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#1
第142回国会 財政・金融委員会 第10号
平成十年三月二十七日(金曜日)
   午後二時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     小川 勝也君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         石川  弘君
    理 事
                岡  利定君
                河本 英典君
                楢崎 泰昌君
                久保  亘君
                益田 洋介君
    委 員
               大河原太一郎君
                片山虎之助君
                金田 勝年君
                野村 五男君
                林  芳正君
                松浦 孝治君
                伊藤 基隆君
                今泉  昭君
                小川 勝也君
                牛嶋  正君
                志苫  裕君
                三重野栄子君
                笠井  亮君
                星野 朋市君
                菅川 健二君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  松永  光君
   政府委員
       大蔵政務次官   塩崎 恭久君
       大蔵大臣官房長  武藤 敏郎君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     溝口善兵衛君
       大蔵省主計局次
       長        細川 興一君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省関税局長  斎藤 徹郎君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省国際金融
       局長       黒田 東彦君
       国税庁次長    船橋 晴雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       株式会社住宅金
       融債権管理機構
       代表取締役社長  中坊 公平君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進
 等に関する特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○平成十年度における財政運営のための公債の発
 行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○法人税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書
 類の保存方法等の特例に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十六日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(石川弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日の委員会に、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の審査のための参考人として日本銀行総裁速水優君を、また特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のための参考人として株式会社住宅金融債権管理機構代表取締役社長中坊公平君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(石川弘君) 特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の四案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。松永大蔵大臣。
#6
○国務大臣(松永光君) ただいま議題となりました特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、債権処理会社が譲り受けた住宅金融専門会社の貸付債権その他の財産の処理をさらに促進する必要があることにかんがみ、その回収等に伴う利益と損失を相互に調整する等の措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、国庫納付または国庫補助の基準となる債権処理会社による譲り受け債権等の回収等に伴う利益または損失について、各事業年度ごとの回収益と二次損失の二分の一を相殺した上で国庫納付または国庫補助を行うこととしております。
 次に、預金保険機構の罰則つき財産調査権の対象として、現行の債務者に係る財産に加え、債権の担保として第三者から提供されている不動産を追加することとしております。
 さらに、債権処理会社の債権の取り立てを預金保険法に規定する協定銀行に委託することができることとしております。
 次に、平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 平成十年度予算につきましては、財政構造改革法に従い、歳出全般について聖域を設けることなく徹底した見直しを行いつつ、限られた財源を重点的、効率的に配分したことにより、前年度当初予算に対して一般歳出について五千七百五億円、一・三%の縮減を達成するとともに、公債減額一兆千五百億円を実現するなど、財政構造改革のさらなる一歩を進めたところであります。
 その中で、特例公債については、前年度当初予算における発行予定額から三千四百億円減額したものの、引き続き平成十年度においても発行せざるを得ない状況にあります。
 本法律案は、以上申し上げましたように、厳しい財政事情のもと、平成十年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置及び厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れの特例に関する措置を定めるものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、平成十年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができること等としております。
 第二に、平成十年度における一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れのうち経過的国庫負担については、七千億円を控除した金額を繰り入れるものとするとともに、後日、将来にわたる厚生年金保険事業の財政の安定が損なわれることのないよう、七千億円及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れることとしております。
 次に、法人税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、近年の経済社会の変化や国際化の進展にかんがみ、企業活力の発揮に資する等の観点から、法人税率の引き下げを行うとともに、法人税の課税所得の計算の適正化等の措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、法人税率について、基本税率を三七・五%から三四・五%に、中小法人の軽減税率等を二五%に引き下げることとしております。
 次に、法人税の課税所得の計算について、賞与引当金等の廃止、貸倒引当金の繰入限度額の計算方法の見直し、長期工事の収益計上方法の見直し等、所要の経過措置を講じた上、その適正化を図ることとしております。
 また、所得税についても、法人税に準じて課税所得の計算の適正化を図るほか、特定扶養親族に係る扶養控除額の引き上げ等を行うこととしております。
 次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、最近における金融・経済情勢を踏まえつつ、経済社会の構造的な変化及び諸改革に対応するため、金融関係税制、土地・住宅税制等について適切な措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、金融関係税制について、有価証券取引税及び取引所税の税率の半減、特定の株式の取得に係る経済的利益の非課税制度の改組、銀行持ち株会社に係る措置の創設等を行うこととしております。
