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#1
第142回国会 文教・科学委員会 第3号
平成十年二月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     南野知惠子君     下稲葉耕吉君
     魚住裕一郎君     山下 栄一君
 一月二十三日
    辞任         補欠選任
     下稲葉耕吉君     井上  裕君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     扇  千景君     高橋 令則君
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     高橋 令則君     扇  千景君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     井上  裕君     鈴木 政二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島 慶久君
    理 事
                小野 清子君
                北岡 秀二君
                馳   浩君
                小林  元君
                松 あきら君
    委 員
                釜本 邦茂君
                鈴木 政二君
                世耕 政隆君
                野沢 太三君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                本岡 昭次君
                山下 栄一君
                上山 和人君
                阿部 幸代君
                扇  千景君
   衆議院議員
       発  議  者  河村 建夫君
       発  議  者  船田  元君
       発  議  者  柳沢 伯夫君
       発  議  者  福留 泰蔵君
       発  議  者  松浪健四郎君
       発  議  者  大畠 章宏君
       発  議  者  小坂 憲次君
   国務大臣
       文 部 大 臣  町村 信孝君
   政府委員
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省体育局長  工藤 智規君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       佐々木豊成君
       自治省財政局地
       方債課長     岡本  保君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○スポーツ振興投票の実施等に関する法律案(第
 百四十回国会衆議院提出)(継続案件)
○日本体育・学校健康センター法の一部を改正す
 る法律案(第百四十回国会衆議院提出)(継続
 案件)
○スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百
 四十回国会衆議院提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十二日、下稲葉耕吉君が委員を辞任され、その補欠として井上裕君が選任されました。
 また、昨日、井上裕君が委員を辞任され、その補欠として鈴木政二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大島慶久君) スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 三案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳です。
 いよいよ長野オリンピックを四日後に控えまして、この文教・科学委員会で懸案の課題でありますスポーツ振興投票法案について審議できますことをまず喜びますとともに、まさしく今こそ日本のスポーツの現状について我々国会議員は深く理解を深めなければいけない時期でもあると思いますので、非常に時宜を得た法案審議であるということをまず冒頭述べさせていただきたいと思います。
 法案の内容について発議者の皆さんに御質問を申し上げる前に全体的な話として伺いたいと思いますが、最初は私の方から答弁者を指名させていただきますが、ぜひ松浪健四郎議員にお答えいただきたい。
 これは個人的な話になりますが、私は高校生時代に松浪議員にスカウトされ、大学へ進学し、あるいはオリンピック出場、あるいはその後の人生において大きな師であり、あるときには私の目標とする存在でありました。
 松浪議員は、大学生時代はアマチュアレスリングで活躍をされ、メキシコオリンピックの日本代表候補の選手にもなり、全米選手権でも優勝し、また、現役を退かれた後は指導者として私を含めたくさんの選手を指導され、それから国情の不安なアフガニスタンに赴かれて国立カブール大学で教鞭をとられ、日本に帰ってこられても引き続きスポーツ人類学という分野で活躍をされて、大学スポーツの現状も非常によく御理解しておられる方であり、また個人的にはお子さんの乗馬クラブの後援会長を務めるなど、非常に地域のスポーツクラブの面倒を見られるなど、そういった点、多岐にわたり、日本のスポーツ界全般にわたり御理解はあると思います。
 その御経験、御経歴を踏まえて、今現在の日本のスポーツ界の現状をどういうふうにとらえてこの法案を提出する発議者になられたのか、そしてまたこの現状をどのように改善して発展していかれようとしているのかという点におきまして、ぜひ御発言をいただきたいと思います。
#5
○衆議院議員(松浪健四郎君) おはようございます。松浪健四郎でございます。
 教え子が参議院の文教委員会の理事としてこうして私に質問をされる、大変光栄なことと存じますし、長い間教壇に立っておりました身といたしましては教師冥利に尽きるところでございます。
 委員から先ほど御質問を賜りました、我が国のスポーツの現状はいかがなものなのか、そしてこれから日本のスポーツの振興策、スポーツのあり方がどういう方向に進もうとしているのか、そしてそれらを踏まえて今回の法律案を出させていただいたわけでありますけれども、この話をさせていただきますとかなり時間を食ってしまいそうな危惧がございますので端的に申し上げますが、スポーツは大きく分けて学校スポーツ、社会スポーツ、そして地域のスポーツから成る、こういうふうに思っておりますけれども、私たちの考えでいるスポーツというのはもしかしたならば競技スポーツであるかもしれません。
 そしてこの競技スポーツは、あの古橋広之進の活躍に見られるように、いかに私たち国民に希望と勇気とそして夢を与えてくれたかは私が説明をするまでもございませんけれども、国民生活の中に潤いを与えるためにはスポーツが必要である。さらには、憲法第二十五条で記されているように、国民すべて健康で最低限度の文化的生活を営む権利を有するとするならば、まず健康の維持増進、これらを国が積極的にやっていかなければならない。これは昭和三十六年からのスポーツ振興法を見るまでもございません。
 とにかく国民生活の中にスポーツを生かせるように、欧米諸国では既に各地域にスポーツクラブをつくって老いも若きもスポーツを楽しむ、こういう社会が確立されてあるわけでございますけれども、悲しいかな我が国の現状はそうではございません。とするならば、文部省は生涯スポーツに力を入れておりますけれども、これをもっともっと積極的に進めていかなければならない。としたならば、どこから財源を求めてくるのかという議論に飛躍していくわけであります。
 とにかく潤いのある生活をするために、また競技力の向上を考える点からも、そしてすべての国民がスポーツを楽しむ、そういう意味からも私たちの提案しているこのスポーツ振興くじに御賛同賜りたい、こういうふうに考えております。
 日本体育協会やJOCはスポーツ少年団をつくったりして一生懸命力を尽しておりますが、スポーツの普及発展は悲しいかな十分でない、こういう認識でおるところでございます。
#6
○馳浩君 ありがとうございます。
 平成四年以来、スポーツ議員連盟の皆さん方の大変な御努力によってこの法案がまとめられたわけでありますが、私は非常に賛同しておる一員でもあります。なぜならば、私の観点から言いますと、例えばオリンピック憲章によりましても、各競技について国別にランクづけをしてはいけないというふうな一章があります。どういうことかと申しますと、これはベルリン・オリンピックの反省を踏まえるまでもなく、スポーツを政治的に利用して国威発揚とかそういったもので競うべきものではなくて、スポーツはまさしく一つのルールのもとに平等に全世界の人間が交流を深める、親睦を深めるというものであります。
 そういうことも観点に入れますと、何でもかんでもスポーツの財源を国がやれという視点だけでは私はいけないと思います。一枚百円の券面によって、自分たちが楽しむスポーツの施設整備、自分自身が指導者を育成するんだという理解こそ、その意識を高めることこそがこのスポーツ法案を提出されたことの意味であると思いますので、そういった観点も踏まえまして、私は具体的な法案についての質問に入らせていただきます。
 私は、このスポーツ振興投票法案について、三つの公正さについてきょうは大きく質問させていただきます。すなわち、スポーツ振興投票の実施の公正、サッカーの試合の公正、収益金の配分の公正が問題となると考えておりますので、それぞれ分けて質問をさせていただきます。
 まずはスポーツ振興投票実施の公正について伺います。
 本法律案第三条によりますと、文部省の特殊法人である日本体育・学校健康センター、これを以下センターと呼びますが、このセンターがスポーツ振興投票の実施主体とされています。この点に関し、教育行政を所管し青少年の健全育成を図るべき文部省がスポーツ振興くじにかかわることについて違和感を覚えるとの指摘が一部でなされておりますけれども、このセンターを実施主体とした理由についてお伺いしたいと思います。
#7
○衆議院議員(船田元君) 発議者の一人といたしまして、きょうこのような形で実質審議を行っていただきましたことをまず感謝を申し上げたいと思います。
 また、先ほどの馳委員の大変スポーツにかける熱意といいますか、また現状の冷静な分析、私も聞いておりまして大変感動したところでございますし、ぜひそういう状況を改善するというためにも、このスポーツ振興投票制度が十分な役割とその効果を発揮することを我々も答弁を通じながら皆様に訴えていかなければいけないなという印象を持った次第でございます。
 今の御質問にありました文部省がスポーツ振興くじにかかわること、あるいは文部省所管の日本体育・学校健康センターをスポーツ振興くじの実施主体とした理由ということでございますが、言うまでもなくこのスポーツ振興くしというのは、我が国のスポーツ振興のための新たな財源を確保してスポーツの振興に寄与しようという極めて公益性が高い制度であるということ。第二には、これはやはり広く国民全体を対象として全国規模で実施される制度であるということ。あるいは三番目には、多額の金銭を扱う業務等々がありますので、その処理を行うにおいては公正さが確保され、また国民の信頼が得られなければならないということ。そして、とりわけ日本体育・学校健康センターにおいてはスポーツ振興基金、既に今動いておりますけれどもスポーツ振興基金を運営しておりまして、スポーツに関する助成の実績あるいは蓄積というものが既にセンターに存在をしている、こういうことでございます。
 このような観点から、特殊法人である日本体育・学校健康センターで実施をするということは極めて妥当ではないかというふうに感じておるわけでございます。
 また、文部省自体がスポーツ振興くじにかかわるということは、これはもう先ほどのお話にもありましたように、文部省の大変重要な施策の一つとしてスポーツ振興ということが高々と掲げられておりまして、そのスポーツ振興を行う上においてこのスポーツ振興くじが大きく寄与する、あるいは寄与させるというその趣旨を生かすためには、やはり文部省が管轄をする、そしてまた文部省の管轄下にあるセンターにその実際の業務を行わせるということが、監督をきちんと行うという意味でも極めて適切ではないかということで御提案をさせていただきました。
#8
○馳浩君 この点につきましてさらに私は審議を深めていかなげればいけないと思いますのは、特殊法人に対する国民の信頼という観点でありまして、先ごろも日本道路公団の理事が収賄容疑で逮捕されました。各種アンケートを見ましても、行政改革で最も国民が望んでいることは実は特殊法人の統廃合であり、その情報公開であるということであります。さらに加えて言えば、特殊法人への天下りの禁止でありまして、こういう状況のもとで、日本体育・学校健康センター法第三十九条による文部大臣のセンターに対する監督権、命令権のみでスポーツ振興投票実施の公正な運営が担保できるとお考えなのでしょうか、伺います。
#9
○衆議院議員(柳沢伯夫君) センターは文部省所管の特殊法人でございまして、その意味で文部大臣の一般的な監督権、命令権のもとにあるわけでございます。そのセンターに新しい仕事としてこのスポーツ振興投票の業務が加わるわけでありまして、その意味では、当然のことながらただいま申した一般的な監督権のもとにこのスポーツ振興投票業務も服するということになるわけでございます。
 それだけで果たしてセンターの公正な業務の運営というものが確保できるだろうかというのが馳議員の御質問の趣旨でございますけれども、もちろんその前提には、いろんな制度が我々が提案している法律で提案をされているわけでございます。
 まず第一に、スポーツ振興投票業務というものを行うに当たりましては、これは特殊な認可業務というふうに位置づけまして、文部大臣がセンターにこの業務を行わしめるに当たりましては、政令で設けられております保健体育審議会の審議を経て業務の計画を認可していく、こういうことに相なっているわけでございまして、そこには業務の骨格について多くの見識の高い人々の意見を十分反映した上でこの仕組みがつくられていく、こういう制度のもとにまずあるわけでございます。
 そして、何よりもそれに加えまして、この法律におきましては、先生御案内の法文の第三十条によりまして、「センターは、国民に対し、スポーツ振興投票の実施及びその収益の使途に関する情報を提供する」ということで情報公開を強く義務づけているわけでございます。
 不公正な業務をどのようにしてチェックするかということについてはいろんな措置があり得るわけですけれども、現在私ども行政改革の一環として取り組んでいることの中でもこの情報公開こそが最も不公正なことの予防措置として有効な措置ではないか、このような位置づけになっておるわけでございますけれども、そうしたことをこの法律では特にうたって、センターに対して義務づけを行っておる、こういうことでございます。
 さらに、財務諸表等の公開、これにつきましては、一般に特殊法人の財務諸表等経理の公開については、先般、私ども国会でこの間における新しい立法をいたしておるわけでございまして、センターのスポーツ振興投票業務についての経理、これに関しましても当然この新しい財務諸表公開法のもとにある。
 このように幾つかの制度的な担保が行われておりまして、私どもとしては、そういう上に立った文部大臣の監督ということでもって今回のこの業務の公正を確保していきたい、このように考えておるということを御理解賜りたいと思います。
#10
○馳浩君 法案三十条に基づいて十分な情報公開ということは、そういうのは当然のことでありますが、私はそれだけでは、そしてこのセンター法三十九条だけでは公正な運営の制度的担保としては不十分であり、もう一段厳しい制度的担保があってしかるべきと考えております。
 このスポーツ振興投票制度は、特殊法人への信頼問題のほかに、スポーツの健全性や青少年への影響も問題となっておりまして、国民の皆様に大変な御心配をかけております。したがって、一般論としての監督官庁と特殊法人の関係、規律を述べるだけでは足りないと思います。要は、運営の公正さへの確保だけではなく、運営の公正さへの信頼も確保すべく十分制度的担保をとるべきであると考えます。
 これと関連して次の質問に移ります。
 すなわち、センターがスポーツ振興くじの実施、運営の段階で本法律違反を犯したときはもちろんのことですが、加えて、法律違反ではないにしても、今述べました実施、運営の公正さ、さらには公正さへの信頼を侵害するような行為が万が一行われた場合、これを見逃してはならないと思います。
 例えば、これは個人的な見解でありますが、本法律案十八条一項一号に、センターはスポーツ振興くじの売りさばきをしかるべき金融機関へ委託するとなっておりますが、その際、たくさん売りさばいてほしい意図から無理な押しつけ販売を事実上強要したりする行為、あるいはこの法律案三十条のセンターの情報開示において、例えばこういうことは起こらないと思いますが、数字の改ざんが行われて正確な情報提示を怠ったりする場合、国民の信頼は失墜すると思います。
 これらいわば公益に反する行為、反するおそれのある行為は、現行のセンター法、この改正三十九条で防止できるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#11
○衆議院議員(柳沢伯夫君) ただいま馳議員の御質疑の中にもございましたように、スポーツ振興投票の業務につきましては、売りさばきあるいは払戻金の支払いといったような実務につきましては銀行等に業務を委託する、このようになっておるわけでございます。
 法律にはもちろん書いてございませんけれども、これは私どもコンペでもって、どの銀行が一番経費の面で効率的で、しかも売り上げについては一生懸命やってくれ、そしてさらに社会的な問題を最も惹起しない仕組みを提供、提案してくれるか、こういうような考え方でもって最もふさわしいというものに委託をいたしたい、センターをしてそうさせしめたい、このように考えておるわけでございます。
 今先生がおっしゃった、数字のいわばごまかしとかあるいは隠ぺいだとかということがあり得るのかといいますと、これは実はコンピューターでオンラインでもって集計をしたり、あるいはその投票のグループ分けをしたり、あるいは払戻金の割り当てをしたりというようなことは、これは実は銀行等は関係なく、センターそのものが行うということに想定をされておるわけでございます。
 したがいまして、先ほど申し上げたような経理の公開、あるいは経理のみならずいろんな業務情報の公開という情報公開を私ども三十条でもって規定をいたしておりまして、繰り返しになりますけれども、そのようなことによりまして私どもは公正を確保してまいりたい。もちろんこれは文部大臣の一般的な監督権のもとにあるということを加えてでございますけれども、そのように考えておる次第でございます。
#12
○馳浩君 改正三十九条による防止策がとられているのはしかるべきだと思いますが、この防止策が功を奏するまでに時間がかかったり、国民の信頼が失墜し容易に回復しないと思われるときなどは思い切ってくじの一時停止などを考慮に入れるべきではないか。
 そして、ここが重要なことですが、私自身は先ほど述べました公益に反する行為等が具体的に発生する危険があるとは全く思っておりませんが、ただひとえに一人でも多くの国民の皆様の御理解、御信頼を得るためには、万が一の安全弁として文部大臣による一時停止制なるものがあってもよいのではないかと考えております。
 ちなみに、これは全く関係ないところですけれども、モーターボート競走法というものの第二十三条では、運輸大臣による一時停止を命ずることができると。小型自動車競走法におきましては、第二十一条の三におきまして通産大臣が、公益に反するおそれのある行為をしたときは制限、開催停止という条項があります。文部省が所管する特殊法人、このセンターにおきまして行われるということはもう明白なわけでありますから、ここは、何かあったときにはということは常に私たちは考えるべきであると思いますので、文部大臣による一時停止制というものについての提言を私はさせていただきたいと思います。
 関連して、先ほど申し上げましたのはセンター自身が問題行為を行った場合を想定しておりましたが、今度は、センター自身に何ら問題行為はなく正規の通常どおりの行為が行われたが、その結果として例えば、正規に購入した大人を介して十九歳未満の青少年にスポーツくじが広く出回り教育上も問題となった場合というときも考えられないことはありません。これは改正三十九条を含めて現行案では手の施しようがないと思われますが、いかがでしょうか。
#13
○衆議院議員(船田元君) スポーツ振興くじにおきまして我々は、制度について広く国民の理解を得る、こういう立場から、特に青少年の健全育成ということにはさまざまな意見を聴取し、また我々が法案をつくるときに十分配慮したつもりでございます。
 そこで、一番問題になっているのは、十九歳未満の者がくじを購入するということを規定により禁止をしたということであります。また、それだけではなくて、スポーツ振興くじの実際の販売においてさまざまな歯どめといいましょうか、そういったものを考えております。
 例えば、対面で確認をして販売させるというマニュアルをつくるということ、あるいは人目の行き届いた場所で販売をするということ、あるいはまた試合当日の販売とか試合会場、競技場で直接販売をするということは行わないということ、さらには今のような販売のマニュアルをしっかりと販売店に十分指導していくということ、さらには十九歳未満の青少年に販売した者や店を罰則の対象とする、こういう措置をとることによりまして青少年の購入禁止の趣旨が徹底されるように慎重に配慮をしたいというふうに思っております。十九歳未満の青少年が法律に違反して購入するということは、これはなかなか容易には発生しないと我々は考えておるわけであります。
