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#1
第142回国会 労働・社会政策委員会 第4号
平成十年二月三日(火曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     猪熊 重二君     木庭健太郎君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     今泉  昭君
     竹村 泰子君     長谷川 清君
     木庭健太郎君     猪熊 重二君
     都築  譲君     阿曽田 清君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鹿熊 安正君
    理 事
                海老原義彦君
                狩野  安君
                笹野 貞子君
                大脇 雅子君
                吉川 春子君
    委 員
                石渡 清元君
                佐々木 満君
                佐藤 静雄君
                坪井 一宇君
                橋本 聖子君
                今泉  昭君
                長谷川 清君
                猪熊 重二君
                山本  保君
                菅野  壽君
                聴濤  弘君
                阿曽田 清君
                堂本 暁子君
       発  議  者  吉川 春子君
       発  議  者  山本  保君
   委員以外の議員
       発  議  者  吉岡 吉典君
       発  議  者  戸田 邦司君
       発  議  者  都築  譲君
   衆議院議員
       発  議  者  小川  元君
       発  議  者  河村 建夫君
       発  議  者  辻元 清美君
       修正案提出者   金田 誠一君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     井出 亜夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   説明員
       外務省経済協力
       局政策課長   目賀田周一郎君
       大蔵省主税局総
       務課長      森信 茂樹君
       郵政省貯金局総
       務課長      高橋 守和君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○市民活動促進法案(第百三十九回国会衆議院提
 出)(継続案件)
○非営利法人特例法案(第百四十一回国会笠井亮
 君外二名発議)(継続案件)
○市民公益活動法人法案(第百四十一回国会山本
 保君外三名発議)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二日、竹村泰子君、勝木健司君及び都築譲君が委員を辞任され、その補欠として長谷川清君、今泉昭君及び阿曽田清君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鹿熊安正君) 市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○猪熊重二君 今回、質問に先立ちまして、衆議院送付のいわゆる与党案及び本院において提出された共産党案及び新進、公明、太陽等、いわゆる野党各党が提案した野党案、この三法案の発議者に、大変御苦労であったことに対して、最初に敬意を表したいと思います。
 本来、三法案の質疑ですから、それぞれについていろいろお伺いするべきでありますけれども、私としては、きょうはいわゆる与党案についてだけ質問させてもらいます。ほかの法案提出者には申しわけないんですが、衆議院から送付されたという意味で、法案成立の可能性というのが一番近いところにあるというふうな観点から、この与党案に対してどうしても伺いたいことがありますので、これに限定してお伺いしたいと思います。
 質問の第一点は、この与党案が対象とする市民活動を限定していることの当否についてであります。
 御承知のとおり、この法案は市民活動の概念を第二条第一項に規定しております。これによれば、「「市民活動」とは、別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするもの」というふうに定義されています。別表には十一の項目にわたる具体的な対象活動が列挙され、十二号に、この各号に掲げる具体的活動を行う団体の連絡等が対象活動として挙げられております。ですから、具体的には十一項目の活動のみを直接この法案は対象としているというふうになると思います。
 そこで、最初に伺いたいのは、この別表に掲げられている活動というのは、いわゆる限定的、制限的列挙であるのかどうかという点であります。
#5
○衆議院議員(小川元君) 別表に書かれました活動の分野の列挙は、法制的には市民活動法人が公益法人の一種であるということから、民法の特別法としてのすみ分けの要件でございます。したがいまして、別表の活動の分野の列挙は、単なる例示ではなくて、限定、制限列挙であると考えております。
#6
○猪熊重二君 現実の世の中では、多様な目的を実現するために多様な団体が結成されています。憲法二十一条が保障している結社の自由というのは、このように、人々が多種多様の目的を実現するために自由に団体を結成すること、そして、この団体が多種多様な活動を自由になし得るということを保障しているわけです。
 そうすると、世の中に多数存在する団体、その団体の活動の中から、本法案が十一項目にだけ限定して、制限して対象活動を規定しているということの合理的な根拠というのはどこにあるんでしょうか、必要性というのはどこにあるんでしょうか。
#7
○衆議院議員(河村建夫君) 先ほどの質問で小川議員がお答えいたしましたように、この十二分野に活動分野を限定したということは、いわゆる市民活動法人そのものは公益法人の一種類である、民法の特別法としてのすみ分けからの要件であるということであったわけであります。
 しかしながら、どのような分野を取り上げていくか、どの分野を取り上げることが適切であるか、こういうことになりますと、これは政策的な判断によるものでございまして、本法案で取り上げている十二項目の活動は、現在市民活動として行われていろいろんな活動の中の主な活動として、その中の「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」ものを政策的に判断して拾い出したと、こういうことであります。
#8
○猪熊重二君 ちょっと今の説明ではよくわかりません。わかりませんというのは、民法の公益法人規定の別の公益的な団体を対象とすることの理由のゆえに十一項目に限定したと、こうおっしゃるんですが、それじゃこの十一項目に掲げられなかったことは公益的な活動であるのかないのかという点がさらに問題になってきます。この法案が規定している十一項目以外の項目は公益的なものでないのかどうなのかということが当然検討されなきゃなりません。
 そこで、私は伺いたいんですが、幾つでもそういう問題は出てくるんですけれども、例えば日本農業の保護、育成、発展を図る市民活動というふうなものはなぜこの十一項目の中に入っていないんでしょうか。
#9
○衆議院議員(辻元清美君) 今、猪熊委員が御指摘になりました日本農業の保護、育成、発展を図る活動についてですけれども、この法律につきましては、実際にはそれぞれ活動なさる団体の方が、どういうことを目的にして、どういう活動を具体的に行っているかという中身にかんがみて、その活動を行っている団体が、私たちはこれに当たるだろうというのを所轄庁は認証しなければならないという法律になっております。ですから、その団体がどういうふうに自分たちの内容を判断されるかということにかかります。
 それともう一つは、あと所轄庁の判断ということになりますので、その所轄庁がその内容を見て、ああそうですねということになれば認証が与えられます。
 ただ、一般的に見まして、今御指摘の活動ですと、私は二つこの項目に当たるのではないかと思うんです。一つは、農業ということで環境保全などめ面を重視した活動をしておるのであれば、環境保全を図る活動に該当するかと思われますし、また、農業を促進してその地域の振興であったり、地域を活性化していこうという青年等の活動もございますが、そういうふうであればまちづくりの推進を図る活動ということに一般的に該当するかと思います。
#10
○猪熊重二君 例えば、日本農業の保護、育成、発展を図る行為が公益活動であるということを前提にした場合に、同じ公益活動だけれども、それはこの十一項目のどこに当たるんだといったときに、今提出者の方の説明としては、この日本農業の保護、育成、発展を図る行為が中山間地域の環境保全ということもあるとすれば別表の五番目の環境保全を図る行為に当たるんだとか、あるいは、それが結果的に農村のまちづくりに寄与するといえばまちづくりの推進を図る三号の規定に当たるんだとか、そんなことを言うくらいなら、何でこのこと自体がここへ載っかってこないんですか。
 それじゃ、次の問題を聞きます。
 行政監視のためのオンブズマン活動はこの十一項目の中に入るんですか、入らないんですか。
#11
○衆議院議員(辻元清美君) これも先ほどの御質問と同じかと思いますが、その団体がどのような目的を持ってオンブズマン活動を行うかにかかってくると思います。一般論ではなくて、具体的に御自分の団体が行っている活動の中身を見て判断していただくということになります。
 ですから、この市民活動法人をとりたいなと思った団体が、今十二項目挙がっておりますが、具体的な中身がこれのどれに当たるかを御判断いただくことになります。ですから、それぞれのオンブズマン活動の中で、自分たちがこの十二項目に当たる中のどれを目的にするかによって選んでいただく。
 一般的に申しまして、地方自治とオンブズマンは非常に深くかかわっておりますので、総合的な意味で見れば、自治という面で御判断いただくのであれば、まちづくりの推進を図る活動に該当するかと思われます。
#12
○猪熊重二君 まことに言いにくい言い方ですけれども、それは詭弁じゃないでしょうか。オンブズマン活動がまちづくりの推進を図る活動に当たるなんということをだれが考えますか、はっきり申し上げて。要するに、この十一項目に限定したことの合理的な根拠、必要性、理由というものが説明を受けた限りでは私には全く納得できないんです。
 そのほかに、例えば交通安全、交通事故防止を図る市民運動はどうなんだ、あるいは環境保全のためにダム・干拓工事の中止を政府や自治体に要求するような活動はどうなんだ、こういったときに、今提出者が言ったような一めぐりした上でこれのどこに当たるか当たらぬかというふうなことをなぜ市民団体が一々考えなきゃならないのでしょうか。要するに、これを十一項目に限定したことの合理的な理由が見つからないんです、私には。
 この問題ばかりやっているわけにもいきませんけれども、それじゃちょっとまた観点を変えて、平成九年三月に経済企画庁の委託に基づいて株式会社社会調査研究所が行った市民活動団体の活動分野別調査によれば、この十一項目に取り上げられていない活動がいっぱい取り上げられています。例えば、学術研究の拡大、犯罪の防止、交通安全、観光の拡大、災害の防止、消費者問題等が項目として挙げられているんです。経済企画庁の委託に基づいて調査した実際の世の中においては、今申し上げたような六項目にわたるいろんな公益的活動をしている市民団体が現に存在する。ところが、それはこの十一項目の中に取り上げられていない。じゃどうするんだといえば、一めぐりしてどこかに当たるか当たらないかというふうなことをなぜ考えなきゃならないんでしょうか。
 この調査報告については、少しは提出者としては検討されたんでしょうか。
#13
○衆議院議員(辻元清美君) この法案を私たちは一九九六年の十二月に衆議院の方に提出いたしました。その折は、まだ委員が御指摘になりました調査の結果は発表されていない段階でした。ですから、御指摘はこの法案提出以後の話です。そこのところを御確認いただきたいと思います。
 その後、衆議院で審議されました折には、委員が御指摘のこの調査結果が発表された以後ですので、衆議院での御審議の中で、各委員の方々にはこの調査結果も踏まえて御審議いただき、修正をいただきましたので、その修正に反映されたかと思います。
#14
○猪熊重二君 私は、対象を十一項目に限定することは単に理由がないだけではなくて、非常に憲法上も問題があると考えるんです。どうしてかというと、このような十一項目に該当しない活動を行う団体を結成することも憲法が保障する結社の自由の一内容なんです。そして、憲法が保障している結社の自由は、すべての結社が国によって平等に、公平に取り扱われるべきことを当然に前提としております。
 しかるにへ提出者が言う公益活動を行っている団体の中から特定の団体だけをピックアップして法人格を付与して、同じようなその他の団体に法人格を付与しないというこの区別、この差別は、合理的な理由がない限り結社の自由の観点から考えても、十四条の平等原則から考えても、もし合理的理由がなければ憲法に違反する可能性が非常に大きい。
 これについてどのようにお考えになりますか。
#15
○衆議院議員(河村建夫君) 今、猪熊先生御指摘の点、一つのお考えとして卓見だと思うわけでございますが、本法案が目的とするところであります民法の特別法としてすみ分けをつくっていかなきゃいかぬ。その中でどのような分野を取り上げていくかということで、あらゆる角度から政策的ね判断に基づいて考えてきて、その判断というものが、現在いわゆる市民活動として行われている種々の団体の活動実態というものを総合的に勘案いたして、その主な活動のうち、法人格を付与するにふさわしいと考えたものを拾い出したものでありまして、社会的実態を背景とした立法事実といいますか、そういうものに基づいた合理的かつ適切な判断によるものだというふうに考えておるわけでございます。
 今回のこの法律が目的とするものに合致しているわけでありますから、また、そのほかの諸団体については別途民法の中にもあるわけでございますので、この別表を列挙したということは、この法案が目的とするところに合うものを列挙したということになるわけでございまして、合法性、合憲性を欠くというふうには考えていないところであります。
#16
○猪熊重二君 同じ公益的な活動の中のある部分について価値を認め、ある部分について価値を認めない。同じ公益活動の中になぜそのような区分けができるのかということについての問題を私は主張しているわけなんです。
 この問題に関しては、このような列挙活動と所轄庁の認証の関係についてもいろいろ問題がありますけれども、時間の関係でこれはちょっと質問を飛ばさせていただきます。
 次の問題は、この与党案が第二条第二項本文の「主たる目的」というものを掲げておきつつ、なおかつ、同条同項第二号イ、ロにおいてまた違うことを規定している、この間の整合性の問題なんです。
 どういうことかと申しますと、この法案は市民活動団体というものを定義するときに、「市民活動を行うことを主たる目的」とする団体と、こう規定しているんです。しかるに、一方で、市民活動は宗教活動を主たる目的とする活動を行ってはならないとか、政治活動を主たる目的とする活動を行ってはならないと、こういうふうなことを規定しているんです。
