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#1
第142回国会 文教・科学委員会 第19号
平成十年四月三十日(木曜日)
   午後零時四十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     竹村 泰子君     本岡 昭次君
     加藤 修一君     山下 栄一君
 四月三十日
    辞任         補欠選任
     清水 澄子君     上山 和人君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島 慶久君
    理 事
                小野 清子君
                北岡 秀二君
                馳   浩君
                小林  元君
                松 あきら君
    委 員
                井上  裕君
                釜本 邦茂君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                野沢 太三君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                萱野  茂君
               日下部禧代子君
                阿部 幸代君
                扇  千景君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   参考人
       中央大学理工学
       部教授      久米  均君
       東京大学工学部
       教授       近藤 駿介君
       埼玉大学講師   角田 道生君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十八日、加藤修一君及び竹村泰子さんが委員を辞任され、その補欠として山下栄一君及び本岡昭次君が選任されました。
 また、本日、清水澄子さんが委員を辞任され、その補欠として上山和人君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大島慶久君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として中央大学理工学部教授久米均君、東京大学工学部教授近藤駿介君及び埼玉大学講師角田道生君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(大島慶久君) 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、参考人の方々から御意見を賜った後、質疑を行います。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 皆様方には、ただいま議題となっております原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案につきまして忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、議事の進め方でございますが、久米参考人、近藤参考人、角田参考人の順序でそれぞれ十五分程度で御意見をお述べいただいた後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は、意見、質疑及び答弁とも着席のままで結構でございます。
 それでは、まず久米参考人から御意見をお述べいただきます。久米参考人。
#6
○参考人(久米均君) ただいま御紹介いただきました中央大学の久米でございます。
 本来は、この席には動燃改革検討委員会の委員長である吉川弘之先生がお座りになるのが適当かと思いますけれども、先生は海外にお出かけということで、改革検討委員会の委員の一人である私が代役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 本日は、主に改革検討委員会でまとめました「動燃改革の基本的方向」という、こういう冊子がございますけれども、これに沿ってお話ししたいと思っておりますが、多少、私個人の意見も含めて述べさせていただきます。
 私は、この四十年間、品質管理の分野で日本の工業製品の品質改善のためのマネジメントに取り組んでまいりましたけれども、私の意見はこの観点から見た動燃のマネジメントの問題でございます。
 今回の動燃の問題は、次の二つの失敗に端を発しております。それは、事故の防止とその後の対応の失敗、もう一つはコスト高のために技術を売れなかったことであります。これらの失敗は、次に述べる幾つかの困難に的確に対応できなかったことによるものであります。
 まず、動燃の出発時点から潜在していた困難についてお話しいたしますと、これは動燃が原子力に関する必要な技術を自主技術開発、国産技術としてすべてを自分で賄うことをもくろみ、基礎研究、開発、実用化、各段階での技術的課題を持っていたこと及び炉の建設と燃料製造など背景の全く異なる領域が併存していたことであります。
 さらに、これは私の意見でございますが、公的機関であるがゆえに市場マインドが欠如していたと思います。動燃で開発された技術は我が国の電力会社で活用されるべきものであるにもかかわらず、電力会社の要望を聞くよりも研究資金の源である科学技術庁に専ら顔が向いていたということであります。このために売れない技術が開発されるということになったのではないかと思っております。
 次に、状況の変化によって発生してきた困難があります。
 その第一は、先駆者の消失であります。御存じのように、それまで先導的であった諸国が相次いで原子力技術開発の分野から撤退いたしました。それまで我が国は常に追随者の立場にあったのでありますが、学ぶべきものがなくなった状況では、研究、開発、実用化という流れにおいて有機的な連携関係を構築するとともに、各段階での共通する安全確保、危機管理、社会性等を含めた全体を通しての総合的な計画を立てるべきでありました。しかし、その視点が欠如していたということであります。
 次の問題は、経済のグローバリゼーションの問題です。
 経済がグローバル化してまいりますと、自主技術の持つ意味が変化してまいります。利用者の立場としては、何も全部我が国の技術を使うことはない、安くてよいものがあれば外から買ってくればよいではないかということです。この場面では、自主技術、国産技術の持つ意味は、競争力のある技術という意味に変わってまいります。公的機関である動燃にはこの意識が薄かったのではないかと思います。
 第三番目は、他の領域での急速な技術進歩の成果を動燃は積極的に取り入れなかったということです。
 原子力産業は、技術の総合によってできております。単に核分裂の技術だけでは原子力産業は成立しません。原子力技術はシステム技術であり、構造材料、制御技術、測定技術、自動化技術などの要素技術、シミュレーション技術、設計技術、製造技術、管理技術、安全技術などの総合技術を取り込んでいかなければなりません。動燃は広く産業技術の進歩との接触を怠ってきた。設立当時の技術資産は陳腐化してしまったのであります。
 それでは、どうしてこのようなことになってしまったのでしょうか。
 その理由は、それを行う視点が存在しなかったからであります。経営の不在であるとも言えます。このことは、動燃に限らず日本の多くの組織で経営不在の現象が起こっています。国の行政組織、大学、そして企業にすら見ることができます。組織の構成員は組織のために働く意識と意欲を持っていますが、しかしその視点は自分の置かれた位置における仕事に限定されるのが普通です。社会全体を俯瞰し、組織全体としての進路を定めるのは経営者の役割ですが、経営者が名目的である場合は組織の構成員によって各部門の活動が定められ、組織の活動はその総和となってしまいます。組織全体の行動の決定者は特定できず真の責任者は不明となります。このような仕組みは目標が外に見えるものとして与えられている場合は効率的に作動しますが、この目標がなくなった場合は破綻を来します。このような状況では組織全体にわたる整合的な計画が必要となるからであります。動燃の問題は、変化に適応すべき計画を立て実施していく俯瞰的な経営者が動燃において存在しなかったか、あるいは存在しても十分な裁量を持って行動することができなかったことによるものであると思います。
 以下、この経営不在の問題について具体的にお話ししてみたいと思います。
 まず、安全管理と危機管理の不備の問題です。
 動燃は高度の研究開発と徹底した安全確保という他の組織に見られない特徴的な課題を持っておりました。しかし、研究開発部門と施設運転部門とのマネジメントの体制は基本的には別のものでなければならず、これを明確にしておくことが必要でありました。例えば安全の問題でございますが、安全は、定められたこと、当たり前のことを確実に行うことがその基盤であります。しかし、研究開発では、定められたこと、当たり前のことをやっていたのでは研究にはなりません。今までやらなかった新しいことが研究の対象になるからです。ルールどおりやるということは研究者の好むところでないことが多いのです。したがって、優秀な研究者は安全管理者としては必ずしも適格ではないことがあります。
 他の産業において防災に関する高度な方法、技術が達成されてきています。ところが、動燃はこれを余り学んでいないようです。動燃改革検討委員会の委員で元消防庁長官であった矢野委員のお話でございますが、動燃は放射性物質の取り扱いについてはそれなりのものを持っていたようであるが、一般火災に対する対応は極めて不十分であるとのことでした。消防においては、消火、火が消えるということと、鎮火、火がおさまるということは厳密に区別されている、これは消防のイロハであるとおっしゃいましたけれども、動燃はこの区別を知らないとのことでした。事実、火が消えたと言われた後で爆発が発生したわけでございます。
 次の問題は閉鎖性の問題です。
 動燃が社会に対して閉鎖的であると言われています。ここで言う社会とは、一般の人々、直接のユーザーとしての電力業界、潜在的な技術の提供者としての一般産業などを広く含んでいます。研究や運転を行う者はその課題に没頭している間は外界と接触することは困難であります。これを強要することは筋違いです。また、研究者の中には対人関係が下手な人もいます。しかし、組織としての動燃は常に社会に対して開かれていなければなりません。動燃に流入する要請を受けとめることが必要であるからです。これは経営の義務であり、場合によってはその要請にこたえるべく研究、運転の計画を立案し資源の配分を行っていかなければなりません。
 第二は、動燃からのメッセージの発信にかかわることであります。
 これは単なるサービスではありません。これは動燃研究者が研究を発表し、技術者が専門家に開発結果を説明し、あるいは青少年のために教育的見地から見学会を催すといった次元のものでもありません。それは動燃の事業に関する説明であります。長期的エネルギー政策の中で現時点では開発がどのレベルにあるのか、次の解決すべき問題は何か、そこでどんな技術的困難が予想されるのか、その克服のプログラムは何か、他産業のどんな分野の協力が必要か、これらにはどれくらいの人材や資金の投入が必要であり、そして時間はどれくらいかかるのかなとについて常時メッセージとして発信していくことが必要であります。これは経営者の立場においてのみなし得ることであります。
 第三は、事業の肥大化の問題であります。
 経営の不在が事業の肥大化を生み出します。これは動燃に限らず公的機関にしばしば見られる一般的な現象であります。組織全体を俯瞰的に見る目が曇っているか、あるいはその目を持っていても与えられた裁量権やその行使が少な過ぎるとき、組織が動いていく方向は組織を構成する要素の意欲に従って定まってしまいます。私企業においてもこの肥大化の現象に悩まされることが少なくありません。これからの離脱を可能とするものはスクラップ・アンド・ビルドであり、これを行うのは強力な経営であります。経営の力が弱い場合は構成要素の既得権益という自己保存の欲望に経営が負けることになってしまい、肥大化が始まるのです。
 以上、動燃の経営の問題についてお話しいたしました。しかし、ここで述べたことは単に動燃だけに当てはまるものではなく、他の多くの組織においても該当することであります。したがって、私としましてはこれで動燃だけを責めるのは少し気の毒な気がいたしますが、事実は事実であります。
 次に、新組織の新たな経営の確立に向けてどうあるべきかについてお話しいたします。
