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#1
第142回国会 農林水産委員会 第11号
平成十年四月二十四日(金曜日)
   午後一時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     田村 公平君     青木 幹雄君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     国井 正幸君     芦尾 長司君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     芦尾 長司君     国井 正幸君
     一井 淳治君     小川 勝也君
     村沢  牧君     大渕 絹子君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     青木 幹雄君     鈴木 正孝君
     井上 吉夫君     芦尾 長司君
     大野つや子君     田村 公平君
     小川 勝也君     角田 義一君
     大渕 絹子君     村沢  牧君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松谷蒼一郎君
    理 事
                三浦 一水君
                和田 洋子君
                村沢  牧君
    委 員
                芦尾 長司君
                浦田  勝君
                国井 正幸君
                鈴木 正孝君
                田村 公平君
                長峯  基君
                小川 勝也君
                北澤 俊美君
                角田 義一君
                風間  昶君
                続  訓弘君
                谷本  巍君
                須藤美也子君
                阿曽田 清君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   島村 宜伸君
   政府委員
       厚生省生活衛生
       局長       小野 昭雄君
       農林水産省構造
       改善局長     山本  徹君
       農林水産省農産
       園芸局長     高木  賢君
       農林水産省畜産
       局長       中須 勇雄君
       農林水産省食品
       流通局長     本田 浩次君
       水産庁長官    嶌田 道夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 威男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措
 置法案(内閣提出、衆議院送付)
○農地法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、田村公平君が委員を辞任され、その補欠として青木幹雄君が選任されました。
 また、昨日、一井淳治君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。
 また、本日、青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として鈴木正孝君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松谷蒼一郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(松谷蒼一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に村沢牧君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(松谷蒼一郎君) 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○和田洋子君 民主の和田洋子でございます。よろしくお願いします。
 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案についてお尋ねをいたします。
 この法案は、食品製造業における食品の衛生管理とか品質管理面での向上を図るために製造過程にHACCP方式を導入するものであります。施設整備を支援しようとするこの方式は大変すばらしいことだと私も理解をしております。消費者の食品に関する安全性に対する懸念が高まっている中で大変好ましいことでありますし、また欧米諸国との間における食品貿易を円滑に進めるということについても避けられない問題であるというふうに理解をしておりますが、この提案の背景について、まず大臣にお尋ねをいたします。
#7
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。
 一昨年の夏以来の腸管出血性大腸菌O157による食中毒の大量発生と消費者意識の高まりを背景として、食品の安全性の向上と品質管理の徹底を求める社会的要請が増大しております。このような状況に対応いたしまして、食品企業の製造過程にHACCP手法を導入し、食品の衛生・品質管理の高度化を促進することが求められていると認識いたしております。
 このため、本法案に基づき、HACCP手法の普及促進の基本方針を示すとともに、施設整備に対して金融・税制上の支援措置を行い、HACCP手法の導入を促進することとし、食品企業が食品の安全性の向上と品質管理の徹底を求める社会的要請にこたえられる環境づくりを図ることとしたところであります。
#8
○和田洋子君 アメリカにおいては、水産食品等へのHACCP方式導入に当たっては二年間の経過措置を置いてHACCPを義務づける措置をとっております。食肉加工施設などについてもほぼ同様のペースで導入を推進しているようでありますが、我が国がこの制度に対して衛生管理手法として位置づけた理由を教えてください。
#9
○政府委員(本田浩次君) 食品産業をめぐる情勢が国際化する中で、国際的に見まして遜色のないよう食品産業の体質強化を図っていくためには、食品企業がいわゆるHACCP手法の導入に取り組むことが求められておりまして、その促進を図ることが重要であると考えております。
 しかしながら、HACCP手法の導入を義務づけるということにつきましては、現行の食品衛生法の規制によりまして必要最小限の安全性の確保が図られております。これにもかかわらず、多くの食品企業に対してHACCP手法の導入に伴う施設整備などの負担を強いることとなります。
 それからまた、食品企業の中には地場流通向けの食品を製造しておるところとか手づくり生産を行うなど、生産流通形態にかんがみまして、HACCP手法による衛生・品質管理が必ずしもなじまないものもあるというようなものでありますので、妥当ではない。したがいまして、この法案によりまして、自主性を尊重しながらHACCP手法を導入するための支援措置を講じようというふうにしたものでございます。
#10
○和田洋子君 この法案で支援措置の実施期間を五年間としておりますよね。それで、我が国の食品製造の実態を考えたときに、果たしてこの五年間で十分なのだろうかという思いと、またHACCPが浸透した状況の中で義務化というものを考えておられるかどうか、お尋ねをいたします。
#11
○政府委員(本田浩次君) この法案につきましては、食品企業にHACCP手法の導入を早急に図るためにその施設整備に対しまして支援措置を講ずるものでございます。食品企業に携わる事業者を啓発し、導入のインセンティブを高めていきますために、他の臨時措置法の立法例も踏まえながら五年間の臨時措置法としたものでございます。
 義務化を考えるかどうかという点でございますけれども、先ほど申し上げましたように、義務化につきましては、食品衛生法に基づきまして必要最小限の安全性の確保が図られておること、さらに我が国食品産業には多様な生産流通形態がありますことから、今後ともなじまないものであるというふうに考えているところでございます。
#12
○和田洋子君 アメリカとかEUに対するHACCP方式との関係における食品輸出の現状なんですけれども、アメリカでは内外無差別という基本的な考え方をとっているわけですけれども、我が国の食品輸出に影響が出るかどうか懸念されているところですが、今後の見通しとか現状とかはどういうふうに位置づけておられますか。
#13
○政府委員(本田浩次君) この法案におきましては、基本方針におきまして、コーデックス委員会で作成されました国際標準でございます七原則十二手順を満たすHACCP手法を推進するという基本方向を示しまして、これに基づいてその推進を図ることにしておるところでございます。
 したがいまして、この法案に基づき支援措置を受けて施設整備を行いました食品企業は国際標準に即したHACCP手法に対応できる環境づくりが整っております。したがいまして、欧米への輸出に当たりましても、特段不利な扱いを受けることにはならないと考えているところでございます。
#14
○和田洋子君 今、コーデックスガイドラインのお話ですが、コーデックスのガイドラインによりますと、「HACCPは、食品について原材料の生産者から最終製品が消費者に至るまでの一連の流れに対して適用することができる。」というふうになっておりますが、コーデックスガイドラインとの関係はどういうふうに……。
#15
○政府委員(本田浩次君) いわゆるコーデックス委員会におきましては、先生御案内のとおり、一九九三年にHACCPシステムとその適用に関するガイドラインを採択いたしまして、これについて国際的に合意がなされているところでございます。そして、その採用につきまして各国に推奨が行われております。
 したがいまして、この法案におきましては、基本方針におきまして、コーデックス委員会で作成された国際標準でございます七原則十二手順を満たすHACCP手法を食品企業に導入することを推進していくとの基本的方向を示しているところでございます。
 その上で、個々の食品の製造過程におきますHACCP手法の導入につきましては、その製造過程の実態について知見を有します事業昔団体の技術を活用するといった考え方に立ちまして、事業者団体による高度化基準づくり、これに即しました食品企業のHACCP導入に必要な施設整備を支援するという考え方に立っているわけでございます。
#16
○和田洋子君 HACCP関係の解説書なんかを見てみますと、危害の原因の物質は自社の工程だけの混入ではなくて原材料についても考えないといけないということになっていますが、そういうものの農林省とのかかわり、HACCPとのかかわりはどういうふうになりますか。
#17
