くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第142回国会 文教・科学委員会 第9号
平成十年三月十七日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     長谷川道郎君     山本 一太君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     長谷川道郎君
     峰崎 直樹君     萱野  茂君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     小川 勝也君
     山下 栄一君     福本 潤一君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     野沢 太三君     橋本 聖子君
     上山 和人君     梶原 敬義君
    日下部禧代子君     及川 一夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島 慶久君
    理 事
                小野 清子君
                北岡 秀二君
                馳   浩君
                小林  元君
                松 あきら君
    委 員
                井上  裕君
                釜本 邦茂君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                長谷川道郎君
                橋本 聖子君
                江本 孟紀君
                小川 勝也君
                萱野  茂君
                福本 潤一君
                及川 一夫君
                梶原 敬義君
               日下部禧代子君
                阿部 幸代君
                扇  千景君
   衆議院議員
       発  議  者  河村 建夫君
       発  議  者  船田  元君
       発  議  者  川端 達夫君
       発  議  者  福留 泰蔵君
       発  議  者  松浪健四郎君
       発  議  者  大畠 章宏君
       発  議  者  小坂 憲次君
       発  議  者  望月 義夫君
   国務大臣
       文 部 大 臣  町村 信孝君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       谷垣 禎一君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      沖村 憲樹君
       科学技術庁科学
       技術政策局長   近藤 隆彦君
       科学技術庁科学
       技術振興局長   宮林 正恭君
       科学技術庁研究
       開発局長     青江  茂君
       科学技術庁原子
       力局長      加藤 康宏君
       科学技術庁原子
       力安全局長    池田  要君
       文部政務次官   狩野  安君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省学術国際
       局長       雨宮  忠君
       文部省体育局長  工藤 智規君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化、学術及び科学技術に関する調査
 (科学技術に関する件)
○スポーツ振興投票の実施等に関する法律案(第
 百四十回国会衆議院提出)(継続案件)
○日本体育・学校健康センター法の一部を改正す
 る法律案(第百四十回国会衆議院提出)(継続
 案件)
○スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百
 四十回国会衆議院提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として萱野茂君が選任されました。
 また、昨日、山下栄一石及び本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として福本潤一君及び小川勝也君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大島慶久君) 教育、文化、学術及び科学技術に関する調査のうち、科学技術に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳浩です。
 科学技術庁長官におかれましては、大変お忙しい中をこうしてまた私たちの審議に顔を出していただき、本当にありがとうございます。
 懸案の事項について、私の方から大きく二点ほど御質問させていただきます。
 まず、青森県知事と科技庁長官、通産大臣、官房長官との四者協議、非常に慎重にかつ大切な問題として見守ってまいりましたが、一定の答えは出たようでありまして、ほっとしておりますというような心境であります。
 今般行われました返還ガラス固化体の搬入に際し、木村知事が四日間輸送船の入港を拒否した背景には、核燃料サイクルの進め方について地元青森県が持つ不信、不安があると思います。これらを払拭していくことが円滑な核燃料サイクルの推進の前提であると考えますが、大臣にお伺いいたします。核燃料サイクル政策について地元青森県の理解と信頼を得るために今後どのように取り組んでいかれますか。
#5
○国務大臣(谷垣禎一君) いろいろ御心配をいただきましたが、ガラス固化体の搬入、数日間当初の予定よりおくれたわけでありますけれども、青森県知事に御許可をいただいて十三日無事に搬入ができまして、ほっとしているところでございます。
 今、馳委員からお話がございましたように、我々は核燃料サイクルというものを確立していくということが資源論の観点からも、あるいは環境論の観点からも必要であるとかたく信じてこれを推し進めているわけでありますけれども、これを実現していくには、青森の六ケ所村の核燃料サイクル施設、この計画が不可欠でございます。
 それから、特にこれから関連していきまして、高レベルの廃棄物の最終処分をどうしていくかという問題、今回も青森県知事からここのところがはっきりしないから青森県民の不安が高まるという御指摘をいただいたわけでありますが、実は高レベル廃棄物をどうしていくかというところが一番難しい、住民の御理解を得ながら進めていくのに一番難しいところでありまして、こういう言葉を使っていいかどうかわかりませんが、現在のところ核燃サイクルを進めていく上での一種のアキレス腱みたいな形になっていることは、私もここが一番大事な力を入れなければならないところだと思っているわけであります。
 そして、その青森県知事のお話の中で、私はこれはよく青森の方々の意を体して進めなきゃいけないなと、今までもそう考えてきたんですけれども、改めて認識を深くしましたのは、全国でこうやって電力を使って、その三分の一が原子力エネルギーに負っているという中であるわけでありますけれども、どうも青森県だけが心配をしていて、ほかのところ、例えば科学技術庁長官も本当に県民の気持ちを理解しているのかというお問いかけでありました。私はこのことは十分心して、安全確保はもちろんでありますけれども、地元の理解と協力を得つつ進めるということをもう一回肝に銘じなければいけないと思っております。
 これまでも青森県、県民の方々に直接核燃料サイクルについて説明したり、意見交換を行う説明会などをやってきたわけであります。そのほかに、青森県知事の御意向も入れまして、例えば昨年の九月には、官房長官にもオブザーバーとして参加していただきまして、通産大臣と科学技術庁長官が入りまして核燃料サイクル協議会というものを開催する。
 それから、今般のガラス固化体の搬入に際しても、私と通産大臣で誠意を持ってお話をさせていただいて、十三日には官房長官と、さらには総理とも会談をしていただいたなど、できる限り誠意を持ってお話し合いをする姿勢は持ってきたつもりでございます。
 今後とも、先ほど申し上げましたような高レベル廃棄物の最終処分の見通しなど、今般の木村知事との一連の結果も踏まえながら、実務者レベルで一層密接に連絡調整を図っていくことはもちろんですけれども、必要に応じて私が知事とお会いをしてまたお話をするなど、意志疎通を十分に図って核燃料サイクルの円骨な推進に努めていきたいと、こう思っております。
#6
○馳浩君 入港が木村知事に受け入れられた背景には、その四者協議の決定を受けての御了解もあったかと思うのですが、四点ほど協議事項があったはずでありまして、この点をできる限り詳しくお示しし、協議事項についての検討の結果、どういうふうに木村知事に理解をいただいて入港を受け入れていただいたのかという経緯をぜひお聞かせいただきたいと思います。
 四点ありました一つは、今大臣からお話がありましたが、高レベル放射性廃棄物最終処分の見通し、これが第一点。
 第二点目が、原子力レスキュー隊の設置。これは恐らく防災専門官が原子力施設のある現地において常設される、あるいは職員の身分の問題等々、これは恐らく今国会でも一つの論点として科学技術庁もされるのではないかというふうに期待はしておりますが、今般の話し合いでこの原子力レスキュー隊の設置についてどういうふうにお答えになったのか。
 三番目が、プルサーマル計画の見通し。
 そして四番目が、電気料金割引の全県適用。これは地元としてのインセンティブとして要望だったとは思うんですけれども、この四点に関しましてどういうお答えがあったのか。
 とりわけこの原子力レスキュー隊について、これは恐らく超党派で議員立法で提出されるのかとは思いますが、これは話し合いも水面下で進めておるような段階でもありますから、現段階でどのようにお答えになったのか、できる限り教えていただきたいと思います。
#7
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、馳委員がおっしゃったように、四項目が従前から議論になっておりまして、先ほど申し上げました協議会の幹事会でも実務的な折衝を積み重ねてきているところでありますけれども、特にこの間、官房長官のお呼びかけで行われました四者の会談の中で確認されましたこと、先ほどちょっと御報告を忘れましたので申し上げますと、まず第一は、高レベル放射性廃棄物の最終処分については知事の要請にこたえるよう政府一体としての一層の取り組みの強化を図る、これが一点であります。それからもう一点として、原子力レスキューの問題については協議会、幹事会を通じて前向きに検討する、こういうことを確認して、さらに政府側、私と通産大臣からは、試験燃料の搬入の安全協定については早期締結方をお願いしたいということを知事に申し上げた。これが大体十三日に行われました会談の合意事項でございます。
 細かな点については、いろいろ法制等にもわたりますので、原子力局長から御答弁をさせたいと存じます。
#8
○政府委員(加藤康宏君) ただいま御指摘ございました四項目につきましては、青森県六ケ所村に現在建設中でございます再処理工場、そこに使用済み燃料の受け入れプールがもうできておりまして、そこに試験燃料を搬入するための安全協定、それがもう一年以上前から県及び事業者等で話し合われておりますが、その関係で国として四項目について検討してほしい、そういうことで提起がある問題でございます。
 最初の高レベル放射性廃棄物処分の見通しにつきましては、大臣からもお話しございましたが、現在原子力委員会で、高レベル放射性廃棄物処分の社会的、制度的な面の検討、それから安全性を確保するために必要な研究開発面の検討、そういう検討を進めているわけでございますが、現時点におきましては、二〇〇〇年を目途に実施主体をつくりまして、事業資金の確保等、そういう制度面を確立したい。それから技術面では、技術的信頼性の明示、安全基準のよりどころを示すとか、そういうことを目途に現在準備を進めているわけでございますけれども、青森県知事は、そういうプログラムをもう少し加速してほしい、もう少し早く見通しを立ててほしい、そういう要請でございます。
 それから、原子力レスキュー隊につきましては安全局長の方から答弁いただきますが、三番目のプルサーマル計画につきましては、昨年の二月、現在の普通の軽水炉でプルトニウム燃料を燃やそうということで閣議了解いたしましてプルサーマル計画を進めております。そういうことにつきまして、現在、科技庁、通産省あるいは電気事業者が、地元、特に福井、福島、新潟の三県にそういうことを説明しているわけでございまして、このたび関西電力が福井県に事前了解願、そういうものを出すに至ったわけでございます。この辺は、そういう経緯を青森県知事に御説明しているということでございます。
 それから四番目のものは、電気料金割引の全県適用。これは通産省の所管の話でございますけれども、原子力発電所がある周辺の市町村につきましては電気料金の割引制度があるわけでございますが、それを全県に適用してほしいというのが知事の要望でございます。これは財源的にもなかなか難しゅうございますし、制度的にも趣旨が違うものですから、そこはなかなか難しいということをそれぞれお伝えしているところでございます。
#9
○政府委員(池田要君) 原子力レスキュー隊につきましては、現在の原子力事業所につきましての安全規制にかかわるものですから私の方から御説明させていただきます。
 原子力施設におきまして事故が起きました場合には、原子炉等規制法に基づきまして、まずその事業者は必要ならば被災者の救出ですとか災害防止のための措置を講ずることになってございます。ただ、青森県がおよそ二年ほど前から要望されてこられました原子力レスキュー隊というものはそもそも、原子力施設内において被災者の救出ですとか救助あるいは被害の拡大防止措置等を行うことができるような高度な専門的な知識ですとか資機材を備えた組織が必要だと、それを国が整備しなさいというものでございます。
 科学技術庁といたしましても、このような地域の要望にこたえまして、これはおととしからでございますけれども、庁内に専門家ですとか地域、青森県も含めましてでございますけれども、まじっていただきまして原子力防災検討会を開催してきてございます。防災対策の充実強化の一環として検討してきたところでございます。
 また、平成十年度の予算案におきましても、仮称でございますけれども、防災技術センターということで、必要な人、装備、こういったものを用意した組織づくりをしようということで盛り込んでございます。そういうことによって、原子力事故が起こりましたときに、国みずから行う部分、それから消防機関等の活動に対しまして必要な技術的支援を行うという体制づくりをしようとしているところでございます。
 現在、原子力安全委員会におきましても、こうした私どもの検討を踏まえまして、原子力防災対策についてその実効性を高める観点から審議を開始していただいております。そこでは、この一環として、原子力レスキュー隊についても検討が進展することを期待しているところでございます。
 また当庁といたしましても、こういう組織づくりにつきましては関係省庁の協力を得る必要があるものでございますから、こういう審議に積極的に加わりながら、また各省の協力を得ながら取り組んでいるところでございます。
#10
○馳浩君 原子力発電所は、今後より一層地球温暖化に対応する一つの方策として通産省の期待が大きい、国民の期待も大きい。同時に原子力防災の観点も、より大きな安心、安全を国民にお与えする意味でも必要なところでありますので、原子力レスキュー隊というんですか、要は防災安全官のことだと思うんですけれども、ぜひその点についてもより一層の予算を割いていただいて、原子力発電所あるいは関係施設がある市町村の不安感を取り除くために今後とも努力をお願いしたいと思います。
 それでは続きまして、通信放送技術衛星「かけはし」を搭載して打ち上げたHUロケット5号機について、このエンジントラブルにより当初の軌道に投入することに失敗したわけでありますが、二点お伺いしたいと思います。
 今回の失敗によって、今後の日本の衛星打ち上げビジネス及び宇宙開発全体に及ぼす影響はどうなっていくか。とりわけこの点につきましては、アメリカなどは、通信衛星によって今回のような通信衛星のいろいろのトラブルをチェックするというサテライト方式というんですか、そういったものでチェックすると。ところが日本の場合には、全世界の関係施設に協力を仰ぎながら地上からコントロールせざるを得ないというふうな、こういう技術的なところがあるということも新聞報道では承っておりますので、今回の失敗によって、今後日本の目指すべき宇宙開発のあり方というものについてどういう懸念があるのか。衛星打ち上げビジネス及び宇宙開発全体に及ぼす影響はどうなっていくのかということをお聞かせ願いたいということ。
 もう一つは、軌道投入に失敗いたしました「かけはし」については、当初予定していた静止軌道には投入ができないものの、今後少しでも実験ができるように軌道変更を計画しており、第一回目の軌道変更を日曜日に行ったと聞いております。大変技術的に難しいところを皆さん方の努力によって修正なされたと思います。軌道投入には失敗いたしましたが、今後どの程度の実験ができるのか、その期待感あるいは技術的な難しさ、そういった点をお聞かせ願いたいということであります。二点お願いします。
#11
○政府委員(青江茂君) お答え申し上げます。
 今般の事故に関しましては、今現在その原因究明の作業の途上にあるというところでございますけれども、三月五日の段階をもちまして宇宙開発事業団より、その事故原因、事故のプロセス、こういったことにつきましての一次推論というものが報告をされました。
 それによりますと、二段目のエンジンの燃焼室から燃焼ガスというのが横に噴出をいたしまして、周辺の器機を壊すといいましょうか、その過程におきましてエンジン制御回路の電源のケーブルを焼き切るということでその電源が落ちてしまう、これによりまして自動的にエンジンが停止する、こういうプロセスでもって今回のエンジンが停止をしたということではなかったかと、そういう可能性が高いというふうな報告がなされたわけでございます。
 今後引き続きまして、この間の詰めというものをさらに続けていかなければならないというふうに思っておるわけでございますけれども、宇宙開発事業団におきましては、今回ふぐあいを起こしましたLE5Aというエンジンは、その前のバージョンでございますLE5というエンジンを見てみますと、過去十四回正常に動いておるというふうな実績もございますので、それからいたしますと設計の大幅な変更といったことは必要とされないんではなかろうかというふうなこと、ないし、この次の打ち上げといいますものまでにスケジュール的に一年半という時間的な猶予がございますので、そういったことを勘案いたしますと、今回の原因というものを究明いたしましてフィードバックさせていくということはスケジュール的には可能ではないかというふうに思っておるわけでございます。
 それから、いわゆるコマーシャルベースのロケットの打ち上げ、こういったことへの今後の影響ということにつきましてでございますけれども、その段階といいますものは、また二年半後というふうな段階以降逐次入ってくるわけでございますけれども、それに使われますロケットというのはHUAというロケット、今開発途上であるわけでございますが、今のHUというものをさらに高信頼化し、さらにコスト的にも大幅に下げていくということでもちまして開発途上にあるわけでございますけれども、これもスケジュール的に、今回の原因究明というものをはっきりさせまして、それをフィードバックさせていくということでもってその間の吸収というものを図っていきたい、かように考えているところでございます。