 これまで動燃の経営の問題点をお話ししてまいりましたから、基本的にはそこで指摘された事柄を解消すればよいということでありますが、要約すれば以下の三点になるのではないかと思います。
 まず、先例のない研究開発を行うのがその使命であります。そのためには失敗を恐れぬ勇敢な精神、専門領域の深耕が必要です。
 次に、原子力であるがゆえの高い安全性を確保しなければなりません。そのためには失敗を最小化する細心さ、危機管理及び社会性の向上が必要であります。
 第三は、競争力ある技術の供給であります。動燃の目的が研究ではなく開発である以上、そこで開発された技術は実用化されなければなりません。そのためには幅の広い視野と妥協が必要であります。
 これらの三つの課題はお互いに矛盾する多くの要素があります。これを的確に克服していくためには強力なマネジメント体制が必要です。これをすべて各個人に要求することはできません。それぞれの領域ですぐれた人材を結集し、それを統合していく強力なマネジメント体制が必要なのであります。
 最後に、新組織に対する私の要望を述べさせていただきます。
 一、研究開発には多くの困難があります。予定どおりいくものではありません。失敗もあります。これらを乗り越えて七転び八起き、不退転の気概を持って取り組んでいただきたいと思います。
 二、実用化に当たっては、開発された製品のコストは極めて重要な要素であります。基礎研究は別としても、開発においてはそれが市場で受け入れられない場合は失敗であることを十分に自覚していただきたいと思います。
 三、しかし、研究開発の当初からコストを考えていては中途半端なものになり、成功はおぼつかないことです。当初は機能、性能を第一とし、次の段階で徹底的にコストダウンを図るのが筋道です。商品として実現するまでは開発は終わりません。途中で放棄することなく、粘り強くやっていただきたい。
 四、原子力に関する仕事には社会の高い関心があります。特に事故、トラブルに関してはその影響は当事者以外の第三者に広く及ぶ危険があるためにそうであります。新組織で事業に携わる人たちは常にそのことを念頭に置き、事故、トラブルの予防と、万一トラブルが発生した場合の危機管理について徹底するとともに、その透明性を確保していただきたいと思います。
 五、法律は容器であります。法律が変わったからといって問題が解決するわけではありません。新組織の構成員一人一人の心構えが大切です。今回の事故はチェルノブイリ、スリーマイルの事故に比べれば軽度と言うことができると思います。これは不幸中の幸いでした。今回の失敗を反省の材料として、より有効な開発体制を構築し、新組織が研究開発組織の国際的なモデルとなるような実績を築いていただくことを念願いたしております。
 以上、御清聴ありがとうございました。
#7
○委員長(大島慶久君) ありがとうございました。
 次に、近藤参考人にお願いいたします。近藤参考人。
#8
○参考人(近藤駿介君) 御紹介いただきました近藤でございます。機会を与えられましたので、お手元の資料に沿って考えるところを申し述べさせていただきます。
 タイトルとしては「我が国の原子力開発利用における新組織の位置づけ」としてございますが、まず第一に申し上げたいことは、エネルギー問題は、当面する人口爆発を乗り越えつつ、人類が福祉の向上を限りなく実現していくために挑戦しなければならない重要課題の一つであると考えております。しかして、我々のエネルギー生活を見ますと、現在、科学技術の成果に大いに依存をしておりまして、したがってこの挑戦は引き続き科学技術を賢く利用してなされるべきであると考えます。
 ところで、この科学技術でございますが、これは研究開発によって生み出されるわけでございますけれども、研究開発の課題の中には、潜在利益は大きいけれども情報が不足していてその開発に要する投資が大きいあるいは開発に要する時間がかかる、さらに開発失敗の可能性が少なくない、あるいは研究開発の成果が学術の進展、環境負荷の低減あるいは安全保障水準の向上等の公益を生ずる等の理由で、民間活動のみでは国民福祉の観点から見て過少な投資にとどまる場合がございます。
 こうした課題については、国が関連学術に関する基礎研究を推進し、分野を特定して研究開発を行い、また民間が競争力をつける過程でのリスクを軽減するべく補助金等の公的支援を行うことが公共政策上必要かつ適切とされるわけでございます。原子力はこうした課題分野の一つであると認識しております。
 その原子力でございますが、原子力は、関連施設が一般に大量の放射性物質を内蔵するので、いわゆる厚い安全確保対策が必要である。それから、燃料の原料が核兵器材料と共通なので施設を国際原子力機関の保障措置のもとに置いて透明性ある管理を行うことが必要である。あるいは極めて技術集約的で諸学の結集によって推進されることが必要である等のいわゆる高い参入障壁があるとされております。
 しかし他方、燃料のエネルギー密度が高く、コストの資源価格依存性が低い。何より温室効果ガス等を排出しないとか、また高速増殖炉など燃料の高効率利用技術が実用化すれば人類のエネルギー需要を超長期にわたって満たすことが可能である等の著しい特徴があるわけでございます。このため、過去、主要先進国において国を中心とした研究開発努力が大規模に行われ、その結果、発電分野において一定の貢献が既になされるようになっているところは御高承のとおりでございます。
 ところで、成功する技術経営では、現在の利益中心技術を注意深く維持していく活動、それから経営環境の変化に対応して新しい技術あるいは革新技術を導入、実用化していく活動、そして将来そうした観点から選択可能な革新技術を用意するために研究開発を行う活動、こういう短期、中期、長期という計画期間を異にする行動群を注意深く計画、実施していくことが大切とされております。これに従いますと、現在の我が国の原子力開発利用におきましては、現在の中心技術である軽水炉を競争力のあるものとして引き続き維持発展していく活動に対して、軽水炉使用済み燃料の再処理、プルサーマル、高レベル廃棄物処分技術の導入、実用化を推進していくいわゆる中期的活動、そして革新的原子力発電技術となり得る高速増殖炉とその燃料サイクル技術等の研究開発という長期的視点に立った活動、これをバランスよく計画、実施していくことが肝要であると考えます。
 これらの課題のうち、中長期課題にかかわる研究開発の推進を国民より負託されてきた動力炉・核燃料開発事業団が、一連の事故に際して負託者たる国民に対して必ずしも誠実とは思われない対応をしましたことは大変残念で、また原子力界に身を置く者として少なからざる責任を感じている次第でございます。本委員会におかれまして、動燃改革検討委員会の方針に沿って提案された動燃事業団の解体的再出発のための組織改正にかかわる法律案を懇切に御審議いただいていると承っておりますが、この際深く敬意を表し、感謝申し上げる次第でございます。
 さて、新組織についてでございますが、近年、エネルギー価格の低下に伴いまして、諸外国では国にかかわる原子力研究開発費が急速に低減してきておりますが、一方我が国におきましては原子力研究開発投資が引き続き高い水準にあります。これは、原子力開発利用長期計画に示されていますように、我が国の原子力開発利用活動が、エネルギー資源がほとんど賦存しない我が国のエネルギー安全保障の確保はもとより、人類の直面する環境問題を踏まえて、将来世代の人類に役立つエネルギー技術を開発するいわば国際公共財の開発を目指しているゆえんではないかと考えている次第でございます。
 したがって私は、新組織が、大気汚染物質や温室効果ガスの発生量の小さい原子力を世界のどの国でも安心して、しかも長きにわたって利用できるための基盤的技術を供給することを目標とし、その重点事業の一つとして、さきに申し上げました特徴を有する高速増殖炉とその関連する核燃料サイクル技術の研究開発を取り上げているのは妥当と考えます。
 そして、この事業が、高速増殖炉というのが高速中性子を多量に利用可能という特性を生かして、プルサーマルの実施に伴い高次化したプルトニウムや軽水炉使用済み燃料の再処理から生ずる高レベル放射性廃棄物にも含まれるいわゆる長半減期物質をこの炉で燃焼する技術の開発を含むとしていることも、軽水炉技術が長きにわたって世界各地で安心して利用できるようにする観点から適切であると考えます。
 また、第二の主要事業であるサイクル廃棄物環境保全技術の研究開発は、それ自体当然のことながらすぐれた核燃料サイクル活動に必須でございますが、また冷戦の残滓である核燃料物質の処理や放射性物質に汚染された土地の回復に貢献できる技術を提供できる点でも世界性を有すると評価できると考えます。
 このように、新組織の事業は世界性があり挑戦的でありますから、当該分野の先鋭的な研究が行われるべく配慮をすることが重要でありますが、同時にその推進に当たりましては内外の関係機関との共同作業を活用しながら地球規模で効率的に行われるよう配慮すべきと考えます。
 また、先ほど久米先生がおっしゃいましたように、まさしく実用性のある技術開発を目指すわけでございますから、世界の多様性を踏まえた実用性の視点からの外部評価を適切に行い、その結果を事業にフィードバックし、あるいはそうしたプロセスを通じて成果の利用者を見出すよう配慮するなど、事業のリスク管理を徹底することが重要であると考えます。
 また、そうした事業の基盤となるのが「常陽」、「もんじゅ」、東海再処理工場等の施設でございますから、これらの施設の計画的利用が可能になるよう細心の注意を払ってこれの運転管理をするとともに、常にこれらが第一級の研究開発施設であるように改良、改善していくことも業務の枢要課題とされなければならないと考えます。
 さらに、不幸にして幾つかの施設は立地地域の人々の不安の源になっている現実がございます。そこで、地域社会におけるよき隣人として、情報公開はもとより、住民の関心の高い施設の運転状況のリアルタイムでの公開を工夫する等、地域と当事者の顔の見える交流の増大により、相互学習といやしの機会を整備、充実していくことが重要であると考えます。
 以上、地球環境問題は多面的かつ複雑な課題を内包し、恐らくは今後ともダイナミックな展開を見せるであろうと考えます。この核燃料サイクル技術の開発を通じてこれの解決に貢献することは、来世紀の我が国の国際社会における地位にも大いに影響を与え得る極めて挑戦しがいのある課題と考えます。したがいまして、新組織は、この認識をまずもって何よりのことと考え、地域社会の人々と共有することが肝要ではないかと考える次第でございます。
 以上でございます。
#9
○委員長(大島慶久君) ありがとうございました。
 次に、角田参考人にお願いいたします。角田参考人。
#10
○参考人(角田道生君) 角田でございます。
 私は、現在は非常勤で埼玉大学工学部で気象学の講義をやっておりますけれども、その前、約三十年間、東海村の日本原子力研究所で環境安全の研究に従事してまいりました。その間、動燃とも身近な接触がございました。
 今回、「もんじゅ」、それから再処理と続いた動燃の事故とその際の動燃の対応は、国民の間に動燃に対してだけではなく原子力開発に対する深い不信感を招いたというふうに考えます。私は、事故の持っていた意味の突っ込んだ検討、それから、そこからどういう教訓を取り出すかということに関しては現在でもまだ極めて不十分であるというふうに考えております。今回の法改正の措置で一連の動燃事件の幕引きということになれば、それは国民の不信をさらに増幅することになるのではないかということを心配します。
 「もんじゅ」事故の後、これは一九九六年四月ですけれども、日本学術会議主催の「もんじゅ」事故のシンポジウムが行われました。私も出席いたしましたが、学術会議側の冒頭あいさつで、動燃は何が起こったかということよりもなぜあんな事故が起こったかという部分を詳しく説明してほしいと注文をつけたことが今でも印象に残っております。私も全く同感でした。
 「もんじゅ」の場合には、初歩の技術者でも気がつく温度計の欠陥を、なぜ、発注仕様を書き、承認図面に印を押し、納品検査をやった動燃が、だれ一人としてチェックできなかったのかということ。あるいは再処理の事故に関しては、事故現場の作業員というのは四人の班長以下二十八名全員が緊急対応の権限のない外部委託業者であった。放射能と反応の激しい化学物質を扱う作業を、さらに事故の起こったときは固化体減量というテスト運転、そういうときになぜこのような無謀な運転体制がとられていたのか。動燃の事故隠し体質などとともに、こうした一種の技術の腐敗と思われるようなことがなぜ育っていったのか、原子力の他の分野で同様なことが起こっていないか、こういうことを全面的に検討することが求められていると思います。
 科技庁の設けました二つの事故調査委員会は、事故の直接原因の調査にとどまって、このような体質を生んだ遠因、背景にメスが入れられていないと感じます。したがって、事故の一番大事な教訓が動燃改革検討委員会報告や高速増殖炉懇談会報告に十分に反映されない結果となったというふうに考えます。
