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#1
第142回国会 労働・社会政策委員会 第7号
平成十年三月三日(火曜日)
   午前十一時四十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     阿部 正俊君     小山 孝雄君
     今泉  昭君     勝木 健司君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     武見 敬三君
     小山 孝雄君     阿部 正俊君
     勝木 健司君     今泉  昭君
     笹野 貞子君     和田 洋子君
     菅野  壽君     瀬谷 英行君
     吉岡 吉典君     聴濤  弘君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鹿熊 安正君
    理 事
                海老原義彦君
                狩野  安君
                竹村 泰子君
                大脇 雅子君
                吉川 春子君
    委 員
                阿部 正俊君
                石渡 清元君
                佐々木 満君
                佐藤 静雄君
                武見 敬三君
                坪井 一宇君
                橋本 聖子君
                今泉  昭君
                和田 洋子君
                木庭健太郎君
                山本  保君
                瀬谷 英行君
                聴濤  弘君
                都築  譲君
                堂本 暁子君
   衆議院議員
       発  議  者  小川  元君
       発  議  者  河村 建夫君
       修正案提出者   金田 誠一君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       尾身 幸次君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     井出 亜夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○市民活動促進法案(第百三十九回国会衆議院提
 出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二日、上杉光弘君、笹野貞子君、菅野壽君及び吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君、和田洋子君、瀬谷英行君及び聴濤弘君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鹿熊安正君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に竹村泰子君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鹿熊安正君) 市民活動促進法案を議題といたします。
 本案の原案並びに修正案に対する質疑は去る二月二十六日に終局いたしておりますので、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#6
○狩野安君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました市民活動促進法案に対する修正案及び修正部分を除く原案に賛成する立場から討論を行います。
 近年、ボランティアなどによる社会貢献活動が活発化しており、その社会的な意義も極めて大きなものとなってまいりました。阪神・淡路大震災や福井県沖の重油流出事故の際にも、大勢のボランティアの方々の献身的な姿を目の当たりにして国民各層が感動したことは、今なお記憶に新しいところでございます。こうした方々の活躍によって震災による社会的混乱の収束が早められ、また重油による環境への影響も最小限に食いとめられたことは否めない事実でありましょう。
 今後、財政状況が一段と厳しさを増す中で、高齢化が進み、福祉需要が一層増大することを考えますと、民間団体が行う社会貢献活動への期待は高まらざるを得ません。むしろこうした活動を抜きにしては我が国社会は成り立たなくなると言っても過言ではないと思われます。したがいまして、こうした活動を支援し、その健全な発展を促進するということが極めて重要かつ喫緊の課題となっていると申せましょう。
