういったものが多分に日本の高価格、高コストをもたらしてきているということが考えられるわけです。
 先ほどの平田委員の御質問にもありましたけれども、試験上場にしましてもその効果はさして上がっていない。本当であれば、先ほど大臣がおっしゃったような魅力のある商品市場にするのであるならば、もっともっと早くから上場商品を出していくということが大事だと思うんです。それが、私が調べたところによりますと、最近七年間で新規上場は五商品にとどまっているということなんです。そういうことを見てもこれまでの対応というものが大変おくれておる。これからいよいよやっていこうということでありますけれども。
 そういった点で、商品先物市場の商品の多様化というか、こういった面において今までの我が国における通産、農水等、そういった所管の行政におきまして、価格決定メカニズムという問題、生産者、それとフリーのマーケット、こういった面での公正な価格形成におけるやはり行政上のいろいろな問題があったんではないかと私は思うんです。これはなかなかお答えにくいことかと思いますけれども、その辺については、今回のことによってかなりそういう問題は払拭というか、改善していくんだという認識でよろしいんでしょうか。
#56
○国務大臣(堀内光雄君) 先ほども平田委員の御質疑にもございましたけれども、商品市場というのは一般社会におきまして非常になじみの少ないものでありまして、我々も商品市場の問題でいろいろ質問を受けたりあるいは苦情を受けたりするのは、大体問題が起きたような話について聞くことが多かったわけでございまして、そういうものだけにだんだん社会の中では近寄らない方がいいよというような感じのものになってきていたことは確かだというふうに私は認識しているんです。
 したがいまして、そういう意味では先生のおっしゃるとおり、多少取り組みがおくれているという面があったんではないかと私は思います。しかし、非常に重要なものであるということにおいては認識はだれもが一致するものでありまして、そういう点で考えますと、今度の場合のように信頼性だとかあるいは利便性だとかいうことをしっかり前面に打ち出して一般の方になじみやすいものにしていくようにするということが一つ。
 と同時に、片方では商品取引員による公正な活動というものを管理監督ができるようなことをしっかりしてまいらなければならないと思いますし、それを監督するための一つの認可法人の協会までつくって、自主的な規制をつくってしっかりと委託者のための保護が行えるようにする。さらに、刑事罰もしっかり整備をいたしまして、間違いを起こしたものに対しては刑事罰を行う、あるいは通産大臣からの指導を行うというようなことが整備されてきたということで、これからは相当前進ができるんではないかというふうに私は感じているところでございます。
#57
○海野義孝君 後でいろいろとお伺いしようと思っていたことまでも含めて大臣から詳細についてお答えいただきましてありがとうございました。
 そこで、政府委員の方にお聞きしたいと思いますけれども、我が国における現在の商品取引市場の状況、業者であるとかそれから、発展しているかどうかわかりませんけれども、そういうマーケットの年々の推移であるとか、そういった問題について概略、簡潔にひとつお願いしたいと思います。
#58
○政府委員(岩田満泰君) 我が国は現在八つの商品取引所がございまして、農産物、貴金属等々三十二種類の商品が上場されております。平成八年度の総取引額は八十九兆円弱となっております。
 今、金額で申し上げましたが、この世界は単位として枚という単位を使いますので、枚で御説明を申し上げれば、日本の商品先物取引は平成八年度で七千二百五十四万枚ということになっておりまして、米国がちょうどその倍ぐらいで一億四千万枚ということでございます。英国が我が国より少し小さいぐらいの市場ということになっております。ただ、推移として、この枚数で見ましても堅調にこの数年のところは市場として拡大をいたしておるということでございます。
#59
○海野義孝君 先ほどの委員の御質問にもありましたけれども、商品ファンドというのが登場しまして、これも今相当な品目にわたっておりますし、そのファンドの数もその金額も相当順調に伸びているというように聞いております。ちょうど今ニューヨーク株式市場では、個人の株式取引というのが投資信託を通じて相当アメリカの市場の拡大、またマーケットの好調の大きな原動力になっているということであります。私もやはりこの商品ファンドというのはそういった意味で大変注目すべき商品である、このように思うわけであります。
 つきましては、商品取引市場からの商品ファンドという商品の需要がだんだんふえていっているということは間違いないと思うんですが、これは今は大体どの程度でしょうか。それから、例えばアメリカの場合は同じ面ではどのようなインパクトになっているかという点、これは事前に申し上げていなかったかもわかりませんけれども、もしおわかりでしたら、大体のところで結構ですけれども、お願いします。
#60
○政府委員(古田肇君) 商品ファンドの設定額の推移でございますけれども、平成二年度が六百八十八億円であったものが、平成九年度に至りまして五千億弱、厳密に申し上げますと四千七百三十五億円というのが現在の累積額でございます。
#61
○海野義孝君 累積ですか。
#62
○政府委員(古田肇君) はい。
 アメリカの場合、ちょっと手元に確実な数字はございませんが、ざっと二百億ドルというふうに言われておるようでございます。
#63
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 そういった点では、我が国におきましては商品市場からの商品ファンドの需要としてはまだ微々たるものだと思いますけれども、私は方向としては大変これは注目すべきであると思います。商品先物関係の本なんかを見ていましても、大分商品ファンドのPRも盛んにやっております。今の日本の商品先物市場においては、先ほどおっしゃったような公正な価格形成と、それから価格変動のリスクをヘッジャーがいてヘッジをする、そういう機能があるわけですけれども、我が国のマーケット、さっきおっしゃったように証券市場などとはかなり対照的に、順調に拡大しているということは、内容はともかくとしましても、大変私はすばらしいなと思うんです。
 ところが、それに参画している人たちというのは、当業者はこれは当然のことながら、いわゆる一般投資家といいますか、こういった人たちの方が、今大体約十万人ぐらいのマーケットだというふうに聞いていますけれども、その中で九割を占める。あと一割ぐらいが当業者を初めとした商品ファンド関係の者とかいろいろなそういう取引業者等々だと思います。アメリカなどでは逆に一般投資家というのがせいぜい一〇%ぐらいだというようなことを仄聞しているんですけれども、これが事実かどうかということと、どうしてそういった彼我の投資家の構成が大変違うかという点、何か掌握されていたら教えていただきたいと思います。
#64
○政府委員(岩田満泰君) 公式な統計がないということでございますが、当業者の参加比率はまた商品によりましても相当異なるということがございます。我が国の商品先物市場におきましては、御指摘のようにアメリカですとかあるいは英国に比べますと、当業者の参加比率が一般的に低いと言われておるわけであります。これも商品によって違いまして、ややデータの制約がございますが、手元にある数字で申し上げますと、ニューヨークでございますが、NYMEXの原油先物の市場などで見ますと、いわゆる当業者と言えそうな人の比率が八割ぐらいを占めているというような数字もあるようでございます。
 他方、私どもですと、例えば金の市場というようなことになりますと、当業者が五割弱というくらいの感じになっているのかなと、こんなふうに理解をいたしております。ただいま原油と金のことを申し上げましたので、これは一概にこれとこれを単純に比較してということには余り意味がないわけでございますが、ただ、一般的に当業者の比率が日本の方は低いということは事実といいましょうか、そういう傾向にあるということは事実ではないかと考えております。
#65
○海野義孝君 今のことに敷衍しまして、先ほども再三申し上げましたけれども、我が国におけるそういった商品の価格形成のメカニズムというものが、そういうフリー、フェア、あるいはグローバルな商品先物市場等が既に成熟しているシカゴ、ニューヨーク、あるいはロンドンも今日本をかなり急激に追い上げてきて、ほぼ並んでいるマーケットになっているようですけれども、そういった面での相違というものがあるんじゃないかと、そういうふうに思うんです。
 そういった意味でも、先ほどから再三御質問等でもありましたけれども、我が国における利便性という面で、一つはもっと我が国が国際的な競争時代に入って、国内のそういう商品市場における上場商品、これをやはり相当急速に拡大しなくちゃならないんじゃないか。
 今、アルミなんかはたしか試験上場品目になっているように聞いておりますけれども、その前に試験上場から商品化したパラジウムなどについては大変順調な伸びをしているというようなことも聞いています。アルミなんかについては大分業界で上場に対してのこだわりがあるとかいろんなことがあるんで、私はこの規制緩和という問題については、相当言うなれば業界と行政省庁、この間の問題というのが今回の行革等を通じても大変難しい問題だろうというふうに私は思うんですけれども、しかしそういったことは言っていられない。
 やはり国際的な競争の中でこういった法案を改正し、利便性とその裏腹にある信頼性といったことをこれから一気に進めていこうということであるならば、いろいろな障壁はあろうかと思いますけれども、それを何としてもクリアしていくということが私は大事だと思うんです。
 そういった点で、先ほど幾つか石油商品とかいろいろなことをおっしゃっておりましたけれども、例えばこれから自由化は平成十六年末、二〇〇四年末ということですけれども、片や委託手数料簿の自由化を進めていくという中で、こういう上場商品、さっきおっしゃったのは三十二品目ですか、これを一体どのぐらいまで広げていこうというような具体的な目標、今規制緩和なんかでいろいろと目標を年何回かお出しになっていますけれども、そういう面でこれ具体的にどのぐらいのところを目指しているのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
#66
○政府委員(岩田満泰君) 具体的に何品目までという数値目標と申しますか、そういうものを持ち合わせるわけではございませんが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、既にかなり具体的な検討内容を伴って、ガソリン、灯油、軽油というものは通産省関係でございますが、農水省の関係であると思いますのは後ほどまたあれといたしまして、少なくともこれまでいろいろ俎上に上ったものとしては非鉄金属の関係の議論はあったわけでございます。
 したがいまして、そうしたものというのは今後取引所の中で、まずは可能性の問題として議論をし、その市場の設計を行い、それをもって関係業界との間で協議を進めていくというようなことは今後のテーマとしては十分考えられるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
#67
○海野義孝君 農水関係の方もお見えでしょうか。いらっしゃったら、ちょっとその辺のところのお考えを。
#68
○政府委員(本田浩次君) 農林水産省関係で、新規上場につきまして取引所内部それから関係の皆様方が御検討されているものとして、比較的実現可能性の高いものは、一つはコーヒーがございます。それから穀物指数の関係、それから大豆油かす、そういった品目について検討するように聞いております。
#69
○海野義孝君 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 先ほどの御質問にもありましたが、委託手数料の自由化問題であります。これは、最終ゴールとしてはさっきのお話のように二〇〇四年末ということでありますけれども、段階的に行っていかれるというようなことでありますが、現在、固定手数料ということで、ある面では業者の中で全く競争が今まではなかったわけです。