 それから、このスポーツ振興くじの導入そのものが、結果としてスポーツ関係の予算の充実ということにつながり、それが地域スポーツの振興につながって、ひいては青少年の健全育成に全体としてつながっていくというふうに考えておるわけでありますので、ここは十分に国民の理解が得られるものというふうに思います。
 なお、馳議員がおっしゃいましたように、万が一ということを常に制度上想定をしておかなければいけないというふうに思っております。私どもは、さまざまな歯どめ、それから文部大臣の監督あるいは情報公開、そういったものを通じて十分に担保しているとは思っておりますが、なお皆様のさまざまな御意見を伺い、そして、よりよい方法があるということであればそれにまたゆだねることも考えておくべきではないかというふうに思っております。
#14
○馳浩君 次に、第二の公正の点につきまして伺います。
 八百長の防止を本法律案ではどのように規定しておりますか。
#15
○衆議院議員(小坂憲次君) 指定試合において勝敗をあるいは試合結果を左右するような不正行為が行われた場合、すなわち八百長と言われるような行為が行われた場合にどのように防止していくのか、こういう御質問でございます。
 八百長を防止する観点からいたしますと、まずそれが起こりにくい仕組みをつくること、そして万が一起こった場合に処罰をすること、このようなことによって防止をしていこうと考えるわけでございます。
 まず、その罰則の方から簡単に申し上げますと、万一八百長が行われた場合には、法律の三十七条に罰則が規定をされておりまして、「偽計又は威力を用いて指定試合の公正を審すべき行為をした者は、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。」となっておりますが、この規定が当然適用されるものと考えます。指定試合において公正を審すべき行為をした選手やあるいは外部から不正の働きかけをした者があった場合一これはすなわちこの三十七条に該当してくるわけでございます。
 また、機構では、いわゆるJリーグと言われるわけでございますが、機構におきましては選手あるいはチームの関係者等を対象といたしまして講習会を開いて、このスポーツ振興くじの趣旨を十分に徹底し、また不正防止策について十分な理解を得るように重ねて努力をしてまいります。
 また、このスポーツ振興くじそのものは、個人競技とは異なりまして、競技の実施に当たって不正が起こりにくい団体競技としてのサッカーを選んで対象としているわけでございます。また、サッカーの試合の結果は十数試合をまとめて予想するということでございますから、なかなかいわゆる八百長と言われるようなものを起こしにくい。また、これらの試合はほぼ同時期に行われておりますので、それらを全部コントロールして不正を行うということはほぼ不可能に近いと思われるわけでございまして、そういうようないろいろ重複した防止策によりまして、言われるような八百長行為を防止いたしてまいります。
#16
○馳浩君 私もサッカー好きですからその競技もよく知っておりますけれども、選手が審判に暴言を吐いただけでイエローカード、ちょっと手を出しただけでレッドカードと、これはまさしく本当にスポーツの見本であるスポーツであるというふうに理解しておりますので、私が申し上げたような八百長という言葉を出すのも実は失礼な話なんでありまして、それは私も重々知っておるわけではありますが、この法案の趣旨を全然あるいは十分理解できない方にとってはスポーツの八百長について常に議論の的になるわけでありまして、この点は私はさらに踏み込んで、例えばこの三十二条、三十七条のほかに、選手、監督、コーチ、審判などが主体となって金品等をもらって八百長するような場合も収賄という形で処罰するという、あり得ないことではありますけれども、こういうことを規定しておくということは必要であるというふうに考えておりますので、この点についてコメントがあればいただきたいと思います。
#17
○衆書院議員(小坂憲次君) 馳委員はいわゆる一般の皆さんが持ってあろう疑問を代表して御質問をいただいておりまして、私どもも、そういった点について十分な理解を得ることがこの法案を早期に成立させ、そしてスポーツ、文化の振興に役立たせることができると思っておりまして、その御質問の趣旨に対しましてお答えを申し上げますが、法案の三十二条、いわゆるのみ行為、それから三十七条、ただいま申し上げた罰則の規定のほかに、選手、監督等のそれら個人が収賄行為、これはあってはならないことでございます、このような行為を万が一行った場合、やはりそれを法律で処罰すべきではないか、こういう考えでございます。
 しかし、私どもは基本的に、このスポーツ振興くじの対象となるサッカー試合は、試合自体はこのくじとは別個のものでありまして、あくまでもスポーツ活動として行われなければならないわけであります。あくまでもスポーツとしてサッカーは行われ、そしてこのスポーツくしというのが、ある意味では機構の行う試合をかりながらこのシステムを運用していく、こういう趣旨で行っているわけでございます。それらの点からいたしまして、試合の開催費あるいは選手の人件費等、これらはやはり自主的に賄っていくという基本姿勢を貫いていきたい、このように考えております。
 そして、既にJリーグにおいて規定をされておりますが、不正行為の禁止及び違反に対する制裁、これは大変に厳しいものでございまして、無制限の公式試合の出場資格停止、こういうものを含んでおりまして、これらの規定がもう既に定められております。機構の内部のこういった不正防止を自主的な運用という観点から尊重いたしまして、あくまでも機構による自主的な試合の運営と自主的な不正の防止というものにさらに努力をしていただくことによって、法律の上からこういうものを規定して、あくまでもこの自主性を阻害するような形になってはならない、こう考えておりますので、そのような形で私どもは内部規制にゆだねることとして、これで十分だと考えております。
#18
○馳浩君 この点に関しては、法律を考えられる方というのは、本当は人間というのは性善説に立って物を考えたいのですが、どうしても性悪説といいますか起こり得るすべての事態に対処するということも頭に入れておかなければいけないというふうにも考えますので、この点につきましては改めて先ほど申し上げた私の意見を提言とさせていただきます。
 さて、法案の二十三条からいろいろと文部大臣と機構とのかかわりについて書かれております。これによってJリーグの自主的な運営が阻害されるのではないかという心配もありますが、その点に関してはいかがでしょうか。
#19
○衆議院議員(松浪健四郎君) 恐らく馳議員の御心配は、競馬、自転車あるいはボートレース等の公営競技、これらとJリーグのサッカーと同じではないのかというふうな視点に立たれているような気もするわけですけれども、本法案におきましては、スポーツ振興くじの対象試合の公正をあくまでも確保しなければならない、その観点から、くじの対象となる試合を開催する機構、いわゆるJリーグでございますけれども、これに対する文部大臣の一定の関与等を規定しております。
 しかしながら、スポーツ振興くじの対象となる試合は、スポーツ振興くじとは関係なく通常のスポーツ活動として実施されるということであり、対象試合の開催費やあるいは選手等の人件費などの運営経費はこれまで同様Jリーグが独自に賄うという点にあります。これらの点は公営競技とは異なりまして、機構に対する文部大臣の関与はJリーグの主体性を尊重する観点から必要最小限のものとされておりますし、他の公営競技と比べ物にならないのではないのか、このように考えております。例えば公営競技の中で所管大臣の関与が最も緩やかな競艇と比較しましても、スポーツ振興くじの場合には、文部大臣の立入検査権限がないことなど、機構の業務への文部大臣の関与等を必要最小限のものとし、機構の自主性を可能な限り尊重しているところであります。
 ちなみに、平成九年十二月十一日、参議院の参考人質疑におきましては、川淵三郎参考人、Jリーグのチェアマンでございますが、サッカーくじ導入によってサッカーの独立性や純粋性が損なわれる心配はない、このように発言されていることをつけ加えさせていただきます。
#20
○馳浩君 私の心配が杞憂に終わることを祈っておりまして、文部省と機構の関係はお互いに独立して、Jリーグの業務が公明、公正、透明に行われることを、もちろんそのとおりの法案になっておるわけでありますが、改めて期待したいと思います。
 さて最後に、三つ目の公正の問題として、収益金配分の公正についてお伺いいたします。
 まず、このスポーツ振興投票制度の結果、売り上げ、あるいは本法律案二十一条関連のスポーツ振興助成金に充てられる金額をどのぐらいと見込んでおられるのか。とらぬタヌキの皮算用と申しますが、やってもいない前から申し上げて悪いようですが、やっぱりどの程度の目安というのはあると思いますから、お答えいただきたいと思います。
#21
○衆議院議員(柳沢伯夫君) お答えいたします前に、ちょっとだけ先ほどの質問に関連して。
 もう馳議員よく御存じのことでございますけれども、あえて私から申し上げますと、文部大臣の監督権の発現というのは二通りあるわけですね。このスポーツ振興投票法自体の二十八条に、機構に対する監督権というか監督命令の権限を持っております。それからもう一つ、冒頭御質問があったような、センターの業務についての公正を確保するための監督命令がある。こういう二本立てになっておりまして、その前者につきまして、今各発案者から御答弁いたしたような自主性というものとのバランスでどのような監督権の発現が一番望ましいか、こういうことをこれから探求していかないといけないと、こういうことになっているということを申し添えさせていただきます。
 御質問でございますけれども、スポーツ振興くじは何しろ日本で初めての制度でございまして、今御質疑にもありましたように、明確なことは申し上げにくいわけでございます。また、サッカーに対する国民の関心というか、俗に言う人気というようなものについても若干の推移があることも申すまでもございません。
 しかし、この法律案を提案するに当たりまして、民間が一般的に行った調査でもって私ども推計をいたしたのでございますけれども、平成五年度の調査によりますと二千億円ぐらいというのが出ております。それから平成七年度は千八百億円ぐらいというような結果が出ております。
 この調査結果をもとにいたしまして、法律に規定された方式に従ってスポーツ振興のための助成金に充てられる金額が幾らかということになりますと、前者の場合には三百五十億円ぐらい、それから後者でも三百十五億円ぐらいになると、こういう結果が出ておりますので御参考にしていただきたいと思います。
#22
○馳浩君 そうしますと、スポーツ振興に関する財源は、文部省予算と、それからスポーツ振興基金と、そしてこの法案が通りますればスポーツ投票制度による財源と、三つになるわけですね。
 この三つの財源について、どのように割り振られるのかというのは皆さんの権限ではないんですが、十分に連動性を持って効率よく配分されることをまず期待申し上げましてお願いしたいと思います。
 それから、これが通ったからといって文部省のスポーツ振興の本予算が、じゃ少しはカットしてほかの教職員の給与の方にでも回そうかとか、そういったことになってはいけないのであって、私もスポーツ振興予算の陳情に何回も大蔵省、文部省へ参りますけれども、いざ予算獲得のときになるとスポーツ振興予算の応援団がいきなり少なくなってしまうという現状がありまして、そういうことを考えますと、本予算の方もしっかりとこれからは獲得するために我々努力をしなきゃいけないという、これは自分に対して言っているのでありますが、申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 ちょっと時間が少なくなってまいりましたので、答弁の方も少し短目にお願いしたいと思います。
 次に、国庫納付金の額についてお尋ねさせていただきます。
 本法律案二十二条、センター法改正案三十条の二によれば収益金の二分の一が国庫納付金とされています。そもそもなぜ国庫納付金が必要なのか。あわせて、なぜ二分の一なのか。
 私の個人的な意見を申し上げれば、二分の一は多い、多過ぎる。そもそもなぜ国庫納付金が必要なのかという点に関しまして今でもちょっと疑問を持っておりますが、この点、発議者の皆さん方にぜひ御答弁いただきたいと思います。
#23
○衆議院議員(福留泰蔵君) このスポーツ振興くじ制度の導入によります売り上げの使途につきましては、二分の一以内を払戻金とする、そして経費を一五%以内に抑える、残りました三五%以上の半分ずつをスポーツ振興助成金と国庫納付金にすると定めているところでございまして、ただいま馳委員からは国庫納付金は要らないのではないかというふうな御趣旨の質問だったかと思います。
 このスポーツ振興くじ制度につきましては、先ほど来申し上げているとおりでございますけれども、我が国におきますスポーツ振興を目的とする制度でございます。しかしながら、一方で、この制度は国の制度として創設されるわけでございまして、青少年を除きます十九歳以上の広い国民各層が購入するということでもございます。このように社会的に大きな広がりの中で実施されていくことを踏まえていきますと、制度に対します国民の信頼を確保してその理解を深めることはまことに重要であると私どもは考えているわけでございます。
 このため、スポーツ振興くじの収益の使途につきましては、スポーツの振興だけではなくして、教育、文化の振興、自然環境の保全、青少年の健全育成、スポーツの国際交流などなど、より広範な公益事業に対しても支出することとしているわけでございまして、そのために国庫納付制度を設けたものでございます。
 ちなみに、このような国庫納付制度はイタリアでも行われていると聞いておりまして、イタリアでは売り上げの二六・八%を国庫納付に充てていると承知しているわけでございます。
 さらに、その国庫納付金の割合を二分の一にしたのはどのような理由がという御質問がございました。そもそもこのスポーツ振興くじ制度がスポーツを振興する資金を確保するために創設されるものであるということを勘案いたしまして、スポーツ振興に直接使用する割合と公益事業に使用する割合を同等、つまり二分の一にすることが適当であると私どもは考えたわけでございます。
#24
○馳浩君 そうはおっしゃいましても、国庫納付金が二分の一というのは余りにも多過ぎるということを改めて私は申し上げたいと同時に、本来ならこのスポーツ振興投票ができてくじを買う人はスポーツ振興のために出したんじゃないかと、大事な百円を使って券面を買って何で国庫納付金があって、もちろん改正センター法四十九条の二で教育、文化関連等に使途の制限をしたとしても、ダイレクトに何でスポーツに行かんのやというふうな疑問が出るのは当然でありまして、この点は私はダイレクトにスポーツ振興に収益金が回されることをまず提言いたします。
 もう一つは、スポーツ振興、スポーツ振興とおっしゃいますが、本来ならば身近な場で地方自治体が行う事業にこそ予算が必要なわけでありまして、その中で施設の整備、設備をつくる、用意する、それから指導者育成に地方のきめ細かな対応があってこそしかるべきであって、この法案の内容では、国庫納付金の三分の一、収益金の六分の一しか地方公共団体関係のスポーツ振興事業に対して回っていかない。非常に私は疑問を持っておりますので、この点ももうちょっと地方自治体にダイレクトに予算を使うことができるようにすべきではないかということを申し上げたいと思いますが、これに関して答弁をお願いいたします。
#25
○衆議院議員(船田元君) 今御指摘の地方への配分ということでありますが、我々もこの点につきましてはいろいろ配慮しなきゃいけないというふうに考えております。
 ただ、法案の中では、スポーツ振興くじの収益から地方に行く部分としては、一つは国庫納付金からの支援というのがあるわけですね。これはもう御承知のように地方公共団体等への支援ということで、第三十一条に明記をされております。国庫納付のうちのおおむね三分の一に相当する金額を、地方公共団体が自主的に行うスポーツ振興事業の円滑な実施等への支援に努める、こういうふうに規定をされておりまして、これは少なくとも担保されるはずだというふうに思います。
 しかしながら、またもう一つのスポーツ振興助成金の方に振り向けられる分、実はいろいろと調べてみますと、スポーツ団体には地方公共団体出資の第三セクター等も含まれる、あるいはスポーツ団体を通して地方のスポーツの振興に使われるということは十分想定されるわけであります。
 もちろん、割合がどのくらいかということは今にわかに言えるものではありませんけれども、相当程度のものがこのスポーツ振興助成金の中から地方のスポーツ団体に振り向けられるというふうに考えられますので、決して二分の一の三分の一で六分の一じゃないかということでは必ずしもないというふうに考えております。
 なお、我々としては、今後この助成金の配分、これは審議会のいろんな議を経なければいけないわけですけれども、審議会においても地方重視ということを相当想定をしながら審議をされるものと期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#26
○馳浩君 最後になりますが、収益金の中から国庫納付金に割り当てる金額の理由というのはわかりました。それから、ダイレクトにスポーツに充てられる金額というのもわかりました。そして、地方自治体に割り当てられる金額も私が申したように六分の一ではないというふうな御意見もわかりましたが、この点をもうちょっと明確にしていただいて、それぞれに十分に効率よくこの収益金が配分されることを祈っております。
 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#27
○江本孟紀君 民友連の江本です。よろしくお願いします。
 このサッカーくじの法案審議がやっときょう行われるということで、私たちがサッカーくじにかかわってもう五年以上たちます。これほど長々と待たされた法案はないんじゃないか、本当に長いことかかってサッカーくじの話ができるということですけれども、今、馳先生のいろいろ御質問聞いていますと、ほとんどもうあれで終わったんじゃなかかなというぐらい核心をついた御質問でございましたが、私なりに少しこのサッカーくじについての意見と、そして皆さんに御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この成り立ちは、当然皆さんも御存じと思いますけれども、もともとは体協、スポーツ団体等から国会にスポーツ予算を何とかしろ、財源確保のために何か考えろということで要請があって、スポーツ振興議連がこれを取り上げ、そしてプロジェクトチームをつくり、一部の党を除いてほぼ超党派でこの問題を取り上げることになったわけですね。そういうことで随分時間がかかり、私もヨーロッパ等にも視察に四年ぐらい前ですか行きましたけれども、そんな経過がありながらやっと審議ができるということで、通常の議員立法という中ではこれほど民主的で、そしてこれほど時間をかけて議論をして、私は反対される人たちの前面に立っていろんなこともやってきましたけれども、私はスポーツをやった人間としてすばらしい法案であるということを前提にして、本当に長々とかかりましたけれどもやっと開けたことを感謝しております。
 そこで、いろいろお聞きしたいんですが、多少馳先生とダブることになると思いますけれども、まず最初に、私もプロスポーツ出身ですから、日本のプロスポーツの意義と現状についてということでお聞きしたいと思います。
 当然サッカーくじはJリーグというプロサッカーが参加しております。最近、プロスポーツ自体が国際的に見てもちょっと弱いんじゃないかというようなこともありますし、しかしやはりプロスポーツが健全でそして強い、どういう種目も強いというようなことがスポーツの底辺の底上げをするわけですし、そういった意味で非常に私は重要じゃないかということで、まずそのサッカーくじに導入されるサッカーも含めて、プロスポーツということの意義と現状について少しお話をいただきたいと思います。
#28
○衆議院議員(小坂憲次君) 江本先生、プロスポーツには十分御理解があって、そして御質問をいただいているわけでございますが、今御指摘のプロサッカーを初めといたしまして、江本先生御出身のプロ野球、あるいは大相撲等プロスポーツがいわゆる見るスポーツとして国民各層に深く浸透いたしております。また支持を受けているわけでありますが、特に青少年に対してスポーツに興味を持ってもらう、あるいはスポーツに対する視野を広げて広く参加をしてもらう、これが青少年の健全育成に必要であることは万人の認めるところだと思うのでございます。
 また、プロスポーツが活躍をいたしますとアマチュアスポーツの底辺も急激に広がってまいりますし、またそういう意味でそのスポーツの与える効果も急激に広まるわけでありますから、プロスポーツ選手が活躍してくれることがやはり大きな国民的な意義があると思っております。
 そういう意味で、近時、プロスポーツが衰退をしたり、あるいは急激に伸びたり、いろいろな状況が出てまいりますのは、テレビにどのくらい出てきて、そしてテレビでどういう活躍をしているか、こういうことであります。特に、国際試合等で日本選手が活躍をいたしますとテレビの視聴率はウナギ登りにわっと上がるわけでありまして、またそのスポーツが試合後多くの人々の興味を引くわけでございます。
 そういう意味で、このスポーツ振興施策を通じて、まずプロスポーツの皆さんにも自信を持って試合に臨んでいただけるような環境をつくっていく、そしてアマチュアの皆さんがスポーツに接したいと思ったときにすぐ近くにそれらを体験できる施設がある、あるいはプロ選手がアマチュア選手との交流を通じて高度な技術をアマチュアの皆さんに伝えてくれる、こういうことがやはりどうしても必要だと思うんですね。そういった技術の向上、そして向上した技術を一般に広めるための施策、こういうものを実施するためにはやはり今の予算規模ではどうしても十分でない。そのために、私どもこういった企画をしながらその目的を達成したい、こう思っておるところでございまして、江本委員におかれましては、その意味でもまた御尽力を賜り、また御協力をお願いいたしたいと思っております。
