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#1
第142回国会 文教・科学委員会 第4号
平成十年二月五日(木曜日)
  午前十時開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 二月三日
    辞任         補欠選任
     鈴木 政二君     井上  裕君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島 慶久君
    理 事
                小野 清子君
                北岡 秀二君
                馳   浩君
                小林  元君
                松 あきら君
    委 員
                井上  裕君
                釜本 邦茂君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                野沢 太三君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                本岡 昭次君
                山下 栄一君
               日下部禧代子君
                阿部 幸代君
                扇  千景君
   衆議院議員
       発  議  者  船田  元君
       発  議  者  柳沢 伯夫君
       発  議  者  福留 泰蔵君
       発  議  者  松浪健四郎君
       発  議  者  小坂 憲次君
   国務大臣
       文 部 大 臣  町村 信孝君
   政府委員
       大蔵省主計局次
       長        藤井 秀人君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省体育局長  工藤 智規君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   説明員
       自治大臣官房審
       議官       石井 隆一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○スポーツ振興投票の実施等に関する法律案(第
 百四十回国会衆議院提出)(継続案件)
○日本体育・学校健康センター法の一部を改正す
 る法律案(百四十回国会衆議院提出)(継続案
 件)
○スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百
 四十回国会衆議院提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、鈴木政二君が委員を辞任され、その補欠として井上裕君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大島慶久君) スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○山下栄一君 公明の山下でございます。
 まず私は、財源確保のためのスポーツ振興くじ導入の前提の話をきょうは少し提案者の方また文部省にお聞きしたいと、このように思うわけでございます。
 スポーツの振興は極めて重要であり、またスポーツ議連が中心となって今日まで取り組んでまいりましたスポーツ振興くじ法案の理念、非常にすばらしいと私も思うわけでございますけれども、国会の場におきましてスポーツ振興のこういう議論というのがそんなに今まで行われてきたのかなということもございます。また、各地域におきましてもそういうニーズというのはそんなに高まってきているようにも私思っておらないというふうに思うわけです。
 それで、日本の国の歴史的、文化的伝統の中でのスポーツの位置づけですけれども、そんなに高くなかったと。提案者の方は、このような日本のスポーツと生活という観点から現状をどのようにとらえておられるのかなということをまずお聞きしたいというふうに思います。
#5
○衆議院議員(柳沢伯夫君) ただいま先生お話しのとおり、日本のスポーツの歴史あるいはそれを踏まえた現状というものについてはいろんな意味でゆがみがあったということは否めないと、こう思っております。
 きのうもちょっと申し上げましたけれども、例えばスポーツという言葉が入ってきたときに、最初日本ではこれを狩人と訳すのかというようなお話もあったようでございます。つまり、スポーツには気晴らしという意味が非常に強いものですから、狩人もおかしいなというようなことでスポーツの訳語が決定せずに、スポーツがスポーツという言葉で定着をしていったと、こういうことのようでございます。
 しかし、日本では富国強兵というような考え方がありまして、体育増進というような国家的な要請もありまして、これがスポーツという言葉のいわば概念の一つの分野であったわけですけれども、いつの間にかこれがほとんど肥大化していって、スポーツイコール体育増進あるいは体力向上というようなことになったといういきさつがあったようでございます。したがって、それはすべからく学校教育というようなことに結びついていった。
 ところが、最近における都市化あるいは生活の利便化、余暇時間の増大、所得水準の向上、高齢化社会の進展といったような状況の推移に伴いまして、やはり国民の健康、体力に関する関心が高まってきまして、スポーツというものがようやく本来の意味でのスポーツとして受けとめる素地ができてきた、こういうように認められておるようでございます。特にその点は女性において目覚ましい状況になっておる。これは例えば、家庭婦人バレーボールの練習がかなり夜遅くまでそれぞれの地域の体育館の明かりがともって行われているというようなことにもあらわれているというように思います。
 そこで、実は戦後西ドイツがゴールデンプランというものをつくりまして、スポーツ・フォー・オール、すべての人にスポーツをということでゴールデンプランという大々的な国家的計画を立てました。そして、各地域にスポーツのクラブを置いて今のスポーツ・フォー・オールを実現していった、こういういきさつがございます。
 そのときに、我々の党で、最近議員を辞職されました西岡先生がこの構想に非常に早くから着眼しまして、同じような日本でのスポーツ・フォー・オール構想、あるいは日本版ゴールデンプラン構想というものの実現を図ろうとしてかなり積極的に動かれたといういきさつもあったようでございますけれども、やはり財源の壁というか、そういうものに当たってこれが成功を見なかったといういきさつがございます。
 そういうようなことで、Jリーグが発足するときに、我々としても今までのそういういきさつというものを考えましたときに、同じようなことが日本でも考えられないだろうか、そしてそこでいわばスポーツ愛好者が寄附をすることによって、今言ったスポーツ・フォー・オールの施設整備あるいはソフトの支援といったようなものにそういう浄財を使うというシステムを我々のスポーツ愛好者の中でつくれないか、こういうようなことで、もちろんそれだけですべてができるというわけではありませんけれども、その大きな柱になり得るんではないか。
 こういうようなことで今回の構想に結びついていったというのが、今日の日本のスポーツ界あるいはスポーツに対する我々政治の取り組み、あるいは関心のあり方と今回のこのスポーツ振興投票法が出てきた経緯であるということで御理解を賜ればと思う次第であります。
#6
○山下栄一君 学校、企業中心のスポーツから地域スポーツの振興へというその理念はすばらしいというように思っているわけです。ただ、それを行政主導型でやるのはよくない、こういう考え方に私立っておりまして、地域におけるコミュニティーづくりの重要性みたいなものは叫ばれているわけですけれども基盤がない、そんな状況の中でまた今議論されていることは行政主導型になりはしないかと、こういう私は心配があるわけでございます。
 学校におきましても少子化とともに教師が高齢化し、運動クラブ担当の先生も少なくなってきている。子供も集まらない、チームが編成できない、運動クラブの廃部が多くなってきているという実情がある。不景気のために企業スポーツも、最近も報道されていますように、建設会社またさまざまな会社が実業団チームを持っていたけれども、それも廃部に追い込まれているような状況になっている。
 そういう意味から考えますと、地域における取り組みというのは非常に重要であると。大人が連帯して子供にかかわるという場の必要性も、最近のさまざまな青少年の凶悪事件の増加等にもよりまして地域の教育力ということも非常に求められている。しかし、その地域の連帯感というのは、まだまだ企業、学校中心の日本のライフスタイルの状況の中でなかなか定着しない。そういう現実の中で、非営利の、住民主体のスポーツ振興の取り組みも余りないままに行政主導型で、そういうのが必要だから財源確保せにゃいかぬというふうなことになっているのは本末転倒であると、こういうふうに私は考えておるわけでございます。