 それから、サテライト方式云々ということにつきましての御指摘がございましたが、確かに今回の衛星でもちまして、私どもは衛星間通信という技術というものを履修いたしたいというものが一つの眼目であったわけでございますけれども、そこのところは今回いわゆる軌道投入に失敗したということによりまして実験ができないということに立ち至ったわけでございます。それにつきましては、今後データリレー衛星というものを上げる計画もございますので、そういった過程を通じまして技術習得に努めてまいりたい、かように思ってございます。
 それから、長くなりまして大変恐縮でございますが、衛星の方の状況でございますけれども、先生御指摘のようなことで、八回に分けて軌道変更していく、これは極めて高いリスクを伴う作業でございますけれども、日曜日の朝、八回に分けて順次衛星の軌道を上げていくということの作業に着手をいたしたわけでございます。第一回はとりあえず成功いたしたということで、今後順次軌道を上げながら、もちろん全部当初予定しておりました実験というのができないというのは明白なんでございますけれども、一部なりともいろんなことができないかということでもちまして、ユーザー機関、郵政省とも相談いたしまして検討いたしている最中でございます。軌道に投入できますればある程度のことができるのではないかというふうに思ってございます。
#12
○馳浩君 最後になりますが、大臣にお伺いいたします。
 同じ過ちを二度と起こさないようにと懸念いたしますのは、宇宙開発事業団、NASDAが第二の動燃にならないようにと、言葉は悪くて非常に申しわけありませんが、これは国民が期待しているところであります。より一層の情報公開と、それから技術開発に向けて一層の科学技術庁の指導力、こういったものを発揮していただきたいと思いますが、それについての所感を大臣にお伺いして、私の質問は終わります。
#13
○国務大臣(谷垣禎一君) ロケットあるいは宇宙開発、これは私も、打ち上げます前に、一〇〇%で今までやってこれたところというのはどこをとってもないわけでありますから、事故というものは、失敗というものはあり得るなということは思っていたわけであります。ただ、それにしても、失敗の部位がLE5、エンジンに起こるということは実は私は予想してなかったわけであります。それは、今局長からも御答弁申し上げましたけれども、今まで十四回このLE5、途中で設計変更もありましたけれども、基本的にこのエンジンで一回も失敗もなく打ち上げてきたわけでありますから、まさかという気持ちがございました。それだけに、正直申し上げましてショックも大きいところであります。
 宇宙開発というのは、今さら私が申し上げるまでもありませんけれども総合的な科学技術で、何というんでしょうか、あらゆる技術の粋を集めて今までやってきたわけでありますけれども、その中でもやはり中心となるのはロケットのエンジンという、言うなれば人間にとっても心臓に当たる核心の技術でございます。それだけに、なるほど我々の技術は、相当これは積み重ねて国産の技術をきちっとつくり上げてきたけれども、まだまだ完全に身についてはいなかったんだなという思いも深くしているわけであります。
 もちろん、これは国民の税金でやっていることでありますから、一〇〇%を目指していく、そういう気持ちは失ってはいけないわけでありますけれども、パーフェクトというのはなかなか難しいな、失敗というのも正直言ってないわけではないな、こういう思いでいるのが今の気持ちでございます。
 ただ私は、これによって余り気持ちが縮こんではいけないということも一方で思っておりますけれども、この失敗から縮こまないでリカバーしていくためには、やっぱり原因の徹底的な解明というものを行っていかなきゃならないと思います。今、原因の解明については宇宙開発事業団も、あるいは宇宙開発委員会も全力を挙げて当たっておりますけれども、それについては先ほど局長から御答弁申し上げたところでございます。
 ただ、私は、もう一つ、今NASDAが動燃にならないようにという御指摘がございました。一体このエンジンがなぜ失敗したのかという原因解明というのはとにかく徹底的に行わなければなりませんし、そこがまず基本だと思います。しかし、それと同時に、この間の宇宙開発委員会で、私が委員長を務めておりますけれども、そこで申しましたことは、果たして技術的な意味でこのエンジンのどこに失敗があったのか、どうしてこういうことが起こったのかという解明はもちろんしなきゃならないけれども、それと同時に研究開発体制、いろんなところにこのところ幾つか事故がございますので、何かそういう体制的な問題といいますか、あるいは体質的な問題というものがあるのではないか。ここは私も何が問題なのか正直言ってきちっとわかっているわけではありません。わかっているわけではありませんけれども、直接の原因解明とあわせて、そういう今のような問題も念頭に置きながら並行して議論を進めるようにということを宇宙開発委員会で指示をしたところでございます。
 やはり宇宙開発というものは、いろんな意味で新しい産業をつくるという意味合いもありますでしょうし、青少年に夢を与えるという意味合いもありますでしょうし、これが国民の理解と御支持をもう一回得られるようにするためには、そこのところをきちっとやっていくということを徹底的にやりたいと思っております。
 なお、この衛星はまだ飛んでいるわけでありますから、できるだけ使っていくということで、八回にわたって軌道修正をしていく、なかなか技術的に難しい中でいろいろ関係者が努力して一回目はうまくいったのでほっとしておりますが、今後ともこれができるだけきちっと使えるように、あと七回、うまく処理できることを神に祈るような気持ちで今おります。
#14
○馳浩君 ありがとうございました。
#15
○小林元君 民友連の小林元でございます。
 過日も申し上げましたけれども、谷垣長官は二月十二日に筑波研究学園都市を視察していただいたそうでございます。一日かけて所々方々ごらんになったわけでございます。
 筑波研究学園都市は、御承知のように首都東京の過密対策といいますか、そういうことがきっかけになりまして研究所を筑波に移転しようというようなことになったわけでございます。もう既に三十有余年たっているわけでございます。そういう中で、現在は、国の機関あるいは大学を含めまして四十五機関、そして民間の研究所等も二百以上にわたっているというようなことで、まさに世界のあるいは日本の先端技術の集積地ということになっているわけでございます。
 この間視察されまして、長官の筑波に対する率直な御所見といいますか、今後のあり方等を含めまして御所見がありましたらお聞きしたいと思います。
#16
○国務大臣(谷垣禎一君) 二月十二日に筑波研究学園都市を視察させていただきました。私にとりましては筑波の科学万博がありましたときに筑波へ参りまして以来でございますので、随分その後発展してきたなという思いもいたしました。それから、五つの研究施設を見せていただきまして、それぞれユニークな研究に精力的に取り組んでおられるなという感じも深くしたところであります。
 視察いたして研究者に直接話を聞きますと、それぞれのペーパーで話を聞いているときと違いまして、研究者の心意気とか情熱というようなものを感じ取ることができまして、一線の研究者の熱い思いもある程度理解できたような気がしているわけであります。
 それからもう一つ感じましたことは、今、行革につきましては、省庁再編の基本法というものも今国会でお取り組みをいただくということになっているわけでありますけれども、やはりあそこの筑波の国立試験研究機関の方たちが、この国立試験研究機関、こういったものの統廃合とかあるいは独立行政法人化ということも議論が進んでいるわけでありますけれども、当然のことでありますけれども大変強い関心を持っておられる。
 そういう研究者の方々が自分たちの研究環境をよりよいものにしていくためにどうしたらいいかというようなこともじかにお話を伺うことができまして、そこのところが今後の行革の中で科学技術体制をきちっとできるかどうかという非常に大きなポイントであるということも改めて再認識をしたような次第でございます。できるだけ今後の行革の議論でこの間視察で伺ったことを活用して生かしていきたい、こんなふうに考えております。
#17
○小林元君 ありがとうございました。
 先ほども申し上げましたように非常にいろいろな分野といいますか、ほとんどの分野をカバーされておりますし、また民間におきましても非常に多くの業種の研究所があるというようなことで、先端技術の集中が見られる、集積が見られるというふうに思っております。
 科学技術創造立国というようなことで、基本法もできましたし、基本計画も策定をするというような段階になったわけでございますけれども、これからやはり異業種間交流というんですか、その集積を生かさなくちゃいけないのではないかというふうに思っておりますし、また、そういうあらゆる分野の科学技術というものを、例えば研究交流センター、これも科技庁の出先機関でありますが、そういうことで異業種間交流をやっているわけでございますが、そういうことをぜひやっていただきたい。そしてまた、科学技術庁関係の長官におかれましては、科学技術庁の研究機関だけじゃなくて筑波にはいろんな各省庁の関係機関があるわけでございますので、やはりそういう全体の実態というものを筑波に関しては、あるいは関西学園都市もそうかもしれませんけれども、トータルをごらんになっていただいて、そういう連携といいますか、集積の力を生かすというようなことに今後心がけていただきたい。ぜひこれからもそういう幅広い形で御視察をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、小林先生御指摘の件は、この間筑波に視察に行ったけれども、科技庁所管の研究所だけでほかのところは行っていなかったじゃないかという御指摘だと伺ったわけでありますけれども、とりあえずまず自分の所管のところからきちっと見ようということで科技庁関係の五つのところを見させていただきましたが、決して省庁の壁を立ててほかのところは行かないとか関心を持っていないというつもりはございません。今後、機会をとらえて民間であろうとほかの国の機関であろうと研究施設を見せていただいて、あそこは先生御指摘のように大変すぐれた集積があるわけでありますから、それを活用していかなきゃならないと思っております。
 異業種交流ということをおっしゃいまして、科学技術庁も先ほど御指摘の研究交流センターを中心として交流と情報の便宜を図るとか、あるいは外国人研究者の宿泊施設を整備するとか、あるいは茨城県と共同で知的触発国際プラザ、平成十年度完成というようなことで、いろいろな推進を図っているわけでありますが、今後も常磐新線とかあるいは首都圏中央連絡自動車道、こういったものの建設が予定されているわけでありますので、科学技術基本計画に沿って、内外に開かれた連携とか交流の拠点という性格をもっと出していけるように我々も心したい、このように思っております。
 なお、異業種交流については振興局長の方から御答弁をさせたいと思います。
#19
○政府委員(宮林正恭君) 異分野の研究交流については、先生御指摘のとおり大変に重要な事項だと、こういうふうに私ども考えております。
 特に、いろいろな専門分野を有する方々がその分野とか所属を超えましていろいろと交流されるということを通じて、いろいろな知的触発、こういうふうなことが期待できるということでございまして、これらにつきましては、筑波地区におきましては科学技術振興事業団による異分野フォーラムとか、あるいは筑波研究学園都市の中のそれぞれ自主的ないろいろな活動、こういうことで既に七十ぐらいのそういう取り組みがなされております。
 そういうふうなことから、現実に直接的なプロジェクトということになっているかどうかということは、ちょっと私どもも正確な数字は持ち合わせておりませんけれども、現場の研究者の皆様方に聞くと、それが自分たちの研究領域を拡大していく、新しい研究テーマを出していくというふうなことに非常に役立っているということで、私どもが承知をしておりますことでも、例えばいわゆるニューロコンピューター的なこと、いわゆる動物の神経系統を研究することとコンピューターサイエンスと組み合わせていくというふうな形の広がりとか、あるいは小型の昆虫などの飛んでいる状況を理解することでもってマイクロマシンといったようなものにやっていくとかというふうなことなども研究テーマとして新たにつくられたと、こういうケースがあるようでございます。あるいは、セラミックスを生体高分子と組み合わせたようなものを実際に研究テーマとしてやりまして、それでいわゆる号といいますか人工骨材にしていく、こういう研究などもこういうふうな交流の中から生み出されてきている、こういうふうな話を聞いております。
 こういうことで、ぜひ今後ともこういう異分野交流を積極的に推進させていただきたいと思っております。
#20
○小林元君 どうぞそのような幅広い交流を積極的に推進をいただけるようにお願いをしたいと思います。科学技術庁は科学技術全般の推進官庁でありますから、そういうことでこれからもよろしくお願いしたいと思います。
 それから次に、先日も原子力問題で御質問を申し上げました。実は我が国初の商業用発電炉、これは日本原子力発電、いわゆる原電の第一号炉といいますか、東海発電所が一九六六年の七月に十六万六千キロワットで、今の軽水炉ではないわけでございますが、炭酸ガスの冷却炉というようなことになっておりますけれども、それが三月三十一日に三十一年八カ月の、まだまだこれからも運転できるそうでありますけれども、発電コストが高いというようなことで停止をするということに予定をされております用地元でも、いわゆる廃炉第一号というようなことで、今後どうするのか、これは青森の話ではありませんけれども、大変心配をしております。
 既に日本原子力研究所のJPDR、動力開発炉ですか、小さいものでありましたけれども、廃炉の先例はあるわけでございます。今回、聞くところによりますと、廃棄物が十六万トンあると。そういう中で低レベルの廃棄物が二万三千トン、それから高レベルのものにつきましても三千トンに及ぶというような状況でございます。解体の技術あるいはその廃棄物の処分方法に注目しているわけでございます。この放射性廃棄物の最終処分は、先ほど馳委員からも質問がありましたように決まっていないと。いわゆる中間管理・貯蔵というような段階で、最終処分をどうするのかということに関連をするわけでございますが、今回のそういう商業用発電炉につきましてもどういうふうに処分をするのか、あるいは法的な整備というものは必要なのかどうかとか、その辺の基本的な考え方について御所見をお伺いしたいと思います。
#21
○政府委員(加藤康宏君) 原子力発電所を解体する場合の廃棄物の問題でございます。
 原子力発電所の場合、例えばタービン建屋とかいろんなところは大部分が放射性のものでなく普通のものでございます。したがいまして、発生します放射性廃棄物というものは合理的な区分をしながら行っていくという考え方でございます。それをどのような区分に分けて対応していくかということでございますけれども、まず、放射能レベルの比較的低いもの、既に六ケ所村に低レベル放射性廃棄物の埋設センターがございまして、そういうところで実際原子力発電所の低レベル廃棄物が埋設されて事業化されておりますが、そういうようなところに埋設するもの。それから、それよりももっとレベルの低いものは、ああいうところでなくてもう少し浅い地中に処分をする、簡易的な方法で浅い地中に処分をする、そういうことも既に制度的におおむね確立されております。
 ただ、低レベルの放射性廃棄物ではございますが、発電所の中の制御棒とか原子炉の構造材、そういうものは比較的放射能レベルは低いといっても高いものもございまして、そういうものにつきましてはまだこれから処分方策を確立する必要がございます。こういうものは量的には少のうございますが、処分方策を確立中でございまして、現在、原子力委員会のバックエンド専門部会でどのように処分したらいいかということを鋭意検討しているところでございます。
 それから、放射能レベルが非常に低いもので、放射性物質としての特殊性を考慮する必要がないもの、一般の廃棄物と同じようなものでございますが、そういうものにつきましては、クリアランスレベルという考え方でございますが、そういうものよりも低いものにつきましては、現在、原子力安全委員会におきまして、これは国際的にもいろいろ御検討ございますから、動向を踏まえながら検討が進められているわけでございます。
 いずれにせよ、放射性廃棄物の処分につきましては安全確保、これは大前提でございまして、皆様の理解と協力を得ながら進めることが重要であると考えておりまして、我々も適切処分に努力してまいりたいと考えます。
#22
○小林元君 今もお話がありましたが、放射性廃棄物として扱う必要がないというようなものもあるわけだと思いますし、それから放射性廃棄物である、それから低レベルだ、高レベルだと、処理処分の仕方がいろいろと段階によって異なってくるというようなことにつきましても今検討をされておるというふうに答弁がありましたけれども、その辺の区分をどうしていくのか、どういう値のところで区切るのか、そういう点をこれから明らかにして、やはり廃棄物の処分というものを適正に行うようにお願いしたいと思います。
 それから、この間もちょっと御質問をいたしましたが、時間がなかったので要望ということで終わってしまいました。原子力白書が平成八年版は出たわけでございますが、九年版は出ていない。それから安全白書に至っては二年も空白があるというような状況で、繰り返しますが、やはりこういう大事な時期にいろんな情報を皆さんの方から積極的に公開をして、国民を安心させる、こういう状況であると。いろんな時期の区切りで、「もんじゅ」の報告書がまもなく出るからそれまで待とうとか、動燃の報告書がこうだからもう一月おくちそうとかということはなしにして、やはりその時期その時期に出すんだということであれば、その時期を守って出すと。いや、これはそういうものは関係なくて、方針が決まらなくて出さないんじゃないかというようなあらぬ疑い、あらぬ疑いであればいいんですが、そういうことであっては国民の方から見て大変なわけでございます。その辺の今後の積極的な公表といいますか、そういうことをぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#23
○政府委員(池田要君) ただいま先生から原子力安全白書について御指摘がございました。御指摘のとおり、原子力安全白書は原子力安全委員会が設置されまして以来毎年、その一年間の安全委員会を中心にしました活動でございますとか、安全規制機関におきます活動状況、原子力施設全般に関して安全確保の現状等を総括して出してきてございます。      。
 ただ、先ほどございましたように、平成八年版につきましては昨年の三月に公表する予定で準備を進めておったところでございました。しかるに、三月の十一日に動燃のアスファルト固化処理施設の火災・爆発事故が発生しました。さすがにこういう状況では取りまとめ作業を中断せざるを得なかったということでございます。これは、当該事故に関します見方、これも御案内のとおりに去年の暮れまで事故調査委員会の作業はかかってしまったわけでございます。安全委員会自身がその事故調査委員会の検討状況というものをつぶさに見ておりましたし、こういう状況では途中でまとめるということはなかなか私ども事務局としてもできませんでした。大変残念なことでございました。
 安全委員会でもこうした先生の御指摘は十分わきまえているところでございまして、現在、おかげさまでほぼ事故についての総括、それからその前の「もんじゅ」事故からの経験を学びとるような作業、こういったことも一通りのめどがついてまいりましたから、今回この二年間の活動状況をまとめまして、平成九年版、この年度末までの、おおよそそれまでの活動をまとめる格好で白書として取りまとめて公表できるように、これは事務局としても懸命に急いでいるところでございます。
#24
○政府委員(加藤康宏君) 原子力白書の方でございますが、原子力白書につきましては、先生御指摘のように、一昨年の十二月に前回出ておりますが、今我々懸命に努力しておりまして、半年おくれぐらいで出せるのじゃないかと考えております。今一生懸命やっておるところでございます。
 いずれにせよ、こういう白書類は情報公開の一つの重要な手段でございますので、御指摘のように、なるべく欠かさないように出す。そのために、なるべくおくれないように一生懸命作成しているところでございます。よろしくお願いします。
#25
