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#1
第142回国会 経済・産業委員会 第8号
平成十年四月九日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     倉田 寛之君     小山 孝雄君
     西田 吉宏君     釜本 邦茂君
     鈴木 和美君     谷本  巍君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉村剛太郎君
    理 事
                沓掛 哲男君
                畑   恵君
                平田 耕一君
                平田 健二君
                梶原 敬義君
    委 員
                釜本 邦茂君
                小山 孝雄君
                斎藤 文夫君
                成瀬 守重君
                吉川 芳男君
                小島 慶三君
                前川 忠夫君
                海野 義孝君
                加藤 修一君
                谷本  巍君
                山下 芳生君
                平井 卓志君
                水野 誠一君
   国務大臣
       通商産業大臣   堀内 光雄君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       村田 成二君
       通商産業大臣官
       房審議官     杉山 秀二君
       通商産業省通商
       政策局次長    佐野 忠克君
       通商産業省貿易
       局長       今野 秀洋君
       通商産業省環境
       立地局長     並木  徹君
       通商産業省機械
       情報産業局長   広瀬 勝貞君
       特許庁長官    荒井 寿光君
       中小企業庁長官  林  康夫君
       中小企業庁次長  中村 利雄君
       中小企業庁計画
       部長       中澤 佐市君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   説明員
       大蔵省主税局主
       税企画官     細溝 清史君
       大蔵省証券局証
       券市場課長    柏木 茂雄君
       大蔵省銀行局銀
       行課長      内藤 純一君
   参考人
       日本銀行理事   本間 忠世君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する
 法律案(内閣提出)
○日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動についで御報告いたします。
 本日、鈴木和美君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案の審査のため、本日、日本銀行理事本間忠世君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(吉村剛太郎君) 中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○小島慶三君 おはようございます。大臣、お出ましをいただきましてありがとうございます。
 私、通産省の関係ではいろいろお伺いしたいことも多々あるわけでございますが、本日は中小企業の問題に限りましてお伺いをいたしたいと思います。
 これは私ごとになりますけれども、私は実家が足袋屋でございまして、足袋の製造販売というのをずっとおやじの代からやってまいったわけで、中小企業の問題については中小企業の汗も涙もよく知っているつもりでございます。
 そういった意味で大変関心を持っているわけでございますが、そういうこととは外れまして、まず中小企業の位置づけということでございます。例えば、事業所の数にしてみれば中小企業のウエートというのは九九・一%と大変高い率、小企業に限りましても相当に高い。それから、従業員数にしてみれば四千二百二十七万というのが最近の数値でありまして、これは日本の全体の従業員の七五%、これも非常に高い。それから、付加価値にいたしましても大体五三%前後を推移しておりまして、もっとも小企業になりますとずっとこれが落ちますけれども、しかし大変にこれも高い数値であるというふうに思っております。輸出のウエートもかなり高いということで、中小企業のウエートというのは私は非常に高い位置を占めていると思うんです。
 しかし、残念ながら、予算の数値になりますと千二、三百億台というのがずっとでございます。もちろん来年度の緊縮予算についてはさらに締められているということで、よその省庁に委託している予算が八百億台ございますから、それを加えるともうちょっとふえますが、しかし全体の予算七十何兆に比べますと〇・二、三%という大変低いウエートしかない。これは少しおかしいんじゃないかと前から思っているわけでございますが、もうちょっとあれしないと中小企業軽視ということになりかねないと思うのでございますが、この辺はいかがでございましょうか。
#7
○国務大臣(堀内光雄君) 委員の御指摘のように、中小企業の占める位置というものは日本の産業を支える一番大きなものであるというふうに思っております。事業所数あるいは全従業員の占める割合、ただいま先生のお話のとおりでございますし、我が国の経済社会において極めて重要な地位を占めておりますし、日本国内における雇用を支え、地域を支え、国民生活を支える基盤になっていると認識をいたしております。
 また、中小企業はその持ち前の機動性といいますかそういうものを発揮できる、小回りができる、同時に創造性を発揮して大いに活動ができるということから、産業構造の変化の担い手となって我が国の経済の発展を支えてきたものでありますし、また同時に、これから先も支え、大変重要な役割を果たしていただくものであるというふうに考えております。
 その点でまいりますと、ただいま委員のお話のように、我が通産省の中小企業庁だけでまいりますと千三百十三億、他省庁のものを入れても千八百五十八億というような数字は極めて少ないと私も存じております。中小企業の重要性を考えましたとき、この中小企業対策の予算というものはもっと積極的に拡大をしてまいらなければならぬというふうに私は思っております。
#8
○小島慶三君 ありがとうございました。
 そういった意味で、ひとつ中小企業関係予算のかさ上げということを何としてもやっていかなければならないんじゃないかと思っております。日本経済の活性化という場合に、まず中小企業に元気がなくなったらこれはもうおしまいだと私は思っております。
 それから、これももう一つ私ごとで申しわけございませんが、私、そういうことで実家が実家なものですから、大学へ参りましたときにも中小企業の勉強をしたいということで、当時、後で学長になりました上田貞次郎先生に入門をしたわけでありますが、山中篤太郎先生がその学問の後を継がれまして、中小企業論というのを確立したわけでございます。
 そのときに両先生から言われたことで非常に頭に残っておりますことが一つございまして、それはどういうことかと申しますと、日本は中小企業論なんだよというわけなんです。外国には大企業と小企業というそういった議論はある。産業構造論としてそういう議論はあるけれども、中というのはない。日本にはミドルというものがあって、それが非常に大きな意味を占めているんだと。それがあるから産業構造の上で非常に弾力性があるということを先生から懇々と言われたわけなんです。中企業の問題の重要性ということをやはり日本は考えなきゃいけないということを言われたわけであります。
 それに照らして考えますと、最近私が心配しておりますのは、大企業と小企業・零細企業の二極分化というか、そういう動きが非常に目立ってきております。そういうことになりますと、これは単に大企業と小企業の格差が拡大するということだけではなくて、この格差の拡大というのも最近は非常に顕著でありまして、九三年当時は大企業と中小企業で〇・五%ぐらいの生産指数の上での格差しかなかった。それが九五年は四・九になり、最近では一〇を超えてきております。そういうことで、格差の拡大というのは非常に大きな問題であります。
 それと同時に、この二極分化ということが起こると、これは大企業と零細企業の分化ということで、真ん中に立つ中企業というもののウエートの減少ということにもなりかねないというふうに思っております。
 そこで、先生方から教えられた中企業の重要性ということから見るとこれは大変なことであって、日本経済の特殊性といったようなものを失わせる傾向ではないかと思っておりますが、この辺についてはどうお考えでございましょうか。
#9
○政府委員(林康夫君) 先生御指摘の二極分化の傾向、そして中小企業と大企業の格差の問題はおっしゃるとおりでございまして、最近の規模別製造工業生産指数でも、これは平成二年を一〇〇とした数字でございますが、平成十年二月の速報で大企業が一〇一・一、中小企業が九一・四というふうにその格差が広がってきている状況でございます。
 この原因でございますけれども、最近、電気機械あるいは輸送機械、自動車等の生産がふえたときの中小企業への波及効果が非常に低い。ちなみに、一単位の需要がふえた場合の例えば自動車産業における中小企業の生産増は〇・七一でございまして、半導体に至りましては〇・二八。これらはいずれも海外展開とかあるいは大企業が内製化を進めているといった構造変化を背景にしておるわけでございます。ただ、中には流適合理化という側面も背景にあるわけでございまして、こういった構造変革が原因になっているわけでございます。御指摘の中企業も、こういった大きな構造変革の流れの中で二極分化の傾向を強めていることも事実でございます。
 私ども、中企業も含めて中小企業が我が国の経済活力の源泉ということで極めて重要な地位を占めていると認識しておりまして、今後ともこういった企業に対する円滑な資金供給、人材育成、技術開発支援等中小企業の経営資源の強化を図ることは極めて重要だと思っております。実は、本日御審議いただいているこの法案を初めとしまして、中小企業の発展を支える環境の整備によってダイナミックな中小企業の発展に貢献していきたい、こう思っております。
#10
○小島慶三君 ありがとうございました。
 それで、そういうふうな中小企業の構造の変化というか、そういうことが最近起きてきて非常に注目を要すると思うんですが、特に最近の動きとしては、不況の第三局面という言葉が私適当かと思うんですけれども、金融デフレというものが非常に目立った動きになってきております。これは、私、前回の委員会でも申し上げましたので詳しくは申しませんけれども、やはりこの点はよくよく考えて対処していかないと大変大きな傷を後に残すということになるのではないかと思っております。
 それで、七日でございましたか、衆議院の方で委員会に大銀行のトップのお歴々九人をお呼びいただきまして、そこでいろいろ最近の金融の問題、不祥事とかそういうことも含めまして、金融の貸し渋りといったような点が大分問題になっていたようでございます。
 例えば、それに対しまして富士銀行の方は、増加資金手当の一切のものを中小企業につぎ込む、こういうことをおっしゃっておられた。あるいは東京三菱のトップの方は、最近の時点でも前年比七千三百億増、その中の四千八百億を中小企業につき込んだ、非常にウエートをかけてきておるということを言っておられる。それから、住友の方はたしか、余裕のできた資金一兆円をこれから中小企業につぎ込むというふうなことで、大変頼もしい回答が返ってきたというふうに新聞で私拝見をいたしました。
 しかし、考えてみますと、果たしてそれだけの決意、それだけの方向というものが銀行全体に、支店の末端に至るまで周知徹底しているのかどうか、そういうふうに銀行の考え方というものが上から下までもう徹底して行われるという状態になっているのかどうか、その辺ちょっとまだ不安な気がいたします。
 銀行からすれば、利益率ということを当然考えなければならない。利益率という点を考えると、大企業に対する貸し金の利益率と中小企業に対する貸し金の利益率では、むしろ中小企業の方が利益率としては高い。だから、そういう方向に全体の金融のマネジメントを持っていくという可能性はあるといたしましても、目先の問題として当面課せられた銀行の資本充実健全化のそういったテーマというのは、これは余りにも大きい。したがって、果たして中小企業に重点的にこれから金が出ていきます、貸し渋りはなくなります、そういうことをまともに受け取っていいのかどうか、非常に私疑問に思っているわけでございます。
 私の先輩である今度日銀総裁になられた速水さんあたりも、貸し渋りというものの解消にはかなり時間がかかるということを言っておられるんですが、この辺はどういうふうにごらんになっておられますでしょうか、お聞かせいただきたい。
#11
○国務大臣(堀内光雄君) 中小企業に対する貸し渋りの問題、これはなかなか現状も厳しい状況だというふうに感じております。通産省が三月の中旬に実施いたしました調査でも、民間金融機関の貸し出し姿勢が厳しくなったというものが全体で三割を超えているわけであります。地域的には北海道、関東、近畿において非常に数字が高くなっておりますし、特に近畿においては四割の事業者が民間金融機関の貸し出しが非常に厳しくなったということを言っております。そういう状態の中で、先般金融機関への公的資金の投入というものがございました。
 そこで、私どもといたしましては、中小企業に対する政府系金融機関の対策というものは緊急避難的なものであって、本来は民間金融機関が行うべきものであって、それがなかなか貸し渋りという形でうまく流れできていない。今までまだ公的資金を投入されていなかった段階ではまだしも、公的資金を投入した以降においてもさらにこういうものが続くとなっては問題であるということから、特に大蔵大臣、総理大臣も、これから先の貸し渋りは徹底してないようにということで、総理からも各金融機関のトップに対して貸し渋りをなくすようにという強い要請を行いました。その後において形としては相当緩和をされてきたというふうに認識をいたしておりますが、いまだにまだ厳しい面が残っているというふうに感じております。
 そういう意味で、私どもの方の中小企業に対する対策といたしましては、政府系金融機関及び信用保証協会における特別な相談窓口の設置だとか、新たな融資制度を設けたり、マル経資金というものの拡充を行ったり、この制度の幅を非常に広げたり、今まで保険限度額が倍額になる業種が非常に少なかったものを八十一業種にまでふやしたりというような対策を行ってまいりました。
 その結果、十二月から先月の末までに、政府系中小企業金融機関全体で約二兆七千億円、前年同期比で二五%のプラスということになっております。また、無担保無保証の例のマル経資金というものについては千八百億円、前年同期比で六一%増ということになっております。また、信用保証協会におきましては約六兆円、これは前年同期比で九%増という伸びになっているところでございます。こういうことを見ましても、相当の対応は政府系金融機関で行っているということがおわかりいただけると思います。
 さらに、中小企業を取り巻く環境というものは、五月の決算発表というものをにらんでまいりますとさらに威しくなる面が予測されるところでございますので、引き続き予断は許さないということから、先般も政府系金融機関のトップに全部集まってもらいまして、私の方からさらに中小企業者の立場に立った対応を徹底するようにということで実施をいたしまして、さらに非常に前向きに取り組んでもらっているというふうに考えております。
#12
○小島慶三君 ありがとうございました。
 そういう手段で、通産省の方からもぜひこの貸し渋りの解消ということについてさらにお骨折りをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それから、最近の不況感、これを一段と強くしたのはビッグバンということでございます。ビッグバンのメリットにつきましていろんなことが書かれており、報道されておりますけれども、これはやはり長期的に効果をもたらすものであって、当面は非常に深刻な不安感というものを中小企業に与えていると私は思っております。
 そういう点で、このビッグバンの根拠も、流行と言っては失礼ですが、最近の規制緩和万能論というものの一環としてこれは出ていると思うんですけれども、規制緩和は決して万能ではない。これは市場の欠陥と申されるようなものがそうでありますが、規制緩和のもたらす弱肉強食といったような傾向、これはやはり深刻な影響を一般的には与えざるを得ない。したがって、このビッグバンというものの実行、これはやる必要のあるものもあると思いますが、この手順それからタイミング、この辺はぜひお考えをいただきたい。これは希望だけ申し上げておきます。
 それから、本日の議題につきまして少しお尋ねをしたいと思います。
 今回の法律事項としては、これはアメリカで行われているシステムというものを大体見習っているというふうに思うわけでございますが、日本でこういう法律に沿った新しいシステムを導入してどのような効果が期待されておるか、まず総括的に通産省のお考えをお聞かせいただきたい。
#13
○政府委員(中澤佐市君) この法律のシステムが入ることによりましてどのような効果を期待するかということでございます。御案内のとおり、日本の中小ベンチャー企業、これまではほとんどが事業を始めたりあるいは事業を新たな分野に展開していくときに、大体銀行からの資金の借り入れでやってきておったわけでございますが、まさにベンチャー企業の信用力、物的担保力が不足しているということで、そういうときに資金調達がなかなか困難だったわけでございます。
 そういう中で、資本という形でいわゆるリスクマネーを供給するということがこういうベンチャー企業を支援するのに重要であるわけでございます。日本にも現在までのところ民法上の組合という形でそういうリスクマネーを供給するという仕組みはあったわけでございますが、それにもいろいろと問題点がございました。今回この法律によりまして、今委員が言われましたアメリカのシステムということでございますが、ある意味では現在のグローバルスタンダードのシステムでございます、こういうシステムを入れることによりましてベンチャー企業に対して担保不要のリスクマネーを供給することをどんどん促進できるような仕組みをつくるということで、ベンチャー企業あるいは新分野に出る企業の後押しができるのではないかというふうに考えてございます。
#14
○小島慶三君 このベンチャー企業というものの育ち方、こういうものを私ども見ておりますと、日本ではベンチャー企業というものはスタートすることが非常に難しい。
 まず、リスクマネーという考え方が非常に日本ではおくれてきたというふうに思うんです。先般、私どもお願いをいたしましてベンチャー企業の株式上場という問題について御配慮をいただき、そういった法律もできたということで喜んでおりますが、その反面、全体としてはベンチャー企業のスタートというのはなかなか難しい。一つには、資金がなかなか集まらない。それから一つには、例えばスタートした後の事業の保証といいますか、販売先の確保とかそういったことはなかなか一遍には難しい。それから一つには、人がなかなか集まらない、殊に創造性を持った人材の確保ということはなかなか難しい。もう一つは、やっぱりリスクマネジメントというものに対する自覚も、それから周りの理解も不足であるということがいろいろあると思うんです。
 しかし、アメリカの事例を見てまいりますと、初めから非常に金が集まる。日本の場合には殊に最初の金を集めるというのが非常に難しい。アメリカの場合にはそれが非常に活発に最初からリスクマネーが集まる。これは何か年金の運用というふうなことが言われているようでありますが、年金の運用ということがアメリカの場合にはどうして非常に活発に行われているか、その辺お聞かせをいただきたい。
#15
○国務大臣(堀内光雄君) 委員のお話のとおり、ベンチャー企業を育成する場合にはリスクマネーの供給というものをしっかり行わなければまずスタートができない。同時に、有能な人材を確保するということが二つ目に重要であります。三つ目に、独自の技術開発の推進ということが行われることが重要だということになっております。
 そういう意味で、今度の問題を含めまして、資金の面と人材の面と技術の面についてのベンチャー支援ということに取り組んでいるわけであります。今の委員のお話のように、アメリカでは年金資金などが投入できるけれども日本ではどうしてできないんだろうかという面がございましたけれども、その点を今度のこの法律によってカバーしようということでございます。
 具体的に言いますと、昨年、投資信託、上場しないでスタートしたところのベンチャー株もその対象に織り込んでよろしいというふうに法律を改正いたしましたので、これがまず一つ資金の投入ができるようになったということ。
 と同時に、今度の場合には、本日御審議をいただいている投資事業組合法案、これを成立させていただきますと、今まで日本の場合には組合員各自がすべての無限責任を負うという形になっておりましたので、事業に何か問題があったり失敗しますと厚生年金の出た元まで波及をするということになっておりますのを、今度は組合員の方は有限責任に切りかえるということになっております。これによりまして、米国と同じように年金資金などの非常に広範な投資家からのベンチャー企業への資金供給が促進されることになるということでございます。この法律案が通ることによって、先生の御心配のような、あるいは疑問をお持ちいただいたような、アメリカのようになぜいかないかという点を解消することができるというふうに思っております。
 また、人材面では、企業の人材確保のためにこれまたストックオプションの制度をいち早く取り入れまして、有能な人がその企業の中で会社を発展させればストックオプションによる報酬が人材に戻ってくるということが可能になるような制度をつくり上げておりますので、これまた非常に大きな成果が上がるのではないかというふうに思います。