 本法案は、これらの活動に携わっている団体の切実な願いでもある法人格の取得を容易にしようとするものですが、これによって従来困難であった団体としての不動産登記や銀行口座の開設が可能となり、また社会的信用の得にくさなどといった障害も取り除かれることが期待できることから、現下の課題にこたえる内容となっていると判断し、大いに賛成いたす次第でございます。
 なお、本法案に対しましては、法人格の付与に当たって活動対象を限定したことや所轄庁による認証や監督が行われることによって排除される団体が生ずる、あるいは団体の自主性を損ないかねないなどとの指摘がなされたことも事実でございます。
 しかし、審査の過程における答弁によって民法の特別法としてのすみ分けの必要性からとった措置であり、主たる活動を十二項目に当てはまるようにすれば大部分の団体が法人格を取得できるとの解釈が示され、さらに行政の裁量の余地を狭め、書類審査によって法の規定に適合すれば速やかに認証する必要があることなどの点も明確にされました。
 また、公益法人並みの軽減税率や本法に基づく法人への寄附金控除の必要性を求める御意見もございました。重要な課題であるとは思いますが、容易に法人格を取得できるようにすることに加え税優遇制度を導入することは、厳格な審査に基づいている現行の公益法人制度とのバランスを失することになり、社会的な公正という面から見ても適切ではありません。しかし、この点につきましても本法の附則に検討規定があり、その対象として税制も含まれることが答弁の中で明らかにされていることから、現段階では適切な対応がとられていると考えます。
 このほか、法人の要件など委員会における質疑で指摘された点については、理事懇談会でまとめ上げた修正案にできる限り取り込んでおり、現状ではベストと言ってよい内容になったと自負いたしております。
 このように、法案は当委員会の審査によってよりよいものになったと思いますが、ここで少しく私なりの感想を述べさせていただきたいと思います。
 特に強調しておきたいのは、本法案を衆参の多くの関係者が力を合わせてつくり上げたとの思いがすることでございます。今回、与党案を取りまとめられた方々の御苦労には並々ならぬものがありましたでしょうし、対案を出されました方々にも同様の御苦労があったと思います。
 当委員会におきましても、趣旨説明を聴取した後、都合五日間にわたって委員会を開催し、多くの参考人の方からも御意見を伺うなど熱心に取り組んでまいりました。またこの間、理事懇談会を頻繁に開催し、十一時間にも及ぶ修正協議も行いました。本法案、二つの対案、いずれの法案にしましても、活動をしておられる団体の切実な要望にできる限りこたえたいとする発議者を初めとする関係者の方々の思いは同じであり、それぞれのお考え、お立場に基づき工夫を凝らされたと思います。
 私たちは、本法案が現行制度との整合性を踏まえつつ団体の要望に的確にこたえていると判断しましたが、対案にも参考とすべき点は多々あったと思います。そして、こうした対案が出され、各法案が比較、対比されながら審査されたからこそ質疑がより白熱し、充実したものとなり、国会審議の活性化という点から非常に有意義であったと思われます。
 当初、私たちとしてもよりよい法案にしたいとの考えは持っておりましたが、衆議院が提出した法案でもあり、既に調整がし尽くされていることから見て修正はなかなか困難であるとの認識が先に立っていたことも事実でございました。しかし、こうした白熱した質疑や修正協議の中で、皆様の法案に対する熱意がひしひしと感じられ、できる限りの努力を行って法案をよりよい形に仕上げ、願わくば全会一致で衆議院に送りたいとの思いを強めました。
 このため、同僚の海老原理事を初めとする各理事、オブザーバーの方々の並々ならぬ御努力、御協力をいただき、本日全会一致をもって修正議決される運びとなったことはまことに喜ばしいことと存じます。
 国会議員みずから立案したものを、国民の声に耳を傾けつつ質疑を行い、関係議員が協力して知恵を出し合い、よりよいものにつくり上げられたという意味で、この法案に対してはまさに議員立法の真髄をきわめた感があります。私は、こうした法案の審議にかかわれたことをうれしく、そしてその修正の一翼を担えたことを誇りにも感じております。手塩にかけたこの法律について、三年後の見直しを含め、今後とも大事に注意深く見守っていくことをお誓い申し上げ、私の賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#7
○竹村泰子君 私は、ただいま議題となりました市民活動促進法案に対する修正案及び修正部分を除く原案に賛成する立場から討論を行います。