 これは具体的にほかの金融関係の業界等においては、自由化を控えて、例えば証券などは来年末で一応フリーになるということですけれども、もう現に業者の中では企業のスペシャリティーというか、そういったものを出そうということで、大手、中小とかそういうことではなくて、小さい企業の中にも手数料を大きく下げるとか、そういうことが実質もう競争が始まっていますけれども、この商品先物についての業界としてはそういう面で具体的に動きがもう始まっているのかどうか。あるいは段階的に自由化という場合に、例えば一定の大口の取引について、当業者関係とかそういったものについて手数料を下げていくとか、そういうようなことについてはもう何か動きというかスケジュールというか、そういったものができておるのかどうかお聞きしたいと思います。
#70
○政府委員(岩田満泰君) 手数料につきましては、段階的に自由化をするということで、完全自由化は二〇〇四年末ということにしておるわけでございますが、その間にインターネットの関係の取引なり、商品投資、商品ファンド関係の運用に係ります取引につきましては本年末に自由化をいたしまして、その後、大口取引あるいは当業者関係の取引を可能な限り早く自由化を行うというふうなスケジュールを描いております。特に業界の中では、インターネットの関係の取引につきましては大変積極的な取り組みが行われておるわけでございます。
 あわせまして、今御指摘のございましたように、今後の商品取引員の業態と申しましょうか、そういうものは極めて多様なものになるということが関係業界において大体認識をされ、浸透され始めてきているというふうに理解をいたしております。もろもろの業態で、サービスで勝負をする人と、安い手数料というもので勝負をする人とか、いろんな形の業態というものがこの取引の中に登場してくる。あわせまして、今回改正でお願いしております取り次ぎというような、いわばそういうことだけをやることで事業を営むというような、さまざまな形の業態が商品取引員あるいは業界の中にあらわれてくるというふうなことを想定いたしておるわけでございます。
#71
○海野義孝君 今のことに関連して大臣にお聞きしたいと思うんです。
 外為関係がフリーになるということで、商品市場においても海外からいろいろと日本の先物市場へ資金を取り込むということ、例えば日本では今、金とか白金などは割合国際的にも評価を得ているような大変商いの多い商品だというふうに聞いております。私は、外為がフリーになったということで、いろいろな業界そうですけれども、資金の流入と流出という綱引きがますます熾烈になっていく、こう思うんです。さっきも申し上げましたけれども、我が国には大変な個人の金融資産等もあるということがありまして、そういった資金を目指して外資の勧誘というかアプローチが大変活発になるということなんです。
 そういった中で、どうも日本の商品市場がいま一つ、魅力ある商品市場という面で、商品の多様化とか手数料の問題であるとか、この手数料の問題あるいは税金の問題等は私はかなり致命的な問題だと思います。橋本総理も、一昨年暮れに六つの改革をお出しになったときに、財政・金融制度改革等の中でもおっしゃっているようなフリー、フェア、グローバルというような点で、商品先物市場は、商品市場としての魅力はこれから急いでつくっていこうということで、いささか私は遅いというような感じがします。
 そういった面で、海外でこれからは外貨建て預金等もできるようになれば、むしろ日本から海外に拠点を置いて、そこで個人の投資家等も、商品にしましても、投資を活発に行っていくというようなことが考えられるようになる。そうなれば、ここ数年我が国のマーケットは順調に拡大してきましたけれども、これが場合によっては、今の株式市場じゃないですが、でこぼこになる、低迷するというようなことになれば、公正な価格の問題あるいは価格変動に対するヘッジの問題、こういった面での機能が十分に果たせないというようなことが心配されるんです。
 大臣、その辺についてひとつ御所見を承りたいと思います。
#72
○国務大臣(堀内光雄君) 一方で魅力のあるというか、利便性という面で、先ほどもお答えを申し上げましたけれども、新規の上場について非常に試験上場を楽にして、問題がないものはもうすべて、ネガティブリストのような形で、ほかはどんどん全部上場できるというようなフリーな形を今度つくり上げたということは、市場の幅を広げるということにおいて非常にプラスになるんではないかというふうに片方では思っております。
 また、グローバル化という御指摘については、やはり海外からの投資家の参加というものを促進させるということも重要なことだというふうに思っておりまして、我が国の取引所も外資系の企業を積極的に受け入れるということは御指摘のとおり私は賛成だと思っておりまして、同感でございます。また、外国系の企業が取引所の会員になること自体は今のところ特別な制限はございませんので、そういう点での我が国の市場のグローバル化ということは促進ができていくと思っております。
 あとはやはり一般の委託者といいますか、投資者の方々がもっと身近なものになるような対象を考えまして、それでもっと市場に参画できるような方法、それには申し上げるような信頼性というものをしっかりつくり上げていくということを考えなきゃならぬと思いますので、外国からの投資者が参画できるようにすると同時に、日本の国内における委託者の増加、市場の拡大、こういうものに積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。確かに、御指摘のとおり、ちょっとおくれている面がなきにしもあらずというふうには思っておりますが、これからそれをしっかりと対応ができるように、御指摘のようなグローバル化、利便化、そのすべてを含めての幅の広い市場にいたしてまいりたいというふうに思っております。
#73
○海野義孝君 時間も来ましたので、あと一問だけで終わりたいと思います。
 信頼性という問題で、片や利便性ということで今後相当魅力のある市場にしていくということで、大臣も大変な御決意で、具体的に今後行政の上で指導よろしきをお願いしたいと思うんです。
 一方、その信頼性という問題で、時間が限られましたので突っ込んだことは申し上げられませんけれども、幾つかの画期的なそういうマーケットの監視、監督ということについて、片やフリーにフェアにやらせる、それを一面では公正、透明なルールの上に立って厳重に事後的にチェックしていく、これは今大蔵の金融行政でもそういうことを言われております。
 その中で、市場取引監視委員会というものを設置されるということで、従来、政府と取引所、それから商品取引員協会という自主規制団体、この三者で機能を分担してやってきたのを、実質的には政府の事前規制だったんですが、今後はこの市場取引監視委員会でそういった明確なルールに基づいた事後処分的な制度を確立されるということであります。
 そうなりますと、この市場取引監視委員会というものが大変重要な役割、機能を期待されるわけでありますけれども、これの具体的な委員の資格とか人員とか任命権者、それから監視、監督業務の従前との基本的な違い、こういったことについて最後にひとつお答えいただきたいと思います。
#74
○政府委員(古田肇君) 御指摘のありましたように、商品取引所はやはり商品市場において不公正な行為を防止して公正な価格形成が行われるように十分監視、監督を行うということが大変重要であるわけでございます。このために今般、執行機関であります商品取引所の理事会とは独立した、公正中立な第三者により構成される市場取引監視委員会を設置するということによりまして、一層公正な価格形成を確保できるようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
 具体的なこの構成等につきましては、商品取引員との利害関係がなく、商品市場における取引について高度な学識経験を有しておられて大所高所の立場から理事長に意見を述べる第三者を委員として想定しておるわけでございます。
 具体的な人数でございますとか、任命権者でございますとか、そういったことにつきましては、今後商品取引所の諸規程の中で定めていく予定にしておりますけれども、あくまでも執行機関とは独立した存在であるということの趣旨を貫きたいというふうに考えております。
#75
○海野義孝君 終わります。
#76
○梶原敬義君 私はこの法律を審議するような資格があるのかないのか、よくわからぬまま立っている、そういう不安があります。
 先般、当委員会の委員長ほか皆さんと東京工業晶取引所を見せていただきました。あそこに行って話を聞けばすべてばっとわかるのかなとこう思ったんですが、何かなおわからなくなりまして、そして通産省の皆さんの御意見やいろいろ説明も聞いたが、わからぬことが大変多いんです。
 どうも私は、この法律の中身というのは、この改正案は利便性というか市場開放というか規制緩和というか、こっちの方にウエートがかかって、信頼性というか委託者の側に立った場合、何か少し物足りない、こういうものを薄々ずっと感じておるわけです。
 それで最初に、ニューヨークやシカゴやロンドンの例がよく出ますから、それと日本はどこがどう違うのかという点について一、二お尋ねしたいと思うんです。
 一つは、商品先物取引の出来高あるいは上場商品の数、取引業者の数、こういうものを簡単に述べていただきたい。
 それで、私が感ずるのは、やっぱりシカゴにしてもニューヨークにしても産地に近い。物がよくある、日本はない。そこの違いを一体どう感じとればいいのかというのをあわせてお聞きしたい。
 それからもう一つは、市場に参加している割合の数が、弁護士会の人たちに言わせますと、日本は一般投資家が九〇%で逆に当業者が一〇%だ、ニューヨークやシカゴはその逆だと。その数字は若干説明を受けておりますが、この点についてもなぜ一体そうなっているのか。これはむしろ産地と消費地とかそういう違いがあるのか、あるいは仕組みに違いがあるのか、その点をあわせてお聞きいたします。
#77
○政府委員(古田肇君) まず御質問の最初の点でございますが、一九九七年の商品先物取引の出来高について申し上げますと、これは枚数で申し上げますが、日本が七千六百三十四万枚でございます。これに対してアメリカは日本の約二倍の一億四千五百六十二万枚、英国でございますと日本とほぼ同数の七千二百十八万枚ということでございます。
 次に、一九九七年十二月末の延べ上場商品数でございますが、日本が六十一商品でございます。これに対しまして米国が百四十六商品、イギリスが三十五商品となっておるわけでございます。それから、同一の商品が複数の取引所に上場されておりますことによる重複を除いた実数で申し上げますと、日本が三十二商品、米国が百十二商品、イギリスが三十五商品、こういうことでございます。
 次に、取引業者の数でございます。日本の商品取引員いわゆる商品先物取引業者でございますが、本年の三月末現在で百二十一社でございます。米国あるいはイギリスにおきましてこれに対応する厳密なデータは、恐縮でございますが、持ち合わせておらないわけでございますが、両国のすべての商品先物業者は、それぞれアメリカの場合でございますと全米先物協会、イギリスでございますと証券・先物協会に加盟しておるわけでございます。ただ、これらの会員の中には、証券・金融の先物取引を行う業者でございますとか、あるいはイギリスの場合でございますと証券の現物を扱う業者も入っておりますので、実際の商品先物取引業者の数よりもかなり多くなっておるかと思われますが、とりあえず私どもが入手しておる数字で申し上げますと、それぞれの会員数、全米先物協会でございますと二百三十七社でございます。イギリスの場合には証券・先物協会の会員は千三百六十三社ということでございます。
 それから、先ほど先生の方から生産地と消費地の対比のお話がございましたが、確かに生産国の場合にはやはり生産者の参加が割合と大きくなるということは言えるのだろうと思うのでございますけれども、例えばロンドンというマーケットを考えますと、これは生産国というよりはむしろ消費地という性格もかなり強いわけでございまして、やはり消費国においても対象となる商品を取り扱う業者にそういうヘッジをするニーズがあればそれはそれなりに大きくなっていくということかと思うわけでございます。消費国日本としてもそういった意味で取引所の発展の余地が十分あるんではないかというふうに考えております。
#78
○梶原敬義君 手数料あるいは委託証拠金、この差が市場に与える影響というか、そういうものがあるのかどうか。手数料、これは自由化を平成十七年にするというが、何か急ぐ急ぐと言いながら、一番ポイントになるところが非常に先の話でありますが、手数料の国際比較あるいは委託証拠金みたいなものの比較等ができますか。
#79
