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#1
第142回国会 農林水産委員会 第7号
平成十年三月二十七日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     釜本 邦茂君     浦田  勝君
     国井 正幸君     服部三男雄君
     渡辺 孝男君     風間  昶君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     鈴木 政二君
     浦田  勝君     常田 享詳君
     服部三男雄君     国井 正幸君
     一井 淳治君     齋藤  勁君
     北澤 俊美君     前川 忠夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松谷蒼一郎君
    理 事
                岩永 浩美君
                真島 一男君
                三浦 一水君
                和田 洋子君
                大渕 絹子君
    委 員
                井上 吉夫君
                大野つや子君
                国井 正幸君
                鈴木 政二君
                常田 享詳君
                長峯  基君
                一井 淳治君
                齋藤  勁君
                前川 忠夫君
                風間  昶君
                続  訓弘君
                谷本  巍君
                須藤美也子君
                阿曽田 清君
                石井 一二君
   衆議院議員
       農林水産委員長  北村 直人君
   国務大臣
       農林水産大臣   島村 宜伸君
   政府委員
       農林水産省経済
       局長       熊澤 英昭君
       農林水産省構造
       改善局長     山本  徹君
       農林水産省農産
       園芸局長     高木  賢君
       農林水産技術会
       議事務局長    三輪睿太郎君
       食糧庁長官    高木 勇樹君
       水産庁長官    嶌田 道夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 威男君
   説明員
       厚生省生活衛生
       局乳肉衛生課長  森田 邦雄君
       自治省財政局調
       整室長      椎川  忍君
       消防庁防災課長  益本圭太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定
 措置に関する法律の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○青年の就農促進のための資金の貸付け等に関す
 る特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○主要農作物種子法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、釜本邦茂君及び渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として浦田勝君及び風間昶君が選任されました。
 また、本日、浦田勝君及び北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として常田享詳君及び前川忠夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松谷蒼一郎君) 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び主要農作物種子法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 三案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○長峯基君 自民党の長峯基でございます。
 きょうは質問時間を大幅に短縮されておりますので、ひとつ答弁は簡単に、大体わかっていることを聞くわけですから、簡単にお願いしたいと思います。
 まず、青年の就農促進法の改正でありますけれども、一応私は壮年の就農という意味で申し上げたいと思うのでありますけれども、例えば農業改良資金は十二年の返済になっておりますが、六十四歳の方が資金を借りた場合には償還し終わるのに七十六歳になると。高齢者の方を積極的に就農させようという試みは高く評価いたしますけれども、このような資金貸し付けについてどのような意味があるのか、お話しいただければありがたいと思います。
#5
○政府委員(高木賢君) 御案内のように、これまで青年を対象に新規就農促進対策を講じてまいりました。その結果、青年の新規就農者につきましては、Uターンをした就農者を含めまして平成八年には八千五百人までに回復してまいりました。
 しかしながら、担い手の円滑な世代交代を行う上では望ましい水準から見ましてなお半分程度にとどまっているということ、それから青年につきましては少子化の傾向の中で他産業との競合があるという事情もございます。またさらに、中山間地域を中心に現に担い手不足が深刻となっている地域も出てきている、こういう状況にございまして、なお今後の経営体の育成、さらにはそれを将来にわたって安定的に継承していく、こういう点では厳しい状況にあるというふうに考えております。
 したがいまして、このような状況を踏まえまして、引き続き青年を重点的に新規就農の対象としていくということは当然ではございますけれども、幅広い層からの就農を促進するという観点から、最近、中高年齢者の就農が実態として相当ふえているということも踏まえまして、就農支援資金の貸し付けの対象者として、近代的な農業経営を行うのに必要な知識、技能を有すると認められる中高年齢者を追加することにしたものでございます。
 なお、償還期間につきましては、限度といいますか最長の期間でございまして、実情に応じて適切な期間を設定するということは可能というふうに思っております。
#6
○長峯基君 このような中高年齢者を今後の農業の中でどのような位置づけをしていくのか、あるいは施策の展開をしていくのかということについてお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。
 我が国農業の持続的な発展を図るに当たりましては、やはり昭和一けた世代のリタイアに伴う世代交代に際しまして、安定的に一定水準の新規就農者が確保されることが基本と考えております。
 しかしながら、青年の新規就農者は近年、着実に増加はしておりますものの、望ましい水準の約半分程度にとどまっているのが現状であります。一方、長寿化の着実な進展が見られるとともに、他産業の雇用面において労働力が流動化しつつあることを背景に、都市から農村へUターンし、就農を図る者が増加する傾向にあります。農業・農村にとって、中高年層の優秀な人材を確保できる可能性が広がってきているものと受けとめております。
 このような状況のもとで、他産業での経験豊かな中高年者の就農の促進は、我が国農業の担い手の量的確保という面だけでなく、質的充実にも役立つものと考えており、その就農促進対策を担い手対策の重要な柱の一つに位置づけまして施策を積極的に推進してまいりたい、そう考えているところであります。
#8
○長峯基君 わかりました。
 お許しをいただきまして、宮崎県立農業大学校のパンフレットを配付させていただきました。実は私、県会議員時代にいろいろ議論してこの大学校をつくるのに参画したわけでございますが、もちろん全国それぞれの県にあると思いますけれども、なかなか立派なものでありまして、総工費が七十四億円、しかもこの隣に農業科学公園というのができておりまして、これが四十四億かかりました。子供たちをピクニックに連れてきたり、遠足に連れてきたりして、その農業科学公園で体験をさせようということでございます。例えば、パソコンも三十七台ありますし、畜産の実験室ですとかあるいは農産加工室等もございまして、いろいろ研修を行っております。
 それで、この農業大学校は、例えば宮城県立の農業大学校は稲作等の研究が行われている。また、鳥取県立の農業大学校は果樹等が専門である。宮崎県は園芸でありますとか野菜、こういうものも新しく専門的な指導をしているわけでございますが、そういう意味ではもう少しこういう農業大学校を中高年層のリタイアした方の農業再研修に積極的に活用すべきではないかと。
 それで、聞いてみますと、大体県内の方をやっていると。これは宿泊施設もあるわけでございますから、例えば東京の人が花をつくりたいと、そのときに宮崎県や鳥取県に行って二カ月、三カ月研修をするということも十分可能なわけでございますので、農林省としてはもっと積極的に実態を調査し指導して、せっかく改正案も出たわけでございますから、そういうところに積極的に御活用いただければいいんじゃないかなと思っておりますが、御意見を賜りたいと思います。
#9
○政府委員(高木賢君) 御指摘がありましたように、各県の農業大学校におきましては各県のそれぞれの担い手の育成を主眼にいたしまして、大体、高卒者を対象とした基本的に二年間のコースで養成を図っております。高校卒業生ということでやってまいりましたが、今御指摘もございましたように、研修を受ける希望者は青年だけでなくて、壮年あるいは高年齢層にまで及んでおります。したがいまして、平成六年の法改正によりまして、農業大学校の研修対象者を従来の青少年から壮年までを含む新規就農希望者全体に広げました。また、さらには先進的農業者にまで拡充したところでございます。
 それから、研修内容も長期の養成研修、大体二年が基本ではございますけれども、経営の発展段階に応じた短期の研修ということもやれるようにいたしまして、まさに地域の農業の担い手養成の中核的機関といたしまして、各県の実情でさまざまではございますが、十日ないし三カ月程度の後継者の研修とか、二週間ないし三カ月程度の専門の研修など、各種の研修を実施しております。各県とも今御指摘のありました宮崎県を初め、現在、逐次、施設の整備などに努められております。
 したがいまして、まさにこの施設を活用いたしまして、平成十年度からは県の農業大学校におきまして中高年齢者に対する専門の研修コースを開きたいというふうに考えております。これは、農業技術の習熟度に応じまして、例えばビギナーズコースとか、もうちょっと段階が上がりますとテクニカルコースとか、あるいは専門に水稲とか野菜とか果樹とか、そういう経営の作目別に研修を受けたいという人のためには作目別の研修コースを設けるというようなことで、中高年齢者の便宜のためにこれを活用したいというふうに考えております。
 なお、農業大学校の運営はその県の人に限るということはないというふうに承知しておりますので、それぞれの得意作目という点で、各県の農業大学校が大いにその役割を果たしていただければ大変幸いであると思っております。
#10
○国務大臣(島村宜伸君) 専門的な優等生の答弁は現在で尽きているわけですが、将来の農業を展望いたしますと、やはりそういう就農の機会を設けるといいましても、例えば私は東京生まれ東京育ち、東京に家があるわけです。家を全部畳んで地方に行って農業にいそしむといっても、これはもう本当に他国へ行くのと同じような気持ちがやっぱりすると思うんです。これが、例えば私も転勤生活等を経験しておりますが、会社が仕事として受けとめて、そこに組織があり働く場があればこれは何も恐怖感というのはありません。そういう人たちが積極的に参加するような道を開いておくことは、これからの高齢化社会、そしてまたいろいろな多分野にわたる農業の充実を考えたときに私は非常に必要なものになってくるんだろうと思います。
 そういう意味では、前々から伺っておりましたけれども、現実にこのパンフレットを拝見しまして、こんな見事なものかと今改めてそう感じたわけですが、こういうものをもっと積極的に生かして、例えば短期の勉強、二、三カ月なら二、三カ月だけ宮崎県に行ってくる。風光明媚な宮崎にお世話になって勉強をし、例えば花の栽培等を身につけて帰る、こういうことだったらむしろ積極的に参加者はふえてくるだろうと思いますし、そういう面も加えた就農機会の窓口を広げるという意味合いにつないでいきたい、こんなふうに考えます。
#11
○長峯基君 どうもありがとうございました。
 次は、食鳥検査制度について伺いたいと思いますが、畜産の価格決定等、特に畜産局の皆様方には大変な御苦労をいただいておりまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 この検査制度の問題については厚生省の方だと思いますので、担当に来ていただきました。
 平成二年の六月に食鳥検査制度ができました。それで、実は全国では鹿児島県が日本のブロイラーが一番盛んなところでございまして、鹿児島、宮崎、岩手、この三県で五〇%以上を占めておるということでございますけれども、この検査制度ができたときにいろいろなことが問題になりました。
 何分、鳥の習性として鳥は朝早く起きるんですね、これはもう御存じと思いますけれども。それを公務員の時間に合わせて検査をするということになるものですから、八時半ごろにやりますと、南九州は夏は非常に暑い。ですから、死鳥、死んだ鳥と言いますが、いわゆる鳥小屋から工場に運ぶ間にかなりの死鳥が出るということですったもんだしまして、当時は獣医師会に委託しろという意見が非常に強かったのでありますが、委託した県もあるけれども、大体は県が直接県の獣医師、公務員を使ってやるということになります。ところが、鳥に休みはないわけでございますから、お盆もお正月も元旦も祭日も鳥は生き続けておりますので、非常に公務員的発想で検査をされますとこれは大変なことになる。
 それで、御案内のとおり、企業家はもう必死で、今一円上がるごとに一喜一憂するというくらい、このブロイラーの農家も、そして企業家も努力をしている。しかし、厚生省が一方的に食品が安全で、もちろん安全でなきゃいけませんけれども、こういう制度を取り入れたということで大変議論になったところでございます。
 そこで、この検査手数料あるいは検査時間、もう六年ぐらいたちましたのでその後どのようになっているのか、簡単にお話しいただければありがたいと思います。
#12
○説明員(森田邦雄君) 食鳥検査におきます検査の時間あるいは手数料等について御説明いたします。
 検査開始時間につきましては、各都道府県において異なっておりますが、最も早いところでは朝の三時三十分からやっているところもありますけれども、多くのところは六時あるいは七時台から始まるのが一番多いかと思っております。
 また、検査手数料でありますけれども、これは一羽五円以内で都道府県がそれぞれ決めることになっておりますが、半数以上の都道府県では一羽三円を徴収しております。
#13
○長峯基君 この食鳥問題研究会の調査によりますと、日本向けに輸出している国、アメリカ、ブラジル、タイ、中国、これは例えば検査時間は無制限というか始業から終業まで、時間外の検査対応、これは全部対応している。休日の検査も全部やっている。今、日本にどんどん中国あたりから入ってきているわけでございますが、向こうの国の検査体制と日本の検査体制、これは近代国家だからそうだと言われればそれだけのことでございますが、非常に日本は厳しいんですね。
 多分、農林水産省サイドで考えると、もっと緩和してくれ、しかし厚生省サイドで考えると、いや、これは厳しくて当然だという発想が出てくるのはやむを得ないと思います。しかし、今、企業家は、農家からブロイラー工場に行くわけでございますけれども、一つでも問題が起こったらもう倒産につながる、今、消費者が厳しゅうございますから。そういう意味では、企業努力というか真剣に衛生対策というのをやっているんです。
 だから、検査制度を厳しくしなくても、もちろん厳しくていいんですけれども、企業家は非常に最高の努力をしているということからいくと、外国に比べて日本の検査体制というものは私は非常に厳しいのではないかなという気がいたします。聞くところによると、アメリカかどこかわかりませんが、現地で検査をする、鳥のいるところで、工場ではもうしないというようなことも聞いているのでございますけれども、そこら辺のことについて厚生省としてはどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
#14
○説明員(森田邦雄君) 食鳥検査は、健康な鳥を消費者に提供しようという趣旨で検査を行っていまして、病気の検査をするわけでありますから、一羽ごとの検査をするというのがこれは各国とも共通しているやり方でありまして、アメリカも食鳥処理場のラインに乗って一羽ごとの検査を行っております。日本も同様にラインに獣医師である検査員を配置して、一羽ごとの検査は企業の食鳥処理衛生管理者の方がやるわけでありますが、それを監督するのが獣医師という形で検査を行っておりまして、その点につきましては日本とアメリカは差はないと思っております。
#15
○長峯基君 時間がございませんから、最後の質問にいたします。
 この食鳥検査のときに検査室をつくるように義務づけられております。それで、私が申し上げるからといって犯人捜しはしないでいただきたいと思うのでありますが、行政側が検査室をつくらせますね、工場に。その工場は、もちろん企業がつくりなさい、そこに検査官が行って、休んだり仕事をしたりお茶を飲んだりする。そこまではいいのでありますが、電話代から電気代、冷暖房まで全部企業に払わせているというのが現状であります。強者と弱者の論理なんですよ。もちろん、これは厚生省の管轄ですから各県あると思いますけれども、検査をしてやるから企業は検査室をつくりなさい、そこに検査官が行ってあげるよと。これは朝から夕方までとか朝早くから昼までとかなるわけでございますが、そして検査をすると。
 企業と検査官が忘年会で飲んだり、そこまでは言いません、それはいいとしましても、毎月毎月のその管理等、検査室の維持費ですね、そういうものぐらいはちゃんと予算化して、電話代も要るでしょう、冷暖房も要るでしょう、コピーも要るでしょう、そのくらいはちゃんと手当てをしてあげるということでないと、大変苦しい今このブロイラー業界の中で、泣き面にハチだという現況にあると思うんですね。
 ですから、そこら辺をひとつ御指導いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#16
○説明員(森田邦雄君) 食鳥検査法の第五条で構造設備基準を決めることになっておりますが、その中では、生体用の受け入れ施設ですとか、処理場に必要な施設のほかに検査室の設置を義務づけております。先生の御指摘のとおりでございます。
 ただし、検査員が食鳥検査をするために、検査室に顕微鏡ですとか微生物を培養する培養機械ですとか冷蔵庫等を置くわけですけれども、これは当然、自治体が整備するものでありますし、これらの維持にかかる経費、先生御指摘の電気代、水道代、それらについては当然これも自治体が負担すべきものと我々は考えております。
 これらについては多くのところではそういう考えで適正にやられていると思いますが、先生御指摘のような事実が今後ないように、我々も再度自治体に指導してまいりたいと思っております。
#17
○長峯基君 終わります。
#18
○一井淳治君 大臣におかれましては、この三月にOECDの会議に御出席なさったというふうにお聞きしております。
 その成果につきましてお伺いさせていただきたいと思います。
#19
○国務大臣(島村宜伸君) 三月に国会の御了承を得まして出席いたしましたOECD農業大臣会合では、今後の農政の展開方向等について意見交換が行われ、私も副議長として重要な役割を担ったところであります。