○政府委員(本田浩次君) 原料乳でございますとか米、それから青果物などの農水産物の生産のような生産活動につきましては、自然条件のもとで行われているのが通常でございます。したがいまして、食品工場の中におきますように、いわゆる清浄区域と非清浄区域、汚染区域を分離するなどの施設の整備を行った上で、こういったことを前提にいたしまして製造過程の管理の高度化、すなわちHACCP手法の導入ということでございますけれども、こういった手法と同様のやり方で行うことはまずなじまないというふうに考えられます。したがいまして、この法案におきましては、食品の製造または加工の事業を行う者を対象にいたしまして、一般的な原料農水産物の生産を行う者は対象としていない、こういう状況でございます。
 しかしながら、生産段階におきます安全性の確保につきましては、農林水産省におきましても安全な食糧を国民に供給する立場から重要な問題と認識しております。これまでもHACCP方式の考え方を取り入れました家畜の生産段階におきます生産衛生管理基準の検討などを行っておりますし、さらに平成十年度におきましては、水産養殖における安全性確保のためのHACCP方式の考え方を取り入れたマニュアル作成にも取り組む、こういったことで生産段階におきます安全性確保にも努めていく考え方でございます。
#18
○和田洋子君 農林省は、平成八年度から畜産物生産衛生指導体制事業として家畜生産についてはHACCP方式の導入を考えられた体制づくりをスタートされておられますけれども、平成九年度から食肉処理品質管理モデル作成普及事業というのも実施されております。これはHACCPが導入されるということが前提であるのか、その導入の仕方と見通しというものを畜産の立場のところで教えてください。
#19
○政府委員(中須勇雄君) ただいま先生からお話ございましたとおり、安全な畜産物、例えば食肉等を消費者に供給していくということを考えますと、当然のことでございますが、家畜の飼育に始まる農場段階から家庭の食卓に届くまでの間、やっぱり一貫した衛生対策とかうものを講じていかなければならない、基本的にはそういう認識を私ども持っているわけでございます。
 そのために、まず第一に、農家の家畜の飼育段階につきましては、基本的には現在HACCP的なものはないわけでございますが、HACCP的な考え方を取り入れて家畜の衛生管理のモデルになるようなものをつくることができないだろうかということで、平成八年度からそのモデルの作成ということに取り組んでいるところでございます。
 それからまた、次の段階でございますいわゆる屠畜・解体段階、ここにつきましては、御承知のとおり、O157の問題等を契機といたしましてと畜場法の施行令なり施行規則というものが改正されまして、いわばHACCP的な観点に立った衛生管理基準なり構造設備基準が設けられているということでございますので、私ども、今それに即して施設の整備等のお手伝いをしている、こういう状況にございます。
 私ども、先ほど先生から御指摘のございました食肉処理総合品質管理体制整備指導事業と申しますのは、こういう屠畜段階を含めまして、いわゆる食肉の処理段階全般についてHACCP的な手法を講ずるとするとどういうようなマニュアルができるのか、そういうものを幅広く検討するということで始めた事業でございまして、いわばそういうことで屠畜場を含めた幅広い食肉処理場についてのHACCP的なもの、マニュアル的なものを将来の課題としてつくり上げていきたい、そういうふうに思っているわけでございます。
 なお、食肉に関しましては、いわゆる食肉の加工段階におきましてHACCP方式を導入するということで、食品衛生法に基づきます食品衛生法施行令の一部改正によりまして総合衛生管理製造過程の制度が設けられておりまして、現在これに基づきまして、本年三月からでございますが、厚生省に対する承認申請が始まっていると。こういうことで、各段階におきます衛生管理の充実を期していきたい、こんなふうに思っているわけでございます。
#20
○和田洋子君 HACCPというのは食品を製造する過程での方式なんですが、川上の農産物のところは、なるべくそういう衛生管理には気をつけるけれどもなじまない。畜産なんかは全部そういうふうにHACCPの導入ということですが、例えばHACCPを導入する会社が農産物、例えば野菜の生産段階で、もううちはそういうものを全部取り入れていますよなんというふうな農園とか企業があったりすると、その会社がそこに直接買いに行ったりして市場の今までの流通過程を崩すようなことはないのかなという懸念があるんですが、そういうことについてはどうなんでしょうか。
#21
○政府委員(本田浩次君) 御指摘のとおり、HACCP手法の導入に当たりましては、安全で良質な原料農水産物の確保が重要でございます。
 農林水産省といたしましても、HACCP手法の導入促進に当たりまして、食品企業が生産者と連携をとりながら安全で良質な原料農水産物の確保が図られ、円滑に進められるよう指導していきたい、こう考えているところでございます。
 ただ、卸売市場を通じた流通につきましても、衛生面にも配慮した卸売市場施設の計画的な整備でございますとか、こういったそれぞれの取引関係者のニーズに即するような取引方法の多様化でございますとか、どこにどういったそういったものを求めるニーズがあるのかといった需給情報の提供などの情報化の推進、こういったものを図って卸売市場の機能強化も図っているところでございます。
 このような機能の強化によりまして、HACCP手法の導入に取り組む食品企業のニーズでございますとか、食品企業と農業者との連携の動きにも対応できるように図ってまいりたいと考えておりまして、HACCPの導入の動きが直ちに卸売市場を通じた流通量の減少につながるというようなことはないというふうに考えているところでございます。
#22
○和田洋子君 今、川上の話をお聞きしたんですが、例えば川下の話で、製造された製品を流通とか販売のところで、せっかく製品をHACCPまで導入してできたのに、今度は販売とか流通の面で汚染されることはないのかなという懸念もあるんですが、どうなんでしょうか。
#23
○政府委員(本田浩次君) 御指摘のとおりでございまして、製造段階でもきちっとした形でのHACCP方式による製造を行うわけでございますけれども、流通段階におきます食品の安全性の確保につきましても、安全な食糧を国民に供給していくという立場から大変重要な問題であると認識しているところでございます。
 食品の流通段階におきますHACCPの考え方を取り入れました管理手法、ガイドラインでございますけれども、こういった検討につきまして支援、指導を行っているところでございます。
#24
○和田洋子君 今度は、HACCPがすべてというようなHACCP信仰みたいな危険性がないのかなという思いなんですが、百四十二国会に提出をされた農業の動向に関する年次報告書の六十五ページに、「HACCP方式は、食品の安全性確保のほかにも、規格外製品の発生防止、最終製品の検査が不要となる場合があること等、適正な品質の確保の観点からもメリットがある。」というふうに言われているんですが、「最終製品の検査が不要となる」と、どうして「不要」とまでお書きになったのかなという私は懸念があるんですが、最終製品のチェックということも考えながら、厚生省はこういうことに対してどういうふうにお考えですか。
#25
○政府委員(小野昭雄君) これまでの衛生管理の重点と申しますのは最終製品の抜き取り検査に重点を置いていたわけでございます。HACCPの方式はこれとは異なりまして、先ほど来御説明がございますように、食品の製造過程で生じます食品衛生上の危害を調査分析いたしまして、それを防止するために管理すべき工程を定めまして、その工程を重点的に管理するということによりまして食品の衛生管理の確実性あるいは信頼性の向上を図る衛生管理の手法でございます。
 したがいまして、HACCPによります衛生管理手法は最終製品の検査に重点を置いているわけではございませんけれども、この計画が正しく機能していることを検証する目的で、通常は最終製品の検査が行われているものというふうに理解をしております。
#26
○和田洋子君 アメリカは、ハセップ、ハサップ、ハシップ、何かホップ・ステップ・ジャンプみたいであれなんですが、これが先進でありますし、すばらしいことが先行されている国でさえハンバーグのO157事件なんというのがあったわけなんですが、ああいうことはどうとらえておられますか。
#27
○政府委員(小野昭雄君) 大変申しわけございません。厚生省ではどうもハサップという言い方がなれておりますので、この言い方でお許しいただきたいと思います。
 アメリカにおきましては、先生御指摘のように、この方式を導入されたとされる施設の製品で食中毒が起きた事件がございます。この原因といたしましては、危害分析におきまして重要な危害を見落として、しかもそれに対する必要な危害防止措置がとられていなかったということが原因であるというふうに承知をしております。
 このように、適切な危害分析を行わず、また必要な危害防止措置を実施していないにもかかわらず、あたかもHACCPを実施しているかのような施設で製造、加工された食品によりまして食中毒の事故が起きるということが懸念されるわけでございます。
 そのために、私どもといたしましては、適正なHACCPによる管理を行う必要があると考えておりまして、食品衛生法に基づきます総合衛生管理製造過程の承認制度の適切な運用あるいは正しい知識、理解の普及、あるいはHACCP計画を作成し実行できる人材の教育訓練、あるいは事業者団体におきます総合衛生管理製造過程の一般的なHACCP計画のモデルを作成するといったような技術的な援助等を行っているところでございます。
#28
○和田洋子君 アメリカのはそういうふうな感じで、HACCPもどきであるなんというふうに前にお聞きしたことがあるんです。
 今度は日本のO157、カイワレダイコンのことですが、これは種子に問題があったというふうにこの間もお聞きしたんですが、種子に問題があるなんというのは、高度な分析とか疫学調査なんかしないとわからないと思うんですが、そういうものにまでHACCPというのは及ぶんだろうかどうだろうか。種子の状態の方までこれが及んでくるかどうかちょっとお尋ねをしたいんです。
#29
○政府委員(高木賢君) O157による食中毒の防止の問題につきましては、平成八年に発生したことにかんがみまして、十月に、生産者が自主的な衛生管理を行うための指針として、「かいわれ大根生産衛生管理マニュアル」というものを策定しておりまして、それに従ってカイワレダイコン生産が行われてまいりました。
 三月三十日に、御指摘のあった厚生省の発表がありまして、これについては内容的に私どもはカイワレダイコンの種子が原因であったと断定することに疑念があると考えておりますが、それはそれといたしまして、現実的、実践的に考えまして食中毒の未然防止ということが必要であるということで、必要な改定を行ったところでございます。
 具体的に申し上げますと、従来から衛生管理マニュアルでは種子の検査をやるということでありましたけれども、さらにそれに加えまして、種子の消毒のために殺菌処理を行うというのが一つ。それからもう一つは、十分な洗浄を行うということ。さらには、発芽促進のために種を水に浸すという工程をとっておりますが、この水に浸すのをため水でなくて流水方式により行うということで、その三本の改正を行いましてカイワレダイコンの種子の衛生管理の強化を図ったところでございます。
 「かいわれ大根生産衛生管理マニュアル」を実行していただくことによって、O157による食中毒の予防につきまして措置をとっているということでございます。