 何が問題かというと、第二条第二項本文において、「「市民活動法人」とは、市民活動を行うことを主たる目的」とする団体と定義しているんです。よろしいですね。この「市民活動を行うことを主たる目的」とする団体という定義の中には、一つとして、その団体は市民活動を行うことを主たる目的としなければならないということ、二つ目に、市民活動以外の活動を行うことを主たる目的とする団体であってはならないということが当然に含まれていると考えるのが法的常識なんです。だとすれば、市民活動以外の活動を行うことを主たる目的とする団体なんかがこの団体の対象にならぬということは、二項本文の規定の中から当然出てくるんです。
 にもかかわらず、この法案は、第二条第二項本文の今の規定があるのに、第二号のイ及びロで宗教活動を行うことを主たる目的とするものや政治活動を行うことを主たる目的とするものであってはならないというふうな規定をすることは、屋上屋を重ねる有害無益な規定だと、単に有害無益でなくして、何らかの別個な観点があるんじゃなかろうかというふうな疑念を抱かせる意味においても不適切だと私は思うんですが、この二項本文の定義の有する意義内容をどのようにお考えになりますか。
#17
○衆議院議員(小川元君) 御指摘のように、市民活動を主たる目的とするということになっておるわけでありますが、政治及び宗教の問題につきましては、特に憲法上、政治活動の自由や信教上の自由というものの保障が厚く及んでいるところでございます。
 したがいまして、まず政治上の主義を推進し、あるいは、これに反対する目的の団体については、政治活動の自由を保障する点から行政府の介入を極力避けるために特に慎重な配慮が必要であると考えておりまして、一般的な市民活動を行う市民活動法案の対象にはなじまない、こう考えて特に列挙をさせていただいた次第でございます。
 同様に、宗教活動につきましても信教の自由という大変重い憲法上の保障があるわけでございまして、いろんな目的に従って比較的自由に行われる市民活動にはなじまない。極力自由にはしておりますけれども、本法案には行政庁の関与等もあるわけでございまして、そういうことを避けるために特に信教の自由に配慮をしてこの条項を設けたものでございます。
 したがいまして、今委員御指摘のように、何か特別の意図があるというようなことは全くないわけでありまして、私どもは特に憲法上の配慮を強調するということにおいてこの条項が必要ではないかというふうに考えてつくったものでありまして、ほかに全く他意はございません。
#18
○猪熊重二君 これもまことに申しわけないんですけれども、御説明が全然私には理解できません。
 私が申し上げているのは、二項本文において、「「市民活動法人」とは、市民活動を行うことを主たる目的」とする団体であると、こういうふうに定義しているんです。だとすれば、宗教活動を行うことを主たる目的としたり、政治活動を行うことを主たる目的としたり、慈善活動を行うことを主たる目的としたりなんという団体はこの中に入ってこないということは、当然に二項本文の規定から結論されるんです。にもかかわらず、宗教活動を行うことを主たる目的とするものじゃだめだとか、政治活動を主たるものとする団体じゃだめだとか、何でこの二つだけを持ってくるんですか。だとしたら、もっと持ってくるのならば、慈善活動だけを行うものはだめだとか何々はだめだとか、だめだだめだが幾つもなきゃならぬ。こんな条項を、これはだめだあれはだめだと言ったら無限にだめが出てくる。
 そうじゃないんです。そんな無限にだめを持ってくる必要はないんです。なぜか。二項本文の規定の中から、市民活動を行うことだけを主たる目的とする団体でない団体はこれの対象にならぬよと本文に書いてあるじゃないですか。なぜこれが必要なのか。
 今提案者の御意見を伺うと、信教の自由、政治活動の自由を保障するがためにここに書いたというような趣旨のことをおっしゃるけれども、関係ないですよ。こんなところへ書かれたからって、信教の自由、政治活動の自由なんというものの保障とは無関係であると思います。無関係であるどころか、何かこういうことを書いてあると、市民活動団体が市民活動を主たる目的として、付随的に宗教活動、政治活動、慈善活動をやっちゃならぬのかなというふうにでも考えなきゃこの条項が何で必要なんだという必要性がわからないんです。
 どうしてこの二つを除外しなきゃならぬのか、そして二つだけになぜ限定しているのか、もう一度御答弁ください。
#19
○衆議院議員(小川元君) 御指摘のように、これはだめだあれはだめだということをずっと列挙していくというようなことは私どもは毛頭考えていないわけでございまして、その中で特に大切なものである政治活動そして信教の自由というものの二つについて記載をさせていただいているわけでございます。
 市民団体というのはもう多種多様でございますから、そうした市民団体の中に特にこの二つの問題については大切なことであるということの認識が欠けているようなことがあって、市民団体の活動によってかえって宗教活動や政治活動に不利益をこうむるとか迷惑がかかるとかいうようなことがないようにという配慮のもとに記載をさせていただいているものでございます。
 なお、もちろん宗教活動あるいは政治活動を主たる目的としていない、従たる目的の場合には当然活動し得るものというふうに考えております。
#20
○猪熊重二君 今の最後の市民活動団体と政治活動あるいは宗教活動の問題についてはこの後お伺いしますが、ただ一つだけ提出者に申し上げておきたいのは、この法案と同じような立法の形式がないわけじゃないんです。労働組合法に類似の規定があるんです。
 労働組合法第二条本文には、「「労働組合」とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。」というふうに書いておきながら、さらに同法同条ただし書きの第四号では、「主として政治運動又は社会運動を目的とするもの」は労働組合ではない、こういうふうに労働組合法に規定はあるんです、この法案と同じような規定が。
 しかし、これに対してどういう評価がなされているか。この労働組合法の規定について、有力な労働法学者は、「本文から言って当然のことであり、念の為の規定であるが、不体裁極まりないと解せざるを得ない」と言っているんです。これは、有斐閣の「法律学全集 労働組合法」、石川吉右衛門さんが書いている。法律的に見れば、この労働組合法で言えば、二条本文でちゃんと規定しておきながら、ただし書きで「主として政治運動又は社会運動を目的とするもの」はだめだよなんて、こんなことは法文の規定からいって、念のために書いたのかもしれないけれども、不体裁きわまりない、こう言っているということだけを指摘しておきたいと思います。
 次に、三番目の問題についてお伺いします。
 三番目の問題は、第二条第二項第二号ハの規定が憲法に違反する可能性が非常に大きいということであります。
 このハの規定は、時間の関係で私の方で文章を読まさせてもらいます。なるべく簡単に言います。「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」ということが書いてあります。要するに、市民活動と言うためには、今申し上げたような政治的な活動ないし選挙活動を行ってはならないと書いてあるんです。
 しかし、世の中にあるすべての団体は政治活動をなす自由を有しています。憲法が保障する思想、信条の自由、表現の自由は個人の政治的活動の自由の保障であるけれども、しかしこのことは、憲法が個人に保障する政治活動の自由は、個人によって結成された結社そのものの政治活動の自由を保障しているんです。すべての結社、団体は政治的活動の自由を持っています。この自由を否定するわけにはいかぬ。
 しかもへ政治活動の中で、公職の候補者、公職にある者及び政党に対する支持、反対こそこの政治的活動、政治的自由の中核なんです。この自由の保障がなくして、結社の自由といっても、個人の政治的信条の自由といっても、全然憲法の趣旨と反することになっている。だから、すべての結社が政治的活動の自由を有するということは、その市民団体が市民活動を行うことを主たる目的としている限り、従たる活動としてそのような政治活動を付随的に、従属的に行うことは全く自由であると私は考えるんです。
 ところがこの法案は、今言ったように、政治活動の中の中核である選挙活動について一切やっちゃならぬと書いてある。この理由を御説明ください。
#21
○衆議院議員(小川元君) 先ほどお答え申し上げましたように、この政治上の問題というのは、憲法が保障する政治活動の自由の観点から行政府の介入を極力排除するために規定をされているものでございまして、したがいまして市民活動一般を対象とする本法案にはなじまないものというふうに基本的に考えているところでございます。
 そもそも本法案では、法人格乱用防止のために市民活動の行い得る政治活動の範囲を制限しているものでありまして、直接に政治活動の自由を制限しているものではございません。また、どのような団体に法人格を付与するかどうか、どのような要件のもとに法人化をするかどうかは立法政策上の当否の問題であると考えております。
 したがいまして、この政策判断に上記のような合理性がある限り、基本的に合憲、違憲の議題にはなじまないものと考えております。なお、もちろんこれら市民団体の有志の方々が集まられて活動されることをここは否定をしているものではございません。
#22
○猪熊重二君 今おっしゃったのは、政治活動の自由を認めないんじゃないんだ、ただその中で、ここに書いてあることだけは認めないんだというふうな趣旨に私はちょっと聞こえたんですが、そうなんでしょうか、どうなんでしょうか、伺いたい。政治活動の中でここに列挙しているような選挙活動は除外するんだ、それ以外のどっちでもいいような日常の政治活動だけはいいんだという趣旨なのか、何かちょっと説明が私、耳が悪いせいかよくわかりませんでした。
#23
○衆議院議員(小川元君) 政治活動そのものは、それが主たる目的でない限りここで禁止をされているものではないわけでございまして、その中でここに列挙したものについでは制限を受ける、こういうことでございます。
#24
○衆議院議員(辻元清美君) ちょっと補足させていただきます。
 市民活動というものの特徴は市民に開かれた活動である、これはどの提案者も同じ気持ちで提案しているのではないかと思います。この中で市民に開かれた活動というのは、例えば政党支持にしましても、私はこの党を応援する、A党、B党、C党、さまざまな方々、いろいろな考え方に対してオープンな活動が市民活動という定義なんです。ですから、その個人個人のそれぞれの政党支持を保障するために、その団体が一つのこの政党を絶対支持しなければいけないというふうなことにはなじまないということを申し上げているのです。
 ですから、それぞれの方々、その団体を構成する個人が私はこの候補者を応援したい、それはどんどん大いにやっていただいて結構ですというふうになっておりますので、実際に有志の方々その他で活動されるのは何ら阻害しないものというふうになっています。
#25
○猪熊重二君 今の提案者の言われたのは私はわかるんです。どういうことかというと、結社の自由は結社の団体自律権の問題があるんです。団体自律権の問題と、それから、今言っているこの法によって政治活動を禁止するかしないかという問題は次元が異なるんです。ある市民団体がどのような政治活動をやるかやらぬか、これはこの市民団体の団体自治の問題なんです。団体の自律権の問題なんです。その問題と、この法律によって国が、あなたは政治活動をやっちゃだめだとかいいとかということとは次元が異なる。そのことを指摘しておきたい。それをごっちゃにすると、法律によって特定の団体に対する政治活動を禁止することがあたかも憲法に反しないかのごとくになってくるんです。要するに、この法律によって特定の結社に対する政治活動を禁止するというふうなことの合憲性の問題なんです。
 その問題と、ある市民団体が何々党を支持しようとか、あの候補者がいいからみんなでやろうとか、いや、おれは反対だとか、多数決で決めることができない問題がある。そこまで来ると今度は、結社の自由と結社を構成している個人の思想、信条の自由との問題であって、結社の構成員に対する統制権の問題なんです。その問題と今私が申し上げている問題とは全く次元の異なる問題だということを指摘しておきたい。
 時間がなくていろいろ質問がちょっと飛んじゃって。
 次に、私は与党案を見ると、法人格を付与することが何か国の特別な、特定の団体に対する恩恵付与というふうに考えておられるんじゃなかろうかと思うんです。例えば、対象項目はこれだけにしろ、それから政治活動、宗教活動を主たる目的としちゃだめだと言っている。あげくの果てに、選挙運動も一切合財まかりならぬ。何で市民活動団体に対して法人格を付与するのに際してこんなに国が関与しなきゃならぬのかということが一番問題なんです。
 要するに、現在社会においては、単に国と個人の間だけで世の中が動いていかない、国と個人だけで世の中が動いてきた時代は終わった、国と個人の間に存在する各種の社会的な団体が結局世の中を動かしているんだと。そして、この動かしている各種団体に法人格を付与することが各種団体の活動に利便であり、都合がよろしい、その方がいいと言ったら、これに法人格を付与するかせぬかなんということの問題は国の特権でも何でもない、国の責務なんです。よろしいでしょうか。そこの基本的な考え方が、何か国が偉そうに法人格を付与してやる。明治憲法下における民法解釈ならそうかもしれませんが、今の世の中において各種団体を抜きにして世の中は動いていかないんです。
 ですから、近時の憲法学界においても、個人の基本的人権の中核の一つである結社の自由を最大限に尊重する観点から、このような結社、団体がその活動を十分にするための必要性から、法人格を取得することは結社、団体の固有の権利であるという見解が出されているんです。ところが、何か、国が恩恵的に上げてやろう、法人格を認めてやろうというふうな観点からこの法案がつくられているように私には見える。
 要するに、もっと現実の社会を動かす各種団体が活動するために本当に法人格を必要とするのならば、国は法人格を付与する責務があるという観点からこの法案をもう少し検討してみていただきたい。
 まだほかにもいろいろ聞きたいことがあるし、他の野党案、共産党案にもあるんですけれども、時間が来ましたので、意見だけ申し上げて終わりにします。
 以上。
#26
○大脇雅子君 まず、与党法案についてお尋ねをいたします。
 法人として認証を受けるための手続についてさまざま議論をされていますが、設立に際して基金が必要とされるということが市民公益活動法人法案では言われておりますが、例えば五十万円以上の基金の保有や百万円以上の寄附を義務づけるという点について与党の提出者はどのように考えておられますか。
#27
○衆議院議員(辻元清美君) 今御指摘の与党案につきましては、設立の手続については申請書と、それから定款の内容が法令の規定に適合していることということで、お出しいただきました書類によって認証を与えていくということになっておりますので、それ以外の基金等が必要ということは一切ありません。
 今、委員が御指摘の百万円の寄附や、それから五十万円の基金につきましては、お隣の旧平成会案ということだと思うんですが、それにつきましての私の意見は、ここに一九九七年三月に社会調査研究所が出しました市民活動団体基本調査報告書というのがあります。これは、市民活動を行っているさまざまな団体で、四千件以上のアンケート回収数で、活動実態を調査したものです。やはりこういう法律をつくるに当たりましては、今実際活動している人たちの実態を踏まえて議論していかなければならないと思いますので、今の基金の点についてこの中から幾つかの例を挙げまして私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 この中で、「財政規模(年間支出)」ということがございます。市民活動を行っている団体というのは実際には非常に小規模なものが多いわけで、財政規模につきましては年間十万円未満の団体が三分の一を占めているわけです。ですから、数人が集まってボランティアの活動をしたりリサイクルの活動をしたり、皆さん想像はつくと思うんですけれども、今非常に重要視されております社会福祉系の団体ですと、年間予算十万円未満が五〇・四%というのが実態なんです。