 輸出国側からは、市場原理に基づくさらなる農業保護の引き下げ、あるいは貿易自由化について厳しい考え方が示されたところでありますが、我が国からは、農業というのは単に農産物を供給するだけの役割を担っているわけではない。国土の保全や自然環境の保護、そしてまた水資源の涵養、あるいは洪水や土砂崩れ等の災害防止等、まさに農業が果たす多面的機能というのは日本の国の農業にとっては見落とすわけにはいかない重要な役割を担っているという点と、もう一つは、国際需給が中長期的に見まして逼迫する可能性がある中での食糧安全保障の重要性、すなわち歴史的に見ますと、一九七二、七三年の世界同時不作とか、あるいはまた大豆の価格の急騰等々いろいろございまして輸出制限が行われた事実がございますし、その後も熱波とかあるいはいろいろな災害の影響で価格が急に乱高下した経過もございますので、それらを指摘して、いわば単なる市場原理に基づく、少なくとも経済合理性、貿易面だけでこういうものを割り切るのは間違いであると強く主張したところでございます。
 幸い一月に、前の保利政務次官からのアドバイスもございまして、日本の国は会合にいきなり行って、いきなり自分の国の主張を展開するのでどうも分が悪い、ほかの国はみんなファーストネームで呼び合っていますよと。なるほど、そのアドバイスに従って私は一月にも行ってまいりましたが、これは非常に効果がありまして、もう行きましたら、アメリカのグリックマン農務長官とか、あるいはイギリスのカニンガム農相、これはEUのいわば議長国ですが、これらがすぐ寄ってきていきなり抱き合うような感じになる、それを皆さん見ている。そういうことで、非常に発言力を増したような実感を私は持ったところでございまして、結果におきましては、共同コミュニケにも我々の主張が明確に盛り込まれたという意味では非常に意味のある主張だったと、こう考えております。
#20
○一井淳治君 少し古くなりますけれども、一九八七年のOECD閣僚理事会のコミュニケを見ますと、「農民の所得支持は、価格保証等よりも直接的な所得支持を通じて行われるようにすべきである」、そういう項目があるわけでありますけれども、「直接的な所得支持を」ということをまとめられた目的とか、その背景事情について御説明をいただきたいと思います。
#21
○政府委員(熊澤英昭君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、一九八七年のOECD閣僚理事会のコミュニケの中にそういう内容が盛り込まれたわけでございますが、御承知のとおり、一九八〇年代には、特に穀物を中心としてでございますが、単位収量が伸びた、それから価格支持を中心とする農業保護が増大した、そういった状況の中で、世界的に穀物生産が増加をいたしまして、農産物の供給過剰が深刻化したという状況にございました。このために先進主要国では、そうした農産物の過剰の解消あるいは各国の財政負担の削減というものが共通の課題として浮かび上がってきたわけでございます。
 こうした背景のもとに、一九八七年のOECDの閣僚理事会が開催されたという状況にございます。ここではそうした状況を背景といたしまして、市場原理をより一層、農業政策に反映させること、同時に農業保護の水準を漸進的に削減していこう、そういった点が長期的な農政改革の目標として合意されたところでございますが、その際に、農業助成の形態につきましては、生産刺激的な価格支持よりも生産や貿易を歪曲させない直接所得支持政策の方向をとるべきであるとの考え方がコミュニケに盛り込まれたわけでございます。
 なお、各国の農業政策につきましては、それぞれの国の農業事情あるいは社会事情に応じて柔軟に対応し得ること、すなわち各国の政策選択の柔軟性という点については確認されたということを付言させていただきたいと思います。
#22
○一井淳治君 十年後の一九九七年のOECD閣僚理事会においては、その合意についてどのような取り扱いがされたんでしょうか。
#23
○政府委員(熊澤英昭君) その後、この農業政策の改革原則につきましては、各国の農業政策のレビューというのをOECDでは行っておりますけれども、御質問の一九九七年のOECD閣僚理事会でございますが、そのコミュニケの中では、直接所得補償政策について具体的な言及はなされておりませんけれども、先ほどの一九八七年の農政改革原則全体について触れられておりますが、そこでは、加盟各国において農政改革プロセスが進行中であることに留意することという表現になっておりまして、いわば長期的な農政改革の原則が再確認されたというふうに理解しております。
#24
○一井淳治君 大臣にお伺いさせてもらいたいんですが、今後、国際会議にお臨みになる場合の御方針についてお伺いしたいと存じます。
#25
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほども御説明申し上げましたけれども、大きく分けまして、農産物の輸出国と輸入国あるいは弱小な農産国との間には大きな対立がございます。
 それで、国際分業の立場を強く主張し、すべてを貿易で市場原理を優先しようという大国のエゴもあったわけでありますが、先ほど申したように、EUとかあるいは韓国とか立場を同じくする国々からいろんな発言が後半には出まして、初日はいい勝負の大激論、二日目にはもうすっかり大国の側にもあきらめに似た風潮が見られたところでありますが、これに我々はおごることなく、これからも二国間協議や他の国際会議等を通じまして、可能な限りそれぞれの立場を尊重し合うという環境を平素から維持していくということを基本にしながら我が国の主張に対する国際的な理解をさらに深めていきたい、そう考えているところであります。
#26
○一井淳治君 次に、法案についてお尋ねいたしますけれども、主要農作物種子法を今回改正される趣旨を簡単に御説明いただきたいと存じます。
#27
○政府委員(高木賢君) 農林水産省といたしましては、稲、麦、大豆の優良な種子の生産と普及を促進するために、主要農作物種子法に基づきまして、都道府県が行う種子の審査などに要する経費に対しまして昭和二十七年以来、補助を行ってまいりました。しかしながら、この補助金につきましては、四十五年たって都道府県における種子審査などの事務が都道府県の事務として定着しているということから、昨年七月、地方分権推進委員会から一般財源化が勧告されたところでございます。
 今回の改正は、この勧告を踏まえまして、主要農作物の優良な種子を確保するという制度は維持しながら、種子の審査などに要する都道府県の事務経費に対する補助金につきましてはこれを一般財源化することといたしまして、国の補助に関する規定を廃止することとしたものでございます。
#28
○一井淳治君 今後とも、優良種子が確保されて種子の安定供給が現実には行われなくちゃならない。また、農業生産が将来とも振興されるためには、種子というものを本当に確実によいものが提供されるというふうにしていかなくちゃならないと思いますけれども、十分な対策が今後ともなされるんでしょうか、どうでしょうか。
#29
○政府委員(高木賢君) 主要農作物の種子の生産につきましては、品種や生産管理に関する高度な知識あるいは技術力ということのほかに現場でのきめ細かな栽培が必要でありまして、一般作物に比べまして栽培管理がなかなか難しいという実態がございます。
 今後、種子生産の担い手の高齢化などが見込まれておりまして、将来にわたって優良種子の安定供給体制というものを維持していくためには、種子産地におきます技術の向上とか担い手確保のための取り組みを支援していく必要があると考えております。したがいまして、この平成十年度からは、特に種子産地に対しまして対策を強化するということを考えております。
 まず一つには、都道府県におきます種子生産管理技術のマニュアル化をするということと、新しい品種につきまして栽培技術の実証をするということでございます。
 それから、農協などが技術研修会を実施しまして現場の技術レベルのアップを図るということと、圃場や農家ごとの栽培管理情報のデータベース化を行いまして、これに基づいて営農指導を強化するということをしたいと考えております。
 また、もう一つには、物的施設でございますが、種子の乾燥調製施設の整備とか種子用のコンバインなどの種子の品質や生産性の向上のための施設、機械の整備、こういうものに取り組みたいと思っておりまして、十年度では前年度の約倍額の三億九千万の予算を計上して御審議をいただいているところでございます。
#30
○一井淳治君 次に、災害に関係する長い法案に関してお尋ねをさせてもらいたいと思いますが、要するに農地あるいは農業関係の施設を将来とも守っていかなくちゃならないということが基本にあると思うわけであります。
 今、地球上の人口が、特にアジアとかアフリカにおいては爆発的に人口がふえておるわけでありますけれども、そういう中で我が国においても国内にある資源を大切にして今後とも先進国としても食糧を生産していかなくちゃならない。そういう立場で、優良農地を我が国においても保全していかなくちゃならないというふうに思うわけでありますけれども、そのあたりの対策はいかがでございましょうか。
#31
○政府委員(山本徹君) 先生御指摘のとおり、我が国の優良農地を確保するというのは大変重要な課題でございます。
 このためには、まず農振制度がございますが、これによりまして農用地区域を設定いたしますが、この農用地区域内における農地転用は認めないこととしているところでございまして、今、日本の農地五百万ヘクタールのうち約四百万ヘクタールは農用地区域内にございます。
 それからもう一つは、農地の転用制度でございますが、この農地転用許可制度の運用によりまして優良農地は原則として転用を認めないという方針でおるところでございまして、農地・農振制度の適正な運用により優良農地の確保をこれからも図ってまいりたいと考えております。
#32
○一井淳治君 後継者の問題とこれは並行していると思うんですけれども、やはり農産物が高くどんどん売れるということが何といいましても優良農地の保全のために必要だというふうに思いますので、そういう経済的側面というものも大いにお考えいただきたいというふうに思います。
 次に、青年就農促進関係の法案に関連してお尋ねするわけでありますけれども、最近の農村部の様子を見ますと後継者難、特に高齢化してもう耕作するのが大変だというので、山奥の土地に限らず平場の優良農地まで荒廃していくんじゃないかというふうな非常に容易でない状況があるというふうに思うわけであります。
 青年あるいは壮年の方々の就農促進ということも極めて重要な対策でありますけれども、担い手対策、これを全般的にどのように講じておいきになるのかということをお伺いしたいと思います。
#33
○国務大臣(島村宜伸君) 御高承のとおり、我が国の自給率はカロリー換算四二%、穀物自給率二九%と大変脆弱な供給体制にあるわけでございますが、生産と輸入と備蓄のこの三つをうまく兼ね合わせてやりませんと財政負担もまたままならないわけでございまして、これからの将来的な食糧の安定供給ということを考えますといろいろな難しい問題がまず介在しているわけであります。
 そんな中で、国民に対する食糧の安定供給を確保し、我が国農業・農村の持てる力をフルに発揮するためには、優良農地の確保を図る一方で、やはり農業経営を展開するための人的資源として新規就農者を初めとする担い手の育成、確保が当然必要となってくるわけであります。
 こうした担い手を育成するためには、支援する対象範囲として、青年に限らず中高年を含めた幅広い年齢層や、あるいは非農家からの積極的な就農を促進することもまた重要であります。
 また、就農の形態につきましても、自営だけでなくて、先ほども少し触れたんですが、法人企業への雇用という形態の就農など多様な就農ルートを視野に入れることが重要であり、もしそういうことが現地の農業関係者との間に納得が得られるとすると、これはまさに都会の労働者が地方に出向いて、それで農業活動にいそしむということも極めて平易に行われやすくなるのではないか、こんなふうにも思います。また、ある意味では副次的にセカンドハウスを設けて健康ないわば労働ができるとか、あるいはまた老後を楽しみながら過ごすことができるとか、いろいろな意味の保障にもなるわけでありまして、先行きのいわば課題としてこれらを大いに展開していきたい、そう思っております。
 これらを総合いたしまして、技術の習得あるいは資金の手当て、農地の確保など、各種の支援策を充実していく考えでおります。
 また、就農の受け皿となり得る農業経営の法人化を推進するというのも一つの検討課題であるわけであります。
 また、多様な教育の機会等を通じた若い世代の農業に対する理解の増進など、施策を総合的に検討し将来に資してまいりたい、そう考えております。
#34
○一井淳治君 就農促進について都市部、農村部をつないでいろんな情報を集めて、これを有効に活用するというシステムが非常に大規模にできておりまして、この点については敬意を表したいと存じます。
 思いつき的な質問をして恐縮なんですけれども、農村部には空き家があったりあるいは中山間地域には空き店舗等、いろんな有効に活用できる資源というものがありますけれども、これは農林水産省の管轄外ではあるんですけれども、そういった情報ともつないで、農村部のいろんな活用できる資源の情報をもっと総合的に利用できるようにされていったらよりいいんじゃないかというふうなことも思いつくわけでありますけれども、簡単に御所見でも聞かせていただければ幸いでございます。
#35
○政府委員(高木賢君) 現在、一部の県におきましては、定住促進の観点から中山間地域の空き家情報の提供ということをやっておる県も現にございます。今回の法改正で中高年齢者も支援対象とするということで幅広くなるわけでございまして、この住宅の問題の情報につきましても、青年農業者の育成センターの業務ということで具体的に書いてあるわけではございませんが、育成を図るために必要な事業を行うということになっておりますので、住宅情報の提供についても、新規就農と関連するものにつきましては業務の範囲内と考えられますので、積極的に進めるように指導したいと思います。
#36
○和田洋子君 優良種子を安定的に供給するという観点から主要農作物種子法が一部改正されるということですが、一つだけお尋ねをします。
 五穀というのは、米、麦、大豆、アワ、キビということなんですが、アワ、キビというのは私たちにとってはもう本当にお目にかかることのないような代物のような気がしますが、それにかわって菜種とか小豆とかソバとか、そういうようなお考えはないんですか。
#37
○政府委員(高木賢君) 現在、主要農作物として主要農作物種子法の対象となっているかどうかという判断基準は、農業生産が地域的に広がっているかどうか、あるいは食生活上の重要性はどうか、さらには都道府県におきます種子の生産体制の状況はどうかということを勘案して定められていると思います。
 具体的に申し上げれば、国民の基本的な食糧であるかどうか、あるいは全国を通じての基幹作物となっているかどうかというようなことが物差しになっておりまして、現在該当するものが稲、麦、大豆ということで法律に定められているというふうに思います。
 こういう点からお尋ねの作物について見ますと、菜種もかなり作付面積や生産量が減っておりまして、現在のところほとんど青森県に特化をしているという状況にございます。青森県では県と団体が連携をいたしまして、原種生産あるいは種の採取というところに当たっているという状況にございます。
 それから、小豆につきましては、主産地が北海道ということで、これにつきましても北海道の農業団体が主要農作物に準じて原種の生産をし、北海道が種子審査を行っている、こういう状況にございます。
 それからまた、ソバにつきましては、小規模で消費が地場に限られる産地が多いということから、各県の地域ごとに異なる特性を有する在来種が栽培されているということですが、この在来種の多くは特性にばらつきがあって、一般的に原原種、原種、一般種子と、こういう増殖体制の中では入りにくいという状況にございまして、一般的には栽培農家の自家採種が定着をいたしております。
 こういうような実態と種子の採取の方法というものがそれなりにこれらの作物については確立をされておりまして、現段階におきましては主要農作物種子法の対象とすることは要しないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#38
○和田洋子君 五穀の第二番目に上がってくる麦についてちょっとお尋ねをいたします。
 全国の麦の生産量の六割を超える北海道の皆さんが麦政策のあり方に関して大変懸念を持っておられます。それで、生産者団体等で構成されている麦問題研究会が昨年十二月に民間流通への移行と内麦の無制限買い入れの段階的廃止などを内容とした「新たな安政策の在り方について」ということを報告されておられますが、御存じですか。
#39
○政府委員(高木勇樹君) お答え申し上げます。
 ただいまお尋ねの麦問題研究会の報告の件でございますが、先生御案内のとおり、この議論は米価審議会の場で、平成七年十二月の答申で、麦管理のあり方の検討に着手することというふうにされました。その後、一番最近では平成九年十二月の答申で、麦問題研究会の報告については早急に具体策の検討を深めその実現を図ること、そういうふうにされたわけでございます。また、政府の行政改革委員会の規制緩和小委員会でも同様の指摘がなされております。
 麦は大変重要な作物でございます。しかし、今の状況を見てみますと、例えば平成九年産の生産者麦価決定の際に良品質麦の安定供給対策の一環として行われましたアンケート調査結果がございます。生産量の五倍の需要がある非常に人気のある銘柄麦がある一方で、全く需要のない麦が存在をするというような状況が一つございます。また、製粉企業での製造・販売コストの低減が、緩やかで、企業の合理化、産業構造の近代化が進んでいないというような実態もございます。米価審議会の答申、先ほど申し上げたような内容でございますが、こういった実態を踏まえて出されたものというふうに受けとめておるわけであります。
 こういった状況がそのまま続きますと、麦の生産、流通、加工全般で活力が失われて、平成七年十二月に閣議決定をいたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」で麦の生産振興というものを行うということにしているわけでございますが、その達成も非常に難しくなるというふうに考えているわけであります。
 麦問題研究会の報告は、今申し上げたような実態を踏まえて、いかに生産、流通、加工面での活力を持つような仕組みにしていくかということであります。そういうことで、今、先生がおっしゃられたように、民間流通への移行と生産者に対する新たな措置の導入とか、政府売り渡し価格の算定方式の見直しとか、生産対策と研究開発への積極的取り組みといったような幅広い検討方向が示されたわけでございまして、現在、関係方面と意見交換を重ねておりまして、具体的な新たな麦政策というようなことで平成十年産麦の政府買い入れ価格の決定の際には取りまとめてまいりたい、今そういった状況でございます。
#40
○和田洋子君 これからのスケジュールはどういうふうになっていますか。
#41
○政府委員(高木勇樹君) ただいま若干触れたところでございますが、スケジュールといたしましては、平成十年産麦の政府買い入れ価格が決定される際、これは大体例年六月ごろでございますが、そのころを目途に新たな麦政策ということで取りまとめてまいりたいということでございます。
#42
○和田洋子君 生産者の皆さんからの御意見を聞くというふうにもおっしゃいましたよね。そういう取り組みをぜひしていただきたいと思います。
 それで、北海道の麦をつくっておられる方々から皆さんにもたくさん陳情書とかそういうものが行っているとは思いますけれども、外麦からの差益が経営安定化の基金になっているそうですが、その差益がだんだん小さくなってきて、その差益が少なくなったらどうするんだろうかというふうな皆さんの御懸念もあります。
 そういうわけで、ぜひ一般財源からそういうお金を繰り入れてほしいということとか、ウルグアイ・ラウンド、緑の政策から皆さんへの所得の補償とか、そういうことの陳情もありますので、地元の方々の切なる願いを、まあ麦というのは絶対に日本で必要だと思いますので、そういう意味を込めて温かい御配慮のもとにそのスケジュールがこなされるように切にお願いをいたします。
 大臣、何か一言ありますか、麦の皆さんのために。
#43
○政府委員(高木勇樹君) ただいま申し上げましたように、現在、研究会報告の検討方向に沿いまして、当然のことながら生産者団体、生産者の皆さんの意見も聞きながら詰めているところでございます。
 ただいまお話しになったようなことも当然、懸念として私どもにも伝えられておりますが、私どもは、生産者が創意工夫、努力をした、そういうことが報われるようなシステムにしていきたい、こういうことでございますので、そういう方向でこれから具体策の詰めを行ってまいりたい、こういうふうに考えております。