#30
○和田洋子君 じゃ、法案のことでお尋ねをしますけれども、五年の時限立法で一年間百億円ということですが、日本には四万三千くらいの食品加工の企業があるというふうにお聞きをしておりますけれども、五年間で百億円ずつで果たしてそれがうまくいくのかなという思いと、あと中小零細企業のようなところが必ずしもすぐに手を挙げてその導入に踏み切れるかどうか、そういう懸念もあります。
 そして、もう時間もないのでまとめて聞いてしまいますが、小さい零細の方たちが、大きい、国全体の何とか企業グループみたいなのをつくれないとすれば、認定をするところがないような零細企業が、事業者団体というのがなくなって、この事業に対して認定をしていただけないようなところができてしまうんじゃないかなというふうな思いがしますが、大臣はそういう中小零細企業のような支援をどういうふうに考えておられますか。
#31
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。
 食品企業がHACCP手法の導入を行う場合には、本法案に基づきまして、施設整備に対する長期低利資金の融資あるいは特別償却の措置が受けられることとなっております。加えて、零細な中小企業が事業協同組合等の形態で取り組む場合には、不動産取得税の軽減措置も受けられることとなっております。
 中小企業がこれらの支援措置を活用することによりまして、その負担は相当程度軽減されるものと考えております。また、別途、関連予算において事業者団体によるHACCP手法の啓発普及活動あるいは人材養成のための講習会の開催に対しまして補助することとしております。
 これらを通じまして、中小企業においてもHACCP手法の導入に取り組める環境づくりを図ってまいりたい、こう考えているところであります。
#32
○政府委員(本田浩次君) 二点、補足をさせていただきます。
 まず第一点は、融資枠百億円の根拠でございますけれども、この百億円の融資料につきましては、近年におきます食品製造業の設備投資の動向、それからHACCP手法の導入に伴います設備投資の実態、それから各企業の意向などを総合的に勘案しまして百億円の融資枠を設定したものでございます。
 それからもう一点、事業者団体が組織されていない場合があると考えるが、これに対してどう考えるかということでございます。
 ある食品の業界で、事業者団体が組織されていない場合におきましても、高度化基準は製造過程が類似する一定の食品群を対象として考えておりまして、通常その汎用性は大変広いのではないかというふうに考えております。したがいまして、その類似の食品の業界の高度化基準によってカバーされる場合が多いというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、できるだけ幅広に対象とできるように指導をしていきたいと考えているところでございます。
#33
○和田洋子君 終わります。
#34
○委員長(松谷蒼一郎君) 午後二時三十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十五分開会
#35
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、井上吉夫君が委員を辞任され、その補欠として芦尾長司君が選任されました。
    ―――――――――――――
#36
○委員長(松谷蒼一郎君) 山本構造改善局長より発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本構造改善局長。
#37
○政府委員(山本徹君) 去る四月七日の当委員会におきまして、風間委員から中山間地域広域支援活動推進事業の地域レベルの活動に係る平成十年度予算額一億円の根拠について御質問をいただきました。
 これに対し、私から、実施地域数に一地域当たり予算額を乗じるとの趣旨で、十六地域掛ける五千万円とお答え申し上げましたが、この「五千万円」という金額は「六百万円」の誤りでございましたので、訂正させていただきます。
 失礼いたしました。
    ―――――――――――――
#38
○委員長(松谷蒼一郎君) 休憩前に引き続き、食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#39
○風間昶君 公明の風間です。
 ただいまは構造改善局長、大変ありがとうございます。引き続き、今後とも予算の獲得に御努力いただきたいと思います。五千万と六百万じゃ随分違います。よろしくお願いします。
 HACCPの件につきまして御質問させていただきます。
 一点目は、業界においてはHACCPに企業の生き残りがかかっているというふうに感じられて、セミナーがあちこちで行われているということを聞いております。今回の法案はこのHACCPを義務づけるものではないものの、セミナーの題名からもわかるとおり、HACCPに企業の生き残りがかかっているということなものですから、業界では、資料によりますと、食品産業センターの調査で、去年の一月でしたか、三百八十五社のうち導入済みが六・八%、導入方針を決めているのが三六・九%、つまり四四%弱が導入を決めているわけですけれども、そういう意味で相当危機感を持って取り組んでいるところもあると思いますが、しかし一方で、導入予定なしというふうにはっきりおっしゃっている食品会社も二六・八%。
 この原因はさまざまあると思うんですが、そういう意味で、逆に安穏として従来どおりの管理手法、管理基準でいいというふうに思われている業界に対して、農水省としてわざわざこの支援法案に取り組んだわけですから、どういうふうにこれからそういう人たちに対してもインセンティブを与えていくかということを農水省は問われていると思うんですけれども、そこについて御回答をお願いします。
#40
○政府委員(本田浩次君) 現時点におきましてはHACCP手法の導入は緒についたばかりでございますので、その導入に積極的である企業、それから戸惑いを感じている食品企業も大変多いというふうに認識しているところでございます。また、一般的には地域の伝統食品などの地場食品企業などにおきましては、その生産流通形態からいたしましてHACCP手法の導入の必要性が必ずしも大きくない、またなじまないものもあるというようなものもございます。したがいまして、必ずしもすべての食品企業が一律にHACCP手法を導入する必要があると考えているわけではございません。
 しかしながら、一般的には食品の安全性の向上と品質管理の徹底を図る上で食品企業がHACCP手法に取り組むことが大変重要であると考えているところでございます。このためにこの法案を提案させていただいておりまして、施設整備に対する金融・税制上の支援措置を行って、その負担軽減を図る。さらには、事業者団体によりますHACCP手法の啓発普及活動、人材養成のための講習会の開催に対する助成などを通じまして、中小企業も含めてHACCP手法の導入に取り組める環境づくり、インセンティブの増進に努めているというところでございます。
#41
○風間昶君 ですから、具体的にどう取り組もうとしているのかということなんですが。それでも手を挙げないというところに対してどうかというふうに聞いたつもりなんですけれども。
#42
○政府委員(本田浩次君) 私ども、このHACCP手法の導入につきましては、平成八年度ぐらいから事業者団体、各業界団体を通じましてその普及啓発、それから人材育成などに通じてきております。
 それから、実態調査なども行ってきているところでございまして、できるだけ各業界の中にこういったHACCP手法導入の雰囲気が助長されていくということの働きかけを一方で行いながら、他方で、今回の法案によりまして基本方針をつくり、それから事業者団体が基準づくりを行って、さらには税制上、金融上の支援措置も講じていきたいと考えているところでございます。
#43
○風間昶君 次に、このたび、一月でしたか、総務庁の行政監察で、JAS制度を昭和二十五年から食品流通局においては採用して食品の品質基準を定めてきていますけれども、一月に総務庁から、三百三十八項目の規格に関して、格付実績がなかったり格付率が低いもの七十一項目を廃止または見直しするようにという勧告が出ました。それによると、多様化した食文化に対応しないで消費者のニーズからかけ離れた規格が残されているというふうになっているわけですけれども、これはこのHACCPにも同様の懸念があるというふうに私は思うんです。
 そこで、このHACCP振興に当たって消費者のニーズをどのように考えていくのかというのが一つと、もう一つは、JAS法の中で特別な生産方法によることを示した特定JAS規格というのがあります。例えば、七年の十二月に制定された熟成ハム、こういったものとHACCPとの整合性をどのように持たせていくかというのが問題だと思うんですけれども、この二点について。
#44
○政府委員(本田浩次君) JAS規格につきましては、御指摘のとおり、生産、流通、消費の実態の変化なり国際規格との整合性、技術の発展などを踏まえまして、これまでも随時見直しを行ってきているところでございますし、また先般は行政監察におきましても指摘を受けたところでございます。
 ちなみに申し上げますと、昨年六月に生産流通量や格付率の減少している六十品目につきまして規格の廃止を行っております。さらに、生産、流通、消費の実態の変化に即しまして、百五規格につきまして規格の簡素化などの内容の見直しを行ったところでございます。今後とも、適宜見直しを行っていきたいと考えているところでございます。
 それから、特定JASとの関係でございますけれども、私どもも、平成五年に制度化いたしました特定JAS規格につきましては、御指摘のとおり生産方法の基準を内容とするものでございまして、現在、熟成ハム類についての規格が定められておりますし、さらに近々、地鶏肉につきましてもその規格を告示する予定にしているところでございます。
 特定JAS規格につきましては、例えば地鶏肉につきましてはその生産方法についてだけではなくて、原料である地鶏の種類を特定するなど、HACCPは製造過程の問題でございますので、製造過程だけの問題となりますHACCPの考え方と直ちに合うのかどうか、可能かどうか検討すべき点もあるわけでございますけれども、この特定JAS規格にHACCPを取り入れてくることにつきましては、その可能性も含めて今後の検討課題と考えているところでございます。
#45
○風間昶君 次に、PL法との関係でお伺いしたいんですけれども、でき上がった製品の欠陥によって生命や財産に損害を受けるといった場合に、その救済が目的でPL法がつくられてもう二年たっているわけですね。
 この法の四条に「免責事由」があります。「製造業者等は、次の各号に掲げる事項を証明したときは、同条に規定する賠償の責めに任じない。」と。このHACCPを導入することで免責される可能性というのはあるのかないのか、これについてどう考えているのかが一つ。
 それからもう一つは、多くの企業は民間のPL保険を利用して被害補償をしているわけでありますけれども、食品製造業においてPL保険料を軽減するなどの措置を講じていくべきだと私は思っているんですけれども、HACCPはその方が促進されるだろうということでありますので、このことに関して、二点お伺いしたい。
#46