○政府委員(古田肇君) 我が国の場合でございますが、一枚当たりの手数料ということで申し上げますと、取引条件によりましてかなり異なっておるわけでございますけれども、売り買いの往復で典型的なケースでいいますと、大豆でございますと六千六百円、金でございますと、現在、約定価格が千二百円程度で推移しておるわけでございますが、このあたりでございますと一万四百円ということでございます。
 他方、イギリス、アメリカでございますが、手数料が自由化されておりますので、そういった意味で公式の統計はないわけでございますが、いろんな試算値をとってみますとおおむね日本の三分の一から六分の一程度ではないかというふうに言われておるわけでございます。
#80
○梶原敬義君 証拠金みたいなのは。
#81
○政府委員(古田肇君) 証拠金につきましては、日本、アメリカ、いずれも徴収義務を課しておりまして、基本的に大きな違いはないというふうに理解しております。他方、イギリスの場合には証拠金を徴収しておりません。
#82
○梶原敬義君 手数料の話が先ほど平田先生のときにもありましたが、これは平成十七年に自由化するということですが、委託者、投資家にとってもこれは大変なことですから、これを海外並みにやればもっと市場は拡大するんではないですか。これをそこまで延ばす理由というのはいかほどなものなんですか。
#83
○政府委員(岩田満泰君) 日本の取引員の現在の経営状況といいますか経営体質と申しましょうか、委託手数料に大変高い依存をして事業が営まれているという実態を踏まえまして、御指摘のように可能な限り手数料の自由化というものは早い方がいい、国際的な競争という意味においてもいいということは確かであるわけでございますが、そうした経営実態というものも踏まえまして段階的に自由化をするということで、とりあえずインターネットでやるようなものとか商品ファンドの関係のようなものはことしの末に自由化をする、あるいはさらに大口あるいは当業者との取引についてはその後で自由化をするというような段階的なアプローチをすることによりまして、商品先物取引の市場の関係者の中に余り大きな急激な混乱を与えることなく自由化ということを円滑に進めていきたいと、このように考えたことによるものでございます。
#84
○梶原敬義君 本案が商品取引資格の見直しというか、今までやりたいと言っている人は規制が余りなくなってどんどんやれるようになりますね。そして、一回間口を広げておって、平成十七年に自由化をする、競争に全部入らせる。そうするともう大変摩擦が起き倒産も、恐らく再編成の問題とか何か非常に混乱してくるようになる可能性を大変秘めていると思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#85
○政府委員(岩田満泰君) まさに激変の緩和と申しましょうか、一方で自由化の要請は大変強い中で、他方でソフトランディングと申しますか、そういうものをいかに行うかということで今回七年程度の期間をいただいておるわけでございます。
 一方でいろいろなトラブルが起きないかというような側面の御指摘かとも存じますが、先ほど来御説明いたしておりますように、今回、委託者保護の側面においてもろもろの新しい措置を講じ、ルールを導入し、あるいは自主規制機関の強化を図るというようなことを通じまして、一方の利便性の向上を図りながら、同時に委託者に対する保護という側面をも図る、この両々相まった対応を図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#86
○梶原敬義君 これは質問通告していませんが、私が一番この改正案で問題になりそうなのは、業務規制の緩和というのか、許可更新期間の延長とか支店開設許可制の廃止、委託の取り次ぎの解禁、要するに支店みたいなものをどんどん町に持つのがたやすくなります。そこら辺が、確かにそれは市場は拡大するかもしれないけれども、大変混乱、問題が、事故が起きると。要するに、これはマージャン屋に行ってマージャンするようなものでして、取引所に場代を払っていく、それから今度は売った買ったで勝つ人があれば必ず負ける人がおりますからね。これは市場が大きくなればなるほど、勝つ人はいいけれども、負ける人が必ず出てくる。これはそこで永久にトラブルがもう絶えないと思うんです。
 そういう意味で申し上げたいのは、外務員を置いて営業する店を出す開設許可が非常にたやすくなる、それからまたやめるのも簡単になる。そこら辺のところがこの法案のまた非常に妙味でもある、ねらいであるでしょうし、また問題が起きる原因をここでつくっていくことになります。それが大変心配なんですが、その点はいかがでしょうか。
#87
○政府委員(岩田満泰君) 御指摘のとおり、業務規制につきましては幾つかの点でいわゆる緩和と申し上げ得ることでございますが、先生からもう既に御指摘のことではございますけれども、市場の利便性を高めるということにおいては、取引員のレベルにおきましてもまさに各社の創意工夫と申しましょうか、いろいろな形の取引員のサービスというものがあり得る、そういうものを自由に自分で考え自分で実行するという、できる限り規制を緩和してやっていくという必要性が一方にあると存じます。
 同時に、御指摘のように、それをやることによって委託者、特に一般の委託者に対して御迷惑と申しましょうか、あるいはその保護の側面において欠けるという点があってはならないわけでございます。そのために今回はもろもろの委託者保護の側面で新しいルールを導入し、あるいはまた自主規制機関の機能につきましても、平成二年の改正でおつくりをいただいたわけでございますけれども、抜本的に自主規制機関の機能を強化いたします。かつまた、もろもろの紛争の制裁をするというような措置につきましては、取引員の側が立証ができない限り、それをいわば制裁の対象にするというような、言ってみれば挙証責任の転換を図るような形で自主規制機関の機能というものを大幅に強化するということで、委託者保護の側面での措置の強化と、一方における業務規制の緩和ということ、バランスではないわけでありますけれども、そういうものを両面から進めることによって利便性と信頼性というこの二つの目的を達成し、国際的にも通用する市場に育てていきたい、このように考えているわけでございます。
#88
○梶原敬義君 価格変動リスクの回避、要するにそこが本来大きな目的であるならば、市場に占める当業者の割合というのは日本の市場は非常に低いです。だから、どちらかというと一般投資家を、さらに千二百兆の金融資産を商品先物取引というばくち場に引き出そうというのが、リスクヘッジはわかります、理解できます。しかし、この割合というのは先ほどありましたように日本の場合非常に低い。そうすると、あとの大半というのは、要するに投機、投機の勝負、ばくち場にその金融資産が出てくるわけです。その部分が非常に心配になるわけです。私は、そうはいっても、持っている者がやるならいいと思うんです。
 日経ビジネスの去年の十月二十日号を見まして驚いたんですが、アメリカのモルガン証券の東京調査部長、イェスパー・コール氏がこう言っているんです。千二百兆の金融資産がどうなっているか調べたんだそうです。そうすると、首都圏に住む五十六万人だけで四百兆円持っているというんです。そして、トップの四万四千七百人の一人当たりの金融資産の平均というのは約五十四億というんです。そしてさらに、土地資産十億円以上の人は五十四億円以上金融資産を持っているというんです。
 だから、こういう四百兆も、三分の一も占めるような人が市場に出てきて、今通産省が言うような、リスクもあるし、ハイリスク・ハイリターンだというんならまあまあそれはいいんだけれども、細々と貯金をしている、あるいは細々と生活をしている人が外務員の非常に耳ざわりのいい話に乗せられてやった場合というのは、結果的にはこれは勝つ者がある負ける者があるという、お認めになったそのような状況の中では非常に問題が出るんじゃないか、このように思うんです。その辺をどうするかというのが信頼性、この法案の後段部分のところだと思うんです。
 だから、よくよく、これは幾ら資本主義社会といっても、半分勝つ者がおって半分負ける者がおるということについて、大臣の何か所感があればお聞きしたいと思います。
#89
○国務大臣(堀内光雄君) この商品先物取引市場というのは、基本的には先生御指摘のとおり、価格変動のリスクといいますか、そういうものを避けるためのものでありますし、同時に、価格指数をはっきり明示することによって公正かつ透明な市場にし、商品をしっかりつかまえていけるようにするというようなものであります。
 お話しのとおり、こういう当業者の場合については、相当専門的な知識を持っている人たちばかりでありますので、そういう方々の場合には自主規制というような形での対応というのがしっかりできればいいだろうというふうに思うわけなんであります。そういう自主規制については、今度は商品先物取引協会、そういうものが認可法人ででき上がりまして、商品先物取引協会においてしっかりとした対応を行って、協会員への制裁権まで持たせて、そこで万全を期していけるようにするということがあるわけであります。
 しかし一方では、御指摘のように、ハイリスク・ハイリターンを目的に一般の委託者というものが数多くこの市場に参入してこられるわけなんでありまして、そういう方々をどういうぐあいに信頼性を持たせながら安全に確保して保護をしていかなきゃいかぬかということがやっぱり一方ではございます。
 もちろん、こういうものは投機的な面があるわけでありますから、御承知の上で取り組んで損をされるというのは、これはしようがないことでありますが、そういう中で、勧誘員に甘いことを言われて、それに乗っかったために結果的には大変な損をするようなことになった、それがまた余り資産もお持ちにならない方、年寄りの方だとか年金生活者の方々だとか、そういう方々に御迷惑をかけるようなことがあってはならぬということも確かなことであります。そういう点で、お客様の経験だとか資産だとかいうものの状況をしっかり照らし合わせた上で、不適当な勧誘は禁止するということ、いわゆる適合性の原則というものを今度の法律では導入をいたしまして、こういうような不適当な勧誘を行って委託者を勧誘してしまったような者に対しては、業務改善命令を通産大臣として行えるようなことも今度はできるようになっているわけであります。
 法令違反に対する罰則の強化も含めて、そういう委託者に対する保護といいますか、間違いない対応をするような取り組みを今度の法律ではできるようになっておりますので、市場を広げると同時に、間違いのない措置を行えるというふうな形でこの市場を発展させていきたいというふうに考えております。
#90
○梶原敬義君 「商品先物取引 委託のガイド」、こういうものをきのういただきました。外務員は相手方にこれを置いて帰ると。これは八ページに「商品先物取引の危険性について」ということで、一、二、三項、ずっと書いて知らせるようにしております。それから、約諾書というものを差し入れするんだそうですが、「先物取引の危険性を了知した上で同取引所の定める受託契約準則の規定に従って、私の判断と責任において取引を行うことを承諾したので、」という、これを取り交わすようになっているようであります。なかなかここまでは、普通はこういう小さい字でいろいろ書いてある中に、ちょっと八ページに赤で囲んで書いてある、こういうところというのはなかなか見にくいんじゃないか。
 例えば、宅建法、宅地建物取引業法第三十五条には、重要事項の説明を法律で義務づけております。そういうような、もうちょっと何とかここのところをこれからまた工夫していかないと、必ず、恐らく市場にたくさん投資家が参入してくればくるほど事件というか事案というのはふえてくると思うんです。
 それはなぜかというと、先ほど言いましたように、必ず勝つ者があれば半分は負けていくわけですから、負けた人というのは、幾ら自分の知識がなかったと反省しても、いやそこまでは知らなかったということになり争いが絶えないと思うんです。自主規制のところを強めたというのはよくわかるんですが、何かもう少し工夫がこれから凝らせないものかどうか、検討の余地はないか、通産1省。
#91
○政府委員(岩田満泰君) 御質問の点、さまざまな側面からでございますが、既にお触れになりましたとおり、現行法の九十四条の二におきましては、契約の締結前に先物取引の危険性などを記しました書面を交付することが義務づけられております。この違反は罰則で担保されておるわけでございます。さらに新規委託者には、今約諾書というお言葉が出てまいりましたが、一般に約諾書と呼ばれている、まさに危険性を了知した上で取引を行うことを承諾する旨の書面でございまして、これが提出されない限り基本的に先物取引の契約が成り立たないという大事な要件になっておるわけでございます。