 国や地方自治体の今までスポーツ振興法に基づく体制づくり、また最近、文部大臣認定のスポーツ指導者の資格等も始まったわけでございますけれども、マンパワーの観点から私ちょっと取り上げたいと思うんです。スポーツ指導者として活躍されている実情について、地域の取り組み、国の取り組みについてお伺いしたいというふうに思います。
#7
○政府委員(工藤智規君) スポーツの指導者につきましては、御承知のように、かねがね各スポーツ団体が自主的にいろいろな養成、研修等を行ってきているわけでございますが、たまたま十年ほど前になりましょうか、昭和六十二年に文部大臣の認定制度をつくってございます。
 これは、各スポーツ団体からの御要請を受けまして、それぞれのスポーツ団体で多様に行われているのは結構なのでございますけれども、全体としての養成水準の向上を図るためにそういう認定制度が必要であるということから、私ども御要請を受けましてそういう制度を設けてございます。
 その概要は、スポーツ団体が自主的に行うスポーツ指導者の養成事業のうち、一定の水準を備えたものを認定いたしましてそれぞれの団体が養成事業を行うわけでございますが、団体が行う事業に参加されて、定められた講習等を受けながら指導者としての認定を受けられるということでございます。日本体育協会でございますとかあるいは水泳連盟、テニス協会等々、競技団体四十八団体がこれまでに養成されました指導者というのが約七万九千人に上っているところでございます。
 他方、その活用状況ということでございますけれども、それぞれ自主的に行っている事業でございますし、修了者の方々の就職状況まで私どもも十分把握していないのでございますが、それぞれの地方公共団体のスポーツ担当者でございますとかあるいは体育指導委員、それから民間や公共スポーツ施設の指導者、あるいは地域のスポーツクラブの指導者、いろいろな形で中核的な指導の任に当たっておられると承知しておりますが、若干断片的に申し上げますと、高校以下の教員でそういう資格を得ておられる方が約八千五百人、それから市町村の生涯スポーツ担当職員の中で得ておられる方というのが、総数が一万七千人ぐらいのうち千二百人ぐらいでございますから、市町村の担当者の中ではパイとしては七%ぐらいの状況でございます。
 それから体育指導委員、これは各市町村に置かれておられるボランティアの方々でございますが、全国で六万人余りいらっしゃいます中で五・二%ぐらいの方々がそういう資格を得ておられるというふうに承知しているところでございます。
#8
○山下栄一君 先ほど柳沢提案者が、日本の場合はスポーツ振興、スポーツの生活とのかかわりの中でゆがみがあったということをおっしゃっていましたけれども、私もそう思っておりまして、今も体育局長からお話がございましたけれども、例えば体育指導委員という方が市町村に任期二年で非常勤でスポーツ振興法に基づいていらっしゃるわけですけれども、何をされているのか、実情を文部省は御存じなのかなというふうに思っております。提案者の方も御存じなのかなと。
 日常的な、どのようにして運動施設を利用したらいいのかとか、また健康とのかかわりの中で具体的なアドバイスをしていただきたい、そんなふうな役割なのかと思いましたら、実態はそうじゃないと。現実は、スポーツ行事の来賓みたいな形で参加されているのが体育指導委員である、年輩の方も多いと。そういう形だけの体制づくりはある。昭和三十六年以来、今も何万人とおっしゃいました。
 また、文部大臣が認定されているさまざまな指導者の資格もあるわけですけれども、これが、地域において資格のある方が活躍できる場の保証とか、また、そういう方々がふえていくための体制がどれだけ整備されているかということを考えましたときに、非常に貧弱な体制であると。受講料も高いし、実際受講するための場所も、遠いところへ行かないと資格が取れないというような状況もあるというふうなことを考えましたときに、形だけのスポーツ振興をやってきたけれども、本当に地域の住民のために資するようなそんな状況になっていない。
 そういう状況の中で今回、理想はすばらしいわけですけれども、地域スポーツの基盤整備をやっていきたいと言ったところで、僕は、それはまた同じような行政主導型の、住民との乖離のあるままのスポーツ振興になってしまうのではないか、こういうことを大変危惧しております。
 文部大臣認定のスポーツ指導者の話もそうなんですけれども、総理府の世論調査でも、国、自治体の方に住民の皆さんがスポーツ振興のためにどういう要望をするか、第一位はスポーツ指導者がきちっと機能してほしい、もっとふやしてほしいということが出てきているわけです。私が先ほど申し上げましたような、国とか自治体が役職をつくり資格を与えているけれども機能していないという実情について、提案者の方はどういうふうにお考えでしょうか。
#9
○衆議院議員(柳沢伯夫君) ちょっと私の名前も今回の質問で出ましたのでお答えするんですが、私がゆがみと言ったのは、やはり日本のスポーツがスポーツとしてそのままうまいこと全体として輸入されたのではなくて、富国強兵と結びついて体力増進、それとまたさらにそれが結びついて学校体育というような形で受容されてきた、これはやっぱりゆがみだったのではないか、こういうことをそういう表現でさせていただいたということをまずもう一度申し上げておきたい、このように思います。
 それから今、山下先生、官製のスポーツ指導者なものですから、本当の意味で地域スポーツの指導者として根づいていないのではないかというお話でございます。これは私は、一面当たっていると思いますし、一面、山下先生のお地元での御経験はどうだろうかというふうにいぶかる気持ちも正直言って持ちました。
 と申しますのは、私の地元では大変体育指導委員も活動しておるし、また体育指導委員というような公式の資格を持たなくても、例えば小学校六年生以下の人たちにバスケットを教える、これはミニバスケットとかポートボールとかというようなことを言うわけですけれども、親と一緒になってやっていますけれども、親の前で子供たちを叱咤激励して一生懸命教えているというような人たちがおります。私はその大会を主催しておりましたのでその状況をよく知っているんです。
 そういうようなことで、これは確かに公式の大会の役員になる程度で終わっているというような面もありますけれども、スポーツ指導者あるいはその下のレベルぐらいの人たちが一生懸命地域のスポーツの振興のために汗を流しているということも全国的に言ってもかなりの規模ある、これはやっぱり認めてかからなきゃいけないのではないか、私はこのように思います。
 そして、我々がこれからこのスポーツ振興くじでもってやろうとしていることは、さらにそういう地域のスポーツのクラブを振興していこう、これは官製のものでなくていいと。今ちょうど河村先生ここに答弁者としておりません。それはなぜいないかというと、NPO法案の方に行っているんですが、例えば我々はスポーツクラブをNPOの一つとして位置づけられないか、こういうようなことすら考えておるわけでございます。これは文部省とは関係ありません。正直言って、文部省はどう思われるか知りませんが、我々はそのくらいのところを思っておるということであります。
 ちょっと私機会がないとあれなんですが、今非常に著名人になっておりますサッカー日本代表の監督岡田武史さんが、なぜサッカーの世界に戻ってきたかということをことしの一月五日の日経の、「マンデーニッケイ」の「じんじロジー」という欄で言っておりますが、彼は「コーチ留学したドイツで、休日に人々が思い思いのスポーツで汗を流す、地域に根差したスポーツクラブの実際の姿に接した。」。もう一度サッカーを通じてこういう地域スポーツクラブの振興、そして国民が本当に休日あるいは余暇を楽しむためのスポーツの振興に自分が力になれたらいい、こういうようなことで彼はサッカーに戻ってきて、彼は嫌々ながらサッカーを続けていたそうですけれども、ついにワールドカップの監督にまでなってしまった。なったそのスタートは、そういう彼のドイツ留学において経験した、見聞きしたドイツのスポーツ、先ほど言ったゴールデンプランがどれだけ普及したかという実態に基づいているということも申し上げておきたいと思います。そう我々はいたしたいのであります。
#10
○山下栄一君 いたしたいのはよくわかっているんですけれども、文部省の取り組みの中に総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業ですか、これが平成八年から始まった。こういうモデル事業にあちこちから、自治体主導型じゃなくて、もちろん自治体を通さにゃいけないかもわからないけれども、自治体にそういうモデル事業として認定してもらいたいという住民からの要望がどんどん広がっているというふうなものがないとこの構想は行政主導型になってしまう。
 今おっしゃった、非営利のNPOに法人格を与えて、その団体には寄附の税額控除もしてあげるというふうな形で広がっていくということがまずないと、財源確保というようなことはまだまだ議論がそこまでいかないのではないのかなと。国会でもこういうスポーツ振興のための議論がほとんど今まで行われてこなかった、そういう状況もあるわけでございますから、全国的なそういう住民ニーズの高まりといいますか、これが先行しないと私はまずいのではないかということを強く危惧するわけです。