#44
○和田洋子君 農家の皆さんが流した汗が絶対にむだにならないような農政であってほしいと切に思っております。
 それでは、法案についてお尋ねをいたします。
 青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法、「青年等」ということがこの法案の趣旨だと聞きましたけれども、青年から今度は中高年、もう本当に六十五歳まで延ばすのであればこの名前は何なんだろうというふうに、どうしてこんな名前をつけたんだろう、もっといいネーミングがなかったんでしょうか。
#45
○政府委員(高木賢君) 農業の担い手といたしましては、長い期間にわたりまして活躍することが期待できるという点とか可塑性に富むという点で、今後とも新規就農対策は青年を中心に展開していくということは基本であろうと思います。また、現在の法律の仕組みも基本的には青年を念頭に置いたものというふうに考えております。
 しかしながら、青年の新規就農者数は、近年、着実にふえているとはいっても、まだ望ましい水準から見ますと半分程度になっている。また、中山間地域を中心に、現に担い手不足が深刻となっている地域も出ているという状況でございます。一方におきまして、中高年齢者の中で、特に他産業に従事していた方がこれまでの経験を生かして積極的に農業の世界に飛び込んで、その地域農業の活性化に大きな役割を果たしているという方が現にございます。また、その量もふえているというのが実態でございます。
 したがいまして、引き続き青年を中心とするという基本的性格は維持しながら、このように他産業従事で得た知識や経験を活用いたしまして、比較的短期間で戦力としての活躍が期待できる中高年齢者につきましても、いわば一般企業におきます中途採用者と同様の位置づけというような頭でおりますけれども、農業の担い手の一角を占めるものというふうに位置づけたわけでございます。
 そういう姿で、今度、青年就農促進法の中に支援対象として加えるという御提案を申し上げたわけですけれども、基本的な枠組みが青年ということでございますので、それに「等」という形で、具体的な中身は定義規定に書いてございますけれども、短くするという意味で「青年等」という表現にしたものでございます。
#46
○和田洋子君 答弁はもっと短くお願いします。
 ウルグアイ・ラウンド合意のお金だというふうに、これは法制化されたものというふうに聞いております。ウルグアイ・ラウンドが導入されてまだ短い期間ですから、これがどういうふうになっているかという、今まで青年にどのぐらいのあれがなっているかなんというのはまだわからないと思いますが、ウルグアイ・ラウンドの期間が過ぎたらこのあれはどうなるんですか。
#47
○政府委員(高木賢君) 御指摘のように、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策として農業の体質を強化するという一環としまして、土地基盤の整備などとあわせまして、人の面の体質強化ということで取り上げられたものでございます。
 ウルグアイ・ラウンド対策自体は平成十二年度までですけれども、この今の御提案の法案にもありますように、特に期限が定めてあるわけではございません。ウルグアイ・ラウンド対策の終了後も青年等に対する資金の貸し付けはやっていきたいと思っております。
#48
○和田洋子君 特別措置法というのは、第一点は新規に就農を希望する青年に対して一般的ではない無利子の就農資金の貸し付け、そして二点としてウルグアイ・ラウンド関連対策として時限的な立法であること、第三点は限られた期間内に緊急に目的を達成するために特に授けられた制度であるということだと思いますが、この制度は平成十二年までの措置ということで、大変みんなはこの後どうなるんだろうかということでありますので、よく啓蒙をしていただきたいというふうに思います。
 さっき局長は、都会等の新しい職種の方が農村に来られてということで、例えばその職種というのは限られているんですか。
#49
○政府委員(高木賢君) これまでの他産業従事の経験として我々が重視しているのは、経営管理の能力とかマーケティングの能力とか、あるいは農業に関連して農産加工とか農産物の販売をやっていたとか、あるいは農業機械とか、そういったところに従事していた方が比較的親近感を持たれて農業に入ってくるという実態はございます。ただ、それに限るということではなくて、やはり農業に役立つ知識、経験をお持ちの方であれば、これは都道府県知事の認定ということに最終的にはなるわけですけれども、その県知事さんの御判断で対応できるようにしたいと考えております。
#50
○和田洋子君 実を申しますと、私の地元の農家の皆さんは、担い手がいない、後継者がいないということが一番の悩みであります。そういう親の苦労をよく知っている子供たちがもう農業は継ぎたくないというのが事実なんだと思います。そして、実際、農家なんか継がなくていいからお嫁さんは職業を持っている人を選べとか、自分の息子も役場に勤めるとか、親もそんなことを言っている時期に、本当に都会から農業を継ぎに来られる方がいらっしゃるのかなという思いがしますが、いかがでしょうか。
#51
○国務大臣(島村宜伸君) 大変ごもっともな御質問だと思います。
 実は、けさも早くからいろいろ勉強会をやる過程でこの話が盛り上がったわけでありますが、私ども東京に生まれ、東京に育ち、東京で勤務した経験を持っている人間、私の場合は旅好きであり人好きですからどこへ行ってもすぐ親しめるんですけれども、通常の場合は、例えば東京に限らず、都会から農村に移るということは、何か自分自身の生涯がだんだん閉ざされてしまうような不安が非常につきまどうものでございます。ましてや、なれない農業にこれから従事するとなるといろいろありますが、これがひとたび仮に会社経営みたいな形でそこで働く場を得ると、そうすると、老後にまさに風光明媚な、あるいは自然環境のすばらしい農村で仮に四日間なら四日間仕事に従事し、また東京へ帰ってくることも可能というようなことになれば、むしろその人たちは喜んで行くような場が出てくるだろうと、自分の実体験に照らしてそう考えます。
 また同時に、このことは、セカンドハウスを持ち、それぞれの地域、仮に先生の福島県に行き、先生のお近くに家を持ち、都会と農村のそれぞれのよさに浸りながら生活をするという喜びを新たに膨らますことにもつながるだろうと思いますから、これは国策としても前向きにとらえなきゃいけないことだと思いますし、そうでなければ、都会の家を全部畳んで農村へ行くというようなことは大変勇気の要ることだろう、また行っても腰が落ちつかないという面もあるのではないか、そういうことは当然に考えるところであります。
#52
○和田洋子君 ぜひ大臣に会津においでいただきたいと思います。
 それで、今度は逆の観点から、せっかく農村においでいただくそういう方たちのために、農村地帯がその方たちを裏切らないような、せっかく風光明媚、そしてゆとりのある生活、そういうことでおいでいただくならば、今の農政、農家の皆さんが大変困っておられるようなことは本当に全部クリアして、ああ、会津に来てよかった、農村に来てよかったと言われるような農政をこそ確立させていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 そして、例えば「新しい食料・農業・農村政策の方向」と言われる新政策を拝見しますと、土地利用型農業では十年程度後には効率的規模は個別経営で十から二十ヘクタール、そのくらいの農業を奨励されておられるわけですが、新しい就農者の方たちに機械のお金を貸すとか、そして田んぼを購入するお金を、十から二十ヘクタールぐらいの貸し付けとかあるんでしょうか。
#53
○政府委員(高木賢君) 今御指摘の文書の中では、十から二十ヘクタールという経営と同時に、付加価値の高い農業経営ということもその文書の中では提起されていると思います。要は、農業を本業とする人がどういう規模でどういう内容でやっていったらいいかということの展望が出されているものと思います。ただ、それはある程度プロフェッショナルにやっていただいた方の一つの目安ということでございまして、新しくやる人がいきなりその目標でといっても実態に合わないし、現実にやれるものではないということは御指摘のとおりだと思います。
 現実に、じゃ、新規に就農した方がどういうふうな過程をたどっているかというのを調べてみますと、やはり就農の際には過剰な投資を避けまして、当面、生計が維持できる程度の所得が確保される経営から始める。実際に営農活動をやりまして、技術の積み重ねであるとか販路の開拓であるとか、こういうものを一定期間やった後に周辺農家の信頼も得て、経営内容の拡充とかあるいは農地の拡大とか、こういったふうに進めていくというのが実情だろうと思います。
 我が局で進めております就農支援対策につきましても、道府県の就農促進方針というのがありましてそれを支援するということでございますが、その就農促進方針で書かれている目標も、いきなり何百万というようなことではなくて、当面二、三百万というようなところに設定して現実的に進めていくと、こういう姿になっております。
 そういう中で、御案内のとおり、農地は特に信用ができないとなかなか簡単に人に貸さないという問題がございますので、いきなり十ヘクタールだとかというのは無理だと思いますけれども、信用をかち得ていって徐々に広げていくというのが実態であろうと思います。
#54
○和田洋子君 意味はよくわかっていますが、新しく農家に入ってこられて、三反、五反くらいの規模の田んぼを耕したり、そういうふうに風光明媚な農村の生活をしながら、それでなおかつ十年後には十ヘクタール、二十ヘクタールにはなかなかならないというふうに私は思いますが、そういう点はどう思われますか。
#55
○政府委員(高木賢君) 担い手層がかなり分厚く存在している東北地方などでは周りの人がまだまだ貸さないとか作業委託にも出さないという実態がかなりあると思います。しかし、東海地方とか西の方へ参りますと、やはりもう自分ではやっていられないということで、土地を貸したりあるいは作業委託に出すという地域は相当ありまして、そういうところでは十、二十なんというものじゃなくて三十とか四十とか、法人経営になりますればもう少し大規模というようなものはかなり広範に今進んでいるのではないかと思います。
 そういう意味で、昭和一けた世代の方がリタイアしつつある現状ですから、そういうリタイアの機会に拡大する機会というのはかなりあろうというふうに見ております。
#56
○和田洋子君 それでは、提案理由の中で、本制度による就農促進により青年の就農者は着実にふえているが、まだ十分とは言えないと評価されて、そこで、青年が農業を目指している、その動機はどういうふうに分析をされておられますか。
#57
○政府委員(高木賢君) 青年の就農の動機につきましては、各種のアンケートなりあるいは面接などで調べております。定量的にこうだというふうに決まっているというものでもございませんが、農業の魅力としてどういうものがあるかということでお伺いしますと、やはり大きな点で四つあるのではないかと思います。
 一つは、豊かな自然環境の中で働けるという点であります。二番目は、作物など生き物を育てる産業であるということ、三番目には、みずからの判断により経営を自由に展開できる、このみずからの判断で経営を自由に展開できるとか、時間の融通性があるというような点はかなり若い方は高く評価をしております。それから四番目には、家族と一緒に、また夫婦でとかあるいは子供と一緒に共通の目標に向かって家族でともに働けるという点に魅力を感じているというのが大きな四つであろうと思います。
#58
○和田洋子君 研修体制の拡充ということで、平成八年度現在、就農準備校は全国で四地区十教室となっています。さっき長峯先生もおっしゃったような、大学を利用してほしいとか言われました。福島県にも農業大学がございますが、そういう大学を利用するというようなお考えはありますか。
#59
○政府委員(高木賢君) 大学側の受け入れ体制という問題がございますので、私どもとしては考えを持っていますけれども、よく大学側とお話し合いを進めたいと思います。
#60
○和田洋子君 この就農制度というのを見たときに、一月十七日の朝日新聞に、「地方分権 横並び意識、脱却せよ」という大泉さんという東北大学農学部の教授が言っておられる中で、「宮城県の米山町では、全国に先駆けて農業後継者を育てる仕組みをつくった。全国から農業をやりたい人を募集し、町が給料を払いながら研修してもらう。独り立ちする時は補助金を出す。」というような町もあるそうです。また、ほかにもいろいろ全国でも例があるそうですが、国はこんな小さい町から比べるとすごくおくれているんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
#61
○政府委員(高木賢君) 研修について直接的な補助はできないのかという御議論は多々承るわけでございますが、やはり農業も基本的には経済活動の担い手でありまして、ほかの中小企業の方もいわゆる後継者という問題ではいろいろお悩みになっている、そういう中でのバランスから見て補助をしっ放しといいますか、お金を渡すという措置は必ずしも適切ではないのではないかと思います。
 そういう意味で、現在、融資ということですが、融資の限界としての無利子ということで研修の支援をしているというふうに位置づけております。国の財政資金はやはり地域の共同利用施設の整備とか土地の条件整備とか、その地域全体の利益になるような、そういった面に使った方がいいのではないかというふうに思っております。
 今御指摘のように、市町村なり県でそれなりの単独措置ということで支援している例は承知しておりますが、そういうものは定住促進という意味合いもその地域にはあるのではないかというふうに思っております。
#62
○和田洋子君 私は連日、予算委員会でいろいろな皆さんの質疑のやりとりを聞いております。日本の国の税金の使われ方がこれでいいんだろうかというような思いもたくさん見たり聞いたりしておりますが、これはもう全然今までの考えとはころっと別に、このお金を利用して悪いことをする。ような人ももしかしたらというか、都会で事業経営に失敗して、じゃ、こういういいことがあるんならそっちに行って金だけ借りてみようかなんという人が、人のことを悪く言うわけではないんですけれども、そういうことがないような税金の使い方、そういう正しい税金の使い方をしてほしいなという思いで、この質問を終わらせていただきます。
#63
○風間昶君 公明の風間ですけれども、まず、質問通告していないんですが、前回の委員会で農水大臣にもお伺いしました。つまり、総理がインドネシアに行くに当たって、インドネシアの米支援のことについての結果をお伺いしたいことと、先般のハビビ副大統領がおいでになったときの、実際に日本が幾ら、どのくらい食糧支援をするのかということについてこの場で明らかにしていただきたいと思います。
#64
○国務大臣(島村宜伸君) 総理がインドネシアを訪問し、スハルト大統領といろいろお話し合いをなさいました。その際には、経済並びに食糧事情の厳しさについていろいろお訴えを聞いたようであります。ただ、そのときに具体的に、例えば米であるとか麦であるとかそういう作物の指定とかあるいは数量等についての話はなかったようであります。また、総理にも確認いたしましたが、そういうお話はなかったということでありました。
 また、先般、私のところにハビビ副大統領がお見えになりました。それで、いろいろお話はしましたけれども、その際、ハビビさんがおっしゃったのは、やはり経済あるいは食糧問題の厳しさを概括的には申されましたけれども、具体的なものはありませんでした。
 ただ、御存じのとおり、船の用船から積み荷、そして航海して相手に届くまで常識的には二カ月とされているわけであります。したがって、積み荷の能力あるいは向こうの積みおろしの能力その他全部を加味いたしましても、ある程度早目に数量の連絡が欲しいわけでありますし、数量の提示とあわせてできるだけ早いスケジュールについての要請をいただきたいと私から申したところであります。なお、FAOやWFPの調査の結果を踏まえて我々もこれに対応したい、待機しているので、それらについて十分御検討を進めていただきたい、こういうことで話は終わったわけであります。
 それで、冒頭そして最後のところで二回にわたって、日本という国のありがたさを改めてしみじみと感じている、こういう事態になればなるほど貴国のありがたさを身にしみて感じると、こういうお触れがありました。そういう状況でございます。
#65
○風間昶君 ありがとうございます。
 いずれ幾らかというか何がしか決まると思いますけれども。
 もう一点。これも通告外で大変恐縮なんですが、先ほど、大木環境庁長官が四月三日から五日までイギリスのケントでG8の環境大臣の会合があると。ここで、テーマが四つぐらいあるんですけれども、そのうち農林水産に関係するものとしては、海洋に関するテーマが入っていらっしゃるようであります。読み上げますか、知らなければ。「今回は「気候変動」、「環境と雇用」、「海洋」及び「環境犯罪」がテーマとして予定されている。」と。ぜひ出席したいのでよろしくというお話をいただいたんですが、農業政策と環境政策、これはOECDレポートでも一体化の方向で今話が進んでいるのは御案内のとおりでございます。
 いろんな柱があると思いますけれども、大臣として、大木環境庁長官が渡英するに当たって何かコメントを考えていらっしゃいますか。
#66
○国務大臣(島村宜伸君) 当然、当省にかかわることについて、大木大臣のことですから、親しくもありますし、事前の御相談があろうかと思います。その際には、現時点でこういうものを用意してございますというものを持ってはおりませんが、先方との協議の過程でいろいろ私からは御要請申し上げたい、こう思います。
#67
○風間昶君 それでは、まず青年就農法について何点かお伺いします。
 今回は、農業技術の習得等についての貸し付けというふうになっておりますけれども、農地の取得についても支援措置を、この法案ではできないにしても図ることを検討すべきだと私は思いますが、いかがですか。
#68
○政府委員(高木賢君) 新規就農者が農地を取得する際に利用できる融資制度といたしましては、長期低利の農地等取得資金、それから認定農業者になりますれば農業経営基盤強化資金などの制度がございます。
 この際、新規就農者について何か配慮しているのかということでございますが、資金調達能力あるいは経営リスクというような問題がありますし、就農時の農地の取得についてはもうちょっと考える必要があるということで、農地取得資金の貸し付けに当たりましては、経営面積の要件の緩和、つまり、一般ですと取得時の経営面積がその時点で一定面積以上でなくちゃいかぬというのを、新規就農者にありましては五年後にその面積基準をクリアすればいいというふうに緩和しているとか、あるいは一般では家族農業従事者が二名以上あるということを要件にしておりますが、新規就農者ですとそう大勢期待できませんので、一名以上でいいというようなことにして融通の円滑化を図っております。
 それから、融資という直接のスタイルではございませんが、農地保有合理化法人が離農農家の跡地等を活用いたしまして、新規就農者に対しては十年間、安い利用料で長期の賃貸借を行い、その後に売り渡すという方式での支援措置もとっているところでございます。
 また、ウルグアイ・ラウンド期間中の対策といたしましては、利子軽減の措置ということで、農地取得資金や農業経営基盤強化資金につきましては通常の金利より低く、二・一%になるように利子助成をしているということで支援をしているところでございます。
#69
○風間昶君 もう一点。農業法人への就職は、お給料をもらえるから、特に経営に自信のない方への有力な就農機会を提供するという側面もあると思うんです。この機会を拡大するための方策を具体的に立てる必要があると思いますが、農業法人、もっと言うと農業法人そのものの設立基準の緩和で農業へ参入しやすい、こういった環境づくりも必要じゃないかと思うんですけれども、どうですか。
#70
○政府委員(高木賢君) 法人化の促進という点では、平成六年に農地法の改正を行いまして、農業法人の設立要件の緩和というものを行っております。これは、農地を使わない人が農地を持つことはいかぬという原則の許される範囲での要件の緩和であると思います。その後、法人化の動きというのがかなり進みまして、現在では法人成りする方がかなりふえているというふうに承知しております。
 そういう中で、今御指摘の法人に就職するという形で農業に参入というのも出てまいりました。これを応援するために、都道府県の農業会議が公共職業安定所と連携をいたしまして、農業におきます求人、求職、研修情報、こういうものを取りまとめるということにつきまして平成九年度から支援をし始めております。
