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#1
第142回国会 農林水産委員会 第4号
平成十年三月十三日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     北澤 俊美君     小山 峰男君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     青木 幹雄君     田村 公平君
     井上 吉夫君     芦尾 長司君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松谷蒼一郎君
    理 事
                岩永 浩美君
                真島 一男君
                三浦 一水君
                和田 洋子君
                大渕 絹子君
    委 員
                芦尾 長司君
                浦田  勝君
                大野つや子君
                国井 正幸君
                田村 公平君
                長峯  基君
                一井 淳治君
                小山 峰男君
                風間  昶君
                続  訓弘君
                谷本  巍君
                須藤美也子君
                阿曽田 清君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   島村 宜伸君
   政府委員
       農林水産省食品
       流通局長     本田 浩次君
       食糧庁長官    高木 勇樹君
       林野庁長官    高橋  勲君
       水産庁長官    嶌田 道夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 威男君
   説明員
       農林水産大臣官
       房審議官     竹中 美晴君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の
 変化に即応して行われる水産加工業の施設の改
 良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
○真珠養殖事業法を廃止する法律案(内閣提出)
○農林水産に関する調査
 (インドネシアに対する緊急食糧援助の実施に
 関する決議の件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として小山峰男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松谷蒼一郎君) 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案及び真珠養殖事業法を廃止する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 両案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○一井淳治君 まず、水産加工業施設改良資金融通臨時措置法に関して質問をさせていただきます。
 御説明によりますと、「外国政府による」という言葉が入ってございます。これについては、どのような国のどのような政策の変化をお考えであるのか。それからもう一つ、通称HACCP法というものが別件の法律で上程されようとしているわけでありますけれども、それとの関係はどのように考えたらいいのか。その点についてまず質問させていただきます。
#5
○政府委員(嶌田道夫君) 水産食品につきましては、アメリカが昨年の十二月から、アメリカ内に輸入されるものも含めましてHACCPに基づく製造を義務づけましたほかに、EUも同様にHACCPに基づく製造を既に平成六年五月から義務づけを行っているところでございます。このような状況を踏まえまして、今回新たに外国政府による水産加工品の衛生規制の強化に対応するための資金措置を講ずることとしておりまして、今お尋ねの外国政府といたしましては、当然ながらアメリカのほかにEUなどを考えているところでございます。
 一方、HACCPの導入支援に関しましては、別途、水産加工分野も含めまして、食品全般を対象といたしまして税制、融資等、総合的な支援方策を講じます食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案、今、先生HACCP法案と言われましたが、現在、国会に提出されておりますが、水産加工分野につきましてはアメリカが昨年十二月からHACCPに基づきます製造を義務づけたという状況にかんがみまして、特に緊急に対応する必要がありますことから、他に先駆けまして今回、水産加工資金による支援措置を講ずることとしたということでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど先生が言われましたHACCP法案が成立した暁におきましては、この水産加工分野につきましてもそちらの方に吸収されていくということになると考えております。
#6
○一井淳治君 特にこの法案は、今御説明がありましたように、緊急の必要性があるということで先行されておるようでありますけれども、だとすれば、今お話ありましたEUとの関係ということが非常に懸案事項になっているわけでありますし、その他緊急に、適切にこの法案を実施されるように要望させて、いただきたいと思います。
 次に、真珠養殖事業法の廃止法案の関係について質問をさせていただきます。
 我が国の養殖真珠は、これまで外国においても高い評価を得ておるようにお聞きしております。それについてはいろんな先人の御努力があると思うわけでありますけれども、これまでの法による輸出検査が形状や色沢、真珠層の厚さなどに着目して区分をして格付をしたりして、一定の品質水準を確保するという効果を持っていたというように思うわけでございます。
 本法の廃止によりまして、低品質の真珠が外国に輸出されるというようなことが起こっては非常に心配でありますけれども、そういった点についてはどのように考えたらいいのか。あるいは、さらに進んで、真珠養殖の先進国であります我が国が国際的な品質水準を率先して設ける等のことはお考えになっておられないのか。その辺について質問させていただきます。
#7
○政府委員(嶌田道夫君) 現行の真珠養殖事業法でございますが、これは真珠の国営検査と、それからこの検査結果を表示したものでなければ輸出してはいけないというふうになっておるものでございまして、輸出適格の合否を決定しているものではございません。言うなれば、現在は上級、下級というふうにランクづけしておりますけれども、下級に格付されましてもこの法律上は輸出することができるわけでございます。
 しかしながら、輸出入取引法に基づきまして設立されております日本真珠輸出組合が、粗悪品の輸出禁止ということと輸出取引秩序の確立ということのために輸出入取引法に基づきます規約を定めておりまして、欧米等の主要二十五カ国に対しましてはこの上級に該当する品質の真珠でなければ輸出してはならないという旨の規制を別途しているところでございます。
 この輸出真珠のカルテルでございますが、平成九年三月二十八日に閣議決定されました規制緩和推進計画がございまして、これを受けまして平成十年度末までにこれが終了する予定となっておりまして、そういう意味では、すべての国に対しまして上級、下級含めまして真珠は輸出することが可能となっているという状況にございます。
 一方、世界の真珠市場を見てみますと、既に真珠養殖では後発国の中国が安価な淡水真珠を大量に世界市場に流通させておりまして、もう既に大きな市場が形成されております。従来、我が国といたしましては、上級の真珠しか輸出していなかったということもございますが、このように大きなマーケットが形成されているということを考えますと、我が国といたしましても、この市場に積極的に対応していくことが業界としてもメリットがあるというふうに業界自身が考えているところでございます。
 他方、そういたしますと、下級品と言っていいかどうかわかりませんが、従来必ずしも上級品でなかったものが世界マーケットに輸出されるということによりまして我が国の真珠の声価が低下するおそれもあるわけでございます。
 業界におきましては、このようなメリット・デメリットを随分ここ数年議論した結果、業界全体といたしましては、先ほど言ったような方向に行くことが今後の真珠業界にとっていいことではないだろうかというようなことで、全体の流れとしてはそのような方向に決めたということでございます。
 ただ、従来、世界のマーケットにおきまして日本の真珠が維持してきました上級品の真珠の声価というのがございます。これにつきましては、民間検査によります品質保証、これを従来の国営検査の上級よりももう少し細分化した形、それからできますならば、ロットごとではなくて区別ごとに言うなれば品質表示をしていくというようなことによりまして、上級品につきましては今までの声価を維持していくことが可能ではないだろうかというふうに考えておるところでございます。