 保体審議会の答申にも、スポーツ健康推進会議、こういうのを地域の住民の自発的な主体的な活動としてやっていったらどうかというふうなことが提案されたばかりの現状なわけですね。先ほど申し上げました文部省の事業も始まったばかりだと、まだまだ手を挙げるところも少ないという現状があるというふうに思いますので先ほどから申し上げているわけです。
 ちょっと時間がなくなってきましたけれども、一つだけ、先ほどの学校のクラブ活動の話なんですけれども、深刻な話ですのでちょっと具体的に文部省に御答弁をお願いしたいんです。
 顧問の先生が高齢化し、土曜日、日曜日の引率もままならないという状況の中で、教員免許を持っていないいわゆる外部のスポーツ指導者、能力もあり実績もあるという方々を指導者として学校の中に応援していただくというふうなことを保体審議会でも提案しているわけですけれども、クラブ活動だけじゃなくて、保健体育の授業においてもそういう方々が主体的にかかわれるような立場を考えていったらどうかなと。
 実習助手か、さまざまな形でスポーツ指導者がボランティア中心になってしまっているわけですけれども、そういう方々の活躍する場を広げるという意味でも、教員免許を持っておられないスポーツ指導者の方々をクラブの顧問、また体育科の助手という形で考えられないかということについてお願いします。
#11
○委員長(大島慶久君) 持ち時間を超過しておりますので、簡単明瞭にお答えをいただきたいと思います。
#12
○政府委員(工藤智規君) 御指摘のような観点は大事なことだと感じております。
 それで、既に部活動等の指導には外部の方々の御協力も得ながら随分参画していただいているわけでございますが、正規の授業へのそういう学校の教員以外の社会人の参画ということにつきましては、御承知のとおり、既に特別免許状制度あるいは特別非常勤講師制度というものが設けられてございまして、お呼びできるような形になっているのでございます。
 ただ、それぞれの地域あるいは学校の取り組み姿勢によって違うのでございますが、いい意味でも悪い意味でも、学校の先生方あるいは校長先生を初めとしてどうも責任感が強過ぎる部分がございまして、外へ頼むよりは自分たちでできるだけやろうということから、なかなか輪が広がっていない部分もございます。今やそういうことも言っておれませんので、子供たちを取り巻くいろいろな関係者が手をとり合って相連携しながら、授業でも授業以外の教育活動の場でも御指導に当たっていく必要があるんじゃないかと、御指摘のようなことを考えてございます。
#13
○日下部禧代子君 社会民主党の日下部でございます。
 本法律案の趣旨は、申すまでもなく、新たなスポーツ振興のため、及びその財源確保でございます。したがいまして、本法案を議論するに当たりまして、我が国のスポーツあるいはまた体育に関する予算について基本的なことを整理しておく必要があるかと存じます。
 そこで、文部省に質問いたします。
 まず、文部省管轄のスポーツあるいは体育に関連する予算の推移を紹介してください。
#14
○政府委員(工藤智規君) 文部省所管のスポーツ関係予算ということでございますが、いろんなくくり方はあるのでございますけれども、学校体育を除いた、学校外での子供たちから年齢を問わずの生涯スポーツあるいは競技スポーツの関係のスポーツ振興予算という形でスポーツ議連の先生方もお使いでございますので、そういうくくりでのスポーツ関係予算ということで申し上げますと、過去五年を振り返りますと、平成五年度は約百九十五億円でございます。平成六年度が百七十五億円、七年度が百七十七億円、八年度が百七十五億円、九年度が百七十六億円と、ここ数年、四捨五入いたしますと約百八十億円の水準でございます。
 これから御審議いただきます平成十年度予算では、大変厳しい財政事情の中でございましたので、予定しておりますのは百七十四億円でございまして、残念ながら、四捨五入いたしますと百七十億円の水準になるという状況でございます。
#15
○日下部禧代子君 今幾つかの限定をなさった形での数字だというふうに思います。
 ちょっとそれについて詳しく御説明を伺っている時間がございませんので、とりあえず次に、他の省庁でございますが、文部省がスポーツ、体育関係の管轄の省だというふうに一応一般の方たちはとらえていると思いますが、例えば明後日から始まります冬季オリンピック、これは文部省でございますが、パラリンピックになりますとこれは厚生省の管轄ということになります。したがいまして、ここで文部省以外の各省庁、あるいは建設省あるいは労働省、非常に多方面の省庁にわたっていわゆるスポーツあるいは体力づくりというふうな形での予算がとられていると思いますが、大体それはどのような額になっているのか、その点、文部省答えていただけますか。
#16
○政府委員(工藤智規君) スポーツに特化した予算となりますと、なかなか調整官庁がございませんで私ども集計ができないのでございますが、今お話にございました国民の体力づくりという観点からの予算につきましては、総務庁にございます青少年対策本部に体力づくり国民会議の事務局がございまして、集計作業を行ってございます。
 ただ残念ながら、先ほど申しましたようなスポーツ関係予算というよりはかなり幅広い概念でのとらえ方でございますので、文部省関係の予算につきましても体育局の予算のほかに青少年教育施設の整備の関係の予算などを含めて若干多目になっているということを前提にお聞き取りいただきたいのでございますが、例えば建設省で都市公園整備の一環でスポーツ施設を整備する等の関係で約一千六百二十一億円とか、これは九年度の予算でございますが、厚生省で老人保健事業等も含めまして六百八十億円、あるいは運輸省で観光基盤施設整備費等で二百四十三億円等、各省庁合計いたしますと四千五百六十億円というのを承知しているところでございます。
#17
○日下部禧代子君 次に、地方自治体の場合についてお願いいたします。
#18
○政府委員(工藤智規君) 地方自治体の関係のスポーツ事業あるいはその予算についても、なかなか統計のとり方が難しゅうございまして必ずしもつまびらかでない部分があるのでございますが、ある調査によりますと、今申し上げたような各省庁の予算を使い、あるいは自主財源、あるいは地方債等で施設整備をするとか運動公園を整備するとかということを含めた数字になろうかと思いますけれども、都道府県全体では約七百八十六億円、それから市町村全体で三千四百六十三億円、合わせますと四千二百四十九億円というデータがございます。
#19
○日下部禧代子君 今、一般にスポーツあるいは体育、あるいはまた広く含めて体力づくりというふうな形で予算が各省庁にわたっているということを知ったわけでございますけれども、今御説明の中にもございましたけれども、スポーツという概念、それから私たちがスポーツという言葉から受けるイメージ、これは本当にさまざまであるというふうに感じるわけでございます。
 したがいまして、ここで文部省は、こういう各省庁にまたがっている広い意味での体力づくりという概念の中で、文部省の管轄する部分というのはどのように他の省庁との違いがあるのか。他の省庁はそれぞれにさまざまな名目で、体力づくりという広い幅の中で予算を分捕り合戦しているというふうな印象がいたします。そして、それがまた縦割りであると。
 そういう中から、もし連携していればもっと効率的に国民にスポーツの場を提供することができるかもしれないというようなことも考えられるわけでございますが、いわゆる体力づくりを文部省と他の今御説明いただきました省庁とどのような違いで分類されているのかということも含めまして、そしてまたその連携化、効率化ということもこれから必要ではないかということも含めまして、文部大臣に御所見を伺いたいと存じます。
#20
○国務大臣(町村信孝君) 文部省の場合でありますと、学校体育あるいは生涯スポーツ、競技スポーツというのが主たる守備範囲ということになっておりますが、日下部委員御指摘のとおり、各省庁それぞれ、よく言えば競ってそれぞれの分野でスポーツ振興に努力をしていただいているということは、私は大変ありがたいことだと思います。
 ただ、他方の御批判でそれが十分調整がとれているかという御指摘があると、それは絶対大丈夫ですと胸を張ってお答えできるほどにはなっていないのもまた事実かなと思っております。
 たまさか、私の地元の話で恐縮ですが、数年前に国民体育大会がありまして、相当大規模ないろんな施設をつくりました。そのときを見ておりましても、一番大規模なものは例えば建設省の都市公園予算でつくります。それから、そこそこの規模のものは文部省の補助金でやります。もうちょっと小規模のものは自治体単独で、それは起債の許可あるいは交付税の裏打ちというような形でやります。
 結構、自治体の方がそこはうまくいろんな仕組みを活用することを考えているという面もあるのかなと思っておりますが、決して十分な調整がとれているかと言われれば、さらに今後そうしたことを含め調整を図りながら国民全体のスポーツ振興に努めてまいらなければならない、かように考えているところであります。
#21
○日下部禧代子君 今、大臣にその辺をお答えいただきましたけれども、これは文部省の方の予算であるというふうな形での何か調整のための行動を起こしていらっしゃるんでしょうか。自治体のさまざまな工夫にゆだねられているというふうなお言葉も今ございましたけれども、もう少し積極的な方策というのを文部省として講じていこうとお考えでいらっしゃいましょうか。
#22