 私は、動燃法改正の前に、一つは動燃的体質を育ててしまった原子力委員会、科学技術庁の指導監督の姿勢を検討する必要があると思います。次に、国の原子力開発戦略の再検討を行う必要があるというふうに考えます。
 まず、事業団的体質と監督官庁のかかわりについてでありますけれども、政府設置の事故調査委員会の報告の中で事故の背景にメスを入れた例もあります。
 原子力船「むつ」が試験運転の最中に放射線漏れの事故を起こしたという事件が新聞で大きく話題となりましたときの一九七五年の「むつ」放射線漏れ問題調査委員会報告ですが、この報告書はやや異色でした。冒頭に、事故発生の原因を単に技術面に限らず、国の政策面、原子力船開発事業団の組織の運用面など可能な限り多面的に検討するという検討姿勢をまず明らかにしております。そして、結論的に、事業団が開発をメーカーに分割発注しその開発の重要部分が短期出向のメーカー職員に任され原子力船開発事業団の技術の空洞化が起こる、出向職員が自分の親会社に発注書を書くなど企業との癒着が起こりやすいとか、それから国の安全行政にも触れまして、国の安全審査体制でも、忙しい大学の先生たちがパートタイムでもって審査に当たるというような現状では責任の所在をあいまいにしたまま無難な結論が安全審査で生まれやすいというような指摘をしたわけです。つまり、事業団の体制、それから国の行政の転換を求める勧告を含む報告を提出いたしました。
 私は、これを今振り返りますと、この内容はほとんどそのまま今回の動燃の欠陥体質への指摘としても適用することができると思います。しかし、原子力委員会と科学技術庁は、この報告書が出た後二十年間、この指摘を動燃の指導に生かそうとしていなかったと思います。むしろ、報告書指摘とは逆に、性急な事業化、スケジュール最優先の指導をしてきたというのが実態ではなかったでしょうか。
 こういうような背景で、動燃の初代理事長、中部電力出身の方ですが、職員訓示の中で、動燃は一口で言えば日本のNASAであると。日立製作所出身の二代目理事長は、動燃はマネジメント専門であり、みずからの季を汚して現場の仕事をするところではない、作業は大学や他施設など既存の機関と人材を利用してやればいい。通産省出身の三代目理事長は、動燃は現場中心ではだめである、スクラップ・アンド・ビルドで二、三年で成果を上げる必要がある、主任研究員的なセンスでは通用しないと職員に訓示したということを私は動燃の友人から聞いたことがあります。
 事故の背景となりました国の開発行政姿勢にもメスを入れるためには、私は今回のような事故調査委員会システムでは無理であろうというふうに思います。今回の二つの事故調査委員会とも、二つと申しますのは「もんじゅ」と再処理ですけれども、科技庁の内部委員会で、委員の構成を見ましても科学技術庁職員とか安全審査その他で科学技術庁と関係の深い機関のメンバーが含まれております。例えば、アメリカのスリーマイルアイランドの原発事故の後に設けられました大統領特別事故調査委員会、あのような第三者調査委員会による動燃事故の再調査ということを私は事故後の原子力の再出発のためには今後不可欠ではないかというふうに考えております。
 次の、国の開発戦略に関してでありますけれども、「むつ」の調査委員会の報告が冒頭に書いたのとは反対に、動燃検討改革委員会の報告は、冒頭に「動燃に与えられた使命そのものの改変は、本委員会の目的に含まれない。」と、あらかじめ検討範囲をみずから限定しております。しかし、前述した性急な事業化を図った事業団的体質、これは国から与えられた使命、国の基本政策から生まれたものであると私は考えます。
 一九九四年策定の現行の原子力開発利用長期計画では、FBRを将来の原子力発電の主流にすることを基本とする、あるいは動燃は技術開発の中核的役割を果たすものとするというような形で、燃料サイクルの開発路線ということに関しましてはプルトニウム燃料・ナトリウム冷却高速増殖炉、それからピューレックス方式の再処理、それからMOX燃料の軽水炉利用といういわば一本道、一本やりの開発戦略が強調されております。そこでは技術基盤を強化しながら柔軟に開発戦略の選択肢を広げるという方針が極めて希薄であると思います。そして、技術開発の中核的役割を果たすと位置づけられたその動燃において、この戦略の技術的かなめの部分、高速増殖炉と再処理のそれぞれで相次いで事故が発生したわけであります。
 その意味で、この際、動燃の部分的手直しと名称変更という衣がえの前に国の長期計画の再検討が必要であると私は考えます。そして、増殖炉、増殖方式についても、再処理プラント、再処理方式についても、バックエンド対策についても、抜本的に多面的なアプローチを検討し直すことが必要であり、それが世論の批判にこたえる道であると考えます。
 高速増殖炉懇談会報告には、このような観点からの検討が十分になされていないのが私には残念です。同報告では、欧米諸国でのFBR開発路線の変更などにも触れておりますけれども、その開発中止の理由を例えば核不拡散、あるいは地方議会が承認しない、あるいは財政事常というような各国の技術外的な事情で片づけられております。しかし、私はもっと謙虚にこれらの国で開発を放棄した中で得られた技術的な検討ということをくみ上げる必要があると思うんです。その上で我が国の今後の増殖炉をどうしていくかというようなことを考える、こういうことが大事ではないかと思います。
 高速増殖炉懇談会報告を見ますと、もう既に「常陽」と「もんじゅ」に使ってしまった金額の大きさから、これをむだにして路線を捨ててしまうのはもったいないという感じての「もんじゅ」継続論が中心であって、こういうことでは矛盾が将来さらに拡大して「むつ」漂流の二の舞になりかねないというように私は感じました。
 最後に、きょう、皆様の手元にへら一枚の資料をお配りいたしました。これはリリエンソールがちょうど亡くなる一年ぐらい前に書いた遺言的著書のように私には感じる本からの抜粋であります。
 デビッド・リリエンソールは、皆さんも御承知のように、一九三〇年代のアメリカの大不況からどう立ち直っていくかというときに中心になりましたニューディール政策の中核的事業であったテネシー渓谷開発公社、TVAという略称でよく知られておりますけれども、これの総裁として指導し、戦後トルーマン大統領に請われまして、マンハッタン計画から文民管理の原子力委員会にその管轄が移されたときに初代の原子力委員長を務めた人です。
 この人が死ぬ直前に自分の原子力委員長時代の反省も込めてということで書いてありますものの中心は、アメリカはこの原子力開発の路線を全面的に検討し直して再出発すべきである、そういうことで題を「ア・ニュー・スタート」というふうな題にしてあります。
 この幾つかを、例えばどういうようなことを例として言いながら再出発すべきである、あるいは再検討すべきであるということを言っているかということで私の抜粋を読んでいただければ幸いです。
 一口で言いますと、至るところで強調しているのは、技術の選択肢を、例えば発電は軽水炉、それから増殖形式は液体金属高速増殖炉というような形で決めてしまって、それをひた走るということから転換する必要がある、いろんな選択の余地があるということを技術的にも述べながら、例えばそのためには民主主義的なシステムで運営していくというものをかち取らなくちゃいけない。
 私がこれをお配りいたしましたのは、リリエンソールというのは原子力の技術者ではございません。科学者でもない、政治家です。しかし、政治家が言っていることが私は日本の科学者に非常に重要なことを教えたというふうに考えて抜粋したものですが、どうぞここでの議論がそういうふうな形で本当に政治が科学者を正しく指導できるというふうになっていただきたいというお願いで最後にこれに触れさせていただきました。
 以上でございます。
#11
○委員長(大島慶久君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 なお、各参考人にお願い申し上げます。時間が限られておりますので、御答弁はできるだけ簡潔にお述べいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
#12
○馳浩君 三先生、本当にお忙しい中をありがとうございます。
 最後に角田先生から、政治家が科学者を指導できるようにという、非常にありがたいというか、逆に厳しい御意見をいただきました。皆さん方は大学で学生に厳しく指導しておられる立場でありましょうからこう言うのもなんなんですが、私は本当に文系の人間で素人でありますので、私にかんで含めるようにわかりやすく説明していただかないと、恐らく今回の法改正で事務所が茨城県に行くんですよ。茨城県の住民が安心してこの法改正を受け入れて、新しい組織を受け入れることができなければ意味がない法改正になると思いますので、きょう我々委員の中には茨城県出身の小林さんもいらっしゃって、やっぱりこれは大変心配しておられることでもありますので、その点も踏まえて幾つか先生方に御質問させていただきたいと思います。
 まず、近藤参考人に伺いたいと思います。
 高速増殖炉の実用化の見通し、安全性、経済性、これは非常に運動してくる問題でありますね。これについて懇談会でどのような議論があったのか。と同時に、原子力開発の長期計画ではこれは二〇三〇年までに実用化という方向であったわけでありますが、今回の報告では非化石エネルギー源の有力な選択肢の一つということで、これは明らかに開発については後退したと受け取らざるを得ない現状でありまして、これに対する認識もあわせて御見解を伺いたいと思います。
#13
○参考人(近藤駿介君) 委員会における高速増殖炉の実用化、すなわち実用化の条件はおっしゃられましたように、安全性、経済性、加えて信頼性かと思いますが、こうしたことについてどういう現状認識をし将来性を展望するかということであったわけで、それについては今回の報告書は割といろんな意見を正確に拾うようにして書いてございますので、お読みいただければおわかりいただけるかと思いますが、ポイントは、まず外的条件としての地球環境問題がどれほど深刻と考えるか、それから化石燃料の資源的な制約、ウラン資源の資源的制約、これをどれほど厳しいと考えるか、そして我が国にとってエネルギー安全保障というのはどれほど今後重要であるかと、この三点について外的条件を議論し、結論的にはそれぞれが大変厳しいものがあるんじゃないかという認識が大勢を占めたと。
 それから今度は技術的条件でございますが、要すれば、これまで長きにわたって諸外国、我が国を含めて研究開発を進めてきたところ、なおその目標が達成されていないのは技術に本質的欠陥ありやなしやと、そういう問題提起がなされたわけでありますが、これにつきましては、もともと一九六〇年、七〇年代におきましては二〇〇〇年においてウランの需給が逼迫するという前提で当初の開発計画が立てられたところ、ややそういう意味では資源論的に急いだ計画であったと。したがって、経済性はそのうち大丈夫というくらい、俗な言い方をするとそういうことだったんですけれども、御承知のように今や石油危機以前のエネルギー価格になってしまったわけで、非常に一般のエネルギー価格が下がっておりますから、そうした新しい経済環境の中で実用可能な高速増殖炉というものを考えるというのはこれからの仕事というふうに考えまして、そういう意味でそういう可能性ありやなしやについて議論し、各国の専門家の意見も拝聴し、みずから出した電力事業者の設計研究なども検討いたしまして、結論として新しい目標のもとで有望な設計が提出されているということが一つ。
 それから、新しいFBRの使い方も既にアイデアとして出ている。そういう意味で、なおこれの実用化を追求していくことに価値ありというのが委員会の結論であったと思います。私はその結論に賛同するものでありますが、なお加えて申し上げますと、技術はおよそ原理が美しく、工学的にフィージブル、実現可能であり、さらにそして社会的にアクセプトされないと実現しないわけで、FBRの状態は恐らく社会的にアクセプトされるところについてまだなお経験が浅くて未熟であります。ですから、この新しい組織におきましてこの点について十分の配慮をしつつ研究開発を進めることが必要であり、かつそれは可能であると考えております。
#14
○馳浩君 久米参考人にお伺いいたしたいと思います。
 品質管理の専門家であるというふうに先ほどお話しいただきました。角田参考人の方からも、この品質管理に関しましては大学の先生がパートタイム的にやっているんじゃないかというちょっと厳しい御指摘もいただいておりましたが、今回、久米参考人も動燃の改革検討委員会のメンバーとして実際に個別調査も行われたというふうに承っておりますが、品質管理について実際に調査に入られましての率直な御感想、そして動燃の体質がやっぱりどの点に問題点があって今回のように事故が起こったか。そして、事故が起こったことはこれは過去であります。我々は将来的な議論をしておるわけでありまして、本質的に要は原子力委員会や科技庁等の品質管理に対する体質、これを改善していかなきゃいけないというのが国民的なやっぱり期待なわけでありまして、品質管理の専門家として実際に調査もされた人間としてどういうふうな見解を持っておられるか、遠慮なさらずに率直に御意見を伺いたいと思います。