 また、二点目の真珠の国際的な品質基準についてでございますが、これにつきましては、業界におきまして、我が国が主導をとりまして、関係国、これはオーストラリアとか、アメリカとか、中国、香港、それからフランス、主な国はすべて入っておりますが、そのような関係国から成ります世界真珠機構というのを既につくっておりまして、日本が議長国となりまして、国際的な品質基準につきまして現在検討を行っているという状況にございます。
#8
○一井淳治君 法は廃止されるわけでありますけれども、今お話がありましたように、高級品についての品質の確保ということにつきましては引き続き問題意識をお持ちいただきまして、何か問題が起こるようであれば対応していただきたいと思うわけでございます。
 次に、大変恐縮でございますけれども、森林木材業に関してもちょっと質問させていただきたいと思います。
 今、消費税の税率のアップを引き金といたしまして大変な不況になってくる。そして、住宅の建築件数も極端に減ってまいりまして、それに伴って木材価格か非常に低落するという中で、森林組合の経営状況、それからその下部になります木材関係業者が非常に厳しい状況にございます。
 率直な話でありますけれども、この間、ある中小の木材関係業者の事務所を訪問したら、うちはもう倒産をするか、あるいは従業員の給料を、これは余り表立ってはいないことかもしれませんが、半分ぐらいに下げないと本当にやっていけない状態になっているというふうな話が出ておりました。森林組合におきましても、全部とは言いませんけれども、非常に赤字がかさんできているというふうに思います。そういう実情については林野庁におかれましても十分把握されておるというふうに思うわけでありますけれども、どのような情勢認識をお持ちでございましょうか。
 そして、この対応でありますけれども、やはり山の緑を育て、そして国産材を製材し、国内で販売しているというこのルートは、ここ数年来、林野庁におきましても非常に重視してこられた流れであります。これが今の一時的な不況によりまして非常に沈滞し、そして勢いをなくしてしまうというふうな状況があるわけでありますけれども、単なる不況対策という以上に、やはり我が国の環境といいますか、緑を守るという観点からしても非常に大事なわけでありますので、どのようなお考えをお持ちなのか、御説明をいただきたいと思います。
#9
○政府委員(高橋勲君) 我が国の木材産業、そして林業は、昨年の後半以降、先生御指摘のように住宅着工戸数の落ち込み、これに伴いまして木材需要が低迷しておりまして、価格も一段と低くなっております。非常に厳しい状況と認識しております。
 林野庁としましては、政府の経済対策に係る中小企業等に対する雇用調整助成金制度、それから信用保証制度、こういう制度がございまして、これに対して木材関係業種を指定するという対応をいたしております。
 それから、運転資金の融資の円滑化、そういうものをやはり制度として業界の方に知ってもらう。そういう意味で、都道府県とか木材関係の中央団体に相談窓口を設けまして、個々の企業に対する普及とか周知の徹底を図っているところでございます。
 それから、中長期的といいますか、そういう対策としましては、やはり個々の事業者による中小企業近代化促進法に基づく構造改善事業の実施、これによりまして大型化とか生産性の向上というふうなことを図って、体質強化を図る。
 それから、平成八年十二月に林野庁が策定しました林産加工体制整備基本方針というものがあるんですが、これに基づいて地域における木材産業の構造改革の推進を図っております。
 それから、やはり住宅着工の落ち込みということで国産材の利用が低迷する、ここが一番の問題ですので、国産材をどういうふうに利用してもらえるか、この推進を図るということで、森林組合あるいは木材産業の活性化ということを考えております。
 いろいろな施策を適時適切に組み合わせまして、木材産業あるいは森林組合、そして林業の振興を図ってまいりたいと思っております。
#10
○一井淳治君 ただいま御説明がありました基本方針でありますけれども、これは構造改革ということを進められる御方針だというふうに思いますけれども、これは必ずしも進むようにまだ十分な浸透がなされていないんじゃないかと。平成八年につくられたわけでありますけれども、そろそろもう一遍現状の中で見直して、さらに前進を図らなくちゃいけないのじゃないかと。
 林野庁の方々にお聞きしますと、外国では三十万立米ぐらい材木加工を扱っているようなことで、非常にコストが低いけれども、日本の場合はまだ百分の一ですか、三千立米ぐらいしか年間やっていないと。これではとても外国に太刀打ちできないという話も聞かせてもらっておりますけれども、そのあたりのことについて十分に業者の間で理解といいますか、論議がまだまだできていないというふうに思います。それからまた、他方では林野庁の助成金を受けて大規模化し、コスト低減が進んでいるんですけれども、そういったところで大量にできた製品が既存の業者の経営を非常に圧迫してきているというふうなこともあったりして、やはり全体的な対応ということも非常に必要じゃなかろうかというふうな気もいたします。
 環境対策ということからも非常に大切でありますし、国土保全の関係からも伝統的な森林・林業、木材産業を発展させるということは非常に大切であると思います。今、国有林野関係で大変御苦労いただいているわけでありますけれども、民間部門もどうかお忘れなく、さらに細かい対策も、不況対策ということを私は期待しておるんですけれども、不況対策としてできないとしても、木材・森林対策としてもう少しいろいろと細かい御配慮も賜りたいと思うのでございますけれども、さらにもう一言、御所見を賜れれば幸いでございます。
#11
○政府委員(高橋勲君) 御指摘のように、やはり施策として打ち出しましても、受けとめる段階の方で、個別的には規模の零細性でありますとか、今度はそれが集まりますと規模が大きくなって逆に零細企業を圧迫するとか、流域単位で我々は原木の調達、そして大型の生産性の高い工場を構造改善でやっていこう、乾燥材の供給というふうなやはり需要される製品をつくっていこうというふうなことで提案しているわけでありますが、なかなか浸透しないという点もございます。
 しかしながら、相当な流域で、そういう地域で関係者間がよく協議をしながら、林業の山元関係と、それからそれを利用する川下の方で協議をし、一貫して林業から木材産業までが対応していくというふうな流域も出てきております。
 そういうふうなことで今回の不況も克服しつつ、将来の林業振興、森林の整備というものにつながる問題として受けとめまして、対応をしていきたいと考えております。
#12
○一井淳治君 次に、酪農に関しても、恐縮でございますが、お尋ねさせてもらいたいと思います。
 乳価が非常に低迷いたしまして、酪農家の収益性が非常に厳しくなってきております。私の地元の岡山県内におきましても、乳用牛の飼養戸数が、平成八年度には六・二%の方が廃業する、平成九年度には一〇・四%の方が廃業するという非常に深刻な状況になっております。
 そういう中におきまして、加工原料乳以外の乳価、特に飲用乳価が非常に低迷するということが酪農家の士気をそいでいると思うわけでありますけれども、まだ平成九年度の乳価は決まっていないという地域もあるように聞いております。
 そういう中で、飲用乳価を中心として適正な乳価にしていくということが非常に大切かと思いますけれども、農林省におかれましてはどのようにお考えでございましょうか。
#13
○説明員(竹中美晴君) 飲用乳価についてでございますが、先生御承知のとおり、これは取引の当事者である生産者団体と乳業者との間で自由な交渉によって自主的に決定される、そういう建前でございます。近年、おおむね低下傾向で推移してまいりましたけれども、今年度、平成九年度につきましてはほぼ全国的に据え置きという結果で決着しておるというふうに聞いているところでございます。
 こういうふうに、飲用乳価につきましては交渉によって自主的に決定されるという性格からいたしますと、生産者団体と乳業者が誠意を持って十分に話し合いを行っていただくべきものと考えておりまして、平成十年度の飲用乳価交渉も始まっているわけでございますが、私どもとしましても十分注意深く見守ってまいりたいと考えております。
 農林水産省としましては直接、飲用乳価決定に関与することはできないわけでありますけれども、指定団体の広域化等による集送乳の合理化とか、あるいは合理的な余乳の処理を支援するなど、そういった各般の施策によりまして飲用乳価決定の周辺条件の整備に努めていきたいというふうに考えております。
#14
○一井淳治君 具体的に言いますと、ただいまもお話がありましたように、指定団体の制度があるわけでありますけれども、これは指定団体として十分に一〇〇%機能しておるかといえばまだまだ機能していないわけですから、本来の指定団体らしく育成していくという作業も非常に大事だと思いますし、今お話がありました広域化の問題、それから余乳処理の施設対策の問題あるいは共補償の問題など幾つかの対応を進めてくださっているわけでありますけれども、もっともっとそのあたりの指導も強めていただきたいと思うわけでございますけれども、何か具体的な方法についてお考えはございませんでしょうか。
#15