 さらに、今回、こういった書面の交付のみならず、書面を交付すると同時にその内容をよく説明するということでございますとか、勧誘段階、契約をする段階あるいは取引を指示する段階、各おのおのの段階につきましてきちっと相手の意思を確認する。これは単に外務員、一般には外務員が最前線に立つわけでございますけれども、外務員がそう言っているということではなくて、会社としての、取引員としての管理部門も含めましてそうした委託者の意思を確認していく。取引員の会社の中としても一種ダブルチェックのような体制をとりまして、きちっとした形で意思の確認の手続もとるというようなことで、知らなかったがゆえに損をしたというような不満と申しましょうか、そういうトラブルが発生しないように対処していきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
#92
○梶原敬義君 それから、問題なのは、売った買った売った買ったというその間に手数料で全部取られて証拠金はなくなり、しかもさらにまた出していかなきゃということが起き得るし、これからまた非常に心配なんです。そこはまた非常に難しいところでありまして、いや、おれはここで手じまいしたいんだと言っても、もうちょっと先へ行くとまだうまくいきますよと、こうなればまたそうかなとなる。そこらの指導というのか、取引員というか業者はやっぱり商売ですから、営業マンも外務員も商売する。それは手数料が上がらなきゃ自分の実績にならないし、所得も恐らくふえないでしょうから。この辺の規制緩和あたりは、これはだんだん少なくなっているようではありますが、大変心配なんです。本当にいい手はありますか。
#93
○政府委員(岩田満泰君) 今度は取引段階におきます御質問かと存じますが、もう既にお触れになりましたように、これまでのトラブルの中にも無断売買の苦情と申しましょうか、そういうものがあるわけでございまして、今回その取引段階におきます書類の記載と申しましょうか、記録、つまり帳簿の作成・保存義務というふうなものも法律の中に明確化をいたしまして、きちっとした形で対応ができるということをまず法律のベースで確保をしたいと思っております。
 これまで特に委託者との間のトラブルの中では、もう仕切ってくれと頼んだのに仕切ってくれなかった、例えばそういう苦情、トラブルがあったといたしましても、現実の事実認定の段階になりますとなかなか難しいというようなことがございまして、私ども、私の先輩を含めて難渋をしてきたことがあるわけでございます。今回、法律の上では書類の作成・保存義務ということを措置すると同時に、一方具体的な側面につきましては、自主規制機関の制裁措置におきまして、いわばシロであることを立証できない限りはこれは制裁の対象とするという、取引員の側に重たいと申しましょうか、そういう制裁の仕組みをつくった、そういうことでございます。
 同時に、もろもろの記録の保存につきましては、これからは取引員が自分がシロであることの立証ができない限り自分が制裁の対象にされてしまうということになるわけでございますので、そうしたこれまで、あいまいで言ったとか言わないとかというようなことをめぐるトラブルにつきまして、解決に向けての相当程度の前進ができるのではないか、このように考えておるわけでございます。
#94
○梶原敬義君 時間がほとんどなくなりました。まだ聞きたいことはいっぱいあるんですけれども、この辺で終わりますが、最後に一つ。
 平成二年の法改正のときに、たしか海外の業者の参入が非常に日本では難しいとかなんとか言って、それも自由化することによって自由に参入できるようにするというようなことがあったような気がするんです。
 商品取引員協会の名簿をもらったら、確かに英語で書いているところはいっぱいあるんですけれども、どうもこれをよく見ると皆日本の業者で、株式会社何とかと、こういうのがあるんだが、海外の事業者、業者の参入というのはそれから今日まであったのですか、どうなんですか。
#95
○政府委員(岩田満泰君) 御指摘のとおりでございまして、平成二年の改正によりまして、海外で受託をすることが認められている業者につきましては日本においてもこれを会員として認めることができる道が開かれたわけでございます。通産省の関係で申しますと、東京工業品取引所に二社、会社として二社でございますが、部門がございますので、三部門に会員として入っておられるということでございます。そのほか、外資系の企業と申しましょうか、外国企業との取引という面におきまして、商品取引所におきましていわゆる準会員制度というものを設けておりまして、このような形で海外の投資家と申しましょうか、そういう人との取引の拡大というような道も開いておるということでございます。
#96
○梶原敬義君 終わります。
#97
○委員長(吉村剛太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#98
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、勝木健司君及び鈴木和美君が委員を辞任され、その補欠として平田健二君及び村沢牧君が選任されました。
    ―――――――――――――
#99
○委員長(吉村剛太郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に平田健二君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#101
○委員長(吉村剛太郎君) 休憩前に引き続き、商品取引所法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#102
○平田健二君 民友連の平田健二君でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先日、東京工業品取引所にお伺いをいたしました。この商品取引所法につきましては、先ほど梶原先生も大変難しいなという印象を述べられておりましたけれども、私もまさにそのとおりでございまして、大変複雑な内容でございまして、ちょっとちんぷんかんぷんのことを聞くかもしれませんが、ひとつよろしくおつき合いいただきたいと思います。
 まず、私は、繊維製品を中心にした上場の適格性とそれから委託者保護、このことについて主にお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、政令で定めるその商品の実際に上場される基準についてお尋ねをいたしたいんです。第一段階として、価格の変動が非常に激しくて私設市場が開設される可能性があるということ、そういった商品をリストアップする。そして第二段階として、一定量の取引と生産、流通にとって必要かつ適当ということで上場するかどうかを決めるということですけれども、上場するに当たってこの二段階の基準があると考えてよろしいでしょうか。
#103
○政府委員(岩田満泰君) 商品につきましては、御指摘のように、価格変動などによりまして潜在的なリスクヘッジのニーズがある物品につきまして幅広く列挙をしているところでございます。
 一方、実際に上場されるものにつきましては、政令で指定されている商品の中から取引所が上場を申請してきたものにつきまして、法律で定めます基準、具体的には法律第十五条一項に基づきまして、大臣が上場の可否について判断を行うものでございます。
 したがいまして、御指摘のとおり、基準には二段階あるということでございます。
#104
○平田健二君 価格の変動が激しくても、私設取引所が開設される可能性がない限り、最初言いました第一段階目の商品の指定の基準を満たさない。ということは、つまり第一段階の価格の変動が著しく激しくても私設取引所が開設される可能性がない商品については上場の適格性がないというふうに判断してよろしいですか。
#105
○政府委員(岩田満泰君) ただいまも御説明いたしましたように、商品につきましては、潜在的なリスクヘッジニーズがある物品について幅広く政令で指定しているところでございまして、価格変動の余りないためにリスクヘッジニーズに乏しい、私設取引所が開設される可能性がない場合には商品指定をすることは考えにくいわけでございますし、適格性という点についてもいろいろな論点が出てくるであろうというふうに考えております。
#106
○平田健二君 それでは、ちょっと具体的にお尋ねいたしますが、綿糸の直接取引の価格動向はどうなっておるんでしょうか、変動が激しいものかどうか。それから、直接取引と取引所取引とではどちらが変動が激しいものとなっているかお答えいただきたいと思います。
#107
○政府委員(岩田満泰君) 直接取引というお尋ねでございますが、各企業が行います個別の取引の価格についてはなかなか把握が難しゅうございます。一般に指標として大阪の仲間相場のようなものが使われているというふうに考えますが、仮にこれを見ますると、これまた時期によりまして相当違いがあるように理解をいたしておりますが、仲間相場と取引所取引の価格との比較という意味におきましては、取引所取引の価格の変動の方が一般には大きい傾向があるというふうに考えております。
#108
○平田健二君 そうしますと、その商品を新しく上場する水準と、今上場されている商品を廃止する、いわゆる上場から廃止するというこの水準は同じと考えでいいですか。
#109
○政府委員(岩田満泰君) ある商品の上揚を継続することが上場の要件に適合しなくなったときは、主務大臣は当該商品の上場廃止を命ずることができるということになっております。したがいまして、御指摘のとおり、上場の要件に適合しなくなったときということになっておりますので、ある商品の上場と上場廃止の水準については、基本的には同じ考え方であると考えております。
#110
○平田健二君 そういたしますと、今までの答弁を考えますと、繊維製品の上場の適格性が失われているということが明らかになったという感じがするんですけれども、その第一の基準の指定商品基準を満たさないと上場しないんですね。結局、第一段階、第二段階、水準が同じとすると、先ほどお答えになりました、繊維の上場適格性がないわけですね、ですから廃止すると。現時点で繊維を上場するかどうかということを判定した場合に、これは上場適格性がないということですね。先ほど言ったように、廃止も上場も水準が同じということは、廃止していいということと私は判断するんですが、この辺のところを最初から聞いておりませんので、今お答えを聞いておったら、上場基準を満たさなければ廃止をしてもいいということですね。
#111
○政府委員(岩田満泰君) 先ほど来申し上げていますように、上場基準と申しましょうか、リスクヘッジニーズのあるようなものが法令上指定をされ、その中から取引所が申請をして上場がされる。確かに、廃止の基準というのも基本的には同じ考え方でございます。
 しかし一方、それでは現実問題として価格の変動がないかといえば、仲間相場にも一定の変動はあるということでございます。同時に、上場廃止につきましては、リスクヘッジニーズがあるかないかという問題のレベルになりますと、単に価格変動の動向のみならず、例えば綿糸という商品をつくられる人、これを使う人というさまざまな関係者がございまして、そうした人たちのリスクヘッジニーズが存在するかしないかという点の見きわめも必要かと考えるわけでございます。
#112
○平田健二君 例えがいいか悪いかは別として、例えば日本では競輪、競馬、競艇、それからオートレースがあります。見たときに、選手はこれはプロですね。例えば競輪にしても競艇にしてもそのものがプロとして通用するかというと、そうじゃないです。競輪の選手がその競輪だけでプロになる、お客がおってかけごとをするからプロとして競輪が成り立つわけです。では、競輪だけをやっておる人たちがプロとして通用するか。そういうあれはないですね。プロの競輪選手というのは、かける人がおるから、それで成り立っておるわけです。
 この商品相場はそうじゃないですか。かける人がおるから続けるということですか、適格性がないにもかかわらず。廃止してもいいんじゃないですか。
#113
○政府委員(岩田満泰君) 先ほど来リスクヘッジニーズと申し上げておりますが、かけると申しますか、リスクをヘッジするために先の将来の価格をあらかじめ売り買いをするということでございますので、そうしたニーズを持ち合わせる方が存在するかどうかということは大事な要素ではないかと思うわけでございます。
#114
○平田健二君 先ほど言いましたように、私もよく理解できていない部分もあります。次に移ります。