#29
○江本孟紀君 プロの重要性ということはよく御理解いただいておると思いますけれども、最近はオリンピックでもプロの選手の参加というようなことも認められまして、まあ一部にはまだそういうものが認められぬものもあるんですが、プロとアマの垣根というか、そういったものがほとんどもうなくなってきているというぐらいスポーツに対する関心というのが、これはもう国際的に見ても当然出てきているわけです。今までは、私の例でいいますと野球が一番プロとアマと交流しないというか壁があったわけですけれども、今度のオリンピックもプロ野球の監督が出、また選手が出るというような非常に雪解けのムード、理解が深まってきておるわけです。
 そういうことでいいますと、今後もプロとアマの連携を一層推進していくということが非常に重要な課題となってくるわけですが、スポーツ振興法の一部改正の中でプロの競技技術活用についての規定ということが設けられておるんですけれども、この趣旨について御提案者のお考えをお聞きしたいと思います。
#30
○衆議院議員(松浪健四郎君) 今、江本委員から、スポーツ振興法の存在、それからどういうふうにアマとプロの交流をしていくべきかというような振興法の一部改正についてお話がございました。
 私は、バルセロナのオリンピックでアメリカのプロパスケットボールチームがすばらしい技術で世界の人々を魅了したあのドリームチームの活躍を目の当たりにしたときに、スポーツマンというのはやはり最高の技術を欲するし、それをおのれのものにしてみたい、こういうふうに願うのが一般的であろうかと、こういうふうに思います。
 それで、アマチュアという言葉の定義づけも非常に難しいわけでありますけれども、一般的に言うならば、プロは職業選手であり、アマチュアの選手はその活躍によっても金銭等を得ることができないと、このように定義づけするのが一般的であるかもしれません。
 とにかく、このスポーツ振興法ができたのは昭和三十六年でございまして、江本委員からお話がありましたように、野球につきましてはプロとアマの交流が極めて厳しく、年々だんだん緩やかなものになりつつありますけれども、まだきちんとされていない。世界のオリンピックあるいは世界選手権大会においてプロ選手が出場できる、そういう傾向にある今日、我が国だけがまだ線を引いておる。これは問題ではないのか。特に、プロ選手の活躍によって子供たちや多くの選手が夢を得る、そしてスポーツ界の活性化を図ることができる、そういう視点から見たならば、これは一部改正すべきであるというようなことで、プロとアマの適切な連携を図っていくことが重要ではないのか。そういうような状況を踏まえて改正するわけですけれども、これはスポーツ振興法の第十六条の二を新しく設けるということでございます。国または地方公共団体がスポーツ振興施策を実施するに当たり、スポーツ選手の技術の活用を念頭に置きつつ施策に取り組むことに努めるよう、努力義務を課すというものでございます。
 具体的な施策としては、プロ・アマ交流試合を通じての競技技術の向上、プロスポーツの選手を指導者として活用することによる競技技術の向上や国民へのスポーツの普及、これらが想定されるというふうに思いますけれども、プロ選手の卓越した技術、これが一日も早くアマチュアの選手あるいは青少年にまで指導していただけるようになればいい、こういうふうに考えているところであります。
#31
○江本孟紀君 プロスポーツの重要性ということもそうですが、プロスポーツになる前はアマチュアから上がっていくわけですからここに垣根があってはいけない。そういった意味で、プロスポーツの存在を理解していただくいいチャンスじゃないか、サッカーくじをやることによってまたプロスポーツの存在も広く認識されるんではないかというふうに思います。
 そこで、具体的にちょっとサッカーくじのことについてお伺いしたいと思います。先ほどの御質問とちょっとダブるのでこれは御返答はいいんですけれども、例えば、よくサッカーくじに対してばくちとか胴元とかという言葉を堂々と使われる人が多いんですね。なぜこのように汚い言い方をわざわざするのか。それから、ギャンブルというのは悪であるというのは、これはギャンブルにかかわる人はすべて悪人であるということを言う差別であります、私に言わせれば。私は個人的にはギャンブルはしません。一切やらないんです。
 そういうことでいいますと、ちょっと調べますと、胴元というのはばくちの席を貸す人、それから組織や仲間を取り仕切る人というふうに一応説明があるんです。
 こういった胴元という言い方はおかしいんですが、これを文部省がやるのはけしからぬ、それからギャンブルを管轄するのに文部省がやるのはおかしい、こう言っているんですけれども、僕はむしろ反対でして、文部省というところがやる方がはるかに健全であるという考え方なんです。そこがもう全く考え方が違うので、反対される方と私の決定的な違いだと思います。
 そこで、それに関連して別の質問をしたいと思います。
 先ほども申しましたように、約四年ぐらい前にこのスポーツ振興くじをやろうということになったときに、世界ではどういうやり方をしているのかと。これは通常トトカルチョと言うんですね。スポーツくじだのサッカーくじだのと言っていますけれども、これはトトカルチョなんです。
 ところが、トトカルチョという言葉は日本のマスコミが間違って使ったんです。これをばくちの代名詞のように使ってしまった。だから、よく大相撲のトトカルチョとか野球のトトカルチョと、わけのわからぬことをひっつけて悪の代名詞のように使ってきた。ヨーロッパへ行きますと、こういう用紙にトトカルチョと単に書いてあるだけなんですが、これはごく自然にサッカーのばくちであると、かけであると。ばくちという言い方はおかしいですね、自分で言っちゃいけない。いや、訳せばそういうことなんです。ただ、ばくちという言葉を悪くとっているかとっていないかだけの話で、認識がすべて賭博だ、ばくちだ、悪い悪いというふうに言っているからそうなるのであって、ごく自然にトトカルチョという言葉が使われている。
 そういうトトカルチョというものが、日本のサッカーくじをやった場合に反対される方の大きな原因の中に、青少年の非行につながる、教育に悪い、こういうことをよく言われるんです。その点について私は、オリンピック委員会の中にあるトトカルチョ委員会、これは役人がすべて仕切っておるんですが、そこのトトカルチョ委員会の委員長に質問しました。青少年に悪影響はあるんですか、それから制限はありますかと聞いたら、そういったものはない、何でそんなことを聞くのかとむしろ笑われたぐらいでして、国の違いといえばそれまで、それから歴史の違いといえばそれまでですが、そういうことでいえば、これは本質がそういう悪であるばくちではないんだという意識から恐らくそういった感覚で私に話をしたと思います。
 そこで私は、こういった十九歳未満とか、買っちゃいけないとか、青少年に悪いんだとかというようなことを勝手に大人が決めつけて押しつけるような、おまえらはこれをやると悪人になるんだ、非行に走るんだというようなことを言って制限する方がむしろ逆に悪いんじゃないかと思います。私はむしろ不要論ということを言いたいと思います。
 その点についてお聞きしたいと思います。
#32
○衆議院議員(福留泰蔵君) 江本委員とは、スポーツ議員連盟におきますプロジェクトができた当初から一緒にさまざまな形でこのプロジェクトを推進し勉強させていただいたところでございまして、当初からこの制度の導入に当たって精力的に推進してこられたことに対して敬意を表しますとともに感謝申し上げる次第でございます。
 今回私どもが導入しようとする制度は、今、江本委員の方からも御説明ありましたけれども、いわゆるトトカルチョ、トトカルチョというのはイタリア語で、トトというのがサッカーという意味でございまして、カルチョというのはくじという意味でございます。まさしくサッカーくじという意味でございます。
 この制度は、私どもが調べた範囲内におきましては世界の十六カ国で既にこの制度が実施をされているわけでございます。この各国の実施状況を見てみますと、購入に当たっての年齢制限を設けている国は六カ国ございます。ベルギー、イギリス、フランス、ユーゴスラビア、アルゼンチン、モロッコということでございまして、あとイタリア等を初め十カ国は年齢制限を設けていないという形になっております。
 ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。先ほどちょっと言い間違いをしたようでございますが、トトというのがくじで、カルチョがサッカーでございました。違う部屋に来ておるものですから上がってしまって、言い間違えして申しわけありません。とにかく、意味としてはサッカーくじであるという意味でございます。
 昨年、衆議院の文教委員会で委員派遣がございました。ヨーロッパの派遣がございまして、私もその派遣委員のメンバーとしてイタリア、スウェーデン、ノルウェー、フランス、イギリス等を回らせていただいて、その中でこのトトカルチョについても視察をさせていただきました。
 今、江本委員の方からもお話があったとおり、イタリアではCONIというところがこの運営をやっているわけでございますけれども、イタリア・オリンピック委員会というところでございますが、ここで年齢制限の話をしましても、青少年に対する悪影響は全くない、そういう議論は当初からない。現状、青少年に対して悪影響があったような事例は、全く報道もないし事実ないというふうなお話でございました。
 それよりも、むしろ前向きの効果として、このくじの収益金が青少年の体育関係に使われている、この収益によって子供たちを麻薬や非行から救う役割を果たしている、そしてそのことをこのトトカルチョを購入する方々が十分認識しているというふうな御説明がございました。
 私は、このスポーツ振興くしというのは、実施に当たって全く瑕疵がない、事故が全く起きないかと言われると、そうではないかもしれない、マイナス面もあるということも想定はしないわけではありませんけれども、それは極力ないようにしなければなりませんが、プラス面というものを大いに評価していくべきではないか。
 この制度が導入されるに当たって、さまざまな形での地域のスポーツ環境というのを整えることができる、コミュニティーを中心としたスポーツ環境を整えることができる。それは、ひいては子供たちの健全育成に資することになるのであるということを前向きにとらえていくべきではないか。このことは、プロジェクトができて以来、江本委員ともさまざまな形で議論をさせていただいてきたところでございます。
 それで、今回の私どもが提案させていただいたこの制度では、十九歳未満は購入禁止というふうな形に一応決めさせていただいたところでございます。
 先ほど来、江本委員の方からお話がありましたとおり、ギャンブルという定義も大変難しいですし、日本で誤ってと言いますと言葉が過ぎるかもしれませんけれども、トトカルチョという言葉がひとり歩きしている状況もございます。しかし、私どもは、このスポーツ振興くじ制度というのはギャンブルというよりもどちもかといえば宝くじ、くじに近い制度である。このスポーツ振興くじに参加することによって、その参加する方々が理性を失って、それが家族の崩壊とかさまざまな社会的悪影響を与えるものではないという意味でくじに近い制度であると認識しているわけでございます。
 具体的には、その当せん金の割合というのが宝くじと同じように売上金額の二分の一以下にして寄附的行為という意味合いを持たせているということでもございますし、また、これは十数試合をまとめて予想するわけでございますので、当せん金を手に入れる確率というのは計算上は百六十万分の一ということでございます。これは、何とか一山当てる、ねらって何とかなるという数字ではないということで私どもは理解しておりますし、また、当せん金の最高限度額も、外国ではかなり高額の賞金も出ているようでございますが、私どもではある一定の、宝くじの一等賞金並みの上限も設けているところでもございます。また、先ほど来説明もありましたけれども、競技場では発売しないということにもなっておりますので、これはJリーグのサッカーという試合をかりて別のところで行われるくじ制度であるというふうに私どもは理解しているわけでございます。
 しかしながら、そうはいっても、十九歳未満の青少年がこのスポーツ振興くじを購入することについては、検討過程でもさまざまな御意見があったわけでございます。このくじを購入することによって、私はないと思うんですけれども、非行を誘発してしまうんではないかという御心配はございました。また、社会的に未成熟な青少年がこのくじを購入して多額のお金を得てしまう、勤労を経ずしてこういう金銭を青少年が得ることはいかがなものかというふうな意見もあったわけでございます。私どもとしては、こういう懸念する御意見を参考にさせていただいて、この十九歳未満の年齢制限というものを設けたということでございます。
 なお、このスポーツ振興くじにおきましては、青少年の購入禁止を実効あるものにするためには、対面販売をするということ、販売場所は青少年の購入に関して十分な配慮がなされる場所を考えるということ、それから販売マニュアルを作成するということ、そして販売店に対しては徹底した指導を行うということ等の措置によりまして、制度の運用上も細心の注意を払っていくとしているところでございます。また、十九歳未満の者であるということを承知しつつくじを販売した者等につきましては罰則の対象としているところでございます。
#33
○江本孟紀君 私は、個人的には制限をする必要はないということですが、今お聞きしましたその制限の内容については、それはそれですばらしいというふうに思わざるを得ないんです。
 そこで、このくじが実施されるということになれば、どうしても勝敗にこだわっていくというようなことから、先ほども馳議員からありましたように、勝敗に対する八百長云々ということについての不正、こういったものについて御議論がちょっとあったんです。
 私のプロスポーツの時代の経験からいいますと、残念ながら日本のプロ野球にはかつて八百長事件がありました。その当時、お金をもらった、もらわないで処罰をされた人もいます。それから、本当にやったかどうかわからないけれども、疑惑がかかったまま永久追放になって、そのまま野球界から追放された方もいます。しかし、その八百長というものの本質はどうであるかということでいいますと、スポーツによっては八百長しやすいスポーツと、言葉は悪いですけれども、しにくいスポーツというのがあるわけです。そこへもってきて、かけの対象となるスポーツとなりにくいスポーツがある。
 野球とかいうものは、私がかつてパ・リーグの人気のない球団にいたころは、お客さんがほとんどいなかったんですが、指定しますと大阪球場ですが、今は住宅の展示センターになっておりますけれども、大阪球場なんかでは年に一回必ず手入れがあります。その手入れはどういう手入れかといいますと、試合中に突然投光器がライトがスタンドにはっと当たって、一斉にお巡りさんが来てそこら辺のやつをばばっと捕まえていくんですね。あれは、次のボールはストライクかボールか五百円とやるんですよ。そういうのをばくちというんですよ。非常にかけの対象になりやすい。しかし、これはあくまでも違法なわけですね。
 それから、そのうち、その日の勝敗をかけた野球賭博というものがアンダーグラウンドでは盛んなわけですね。そういうものに私たちプロ野球選手、私は十一年間いましたけれども、私は少なくともかつての八百長事件があって処分をされた以降そういった疑惑に迫られたことは一度もありません。それから、通常よく言われるそういう怪しげな人たちから誘惑があったということも一度もありません。
 みんなで話をしたことがあります。おい、八百長せいといったら幾らでやるかなと。そうすると、まあ一億ぐらいくれたらやってもいいかなと。そうすると、そんな金を出してまでやってくれと言う人がいるわけがないんですよ。だから、八百長というようなものは現実味が全くないんですね、実際スポーツにかかわることに関しては。だから、そういうことに全然無知な人たちがすぐ八百長だ、不正だとこのことを言いますが、現実にやっている人間にとっていかにそういうことが現実味としてはないということを私は言いたかったんです、経験として、それから周りの人間を見ても。
 野球の場合は団体スポーツですから、負けることはできるかもしれません、しかし、よっぽどうまくやらないといい負け方ができないんです。だから、簡単に八百長とか不正とかというようなことを言われる人たちの神経が私はわからないんですよ。それはやっぱりスポーツをしていない人間の発想なんですね。やった人間にはそういうことはあり得ないです。だから、反対するためにそういうことをよく言われると思いますが、しかし現実としては、その八百長という問題については、むしろサッカーの場合はこれは最もやりにくい。
 それから、今まで議論された中で言いますと、全試合当てるということになれば、全チーム、全監督、全関係者を買収しなければできないわけですよ。もしやるとしたらその金の莫大なこと。そんなことを出してまでやる人がいますか。それだけ大がかりにやってしまえば必ず漏れますから、こんなことはもう現実味は全くないですね。
 一試合についてやる場合は、これは現状でもやっているわけです、アメリカンフットボールだってアメリカのバスケットボールだってアメリカじゅうでは公営ではやってなくてもやっていますよ、ほとんど。そういうことによって人気が上がっているわけです。それが果たして本当にいいのかどうか、これは別としてですね。
 やはり、スポーツの本質をとらえ、そして、このスポーツはそういうことには向かない、またそんなことはあり得ないということを私はもっとちゃんと明確に見るべきだと思うんですね、判断すべきだと思います。安易にすぐ不正だの八百長だのというようなことを言うのは、これはもう大変失礼です、やっている連中に。
 しかし、やはり勝敗を予想するわけですから、振興くじの導入によって、試合の内容を本当に楽しむというようなことよりも、何か結果、結果を追ってしまうというような風潮になってしまってはいけないんじゃないか、私はそういうふうに思うんです。それが本来のスポーツ観を失うようなことにもなりかねない部分もあると思うんですが、その点については発議者の方はどのようにお考えでしょうか。
#34
○衆議院議員(福留泰蔵君) 江本委員の御質問というのは、このスポーツ振興くじ制度を導入することによって皆さんの関心が結果だけに注がれるんではないか、結果至上主義にスポーツが変化していくんではないか、そういう御趣旨だというふうに受けとめました。
 これは、この参議院の当委員会において参考人質疑があったというふうに聞いておりますけれども、そこではJリーグの川淵チェアマンが出席されまして、たしか、スポーツのフェアプレー精神というのは、この振興くじ制度が導入されるされないというのは関係ない、くじがあろうとなかろうとそのフェアプレーの精神というのはスポーツにとって大事なものであるという趣旨のお話があったと。そして、勝利至上主義というのは、そのルールを曲げてでも何とか勝とうという精神であると。それともう一つの観点からすると、ある意味でいえば、何としてでも勝とうというところに、みずからのそのスポーツを通しての自己実現というのか、技術を磨くというか、そういう向上心があらわれるのであって、そういう意味において結果を重視するというのは決して悪いことではないんじゃないかというふうな、そういう趣旨の発言があったかというふうに私は仄聞しているわけでございます。
 ですから、私は、決してこのことによってJリーグが勝利至上主義になるとか、あるいはサッカー自体がそういう形になっていくとは考えていないわけでございます。
#35
○江本孟紀君 そこで、この振興くじが実施された場合に、私は先ほどからずっとお聞きしてきた中でも、浸透するのがなかなか時間がかかるのではないかというようなことも含めますと、先ほど柳沢先生から売り上げのお話がちょっとありましたけれども、民間の調査によると二千億とか千八百億とか言っていますけれども、イタリアの場合は人口が六千七百万ぐらいですか、それで大体二千億から四千億ぐらいですね。それはその年度によっては景気、不景気もありますから、盛り上がりもあるでしょうし、そういった情勢によって多少変わってくるとは思いますけれども、その金額云々というよりも、私は今の現状だと、理解されていない分それほど上がらないじゃないかと、むしろ逆に言えば。だから、これはこういうものですよ、寄附行為でスポーツ財源を集めるんですというようなことをもっと何か宣伝をして、そしてむしろ、これはギャンブル性があるんですよ、こんなギャンブル性のないものは嫌だといって買わない人には、もうちょっとこれは楽しみがあるんで買いなさいよとかいうような、何かそういうアイデアがないといけない。
 そういうことで、売り上げの向上のための何か方策といいますか妙案があるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
#36
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 私も、江本議員と同じように長年スポーツ振興議連の中のプロジェクトチームで勉強をしてきたわけでございます。
 しかし、まず第一に、先ほど福留先生がもう既に答弁をされておりますけれども、まず基本的に江本先生は賭博であってもいいじゃないかという、賭博是認論というか肯定論を立論の立脚点にされておりますけれども、私どもは、先ほど福留先生がおっしゃられたとおり、この我々がもくろんでおるところのスポーツ振興投票というのは賭博ではない、こういう考え方を持っておるものでございます。
 これは一つには、先ほど来答弁があったことですけれども、賭博というのはいろんな諸説ありますけれども、胴元自身がその仲間になってリスクを負わなきゃいけない、こういうのを賭博というふうに法律的にはどうも考える説が有力のようでございまして、少なくともそういうものとはこれは違うわけでございます。