○説明員(竹中美晴君) 御指摘をいただきました指定団体の機能の強化の問題につきましては、私どもとしても問題意識を同じように持っておりまして、一昨年暮れ以来、指定団体のあり方に関する研究会なども開きまして種々の検討も行ってまいりまして、その報告もいただきまして、指定団体の今後のあり方、広域化に向けての取り組みの仕方等々につきまして報告もいただいております。
 そうした報告を受けて、私どもとしましても、今後御指摘のような指定団体の機能をより一層発揮できるような体制に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
#16
○一井淳治君 もう一つ酪農の関係でいいますと、環境対策ということが大切であると思います。規模拡大をする場合にはたちまち環境問題が迫られてまいりますし、コスト低減ということ、あるいは労働対策、施設対策という観点からいたしましても環境対策が非常に大きな課題になっているわけでございます。御所見を賜りたいと思います。
#17
○説明員(竹中美晴君) 畜産経営に起因します水質の汚濁とかあるいは悪臭といった地域住民からの苦情でございますが、最近の傾向を見てみますと、件数としては減少傾向で推移しておりますけれども、農家当たりの苦情発生率というような面で見ますと、家畜の飼養戸数の減少とか飼養規模の拡大に伴いましてむしろ増加傾向にございます。各家畜のふん尿につきましては、環境保全といった観点だけじゃなしに、有機質資源の有効利用という観点からもこれを堆肥化して農地に還元していくといったことが基本になろうかと考えております。
 農林水産省としましても、そういう観点からこれまで家畜のふん尿の処理のための機械とか施設に対する助成とか、あるいは低利融資なりリース等、いろんな施策を講じているところでございます。十年度におきましても新たに、公共事業、非公共事業を通じまして、堆厩肥の敷料としての再利用とか、あるいは畜舎の洗浄水の再利用をシステム的に推進するような事業とか、また家畜のふん尿等をメタン発酵等のエネルギーに使っていくというような事業についても取り組もうとしているところでございます。そうした各般の取り組みを通じまして、畜産の環境対策の充実強化に一層努めていきたいと考えております。
#18
○一井淳治君 関連対策の論議も始まるわけでありますけれども、環境対策に一層お取り組みいただくことを希望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
#19
○風間昶君 きのうに続きまして、大臣、御苦労さまです。何点か質問させていただきます。
 まず、水産加工業者は他産業に比べて極めて零細、規模の小さいところが多いということはもう御案内のとおりでありますが、今回の景気が悪い中で新たな設備投資に踏み切れないでいるところが結構多いんじゃないかというふうに思うんです。
 今、手元に、これは農水省統計情報部が出しております九年度の安全な食品の提供についてさまざまなアンケートをされた、食品関係の流通加工業者千百六十人にアンケートをやって九七%の回収率ですけれども、その中で食品製造業について水産の食料品部門の業者の企業マインドがうかがわれると思うんですけれども、とりわけ景気や先行きについての分析を水産庁ではどう見ておられるのかというのが一点。
 それからもう一つは、HACCPが導入されるわけでありますけれども、その導入の必要性の認識についてどういう分析ができるのか、教えていただきたいと思うんです。
#20
○政府委員(嶌田道夫君) まず、第一点の水産加工業が景気の先行きについてどのように見通しているかということでございますけれども、これは一般的に言いまして、食料品といいますものは景気に対してかなり安定しているという面もございますけれども、当然のことながら景気全体の流れの中で、水産加工品といえども価格の問題とかいろいろなものがございますけれども、楽観する要素はないわけでございます。そういう意味で、他の業種と同じように、景気の先行きにつきましてはかなり厳しいというふうな認識を持っているんだろうと思います。
 それから、第二点目のHACCPの導入についてでございますけれども、これも今、先生が言われたのと同じかどうかはちょっとよくわかりませんが、やはり統計情報部がことしの二月に調査したのがございまして、これを見ますと、安全な食品の提供に関します調査というのをしております。その中で、水産食品製造業者の六五%がHACCPの導入に積極的な姿勢を示しているというデータがございます。
 一般的に、近年、消費者の食品に対する品質・衛生管理の関心が高まっているということを考えますと、やはり零細な水産加工業者でございましてもHACCPの導入につきましては積極的な姿勢をとる必要があるんだろうということでこのような結果になったものというふうに考えております。
#21
○風間昶君 このデータ、安全な食品の提供という対象業者は水産食品加工業だけじゃなくていろんな人が含まれているわけですけれども、もう一つのデータで、これはきのう水産庁からいただいたんですけれども、水産加工業者二百九十八社にHACCPの導入意向をアンケートされたデータをいただきました。これを見ると、今、長官がおっしゃったように、六二・四%の企業がHACCPを導入、済みを含めて意向を示している。しかし、中身的には、大手は積極対応だけれども中小は消極対応と、こういうことがまだ多くならないということも一つあります。これは去年七月に行った調査ですけれども、八年の一月にも同じ調査をしたときには三一%導入したいということだったので、伸びていることは間違いないので、導入の必要性の認識は高まっているということは私も否定しません。
 問題は、さっき言ったように極めて零細企業の人が多いわけです。投資実績のある企業はほとんど五千万未満が主体でありまして、さらに今度このHACCPを導入するに当たって、やりたいんだけれども、なかなか極めて難しいことに金銭面でぶつかってくるだろうということが予測されるし、またいわゆる量販店やスーパーから、取引先から、おたくはそういうHACCP規制の装置を、装置というか、いろんなさまざまなあれができていないというと取引停止ですよとかということだって考えられるわけでありますね。そういうような状態になると、企業活動に非常に重大な支障を来すということが考えられるわけでして、そういう部分に対しては、ただ単に金利面だけじゃなくて、どういうふうに水産庁として手を打っていくのかということが求められていると思うんですけれども、そこはどうですか。
#22
○政府委員(嶌田道夫君) 基本的には、やはり消費者の水産加工品に対する意識というものが品質・衛生管理の面で非常に高まっているというのがまず前提にございますので、やはりこれを踏まえた形で今後、零細な水産加工業者でございましても対応していかざるを得ないというのが一つあろうと思います。また、この流れは日本だけではございませんで、世界的な流れにもなっているということもございます。
 それから、データ的なことを少し申し上げますと、この法律に基づきます水産加工資金、従来から融資をしてきているわけでございますけれども、平成四年度から八年度までの五年間におきます実績を見てみますと、従業員規模でいいますと、百人以下の企業に対する融資実績が全体の七割を占めているというようなことで、中小規模程度のものが本資金をほとんど利用しているというようなそういう実態にもございます。
 それから、さらに今後どのようなことを考えているのかということでございますが、HACCP導入に当たりましていろいろ基準だとかマニュアルをつくっていくことになりますけれども、我が国が特に水産加工におきましては零細業者が非常に多いというようなことを考えますと、そういう中小零細な加工業者が円滑に導入できるような基準なりマニュアルというものにつきましても配慮していく必要があるんじゃないかというようなことで、今そういう面で基準の中心になります大日本水産会でございますが、いろんな面から検討しているところでございます。
#23
○風間昶君 今回のこのHACCP導入の問題で、アメリカの法律にのっとった形で衛生管理基準を決めることになるんですけれども、各国で具体的にHACCPの原則や手順にのっとった形で衛生管理基準がつくられる、各国の実情に応じて具体的にはつくられていくのかなというふうに今思っているわけですけれども、そういう意味で、コーデックスの部会での検討状況を、見通しが各国においてどういうふうになっていくのかということをわかる範囲で教えていただきたいんです。
#24
○政府委員(本田浩次君) コーデックス委員会におきますHACCP方式の検討状況でございますけれども、まずHACCP方式の国際基準といたしまして、一九九三年にHACCPシステムとその適用のガイドラインがコーデックス委員会で策定されたところでございます。その後、各国から種々の意見が出されまして、こうした意見を踏まえまして、昨年、一九九七年の六月に開催されましたコーデックス委員会の第二十二回総会におきまして、定義の明確化などの改正がこのガイドラインにつきまして行われたところでございます。
 このガイドラインにおきましては、HACCPを適用する場合の一般的な指針といたしまして、その手順でございますとか原則が定められております。このガイドラインは各国に義務づけられているものではございませんが、今後、各国はこのガイドラインの考え方を基本としてHACCPシステムに基づきます品質管理を進めていくものと考えております。