○政府委員(本田浩次君) HACCPとPL法の関係でございますけれども、PL対策の基本はまず二点あるのではないかというふうに考えております。一点は欠陥のない安全な製品づくり、さらにもう一点は公正迅速な苦情対応、この二点にあるんだろうと思います。
 御指摘のとおり、PL法第四条では、製造業者が製造した製造物の欠陥によって消費者などに被害が生じた場合におきましても、まず一つは、製造物を引き渡した時点におきます科学技術の知見によっては欠陥があることを認識することができなかったことを製造業者が証明した場合、それから完成品メーカーなどの設計指示に基づいて製造した場合で自社に過失がないことを下請のメーカーが証明した場合、こういった場合には損害賠償責任が免責されると規定されております。
 HACCP手法の導入とPL法の免責事由との関係につきましては、個別の事例につきまして司法の場において判断されることになるというふうに基本的には考えておりますけれども、一般にHACCP手法の導入につきましては、まず第一点は、工程管理の高度化によりまして食品事故の未然防止が図られます。このことによりまして安全な製品づくりに役立つ。それから第二点は、事故が発生した場合には製造記録をさかのぼることによりまして原因究明が容易になります。このことによりまして公正迅速な苦情対応が可能になる。こういった点からPL対策としても有益であると考えておりまして、この法案の支援措置によりましてその普及を図っていきたいと考えているところでございます。これが第一点でございます。
 第二点は、食品企業によりますHACCP手法の導入につきましては食品事故の減少につながることが期待されております。したがいまして、食品企業におきますHACCP手法の普及が相当程度進みまして関係者の理解が深まった段階におきましては、民間事業者が行いますPL保険の設計にも好影響を与えるだろうと、好影響を与えることによりましてPL保険の加入促進につながるものと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、私どもとしては、早急にこの法案の施行に努め、食品産業におきますHACCP手法の導入の促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#47
○風間昶君 ですから、PL保険料を軽減するような措置をすべきだということについてはお答えになっていらっしゃらないんです。
#48
○政府委員(本田浩次君) PL保険の事業主体は民間事業者でございますので、農林水産省としてはその料率設計につき言及する立場にないわけでございますけれども、ただいまお答えいたしましたとおり、HACCP手法がある程度普及した段階ではHACCP手法の導入の効果にかんがみて考慮されていくであろうと期待しているところでございます。
#49
○風間昶君 それから、厚生省、農水省の認定を受けてHACCPを導入していく団体、現在幾つぐらい想定されていらっしゃるのかが一つ。
 もう一つは、それらの団体に対して、特定JASの場合ですと承認製造行程管理者ですか、農協だとか生産法人、こういうような場合と似てる仕組みになるわけで、そうすると、これから先、皆さん方幹部の方がそこに天下りしていくことを心配していらっしゃる方も相当いるわけですけれども、そういうおそれがないのかどうか。
#50
○政府委員(本田浩次君) 指定認定機関となります事業者団体の数につきましては、指定認定機関となるか否かにつきましては事業者団体の申請に係るいわゆる手挙げにかかっていること、それから一つの食品業界におきます指定認定機関の指定は一つの事業者団体には限らないということ、それから事業者団体の種類が公益法人、事業協同組合など多岐にわたっていることなどから、確実な数字を想定できないことが実情でございます。
 ただし、業界としてHACCP手法の導入の動きが高まってきており、高度化基準づくりの準備が進んできていることから、直ちに本法案の支援措置の適用が見込まれるものもございます。
 それから、この法案の施行後、天下りの問題があるのかどうかという点でございますけれども、この法案におきます指定法人制の採用は、その事業者団体がその業界におきます食品の製造過程の実態に精通していることに着目して、その技術力とノウハウを活用しようとするものでございます。
 したがいまして、このような指定法人制の導入は公益法人の役職員に公務員OBを採用するか否かとは直接関係のないものでございますので、いわゆる天下り人事の増加につながるものとは考えていない、こういう状況でございます。
#51
○風間昶君 じゃ、もし天下りの人事が見つかった場合は、今の言葉を担保とさせていただきます。
 もう一つは、確実な数字が想定できないというふうにおっしゃったけれども、先ほど和田委員の質問で融資枠百億の根拠についてお話がありました。その際に、設備投資動向、設備投資実態、そして三番目に企業の要望を総合的に勘案してと、こういうふうにおっしゃった。ということは、百億の根拠はある程度の団体の数を想定しているからこそ出てきたんじゃないんですか。今の私の質問に対する答弁と食い違いませんか。
#52
○政府委員(本田浩次君) 和田委員にお答えいたしましたのは、食品製造業の設備投資の動向、設備投資の実態、それから企業の意向、こういうふうに御説明したわけでございますけれども、これはマクロの状況を考えているわけでございます。
 まず一つは、近年、具体的には一九九五年でございますけれども、食品製造業の設備投資額が一兆五百億円ほどでございました。これをベースにいたしまして、HACCP手法の導入に伴います設備投資額の増加、通常二割程度、こういうふうに言われておりますけれども、この増加の状況。
 それから、先ほど先生も御指摘のございました各種調査などにおきまして、HACCP導入を検討中の企業の割合が三割程度である。こういった状況を考慮いたしまして、これらの企業が五年間で取り組むと考えて融資粋を設定したということでございます。
#53
○風間昶君 何だかわからない言葉であれして、私にとってはわからない答弁なんですが、時間がないからまた次回にあれしますけれども。
 次に、先ほども話題になりましたけれどもO157、とりわけ二年前はもう九千四百五十一人という患者発生数で、昨年は減っているものの千五百七十六人と。
 遺伝子検索からO157に汚染された種子が見つかったということで、原因について確認したいんです。厚生省の方はどうされているのか。先ほど、局長も疑念があるとおっしゃった。その疑念の部分は一体何なのか。これをちょっと明らかにしてほしいと思います。
#54
○政府委員(小野昭雄君) 御指摘の種子の調査についてでございますが、昨年の三月に関東南部及び東海地域で多発いたしました腸管出血性大腸菌O157によります食中毒の汚染源についての調査の一環として行ったものでございます。このうち、愛知県の蒲郡市及び横浜市におきますO157中毒事例でO157がカイワレダイコンから検出されたわけでございますが、この種子につきまして研究班によりまして調査を行ったわけでございます。
 O157の菌体自身は検出されなかったわけでございますが、PCR法を用いました遺伝子レベルでの検査を行いました結果、O157菌体を合成するための特有の遺伝子、それからO157が出しますベロ毒素の遺伝子が検出されまして、さらにこれらの遺伝子を持つO157が増殖することが確認されましたために、O157による汚染を受けたことが判明したところでございます。
 これらの調査結果につきましては、本年の三月三十日、食品衛生調査会・食中毒部会・食中毒情報分析分科会におきましていろいろ御議論がされたわけでございます。その結果といたしまして、O157が検出されましたカイワレにつきましては、O157に汚染された種子が汚染源と考えられるということで御結論をいただきまして、それらの結果につきまして、いわゆる栽培に使用する前に一律に有効な滅菌処理がなされるようにということで農林水産省にもお願いをしたところでございます。
#55
○政府委員(高木賢君) 疑念ということでございますが、これは今、小野局長もおっしゃられましたけれども、O157の菌体自身というのは見つかっていないわけです。にもかかわらず、生産現場でその菌が増殖して中毒をもたらしている、こういう結論でございますから、そういうことが一体言えるのだろうかというのが基本的な疑念でございます。
#56
○風間昶君 時間がないですけれども、委員長、これに対して厚生省の反論を聞きたいんです。どうぞ、厚生省。
#57
○政府委員(小野昭雄君) 先生よく御存じだと思いますが、現在、細菌あるいはウイルスの検出のレベルにおきまして、ウイルス自体あるいは細菌自体が検出されなくても、そのウイルスあるいは細菌に固有の遺伝子がPCR法によって検出された場合、これは病気の確定診断にも使われている方法でございまして、例えばHIVあるいは結核なんかがそうでございますが、私どもとしては、その調査会での御結論というのは妥当なものであるというふうに考えております。
#58
○政府委員(高木賢君) ただいまの点について申し上げますと、DNAの断片が検出されたということでございますが、その断片を検出する方法につきましては、その他の菌でも反応することがあるということでございますので、本当にこれがO157由来なのかどうかということはさらなる確認試験が必要ではないかというふうに考えているわけでございます。
#59
○風間昶君 時間がないから終わります。これは大事な問題です。一つのものに対して違うわけですから。
#60
○村沢牧君 私も、時間が短いですから、簡潔に質問しますから、簡潔に答弁してください。
 HACCP手法の導入の仕組みには七つの基本原則がある。これは原材料の受け入れから出荷に至るまで工程ごとにこの原則を適用して常時チェックする、問題が発生したら即時に対応する。これはどの企業にもやってもらいたいわけでありますが、さりとてこの手法を導入することは中小企業にとっては大変なことであるということは皆さん方から質問があったところです。
 そこで、大臣、本法案は、認定を受けた法人に対して金融、財政の支援を行う、つまり申請に基づいて行うと。しかし、この法の実の目的を達成するためには、これまた今までいろいろな方からの質問があったんですが、啓発や人材の育成あるいは基準づくりやマニュアルの指導、専門知識の普及、技術開発、試験研究だとか総合的な対策が必要だと思いますが、大臣、いかに取り組んでいきますか。
#61
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。
 HACCP手法の導入の促進を図るためには、本法案に基づく施設整備に対する金融・税制上の支援措置のほか、専門的知識を持つ人材の育成やHACCP手法に係るデータの整備あるいは技術開発等が重要であるとまず基本的に考えております。
 このため、事業者団体によるHACCP啓発パンフレットの作成、あるいはまた講習会の開催等に助成することによりまして人材の育成を図るとともに、技術研究組合による食品加工技術の開発の一環としてHACCP手法に係るデータの整備あるいは技術開発の推進など、HACCP手法の導入のための総合的な施策を講ずることといたしております。
#62