○小林元君 事故というのはいつ起きるかわからないわけでございますね。先ほどのロケットの打ち上げにつきましても、突如といいますか、予想して起きたわけではないわけでございます。予想できないわけでございます。だから事故や故障が起こるわけでございます。
 ですから、事故解明といいますか原因究明というのは大変大事でありますけれども、それはそれとしてタイムリーにやる、迅速にやるというのは当たり前の話であります。ですから、定例的に出すような白書につきまして、そういうものをどうしても入れたいからとか、それを入れないと非難されるというようなことまで考える必要はないんではないか。それはそれとしてタイムリーに、判明次第、報告書が出次第発表すればいいのでありまして、それはまた後の白書の中でさらに言及をすることがあればする。
 そういう形で、やはり定期的に出すものは定期的に出すという方針を貫いていただきたい。そうでないと、国民の安心あるいは信頼というものはかち取れないんではないかというふうに考えております。
 それから、最後になります。ちょっと時間がないかもしれませんが、原発関係の関係十四道県が原発協といいますか、原子力発電関係団体協議会というものを構成しております。そういう中で、原子力発電等に関する要望書というのを毎年、これは予算の時期にいろいろ出しております。
 そういう中で、動燃の事故あるいは「もんじゅ」の事故に関連して、いわゆる環境モニターというんでしょうか、環境監視という形ではリアルタイムのデータというものをとっているわけでございます。施設は施設として、排気口とか排水口とか、そういう放出口のデータをいろいろとっているわけでございます。やはりこういうデータをリアルタイムで各県の方でもいただきたいというような要望が出ているわけでございます。これに関してエネルギー庁の方では、商業用原発につきましてはそういう方向に行こうというように聞いておりますが、科技庁としては、いわゆる大規模な開発施設、再処理工場ですとかあるいは「もんじゅ」ですとか「ふげん」ですとか、これはちょっと時間がありませんので一言の御答弁で結構でございますが、どのように考えておられるか、お願いします。
#26
○委員長(大島慶久君) 時間が経過しておりますので、恐縮ですが簡単に御答弁を。
#27
○政府委員(池田要君) ただいま先生から御指摘のデータの提供につきましては、私どもも、地域社会からの理解をいただくためにも、また自治体が不意の事態に備えるためにも非常に有意義なことだと考えております。
 御指摘のとおり、私どもも事業者からそういうデータの提供が行われるように期待しているところでございますし、必要な指導もしてまいりたいと思っております。
#28
○福本潤一君 公明の福本潤一でございます。
 先ほどから青森の件、また動燃の件、放射性廃棄物の管理の問題等を含めて御質問ありましたけれども、私の方からは、放射性廃棄物等のもと、要するに核燃料物質、原子爆弾もつくることができるウラン等々、この管理が現在科学技術庁でどのように行われているか、これを長官にお伺いしたいと思います。
#29
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、福本委員から御指摘がありましたように、核燃料物質を適切に管理していくということが、原子力の平和利用という意味からその大前提であろうと思います。その重要性はもう疑いのないところじゃないかと思っております。
 我が国の法制度としましては、原子炉等規制法がございまして、それに基づいて、核燃料物質の種類であるとか量あるいは使用形態等に応じて、使用しようとする者が許可などの手続をとることを義務づける、こういう仕組みでやっておりますほか、放射線障害の防止とか、あるいは在庫情報の把握、あるいは盗取の防止といった観点から所要の管理を行うべきものというふうに制度がつくられております。科学技術庁としても、原子力利用が平和目的に限って安全の確保に万全を期して行われるよう、この法の趣旨に基づいてきちっとやっていかなければならないと考えております。
#30
○福本潤一君 動燃等の事故がありましたし、放射性廃棄物以上に、もちろん放射能も出しますけれども、原子力発電に使うといいながら同時に原子爆弾の材料にもなってきますので、ここのところをきちっと管理をしていただければと思います。
 この方では問題ないというふうに考えてよろしいでしょうか、長官。
#31
○国務大臣(谷垣禎一君) 基本はきちっと踏まえてやっていると。基本はと言うといけませんけれども、個々の細かい問題はあるかもしれませんが、きちっとやっているというふうに考えております。
#32
○福本潤一君 これは事前にお見せした資料なんですが、三月十二日、朝日新聞の大阪版に核燃料物質に関する記事がありまして、研究所で無許可放置されているという報道がありました。この監督官庁は科学技術庁になるわけでございますが、この報道によれば、松下電器や関連会社が許可を得ないまま研究所などに放置していたことが十一日までにわかったと。科学技術庁に三月十一日までに報告したということでしょうね。それから、夏にかけて無許可状態に気づいた松下電器が届け出たということでございますが、それ以後、科学技術庁としての監督する立場でどういう対応をされたか、お伺いしたいと思います。
#33
○政府委員(加藤康宏君) ちょっと事情を御説明したいと思います。今回の松下電器関係でございますが、無許可で放置と記事に載っていますけれども、今回連絡が来ました事業所に保有されますトリウムは、一定量、具体的には九百グラム以下のものにつきましては安全上の規制は必要ございません。ウランですと三百グラムでございますが、それ以下のものにつきましては安全上の規制は必要ございませんけれども、保障措置の観点から原子炉等規制法で一定の管理を義務づけてございます。
 なお、その義務づけも、昭和五十二年以降は国内にございますすべてのそういう少量物質も義務づけがございますが、昭和五十二年以前はそういう義務づけは、アメリカ、カナダ、オーストラリア、フランス、イギリス、そういうところとの二国間の原子力協定に基づいて輸入されたものだけが規制の対象になっておりました。したがいまして、昭和五十二年以前につきましては規制を必要としない少量のものがございました。
 当該松下関係のものは、やはり昭和五十二年以前の入手でございまして、当時としては規制の対象でなかったんですが、昭和五十二年以降持つものについては規制の対象になったということでございまして、我々としましては、したがいまして指導ベースでなるべくそういうことのないようにということで、今回の松下電器等の事例につきましては、連絡があった後直ちに、管理責任者を選定してしっかり管理してください、そういうようなことを依頼する専管理の徹底を文書で指示すると同時に、通報のあった翌日には担当官を現地に派遣して、そして事実関係の把握に努めてきたわけでございます。
 したがいまして、本件は安全上も問題はございませんし、核不拡散上も余り問題ないものだと考えております。
#34
○福本潤一君 そういうことは新聞にも書いてあるわけでして、私が聞いているのは、原子炉等規制法で要するに許可が必要となったと。そういうものに対して無届けで行われているものというのが現実にあらわれている。これはある意味では科学技術庁はどの程度掌握されているのかということで私は資料を要求いたしたわけです。無許可分はどの程度あるのか、それを科学技術庁は掌握されているのかどうか。そういう意味では法に触れておるわけですけれども、これは続いて文部省にもお答え願いたいと思います。
#35
○政府委員(加藤康宏君) 先ほど申しましたように、昭和五十二年以前に既に持っていたものにつきましては、その昭和五十二年の法改正で遡及いたしませんので、ですから、事業者との連絡等によって我々はそういうことを把握するしかすべがございませんが、現在許可を受けずに持っているというのは三十七件ぐらいあるということでございます。
#36
○政府委員(雨宮忠君) 国立大学等におきまして、核燃料物質等につきまして内閣総理大臣の許可を得ることが御案内のように義務づけられておるわけでございますが、その場合に、許可を得た場合にはあわせて文部省に対しても報告をしてくれというようにお願いしているところでございまして、それによりまして報告を得ておりますのが現在七十四大学、二百二十八施設が許可を得ている、こういう実態でございます。
 これらの施設におきまして、関係法令に基づきまして必要な規定を定めるなどして核燃料物質等の利用が行われているものというように承知しているところでございます。
#37
○福本潤一君 今、許可を得て使用しているところの施設を文部省は言われたわけですね。科学技術庁は許可していないところで承知しているのが三十七件あると。この新聞の記事は要するに不許可のところの記事なんです。
 私もきのう資料要求してどの程度掌握しておるのかと言ったら、十二時まで待ってもファクスしてこずに、また電話を何回か入れたら夜明けの五時ごろ入ってくる。届いた資料が、最初の十二時の時点では何か許可を得た件数だけを報告してきて、その後に今度、もう私帰りますから朝まで入れておいてくださいといって送ってきた資料が、これは許可を得た年間使用量。例えば東京大学で言うと二千二十七キログラム、原子力研究総合センターにあると。不許可のものがこれだけあるのかと最初びっくりしたわけですけれども、これは年間の使用量でしょう。
 そうしますと、私の要求した資料、きちっと出してもらうようにきちっと要求したいと思いますが、どうでしょうか。
#38
○政府委員(加藤康宏君) 必要な情報は提供したいと思います。もう一度御相談させていただきたいと思います。
#39
○福本潤一君 あと文部省、まさに今言ったのは予定使用量ですから、要するに不許可、届け出してないところをきちっと掌握しておるのかというのを聞いたわけですから、その資料を出してください。
#40
○政府委員(雨宮忠君) 法令によりまして許可を得るということになっておるわけでございまして、それによって報告を受けたものが先ほど申し上げたとおりでございます。
 法令に基づいて許可を得ることになっておるわけでございますので、私どもとしてはそのような仕組みのもとでそれぞれ適正な管理が行われているものというように承知しておるところでございます。
#41
○福本潤一君 まじめに答えようと思っていないというのが、きのうの朝からファクスをずっと十二時まで待って、朝七時までには届くと言ったのが届いてないのと同じ返事をしておるわけですけれども、許可を得たものを聞いておるわけじゃないんです。これは総理大臣の責任ですよ、はっきり言っておきますけれども。
 文部省、その報告書をきちっと持っているのか持っていないのか、掌握しているのかどうか、これをきちっとお答えいただきたい。
#42
○政府委員(雨宮忠君) 繰り返しになって恐縮でございますが、許可を得ているものにつきまして報告を受けているわけでございまして、その報告は私ども持っておるわけでございます。それにつきましてはもちろん御報告できるわけでございます。
 ただし、許可を得ずして云々ということでございますけれども、それにつきましては、私どもそのようなものがあるというようには承知しておらないわけでございます。
#43
○福本潤一君 承知しておらないということは、不許可のままである場合は知らないということですね。
 そうしますと、私、資料を持っておるものがあります。これはある大学で、その研究会で不許可のもの一覧リストというのがあります。これは昨九年の十一月十九日ですけれども、例えば東京大学、ウラン二百五十一件の不許可、許可を得ていないものあり、十四キログラム。トリウム五十六件。これだけある。これは十一月だから資料として古いから、新しい資料がもうあるだろうと思って私は要求しておったわけですけれども、その資料が全然出てこないままで来ている。例えば東北大学百四十九件、四キログラム。きちっとこういう資料があるはずでしょう、三月時点の。これは大学で、ある研究会の説明会でもらったものですが、どうでしょうか、文部省。
#44
○政府委員(雨宮忠君) 先生今御指摘のようなことがあるとすれば大変問題でございますので、私どもとしてできる限りその把握に努め、適切な処理に努めたいと思っております。
#45
○福本潤一君 じゃ、昨年のこの十一月時点では承知してなかったと。ただ大学関係者の研究会で検討していたところでの資料であるというふうにおっしゃるわけですね。
 とすると、無許可であったのがあったときの監督官庁の科学技術庁、最終的には総理の責任ですけれども、それが不法状態であるという現状をどういうふうに思われますか。これをきちっと答弁いただきたい。
#46
○政府委員(加藤康宏君) 先ほど申しましたように、昭和五十二年以降そういうものを持つようになりますとそういうことでございますが、以前のものは法律上そういう許可を必要としなかったし、五十二年の改正で遡及されませんので、それは法的上無許可の状態ということではございません。
 しかしながら、我々としましては、もう既に許可する制度になったものですから、そのようになるように指導していきたいと考えております。
#47
○福本潤一君 今のお話、科学技術庁長官にも。
#48
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、実は今のやりとりを聞きまして、許可、不許可以前のもので把握している数字があるというようなことを初めて知ったわけであります。
 ただ、今の我々としてはできるだけ五十二年以前の状況も把握するように努めなければならない、このように思います。
#49
○福本潤一君 私の方にもこういう不許可のリストが届いているぐらいですから、三月分の資料は早急に出してください、文部省。
 それと、長官がそういうような状態ですと、最終的に責任は総理大臣ですから、はっきり言っておきます、この原子炉。総理の責任になるということをきちっと確認をしておいていただきたいと思います。
 これにかかわり過ぎていると時間がなくなりますので、あと、いただいた資料の年間使用量の中で、例えば大学関係、私は三年前まで水質関係の学者でしたけれども、案外実験した後そのまま流すために、水質や何かでも施設をつくるわけですね、大学の中に。こういう原子力関係を扱うところも、ウラン、劣化ウラン、濃縮ウランありますけれども、トリウム、プルトニウム、管理はどうなっているのかというのが非常に大きな問題になってくると思うんです。そのときに、一番最大に使っているのが東大の原子力研究総合センターだということですけれども、ここの管理体制はどういう状態になっているか。文部省。
#50
○政府委員(池田要君) 先ほど先生から御指摘ございました各発電所の……
#51
○福本潤一君 いや、今の質問に答えて。
#52
○政府委員(池田要君) 先生が御指摘の大学ごとの核燃料物質の星も、核燃料物質の使用の許可ということで内閣総理大臣の許可を得ている数量がこれでございます。年間使用予定量ということでございまして、御質問のようなこういう事業所の規制につきましては、原子炉等規制法に基づきまして私どもが規制をしてございます。ですから、燃料物質の一定量を使う場合には保安規定でそういう規制をしているところでございます。
#53
○福本潤一君 いや、それは質問していない。要するに、今度はもう個別の問題に入って、東大の原子力研究総合センターでの管理体制はどういうふうに文部省が掌握しているかというのを聞いておる、人員も含めて。言ってもらえますか。
#54
○政府委員(雨宮忠君) 東大の原子力研究総合センターにおきまして年間予定使用量としておりますのが、天然ウランで二百二万七千グラム、劣化ウランで三千グラム、濃縮ウランで……
#55
○福本潤一君 そういう数字はいいんですよ。文部省として管理体制をどうしておるのかというのを聞いておる。
#56
○政府委員(雨宮忠君) 法規制に基づきまして行われているものと、こういうように承知しております。
#57
○福本潤一君 人員は。
#58
○政府委員(雨宮忠君) 人員につきましては現在資料を持ち合わせておりませんので、また追って差し上げたいと思います。
#59
○福本潤一君 先日の所信等々で、「国民各界各層との一層の対話の促進、情報公開等を積極的に推進してまいります。」と。私の方はそういう意味では、手荒なことをして出せという形できのうは言いませんでしたけれども、文部省が持っている資料、届けてないもの、これをきちっと私の方に届けてください。
 きょうは時間が少ないですから、もう少しで終わる必要があるんでしょうけれども、科学技術庁長官もこういう形でやっていますと、動燃がおかしいとかそういう問題ではなく、科学技術庁全体がおかしいんじゃないかと、情報公開していないんじゃないかという結論にせざるを得ないわけです。長たる者として責任をとっていただきたい。これは総理にも責任が及ぶということを踏まえて対応していただきたい。
#60
○国務大臣(谷垣禎一君) 私どもは、行政でありますから当然法に基づいて行うわけであります。したがいまして、原子炉等規制法という法律に基づいてきちっと対処をしていきたいと思っております。
#61
○政府委員(池田要君) 大臣のコメントに補足させていただきますが、この核燃料物質、トリウムですとかウランですとか、こういった物質は許可を得ず所持した場合には法律違反になります。したがいまして、これは罰則の適用になります。ですから、私どもが把握している限りは、こういうおよそ燃料物質ということを知っている者がいれば、それは許可を得ず所持していることはあるべきでないという考えでございます。ですから、これは役所としても……
#62
○福本潤一君 それが起こっている。
#63
○政府委員(池田要君) 本来これは役所自身が知る立場にないということになります。規制法ができましたのも昭和三十一年でございますから、それ以前に、例えば大学のように戦前から燃料物質を使っているようなところ、これは研究室の片隅に一部あるということもあり得るわけでございます。ただ、仮にそういうものが見つかった場合には速やかに必要な措置をとってもらうといったことが大前提でございまして、今、文部省にそういう御下問がございましたけれども、届けがないものを調べろといってもこれはなかなか容易なことではございません。ですから、罰則の適用があるということを我々は世の中にも知らしめておりますし、仮にそういうことを行うような事業所あるいは大学等があれば、そういったことがないように我々は的確な対応をしてまいりたい、むしろ関心を高めて自発的に申請が出るようにしたいということでございます。
#64
○日下部禧代子君 きょうは時間がわずかしかございませんので、科学技術行政のあり方を中心にお尋ね申し上げます。
 今日、多様な社会の要請に対応するためには総合的な科学技術の政策立案、そのシステムが求められ、でいるというふうに思います。例えば医療、エネルギー、環境問題にいたしましても、これは日常生活あるいは産業活動というものが絡み合っているわけでございます。したがいまして、自然科学だけではなく人文あるいは社会科学との連携、あるいは学際研究というものが不可欠であろうかと存じます。
 そこで、行政改革会議におきまして内閣府に総合科学技術会議を置くという最終報告が出されておりますが、具体化のためにどのような方途、そしてまた実施がされているのか、まずお尋ねしたいと思います。
#65
○国務大臣(谷垣禎一君) 昨年十二月に取りまとめられました行政改革会議の最終報告書で、総合科学技術会議、今御指摘のように内閣府のもとに設けると。その中で、会議自体のイニシアチブによって科学技術に関する総合戦略を具体化していこうと。それから、科学技術に関する予算とか人材等の資源配分等に関しての基本方針、それから国家的に重要なプロジェクト、こういうものについて評価をきちっとしていこうと。こういうものを総合科学技術会議の任務としていこうというふうに規定されております。
 特に、従来の科学技術会議の活動では必ずしも十分ではなかったと思われる点、一つは科学技術分野以外の視点ですね、先ほど御指摘になったほかの政策との連携、こういうものを十分考慮した上で総合戦略を具体化していく、そういう検討をこの場で行われるようにしたいと。それから、科学技術に関する予算とか人材等、これをより効率的、弾力的に資源配分して積極的に実現していく、こういう議論もこの場で行っていきたい。それから、研究開発目標、総花的というよりも重点化をやっぱりしていかなきゃいけないんじゃないかと。こういった機能を総合科学技術会議において実現して、我が国の科学技術振興をより一層戦略的にリードしていく体制を築いていきたいということで、今いろいろと議論をしているわけでございます。
