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1998/02/26 第142回国会 参議院 参議院会議録情報 第142回国会 労働・社会政策委員会 第6号
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1998/02/26 第142回国会 参議院

参議院会議録情報 第142回国会 労働・社会政策委員会 第6号

#1
第142回国会 労働・社会政策委員会 第6号
平成十年二月二十六日(木曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月五日
    辞任         補欠選任
     阿部 正俊君     佐々木 満君
     戸田 邦司君     都築  譲君
 二月十日
    辞任         補欠選任
     猪熊 重二君     木庭健太郎君
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     小山 孝雄君     阿部 正俊君
     勝木 健司君     今泉  昭君
     聴濤  弘君     吉岡 吉典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鹿熊 安正君
    理 事
                海老原義彦君
                狩野  安君
                笹野 貞子君
                大脇 雅子君
                吉川 春子君
    委 員
                阿部 正俊君
                石渡 清元君
                佐々木 満君
                坪井 一宇君
                橋本 聖子君
                今泉  昭君
                竹村 泰子君
                木庭健太郎君
                山本  保君
                吉岡 吉典君
                都築  譲君
                堂本 暁子君
       発  議  者  吉岡 吉典君
       発  議  者  吉川 春子君
       発  議  者  山本  保君
       発  議  者  都築  譲君
   衆議院議員
       発  議  者  小川  元君
       発  議  者  辻元 清美君
       修正案提出者   金田 誠一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○市民活動促進法案(第百二十九回国会衆議院提
 出)(継続案件)
○非営利法人特例法案(第百四十一回国会笠井亮
 君外二名発議)(継続案件)
○市民公益活動法人法案(第百四十一回国会山本
 保君外三名発議)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十五日までに、小山孝雄君、勝木健司君、猪熊重二君、聴濤弘君及び戸田邦司君が委員を辞任され、その補欠として佐々木満君、今泉昭君、木庭健太郎君、吉岡吉典君及び都築譲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鹿熊安正君) 市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○海老原義彦君 自民党の海老原義彦でございます。
 前回、法文の趣旨を確認するという意味で大変細かい質問、細かいことにわたっての非常に詳細な御答弁をいただきましてありがとうございました。戻りましてから、また理事懇などで協議を重ねておりますうちに、この辺も確認した方がいいのかなということが二、三出てまいりましたので、本日はその補足という意味で三点ほど質問いたしたいと思います。
 まず初めは、法案の二条一項の「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」ということでございますけれども、この「不特定かつ多数」というのはどのような意味がについて若干の疑義が生じてまいりました。
 例えば、非常な難病で対象者が一人しかいない。だけれども、手術すれば随分金がかかるというものもあって、その人に対する支援活動というのはきっちりとしたNPO活動として進めていかにゃならぬ。今後そういう難病がまだいろいろと出る可能性だってあるんだ、そういうような場合の支援活動などは不特定多数でなくて、当面は特定一名でございますけれども、そういうものはこれに該当しないのか、こういうことについて伺いたいと思います。
#5
○衆議院議員(小川元君) お答え申し上げます。
 「不特定かつ多数のものの利益」というのは、民法三十四条に言う公益と同義語で使っております。前の委員会での御質問でもお答え申し上げましたが、公益という言葉が最近はかなり狭義に使われているということからこういう言葉を使っておるわけでありまして、本質的に同義語でございます。端的に申し上げれば、構成員相互の利益、いわゆる共益を目的とする活動でないことを意味いたしております。
 そういう観点からいたしますと、ただいま御質問いただきましたような活動であっても、当該個人を特定しているのでなければ「不特定かつ多数のものの利益」の増進に寄与し得るというふうに考えております。
 御指摘のように、その難病が今は一人かもしれませんが、あってほしくないことですが、これから難病の方々の数がふえていくということも当然考えられる、いわば潜在的な多数性を持っているわけでございますので、二条一項に規定する「不特定かつ多数のものの利益」を増進するということになると判断をいたしております。
#6
○海老原義彦君 非常に明快な御答弁をありがとうございました。
 第二点でございますが、社員資格の問題でございます。二条二項一号イの問題でございますけれども、前の御答弁で、たしか社員資格を特定の大学の学生に限定するとか卒業生に限定するとか、そういうことはいささか問題があろうという御答弁もございましたけれども、例えばある大学の中でボランティアを募集し、またカンパも行って、その資金と人員でもって被災地の災害救援活動をしようというような運動を学生だけで起こすというような場合に、これはどう考えるんだろうかという疑問が出てまいりましたので、その点についての明快な御答弁をお願いいたしたいと思います。
#7
○衆議院議員(小川元君) 六号の規定は、理事の恣意による団体の支配を招くことがないようにということと同時に、だれでも参加しだれでも脱退できる、いわゆる開かれた自由な社会貢献活動ということを目的としておりまして、社員の資格の得喪に関する一切の条件を禁止したものではありませんが、あくまでも不当な条件を禁止いたしております。不当な条件というのは社会的通念に基づきまして判断されることになろうかと思いますが、同時にまた、その条件の付加に合理性が認められるかどうかということも問題になってこようかと思います。
 そういう観点からいたしますと、この社員の資格に関して御指摘のような条件をつける場合に、市民活動のそれぞれの連絡団体、いわゆる別表の十二号にあるような団体については、基本的に法人や団体に限定するということについては本条に違反するものではないと考えております。
 しかしながら、御指摘の特定の大学に限るということになりますと、その大学の人しか社員になれないという条件という意味であれば、これはその大学の学生以外は排除するということになりますので六号に違反をするのではないかと判断いたしております。その場合には、○○大学の学生その他、この活動に理解がありかつ常時参加できることが容易な者というような、ほかの方も入れる要件をつけていただきたい。ただし、実質的にその大学の方だけしか社員にならなかったという結果については、もちろんそれはやむを得ないことである、そう考えております。
#8
○海老原義彦君 これで二つの問題について御解決いただいたわけでございますが、もう一つ、理事懇の審議の中で出てきた重要な問題がございます。
 不登校児の教育をフリースクールと言うんですかいともかく現在登校できない、だけれども勉強はしなきゃならぬ。それで、ちゃんと学校のカリキュラムに従って勉強を教えていこうというようなNPO活動もあるようでございますけれども、そういうものについては何で読むのだろうか。
 いろいろ議論をしておりまして、私はこれは社会教育で読めるんじゃないか。別表十二項目のうちの社会教育というのは、これは言うなれば、教育を大きく分けて学校教育と社会教育とにする。こういう考え方からしますと、法律で定める学校以外で行われる教育は、それが学校という名前を使っていても学級という名前を使っていても社会教育であろうかなと思うので、この社会教育で読むんだ。
 ただそうすると、変な金もうけ本位の学習塾や英会話スクールなどをどうするんだろうな。これは「営利を目的としない」とか非営利性がないからこのNPO法案の要件を満たさない、そういうことで排除していくのかなとかいろいろ考えておるわけでございますけれども、その辺について明快なお考えをお示しいただきたいと思います。
#9
○衆議院議員(小川元君) 社会教育の意義につきましては、法律上は特段の定義を設けていないわけでございます。これは所轄庁が社会的通念に従って判断していただくことになろうと思いますが、この法律の趣旨に沿いまして、基本的には申請者の意図を尊重しつつ、提出された書類をベースにできるだけ広く解釈、運用がされるものであると期待をいたしておるところであります。
 御指摘の件につきましては、社会教育という意味は御指摘のとおり学校教育以外のものを示すものであるというふうに私どもも解釈をいたしておりますから、基本的には学校教育法一条に規定する学校以外は社会教育に入るんだろう、こう考えております。
 社会教育に該当する場合でありましても、「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与すること」、それから「営利を目的としない」ということでございますので、今お話がございましたフリースクール、そういうものはかなりお金もかかるものであろうかと思います。そうただみたいなことではできないこともわかりますが、しかしながら余り高い授業料であって、そこの要件に該当するのに、お金がないからそこへ行けないというようなことは不特定多数のものの利益に反すると考えられますので、その辺のところは社会的通念に従って所轄庁で御判断をいただきたいと考えておるところでございます。
 また、塾等は当然不特定多数の利益に寄与するものではございませんし、これが仮に利益の分配をしないで内部留保をしながらどんどん同じようなものを全国に展開していくということになりますと、法律上は営利性はないということになろうかと思いますが、やはり本項には該当しないと考えております。
#10
○竹村泰子君 私ども、きょうまでいろいろ審議をしてまいりまして、議員立法三法がぶつかり合う形で国会の中での議論が進んできたということを非常にうれしくも思い、また誇りにも思ったわけでございます。
 ただ、私も審議の中で、もしこの法案が市民活動促進法案という名前で通るとすれば初めて法律の中で市民という言葉が使われる、非常に画期的なことではないかと考えますという質問をさせていただいたこともありますが、きょう提出されます予定の修正案では特定非営利活動促進法ということになるようでございまして、市民という言葉が消えてしまったということは非常に残念だったと初めに一言申し上げさせていただきたいと思います。
 それで、かなりの議論がお互いに交わされまして、私どももいろいろと質問させていただいてまいりました。きょうは時間が短いので言いっ放し的になるかもしれないんですけれども、三年後の見直しに向けて問題点をいま一度きちんと時間の許す限り私の方から申し上げてみたいというふうに思います。
 まず、私も先日の審議の中で大変大きな問題ではないかと指摘をいたしました二条二項二のイの宗教、信教の自由の問題のところと、それからハの「特定の公職」云々。
 私は、本来はこのイとハは不要なのではないかというふうに思っております。そして、私どもはハにつきましては、もし修正が可能であればこのハの項目の中の「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党」までを削除してほしいということで、文章としては「特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」というふうにしていただきたいと希望いたしましたが、残念ながらなかなかそうはなっていっていないようでございます。
 確かに、現役の公職者を批判すれば結果的に反対の立場の候補者に有利をもたらすということはあるかもしれないと思いますけれども、それは結果論でございまして、言論・表現の自由、公権力への監視、批判の自由を禁止する理由とはならないのではないか。
 例えば、薬害を起こした厚生省の役人が、もし転身して地方自治体の首長や国会議員になっているとします。そうしますと、薬害の責任を追及する団体はNPO法人をとることができず、NPO法人格を持っている団体はこれらの人物を批判できないということになりはしないか。そういうことはないようにするというふうなお答えでございましたけれども、あり得るのではないか。
 薬害の被害者たちのケアに取り組むボランティア団体はNPOの対象とするけれども、行政や政治を批判したり被害者たちの裁判を支援する団体はNPO法の対象にはならない。要するに、言いたいことを言って政府やお役所の側から見れば余り好ましくないボランティア団体はなるべくNPOの中には入ってほしくないというふうなことになりはしないだろうかという心配をしておりました。
 先日もこの審議の中で海老原先生の方からだったか、出ておりましたけれども、公職にある者を批判する自由というのは民主主義の中では最も重要な言論・表現の自由でありまして、これを禁止するということは、NPO法人が日本の市民社会における民主主義の健全な発展に寄与することを最初から封じるものではないだろうかという懸念がございます。これでは、NPO法人は汚職をしたり税金を不当に使ったり暴力的な横暴を働いたりした首長や議員を批判することもできなくなる。特に、このハについては主たる目的ではないことというのが入っておりませんので、大変心配であるということを一つついておきます。