 阪神・淡路大震災や日本海重油流出事故の際、数多くの献身的なボランティアの活躍は目覚ましい成果を上げました。打ちのめされた被災者の方々に再起に向けての勇気と活力を与えたことを目の当たりに見て、私たちは驚かされ、感謝の気持ちを抱いたことは決して忘れられません。こうした市民セクターが、社会において行政部門、企業部門に次ぐ第三の部門として確立され、その結果として民主主義がさらに大きく飛躍することとなるものと確信するところであります。
 しかしながら、現在の我が国は市民活動を支える法的基盤が未整備で、こうした活動を実践なさっている方々はやむなく個人または任意団体の資格で活動せざるを得ない状況にあります。団体として正規の事務所を構えることも、新たに銀行口座の開設をすることも難しく、社会的な信用が得がたいなど、不自由な条件のもとで活動することを強いられているのであります。今こそこうした困難を解消し、市民活動が活発に行われるよう、その環境の整備に向けた施策が講じられることが求められているのであります。
 議題となっております修正案及び与党原案は、現に活動を行っている団体が法人格を容易に取得できるようにすることによって、ボランティア活動を初めとする市民活動の健全な発展を促進しようとするものであり、内容的には不十分さが目立ちますが、市民活動を育てる環境がこれまで未整備であったことを考えれば一歩前進と考えで、本法案及び修正案に賛成する次第であります。
 そこで、次にその賛成する理由を、今後検討すべき問題を指摘した上で申し述べます。
 与党案については、衆議院で修正された後本委員会の審査に入ったわけでありますが、熱心な議論の中でなお種々の懸念すべき点が指摘されており、本委員会での修正案においてもこれらの問題点は完全には解消しておりません。私自身も発議者に伺ったことではありますが、例えば本法案の対象となる法人の活動については別表に掲げる十二分野の活動に限定した上、「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする」法人としておりますが、具体的にどのような団体が対象となるかあいまいな部分がある点であります。私自身、行政の裁量によって設立の認証が左右されるケースが出てくるのではないかとの懸念がいまだ払拭し切れておりません。
 また、法人に対し宗教活動、政治活動、選挙活動を制限する旨の規定が置かれていることについては、立法趣旨として信教の自由や表現の自由を侵害するような運用は全く想定していないとの答弁が行われていますが、そもそもこうした規定を置く必要性がどれほどあるのでしょうか。今後とも検討の余地があると言わざるを得ません。
 さらに、税制上の優遇措置等、法人の活動資金の確保について配慮した規定が欠落していることも残念な点であります。法人格取得のハードルの高い民法公益法人と、その取得が容易な本法の法人とでは税制上の優遇措置について同列に扱うわけにはいかないとの事情は十分理解できるのではありますが、市民団体にとって財政基盤の強化は法人格取得と並ぶ重要な課題であります。それゆえ、この問題は三年後の見直しを視野に入れて今後精力的に取り組まなければならない検討テーマであると考える次第であります。
 また、修正案においては反社会的な団体に本法が利用されることを防ぐため、暴力団を排除するための規定が追加されましたが、それを担保するためには警察の介入なども考えられ、無用な混乱を招きかねません。
 しかしながら、修正案においては、参考人の御意見や質疑を通じて強く指摘されました懸念のうち、選挙活動についての制限がやや緩和されましたし、他の法律に余り例が見られない誓約書の規定が「確認したことを示す書面」などに改められました。これらについては、理事懇談会における真摯な修正協議の成果として高く評価すべきことと思います。
 このように、さまざまな問題点を抱えてはおりますが、いつまでも理想を追っていては現実に法人格の取得を切望している団体の声にこたえることが困難となります。本法案を一刻も早く成立させ、ともかくも一歩を踏み出すことが、市民活動を行っている方々の声にこたえる道であり私たちに課せられた責務であると考えます。
 思えば私自身、積年にわたりこの立法活動にかかわってきたことから、この席で賛成討論の機会を与えられましたことに感無量の思いがいたします。幸いにして、特定非営利活動法人制度について、本法施行後三年以内に検討を加え必要な措置を講じるとの見直し規定が設けられております。第一ステップとして本法案に基づき新たな法人制度をスタートさせ、その後の状況等を踏まえて、第二ステップで残された課題を含め制度のあり方を総合的に見直すことが大切であると考えます。