 第二に、土地・住宅税制について、地価税の臨時的な課税停止、個人、法人の土地譲渡益課税の大幅な軽減、事業用資産の買いかえ特例の拡充、居住用財産の買いかえに係る譲渡損失の繰越控除制度の創設等を行うこととしております。
 第三に、沖縄の経済振興や中心市街地の活性化に資する措置を講ずるほか、既存の特別措置の整理合理化等による課税の適正化を行うこととしております。
 その他、いわゆるオフショア勘定において経理された預金等の利子の非課税措置、揮発油税及び地方道路税の税率の特例等適用期限の到来する特別措置について、これを延長する等の措置を講ずるほか、阪神・淡路大震災の被災者等が取得した特定の土地の所有権等の移転登記に係る登録免許税の免税措置の創設等及びしょうちゅう等の酒税の税率改正時期の変更等を行うこととしております。
 以上が特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(石川弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(石川弘君) 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○楢崎泰昌君 最初に、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律案という長い法律案の質疑から始めさせていただきますが、短く質問しますのでよろしくお願いします。
 この法律案にございます帳簿書類の電子データ保存については、従来から企業等を中心としまして税務の実務に携わっている方々から強く要望されてきたものであります。コンピューターの発達あるいはその普及によりまして企業会計の情報化が進展しまして、ペーパーレス化ということが世間一般に非常に速いスピードで普及してきたわけでございますが、企業会計も情報化が進展しまして現在においてペーパーレスの需要というのは非常に高くなっているというぐあいに思います。
 そういう中でこのたびの帳簿書類の電子保存ということはまことに時宜にかなったものでもあり、世界的潮流に即したものであるというぐあいに私ども思っておりまして、自由民主党におきましてもコンピューター会計法整備推進議員連盟というものをつくっておりまして幾多の議論を重ねてまいりました。私もそれに賛成し、参加をしてきた者でございますが、今回の法律案については極めて時宜を得たものと考えています。
 きょうは少し突っ込んで質問させていただきたいと思います。
 こういうペーパーレス化が行われるということになると、人手。倉庫等々非常に企業の負担が軽減されると思いますが、その点についての当局のお考えを御説明願いたいと思います。
#10
○国務大臣(松永光君) この制度の導入で企業にとってどの程度の負担軽減になるかというお尋ねでございますが、企業の規模、業種、コンピューター化への取り組み状況によって差はあるものの、企業等の事務負担やコスト負担はこれまでに比べ大幅に軽減されるものと考えられます。
 例えば、ある大手スーパーについて見ますと、現状ではコンピューター処理により作成した帳簿書類も紙に出力して保存しているために出力費用、用紙代、保管料で年間約一億円を超えるコスト負担をしておるということでありますが、電子データ保存に移行すればコンピューター作成の会計帳簿やレジペーパーの控えなどを紙で保存する必要がなくなるため、これらのコストは約四分の一になるという推計がなされております。
 いずれにしても、企業におけるコンピューター利用は急速に進んでおり、パソコンの導入も含め、八割以上の企業が何らかの形で業務にコンピューターを利用していることを考慮すれば、この制度の導入は企業全体として見れば極めて大きな負担軽減効果をもたらすものと考えております。
#11
○楢崎泰昌君 私も民間団体の市場調査等を聞いてみると、全体として八百億ないし千億ぐらいの経費節減ができるということがリポートされております。こんなことを言っては悪いですけれども、大蔵省主税局は、税金ばかり取るのが能じゃなくて、この際社会の経費節減のために尽力され、そういう立法をされたことを多とする次第でございます。
 しかしながら、本件の法制化は経済効果ということだけではなくて、同時に適正な会計報告がなされるということが必要になってくるわけでございます。そして、同時に納税の適正化ということもねらっておられるように思います。
 コンピューターを利用した電子での保存は、紙での保存に比べますと、コンピューターというものを使うという特性から見てどうも見えないブラックボックスの中に入っているというような傾向を持っているということでありますけれども、本制度の導入に当たって適正かつ公平な課税を確保するという観点から条件整備が非常に大切であり、今までコンピューター会計化ということを叫ばれながら実現しなかったのはそこにあると思いますが、どのような条件整備を考えているか、いかがでしょうか。
#12
○政府委員(尾原榮夫君) お答えいたします。
 今、委員から御指摘がございましたように、帳簿書類は申告納税制度の基礎となる重要なものでございます。したがいまして、この電子データ保存に当たりましても適正公平な課税の確保のために必要な一定の要件が必要になってくるわけでございます。
 それで、今回、適正公平な課税の確保のための要件といたしまして、具体的に申し上げますと大きく分けて二つあるだろうと思います。
 一つは、今ブラックボックス化というお話がございましたが、まさにコンピューター処理というのは痕跡を残さず記録の遡及訂正が容易にできるという特性があるわけでございます。そうしますと、真実性をどうやって確保するかという要件が必要になってまいります。そのような観点から、訂正をした場合あるいは加除をした場合の履歴が確保されるシステムを使用してもらう必要がございます。また、それぞれの帳簿間での記録の相互追跡可能性といいましょうか、それを確保してもらう必要があるだろうというふうに考えているわけでございます。
 それから、第二番目の問題でございますが、電子データというのは目で見えません。したがって、可視性をどうやって確保するか、こういうことが必要でございまして、そのような観点からディスプレーあるいはプリンターを備えてもらう、検索機能をしっかりと確保してもらう、このような要件が必要であろうと考えているところでございます。
#13
○楢崎泰昌君 今の御答弁の内容を確認させていただきますと、遡及的な訂正、加除の履歴をちゃんと確保すること、それが一番目。二番目は、監査証跡とでもいうんでしょうか、要するに帳簿の各勘定間、仕訳データだとか証憑書類等との間の相互追跡ということが大事であると。そういう監査証跡を確保していくことが重要であるというぐあいに御答弁だったと思いますが、そのように理解してよろしいですか。
#14
○政府委員(尾原榮夫君) そのとおりでございます。
#15
○楢崎泰昌君 帳簿書類の保存に関しては、会計の適正性というんでしょうか、それが深く関係していると考えております。電子帳簿にするとそこら辺のところがあいまいになってくるおそれもあるわけです。
 私は、先ほど申し上げた議員連盟で議論をした際に、実はこれは米国あるいはドイツが先進国でありますけれども、一九六六年に米国会計士協会で「基礎的会計理論に関する報告書」というのが出されておりまして、それが基礎になって電子会計の理論が構築されていると思います。これは和訳されて我が国にも紹介されていますので大蔵省では既に把握されていると思いますけれども、この中で目的適合性だとか検証可能性だとか、普遍性だとか量的表現可能性というようなことを指摘しております。
 この中で最も大事なものは検証の可能性、要するに後で追跡をして検証するということが一番重要なことであるというぐあいに思いますが、その帳簿間の相互追跡の可能性確保ということを大蔵省では具体的にどのようにお考えになっているのか、御説明ください。
#16
○政府委員(船橋晴雄君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘のように、コンピューター会計システムの中で適正性を確認いたしますためには関連する各帳簿書類間におきまして記録の相互追跡が可能であるということが必要でございます。
 そして、お尋ねはどのようなシステムになっていればこの相互追跡可能性の要件を満たすと考えられるかということでございますけれども、これは今後取扱通達等を通じて具体的基準を明らかにしてまいりたいと考えておりますが、現時点で考えられる方向性といたしましては、例えば入力時点で取引記録一個ごとに番号などを付する、そういった方法によりまして帳簿相互間で個々の取引記録の流れを追跡できるように記録されるシステム、そういうものであれば要件としての相互追跡可能性は確保されていくというふうに考えております。
#17
○楢崎泰昌君 会計帳簿をコンピューター化するについて一番重要なのは既に述べたとおりでありますけれども、あるいは既に御説明いただいたとおりでありますけれども、要するに会計プログラムをつくって、それを税務署長に承認をしてもらわにゃならぬということになると思います。