 また、農業生産法人が就職の説明会をやる、これは東京とか大阪で合同で、こういう法人があって何人ぐらい募集しているんだ、仕事の内容はこうだというようなことの説明会を開催しておりまして、かなりの人気を呼んでいるわけでございますが、これにつきまして助成をしております。
 こういったことを着実に推進しまして、法人への雇用を通じた就農の促進ということに努めてまいりたいと考えております。
#71
○風間昶君 先ほどもお話が出てまいりました就農準備学校ですけれども、私の認識は、四十一校ある農業大学校へスムーズに行くための入り口というかそういう位置づけもできるのかなというふうに思っているわけですけれども、この就農準備学校を予算の枠の中で幾つぐらい想定しているんですか。
#72
○政府委員(高木賢君) 予算上は一応の積算はありますが、運用は弾力化されておりまして、平成八年度にスタートしたときは、四地区十教室ということでスタートしました。要望が強くなりまして、九年度からは、北海道と九州の二地区を加えまして六地区十三教室ということでございます。さらに、平成十年度におきましては、教室を一つふやしまして十四教室への拡充を検討いたしております。
 一方、今御指摘がありましたように、就農準備校に準じて新規就農者向けの研修を独自にやりたいと、こういう県が何県か出てまいっております。したがいまして、平成十年度からは、これらの県と連携をとりまして、同じ情報があれば情報提供するとか、連携のもとに一種のネットワーク的な運営ができるようにしていきたいと思っております。
 今後とも、そういう御希望の県が出ますれば拡充をしていきたいと思っております。
#73
○風間昶君 もう一つ。本法案はラウンド対策予算の見直しとも言えるというふうに言われているわけですけれども、対策予算が、ラウンドのお金を消化するために必要のないものまで金を出しているという批判も実はないわけではない。すなわち、高齢の認定者の参入にお金を貸し付けて何年やっていただけるかということを考えると、それをもう一つは考えなきゃならないと私は思うのです。
 そういうむだ遣いと言われている批判に対してどう答えますか。
#74
○政府委員(高木賢君) 現在の制度では、御案内のように四十歳未満を資金の貸付対象者としておりますが、現実は、そこで線を切って四十歳になったらだめだよということについてはかなり現場での反発があるのが実態でございます。
 ただし、じゃ、何歳ならいいんだということがまた次の議論になるわけですが、一応私どもは年齢としましては五十五歳未満で、他産業従事により近代的な農業経営にとって有用な知識、経験を有する人を想定しておりますが、五十五歳未満でもこれまた人によって体力とか能力が違うというような問題とか、あるいは中山間地域などではそういうふうに限定しないでほしいという御意見のあることも事実でございます。したがって、都道府県知事の判断によって、最大限六十五歳未満まで延長できるようにするというのが一つの整理かなと思ったところでございます。
 ただ、現実の問題として、金を借りてまで就農しようという方は本当に意欲のある方だと思います。そういう点では、相当思い切った度胸の要る判断であろうと思いますので、その点では十分、地域段階でもセレクトされるといいますか一種のふるいにかけられるといいますか、そういう合格した人が対象となり就農することになるというふうに考えております。
#75
○風間昶君 そこで、農家というのは今後、農業経営というか、経営の対策をどうやっていくのかということがまさに急務だと思うんです。
 特に、農業簿記について、様式の確立はもちろんされていらっしゃる、また啓蒙普及活動もされていらっしゃるというのもよく聞いているわけでありますけれども、特に経営感覚がすぐれた人の農業参入を促進するという意味では、経営管理の指標というかマニュアル、これはあるのですか。
#76
○政府委員(高木賢君) 御指摘のように、経営分析とか診断とか就業条件の改善とか、経営管理に関する指導ということは重要課題だと思います。
 そこで、作目別の経営指導マニュアルなどを逐次作成いたしまして、これによりまして経営管理に関する指導を積極的に展開しております。
 具体的に申し上げますと、平成五年度からこのマニュアル作成に着手しておりまして、五年度では露地野菜と果樹編というのをつくりました。六年度には稲作編というのをつくりました。七年度は技術指導編、八年度で制度金融編、九年度に法人経営編ということで、実態に応じた分類のもとにマニュアルを逐次つくっております。
#77
○風間昶君 年度別で五冊ぐらいつくっていらっしゃるようですけれども、実際にどのように使われているかということを農水省として押さえているかどうかというのが問題で、かなり僕はこれもんだなと思っているのです。どうですか、実態をどうやって押さえていますか。
#78
○政府委員(高木賢君) まさに、効果が上がらなければいけないというのは御指摘のとおりでございまして、そういうことで現場で進めているわけですけれども、日の浅いこともありまして定量的には把握しておりませんが、定性的にはそういうマニュアルによる指導のおかげである程度のレベルに達したという農家は出てきているというふうに承知しております。
#79
○風間昶君 かなり粗っぽい答弁ですね。ほとんど経営のことを実際にやっていらっしゃるのは奥さんというか女性だと私は思っているんです、大半が。そうすると、要するに省がつくったマニュアルというのは、一般の家庭の婦人からいうと、何やこれはという文章の羅列が結構多いと私は思うんです。もうちょっときちっと浸透していけるようなマニュアルの徹底というとおかしいのですけれども、これはもちろん府県のレベルでしょうけれども、もう一回ちゃんと対応していくための手だてを教えてください。
#80
○政府委員(高木賢君) まず、マニュアルの作成につきましては、専門家の方々に集まっていただきまして、これはきちっとしたものができていると思います。それが一つ。
 それから、伝達の問題ですけれども、これは全国的にいいますれば、我々はしょっちゅう担当者の会議を開いておりまして、普及センターの方々にお伝えをしております。それから、普及センターの普及員さんは、それをもとに自分の担当している地域あるいは自分の担当している作目につきまして、自分の担当範囲の農家の方々にそれを伝達しているということでございます。まだ十分でないと思いますけれども、一層徹底をしたいというふうに思います。
#81
○風間昶君 今回の新規就農者についての広報予算というのは予算書を見てもよくわからない。一体どのぐらいを考えているんですか。
#82
○政府委員(高木賢君) 新規就農だけの広報というふうに特掲したものは実はございません。全体の省の広報なり政府全体の広報の中で取り上げてこれをやっていただいているというのが実情でございます。
 具体的にどういうのでやっているのかということでございますが、政府の広報誌、機関誌とか写真のフォトみたいなものがございますが、そういったものに取り上げてもらいまして載せておるとか、省の機関誌としてのAFFというのがございますが、そういうものに載せてもらっているとか、あるいは先ほど御指摘がありましたが、就農準備校というのが大変注目を浴びておりまして、就農準備校を報道していただくという形での広報というものもかなりの量に達しております。また、青年農業者育成センターだとかそういう関係機関におきましても、常にパンフレットのたぐいを置きまして広報に努めております。
 今後の新しい改正につきましても、そういったルートを活用いたしまして広報に努めていきたいというふうに考えております。
#83
○風間昶君 具体的にそういう話を聞いているんじゃないんですよ。要するに、新規就農者をどのぐらい見込んでいるのかというある一定のプランというか、それがあって初めて、じゃ、そのためにどのぐらいの予算を使うかという話に私はなるはずだと思う。だから、それがないからこそ、ちりばめられた形でパンフレットをつくっているだの何なのかんだのというふうに言わざるを得ないというふうになっているんじゃないかと私は思うんだけれども、どうですか。
#84
○政府委員(高木賢君) 新規就農者が一年間にどのくらいが望ましい数であるかということにつきましては、私どもはサイクルから数えまして一万三千人ないし一万五千人が入っていただく必要があるというふうに考えております。その幅があるのは、入ったときの年齢の問題と、それからどの程度の労働能力を持っておられるかという点で多少幅があるということでございます。一万三千人ないし一万五千人というものが農業の全体の世代交代を円滑に進めていく上で必要だというふうにまず思っております。
 それから、広報という点では、そういった方々に来ていただくために、まさに農業のよさとか、あるいは農業の現在がどうなっているのか、あるいは新規就農者の方々はどういうことを実際にやっているのか、あるいはお悩みになっている点ほどのようにクリアしたのか、そういう点の情報といいますか、現実の姿をいろいろな形でお示しをして参考にしていただいているというのが実態でございます。
#85
○風間昶君 失礼しました。一万三千人から一万五千人見込んでいるわけですね。
 じゃ、その新規就農者を獲得して拡大していくために農業の魅力をどのように今度PRしていくかということと同時に、農業を取り巻く環境が今どういう状況になっているのかということを開示する必要があると私は思うんです。いいことばかり言ってもこれまただめだし、しかしさりとてマイナス部分だけ強調されてもいけないわけでありますが、そういう意味で、大臣、農業の魅力とは何だと言われたら、何と答えますか。
#86
○国務大臣(島村宜伸君) 何といっても豊かな自然環境の中で仕事ができるとか、あるいは作物など生き物を育てるといういわば生命産業と言う人がいますが、こういう面であるとか、あるいは御自分自身の判断で自由に経営の展開ができるといった意味では、今までとは違ったものが得られるという面があると思います。
 それから、昨今のいわば都会の状況でいいますと、ちょうど私たちと同年輩の人たちがそろそろ二次、三次の仕事を終えてやることがない、朝起きて布団の上で起き上がって何もすることがないというのがいかにつらくてぞっとすることかと、こんな愚痴も聞くきょうこのごろでございまして、そういう人たちがいわば完全に都会からはじき出されたというのではなくて、季節労働者の逆ではありませんが、今度は週に四日なら四日ある県に出かけていって、それで自然に親しみながら今言った仕事に携われるとすればこれは大変魅力のあることだろうと思いますし、私は今、政治家をいたしておりますけれども、そういう願望は心の片隅にないわけではございません。
 ただ、その一方では、何といっても所得が低い。自然環境に左右されて不安定。また、仕事への習熟度についても自信がない。あるいは休日や給与等、今まで得られた就業条件が定かでない。また、生産基盤設備や下水道等生活環境、今まではいわば完全に水洗化されていたものがいきなりそうでないところに行くとか、そういうなれない生活環境に追い込まれるというおそれがあるし、もう一つは、ある種のカルチャーショックを受けるようになりはしないかと。そういうことで、何か自分が後退するような錯覚をやっぱりおそれとして持っていることもまた事実だと思います。
 そういう点で、例えば私の前に和田先生がおられますが、先生のところでしたらもう昔に比べてはるかに近くなりましたね。新幹線で行って帰ってくる、三日か四日行ってくるよというのはある意味では逆に楽しみがふえるという面が私はあるのだろうと思うし、健康にもまたいいということも指摘できる。これは風間先生の分野でございますが、そんなふうに考えます。
#87
○風間昶君 ありがとうございます。
 次に、主要農作物種子法について伺いますが、いい種であっても普及が図られなければこれまた多くの人が恩恵を受けることができないし、またさりとて余り普及しちゃいますと、例えば北海道のメロンの苗みたいに価格が下がって耕作者の手取りがふえないというジレンマがあるわけですけれども、まさに今回のこの法案がどういう流れでいい種子を普及させていくかということだと思うんです。
 そこで、主要農作物種子の需給については、毎年の豊作凶作の変動、これも大きいファクターになりますし、もう一つは米の生産調整もこれまた大きなファクターに私はなると思うんですね。そのことによって、水稲や転作作物としての麦や大豆の需給動向がまた変化する、大豆や麦の種子の需要の変化も起こってくる。主要農作物種子の生産については需給動向をいかに把握するかということが物すごく大事だと思うんですね。
 そこで、機動的にやるためにはどうしたらいいのかということは具体的に大変大事な問題だと私は思うんですけれども、十分な方策ができるような体制、仕組み、システムになっているのかということについてお伺いしたいんです。
#88
○政府委員(高木賢君) 御指摘のありました主要農作物の種子の生産、流通につきましては、まさに需給にどう対応するかということが重要な課題であると思います。
 そこで、仕組みといたしましては、都道府県が毎年度、県内の関係団体と連携をいたしまして、まずその県の種子計画というものを策定いたします。これを国に報告するということでございます。
 ただ、これを単純に国が足しますと、どちらかというと県の方は安全を見込んで多目につくる計画ということで出てまいりまして、種ができ過ぎてまたぐあいが悪いという事態が起きるわけでございます。したがいまして、国は各県の種子計画を踏まえながら適正な全体の需給のバランスを考えまして全国種子計画を策定いたします。それで、それに基づいてもとの県の計画を多少直していただきまして、県別の指定種子生産圃場面積につきまして上限を設定するということでございます。ただ当然、一割程度の多少のゆとりは持って種子が生産されるようにという考え方で臨んでおります。
 したがいまして、都道府県の種子計画どおりやりますと、大体一割程度、通常の場合には余裕を持ったものとしてできますが、不作などで一割のゆとりでもまだ足りないということが起こる可能性があります。したがいまして、国としては農業団体と連携を図りながら都道府県間の調整、不足している県に余裕のある県から移動させるということで実施をしております。大体これで通常の場合には間に合っておるというか、対処できていると思います。
 ただ、平成五年のような未曾有の大凶作というようなことがありますと、これは県間調整といっても、ほとんどの県が不作でありますからできないということがございます。そういう場合には、食用として生産されたものの中から発芽率を確認いたしまして品質のすぐれたものを種子に転用するということにいたしまして、翌年度の作物生産には支障がないように対処いたしております。
#89
○風間昶君 自治省の方においでいただいたのでお伺いしますが、今回のこの改正で補助金を廃止して都道府県の一般財源化をするようなんですけれども、府県の地方交付税交付金算定の基準になります基準財政需要額の決定は何を基準に行われているのか、まず伺いたいと思います。
#90
○説明員(椎川忍君) 主要農作物種子法に基づきます国庫負担金につきましては、御承知のとおり、地方分権推進委員会の第二次勧告において一般財源化すべきものとされたものでございまして、この勧告に沿って平成十年度から一般財源化を図ることといたしております。
 一般財源化後におけるこの法律に基づく事務に要する経費につきましては、地方団体の財政運営に支障が生じないように、まず所要額を地方財政計画に計上いたしまして、さらに個別の地方団体に対しましては、普通交付税の中で措置をしていくということにいたしております。
 具体的には、県分の農業行政費という費目におきまして農林業センサスで調査いたしました農家戸数に応じて基準財政需要額に算入し、さらに農家一戸当たりの作付延べ面積が大きい団体につきましては算入額が割り増しされるような仕組みで算定をしていくこととしております。
#91
○風間昶君 そうすると、都道府県は今まで受けていた補助金を今度は交付金で確保し得る話ですか。
#92
○説明員(椎川忍君) 普通交付税につきましては、地方団体の財政需要を的確に反映させるという要素と地方団体の自主性尊重の観点から算定方法をできるだけ簡明化するという二つの要請がございまして、両方の要素を勘案して適切な算定方法を定めていくというものでございます。今回の国庫負担金の一般財源化に伴いましておおむね各県の財政需要に応じた算定ができるものと考えておりますけれども、なお著しい乖離等が生じました場合には、先ほど申し上げました両方の要素を勘案しながら適切な算定に今後とも努めてまいりたいと考えております。
#93
○風間昶君 だから、おおむね確保できるというふうにとらえていいんですね。
#94
○説明員(椎川忍君) 各県別にはでこぼこがございまして、補助金というものがなくなりますので、平成十年度において各県がどのぐらいお使いになるかということはこれからでございますので、そういうものも十分実態を私ども調べて、今後より適切な算定方法というものを検討してまいりたいと思っております。
#95
○風間昶君 今回、主要作物の種子なんですけれども、要は主要穀物に限らないで優良種子についてはとにかく国民的な見地のみならず、人類益の見地からも研究開発して改良、普及していくことが大事だと思うんです。
 例えば、鳥取県の園芸試験場で世界じゅうのスイカの種を集めてよりおいしいスイカの開発に多くの研究を費やしているという話を、私まだ見に行ってないんですが聞いているんです。こういうようなことにはむしろ補助金を出すべきではないかと思っているんですけれども、どうですか。
#96
○政府委員(三輪睿太郎君) 先生御指摘のように、優良な種子を収集して保存し、必要に応じて供給するということは大変重要なことでございまして、そういう都道府県での活動、あるいは民間の種苗会社による活動もございますが、基本食糧の関係するようなものについては国の責任で行うべきという考えに立ちまして、私ども、昭和六十年度から農林水産ジーンバンク、種子銀行ですね、ジーンバンク事業を開始しております。現在、作物に関しましては二十一万点の遺伝資源を保存しておりまして、そのほか動物、微生物、林木、水産生物、あるいは最近ではDNAまで含めて、保存、収集、供給をしているところでございます。
#97
○風間昶君 あなたの今答えているのはジーンバンクの活動状況を言っているのであって、私はそれを聞いているのではないんですよ。世界じゅうのスイカの種を集めて改良、普及していくという事業を国としてむしろ補助金を出してやるべきじゃないかと聞いているんですよ。
#98
○政府委員(三輪睿太郎君) 例えば、今の鳥取県のスイカもそうでございますが、県の重要なものについて、いわば県のジーンバンクといったようなものを行うときに対しましては必要な助成をしているところでございます。
#99
○風間昶君 どうもちょっとかみ合わないので、またの機会に質問を譲ります。
 災害復旧国庫補助暫定措置法についての位置づけをちょっとお伺いしたいんですけれども、公共事業における災害復旧事業の位置づけ。財政構造改革会議の報告の中で、公共事業について、基礎的、広域的事業を国の直轄事業として施行するとともに、補助事業は、直轄事業や国家的プロジェクトの関連事業、先導的な施策にかかわる事業、短期集中施行を要する事業等に限定することにして、それ以外については、できる限り個別の補助金にかえて適切な目的を付した統合補助金を地方公共団体に交付して地方公共団体に裁量的に施行させるという報告がありますけれども、短期集中が必要な災害復旧事業にかける大臣の基本姿勢を伺いたい。
#100
○国務大臣(島村宜伸君) 今日、さまざまな課題を抱える農業・農村におきまして、いわば適切な災害対策の実施は、農業経営の安定と希望の持てる農村づくりを図る上でこれは不可欠の課題であります。また、農地や農業用施設は国土の保全等の多面的機能を有しておりますし、この機能を維持するためにも災害対策が重要であります。
 このためには、まず災害の未然防止を図ることが必要でありますが、農林水産業の基盤整備事業によりまして災害に強い国土づくりに取り組んでいく考えでありますし、今日までにも具体的にいろいろ実施をしてきているところであります。また、不幸にして災害が発生した場合には、何よりまず迅速な査定と早期復旧が重要であると考えております。
 このため、被災地域に対する災害復旧に関する専門家の緊急派遣、災害事務の簡素化、迅速化、市町村の事務に対する助成の拡充を行うこと、こうしているところであります。
#101
○風間昶君 どうしてこういうことを言ったかというと、ちょっと聞いていてください。災害時に農地の果たす役割はすごく私は大事だと思っておるんです。