 各国におきますHACCPの導入状況でございますけれども、EUにおきましては一九九三年から導入するための指令が発せられております、それから、米国におきましては、水産物につきまして一九九七年、昨年の十二月から、さらに食肉につきましてはことしの一月から、施設の規模に応じて段階的に導入するという方針が定められているところでございます。
#25
○風間昶君 水産のことだけであれなんですが、要するに現行のアメリカ型と言ったらいいのか、あるいはもうちょっときつい海の上からのHACCP規制を入れるEU型と、日本はそのやり方と同じに本当に初めから終わりまでできるかというとこれは難しいと思うんですね。そうすると、やっぱり各国横並びの統一的なガイドラインということが当然可能になってくると思うんです。
 そういう場合に、輸出関連の加工業者に関しては、大手がメーンになると思うんですけれども、極めてハードルの高い設定をして、世界じゅうに通用するようないわゆる日本型のHACCP方式ということも検討しなければならないと思っておるんですけれども、そこはどうでしょうか。
#26
○政府委員(嶌田道夫君) まず、二つ問題があると思っておりまして、一つは、水産加工品でアメリカに輸出ないしはEUに輸出するという場合には、やっぱりそれぞれの国の基準に該当する、HACCPに該当するものでございませんと輸出できないわけでございますから、今、先生言われましたように、これは水準の高いというのは当然あると思いますが、いずれにしてもそのような施設をつくらざるを得ないという状況にあるわけでございます。
 他方、輸出しないで、日本国内でもって、それぞれの種類ごとにどのような基準をつくり施設を整備していくかという問題につきましては、これは今後その水産加工品につきましては、現在、大日本水産会を中心といたしましてどのような基準をつくっていくかということにつきまして検討しているところでございます。
 当然ながら、先ほど来申しましたように、零細業者も多いという話もございますし、また水産加工品でございますと非常に日本古来の伝統的な食品なんかもあるわけでございます。例えば、天日干しでありますとか、塩辛でございますとか、いろいろあるわけでございますので、そういうものに応じてどのようなHACCPというんでしょうか、基準をつくっていくかという問題もございますので、そういうことにつきまして現在検討しているという段階でございます。
#27
○風間昶君 実際には、各加工品目の一工程ごとにおのおの何種類かの安全衛生管理手法があるわけですね。全工程を見てみるとかなりの管理方式があるというふうに考えられるわけでありますけれども、そうすると、同じ加工品をつくる会社であっても、例えば工場によって管理手法は異なると。しかし、どっちも衛生管理上の問題は生じないという事態も起こり得るわけですから、そういう意味では、だから北海道のA社とB社、同じたらこならたらこを加工していくのにやっぱりある程度のガイドラインみたいなものをつくるべきだと思うんですけれども、それは検討されていると思うんですけれども、どうでしょうか。
#28
○政府委員(嶌田道夫君) まさしく、その食品の種類ごとにHACCPをつくっていくということは、今、先生がおっしゃったようなことであろうと思っています。そういう一つの客観的な基準、マニュアルをつくりましてそれに生かしていく。そういうことによりまして、それぞれの加工食品、加工品の品質の安全を図っていくということになると考えております。
#29
○風間昶君 これは水産加工品だけじゃなくて全体の話になってきますから、そのときにまた議論したいと思います。
 次に、今回の貸し付けについて、農林漁業金融公庫を通じて事業費の八〇%が限度額と、事業費そのものには天井がない、だから貸し付けも天井がないと。さっきも話が出ましたように、水産加工業者は極めて零細業者が多いと。
 例えば、事業費一億円で工場を改修しようとしても、二千万円は自己資金として用意する必要があります。この自己資金すら負担感があるために用意できない。つまり、新たなHACCPに向けての設備投資に踏み切れないでいるということは当然出てくる。しかし、そういうのはもうしようがないんですよというふうにしちゃうのか、いや、もう何とか今まで水産加工経営改善資金の方で一生懸命そうしようと思っているんだけれども、さらに今度はハードルが高いというような状態になるんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどういうふうに分析しているかということ。
 あとは、国金と中小企業金融公庫もそれぞれに貸すというんだけれども、これは同じ一つの事業に際して重複で借りることができるのか。
 それからもう一点、償還期限や据置期間などはこの三公庫横並びで決めたものというふうに理解していいのか。この三つを教えてもらいたいんです。
#30
○政府委員(嶌田道夫君) まず、前段でございますけれども、要は、消費者のそういう品質に対する要求に応じまして水産加工業者がHACCP制度を導入していくということになりますから、そのために今回新たにこの法律によりましてHACCP対応の資金を用意する、特に公庫資金の方を用意するということになっているわけでございます。
 そういう意味で、先ほども答弁いたしましたように、大体今までの加工資金の融資実績からいたしますと、その七割が中小の企業であるということから見ますと、今回のHACCPにつきましてもこの資金を使うことによりまして相当程度対応されていくのではないだろうかというふうに考えております。
 それから、公庫資金と他の資金とが両方借りられるかということでございますが、本件につきましては、三つの金融機関から借りる方がどれを選択してもいいという意味でございまして、同じものについてそれぞれ重複して借りるということにはなっておりません。条件につきましては三公庫とも同じになっております。
#31
○風間昶君 それでは、真珠養殖業の現状について、先ほど同僚議員からも質問がありましたので、問題は養殖事業全般に言えると思うんですけれども、おととしですか、アコヤガイの生産日本一の愛媛県で大量へい死があって百八十億円を超える被害が出ている問題で、翌年、対策費として水産庁に六千百万円のアコヤガイ育成促進事業費をつけていただいたわけでありますけれども、これは愛媛県に限ったことではなくて、愛媛県からアコヤガイの母貝を仕入れている三重県だとか、あるいは熊本だとか長崎、大分、鹿児島でも同様の被害が出ているわけでありますが、いずれにしてもまだ現在調査中ということであって結論が出ていないように私は思うわけです。
 問題は、今後、一方では環境を保全しながらもう一方では養殖業を振興させるという、いわば相矛盾したかじ取りを水産庁はとらなければならない。そういうことから、それに対する具体的な政策は後の問題として、基本的な考え方を、両方かじ取りの問題の決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
#32
○政府委員(嶌田道夫君) 今、先生言われましたように、真珠だけではございませんで、養殖業全般について一般的に漁場環境は悪化してきているという状況がございます。他方、その中でもって養殖業者の生産性を高めるとか経営の安定を図っていかなきゃならないというそちらの方の問題もあるわけでございます。
 そういう状況がいろいろございますが、いずれにいたしましても養殖業全般といたしまして、養殖業はもう既に漁業生産量の二割も占めておりますし、それから特に沿岸でいきますと四割を占めていて非常にウエートが高くなっておるものでございますから、この養殖業の維持発展という観点から一番必要なのは漁場環境を維持していくということが一番大事だろうと思っております。
 そういう意味で、漁場環境を汚さないような養殖業を今後どのように進めていくかということがこれから我々といたしましては一番考えなきゃならないことでございまして、そのための仕組みはどうあるべきか。場合によっては法制度みたいなものが必要かどうかということもあるかと思いますが、そういう全般的なことを含めまして、現在網羅的な観点から検討を進めている段階でございます。
#33
○風間昶君 終わります。
#34
○大渕絹子君 漁業の動向に関する年次報告の中で、HACCPについて危害分析重要管理方式ということで説明がなされています。「原料から最終製品に至るまでの各工程において、予想される危害をあらかじめ分析し、これを軽減又は除去させることで衛生・品質管理を行う方式である。」と。従来は食品の安全性や品質の確認は最終段階で行ったり、製品の抜き打ち検査等で行われてきたこととは大きく異なる。EUでは既に食品全体の基準としてこのHACCPが用いられているが、このたびアメリカにおいて、先ほど答弁にもありましたけれども、九七年十二月から水産物について適用されると。
 これに対応した形で今回の法改正を行うということで認識をしておりますけれども、先ほど長官からもお話がありましたけれども、日本における伝統的な加工方法、くさやであるとか塩辛とか、あるいは日干し、一夜干し、煮干し、かつおぶし等々、日本古来の食文化として守られてきたものとの整合性というようなことも考慮した中でこのHACCPに対する対応をしていかなければならないというふうに思いますけれども、そのことを十分考慮していただきたいということがまず第一点でございます。
 それから、今回、施設改善の資金の融資枠拡大のためにこの法律の改正が行われるわけですけれども、HACCPの施設改善のためには一年間に限ってということで決められたということですけれども、これはどうしてなのかというところからお聞きをしたいと思います。
#35
