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#1
第142回国会 国民福祉委員会 第18号
平成十年六月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     浜四津敏子君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     浜四津敏子君     魚住裕一郎君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     今井  澄君     朝日 俊弘君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 正和君
    理 事
                尾辻 秀久君
                南野知惠子君
                水島  裕君
                渡辺 孝男君
                清水 澄子君
    委 員
                阿部 正俊君
                石井 道子君
                佐藤 泰三君
                田浦  直君
                常田 享詳君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                宮崎 秀樹君
                朝日 俊弘君
                直嶋 正行君
                魚住裕一郎君
                西山登紀子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
   政府委員
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  篠崎 英夫君
       厚生省健康政策
       局長       谷  修一君
       厚生省保健医療
       局長       小林 秀資君
       厚生省医薬安全
       局長       中西 明典君
       厚生省老人保健
       福祉局長     羽毛田信吾君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
       厚生省保険局長  高木 俊明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   説明員
       文部省体育局体
       育課長      玉井日出夫君
       運輸省自動車交
       通局保障課長   大野 裕夫君
       消防庁救急救助
       課長       高橋 正樹君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本正和君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨三日、今井澄君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山本正和君) 国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○尾辻秀久君 本日、議了、採決の運びとなりましたので、確認のための質問をいたします。
 まず、老人医療費拠出金の見直しについて二点質問をいたします。
 一点目は、今回の改正案においては、老人保健拠出金の負担について、老人加入率の上限を三〇%に引き上げ、あわせて退職者の老人保健拠出金の見直しを行うこととされております。この見直しで、健康保険組合などの被用者保険の負担は確かにふえることになりますが、一方でさまざまな構造的な問題を抱えている国民健康保険にとっては大変好ましいことになります。
 そこで、改めてこの見直しの趣旨について確認をしておきたいと思います。
#5
○政府委員(羽毛田信吾君) 今回の改正案の中で、老人保健拠出金に係ります改正の内容、そして効果につきましては先生が今お挙げになったとおりでございます。
 その趣旨でございますけれども、今回の見直しは平成七年に改正がありました際の法の附則におきまして、老人保健拠出金の算定方法等についての検討を向こう三年の間に行う、そして必要な措置をとるということになっておったわけであります。この検討規定を踏まえまして、近年におきます人口の高齢化等に伴いまして、一つには市町村の国民健康保険の加入者の中に占めます退職者の割合というものが非常に大きくなってまいったこと、そして二つには、老人の加入率が著しく高い市町村の国民健康保険の保険者の数が増加をしてまいりまして、このまま置きますというと上限にかかる保険者の数が非常に多くなってくるというようなことから、医療保険制度等の抜本的な改革を平成十二年度をめどに行うということになっておりますけれども、その抜本的な改革が行われるまでの間におきましても、やはり現行制度の枠組みの中でより負担の一層の公平化を図るという趣旨から今回の改正の御提案を申し上げた次第でございます。
#6
○尾辻秀久君 次に、この問題の二点目に、今回の老人保健拠出金の改正は、薬価基準の引き下げや老人医療費の適正化などの医療費適正化対策を総合的に講ずることによる医療費総額の縮減とあわせて実施されるものと理解をしております。
 そこで、これらの医療費適正化対策の効果と、あわせてまた、今年度の診療報酬改定の影響も考えあわせた医療費施策全体で見た場合に、各医療保険制度における保険料負担がどのようになるのか確認をしておきます。
#7
○政府委員(高木俊明君) 平成十年度の医療費関係につきましては、一つは診療報酬の改定、引き上げを行わさせていただいたわけであります。この分は各保険制度それぞれが保険料の負担増になるわけでありますが、一方、あわせまして薬価の引き下げ、それから医療材料の価格の引き下げ、そのほか医療費の適正化ということをやってまいりました。これは、それぞれ各保険制度負担が減る対策でございます。
 それから、今回御提案しております老人保健拠出金の見直しということをお願いしたわけでありますが、これは国保サイドは保険料負担が軽減されますけれども、被用者保険サイドは保険料負担がふえる、こういう格好になるわけであります。それらを合計いたしますと、政管健保で見ますと千三百六十億円保険料負担が減る格好になります。それからまた組合健保は四百三十億円減ります。それから共済、船員保険合わせまして百三十億円保険料負担が軽減されます。一方、国民健康保険、市町村国民健康保険でございますけれども、これにつきましては千三百十億円保険料負担が軽減されるわけでございます。
 もちろん、被用者保険サイドとしましては今回の老人保健拠出金の見直しがなければ、その公さらに縮減されることに当然なるわけでありますけれども、今、老人保健福祉局長が御答弁申し上げましたように、今回の措置というのはやはり老人保健拠出金の負担の公平というふうな視点を踏まえまして、現行老人保健制度のもとにおいて見直しをさせていただいておりまして、そういった意味で私どもとしてはぜひ被用者保険サイドの方々におかれましても御理解を賜りたいというふうに考えております。
#8
○尾辻秀久君 二番目の問題として、不正請求防止対策について一点お尋ねをいたします。
 昨年の安田病院事件は、国民の医療に対する信頼感を揺るがすゆゆしき事件であり、あのような不正請求が二度と起こらぬよう断固たる対策を講ずる必要があると考えます。
 そこで、今回の法案では、保険医療機関等の取り消し期間の延長や不正請求の返還金に対する加算金の割合の引き上げを行うこととしておりますけれども、その基本的な考え方をお聞きいたします。
#9
○政府委員(高木俊明君) 医療保険制度の抜本的な改革ということが不可避であるというふうに考えておりますが、それらを進めていくに当たりましてもやはり大前提は医療費のむだとか非効率ということを徹底的に是正していくということが必要であります。その中で、さらには医療機関等の不正請求、こういったものをできるだけ防止していくことが制度的に必要であるというふうに考えるわけであります。ただ、これは実際問題としてはなかなか難しいことであろうと思います。
 この医療機関等の不正請求というものに対する私どもの考え方としまして、これは個々の医療機関の犯罪行為等というようなことよりも、やはり医療保険制度そのものに対する国民の信頼、あるいは医師と患者との信頼関係、こういったものに対して非常に重大な問題を提起するものであるわけでありまして、そういった意味からもこの医療機関の不正請求というのはあってはならないことであるというふうに考えているわけであります。
 しかしながら、現実にはやはり毎年この不正請求ということが問題になっておるわけでありまして、そういった中でペナルティーをもっと強化をしていくことによってその重大さというものをもっと深刻に受けとめていただく必要もあるというふうに考えておるわけであります。
 そういった意味で、今回は保険医療機関の指定取り消し期間、不正請求がありますと保険医療機関の指定を取り消すということになるわけでありますが、現在これは最長二年間ということでありますけれども、これをこういった指定制度をとっておりますもろもろの他の制度等々を勘案しまして、最も厳しい措置としましては最長五年間ということでございますので、医療保険サイドにおきましてもこの最長五年間ということに延長したいということでございます。
 それからまた、不正請求をした分につきましては返還を求めるわけでありますけれども、その際に加算金を賦課することにいたしております。現行は不正請求額の一〇%ということでございますけれども、これも国税通則法の最も重い重加算税並みの四〇%に引き上げる、こういう措置を講じたいというものでございます。
 こういった罰則を強化することによって不正請求を防止するということは本来本筋ではないと思いますけれども、私どもとしては、現下の状況にかんがみたときに、また冒頭申し上げましたように、医療保険に対する国民の信頼というものを考えたときにやむを得ない措置ではないかということで御提案を申し上げている次第でございます。
#10
○尾辻秀久君 三番目の問題として、病床規制、医療計画について三点お尋ねをいたします。
 まず一点目であります。
 保険医療機関の病床規制については、今回突然提案されたのではなく、十年以上前からさまざまな機会を通じて政策的な議論が行われてきましたし、実は私ども社民・さきがけ・自民三党のプロジェクトチームでもいろいろ議論した経緯もございますけれども、そうしたものの積み重ねで今回法案化されたものと私は理解をいたしております。また、各種関係団体からも病床規制の強化に関する要望、意見が提出されていると聞いております。
 保険医療機関の病床規制の強化について、これまでの主な政府としての提言や関係団体の意見、要望について、この際御説明をお願いいたします。
#11
○政府委員(高木俊明君) 医療保険制度における病床規制につきましては、外国におきましても、前回の尾辻先生の御質問の際にもお答え申し上げをしたけれども、一九七〇年代、既にドイツあるいはフランスにおきましてはこの必要の病床規制というものが導入されております。我が国におきましても、若干それよりおくれますが、一九八〇年代にいろいろなこの問題につきましての議論が行われております。
 具体的に主な報告等を見てみますと、一九八二年、昭和五十八年でありますが、四月に、これは厚生省内に設置されております医療保障政策研究会というのがございましたが、この報告の中でもこれが触れられております。必要な病床数が確保されていると認められる地域においては新たな病床の指定は行わないという旨の検討課題が提起されております。それからまた、一九八七年、昭和六十二年でございますけれども、六月に厚生省の中に設置されました国民医療総合対策本部の中間的な報告の中でも触れられておりまして、都道府県知事の勧告を受けた病院については保険医療機関の指定を行わない旨の提言がなされております。
 それからまた、政府全体として見ますと、平成八年度の経済白書の中におきましても、医療需要が供給側の判断に左右されやすいことなどから、病床等の供給側を管理することが医療費の効率化を図ることにつながるということが指摘をされておるわけであります。
 それからまた、平成八年になりますけれども、十一月におきます医療保険審議会の建議におきましても、医療費の伸びと密接な関係にある病床数等のうち医療保険制度で過剰と認められる分について必要な対応を図るべきである旨の提言がなされております。
 それから、関係団体からの御意見、提言等について御紹介いたしますと、連合が昨年八月になりますが、病院、診療所の設置抑制と病床規制を強化する旨の提言をいたしておりますし、また、日経連も医療費増大の大きな要因である病床数の抑制強化について検討すべきであるという旨の提言を出されております。
 このようなことで、この医療保険サイドにおける病床規制につきましてはこれまでもかなり幅広い御議論がなされてきたというふうに私ども考えております。
#12
○尾辻秀久君 二点目のお尋ねをいたします。
 医療計画について、行政改革委員会規制緩和小委員会から、急性期病床、慢性期病床を区分し現行の必要病床数の算定方式を改めること、必要病床数の枠内で新陳代謝が図られるような方策の検討などが指摘されているところでありますけれども、医療法の必要病床数のあり方をより合理的なものとするためにどのような見直しを行うのかお尋ねをいたします。
#13
○政府委員(谷修一君) 今、先生がお触れになりましたように、行政改革委員会規制緩和小委員会の最終報告におきまして、急性期病床、慢性期病床について適正な病床となるよう現行の必要病床数の算定方式を改めること、また現行の必要病床数の枠内での新陳代謝の促進ということが指摘をされております。
 また、あわせて、与党の医療保険制度改革協議会、いわゆる与党協におきましても医療提供体制の抜本改革の一つとして、急性期病床及び慢性期病床とそれぞれの必要病床数を決めるよう指摘をされております。
 これらの指摘を受けて、必要病床数のあり方につきましては現在厚生省の中に検討会を設置して検討をいただいているところでございますが、私どもといたしましてはこれらの指摘を踏まえて、具体的にこの急性期病床、慢性期病床についての考え方、それから必要病床数についての算定の方式、いわゆるその際に現状追認ではなくて地域格差の是正あるいは平均在院日数の短縮といった課題を反映させることができるような必要病床数の算定方式とすると、そういうことを基本的な方向として検討をいただいているところでございまして、この検討の結果を受けて医療提供体制の抜本改革の中でまとめていきたいというふうに考えております。
#14
○尾辻秀久君 この問題の三点目としてお尋ねをいたします。
 私は、医療機関の適正配置を進め、入院医療費の適正化を図る観点から、今回の病床規制は必要なものと考えております。
 しかし、この病床規制の運用に当たっては、本委員会でもたびたび議論されましたように、地域にとって必要な医療機関の参入が過度に制限され、あるいは劣悪な医療機関の既得権が温存されることのないようにする必要がある、こういう御意見は多く出されましたし、私もそのように考えますので、厚生省としてはどのように取り組まれるのかお尋ねをいたします。
#15
○政府委員(高木俊明君) まさに先生御指摘のとおりでございまして、私どもとしてもこの法律の適用、運用に当たりましては厳正な姿勢で臨まなきゃいけないというふうに考えておりますし、公平、公正、また手続の透明化といった点についても十分配慮をしていかなきゃいけないというふうに考えております。
 そこで、まず今回の措置による規制についてでありますが、一つが病床過剰地域におきます病院の開設が当該医療圏にとって不必要だというふうに都道府県知事が勧告をした場合、この場合に医療保険サイドにおいても保険医療機関としての指定を制限するということであります。したがって、病床過剰地域でありましてもその地域に必要と認められる病床につきましては、都道府県知事あるいは関係審議会の審議の中において勧告をしないということがあるわけでございまして、そういった場合には医療保険サイドにつきましてもそれにのっとりますから、指定の制限ということは行われないわけであります。
 それから二点目が、既存の保険医療機関についてもやはりきちっとした対応をすべきではないかということであります。これにつきましては、医師の数等が医療法で定めた標準を著しく下回っているもの、それからまた入院医療に関しまして都道府県からのたびたびの指導、監査というものがあるにもかかわらず、指示事項等についても改善が見られないというふうな著しく不適当なもの、こういった医療機関につきましては指定更新の際に病床を制限することができるというものでございます。
 そういった意味では、それぞれ地域にとって必要とされる医療機関の参入というものが保険医療機関に指定されないというふうなことはないと考えておりますし、また劣悪な医療機関の既得権というものが温存されるというふうなものではないということでございますので、私どもとしてはこれを適正に運用することによって地域の医療事情に見合った保険医療機関というものが確保できるというふうに考えております。
 また、これらの具体的な基準につきましては関係審議会にお諮りをして、その中で御議論いただきまして、厚生省としても明確化といいますか、きちっとした形で全国的に示してまいりたい、このように考えております。
#16
○尾辻秀久君 四番目の問題として、健保組合の予算の認可の見直しについて一点お尋ねをいたします。
 健康保険組合の予算の認可制を届け出制に改めることが実質決まっておるようでありますけれども、こうした健康保険組合に対する規制の緩和は保険者の自律性を高め保険者機能を強化するという観点から私は望ましいことだと考えております。
 そこで、今後の健康保険組合に対する指導監督のあり方についてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。
#17
○政府委員(高木俊明君) まさに時代の要請もございますけれども、できる限り民間における事業活動というものは役所の方で規制をしない方がいいというふうに私どもも考えております。
 そういった中で、健康保険組合に対する規制の問題でありますけれども、現在は予算の認可、これをやっております。やはり団体の予算というものは活動の根幹をなすものでもありますから、こういったものの自主性というものを尊重していくことは非常に重要であるというふうに考えまして、そういった意味で健康保険組合の予算につきましてはこの認可制を廃止いたしまして届け出にしていただく。役所としましても、公的な団体でありますから、その状況というものをやはり把握しておく必要もございますので、そういった意味で届け出はしていただきたいということでありますけれども、事前に認可をするというようなことは廃止をするということにいたしております。
 そういった意味で、逆に健康保険組合における自主性というものがそれだけ高まるわけでありますから、その裏腹の問題としてやはり健康保険組合における責任というものも高まるというふうに考えておりまして、そういった意味での自覚をきちっと持っていただいて、そして各組合において適正な運営というものをやっていただきたいというふうに考えております。
 私どもとしては、できる限りそのほかにつきましても規制等の緩和を図っていき、そして各組合の事業の自主性なり運営の健全化というものを促すような、そういった方向で今後ともやってまいりたいというふうに考えております。
#18
○尾辻秀久君 最後に、五番目の問題として、本委員会でも大いに議論をされました抜本改革について二点だけお尋ねをいたしておきます。
 今回の老人医療費拠出金の見直しは、現行制度のもとにおいても現実的に可能な老人医療費負担の公平化を図るものであって、市町村も一日も早い成立を願っていると思います。しかし、これはとりあえずのことでありまして、根本的には現在の高齢者の医療が抱える問題を根本から検討し、抜本的な改善策を講じていく必要があります。
 抜本改革の行方については、今後さらにさまざまに議論が深められていくものと思いますけれども、これからの高齢者医療制度を考えるに当たって基本的課題についてはどう考えておられるのか明らかにしておいていただきたいと存じます。
#19
○政府委員(羽毛田信吾君) 高齢者の医療費につきましては、御案内のとおり、現在でも国民医療費の三分の一を占めておりますけれども、今後高齢化が進展をしてまいりますと、三十年後には二分の一を占めるというふうに見込まれる状況にございます。
 こうした状況を踏まえまして、今後の課題といたしましては、一つにはやはり老人医療費の適正化、効率化をいかに進めていくかということであろうと思います。そしてもう一つには、そういった今後ふえざるを得ない高齢者の医療費というものをいかに公平に負担をしていくかということだろうと思います。特にそういった観点からいえば、世代間の負担の公平をどういうふうに図っていくかということが大事な視点になってまいるというふうに考えております。そうした観点に立ちまして、現在のいわゆる拠出金制度の見直しを含めました制度全体の抜本的な改革が必要だというふうに考えておる次第であります。
 改革の方向といたしましては、やはり今後は高齢者自身の自助努力ということのほかに、若年世代の支援あるいは公費といったものを適切に組み合わせるということを制度の基本にいたしまして、公平で安定した制度を構築するということが大事だというふうに考えております。
 今後、検討をいたしていくわけでありますけれども、さきに与党の医療保険制度改革協議会でおまとめをいただきました高齢者医療制度の構想、こういったものを踏まえまして精力的に検討してまいりたいというふうに思います。政府におきます医療保険福祉審議会におきましても、高齢者医療制度の見直しの検討に着手をしていただいております。今後、精力的に検討を進めまして、できるだけ早い時期の成案を得たいということで努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#20
○尾辻秀久君 この医療保険制度の抜本改革につきましては、多くの委員の皆さんが御指摘になりましたように、何としても平成十二年度に行うべきであると私も考えております。
 そこで最後に、大臣のこのことにつきましての御決意を伺いまして、私の質問を終わります。
#21
○国務大臣(小泉純一郎君) 今まで基本的な問題点を整理していただき、御質問していただきましたが、大体問題点の所在というのはどういうものであるか、多くの議員が指摘したとおりであります。そこで問題は、どのように総合的に抜本的に制度改革をしていくか、また医療皆保険制度をどのように安定的に今後とも維持、発展させていくか、そして良質な医療を提供していくか、こういうような問題につきましてほぼ議論が出尽くしていると思います。