 こういう実態をかんがみますと、寄附を百万集めなきゃいけないとか、設立に五十万円が要るというのは非常に難しいんじゃないかというふうに私は理解しております。
#28
○大脇雅子君 法人格を付与するということは、それが財産を保有したり活動したりする、言ってみれば法的な主体となるということです。
 今おっしゃいましたように、基金の規模が非常に小さいということになりますと、本法で定義されるような市民活動をしている団体のうち、法案によって法人格を取得すると予測される団体というのは幾つぐらいあるというふうに考えられるでしょうか。
#29
○衆議院議員(辻元清美君) 今のところ、さまざまな統計がありますが、まず一万団体程度は希望なさり、申請なさるのではないかと考えております。
#30
○大脇雅子君 先ほど猪熊議員から法案の第二条第二項第二号ハについてお尋ねがありました。団体のメンバーである個人が公職の候補者、あるいは政党、政治団体などを支持したり、または反対することという条文で、憲法の理念、原則を超えて禁止されるというふうには私は思えないのですが、どのようにその点解釈されているんでしょうか。
#31
○衆議院議員(辻元清美君) 今の大脇議員の御指摘は、団体を構成する個人ということになりますが、個人が今御指摘のような活動をすることは一切禁止されておりません。
 その活動をする折に、さまざまな団体の名称等がございますが、個人がそれを肩書として使用した場合であっても、団体の代表者を意味するのではなく個人の所属という意味で、個人に付随するものにすぎない場合には、その活動はあくまでその個人が御指摘のような活動をなさるということになりますので、団体の組織としての活動には当たらないということから、その自由は保障されております。ですから、御指摘のような活動をされても本法律に何ら触れるものではありません。
#32
○大脇雅子君 この法律では立入検査などの要項が入っておりますが、参考人の質疑でも、この立入検査ということについて抑制的であるべきだという御意見もありました。団体のメンバーである個人が政治活動をした場合に、その団体に対する立入検査とかあるいは改善命令とか認証の取り消しというものがなされる危険性はないのか、その歯どめはどこにあるのでしょうか。
#33
○衆議院議員(辻元清美君) 今の御指摘も先ほどの御質問に関連してだと思いますけれども、団体のメンバーが個人で政治活動等を行う場合は、これは一切制限もございませんし、それから政治活動といいますのは、二条二項二号のハについての御質問だと思いますが、その自由は保障されております。
 したがいまして、そういう個人が活動したからといって、その団体に立入検査、改善命令、認証の取り消しがされることは一切ございません。
#34
○大脇雅子君 民法の準用に伴う規定がございますが、この場合、民法で行われている行政指導が本法案で法人格を取得した団体になされて、厳しい監督のもとに置かれるのではないか。つまり、行政の介入というものの端緒となるのではないかということが危惧されておりますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
#35
○衆議院議員(辻元清美君) この法律は民法の特別法としてつくったということは再三御説明いたしました。その折に、私たち立法者の間では、行政庁の関与をいかに排除していくかという方向で、自由に活動していただきたいという気持ちを込めてつくった法律であるということをまず最初に申し上げたいと思います。
 このような基本的なスタンスは維持されるべきであると思いますので、民法で行われている行政指導がそのまま適用されるということはないというふうに解釈しております。
 つけ加えますと、所轄庁というのがありますけれども、これは民法の場合とは異なりまして、主管官庁である主務官庁として置かれているわけではありません。所轄庁への提出書類、二十九条に規定していますけれども、これを見ていただいてもわかるとおり、当該法人の事業活動に関する情報を特に一般の人々に把握してもらわなければならないとか、それから提出していただきました書類で審査するというようなことに限りまして所轄庁が行うということになっていますので、通常言われております行政指導は適用しないというふうに考えております。
#36
○大脇雅子君 それでは、経済企画庁にお尋ねをいたしますが、所轄庁として経済企画庁の権限についてはどのようにお考えでしょうか。
#37
○政府委員(井出亜夫君) お答えを申し上げます。本法案につきましては、ボランティア活動を初めとする市民の自由な社会貢献活動を促進するための環境整備を図ることが大事であるということをねらいとして提案をされているというふうに承っております。
 私ども企画庁に役割が与えられておりますけれども、法人設立の認証でございますとか、あるいは監督の業務というものを行うに当たりましては、法案の趣旨あるいは両院での御議論というふうなものを十分踏まえまして、客観的、公正に行ってまいりたい、そんなふうに考えております。
#38
○大脇雅子君 そうしますと、経済企画庁の権限について今抑制的な視点からの御回答があったと思うんですが、監督権者としての大臣の地位についではどのように考えられますか。
#39
○政府委員(井出亜夫君) 大臣の地位も、同じようにこの法律にのっとりまして、私ども経済企画庁の長でございますから、私が先ほど申し上げましたことが当然大臣の御指示ということになるかと思います。
#40
○大脇雅子君 それでは、いわゆる非営利法人というものにここで法人格を与えるわけですけれども、別表十二項目というものが定められておりまして、そうしたのが制限的では問題だとか、あるいは拡大を考えるべきだとか、さまざまなことが言われでいるわけですが、どのような活動をしている団体というのを予想しておられて、そしてそのような活動はこの別表に掲げられた事業ですべて網羅されていると考えてよろしいのか。事業が制限されることによって市民活動法人の活動が不当に制限されるおそれはないのか。また、こうした事業云々についてだれが判断をするとお考えなのか、お尋ねします。
#41
○衆議院議員(辻元清美君) ちょっと先ほどの所轄庁についての御質問の補足も兼ねてさせていただきたいと思います。
 この法案は、都道府県知事の事務は団体委任事務であるということをしっかりと位置づけておりますので、それぞれ都道府県知事と経済企画庁長官の間には上下関係もございません。ですから、団体委任事務として扱っていただくということを確認したいと思います。
 そういう中で、今の十二項目についての質問です。これは先ほどからも出ておりましたけれども、この法律をつくるときに民法というのがありましたので、特別法としていかにすみ分けをするかというところで議論を重ね、実際にはこのすみ分けの要件にすぎないというふうに私は考えております。
 その際に、今活動を行っていらっしゃる方々ができるだけ網羅できるようにということで、こういう活動もある、ああいう活動もあるというのを挙げて、皆で一生懸命考えたわけなんです。それで、ほとんどの活動についてはこれでカバーできるのではないかということで提案させていただいたものです。
 ですから、そういう意図を酌んでいただきまして、この活動に該当するかどうかはそれぞれの活動をなさっている主体の団体が、御自分の活動についてはこれに当たるというふうに御判断いただき、その判断に従って、先ほど申し上げました団体委任事務として第一義的には都道府県知事が書類審査で認証を与えるというものになっております。ということで、さまざまな団体に幅広く活用していただきたいということです。
#42
○大脇雅子君 NPOについての海外の制度とか実情はどのようになっているのでしょうか。
#43
○衆議院議員(辻元清美君) 海外でもさまざまな今審議しておりますような法律はございます。
 この御審議の結果、法律が成立しました後には税の優遇措置等についても議論しなければならないと考えておりますが、アメリカでは二段階になっておりまして、まず法人格の取得、そして二段階目として、さらに審査を加え税の優遇措置をとる、こういうふうな法律が整備されております。
 これに類似する法律は他のヨーロッパ諸国やアジアにもありますので、日本としましても一日も早く第一歩を踏み出さなければいけないと考えております。
#44
○大脇雅子君 税制上の取り扱いは次のステップだと言われておりますが、与党の提案者はその点どのようにお考えなのでしょうか。
#45
○衆議院議員(辻元清美君) 現在、私たちが提出しておりますこの法律は、税の優遇措置につきましては人格のない社団等と同じ扱いというふうになっております。
 ただ、先ほども申し上げましたように、さまざまな税制の優遇措置については考えていくべき検討事項であるというふうに私たちの方も考えておりますので、今後御審議をいただき、この法律が通りましたら即座に考えていきたい。
 この法律には三年後の見直し条項というのが入っております。ですから、優遇措置等その他考えるとすれば、二年をめどに議論し結論を得、三年目の見直しの折に何らかの措置をとっていきたいというふうに考えております。
#46
○大脇雅子君 これまでの質疑から明らかになりましたように、市民活動を行う団体に対して法人格を与えるということは急を要する課題であると思います。とりわけ、企業セクターと国家の行政セクターの間でさまざまな市民活動を行う団体が、まさに二十一世紀の民主的な社会のあり方を規定するというふうに考えられるわけです。それだけに本法案については速やかな成立を図るべきであると考えるものです。
 今国会では与党案も含めまして三つの案が提出されておりますが、各党の提案者は他の案についてどこがまずいというか、批判点と考えているのか。旧新進党案と共産党案の提出者にお聞きしたいと思います。
#47
○山本保君 お尋ねですので、私の方から先に。
 まさにそのことがこの委員会全体の議論の課題でございますので、ここで一口でというわけにはまいりませんけれども、二つ申し上げます。
 先ほどのような議論で、例えば五〇%の方が十万円以下であるというようなことが具体的に出されました。これなどは非常に違いがわかると思うのです、私どもの案と与党案との対象の違い。
 私どもはNPOというものを、年に例えば一回か二回ボランティア活動をやる一般のものとは区別しております。さらに、外国も一緒でありますけれども、公益に関して国の支配から外れ、自由に自主的に行うものでありますから、当然営業的にといいますか、お金を使いお金が動き責任を持ってやっていくものである、契約主体として社会の中で一つの経済セクターとして確立しているものをNPOというわけでございます。今回、NPO法案を審議しよう、それをつくろうというのであれば、当然こちらを主体にして考えるべきだと思っております。
 年間十万円だけということでございましたが、それほどのお金もない形で動いているものが社会の経済セクターとして考えられるのかということでございます。ボランティアというものを中心に考えているのか、NPOを中心に考えているのか、ここがまず一番の大きな違いがございます。
 それから二番目には、もう先ほどから議論がありました、もっともっとこれは猪熊先生にやっていただかなくちゃいけないところなのでありますけれども、まさにこういう団体、結社の自由のもとでこのようなさまざまの制約を受け、しかも今出ましたように、実は税制上何のメリットもない。何のメリットもないのに、その中身について、これだけ対象から、その団体の性格から、個々の活動から。個人にやったらまさに憲法違反。会社や営利法人また非営利のそのほかの公益財団法人、社団法人、すべての団体はどこにも制限がございません。であるのに、このNPOだけがなぜ制限されるのか。それで何か特別なものがあるのか。何もございません。
 ですから、私どもはこのことに着目して、簡易にまさに準則主義的にその方たちに与えられるものとして、私どもは活動を制限しないようにしようということで法律をつくっている、ここが与党案との違いであると申し上げます。
 共産党案につきましては、時間もありませんので、また次の機会に申し上げます。
#48
○委員以外の議員(吉岡吉典君) 私は、与党案、旧平成会案の趣旨説明を聞きまして、多くの共通点があるということを感じたのをまず第一番目に申し上げておきたいと思います。
 それは、NPOの活動の現状についての認識の上に立って、ここに法人格を与えることによってその活動を一層発展させる必要がある、そういう目的に立って各党の法案がそれぞれ提案されているということであります。どういう箇所かということは、ここで読み上げられましたから私一々言いませんけれども、そういうのが第一の感じです。しかし、それにもかかわらず、法案の内容になると幾つかの点での違いがあります。
 最も大きい問題として私が重視したいと思うのは、どんな団体に法人格を与えるかという有資格対象の問題、それからどういう手続、方法で法人格を与えるかという点での問題。つまり法人格の付与方法です。それから、NPOの運営に当たって自主性が尊重され、完全に守られるかどうかという点であります。
 我が党案は、こういう点で、NPOすべてに法人格を与え、その方法も許可主義、認証主義をとらず準則主義ということで、運営に当たっても自主性を最大限に尊重する案を提案しております。
 その点、きょうここでの論議でもありますように、与党案の場合には、衆議院から送付された案は一定程度改善されている跡があるにもかかわらず、法人格の取得に当たって団体の活動内容についても行政庁の審査を受ける仕組みになっていることや、政治問題での見解表明が制約されるのではないかという問題、また強制的な立入検査や認証取り消しなど強い権限を背景とした行政庁の監督が規定されているというような多くの問題があると思っております。
 旧平成会案については、法人の活動分野の限定を行っていないことや税制の優遇措置の規定を盛り込んでいることなどには注目しますが、行政庁による強制的な立入検査や認証取り消しなどの権限など、与党案と共通する問題がある。とりわけ、所轄官庁の監督規定については与党案以上に厳しいものであるというふうに思います。こういう点で私どもの提案している法案との違いがあります。
 しかし、最初に申し上げました共通の目的ということがありますので、関係団体の要望を尊重しながらこれらの違いを協議して取りまとめ、共同の修正を行うことによって期待にこたえ得る法律をできるだけ論議を尽くし速やかに成立させることが必要であり、またそれは可能ではないかというふうに私は思っております。
#49
○大脇雅子君 それでは、与党の提案者は今のそれぞれの提案者の反論を踏まえてどのような批判点をお持ちか、お尋ねをいたします。
#50
○衆議院議員(辻元清美君) 各党案にという先ほどの質問もありましたので、まず先ほど私は旧平成会案について幾つか基金の保有の問題等について触れました。これは、今の実態を先ほどのアンケート調査等に基づいて御紹介したわけです。その実態に基づいての先ほどの発言です。ですから、旧平成会案の提出者から御指摘がありました、これから経済的にも自立した団体をつくっていこうということに何ら反対を申し上げているわけではありません。
 そのようなものを目指す中で、しかし今さまざまないい活動をしている団体の実態は、これから育っていく上で申し上げたいと思うんですが、非常に小規模な団体が多いのも今の日本の実態なんです。その方々にこれから育っていただく、そしてこの法律を活用していただくということを視点に先ほど申し上げたわけです。ですから、一つは、やはり百万円以上の寄附を義務づけるという点についてはちょっと今の実態と合わないのではないかというのが一点。
 そしてもう一点は、この旧平成会案においては役員の過半数の国内移住を要件としているところがあります。国際交流などをやっている団体は、日本の本部はできるだけ身軽にして、エチオピアであったりカンボジアであったりルワンダであったり、世界じゅうで活動していろいろんな団体が育ってきているわけなんです。そういうときに、やはりこういう団体がこの要件があるために排除されるおそれがないかということを私は心配いたします。