#66
○日下部禧代子君 今いろいろ議論をしているというふうにおっしゃいましたけれども、これはもう既にスタートしているのですか。スタートしていなければいつからで、スタートしているとしましたら何回ぐらいでございますか。その辺をお聞きしたい。
#67
○国務大臣(谷垣禎一君) あの報告書が出ましてから、科学技術庁と文部省、私も町村文部大臣と何回か御協議をいたしまして、合同検討チームをつくりました。そして、科学技術庁の庁内にも省庁再編等推進本部というものをつくりまして、私が本部長になりまして、教育科学技術省を初めとした科学技術行政体、その中には、これはもちろん教育科学技術省だけで決められるわけではありませんけれども、総合科学技術会議にどのような役割を我々としては持たせたいかというような検討を今行っているところであります。
#68
○日下部禧代子君 何回ぐらい。
#69
○国務大臣(谷垣禎一君) 推進本部というのは今までに一回開きました。それから文部省との間は、これは逐次協議をしております。
#70
○日下部禧代子君 会議が置かれたというだけではほとんど意味がないわけでございまして、これから回数がふえるからそれがいいというものでもないと思います。もちろん質の問題がございますから。しかしながら、せっかく置かれたものであるならば、それを本当に実効あるものにするということの努力というのが必要ではないかと。我が国の場合、何か設置された、もうそれで終わりという、設置されたこと自体で終わりとなる経験が今まで余りにも多過ぎます。ぜひともその辺のところをきちっとしていただきたいと思います。
#71
○国務大臣(谷垣禎一君) 本部を置いた、協議会を置いたというだけで満足するなという御指摘でございますが、やや我が田に水を引きますが、この点では文部省と科学技術庁は、すごくよくやっていると言うとちょっといけませんが、なかなかよくやっているというふうに思っております。
#72
○日下部禧代子君 長官、大変に御立派なアセスメントをなさいましたが、その結果があらわれることを、また情報公開も含めまして期待しております。
 そこで、科学技術基本法というのが九五年に議員立法で制定されておりますね。翌年の九六年に科学技術基本計画が策定されております。ここでは二〇〇〇年までに科学技術関係予算を二倍に、具体的に言うと十七兆円にしようではないかというふうに言われております。それには毎年一二・四%の増が必要であると。しかしながら、今さまざまな財政の危機というような事態に陥っているわけでございますが、この基本計画の進捗状況をお知らせください。
#73
○国務大臣(谷垣禎一君) この科学技術基本法、これは超党派で議員立法でつくっていただいた。これは私はとても大きな意味があったし、現在でも持っていると思っております。
 今、行政府におりますので立法府の活動を云々する立場ではないんですが、私も立法府に籍を置いておりますと、議員立法が少ない、どうも政府提案の法案ばかりじゃないかと言われている中でこういう法案を議員立法で超党派でつくっていただいたということは、なかなかエポックメーキングなことであるし、それを後から振り返ったときに、あのときに議員立法で科学技術基本法をつくったということが非常に大きかったと振り返ってもらえるようにしなきゃいかぬのじゃないかなと思っているわけであります。そういう中で、科学技術基本計画をつくって、科学技術創造立国という柱を掲げているわけであります。
 その後の取り組み状況ということでございますけれども、科学技術基本計画にありますように、一つは社会的、経済的なニーズに対応した研究をしっかりやっていかなきゃならない。それからもう一つは、やはり基礎研究というものを充実していかなければいけない。
 社会的、経済的ニーズに対応した研究開発としては、新産業の創出とかあるいは情報通信の飛躍的発展というあたり、あるいは脳の研究、バイオテクノロジー、ライフサイエンスを含めてそういう研究開発を進めていこうと。それからもう一つは、やはり地球変動現象とかそういう地球規模の諸問題の解決に資するような研究開発に重点を置いていく必要があるだろうと。あと、疾病とか防災とか生活者のニーズに対応できる科学技術の研究も必要であろうと、そういうところに重点を置いて予算をつくったりしているわけであります。
 それと同時に、研究環境というのも新たなものをつくっていかなきゃならないんじゃないか、柔軟で競争的な開かれた研究体制をつくっていかなければならないのではないか。これも昨年でしたか通していただいたわけでありますけれども、任期つき任用制、国の研究者を任期つき任用をしていくとか、あるいはポストドクター等一万人支援計画、あるいは民間企業との研究活動を円滑に国の研究者ができるような兼業許可の円滑化とか、あるいは特許権の個人帰属ができるようにするとか、こういうことを推し進めてきたわけであります。
 今おっしゃったことの中で十七兆円ということをおっしゃいました。五年間で十七兆やって国の研究開発というものを推し進めていこうと。ただいまのところは、率直に申しますと、平成十年度予算を通していただきますと三年間一応進んできたということになるわけでありますけれども、細かい数字はちょっとあれですが、総額で九兆ぐらいになっておりますので、十七兆行くということは、あと二年間で八兆円ということになるわけでありまして、ああいう財政再建の中で正直言ってなかなか苦しくなってきたなと思っているわけであります。もちろん、苦しくなってきたと思っているとはいってもあきらめたわけではありませんで、機会をとらえてあらゆる努力をしていきたい。それと同時に、確かに国の財政が厳しいことも事実でございますから、予算配分の重点化とか効率化とかいうことをあわせてやっていかなきゃならないと、こう思っております。
#74
○日下部禧代子君 大いに期待しておりますので頑張ってください。応援いたします。
 ところで、ことしはキュリー夫妻がラジウムを発見して百周年に当たるわけでございます。それで、我が国におきましても百周年記念事業委員会というものが設けられまして、さまざまな事業が全国各地でことし開催される予定でございます。また、ことしは日本におけるフランス年でもございますので、フランス、そしてまたポーランドとの連携もどって事業をしようということを決めております。決めておりますというのも、私がその委員会の一人でございます。そして、この事業は文部省、厚生省、そして科学技術庁にも後援をいただいておりまして、との席をかりましてお礼を申し上げます。
 ところで、私が今申し上げたいのは女性科学者のことでございます。キュリー夫妻は一九〇三年にノーベル物理学賞を夫妻で受賞なさって、その後、夫ピエールが事故死、その後も夫人の方は研究を続け、一九一一年にノーベル化学賞を彼女はとっているわけでございますが、今日、この日本の女性科学者の置かれている立場というものがどうなのかということをこのキュリー夫妻の百周年を通じまして私はちょっと振り返ってみたいと思います。
 ところで、数字をまずお挙げいただきたいのでございますが、研究者の男女比、特に女性が構成比で何%か。次に大学教員の男女比です、女性が何%か。それから教授職、理学部そして医学部で教授職は何%か。まずその数字をお知らせください。
#75
○政府委員(宮林正恭君) 手元に持っております数字で御説明をさせていただきます。
 まず男女比でございますが、これは科学技術政策研究所が調べたデータでございますけれども、平成九年の割合では研究本務者数で男子が九〇・三%、それから女子が九・七%、こういう比率になっております。
 それから大学関係でございますが、理学部でございますと教授職は女性が二・九%、それから医学部では女性の教授の方が四・七%、こういう数値が今手元にございます。
 それから、大学だけの研究職員数でまいりますと、女性の方が大学の教員全体で一一・六%と、こういう数値が手元にございます。
#76
○日下部禧代子君 ありがとうございます。
 今お答えいただきましたのはわずか四つの数字でございますけれども、余りにも女性の割合が低い。あるいはこのくらいかなとお思いになる方もいるのかもわかりませんけれども、私としてみれば数字を改めて知って余りにも低過ぎるというふうに思わざるを得ないのでございます。
 現在もあらゆる分野において男女共同参画型の社会を目指している中で、この科学技術の分野におきましてもやはりそれは例外ではないはずであります。むしろこの分野にこそ最も男女がともに手を携えてということが求められているのではないかと思うわけでございますが、今の数値をお聞きになりまして、科学技術庁としてはどのような対応、施策を、もう既に考えていらっしゃるのか、実行していらっしゃるのか、これからどうなさろうとしていらっしゃるのか、改めてお尋ねしたいと思います。
#77
○国務大臣(谷垣禎一君) 今数字を申し上げましたけれども、あの数字を聞きまして、一般に我が国で女性の社会的進出がまだまだ十分ではないけれども、科学技術の分野もそれに劣らずおくれていると言うと変な言い方になりますが、まだまだだなというふうに思いました。きょうはこの委員会で六人の先生と議論をさせていただくわけですけれども、六人のうち三人の女性の先生に御議論をいただくことになっておりまして、まだまだこの委員会まで達していないなという気持ちでございます。
 これは研究開発の問題だけではなくて雇用一般の問題でもあると思うわけですが、雇用機会均等法とかあるいは育児休業制度とかいろいろな問題が絡み合ってくるということだろうと思いますが、いずれにせよ、科学技術の分野で女性の能力をもっと引き出すといいますか活用することでなければ損だと、損得で言ってはいけませんけれども、共同参画型の研究開発体制をもう少し推し進めるような努力を政府も一体としてしなきゃいかぬ、このように思っております。
#78
○日下部禧代子君 今のお言葉、もう少し力強い具体的なお言葉が欲しかったのでございますが、今後の御努力を見詰めて、見守るんじゃなくてきちんと見ておきますので、よろしくお願いいたします。
 最後はなりますが、前回の本委員会におきまして、これは中学生の国際比較でございますが、数学、理科におきまして数学嫌い、理科嫌い、そしてまた科学的な職業につきたい生徒の割合というのも四十一カ国の中で日本は最も低いところにあるというようなことを私は論議させていただきました。
 日本の場合には、今まで欧米の成果を素早く消化して、それを応用して産業化してお金をもうける、これは基礎研究に関してはフリーライダー、つまりただ乗りという言葉が世界じゅうに広まっております。こういう汚名を返上するためにもここで考えなければならないのは、世界に貢献できる頭脳、そして知的財産をいかにしてつくり出すかということ、そのためには科学の啓蒙活動とかいわゆる科学のすそ野を広げること、特に若い世代に対しての啓蒙ということは必要ではないかというふうに思うわけでございますが、そのことを含めまして、長官のお言葉で私の質問を終わりたいと存じます。
#79
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりだと思います。科学技術を推し進めていく場合には基本に国民の理解、支持というものがなければ、例えば宇宙開発みたいに大変な金を使うわけでありますから、国民の理解と支持がなければ私はできないと思います。なかんずく、若い世代の人たちに理解をしてもらって、でき得べくんばそういう人たちの中で志ある若い人たちにこの分野に飛び込んできてもらいたい。そのためには、参加型といいますかいろんなやり方があると思いますが、努力していかなきゃならない。これは科学技術政策を進めていく場合の一番大きな問題だと思います。
 同時に、若い人たちに、何か将来希望があるな、我々の社会は八万ふさがりじゃなくて何か先におもしろいことがありそうだぞということを思ってもらえる力も本来科学技術というのは持っているんだろうと思います。したがって、そういう面もこれから十分発揮して、若い人たち、国民全般に御理解を得られるような努力をしてまいりたいと思っております。
#80
○阿部幸代君 科学技術創造立国を目指す上で、ぜひともその担い手である人づくり、科学技術教育に着目していただきたいということできょうは質問したいと思います。
 長官は子供のころ実験とか観察とかを大切にする理科教育に恵まれましたでしょうか。また、科学技術基本計画のその冒頭、「はじめに」の部分で若者たちの科学技術離れに対する懸念の表明がされていますが、この問題についてはどのような課題意識を持っておられるんでしょうか。
#81
○国務大臣(谷垣禎一君) 私が子供のころ恵まれた教育だったかどうか、勉強嫌いの子供でしたから余りよく覚えていないんですけれども、しかし今に比べますと、私は東京で育ちましたけれども、すぐそばでもっと自然に触れられたというふうに思います。多摩川の河原へ行ったらいろいろな植物があったり、星も今よりよく見えたと思います。そういう意味では、いろいろな実験とか観察とかいうようなものが今よりもしやすい環境であったのかなというふうに感じていることは事実であります。
 それから、ちょうど今の日下部先生の最後の御質問とも重なるわけでありますけれども、日下部先生のときに申し上げましたから申し上げませんが、やっぱり若い人たちに理解をしてもらう、そして子供たちが目を輝かすような何か力が本来科学技術にはあるんだろうと私は思っているんです。
 それで、具体的に何をやっているかということを申し上げますと、やっぱり参加してもらうといいますか、紙の上だけというのはつまらないんだろうと思うんですね。ですから、最先端の研究施設で青少年が学習を中心に研究生活を体験するようなそういう科学技術体験合宿、サイエンスキャンプというのをやっております。これはなかなか評判がいいようであります。それから、日本各地の研究機関などから講師を募集して、学校などで青少年に直接語りかけるような研究者、技術者の教育現場への派遣、サイエンスレンジャーと言っているようでありますが、そういうこともやっております。また、実験とか工作などを通じて青少年に科学技術への興味、関心を高めるために地方公共団体で先端科学技術体験センターというようなものをやっておりますが、その整備に対する支援というようなことをやっております。
 今後とも、実験、観察を通じて青少年が科学に親しみ、科学する心というか、そういうものを涵養していくような施策を追求していきたいと思っています。
#82
○阿部幸代君 私もテレビ等で今長官がお話しになったようなさまざまな施策は見聞しているところです。やはり基礎、基本を学ぶときからしっかり学ぶことができるように条件整備をしていく必要があるのだなというふうに思っているんです。
 今、文部省は、みずから学びみずから考える、いわゆる新学力観と言いますが、これに基づく教育を推し進めています。このいわゆる新学力観については、私自身は基本的なところで異議があるのですけれども、理科教育において実験や観察を大切にする、問題解決的な学習に児童生徒が主体的に取り組んで、しかも十分な学力を保障していくという意味では一定の理解を持っているつもりです。しかし、実際に問題解決的な学習を展開していくというのはなかなか大変なことです。
 実は私は五年間小学校で教師を経験したことがありますが、たまたまその学校が理科教育の研究指定を受けていたところでありましたものですから、大変鍛えられもし、またさまざまなことを考えさせられてきました。
 御承知のとおり、小学校では学級担任が全教科を担当しながら理科実験の準備もするんですね。ですから、実験の間際に、例えばアルコールランプにこびりついているろうを除去する作業だとか、あるいはアルコールを入れたり、あるいは硫酸とか塩酸を希釈する、薄めることですね、こういう準備などをするわけなんです。本当に相当に理科的な小まめさのある人でないと続かないと思うんです。もし理科実験の準備をする人がいたら理科教育はもっと進むだろうと常々思ってきました。こうした理科教育のスタッフ問題についてどのようにお考えでしょうか。
 もうちょっと具体的に言いますと、科学技術基本計画にチームティーチングの活用、こういうことも出てくるんですけれども、この辺も含めてどんなふうにお考えでしょうか。
#83
○国務大臣(谷垣禎一君) 理科教育につきましては文部省で所管されておりまして町村大臣の御担当でありますので、私はどこまでお答えしたらいいのか、またお答えできるのかとちょっと戸惑っておりますけれども、今御指摘のように、科学技術基本計画の中でもかなりこの問題は重点を置いて取り組まれていると思うんですね。
 それで、科学技術に関する学習の振興と幅広い国民的合意の形成を図る、こういう観点から初等中等教育における理科教育や技術教育の充実を一層図れ、こういうことになっていまして、自然に親しむ機会とか観察、実験の探求活動、実践活動の機会の増加、それから理科教育、技術教育の担当教員に対する各種の研修機会の充実、こういうことも述べられております。それから、公立の小・中・高等学校における教育用コンピューターの整備、こういったことがかなり具体的に書き込まれておりまして、科学技術庁としても、こういう方針のもとで理科教育の充実を図っていく必要があるというふうに考えております。
#84
○阿部幸代君 スタッフの問題で質問したんですけれども。
 科学技術基本計画にチームティーチングの活用等というのが実際出てくるんですね。それは具体的にはどういう授業がといいますと、一学級に複数教員を配置する、こういう内容になるんです。この計画では、小学校で四四%の学校に一人です。それから、中学校では七七%の学校に一人配置するという計画で、チームティーチングの本格実施にはほど遠いという計画なんです。
 ところが、この計画すら、実は財政構造改革法で定数改善の先送りがされました関係で、このささやかなチームティーチングのための人員増も先送りされているという実態をぜひ知っていただきたいと思います。
 それから、今学校教育で大きな課題となっているのは学級定数の問題なんですね。四十人もの子供たちに実験や観察を重視した問題解決的な学習を主体的にさせて、しかも学力保障をするというのは本当に至難のわざです。
 私は実際体験してまいりました。例えば、実験中、希硫酸をスポイトに入れて、同じ実験テーブルの友達の目に入れてしまうとか、あるいはアルコールランプのアルコールを実験台にこぼして火がついてしまうとか、こういう事故も起こるわけなんです。
 それから、実験や観察というのは一見楽しいことですが、よく見ていますと、何となく楽しんでいるだけで、そこから法則を導き出したり、あるいは知識として定着させるまでには至らない子供たちがたくさん出てきてしまうわけです。つまり、四十人というのは無理なんです、一度にやるというのは。
 今、ナイフなどによる殺傷事件等が相次ぐほど新しい荒れと言われる困難に直面している学校現場で、クラスサイズの縮小、つまり三十人学級の実現が切実な課題になっているんですけれども、実はこれは理科教育の振興上も必要なことではないかというふうに思うんですけれども、どのようにお考えになるでしょうか。
#85
○国務大臣(谷垣禎一君) 昭和五十四年十二月の予算折衝で四十人学級の予算がついて、今まで何年だったでしょうか。二十数年たって随分時代も変化したなと思うわけであります。
 阿部先生のおっしゃっていることはなるほどなと思う面がございますけれども、先日も町村文部大臣のここでの御答弁を伺っておりますと、町村文部大臣も厳しい財政の中でなかなか苦労しながらやりくりをしておられるな、こういうふうに思っております。
#86
○阿部幸代君 次に、理科教育の予算面についても質問してみたいと思うんです。
 科学技術創造立国を目指すということで、財政構造改革法のもとでも科学技術振興費は昨年度は対前年度比で一一%増、それから九八年度約五%増ということで、圧縮されたとはいうものの増加が見込まれていますね。ところが、理科教育設備費とか高等学校産業教育施設整備費負担などは五%の削減になるんです。科学技術振興費と理科教育費とかあるいは産業技術教育費、これらの整合性を図っていく必要があるというふうに思うんですが、どうでしょうか。
#87
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、先生の御質問は、理科教育振興費が減少しているんじゃないかとおっしゃったんですか。
#88
○阿部幸代君 そうです。財政構造改革法のもとで確実に。
#89
○国務大臣(谷垣禎一君) 私として大変お答えしにくい御質問で、きょう横に町村大臣がいてくださったらもうちょっと……
#90