○村沢牧君 大臣が基本方針を定める、そして指定機関の高度化基準を認定していく。これは法案によると、認定を受けた法人が認定後、諸規定に違反した場合に立入調査をする、罰則を科する、大変厳しい措置なんですね。政府のやっていることは金を貸してくれること、税法上の措置であります。しかし、この取り扱いについてこの規則に違反した場合においてはこれで罰則を科すると。こんなことをやっていたら、どうも飛び込むといってもためらってくるんですよ。だから、私は、この法律をつくるときに与党の一員でありましたが、中身をもうちょっと検討して、もっと政府が積極的にやるということを出すべきじゃないかと言ったんですが、既に皆さんはこういう法律を出した。答弁は要りませんよ、大臣。こういうことですから、これを導入するについて政府の対応をしっかりやってもらわないと困ると思います。罰則ばかり強化したらやる人はいないですよ、こんなの。その点を申し上げておきましょう。
 さてそこで、先ほど来言われております百億の問題ですね。これは百億で果たして十分なのか少ないのか、これはやってみなきゃわかりませんが、もしこの融資枠で足らないような場合においては枠を拡大していく、そういう措置も当然とらなきゃいけないと思いますし、一指定団体なり一企業に対して融資限度額をどのぐらいに置くつもりなのか。
 それから、五年間という時限立法ですね。すべて法律が、臨時措置法は五年間という臨時立法だったから、だからこっちもしたんだと、そんなことじゃなくて、五年やってみてもまだやらなきゃならぬというときは延長するのは当然だと思いますけれども、その辺の考え方はどうですか。簡潔に答弁してください。
#63
○政府委員(本田浩次君) まず、融資枠百億円で十分対応できるのかどうか、こういう点でございますけれども、先ほど御説明いたしましたような考え方で融資枠を設定しているところでございますけれども、今後とも食品企業の設備投資動向などを反映した資金需要の実態に応じて必要な資金枠の確保に努めていきたいと考えているところでございます。それから、一工場当たりの融資限度額でございますけれども、貸付限度額につきましては、負担額の八〇%、または二十五億円のいずれか低い額、こういうことにしているところでございます。
 それから、第三点目の五年間の時限立法の問題でございますけれども、この問題につきましては、先生御指摘のとおり、他の臨時措置法の立法例をも踏まえながら、しかも導入のインセンティブをできるだけ早急に高めていきたい、こういう考え方に立ちまして五年間の臨時措置法としたところでございます。
 この五年間の臨時的な措置によりまして、食品産業全体にHACCPの考え方を相当程度広め、その導入の促進を図るという目的が一定程度達成されると見込まれているところでございますけれども、五年後の扱いにつきましては、その段階でHACCPの普及の実態などにかんがみて、この法案に基づく措置の必要性や内容について改めて検討することになるというふうに考えているところでございます。
#64
○村沢牧君 そこで、厚生省に聞くけれども、この法案が提出される以前から既に、牛乳だとかハムだとかソーセージ、缶詰、そういうものについてはこうした手法が取り入れられておるんですか。このマニュアルなりあるいは改善なりは順調にいっておるのかどうか。
 それから、厚生省が見て、この種の企業はもう早速導入した方がいいと思われる業種があったら言ってください。
#65
○政府委員(小野昭雄君) 現在、総合衛生管理製造過程の対象品目といたしまして、現在は乳・乳製品、それから食肉製品、容器包装詰め加圧加熱殺菌食品及び魚肉練り製品を指定しているところでございます。
 なお、食品衛生法に基づきます製造基準が設定された食品につきまして、例えば清涼飲料水などでございますが、HACCPによります衛生管理の導入が可能となった食品から順次対象としてまいりたいと思っておりまして、どれがということではございませんで、そういう体制の整ったところから順次指定していくという考えでございます。
#66
○村沢牧君 それから、私が最初に質問したように、そういうHACCP手法でやっている業種がうまくこの基本原則なりなんなり、工程の管理をうまくやっていっているのかどうか、その辺について、簡潔でいいですから答弁してください。
#67
○政府委員(小野昭雄君) 既に、乳・乳製品につきましては承認をいたしておりまして、これは全部ではございませんけれども、そういった業界におきましては適正な執行が図られているというふうに考えております。
#68
○村沢牧君 大臣、お聞きのようにO157、私も野菜の産地であるので随分苦労したんですよ。
 そこで、原因はどうだということで追求したんですが、その当時から厚生省、農水省の原因究明なんか意見が分かれていた。今お聞きしても一致していないんですね。
 しかし、このHACCP手法は原材料の調達から加工、出荷に至るまでやるんですよ。政府の中で何が原因だか一致しないようじゃ困るんですが、大臣、どういう扱いにするんですか、こういうのは。
#69
○国務大臣(島村宜伸君) まさに、御指摘のとおりだと私も思います。しかしながら、こういうことをなおざりにすると、やっぱり関係者にいろいろ迷惑が及んでいることでもございますから、一つには罹災者の問題もありますし、また同時に生産者の立場もありますから、これらについてはさらに我々はお互いに考えが一致するような判断に立つべきだと、省内でもそう申しておるところでございまして、今後にかけたいと思います。
#70
○村沢牧君 農水省は生産の方に重点を置く、そればかりではないけれども、安全性も考えるけれども、厚生省は安全性だけでいくと。それは意見の違いは若干あるにしても、厚生省がこの間、三月三十日にカイワレダイコンだとはっきり公表しているんですね。私も、科学的知識を持っておりませんが、この分析の結果を見てもちょっとわからないんですね。本当にこの程度で断定ができるのかどうかということを私は疑問に思っている一人なんです。
 これはまた今ここでどうこう厚生省の局長に弁解を求めませんけれども、ともかく同じ政府内にあって、しかもHACCPを共同提案していこうとするんですから、その辺のことの一致ぐらいはぜひ見ておいてもらいたいと思います。
 さてそこで、カイワレダイコンの種子は輸入ですね。この輸入カイワレの種子を初めとして、食品加工の原材料には輸入農産物が随分あると思うんですよ、輸入してそれを加工していくんだと。この検査体制はどういうふうになっているんですか。厚生省、農林水産省、両方から答弁してください。
#71
○政府委員(小野昭雄君) 輸入農産物を含みます輸入食品の監視についてでございますが、食品衛生法に基づきまして、全国三十一の海港、空港の検疫所におきまして二百六十四名の食品衛生監視員が当たっております。食品等の輸入の届け出の審査、あるいは検疫所または輸入食品・検疫検査センターにおきます試験検査、輸入食品の衛生確保に関する指導などを行っておりまして、食品衛生法に違反する食品などにつきましては廃棄あるいは積み戻し等の処分を行っておりまして、その徹底を期するために、従来から検査機器の整備あるいは監視員の増員等、所要の措置を講じているわけでございます。
 カイワレダイコンの種子につきましては、種子自体が食品ではございませんので、食品衛生法によります輸入時の検査の対象とはなっておりません。
#72
○村沢牧君 ちょっと待ってください。私は、このカイワレダイコンの種子も含めて、これから原材料として輸入したものを加工していくことになるんですよ。種子は食べるものじゃないから厚生省の範囲じゃないとおっしゃるような言い方ですが、これでは困るんです。
 ですから、種子は厚生省では検査をしていないということですか。
#73
○政府委員(小野昭雄君) 現在のところはやっておりません。
#74
○村沢牧君 農水省、どうですか。
#75
○政府委員(高木賢君) 農林水産省でやっておりますのは、植物防疫法に基づきまして、植物に有害な動植物の侵入防止のための検疫を行っているわけでございます。したがいまして、人間の衛生上の危害の防止の観点からの検査は植物防疫法の対象になっておりませんので、これはやっておりません。
 種子につきましては、植物に有害な動植物を排除する、駆除するという観点からの検疫でございます。
#76
○村沢牧君 それじゃ局長、カイワレダイコンについても種子の検査は農水省もやっておらないと、これは植物ではないということですね。やっていないの。
#77
○政府委員(高木賢君) 植物の病気に対する観点からのものでございます。したがいまして、実際的にはどうなるかということでございますが、輸入の段階では現実問題としてやっておりませんので、生産段階におきまして、マニュアルに沿った消毒をするということで今対応しているわけでございます。
#78
○村沢牧君 カイワレについてマニュアルをつくって水洗いをせよとかなんとか指導しておるのはよくわかるよ。しかし、汚染をされた種子が入ってくる、どこで検査をする、厚生省もやらないし、農水省もやらないといったらどうなっちゃうんですか。大臣、どうですか、それは。
#79
○国務大臣(島村宜伸君) 私もこの道に詳しくないのでございますが、確かに私たちの常識で考えれば、いろいろ検査をすればそこに当然、菌が発見されたり、あるいはそれを動物実験すればそこで何か病気が発生したり、そういう結果につながるのが私たちは常識的に病気があると、こう認識するわけでありますけれども、今回の場合は種子の中にその痕跡を認めたというだけでございますので、この辺の判断は私自身も苦慮しておるところであります。
#80
○村沢牧君 そんなこといっても、製造過程には金もかけてやりましょうというんだけれども、入ってくるものが汚染をされておる、危険だかわからなければ、幾ら製造過程だけやっておってもどうしようもないじゃないですか。どこでやるんですか、この検査は。
#81
○政府委員(高木賢君) 輸入といいましても、やはり輸入する、売買といいますか、使う方の責任というものがあるわけだと思います。例えば、国内生産でできた種子につきましても同様の問題が起こります。したがいまして、その種子を用いて生産を行う方がやはり危険なものを使わないように対処するということが重要なことだと思います。
#82
○村沢牧君 そんな無責任なことを言えますか。あなたたちが、厚生省にしても農水省にしても、非常に問題になっているんですよ。それを今度は輸入する人の責任だと、そんな無責任なことを言えるんですか。だめですよ、そんなことじゃ。
 大臣、この問題は大臣に預けておきますから、しっかり研究して対応しますということを言ってください。
#83
○国務大臣(島村宜伸君) 私も先生の立場におれば同じことを申しておるんじゃないかと、そう思います。したがって、私はこれを責任を持って、もう少し何か御納得いただくものにするように指導をしたいと思います。
#84
○村沢牧君 本日は、ここで回答をしようといってもなかなかできないと思いますから、大臣にこの国会の終わるころまで預けておきますから、政府の中でそういう体制をつくってください。よろしいですね。
#85
○国務大臣(島村宜伸君) わかりました。
#86
○村沢牧君 次は、畜産物の安全ですが、と畜場法が改正をされたと、これもHACCPの関連もあると思うんですが、屠畜場の加工施設あるいは安全体制についてどのように変わってくるのか。と畜場法は厚生省だと思うが、またいろいろ関係してくるのは農水省も関係してくるんですが、どういうふうに変わってくるんですか。
#87