 それで、横浜市で持っている登録農地制度というのがあるんですよ。あらかじめ所有者の了解を得た農地を防災協力農地として登録していただいて災害時に活用する。七年の十一月二十日に制度が発足しまして、期間は三カ年として、所有者からの申し出がない限り延長する。それで、用途は避難空間、仮設住宅建設、復旧用資材置き場などの用地とする。これを使った場合には、農作物の補償、使用料の支払い、原形の復旧を行いますという支援策なんですね。
 それで、こういう先進的な制度を横浜市は持っているんだけれども、自治省としてこういう制度をほかの市町村にも普及していく必要があるのではないかなというふうに私は思うんです。これからの大きな、もちろん全総で防災国土軸なりなんなりいろんなものをつくるのは大事なんだけれども、阪神・淡路のあの大震災の教訓を生かすためにもこういうのも必要ではないか。遊水地ももちろん必要だと思うけれども、こういうのも必要じゃないかと思うんですが、自治省はどうですか。
#102
○説明員(益本圭太郎君) 自治省・消防庁といたしましては、災害時におけるオープンスペースの確保というのは災害による被害の軽減を図るため非常に重要であると考えておりまして、こうした観点から、地方公共団体に対しまして、地域防災計画においてその確保に努めるよう指導をしているところでございます。
 委員御指摘の横浜市の制度も一つの工夫であろうかと考えられますが、こうした制度を含めまして地域の実情に応じたオープンスペースの確保が図られますよう、今後とも指導に努めてまいりたいと考えております。
#103
○風間昶君 いや、人ごとみたいに言わないで。じゃ、そういう自治体が名乗りを上げてきたらそれに対して積極的にやるということですか、今のお話は。
#104
○説明員(益本圭太郎君) 今、私どもの方で申し上げましたのは、そういうオープンスペースを確保するよう、災害の際に地域防災計画というのが基本になりますので、そういう計画の中に定めるということでございまして、それを震災等の場合には事前にそういうスペース等も確保する必要があるということで、そういうものを地域の防災計画に定めるよう指導しておるところでございます。
#105
○風間昶君 同じことしかあなたは言っていないんです。
 それで、災害時において登録農地であってもなくても、要するに広いところへ人々が逃げるのは当たり前なんだ、これはとめようがないわけですよ。そういう場合に、農地にだっと入り込んできたといった場合の損害補償、これは民法の原則に戻って、土地を持っている農家と逃げ込んだ人との間で解決しろといってもこれはできる話じゃないわけです。そういうような場合に、補償制度も含めてどのように考えていかなきゃならないのか、これは私は国がやる仕事だと思うんです。
 それで、きのうレクで通告したら、いや、私のところじゃありません、私のところじゃありません、自治省も国土庁も農水省もこう言うわけですよ。これは実際に問題が起こったときに農地の方、農家の方も大変な損害を受ける、ここの谷間の部分をどうやったらいいのかということですね。大臣、農地について必ず発生するわけです、災害は。特に東京都内なんかは大変なことになりますよ、大臣のいるところはめちゃくちゃになるから。
#106
○国務大臣(島村宜伸君) 実は、私のところは都心からはかりまして一番遠いところで十四キロなんですが、都市農業はまだ少しくございます。そして、農業を営んでいる方々の家の周辺というのは昔の農道が、農道というと体裁がいいんですが、あぜ道がそのまま舗装されて道路になっているとか、あるいは舗装されずに道路になっているという部分も実はあります。やはり、災害のときにこれじゃ困るということで我々は再三そういう御注意を申し上げるわけですが、やっぱりなれ親しんだことでなかなかそれは改善がきかないし、自分の旧来のものを少しでもへこますのは嫌だという面もあります。
 しかし、その一方では最近は農業もだんだん趣を変えて、高級な野菜とそれから特に花、花卉ですね、こちらの面にもかなり手を伸ばしてきている。そういうものに配慮しながら、防災活動というのは場合によってできない場合もあり得ますから、一たん有事の際にはそういうことをして、その場合に国なら国が確かな補償をするというのはこれは大事な検討課題だと私は率直に思います。この委員会を終えた後、これから検討の課題にし、具体的なものに変えていきたい、こう思います。
#107
○風間昶君 去年も鹿児島県の針原川のところで二十一名の犠牲者を出したわけですけれども、要するに農水省としても基本的な防災政策は当然あると思います。実際にあの修復だってまだ十分されていないわけですよ。基本的な防災計画はどうなっているのかということは国民の前にもやっぱり明らかにしてあげる必要があると思うんです。
 まず、基本的な考え方を教えてください。
#108
○政府委員(山本徹君) 先生御指摘のとおり、農地と防災の観点からも重要な役割を持っておるわけでございまして、私どもといたしましては、農林水産業の基盤整備事業、これは農地の整備あるいは用排水施設の整備等でございますけれども、各種の基盤整備事業を通じまして災害に強い村づくりあるいは国土づくりに取り組んでいるところでございます。
 このため、平成五年度から十八年度を期間といたします第四次土地改良計画があるわけでございます。この中でも特に農地等の災害を防止する農地防災等の事業がございますが、こういった事業につきましては、土地改良長期計画は四十一兆円でございますけれども、この中で防災を目的とした事業が二兆六千七百億円ございますが、これらの事業を着実に推進しているところでございます。
#109
○風間昶君 基本的な防災対策はどうなっているのかという考え方をお聞きしたんですけれども。お金のことを聞いているわけじゃないんです。
#110
○政府委員(山本徹君) 防災計画につきましては、先ほど自治省からもお答えがございましたけれども、防災計画はございます。私どももこういった計画も大事にしながら、災害に強い村づくり、また災害が不幸にして起こった場合の早期、迅速な復旧ということに努力しているところでございます。
#111
○風間昶君 どうもかみ合わないな。努力しているのはわかっているんだから。
 要するに、災害対策というのは基本的に市町村のレベルでやりますね。だけれども、越えてくるわけですよ、当然、境目はないわけですから。そうなった場合に、要するに迅速な国とか県の協力というのを、いわゆる防災対策本部が緊急につくられますね、総理のもとで、あるいは国土庁長官のもとでも。そうなったときに協力体制を農水省としてどうしていくかということが大きな問題で、ただ単に農地の部分だけやっていればいいというものではないわけですから、そういうことの観点から協力体制をどう考えているかということも含めてお考えを聞いているんです。
#112
○政府委員(山本徹君) これは、専ら農地あるいは農林水産に関する場合には私どもがすべての責任を持つわけでございますけれども、先生も御指摘のように、いろんな人災があったりいろんな都市施設の災害等々もございますので、これは各省協力して災害対策本部を設置し、また私どもその中の本部の重要な一部員として災害が起きました場合には全力を挙げて取り組む、それぞれ各分野分野で役割を分担しながら私どもとしても全力を挙げて取り組むようにしているところでございます。
#113
○風間昶君 自治省の方、おいでいただいて本当にありがとうございます。
 この最後の、国としての災害の支援ということを、課が違うかもしれないけれども、あなたも自治省、国を守る役人のお一人なんですから、今の議論に対しての国の協力の観点からどう基本的に考えているのかを教えてください。それで質問を終わりたいと思います。
#114
○説明員(益本圭太郎君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、委員も御指摘のとおり、防災に対してはまず市町村が当たるということがございまして、その際に、防災のときに御指摘のとおりスペースをどう確保していくかというのが大事なことだと思っております。その中で横浜市の制度も一つの工夫であろうかと思っておりまして、こういう例も参考にしながら今後、市町村が災害対応のときにスペースを確保するよう地域防災計画でどう定めるか、地域の実情に応じた対応をしていくようにまた指導してまいりたいというふうに思っております。
#115
○風間昶君 ありがとうございました。
#116
○谷本巍君 初めに、青年就農促進法関連事項について伺いたいと存じます。
 新規就農者にとって四つのハードルがあると言われております。一つは資金の確保であり、二つ目が農地の取得であり、三つ目が技術の習得であり、そして四つ目が住宅の確保ということであります。
 初めに伺いたいのは、資金の確保と農地の取得の問題についてであります。
 既に就農された皆さんの状況を見てみますというと、例えば畜産の場合と露地野菜の場合だったら準備すべき営農資金は相当の違いがあるのでありますが、どれもこれも大体半分が自己資金、そして半分が借り入れという傾向が多い。こうして見てみますというと、資金の問題というのは就農者ほぼ全般にとっての問題だろうと思います。
 ところが、担保なしで借りられるという制度はあるのでありますけれども、保証人の問題については、例えばJAで申し上げますというと、二人のうち一人はその地域の組合員でなければならないといったような状況があります。割とこの辺のところで苦労される方が多い。
 それからまた、農地の取得で申し上げますというと、農村はだれにでも土地は貸してくれませんよ。まず、信頼関係というのがないと貸してくれないという状況が一般的であります。こうした状況を見てみますというと、見る中で比較的うまくいっているのは、例えば有機農業運動グループなどへ実習生として入っていった、そこで周囲の信頼を得て本人も自信が出たというときに、新たに自立していこうという場合には資金的にも農地のあっせんも大体うまくいっている。それからまた、農業生産法人の就労の場合も同じような傾向、状況が見られます。
 こうした事実を踏まえながら資金と農地問題をクリアしていくのには、一つには農家や農業生産法人の研修を重視していくことが大事でありまして、そのための受け入れ整備等々についてどのようなことをやっておられるか、それからもう一つの場合は情報の伝達提供、この拡充についてどういうお考えを持っておられるか、この点を伺いたいと存じます。
#117
○政府委員(高木賢君) まず最初の、農家での研修から農業者になっていくことの重視の問題でございます。
 御指摘のとおりの経過でございまして、本当に現場で実習生として入ったりして信用をかち得ていく、地域の信用をかち得て円滑にその地域で農地を提供している方から信頼を得て入っていくというようなケースがかなり安定したケースとしてあると思います。
 そこで、私どもといたしましても、そういった農協とか先進農家の圃場を利用した実践研修農場を地域に設置をして、そこで技術を習得しながら地域の信用を得る、そして農地の取得などを円滑に進めていく、こういういわば現場実習の重視ということを平成九年度から掲げまして、補助事業としても仕組みまして始めているところでございます。新規就農円滑化対策事業という名前にしておりますが、そういうことで現場での実践をもとにしながら円滑に就農していくコースということを一つ描いております。この推進はさらに強力に進めていかなきゃいかぬというふうに思っております。
 それから二番目に、情報の問題でございます。
 まさに、農地に関する情報とか資金に関する情報というものが非常に大事であると思います。
 中心的な機関といたしましては、各県の青年農業者育成センターというものを重点に置いておりますが、特に農地ということになりますと、その専門家であります農業委員会、さらにはその上部機関であります都道府県農業会議というものが中心になっての情報提供ということで、基本的には大きく二つの流れになります。就農の各段階に応じた必要な情報ということで青年農業者育成センター、農地ということに関しますと農業会議なり農業委員会といういわゆる農業委員会系統組織に大いにやっていただこうということで推進を図っていきたいと思っております。
#118
○谷本巍君 私が一番聞きたいのは、農家受け入れ、そのための条件整備について行政がもっと積極的にやってほしい。例えば、一つの例を挙げますというと、住宅の問題があるんですよ。そういう問題について、一部自治体では助成を行っております。政府としてもその種の問題について考えることはできませんか。
#119
○政府委員(高木賢君) まず、農家における実習でございますが、先ほど申し上げた事業の中に、市町村が事業主体でありますけれども、市町村が篤農家に委託をして実習する、こういう形態で進めておりまして、そういった先進農家の費用というものは委託費という形で手当てをするという方式を考えているわけでございます。
 それから、住宅につきましては、御案内のように、農家でかなり大きな住宅をお持ちの方が多いので、今のところそういう中では、一家の中のどこかにお住まいというか研修のときにお住まいになるということで、一人二人ということであれば大きな問題はないのではないかとも思いますけれども、私どもが持っている対策としましては、農業近代化資金におきまして、特定農家住宅資金という融資措置で推進を図っているところでございます。
#120
○谷本巍君 あなたと担当局が違うから、これを申し上げるのもちょっと気の毒がなというような気がしますけれども、今度の畜産関連対策で申し上げますと、研修生受け入れ体制整備と関連させまして、研修生の住まい、これの造成について二分の一の助成をやるということを既にもう畜産局は検討しているんですよ。
 私がここで伺いたいのは、今までこうやってきましたああやってきましたというよりも、これからどうしていくかということを聞きたいんですよ。ですから、もう既に畜産局はそういうふうな検討を始めているんですから、やっぱり全般的にそれを検討してみるということが大事なんじゃないですか、いかがですか。
#121
○政府委員(高木賢君) 研修の重要性という点と現実の実態をよく勉強いたしまして、今御指摘のように、他局ともよく相談しながら必要な検討をしたいと思います。
#122
○谷本巍君 その点を特に強くお願いをしておきたいと存じます。
 次に、三番目のハードルであります技術研修の問題について伺いたいのです。
 就農前に技術研修をした方とそうでない方とを比べてみますというと、就農後の状況が物すごく違うんですね。そうしますというと、就農前の研修というのはいかに大事かということが既にもう事実をもって立証されているような気がいたします。
 そこで、就農前の技術研修を盛んにしていくために、研究者によってはドイツやフランスの青年農業者就農制度に研修義務を組み入れたらといったような考え方を提起されている方もあるのでありますけれども、これをやりますと逆に新規就農抑制的な側面が生じやすい。
 そうしますと、一番いいのは、この法案をつくる際に私どもが特に強く役所の皆さんにお願いしたんだが実現できなかった点がありました。それは、就農してから一定期間を過ぎた場合、事前研修をやった経費について支払いを免除する、あの当時でも一部自治体がやっておりました。この点どうかということを提起したのだが、政府段階ではこれはちょっと実現が難しいというような話になりまして、引き続き検討事項にさせてもらうというような扱いで、そこのところは終わりました。
 しかし、自治体でやっていくことは可能でありますから、どういう形かは別としても積極的に自治体がこの種の問題に取り組んでくれるようにやってみましょうといったような話等々もあったのでありますが、その辺の現状はいかがでありましょうか。
#123
○政府委員(高木賢君) 就農支援資金の貸し付けに償還免除措置が導入できないかということは、青年に対する就農支援資金の創設の当時にいろいろ政府部内で検討いたしたのでありますが、結論としては御指摘のとおりできなかったわけでございます。
 そこで、県段階で県単独事業でそういう措置ができないかということでいろいろ県とも御相談をした結果でございますが、平成七年には償還免除措置を取り入れている県が六道府県でございましたが、平成九年には十五の道府県に拡大をいたしております。
#124
○谷本巍君 就農後一定期間を過ぎた場合には研修費の免除という問題ですね。これの検討は全くありませんか。
#125
○政府委員(高木賢君) その当時もあった事情でございますが、やはり他産業の、要するに農業以外の産業とのバランスの問題と、今、償還免除措置がとられております職業というものが一定の公共性の極めて高い職業である。こういうことからしますと、農業に公益性がないということを主張しているわけではございませんが、程度の問題としてそこまでに至らないというこの二つの問題を、その後の事情の変化ということを考えましてもクリアするには至っていないということで、現段階では難しいというふうに思っております。
#126
○谷本巍君 一つの例を挙げますと、これも今度の畜産関連対策の中での話なんですけれども、畜産ヘルパーの要員確保に向けて、農業大学校に入っていただいた場合に奨学制度をつくろうではないかという検討が今行われております。そして、就労して一定期間たってから、一定期間というのはまだ決めておりませんが、免除をするというような制度を一つつくろうではないかということで畜産局に今検討していただいております。これをやっていきますと、ヘルパー問題の解決だけじゃないんですよ。ヘルパーをやりながら、次に今度は畜産をやるというそういう道を開いていくことができるんです。ですから、ストレートな方法もあるでしょうし、今のような曲がりくねった方法もあると思うんです。要は、この辺のことについてどう工夫するかという問題があるなどいう気がするんです。
 でありますから、その辺のところをさらにひとつ工夫、検討していただけないかということを要望申し上げたいのですが、いかがでありましょうか。
#127
○政府委員(高木賢君) 畜産の場合の元金がどこから出るかという問題とも関連していると思います。この就農支援資金の場合には国の金が元金になっておりまして、それがいわゆる債権管理法というものの適用を受けるという点がございまして、その一般則を破るための特例をつくるというのが大変難しいというのが現実の課題でございます。
 したがいまして、要するにそれを破るだけの事情があるのかどうかという点が最大のポイントになろうかと思いますが、私どものこれまでの検討ではそれを打ち破るだけの材料がないというのを先ほど申し上げたところでございます。
#128
○谷本巍君 この点はあなたとここで押し問答をやってもしようがないのかなという気がいたしますから、ともかくも我々はさらなる工夫をやっていきます。このことだけ申し上げておきたいと思うんです。
 次に、情報の問題について伺いたかったのでありますが、ちょっと時間が予定よりもおくれておりますので、それを飛ばしまして、定年帰農問題について大臣に伺いたいと存じます。
 現在、定年帰農者が年六万人を数える状況になってまいりました。これは、全部が全部他産業で働いていた者が来ているというわけではないのでありますが、この数が間もなく十万になるのではないかと、多くの皆さんがそういう見通しを言うような状況になってまいりました。そういう状況が仮に十年続いたら百万という数字が出てくるんですね。農村は今二十年先取りの高齢化社会ということになっておりますが、そこへ年金と退職金をしょって他産業で身につけた技術を持つ人が加わってくるというのは、私は積極的に歓迎していいだろうと思います。
 特に、この動向をなぜ重視すべきかということでありますが、それはそれなりの条件が成熟しているということであります。一つは都市問題があります。
 それからもう一つ、受け入れる側でいいますというと、最近の技術問題で見てみますというと、以前のような近代化、合理化、大型化ということよりも、むしろ例えば米の生産でいえばアイガモ生産、あるいは不耕起栽培ですか、これが入ってくるとか、それから野菜でいいますというと、移植機が導入されたのは古いですが、最近はまた掘り取り機などの導入が進んでおります。つまり、高齢者でもやれるような技術体系というのがかなり進んできておる。そして、営農形態もそういうふうな状況というのがかなり進んできているというような状況が見られます。
 それにもう一つ、営農面で私が重視したいのは、これはまだ一部でありますけれども、集落営農システムを目指そう、つくろうという方向がかなり動きとして今出てきております。コモンズ的性格を持った生産の協業集団化ということでありますから、生産の低コスト化ということと環境保全型農業というのを矛盾なくやっていける条件というのを持っているのではないかという意味で、私はこの動向に注目したいのであります。