○阿部幸代君 整合性ということです。
#91
○国務大臣(谷垣禎一君) いろいろ整合性を図っていく必要はあるだろうと思います。特に科学技術基本計画で、先ほど申し上げましたけれども、青少年の初等中等教育における理科教育を推進するという具体的なものがあるわけでありますから、できるだけこれは我々の方も文部省と御相談しながら、進められるべきものは進めていかなければいけないなと、こう思います。
#92
○阿部幸代君 私も、科学技術創造立国ということでもっと教育現場に目を向けていただく必要があるのかなというふうに思ってきょうは質問をさせていただいてます。
 次は大学教育について質問したいと思うんです。
 学術振興会とかあるいは科研費の配分にかかわる学術審議会、これらのいわばふるいにかけられることのない研究者の自主性に基づく本来の基礎研究を進めるという意味では、教官当たりの積算校費というのがもっと増額されてしかるべきだと私は常々思っています。
 実態を申し上げますと、校費は一九八一年から九年間、単価が据え置かれ、厳密に言いますと一九八三年は減額されているんですが、こういうこともあって、一九七〇年と比べますと、九六年時点でせいぜい二倍程度にしかふやされていないんです。この間の物価上昇率がおよそ三倍ですから、校費というのは本当に低い水準に据え置かれているんです。科研費など研究予算は科学技術基本計画のもとで増額されていますが、この科研費も申請課題の中でおよそ三割しか採択されないわけですから、まだまだ不十分ですし、必ずしも自主的な研究費とは言いがたいものなんですね。校費の倍増というのが国立大学協会の長い間の悲願でしたが、一向に実現せず、財政構造改革法のもとでこれも九八度予算案では二%の削減となっているんです。
 半導体、光ファイバーの研究者で知られる西澤潤一氏は、実はこの校費で細々と研究を続けてきて、今花開き、政府のさまざまな審議会などで活躍していますけれども、そういう経過があるんですね。科学技術振興策のもとでの校費の劣悪さというのも、私はやはり整合性を欠くのではないかと思います。
 ちなみに、よく競争的な環境ということが言われるんですけれども、アメリカ社会の競争的な環境というのは、条件を同じゅうして競わせる、そういうことなんですね。そういう意味では、少なくともこの物価上昇率からはるかに届かないような低い水準に置かれている校費というのを底上げするというのが、最低限本当に整合性を図るという意味でも求められていると思うんですけれども、どんなふうにお考えでしょうか。
#93
○委員長(大島慶久君) 時間をオーバーしておりますので、簡単に御答弁を願います。
#94
○国務大臣(谷垣禎一君) 積算校費の問題をお取り上げになりまして、これは文部省でお考えいただくのが基本と思いますが、この間も衆議院の方で人当研究費の問題がございまして、似たような側面があると思います。こういうものの予算の増額にも我々努力しなければならないと思いますが、それと同時に、今戦略的というような、競争的ということをおっしゃいましたけれども、重点的な予算の配分もこういう時代には必要なのではないか、こんなふうに思っております。
    ―――――――――――――
#95
○委員長(大島慶久君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、日下部禧代子さんが委員を辞任され、その補欠として及川一夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#96
○扇千景君 ちょうど一週間前、三月十日に大臣の所信を伺いながら、その後時間の都合で所信に対する御意見を伺う時間がございませんでした。きょうも十四分ですから、せいぜい一問か二問になってしまうので残念でなりませんけれども、先ほどから同僚議員の基本法制定後の科学技術庁のあり方等々で既に大臣の御意見を当委員会で拝聴しておりましたので、重ねての質問は省略させていただきたいと思います。
 大臣が御就任になって、科学技術庁でいろいろと日本の科学技術に対してのお考えが変わったのか変わらないのか、また、日本の科学技術のレベルというものを大臣御就任後世界的なレベルではどの程度になっているとお考えなのか、ちょっと一端をお聞かせいただきたいと思います。
#97
○国務大臣(谷垣禎一君) 私が長官になってうんと変わってよくなったと申し上げたいのでありますが、私は基本は変わっておらないと思います。先ほど御質疑の中にも、御議論の中にもありましたけれども、科学技術基本法をつくっていただき、そのもとでの科学技術基本計画ということで推し進めているわけでありますから、大要は変わっておりません。
 それから、日本の科学技術水準がどれぐらいかということ。この科学技術基本計画で十七兆ということを考えていただいておりますのは、日本の科学技術開発に関する投資の中で政府が果たしている役割が西欧の先進国に比べて少な過ぎるではないかという問題意識から出発をしているわけでありまして、そういうところはまだ努力の最中でございます。
 ただ私は、いろんな分野がございますけれども、日本の科学技術の水準は、何というんでしょうか、論文の引用数とかあるいはノーベル賞受賞者の数というようなことで考えますとなかなかまだいまだしてございますけれども、全般としては頑張っているな、このように思っております。
#98
○扇千景君 科学技術立国というのは、言葉では簡単ですけれども、私は、日本が生きていく上に大変大事な科学技術であると。日本は資源がございませんけれども、人知は無限だといつも言われております。それを生かすも殺すも科学技術庁の頑張り次第だと思っております。ですから、科学技術のあり方というものに対して、基本法の制定等々、これからはまた評価制度というものに対しても確実に見守っていかなければならないし、またある面では支援し、またある面では叱咤激励もしながら、いけないところは直していただこうと思っておりますのが私たちの科学技術に対する基本的な姿勢でございます。
 ところが、御存じのとおり、十日に所信を伺いまして、ちょうど三月十一日で動燃のあの事故を起こしてから一年たちました。きょうは時間がありませんから長々とは申せませんけれども、この一年たって冷静に考えて、今まで私ども科学技術を振興してきた、あるいは推進者の一人として私も加わらせていただいていろんな意見を述べさせていただきましたけれども、私は、放射性の物質を閉じ込める機能が失われた国内の最悪の事故と、そういうことは認めながらも、動燃というものが今まで果たしてきた功罪、いいことも悪いこともある、いいことは一体どんなことだったんだろう、じゃ果たして悪いことはと。一年たって、今反省の中で本社移転等々いろんな事例が出てまいりましたけれども、果たして功罪という項目を挙げるだけでいいんだろうかという考えは持っていますけれども、まず動燃の功罪について簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#99
○国務大臣(谷垣禎一君) なかなか功罪というのは難しゅうございますけれども、功についてまず申し上げますと、やはり核燃料サイクルが資源論の面からも環境論の面からも重要だと、こういうことに立って中心的に推し進めてきた組織は動燃でございます。そして、確かに走り出したときは前を走っている国もたくさんございましたけれども、核燃サイクルの中心でございます高速増殖炉ということになりますと、今やいつの間にかフロントランナーの位置に立たざるを得なくなって、いろいろ困難もございますけれども、歯を食いしばってやってきたというのが動燃の功ではないかと、このように思っております。
 罪の方で申しますと、このところ幾つか事故がございまして、そういう中でいろんな問題点が指摘されました。私は、それぞれの研究者、立派な方がおられるけれども、事故を起こした後の社会的な対応のまずさ、世の中との認識ギャップ、そういうようなところが問題を余計複雑にして、原子力政策に対する信頼、こういうものを損なった、これはやはり罪であろうと、簡潔に申しますとこのように思っております。
#100
○扇千景君 私は、今長官がおっしゃいました中で、ウランの濃縮技術の自主開発というものは、日本にとっては本当に大きなものであったと。動燃の研究というものの中のこの事業に対する技術の開発に対しては、日本としては大きな自主開発であったということはやっぱり努力のたまものであったろうと、私はそれは評価しております。
 そういう意味では、長官がおっしゃいましたように、資源がない、あるいは環境問題等々考えますと、この開発を推進していかなければならないけれども、今は不幸にして中断しております。けれども、その罪の方の原因としては、少なくとも国民と社会との乖離があったということは否めないことであろうと。そして、少なくとも安全性確保の危機管理の不備、これが第一点。私は、科技庁に、あるいは動燃に、両方とも責任があったろうと思います。
 それから二つ目には閉鎖性、それは改善をしていただきたい。
 三つ目には事業の肥大化というものが私はあろうと思います。何でも大きくなればいいというものではなくて、コンパクトで効率のいい、そういうものに日本の今の財政を考えてもしていかなければいけないだろうと思います。
 以上の三点等々を含めましても、動燃というものが新しい出発をするんだということで意識改革をしていくということは私は大変いいことだと思いますけれども、現実的に、本社の移転等々で、約五百人いた本社の人間が二百二十人ぐらいしか東海村へは行かない。あるいはあとの技術ノウハウを持った研究者はどうするんだろうかと、そういう意味でも私は大変心配をしております。技術流出ということが多く言われる中で、せっかく技術を持った人たちがこれからその技術を発揮する場所がなくなる。あるいは移転することによってその技術が生かされないということもあろうと思います。また、本社が東海村に移転することによって、各国大使館との国際的な交流あるいは情報収集等々も果たしてこれで大丈夫なのかなと。国際部も移転すると聞きましたけれども、動燃の移転に伴う技術保持者の確保、あるいは国際的な交流の疎通が行えるのかどうか、そういうことも含めて疎漏はないのか、ちょっと伺いたいと思います。
#101
○国務大臣(谷垣禎一君) 細かな面については原子力局から答弁をさせますが、今、肩先生が御指摘になったところはやっぱり一番心していかなきゃならない点じゃないかと私も思っております。今までのいろんな地域への対応のまずさなどから、できるだけ地域に密着していこうというのは私は方向としては間違っていないと思うんです。
 ただ、原子力開発、技術開発というのは日本だけで行われるものではありませんから、今後ますます国際性というものは重視していかなきゃいけない。そのときに、やはり動燃のトップというのは国際的に活躍してもらう必要がこれからも減りは絶対しないと思いますので、そこをどう考えていくかという問題。それから、今まで積み重ねてきた技術、これはいろいろ動燃も批判は受けておりますけれども、私はやはり相当貴重なものがあるんだと思っているんです。明確なミッションを与えるということで、ある意味で問題を絞っていく、これも方向としては間違っていないと思いますけれども、今まで培ったものをどう民間に移転していくのか、いろんな種々の問題をこれから乗り切っていかなければならないんじゃないかと、こんなふうに思っております。
#102
○政府委員(加藤康宏君) 本社の関係の話と技術の移転の問題、それから技術を保持する問題がございました。
 まず、技術を保持する問題につきましては、我々動燃事業団のやっている仕事は非常に機微な技術もございますから、当然それはきちっと保持する。ただし、先ほど御指摘ございましたウラン濃縮のようなものは開発に成功したわけでございまして、それは技術を民間に移転しております。当然、動燃事業団から民間に人も移って、そちらの方で技術がさらに発展するということで生かされると思っております。
 それから、本社の者で二百二十人ぐらいしか東海に行かないと御指摘ございましたが、現在五百名弱いる本社要員をスリム化いたしまして、それで三百人ぐらいに本社機能をする。敦賀の方に一部行く、東海には二百二十人が行くということでございまして、残りのところは基本的には運転管理、先ほど御指摘ございました危機管理とか広報とか、そういうものを重視するためにそちらの方に回っていただくごとを考えている次第でございます。
#103
○扇千景君 私は、少なくとも世界的なレベルの技術を持つためには、いろんな研究も、そして費用も、そして失敗も、これを乗り越えていくのが本当の研究であろうと思います。最初から成功するとわかっているものは一つもないはずです。ですから、間違ったこと、あるいはいけなかったことは素直に反省しながらも、前進する姿というものを持たなければ、私は科学技術庁がある意味がないと思います。
 そういう意味では、私は、谷垣長官が今までの長官の中では一番お若い御就任ではないかと思います。その辺はわかりませんけれども、どっちにしてもお若い長官ですから、日本の将来の科学技術のあり方、あるいは日本が生きていく知的財産を一番集約できるのが我々であるという認識を持って、長官から、日本の将来の財産を自分たちが一番担っていくんだという新たな御意見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#104
○国務大臣(谷垣禎一君) 肩先生から大変温かいお励ましをいただいたと思っております。原子力核燃サイクルの確立は、これはもう総合的な技術でありますから、なかなか任重くして道遠しという気持ちがございますけれども、くじけずに頑張っていかなければならないと思っております。
 どうぞ今後とも、誤りがありましたら厳しい御叱正を賜りますように、それと同時に愛情を持ってむちも当てていただきますように、心からお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
#105
○扇千景君 終わります。
#106
○委員長(大島慶久君) 本日の調査はこの程度といたします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#107
○委員長(大島慶久君) 速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
#108
○委員長(大島慶久君) 次に、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の原案に対する質疑は去る二月十七日に終局いたしておりますが、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案及び日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案の修正について小野清子さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。小野清子さん。
#109
○小野清子君 私は、ただいま議題となっておりますスポーツ振興投票の実施等に関する法律案及び日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党及び社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 まず、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案に対する修正案について申し上げます。
 修正の内容は、第一に、地方公共団体等の行うスポーツ振興事業に対する支援の強化についてであります。
 センターは、スポーツ振興投票に係る収益をもって、地方公共団体が行うスポーツ振興事業に要する資金の支給に充てることができるものとするとともに、地方公共団体等に対する資金の支給総額を毎事業年度の収益の三分の一に相当する金額となるようにするものであります。
 第二に、スポーツ振興投票の実施の停止についてであります。
 文部大臣は、センターが投票法等に違反し、またはスポーツ振興投票の実施につき公益に反する等の行為をしたときは、センターに対し、スポーツ振興投票の実施の停止を命ずることができるものとするとともに、スポーツ振興投票の実施が児童生徒等の教育に重大な悪影響を及ぼしていると認めるときには、あらかじめ、政令で定める審議会の意見を聞いて、センターに対し、スポーツ振興投票の実施の停止を命ずることができるとするものであります。
 第三に、スポーツ振興投票に係る収益の使途に関する国会への報告その他情報の公開についてであります。
 文部大臣は、センターから毎事業年度のスポーツ振興投票に係る収益の使途に関する報告書を受理し、これに意見をつけて国会に報告しなければならないものとするとともに、センターは、必要に応じ、資金の支給を受けたスポーツ団体に対し、その使途に関する情報の公開を求めるものといたしております。
 第四に、指定試合の公正を確保するための罰則の追加についてであります。
 スポーツ振興投票対象試合開催機構の役職員または機構の登録を受けた選手、監督、コーチ、審判員等の試合関係者について収賄の規定を置く等、罰則を追加することといたしております。
 次に、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案に対する修正案について申し上げます。
 修正の内容は、原案ではスポーツ振興投票に係る毎事業年度の収益の二分の一に相当する金額とされている国庫納付金の額を三分の一に相当する金額とするものであります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#110
○委員長(大島慶久君) 以上で修正案の趣旨説明の聴取は終了いたしました。
 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#111
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 これより、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案及び日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案に対する修正案に対し、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#112
○松あきら君 公明の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、文部大臣は、スポーツ振興投票の実施が児童生徒等の教育に重大な悪影響を及ぼしていると認めるときは、あらかじめ、政令で定める審議会の意見を聞いて、センタiに対し、スポーツ振興投票の実施の停止を命ずることができるものとするというふうな規定がございます。このような規定をつくること自体、私はスポーツ振興くじが青少年に悪影響を与えるということをみずから認めているというふうに思いますけれども、まず提案者の御意見を伺いたいと思います。
#113
○馳浩君 お答えいたします。
 本来このスポーツ振興投票くじ制度といいますのは、この収益をもちまして青少年の健全育成に資するという目的がありますので、委員御指摘の青少年への悪影響という点を第一の目的として考慮に置いたものではないということは御理解いただきたいと思います。
 その上で、参議院におきましても十五時間近い審議を重ねる中でたくさんの先生方の御意見をいただきながら、青少年への悪影響を心配する声が出されましたために、今回この修正案を提出したところでございます。したがって、この修正案は、スポーツ振興くじが青少年に悪影響を与えるという前提に立ったものではなく、あくまでも懸念する意見にこたえて二重、三重に万全の措置を講じることとしたものであります。
#114
○松あきら君 それでは、同じことを大臣にも伺いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#115
○国務大臣(町村信孝君) 今提案者から御説明がありましたとおりだと私も考えております。一応従前からの案でも、十九歳未満の者のくじの購入を禁止する、あるいはそうした禁止を実効あるものにするためにということで、くじの販売方法についていろいろな措置が考えられているわけであります。また、今回の修正というのも、そういう意味では、必要な場合にはその停止命令が出せるということであろうと思います。