 それからまた、賭博が悪と言われるのは何かといえば、それは現場性だとかあるいは即時性だとかという、先ほどアメリカンフットボールのお話でなさっておりましたけれども、そういう現場性、即時性といったようなもので人間の理性をやや麻痺させてしまって、その結果家計に迷惑がかかるようなことをやってしまう、自分自身の社会生活を崩壊させてしまうというような弊害が起こってくる。あるいは、さらに根本的には、額に汗して勤労によって自分の生計の糧を得ていくというような、そういう精神的な態度に非常に悪い影響を与えるというようなことが言われるわけでございますけれども、この我々が提案させていただいておるスポーツ振興投票というのは、そんな即時性、現場性もなくて、そもそもその当日には売らないわけでございます。今我々が計画しておるものは、これは前日までに売るということでございまして、即時性はない。それから、現場性もございませんというようなことでございます。
 したがいまして、私どもとしては、これはあえて言えばくじの方に近いというように考えておるわけでございます。そういたしますと、このくじでもって家計を破産させてしまったというような話は寡聞にして聞かないわけでございまして、我々としては、これはあくまでスポーツ振興くじである、こういうように位置づけておるということをひとつ、先生とは見解が違いますけれども、そういう立脚点に立っておるということを御理解賜っておきたいと思います。
 そこで問題は、そうだとすると余り関心がなくて売れないんではないか、これが江本先生の御質疑でありますけれども、これはなかなか確かに頭の痛い点でございます。しかし、私どもといたしましては、まず第一に、今回の銀行等に委託をして業務をやる、あるいは日本体育・学校健康センターがこの業務を仕切るというときに、今先生がおっしゃったような意味で広報を十分にやっていくということが必要であろう、このように思っております。そしてまた、正直申しまして私どもも売り上げに無関心ではいられないわけでございまして、他方、社会的な問題であるとか、あるいは効率性といったようなことについては同時に配慮をしなきゃいけないわけですけれども、やっぱりある程度の売り上げについていいアイデアを出したところを選択していく、こういうようなことにもまた努めていかなければならない、こう思います。
 しかし、私どもが一番考えておりますのは、我々はこのスポーツ振興投票のいろいろな審議の過程でいろいろ外国のことを調査させていただきました。このスポーツ振興投票というのは、先生はプロスポーツの御出身で、とかく競技スポーツ、人間の能力の限界に挑むようなプロスポーツの面から話題を随分出されておりましたけれども、私どもは地域スポーツあるいは生涯スポーツと言われるもの、私などはこの審議の過程でヨーロッパのドイツのあるスポーツクラブに行ったときに、あるおばあさんグループが体操をしておりました。そこにマイクが差し向けられまして、おばあさん、あなたは一体いつからこのクラブに入られたんですかと、こう聞きました。恐らく質問者は、このごろ高齢化社会か何かでドイツも一生懸命ゴールデンプランで、余り年寄りが医者にばかり行かないようにという配慮でこういうスポーツクラブを組織して、そして、そういうところに高齢者を引っ張ってきているんだろうと、ですから、三、四年前ですよというようなことを予期して言ったんだろうと思います。
 ところが、その答弁者は、その差し向けられたおばあさんは何と言ったかというと、わかりませんと、こう言うわけです。なぜわからないかと言ったら、私は自分の祖父に手を引かれて幼児のときからこのスポーツクラブに入っていましたと。それから、幼児は幼児なり、幼児の時期なりのスポーツ、それから、少年少女時代にはそれなりのスポーツ、また青年時代にはそれなりのスポーツ、壮年時代はそれにふさわしいスポーツ、そして、高齢者になってこういうスポーツを私はやっているんですと、これが答えだったのであります。
 私どもが今度このスポーツ振興投票法案で考えていることの眼目は、スポーツ振興基金がどちらかといえば競技スポーツに対して重点を置いて助成をしている。私どもの今度の助成金は、むしろそういう地域のスポーツクラブを中心にした生涯スポーツをやる人たちのいろんな施設だとかあるいは競技大会を助成していく、こういうことを考えておるんです。
 そして、先ほど来の売れるかということについてあえて言いますと、そういう場でのドイツの人たちがどう言っているかというと、私、くじ買っていますと。なぜ買っているんですかと言ったら、だって私たちのクラブのような施設がほかにも必要なんでしょう、そういう人たちのために少しでも助成金の足しになるように我々はスポーツくじを買っているんですよ、こういうことをおっしゃっているんです。
 ですから、私たちがこれから努めていかなければならないのは、そういう国民の理解に基づいた、そしてスポーツクラブ、生涯スポーツクラブ、地域クラブというものをどんどん振興していくために寄附をしていただく、そういう気持ち、それと同時に少し楽しみもある、こういうようなものだということを国民に向かって理解を呼びかけていくということが正道ではないか、王道ではないか、このように考えているわけでございます。
#37
○江本孟紀君 今お聞きしたとおりでございます。私も全くそのとおりだと思います。
 そこで、先ほどのとちょっと話はダブるんですけれども、サッカーくじをイタリアなんかの例で見ますと、オリンピック委員会に所属しておる三十幾つかの団体にそれぞれその収益金を振り分けていく、そしてスポーツ施設、スポーツ環境を充実するというようなことが主なんですが、例えば緊急の災害等があったときには、そのオリンピック委員会の下のトトカルチョ委員会の委員長は、年によっては大きな災害があった場合には、そういったものには国のためにつき込みますよというようなことをおっしゃっておりました。そういった役割を非常に大きく幅広い範囲で持っている。
 そこで、先ほど馳さんからも国庫の問題が出ましたけれども、私は日本のスポーツ予算の現状、これが非常に問題ありということで、その辺のスポーツ予算の現状についてどのように思われておるのか、お聞きしたいと思います。
#38
○衆議院議員(船田元君) 今御指摘のように、我が国のスポーツ予算、諸外国に比べましてかなり見劣りがする、残念ながらそんな状況にあります。もちろん財政が非常にいい状況のときには毎年毎年少しずつ予算はふえておりましたけれども、ここ最近やはり財政再建あるいは財政構造改革を唱えなければならないほど国の財政が厳しい状況にあります。そういう中で、もちろん文教予算全体も相当制限をされるということでありますが、とりわけスポーツ予算についても相当な制約が加わっている。今回このような形でスポーツ振興くじ制度を、我々緊急にどうしてもこれが必要であるという、その大きな理由としてはこのようなことが背景にある、これはもう言うまでもないことでございます。
 また同時に、同じスポーツといいましても、先ほど来話がありましたように、オリンピックを目指すようないわゆる競技スポーツ、その頂点を、いかに頂上を高めるか、これがやはり一つ大事でございます。しかし、また同時に、その頂上が高くなるためにはやっぱり底辺も広くなければいけない。つまり、地域スポーツというものをもっと振興しなければいけないということがありますが、これは頂上を高めるためにも、またその底辺を広げるという意味でも一いずれも現在の国のスポーツ関係の予算では足りないということになります。
 数年前にスポーツ振興のための基金を設けまして、その運用金でもって助成をしているわけでありますけれども、最近特に金利が下がっている、低いという状態もありますので、なかなかこの運営も苦しいというふうに聞いております。
 そういったことも考えますと、どのくらいの収益になり、そしてどのくらいの金額がスポーツ振興のために振り向けられるか、金額自体はわかりませんけれども、相当規模のもの、現状のスポーツ予算の倍というのか、そのくらいのものを何とか振興くじによりまして捻出をして、そして振り向けるということによって頂点を上げるということ、そして底辺を広げるということ、その両方に我々としては力を尽くすべきじゃないか。
 また、スポーツ振興くじがまさに、何といいますか、助け船というんでしょうか、後押しということで大変大きな効果を持つものと、こう期待をしておりますので、ぜひ一日も早い成立をお願いしたいと考えております。
#39
○江本孟紀君 今お聞きしましたように、日本のスポーツ振興予算というものはもう本当に少ない、これはどなたも認識しておりますし、サッカーくじに反対される方もスポーツ予算は少ないということを当然言っておられます、お金は必要だと。
 我々という言い方はおかしいんですが、スポーツ振興くしによってその一部を少しでも補充していく、そういう意味で私はこの振興くしというのを実施すると思うんです。ちょっと話はダブるかもしれませんけれども、そういうことでいいますと、スポーツ振興の財源確保のために構想されたわけですから、やっぱり収益は、これは国庫納付金をやめて、そして全額をスポーツ振興助成金に一本化すべきだ、私はそういうふうに思いますが、そこをひとつまたどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。それで質問を終わります。ありがとうございました。
#40
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 江本議員も我々の論議の中で、できるだけ国庫納付金を少なくしよう、こういう方向での議論を熱心にしていただいたものですから、私どももそういう考え方になびくというか、そういう気持ちを心情としては強く持っているわけでございます。
 ただ、先ほど来我々発議者側から答弁をいたしておりますように、これはやっぱりどんなものであっても国のいろいろなインフラストラクチャーの上に乗っかって仕組まれている制度である、こういうことから、説あるいは税類似の負担から全部免れてしまうということはなかなか構想しにくいというのがすべての事象に通じて言えることなのでございます。
 そういう意味で、今回もいろいろ論議が深まる中で、税の面でのいろんな配慮ということについても、実際はかなり厳しい、シビアな議論を私どもさせられておるわけでございまして、法人税というか、あるいは公益法人であるならば公益法人の収益課税というものとの比較においてどうなんだとか、あるいは賞金というか払戻金の受領者についての所得税はどうなんだ、そういったような絡みからの話も当然あるわけでございます。
 そういうようなことからいたしまして、これは御案内のとおり、払戻金の受領者については、所得税の非課税の規定が九条でしたか、この中に入っておりますので、それとの見合いの話でございますけれども、そういうことを考えますと、国庫納付金はすべからくできるだけ圧縮したいという気持ちを持ちながらも、今先生がおっしゃったように、思い切ってゼロにはできないかということについては、我々のいろいろな論議の中からはおのずと限界があるなど。
 しかし、我々がこんなに苦労しておるわけでございますので、スポーツの振興助成金にできる限り我々は金を差し向けるように仕組みたい、この気持ちは全く同じでございます。
#41
○江本孟紀君 ありがとうございました。
#42
○委員長(大島慶久君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。
   午前十一時二十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時五十三分開会
#43
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#44
○松あきら君 どうぞよろしくお願いいたします。公明の松あきらでございます。
 まず、昨日は東京都で中学生が警察官を襲いました。また、昨年の酒鬼薔薇事件は言うに及ばず、母親を殺したり、教師を刺して殺したり、クラスメートをけがさせたりと、本当に悲しいことでございますけれども、今日多発しております青少年の事件は尋常な状況ではございません。
 きょうは文部大臣においでいただいておりますので、この状況を文部大臣はどのようにお考えでしょうか、まずお尋ねをしたいと思います。
#45
○国務大臣(町村信孝君) 今、委員御指摘のとおりに、栃木県あるいは茨城県あるいは東京都、中学生、高校生、さまざまな事件が相次いでおりまして、大変私もその事態の深刻さ、また、起きた事件の残虐性といいましょうか、そうしたことに大変ショックを受けておりますし、また深刻な事態である、このように受けとめているところでございます。
 言うまでもございませんけれども、学校の中では生徒指導、教科指導を通じまして、今の大切さでありますとか、正しいことは正しい、間違っていることは間違っているといったようなことなど、子供の基本的な倫理観でありますとか規範意識というものをしっかり身につけさせるようにということで、いろいろな段階でそういう努力をしてきたつもりでございますが、現実を見たときに、どれだけそれらの教育が成果を上げていたのかと、また大いに反省をしなければならないと考えております。
 もとよりこれは学校ばかりの問題ではなくて、例えば家庭の中での教育ということも、そういう意味でしっかりとしたしつけが行われているんだろうかどうだろうかというあたりも、なかなか家庭教育のことまで政治、行政がずかずかと立ち入るわけにはまいらないのですけれども、しかし本当にこれでいいのかなという反省もありますし、あるいは地域の教育力といったようなものも近年著しく低下をしていると。
 そういうことにかてて加えまして、子供が健全に育つためにふさわしくないようなさまざまな有害な状況、テレビを見てそれに子供が刺激を受けたりとか、こういったことなどいろいろあるわけでございます。
 特に、最近は刃物でという事件があります。もとより銃砲刀剣類所持等取締法というのがございまして、刃渡り六センチ以上のものを持ち歩いてはいけないということなども意外と、これは子供であれ大人であれ、それは罰則がある法律なんですよということが、果たして学校の現場でもそういうことが認識されているんだろうかといったようなこともございます。
 こうしたことなども含めて、近々都道府県あるいは指定都市の担当の課長さん方に集まってもらって、できれば私も出席をして、そうしたことについての徹底を図っていきたいな、このように考えております。
#46
○松あきら君 ありがとうございます。
 この問題につきましては、別の機会にまたじっくりと質疑をさせていただきたいと思います。
 なぜ私が冒頭このような質問をしたかと申しますと、このスポーツくじ法案につきましては、各方面より本当にたくさんの疑問が私のもとに参っております。私は、スポーツを振興しようということ自体はとても大切なことであり、大事なことだという認識がございます。しかし、スポーツ振興のためにも方法は考えなきゃいけないと私は思います。なぜスポーツくじを導入しなければいけないのか、いま一つその緊急性がわかりません。
 提案者はこの緊急性ということに対してどのようにお考えですか、時間がないので簡潔にお願いいたします。
#47
○衆議院議員(福留泰蔵君) それでは簡潔にお答えさせていただきます。
 スポーツの重要性については松委員も御理解のことだということでございます。また、近年、子供の体力、運動能力が低下しているということも認識されているところでございますし、高齢化、少子化、学校五日制の進展と社会も変化してきているわけでございます。これらの変化に対応いたしまして、大人も子供もスポーツに親しむことのできる地域スポーツ環境の充実を図ること、そして世界で活躍し、国民に夢と希望を与える選手を育成することは重要な課題であると認識しているわけでございます。また、スポーツの面での国際貢献ということもこれまた重要であるということでございます。
 しかし、この重要性というのは近年急に認識されたものではないと私は理解しているわけでございまして、かねてからのやはり懸案事項だったんだろうと思います。これらの政策の実現のためには相当規模の安定的な財源が必要であると理解しておるわけでございますが、昨今の財政の危機的な状況を考えてみますと、財源確保というのはなかなか難しい状況があろうかと思います。
#48
○松あきら君 なるほど、スポーツの振興は国民的合意がなされている、それは私も思います。しかし、その振興に国の財政状況が許さない、だからお金がないとおっしゃっているんだと思います。
 そこで、大蔵省にお尋ねをいたします。ここに、国のスポーツ予算が百三十三億円で少ないという、こういう資料がございます。学校スポーツを入れると三百六十五億という数字もありますけれど、この十年、文部省は体育・スポーツ予算として幾ら概算要求して、大蔵省は財政事情からどれくらいカットをしているんでしょうか。お願いします。
#49
○説明員(佐々木豊成君) この十年の概算要求の数字と政府案の数字ということでございますが、まことに申しわけございませんが、概算要求の数字は過去にさかのぼって手元に持っておりません。ただ、スポーツ関係予算額という範囲でとらえますと、十年度を申し上げますと、百七十八億円の要求に対して政府原案は百七十四億円でございます。
#50
○松あきら君 大蔵省にお尋ねするまでもなく、毎年の概算要求額でも、今お答えくださったとおり、その段階でも予算の要求はそんなに大きくないわけでございます。ですから、文部省はこの十年間をとってもスポーツの振興がそんなに緊急課題だとは思っていなかったと、そう言ってもよいと思うんです、この額を見るだけでも。
 それでは、この法案が審議されるに当たって文部省はスポーツ振興にどのような緊急性を認識しておりますでしょうか、文部大臣お願いいたします。
#51
○国務大臣(町村信孝君) 先ほども悲惨な事件のお話をいたしました。いろいろな意味で子供が健全に育つ環境を整備する、これは何もスポーツだけとは私はあえて申し上げません。いろいろな野外活動その他もあると思いますが、やっぱりその有力な一つの手段というものが、地域あるいは学校で子供がスポーツに大いに親しむということは、従来にも増して私は必要なことなんだろうと、こう思っております。
 ちなみに、文部省もいろいろ努力はしてきておりますが、例えば平成二年に政府提案でスポーツ振興基金というものをつくりまして、その基金の運用益でというのを平成二年からつくりました。その後、低金利になって非常に運用益が減っているという大変大きな悩みはございますけれども、そんなようなことでずっとそうした必要性というものは私どもも認識をし、またそのお願いはしてきたつもりでございます。ただ、現実に予算の制約というのがあったのは事実でございます。
#52
○松あきら君 政治課題での緊急性という点においては、やはり阪神・淡路大震災、この課題もたくさん残っておりますし、銀行の問題あるいは先ほどからお話が出ております青少年の問題等々、たくさんございます。
 しかし提案者は、オリンピックの成果はナショナルトレーニングセンターを整備したアメリカ、オーストラリア、フランスなどで飛躍的に上がっている、スポーツについてこれからももっと力を入れないと日本の将来はないという先ほどからのお話でございます。しつこいようですけれども、大蔵省はこのスポーツ振興にどのような緊急性を認識されておりますでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#53
○説明員(佐々木豊成君) スポーツ振興、体育予算を含みます文教予算全体につきまして、厳しい財政事情のもとではございますが、教育の重要性などにかんがみまして、真に緊要な施策につきましてはその重点的な推進を図るという姿勢で臨んでまいってきております。
 ただ、委員も御存じのように、我が国の財政は今危機的な状況に立ち至っておりまして、これを健全化し、安心で豊かな福祉社会、そして活力のある経済の実現などの諸課題に十分対応できる健全な財政構造を実現する必要がございます。そのためには、あらゆる歳出分野を対象にしまして一切の聖域なく財政構造改革を推進する必要があるということもぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#54
○松あきら君 何かいろいろ回りくどい言い方をなさっておりますけれども、とにかく国の予算は決まっているんだと。そして、昨年通りました財革法もそうですけれども、いろんなところでカットをしないと国が立ち行かないから、ましてやスポーツや文化に対しては、まあそんなに要求もされていないことだし、たくさん出す気はないと、こういうふうにおっしゃっているんでしょうか、私はちょっとそのようにとれましたけれども。
 しかし、先ほどから緊急性があるなしにかかわらずこれはどうしても通さなければいけないというようなことを伺っておりますけれども、もし緊急性があるというのでしたら、なぜこの法案が議員立法として提出されるんでしょう、こんなに大事なことでしたら。本当にこんな大事なことであれば、文部省が国の予算を用意して政府提案として提案すべきものだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#55
○国務大臣(町村信孝君) 政府提案であるから重要であるし議員立法であるから重要でないということを申し上げれば、甚だ私は議員提案をしておられる先生方に申しわけない言い分になるかなと、こう思っております。
 経緯だろうと私は思います。平成四年に日本体育協会と日本オリンピック委員会からこうしたものをつくったらどうでしょうかという御提案がありまして、それを超党派のスポーツ議員連盟が受けられて、ずっと今日に至るまでここ数年間鋭意検討し、いろいろな議論もし、そして衆議院で可決され、今日参議院というそうした経緯を考えたときに、それだけスポーツ議員連盟を初め超党派の先生方が御準備をされているときに、これは重要でありますから私ども文部省にお任せくださいと言ってしゃしゃり出る性格のものでもないんだろうな、こういう意味で今回の議員立法になっているんだと、こう理解をいたしております。
#56
○松あきら君 ありがとうございます。
 私は、今伺っておりまして、確かに議員立法だから大事ではない、政府が出したから云々、そういうことを申し上げているわけでは甚だないのでございます。しかし、提案者の皆様がお出しになったのは平成七年五月でございます。約二年八カ月前でございます。