 もう一つ、大学の技術で休眠した特許がいっぱいございます。そういう休眠した特許をベンチャービジネスの中で大きく活用できるようにするというような、知的財産権の取得や成果を民間に移転できるような大学等技術移転促進法、これを今回の国会においで御審議いただいているわけでございます。
 こういう三点セットができ上がりますと、ベンチャーに対する支援とまた将来に向かっての大きな発展が可能になってくるというふうに考えております。
#16
○小島慶三君 ありがとうございました。
 そういった三点セットでぜひこの法律が成果を生むように私どもも祈りたいと思います。
 それからもう一つ、アメリカで非常に活発であり日本でそうでないという一つの比較面といいますか、これには個人のファイナンスということがあるのではないか。最近、エンジェルという言葉で呼ばれているようでありますが、そういったエンジェルというものはなぜ日本とアメリカではビヘービアがそう違うのか、この辺はどういうふうに御説明いただけますでしょうか。
#17
○政府委員(林康夫君) エンジェルの違いでございますが、基本的には投資に伴うメリットという点で現在のアメリカの方が若干進んだ仕組みを持っているのではないかということがあると思います。
 ただ、今回の投資事業組合法も、無限責任を有限責任にするという観点からそういった彼我の格差を是正するという役割を持つものでございます。ただ、私ども昨年の暮れにいわゆる高額所得者に対する調査をいたしたのでございますけれども、実は非上場非公開株、実はこれは縁故債なんかも多いんですけれども、に投資をした経験がある方というのは三割ぐらい日本でもおられるんです。そして、第三者的な企業の非上場株に既に投資した経験があると言われた方も実は一五%ぐらいおりまして、日本のエンジェルの候補者と申しますか、ポテンシャルはかなり大きなものがあると私どもは認識しております。
 したがって、こういった今回提案させていただいていますような法案あるいはさまざまな税制のメリット等がそろえば、かなり日本においてもエンジェルが大きく広がっていくのではないかという感じがしております。したがって、私どもはできるだけ制度を充実して環境を整えるという点に重点を置いて推進してまいりたいと考えておるわけでございます。
#18
○小島慶三君 ありがとうございました。
 この日本とアメリカのいわゆるエンジェルと言われる金持ちの投資ビヘービアの差といいますか、これについてはもっと突っ込んでいけば相続税の問題とかいろいろと出てくると思うのでありますが、これはまた別な日に別な課題として扱わなきゃならないと思いますので、本日は御質問申し上げません。
 人の問題というのは、やはりこの問題を推進していく場合に非常に重要であろうというふうに思っております。いろいろ制度ができまして、新しい制度でなれないものですから、いろいろ役所とか自治体に頼っていく面がかなりあると思うんですけれども、これはマネージをする人の自主性といいますか、独立性、創造性、そういったものにできるだけ任せていった方がいいというふうに私は思っております。余り手とり足とりということでありますと、このシステムはうまくいかないのではないかと思っております。
 これも私の事例でございまして、お聞かせするのもちょっとなんでございますが、私は小島塾というのを全国で三十五持っております。その小島塾の中で非常に創造性に富んだ中小企業、こういった連中もたくさんおります。
 その一つとして、分社制というのを推進している人がありまして、これは大体何か仕事を推進していく場合に百人単位、せいぜい百人までの人数ぐらいでないとそれに参加している従業者のあらゆるところまで見るというわけにはいかないと。例えば、どういうふうな性格でどういうふうな処世観を持って、またどういうふうな人生経路を経て、どういうふうに事業にそれを生かしていくか、こういったことを一々上から見で見分けがつくのは百人までだというので、どんどん会社を細胞分裂していっております。大体今三十七、八会社ができておりますけれども、これがいわゆる小企業でなくて、非常にハイレベルの技術を持った小企業としてどんどん伸びている。
 彼に言わせると、株式上場ということをいろいろ人に勧められる、また勧めに来られるお役人もある。しかし、自分はそういうふうには持っていかない。なぜかというと、金を借りれば借りたなりに非常に制約が多い、いろいろ注文も多いということで、自分の個性というものがそういうことだとマネジメントに生きてこない。だから、そういうふうに頼るようになってはおしまいだということを言うわけであります。
 だから、このベンチャーキャピタルの今回の推進に当たっても、余り手とり足とりで指導されるということがないように私はぜひその辺のことを御注意いただきたいというふうに思っております。この辺はいかがでございましょうか。
#19
○政府委員(林康夫君) 実はベンチャーという言葉自体にもむしろ自主性という言葉が反映されていると思うんですけれども、まさにベンチャー振興というか、ベンチャーが発展していくためにはアメリカのように自主性を重んずるべきだという点は全く同感でございます。
 私どもは、基本的にはベンチャー育成のためには環境整備が重要だと認識しておりまして、今御指摘の小島塾のある企業のように、依存せずに立派に自分で立ち上がっている企業も数多くベンチャーの候補の中にはある、またベンチャー企業の中にもあると思っております。こういった企業については、できるだけ自主性を尊重して活力を引き出すという環境を整備するという観点で考えております。この法案もまさにこのような環境整備を行うものといたしまして、実は非常に異例の法案なんですけれども、行政庁によるベンチャー企業の認定等は一切この法案の中には入っておりません。そういう観点でこの法案をお願いしているわけでございます。
 企業の分社化も一つの重要な手段ではありますけれども、できるだけこういった分社化等によって、また自分の最も適切なリスク管理という観点から、大胆な事業展開あるいは各事業分野ごとにおのおのに最も適した雇用形態、労働条件等を採用していくことがまさにこのベンチャー企業のあるべき姿、こういうふうに認識しております。
#20
○小島慶三君 そろそろ時間が参りますが、あと一、二問御勘弁をいただきたいと思います。
 今回、予算が通ったわけでありますが、それに加えて景気振興策としての追加の財政出動といったようなものが既に議論され始めようとしているわけでありますが、その一つのめどとして従来の公共事業のかわりに新しい社会資本といいますか、そういったものを大きな柱にしてそれに金をつぎ込んでいくという発想があるようでございます。
 私、大変それは結構なことではないかというふうに思っております。予算が最初に議論されましたときから私もそういう主張をしているわけでありますので、大変結構だと思うんですけれども、そういった金が一兆八千億円とか言われておりますが、せっかくそういうふうな金が出るのであれば、これはやはり今回のベンチャーキャピタルの推進についてもそれとかみ合わせてと申しますか、何かベンチャーキャピタルの推進になるような仕組みの予算編成というものが考えられないかどうか。これは全くの素人考えでございますが、そういうことができれば非常にこの推進についても役に立つと思うのでございますが、そういうことは可能でございましょうか。
#21
○国務大臣(堀内光雄君) きょうから今のこれからの景気対策の問題がスタートするわけでありまして、どういう方向でどういう取り組みをするかということは、まだ全く方針も出ているわけではございません。きょうの三時以降に総理の記者会見において一つの方向づけが出てくるかもしれないというふうに思っておりますし、また私どもの閣僚も二、三、総理の官邸に呼ばれることになっておりますが、私はこちらの委員会がございますので次官を差し出すことにいたしております。それらの検討の結果の中で、今先生の御指摘のような問題、中小企業問題というものを通産省としては強くいろいろ出してまいりたいというふうに思っております。
#22
○小島慶三君 私の質問をもう一問で終わりたいと思うんですが、さっきこれは聞き漏らしたんですけれども、ベンチャーキャピタルの推進ということの中の一つに大学との連携ということがあるのではないかというふうに思っております。
 例えば、アメリカのケースでも、大学の先生方が中心になってベンチャーをつくるとかそういうふうな動きもかなりあると、現実にそういうことがあるようでございますが、日本の場合には、大学は大学で、事業化とかそういったことには非常に無関心というか、そういうところが多い。大学によって、大学の先生方によってこういったベンチャーキャピタルが成功し、またそれがどんどん実を結んでいくというふうな動きではどうもないように思うのでございますが、その辺、通産省としてはどういうふうにお考えでございましょうか。
#23
○政府委員(杉山秀二君) ただいま先生から産学連携の重要性についての御指摘がございました。ベンチャー企業等の新規産業をつくり出していくためには、産学連携によります技術開発あるいは大学におきます研究成果などが産業界に円滑に移転をされまして、大学の研究成果あるいは研究機能といったようなものが活用されることが大事であるというのは先生の御指摘のとおりだと思っております。
 この点につきましては、科学技術基本計画とかあるいは産業構造改革プログラムといったようなところにおきまして指摘をされているところでございますが、そういう指摘にのっとりまして、最近、私ども政府といたしまして産学連携の促進を図るための体制整備をいろいろ進めてきておるところでございます。
 例えば、大学の人材の活用という観点からは、一定の範囲内で兼業の規制を緩めるとか、あるいは通産省でやっておりますようないわゆる提案公募型の研究開発制度をつくるといったような施策の充実を行っておるところでございます。
 また、このような産学連携施策に加えまして、先ほど大臣から御説明をいたしましたように、大学におきます研究の成果というものをできるだけ円滑に民間事業者に移転を進めるという観点から、今回、産学連携法案といった法律につきまして現在国会で御審議をいただいているところでございます。
 当省といたしましては、文部省といったような関連の官庁とも十分連携をとりまして、先生おっしゃいますような産学連携施策ということに力を注いでまいりたいと考えております。
#24
○小島慶三君 終わります。
#25
○加藤修一君 公明の加藤修一でございます。
 まず第一番目に、投資額の見通しということについて質問をしたいと思います。
 通産省は今回の法律で厚生年金基金等年金資金から、あるいは海外の年金資金からのベンチャー企業投資、それを引き出せるように考えて法案化されているわけでございますが、アメリカのベンチャーキャピタルほど収益性が高くないと、そういった指摘も多くあるわけですけれども、そういった点から考えていきますと非常に心配だなというところもございます。果たしてうまくいくのかなという感じがしているわけでございますが、果たしてこの法律でアメリカと大きく開きのある投資額がどこまで伸びるのか、そういったことは非常に大きな問題だと思いますけれども、そういった点について通産省はどのような見通しをお持ちでしょうか。
#26
○政府委員(林康夫君) お答え申し上げます。
 本法案に基づく投資事業組合でございますけれども、今回新たに有限責任を確保するということで、また組合員による組合業務に関する情報入手の権利も確保されるということから、この法案が成立いたしますれば、かなり海外を含めて年金基金を含む機関投資家等によるベンチャー投資が円滑に行われるようになると思っております。
 具体的にどの程度ふえるのだ、こういう御質問でございますが、一つは米国の年金基金等による本法案に基づく組合への出資というのがあるわけでございますし、第二には我が国の企業年金等の機関投資家による信託銀行あるいは生命保険会社を通じた本組合への資金供給、これも期待できるわけでございますし、また今後は運用規制を緩和していただければ我が国企業年金等による本組合への直接的な出資の道も開けるわけでございまして、私どもとしてはこれらを通じてかなり大きな伸びが期待できると考えております。
 実は、現在の我が国のベンチャー投資残高は八千億円強でございますが、仮に我が国の企業年金等が今後三年間で米国における一九八〇年代並みに全資産運用中の二%程度を投資事業組合への出資に回すようになると想定いたしますと、二〇〇一年におけるベンチャー投資残高は約二兆円を超える規模にまで増大するものと試算しております。
 ただ、御指摘のように現在景気が停滞しているということもありますし、アメリカの状況と比べでそういうビジネスチャンスは少ないのではないかというお話でございますが、確かにそういう要素はあります。ただ、現状でもアメリカの年金基金が現在の民法上の投資事業組合を通じて若干の投資を行っておりまして、現に日本の資金需要というのは大変大きなものがございまして、これは諸外国と比べましても規模において相当大きなものがございますので、海外の投資家の目からはかなり熱いまなざしが日本のマーケットに注がれているのも事実でございますので、私どもはこの程度は期待してもいいんじゃないか、こういうふうに考えております。
#27
○加藤修一君 そのように期待どおりいくことを私も願うわけでございますけれども、なかなか私は厳しいという認識を持っているところでございます。
 この法案に関連しまして、より一層ベンチャー企業投資が拡大していくようにという観点から、関連のいわゆるサポートするような法案ということも考えていらっしゃるんでしょうか。
#28
○政府委員(林康夫君) 実はこれは民法の特例法でございますけれども、ベンチャー振興のためには、先ほど大臣の方からも御答弁いたしましたが、基本的にはストックオプション制度の充実あるいはエンジェル税制の活用といったような点が必要でございますし、また人材養成の施策等さまざまな施策が相まってこういった施策が前進していくのではないかと考えておりまして、これは予算面あるいは今後の検討課題として必要な措置を考えていくということになると思います。
#29
○加藤修一君 現時点では関連のサポートするような法案については考えていないという理解をしたいと思いますけれども、それでよろしいですか。
#30
○政府委員(林康夫君) 法案の形ではこの法案をまずお願いしたいということでございますけれども、当然のことながら予算措置あるいは金融措置等で大きな前進ができるような措置をさまざま検討中でございます。
#31
○加藤修一君 今回の法案の名称についてちょっとお尋ねしたいんですが、確かに中小企業という名前が表に出でいて中小企業等ということなんですけれども、本法律案で投資対象とされている企業は、いわゆる中小企業基本法で定める中小企業者よりもはるかに広い範囲といいますか、かなり大きな企業も含まれる可能性がある。例えば、従業員が千人程度の企業まで含まれるとした場合、それを中小企業等という言葉でまとめでいいのかどうなのか、その辺非常に疑問があるところなんです。
 それで、中小企業等という形で法案名をつけているわけですけれども、いかにも中小企業のためを装っているようなとらえ方もできる。実態は必ずしも中小企業のためではないのではないか。この法案が検討されていた初期の段階では投資事業有限責任組合、そういうふうになっていたわけです。その証拠に、今回の法案の中の第五条、名称使用制限の規定では投資事業有限責任組合、そのようになっている。
 こういった観点から考えでいきますと、法案自体が中小企業を余り意識したものではないというような見方もできる。ある意味では、これは非常にごまかし、まやかしに近いかなという感覚で私はとらえているわけですけれども、先ほど小島委員が中小企業の活性化、かさ上げをするということがやはり産業全体のかさ上げにつながると。そういった観点がある意味では非常に無視されている嫌いがあるんではないかという思いがいたしますので、その辺について明快な答弁をお願いしたいと思います。
#32
○政府委員(中澤佐市君) 御指摘のとおり、本法案におきましては、組合の投資対象となります企業は、大半が中小企業基本法に申します中小企業者に該当することになると思いますが、それ以外に、今委員御指摘のように、資本金五億円以下とか従業員千人以下といったような形で一部中堅企業まで対象とさせていただいております。
 このように中堅企業の一部についても対象に含めることといたしましたのは、我が国におきましては、中堅企業の自己資本比率というのも中小企業並みに低くて一五%にも満たないという実態がございます。まさに中小企業とほとんど同じでございます。また、中堅企業も中小企業と同様に物的担保不足等に悩まされておりまして、まさに資金調達がなかなか困難であるという実態がございます。したがいまして、このような一部の中堅規模の企業につきましても投資によるリスクマネーの供給をする必要性が極めて高いという判断をして対象にしたわけでございます。もちろん、大半は中小企業でございますので中小企業等という形にさせていただいたところでございます。
 さらに、今委員御指摘の名称制限のところで、投資事業有限責任組合ということになっているではないかという御指摘でございますが、今回の法律のポイントといいますのは、民法上の組合でございますと全員が無限責任というところ、こういうふうな中小企業等ベンチャーに対する投資組合につきましては、今回の法律によりまして業務を執行しない組合員につきましては有限責任にするというところが一つ大きなポイントでございます。
 特に、債権者保護といったような第三者保護との関係での登記制度というのを本法案の中で入れさせていただいているわけでございますが、その第三者保護という観点からいたしますと、まさに有限責任であるというところを広く公示して予見可能性を高めるというところがポイントということで、先ほどのような名称制限の形になっているというふうに御理解いただきたいと思います。
#33
○加藤修一君 私自身がなかなか整理できないわけですけれども、どうもそういった最初私が質問したような意味もなくはないなという感じがまだしております。いずれにしましても、中小企業がより一層振興されるように法を円滑に十分に活用していただきたいと思うわけでございます。
 それで次に、現在ある投資事業組合について、移行の問題でございますが、既に投資組合が投資している会社、それがここの法案におきます中小企業等の条件を満たしていない場合、確認で聞くわけですけれども、投資組合が今回の法律で有限責任組合になることができるのかどうか。その辺の確認だけちょっとお願いいたします。
#34
○政府委員(中澤佐市君) 現行の民法上の組合の移行の御質問でございます。
 現行の民法上の投資組合でありましても、全組合員が当該組合契約を終了させて新たに本法案に基づく組合契約を締結することによりまして、本法案の組合に移行することはもちろんできるわけでございます。ただその中で、過去の投資によりまして、その民法上の組合のときの過去の投資でございますが、それによって投資先企業の中に、本法案で言います中小企業等の範囲を超えることとなった企業があるというふうな組合の場合でございますが、それを持ったまま移行するということは、これはできないというわけでございます。
 ただ、そういうふうな中小企業等を超えるようになっている投資先企業というものは、外部資金を調達し得る蓋然性が相当程度高まっているということでありますので、本法案に基づく組合による追加投資を受けなくでもやっていけるという一つの整理をいたしまして、本法案の対象とする必要性は少ないというふうに考えたところでございます。
#35
○加藤修一君 こういう場合はどうですか。例えば、有限責任組合にすることが可能になった。そして、その相手の企業、投資先の企業については当然今回の中小企業等の条件を満たしている。しかしながら、投資を続けていった先に大成功をその企業がしていったと。大成功をして、実は今回の中小企業等の制約条件を超えるような事態が生じた場合についではどのように考えたらよろしいですか。
#36
○政府委員(中澤佐市君) 法律案のここにも書いてございますが、本組合の投資をしたときにこれは中小企業等であったと。その後、この組合がいろんな支援、指導などもしながら、その企業も頑張って中小企業等を超える企業になったということはもちろんあるわけでございます。そういう場合にはいわゆる追加投資というのができるのかできないのかということになろうかと思いますが、本法案の組合というのは、そういうふうな株式未公開の中小ベンチャー企業をできるだけ大きくして、そして上場していただくというふうなことのためでございますので、このような上場に向けて追加投資をしていくということは本組合の中でも十分可能である、そういうことでやれるということでございます。
#37
○加藤修一君 そうしますと、枠を超えてもできるという話ですから、では先ほどの投資組合が投資できないという投資組合が相手の企業で、しかもそれが中小企業等の要件を満たしていないケースの場合、有限責任組合にできないということですけれども、公平性を欠くような事態になりませんか。
#38
○政府委員(中澤佐市君) いわゆる最初に対象となる企業が大きくなってその範囲を超えた場合の追加投資につきましては、現在中小企業投資育成株式会社という制度がございます。この法律の中でも、一億円を超えてとその法律ではなってございますが、なった場合でも追加投資が可能であるというふうになってございます。
 ただ、今先生が公平性が損なわれるのではないかという御指摘でございますが、新たにこの有限責任投資組合をつくる時点でどこまでの企業を対象にするのかといったときに、外部資金の調達がなかなか難しいと思われる企業ということで、ここで対象にしておりますような中小企業等の範囲を定めておるものでございますから、それを超えての部分についての投資というのはやはりこの有限責任組合法ではできない。ただし、そうでなかった企業がこの有限責任組合によって投資をされて、その後、まだ上場はされていないけれども頑張ってその企業が大きくなってきているというときについて上場に向けて追加投資を行うというのは、まさにこの組合が投資先企業が上場することによって利益を得るということの組合でもございますので、その公平性という点については問題はないというふうに考えてございます。
#39
○加藤修一君 別の質問に移りたいと思います。
 法案の中に公示と、通常登記所に登記することで足れりとされているわけですけれども、法律案の趣旨からしますと、登記のみでは到底その目的を達することができない。