 一九八四年四月十三日に衆議院の商工委員会で、当時の通産省の黒田生活産業局長がお答えになっています。繊維産業が取引所に依存しないことは必要な方向ということで答弁をしていますし、また一九七九年四月二十六日、参議院の商工委員会でも、当時の江崎通産大臣が繊維取引所の問題に関して、「弊害もそれなりにあります。」と、こう答弁をしておるわけです。
 通産省として、繊維取引所に関する基本的な方向は廃止が望ましいが、先ほど言いましたように実際は急激な廃止は混乱を招くのでということで、従来のスタンスは変わらないというふうに理解をしてよろしいでしょうか。
#115
○政府委員(水谷四郎君) お答え申し上げます。
 今御指摘の過去の答弁について申し上げますと、昭和五十九年の黒田生活産業局長の答弁は、昭和五十八年、前年の繊維工業審議会の答申に沿ったものでございます。また、昭和五十四年の江崎通産大臣の御答弁でございますが、これも当時の審議会答申等を踏まえまして、効用とともに弊害もあるとした上で、議論を尽くすべきと答弁したと承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、現時点での通産省の考え方は平成五年の最新の答申を踏まえたものでございます。その時々の審議会答申を踏まえておりますが、昭和五十年代から現時点に至りますまで本件に関します審議会答申の基本的な認識は多くの点で一貫をいたしておりまして、これを直近時点でまとめたものが平成五年答申ということから、現在の通産省の認識は同答申を踏まえたものになっているわけでございます。
#116
○平田健二君 通産省の七六年の繊維工業審議会の答申というのがございます。繊維製品の「上場廃止をも含めてそのあり方を根本的に再検討すべきである。」と書いてあるんです。二十年前です。今日も、九五年の答申もほぼ同じようなことが書いてあるわけです。
 この二十年間、上場廃止も含めてその根本的なあり方について何も実は議論がされなかったんでしょうか。二十年間ほっておいたんでしょうか。それとも、二十年間やはり上場廃止は必要ないんだということだったんでしょうか。二十年前と全く状況は変わっていない、こういうふうな判断をしてよろしいでしょうか。
#117
○政府委員(水谷四郎君) これまでも本件に関しましては、必要に応じまして、繊維業界、具体的には綿糸のメーカー、それから綿糸のユーザー、それを取り扱う商社、取引所、この四者の円滑な意見交換が何と申しましても必要でございまして、これまでも必要に応じて通産省も参画する形で協議の場を設けてきたところでございます。
 特に近年におきましては、平成五年答申を策定する前後におきまして、具体的には平成四年から五年にかけまして、また直近では平成八年におきまして関係者による協議を実施し、通産省としてオブザーバーで参加するなど、必要な対応を行っているところでございます。
#118
○平田健二君 平成二年の商品取引所法改正の答申から、上場適格性を失ったものについては速やかな廃止とあります。この八年間を見ますと、上場品目が十品目ですか、廃止を見ましても東京でスフ、それとゴムですか、この二品目しかありません。適切な新規上場と、これまた適切な廃止がなければ市場は成長しないというふうに私は思うわけですけれども、今回の答申にもまた同じような文言があるわけです。今後どうしていくつもりなのか。
 また、もう一つは、大阪、中部・名古屋、大阪、中部で残っているスフや毛糸取引所が相当激減をしておりますけれども、廃止しないのかどうかお尋ねいたします。
#119
○政府委員(岩田満泰君) 平成二年におきます法律改正におきましては、御指摘の商品取引所審議会の答申を踏まえまして、上場適格性を失った商品については機動的な上場の廃止命令ができるように、現行法二十一条の第一項一号になるわけでありますが、措置したところでございます。
 その後、今御指摘がございましたように、東京工業品取引所のゴム、昨年にはスフ糸の上場の廃止が行われたところでございます。
 御指摘のように、本年一月に出されました商品取引所審議会答申におきましても、「上場適格性が失われた商品については、その上場廃止を遅滞なく行うことが適切」という旨述べられたところでございまして、今後もそのようなことで制度の運用に努めてまいりたいと思います。
 また、今御指摘がございましたスフ糸及び毛糸につきましては、その出来高が低下をしていることもございます。及び、その上場継続について関係の方面からさまざまな御意見があることは十分承知いたしております。現在、上場廃止も含めて取引所などの関係者によって議論が行われていると承知をいたしておりまして、その結果を踏まえまして適切に対応してまいりたい、このように考えております。
#120
○平田健二君 通産省は、先ほど言いましたように、二十年以上前から廃止を含めた検討を、約束というわけじゃありませんが、そういった約束をしておるわけですけれども、とりわけ九五年の繊維ビジョンでは、「関係業界で引き続き十分なフォローアップがなされることが肝要」となっておるわけです。明記しておるわけです。
 しかし、その関係業界で上場を廃止することについてやはり賛成、反対があるわけです。利害が相対する者が自主的に集まって廃止について議論せいなんといってもこれはなかなか難しいわけですから、やはり通産省が中立的な立場で業界の皆さん、関係者に集まっていただいて、廃止あるいはそのまま上場するのか、そういった議論の場をぜひつくっていただきたいと思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(堀内光雄君) 先生御指摘のように、綿糸の上場問題については、紡績業界及び需要業界を含めた繊維産業関係者と取引所関係者との間で十分な議論が行われることが必要だと思います。特に、今度の新しい先物市場の拡充というような問題がございますから、その価格変動のリスクヘッジのニーズだとかあるいは価格指標の提供だとかいうような問題を含めて新たに必要になっている面があるやなしや、そういうことも含めましてこの新しい時点の中で取り組みを議論していただくということは重要だろうというふうに思いますので、御指摘のとおりに通産省としましても関係者の話し合いの場の設定などには努力をしてまいってもよろしいと思っております。
#122
○平田健二君 ぜひひとつ大臣に実現に向けて努力をいただきたいと思います。
 次に、新しい繊維ビジョンの策定に向けて、今繊維産業審議会で議論をされておるわけです。三つの分科会の報告が先ごろ発表されました。その中に、実はこの繊維取引所の問題がどこにも触れられていないわけです。今日までずっと触れられてきたものが急に、この繊維の流通についての取引所の問題が触れられていない。どういうわけで触れられなかったのか。これはこの審議があるからちょっと待とうかということなのか、その辺の理由をお聞かせください。
#123
○政府委員(水谷四郎君) 御指摘のとおり、先般発表いたしました分科会の報告書、これはあくまで作業の取りまとめを基本政策小委員会という政策論をしていただくところに報告をするという手順をとっておりまして、全体の答申を今その小委員会でこれから議論をしようということでございまして、御指摘のように分科会の報告書の中にはこの問題は触れておらないわけでございます。
 ただ、先日、この小委員会の席上でも、出席の委員から今先生の御指摘と同じような御指摘をいただきまして、我々は、この分科会ですべてを取り扱うというよりも、この小委員会で積み残した問題、それから分科会ではまだ詰め切れなかった問題、こういったものを十分御議論をいただきたい、こういうことで進めております。
 そういう観点から申しますと、本件が過去からの懸案である重要な論点の一つであるということは十分認識をいたしておりまして、今後の小委員会の議論の中での検討の結果、必要と判断されることになれば当然答申に盛り込まれる、そういうふうに思っております。
#124
○平田健二君 ぜひひとつよろしくお願いします。
 続いて、委託者保護についてお尋ねをいたしたいと思います。
 今回の改正案では確かに社会的な規制は強化されておりますけれども、一方で経済的な規制が緩和されているというふうに思うわけです。そこで関係者の間では、トラブルがふえるんではないかという懸念があるわけです。参入の規制緩和に比べて社会的規制が少し生ぬるいのではないか、本当にトラブルは減るんだろうかという懸念があるわけです。また、今回こういう改正をしたにもかかわらず、消費者センター等ヘトラブルあるいは苦情が減らず問題が軽減していない、依然として起こっておるというような場合に、例えば電話勧誘の禁止だとか熟慮期間制度の、いわゆるこれはクーリングオフです、導入等の委託者保護の強化に即乗り出していただかなきゃいかぬと思うんですが、大臣いかがでしょうか。
#125
○国務大臣(堀内光雄君) 今までのいろいろの質疑の中にも出てまいりましたけれども、委託者からの苦情というのがやっぱり一番多いわけでありますが、そういうものをなくそうというのが、市場を広げるに際して委託者による苦情がないようにしようということが一つ大きな今度の法改正においても目的になっております。
 そういう点で、今度の法改正におきましては、商品取引員の業務の遂行に関しまして、顧客に対する誠実公正義務を賦課することにいたしたわけであります。また、顧客の知識あるいは経験、資産だとかいろんなものを含めまして、そういう内容、状況に照らして不適当な勧誘はしちゃいかぬというような禁止条項も入れているわけであります。そういう点から考えますと、いわゆる適合性の原則を導入して、不適当な勧誘を行って委託者の保護に欠けないようにということで取り組みを行っております。したがいまして、そういう保護に欠けるようなことがある場合には、通産大臣からの業務改善命令を行うこともできるように今度はなっているわけであります。
 また一方では、自主規制をしっかり行えるようにしようということで自主規制機関を設けて、これは認可法人の商品先物取引協会というものを一つ設けまして、法令違反者に対する制裁措置の実施の義務づけをここに行わせるようにいたしておりまして、紛争処理の充実などの機能の抜本的強化を図ることといたしております。
 その際に、特に制裁につきましては、商品取引員のルールに違反しているかどうか、こういうのがなかなか立証が難しいということもございますので、その立証ができない限りは厳格な制裁を科するという非常に厳しい方法をとっているわけでございます。
 こういうような措置を活用しながら、先物取引に係るトラブルを何とか減少して、市場に対する明朗性あるいは委託者が市場に参入しやすいような方法、そういうことに万全を期してまいりたいというふうに考えております。
 クーリングオフ問題などにつきましては、事務方からひとつ説明を申し上げます。
#126
○政府委員(古田肇君) まずクーリングオフでございますが、御案内のように訪問販売法でそういう制度があるわけでございますが、営業所等以外の場所におきまして指定商品の売買契約の申し込み等を受けまして、売買契約等を締結した者が一定期間、書面によりこの契約の解除を行うことができるというものでございます。
 仮に、これと同様のクーリングオフを商品先物取引に適用しました場合には、委託者が一たん商品市場において成立した取引について、その後の相場が不利になったということをもって取り消すことができるようになるということになるわけでございまして、商品先物取引にこれを導入するのは困難ではないかというふうに考えられるわけでございます。
 それから、電話勧誘の御指摘がございましたが、従来から電話勧誘を断った者に対する再勧誘の禁止でありますとかあるいは相手方が迷惑を覚える時間帯の電話勧誘の禁止というのがあるわけでございますが、今般新たに、電話勧誘の際に会社名でありますとか先物取引の勧誘であること等の明示を義務づけることを予定しておりまして、こういったルールの厳正な運用を図ることによって電話勧誘に関するトラブルを防止してまいりたいというふうに考えております。
#127
○平田健二君 今回の法律の改正で、自主規制団体による、疑わしきは罰せずから疑わしきは罰するという方向転換というか、いい方向に行っておるわけですけれども、今回の改正では商品先物取引であることの告知制度が確かに導入されています。
 しかし、今ちょっとお話がありました、いやこれは絶対もうかるんですからぜひどうぞ、いかがでしょうか、いやそんなことを言ったことがない、言った言わない言った言わないということになるわけです、電話勧誘の場合。また、直接面談しても言った言わないが必ず後で問題になるわけです。