 若干突っ込んだ実務的な質問もさせていただきたいというぐあいに思いますけれども、会計帳簿を電子化することというのは大企業、あるいは中小企業でも同じでございますが、親会社が子会社に会計処理を委託する、あるいは税理士さんにそれをお願いするというようなことが一般的に行われているわけでございます。
 今後ますますこの分野は専門化し、情報通信というものが発達してくるわけですけれども、親会社が子会社に委託する、あるいは税理士さんに委託するというような従来のシステムと変わりがあるんでしょうか、ないんでしょうか。すなわち、自分で電算機を持たなければならないと考えるんでしょうか。あるいは、税理士さんが会計処理をやって、それを税務調査に際して真実性を証明するというようなことでよろしいんでしょうか。
#18
○政府委員(船橋晴雄君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のように、会計処理を子会社に委託している場合でございますとか、あるいはまた情報処理において通信手段を利用しているような場合がもう既に相当普及してきているわけでございます。
 それで、今回の電子帳簿保存法案におきましては電子データによる保存にかえることのできる帳簿書類は自己が一貫してコンピューターを使用して作成するものというふうに限定をされておりますけれども、この意味は取引の相手方から受け取った領収書等の証憑書類あるいは手書きの帳簿書類を電子データの保存の対象から除外するという意味でございまして、帳簿作成のための電算処理を外部に委託する形態、そういったものを排除する趣旨ではございません。
 したがいまして、従来から行われているような帳簿書類の作成に関して電算処理を情報処理子会社等の第三者に委託している場合、あるいは作成過程で通信回線を通じてデータの伝送が行われている場合、そういった場合も納税地において、先ほど主税局長のお話がございましたが、可視性、そして真実性、そういったものが確保されるものを備えつけていただければ結構でございますという考え方で対応してまいりたいと思っております。
#19
○楢崎泰昌君 ということは、従来の紙による仕訳、紙による納税に対する対応ということと全く変わらない、ただその手段が電子記録になっただけというぐあいに理解してよろしいんでしょうか。
#20
○政府委員(船橋晴雄君) お答え申し上げます。
 そのとおりでございます。
#21
○楢崎泰昌君 法案の第四条第一項に、「保存義務者は、国税関係帳簿の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合」というぐあいにございます。
 「一貫して」ということの解釈は先ほどお伺いをいたしましたが、「全部又は一部」というぐあいにございますが、これはどういうことを意味しているんでしょうか。
#22
○政府委員(尾原榮夫君) お答えいたします。
 この「国税関係帳簿の全部又は一部について、」の部分でございますが、これは帳簿の電子データ保存はすべての帳簿について一括して行わなければならないということではございませんで、その一部についてだけ電子データの保存をすることも認められるということを規定しているわけでございます。企業によっては一部の業務についてだけコンピューターを導入しているということも考えられますので、そのような場合でございましても、その一部の業務に係る帳簿について電子データ保存をすることができるようにということでこのような表現になっているわけでございます。
#23
○楢崎泰昌君 ということは、すなわちその会社があるいは法人が全部電子計算機によるデータ化ということをやらなくても、一部の勘定項目についてまずやり、それからその次に次の項目を電子帳簿化していくということでもよろしいということを意味しているということですね。
#24
○政府委員(尾原榮夫君) そのとおりでございまして、コンピューター化の状況に即しまして一つの帳簿、それでは次は次の帳簿というふうにやっていってよろしい、そういうことでございます。
#25
○楢崎泰昌君 それから、若干細かいことですけれども、先ほど申し上げたように、この電子帳簿というんでしょうか、電子データ化されているということでございますが、これは署長の承認を得なきゃいけない、すなわち政府の承認を得なきゃいかぬということですが、附則のところにありますように、これが条件を具備していなければ取り消されるということになるわけですね。それはそうなんですが、そのときに同時に青色申告の取り消しも行われるのかどうか、どうも附則を見ると承認の取り消しはイコール青色申告の取り消しになるように見えるんですけれども、それはいかがでしょうか。
#26
○政府委員(船橋晴雄君) 現場での実務的なことについての御質問でございますので私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 この電子データの保存といいますのは、我が国にとってこれまでにない新しい制度でございます。したがいまして、まず私どもといたしましては、納税者の方々に制度の内容が正しく理解され、要件に合った保存を行っていただくということが何より重要であると考えております。したがいまして、制度導入当初においては制度内容の周知、納税者からの照会、相談への適切な対応等を図っていくことが重要と考えております。
 ただいまお尋ねがございましたように、電子データの保存の承認が取り消されますと青色申告の承認があわせて取り消される可能性があるわけでございますけれども、今申し上げましたような趣旨を踏まえまして、個々の納税者の事情を十分しんしゃくし、慎重かつ柔軟な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#27
○楢崎泰昌君 ということは、承認の取り消しが行われると過去のデータ、承認は取り消されましたと、そうなってくると帳簿がないということになるんでしょうか。したがって、青色申告取り消しということになるんでしょうか。そこら辺が実務者の間で非常に心配されておりまして、それは承認は取り消されたかもしれないけれども、電子データそのものはあるわけですから全くの白紙状態になっているということではあるまいというぐあいに思うんですが、いかがでしょうか。
#28
○政府委員(尾原榮夫君) 電子データ保存は税務署長の承認制度にかからしめております。したがいまして、この要件に外れた場合には取り消しということになりますが、その取り消しにつきましてはその時点から取り消されるということになるわけでございます。その時点から取り消されますと、その時点から帳簿を備えつけていないということになってまいりますものですから、これは青色申告との関係によってまいりますと、場合によっては帳簿を備えつけていないということになり、青色申告取り消しの要件に該当する場合が出てくる、こういうことだと思います。
#29
○楢崎泰昌君 今の御答弁でありますけれども、青色申告の取り消し要件というのが幾つかございます。現在の実務上では納税者に大変優しく青色申告の問題を扱っておられるように思います。少なくとも、要件の一つには該当するかもしれないけれども、悪質なものでなければ、要するに通常の青色申告取り消しの要件に該当するのでなければこのデータの電子化が取り消されたから直ちに青色申告取り消しになるというぐあいには考えられないんですが、いかがでしょうか。
#30
○政府委員(船橋晴雄君) 先ほどちょっと申し上げましたが、まさに納税者の個々の事情をよく私どもしんしゃくさせていただいて、要件違反がある電子データ保存の承認が取り消されたことをもって安易に機械的に青色申告の承認を取り消すということにはならないんじゃないかというふうに考えております。
#31
○楢崎泰昌君 特にこれは新しい制度でございます。導入された当初は極めてふなれということに実は国税側も納税者側もなると思います。ぜひそういうところは指導的立場を堅持されてこれに対処していただきたいというぐあいに思います。
 それから、納税者側もそうなんですけれども、国税側も実は電算機をいじるということになるとなかなか困難なんじゃないですか。職員に対する訓練であるとか、その辺なかなか納税者との間でトラブルが起こると思いますけれども、それについての御配慮はあるんでしょうか。
#32
○政府委員(船橋晴雄君) お答え申し上げます。
 今、委員御指摘のように、私ども税務職員にとりましても、今回電子データ保存制度が導入され、それに対してどう対応していくかということが大変重要な課題でございます。
 したがいまして、委員御指摘になられましたような研修でございますとかあるいは機構の整備でございますとか、そういった形での対応を十分に私どもも図ってまいりたい、また関係方面の御理解も得つつ充実してまいりたいというふうに考えております。
#33
○楢崎泰昌君 今御答弁になったように、これはなかなか導入するといってもそう簡単にいかないんですね。私は、国税当局がこの電子データというものをよくこなしていき、かつ職員全体がこれをそしゃくしていかなきゃいかぬわけですが、今おっしゃったように、訓練をやるというようなことと同時に、やっぱり定員の増であるとか機構の改革であるとか、そういうことを通して調査を充実していかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。これは特に大臣の御見解を承ります。