 二年八カ月前の世の中の状況、しかも青少年の状況と現在の、しつこいようですけれども、昨年来のこの本当に悲しい数々のきのうまでの、きょうはどうか知りませんけれども、毎日母親として私もテレビ等でまたかという悲しい気持ち、これだけ状況が違ってきているんですね。
 二年八カ月前にはこういう提案がなされても、現在のこういう状況にかんがみて、それでもなおかつこのスポーツくじの制度を導入しようというこのお気持ちというか、これは私は大臣に再度お伺いしたいと思います。現在のこの状況にかんがみても、なおかつこれを導入すべきであるとお考えなんでしょうか。
#57
○国務大臣(町村信孝君) 幾つかの論点があろうかと思います。このくじが青少年の健全育成にとって大変大きな悪影響を与えるかもしれないという、多分そういうお考えもあろうかと思いますが、いろいろな見解があろうかと思いますし、私どももその点には留意をしておりますし、そのことは今回の法案の中でも幾つかの配慮がなされていると思います。しかも、このサッカーくじ、スポーツくじの先進国であります諸外国の例を見ても、これがあるから青少年の健全育成に何か大きな悪影響が出たという話は余りないということが大体共通認識としてあるのかなと、こう思っております。
 いずれにしても、今の青少年の健全育成、特にさまざまな事件が起きている今日どうかというお尋ねでありますれば、私は先ほど申し上げましたように、子供の健全育成の一つの手段がやっぱりスポーツに親しむ、スポーツを通じて鍛錬をし心も体も鍛える、そういうスポーツ環境がよりよくなるということはむしろ前にも増して必要になっているんだろうと、そのために必要な資金をこういう形で確保していただけるのならば、文部省としても大変にありがたいことであると、こんなふうに考えているところであります。
#58
○松あきら君 私の家の子供は中学校からイギリスの学校に行っておりまして、今は大学生でございますけれども、欧州の、特にイタリアと比べて先ほどからサッカーくじ、トトカルチョのお話がありましたけれども、一つだけ言えることは、日本の教育制度と例えばイギリス、欧州の教育制度と全く違うんですね。またヨーロッパの子供たちは、特にアメリカもそうですけれども、現金を親から多額にもらわないわけです。ほとんどの子は、ある程度大きくなると、お金をもらいたいと思えば自分たちでアルバイトをしてお金を稼ぐ。日本の子供はお小遣い、現金を持っているのが物すごい額なんですね。
 まず、いろんな背景、違う背景がさまざまにある。ですから、一概に私は、イタリアなりヨーロッパなりは何にもそういうことが起こらないから日本も起こらないということは、絶対ということはあり得ないんじゃないかと。余りにもその背景が違い過ぎる。
 それはそれとして、スポーツ振興とおっしゃいますけれども、どのような分野に助成金の配分がなされるんでしょうか。
#59
○衆議院議員(松浪健四郎君) 午前中に馳委員、江本委員からも同じような質問を賜りましたけれども、学校スポーツだけがこの国の中心ではないのか、やはり地域社会でスポーツクラブをたくさんつくって、そして若い人たちもお年寄りの人たちもスポーツを楽しんでいただく環境を整備する、一言で言えばスポーツクラブをつくる。これはドイツのゴールデンプランに基づいてできたスポーツクラブをある意味ではモデルにしておりますけれども、そういう形でたくさんの人にスポーツをやってもらう環境を整備する。
 それともう一つは、競技スポーツ、これを誇れるような活躍をしてもらうための強化また指導者の育成、これらに使う。
 そして、もしかしたならば恐らく委員が御心配されているのは特定の限られたスポーツあるいはそういった団体にしかお金が行かないのではないかという御心配であるかもしれませんけれども、私どもは、新しいスポーツがございます、そういう分野にも、そして一生懸命やっているけれども報われない、そういう人たちにも広く支援していくべきである、こういうふうに考えております。
#60
○松あきら君 では、地域スポーツと競技スポーツへの助成金の分配率はどうなっているんでしょうか。
#61
○衆議院議員(松浪健四郎君) この分配比率については非常に難しい面があるかもわかりません。というのは、国民のだれもが健康で充実した生活を過ごさなければいけませんし、またできるようにしていかなければなりません。手軽にスポーツを行うことのできる地域のスポーツ環境を整備していくことは極めて重要でありますし、その方面においてかなりお金がかかるであろうということを思うのと同時に、やはり競技力の向上、国際的に活躍できるようにしていかなきゃいけない。この課題はお互い深い関連を持つものですから、地域のスポーツの振興が適切に図られる、そして相まって競技スポーツの向上も考えていく、調和のとれたスポーツの振興が図られるように配慮していかなきゃいけない、こういうふうに思います。具体的なことについては、審議会をつくっていただいて学識経験者あるいはスポーツ関係者等の第三者からの審議会で適切な配分がなされるように思いますし、またそうでなければならない、こういうふうに思います。
 いずれにしましても、助成金の交付先となるスポーツ団体には地域に根差したものが多いことから、実際の配分では地域スポーツの振興にかかわる事業が当然のことながら多くなるのではないか、このように考えております。
#62
○松あきら君 今のお答えはわかりました。しかし、実際この助成金の配分などは結局、日本体育・学校健康センターですか、これが行うことになっておりますよね。この日本体育・学校健康センターは特殊法人ですか。
#63
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 御指摘の日本体育・学校健康センターは特殊法人の一つでございます。
#64
○松あきら君 その学校健康センターの役員表を見ますと、これによりますと役員に民間の方がいないんですね。多分皆さん天下りなんでしょう。しかも、サッカーくじの業務がふえても人数をふやさないというふうに伺っておりますけれども、一体今までこの特殊法人はどんなことをしていらしたんですか。
#65
○政府委員(工藤智規君) 私ども所管の特殊法人でございますが、体育・学校健康センターはこれまで二回ほど他の組織との統合をして今日に至ってございまして、最初は、よく御存じの例えば国立競技場などのような日本のシンボルとしてのスポーツ施設を管理しながらその提供をする業務、スポーツ関係の業務が一つございます。それから、関連しまして、先ほど大臣から申し上げましたように、平成二年にスポーツ振興基金という制度ができましたので、その基金の管理の業務もあわせて行っておるところでございます。そのほかに、スポーツ・健康づくりの関係では学校給食あるいは学校安全の関係の業務がございまして、子供たちの健康と安全、さらにはスポーツというのを一体的に所掌している特殊法人でございます。
#66
○松あきら君 ありがとうございます。
 先ほど情報公開をするというお話でございましたけれども、サッカーくじの透明性、やはり皆さん透明性は大丈夫だろうかということに非常に御関心があると思うんです。
 この助成金について、会計検査院は検査できるのかと私は尋ねました。そうしましたら、法律ができていないから答えられないとおっしゃったんですよ。どこに幾ら配分しているのか、またどういうふうに使われたのか、どういう形で出てくるのか、その配分リスト、これは国会に提出するということでしょうか。提案者にお尋ねいたします。当然、会計検査院が検査できるようにしていただきたいんです。いかがでございましょうか。
#67
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 日本体育・学校健康センターがこのスポーツ振興投票業務についてもその業務の一部として行うわけでございます。これは法律ができれば行わさせていただくということでございます。
 他方、日本体育・学校健康センターは、会計検査院法によりまして、その資金の二分の一以上を国が拠出しておる、こういうものについては会計検査院の検査の対象になるということを規定しておりますので、当然この業務がこのセンターの業務になりますれば、それを会計検査院がチェックすることになる、こういう仕組みになるはずでございます。
#68
○松あきら君 今のお答えですと、大蔵省に入る分については会計検査院が検査をするということですよね。違いますか。――全部もう丸ごと会計検査院がきちんとチェックをするということでございますか。
 私は、それはとても結構なことだと思いますけれども、やはり補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、これは国が出している補助金に関しては検査するけれども、特殊法人が出している補助金に関しては検査がないということでしたので、この法律から改めていただきたいなという気持ちでございますけれども、その御答弁に対してはわかりました。じゃ、きちんと適正に検査をしてくださるということでございますね。わかりました。
 では、次の質問に参ります。
 パラリンピックの話題がございます。スポーツといっても健常者だけでなくて、とかくハンディキャップを持った方を忘れがちだと思うんです。これは大事な問題でございます。障害者スポーツにはどのような配慮を考えておられますでしょうか。
#69
○衆議院議員(河村建夫君) 御指摘のように、パラリンピックであるとかあるいは車いすのバスケットボール、あるいは車いすのマラソン大会等々、障害者がスポーツ活動に積極的に参加されることがふえてまいりました。今後とも健常者だけでなく障害者も積極酌にスポーツに参加をしていただく、これは私は非常に大事なことであろうというふうに思っております。
 助成金の配分につきましては、当然健常者だけを意識したものではなくて、申請をお受けしてこれを決めるわけでございますが、当然スポーツ振興くじの収益によりまして障害者の方々へのスポーツ振興、これも図っていかなきゃいかぬ、このように考えております。
#70
○松あきら君 ぜひそこの大事な点はきちんとしていただきたいというふうに思います。
 さて、今日、日本の医療費は約三十兆円になると、二十六・何兆円ですか、三十兆円近くになるとも言われております。先ほどからスポーツの振興はやはり健康増進の維持のためにぜひ必要であるというお話でございます。これをよく考えますと、こういった健康増進の維持ができるということになると、体も健康になって医療費の伸びを抑えて低減させる効果も期待できる、こういうことですよね、簡単に言えば。そうしますと、この法案ではサッカーくじの売り上げを千八百億円から二千億円、スポーツ振興に使えるお金は二百億円ほど見込んでいるようですけれども、しかし反対に言いますと、裏返して言うと、二百億円くらいで日本人の健康が増進して三兆円でも五兆円でも医療費を抑えられるなら、こんな結構な話はないと私は思うんですね。
 大蔵省はどうしてこういう発想をしないんでしょうかと私は思うんですよ。しかも、サッカーくじ制度を認めておまけに、先ほどから何人もおっしゃっていますけれども、一七・五%も国庫に納付させる、これ取っちゃおうと、こういう考えは私どうしても信じられないんですね。ですから、スポーツ振興の関係者はもう非常に悩んでいるわけでございます。予算の配分の問題ですから、二、三百億予算をつけてあげられないんでしょうか、いかがでしょうか。
#71
○説明員(佐々木豊成君) 私の狭い立場でなかなかお答えできるかどうかわかりませんが、財政全般につきましては、昨年来、財政構造改革会議で医療費の問題も含めまして全般の御議論が政府と与党の間で相当密に行われまして、その結果としてそれぞれの経費についてのキャップなり方針なりということが極めて高いレベルで政府、与党あわせて決定されたところでございますので、我々の予算編成はそれに従って行っているということでございます。
#72
○松あきら君 いや、もちろんお答えしにくいのはよくわかりますし、あえて私はこういうことを申し上げたのでございます。別にここで御質問して予算つけてあげますなんという答えが出るわけないのはわかっているんですけれども、あえてこういった反対側の発想もあるんじゃないかということで申し上げただけでございますので、ちょっと一言。
 それでは、サッカーくじについてお尋ねをいたします。
 これは、伺ったら三通りあるというんですね。十三試合ですか、さっき江本先生からトトカルチョのあれ見せていただきましたけれども、どっちが勝つとか負けるとかあるいは引き分けるとか。これ百六十万分の一なんだそうです、当たる確率は。百六十万の要素の中から一つ投票して当てる、これどう考えても普通でいってもちょっとまず当たらないんじゃないかなと、普通はこう思うわけなんですね。
 皆さんにこれちょっと説明していただきましたら、このお金はスポーツ振興のための少額の寄附金、こういう気持ちもあると、トトカルチョをやるという気持ちだけじゃない、寄附をするんだと、もう健康維持のためにも、すべてのために寄附金のつもりもあると、こういう説明がありましたけれども、これこそ何か賭博そのものじゃないかなという気が私は反対にするんですね。
 宝くじは絶対にだれか当たるわけです。下一けたとかとにかく当たる。しかし、これ百六十万分の一の確率ですとだれも当たらないということが当然そこで起こってくるわけでございます。大体、私Jリーグというのは数が多過ぎちゃって何が何やらわからないと。野球ならまだセ・パでどのリーグはどうかというのは一応わかるけれども。サッカーじゃもう全くわからないと。しかも、全然当たらないからということで寄附金という気持ちもなえてしまって、売り上げが減ってしまって、もう三百億だ四百億だなんという収益が上がらなくなるんじゃないかと思うんですね。
 その場合、設備の先行投資が必要でしょうから、日本体育・学校健康センターがそれをかぶるという可能性はあるんでしょうか。
#73
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 現在考えておる私どもの仕組みといたしましては、今、先生がおっしゃったいわゆる先行投資、この中の一番大きな部分はコンピューターの端末をネットワークで組むと、こういうことだろうと思っております。こういったものについては銀行等がこの業務をやりますことを予定しておりますが、これらの人たちに投資をお願いする、これらの人たちのシステムとしてこれをしつらえていただくと、こういうことを想定いたしております。
 そうして、その人たちはじゃその投資資金はどこから持ってくるかといえば、これはさしずめは、当面はこれはもう借り入れでもって処理をしていただくということになろうと思います。そうして、その初期投資の借入金についてはいわば繰り延べ費用的にこれを年次を追って償却をしていく、こういうことを考えておる次第でございます。それで返済をしていくという仕組みになるわけでございます。
#74
○衆議院議員(福留泰蔵君) 前段の御質問の中で、百六十万分の一ということで当たらないのではないかという御質問がございましたので、その件についてお答えさせていただきたいと思います。
 松委員が御説明なさったとおり、三分の一の十六乗ということで百六十万分の一になるわけでございますが、単純なその数字の組み合わせでいけばそういう形になるわけでございます。私どもはこれをくじと性格的には位置づけているわけですが、プラス寄附的行為とそれから知的ゲームであるというふうに位置づけております。
 サッカーについてなかなかまだそれほど、野球ほど広く深く承知していらっしゃる方は少ないかもしれませんけれども、あるゲームを予測するとなると、そのサッカーチームの構成だとかということを深く理解した上で、皆さんがそれを推理なさるという知的ゲームがそこに加わってくるんだろうと思います。単純な数字の百六十万分の一ではなくして、ある程度そこにそういう推理を働かせることによって本来的な、実際的な確率はもっと減るんだろうと思います。
 ただ、御心配の向きは、当せん者が出なかった際にその当せん金をどうするのかという御心配があろうかと思いますが、当せん者が出なかった場合にはその当せん金は次回に繰り越すという形で私どもは考えているところでございます。
#75
○松あきら君 そうですか。これは知的ゲームですね、勉強しなくちゃいけない、大変ですね。
 しかし今、払戻金は当たらない場合が多いと、百六十万分の一よりもっと確率悪くなるかもしれない。――もっとよくなる。知的ゲームだからね、わかりました。
 しかし、払戻金は次のくじに繰り越し加算されますとおっしゃいましたけれども、伺ったところによりますと、上限を一億円としているというふうに伺いましたけれども、じゃ余った払戻金はどう処理するんでしょうか。
#76
○衆議院議員(小坂憲次君) 松委員の御質問にお答えを申し上げます。
 当然余ることもあるであろう。すなわち今回の払戻金の算定の方法は、まず、高額な当せん金で射幸心をあおるようなことはやりたくない。すなわち、十億円当たるとかもう全部当たるようなそういうようなものにすると、それだけで社会的な常識を混乱させる可能性がある、こう思いますものですから、そういうものはとらないようにしたい。制度の円滑な運用に必要なお金はやはり確保しなきゃいけない。そしてまた、宝くじのような類似のくじとやはりバランスをとっていかなきゃいけない。こういった観点から、御指摘のように一億円と決まっているわけではございませんけれども、宝くじの当せん金の過去の支払い金額、最高額が一億三千万円程度でございます。そういったものとのバランスを考えてそのくらいに抑えることがよかろうと、こういうことで審議会の中に一般の識者を入れまして、そういう中で決定をしていただくという形をとっていきたいと思っているわけでございます。
 そういう一般常識との整合性というものをとりながらやってまいりますと、当然上限額がおっしゃるような形で一億円の前後になってくるんだろうと。その場合に、それを上回る払戻金が出たら当然余ってくる、それを次回に繰り越すということになる。おっしゃるとおりでございまして、次回に繰り越しまして、毎回十分な売り上げがあるかどうか、運営費を引いた後の払戻金が期待をされるような範囲内にとどまるかどうかということもありますので、そういった形で全体的にバランスをとるために次回に繰り越していく、こういう方式をとりたいと思っております。
#77
○松あきら君 ありがとうございました。それでは、もしも余ったならば次回次回とこういくということでよくわかりました。
 この法案は、各方面から青少年への悪影響が指摘をされております。私は、今こういう状況ですから、とにかくやはり広く実は公聴会なりを開いて皆さんの意見を聞くべきであると思っております。賭博と言うと先ほどから違うと怒られますけれども、しかし、そういう意味に近いものを導入しようとすれば、やはりもっともっと皆さんの意見を広く聞かなきゃいけない、そういった意味もありまして、国民の健康増進のための新たな法案を皆様に待っていただきたいという思いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#78
○上山和人君 社会民主党・護憲連合の上山和人でございます。
 立法過程で発議者の先生方が時間をかけて随分慎重に研究、討議をなさってこの法案がまとめられたということはよく私たち理解をいたしております。とりわけ、午前中の質疑の中でギャンブルではないというお話もございましたけれども、いかにしてギャンブル性を抜き去るかということに腐心をされた経過もあったと私たちは聞いております。大変な御努力があってのこの今日の法案になっているわけですけれども、それでも、残念ながら国民の広い階層の皆さんに十分理解されている現状ではないと言わざるを得ないと思うんです。
 私どものところにもいろんな団体から、また一般の市民から意見や疑問が寄せられております。そして、賛成だ、早く審議を促進して成立をさせてほしいという御意見は、助成金の交付対象になる団体の皆さんが、当然だといえば当然ですけれども圧倒的に多いわけです。本当に資金がないからスポーツ振興のために早く資金が欲しい、早く1この法案を成立させてほしいというお気持ちから、審議促進、一日も早い成立をという意見となって寄せられております。
 しかし、ほかの婦人団体あるいは青年団協議会とか消費者団体の皆さん、さらにはPTAの皆さん、そして弁護士会の皆さんあるいは教育研究団体などから私たちに寄せられている意見は全く道なんです。私たちの悩みはそこにあるわけです。特に、教育研究団体の皆さんや子供たちの親たち、PTAがこぞって反対をしているというのも私の経験では非常に珍しいなと思うものですから、その点は非常に心配いたしております。
 したがって私たちは、発議者の皆さんばかりでなくて、こうして審議をしているわけですから、国会の任務として、この審議を通して国民の皆さんのそういう疑問には余すところなく正確に答えなければいけないし、そして理解を得られるものでなければいけないと思うんです。
 そういう観点からまず御質問申し上げたいのは、特に弁護士会から先生方のところにも発議者の皆さんのところにも、あるいは文部大臣あてにも既に御意見は寄せられていると思いますけれども、これは刑法に抵触する賭博行為であるという御指摘があります。仮にも現行法に抵触するものであれば、それを導入することは全く入り口の問題ですから、非常に重要な問題だと思います。
 つまり、法律専門家の皆さんですから、刑法第二十三章「賭博及び富くじに関する罪」の第百八十七条に規定がありまして、「富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。」、この第百八十七条があるんですけれども、これとの関係は法律専門家をお招きになって十分研究、討議をされたと思います。どのようにお考えですか。
 これは大変重大な問題だと思います。まず、法案の入り口の問題だと私は思いますので、最初にその点を国民の皆さんにわかるように明らかにしなければならないと思いますから、どなたかお答えいただけますか。
#79