 ですから、業者が自分でテープを持って、言ったよという証明ができなければこれは罰しますと、いや私は言ったんだということを立証できなければ罰するということですね。業者が言った言わないということを顧客との間でやり始めた。言ったということが立証できない場合は罰するわけですか。私は必ず言いましたということが立証できない限り罰すると、こういう理解でいいかどうか。
#128
○国務大臣(堀内光雄君) おっしゃるとおり、自主規制の協会におきまして、先ほどのお話のように疑わしきは罰するということになってまいります。
#129
○平田健二君 では、罰するということにして、どういう制裁があるんでしょうか。今までだったらこうだった、これからはこうだということをちょっと具体的に教えてください。
#130
○政府委員(古田肇君) 今般の立証責任の転換に伴い、また自主規制機関に制裁の機能を今回新たに与えるということでございますので、これらによって具体的には過怠金の賦課でございますとか、あるいは協会員の権利の停止または制限でございますとか、あるいは自主規制機関からの除名といったようなものを制裁として新たに行うことができるわけでございます。
#131
○平田健二君 自主規制団体に入らないアウトサイダー、取次業者、これらはどういうふうにするんですか。これは自主規制団体がそういったことを自主規制するわけですから、その自主規制団体に入らない取次業者とかそういった業者がおるわけですね、こういった方たちはどういう制裁があるんでしょうか。
#132
○政府委員(古田肇君) 今般の法律改正で新たに百三十六条の三十四という条文を設けさせていただいておりまして、御指摘の自主規制機関に加入していない商品取引員の業務につきましては、この条文によりまして、商品市場の秩序の維持、または委託者保護に欠けることのないように主務大臣みずからが適切に監督をするということになるわけでございますし、この百三十六条の三十四の考え方に照らして問題があれば適切に行政処分等を行うということでございます。
#133
○平田健二君 自主規制団体の制裁よりもきつくなるんですか。アウトサイダーといいますか自主規制団体に入らない人の処分といいますか、問題があったときの。
#134
○政府委員(古田肇君) 自主規制団体におきます制裁というのは、あくまでも自主規制団体としてのペナルティーということでございますので、先ほど申し上げましたような過怠金でありますとか、その団体の協会員としての権利の停止、制限あるいは除名ということになるわけでございます。行政処分ということになりますと、今度は行政の判断としての処分でございますので、業務停止でありますとかあるいは許可の取り消してありますとか、そういったことになるわけでございます。
#135
○平田健二君 次に、適合性の原則ということですけれども、現在も書面交付の義務ということで委託ガイドがあるわけです。「商品先物取引 委託のガイド」、それから「約諾書及び受託契約準則」、こういうのがあります。これを見ますと確かに書いてあるんです、ここに赤い枠で先物取引の危険性。
 しかし、私は、これでもまだ今現在大変なトラブルがあるわけですから、この程度ではだめだ。最初に、一ページ目のここに、この商品取引は危険ですというようなこと。例えば、たばこはまじめにやっておるじゃないですか吸い過ぎますと健康を害しますよと。もっとこの先物取引の危険性というものをしっかり認識させる。日本の場合には商品取引をやっている人の九割ぐらいが一般投資家です。ですから、この前もテレビでやっていましたけれども、言葉巧みに、だますということは語弊がありますが、勧誘するわけです。ですから、やはり最初に見たときに、この取引は危険ですよというようなことがぱっとわかるようにするべきだ。
 それから、この約諾書も、例えば会社とかなんとか書いてありますけれども、外務員の住所も氏名も電話番号もきちっと載るというぐらいのものにしなければいけないんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#136
○国務大臣(堀内光雄君) 御指摘の点はごもっともなことだと存じます。表紙に書くか、危険ですというだけ書くか、それはちょっとなかなか、これも事業でございましょうから、これはハイリスク・ハイリターンということなのでありまして、よく熟知しない方に対してどういう説明をして理解をさせるかという努力は、まず市場を拡大する意味におきましては、一般の委託者を広げるという意味では重要なことだろうというふうに思いますので、心してかからなければいけないと思います。
 また、今の具体的に氏名その他等の問題は、これは事務的にいろいろ検討して取り組みをさせるようにいたしてまいりたいと思います。
#137
○平田健二君 次に、この中にもございます外務員、商品取引会社の営業マンの身分証明証、これも先日のテレビでも問題になっていました。これがあるから顧客に対して、いや私は、ほれ見てください、国から免許証をもらっておる営業マンですよ、だから安全なんだと、こう言って実はやっておるわけですよ。こういうものがあるから、ああそうかということになるわけでして、逆に言いますと、なければまたその裏をかいて悪いことをするのがおるかもしれぬということなんですが、これはやっぱりもろ刃の剣なんです。
 こういった外務員制度、外務員の証明証というのが実は素人から見ますと、何か国が認定したようなものに受け取られておるという気がするわけです。この免許証、こういったものを廃止するという方向は考えられないかどうか、いかがでしょうか。
#138
○政府委員(岩田満泰君) 確かに、今御指摘のようなこともあり得るかと存じますけれども、逆に登録外務員証がないということになりますと、登録を受けている人間というか、一応の手続を経た人間であるのかないのかの識別が困難になるということがあるわけでございます。逆に文字どおり、本当は外務員的な仕事をやってはならない無資格者が勧誘行為を行うというのも一方における問題でございまして、過去の行政処分の中にも無資格で外務勧誘を行ったというふうな事例もございます。そういう意味におきましては、登録外務員証廃止ということの措置というのは必ずしも適当ではないというふうに考えるわけでございます。
 いずれにしても、やはり外務員の資質の向上と申しましょうか、あるいは誠実公正な対応をすることが自分たちの業界といいましょうか、事業の拡大につながるんだという、そうした意識の変革と申しますか、そういうようなことが重要だと考えております。したがいまして、これまでも自主規制機関を中心に外務員の資質の向上あるいは意識の改革と申しますか、正しい理解をさせるための努力、講習とか研修とかそういうことをやってきておるわけでございますけれども、今後衣がえをいたします新しい自主規制機関におきましても、こうした資質の向上というようなことをむしろより強力にやる必要があるのではないかというふうに思っております。
 特に新しい、現在改正の御提案を申し上げておる中では、登録事務自身を自主規制機関が行うということでございますので、登録を受けた相手に対してみずからもろもろの資質の向上のための努力をするという仕事も大きな仕事ではないかと思っております。その上でもなおかつもろもろの悪質な勧誘行為が起こるというものにつきましては、これまで何度か御説明申し上げておりますように、まさに適合性原則あるいは不当な勧誘の禁止というようなもろもろの諸規定に基づきまして、自主規制団体における制裁あるいは私ども行政当局としての処分、こういったもので厳正に対処をし、客にそうした悪質な方法で信用させるというようなことが減少していきますように努力をしたいと、このように考えるわけでございます。
#139
○平田健二君 なぜこういった登録外務員証を持った人でなければこの仕事をしたらいけないのかということは、裏を返せば、非常に危険だ、リスクの多いものだということなんですよ。そのことをやっぱりしっかりPRというか知らしめなきゃいかぬと思うんです。
 ですから、この外務員証を発行してそれを持っている人でないと商売ができないというように危険なんだよということを周知徹底する必要がある。だから出しているんだと、この外務員証は。危険な取引なんだから、だからあえて資格試験を取らせて外務員証を持たしているんですよということをしっかり私は知らしめる必要があると思っています。
 時間が参りましたので終わりますけれども、最初に言いましたように、新規商品の積極的な上場と、それから適格性を失った商品を早急に廃止するというようなこと、それから参入規制が緩和されたわけですから、取次業者ができたわけですから、委託者保護についても十分ひとつ配慮していただくように要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#140
○山下芳生君 まず、今回の法改正で解禁されることになる店頭商品先物取引について伺います。
 これまでこの取引が禁止されていた理由は何でしょうか。
#141
○政府委員(古田肇君) こういった御指摘の店頭商品先物取引、オプションでありますとかそういった取引につきましては、これまでのところ、そういったものを具体的に要求するニーズが薄かったという現実を踏まえたものだったと思います。
#142
○山下芳生君 禁止されていた理由は何でしょうか。
#143
○政府委員(古田肇君) 商品先物取引所の外で行われる商行為につきまして、ニーズのあるものについてどういうふうに考えるかということで解禁をしていくというふうに考えておったわけでございます。
#144
○山下芳生君 ニーズがなかったということとあわせて、私聞きたいのは、なかなかお言いにならないから言いますが、農水省、通産省の商品取引所審議会のペーパーですけれども、その中で、「商品市場における取引によらないで商品市場における相場を利用して差金授受を目的とする行為については、刑法の賭博罪に抵触するおそれがある」というふうに述べられています。これは、そういうことだから禁止されていたという理解をしてよろしいんでしょうか。
#145
○政府委員(古田肇君) 商品先物市場の運営につきましての基本的な考え方といたしまして、政策諭といたしまして取引所集中主義をとってきたということと、それから取引所の外でのもろもろの行為に関して無秩序なことが起こり、トラブルが起こってはいけないということで禁止しておったわけでございます。
#146
○山下芳生君 私は、今まで店頭商品先物取引が禁止されていたのはもう端的に言って賭博罪に抵触するおそれがあると、ばくちに似ているからだということであったと理解しているわけです。実際、商品市場の相場の変動を利用して、応じて勝ち負けを決めるわけですから。これは法務省に伺いますと、刑法上の定義では、偶然の勝負に関し財産上の利益をかけて得失を争うこと、これを賭博というと。刑法百八十五条では、これを行えば賭博罪になるというふうになるわけです。
 そういうおそれがあるとしていたものを今度解禁する、これは賭博ではないんだということでしょうか。
#147
○政府委員(古田肇君) 経済的に正当な行為につきましては、そういうものとして認知していくという政策もあるわけでございますが、御指摘のように、国内市場における相場を参考指標として利用した店頭デリバティブ取引は、従来は百四十五条相場によるとばく行為の禁止に抵触しておったわけでございます。
#148
○山下芳生君 ですから、これまでは賭博に当たるということを理由にして禁止していた。しかし、今度の法改正で、法律でこれを業として認める、だから罪には問われないんだということなんです。しかし、幾ら法律で業と認めても、その賭博性は私は少しも変わらないというふうに思います。そうなると、国民や一般の消費者を先ほどの委員のお話にもありました危険いっぱいのそういう賭博性の高い市場に引き込むことになる。大臣も商品先物取引について国民の中に近づかない方がいいなというマイナスイメージがあるとおっしゃっておりましたが、私は、この賭博性の強いものを法律で賭博罪に問われないようにしたから大丈夫だというだけで解禁しちゃうと、ますます商品先物取引市場に対する国民のマイナスイメージを広げることになる、そういうことにもなると思うんです。
 私たちは、金融ビッグバンというのは日本の経済、国民の暮らしを非常に危険なカジノ経済に巻き込むことになるというふうに考えておるわけですが、とりわけこの店頭商品先物取引の危険性は極めて高い、解禁はするべきでないというふうに思っております。しかし、今そういう形でなかなかそのことについて的確な説明がありませんので、もう一つのテーマに移りたいと思います。
 今回の改正で商品先物取引市場に銀行やそれから証券会社が参入できるようになるんでしょうか。
#149