#15
○参考人(久米均君) 検討委員会のメンバーになったから、一体どんなことを動燃でおやりになっているのか、とにかく百聞は一見にしかずということで見に行ったわけでございまして、検討委員会から派遣されて行ったというものではございません。私自身の認識を深めるという目的で行ったわけです。
 そこで、申し上げることは二つございまして、これは先ほどの私の話のところでも申し上げたわけですが、一つは、やはり市場マインドといいますか、幾ら金がかかったからといっても性能の悪い技術は民間機関としては使うわけにいかぬわけでございまして、それを無理に使えば今度は電気代が高くなって、それは国民の方にまた負担になってくるわけですから、やっぱり安くていい技術を使うということをもっと真剣に考えないといかぬということが一つ。これは特に設計開発部門の課題ですね。
 それからもう一つは、これは爆発の事故等に関係があるわけですけれども、この品質管理と申しますのは、第二次大戦後アメリカから教わって我々の先輩が一生懸命やってきて、その中でいろいろ知恵をそこにつき込んで、日本的品質管理という非常に世界で注目されるような一つの管理技術に成長してきているわけなんで、そういう運転実施部門についてはやっぱりこういう技術をもっともっと適用すべきである、それを使わないというのはもったいないことだというふうに私自身も思っておるんですね。その二つを私は感じたわけでございます。
#16
○馳浩君 最後になりますが、これは感想でもよろしいんですが、角田参考人に伺います。
 原子力研究所に以前いらっしゃったということでありますが、今回動燃の抜本的な組織改正の中で、原子力研究所と統合案、これも一つの試案。ところが今回は分離独立案という方向に落ちついたわけでありますが、我々国民の目から見れば、原子力研究所と一緒にしてもいいじゃないかと。この点私、先日科技庁長官にも質問をさせていただいたのでありますが、ちょっと私には十分理解できなかったんですが、この点に関しまして、統合案がいいのか分離独立案、結果的にはもう法律ではこうなっておりますが、この点についてコメントがあればお伺いしたいと思います。
#17
○参考人(角田道生君) 実は動燃というのができ上がるときにも同じような議論があったんです。動燃というのは原子燃料公社というそれまでの核燃料だけをやっている組織であったんですけれども、日本原子力研究所がその当時やっていた再処理の研究、再処理にもいろんな方式が理論的には考えられるわけです。そういういろんな方式の研究、それから動力炉開発、国産動力炉の開発研究は原研でやめる、動燃に持っていくという話がありまして、そのときにも随分議論がありました。
 私は、そういうような形で事業化、それからいわゆる民活路線のちょっと行き過ぎがやっぱりそのとき生まれてしまったというふうに思いまして、そういうふうに感じている人が原子力研究所では多かったと思います。
 現在も、御指摘のように、私のこれは個人の意見ですけれども、むしろ動燃というのはすっかり解散してしまって、そこのスタッフを原子力研究所のスタッフと一緒に考えて、それで新しい開発研究組織というものをつくった方がいいんじゃないかというようなことを考えますけれども、そういうような範囲も含めた議論に今回の改正案の議論がなっていっていないということはどんな結論が出るにせよ残念なような気がします。
#18
○馳浩君 終わります。
#19
○萱野茂君 最初に、久米先生にお伺いしたいと思います。
 私は、北海道出身で民主党の萱野茂でございます。先生方にはお忙しいところをおいでいただきまして本当にありがとうございます。
 先刻御承知と存じますが、北海道では一九八四年以来、幌延町といいます人口三千人ほどの過疎の町で廃棄物処理処分の施設の誘致がございました。これに対し、動燃が八五年から貯蔵工学センターの立地環境調査を継続しておりまして、核廃棄物の関連でいいますと、早くから問題意識のある地域と言ってもよいと思います。
 きょうは、このような北海道の経験を踏まえながら、動燃の改革を中心にお伺いしたいと思っております。
 初めに、動燃の改革委員でもあります久米先生にお伺いいたします。
 私は、日本が社会や経済の状態をこのまま持続していく、ないしはさらに成長発展をさせると考えた場合、三〇%を超えます原子力発電に依存する電力供給の構造は、原発が好きか嫌いかは別にしまして、当分の間変えることのできない、また避けて通れない実態であると認識しております。代替の電力源につきましても、その規模からしてもなかなか一朝一夕に難しいと思っております。
 ただ、そうは言いましても、このような原子力依存の状態に対して世論はどのようなのかと申しますと、原発に依拠せざるを得ない生活、原発を享受している実態とは裏腹に、依然として根強い不安と不信、反発があるわけであります。廃棄物の処理処分に対しましては一層住民の反発が強くありまして、我が国の原子力政策を困難なものにしているのも御承知のとおりであり、これはまた日本だけの問題ではありません。
 政府は核アレルギーと言うかもしれませんが、私は、このような住民の方々の反応は、単に核への恐怖とか不安にだけ原因しているのではなく、動燃を含みます積年の日本の原子力行政そのものへの強い不信感が根底をなしているのではないかと思っているものであります。幌延町や六ケ所村でもそうだと思いますが、例えば廃棄物の処分でいいますと、研究の施設が貯蔵施設に、貯蔵施設がやがて最終処分施設にというように、国策がなし崩し的に強行されるのではないかとの危惧が払拭されないことであります。このような住民の危惧の意識は、根拠のない単なる被害者意識からのものではありません。
 ちょっと古い話ですが、一九八一年の総合エネルギー調査会原子力部会の報告に次のようなものがあります。放射性廃棄物の陸地処分には地元の合意に相当の時期を要することが予想される、このため我が国においては、まず原子力施設以外での貯蔵施設による処分を実施することが現実的であると。すなわち貯蔵施設による処分とは、一たん貯蔵し、やがて処分に移行するという意味でしょうか。これが当時の政府の報告であります。住民はこのようなことに大変敏感であります。
 もう一つは、原子力行政の秘密主義であります。今回の動燃改革法では、衆議院では情報公開が重要な柱として附帯決議がなされました。原子力委員会の高レベル放射性廃棄物処分懇談会の基本的な考え方にいたしましても、情報の提供が大切であるとされています。しかし、実際はどうかといいますと、なかなか情報の提供がなされていません。
 そこで、先生に何点がまとめてお伺いしますが、一つは、動燃を初めこれまでの原子力行政の情報忌避の体質はどのようなところに原因がおありだとお考えでしょうか。また、法改正によってこのような体質は変わるとお考えでしょうか。
 二つ目は、改正法案では理事長の機能を高め、経営感覚なり経営責任を明確にしよう、平たくいいますと、国の過保護から切り離し新法人の責任で運営しようということですが、財務状況の改善を含め、どのような改善が期待されるとお考えでしょうか。
 三つ目は、先生御自身、原子力行政に対します住民の不信の払拭について何かお考えをお持ちでございましたら、大変恐縮ですが、お伺いしたいと思います。
#20
○参考人(久米均君) 今、三つ御質問をいただいたんですが、二番目の質問は、私はよく知らないのでまた別のところで別の方に、適切な方がおられると思いますので、よろしくお願いしたいと思うんです。
 最初の原子力行政の秘密主義ということでございますが、確かに十分な情報が開示できていないということはおっしゃるとおりだと思うんですけれども、これは原子力に限った話じゃないんじゃないか。昨今の新聞を見ていますと、いろいろなところでぼろぼろ変なものが出てきているので、これは全体の話というふうに考えないといけないんじゃないかと私は思っております。
 やっぱり人間は、都合の悪いものは隠すという根源的な性質をどうも持っているんです。これは別に原子力だから隠すというんじゃなくて、普通の人でも、子供でも親に内緒で何かするというような状況はありますから、これは幾ら法律でやっても無理じゃないか、そう私は思っておるんです。だから、正直に何かやるように法律を改正するというようなことはちょっと難しいんじゃないかなというのが私の意見であります。
 それでは、何のための法律改正だということでございますけれども、今までのいろいろな面での問題があるわけですから、この際虚心に振り返って、悪いところは直していくという意味で法律を改正するということは意義のあることではないだろうか、こう私は考えておるわけです。
 それかう三番目の御質問でございますが、住民の不信ということ、これは動燃に限らず一般の軽水炉の発電所においても同じような問題があると思いますけれども、一つはいわゆるリスクと効用の問題があると思うんです。危険だということと、しかし危険だけれどもうまくいくと非常に得をするというか利益が出るという、だから結局そのバランスで物事というのは考えているんだろうと思うんです。ただ、リスクをどう見るか、効用をどう見るかということによって利害関係がいろいろありまして、人によって意見が違ってくるということは当然のことでありまして、これも無理に押しつけるというわけにはいかぬだろうと。
 ただ、ここでおっしゃっている不信というのは、これはそういう問題じゃなくて、要するによくわからないから心配だということです。ちょっと私ごとで申しわけないんですけれども、私の娘が海外に行っておるんですけれども、何も言ってこないと母親というのは心配するんですね。情報がないということ自体が心配の種なんです。それで、元気に帰ってくるとやれやれということになるわけであって、どんどん情報は開示していくという、これはすべてのものが出せるわけではないとは思うんですけれども、必要なものはどんどん出していくというスタンスというものはこれからどんどんとっていかないと原子力はいかぬと私は思っております。
 電力の場合は、この十年間ぐらいで相当やり方は変わってきていると私は思っておりまして、それに比べると若干動燃はおくれているということで、動燃の人たちにも少し電力を見習ったらどうだというようなことを申し上げたことがございます。
#21
○萱野茂君 ありがとうございます。
 次に、近藤先生にお伺いしたいと思います。
 先生は高速増殖炉懇談会の委員でもございますし、この懇談会の審議の過程で、高速増殖炉の研究開発における投資の適正水準につきましての報告がなされておりますので、核燃料サイクルにつきましてお伺いをいたします。
 動燃を改組し、新たに設立されます新法人は名実ともに核燃料サイクル開発機構であります。この核燃料サイクルは、フランスを除きますと、いずれもこれを採用する方向にないというのが国際的に共通の認識ではないかと思っております。そのフランスでも、高速増殖炉につきましては当面の緊急政策にしないとして凍結の方向を明らかにしております。各国の様子を見ましても、日本の原子力の長期計画とは随分事情が違うように思います。唯一日本だけが忠実に核燃料サイクルを進めようとしている気がします。
 そこで、日本の原子力政策でありますが、多量の高レベル廃棄物を際限なく排出します使用済み燃料の再処理、そしてその使用済み燃料の再処理によって得られる新たな原料を燃焼物質とします高速増殖炉の計画など、いわゆる核燃料サイクルをどうしても推進しなければならないのか、いつも疑問がつきまといます。特に、動燃は、これまで進めてきました海外におけるウランの探鉱業務は、ウランが国際的に容易に入手しやすくなったとの理由で新法人の業務から除外しております。
 お伺いする点でございますが、私は、今の原子力行政の一つの選択肢として、廃棄物政策の見通しが全く立たない現状では、使用済み燃料の再処理を柱にします核燃料サイクルは一時凍結することも考えてはどうかと思うのであります。このことは、相当長期的に見ましても、電力需給そのものの不安材料にはならないのではないかと思っておりますが、先生のお考えをお伺いしたいと思います。
 もう一点、御承知のように、新型転換炉は財政の面から既に廃炉を決定しています。仮に、高速増殖炉を今後も実用化に向け研究開発を進めていく場合、既存の原子力発電と比較しましても費用対効果を期待できる見通しにあるのかどうか。もちろん安全面もございますが、いかがでしょうか。
 また、「もんじゅ」の電力としてのコストは既存の原子力発電所に比べましてどのような状態なのか、御承知でしたらお教えをいただきたいと思います。
#22
○参考人(近藤駿介君) 第一が再処理をしばし凍結したらという御提案でございます。