○国務大臣(町村信孝君) さっき局長が調整官庁ではございませんのでと申し上げましたが、今の日本の国家行政組織法上の中で言いますと確かに調整官庁ではないので、文部大臣が建設省に向かってこういう施設をつくりなさいといったようなことを言うことは、それは現実にできないわけであります。
 ただ、さはさりながら、先ほど申し上げました総務庁の青少年対策本部の中にこうした健康づくり、体力づくりという観点からの調整の場、議論の場というのがございまして、これは総務庁はまさに調整し得る立場にありますので、そうした場のさらに有効活用などを図りながら政策の実を上げていくことが必要なんだろう、その面でまた文部省も大いに総務庁をバックアップしながらやっていきたい、このように考えております。
#23
○日下部禧代子君 スポーツを管轄するという省庁として、文部省はさらにそのような御発言をいろんな場でなさっていただきたいということを強く要望しておきます。
 発案者の方に御質問いたしますけれども、今、私と文部省とのやりとりをお聞きになっていらっしゃいまして、そのような現状というのはよく御存じの上で、それを踏まえての本法案の御提案というふうに思います。予算というのは多い方がいいに決まっておりますけれども、今回の御提案の趣旨というのは、ただ単に財源をふやすということだけではなくて、日本のスポーツ、体力づくりあるいは体育のあり方について、あるいはまたその予算の使い方についても抜本的な改革の必要性ということをお認めの上での御提案だというふうに私は理解しております。
 その点についていかがでございましょうか。
#24
○衆議院議員(福留泰蔵君) スポーツに関連する予算については、ただいま文部省の方からも御説明があったとおりでございます。
 この法案を提出するに当たってスポーツ議員連盟でプロジェクトチームをつくりまして、これからの日本の将来あるべきスポーツ環境について政策を取りまとめて、その財源としてこの法案を提出させていただいているところでございますけれども、その政策の一つが、先ほど来御説明を申し上げておりますとおり、地域を主体としたスポーツクラブをこの日本の中につくっていこう、我々のプロジェクトチームの案では中学校区単位ぐらいでこのスポーツクラブをつくっていこうというふうな考えがございます。その中学校区単位のスポーツクラブに対して、さまざまなスポーツ面での指導員を派遣したり、またそれぞれの運営のアドバイスをするというふうな役割を持った広域スポーツセンターというものを全国に三百カ所程度つくったらどうかというふうな政策を提示させていただいているところでございます。
 最初に戻りますけれども、このスポーツ関係の予算というのはさまざまあるわけでございます。文部省の方から説明がありましたけれども、建設省では都市公園事業費補助として公園整備を行っているわけでございますけれども、この中で運動公園なども整備されているわけでございます。このように、文部省以外の省庁の予算は基本的にその省庁の目的に沿ったものであると理解しておりまして、それが体力づくりにかかわるという観点から体力づくり関係予算に計上されていると私どもは理解しているわけでございます。ですから、スポーツ振興予算とは同じ次元では論じられないのではないかとも思っておりまして、そしてなお詳細にその中身の実態を見ていきますと、それらの予算はハードの面での整備が多くなっていると理解をしているわけでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、私どもがこのスポーツ振興政策としてまとめ上げた中身は、ハード面よりもソフト面の整備というものを重視した形での政策提言をしているわけでございまして、だれもが地域でスポーツに親しめる環境を創造するため、スポーツ施設の今の量的質的充実だけではなくして、先ほど来申し上げています住民参加のスポーツクラブの設置、指導者の充実、スポーツ教室の開催等、こういったソフト面の充実を図っていくための財源としてこのスポーツ振興くじというものを提案させていただいているわけでございます。
 また、スポーツ振興くじの収益によります助成につきましては、スポーツ団体からの申請を受けまして日本体育・学校健康センターの審査委員会におきまして審査され配分が決定される予定になっているわけでございまして、スポーツ団体のニーズに沿った形での助成が行える仕組みとなっていると私どもは思っているわけでございます。
#25
○日下部禧代子君 次の質問に移りたいと存じますが、このいわゆるスポーツくじの実施主体というのは日本体育・学校健康センター、これは全額政府出資の特殊法人でございます。文部省が所管するわけでございますが、つまり文部省が、国がかかわるということの意味について、これは文部省が胴元になってそのようなくじをというふうな御意見もございます。しかしながら、また別の面からいうと、文部省、つまり国が関与するということのまた違った意味もあるかとも存じますが、その点に関していかがでございましょうか。
#26
○衆議院議員(船田元君) 今、日下部先生御指摘の点でございますが、スポーツ振興くしというのは我々の考え方によれば、スポーツの振興に寄与するということに非常に公益的な目的を我々は感じております。公益性の高い制度であるというのが一つ。また、広く国民にこのスポーツ振興くじを購入していただく、こういうことでありますので、当然全国的な規模で実施される体制がなければいけないということ。さらには、売上金がどのぐらいになるかはわかりませんけれども、相当の金銭が伴うわけでありますので、公正さが確保されさらには国民の信頼が得られる、そういう実施主体でなければいけない、こういうことを考えました。
 もちろん、国自体が関与するということは考えていたわけでありますけれども、日本体育・学校健康センターという特殊法人が既に存在をしておりまして、またその中にスポーツ振興基金というのが数年前から実施をされております。スポーツ振興基金はその基金の果実によって各スポーツ競技団体等々への助成をもう既に行っているということでありまして、このスポーツ振興くじの収益の一部をそのスポーツ振興のためにスポーツ団体等に交付をする、こういうことにもなっておりますので、もう既にそういう制度でノウハウの蓄積をしている、こういうことなども考えますと、やはり日本体育・学校健康センターが最もふさわしい実施主体ではないかな、我々はこのように考えておるわけであります。
 もちろん、そのセンターを管轄するのも文部省でありますから文部省がすべての最後の責任をとっていくわけでありますが、スポーツ振興という文部省の大目標を達成するためにそのスポーツ振興くじを実施する、それをまた監督をするということにおいて文部省がすべての部分においての監督の権限を持つということは極めて整合性のあることである、このように考えた次第でございます。
#27
○日下部禧代子君 チェック体制について、それに関連してお伺いしたいのでございますが、今御説明のとおり文部省の管轄になるということは、これは業務活動、例えば予算、事業計画は文部大臣の認可が必要ということになりますね。そして決算書も、これは大臣の承認でございますか、が必要でございます。また、さまざまな事業の報告義務というのもございます。特殊法人でございますから、したがって会計検査院の検査が認められているわけでございますね。
 しかしながら、大蔵省のあのような汚職事件もございます。今お答えもございましたように相当の金銭が動くということもございまして、チェック体制というのは現行の制度で大丈夫なのかなというふうなことを普通一般の人々はやっぱり考えてしまうのではないかなと。例えばこれは大蔵省で金融と財政を分離するというふうなこともまた出てまいっておりますけれども、収益金を集めることとそれを配分するということを分離しなくていいのかなというふうなことも含めまして、もし外国の例などございましたら、いかがでございましょうか、御意見をいただきたいと思います。
#28
○衆議院議員(柳沢伯夫君) チェック体制の万全を期するということの関連で昨今の大蔵省の行政組織の問題についてもお触れになられたわけでございますけれども、大蔵省の金融と財政の分離の局面とはちょっと局面が違うんではないかと、このように思っています。
 それはどういうことかというと、大蔵省の問題とのかかわりでいえば、むしろ主税局、国税庁系統のいわば歳入事務の方と主計局の歳出事務との関係と似たような関係になるというふうに承知をしておるわけでございます。そうしますと、いわゆるどんぶり勘定といって、収入があったその現場でもって全体的な計画もなく支出をしてしまう、これが一番いけない経理の処理ということで、こういうものをまず截然と分かつ、歳入というか収入は収入でトータルとして完全に押さえる、そしてちゃんと経理をして決算もし、それを情報公開したりあるいは監査にかけたりするということで、歳入としての公正につきましてもこれを確保していくと、こういうことが肝要かと思います。
 それから支出の点については、この場合にはスポーツ振興助成金ということになるわけですけれども、その使途というものが目的に照らして本当に金額の点においてもあるいは趣旨の点においても公正であるか、これが大事な点でございますけれども、これについては先ほども日下部先生が御指摘になられたとおり、もともと支出の基本方針というものは保体審でもって大臣が諮問をして、一体どうしたらいいだろうか、地域スポーツにはどのくらいやったらいいだろうか、あるいは競技スポーツ、ナショナルトレーニングセンターの建設等にはどれだけやったらいいだろうかといったような基本の方針を定めていただく。