 すなわち、第三者が有限責任組合あるいは無限責任組合と、それが区別できるような公示制度として登記所に登記するようになっているわけですけれども、本当に海外から投資家を呼ぶということであるならばやはり英語で情報を提供する必要があるんではないか。
 さらに、情報開示についても、アメリカ等の投資家を呼ぶということを考えていくならば、米国の格付会社が十分その格付をでき得るような情報開示が十分なされなけりゃいけないと思いますけれども、その辺につきまして、海外企業の情報開示の内容と、現在通産省がお考えになっている情報開示の内容についてどのように考えているわけでしょうか。
#40
○政府委員(中澤佐市君) 今、公示制度の関係で海外投資家との御質問でございますが、本法案の公示制度は、主に組合の債権者等の第三者に対して本組合が有限責任組合であることについての予見可能性を与えるための登記制度ということでございます。
 御指摘のとおり、海外投資家による投資を本組合についても期待しているわけでございますが、海外投資家が本組合の債権者になるということはほとんど想定されないと考えでございます。したがいまして、登記に際して英語の契約書の添付を義務づけるというような必要はないのではないかと考えでございます。
   〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕
 ただ、海外投資家をこの組合への投資者として呼び込んでいくということのための努力というのは必要だと思っておりまして、本法案の成立後に、法文の英訳などを行いまして広く海外投資家に対してもPR活動を行っていきたいと考えてございますし、またインターネットなどを活用したグローバルな広報活動にも努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#41
○加藤修一君 情報開示について大臣の方はどのようなお考えに立っていらっしゃいますか。
#42
○国務大臣(堀内光雄君) この法案の立案に当たりましては、やっぱり海外投資家にとって魅力的なものでなければいけない、そういう意味では海外投資家に対しても情報開示の制度をしっかり整備しておかなきゃいかぬだろうというふうに思っております。
 具体的には、海外投資家を含む多様な投資家による情報入手の権利というものを確保するために、業務を執行する組合員に対しまして財務諸表あるいは業務報告書、こういうものの作成を義務づけることにいたしております。また、それに対する公認会計士あるいは監査法人、こういう者の意見書の添付も義務づけることをしなければならないと思っております。
 さらに、財務諸表の作成に当たりましては、現行の商法におきまして採用されておりますところの株式の取得についての取得原価主義にとどまらないで、商法より一歩先に行きましてグローバルスタンダードにかなった時価主義も盛り込んでいくべきだろうということで、そういう方向で公認会計士協会と協議をいたしております。
 海外の投資家からも十分に評価をされる情報開示制度を行ってまいりたいというふうに考えております。
#43
○加藤修一君 それでは、ベンチャー企業関係として、情報産業にかかわる部分について質問をしたいと思います。
 今回の法案はベンチャーへの資金供給を円滑にするためにある、そういう理解で私もおります。ただ、常に私の中に基本的な疑問としてあるのは、なぜ日本でマイクロソフトやネットスケープ、そういったベンチャー企業が育たないのか、そういう非常に大きな疑問があるわけであります。しかも、こういう企業が育ってくることがすなわち情報産業がより活性化していくことになるわけですけれども、確かに日本はこれまでにソフトウエア産業振興のためにさまざまな施策が講じられてきていたはずで、しかしながらそういった意味での世界に通用する人材あるいは企業が少な過ぎる。
 そういった観点から考えていきますと、施策の効果に対して私は疑問を示さざるを得ないわけです。たしか十数年前あるいは二十年前ぐらいに、将来の情報産業の発展を考えていくとSEとかプログラマーとかが相当数不足する、そういうことで各地で情報産業にかかわる学校が軒並みできたという経緯がございますけれども、それにもかかわらずという言い方をせざるを得ないんです。
 振興策の一環として行われてきております情報処理技術者試験、これについて取り上げたいと思いますけれども、情報処理技術者試験の受験者数、これは毎年とのぐらいでしょうか。
#44
○政府委員(広瀬勝貞君) 情報処理技術者試験は昭和四十四年からやらせていただいておりますけれども、平成九年度でございますが、五十万人を超える方に応募をしていただいております。合格者は六万人ぐらいということになっております。
#45
○加藤修一君 五十万人もの受験者数がいる、そういった中でどうしてソフトウエア産業が育たないかということなんです。
 例えば「Java」というマガジンがございます。これは昨年十二月に創刊された本でございますけれども、「これでよいのか日本」という特集がございます。IBMとかマイクロソフト社、そういった全世界のコンピューター会社が利用しているプログラム言語に日本では余り関心が持たれていないというふうに指摘がなされているわけですけれども、なぜそういう指摘がされるかということについてお考えになったことはございますでしょうか。
 あるいは、こういうことが言われる原因として、現在の試験、その中身が問題ではないか。そもそも現在どのような開発言語が試験の中で使われているかということについて、知っている範囲でお願いしたいわけです。
   〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕
#46
○政府委員(広瀬勝貞君) 先生御指摘のとおり、この情報処理技術者試験は、情報処理分野の人材の育成あるいは技術者のレベルの向上にとって非常に重要なものでございまして、私ども常にこれの見直しをしながらやっていかなきゃいかぬというふうに考えております。
 この試験の分野でただいま使わせていただいております言語は、COBOL、FORTRANそれからアセンブラ言語、それにC言語でございますが、こういう言語を選択していただけるというふうにしております。
#47
○加藤修一君 今開発言語の話がございましたが、COBOLとかFORTRAN、アセンブラ、確かに一部では使われているわけでございますけれども、これはほとんど使われなくなっている傾向に私はあると思うんです。使用しているメーカーはありますけれども、私から言わせれば、時代錯誤的な言語についでまだ試験の中で取り上げてやっているということ自体について、これは非常に大変なことではないかと思うんです。
 今はC言語、C++あるいはPASCAL等々が主に使われているということを私は聞いております。そもそも言語自体が飛躍的に今進歩しているわけでありまして、御存じのように現在ではオブジェクト指向言語、こういったものが主流になっているわけであります。こうした新しい言語の新しい概念について試験をすべきであって、着流のCOBOLとかFORTRANといったものをいつまでも試験の中に入れておくことは、今後の情報処理産業を含めて、非常に大きな足かせになっていく可能性があるのではないかと私は思いますけれども、その辺についてはどうでしょうか。
#48
○政府委員(広瀬勝貞君) 御指摘の点はよく私どもも勉強してみなきゃいかぬと思っておりますし、またこれまでもいろいろ議論をしてまいりましたけれども、言語をCOBOLやFORTRANに限って試験の対象にしているわけではございませんで、お話のありましたC言語なんかも含めてこれを選択していただくということにしておりまして、できるだけ言語の面でも技術の進歩に即応できるような、対応できるような制度にしてまいっているつもりでございます。
#49
○加藤修一君 アメリカの現実を考えていきますと、アメリカの大学のカリキュラムを見ていきますと、もうCOBOLとかFORTRANとか、そんなのは全然やっていないんです。大体C言語なんですよ。もうこれは五年前の話ですよ。五年前の話でC言語が入ってきている、C++とか。実際問題、今の世界的な動向を考えていきますと、そういう開発言語というのはもうC++それからJavaに移行しつつあるわけでして、それに対応した試験内容になっていないと、受験者はやっぱりそれは選択とはいいながらもそれを勉強せざるを得ないというところがあるわけなんです。エネルギーをそこに注ぎ込まなければいけない。場合によっては、今使っていない言語それ自体をコンピューターにインストールしてその勉強をしているということも聞いているわけでして、本当にそういった意味では試験の内容について更新をしなければいけない。
 これだけ変化の激しい業界にあって、試験がそれに対応したものになっていないということは非常に大きな問題だと私は思いますけれども、そもそもこの試験が何年に一回更新をされているのかどうか、その辺を押さえていらっしゃいますでしょうか。
#50
○政府委員(広瀬勝貞君) 言語について御指摘がございましたけれども、先ほど申し上げましたように、COBOLとかFORTRANは汎用機の開発等にはまだ必要な言語でございまして、そういう実態も踏まえて、しかしC言語といったような新しい言語も取り入れて選択制度にさせていただいている次第でございます。
 それから、実際の技術進歩に合わせて常時見直しをしなければならない、これはもう御指摘のとおりでございまして、最近でございますけれども、平成六年度にダウンサイジングに伴いまして専門分野に特化した技術者を育成する必要があるということで、試験区分を五区分から十三区分にいたしました。
 それから、平成九年度には、この試験のもとになりますカリキュラムにつきまして、ネットワークの利用の拡大を踏まえまして改定を行ったといったようなことで、私どもも常時見直しをしてまいっているつもりでございます。
#51
○加藤修一君 常時見直すという話ですけれども、その常時ということで第二種の標準カリキュラムを考えていきますと、先ほど申し上げましたように、プログラム言語としてはC、COBOL、FORTRAN、CASL、アセンブラという種類でございますけれども、こういうことじゃちょっとだめだと思うんです。そして、聞いてみたら、六年に一度ですよ。まあ一カ月が一年に相当するぐらいハイスピードで進んでいる、変化している、技術革新が進んでいる業界でございますから、六年に一度やるというような試験ではなかなかスピードが速い業界に対応した内容になっていないと私は思うんです。これについて善処していただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
#52
○政府委員(広瀬勝貞君) この情報処理技術者試験は、先ほども申し上げましたように、この分野の人材育成にとって大変大事なツールでございます。
 今五十万人の方に受験をしていただいて、これが企業における一つのキャリアパスにも活用されるというようなことで社会的にも非常に重要なものになってきておりますので、常にそれだけの気持ちを持って真剣に見直しをしていく必要があるというふうに考えております。
 ただ、試験制度ということでございますので、技術の最先端を常時取り入れていくというわけにもいかないという点もありまして、その辺の兼ね合いもつけながら時代に即したものにしてまいりたいというふうに考えております。
#53
○加藤修一君 善処をしていくということで、六年に一度なんというような話にしないで、二年とかかなり短期間で中身を変えていくような対応を私は強く要望しておきたいと思います。
 それから、この資格試験ということについてそれなりの意味があるというふうにおっしゃっていますけれども、確かに受ける方が五十万人いるということはこういった問題について関心があるという言い方もできますが、企業の募集要項の中にはこういったことは一切入っていないんです。
 私は議員になる前は大学にいまして、その大学の中で社会情報学科というのがありました。そこで、大学としては将来の大学競争に強くしていかなくちゃいけないということで、大学の自己評価の中でそういった問題が出できました、つまり資格をどう取るかという話で。しかし、この情報処理技術者の関係の資格については大学もある意味では認めていません。こんなの取ったってどうということないんだと。これが企業の募集要項の中にどうしても必要だという形にはなっていない。実態は確かにそうなんですよ。
 ただ、五十万人も受ける方がいるわけですから、そういった関心層はたくさんある。そういった意味では、先ほどから申し上げていますように、プログラム言語の最近のものをうまく勉強できるような機会を通産省の方としては設けるべきじゃないかなと思うんです。
 それで、私は、通産省がこういった面での実態把握をしていないんではないか。こういった面というのはどういうことかと言いますと、企業がどういう開発言語を主に使っているのか。FORTRANか、COBOLか、C言語、C++、あるいはJavaかと、その辺の実態調査というのをおやりでしょうか。
#54
○政府委員(広瀬勝貞君) 私ども、この分野の技術の動向につきましては、国内外の産業界あるいは大学とか国立研究所といったところと協力をいたしまして情報収集や分析を行っているところでございます。
 また、そういう結果を技術開発プロジェクトの企画の段階からできるだけ取り入れてやれるようにしているところでございます。また、提案公募形式の研究開発といったようなものがございまして、そういう分野ではもうニーズの段階から、こういうニーズがあるからこういう分野についてこういう技術開発をやりたいという、そのニーズを含めた提案をいただくというようなことでニーズの把握をしているところでございます。
 Java言語についてもお話がございました。実は情報処理振興事業協会というところで提案公募型の開発をやらせていただいておりますけれども、二年前にはJava言語については全く採択がございませんでしたが、現在平成九年度ではこの提案公募型の採択の中の全体の二割をJava言語が占めておるということで、こういう技術開発の分野では新しい言語の採択をしてきているつもりでございます。
#55
○加藤修一君 先ほども申し上げましたように、やはり情報処理産業を含めて開発部門の会社がいかなる開発言語を使っているか、それについて私はきちっと実態調査をすべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
#56
○政府委員(広瀬勝貞君) 最先端の言語の動向につきましては私どもしっかり把握をさせていただいているつもりでございますけれども、なおこの点につきましては大変重要なことでございますので引き続き怠りのないようにしてまいりたいというふうに考えております。
#57
○加藤修一君 最新版の開発言語でありますJavaについては、先ほど紹介いたしました「Java」という雑誌の中では、ある種のシンポジウムとかそういうものを開いた、これはJavaカンファレンス、九七年九月三十日に行われたわけです。アメリカはもうこういったJavaの関係の講演会が開かれると立錐の余地もないくらいに多くのディベロッパーやプログラマーが来場する。しかし、この記事によりますと、「当日は約五百席が用意されたにもかかわらず、ほとんどが空席という悲惨な状況だった。」というんです。これは啓蒙の仕方も当然あるでしょうけれども、やはりJavaについての啓蒙が全体的に行き届いていないという部分もあります。通産の役割として、MITIというふうにインターナショナルとついているわけでございますから、その辺の国際的な動向を踏まえた形で、やはり関連の企業がJavaについてより一層認識を深めるような、そういうことも考える必要が私はあるのではないかと思います。
 このJavaについで、ISOとIECがサン・マイクロシステムズのPAS提案者を受けることになったわけです。アメリカではソフトウェアといえばJavaの製品という時代に入っているわけですし、百以上の大学でJavaの教育が行われていると言われている。しかし、日本では今紹介いたしましたようにJavaの普及はいま一つである。こうしたことをどうするかという点でやはり予算とかエネルギーを向けるべきであると私は思っているわけですけれども、この辺についてはどうでしょうか。
#58
○政府委員(広瀬勝貞君) ただいまお話がありましたように、Java言語につきましては、新しいオブジェクト言語としてこれがまたネットワーク上でも非常に使いやすいということで注目を集めていることは事実でございます。私自身もことしの年初、サン・マイクロを訪問いたしまして、Java言語についていろいろ勉強してまいりました。
 ただ、どういう言語を使っていくかということは、ある意味では民間の激しい競争の問題でございまして、Java言語をもってサン・マイクロとマイクロソフトの競争とかいったようないろいろ激しい競争が行われているものでございます。私どもとしては、そういう中で、どういう言語が一番いいのかということについてよく見きわめをつけながら対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 日本の民間企業もJava言語については非常に関心を持ってしかるべく対応をしているものというふうに認識しております。
#59
○加藤修一君 通産の所管の財団等々がございますが、例えば財団法人で日本情報処理開発協会、ここでもそれなりの活動をしていると思うわけですけれども、その活動の状況、とりわけ国際動向に対応していわゆる開発言語についてのシンポジウム等々を含めて啓蒙に対してどういった活動をされているか。あるいはこの財団に限らず、通産所管の情報関連の公益法人がどういう活動をしているか、それについて報告をしてほしいんです。レポートを出してほしい。そのように思いますけれども、どうでしょうか。
#60
○政府委員(広瀬勝貞君) 各財団の活動状況については既にインターネット等で公にしておりますけれども、しかるべく御説明、御報告をさせていただきます。
 各団体とも任務に応じまして最先端の技術の動向を踏まえながら研究開発等をやっているものというふうに考えております。
#61
○加藤修一君 情報産業の中では非常に変化が激しい、日進月歩なわけでございますけれども、勉強をして資格を取ったはいいけれどもある意味では古かったという、そういった意味では資格試験それ自体が意味をなすかということは非常に根本的な問題であるように思います。こういったことも踏まえて、やはり通産省が考えている情報産業の振興政策のこういった部分については非常にまだ力が弱いと私は考えているわけでございます。
 最後に、こういった面について通産大臣はどのような御見解をお持ちでしょうか。よろしくお願いいたします。
#62
○国務大臣(堀内光雄君) 委員の御指摘のとおり、情報産業というものは我が国の経済を牽引するリーディングインダストリーだというふうに思います。そういう意味で、情報産業のこれからのさらなる発展を目指して新たな技術を生み出していくということは非常に重要でございます。
 同時に、それをいかに活用していかに産業界が発展をするもとにしていくかということになりますと、それはソフトウエアの面、またネットワークの面、こういうところに大きく重要性が出てくると思いますので、ただいまの御質疑の内容をしっかりと受けとめまして、またそういう方面について真剣に取り組みをして、真の電子技術立国になるべく情報技術開発政策に積極的に取り組んでまいる覚悟でございます。
#63
○加藤修一君 終わります。
#64
○山下芳生君 九七年版の中小企業白書では、中小企業の廃業率が開業率を上回る逆転現象が続いている、とりわけ開業年次の若い企業の廃業率が増加していることを指摘しております。この中にはベンチャー企業の倒産もあります。最近では有名ベンチャー企業も倒産しているのが特徴であります。中小企業創造法で認定された優良ベンチャーも含まれております。私は、開業率を高めることも大事だとは思いますが、その前に廃業率の上昇を抑えないといけないというふうに思います。
 廃業率の上昇の原因をどう分析しておられるでしょうか。
#65
○政府委員(林康夫君) 御指摘のように、これは民間の調査機関の調査でございますけれども、倒産件数が昨年十月以降千四百件から千六百件レベルで推移しておりまして、これは最近五年間の中小企業の平均月間倒産件数が千二百四十件であることから考えても、大変高い水準にあるのはそのとおりでございます。
 倒産の原因でございますけれども、その約六割が販売不振、赤字累積等を主因とする不況型倒産でございまして、これは現下の中小企業をめぐる厳しい景況がベンチャー企業を含めて倒産件数の増加の最大の要因であると認識しております。
#66
○山下芳生君 そういう厳しい環境に置かれている企業、とりわけ今回の法案はベンチャー企業の支援のための法案だというふうに言われておりますけれども、私は、ベンチャーの支援ということなら、開業前、事業の開始直後、あるいはその事業が軌道に乗る前の段階などなど、いわゆるアーリーステージ、初期段階での支援というのが大事だというふうに思います。その点で中小企業創造法では、その法の支援対象を設立から五年以内の創業期の中小企業と規定をしております。これは妥当な規定だと思うわけです。
 ところが、今回の法案では、先ほどの加藤委員の御指摘もあったように、支援対象は中小企業等となっておりまして、資本金が五億円以下、従業員数一千人以下、負債額が二百億円以下など、これは中小企業基本法の定める中小企業者の規模よりかなり大きな企業を対象にしている。しかも、設立後年数の規定あるいは大規模会社の子会社でないことなどの規定もありません。これは私は、日本のベンチャーキャピタルの現状からすると極めて不適切な規定であると言わざるを得ないと思うんです。
 といいますのは、現在の日本のベンチャーキャピタル、投資事業組合の実態ですが、アーリーステージヘの投資というのは、例えばアメリカでは六六%がアーリーステージの企業への投資になっておりますが、日本では現在一七%しかありません。設立から十年以上の企業に対する支援が圧倒的に多い。リスクの少ないレーターステージ、すなわち株式公開直前のいわば企業としてある程度でき上がった段階での投資がほとんどであります。
 アメリカでも、最近、こういう後期段階の企業に対する大量の資金運用による支援を行うベンチャーキャピタルもふえているそうですが、アメリカではそういう企業は、自身のことをベンチャーキャピタルというふうに規定せずにプライベート・エクイティー・キャピタルでありますとかマーチャントキャピタルと規定しているところもあるわけです。日本のベンチャーキャピタルというのは、特に銀行や証券系のベンチャーキャピタルというのは、このアメリカの後期段階を支援するキャピタルに近いという専門家の指摘もあります。