 先ほどお話ししたと思いますが、我が国電力の三割値原子力によっている、原子力発電をやると使用済み燃料が出るわけです。問題は、この使用済み燃料もアメリカではこれを高レベル廃棄物と呼んで、米国政府が〇・一円・キロワットアワーですか、そんな値段で買い取っているわけです。そうすると、民間は国に売って再処理も何もしない、国はそれを国の事業として処分をすると、そういう構造になっているわけです。
 ですから、申し上げたいことは、使用済み燃料を再処理するとしないにかかわらず、高レベル廃棄物が出るということです。毎日出ているということです。ですから大事なことは、おっしゃるように廃棄物処分政策を立て、かつこれを実効あらしめるべく一歩でも二歩でも前に進めていくということは、どんな道を通っても、原子力をやる以上必ず必要なことです。
 今は、御承知のように原子力委員会が高レベル廃棄物処分懇談会で報告書をドラフトし、これを全国に持ち歩いて皆さんの意見を聞いて今後の進め方についで御意見を伺って成案を得ようとしている段階です。ですから、どうあれこれはやらなきゃならない。今ここで、日本で再処理を凍結するかしないかということは、この処分政策の実行の必要性を何ら変えるものでない。やろうとやるまいと、これは必要だということが第一だと思います。
 したがって大事なことは、さっき申し上げましたように、短期、中期、長期の観点で経営というのは考えるべきだと申し上げました。この再処理とそれから高レベル廃棄物の処分というのは中長期的に考える。ですから、少しずつ案をつくり、国民の皆様の御理解を得ながら前進していくべきものというふうに考えておりまして、そのことが再処理をするとしないとにかかわらず必要なことですから、私はその再処理凍結論というのは、それ自体が何か世の中を変えるところがあるかというと余り変わることがないというふうに思いまして、それについては賛成しかねるわけでございます。
 第二点が、費用対投資の効果ですね。
 今高速増殖炉を開発することがどれだけ意味があるかということなんですが、これにつきましては、私、懇談会で申し上げたのは、いろいろな長期的な世界のエネルギー需給モデルを使いまして高速増殖炉がどのくらいの性能だったらどのぐらい世界全体に使われるかなということを計算してみますと、二〇五〇年ぐらいからかなり炭酸ガス放出防止対策の観点から導入されるかなと。例えば軽水炉の一・五倍ぐらいの値段でも十分導入される、それがもたらす経済効果は例えば百四十兆円とか二百兆円とか、そのぐらいになるかなと。
 そうすると、それが二〇五〇年からそのぐらいの利益があるとすれば、今どれぐらいのお金を開発に投資していいかなということを簡単に目算で計算してみましたところ、現在なされている投資がそれほどひどい話じゃない。
 つまり我々は、長期的なそういう世界のエネルギー需給環境を見通して、適切に非化石エネルギーである原子力あるいは太陽というものについて少なくとも今程度の投資をしていくことが世界にとっていいことであるというふうに結論したわけでございます。
 それから三番目、「もんじゅ」ですが……
#23
○委員長(大島慶久君) 近藤参考人に申し上げます。
 かなり時間をオーバーいたしておりますので、なるべく簡潔に御答弁を賜りたいと思います。
#24
○参考人(近藤駿介君) わかりました。
 「もんじゅ」の発電コストを軽水炉と比べるのは余り意味がないんですが、単純に発電電力量で割りますと、例えば五倍とか七倍になります。当然、開発試験装置ですから余計なものがついていますのでこれは高くなっていると思います。
#25
○松あきら君 きようはお三人の先生方、本当にお忙しい中、お出ましをいただきましてありがとうございます。松あきらでございます。私も少し質問させていただきたいと思います。
 先ほど来お話を伺っておりまして、久米先生のお話の中でも私は感じたんですけれども、動燃だけではない、動燃もという感じがいたしますけれども、やはり親方日の丸であるなど。私は、赤字をこれだけ抱えながらもやはり国がついていると申しましょうか、そういう体質がやっぱりあるんだなということはつくづく感じたわけでございますけれども、今、各先生方おっしゃっておりますように情報公開が非常に大事であると。
 やはり私どものエネルギーも三分の一が原子力に頼っているという時代でございます。しかし、自分の県あるいは近所に原発が来られたら困るとか、いろんな問題も抱えながら、しかしこれだけの便利なありがたいエネルギーを私どもは利用させていただいているわけでございまして、やはりそうなりますと情報公開も非常に大事であると思うんです。
 しかし、これだけ大きなプロジェクトになりますと、情報公開ということに関しましても非常にお金もかかるのが当然である。この間も質問したんですけれども、ある県で三千枚の情報公開を要求しまして、五十九万円の手数料とコピー代九万円が請求された。これ実際は計算上間違っていたということで後でお返ししたということで、実際四十八万円だったそうでございますけれども、三千枚が多いか少ないかということは別にして、この手数料とそしてコピー代、最初に五十九万円と九万円を提示して、これだけかかるけれどもこれでもいいんですか、これをオーケーすれば出してあげますよという、私はそういうところに問題があるのじゃないかなと。やはりこれはどこかで隠したいんだよということがあからさまに見えてしまう。この三千枚が多いか少ないかということは別といたしまして、やはりその手順が違うのではないか。情報公開しますよと、そういうふうにきちんと発表しているのであればそういう体制をとらなければいけないということを私はつくづく感じるわけでございます。
 まず、この情報公開ということにつきまして、お三人の先生からそれぞれ御回答いただきたいと思います。
#26
○参考人(久米均君) 情報公開の問題ということについてですが、どの範囲で公開するかというのは、おのずから限界が私はあると思います。
 例えば入札というような場合の価格を公開するわけにはいかないだろうと思いますし、我々は学生に試験問題を見せるわけにもいかぬということで、おのずからやはり開示できない種類の情報があるということです。それをどの線で引くかという問題が一つあると思うんです。
 それから二番目は、今おっしゃっているように情報を出すという場合に、お金がかかるということです。そうすると、そのためにどれぐらいのコストを負担するのが妥当であるかということで、これは特に公団とか政府の場合、それから民間会社の場合では考え方が基本的に変わるだろうと思います。
 民間会社の場合は、法律で決められていない場合は自分の得にならないようなものは出すわけが多分ないと思うんですけれども、政府機関の場合にはやはりそれなりの、また別の意味で必要性があると思うんです。しかし、そのためにどれぐらいのコストがかかるかということと、それから公平でないといけないと思うんです。ある人には知らせるけれども、別の人には知らせないということではいけないと思うんです。その公平性というものとコストというものとをどう考えるかということじゃないかと思っておりまして、ある特定のところに非常に大きなコストがかかるということになってくると、多分これが我々の感覚でいくと前例となってそういうものがどんどん出ていくということになるとこれはかなわぬというような、そういう意識は若干あるのかな、そういうふうに思っております。
#27
○参考人(近藤駿介君) 情報公開の問題につきましての基本的なポイントは、私は情報を欲する側の立場に立って公開すべき情報を整備していくということが重要だと思うんです。整備されていない情報を要求されますと、恐らく手数料というのはそういう意味だと思うんですけれども、突然要求された情報を整備するのに大変な手間がかかって、したがってお金がかかるということになると思うんです。
 したがって、日ごろ一体どういう情報をステークホルダーと申しましょうか、利害関係者が欲しがっているかということをサーチして、それについて適切な公開手段を用意していくという努力、これは恐らく試行錯誤が伴うと思います。今回はひどかったけれども、次からは例えばそういう情報が欲されているとするのならば、それをあらかじめレポートとして整備しておきましょうということが内部的に決定されていく、そういうプロセスを経て成熟した情報公開、あるいは隣人としての情報交流の関係ができていくのかなと思っております。
#28
○参考人(角田道生君) 一つだけ情報公開で私が問題だと思う点は、安全に関する情報で非公開ということが、動燃が特にほかの原子力機関に比べて多かったという事実が数十年前から続いているわけです。その一つの理由として説明されるのが、核不拡散を保障するために核物質防護ということで、英語でフィジカルプロテクションというのをそのまま訳したあれですけれども、一応核物質あるいは核物質に関連する情報がテロリストグループなんかに渡っては困るというようなことを理由としていますけれども、そのことで安全に関する資料、例えば動燃の再処理工場その他の安全審査の資料、ごらんになるとわかると思いますけれども、空白ページあるいは空白箇所、削除されているわけです、戦前の検閲と同じように。戦前の検閲も伏せ字にするところはバツバツと書きますから、どの程度の分量カットされたかというのがわかりますが、それがわかるような形で安全審査の資料が公開されているわけです。
 私は、本当にそういうところを削ることがいわゆる企業機密なりそれから核物質防護上必要なのかということをいろんな機会に聞いたんですけれども、どうも答えがはっきりしないんです。そういうことで、最近動燃もやっと安全審査の資料から削除した部分を復活するというようなことを部分的にやり出しましたけれども、本当にぎりぎり国民の安全のための検討に必要な資料ですから、そういうあれを最小限にとどめるというようなことに関してはやっぱり国民の方ももっと文句を言わなくちゃいけないなというふうに感じております。
#29
○松あきら君 ありがとうございました。
 私もちょっと近藤先生の以前お書きになったものを読ませていただいたんですけれども、やはり工業製品にはトラブルはある程度はつきものである、技術というのは完全というものはないんであるというふうにお書きになっていらっしゃったんですけれども、やはり原子力ということに関しましては安全が前提であると先生もお書きになっているし、私ももちろんそう思います。
 しかし、原子炉に関してはやはり絶対、完全ということはないわけです。どういうことかに関しては別としても何がしかのトラブルは起こり得るということで、先ほども話が出ました安全ということに対して、もしかこういう何かが起こった場合、その防災といいましょうか、中の人たちの防災は徹底していると思うんですけれども、直接動かす人以外の防災、防災技術者といいましょうか、内外ともの防災体制というんですか、そういうものをつくる必要があるんじゃないか、それが足りてないんじゃないかなと思いますけれども、近藤先生いかがでございましょうか。
#30
○参考人(近藤駿介君) 御指摘の点は、現在原子力防災について各地方自治体の方々から強い要請があって、原子力安全委員会等でその整備について、一層の整備と言っていますけれども、議論がなされているところであります。私は、さまざまな議論、地方自治体の方もお入りいただいてそこで議論されている結果として、完全とは申しませんけれども、納得のいただけるものができていくのかなというふうに思っております。
 ただ、地方自治体ではさまざまな災害に日々、日々と申したら失礼ですけれども、時折遭遇するわけです。そうした既に持っている防災システムが、原子力災害がもし万一発生したときにうまく機能するかということをきちんとチェックしておく、それを住民の皆様にきちんと働きますよということを一言言えるぐらいまでチェックしておいていただいただけでも、随分と人々にとって心の休まる度合いが違うのかなと。そういうことで、地方自治体の方についてもそういう応用動作についての検討もされたらというふうに個人的には思っているところでございます。
#31
○松あきら君 久米先生は東海事業所の調査をなさったということなんですけれども、防災に関しましてはどうでございましょうか、今の質問に対しまして。
#32
○参考人(久米均君) 防災ということに関しましては、基本的にこれはラインの問題であって、やっぱり実は作業をやっている人がきちっとやらないとだめであって、もちろん防災技術者というのはそのバウンダリーをきちっと整備していくということですけれども、あくまでもサポートなんですね。どこまでそれがきちっとできるかということだろうと思っております。
 実は、改革検討委員会の席で、先ほど御紹介しました矢野委員が、神戸地震でガソリンスタンドから出火した件数は一件もないんだと、神戸地震の場合ですね。そこら辺はやはりきちっと技術があってそれが徹底していたということであって、私はこれは奇跡に近いようなことじゃないかと思っておるんですけれども、そういうことができるのであれば、原子力においてもいいバウンダリーコンディションをつくってどこまで徹底させるかということによってその不安というのは大分解消されるんじゃないか、こういうふうに考えております。