 できるだけ早く結論をまとめまして、平成十二年度実施に向けて全力を投球していきたいと思います。
#22
○尾辻秀久君 終わります。
#23
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 いよいよ審議も大詰めを迎えているというふうに理解をしておりますが、私は今回若干の時間をいただいて、今回の改正の中で提案をされております保険医療機関の病床の指定等に関する事項と医療計画との関係、この問題に絞って幾つかお尋ねをし、また確認もしていきたい、こんなふうに思っております。
 まず最初にお尋ねしたいんですが、その前に私自身の考え方を申し上げておきますと、私は、健康保険法という法律の中に、保険者が場合によっては保険医療機関の指定を行わないことができるという規定を定めておくこと、そのこと自体にいろいろ議論があるようですが、私はそのことはむしろ当然必要なことだというふうに理解をしております。つまり、健康保険制度の具体的な運用に当たって、その制度の目的と著しく異なるような、あるいは合致しないような事態あるいは事例があった場合に、その当該保険医療機関に対して何らかのペナルティーを与える根拠を定めておくことは法制度上必要条件であるというふうに私は理解をしております。もちろん、そのことをどんどん乱発すればいいということではなくて、健康保険制度という基本を定める法律の中にその法的根拠を定めておくことは必要だというふうに私は理解をしております。
 そういう点でいえば、例えば保険者自身が直接に保険医療機関と契約をするとかいうことがあっていいのではないかというふうに思っているわけであります。ところが、現実に我が国においては、保険医療機関との関係についていえば、保険者が直接に契約を結ぶということよりは、今回提案されている事項とも関連しますけれども、都道府県知事が保険医療機関に対してどうするこうするという形式をとっているわけですが、何でこういう形になっているのかという点についてまず改めてお尋ねをしておきたいと思います。
#24
○政府委員(高木俊明君) これは健康保険法といいますか、健康保険制度の沿革に密接にかかわっている問題であるというふうに考えております。一言で申し上げれば、なぜ保険者と医療機関との間で直接契約を結ばないで都道府県知事が指定を行うという形でやっているのかということについては、都道府県知事が保険者にかわって契約を結ぶ、そのことを指定ということで法律上呼んでおる、こういうふうに言われております。
 これはどうしてこういうことになったのかということでありますが、そもそも保険医療機関あるいは保険薬局という制度が導入されましたのは昭和三十二年三月の法改正、ここでこの制度が導入されました。それまでは保険医というようなことでありましたけれども、この機関がこの改正で導入されたわけであります。
 これがどういうふうなことで導入されたのかということでありますが、これは我が国の医療保険制度におきましては、御案内のとおり保険者としては政管健保、それから健康保険組合、あるいは現在ですと国保等々各保険者がありますけれども、それぞれのどの保険者に属しているかということに関係なく、健康保険の被保険者であるならばひとしく療養の給付を受けられるようにしよう、言うなれば開かれた性格の制度として制度が組み立てられておったわけであります。
 そういった意味で、健康保険の被保険者が病気にかかったりあるいは負傷したときに、できるだけ容易に、それからまたできるだけ速やかに療養の給付を受けられるような仕組みが望ましい。そのためには、いわゆる特定の保険者に属する被保険者のためだけのものではなくて、健康保険の被保険者であるならばだれでも自由に療養の給付が受けられる医療機関、こういったものが広範囲に設置されていることが望ましいという考え方であります。
 そういうふうな考え方に立って、保険医療機関、保険薬局というものが設けられ、そしてまた都道府県知事が保険者にかわって契約を結ぶ指定制度というものが設けられた、このように考えております。
#25
○朝日俊弘君 そういう経緯があったということは私も承知をしているわけで、そのこと自体けしからぬと言っているわけではないんですが、ただここで改めて確認をしておきたいのは、要するに健康保険制度を運営する保険者と、本来であれば保険医療機関との直接の契約が基本的にあっていいと。しかし、とりわけ日本の場合は公的医療保険でありますから、特に私的な関係ではないわけですから、そういう点でいえば、より多くの人が平等に保険医療機関を利用できるということを考えれば、都道府県知事がかわって契約を行う、指定を行う、こういうことはあっていいと思うんです。
 あっていいと思うんですが、しかし今後の問題としてぜひちょっとお考えをお聞かせいただきたいんですが、今後さまざまな医療保険制度全体の再検討、あるいは医療保険制度全体の再構築を検討していく中で、私は保険者機能を強化していくという課題が大きな課題としてあると思うんですね。保険者機能を強化していくという観点から考えると、例えば保険者が保険医療機関と直接に契約を交わすということも含めて検討をしていく必要があるのではないかというふうに私は思っているんですが、現時点で厚生省としてはどんなふうにこの点を受けとめてお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#26
○政府委員(高木俊明君) 保険者機能というものを強化していく、これは言うなれば保険集団として被保険者のために保険者が活躍するといいますか、機能を発揮していく、そういった視点からの機能の強化ということが望まれるんではないかというふうに思います。
 そういった意味ではいろいろと考えるべきことはあろうと思いますし、あるいはまた現行制度の中においても、各保険者がそういった意味では自由に行うべきものは多々あると思います。その中で、今御指摘のとおり、保険医療機関のような形のものと各保険者がそれぞれ個別に契約をするような仕組みというものはどうだろうかということでありますけれども、これは冒頭御説明申し上げましたように、この保険医療機関というものが導入された考え方、こういったものそのものについては、私はやはり健康保険の被保険者であればすべからく医療機関で診療を受けられるというこの理念というものは守っていくべきものだろうというふうに思います。そういった中で保険者が契約をするといった形のものの意味づけといいますか、そこをどう考えるかという問題になってくるんだろうと思います。
 そういった意味では、この辺の問題について一つのやはり検討課題ではないかというふうに私ども考えておりますけれども、現段階で、それではこういうふうな格好にすればより現行よりもよくなるのではないかというような具体的な案まで、申しわけありませんが、まだ詰め切っているわけではございません。しかしながら、これは全く問題外であるということではないだろう。したがって、それぞれ関係者も含めた国民的な視点からの議論というものの中で一つの検討課題として考えていかなきゃならないんじゃないかと、こんなふうに考えております。
#27
○朝日俊弘君 結構現実的に検討する場合には幾つかの問題点があり得ると思いますし、そういう意味では慎重な検討が必要だと思いますが、私が特にこの課題で強調しておきたいのは、要するに現在の健康保険制度における保険者と保険医療機関との契約の関係というところをもう一度きちっとお互いに認識し直して、その上でどういう仕組みあるいは運用があるのかということを改めて考えていく必要があるのではないかと、こんなふうに思っていますので、ぜひそんな問題意識を持って今後もお取り組みを進めていただきたい、こんなふうに思います。
 そこで、次に移ります。
 健康保険法の中に、今申し上げたような形で保険者が保険医療機関の指定を行わないことができるような規定をつくる。このことについては、今申し上げたように私はそれは必要なことだと思うんですが、今回の改正に絡んでさまざまな論議を呼んでいる点を突き詰めていきますと、その根拠の一つに、医療計画に定める病床過剰地域内の病院について、医療法に基づく勧告に従わない場合に保険医療機関の指定を行わないこととされている点、この問題にかなり議論が集中しているように私は思います。
 つまり、問題は健康保険法にどのような規定を定めるかということよりは、医療法に基づく医療計画の中身というかあり方というか、これにかなりの疑念がつきまとっている、そこがさまざまな問題あるいは批判を招いている大きなポイントではないかというふうに私は思う。
 そこで、まず問題を幾つか整理してみたいんですが、問題の第一は、現在医療法に基づいて策定されている医療計画、都道府県医療計画と言った方がいいでしょうか、その中身が大変わかりにくいんです。例えば、二次医療圏とか必要病床数とかいう言葉が飛び交っている、あるいは病床過剰地域ではとかいう話も再々説明の中に出てくるんですが、二次医療圏というのは一体どんな考え方で決められていっているのかそしてその二次医療圏の中で必要な病床数というのは一体どういう考え方で決まってきているのか、それと比較して病床が過剰とか病床が不足とかいうのは、市民の側からしたら一体どこでどんなふうに決まっていくのか、これが全然わからないんです。ぴんとこないんです。ぴんとこないから、病床過剰地域における病院について、勧告に従わない場合に指定を行わないというふうに言われると、何でだろうということになってしまうのではないか、こんなふうにも思うわけです。
 そこで、医療計画を策定するためには、国がさまざまな基準とかあるいはガイドラインを定めて、その考え方に従って都道府県が例えば二次医療圏をどんなふうに設定しようかあるいは必要病床数についてはかくかくしかじか、特例についてはこれこれしかじかしたがって病床についていえばこれだけ過剰、これだけ不足と、こういうことをやっているわけですが、そういう医療計画の中身が果たして市民の例あるいは地域住民の側からその地域の医療実態を正しくつかんでいて正しく反映されたものになっていないのではないか、そういう根本的な問題が一つあるんじゃないかというふうに私は思います。
 そこで、基本的な問題に入る前に、一つこの間の経過として確認をしておきたいんですが、実は昨年の臨時国会でも医療法の一部が改正をされまして、そこで医療計画にかかわる部分について幾つか新しい改正が行われたと私は記憶しております。昨年の医療法改正で医療計画にかかわる部分について改正が行われた、それに伴ってさまざまな政令、省令等についての見直しも行われたというふうに思います。昨年の改正に伴ってどこがどんなふうに変えられたのかどのような通知が出されているのかこの間の主要な変わった項目について、その概略をちょっとお聞きしておきたいと思います。
#28
○政府委員(谷修一君) 昨年の十二月に公布されました医療法の一部改正におきますこの医療計画の部分についての改正の事項でございます。
 昨年の改正におきましては、従来の医療圏の設定及び先ほど来先生がお触れになっております必要病床数に関する事項に加えまして、これも医療法の中で決められました地域医療支援病院ですとかまた療養型病床群、そういったようなものの整備の目標について医療計画の中に盛り込むということ、それからその医療圏の中にあります医療機関の相互の機能の分担あるいは業務の連携等に関する事項についても盛り込む、それから救急医療、また僻地等を抱えるところにつきましては僻地医療、そういうことをどういうふうに確保していくかというような事項についても盛り込むというような、いわば今までの数量的な側面以外の質的な側面にかかわる事項を二次医療圏ごとに都道府県の医療計画の中で定めるということにしたわけでございます。また、そのほか、かかりつけ医や病院との連携の問題あるいは施設の共同利用の問題等、医療を提供する体制づくりの計画としての位置づけを考えだというのが一番主な点だろうというふうに思います。
 また、これにあわせまして、これは法律事項ではございませんが、厚生省令で規定をされております病床過剰地域においても病院開設を認める、いわゆる特例病床制度というのがございますが、これも現在の医療状況に即したものになるように対象となる病床の見直しを行ったところでございます。
#29
○朝日俊弘君 そうすると、医療法が新たに改正された点について、特に医療計画の中にどういう事項を記載するかということが新たに決まったわけで、そういう新たな事項に関する部分について幾つか関連する政省令を改正をされたということでありますか。ちょっと一応念のために確認しておきたいんですが。
#30
○政府委員(谷修一君) いわゆる今申し上げたように一言で言えば、それぞれの医療圏域、二次医療圏の中における質的な面というものを医療計画の中に盛り込むという形で改正をさせていただいたということでございます。
#31
○朝日俊弘君 ごめんなさい。ちょっと聞き方が悪かったです。そのことは理解しているんですが、そうすると例えば二次医療圏そのものはどういうふうに設定したらよろしいかとかあるいは必要病床数はどんなふうに算定したらよろしいかというところまで、つまり従来の規定そのものを抜本的に見直すというところまでは現時点ではいっていないというふうに理解してよろしいか。
#32
○政府委員(谷修一君) 済みません。ちょっと質問のとり方が悪くて申しわけありません。
 昨年の改正においては、今お話しの医療圏の設定あるいは必要病床数の算定、そういうものに関する部分については見直しは行っておりません。
#33
○朝日俊弘君 去年の改正で医療計画の中における二次医療圏というのがもう少し具体的に見えるように改正されたというふうに私は理解しているわけで、そういう意味ではこれまでよりももっと地域において二次医療圏というのがある種のリアリティーを持って見えるようになってくることを期待したいと思うんですが、少なくとも今のお話によれば、しかしそうはいってもそもそもの二次医療圏設定についての考え方とかあるいは必要病床数の算定の考え方そのものについてはまだ見直しという形にはなっていないということだと思います。
 そこで、先ほど尾辻委員からの質問にもありましたけれども、果たしてそういう医療法の規定でいいのかということが行政改革委員会の規制緩和小委員会からも指摘を受けているわけです。この指摘を受けて、今厚生省としてこれからの医療計画のあり方、とりわけ病床規制のあり方についていろいろ検討されているということについては先ほど御説明をいただきましたので重複を避けます。重複を避けますが、ただ、現在、先ほどの説明では必要病床数の算定の方式について、例えば急性期と慢性期とを分けて考えたらどうかとかいろいろ検討をしているということで、いつどんなふうにどうするというところまではまだ結論を得られていないようにお伺いをいたしました。
 私は、規制緩和小委員会からの指摘を含めて、先ほど申し上げたように、そもそも二次医療圏という圏域設定、これがその地域の住民にとってみたら、一定の納得できるエリアというか、あるいはその地域性を了解できるような圏域設定になかなかなっていないという点が非常に気になっているんです。
 例えば、二次医療圏と一口に言っても、人口数万にも満たない二次医療圏から人口二百万を超えるような二次医療圏もあるわけです。だから、圏域そのものについてもう一度その設定の仕方をどう考えるかとか、あるいは必要病床数の算定の仕方についても今までのような考え方じゃなくて、規制緩和小委員会からの指摘もあるし、それから、もう少しいろいろな病床の種類を含めて検討したらどうかという意見もあるようですし、そういう点でいえば、もっと地域住民の皆さんからなるほどそうかというふうに実感を持って受けとめられるような医療計画の中身をつくっていく。そういうことを積み重ねていって、もう少し地域の皆さんあるいは住民の皆さんに、なるほど医療計画における二次医療圏とはこういうことで、そこで出された必要病床数というのはこういうことで数字がはじき出されていて、そこへ新たな病院をつくろうということになると、よほどの理由がない限りこれは認められないよということが見えるような、そういう具体的な中身を見直していく努力が今後も必要ではないかというふうに思います。
 そこで、今後この医療計画の策定にかかわる国の基準とか考え方とかガイドラインとかいうことについて積極的に改正を積み重ねていく、こういうお考えがあるのかどうか、この点はぜひ大臣にお伺いしたいと思います。
#34
○政府委員(谷修一君) ちょっと大臣のお答えの前に、今の具体的な問題について、急性期と慢性期に分けていくということ、それから算定方式を改めていく、検討していくというようなことについては現在検討をしているところでございます。
 また、そもそも圏域というものにつきましては、私どもは一言でいえば日常生活圏というようなことで考えておりますが、これらは最終的には都道府県が決めていくということでございますので、従来からこの圏域については必要に応じ都道府県段階で圏域の範囲というものの見直しが行われてきているところでございます。
 そういうようなことで、医療計画の目的というのは、やはりよりよい地域医療を確保していくということでございますから、医療計画制度そのもの、先ほど申しましたようなことも含めて、必要に応じて見直しを行っていくということは私どもも必要だというふうに考えております。
#35
○国務大臣(小泉純一郎君) 今までいろいろ問題点を指摘していただきました。
 もとより、医療計画というのは時代の進展によっては変わり得まずし、地域住民に対して適切な医療を提供するという面、より充実した医療を求めるというのは当然の要求になってまいりますので、画定した考えでなくて、時代の要請にこたえる意味においても、随時御指摘の点を踏まえて見直していく必要があると思っております。
#36
○朝日俊弘君 二次医療圏の設定は都道府県で行っているという説明があって、確かにそうなんですけれども、しかし国として二次医療圏をどう設定するかということについての考え方というのは、基本的な枠組みは示しているわけですよね。例えば、一般病床については二次医療圏というところで必要病床数を算定するけれども、精神、結核については都道府県の単位でやってくださいとか、そういう基準は国で決めているわけです。もちろん、都道府県がどういう判断で二次医療圏というのを設定していくのか、それは都道府県のいわば責任で、都道府県の主体的な判断で決めていくということになることは理解できるんですが、ただ、そういうことをしていくに当たっても、国が示す考え方とか基準とかいうのが一定の影響を与えるだろうということは改めて指摘をしておかなければいけません。
 あともう一点指摘をしておきますと、つまり、これは医療圏の問題だけじゃなくて、いわゆる基礎的単位としての市町村というレベルと、それから都道府県というレベルの中間的な広域圏域設定というのは、この医療の問題だけじゃなくて今いろんな分野で問題になってきていて、例えば介護の問題とかあるいは障害者プランの問題とか、その広域的な圏域設定を考えるに当たって、二次医療圏というのがかなり先行しているものだから、そういう意味では、よくも悪くも先輩になっているわけです。この二次医療圏の設定の仕方が今後さまざまな、保健、医療、福祉の分野だけではなくて、都道府県と市町村の中間的な広域圏域としての一定の役割をよくも悪くも担うことになっていくだろうというふうに私は認識しているので、そういう意味で、二次医療圏の設定の仕方については、もう一度きちんとその基本的な考え方も含めて整理をしていただければ大変ありがたいなと私は思います。
 そのことと関連して、もう時間もなくなってきましたので、最後にもう一問、大臣にお伺いして終わりたいと思います。
 今ずっと医療計画を策定するに当たってのさまざまな基準について、あるいは国の考え方について見直す必要があるのではないかということをお尋ねしてきたわけですが、もう一つは、つまり問題の第二は、都道府県における策定作業がどう進められているかというのが一つの大きな問題なわけであります。
 もちろん、これは都道府県が行うことですから、何か答えが最初から見えるようで気になるんですが、国としては、どういうメンバーの方がこの策定作業にかかわっているのか、そして策定のプロセスがどの程度に住民の皆さんに公開されてやってきているのか。あちこちの話を聞きますと、非常に限られた限定的なメンバーで、しかも密室的に行われているために非常にわかりにくいというかあるいは非常に疑惑を呼ぶというか、そういう決め方をされているように聞こえてくる都道府県の場合もあるわけであります。
 したがって、都道府県のレベルで、実際の医療計画策定プロセスにもっと情報公開の徹底と住民参加のルール、これをさらに強化することが必要だろうというふうに私は思います。ぜひ、厚生省としても、この間の都道府県レベルにおける医療計画策定プロセスについての状況を再点検いただくとともに、より積極的な方向で情報の公開あるいは住民参加の原則を徹底する方向での御指導をいただきたいというふうに思うんです。
 この点についての大臣のお考えをお尋ねして質問を終わりたいと思います。
#37
○国務大臣(小泉純一郎君) 手続をわかりやすく、透明性の確保を図るという点については大事な点だと思っております。
 現在、医療審議会、これは医師、歯科医師、薬剤師、また医療を受ける立場にある者、学識経験のある者から構成されておりますが、できるだけそれぞれの見識を生かしていただきまして、どういう医療計画が望ましいものかという点は、今後とも、その議論が活発に展開されているということが住民にわかるようにしていくことが私も望ましいと思っております。
 もちろん、この医療審議会の審議というものは、公開するか、あるいはどういう形にするかというのはこの審議会が決定することだと思いますが、厚生省としては、できる限り審議の透明性を図る、住民に理解をいただくという観点からもこの審議は公開することが望ましいということはこの際はっきり申し上げておきたいと思います。
#38
○朝日俊弘君 終わります。
#39
○水島裕君 本日議了ということで、確認質問から先にしなくてはならないわけでございますが、我が会派として最も重要視しております平成十二年までの抜本改革の検討並びに措置をするということと、それから医療保険制度の病床規制でございますけれども、それで適切じゃないものが入らないようにするという二点は、後で社民党からの修正案でかなり明確になっております。前回もかなりこれに関してはしつこくお聞きしましたので、それはそれにいたしまして、本日はこの医療保険あるいは医療提供ということで、最後の質疑、しばらくこういうことはないと思いますので、今非常に問題になっております病床数も含めて基本的な問題につきまして、大臣あるいは保険局長に幾つかお話をさせていただき、御意見をお伺いしたいというふうに思います。
 その前に、日本の医療一般的なことについて私の考えを申し上げますと、御意見が同じところがあると思いますけれども、日本はベッド数が多い、それから医師の一人の患者の診療時間が極めて短い、それから医師の技術料が低いということを何とかしなくてはならないわけでございます。それと同時に、今回非常に浮き彫りになって重要だと思いますのが、むだが多い。それから少し高度過ぎるんではないかと、多少むだとは通じるわけでございます。