 このような制度的な措置あるいは運用上の慎重な配慮ということで、悪影響がないように万全を期していくという考えでありまして、例えがいいかどうかわかりませんけれども、例えば自分のいろいろな表現をしたいということでデモがあります。しかし、万が一でもが暴発するといけないので一定の制限を課したりなんかします。しかし、その制限があるからといって、デモそのものがすべて極めて危険なものであるかといえばそうではなくて、万が一のために備えて一定の予防策を講ずるということは、これはいい例がどうかは別ですが、デモにしても何にしてもそういうものはもろもろあるわけでありまして、そういう予防措置を講じたから翻って根っこが全部だめなんだという議論にはならないのではなかろうかと私は考えております。
#116
○松あきら君 デモのことは適当かどうかわかりませんということでしたけれども、私はそれはちょっと適当でないのではないかなというふうに個人的には思います。
 私はスポーツ振興を推進する者の一人でございます。ぜひ推進をしていただきたい、その思いは本当に人一倍あるつもりでございます。しかし、やはり私は、このスポーツくじが子供たちの新たないじめの材料になるんではないかという、どうしてもその不安をぬぐい切れないわけでございます。
 大臣は、もし重大な悪影響がある場合、子供に出た場合ですね、実施を停止させるとしておりますけれども、それはどのような基準を想定しておられるんでしょうか。お願いいたします。
#117
○政府委員(工藤智規君) これは私どもの御提案ではございませんので、本法案が成立いたしました際に、関係者とも御相談しながら、皆様方のお知恵をいただく必要があると思いますけれども、仮に想定いたしますのは、少なくともこのスポーツくじ制度が直接の原因となって何らかの問題が起きた場合、今でもなかなか憂慮すべき問題が青少年の間にあるわけでございますけれども、それが直接くじに起因しているかどうか、さらにはある程度全国的に蔓延するなどして放置できない事態になった場合、それは考えなきゃいけないことではないかと思うわけでございます。
#118
○松あきら君 その基準といいましょうか、それがはっきりしないわけでございます。やはり私は、これはいろんな場合が想定されるんではないかなというふうに思います。多少関係があるか、あるいは深く関係があるかというのはなかなか表から見えてこない場合も私はあると思うんですね。いろいろな青少年の問題について、このサッカーくじが直接どういう形でかかわっているのかというその基準が非常にあいまいであると。
 発議者の方、どういうおつもりでこれをつくったんでしょう。いかがでございましょうか。
#119
○馳浩君 お答えいたします。
 どういう状態ということを想定することは、これは具体的にはあらゆることがあると思いますけれども、とにかく児童生徒がこのスポーツ振興くじを手に入れようとして非行を犯す事件が各地で頻繁に起きたような場合などが考えられると思います。
 要するに、このスポーツ振興くじ制度が直接の原因となりまして、教育上放置しがたい事例が全国に蔓延した場合というふうに考えております。
#120
○松あきら君 頻繁にそういう事件が発生した、あるいは日本全国に蔓延したと、こういうことは非常にあいまいであると私は思います。
 今、青少年のナイフ等の問題が非常に多く起こっております、残念でございますけれども。もし仮に、あるいは一件かもしれないけれども、こういったことでお金が欲しいとか金を出せとか、そういうことに関して例えばナイフ等の事件が起こった場合、これは蔓延しているあるいは多発しているわけではないけれども、そういうときはどうするんですか。
#121
○長谷川道郎君 問題の性質上、例えば子供たちがこのスポーツくじに関連して恐喝事件を起こした、この問題が一週間に三回起きれば頻繁だけれども、二回以内では頻繁ではない、こういう基準は、社会状況また学校教育における影響で常識的に判断するということ以外、申し上げましたようにスタンダードをつくるというのは非常に難しいと思います。
#122
○松あきら君 これ以上伺っても多分無理だと思いますので、やめにします。
 スポーツくじの対象は、野球でもなければ相撲でもない、とにかくただサッカーが適切だという説明を受けてまいりました。しかし、もし青少年に重大な影響が起こったらスポーツくじを停止するということでございますけれども、「なぜ、サッカーを対象とするのか」というこのペーパーには、「対象は、サッカーに限られる訳ではないが、以下の条件を勘案すると現時点ではサッカーが適当」と、こういうペーパーがあるわけでございます。
 これは、例えば今そのサッカーくじで事件が頻繁に起こったとしまして、やめるとします。そのときに、スポーツくじそのもの、つまり「現時点ではサッカー」ですから今はサッカーなんだけれども、もしこれをやめたときに違うスポーツでくじを行うということはあるのでしょうか、ないのでしょうか。いかがでございましょうか。
#123
○小野清子君 お答えをいたします。
 どのスポーツがいいのかということは大変議論をさせていただきました。例えば野球であれば、ピッチャー一人が非常に負担が多い、その投げ方一つ一つに負担がかかってくる。例えば相撲であれば、相手が一人であるというふうなことで、何か事を起こそうと思えば起きやすい等々、いろいろと考えました。
 結局は、まず国民に人気があって、そしてプロであるということを条件として、それから諸外国で既に成功してノウハウをきちんと持っていて、いわゆる蓄積があって、私たちがそれを見習いながらやっていくことの中で安心してやれるだけのお手本があること等々、個々の選手への過剰な負担を避けたり、あるいは天候に左右されて、野球ですと雨が降ったら取りやめになったりするわけです。そういういろんな条件を考えましたときに、サッカーが最も適している競技種目の一つであるということでサッカーに決まったわけでございます。
 ですから、サッカーがだめになったから、じゃほかの競技で何とかなるかというと、それはまた問題が全然違ってくると思います。
#124
○松あきら君 というお答えは、サッカーくじをやめた場合は、ほかのスポーツではやらないという私の認識でよろしいのでございましょうか。
#125
○小野清子君 ここで限定することは差し控えたいと思います。私自身がやらないということを言い切ることは大変難しいと思います。まだバスケットとか外国では行っているものがありますから、やらないと言うことはできませんが、日本の中において人気があって等々のさまざまな条件を満たしているものは今現在サッカーであると、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
#126
○松あきら君 私、それは非常にゆゆしき問題であるなどいう気持ちがいたします。これはある種公営のギャンブルという認識を持っている方も多いと思います。参考人の中にもまさしくギャンブル、賭博であるというふうにおっしゃった方もおります。
 ですから、外国でやっているし、諸外国で問題がないから等々を勘案してサッカーということで始める。しかし、もしこれがサッカーで問題が起こってやめたら、またほかのスポーツに関しては明確にやめるかどうかわからないということでは物すごく問題があるというふうに私は思います。
 次に行きたいと思います。
 国庫納付金の割合を収益の二分の一から三分の一にしまして、そのかわりスポーツ振興のために直接使われる割合を二分の一から三分の二にそれだけ手厚くしたわけでございますけれども、スポーツを振興するという点に関しては、これは国に取られちゃうよりはいいことだと私も思います。
 しかし、先日閉幕いたしましたパラリンピック、これも実はウエアのことで当初かなり問題がございました、御存じのとおり。オリンピックで使用したウエアをパラリンピックでも、それはとてもいいから貸してください、あるいは着たいということが、いわゆるこれは厚生省と文部省の管轄が違うという縦割りのためにいろいろ紛糾したという事実がございます。これはうまく解決しまして、私は非常によかったというふうに思っております。
 私は、障害のある方、ハンディキャップを持った方がスポーツをするパラリンピックに対して、健常者、普通の一般の我々がするスポーツと区別をしてはならないというふうに思います。ですから、私はスポーツというくくりは一くくりにしてもいいのではないかという思いがございます。やはりこういったハンディキャップを持った方のスポーツについても適切に配慮することが必要だというふうに思いますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#127
○国務大臣(町村信孝君) ウエアのことでちょっと誤解があってはいけませんので、決してこの件で厚生省と文部省が醜い争いをしたなどという事実は全くございませんで、たまさかその競技団体と障害者の団体との間で若干の意志疎通が欠けていたという事態だったというふうに理解をしておりますが、それも当事者同士の話し合いでスムーズに解決をすることができてよかったなと、こう思っております。
 今、委員御指摘の障害者のスポーツということの位置づけでございますが、これは私どもの立場からすれば、それが健常者であろうと障害者であろうと、スポーツというものについて考えが変わることは全くございません。
 特に、私もこの間のパラリンピックを見ておりまして、その激しい、普通で言うアイスホッケーなり、あるいはダウンヒルやなんかを見ておりまして、これは健常者である、あるいは障害者であるという区別をすることが全くできないぐらいのまさにスポーツそのものだと、こう思っておりますので、文部省としても、昨年九月に出されました保健体育審議会の答申なども踏まえながら一生懸命それを振興していきたいし、お手伝いをしていきたいという考え方は先般申し上げたとおり全く変わるところはございません。
#128
○松あきら君 ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、国会への報告等の情報公開についてでございます。
 ちょっと長いんですけれども、センターから毎事業年度のスポーツ振興投票の収益の使途に関する報告書を受理し、これに意見をつけて国会に報告しなければならないことになっております。事業計画について機構は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画書及び収支予算書を作成し文部大臣に提出しなければならないし、毎事業年度経過後三カ月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し大臣に提出しなければならないと、こういうふうにございます。
 収益の使途に関する報告は国会に提出をされますけれども、大臣は事業計画書、事業報告書、収支予算・決算書を受け取るんですけれども、これも当然国会に報告されますでしょうか、ちょっと確認のためにお尋ねをいたします。
#129
○政府委員(工藤智規君) 実際に収益の配分がどれくらいの金額で、どれくらいの団体になるかということは今から予想もつかないわけでございますが、国会の求めに応じて御満足いただけるような資料は提出しなきゃいけないと思いますけれども、仮に膨大な数の団体からの膨大な数の書類が来たときに、それをそのままお出しした方がよろしいのか、ある程度まとめて、いわばその収益の使途の透明性が確保できる、御安心いただけるような形でのデータをこちらで整理してお出しした方が合理的なのか、そのあたりはまた先行き御相談いたしながら御提出してまいりたいと思っております。
#130
○松あきら君 特殊法人は財務諸表を公表していますよね。しかし、私は財務諸表の公開のみの運営ではやっぱり透明性が担保できないのではないかというふうに思います。ですから、全部国会に報告しなければいけないかどうかこれから考えるということでございますけれども、例えば今十二試合で一つのくじということになっておりますけれども、センターは何回くじをやるのか、そういうこともやはり私はこの事業計画の中に入ると思うんです。
 ですから、特にこのサッカー等の機構がこれをやるわけですから、そこのところについてはしっかりと提出をしていただきたいと思います。それはいかがでございましょうか。
#131
○政府委員(工藤智規君) 全体の試合の運び等については、もちろん国会もそうでございますが、一般の方々への周知も必要でございますので、あらかじめ計画を立てて公表し、周知徹底を図る必要があるというのは御指摘のとおりでございます。
 それからまた、経理等の透明性等の関係で御参考までに申し上げますと、この修正案のような規定がない中ではございますが、平成二年に設置いたしておりますスポーツ振興基金というのがございます。これの配分につきましてこういうパンフレットをつくりまして、審査委員の名簿でございますとか資金配分の各団体ごとの状況あるいはその事業の内容等、かいつまんだものを公開しているわけでございますが、せっかくこういう修正がなされますと、これ以上のことを考えていかなきゃいけないのかと考えているところでございます。
#132
○松あきら君 今、大蔵省とか日銀とかに見られますように、やはり日本人の金銭感覚というのが非常に問われているというふうに私は思います。また、きのうもたしか九十一歳の老人の預金通帳を十七歳の少年がとりまして、預金を引き出そうとしていたというような事件も起こっております。私は、母親であるせいもあるんでしょうけれども、このスポーツくじが青少年に与える影響は非常に大きいのではないかということを大変危惧しております。
 これからも文部省は子供の心と将来を守っていかなければならない使命があるわけでございますから、やはり地についたスポーツ政策を立案すべきだということをお訴えさせていただいて、質問を終わらせていただきます。
#133
○阿部幸代君 提案者に質問します。
 文部大臣がサッカーくじの実施によって児童生徒等の教育に重大な悪影響があると認めるとき、保健体育審議会の意見を聞いてサッカーくじの停止を命ずることができるとしていますが、この重大な悪影響というのはどういうことを予想しているのか。例えば、子供たちがサッカーくじのマークシートをコピーするなどしてお金を持ち寄って行うのみ行為、こういうものも重大な悪影響ということになるのか。また、重大でない悪影響というのもあるのですか。
#134
○馳浩君 先ほども同様の趣旨の質問がありましたが、この点に関しましては、あえて言えば、児童生徒がスポーツ振興くじを手に入れようとして非行を犯す事件が各地で頻繁に起きたような場合などが考えられておりまして、要するにスポーツ振興くじ制度が直接の原因となって教育上放置しがたい事例が全国に蔓延した場合がそれに該当するというふうに考えております。
#135
○阿部幸代君 私が今言ったことも当然その中に含まれると思います。
 文部省組織令によりますと、保健体育審議会というのは、「文部大臣の諮問に応じて体育、学校保健及び学校給食に関する事項を調査審議し、及びこれらに関し必要と認める事項を文部大臣に建議すること」を所掌事務とする審議会です。体育と学校保健と学校給食を扱う審議会にサッカーくじの実施が児童生徒等の教育に重大な悪影響があるかどうかを諮問するというのは、教育の矮小化ではありませんか。
#136
○長谷川道郎君 保健体育審議会の設置については、先生お述べになりましたようなことで設置をされておるわけでありますが、これまでも極めて幅の広い立場からたくさんの提言をされている審議会であります。したがって、今回のこのスポーツ振興くじの実施に当たりましても、児童生徒等の教育に重大な悪影響を及ぼしているかどうかということについては十分判断をしていただけるものと考えております。
#137
○阿部幸代君 限定された審議会を肥大化させてサッカーくじを強行するなど、もってのほかだというふうに私は思います。
 次に、サッカーくじの対象試合開催機構の登録を受けた選手等の収賄等の処罰の規定の追加に関して質問します。
 この規定の追加によって、いわゆるサッカーくじ法案が既存の公営ギャンブル法とうり二つになりました。選手等試合関係者の収賄と刑期について見ますと、サッカーくじ法案は、機構、Jリーグの「役員若しくは職員又は試合関係者が」「賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによって不正な行為を」したときは、「五年以下の懲役に処する。」とあります。
 競馬法ではどうか。「調教師、騎手又は競走馬の飼養若しくは調教を補助する者が、」「わいろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。」。これによって不正の行為をしたときは、「五年以下の懲役に処する。」です。
 自転車競技法ではどうか。「競輪の選手が、」「賄うを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役」、不正の行為をしたときは「五年以下の懲役」です。
 モーターボート競走法ではどうか。「モーターボート競走会、全国モーターボート競走会連合会若しくは日本船舶振興会の役員若しくは職員又は競走の選手が、」「わいろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役」、不正の行為をしたときは「五年以下の懲役」です。
 小型自動車競走法ではどうか。「小型自動車競走の選手が、」「賄うを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役」、不正の行為をしたときは「五年以下の懲役」です。
 まさにサッカーくじ法案修正案は、いわゆる競馬法や競輪法、競艇法、オートレース法とうり二つではありませんか。提案者。
#138
○長谷川道郎君 修正案に追加されました収賄等に関する規定は、確かに外見上、競馬法それから自転車競技法等の公営競技法と共通するものがあるわけでありますが、これが直ちにサッカーくじのギャンブル性を証明するものであるというふうには考えておりません。この規定は、あくまでも競技の公正な運営を重ねて確保するという意味で設けられたものであります。
 そもそもスポーツ振興くじは、この審議でも再三述べられておりますが、構造的にギャンブルを構成するものではないというふうに考えております。
 以上でございます。
#139
○阿部幸代君 黒を白に言いくるめる、まさにうそつきそのものだと私は思います。
 実施主体の違法行為などへの処分を見ても、サッカーくじと既存の公営ギャンブル法はうり二つです。サッカーくじ法案修正案では、文部大臣がセンターに対してくじの実施の停止を命ずることができる。いわゆる競馬法では農水大臣が日本中央競馬会に対し、それから競輪法では通産大臣、競艇法では運輸大臣が、それぞれ停止または制限を命ずることができるわけです。
 修正案は、こうして見ますと、サッカーくじ法案が公営ギャンブル法案以外の何物でもないことをみずから認めたことになると思うんですが、違いますか。
#140
○小野清子君 この件に関しましてはいろいろと議論をさせていただいたところでございますけれども、サッカー協会自身が既に規約を持っているということが第一点で、そしてまた事故、事件等があればそれを管轄する大臣が責任を持つというのは、これはいかなる場合でも当然のことだと思います。
 そういった意味におきまして、明記がされていなかったものを、さまざまな御意見が出てまいりました中で他の競技団体に合わせたと、こういうことでございます。
#141
○阿部幸代君 文部大臣に伺いますが、サッカーくじ法案の修正案をごらんになって、それが既存の公営ギャンブル法とうり二つであることをお認めになりますね。
#142
○国務大臣(町村信孝君) 字面は似ているなということは御指摘のとおりだろうと思います。ただ、そもそもこれはギャンブルであるという前提に立っているか、あるいは今このサッカーくじ法案で出されているように十三試合で百六十万分の一という、要するにジャンボ宝くじ並みの、これはまさに宝くじと同じ性格のものであるという認識の違いが、どうも幾ら議論しても抜け切れない違いがあるのかなと。
 もうギャンブルであるとお決めつけになれば、あとは規定が同じだからますます同じじゃないかと、こういう御議論になりますが、そこの前提がどうも違うということをぜひ阿部委員に御理解を賜る必要があるのかなと、こう私は思います。
#143
○阿部幸代君 文部大臣には、当せん金付証票法、宝くじ法です、ぜひこれをじっくり勉強していただきたいというふうに思います。