 そして、そういう基本の方針に基づいてセンターがこの配分の実際上の事務に当たるわけですけれども、その計画については、先ほど船田発案者から答弁をいたしたように、既にスポーツ振興基金というものの果実を配分する経験を持っておるわけでありまして、それに審査会が当たっております。その審査会の中に別途の部会でも設けて、もちろん基金の果実の配分をにらみながら、それとの整合性というものに十分配慮しながら審査をして適切な配分先というものを決定していく、こういうことが必要であろうと思います。
 そして、実際に配分をした後の事後チェックの体制もこれもまた非常に大事なわけでありまして、この点については日下部先生野にお触れになられた会計検査院の検査も働くわけでございますし、また、財務諸表を今回国会が決めた特殊法人の財務諸表公開の法律に基づいて官報等に公示して公開をいたしますし、それからまた、一昨日来大変大きな規定だというふうに我々御理解をお願いしております三十条でございましたか、あの情報公開、この規定でもってすべて情報公開していく、末端の一つ一つの配分先までこれを掲名して公開していく、こういうようなことを考えておりまして、事後チェックにつきましても万全を期してまいりたい、このように考えておりますことを御理解賜りたいと思います。
#29
○日下部禧代子君 万全を期すといっても、やっぱり人間というのは弱いものだということは大蔵省の事件でも非常に如実になったわけでございます。ぜひともその万全を期すという上にまた万全を期すということを念を押しておきたいと思います。
 最後に、本法案はスポーツ振興のための新たな政策を実施するための財源を確保するということを目的としています。したがいまして、本法案を実効あるものとするためにも、昭和三十六年、一九六一年に成立いたしましたスポーツ振興法によるスポーツ基本計画というのを早急に策定する必要があるのではないか。これも議員立法でございます。ともに議員立法でありますが、この点に関しまして、文部省といたしましてはスポーツ基本計画というものを早急に策定するということをどのように今考えていらっしゃいますでしょうか。
#30
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、昭和三十六年にこのスポーツ振興法が制定をされて以来、私もつまびらかにその事情はわかりませんが、実にこの計画が今日までそういう意味ではつくられてきておりません。しかし、それにかわるものということでもないんでしょうが、大体十年に一回ずつぐらい保健体育審議会から大変大きな答申をいただいておりまして、それに基づいて各種の施策を体系的に展開してきたという実情があったんだろうと思っております。昨年九月にも保健体育審議会の方から答申をいただいて、学校体育あるいは生涯スポーツ、競技スポーツ全般にわたっての御示唆をいただきました。こうしたことを踏まえながら、年々の予算等々によりましてスポーツの振興を図ってきております。
 とにかく、基本的に当面財源がないということは現実に大きな制約になってきておりますので、仮に今回こういう形で議員立法により財源の見通しが得られますと、いよいよ本格的なこうした計画の策定ということもより現実的になってくるのかなと、このように考えているところでございます。
#31
○日下部禧代子君 終わります。
#32
○阿部幸代君 初めに文部省に質問いたします。
 昨日は、中教審の幼児期からの心の教育に関する小委員会の中間報告座長骨子案というのが一斉に新聞紙上で報道されました。私はこの骨子案全体を支持しているわけではないのですけれども、この中で、社会全体のモラルの低下を問い直そうと。まず大人社会全体のモラルの低下を問い直さなければならない、物、金等の物質的な価値を優先する風潮を問題視している、ここに着目をいたします。
 それで、この問題提起に照らしてみても、文部省が手っ取り早くスポーツ振興財源としてのサッカーくじ導入に積極的役割を果たしているのは問題だというふうに思うんです。
 実は昨年、文部省の官房長が私のところに、サッカーくじ法案を側面支援している、こう言って、スポーツ議連のパンフレットも入った資料一式を持ってお見えになったんです。私は、議員立法でもあり、世論が分かれ法案が通っていない段階から文部省は一方に肩入れしないように、またサッカーくじに対する全国の自治体、議会の決議を集約するようにと、こういうことをお願いしたくて来ていただいたんですけれども、側面支援の勢い余って来たらしいんですね。積極的な肩入れはやめるべきだというふうに私は思います。
 そこで質問なんですけれども、サッカーくじは最初から文部省主導で仕組まれたものだということがマスコミで報道されているんです。サッカーくじは一九九二年の日体協とJOCの陳情に始まったというふうに言われているんですけれども、九四年の朝日、毎日、二紙の報道によりますと、この陳情は仕組まれたものだったということなんです。当時の日体協の会長がすべて文部省の指示に従ってやったと言っているんです。文部省は両団体に陳情書の書き方まで指定してきた、こういうふうに言っています。実は、この経緯は昨年五月の朝日の署名入り記事でも繰り返し報道されています。
 文部省はこの事実を否定できますか。
#33
○国務大臣(町村信孝君) 今御指摘のような動きがあったかどうか私は承知をしておりませんし、しかも、JOCあるいはいろいろな民間の方々の動き、それは文部省と議論の場なりなんなりはあったと思います。しかし、具体的な陳情書の書き方等々、あるいはこういう法案をつくってくれと言って文部省が動いたということは私は今まで聞いたことはございません。
 むしろ、そうした民間の方々の動きを踏まえながら、国会の議員連盟の皆さん方がそれを受けて、よしやろうということで各般の準備を今日まで積み重ねてこられた、その御努力を私どもは大変多としているわけでございます。
 いずれにいたしましても、これが全部文部省発の構想であるということならば、最初から文部省が法案をまさに内閣提案という形で出せばいいのであって、そもそもこれは議員立法という形でこうやって動かれたという事実からしても文部省主導ではないということは言えるのだろうと思っております。
#34
○阿部幸代君 新聞に署名入りで載っている記事ですから、事実を確かめる必要があるというふうに私は思うんです。そういう意味では、委員長にぜひとも当時のJOCの会長やあるいは日体協の責任者を呼んでいただきたいというふうに思うんです。これは要望いたします。
 今、大臣の答弁の中で、やりとりはあっただろうという微妙な言い方をなさりました。ということは、政官癒着とは申しませんが、政官合作のギャンブル法案だということだと思うんです。
 日本PTA全国協議会が、昨今の子供たちを取り巻く環境、テレクラとかツーショットダイヤル、有害図書・雑誌、悪質なビデオ・テレビ番組等、性非行の温床や覚せい剤等を憂い、サッカーくじについても青少年の健全育成の観点からこれまで反対を表明してきたところですが、現在もその姿勢は基本的に変わりございませんと、こういうふうに参議院の議長あてに陳情してきているんですね。このことをどう受けとめますか、文部省。
#35
○政府委員(工藤智規君) 日本PTA全国協議会の方は、全国のいわば親御さんの立場で青少年の健全育成をいろいろ御心配いただき、かつその環境の整備を推進する立場でございまして、そういう意味から、いろいろ昨今気になる事象がある中でサッカーくじ法案についても、これは多分誤解もあるいはあるのかと思いますけれども、ギャンブルではないかとかあるいは青少年に大きな影響を与えるおそれがあるのではないかという前提でのそういう要望書が出されているというのは承知している次第でございます。
#36
○阿部幸代君 承知しておるということなんですけれども、青少年の健全育成のために、家庭や地域、学校を結ぶPTAはいわば文部行政がタイアップする相手だと思います。ですから、その意向を尊重することこそ青少年の健全育成上本筋というふうに私は考えるんです。それとも、青少年の健全育成というのはPTAの要望を聞かないで文部省が一方的に指示していくものなんですか。尊重するべきではありませんか。もう一度。
#37
○政府委員(工藤智規君) 教育あるいは文化、スポーツに関係いたします団体はたくさんございます。日本PTAもその大きな一つの団体ではございますし、他方で、先ほどの経緯でございましたように、体協あるいはJOCを初めとするスポーツ団体がスポーツ振興のための予算あるいは財源の確保に大きな心配と期待を寄せているのも事実でございます。
 先般来の本法案の御議論の中で提案議員の方から御説明ございましたように、世の中の一部の方で、PTAも含めまして、これはギャンブルじゃないか、あるいは青少年に大きな影響を与えるんではないかという御心配があることに対して提案議員からの御説明としては、ギャンブルではありません、むしろ宝くじに近い仕組みのものであり、かつ、むしろこれを財源としてスポーツを初めとする青少年健全育成の施策を充実しようというものであるという御説明をされているわけでございますが、私どももそのように受け取っている次第でございます。
#38
○阿部幸代君 文部省までそういうことを言うというのは本当に不見識きわまることだというふうに思うんですね。