 患者さんが来ると、レントゲンばかりじゃなくてすぐCTを撮る、MRIを撮る。ばかばか撮って、通常はよく見るんですけれども、余り見ない人もいると。それから、余り効かなくて高い薬をじゃんじゃん使っている。それから、末期医療でお金もじゃんじゃん使う。もちろん不必要な入院もたくさんある。こんなことをどんどん続けていって、保険制度がパンクするとか、それから国の予算が足りないと言っても、これは当たり前のことなんですね。ですから、だれが払うかとかそういうことはまたいろいろ問題がありますので、まず先に私はそういうむだを減らしていく、あるいは高度過ぎるところを減らすということが大切じゃないかなというふうに思います。
 これは国民の方からも結構要望があるんですね。つまり、医療の選択肢をもっとふやしたらどうかと。この間も申しましたけれども、せっかくお金を少し出してもいいというのに取らないし、それからこんなことをしてほしくないというのにやるということがあります。
 実例を申しますと、私の両親はいずれも八十ちょっとでがんで死にましたけれども、母親が手術のために入院はしましたけれども、両親とも最期の少なくとも半年、父親は一回も入院しませんでしたけれども、うちでずっと過ごした。モルヒネの座薬とかそういうのはいろいろ使ったりなんかはいたしましたけれども、結局一度も入院しなかった。ほとんど医療費もかかっていないんですね。
 私ももちろんよくわかりますので、私の大学病院に連れていけばあと一、二カ月は間違いなく命は延びたんですけれども、親とも相談して約束しまして、家族ともよく相談しまして、もうそういうことはしないと、延命はしないし、それから尊厳だけは守るということでしたものですから、病院に入らなくて一、二カ月短命だったと思いますけれども、家族にみとられて静かにあの世に行くことができたと。だから、医療費はほとんどかかっていないんですね。もちろんほかのことでちょっとぜいたくしたりなんか、そういうことでかかりましたけれども。
 ですから、そういうことを願っている国民も非常に多いわけです。私ももちろんどんな病気になって変になったりするとそうもいかないと思いますけれども、同じようになりましたら同じようにしてほしい、もうちょっと早く死んでもいいかなと思っておりますけれども。そういうことがあるわけですね。
 それから、ちょっと例ばかり申し上げますと、といっていつでもそれでもいけないわけですね。例えば、うちの母親は大腸がんだったわけです。しようがない、転移もしてそうだと思いましたけれども、途中でやっぱり腸閉塞になるんですね。これは食べ物も食べられなくなるし、痛みもつらい。そのときだけは入院してもらって腸閉塞の手術をして、終わったらまたうちに帰るということです。
 やはり、きちっと入院してきちっとお金をかけるところはもちろんかけなくちゃいけないんで、みんなその辺にうちでごろごろさせていればいいという問題でもなくて、これはやはりケース・バイ・ケース。それから、患者さん、家族の希望、そういうことを聞いてやって、やはり治すときは治すけれども、あとは患者さんの希望を聞いて、しかも医療費はなるたけ安くするということを国民がみんな考えてやっていく必要があるんじゃないかと思います。
 もう少し例を申し上げて恐縮ですけれども、私も感染症予防法が忙しかったというわけじゃないんですけれども、昔のむち打ちが悪くなったせいか審議中に目まいが随分いたしまして、だけれども、やっぱりこれ変な病気だったり、すぐ治るものだったらと思いまして私の大学へ行きまして、とにかく忙しいんだから至急調べてやってくれと言って、整形と、それから目まいですから耳鼻科と、それからMRIと、検査とか半日ぐらいではっとやってもらったんですね。それで結局大したことないというんで、今おかげさまで大分よくなっておりますのでこうやってできますけれども。
 忙しい方はなかなか半日ではっと検査してとかそういうことはなかなかできないんですね。できないから、どうしても忙しい人は手おくれになったりする。だから、そういうとき、私の考えは、私は顔があって、いつも自分がやっているあれですからすっとやってもらえましたけれども、例えば幾らかお金を出したら半日のうちに全部すっとやってもらうというコースだってあっていいんじゃないかと思うんです。
 それからもう一つは、待合室とかそういうところさえよければ暇なおじいさんはゆっくり待合室で待って遊んでいますから、検査もゆっくりやって、そのかわりよく診てくださいというのもあっていいんです。それをみんな待たせちゃいけない、それから特別そうやってやっちゃいけないとか、何かそういうことを言っていると、本当にあちこちでぐあいがおかしくなってきてしまいます。もちろん、私の言うことは言い方が悪くてすぐ誤解をされる方でございますので、いろいろ今までのことも問題だと思いますけれども。
 もう一つは、医師側からの要望をしますと、今のようにたくさん診なくちゃとても経営的にもやっていけない。この辺は医師会の方と全く意見は同じでございますが、技術料は低い。ちゃんとだれでも来られるようなシステム、本当にだれでも来ちゃうわけでございますね、名医のところでもだれのところでも来て、またちゃんと診ないと、ちゃんと診ないといって怒られる。今度はカルテも公開するから、カルテもちゃんと書けと。みんなちゃんとちゃんとといったってできるわけがないのでありまして、その辺も余り良質とかちゃんととかいろんなことを言われても、結局は医療現場もぐあい悪くなってしまうというのが長い前置きでございましたけれども。
 先日、病床のことで、効率的な医療を、これは大臣も随分お答えいただきましたけれども、医療を効率化して、社会的入院とかいろんなことをやめて病床をあけようと。だけれども、あけても病院の経営がうまくいかないので、そこにまた次の患者さんを呼んできてしまうというのではしようがないわけでございます。
 現在、一般病棟が日本に百二十五万ぐらいあるそうでございますね。私の感じ、これもすべて十分研究したわけじゃないので、失言も入ると思いますけれども、そういうふうに効率化しますと百万ぐらいにしてもいいんじゃないかと。そうすると、例えば二十五万ぐらい病室があいて、病室過剰地域はそれを返還してもらうのがいいかもしれませんけれども、経営その他でなかなかうまくいかないので、これからが御質問になりますけれども、そういう病棟を既におやりになっている介護のために応用する、それからホスピスとかあるいは開業医に開放する。この辺も検討なさっていらっしゃるので、簡単に御説明いただければと思います。そういうのは病床数の減少にはなりませんけれども、そういう使い方がある。
 もう一つは、また後でもう一回申し上げてもいいんですけれども、研究に使うというのと、それからこれからは生活習慣病が非常に重要になってきましたので、地方自治体でも、糖尿病になったり動脈硬化性疾患でコレステロールがたまって心臓とか脳とかが悪くなるのを防ぐためには、場合によってはそういう病室を自治体で買い取って、そこに一年に一回ぐらい入れて、検査して生活指導する。そういう方が結局は医療費も安くなるというふうなこともあると思います。
 私の考えでは、介護、それからホスピス、それから開業医への利用開放、それから研究のための病室の使用、それからドック、生活指導、そういうことに充てていく。つまり、前向きにベッドがあいたときに使っていく。しかも、それで経営も成り立つようにする。そういうようなことでもしないと、なかなか抜本改革といっていろんなことをしてもいつになっても病床数は同じということになるんじゃないかと思いますので、その辺から大臣及び局長の御意見がございましたらお願いいたします。
#40
○政府委員(谷修一君) ベッドがあいた場合、あるいはかなり大幅な空床があるというような場合に、それを結局は転換をしていく、あるいは有効活用ということですが、具体的には転換をしていくというその過程の中で、例えば今、先生が具体的に挙げられました介護、それからホスピスあるいは開業医との共同利用、そういうことは私どもも必要だと思っておりますし、そういう観点から転換整備を進めるための補助制度というものを設けております。
 具体的には、介護ということであれば療養型病床群への転換ですとか、あるいはいわゆる開放型病棟にするといったようなことについての施設整備についての補助金、増改築の補助金等を出しております。また、そういう医療を促進するという意味においては、診療報酬におきましても、例えばホスピスの入院料ですとか療養型病床群へ移行する計画ですとか、そういうようなことについても診療報酬で見ているということでございます。
 後半でお挙げになりました人間ドックとして使う、それを自治体が借用するという、確かにこれは一つの方法かと思います、具体的に私どもが今それについて何か政策としてやっているわけではございませんが、やはり今後予防医療というようなことを病院でもやっていくという意味においては一つの御提案だというふうに考えております。
#41
○国務大臣(小泉純一郎君) 今までのお話を伺っていまして、医師としてまた病院としてやるべきことの範囲というのはかなり私は広いと思います。決められたことだけやるというのではどんな世界においても意味がないんじゃないかと。医療計画がこうだからこれだけしかやらないと、空きベッドがあったらばそれは医師の裁量権、医師の良心あるいは臨検応変による判断、これは私は重視すべきことじゃないかと。十分有効に活用してもらいたい。
 人間、政治家でも役人でもあるいはサラリーマンでも大事なことは、みずから思い立ってどういう活動をするかだと思うんです。決められたことだけやるというんだったら、それはなかなか創意工夫が発揮しにくい。決められた中でもどうやってやるかというのは個人個人によって全部違ってくるわけです。そういうところは、名医がそうでないか、いい病院がそうでないかというのは、良識を生かしてもらって、決められたことの中でもどうやって思い立って患者のためにいいサービスを提供できるか、この辺については空きベッドが出てきた時点においても私は十分考えていただきたい。そういう点にこそ病院としての、医師としての活躍の場というのが広がってくるんじゃないかと私は思っております。
#42
○水島裕君 そういう観点から、ぜひ医学教育、医師教育ばかりではなくて国民教育ということにも常々心がけていただきたいと思います。この間言いましたように、どうしても日本人の患者のために許可してもらいたい薬がいつになってもならないというのも、これも大臣のおっしゃったようなことが厚生省の職員にもある、どうにかしようと思えばできるわけでございますので、ぜひ職員の人にもそういうふうにおっしゃっていただきたいというふうに思います。
 それから、各局長の話の最後の生活習慣病ですけれども、今透析もすごく多くなって、十九万人ぐらいになったんですよね。それで糖尿病の人もすごく多いわけでございますので、やはり自治体もいろいろ考えて、生活習慣病のドックというよりか生活指導ということをやっていただくのが恐らく医療費節減にもすごく役に立つんじゃないかと思います。
 それから、研究の方は一つも検討なさっていないということでございますが、しばらく前に私が知ったところですが、NIHはアメリカの三十二大学、今は五十か六十四という話を聞きましたけれども、その一般臨床試験病棟に資金を出しているんですね。その当時一つの大学に三・六億でございましたけれども、それは臨床のある病棟をつくって、そこのベッド代も人件費も全部NIHが出しているということだと思います。
 ですから、例えば大学病院あるいは国立病院、大きな病院で研究ができるところで一割ぐらいもう保険のベッドに使わない、その一割をそういう研究に使う、国がそれに研究費を出すというのも十分可能なわけでございます。きょうは小林局長もお呼びすればよかったんですけれども、国立病院も今度の景気対策で費用がつきましたし、日本の自然科学の研究費というのは年間三、四兆使っているわけです、あるいは使わなければいけない。
 今の日本の自然科学の研究の中で一番どれが見劣りがするかというと臨床研究なんです。臨床研究というのは、ベッドの施設、それからそこにいる人の費用、それが一番かかるんです。ですから、それを何もずっと出せ、定員を多くして出せと言っているわけじゃないんですから、それに費用を出してきちっと研究する。私の周りだけ見ても、そういうテーマというのはすごくあるんです。今、日本がこれを確認したらいいんじゃないか、日本である程度できている治療技術をそういうところで検討したらどうか。
 ですから、今国立病院は何となく、局長もいないので悪口も言いやすいですけれども、さえないんです。横須賀国立病院もございますけれども、さえないんです。それで、今度は研究費は出る、ベッドは余っているというか余らそう、譲渡しようと言っているぐらいですからベッドは余っている。ですから、そこでそういうことをすればすごくすべていいんじゃないかと思いますので、ぜひこれは御検討いただきたいと思います。
 それから、高木局長に、きっと保険のことが出てこないので答弁なさらないんだと思いますけれども、先ほどの百二十五ある病棟の例えば一割はもう保険は関係なしにする、それでそういうことに使う。その一割というときに、そういう場合にベッドをちゃんと決めなくちゃいけないかどうか。例えば全体として百床あったらそのうち九十床しか絶対保険には使わないということで、ほかのことに利用していいのかどうか。先ほどの生活習慣病とかそういうことも含めて、御意見がありましたらぜひお願いいたします。
#43
○政府委員(高木俊明君) 私もまさに先生のおっしゃっている方向ということは、保険局長という立場もさることながらでありますが、個人的にも非常に意味があることですし、基本的に賛成なのであります。
 これは、とりわけ生活習慣病との関係で、県に出向していたときの私の経験からしましても、ある市の試みとしてそういうようなことをやりました。そのとき一番問題になったのは、これは高血圧症であったんですが、高血圧で薬を飲んでいらっしゃる方々を一定期間、十日間ぐらいでしたけれども、入院というよりも検診センターのようなところでありますが、そこに入っていただいて、そして食生活、いわゆる味つけを初めとして食生活の改善を体験をしてもらった。食生活というのはもっと減塩をしなさいとかいろいろ言われますけれども、どうもやはり一日ではできないわけでありまして、一週間か十日ぐらいそういった減塩をしたような食事をする、そういった中で改善をしていく、そういったような活動であったわけであります。そのためにはベッドが要るということだったんです。
 その結果、一年後にまた卒業生が集まりまして、調べてみますと大部分の方は血圧が改善されていて、薬を飲んでいらっしゃった方も飲まないで済むようになった、そういうようなことがございました。そこはそういうような活動で保健文化賞をいただいたりしましたけれども。そのときに、これは非常にいい試みなので全県下普及してみたらいいんじゃないかということで大分いろいろ努力してみたことがあるんですが、やっぱり決定的な問題というのはベッドがなかなかない。たまたまそこにはそういった検診センターとしてのベッドがあったものですからできたんですが、ほかは必ずしも全部あるわけではない。お医者さんや何かがいないとできないというようなこともありまして、なかなか結局うまくは普及できなかったのであります。
 今、先生おっしゃるとおり、そういったようなケースについても医療機関の役割として活用していくということができれば、それはかなり医療費だけの面でなくて国民の健康という面でも役に立つ。とりわけこれからの高齢化社会ということを考えた場合に、まさに高齢者の方は何らかのそういう病気というものを持っておられる方が多いわけですから、そういった意味でもそういうようなことというものはこれから大いに普及されていくことが必要ではないかというふうに私は考えております。
 それから、治験等の関係については、はっきり申し上げて勉強不足でまだよくわかりませんけれども、大いにそういった方向というものが広がっていって、まさに医療における選択肢がもっと広がる、そのことが地域医療として普及していくということがこれからの高齢社会において私は必要だというふうに考えております。
#44
○水島裕君 保健医療分野での、何も功名心じゃなくて日本の画期的な、世界に貢献できるような仕事をするというようなことは日本の今の何となくうやむやを晴らす意味でも大変大切で、そうすればできる状態があるわけですからぜひ最後のところもお考えいただくし、それからその前の段階はいろいろ御意見も合うところですからぜひ実現していただきたい。この国会で抜本改革、抜本改革と皆さん言って、何かえらい響きがいいし、小泉大臣が抜本改革なんて言うと何か物すごいことが起きそうなように聞こえますけれども、厚生省の内部のこととかいろいろ審議会の話を聞いていますと、何だか本当に大丈夫かなと思うぐらいなわけでございます。
 ですから、数字自体はちょっとよくわかりませんけれども、今の百二十五万の一般病棟を百万にする、そして、それを今みたいにするというぐらいのことをしないと抜本改革にならないんじゃないかと思いますので、数字自体はちょっと勉強不足ですから本当に二十五というのがいいかどうかはあれですけれども、感じとしてはそういうことでございます。
 それでは次に、やはり抜本改革に関係あることも出てくると思いますけれども、今回の法律で不正請求という問題がありまして、不正請求は非常にけしからぬことですからきちっとわかるようにして罰をたくさん加えるというのはいいんですけれども、やっぱり全体的にそういうのにつながるようなことがあるのは好ましくないので、この間も申し上げたかもしれませんけれども不当請求、実際には医療をしているんだけれども保険に適合しないので不当請求とみなされるということについてお伺いしたいと思います。
 その不当請求の中で、医者の方でどうしても困ってするのは、病名が保険で通っていないのでしようがないから保険病名を書くとか、そんなことでいろいろ困っているんです。前々回でしたか、高木局長が、なかなか薬事の方で許可をするにはいろんな決まりがあるのでうまくいかないから、その間でも本当に世界的に決まっているものというのは保険で対応できるということもあるんじゃないかということをおっしゃいましたので、その後その辺はどうなっておりますでしょうか。あるいは、何が一番問題点になっているかお答え願いたいと思います。
#45
○政府委員(高木俊明君) 我が国の医薬品については、これまで一定のプロセスを経て医薬品として承認される、こういうような長年のプロセスというものがあるわけであります。正直申し上げて関係者といいますか、厚生省の職員もそういったプロセスになれ親しみ、またそれを当然のものとしてやってきているわけでありますから、そういった意味では発想を変えていくというのはなかなか急激には変わらないなという感じが実はいたしております。しかし、前に御答弁申し上げましたようなことで、保険病名のようなことがないとやはり現実にはなかなかマッチしない面がある。それがある意味では、要するに医療保険のルールからすると不当な請求につながる、そういうようなことがあるとすればやはりそれは改善をした方がいい、これはもう基本的に私は思っております。
 そういった意味で、先般御指摘のありました適応症の問題、これは内部で詰めてもらいました。関係部局が幾つかまたがりますから、そういった意味ではそれぞれの部局の考え方があるものですから実はまだ最終的に結論が得られておりませんが、その中で最大のネックは何かといいますと、やはり用法用量の関係で、万が一国際的には安全だというふうに使われていたとしても、それは用量の問題によって違ってくる。その量を多く使えはよく効く、しかし使わなければそれほど効かないというような問題もある。また、量を使うことによって逆に副作用というような問題も出てくる場合がある。そういった意味で、万が一副作用というようなものが出てきた場合に、一体その責任なり補償なりというものをどういうシステムできちんと担保するのか。どうもいろいろ検討状況を中間的に聞いてみますと、やっぱりそこのところが最大のネックであるということのようであります。
 その辺も含めまして、なおもっと詰めてもらいたいということで指示をしておきましたけれども、そのベースはやはり物の考え方、発想の転換、こういったものとも密接に絡むと思いますので、私はもうちょっと時間がかかるのではないかと思いますが、具体的にはその辺のところが最大のネックとして今そこをどうしようかということでちょっとなかなか難しい問題にぶち当たっている、どうもそういう状況でございます。
#46
○水島裕君 御参考になればと思ったので申し上げますけれども、医学界でもこういうのは随分ディスカッションするんです。やはり一つ大きな解決策はインフォームド・コンセントですね。現在こうこうこうなっているけれども、こういうふうに使いますので、それについてはあなたのために使うので、万一何かがあってもそれは了承するというようなことでやっていけば、まずは大丈夫。ただ、そのとき保険だけは通していただくというのが一つ。それから次に、一般的にもう我々使っているし、外国でも使っているしというのは、それで副作用もそうないというものは多分メーカーが従来のものと同じように責任を持つと言うと思います。それでどうにもならないのが幾つか残ると思いますけれども、そういうのは場合によっては副作用何とか基金という医薬品機構もございますので、そういうものも随分お金が余っているそうでございますので、そういうのも利用する。三通りぐらいでいけば何とかなるんではないかと思いますので、ぜひ今の御検討を続けていただきたい。それから、何も全部しちゃうという必要もないわけで、どうしても必要なもの、それから厚生省が無難と思われるものからでも結構ですけれども、おやりいただく。これは一つもやらないというのではやっぱりぐあいが悪いと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。
 それから、適用外症で非常に困っていて、ここにいらっしゃる議員の皆様方それほど興味ないかもしれませんけれども、簡単な答弁で結構ですけれども、上記以外の方法としては、支払基金でいいだろうというふうにする方法と、それから何度も言っておりますけれども、こういうものに関しては審査を簡略化するというような方向だと思いますので、形ばかりでも御質問いたしますので、中西局長、よろしくお願いします。
#47
○政府委員(中西明典君) 先日もちょっと答弁を申し上げましたが、基本的な仕組みは、適応症の追加を行うかどうかというのはこれは製薬企業の判断になっているわけですが、水島先生御指摘のように、実際問題として、企業の方も申請を行うインセンティブがない、あるいは申請を行うのにえらい負担がかかるとか、あるいは実際上こちらが相手企業を考えた場合に、どの企業が適当か不明であるというようなケースもあるわけでありまして……
#48
○委員長(山本正和君) 中西局長、時間が迫っておりますので、簡単にひとつお願いいたします。