○政府委員(中須勇雄君) ただいま先生御指摘のとおり、屠畜場に関しましては、特に一昨年のO157の発生以来、屠畜場から荷を経由して食肉がO157に汚染されるということを防ぐために、管理上の衛生管理基準ということを定めていただくということと同時に、設備、構造等につきましても一定の基準を定めると、こういうことで、厚生省の方から政令及び省令の改正が出されたわけでございます。
 したがいまして、私どもは、安全な食品を提供するという立場と同時に、食肉の流通施設の一つでございます屠畜場、この整備ということは私どもの行政の守備分野であるということから、こういった厚生省で定められた基準に合った施設の整備を進める、こういう観点での各般の助成措置等を現在講じていると、こういう状況でございます。
#88
○村沢牧君 我が国の屠畜場だとか食品センターというのは、御承知のとおり非常に零細である、改善もおくれておる。だから、この再編整備、助成を積極的にやっていかなきゃいけない。ただ、厚生省の方でそういう規則が改正になったからやるということでなくて、もっと早くやっておかなきゃいけなかったですね。いいですね、やりますね。
#89
○政府委員(中須勇雄君) まさに、先生御指摘のとおりでございまして、今でも全国に屠畜場、三百カ所を超える箇所がございます。その中には大変零細な規模のものもあるわけでございます。
 私ども、先生の御指摘のとおり、こういった問題が起きる前から、もう既に二十年以上になりますけれども、この再編整備ということで、できる限り小規模のものを統合して設備的に大きくする、そのことによって衛生水準を向上させると同時に、食肉の流通施設としてのコストの改善というか流通の改善と、そういうことで取り組んでまいりましたし、今後ともさらにこういった衛生面での設備基準が強化されたということを含めてこの対策をしっかりやっていきたい、こういうふうに思っているところでございます。
#90
○村沢牧君 カイワレに関係して、一昨年、大変私どもは迷惑をこうむった。私は長野県ですけれども、これによってレタスなんか何十万個と廃棄していたというんですね。売れないんです。価格が安いんです。圃場に捨ててあったんですね。
 そこで、こうしたものについて重要野菜産地に指定をしてください、あるいは交付金の額もはっきりしてくださいと強く要請したんですが、その当時、農水省も何とかやりましょうと約束していたんですが、まあカイワレの問題もあったかもしれませんけれども、どういうふうに取り扱っていますか。
#91
○政府委員(本田浩次君) 御指摘のとおり問題がございましたので、夏秋レタスにつきまして、これまで重要野菜についてのみ行ってきております生産者の自主的な出荷調整に対する助成の対象に本年度から対象にすることにしたところでございます。
#92
○村沢牧君 しっかりやってください。
 最後にもう一点、水産物についても聞きたいんだけれども、従来、我が国の水産物というのは鮮度に重点が置かれておって、製造・加工段階の安全衛生は大変に私はおくれていると思うんですね。EUなんかも最初に水産物を義務づけしてHACCPを扱っている。我が国の水産業の特色はいろいろあるにしても、このままでは済まされないと。
 水産庁長官、水産物加工に対するHACCPの考え方についてはどういうふうに思っていますか。
#93
○政府委員(嶌田道夫君) 今、先生言われましたように、水産物の水産加工、中小零細が多いということで非常にHACCPの導入につきましてもいろいろ困難な点が多いと思います。そういうことも踏まえまして、このような実態に合った言うなればHACCP方式の導入ということにつきまして、今後努力していきたいというふうに考えております。
#94
○村沢牧君 最後に、努力することは当然だけれども、そんなことは答弁聞かなくてもわかるよ、わかるけれども、真剣にやっぱり取り組んでくださいよね。
 以上で終わります。
#95
○須藤美也子君 まず最初に、O157の汚染源について、先ほど来、厚生省と農水省の意見が違うと。そういう点で、るる延々とお聞きをしても始まりませんので、私はここで明らかになったことは食品微生物に対する研究と、それからデータバンクが整っていないということが証明されたのではないかというふうに思うんです。
 そういう点で、この問題について深く質問する余裕はありませんので、ここで申し上げたいことは、O157の発生源の徹底的究明を国民は待っているわけです。そういう点で、一日も早く国民にO157の原因を明らかにすることを強く要求いたしまして、まず最初に大臣に質問をしたいと思います。
 HACCPシステムを導入するに当たって、押しつけたり強制的に指導するのではなく、あくまでも法の趣旨に基づいて手挙げ方式を尊重する必要があると思います。従業員の少ない企業が圧倒的多数を占めている食品製造業は、地域経済にも重要な役割を果たしております。
 この間の参考人質疑で、おみそ業界の人は、年間一万五千トンを生産するかなり大きい工場だと思いますが、HACCPをやると四十億円のお金がかかる、HACCP導入によって一五%割高になる、そういう点で政府の貸付枠百億円の資金では足りないのではないか、こういうふうにおっしゃいました。しかし、こういう設備のできるところはごく一部だと思うんです。圧倒的多数の製造業者はやりたくてもそういう設備ができない、これが現状だと思うんです。
 そういう点で、中小零細企業には融資制度だけでなく助成制度を設置する必要があるのではないか、私はせんだっての参考人質疑の中でそういう点を強く感じました。そういう点で、融資で百億円では足りないのではないかと言っているわけです。
 ですから、こういう中小零細業者のためにも私は助成制度を設けるべきではないか、この点を大臣にお尋ねしたい、こう思います。
#96
○国務大臣(島村宜伸君) HACCP手法の導入は、企業の自主的な判断のもとに行われるわけでありまして、品質管理の向上等の効果を伴うものであり、中小企業が行う場合であっても国が個別の企業に対して助成を行うことは適当ではないと考えているわけであります。
 ただ、確かに税制上の特典とかあるいは融資その他について配慮をしつつ、可能な限りこの制度が円滑に導入されるようにすることは、結果的にいわば食品という極めて安全性の求められる性質の商品を扱う立場の方々の信用にもつながることでございますから、我々は御無理のないようにこういう制度がだんだんと定着していくように努力をしていきたい、こう考えております。
#97
○須藤美也子君 企業にはそういう助成はしないと。しかし、銀行支援には三十兆円もしているじゃありませんか。例えば、地球温暖化防止でソーラーシステム、それには最新の技術を導入するということで助成金を出しました。風力発電にも助成金を出しました。HACCPは初めての導入でしょう。そういう初めての導入に当たって助成制度をする、これが常識じゃないんですか。
 企業の皆さんは、新しい技術を入れるという点で大変不安もあると思うんです。そういう点で、本当にHACCPをやると、本気になって農水省がそういうものを進めるということであれば、そういう助成制度もきちんと私は位置づけるのが当たり前だと思うんです。補正も何かあるようですし、そういう予算要求を農水省としてもやるべきではないですか。銀行に三十兆円やるくらいなら、中小零細企業の支援のためにこれをやるというのは当然の要求だと思いますが、大臣は違いますか。
#98
○国務大臣(島村宜伸君) HACCPシステム、これがだんだん定着することを私たちは望むわけではございますが、それはそれとして、これは強制したり義務づけたりする性質のものではございませんで、私は近い将来、我々の大事な務めの基本として食糧の安定供給という言葉がありますが、これが安全な食糧の安定供給というように言いかえられましたように、最近はやはり消費者の側でもより安全性を求めるというような面が出てきているわけでございまして、食品を業とする方々はおのずからそういう面を求められてくるんだろうと思います。
 そういう場合に、いわばその安全性を確保するために大変であるというようなことごとについて、我々が義務づけるようなことをする場合には当然に助成をしなきゃいけませんし、ただいま銀行との比較が出ましたけれども、銀行の場合も、零細な預金者も含めて、預金者の預金がある日突然全く紙くずになってしまうということがない、そういう保証と安心感を社会に持たせるためのものでありまして、いささか性質が違うのかなと、こんなふうに思います。
#99
○須藤美也子君 強制的ではない、環境保全対策としてソーラーシステムも強制的ではないです。風力発電も強制的ではないんです。でも、それにちゃんと補助金を出し、助成制度をしている。さらに、銀行助成についても零細の人たちを救うためと。食品業界だって零細企業が圧倒的多数ですよ。そういう人たちを保護し、支援するためにはやはり助成金、助成制度を行うのが当然だと思うんです。そういう点で、私はもっと大臣があの大蔵省に対しても強い姿勢で助成を、予算をふやすように要求すべきだということを、この点でいろいろ言っても時間がかかりますので、その点を強く要求して、ぜひ予算を獲得していただきたいというふうに思います。
 次に、HACCPの先進国であるアメリカは承認業者としか取引をしない、そういう排他的チェーン化が進んでおります。「鶏肉卵情報」という月刊誌がありますが、この中には、イギリスの大手スーパーはHACCPシステムの導入を取引条件にして、これまで十五社の納入業者と取引をしてきたけれども五社としかしなくなった。それから、この間の缶詰業界の参考人質疑の中でも申し上げましたが、この業界誌で、「わが国の量販店等の流通業者から、HACCP管理を行っている工場の製品であることを取引の条件にするような動きも見えている。」と、こういう危惧も持っているわけです。
 そういう点で、我が国でも企業がHACCPシステム導入を取引条件としないように、今まで缶詰業界の方は日本で初めて食品衛生の設備をした業界なんだ、二十四年間かかりましたと、こういうことをおっしゃっていました。こういう営々と築き上げてきた中小零細業者の努力を切り捨てるようなことになってはいけないと思います。
 そういう点で、農水省の指導はどういうふうに考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
#100
○政府委員(本田浩次君) 食品の生産流通形態は大変多様でございまして、HACCP手法の導入を求められている食品企業は、主としてその製品を広域流通させたり、量販店経由で流通させたりする食品企業であろうというふうに思います。その食品を地場流通させたり、手づくりであることを前面に出して流通させているような地場の食品企業におきましては、その流通形態からして必ずしもHACCP手法の導入に取り組むことが求められているわけではなくて、取引上不利な扱いを受けるとは限らないと考えているところでございます。
 他方、HACCP手法への取り組みが進んでいる業界におきまして衛生・品質管理面における取り組みの違いを反映して、ある程度の取り扱いの違いが生じたといたしましても、企業間の通常の経済活動によるものであれば必ずしも不当でないケースも多いと考えるところでございます。
 しかしながら、流通業者などが、先生御指摘のような例の場合ですけれども、商取引上の優越的地位、いわゆるバイイングパワーの乱用によりまして一部の食品企業が不当に取り扱われるような事態が生ずることがないように、私どもも注意深く見守りながら関係行政機関、公正取引委員会が主たるところだと思いますけれども、と連携して適切に対処していきたいと考えているところでございます。