 公正な選挙を実現するために制限されるべき行為というのは公職選挙法の十三章に定められておりますから、確認団体以外は多くの行為を禁止されることになります。法人格と引きかえにこれ以上のことを制限されなければならないいわれはないのではないか、こういうふうに考えるわけです。そういう大きな問題点が一つあるということをきちんと我々はわきまえて、次の段階ではこういったところは考え直すべきだというふうに思います。
 それから、第四十三条認証の取り消しの条項ですけれども、与党案では行政が司法の判断を仰ぐことなく法人の法人格を取り消すことができるようになっています。簡単にこの規定が発動されることはないと思いますけれども、しかし、直接この規定が発動されなくても、改善命令や行政指導にNPO法人をいや応なく従わせるための圧力ということにはなり得るのではないか、その力としては確実に機能するのではないかというふうに考えます。
 ほとんどの場合、行政から命令や指導を受けた法人は、裁判に訴えたとしても十年前後法人格がないという状態になるわけですし、そんな危ない橋を渡るよりも行政の意向に従っておこうということになるのではないかと思います。行政に与える権限というのは、宗教法人並みに裁判所に当該法人の解散を請求できる定めとするべきではないかと思います。これも私たちがぜひきちんと考えておかなければならない点ではないかというふうに思います。
 ほかにも種々ございます。
 さっき私が冒頭に申し上げましたけれども、法案の名称も「市民活動」の話句が「特定非営利活動」というふうに変えられました。そして、目的についても「市民に開かれた自由な社会貢献活動」という表現が「市民が行う自由な社会貢献活動」へと変えられるというふうに聞いております。このことは、法案の性格が無償のボランティア活動を対象とするものへと変えられたことの象徴ではないでしょうか。
 自民党や経済企画庁、経団連の皆様は、これまで税金を財源にして中央政府、地方政府によって担われてきた各種の公共的な関心事の多くを公共セクターの事務から外すことによって法人大企業、富裕税の税負担を軽減して、外された公共的関心事についてはボランティア有志の寄附によって担ってもらおう。これは少し言葉が過ぎるのかもしれませんけれども、そういう意味でNPO法を位置づけていらっしゃるのではないかな、勘ぐり過ぎなのでしょうか。私はあえてここでお答えを求めませんけれども、そういうふうに思われる向きがあります。多くの人たちがそういうふうに考えていることを指摘しておきます。
 逆に言いますと、もう少しつけ加えますと、行政の安上がりな下請、肩がわりみたいな団体というふうにNPOに対する性格づけをもししていらっしゃるとすれば、そのようなことはないと望みたいですが、もしそんなところが少しおありになるとすれば、これの目的の限定はやはり非常に重要であるというふうに考えます。
 現在の議論、いろいろと昨年から国会の中で議論をし続けてきたわけでありますけれども、いや、そうではないんだとか、いや、こういうふうに考えているといった御意見がおありでしたら後でもちろんお聞かせいただきたいと思います。私はきょうは特に通告をしておりませんので、もし自発的にお答えなり御意見があったらぜひお聞かせいただきたいと思います。
 ほかにもこのイのところ、「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。」とか「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。」とか、状況によっては非常に乱用の危険をはらんでいる、そういった規定もあります。
 政治上の主義とは恒久的な政治経済体制についての思想を指すと言いましても、例えば昨年一月の公安審査委員会の決定においては、オウム真理教団の夢想的な教義が政治上の主義に当たるとされた実例もございます。決してその拡張解釈があり得ないとは言い切れません。
 私たちは、これらの条項を積極的に容認していくとか、間違っていたではないかとか言うものではありませんけれども、こういう市民運動あるいは大衆運動、大衆団体への警察や行政の介入、管理、嫌がらせ、弾圧はこれまでにも十分あったことでありまして、私たちも大なり小なりその影響を受けているわけであります。そういうことから、非常に多くの団体が、NPO法と言ったらいけないのかな、特定非営利活動促進法というふうになる予定でありますこの法案に対してさまざまな問題点を指摘しているということを申し上げ、そして、三年後の私たちの仕事としてのよりよき法案づくりについてぜひ力を合わせていきたいというふうに思います。
 御感想がありましたらお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
#11
○衆議院議員(金田誠一君) ただいま、三年後の見直しに向けてのさまざまな懸念される点、御心配される点の御指摘をいただいたわけでございまして、改めて認識をさせていただいたところでございます。
 御指摘のうち、一点目、二条二項二号のイとハ、この点については与党と私ども民主党との修正協議の中でも特に問題になった点だろうと思ってございます。
 市民活動法人の目的自体が、市民活動を行うことを主たる目的とするということが二条で明記されているわけでございますから、その上でこのイとかハが必要なのかどうかという観点、さらにまたそのイとハがあることによって運用次第では懸念される事態も生じかねないという観点からさまざま議論をしてまいりましたけれども、合意いたしましたのは、決してそのような心配をするような条項ではないんだ、あくまでも限定的に解釈をされるものである。本委員会の質疑の中でも再三そのような答弁がされていると思うわけでございますけれども、そうしたことで合意をしてきたということが経過でございます。
 あるいは、二点目に御指摘いただいた司法判断なく法人格の取り消し等々が威圧的な効果を持つのではないかということも協議の中で取り上げられてきたことでございますけれども、これまた答弁にあったとおり、目的として威圧するとか監視するとか介入するとかという趣旨ではない、極めて限定的に運用、解釈されるものということで合意をしてまいったところでございます。
 確かに、御指摘のような懸念、疑問なりが市民団体の多くからも出されていることは承知をいたしてございますが、しからば、こういう条項があるからといって現行の民法三十四条だけの今の状態が果たしていいのかということになりますと、これはもうほぼ一〇〇%法人格取得は困難という状態でございますから、まず第一歩として踏み出す。その上で、さまざまなNPO団体が法人格を得てしかるべく活動を積み重ねる中から、三年後の見直しに向けてさらに問題点を修正、改正していく余地がそこから生まれるのではないかという判断から、このたび私どもとしても共同修正ということで合意をさせていただいたということでございます。
 なお、三点目の名称の変更あるいは「市民に開かれた」という字句の変更等がこれから予定されているということについて、無償のボランティアを奨励するということではないか、あるいは福祉関係予算を外して、その分無償のボランティアに移行させていくというか、安上がりあるいは下請という御指摘もございました。
 私どもこの点については、実はこういう見方も一面ではできるんだということは否定はいたしませんが、それよりもまず、今までの税の流れ、大蔵なりが一括集中して税を集め、それを権力によってまた配分をしていく、そういう中央集権的な流れそのものを変えていく一要素にこれからなってくるのではないか。
 今の法案には税の優遇というものは附則の見直し条項という中にうたわれているのみでございます。それも税という言葉自体は入ってはございませんけれども、その税の優遇が行われた場合は、大蔵に一括集中していた税の使い道を、市民がみずからの意思によって適当と判断するNPO、みずからよいと判断するNPOに寄附をすることによって税の使途を変えていく。そして、福祉であるとか海外協力であるとかさまざまなことを国家なり行政に頼るのではなくて、みずから担っていくという自律した多様な価値観に基づく分権型の社会に道を開くことにつながるんでないか。その面を重視して今回のNPO法案の審議に参加をさせていただいている。御懸念の面も確かにあると思いますし、そういう面はこれからの運用の中でそうならないように当然配慮されていかなければならないもの、こう考えている次第でございます。
 貴重な御提言、ありがとうございました。
#12
○竹村泰子君 ありがとうございました。
#13
○山本保君 最初に、私、都築議員、戸田議員また北澤議員の四人で代表しまして法案提出をし、その趣旨説明をこの委員会でさせていただきました。私どもが出しました法案はあくまで、今御答弁にもありましたけれども、この日本の中の税をお役人に任せることによって公共サービスを受けるという、これまでの公共的なサービスはイコール公務員の仕事であるというこの概念、実態を変えようという意図を持ってつくったNPO法案でございます。私どもは今でもこの法案こそまず審議し、成立すべきものだと考えております。
 しかし、まずその前に、ボランティアの方に法人格をという与党案の成立が早いということをこの審議の中で感じまして、この与党案が通るにしましてもさまざまな問題がございますので、それについて私どもも修正を要求しようということで、この三週間ほど修正協議に参加させていただいたものであるということを申し上げます。
 その中でいろいろお話がございましたので、きょうこの時間をおかりしまして幾つかお聞きいたします。既にお話が出て十分な答えだと思ったものにつきましては省かせていただきます。
 最初に、先ほど少しお答えがあったことでございますが、この別表十二項目、先回の委員会で私は文部省の方にお聞きしましてある程度のお答えを得ていたわけでございますが、時間の都合もありそのままになっております。先ほどのお答えでは、学校教育法第一条に定める学校でございますが、この教育以外のものを幅広く指すのであるという御答弁がありましたので、その辺についてもう一度確認的に御質問させていただきます。
 一般的には学校教育と社会教育というふうに教育活動を分けるというふうに考えられますが、実はこれはまだ正確ではございません。この社会全般の中に、私どもの生活全体の中に教育的な力とが教育的な働きというものは実は幅広く存在しているものでありまして、それを教育という概念でくくり上げることすらもなかなか、これはある法律等で一応便宜的に分けているものであります。ですから、社会教育という言葉も一般的には社会教育法という法律によって定められているというふうに認識すべきでありまして、ここで、今回の法律で「社会教育」という言葉を使ったことは私は余り適切ではなかったなというふうに思っております。
 ただしかし、これは社会教育法とか、また文部省所管の法律ではありませんので譲りまして、こういう表現だとした場合に、その内容を学校教育は全部だめなんだというふうに考えますと、巷間行われております理容師さん、美容師さんの学校でありますとかさまざまな各種学校というようなものもございますし、それ以外にも一般的に学校と言われている他省庁所管のものもあることは皆様御存じのとおりでございます。そういうものは学校教育とか社会教育という概念にはなかなかなじまないものであります。
 そこで私は、第一条といいますと、御存じの方には繰り返しになるかもしれませんけれども、言うならば就学に関する義務でありますとか就学条件などが法に定められ、またカリキュラムについても国の基準が定められておりまして、そこを卒業することで一定の社会的に認められた資格を与えるというようなものが第一条の学校でございます。これについては詳細に学校教育法に定められておりますので、これを繰り返し、この法人格の法人活動に含める実効的な意味はないというふうに私も考えます。
 ただ、それ以外の教育活動、学校と称されるものもあり、もっと幅広く言いますと社会における教育活動というものについては「社会教育」という言葉で含むべきである、解釈すべきであると思っておりますけれども、これについて御回答をお願いいたします。
#14
○衆議院議員(小川元君) 委員の御指摘のとおりでございます。
#15
○山本保君 ありがとうございます。
 それでは、また細かいことでございますが、同じくこの別表の六番に「災害時の救援」という言葉がございます。大体イメージはわくわけでございますが、ただここに「時」という言葉がございまして、このほかの十一項目にはこういう「時」という時期を限定したような言葉はありませんのに、ここにだけ載っておりましてちょっと気になるわけでございます。
 一般的に「時」と言いますと、その起こったときのことを言うのが普通だと思います。そうなりますと、まさに継続的にそのことについて準備をしているとか、またある災害が発生した後にそのためのフォローアップをしていくというような仕事が含まれないという解釈が成り立つおそれがあるのではないでしょうか。これについて提案者はどのようにお考えでございましょうか。
#16
○衆議院議員(辻元清美君) 今御指摘の六の「災害時の救援」ですけれども、これについては提案者の方では災害が発生しているそのときだけに限定するものではないということでこの項目を定めました。
 また、「災害時の救援」というのは、そのとき直接災害地で活動しますことと同時に、外からの救援というのも非常に物資や何や大事になってくるということは、これは阪神大震災の折に皆で経験したことであるかと思います。そのような経験に基づきまして、災害時の救援に直接または間接に必要な活動、そして、かつ災害前後や継続的な活動は当然本号に含まれるというふうに私たちの方では提案したつもりですので、何かいい言葉があれば御指摘いただければと思います。
#17
○山本保君 ありがとうございます。
 時間のこともあります。次へ移らせていただきます。
 同じく別表の八に「平和の推進」という言葉がございます。この八を見ますと非常にバランスの悪い構造をとっておりまして、「人権の擁護又は平和の推進を図る」と。「平和の推進」といいますのは九番の「国際協力」の方により近い概念であると思いまして、私はここにつけること自体どうかと思いますが、形式は別にしまして、この前の外務大臣の外交演説におきましてどういう言葉が使われるか注意して聞いておりましたら、二度ほど外務大臣は、国際平和及び安全の維持というタームを使われております。
 これは国連憲章に書かれております国連の目的をあらわす言葉でございまして、一般的にこのように平和を維持すること、また紛争の平和的解決をすること、あるいは平和に対する脅威を排除していくというようなことまでも含む概念でございます。「平和の推進」という言葉がこういう概念を含むものであると私は幅広く解釈すべきだと思っておりますけれども、この辺についてどうお考えでございましょうか。
#18