#34
○国務大臣(松永光君) 税務行政を取り巻く環境は、高度情報化の進展、それから経済取引の国際化、複雑化、不正手口の巧妙化、課税対象の増大等によって質、量ともに厳しさが増大しておる現状であります。
 こうした中で、国税庁はこれまでコンピューターの活用による内部事務の簡素合理化、有効な資料情報に基づく効率的、効果的な調査の実施等、事務運営の合理化、効率化に努めておるわけですが、税務の困難性及び歳入官庁としての特殊性を関係当局に強く訴えて所要の定員の確保や機構の整備等に努めてきたところであります。
 現下の厳しい財政事情でありますけれども、今後とも税務をめぐる環境は厳しさを増すと考えられるので、国税職員の増員や機構の整備等については関係方面の理解が得られるよう一層の努力を払ってまいりたいと、こう思っているところでございます。
#35
○楢崎泰昌君 今、大臣にお答えいただきましたが、この制度の導入は、先ほどから言っておりますように、経済界に与える影響も大変大きい、それから国税庁、執行当局にとっても影響が大きいということでありますけれども、世界の潮流からいって、これを推進し成功させなければならぬということを十分認識されまして御努力を願いたい、そして活力ある経済社会が構築されるようにこいねがうものであります。
 以上でこの法律案については終わりますけれども、まだちょっと時間があるので、次に関税定率法関係のことについてお伺いを申し上げたいと思います。
 先般の財政・金融委員会においてインドネシアに対するツー・ステップ・ローンの御質問を申し上げました。その際に、インドネシアに対する我が国の輸出輸入の状況、特に我が国の輸入が非常に減っているのはおかしいじゃないか、どこが問題なんだということを論及させていただきましたが、それに対して大蔵大臣は努力をするという話をなさっておりました。大蔵大臣が御努力なさってもなかなか経済の動きでございますから難しいと思います。
 それに関連して、インドネシアの経済危機に非常に関心を私は持っております。そして、先般ハビビ副大統領が訪日をされました。そのときに、インドネシアの中小企業に対して助力を願いたいんだというような話をずっとされておりました。いずれにしても、インドネシアの中小企業がインドネシア全体の中で吸収している雇用人口は七五%に及んでいるというぐあいに聞いております。インフレだとか高金利だとか、非常に苦しい状態にあって中小企業が伸び悩んでいる、あるいはもうたまらないというような調子になっているようですけれども、この際一つの案として、インドネシアが世界銀行やあるいはアジア開発銀行等の保証を付した国債を御発行になり、そしてそれを同国の中小企業支援に充てるようなことがあるんじゃないかと。
 我が国のインドネシア支援を見てみますと、先ほどのツー・ステップ・ローン、あれも輸入金融と輸出金融というようなものに限定をされているような書きぶりになっているんです。実際はそれだけじゃなくてほかの中小企業のところにも若干の資金は行っていると思いますけれども、私はやっぱり日本の存在感をインドネシアに示すという点では、中小企業が潤うようにインドネシアが外債を発行する、そのときに世界銀行あるいはアジア開発銀行等が支援をして、何しろ日本には千二百兆円の個人資産があるわけですから、そこら辺をどういうぐあいに活用するかということに関連して、アジア開発銀行あるいは世界銀行が同国の国債を保証してくれるならば我が国においてもアベイラブルであろうというぐあいに考えますが、いかがでございましょうか。
#36
○政府委員(黒田東彦君) ただいま御指摘のありました中小企業等に対する支援の一つの方策として、インドネシア政府あるいはインドネシアの政府関係の機関が市場で資金を調達する際に、世界銀行あるいはアジア開発銀行といった国際機関の保証を付した形でやってはどうかということでございまして、これは一つの非常に興味深いアイデアであるというふうに思っております。
 実は、昨年、韓国の通貨危機の問題が生じました際にも一部のアジアの国々から、例えば韓国がそういうことをする場合に世界銀行やアジア開発銀行の保証が付せないだろうかという議論がございました。それぞれの協定上は一定の保証ということができるようになっておりますので可能ではあるということでございましたが、そのうち韓国の場合は状況が金融面ではかなり好転をいたしまして、聞くところによりますと韓国は自力で近く資本市場で債券を発行できるまでになったということのようでございましてこの話はさたやみになっているわけでございますが、御指摘の点は大変興味深いアイデアでございますし、必要に応じてそういう形での世界銀行あるいはアジア開発銀行の機能の活用ということも意義のあることではないかと思いますので、引き続き国際機関あるいは関係各国と協議を行ってまいりたいと思っております。
 ただし、これまでのところ、それぞれの開発金融機関はこういう問題についての検討は従来からしておりますけれども、何分にも従来の機能が主として開発プロジェクトのファイナンスあるいは中長期的な構造改革の支援というようなことでやってきておりまして、直接のいわば融資でございまして、保証という機能はほとんど活用されてこなかったというようなこともありまして、やや慎重のようでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも引き続き協議を進めてまいりたいというふうに思っております。
#37
○楢崎泰昌君 この問題は後日にまた譲らせていただきたいと思います。
 質問を終わります。
#38
○今泉昭君 最初に、昨日与党三党がお決めになられたという経済対策がけさの新聞の一面に躍っていたわけでございますが、この問題について大蔵大臣の所感を少しお聞きしたいというふうに思うわけでございます。
 まだ中身が我々の手元ではよくわかっておりませんから、あくまで我々の推測の域を出ないところでございますけれども、昨年の夏以降、我々が再三にわたって政府に対して各委員会において警告をしておきましたとおりに、我が国の経済はただ単に景気の低迷ということではなくして、いろんな指標を見ましても景気後退という指標がたくさん躍るような状態になってしまいました。恐らく、政府・与党筋といたしましても、現在の我が国の経済実態から見まして需給ギャップがGNPの三%程度は、あるいはそれ以上のものが現在存在をするということを頭に描きまして十六兆円規模の経済対策を考えざるを得なくなったんじゃないだろうかと思うんです。
 その十六兆円の中身、果たして真水がどのくらいあるのか私どもにはさっぱりわかりませんけれども、この政府・与党の新しい経済対策というものに関しまして、行政の立場で大蔵大臣はどのように受けとめられているか、まずお聞きしたいと思います。
#39
○国務大臣(松永光君) 与党の方で今般決められた対策というのは、これは与党の方で現下の厳しい状況を認識されて、そして提案されたものだと、こういうことでありますので重く受けとめることになるわけでありますけれども、まだ具体的な面に欠ける点もあるものですから、厳しい状況であるのでこれから一日も早く抜け出す必要があるという認識では同じでありますけれども、与党の方で決められた対策をこれから諸般の情勢を見きわめながら今後政府としての対応について勉強してまいりたい、こういう実は考え方でございます。
#40
○今泉昭君 今、我々はこの参議院におきまして今年度の予算を審議しているような状態なわけでございまして、総理大臣を初め、とにかく現在のこの経済危機を乗り切るためにも一日も早く予算を通してくれということを事あるごとに口に出されてまいります。しかし、一般的にこれを受け取る見方というのは、もう既に市場は今の予算の中身というものを十分見込んだ上で今の経済は動いているわけでございまして、一日も早く予算が通ったからといって現在のこの経済不況が立ち直るとか、いい方向に向かうということはあり得ないわけでありまして、現在の景気の足踏みというのも、今、政府が提案されている予算に沿って実は織り込み済みで推移をしているというのが私は実態ではないかと思うのであります。そういうのを見ながら政府・与党としては大変な危機感を抱いてこの新しい経済対策というのを検討し、打ち出してきているのではないかと思うんですが、ある意味では裏を返せばそのことは今の予算案というものはもう欠陥予算なんだと、何にもならないんだということを世の中に公表しているようなものと同じことではないかと思うわけでございます。
 そういう意味では、一体何のために参議院で一生懸命この予算案を論議しなきゃならないのかという印象を実は我々としては受けざるを得ないのでございますが、この現在審議されている予算というものとの関係で政府としてはこの経済対策をどのようにお考えですか。
#41
○国務大臣(松永光君) 先ほども申し上げましたように、今般のこの決定というのはあくまでも与党の政策決定でありまして、内容的にも本当に詰まったものと私は見ていないんですが、現在の厳しい状況を乗り切るために与党の方で検討され、そして決定されたものだと、こういうふうに思います。政府としては、その案をもとにしてこれから勉強させていただいて、そして対応を考えていくと、こういう状況に実は今あるわけでございます。