#101
○須藤美也子君 ただいまの御答弁のとおり、中小零細業者もきちんと評価をして、不当な取り扱いを受けないようにこれからも厳しく指導、監督をしていただきたい、こういうふうに思います。
 時間がありませんので、せっかく厚生省の方に来ていただきましたので、厚生省の方に御質問いたします。
 HACCPは、コーデックス手順による七原則十二手順、こういうふうに進めると、こう言っています。ここで心配なのは、コーデックス食品規格で定められている食品添加物は全部で三百三十一品目です。この中で、日本が食品添加物として指定していないもの、特に水酸化アンモニウム、炭化ナトリウム、こういったものも含めて七十九品目、これが含まれています。コーデックスでは、日本では禁止されているものが認められているわけです。
 そういう点で、国際規格ということでHACCP工場でそういう添加物を使わない、こういう保証があるのかどうか、ここを確認したいというふうに思います。
#102
○政府委員(小野昭雄君) 食品添加物についてのお尋ねでございますが、食品添加物につきましては、食品衛生法第六条の規定によりまして、天然香料などを除きまして厚生大臣が指定したもの以外は製造、輸入、販売などが禁止をされております。新たな食品添加物の指定に当たりましては、個別品目ごとに安全性、有効性等を示す必要な資料を添えまして、要請がありましたものにつきまして食品衛生調査会の意見を聞いて科学的にその安全性、有効性が確認できたものに限りまして指定を行うという方針で対処しているところでございます。
 したがいまして、国際基準や国際機関による安全性評価につきましては参考とはいたしますけれども、食品衛生調査会におきましては要請する者から提出された資料に基づいて厳正に審議を行っているものでありまして、今後とも国民の健康確保を第一に科学的に厳正に対処する考えでございます。
#103
○須藤美也子君 私は、厚生省の今の答弁に余り信用できない点があるんです。というのは、日本では抗生物質や合成抗菌剤は食肉や魚介類に含まれてはならない、こうされていながら、コーデックス食品規格の基準に従って、一九九六年七月、厚生省は抗生物質、合成ホルモン剤の基準値を設定し、これを認めた経過があるわけでしょう。
 そういう点で、HACCPに使われる殺菌法、これは熱殺菌、低温殺菌、化学的殺菌、放射線殺菌、これが殺菌法でありますけれども、特に心配なのは化学的殺菌や放射線殺菌、これは非常に国民が、とりわけ消費者がこの安全性を心配しています。日本では放射線照射はジャガイモの発芽防止にしか認められていない。ですが、コーデックス食品規格ではすべての食品についてこの放射線を認めているわけです。
 こういう点で、国際規格に合わせて規制緩和の方向に行くのではないか、絶対そうはいたしませんと、化学的殺菌、とりわけ放射線問題、こういう点での保証はきちんとされているのでしょうか。
#104
○政府委員(小野昭雄君) 個別の食品添加物につきましての評価に関しましては、食品衛生調査会で科学的な御審議をいただいた結果を踏まえて対処をいたしているところでございます。
 なお、科学的に今までわからなかったことがわかってくるというふうな事態もございますので、最新の情報収集に努め、対処してまいりたいと考えております。
#105
○委員長(松谷蒼一郎君) 時間が来ました。
#106
○須藤美也子君 時間が来ましたので終わりますが、最後に、本当に国民に安全な食品を提供する、そういう立場で厚生省も農水省も努力をしていただきたい。そういうことをお願いして、質問を終わります。
    ―――――――――――――
#107
○委員長(松谷蒼一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小川勝也君及び大野つや子君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君及び田村公平君が選任されました。
    ―――――――――――――
#108
○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。
 私は、食品製造業者の育成の観点から質問させていただきたいと思います。
 平成七年度の食品衛生法の改正で、HACCPの考え方を取り入れた総合衛生管理製造過程の承認制度が認められました。二年ほどたっておるわけでありますが、その間に百七十七件が既に承認をされて、加えて二百五十八件の申請が現在なされておるということであります。
 厚生省といたされましては、承認をされた会社とまだ承認をされていない会社、この間、取引の上でいろいろと議員から出ておりました問題、懸念されている問題は生じていないかどうか、まず確認いたしたいと思います。
#109
○政府委員(小野昭雄君) 企業取引に関しましては、この問題だけではなくてさまざまな関係する要素があるというふうに思いますので、差が生じるかどうかというのは一概に申し上げられないと思います。
 私ども、食品衛生法に基づく総合衛生管理製造過程の承認制度につきましては、専ら食品に起因します衛生上の被害の発生を防止するという国民の生命、健康を守る目的から設けられているものでございまして、企業間の取引に着目した制度ではないということで御理解を賜りたいと思います。
#110
○阿曽田清君 何か私の質問にストレートにお答えいただけなかったんですが、業界の方々は、いわゆるPL法もクリアしなきゃならない、そして食品衛生法の総合衛生管理製造過程の承認も受けなければならない、さらにHACCPの手法を導入してそれだけの自信を持った商品を出していくというようなことがある意味では求められてくる。そういう状況でありますから、業者の方々、企業の方々はこれを何とか競争していく上においては少々無理してでもHACCP手法の導入をしなきゃならぬという思いがあるわけであります。
 そこで、今、厚生省からのお話でな、それだけの問題ではなくて、いろんなファクターが伴っての取引要件が出されているんだと、こういうお話でありましたけれども、少なからず私は、これだけの既に百七十七件と二百五十八件、これはたったの四業種ですよ。四業種だけれども、これだけのものが承認を受けたいということで出しておられるということは、ビジネス上それは大きく影響しておるというふうに見るのが筋ではなかろうかなというふうに思うんです。
 そうした場合に、今回、HACCP導入をし得る企業とし切れない企業、先ほどから出ておりましたようなことでありますが、商取引をする場合に、それをしていないところが足かせになってしまいはせぬかなという心配をするんですが、局長の御意見を伺いたい。
#111
○政府委員(本田浩次君) この法案の提案理由にかかわるような話がまず第一点であろうというふうに思います。
 いずれにいたしましても、特に最近、食品の安全性の向上と品質管理の徹底を求める要請が強まっている。これにこたえていくということが企業の生き残りにとっての前提条件になっているというのは事実であろうというふうに思います。
 ただ、これまでもるる御説明しておりますように、食品の生産流通形態、地場食品企業、それから大規模な企業との髪もございます。そういった生産流通形態が多様でございますので、HACCP手法の導入が一律に求められているわけではないというふうに思っております。
 HACCP手法の導入を求められている企業につきましては、量販店や外食チェーン経由で流通させる企業、広域流通のものであろうというふうに思っております用地場流通させたり手づくりであることを前面に出して流通させているような地場の中小企業におきましては、必ずしもHACCP手法の導入に取り組むことが求められているわけでもありませんし、またその必要性も小さい、こういうふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、HACCP手法を導入しようとする企業につきましては、できるだけ早く本法案の施行によりまして金融・税制上の支援措置を講ずることによって、その導入に取り組めるような環境づくりを図ってまいりたいと考えておるところでございます。
 流通との関係でございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、一般的に必ずしもこういった問題が多く生ずるとは考えていないところでございます。しかしながら、流通業者などが商取引上の優越的地位、いわゆるバイイングパワーの乱用によりまして一部の食品企業が不当に取り扱われるような事態が生ずることがないように、私どもは注意深く見守りながら関係行政機関と連携して適切に対処していきたい、こう考えているところでございます。
#112
○阿曽田清君 ぜひお願いをいたしたいと思います。
 私の経験からしますと、例えば分析結果がどういう結果になっておりましたか、あるいはされておりますかというのを、万が一、例えば大腸菌が非常に市場の中でふえているというときに問い合わせがあるんですよ。そうしたときに、そのときの同じ商品をこういう形でどこどこの分析センターで検査をした結果、この程度の大腸菌の数でしたということをぽっと出せばそれでオーケーになったり、多過ぎた場合は出荷停止と、こういうのがすぐ言ってくるんです。ですから、私は、そういうものがきちんと分析も、ちゃんと企業でデータを残しておるというようなことを一つの証明としてとっておかないと、先々のビジネスが続かないというようなことになります。
 そういう現場の状況を、安心してつくられておる会社なのかどうなのか、工場の内容がどうなのかというのがビジネスを広げていく上において、そこの工場ならば取引を開始してもいいですね、HACCP手法を取り入れていないところだったらちょっと考えなきゃなりませんねというのが現実の話として出てくる。私はそう思いますので、局長のおっしゃられましたようなことがいつまで流通サイドから容認されるのかなと、極めて疑問に思っておりますので、早目にその対応をしていただきたいと思います。
 せんだって、参考人の方々の御意見にほかの議員からも質問がありまして、いわばアメリカとかEUは義務化ということになっておりますが、日本の場合は自主目標ということで、企業主がやりたいところがやるというようなやわらかな話でありますけれども、そうじゃなくて、やはり強化されるべきだということを参考人の方々はおっしゃっておられました。そうしますと、そういう方向にやはり行かざるを得ない趨勢だと思うんです。そうした場合、九九%が中小企業業者である。しかも、中小企業業者の中には、現場では排水処理の問題も抱えておる。同時に、この過当競争の中でやっていかなきゃならないというようなことで、利益率の非常に小さいのがいわゆる食品業界であります。
 したがいまして、今回の法案の中で、その趨勢に沿うた形の中で、確かに融資なり税制面の対応があっておるわけでありますが、私はこれでは不十分じゃなかろうかなというふうに思います。加えて、人材の育成やデータの整備というようなものも必要になってくるわけでありますので、さらに期待にこたえるために大臣としてどのように取り組みをなされようとされておるのかというのが一点。