#49
○政府委員(中西明典君) 失礼しました。
 したがいまして、私どもとしましては、これは中央薬事審議会とももちろん御相談をしなければならない話でありますが、もう外国において広く適応症が認められている、国内外において評価が確立しておるというようなものにつきましては、あえて例えば新たに臨床試験を求めないで既存データで評価するといったような方法も十分あり得ると思いますので、本当に必要な適応拡大が円滑に行われるような方策について検討していきたいと考えております。
#50
○水島裕君 申しわけありません。時間がありませんので、残りで大切と思われるものだけを選んでさせていただきます。
 これは国会でも随分問題になりましたけれども、有用性が低い、余り効かない薬がどうも出ているんじゃないかということがございました。それからもう一つは、この間申しましたように、本当に効く薬も日本ではなかなか許可にならない。もちろん、先ほど申しましたように厚生省の審査をもう少しうまくやっていただければということもありますけれども、どうもそういうことが出てくるのは日本の治験がぐあい悪い。きちっとやれば、効くものは効く、効かないものは効かないと出るんですけれども、そうじゃないものですから、効かないものが効くと出ると許可になってしまう、効くものが効かないと出ると許可にならないということがあるので、これは私ども一番専門でやっているところですのでもう間違いなくそうなのでございますが、そのために日本の治験をよくしなくてはいけないわけでございます。
 質問は、日本の治験の精度を高めるために厚生省は何をやっていらっしゃるかということでございますが、これはもしも答えまで申し上げてよければ、そういうことを非常に痛切に感じられて、今度の景気対策でも治験のことについてはぜひということで予算もとっていただき、非常に前向きにいろんなことをやっていらっしゃるんですが、どうしてもお答えいただき、追加することがございましたら、よろしくどうぞお願いします。
#51
○政府委員(中西明典君) 先生おっしゃるとおりでございまして、補正予算案の中に、治験を実施する医療機関が連携していけるような協議会を設置するとか、あるいは被験者その他国民の普及啓発のための例えばビデオをつくっていくとか、あるいは医師、看護婦、薬剤師を初めとした治験に携わる人たちの教育研修のための費用、それから国立病院等の医療機関における治験管理室等設置のための費用を盛り込んで、いずれにしろ新GCPがきちっと定着するように私どもとして努力してまいりたい、かように考えております。
#52
○水島裕君 私もちょっと自分でしつこいと思いますけれども、脳代謝改善賦活剤、余り効果が認められない、全然効かないというんじゃなくて、それだけの価値がないということだと思いますけれども、それで今まで損したのが八千億円、そのほかに大体私の感じでは五倍ぐらいあるんじゃないかと思います。そういうことを考えると、本当に国立病院のどこかを借り切ってきちっとやるということの方がはるかに医療費にとってもいいわけでございますし、日本のサイエンスのレベルを上げるのにもいいわけでございますので、しつこく申し上げますけれども、続けてやっていただきたいと思います。
 大臣、今こういうことに関して厚生省はいい方向で進んでいるんです。進んでいるんですけれども、ひとつこれが完結するまでぜひ後押しをしていただきたいということをお願いしておきます。
 それから、あと三、四分しかございませんので、やはり抜本改革の中で非常に問題なのが薬価制度でございます。今、参照価格というのを検討なさっておりますが、これが非常に難しいんですね。
 ここで今申し上げたい意見は、薬を許可するかしないかというときは、どうしても従来のものとの比較でしてしまうということが一つあります。それから、最初につける薬価、これも原価から積み上げというよりかは従来のものとの比較でつけてしまうということで、ここを今変えるというのもなかなか大変でございます。
 先ほどから申し上げておりますように、余り効果がない薬がある。少なくとも国の予算とか逼迫している保険財政を使ってまで出さなくてもいい薬というのがあるんで、その決め方も難しいんですけれども、これは学会で正式にやりますと、かなり意見は一致するんですね。一致しますので、どうせその参照価格とかということをおやりになるんでしたら、これは新しい制度にもなりますし、そういうところから始められると、合理的というよりは科学的な面でも薬価と有用性というのがいますので、ひとつこれも、とにかく薬には余り役に立たないものがあるということに頭を切りかえて、そういうものを何とか今度の制度でもって整理するというような方向に進んで、やはり価値のあるもの、それから一生懸命研究して出した特許中のものとか、そういうものをどんどん下げてしまうんじゃなくて、そういうふうにここでも医療と同じように方向を考えていただくということを御提案したい。なかなか難しいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#53
○政府委員(高木俊明君) 日本型の参照価格制度の導入ということで、従来の公定価格を一品一品定めるやり方から新しい制度に切りかえる提案を今申し上げ、厚生省の中の医療保険福祉審議会で御議論いただいておるわけでございますけれども、これには強い反対もございます。
 今の状況を申し上げますと、約一万二千品目弱の薬価基準に掲載されている医薬品、これについて、その一部でありますけれども、金額ベースで二割ぐらいということをめどにしておりますが、具体的にどういう姿形になるのか、確かに日本型参照価格制度という耳なれない言葉でありますし、どういうふうなことになるのかということで、実際にモデル的にきちっと専門家の方々を中心にやっていただこうということで、その作業を秋口までお願いすることにしております。
 そういった中で、今、先生御指摘のような考え方も含めまして、国民にわかりやすいような形で、私どもさらに御提案といいますか、まとめていきたい、こんなふうに考えております。
#54
○水島裕君 では、この後は、抜本改革が出てきたときにいろいろディスカッションできればと思います。どうもありがとうございました。
 これで終わります。
#55
○委員長(山本正和君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#56
○委員長(山本正和君) ただいまから国民福祉委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#57
○渡辺孝男君 公明の渡辺孝男でございます。
 国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、引き続き質問させていただきたいと思います。
 去る五月二十七日、財政構造改革法の審議の中で、交通事故による遷延性意識障害患者、いわゆる植物状態患者の治療、介護体制の充実を求めまして、藤井運輸大臣、小泉厚生大臣に質問いたしましたけれども、その折は時間が足りずに十分な質疑ができませんでした。病床規制とも関連しますので、この問題を質問させていただきます。
 藤井運輸大臣は、私が要望しておりました療護センター病床整備百三十床増床十カ年計画の前倒し実施につきまして、対象ベッドが足りないのは十分承知しているが財源が足りないということで予定のスケジュールどおり行う、十カ年で行うということでありました。私としてはやはり残念な思いで、早く前倒しをして、そういう遷延性意識障害患者で療護センターに入所できないでいる方、そういう方を早く救済してあげたいな、そういう思いであります。そういう意味では、公明としましては、療護センターというのはいまだ設置されておらない北海道とか九州地方、そういう各地方に一つずつぐらいは整備すべきであるというふうに考えておるわけであります。
 そこで、運輸省の方に質問させていただきたいと思います。遷延性意識障害患者で療護センターに入所を希望しながら入所できないでいる、そういう方の数は現在どれくらいになるのか、お教えいただきたいと思います。
#58
○説明員(大野裕夫君) 待機患者数でございますが、今年の五月一日現在でちょうど百名となっております。
#59
○渡辺孝男君 それらの患者さんは、どういうところで治療あるいは介護を受けられていることになりますか。
#60
○説明員(大野裕夫君) 百名のうち七十九名が病院に入院中でございます。御在宅の方が十八名、それから施設入所、これは身体障害者療護施設だと思っておりますが、これが三名いらっしゃいます。そういう内訳でございます。
#61
○渡辺孝男君 統計によりますと、そういう遷延性意識障害患者は千百名ぐらいいると推測されているわけでありますけれども、療護センターそのものは百三十床しかない。しかし、残った患者さんの方は先ほどのお話だと百名ぐらいだということで、七百名ぐらい把握されていないのか、あるいはどこに行ってしまったのか、その点はどうでしょうか。
#62
○説明員(大野裕夫君) 病院に入院されている方、それから在宅で療養されている方が多いというふうに考えております。
 具体的な入院の御希望がございませんので直接的な把握はしておらないのでございますが、若干別の角度になりますが、同じように遷延性の意識障害者の方あるいは脊髄損傷者の方で療護センターには入っていない方に対しまして、私どもで介護料の支給というのを行っております。これによりまして大体また見当がつく部分がございますが、こちらの支給状況は三月末現在で千十名でございます。そのうち、病院に入院されている方が五百十三名、それから御在宅の方が四百九十七名というふうに把握しております。
#63
○渡辺孝男君 そうしますと、希望されていない方でも、普通の病院で治療を受けている方がいらっしゃるということでありますね。
 そうすると、療護センターを希望している人は百名ぐらいである。まだ百名の方がおられるということでありますと、やはり療護センターを追加して設置するというのが一番望ましいわけでありますけれども、財政的にこれが厳しいということであれば、現在ある療護センターにリハビリ病棟を併設して、療護センターである程度治療の見込み期間は終わって回復の兆候があらわれたという人があればリハビリ病棟の方に移っていく、そして療護センターの専門的な治療を行うところのベッドをあけて、そこに待機者を入れて治療を行う。そういうふうに回転させていくことが入所待ちの患者さんを治療するのには一番いいんじゃないかというふうに思うわけであります。もし、リハビリ病棟での治療といいますか、リハビリも終われば、これは介護あるいは障害者としての福祉で面倒を見るということになると思います。
 そういうふうに、交通事故の障害を持っておられる方を機能別にどんどん回転させていただいて、適切な治療あるいは介護が受けられる体制にすべきだと思うんですが、このリハビリ病棟の併設に関しましてはどうでしょうか。
#64
○説明員(大野裕夫君) 先生御指摘のとおり、新規患者の受け入れ促進といいます問題は、待機患者数が多数に上っている中で重要な課題であるというふうに考えております。
 それで、御質問とは直接ではないのでございますが、実は今年度、平成十年度には一般病院における重度後遺障害者受け入れ委託運営費ということで予算をつけていただいております。これは、療護センターに入院しておられる方の中で、症状が固定した方を中心に一般病院を紹介してそちらに移っていただく。ただ、それで御家族の負担、本人負担が多くなってはいけませんので、保険から支払われる分との差額については自動車事故対策センターが補助金の形で病院にお支払いをする。そういった形で、言ってみれば患者の回転を進めていこうという事業でございます。
 これは、現在まだ患者、家族の方々との話し合いを進めている段階でございますけれども、これによりまして、一部ではございますけれども、入院患者の退院が進みますと、その分だけ新規入院の受け入れがある程度は可能になるだろうというようなことは期待しております。
 それで、当面そういったことをやっておるわけでございますけれども、御指摘の介護病棟、リハビリ病棟につきましても、既に運輸省の方としては中長期的課題として取り組む方向というものは報告書の形で出させていただいております。そういった中で、財政的負担の問題というのは当然あるわけでございますけれども、それも考慮しながら今後検討していかなければならない課題であるというふうに考えております。
#65
○渡辺孝男君 そのリハビリ病棟はすぐにというお話ではないのでちょっと残念なんですけれども、もしリハビリ病棟を併設する場合には、これは厚生省の方にお伺いしたいんですけれども、そういうリハビリ病棟を今ある療護センターに併設するという場合には病床規制の対象になるのかどうか、その点を確認したいと思います。
#66
○政府委員(谷修一君) 自動車事故対策センターが設置するいわゆる療護センターというのは、先ほど来お話がございますように、自動車事故による被害者で後遺障害が存する、そのために治療及び常時の介護を必要とする者に対して収容及び治療等を行う施設だと理解をしております。したがいまして、非常に限定された疾病に対して目的が限定されておりまして、一般の地域住民のための医療を行うということではございませんので、既存の病床数をカウントする際には当該病床を除いて数えるという扱いになっております。
 したがいまして、医療計画上の病床規制の対象とはなっておりません。
#67
○渡辺孝男君 医療計画上の必要病床数にはカウントされないということであります。現在、療護センターが千葉市と岡山市と仙台市にあるわけでありまして、都市部でありますから、こちらは必要病床数ということになればもう当然満杯ということであります。だから、そういうところにでもこの交通事故の重度の後遺症の方のリハビリ病棟をつくるのは問題ないということでありまして、少し安心したわけであります。
 二〇〇〇年から介護保険制度が実施されるわけでありますけれども、第二号被保険者というのはそのサービスを受けられない。保険料はお払いしてもサービスは受けられないということでありまして、そういう方に対する介護サービス、きちんと厚生省としては障害者プランの中で行っていくということになると思いますけれども、二〇〇〇年に介護保険が施行される時点でこのような遷延性意識障害で介護サービスを必要とされる見込みの患者さん、施設あるいは在宅ということになると思うんですけれども、この見込み数についてお教えいただきたいと思います。
#68
○政府委員(篠崎英夫君) 私どもは障害者プランにおきまして、今、先生御指摘の交通事故等に起因する遷延性意識障害の患者さんの方々の対応といたしまして、身体障害者療護施設などの福祉施設ですとか、あるいは訪問介護、短期入所生活介護などの在宅サービスにより対応を図っていきたいというふうに考えておりまして、身体療護施設につきましては二万五千人分を平成十四年度までに確保するように考えておりますし、またホームヘルパーにつきましては四万五千人を確保するように目標値を決めておるところでございます。
#69
○渡辺孝男君 これは小泉厚生大臣にお伺いしたいのです。今そういう障害者プランの方も進行中であるというお話でありますけれども、本当に介護保険制度が開始した時点でそういう遷延性意識障害の患者さんがきちんと施設介護あるいは在宅介護が受けられるようになるのかどうか。もし受けられるのであれば、やはり交通事故患者さんの方が介護保険から若年者の場合はサービスから外れているということでかなり心配されている方も多いと思いますので、そういう点では家族に対しても十分な情報提供をするべきだというふうに思うわけであります。
 障害者プランの充実と家族に対する情報提供に関しまして、御所見をお伺いしたいと思います。
#70
○国務大臣(小泉純一郎君) 障害者プランにおいても、今、政府委員から答弁しましたように、高齢者の介護保険と在宅サービスについても施設サービスにおいても遜色ない水準を確保するように今努力している最中であります。こういう点をよくわかってもらうように、いろんな機関を通じて周知徹底に努めていきたいと思います。
#71
○渡辺孝男君 これはこの次の質問にさせていただきたいと思います。
 本法案と直接関係がないのですけれども、喫緊の厚生省関係の問題でありますので、質問させていただきたいと思います。
 最初は、臍帯血移植治療に関してであります。平成十年度より診療報酬にて臍帯血移植治療、診療報酬点数が設定されて大きな前進が図られたわけでありますけれども、次の段階としましては、臍帯血の供給体制の整備、すなわち公的臍帯血バンクの設立及びその安定的な財源の確保、そしてまた適切な運営がなされるようなバンクの設立、それが求められているわけであります。
 これまで厚生省としましては計七回の検討会を開いておりますけれども、今後どのような形で臍帯血バンクが設立されるようになるのか、その方向性につきましてお伺いしたいと思います。
#72
○政府委員(小林秀資君) 先生御指摘のように、臍帯血移植検討会はこれまで七回開いております。それも会議を公開いたして会議を開いておりまして、多くのジャーナリストの方、それからこれに携わっていろいろんな方々が聞いていらっしゃるところで会議をやっております。
 そして、これまでは臍帯血移植の現状分析とか医学的評価の問題も終わりまして、それから移植の実施における技術上の課題もディスカッションが終わりました。そして、今移植体制の運営上の課題ということで、今、先生が御質問になりました臍帯血バンクの方向性ということと直接関係するところの議題に入って議論が進められているところでございます。
 これにつきましては、三つほどの御意見がございまして、今まだその意見の集約ができないという状況になっております。私どもとしては、まずその意見の集約を見て今後の運営のあり方、そして公的臍帯血バンクの設立の方向性を見定めたいと思っておるところでございますが、厚生省としてはこの報告書を見まして、そして全国的な暖帯血移植に向けて適切な対応をしてまいりたいと今は考えておるところであります。
#73
○渡辺孝男君 運輸省の方はもう終わりましたので、どうぞ。
 それでは、暖帯血バンク、類似のものとしては骨髄バンクがあるわけであります。そしてまた、将来可能性のあるものとしましては抹消血幹細胞移植に関するバンク、そういうものもあると思うのですけれども、厚生省の方でこの骨髄バンク、暖帯血バンク、それから将来の抹消血幹細胞バンク、そういうものの位置づけをどのように考えておられるのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
#74
○政府委員(小林秀資君) 臍帯血移植、骨髄移植、それから抹消血の幹細胞移植につきましては、造血幹細胞の採取方法はそれぞれ異なっておりまして、治療方法と確立されている度合いもまた異なっていると承知をいたしております。いずれも白血病の患者さんに対する根治療法であるという点は共通なところでございます。
 このうち、骨髄移植のあっせんを行っている骨髄バンクにつきましては、平成三年に創設されまして、平成十年四月末までには既に千五百六件の骨髄移植が行われているところでございます。そして、この骨髄移植も国内だけではなく、現在はアメリカの骨髄バンクと結ぶ、またはきょうの新聞にも出ていましたが台湾の方の骨髄バンクとも連携をするということで、外国の方からも骨髄液をいただいているというようなこともやっている現状でございます。
 この骨髄バンク事業と臍帯血バンクの運営のあり方につきましては、保健医療局長、医薬安全局長の発議によりまして現在開催している、先ほどもお答え申しました臍帯血移植検討会において検討を進めておりますけれども、一体的に運営を行うべきという意見、それから各ブロック別にあるのをそのまま生かしていくというような御意見、それからもう少しブロックを絞り込んでやっていこうというまたちょっと変わったところのある御意見等があります。いずれも、それぞれの御意見の趣旨はよくわかるのでありますけれども、まだどう調整が最終的につくのか今はわからないと。
 それで、今までのところは臍帯血バンクと骨髄移植バンクについて今ディスカッションをいたしておりますが、先生が御質問の中でおっしゃられました抹消血の幹細胞移植というのも実は日本ではまだ、一千例ほど実施をされておりますけれども、これはその移植に使う医薬品が必要なんですが、この医薬品が外国では承認されているけれどもまだ日本では未承認というような状況もありまして、まだ現実問題としては実施に至るというところまでは至っていないし今回のディスカッションの対象にもなっていない、こんなふうに思っているところであります。
#75
○渡辺孝男君 骨髄バンクと臍帯血バンク、そしてまたこれからの話になりますが抹消血幹細胞バンクという三つのスタイルがあるということでありますけれども、時間も余りないんですが、簡単にそれらのメリット、デメリットについてお伺いしたいと思います。
#76
○政府委員(小林秀資君) まことに申しわけございませんが、少し間違えました。抹消血の幹細胞移植は、現在、千件ではなくて百件の間違いでございます。訂正させていただきます。
 この三つの移植のあり方は、それぞれ白血病等の患者に対する根治療法でありますけれども、それぞれ長所と短所を有しております。そして、臍帯血移植につきまして、長所としてはいわゆる提供者、ドナーであるところの、胎盤からいただくわけですから、そういう意味では母体への負担がないということが非常にいいことであります。また、二つ目には、白血球の型、HLA型を完全に一致させる必要性がなく、移植後の拒絶反応も少ないということであります。三つ目に、保存できるため必要とする患者さんに必要なときに提供できるという点があるわけであります。
 また、欠点といたしましては、治療法として一定の成果を上げてはおりますけれども、まだ十分な数の症例に基づいた評価が確立しているとは言えないということ。二つ目には、先天性疾患が伝播する可能性について未検証であるということ。それから三つ目には、採取できる臍帯血の量に限りがあるため、現在のところ対象となる患者さんの体重によっては用いられない場合があること等と承知をいたしておるところでございます。
 骨髄移植につきましては、長所としては、既に確立された治療法であること。二つ目に、健康な成人からの移植となるため、移植によって先天性の疾患が伝播する可能性がほとんどないこと。短所といたしましては、提供者、ドナーに全身麻酔下での骨髄採取や、その後数日間の入院等の負担があるということ。二番目には、患者さんが骨髄バンクに登録してから実際に移植が行われるまでに長期間、約六カ月ですが、かかるということと承知をいたしております。
 また、抹消血の幹細胞移植につきましては、長所としては、ドナーに全身麻酔下での採取、数日間の入院というような負担がかからないこと。輸血をするときの採血と同じようなレベルの負担で済むということであります。また、二番目には、骨髄移植と同様に先天性の疾患が伝播する可能性がほとんどないこと。短所としては、いまだ研究的な段階の治療法であること。二番目には、健康な成人に薬剤を投与する。こと。また、効能については承認されていないこと等が挙げられると思います。