 それから、先ほど法律のことを字面とおっしゃいましたけれども、法律を単なる字面というふうに扱っていただきたくはありません。
 サッカーは子供、青少年に人気のあるスポーツです。私は浦和レッズの試合を実際に見たことがありますし、今週の日曜日にも浦和の駅前からバスでスタジアムに行く人たちをじっと見ていました。プロサッカーのファンには子供、青少年が圧倒的に多いんです。これら青少年ファンたち、つまり十九歳未満の購入を禁止していること自体がギャンブルの本質をあらわしていますが、修正案はサッカーくじのギャンブル性を一層明瞭なものにしました。サッカーくじはギャンブルではないと強弁した提案者並びに文部省、文部大臣の言い分はおのずから破綻したものと思います。
 次の質問に移ります。
 東京都小学校PTA協議会がサッカーくじ法案の反対の要請に見えました。
 一、勝敗予想にお金をかけるサッカーくじは、競馬や競輪と同じギャンブルであること。
 二、サッカーもJリーグも子供、青少年ファンが多く、くじに興味を持つのは自明であり、教育上の影響を考慮するべきであること。
 三、非行の低年齢化や痛ましい事件の相次ぐ中、文部省が心の教育を課題とし、物、金を優先する大人社会を変えて、子供たちに豊かな人間性をはぐくむ方策を探っているときに、サッカーくじを扱うのは矛盾であること。
 四、日本体育・学校健康センターが新たな官僚の天下り光となり、不正や腐敗の温床になりかねないこと。
 五、スポーツ振興は、通常の予算で賄うのが筋であること。
 これら五つの理由でサッカーくじ法案の廃案を要望しています。新たな社会病理が生み出されることを恐れるPTAの方たちの意向を提案者はどう受けとめますか。
#144
○小野清子君 阿部委員からのお話を伺わせていただきますと、サッカーくじイコール悪というお話でございます。
 御案内のとおり、ヨーロッパで生まれ、ヨーロッパから日本に輸入されて、学校教育の中で日本の場合にはスポーツが振興いたしました。ヨーロッパの場合には、クラブ制度の中で地域社会を核にしてスポーツが振興いたしました。ですから、日本の場合にはサッカーイコール子供という形にとらえられて、ギャンブルは子供に悪いというふうに言いますけれども、私もイタリアに勉強に行きましたところ、これは完全に、大人の方々が週末のゲームを楽しみながら、パブでもってお互いの意見交換をしながら、家族とのコミュニケーションを図ってやっていく大人のゲームでございます。
 そういった意味で、日本の場合のスポーツの振興が学校を中心にして行われたがゆえに、いわゆるスポーツ振興くじもそこに執着をされているようでございますけれども、実際は、今の子供たちの現状を考えますと、スポーツをもっともっとさせて、そしてスポーツのマナー、あるいはルールを守るという人間社会における基本をしっかりと大人と一緒になりながら教えていかなければならない、そういう意味におけるスポーツの教育的意味合いというものは大変大きなものがあろうかと思います。
 そういう観点から考えますと、PTAの方々がどれほどこの内容に関して熟知していらっしゃるのかどうか、私にはちょっと理解ができませんけれども、このスポーツ振興投票くしというのは、もう何遍も申し上げておりますけれども、ギャンブル性としては非常に薄いものであり、宝くじ的な意味合いがあり、私を案内してくれた八十歳のおばあさんも一緒に買いに行こうと言われて、行った場所が駅前のキヨスクでした。キヨスクにかかっているのを引っ張り上げてそれにマーカーする。私はこんなのわからないと言ったら、それならもう既にマーカーしているのがあるからそれをお買いなさいと、半分は自分の楽しみ、半分は未来の子供のためにと言ってそのスポーツくじを私に紹介してくれました。
 私は、そのように育ってきているところへ、日本も今、学校体育中心から地域社会の社会スポーツに移行し始めているという現状をかんがみましたときに、予算も、六歳から二十二歳までの予算では賄えない、ゼロ歳から百歳までもがスポーツをする時代になってきていることをかんがみますと、予算が足りないということは阿部委員も御理解をいただけるのではないかと思います。
#145
○阿部幸代君 児童生徒の教育に悪影響があると文部大臣が認めるまで、またその文部大臣が保体審に意見を聞くまでPTAなど国民の声に耳をかさないというのは、スポーツ振興に名をかりた横暴そのものだと思います。
 文部大臣に伺います。サッカーくじ法案の廃案を願う東京都小学校PTA協議会の会長である松川国秋氏が、新聞のインタビューに答えて次のように語っておられます。
 子どもによる殺傷事件があいついでいるこの時期に、文部省が率先して「サッカーくじ」の導入をはかり、胴元になるということには、なんともいいようのない憤りを感じます。
  「「サッカーくじ」で多少の問題が起きても、くじの収益でスポーツ施設ができれば子どもにプラスだ」などと幻想をふりまきますが、「少々の問題はしかたない」というのはとんでもない話だと思うんです。それこそ、「学校の授業で落ちこぼれる子が多少でてもしかたない」という文部省の姿勢を端的に表しているように感じられますね。
こうおっしゃっているんです。文部行政に対する根底的な不信の念だと思うんですけれども、そう思いませんか、大臣。
#146
○国務大臣(町村信孝君) 申しわけないんですが、私は赤旗新聞は日々そう精緻には読んでおりませんので、今、委員が突然の御指摘でございますからなかなか議論のしようがないのでありますが、その方の議論も、これはギャンブルでありイコール悪であるという、やっぱり間違った事実認識に基づいてそういう議論を展開しておられるなということだけを強く感じます。
#147
○阿部幸代君 保健体育審議会の意見より何より、こうした保護者、PTAの真剣な意見に耳を傾けることこそ、父母と協力した、地域と一体となった児童生徒の健全育成の道であるはずなのに、それに背を向ける日本の文部行政というのは、本当に驚くべき行政だというふうに私は思います。
#148
○国務大臣(町村信孝君) 昨日、私は日本全国のPTAの会長さんとお目にかかりました。そこで当面の刃物事件への対応その他について真摯なお話し合いをし、また御要望も伺いました。そしてそういう中で、いささか今のPTAの皆さん方、親子の対話が欠けているという実情をもう少しよく見ていただけませんでしょうかといったようなお願いもしてまいりましたが、その場でPTAの皆さん方から、このサッカーくじ法案反対というお言葉は一言もございませんでした。念のため申し上げておきます。
#149
○阿部幸代君 日本PTA全国協議会について言いますと、私どものところにも反対の要請文が届いています。その中で、やはり反対であるということには変わりがないということを念を押しているんです。これをきちっと酌み取るべきだと思います。
 最後の質問になるんですけれども、私は既にスポーツ振興法に基づくスポーツ振興基本計画の策定が先決ではないかという質問をしたことがあります。二月十七日の大臣の答弁は、財政再建三カ年の間には、財政支出を伴う新しい長期計画はつくってはならないと、こういう縛りがかかっておりますので苦慮をする、こういうものでした。
 そこで伺いたいのですが、スポーツ振興基本計画をつくるのですか、それともつくらないのですか。
#150
○国務大臣(町村信孝君) 率直に言って、前回の委員からの御指摘を踏まえまして、私どもも従前から、どういうふうに法律に規定された計画に対応していったらいいか、部内でも率直な議論をしているところであります。
 ただ、先般申し上げましたように財政構造改革五原則というのがありまして、例えば道路整備何カ年計画とかそういうものと、幾ら幾らの支出を伴うそういう計画は新たにはいけませんよという、これが政府全体の方針でありますから、それじゃ余り金目の入らない、金額の入らない計画というものがあり得るのかあり得ないのか、そんなことも考え、あるいは仮にこの法案が成立をして、そして一定の例えば収入が納付されるようになるという事態を想定をしながら、そこを前提に、もちろん国の一般会計の税金も入れたそういうものが考えられるのかどうなのか、いま少し議論の時間をいただきたいなと、こう思っております。
 いずれにしても、計画の有無にかかわらず、しっかりとした多面的な内容を持った方針などが既に保体審などから出されておりますので、当面はそうしたものを考えながらしっかりと取り組んでいきたい、かように考えているところであります。
#151
○阿部幸代君 提案者に伺います。
 大臣の今の答弁、お聞きになっていたと思うんですけれども、スポーツ振興法に基づくスポーツ振興基本計画をつくるということは明言なさいませんでした。こういうことですと本当に困ると思うんですね。つまり、ギャンブル収益の多寡、多い少ないにスポーツ振興財源が左右されるということになりますと、スポーツ行政そのものがいわばギャンブル行政になっていく危険性を持っているわけです。そうならないためにもスポーツ振興基本計画をまずつくらなければならないと思うんですけれども、提案者の立場はどうですか。
#152
○馳浩君 昭和三十六年に議員立法で制定されましたこのスポーツ振興法によりまして、第四条によりまして、文部大臣は基本計画を策定しなければならないというふうになっておるのでありますから、今後引き続き、私は提案者としてもその基本計画を策定するための条件整備についても努力していきますし、文部大臣にもその旨を求めていきたいと思っております。
#153
○阿部幸代君 サッカーくじの本質からして、計画が立てにくいという根本的な矛盾を内包しているということにお気づきになりませんか。さっきも言いましたように、ギャンブル収益金ですから、多いか少ないか本当に予測ができないわけです。実際スポーツ振興基金も、つくったときには大変積極的にこれを活用していこうという意欲に満ちていたと思うんですね。でもスポーツ振興基金は、実行に移した段階で思いのほか民間からの資金が入ってこなかった、また国の方も財政支出をふやそうとしない、加えて金利の低下によって運用資金が本当に狭まっていったわけです。こういうことも起こるわけで、そもそもサッカーくじというのはスポーツ振興基本計画をつくりにくい、ギャンブル法案であるがゆえにそういう根本的な矛盾を抱えているというふうに思いませんか。
#154
○馳浩君 誤解のないように。
 私が先ほど答弁を申し上げたのは、今回のこの法案によって財源を確保してスポーツ基本計画を作成させるために努力をするというふうな趣旨ではなく、本来の法律にあるとおり、第四条に基づいて文部大臣はスポーツ振興の基本計画を立てるのが当然であり、その財源の確保に向けて我々は文部省予算におけるスポーツ振興予算等々条件整備のための努力をしていくというふうな趣旨で申し上げたわけでありまして、それと今回のこととはリンクはさせておらない旨の趣旨で申し上げました。
#155
○扇千景君 百四十二国会が始まってこのスポーツ振興くじ法案の審議は、御存じのとおり、衆議院では内容について審議がほとんどというぐらい行われないで三時間弱で本会議まで通過してしまった。しかも本会議場では、党議拘束をかけながらも七十人近い衆議院の国会議員が本会議場から外へ出て、その中で採決された。そういう意味においては、私ども参議院は、この委員会として少なくとも今日まで十一時間少々論議を進めてまいりました。そのことだけは、参議院としては、一応衆議院よりは参議院の良識が少しはあったのではないかというふうに私は感じております。
 しかし、いまだこの法案の持っている基本的な、くじを発行した場合の売買の場所はどこなのか、あるいは十九歳未満には売らないというこの対面販売はだれがどう責任持って未成年者に売らないということを担保するのか、あるいは集まったお金に対してどの金融機関がそれを集金して回るのか、また、そのくじを売るためのコンピューター等々が要るわけですけれども、それはだれがどこへどう発注するのか等々、そういうことが一つ一つこの十一時間の論議の中ではまだ見えてまいりません。
 ですから、きょうも新聞にいろいろこのスポーツ振興くじ法案が通るのではないかという記事が出たものですから、きょうも傍聴人も多いし、テレビも入ってマスコミはこれが通るのか通らないかと注目しておりますけれども、私は、この十一時間少々の時間を論議してもそこが見えてきていないし、法案が通ればとか通ったらとか、たら、ればの話がいまだについて回る、そういうことに関しては私は残念至極だと思います。
 御存じのとおり、審議をし、参考人を呼び、そして、従来は国会の中での参考人の御意見というものは法案に対してなかなか反映されない、結構な御意見も聞きっ放しで、ほとんどそれは法案を通すための通過点でしかないような参考人招致ではございましたけれども、今提案者が提案していらっしゃいます修正案に対しては、この委員会での参考人の御意見、あるいは審議会の人員の選択方法、あるいはそのディスクロージャーのやり方、情報公開のあるべき姿等々がこの修正案にいささか盛り込まれてあることに対しては、私は珍しい委員会であったなと。自画自賛するわけではありませんけれども、ないよりはましだと。衆議院に比べればと言わざるを得ないことがいまだ残念なんですけれども。
 きょうは多くの時間をとれませんが、私は、先ほどから同僚議員が御心配になっておりますように、この修正案に書いてある生徒等の教育に重大な影響を及ぼすということがどうしてもわからない。規定がないのは文部大臣がお困りになるだろうと思うんですね。こういう重大な影響を及ぼしているというのは物差しがないものですから、大臣のときに事件が起こって、あるいは単純な言い方をしますけれども、やっぱり青少年はサッカーが大好きですから、百円で買えるサッカーくじを未成年は買えないけれども何とかして親やお姉さん等々に頼んで買いたい、あるいは体が大きいから対面販売でもごまかして買える子もいるでしょうから、何とかしろといって教室内でのみ行為的なことが起こったときに、それが多発しなければ悪影響を及ぼしたと見ないのか。あるいは、事例が悪いですけれども現実ですからやむを得ず言いますけれども、学校で子供がナイフを持っているかどうかの身体検査もままならない現状で、先生の目に見えないところでののみ行為を果たしてどの程度把握できるのか。対面販売だといっても、十九歳未満の人間でも体格が立派であれば売ってしまったときに、それがたくさんあったらどうするのか。
 細かい事例を言っていると切りがありませんからやめますけれども、文部大臣がそれを社会に対する悪影響を及ぼしたと判断することは、町村文部大臣は二〇〇〇年まで文部大臣であるかどうかわかりませんから取り越し苦労かもしれませんけれども、私はこう書いてあることが大臣に対しては大変重荷になるということを思いますけれども、いかがですか。
#156
○国務大臣(町村信孝君) おっしゃるとおり、先ほど提案者の方からの御答弁もありましたが、それをすべての想定のもとに法令上書き切るのはなかなか難しいだろうなと私も思います。したがいましてこういう表現にならざるを得ないんだろうと、こう思います。
 ただ、私も余りこの種のギャンブルに詳しいわけではございませんが、いわゆるのみ行為というものは宝くじでは成り立たないんだろうと思いますので、これも宝くじ的な確率でありましょうから、のみ行為といったようなものが学校で成立するとはちょっと思えないのでありますが、もしかしたらそれは私の無知のなせるわざかもしれません。
#157
○扇千景君 取り越し苦労だと言われても、私はそれほど大事な法案であると思っています。
 今の社会現象を見れば、青少年の犯罪を助長するような道具の一つになっては本当に残念である、この文教・科学委員会の院の信義に反することであると老婆心ながら心配するものですからしつこく伺っておりますのと、大変町村大臣には申しわけないんですけれども、町村文部大臣のときにこの法案が通ったということで私は大変責任が重くなるだろうと思うんですね。
 しかも、私は委員会の審議の最中にも申しましたけれども、個人的な批判をするわけではありませんけれども、平成六年十二月二十七日のアンケートで、このスポーツ振興くじは反対であるという町村先生の大臣になる以前の反対表明というのは、私は大変高く評価しているんです。なぜかといいますと、文部大臣になるまではそういう批判的な目できちんとこのスポーツ振興くじ法案を見ていらしたんだな、正しい目でごらんになったんだなという解釈で、この法案に対して反対をなすっている人間が文部大臣のときに通るということは、より批判の目、しかも冷静な目で法案をごらんになっているんだなという証拠になると思って期待申し上げている次第なんです。それは皮肉でも何でもなくですよ。オールマイティーで文部省の言うことはすべてオーケーというのでは心配ですけれども、そういう批判の冷静な目を持った町村先生が文部大臣になられたというときの法案なので、特に私はそういう意味で町村先生の文部大臣としての冷静な判断というものが今後の法案に対する大きなウエートを持ってくると思って期待しているんです。
 問題は、なぜこの法案が文部省管轄に来たとお思いですか。
#158
○国務大臣(町村信孝君) 四年前のアンケート調査でございましょうか、私もその当時、率直に言ってまだ不勉強でございました。宝くじ並みの確率であるということも知らないで、多分これはギャンブルなんであろうと思って、直感的に私は多分そのとき反対というふうなことを記したんだろうと思います。
 その後いろいろ勉強させていただきました。提案者の方々とも議論をする機会がありました。あるいはサッカー関係者、いろんな方々と議論をしたりお話し合いをする中から、周到な配意が今回の法案にも施されているので、もちろん委員御指摘のようにある程度行政裁量にゆだねる部分、重大なる悪影響という部分があるので、本当はそれをきちんと全部法文に書けばいいのでしょうが、それはなかなか法律技術的にも難しい点もあろうと思いますので、そこは一定の行政裁量にゆだねるものの、その面は十分なやはり気を使いながら、青少年への悪影響といったことについてはもちろん配慮をしながら、しかし基本的には私はこれはギャンブル法ではないと、こう判断をいたしたので、願わくは法律として成立していただきたいという気持ちを今は持っているところでございます。
#159
○扇千景君 文部省に伺いたいんですけれども、日本体育・学校健康センターにこの法案を持っていく、いわゆる所管にすることに対して、何人の人員増が必要だと思われますか。
#160
○政府委員(工藤智規君) 御承知のように今、行政改革の時期でもございまして、日本体育・学校健康センターも毎年定削をしながら合理化に努めているところでございます。そういう折でもございますので、新たなこういう業務を任されたといたしましても、その役員の増員はもとより、これをもって人員増をするという情勢にはないという自覚のもとに業務を進めなきゃいけないと自覚しているところでございます。
#161
○扇千景君 私は、その点余計不安になるんですね。
 御存じのとおり、保健体育審議会等々がこれを審議するというその審議会のメンバーは、保体審のメンバーというのはもともと、学校給食というもので子供たちの栄養バランスがいかがなものか、きちんと足りているかというような審議をするメンバーを選んでいるはずなんですね。このスポーツ振興くじ、サッカーに詳しい人もいないし、くじに詳しい人も今まではこの審議会にいないんですね。ですから私は、人数をふやすことが不可能なセンターにこれを持っていくということ自体も余計危険が増すんじゃないかと思っているんです。それは、文部省は文部省の立場として今これを言わざるを得ない、人数をふやすわけにいかないとおっしゃるんでしょうけれども。
 それじゃ提案者に伺いたいと思いますけれども、なぜこれを文部省管轄の日本体育・学校健康センターに持っていったんですか。
#162
○小野清子君 委員御案内のとおり、特殊法人を今後ふやすことができないという大変狭まった一つの方針の中でございますので、私も昔、保体審の委員をしていたことがございますけれども、さまざまな立場の方がいらしておりますけれども、そこに補整をしてメンバーをかえながら充実をしていくということを伺っております。
#163
○扇千景君 メンバーではなくて、ここへ持ってきた主体性はどこにあるのでしょうか。ほかにもいっぱい審議会がありますね。
#164
○小野清子君 たくさんございまして、最初は中教審という言葉も出てまいりました。ただし、御案内のように中教審というのは開催されているときといないときがございます。
 そういった意味で、文部省管轄の中でどこの委員会がいいだろうかといいますと、やっぱり保健体育審議会、これは競技スポーツ、社会体育から給食からあらゆる部門が入っておりますので、ここが適当であろうと。ただし、メンバー的には少し変更をさせてという条件つきでございます。