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 先生から基本的なこの仕組みの刑法との関係について御質問をいただきました。
 これは刑法が禁じているから法律をもってしても何もできないというものではないことは先生御案内かと思います。それは、新しい法律を規定することによって、刑法のいわば特別法という位置づけになるんでしょうか、そういう格好で違法性が阻却されていく、我々はこういう法制度の中でいろんな立法活動をしておる、こういうことでございます。
 問題は、これの本質的な性格というかそういうものはどういうものであるかということかと思いますけれども、賭博にしても富くじにしても別に刑法に定義があるわけではございません。そこで、これは解釈の問題になるということでいろんな解釈を参考にするわけでございますけれども、私どもとしては、この学説というのは大変いろいろ並立をいたしておる、こういう現状であると。しかし、先ほど私ちょっと午前中の質問のお答えでも申し上げましたように、大体の通説というものは、大審院判決の中でも、胴元自身も財物の喪失の危険負担をするというようなものが賭博である、胴元というか、そういう言葉はちょっと感覚的に語弊があるような気がしますが、そういう者がそういう危険負担を負わないというものは富くじというふうに分類されるべきである、こういうような説を私どもとしては有力説というふうに聞いて審議を進めたと、こういうことでございます。
 しからば、これは概念法学的に言って今言ったような解釈になると思うんですけれども、目的論的な解釈として一体どういうことが言えようかといえば、賭博を禁じるというのは、これまた午前中に申したように、現場性だとかあるいは即時性だとかというようなことで非常に人間の理性を麻痺させてしまって、みずからを省みないでどんどん前の損失を挽回しようとかあるいはもっともうけようとか、こういうような気持ちに駆られて、ついには家計を崩壊させるようなことをしてしまう、こういうような危険について、したがってこれは刑法で禁じておくべきだ、さらにまた、我々の社会というのは額に汗して勤労をしてそれぞれが生計の糧を得ていく、こういうようなことでなきゃならぬわけでございますが、そういう射幸的な、つまり僥幸、何にも額に汚しないで全く天から降ってきたようなそういう僥幸でもって生活の糧を得ていくというような態度を国民の中に醸成することはもう絶対に許されない、こういうようなことがその根底にあるのではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。
 そういう目的論的な解釈に照らして、私どもが今提案させていただいておるこのくじというものがどういうものかといえば、これでもってみずからの理性を麻痺させてしまって大金をそこに投じていくというようなものであるとか、あるいはこれだけで運を寝て待つようなことで働かずにしてそういう僥幸を待つというようなことになってくるかといえば、それはそういうものじゃないだろう、これは外国の例に徴してもそういうものではない、こういうように我々は考えてきたわけでございます。
 その背景には何があるかといえば、これは非常に確率が低いとか、あるいは当せん金というものに先ほど小坂先生がお答えになられたような常識的な限界を置いておるとか、そういうような制度的なことから来る背景、これが相まって、私ども、この制度は刑法が目的として追求しているようなことと決して真っ向から反するというものではない、こういうような考え方のもとで審議を進めてきたと、こういう次第でございます。
#80
○上山和人君 別の法律をもって連法性は阻却できるんだからと、そういう法的措置の仕方については、それはおっしゃるとおりです。でも、今の御答弁で本当にみんなを説得できるのかなと、私はお聞きしながら大変心配いたします。
 しかし、これは難しい問題です。現に刑法の第百八十七条にこういう規定があること、しかも法律専門家の皆さんからそういう御指摘があることについてはやっぱり真摯に受けとめて、もちろん、今御答弁の中にありましたけれども、これからも十分研究、御検討いただく必要があると思います。今の御答弁はお聞きいたしましたので、私たちもさらにこれからもこの問題については、理解を得られるかどうかということも含めて真剣にもう少し掘り下げて党内でも協議もしなければいけないと思うところでございますから、質問を次に進めます。よろしゅうございますね。
 きょう江本先生が午前中に、どういう表現だったか覚えていないけれども、スポーツにはギャンブルの入る余地は余りないんだという話をされました。果たしてそうだろうかと思うんです。過去のスポーツくじの歴史が日本にもあります。これは初めてではありませんから、その過去のスポーツくじの経過について、発議者の皆さん、十分経過を踏まえてその教訓に学びながら今日の法律案をおつくりになったと思いますから、ちょっと御説明いただけますか。
#81
○衆議院議員(河村建夫君) 過去のそうしたくじの経過でございますが、相撲と野球が導入された、そしてそれは廃止になったというふうに伺っております。
 これは第一勧業銀行発行の「宝くじのしおり」によってうかがうのでありますが、相撲くじは、昭和二十一年の秋場所で一回だけ行われた。これはある日の取組のうち定められた三つの取組の勝敗の結果の予想及び番号抽せんで当せんを決定するもの、また野球くじは、昭和二十一年から昭和二十五年までの計八回行われ、プロ野球などの一つの試合の勝敗及び得点合計の下一けたの数字の予想並びに番号抽せんによって当せんを決めるものと、こういうことで実施されたように聞いております。
 この両制度は、一試合あるいは目の前で当せんが決定される、予想の的中率も十分の一以下、比較的高い、そうした意味では射幸性も高かったのではないかと、こう思うのでありますが、相撲くじについては必ずしも人気がなかったためにその当時中止をされた、また野球くじについては、その他の一般の宝くじもふえてまいりまして人気がなくなり中止をされたと聞いておるわけであります。
 そこで、このたびのスポーツ振興くじ、いわゆるサッカーを対象としたこのスポーツ振興くじは、多くの試合の結果を予想する、先ほどありました知的ゲームだ、あるいはサッカーは十二試合程度当てようとしたらかなり知識もいるわけでありますから、時にサッカーに詳しい子供の意見も聞く、親子の対話も生まれる、そういうこともあろうかと思いますが、特に一試合だけあるいは目の前で当せんが決定されるものではございません。また、当せんの確率も先ほどありましたように非常に低い、これは宝くじに近い制度だというふうに考えておるわけであります。
 先ほど、寄附をしていただくんだという考え方もありましたが、同じような指摘をいたしました相撲やあるいは野球、そういうスポーツの試合を対象にしたくじとは全く性格が違うのであります。そして、外国のトトカルチョの成功例を見ましても、このサッカーくじが一番いけるということになっておるわけであります。
 また、八百長の話もございました。既に午前中指摘があったかとも存じますが、相撲は一対一でありますからどちらかがということがあるかもしれない、あるいは野球はピッチャーに影響するんだという話もあります。そういうことはあってはならぬわけでありますが、特にサッカーの場合には十一人、イレブンであります。また、一チームごと、十三試合、そういうことを考えますと、そういう懸念は全くないと言ってよろしいのではないか、そういうことからもサッカーが選ばれているわけであります。
#82
○上山和人君 今御説明ございましたように、既に我が国でも初めてじゃないんです。大相撲にくじを設定して失敗しているわけです。プロ野球にくじを設定して失敗した経験があるわけです。その原因は、今いろいろ人気が悪くなってといったような御説明をなさいましたけれども、果たしてそうなんですか。
 なかなか正確な資料を入手できないんですけれども、私が少なくとも読んだ資料あるいは新聞記事等では、やっぱり相撲は八百長が原因であった、たった一回で終わっておるわけですから。野球だってバッターが打たなきゃいいんだし、ピッチャーが打ちやすい球を投げればいいんですから。これは八百長の入る余地はないと言われますけれども、それはプロ野球の大ピッチャーですから、でも大ピッチャーだからこそ打ちやすいところに投げられるということだってあるじゃないですか。(「それはあり得ません」と呼ぶ者あり)でも、そういうないという断言は私はできないと思うんですよ、人間のすることですから。
 いずれにしても、大相撲でも失敗した、プロ野球に設定してまた失敗したという経験がありますから、大部分は八百長にまる失敗というふうに国民は見ていますよ、そういう貝でみんな見ると思うんです。ですから、私たちが心配するのは、本当に国民の皆さんによく理解を得られるものでなければいけない、疑問には答えられるものでなければいけないと思いますからあえてお尋ねしていますけれども、そういう苦い経験があるにもかかわらず、今度サッカーにサッカーくじを設定しようとしているわけです。
 非常に心配な点は、文部大臣、おいでいただいておりますけれども、青少年に対する影響をどう思うかということなんです。これは松先生も先ほどちょっと冒頭に触れられましたけれども、今不幸な事件が相次いでいます。そして、子供たちのあの状況というのは特別な部分、ほんの一部の人たちの、子供たちの問題だというふうに受け取る人もいます。しかし、実際、今日そういう状況じゃなくなっているんじゃないでしょうか。
 私ども非常に心配していますのは、いつどこの学校で起きてもおかしくないといったような状況が広がっているんじゃないかと非常に憂慮をしているわけですよ。これから一体どうするんだと。当初予算案の審議も間もなく始まりますけれども、教育予算、教育諸条件、環境を整えるためには一体どうしたらいいんだろうかということを本当に真剣に議論しないと、悪戦苦闘を続けている子供たちを本当の意味で解放することのできる教育環境の整備はできないと思うんですよ。
 したがって、過去の苦い二回の失敗を経て今日この法案が提案をされている。これが青少年に対して与える影響について、文部大臣は先ほど松先生の御質問に対してお答えにはなりましたけれども、文部大臣の気持ちが先ほどの表現では余りさらっとし過ぎて、本当にどんなふうに思っていらっしゃるのかというのを心の底からひとつ吐露してほしい。
#83
○国務大臣(町村信孝君) 表現力が足らざることは心からおわびを申し上げたいと思います。
 上山委員御指摘のとおり、本当に深刻な事態であるし、私自身も本当に日々新聞をこうやってあけて見るのが何だか胸がどきどきするような、そんな思いさえしているここ昨今でございます。そういうときであるだけに、この青少年の健全育成は極めて重要であるということは先生今御指摘をいただいたとおりでございます。
 しかし、そのこととこのスポーツくじ、たまたま今ここで審議をしている時期がこうでございますが、もともとこれが提案されたのは二年半以上前のことでございまして、もちろんその間に青少年の健全育成の環境がなかなか整っていないということも率直に認めざるを得ないと思います。
 私は、先ほど来から提案者の御説明にもあったように、このくじの法律で、もちろん懸念もございますから十九歳未満の人は買えないようにしましょうとか、あるいはちゃんと対面販売をしましょうとか、人目の行き届いた場所で販売するようにとかいろいろな工夫、努力は既にされていると思いますが、基本的にこの性格としていえば、さっき柳沢議員お話しのとおり、富くじに近い性格、宝くじに近い性格のものであるということを考えたときに、今例えば世の中で大量にジャンボ宝くじとかいろいろ売られておりますが、だからといって青少年の健全育成がそれで損なわれているかというと、必ずしもそういうことは言えないんだろうし、ほぼ関係がないんだろうと私は思います。
 それがまた、青少年に関心の深いサッカーを対象にすることのマイナス面があるんじゃないか、そこはくじと違うじゃないかという御指摘もあろうかと思いますけれども、私は、これだけスポーツもいろいろ多様化している昨今でございますし、子供に人気のあるサッカーがくじの対象になったからといって、にわかにそれが健全育成を阻害するというのは、そこは必ずしも論理的に結びつかないんじゃないのかなと。
 先ほど松委員が言われたように、欧米の子供はお金を余り与えられていない。確かに日本の親はいささか際限なくお小遣いを与え過ぎている。子供がPHSを買いたいと言えば買い与える。電話代が月に十万円も二十万円もしても黙って払う。私は、いささか親の家庭における教育の愚かしさというものはもっと深刻に受けとめてもらいたいと思いますが、そのこととこのサッカーくじが直ちに青少年健全育成にマイナスになるということは、そんなにすっと結びつく話ではないと私は考えております。
#84
○上山和人君 今、宝くじと同列にこのスポーツくじを置いて大臣がお話しになりましたけれども、果たして宝くじと同列に考えられる性格のものですか。私は少なくともそうではないと思います。
 大体、スポーツがくじの対象としてなじむのか、なじまないのかということをもう一度根本的に私たち自身も考え直してみなくちゃいけないんじゃないかという思いで、今この議論を本気になって考え始めております。先ほど午前中に御報告ございました。十六カ国中六カ国で年齢制限をしている、十カ国は年齢制限をしていないという外国の実態の御説明がございましたけれども、年齢制限をしなきゃならぬ国としなくていい国とがなぜあるかということだと思うんです。だから、しなくていい国はしていないと思うんですよ。年齢制限をしなくちゃならないような環境にある国は年齢制限をしているんじゃないでしょうか。
 今、大臣はいろいろおっしゃいましたけれども、日本ではやっぱり十九歳未満という年齢を切って、しかも販売方法等についても厳しい規制をして青少年が購入できないような仕組みにしようとしているわけです。これは、酒だってたばこだって青少年は禁止されているのに、ごらんのとおりの残念な状況があります。だから、厳しく販売方法等についても規制をしたから逃れられるといいますか、避けられるものかどうかということも現実的には考えなくちゃならない面ではありますけれども、それよりも今の日本のこの青少年の状態というのは、大臣も先ほどおっしゃいましたけれども非常に深刻な状況にありますよ。そこはよくお考えになって、厳しい年齢制限あるいは販売方法の規制等をなさったんだと思うんです。
 逆に言えば、むしろそういう厳しい制限をしなくちゃならない、規制をしなくちゃならない状況の中でサッカーにくじを設定することは、青少年に対して影響を与えることにやっぱりなるんじゃないですか、大臣。
 ですから、宝くじによる弊害はほとんど指摘をされていない。全く今の状態がそうだと思います。でも、同列に考えてサッカーに今度このスポーツくじを設定した場合に、同じように宝くじをめぐって何の混乱もない、青少年の間にも悪影響もない、だからスポーツくじを設定しても問題はないのじゃないですかというふうにお答えになりますけれども、果たしてそんなふうにきれいに整理をして線を引いて考えられるものでしょうか。私たちは非常にその点が心配でならないものですから大臣にお尋ねしたわけですけれども、これ以上答弁を求めても同じ答弁しか返ってこないのかなと思いますが。
 私は、やっぱり今文部省としてお考えいただきたいのは、子供たちをめぐる本当に今の深刻な状況、この状況の中で今この法律を成立させてサッカーにくじを設定することが本当に宝くじと同じように何の影響も与えないのかどうかということについては、与えないと言い切るほど自信はありませんよ、正直言って。やっぱり文部省であればこそ責任を持って真剣に御検討なさる必要があるのじゃないかと思うのですよ。
 改めて、文部大臣どうですか。
#85
○国務大臣(町村信孝君) 私どもとしては、これは議員立法でございますから、あらかじめ賛成反対という立場を余り申し上げるべきではないかもしれませんが、議員個人として申し上げるのなら私もそれは賛成の立場ということで、若干そこは混同してもしかしたら答弁が入ったのかもしれません。
 それはさておきまして、むしろ私は、こういう形でサッカーくじの販売収益といいましょうか、それがスポーツの施設に回る、あるいは何分の一かが国庫収入に入り、さっき大蔵省の方はこれは一般財源だということなんでしょうが、そこは文部省の立場で言うなら、当然それはスポーツを中心とする青少年の健全育成にその分が回ってくるであろうということを非常に強く期待しつつ、この法案が出されているというふうに私どもは受けとめているわけであります。そうした予算の有効活用なども通じまして青少年の健全育成のためにさらなる努力をしていくということは、これはくじがあろうとなかろうと当然するわけでございますが、より一層そうしたこともまた考えていかなきゃならない。
 特にスポーツの施設というのは、日本の場合もっともっと改善する余地があると思う。例えば校庭のグラウンド一つとっても、コンクリになっていたり、かたい土になっていたりしましょう。私は、やっぱり諸外国のように当然青々とした芝生の上でサッカーができたりラグビーができるというぐらいにしなければいけないと思います。でも、そういう整備予算一つとったって、なかなか国の予算が足りないから、子供たちがいい環境でスポーツに親しむということが十分今できてこない。
 しかし、そろそろそういうことも、サッカーと別にリンクして言うわけじゃございませんが、緑の芝生の上でのサッカーを小中学生、高校生ができるなんということをできるだけ早く実現をしたい、こう思って来年度というか、再来年度の予算からそういうことにも取り組み始めたいと今内部で検討を始めたところでありますが、そんなようなことも含めて、このくじが導入されたその後のメリットといいましょうか、それを生かすべく努力をしていきたい、こう考えているところであります。
#86
○上山和人君 余り時間がなくなったのですけれども、今、大臣が御説明なさったような方向で進めばもう何も異論はないんです。子供たちの健やかな成長を助けるのにどれだけ健全なスポーツが必要かというのはみんなわかっていることです。
 ただ、このくじを設定することによって、子供たちを健全に育てるために非常に貢献するスポーツの健全性が損なわれるのじゃないかということを多くの人たちが心配しているから、その心配は消してやらにゃいかぬと思うのですよ、本当にそういうものであるとすれば。だから、大臣が言われるとおりなんで、あくまでも健全なスポーツ、これが子供たちを健全に育てていくためにどんなに役割が大きいか、大きく貢献するかというのはみんな同じで、大臣が言われるとおり発展させなくちゃならないと思うんです、スポーツを振興させなくちゃならないと思うんです。そのスポーツがこのくじを設定することによって健全性を損なわれることにならないかというのがみんなの不安なんです、やっぱり心配なんですよ。ですから、そこをしっかりおっしゃらないといけないと思うんです。
#87
○国務大臣(町村信孝君) 私は、イタリアにしろどこにしろサッカーくじがあるわけです。そうした国々の例えばサッカーという競技が、くじがあることによって今非常に不健全な姿なのかというとそんなことはない。ワールドカップサッカーを見てももう非常に熱狂して、中には行き過ぎた熱狂的過ぎるファンもいたりしますけれども、いずれにしても、サッカーくじがある国であっても、それらのプロスポーツとしてのサッカーが非常に健全に隆盛を誇っているという事実一つ見ても、サッカーくじの導入によって直ちにサッカーが不健全なものになるという立論というのは私は成り立たないのではないだろうかな、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
#88
○上山和人君 そうおっしゃいますけれども、私たちは不安をまだぬぐい切れないんですよ。損なわれるおそれがあるんじゃないかという心配。これはこれからさらにもっと党内でも私たちも議論を深めます、またこの審議もまだ続くわけですから、次の機会にももっと深化させたいと思います。
 最後にお尋ねいたしたいのは、このスポーツ振興投票法案、かなり前から先生方の御苦労でいろいろ協議が続いています。
 今、来年度あるいは再来年度という大臣の構想の一端の表明がございましたけれども、文部大臣がスポーツ振興の基本計画を策定するものとするという規定をしているスポーツ振興法の第四条がございます。したがって、この議論が始まって、さっきからいろいろスポーツを振興させるためのスポーツ振興に必要な財源がどうしても足りない、何とかしてその資金をつくれないかという発想でここまで来ているわけですけれども、今だからこそ、こういう法案の準備をしなくちゃならないような我が国の財政事情だからこそ、しかも日本の青少年の現状を見ながら、今こそスポーツ振興法の第四条が規定するスポーツ振興の基本計画を策定することが文部大臣に求められているんじゃないでしょうか。その準備、その構想はこの法案審議と並行して真剣に続けられるべきだと思うんですけれども、経過と現状をちょっと御説明いただきたい。
#89
○国務大臣(町村信孝君) 上山委員御指摘のとおり、スポーツ振興法第四条で基本的な計画を定めるということになってございます。私もちょっと勉強しましたら、この法律は昭和三十六年に制定をされておりまして、自来、三十六年からですから三十有余年ですか、いまだにこの基本計画が定められていないという実情にあるのは御指摘のとおりでございます。
 そういう中で何もしてこなかったかというと、そういうわけでもございませんで、基本計画というばしっとした形ではないにしても、例えば基本的な政策について保健体育審議会の指針を与えていただいたりあるいは答申をいただいたりして、それをまた順次実行をしていくといったような形で補完をしておりますし、昨年の九月にも保健体育審議会の答申で学校体育、生涯スポーツ、競技スポーツ、各般にわたっての御提言をいただき、私どもは今それに沿って各般の振興施策を進めているところでございます。ただ、特に今の状況、なかなかこの財源の制約というのが大きゅうございまして、画期的な施策も打ち出せないでいるという悩みがあることは率直に申し上げてもよろしいかと思いますし、そんな形で今日まで推移してきたと。
 今回の法案がもし成立をいたしますれば、より本格的なスポーツ振興政策というものもこれから積極的に打ち出していくことができるのではないだろうか、このように考えているところであります。