 こういう実態を私は変えていかなければならないと思うんですが、今回の法制定でこういう実態、後期段階にシフトしている今日の日本のベンチャーキャピタルの実態を改めることになるんでしょうか。
#67
○政府委員(中澤佐市君) 御指摘のとおり、これまでの我が国の投資事業組合によりますベンチャー投資におきましては、どちらかといえば公開間近の企業に対する投資が多かったのは事実でございます。これは、我が国のベンチャーキャピタル業界がある意味では発展途上であるためであるという理解をしております。
 しかしながら、このような公開間近の企業への投資というのも既に発掘の面では限界に近づいてきておりますし、またベンチャーキャピタルにおきます投資ノウハウの方も大分向上してきておりまして、これらが相まちまして中小ベンチャー企業の創業時を含めましたアーリーステージヘの投資の割合が徐々に高まってきていると思っております。
 ちなみに、平成七年度と八年度で比較いたしますと、ベンチャーキャピタルの投資先の企業の中で設立五年未満の企業への投資のシェアでございますが、平成七年度は一二%ぐらいだったわけでございます。平成八年度におきましては二五%近くにまでふえてきでございます。先ほど委員御指摘のアメリカという段階までにはまだ行っておりませんが、次第にふえできていると思います。特に、本法案が制定されますことによりましてより多様な幅広い投資家による出資が促進されることになれば、より多くのリスクマネーがアーリーステージの中小ベンチャー企業へと供給されるようになるのではないかというふうに考えてございます。
 なお、冒頭、中小創造法に五年未満というふうに限っているではないかというお話がございました。
 もう委員御案内のとおりでございますが、中小創造法は、この法律の仕組みの中で、創業間近の企業に、認定をした企業に対して、財政的な支援、創造技術研究開発費補助金といったものを出して助成をしていく、あるいは税制上の支援、これは設備投資に対する減税措置といったような形で、財政、税制、金融、いろいろな形での公的支援を行う法的な仕組みになってございます。
 他方、今回御審議をお願いしているこの法案におきましては、基本的には民間の経済活動の中での枠組みを整備するという法律でございますので、民間ベンチャーキャピタルの投資対象の可能性のある範囲ということであのような形での投資対象の整備をしたということでございまして、それぞれの考え方でやらせていただいているところでございます。
 いずれにしましても、この法案の成立によりましてリスクマネーの供給というのが有限投資事業組合を通じてふえていくということになりますと、先ほど申しましたように公開間近の企業というのもそれはなかなか減ってきておりますし、アーリーステージの企業への投資がこの法案の成立によりましてもさらに促進されていくものというふうに我々は期待しております。
#68
○山下芳生君 私、期待はわかるんですが、なかなか実態はそうなるのかなというふうに思うわけです。そもそもベンチャーキャピタルとは何かという点でしっかり考えないといけない面がある。
 中小企業白書、平成八年版ではこうあります。「ベンチャーキャピタルとは、将来性のある、主として未上場・未登録の企業に対し、資金とともに各種の経営資源の提供を行うことにより、これらの企業を育成し、その株式価値を増大することでキャピタルゲインを得ることを目的とする事業者である。」。企業を育成する、資金の提供だけではないということであります。
 それから、日本の最大手のベンチャーキャピタル、日本合同ファイナンス、現ジャフコの海外審査部長であった秦信行現国学院大学経済学部教授も、アメリカではベンチャーキャピタルの事業の本質は、投資事業といっても企業の創造を単なる資金提供だけでなく幅広い経営支援で支援し、その初期の成長を支えていくことが大きな目的であり使命の一つとなっていると述べておられて、その上で日本のベンチャーキャピタルの現状についてこの教授はこう言っております。主として企業としてある程度でき上がり株式公開も終えているような企業に投資し、余り経営支援は行わないで比較的短期間で資金回収を図っていくタイプ、単なる投資事業により近い事業を展開していると指摘しております。つまり、本来のベンチャー支援のあり方からかなり外れているのではないかという指摘であります。私は、現状の分析としては当たっていると思います。
 同時に、今御答弁ありましたけれども、今度の法案でそれがシフトしていくのではないかという期待ですが、私、なかなかそうならないんじゃないかという危惧を持つ一つの根拠として、現在の日本のベンチャーキャピタルの実態を見る必要があるというふうに思うわけです。
 公正取引委員会の「我が国におけるベンチャー・キャピタルの実態調査報告書」では、平成六年の我が国のベンチャーキャピタル数は百二十一社、そのうち銀行、証券など金融系が七五%を占めていると報告されています。アメリカでは七八%が複数の個人の出資による独立系のベンチャーキャピタルであることと対照的な中身になっているわけです。
 それからまた、中小企業庁の「ベンチャー企業への資金供給円滑化研究会報告書」を見ますと、
 投資事業組合への業態別投資主体の筆頭は「事業法人」で、比率は四五・八%と出資金額全体の半数近くを占めている。以降、「都市銀行・長信銀・信託銀行」(一六・三%)、「地方銀行・第二地方銀行」(八・六%)、「信用金庫・信用組合等」(四・八%)などが続いており、銀行系の組合員だけで約三割を占めている。そこに「証券会社」(二・四%)、「生命保険会社」(七・六%)、「損害保険会社」(一・八%)などを含めると、金融機関だけで約四割を占めるに至る。海外投資家は四%程度と低く、また「個人」(一・一%)の出資比率も、非常に低い水準にとどまっている。
これが現状であります。
 つまり、日本のベンチャーキャピタルの七五%は銀行や証券など金融系の企業になっている。そのベンチャーキャピタルが業務執行組合員となってつくられる投資事業組合の組合員も、五割が事業会社、四割が金融機関であります。こういう成り立ちでは、企業を育てるという観点よりも利益を上げるということがその目的の中心とならざるを得ないんじゃないか。
 今回の法律の制定により無限責任を有限責任にするということになったとしても、こういう傾向というのは私はなかなか変わらないんじゃないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
#69
○政府委員(中澤佐市君) 今委員御指摘のとおり、現在、我が国のベンチャーキャピタルの中で銀行系、証券系等のベンチャーキャピタルが多いのはまさに事実でございます。
 しかしながら、本法案成立によりまして業務を執行しない組合員の有限責任が担保されるということになれば、さまざまな投資家からの幅広い資金というのが入ってくるわけでございます。今まで大手系列のベンチャーキャピタルからすれば、その親会社等の資金というもので相対的に有利であったのかもしれませんが、この法律の成立によりましてさまざまな資金が入ってまいりますれば、いわゆる独立系のベンチャーキャピタルにとってはその能力に応じて幅広い投資家からの投資を集めてやっていけるということになるわけでございます。そういう意味では、現在独立系のベンチャーキャピタルというのはたしか三十社ぐらいというお話だったと思いますが、この十年間で倍増しているわけでございますけれども、この法案の成立によってさらにそれがもっと加速していく。
 そういう意味では、ある言い方をすれば、ベンチャーキャピタルの中で独立系のベンチャーキャピタルがこの法案の成立による投資環境の整備によって相対的に力を発揮できるようになっていくのではないかというふうに考えてございます。
#70
○山下芳生君 それも極めて実態からかけ離れた希望的な見方だと言わざるを得ません。
 日本のベンチャーキャピタルの場合、上位十社はほとんど金融・証券系です。この上位十社の占めるシェアが九六年三月末の時点で、投資社数で五八%、投資金額で六六%となっております。だから主流は金融系のベンチャーキャピタルであります。そこが中核になって、個人の資金や年金基金が仮に流入したとしても運用するのはそういう企業でありますから、アーリーステージあるいは企業を育てるというよりも、より資金の回収が得やすいところにやはりとどまるのではないかというふうに私は危惧するものであります。
 もう一つ心配な点を少しお伺いしたいと思います。
 資金がベンチャー企業に回るということは非常に重要なことですが、いろんな環境が今悪化しておりますから、今回のこの法制定がベンチャー企業に対する資金の提供というふうに実際総合的に見てなるのかという心配なんです。
 第三次ベンチャー支援ブームは終わったという声が各方面から上がっております。銀行の貸し渋りで優良だと言われてきたベンチャー企業の倒産も相次いでおります。
 三月三十日付の日経新聞によりますと、ある化粧品ディスカウントのお店の例が紹介されておりました。九六年九月期は純利益九千六百万円を計上し、昨年七月に中堅企業やベンチャーキャピタル四社に二億四千万円の第三者割り当て増資を実施した。ところが二週間後、上位都市銀行がその資金のほとんどを回収した。そのため、その会社は二カ月後に再び増資引き受けを関係者に要請したが失敗し、十一月に事実上の倒産。この記事では、ベンチャーキャピタルの当事者がこう言っております。ベンチャーに投資しても銀行に吸い取られるだけ、これでは仕事にならないと怒っているわけであります。
 銀行のやり方は私は本当にひどいというふうに思うわけですが、今後こういう銀行の貸し渋りという事態が続きますと、ベンチャー支援をベンチャーキャピタルあるいは投資事業組合がやっても、一方で銀行が資金を引き揚げるということになりますと非常にリスクが高くなる。そうなるとますますリスクの少ないレーダーステージの方にシフトしていかざるを得ないのじゃないか。そういう銀行の貸し渋りという環境とあわせ見ますと、余計レーダーステージヘのシフトというのが加速するのじゃないかという危惧を持っているわけですが、この点、いかがでしょうか。
#71
○政府委員(中澤佐市君) 御指摘のとおり、今のような金融環境の中でベンチャー企業というのはなかなか大変な事態であることは間違いないところでございます。
 政府といたしましても、そのようなベンチャー企業に対する民間からの借り入れという意味では信用保証制度などで応援をする、あるいは政府系金融機関におきましても、新規事業育成貸付制度と言っておりますが別枠の特別の融資制度をつくってございまして、担保徴求の特例も入れながら応援をしているところでございます。
 いずれにしましても、ベンチャー企業をこれからますます応援して強くしてさらにふやしていかなきゃならぬということで、先生の御指摘がございましたけれども、この法案の成立によりまして幅広い投資家からの資金がリスクマネーという形で供給される。そういう中で、まさにアメリカでもそうでございますけれども、アーリーステージの企業に多くの資金が回っていくものと我々は理解してございます。
#72
○山下芳生君 私は、今、日本のベンチャー支援のあり方にとって問題になっているのは資金の量の問題じゃないというふうに思うんです。やはり企業を育てていく、それが本当のベンチャ、支援であるにもかかわらず、日本のベンチャーキャピタルの活動の内容を見ますと、そうじゃなくて、早く資金を回収できるところに投資している。そういう量じゃなくて質の問題が今問われているときに、量をふやすという今回の法改正だけをやっても、質が変わらないままベンチャー支援のあり方から外れた事態がより一層拡大することを私は心配するわけであります。
 私は、本来のベンチャー支援ということでいいますと、もっとほかにやらなければならないことがたくさんあるというふうに思うわけです。昨年のエンジェル税制の審議のときにも紹介いたしました。ベンチャー支援の大道というのは、中小企業を長年支援してきた地域の金融機関が地域の住民や中小企業のニーズにこたえる役割をこれからもずっと発揮し続けることが基本であります。アメリカではロードックと言われる申し込み用紙一枚で十万ドル、日本と比べて審査は簡便なものになっておりますけれども、そういう制度がありますし、ピッツバーグでは専門家がボランティアによって組織されて地域ぐるみでベンチャー企業を育成する、そういう体制もあるということも紹介いたしました。
 最近、国民金融公庫総合研究所の所長であり早稲田大学社会学部教授の浦田秀次郎氏も同じ趣旨のことを週刊東洋経済の二月号に書かれておりました。
 浦田氏は、政府のベンチャー支援策というのは、アメリカの表面的な部分を取り出して日本に当てはめようとしている、どうしても無理が生じると。浦田氏は、支援する対象と支援主体に分けて、その双方の支援の輪を広げることが大事だというふうに指摘をされています。支援の対象については、アメリカでは実際創業している企業の多くは飲食店やサービス業など従来型の業種であります。日本ではベンチャー支援といえばハイテク産業というふうにシフトしがちですけれども、アメリカではそうじゃない。普通の一般の業種をやろうとする普通の人たちの創業を支援する体制が整っている。それから支援の主体についても、アメリカの中小企業庁の政策には個人のボランティアなど多くの民間人が参加し、社会の幅広い層が創業支援にかかわっているということも指摘されております。
 日本の場合は、それと比較して、支援の対象は特別な企業、支援する視点も早期の資金回収、はっきり言えば早くもうかるという企業を相手にしている。それから、支援する主体の側も大資本、金融資本が中心となっている。やはりこれを転換するということが私は本当に今一番大事なことだと思いますが、最後にその点を大臣にお伺いして、質問を終わります。
#73
○国務大臣(堀内光雄君) 御指摘のように、ベンチャービジネスという定義が日本の場合何か明確でないような、私だけかもしれませんが感じがいたしておりまして、その辺を盛んに事務方とも詰めたりしながら今取り組んでいるところでございますが、いろいろと御指摘の点については大いに勉強させていただいたと思っております。
 ベンチャーの支援において、地域を中心に、地元の実情というものを熟知した投資家の人たちや専門家の人たちが連携して協力をしながら、それぞれ得意の分野を生かしたネットワークをつくっていくということが極めて重要であるというふうに認識いたしております。ベンチャー企業の支援という中では、資金の面だけではなくて、育成・支援というところに大きな重点を置いて取り組んでいくことが非常に効果的だというふうに私も認識をいたしているところでございます。そういう意味で、通産省としましては、全国各都道府県に四十四のベンチャー財団を置いておりますが、それに対する支援を行ってきたところでございます。
 本法案によって、投資事業組合もこういう施策と相まって一層の効果をもたらすことになるのではないかと思いますが、その運営に際しましては、特にいろいろな御注意を参考にさせていただきたいと思います。
#74
○山下芳生君 今回の法案の中にはそういうことを促進するスキームは全くありません。投資事業組合に資金が流入されやすくするということだけでありますから、私は、これだけだと逆に今の日本のゆがんだベンチャー支援のあり方をさらに一層拡大することになるという危惧を表明して、質問を終わります。
#75
○委員長(吉村剛太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#76
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○畑恵君 自由民主党の畑恵でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今回の法案でございますが、前回出されまして非常に有効に活用されていると思われます中小創造法に続くまさにベンチャー支援法第二弾ということで、非常に画期的な法案でありますし、中小ベンチャー企業を活性化させる上で最大の課題でありますリスクマネーの供給の環境を整えるという意味で非常に大きな効果を私自身も期待しております。ということで、一刻も早く法案を通過させて、何よりも早く実施していただきたいと願っておる次第でございます。
 グローバルスタンダードに則しました抜本的な構造改革が迫られております今の日本経済におきまして、活性化の最大の原動力というのは、新しい価値観ですとかシステムを創造し時代を画しているベンチャー企業そのものだと思います。しかしながら、昨今の不況、特に銀行による貸し渋りなどによりまして一番大きな被害といいましょうか、大きな影響を受けておりますのもやはりこのベンチャー企業だと思います。
 たまたま私、三十代半ばぐらいでございますので、友人にベンチャーを経営している企業家が多うございます。何回かおめもじをしたことがありますハイパーネットの板倉雄一郎という方がいらっしゃいます。この方は残念ながら昨年の暮れに倒産してしまったんですけれども、その倒産の前の年にはニュービジネス協議会からベンチャー大賞という非常に栄誉ある賞をいただいて、本当にベンチャーのトップランナーであったんですけれども、そういう方があえなく今回のこうした貸し渋りその他の経済状況の中で倒産してしまったということもございまして、ここを筆頭にそういう例は枚挙にいとまがございません。
 そうしたことを背景にしまして、ベンチャーへの投資事業組合そのものからの投資自体も伸び悩んでいるということでございますけれども、ベンチャーを取り巻く厳しい今の経済状況を大臣はどのようにとらえられていらっしゃるか、まずその概観から伺いたいと思います。
#78
○国務大臣(堀内光雄君) 御指摘のとおり、中小企業に対する貸し渋りにつきましては、通産省が三月の中旬に実施をいたしました調査でも、政府系ではございません、民間金融機関の貸し出し姿勢が非常に厳しくなったという答えが全体の三割を超えております。また、四月以降の融資態度が厳しくなるだろうということを懸念する答えが企業全体で五割を超えております。さらに、中小企業について申し上げますと、六割近くになっているというぐらい貸し渋り問題は深刻になっております。
 さらに、御指摘のいわゆるベンチャー企業について申し上げますと、一例を挙げますと、民間調査機関が地方公共団体のベンチャー支援制度の認定を受けた企業の倒産件数を調べた結果が出ておりますが、平成六年で十四件であった。それが平成七年で八件にとどまっていたものが、平成八年で三十五件、平成九年では五十八件。特に平成九年において、五十八件のうち昨年の八月以降年末までで三十件と急増いたしております。さらに、本年二月には十三件と、平成四年の集計開始以来、月別では最高の件数となっていて、非常に厳しい状況にあるということがわかるわけでございます。
 こういう苦境にあるベンチャー企業に対しまして、ベンチャーの支援策の拡充というものを今図ったり実現をいたしたりしております。現在の緊急課題であります、一般的にも申し上げておりますような貸し渋り問題、この中小企業に対する貸し渋りに対して政府としては、政府系金融機関及び信用保証協会による相談窓口というものを用意いたしまして、新たな融資制度の創設だとか無担保無保証、いわゆるマル経資金の充実、保険限度額が今まで三十三業種だけが倍額にされていたものを、ほとんどの業種に広げて八十一業種まで倍額の保証ができるようにする。あるいは保証人の問題の弾力化だとかいうことも含めまして各種の対策を講じて、今のベンチャーも含めて中小企業の対策に努力をしているところでございます。
 中小企業を取り巻く環境というのは非常に厳しいということを考えておりますので、政府系金融機関と信用保証協会に対しまして、先日、各政府系金融機関のトップにお集まりいただきまして、私の方から再度、中小企業者の立場に立った対応を徹底して行うようにということを申し渡しまして、さらに今まで以上に窓口における親切な取り組み、あるいは親身になっての取り組みを行うようにいたしているところでございます。
#79
○畑恵君 大臣、ありがとうございます。
 そうした措置に加えまして、ぜひベンチャーに対する円滑な資金調達が今回の法案によって進むことを願っております。
 さて、今回の法案を拝見いたしますと、まず一番の特徴というのは、業務執行組合員以外の組合員を有限責任とする。それに加えて、情報公開ということについでさまざまな規定が付与されている。先ほど既に御質問のお答えにもございましたけれども、こうした例えば組合員に対して予見可能性を与えるために登記制度や公示制度を設ける、またはそうした彼らへの情報開示として財務諸表などの備えつけを義務づけるということがございますけれども、投資家を募る対象、新たな投資家の対象としてはどういうところを中心にお考えでいらっしゃるか、まずそこのところから伺えますでしょうか。
#80
○政府委員(中澤佐市君) どういう投資家を対象に期待しているかという今の御質問でございますが、本法案成立によりまして有限責任を担保する、情報開示を強化するということで、今までは日本では見向きしてくれなかった年金資金、あるいはアメリカの年金を含めた海外の投資家たちというものを中心に期待しているところでございます。
#81
○畑恵君 今、年金、そして海外投資家というお答えがございました。
 これも加藤先生が先ほど御指摘になった点ですけれども、やはり前段階で年金等の海外投資家からの動きというのはあるのではないか。実際、各ベンチャーキャピタルにも、海外とのネットワークを持っているところにはもう既にいろいろなアプローチがあるという話を仄聞しております。
 ただ、情報開示の方法、手段なんでございますけれども、なぜ今までそうした情報開示の基本がなされなくて投資が行われていたのかというのが不思議になるような状況でございましたから、基礎的なところは確かに今回で整ったとは思うんですけれども、やはり海外投資家に向けてということになりますと、英語での表示ですとかインターネットということに加えて、本質的にもう少し積極的な情報開示規定というのを付与しないと海外投資家からの投資促進というのは難しいのではないかと思うんです。
 この情報開示についてもう一段二段、情報開示を進めるというような方針というのはお持ちなんでございましょうか。
#82
○政府委員(中澤佐市君) 海外投資家の方々に来ていただくための情報開示ということで、今委員御指摘ありましたけれども、現行の民法組合でもそれなりの財務諸表等を用意はしているわけでございますが、今回のこの改正法案で財務諸表それから業務報告書を必ず法的に義務づける。しかも、それに公認会計士とか外部の監査法人の意見書もあわせて添付することを義務づけるという、この法的に担保するというところがかなり大きな話だろうと思ってございます。