 最後に、本法律は紛れもない議員立法であります。これを慈しみ育てていくのは行政ファクターではなく私たち国会の責務であります。それゆえに、今後第二、第三のステップに向けて私自身も積極的にかかわって市民活動が名実ともに市民権を得べく協力をさせていただきたいと思っていることを明らかにして、私の修正案及び修正部分を除く原案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
#8
○山本保君 これまで多くの市民団体から、NPO法案をよりよい内容に修正し成立させてもらいたいとの要望があり、理事懇談会において修正協議を長時間にわたり開催してまいりました。その結果、一部分ではありますが、法案の本質的な部分について修正が行われましたことに対し一定の評価をし、修正案及び修正部分を除く原案に対し賛成の立場から討論をいたします。
 二十一世紀を目前に、我が国の国家像をどう描くべきかが国民より問われております。中央省庁の統廃合や地方分権が議論されておりますけれども、より本質的な変革とは、多様な価値観を有する市民が社会の構成員としての自覚と責任に基づいて自発的に行う市民活動が重要な役割を果たしていく社会をつくることであります。これ以外には、我が国の直面している財政再建あるいは行政改革を進めながら国民へのさまざまなニーズにこたえていくことはできません。
 私は、このような多様な市民活動を自由に行うことができるよう、旧平成会及び太陽党の都築譲、戸田邦司、北澤俊美各議員とともに市民公益活動法人法案を前国会に提案いたしました。その内容は、NPO本来の姿として、社会一般の利益の増進及び多元的な社会の実現に寄与する団体に対し、社会的な信用であるところの市民よりの一定額の寄附を基本財産等として保有していることをもって法人の資格を有するとみなすことを基本理念とするものであります。
 私どもが目的としたのは、社会経済セクターとしての本来のNPO活動の保障であり、これにより雇用を創出し、公共的サービスにおける民間人と公務員との競争を起こすことであります。したがって、私どもの法案は与党案とは本質的に異なる法律案であることを明らかにしておきたい。各市民団体の皆様も(このような準則主義的な自由な活動を保障される制度こそ望まれており、今後私どもの意図した方向へNPO法制が展開されていくであろうと確信しております。
 しかし、現在の政治状況においては、理想の追求とは別に現実的な対応が必要でありますから、私どもは与党案の問題点を極力抑えることで市民団体の皆様への責任を果たすことにいたしました。
 与党案は、憲法に保障する信教、結社、表現の自由などを侵すおそれを持っております。特に、第二条の法人の定義における第二項二号のイ、ロ、ハの要件は、第一項で主たる目的を定めた上に、さらに宗教や政治的性格の抑制、公職者や政党批判等を目的としてはならないことを定めています。これは法律としての形式上からも不整合であり、かつまた憲法に触れる運用がなされるおそれを持つものであります。
 心の内面における宗教的な信念や政治的な信条は、それぞれが外面における社会貢献活動と不可分のものであり、これを二つのものとして切り離して、さらに信念に反することを権力者に誓約するなどということは、みずからの信念への冒涜と受け取られても仕方ありません。「カエサルのものはカエサルに」との原理に反し、思想、信条の自由を侵すおそれの強いものと断ぜざるを得ません。
 私どもは、この条文の削除を求めましたが、与党はどうしても受け入れてくれませんでした。その中で、所轄庁への認証の申請に当たって、以上のことを誓約させる方式から、その団体としての自主的な表現で、二条二号に当たらないことを何らかの公式な方法により明らかにしたことを届けることに変更する修正が行われました。不十分ではありますが、団体の持つ固有の性格を細かにせんさくするような行政の恣意的な行為を実質的に抑えたものと判断いたします。
 また、政治家や政党を批判などするなというハの要件は、民主主義の否定につながりかねません。今回、最終的に各団体はそれらのことを「目的とするものでない」と修正いたしました。この法案審議及び修正に至る交渉の中で、与党自民党を代表する方からも、決して団体の取り締まりを目的とするものでなく、社会的な問題となった場合に全く行政的な関与ができないことを避けるためのものであって、団体の自由を侵すためのものではないとの答弁を得ました。
 その上で、認証時に団体の性格を判断する際、公職者、政党批判を団体の従たる目的としても認める解釈の余地を残さないようにと、このような文面の提案があり、我が公明におきましては、実質的には各団体に御迷惑をかけることは少なくなったとして、ぎりぎり妥協せざるを得なかったものであることを申し上げます。