#90
○上山和人君 委員長にお願い申し上げて終わりたいんですけれども、今、私は三十九分間の質疑を通していろんなことを提案者の皆さんから、大臣からの御答弁を聞きながら思いました。まだ私自身ももっと掘り下げて研究もしたいし、勉強もしなきゃならないという面もあることもわかりました。
 したがって、ぜひ今後慎重な審議を委員長として進めてくださいますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
#91
○委員長(大島慶久君) この件に関しましては、またいずれ理事会で協議をさせていただきます。
#92
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。
 きょうは、第一回目の提案者への質問とさせていただきたいと思います。
 まず、サッカーくじのギャンブル性に関連して質問いたします。
 主婦連とか地婦連といった女性団体などサッカーくじに反対する人たちが第一に危惧をしているのは、サッカーが青少年に人気のあるスポーツである、ここにギャンブルを持ち込んでほしくないんだということです。
 実際、ここ数日の間でも、日本の子供たちの深刻な実態が次々と明らかにされています。中学生が刃物で女性教師を殺害したり、日ごろから担任の女性教師や女生徒を殺すと黒板に書いていた男子高校生が実際に女生徒を包丁で切りつけたり、また男子中学生が刃物で警察官を刺してピストルを奪おうとしたり、日本の子供たちの荒れ方はこごまで来ているわけです。
 また、今でも子供たちはギャンブルに巻き込まれています。中学生や高校生の間では馬体重、私も初めて聞いた言葉ですが、馬の体重です。競馬新聞に出てくるんだそうです。こういうのが日常的な話題になっているんだそうです。衆議院での我が党議員の質問に対して警察庁は、九六年に競輪、競馬などの投票券の購入で補導した青少年の数だけでも九百五十四人いると答えていました。
 サッカーくじの導入は、青少年の健全育成に総力を挙げなければならない今日、教育も社会も、政治もです、青少年の健全育成に総力を挙げなければいけないんです。その今日、それに背を向けて新たな障害をもたらすのではないでしょうか。
#93
○衆議院議員(松浪健四郎君) 連日報道されます青少年の信じることのできないような問題、これは私たちも大変恐れている、また心配している大問題であることは多言をまつまでもございませんけれども、青少年の育成問題とサッカーくじ問題をリンクして考えるということは、私は余り多とするものではありません。
 多としたならば、何かが起こるからこういうものをしてはいけないというようなことになりはしないだろうか。私は、そういうふうな青少年が生まれないためにスポーツ環境を整備する、そしてスポーツを楽しんでいただいて、より豊かな、より美しい、より優しい心を持った青少年を育成しなければならない、そのためにはスポーツを振興させていきたい。
 これはギャンブルではないかという議論であります。ギャンブルという定義づけも非常に難しいわけでございますけれども、朝からの議論の中ではっきりしておることは、次から次へと金銭をつぎ込んで、そして生業をなげうつようにのめり込んでしまう、いわゆる勝負事としての側面が強いもの、こういうものがギャンブルであり、こういうギャンブルに子供、青少年がタッチするということは大変問題であることは私も同じだと思いますけれども、サッカーくじの性格そのものは私はそういうふうにとらえておりません。
 もう何人もの御質問の中でお答えありましたけれども、当せん金の割合が売上金額の二分の一以下で寄附の要素が物すごく強い、そして十数試合の結果をまとめて予想するなど当せん確率が極めて低い。
 そういうようなことで、我々はギャンブルだというふうにとらえておりませんし、このことが青少年の犯罪等に直接結びつくというふうには考えておりませんし、それらは諸外国の例で顕著であります。
#94
○阿部幸代君 これはギャンブルなんですよ。
 前の委員さんもおっしゃいましたけれども、刑法は賭博と富くじを禁止しているんです。それをやってはいけないから賭博罪、富くじ罪というのを規定しているんです。それで、偶然の事情で金銭を得たり失ったりするという点は、富くじであろうと賭博であろうと共通しているわけです。ですからそれは禁止されていて、やっていいのは公認のものだけなんです。ですから、新たなギャンブルを公認で導入しようというのがサッカーくじなんですよ。それが法理論ですよ。
 スポーツ振興投票の実施等に関する法律案第三十二条の罰則規定はいわゆるのみ行為を禁止したもので、賭博罪そのものですね。また、十九歳未満の子供にくじを売ることを禁止したり、これは九条、サッカー選手や審判、センター職員などがくじを購入したり譲り受けたりすることを禁止、これは十条、こういうことをしているのは、サッカーくじがギャンブルであるがゆえに青少年の健全育成に障害をもたらすことを認め、不正がつきまとうおそれがあることを認めているからではないんですか。
#95
○衆議院議員(船田元君) 先ほど来、このサッカーくじが法的にいわゆる賭博であるのか富くじであるのか、刑法の百八十七条に関することということで議論がありました。
 確かに、サッカーくじというのは、いろいろな形態などを考えますと、これは賭博よりはやはり富くじに近いものというふうには考えておりますが、いずれの場合においても、公認された例えば競馬なり競輪なり競艇なり、そういったものはやはり法律に従ってきちんとコントロールした上でこの制度を実施しているということでございます。
 我々の提案しておりますこのサッカーくじにおきましては、富くじ的性格の強いものであるけれども、これはやはり法律によって厳しく規定をした中で、皆様の公認をいただいた中でこれを実施するということでありますから、決して刑法ですぐ処罰されるというようなことでは全くなくて、これは刑法の規定を除外するに十分な合理的なルールなり制度なりで行うからむしろ安全である、こういうことを申し上げていいと思います。
#96
○阿部幸代君 要するに、公認ギャンブルを新しくつくるということですよ。そのことを確認します。
 私は、ヨーロッパの経験をもっと直視するべきだというふうに思うんです。毎日新聞が九四年に「日本版トトカルチョの行方」というのを五回にわたって連載しているんですね。ここでは、「欧州ではサッカーの八百長事件が後を絶たない。」、こういうふうに言っています。一九八〇年三月、イタリアで賭博師が選手らを買収した黒い賭博事件で有名選手十二人とプロサッカークラブの会長が逮捕、大がかりなスキャンダルに発展したそうです。この事件を初め、同じ八〇年五月ギリシャ、八四年三月ベルギー、九三年三月スペインと事件が続き、九三年六月にはフランスの強豪チームがリーグ戦で相手チームに買収を持ちかけた八百長疑惑で贈収賄の選手二人が逮捕されたと。こういう主なサッカー事件史を毎日新聞が掲載しているんですね。
 サッカー先進国でこうした社会的犯罪が続いているわけですから、まだプロサッカーの歴史が浅い日本でこうした事件が起きないとは限らないからこそ法案に罰則規定を設けているのであり、幾ら寄附と夢と知的ゲームの合体ですと強弁しても、ギャンブル性はなくならないのではありませんか。
#97
○衆議院議員(松浪健四郎君) ギャンブルという言葉は定義づけをどのようにするかということによって考えが異なってまいります。
 したがいまして、そもそもスポーツの歴史というものはどういうものであったか。御存じであるかどうか知りませんけれども、スポーツ人類学者の立場から言わせていただければ、スポーツの立場は占いから始まりました。それは我が国の相撲も同じでありますし、世界のスポーツの原始的なものはおおむねそういう要素がありました。つまり、どちらが勝つか、どちらが強いか、ことしはどのようになるかというような、ギャンブルというよりもスリル、あるいは予想するということにスポーツのおもしろさというものが今日も引き継がれてきているのは事実だと思いますし、それを私たちはこのサッカーくじの中に知的ゲームとしてとらえているわけであります。
 ですから、悪意に満ちた理解をして、そしてずっと考えるとしたならば、それは委員のおっしゃられることも一理あろうかと思います。そして、イタリアでの八百長事件は今から十数年前のものであります。そして、それによっていろいろと制限を加え、手を加え、やり方を変え、今日のイタリアのトトカルチョになっておりますし、私たちはそれらのことを踏まえて、そして万が一のことを予想して今回の法律をつくらせていただいておるところであります。
#98
○阿部幸代君 与党の提案者に伺うんですけれども、報道によりますと、与党の政策調整会議が法案の修正案をまとめて、その内容も明らかにされているんですね。新たに収賄への罰則が加えられ、さらに児童生徒等の教育に重大な悪影響があると認めるとき、文部大臣が保体審の意見を聞いてサッカーくじの実施の停止を命ずることができるという、そういう内容になっていますが、不正や悪影響を予想しているわけです。悪いとわかっていてやることほど悪いことはない、反教育的なことはないんじゃないですか。
#99
○衆議院議員(船田元君) 私どもは、例えば経理の公開ということも法的に裏づけをしております。それから、さまざまな罰則規定というのもそれぞれの条文の中につくっておりまして、さらにそれを全体的に文部大臣が監督をするということになっております。
 今御指摘の修正云々という点につきましては、私どもまだ提案者の立場として申し上げる立場にもありませんし、関知をしていないところでございますが、なお皆様のいろんな御意見ということをいただき、そして我々の提案は最善のものと思っておりますけれども、さらによりよいものになるということであれば、それは皆様の御判断にゆだねざるを得ない。しかし、本来、我々が提案しておりますこのサッカーくじの法案の制度ということによって、私はさまざまな不正とかあるいはさまざまな問題点というものは十分にこれを未然に防ぐということは可能である、このように考えております。
#100
○阿部幸代君 与党の修正案について本当に知れば知るほど反教育的だということをみずから認めているような内容です。そのことははっきりしています。
 次に、私は、サッカーくじがスポーツの文化性とか倫理性とか、こういうものをゆがめていくというふうに思っているんですね。そのことに関連して質問したいと思います。
 スポーツ振興にはだれも異存がないのだから、多少のリスクがあっても、メリット・デメリットを差し引いてメリットの方が多かったらそれをとるべきではないかという議論もありますね。でも私は、こういう議論は、スポーツの何を振興するのか、スポーツ観が問われているんだというふうに思うんです。その意味で、一級のスポーツマンたちの声に耳を傾けるべきだというふうに思います。
 昨年の五月二十七日に都内で行われた集会にプロ野球解説者の豊田泰光氏が次のようなメッセージを寄せておられます。ちなみに、プロ野球界はサッカーくじに反対しています。
 メッセージですが、
  サッカーくじはスポーツを冒とくするものです。国会の先生たちは、スポーツの本質や選手たちの心理をまったく理解していないのではないでしょうか。サッカーくじが導入されると、選手たちが失敗すると疑いの目で見られたり、ば倒されたりすることは明らかです。
  スポーツは、本来純粋で、子どもたちに感動や生きる勇気を与えるものであり、金もうけの対象ではありません。
こういうメッセージを寄せておられるんですが、サッカーくじはスポーツを冒涜するものだ、こういう声をどう受けとめますか。
#101
○衆議院議員(松浪健四郎君) 私も長い間スポーツをやってきました。今の豊田さんの話に大変な疑問を感じます。一番最後のくだりにスポーツはお金がどうのこうの、豊田さんは立派なプロ野球選手で、プロ野球でお金を得ていた人ではありませんか。
#102
○阿部幸代君 ギャンブルでですよ。かけてもうけるという、その対象じゃないと言っているんです。
#103
○衆議院議員(松浪健四郎君) ならば、競艇やオートレースや競馬はなぜ存在するんですか。公営であるから存在するのか。じゃ、競艇の選手はスポーツマンではないのか、こういう議論になってまいります。
 そして、スポーツは純粋なものだと多くの皆さんは考えられているかもしれませんけれども、私たちの心を豊かにしてくれる、元来、ドゥー・スポーツ、ドゥー・スポーター、ドゥー・スポーテンというふうに変化してきた、気分を転換するという意味を持つ、これがスポーツなんです。ですから、やるのもスポーツだし見るのもスポーツです。
 結局、サッカーを通じて、やる人たちが楽しむ、見る人たちが楽しむ、そして予想する、そういう楽しみも持とう、よりサッカーの楽しみ方を幅広いものにしようという一面もこのくじにあるということを御理解いただきたいと思います。
#104
○阿部幸代君 私は、青少年に大きな人気のある、また影響力を及ぼすサッカーとサッカーくじを問題にしています。サッカーくじの対象となる試合をやる選手たちは一層大変なんだろうというふうに私は思うんです。
 横浜マリノスと浦和レッズの選手たちを取材した新聞記事があるんです。ここで、手放しのサッカーくじ導入賛成派というのは少数で、皆さん、サポーターとの関係とか八百長に巻き込まれることを本当に心配しています。横浜マリノスの山田選手は次のように言っているんです。「ギャンブルとなれば試合の中身はおまけになる。ファンがサッカーをみにくるのでなく、くじが当たるかどうかをみにくるのではぼくらは悲しい。選手は競馬の馬ではないのですから」、こう言っているんです。試合と選手の人格を冒涜しないでほしい、本質をついた不安であり懸念であるというふうに思いませんか。
#105
○衆議院議員(松浪健四郎君) 一試合だけでこのサッカーくじをやるんじゃなくて、十数試合の試合で予想を立てるものなんです。ですから、その一試合がどうのこうの、一個人の選手がどうのこうのというようなことは起こり得ないし、その選手自身、サッカーくじを十分理解されていないのではないのか。
 そういう意味において、私たちはもっともっとこのシステムを国民の皆さんに幅広く理解していただけるように努力していかなければならないという反省もございます。
#106
○阿部幸代君 私は、私たち大人にはすぐれたスポーツ文化を子供たちに継承させていく責任があるんだというふうに思っているんです。ですから、スポーツやスポーツマンを冒涜し、いわば外的圧力としてじわじわとスポーツをゆがめていくようなもの、こういうものは導入しちゃいけないんだと思うんです。
 また、スポーツが非常にすぐれた教育力を持つという意味で、私は本委員会の参考人質疑における柔道の山下泰裕さんの意見陳述に大変感動したので、ちょっと紹介したいと思うんですが、次のように言っておられたんです。「我々は、」「戦って戦って戦い抜きます。しかし、一たび試合が終わりますと、あるいは試合場を離れますと、同じような目標に向かって頑張っているからこそお互いのことが理解できる、お互いのことが尊敬できる」、こうおっしゃっていたんです。
 そして、指導者養成に関する質疑の中でも次のように述べておられるんです。「一つ非常に気になっていますのは、」「トップクラスの選手でも、勝てばいいんだろうと。学校教育の一環と言われる大学の監督の中にも、勝てばいいんだろう、勝ちがすべてだよ、何でそんなうるさいことを言うんだというような方も実際におられます。そうすると、選手として世界的に活躍しても、私はその選手の十年後、二十年後、三十年後がすごく心配です。底辺を見渡してみましても、親もそれから先生も周りの評価も、小学校で勝たせた、中学校で勝たせた、そのことをすごく評価して、そのことによって子供が燃え尽きたり、あるいは子供の自主性や積極性、自分で何かをつくり出していこう、こういうすばらしい芽が摘まれてしまったりする。」、「勝つことはすばらしいことですけれども、勝ちだけにこだわるのじゃなくて、一生懸命頑張っていきながらいろんなことを学んでいくことを大事にしていく。」、こういうことをおっしゃって、結果としての勝敗しか見ないいわゆる勝利至上主義、この言葉がわかりにくかったら結果主義、そういうものを戒めておられました。
 サッカーくじというのは、まさに結果としての勝敗そのものにお金をかけるわけです。ファインプレーというのは、称賛の対象ではあれ、そこにお金をかける性格のものじゃないわけです、それは屈辱だと選手たちが言っているわけですから。結果としての勝敗そのものにお金をかける、いわゆる勝利至上主義、結果主義の芽を助長することになるんじゃないんでしょうか、それはスポーツをする側にも見る側にも。
#107
○衆議院議員(大畠章宏君) 私も学生時代剣道部で経験してきました。今御指摘のお話がございましたけれども、さまざまな御懸念があると思いますが、やはり今日本で、いわゆる受験戦争の流れの中で、あるいはさまざまな環境の中で人間が伸びるという環境が非常に阻害されていることは事実なんです。
 その中で、私は、スポーツといいますか、そういうふうなものが人間性の形成には大変重要であるという強い認識を自分の経験から持っておりますが、現在の日本のスポーツ振興については、非常に不十分であることは委員もおわかりだと思いますけれども、じゃ、どうしたら日本のスポーツを振興させることができるか。そんなことを考えていきますと、今御指摘の勝利至上主義ということよりも、十六カ国で今サッカーを対象としたくじが導入されているわけですが、ドイツ、ベルギー、イギリス、フランス等々の国々でも導入されているんです。そして、そういうスポーツを通じて、スポーツの選手が必死にやった結果としてスポーツの振興のためのお金が生み出されるとすれば、決して今御指摘のような勝利至上主義的なものではないと私は思うんです。
 今お話があったように、一日に八試合行われて、それが二日間で十六試合、そのうちの十三試合の中で勝ちか負けかあるいは引き分けか、あるいはまたその結果はどうなったかということをさまざまな形でびしっとやるわけですから、そういう意味では、決して今御指摘のような勝利至上主義をあおるというようなものではないと私は思います。
#108
○阿部幸代君 時間の関係で詳しくはお話しすることができないんですけれども、ヨーロッパではスポーツの倫理性を回復して育てるために相当の努力をしています。
 一九九二年にヨーロッパ・スポーツ閣僚会議が採択したヨーロッパ・スポーツ倫理綱領、別名「フェアプレイー勝利への道」と言うんですけれども、ここでは、フェアプレーはルールの範囲でプレーすること以上のものだ、こう言って、友情とか他者への尊厳の念などを強調して、今日の青少年はあすの成人としての参加者でありスター選手でもある、こういうふうに結んでいるんです。これはプロサッカーなどを意識しているんですね。
 サッカーを国民スポーツとして根づかせ、Jリーグとスポーツ文化を育てるために今私たちがやるべきことは、サッカーくじの導入ではなくて、サッカーの試合における無法とか暴力に悩み、その克服のためにフェアプレー精神を育成しようとしているヨーロッパから学ぶべきだと思うんです。
 次に、スポーツの財源対策について質問したいと思うんです。
 先ほど来、スポーツ振興についてお話しなさっているんですけれども、そのための法律は実はスポーツ振興法というのがあるんです。ですから、今回のスポーツ振興投票の実施等に関する法律案というのは、サッカーくじをどうやって実施するか、その収益金をどうやって配分するかという法律であるわけですね。
 それで、私は財源の問題について伺いたいんですが、スポーツ振興法は第一条でその目的を、「スポーツの振興に関する施策の基本を明らかにし、もって国民の心身の健全な発達と明るく豊かな国民生活の形成に寄与すること」であるとして、大事なことはその後ですね、国や地方公共団体に条件整備に努めることを求めています。
 ところが、スポーツ関連予算を国際比較してみますと、これは一九九〇年の政府予算の分の対GDP比の比較ですが、ポルトガル〇・二八、フランス〇・二一、フィンランド〇・〇五、イギリス、ドイツ〇・〇一、日本は〇・〇〇三です。つまり、サッカーくじを除いた政府予算分だけで比べてみてもどの国よりもけた違いに少ないわけです。政府予算においてスポーツがべっ視されているというふうにお考えじゃないでしょうか、べっ視されていると。
 それから、時間がないからまとめてしまいますが、私は政治家の責任は大きいと思います。山下泰裕さんもおっしゃっていました。皆さん、サッカーくじで収益金のうち三百五十億円をスポーツ振興資金ということで当て込んでおられますでしょう。たかだか三百五十億円ですよ。私は、皆さんの政治姿勢が問われているんだと思うんです。政党助成金、三百億を超えていますね。これは別に財政的にゆとりがあったからやったわけじゃないと思うんですね。スポーツ振興資金だって同じだと思うんですよ。スポーツを国家財政上べっ視させておいてよいのか、このことが問われていると思うんですが、どうですか。
#109
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 大変長い時間御高見を承りまして、まことにありがとうございました。
 私ども審議の過程で、いろいろスポーツの大専門家もいるし普通の国会議員としての人間もいるという中でいろいろ論議をしてきたんですけれども、今回私どもがスポーツ振興投票法案でやろうというのは、まだその基本方針もこれは審議会に聞いて定めるということになっておりますので申し上げておりませんけれども、競技スポーツよりもどちらかというと地域で行われる生涯スポーツ、ここにむしろ光を当てる財源を調達しようじゃないか、こういうようなニュアンスであることは大体のコンセンサスだと言っていいかと思うわけであります。
 そういう場合に、阿部先生でしたか、今いろいろ言われました、いわゆる競技スポーツの一流の方々と同時に運動神経の鈍い子供たち、こういうような子供たちも地域のスポーツクラブに何とか巻き込んでいけないか、こういうことを我々考えているんです。今のスポーツ少年団にしてみても、すごくできる、うまくやれる子はどんどん熱心な指導者によって向上していくんですけれども、どちらかというと得意でない子というのはとかくそこからスピンアウトさせられていく。こういうようなものをもっと地域のクラブでもって、実は外国語がそういう実態にあるので我々はそこから学ぶんですけれども、そういうふうにやっていけないか、こういうことを考えているんです。