 ともかくも、大臣、私ども政治に携わる者にとって課されている大きな課題は、農村は人類未踏の超高齢化社会を迎えておるわけでありまして、そういう中で新たな地域労働システムをどうつくっていくか、農業問題も含めて、これが大きな課題だろうと思うんです。ここのところがうまくいきますというと、都市と農村問題を解決し得るような、そういう状況が生まれてまいります。
 こうした動向について、大臣、どう受けとめておられるか、またどう対処しておられるかということについて御所見をぜひお聞かせいただきたいのです。
#129
○国務大臣(島村宜伸君) 大変大切な御指摘だと思います。我々が地方へ行きましていつも感じることは、高齢化はいや応なくありますし、その地を訪問する場合には、当然その地域の人口動態とか高齢化率とかあるいは財政力指数とか、いろいろ調べて伺うようにはいたしておりますが、特に調べてぞっとするのはまさに高齢化率でありまして、そこに住む人たち、先行きを考えて大変暗いお気持ちだろうなと、こう思います。
 また同時に、農業を守るという、あるいは林業、水産業も同じでございますが、そういう立場に立てば立つほど、現実にどうやったら将来の農業を維持していけるだろうか、そこに行き着くわけであります。そうなれば、当然のことに担い手を確保して、都会も農村もないんだと、同じ日本人、それぞれの地域に幸せがある、こういう形にしなきゃいけないということになるわけですけれども、問題は、例えば社会資本が大きくおくれていて、集落排水等その他がない。水洗便所も何もないところは嫌だとか、ひどいところになると洋式便所すらないと、これではとても今どきの若い方は耐えられない。とすると、結局、若い方は農村に住んでいただけない。高齢化した方々が細々と農業にいそしむということですから、言うべくして農業の改善もなかなかままなりませんし、将来の投資も思い切ったことができません。
 それで、今、先生御指摘になったまさに集落営農によるコストの低減あるいは農業の効率化、こういうことは当然考えなきゃいけないことですし、そういうこともそうですし、助成をし、将来に向かっての農業の展望を切り開くためには不可欠のことだと、こんなふうに思います。
 そういう意味では、高齢者の経験あるいは能力を一層生かしながら、途切れることがないように次の生産活動につながっていく場をつくらなきゃいけませんし、先ほど来都会から農村へと、Uターン現象ではありませんが、国へ帰られて農業を営む方、あるいは都会を離れて季節的ないわば労務を快しとしていかれる方、そういう方々すべてが参加できるような環境づくりをやることが一番大事なんだろうと私は思います。
 そういう意味では、長年にわたっていろいろ御指導いただいている間ではございますが、今御指摘の点についてはさらにこれらを進めて、我々は単に八月の食料・農業・農村基本問題調査会の回答をお待ちするのではなくて、我々は我々なりに検討し、そのときは同時並行の形で我々なりの見解も発表できるぐらいのものにしたい、こんなふうに考えます。
#130
○谷本巍君 次に、これも大臣に伺いたいのでありますけれども、農村の受け入れ体制を整えていくことと関連しまして、技術指導の体制づくりについて申し上げたい。
 農業指導士は八千名を数える状況であります。これに対して農業改良普及員の方を見てみますというと、巡回指導がなくなり、根なしの存在という声すら出るようになってきております。それからまた、農協の営農指導員について申し上げますというと、大型合併が進みまして、どうも現場から離れてしまう傾向が強く出ているといったような声も少なくありません。こういうものをそのままにしておきますというと、普及員や営農指導員は要らないという声が出てきやしないか、私はそこのところが一番気にかかるのであります。これからの農業・農村がどう変わっていくか、また我々としてどう変えていくかという立場から見ますと、この二つの制度がもたないような状況にしてしまうというのは非常にもったいないことであります。
 そこで、新規就農サポートを兼ねた営農技術指導システムづくりという意味で、この人たちの力を生かすことができるような何らかのことをこれからひとつ考えていくべきではないか、その辺の検討をお願いできないかということであります。
#131
○国務大臣(島村宜伸君) 新規就農者の育成、確保に当たっては、何よりも技術の習得が大前提になってくるだろうと思います。この重要課題について、我々は新規就農者の技術の習熟度合いに応じた研修体制を今整備することに努めているところであります。
 その一つとしては、農業大学校による講義と実習を組み合わせた研修のほか、指導農業士による実践研修を実施しているところでございます。ただいま先生、私の聞き違いかもしれませんが、なるほど指導農業士は八千人でございます。それから農業改良普及員、これが約一万人でございますね。それで、営農指導員制が少しく根絶やしの形になりつつあると、実態的にはまだ我々もそこまでの認識はありませんが、もしそういうことであれば、これは時代に逆行することでありますから整備しなきゃいけないと思います。
 いずれにいたしましても、こうした研修とあわせまして、就農後においては現場における経営管理、技術面についての実践的指導が特に重要でありまして、改良普及員が重点的に取り組むべき課題としてこれを位置づけるとともに、地域農業改良普及センターを中心に、指導農業士や農協の営農指導員の連携体制を確立してこれに対応するように努めてまいりたい、現状はそういう基本方針でおるところであります。
 今後とも、新規就農者を重点指導対象といたしまして、現場に密着した指導活動を基本に、技術指導体制の整備強化に努めてまいりたい、こう考えているところであります。
#132
○谷本巍君 最後に、大臣にもう一つ伺いたいのであります。
 新規就農者、ともかくもこのところ数は順調にふえております。このまま進むかどうかということになってまいりますといろいろ問題があります。一つは、これまでも、今ここで議論してまいりましたような受け入れ体制の問題、これが一つあります。それからまた、もう一つの問題は、就農された皆さんの中で、何といいましょうか、就農してみたら、ゆとりある暮らしをしたいと思っていたら現実は働きずくめで、どうも収入もよくないというような失望感の声も少なくありません。この二つ目の点は農政の基本にかかわる問題であります。
 ともかくも、この二つの条件の解決に向けてぜひひとつ御努力をいただきたいというようなことで、最後に大臣の御所見を承っておきたいのです。
#133
○国務大臣(島村宜伸君) 現在は新規就農者の問題をいろいろ御討議願っておりますが、なるほど先生御指摘のとおり、一たん就農してみたらあに図らんや、あるいはもともとそれは危惧していたけれども予想どおりという結果に終わらせたのでは非常に申しわけの立たないことになるわけでありますし、一たびそういう風潮を生みますともう懲りて二度と行かないということにもなりかねません。ですから、こういう施策というのは一たび実施をいたしましたら、まさに継続は力なりでありまして、これをきちんと継続させ、そこにむしろ新しい喜びがどんどん膨らんできている、そういうことになればむしろ加速的にそういう動きが膨らむと思いますし、また同時にそれは都会と農村を近づけるという意味で、いわば国土の総合開発のためにも非常に好ましいことになっていくだろうと思います。
 加えて、非常に劣悪な条件と言うと言い過ぎかもしれませんが、現実の問題として、極端に狭い農地あるいは四割が中山間地であるというようなことごとを含めた日本の農業というものに新しい曙光を見出すことにもなるわけでありますから、我々は何としてもこの厳しい条件に打ちかってこれらを具体的に進めなければいけない、こう考えているところであります。
 そういう意味では、農業生産基盤や生活環境等の営農、生活面にわたる基礎的な条件整備はもとよりでありますが、先ほど来御指摘がありますように、技術の習得あるいは資金の手当て、農地の確保のための各種の支援策の充実というものが不可欠になるんだろう、こう考えております。
 また、就農の受け皿となり得る農業経営の法人化の推進、これは先ほど来、私も申し上げているところですが、こういう一つのいわば受け皿といいましょうか、安心して参画できる場というものが提供されることによって、農業というものが非常に取り組みやすい分野であるということを知っていただく機会にもなろうかと思います。
 また、学校の教育はもとよりでありますが、体験農園等もございます。こういういわば多様な教育の機会等を通じて若い世代の農業に対する理解を深めていくということもまた大事なんじゃないか、そんなふうに考えているところであります。
#134
○谷本巍君 次に、種子法の問題について伺いたいと存じます。
 初めに、適正な品種の構成問題であります。
 単一のみの作付を拡大していきますというと、病虫害の抵抗を失うという危険性が生まれてまいります。ハイブリッド一代雑種あるいは遺伝子組みかえ作物というのがまさしくその典型となるのではないかというような不安の声が挙がっております。遺伝的に均一な品種の危うさについて、現在、農林水産省はどのようにとらえておられるか、また適正な品種構成に向けてどんな対策をとろうとしているかについて伺いたいと存じます。
#135
○政府委員(高木賢君) 作付品種につきましては、主要農作物につきましては各都道府県が地域条件に適した品種として奨励品種を定めております。生産者は、その中からさらに細かな地域条件や作期等を考慮して品種を選定しているのが実情であると思います。その場合、御指摘のように気象災害とか病害虫の被害の危険を分散するということと、労働力の競合の回避とか機械、施設の効率的利用、こういった観点から複数品種を組み合わせることが望ましい、これが基本的な考え方でございます。
 各都道府県におきましても、わせ、中生、晩生、こういったものの品種の組み合わせが可能となるような奨励品種の決定を行っているというふうに承知をしておりますし、国としても適切な品種の組み合わせについて指導しております。
 とはいいましても、現実問題として、例えば稲の作付品種がコシヒカリなどの特定の品種に集中するという傾向が見られるのは事実であると思います。安定的生産の確保とか生産性の向上という点を考えますと、品種分散が課題であると思います。
 そこで、現在進めておりますのは、地域条件を踏まえた適切な品種の組み合わせということによります安定的な米生産が確保されるように、消費者の上質米志向、良食味志向というものにも対応できるような新たな品種の開発に取り組んでおりまして、近年このような品種の銘柄化の動きも見られるところでございます。
 今後とも、消費者ニーズと地域条件、この二つの要素を勘案いたしました品種開発の取り組みを進めると同時に、適切な品種選択を通じて安定的な生産ができるように県などへの指導に取り組んでまいりたいと考えております。
#136
○谷本巍君 種子は民衆の知的財産と言われてまいりました。品種の改良、流通にしましても、種子事業というのが公的機関によって担われてきたのもそのためであります。御存じのように、日本では米など基幹作物の種子事業は公的機関で担うというのが大勢を占めてきたというのもそのためでありました。ところが、最近、主要農作物の種子にしても民間任せにしたらどうなんだという声が出ております。
 こうした声について農林水産省はどうお考えになっておるでしょうか。
#137
○政府委員(三輪睿太郎君) 先生御指摘のとおり、作物の育種は農業の生産性あるいは農産物の品質向上に非常に重要な役割を果たしております。また、その育種の仕事自体が成果を出すまでに大変長い期間と資金を要します。そのために計画的かつ組織的な取り組み、これを継続する必要がございます。
 このため当省におきましては、従来から作物育種基本計画というものを策定いたしまして計画的な育種の推進を図っているところであります。特に、稲、麦、大豆、こういった主要な農作物につきましては、これまでもこの計画に基づきまして国が中心となって品種を育成してきたところでございますが、今後ともそういった基幹作物の育種は国が責任を持って推進すべきであると考えております。
#138
○谷本巍君 私が一番聞きたかったのは、種子についてのアグリビジネスの支配といいましょうか、その辺のところを特に聞きたかったのであります。
 御存じのように、世界の種苗市場は今百五十億ドルと言われておる。農薬の約半分ですよね。ところが、自家採種、公的機関にかわるものはかなり残っておりまして、これが全面的な商品化が進んだら五百億ドルになるだろうと言われております。
 問題はそれだけじゃありませんよ。もう一つでかい問題は、利益率が非常に高いという問題と、もう一つは農業用生産資材問題とありようが連動していくということであります。でありますから、種子を支配する者が生産資材と農業、そして総合的な支配を可能にしていくであろうということが言われております。ハイブリッド一代雑種あるいは遺伝子組みかえ作物の登場にしましても、民衆の共有財産としての種子をアグリビジネスの私的な財産化ということにさせてしまうのではないかというふうに案じられております。
 この点、政府はどうお考えになっており、どう対処されようとしているか、伺いたいのはここなのであります。
#139
○政府委員(三輪睿太郎君) 先生のお話によるその民衆の共有財産として持つべきもの、これにつきましては種子、遺伝資源あるいは遺伝子、その特許等も含めまして国が優先して取るべく努力をするつもりでございます。
#140
○谷本巍君 最後の方がよく聞き取れなかったんですが。
#141
○政府委員(三輪睿太郎君) そういったものについては、国が責任を持って取得し、民衆の財産として利用可能なように努めるつもりでございます。
#142
○谷本巍君 守っていくということですね。
#143
○政府委員(三輪睿太郎君) はい。
#144
○谷本巍君 わかりました。そこのところは強くお願いしておきます。
 それから、次に伺いたいのは、本法案の直接的な問題でありますけれども、主要農作物種子生産管理等事業費の支出はやめる、その代替として交付税算定基礎に算入するというふうにしているわけであります。これで種子法が目指すもの、つまり制度的に前進が得られるのかどうか、それから必要な予算というのが、これは地方ということになってきますけれども、確保できる保証があるのかどうか、そこのところを伺いたいのです。
#145
○政府委員(高木賢君) 今回の主要農作物種子法の改正は、地方分権推進委員会からの勧告を踏まえまして、種子の審査など主要農作物の優良な種子を確保するための制度は維持する、しかし地方分権の推進の観点から、都道府県がより地域の実情に応じた種子対策を講じることができるようにするということで、都道府県の事務経費に対する補助金を一般財源化することといたしまして、国の補助に関する規定を廃止するというのがその内容でございます。
 この法改正で、種子審査などに要する経費についての補助金を一般財源化いたすといたしましても、冒頭申し上げましたように種子の審査などの優良な種子を確保するための仕組み、これは法制度として維持いたします。県はその事務をやらなければならないわけでございまして、違反をするというわけにはまいらないわけでございます。
 それから、実際問題として金がなければできないではないかということが予想されますので、法律に基づく事務に必要な経費につきましては、地方交付税によりまして地方一般財源として手当てをするということで、制度の仕組みということと財源措置、こういう両面から見まして、今後とも各都道府県におきましては、種子審査などの事務、これは適切に行われるものと考えております。
#146
○谷本巍君 最後に、検査制度について伺いたいと存じます。
 種子の開発というのが民間主導になっていきますというと、農家はかつて自分たちがつくり出した種子の改良種子というのを金を出して買わなきゃならぬということになるのでありますが、農産物の検査制度もどうやら民営化が進んだら似たような状況になりはしないのかというふうに私は感ずるのであります。米の場合で申し上げますというと、現在、国営検査でありまして、したがって検査の料金が非常に安い。これは、日常ほかの仕事をやっておって、それでもって検査期に検査に出動するというような体制になっているということとの絡みもあってのことかと思います。
 それからもう一つの問題は、国営であるから信頼度が非常に高い。米の場合でいいますというと、六十キロ当たりで未検査米と検査米が大体六百円違うというぐあいに言われております。これを民営化したらどうなるのか。受け皿は農協しかあるまいというのが今のところの常識めいたものになっておりますけれども、これはどこの農協中央会長さんに伺ってみても、自分のところの米を自分のところで検査してだれが信用するかと、圧倒的に皆さんそうおっしゃいます。それに、民営化したら検査料がどうなるんだと、それは今よりも高くなりますというのが常識であります。そして、信頼度はどうなるかというと、今申し上げたように、低くなるということであります。
 この点は、戦前の米の検査制度の歴史を見ても明白である。団体営の検査というのがつぶれた。しようがないから今度は県営にやった。これもだめだ。それで、最後の到達点が国営になったという歴史の経験に学んでみても、どうやら検査制度の民営化というのにはかなりの無理があるのではないかと思うのですが、食糧庁長官、それでもおやりになるんですか。
#147
○政府委員(高木勇樹君) ただいま検査制度の民営化のことでお尋ねがございました。
 先生御指摘のとおり、この検査制度につきましては、まさに消費者に選択の判断を与えるということもございますし、それから生産された米が公正で円滑に取引される、まさに信頼の置ける検査がなされなければならない、それはもう御指摘のとおりでございます。この検査制度につきまして、行政改革会議の最終報告で、食糧検査、ほかのものもございますが、「食糧検査等については、積極的に民営化、民間移譲を検討する必要がある。」というふうにされたわけでございます。
 そこで、今申し上げたような基本的なことを確保しながら、検査の実施業務につきまして民営化するとしたらどういうような方法があるかということで、この一月から農産物検査の実施業務の民営化検討会というのを開催いたしまして、今申し上げたようなことを確保しながら、どういう手法があるか、生産者、それから生産、流通、消費等の関係者から意見を聞きながら今その詰めを行っているところでございます。
#148
○谷本巍君 それから、長官、例えば牛乳の場合で申し上げますと、これは売り手と買い手、この間で協議をしていますね。どういうものができ上がるかといいますというと、概して消費者抜きのものになりやすい。これは売り手の側、メーカーの側にしますと、要するに売りやすさ、それからまたもうけが高い、ここのところを中心にして基準を決めたいというようなことになってくるからであります。
 そこへいきますと、例えば国営のもとでの今の米の検査でいいますというと、売り手じゃないですよ、生産者と消費者、この両者をにらんで決めているというところが民営化の場合と決定的に違うんですよ。
 そういう点等々の問題点もあるということを踏まえて、私が先ほど申し上げたことも踏まえて、ひとつ慎重に当たっていただきたいということを要望申し上げておきたいのですが、いかがでしょうか。
#149
○政府委員(高木勇樹君) 今、先生御指摘のように、生産者、消費者いずれもが信頼できる、そういった検査の実施業務の民営化にはどういうやり方があるか、当然のことながら十分関係の方々の意見も聞きながら詰めてまいりたい、こういうことでございます。
#150
○谷本巍君 終わります。
#151
○須藤美也子君 災害暫定措置法について、まず大臣にお尋ねいたします。
 災害から農地を含む農業関連施設を守り維持していくことは、農業経営の安定と、さらには国民に安定的に食糧を供給する、さらには大臣がたびたびおっしゃっておりますように、環境保全など農業の持つ多面的な機能を発展させていく、そういう面から災害復旧に当たって個々的な自治体とかあるいは農家がこれを負担するのではなくて、まさに農政の問題であり、国民の命と財産を守る国政の責任であると私は考えますが、大臣の認識はどうでしょうか。
#152
○国務大臣(島村宜伸君) おっしゃられるまでもなく、それは当然だと思います。国の責任において平素からまさに国民の生命、財産を守り、かつ、あすに向かってのいわば希望の持てる環境整備というのは我々の責務でございますから、そのように考えます。
#153