#33
○松あきら君 それから、先ほども御質問が出たんですけれども、再処理を凍結云々ということは、これはもちろんいろいろな問題がありますから軽々に論じられることではないと思います。しかし、どうしても再処理をするとプルトニウムが出てまいりますよね。やはり私たちは、この間も例の金属片が十九個なくなっちゃった、まだ紛失したままみたいでございますけれども、ああいったことが起こると、一般の国民はやはりもうすべて、何でこんなことになっちゃったのということで、これプルトニウムだってどんどん出てきてしまって、もちろん五十年後、百年後は、私に関しましてはもちろん五十年後はきんさん、ぎんさんでなければ生きていないわけで、しかし、一応の目安として例えばこれぐらいの量までたまったらあとは考えますとかやめますとか、何かそういうものがあってほしいなという思いが国民はやっぱりあると思うんです。それに関しまして近藤先生、いかがでございましょうか。
#34
○参考人(近藤駿介君) 現在、プルトニウムに関しましては発生量とそれからその使い道がきちんと決まらない、使い道が決まらないものは持たないという原則を持っているわけです。そういう意味で、紙の上の計算ではおっしゃるようなことになっているわけですが、おっしゃられているのは、今の試験片の話からしますと、一カ所にどのぐらいあったらいいのかな、あるいはこれぐらい以上あったらいけないのかなという、そういうルールがあった方がという御指摘かと思いますけれども、これはなかなかこの程度ならばよくてここから先はだめというルールは決めがたいわけであります。およそ常識として、燃料をつくっていくという作業からしておのずから定まるところがあるわけですけれども、そうしたものを精査してある程度の量を明示することが国民の皆様にわかりやすいという意味では適切なのかなというふうには考えております。
#35
○松あきら君 もう時間でございますから、ありがとうございました。
#36
○日下部禧代子君 きょうは三人の参考人の皆様方、本当にありがとうございます。
 エネルギー政策というのは、これは環境問題とあわせまして、我が国だけではなくて世界のこれからの大きな課題の一つだというふうに思います。きょうはそれぞれのお立場からの示唆に富む御意見をいただきまして参考になりました。本当にありがとうございました。
 それでは、まず久米参考人にお願いをいたしたいと思います。
 久米参考人は、動燃の問題につきまして分析をしていただいたわけでございますが、一つは顧客不在、あるいは経営不在というところに動燃の抱えている大きな問題点があったというふうな御指摘をいただいたわけでございます。今回の法改正、このようないわゆる問題体質ということを改善しようとするための法改正ではございますが、一方では単なる看板のかけかえではないかというふうな声も聞こえてまいります。過去二度の事故というのは、事故そのものと同時に、それに対する対応という点からも国民の批判を受けたわけでございます。今回の法改正によりましてその点を何とか是正しようという意図ではございますけれども、先生は動燃改革検討委員会の委員でもいらっしゃいましたし、新しい法人をつくるための作業部会の顧問でもいらしたというふうに存じ上げておりますが、さまざまな御議論があったと思います。
 そういう中で、今回の法改正には盛られなかったけれども、もっと法制化すべき事項があるのじゃないかというふうなこともお気づきではないかと思います。その点も含めまして、まず第一点、お伺いしたいというふうに思います。
 第二点、これは職員の意識改革ということもこれからの動燃の体質改善に重要なことだというふうに思います。もちろん職員の一人一人の意識改革ということも重要でございますけれども、もっと大きな意味での意識改革ということが、これは管理ということも含めましてどうすべきかということが体質改善に非常に大きな意味を持つのではないかというふうに思います。
 先生のお言葉の中で、現場、現物での確認ということが品質管理の第一歩であるというふうにおっしゃっておりますが、私も非常にこれは重要な御指摘だというふうに思っております。その点も含めまして職員の意識改革のあり方について御意見を承りたいと思います。
 まずはこの二つについてよろしくお願いいたします。
#37
○参考人(久米均君) それでは最初の経営不在ということ、これは吉川委員長の言葉を私が拝借をしたので、私はもちろんそれに同意しているわけでございますけれども、今度の新組織においては理事長の裁量権というものを明確にして、その責任、権限を明らかにする、あるいはもう少し拡大していくということが一つです。
 それで、実は私自身が若干問題と思っておりますのは、新法人作業部会の方にも参加させていただいたわけですが、そこではこういうことをやるべきだということが非常に活発に意見が出てくる。そうすると今度は、任命される理事長にまた大きな足かせ手かせを加えることになって裁量権が発揮できなくなってくるという矛盾がひょっとしたら出てくるのかもしれぬという実は懸念がありまして、法律で抑えるところと経営者としての責任を持ってやっていくところをどうやるかということですけれども、私個人の意見としてはできるだけ法律で抑えるところは少なくして、裁量権を拡大して、しかし責任というものできちっと始末をつけていくというやり方の方がいい、こういうように考えております。これは私の個人的意見でございます。やっぱり法律で抑えないとだめだと言う人もおられるのじゃないかと思っております。
 それから、二番目の意識改革ということは、これは非常に大事なことであって、法律で抑えられるのだったらどんどん法律をつくればいい国ができるだろうと思っておりますけれども、もちろんこれは一つの枠組みを与えるという意味では大事なことではありますが、結局、その中で実際に作業を行う人、活動をする人のマインドといいますか、それとうまく調和していかないと実現しないと思っておるわけです。
 それで、これもちょっと我田引水になるわけでございますけれども、先ほどお話ししましたいわゆる我々が、我々の先輩と言った方がいいと思いますけれども、戦後構築してきた品質管理の技術というのがまさにそういった種類のものに適している技法である、こういうふうに考えておるわけなんです、いわゆる意識改革、それから責任を持ってやっていくということに対して。だから、それを少し研究されることがいいのじゃないか、こう思っておるんですけれども、ただ、私の立場で言うのはどんなものかと思って余りはっきりは申し上げておりません。
#38
○日下部禧代子君 御遠慮なくもう少しはっきりとおっしゃっていただけますか。
#39
○参考人(久米均君) 結局、品質管理をやる場合には、お客の要求が何であるかということから出発して、自分の好きなものを押しつけるというのはこれは品質管理じゃないですね。そういう意識が非常に大事だということと、それからさっきお話しになった現物、現場はそれをもってファクトコントロールと言っておりますけれども、それとそれから透明性ということが大事なんですけれども、これは目で見える管理、こういうように言っておるわけなんです。そういった種類の技法が現実にあるわけでありまして、そういうものを適切に活用するということがいいんじゃないか、こういうことでございます。
#40
○日下部禧代子君 なぜそのような目に見える技法があるのにもかかわらず動燃では行われなかったと先生は思っていらっしゃいますか。
#41
○参考人(久米均君) 私自身もそれはそう思っておるわけでございまして、こういういい技術があるというときにやっぱり閉鎖的であるという、そこに一つの基本的な問題があるんではないだろうか。民間の企業であれば何かいいことがあったらどんどんそれを採用していこうということですけれども、やっぱり公的機関で閉鎖的になると、そんなうるさいものはもう要らないというようなそういう形になりがちである、こう思っております。
#42
○日下部禧代子君 これはそうなりがちなのは確かなのでございますけれども、やはり原子力というふうな、これは大変安全性ということを前提とするものでございます。そうした場合に、やはり他の問題とは違ってきちんとそのあたりを確認しておかないと、これは自分自身の問題だけではなくて周囲の問題それから住民の問題につながっていく、そしてそのことがひいては国民の原子力あるいはエネルギーに対する不安というものにつながっていくということなので、非常に私はこれは重要な問題だろうというふうに思います。
 その点につきまして近藤先生はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
#43
○参考人(近藤駿介君) おっしゃるとおりと思います。
 原子力発電の分野ではチェルノブイル事故の反省と申しましょうか、世界的な反省と申しましょうか、主としてはロシアに向けてのメッセージもあったわけでありますが、安全文化、セーフティーカルチャーという言葉がしげく使われるようになります。つまり自分の足を撃つなと。つまり結局はおっしゃるように自分の足を撃つことになっちゃう、そういうことはあってはならないのだと。そういう観点で常に謙虚に人の意見を聞き、それから今欠けているものは何かというものを諮り、改善の策を衆知を集めて考え、実行する。
 このプラン・ドゥー・シー、いろんな言い方はありますけれども、そういうサイクルをきちんとやって常に安全を優先してそういうアクションをとる、これをセーフティーカルチャーと呼んでいるわけですけれども、こういうものが重要であることが世界的に認識されておりまして、これが当然のことながら動燃事業団においても採用されるべきであり、今後新組織においても重要視されるべきだと考えております。
#44
○日下部禧代子君 近藤先生が動燃の自己改革に対する御提言というようなのをなさっていらっしゃるのを私拝見したのでございますけれども、それは研究開発機関として、そしてまた同時に原子力発電所の運転者としてのビジョンと哲学と、そしてまた行動原則を持つことが必要であるというふうにお述べになっていらっしゃいますけれども、その点に関しましてもう少し具体的にお考えを聞かせていただけますでしょうか。
#45
○参考人(近藤駿介君) 後段の方でございますが、まさしく動燃事業団というのは研究開発機関とともすれば人々が思うところ、しかし実際に動かしているのは、例えば「もんじゅ」であれば発電所であるわけです。したがって、発電所として、世界的に日々さまざまな衆知を集めて考えられ生み出された新しい安全管理のアイデア、それを積極的に採用していく、世界の原子力発電所と同列のレベルのことを常に実施していくという、そういう心構えが必要だという意味でそういうことを書かせていただいているわけです。
#46
○日下部禧代子君 もう一点先生にお伺いいたしますが、「もんじゅ」の運転再開でございますけれども、「もんじゅ」はもう永久に停止すべきだというふうな御意見もございます。それについて先生はどうお考えになりますか。と同時に、報告書におきましては、「もんじゅ」による研究開発というのはこれからも継続すべきだというふうに報告されておりますが、だとしますと、「もんじゅ」の運転再開までに確立しておかなければならない安全面における課題というものもあろうかと存じますが、その点も含めましていかがでございましょうか。
#47
○参考人(近藤駿介君) 繰り返しになってしまうわけですけれども、「もんじゅ」という特定のものと、それから原子力発電所一般の安全管理と二つありまして、先ほど申し上げましたように、少なくとも世界のすぐれた原子力発電所と同じレベルの安全管理の哲学なり方針なりを学びみずからのものとして確立する、これがまず第一の要件。
 それから、「もんじゅ」はしかしながら既存の発電所とは違ってナトリウム冷却の高速炉であるということでありますから、この「もんじゅ」の特殊性ということがあるわけです。それは今ナトリウム冷却を申し上げましたけれども、もう一つは恐らくいろんな実験をやる研究開発の作業を行う場所であろうと思います。そうしたことにかかわる特別の安全上の配慮というのは当然必要になると思います。
 これにつきましては、世界に幸いにしてさまざまな、二百炉年と言いますが、一つの原子炉について言えば二百年動かした分ぐらいのナトリウム冷却炉の運転経験があるわけでございますから、このうちの故障とかトラブルを分析してナトリウム冷却炉固有の問題というものをよく整理して、運転管理における安全のあり方というものを整理し、方針をそこで確立するということが第一。
 それから第二として、いろいろな研究開発のための作業、これの安全管理、これは我々も研究をやっておりますので、なかなか難しい。いつも安全管理者とけんかをしながらやるわけでありますけれども、そういう安全管理者と研究者との間で厳しい緊張関係があるような研究開発作業における厳しい安全管理体制というものを確立する、二点目がこれです。