 私も一昨日お話ししましたとおり、刑法では賭博とそれから富くじを同じように扱っているんですよ。そういうことにお金をかけるということは日本では禁止されているんです。ですから、もしやれば賭博罪、富くじ罪で罰せられるんですよ。ギャンブルだからなんですよ。それを合法的にやるために新たな特別法をつくるということですよ。合法ギャンブルをつくることに文部省が肩入れしようとしているんですよ。
 スポーツ振興というのは、本来スポーツ振興法にのっとって進めるべきものだと思います。この法律は、国や地方公共団体に条件整備に努めることを求めています。文部大臣にスポーツ振興に関する基本計画を策定することを求めています。ところが、この基本計画もつくりませんでした。スポーツ関連予算は政府予算分のGDP比で〇・〇〇三%と、国際比較するとけた違いに低い水準に放置されてきました。これは本当に無責任というものではありませんか。
#39
○国務大臣(町村信孝君) どうもサッカーくじが必ず青少年に悪影響を与えるという大前提に立っておられるようでありますが、そこのところの立論が正直言って全く私どもわかりません。今まで宝くじがあったからといって青少年に悪影響があったという話を私は聞いたことがございません。したがいまして、その大前提が違うのでどうも阿部委員とは議論がかみ合わないのであります。
 今、計画を早急につくるべきであると。この点については先ほど日下部委員にもお答えをいたしましたが、昭和三十六年に議員立法されて以来、どういう事情があったか私も残念ながらつまびらかにいたしておりませんが、今まで計画ができていない。それにかわるわけではないんですけれども、一応有識者の方々の御意見、あるいは先ほど申し上げました保健体育審議会の累次の答申を受けた形で、それに基づいて総合的なスポーツの施策を講じてきたということでございます。
 それから一点、GDP比のことを言われました。先ほど局長が御答弁を申し上げましたように、必ずしも国際的な比較のベースがはっきりしているわけじゃございません。特に、地方の予算のどこまでをスポーツの中に加えるか建設省の都市公園予算というものをどこまでスポーツの中に加えるのかということなどによっても相当変わってくるのであります。
 いずれにしても、文部省の受けとめ方といたしましては、財政の逼迫もこれあり、決して十分ではないと、もう少し財源があればいいなという思いは正直言ってあるわけであります。財源があればまだまだやりたいこと、先ほど提案者からお話のあったようなコミュニティーの体育施設、あるいは指導者の充実、養成といったようなこともございますので、そうしたことなどはこれからも大いにやっていきたいと考えております。
#40
○阿部幸代君 要するに、スポーツ振興基本計画をつくって計画的に進めてこなかった、ここに大きな責任があるということです。
 大臣にも文部省にも聞いていただきたいんですが、時間の都合で提案者に質問いたします。
 私は、実際問題として青少年への悪影響を防止する保証がないということを重視するものです。
 実は、このことを文部省自身が認めているんですね。アエラという雑誌の九四年七月二十五日号です。ここで、当時の文部省体育課佐々木順三企画官、その方の言葉が紹介されているんです。こう言っています。「確かに子供が買ったり、教室で話題になったりという病理現象は出ると思う。出ない制度は作れない。」、こう言っているんです。提案者は、「病理現象は出ると思う。出ない制度は作れない。」、こういう文部省企画官の話をどう思いますか。
#41
○衆議院議員(船田元君) スポーツ振興くじ、我々提案しておりますけれども、これは主としてスポーツ振興のための財源確保策である、その収益を活用することによって、特に今話が出ておりました地域スポーツを中心として、青少年の健全育成に大いに寄与するということを我々の最大の目標としております。もちろん、青少年への影響ということに関して全く我々無関心ということでもないし、また、この制度が青少年にどういう影響を与えるかということについてもさまざまな角度から検討してきたわけであります。
 そういうことで、くじ制度などについてより広く国民の理解を得なければいけない。このようなことから、我々としては十九歳未満の者のくじの購入を禁止するということを法案の第九条で規定をいたしました。
 また、実際にくじを販売するときにおきましては、幾つかの制限といいましょうか、きちんとしたルールというものを我々は考えさせていただいております。一つは、対面で確認をして販売するということ、それから人目の行き届いた場所で販売をすべきであるということ、また試合当日の販売とかあるいは試合会場での販売は行わないというようなこと、それから十九歳未満の青少年に販売した者や店を罰則の対象とするというようなこと、そういう措置によって青少年の購入禁止の趣旨が十二分に徹底されるように慎重な配慮をしているということでございます。
 また、くじの販売業務につきましては、センターの方から銀行等の金融機関に委託をするということが想定されておりますけれども、その委託をする際においても審査を厳しく行い、厳しい選定の基準というのを設けて、公開コンペ等によりまして極めて厳格な対応のもとでこの第三者の委託をする機関というものも選定をする、こういう予定になっておりますので、以上のような観点からすれば、私は青少年への直接の影響というものはまずは考えられない、このように感じて提案をさせていただいております。
#42
○委員長(大島慶久君) 松浪健四郎君にお尋ねをいたしますが、先ほど来、二度挙手をされております。違う観点から何か御答弁があるならお許しをいたします。
#43
○衆議院議員(松浪健四郎君) 阿部委員からの御質問に提案者側が十分に答えていない、そこで補足しておかなければならない幾つかのことがあるのではないのか、こういうふうに思います。
 まず最初に、PTA、青少年育成協議会の言うことがすべて正しいとしたならば、「ザ・モラル・プリンシプル・イン・エデュケーション」というジャン・ドューイの書いた書物、これを読んでいただければよくわかりますけれども、意見を無視してはならないけれども、参考にしなければならないけれども、絶対ではない。そして、PTAや青少年育成協議会のような団体等は教育及び教育行政に意見を述べるべきであるけれども、それは絶対ではないという箇所がございます。そして、その考え方がアメリカの教育の中心をなし、私たちもそれを受け入れてまいりました。ですから、青少年の育成団体、PTA等の反対、これらがあるからやめるべきだという件は反対のための反対の意見でしかないということが第一点。
 それと、文部省主導でこれが行われているではないかという御質問がございました。これは、スポーツ団体がたくさんございまして、その中から、競技スポーツを振興する上においてこういうふうにスポーツ団体に財源がないのであるならば、こういうようなことを考えるべきではないか、そしてそういう指導者が文部省の人たちと話し合い、そこで出てまいりました。当時私も文部省から呼ばれて意見を聞かれたことがあり、発言をさせていただきました。
 したがいまして、協会のトップやJOCのトップから言われなかったから文部省主導だ、このように新聞が書いていた。実は朝日新聞の紙面批評を私も半年やらせていただきましたけれども、朝日新聞は当初このサッカーくじに賛成だったんです。そして、反対に変わってきたのが法案ができてからであります。ですから……
#44
○阿部幸代君 もう結構です。後でゆっくり聞かせていただきます。
#45
○衆議院議員(松浪健四郎君) 後でゆっくり聞きに来てください。
#46
○阿部幸代君 少数会派というのは本当に質問時間が少ないんですね。それも尊重していただきたいんです。
 要するに、文部省のかばい立てをしてくださらなくてもいいんです。政官合作のギャンブル法だということを私は言いました。
 先ほどの説明ですけれども、法律案では、センターは文部省令で定めるところにより銀行等に委託することができるとだけあるんですね。対面販売ということなどるる説明なされましたが、これらは全部法律事項ではないわけなんです。もし一〇〇%今おっしゃったことが実行されたとしても、十九歳未満を見分けるのは至難のわざですし、まして昨今子供たちの世界が荒れすさんでいるんです。券の売場についても、スポーツ議員連盟のパンフレットによりますと金融機関の再委託、こういうことも想定していて、全国一万店の販売網というのが示されているんですね。実際、コンビニエンスストアとかガソリンスタンド、こういうものも販売店網に加える議論もあるわけです。
 対面販売の仕組みがはっきりしていないということは本当に無責任じゃないんでしょうか。また、十九歳未満に販売してはならないということが実際上は不可能だということをお認めにならないんでしょうか。
 時間の都合で、これは後で答えていただきたいんですが、もう一つ加えます。
 これは文部大臣ですが、提案者の皆さんは、サッカー先進国ではみんなサッカーくじを実施していると、十六カ国の実施国があることをよりどころにしておられますね。でも、よく考えてみますと、ワールドカップ・フランス大会に出場する三十二カ国の中でサッカーくじを実施しているのは十三カ国です。また、予選に参加した百七十四カ国、この中でサッカーくじをやっているのは十六カ国です。ですから、サッカーくじ推進のよりどころというのは本当に希薄なものだというふうに思うんです。要するに政治家の見識が問われているんだと思います。