○政府委員(嶌田道夫君) まず、第一点目のHACCPの導入に当たりまして、水産加工業界は零細業者が多いということでどのようなことを考慮しているかというお尋ねであろうと思います。
 先生おっしゃるように、確かに零細加工業者が多いわけでございますし、またこのHACCPの導入につきましてはこういう業者にとりましてはなじみの薄いところはあると思います。また、言われましたように、伝統的な加工食品につきましてどのような形でもってこれを導入していくかといういろいろ難しい問題もございます。
 そういうことも踏まえまして、基本的にはHACCPの導入マニュアルを中小零細な加工業者が円滑に導入できるようにしていく必要があるのではないかというふうに考えておりまして、この導入マニュアルにつきましてはもう既に平成七年度から大日本水産会がいろいろ検討してきているところでございます。例えば、冷凍すり身でございますとか冷凍の二枚貝のむき身でございますとか、そのようなものにつきましては既にマニュアルも作成してきておりますし、また十年度予算でも新たな予算をとっておりまして、これによりまして、引き続き零細加工業者が導入できるようなマニュアルの作成につきまして、よりきめ細かな対応を図っていきたいというふうに考えております。
 それから二点目の、なぜ一年かということでございます。
 これにつきましては、先生も先ほどちょっと触れましたように、アメリカが昨年の十二月から輸入品も含めましてHACCPによる製造を義務づける、言うなればHACCPによるものでなければ輸入しないというふうになったわけでございますので、アメリカに輸出する企業にとりましてはこれに該当する施設を導入せざるを得ないということでございます。そういう意味で、緊急にこの対応をする必要があるというために、今回この法律に基づきまして、その施設改良に必要な資金につきまして融資できるようにするということでございます。
 ただ、一方、HACCP導入支援法と言っていますが、正式には食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案が別途、今国会に提出されておりますので、この法律が成立された場合には、この法律に基づきます融資を受けることが可能となるものでございますから、先行する水産加工資金による対応は一年間の措置があれば十分ではないだろうかと判断いたしまして、一年間としたところでございます。
#36
○大渕絹子君 特別融資措置だというふうに思うわけですけれども、前年度の予算枠百八十億円と来年度、平成十年度の予算枠が百八十億円と同額になっているわけです。本来新しい事業を導入する場合には増額をされていくというふうに認識するわけですけれども、ここらの金の問題と、それから水産加工経営改善促進資金との絡みなんですけれども、これは使い勝手がどう違うのかというところを教えていただきたいと思います。
#37
○政府委員(嶌田道夫君) 確かに、先と言われましたように、九年と十年の予算枠は同じ百八十億円でございます。これは一つは枠と実績との関係がございまして、例えば、八年度までの実績しかこれは出ていないわけでございますけれども、八年度まででございますと百億円の融資実績となっておりまして、過去をとりましても大体百二十億とか百億とかそんな段階にもなっておりますので、大体百八十億の融資枠をとるならばこのHACCPの導入に対する対応につきましても十分可能ではなかろうかということでもって、とりあえず前年と同額というふうにしているところでございます。
 それから、第二点目の施設資金と経営改善資金との関係ということでございますけれども、この施設資金の方は当然ながら施設改良のための資金でございますので、長期低利の金でございます。片や、経営改善資金の方は短期の運転資金というのでございましょうか、そういうことでございまして、前者の方はこの法律に基づきます公庫資金でございますし、片一方の経営改善資金の方は系統資金を使っているということで、その性格は違うものでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、この両者を有機的に、一体的に使うことによりまして、このHACCP導入でございますとか、水産加工業の円滑な運用というようなことにつきまして従来ともやっておりますし、今後ともそのように運用を図っていきたいと考えております。
#38
○大渕絹子君 今回の改正によって、一年限り適用がされる都道府県の範囲が拡大をされるというふうに聞いているわけですけれども、三十二都道府県から全都道府県に拡大をされて一年間の適用、その一年間の適用が終わった後は、その拡大された部分の十六都道府県ですか、ここについてはまた適用にならないということだそうですが、非常におかしなことだというふうに思うわけですね。どうして全都道府県の水産加工業者に適用するという改善にしなかったのか、そこをお聞かせください。
#39
○政府委員(嶌田道夫君) 本来、この水産加工資金法でございますが、表題にもございますように、原材料の事情の変化とか貿易事情の変化とか、そういうことに応じまして、それぞれ一番影響の多い都道府県を指定して融資をしてきたということで、今、先生言われましたように、県の指定等があるわけでございます。
 ただ、このHACCP導入に関しましてはそのようなことではないわけでございます。言うなれば、全国的にこれをやらなきゃいけない話でございますので、これにつきましては都道府県の指定とかそういうものを外しまして、全国でもって資金が必要な場合には、この法律に基づきまして資金の融資ができるというふうになっているわけでございます。
 ただ、先ほど来答弁しましたように、一年間たった場合、これは別途用意されておりますHACCP導入支援法と仮に呼んでおりますけれども、そちらの方でもってすべて金融措置が同じような形でできることになっておりますので、そちらの方に移行するわけでございます。そういたしますと、そちらの方にはそういうような地域指定という概念はございませんから、まさしく今回行っております措置と同様の措置が今後ともとられるというふうに理解しております。
#40
○大渕絹子君 次に、真珠養殖事業法の廃止の問題についてお尋ねをしていきたいと思っております。
 まず、農林水産大臣にお聞きをしたいと思います。
 真珠業界というのはかっては外資を稼ぐ日本の大変重要な産業として位置づけられてきております。私は、真珠というと日本というイメージが、日本人だからわくのかもわかりませんけれども、そういうイメージが広がっていると思うんですね。そういう観点から、日本を売り込んでいく重要な産業だというふうに思うわけですけれども、これに取り組む大臣の姿勢をまずお伺いいたします。
#41
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。
 アコヤガイ養殖真珠は日本独自の技術として世界市場においても高い評価を受けてまいりました。しかしながら、最近、南洋真珠や中国淡水真珠との市場における競争、また一方で、アコヤガイの大量へい死問題など厳しい状況にあることも認識をいたしているところでございます。
 このような状況の中で、国際競争力のある品質の高い真珠の生産とその生産性を向上していくことが今後の真珠生産にとって何よりも必要である、こう考えております。業界といたしましてもこのような方向で努力していると聞いてはおりますが、農林水産省といたしましても、我が国の大事な歴史を持つ真珠の養殖でありますから、このような動きを積極的に支援していきたい、こう考えております。
#42
○大渕絹子君 この法律の廃止に当たって、当然関係する漁連の皆さんとの話し合いというのはなされてきたというふうに思うわけでございますけれども、私も関連漁連に連絡をとりましてお聞きをしましたところ、臨調のときからなくしたらどうかという動きがあったが、困るということで対応してきた、しかし今回その規制緩和の中でやむを得ないということであるならば事後の対策をしっかりとやってもらわなければ困る、検査の体制は一体どうなっていくのか、あるいは生産の割合、調整は一体どこでやるのか、そういうような問題がまだ全く話し合われていないし、結果も出ていないというようなことをお聞きいたしました。
 中身がゼロでは困るんだということで、廃止をされた後の対策についてどのように行うのかということをお聞かせ願いたいと思います。
#43
○政府委員(嶌田道夫君) 確かに、業界の意向といたしましては、最終的にはもう今となりましては法律による規制措置というよりも、業界みずからの努力によりまして品質の高い真珠を生産していく、それによって真珠業界の生産性の向上でありますとか経営の安定を図っていくという流れになっているわけでございます。
 ただ、一方、今、先生言われましたように、例えば廃止後の民間検査への移行に当たりましては国の指導、支援が求められております。また、養殖現場におきます密殖改善などにつきましても国の指導が要望されているところでございます。このような動きに対しまして水産庁といたしましても、適切な指導でございますとか支援をしていきたいというふうに考えております。
#44
○大渕絹子君 先ほどの食品加工のところでもお聞きしたかったわけですけれども、養殖貝の大量死の問題も絡めまして、その後の残渣の処理等々、環境面から配慮が必要だというふうに思っているわけでございます。廃棄物処理の適正指導を強化する必要があるというふうに思いますけれども、お答えを願います。
#45