○衆議院議員(辻元清美君) 今、委員御指摘の「平和の推進」については、委員御指摘のとおりだと思います。
 補足させていただきますと、私たち提案者の方では国際的であるもの国内的であるもの、この両方の活動を広くカバーする、そしてこの平和という状態を達成したり確立したり、それから維持したり助長したりと広く解釈したいというふうに考えました。
 御指摘の国連憲章第一条、結果としてこれらの概念と重なる部分が非常に多いと思います。
#19
○山本保君 ありがとうございます。
 私がこういうふうに申し上げましたのは、一般に外国におきましてもこのNPOの中で非常に大きな力を持っておるといいますか、活動をやっておられるのが、言うならばその国を戦争等から防止するというような目的を持った活動でございます。こういう活動をやみくもに排除するということはどうかと思いましたのでお聞きしたわけでございます。
 次に移りまして、先ほどもお話がございましたが、私は別の観点からちょっとお聞きします。
 二条第二項一号のイでございますが、「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。」ということでございます。私は、これは団体・結社の自由へ介入するおそれがありますので、慎重に運用されなければならないと考えております。
 例えば、仏教の慈悲とかキリスト教の博愛の精神を持ちまして社会貢献活動をすることを目的とする、このこと自体私は問題ないと思います。これを目的とする団体が、これらの精神への理解ある者を社員の資格とするということは不当な条件ではないと私は思いますけれども、簡単で結構でございますが御確認をお願いいたします。
#20
○衆議院議員(金田誠一君) 結論の部分だけかいつまんで申し上げさせていただきたいと思います。
 御指摘の仏教の慈悲やキリスト教の博愛の精神で社会貢献活動をすることを目的とする団体が、これらの精神への理解のある者に社員資格を限定することについてでございますけれども、仏教やキリスト教の信者以外の者を一人たりともその活動に参加させないとか、特定宗教の教義上の慈悲や博愛への理解のある者に限定するということではなく、社会貢献活動を行う上で必要と思われる一般的な意味での慈悲や博愛の精神への理解のある者を広く受け入れるという趣旨である場合には、そのような条件の付加は社会通念上許容されるものであって合理性が認められる、こう思われるわけでございます。
 したがって、そういう場合には不当な条件の付加には当たらない、このように解釈をいたしているところでございます。
#21
○山本保君 今のお答えはそのままとりますと、また衆議院でもあるかもしれませんが、どういう条件、どういう理念を持つかということについて権力が判断をすることになってまいりまして、これはまさに信教の自由の侵害になるおそれが非常に強い答弁であると私は注意を喚起しておきます。どのような理念が一般的なものであるか、またはどのようなものがある宗派的なものであるかということを判断すること自体、これは許されておりません。このことは今後の課題であるということを申し上げますが、時間がありませんので次へ参ります。
 二号のイ、ロ、ハについて、これは私どもは、例えば政治家批判を禁ずるというのは、政治家が自分自身を批判するなという法律をつくるようなものでありまして、まさに民主主義を根本的に否定するものではないかと思っております。私はこれらを全部削除すべきだと思っております。その上に立ちまして、個々の活動を検査したり内部調査するというようなことはないと思いますが、一括してお聞きします。
 さらに、これらの要件は所轄庁への誓約という形をとって約束する、担保するということになっておりますけれども、誓約書の提出というのは児童福祉法などでは処分の一部でございます。また、一般的にお役所に何か誓うというようなニュアンスの非常に強い言葉であり、よろしくないんじゃないかと思っております。
 特に、イの宗教に関して申し上げますと、「宗教の教義を広め」という言葉がございますが、教義を広めると言うと、何か特別な行為を指すように一般的には思われるかもしれませんが、これは憲法解釈からいきましても、宗教の教義を広めることは宗教の最も基本的な属性でありまして、ボランティア活動をする方が宗教の衣を着て行われたりすること自体を見ましても、その方にとって宗教的な理念を広めることと社会貢献をすることとは全く同じものでありまして、これを何か二つのものであって、片方をやらないというようなことを誓わせるというようなことは、これは宗教者の心を冒すものではないかと私は思います。
 この辺について、簡単で結構ですが御所見をお願いいたします。
#22
○衆議院議員(小川元君) 委員御指摘の誓約書の件でございますけれども、これは申請者団体側の誓約書さえ提出されれば基本的に同条項の該当性を推定しよう、こういう意図から出ておりまして、行政庁の判断による実質的介入を排除しようということで誓約書という言葉を使っております。
 しかしながら、誓約という用語のニュアンスにつきましてより適切な言葉がほかにございましたら、私どもはこの言葉にこだわるものではないということを申し添えさせていただきたいと思います。
 それから、活動の個々にわたって検査したり内部調査したりするようなことはないかということにつきましては、そういうものはないというふうに考えております。
#23
○委員長(鹿熊安正君) 山本保君、時間が参っております。
#24
○山本保君 はい、簡単に財政支援の問題で一つだけお聞きします。
 最初に申し上げましたように、NPOに対して特に寄附金を控除するというような形、補助金の形ではなくして、先ほど金田提案者がおっしゃったとおりでありますが、これが大事であります。
 しかし、まだこの法案にはそのことが担保されておりません。ぜひ私はこれを確立すべきだと思いますけれども、これについて金田議員、先ほどの答弁の続きでございますが、具体的にどのようなことをお考えなのか、ぜひ積極的な態度をお示しいただきたいと思います。
#25
○衆議院議員(金田誠一君) 附則の二項におきまして三年後の見直し規定があるわけでございますけれども、その見直しの対象にはこの税制の優遇措置も含めて見直しをするということでございます。それとあわせて、衆議院の内閣委員会では附帯決議もされているということでございます。
 具体的にどういう税制優遇措置を講じていくかについては、NPO法人が実際に活動を開始して、その状況も一方では確認をしながらということで作業に入るということになろうかと思ってございます。
#26
○山本保君 ありがとうございました。
#27
○大脇雅子君 それでは、三点ほどお尋ねをいたしたいと思います。
 第一は、法案の第一条の目的規定についてであります。
 目的規定によりますと、第一条は「市民活動を行う団体に法人格を付与する等により、ボランティア活動をはじめとする市民に開かれた自由な社会貢献活動としての市民活動の健全な発展を促進し、」というふうに書かれておりまして、この「社会貢献活動」というふうに表示されております概念の範囲についてどのように考えるべきかということであります。
 この法全体の趣旨から見ますと、この「社会貢献活動」というのは非営利の活動というふうに理解すればいいのではないかというふうに思うのですが、その点を確認させていただきたいと思います。
#28
○衆議院議員(辻元清美君) 今、法案第一条の目的規定についてです。「市民に開かれた自由な社会貢献活動」というふうになっております。この「社会貢献活動」は、御指摘のように非営利であるということ、それから市民に開かれた不特定かつ多数のものの利益を推進していくという、そういうような意味を兼ね備えております。
 ただ、この「市民に開かれた」というところも非常に重要なところでして、これはみずからの意思でその活動に参加しまたは参加しないことができる。そしてもう一つが、市民がその活動をいつでも正確にかつ容易に知り得るものである、情報公開がされている。そしてもう一つは、その活動を行うに当たっては最大限その自由意思が発揮されるべきものであるというのが、この前の「市民に開かれた自由な」というところというふうに考えて提案者の方ではこの言葉を使いました。
 ですから、そのような活動であればまた社会貢献活動とも言えるというふうに私たちは理解しております。
#29
○大脇雅子君 それから、法案の第二条第二項第二号ハについてお尋ねをいたしたいと思います。
 憲法に言う表現の自由、そして結社の自由ということは、まさに個人に保障されるべき重要な基本的人権であると思います。本条項は憲法の規定を制限するものではないということ、そして、それを侵害することのないように解釈、運用されるべきだと考えますが、その点を確認させていただきたいと思います。
#30
○衆議院議員(辻元清美君) 今、委員御指摘のとおりです。この法律によって表現の自由が侵されないかという御指摘ですけれども、提案者としてはそのような懸念は全くないと考えております。
 また、運用面で万が一にも表現の自由を侵害するようなことがないよう最大限の配慮を払って運用していただかなければならないと思っております。
#31
○大脇雅子君 法人格の認定手続についてお尋ねいたします。
 原則として法人格の認定は各都道府県が行い、さらに都道府県をまたがった場合は経済企画庁が行うということになっておりますが、その認定手続は具体的にどのようなものになるのか。
 と申しますのは、申請件数によっては一定の所要時間を経過する場合が考えられますし、手続の形式とか内容とか要する日数などについてばらつきが生ずることがあってはならないと思うわけですが、この点どのようにお考えでしょうか。
#32
○衆議院議員(辻元清美君) 今御指摘のこの手続については、法案の十条一項に掲げてあります書類を添付して、その申請書を受けた時点から各所轄庁は一定の書類について一カ月間まず縦覧に供する。それから、正当な理由がない限り受理後三カ月以内に認証、不認証の決定をするとなっておりますので、この期間に従って書類審査を行っていただくということになります。そういう意味ではルールは決められている。
 かつ、それぞれ、この法律の特徴ですけれども、認証手続についても極力総理府令や都道府県の条例にゆだねるということはせずに、この法案自体に書き込むという姿勢で立案してありますので、極端なばらつきが生じることはないのではないかというふうに考えています。
#33
○大脇雅子君 そうしますと、この認定の手続については各都道府県の地方自治というものを十分にしんしゃくして行うということと考えてよろしいわけでしょうか。
#34
○衆議院議員(辻元清美君) 今、大脇委員の御指摘のとおり、地方分権の推進ということも念頭に置きましてこの法律をつくりましたので、そのとおりです。
#35
○大脇雅子君 終わります。
#36
○吉川春子君 NPO法案の審議は、国民の強い要望を法案にして、そして三つの法案が提案されて国会が審議するという形をたどりまして、内閣の出した法案を認めてやるということが主な活動ではないわけでして、そういう点では非常に意味のある審議経過をたどっているというふうに私は思います。
 それで、最後の質問をいたしますが、市民活動促進法は、市民活動の定義、法人格付与の対象を十二項目に限っています。これは民法の三十四条の特別法なので民法とのすみ分けが必要であると再三説明されております。
 趣旨説明で発議者の小川議員が、
 多くの市民活動を行う団体は任意団体として活動を行っており、法人格がないことから、団体名での契約を結ぶことが困難であり、また不動産登記や銀行口座の開設が不可能であります。さらには、国際的に認められるリーガルステータスがないため、国際的活動において不利な扱いを受け、また社会的信用を得にくいなどの活動上の障害が生じており、各方面からその対策を早急に行うよう要請されております。
  今回の法律案は、このような要請にこたえるべく、市民活動を促進するための基盤整備の一環として、市民活動を行う団体に簡易、迅速な手続のもとで広く法人格を付与することを目的とする、
こういうふうに述べていらっしゃいます。
 そこで伺いますけれども、市民活動促進法はできるだけ多くの民間団体に法人格を与えることを目的としている、この法律の目的はそこであるというふうに確認してよろしいですか。
#37
○衆議院議員(辻元清美君) そのとおりです。
#38
○吉川春子君 我が党は、非営利法人特例法というふうに準則主義をとった法案を提出しておりまして、これでいくと、どの団体が含まれるか含まれないかという議論百出ということにはならないで済むわけですけれども、これは法的に不可能なのかというと、可能なんです。
 この点について、参議院法制局の石橋参事は二月五日にこのように答弁しています。共産党案について、
 非営利法人制度について全般的な検討とその結果に基づく必要な措置がとられることを前提として、それまでの間の特例的措置を定めた法律となっております。
  すなわち、NPOに対する法人格の付与が目下の急務であるという認識に立つとともに、この法案の成立後速やかに民法を初めとする法体系上の整備に着手するということでもあり、また法人格付与についての当分の間の措置を設けて、民法三十四条並びに個別法等と併存させてしばらくの間運用していこうというものでございますが、こういうふうにしても、実際上特別の不都合を生じることもないし、立法することが可能なんだと答弁されていますけれども、こういう準則主義をとられなかった理由、時間がないですから簡単でいいんですけれども、お聞きします。
#39
○衆議院議員(金田誠一君) 共産党さんの案が大変工夫をされてつくられたということにつきましては、敬意を表したいと思います。
 私どもの立場でございますけれども、民法改正をして非営利一般法をつくるということが、法律というものが国民合意の象徴であるとすれば、本来その方が望ましい姿であろうという立場でございます。そういう立場から考えました場合に、民法改正については大変な時間を要するということが一方ではございます。
 そして、私どもが修正協議に参加する前の与党三党の協議の中でも、民法改正を含む準則主義をとるべきかそうではないのかということで大変な議論がされ、その中では、準則主義に踏み切るにはなお慎重な検討が必要であるという結論に達したということで伺ってございます。
 そこに私ども修正協議ということで参加をしたわけでございますけれども、本来の立場でございます民法改正に伴う準則主義による法人格の付与、これを主張した場合はさらにまた大変な長期の時間を要するだろう、ところが一方では、市民団体のニーズとしては、早期の法人格付与法の制定ということが極めて強いニーズとしてあったわけでございます。
 そういう状況の中で、まずは今回の認証ということで法を制定し、次の段階で、三年後の見直し規定という中でも今後の必要な措置を検討してまいりたい、こう考えているところでございます。