 そのほかにも、活動範囲が限定されていること、暴力団の統制のもとにないという表現内容も不明確であること、また二県以上にわたる団体には経済企画庁を認証機関としていることは地方分権に逆行する内容ではないかということ、そして最も重要な法人への税制支援の道筋も法文上明らかでないこと等において課題が多く残されております。
 以上のように、多くの問題を残した法案ではありますが、私は申し述べたような立法者意思を確認した上で、私自身もその運用解釈に際し、提案者として責任を共有することが私の果たすべき役割であると考えました。法律条文は、将来のその運用を細部にわたり規定することはでき得ず、危惧されるおそれ全くなしとは言い切れませんが、そのためにも法律の制定にかかわった者として、引き続きその運用を見守ってまいりたいと思います。
 思い起こしますと、河村たかし衆議院議員が、非営利セクターの活動が我が国の今後の社会において不可欠であるとの考えから、旧連立時代から四年にわたるNPO法案の検討を始め、三年前からは旧新進党の時代にNPOパートナーズを結成し、私も含め苦闘してきたことの総決算として、この法律に責任を持たなければならないと考えたがゆえに修正案の提案者ともなったのであります。
 なお、最後に、当法案の三年後の見直しについて我が党は積極的にかかわり、以上述べました諸点を改善するとともに、NPOの活動資金を寄附することは税金を自分で選択して出すことに等しいわけですから、その分、強制的に徴収される税金は安くするという寄付金税制の導入に向けさらに努力することを明言いたしまして、賛成討論といたします。(拍手)
#9
○大脇雅子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました市民活動促進法案の修正案及び原案に対し賛成の立場から討論をいたします。
 市民が自由な社会貢献活動を行う非営利法人に法人格を付与することを目的とする本法案は、NGOを初めとするあらゆる非営利法人を法的社会における権利主体と認めるものであります。そのことは、とりもなおさず市民社会における活動主体に法律の面から光が当てられたことを意味します。
 ボランティア等社会貢献活動は、地の塩であり世の光とも言えます。非営利法人、つまりNPOの活動が社会において果たす役割は、国、地方自治体等行政組織に関連する団体ないしは企業で構成する市民社会に対してもう一つの民主主義の市民社会を構成するもので、活動が非営利でありかつNGO等非政府機関であることから、市民の自由と自主性を基礎とする活動であります。これは民主主義の尽きない源泉とも言えるものだと思われます。こうした多様な団体が国と企業との間に法認されるということは、日本の国の民主主義が一歩深化したものと評価されると思われます。
 しかし一方、国家の法律体系の中にその存在を認知されるということは、反面、法人格なき社団として自由かつ自発的な活動主体であったものが、その法体系の中での制約を受けることにもなります。
 社会民主党は、本来NPOの自由かつ自発性が保たれるよう、この法案の解釈と運用に次の原則が尊重されるべきであると考えます。
 第一に、日本国憲法における基本的人権としての結社の自由、思想・信条の自由、表現の自由が尊重されること、第二に、認証及び認証の取り消し、立入検査や改善命令等については団体の自発性を尊重すること、この法律の規定による知事及び所轄庁の介入は抑制的でなければならずかつ最小限にとどめられるべきであり、民主性は団体の自治によって保たれることであります。
 次に、本法案は市民活動団体にふさわしい議員立法により党派を超えた論議を経て成立したことを喜びたいと思います。この法案成立までに、多くの市民団体や市民の人たちのたゆまぬ働きがあったことを忘れではなりません。その点で、実に多くのことを私たち市民と議員は法案を成立させるための作業の中で学び合いました。
 次なる課題は、非営利法人に対する寄附の優遇税制等財政基盤の強化のための法改正であり、運用の中でその活動領域は広がり続けるでしょうから、必要な活動目的をまた見直していくことも必要だと思われます。また、民法における公益法人の骨格そのものを見直していくことも課題であります。
 今後とも、市民の側から多くの立法が積極的に提起され、議員との共同作業の中で成立していけたらと考えます。
 社会民主党は、市民活動の多くの団体と協力してでき得る限り早期に次の法改正のために努力することを表明して、賛成討論を終わります。(拍手)
#10
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、衆議院より送付された市民活動促進法案及び同修正案に対し賛成の討論を行います。
 今日、福祉、教育、環境、災害あるいは芸術、文化など多様な課題に対し、多くの団体が、単に行政の不備を補うにとどまらず、みずからを社会的に事実上承認された主体としての活動を展開しています、対人地雷禁止に大きな役割を果たしたNGOの存在は記憶に新しいところです。今回のNPO法はこうした活動を促進しようとしている点で画期的意味を持つものです。