 さらに、共産党案におきましては、私たちも民法の特別法ということですみ分けの問題等非常に苦労しました。できるだけ早くこの法律をつくりたいという気持ちはみんな一緒だと思いますが、どのようにすみ分けるのか、民法がありますので、そこのところの苦労をさまざまな方法で模索して今でき上がってきているのがそれぞれの各党の案であるかと思うんですが、共産党案の場合は、営利を目的としない団体に準則主義で法人格を与えるというふうになっております。ここのところが現行の法体系の中でどのように整合性があるのかという点について私ははっきりクリアされているとは思いませんので、そこのところを指摘したいと思います。
 今、他の政党の方々から御指摘がありました点につきましては、この与党案をよく読んでいただきたいと思います。先ほど認証の取り消しや立入検査等の指摘もありましたが、立入検査を行う場合には相当な理由がはっきりしているという場合に限られております。また、その理由を付した書面を示す、そして希望があれば交付しなければいけないということになっておりますので、そう簡単な理由で立入検査が行われると思いません。かなり厳格な理由がある場合のみに限って行われるというふうな縛りをかけております。これは団体の方々にむやみに介入をされることを恐れたわけです。また、認証の取り消し等の場合は公開で聴聞を行うよう努めなければならないという条項も入れております。
 そういう点では、先ほどから議論されております団体の自主性をいかに尊重するかということを考えてそれぞれの文言を選びましたので、十分そこのところを読んでいただき御理解いただきたいと思います。
#51
○大脇雅子君 衆議院では一定の修正がなされておりますが、その修正はどういう意図でなされてどういう効果を考えておられるのか、お尋ねいたします。
#52
○衆議院議員(金田誠一君) 民主党の金田誠一でございます。
 私どもの方から修正をお願いして、九項目にわたって修正をいただいたという経緯がございます。一つ一つは申し上げませんけれども、原則として管理を緩めるといいますか、規制を緩めるといいますか、そういう観点から、例えば会計帳簿の記入の方法等細部にわたっても修正をいただいたという大まかな視点がございます。
 それともう一点は、当初は十一項目だったわけでございますが、それに、この十一項目に掲げる活動を行う団体の運営に関する連絡、助言、または援助の活動ということで、NPOをサポートするNPOといいますか、そういうものを一つつけ加えて十二項目にしたということでございます。
 総じて言いますと、監督官庁といいますか、所轄庁による規制を極力排除するという観点から修正をお願いしたところです。
#53
○大脇雅子君 各法案を見てみますと、さまざまな点で差異はあるにせよ、一貫して、これから最も日本の民主的な社会を担うべき市民活動団体に対する法的な認知をしようという点については同じであります。日本においでそういった視点からの問題、課題がようやくにして政治上の課題になって、それが議員立法で行われるということは非常に喜ばしいことだ。
 今までの皆様方の御苦労に敬意を表しながら、こうしたそれぞれの法案が通った後、市民活動団体がどのように変わるか、あるいは社会を担っていくのに大きな役割を示すのか、どんなイメージを描いでおられるのかお尋ねをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 各法案の提案者からそれぞれお尋ねしたいと思います。
#54
○衆議院議員(辻元清美君) 私は、やはりこういう市民活動というのはこれからの日本の活力を育てていく上では非常に重要ではないかというふうに思います。特に今、少子・高齢化社会と言われておりますけれども、地域で福祉の問題に取り組んでいらっしゃるボランティア団体の皆さんや、つい先日は地球温暖化問題なども世界じゅうの大きな問題になっておりますけれども、地域でリサイクルの問題等、環境問題に取り組んでいる皆さん、そして世界各国で国際交流や国際協力をしている皆さん、この人たちがいかに自由に活発に活動できるかということは、これは今抱えている私たちの問題を解決していく上でも必要なことではないかと思います。
 ただ、その際に、日本の現状を見ますと、まずやはり社会的にそういう活動をしている人たちを認める、そして信用をつけていくことが大事ではないかと思います。といいますのは、私も学生時代から十四年間国際交流の活動をしてまいりました。これは、みなし法人でやってきたわけなんですが、そういう活動をしていますと申し上げても、えっ、それは何の団体ですかと、株式会社とか財団法人とか何かだったらすごく理解しやすいようなんですが、なかなか説明が難しかったり信用度が低いというのを個人的にも実感として持ってまいりました。ですから、まず私は、そういう意味でもこの法人格を与える法律を早く成立させたいという気持ちです。
 ただ、先ほども申し上げましたように、ここで課題もあります。それは二つあるかと思いますが、一つは、先ほどの税の優遇措置等についで速やかに検討していくということ、それともう一つは、たとえこの市民活動促進法案というのが成立し、市民活動法人というのができたとしても、これをとるかとらないかはそれぞれ活動している団体の自由です。すべての人がとらなきゃいけないとか、そういうわけではございませんので、とりたくない団体も活動しやすい社会をつくっていかなければならないと思っております。
 ですから、この法人をとった団体、そしてとらない団体に何ら差別のない自由な活動ができる社会を私たちは目指していかなければならないということも申し添えたいと思います。
 以上です。
#55
○山本保君 私どもは、まさにこのNPOというのがこれまでの日本に欠けていた、人のためになる仕事は大臣が許可をして、国に認められたものだけが特別にやることができる、公益サービスは公務員中心の役所が行うんだ、そうでないものは非常に変わったものだというようなこの社会的な感覚を変えていきたい、変えていくことができるであろうと思っておりまして、これはまさに現在内閣も考えておられる行財政改革の一つ大きな手段になり得るというふうに思っております。
 その辺の認識は共通しておりますが、ただ、心配しておりますのは、もし与党案になりますと、先ほどから話がありましたように、例えば政治活動の禁止がございます。これがありますと、言うならば、お上におとなしい、従順な下請をやるような団体だけが認められ、そうでないものは認められないというようなことにならないだろうか。
 宗教活動の禁止というものが、禁止というか、制限が入ってきますと、まさに日本の文化の中心にあります、また世界でもそうですが、人助けであるとか慈善というものの基本にある宗教的な信条、または人間の連帯感、こういうものを基本にした人間関係がもとになった団体というのはなかなか活動がしにくくなってくるのではないか、この辺を私は非常に危惧しておるわけでございまして、ぜひこの辺について改善を図っていただきたいというのが私の願いでございます。
#56
○委員以外の議員(吉岡吉典君) 日本でも民間非営利団体の役割というのが非常に大きくなっているということです。その大きい役割を果たしている団体が法的な地位が確定していないために非常に困難な条件の中で活動しているという状況はやはりできるだけ早く解決して、これらの人々が法人格を持って堂々と活動し、その活動が国民からも広く認められるようにすることが政治の責任だと私は思います。
 そして、アメリカではこういう団体のことを、政府それから企業、第一セクター、第二セクターと並ぶ第三セクターと呼んでいるそうですけれども、こういう活動が強くなることは、先ほどもちょっと議論がありましたけれども、官尊民卑と言われる日本の状況を打破する上でも非常に大きい力になるのではないかと思います。
 それから、先ほどの中で民法とのすみ分けの問題がございましたけれども、私どももここは一番苦労したところの一つで、法制局の知恵もいただいて、法制局からこれは法律上大丈夫だということでこういう法案をつくっていますので、こういうところも各派共同してお互いに知恵を出し合っていく必要があるというふうに思っていることもつけ加えさせていただきます。
#57
○衆議院議員(金田誠一君) 私どももこの与党案の修正という形の中で議論に加えさせていただいた立場でございます。
 先ほどもお答え申し上げましたけれども、この議論の中で、所轄庁の介入といいますか、規制といいますか、そういうものはかなり外すことができたのではないか、十分使用にたえ得を程度のものにはなったのではないかなという気が実はいたしてございます。
 その中で、今の審議を通じても考えさせられましたのは、猪熊先生再三御指摘の憲法、結社の自由との問題ということを改めて痛感させられました。そもそも民法三十四条がなぜ今日まで何ら検討も加えられずに生き残ってきたんだろうかということが、このNPO法の制定作業を通じて不思議でならなかったわけでございます。本来であれば、新憲法と一緒にこの結社の自由ということに基づいて、役所の認可、許可による公益法人の設立のみが許されているなどという状況は早晩解決されていてしかるべきだったと思うわけでございます。そこに今日までの日本における市民社会の立ちおくれといいますか、行政と営利セクターのほかの非営利セクターの立ちおくれというものがあったんだろうなと思うわけでございます。
 そして今、民法改正までには至らずとも、とりあえず使い得るものが上程をされ、審議をされているということは極めて感慨深いものがございます。できることならこの法律が早期に成立をして、それが使用されていく中で、民法改正を含む根本的な議論がこれから発展してくるだろうという期待感を今持っているところでございます。
#58
○吉川春子君 質問をさせていただきます。
 NPO法の実現を目指して運動を続けているたくさんの団体の皆さんから、早く、また各党の法案のいいところを取り合って超党派で成立させてほしいと、こういう強い要望が寄せられております。私もその立場で頑張りたいと思いまして、質問をいたします。
 今回の立法の目的は、個人の多様な価値観に基づき自発的に組織され、社会生活においても無視できない比重を占めて大きな役割を担っている民間団体に対して、正当な社会的位置づけを与えるということにあるのではないかと思います。我が国においては、営利を目的とする団体、株式会社等、あるいは公益団体、政治団体に比べても、非営利の民間団体の法人格の取得が極めて困難で、その結果、社会的信用も得られにくくなって困難な状態に置かれているということは、この委員会の審議でも繰り返し指摘されています。また、不本意ながら営利団体として資格を取って活動を続けているという劇団などもあります。
 こうした民間団体に対して、明確な資格を保証すること、法人格を付与することが緊急の課題であり、これは日本の民主主義の発展のためにも大きな意味を持つものであると考えています。
 今回の立法で、多くの団体の方は、できるならば準則主義でという要望を掲げて、容易に法人格を取得できる制度を求めていらっしゃいます。市民活動促進法案の提案者は、趣旨説明におきまして、「市民活動を促進するための基盤整備の一環として、市民活動を行う団体に」「広く法人格を付与すること」ということを述べておられますけれども、この法案は具体的にも多くの民間団体に法人格を付与することを目的にしているんだと、こういうふうに理解してよろしいですね。
#59
○衆議院議員(小川元君) そのとおりでございます。
#60
○吉川春子君 旧平成会案の提案者についても同じ質問をしたいと思います。
#61
○山本保君 私どもは、明確に「その他の社会一般の利益」という言い方をしておりまして、その対象がどういう分野にかかわるものであるとしても、すべてこの法律の対象にして法人格を取得できるというふうにしております。
#62
○吉川春子君 民法三十四条は非営利かつ公益的な団体に関する条文であって、非営利の団体を全体としてどう扱うかという規定はないわけですが、公益的な団体について、官庁の許可権によっていわば第一セクターに従属させられる位置に置かれていると思います。
 我が党は、民間の非営利団体が活動分野にかかわらずその活動を保障され、また参加する個人の自発性に基づいて自由に活動できるようにすることが日本の社会の発展にとっても重要だと、こういうふうに考える立場から提案しているわけですが、このようなNPO法制定の意義に照らせば、非営利団体一般が準則主義によって法人格を得られるようにすることが最善の道であると考えます。
 行政からの独立、営利を目的としない団体がNPOでありますが、これを対象とする立法が求められているわけです。例えば与党案の不特定多数の利益の増進という定義を持ち込むと、非常にその対象を狭めるんじゃないか、会員制をとっている民間団体などはそういうところから排除されてしまうのではないか、こういう懸念が表明されております。
 先ほど与党案の発議者から、共産党案は民法を完全にはクリアしていないと、こういう御発言もありましたけれども、提案者の吉岡議員からお答えしていますように、これは参議院法制局を完全にクリアして通過しているわけです。「当分の間」という言葉を入れて、民法の整備を将来的には展望しながら、今回、準則主義で提案しているわけです。非営利法人が民法の三十三条で多数、現在でも個々に一つ一つ設立されているわけですけれども、こういうものについての整備が必要だということは私も思いますけれども、今回のNPO法が、こういうものを全部完全に整理しないと準則主義では立法できない、こういう考えに立つ必要はないわけで、それにこだわることによって実は別の矛盾が広がっていて、それが議論の対象になっているわけです。
 それで、具体的に法人格付与の対象について伺いたいわけですけれども、与党案は法律の別表に規定された保健、福祉の増進、社会教育の推進、まちづくりの推進と、十一分野のいずれかを主たる目的とする非営利団体等の要件に該当する団体を市民活動法人というふうに規定しているわけですが、そうすると、この適用を受けられなくなる団体が出てくる、狭くなるということなんですけれども、この法案によって具体的に対象とされなくなる団体というのはどういうものがあるんでしょうか。
#63
○衆議院議員(小川元君) 確かに十一分野あるいは十二分野にということで文言上は限定されておりますけれども、その活動分野に当てはまるというふうに判断される活動を行うことによって私どもはかなり多くの部分が市民活動法人として対象になるだろうというふうに考えておりますが、具体的にそのどれとどれが対象外になるかという問題になりますと、これは個々にやはり所轄庁において判断をしていかなくてはいけない問題である、こう考えております。
#64
○吉川春子君 例えば、会員をたくさん持っていて活動しているような、特に文化・芸術団体に多いんですけれども、こういうような会員制の団体については、与党案の公益概念ですか、そういうこととの関係ではどうなりますか。
#65
○衆議院議員(金田誠一君) 実はそこがこの法案作成作業の中でも最も議論になったところでございます。
 これは不特定多数の利益に寄与するということで、公益団体ということが要件になっているわけなんですけれども、その場合に、何をもって公益あるいは一つのグループの中の共益、共同益、それの区分けをどこでするかということをかなり詳細に検討いたしました。
 そこで、かなり高額の会費などが設定をされて、その会員にならなければその利益を受けることができない、こういうことが明白な場合は公益あるいは不特定多数の概念に該当しないんではないかということでございます。
 その逆に、例えば会費制、名簿登録に要する程度の会費ということが規定をされていても、その程度の低廉な価格であって実質的にはだれでも会員になれる、サービスを受けたいと思えば非常に低廉な名簿登録程度の会費で会員になってサービスの提供を受ける、そのようなシステムであれば、会員制という形式はとっていてもこれは不特定多数の利益、公益に該当するんではないかという区分けをして提出しているつもりでございます。