#77
○渡辺孝男君 これは小泉厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、まず私の考え方を少し述べさせていただいてからお考えをお聞きしたいと思うんです。
 私の考えでは、骨髄移植の方は先ほどお話しありましたように治療法として既に確立しているということでありまして、また公的支援をいただいている骨髄バンクも既に設立されているということであります。やはり先ほどお述べになりましたように、骨髄移植のメリットを生かしながらこれはその方向で発展させるべきである、そのように考えるわけであります。
 一方、臍帯血移植に関しましては、世界でも一応五百例以上の症例の積み重ねがあるということで既に臨床、応用の段階に入っているのではないかというように私自身は考えております。日本では九つですかね、そういう各地方にブロックで暖帯血バンク、これはボランティアの方等がやっておられるわけでありますけれども、既に立ち上がっているということで、やはりこれまで一生懸命やってこられたボランティアの方の意見を尊重しながら臍帯血バンクは一応独立した形でやった方がいいんじゃないか、私自身はそう思うわけであります。
 それから、今後問題になってくる抹消血幹細胞移植でありますけれども、先ほどもお話にありましたように、まだ研究治療段階であって、こちらの方はバンク設立という段階には至っていないということだと思います。今後の研究成果を慎重に検討しながら見きわめていくということであります。
 そういう意味ではこの三種の治療法、骨髄移植、臍帯血移植それから将来の抹消血幹細胞移植、それぞれまだまだ発展の段階が異なっているということでありますので、一元的に統一して造血幹細胞移植バンクという形でやるというのはまだ時期尚早ではないかなというふうに私自身は思うわけであります。公的臍帯血バンクの形成に当たってはやはり独自に進めた方がいいんじゃないかしかも既に民間で立ち上げているそれらの方々の意見を十分尊重した形でやるべきではないかな、そのように思います。
 その点に関しまして、厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#78
○国務大臣(小泉純一郎君) 今お話しのように、骨髄移植も臍帯血移植も抹消血幹細胞移植についても、これは白血病の患者にとって有効な治療法であるということは大方の認めるところだと思うのであります。私も臍帯血移植のことを伺いまして、これが真に有効的で今まで捨てられていたものが有効に活用されるということで大変いいことだと思いました。
 事実、他の療法に比べましても、提供者の負担が格段に軽いという点からも、ぜひともこの臍帯血移植というものを有効に活用できないかなということで今厚生省でもこの問題については真剣に検討しておりまして、臍帯血移植検討会というものを設けていろいろ議論いただいているわけであります。
 専門家の意見も実情を聞いてみますと、専門家の意見だけになかなか難しい点もあるようです。しかしながら、この検討会の報告を踏まえできるだけ早期に有効な対応策ができればなと、今後とも有効活用、また暖帯血移植が多くの方の理解と協力を得て順調に発展していくように努力をしていきたいと思います。
#79
○渡辺孝男君 これももう一点ちょっと大臣に確認しておきたいんですけれども、今後造血幹細胞という形で移植が行われるようになりますと、やはり造血幹細胞の血液というものは私自身は臓器というふうに考えて、移植臓器としてみなして今後とも取り扱うべきと、そのように考えるわけでありますが、この点に関しましてはどうでしょうか。
#80
○政府委員(小林秀資君) 白血病等の患者に対する根治療法であります造血幹細胞移植は、移植した生体組織が土着し分化することにより疾病を根治させる点で臓器移植と同様のものと考えられることから、非営利組織で運営することが適当である、このように考えております。
 なお、現在骨髄移植に関しましては、非営利の公益法人である財団法人骨髄移植推進財団においてバンク事業を行っているところでございます。
#81
○渡辺孝男君 もう一つ、これは厚生省の方に確認したいんですけれども、抹消血幹細胞移植に関しましては、将来遺伝子治療の標的細胞として利用するというような考え方もあるようですけれども、この点に関しまして厚生省としてはどのように把握されているでしょうか。
#82
○政府委員(小林秀資君) 造血幹細胞を標的細胞として遺伝子を組み込みまして、その遺伝子を導入した造血幹細胞を免疫不全等の疾病の治療に利用することにつきましては、現状ではアメリカにおいてその可能性についての研究が着手され始めた段階であると承知をいたしております。今後、我が国の大学等の研究機関において造血幹細胞を標的細胞として治療法の研究が行われるに当たっては、御指摘のとおり慎重な検討がなされるべきものと考えております。
 なお、仮に遺伝子治療臨床研究の段階まで研究が進展した場合には、厚生省が定めました遺伝子治療臨床研究に関する指針等に基づき倫理性等を含めた検討を行うこととされております。
#83
○渡辺孝男君 次の質問に入らせていただきます。
 つい先日、六月一日ですか乳幼児突然死症候群に関しまして厚生省の全国調査の結果がまとまりまして発表されたわけです。その中で、うつ伏せ寝、人工乳保育、それから保護者などの習慣性喫煙がSIDS、これは略語でありまして、乳幼児突然死症候群の誘発因子となるというような判断がされたわけであります。
 今後の厚生省の方針としましては、医療関係団体やあるいは児童福祉施設、警察などから成る連絡会議を開いて情報の共有化を図るとともに、一般家庭向けに妊産婦、乳幼児健康診断の機会や母子健康手帳への記載等、普及啓発活動を行っていく、そのような方針とお聞きしております。
 私も本年三月十二日にこの乳幼児突然死症候群に関しましては予防キャンペーンをすべきだということで質問させていただいたわけでありますが、やっと結果がまとまって公表ということであります。これまでボランティアグループのSIDS家族の会等は、日本は世界の対応から見ておくれている、日本政府として早くきちんとした対応をすべきであるというようにこれまで主張されてきたわけでありますけれども、厚生省として、諸外国、欧米よりも十年以上おくれてそのようなキャンペーン活動をするということになった理由につきまして、大臣から御見解をお伺いしたいと思います。
#84
○政府委員(横田吉男君) 乳幼児の突然死症候群につきましては、原因がいまだによくわからないということで、私どもといたしましても昭和四十年代から研究班を組織いたしまして原因あるいは病態等につきまして研究を進めてきたところでございます。我が国のこの突然死の死亡率、これは諸外国の数分の一ということでかなり低かった、また医学関係者の中におきましてもこの症候群に対する認識が必ずしも定まらなかったというようなこともありまして、これまで諸外国におきまして指摘されました危険因子についての検討等も行ったわけでありますが、調査研究が部分的、限定的ということで確たるものが得られなかったという実態にございます。
 一方におきまして、平成七年になりまして、死因統計におきまして、これが改正されまして改めてこの乳幼児の突然死症候群についての全国的な把握が可能になりました。七年に改正されましてその結果がまとまりますのが八年の秋ということでございまして、私どもこの結果を踏まえまして九年度の調査研究において全国的な調査を実施し、今回取りまとめられたということでございます。
 こういったことで時間がかかったということでございますが、今回の調査におきまして危険因子についての相関関係がある程度明確になりましたので、先生から今御指摘いただきましたように、私どもできる限り速やかに各方面にこの周知、広報等の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#85
○渡辺孝男君 これからきちんとキャンペーンをしていただきたい、そして民間のボランティアのグループが先立ってやっておりますのでそれらに対しても支援をしていただきたい、そのように思います。
 こういう乳幼児突然死疾患とか、あるいはほかにも子供さんに事故が起きる可能性もありますので、やはり乳幼児の救急蘇生法、これが大切だと思います。保育所、それから無認可で行っている保育施設、そういうものの中できちんとこういう救急蘇生法が研修されているのかどうか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
 簡潔に、もう一問質問があるものですから。
#86
○政府委員(横田吉男君) 救急蘇生法につきましては、指導者の養成ということでは保健所に勤務する保健婦を対象に講習会等を行っておりますし、保健婦の方におきまして乳幼児健診等の際に乳幼児の保護者等に対する指導、それから母子健康手帳等を配布する際の副読本への情報記載等について、これは今後検討してまいりたいと思っております。
 それから、保育所におきましても、実習を含めた人工呼吸なり心臓マッサージ等の研修を行っておりまして、こういった点をさらに充実してまいりたいと考えております。
 認可外の施設につきましては、各都道府県でこうした講習を実施する際に一緒に参加を求めているところもございますが、私ども、安全の面からは当面の指導基準をつくりまして指導等を行っております。
 それから、事業所内の保育施設につきましても、応急措置についての実習の研修を行っているところでございますが、今回の結果も踏まえましてさらに充実してまいりたいというふうに考えております。
#87
○渡辺孝男君 無認可保育所でこういうSIDSとか事故があった場合に、やはり見舞金とか後遺症が起こった場合に補償が問題になるわけであります。認可保育所でおりますと日本体育・学校健康センター法に基づく災害共済制度に加入できるわけでありますけれども、無認可保育所の場合にはそれに加入できないということがありまして、やはり大変な負担になるということであります。この点に関しまして、何とか無認可保育施設もこの日本体育・学校健康センター法に基づく災害共済制度に加入できるように努力していただきたいなと、そのように思うわけであります。
 文部省と厚生大臣のお答えをいただきまして、質問を終わりたいと思います。
#88
○説明員(玉井日出夫君) 日本体育・学校健康センターの行います災害共済給付でございますが、これは御案内のとおり、学校等の管理下における児童生徒等の災害についての給付を行うわけでございまして、また関係者が応分の負担をそれぞれ行い、また一定の国庫補助を行っている、こういう仕組みのもとにあることは御案内のとおりでございます。
 したがいまして、対象となります学校等につきましては、まずは学校等において児童生徒の適切な管理がなされているかどうかということがやはり前提になるわけでございますし、また関係者の負担の公平ということも必要になってくるわけでございます。したがいまして、学校ももちろんでございますけれども、保育所も認可を受けた保育所という基準で見させていただいているわけでございます。これを認可を受けていないところまでというのは大変、今の申し上げました仕組みからいってなかなか合わないということを申し上げざるを得ないわけでございます。
 いずれにせよ、今後とも厚生省の動きを注意深く見守ってまいりたい、かように考えております。
#89
○政府委員(横田吉男君) 日本体育・学校健康センターの災害給付につきましては、基本的には学校教育法に基づく教育施設が対象になっておりまして、保育施設については附則で特例的に加入が認められている状況でございます。
 これは、児童福祉法の保育所ということでございますので御指摘のように認可保育所ということになるわけでありますが、認可保育所の基準というのは一定の最低基準をクリアしているということが条件になりますので、これを無認可の中でクリアしているところにつきましては認可保育所になっていただければ直ちに適用になるわけでありますけれども、今条件を満たしていないところにまで広げるということになりますと最低条件そのものを動かさなくてはいけないというようなことになりますので、災害給付を受けるためだけに拡大を図るというのはなかなか難しい状況にございます。
 私ども、無認可につきましてもどういったような補償というものがあり得るのか、少し研究をさせていただきたいというふうに考えております。
#90
○渡辺孝男君 時間を超過しまして申しわけありませんでした。
#91
○清水澄子君 社会民主党の清水でございます。
 これまで質問させていただきましたことの幾つかを確認させていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕
 今回の改正に当たって、退職者医療に係る老人医療費拠出金の国庫負担を被用者保険の負担に回したことは、高齢者医療制度が抜本的に改革されるまでの間という、そういうことで提案されたものであり、その意味からも医療保険制度の抜本改革が早期に実現されなければならないと考えます。
 厚生大臣、この医療保険制度の抜本改革は必ず平成十二年度に実施すると確認してよろしいでしょうか。
   〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕
#92
○国務大臣(小泉純一郎君) 医療保険制度の抜本的な改革を平成十二年度に実施するよう、全力を尽くしていきたいと思います。
#93
○清水澄子君 今回改正のこの老人保健拠出金の見直しにつきましては、十年度厚生省予算に財革法によって厳しいキャップが課せられたためであったと思います。そうである以上は、今日、財革法が見直されたわけでありますから、第二次補正予算の編成に当たりましては被用者保険の負担を軽減する措置を講ずるなど、今後何らかの見直し措置を私はやるべきだと考えますが、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#94
○国務大臣(小泉純一郎君) いろいろな議論があるところで、趣旨も私は理解しているつもりであります。
 しかし、今回の改正というのは、財政構造改革法に基づき十年度予算編成に当たって上限制、いわゆるキャップが課されていたものの、平成七年改正法附則において、老人医療費拠出金の算定方法について三年以内を目途として見直しを検討することとされていたことから、現行制度のもとにおける老人医療費拠出金の負担の見直しを行うこととしたものであるということも、ぜひ御理解いただきたいと思うんです。
 しかしながら、現行の老人保健制度については医療保険福祉審議会において既に抜本的な改革の検討に着手したところでありまして、老人保健拠出金については、今回の改正内容も含めて、各保険制度の財政状況も勘案しながら、できる限り被用者保険の負担が過重とならない方向で見直しを行ってまいりたいと考えております。
#95
○清水澄子君 次に、今回の法案では、病床指定制限は、医療法に基づく知事の勧告が前提となっております。そして、勧告を行う場合には都道府県医療審議会の意見を聞かなければならないことになっておりますが、この際、この勧告に関する都道府県医療審議会の審議についてはすべて公開すべきだと考えます。
 同時に、保険医療機関の病床指定に係る地方社会保険医療協議会の審議につきましても、やはり公正な手続の透明性を図っていくためにも公開を原則とすべきと考えますが、大臣の御答弁を受けたいと思います。
#96
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生省としては、勧告に関する都道府県医療審議会の審議及び病床の指定制限に関する地方社会保険医療協議会の審議を公開とするよう、都道府県に対して通知等で指示徹底することとし、病床の指定制限に当たっての公正の確保と手続の透明性の確保に努めていきたいと思います。
#97
○清水澄子君 次に、今回の改正に当たって、保険医療機関の病床規定制限の規定の適用が既存の保険医療機関の既得権を保持することにならないようにしていくためにも、また地域住民のニーズにかなった医療機関の新規参入が妨げられないようにしていく配慮が必要であると考えます。そのためにも、都道府県は住民であるところの被保険者の声を反映させることが必要だと考えますが、具体的にはどのような措置を考えることができるでしょうか。
#98
○政府委員(谷修一君) 現在、医療審議会の委員といたしまして、一つには医師、歯科医師、薬剤師、それから二つ目のグループとして医療を受ける立場にある方、それから三番目として学識経験のある方、こういう方から構成をされているわけでございまして、医療を受ける立場にある者としては、市町村の代表者あるいは医療保険の保険者を代表する者等を加えることについて指導しているところでございます。
 今お話のございましたことにつきましては、これまでの本委員会での審議も踏まえ、医療審議会の委員構成についても被保険者の立場を代表する者を加えることについて検討してまいりたいと考えております。
#99
○清水澄子君 ぜひ住民といいますか本当の意味の被保険者の立場に立つ人を加えるような、そういうひとつ検討を急いでいただきたいと思います。
 次に、今回の措置が地域に必要な医療機関の参入を妨げることにならないためにも、医療法の特定病床等に係る特例の、急激な人口増や特定の疾患に罹患する患者の急増が見込まれる場合、また、その他当該地域において特別措置が認められる場合については勧告を行わない、そういう特例が設けられておるわけですけれども、これらの場合の具体的な基準というものをやはり明らかにする必要があると考えますが、この点については、大臣、いかがでございますか。
#100
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生省としては、医療法の特例の急激な人口増や特定の疾患に罹患する患者の急増が見込まれる場合、その他当該地域において特別な事情が認められる場合の具体的基準を定めて通知することにより運用の明確化を図り、地域に必要とされる良質な医療機関が設立てきなくならないよう、医療を受ける者の立場に立って十分配慮していきたいと思います。
#101
○清水澄子君 さらに、今回の改正に当たりまして、現在の保険医療機関についても既存の保険医療機関の既得権を擁護することにならないようにすることが必要だと思うんです。そのために、医師などの数が厚生大臣の定める数に満たない場合、また、その他適正な入院医療の効率的な提供の観点から著しく不適当と認められる場合には、指定更新の際に病床を制限できるということになっております。その基準というものをやはり明確にすることが必要ではないかと思いますが、これはどういう基準になるんでしょうか。
#102
○国務大臣(小泉純一郎君) 医師等の数にかかわる厚生大臣の定める基準としては、現行診療報酬点数表の取り扱いとして医療法の標準に照らして、まず一つには医師等が五割以下、二つには看護要員数が五割以下、三つには医師数及び看護要員数がいずれも八割以下のいずれかに該当する場合には入院時医学管理料等を減額していることを踏まえ、これらの基準をさらに下回るような場合を考えておりますが、具体的な基準については関係審議会に諮った上で告示でこれを明確に定め、その適正な運用を図ってまいりたいと思います。
 また、指定更新時等の場合のみ一時的に基準を満たしているが、その他は満たしていなくてもよいということのないようにしてまいりたいと思います。
 著しく不適当と認める場合としては、例えば入院医療に関して都道府県よりたびたび指導、監査を受けているにもかかわらず指導事項について改善が見られず、保険医療機関の指定更新期を迎えたとき等を考えております。
 具体的な基準については関係審議会に諮った上で通知でこれを明確に定め、その適正な運用を図ってまいりたいと思います。
#103
○清水澄子君 今、その基準については恒常的にそれが実施されていることということをお話しいただいたので、私はそれで結構だと思いますけれども、実際、いろいろ言われておりますことは、指定更新というのは五年に一度でございますから、そのときにやはり医師や看護婦を臨時に雇ってそして数合わせをしているということもいろんなところで報道されているわけです。そういうごまかしを防いでいくためにも、やはりそういう決められた基準といいますか、それが日常的に満たしているということをぜひ要件にするということはここで確認してよろしゅうございますね。
#104
○政府委員(高木俊明君) 基本的に今、大臣が御答弁されたとおりでございます。もちろん、一時的なということを全く排除してしまうというのも実情に合わない面があるかもしれませんが、基本的には今、先生御指摘のような考え方でやっていきたいというふうに考えております。
#105
○清水澄子君 次に、第四十三条ノ三、そして第四項の第二号の、今御説明いただきましたけれども、著しく不適当と認める場合の運用についてであります。これは再度申し上げているわけですけれども、新規参入を排除するようなことがなくて適正な新陳代謝を促進していく観点から、絶対に既存の医療機関の既得権擁護につながらないよう十分配慮していただきたいと思いますが、厚生大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#106
○国務大臣(小泉純一郎君) 十分配慮していきたいと思います。
#107
○清水澄子君 次に、今回の措置が準用している医療計画の必要病床数についてでございますが、地域の医療需要の実態をより反映したものになるようにそのあり方を徹底してやはり見直すべきだと考えます。その際に、急性期、慢性期病床の区分、そしてさっきは地域格差はなくすというお話がありましたけれども、医療圏内の格差、病床の偏在といった格差も今後やはりそれを検討する必要があると考えますが、これについても厚生大臣のお考えをいただきたいと思います。
#108
○国務大臣(小泉純一郎君) 医療法に定める必要病床数に関しては、行政改革委員会規制緩和小委員会の最終報告も踏まえ、急性期病床、慢性期病床の区分の設定など、必要病床数の算定方法の見直しを行っていきたいと思います。
 また、医療圏内の病床の偏在については、医療計画は医療圏を単位として病床の適正配置を図ることを本旨とするものでありますので、地域の現状を調査、分析して適切に策定されるべきものと考えております。
#109
○清水澄子君 次に、病床の一部を除いて保険医療機関の指定を行った場合には、自由診療病床とそれから保険適用病床が混在することになると思いますが、この場合、入院したら自由診療扱いにされるなど患者にしわ寄せが行かないように、そういう配慮が必要だと思いますが、その点ではどのようなお考えでしょうか、厚生大臣、よろしくお願いします。
#110
○国務大臣(小泉純一郎君) 病床を制限した結果、仮に自由診療病床が生ずることとなったとしても、その保険医療機関については、患者への十分な説明や院内掲示等を行うよう療養担当規則で明記するなど、患者にしわ寄せにならないよう厳しく配慮していきたいと思います。
#111