 かつて東京オリンピックの資金対策に日本版トトカルチョ、相撲くじとか野球くじ構想が浮かび上がってきたときに、当時の橋本文部大臣、現総理のお父さんです、が何をおっしゃったか。また町村北海道知事、今の文部大臣のお父さんです、何とおっしゃったか御存じでしょうか。橋本文相は、反対だ、もともと戦災復興のための競輪も時期が来たらやめるべきだ、まして新しい賭博などもってのほかだ、こうおっしゃっていたんです。町村知事は、世界の若人がスポーツマンシップにのっとって集まってくるのに、ばくちの金で迎えるなど冒涜も甚だしい、もし実施されれば害は長く尾を引くだろう、真っ向から反対しておられました。
 これは文部大臣に伺いますが、文部大臣として、また政治家としての見識が問われているのではないでしょうか。
 両者に答弁をお願いします。
#47
○委員長(大島慶久君) 制限時間をもうオーバーしておりますので、簡単明瞭にお答えを願いたいと思います。
#48
○衆議院議員(福留泰蔵君) 阿部委員の御質問の中で販売方法についてのお尋ねがございましたので、簡潔にお答えさせていただきたいと思います。
 私どもがこのくじの制度を御説明するときに、このくじを販売するということが、例えば宝くじをお金を出して券を買うという概念と混同されがちでございます。
 実は、このスポーツ振興くじを購入するという行為は、販売店に投票用紙というのが置いてございまして、そこに例えば十三対戦なら十三対戦の取り組み表というのか欄が書いてございます。その投票用紙をそこでいただいて、そこでマークシートにチェックしまして、自分の予想をそこに記入いたしまして、そして窓口でそれを出すと。そして、その上で自分が持ち込んだ口数だけの代金を支払って、そして確認書をいただいて帰る、こういう行為がこのくじの場合は購入という行為になってございますので、これは基本的に対面販売にせざるを得ないのでございまして、自動販売機で何とかできるというものではございません。
 それから、十九歳未満の担保については、基本的にはこれは当せん金を引きかえるという行為が後で出てくるわけでございます、当せんしだ場合には。そのときにはきちんと身分証明書等を提示しなければならないことになってございますので、ここは私どもはある程度担保できるんではないかなと思っております。
#49
○国務大臣(町村信孝君) 基本的な認識として、サッカーくじがギャンブルだと言っておられるところが阿部委員と私は違っているということをまず申し上げたい。
 それから、私の父の名前までお触れをいただきました。大変光栄なことでございます。私の父は確かに北海道知事時代に、札幌市で行われておりました競輪だったと思いますが、これを廃止いたしました。当時の貧しかった日本の中で、それこそ競輪、競馬にお金をつぎ込んで一家離散といったような悲惨な事件も当時はありました。しかし、そのころと今とでは明らかに国民所得の水準が変わってきております。しかも、このサッカーくじはギャンブルではないということで、直ちに私の父の議論を引用されるのはいささか的違いではなかろうかと、こう思っております。
#50
○扇千景君 一昨日に続きまして、きょうもわずか一時間ですけれども審議できることは、衆議院と追って大変参議院にとったはいいことであったと私は今時点はそう思っております。
 ただ、最後でございますから、きょうの質問の中でなるべくダブらないようにしようと思っておりますけれども、基本的には、文部省関係予算の中で、スポーツのみならず文化に対しても国の予算が貧困であるということはもう皆さん御承知のとおりでございます。財政難だからと言うけれども、財政難で世の中が荒れれば荒れるほどスポーツと文化に対する、国民の憩いの場所といいますか、逃れる場所といいますか、気分の発散の場所といいますか、そういうものが苦しい時代こそ、人間はそういうところで息を吸って、そして苦しいことをいっときでも忘れるということが私は一番大事なことだろうと思うんです。
 ところが、大蔵省は予算のときになると渋い顔をしてお金を出しません。集めたお金は自分のことのように思って出し渋ります。何度も私たちも陳情に行っております。スポーツのみならず文化もすべてそうです。文化庁の関係予算というものは、今スポーツの世界レベルをお話しになりましたけれども、もっともっと低い、総合的に言えば低いものです。
 それに関してちょっと伺いたいんですけれども、皆さん御存じのとおり、競馬、競輪あるいは競艇、オート、これが公営競技で今認められているわけでございますけれども、皆さんにちょっとお耳に入れておきたいことは、農林省関係の競馬、これも大体国庫に売上金の一二%納付しているんです。そして、地方競馬におきましても一・二%。そして通産省関係の競輪、これはまあ大体三%。そして運輸省関係の競艇、これもまあ大体三%ですね。そして通産省関係のオート、これも大体三%なんです。
 今回の場合、このスポーツ振興くじ法案を通しますと、国庫に入れるお金が他の公営競技に比べて多いのではないか。大蔵省はぬれ手にアワで、自分たちは苦労しないで、スポーツ振興で皆さんに買わしたお金で大蔵省は黙っててもこれいただけるんですね。何%と言われているか、ほかの公営競技に比べて大蔵省の取り分は多くないんですか。スポーツ振興でお金を集めるんだからもっとスポーツ振興に使いなさいという大きな心を大蔵省は持てませんか。
#51
○政府委員(藤井秀人君) お答えいたします。
 今、先生おっしゃいましたように、文化の予算あるいはスポーツの予算というものの重要性につきましては私どもも十分に認識をいたしているところでございます。
 ただ、先生御案内のように、財政の状況は極めて厳しいということでございまして、先般成立させていただきました財政構造改革法に基づきまして平成十五年度までの各種の目標というものを実現していく必要があると私どもは考えております。そういう中で、各種経費にわたりまして聖域なくいろいろの見直しを行っているわけでございます。
 今、先生から御指摘ございました、今般御議論いただいておりますスポーツ振興くじの問題でございますけれども、これにつきまして一定の割合を国庫納付ということで議論がされていると承知しておりますが、この法律にまさしく規定されておりますように、今回の国庫納付金の額に相当する金額、これにつきましては、教育あるいは文化の振興、さらには自然環境の保全等々といいました公益の増進を目的とする事業に必要な経費に充てるということに規定がなされていると考えております。
 したがいまして、私どもといたしましては、この法案が成立いたしまして執行をされるということになりますれば、この投票というものがまさしく国民の理解と協力を得て国民の間に定着するという考え方、これが基本にあると思いますので、この法律の規定に沿いました予算編成を行ってまいりたいというように考えております。
#52
○扇千景君 言葉だけはとてもいいんですけれども、主計はしょっちゅうおかわりになりますし文部省担当もおかわりになるので、きょうの今おっしゃった言葉だけはきちんと議事録に記録されておりますので、今後もしこれが実施された場合の大蔵省の態度というのは、私は皆さんで注目しなければならないと思いますので、よくおっしゃっておいてください。大蔵省結構です。
 それから、今私が申しましたように、大蔵省への国庫納付の配分を皆さん方提案者の方でなぜこのようにお決めになったのか、その理由だけ簡単におっしゃってください。
#53
○衆議院議員(柳沢伯夫君) お答え申し上げます。
 まず第一に、先生お触れになりました公営競技の方は、日本中央競馬会以外は全部地方団体の主催でございまして国営のものではない。その基盤が全然違いますので、御理解に当たってそうした前提に立って整理をされるべきものだと我々認識しております。
 そこで、御質問ですけれども、私どもの今度のスポーツ振興投票の件でございますけれども、基本的に、まず第一に払戻金を公営競技のように多くしないということが前提にございます。そういう中で、あとこの収益が上がるわけでございますけれども、これについては私ども、ほかの公営競技と違って、実は当せん金の受領者に対して所得税をかけないというようなこととの見合い、それからまた公益法人の収益事業に対する税というようなものを勘案しまして二分の一ということで決めさせていただいたという次第です。
#54
○扇千景君 時間がないので配分の問題はそれくらいにしておきたいと思いますけれども、昨年の五月二十七日でしたか、衆議院本会議でこの法案が可決され、わずか三時間足らずでございましたけれども通りました。私、一昨日質問で申し上げましたように、衆議院で法案が可決された後に各地方自治体から声が上がってきているんですね。
 そして、地方自治法第九十九条第二項の規定によって、今私が手元に持っておりますのは二十四通とりあえずございますが、これは自治省に届いた地方自治法に基づいた意見書でございます。地方自治体全部ではこの間申し上げましたように二百四十六出ているんですけれども、今自治省に出ておりますのは、五月三十日から六月十八日、そして六月十九日、六月十九日、六月二十日、二十日、二十三日というふうに、衆議院の法案が通った後に各地方自治体でこういう反対の意見書が、今私手元に持っていますのは控えですけれども、自治省に届いただけでも二十四通ございます。この重みというのは自治省、どういうふうにお酌み取りになるんですか。自治大臣の出席を求めましたけれども、残念ながらお出まし願えませんでしたので、担当者から簡単に自治省の受けとめ方をお教えください。