○政府委員(古田肇君) 店頭商品先物取引業者ということで、既に海外で類似の取引を行っております銀行、証券会社あるいは商社等が店頭商品先物取引業を営むということは予想されるわけでございます。
#150
○山下芳生君 そうなりますと、巨大資本、資金力のあるものの参入によって商品先物取引市場の中における競争が激化することは間違いありません。生き残りをかけた弱肉強食の状況が生み出されることになるわけです。それによってやはり委託者獲得の競争がますます激化するであろうと私は思います。
 その委託者の内訳ですが、この間の議論の中にもありました。アメリカでは九割がいわゆる当業者、投資会社、投資家で、一般消費者は一割程度。ところが、日本では現状は全く逆で、九割が一般消費者というふうに言われています。
 その一般消費者である委託者がどういう人たちなのか、少し数字をお伺いしますけれども、委託者の年収別の構成比で見て、年収一千万円以下の比率、それから三百万円以下の比率、それから委託者の年齢構成比で見て六十歳以上の比率、それぞれどの程度でしょうか。
#151
○政府委員(岩田満泰君) 農林水産省の委託調査で行われたものでございますが、年収一千万円以下の委託者が八〇%強、六十歳以上の委託者が約三〇%というようなことになっておると承知しております。
#152
○山下芳生君 そのとおりであります。七百万円以下で見ても六四%です。要するに、普通のサラリーマンや、それから中には生活保護や年金生活をされている方、こういうリスクの高い商品先物取引にはなじまない方がかなり多数含まれているというのが実態であります。そのためにトラブルも現に多発している。
 経済企画庁の相談件数の調査によりますと、一九九〇年には相談件数が一千四百一件であったものが、九七年には二千七百三十四件とほぼ倍増しております。相談の内容を見ますと、商品取引員、商品取引会社が電話や訪問による強引な勧誘を行う、あるいは委託者の承諾なしに無断で売り買いをする、わざと仕切りを拒否する、マスコミでも報道されましたけれども、客殺しと言われる手口が実に多い。まさに違法なやり方が常態化しているというのが我が国の商品先物取引市場の現状ではないかと思うんです。
 九五年、一年間だけで見ても、刑事事件が三件、被害者三百四十四人、被害金額合計二十億七千六百四万円となっておりまして、先物取引で大損をしたための殺人事件でありますとか横領事件も起こっております。つまり、トラブルは減っていないんです。
 先物取引の取引高がこの十年間で、外国と比べて少ないと言われますが、国内において二・四倍にふえた。これにあわせて相談件数も増加しているわけであります。そうなりますと、今回の改正によって規制緩和がされる、そのことで商品先物取引市場に入ってくる方がふえる、その多くはこれまでどおり一般消費者だとすれば、トラブルが一層増加するということになることは間違いないと思うんです。
 そこで聞きますけれども、先ほど平田委員からも指摘のあった電話勧誘の問題です。その他の今法改正における委託者保護の問題については重複しますので聞きません。
 電話勧誘については、弁護士会の皆さんからも、今回の法改正における委託者保護の内容については、一定の委託者保護策は示されているものの極めて不十分で、規制緩和が進めばこれまで以上に被害が拡大する懸念が表明されております。そこで、一般消費者、一般素人に対する電話、訪問による勧誘の禁止を明確に行うべきだという御主張であります。
 ビッグバンの先進国であるイギリスでは、金融サービス法五十六条に不招請無効の法理というものが明記されておりまして、依頼に基づかない、相手の側からの勧誘による投資契約を締結させることを禁止し、原則としてこれに反する契約を無効とするという法理があるわけですが、これを我が国でも取り入れるべきではないのかという主張であります。
 これはトラブルの現場の最前線で消費者保護のために頑張っておられる弁護士の方々の本当に現実的な対応策であると私は思いますが、これは本当に真剣に検討するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#153
○政府委員(岩田満泰君) 我が国の商品先物取引の現行制度におきましては、法律によりまして、受託契約の締結前に先物取引の危険性などを記した書面の交付義務を一方でまずかけております。一方、新規の委託者からは、俗に、一般に約諾書と呼ばれております、先物取引のリスクを了知した上で取引を行うということを承諾する旨の書面をとった後でなければ受託を行ってはならないということになっておるわけでございまして、これによりまして電話勧誘のみで実は取引が開始されることはない仕組みになっておるわけでございます。電話の勧誘で取引が成立することはあり得ない仕組みになっておるわけでございます。
 ただ、電話の勧誘というものがさまざまな迷惑をかけると申しましょうか、ということがあり得るということで、電話勧誘につきましては、断った者に対して何度も電話をかけるとか、あるいは遅い時間帯、迷惑を覚えるような時間帯に電話をかけるとかいうようなことをこれまで禁止してきたわけでございますが、今回新たにさらに、そもそもどこの会社の者であるとか、先物取引の勧誘であるんだというようなことを明示するようにということも義務づけを予定しておるわけでございます。
 そのような意味で、電話勧誘そのものの禁止というものはなかなか難しい問題がございますけれども、そういう形で、少なくとも電話勧誘だけで取引が開始されるわけではない仕組みというものになっておるということを御理解いただきたいと存じます。
#154
○山下芳生君 農水省、通産省の委託者保護に関する研究会の中間取りまとめを見ますと、委託者が商品取引員と取引を行うきっかけになったのはどういう場合があるか。これは商品取引員による積極的勧誘が六〇%強なんです。委託者はもともと商品先物取引なんというのは知らなかった。やっぱり勧誘員の側から積極的に勧誘しているわけです。そのうち電話勧誘が四二%ですよ。だから、それは電話だけで契約を結ぶなんということは少ないでしょう。しかし、電話の勧誘がきっかけになって一般消費者の被害が拡大する通路になっているわけですから、これは他の訪問販売法による、電話の勧誘が行き過ぎたらだめだ、迷惑がかかったらだめだということと同列にはできない。被害者の実態からすれば、やはり電話による勧誘の禁止というものをやらなければ被害を防ぐことはできないという現場からの指摘ですから、私は改めてきちっと検討すべきではないかということを指摘しておきたいと思います。
 それから、今回の法改正で、委託者保護について盛り込まれております中で自主規制というものがあります。しかし、この自主規制というものではやはり完全には規制できないという問題点を私一つ指摘したいと思うんです。商品取引員に対して監督すべき取引所そのものにもやはり問題がある。
 昨年、東京工業品取引所が四年間に約一億八千万円の申告漏れをしており、七千万円を追徴課税、更正処分されるという事件がありました。このうち二千四百万円は、架空経費を計上し、政治家のパーティー券の購入に充てていた、これを所得隠しと認定されたものであります。本来、市場の信頼性を確保するために先頭に立たなければならない取引所自身が信頼性を損なうようなことをした、これは非常に重大であります。
 それからもう一点、この取引所、今全国で八つあるわけですが、取引所と通産省との癒着構造も私、問題であると思います。今紹介した東京工業品取引所の現職の理事長さんを初め、取引所には通産省、農水省のOBの天下りがたくさん広がっております。
 報告書を見ますと、八つの取引所のうち、現職の理事長が通産、農水のOBである取引所は五つであります。それから、副理事長、専務理事、常務理事まで含めますと、八つの取引所のうち七つまでがそのポストは天下りによって占められている。それから、取引所だけじゃありません、取引会社、ここへの天下りも五社あるわけであります。
 こういう状況を見ますと、きちっとした行政による業界の指導監督というものがなかなかできにくい状況にあるんじゃないか。一方で消費者被害が拡大していっている。今回の規制緩和でその懸念がさらに拡大することが予想される。
 そういう中で、私、大臣に最後にお伺いしますが、取引所のこういう姿勢をきちっと正すこと、それから通産省などの業界への天下りに見られる癒着構造をきちっと断つこと、これなしには市場の信頼性は確保できないと思いますが、いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(堀内光雄君) 国家公務員の民間企業への再就職というような問題、これは行政の中立性の確保ということだとか、退職公務員の職業選択の自由、これは両方それぞれの立場がございます。そういう問題を調和を図りながら、多様なそれぞれ経験を有する人、立派な人材が民間企業あるいはこういう場所においてニーズにこたえて就任をされるということ自体は私はあってもいいことであろうというふうに思います。ただ、それから先の姿勢の問題だというふうに思いますので、基本的にはこれについて、現状においては天下りがいいとか悪いとかいう問題とは直接つながらないんではないかというふうに思います。
 あと、通産省における関連の行政経験を通じて今まで国際的な感覚を持たれたり商品の生産あるいは流通についての知見を有する方々でありますから、こういう方々が取引所の業務に参加をされること自体、これも商品取引所の円滑な効果的な運営というものができるということになれば、これまた私は一概に否定はできないものではないかと思います。しかし、それから先の姿勢の問題としては、これはかりそめにも世の中の方々から非難をされるような姿勢を持っていた場合にはもってのほかだというふうに思いますし、そういうことのないように指導してまいらなければならないと思っております。
 また、幾つもある中のほとんどがというような形になりますとちょっと、いろいろと言われることにもなると思いますから、そういう点はよく考えていかなきゃならない面もあるかもしれませんので、そういう点は私も行政の中で理解をしながらしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
#156
○山下芳生君 実態は、幾つもある中のほとんどなんです。それから、そのOBが天下ったところで申告漏れ、追徴課税という事件が起こっているわけですから、再考されることを要望いたしまして、終わります。
#157
○水野誠一君 さきがけの水野でございます。
 我が国の商品先物市場についてはいろいろ今まで御説明がありましたが、出来高などで見ると世界的な規模に達している、しかし質の面では国際水準化がなかなかなされていないということが問題ではないかと思います。
 現在、我が国の先物市場における市場価格が現物市場価格と全く連動していない、あるいは現物取引における価格指標として信認されていない。さらに言いかえれば、商品価格におけるイニシアチブあるいはグローバルスタンダードをとれていない、こういう実態こそが我が国商品先物市場での最大の問題ではないかと思うわけであります。例えば、輸入穀物の国内先物価格が生産地の市場価格よりも安いなどという常識的にはあり得ないことが生じているということで、こういう視点から見ても、シカゴとかロンドン、ニューヨークなどの国際市場と比べて日本はまだまだローカルな市場だという感じを受けるわけであります。
 その原因の一つに、私は先物取引特有の取引仕法の問題があるのではないかと思います。
 今、私の手元にたまたま、これは関門商品取引所における輸入大豆の昨年七月一日の取組高表があるんですが、これを見てみますと非常に不思議な実態がわかる。
 この取引は、専門用語になりますが、板寄せという、一日六回、場節と言われる特定の時間ごとに市場の売りと買いを寄せ合って値を決める一種の競りみたいなものです、こういう仕組みで決められるということなんです。その各場節ごとの業者別の売買高を見ていきますと、なぜか売りと買いがほぼ同数になっている。つまりその枚数がほぼ同数なんだと。しかも、売りも百枚、買いも百枚とか、売りも三百枚、買いも三百枚というような、なぜか丸い数字が多い。この辺も非常に不思議な感じを受けるわけなんです。
 加えて、この取引にはさらに特殊な仕組みがあるというふうに言われています。それはバイガイつけ出しと言われる方法でありまして、これは今申し上げた場節による板寄せによって取引価格が決定した後に、二十分間であればその取引に後づけの売り買い注文ができるという仕組みだということであります。実は、各場節の取引のうち板寄せで出てくる注文というのが何と一〇%程度、一割程度でありまして、残りの九割というのが値が決まってからその後に行われる、そういう非常に特殊な方法がとられているということであります。