○清水澄子君 私はきょうは確認の質問のみにしておりましたから非常に時間が早く進みましたが、さらにお伺いをしたいわけです。
 私は前にも質問いたしましたが、日本の医療の体質を根本から改革をしていく、そしてやはり医療というのはだれのためにあるのか、これは患者のためにあるものだと思います。ですから、患者本位の医療とするためには保険者機能の強化ということは非常に重要だと思いますし、それから患者の権利法の制定というのは欠かせないと考えているわけです。厚生大臣、私は前にもちょっと大臣にお伺いしましたとき、余りよく考えてくださっていないんじゃないかなと思った答弁をいただいたわけですが、率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#112
○国務大臣(小泉純一郎君) 医療というのは患者と医療側との信頼関係、これが基本だと思います。いかに信頼関係を保ちながら適切な医療を行うかということについて私は委員とそんなに意見は違わないと思うのであります。
 また、いわゆる患者の権利法についても、これはいろいろ関係者の方々から御意見を伺って、患者と医師との信頼関係を構築する上においてもお互いが適切な対応を検討していくように今努力していかなきゃならないわけでありますので、専門家の意見を検討して今後対応していかなきゃいけないと思っております。
#113
○清水澄子君 国際的にはもう患者の権利宣言とか権利法というのは当たり前になっておりますし、これはまだまだ偏見がございまして。何か患者がわがままを言うんじゃないか、それから何か一方的に自分たちの主張だけをするんじゃないかという心配ばかりが聞こえてくるわけですけれども、今、大臣がおっしゃいましたように、医療というのはやはり医師、医療を提供する側と患者が対等な関係で、そして患者自身も自分の病気について医者任せとか他人任せじゃなくて、みずからも自分の健康とか治療に対して主体的な責任を持たなきゃいけないと思うんですね。それにはやはり情報公開が必要なんです。インフォームド・コンセントを初め説明とかそしてさまざまな情報を得る中で患者自身もその責任を持つ、そういう中で自分は健康とか治療に対しても自分なりに一緒にそれに参加していくという自己決定権の問題でございまして、自分の体に対する、健康に対する自己決定権を持とうということです。それは決して何かどこかに向かってトラブルを起こすためのものというものではないんだということをやはりぜひお考えいただいて、私どももこの患者の権利法はぜひ日本では必要だと思っておりますので、今後も私どもは推進してまいりますけれども、厚生省の方もぜひお考えをいただきたい。大臣もぜひひとつ御検討をいただきたいと思います。
 そこで、次に医療費の不正請求についてなんですけれども、安田病院グループのように二年間で二十億円も不正請求をしていた。そういうことが発見できなかった。しかもこの安田病院の院長は医師会の地域の会長であった。そして審議会の審査委員でもあった。そうなると、ここにやはり一つのこれは何かを象徴しているような問題があると思います。あれは本当に氷山の一角だというふうに言われているわけですけれども、私はそうあってはならないと思いますし、そういうような不信感が国民の間に広がることを私どもは防がなければならないと思います。ですから、私はそういう意味でも、厚生省はどういう医療現場でどういう実態があるかということをぜひ徹底的に調査をまずされる必要がある、そして何が問題かということを解明することが必要だと思います。
 最近、このレセプトの開示がありました。これは私はやっぱり一歩前進だと思っております。しかし、今後こういう医療費の不正請求をどのように防いでいくのかというので、今回の法律にはペナルティーは大きくなってはいるんですが、あれだけで本当に防ぎ切れるんだろうかという疑問も感じます。
 ですから、厚生省は今後どのように不正請求の対策を立てていかれるのか、その辺についてまずひとつお聞かせいただきたいと思います。
#114
○政府委員(高木俊明君) 安田病院の事件というのは、私ども極めて遺憾であるというふうに思っておるわけであります。
 本件について考えた場合に、それぞれ大阪府なり大阪市なり行政当局においても、安田病院の実態というものについてのいろんなうわさを初めとして、いろいろなそういった声が耳に入らなければいけないし、また入っていたとするならば、それについてやはりきちっとした対応をすべきであったというふうに私は思います。
 そういった意味で、私どもとしましても今回の事件の反省に立って、自分のセクションの問題についてだけ見ていればいいということではなくて、こういった問題についてあらゆる情報というものに敏感に反応していく。そしてそれに対してただ手をこまねいているだけではなくしてきちんとした対応をする、それだけの権限というものが法的にも与えられているわけですから、それを的確に使っていくということができたのではないかというふうに思っております。
 それから、もう一つ問題として挙げられますのは、今回の事件というのは、医療法上のいわゆる医療監視の問題、それからもう一つは医療保険サイドの問題があるわけであります。これはそれぞれ関係部局が異なっているケースが自治体で多いわけでありますけれども、お互いに情報の交換あるいは情報というものをきちっと流し合って、やはり適切な対応というものを怠らないようにするということが肝心だろう。そういうような心構えで取り組んでいくことによって、かなりここまで行く前に発見もでき、対応ができたんじゃないかというふうに思います。
 ただ、もう一点ありますのは、かなり巧妙に行われている面がありますから、そこまではなかなか難しい面がありますので、やはりそこは司直の手に任せざるを得ないという面がございますけれども、今回の事件というものを教訓にして、私はもう一度現行法の中においても的確な対応がなされるよう努力をしてもらうべく、都道府県を初めとする関係部局に対しても真剣に指導していきたい、このように考えております。
#115
○清水澄子君 ぜひそれは進めていただきたいと思います。現在のいわゆる国保連とか支払基金とか、そういうところでのレセプトの審査委員会というのが実際にはどういう構成になっているのか。それは建前は三者構成ということですが、全国的には完全に形骸化しているということがいろんなものにそれは掲載されております。内容が明らかになっております。そして、特定団体の人がほとんど審査委員を占めている。
 こういう実態の中では、私はやはりまず現実にあるレセプトの審査委員会そのものの現状をもう一度調べて、そして改組を含めて審査機関の抜本的な強化を図るべきだと考えますが、その点についてはどのようにお考えになりますか。
#116
○政府委員(高木俊明君) 安田病院の件を見てみますと、確かに院長がかつて審査委員をされていたことがあるというのは事実であります。その当時から不正をやっていたとかということではないと思いますが。現在の支払基金なりあるいは国保連合会の審査、これは診療担当者の代表、保険者の代表、それから学識経験者の三者で構成されておるわけです。しかし、これが通常の三者構成とどうしても異ならざるを得ないのは、中身についての審査をするにはそれなりの専門的な知識というものが必要であります。そういった意味では、やはり医師等の専門家にゆだねざるを得ない。それぞれの各側の代表として選ばれる方々、そういう方々に人格識見ともにすぐれている方をどう確保していくかということだろうと思います。
 そういった意味では、安田病院のケースがああいうことであったから全国すべてどうも疑惑のまなざしで見られるというようなことであっては非常に困るんですが、私は各審査委員の方々は決してそのような方々ばかりではないというふうに思っておりますし、今回の事件というものについては医師会を初めとして関係者の方々は大変厳しくとらえております。そういった意味でも、私はこういった医師等の専門家の審査にゆだねざるを得ないということと同時に、やはり審査委員の方々の良識というものを信頼する必要があるし、またそうでなきゃいけないというふうに思っております。
 ただ、問題がある点についてはこれは是正していかなきゃいけませんから、もう一回初心に立ち返って、その辺の適正な構成なりあるいは適正な審査が行われているかどうかということについてきちんとした対応をしていただくように支払基金等にも話をしていかなきゃならない、このように思っております。
#117
○清水澄子君 非常に考えられないことなんですけれども、不正請求というのがないと、いわゆる水増し請求というのがないと病院の経営が成り立たないとか、一方ではこれは何か普通になっているんですね。今の診療報酬体系を見てそうかなと思ったりしますよね。だから、診療報酬体系そのものも改革しないとこれは非常に問題があるんですが、しかしそれが余り長い間続いているから慢性化しているという面が私はあると思うんです。そういう中で、レセプトの審査そのものが非常におざなりであるということはいろんな角度から言われておりますから、これについてはぜひ本当に、これだけについても真剣に方策を考え出していただきたいと思います。
 それとあわせて、行政が刑事告発をする場合、やはりその場合にも基準が非常に不明確であるということが言われております。今度の安田病院の場合もですけれども、これは大阪府が大阪地検に詐欺罪で刑事告発をしたわけでありますけれども、これは自治体によってこの基準がばらばらであるわけですね、いわゆる告発に踏み切る基準というものが。保険行政は国が自治体に委任した機関委任事務であるわけですから、それらがばらばらの基準というのはやっぱり問題があると思います。
 ですから、やはり地域差が許されるようなそういう固有事務ではないと思いますので、サービスのあり方もそうですし、罰則も全国的にある程度の共通した基準というものが必要だと思います。この不正受給事件に対して、そういう刑事告発に踏み切る際の統一基準というものを私は早急に定めるべきと考えますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#118
○政府委員(高木俊明君) まさに先生御指摘のような実態があることは確かだと思います。そういった意味で、公平、公正の角度からも全国的な統一といいますか、全国的に共通の物差しというものは必要だというふうに考えております。
 今回の改正の中で、例えば不正請求が行われ保険医療機関が取り消された場合、最長五年間、再指定は拒否をするということでありますけれども、この五年間の取り扱いにつきましても、やはり統一的な、公平な物差しというものをきちんと定めて明確にしていきたいというふうに考えておりますし、先生御指摘の点も踏まえて、やはり公平、公正な行政というものの確保に努力しなきゃいけない、このように考えております。
#119
○清水澄子君 では最後に、ぜひこの不正請求を根本的に改めさせていく、正すというそのために、やはり今後全力を投球していただきたいと思いますが、そのことについての大臣の御決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#120
○国務大臣(小泉純一郎君) 不正請求、いろいろな議論があるところでありますけれども、今までの不正請求の事例等をよく吟味しまして、不正が行われないような措置をふだんから見直して行っていかなきゃならないと思います。
 法律を制定すれば、罰則を強化すればすべて不正がなくなるとは思いませんけれども、今回それぞれ強化した点も御了解いただき、そして審査委員会等の機能も、当初の趣旨どおり十分な機能を果たしていただくような指導なり、趣旨が周知徹底されるようなふだんからの普及活動、これも相合わせて実施していく必要があると。
 いずれにしても、医療の信頼を取り戻す上において、この不正というものは大事な要素でありますので、今までの委員会の御審議を踏まえて、指導、監査の強化に努力をしていきたいと思います。
#121
○清水澄子君 終わります。
#122
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 今回の法案というのは、財政構造改革法の要請から、国庫負担をできるだけ削減をするということで、五百六十億の削減を盛り込んだということが本法案の主なる目的であり目玉であるというふうに思います。
 私がこの間の議論で明らかにしてまいりましたことは、政府が今進めている国民の医療に対する対策は、国民の総医療費の中で国庫負担率はできるだけうんと下げていくと、この間ずっと下がってまいりました。そのことは認められたわけですね。それから、国民の医療費の負担はむしろふやしていく。その結果、昨年の九月一日から医療費がふやされたわけですが、この委員会の審議の中でも、相当広範に受診の抑制が起こっているということはこれはもう明らかな事実になりました。
 今回、私が質問をしたいと思いますのは、さらにこの医療費を削減するという目的で、お年寄りに対する薄い医療といいますか診療報酬の改定がされようとしている、既に決まっているということでございます。
   〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕
 こういう点を総合いたしますと、抜本改革、抜本改革とおっしゃるわけですけれども、またそれを二〇〇〇年からやるべきだという相当な御意見がありましたけれども、そういう方向で行われる抜本改革というのは、私はむしろこれは国民の医療にとっては抜本的な改悪になると、こんなふうに思うわけでございます。
 そこで、この診療報酬の改定、とりわけお年寄りの医療に対する改定の問題は私は非常に重要だと思います。マスコミも一様にそういう点を出しておりまして、見出しだけでも、「介護の受け皿整わない中 老人医療費抑制策に批判も」というような見出したとか、それから、「病院追い出しに拍車」をかけるというような見出し、一般のマスコミでも非常に大きく報道しているわけでございます。
 そこで、お伺いいたしますけれども、いわゆる社会的入院というのはどのように定義がされているんでしょうか。
#123
○政府委員(羽毛田信吾君) 社会的入院についてのお尋ねでございます。
 社会的入院につきまして、御案内のとおり、これは法制度上の概念あるいは定義はございません。したがいまして、厳密な意味での定義ということになると、それぞれがお使いになる場においての変化というのはございますけれども、一般的に申し上げれば、介護を主な理由といたしまして、いわゆる治療を主体にした一般病棟で長期に入院をされている場合、これを社会的入院というふうに呼んでいるというふうに承知をいたしております。
 これは、患者本人の方の適切な処遇、状態に合ったできるだけ適切なサービスを提供するという点からも、また医療資源の効率的な活用を図るという点からも、やはりこれはできるだけ解消を図ることが必要であるというふうに考えておるところでございます。
#124
○西山登紀子君 その社会的入院がなぜ起こっているのかという、法律的にどうということじゃないんですが、社会的入院の定義のところで、社会的入院というのはなぜ起こっているのかということも含めて。
#125
○政府委員(羽毛田信吾君) これもいろいろな理由があると思います。
 一つには、やはりそういった介護を主な理由とした方に対する適切な受け皿と申しますか施策なりなんなりというものの充実を図っていかなければならない、そういうもののよろしきを得ないがためにやむを得ずという要素はあると思いますし、また、そういった状態にふさわしい診療報酬の体系がどうなっているかということも関係をしてくると思います。そんないろんな要因の中でできている現象として社会的入院があるというふうに考えております。
#126
○西山登紀子君 この社会的入院というのは、受け皿がなくて、退院するその先がないということで入院されているという方であります。
 それで、今回、診療報酬の改定で、十月から長期入院を是正するという目的で幾つか改定がされているわけですけれども、特に高齢者については、一般病棟に六カ月を超えて入院をしている老人患者さんは特定長期入院患者、こんなふうにして、この患者さんは診療報酬を二百五十点にすると。もしくは一般病棟に特例病床群というものを設けて、いわゆる包括をいたしまして、看護や検査や投薬や注射などなど一括して六百十二点という老人長期入院医療管理料というようなのを導入するということですよね。これを十月の一日から実施するということでありますが、この改定でどうやっていわゆる社会的入院が解消するんでしょうか。
#127
○政府委員(羽毛田信吾君) 今回の改定におきまして、六カ月を超えるようないわゆる長期入院、介護を主な理由とした一般病棟における長期入院につきまして、老人長期入院医療管理料という形で、高齢者の心身の特性を踏まえました適切な療養環境を確保いたしますとともに、医療資源を効率的に活用する、先ほど申し上げましたような観点から、いわゆる包括の点数設定をいたしました。
 具体的に申し上げますと、人工透析をしておられますとかそのほか医学上やむを得ない場合は除きまして、一般病棟に六カ月を超えて入院しておられる高齢者の方々に対しましては、やはりこうした高齢者の心身の特性を踏まえまして介護力の充実を図るというふうに、むしろ一般病棟にありましてもその方にふさわしい状態でいわゆる介護力の充実を図りますとともに、そのかわりに看護、検査、投薬、注射あるいは一部の処置といったようなものについては包括をいたしまして、入院期間の長さにかかわらず定額で評価をするという道を開いたわけであります。
 そういったことによりまして、一つには、そういった方々にふさわしい状態を今の病院入院の中においても選択できるような診療報酬体系にし、あわせてそのほかの、今回の介護保険を初めといたします介護施設あるいは在宅介護サービスを充実することと相まちまして、いわゆる社会的入院の処遇上の問題点の解決にも資することになるというふうに考えた次第でございます。
#128
○西山登紀子君 私がお伺いしたのは、社会的入院がその改定によって解消するのかと、どうやって解消するのかということをお聞きしたんですね。受け皿はないんですよ、受け皿はそのまま。そして、診療報酬の改定をして二百五十点にするわけでしょう。一般病棟に六カ月以上入院をされる方になりますと、もう二百五十点ですよというふうになるわけですね。それから、それ以外の方は、例えば六百十三点のより介護の薄い、看護の薄い病床に移っていただきますよと。この二つの選択肢しかないわけですね。二つの選択のうち六百十三点にする特例病床群というのは、これは入院ですね。だから、社会的入院の解消につながるんですか。
#129
○政府委員(羽毛田信吾君) 本来の意味で一般病棟ではなくて、そういう方々にふさわしい場で療養していただくという意味において、その場を移るという意味合いにおきましては、やはり今後のこととしていえば受け皿の整備ということを今進めておりますので、そういうことと相まちまして推進しなければならない課題でございます。一般病棟にありましても、そういった六カ月を超えるような状況になりました場合には、今回の診療報酬でいわゆる介護力をむしろ充実をするとともに、そのかわりに看護とか検査とか投薬、注射といったようないわば慢性期の治療にふさわしい部分については定額とすることによりまして、今現に行われている場につきましても、そういった介護にふさわしい場になるような方向へのいわば誘因と申しますか、そういうものを診療報酬の中に入れておりますので、そういう意味でいわゆる広い意味での社会的入院の解消という方面には直接にも役立ちますし、またこういう診療報酬体系をとり、あわせて介護の体制の整備を進めることによりまして、社会的入院は解消の方に向かっていくことになるというふうに考えておるところでございます。
#130
○西山登紀子君 一般病棟で六カ月以上、そして七十歳以上の方については六カ月以上になったらいきなり二百五十点という低い点数しかつけないということは、七十歳以上の方に対する私は非常な差別と選別であると思いますね。これは病院の現場に殺伐とした差別を持ち込む。
 そして、今でも起こっていることですけれども、これは朝日新聞に報道されていることですが、八十六歳になるお父さんが脳梗塞を思っていたけれども、病院側からもう高齢なのでこれ以上入院していても仕方がないということで二週間で退院させられてしまったというふうな投書が載っておりました。これは、点数が低くなるから出ていってくださいというふうなことを、非常に非人道的なことを病院に言わしめる、そういうことになるんじゃないでしょうか。
   〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕
 そして、病院の方は六百十二点の特例病床群を設けたらいいじゃないかというふうなことですけれども、これはいろんな試算で、全国保険医団体連合会でも非常な減収になるというようなことで、これは病院の存続にかかわるということまで言って、十月からのこの診療報酬の改定については中止を要求していて、厚生大臣にも要望を出していらっしゃるところだと思います。
 こういうふうに診療報酬で誘導する、言葉は悪いですけれども誘導する、無理に追い出すしか仕方がないというふうに誘導するということは本当に非人道的なやり方であって、社会的な入院が本来の意味で解消するというふうには思えないんです。この診療報酬の改定というのは、もう一度確認をいたしますけれども、老人を病院にいづらくする、病院をいわば経済的に非常に困難にして、むしろ老人を早く追い出すというか、言葉は悪いですが、追い出しかねないというか追い出すようにしむけるというような、そういう誘導策になるんじゃないですか。
#131
○政府委員(羽毛田信吾君) 冒頭申し上げましたように、いわゆる社会的入院という形で、本来治療というよりは介護が必要な方が長きにわたって一般病棟におられるということは、その人の適切な処遇という面からも望ましくありません。したがって、そういったことを解消していくということは大きな方向としては決して間違った方向ではないというふうに思っております。
 今回の改正に即して申し上げれば、先生合病院の経営を悪くさせて追い出すんだとおっしゃいましたけれども、最初にもお断り申し上げましたように、人工透析をしておられますとかあるいはがんで入っておられますとか、そういった積極的な治療の必要な方については当然もうその例外にした上で、そうでない、いわゆる介護を必要とするような方が長期にわたって、六カ月以上にわたって一般病棟におられるという場合におきましては、一般病棟の場合においても一方において看護職員の人員配置等につきましては、いわゆる積極的な治療の必要な段階ではなくて、長期にわたって療養されるのにふさわしい状況に緩和をするというようなこともあわせながら今回のような処置をいたしておりますから、今のそういった状態にふさわしい処遇を病院がするような体制に、それに見合った診療報酬をするという考え方に立ったものだというふうに考えております。
#132