 私ども政府といたしましては、今、委員御指摘のように、十年度の予算の審議をお願いしているところ、そしてこの委員会を中心にして予算関連の重要な税法等の法案の御審議をお願いしているところでございまして、特にこの税法の関係では制度減税として法人税、あるいは租税特別措置法による減税等々、八千億を超す減税が実は予算関連法案として今御審議を願っておる、そういった予算関連法案やあるいは予算を早くひとつ審議していただいて成立させていただく、それをまずは実行に移させていただく、それが私どもの願いなのでございます。
#42
○今泉昭君 それでは、別な面からお聞きしたいと思うんです。
 昨年、財政構造改革法が国会を通過いたしました。たまたま私も行財政特別委員会のメンバーの一人でございまして、この法案の審議に実は参加をさせていただきました。その際、再三にわたって私どもから申し上げましたのは、今、橋本総理大臣が盛んに使われているんですが、財政構造改革というものと景気というものは実はレベルの違う問題なんだと、財政構造改革というのは中長期的な一つの施策であって景気対策というのは当面の問題であるから臨機応変に対応していかなきゃならないと、盛んに臨機応変という言葉を最近使われるわけです。実はこの言葉は昨年の行財政改革特別委員会で我々が使った言葉なんですよ。にもかかわらず、そのときの総理大臣のお答えは、まずとにかく財政構造改革なんだと、まず財政構造改革だということを盛んに言われた。
 そういう論議をずっと私も振り返ってみますと、もう総理大臣の気持ちの中でもこの財政構造改革の欠陥、あるいはこの財政構造改革をまずやらなきゃならないといった気持ちと大きく気持ちが変わってきているんじゃないだろうかと。あわせまして、与党の首脳陣の中からもこの財政構造計画の目的達成年度を多少延期するとか、あるいは修正をするとかという論議が出てきているような状況でございますが、政府といたしましてはこの財政構造の法案につきましては基本的に見直すとか、基本的にこのものに対する対策を考え直すとかというような考えは今お持ちなんでしょうか。
#43
○国務大臣(松永光君) 総理もしばしば言っておられますように、財政構造改革の必要性、これは今日でもその必要性は変わらないものだと。実際、国、地方合わせて公債を中心にした長期債務残高が五百兆を超しているという状態、先進国中最悪の財政状況になっておるわけでありますから、これは我々の世代のときに何とか解決をしないというと次の世代に大きな借金を引き継ぐことになる、それは厳しいことであるけれども何としてでもやり遂げたいということから財政構造改革法はできたものだというふうに私は思います。
 同時にまた、あの法律を見ますというと、二〇〇三年度末までに国、地方合わせての財政赤字をGDP比三%以下に持っていくという目標、それから赤字公債、特例公債をゼロにしようという目標、そしてもう一つが毎年発行する特例公債は前の年よりも少なくするということ、こういった目標がきちっと定められておるわけでありまして、これを実行していくというのが財政構造改革の目標だろうと、こういうふうに思います。
 もちろん、歳出予算につきましては重要項目ごとにいわゆるキャップがはめられておるわけでありますけれども、しかしそれは当初予算についてのキャップであって、補正については必ずしもキャップがはまっているわけじゃない、こういうことを基本にしながらそのときそのときの景気の動向その他を見ながら、先ほど委員がお使いになりました臨機応変の措置をとって、そして景気の回復を図っていく。要するに、中期の目標とそのときそのときの景気対策等の施策はこれは矛盾するものじゃなくしてタイムスパンの異なるものだと、こういう考え方でやってきておるわけでありまして、私どもも現在のところではそういうやり方で、すなわち多額の負債を後世代には残さない、我々の世代のときにこの問題を何とかしていこうということと、それから当面の景気対策は臨機応変の施策で乗り切っていこうという考え方であるわけであります。
 我が党の中に財政構造改革法についていろいろ意見があることは委員と同様に私も承知しておりますが、今この財政構造改革法をどうすべきだという意見が党内でもまだまとまっているわけでもありませんし、私どものところにはそのことについての具体的な考え方というものがまだ伝えられておりません。そういう状況に実はあるわけでございます。
#44
○今泉昭君 財政構造改革法によっていろんな意味で政府の行動が縛られていることは、程度の差はあるにしてもあることは事実だと思うわけです。
 ところが、今我々が直面しているのはとにかく大変な経済危機だということ。特に、きょうのお昼のニュースでもありましたように、これまでかつてないような三・六%という失業率を記録しているわけですよ。四月ごろになれば、あるいは桜が咲くころになれば景気はよくなっていますよと毎度のように言っておられたのとは全く逆の現象が今出てきているわけでございまして、そういう意味では足かせがかかっているから今思い切った臨機応変な経済対策が打てないような現実があるわけでございますが、この現実に対して臨機応変に大幅な景気対策を打つ必要があるということは大蔵大臣として認識されているんですか。
#45
○国務大臣(松永光君) 先ほども申し上げましたとおり、与党の方でこの状況を乗り越えていくためにというわけで経済対策を決められたわけでありますが、この与党の対策をこれは大変大事なものだというふうに受けとめて、そしてこれから詳細な検討を加え勉強をして、そしてどうするかを決めるという状況に今あるわけでございます。
#46
○今泉昭君 与党の方で今検討しているからということは、政府としては主体的にこうしなきゃならないという危機感をお持ちでないという別な見方もあるわけですよ。
 今、政府が出されていると十七光何がしかのこの予算の根本になっている考え方というのは、この予算の執行によってことし一年間の経済運営、一・九%の経済成長率を実現していこう、こういう大まかな予算案が組まれているわけですよ。この一・九%というのが本当に実現できるとお思いなんですか。恐らく与党サイドでは、もうとてもじゃないけれども一%も実現できないんじゃないかという危機感があるんじゃないかと思うんですよ。そういう危機感も今の政府はお持ちになっていないということですか。与党の検討待ちということなんですか。
#47
○国務大臣(松永光君) 先ほど来申し上げておりますように、十年度の予算、そしてその予算と一体をなしておる予算関連法案、その中で、委員御存じのとおり、先ほど私も申し上げましたけれども、法人税関係の減税、これは制度減税でございます。それから、所得税関係でもいわゆる教育減税とかあるいは障害者と同居して介護していらっしゃる方のための減税とか、あるいは土地・住宅税制、金融関係税制、こういったもので約八千四百億の減税措置というものが法案を通していただくことによって新年度から実行に移せると。
 それから、法案を審議していただいて成立させていただきました特別減税、あれは九年度で一兆円、十年度でまだあと一兆円あるわけでありますが、そういったものを実行に移すと同時に、十年度予算に盛り込まれておる施策を実行していくことによって、何としてでも現在のこの厳しい状況を乗り越えていくことができるようにしていきたい、そのためにも十年度予算、そして関連法案をぜひひとつお通しいただきますようにお願い申し上げますというのが私の現在ただいまの心境でございます。
#48
○今泉昭君 政府の立場に立っての答弁としてはわからないわけではないんですが、しかし悠長にそのような形で答弁することを国民自身も世の中自身も安心をして受けとめていないわけです。それが実は市況にもあらわれていますし、経済活動にもあらわれている。それだけではなくして、実は海外からもやいのやいのと言われているわけですね、与党の首脳の方々から内政干渉だという反発も出るぐらいに。先進国からも、いろんな国から日本の経済対策は甘いよ、こんなことでは大変なことになるじゃないか、世界不況につながるじゃないかという危機感があるわけでございます。
 私どもとしましては、それは与党の論議を待っていらっしゃるのも結構でございますけれども、政府としてこの経済危機の実態をもっと真剣に危機感を持って受けとめて行動をとってもらうということが今一番必要じゃないかと思うわけでございますが、この問題ばかりに絞っていますと肝心の質問の方がおろそかになってしまいます。もう時間がなくなりましたのでほかの方に移りたいと思いますが、ぜひ勇断を持ってはっきりともう景気対策が今一番重要だと。財政再建はもうだれもが反対しませんよ、協力しようと言っているんだから。それを乗り越えて、蛮勇を振るってでも思い切った経済対策を政府が主導権を握ることが必要だということを申し添えておきたいと思うわけであります。
 さて、電子帳簿をめぐる問題でございますが、先ほども御質問がございましたように、この法案自体に私どもは反対するわけではございません。大いに結構なことだというふうに思っているわけでございますが、中身について二、三、私自身もまた私どもがわからない点がありますので、お聞きしておきたいと思うわけでございます。