○政府委員(嶌田道夫君) 確かに、昨年、一昨年とアコヤガイの大量へい死の問題もございまして、これが真珠業界にとりましては大変な問題になっております。また、アコヤガイの大量へい死した後の廃棄物の処理が適切に行われませんと、言うなれば漁村環境に重大な影響を与えるということにもなるわけでございます。
 そういうことで、沿岸漁業構造改善事業というのがございます。我々は沿構と言っておりますが、その沿構事業の一環といたしまして廃棄物処理施設を補助の対象ともしております。また、例えばの話でございますが、平成八年度におきましては、大量へい死いたしました愛媛県におきまして、真珠母貝養殖及び真珠養殖の過程におきますへい死貝でございますとか、貝掃除で生じます付着物など、廃棄物の適正な処理を行いますために、これは焼却施設でございますが、それにつきましても整備しているところでございます。
 いずれにいたしましても、予算を利用いたしましてこういうような廃棄物処理が適切に行われるように、水産庁としても必要な支援を行っていきたいというふうに考えております。
#46
○大渕絹子君 ありがとうございました。終わります。
#47
○須藤美也子君 真珠養殖事業法の廃止についてお尋ねをいたします。
 ただいまお話もありましたが、二年前からアコヤガイの大量へい死が全国に広がっております。この資料を見ますと、最高にへい死率がふえているのが佐賀県、大分県、熊本県、三重県であります。九日、十日に開かれた原因究明の研究担当者会議では、その原因は感染症であるということを確認されましたけれども、アコヤガイのへい死を防ぐための予防をどう考えているのか、この点をお聞きしたいと思います。
#48
○政府委員(嶌田道夫君) 確かに、真珠業界にとりまして一番大きな問題といたしましては、昨年、一昨年のアコヤガイの大量へい死の問題でございます。このアコヤガイの大量へい死の原因につきましては、水産庁の研究所が関係県、今言われました愛媛でありますとか三重でございますが、そういうところの関係県の水産試験場の協力を得まして調査研究を進めてきたところでございます。
 現在までのところ感染症であるということが確認されておりますが、その病原体は、例えば海外でカキ、アサリなど二枚貝に病害を及ぼすことが知られております寄生性の微生物、これは原虫類と言っておりますが、ないしは未知のウイルスではないかというふうに考えておりまして、さらにその調査研究を今継続しているところでございます。
 原因が寄生性の微生物、まあ原虫類ですね、もしくはウイルスによる感染症であるということが考えられますことから、貝の健全な生育及び病原体の拡散防止が重要でございまして、過密養殖の改善でありますとか、貝の移動の抑制などの実施につきまして業界とも協議しているところでございます。
 なお、今後さらに原因究明が進みますれば、一層効果的な対策を講じることが可能になるというふうに考えております。
#49
○須藤美也子君 原因不明のへい死で養殖業者、関係者は非常に今苦しんでおります。愛媛県では最近この養殖業者が自殺をすると、こういう悲劇も生まれております。そういう中で、今、養殖業者の存亡の危機にあるときに、こういう国の法律を廃止するのでなくて生かすのが、私はこういう苦労をして養殖をやっている養殖業者や漁民の今後の生活を支えるものになる、こういうふうに考えます。
 そういう点で、とりわけ私は第六条の「真珠貝の養殖事業者に対する助成」についてですけれども、母貝生産者が、今言いましたように非常に大変な状況にあるときにこの助成制度をなくしてしまう。現在、利用が少ないからこれは要らないんだ、こういう説明でありましたけれども、この六条の条項は生産奨励のために設けられたものであると思います。
 助成、援助こそ今後重要になってくると思いますが、これは大臣、どうなんでしょうか、こういう時期に助成を削るということは、養殖漁民やこういう人たちの生活を削るということになると思いますが、その点どうでしょうか。
#50
○国務大臣(島村宜伸君) 真珠養殖事業法第六条に基づく助成は、天然母貝の供給不足の解消を目的として昭和二十七年に実施されたことがありますが、その後、母貝の供給がむしろ過剰ぎみに推移しているためにそれ以降実施されていないのが実情であります。
 今後、同法が廃止された後におきましても、同法に規定されているような種苗生産施設や養殖施設の整備については、沿岸漁業構造改善事業の対象となり得ると考えておるところであります。
#51
○須藤美也子君 それでは、真珠に対する振興策についてどのような事業があるのか。例えば高品質アコヤガイ育成促進事業、養殖経営合理化技術改善事業、この予算なんですけれども、平成九年度と平成十年度とを比べてどういう予算になっているでしょうか。
#52
○政府委員(嶌田道夫君) まず、先ほどの件は大臣が答弁したとおりでございます。
 今、先生言われました、例えば高品質アコヤガイ育成促進事業、この予算でございますが、昨年が六千百万円に対しまして、ことしが五千四百九十万円、それから養殖新技術を開発いたします養殖経営合理化技術改善事業というのがございますけれども、これが昨年が二千九十五万円に対しまして、来年度が千八百八十五万円というふうに若干下がっておりますが、これは全体といたしまして予算が厳しい中で必要な額は一応用意した、確保したというふうに考えておりまして、これ以外につきましても、先ほどの沿構事業でもいろんな対策はとることになっておりますので、真珠養殖につきます必要な対策につきましては、水産庁はいろいろな予算を持っております。その中で必要に応じまして十分対応をしていきたいというふうに考えております。
#53
○須藤美也子君 この事業予算が平成九年から平成十年で両方とも約一〇%程度減少しております。
 これは大臣にお尋ねいたします。財政構造改革法に基づいてこれが削減されたのではないか。関係者は今こういうときこそ生活資金、新たな営業資金、こういう国の大きな支援を待っているんです。そういう点で養殖関係者、漁民に対して手厚い助成を図るべきであると、こういうふうに考えます。この点が一つ。
 時間がありませんので、もう一つ大臣にお尋ねしたいことは、先ほど日本の真珠ということで答弁なさったようであります。しかし、日本の真珠は、残念ながら今や世界最大の輸入国になっております。しかし、輸出は少なくてもその輸出真珠の国営検査がある、これまで国営検査があるということは日本の真珠の品質への信頼を高めてきた。それを今度の法廃案によって国営検査も廃止になってしまう。これでは、大変なときに法律まで廃止して、私たちにとっては弱り目にたたり目だと、こういうことで現地では大変嘆いております。そういうことも踏まえて、これからのこういう現場を踏まえて大臣はどのように今後の対応としてお考えなのか、手短に答弁をお願いしたいと思います。
#54
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほど来御答弁の中にも出ておりますが、アコヤガイの大量へい死という問題がいろいろ出てまいりまして、水産庁研究所を中心にこれに対する対策を鋭意進めているところでございます。
 また、真珠養殖業を取り巻くさまざまな問題に対処するために、まず高品質なアコヤガイをつくるための助成やへい死率を下げるなどの養殖技術の開発による経営体質の強化、これに対する助成、さらには融資の面につきましても、経営状況の厳しい真珠母貝養殖業者に対しまして漁業近代化資金等、各種制度資金の円滑な融通について関係金融機関及び関係県を指導しているところであります。今後とも必要に応じ適切な措置を講じ、日本の真珠を守っていきたいと考えます。
#55
○須藤美也子君 時間がありませんので、申しわけありませんが、後でゆっくり御拝聴いたします。
 最後に、水産加工資金法の改正についてでありますが、アメリカなどの衛生管理規制強化に対応し、設備投資にも資金貸し付けの道を開くもので私は必要な措置だと、このように考えます。しかし、一方で、先ほど来お話ありましたように、一万五千七百二十五の加工業者の中で従業員が十人未満の業者が五六%、圧倒的多数が中小零細業者であります。そういう中小零細業者がHACCP導入に基づく設備投資では莫大なお金がかかってとてもやっていけない、こういう悲鳴も上がっているわけです。そういう中で、今後HACCP導入に当たってその基準、マニュアルを示すという先ほど来の御答弁でありました。であるならば、中小零細業者それぞれの体力あるいは条件に応じたものにすべきであると考えます。
 ハード的な面だけでなくソフト的な面も含めて、これからの設備投資の基準とマニュアルをきちんとわかるように、みんなが納得できるように合意できるようなものを提起していただきたい。これは長官に答弁をお願いして、私の質問は終わります。
#56
○政府委員(嶌田道夫君) 新たな製造工程管理方式でございますHACCPは、確かにこれまで我が国の水産加工業界にとりましてなじみの薄かったものでございますし、またなおさら、特に中小零細な業者にとりましてはこの導入に当たりましていろいろ難しい点もあろうかと思います。特に、我が国の水産加工品は少量多品種にわたっておりますし、またその製造及び加工は我が国独特のものが少なくないわけでございます。伝統的な加工食品につきましても導入に当たりましてはいろいろ難しい問題もあろうかと思います。