#66
○吉川春子君 その判断、それはだれが行うんですか。
#67
○衆議院議員(金田誠一君) それは届け出を受ける都道府県知事あるいは経済企画庁長官ということになろうかと思います。
#68
○吉川春子君 そうすると、そういう団体に法人格が付与されるかどうかは行政庁の判断に任される、こういうふうになって、非常に行政の介入を招くということにつながりませんか。
#69
○衆議院議員(金田誠一君) 行政庁はこの法律の規定に基づいてそれぞれを判断するということになろうかと思います。この公益であるか不特定多数の利益に資するかどうかという判断もございますし、十二項目のどこに該当するかという判断もございます。それらを総合的に法律の条文に基づいて所轄庁が判断をするということになろうかと思います。
#70
○吉川春子君 これは刑法の罰条じゃありませんから厳格な構成要件というのをもちろん私も要求するわけじゃないんですが、今お伺いしているだけでも、何が公益なのか、どういう民間団体に法人格を付与できるのかという判断がこの法律の条文だけではなかなか出てこない。
 そして、それを結果として行政庁にゆだねるという形になりますと、本当に必要な、必要なというか、民間の自主的な活動をしている団体に法人格を付与できるという点では致命的というか、表現はちょっといいですけれども、非常にそこが問題点を残すというふうには考えられませんか。
#71
○衆議院議員(金田誠一君) 出発点が民法三十四条ということでございまして、その特別法という立場で私ども立法いたしているわけでございます。
 民法三十四条は公益法人でございまして、公益という言葉はあえて私ども避けておりまして、不特定多数の利益というふうに使っておりますが、それは、公益という言葉には主務官庁が認定をするという、何といいますか、官益的なニュアンスも非常に濃いということもございまして、公益の一般的な解釈概念である不特定多数の利益ということを条文上はうたい込んでおります。民法三十四条の特別法という観点から、この不特定多数の利益に資するということは、これはもう概念構成としてはやむを得ざるものと、こう思うわけでございます。
 具体的に不特定多数の利益に資するかどうかの判断でございますけれども、立法者の意思といいますか、あるいは衆議院段階での質問、答弁を通して明らかになった概念といいますのは、会員制をとっていれば直ちにこれは共益であって公益ではない、不特定多数の利益ではないということではない。その実態が不特定多数ということを実態として担保できるかどうか、そこにかかっているということでございます。その実態があるかどうかはその都度具体例で判断をしていただかざるを得ないということでございます。
 十二項目のどこに該当するかということも同じことでございますが、立法趣旨としては、民法三十四条の特別法のすみ分け規定としてどうしても項目列挙をせざるを得ないということでございまして、この項目はあらかじめ一定の活動を排除しようなどという目的では決してなくて、あくまでも民法とのすみ分けというためにとらざるを得ない措置ということでございます。
#72
○吉川春子君 法律を執行するときにはやっぱり立法者の意思ということも一つの基準になりますので、これはもうなるべく多くの民間団体に付与するものだ、不当な制限をするものじゃないということを繰り返し繰り返し述べておいていただくことは、それはそれで必要だと思います。
 同時に、一般法、特別法というのは法学概論といいますか、そういう基本的な考え方なんですが、私は、一般法たる民法三十四条の範囲内でなければ特別法は制定できないと、こういう立場はとらなくてもいいと思います。我が党は、申し上げたように、民法三十四条の枠とは別に、準則主義の三十三条でという形で立法提案しているわけですけれども、そういう今言ったような矛盾を避けるために、より多くの民間団体に法人格を付与するということのためにやっぱり準則主義ということを各団体が要求されているということは意味のあることであり、私たちもそういう立場に立っているわけです。
 それで、時間の関係でもう一つの問題に行きたいと思うんです。
 財政的な裏づけがこの法律、与党案にはないということが強く批判されているわけですけれども、郵政省と外務省にきょうはお見えいただきましたので、最初に事実的なことについでお伺いしたいんですけれども、まず郵政省が行っております国際ボランティア貯金の海外援助事業の実態、配分といいますか申込件数とか、そういうものについて報告をしていただきたいと思います。
#73
○説明員(高橋守和君) 平成九年度の国際ボランティア貯金の寄附金でございますけれども、二百九の団体が五十の国、地域において実施しております二百三十九の事業に十億六千百九十万五千円を配分決定したところでございます。
 この制度は平成三年から続いておりますけれども、平成三年の制度創設から七年間の累計では約百三十八億円を世界の八十四の国、地域で行っております援助事業に配分してきております。
#74
○吉川春子君 公定歩合の極端な安さのもとで、この金額も加入者に比べて激減しています。
 外務省にお伺いします。開発途上国の民間国際協力を行っている民間団体への援助資金、NGO事業補助金制度ですか、これについて報告してください。
#75
○説明員(目賀田周一郎君) お答えいたします。
 ODAにおきますNGO事業補助金につきましては、平成元年度より導入されております。平成十年度の政府予算原案におきましては、厳しい財政状況あるいは公益法人等の行います活動に対します補助金の見直しといった中で、厳しい事情ございますが、ODA全体が一〇%以上削減されるという中で前年度比マイナス四・一%減、すなわち十一億五千百万円を現在計上しておるところでございます。
 これは、平成元年度の予算規模一億一千万円に比べますと相当に増大している。また件数で見ますと、平成元年度二十三件ということでございましたが、平成九年度におきましては二百二十九件の事業についてこの交付を行うという状況になっております。
#76
○吉川春子君 一兆円規模のODA予算の中で十五億というのは物すごく少ない金額なんですけれども、しかし同時に、たくさんの団体がこの政府の補助金あるいは郵便貯金の利子の寄附を利用して有効な国際協力活動を行っているというふうに私聞いております。
 今回、NPO法が成立して法人格を取得できるようになると、この中の幾つかの団体は法人格を取得するかもしれない。しかし、財政優遇措置を伴わない法人格では意味がないと言って資格の取得をしない、任意団体のままでいたいという団体もある。こういうときに、今のボランティアに対する補助金支給を決める基準、それが今度法人格があるかないかということによって、法人格を取得している団体が有利になるというようなことになりますと、これは大変公平を欠くわけです。
 その点について外務省、郵政省、どういうふうにお考えですか。
#77
○説明員(目賀田周一郎君) この外務省のNGO事業補助金制度は、ODAの国民参加型の援助を推進するということ、またそういう活動に従事するNGOの財政基盤の強化という観点から始めたわけでございます。この制度設立当初より、いわゆる法人格を取得している団体のみならず、民間援助に従事する任意の団体についてもこの補助事業の対象としてきております。
 また、具体的な補助金案件の採択に際しましては、申請団体の事業遂行能力、それから申請された事業の内容等を精査して実施してきておりまして、補助金の交付の要件として法人格を有する団体と有しない団体との区別を行うということは考えておりません。
#78
○説明員(高橋守和君) 現在、国際ボランティア貯金の寄附金の配分に当たりましては、援助活動を遂行する能力のある営利を目的としない民間の団体でございましたら、公益法人、任意団体を問わず配分対象になる資格があるということになっておりまして、今のところ、将来的にこの点について変更する必要があるとは考えておりません。
#79
○吉川春子君 今のところ考えていないというのはどういう意味ですか。
#80
○説明員(高橋守和君) 将来のことにつきましては今この点で必ずしも明らかでないところもございますので、現在のところ、この点について変更する必要はないという立場を申し上げたところでございます。
#81
○吉川春子君 将来というのは、NPO法が成立したということを契機にしてその判断基準を改める可能性もあるということですか。
#82
○説明員(高橋守和君) NPO法案が成立するかしないかということには関係なく、今のところ考えていないということでございまして、NPO法案が成立したとしても法人格を有することを配分申請の要件とすることについては今のところ考えておりません。
#83
○吉川春子君 それからもう一点お伺いいたしますが、国際ボランティアというか、そういう国際活動をしている団体に対して、例えば人件費とかあるいはオフィスの家賃、そういうものについての補助もしているんですか。
#84
○説明員(高橋守和君) 例えば人件費等につきましては、この寄附金というのがボランティアの活動に対する寄附金ということもございまして、配分の対象とはしていないところでございます。
#85
○吉川春子君 外務省、同じ質問に答えていただきたいと思います。
#86
○説明員(目賀田周一郎君) この補助金の対象につきましては、個々の事業についてこれを支援するということでございます。したがいまして、海外で進める援助事業につきましては、例えば事業を遂行するに必要な事務所、これを維持するというような場合の経費についても一部これを認めるということもしております。
#87
○吉川春子君 今のお話でも明らかなように、補助額自体大変少ないんですけれども、人件費とかオフィス、そういう基礎的なものといいますか、そういうものについての援助事業というのは行っていないわけです。
 そして、多くの民間団体が国際的にも国内的にも大変意味のある活動をされているわけですけれども、人材の確保とかさまざまな面で苦労をしながら、しかしいろんな分野で旺盛に活動をしておられる。こういう実情を見るときに、このNPO法の成立に際してぜひとも財政的な措置を盛り込んでもらいたい、こういう強い要望が各団体から当然出てくるわけでして、先日の参考人質問のときにも、参考人の中には財政措置が伴わないNPO法は要らない、こういう強い御意見もあったわけなんです。
 与党案の発議者にお伺いいたしますけれども、財政的な措置についで全く触れられていない、将来的にもどうするということも触れられていないということについて、大変大きなマイナス点だと思うんですけれども、この点について一言でも具体的に触れるべきではないかと思いますが、いかがですか。
#88
○衆議院議員(金田誠一君) まず、NPO法は法人格付与の法律になっているわけでございますが、この意義につきましては、それなりに意義深いことであって、税制の優遇とセットでないから極めて大きな欠陥があるということではないんではないか。これはこれとして、結社の自由という観点からしても、それぞれの団体が法人格を取得する、そこに道が開かれるということは、現在の民法三十四条のもとではほとんど不可能な、財団にしろ社団にしろほとんど道が閉ざされていると言っていい状態の中では非常に画期的な法律であろう、こう思ってございます。
 そして、諸外国等を拝見しても、法人格は法人格、これはほとんど準則主義というところが多いわけで、私どももそれが当然のことだし、目指すべき姿だとは思います。法人格の付与、法人格の取得ということと税制の優遇というのは一般に切り離されている。法人格の有無にかかわらず、活動の公益性ということに着目をして税制上の優遇措置がとられているのが一般的だと思いますので、これはこれ、税制は税制と切り離して物事を考えるのもあながち不合理ではないという気はいたしております。
 そこで、そうはいっても、税制の優遇というものは極めて有効な手段になるわけでございますから、それにつきましても私ども修正協議の中でいろいろ議論をしてまいりました。そして、附則の中に三年目の見直し条項が設けられているわけでございますけれども、それを提出するに当たった与党と私どもの合意としては、「本法案の成立後速やかに市民活動法人に関し、税制等を含めた見直し等について、その活動の実態等を踏まえつつ、この法律の施行の日から起算して二年以内に検討し結論を得るものとする。」という確認を交わしておりまして、これは誠意を持って履行されるものと、こう思ってございます。
 この確認がもっと広い形で、超党派の形で何らかの場で確認されればより好ましいことだなという感想は持ってございます。
#89
○吉川春子君 法人格付与の意味というのは、もちろんそこは私も評価しているわけでして、いろんな問題点はさておいて、法人格を付与するということは非常に重要なことなんですけれども、今申しましたように、法人格付与だけでは民間団体が継続的に旺盛な活動をやる上ではさまざまな困難があって、税制上の優遇措置はどうしても欲しい。これもまた当然のことなので、法人格を付与するから税制問題はいいんだというふうにはならないわけで、そういうふうに提案者も思っていらっしゃらないと思うんです。
 それで、見直し規定があるんですけれども、その見直し規定という内容は、税制上の優遇措置を含めて見直す、こういう意味なんですか。
#90
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘のとおりでございます。
 そして、前段申し上げればよかったんですが、衆議院の内閣委員会の附帯決議においても、「市民活動法人に関し、税制等を含めた見直し等について、その活動の実態等を踏まえつつ、この法律の施行の日から起算して二年以内に検討し結論を得るものとする」、このような附帯決議もなされていることでございまして、御指摘のとおりでございます。
#91
○吉川春子君 附帯決議というのはほとんど意味を持たないわけですね、法的拘束力もないし。それから附帯決議をつけても何にも役にも立たないという例を私はもうたくさん知っていますので、附帯決議というのはもう意味がないと、それだけでは。
 附則があるいは法律のどこかの条文の中に、今この法律には税制の優遇措置はないんだけれども少なくとも近い将来これは優遇措置を伴います、そういうことを含めて検討しますという、そこを法律の条文、附則どちらかに書き込むという方法はできませんか。
#92
○衆議院議員(辻元清美君) 附帯決議そのものについての御指摘がありましたけれども、やはり附帯決議に意味がないと国会議員が言ってしまったらこれは不適当ではないかと私は考えております。衆議院での附帯決議を実行すべく議員みずからがやはり努力するべきだというふうに私は受けとめております。
 それに、今回の場合は議員立法ですので、通常、内閣が提出する閣法の附帯決議と重みが違うというふうにも考えております。ですから、提案者としてその点については鋭意努力を重ねていきたいということを私たちの方でも話し合っておりますし、実現に向けて皆さんもぜひ一緒に考えていただきたいと思います。
 附則という御指摘もございましたが、それは参議院の当委員会において皆様で御審議していただくことでありますので、提案者といたしましては説明はここまでにさせていただきます。
#93
○吉川春子君 附帯決議に法的拘束力がないのは当然のことでして、その結果附帯決議がほとんど、文言としてはいい附帯決議はついてもなかなか実行に移されない例がたくさんあるのを私は知っているということを事実として申し上げたのであって、立法者、提案者であるならば余計条文に書き込むことは可能なわけですよ。閣法だったら政府に書き込みなさいと要求するわけですけれども、立法者みずからが条文の中に書き込むということは一番可能な方法ではないかと思います。
 私は、やはり税制上の優遇措置というのは本当に非常に重要な側面ですので、ぜひ各党の修正合意で条文のどこかにこの文言が入ることを強く期待しますし、私もそのために微力ながら頑張っていきたいというふうに思います。
 残された時間が少なくなってきましたので、もう一点についてお伺いしたいんです。