 一つは、何というんでしょうか、今まで帳簿方式で大変不便を感じていた企業のコスト削減という面からも、また税収の公平さ、透明さを図る上でも当然いい手法だというふうに考えているわけですが、この電子計算機、コンピューターを使ってやる犯罪というものは大変最近はふえているわけでありまして、これをチェックする側の対応がなかなか追いつかないというぐらいにどんどん進んでいっているのが実態ではないかと思うわけであります。
 我々に、あるいは当局の方に知られないような形で実際の記録を改ざんするとかいうようなことであるとか、あるいはまたそれを外部からいろんな形で、私はどういう形になるかわかりませんけれども、いろんなコンピューターの中に入ってくるハッカーがあるように、相手の企業を撹乱する意味での妨害というものもこの電子機器を使ってやるのはもう極めて簡単なことなわけでありまして、そういう意味でこれらの問題についての防止策というんでしょうか、防御策とか、そういうことを当局としてはどのように考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思うわけです。
#49
○政府委員(尾原榮夫君) 後ほど執行の方の観点については国税庁の方からお話ししていただきますが、今回の電子データの保存について私の方から説明させていただきたいと思っております。
 確かに、このコンピューター、日進月歩で我々の想像もしないような技術の進歩の速い世界でございます。
 こういう中で電子データの保存をどうするかということでございますが、先ほども御説明させていただきましたが、二つ大きな視点があるだろうと。このコンピューター処理は痕跡を残さず記録を簡単に直してしまうわけでございますから、何よりもその真実性、間違いのない記録であるということをどうやって確保するかという要件が一つ。それからもう一つが、調査なりに参りましたときに電子データは目に見えませんので、すぐその場で見せてくださいといったときに見えるような仕組みにしてもらう必要があるわけでございます。
 それで、第一点目の真実性の確保のための要件といたしましては、まずシステム自身が手を加えましたら手を加えましたという記録が残るようなシステムでなければなりません。また同時に、その手を加えたのがファイルになって残るようなものでなければならないということを要件に考えているわけでございます。それからまた、伝票から元帳、だんだんと帳簿に原始データから移っていくわけでございますが、その記録が最初の記録からどこの帳簿に行っているのかということも、相互追跡可能性と言っておりますが、これも確保しなければならないというふうに思っております。
 それから、可視性の観点について申し上げますと、まさに電子計算機のディスプレー、プリンターを備えていただく、また記載項目につきましても検索がその場でできるような仕組みになっているかどうかということも重要かと思っております。
 いずれにいたしましても、この要件は省令で定めることにしておりますが、きっちりと明確な形で定めてまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#50
○政府委員(船橋晴雄君) 執行面の問題から若干補足させていただきたいと存じます。
 私ども、今回の制度導入に対応いたしまして、機構面での整備あるいは研修、そういったことを充実してまいりたいと考えているわけですが、あわせてこの調査手法の開発、こういったことにも今以上に意を用いてまいりたいというふうに考えております。
 現在、機械化調査専門官あるいは機械化調査情報官というポストが国税局や税務署に数十ずつお認めいただいているわけでございますが、こういったものを一層拡充させていただくとともに、これらの方々を中心にして調査手法の開発、こういったことを続けることによりまして適正公平な課税の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#51
○今泉昭君 酒税の問題でお聞きしたいと思ったんですが、時間が参りましたのでこれで終わります。
#52
○益田洋介君 私は、法案の質疑に入る前に、まず大蔵大臣に若干の所見をお伺いしておきたいと思います。
 一昨日の二十五日、東京地検の特捜部は、金融新商品の承認などに便宜を図った見返りに四大証券などから過剰な接待を受けたということで、収賄罪の容疑で元総務課長補佐榊原隆被告と元証券取引等監視委員会の上席検査官であった宮野敏男被告の二名を起訴しました。わいろの総額は、榊原被告が三百四十五万円余、宮野被告が五百四十五万円余。二人とも起訴事実をほぼ認めている。大変なことになったと。起訴状によりますと、榊原被告は野村、大和、日興、山一の証券四社及び住友銀行に株式累積投資制度の早期実現や金融関係法改正に関する情報提供をしていたと。
 大蔵大臣、私は一つ疑問に思うんですが、こうした二人が二十五日に起訴されたにもかかわらず、大蔵省の処分は刑事休職処分だけなんですよ。給与を支払うことをやめただけなんです。起訴の事実だけでもこれは国家公務員法九十九条に言うところの信用失墜行為の禁止に違反したことになる。それだけ司法当局の、検察の起訴したという事実は重くやっぱり受けとめなきゃいけない。
 何で懲戒免職にしてないんですか。
#53
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。
 ちょうどその日はずっと予算委員会で私は居続けであったわけでありますが、起訴されると実は人事院の同意なしには懲戒免職処分ができないという法律の仕組みになっているんです。起訴前に事実関係が何とか把握できれば免職の懲戒処分をと、こう考えて事実関係の把握に努力をさせたわけです。ところが、接見禁止中でありますから本人と大蔵省の職員が面接して詳しく事実関係を把握するということができなかったんです。最後になってわずかの時間だけ面接ができたようでありますけれども、それでは事実関係の十分な把握ができない。
 実は、国家公務員法で懲戒免職という処分をする場合には、その理由書を相手方に交付しなきゃならぬ。懲戒免職の理由書は事実関係が相当程度把握できなければ渡せないんですね。そうこうしている状況で起訴になったものですから、起訴になったならば当然のことながら国家公務員法の規定に基づいてまずは刑事休職処分にし、かつそういう人に国民の税金で給与を支払うわけにはまいりませんから、よくある例は六〇%だけ支給するというのが例のようでありますけれども、それは大蔵省の職員であるということもあって国民は理解しないだろう、これは厳しく処置すべきだというわけでゼロにしたわけであります。そして、直ちに国家公務員法に基づいて人事院に対して懲戒免職ということでの実は同意を得るべく手続を今進めておるところであります。
 国家公務員法の規定との関係で起訴前に処分ができなかったが、実質は処分と同じような処置をして、そして国家公務員法の規定で人事院の同意を得て処置する、こういうことにしたわけでありますので、決して甘くしたとかたるんでいたということではありませんので、これは法律の規定があるものですから御了解願いたいと、こういうふうに思うんです。
#54
○益田洋介君 特捜部は大蔵省全体が接待漬けにされていると見ている。だから、今後も上級のキャリアへの捜査を進めると言っていますよ。
 それで、大蔵大臣、手続上の問題といったって、職員が接見ができないといったって、弁護士にさせればいいじゃないですか。人権擁護のために逮捕者だって、弁護士にはいつだって接見の権利がありますから、何でそういうことにしなかったのか。今、大蔵省の職員に対して世間の批判は大変厳しいんですよ。それで、そのさなかにこういう言ってみれば非常に甘い処分しかしないということは大蔵省のこの問題に対する認識の甘さを示していると私は思うわけですけれども、いかがですか。
#55
○国務大臣(松永光君) 委員のおしかりも私にはわからぬわけではありません。ただしかし、この問題について、特に先般起訴された榊原ほか一名について甘い処分をしようなどという気持ちは毛頭ないんです。国家公務員法の規定によれば、まずは刑事休職処分、実質はこれは懲戒免職と同じなんです、給与の支払いをゼロにしておるわけでありますから。あとは国家公務員法の手続に基づいて行う、こういうことでありますので実質は懲戒免職処分したのとそう変わらない、こう思っております。そういったことでありますので、御批判はちょうだいしますけれども、そういう我々は姿勢でおるということはできれば御理解願いたいと、こう思うんです。
#56
○益田洋介君 話は前後しますが、二月十六日午前に宮川宏一容疑者は収賄罪で起訴されました。同じ日の午後、再逮捕された。再逮捕の対象になったのは、容疑はもちろん収賄罪です。このときの贈賄側は住友銀行。これは五反田支店に四月十六日ごろに検査が入るよと情報を流した。第一勧業銀行、東京三菱銀行、三和銀行、北海道拓殖銀行、これが再逮捕の容疑の贈賄側です。
 それで、思い出していただけますか。三月十二日、本委員会で私は大蔵大臣に対して、この宮川容疑者とペアで仕事をしていた日下部元雄さん、現在は世銀の顧問でワシントンにいらっしゃる。この方についてもぜひ責任を持って大蔵省として内部調査をしてもらいたいとお願いしておきましたよね。