 そういう意味で、現状の製造施設や加工工程を踏まえました改善点を明確にしますとともに、設備の洗浄でございますとか、消毒方法及び作業員の衛生管理手順をより具体的に記述いたしましたHACCPの導入マニュアルを作成いたしまして、中小零細な加工業者が円滑に導入できるように努めていきたいというふうに考えております。このために、水産加工品の導入マニュアルにつきましては、このような点に配慮いたしまして、大日本水産会がいろいろな基準を今作成しているところでございます。
#57
○須藤美也子君 終わります。
    ―――――――――――――
#58
○委員長(松谷蒼一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、井上吉夫君及び青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として芦尾長司君及び田村公平君が選任されました。
    ―――――――――――――
#59
○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。
 私は、真珠養殖事業法を廃止する件につきまして質問いたします。
 熊本県では天草というところがありまして、そこの天草におきましては七十年前から養殖真珠が盛んになっておりまして、天草産パールということで高く評価を受けているところであります。それが平成六年に異常渇水による真珠貝の大量へい死、さらに平成八年に四四・五%のへい死、平成九年に三八・二%のへい死となり、平均値の倍近いへい死率であります。このことで、七十億ほどありました売り上げが平成九年には三十四億円と大きく落ち込んでしまっておるわけであります。
 養殖業者は、今後とも真珠養殖を続けることができるのかどうか大変不安に落ち込んでおるところでありますが、真珠貝の大量へい死の原因についていまだにまだ特定されていないようであります。国のへい死原因の調査研究によると、原虫による感染症という見解が今述べられたところでありますが、それがすべてなのかなと私はまだ疑問を持っておりますので、徹底した解明をお願いいたしたい。
 とともに、実は熊本の養殖業者は従来ハマチやマダイ等の養殖が大変盛んでございまして、それが不振になりましてからトラフグの養殖へ転換をいたしております。そのトラフグには御承知のとおりに寄生虫でありますヘラムシというのがついておりまして、その対策として水産用医薬品ではないホルマリンが使用されているということを聞いておるわけであります。昭和五十六年に水産庁長官からホルマリン使用禁止の通達が出されておりますけれども、新たにマリンサワーという駆除剤が発表されて出されておりますけれども、このマリンサワーがホルマリンの四、五倍高いということもありまして、一部では相も変わらずホルマリンの使用が行われておる、そのことがへい死につながっているんじゃないかというようなことであります。したがいまして、環境に優しいという観点と、さらには消費者からの批判を避けるためにも、私はホルマリンの全面禁止の法的制度の整備が必要ではなかろうかなというふうに思いますが、いかがなものでありましょうか。
#60
○政府委員(嶌田道夫君) ホルマリンを養殖業におきまして薬剤として使用することにつきましては、魚介類への残留でありますとか環境への影響が十分解明されていないということから、今、先生御指摘のございましたように、極力避けるように従来から水産庁長官通達によりまして養殖業者に対しまして指導してきたところでございます。この通達の趣旨は、代替薬となります水産用医薬品がない場合であって、魚卵や稚魚の消毒などにやむを得ず用いるとき以外に使用を禁止するというものでございまして、結果的には成魚に対しますホルマリンの使用につきましては禁止するというものでございます。
 今御指摘ありましたように、昨年の末にトラフグ寄生虫駆除用の水産用医薬品、これはマリンサワーという商品名になっておりますけれども、これが製造承認されたところでございまして、現在、水産庁、都道府県及び業界団体一丸となりまして、トラフグに対しますホルマリン使用が全面的になくなるよう、例えば漁協の決議によりまして不使用を決めるというような漁業権行使規則等の既存の制度などもあるわけでございまして、そういうような既存の制度を活用いたしましてホルマリンを使用しないようにと、その徹底を今図っているところでございます。
 いずれにいたしましても、早期にホルマリンの全面不使用が達成されるように水産庁といたしましても努力していきたいというふうに考えております。
#61
○阿曽田清君 ホルマリンの利用についての使用禁止通達が出されておるんですから、それを徹底していただかないと何も意味をなさないわけでありますから、さらなる御努力を願いたいというふうに思います。
 熊本県の真珠養殖業は全国で第四番目であります。先ほど申し上げましたような大きな落ち込みによりまして、平成八年に千二百人の雇用者がおったのが今八百人になって、三分の二に減りました。そして、それぞれの業者、二十七社ありますけれども、非常に零細業者であります。したがって、経営危機に瀕しておるというのが現実でございまして、これを打開するために資金的な手当てというのがこの急場をしのぐために必要だと思いますので、長期低利の融資、あるいは今借りていることについての金利の減免なり、そういう資金的な救済対策はできないものかというのが一点であります。
 と同時に、先ほども申し上げましたように、雇用も減ってきておりまして、雇用救済のために雇用調整助成金制度の適用もこの際、加工業者に適用できないのかどうか、その点をお尋ねとお願いをいたしたいと思います。
#62
○政府委員(嶌田道夫君) 確かに、昨年、一昨年来のアコヤガイの大量へい死の問題、これは熊本県を初めといたしまして養殖産地にとりましては大変な問題となっております。そういう意味で、非常に経営的に困難な事業者も生じてきておりますので、このような事業者の経営の安定のために、例えば近代化資金など各種制度につきまして、その円滑な融通につきまして関係金融機関でございますとか関係県を指導いたしまして、例えば期間の延長なども指導してきたところでございます。
 それから、二番目の、先と言われました雇用調整の方の資金でございますが、これにつきましては現在、政府部内において検討しているところでございます。
#63
○阿曽田清君 まさに緊急事態に陥っておるわけで、その原因究明も公的機関でなされているけれどもまだ明らかにされていないという状況でありますから、この猶予期間といいますか、解明真っただ中でありますだけに、取り組む姿勢が漁業者の方々にとってはどう取り組んでいったらいいかわからない状態でありますから、この間だけでも緊急的措置として資金的な手当てを考えてやることが私は養殖業者の方々が生き延びていく道だろうというふうに思います。よろしくお願い申し上げます。
 と同時に、先ほど雇用調整の方、今取り組んでおるということでございますので、ぜひ適用になるようにお願いをいたしたいと思います。
 もう時間もありませんので、たった一問だけ質問させていただきます。
 先ほど質問があった中で、今回のこの廃止をすることによって国の検査がなくなる、しかし輸出していくものについては関係国と一緒になって機構をつくって基準統一を図って検査をしていくというようなことでありました。ですから、まだ輸入物については統一されたものが出てくると思いますが、現状は国内で消費されているウエートがもう六割から七割近くあるわけでありますから、その部分については、やはりこれからはちゃんと国内向けの基準というものも私は保証つきのものを出していくことが秩序が守られるんじゃなかろうかなというふうに思うわけであります。国内の流通が非常に高くなってきている中だけに、そこでの商品として仕分けをし、消費に乗らないものはもう全部捨てるというような形での基準づくり、品質の基準というものを国内向けも明らかにすべきじゃないかと、私はそのように思うのでありますが、いかがなものでありましょうか。
#64
○政府委員(嶌田道夫君) 従来の国営検査におきましては、これは専ら輸出真珠だけを対象として検査をしてきたということでございます。これが今回、民間に移行したといたしましても、やはり対象は輸出するものを対象にその品質の保証をしていく、声価を維持していくということでございますが、今、先生言われましたように、国内に流通するものについてはどうかという問題が確かにあるわけでございます。
 消費者保護という観点から、国内に流通する真珠に関しましても検査を実施するということにつきまして民間において検討が進められているところでございます。ただ、これは検査というよりも品質検定的な色彩を持っておりまして、例えば巻きの厚さでございますとか色でありますとか形でありますとかつやとか、そういうものを表示していくということで、多分、流通業者があらかじめこのような品質検定を受けたものを販売していくことによりまして消費者の信頼を得ていくというふうなことになっていくのだろうと考えております。
#65
○阿曽田清君 終わります。
#66
○委員長(松谷蒼一郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について討論に入ります。別に御発言もないようですから、これより直ちに採決を行います。
 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#67
○委員長(松谷蒼一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田君。
#68