 合わせてこの三点、これが重要だと考えております。
#48
○日下部禧代子君 角田先生にお伺いさせていただきます。
 今月の二十二日に東京で開かれました日本原子力産業会議の年次大会におきまして、ヨーロッパのこれはフランス、ドイツ、イギリスなどの原子力関係者が、ヨーロッパにおける高速増殖炉の開発の失敗ということを認めだというような報道を耳にしております。そのことも含めまして、先生は先ほど国の原子力に関する長期計画というのを抜本的に見直すべきだというふうにおっしゃっておりましたけれども、大変大きな問題を短い時間で大変申しわけございませんけれども、我が国の原子力政策に関して非常に効率のよい天然ガスに変えるべきだというふうな御意見もあるというふうに私存じておりますが、その点を含めまして我が国の原子力の長期計画、エネルギー政策についてのここが非常に問題であるという点をお聞かせいただければと存じます。
#49
○参考人(角田道生君) ただいまの原子力産業会議の年次総会の、特に欧米諸国の高速増殖炉に関する議論というのは、私は実は直接聞いておりませんで、朝日新聞の夕刊では見ましたけれども、ただあの夕刊の記事が正確かどうかということについては少し疑問も持っているんです。開発の失敗が何かイギリスとドイツとフランスの政府筋でも確認されたように書いてあるけれども、もっと複雑だろうと私は思います。
 先ほど陳述の中で、高速増殖炉懇談会もヨーロッパの経験というのをもっと、例えばアメリカだったら核不拡散でやめたんだとか、要するに政治的な理由でみんなやめたように書いてあるんだけれども、技術的にそこで何がぶつかって、将来の選択肢としてどういうようなことを考慮に入れるという教訓が生まれつつあるのかというところも見て、我が国の今後の高速増殖炉の歩み方というのを決めてほしいというつもりで先ほど申しましたわけです。
#50
○日下部禧代子君 どうもありがとうございました。
#51
○阿部幸代君 日本共産党の阿部と申します。三人の先生方、それぞれの御意見、どうもありがとうございました。
 初めに角田参考人にお伺いします。
 今回の一連の事故の事故調査について、不十分であるから再調査が必要だということを先ほどお伺いしたんですが、私も同じような問題意識を持って、実は一昨日、本委員会で既に法案の質疑が始まりまして質問をいたしました。
 そこで、航空機事故の事故調査と異なって、事故の当事者と完全に独立した第三者機関による調査と原因究明がなされなければならないんじゃないか、こういう指摘をしたんですけれども、科技庁は基本的には航空機事故調査と今回の動燃の一連の事故調査は同じだと、こういう趣旨の答弁をしているんです。果たしてそうなのかどうか。また、先ほどの意見表明の中で、アメリカのTMI事故に際する第三者調査委員会による調査にも触れておられましたが、この調査とどういうふうに違うのか。素人ですが、わかりやすくお話をしていただけたらと思います。
#52
○参考人(角田道生君) 第三者という言葉の定義ですけれども、これは一般的にその事件に利害関係を全く持たない者の手によるということだと思うんです。ですから、第三者事故調査というのは、事故に関連する一切の個人及び組織と利害関係が無関係な人が調査をするという原則だと思うんです。
 先ほどの航空事故調査委員会というのは、これは弁護士から聞いた話ですけれども、一九七〇年代に航空事故調査委員会設置法という法律に基づいてできているんだそうで、この場合にはやっぱり運輸関係者はメンバーになれないということと、それから運輸省とインディペンデントであるということが非常に強調されているらしいし、それから例えば日本の事故調査委員会などに比べまして、証拠の物件とか書類、そういうものを強制的に提出させる権限も持っているという点で日本では珍しいんだと。
 なぜその珍しいのが原子力じゃなくて航空機に出たのかということになりますと、航空機事故というのは国際性があるわけです。ですから、外国の事故に対する対応の仕方というものとすり合わせておかないと国際的な非難を浴びるわけです。
 そういう形で考えますと、原子力も本来ならば国際性を持っていいんだけれども、日本のこういう事故調査委員会とアメリカの特に大統領が設置する事故調査の特別委員会というのは非常に異なります。性格も、それから活動内容も異なっております。スリーマイル島の後にできました大統領調査委員会のときには、今回の「もんじゅ」、再処理の事故のときにありますような科学技術庁の方の調査というのも同時にやっているんです。ですから、そこからも膨大な報告書、我々はロゴビン報告とそっちを呼んでいましたが、もう出ています。
 それからもう一つは、大統領委員会というのを特設するんですね、大統領の指名で。これは委員は十二名です。スリーマイルのときの大統領委員会のときは、委員長はダートマス大学の学長さんがなったけれども、これは原子力と無関係な人文科学の人です。それから、他の調査員は学識経験者の中から選んでいますけれども、その中に住民代表という形で一人入れるということを決めているんですね。スリーマイルの場合には家庭の主婦でした。それも入ってやっている。
 それから、権限が非常に大きくて、調査範囲は、国の原子力行政のトップから下まで、それから原子力発電所のすべての会社、スリーマイル以外のですよ、もう全部含む。それから、下請業者の一人一人まで調査をするという広範な調査範囲を決めております。
 それから、委員は大統領権限で物すごく大きな、例えば宣誓をして署名するというのは外国では特別な意味を持ちますけれども、それを政府高官にも求め得るという権限も保証されているわけです。
 ですから、この委員会は、それこそ日本でいえば原子力安全委員会と科学技術庁を合わせたような、アメリカではNRC、原子力規制委員会と言いますね、それの規制内容の調査を詳細にやったんですね。勧告というのを明確に出しまして、原子力規制委員会の組織をここを改めなさい、それから運営をここは改めろ、原発の安全審査のやり方はここを改めると、こういうようなものを膨大に出した報告を、先ほどの科技庁のロゴビン報告という技術報告と並んで委員長の名前をとりましてケメニー報告として今日に残されているわけです。
 その報告の勧告が日本の委員会勧告と違って大統領でバックアップされた勧告ということになりますから、政府行政当局はこれに非常に拘束されるんです。勧告の中に例えば、これは日本ではないんですけれども、アメリカでもそれまでなかったんだけれども、アメリカの原子炉の安全審査は二段階に分かれます、いわゆる建設の認可とそれから運転の認可と。だから、運転認可段階までに、緊急時対策、防災対策を地方自治体も入って提示するということなしには運転認可は出さないというふうに書いたんです。ですから、安全審査の対象に緊急時対策、防災対策が入ってきたんですね、それぞれの原発の。
 これが入ったために、行政の変化としては、ニューヨーク州にあったショーラムという原子力発電所は、これは建設して完成したんですけれども、ニューヨーク州がOKを出さないんです、防災計画に。これは放棄するということで、新しく建ったものを運転せずに放棄しました。そういう例はシーブルック原発というニューハンプシャーの原発でも似たようなことが起こっています。
 こういうふうな権限を持っておりまして、私が感心したのは、事故後十年たってアメリカの原子力規制委員会がこの大統領委員会の勧告にどう行政府としては対処したのかということで、全部勧告を書き出しまして、組織をこう改めるべきである、安全審査をこう改める、これについてはこうこうこうやったという十年後フォローアップというのをちゃんとやっているという点で私は立派だと思いました。
 特に、調査委員会の際に、メンバーのことと同時に、事務局が、例えば事故調査委員会でもそれから検討会でもそういうのが多いと思うんですけれども、科技庁内部で事務局をつくって、それで何月何日に検討会を行いますと、その時間だけ行って事務局が全部取り仕切っているという傾向が強いんですね、と私は思うんです。
 アメリカでは物すごく違うと思いましたのは、スペースシャトルのチャレンジャー号というのは、打ち上げて爆発して悲惨な事故を起こしたというのを皆さん御記憶だと思うんです。あのときにも大統領事故調査特別委員会というのが設けられまして、そのときにリチャード・ファインマンというノーベル賞受賞の物理学者も委員として参加しているんです。その人がアメリカの物理学会誌に自分の体験をややエッセー風に書いているんですけれども、とにかくその責任機関であるNASA、責任機関はNASAなんですが、NASAの事務局に頼らないという方針。
 それからもう一つは、やっぱりパートタイムで時々検討にやってくるんじゃなくて、本当にフルタイムです。約六カ月間フルタイムで、ほかの仕事を一切しないで朝から晩まで夜中までと、それから土日も仕事をしています、この調査委員会が。そういう点で私は、第三者機関の委員会というのは内容も性格も随分違う、日本も考えなくちゃいけないというふうに思いました。
#53
○阿部幸代君 原子力の研究開発における安全の問題で、研究開発に従事する人たちの民主主義の確保といいますか、自由に物が言える環境をつくるというのは非常に大事な問題だというふうに私一は思います。
 それで、例えば、これも質問で取り上げたんですけれども、動燃で、岩波の「科学」という雑誌に「高速増殖炉の仮想事故」、こういう題名で論文を投稿したり、あるいは「エコノミスト」に「再処理工場からの現場報告 連続事故で不安は高まる」、こういうのを投稿したりした方が厳重注意という処分を受けているんですね。
 それで、一連の事故の後、動燃では、勇気を持って物を言うというか、そういうことが奨励されて、改革運動が進められているそうなんですけれども、私は、自由に物が言えない、まして安全の問題に関して物が言えないというのは物すごく動燃の経営体質として重大問題だというふうに思っているんですが、こういう原子力の研究開発と民主主義の問題について何かお考えがありましたら角田参考人に伺います。
#54
○参考人(角田道生君) 実は、ちょっと人のことばっかりも言っていられないんで、私のおりました日本原子力研究所でも似たようなことがありました、はっきり言って。ちょうど動燃が発足してからそういうことが動燃と原研でやや一斉に起こり出したのですけれども、例えば先ほどの「科学」への投稿と別に、やっぱり岩波の「科学」へ原子力研究所の副主任研究員が「原子炉の事故例について」という論文を投稿しまして、それで厳重注意処分なんです。
 こういうようなことで、動燃の場合に私は特に記憶に残っておりますのは、私も東海村にずっとおりましたから、動燃があの再処理工場の運転をやるときに現場が不安全箇所指摘というのをやったんです。それは原研と動燃の交流会のときに私は聞いています、こうこうこういうような不安全箇所があると。指摘したけれども、結局それは全部無視されちゃうわけですね。片っ方でそういう論文を書くと厳重注意処分が来るとなったら、これは職場はだんだんと物が言えなくなってくる。一種の箝口令的な雰囲気ができるんです。
 ただ、原子力研究所の場合は、これは研究所ですから、そういうような雰囲気に研究者あるいは研究者の属している社会、例えば学会とかそれから日本学術会議、こういうふうなところは非常に憤慨しますから、そういうこともあってそっちへの気兼ねで余りひどくならなかったけれども、そういう箝口令、圧力ということが続くと、やっぱり安全の重大なことが漏れてしまう。
 これはすぐにおわかりと思いますけれども、例えば原発を建設したり再処理を動かしているその人自身が、本当はどこかちょっと危ないんだという事実は知っているわけです。大体知っているんです。だから、その人がどんどんとここのところはやめた方がいいとかいうことが自由に提起できれば安全は格段に向上する。
 これは去年、原発の配管溶接部分のデータを捏造するというのを下請がやって、それが日立で問題になって、よく調べてみたら、親会社の日立もそのことにかんでいたということが大きく新聞で報じられました。だから、これは溶接をやった人は全部知っているんです。知っているけれども、その捏造のことが十年以上明らかにならない。
 こういうようなことを防ぐためということで、ちょっと私は思い出しましたけれども、アメリカの原子力規制委員会は、一九七〇年代にエネルギー法改正のときに、従業員からの安全に関する問題指摘で従業員が圧力を会社から受けるようなことを保護するという制度をつくったんですね。これは今、HアンドI、Hというのはハラスメント、Iはインティミデーションですが、安全を指摘したことによってハラスメントやインティミデーションを受けることは許されない、そういう人は規制委員会、NRCに申し出てほしいと。申し出たら取り調べるんです。取り調べて、これは実刑を科する権限をNRCは持っています。そういうことでもって罰する。