○須藤美也子君 そこで、大臣にもう一度お尋ねいたしますが、今回の改正の理由は、十四年前の前回の改正から比べて工事費の単価が上昇したと、そういうことを理由にされました。しかし、実際は昨年の財革法三十五条一項二の災害復旧に係る補助金の削減の具体化ではありませんか。
#154
○国務大臣(島村宜伸君) 御高承のとおり、我が国はいわば気象的、地理的、さらには地形的にも災害の発生しやすい条件下で農業活動が営まれているわけでございまして、農地や農道、農業用水路などへの災害は毎年発生しているところでございます。
 そういう中で、災害復旧を円滑に推進することにつきましては、農林水産業の経営と農村の安定を図る上では不可欠でありまして、国は災害復旧暫定法によって国庫補助の制度を設け、過去五年間の補助率は農地にあって八四%、農道、農業用水路などにおいては九四%となっております。その意味で、時代に即応し、今回改正をお願いするところでありますが、今後ともこの制度の積極的な運用を図ることを基本に、現実に即した改正を行い、災害時に備えて我々は対処していくと、こういう考えであります。
#155
○須藤美也子君 少し具体的にお尋ねをいたします。
 農水省の資料を見ますと、災害の事業費、三十万から四十万、今度これを改正して四十万未満は地方債でというふうになるわけですけれども、これまで平成四年から八年まで、この間一年当たりの平均値で災害箇所数は七百九十二カ所であります。この七百九十二カ所は今度の改正によって削られると。そうしますと災害の申請が減っていくのではないですか。
#156
○政府委員(山本徹君) 具体的に今回の改正の考え方を申し上げますと、昭和五十九年に暫定法を最終改正いたしておりますけれども、その後十四年間経過いたしておりまして、工事の価格が当時に比べて一・五倍に上昇いたしております。国が補助すべき災害復旧工事の規模は現在三十万円以上でございますけれども、これをこの工事価格の上昇の趨勢等も勘案いたしまして四十万円と一・三倍に引き上げさせていただいたわけでございます。これは工事価格の上昇の範囲内であり、また十四年間の農業所得の上昇は約一・四倍でございますが、この範囲内でございます。
 先生御指摘の四年から八年の実績でございますと、三十万から四十万の工事というのが全体の金額の〇・七%、四億八千万でございます。したがって、その部分は今後は原則として地方財政措置の対象として復旧事業を実施していただくことになるわけでございますけれども、今回の改正ではあわせて圃場整備等が進展しておりますので、一カ所工事とみなす範囲を百メートルから百五十メートル、すなわち百メートルの円の中にこれまでは三十万円以上、例えば十万円の災害復旧工事が三カ所以上あるということが要件でございましたけれども、今度は百五十メートルの範囲に四十万円以上があればいいということでございまして、面積的には二倍でございます。二倍の中に三割増の箇所があれば、例えば十万が四カ所あればいいということでございますので、採択限度額引き上げの影響はそれだけ相対的には緩和される面がございます。かつ、市町村の事務の簡素化、迅速化にも役立ってまいります。
 したがって、先生おっしゃるように、採択すべき事業がどの程度減少するか、あるいは減少しないかというのはこれからの災害の実態等も勘案しないとなかなかわからないところでございますけれども、いずれにしても、今回の改正による地方公共団体の財政あるいは農家負担への影響は大きなものにはならないと考えております。
#157
○須藤美也子君 面積がふえた、あるいは地方債でカバーできると。としても、一〇〇%カバーはできないと思います。これは保証できないと思うんです。その分、自治体や農家に負担がふえていく。先ほど農家の所得がふえたとおっしゃいましたけれども、ふえてはいないんですよ。実際に価格が暴落しておりますから、むしろ減少の傾向にある。
 そういう中で、各自治体の、とりわけ私はこの暫定法が発表されましてから多く中山間地の自治体の実態をお聞きいたしました。
 これはある中山間地の町であります。昨年六月二十八、二十九日発生した台風八号、これによって大変な被害を受けました。しかし、中山間地ですから被害は小規模のものが多いわけです。三十万から五十万、六十万、いろいろあります。この三十カ所の中で査定されたのは七カ所、一千四百七十二万九千円であります。査定されなかったのが二十三カ所ですね。これを合わせますと六百四十万。これが今でさえ地方自治体の財源が大変なのに地方自治体でかぶらなければならない、それができないところは農家が自力で負担しなくちゃならない、こういう実態が非常に多くあるということなんです。
 さらに、多くの自治体からお聞きしましたところ、第一に上がったのが査定が厳しい、だから五十万の申請を出すとか、大変な苦労をしているわけですよ。今度これが小規模の災害に対して補助金を打ち切るというふうになりますと、これは大変な自治体の負担となり農家の負担になっていく。こういう自治体の現状、とりわけ中山間地ではしょっちゅう災害を受けるわけですよ。そういうところの現状を踏まえてこういう改正をしたのかどうか。
 それから、先ほど四億八千万ぐらいだと言いましたね、三十万から四十万の分は。これを各都道府県に分配すれば一千万です。平均すれば各自治体が一千万、これを今度がぶらなくちゃならないというふうになるわけですよね。
 ですから、そういう点で私は今回の暫定法の改正というのは非常に地方自治体に負担をかけるもの、さらには農家に負担を押しつける問題になっていくのではないかというふうに思うんですが、その点はどうでしょうか。
#158
○政府委員(山本徹君) 災害復旧につきましては、被害の規模あるいは種類に応じましておのずと国と地方公共団体の適正な役割分担というものがあると思いますし、また農地あるいは農業用施設等を対象にいたしておりますけれども、農家の経営の一環としての自助努力に期待する部分、分野というものもあると思います。
   〔委員長退席、理事三浦一水君着席〕
 これらを勘案して、円滑、適正に災害復旧を実施するという考え方でこの暫定法の改正案も御提案申し上げているわけでございまして、百五十メートルの範囲内で何カ所か被害があった場合に、それを合計して四十万円以上になれば八〇%ないし九〇%の補助率をもって国がこの事業に対して支援するという仕組みでございますから、国としては、これは今の国、地方の分担あるいは農家の経営等々を考えて適正なものであると考えております。
 次に、査定について厳し過ぎるのではないかという御指摘がございましたけれども、平成九年災害で見ますと、申請された箇所のうち九九・六%は採択させていただいておりまして、これは決して厳し過ぎると私どもは考えておりませんし、国が八割から九割の補助をもって実施するものでございまして、国がこの災害査定を適切に実施することは必要であると考えております。
 しかしながら、早期復旧というのは大変重要な課題でございますので、例えば机上査定、現地に行かないで机の上で査定するという範囲、平成八年までは百万円でございましたけれども、平成九年、本年度からは二百万円まで机上査定をすることにいたしました。査定の簡素化を図ったり、それから大きな災害については被災地域へ専門家を緊急派遣したり、市町村の災害事務の簡素化、迅速化、さらに市町村のさまざまな書類作成事務に対する助成の拡充等も行っているところでございます。
   〔理事三浦一水君退席、委員長着席〕
 これらを全体として考えていただければ、今回御提案している改正案は適正であり、また市町村あるいは農家への過重な負担を課することにはならないと考えております。
#159
○須藤美也子君 査定は厳しくないと。国に来るまでの間が厳しいんですよ、自治体の査定が。大体、国で査定が許可される、そういうものを選んで出すわけですよね。
 自治体のある町に聞きますと、昨年の申請件数が例えば自治体では十件あったと。しかし、そのうちの一件ぐらいしか査定できないからということで一件しか申請をしていないと。さらには、例えば町単独による災害事業費が百六十万円程度あったと。そのうち町の補助金が六十万円、あとの残り百万円は農家負担。こういうことで、申請しても査定が厳しいから、いろいろ工夫しながら、申請をしなかったり、結果的には町で負担をするというそういう現状もぜひ知っていただきたいんです。
 決して一〇〇%全部査定しているというふうには思わないと思いますけれども、そういう現状を踏まえて農業の現在の実態、これはもう農業をやっていく生産意欲さえ奪われている中で、米は暴落する、あるいは輸入によって何をつくっても採算が合わない。そういう現状のもとで、自然災害、あるいは台風で起こる災害、そういう農地や農業関連施設に対しては、最初に大臣がおっしゃったように国民の命と財産を守る、そういう立場で私は自治体や農家に負担を多くかぶせないようなそういう配慮をぜひ積極的にしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#160
○政府委員(山本徹君) 先生御指摘のとおり、災害復旧というのは迅速、短期間に実施する必要がございます。このためには、まず災害が発生した場合には一日も早い復旧が必要でございます。その前提として、災害の見積もり、査定、それから復旧工事の設計、復旧事業の着工、また一日も早い事業の完了というプロセス、これを一刻も早く地元のために実施する必要がございます。
 したがって、私どもこの市町村の事務、また書類作成、申請等についてはできるだけ公費をもって御支援したり、また専門家を緊急派遣したりしておりますし、また査定事務をできるだけ簡素、迅速に実施するように努力をしているところでございます。さらに、事業実施に当たりましても、一日も早く着工するように努力し、またこれは法律では三年以内に財政の許す範囲内において完了するとされております。
 災害復旧の進度は、過去五年間で見ますと、初年度は八五から九〇、二年度が五%、それから完了年度は五から一〇%ということで、初年度にもできるだけ多くの復旧工事を実施するように努力しておりまして、今後ともいわば血の通った災害復旧といいますか、早期復旧のために査定の迅速化、また復旧事業の促進には最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
#161
○須藤美也子君 大変御丁寧な詳しい答弁をいただきましたが、私は納得できないんですね。
 つまり、国の財政も大変ですけれども、地方自治体の財政はもっと危機的な状況にある、さらには農家の経営も大変になっている。そういう状況の中で補助金を削減する、こういうことはやめていただきたいということをまず強く申し上げたい。
 こればかりを質問していますと時間がどんどんなくなって、時間を守れという御忠告もありましたので、次に主要農作物種子法に基づく質問をしたいと思うんです。
 この理由は、施策が各都道府県において着実に実施され、定着したことを今回の改正の目的にしているようであります。しかし、昭和五十一年の施行以降、補助金の補助単価はほとんど下がっております。これ資料ありますけれども、奨励品種決定調査に要する経費、五十一年六万六千二百円が九年では四万二千百六十円、あるいは原原種の生産に要する経費は五十一年度二万五千円が現在一万六千二百円、また原種の生産に要する経費は一万三千八百円から現在は八千五百円、こういうふうにどんどん下がっているわけです。
 現地では、補助金をもっとふやしてほしい、研究するためにはもっと補助金が必要だという要望が私のところにも寄せられております。当然、国の方にもそういう要望が寄せられていると思うんですが、どうですか。
#162
○政府委員(高木賢君) 主要農作物種子法に基づきます補助金の単価が減っている、下がっているということは御指摘のとおりでございますが、どんどん逐次減っているのではなくて、昭和五十一年度以降、その後下がりましたけれども、この十年余は据え置いておるところでございます。
 それから、都道府県から要望があるのではないかということでございますが、補助単価の引き上げについて一部の県から要望があるのは事実でございます。しかしながら、補助単価というのはためにして下げているということではございませんで、やはり実態の変化、機械化による効率化とか、あるいは種子産地の集約が進んだとか、種子生産者の技術向上が進んだとか、そういった実態によりましてその必要性が減ったということを背景にして行っているものでございまして、そういう業務量なり業務の効率化の度合いを勘案したものであるということでございます。
#163
○須藤美也子君 十年間さっぱりふえていないんですよね、昭和六十二年度以来。ですから、そういう点では今日までその分は地方自治体の持ち出しになっているのではないかと。そういう点では、改正の理由にしております施行以降補助金の補助単価、これは要らないというような、そういう問題ではないと思うんですね。単価が上がらないために、実際は四分の一、あるいは二分の一。今度の改正で国が補助金を一般財源化すれば、今でも地方財政が大変な上に、わずかな交付金が行っても都道府県のこの大事な種子を守る事業が縮小されていくのではないかという大変心配がありますが、その点はどうでしょうか。済みませんが、簡潔にお願いいたします。
#164
○委員長(松谷蒼一郎君) 簡潔にお願いします。
#165
○政府委員(高木賢君) 二つの点から、私どもは大丈夫だと思っております。
 一つは、法律上、仕組みを維持する、これは法律上、県がやらなければならないということでありますから、当然やっていただかなければならないというのが第一点。それから、財源措置につきましては地方交付税で見てもらうということで自治省と話がついておりまして、一般財源化に伴う増額分としては、標準団体、標準的な道府県において三百五十万円増額ということでございますから、財源の手当てもできていると、このように考えております。
#166
○須藤美也子君 先ほど来、民間参入の問題がありました。一九八四年に経済同友会では、主要な作物の品種開発、これは競争原理の導入を入れるべきだ、民間にも種子のそれをさせるべきだという、こういう提言がなされました。そして、現在の制度が、一九八六年、民間事業者も参入できると。例えば、二条大麦というのは全部民間ビール会社でつくっているわけですけれども、最近、九五年、日本化学工業協会ではさらに突っ込んで、アグリビジネスに対する規制緩和、抜本的な制度を見直して競争原理が必要だと、種子などについて、こういうことを発言しております。
 そういう点で、私は、先ほど質問もありましたから答弁は要りませんけれども、こういう国民の食糧にとって極めて基本になる種子については国が責任を持ってこれを守る、あるいは発展させていく、そして農家に供給すると、そういう点に国が責任を持つべきだというふうに考えておりますので、その点を申し上げて、時間ですので、私の質問は終わらせていただきます。
#167
○阿曽田清君 災害復旧の暫定措置法につきまして若干質問させていただきます。
 今まで意見が出ておりましたのでもう多くを語りませんが、今回、三十万から四十万ということで一つの事業費規模の格上げがされたと。そして、百メーター範囲内を百五十メーターにすると、これがねらいであります。
 その中で、長い間我々地方議員が携わってきた中で絶えず考えておりましたことは、今までは三十万、今度四十万になりますが、その三十万までの被害について、市町村が対応しておる市町村もあれば、受益者がほとんど負担しなきゃならない市町村もある。ですから、今回四十万に上がった場合に、それ以上になったときはこの適用になって措置をしていただけるからいいんですが、三十万から四十万、三十八万、九万という、四十万にちょっと足りない、そういうような人は全部負担しなきゃならないということになりますと、これは農家の方々が自分で負担するということは大変なことであります。
 ですから、農業者がそれだけ負担が軽くて済むように私は何らかの措置が全国一律にとられるべきだと思いますが、いかがですか。
#168
○政府委員(山本徹君) 先生御指摘のように、三十万円を四十万円に引き上げるわけでございますけれども、これはこの十四年間の工事費が一・五倍に上昇しているということ等を勘案したものでございまして、この改正は国と地方との役割分担、あるいは農家の経営の一環として自助努力していただく範囲といったことを勘案すると適正なものであると考えております。
 四十万円未満につきましては、地方財政措置で起債を認め、また一定の割合で交付税の算定基準になっておるわけでございまして、こういった地方財政措置の活用、また農家が災害復旧を行われる場合には農林漁業公庫からの農業基盤整備資金、金利は二・二%でございますけれども、これの融資対象となっておりまして、こういった制度の活用により、早急かつ円滑な復旧が行われることを私ども期待いたしておりまして、現に市町村でも相当の市町村が単独事業、この地方財政を活用しながら実施しておられます。
#169
○委員長(松谷蒼一郎君) 政府委員は答弁を簡潔にお願いします。
#170
○阿曽田清君 先ほど言いましたのは、市町村が本当に手厚く対応しているところとそうでないところに、農家の方々が、自分のところは負担金が伴うことによってでき得ないというのが長い間、建設省関係のと違うところの非常に弱い点であります。ですから、できれば五〇%ぐらいの市町村が面倒を見て負担するというような形が全国的にある程度共通していかれることが望ましいんじゃないかなというふうに思いますので、その点の統一方を、御指導方をいただきたい。
 もう一つは、いわゆる農村にきれいな景観を持った棚田とか段々畑というのがあるんですが、そういうところは昔のまま、壊れる前の状態に復元していただきたいというのがやっぱり私としては農村のいいところを守っていくためには必要だと思うんですよ。それを、壊れたら原形復旧だからということの範囲内で一番安くやり上げようということにならないような配慮をしていただくために、そういう棚田とか段々畑の非常に景観のすばらしいところ等については格別の国の補助等の対応も今後考えていただきたい。中山間地で、特に今度は棚田対策も講じていただいておるところでございますので、その点をひとつお考え願いたい。
 もう一つは、大体三カ年間で復旧をするということになっておりますね。災害復旧というのは緊急事態でありますから、できれば被災年のときにすべて完成していただくというのが願いであります。ですから、三カ年に五、三、二の割合で片づけるというのではなくて、少なくともその年に復旧を全部やり上げる、被災年のときには被災年のときに片づける。どうしてもできないところは二カ年にわたってでもこれはやり上げるということで、六対四とか七対三で、一年目が七割、二年目が三割ということででも片づけていただけるような、三カ年を二カ年にするというふうな改正はできませんか。
#171
○政府委員(山本徹君) これは現在の暫定法第三条の三に基づきまして、三年以内に財政の許す範囲で完了するとされておりまして、実績としては私どもできるだけ初年度に多くの復旧を行うことを旨といたしておりまして、過去五年の実績は、初年度が八五から九〇%、それから次年度五%、完了年度五から一〇%となっておりまして、これはしたがって小規模な災害は単年度でできますけれども、やはり規模が大きくなりますとこれは数億円というような事業もございまして、現実的には施工の能力等々も勘案いたしますと三年程度かかるものもございますけれども、今申し上げたように八五から九〇は初年度で実施しているといったような実情にございまして、先生の御指摘のような方向で私ども努力させていただいておりますし、今後もそのようにしてまいりたいと考えております。
#172
○阿曽田清君 どうぞ二カ年ぐらいでおさめるような御努力をさらにいただきたいと思います。
 時間がありませんので、青年の就農促進法につきまして質問をいたしますが、今回、中高年層まで新規就農を認められた、広げられたその理由と、先ほど長峯先生から御質問がありましたが、その理由とそれによっての期待感、どの程度期待されているのか、まずそれを簡単に御説明ください。
#173
○政府委員(高木賢君) 理由につきましては、青年農業者の獲得に努めてきたわけですが、現実には望ましい水準の半分強という水準であるということが一つ、それから中高年齢者の側からしますと、最近農業を見直す動きが出てきているし、現実に農業につく方かふえているという実態があり、またそれに対する支援の要望があるということでございます。
 その点に関連いたしまして、中高年齢者の実態として、例えば最近の時点では約六万人ぐらいの、これは定年後今までついていた職業がなくなりまして、いわば兼業でやっていた農業の部分が残ったという部分もございますけれども、そういうふうにふえる傾向にございます。
#174