○和田洋子君 私は、ただいま可決されました原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、日本共産党、自由党の各派及び各派に属しない議員石井一二君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  水産加工業を取り巻く状況は、国際的な水産資源の保全及び管理の強化による原材料の供給事情の悪化に加え、加工品の輸入も引き続き増和する傾向にある。さらに、米国におけるHACCP方式の導入等、水産加工品の安全性確保のための衛生規制の強化により、我が国の水産加工品貿易に著しい影響を及ぼすことが懸念されている。
  よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に努めるべきである。
 一 本融資制度については、今後とも漁業生産及び加工利用の実情等に即し、貸付対象魚種及び地域を見直す等、制度運用の改善に努めること。
 二 我が国の水産加工業は、中小・零細企業が大部分を占めることから、組織化・共同化を推進し、経営基盤の強化に努めること。
 三 食品の安全性志向の高まりに対応するため、我が国水産加工業の実情に配慮しつつ新たな衛生管理手法であるHACCP方式の円滑な導入を図ること。
 四 水産資源の保全及び管理の強化により、水産加工原材料の安定的確保にも資するよう、漁獲可能量制度の適切な運用を図ること。
 五 水産資源の有効利用を促進するとともに、消費者ニーズに的確に対応するため、水産加工技術の高度化を推進すること。
 六 環境問題への関心が高まる中で、水産加工廃棄物の再生利用の促進を図るとともに、環境への負荷を軽減するための技術開発を推進すること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#69
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#70
○委員長(松谷蒼一郎君) 全会一致と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、島村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。島村農林水産大臣。
#71
○国務大臣(島村宜伸君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#72
○委員長(松谷蒼一郎君) 次に、真珠養殖事業法を廃止する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#73
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、真珠養殖事業法を廃止する法律案に対する反対討論を行います。
 本法案は、真珠養殖事業法が施行後四十六年たって、その当初の目的は達せられ、さらに規制緩和の一環として同法を廃止するというものであります。
 しかし、今、真珠養殖業は未曾有の危機に直面しています。一昨年夏からの際立ったアコヤガイの大量へい死が続き、しかもその原因が十分解明されていない事態になっています。母貝生産も真珠生産も存亡の際に立っていると言っても過言ではありません。
 このようなとき、同法の廃止はより慎重にあるべきであり、むしろその条項を積極的に生かすことが求められていると考えます。施術数量の目標の公表制度は生産調整のために一定の役割を果たしているのであって、生産が不安定化している今こそ、過密養殖や養殖環境の悪化を防ぐ積極的な役割を果たすべきです。関係各界の識者から成る真珠養殖事業審議会も廃止ではなく、真珠養殖の重要事項を含め調査審議をより充実させることが大切です。
 また、真珠貝の養殖事業者に対する法的な助成も、もしこのまま重大な危機的事態が続くならば、むしろその条項は残して、必要な場合は発動する余地を保障しておくべきです。
 さらに、国営検査の全面的廃止も、このような困難なときこそ、日本の真珠に対する内外の信頼を維持するために再検討が必要であります。
 以上、本法案に反対する討論といたします。
#74
○委員長(松谷蒼一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 真珠養殖事業法を廃止する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#75
○委員長(松谷蒼一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田君。
#76
○和田洋子君 私は、ただいま可決されました真珠養殖事業法を廃止する法律案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、自由党の各派及び各派に属しない議員石井一二君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    真珠養殖事業法を廃止する法律案に対する附帯決議(案)
  真珠養殖事業及び真珠母貝養殖事業は、戦前から現在に至る我が国経済の向上と輸出の振興に大きく貢献し、真珠養殖事業法は、国営検査等を通じて国産真珠の輸出の振興に重要な役割を果たしてきた。
  よって政府は、本法を廃止するに当たり、今後の真珠養殖事業及び真珠母貝養殖事業の一層の発展に資するよう、次の事項の実現に努めるべきである。
 一 廃止される国営検査に代わり、民間による検査を行うに当たっては、真珠の品質が確保されるよう、十分な指導を行うこと。
 二 真珠養殖事業及び真珠母貝養殖事業については、現在の真珠をめぐる厳しい状況にかんがみ、安定した経営が維持できるよう、必要な支援措置を講じること。
 三 一昨年秋に各地で発生したアコヤ貝のへい死事件については、今後の対応策の確立に向けた研究調査を推進するとともに、漁場環境の保全対策に万全を期すること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#77
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(松谷蒼一郎君) 全会一致と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、島村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。島村農林水産大臣。
#79
○国務大臣(島村宜伸君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#80
○委員長(松谷蒼一郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(松谷蒼一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#82
○委員長(松谷蒼一郎君) 次に、農林水産に関する調査を議題といたします。
 和田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。和田君。
#83
○和田洋子君 私は、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、日本共産党、自由党の各派及び各派に属しない議員石井一二君の共同提案によるインドネシアに対する緊急食糧援助の実施に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    インドネシアに対する緊急食糧援助の実施に関する決議(案)
  本委員会は、去る第百三十八回国会閉会後の委員会において「食糧・農業援助の拡充に関する決議」を行ったところである。
  最近、インドネシアにおいては、エルニーニョ現象に起因する干ばつ、経済困難から生じた通貨危機によるコメ輸入の途絶等により深刻な食糧不足状態が発生し、我が国にコメの援助を要請してきているところである。
  よって政府は、人道的見地及び同国経済の重要性を考慮し、コメの食糧支援を早期に具体化すべきである、
  また、その際、在庫米を有効に活用すべきとの前記の本委員会決議の趣旨を尊重すべきである。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#84
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいま和田君から提出されました決議案について採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(松谷蒼一郎君) 全会一致と認めます。よって、和田君提出の決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、島村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。島村農林水産大臣。
#86
○国務大臣(島村宜伸君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を踏まえ、関係省庁との連携を図りつつ、十分努力してまいる所存でございます。
#87
○委員長(松谷蒼一郎君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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