#55
○説明員(石井隆一君) お答え申し上げます。
 サッカーくじ法案につきましては、今先生からお話のございましたように地方公共団体から自治大臣に対して意見書が提出されておりますけれども、これらの意見書は青少年の健全育成あるいは国のスポーツ予算の見直し等の観点からのものでございましたが、こうした御意見につきましては所管の文部省にお伝えをいたしているところでございます。
#56
○扇千景君 ただこれが来たから文部省に言いましたよというだけでは、自治省の認識としては私は答弁にならないと思いますけれども、大臣が御出席ではありませんからあえてしつこくは申しません。自治省から文部省にお届けになったんでしょうから文部省もあると思うんですけれども、この中には、佐賀県などは、橋本総理大臣から文部大臣町村先生、大蔵大臣三塚先生、自治大臣上杉先生と全部に出ております。文部省にはこういう地方自治体からの意見書なり、四十一都道府県の反対決議等々はどれくらい来ておりますか。ちょっと言ってくださいますか。
#57
○政府委員(工藤智規君) これは御承知のように、各自治体の議会で御決議されても届いたり届かなかったりということがあります。あるいは計数が違うかもしれませんが、私ども文部大臣あてに寄せられている意見書は、四十七都道府県議会中四議会、それから三千二百三十二の市町村議会中二百二十議会、合計いたしますと二百二十四の議会から寄せられております。そのうち明確に反対という内容のものが市町村の百五十二議会でございまして、残りはすべて慎重審議を求めるものでございます。
#58
○扇千景君 私は、すべて法案が出ること自体が悪いと言っているわけではないんです。先ほど申しましたように、文部省のスポーツあるいは文化等々に関する、基本的に青少年育成のためあるいは世の中の文化振興あるいは伝統の保存のためにとれる予算というものが、余りにもスポーツ、文化に関しては日本は残念ながら、後進国だという言い方は悪いかもしれませんけれども、後進国であることは私が言うまでもなく大臣も御就任になってお感じになっていることだろうと思うんです。
 ですから、この間も申しましたけれども、基本的にはやはり正式に一般財源の中から、私たちの力あるいはこの文教委員会等々を含めての力がなくて大蔵省から予算をもらえないのかなという一方、個人的にはざんきにたえないというような気持ちがあるわけでございます。
 私は、やっぱり日本の文部省関係のこういうきちんとした予算がとれるということの基本をしっかりと持っていなければ、とれないからこれなんだと、じゃ、スポーツの次に何かが足りないとまたくじなのかと、こういうやっぱり世の中に安易に逃げ場をつくってはいけないということだけは、私たち国会議員あるいは国民の一人として、基本的な財源確保というものは真に何が大事なのかと。公共事業が使い切れなくて余っているお金がこれだけあるじゃないか、今ここで大きく私は言いませんけれども、そういうことからいいますと、やはり日本の将来のためにきちんとした予算確保というものが、正論ですからこれを貫いていくのが、できれば文部省の姿であり私たち国会議員の姿でありたいなと私は念じています。
 そういう意味で、文部大臣、私は町村文部大臣に期するところは大きいわけですけれども、二十一世紀の日本のスポーツをどう考えるのかという基本的なプログラムなりあるいは設計図を、まだ町村文部大臣の御意見を聞く機会がございませんので、きょうはその答弁を求めても時間がございませんけれども、町村文部大臣が御就任になった以上は、文部省として日本の二十一世紀のスポーツのあり方あるいは青少年の育成の基本のスケジュールというものをきちんとお示しになって、その上で私たちが協力して大蔵省から予算をとるというのが基本であろうと。私はその基本線だけはきちんと守っていきたいし、またするべきだと思うんですけれども、それに対する文部大臣の御意見を簡単にお聞かせ願いたい。
#59
○国務大臣(町村信孝君) 扇委員、かねてより文教関係、なかんずく文化、スポーツ、大変な御熱意また情熱をかけてこられたことに心から敬意を表したいと思っておりますし、私も後輩の議員として肩先輩に学ばなければならない点が多々あると、このように受けとめております。
 今、これから二十一世紀に向けての青少年の健全育成あるいはスポーツのあり方ということにつきまして、全体としては今教育改革プログラムという中に実は文化もスポーツも全部入れ込んでそれを推進しているところでございますし、さまざまな御提言あるいは諮問をさせていただき、答申もいただきつつあるという状態でございます。特にスポーツに関しましては、ちょうど昨年の九月に保健体育審議会の答申も出されておりますが、さらにこれからどうするのかということにつきましてもしっかりと取り組ませていただきたいと思っております。
#60
○扇千景君 世の中の皆さん方、どの団体とか母親とかそういう立場をのけて国民の皆さんがこの法案に対して心配していらっしゃることは、今提案者がお答えになった、あるいは販売方法であるとか、あるいは審査会をつくると言いますけれども、保体審が果たしてそれだけの見識を持てるんだろうかと。あるいは対面販売をして間違いないようにしますよとおっしゃるけれども、それができるだろうかと。あるいは銀行に委託するとおっしゃったけれども、今の宝くじのように第一勧銀自体が悪いことをしていて、そして今度、宝くじを売るところ、ほかの銀行はありませんかと言ったらどこの銀行も手を挙げなかったというようなことがあるわけですね。
 それからもう一つ、今度は日本体育・学校健康センターが一たん集まったお金を、しかもそれを地方自治体へという力説をなさいましたけれども、そこへ配分するにしても、配分したものは情報公開するんですから間違いないんですよとおっしゃいますけれども、配分する規定というものも私たち見えないんですね。どこへ配分するんだろうか、そこに情実はないんだろうかなと。大蔵省の接待とは言いませんけれども、センターが第二の大蔵省になり得るんじゃないか、そういうことも明確化されないという不安がやっぱりあるんですね。
 ですから、せっかくなさるのであれば、みんなが不安に思っていることがきちんとレールに敷かれて、しかも審議会の審議内容も情報公開する、そして配分したところの配分も公開するとおっしゃいましたけれども、まずもって配分はどのようにされるかという審議会の審議を公表する、あるいは国会に報告する、そういうことをきちんとしなければ、私は一つ一つの皆さん方の不安というものが消えないから反対の声が続いているんだと思うんです。
 ですから、私は願わくはるる同じことを聞きたくはありませんから、そういうセンターが第二の大蔵省になり得る、またなるんですけれども、配分に関しては。ですから、そういうことを果たして情報公開できちんと国民の皆さん方の目に、あるいは国会の目に見えるようになるのかならないのかを伺って、時間ですから失礼します。
#61
○衆議院議員(柳沢伯夫君) 大変御熱心な御質疑をいただきましてまことにありがとうございました。
 いかにして公正を確保していくかということでございますが、まず第一に、先生既に御指摘のように、保体審に諮問をして、それからまたセンターはセンターで審査会を設けてこれの配分に当たっていくということでございますが、これらの基本方針を定めるとき、あるいは具体的な配分計画を定めるとき、これらについてはその都度、そういう審議の状況を含み、その結果についても公表していくと。したがって、どういう民間の要望であれば高い優先度を持って配分されるかということがおのずとわかるような基準というものをつくり上げて、そしてできるだけ客観性を持ったものとしてこれを公表していくということをさせたいと、このように思っております。
 ただ、一つつけ加えて申しますと、先生は国家の予算で配分した方がいいんじゃないかと。みんなそういうようなことをおっしゃるんですが、これは逆の面もありまして、実は国家のいろんな資金が配分されるときに、国家の目で配分されると同時に民間の人々の目によって配分されることによってかえって本当にかゆいところに手が届くような資金の配分、資源の配分が行われるという側面もあるのでありまして、この両者が両輪となっていくということにも我々は実はある種の期待を持っているということも申し添えさせていただきます。
#62
○扇千景君 先ほど申しましたように、こういうことでなくても済むような文部省自体の二十一世紀のスポーツに関する設計図といいますか、プログラムといいますか、そういうものを改めてこの委員会で文部大臣に聞く機会を得たいと思いますので、ぜひ文部大臣としては、新しい町村文部大臣の文部行政というものを見せていただきたいと思いますので、次の機会にさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
#63
○委員長(大島慶久君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午前十一時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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