#40
○吉川春子君 民法の改正についてどういう態度をとるかという違いがここにあらわれていると思います。突っ込めないのが残念ですけれども、次の質問に移ります。
 税制等の優遇措置について伺いますが、経済的困難にめげずに社会的活動を続けている多くの団体は実効あるNPO法の一日も早い成立を願っています。多くの新聞も同趣旨の社説を掲げています。その中で、団体への寄附者の税の優遇制度も課題である、あるいは税の優遇制度創設への道筋が不明確、こういう指摘もされています。
 財政的に困難に直面している民間団体の救済に無力というか何としても力になるような法改正であってほしいと私は熱望しているわけです。それに対する措置が盛り込まれていないということは何とも残念だと、先ほど同僚委員からも同趣旨の指摘がありました。
 今、自治体から補助金を受ける際に会員名簿の提出を求められたり何らかの誓約書を出させられたり、そういう苦労をしている団体もあると聞いております。それで、継続的に自律的に活動できるようにするためにも、寄附金への非課税あるいは郵便料金の免除等何らかの措置をとれないのかという思いが強いわけです。
 さっき二年後の改正の問題に触れられましたけれども、この法で盛り込みたいと強く私は要求すると同時に、二年後ということは法案成立後直ちにそういう手続に取り組むという決意を込めてのことなのか、その辺についてもちょっと確認をさせていただきたいと思います。
#41
○衆議院議員(金田誠一君) 附則に三年後の見直しということがうたわれていて、衆議院では附帯決議も行われているということは申し上げたとおりでございますけれども、私どもと与党三党との確認文書によりますと、直ちに協議を開始して二年後に向けてその中身を詰めるという趣旨の文書を交わしてございます。
 しかし、これは与党三党と民主党だけでどうこうということでは恐らくないのではないか。もっと幅広くこのNPO税制をどうするのか、あるいは、とりあえずは認証制でスタートしたとしても、その運用を一方では見きわめながら次のステップをどうするのかということでは党派を超えてといいますか、本当に一つのテーブルに各党が着いて協議を進める性格のものではないかなというふうに私は思ってございます。与党の皆様の合意もいただいてそういう場がぜひ設定できないものかということを切望しているということを、まずは申し上げたいと思うわけでございます。
 なお、税の優遇措置でございますけれども、これはもう十分御承知のとおり、例えば欧米では法人格の取得は取得、税の優遇は税の優遇、税の優遇がされるかどうかはその活動内容に着目して判断されるのであって、法人格がなくても税の優遇はある、こういう制度が一般的かと思うわけでございます。
 そういう意味では、今の公益法人税制、役所の認可イコール税の優遇というものがセットされている。果たしてこのNPO税制がそういう形でいいのかどうなのかも含めて多少検討を要する向きはあるのではなかろうかなという気もいたしてございますから、早期にそういう検討の場が設定されることを切望しているということを申し上げたいと思います。
#42
○吉川春子君 いわゆる宗教活動、政治活動に対する規制条項について伺います。
 私たちは二条二項二号のイ、ロ、ハ、これはもうあらずもがなというふうに考えています。あらずもがなという以上に有害な規定になるおそれがあるというふうに思うわけです。
 ただいま大脇委員からも質問がありましたけれども、憲法の基本的人権の制約になってはならないことはもう日本国憲法の大前提であり、立法のすべての大前提であります。憲法の保障する表現の自由、信教の自由、結社の自由などの侵害は許されないことは当然です。
 それで、実はこの議論はずっとこの委員会でありまして、これは二月三日の大脇議員への答弁だったと思うんですけれども、個人が活動したからといってその団体に立入検査、改善命令、認証の取り消しがなされることはないという表現で、個人ということを非常に強調された答弁がされているんですが、団体とてもこれは同じじゃないかと思うんですけれども、その点についてちょっと確認をしたいんですが、いかがでしょうか。
#43
○衆議院議員(小川元君) 今の項がどの点について御指摘にあったかちょっと定かでございませんけれども、イ、ロにつきましては、信教の自由、政治活動の自由というものとのすみ分け、特に重要な自由でありますから、すみ分けという観点からそういうものを主たる目的とすることとしないような規定になっているわけでございます。
 今御指摘の、団体についてもというお話でございましたけれども、もちろん団体にもそういうものはあろうかと思いますが、やはり基本的人権ということを考えましたときに、個人の政治活動の自由というものが最も重要かつ優先的ではないかと私どもは考えているところでございます。
#44
○吉川春子君 この項目については若干修正がなされて、これは午後の審議のときにまた申し上げたいと思います。
 この規定を読みますと、宗教法人法とか公職選挙法とかで足りるのであって、あえてここにこういう規定を設ける必要もなかったと思うんですけれども、その点はどういう意味なんでしょうか。
#45
○衆議院議員(小川元君) そういう御指摘もたびたびあったわけでございますけれども、この法律の非常に大きな特殊性は、要するに、現在までいわゆる法人というものになじんでいないといいますか、個々に自由に活動をされておられた方々が数多く法人格を取得されることになろうかと思うわけでありまして、そうした意味ではここに御列席の委員の方々、あるいはそういう専門家の方々との憲法その他の法律に対する認識というものが相当違う方々も法人格をおとりになろうかと思います。
 したがいまして、信教の自由、政治活動の自由というものを特にはっきりと規定して御認識をいただけるということも現段階では必要であろう、こう考えております。
#46
○吉川春子君 いろいろおっしゃいました。とにかく憲法の基本的人権を侵害するようなことはもちろん毛頭念頭に置いた規定ではないと、そういうことで確認してよろしいですね。
#47
○衆議院議員(小川元君) そのとおりでございます。
#48
○吉川春子君 終わります。
#49
○都築譲君 NPO法案について参議院における審議がいよいよ最終局面に来ておるわけでございますが、この間、理事懇などで提出されております三つの議員提案について真剣な協議が行われてきょうの日を迎えたということでございます。もう一度、繰り返しになるかもしれませんが、基本的なところをお尋ねして確認をしておきたい、このように思っております。
 私ども旧平成会の当時に、衆議院における議論を踏まえてNPO法案を提案させていただいたわけでございます。その基本的なところは、一つは、市民の自由、自律、自主性を最大限に尊重したNPO法案であること、二つ目が、NPOの活動が何といっても情報公開によって市民による評価を受けるべきものであること、それから三つ目が、NPOの活動の財政的な裏づけ、財政的基盤をどうやって充実させていくか、その三点が一番大きなところではなかったのか。
 そのことは裏返しますと、いわゆる官庁に、行政に縛られない自由な市民活動、さらにまた逆に市民活動が官庁に頼り切るあるいはもたれ合う、こういうものをどうやって、市民の自主性、自律、自由、独立、こういった活動を進めていくか、こういう観点から提案をしてきたわけでございます。
 今回、修正協議の中で、与党案が修正の大きな中心の柱として議論の対象となっておるわけでございまして、与党案の提案の皆様方に幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 一つは、まず第一条の目的の中に「市民に開かれた自由な社会貢献活動」とあるわけでございます。ところが、別表の中では、これは二条を受けまして十一の項目に限定をされておるわけでございます。私自身、今の情勢等を踏まえると、果たして本当にこれで市民の皆さん方が自由な活動を行うにふさわしいものなのかどうかということで、その他の社会貢献活動という一項目をむしろ加えてはいかがか、このように思うわけですが、これについて御見解を承りたいと思います。
#50
○衆議院議員(金田誠一君) 出発点の問題だろうと思うわけでございます。
 本来、準則主義でいくべきであるということはもうそのとおりだと思うわけでございますが、先ほど来申し上げているとおり、準則主義ということになりますと、民法の改正を行うのがノーマルな姿だろう。そうなりますと、極めて時間を要する、あるいは慎重な検討を要するということで、今そこに踏み切れる状況ではない。
 しからばどうするかということで、民法三十四条の特別法という道を選んだわけでございます。特別法は民法とのすみ分けを要する、そのすみ分けの手段として限定列挙という道を選びました。その限定列挙の中にその他の活動というふうに加えてしまいますと、限定が限定でなくなるということでございます。
 そういう中でも、現在活動されている各団体がおおむね網羅されるだろうという立場から各項目を挙げさせていただいたわけでございます。これでおおむね法人格が取得できると思うんですが、そのすみ分け、特別法という観点から、その他ということはどうしても入れるわけにはまいらなかったということでございます。
#51
○都築譲君 準則主義とそれから認証にかからしめるということの違いはやっぱりあるだろうと思いますし、そういった意味で、社会一般の利益の増進といった観点から、別に準則主義をとらなくとも対応することは可能ではないか、私はこんなふうに思っておりまして、これはまたいずれの議論になろうかと思います。
 第二点は、第二条第二項第一号の点でございますけれども、第一号の柱書きは「営利を目的としないもの」、そして第一号のロは報酬を受ける役員は総数の三分の一以下という要件があるわけです。これについてはだれが見ても客観的に判断できるものだと思いますが、第一号イの「資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。」、これについては既に従来から議論がありますけれども、主観的な判断が当不当の判断ということであるわけでございまして、これが行政庁の介入を招くのではないかということが予想されるわけでございますが、この点についてどういうふうにお考えになられるか、御見解を承りたいと思います。
#52
○衆議院議員(小川元君) 一号のイの規定は、理事の恣意的な団体の支配を排除すると同時に、だれでも加入、脱退できるという加入、脱退の自由を広く保障しようとした規定でありまして、一部の人により非常に制限的な条件をつけるということについて、それを排除しようということでございます。一切の条件を禁止しているわけではなくて、御指摘のように不当な条件の付加のみを禁止しているわけでございます。
 この点につきましては、所轄庁の判断というお言葉がございましたが、所轄庁の審査が基本的に法定の書類をベースとして、明らかに不当な、合理性を欠くと認める以外は原則として申請者の判断を重視しつつ行われるように運用が予定されておるところでございますので、行政庁の恣意的な判断によって介入されることはないというふうに考えております。
#53
○都築譲君 続きまして、第二条第二項第二号の要件でございますけれども、これについては既に随分と議論がなされておるわけでございまして、特にハの規定の仕方についての議論が大きくあったわけでございます。
 ただ、市民活動法人の活動の原則が第三条に書いてあるわけでございまして、この中で、特定の個人、法人、その他団体の利益を目的としてはいけないとか、あるいはまた市民活動法人は特定の政党のために利用してはならない、こういう大原則が打ち立てられておるわけでございます。そういったものを何か事前にチェックをする、検閲をするようなものではないか、こういう印象を受けるわけでございまして、こういった規定をあえて置かなければいけないのか、むしろある方がかえって有害ではないかという指摘がありましたが、重ねてこの点についてお伺いをしたいと思います。
#54
○衆議院議員(小川元君) この第二項二号は、宗教団体におきましては信教の自由、それから政治団体については政治活動の自由をそれぞれ尊重する観点から、特に慎重な配慮をなされるべきだということで行われているものでございますけれども、本条項の該当性は市民活動法人の要件としてその設立認証の段階から要求をいたしているものでございます。一方、これに対しまして三条の二項は、市民活動法人となった後の事業運営上の指針を定めたものでございます。以上のことから、この二つの条文はその趣旨を異にいたしているもので、やはり必要であろうというふうに考えております。
 また、当然のことながら、事前に市民活動を検閲するというたぐいのものではないということを申し添えさせていただきます。
#55
○都築譲君 市民活動法人の指針ということであれば、それがそれに沿った活動をしているかどうかということが、NPOを支える皆さんからの評価あるいはまた批判する立場からの批判、こういったものも当然あり得るだろう、このように私は考えております。その関連で、市民活動法人の活動の当否とかあるいは善悪、こういったものについては本来市民自身が自主的に判断、評価すべきものであるだろう、こんなふうに考えておるわけでございます。
 その観点から、行政庁に対する事業報告書等の提出あるいは閲覧の規定がございますけれども、それは不十分ではないかということで、一つは、二十九条二項の所轄庁における閲覧にとどめずに、官報とかあるいは広報等によって事業報告書等を積極的に情報公開するようにしてはどうかというのが一点。
 それから二点目は、その際、役員の報酬の額についても、結局は市民の寄附が原資となるものでございますから、先ほど税金の使い道の議論があったわけでございますけれども、税金による公務員の報酬と同様に考えて、役員については公表すべきではないかというふうに考えておりますが、御見解を承りたいと思います。
 そしてまたもう一つ、市民が自主的に判断、評価という形からいきますと、別表の十二号の項目として、そういう市民団体の「連絡、助言又は援助の活動」が規定をされておりますけれども、NPOを監視するNPOといったものについてももっと明確に加えるべきではないか、こんなふうに考えますが、御見解を伺いたいと思います。
#56
○衆議院議員(辻元清美君) 三点御指摘いただいたかと思うんですけれども、一つ目の所轄庁の閲覧にとどめずに官報、広報等により事業報告書などを情報公開すべきでないかという御指摘については、その事務量の膨大さもあわせて考えて、処理する側の立場にも立って原案のようにとどめました。