 今、この調査の進行状態はいかがですか。いつごろ調査は終わるんですか。
#57
○政府委員(武藤敏郎君) 御指摘のありました日下部につきましては、御承知のような内部調査の中で鋭意調査を行っております。それぞれ記憶に基づきまして、調査票と言っておりますけれども、実際には我々、服務管理官がヒアリングをする、そのための参考資料としてのメモをつくらせまして、日下部の場合には現在ワシントンにおりますので実際には電話等ということになりますけれども、いろいろなヒアリングをし、それに基づいて、さらには関連の情報も確認する等の作業を現在行っておるわけでございます。
 大臣からできるだけ早く結果を取りまとめるようにという御指示を得ておるわけでございますけれども、現時点におきましては何日という具体的な日にちを申し上げる段階まで至っておりませんけれども、できるだけ早期に結果を取りまとめたいというふうに考えております。
#58
○益田洋介君 私は、この日下部元雄さんが発令を受けて八月八日にワシントンに赴任した直後の決算委員会でこの問題を取り上げているんです。それから、さらにはことしになってから、二月十六日の本会議でも大蔵大臣にお願いして、そして三月十二日の当委員会でもお願いして三回お願いしているんです。まだ何も出てきていないんです。こういうことでは困るんですよ。大臣、よろしいですか。
#59
○国務大臣(松永光君) 今、官房長が御答弁申し上げましたように、鋭意調査を進めておるんです。もうしばらく待っていていただきたいと、お願いします。
#60
○益田洋介君 それでは、日銀新総裁にきょうはおいでいただいておりますので、二、三御質問、また御所見を伺っておきたいと存じます。
 三月十四日ごろ、大阪にあります第二地銀の幸福銀行が、平成八年二月に実施された日銀考査の結果を不服として、当時の専務と常務が日銀本店に出向いていって再考査を依頼したと。そして、再考査が数週間後に、考査終了から数週間後に見直しの実施が行われて、資産査定の結果としては最初の考査は予想より厳しいものだったが、再考査の結果としてはその査定がかなり緩和をされて大蔵検査とほぼ同額まで縮小された、こういうふうな事実が発覚したわけでございます。
 この点についていかがお考えでしょうか。
#61
○参考人(速水優君) この参議院財政・金融委員会に出席させていただきますのは初めてでございますので、一言だけごあいさつさせていただきます。
 私、去る二十日に第二十八代日本銀行総裁を拝命いたしまして、四月一日から、もう来週の水曜日でございますが、五十五年ぶりでございます日銀法の新しい法律が施行になります。そういうことで、これは日本銀行にとりましては大変大きな転換期を迎えることになりますので、微力ではございますけれども、職責の遂行に全力を尽くしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 ただいまの益田委員の御質問に答えさせていただきます。
 私ども個別の金融機関に対する考査の内容につきましてはコメントができないわけでございますが、当該金融機関の考査におきましても資産の査定は適切に実施されているというふうに信じております。
#62
○益田洋介君 なぜ再考査をしなければいけなかったか、この理由をお聞かせ願えますか。
#63
○参考人(速水優君) 再考査と申しましても、私の聞いておりますところでは、なかなか先方との意見の相違があって時間がかかったということで、続けて考査をやったというふうに聞いております。考査先の要請に応じて資産査定の考査結果を変更するといったことはあり得ないことだと思っております。
#64
○益田洋介君 これについては、総裁、ぜひその報告書を当委員会に出していただきたいと思います。
 総裁が御自分の著書で「海図なき航海」というのを八二年に出されておりますが、その中で総裁は、中央銀行は憎まれ役に徹する必要があるし、その責任者は孤独な決断を求められることが多いと述べております。
 現在、総裁は総裁となられましてからどのような御所見をこの点についてお持ちか、お伺いしたいと思います。
#65
○参考人(速水優君) 「海図なき航海」という本を書きましたのは一九八四年でございますが、あれはフロートが起こり、二回のオイルショックがあって、通貨制度がこれでいいかということが問われている時期でございましたので、フロート後十年余を経て自分の感想を書かせてもらったものでございます。
 現在、中央銀行の責任というのは非常に大きいと思いますし、中央銀行というのは一国経済の良心でなければならないというふうに私は信じております。そういう意味で、今回新しい法律によって独立性と透明性が二本の柱として立てられたことに対しまして私ども非常に喜んでおるわけでございますが、これをどう運営していくかというのはこれからの私どもの課題であり責任であると思っております。
 たまたまそういう時期にスキャンダルが起こったりいたしまして、本当に申しわけないことだと思って、この機会におわびを申し上げたいと思いますが、今後こういうことが起こりませんように、新しいルールをつくり、一人一人がみずからの良心に恥じない行動と考え方を持って責任を果たしていくように皆に話して、新しい法律の開始に向かっていきたいというふうに思っております。
#66
○益田洋介君 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
#67
○三重野栄子君 社会民主党の三重野栄子でございます。
 ただいま議題になっております二法案につきまして質問をさせていただきます。
 まず第一は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律案について質問をいたします。
 第一点は、適正公平な税務執行の必要条件の整備は法律でやってもらいたいというのが私の主張でございます。今回の電子帳簿保存法案は、まず第一に電子データ保存による納税者の負担軽減、第二に高度情報化、ペーパーレス化に対応して適正公平な税務執行の確保の二つを目的としております。第一点につきましては法律事項となっておりますが、第二点の適正公平な税務執行のために必要な条件整備については大蔵省令によることとされております。
 この点につきまして、先ほど楢崎委員の大変細々とした御提起によりまして主税局の方からも御説明をいただきました。その中で、明確、きっちりと定めてやっていきたいという御答弁もございました。
 にもかかわらず、私といたしましては、納税者はこうした条件整備について所轄税務署長の承認を受けなければ電子データによる保存が認められないことになっていますが、行政の透明性を確保する観点から、電子データの改ざん防止策や電子データの見読を可能にするための措置など、適正公平な税務執行のために必要な最低条件の整備につきましては省令ではなく法律で規定すべきではないかと考えるわけでございます。と申しますのは、帳簿書類の保存等の在り方に関する研究会報告あるいは国税庁の十年度税制改正要望書等々によりまして真実性や可視性の確保のための条件整備について詳細に述べられているのでございます。
 必要最低限の事項を法律で盛り込むべきではないかと私は重ねて主張いたしますけれども、電子データの保存に伴う条件整備を法律事項じゃなくて大蔵省令でもいい、そういうふうにお考えになっている大蔵省の見解、また法令でという私の主張に対してどのようにお考えか御答弁をお願いいたします。
#68
○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。
 今、委員から大切な御指摘があったと思います。つまり、今回の電子データ保存といいますのは、片方で便利にはなるが適正公平な課税の確保ということも重要であるからそれをしっかりと法律で書くべきである、こういう御主張であったと思います。そういう意味からいたしますと、実は法律の中では「国税の納税義務の適正な履行を確保しつつ」という形でその趣旨を書いてあるわけでございます。それではちょっとわかりにくいというのがまた重ねての先生の御指摘というふうに受けとめさせていただきました。
 実は、これに基づきます一定の要件、先ほど来御説明申し上げておりますが、大きく言って二つある、真実性の確保をどうするか、それから可視性の確保をどうするかということを申し上げました。実は、一つ大きな悩みがございますのは、このコンピューターシステムにかかわる事項といいますのは極めて技術的なことが多うございます。それが第一点申し上げたいわけです。それからもう一つは、実はコンピューターの技術進歩が大変速いものがございまして、日進月歩なわけでございます。あるいは人によっては秒単位であるというようなことを言われる方もおります。
 そういたしますと、ある意味でこの適正公平な課税の確保のために我々が追いついていくためには省令でむしろ定めさせていただく方がきちっと追いついていけるのではなかろうか、あるいは適正公平な課税が確保できるのではないかということかと思います。そういうような趣旨から大蔵省令で定めることにしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この要件整備の重要性というのは極めて重要であるということは委員御指摘のとおりでございますので、しっかりした大蔵省令の策定にこの法律が可決いただきますれば取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#69