 この法律の目的は、従業員が報復のおそれなく安全に関する問題点を自由に提起できる雰囲気を増進するため、つまりアメリカでは原子力行政の中に、そういうことを科し押さえつけたらそれは法律違反であるといって監督する権利を持っているんだけれども、私は日本の科学技術庁、あるいは原子力安全委員会、原子力委員会がそういうことをやったという例は一つも知らないのは非常に残念です。
#55
○阿部幸代君 どうもありがとうございました。
#56
○扇千景君 三参考人、きょうは大変ありがとうございました。連休のさなかにもかかわらず、私どもは事の重要性ということであえて御出席をいただきましたことに心から御礼を申し上げたいと思います。
 ただ、限られた時間でございますから、順次、御意見を発表になりました順に、まず久米先生からお伺いしていきたいと思うんですけれども、私ども来週の七日に東海村を視察、現地公聴会をすることにいたしております。まず端的に、先生が東海村においでになって資料要求したけれども、所在が遠方にあるからということで資料が出されなかったということを聞きました。どういう資料をなぜ、その後先生のお手元に届いたのかどうか、ちょっと伺わせてください。
#57
○参考人(久米均君) ちょっとどういう資料であったかというのは余りよく覚えておらないんですが、これは別に隠しているわけではなくて本当に覚えていないんですが、ただ私としては、せっかく一日つぶして東京から出かけていって、それで遠いところにあるからお見せできないという、その言いぐさがちょっと気に入らなかったんですよ。そんなばかなことがあるかという、それで意見として書きました。
#58
○扇千景君 わかりました。
 それでは、私どもも改めて行くんですけれども、そのごらんになりました燃料再処理工程の分析管理室にいろんな警報装置がついています。その警報装置が鳴った場合に、警報装置が鳴った原因が不明であることはないという、大変日本語としては複雑怪奇な言葉をおっしゃるんですけれども、警報装置が鳴って原因がわからないわけはないというのは当たり前のことなんですけれども、それは現地でどのようにお感じになりましたか。
#59
○参考人(久米均君) 例えば防火ベルなんというのは、あれは時々鳴るんですね。鳴るんだけれどもどうして鳴ったのかわからない、どこを調べても火事は出ていないというそういうことは複雑なシステムにおいては往々にしてあって、故障だと思ったけれども行ったら動いているというようなことが現実にある。そういうのが、これはいわゆる再現せず不良と我々の品質管理では言っておって、それがどれぐらいあるかということが一つの技術解析の非常に重要な問題になってきているわけで、私はああいう複雑なシステムにおいてはそういうものがあるだろうという、これは想定なんですけれどもね。
 そういうことで、それが例えば百件非常装置が作動したときに、本当に原因がわかったあるいはわからなかったのがどのぐらいの頻度であるかというそういう質問をしたわけでございますね。そのときに、全部そういうわからないものはないというお答えがあったものですから、本当かなというそういう疑問です。そういうシステムを私はほかには知らないんですね。
#60
○扇千景君 私もその御報告を伺って、大変不審といいますか、そんなことがあって、それならなぜ再度の事故が起こるんだろう、故障が起きるんだろうという、大変不安を抱いたわけですからちょっと伺ったんです。
 それからもう一つ、現地においでになった同僚議員からもお話ございましたけれども、本当に管理者と作業員との乖離、この連絡の不行き届き、あるいは管理者がこう思っても作業員にそれが徹底しているかどうかということはどうお感じになりましたか。
#61
○参考人(久米均君) 私が現場へ参ったときに一番不満に思ったのは、上の人は出てこない、最後は管理者といったら課長になるんですね。課長はどこへ行っても最後は管理者としてそこで何かやらなきゃいかぬという。それは非常におくれている組織であるというふうに感じたわけでありまして、あの程度の組織であると大体部長が全部取り仕切るということになっていないといけないと思ったのです。
 これもそういう面からの想像でございますけれども、やはりその辺の連係プレーといいますか、上下の意思疎通がうまくいっているかどうかということについて疑問を持ったわけでございます。
#62
○扇千景君 最後に、大変お答えにくいことかもしれませんけれども、久米先生せっかくお越しですから参考人としてお伺いしたいと思うんです。
 もともと動燃の設立意義というものがあったはずです。その設立意義の中に、少なくとも日本のエネルギーの安全性を求めながら、なおかつ日本が誇り得る人材と技術と経済等の資産を投入して、そして原子力技術を自主技術として開発するというのが私は設立意義であったと思いますけれども、先生の目からごらんになって、その設立意義は、動燃設立後三十年になりましたが、どの程度との部分が達成できて、どの部分が達成できないというふうにお感じになっているか、御意見を伺いたいと思います。
#63
○参考人(久米均君) 私自身は、電力会社の人に動燃の技術がどこまで使われているかということをお聞きしたんですけれども、これは明快な答えがなかったということであります。
#64
○扇千景君 ちょっとまだ聞きたいですけれども、それでは次に近藤先生にお伺いしたいと思うんです。
 近藤先生、戦後私ども日本は、追いつけ追い越せということで欧米諸国、先進国にならってまいりました。ところが、現在、この原子力政策等に関しましては、高速増殖炉に限ってと言った方がいいかもしれませんけれども、追いつけ追い越せのその技術開発の先進国、先導者が前を見たらほとんどいないという現状だと思うんです。そういうことに対してどういうお考えをお持ちでしょうか。
#65
○参考人(近藤駿介君) 先導者がいない、まさしくそのとおりでありまして、したがってここで考えるべきことは、まず、先ほど来御指摘のように、何ゆえに先導者が消えたか、それからその分析は、私は、私の分析が間違っていなければ、まさしくそれぞれの国の財政、それから政策の優先順位等の中で、あるいは置かれた環境の中で決まってくる部分が多いというふうに考えております。
 したがって、大事なことは、こういう状態で従来のいわゆる自主技術開発というスタンスではなくて、まさしく先導者不在の中でいかにして的確な研究開発を進めるかというそういうスタンスでこの事業が設計されなければならない、あるいは組織が設計されなければならないというふうに考えております。
 それで、一言申しますと、その観点で非常に重要なのは、先ほども最初に申し上げましたけれども、誤りなきリスク管理、事業のリスク管理というのが非常に重要になるということで、外部評価等々の手段を尽くすことが大事だと思っております。
#66
○扇千景君 今そうおっしゃった中におっしゃいませんでしたけれども、私はずっと見てまいりまして、科学技術庁設立以来、先ほどから角田先生もおっしゃいましたけれども、原子力船「むつ」のときに、目の上のたんこぶ、のどに刺さった骨ということで、原子力政策の中に原子力船「むつ」のことが、大変原子力政策の前進に歯どめをしたとは言いませんけれども、邪魔になったと言うのも悪いですけれども、まさにのどに刺さった骨ということで大きな問題になったと思います。
 私、この間も申し上げたんですけれども、今回の動燃の諸般の事故あるいは隠ぺい工作、あるいはその他の累積した問題、科学技術庁は本来、資源のない日本にとっては科学技術省に昇格してもいいくらいな、将来、二十一世紀に向けての重要性を持っているということを申し上げたんですけれども、この事件が起こったことによって、これらの事故の障害によって、行革の中で科学技術省に昇格という言葉がどこからも出てこない。私は本来そうあるべきではないと思ったんですけれども、間違いでしょうか、近藤参考人の御意見を伺いたいと思います。
#67
○参考人(近藤駿介君) 科学技術政策一般をどういう行政機構で担保するかということだろうと思いますが、私は、二十一世紀科学技術立国を標榜している我が国でございますから、当然に科学技術を所掌する明確な行政機構があることは大変重要だというふうに思っております。今でも思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#68
○扇千景君 もう一つ突っ込んだお答えがいただきたかったですけれども、そういう意味では、近藤先生がお書きになっている中で、将来の地球環境レベルから見ても公害のないエネルギーというものに対する必要性の論文を拝見しまして、私は大変同感もしましたし、またそうあるべきだし、日本が目指すものはそうでなければならないと思っていますから、これはまた改めて時間があるときに伺いたいと思います。
 最後ですけれども、角田先生にお伺いしたいと思います。
 インドのマハトマ・ガンジーが人間の大罪というものを発表しましたときに、その中の一つに人間性なき科学というのが入っているんです。私は大変重要な言葉だと思いまして、どんなに科学技術が発達しても、あるいは技術が進歩しても、人間性なき科学というものは地球上に存在してはならないと思っています。技術というものに人間が使われるようになったらもう最後なんですよ。私は、そういう意味でこの人間性なき科学というマハトマ・ガンジーの言葉というのはもって瞑すべしだと思っているんです。
 先ほど同僚議員からも、動燃を廃止し原子力研究所と統合してどうのこうのというお話もございました。私は、日本の科学技術というものについて今るる先生からお話がございましたけれども、基本的に人間の技術によって、あるいは伝達の不備、あるいは伝達の不完全さ、管理上のすべての要因が今回の事故にあったと思うんですね。けれども、それらを含めて、じゃ、いけない、いけないと言うだけでは将来がありませんから、角田参考人はどういうふうにお考えになっているのか伺いたいと思います。
#69
○参考人(角田道生君) 御指摘の人間性なき科学というのが許されないというのは、私は全く同感です。そういう点から、私は、動燃だけじゃなくて、関連の原子力研究機関全体をもう一遍見るということを実はあの事故が提起したんだと思っていたんです。ですから、私は原子力研究所も今のままでいいと思っておりません。
 それから、特に核融合の研究に莫大な金が使われているけれども、国の全体の人間性ある科学というのを発展させていくために今の予算の使い方でいいのかということも問われておりまして、私はそういうことも含めた検討をこの科学に対する委員会では続けていただきたいというふうにお願いするものです。
#70
○扇千景君 最後になりましたけれども、私は、例えば今回の隠ぺい問題は、動燃だけではなくて今の日本の省庁、大蔵省を初めすべての省庁がたるんでいる事故だと思います。そういう意味では全省庁に警告を発すべきだというのが私たちの姿勢ですけれども、少なくとも私は、決まったものを再評価するシステムというものがまさに国会であろうと思うんです。私は、一たん決めた法律、一たん決めたことは、てこでも、意地になっても変えないというこの姿勢、今までの日本のあり方というものは考えなければいけないと思っていますけれども、先ほどそういうことは変えるべきだとおっしゃったことに関して、再評価問題に対してどうお考えか、お一人ずつ、逆に角田参考人から三人の方に一言ずつ伺ってやめたいと思います。
#71
○参考人(角田道生君) 私は、きょうお配りしました資料で、リリエンソールという原子力の路線をつくった人が、みずからそれをやっぱり改めようと言っている、これが一つの例のような気がいたします。お答えになるかどうか。
#72
○参考人(近藤駿介君) 政策再評価というのは非常に重要でありまして、アメリカで言えば議会にそういう専門の局があるわけでありまして、私どももいろんな機会に意見を申し上げることもできるという、それぐらいの仕組みがございます。私は、これからいわば海図なき航海に乗り出す日本にとっては、誤りなきリスク管理と私どもは言っていますが、経営のリスク管理という観点で行政においてもそういうことをお考えであるべきだと思います。
#73
○参考人(久米均君) 工業技術標準というのを我々は扱っておるんですが、それはちゃんとやっているかどうかはよくわかりませんが、大体三年に一回見直すというルールで、これはISO、国際標準もそうでして、当然ほかの法律、そういうものについてもそうあってしかるべきではないかと思います。
#74
○扇千景君 終わります。ありがとうございました。
#75
○委員長(大島慶久君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、長時間御出席をいただき、貴重な御意見を賜りまして大変ありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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