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、所轄庁による事務所などへの立入検査、あるいは認証の取り消しとか、そういう条文があるんですけれども、これは民間団体に対する干渉につながるおそれがあるのではないかと思います。こういう行政庁の介入につながるようなおそれのある条文というのはやはり削除すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
 そういう民間団体がきちっと社会的にも存在するというのは、情報公開、登記はするわけですから、そういうことによって行っていく。我が党は非営利法人委員会というものをつくりまして、一般国民の監視のもとで足りるという立場をとっているんですけれども、行政庁の監督権限の問題について与党案についてちょっとお伺いします。
#94
○衆議院議員(辻元清美君) 行政庁の監督権限という御指摘ですが、これにつきましては、私たちがこの法律をつくるに当たりまして、先ほどからさまざまな議員が答えておりますように、活動をしている団体の自主性を尊重するというところから、できるだけ排除していきたいという方向でこの法律をつくりました。
 幾つか今御指摘がありました点、それから補足して具体的に申し上げたいんですが、一つは認証する際の書類の提出というのがまずございます。ここのところも法律を読んでいただければわかるんですが、細かくどういう書類を提出するようにということも法文に書き込んであるんです。こういう法律は非常に珍しいらしいですが、これはそれぞれはっきりとさせて、この書類を提出したら認証を与えるものとするというふうな意図で書き込んであります。これもやはり所轄庁の行政をひとつ極力排除しようという方向でのつくり方だと思います。
 それから、今御指摘の立入検査等についてですが、この折も単なる疑いということではなく、相当の理由がなければならないというふうに付すことによりまして、それはちょっと疑いがあるからそんな立入検査なんかされたらたまったものではありませんので、相当な理由、そしてその理由についてはその団体が要求するならば、希望があるならば理由についての書面での交付ということもございますので、ここはめったやたらに行政の介入がないように配慮したところです。
 それから、認証の取り消し等につきましても、改善命令等ございますし、かつ認証を取り消す際の聴聞については公開を期すよう努めなければならないという条項も修正で入れました。これもそのような介入を極力排したいというところから、衆議院で御審議いただき修正を入れたところです。
 以上です。
#95
○吉川春子君 旧平成会案について、同じ点についでお伺いしたいんです。
 市民公益活動法人が法令に基づいてする行政庁の処分、定款に違反し、運営が著しく適正を欠くと認めるとき、改善のための必要な措置をとるべきことを命ずることができる、その命令に従わないときは業務の一部または全部の停止を命じ、役員の解職勧告ができる。これに違反した者は五十万円の罰金に処せられるというような規定もあるんですが、私が読んだところでは、旧平成会案もかなり行政庁の監督については厳しいような気がしますが、それはどうしてですか。
#96
○委員以外の議員(都築譲君) 厳しいんではないかという御指摘がございますが、私どもの市民公益活動法人法案、基本的な建前はやはり市民自治と申しますか、市民の自発性にゆだねた公益活動を推進していくという観点に立っておりまして原則は、やはりチェックのところは、例えば三十三条に「事業報告書等の作成及び公開」ということで、情報公開をまず市民団体に求めて、市民団体の自律的な浄化作用と申しますか、あるいは運営の適正化といったものをまず第一に置いておるところでございます。
 ただ、事業報告につきましても、これは期日のあるものでございますから、そういった状況等を勘案する。さらにまた、公益活動ということで社会一般の利益にかかわる活動を行っておるわけでございまして、先ほど来準則主義はどうかと、こういうふうな御指摘もあったわけですが、やはり認証という形で行政庁の認証に係らしめるということで、市民活動法人についてもできるだけつくりやすくするわけですけれども、一定限のところはある程度行政の関与といったものが必要ではないのかなと、こんなことを考えております。
 ただ、この間の参考人質疑のときに参考人の方の御意見で、従来のように行政管理型の、国家管理型の市民活動法人ではなくて、もし何か問題が起こったときは裁判所が判断をするというふうな形が望ましいという指摘がされておりましたけれども、私どもも、結局は情報公開型の市民活動法人を促進していくという観点は、むしろそこに本来の力点があるというふうにお考えをいただきたい、このように思っています。
#97
○吉川春子君 基本的には行政庁の介入というのは好ましくないことでして、条文がある限りは、立法者の意思として情報公開でやっていくんだというふうに基本的にはお考えだと思うんですけれども、しかし、こういう条文があることによってやっぱり行政庁の介入を招くおそれがあるというふうに私ども判断いたしまして、こういう行政による介入は排除すべきではないかなということは改めて申し上げておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、画期的なNPO法になりますように、三つの法案があるわけで、ぎりぎりまでいいところをとり合って、そして修正していいものに仕上げていきたい、そういう立場で私たちも頑張っていきたいということを申し上げまして、時間ですので質問を終わりたいと思います。
#98
○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。それぞれ三党案の発議者の皆さん方の御苦労に心から敬意を表したいと思います。
 ただいままでそれぞれの案についての疑問点なりあるいは問題点なり御議論があったところであります。そして、先ほど大脇議員から指摘をしていただいた、問題点はどこにあるかということの質疑が発議者に出されたわけでありますが、私は逆に、それぞれの案についで、今ボランティア活動をなさっておる方々に我が党の案はこういうところが一番自信を持って皆さん方に説明できます、こういうところはすばらしいところなんですよというところを三党案それぞれひとつ御説明いただきたい、お願いいたします。
#99
○衆議院議員(辻元清美君) すばらしい質問をいただきましてありがとうございます。
 先ほどから議論されておりますこのような市民活動に対して簡便な方法で法人格がとれるというところで皆さんさまざまな苦労をなさっているかと思います。私は、三法案出ておりますけれども、どれが一番よくて悪いという問題ではなく、それぞれ特徴があるものというふうに考えておりますので、そういう立場で与党案について申し上げたいと思います。
 私は、この与党案をつくっていくときに、非常に考えながら幾つかの点でつくったわけなんですが、一つは、書類を提出していただいて、その書類の要件に合えば認証がとれるようにしたいということで、先ほどからも御説明いたしましたが、細かく提出書類等のことも書き込んであります。ですから、それを提出していただきましたら、その要件を満たす団体については簡便に法人格がとれるというところが一つの特徴ではないかというふうに思います。
 それからあと、財産等の要件については規定しておりませんので、これから団体をつくっていこう、これから寄附等も集めていきたいという団体が即とれると。たくさんお金を集めてからでないととれないとなりますと、普通新しい団体ができまして社会的に認知されるまでに、その活動については一年、二年やっぱりかかるんです。こういう団体があって、私たちはこういう活動をしていますということを広く知っていただく上でその活動の信用度もふえでまいりますので、そういう意味では、要件を満たせばとれるというふうにした点を私は特徴として挙げたいと思います。
#100
○山本保君 では四点ほど述べますけれども、まず最初に、順番はちょっとずれますが、今のお話のところにちょうどかかりますので、今の答えがいかにもおかしなお答えだと思います。
 社会的な信用があってこそ法人が出るものでありまして、まだ社会的な信用も何もない段階で県が法人格を与えれば、これは社会的に混乱を起こすだけであります。その法人格があることに対して、利用する側、またそのサービスを受ける側、いろんな形で社会的な責任があるわけでございます。
 ですから、私どもはこの点について、最初の基金として五十万円、その他、最初立ち上げのときには、すぐ使ってよろしいんですけれども、百万円という設立寄附を集めようではないか。この程度ではありますけれども、これが社会的な信用である。これは有限会社法などにあるように、こういうお金を一定限度持っているということが社会的信用を担保するものであるという法律の仕組みが今ありますので、これにのっとったものをつくったということであります。
 もう一つだけこれについで言いますと、これは逆に言えば民法の規定などでは何もお金がありませんけれども、実は行政指導で三億円とか四億円とか、この前参考人から具体的な数字が出ました。民法には何も書いてないのに、実は実務上という理由で今非常に厳しい条件が付されておるわけでございまして、私どもはどうも心配でございます。
 与党案のままでいけば、各県知事が、本当に何もなしで全部持ってきたときに、年に一回やる団体と、もう毎日のようにしっかりやっておる団体と一体どう区別するのか、区別がつかない。そしたら、それは全部法人格を与えるのか。私どもは、どうもこうなりますと、行政指導などで一千万とかどんどん値が上がっていくんじゃないかというおそれもあるので、これは法律事項として、現在の社会では妥当な線をきちんと書いていった方がいいというのがまず第一点であります。
 第二点は、もう簡単に申し上げますが、これは何度も申し上げます活動分野を排除しない、制限を設けないということであり、第三は、まさに最初から議論になっております団体の自由、自治権、そういうものに対して全く口を出さないということであります。どのような形でも国民の基本的な権利を守る団体として活動していただきましょうということが三番目であり、最後に四番目は税の問題でございます。
 もちろん、この法人法だけで税が解決するものではないんですけれども、まさに先ほどお話がありましたように、やる気があるのであれば本法の中に条文化していくのは、そのことについてやりますよということを書くのはこれは今までの法律でも例がたくさんございます。ですから、ぜひ議員立法として今後税改正を、優遇税制を検討するということであれば、そのことを法律に書いておかなければ国民に対する約束とならないということが四点目で、私どもはそれを書いてございます。
#101
○委員以外の議員(吉岡吉典君) 日本共産党案の第一の特徴は、これは民法との関係を関係団体の要望に完全に沿える形でクリアすることによって、準則主義をとっていることであります。この点は、先ほども申し上げましたけれども、参議院の法制局においてはこれは全く問題ないということを認めていただいていることであり、この点は私は各党にも改めて検討をお願いしたい問題だということも申し上げたいと思います。
 第二番目の問題といたしましては、行政の介入を最大限に排除するという見地を貫いていることであります。そのために我々は行政の監督下に置かないように非営利法人委員会を設立して、これがこのNPOのいろいろな問題に当たるということであります。
 第三番目の問題は、これは税制ですけれども、我々は現在財政上の問題を織り込んだ議員提案をする人数を持っておりませんので、法案では税制については別途ということにしております。もしここで協議されたような方向で各党の一致が得られれば、税制についても保証を持ったきちっとした法案ができると。その際、私どもは税制についての考え方は要綱という形で発表しておりますので、それも含めて皆さんと協議していきたいと思っております。
#102
○阿曽田清君 ありがとうございました。
 私自身がボランティア活動にそれなりに参加をして、その中で一番ネックになったことについて、この点をクリアしていただければ一番いいんだがなと思うようなことを申し上げて御意見をいただきたいと思います。
 十五年ほど前に熊本県では日本一づくり運動というのを提唱いたしまして、その折にもう何百というボランティアの組織ができ上がりました。そして、それをそれぞれのボランティアの中で日本一に値するようなものに、文化の面でもスポーツの面でも福祉の面でも生産部分におきましても日本一を目指そうというようなことでのボランティアをスタートさせたわけであります。
 その中で一番苦労いたしましたのは、やはり活動資金というものが二年目からはつきまとうんです。当初は、私が特に言っていたんですが、いわゆる頭のいい者は知恵を出せ、体力のある者は汗を流せ、そして金のある者は金を出せ、何もない者は気持ちをあらわせということで、そういう思いでやってきたわけであります。どうしても組織を、ことしよりも来年、来年よりも再来年、充実させていこうということにした場合に一番ネックなのは、気持ちをあらわすことはできて知恵を出すこともできるけれども、汗を流すことと、それから資金面の問題で大変行き詰まるんです。ですから、私はボランティア活動が本当に定着して拡大していくというんですか、住民の方々から認知をさらに受けるということに至らないのが多いのはそこに問題があるんじゃないか。
 とすれば、与党案で出されておられる二年後見直すというようなこと等はその附帯条件の中に入っているというようなことでもありますけれども、むしろ、吉川議員もおっしゃられましたが、私はそういうものを本当に育てていこうとするならば、最初から資金の問題についての容易な仕組みをつくり上げでスタートしていった方が軌道に乗りやすい、実感からいたしましてそう思うわけであります。
 そういう意味で、旧平成会案には第六章の雑則五十条で税制の優遇措置を講ずるように定めてありますけれども、いろいろ今まで意見が出ております。スタートさせた後それは考えるということであります、必要性も十分わかるということでありました。ならば、本当にボランティアを実際やっておる方々に今お聞きすれば、必ずネックになってくるのはそこだろうというふうに思うわけでありますから、当初から条文の中に織り込むことが、私はボランティア活動の方々に発議者の方々が説明する場合においても受け入れられる、本当にいい法案だと、こうなるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
#103
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘の点、本当によくわかるわけでございます。法案の与党との修正作業の中でもそうした議論が多々出たことも事実でございます。そして、その結果として、先ほども申し上げましたけれども、与党と私どもの間では一定の確認文書ということで交わすことができましたし、効果のほどはいろいろ御意見もあったようでございますが、附帯決議という中でも盛り込んでいただいたということでございます。
 さらにまた、この参議院の審議の中で各党どのような合意に至るのかなという意味では、本当に前向きな形でまとまっていただければ市民の期待にも大きくこたえることが可能ではないかなという思いをいたしてございます。御指摘の点は全く同感でございまして、よくわかります。
 この際、あえて申し上げさせていただければ、旧来はすべて税というものはお役所が吸い上げた、地方であれば都道府県、市町村、国税であれば大蔵。その配分権を一手に行政が握った。公益というものはすべて役所が担うんだという観点であったろうと思うわけでございます。それを、そうではなくて、何が公益なのかはそれぞれの国民が判断する、そしてみずからが社会に益すると思うところに寄附をする。一たん吸い上げて配分ということではなくて、それぞれ国民がみずからの意思で税の一部を、控除されるということはそういうことですから、税の一部を自分でその使途を決めることができる、そういうシステムこそがNPOが名実ともに第三セクターと言われる社会になろうかと思うわけでございます。目指す方向ではそう各党変わりはないのではないのか、それをあとどういう手続、手順、手段で進めるかということではなかろうかなという気がいたしてございます。