 その場合に、それでは一体そうしたところにまで国家財政あるいは地域の財政が資金を動員できるだろうかということを考えますときに、なかなかこれは言うべくして難しいんです。つまり、非常に目立った、例えば国威発揚で、あるいは人間に感動を与える非常に能力の高い人たちの競技を見て感動するということもスポーツの一面であることは我々十分知っているんですけれども、そこには何だかんだいってもスポーツ振興基金のような格好で資金が動員できる。
 ところが、運動をやっても余り得意でないと。しかし、その子供たちを地域のスポーツクラブに巻き込んでいけないか。こういうようなことになってきますと、スポーツというのは何だと、先ほど松浪先生がおっしゃられたように実は気晴らしというような面があるんです。そうすると、それはスポーツという言葉が日本で翻訳できなかったことにそれがあらわれているという学者の先生もいらっしゃるんですね。
 そういうことを考えますときに、そういうできない子供たちも何とか巻き込んでいけるような、そういう地域のスポーツクラブの振興、これに資金を充てられないかと。そうなると、これは自分たちがそういうととろにお互いに拠出をし合っていくということに財源を求めることにはそれなりの合理性があるのではないか、こういう発想をしておるんだということをぜひ御理解を賜りたいと思います。
#110
○扇千景君 きょう初めて参議院の文教・科学委員会においてこのスポーツ振興くじというものの審議が始まりました。
 まず冒頭に、きょうこの委員会でこの法案を審議するということに対し、参議院の委員の一人としては大変残念だということを申し上げます。
 私は、きのう、おととい等々、今の日本の青少年の現状をかんがみるときに、きょう文部大臣に御出席いただけるのであれば、今の日本の青少年の社会状況については集中審議をするぐらい大事なところへ来ていると私ども感じております。
 しかも、ここにいらっしゃる諸先生、あるいは委員の皆さんもお子さんをお持ちの方が大勢いらっしゃいます。その現状において、参議院の文教・科学委員会という名前を銘打って審議する以上は、このスポーツ振興くじの提案者の中にも文教族と言われる方が大勢並んでいらっしゃいます。私は、むしろこの法案よりも、今一番大事でしかも緊急を要する質疑を集中的にできるというのがこの委員会の性質であろうと思いますけれども、委員長におかれましては、理事会で決めてあることだからということで、きょうはこの法案審議に時間を費やさざるを得ません。
 正直申し上げて、私も二十七分ですから、きのう、おととい、今の社会情勢における青少年の問題解決のために二十七分使ってしまうと、この法案に対しては一言も質問しないで終わってしまう。あと何時間とっていただけるか委員長から明確な御答弁がいただけませんので、やむを得ず法案審議に入ることに私は内心じくじたるものがございます。
 そしてまた、この法案の提案者でありますスポーツ振興議員連盟、私も加盟しております。自由民主党時代から加盟しております。このスポーツ振興議員連盟は昭和二十一年、戦後間もないときに設立されました。それは、いかに恵まれない子供、環境の悪い中でも子供たちに健全に育成してほしいという願いを込めてこのスポーツ議員連盟をつくったわけであります。ですから、青少年育成のためにスポーツ振興を願うその気持ちは私自身だれにも負けないつもりです。
 ただしかし、今るる同僚議員からお話がありました、長時間この問題を論議してきたと。どこで論議したのか見えておりません、国民には。衆議院ではわずか三時間弱で本会議通ってしまいました。長時間審議をしたと仰せになるのであれば、国民に理解できているとお思いになりますか、まずお伺いします。
#111
○衆議院議員(船田元君) 扇委員の最初の御指摘である青少年のさまざまな問題について、特に私の出身は栃木県でありますので、栃木県の事件が極めて深刻である。これは地元の人間としても、また子を持つ親としても大変深刻なことであり、機会があればそういう議論をどんどんやっていただくということは当然のことであろうと思いますが、我々提案者の立場として、きょうこのような機会を与えていただきましたので、あえて私どももそれにお答えをしているという状況ですので、まずお許しいただきたいと思っております。
 それから、スポーツ振興議員連盟、私もそのメンバーの一人でございます。昭和二十一年にその議員連盟が発足をしてから、子供たちの健全育成のためにスポーツというものが非常に効果があるということを前提としてずっと活動を続けてきておりますが、その中でやはりこのサッカーくじ、スポーツ振興投票制度というものが、特に予算的にも大変逼迫をしているスポーツ状況の中で、これはやはり倍も三倍もその金額を使い、そして子供たちの健全育成のためにもっとスポーツを利用しようじゃないか、スポーツをもっと普及させなければいけないんじゃないか、このような、より前向きの考え方がその根底にあると思います。
 その結果として今回のスポーツ議連を中心としたサッカーくじの提案ということになっておりますので、その辺をぜひ御理解いただいた上でお願いいたしたいと思います。
#112
○扇千景君 私の申し上げたことの答弁になっておりません。国民に理解ができているとお思いですかという質問をいたしました。
 時間がありませんから私から申し上げます。
 るる今委員から御説明ございましたように、理解ができたというような賛成論者からのお答えもありました。質問もありましたが、私は今まだ道半ばであると申し上げたい。
 なぜならば、この提案者、お並びの方は全部衆議院でございます。衆議院がわずか三時間弱で、党議拘束をかけてこれを本会議に上程いたしました。あえて名前は申しませんけれども、スポーツ振興くじの早期成立総決起大会が開かれましたときに、ある議員から、自民党が党議拘束すれば他の党も追従してくるから法案成立は間違いないよと大見えを切った方もいらっしゃいます。そして自民党も確かに党議拘束をかけました。衆議院の本会議の議場の状況を提案者は皆本会議へ出ていらしたから御存じでしょう。党議拘束をかけたはずの、しかも総決起大会で大見えを切った自由民主党は、橋本総理以下二十二名が欠席、内心じくじたるものがあるから本会議場からお出になりました。社民党、土井党首以下九名が欠席。民主党、四十四名出席のうち菅代表以下二十名が欠席、反対。私はたまたま衆議院の本会議場の廊下におりました。本会議場から約六十名以上の国会議員がぞろぞろ出てきました。党議拘束がかかっているけれども、どうしても納得できないから退場するんだと言って。私は一緒にお茶を飲みました。
 私は、衆議院で三時間弱の審議というものが、いかに国会議員の中にもまだ理解されていないかと。提案されたなら提案されていいんですよ、法案提出は。けれども、それが審議されて十分に本会議場の国会議員が理解されないのに、国民の皆さん方に理解できるわけがない。
 しかも、大変心苦しいんですけれども、文部大臣、たまたま大臣になられたのがお気の毒だと思います。なぜか。平成六年十二月二十七日、新聞のアンケートにおいて町村先生は、当時文部大臣でありませんでしたからアンケートには反対と明記してございます。私は今、文部大臣のお立場上、これ以上大臣には聞きません。その後理解をされて、大臣という席に着いたらこれは理解せざるを得ないとお思いになってお苦しいんでしょう。文部大臣を責めるための委員会ではございませんから、私はあえてそのことは申しませんけれども、文部大臣になってなければ町村先生は今でも反対であったろうと思いますので、お察し申し上げます。
 それから、いろんなことを言われましたけれども、せっかく提案者の皆さんがお並びですので、まずこの法案で、なぜ日本体育・学校センターに置くのですか。
#113
○衆議院議員(船田元君) 日本体育・学校健康センターは、いろんな経緯がありまして、過去三つの特殊法人が合併をしたということでございますが、現在、この業務としてまさに学校体育あるいは給食等々を通じて子供たちの健全育成ということに大きく寄与しているわけであります。また、いわゆる国立競技場等、国のスポーツ施設を運営するということもここに入っております。また、数年前に発足いたしましたスポーツ振興基金の運営にも携わっている。そのようなことを考えますと、やはり我が国のスポーツ振興を実際に行うという点において私はこのセンターがサッカーくじを実施するということは極めて妥当であろうというふうに思っております。
 また、一部外国におきまして民間団体とかその他の機構ということも例としてはあると思いますけれども、やはり文部省所管の特殊法人、そういうところで運営をすることがサッカーくじ実施のさまざまな公平性あるいは透明性というものを担保することになるはずである。このような観点からこの特殊法人にお願いをするということにいたした次第です。
#114
○扇千景君 文部省、これは特殊法人ですから文部省の管轄です。日本体育・学校センターでこれを担当しろと言われてどうお思いになりましたか。
#115
○政府委員(工藤智規君) まだ法律が通っておりませんのであれでございますが、日本体育・学校健康センターについて御説明いたしますと、ただいまお話があり喫したように、過去三つの特殊法人を統合いたしましてこういう名前になっておるわけでございますが、その中心は何といいましてもスポーツの振興を主な業務としているわけでございます。国立競技場を初めとする施設の管理、運営のみならず、平成二年に設置されましたスポーツ振興基金の運用もさせていただいておりまして、文部省体育局ということで日本のスポーツ振興のために微力を私ども傾注させていただいたわけでございますけれども、この法案のようにスポーツの振興を主としながらいろいろな事業を行う、その事業の受け皿はどこかとすれば、スポーツの振興の関係で文部省になるのかなと。文部省が実際に行うかどうかということは、いろいろ御議論されたんだと思いますけれども、その実施主体としてどこかやるとすれば、新たに特殊法人をつくるよりは、既にございます体育・学校健康センターを活用してということでの立案をされたのではないかと理解しております。
#116
○扇千景君 日本体育・学校センターのやっていることはよくわかります。また現在もやっていらっしゃることに対しては私は何の異論もございません。ただ、文部省がこういうサッカーくじというのを扱うのは初めてなんです。
 私は、昨今の大蔵省を初めとする全く世間に顔向けならないような省庁の中では、文部省は一番きれいで、しかも私たちが信用して学校教育を任すに足りる省庁であると信じております。
 ところが、今までやったことのないこのサッカーくじを運営していくということをたまたま指名されて、任されて、ここが一番ふさわしいという何の根拠にもならないんです、これは初めてですから、初体験ですから。ですから私は危惧するものですけれども、きょうはそれを言っている時間がありませんので、改めてこれはもう一度文部省にこの運営方法については詳しく聞いていきたいと思います。
 きょうは自治大臣の出席を私は求めました。ちょうどこの時間に予算委員会とぶつかりましたので自治大臣の御出席が得られませんでしたけれども、自治省来ていますか。
 残念ですけれども、改めてまた自治大臣においでいただいて伺いたいと思いますけれども、今回のこのサッカーくじ法案、全国あらゆるところで、地方自治体で反対決議あるいは反対の意見書の採択を行いました。これを自治省は把握していらっしゃいますか。
#117
○説明員(岡本保君) 御質問にお答えいたします。議会で反対の議決をした団体数については私ども承知をしておりませんが、地方団体から自治大臣に対してサッカーくじ法案について提出された意見書は、平成九年度におきましては現在二十四件でございます。
#118
○扇千景君 私、冒頭に申しましたように、全国の皆さん方にこのサッカーくじ法案について理解が得られていますかという質問をしたけれども、まともなお答えではありませんでした。私は大変残念だと思うんです。私は、法案を提出した以上は、すべての人たちになるほどなと、いかにもこれが将来の子供の育成、スポーツ振興に役立つんだなと理解されるような時期をもって実施していただきたい。
 なぜなれば、簡単に申し上げます。全国四十一都道府県、二百六十四自治体で今申し上げました反対決議、意見書の採択をいたしております。時間がありませんからしゃべります。自治省にわずかな意見書が出ただけということでしたから、これを聞いて、私は改めて自治大臣の御意見も伺いたいと思っておりますから、委員長にまた次回、自治大臣の御出席できるときにお願いをしたいと思います。
 しかも、この四十一都道府県の中、二百六十四自治体が反対決議をした。その中にJリーグのホームタウンの自治体がございます。時間がありませんけれども、認識として御理解いただきたい。北海道札幌市、これはコンサドーレ札幌の地元でございます、反対。神奈川県川崎市、ヴェルディ川崎、ホームタウン、反対。神奈川県平塚市、ベルマーレ平塚、これも反対。静岡県清水市、清水エスパルス、反対。磐田市、ジュビロ磐田のホームタウン、反対。京都府京都市、京都パープルサンガ、これもホームタウン、反対。大阪府大阪市、ガンバ大阪、あるいは今度のセレッソ、これもホームタウン、反対。福岡県福岡市、アビスパ福岡、これもホームタウン、反対。しかも、私が自治大臣にどうしても伺いたかったのは、これだけのJリーグのホームタウンの自治体が反対決議をしている。
 そしてまた、不思議なことにといいますか、私は危惧しております。例えば茨城県の鹿島アントラーズ、これ地元の自治体が共同出資しているんです。まだ共同出資しているところはございます。自治体自体がですよ。京都府です。京都府のパープルサンガ、これも自治体が資本参加しております。
 この法案が仮にも通って、仮にですよ、仮にこの通常国会で通ったとしたら、実施はいつからになりますか。くじの実施。
#119
○衆議院議員(柳沢伯夫君) この国会で通していただくということになりますれば、まず第一にやらなきゃならないことはいわゆる実施業務を委託する銀行等のグループを決めさせていただく、こういうことになります。その前段階として私どもとしては、どういう観点からこの優劣を判断するかという基準を審議会等をつくって御審議いただかなきゃならない、これが大体二、三カ月かかるだろうとこう思います、一番早くやっても。
 それから実際の公募をして、そしてある一定期間を置いて、これによりましてグループを決定するということになります。そして、それを発注して、一番大事なコンピューター等のネットワークをつくっていくということになりますと、それが早くても一年半ぐらいかかるだろう、こういうことになりますので、やはり早くても二〇〇〇年ということになるのではないか、このように考えます。
#120
○扇千景君 私は手順を聞いてないんです。手順はまだまだこれから質問しますから。
 今早くても二〇〇〇年とおっしゃいました。今、日本経済は御存じのとおりです。今の日本経済がどうなっているかはここで時間がないから申し上げません。
 ただ、きょう御提案者であるお並びになっている皆さん方、日本のJリーグ、これは試合を予測してサッカーくじを買ってもらうということになっております。この仕組みはるる新聞にも書いてあるから御存じの一般者もいると思います。ただし、二〇〇〇年までJリーグがどれだけもっかということはだれも確約できません。
 この一月十五日、清水エスパルス、地元企業を中心とした出資によってこれは設立されております。一九九一年にJリーグ加盟でございます。財政難でございます。エスパルスの営業権、新会社に譲渡でございます。今私の手元にありますJリーグの出資企業、これ全部見ておりますと、果たしてこのJリーグ、今おっしゃいました二〇〇〇年、今のとおりの名前であるかはだれも確約できない。そんなものにかけできるんですか。
 私は、全部地元企業の出資状況を把握しました。どんなに仰せになっても、私たち政界も一寸先はやみというんですからわかりませんけれども、Jリーグ本体の一寸先もやみでございます。たまたまこういう不景気、バブル崩壊。青少年の夢でありますサッカー、サッカー場がなくったって町のその辺でボールをければ遊べるんです。ですから、大変失礼ですけれども、そういう設備のない国に一番早く伝わったとも言われているんです。私それをどうこう言うわけじゃありません、青少年が楽しんでくれればいいんですから。
 しかも、先ほどのお答えの中に、青少年のスポーツ育成のために、スポーツの神経が余り鋭敏でない子供にもスポーツの場を与えたいと。気持ちはわかりますけれども、スポーツが得意でなくても文科が得意な人もいるんです。もちはもち屋、その子の能力を引き出すことが学校教育の基本なんです。全部同じ枠にはめることが学校教育ではないんです。戦後は全部枠にはめようと思ったから間違った教育もしてきた。
 ですから、私はサッカーを振興するということにいささかの異論を唱えるものではありませんけれども、サッカーをくじの対象にする限りは、今諸先生がおっしゃいましたように、ヨーロッパで四十数年のくじの歴史がある国と、Jリーグができてまだ五年足らず、Jリーグの本体が破産するか、二〇〇〇年まで維持できるかさえわからないようなものをくじの対象にすること自体が私は不見識だと思う。その一念はいかがお答えになりますか。
#121
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 議員経歴も長く、また大変多方面に御見識の高い肩先生のお話を聞かせていただきましたけれども、今一生懸命やっているJリーグの前途について決定的な暗い見通しをお述べになられ、そしてまた、それを前提にして我々のこの法案についての態度を云々されるということについては率直に言ってやや違和感を覚えます。
 清水エスパルスの話をなさいました。私も若干近くなものですから聞いてはおりますけれども、営業譲渡があったといって、それが大変マイナスのように聞こえた御発言もあったわけですけれども、実際は鈴さんという、先生御案内だと思いますが、百何十年の歴史を持っている回船問屋を起源とする静岡県の名門企業がバックアップに入ったこういうことでございまして、それぞれ地域の人たちは自分の地元のJリーグのチームを愛し、それをさらに守り立てていこうということで今一生懸命やっているということをひとつ御理解賜りたいと思います。
#122
○扇千景君 私は、サッカーの前途が暗いと言っているんじゃないんです。かけの対象にするから言っているんです。サッカーというものの普及を図るのはこれは当たり前のことなんです。こんなことに私はいささかも異議を唱えておりません。これはサッカーを対象にするというから、これはプロなんですから、Jリーグは。
 私は、日本経済がかつての高度成長、バブルの最盛期ならこんな心配はしません。けれども、今申しましたら、今せいぜい法案が通っても二〇〇〇年でしょうねとおっしゃるから、果たして二〇〇〇年に幾つのJリーグがもっているかなと。老婆心かもしれませんけれども、それくらいの状況である。
 しかも、Jリーグの選手というものは世界的レベルでいえば、釜本さんに聞けばいいのかもしれませんけれども、私は両方の手で数えても世界に通用する選手は育っていないと思います。なぜ育っていないか。歴史が浅いから、諸外国の高い選手を買ってぐるからです。
 しかも、私のような知恵のない者がサッカーを見ておりましても、こっちの選手だと思ったら次に左へ移っている、左の選手を今度右へ引き抜く、そういう引き抜き合戦では本当に日本のJリーグの選手が育たなくなるんです。名選手もいらっしゃいます。けれども、そういう意味では、このサッカーくじというものを通して、くじの対象になるようなJリーグ自体の体質というものがまだ世界レベルにほど遠いんだということも、私は改めて認識しなければいけないだろうと思います。
 そして、先ほどおっしゃいましたように、地元の名前が出て、地元の人たちが頑張れよ、頑張れよと言って意気が上がる、いいことだと思いますよ。けれども、そのホームタウンの自治体がこれに反対決議をしているということを改めて自治大臣に私はこの見識を問いたいと思います。自治省というのは地方自治体の意見を吸い上げるのが役目だと思います。きょうは自治大臣が見えていませんからこれ以上自治省には聞きませんけれども、この四十一都道府県、二百六十四自治体の反対及び意見書採択というものに対して、この意見を自治省はどう吸い上げていくのか。あるいはこれが文部省に届いているのであれば、各地方の教育に目を配らなきゃいけない文部省がこれだけの自治体からの反対意見というものを取り上げて、もう少し時期が早いとか、もっと自治体が賛成に回ってくれるまで待つとか。なぜ急がなければならないのか。
 私は改めて、衆議院で党議拘束をかけたにもかかわらず、本会議場から六十名になんなんとする人間がぞろぞろ出てくるというような醜態は参議院ではしたくない。それが参議院の良識であると私は信じております。
 また、私はスポーツ議員連盟の一員でございますから、本来は御存じのとおり、文部省が主管庁になってこういうものをするというのではなくて、先ほどからもるるお話がございましたように、スポーツは人々の健全な……
#123
○委員長(大島慶久君) 質疑時間が三分オーバーしておりますので、手短に御終了をいただきたいと思います。
#124
○扇千景君 青少年の本来の発達あるいは育成に寄与するということであるならば、私はスポーツ議員連盟の一員として、国の一般財源の中からスポーツ予算を増額できなかったということ、長年国会に籍を置きながらそれができなかったということに私自身もじくじたる思いをしながらも、私はまだこの件に関してはるる御説明申し上げたいですけれども、その件に関しては次回に譲りたいと思います。
#125
○委員長(大島慶久君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後三時六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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