○西山登紀子君 今説明をされますと、特別の病気の方はいていいんだということなんですが、二百五十点から外すということなんで。私は、それはまさに七十歳以上のお年寄りを差別し、さらにその中で病気によって差別をするということになると思いますよ。そういうことをやろうとしているということであります。
 それと特例病床群、さらに介護の必要な方だから介護が中心の病床へと言っていらっしゃいますけれども、特例病床群というのは介護職員が八対一だとか看護職員が六対一だとかいうふうに、むしろ人的な資源というのは薄くなっちゃうんですよ。そういうところにお年寄りを追い出そうというわけですから、これはもう社会的入院の解消には全然つながらない。むしろ、本当に非人道的な老人追い出し策だというふうに厳しく私は指摘をせざるを得ません。
 それで、大臣にお伺いしたいわけですけれども、私は、介護保険法のときに特養老人ホームの待機者の問題を提起いたしました。二〇〇〇年にゴールドプラン、二十九万人を達成したとしても十万人の待機者が出るというようなことを明らかにしてきたわけです。平成七年、八年に老人保健施設調査というのがあるんですが、その老人保健施設調査で老人保健施設の入過所の経路について調べていらっしゃるわけです。医療機関から老人保健施設に入所した人が、それでは退所後の行き先がどこになっているかという統計があるわけです。これは、平成七年の九月と平成八年の九月というふうに調査がされているわけですけれども、退所後の行き先は家庭が二九%、平成八年は三一%になっているわけです。そのほかは、再び医療機関に戻っている割合が五三%というふうになっているわけですね。結局は行き場所がなくなってまた医療機関に戻ってきている。
 これは、社会的入院の方が厚生省の資料で六・六万人という数字が出ていますが、しかし本当に社会的入院は六・六万人なのかなという思いが私はいたします。というのは、私もいろんなところにお年寄りをお訪ねしましたけれども、本当に入院をしていた方がいいというような方まで非常に不自由をしながら在宅に追いやられているという例も見てまいりました。ですから六・六万人という数字、私はもっときちっとした調査が要るんじゃないかというふうにも思います。
 いずれにしても、また病院に戻ってきているという実態があるわけですから、行き場のないお年寄りをこういう診療報酬、いわゆる経済的な誘導策でもって追い出すということではなくて、やはり在宅の介護体制、医療の充実、特養の整備、こういうものをこそ優先すべきではないでしょうか。
#133
○国務大臣(小泉純一郎君) 在宅サービスとか施設整備等、これは介護保険導入によって整備されていきます。相まって、この社会的入院を解消していこうという策でありますので、この定額方式もその一つの策だと御理解いただきたいと思うんです。
 これ、現状維持がいいと言いますと、どういう問題が出てくるか、また新たな問題が出てくるわけです。改革には、今までの慣行を変えるわけですから、嫌がる人もいるでしょう。しかし、では現状を放置したら社会的入院は解消するのかそうじゃないですね。この定額方式にしても、本来真に入院を必要とする人のために病院はどうあるべきか、治療が必要ないのに病院に入院していなきゃならない人はどうあるべきかということから出てきた案なんです。現状がいい、現状がいいと言っていたら改革は進まないんです。
 介護保険導入において、施設整備もあるいは在宅サービスも今後充実していきます。そういう面において、本当に病院の治療が必要ない方は在宅でサービスが受けられるような措置を整備していくことによって、病院にとっても、また治療の必要ない施設にとっても、また患者本人にとっても、お医者さんにとってもいいような改革を目指すその一環であるということを御理解いただきたいと思います。
#134
○西山登紀子君 大臣、私、現状がいいなんて一度も言っていません。現状を放置していいなんて一度も言っていません。
 現状を抜本的に解決していく方向は、特養ホームとか在宅の介護サービスあるいは訪問看護、あるいは住宅の改善ということも非常に日本の場合は必要なことだと思います。そういう受け皿をむしろ優先的にこの際抜本的にやるべきであって、そういう対策をとらないで、ただ経済的な誘導で点数を低くして老人を追い出すというふうなことは、非常にこれは非人道的だし、やるべきことではないというふうに申し上げているのであって、現状がこのままでいいというようなことは決して申し上げておりません。
 次に質問したいんですが、この在宅療養を支援していく策として、例えばデイケアのようなことが最近やられておりまして、このデイケアの治療効果というのは非常に注目されていると思うんです。痴呆性老人の初期、中期の場合にデイケアが非常に有効であると、治療の効果も上げているということについて、厚生省はどのように認識をしていらっしゃいますか。
#135
○政府委員(羽毛田信吾君) 老人デイケアが痴呆性老人についてどのような効果があるかということでございます。
 これも今、先生から初期、中期ということのお話がございましたけれども、やはり状況に応じてその効果は変わってくると思いますし、また打つべき手段もいろいろになってはくると思います。痴呆性老人全般についていえば、痴呆性老人に特有の問題行動でありますとか、あるいは精神症状につきまして医学的な管理がされているわけですから、老人デイケアの場合、そのもとで社会生活上の刺激が与えられる、あるいは規則正しい生活習慣を維持するというようなことがその緩和に役立つ、そういう点からすれば、老人デイケアはこのような痴呆性老人の精神面の機能回復において効果がある、役割を果たすものだというふうには考えておるところでございます。
#136
○西山登紀子君 その治療効果があるということでお認めになっていらっしゃるわけです。
 ところが、今回の診療報酬の改定の中で、老人のデイケアの適正化ということで、デイケアの回数を制限していらっしゃる。寝たきりの状態にない痴呆性老人以外は週三回を限度とするというふうに制限をしていらっしゃるわけです。
 私は、この制限というのは、今お認めになった痴呆性老人に対してデイケアが本当に効果があるというふうになってきているこの状況のもとで、なぜこういう回数の限定をなさるのかなと。先ほど来の社会的入院をなくして在宅でケアをというふうな方向をお進めになるのであれば、むしろこのデイケアは制限をするのではなくて、もっと必要な、今のようにやれるという方向を保つべきじゃないかな、むしろこれは逆行するようなことをやられているんじゃないかなというふうに思うわけです。
 介護保険のときに、当委員会に参考人で来られた甲府の生松みち子さんという在宅介護支援センターのケースワーカーの方が論文を書いていらっしゃるんですけれども、私は大変具体的な例としてはよくわかりました。それをちょっと御紹介したいんですけれども、八十六歳のお年寄りで、奥さんを亡くして、失禁とかガスのつけ忘れとかというのがありまして、長男のお嫁さんは教育費とかローンがあるから仕事をやめられないというところで、週一回のデイサービス、それから五回の老人保健施設のデイケア、これをやって、何とか失禁や物忘れに対応できるようにまで回復してきたということなんです。こういう方は、今回の改定は重度の痴呆じゃないということで週三回までになってしまうんじゃないか。あるいは七十五歳のアルツハイマーの中程度の方で、デイケアは週四回、訪問看護一回、定期的なショートステイなんかをやっていて、最初はなじめなかったんだけれども最近はなじんできて、介護なさっていた奥さんも少しは心置きなく買い物に行けるような余裕も時間もできたというふうなことで、治療効果を上げているんだけれども、こういう人は今度はまた三回に限定されてしまうというようなことで、生松さんはこういうふうに言っていらっしゃいます。
  閉じこもりがちな高齢者がやっと見つけたやすらぎの場、頼りにされるようになってきたデイサービスとデイケアセンターです。九八改定はせっかく外へ出てみようと玄関に立った高齢者が、日だまりの暖かさから、急に吹雪にかわった天候に、きびすを返して家の中に逆もとりさせ、ふとんにもぐり込んでしまう、そんな事態だと思っています。
こんなふうにその論文を締めくくっていらっしゃるんです。
 大臣、どうでしょうか。こういうことを、現場の介護支援センターのケースワーカーにもそういう思いをさせるような今回の改定はむしろやめるべきじゃないでしょうか。
#137
○政府委員(羽毛田信吾君) 老人デイケアに関しまする今回の改定についてのお尋ねでございます。
 老人デイケアは、やはり先ほども申し上げましたように、その特色あるいは期待されるところというのは、医学的な管理のもとでそういったいわゆるリハビリがなされるということが一つの特徴でございます。したがいまして、そういったことにふさわしい状態の方に対して対応していくということを基本に据えながら、今回の診療報酬改定におきましてもやはり貴重な医療費財源を効果的に投入するという視点が一層求められているという観点に立ちまして、このデイケアを効果的に実施するという観点から算定回数についても見直しを行ったわけであります。
 従来、これが必ずしも医学的な管理のもとにおけるそういったリハビリテーションというような範疇に入らないような人まで、元気老人まで場合によったらデイケアという形で乱に流れてやられておるんではないか等々の御指摘が各地域からもございましたし、国会における論議でもそういう御批判をちょうだいいたしました。そういったことから、やはりより老人デイケアにふさわしい方々に効果的に実施をしていくという観点から今回見直しをしたわけであります。
 回数に関していえば、具体的には寝たきり状態にない痴呆性老人で、先ほど先生がお挙げになりましたような失禁だとか大声を出すとか、そういったいわゆる重度の著しい精神障害状態を有する方々については、これは算定回数には制限を設けないということにしながら、中程度以下の比較的症状の軽い痴呆性老人につきましては、むしろ先ほどお挙げになりました他の保健・医療・福祉サービス、デイサービス等も含めた、こういったものとの適切な組み合わせを図る方がより大きな機能効果を期待できるということも多いので、これについては週三回ということの算定にさせていただいたわけであります。
#138
○西山登紀子君 むしろ初期あるいは中期の痴呆性老人の方が回数多く必要なんですよね。そういうことをむしろ制限するということについて、やっぱり現場の利用者やあるいは関係者の努力に水を差すものだということを指摘させていただきたいと思います。
 時間がなくなったので、最後に私は腎臓の人工透析の包括化の問題などなどを質問したいと思っておりましたが、その中で最後に大臣にお伺いしたいと思います。もちろん包括化については、医療費が大体七割から八割程度に減らされるということで、現場の先生方は包括化についても反対をしていらっしゃいます。結局、医療費の削減ということが目的だということで、患者さんに対する診療が薄くなるという心配はぬぐい去れないという御意見も私は京都の先生方にお伺いをいたしました。
 さらに、十五回を超えるときには対象にしないというこの改定についても、透析患者の手術とか合併症、尿毒症、緊急の事態、こういうときには頻繁に必要な場合だってあるんだと、もしそれをやらなかったら患者さんの生命に直結するような大変な事態が起こるから、ぜひ十五回以上の場合、そういう緊急な場合には認めるような措置をとるようにしてほしいというふうに要望が出されているんですが、これは大臣の御答弁を伺って、質問を終わりたいと思います。
#139
○政府委員(高木俊明君) 大臣の御答弁の前に、人工透析につきましては今回の診療報酬改定で月十五回ということで頭打ちの包括化をしたわけでありますが、これは現在、もう九九%以上の透析患者の方は週三回以下の人工透析を実施しているわけでありまして、そういった中で月十五回以上人工透析を実施する必要性という点については、専門家の方々の御意見もお聞きし、そしてこの十五回という制限については妥当なのではないかということで実施をさせていただいたわけであります。
 ただ、こういった中で、例えば必ずしも定型的な治療とは言えない格好で入院して透析を行っている場合とか、あるいは外来でも透析の副作用で出血を来したとか、こういった場合については出来高の算定というものを行えるようにしておりますが、基本的には標準的な姿というものの中で実施していくということが診療報酬全体の効率的な使用という点で必要ではないかということで制限をさせていただいたわけであります。
#140
○国務大臣(小泉純一郎君) 今、局長が答弁しましたように、ほとんど九九%の方は週三回、ということは月にしても十二、三回で十分なわけです。それで人工透析に大体五十万ぐらいかかる、しかし本人負担は一万円でいいということから考えても、私は現時点において今の十五回が妥当な線ではないかな、そういうふうに思います。
#141
○委員長(山本正和君) もうおしまいですので、そうしたらもう一問だけしますか。
#142
○西山登紀子君 大臣、私が言いましたのは、特別の透析患者の手術、合併症、尿毒症、緊急の場合、特別な場合、命に直結する場合には外すようにすべきじゃないかと。せっかくいいことをやって命を助けてくださっているわけでしょう、今、大臣もおっしゃっているように。ところが、本当にわずかの人、二、三%が週四回以上の透析をしていらっしゃる。やっぱりレアケースですが、しかしそれはどうしても必要なケースです、必要な人です。命に直結している。
 そこで、十五回で切ってしまうという、こういうことをやるのじゃなくて、そんな何回も何回も透析を大変な苦労をしてだれもやらないですよ。だから、それを十五回ということで命に直結するところで切るのはおかしい、そういう緊急の場合には認めるという措置を残すべきじゃないか、外すべきじゃないかと言っているので、どうも大臣の御答弁は私は納得がいきませんね。
#143
○政府委員(高木俊明君) 標準的には申し上げたようなことで十分ではないかというふうに私ども考えておりますが、ただ十五回以上を実施した場合でも、先生御案内のとおりだと思いますけれども、薬剤料とかあるいは特定保険医療材料というのは算定できるようになっているわけでありますから、そういった総合的に勘案した場合には、やはり限られた医療財源の中で効率的に透析というものをやっていただかなきゃならないということを考えますと、専門家の意見等々に基づいた今回の措置というのは決してそんなにひどい措置ではないんじゃないかというふうに私ども考えております。
#144
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 本日は、私の方からは少子化対策に関連をいたしまして、小児医療の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 昨年の健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議の中からでございますけれども、「就学前児童の一部負担について、少子化対策の観点及び地方公共団体における単独事業の実情も踏まえ、その軽減を検討すること。」という項目がございます。この点について、まず現在までの検討状況をお聞かせいただきたいと思います。
#145
○政府委員(高木俊明君) 就学前児童の一部負担についての軽減措置でありますが、これは先生御案内のとおり、各自治体においてかなり普及しております。これを全国的に取り上げてそういう政策というものを導入したらどうかということについては、かねてからいろいろ御議論がございます。
 先般の改正の際にも附帯決議の中に盛り込まれておるわけでありますが、御案内のとおり、一部負担、これは受益と負担の公平というような角度から一般制度である医療保険の中では共通に負担していただいているわけでありますけれども、まさに附帯決議でも触れられておりますような「少子化対策の観点」という別の視点からこれを考えてはどうかということについては、これはここの部分だけというよりもまさに今医療制度全体についての負担のあり方ということについて検討し、抜本的にそこをきちんと見直していこうというその緒についたばかりでありまして、そういった中でそういうような新たな角度からそこをどう考えるべきものかそれらも含めてやはり全体の議論の中で私どもとしては考えていきたい、こんなふうに考えております。
#146
○西川きよし君 そこで、小児医療についてでございますけれども、子供を育てる親の立場からいろいろと質問をさせていただきたいと思うんです。
 ここにいらっしゃる皆さん方も幼いころを思い出していただきますと、夜おなかが痛くなったり風邪を引いたり嘔吐等々、いろいろあると思うんですけれども、夜中にお父さんやお母さんに病院に連れていってもらったり、私もそうですけれども、また子を持って知る親のありがたさ、ありがたみと申しましょうか、親になって同じような体験をして初めて感謝をするわけです。家族、子供との愛情のきずなを本当に改めて大切にしていかなければならないなということを考えるんです。
 この医療の分野におきまして、今日まで小児医療というものが果たしてきた役割というもの、ちょっと漠然としているかもわかりませんけれども、大臣にお伺いできたらと思います。
#147
○国務大臣(小泉純一郎君) いろいろあると思いますが、一番具体的に出ているのは、我が国においては乳児の死亡率、これは世界最高水準です、低いのは。大正時代には出生千対百五十以上だった乳児死亡率が現在では三・八ですから、もう世界の最高水準を行っている。これを見ても、小児医療がいかに大きな役割を果たしてきたか。もちろん医療だけじゃないと思います。母子保健活動、いろんな公衆衛生の水準が上がった、栄養状態がよくなった、お医者さんも薬も非常にいい適切な治療を行ったと、いろんな要素がありますけれども、乳児死亡率低下を見ても、この小児医療の役割というのは大変大きなものがあったのではないかというふうに考えております。
#148
○西川きよし君 今度は小児医療における少子化の影響についてお伺いしたいんですけれども、最近の少産化傾向、小児科の病院や診療所が少なくなっている、あるいは小児救急医療のあり方を問われている、こういう声が大変高くなっております。
 そうした中で、小児科の今後のあり方あるいは小児救急医療のあり方という問題が子供を育てる親にとっても非常に不安を感じているということを多く耳にするわけですけれども、一般病院、診療所における小児科の現状をお伺いしたいと思います。
#149
○政府委員(谷修一君) 一般病院におきまして小児科を標榜する医療機関数という形でお答えをさせていただきたいと思います。
 平成八年で約三千八百カ所ということでございまして、前の年に比べますと〇・六%減少している。それから診療所でございますが、同様に小児科を標榜しております診療所は平成八年で約二万七千ということでございまして、平成五年から見ますと若干ですが、〇・三%減少しているというようなことでございます。
#150
○西川きよし君 聞くところによりますと、小児科を受診している成人、大人の割合が近年大きく増加しているということでございますけれども、そのあたりの背景、そしてまた、そうしたことから今後は成育医療というんですか、こういう視点が大変必要とされているということも聞くんです。
 いろいろ資料を勉強させていただきますと、成育医療、余り私もなじみがなかったんですけれども、人間の一生を受精から誕生、成長、やがて妊娠、次の世代へと流れる一つのサイクルでとらえ、子供の成長と健康を一貫して支えようとする考え方であるというふうに厚生省の資料にも書いてあるわけですけれども、成育医療、この視点が必要とされているということ、この点厚生省としてはどういうふうに考えておられるのか。
#151
○政府委員(横田吉男君) 平成八年度の患者調査によりますと、小児科を受診している患者のうちの二十歳以上の人の割合が病院では入院患者の一九・三%、外来患者の二・三%を占めております。また診療所では入院患者の八・六%、外来患者の七・一%を占めているという状況になっております。
 こうしたことにつきましては、小児の慢性疾患のうちで先天性代謝異常等希少な疾病がございますが、こういったものにつきましては小児科以外の専門医の先生方が非常に少ないというようなこともありまして、成人に達しましても引き続き小児科を受診する患者が多いというふうに背景としては言われております。
 私どもといたしまして、こうした患者が継続的に専門医の診療を受けられるように、小児科におきまして引き続き診療を受けますとともに、先生御指摘になりましたような成育医療というような考え方も勘案いたしまして、診療科間の連携を強化することによって適切な医療の確保が図られるように努力してまいりたいと考えております。
#152
○西川きよし君 ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 続いて、小児の救急医療についてお伺いをしたいと思います。
 この四月に産経新聞でありますけれども、小児救急医療について連載がございました。記事の内容といたしましては、一歳の子供さんがインフルエンザが原因と見られる脳症で亡くなっております。これをきっかけとして救急医療の現状を取材された中から、医療機関の現状、救急搬送体制等々についての問題がたくさん提起されているわけです。
 子供を育てているお父さんやお母さんにとりまして、子供が深夜に発熱を起こしたり、先ほども申しましたが、嘔吐や腹痛、すぐに病院で診察してもらえる、診てもらえるという環境があるかどうかというのは本当に子供を育てる中で大変心配なことでありますし、また大切なことであります。
 現実の問題といたしまして、初期の対応のおくれと申しましょうか、本当に初期の対応でもって命を落とすことが多々ございます。その体制の整備、どのようにこれから取り組んでいくのかという非常に大きな問題であると思います。この小児救急医療体制の現状について厚生省にお伺いします。
#153
○政府委員(谷修一君) 小児に対します救急医療ということにつきましては全体の救急医療体制の中でやっているわけでございますが、御承知のように、救急医療につきましては、一般的に初期の救急医療体制、それから二次、三次の救急医療体制ということで整備を図ってきております。
 まず、初期の救急医療の中での小児の扱いでございますけれども、これは二つございまして、一つは開業医の方が在宅で行いますいわゆる在宅当番医制、それから市町村が設置をいたします休日夜間急患センターで救急患者として扱うということが一つでございます。この在宅当番医制につきましては、それぞれの医師会が中心になって運営をしているということでございますが、大体、市あるいは郡の単位で約八割の地域で整備をされてきております。
 それから、入院を必要とする方については、二次救急医療機関ということで、いわゆる病院群の輪番制あるいは二十四時間体制の救急病院等で対応をすることになっておりますが、人口でいいますと大体九五%の人口がカバーをされているというふうに理解をしております。
 三次の救急施設といたしましては救命救急センターの整備をしてきておりますが、全国で百四十カ所整備をされてきております。