 私たちはこの法案の内容にはなお改善すべき多くの点があると考えていますが、民間団体がこの法律によって法人格を取得して活動を一層旺盛に行うことは、憲法の国民こそ主人公の理念に合致し、日本の民主主義を発展させるものと確信いたします。
 参議院では、衆議院に続いて三法案が提案され、三巡の質疑、参考人質問に加え、理事懇談会では五回の修正協議を行いました。関係団体の皆さんの熱意が、異例とも言えるこの審議を可能にしたのです。これは議員立法のあり方、二院制のもとにおける参議院の役割などについて一つの教訓を残したものと言えると思います。
 我が党の非営利法人法案は、民法との関係もクリアした上で、関係団体の要望する法人格取得に関して準則主義にのっとり法人格付与の対象団体を限定しないようにし、また情報公開を徹底することで行政の不当な介入を排除できるなど、最も理想的な実との評価もいただいております。この法案の基本的考え方が、市民活動促進法を今後より関係団体の要望に沿ったものへと再検討を深め、世論と各党の合意によって再修正する上で、今後とも積極的な役割を果たすことを確信します。
 市民活動促進法案は、当初衆議院への提案時は会員名簿の提出を義務づけるなど、市民活動管理法的色彩を持った内容もありましたが、衆議院での修正、さらに本院での修正を経て、関係団体から成立が望まれるものになりました。
 そこで、以下の理由により私たちは賛成します。
 第一の理由は、参議院で行われた修正が一定の改善内容を持っていることであります。
 まず、設立の認証に係る申請書の添付書類として求めていた誓約書をやめて、団体自身の自治にゆだねる方式に変えたことです。また、法人の定義について、「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」としていたものを「反対することを目的とするものでないこと。」に改めて、行政による干渉の余地を少なくしたことです。
 第二の理由は、法案の幾つかの疑問点が二月二十六日の最終の委員会質疑で発議者の答弁で明らかになったことです。
 法人格付与の対象団体については、できる限り準則主義に近づけて多くの団体に付与することが法案の目的であり、別表の十二項目は現在活動しているすべての団体を含んでいるとされました。
 また、税制の優遇措置については、関係団体の強い要望にもかかわらず法文上は盛り込まれませんでした。しかし、附則の三年以内の見直しに税制も入ること、法成立後直ちに見直し作業に取りかかり、税制措置、財政支援についても二年をめどに結論を出すことが与党と民主党との間で書面で合意されているが、その協議は超党派で行いたいとの提案者の意向が示されました。
 また、暴力団を排除することは当然のことですが、この規定によって行政による干渉、とりわけ警察の介入につながるおそれがないかについて、法の仕組みからして役員名簿が警察に渡るおそれはないとの明確な答弁があり、また思想・信条、結社の自由など憲法を犯す規定はなく、そのおそれがないことが明言されました。
 我が党は、以上の点を踏まえ、まずNPO法をスタートさせることが必要であると考えるとともに、関係者のよりよいNPO法を目指す次のステップのためにも、早くこの法案を成立させてほしいとの声を無にしないためにも、法案施行後直ちに見直し協議を開始させる責任が国会にもあることを明確にしておくものです。
 そのため、我が党は今後ともよりよいNPO法を目指して国民の皆さんとともに引き続き全力を尽くすことを表明し、討論を終わります。(拍手)
#11
○都築譲君 私は、自由党を代表して、市民活動促進法案に対する修正案に賛成及び修正部分を除く原案に賛成の立場から討論を行います。
 今を去る二年四カ月前、平成七年十一月七日、第百三十四回国会に衆議院の河村たかし議員を中心に当時の新進党が市民公益活動を行う団体に対する法人格の付与等に関する法律案を提出し、自来、NPO法案として国民的な注目と関心を集めてまいりました。
 私たちが目指したものは、あの阪神・淡路大震災のときに全国から駆けつけて被災者の救援活動に当たったボランティア団体の皆さんの活動、そして福祉、教育、文化あるいは国際協力等々のさまざまな分野で活動している市民団体の皆さんが伸び伸びと十二分に活躍できるように法制度を整備することにありました。それはまた、単に市民活動の促進というだけでなく、その活動を広めることにより今日の日本の行政偏重の状況をも改革することを目指したものでありました。