 先ほど申しました売り買い注文が業者ごとにほぼ同数であるということとあわせて、この板寄せにバイカイつけ出しという方式を組み合わせた取引は市場価格の公正性にどうも疑問があるのではないかという指摘もあるわけであります。この指摘が正しいかどうかということは私も専門的にはわからないのでありますが、少なくとも公明公正な取引市場であるということを主張するのであれば、こういった不透明な価格決定の仕組みは直ちに廃止をして、商品先物市場における取引はすべて完全なざらば取引、つまりこれは常に取引が行われていて随時売買契約がされていくという証券市場などで我々が目にしている方式でありますけれども、こういう方式をとるのが自然ではないかというふうに思います。ちなみに、諸外国の商品先物市場ではすべてこのざらば取引で行われているということでありました。
 もし商品ビッグバンということで外資が参入してくる場合を考えますと、こんな不明朗な値決めをしていたら市場としての信認を失うことになるのではないかというふうに思います。現在のところ各取引所の取引というのは取引所の定款等で決められているということでありますが、我が国の方針として商品市場の国際化を目指すということであるならば、政府としても何らかの措置をとるべきではないかと思うのでありますが、この点についていかがでしょうか。
#158
○政府委員(岩田満泰君) 取引仕法についてのお尋ねでございますが、ざらば取引と申しますのは連続的な取引を行うという仕法でございますので、海外の商品市場ですとか為替市場の価格といった刻一刻変化をする情勢に対応して取引を行うことが可能であるという長所がございます。一方、板寄せの取引につきましても、一定の時刻に取引を行うために取引が集中されて、比較的流動性の少ない商品であっても価格形成を行うことができるという長所がございます。
 それぞれの仕法にそれなりの長所があるわけでございますが、御指摘のように、今般の商品取引所審議会の答申におきまして、市場での売買仕法につきましては、商品及び市場の特性にもよるけれども、極力国際的な仕法及び慣行に合わせることで対応することが適当であるという御指摘を受けておるわけでございます。今後この本答申の趣旨に沿いまして、通産省としては、各商品取引所においてそれぞれの商品や市場の特性に応じまして適切な対応が図られますように指導をしていきたいと、このように考えております。
#159
○水野誠一君 そういう意味からも、国際水準であるざらば取引の方向に持っていくべきではないかということを重ねて指摘しておきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、質の改善の絶対不可欠な条件として、先ほど来、個人の投資家が非常に多いということが繰り返し述べられているわけでありますが、個人ではなく、むしろ機関投資家の市場参入、この要素が質の改善ということにおいて非常に重要な要素ではないかと私は思います。金融先物あるいは証券先物が我が国において大きな市場として急激に成長し、世界的にも大きな影響力を持てるようになったというのは、大口投資家である年金基金や生命保険会社などの機関投資家がプレーヤーとして参加をしている、こういう実態にあるというふうに思います。
 数千億もの巨大な資金を動かす資金運用のプロが、なぜ商品先物市場に魅力を感じないのか、あるいは資産運用の場としてふさわしいと考えていないのか、この意味の重大性を真剣にとらえないことには、我が国の商品先物市場の国際化あるいは成長というものは望めないのではないか、こういうふうに感じるわけであります。
 そういう視点から申しまして、この商品先物取引というもののこれからの市場を考えていったときに、もう既にいろいろな委員からも御指摘がありましたが、一般個人の商品先物取引に大きく期待をしていくというよりも、むしろ積極的にこうした機関投資家の商品先物市場への参入を促進させるという考え方、これが重要なポイントになると私は思うのでありますが、この点について大臣の御所見を例えればと思います。
#160
○国務大臣(堀内光雄君) 先生おっしゃるとおり、機関投資家がこういう先物市場に今まで参画していないというのは、やはり一つは信頼性の問題ではないかというふうに思います。今までこの商品先物市場に対する一般的な国民的認識というのは、非常に何か危ないところであるという認識を持っている人が多かった。また、今度の法律もそういうものを心がけて、それを払拭するための、この市場というものが非常に将来性のある、しかも堅実なものにつくり上げていくための法律改正だというふうに私は認識しているわけなのであります。
 そういう意味で、今度の場合にもその一番基本になるのは信頼性をつくるということであると考えまして、これは信頼性を得る場合に、一般投資家というものはやっぱり大きな対象でありまして、ここの認識が改まることが大きな重要なことだというふうに思います。今までの、顧客の知識等の状況に照らして不適当な勧誘を禁止するという、いわゆる適合性の原則の導入、あるいは委託者保護に関する規定というものを今度は充実したわけであります。また、商品取引員が委託者の保護のために行う自主的な努力を促進するために、自主規制機関をつくってその中で協会員に対する制裁権の機能を持たせるというようなことも行いましたし、またあるいは市場における不公正取引等については、刑事罰も強化するというようなことも行ってまいります。
 こういうものの運用をしっかり行うことによって、一般的な認識としての商品先物市場に対する信頼感をつくり上げ、それがまた結果的には機関投資家の参入にもつながっていくというふうに私は認識をいたしております。
#161
○水野誠一君 私は、今の大臣のお言葉ではありますけれども、逆に一般投資家の市場に対する信頼感をつくっていくためには機関投資家が参入していくということがむしろ先なのではないか。それによって市場に対する信頼感ができてくる。しかも、機関投資家が参入するためには、先ほど質問いたしましたけれども、先物取引特有の取引仕法というものをやはりグローバルスタンダードに合わせて変えていくということ、これが第一に必要なのではないかということをぜひ強調させていただきたいというふうに思っております。
 もう一つ、これも先ほど来いろいろ各委員からお話があります。つまり、勧誘方法等に対する苦情の問題であります。これは驚くべきことに国内公設業者、すなわち全国八取引所の正式会員の中の仲介専門業者の実に六七%が苦情の対象に挙げられているという事実であります。これは皆さんがおっしゃるように一部の業者の不届きな行為だということではなくて、むしろそういう次元を超えた問題としてとらえなければいけない。それから、これは先ほど山下議員の指摘にもございましたが、十年前の調査から全く改善されていない。こういう状況を考えたときに、私はやはり大きな体質的問題としてとらえなければいけないというふうに思います。
 事実、私もしつこい勧誘ということで辟易した記憶もございますし、またそれを断りますと、今度はもうやくざまがいの開き直りで大変家族などが震え上がるような、そういった怖い思いなどもございます。そういう事実を考えていったときに、業界の自主規制に対する期待、あるいは先ほど来御説明のあるようないろいろな指導ということだけではなかなかこの体質というのは改善されていかないのではないだろうか。
 そういう視点から、この指導ということについても今回の法改正とともに、あわせてぜひしっかりとお願いをしたいということを最後にお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#162
○委員長(吉村剛太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#163
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表し、商品取引所法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 反対理由の第一は、商品取引員の資格要件の緩和や取次業務の解禁などは、日本版ビッグバンに合わせた制度改革であり、商品先物市場への大銀行、証券会社などの参入を促進し、一般消費者など国民を投機に駆り立て、日本経済の一層の投機化、カジノ化を進めるからであります。
 反対理由の第二は、本来、危険性が大きい商品先物取引は、商品の生産、流通に関係する当業者に限るという当業者主義に徹するべきであるにもかかわらず、これに反するものであり、消費者被害を一層拡大するからであります。
 反対理由の第三は、これまで賭博まがいの行為として禁止されてきた店頭商品先物取引を、その賭博性を何ら変えることなく解禁することは到底認められないからであります。
 最後に、我が国の商品先物市場の信頼性が乏しい中で、信頼性を向上するには、何より行政としての積極的な監視、監督なくしてはありえず、当業者主義に徹し、委託者保護を強化し、消費者被害を防ぐことを最優先にした制度改革を行うべきであることを述べて、反対討論を終わります。
#164
○委員長(吉村剛太郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 商品取引所法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#165
○委員長(吉村剛太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 平田健二君から発言を求められておりますので、これを許します。平田健二君。
#166
○平田健二君 私は、ただいま可決されました商品取引所法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、新党さきがけの各派及び各派に属しない議員椎名素夫君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    商品取引所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一、商品の上場に係る許可、認可基準等が緩和されることにかんがみ、それが商品市場の活性化に資するものとなるよう環境整備に努めるとともに、上場商品の適格性について、上場の効果、流通実態等を踏まえ常時見直しを行い、上場の適格性を失ったものについては速やかに廃止を検討すること。
 二、市場取引監視委員会が、システム取引の普及・活用による取引実態の把握等を通じ、市場監視機能の充実を図り、公正、透明な商品市場を実現できるよう指導、監督に努めること。
 三、委託者保護の見地から、委託者財産の分離保管を徹底させるとともに、受託取引の適正化を一層進めること。
   なお、預託先銀行等の経営破綻への対応策についても早急に検討すること。
 四、適合性原則の導入を踏まえ、商品取引員の営業姿勢の適正化に努めるとともに、商品取引員の業務実績、財産状況等のディスクロージャー、電話勧誘時における告知制度等不当な勧誘の防止策、適切な受託の実現策など、取引前の事前保護策についても引き続き検討すること。
 五、あっせん・調停委員会の委員の適切な人選、業務運営が図られ、商品先物取引協会に対する信頼性向上につながるよう努めること。
 六、商品取引員の取引委託の取次ぎ業務については、委託者保護に欠けることがないよう商品取引員の許可、業務の監督等に万全を期すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#167
○委員長(吉村剛太郎君) ただいま平田健二君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#168
○委員長(吉村剛太郎君) 多数と認めます。よって、平田健二君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、堀内通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。堀内通商産業大臣。
#169
○国務大臣(堀内光雄君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
#170
○委員長(吉村剛太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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