 この救急医療対策につきましては、やはり医療の原点というふうに考えておりますので、救急医療体制の整備ということについては今後とも引き続き努力をしていきたいと考えております。
#154
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 次に、昨年、厚生省で小児救急医療のあり方に関する研究の報告書というのがまとめられているわけですけれども、この目的を一言お伺いしたいと思います。
#155
○政府委員(谷修一君) この研究につきましては、小児の救急医療体制を充実させるために、まず一つは調査を行う、それで調査に基づいて専門家としての提言をまとめていただくということで、平成八年度、九年度に実態調査、現状の調査を行いました。平成十年度に最終的な報告をまとめていただくということになっておりまして、私どもとしてはこの研究会の報告を参考にしながら特に小児の救急医療体制の充実ということの資料としていきたいと考えております。
#156
○西川きよし君 そこで何点かお伺いをいたします。
 小児科医のマンパワーの問題ですけれども、報告書では、病院において連日小児科医の当直を実施している施設は全体の一六%、小児科医の常勤医の五人以下で当直をしている施設が五一%、研修医も含めて局員が五人以下の施設が三七%、少数の小児科医にて当直が行われているという実態が出ているわけですけれども、ほとんど寝ないで続いてお仕事をされるという、大変なことであります。
 さらに、救急救命センターに専任の小児科医が少ないとの指摘もあるわけですけれども、この小児科医のマンパワー不足の対応について厚生省にお伺いします。
#157
○政府委員(谷修一君) このことについての一番最初の御質問にも関係するのでありますが、小児科医の数そのものは全体としてみますとこの数年間でも数はふえております。ただ、医師全体の中での小児科医の占める割合というのはこの十年ほどほとんど変わっていないということでありますので、相対的には小児科医はふえていないということだろうというふうに思います。
 特に、今御指摘もございました救急医療の中での小児科医が他の科に比べると比較的少ないということは非常に大きな問題だというふうに認識をしております。やはり小児の救急医療の体制を充実するということの中で小児科医の確保ということを図っていく、これが必要だろうというふうに考えております。
#158
○西川きよし君 次に、入院救急医療についてでございますけれども、二十四時間入院できる施設を確保するべきであると。このためには、連日小児科医当直を置ける施設の確保、輪番制のシステムの導入、救命センターにおける小児科の積極的な受け入れ、小児病院における積極的な救急患者の診療などを行うべきであるということでございます。そういった指摘があるわけですけれども、この点については今後はどういうふうになさっていくのか、また取り組んでいかれるのかお伺いします。
#159
○政府委員(谷修一君) この報告書の中でも指摘がございますように、小児の入院の救急に対しましては二十四時間いつでも対応ができる施設の確保ということが指摘をされております。それにあわせて、今、先生がお触れになりましたような、地域で小児科の救急のための輪番体制をつくったらどうか、さらに救命救急センターでの小児部門の充実を図ったらどうかというような御提案がなされております。
 私どもとしては、これらの提案につきまして具体的に個別に検討させていただいて、対応が可能な事項について今後必要な施策を講ずるということで検討してまいりたいと考えております。
#160
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。
 そこで次に、救急医療機関と救急隊、この連携についてお伺いをしたいと思います。
 先ほどの産経新聞の連載の中にも出てくるわけですけれども、インフルエンザによる脳症で重症となった四歳の子供が四時間近くも病院を転々として結果亡くなったという事例でございますが、こうした救急隊が到着してから受け入れる病院の確保に時間がかかったために子供さんが亡くなってしまったという報道を目にしたわけですけれども、こういうことは余り珍しくないようなことでもあると思います。
 せんだってもうちの家内も倒れたんですけれども、救急車を呼んでから家の前からなかなか出発することができない、受け入れる先を探すのに随分時間がかかるということです。例えば、消防関係者の声としては、第三次救急施設に運んだ患者の症状が結果的に軽かった場合、その医療機関からこれぐらいの容態でうちに運んでくるなというふうに責められることも多々あるそうです。救急隊には症状を軽く見積もる潜在意識が根づいてしまうという、そういうことではいけないということで、この救急医療機関と救急隊の連携についての現状における課題、対策、これは厚生省とあわせて消防庁にもお伺いしたいと思います。
#161
○政府委員(谷修一君) 救急医療体制全体の問題について見直しをするということで、昨年の六月に検討委員会の報告書をいただいております。
 その検討の場には私どものほかにも消防庁あるいは消防関係者にも入っていただいて、今までの救急医療体制、特に二次の救急医療体制の問題についていろいろ議論をいたしました。
 その結果の対応として、今お話にございましたようないわゆる医療機関側と患者を搬送します救急隊との間の連絡を密にするというようなことで、それぞれの二次医療圏の単位にして関係機関の協議の場を設置して日常的に協議ができるようにするというようなことを一つの対策としてまとめたところでございます。これについては、既に昨年の夏に、厚生省並びに消防庁それぞれ各県の関係方面に通知をし、またその内容の理解を図るように努めているところでございまして、今後とも現場におきます問題が起きないよう、できるだけそういう形での連携を私どもとしても都道府県を通じて指導してまいりたいと考えております。
#162
○説明員(高橋正樹君) 消防庁でございます。
 御指摘のように、救急隊と医療機関との間で密接な連携体制を構築することは大変重要なことだと考えておりまして、従来からも都道府県あるいは消防機関に対し、消防庁としても医療機関との協力関係強化について指導をしておるところでございます。
 今ほど厚生省の方からも御答弁ございましたように、消防庁といたしましても、昨年の八月に文書によりまして、消防機関あるいは医療機関等で構成します協議会を設けていただきまして、地域における救急業務の充実に関する事柄についていろいろと御協議をする中で、地域の救急医療が充実するように指導をしているところでございまして、今後とも厚生省や日本医師会を初めとする関係団体の協力を得まして、医療機関との連携強化につきまして適切に指導をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#163
○西川きよし君 そこで、続いて今度は救急医療情報ということについてお伺いをしたいんです。少し長いんですが、救急医療体制基本問題検討会というところの報告書がございますのですが、現在、三十八の都道府県に救急医療情報センターというところが整備されているわけですけれども、全市町村のわずか二五%しか利用されていないという指摘があるわけです。そうした中で、施設の情報化、これは夕方はあいていても夜間になると埋まっているというようなことが多くあるそうで、余り信用できないというようなことも現場の声にあるようですけれども、この救急医療情報センターのあり方も含めまして、情報提供の体制、これについて厚生省とあわせて消防庁にお伺いします。
#164
○政府委員(谷修一君) 今、お話ございますように、救急医療情報センターというのは三十八の県で設置はされております。かなりそれなりに利用はされているわけでありますが、幾つかの問題があるという、一つの例としては、情報センターに入力をされた情報が新しいものに更新をされないというようなところから利用率が低いというところがあるように聞いております。
 それからもう一つは、今、先生が引用になりました報告書の中でも触れておりますけれども、住民に対する情報の提供ということが必ずしもすべてのところで行われているわけじゃないと。先生のところの大阪府の救急医療情報センターというのは住民に対する情報の提供が最も活発に行われているところだというふうに考えておりますが、私どもとしては、先ほどもお話ししました二次医療圏ごとの協議の場において、それぞれの地域における救急情報センターの問題点というものをよく分析をしていただいて、やはり地域住民あるいは救急隊が利用しやすいような提供体制、あるいは現在の問題点を直していくという形で対応していきたいと思っております。
#165
○説明員(高橋正樹君) 救急業務にとりまして、例えば医療機関の空きベッド状況の情報などについてそういう医療機関の情報を適切に把握することは大変重要なことでございます。また、その方法といたしまして、今ほどお話がありましたような救急医療情報センターあるいは医療機関などからそのような診療情報を入手し、活用しているところでございます。
 この救急医療情報センターの活用に当たりましては、消防機関からのいろいろな要望事項について協議を行うなど、相互の緊密な連携体制の確立が重要であると考えておりまして、消防庁といたしましても適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
#166
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、今度は乳児、幼児のお薬の問題についてお伺いしたいと思うんです。
 昨年、日本未熟児新生児学会が全国百二の病院を対象に許可外使用薬の必要性や使用頻度などに関する調査の結果をまとめたわけですけれども、そういう新聞報道もございました。それによりますと、七割以上の病院が治療のために不可欠とした許可外使用薬だけで五十七品目に上り、特例化が常態化している、これらの薬は保険の支払いが拒否されたり、病院によっては使えなかったりするなど、最適薬の使用にブレーキをかける深刻な事態が広がっているのではないかということでございます。
 いわゆるこの許可外使用薬の実態に対する認識と、今後何らかの改善策が必要と考えるわけですけれども、御答弁をお願いします。
#167
○政府委員(中西明典君) 小児の薬でありますが、成人に広く使われておって小児に適応がないというケースと、小児の専用薬であって認められていないという二つのケースがあるんだろうと思います。臨床試験の段階で、子供に使うということになると成人に比べて安全性の面で心配だとか、あるいは保護者のインフォームド・コンセントといいますか、同意がなかなか得にくいといったような事情もありまして、なかなかメーカーが積極的に取り組んできていないというのが実態であろうと思います。
 ただ、成人に使われておる薬につきましては、承認後、医療現場で小児も含めて使われるのが実態でございまして、その過程で臨床データが集まり、再審査を行う際に適切な用法用量を設定していくとか、適応拡大をきちっとやっていくという方針で取り組んでいきたいというふうに考えております。それからまた、そもそもの承認審査の段階におるましても、例えば外国でもう広く使われ、評価が確立しておるというようなものについては、水島先生の御質問もございましたが、適応拡大が容易にできるように審査プロセスを簡素化したいというふうに考えております。
 それからまた、患者数が少ないような医薬品については、例えば官民共同による臨床研究を推進する、あるいはオーファンドラッグの指定をし、助成金を交付する、優先審査を行うといったような方法で小児への適応拡大という問題に対応していきたい、かように考えております。
#168
○西川きよし君 ありがとうございました。
 それでは、最後の質問にさせていただきたいと思うんですけれども、少子化の傾向にある中で、高齢化社会を支える子供たちを社会全体でやっぱりみんなで育てていかなくてはならない。その一方で、現実に子供が少ないことによる病院の不採算性の問題、そして小児科医のマンパワーの問題、いろいろな問題があるわけですけれども、今後の小児医療の体制の整備をどのように強化していくか。お金のことも大変な問題であります。
 こういう問題も含めまして、今後の小児医療、小児救急医療のあり方について厚生大臣にお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#169
○国務大臣(小泉純一郎君) 少子・高齢社会において、小児医療の役割というのは重要だと認識しております。小児医療に対しての医療をどのように充実させていくかというのは、今の御議論を踏まえていろんな策を講じていきたいと思います。
#170
○委員長(山本正和君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。
 この際、本案の修正について清水君から発言を求められておりますので、これを許します。清水澄子君。
#172
○清水澄子君 私は、ただいま議題となっております国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、社会民主党・護憲連合を代表いたしまして修正の動議を提出し、その提案理由と修正要旨を御説明申し上げます。
 医療保険抜本改革は、二十一世紀の本格的少子・高齢社会に向けた社会保障構造改革の重要な一翼として、一刻も早く実現しなければならない国民的課題であり、平成九年の健康保険法等の一部改正においても、抜本改革の早期実現を求める附帯決議が衆参両院の厚生委員会において付されたところであります。
 しかしながら、老人医療費拠出金制度に係る今回の改正案は、またしても暫定的措置にとどまりました。こうした中で今求められているのは、高齢者医療制度あるいは構造的問題を抱える国民健康保険制度の抜本的見直し等の具体的検討に直ちに着手するとともに、医療保険制度の抜本改革の実現の期限を本法律案においても明らかにすることであります。
 他方、保険医療機関の病床の指定の制限の条項は、医療費の削減との因果関係が必ずしも明確でなく、また地域住民が求める新規の医療機関の参入を妨げるおそれがあるなど、地域住民の良質な医療を受ける権利を制約する懸念があります。
 このような本法律案の問題点については、これまでの審議においても繰り返し指摘されたところでもあり、本委員会におけるこのような議論を踏まえ、本修正案を提出するものであります。
 修正の内容はお手元に配付されております案文のとおりでございますが、その要旨は次のとおりであります。
 第一に、「医療保険制度等の抜本的な改革までの間」とは、「平成十二年度までのできるだけ早い時期に、医療保険制度等について抜本的な改革を行うための検討を行いその結果に基づいて必要な措置を講ずるまでの間」であることを明記すること。
 第二に、政府は、保険医療機関の病床の指定等に関する規定の適用に当たっては、被保険者等医療を受ける者の必要を反映して、良質かつ適切な地域医療が確保されるよう十分配慮するとともに、その理由を明らかにする等、公正の確保及び手続の透明性の確保に努めることとする規定を追加すること。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#173
○委員長(山本正和君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#174
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、国民健康保険法等の一部を改正する法律案及び社会民主党提案の修正案について、反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、本法案が社会保障予算の削減を義務づける財政構造改革法の執行を前提として提出されていることです。
 本法案では、退職者に係る老人医療拠出金の見直しで三百六十億円、老人加入率上限に関する特例の見直しで二百億円、合計五百六十億円の国庫負担削減を見込んでいます。しかし、政府みずからが財政構造改革法を改定した今、既に前提が崩されており、法案そのものの根拠がありません。また、九九年度に限り社会保障予算のキャップを外すことについても、新潟市で開かれた地方公聴会では、受診抑制の深刻な実態が出され、新潟県の医師会長も社会保障予算のキャップ制は断固反対と表明、六人の公述人のうち四人までが上限設定の撤廃を求めているほどです。今なすべきことは、財政構造改革法の廃止とこれに基づく本法案の撤回であり、老人医療に対する国の負担を抜本的に増額することです。
 第二の理由は、被用者保険の負担増は、参考人質疑で労働者と健保組合からも赤字を抱える被用者保険へのツケ回しは反対との意見が出されたように、その保険財政の悪化を招き、加入者への保険料引き上げにつながりかねないことです。
 反対の第三の理由は、市町村国保事務費の負担金三十四億円を全額一般財源化し、市町村に負担を押しつけていることです。この事務費は、国民皆保険創設当時に国の責任において負担金としてきた経緯があり、これを無視することは国民健康保険法の理念と国の責任を後退させるものです。
 また、ベッド数が過剰とされた地域で病床をふやす場合は保険医療機関の指定をしないという病床規制の強化は、国民がいつでもどこでも安心してよい医療を受ける権利を抑制するものです。
 提出された修正案は、被保険者本人の三割負担や包括制の導入など国民に犠牲を強いる医療保険制度改悪の早期実現を明記するものにほかならず、到底容認できません。
 ゼネコン奉仕の従来型公共事業や国際的にも高過ぎる薬価にメスを入れ、社会保障予算を抜本的に拡充することが医療保険財政の再建の道です。我が党は、そのために全力を尽くすことを表明し、反対の討論といたします。
#175
○委員長(山本正和君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより国民健康保険法等の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず、清水君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(山本正和君) 多数と認めます。よって、清水君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#177
○委員長(山本正和君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、水島君から発言を求められておりますので、これを許します。水島裕君。
#178
○水島裕君 私は、ただいま修正議決されました国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明、社会民主党・護憲連合及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
 一、医療提供体制、薬価基準制度、診療報酬制度、高齢者医療制度の抜本的な見直し等の医療保険制度等の抜本改革を、平成十二年度に実施すること。とりわけ、市町村財政にとって大きな負担となっている国民健康保険制度の抜本改正について遅滞なく取り組むこと。
 二、抜本改革に当たっては、保険者機能の在り方、医療情報の提供の推進、患者の権利擁護、医療費の地域間格差の是正など国民の立場に立った検討を加え、法制化も含めた必要な措置を講ずるよう努めること。さらに、社会保障制度に対する国民の信頼を損なうことのないよう、医療保険制度における給付と負損の公平化を図り、社会全体で支える仕組みを構築すること。
 三、抜本改革に当たっては、科学的データに基づいた医薬品・医療技術の有用性等の再評価、高額医療機器の共同利用の推進、内外価格差の是正等についても検討すること。
 四、老人医療費拠出金制度に係る今回の改正が暫定的な措置であることにかんがみ、高齢者医療・保険制度の具体的検討に直ちに着手すること。また、その検討に当たっては、高齢者の所得・資産・生活の実態を踏まえ、高齢者の保険料及び自己負担が過度な負担とならないよう留意し、低所得者への十分な配慮を行うとともに、自己負担、保険料、公費負担のそれぞれの在り方について検討すること。
 五、政府管掌健康保険に係る国庫補助の繰入特例措置分及びその利子については、国及び政府管掌健康保険の財政状況を勘案しつつ、できる限り速やかな繰り戻しに努めること。
 六、医療計画における必要病床数の算定方法について、急性期・慢性期用の病床の区分等を含めて検討を加え、地域間格差の是正に向けて見直しを行うとともに、それに沿って地域での診療機能にも配慮しながら都道府県における医療計画の見直しを行うこと。また、無医地区の解消、病床の偏在の是正を図り、より多くの地域住民が良質な医療を受けられるよう努めること。
 七、医療法上の勧告と健康保険法上の病床制限に関する措置については、地域住民に必要な医療機関の参入を妨げない等、良質な医療を受ける機会を制約することとならぬよう十分留意し、その公平公正な運用の確保に努めるとともに、勧告に関する都道府県医療審議会の審議及び病床の指定制限に関する地方社会保険医療協議会の審議を公開する等手続の透明化を図ること。
 八、保健医療福祉の総合的なサービス提供体制を確立するため、都道府県における医療計画の見直しに際しては、住民の意見反映に努めながら、今後策定される介護保険事業計画との整合性を図ること。また、住民の生活圏を考慮しつつ医療圏域、老人保健福祉圏域及び障害保健福祉圏域の整合性を図ること。
 九、入院医療・看護の質を高めるため、看護要員の充実確保について所要の措置を推進すること。
 十、審査及び指導監査の充実等、医療費の不正請求の防止、医療費の適正化を図るための対策を強化すること。また、これらを適正・円滑に進めるため、レセプト処理の効率化を図ること。
 十一、医療全般について、医学会や臨床現場の意見に耳を傾け、保険診療のルールとの整合性について検討を進めること。
 十二、医療現場の実情を把握し、円滑に国民に適切な医療が遂行できる環境づくりに努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#179
○委員長(山本正和君) ただいま水島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(山本正和君) 多数と認めます。よって、水島君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小泉厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小泉厚生大臣。
#181
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して努力いたします。
#182
○委員長(山本正和君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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