#165
○扇千景君 提案者に私は余り聞くつもりなかったんですけれども、そうなると聞かざるを得ないのです。
 文部省の中でとおっしゃる。なぜ文部省なんですかというもう一遍原点に戻らなきゃいけない。
#166
○小野清子君 いわゆるガラス張りですべてに公開をするということと、チェックをする機能をきちんとしようということが私どもこの法案を考えたときに提案者の中からもいろいろ議論がされました。
 そこで、どこが一番いいかといいますと、ニュートラルな人間が集まっているところが一番やはり公平であると、そういう観点から保健体育審議会がよかろうということでお話し合いが出たわけでございます。
#167
○扇千景君 私は余り提案者と論議しても仕方がないと思っているんですけれども、これをなぜ文部省にというところが一番のネックなんですね。
 きよう私どものところにも反対者も大勢いらっしゃいますし、また各地方自治体も、御存じのとおり地方自治法の第九十九条第二項の規定によって反対の意見書を採択したところもございます。今日なおかつ反対者があるということの基本を私は忘れてはいけないであろうと。子供の世界から離れてしまった私たち大人が決めたことが子供へどの程度の影響を及ぼすかということに思いをはせなければ、私たちは失格になるだろうと思っています。それくらい私たちは責任の重い仕事をしているんだという自覚のもとに、お尋ねしたくないことも意地悪ばあさんみたいに聞かなきゃいけなくなっちゃうんです。
 先ほど同僚議員から競輪、競馬は農水省とかいろんな説明がございました。なぜこれが文部省なのかという原点というものが、やっぱり大もとの理解が反対の国民の多くの皆さん方にされていないのだろうと。なぜ子供の教育の文部省へ持っていくんだと、これが私は大きな疑問点の一つであろうと思うんですね。これはもう端的で結構ですけれども、なぜ文部省なんだということをもう一度お答えいただきたい。
#168
○馳浩君 お答えいたします。
 先生に対しましては釈迦に説法でありますが、スポーツ振興政策を推進しておるのが文部省でありますし、青少年の健全な教育に配慮をしなければならないのが文部省でありますから、これが相反する、矛盾するとは全く考えておりません。
#169
○扇千景君 それは提案者ですからそう言わざるを得ないと思いますけれども。これは議員立法ですけれども、通った後は文部省に主体が行くわけですから、法案が通ってしまえば文部省が全責任を持ってこれをつかさどらなはればいけないわはですから、私は、町村文部大臣初め文部省に対して、この法案はなおかつ今でも反対の声が国民の中に多数あるという認識だけはしかと持っていただきたい。
 しかも、議員立法ですから、議員の先生方は法案が通った通ったと言ってお祭り騒ぎをすることは、反対者があるということと、今後社会的な影響をこの法案がどの程度及ぼしていくかという未知数な中では、通った通ったというお祭り騒ぎはぜひ控えていただきたい。なぜ言いますかといいますと、この法案を通すためにホテルで盛大な推進パーティーを開いたのを私は知っております。
 私は、この法案の行き先というものを考えれば、いかに今後影響が出てくるかということが判断できないままの法案通過になろうと思いますので、ぜひその点は議員立法をした先生方も法案の先行きと社会に対する影響というものを心して見守ってやっていただきたい。
 また、文部省もこの法案を受けて、今の青少年の社会現象が大変苦しい中で、なおこの法案が青少年に対する悪影響の一端にならないよう厳に慎んでいただきたいということもお願いして、質問を終わりたいと思います。
#170
○国務大臣(町村信孝君) ただいま扇議員からの御指摘は十分肝に銘じて対処をさせていただきたいと考えております
    ―――――――――――――
#171
○委員長(大島慶久君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上山和人君及び野沢太三君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君及び橋本聖子さんが選任されました。
    ―――――――――――――
#172
○委員長(大島慶久君) 他に御発言もなければ、修正案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認めます。
 これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#174
○松あきら君 私は、公明を代表いたしまして、ただいま議題となっております三法案について反対の討論をいたします。
 議員提案されておりますスポーツ振興くじ、通称サッカーくじ法案が文教・科学委員会で本日採決されることになりました。
 サッカーくじは、サッカーゲームの勝敗を予想し、結果が的中すれば金銭を得るという性質に照らしますと、どうしても賭博行為に該当します。幾ら公営化しても、参考人の指摘にもありましたとおり、賭博である性格がなくなるものではありません。しかも、青少年に人気の高いJリーグを対象とするという点で、青少年のあこがれの的のサッカーに対するスポーツ観に悪い影響をもたらすおそれが極めて高いものがあります。
 この法案は、青少年に配慮して、十九歳未満の子供にはくじを売ることを禁ずるとしておりますが、実際には一枚百円を予定しているというのですから、子供が購入するのを食いとめることは至難と思います。
 現在、金銭絡みの少年非行が大きな問題として報道されておりますが、サッカーくじがこのような非行の新たな誘因となることも予想されます。また、違反事件に関連して、事情聴取をされたりといったことでの子供たちへの悪影響も危惧されるところです。
 この法案が、サッカー選手、審判及びくじの運営機関の職員らがくじを購入することを禁止していることからも、このくじの賭博に不正がつきまとうおそれがあることを法案自体が予想しているとも思われます。
 三十兆円産業と言われるパチンコ業界など、日本ではギャンブルの社会化が進んでおります。この傾向は好ましいものではありません。これ以上さらに新たな公営ギャンブルを創設すべきではありません。
 スポーツ振興に必要な予算は、一般会計予算で措置し拡充するのが本筋です。以上の理由により、公明はスポーツ振興くじ法案に反対をいたします。
#175
○北岡秀二君 私は、自由民主党及び社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております両修正案及び三法律案につきまして賛成の討論を行います。
 まず、平成四年以来足かけ七年にわたり、我が国におけるスポーツ振興策及びスポーツ振興のための財源確保策について検討され、法案として提出されました発議者初めスポーツ議員連盟の方々の御苦労に対し敬意を表させていただくものであります。
 さて、生活に潤いと豊かさを与え、充実した毎日を過ごすために、また社会に明るさと活力をもたらすために、スポーツは欠かせないものの一つであります。とりわけ、都市化が進み、生活が便利になったために、日常的に身体を動かす機会が減少している現代社会においては、スポーツの果たす役割はますます重要になってきております。
 ヨーロッパの国々では、整備された環境で老人から子供まで手軽にスポーツを楽しんでいるのを目にします。しかし、我が国のスポーツ環境は、欧米に比べますと残念ながら十分であるとは申せません。そのため、地域に根差したスポーツの普及、振興の面で大きくおくれをとっているのが現状であります。
 また、競技スポーツにつきましても、長野オリンピックにおける日本選手の活躍がどれだけ私どもに深い感動を与え、勇気、誇りを呼び起こしたかここで申すまでもありませんが、一方で選手の養成、支援体制などの面で、個々の選手の努力、犠牲に寄りかかってきたことは否定できません。
 国民が真の豊かさを実感するために、スポーツの振興はこれからの大きな政策課題であり、スポーツ振興投票制度の創設は二十一世紀のスポーツ振興に大きな役割を果たすものであると言えます。
 以下、法案に即して基本的な賛成の理由を申し述べます。
 まず第一に、スポーツ振興投票制度の導入の趣旨であります。
 本制度は、新たなスポーツ振興財源を創設することによって日本のスポーツ環境全般の整備充実を図り、二十一世紀の国民生活に不可欠なスポーツの振興に大きく寄与しようとするものであります。一般会計予算から支出をすべきであるとの声もあることは承知いたしておりますが、昨年十一月に財政構造改革法が成立いたしましたように、国の財政は大変厳しい現状にあり、スポーツ振興予算を大幅に増額していくことが現実的に困難であることは御承知のとおりであります。
 第二に、七年にわたり検討された制度であり、多くの工夫が凝らされている点があります。
 具体的には、青少年への悪影響に対する危惧の声に配慮し、十八歳以下の者に対してはスポーツ振興投票券の購入を禁止していること。新たな法人の新設は行わず、既設の特殊法人日本体育・学校健康センターを実施機関とし、役員の増員も行わないなど、行政改革の流れに沿ったものであること。収益の使途について国民に対する情報提供を義務づけるなど、国民の信頼の確保に特段の配慮がなされていること。また、各地域におけるスポーツ活動がスポーツの振興のために重要な役割を果たしていることを考慮し、収益の一部が地域のスポーツの振興に充てられるように配慮されていることなどがあります。
 その他、実施に際しては、いたずらに射幸心をあおることのないように、当せん確率や当せん金額を宝くじ並みとすることや、販売は対面販売で行うこと、試合当日や試合会場での販売は行わないことなどについては審議を通じて明らかにされているところであります。
 スポーツ振興投票はヨーロッパを中心に諸外国では既に定着した制度となっております。今回導入しようとする制度は、それらの制度を十分に調査検討の上提出されたものであり、我が国においても、スポーツ振興のための資金の獲得方策として、また、夢を買ってスポーツ振興のために寄附する知的ゲームとして、今後広く定着するものと考えます。
 また、自由民主党及び社会民主党・護憲連合提出の両修正案は、地方公共団体等の行うスポーツ振興事業に対する支援の強化、一定の場合のスポーツ振興投票の実施の停止、収益の使途に関する国会への報告、指定試合の公正を確保するための罰則の追加などを内容とするものであり、スポーツ振興投票制度の一層適切な運営を担保しようとするものであります。まことに当を得たものであり、適切な修正であることを申し述べ、私の賛成討論を終わります。
#176
○阿部幸代君 私は、日本共産党を代表して、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案等、いわゆるサッカーくじ法案及び本日提案された修正案に対して反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、サッカーくじがギャンブルであり、青少年に悪影響をもたらし、文部省がそれを推進しようとしていることです。
 サッカーくじは、参考人質疑を初め、この間の審議を通じて一段と明らかとなったように、提案者がどう言い繕おうと紛れもないギャンブルです。それゆえにこそ、くじの購入を十九歳未満は禁止するとしているのです。しかし、十九歳未満の青少年がくじを買わない保証はありません。ナイフによる殺傷事件など、青少年を取り巻く社会環境は極めて深刻になっています。その上、青少年に最も人気のあるJリーグにギャンブルを持ち込めば、青少年に悪影響をもたらすことはだれもが危惧することです。サッカーとスポーツのすばらしさに触れる青少年の夢を汚すことは許されません。しかも、青少年の健全育成を所管する文部省がサッカーくじを推進するなどはもってのほかです。
 反対理由の第二は、サッカーくじがスポーツの健全な発展をゆがめることです。
 サッカーくじは、勝敗の結果にお金をかけることによって、文化として、また権利として発展しているスポーツをギャンブルにおとしめるものであり、スポーツの進歩に逆行しています。それは、目標達成への努力の過程やフェアプレー精神をないがしろにし、勝敗の結果のみにこだわる傾向を助長することになります。このような傾向は、Jリーグの選手のプレーや審判にも影響を与え、ひいては歴史の浅いJリーグの自主的な発展をもゆがめるものとなりかねません。
 反対理由の第三は、サッカーくじがスポーツ振興の本筋から外れるものだということです。
 青少年の健全な発達や、健康で文化的な国民生活の充実にとって重要なスポーツ振興の財源を、ギャンブルによる収益に頼ること自体許されないことです。スポーツを国民の権利として確立し、スポーツ振興法に明記されているスポーツ振興基本計画の策定と国のスポーツ予算の大幅増額こそ本筋というものです。国の予算は貧しいままサッカーくじを導入すれば、わずかな収益金に利権がはびこり、文部省によるスポーツへの統制が強まるおそれもあります。この点で、サッカーくじ法案は本末転倒しています。
 以上、サッカーくじ法案は、青少年の健全育成にとっても、スポーツの振興という点でも百害あって一利なしです。
 本日提案された修正案も、原案の基本的性格は何ら変えるものではありません。それどころか、今回追加された文部大臣による停止命令や選手等の収賄に対する処罰規定は、競輪、競馬などほかの公営ギャンブルと同様の規定です。こうした規定を追加しなければならないこと自体、サッカーくじがギャンブルであり、青少年に悪影響があることをみずから認めたもので、本法案の問題点を一層浮き彫りにするものです。
 こうした原案及び修正案に対して、日本PTA全国協議会や主婦連、全国地婦連、新日本婦人の会などの女性団体、日本弁護士連合会、教育関係者、スポーツ関係者などから大きな反対の声が上がっているのは当然です。Jリーグのホームタウンの半数の自治体の議会を初め、二百七十を超える自治体が慎重あるいは拙速な導入に反対の意思表示をしています。また、プロ野球のコミッショナーを初め、プロ、アマの野球界からも反対の声が上がっています。さらに、全国各地の高校サッカー部の監督、顧問二十五氏の反対アピールに千二百人を超える高校関係者から多くの賛同が寄せられるなど、反対の声はますます広がっています。
 こうした反対世論を無視して本法案の採決をごり押しすることは議会制民主主義の原則を乱暴に踏みにじるものです。国民合意のないサッカーくじ法案は廃案しかない、私はこのことを強調して、反対の討論を終わります。
#177
○委員長(大島慶久君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これよりスポーツ振興投票の実施等に関する法律案について採決に入ります。
 まず、小野清子さん提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#179
○委員長(大島慶久君) 多数と認めます。よって、小野清子さん提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた残り原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(大島慶久君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 次に、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず、小野清子さん提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#181
○委員長(大島慶久君) 多数と認めます。よって、小野清子さん提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた残り原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#182
○委員長(大島慶久君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 次に、スポーツ振興法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#183
○委員長(大島慶久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小林元君から発言を求められておりますので、これを許します。小林元君。
#184
○小林元君 私は、ただいま可決されましたスポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民友連、社会民主党・護憲連合及び自由党の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、スポーツが心身の健全な発達と、明るく豊かな社会の形成に寄与するものであることにかんがみ、スポーツ振興投票の実施等に当たっては、その適正な運営に万全を期すとともに、次の事項について特段に配慮すべきである。
 一、スポーツ振興のための予算措置について今後もその充実を図るとともに、各省庁にまたがるスポーツ関係予算の有機的連携に努めること。
 二、スポーツ振興のための適切な施策を講ずるため、スポーツ振興法第四条に規定するスポーツの振興に関する基本的計画について検討すること。
 三、スポーツ振興投票券の発売に当たっては、青少年に悪影響を及ぼさないよう販売方法等について十分留意すること。
 四、スポーツ振興投票の収益の配分に当たっては、国民が自主的、自発的に行うスポーツ活動の振興のために地域のスポーツクラブなど民間スポーツ団体の果たす役割の重要性に十分留意すること。また、地方においても、スポーツ振興投票の収益を活用し、地域スポーツクラブ等の育成が促進されるように十分配慮すること。
 五、障害のある人のニーズに対応したスポーツ環境の充実のため、関係各省庁の連携を十分図るとともに、スポーツ振興投票の収益の配分に当たっても適切に配慮すること。
 六、保健体育審議会の委員の選任について本委員会に報告するなど、スポーツ振興投票制度の運営全般にわたって公正及び透明性を十分確保すること。
 七、スポーツ振興投票制度を円滑に実施するため、社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が適切かつ安定的な運営に努めるよう促すこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。
#185
○委員長(大島慶久君) ただいま小林元君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#186
○委員長(大島慶久君) 多数と認めます。よって、小林元君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、町村文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。町村文部大臣。
#187
○国務大臣(町村信孝君) ただいまの御決議に関しましては、その趣旨に十分留意して対処してまいります。
#188
○委員長(大島慶久君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#190
○委員長(大島慶久君) この際、狩野文部政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。狩野文部政務次官。
#191
○政府委員(狩野安君) このたび、文部政務次官を拝命いたしました狩野安でございます。
 教育はすべての国民にかかわる重要な営みであり、次代の我が国を担うにふさわしい心豊かでたくましい子供たちを育成していくことが重要であると認識しております。特に、子供たちをめぐる現在の深刻な状況の克服に精力的に取り組んでまいりたいと考えております。町村大臣を補佐し、教育改革の実現など文教行政の推進に全力を尽くしてまいる所存であります。
 委員長を初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、就任のごあいさつとさせていただきます。(拍手)
#192
○委員長(大島慶久君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト