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#1
第142回国会 文教・科学委員会 第17号
平成十年四月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     上山 和人君     三重野栄子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島 慶久君
    理 事
                北岡 秀二君
                馳   浩君
                小林  元君
                松 あきら君
    委 員
                井上  裕君
                釜本 邦茂君
                田沢 智治君
                野沢 太三君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                萱野  茂君
                山下 栄一君
               日下部禧代子君
                三重野栄子君
                阿部 幸代君
                扇  千景君
   国務大臣
       文 部 大 臣  町村 信孝君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       谷垣 禎一君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      沖村 憲樹君
       科学技術庁研究
       開発局長     青江  茂君
       科学技術庁原子
       力局長      加藤 康宏君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省教育助成
       局長       御手洗 康君
       文化庁次長    遠藤 昭雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   参考人
       宇宙開発事業団
       理事       石井 敏弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○宇宙開発事業団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○美術品の美術館における公開の促進に関する法
 律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 宇宙開発事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として宇宙開発事業団理事石井敏弘君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(大島慶久君) 宇宙開発事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○小林元君 民主党・新緑風会の小林でございます。きょうは民政党での最後の質問ということでございます。よろしくお願いいたします。
 最初に経理のことで、先日の科技庁長官の所信に対する質問で長谷川委員から質問がございました。経営者として大変詳しいわけでございます。私は素人でさっぱりわかりませんが、この累積欠損金が問題になりました。一兆八千二百二十二億円というような八年度末累積欠損金になっております。この経理というのはどう考えても納得ができない。
 それから、損益計算書というのを見せていただいたんですが、その中にも、普通は経費ではない資産の取得費、いわゆる投資額――投資額というのは要するに現金で持っているか資産で持っているか、資産というか固定資産。そういうことで、例えば筑波宇宙センター施設建設費四十九億六千万円と、こういうふうになっているわけなんですが、これはいわゆる費用ではないんじゃないかと思うんです。
 そしてまた、先ほども申し上げましたが、利益を上げるというような仕事はなさっておらないわけでございます。ですから当然、損失といいますか八年度においても千二十五億円も欠損金が出るという経理になっている。これがどんどん累積していくわけです。これは言ってみればこれまでの開発投資の総額みたいなものなんですが、もっと適切な方法はないだろうかと思うんです。いかがでしょうか。
#6
○政府委員(青江茂君) お答え申し上げます。
 いわゆる研究開発法人におきまして、現在行われているいわゆる企業会計原則に基づきましての処理ということに関しまして、それに沿いますと今先生御指摘のような処理方式になるわけでございまして、研究開発のために投入いたしました資金というものが、結果的に経理処理の仕方の問題としましては欠損金という形にあらわれてくるということに相なるわけでございます。それが研究開発法人の性格になじんでおるかどうなのかというのは議論のあるところではないかというふうにも思うわけでございます。
 一方、これにつきましては類似の議論というのがございまして、これは長谷川先生からの御指摘の際にも申し上げたことの繰り返しになりまして大変恐縮なんでございますけれども、事業団の行います事業の性格から申しまして、国が一定の権利性を確保するということが必要であること、それから研究成果発現のためには長期間を要するということではございますけれども、その成果というものは後世代が利益というものを享受し得る、そういう国民に共有の有形無形の資産というものとして残るということ、それから、行ってございます事業に対しましての公共性、公益性というものに関しまして国が主体性を持って進めるべきものであるといったふうな観点から、とりあえず現時点におきましてはこのような経理処理というものが採用されておるところでございます。これは宇宙開発事業団のみならず他の研究開発に携わってございます特殊法人全般につきましての処理の仕方ということに相なっている状況にございまして、この辺、御理解を賜りますればというふうに思ってございます。
#7
○小林元君 時間がありませんので、簡潔で結構でございます。
 今の企業会計方式から見ますと、この累積欠損金というものは、何かこれをこれから消していくというような見方をしてしまうわけです。ですが、今回、例えば商業用の打ち上げの委託を受ける、そのために保険金を掛けていただくというような改正案になるわけでございますが、この国際競争の中で、事業団の研究開発ではなくて今度実用化といいますか、商業化といいますか、そういう問題に参加をするという場合に、事業団は低コストで確実に上げる、そういうものを買われて今後二十機の打ち上げ契約をしたというふうに聞いておりますが、これは今までの開発投資の成果だというふうに正直に評価するわけでございます。
 例えばアメリカなどは、いわゆる軍事衛星用の開発投資をもって民生用に利用するということでございますが、我が国の場合には平和利用ということになっております。その打ち上げの費用とかロイヤリティーとか、あるいは今までの投資に対して民間に、今まで国費を投じてきたんですが、その一部でもいただきたいというような考えがあるかどうかお伺いしたい。
#8
○政府委員(青江茂君) お答えを申し上げます。
 今、開発途上にございますHUA、この開発が完了いたしますれば、そのHUAというものを使って将来的には商業ベースでの打ち上げということが考えられておるわけでございます。その際には、いわゆる民間事業主体に対しましてこのHUA開発のいろんな技術成果というものは移転をするわけでございます。その際には、これはいわゆる国有特許等につきましての一般準則に従いまして適切な対価は私ども徴収をするつもりでございます。
 一方、打ち上げ自体につきましては民間事業主体の方から受託をするということに相なるわけでございますけれども、それにつきましては、いわゆる実費というものを徴収いたしまして対処いたしたい、かように思っているところでございます。
#9
○小林元君 でき得るならば、商業用で通信衛星とかいろんなことがこれから出てくるんだろうと思いますが、国の開発、これは税金を投入しているわけですから、一部でもいいから何かそういうものを協力していただく、さらなる研究開発のために協力をしていただく、そういうことをお考えになってもよろしいんじゃないか、これは要望でございます。
 それから、非常に財政困難といいますか、大変な時代を迎えているわけでございます。宇宙開発事業団の方ではHU型ロケットを開発している。それから、文部省の方の宇宙科学研究所ではミューXというようなものを開発している。大きいとか小さいとかいろんなことはあると思いますけれども、今度たまたま行革で文部省と科学技術庁が御一緒になるというような法案が今出されているわけでございますが、いずれにしましても五年先の話でありましょう。
 宇宙開発委員会で宇宙開発計画なるものを長官のもとでおまとめになっておられるわけですが、その辺、競争があるということは非常にいいことだと思うんです。しかし、やはり大規模プロジェクトになれば、協力をする、一緒にやるということも必要なのかなと思いますけれども、その辺のお考えがありましたら、よろしくお願いします。
#10
○国務大臣(谷垣禎一君) 宇宙科学研究所と宇宙開発事業団、どういうふうに役割分担し、協力し、あるいは今後の行革議論の中でどういうふうに考え方を整理していくかという問題でございますけれども、宇宙開発事業団は、もうこれは申し上げるまでもなく宇宙開発の我が国の中核的な機関でございます。それでやっておることも、例えば地球観測とかあるいは通信とか放送とかあるいは宇宙環境利用の分野での人工衛星の打ち上げ、それからその打ち上げ用のロケットの開発を行っている。これに対して、宇宙科学研究所は宇宙科学分野の学術研究機関で、科学衛星及びその打ち上げ用ロケットの開発、そういうことによって宇宙の起源の探求などの学術的な振興を行っている。
 実は、私も就任いたしましてから科学技術庁や宇宙開発事業団の話はよく聞いていたんですけれども、宇宙科研は文部省でありますから余り聞いていなかったんです。これはいかぬと思いまして、宇宙科研にも来ていただきましていろいろお話を伺いました。共通の部分もございますけれども、設置目的の違いに応じて特色はそれぞれあるなという印象を持っております。
 それで、例えば御指摘のロケット開発につきましては、一段目が宇宙開発事業団、二段目以上は宇宙科学研究所の今まで開発した技術を用いまして、そういうJ1ロケットの開発を協力して行うなどのことをやっておりまして、我が国全体として有効かつ効率的な宇宙開発が行われるように宇宙開発委員会の調整のもとでやっているということでございます。
 それから、宇宙開発委員会では、去年の暮れに計画調整部会のもとに輸送系評価分科会というのを設けまして、これは毎年テーマを設けてやるわけですが、その輸送系、つまりロケットに関する評価を行おうということで、我が国のロケット開発の成果や進捗状況に関して評価を行っているわけですが、その結果を今後の宇宙開発の計画的推進に反映させなきゃいかぬ、こう思っております。
 それで、今御指摘になりましたように、文部省と科学技術庁が教育科学技術省という形で合体をするということになりますと、この両機関のあり方、協力の仕方、あるいは重複している部分はないか、こういうようなことが今後の教育科学技術省へ向けての中で一つのテーマになってくるので、そこでいろいろ真剣に議論をしてみたいと、こう思っております。
#11
○小林元君 大臣の御答弁のように、競争ということは非常に大事ではございますけれども、ビッグプロジェクトの場合にはやはり経費の問題もございますので、非常に有効な協力といいますか、そういうものをぜひお願いしたいと思います。
 それから次に、過日、橋本・エリツィン会談が行われました。そういう中で宇宙分野における国際協力というようなものが追加をされた、こういうふうに聞いております。衆議院の方では、この日ロ会談について総理から報告をしてもらいたいという野党側から要求があったわけでございますが、結果としては、きょうの午後、各党に説明をするというふうに伺っておりますけれども、この日ロの宇宙分野の国際協力といいましょうか、そういうことについてどのようなことがあったのか、お願いしたいと思います。
#12
○国務大臣(谷垣禎一君) ロシアはアメリカと並びまして宇宙先進国でございますし、特に有人宇宙技術を初めとする豊富な知識経験を有している国でございますから、ロシアとの国際協力というのは我が国の宇宙開発の進展にとっても大変意味があるものであるというふうに考えております。今までもこういう認識のもとに、ロシアの宇宙ステーション、ミールでございますけれども、そのミールを利用した実験等に協力をしてきたということでございます。
 それで、日ロ宇宙協力の取り組みにつきましては、ことしの四月に東京で、日ロ宇宙協力協定に基づいて日ロ宇宙協力合同委員会というものを開きました。そこで、日本とロシア双方が関心の強い分野、リモートセンシングとか宇宙環境利用あるいは宇宙医学、こういったことはそれぞれ共通に関心が強いということが確認されまして、こういう分野において今後情報交換を行っていこうということになりました。言うなら下作業といってはなんでございますが、こういう日ロ両方の宇宙関係者の関心が合致する部分があるということが確認されまして、この間の橋本・エリツィン川奈会談におきまして、日ロ協力の七本目の柱として宇宙協力が追加されたということでございます。
 今後とも、こういう成果を踏まえて、宇宙における日ロ協力を進めていきたいと思っております。
#13
○小林元君 今、宇宙医学というお話がございました。何か私全然見当がつかないのでございますけれども、どういうものなのか、ちょっと御説明をいただければと思います。
#14
○政府委員(青江茂君) 御説明申し上げます。
 宇宙は、御案内のとおり、いわゆる無重力という環境、それから例えば高い放射線というふうな環境、こういう非常に地上ではない環境というのがあるわけでございますが、宇宙飛行士が宇宙に参りますと、その特殊な環境によりましていろんな生理的な現象が異なってまいります。
 例えば、よく言われることでございますけれども、骨の中からカルシウムが溶け出しまして、何日か滞在して帰った後は、要するにすぐに立ち上がるのもなかなか困難というふうなあれがあるわけでございます。そういうふうな人間の生理現象というものが宇宙の環境におきましてどういうふうになるんだということ、これは宇宙飛行士が宇宙空間で活躍するために、一定の健康維持のために当然必要というのがまず第一にございます。
 と同時に、先ほどのような一例を挙げましたが、骨というものからカルシウムが溶け出すという現象が起こるわけでございますので、そこのところを解明していけば、例えばお年寄りの骨粗鬆症というふうなことが言われてございますけれども、その辺のメカニズムを解く手がかりというのが宇宙のいわゆる生理現象を解明することによって得られるというふうなことで、宇宙飛行士そのものの健康の維持と同時に、ライフサイエンスの研究全般にとりまして大変有用な、いわゆるトリガーというか、実験データというものを提供してくれる。その辺全般を背負いまして宇宙医学というふうに呼んでございます。
#15
○小林元君 ありがとうございました。
 先ほどは国内で、文部省の研究所と科技庁の事業団というようなことで、協力をして効率的にやるということを申し上げましたが、これは国際協力の面でも、今、日ロの話があったわけでございますけれども、やはりそういうことが必要ではないかというふうに考えております。
 もう既にいろいろ先行してそういうことをやっておられると思います。例えば、五カ国による国際宇宙ステーション計画というものをやろうとしておりますし、また地球観測分野で、日米仏のセンサーを搭載した、この間「みどり」が失敗しましたけれども、今後ともそのようないわゆる国際協力をやるというように伺っております。この辺の状況と考え方につきまして、どういう状況なのかお話しをいただきたい。
#16
○国務大臣(谷垣禎一君) 具体的な状況は局長の方から御答弁をいたしますが、基本的な考え方としまして、これから国際宇宙ステーション計画というものが進んでまいります、今御指摘になりました。こういうものになりますと相当な資金というものも必要とされますし、なかなか一国だけでは進めていくのは難しい。
 それから、今おっしゃいました地球観測の分野につきましても、どういうセンサーをつくって衛星をやるかというようなことも各国それぞれ得意、不得意がございまして、こういうものは一国だけでやるよりも、協力し合ってそのデータなどを蓄積していくということが地球観測の成果を上げるゆえんでもある、こういうようなことで、宇宙分野での国際協力というのはますますこれから大事になってくるのじゃないかと思っております。
 こういうような観点から具体的に取り組んでおりますことは、一つは今おっしゃった国際宇宙ステーションのような、言うなれば一国だけでは難しい宇宙開発のインフラと申しますかそういうものをどうつくっていくかという側面。それから地球観測などのような分野で、相手の国の得意な分野を自分の国の衛星に載っけて観測機器を相互に搭載していくとか、あるいは実験機器の相互利用とかデータの相互利用、こういうようなことで、共同研究をやりながら地球観測の実を上げていくというようなことをやっていく必要があると思っております。
 やはり我が国も我が国の得意分野というものがあるわけでありますから、これで協力の実を上げていくというのは、ちょっと大きな言い方になりますけれども、我が国の外交のあり方としても今後極めて重みを持ってくるのじゃないかな、こんなふうに考えているところでございます。
#17
○政府委員(青江茂君) 事実関係につきましてちょっと御説明をさせていただきます。
 まず、先生がお触れになりました国際宇宙ステーション計画の状況でございますけれども、国際宇宙ステーション計画といいますものは、日、米、欧、加、ロという五極が国際協力でもちまして宇宙空間に大型の居住空間というものをつくりまして、そこの環境を使いましていろんな諸実験を行おうというふうな壮大なプロジェクトでございます。このプロジェクトの総額、ロシアの部分を除きまして、つくり上げるだけで四兆円と言われるくらいの大型なものでございますけれども、この計画につきましては、国際協力のその枠組みでございますけれども、これは協定というものが今国会におきまして御審議途上にあるというふうに伺ってございますけれども、その協力の仕方といいますものは、それぞれ多極、各国が物を持ち寄ると申しましょうかステーションを構成する各要素というものをそれぞれ分担して持ち寄りまして、トータルとしまして大きな宇宙ステーションというものを、宇宙基地というものをつくり上げるというふうな形でもって国際協力というのがなされておるところでございます。
 したがいまして、まずその経費につきましては、多極が担当いたします物そのものの開発費といいますものはそれぞれの国の負担、打ち上げとか共通的な運営経費、この辺は公平の原理というものに沿いましてそれぞれ分担をするということに相なってございまして、我が国は日本独自の実験棟、通称JEMというふうに呼んでございますけれども、そのJEMというものをもってこの宇宙ステーション計画に参加をするということに相なってございます。
 それから、地球観測分野におきましての国際協力の状況でございますけれども、非常にティピカルには、昨年の秋に打ち上げました熱帯降雨観測衛星TRMM、これが挙げられるのではないかと思うわけでございます。種子島よりこの衛星を打ち上げたわけでございますが、この衛星の開発の中心となりましたのはNASAでございます。そのNASAの開発しました衛星に我が国のセンサーも載せまして、その上で我が国のロケットでもって打ち上げたということでもちまして、今、地球上空を飛んでございます。そして今、日々データが送られてきてございますが、そのデータも共有をしながら、かつ世界各国の研究者のユーザーの方にもディストリビュートされておるというふうな状況でございます。
 ESA、欧州との関係におきましても、リモートセンシング関係でもちまして具体的な協力が進んでおるというふうな状況にございます。
#18
○小林元君 費用の分担のあり方ですとか観測、それについてデータを必ず共有するということが原則だろうと思います。そうでなければこういういろいろな研究開発というものが進まない、データがないことには進みようがないわけでございますので、どうかそういうものを国際的に共有をして、基礎的科学あるいは実用科学の面でも一層の前進を図るように、ルールづくりと言いますか、そういうことをぜひお願いしたいと思います。
 それから、国際協力と、こういうふうに申し上げてまいりましたけれども、国際貢献という考え方、これはODAが最も適切な例かもしれません。先ほどお話がありましたように、例えば熱帯雨林の観測をするというようなことも、これは途上国なり後進国ではなかなかできない。そういうものについて先進国である日本初めアメリカ等々がいわゆる国際貢献といいますか、そういうことに十分関心を持ってやる。
 一方で、先ほどの文部省と科技庁の話ではありませんけれども、宇宙科学を推進するためには、インセンティブを働かせるという意味で、競争がゼロでは進展がないというようなところもあるのではないかと思います。それが厳しくなればなるほどお金の投入も大きくなるということでございますけれども、その辺の御関係につきまして考え方がありましたら、大臣からお願いしたいと思います。
#19
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、幾つか問題を指摘されたわけでありますけれども、これは先ほどの御答弁の繰り返しになりますが、やはり日本が得意の分野で、先ほどおっしゃった熱帯降雨の観測であるとか地球変動のようなもので、日本の持っている技術を十分使って世界の各国に使ってもらう、これは極めて大事だろうと思います。
 それから、競争と効率化、あるいは重複しないでできるだけまとめてやっていく、これはなかなか難しいテーマでございますけれども、先ほど申し上げましたように、文部省と科学技術庁が一緒になってやっていくという中でさらに検討を加えたいと思っております。
 それから、今、財政の厳しい中でありますから、そういう意味合いにおきましても、国際協力をしながらやっていくということは必要なんじゃないかと思います。その際の費用分担のあり方等もいろいろ議論があるわけでありますけれども、一般論として申しますと、これはそれぞれ国際間で協議をするわけでありますけれども、それぞれの国のメリットに従ってそして分担していくという以上のことは個別の話し合いになるのではないか、こう思います。
 それから成果に関しては、やはりその成果は共有していくということでやっていくのが基本であろう、こんなふうに思っております。
 概括的なお答えで恐縮でございますが、よろしくお願い申し上げます。
#20
○松あきら君 谷垣長官、昨日の本会議での御答弁、きちんとお答えいただきましてありがとうございました。橋本総理が私の質問に対してほとんど誠意ある回答がなかった、きちんとお答えいただかなかったことに比べて、私はありがたく思っております。
 それともう一つ、ちょっとここでは関係ないんですけれども、町村文部大臣が、例の大学のウラン、トリウムのことを私が申し上げましたら、平成八年から調べて、その結果が新聞に出たんだというふうなことを御答弁でおっしゃったんですけれども、先般この委員会で同僚議員があれを質問いたしました。そのときに、どの大学でどうなっているのかということが何にもわからなくてしどろもどろだったんです、戦前のことはわからないと。皆さんお聞きになっていたと思うんですけれども、戦後のことはわかっているんだけれども、戦前のことは、どこの大学でどうと、大変なことですよと言ってもしどろもどろだった。
 あれからきちんと調べられたのかもしれないけれども、本会議で議事録に載っかるのに、全く冗談じゃないぞという思いで、本当のことは言えなかったんでしょうけれども、実は、言われたからそれから詳しく調べましたとはおっしゃれなかったんでしょうけれども、ちょっとあれは私は残念だなと思いながら伺っていた次第でございます。
 それでは本題に入りたいと思います。
 先般、打ち上げが失敗いたしました。これについて、その後の原因調査はどうなっておりますでしょうか。
#21
○政府委員(青江茂君) 御報告を申し上げます。
 今、宇宙開発委員会のもとに技術評価部会、これは原因究明というものを第三者的立場からきちっと行う場でございますけれども、ここにおきまして調査というものが進められている、こういう状況でございます。
 現在までにいろいろなことがわかってきておるわけでございますけれども、まず第二段エンジンの第二回目の燃焼中に燃焼室の側面から燃焼ガスが横方向に向けて噴出したということ、それから燃焼室側面の冷却用の細管、これは液体水素が通っているわけでございますけれども、その細管のろうづけ部が最初に溶融をいたしまして、その後周辺の細管一本ないし二本というものを破断して、そして言ってみれば穴があいた、その辺の事実関係につきましては大体そうであろうということに相なっているわけでございます。
 そういたしますと、その破断に至るメカニズムというものはどうであるのかということにつきましては、この搭載いたしましたエンジンにつきましては、いわゆる飛ばします前に通常のプロセスでございますと三回燃焼試験を事前にやるわけでございますが、その二回目の燃焼試験の段階におきまして燃焼試験時にふぐあい、いわゆる低圧でもって燃焼するという非常に異常な事態というものが絡んでございまして、そのあたりが先ほど申し上げました破断に至りました要因として一つ有力な原因ではなかろうかというふうな絞り込みが徐々になされつつあるという状況でございます。今その辺のシミュレーション解析を行っているというふうな状況でございます。まだ最終的な原因の特定には至っていない状況でございます。引き続き原因につきましては調査を鋭意進めたい、かように思ってございます。
#22
○松あきら君 いろいろと言っていただいたんですけれども、過去にも「あやめ」、きく六号、七号、「みどり」、数々失敗をしておるわけでございます。百四十五億とか四百十五億とか五百何ほどか、それはすごい金額でございまして、やはり技術開発とか研究においては失敗はつきものであるというふうな、これはもう皆さんそのとおりだと思います。私もそう思っておりますけれども、失敗が多過ぎるんじゃないかと、今回の「かけはし」も入れまして。金額もすごいわけですよ。
 私はつくづく、やはりこういった数々の失敗の事故調査をきちんと生かしているのかと。これだけ失敗を重ねまして、そしてまた処分者は、多分いないと思うんですけれども、いかがですか。やはり私は、こういった責任の所在がはっきりしないで、しかもこれだけのお金をかけて数々失敗をしている。そこのところをきちんと伺いたいと思います。
#23
○国務大臣(谷垣禎一君) 私先生から一番考えなければならない点を御指摘いただいたわけでありますけれども、私もこの委員会で既に御答弁を申し上げたことがあったと思いますが、この宇宙開発に限らず、国の行っております試験研究あるいは開発と申しますか、こういうものは国民からいただいている血税でやっているものでありますから、完璧を目指すというのは実は無理なことなんですけれども、万全を期して進めていくべきことは当然だと思っております。
 その上で、私、科学技術庁に来てつくづく思いますのは、この宇宙開発という問題も、初めはアメリカの言うなればロケットを供与されて、肝心な部分は全部ブラックボックスに入って日本人の技術者の目に入らないというようなところから進めてきまして、幾つかの失敗も乗り越えながら今日まで来たわけですね。国産技術として、この間ロケットは失敗いたしましたけれども、もうじきHUAというものができ上がりますと、信頼性の上でもあるいは経済性の上でもあと一歩で国際水準で十分日本にこういうものがあるというところまで来ていると。失敗なしに行いたいという気持ちはやまやまでありますけれども、そういうときに失敗をしたと。私はあえておしかりも省みずに申し上げますと、ここでやっぱりくじけちゃいけないなと、こういう気持ちで私はおります。もちろん、こういうことで国民の血税をむだに使いましたことは幾重にもおわびを申し上げなければならないと思っておりますけれども、私の思いは、ここでやっぱりぐらついちゃいけない、こういうことでございます。
 だれも責任をとらないではないかというお話がございました。それぞれNASDAの者も我々もこれは深刻に受けとめているわけでありますけれども、今なすべきことは、何でこれが失敗をしたのかという原因解明をきちっと行うことであるというふうに私は思っております。今それは一生懸命やってくれていると思っております。
 それで、幾つか事故が続いていることも事実でございますから、今回のこのHUロケットのどこが失敗をしたかというその事実解明がまず第一義であることは事実であります。そこのところができないでほかのところに目を移してはかえって原因究明が甘くなると私は思っておりますから、第一義的にはそのロケットの失敗の解明に全力を注ぐべきであるというふうに私は考え、そのように科学技術庁にも宇宙開発事業団にも指示をしております。
 ただ、これだけ失敗が幾つか続いているということは紛れもない事実でありますから、このロケットの燃焼の失敗ということだけでいいのかもう少し開発体制全体を広く考うべきことがあるのではないか。当面、第一義的な原因の究明のために余り目をそらしちゃいけないけれども、そのことも問題視野に入れながら並行して検討せよということをこの前、宇宙開発委員会の評価部会で私は指示をしたところでございます。そういうことで現在一生懸命原因解明に当たっておりますので、その結果を見てから物事はいろいろ考えたい、こう思っております。
#24
○松あきら君 今いろいろお答えになりましたけれども、一つはNASDAのメーカーの品質プログラムに問題があるとお考えでしょうか、それとも問題はないとお考えでしょうか。
#25
○政府委員(青江茂君) NASDAは基本的に設計という部分を担当し、物をつくること、製作そのものでございますね、そこはメーカーに委託をするという形になっておるわけでございますが、その設計の能力から、そして物をつくるところに至るまでの流れ、そして物をつくる現場そのものの品質管理、こういったことが十分であるのかどうなのかということにつきましては、今、大臣からも御答弁申し上げましたとおり、原因究明というのがまず第一、それと並行いたしまして、そういった問題も視界の中に入れて宇宙開発事業団におきまして今検討を進めておる段階にございます。メーカー等の体制、生産現場におきましての品質管理、この辺につきましては検討を重ねてまいりたい、かように思ってございます。
#26
○松あきら君 衛星を打ち上げて通信が便利になる、気象も明確にわかる、あるいは台風の進路もはっきり見えるから手当てが講じられるとかもちろんいろんないい面はあると思うんですよ。しかし、先ほどから話が出ておりますように累積で一兆八千億という赤字を計上しているわけで、私は、外国に打ち上げを頼んで、だって今度この法律改正すると損害保険とかいろいろ掛けるわけでいっぱいお金もかかるわけですから、この際ですから頼んだっていいんじゃないかと、発想を変えて。
 自前のロケットを打ち上げるメリットというものを明確に教えていただきたいんです。
#27
○国務大臣(谷垣禎一君) ロケットを自分で持つということがどういうメリットを持つかということでありますけれども、役所の書いた答弁ペーパーもあるのでございますが、そちらの方が細かに言っていると思いますが、私考えておりますことを一つ申しますと、要するに先ほど申し上げたことの繰り返しになるんですが、ややアウト・オブ・デートとは申しませんが、最初はアメリカのトップのロケットではないロケットを言うなれば供与されて、その中の技術一つ一つ、要するにブラックボックスで日本人の技術者が見ることもできないというような状況がありました。そういう中で、歯を食いしばってと言うと情緒的な表現になるわけでありますけれども、何とか日本の国産のロケットをつくりたい、全部国産でできる技術がほしいということでやってきた。それがHUロケットになって結実いたしまして、今までは順調に来たわけでありますけれども、この間失敗をしてしまったということであります。
 それで、向こうで安くつくっているものがあれば、それを買ってきた方が安上がりになるということは幾らもあるわけです。幾らもあるわけですが、初めてやるときにはやっぱりそれを全部自分でこなしてみないことにはその技術が身につかないということがありまして、確かに国際的に見れば高い価格であるけれども、金を投下して国産技術で立ち上げるようにやってまいりました。
 これは何度も繰り返しになりますが、今度HUAになりますと、ヨーロッパでやっておりますロケットにも対抗できるような打ち上げ価格で、信頼性も引けをとらないもので打ち上げることができることになってまいります。それはなぜかといえば、もう大体日本でその技術は国産技術を蓄積することができたから、国際的に安いものがあるならば、その安いものを使ってもできるというところまで来たわけであります。ですから、私は、あと一歩で自前のものができる、蓄積もできたから安い国際的なものも使いながらやっていくことができるところにあと一歩まで来ているということを申し上げているわけでありまして、今からゼロで開発するということを前提にすれば、松委員のおっしゃったように、ほかのものを使えばいいではないかという考え方も起きるかもしれません。しかし、ここまで来て、あと一歩で立ち上げるというところまで来ている、そしてそのことの日本の国内における国産技術の蓄積や何か、こういうことの意味を考えますと、私は自前の技術を持っていくということの大きさというものはここにあるのではないか、こう思っているわけであります。
 役所の書いた答弁はもっといいことが書いてあるかもしれませんが、私の思っていることを申し上げました。
#28
○松あきら君 役所の書いた答弁書じゃないお答えをいただきましてありがとうございます。
 しかし、莫大なお金というものがかかってくるわけでございますから、やはり私は、そのお答えはわかるんですけれども、今こういう状況ということを考えるとなかなか難しい問題であるなというふうに思います。
 宇宙という文字はとても夢がありまして、宇宙というのを夢という文字に置きかえられるかななんて思います。これは関係ないんですけれども、宝塚で宇宙の宙の字で宙組というのがことしできましたけれども、非常に夢があります。新聞にもこの間出ておりましたね。オリオン星雲に水の工場が見つかったと。地球の海なら日量六十杯分の水蒸気が出るなんていう、千五百光年も離れているんですから何か夢のような話でございますけれども、こんなところにもひょっとしたら生物がいるのかななんていう夢が非常にかき立てられ、想像が豊かになるという、こういう思いでございます。
 今、長官がお答えになってくださったこともよくわかります。しかし、きのうも申しましたように科学技術にはたくさんの、たくさんのといいましょうか、一律大体カットになっているところに、これはプラスになっている、御存じのように。宇宙開発事業団もこれまでに三兆円近い国費が使われてきたというふうに言われているわけでございます。科技庁の予算だけは例外的に高い伸び。これはもちろんいろいろな将来のことを考えてということですけれども、繰り返し申すようでございますけれども、今やはり世の中大変な状況で、一本のロープを三つに分けて首をくくったという本当にお気の毒な、最期までそこまで倹約しなければならなかったという、ちまたでは本当に一般の国民、庶民は苦しんでいるという状況でございます。よく御存じだと思います。
 ですから、何かアメリカも過去に景気が悪いときに宇宙開発というものを考えたと。要するにここで私が申し上げたいのは、こんな時期ですから、もう一歩とは思いますけれども、例えばもう少し景気がよくなるまで一、二年見直してもいいんじゃないかあるいは休んでもいいんじゃないか、そういう発想があってもいいんじゃないかと思いますけれども、長官いかがでございましょうか。
#29
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに財政の厳しい中であることはおっしゃるとおりです。それで、宇宙開発のようなもの、あるいは宇宙開発に限らず科学技術、こういう今の景気の状況の中で、それがどういう見返りになって返ってくるかもわからないことに、今のようなときにうんと巨額な予算を使う必要があるのかという御議論は十分あり得る議論だろうと思いますし、私もわからないわけではありません。
 ただ、これも役所の書いた答弁と違いますので、余り違うことを言っちゃって後で怒られるかもしれませんが、私は、これはこれからの日本の国家像をどう描いていくかということとも関連してくると思うんですけれども、どういう国家像を描こうと、これだけ一億二千万人の人間がこういう狭い島に住んでいて、資源も何もないと。そうすると、日本のどこがトップランナーで、どこが二流、三流の地位に甘んずるか。いろんな分野が全部が一流というわけにはいかないと思いますけれども、科学技術に関してはやっぱりトップランナーを歩むという決意がどういう国家像をとろうと私は必要だと思っています。
 それで、今も経済構造の転換とかいろんなことが言われるわけでありますけれども、今のこういう閉塞感のある状況に風穴をあけていくのは、やはりこういう分野にうまずたゆまず投資していくことじゃないかというふうに私は思っておりまして、予算をとる立場からそれが景気に即効性があるという部分を強調しなきゃならないのは私の立場でございますけれども、正直申し上げますと、必ずしも科学技術は即効性があるかどうかはわからない部分もございます。にもかかわらず、こういうところにうまずたゆまず投資をしていくということが私は必要ではないかと思っておりまして、委員のお考えもわからないわけではないんですが、すぐわかったと言ってしまうわけにはいかないと思っております。
#30
○松あきら君 時間がありませんので、とんとんと行きたいと思います。
 打ち上げのためにはいろんな準備が必要でございます。地元種子島の漁業組合との協定がありますよね。どんな協定ですか、手短にお願いします。
#31
○政府委員(青江茂君) 地元の漁協の方々には打ち上げの際には御協力をいただかなきゃいかぬわけでございますけれども、特にその内容的には、打ち上げの際には漁業を少しとめていただくといいましょうか、その御協力をいただく。その日数が一番問題でございまして、従前九十日と設定されておりました日数が、昨年の段階におきまして最大で年間百九十日ということに拡大することができました。加えまして、打ち上げの機数につきましても、小型ロケットを含めましてマキシマム年間十七機、この数字まで打ち上げることができるという道が開かれたという状況にございます。
#32
○松あきら君 百九十日ということは、すべて船もとめますから、もちろん漁業ができないということですよね。それで十七機打ち上げる。本当に百九十日で十七機も打ち上げられるんですか。
#33
○政府委員(青江茂君) これはケース・バイ・ケースでございますので、漁業関係者との間で御了解をいただいておるという数字でございます。加えまして、これは小型ロケットを含めてのものでございます。種子島から打ち上げますHUAクラスの大型ロケットというものがどれくらいこの日数の範囲内で打ち上げられるかということにつきましては、私ども試算をしておりますところでございますと、年間で八機程度だというふうに理解をいたしてございます。
#34
○松あきら君 いろいろやっているとちょっともう時間がなくなりましたね。次に行きたいと思います。
 それでは、宇宙開発事業団に関連各省から出向している職員の人数は何名になりますでしょうか。
#35
○政府委員(青江茂君) 科学技術庁、郵政省等からの出向の人数は、現在六十七名でございます。
#36
○松あきら君 細かく教えてください。
#37
○政府委員(青江茂君) 科学技術庁二十六名、郵政省二十六名、気象庁五名、大蔵省四名、運輸省四名、海上保安庁一名、会計検査院一名という状況にございます。
#38
○松あきら君 出向中の給与規程はどうなっておりますでしょうか。
#39
○政府委員(青江茂君) 宇宙開発事業団におきましては、職員の給与規程というものが整備をされてございます。それに従いまして給与が支給されてございます。
#40
○松あきら君 出向したままもし退職した場合は、その退職金をどう計算されるんでしょうか。
#41
○政府委員(青江茂君) 国家公務員の場合、出向いたしましてそのまま退職するケースというのはほとんどないというふうに理解をいたしてございます。
 一度出向元に帰りまして職務に復帰をする、ないしその時点でもって退職をするというふうなケースであろうかと思うわけでございますが、その際には、国家公務員退職手当法に基づきましての期間の通算というものがなされるというふうに理解をいたしてございます。
#42
○松あきら君 出向のまま退職された例はない、一回必ず帰ると。国家公務員であった勤続期間というものを通算するということですね。
 ところで、理事長はいつ就任されたのでしょうか。
#43
○政府委員(青江茂君) 現理事長は平成八年十月一日に現職に就任してございます。
#44
○松あきら君 理事長は出向ですか。
#45
○政府委員(青江茂君) 出向ではございません。
#46
○松あきら君 理事長は、科技庁の事務次官を退官されて、そして財団法人日本海津科学振興財団会長というものを綴られて今の宇宙開発事業団の理事長に就任をされたというわけでございますね。理事長の退職金は、今からそんなことをお聞きしてあれですけれども、そう少ない金額じゃないと私は思います。
 これを見ましたら、在職月数掛ける退職時基本給掛ける三十六分の百で計算する。例えば二年でやめられたとすると二千三百万。事務次官でいただき、さっきの財団でいただき、そして二年いてもこれだけいただくと。一般の方は出向で役所から来ていて、理事長は、理事長がいいとか悪いとか申し上げているんじゃないんですよ、しかしそれだけの手厚い手当をいただいて理事長にいらっしゃると。やはり私は、一般の職員の方だって士気が上がらないんじゃないかと思うんですね。それで、いろいろ失敗しても責任というものは下の方がとらなきゃいけないような状況であると。
 この間、新聞で柏のことが出ておりましたね。柏市では、市の外郭団体に天下った場合、そこからの退職金はもう支払わない、こういう記事が出ていたと思います。これは長官お一人の一存でどうなる問題ではありませんけれども、やはりこれだけの赤字を抱えて、そして、おっしゃるようにすぐに見返りや結果が出てくる分野じゃありませんけれども、これは大事な分野であるとおっしゃるのであれば、柏市じゃないですけれども、そういうところからきちんと検討し直してもよいと思うんです。あるいは、長官がそういう御提案をなさってもいいのではないかと。
 私、持ち時間が終わりなので、まだいっぱいあったんですけれども、ここで終わらなきゃならないのは残念なんですけれども、そういうことも含めて長官の御決意を伺って終わりたいと思います。
#47
○国務大臣(谷垣禎一君) 特殊法人の役員給与につきましては今までもいろいろ議論がありまして、今の行革基本法の中でもいろいろ御議論がございます。
 私は、やはり重い責任を負っていただく方にしかるべく待遇というのももちろん必要だと思います。他方、平成九年十二月に閣議決定をやっておりまして、「特殊法人等の役員給与は、任命権者の俸給額より低くなるよう、再調整する」、こういう閣議決定もございます。そのあたりのバランスをとった議論というのをこれからもきちっとやる必要があると思っております。
#48
○松あきら君 終わります。
#49
○阿部幸代君 今回の法案には賛成なのですが、宇宙開発事業団にかかわって幾つか質問したいと思います。
 初めに、埼玉県鳩山町にある地球観測センターのシアン漏えい問題について質問します。
 シアンが通常の浄水処理では除去できず、水道原水にシアンが検出されたら取水停止あるいは給水停止の措置がとられる、過去こういう事例があるわけですが、こういう有害物質であるために、今回のシアン漏えい問題が県民と住民の間に不安と不信を呼んだことは当然であるかなというふうに思っています。
 地球観測センターは七八年に写真現像装置を特定施設として埼玉県知事あてに届け出ています。廃液が公共用水域に一切漏れないという形での届けです。このことは、写真現像装置の廃液に厳重な管理を必要とするということだと思うんですけれども、違いますか。
#50
○参考人(石井敏弘君) お答えいたしますが、その前に、先生御指摘のとおり、私ども、埼玉県の鳩山町にございます地球観測センターにおきまして、写真処理廃液の漏えいによる土壌汚染を起こしまして環境問題を引き起こしたということで、地元の住民あるいは町当局、県の方々に御心配と御迷惑をかけ、まことに申しわけなく存じております。
 御質問の件につきましては、昭和五十三年に写真処理設備を設置いたしました。この地球観測センターといいますのは、地球観測衛星からデータを受信いたしまして、これを画像処理し、写真に持っていくということをやっておるわけですが、その写真の現像焼きつけを行う際の処理液というものがございます。この中にシアン化合物が入っておるということでございます。したがいまして、水質汚濁防止法の第五条に「特定施設の設置の届出」の規定がございます。この水質汚濁防止法施行令の規定するところによりますと、写真現像業の用に供する自動式フィルム現像洗浄施設、いわゆる特定施設というものに該当するということになるわけでございまして、私ども、これを設置いたしました昭和五十三年の五月に県知事あてに届け出を行っているものでございます。
 したがいまして、シアン化合物は水質汚濁防止法で規定するいわば環境規制物質といいますか、そういう非常に注意をすべき物質であるというものが含まれたものでございます。
#51
○阿部幸代君 特定施設として届け出て、十年後の八八年に廃液配管の更新等、地中埋設方式からU字溝方式への変更、また九二年、写真現像装置のフェリシアンを使用しない設備への更新等、シアン系廃液配管の使用停止など施設の改善が進められてきているということはよく存じています。ところが、九六年九月の設備点検で、使用停止したシアン系廃液配管の室外側バルブ継ぎ宇部に廃液のしみ出した跡を発見、その付近の土壌表面の変色を発見、十二月に成分検査の結果、シアンが二・五七ミリグラム・パー・リットル検出されました。その一年後、九七年十二月にシアン系廃液配管の屋外部分撤去、九八年二月に土壌溶質試験の結果、〇・〇八ミリグラム・パー・リットルのシアン検出となって、初めて三月に埼玉県西部環境管理事務所東松山支所に報告しています。
 九六年十二月にシアンが検出されてから埼玉県に報告するまでに一年三カ月かかっているんですけれども、これはどうしてでしょうか。
#52
○参考人(石井敏弘君) 先生御指摘のように、この設備は平成六年の三月まで運用しておったわけでございます。この設備そのものはその後も使っておりますが、シアン系化合物を使用する設備という意味では平成六年の三月で一応終わっております。その後、平成八年の九月に配管等の設備の点検を行っておりましたところ、屋外のバルブ継ぎ宇部付近の土壌の変色を見つけたということでございます。
 それで、土壌の成分検査をいたしましたところ、同年の十二月にシアンが検出されたということになったわけでございます。私ども、シアンの検出の時点で県当局、その他関係機関に対しまして報告すべきであったわけでございますが、シアン化合物に対する認識の甘さということで報告がおくれまして、大変申しわけなく存じておるところでございます。
 もう少し具体的に申しますと、この十二月に成分検査をいたしシアン検出がなされまして、翌年の一月から土壌の処分方法でございますとか、あるいは廃液配管の撤去等の方法、こういったものの検討に時間がかかってしまって、七月に至りまして契約手続を行ったということでございまして、十二月に至って土壌の除去をいたし、そして廃液配管の撤去を行ったということで、その後この土壌撤去後の土壌のサンプルを採取いたしまして溶出試験を行いましたところ、本年の二月に〇・〇八ミリグラム・パー・リットルという微量のシアンが検出されたと。
 この時点で県当局等にも御連絡し、さらに本社あるいは科学技術庁等の関係機関に御報告したというような経緯でございまして、私ども、このような事態になったのはやはりシアンに対する認識の甘さというものだと、こういうことで申しわけなく思っておるところでございます。
#53
○阿部幸代君 九六年時点で二・五七ミリグラム。パー・リットルのシアンを検出していて、水道水質基準、〇・〇一ミリグラム・パー・リットル以下であるということとか、水質環境基準、全シアンで検出されないこと等という基準に照らしてみて、やはり対策がおくれたのは問題だというふうに思います。今回の土壌汚染がいつから起こったのかということが不明であるというのも大変気になります。またとりわけ、ボーリング調査の結果、写真現像施設の床下からもシアンが検出されているということからも、管理のずさんさは否めないというふうに思うんです。
 先ほどのお話で、写真処理液中のシアン化合物に対する認識の甘さから報告がおくれるに至ったということですけれども、システムとしてなぜ甘くなるのかが問題だというふうに思うんですが、地球観測センターの写真現像を担当しているのは事業団外部のリモートセンシング技術運用部、つまり外部委託をしているわけです。委託事業者が入っているわけですね。それから、監督をしているのが地球観測センターの運用技術部というふうに伺いました。廃液処理もたしか外部委託だったというふうに思います。
 委託現場任せというふうに言われても仕方がないような、こういう体制を改める必要があるのではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
#54
○参考人(石井敏弘君) 今回の問題につきましては、確かに発見がおくれたということ、並びに関係機関への報告もおくれたということで、私ども弁解の余地がない、かように感じておるところでございますが、いつ漏れたかという点につきましては、確かに私ども昭和五十四年一月から平成六年の三月まで運用しておりましたから、この間のいずれかにおいて漏れたであろうと。それ以降はシアン系の溶液を使っていないという意味において、六年三月以降はないだろう、かように考えておりますけれども、時期の特定ということは非常に難しいという状況にございます。
 また、今回私ども徹底的な調査をやるということで床下まで調べたわけでございますが、それで床下に変色部分を発見したということで、さらにその後成分検査を行ったらやはり出てきたと、こういうことでございます。この床下で発見されました場所というのは、配管がコンクリートのピット内に設置されておりまして、廃液がこのコンクリートのピットから床下に漏えいするということに思い至らなかったということで、環境問題に対する認識の甘さということに起因している、こう考えておるわけでございます。
 なお、こういったことの委託業者の作業というものは、決して私ども、委託業者任せという形でやっているわけではございませんで、事業団の職員と委託業者の職員は、毎月定期的な報告会を開催いたしますとともに、必要な都度委託業者と打ち合わせを持ちまして、作業内容についてお互いに確認し、必要な場合は必要な指示をするという体制でやっておりまして、決して委託業者任せでやっているわけではないという点は御理解いただきたいと思います。
#55
○阿部幸代君 県民、住民の安全と信頼回復のために万全の対策をとっていただけるように、これは要望といたします。
 次に、宇宙開発事業団の開発体制について質問したいと思うんです。
 ことし二月に技術衛星「かけはし」がHUロケットの失敗で軌道投入できず、当初計画していた実験ができなくなったことは記憶に新しいところですが、さかのぼってみますと、九六年八月に地球観測衛星。「みどり」の太陽電池パネルが破損して機能停止に陥り、九四年六月には技術試験衛星きく六号が静止軌道投入に失敗しています。先ほどもほかの委員の先生からもお話があったんですけれども、失敗が二年置きに起こっているこうした事態を、私ども素人目には結構失敗が起こるものなんだなというふうに思うんですけれども、事業団の歴史的な認識なりは先ほど伺ったとおりなので聞くのは省略いたします。
 この問題で動燃事業団と比較研究するのも必要かというふうに思うんです。動燃事業団は、「もんじゅ」のナトリウム漏えい火災事故と使用済み核燃料の再処理施設火災爆発事故という、取り返しのできない事故を繰り返して国民の根本的な批判を呼び起こしました。それで、一連の動燃改革論議は宇宙開発事業団にとっても他人事ではないんだというふうに思うんです。
 そこで伺いたいんですが、動燃改革論議の中でどんな教訓を宇宙開発事業団としては導き出しておられるんでしょうか。
#56
○参考人(石井敏弘君) 先生御指摘のとおり、きく六号が六年の八月に失敗した。それからまた、「みどり」は八年の八月に打ち上げて、その約一年後、十カ月後の昨年の六月に太陽電池パネルが破断をして運用断念に至った。また、ことしの二月にHUロケットで上げました「かけはし」の軌道投入ができなかった。こういうことで、私ども大変これらの事態を重く受けておるところでございます。
 動燃から学んだということの前に、宇宙開発というのは、弁解じゃございませんけれども、大変リスクが高いものであるというようなこと、また、一たん打ち上げますと軌道上で修理ができないという非常に厳しい状況にあるわけでございまして、そういった意味からいうと、逆に、より最初に要素技術の開発に万全を期し、あるいは地上試験により万全を期すということが極めて重要でございまして、私どもとしても常に注意を払いながら万全の体制をもってやっているつもりで進めてきておるわけでございます。
 そういったことで、今後もより慎重を期し、二度と同じ失敗は繰り返さない、こういうことで現在原因の徹底的な究明に努めておるところでございますけれども、いずれにいたしましても、私ども、国民の税金を使ってこのような開発を進め、国民の皆様に大変御迷惑をかけたということで、大変重く受けとめておるところでございます。
 一方、動燃改革論議ということに関しましては、私どもは、動燃と同じように国民の税金を使って国民の負託にこたえるべくやっていくというような基本的な任務を負っておる点は同じでございまして、そういった意味からいいましても、決して動燃問題というのは他人事ではない、かように認識いたしておるところでございます。
 したがいまして、動燃問題等も参考にしながら、私ども内部で、職員から幹部に至るまで、例えば勉強会を開催するといったようなことをいたしまして、「動燃改革の基本的方向」という動燃改革報告書が出ておりますが、こういったものも読ませていただきまして、我々がこの問題から学ぶべきこと、あるいは反省すべきことといったようなことを議論してきたところでございます。
 このレポートを読みまして、まさにそうだな、我々も常に注意せぬといかぬなと思ったことは、例えば設立時の目標に立ち返るということが必ずしも正しいわけではないというような指摘がございます。要するに、時代の変化を的確に把握いたしまして、社会や国民の要請に柔軟に応じていく組織ということで絶えず改革をしていく必要があるということが非常に重要ではないか、また、国民の負託は何であるかということを常に意識して感受性豊かな組織となって業務を進めていく必要がある、こういった基本的な点においても十分私ども再度認識を新たにし、対応していかなければならない、このように考えておるところでございます。
 また、もっと具体的には、例えば情報公開を徹底的にやっていくという姿勢で業務を遂行していこう。また、内部に閉じこもらず、外に開かれた研究開発体制というような形でも業務を進めていかなければならない、開発を進めていかなければならない。また、私ども自身、過去のトラブルの経験を見ましても、決して技術的に万全であるわけではなしに、みずからの能力の足らない点といったような点につきましては、外部の専門家の知識も動員しながらやっていくということの必要性というようなことも十分に私ども認識を新たにさせていただいておるところでございます。
#57
○阿部幸代君 宇宙開発事業団の開発体制について、失敗事故ともかかわり、事業団はロケットメーカーに開発を任せきりで監督が十分でなく、メーカー間の連絡もよくない、新聞等でこういう指摘もされているんですけれども、こういう指摘をどう思いますか。
 また、ADEOSを打ち上げるまでに五、六年はかかっているんだろうというふうに思うんですけれども、つくろうと決まった段階で事業団の中あるいはメーカーから人をかき集めて、打ち上げが終わると三カ月で解散するということを伺いました。つまり、これからADEOSUを打ち上げようというのに、人事の継続がなされないから、九六年八月のADEOSの失敗の経験が生かされないのではないかということです。技術の継承のためには継続的な人事が行われなければならないというこの指摘についてどう思いますか。二点。
#58
○参考人(石井敏弘君) まず第一点の、メーカーに依存といいますかメーカー任せではないかという点に関しましては、私ども宇宙開発事業団は、計画立案の段階におきまして、外部のユーザー機関のニーズ等を踏まえつついわゆる開発目的というものを設定いたしまして、実現可能なロケット、衛星の性能であるとかコスト、こういったものの具体的な要求仕様というものを定めまして、そしてこれをメーカーに示してまず最初に走り出すということ、かつその前提となる主要な要素技術等につきましては、その計画策定の前段階から先行的な研究開発を進めまして、その実現性の確認を行うといったような形でまず最初に取り組んで、そして計画立案をし、要求仕様を仕上げていくというような形で主体的にこれを進めておるところでございます。
 この開発段階、製造段階等になりますと、NASDA、宇宙開発事業団自身はみずからが製造工場を持っているわけではございません。そういった製造というものにつきましてはメーカーというものを活用するという形をとっておるわけでございます。したがいまして、メーカー等は事業団が策定いたしました全体的な設計に基づきまして、事業団との契約によりまして具体的な製造設計あるいは製造を実施している、かようなことになるわけです。もちろん、この段階におきましても事業団は、設計方法あるいは試験の方法、メーカーにおける検査の方法、こういったものにつきまして文書をもって指示いたしまして、要求どおり適正な開発が行われているか否か、こういったことは日々継続的に監督すると同時に、適宜の審査を行ってこれをチェックしてきておるということでございます。
 そして、このような開発物でございますから、開発過程、製造過程と申しますか、そういう過程におきましてふぐあい等がいろいろ生じてまいります。そういった場合も、みずから原因究明を率先して行う、あるいは所要の指示をメーカーに行う、あるいは計画変更等を適宜行うということで、この段階におきましてもそれなりの対応をさせていただいておるということでございます。
 また、打ち上げそのものはみずからが行っておりますし、打ち上げた後の衛星等の運用、こういうものにつきましてもみずから行う、あるいは外部の先生方との共同によってこれを進めるというようなことで、先ほどお話のございました地球観測というものに例をとれば、衛星から得られましたデータの利用というものにつきまして、幅広い分野の利用者と協力いたしまして、利用研究活動を効率的に実施していくというような形でこれを進めておるということで、私ども、ハードウェアの開発のみならず、運用、利用の促進を含む全体のシステムをバランスよく推進する、このような気持ちで対応させてきていただいておるということでございます。
 それから第二点の、技術の蓄積と継承ということでございますけれども、確かに先生おっしゃるように、技術を蓄積し継承していくということは開発機関としては何よりも極めて重要なことでございます。そして、技術が蓄積されるというのは、文書によってではなく基本は人である、こういう認識を持っております。したがいまして私ども、人材の育成あるいは能力活用、技術の蓄積、こういったことは極めて重要なものという認識を持って人事政策も取り進めておるところでございます。
 先生御指摘のようなADEOSの絡みで、ADEOSUへのつながりという点の御指摘をいただいたわけでございますが、例えば私どもは打ち上げをしプロジェクトが終了いたしますととりあえずプロジェクトチームは解散いたします。しかしながら、そのプロジェクトをフォローするということが非常に重要であり、開発が終わりましたプロジェクトの人員はその技術の継承のために……
#59
○委員長(大島慶久君) 答弁中恐縮ですが、時間をもうオーバーしておりますので、簡潔に締めくくってください。
#60
○参考人(石井敏弘君) はい、わかりました。
 この人間を関連のプロジェクトに適切に活用するというような方向でやっておりまして、具体的にADEOSの開発経験者というものにつきましても、現在ADEOSUのセンサー開発あるいは受信処理システムの開発に携わっておる者もおりますし、そのような配置もしております。その他、そこで得た技術を他の新しいプロジェクトに活用しようということでやっておる者もございます。あるいは、技術者の能力をいろいろ高めていくためには一つの分野だけでやっているわけではございません、あるプロジェクトが終われば場合によっては他の分野の開発もさせる。
 このような形で取り進めさせていただいておりまして、技術の承継ということについては常々意を用いて人事を行っているつもりでございます。
#61
○扇千景君 このところ、科学技術庁の質疑になりますと、弁明だとかおしかりだとか暗い話題が多くて、私は長官は大変残念だろうと思うんですね。そういうことではなくて、なぜ日本には科学技術が大事なのか、そのことが一番大事であって、失敗は成功のもとと言うんですから、それをいかに生かすかというのが私は科学技術庁に課せられた大きな基本的なものであろうと思うんです。
 ちなみに、本年度予算は超緊縮予算ですけれども、科学技術庁の予算はどの程度伸びましたか。
#62
○政府委員(沖村憲樹君) 本年度の予算でございますが、緊縮予算でございますが、科学技術振興費につきましては国全体で五%の枠をいただいております。私ども、そこで四・九%の増加を要求させていただいております。
#63
○扇千景君 私はなぜそれを言ったかといいますと、科学技術庁の重要性というものをすべての人が認識したからこそ今の増があったと思うんです。それは、今回の宇宙開発等々に関する保険の問題は別としても、基本的に緊縮予算の中でも科学技術庁が伸びた重みというものをぜひ長官初め科学技術庁に認識していただいて、その伸びた分をいかに有効に使っていくか、それが科学技術庁の今後をはかる大きなバロメーターになるであろうと思っております。
 特に今回、この超緊縮予算の中で宇宙開発に関する予算が多く認められました。きょうは質問要旨を私は何も出しておりませんから、もし言えたら言っていただきたいんですけれども、二〇〇三年に打ち上げられます予定の月探査周回衛星、これも私は日本にとっては大きな夢であろうと思うんです。それからもう一つ、災害状況の把握に資するためにということで、これは資源探査衛星が目標となるんですけれども、阪神・淡路大震災等々を含めて、災害のときにこの衛星が今後どのように役立つかということで大変これも注目しております。
 それは、陸域観測技術衛星ということで資源衛星として活躍するんですけれども、日本は災害に遭いますから、その災害時にこの衛星が果たしていく役割、どのような状況でどのような大きさの災害が起こっているかということを迅速に、この衛星が成功することによって大きな前進になるだろうと私は期待しております。
 そういう日本に宇宙開発の新しい芽が出てくる、あるいは夢が出てくるということに対しての長官の御意見を伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、肩先生から大変ありがたい御指摘をいただきまして、本当に我が意を得たという思いでございます。
 今、今年度予算の中から月の探査衛星、あれはたしかSELENEと言ったと思いますが、あるいは観測衛星ALOSですか、御指摘をいただきました。月探査衛星のようなものはどちらかというと、我々の好奇心と申しますか真理を求めていくというような人間の深いところから発したものだろうと思いますし、一方ALOSの方は、日々の我々の生活に基づく不安やそういうものを解消してくれるという、もう既に現実的な力を持ったものだというふうに思います。
 それで、肩先生の御指摘でございますけれども、先ほどほかの委員の御質問にもお答えをいたしましたけれども、何というんでしょうか、今、日本の国家像というものも、それぞれの政治的なお考えでいろいろおありだろうと思います。普通の国というようなことをおっしゃる方もあれば、きちっと光る小さな国というようなことをおっしゃる方もあるけれども、どなたにも共通しているのは、日本が科学技術の分野に力を入れていかなければならないというのは多分共通の認識だろうと思います。そういう中で、超党派で議員立法で科学技術基本法をつくっていただき、それが科学技術基本計画になってきているということの意味を我々は改めてかみしめて仕事をしなければいけないと思っております。
#65
○扇千景君 科学技術庁の姿勢としては今長官がおっしゃるとおりでよかったと思うんです。私は、新しい日本の将来を担う子供たちが科学技術に対してどの程度の関心を持っていくかということが今後の日本の将来を大きく左右するのではないかと思うんです。皆さんは科学技術庁を余りお褒めになりませんけれども、私はきょうは科学技術庁に、いいことをしているということを一つだけ申し上げたいと思います。
 それは、科学技術振興事業団で科学技術番組を無料で提供しているんですね。これは私も調べてみましたけれども、科学技術番組のサイエンス・チャンネルというものを全国のケーブルテレビ約三十社に提供しているんです。しかも、週二日になりましたから、土曜日と日曜日にそれぞれ六時間、通信衛星を経由してケーブルテレビでやっているんです。
 私は、この番組が無償で提供されているということは、ここで議論されている科学技術庁の失敗あるいは反省の仕方があるなし、そういうことよりも、それはそれとしてきちんと責任をとってけじめをつけるのは当たり前のことなんです、これだけの費用をかけているんですから。いけないことはいけないとしながらも、科学技術庁の関連の科学技術振興事業団が無償でこれだけの番組を流しているということは、私はきょう皆さん方に、長官にも、ぜひこういうことは将来のために、大プロジェクトの失敗とは別に、こういう科学を見る子供たちの芽、シーズというものを育てていくことを、私は大変いいことをしてくださっていると思って感謝をしているんです。
 特に今回は、行政改革の一環として文部省と科学技術庁が一緒になって新しい教育科学技術省になるということですから、それなればなおのこと、こういうことは今までなかったことですからぜひ進めていただきたいと思うんです。
 感心して褒めてばかりいるのも困るんですけれども、将来の行政改革も含めて、こういうことの振興がいかにあるべきかということを長官に伺いたいと思います。
#66
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、サイエンス・チャンネルをお取り上げいただいて大変ありがたいわけでございますが、ちょっと今手元に資料がないので正確ではありませんが、最近ある資料を見ますと、青少年の理科とか科学技術に対する関心がどうあるかというアンケート調査でございます。青少年だけじゃなく各世代別にあるんですが、しばらく前に比べますと、例えば同じ十代なら十代、二十代なら二十代と比べますと、五年前でしたか十年前でしたか忘れましたけれども、理科がおもしろいとか関心がある、科学技術に関心があるという人が減っております。それで、比較的年配の五十代、六十代ぐらいは昔よりも科学技術に関心のあるという方がふえてきて、そこはありがたいんですが、若い方々の間で数年前に比べるとそういう関心が落ちてきているということを私は非常にゆゆしい事態だなと思っております。
 サイエンス・チャンネルもそういうことの対策の一環になればと思っているわけでありますが、そういう中で我々が工夫していかなきゃならないと思っていますのは、科学技術庁に来まして私がつくづく痛感したことの一つでありますけれども、科学技術といえば優秀な学者がクールに一生懸命研究しておられるのかと思いましたら、そうじゃないと。やっぱり科学技術の一線に立つ方が、言うなれば心意気や熱意を持って一生懸命やっておられる。そういうことを国民にもっと伝えられるものを何か工夫できないかな、こう思っております。
#67
○扇千景君 宇宙開発事業団、今回のことで張力返ってみましても、今世紀は私たち人類にとって宇宙に関しては大きな夢が開いたといいますか、目からうろこが落ちたとよく言いますけれども、有人のシャトルが上がったり月面着陸したり、本当に今世紀は私ども人類にとって初めて見るものを映像を通して肉眼で見ることができた最大の世紀であっただろうと思うんです。
 今後、二十一世紀になって人類にとって一番大きなもの、世界じゅうの人類が注目するのは私は国際宇宙ステーションであろうと思います。この宇宙ステーションによって二十一世紀はあらゆるものが、先ほどから同僚議員からも御質問がございましたけれども、すべての素材あるいはすべての医療機器あるいはすべての生活用品等々が、この国際宇宙ステーションによって人類が想像できないものができていくだろうというのが二十一世紀の人類の夢であろうと思うんです。
 ただ、国内を振り返ってみますと、私は科技庁で許せないと思いますのは、この間のHUロケットの打ち上げの失敗のときに、私はマスコミを通じて見ておりましたときに、二〇〇〇年の打ち上げを目標とするHUAの計画への影響は少ないと思いますという談話が出ているんです。これは私は不遜な言葉であろうと思います。次のHUAに影響は少ないであろうと、原因もわかっていないときに影響は少ないであろうという不遜な言葉を使うということは失礼です。少なくとも失敗したんですから、二段目にしろどこにしろ。その失敗の原因も、先ほども同僚議員の説明を聞いていたらまだはっきりわかっていない部。分があるんです。それにもかかわらず、HUAの打ち上げには影響は少ないでしょう、原因もわからないで少ないでしょうなんというコメントを発することは科学技術庁の認識不足だろうと。その点は、今後こういう発言が軽々になされないようにぜひしていただきたい。原因がわかって、これは解明できる、次には失敗しない、きちんと答えが出ましたから影響はありませんと、これなら納得できます。けれども、そういう原因もわかっていないときにマスコミに対する軽々な発言は私は慎むべきだと思います。
#68
○国務大臣(谷垣禎一君) そういう発言は恐らく、ちょっと想像で申しますと、影響を最小限にとどめたいという願望がそういう発言になってしまったんだろうと思います。しかし、肩先生御指摘のように、私あの後すぐ指示いたしましたのは、速やかに、速やかにということは拙速であってはならないが、速やかに原因解明をせよと。そして、それがきちっとできれば影響を及ぼさないと言うこともできるかもしれないが、それがきちっとできないと影響が及んでくるぞと、まずそれをきちっとやれということを指示いたしまして、肩先生のおっしゃることはそのとおりだろうと思っております。
#69
○政府委員(青江茂君) 多分私の発言がそのようにキャリーをされたというふうにも思います。先生の御指摘のとおりでございまして、十分に言葉というものをきちんと選びましてといいましょうか、意を尽くした言葉遣いを用いたいと、かように思ってございます。
#70
○扇千景君 私は、科学技術庁の巨大プロジェクトというもの、そういうものは今まで幾つも見てまいりました。成功もあれば失敗もある、これは当然のことでしょう。しかも今、日本が計画している科学技術の巨大プロジェクトというものは世界レベルでいえばどこにあるのか、先ほども同僚議員が、これだけのお金を使ってする必要があるんだろうか、外国の安いところで打ち上げてもらった方がいいんじゃないかという意見もございました。私は必ずしもそうばかりは言えない、日本は科学技術でしか生きていけないと思っていますから、ですから日本独自の世界に発信できる科学技術の政策をするということは私は大事なことだと思っています。
 けれども、そのときにやっぱり大型プロジェクトになればなるほどテクノロジーアセスメントというものが私は必ず必要であろうと。原子力船「むつ」のときにも私たちは大きな経験をいたしました。本来の経験費用よりも周りへの賠償を払った金額の方が大きくて、じゃ結果は何を得られたのかということで私たちは今世紀大きな経験をしたわけですから、私は、必ず大型プロジェクトになればなるほどテクノロジーアセスメントというものがこれから必要になるであろうと。ですから、科学技術庁長官、私は若さにも期待していますから、二十一世紀の日本の科学技術のあり方という点においては、必ず大型になればなるほどテクノロジーアセスメントをぜひ心がけていただきたいということを申し上げたいと思います。
#71
○国務大臣(谷垣禎一君) 全くそのとおりだろうと思います。私ども大変今厳しい予算の中で仕事をするわけでございますから、やってきたことの評価、それからこれからやるべきことの見通し、それも評価が関連してくると思いますが、そういうことをきちっと積み重ねていって国民に御理解をいただくということが何よりも必要だと思っております。
#72
○扇千景君 今回の法案に対しては私も賛成ですけれども、人工衛星打ち上げロケットの実績表から見ましても、日本のHロケットの場合は九三%の成功率、アメリカのデルタは九四%の成功率。世界一がアメリカのデルタの九四%、けれども日本は九三%で第二位に位置しているんですね。
 そのことも私は大事だと思いますけれども、一方では、現在軌道上を飛行している宇宙物体の数の多さ、私はこれも本当に怖いなと思うんですけれども、怖いとばかりも言っていられないのは、要するにペイロード、人工衛星というものの軌道上の物体が二千五百十三、あるいは破片等を含めますと六千百八十六、合計で八千六百九十九の物体が宇宙に今あるわけですね。よく何とか銀座と言いますけれども、今や宇宙銀座と言っていいくらいの物体があるということも含めまして、他国からの既に注文が十以上来ていると聞いておりますから、打ち上げに保険を掛けるというのは当然のことだろうと思いますけれども、私はきょうは時間がございません。
 ただ、少なくとも私は、宇宙開発というものが日本にとってどれだけ大事なものなのか、また日本にとって世界に貢献でき得るもの、そういうものとして宇宙開発が大きな役目を果たしていくと思います。先ほど申しましたように、日本のためではなくて世界に貢献できる科学技術というものを科学技術庁が心してつくっていくことこそが二十一世紀の日本の行く道だろうと思いますので、最後に科学技術庁長官に宇宙開発に対する夢と希望と責任を伺って終わりたいと思います。
#73
○国務大臣(谷垣禎一君) 今御指摘のように、宇宙開発は直接我々の生活に役立つ、数々利便を提供している面がございますし、それと同時に、真善美を求める人間のよいところを伸ばしてくれる、そういう夢も持っているわけであります。国民の御理解を得ながら、我々のこの外交といいますか国際貢献の重要な柱になっているということも十分意識しながら進めてまいりたい、こう思っております。
#74
○委員長(大島慶久君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 宇宙開発事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#76
○委員長(大島慶久君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#78
○委員長(大島慶久君) 次に、原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。谷垣科学技術庁長官。
#79
○国務大臣(谷垣禎一君) 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 これまで動力炉・核燃料開発事業団は、昭和四十二年に設立されて以来、原子力基本法に基づく原子力の開発機関として、高速増殖炉及び新型転換炉に関する開発、核燃料物質の生産及び再処理、核原料物質の探鉱等を行うことにより、我が国の原子力の開発及び利用の促進に寄与するといった重要な役割を担ってきたところであります。しかしながら、平成七年十二月に高速増殖原型炉「もんじゅ」において、また、平成九年三月にアスファルト固化処理施設において事故を起こし、さらに、それらに関連して虚偽報告や不十分な通報連絡といった一連の不適切な対応がなされました。
 このようなことから、同事業団を抜本的に改革することとし、その体質及び組織・体制について徹底的にチェックするため、組織論や危機管理等に関する有識者で構成する動燃改革検討委員会を設置し、その改革の方向について検討を行ったところであります。
 本法律案は、動燃改革検討委員会報告書、原子力委員会高速増殖炉懇談会報告書等を踏まえ、これまでの動力炉・核燃料開発事業団の業務を抜本的に見直し、整理縮小するとともに、経営の刷新や機能強化を図り、核燃料サイクルの技術的な確立に向けた開発やこれに必要な研究を行う法人として再出発させるために必要な措置を講じるものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明いたします。
 第一に、改組後の法人の名称を核燃料サイクル開発機構に改めることとしております。
 第二に、立地地元重視の観点から、同機構の主たる事務所を茨城県に置くこととしております。
 第三に、同機構における業務運営の透明性を確保するとともに、社会等との乖離を未然に防ぐため、内閣総理大臣の認可を受けて理事長が任命する委員により構成される運営審議会を設置することとしております。
 第四に、同機構は、これまでの業務のうち、新型転換炉に関する開発、ウラン濃縮を含む核燃料物質の生産を行う等の業務を整理縮小することとし、核燃料サイクルを技術的に確立するために必要な、高速増殖炉、核燃料物質の再処理、高レベル放射性廃棄物の処理及び処分等に関する開発及びこれに必要な研究を行うとともに、その成果の普及を行う等の業務を行うこととしております。
 なお、これまで同事業団が行ってきた新型転換炉に関する開発等の業務につきましては、同機構の業務の特例として、適切な期限を設けて業務の廃止に向けた準備を行うとともに、その後においても、当分の間、それら業務に伴い発生した放射性廃棄物を管理する業務、施設を廃止する業務やその措置に関する技術の開発等を行うこととしております。
 第五に、同機構の業務の運営につきましては、安全の確保を旨としてこれを行うものとし、適切な情報の公開により業務運営における透明性を確保するとともに、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならないこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#80
○委員長(大島慶久君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#81
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上山和人君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子さんが選任されました。
#82
○委員長(大島慶久君) 美術品の美術館における公開の促進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#83
○江本孟紀君 民主の江本でございます。よろしくお願いします。
 今回のこの法案は、美術品の公開の促進に関する法律案でございますから、私なんか美術品はほとんど持っていませんので余りぴんとこない話なんです。しかし、個人とか企業が所有をしておる非常にすぐれた美術品、これを広く国民に鑑賞させることができるようにするために、登録美術品制度というのを設けて、美術品の公開を促進するための法案であるということは大変理解をしておるつもりですが、この中に、早速で申しわけないですけれども、相続税の物納という全く違った分野の話になりますと、何となく素朴な疑問が生じてきます。
 そこでお尋ねをいたしますが、本法律案の本当のねらいは、眠っている美術品を広く国民に開示することにあるのか、物納の優先順位を上げることで実は税収増、これをねらったものなのかどうかということを何となく疑問に思うわけです。法案そのものには私は全会一致ということですので反対はしておりませんので、その辺を少しお聞かせ願えたらと思います。
#84
○政府委員(遠藤昭雄君) お答えいたします。
 この法律案につきましては、第一条の「目的」でも明確に規定をしてございますように、すぐれた美術品の美術館における公開を促進したいということ、それによって国民の皆さんの美術品を鑑賞する機会を拡大していきたいということが主たる目的でございます。
 なお、先生今おっしゃいました登録美術品の物納の特例につきましては、納税に関しての優先順位を引き上げるというものでございまして、税収額には変化はございませんので、そういった意味で税収増につながるものではないというふうに考えております。
#85
○江本孟紀君 税収増というようなはっきりしたものはないと思いますけれども、物納の優先順位を上に上げるということですから、そこでちょっといろいろ疑問が出てくるんじゃないかなと思います。
 次に、美術品のコレクターなんかに聞きますと、美術品というのは大体不特定多数の人の目に触れないから価値があるというふうに言われる人もいるわけですね。だから、登録して美術館等に預けたり物納の対象というようなことになると、逆にそのことによって価値が下がるというようなことを言っている方もいらっしゃいますが、その点についてはいかがでしょうか。
 それから、美術品ですから、美術品の価値に対してどのようなことによって鑑定ができるか。最後は税務署長の権限により価値が決定されるというふうになっておりますけれども、その前の鑑定人ですね、テレビなんかで最近「なんでも鑑定団」みたいなものがありまして、まさかあそこへ持っていって鑑定するわけじゃないでしょうけれども、文化庁長官が任命権者でありますから、鑑定人にはどのような方々を想定されておるのか、お尋ねします。
#86
○政府委員(遠藤昭雄君) まず最初の御質問でございますが、この法律によります美術品の登録というのは、客観的な価値を判断することによって行われるものでございます。その美術品に新たな価値を加えたりあるいは減じたりするものではございません。したがって、本当にすぐれた価値が、名画としての価値があるかどうかという判断をして登録するかどうかを決めていただくということでございますので、御指摘のような美術品の価値の下落が起こるということは私どもは考えておりません。
 なお、美術品の売買における評価額、そういった場合にその評価額が変わっちゃうんじゃないかということでございますと、それが民間の商売としての価格でどうなるかということは、今の段階でどうなるかというのは必ずしも十分明らかじゃありませんが、ただ、本法の登録を受けますと、その美術品が非常にすぐれた美術品であるということが明確になるわけでございますので、逆にその価値が上昇するんじゃないか、そういう考え方もあるんではないかと思っております。
 それから二点目のお尋ねでございますが、鑑定人をどう選ぶかということでございます。
 この登録に当たりましては、文化庁長官は専門家の意見を聞いて判断したいというふうに考えております。ここでは、作品の真贋ですね、本物かどうかということ、それからすぐれた作品かどうかの価値判断を行う、国民の皆さんに見てもらう共通の財産としてすぐれたものかどうかという価値判断をしてもらうということを考えておりますので、美術品に関して専門的な知識を持っておるだけではなくて、かつ高い識見を有していらっしゃる方々から成ります委員会というものを設けまして、そこの意見を聞いた上で判断をしていきたいというふうに考えておりまして、具体的には、学芸員とか研究者など美術関係者とか学識経験者、それから美術商、そういった関係者の方々を考えておるわけでございます。
#87
○江本孟紀君 私も鑑定人とかというのは余り詳しくはないんですが、美術品というのは、作者とかそういう人から一たん手を離れると古美術になりますね。そうすると、古美術の免許を取った人たちが判断をすることになると思いますけれども、これは大変な数がいて、その鑑定人を選ぶというのは大変判断が難しいと思いますけれども、その辺を、先ほどお聞きしましたように、委員会等をつくって明確にやっていただきたいと思っております。
 それからもう一点ですが、バブルの時代に悪徳美術商、悪徳美術商とはどの人を言うのか非常にあいまいですけれども、今までいろんな事件等を見てみるとそういう人たちがいます。そういう人から不当に高い値段で売りつけられた、または作者がわからないような、どこかあちこち回ったものを不当に高い値段で買った作品に対して、要するに入手経路とか購入金額などについて非常に不透明な部分について、例えば、そういう不透明な部分はまあいいですよと、今の価値でどうですかというようなことで判断されるならいいんですけれども、そういうことをきれいに明確にしなさいというようなことになると、登録する人たちが出てくるかどうか一つ心配だと思います。
 こういったものというのは、証券や不動産と違って、登記するものが今までないわけですね。そうすると、過去のどういう経路で今の値段になっているかとかということが非常に不透明である。そんなことに対して、一々出所からずっと今日までの間の、こういうふうになってこの人の手に渡っていますというようなことを説明を求めるのかどうか。そういうことについてはいかがでしょうか。
#88
○政府委員(遠藤昭雄君) この登録につきましては、この法案の第三条におきまして、申請に係る美術品が「重要文化財に指定されたもの」、または「世界文化の見地から歴史上、芸術上又は学術上特に優れた価値を有するもの」、そのいずれかに該当するものであって、かつ「登録美術品公開契約が確実に締結される見込みがあると認めるとき」は、長官は登録をしなければならないというふうに規定をいたしております。
 したがいまして、入手経路につきましてはこの登録の要件とは関係ないことになっておりまして、そういったことの説明を求めるということは考えておりません。
#89
○江本孟紀君 そこで、もう一つ素朴な疑問としまして、登録しなければ物納の対象としないということなのでしょうか。未登録の美術品に対しては、この物納のことですけれども、対象外というふうに理解していいのかどうかです。そういったことをある程度はっきりさせておかないとなかなか表に出てきにくいんじゃないか、その点についてはいかがでしょうか。
#90
○政府委員(遠藤昭雄君) 物納の対象となりますのは、登録された美術品に限っております。したがって、未登録のものについてはその物納の特例の措置を受けることはできないという仕組みになっております。
#91
○江本孟紀君 時間があれですけれども、最後に大臣にお伺いしたいと思います。
 バブルの時代に日本人が買いあさった欧米の作品というのがいっぱいありまして、私もあるテレビ局の取材である銀行の内部をレポートするという番組に行ったことがあるんです。ところが、ある廊下のところにかかっている絵だけは絶対映さないでくれというようなのを聞いたこともあるんです。それが何でそうなのかは聞かなかったんですけれども、そういうものも含めた相当な優秀な作品が、例えば借金の担保だとかそういったことで眠っていると思うんです。
 そういったものをもっとどんどん出してきてもらって、そして、出してきてもらうのはいいんですけれども、今まで全国を見ていましても、何か急に県の美術館をつくったりして、そこへ何でこういう作品を入れたのかという余りちゃんとした脈絡がないまま全国にばらばらに作品が飾ってあって、そういうものは整理をできると思うんですけれども、実際に眠っているものをどんどん出してきやすい環境をつくってやると。
 そういう意味では、ちょっと最近雑誌に出ていたんですけれども、ロサンゼルスにポール・ゲッティ美術館というのが以前からあるんです。これは物すごい広い敷地の中で、例えばそういった国内のものを全部そこに入れて、そしてその美術品の歴史をずっと一周して見られるような、そういった美術館をつくったりしているんです。
 その目的は、一つは、せっかく国に入れた優秀な美術品を海外に簡単に出さないと。今の日本なんかは確かに相当な流出が裏で行われているんじゃないかということで、せっかく入れたものをやはり日本できちっと、美術館というようなところで展示する。そういう意味では、そういった環境が整った国立美術館みたいなものをつくってそこへ預けたらどうか。そういう考え方については大臣はいかがでしょうか。
#92
○国務大臣(町村信孝君) こういう美術品等々の輸出入の統計というのは一応あるんです。それを見ると圧倒的に日本は輸入超過でありますし、かつ、さっき御指摘のバブルのころといいましょうか、またすごい勢いで輸入超過になっております。ですから、どんどん流出しているという状況にはないんだろう、締めて見ると入超であるという意味は、多分国内に相当とどまっているということはマクロ的に見れば言えるんだろうと思います。
 ただ、御指摘のように、ほっておくとまたどんどん流れ出ていってしまうかもしれない。今、重要文化財なんかについては文化財保護法で原則輸出禁止、特別な海外の展示会なんかのときはいいですが、それ以外は原則だめですということになっておりますから、極めて優秀な重要文化財などは輸出できません。
 しかし、それ以外のものについてはこれを特段禁止する法律、規制がございませんので、これを例えば相続のときに画商に売る、それで得た現金で相続税を払う、そうすると、買った画商さんはこれはもう国内で売れないなということになると海外に輸出をする、売るという形で流出するということは、これは現実に確かにあり得る話でありまして、今回の措置というのは間接的にそうした海外流出を防ごうという目的があることは間違いがないわけでありまして、そういう意味で一定の効果を期待をしているわけでございます。
 さらに、委員御指摘のように、そうしたすばらしい作品が国内に眠っているんだろうから、より多くそれをもっと表に出してきたらいいじゃないかということが今回の法律の主たる目的で、公開を前提にして登録をするというような形をできるだけとっていただくことによって、より一層その流出にも間接的に歯どめがかかるし、国民の皆さん方も美しいものを見て心の安らぎなり知的な満足を覚える、そういうような形で日本の文化水準の向上に役立てていきたいと、こういう考えであるというふうに私は思っているわけであります。
#93
○江本孟紀君 ありがとうございました。
#94
○山下栄一君 何点かポイントだけ質問させていただきたいと思います。
 今、文部省におかれましても心の教育の問題が緊急の課題になっております。学校、地域、家庭。そういうときに今回のこの法案、すぐれた芸術作品、美術品に触れる機会をふやすという非常に大事な趣旨であろうというふうに思います。単に子供だけじゃなくて大人にとっても大事だと。物が豊かになればなるほどかえって心が貧しくなるという、物の豊かさとともに心の豊かさが叫ばれ、求められている時代だからこそ今回の法案の趣旨はすばらしいと思うわけでございます。
 学校五日制の検討、また実施の段階で、こういう博物館、また美術館に対する児童生徒の、特に土曜日、日曜日の過ごし方の中でチャンスをふやすという意味で、受け皿をつくるという意味で美術館、博物館の入場無料公開ということが行われてきたわけですけれども、私、こういう法律を機会に、こういう子供の鑑賞機会を拡大するということをもう一歩進めるべきであろうというふうに思うわけであります。
 現在、国立美術館それから博物館の無料観覧日、特に美術館の場合常設展のみと限っておりますけれども、小中学生に限られているわけですけれども、これを私は高校生にも拡大したらどうかなと。と同時に、東京国立博物館は第二土曜日だけで第四土曜日は開放されていない、無料観覧日になっていないという。これもこの機会に、この法案の趣旨から対象を拡大したらどうかというふうに考えておりますけれども、御見解をお願いしたい。
#95
○政府委員(遠藤昭雄君) 御指摘のように、児童生徒の心を豊かにはぐくむ、そういう環境を醸成していくという観点、あるいは学校週五日制にどう対応していくかという一つの方法として、こういった美術館や博物館で美術品や文化財に親しんでいただく、そういう機会をふやすということは大変大事なことであるというふうに思っております。国立の美術館、博物館につきましては、これは館によりまして若干開設状況がいろんなやり方をとっておるわけですが、例えば第二・第四土曜日、あるいは文化の日、成人の日、敬老の日の常設展、そういったものを無料観覧できるというふうにしておりまして、これは多くの場合、小中学生だけじゃなくて一般の方を対象に無料にしております。
 ただ、一部、京都博物館とか奈良博物館では小中学生のみを対象にしているというところもあるわけでございます。こういったところにつきましては、その趣旨から考えまして、私どもとしてもおいおい積極的に対応していく必要があるというので、今後検討をしていきたいというふうに考えております。
#96
○山下栄一君 東京国立博物館。
#97
○政府委員(遠藤昭雄君) 東京国立博物館は、今第二土曜日しかやっておりません。それと成人の日、敬老の日ですから、第四土曜日についても検討していきたいというふうに考えております。
#98
○山下栄一君 それと、ちょっと時間が余りありませんので、留学生についても私は入場の無料化の対象にしたらどうかなというふうに思っております。せっかく日本に来られて何年か過ごされて日本のことを学ぶ機会もあると思うんですけれども、日本の文化がどれだけ理解されているか,日本の国のことを理解されているか,海外で余り理解の程度が進んでいないということをよく聞くわけです。せっかく来られている留学生に対して入場の無料化の拡大、留学生のためのこういう配慮をこの機会にしたらどうかなというふうに考えておりますけれども、御見解をお願いします。
#99
○政府委員(遠藤昭雄君) 海外から来られている留学生の方々に日本の文化に対する理解を深めていただくということは大変いい機会で、意義の深いことだというふうに考えております。
 国立の美術館、博物館につきましては各館で無料開放を実施しておりまして、それは先ほど申し上げましたように、一部ちょっと違うところはありますが、一般の方に一定の日に無料開放しております。また、地方公共団体を見ましても、例えば大阪府とか市など幾つかの県、市におきましては留学生支援事業の一環として、留学生がそういう文化施設等をごらんになる場合には入場料を免除している、そういう美術館、博物館があるというふうに考えております。
 それをもう少し広げていったらどうかということでございますが、これについては各館のそれぞれの考えもあることですから、留学生を対象に一律に一遍に無料開放していくということは、なかなかいろんな課題等もあるのではないかというふうに思いますけれども、日本文化に対する理解を促進していただくせっかくの機会であるという面もございますので、今後さまざまな機会をとらえて、無料観覧の促進ということにできるだけ努力をしていきたいというふうに考えております。
#100
○山下栄一君 もちろん、美術館等で子供だけじゃなく大人の方も全部含めて、したがって留学生も入ると思うんです。常設展の場合に無料開放をやると思うんですけれども、留学生の方々にこの日は無料開放しますよという、例えば記念の日を選んで、終戦記念日でもいいですし、また戦後の駐留が終わった後の独立記念日でも結構ですし、そういうふうな形で留学生の方々にという配慮を示すような、そういうわかりやすい日を設けて無料開放日としたらどうかなという提案ですので、御検討をお願いしたいと思います。
 それから、子供たちの体験学習としての、こういう博物館、美術館の移動教室、また鑑賞教室ということ、ミュージアムプランでしたか,文化庁でございますけれども、これについてもどの程度実施されているのかも含めまして、やはり私は積極的にこういうことをやることが心の教育にもつながるという観点から非常に重要なことではないかなと思いますので、力の入れぐあいをちょっとお聞きしたいというふうに思うんです。簡単で結構ですので、お願いしたいと思います。
#101
○政府委員(遠藤昭雄君) お答えします。
 子供たちに大きな感動を与える、あるいは生きる喜びや誇りを持つということから、文化の側面というのはかなりな役割を果たすだろうというふうに私ども考えていまして、教育改革プログラムを一月に策定しておりますが、その中でも文化の享受の機会の充実というものを取り上げて積極的にやろうというふうに考えております。
 簡単にということですから一つだけ例を挙げますと、いろいろやっているんですが、舞台芸術ふれあい教室というものを現在やっておりまして、これは小中学校、高等学校の学校の体育館に行っていろんなプロの方たちが演劇等、バレエとかオペラとかいろいろやっておるわけですが、子供たちとじかに触れて参加させて見てもらうという企画でございまして、これは大変好評でございます。十年度におきましても、わずかですが八千万ばかり増額をいたしまして、今回八十四カ所でやりたいというふうに考えておるわけです。それ以外にもいろんな事業をやっておりますので、そういった形で少しでも子供たちにいろんな文化に接する面をふやしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#102
○山下栄一君 今おっしゃったことも大変重要な観点だと思いますけれども、僕は美術館に教室を移動して鑑賞教室、移動教室をやるということの推進をもう少し活発化したらどうかなというお話をさせていただきましたので、また御検討ください。
 最後に、税の優遇措置の話ですけれども、この美術品登録制度を申請した方に対して物納優先順位を第一番にするという。それともう一つ、物納という形ではなくて、所有権は相続人がお父さんからなり受け継ぐけれども、この制度を促進する意味で、この登録美術品の制度を採用された相続人については相続税を軽減すると、こういうふうなこと。
 先ほどバブル絵画の話がありましたけれども、銀行の倉庫にたくさん今眠っている、差し押さえ物件もたくさんあると。これについては今、銀行に公的資金も投入して税金を投入しているわけですから、特に投入された銀行については、うちの差し押さえにこういうものがあるということを公開して、そして寄附を推進するとか、その寄附の場合は法人税を軽減するとかというふうなことも、ちょっとこれは大蔵省に聞かなきゃいかぬわけですけれども、そんなこともこれから、これは五年後の見直しがあるわけですから、積極的に大蔵省にも働きかけたらどうかなと思っておりますけれども、大臣のお考えをお聞きして終わりたいと思います。
#103
○国務大臣(町村信孝君) 税の話の前に、先ほどの東京国立博物館の第四土曜日、確かに委員御指摘のように、ここだけまだ無料になっていないというのはいささかの手落ちじゃないかなと思いますので、これは早急に対応するようにしたいと思います。平成十四年からは私ども完全週五日制にしたいと、こう思っておりますので、当然すべての土曜日が無料といった方向でそれぞれ博物館等々で対応してもらいたいなと、こう考えているところであります。
 今御指摘の、文化財の所有者に対する国としての経済的負担の軽減と対応ということでございます。
 文化財の修理とかあるいは管理、これに対する国庫補助制度というのを既にやっておりますし、また税の面でも所得税、相続税、固定資産税等々で今いろいろな対応策をとっております。平成十年度税制改正におきましても、例えば岐阜県白川村の合掌づくりの建っているその敷地については二分の一までの固定資産税の軽減を市町村でやってもいいですよといったような対策も、今年度の税制改正で先般改正をしていただいたところでございまして、今回の御提案もまたその一環であるというふうに御理解をいただければと思っております。
 今幾つか具体的な御提案がありましたので、よく検討させていただきたいと、こう思っておりますが、ちょっとどこまでできるか。いささかバブルで悪乗りした企業にそこまで税金を、仮に軽減をするということが国民的な目から見ていいのか悪いのか。ただ、別途、おっしゃるような美術品の公開促進という目標もあるかもしれない。その辺どこまで公益のバランスがとれるかという問題もあろうかと思いますので、御提言でございますので少しく受けとめさせていただきたいし、また今御提言のあったことも含めて、さらに税制の面、その他の面で文化財所有者の負担軽減のために私どもとして何ができるか、まだまだやる余地もあるようでございますので、引き続き検討させていただきたいと考えております。
#104
○阿部幸代君 すぐれた美術品の公共性に着目して、保存と活用の枠を広げ、国民の鑑賞の機会を広げる本法案に賛成の立場で何点か質問したいと思います。
 まず、登録美術品の対象に関してですが、九六年の文化財保護法の一部改正を思い起こします。今回の立法措置で美術品についても登録制度を導入することになるわけですが、今現在、国宝八百三十九、重要文化財九千八百七十七ある美術品以外にも登録美術品としてその数をふやしていくということなのかどうか。また内容的側面に関して、新たに海外から輸入した美術品を登録美術品として加えていくということが主眼なのかどうか。お伺いします。
#105
○政府委員(遠藤昭雄君) 文化財保護法で規定しています登録対象と今回の法案で対象としております登録対象とは必ずしも一致しておりませんで、今回のやつでいいますと、文化財保護法で対象としております指定文化財については、まず当然対象になる。それ以外に、そのほかのというくだりがありまして、これらについては、主に海外作品で国内に入ってきているもの、これも今後対象としていきたいということでございます。
#106
○阿部幸代君 現在の国宝、重要文化財以外にも、これももちろん登録美術品になるわけですが、それ以外にも登録美術品をふやしていくということも含まれるということですね、今の答弁ですと。
#107
○政府委員(遠藤昭雄君) ちょっと質問の趣旨を取り違えているかもしれませんが、今の文化財保護法で言う登録というのは建造物に限られております。美術品の登録というのは、文化財保護法上ではそういう制度は今ありませんで、今回こちらで出していますのは、美術品について登録制度をつくっていくということでございます。
#108
○阿部幸代君 つまり、現在の国宝八百三十九、重要文化財九千八百七十七ある美術品、これも登録文化財として今回の立法措置で入ってくるわけですね。それ以外にもふえていくということがあるということですよね。同時に、主眼は私は西洋の美術品を登録文化財として登録していくということだと思っているんですが、どうもよくわかっていらっしゃらないんじゃないかと思うんです。
#109
○政府委員(遠藤昭雄君) 国内の指定物件以外の国内のものもどうかという点ですね。
 これについては私どもは、重文指定されたもの以外でも、例えば重文クラスで新発見されたものとか、あるいはこれに準ずる限られたもの、間違いなくこれは重文になるだろうというふうな限られたものについてもその対象としていきたいというふうに考えております。
#110
○阿部幸代君 登録に値するかしないかの評価という問題が極めて重要な問題になると思うんですが、評価を行う評価機関についてどの程度の規模の、どういうスタッフ内容のものを想定しておられるのかお伺いします。
#111
○政府委員(遠藤昭雄君) 先ほどもお答えしたわけですが、この登録に当たりましては、その作品がまず本物かどうかと真贋をするということ、それから作品かどうかの価値判断を行うということですから、やはり専門的で識見の高い方々、そういった方にお集まりいただいて委員会を開いていく必要があるというふうに考えております。学芸員とか学識経験者、美術商などの関係者を考えておりますが、この委員会自体は、絵画、彫刻、工芸品などの各部門ごとに開催をしていきたい。申請された美術品ごとに個別に適正かつ十分な審査を行うことを考えておりますが、それの人数等につきましてはこれから考えていきたいというふうに思っております。
#112
○阿部幸代君 文化庁の役割、言いかえると国の責任に関して伺いたいんですけれども、法案によりますと、登録をし、美術館のあっせんをし、登録美術品の公開と保管の計画並びに公開と保管の状況を提出させるのが文化庁です。また、相続人からの物納が発生したときには文化庁が管理することになります。これは事務の流れだというふうに思うんです。それで、具体的な美術品の流れ、そう頻繁に流れては困ると思うんですけれども、それが問題だと思っているんです。
 昨年、二十一世紀に向けての美術館の在り方に関する調査研究協力者会議が報告書を提出しています。そこでは、収集の時点から長期的展望に立って保存の配慮が必要との観点から、保存・修復に関する中核的役割を担う機関の体制の整備について検討するようにということを提言しています。
 それからまた、かつて、これは随分昔になると思いますが、美術品の保存と活用に関する懇談会のようなものがつくられて、国立美術庫的な構想が練られたこともあると私は存じておりますが、今回の法案ではこの辺の問題が極めてあいまいだというふうに思うんです。つまり、保存と活用のセンター機能を備えた機構と施設、入れ物だけじゃないんですね、人間が、専門家集団が要ると思うんです。そういうものをつくる必要があると思うんですけれども、どうですか。
#113
○政府委員(遠藤昭雄君) この法案に係りますいろんな事務が文化庁の方に、あっせんとか報告を受けるとか情報を提供するとか指導、助言を行うという機能が加わってきておりますので、これに必要な人員等につきましては、大変厳しい財政状況下でございますが、今後検討していきたい。その際には、国立の美術館、博物館に専門家がおりますから、そのノウハウなんかは十分活用していきたいというふうに考えております。
 それから、二十一世紀の報告などでの、保存・修理についてのまとまった施設をどうかということでございますが、これは、こういう提言を受けておりますので、私どもとしては今後さらに検討を重ねていく必要があるというふうに考えております。
#114
○阿部幸代君 今回の立法措置は私は大変画期的な措置だというふうに思っているんですけれども、これが本当に生かされるようにしていくためには、先々やはりいろんな問題が出てくるというふうに思うんですね。それで、個々の美術館任せにしておくことはできなくなるだろうというふうに思うんです。ですから、当面文化庁が保存と活用のセンター機能を担うことになると思うんですが、そのためにはそれにふさわしい文化庁の担当部門の拡充強化が必要だと思います。同時に、やはりその先に国立美術庫的な構想というものが見通されてよいのかなというふうに思っています。