 その観点からは、市民活動の自由、自立、自主性を最大限に発揮できるようにするため法人格を簡便に取得できるようにすること、またその活動の財政基盤を確固としたものにするために税制上の優遇措置を設けること、そして行政庁が市民活動を管理するのではなく、市民自身によるその活動の評価をゆだねるため情報の開示を徹底することを中心に置いて取り組んでまいりました。
 今回の修正案は、参議院において長時間にわたる審議と非公式協議の結果取りまとめられたものであり、委員長初め各会派の代表の皆様の御尽力に敬意を表するものでありますが、ただいま申し上げた諸点からは不十分な感は否めないものであります。しかしながら、法人格付与の制度の早期成立を望む市民団体の皆さんの熱心な御要望を考えると、この仕組みを世に送り出すことが急務と考え、現時点におけるぎりぎりの妥協点として受け入れ、賛成することとしたものであります。
 私たちは、この法案の成立を真のNPO法実現のための新たなスタートラインと位置づけ、活動分野の限定、認証基準の問題、税制優遇措置、情報開示などの本法案が抱える問題の解決に向け、今後の法律見直しの協議に積極的に参加し、真のNPO活動が我が国で根づき、発展し、日本の社会の新しい時代を開く役割を担っていただくことができるように制度の改善に努力していくことをお誓いして、討論といたします。(拍手)
#12
○堂本暁子君 私は、新党さきがけを代表して、市民活動促進法案の原案並びに修正案について、賛成の立場から討論を行います。
 自民、社民、さきがけの与党三党によるNPOプロジェクトが一九九五年二月十五日に発足してからちょうど三年になります。その間、この法案をめぐって全国で市民による集会が開かれ、与野党のNPO担当議員が法律の内容について市民と意見を交換してまいりました。その意味で、今回提出されている法案は、市民と議員によって議論を深め、ともにつくり上げてきたものだと言えましょう。
 参議院の当委員会では、委員会はもとより理事懇の場で与野党の枠を超えて忌憚のない議論を闘わせ、修正案を完成することができました。こうした経緯からいって、この法案は名実ともに議員立法として誇れるものと確信しております。
 この法律の基本理念は、時代の要求に沿ったものです。戦後の経済復興、所得倍増、高度経済成長と、我が国は外国からエコノミックアニマルとまで呼ばれるほど一億総働きバチとなって働き、現在の豊かさを実現してまいりました。
 しかし、ポスト工業社会に入る二十一世紀は市民の価値観の座標軸が大きく変わるときで、生産から生活へ、効率から公正へ、そして競争からともに生きる共生へと転換していく中で、市民によるNGO、NPOが変革の担い手として登場してきたと言えます。
 先日、来日したイギリスのブレア首相は、変革の時代に向けての政治を強調しました。イギリスのチャリティーコミティー、いわゆるNPO委員会がこの時代に大きな役割を果たしていることはもちろんです。
 私たち新党さきがけが「市民活動法人法−NGO・NPOの推進を目指して−」という冊子を編み、広く訴えたのは三年前です。そして、私は冒頭に次のように書きました。今もその思いは変わっておりません。
 世界は変革期にある。環境の破壊や貧困・飢餓・難民の増加など地球規模で進む危機に、意識の程度に差こそあれ、世界の市民は不安を抱き始めている。市民がそのことを自覚したとき、市民団体やNGOの活動は同時多発的に世界各地で起こり、盛んになってきた。それも身近で起きている水の汚染や、生態系の破壊、HIV感染、麻薬の蔓延、暴力的な人権侵害など、さまざまな出来事は、政府や企業、そして国際機関だけで解決することは難しい。市民はこうした問題を自らの手で告発し、解決するために行動を起こした。国際的なNGOのネットワークも進んでいる。それは国境を越えた市民セクターのうねりである。
このように書きました。
 しかし、残念ながら我が国はイギリスにおくれること三百年、市民セクターが活動できるような社会的な環境及び法体系が整備されてまいりませんでした。しかし、今回この法律がやっと誕生することで市民活動が促進することと確信し、原案並びに修正案に賛成いたします。
 この法律を立法するきっかけとなった阪神・淡路大震災のときは、ボランティア革命と言われるほどボランティアが活躍しました。しかし、市民によるNGO、NPOは決してボランティア、つまり奉仕活動に限定されたものではありません。非営利の事業体の経済活動にも現代的な価値がございます。
 アメリカでは、既に民間非営利団体の事業規模が一九九一年でGNPの六・七%を占め、その経済活動がオイルショックのために景気が低迷していたアメリカ経済の下支えになったとさえ言われています。我が国でも、現在不景気に直面しているときに、こうした市民活動が雇用の創出、労働力の再配置はもちろんのこと、景気を活性化する新しいセクターとして活動することに期待が寄せられています。しかし、私たちはこの市民活動促進法案に一〇〇%満足しているかといえば、決してそうではございません。課題が残っています。
 その第一は、法人格の付与です。法人格の取得は、本来準則主義であるべきです。営利法人と同じように非営利の民間団体が登記によって法人格が取得できるよう、将来は民法三十四条を改正すべきだと考えています。
 第二に、徹底した情報公開によって悪用を防止することです。今回、準則主義が実現できなかったのは残念なことですが、法人制度の悪用や脱税の実態があったからです。三年後の見直しまでに、この制度の悪用や脱税などが行われないことを市民団体みずからが示すべきでありましょう。そうすることによって、初めて準則主義を実現することができると信じます。
 第三に、税制の優遇措置に関してですが、NPO、NGOが情報公開によって実効を上げた場合には、市民活動にとって必要不可欠である税制上の優遇措置をスタートすべきだと考えます。
 日本の公益法人及び特定公益増進法人は、税制上の優遇措置を受けていながら経理内容を公表していません。全く不透明です。市民セクターの社会的基盤を確立するために、現行の税制の優遇措置に関するシステムを改正し、民間非営利団体全体に対する透明な税制の優遇措置を再構築すべきであると考えます。
 私自身、NGO、NPO活動にかかわってまいりました。その身で、この法案の立法に参加できたことを大変うれしく思っています。これから三年後の見直しまで、市民とともに、そしてNPO活動を展開される方たちとともに理想とする法案づくりにかかわっていきたい、目指したいと思っております。
 ありがとうございました。(拍手)
#13
○委員長(鹿熊安正君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認めます。
 これより市民活動促進法案について採決に入ります。
 まず、海老原君外六名提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#15
○委員長(鹿熊安正君) 全会一致と認めます。よって、海老原君外六名提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#16
○委員長(鹿熊安正君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 竹村泰子君から発言を求められておりますので、これを許します。竹村君。
#17
○竹村泰子君 私は、ただいま特定非営利活動促進法とすべく修正議決されました本法案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、日本共産党、自由党及び新党さきがけの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    附帯決議(案)
  特定非営利活動の健全な発展に資するため、次の事項について、それぞれ所要の措置を講ずるものとする。
 一、この法律の施行に当たっては、憲法に規定する信教、結社及び表現の自由に配意し、特定非営利活動の自主性を損なうことのないよう努めること。
 二、特定非営利活動法人に関し、その活動の実態等を踏まえつつ、税制を含め、その見直しについて、法律の施行の日から起算して二年以内に検討し、結論を得るものとすること。
 三、民法第三十四条の公益法人制度を含め、営利を目的としない法人の制度については、今後、総合的に検討を加えるものとすること。
 四、中央省庁の再編に際しては、この法律の所管及びその施行について、新たな観点から、責任ある推進体制となるよう十分な配慮をすること。
  右、決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。
#18
○委員長(鹿熊安正君) ただいま竹村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#19
○委員長(鹿熊安正君) 全会一致と認めます。よって、竹村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、尾身経済企画庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾身経済企画庁長官。
#20
○国務大臣(尾身幸次君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、政府といたしましてもその趣旨を踏まえ適切に対処してまいります。
#21
○委員長(鹿熊安正君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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