 さらに、先ほど大臣からも午前中御答弁ありましたけれども、現在、特に外国の投資家にとって、これは日本の投資家にとってもそうでございますが、投資先企業の時価評価の問題でございます。日本では取得原価主義でやっておるわけでございますけれども、特にグローバルな意味ではこの時価評価を入れていくということで現在公認会計士協会とも検討しておりまして、ぜひそういう意味では魅力的な情報開示にさせていただきたいと思ってございます。
#83
○畑恵君 今、時価評価ということに関しては非常に明るいお答えをいただきましたので、入れていただいた上に、先ほどの御答弁にもありましたように、インターネットなどを通じましてそうした資料、数値というのをなるべく全世界的に発信して、魅力があるのだということをぜひ知らしめていただきたいと思っております。
 ただ、海外投資家からの見込める金額というのは、そうは申しましてもまだまだ限られているところだと思いますので、本当の目的といいましょうか、一番投資家としてお願いしたいのはやはり年金の部分だと思います。
 公的年金百六十兆円、企業年金六十兆円を上回るわけでございます。合わせて二百二十兆円でございますので、仮に一%でもここから投資されれば二兆二千億円。手元のこちらにある資料ですと、九六年三月末での投資事業組合百五十六社全体の投資残高合計が二千六百五十億円ということでございます。また先ほど長官が、現在の日本の全ベンチャーキャピタルの投資残高は八千億円というお答えでございました。八千億円ということでございますから、もし年金一%入れていただければ三倍近くに匹敵するという非常に巨大な額でございます。
 何としてもこの日本の年金を取り込みたいと思うんですが、ここに何か規制その他があるかといえば、前回、未公開株への投資というのは法的に解禁されました。しかし、それによってはなかなか進まないということがございますので、今回の法改正で本当に年金がベンチャーの方に投資されるようになるのかというのが私はまだ確たる自信というのが何となく持てないんですけれども、ここについてはどのようにお考えでございましょうか。
#84
○政府委員(中澤佐市君) この法案あるいはこのシステム、この制度を日本に導入するということで、政府部内での検討に当たりましても、年金基金側の御意見あるいは厚生省の御意見、いろんな形で御相談をさせていただきました。今回この法的有限責任担保とか情報開示強化ということ、これはそのような関係の方々からも高く評価をされてございます。
 ただ、日本では年金側からしますとまだその経験がないわけでございます。全体の中のある一定限度を、これはリスクもあるわけでございますが、高いリターンを求めてどれだけやっていくかということになるわけでございますから、今の予想といたしますと、当面はやっぱり生命保険とか信託銀行を通じて年金の資金が投資という形で選択されるのではないだろうか。我々もそれを強く期待しておりますし、またそういう方向でのいろんな検討もされているやに聞いてございます。
#85
○畑恵君 前回のそうした規制緩和に加えて、今回の有限責任という部分と情報公開、これが相まって今お話があったような形で年金からの資金流入が望まれるということだと思うんですけれども、例えば米国と比べた場合に、投資事業組合への出資者の内訳を見ますと、アメリカの場合ですと年金基金がその半分余りを占めていて、また米国の年金の資産運用中ベンチャーキャピタル出資の割合というのは一〇%近くということで、非常に大きな割合を占めているわけです。
 こうして日米を比較した場合、そのギャップはかなり大きいと思うんですけれども、これは徐々にでも本当に埋まっていくのか。全く同じと言いませんけれども、そういう程度まで持っていくのに大体どれぐらい時間的には必要だとお考えでいらっしゃるのか。また、今後いろいろな措置がと先ほどおっしゃいましたけれども、年金からベンチャー投資へ資金を流入させるためにどのような追加措置がより一層必要だとお考えでいらっしゃるか、伺いたいと思います。
#86
○政府委員(中澤佐市君) 委員御指摘のとおり、現在の投資組合に対するアメリカと日本の年金の出資の状態というのはまさに彼我の差があるわけでございます。
 ただ、ここで一言申し上げたいわけでございますが、アメリカも一九八〇年ごろに規制緩和がされまして、それからさらにこの有限責任組合制度が整備されるということで、年金からの資金がこういうベンチャー投資に入るようになったわけでございますが、当初はやはり一%に満たない段階だったわけでございます。一九八〇年ですからそれから十五、六年たって今のような段階になったということだと思います。
 我が国におきましても、そういう意味では、昨年の年金についての規制の緩和、それから今国会、この法律をお通しいただきますと、その辺、アメリカの当時と同じ条件が整うわけでございます。これから何年で今のアメリカになるかということについて申し上げるのは極めて難しいと思いますけれども、そういう意味では着実にそのような形でふえていくものと考えでございます。
#87
○畑恵君 なかなか具体的な目標、数値というのはおっしゃっていただけないんですけれども、やはり日本というのは、別にこうした経済的な問題だけではなくて、リスクをとるということ、リスクという言葉自体を非常に嫌うといいましょうか、存在そのものを認めたがらない国民性を持っております。そういう中で、明らかにベンチャーというのは、ハイリターンもあるわけですけれどもハイリスクを負う。そうしたところにいろいろな環境整備をしましても、はっきり申しましてなかなかそう簡単にはお金は回らないだろうと。やはりそのためには、きちんとそれぞれのベンチャーですとか経済環境というのを見きわめて、情報を集めてきちんと分析をして方向を求めていくというプロがふえていかないと、なかなかこうした環境だけでは難しいのではないかというのを私自身は感じております。
 ただ、もちろんさまざまな法的な措置も規制緩和も必要だと思います。仄聞するところによりますと、平成十一年度予定で年金基金からベンチャーへの直接投資、インハウスが解禁、可能になると、そういう法改正がなされるというお話を伺っております。この法改正がなされました場合には、これによってベンチャーへの資金流入というのはさらに伸びると考えでよろしいのでしょうか。
#88
○政府委員(中澤佐市君) 今御指摘の年金基金からの自家運用というんですか、インハウスと俗に言っているようでございますけれども、これにつきましては、一定規模以上の年金でございますけれども、現在でも厚生大臣の認可を受けますと可能ではあるわけでございますが、資産規模が幾ら以上とか運用責任者が要るんだとかいろんなものがございます。現在の規制緩和推進三カ年計画の中で、この自家運用枠についての規制の緩和が位置づけられてございます。この運用規制の緩和の中で、今ここでまさに御審議いただいているような問題意識が配慮されて規制緩和の検討がなされるものと我々も理解してございます。
#89
○畑恵君 そうした環境整備とともに、別にベンチャーを育てるために投資をしていただくわけではなくて、投資側はやはり少しでも運用利回りを上げようということで当然投資をするわけですから、魅力があって初めで成立する話であります。やはり年金側がそういう投資をしたいという気持ちになってもらわなければ、必要性を感じなければいけないんだと思います。そういう中で、これだけ金利が低くなって運用そのものに対してかなり年金側の方でも行き詰まっているところが多々あると思います。
 そうした中で、こうした今回の法改正に向けましても、年金側の方でもいろいろな勉強会にお顔を出しているという話を伺いますけれども、率直に投資家としての年金側のベンチャー投資に対する意欲というのはどういうふうにお感じになっていらっしゃいますでしょうか。
#90
○政府委員(中澤佐市君) 今、畑委員の御指摘のとおり、十年ぐらい前は年金の運用利回りというのはたしか九%前後だったと思います。今は三%そこそこぐらいではないかと思います。そういう中で、大事な年金を運用してできるだけ大きくしていくというのが一つの大きな課題になっているわけでございます。そういう意味では、今回の法律によって新たな制度が入るという中で、当面は前に申し上げましたように信託銀行とか生命保険を通じてということになろうかと思いますが、ある一定限度、分散投資という意味で年金の方々もかなり積極的に御検討をいただけるんではないかというふうに考えてございます。
#91
○畑恵君 以前のように、手をこまねいていて、ぬれ手でアワのようにそのまま右肩上がりで資金がふえていくということはもうあり得ないわけでございます。そういう意味では、私が申し上げるまでもなく、それは年金を運用していらっしゃる方の方がよほど危機感を持っていらっしゃると思うのですけれども、やはりこれまでノウハウというものもございませんでしょうし、一番はマインドとしてリスクは絶対にとっちゃいけないということが恐らく非常に頭の中にしみついていらっしゃるんじゃないかというところもあります。発想の転換というのは口で言うほどたやすくないと思いますので、そういう意味では、年金側の方々に対してもいろんな情報を付与したり、また勉強の機会を与えていただいたりということで、御指導を積極的にしていただければありがたいと思います。
 年金に関しましてはこのぐらいにいたしまして、ベンチャーに対するそうした投資事業組合以外の資金供給について伺ってまいりたいのです。
 ベンチャー企業の経営者とお話をしていますと、異口同音に不満、不安を漏らされますのが、銀行ですとかベンチャーキャピタルそのものからの投融資体制についてでございます。とにかく審査、手続というのが煩雑であって、そのために実に多くの時間、エネルギーを割かれてしまう。はっきり言って、CEOは本業に専心したいにもかかわらず本業そのものにほとんど手がつかないぐらいに銀行等々の対応に忙殺されて、そしてそのままつぶれてしまうということも例にございますので、何とかならないかという、そういう不満を何度となく聞かされております。しかも、そうした融資が大体短期でありますので、一月やっと事務処理が終わったかと思うとまた次の月のということで、表情を見ていますと本当にかなり深刻だなというのを痛感しているんです。
 こうした膨大な書類提出ですとか、銀行などに何度も出頭させられるという事務処理から、少なくともCEOは本業に専心できるように、何か業者を指導するような、そういう措置というのはとれないものなんでございましょうか。
#92
○説明員(内藤純一君) お答えいたします。
 金融機関におきましては、今後の金融システム改革の進展をにらみました競争力強化の観点から、将来性ある企業の発掘、支援を行うべく審査能力の向上に努めでいるというふうに承知しておりまして、融資審査期間の短縮による資金ニーズへのいち早い対応につきましても、競争力強化の一環として各金融機関取り組んでいるというふうに認識をしております。
 一部の金融機関ではございますけれども、既にこういった考え方から、例えば企業の申し込みから融資まで数日でありますとか、あるいは二、三週間までといったような形のクイックローン制度といったものも創設しているというふうに聞いております。また、このほかベンチャーキャピタルなどとの提携によりまして、ベンチャー企業に対する融資や経営コンサルティング等を行うことで成長企業を取り込む、こういった動きもあると聞いております。
 基本的な流れでございますけれども、これまで長年銀行融資の中枢を占めてまいりましたのは、不動産等を担保といたします金融のあり方、そういった不動産担保をベースに審査をしていくといったものがいわば銀行の仕組みの中枢であったということでございますけれども、バブルの崩壊後、根本的にこういったシステムについての見直しが今迫られておりまして、むしろ企業の収益力でありますとか将来のキャッシュフローに見合う、より的確なリスク管理を踏まえた融資を行うというふうな考え方に転換しつつあるというふうに考えております。
 委員御指摘のように、現状必ずしも金融機関の対応が十分でないという批判があることは私どもも承知しておりますが、いずれにいたしましても金融機関としてはこのような成長企業に対する対応の強化というものなくしては、やはり今後の厳しい競争に勝ち抜くことは難しいというふうに考えておりまして、各行とも今後積極的な体制整備を図っていくものというふうに考えているわけでございます。
#93
○畑恵君 今、銀行に関して大蔵省の方からお話をいただいたと思います。
 ベンチャーキャピタルの方は通産省の方から、長官にお願いします。
#94
○政府委員(林康夫君) 今の銀行からのいろいろの融資態度の姿勢に加えまして、私ども現在、ベンチャーキャピタルも確かに審査能力において非常に自信がないところが往々にして過剰な資料要求というような話になることがあるというふうに認識しておりますけれども、ベンチャーキャピタルの数がふえていきまして、そしてベンチャーキャピタル同士の競争が起こってくる、優良な企業を奪い合う競争が起こってくるという中で、こういった点が徐々に是正されていくのではないかと私どもは期待しております。したがって、こういったベンチャーキャピタルを公正に競争させる環境、今回の法律もそういう基盤になるとは思いますけれども、そういった方法で物事がマーケットの中で解決していくことが極めて望ましい方向ではないかというふうに考えております。
#95
○畑恵君 長官のおっしゃられることは確かにそのとおりだとは思うんですけれども、ただ自然淘汰に任せるというのでは余りにも遅きに失してしまうのではないかと思うところもございますので、重ねてのお願いです。
 あと、銀行局の方からはそういう形での指導を強めていらっしゃるということなんでございますけれども、そういう問題があるということも認識していらっしゃるということでございますが、融資を受けている側の方々の声というのは本当に悲鳴に近いものがございますので、ぜひそちらの方にも積極的に耳を傾けていただいて、銀行側が言うことと実際に融資を受けている側が言うことと重ね合わせて、どこら辺が真実かというのをよくお酌み取りいただきまして指導していただければありがたいと思います。
 あと、先ほど、これからベンチャーキャピタルの方は競争が起きて淘汰されていくのではないかと。本当に淘汰されていくような形に進めば環境というのは変わるんだと思うんですけれども、これも例えばの話なんですが、大体ベンチャー企業を起こしている人間というのは年齢的にも若うございます。そういう人間が銀行に、そしてベンチャーキャピタルに投融資をしてくれということで参りますと、随分いい車に乗っていらっしゃいますねというようなところから嫌みを言われましたり、キャピタルゲインを自分たちの会社よりも多く取るつもりですか、お貸しする私どもよりも多くの利益を上げるつもりですかというような、そういうことを面と向かっておっしゃるんだそうでございます。
 私はそれを聞いて愕然としたんですけれども、実態としてそういうところがやはり商習慣のような中にまだまだ随分残っているんだなというのを彼らのよもやま話を聞いていると痛感させられます。ただ、これは先ほどの目を通すこともままならないほど書類を出させて、そのあげく投資先の経営を窮地に追い込んでしまうのであれば、それは自分で自分の首を絞めていることになりますので、全く愚の骨頂だと思います。それは投融資をする側からしても何のメリットもないことだと思いますので、ぜひ早期に是正していただけるような措置を重ねてお願いいたしたいと思います。
 審査の簡素化に加えまして、先ほどいろいろな措置をとっているという大臣のお話でございましたが、重ねてのお願いでございまして、ベンチャー企業を初めとする新分野への進出を目指す中小企業を資金調達面から支援する低利融資制度、これをもう一段拡充していただけないか。廃業率の方が開業率を上回っているような非常にゆゆしき状況でございますので、何とかもう一段拡充できないかと思っておるんですけれども、そういう御予定はございませんでしょうか。
#96
○政府委員(林康夫君) 現在、御案内と思いますが、政府系金融機関で担保徴求の特例などを導入したベンチャー企業向けの低利融資制度を設けておるわけでございます。例えば、新しい技術の活用等によって市場を創出・開拓するベンチャー企業を支援する融資制度である新事業育成貸し付け、これは中小公庫等にございますが、政府系金融機関の基準金利よりも低利で特別な利率を適用しているわけでございまして、その利率は現在二・〇%ということになっております。
 それから、この間、構造改革を推し進める中小企業を支援する経済構造改革特別融資制度が創設されたわけでございますけれども、これも現在一・七%となる特別利率を適用しております。
 この制度につきましては、実はごく最近でございますけれども、昨年の経済対策におきまして、新たに担保徴求特例を導入いたしまして、基本的にはベンチャー企業は担保が余りないということなんですけれども、こういった企業に対応した制度の充実強化を行っております。ちなみに、借入額の五〇%までは一応担保徴求を免除する、ただ八千万円を限度ということにはなっておりますけれども、そういう措置を行っております。
 先生の方から、なお一層の拡充という御指摘でございますけれども、現行制度の運用の実態を踏まえながら、必要に応じて今後拡充の検討をしていきたいと思っております。
#97
○畑恵君 ぜひよろしくお願いいたします。
 ベンチャーに対する資金調達面の支援ということでは、税制によるバックアップというのもやはり望まれるところであるんです。まず、これは業界からも長い間要望の声が上がっていることだと思いますけれども、過年度分までの投資損を償却できる税制の導入ということを御検討いただけないかという、この面について伺ってまいりたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、日本は何事につけリスクを嫌う風土でございます。特に我が国は初期段階、アーリーステージに対するベンチャー投資というのが極めて低調だというのは事実でございます。全体とは申しませんので、せめてこうした創業初期段階に対する投資にインセンティブを与えるためということで、例えば現在中小企業投資育成株式会社、この三社に適用されています創業中小企業投資損失準備金、これを投資家全般に拡充することができないものでしょうか。
#98
○説明員(細溝清史君) ただいま御指摘の措置は租税特別措置でございますが、議員御案内のとおり、租税特別措置といいますのは特定の政策目的を実現するためにとっている政策手段でございます。ただ、それ自体は、税負担の公平といった税の原則といいますか税の基本理念といいますか、それの例外措置でございまして、私どもといたしましてはその整理合理化に努めているところでございます。
 ただいま御指摘の創業中小企業投資損失準備金、これも平成六年に創設されましたが、そのときに積立率は二〇%でございました。その後、八年に一八%、十年に一六%と、それぞれ積立率についてもそういった考え方で縮減してきておるところでございます。
 これを一般的なベンチャーキャピタルに適用できないか、こういう御指摘でございますが、三つほど問題があるのかなと。
 思いつくところを申し上げますと、まずこの措置自体はベンチャー企業そのものへの支援というよりはむしろベンチャーキャピタル自体を対象にした税制措置でございます。そのベンチャーキャピタルといいますのは、いわば投資先につきましてその事業の将来性とか予想されるリスクとかないしはリターンとか、そういったものを見きわめながら投資を行う、それが本業でございます。そうしたときに、リターンを見ながらリスクをとっていくというのが重要なことでございますが、まさにそうした投資者というのはリスク、リターンを見きわめる目を持つことが重要だと思います。その中で、損したときのためにという税制上の措置というのは、逆にモラルハザードを引き起こしかねないといったような問題もあろうかと思います。
 それから、ベンチャーキャピタルと一言で申し上げましてもこれはいろいろございまして、ベンチャー企業への投資をしている人をベンチャーキャピタルと言うのであるならば、一般の金融機関や事業会社も行っております。そうすると、そうした方々の行っている投資についても同じように対象にするのかどうかといった問題点も出てくるかと思います。逆に言えば、それをやりますと特定の株式投資を対象にしまして税制上優遇するということになりますので、これは金融自由化、ビッグバンと言われている中で、株式取引の中で一部そういう分野があるといったことがゆがみを生じさせかねないというふうに思っております。
 そういった問題がありますので、今議員御指摘のような一般化といったことはいかがなものかというふうに考えております。
#99
○畑恵君 確かに筋論からしたらおかしいというのは私自身もお願いしていてよくわかるんですけれども、ならば、ではアーリーステージに対する投資というのがどうしたら見込めるのか。
 今の方法がおかしいというのであれば、そのハイリスクな初期段階の投資をアメリカのように活性化させるためにはどうしたらいいのかというふうに私自身も自問自答してわからなくなってしまうんですけれども、これについてはどのような対策をお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#100
○政府委員(中澤佐市君) 委員御指摘のように、アメリカと比較いたしますと、日本のベンチャーキャピタルの投資先がアーリーステージではなくてレーダーステージに偏ってきたというのはまさにおっしゃるとおりでございます。
 これは午前中もちょっと申し上げましたが、日本のベンチャーキャピタル第一号ができてからまだ二十五年ぐらいしかたっていないわけでございまして、アメリカと比較いたしますと、まだそういう意味では成熟していないといいますか、発展途上にある段階だということだろうと思います。
 しかしながら、今回この法律でこういう新しい仕組みが入ることによりまして、海外の投資家も含めて、あるいは日本の年金も含めて、そのリスクマネーがこういうベンチャーキャピタリストが組成する投資組合を通じて入ってくるということになります。これまで二十五年でありますけれども、投資のノウハウもそれなりに向上してきておりますし、また御案内のとおり、最近では既存のベンチャーキャピタル会社から独立してベンチャーキャピタルを起こすような人々とか、あるいは事業家、経営者であった人たちがそういう事業を始める例も出てきております。独立系のベンチャーキャピタルというものもふえてきております。
 そうなりますと、先ほどの長官ではございませんが、いろんな形での競争ということにもなってまいります。また、公開間近でのいい投資先というのもそう多くなくなってきているわけでございます。したがいまして、これからまさに今、先ほども申し上げましたけれども、九五年度と九六年度で設立五年未満の企業に対する投資が一二%から二十数%にかなりふえできているというようなこともその兆しだろうと思います。今回のこの新しい仕組みの導入等々によりまして、アーリーステージの企業への投資がかなりこれから急速にシェアとしても高まっていくというふうに我々は考えでございます。
#101
○畑恵君 確かにおっしゃられるとおりに、今までのいわゆる日本型のベンチャーキャピタルというのでしょうか、もう上場を目の前にしたところに少額のお金を入れて利ざやを稼ぐというようなことはできないので、そういう形でない投資というのは進むとは思うんです。しかし、そういう利ざやだけを稼いでいたというようなベンチャーキャピタルが、初期段階に積極的に投資をしていくものに生まれ変わっていくのには非常に時間もエネルギーもかかると思いますので、恐らくほとんどの部分というのは淘汰されてしまうのじゃないかというような感じがいたします。
 そういう意味では、この法案が通りますと本当の意味でのベンチャーキャピタルが育っていく元年のような年にことしはなるのかもしれません。
 いずれにしても、日本のこれまでのベンチャーキャピタルというのは、組織内の投資ですとか審査、情報、各分野が非常に縦割りで相互間の連携というのでしょうか、一体化していない。ですから、アメリカのベンチャーキャピタルのように、投資先のベンチャーを一緒に育てていこう、ともに歩んでいこうという姿勢またはそのスキルというのが随分ないんじゃないかというのは実感としてございます。そういう意味では、ベンチャーキャピタルのあり方そのものがこれからのベンチャー活性化のかぎを握っているのではないかと思います。
 そこで、ここからはしばらくの間ベンチャーキャピタルのあり方について伺ってまいりたいと思うんです。
 先日、お計らいをいただきまして、我が国において欧米型のベンチャーキャピタリストとして活躍されている、第一人者であるシュローダー・ピーティーヴィ・パートナーズの代表取締役でいらっしゃる松木伸男氏に会わせていただいたわけですけれども、その方から何度がお話を聴取させていただいたんです。
 松木さんのお考えでは、ベンチャーキャピタルというのは常に起業家たちにとってよきコーチであらねばならない、ベンチャーのアンドルプレナーの方が選手であるのであれば、自分たちはコーチでなければならないということをおっしゃっていらっしゃいまして、実際に御自身の会社でもそれを実践していらっしゃるということです。したがって、同社では、創業段階から投資先企業の経営に対して戦略的将来計画策定などの面はもちろんのこと、折々突き当たる個々の諸問題の解決に至るまでともに知恵を絞って、まさに手とり足とりのアドバイスをしている。
 これも松木さんのお言葉だと思うんですけれども、ベンチャーキャピタルは、育てる業と書いて育業ということだというふうにおっしゃっていらっしゃって、ああそういうものなのかと目からうろこが落ちるような、そういう感覚を私自身持ちました。
 現在のような厳しい経済状況の中になりますと、ベンチャーを活性化させるためには松木氏のようにアンドルプレナーたちのコーチとなれるようなベンチャーキャピタリストの存在が必要不可欠だと思うんですけれども、今の日本にこのようなタイプのベンチャーキャピタルまたはベンチャーキャピタリストがどれくらいいらっしゃると御認識なさっていらっしゃいますでしょうか。
#102
○政府委員(中澤佐市君) 御指摘のとおり、我が国のベンチャーキャピタルは金融機関とか事業法人の系列の法人が圧倒的に多いわけでございます。したがいまして、米国などと比べますと個人として活躍しているベンチャーキャピタリストと呼ばれるような人材は少ないということは全くそのとおりでございます。松木さんのような方というのはそういう意味ではまだ少数派だというふうに我々も理解してございます。
 ただ、先ほど申し上げましたが、二十五年かかってそういうベンチャーキャピタルの中でも人材は着々と育ってきております。そういう中で松木さんのような考え方、育業でございますか、今初めて伺いましたが、そういうふうな言葉でやっていこうというふうなベンチャーキャピタリストというのはこれからますますふえてくるものと我々は考えでございます。
#103
○畑恵君 ふえていくとは思うんですけれども、何分松木さんのようなベンチャーキャピタルのコーチになるようなベンチャーキャピタルの方というのが、要するに、きょうから私はベンチャーキャピタルです、コーチですと言ってもこれは通用しないわけでして、非常に研さんを積まなければいけない。そうすると、やはりベンチャーキャピタルが育っていく上でのよき指導者というのが相当数いないと、ネズミ算式にふえていくにしてもふえ方のスピードが非常に鈍いと思うんです。
 そういう中で、松木さんのような方は極めて少ないというお話でしたので、そのまま自然の手に任せていてそれで間に合うのかという感覚を私自身は持ってしまうものですから、松木さんのような形のいわゆる米国式というのでしょうか、そういうベンチャーキャピタリスト、ベンチャーキャピタルを育成する上で何か研修を行うとか指導するとか、そういうような積極的な何か行政の取り組みというのは考えられていないのでしょうか。
#104
○政府委員(林康夫君) 大変残念なんですけれども、日本には確かにベンチャーキャピタリストを育で上げる機会、風土がなかなかないというのが事実でございます。ただ、私ども必ずしも悲観していませんのは、現在ベンチャーキャピタルの企業から続々と独立した人材が輩出しております。これは残念ながらアメリカで働いている方が多いのですけれども、そういう方々あるいは企業経営者ないしその経験者が独自にベンチャーキャピタリストとして活動する例もあらわれてきております。
 したがって、一概に我が国にベンチャーキャピタリストが少ないとか、また可能性がないという感じはしておりません。ただ残念なことに、御指摘のあった方については、実は投資事業組合を日本につくるんではなくてアメリカにつくって日本向けの投資をしているという姿でございます。これはなぜかと申しますと、日本の無限責任に基づいた組合制度が活用できない、またその制度がこういった状態にあるためになかなか日本の中でベンチャーキャピタリストが育っていないというこの事実もまたあるわけでございますので、この法案を成立させていただければ、こういったベンチャーキャピタリストが日本で成立して、そして幅広い投資家から資金を仰ぐことが可能となりまして、また我が国のベンチャーキャピタリストが今後とも経験を重ねながら日本の中で能力を高めていくことができるのではないか、こう期待しておるわけでございます。
 国は最大限の努力は従来もしておるわけですけれども、なかなかこのベンチャーの話と国がいろいろ指導を手とり足とりやるという話は若干難しいところがありまして、できるだけ自主的なそういう世界の中でダイナミックなベンチャーキャピタリストが育つ仕組みを、環境をつくっていくことが私どもの役割だというふうに認識しております。
#105
○畑恵君 確かに、長官のおっしゃられるように、今回の法案にいたしましても環境整備という意味では非常に大きな一歩であるということは私自身も評価させていただいております。
 ただ、そういう中で、先ほど余り手とり足とりというのはなじまないというお話もございましたけれども、例えば通産省の肝いりで各道府県が今設立しておりますベンチャー支援財団というのがございます。今その支援内容を見ますと、資金提供面というところで主にベンチャー支援に取り組んでいらっしゃるようなんですけれども、こちらを抜本的に改革強化して育成・指導ですとか情報提供を行えるようにしたらいかがか。そういうことは民間からも要望が上がっているようでございますけれども、こうした考えにつきましてはどのように見解をお持ちでしょうか。
#106
○政府委員(林康夫君) 御指摘のベンチャー財団でございますけれども、単なる資金の供給にとどまらないで経営面でのさまざまなフォローアップをできる財団として設立されたわけでございます。
 実は、さっきの手とり足とりの指導の話になりますが、具体的にこの財団に期待されている事業でございますけれども、むしろ投資先企業に対してベンチャー財団から公認会計士とか技術士とか専門家を派遣して会計事務とか会計の基本とかをいろいろ指導していただくという、本来そういう意味での指導でございまして、経営面あるいは技術面でのサポート体制をこの財団を通じて強化していくという点については、私どもも力を入れてやっていきたいと思っております。
 ちなみにアメリカのケースですけれども、アメリカの場合は企業の経営者が経営者でなくなったとき、やめた後、ボランタリーに、ボランティアとして特に地元の企業を育てるという観点からいろいろ指導をしていると伺っております。なかなか日本ではそういう企業文化にないものですから、このベンチャー財団をできるだけそういうベンチャー企業を育てるための仕組みとして効果的な役割を果たせるように国としてもバックアップはしていきたいと思っております。
#107
○畑恵君 ぜひ今のアメリカのように、日本でも高齢化社会になりまして、会社を経営するスキルをお持ちでリタイアしていらっしゃる方というのはふえてくるんだと思いますので、別にボランタリーでなくてもいいんですけれども、そういう方がベンチャー支援のプロのような形になって支援財団にまた雇用されるとか、そういうような循環ができると大変すばらしいなと思いますので、より一層そのベンチャー財団の質の向上といいましょうか幅の拡充というのに努めていただきたいと思います。
 では、ちょっと方向を変えまして、成長段階にありますベンチャー企業に対して資金供給を円滑化させるためにやはり店頭市場の活性化というのは非常に大事な要素だと考えております。通産省でも店頭市場研究会を発足させて対応策にいろいろ取り組まれていることを伺っております。
 ただ、現状を見ますと、昨年から引き続きまして店頭市場は著しく低迷いたしております。取引所市場よりもさらに下回っていると聞くんですけれども、今の市況は実際どのような状況になっているんでしょうか。
#108
○説明貫(柏木茂雄君) ただいま店頭登録市場についてのお尋ねをいただきましたけれども、私どもといたしましても、店頭登録市場というのはベンチャー企業を含めます新規産業あるいは成長産業に対する資金供給の場として非常に重要な役割を果たすものというふうに思っております。
 ただ、しかしながら、最近の動向を見ますと、例えば株価につきましては、きのうの株価を見ますと、昨年の初めの水準から比べますと四割ぐらい下がってしまっている、あるいは売買高を見ますと、昨年一年間の一日当たり平均売買高というのは一昨年に比べるとこれもまた四割ぐらい下がってしまっているということで、先生御指摘のとおり、店頭市場というのは必ずしも最近余り活発になっていないというのが現状かと思います。
 その原因につきましては、例えば御承知のとおり、この間株式市場全体が低迷しておるというような話、あるいは先ほど来御議論がありますように、投資家がリスクを回避するという行動パターンが非常に強まってきている、そういう点も指摘されているところでございます。取引所に比べてもやはり活発になっていないということ。そういう面につきましては、店頭登録されている企業の中には中小企業ですとかあるいはサービス業、流通業、そういう業種が比較的多いという点、それで景況、経済の状況に相当左右されがちであるという点が一つある。それから投資家の方を見ますと、店頭市場というのは個人投資家がどちらかというと多いものですから、やはりこれも経済のマインドに左右されてしまうというような点があろうかと思います。
 そういう中にありまして、冒頭申し上げましたとおり、私どもとしても店頭市場というのは非常にこれから重要な役割を果たしていくというふうに思っておりますので、店頭市場の位置づけの見直しを含めました金融システム改革法というのを現在国会に御提出させていただいて、これを早期に成立させていただきたいと思っております。店頭市場を管理運営しております日本証券業協会の方におきましては、店頭市場においてマーケットメーク機能をいろいろ整備していくとかいうような話を進めているところでございます。
#109
○畑恵君 今大蔵省の方から御説明をいただきましたように、確かにそれだけの下げがある背景というのはさまざまな要因があると思うんですけれども、そうしたことに加えまして店頭市場の構造的な問題を指摘なさる声もございます。私自身、先ほどの通産省の店頭市場研究会のリポートを読ませていただいた中に、マーケットメークそれ自体が行われていないんじゃないかという御指摘がありまして、確かに相対取引自体がないのでは難しいなという感じを持ちました。特にベンチャー支援という立場から、活性化という立場から、店頭市場にどういう構造的な問題があるか、対策が講じられるかということについて伺えますでしょうか。
#110
○政府委員(杉山秀二君) ただいまベンチャー企業の資金調達の円滑化を図るという観点から、店頭市場の活性化のためのいわゆるマーケットメークの機能強化の御指摘がございました。
 私どもも、店頭市場の活性化のためには御指摘のありましたマーケットメーク機能の強化、つまり証券会社が自分で売り値や買い値を提示いたしまして直接他の証券会社と取引を活発にするということが大変重要だと考えております。
 ただ、残念ながら、現在の状況を見ますと、マーケットメークのための環境整備というのはまだ不十分であるというふうに考えております。これを改善するための具体的な措置、例えば研究会等で出ましたのは、証券会社による気配値の発表、現在は週二回でございますが、これを例えば毎日やっていただくとか、あるいは余りに投機的な価格が設定をされましてマーケットがワークをしないというようなことのないように、いわゆる買い気配値と売り気配値、その間を余り広げないようにするとか、そういったような具体的な制度整備ということが重要であると考えております。
 通産省といたしましては、実際にこういった店頭市場で資金を調達するという人の立場に立ちまして、こういった環境整備の早急な具体化を関係の機関でありますとかあるいは関係の省庁というものに対して積極的に働きかけていきたいと考えております。
#111
○畑恵君 もし今の通産省の方の御答弁につきまして大蔵省の方からも御感想とかございましたら、補足していただけますでしょうか。
#112
○説明員(柏木茂雄君) 先ほども申し上げましたけれども、私どもとしても店頭登録市場を活性化していくことが非常に重要であると思っておりまして、現在国会に提出させていただいています金融システム改革法でもその位置づけをきっちりしていくというようなことを含めた改革を入れておりますし、今御指摘のありましたマーケットメーク機能の強化という点につきましては、日本証券業協会におきまして、これからどういうことをすべきなのか、マーケットメーク機能を発揮するための環境整備ということに努めていくということを考えております。
 ただ、これは、マーケットメークというのは証券会社が商売としてやっていくものでございますので、その点については十分配慮していく必要があるだろうというふうに思っております。
#113
○畑恵君 ぜひマーケットメークが盛んに行われるようにしていただきたいと思います。
 その中に、今お話には出ませんでしたけれども、日本店頭証券株式会社、実態を見ますと、こちらの方がほとんどミニ取引所のようになって、九九%近い証券会社の取引を取り込んでしていらっしゃるというお話も伺います。そういう形になって事実上相対取引が行われないのが通例になってしまうと、いろいろ御指導していただいても機能しないところもあるやに思いますので、ぜひマーケットメークがさらに盛んになるように御指導いただきたいと思います。
 そろそろ私自身の時間も迫ってまいりました。今までいろいろとベンチャー支援について伺ってまいりましたけれども、例えばベンチャーの企業は大小あります。そして、ベンチャーを育てようとしている経済団体などに伺って、何か一つベンチャー支援のためにこれだけ直してくれということがあったら何を直したらいいでしょうという御質問をしますと、異口同音に返ってきますのは、税率を変えてくれ、最高税率を下げてくれというお言葉が返ってまいります。
 非常にこれは根幹に触れる問題でございますけれども、例えば汗水垂らして夜も寝ないで体を壊してリスクを大きくしょって一億稼ぎ出した、ところがそのまま六千五百万持っていかれてしまうということになれば、それだったらサラリーマンで自分の能力ならそこそこ重役にもなれるかもしれないということで、じゃサラリーマンになろうかと。あるいは、いややっぱりベンチャーをやるんだという気概がある人間であれば、先ほどのお話にもるるございましたように、全く今ボーダーレスでございますので、なぜ日本でやる必要があるんだろう、何のインセンティブもない、もうすぐそのまま海外に出てしまおうということで、私ぐらいの世代、もっと若いところが今中心でございますけれども、やめるか海外に出るか、これはもう本当に二者択一になっておるのが実態でございます。
 そういうことを踏まえまして、ただ、私自身は、同世代、そしてこれから二十一世紀を担う世代というのが日本の中で生き生きとベンチャーを起こして世界をリードするような、そういう日本になってほしいと願っておりますので、ぜひそういう状況も踏まえて今後の意気込み、大臣にお言葉をいただきたいと思います。
#114
○国務大臣(堀内光雄君) 委員のお話のように、ベンチャービジネスというものがどんどん開業をしていくようになりませんと、今のように開業率、廃業率が逆転しておりまして経済規模がどんどん小さくなってしまうというような状況を打ち破っていくにはどうしてもベンチャーの活躍というのが重要になってくると思います。
 それを支援するということがこれからの産業を活性化する一番大きな基本になる政策ではないかというふうに私も思っておりますので、御意見のとおりしっかり頑張ってまいりたいと思っております。
 ベンチャー企業の発展にとっては、一つはリスクマネーを円滑に供給するということ、その一つが今回のこの投資事業組合法の改正案ということで、これによって大きく前進をするのではないか。その結果、年金資金というような広範な投資家からのベンチャー企業への資金供給ができるようになる。
 もう一つは、人材の育成、同時に、先ほどもお話がありましたが、ベンチャーの仕事に意欲を持って取り組んでもらうというような点であります。この点では、一つは、さっきも申し上げたんですが、ストックオプション、こういう制度をつくり上げたことによって、会社がスタートした後、成功したときには、それがその仕事に一緒に取り組んできた人のところへ戻ってくるというような意味での報酬的なもので非常に大きな意欲を持たせることができるんではないかというふうに思っております。
 また、いろいろと人材の面での取り組みというのは必要になってくると思います。先ほども申し上げましたけれども、技術面では、大学の休眠している特許のようなものを活用できるような制度、知的財産権の取得というようなものを、今度の国会において大学等技術移転促進法案ということで御審議を賜ることになっております。
 こういう技術面だとか資金面だとか人材面だとかいうようなものを組み合わせて大きく成果が上がるようにしたいと思っております。先ほどからの御質疑の中で、ベンチャーキャピタルの問題、あるいは育業の問題をお話しいただいておりますが、こういう点にさらに幅を広げた取り組みをいたすことによって、最初お話の指定を受けようと思ってもなかなかいかないとか、金が借りられないとかいうようなものをさらに迅速に解決できるような対策ということも一緒にあわせて、ベンチャービジネスの育成が図れるように通産省として取り組んでまいりたいと思っております。
#115
○畑恵君 力強いお言葉をいただきましてありがとうございました。
 これで終わります。
#116
○梶原敬義君 本論の法案の審議に入る前に、二点ほどお尋ねをしたいと思います。
 きょうは、お忙しい中、日銀の本間理事においでいただきましてありがとうございました。日銀新法のもとで新しい日銀の歩みが一日から始まったわけですが、大変緊張していると思うんですがいかがでしょうか。
 それで、引き続いて質問をいたします。一つは貸し渋りの問題であります。
 七日の委嘱審査のときに、本委員会で通産大臣からこの貸し渋り問題や状況についてもお話がありましたから、きょうは日銀と大蔵省の銀行局の方においでいただいておりますから、同じ席で少し実務担当者と議論してみたいと思います。
 本間理事の方にお尋ねしますが、貸し渋りの状況を一体日銀としてはどのようにとらえておられるのか。
#117
○参考人(本間忠世君) お答えをさせていただきたいと思います。
 最初に、今冒頭に委員からお話をいただきました、新しい日銀法を四月一日からちょうだいいたしまして、きょう、実はまだ続いておるかと思いますが、政策の決定会合ということで、けさは大蔵大臣、それから経済企画庁長官にもお見えをいただきまして、現下の金融政策はどういうふうにあるべきかということを真剣に議論している、こういうふうな状況に入っております。新しい法律のもとで、大いなる緊迫感を持ちながら大きな責務をしっかり果たしていかなきゃいかぬという気持ちでいっぱいでございます。
 貸し渋りの状況をどういうふうに見でいるか、こういうお尋ねでございます。
 幾つかの大きなポイントがあると思いますが、金融機関が貸し渋りをせずに必要なところに金が回っていくことを確保していきますためには、何といっても金融機関の自己資本の面からの懐というものが大きくなっていくことがどうしても必要でございます。そういう意味では、先般、国会で御議論をいただきまして金融システム安定化策が具体化され、その一部が既に実施されておるわけでございます。こういうことの具体的な効果があって、金融機関の自己資本の面からの制約というものが、ひところに比べれば緩和されてきている面があるというふうに一つ思っております。
 また今度は、企業の方の資金の調達という環境について見ましても、一つは資本市場などからの調達の増加ということも現実にございまして、それからまた一方では政府系金融機関の方も昨年の末以降いろんな融資の相談がふえておるとか、それに基づいて実際の貸し出しの残高もこのところふえているとかいうふうなこともございまして、企業の資金調達も全体として見れば急激な量的な縮小というふうな事態は何とか避け得てきていると、こういうふうに見ております。
 ただしかし、我が国の金融機関は、結局やはりバブルで貸し出しの面で大変大きな問題を起こしたということの反省から、中期的なやや息の長い収益性、健全性の向上といった課題を抱えながら、融資姿勢を積極化するというところにまでなかなかまだ出ておりませんで、このためにはある程度の時間を要するというふうに私どもはなお見ているわけでございます。
 先般、発表させていただきました短期経済観測、短観におきます企業から見た金融機関の貸し出し態度判断とかあるいは資金繰り判断とかいうものも、御承知のとおり、厳しいとする先が大幅にふえている状況にございます。こうしたことから見まして、中小企業を中心にしまして、企業によりましては引き続き厳しい資金の調達環境が現在続いていると、こういうふうに私どもは認識をいたしております。
 私どもとしましても、そういったところを十分頭に置きまして、今後の企業の資金の調達の状況につきましてきめ細かく点検をしていく必要があるというふうに考えております。
#118
○梶原敬義君 私はすべての根源はバブルにあると思うんです。これは大蔵省にしても日銀にしてもバブルを放置した責任というのは大きいと思う。そのバブルの影響が自己資本比率を悪くして経営体質を悪くしている、ここをやっぱりしっかり認識してもらわなきゃ先の議論になかなか入れないわけです。
 大蔵省、貸し渋り、今いろいろお話がありましたが、結局最後に言われた結論でもおわかりのようにやっぱり厳しいんですね、特に中小企業なんかは。資金調達はなかなか苦労していますよ、あきらめている人も多い。そういう状況は一体、あなた方から見たらどこから原因が起きておるのか、これはどう考えますか。
#119
○説明員(内藤純一君) お答えをいたします。
 健全な中小企業などに円滑に資金を供給するということは金融機関の本源的な役割である、この機能が十分に果たされないような事態というのは国民経済上極めて問題があるというふうに認識をしておりまして、現在いわゆる貸し渋りの問題については、私どもといたしましても昨年来数々の対応を図ってきているところでございます。
 そこで、委員御指摘のどこにこの貸し渋りの原因があるのかという点でございます。
 先ほど日銀の本間理事の方からも御説明がございましたけれども、例えばこの四月から早期是正措置を導入するということで自己資本比率の制約の問題、当初はこれが貸し渋りの大きな原因ではなかろうかというふうなことが指摘されたことがございます。この点につきましては、成立いたしましたいわゆる金融二法でございますが、これによりまして資本注入策というものが既に実行されておりまして、今後これについての効果というものを見守っていく、こういう段階でございます。
 次に、いわば資金調達の面、これについてのやや不安があったわけでございます。昨年秋以降、金融市場がやや波乱を起こしまして金融機関が資金を十分にとれないのではなかろうかと、こういった不安感が貸し出しにも影響を及ぼしたというふうなものがございました。これについても、金融当局が努力をいたしまして金融市場の安定化を図ってまいったところでございまして、例えばジャパン・プレミアムの動向を見ましても最近はかなり落ちついた推移を示しておるというようなことでございます。
 したがいまして、いろいろございます。あるいはもっとより構造的な問題をとらえますと、金融機関のいわば融資態度そのものが、今まで担保金融というようなところに軸足があったわけでございますが、それが貸し出しそのものについてリスクをきちっと把握し、それでもって貸し出しを行っていくという、いわば質的に転換を遂げてきている、そういう時期がちょうどまた重なったというものもございます。
 そういった問題ももろもろ私どもとしては十分把握をしながら、今後行政に当たっていきたいというふうに考えております。
#120
○梶原敬義君 平成九年三月五日に大蔵大臣官房金融検査部長名で通達が出されています。その通達の中身の問題なのは、すべての取引先を債務者の状況等により五段階に分類する。その一つは正常先、二番目の分類は要注意先、三番目は破綻懸念先、四番目が実質破綻先、五番目が破綻先。正常先のすぐその次は要注意先にぽんと落ちておるんです。この通達というのが銀行の支店の末端の担当者までずっと行って分類作業が進んでくると、これははいそうですかということにはなかなかならぬのじゃないか。この通達に対してはどのようにお考えですか。
#121
○説明員(内藤純一君) この五段階に資産を分類するという通達でございますが、これはこの四月から導入をいたします早期是正措置、これに向けましたいわばその準備作業といたしまして検査官から見た資産の査定の方法、翻ってみますと、金融機関の立場からの自己査定のいわばガイドラインといったようなことも考え合わせまして発表したものでございます。
 ただ、この資産の分類というものについては、従来から基本的には行われていた方法をそのまま踏襲したというふうに私ども認識をしております。
 ただ、この時期に発表いたしましたのは、これとあわせまして、日本公認会計士協会の方で、この資産査定に応じましてどのような引当償却をしていくべきかということで、いわばリスクに見合った引当償却をすることによって銀行経営の健全性を確保するという観点でございます。あくまでこれは貸し渋りとかいったものではございませんで、むしろ銀行経営というものを健全に運営していくためにより資産を的確に把握しリスクを管理していくという考え方で発表されたものだというふうに認識しております。
#122
○梶原敬義君 今、中小企業の約七一%が赤字企業です。そういう状況のもとでこれを適用していく。さらに言うと、例えば各取引先の個別の債務について回収の難易度に応じて四つに分類する。一つは健全債権、二つは要注意債権、懸念債権、回収不能債権。この時期にこれを出していけば、それは銀行は普通これで作業をするから、びびって支店長や何か金はもう貸し切らぬですよ。だから裏返せば、健全化のためだと言うけれども、実際は中小企業の七一%が今赤字。景気のいいときは五〇%台に落ちるんですよ、赤字法人率というのは。これはあなたの言うのと整合性がないじゃないですか。
 それから、もう一つ申し上げますと、これは冷たく数字だけで割り切っているんですよ。経営者の資質とかあるいは経営者の努力とかそういうものを加味しながらと、それを加味せよということを言うなら、これはわかるよ。
 私が知っている経営者、毎日朝物すごく早く起きる人がおる。つぶれかかった会社を幾つも立て直している。地元の私は経営者でありますというような人が寄ってたかってやってもうまくならないものが、彼が行ったら経営は直っていくんです。小さな酪農経営から上がってきている。そしてスタンドをやって殖産をやって、それからずっとやっている。幾つも会社を立て直してきているんですよ。だから、経営者の資質というものを全く無視している。
 それからもうちょっと言いますと、昔の銀行マンというのは、中小零細企業が苦しいのを助け上げて、そして一人前にするところに喜びを感じておったんです。松下幸之助だってあるいは本田さんだって、いろんな人だって全部初めから資金があったわけじゃない。苦しい中で金融機関と手をとり合いながら上ってきているんです。
 だから、こういう指導をするときに、もう少し経営者の資質とかいろんな要素を加味して判断せよということをやらなきゃ、今のようなどうしようもない、自殺者はいっぱい出る。これは、わんわん泣いている自分の赤子をどうしようもならぬからといって捨てるようなものじゃないですか。そこでわんわん泣いているのを見て、乳も何も取り上げてノーと言うのが今の銀行のやり方じゃないか。それを大蔵省は、基本的にはそういう罪悪感は感じながら、感じなくても、こういう数字やこういう形でやりましょうと言う。それは我々も法案を審議した立場からよくわかりますよ。しかし、一番現場を知っているのはあなた方じゃないですか。
 だから、もう少し経営者の資質とかいろんな努力の状況とか、そういうものを考えて対応するように、日銀も大蔵省も即刻もう一回通達か指示を出してほしいんです。出し直してほしい。そういう対応を末端までしなさいと、こういうことはできませんか。
#123
○説明員(内藤純一君) お答えをいたします。
 私どもが昨年の三月に出した通達でございますが、これは先ほども申し上げましたとおり、基本的にはこれまでも行ってきた資産の査定というものの考え方を追認したといいますか、改めて通達という形でお出しをしたということでございまして、新たに考え方を変えるとかいったものはございません。ただ、金融機関がその資産というものを自己査定するというような考え方が今後の金融のあり方として非常に必要であるというふうな考え方に立ったわけでございます。
 先生御指摘のとおり、バブルの原因、これは我々としては行政も非常に反省すべき点があるというふうに考えております。その一つといたしましては、金融機関がみずからの資産を査定する、評価するということが非常に甘かったのではないか、あるいはリスク管理というものが甘かったのではないか、それがやはり今の問題を引き起こしているのではないかというふうな強い反省があるわけでございます。したがって、そうした自己査定の方法でやる、あるいは早期是正措置といったものを導入していくというふうな考え方になったわけでございます。
 ただその後、確かに先生おっしゃるように景気の低迷の問題もございますし、それから貸し渋りといった形での問題が出てきたということは、我々としてもある意味で一つの別の動き方があったのかなということで、それについては昨年来私どもといたしましてもいろいろ対策を打ちまして、全力を挙げて対応しているということでございます。民間の金融機関あるいは政府系金融機関の融資対応という形でこれについて全力で対処していくということで、これは資本注入をしたわけでございますので、今後ともこの効果については十分注視をして対応に努めでいきたいというふうに考えております。
#124
○梶原敬義君 日銀にちょっとそのことをお聞きしたいんですが、今言われたことで納得できないのは、僕らも責任があるんですよ、国会に責任がないと言っているんじゃない、責任は感じていますよ。しかし、大蔵省の監督・検査、日銀の考査、これは十分やっていないんですよ。バブルで不動産やあるいはゴルフ場や株や、わけもわからぬお金を現場がどんどん出すときに、これは待った、悪いよと、こういうような指導をする立場にありながらやっていないんです。だから、そこをやっていないから、今度その後締めるだけ締めていくというのは、締めるのはいいですよ、結局その方法です。中小企業が一生懸命やっても赤字法人率は七一%ある、これは何とか脱却したいとみんな苦労しておるわけです。
 そこで、こういうようなやり方で五つの分類をしてこれで何とか行ったらどうかというような形でやれば、これは必然的に貸し渋りは起こる。だから、もう少し経営者の資質や努力のぐあいを見て判断せよと、今この段階でそれが必要じゃないかと、こう言っているんです。日銀、いかがでしょうか。
#125
○参考人(本間忠世君) 委員のおっしゃっておられる基本的なお考えは私どもも全くそのとおりだというふうに思っております。要は、金融機関がおっしゃるような方向に向けてこれから与信の構えをとっていけるようになるためには今何が必要か。おっしゃるように、やはりただ担保担保というだけではなくて、委員は経営者の資質というふうにもおっしゃいましたが、こういうところにも注目をし、それぞれの企業の将来性というものに対する認識というものがちゃんと金融機関の審査の中に明確に位置づけられるというふうになることが私どもも大事なことだと思います。
 残念ながら必ずしも今そこに金融機関の審査の体制が十分届いていないとすれば、それは先ほど来申し上げておりますような、バブルの後遺症の中でもう一回改めて審査体制なりリスク管理体制なりをして、金融機関個々に何とか立ち直らせて、そして委員がおっしゃるようなところに向かっての貸し出しの構えをつくり直したいという今その途中にあるというふうに思います。そこまでたどり着くまでには、それぞれの抱えている不良債権の山が非常に大きいものでございますから、全体としてはもう少し時間がかかると思います。しかし、その間にも、金融機関の融資姿勢が慎重になり過ぎて、健全な経営を行っている企業についてすら借り入れが難しくなるというような事態があってはならないわけでございます。
 そういうことについて、私どもの立場からすれば、一番まずできますことは日常の金融調節でございます。こういう中で、昨年の秋以降、特に市場で日々必要とする金額に比べましてこれをはるかに上回る資金を供給し続けております。それから、金融調節の一環としましてコマーシャルペーパーの買いオペレーション、これを大幅に拡大しまして、最近ではCPのオペの残高は約五兆円、これはCP発行残高の約四割に相当する規模でございます。こういうふうなことを通しまして、これは回り回ってということではございますけれども、全体の金の回りが潤沢になることを通して中小企業を初めとする企業に金が回りやすくするという、こういうことを頭に置きながら私どもとしても対応させていただいているつもりでございます。
 こういうことが政府の施策等々と相まちまして企業金融の円滑化に寄与するということが当面非常に大事なことではないかというふうに考えておるわけでございます。
#126
○梶原敬義君 銀行マンの誇りというのは、そういう苦しい中小企業が夜も寝ないで頑張っている、今は苦しいけれどもそれがやがて日の目を見るように一緒に手をとって指導し、助け合い行くということだと私は思うんです。そういうような生きた指導をバブルのときにやっていなくて今やるというのはおかしいと思うんです、大蔵省が言うのは。やっぱり今こそそういう血の通った指導をやるべきだと、こう思います。
 そうでなくても預金金利は〇・五%で二年七カ月ずっと据え置いたような状況で、金融機関に対してこんなサービスしているときはないんです。僕は余り甘やかすことはないと思います。ぜひやってください、お願いします。
 それから、通産省に言いますが、信用保証協会は枠をふやしてもらったりしておりますが、担当者、課長とか係長が、その大体受け入れるところで昔なりの考え方で、基準でさっさと右左処理をしているようなところが多いようですよ。だから、各県の信用保証協会の会長とかあるいは専務理事とかその辺だけでとまらないで、もう少し末端に行き着くように強力な指導を早くしてもらえませんか。それはぜひお願いします。
 そして、その際、代位弁済で国も一歩、二歩踏み出しておりますから、厳しく指導していただきたいと思います。いかがですか。
#127
○政府委員(林康夫君) 信用保証協会の保証の実務に関しましては、まず政府系金融機関全体についてそうなんですけれども、貸し出し等保証について迅速な審査を図るということと、貸し出し保証できないという際には窓口で決して断らないという指導を徹底しております。すなわち支店長レベルまで必ず上げて対応してほしいという要請を強く行っております。
 このような措置は、末端にまで浸透させまして窓口における親身な対応を徹底させるために、実は中小企業庁の幹部も各通産局に出向いて、政府系金融機関、信用保証協会のトップを集めて窓口対応徹底の指示を行いましたし、さらに信用保証協会については各協会の会長を集めて政務次官から柔軟な対応についての指示を行ったわけでございます。
 中小企業を取り巻く環境が大変厳しいということでございますので、実は先日、大臣からも再度中小企業者の立場に立った対応を徹底しておりまして、いやしくも政府系金融機関、保証協会において、特に窓口において問題が起こらないように、貸し渋りあるいは信用保証協会の保証渋りが起こらないように今後とも万遺漏なきを期する構えでございます。
#128
○梶原敬義君 大臣、銀行の取引先の方が倒産あるいは自殺したりするのは、その取引銀行の恥だと私は思うんです。それを恥だと考えないような銀行というのは、やがて国民からたたかれる時期が来ると私は思いますよ。だから、ぜひ内閣の方でも厳しく指導していただきたいと思います。
 次に、これは具体的なことですが、私、九州ですが、委員長はまさに地元ですが、久留米に本社がありますアサヒコーポレーション、アサヒゴムと言われておった、これが四月六日に倒産しまして、本社あるいは関連子会社の社員、家族を含めますと二万人近い人が大変今心配をしておるのです。会社更生法の手続の関係はおくれておりますし、一体今どのようになっておるのか、中小企業庁がつかんでいる状況、それから関連取引業者の救済の問題も含めて、時間がありませんから、そのことについてあわせてお聞きしたいと思います。
#129
○政府委員(林康夫君) 会社更生法の手続については、しかるべき当局と現在話し合いをしていると承知しておりますが、私どもの関連中小企業者対策につきましては、実はいろいろ情報入手に時間がかかりましたけれども、六日から銀行取引停止したわけですが、明日、四片十日にも官報告示をする予定で準備をしております。
 今、明日、官報告示ができるだろうということで、この結果、指定期間中は対象中小企業者が融資を受ける際の信用保証協会の債務保証枠が通常の二倍になるわけでございますし、また中小企業金融公庫等による倒産対策貸し付け、商工会議所等の倒産防止特別相談事業等を活用しながら、今後とも関係地方公共団体と連携して下請企業の倒産防止に万全を期していきたいと思っております。
#130
○梶原敬義君 明日ごろ会社更生法の申請手続がなされるのではないかという、その見通し、それをちょっと先に。
#131
○政府委員(林康夫君) 実は会社更生法は私どものところではないのでございまして、私どものところは倒産事業者の指定ということで、関連中小業者の倒産防止のためのいろいろな措置を講ずるために官報告示をする必要がありまして、この官報告示が明日行われるということで、会社更生法の方は関係当局でないので承知しておりません。
#132
○梶原敬義君 一つは、どのように状況をつかんでおられるのか、会社更生法の手続関係はどういう状況にあるのか。
 私は、大臣、こういう社会的、地域的にも大変大きな影響を及ぼすような企業、これは少し社内のごたごたもあるようですが、銀行は三和銀行、住友がメーンだそうですが、何とか国を挙げて会社はつぶさぬようにしてほしいんです。私は、山一証券をつぶしたりあるいは北海道拓殖銀行をつぶしたりしたのが必ずしもよかったのかどうなのか。山一をつぶしてメリルリンチが出てきたり、一体何をしているのかということ。
 だから、そういう思い切った、少し国は泥をかぶってもやっぱり踏み込んでいくような姿勢というのが今必要じゃないでしょうか、この不況な時期に。何とか大臣、会社自体を更生させ、そして関連取引業者も希望が持てるように大臣の力でひとつやってほしいんですが、いかがですか。
#133
○国務大臣(堀内光雄君) ただいまのアサヒコーポレーションの更生に向けての会社更生法の問題につきましては、三枝次期社長のもとで協力支援会社と調整を行っておりまして、大体四月十日に会社更生法の申請手続を福岡地裁久留米支部に行う予定だというふうに聞いております。
 したがいまして、これが一つのステップになってまいると思いますが、こういう時期でございますので、我々通産省におきましては、倒産のような事態が起きないように常に気を配っておりますが、こういう事態になったものについては、さらにこれが下請企業だとかあるいはそこに勤める人たちの問題を含めまして、影響を最小限に食いとめていけるように最大限の努力をいたしてまいります。
#134
○梶原敬義君 特に、中小企業庁は担当だと言われますから、中小企業倒産対策貸付制度とか倒産関連特別保証制度とか、こういうのがありますし、あわせて総力を挙げて取り組まれますように心からお願いをいたします。
 それから、もう時間がなくなりましたから、法案に少し入ります。
 法案自体はまさに賛成であります。言いたいのは、ベンチャーとかなんとか言ったって、先ほど言いましたように松下もベンチャーですし本田もベンチャーですし、過去ゼロから出発して大きくなった例もいっぱいありますから、そういう例も参考にしながら、企業をどう育成していくか。あるいは銀行や何かもこういうものだけに頼るんじゃなくて、先ほども何回も言いましたように、そういう経営者の資質も見ながら一緒になって企業を起こすような努力をすべきじゃないか、このように思います。
 具体的に質問しますと、一つは、中小企業でなくなった場合、第三条第一項第三号の過去に投資した会社が中小企業等でなくなった場合について、その投資したという時点を新たな契約が締結された時点でとらえるのか、あるいは既存の組合の時点でとらえるのか、これが第一点であります。
 第二点は、登記をしなきゃいけない。登記というのはなかなかわかりにくい。現代的に言いますと、電子的な方法でアクセス手段などを検討することが必要ではないか、このように思うんですが、いかがでしょうか。
#135
○政府委員(中澤佐市君) 第一点目の御質問でございます。
 第三条第一項第三号の件でございますが、ここでの投資した時点というのは、新たな有限責任投資事業組合の契約を締結したその時点ということでございます。したがいまして、既存の組合が新たな有限責任投資事業組合になるという場合には、契約をし直さなきゃいけませんから、その時点というふうに考えてございます。
 それから、第二点の御質問、登記がなかなかわかりづらい手段だというお話でございます。
 これにつきましては、委員御案内と思いますけれども、登記簿全体に対する電子的アクセスについて、通信回線を利用した閲覧を可能とするべく、平成十一年度でございますけれども、商業登記法等の法改正等の措置が予定されてございます。したがいまして、それが講じられますまでの間は、当省としましては、当省のホームページ等に掲載するなどによりまして、電子的なアクセスを可能にして広く周知の徹底に努めるつもりでございます。
#136
○梶原敬義君 先ほど言いましたように、投資した株式会社であって、中小企業等の要件を満たしていない企業の株式等の取得、保有、こういうふうになっておりますけれども、読むと何か無制限に行けるような気もするし、そこの限界を聞きたいんです。
#137
○政府委員(中澤佐市君) 失礼いたしました。
 いわゆる追加投資の件の御質問だと思います。
 この投資組合は、中小企業等に投資をして、その企業が最終的には上場するまでに育っていくことを目指して、そしてその上場することによってこの組合として利益を得るということを目的とする機能があるわけでございます。そういう意味では、投資組合が投資したときには中小企業等であった、その後それを超えたけれどもまだ上場していないという段階で、この投資組合としてはその企業が上場するまで段階に応じで投資することも必要でございますので、追加的な投資を認められるように今回の法で措置したわけでございます。
#138
○梶原敬義君 その会社が大きくなって大企業になりますと、五億とかなんとかいうこの枠を超えますね。もっと大きくなった場合、そういう場合にも追加投資はその企業に対してはできるんでしょう、これからいくと。できるかできないか。
#139
○政府委員(中澤佐市君) できるわけでございます。
#140
○梶原敬義君 この法律のねらいは、アメリカも年金資金が相当動いておりますが、どうも日本の年金資金を相当ねらっているわけですね。これまた年金資金が先でうまくいけばいいけれども、いかなかったときにはまた騒動が起きるような気がします。
 これは有限とはいいながら、出資したものに対しては責任があるわけです。これは、年金というのは大体どの辺を考えているんですか。年金にはいろいろな年金がありますね。厚生年金もあるし、共済年金もありますし、農林年金もありますし、企業年金もあります。
#141
○政府委員(中澤佐市君) 御指摘のとおり、公的年金それから企業年金、いろいろとございますが、当面この制度を通じて、あるいは前に申しましたように信託銀行や生命保険を通じてベンチャー投資を検討してやっていただけるというところは、厚生年金基金とか、いわゆる適格年金と言われる企業年金ということではないかと考えでございます。
#142
○梶原敬義君 終わります。
#143
○平井卓志君 ベンチャーに対する支援、育成、基本的に私、賛成なんですよ。
 そこで、同僚議員からいろいろ問題点の指摘もございましたけれども、私の感覚で申し上げると、もうちょっとこういう立法は早い方がよかったんじゃないか。どのくらい早ければいいかと言われればこれはなかなか難しいんですが、少なくとも一年前には出せたんじゃないか。
 それで、よく見てみますと、やはり今もお話のあった年金との絡みとか民法上の問題とか、若干おくれたという感覚に立てば、何かネックがあったんだろうか。どういう調整に一番時間がかかったんだろうか。ちょっとそこのところを教えてください。
#144
○政府委員(林康夫君) もっとこの法案が早く出せたのではないかという御指摘ですが、八〇年代の初頭にアメリカでこの制度が発足しているわけですから、その点考えますと、確かにこの制度の御提案がおくれたという点は私どもも非常に反省をしているところでございます。
 確かに、企業年金の信託銀行を通じた未上場、未登録株式への投資そのものが昨年四月一日より解禁されるという状況でございましたし、そしてこの解禁によってまさに本法案を必要とする環境が整ったという判断で今国会に提出をさせていただくということになったわけでございます。
#145
○平井卓志君 概して日本の行政府は何か立法する場合に、どこの省とは言いませんが、どうもそのタイミングを失する。まさか貸し渋りが問題化してからこの法律案を起案したとは私思いませんけれども、そこのところをちょっとお聞きしたわけでございます。
 これ大臣、なかなか数字で御答弁は願えないと思うんですが、本法が成立しますとどの程度の効果を考えておられるんでしょうか。私が申し上げたいのは、どうも助成金制度とかいろんな法律案が通りまして、特にこういう支援法案なんというものは一部の人だけが理解をしておったんではこの制度は普及しないんですよ。そこはもうちょっと行政側が親切に周知徹底をする必要があるんじゃないか。それをやりませんと、せっかくの法律が生きない。その辺いかがでしょうか。
#146
○国務大臣(堀内光雄君) これは本当に先生がおっしゃるとおり、もっと早期にこのベンチャー対策というものは行われていてもよかったものかと思います。
 それはそれとしまして、先ほどからいろいろ事務方から答弁をいたしておりますが、予測というのはなかなか難しいわけでございますが、現在の我が国のベンチャー投資額の残高が八千億円強だと言われております。米国でちょうど一九八〇年代に二%ぐらい年金から投資事業組合に出資が回っておるということを見ますと、仮に我が国の企業年金等が今後三カ年間にそれと同じ程度のパーセントが入ってきたというふうに考えますと、二〇〇一年におけるベンチャー投資残高は約二兆円を超えるのではないかというような推測をいたしております。
#147
○平井卓志君 もう一つだけお尋ねして終わりますけれども、ベンチャーという横文字を使いまして法律化する。わかったような顔をしている人が多いんですが、これは親切に考えますと、何もわからない人にベンチャー企業って何だと、そういう説明する人はいないんです。関心がある、自分は関係がある、これからやろうと思う人だけが関心を持つ。それでは制度は生きませんよということを私は申し上げたいんで、十分な、親切な周知徹底を図っていただきたい。もう答弁要りません。
 終わります。
    ―――――――――――――
#148
○委員長(吉村剛太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、倉田寛之君が委員を辞任され、その補欠として小山孝雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#149
○水野誠一君 さきがけの水野でございます。
 最後の質問者となりますと、聞きたいことはもう各委員から大抵質問が出てしまいます。本法については、私はベンチャー育成ということで大変必要な法律だと思います。今、平井委員からもお話がありましたように、やや遅きに失しているぐらいでございまして、二日も早く成立を望みたいと思うものでございます。
 そこで、この機会にベンチャー育成に係る施策について、違う観点からちょっとお尋ねをさせていただきたいと思うわけです。
 通産省は、これまでも新規事業法とか中小企業創造事業活動法など、いわゆるベンチャー支援、新規産業支援策、これをいろいろ講じていらっしゃったわけでありますが、これらのものは大体ベンチャービジネスを起こすに当たって国が資金援助をする、こういうものだと理解をしております。しかし、財政構造改革を進めなきゃいけないこういう時代というのは、資金援助ということを国がやろうとしてもなかなか限界があるわけでありまして、ベンチャー育成に必要な質的な転換、支援も質的にいろいろ転換をしていく、こういうことも必要なのかなと思うところであります。
 そこで伺いたいと思うんですが、聞くところによりますと、アメリカでは政府機関がみずから行う研究開発予算の一定比率を中小企業に割り振る、SBIR、スモール・ビジネス・イノベーション・リサーチという制度があるというふうに聞いております。この制度は、政府にとって必要となる研究開発の委託も公共事業と同じように政府調達の一種としてとらえているものなのだというふうに聞いておりますが、その内容についてもしおわかりであれば伺いたいと思います。
 そしてまた、通産省としてはこの制度をどういうふうに評価されているのか、それについてもお尋ねしたいと思います。
#150
○政府委員(林康夫君) お答え申し上げます。
 御指摘のSBIR制度でございますけれども、これはアメリカにおいで一九八二年から発足をした制度でございまして、外部研究資金が一億ドル以上の連邦政府機関が、その一定比率、現在では二・五%になっているそうでございますが、この資金を連邦政府機関が使用する可能性のある物品等の技術開発テーマを公告いたしまして、応募してきた中小企業を審査、選定してその基礎調査研究と本格研究、商業化と三段階方式で支援する研究開発制度、こう承知しております。
 この趣旨でございますけれども、連邦議会が、中小企業の技術革新を推進する、そして参加企業が低コストで質の高い研究開発を行って、開発された革新的な製品が連邦機関の職務に対して重要な貢献をする、そして中小企業のビジネス機会を拡大して新規の製品やサービスの開発を誘発して米国のハイテクノロジー産業の競争力を強化した、こう評価して一層の強化に努めていると承知しております。
 現在、当省の見解をお尋ねがありましたけれども、このSBIR制度については大変興味を持って詳細な調査を進めております。これを参考として、我が国ベンチャー企業育成のための総合的な施策の一環として検討を進めているところでございます。
#151
○水野誠一君 ということは、こういった考え方、すなわち研究開発委託というのも一種の公共事業と同じような政府調達の一部であるという考え方をこれからはとっていくおつもり、それを検討されているというふうにとらえてよろしいですか。
#152
○国務大臣(堀内光雄君) 従来も通産省におきましては、政府や政府関係機関における一般競争入札等において、技術力を有する中小企業や開業後、日の浅いベンチャー企業に入札機会が増大するように制度の改善を図って、これらの企業の成長を支援することといたしておりました。これは昨年十一月十八日に閣議決定された「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」において決めたものでありまして、それを部分的ではありますが現在も当省におきましては取り組んでおるところでございます。
 御指摘のあったSBIR制度につきましては、制度の内容がちょっと違いますので、これについての取り組みをさらにいたしてまいりたいというふうに思っております。
#153
○水野誠一君 今、大臣から既に一部お答えをいただいたようなところもあるんですが、我が国では先端技術分野も含めた政府の委託研究開発調査というものが、現在見ますと、そのほとんどを特殊法人や公益法人が受託をしている、こういう現状のようであります。しかも、契約方式は各省庁が委託先を一方的に決めるいわゆる随意契約の形になっている。そして実質の研究開発というのは、大手業者が元請をして、さらに中小業者に下請に出すといった構造になっている。こういうことが多いと私は聞いております。
 つまり、ここでは委託契約というのは中小企業などの新規業者に本来は門戸を開かなければいけないということなんですが、現状を見ますとなかなかその門戸が開かれていない。それでまた、研究開発などの委託というものはいわゆる政府調達としては見られていない、こういう現状があるようでございます。
 ちなみに、公共事業などの政府調達においては、原則として競争入札によって業者が選定される。その原則のもとでいわゆる官公需確保法というのがございますが、これによって一定の中小企業向けの発注目標が毎年度決められている。こういうことによって中小企業の育成というものがなされているというふうに思います。
 そこで、いろいろきょうも各委員から話題になっておりますが、米国でのベンチャービジネスの隆盛というものを考えたときに、優秀な先端技術を持つベンチャーを育成するにはこの政府委託費の活用というものが有効になるんではないかというふうに考えます。つまり、委託費による事業を新たに政府調達としてとらえる。その方向であるということは今も大臣からもお話ございましたが、入札制度を導入することなどによって受託者としてのベンチャー企業を掘り起こしていく、あるいは育てていく制度設計が重要になるというふうに考えております。
 これが実現することになりますると、入札によって政府コストが削減できるというメリットも当然ございますし、それから契約を受託したベンチャー企業にとっては大きな実績にもなっていく。その後の事業運営におけるいろいろな信用度、これは技術に対してもそうですし、経営に対しても信用度が増してくるというようなことも含めて、その波及効果は非常に大きいというふうに私は考えております。
 ベンチャー育成の所管庁として通産省の委託研究についてぜひともお進めいただきたいと思いますが、そのお心づもりといいますか覚悟のほどをぜひ大臣からもう一度お答えいただければと思います。
#154
○国務大臣(堀内光雄君) 委員のお話は非常に結構な御意見だと思いますので、そういう方向に向かって私としては取り組んでまいりたいと思っております。
 今までどういう障害があるか、ちょっとわかりませんが、事務方からもあわせてお答えを申し上げます。
#155
○政府委員(林康夫君) 先ほど答弁申し上げましたように、この提案は大変興味ある制度であるというふうに思っております。
 ただ、現在通産省が研究開発を推進している場合でございますけれども、これは企業の規模を問わずにあらゆる企業に対して参加の機会を開いておるわけでございまして、大企業のみが恩恵を受けるような制度設計ではないということは言えると思います。
 例えば、主な研究開発制度である産業科学技術研究開発制度あるいはニューサンシャイン計画、地域コンソーシアム研究開発制度等におきまして、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOが効果的に研究開発を実施する観点から広くプロジェクト参加希望研究機関やテーマを公募しておりまして、その後に、応募した機関につき研究開発を適切に実施できるかどうか、これを審査して採択をしております。したがって、中小企業であっても研究開発を行う能力があれば政府の研究委託制度に参入することは十分に可能だと考えておりまして、現に中小企業が参画している実例もございます。
 中小企業庁も中小企業のみを対象とした提案公募制度を平成八年度に創設しておりまして、この中小企業を主たる支援対象とした制度の拡充にも別途努めております。
 御指摘のように、政府全体の研究開発予算を幅広く官公需としてという、これは大変大きな提案でございますしお話でございます。また、アメリカでかなり効果があるというお話もありますので、引き続き実態をよく調査して日本での適用可能性を検討させていただきたいと思っております。
#156
○水野誠一君 先ほど畑委員からもアメリカのお話もございましたけれども、ともかくアメリカのセカンドカーブと言われる経済をそういった中小企業あるいはベンチャーの隆盛が大いに支えて今日の経済発展を招いている、持ってきたということを考えますと、これは単に量的な意味での、あるいは規模的な意味での中小企業ということだけを申し上げているのではなくて、やはり日本でも質的に優秀な中小企業というものを、あるいはベンチャービジネスというものを育てていくという視点で、今回の法律もそうでありますが、今お尋ねをいたしました研究委託という問題についても大いにその育成の門戸を広く開いていただくということをお願いしたいと思います。
 次に、特許制度の問題で、特許情報のオンライン化についてお尋ねをしたいと思います。
 この特許制度というのは我が国産業のインフラとしての基盤をなすものである、また特に先端技術開発にしのぎを削るベンチャー企業にとって特許情報は事業の方向性を決定する上で非常に重要なものであるということは論をまたないところであります。
 ところが、特許情報へのアクセスというもの、これは見でまいりますとどうもまたそういう意味では問題があるんではないかという気がいたします。といいますのは、現在我が国の特許情報の閲覧には官民双方に非常に大きなコストかかかっているということか言えます。政府はCD−ROM化をしました特許公報の発行のために毎年約四十億円を特別会計から拠出しているというふうに聞いております。また、さらに別に四十億円は現在も文章としての情報提供の経費がかかっている。つまり合計八十億円の経費を使っているというふうに聞くわけであります。一方、民間企業もこの特許公報を検索するシステムに非常にお金かかかっている。この初期投資には数千万、CD−ROMの購入などの維持費に毎年数百万の経費がかかっているというふうに聞くわけであります。
 しかし、こういった巨額のコストはどうも私は不要ではないかと思うわけであります。と申しますのは、現在発達しております情報通信技術を活用すれば、オンラインによる特許情報を簡便かつ非常に安価に処理、検索かできるはずであるというふうに思うからであります。事実、そのようなサービスをもう既に始めたベンチャーもあると聞いております。ベンチャー育成の意味からもこのようなシステムを早急に実現するべきではないかと思うのでありますが、それについて通産省のお考えを伺いたいと思います。
#157
○政府委員(荒井寿光君) ただいま特許情報についでお話かございました。
 特許情報か技術情報として非常に大事なものだということは私どもも承知しておりまして、そういうことのためにてきるだけ広く普及するように努力をしておるところでございます。しかしながら、今御指摘のとおり、今のような形で紙の書類を買っていただいたりCD−ROMを買っていたたくというのではまだ不十分じゃないかということでございます。最近、御指摘のとおり、オンライン、インターネットか大変普及してきましたので、特許庁もこういう便利なもので安く、しかも全国の中小企業の方、ベンチャーの方、あるいは大学の先生方がどこからでも使っていたたくことは非常に大事なことじゃないかと私どもも思っておりますので、今の御指摘も踏まえましてできるたけやってまいりたいと思います。
 具体的には、昨年からいろいろ試してやっておりましてかなり期待か高いということを承知いたしましたので、ことしからは公開特許公報とか英文抄録とかいろんな特許情報をインターネットに乗せて、先生御指摘のようなラインに進むように一生懸命尽くしてまいりたいと思います。
#158
○水野誠一君 方向としては大変前向きにとらえられているということで結構だと思いますか、完全な形、言ってみれば特許の内容を具体的に検索できるような形になるのは大体いつころというふうに考えてよろしいでしょうか。
#159
○政府委員(荒井寿光君) できるだけ中小企業の方、ベンチャーの方、あるいは大学の先生方か自由に使っていたたく、そのためには検索ができなけりゃ意味はないわけでございます。そういうことでこざいまして、いろいろ研究しておりますが、インターネットの技術自身かどのくらいの進歩をしているか、それに加えまして検索をつけるとするとさらに技術的にどのくらいになるか。毎日毎日インターネットの関係は技術進歩しておりますので、いつかということは明示的に申し上げられませんか、できるだけ早いうちに実現して日本のベンチャー企業や中小企業の方に役に立つように努力していきたいと思っております。
#160
○水野誠一君 これで質問を終わりたいと思いますか、ともかくベンチャー育成というのは現在の経済情勢を考えても日本にとってまさに急務だと思っておりますので、量的な問題のみならず質的な面からも、特に日本の先行するすぐれた技術を世界に羽ばたかせるためにも通産省のお力を発揮していただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#161
○委員長(吉村剛太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#162
○委員長(吉村剛太郎君) この際、委員の異動についで御報告いたします。
 本日、西田吉宏君か委員を辞任され、その補欠として釜本邦茂君か選任されました。
    ―――――――――――――
#163
○委員長(吉村剛太郎君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#164
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案か中小企業の名を冠してはいるものの、その本質は、我が国の金融系ベンチャーキャピタル及びその設立母体である大銀行、大手証券等の要求にこたえてハイリスク・ハイリターンの未公開株式の市場においでキャピタルゲインを大規模に獲得、分配するための仕組みづくりであり、投資対象となり得る中小・中堅企業も一部の優良企業に限られ、圧倒的多数の貸し渋りに苦しむ中小企業、零細業者にとってはほとんど無縁のものであるからであります。
 反対理由の第二は、米国と比べて投資先か後期段階の企業にシフトしている問題、金融系ベンチャーキャピタルか七五%と多数を占めている問題など、我が国のベンチャー支援のゆがみを是正しないまま資金量をふやすことは、一層そのゆかみを拡大することにさえなりかねないからであります。
 反対理由の第三は、投資事業組合がその最大の資金調達源として予定する年金基金を、元本保証のないリスクの大きな投資に巻き込む条件づくりとなるものたからであります。
 最後に、創造期のベンチャー企業に対する金融投資支援策としては、我か党も賛成してきた中小創造法に基づく投資、融資、債務保証などの多様な支援策があり、これらを中小企業、零細業者の要求に沿ってさらに運用しやすくすべきであることを指摘し、反対討論を終わります。
#165
○委員長(吉村剛太郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#166
○委員長(吉村剛太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#168
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。堀内通商産業大臣。
#169
○国務大臣(堀内光雄君) 日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 行政に関する組織の簡素合理化を図るとの観点から、日本貿易振興会とアジア経済研究所を統合するとともに、通商産業省の地方支分部局のうち、鉱山保安監督局を鉱山保安監督部に移行するため、本法律案を提案した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、日本貿易振興会法の一部改正であります。この一部改正におきましては、アジア太平洋地域等との通商経済上の協力体制の整備等を図る観点から、アジア経済研究所が行っていた経済及びこれに関連する諸事情についての基礎的かつ総合的な調査研究並びにその成果の普及のための業務を日本貿易振興会に行わせ、アジア経済研究所を解散するとともに、日本貿易振興会の組織等につきまして、役員数及び役員の任期の変更等の措置を講ずることとしております。
 第二に、通商産業省設置法の一部改正であります。この一部改正におきましては、鉱山保安監督局の鉱山保安監督部への移行及びアジア経済研究所の解散に伴い、所要の改正を行うこととしております。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#170
○委員長(吉村剛太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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