 次の質問ですが、美術館事業にとって高額な保険金、掛け捨てだそうですが、これが事業を圧迫するということをよく見たり聞いたりします。
 昨年、美術品等の流動性を高める方策に関する調査研究協力者会議が中間報告の第一番目にこの問題を取り上げています。「アメリカ等諸外国において採用されている国による補償制度では、国立の美術館等に限らず、公立の美術館等や公益に資することを目的とする非営利法人(NPO)が運営する美術館等における展覧会についても、」「国による補償の対象とされている。」ということが紹介されています。
 この中間報告でも提言されていますが、日本でも国家補償制度の導入を検討する必要があると思うんですが、先送りしたのはなぜでしょうか。
#115
○政府委員(遠藤昭雄君) おっしゃるように、この国家補償制度といいますのは、G7の中でも日本とイタリア以外はこのような制度をとっておるという状況でございまして、私どもも昨年五月に協力者会議をつくりまして、七月には中間報告をまとめたわけです。今お読みいただいたとおりでございます。この報告では国家補償制度を導入すべきであると提言をしておりまして、基本的な考え方を示していただいております。非常に私ども文化庁にとりましては魅力のある中身だというふうには思っております。
 ただ、これは我が国ではこれまでにない新しい制度でございますので、いろいろ検討すべき点もまだございます。対象とする展覧会とか、あるいは諸外国の制度の実績、実例、民間保険との連携をどうするか等々まだ詰めるべき点がございます。十年度で調査研究費を予算計上いたしておりますので、ここでさらにこの具体的な内容について検討していきたいというふうに考えております。
#116
○阿部幸代君 まだ時間がありますので、大臣にお伺いします。
 バブル時代のお話がほかの委員さんの方からも出ているんですけれども、日本は本当に破天荒な高価格をつけて、それで国際社会のひんしゅくを買ったというふうに言われています。この国家補償制度の導入も、実はそれを機にフランスやあるいはオランダなどで行われているんですね。一方、そういう美術品問題を経済行為に任せられていて、国の美術行政のあり方としてはどうなのかということで、国家補償制度もまだ導入されていないということです。
 実は、欧米諸国では美術館と美術館の交流が本当に盛んなんですね。あるいは学芸員と学芸員の個人的なつながりも本当に密度が濃いんだそうです。それが美術館、美術行政を支えているというふうに思うんですが、日本の美術館、美術行政をこれから本当に向上させていく上で、大臣の決意なりをお聞かせいただきたいと思います。
#117
○国務大臣(町村信孝君) 阿部委員から大変重要な御指摘をいただきました。私、たまたまことしの一月にアメリカに行きまして、ニューヨークの近代美術館と言うんでしょうか、ミュージアム・オブ・モダンアート、それからワシントンではスミソニアン博物館、その両方を訪れました。館長さん等々とお目にかかりまして、どういう活動をしておられるのかというのをつぶさに聞いてまいりました。一言で言うと、なるほど本当に今委員御指摘のように幅広い活動、それも国内だけでなくて、例えばカナダの美術館との連携とか非常に幅広い活動をしておられることに私は感銘を受けました。
 それと比べますと、日本の美術に関する、あるいは芸術全体と言ってもいいかもしれません、まだまだやることがあるなという印象を強く持ったところでございまして、そういう意味でこれからさまざまな政策をやっていかなきゃならない。それは何も国が全部丸抱えにするということでは必ずしもなくて、もしかしたら民間同士、あるいはNPOという話もありましたが、そういう形の活動も含めてトータルでもっと日本の美術館が活発なさまざまなバラエティーに富んだ活動をして、そして要は国民一人一人の心に潤いを与えるような鑑賞の機会をできるだけ多く持ってもらうということであろうかと思います。
 本当に委員御指摘のように、このバブルの時期、人類共通の財産でありますものをいたずらに高い値段で買ってきて、あまつさえ、うそか本当か知りませんが、一緒にお墓に持って入るといった発言をされたというような一部報道を耳にしたこともございますが、とてもそれはもう常識では考えられないことであろうと思っておりますので、今回の法律もそうした今後の美術館行政といいましょうか、日本の美術品に関する幅広い行政上の対策の第一歩である、一環である、このように受けとめていただき、さらに今後その充実を図っていきたいものだ、このように考えているところでございます。
#118
○扇千景君 余り私、新聞に載っていることをどうこう言いたくないんですけれども、きょうは時間がわずかですから一言だけ大臣に、これはむしろ私がお願いをしておかなければいけないことだと思います。
 けさのA新聞の朝刊、「九四−九五年 四都県の三十一校、計八億二千万円 学校運動場も談合舞台」という記事が出ました。私はこれを個人的に調べる時間がございませんでしたから、中身のことは申しません。
 ただ、少なくとも東京都、神奈川県、埼玉県、栃木県、それらのところで学校の体育施設あるいは運動場等の談合があったということを、この記事を見ただけでそれをいけないとかいいとかということではなくて、今回政府が補正予算で公共事業を主にするというようなことも言われておりますので、ゆめゆめそういうことが――先日の委員会でも私は補正予算で文部省はどういう予算を使用するのかということを質問しました。そのときに、老朽化した医療機器を最先端の医療機器にかえたいというお話も伺いましたけれども、私はこういうものこそ本当に国民の願いなりあるいは文部大臣の気持ちを逆なでする記事だと思うんですね。そういう意味において、今後公共事業に対する大臣のお気持ちだけ一言聞いておきたいと思います。
#119
○国務大臣(町村信孝君) もちろん談合等々こういった違法行為は、違法かどうかは今後公取などが調べることになるのかもしれませんが、もしこれが事実であるとするならば、これは全く許されざることでありますし、しかも、ついここ何年間の間に大変大きな談合問題ということでさまざまな問題が起きていたさなかにまたこういうことがあったとすると、それはもう本当に遺憾の一言に尽きると、こう思っております。都道府県教育委員会こうした施設を担当する担当者の会議などもございますものですから、文部省としてはかねてからそうした施設発注に当たっての注意事項というのを常日ごろ指導してきたところでございますが、今後とも厳しくやっていきたいと思っております。
#120
○扇千景君 これは後日また判明しましたら御意見を聞くことにして、本法案に対しての質問に移りたいと思います。
 大変日本は活字には文化文化と躍るんですね。まして、荒廃した今日、文化こそがという記事もあるし、あるいは人々の言葉に出てまいりますけれども、本当に文化というものが大事にされているのかどうかという観点から見れば、私は予算の面を見ただけでも本当に恥ずかしい思いで、文化文化と口では言うけれども、その実態は寂しいものだと。日本の文化に対する気持ちというものは戦後失われてしまったと言っても過言ではないというくらい、この文化予算の貧困さを考えれば、私は明々白々だと思うんです。
 しかも、きょうはこの法案に関して先ほどから生徒の動員数の話もございました。美術館の入場者、この表を見ましても平成元年がピークで、児童生徒の入館者総数から見ても、平成元年から半分に近いぐらい減っていっているんですね。それから有料入場者数から見ても、児童子供の分も平成元年からこれも半減しております。平成元年三百三十万六千五百七十が、平成七年では百五十一万四千六百九ですか、半分になっているんですね。
 そういうことから見ても、なぜ半分になったのかなということを考えても、学校の教育が詰め込み主義で、時間が足りなくてゆとりがなくなっている証拠じゃないかと思うんですね、私の思い過ごしかもしれませんけれども。
 先ほども同僚議員からもっと子供たちを美術館に見せに行ったらというお話がございました。そうではなくて、もっと早く、平成七年二月九日に、私今ここに議事録を持ってきたんですけれども、私が当時の文部大臣に、週五日制になったらボランティア教育をしてほしいという要望を申し上げたんです。
 きょうは時間がありませんから、そのうちのたくさんは申しませんけれども、例えば子供博物館、インディアナポリスのミュージアムで、千三百人のボランティアの中に子供が七百人から八百人いるんです。子供たちは学校と親の許可をもらって十歳からそれに参加するんです。そして、新人かあるいは中くらいかベテランかの三色のエプロンをつけてミュージアムの中でお客様を御案内するんです。
 日本の生徒を見ておりますと、どこへ行ってもがやがやわいわい、先生一人ではとても生徒を引率できないぐらい子供たちは行儀が悪くなっています。そういう意味で、生徒に見せるだけではなくて、こういうところが好きな子供たちをボランティアとして働かせてしまう、そしてお客様の案内もさせるということが実際に行われているわけですから、私はそういうことを週五日制になったらやってくださいねというお願いもしたんです。そのときにごみ拾いのことも言いました。アメリカのセントラルパークでは授業時間を割いてセントラルパークの掃除をする、これは小学生なんですね。
 これは全部言っていると切りがありませんから、議事録ですからやめますけれども、少なくとも今回のこの改正によって今まで眠っている美術品が世の中に出てくるのであれば、生徒が見に行ってもその価値もわからないしマナーも悪いし、そういうことで、ぜひこういうことを取り入れて週五日制の重みというものを、地方自治体にそれを大臣からぜひ奨励してボランティア活動をする。そうすると、小さいときから物を見る目ができるし、物を大事にすることもわかるし、マナーもわかる。大人になって教えても遅いんです。中学生や高校生、十把一からげで見に行ったって、あの行儀の悪さを見ると情けなくなります。
 そういう意味では、ぜひそういうことも大臣にお考えいただきたいと思います。いかがですか。
#121
○国務大臣(町村信孝君) 入場者数、入館者数が本当に減っているというのは残念なことでございます。そういう意味で、先ほど他の委員からの御指摘もありましたけれども、さらに無料枠を拡大する等々のことも積極的に考えていかなければいけないなと、こう思っております。
 週五日制への対応ということで今、扇委員から御指摘がございました。さまざまな活用の仕方があるんだろうと思います。いやしくも土曜日、日曜日、また塾に行く日数がふえるというようなことがあっては何のための週五日かということになると思います。
 したがいまして、土曜日、日曜日の活用方法として、今、委員御指摘のようなさまざまなボランティアということもあるでしょうし、また、土日ではなくて平日においても、例えば総合学習の時間といったようなものをうまく組み合わせるというようなことだって私はあってもいいんじゃないのかなと、こう思っております。
 すべての学校がとはいかないまでも、近くの学校とかというようなことで、今、委員御指摘のようなことも含めて、ボランティアの重要性、さまざまなボランティア活動があろうかと思います。そうしたものを積極的に取り入れるというのが今回の学習指導要領改正の一つの柱であろうと思って積極的に対応させていただきます。
#122
○扇千景君 それから、私はぜひこれもしていただきたいと思うんですけれども、私たちも日本じゅう走り回りますけれども、いろんな地方へ行きますと箱物だけは立派なものがたくさんできました。それはもう大臣もお気づきであろうと思います。仏つくって魂入れずと同じように、箱物はっくったけれども展示する品物が本当に粗末である。展示するかわりがないんです。そういう意味では、今回の法案によって眠っている美術品が人の目に触れるということに私は大賛成です。
 私は大変失礼な言い方をしまして、文化庁の皆さん方に、ああこれ虫干しねと言ったんです。いろんなものを買っても自分の蔵なり自分の家で抱えて楽しんでいる、これは美術愛好家の癖なんですね。公開することで喜びを感じる人と、持ってそれをだれにも見せないで自分だけ見ているという二種類あるんですね、美術愛好家というのは。ですけれども、今回のことによって眠っている美術品が展示されるということで、虫干しにしろ虫干しの効果というものはあるわけですし、虫干しによって多くの人が見るということは私は大変いいことだと思うんです。
 問題は、その箱物が多くなった日本じゅうの美術館、あるいはそれらの建物等々の中で総合的な情報ネットワークシステムというのができてないんですね、日本の場合はまだ。私は、少なくともこういう文化財の情報システムというものを完備しなければ、文化を大事にしたとは言えないと思うんです。
 ですから、今回のように美術品を公開することを促進するのであれば、文化財の情報システムというものを全部、今の時代ですから完備して、そこにお金を使うことをまず予算等々で、補正予算なんかはまさにこういうところに使って日本の美術の情報システムというので全部登録してしまうと。そうすると、今おっしゃったような遺産相続でどうだとかなんとかよりも、日本にある美術をいかに大事にするかということの私は基本になろうと思うんです。
 ですから、補正予算でも予算がとれましたら、ぜひ全国の文化財の情報システムというものを網羅して、日本にどれだけのものがあるかということをまず私は文化庁に把握させてやっていただきたいと思うんです。でなければ、大事にするも大事にしないも、もとの情報すらまだできていないという状況では私は文化庁の名が泣くと思うんです。本来は文化庁というのを省に上げたいくらい日本はだめになってる文化ですから、格上げしなかったら文化も上がらないんだろうと思います。
 きょうは時間がございませんのでこの程度にしますけれども、ぜひ予算の中でその文化財の情報システムというものを設置していただきたいし、情報収集していただきたいということを希望しておきます。
#123
○政府委員(遠藤昭雄君) 簡単に御説明いたします。
 先生御指摘の点は大変これからにとりまして大事な点でございます。今、文化情報総合システムというものを私ども予算化いたしまして、額はまだ六億七千強の予算でございますが、これによって、まず国立て所蔵している美術品あるいは文化財についてそれをデータ化する。それをインターネットで結んで、地方の美術館にいてもあそこの美術館には何があるかということができるようにする。
 それと同時に、これからの話ですが、地方の美術館で持っているものを自分のところでデータ化して、それでほかの地方でも見れると。まさしく先生がおっしゃったように、そういうものをチェックして、じゃこれを借りましょうというふうにして、自分のところだけで持っているんじゃなくて、相互交流を図っていくというふうなことをぜひ実現したいということで現在努力中でございますので、今後ともよろしくお願いいたします。
#124
○委員長(大島慶久君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。1別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 美術品の美術館における公開の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(大島慶久君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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