 二つ目の役員の報酬の公表についてですが、役員個人のプライバシーを保護するということと、市民活動法人の事務的負担をできるだけ軽減するために、法定の要件の充足性が判断できる必要最小限の書類を要求するにとどめようというスタンスで、私たちの提案では、役員名簿に記載された者のうち、前年における報酬を受けたことがある者全員の氏名を記載した書類、それで十分ではないかと考えております。
 それからもう一つ、今の役員の報酬に関してですけれども、実際に事業報告書の中にそれぞれ収支計算書みたいなものがございますので、そこに人件費という項目で、その団体がどれくらいの人件費を使っているかというのは十分わかるのではないかと思います。
 また、三つ目の「連絡、助言又は援助の活動」に監視活動を入れたらどうかという御提案ですけれども、私たちの方では、市民活動法人を育て促進していこうという法案の目的にのっとっては、連絡、助言、援助で十分ではないかと考えています。
#57
○都築譲君 それから、税制上の問題について先ほど来指摘がされておるわけでございまして、私どもも一般からの寄附金に対して税制上の優遇措置をぜひ設けるべきだと考えております。先ほど御答弁があったわけでございまして、重ねてお聞きするのもあれでございますが、私どもの立場としてはそういった税制上の優遇措置についての規定を附則に明確に設けるべきである、こういう考え方を述べまして次の質問に移りたいと思います。
 第四十六条の罰則の規定でございます。
 これは第四十二条の改善命令に違反した場合のものであるわけでございますけれども、この四十二条の改善命令、十二条第一項第三号で社員が十人以上、こういう基準があるわけでございまして、これを満たさなくなった場合には改善命令が出る、改善命令に従わなかった場合は五十万円の罰金、こういうことになってしまうわけでございます。その命令違背の程度と罰則の程度が著しく均衡を失しているのではないか、こういう印象を受けるわけでございますが、この点についてどうお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
#58
○衆議院議員(小川元君) 「十人以上の社員」といたしましたのは、通常の活動に必要と思われる最少人数、くっきり十人であるかということの議論は当然ございましょうが、というふうに判断して十人としたわけでございます。
 また、この要件を欠くことになった場合には、「期限を定めて、その改善のために必要な措置を採るべきことを命ずることができる。」ということでございまして、しろということではないわけでございます。もちろん、十人という報があります以上は、原則として十人を欠けた場合には改善命令は出されることが普通であろうかとは思いますけれども、いずれにいたしましても、十人という規定がある以上はそれを必要最小限の要件として充足を求めているものでございます。
 と同時に、改善命令の違反でございますけれども、その違反の程度が大きいかどうかということは当然考慮されるものであろうかと思っておりまして、活動が行われるかどうかということは大変重要なことでありますから、社員の充足要件というのも私は非常に重要な点であろうかと思いまして、他の要件と均衡を失しているというふうには考えておりません。
#59
○都築譲君 時間ですから終わります。
#60
○堂本暁子君 ちょうど一九九五年の二月にNPO法案の法案づくりを与党プロジェクトで、自民、社民、さきがけ三党で始めて以来、今月で丸三年になります。その間、いろいろ価値観の違う政党、あるいは市民団体もそうなんですけれども、意見をお互いに闘わせ、深めてまいりました。多くの小さい市民団体、大きい市民団体、北海道から沖縄までのいろんな意見が集約されて、市民がこの法律づくりに参加したと言っても過言ではないと考えております。
 そうした中で、政治家の方でも、衆議院段階では民主党が修正をお出しになり、また参議院段階では実に二十時間に近い時間、党派を超えてよりよい法律ができるための大胆な議論を闘わせてまいりました。そういった運営をしていただいた委員長に敬意を表したいと存じます。そして、私ども、修正案に参加するしないは別として、参議院として意思を確認し合ったということは間違いのない作業だったと認識しております。私の質問を最後に質疑が終局することを思いますと感無量でございます。
 最後に、数点確認をさせていただきたいと思います。
 市民活動促進法案の第二条第二項第二号ハに関してですが、第一に、法人が、その活動の目的から、特定の候補者、公職にある者または政党などに対する政策見解を集会、機関紙などを通じて国民に宣伝することは禁じられていないと考えていますが、いかがでしょうか。
 第二点目。社員、役員個人が、特定の候補者、公職にある者、政党などを推薦し、支持し、またはこれに反対すること、そしてこれを社会的に表明することを妨げるものではないと考えておりますが、いかがでしょうか。
 三点目。法人の役員がその地位のまま特定の公職候補者もしくは公職にある者となることを妨げるものではないと考えますが、いかがでしょうか。
 当然のことながら、公職にある者が、社員、役員、団体の代表になることもできると考えますが、いかがでしょうか。
 第四点。公職選挙法で禁じられている事前運動は除き、法人が主催する集会などで特定の公職の候補者、公職にある者、政党から政策などの意見を聴取する行為は許されるものと理解していますが、いかがですか。
 また、法人が発行する機関紙などに、特定の公職の候補者、公職にある者または政党が、選挙のためではなく政策の広告を出すことは認められるでしょうか。
 以上四点、よろしくお願いいたします。
#61
○衆議院議員(辻元清美君) 私はまず一点目を答えさせていただきます。
 一点目の、政策施策の普及や啓発を行うことにつきましては、この法律では何ら制限をしたものではありません。したがいまして、市民活動法人が御指摘のような政策表明、宣伝を行うことは何ら禁じているものではありません。
#62
○衆議院議員(小川元君) 第二点目についてお答え申し上げます。
 社員、役職員等個人が、特定の候補者あるいは公職にある者、政党などを推薦し、支持する、また反対するということは、これは全く自由でございまして、本件は法人の要件を規定いたしたものでございます。
#63
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘のとおりでございまして、法人の役員個人がその地位のまま公職候補者となり、また公職にある者となることは妨げられるものではございません。
 逆に、公職にある者が市民活動法人の社員、役員、団体の代表になることも可能でございます。
#64
○衆議院議員(辻元清美君) そして、もう一つの御指摘ですけれども、法人の目的に関連して特定の公職の候補者等から意見を聴取するような行為が制限されるものでないということは御指摘のとおりです。
 また、法人の機関紙における政策広告の可否ですけれども、今委員御指摘の、直接の選挙と切り離してという御指摘でしたので、特定の公職の候補者もしくは公職にあたる者または政党が政策広告を出すことは当然許されるものであると理解しております。
#65
○堂本暁子君 別表について伺います。
 八号の「平和の推進」の意味ですけれども、平和の維持、達成だけではなく、二十一世紀に向けた平和の創造、例えば予防外交あるいは難民の問題などもございますけれども、そういった新しい概念が含まれるというふうに理解してよろしいでしょうか。
#66
○衆議院議員(辻元清美君) そのとおりです。
#67
○堂本暁子君 国際的でありましてもまた国内的であっても、平和という状態、これは今までは戦争とか防衛とかというような形で思われてまいりました。国連憲章などに申します平和は、五十年前に国連がつくった考え方の平和ですけれども、さらに新しい平和が国連の中で今問題になってきていると思います。
 それは、二十一世紀に向かって、まさに環境破壊ですとか民族紛争ですとかそういったような新しい事態が地球を取り巻いている。そういった中で、今、日本の多くのNGO、NPOが活動し始めております。これは政府にも地方自治体にも、事によったら企業にもできない本当に人と人の交流の中で助け合っていくということが多々あると思いますが、そういった意味で、この「平和の推進」というのは現代的な意味というふうにぜひ解釈をしたいと思っております。
 本当に最後の大詰めになりましたけれども、ここで三年間かけてつくってまいりましたNPO法案、午後には修正案が出され、そしてこの委員会での議論は終わることになりますけれども、今新しい時代に向かって、市民が主体になる法律というのは恐らく日本の法体系の中で画期的な地位を占める法律になるのではないかと思っております。税金の問題、免税の問題なども多々ございますけれども、とにもかくにも、法人格の付与ということで、一日も早くこの法律が日本の市民団体に愛され、活用され、生き生きと多くの方がこの法律を使って活動してくださることを政治の場から祈念してやみません。
 そして、私たちも三年後の見直しのときには、どのような使われ方をし、どのような不便があり、どのような希望があり、日本の国としてこれからのNPO、NGOがどのような活動をしていくことが世界にとって最も望ましいのかということを十分に認識し、そして常に永田町と市民との間のギャップがないような、どこの場でもお互いにそのことを知り合えるような、そういった三年間をこれからもまたつくっていく、そのことが大事ではないかというふうに思っております。
 次の三年目の見直しのときには、さらに使いやすい法律、そしてさらに、今希望されていますような免税の措置といったようなことで財政的にもダイナミックな展開ができる改正をぜひしたいものだと願ってやみません。
 私たちはずっとこの三年間の間にも大変欲張って理想的なものを求めました。例えば、できることなら、認証ということではなくてもっと簡単に法人格が付与されるような準則主義を最初は主張してまいりましたけれども、例えば民法三十四条の公益法人における脱税とか悪用というような実態がある以上、どうしてもそこまでなかなか踏み込めなかったことを残念に思っております。可能であれば、やはり民法そのものを改正することによって、特別法という枠ではなく、この十二項目なども必要なく、もっと堂々と使えるような法律をつくることが大事なのではないかと思っております。
 そのためには、だれが見てもこの法律が本当にいい使われ方をしているというふうな実績を市民の方に残していただきたい。私たちも市民の一人としてそういう使い方をしてみたい。そして、この法律がもっと大きな意味を持つということが国民全体に認識されるような、そんな日が来ることを願ってやみません。
 参加してくださった市民の方や、本当に最後まで議論に参加してくださった方たちにもお礼を申し上げたいと思います。そして、私たち議員は市民の代表ですから、こうした議員立法という形で国会に出せたこと、それから修正案も議員の側から出せたことを大変うれしく思っています。あとは、行政の側からもぜひとも立法の意思が十分反映されるような形での運営が行われるように希望します。
 そして、国際的にも日本のこういった法律が待たれておりました。最近イギリスのチャリティーコミティーから、今、日本の法律づくりはどうなっていますかという手紙をいただいたばかりですし、アメリカの方からも問い合わせが来ていました。国際的にも誇れる法律に今後していくことが大事だというふうに思っております。
 どうもありがとうございました。
#68
○委員長(鹿熊安正君) 他に御発言もなければ、市民活動促進法案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認めます。
 午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四分開会
#70
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を再開いたします。
 市民活動促進法案を議題といたします。
 本案の修正について海老原義彦君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。海老原義彦君。
#71
○海老原義彦君 ただいま議題となっております市民活動促進法案に対し、自由民主党の狩野安君、民友連の今泉昭君、笹野貞子君、公明の山本保君、社会民主党・護憲連合の大脇雅子君、新党さきがけの堂本暁子君に海老原義彦の以上七名を代表して、私から修正の動議を提出いたします。
 まず、本修正案をまとめるに至った経過を御説明申し上げます。
 本法律案につきましては、先月二十二日に発議者より趣旨説明を聴取して以来、二十七日には発議者等に、二十九日には参考人に、さらに今二月の三日及び五日には再び発議者等に対して、都合四日間にわたりおよそ十八時間に及ぶ審査を行ったところであります。
 これらの質疑における修正要求、参考人の御意見、さらには関係団体からの御要望等を踏まえ、理事懇談会の場で修正協議に入りました。まず、二月十日に各会派より修正要求項目を提出していただき、その後十二日、十七日、十九日及び二十四日の都合五日間にわたりおよそ十一時間余に及ぶ協議を行い、修正案を取りまとめました。
 修正案の内容は、お手元に配付しております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 第一に、この法律中、「市民活動」を「特定非営利活動」に、「市民活動法人」を「特定非営利活動法人」に改めるとともに、法律の題名を「特定非営利活動促進法」に改めることとしております。また、法律の目的に関する規定中「市民に開かれた自由な社会貢献活動」とあるのを「市民が行う自由な社会貢献活動」に改めることとしております。
 第二に、特定非営利活動法人の定義について、特定の公職の候補者等若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに「反対するものでないこと」としているのを、「反対することを目的とするものでないこと」に改めることとしております。
 第三に、所轄庁に関する規定について、「事務所が所在する都道府県の知事」とし、団体委任事務であることを明確化することとしております。
 第四に、設立の認証に係る申請書の添付書類のうち、特定非営利活動法人の役員が本法律の定める欠格事由に該当しないこと等を「誓約する書面」については、「各役員が誓う旨の宣誓書の謄本」に改め、また、当該法人が宗教活動を主たる目的としない等の要件に該当することを「誓約する書面」については、「確認したことを示す書面」に改めることとしております。
 第五に、申請に係る書類の縦覧期間を二カ月間に延長することとしております。
 第六に、認証の基準に、申請に係る特定非営利活動法人が「暴力団又は暴力団若しくはその構成員の統制の下にある団体でないこと」を追加することとしております。
 第七に、経済企画庁長官は、所轄に係る特定非営利活動法人から事業報告書等の書類の写しの提出を受け、これらを当該法人の事務所が所在する都道府県の知事に送付しなければならないこととするとともに、知事は、送付を受けた書類の写しを条例の定めるところにより閲覧させることができる旨の規定を追加することとしております。
 第八に、報告及び検査の規定について、「立入検査」を「検査」に改めることとしております。
 第九に、別表に掲げた活動のうち、「災害時の救援の活動」を「災害救援活動」に改めることとしております。
 以上が修正案の趣旨であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#72
○委員長(鹿熊安正君) ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
#73
○竹村泰子君 それでは、修正案に対して少しく質問をさせていただきたいと思います。
 まず、十二条関連で、新たに修正案で三という項目が入りました。「当該申請に係る特定非営利活動法人が暴力団又は暴力団若しくはその構成員の統制の下にある団体でないこと。」という項が入ったわけでございます。この基礎になっている法律の世界における暴力団の定義というのは暴力団対策法にありまして、参議院における修正合意の要綱においても同法第二条が定義として使われております。その内容に一々触れませんけれども、この暴力団対策法の第二条にある「暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」の「暴力的不法行為等」には、威力業務妨害や公務執行妨害あるいは暴力行為等処罰法が含まれています。
 これまで労働組合や市民運動に対していわば乱用されてきた経緯もあるということで、私はきょうは短い時間でありますので十分お聞きすることができないかもしれませんけれども、例えば、労働組合のストライキなどが威力業務妨害罪に問われた場合、あるいは市民団体の座り込みや抗議行動が公務執行妨害罪や威力業務妨害罪に問われた場合、これらの団体がもみ合いの中で暴力行為等処罰法に問われた場合、ストライキや抗議行動も繰り返している場合などに暴力団の定義に当てはまるとされることもあるのだろうか。
 まとめて御質問申し上げますと、「暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれ」とはどういう基準を満たすとおそれがあることになるのか。「統制の下にある」とはどういう状態だと「統制の下にある」ということになるのか。ある団体が暴力団や統制のもとにある団体であるかどうかはだれが判断するのか。警察が判断するのか。警察がNPOや関係する市民団体、労働組合、生協、農協などなど、その関係者の身辺を調査することになるのか。
 以上お答えいただきたいと思います。
#74
○海老原義彦君 お答えいたします。
 今の御質問にはいろいろなことが含まれておりますけれども、基本的には暴力団というものをどう定義するのか、暴力団の統制下にある団体ということはどういうものなのかということだろうと思うんです。
 暴力団とは何かというのは、これはもう社会的に一つの概念ができておる。この法律での暴力団というのは、警察の所管の、今御指摘のありました暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の第二条二号の定義を引いておるわけでございますが、いわゆる暴対法の定義というものは、社会一般で暴力団と言われているもの、それはこういうものであろうなということで定義したというふうに聞いております。
 暴対法の定義としては、「その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」、法律的に言うとこういうことになるんだろうと思うんですが、要するに社会一般であれば暴力団だと言われておるものを法律上も暴力団と言うんだ。
 法律上定義づければこういうことなのかなということであの法律では定義づけているんだと思うんですが、今回のNPO法案における定義も全く同じでございまして、社会一般で暴力団と言われているものを考えておるわけでございます。労働組合その他の団体で暴力団でないものを暴力団であるというようなことは、これは社会一般が許しません。
 具体的には、どうやって暴力団であるかないかを認定するかという問題でございますが、これは私どもの修正がもし通りますれば、市民団体の中でしかるべき意思決定機関において、うちの団体はおよそ暴力団でもないし、暴力団の統制下にある団体でもないということを確認するという行為が必要でございますが、その確認した結果を書面で提出してもらえばそれにて足りるということに考えております。
 以上でございます。
#75
○竹村泰子君 法律の世界における、今先生暴対法の二条の二というところを引用されましたですけれども、この文章は非常にあいまいというか幅を広くとっているわけです。
 つまり、定義が社会常識でいうところのいわゆる暴力団、暴力団ですから団体ですね、そしてプロの集団。みんなだれしもがあれは暴力団と認める、そういう範囲よりも少し広い意味が入っているんじゃないかと思うんです。「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」ということですから、そこが市民の皆さんも非常に心配をしていらっしゃる部分でもあります。
 今のお答えで、だれがどう判断をするのかということになりますとどうなりますでしょうか。それに伴う、例えばちょっと怪しいなというところの調査とかいうことになりますとどうなりますでしょうか。
#76
○海老原義彦君 先ほど申しましたことを御趣旨に沿って少しずつ補足しながら申し上げますと、認証の手続の際にはいろいろな書面を提出していただくわけですが、その書面によって認証できるか否かを審査する。専ら書面による審査でございます。
 その書面の中に、我が団体は暴力団でもないし、暴力団の配下にあるものでもないということを確認していただく、その確認書が入っておればそれをもって暴力団ではないということを認める。その他の各種の書類がすべて整っておればこれは認証するということになるわけでございます。
#77
○竹村泰子君 私が聞いておりますことに対しての、そういう書類がそろい、そしてそうではありませんという自分のお約束のような書類がすべて整っていれば暴力団とは判断されないというふうなお答えかと思いますが、もちろんそうありたいと思います。性善説に私たち立ちたいと思いますけれども、法律はできてしまうとひとり歩きしてしまいます。
 怪しげな団体がNPO法人に指定されようということで申請をしてくる場合がなきにしもあらず、大いにあると思うんです。その場合にどういうふうに調査をなさってどういうふうに判断をなさるのかなと思ってお聞きをいたしましたけれども、もう一度お聞きしても多分今のお答えになるのかなと思います。
 このあたりはやはり所轄庁もきちんと、この前私は、それは法律が成立した後では所轄庁の経企庁がやるのですね、警察ではありませんねという確認をしましたけれども、そういうことをお考えではない、だれがどのような材料をもとに判断をするのか。
 例えば、その団体がNPO法人の資格申請を行っていなくても関係のある団体が申請をしているという場合もありますね、兄弟分とかあるいは親戚ぐらいの団体が申請をするという場合もあると思うんですけれども、そういう場合は行政がある市民団体を暴力団だというふうに間違って認定してしまうということが起こり得るのではないでしょうか。
#78
○海老原義彦君 この法律の所轄庁は警察ではございません。警察権限も持っておりません。また、警察に調査の協力を依頼するというようなことも原則としてはございません。
 したがって、御危惧のように暴力団まがいのものが入ってくるというおそれもあるいはなしとしないわけでございますが、いずれにいたしましても、暴力団でない札つきとした市民団体を、これは暴力団であるとして認証しないというようなことは絶対にあり得ないことだということだけは申し上げておきたいと思います。
#79
○竹村泰子君 時間がありませんので余り突っ込めませんが、これは非常に大事なところで、もし間違って一般の市民団体を、いろいろそこに出入りしている人たちが暴力団と関係しているからとか、いろいろなことで間違って行政によって認定されたというふうになりますと、その市民団体はもう致命的な打撃を受けます。
 ですから、私はそこのところはどのような運用が行われるのかということをお聞きしたかったのですけれども、同じ答えになりますか。
#80
○海老原義彦君 運用の具体的なことを私も申し上げましたので、認証に当たっては専ら書面審査である。もちろん認証後、毎年書面を出していただくということもございます。そういったことを中心にして、市民に公開され、市民が縦覧あるいは閲覧しておりますから市民のチェックも働くわけでございますので、そういうものにも期待しながら運営していく、それしかない。この法律ではそれしかないので、具体的な運用でそのほかにこういう方法があります、ああいう方法がありますということは残念ながら申し上げることができない。
 なぜかというと、具体的にそういう運用を予定していないからでございます。この法律に書いてあること以外の運用は予定していないということでございます。
#81
○竹村泰子君 それでは、次の質問をさせていただいて、お答えいただいて終わると思いますけれども、第十条第一項第四号の書面に関して、ここには「第二条第二項第二号及び第十二条第一項第三号に該当することを確認したことを示す書面」というふうになっております。
 そこで、まとめてまた質問いたしますが、この条文は、団体が団体の内部で、その団体が第二条第二項第二号及び第十二条第一項第三号に該当することを確認して、そのことを報告すればいいという解釈で間違いないのでしょうか。
 それと、つまり「確認したことを示す書面」とありますが、これは確認書というタイトルで、第二条第二項第二号及び第十二条に該当することを確認したと書いてある書面であればいいということなのでしょうか。この確認の方法は、団体の内部で、発起人会なり総会なりそういうところで団体の判断に任せて確認をするとよい、任せてよいと解釈をいたしますが、それでよろしいでしょうか、どうでしょうか。
#82
○大脇雅子君 この規定は、委員御指摘のような書面を想定したものでありまして、団体内部でその団体の意思の確認が行われたこと、例えば何年何月何日の設立総会において確認したということを示す書面であれば足りると考えられます。
 この規定ぶりは、相互に対等的、自主的な言葉遣いに変えたものでありまして、その団体の意思を決定する方式によって確認したものであれば足りまして、その方法はそれぞれの団体の判断に任せていいと思います。
#83
○竹村泰子君 団体の内部の判断でよろしいということですね。ありがとうございました。終わります。
#84
○木庭健太郎君 質問をさせていただく前に、私どもは今もできることならば、旧平成会、太陽党の皆さんでまとめられた案が本当に実現すれば、今のこの社会の中で、例えばNPOへの税制の問題も、またより自由な活動という意味でも、私たちは新しい時代を開くためにはあの法案であるべきだという考えは今も持っておりますし、ぜひそういうものへいつかは行かなくちゃいけない、こう思っているものでございます。
 ただし、この委員会の中で熱心な審議が行われ、なおかつここの、先ほども趣旨説明の中にありましたけれども、理事懇談会の場で長い間協議も行われ、ある意味では一つの修正という意味で、理事、またオブザーバーの皆さん、委員長が御尽力をされたこと、それについては本当に心から敬意を表し上げるものでございます。
 そういうことを踏まえて、今回の修正案に対しまして何点かお尋ねをさせていただきたい、こう思っております。
 まず最初でございますけれども、簡単に、第一にと言って先ほど御説明がありましたけれども、これまでこの法案は名称は市民活動の法案でございました。今回、市民活動という名前から特定非営利活動ということで根本の名称が変わりました。この点につきまして、なぜ修正をされたのか、また、市民活動の表現が不適当と思われるなら、なぜ不適当なのか、この理由についてお伺いをしておきたいと思います。
#85
○堂本暁子君 参議院の段階で修正が行われた理由は、市民活動促進法案と同時に、通称私どもNPO法案と申しておりました。三年前に法律をつくるときにもこういった名称が問題にならなかったわけではございません。非営利という形で準則主義という主張が最初にありましたから、そういった主張は脈々としてございました。
 今回の修正は、あくまでも非営利ということで十二項目の活動に限定しているということで特定という言葉を頭につけて特定非営利活動とすることに決めたわけです。活動の名称を特定非営利活動とした関係で、法人の名前についても特定非営利活動法人とし、そして法律の名前も特定非営利活動促進法というふうに改めました。
 今一番の問題は、市民ではなぜいけないのかということなんですが、その間の議論の中で明確に打ち出しましたことは、法律の目的のところに「市民に開かれた」という表現がございましたが、それを「市民が行う自由な社会貢献活動」というふうに目的を明確にいたしました。
 これは市民が主体となって活動するということの意味です。けさも質問の中で市民が消えて残念だという御指摘があったんですが、その意味では、法律の名称からは市民が消えましたけれども、市民が主体であるということは変わっておりません。
#86
○木庭健太郎君 続きまして、今も長い間竹村先生が御論議された暴力団、新たに加わった項目の問題でございます。本質的に言えば、私どもはこのイ、ロ、ハというのはない方がいいと思っているわけであって、新たにもう一つ加えられたという点もございますから、特にここについてはいろんな論議をされておりました。
 例えば、先ほど論議されたもののほかに、やはり暴対法との関係でいくと警察の公安が対象とするような団体は含まれてしまうようなことがあってみたり、何か地域でトラブルを起こしたことを理由にして、これに該当するというような幅広い解釈が行われそうな気もしないでもない。そういう意味では、これをどう考えればいいのかというところをもう一度きちっと御説明をいただきたいと思っております。
 さらにもう一つ、統制下というお話も先ほどされておりました。統制下という言葉をどう解釈するか非常に難しい。例えば、全く外れた例で、暴力団の長、この方がもし個人として、今度は団体でなくて個人として社員となってみたり役員となったりする場合は、統制下という問題で言うとどんなふうな解釈をすればいいのか。
 要するに、ここは何を私たちが言いたいかというと、自由なNPO活動というのが、ある面でちょっと解釈を間違えれば本当に取り締まる対象にされてしまうおそれもある、こんなことを感じるものですから、その点をもう少し海老原先生にきちんとお答えをいただいておきたいと思います。
#87
○海老原義彦君 先ほどるる説明いたしましたことを要約して申し上げます。
 まず、暴力団の定義につきましては、これは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第二号の定義によっております。この意味において暴力団は。暴対法の定義そのものがそうなんですが、社会実体としての暴力団と内容は同一であるということにこの暴対法でもされておりましてまことに明確なのであります。
 暴力団とNPO団体は明らかに異なるものであります。もしこの規定が入っておらなければ、暴力団がNPO団体と称しても何もとめる理由がない、堂々と大手を振って入ってくる。ところが、この規定がございますので、入ってくればそれは違法な潜り込みになるわけでございます。
 したがって、自由なNPO活動を取り締まり対象とするというような見方は全く成り立たないわけでございまして、そのような法案ではないというふうに考えております。
 それから、統制という意味でございますけれども、統制というのは当事者の自由な意思に外部的な規制を加えて一定の方向をとらせることを意味しております。統制の内容は、消極的な制限または禁止であることもございましょうし、あるいは積極的な加盟であることもあると思います。ここでは団体の自由な意思に規制を加えて一定の方向をとらせることを意味するものであります。
 したがって、統制下にあるということは一定の方向に意思が向けさせられているということでありまして、団体の意思が支配されているという状態を意味しておるものでございます。
#88
○木庭健太郎君 海老原先生、さっきの例みたいに、例えば暴力団の組長さんが個人としてなる場合というのは、これは全くこれとは関係なくなってくるのですか、個人だったら。
#89
○海老原義彦君 個人として暴力団員が入っている場合、欠格条項によって落とされる場合もございますし、また欠格条項に当たらない程度の暴力団員であるならば、つまり過去に欠格条項に当たるような罰を受けていないとかそういうのであるならばそれは認めざるを得ない。
 ただ、統制下にあるかどうかあるいは暴力団そのものであるかどうか、それだけが問題であるわけでありまして、それも書面によって団体自体が自主的に確認していただいた、その確認したことを書面で出していただくということによって審査するにとどまるわけでございます。
#90
○木庭健太郎君 それでは、次の四十四条の情報の提供の条文追加についてお尋ねしておきたいと思います。
 これは、いわゆる経済企画庁だけでなく事業所のある都道府県において事業報告書等書類の写しの閲覧を規定する修正を今回行っているわけでございますけれども、その効果がどのようなものだとお考えになっていらっしゃるのか、提案者からその効果について御発言をいただきたいと思います。
#91
○大脇雅子君 事業所の所在する都道府県で情報の提供をすることによりまして、その都道府県の住民にとって利便性が向上し、特定非営利活動法人の活動がより身近なものとなり、市民の参加を推進する効果があると考えております。
#92
○木庭健太郎君 私たちはこれもできれば経済企画庁を外す方法はないかといろいろ考えましたが、なかなかこれも修正協議の中でうまくいかなかった面もございます。
 ただ、いずれにしても、なるべくこういうものは今まさに委員がおっしゃったように身近な形でどういうふうにして活動していくか、情報をどう提供していくか運用上そういうことをきちんとしていかなければならないんだろうと、こう思っております。
 そして最後に、これ我が仲間でありますけれども、公明の山本議員にちょっとお尋ねしておきたい思います。
 と申しますのは、今は公明に御所属でございますけれども、旧平成会、太陽党の時代にまさにその案の発議者の一人でいらっしゃったわけでございます。その意味で、そこの席に座ることはどうかとうちでも随分論議をしましたけれども、それはそれとして、その辺との整合性の問題もぜひ確認をしておきたい。済みません、身内のような話で申しわけありません。
 それともう一つは、あなたがこれまで一番問題にしてきたのは、結局与党案が憲法に保障する信教、結社、表現の自由などを侵すおそれがあるというのを盛んにおっしゃっておられましたから、今回の修正というのをどんなふうにとらえられていらっしゃるのか、その点について考え方を確認しておいて私の質問を終わりたいと思います。
#93
○山本保君 それでは、後の方からお答えいたします。
 御指摘がございましたように、与党案、特にこの第二条第二項二号の各要件に関しましては、私は今でも問題を持っている法文、条文であると思っております。第二条の第一項で主たる目的を定めた上に、さらにまた宗教、政治、さらに公職者や政党批判を目的としてはならないということを定めているわけでございますので、審議の中にもありましたように、法律としての形式上からも不整合ではないかと思いますし、かつまた、憲法に触れる運用がなされるおそれを持っているものであります。
 今回の修正がそのすべてを克服したとは私も言い切っておりません。しかし、十条第一項第四号にありますように、例えば認証の申請に当たりまして、二号各条文に相違ないことを誓約させるという方式から、その団体としての自主的な表現で二条二号に当たらないことを何らかの公式な方法によって確認を行うことというふうに変更しましたことは、認証に当たりまして団体の持つ固有の性格を細かに詮索するような行政の恣意的な行為を実質的に抑えたものになるのではないかと考えております。
 また、このハの中に「目的」という言葉を加えましたことは、この法案審議また修正協議、交渉の中で、与党自民党を代表する方からも、決して団体の取り締まりを目的とするものではなく、社会的な問題となった場合に全く行政的な関与ができないということを避けたいというものであって、団体の自由を侵すためのものではないというお答えもいただきました。
 その上で、認証する際に団体の性格を判断する要件として、特に公職者、政党批判については主たる目的として制限することになりますと当然団体の従たる目的としては認めるような解釈となるが、これは避けたいというお申し出があり、このような文面の提案があったというふうに理解しておりますので、この辺で私どもも了解したと認識しております。
 確かに、法律の条文は将来のこの運用について細部にわたって規定するということはできませんので、この条文が今おっしゃるようなおそれを全く取り去っているとは言えません。
 またもう一つ、ここで御質問にはございませんでしたが、税法上の支援措置が欠けているということ、これなどは全く私も満足なものとは思っておりませんけれども、私は今申し上げましたような立法者意思を確認した上で、私自身もその運用解釈に際し、提案者として責任を共有することが私の果たすべき役割であると考えました。
 この間、私の僚友河村たかし衆議院議員が旧連立時代から四年にわたるNPO法案の検討を始め、その後、三年前から私も含めて苦闘してきたことの総決算としまして、この法律に責任を持たなければならないと考えたゆえに修正案の提案者となったわけでございます。
 なお、前の問題でございますが、私どもの法案とこの与党の法案といいますのは目的、対象などは異なるものだと考えておりますので、あの法案を撤回する意思はまだないということを再度申し上げておきます。
 以上です。
#94
○木庭健太郎君 終わります。
#95
○吉川春子君 議員立法として衆議院から送付された法案について当委員会で二巡の審議、そして参考人質疑を終えて、参議院においても異例と言える修正協議が五回の定例日を使って行われました。これが公開であったらもっとよかったと思うんですけれども、非公開でした。
 また、本案の議了後に提出された修正案の審議を今行っていますが、これも余り先例のないことが行われているわけです。これらの委員会審議がよき先例になってほしいなと思いますし、二院制のもとでの参議院の役割というか、また議員立法というか、いろいろ私も考える機会があった法案審査だったと思います。
 それで、修正案について一つずつお伺いしますが、「市民活動」を「特定非営利活動」と修正したことによって法人格付与の対象範囲が変化するのでしょうか。
#96
○堂本暁子君 「市民活動」を「特定非営利活動」と修正したのは、この法案の対象としている活動によりふさわしい表現にするためでございました。
 したがって、その対象の範囲を変えるとか、それから活動の内容に関して変更があるということではございません。
#97
○吉川春子君 私たちは、再三申し上げておりますように、非営利法人特例法なんですけれども、非営利団体一般に法人格を付与するということで準則主義をとってまいりました。
 しかし、与党案は民法三十四条の特別法です。その結果、公益概念を法人格取得の要件にしています。せざるを得ないわけですが、そういう性格の法律を、特定非営利活動法人というふうに特定はつくわけですが、ということで形容矛盾にはなりませんか。
#98
○堂本暁子君 私どもは、確かに三十四条の特別法ということを最初に決めまして、そこをスタート台として立法作業を進めたわけなので、あくまでも三十四条の特別法であるということに関しては認めざるを得ないことですし、そういう立場をこの与党案はとっております。
 しかし、今申し上げましたように、非営利活動とそれから今の公益という概念で言いますと、非営利活動が公益概念と反するということにはならないわけですし、それから、今回の法律の中では三十四条の中の公益という概念をできるだけ使わないという努力もしてまいりました。ここであえて「特定」といたしましたのは、三十四条とのすみ分けとしての十二項目を限定的に入れているからでございます。
#99
○吉川春子君 法制局の見解もここで披露されましたが、準則主義をとるまでもなく、広く法人格を与えることは可能だ、こういうふうに言っておりましたけれども、それでもやっぱり「特定」ということで縛りをかけなくてはならないその理由は何でしょうか。
#100
○堂本暁子君 少し議論が堂々めぐりすることになるかもしれませんが、それは民法三十四条の特別法であるからです。
#101
○吉川春子君 この項をこういうふうに修正したことによって国民にいかなる利益を与えようという目的なんでしょうか。
#102
○堂本暁子君 「市民活動」よりも「特定非営利活動」の方が広い言葉のニュアンスを持っていると思います。先ほど申し上げたように、対象が変化するとか内容が変わるということはございません。
 したがって、市民活動ということに限定されない範囲のものも入っているわけなので、それをより広く表現した、より適切な表現に変えたという意味合いです。先ほどからおっしゃっている準則主義ということはとっていないので、準則主義との関係でこれを変えたわけではありません。
#103
○吉川春子君 市民活動よりもより広い概念だという御答弁でした。
 では、次の質問に移りたいと思います。
 暴力団の統制下というこの意味なんですけれども、「暴力団又は暴力団若しくはその構成員の統制の下にある団体でないこと。」という概念がいま一つわからないんですが、端的に定義的に言っていただきたいと思います。
#104
○海老原義彦君 法文の「暴力団又は暴力団若しくはその構成員の統制の下にある団体でないこと。」というのを端的に一般語で表現すればどうか。法律的に厳密に言うとこういう表現になる。では端的に言えばどうか。要するに、暴力団ではないんだ、それから暴力団の裏団体。じゃないんだ、そういうことでございます。
 では、どうやってそれは調べるんだという話に次になると思うんですけれども、どうやって調べるといっても、それは団体自体が、うちの団体は決してそんなものじゃないということをはっきり確認、表明していただけばいいわけであります。
#105
○吉川春子君 このNPO法は暴力団取り締まりの法律ではありませんので、さっきからおっしゃっているような答弁はわかります。
 私たちは、市民への徹底した情報公開あるいは市民監視、国民監視、そういうことでこういう団体がNPOに紛れ込まないようにするということは必要だと思います。我が党も暴力団の紛れ込むことというのは、やっぱりそれは適切な措置をとるべきであるという政策を発表しております。しかし、それがまた同時にもう一つの市民活動の自由を奪うような方向に行ってはこれは困ります。
 それで、例えば暴力団とのつながりを調査するために、それではないということを証明するために警察等に役員の名簿が渡るとか警察の判断を仰ぐとか、そういうようなことにはよもやならないと思いますが、どうでしょうか。
#106
○海老原義彦君 この法律では、所轄庁が毎年いろいろな書類を提出していただく中に役員と十人以上の社員の名簿というのも入っておるわけでございまして、その名簿を警察へ出すかどうかという御質問でございますけれども、そういうことは決してございません。
 こういった一連の書類を出していただくことは、業務の状況やその時点における団体の実態を見るために出していただく、それだけでございまして、これを警察に渡して調査を求めるというようなことは決してございません。
#107
○吉川春子君 それはどこで担保されているんでしょうか。渡さないと言っても渡る場合もあるわけです。渡らないということがどこで担保されますか。
#108
○海老原義彦君 どこで担保されるかと申しますと、これは法律に書いていないことはしないわけでありまして、この法律ではそういったことを警察の調査にゆだねるということは予定しておりませんので、要するに書いていないということによってそのことがはっきりするわけでございます。
#109
○吉川春子君 では、次の質問に移ります。
 財政支援措置なんですけれども、理事懇談会の協議の中でも最も話題になったのはこの財政措置を盛り込めないかということだったと思いますが、それにもかかわらず、やっぱり税制優遇措置、財政援助措置などが盛り込めなかった理由は端的に言うと何だったんでしょうか。
#110
○大脇雅子君 まずこの法案は、NPO団体に法人格を与えることが急務であるという認識のもとに、まず法人格の付与について定めることを中核としているわけであります。税制上の優遇措置や財政上の援助につきましては、この法律の施行後検討するということになっております。
 私としても、税制上の優遇措置等を認める法改正が早期に行われてNGOなど非営利法人の財政的基盤が強化されまして、国内的にも国際的にも活動のさらなる展開が図られるということを切望いたしておりまして、これからの検討を我々でしていくということが重要だと思います。
#111
○吉川春子君 午前中の審議で、市民活動促進法案の発議者から次のような答弁がありました。
 この法案は、関係団体の早急に制定してもらいたいという要望にこたえて、なお検討すべき問題を残したまま現段階で一致できる内容でまとめて提案した、したがって二年後見直すことを四党で確認している、この見直し作業は、四党だけでなく超党派で、制定後直ちに協議を開始したい、こういう内容であったと思います。
 参議院でも理事会の協議の経過から見てこのことが必要だと思います。見直し作業についてどういうふうにお考えか、そのことをお伺いしたいと思います。
#112
○山本保君 私の方から答えるようにということでございますので、今お読み上げになった部分の答弁をしたわけではございませんけれども、幅広い観点からお答えいたします。
 私も今先生のおっしゃったとおりに考えております。考えてみますと、この法案は本来市民の、また各団体の御意向を受けてつくるべきものであり、そのように進んできましたけれども、ややもすると政党間の駆け引きというようなこともなきにしもあらずでございました。
 今後はそのような形ではなく、ぜひ超党派、と言いましても一つだけというふうには私は思いませんので、いろんなレベルで、いろんな形で、またその内容についても、目的、対象、範囲、手続のみならず、今お話が出ました財政支援につきましても直ちに新しいものをつくり上げていく作業が行われるべきであろうと考えております。私どものグループもぜひその中心で頑張りたいと思っております。
#113
○吉川春子君 終わります。
#114
○都築譲君 今回、こういう形で修正案が各会派の議論を踏まえて行われたことについて、私自身もその修正協議に参加した一員として、委員長を初め各会派の代表の皆様の御苦労に心から敬意を表したいと思います。
 そして、こういった形で議員提案がいろいろ行われて、そしてまた各会派が忌憚のない意見を交わしてよりよい法案をつくるというよき前例として、今回のNPO法案の審議といったものがこれからも使われますように心から祈りたいと思いますし、また私自身も私たちの政党も努力をしていかなければいけない、こんなふうに考えております。
 ただ、今回の修正案について私ども参加をいたしましたけれども、実は一つ大きな不満があるわけでございまして、先ほど御指摘がありましたように、非公開の場での議論といった問題もあったかもしれませんが、一番大きな問題点についてそもそも修正協議の対象として十分な議論が行われないような形で進んできたわけでございます。
 例えば、今NPO法案といったものをつくるときに一番肝心なのは、どれだけ市民団体の自主性とかあるいはまた自律性とか自由、こういったものを認めていくのか、そのために活動分野はどうするのか、さらに情報公開という形で市民の目によるチェックといったものあるいは評価といったものをどういう形で担保していくのか、さらにまた市民団体の活動の基盤である財政的な側面についてどういう手だてを講じていくのかこういった点について、実はこれが本来のNPO法案の真骨頂の問題であっただろう、こんなふうに思うわけです。
 今回の協議については、実は最初からそういう部分については協議の対象としてなかなかのりがたい、いわゆるガラス細工のような均衡の上に立っている、こういう御指摘もあったわけでございまして、協議に参加する人たちがそれぞれ自制心を持ちながら取り組んで意見を交換してきた、こういうことだろう、こんなふうに受けとめております。
 ただその中で、それでもこれから新しい法案が成立して、そして市民団体の皆さんが要望しておりました法人格といったものが速やかにこれで付与される仕組みになるわけでございますけれども、また今後のことを考えますと、では果たして本当にそれが市民団体の皆さんが望んだような形になっているのかということについても、これもまた頭からそうだと信じるわけにはいかないところもあるわけでございます。その意味で、午前中に引き続いてもう一度幾つかの点を確認させていただきたいと思います。
 まず第一点は、やはり何といっても「市民に開かれた自由な社会貢献活動」、これが「市民が行う自由な社会貢献活動」というふうな形になりましたが、こういった社会貢献活動を行う市民団体の活動について、いわゆる「特定」というふうな形で形容詞がかぶせられる形になったわけでございます。
 その趣旨は、十二項目に限定するということであるという御答弁が先ほどあったわけでございますけれども、ただ、本当に特定という形で、今市民団体の皆さん方が既に動いているものとか、あるいはまたこれから有用な活動として評価されるようなものが排除されるおそれがあるのではないか。そして、それは例えばこれから一年、二年あるいは三年の見直し、こういう時期を振り返ってみたときに、やはりあった方がよかったのではないかということを思う日が来るのではないか、私はこんなふうに思うわけです。
 そういった意味で、その他の社会貢献活動という形での受け皿のような規定をぜひ設けるべきではないのかということを今でも考えておりますが、それについて修正案を発議された先生方の御意見を承りたいと思います。
#115
○海老原義彦君 ただいまの、十二項目に限定してその他の社会貢献活動を加えなかった、これを加える修正をすべきであったけれどもしなかった、その理由ということでございます。
 午前中の衆議院の発議者の答弁にも明らかなことでございますけれども、この法律は民法二十四条の特別規定としてつくっていく。それを離れてもっと大きい幅広いものにしろという御趣旨はわかるのでありますけれども、そうは言っても、それをするのであれば、民法全体の改正という大きな問題とどうしても関連していくので、とりあえずの間には合いません。これはやはり可能なところからやっていくということから、民法の法人の章全体に手をつけるのではなくて、とりあえず必要なものは何かということで、民法三十四条の特別規定としての地位でやっていくということしかないんだろう。
 そうしますと、特別規定としていわば包括的に、ここまではよろしいよ、これ以外はだめだよというだめな部分がなければならないんだけれども、だめな部分は何かと言うと、ここに盛られていないことなんです。
 だめな部分がどれほどあるのかということを一つずつ見ていきますと、まず現時点において法人格を付与するにふさわしいような市民活動をやっている団体を一つずつ考えていきますと、そのほとんどがこの十二項目に入っておるんじゃないかなということで、現時点においては余り問題ない項目の立て方であろう。
 当然、特定でございますから特定外のものもあるわけでございますけれども、特定外のものでもまだ重要なものがあるのだというようなことが今後ありましたらば、それは三年後の見直し規定とかそういうこともございますから、そういう中で十分検討していくということにいたしたいと思うわけで、今回の修正には加えるわけには到底いかないということとなったわけでございます。
#116
○都築譲君 ありがとうございました。
 ただ、理事懇の非公式協議の場でも山本議員が幾つか指摘したり当方からも指摘させていただいた事項がございますし、また民法の規定の特別規定である、こういう話についても、実はそういう法理論的な部分は、旧平成会として市民公益活動法人法案を提出させていただき、その第三条の中で例示的に教育・科学振興、文化向上、社会福祉への貢献、環境の保全、国際交流・協力関係、その他社会一般の利益の増進に寄与することを目的とする活動という形で、法制局の見解としては項目を限定しなくても民法の特例としての問題はクリアできる、別に準則主義によらずに、また認証というものにかからしめることでもできる、こういう考え方に立っておったわけでございまして、ぜひまた今後の検討の中でそういった面についてもお考えをいただければということを要望しておきたいと思います。
 それから二点目は、第二条の関係で幾つかございました。そして、その中で今回暴力団を排除するというふうな形で認証の基準に一項目つけ加わったわけでございます。この問題について今までも議論がされておりましたけれども、ちょっとまた別の観点から。
 先ほど海老原理事が御回答されておりました中で、例えば暴力団の関係について市民がチェックするというふうなことによって暴力団といったものも排除することができる、こういうお話があったわけです。これまた、実は先ほどの私どもの基本的な考え方である情報公開ということで、市民の皆さんが本当にその市民団体、NPOの活動を評価するあるいは判断をするのに十分な仕組みになっているのだろうかということをまた繰り返し申し上げなければならないと思うわけでございます。
 今回の修正案によりまして、すなわち二以上の都道府県にわたって事務所を構える市民団体、NPOにつきましては経済企画庁が所管をする。ところが、例えば事務所が東京、大阪、北海道、こういうことになっておりますと、今までの規定ですと北海道に事務所がある、あるいは大阪に事務所がある、その道民の方あるいは府民の方はわざわざ経済企画庁まで来てその資料の閲覧をしなければならない、こういう形に実はなってしまうところを、経済企画庁から北海道あるいは大阪府の方に事業報告書とか収支計算書とかいったものを送ることによって、それぞれの都道府県の条例で閲覧をさせることができる形になりましたからその点は進歩だろう、こう思うわけでございます。
 ただ、現実場面として、事務所がないところでもいろんな活動が行われていくのがNPOであろう、こういうふうに思うわけでして、そういった意味で、活動としても実際にサービスを提供する、いろんな貢献活動をする部分と、寄附金を募ってくる活動が行われるわけでございますから、例えばそれ以外の地域における人たちがどういう団体かということを承知するのに、実はやはりまた経済企画庁まで行かなければいけないのか、こういう問題になってくるわけでございます。
 私どもが主張したのは、それぞれの都道府県なり経済企画庁、こういったところの官報とか広報という形で情報を一斉に提供してしまえば、官報、広報であろうとそれは取り寄せることが可能になるわけでございますから、何もそこまで行って確認をしなくても済むというふうなことが私たちの基本的な情報公開の考え方であったわけでございます。
 そういった意味で、前進はしたと思いますけれども、もっとここのところの情報公開、本当に市民の自主性にゆだねた活動の評価といったものを期待するのであれば、そういったところに工夫を凝らすべきではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#117
○海老原義彦君 情報公開に絡む修正について一定の御理解をお示しいただきまして、ありがとうございました。
 さて、これ以上さらに公開の幅を広げていくということでございますけれども、おっしゃるように、例えばあらゆる都道府県において公開できるようにする、あるいは官報や広報などに掲載するようにするということは、これは事務量も非常に膨大になりますし、なかなか一気に実現するということは慎重にならざるを得ないと思うんです。
 現時点におきましては、ここら辺まで情報公開を広げることがまず目いっぱいなのではないか。既にこの法案は衆議院において十八時間余の審議も経て、それから参議院に来たわけでございまして、衆議院において必要と認められる修正も既にかなり行われており、それをさらに修正しようということでございますので、衆議院から送られた原案を尊重して最小限の修正を加えるという見地からはそこまでは困難ではないか。殊に、事務量の膨大さを考えれば、なかなか踏み切れないものであるということで御理解を賜りたいと思います。
#118
○都築譲君 ありがとうございました。
 それで、そういう御答弁、午前中の与党案に対する質問のときも、実際、事務量の膨大さということで大変だ、こういうふうな御指摘もあったわけです。
 であれば、先ほどのまた項目に戻りますけれども、十一項目の社会貢献活動というもののほかに、実は第十二番目にいわゆるそういう市民団体の連絡、助言、調整、こういった項目があるわけでございます。そこのところ、先ほども御答弁をいただいておりますけれども、私としては、事務量で行政庁がやれない部分、本当に市民団体としての活動が正確に行われているか正しく行われているか、そういう活動を行うNPOといったものの存在をしっかりと法条文上明記をしていくことの方が、情報公開を市民の手で行うことに間接的にはつながっていくわけですから、大変それが重要なことになるのではないか、こんなふうに思うわけでございます。
 それについてのできなかった理由というのもまたもう一度改めて確認をさせていただき、今後の考え方もお聞かせいただければと思います。
#119
○海老原義彦君 大変立派な御提案でございます。御趣旨を踏まえて今後の検討の際に考えていくべきかと思います。
 具体的に今十二号に入っておるか、十二号で読めるかというと、読める部分が非常に多いと思いますけれども、必ずしも読み切れない部分があるかどうか、突然の御質問でございますので、そこまでの検討はしてありませんのでお答えいたしかねます。
#120
○都築譲君 済みません、お示しした括弧四のハの部分のあれでございまして、質問の仕方が悪くて誤解を与えまして大変失礼いたしました。
 それで、あともう一点は要望になりますけれども、本当に財政的な基盤をどう市民団体の皆さんがつくっていくのか。私どもとしては税制の優遇措置で、市民の皆さん方が善意によって寄附を行っていく、財政的な貢献をしていく、こういう形で世の中の仕組みを大きく変えていくことができる一つのきっかけになるだろう、こんなふうに思います。
 また、財政的援助、こういう話になりますと、これまた今までの公益法人と同じようにじゃぶじゃぶと補助金をつけられて、そしてその言いなりになってしまう、いわゆる官益法人と言われるようなものになってしまっては、これは本来のNPOの活動とはそぐわないものであろう、こんなふうに思っておるわけでございます。その意味からは、ぜひ税制上の措置についての検討といったものを、先ほど来御回答いただいておりますが、附則の中に検討の一項目を求めることさえなかなかできないのだということでございますから、今回いろんな御議論をさせていただいたわけですが、ぜひその点についてもこれからも皆様方とともに私どもも議論をさせていただきたいということを要望申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#121
○委員長(鹿熊安正君) 他に御発言もなければ、修正案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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