 それと、今回は農林漁業金融公庫で融資ということでありますが、せっかくのことならさらに私は、いろんな業界の方々、政府系の金融機関とのつながりがあるわけでありますから、例えば環境衛生金融公庫ですとか、中小企業金融公庫ですとか、あるいは国民金融公庫等々にも窓口を広げて、そのニーズにこたえるようなことをされたらいかがなものだろうかというふうに思いますが、いかがなものでありましょうか。
#113
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほども申し上げたところでございますが、私自身が多少そういう面が強いのかもしれませんけれども、人間が動物と違うところというのはやはり衛生面にどれだけ神経を使うか使わないか、そういう面も非常にあろうかと思います。
 そういう意味で、ある高名な学者の話を聞いていたら、日本という国は大変立派な国だと、要するに非常に衛生観念が徹底していて、食品でも何でも管理その他に関しては最も配慮を用いるところで、文化を売り物にする国も廊下にパンが立てかけてあるという現実があるし、手洗いに行ってもおよそ手を洗わない人をたくさん見る、むしろそれが常識とすらなっている、こんなような比較をしている話をちらっと聞いたことがございます。
 いずれにせよ、私は、食品を扱う業者は基本的にまず衛生思想というものをしっかり持って、それを食する人に対して万全の配慮をするのは当然のことだと思うんです。ですから、なるほど、このHACCP手法が導入されるということで新たな設備やいろんな配慮のための費用を要する面があろうかとは思いますが、基本的にはそのことを徹底することが企業のイメージをアップする、そういう面が私は必要なのではないかと思います。
 例えて申し上げると、私は一年じゅうを通してアイスキャンデーというのを自分の事務所に置いています。その食品をある立派な方にお届けするために、そこの店長にこれをこういう人に差し上げて大丈夫だろうかと言ったら、絶対間違いありません、私どもは製品の中身も一〇〇%なら衛生的な管理も一〇〇%でございますから全責任を負いますと、こう言われて、さすがと思ったことがございます。
 やはり、そういうような気持ちが国の隅々まで行ってこそ私は文化国家日本なんだろうと思いますから、それに対してもし何かの支援が必要だということになれば、それはそれでまた政治的に対応することが必要かと思いますが、私は今御指摘のことについては余り考えに違いはないように受けとめましたので、そう申したところでございます。
#114
○政府委員(本田浩次君) 他の金融機関との関係についてお答えを申し上げます。
 今回、農林漁業金融公庫資金で長期かつ低利の資金を融通することにいたしましたのは、食品企業のHACCP手法の導入を通じまして食品企業と農林漁業者との連携を強化し、農林水産物の販路の確保に資するものであるという点に着目して農林公庫の資金として仕組んだところでございます。日本開発銀行、中小公庫、国民公庫、それから環衛公庫、それぞれ政策目的がございますので、今回はこの公庫資金が最も適切な政府系金融機関であると判断したところでございます。
 しかしながら、食品企業がHACCP手法を導入するに当たりまして、他の政府系金融機関において既に措置されている食品企業向けの政策資金を活用することも可能でございますので、他の政府系金融機関も補完的に活用していく方向で考えていきたいと思っております。
#115
○阿曽田清君 ぜひお願いをいたしたいと思います。
 加えて、これは要望いたしたいと思いますが、新たに取り組むためには人材が必要だということを周りで聞きますし、あるいは増員をしなきゃならないということも出てまいります。経営が大変厳しい状況の中で強いられる事業でありますから、できれば雇用調整助成金あたりを労働省あたりと御相談いただいて、それに取り組む企業に対しては雇用調整助成金等の適用も御検討いただくようにお願いをいたしたいと思います。
 最後になりますが、先ほどからカイワレの話だけが出ておりましたが、輸入される種子はカイワレだけじゃありませんで、海外から入ってきております野菜等の種予については全部該当するかなどいう形になるわけであります。ですから、農林省と厚生省が責任をあちこちやるようなことじゃなくて、やはり海外の製造元と日本の販売元とが取引する過程の中で、きちんと海外での製造元でのチェックをかけるなり、あるいは輸入元のチェックをかけるなり改めてやらないと、いつまでたってもこの問題は、厚生省と農林水産省の戦いと言ってはいけないけれども、言いわけをお互いしているだけで、国の方針はどちらかということを国民は大変心配いたすわけでありますから、見解を出すときはちゃんと統一した見解を出すようにしていただきたいというふうに思います。
 今回のHACCPにつきましても、PL法あるいは食品衛生法は厚生省、今度このHACCP手法導入については農林水産省が法案をつくってやる、こういうことで、それぞれが今度何か問題が起こったときに、いや、HACCP手法はうちの管轄ですからその問題に限ってはうちでチェックしますけれども、食品衛生法の分野だと厚生省ですと、こういうようなことになりがちな感じがいたしますので、これからは国民の方々なり生産者の方々がわかりやすいように、きちんとこういうものはともに協調してといいますか、統一していろんな取り組みを、あるいは発表をしていただきたい、強く要望を申し上げて、質問を終わります。
#116
○委員長(松谷蒼一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(松谷蒼一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、和田洋子君から発言を求められておりますので、これを許します。和田洋子君。
#118
○和田洋子君 私は、ただいま可決されました食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明、社会民主党・護憲連合、日本共産党、自由党の各派及び各派に属しない議員石井一二君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案に対する附帯決議(案)
  最近における国民の食品の安全性に対する関心の高まり等を背景に、我が国の食品製造業は、HACCP手法の導入等、食品の衛生・品質管理の高度化を求められている。
  しかしながら、中小零細企業が大半を占める食品製造業は、近年の景気の停滞、加工食品の輸入増大等により、非常に厳しい状況に直面している。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 HACCP手法の導入を図るに当たっては、我が国の食品製造業の厳しい経営実態を踏まえ、関係事業者に対する啓発、人材の育成等所要の支援措置を講ずるとともに、今後とも、本法の目的が十分達成されるよう配慮すること。
   また、HACCP手法の導入に伴う施設整備が過度の製造コストの増大につながることのないよう、きめ細かい指導を行うこと。
 二 指定認定機関の指定、高度化基準及び試験研究計画の認定が適切かつ迅速に実施されるよう努めること。
   また、事業者団体が行うHACCP手法に関する試験研究を積極的に支援すること。
 三 指定認定機関として指定された事業者団体に対しては、高度化基準の作成及び高度化計画の認定業務が適切に実施されるよう、指導・監督を行うこと。
 四 食品製造業へのHACCP手法の導入と併せ、食品の衛生・品質管理の促進に努めること。
 五 食品産業の廃棄物の減量化・再資源化等への取組を支援するとともに、適正処理のための新技術の開発・普及に努めること。
 六 フードシステムの高度化を推進することにより、食品産業の競争力の強化と国産農林水産物の利用拡大を図ること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#119
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいま和田洋子君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(松谷蒼一郎君) 全会一致と認めます。よって、和田洋子君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、島村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。島村農林水産大臣。
#121
○国務大臣(島村宜伸君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#122
○委員長(松谷蒼一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(松谷蒼一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#124
○委員長(松谷蒼一郎君) 農地法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。島村農林水産大臣。
#125
○国務大臣(島村宜伸君) 農地法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 我が国農業の基盤である農地は、国民に対する食糧の安定的供給を図る上で欠かすことのできない重要な役割を担っており、農地法に基づく農地転用許可制度の適切な運用を通じ、良好な営農条件を備えている農地を保全していく一方、社会経済上必要な土地需要にも対応してきているところであります。
 この農地転用許可制度につきましては、農地の重要性に十分配慮しつつ、地方分権を推進していく観点から、許可権限を都道府県知事に委譲すること、またこれとあわせ、行政事務の基準をより一層明確化することが重要となってきております。
 このため、平成八年十二月の地方分権推進委員会第一次勧告におきまして、「二ヘクタールを超え四ヘクタール以下の農地転用許可は、都道府県に委譲する。この場合、都道府県は、許可に当たり、当面、国に事前協議しなければならないこととする」との勧告が行われております。また、平成九年三月の規制緩和推進計画及び同年十一月の「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」におきましても、四ヘクタール以下の農地転用許可権限については都道府県知事へ移管することが定められております。これらの内容を実施するため、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、農地転用の許可権限を農林水産大臣から都道府県知事へ委譲することであります。
 地方分権の推進を図るため、二ヘクタールを超え四ヘクタール以下の農地転用の許可権限を農林水産大臣から都道府県知事へ委譲することとしております。
 第二に、農地転用の許可基準を法律上明確化することであります。
 従来、通達で定められていた農地転用の許可基準を法律に規定することにより、行政事務の明確化を図るものであります。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#126
○委員長(松谷蒼一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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