○阿曽田清君 私が実感として受けとめておりますのは、ここにも「大地の輝く風」ということで、農林省の青年農業者対策室が編集協力されているのがあるんですけれども、百二十二人の方の、いわゆる脱サラで農業につかれた方々、これを見ますと、全部二十代、三十代のときに新規就業、就農されているわけです。そして、その中で大変御苦労されて成功しておられる方の事例がここに出ているわけです。
 熊本に黒川さんという新規就農者の会長さんがいらっしゃるんです。その方の話を聞きますと、四十過ぎてから農業を新しくやろうとする人はなかなか成功しませんよ、四、五年はかかりますと。本当の農業者として自立されるには四、五年かかる。そして、農業というものが体力的に大変厳しいものだ、体力がついていきませんよ。ですから、できるだけ早い時期にすることが大事だし、もっと大事なのは、少年の時代から農業というもののすばらしさを教え込むことなんだと。そうすることによって、自分が農村に住みたいという希望を若いときに持って、それが実現していくことになるので、そういう意味での対策にもっと力を入れるべきじゃないか。
 だから、今回の中高年齢層に対する施策もさることながら、新しく受け入れをしようとする、それに勉強したいといって行く方々に対しての五万とか十五万、そういう一つの資金を貸すのではなくて、受け入れる側の方に対して、先ほど住宅建設の話もありましたが、住宅建設だけじゃなくて、受け入れて一人前の農業者に育て上げていただく方に対しての支援というものがむしろ先に必要ではないかというような御意見といいますか、切実なる話を承ったのでありますが、その点の取り組みはいかがでありましょうか。
#175
○政府委員(高木賢君) ただいまの御指摘のように、受け入れる側の力といいますか、それに対する支援ということが一つ重要な課題だと思います。
 そういうことで、平成九年度から、市町村を事業主体といたしますけれども、篤農家に委託したり、あるいは農協に委託したりという形での受け入れ側の支援体制というのを組んだわけでございます。幾つかもう既にそういうことを実施している地域も出てきておりますが、今後さらにその充実、推進に努めたいと考えております。
#176
○阿曽田清君 これは私が経験したことでありますが、やはり脱サラで花をしたいということで農協に御相談がありました。それで花のリーダーの家に、昔でいうなら男衆といいますか、男衆として二年間そこに住み込みで花の勉強をしていただいて、そして三年目に奥様も呼んで、そして自分で独立をされた。そのときのメンバーの方々、リーダーを中心とする洋ラングループの方々と一緒になって、二年間そのリーダーのもとで勉強されて独立された。もう既に三千万ほど上げておられるんです。まだ自立されてから二年ぐらいしかたっていません。私は、そのケースというのが本当に成功していくことだろうと思います。
 ただ、六十になって、第二種兼業だったからサラリーマンをやめて家の農業を継いでやるといっても、これは農業の活性化のために、健全な農村づくりのために果たしてなるのかなと。長峯先生もおっしゃいましたように、中高年齢層の方々に農村の活性化なりあるいは農業の発展というものを求めるということ自身は私はそう期待できるものじゃなかろうというふうに思うわけでありますので、先ほど言いましたように、むしろ受け入れる側の支援というものをもっと前面に出して、知恵を出していただきたいというふうに思います。
 時間がありませんので、この際このような機会をつくられましたので、ぜひ大臣に決意を求めたいと思いますが、昔からよく言いますように、日本では物語の最後は都会に出ていくというところでハッピーエンドになっています。イソップ物語は田園に消えていく、あるいは森に消えていく、それがすべてのハッピーエンドになっているわけです。ということは、農村に回帰するといいますか、農村に向かって都会の方々が行くようになってきたときに初めて、私は農村というものが本当にうらやましいリッチな場所なんだなと、そういう評価を得られてくることになるだろうと思います。
 日本の農業に対する見方というものを変えるということへの御努力もしながら、そして農村で住むということがリッチで、しかもハッピーエンドなんだというような方向にひとつ農林大臣、頑張っていただきたいと思いますので、その決意をお聞きいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#177
○国務大臣(島村宜伸君) 農業の存在が果たす多面的機能というのは何もOECDだけの課題ではございませんで、前にも申し上げたことですが、私はこの十数年来、講演その他の都度に農業の持つ多面的機能を訴え続けてきた男であります。単に農産物の供給だけでなくて、国土や自然環境を守るということ、それだけでもないのだと。農業を営むということでその地域を愛し、その地域に定着していたことが、例えば我々都会の人間が恩恵を受ける交通機関とかあるいは観光資源とか、そういうことごとを守ることにもつながっていくし、国土の総合的な開発や、あるいはその開発の定着、発展にも貢献しているんだと、こういうことを実は私は基本的に考えている人間であります。
 さはさりながら、率直に申し上げて、都会に住んでいる人間の場合は、地方へ行くということは、まあ悪い言葉で言うと昔は都落ちと言いました。今はそういうことはございません。しかし、そうはいいましても、なれないところへ自分の郷里を離れて行くということは、どうもこれから何年生きられるかわからない人間が行くというのはこれは大変怖い気持ちがあることは事実でございます。そこを現実的にいわば担い手の確保ということとつなげて、農村にまさににしきを飾っていただく、こんな気持ちになっていただくためには私は幾つかの配慮が必要なんだろうと。
 一つは、やはり農村に生活することの中にも大変利便が確保され、これからの発展性が期待できるということ、それから農業を営むことによって余生を働きながら楽しんでいくということの一つの保障につながること、それから自分の健康の保全のためにもこれは非常に好ましいということ。
 さらには、都会から完全に足を洗ってしまうのではなくて、確かないわば受け皿といいましょうか、そういうものが農村にあって、そこへ行って就農で働く喜びを知り、かつ地方のよさに触れ、かつ自分自身の郷里、例えば都会の人間であれば、都会にも拠点はあるというようなことになれば親子の断絶も生まれませんから、それらのことごとすべてを配慮することが私は今回のもくろみをさらに進めることの基本になるんだろうと、そう考えているところでございます。
 それぞれ専門的に検討している人間もたくさんおることでございますから、ただいま御指摘の点も含めてこれから将来に向かって、絵にかいたもちに終わらない、しかも喜んで就農した方々が結果的に裏切られない、そんな環境の整備に努めていきたい、そう考えます。
#178
○阿曽田清君 終わります。
#179
○委員長(松谷蒼一郎君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#180
○委員長(松谷蒼一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、井上吉夫君及び一井淳治君が委員を辞任され、その補欠として鈴木政二君及び齋藤勁君が選任されました。
#181
○委員長(松谷蒼一郎君) これより農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#182
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、農業災害復旧暫定措置法の一部を改正する法律案に対して反対討論を行います。
 第一の理由は、被災農民への財政的な負担を強いるものとなるからであります。
 今回の改正で、一件当たりの工事費が三十万円以上四十万円未満のものは暫定法の対象から外されます。その結果、約四億八千六百万円もの国庫補助金が削減されることになります。自治体が発行する地方債で救済される道は残されていますが、被災した農民の財政負担がふえることは明らかであり、それがなされない場合は個人負担か被災のまま放置されることになるからであります。
 第二の理由は、昨年成立した財政構造改革法第三十五条一項二で災害復旧に係る補助金等の削減の具体化であります。
 我が党は、今日の財政危機を招いた浪費構造には根本的なメスを入れずに、一切の聖域なしの名のもとに切り捨ての矛先を専ら農業、中小企業、社会保障、教育など、国民生活予算切り捨ての財政構造改革法に反対をいたしました。国民の命と財産を守るのは国の責務であります。財政危機を理由に、国の責務を被災農民や地方に押しつけることを容認することはできません。
 以上の理由から反対をしたいと思います。
 以上で反対討論を終わります。
#183
○委員長(松谷蒼一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#184
○委員長(松谷蒼一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について討論に入ります。別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#185
○委員長(松谷蒼一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、和田洋子君から発言を求められておりますので、これを許します。和田洋子君。
#186
○和田洋子君 私は、ただいま可決されました青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、日本共産党、自由党及び各派に属しない議員石井一二君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  近年における農業就業者の急速な減少と高齢化の進行、ウルグアイ・ラウンド農業合意等による農業経営環境の厳しさの増大に対処して、次代を担う経営感覚に優れた効率的かつ安定的な農業の担い手を確保・育成することが農政における喫緊の課題となっている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、農業の担い手、とりわけ新規就農者の確保・育成に資するため、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
 一 今回新たに貸付対象となる中高年齢者の就農計画の認定等に当たっては、地域における農業の実情を十分踏まえた運用が行われるよう指導すること。
 二 研修受入れの農家、農業大学校等の関係機関における指導者の養成及び資質の向上、研修施設の整備等に対する支援を充実すること。
 三 ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策として創設された就農支援資金の貸付状況にかんがみ、今後とも本資金の一層の効果的な活用に努めるとともに、新たな農政の指針の策定に当たり、就農促進のための総合的な対策の在り方について引き続き検討を行うこと。
 四 研修終了後の営農が円滑に行われるよう、他の金融・補助制度との連携に配慮しつつ、支援に努めること。
 五 都道府県、市町村、青年等農業者育成センター、新規就農ガイドセンター等の関係機関・団体が連携を密にし、総合的かつ個々のニーズに合致した弾力的な新規就農支援活動を行うよう指導すること。
 六 農業後継者として就農しようとする青年及び女性が意欲と希望を持って取り組めるよう、魅力ある農業の実現に積極的に努めること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#187
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいま和田洋子君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#188
○委員長(松谷蒼一郎君) 全会一致と認めます。よって、和田洋子君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、島村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。島村農林水産大臣。
#189
○国務大臣(島村宜伸君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#190
○委員長(松谷蒼一郎君) 次に、主要農作物種子法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#191
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表いたしまして、主要農作物種子法の一部を改正する法律案について反対討論を行います。
 第一の理由は、昨年七月の地方分権推進委員会第二次勧告を受けて、圃場審査等に要する都道府県の経費に対する国の補助を廃止するものですが、主食の安定供給のために主要農作物の種子を生産、供給することは国の基本的な責任で行うべきものです。制度は維持するが補助は廃止するというのは、国の責任の後退であります。
 第二は、政府は、補助を廃止しても所要の経費は地方一般財源として確保するとしています。しかし、これまでも補助金単価は下がっているか据え置きになっており、そのような国の姿勢のもとでは交付金が幾ら上がるかは保障できません。事実上、都道府県の負担に転嫁され、ひいては主要農作物種子法に基づく諸業務が縮小される事態が想定されます。既に法律で認められている民間事業者参入の方向も強まることが予想されます。こうして種子の公共性を脅かし、農家経営の安定や国民への主食の安定供給への影響にもつながるおそれがあります。
 以上の理由で、本改正案に反対するものであります。
#192
○委員長(松谷蒼一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 主要農作物種子法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(松谷蒼一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(松谷蒼一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#195
○委員長(松谷蒼一郎君) 次に、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院農林水産委員長北村直人君から趣旨説明を聴取いたします。北村直人君。
#196
○衆議院議員(北村直人君) ただいま議題となりました漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 漁業協同組合合併助成法は、昭和四十二年に、適正な事業経営を行うことができも漁協を広範に育成して漁業に関する協同組織の健全な発展に資するため、漁協の合併の促進を図ることを目的として制定されました。
 以来、今日まで五回にわたり延長を重ね、漁協の事業規模の拡大に一定の役割を果たしてきたところでありますが、全国的にはその区域が市町村の区域未満である漁協が四分の三を占めるなど、いまだ脆弱な小規模組合が多数存在しているといった状況にあります。
 こうした中で、我が国の漁業を取り巻く状況は、資源水準の悪化に伴う漁獲量の低下、輸入水産物の増加、魚価の低迷等による漁業経営の悪化と相まって、漁業就業者の減少と高齢化が進展する等まことに厳しいものがあります。
 このため、漁協系統の事業も縮小傾向にあり、その経営は年々悪化しております。
 一方、国連海洋法条約の批准とこれに伴う国内関係法律の整備によって、昨年一月からTAC制度が導入されるなど、新たな海洋秩序のもとで水産資源の適切な管理と有効利用を積極的に図っていくことになりましたが、これらの推進に当たって漁協はその中心的役割を果たすことが期待されており、その円滑な実施のためにも体制の整備が急務であります。
 現在、こうした事情を背景に、漁協系統組織においては、漁協間の合併・事業統合等により、広域的自立漁協を組織を挙げて計画的に育成していくとの構想を打ち出し、その実現に鋭意取り組んでいこうとしているところであります。
 本案は、こうした系統における基盤強化への取り組みを踏まえ、合併の一層の促進を図るための措置を総合的に講ずることとして取りまとめたものであります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、法律の題名を漁業協同組合合併促進法に改めることとしております。
 第二に、漁協系統団体は、合併の促進に関し、全国段階で基本構想を、また都道府県段階で基本計画を作成し、これを農林水産大臣、都道府県知事に届け出ることができることとしております。
 また、国、都道府県は、基本構想、基本計画の作成及びその円滑な実施につき必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めなければならないこととしております。
 第三に、合併及び事業経営計画の都道府県知事への提出期限を五年間延長し、平成十五年三月三十一日までとすることとしております。
 第四に、国及び都道府県は、漁業の振興等を図るための施策を講ずるに当たっては、組合の合併が促進されるよう適切な配慮をするものとしております。
 第五に、都道府県知事は、漁業協同組合の合併についての援助及び合併に係る漁業協同組合の事業経営の基礎を確立するのに必要な助成を行うことを目的として設立された法人を、都道府県漁業協同組合合併推進法人として指定することができることとしております。
 その他、合併及び事業経営計画に係る記載事項の拡充、合併及び事業経営計画の樹立等に関する援助、合併の協議に関する助言及び指導、漁業権行使規則の変更または廃止についての漁業法の特例措置及び税法上の特例措置の延長等について規定することとしております。
 以上が本案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#197
○委員長(松谷蒼一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#198
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、漁業協同組合合併助成法の一部改正案について反対の討論を行います。
 まず、提案者に幾つかお聞きしたいことがありましたが、質疑なしとなって非常に残念であることを申し上げておきます。
 漁協経営の大変さについてはよくお聞きし存じ上げております。私どもも合併そのものに反対するわけではありません。しかし、その際には、協同組合として、組合員の自主的な意思と合意に基づくこと、進め方は民主的に行うことが大事であり、また合併によってどうなるのか明らかにし、よく検討し合うことが大切であります。同時に、合併だけで経営困難を打開することはできません。国に対して、漁業を重要な産業として位置づけ、魚価の安定、資源の保全、管理、経営支援策などを引き続き要求していかなければなりません。
 法案は、全国的な基本構想や県の基本計画をつくって漁協の広域合併を推進しようとしています。
 反対の第一の理由は、国、都道府県の行政の力によって合併促進を図ろうとすることです。都道府県が基本計画や合併・事業経営計画の作成、実施について助言、指導することを義務づけ、また組合に対し、合併の協議に応じるよう助言、指導を行えるとしています。これは、組合員や漁協の意思、地域の実情を無視した行政主導による押しつけ合併につながる危険性を強めるものであります。合併が進まない焦りもあってこうした条項が入ったものと推察されますが、漁民の自主的な協同組合という漁協の性格からしても、漁村に混乱や困難を新たに持ち込む可能性もあるので賛成できません。
 第二の理由は、水産施策の採択に当たって合併促進を考慮するとしています。漁業の振興策を実現してほしいなら合併を迫るというもので、公平な行政という立場から見ても問題があります。
 以上の理由で、本法案に賛成できないことを申し上げまして、反対討論を終わります。
#199
○委員長(松谷蒼一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(松谷蒼一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#201
○委員長(松谷蒼一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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