#104
○阿曽田清君 それぞれ各党の御質問、そして発議者の方の御答弁につきましても全く皆さん方同じような方向性じゃなかろうかなというふうに思いますので、ぜひそのような方向での修正方を御提案いたしたいと思います。
 参考までに、大蔵省おいでになっているかと思いますが、このNPO法案が通過いたしました場合の税の減収がどれくらい見込まれるか、その金額を教えていただきたいと思います。
#105
○説明員(森信茂樹君) お答え申し上げたいと思います。
 今御質問がございましたのは、NPO法によりまして税制上の特例措置が講じられた場合には税収減がどの程度見込まれるかというふうな御質問だと思いますが、これはいろいろ場合を分けて考える必要があろうかと思います。
 まず、NPO法によりまして設立される法人が収益事業を営んでいない場合、この場合は法人税の課税は行われないということでございますので、仮に税制上の優遇措置を講じたとしましても税の減収は生じないということになります。
 それから、NPO法により設立されます法人が収益事業を営んでいる場合、収益事業から生じた所得があれば優遇措置に応じて法人税収の減少につながることになるわけでございますが、現在の段階ではどれだけの法人が新たに設立され、さらにまたその法人がどれだけの収益事業を営み、それからどれだけの所得が生じるのかということにつきましては定かではございませんので、減収額を定量的にお示しすることはできないということでございます。
#106
○阿曽田清君 はい、わかりました。経済企画庁おいでだと思いますが、現在NPOの団体数はどれくらいあるかということと、会員数はどれくらいいらっしゃるか。その中で、法人格を付与できるであろうと思われる数が今現在どれくらい見込まれるか、まずそれを教えていただきたいと思います。
#107
○政府委員(井出亜夫君) 平成八年度に経済企画庁が委託をいたしまして全国の市民活動団体の数を調査いたしました。その際の前提でございますけれども、市民活動というのをどういうふうに定義するかによっても違うわけですけれども、継続的、自発的に社会活動を行い営利を目的としない団体で既存の公益法人でないものという定義のもとに調査をいたしたわけでございます。これによりますと、全国で団体の数といたしましては約八万六千団体というものがあるということでございます。
 それから、その際に法人格をとりたいということにつきまして調査をいたしました。ただ、この場合に、法人格をとるという際に特定の法人制度というものを前提といたしておりません。とにかく法人になりたいんだというふうなことで、そういう非常に粗い調査でございます。これによりますと、全国で法人格の必要性を感じたことがある団体の数というものを推計いたしますと大体一万団体、そんな結果が出ております。
#108
○阿曽田清君 大体そこの会員数はわかりますか。
#109
○政府委員(井出亜夫君) 全体の会員数と申しますか、大体の規模を調査するということで調査をした結果でございます。
 二十人未満のものが大体二〇%弱、それから二十人から五十人ぐらいのものが約二五%、それから五十人以上百人未満というのが一六%弱、百人以上二百人未満が一〇%、二百人以上が二〇・四%、それから無回答が約一〇%、そんな感じになっております。
#110
○阿曽田清君 今計算してどれくらいの対象になるかなと思って、ちょっと今申されたのをぱっぱっと計算できませんので、大体五十人として、一万だったら五十万人ということになりますか。この五十万人の方々は、どちらかというと社会的にいろんな面で活動している方々がボランティアにはよく参加されるわけですし、そういう方々は主として政治活動あたりにも非常に熱心なんですよね、現実的に。
 だから、そういう人たちが、五十万人の方々が与党案の第二条のところを読んでどう感じられるのかな、こう思うんですが、率直なところ、発議者の感想をお聞かせいただきたいと思います。
#111
○衆議院議員(河村建夫君) 御指摘のように、この法案では、政治上の主義を訴える活動を主たる目的として行うということは制限をしているわけですね。
 それで、これは政治上の主義主張を主たる目的として行う団体については、政治活動の自由を尊重するという観点があります。その管理監督については行政庁の介入を極力避けたい、そしてそのためには慎重な配慮が要るんだ、こういうことで市民活動一般を対象とする本法案の対象からはなじまないのではないか、このように考えておるわけであります。
 これは私は率直に申し上げるのでありますが、政治活動を主たる目的としてやれば、本来のいわゆる政党法人格付与法というのがありますし、あるいは政治資金規正法もあります。そこでやれるわけでありますから、だからそれでやっていただくけれども、これから育てようとすみNPO法案の中にそうした政治活動が主たる団体が入ってくることはやっぱり避けるべきである。そういうことですから、従たる目的でおやりになるということは一向に構わないわけであります。
 それだけではありません。ここで主たる目的で行うことが制限をされているというのは、政治上の主義、そういうものを推進するということであって、政治上の施策ではないという考え方に立っております。だから、政治上の施策を推進する活動といいますか、政治活動に付随していろんな問題が起きますが、そういうものについては自由に行うことができるという考え方に立っております。
#112
○阿曽田清君 その意味合いもよくわかりますが、それならば二条の二のイ、ロは別にいたしまして、ハの「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」と、こういうことできちっと一切してはならないという、主じゃなくて従ならば政治上の活動はいいんだけれどもということですが、恐らくハの部分では一切できないような文になっているというふうに私は思うんです。これでは従の部分さえも果たせないんではないかと思うんですが、どう解釈したらいいんでしょうか。
#113
○衆議院議員(河村建夫君) ここも議論があるところだと思いますが、ただ、申し上げましたように、このNPO法案によって法人格をおとりになる団体が、団体の総意として特定の候補者、あるいはいわゆる選挙活動とか、そういう政治上のまさに政治活動的なものをやるということはこの法の精神になじまないんではないか。あるいはまた、政党も比例代表制におきましては選挙の客体になるわけでありますから、そういうものをこの法の趣旨からいって避けていくべきであろうということで、ここにそのことをうたっておるわけであります。
 だから、これまでの答弁でも申し上げておりますが、その団体に属されている個人が、個人の自由に基づいていろんな方を応援なさる、あるいは特定の候補者を応援なさるということまでを規定しているわけじゃありません。その団体が団体の総意として、主たる活動になるような形で選挙活動的なものを、いわゆる本来の政治活動といいますか。それをおやりになることについてはこの法の精神になじまないんではないか。これからNPOの団体を育て上げる上で、これはなじまないんではないかということから、あえてこれが入っているというふうに理解しております。
#114
○阿曽田清君 我々もそういうボランティア活動の中に入っておって選挙等にそれを利用したんでは、その組織そのものが崩壊してしまう、それが現実だと思います。
 ですから、その組織を本当に大事にして、皆さんから評価を受けるような団体へと育成していこうとするならば、むしろ日ごろの政治活動においては選挙に対しては私はその組織は中立であるべきだというふうに思います。ただ、日ごろのいろんな活動をする上においてはいろんな方々の支援なりいただかなきゃならないし、逆に要望もしていかなきゃならないことは当然出てくると思うんです。
 そういうことからするなら、日ごろは政治活動を逆に認めることの方が、よりこの法人格をとったことによって一つの訴える、行動するものの評価、また市民から受ける影響というものはいい意味で私は生まれてくるだろうし、それが逆に、今非常に投票率が低いという中で投票率アップへも貢献してくるんじゃなかろうかなと思います。
 ただ、選挙については私は最低中立であるべきだというふうに思いますので、そういう内容に変更される気はありませんか。
#115
○衆議院議員(河村建夫君) 今、阿曽田さんがおっしゃったことは、私はこの法律の中では保障されていると思うんです。
 例えば、団体が施策的にこれはやってもらいたいと思うことを各党に行って陳情したりするとか、そういうことまでこれは規定をしておりません。いわゆる主義主張、こういうことをやることがこの政党にとって、この政党の政策をぜひやってくれとか、そういうことじゃなくて、これは公益的に国家、国民のためになる、我々はやっているんだと、このためにぜひこういうことをしてくれという活動です。これもやっぱり大きい意味での一つの政治活動だと思いますが、そういうことまでは規定をしておりませんから、私は今委員が言われたことは、この法律がそれを阻害しているというふうには思いません。
#116
○阿曽田清君 時間がありませんのでなんでありますが、やはりここの部分については、これは選挙の場合はしてはならないけれども通常の場合はしてもよろしいんだという文章だと、内容だというふうに聞き取れたんですけれども、一般の人たちが、ボランティアに参加している人たちが読みまして、往々にして少なくとも一切だめだというふうにとるんですよ、私はそうとったんですから。ですから、やっぱりいろんな政治活動には横を向いでおくというような、一切目を向けないという形の活動の中身になっていきはせんかという見方を私は正直言っていたしております。
 ですから、むしろこれは選挙に限ってという形にした方がよろしいんではなかろうかなというふうに、あえて屋上屋を架するようになりますけれども、現場で実際やっているボランティアの方々にこういう内容で説明したときにそういう誤解を与えるというふうに思います。
 したがって、このハについては選挙運動ということに限定した形の方が望ましいのではなかろうかなというふうに思います。
#117
○衆議院議員(河村建夫君) 御指摘の点は理解しないわけではありません。しかしこれは、いわゆる政治の主義主張は選挙のときだけではありませんから、ほかの日常活動においても各党のいろんな政策を遂行しなきゃいかぬ。そういうものにこの団体が乗っかるということはやっぱりふさわしくないし、またそれは避けるべきであろうということであります。
 確かに、これは法律用語でありますから、これだけ読んでそこまでということになるとその点の理解を深める必要はあろう。これからNPO法案が通過いたしましたら、その点についてのPRをしていただく必要が私はあると思うんです。説明会もありましょうし、ここのところは問題になるところでありましょうから、そこのところは明確にする必要があると思いますが、これをただ選挙だけと限るというのはちょっと余りにも限定し過ぎじゃないか、まだいろんな問題がさらに発生する心配があるというふうに思います。
#118
○衆議院議員(辻元清美君) ちょっと補足させていただきます。
 ここは衆議院の審議の折からも随分議論になりました点ですので、委員御指摘の部分で主義というのと施策というのを分けて立法者としては考えましたし、衆議院の審議の中でもしっかり明確に分けました。
 市民活動というのは、さまざまな自治体の長やそれから政府が行います施策については、賛成、反対、自由に御活発に意見を言っていただきまして、そういうことが結局その施策をよくしていくことにつながりますから、批判も含めて言うということは保障しなければならないという観点で、そこのところははっきりと保障されております。
 ただ、主義の中には、これは法制局の見解ですけれども、共産主義を推進しよう、愛国主義を推進しようというような活動が主たる目的になっておりません、従でやっていただくのはどうぞおやりくださいという点になっております。ですから、法律というのは実際にこれは法文、文言であらわしておりますので、今のところはよく読んでいただければ理解していただける点だと思います。
 あと、公職者等、このハの条項につきましては先ほどから申し上げておりますが、構成する団体の個人が自由に行っていただく、個人の集まりである有志が行っていただくということは保障しておりますので、その点もしっかり御認識いただきたいと思います。
#119
○阿曽田清君 よく意味合いもわかるんです、すみ分けができるじゃないかと。しかし、そのすみ分けができる団体もあれば、すみ分けができにくいといいましょうか、リーダーあたりの持っていきようではすみ分けができずに、できずにというかまとまって行動するということも出てくるわけです。
 そういうことを私は懸念しますので、大体我々はそういうのに絶えず携わっているわけですから、そういう場合に、これはもう選挙期間中はだめだよと、それまでは政治活動をどんどんある意味でやっていいじゃないかというようなことで、選挙投票率アップを図る上においても、私はそっちの方も大いにやっていただくことがむしろいいんではなかろうかというふうに思いますので、御検討いただければというふうに思います。
 終わります。
#120
○堂本暁子君 NGOとあえて前回から言っておりますが、ノンプロフィットオーガニゼーションは非営利の団体ということですけれども、外国で日常的に使われているのはむしろNGO、ノンガバメントオーガニゼーション、非政府団体と言う方がポピュラーかと思います。その本質はどこにあるのかというと、やはり非政府の団体であるということ、そして非営利の団体であるというその二つの性格を持っているということを私は強く思っております。
 去年の暮れに京都で地球温暖化防止京都会議が開かれ、日本のNGOはもちろんのこと、外国のNGOもたくさん京都に集まって大活躍をしました。政府ができないようなこと、その役割をNGOが果たしたというふうに思っております。
 地球の温暖化を防ぐためには、北の国も南の国も、男も女も、この地球上に住むすべての市民が問題の深刻さを認識し、そして二酸化炭素など温暖化ガスの排出をどう抑制するかということに努めなければならない。どんなにどこかの国の政府が旗を振ってみても、市民一人一人がこの地球の温暖化を防いでいかなかったら、私たちの住む地球という惑星、その惑星の上の生物は絶対に滅びるのだということが認識されないとこの地球温暖化は防止できない。
 そういった意味で、政策をつくるのは政府かもしれませんけれども、実際に活動し、そしてそれぞれの過程で実行するのは市民であろう。そういった意味で、市民セクターはこれから本当に大きな期待を寄せられているというふうに思っております。市民でなければできないというふうにも言うことができると思います。
 では、なぜなのかということをもう一度問うてみたいのですが、なぜ政府や企業ではいけないのか、あるいは国連のような国際機関ではなぜできないのか。それは、一つは時代ではないでしょうか。例えば、難民の問題あるいは麻薬の問題、あるいは環境だけではございません、もっと人権の侵害とか、それから日本の場合であれば非常に高齢化している中で介護の問題などもあります。こういった、市民がみずから告発し解決していかなければならないことに気がついて、世界じゅうで同時多発的に市民団体が活発になってきている、そして行動を起こしてきているというのが現状ではないかと思っております。
 先日来、第一セクターとして政府、第二セクターとして企業、そして第三セクターとして市民というふうに言われているんですけれども、先日、イギリスのチャリティーコミティー、日本で言うNPOの組織になりますけれども、そこの方が見えたときに、いえ、二十一世紀は第一セクターが市民です、恐らく第二セクターはそのまま企業でありましょう、政府はそういった第一セクター、第二セクターにサービスをする、そういったのが政府の役割だということをおっしゃいました。それがやはり二十一世紀に向けての大きな時代の転換であり、そして新しい価値の形成が市民セクターを中心として、軸としてなされていくのだというふうに認識しております。
 その意味で、きょうここで審議をしていますNGOあるいはNPOをボランティアに、単なる奉仕に限定すべきではないというふうに考えております。
 与党案は、第一条に、市民に開かれた自由な社会貢献活動として市民活動の健全な発展を促進するというふうに明記していますけれども、民間の非営利団体の活動はボランティアに限ってはならないということをはっきり申し上げておきたいと思います。
 その理由は三つありますけれども、第一に、単に何かいいことをするというレベルではない、時代の変革期におけるNGOのあり方というものは、例えば個人の生きがいとか自己主張とか自己実現、そういったものの場ではないだろうか。例えば、だれもが官僚になるとか一流企業に就職するとか大学の先生になるとか、そういったことだけではなくて、たとえ収入は少なくてもいい、しかし自分の生きがいとか自分の自己実現のためにNGOの場、NPOの場を選んでいこう、そういった若者も、それから若者だけはありません、シルバーの方でも、それから企業をやめたり役所をやめたりいろんな形でNGO活動を始めている人が今大勢いらっしゃいます。
 それは、今までのように単に収入を得るという形での自己実現ではなくて、もっと違った価値の中での自己実現、例えば人権のため、あるいは環境のため、あるいはエイズ問題といったような中でどう自己実現をしていくかということだと思います。
 次に、市民活動というのは単にいじましい存在ではないということです。もっときちっとしたビジョンを掲げ、専門性を持ち、そしてその活動や事業をやっていく中で雇用が創出される、日本の新しい経済社会を活性化する、そういった役割を果たすのではないか。
 アメリカの場合ですと、NPOが一九九一年にはGNPの実に六・七%を占めました。日本のGNPをもし五百兆としますと、五%と考えても二十五兆という大変な経済活動が出現するわけで、非営利団体が今までの営利団体だけではなくて日本の景気の下支えになる。アメリカの場合はまさにNGOが下支えをして景気回復をしてきたとすら言われているわけで、日本の場合もそういった視点から、今こういった非常に景気の悪いときにはNGOの役割はもう一度見直される必要があると思います。
 第三点は、国際的な活動でございます。
 国境を越えて、政府間の交渉とか企業の取引とは別に、市民同士が真に友情なり信頼を醸成していくということで、アジアの中で、それからもっと世界規模で日本が信頼される国になっていくために、この市民活動は非常に大事な役割を果たすのであろうというふうに認識しております。真に市民的、民主的な社会の基礎だと言っても過言でないのでないかと思います。
 この法律、与党案の法律に三年近く関与してまいりましたけれども、大変残念に思っておりますことは、よく性善説と性悪説という言葉が出たのですが、この法案を悪用する可能性というのが常に議論されてきたことです。それは事実があるがゆえに私は大変残念なことだというふうに認識しておりまして、そのことには最後にもう一度触れさせていただきたいというふうに思っております。
 今のような考え方というか、基礎的な認識に立ってもう一度確認したいということが幾つかございますので、まずは与党案の市民活動促進法案についで質問をさせていただきます。
 まず第一の質問は、第二条の定義についてです。
 「「市民活動」とは、別表に掲げる」という、けさから問題になっている十一の項目なんですが、「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする」というふうに言っておりますが、なぜ公益という表現を使わずにここで「不特定かつ多数のものの利益の増進」という表現を使ったかと申しますと、民法三十四条は主務官庁、自治体による許認可制度で運営されてまいりました。公益がイコール官益でした。その限定された意味の中で運用されてまいりました。この公益の範囲は、あくまでも行政サイドの価値の基準、その判断、裁量、その領域に限られていたわけです。また、もっと申しますと、縦割りの行政システムかる外れたものは法人化することが今までできませんでした。
 こういった行政の枠の外にたくさんのNGOがございますし、だからこそNGOがそこのところを埋めていると言ってもいいと思います。それから逆に、行政の縦割りに関係なくもっと包括的なあるいは横断的な活動をしているNGOもたくさんあります。
 そこで、この認証制度を採用した与党案なんですけれども、ここに「不特定かつ多数のものの利益の増進」というふうな表現をしたのは、その認証制度をここで用いたことは、あくまでもこういった内容、こういった問題意識、そしてこれを表現したものとして書かれているというふうに理解してよろしいでしょうか、お願いいたします。
#121
○衆議院議員(小川元君) 堂本先生は、本当にこの法案の作成につきまして最初から最後まで中心的メンバーとして御活躍をいただいたわけでありまして、いろいろな問題の経緯についても最もよく御存じの方でいらっしゃいます。私ども、提案者になっておりますけれども、堂本先生にお答えするのは非常にしにくい面もあるわけでございますけれども、先生御指摘のとおりでございまして、古いイメージというものを払拭するために私どもこの「不特定かつ多数のものの利益の増進」という言葉を使わせていただきました。
#122
○堂本暁子君 ありがとうございました。
 この「不特定かつ多数のものの利益の増進」というのは、民法三十四条で言うところの公益とは全く違った新しい概念ということを確約していただきましたので、大変うれしく思います。
 二番目の質問ですけれども、所轄庁による監督は事業報告書等の提出を通じて行うというふうになっておりますが、これは予算書や事業計画書を付記するようなことは認められないというふうに考えてよろしいでしょうか。
#123
○衆議院議員(辻元清美君) 今御指摘の点ですけれども、法律上提出が予定されていない予算書や事業計画書などを事業報告の際に提出を求めることはこの法律では予定していません。したがいまして、許されないことであると考えております。
 またさらに、事業報告書等の提出の際に予算書や事業計画書等を付記させることもこの法律は予定しておりませんので、許されないことと考えています。
#124
○堂本暁子君 ありがとうございました。
 次に参ります。三番目の質問です。
 第二条第二項、これは社員の資格の得喪について、資格を得る、得ないということなんですが、そこで「不当な条件を付さないこと。」とあるのですけれども、例えば医療活動を目的とする団体が医師や看護婦など医療に関する専門資格を有することを社員資格に挙げた場合には、目的との関係において不当な条件とは言えないと考えるかどうか、その点について御答弁ください。
#125
○衆議院議員(金田誠一君) この条項は、市民に開かれた自由な社会貢献活動を具体化したものであり、これを担保するためのものということになってございます。
 その上で、専門的資格を有することを社員資格とすることが不当で、市民に開かれたという本法案の趣旨に反するものであるかどうかについては、当該法人の目的との関係において所轄庁が社会通念に従って判断することとなると思いますけれども、御質問のとおり、不当な条件とは言えない場合も当然あり得るというふうに思っております。
 御質問における医療活動を目的とする団体に関しても、具体的な所轄庁の判断において、不当な条件とは言えないとされる場合は十分にあり得ると思います。
#126
○堂本暁子君 ありがとうございました。
 四番目の質問ですけれども、認証の際の「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」という判断基準は大変難しいことなんですけれども、基本的には提出された書類の定款などで特定のもののためのサービスでないことが明らかであればこの要件を満たしていると考えてよろしいでしょうか。
#127
○衆議院議員(金田誠一君) 不特定多数のものの利益とは、いわゆる公益と同義であり、社会全般の利益を意味するものと解されます。すなわち、当該団体の活動の受益者が特定されないこと、より端的に言えば、構成員相互の利益、すなわち共益を目的とする活動ではないということでございます。
 この共益か否かの判断基準は先ほど御答弁を申し上げたとおりでございますが、この公益性の判断は所轄庁が社会通念に従って常識の範囲内で行うことになります。具体的には、御指摘のとおりでございまして、定款等、法定の提出書類について合理的な疑いがない限り、それらに基づいて判断することになると考えます。
#128
○堂本暁子君 最近は、高校生や大学生のNGOも大変活発でございます。
 伺いたいのは、未成年者が社員である団体はこの法律の対象となるかどうか、また理事になるかどうかもぜひお答えください。
#129
○衆議院議員(辻元清美君) 今、堂本議員御指摘の、高校生も本当にいい活動をされていたり、環境問題等では大活躍をしている団体もあるのを私も存じ上げております。そういう現状もかんがみまして、この法律では社員の欠格事由に何らの規定を設けておりません。ですから、未成年者が社員である団体も当然本法案の対象になると考えられます。
 また、理事につきましても、役員の欠格事由の中に未成年者が列挙されておりませんので、未成年者は理事となることもできます。
#130
○堂本暁子君 旧新進党案の方で伺いたいと思います。
 三条の「定義」のところですけれども、表現が「その他の社会一般の利益」と。私どもの与党案が非常に限定的であるのに、プラスの面もたくさんあるかもしれません。それは是としながら、同時に所轄庁の自由裁量が入りやすい表現なのではないか。この点に関しての見解を伺いたいと思います。
#131
○委員以外の議員(戸田邦司君) この活動分野につきましては、我々相当議論してこういうような結果になったわけであります。民法三十四条との関係というのはあるかもしれませんが、民法三十四条の欠点というのは、先ほどから出ていましたように、各省庁の自分たちの所管する事業、業務にかかわるものについて非常に限定的に運営されている、そこが非常に大きな欠点であるかと思います。
 またその場合に、例えば社団法人は、各省によって違うようですが、何千万という基金を要求される、財団ですと何億。そういったことがこういうような公益法人の設立を非常に制限してきたというところがあると思います。
 そこで、この市民活動が自由に行われるためにということで我々考えましたのは、社会通念上の公益というのはある程度もう確立された概念ではないかと思いますし、また一方で、価値観が非常に広まってきている、また社会が非常に目まぐるしく動いている。そういった中で、公益というのを一体項目で限定できるだろうか、限定し得ない、到底不可能だという判断をしたわけです。
 ですから、そこに我々が項目として挙げておりますのは例としてというふうに受け取ってもらってもいいかもしれませんが、包括的にそういうような条項を置いたわけでありまして、もちろん与党案の十一項目は完全に含んでいると思いますし、先ほどから問題になりましたように、犯罪の防止とか交通安全とか観光の拡大とか災害の防止とか、それから行政オンブズマン。行政オンブズマンはこの間参考人に質問しましたら町づくりで救うんだと、そういうふうに非常に持って回って、どこかで当てはめれば当てはめることができるんじゃないかというのは私は法の運用としては正しくない。これは公益的な活動であると認められることについてはストレートにそのまま認めていけばいいんじゃないかということで我々はそういう表現をしております。
#132
○堂本暁子君 もう一つお願いをしていたんですが、時間がちょうどなくなってしまったので、もう一度与党案の方に戻りとうございます。
 前回もですけれども、きょうもいろんなたくさんの質問が与野党から出されまして、大変多くの御答弁をいただいたわけですが、当委員会での答弁、これは今後この法律が運用されますときにその法律の解釈の上で大変重要だというふうに思っております。
 基本的には行政庁が、北海道から沖縄まで各県が運用するわけですけれども、大変に新しい視点に立った、それからトップダウンじゃない法律なので、ここの委員会で審議されたことが大変重要だと思いますし、立法者の意思が尊重されるという意味で、この委員会での答弁が行政庁の運用される折に重要な指針になるというふうに理解し、そしてそのことを確認させていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#133
○衆議院議員(小川元君) 今、委員御指摘のように、この法律のこれからの運用というのが、新しい法律、新しい分野であるがゆえに大変重要なことになってくるかと思います。したがいまして、本委員会におきます答弁というものは今後の運用に当たっての私どもの見解を述べたものでございまして、当然重要視されるべきもの、そのように考えております。
#134
○堂本暁子君 ありがとうございました。大変心強く思っております。委員長にもぜひそのことはお願いをしたいと思います。
 この委員会での質疑は、恐らくほかの法律の場合と大変違うのではないか。質問される委員そして答えられる発議者の総意がすべて立法者の意思として運用のときにきちっと反映されることが大変大事な、そういう法律だというふうに認識しております。
 最後に、感想になりますけれども、旧新進党案の方からも言われたことなんですが、暴力団による悪用とかあるいは税に関する悪用とかということで与党案は規制的になっているのではないかという御指摘をいただきました。私も実はそう思いますけれども、大変残念なことだというふうに思っております。
 本来、この法律を使う一人一人の市民そして市民団体が自己責任によって情報を公開する、それは市民が責任と義務を担うことなんだというふうに思います。きちっと市民を信用することができれば、それから私たちが信頼されればそういった余計な規制は必要ないんじゃないかと思うんです。
 先ほど申し上げたイギリスのチャリティーコミティーの方に、イギリスではどの程度法律違反が出るんですかと伺ったら、せいぜい年に数件、ないと言っていいと。イギリスという社会では、もしチャリティー法、私たちがこれからつくるNPO法ですけれども、それに違反するようなことをしたら市民として認められない、イギリスで生きていかれないというような事態になるのだというふうにおっしゃったのを聞いて、文化の違いなのかな、市民社会の成熟度の差なのかなというふうに思いました。
 多分、日本の場合は今までお上任せという形で、私たち自身がいささかお上に依存してきたということだと思います。そのために行政の監督や裁量を多くするような構造をつくってしまったというふうに思うんです。今になってNGOの独立性とか主体性を必死になって私たち主張しておりますけれども、残念ながらちょうどオウムの事件があり、また公益法人の悪用例が多々ある中で、性善説に立ち切ることが大変難しゅうございました。
 これからは、この法律が本当に市民によって開かれた法となって、立法作業の中で困難だった部分を今度運用の部分で覆していく、信用される市民のあり方がこれからは期待されるんではないかというふうな感想をきょう持ちました。市民が相互にチェックし合うことによってそういった脱税とか暴力団による悪用をはじき出していくというだけの迫力を持つ法律になったらとでもいいんじゃないかというふうに思っております。
 これから、この法律が一日も早く成立して、そして実際に使われる中でよりよい法律として何度もいい方向で修正していくことが望ましいというふうに思っております。
 終わります。ありがとうございました。
#135
○委員長(鹿熊安正君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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