○三重野栄子君 そのところを、適正公平な税務執行に関しては別に定める、何にでもよくありますよね、別に定めるということで省令が出されているようでございますから、それぐらいのところは出しておられた方が安心が持てるし、担保になるのではないかというふうに思います。
 なるほど、この電子の問題はもう日進月歩でございますが、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、先ほどドイツのお話が出ておりましたけれども、アメリカ、イギリス、フランス等々は非常に先進的で、これをもう何年もやってきた国々ではこの取り扱いはどのようになっているでしょうか。
#70
○政府委員(尾原榮夫君) 欧米諸国の方が先進国でございます。もう既に法令等に基づきまして税法上の帳簿書類について電子データ保存を認めているところでございます。
 これらの国におきましても、態様を調べてみますと、今回の帳簿書類の電子データ保存制度と同様に、適正公平な課税の確保のために必要な要件として訂正、加除をした場合の履歴の確保、あるいは各帳簿書類間での記録の相互追跡可能性の確保、あるいはシステム説明書の備えつけ等の改ざん防止策のほか、可視性の問題といたしましてプリンター、ディスプレーの設置あるいは検索機能の確保等が求められているというふうに承知しているわけでございます。
#71
○三重野栄子君 そこらあたり、もう何度も言ってもしようがありませんが、法的な根拠はどうなっているかということを伺いたいと思いましたけれども、これは後で勉強します。
 次に、非常に日進月歩であれば、先ほど八〇%ぐらいはもうこのコンピューター操作をやっているところがある、大企業の場合は非常に経費が負担になるというお話がございましたけれども、この場合、中小企業もやはり同じようにこういう利益を受けたいだろうと思います。
 中小企業がこのようなシステムを実行しようとする場合に何らかの援助というのはございますでしょうか。
#72
○政府委員(尾原榮夫君) 今、先生からお話がございましたように、大企業だけではなく、今やまさに中小企業におきましてもパソコンの導入も含めてコンピューターの利用が非常に広がっているというふうに承知しているわけでございます。
 今回の法律はまさにこのような情報化の進展を踏まえて規制緩和あるいは事務負担、コスト負担の軽減ということで記録段階からコンピューター処理により作成する帳簿書類について電子データ等による保存を認めようということでございます。したがいまして、この制度の導入に当たりましては中小企業も含めましてできるだけ広範な企業において電子データ等によります保存ができるような制度というふうにしているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、市販ソフト、もちろんこの要件に合うソフトでなければならないわけでございますが、それを利用いたしましてパソコン等によっても電子データ保存が行われるということを前提としての申請手続等も定めるようにしているところでございます。
#73
○三重野栄子君 どうもありがとうございました。
 次に、二つ目の関税定率法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 本法案によります関税率、還付制度についての所要の改定に当たり、蒸留酒の関税引き下げ撤廃に関して私はお尋ねしたいと思います。
 平成九年度税制に至るまでの経過の問題点と、さらにまた今回改正をしなくちゃならないという問題につきまして簡単に経過を含めて問題点、それから交渉の中身等々を伺いたいと思います。
#74
○政府委員(尾原榮夫君) 御説明申し上げます。
 かねて日本の酒税制度、ウイスキーとしょうちゅうをめぐりましてはEU等から問題があるというふうに指摘を受けてまいりました。日本といたしましてはこれは問題がない制度であるというふうに言ってまいりましたが、一昨年の十一月にガット第三条に違反するというWTOの勧告が出されたわけでございます。この勧告に対応するために平成九年度、昨年度の税制改正の一環として酒税法の改正を行ったわけでございます。
 その際、しょうちゅうの税負担が上がるわけでございますから、そのしょうちゅうをつくっておられる方に対する影響をできる限り大きなインパクトにならないようにするということから実施期間を設けさせていただきました。実施期間を設けさせていただいたわけでございますが、米国からこの実施期間が長過ぎるということでWTOに仲裁の要請がございました。昨年の二月に実は仲裁判断が出されたわけでございます。中身は勧告から十五カ月以内、すなわちことしの二月一日までにすべての改正を実施すべきであるというWTOの仲裁判断が出されたわけでございます。そこで、このWTOの仲裁判断を踏まえまして、昨年の六月以降米国との協議を重ねてまいりました。
 協議における米側の基本的な姿勢でございますが、日本はWTOの主要国ではないか、WTO協定の原則に従いましてこの仲裁判断が示した実施期限、すなわち本年二月までにすべての改正を実施すべきであるというのがその態度であったわけでございます。
 これに対しまして、さきの改正により特にしょうちゅうについては大幅な税負担増になってまいります。どうしても所要の実施期間が必要でございます。すなわち、アメリカの主張に乗ることはできないわけでございます。そこで、WTO協定上認められております代償を組み合わせて解決を図るという方針で繰り返しアメリカ側の理解を求めてまいりました。
 その結果、昨年の十二月十五日でございますが、しょうちゅう甲類、ウイスキー類につきましてはことしの十月一日とされております最終段階の税率改正時期を五月一日に五カ月間繰り上げる、さらにしょうちゅう乙類でございますが、平成十三年の十月一日とされている最終段階の税率改正時期を平成十二年の十月一日に一年繰り上げる、それからこれらの酒税の税率改正の実施時期でございますが、仲裁判断による期限である本年の二月を超えることになるわけでございますが、その超えることについては関税引き下げ等による代償措置を講ずるということでようやく米国と決着に至ったわけでございます。また、カナダ、EUとも同様の内容で決着したわけでございます。これに基づきまして今回御提案を申し上げているところでございます。
#75
○三重野栄子君 その交渉の経過は、マスコミによりますと、日本側が関税引き下げで大幅譲歩ということで大変日本側が譲歩してこのようなことになったというふうに見えるわけでありますが、もしそうだとすれば国内しょうちゅう業者に対する大幅な支援をぜひお願いしたいわけでございます。
 今回の法改正による国内しょうちゅう業者の打撃は、当該業者のみならず、サツマイモ、米、麦など原料を供給している農業者どこれらを主要産業とする熊本県だとか鹿児島県など、県、市ともどもに、そのしょうちゅうを愛好している勤労国民の打撃も含めまして、この影響は大変大きく、悲鳴が聞こえるような思いでございます。
 しょうちゅうは平成元年四月、平成六年五月と増税となり、加えて乙類しょうちゅう業界は中小企業が多く、特に専業者の多い南九州地方では四七%が赤字または低収益、低価格競争による市場混乱に対応できず転廃業を加え、極めて厳しい経営環境にあります。加えてサツマイモ、米、麦等、原料を供給する農家または年間収入の低い世帯や農村産業に従事する人々に愛好される大衆酒としてその影響は大きいものがあります。さらに、かつては豚のえさなどになっておりましたしょうちゅう蒸留かすは今や産業廃棄物となっておりまして、これらを処理するための施設も多大の費用を要するところでございます。
 酒税はアルコールの度数ではなくて担税力を基準として今まで日本では決めてきたわけですけれども、国際化の中で、また、もう経過はお話にありましたが、アメリカの要請等々によって基準が今変えられようとしているわけでありますから、しょうちゅう業者に対する支援策を拡充すべきだと思うのであります。
 もちろん、今までの改正のときに政府としては何らかの支援をしてくださいました。しかし、その財政支援の活用の現状、あるいは今回どういうふうにこの法改正によって支援策をするか、そのことについて御説明をいただきたいと存じます。
#76
○政府委員(船橋晴雄君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、しょうちゅう乙類の製造業者はそのほとんどが中小・零細企業でございます。一方、先ほど主税局長の方から御説明がございましたように、WTOの勧告を受けた昨年三月の酒税法の改正、また今般の日米協議の結果税率の引き上げ時期が繰り上げられる等々の状況を踏まえ、経営環境の激変が見込まれているわけでございます。
 私ども、こういう中にありまして、業界の構造改善、経営の近代化、これを一層促進していかなければいけないということで、日本酒造組合中央会がしょうちゅう乙類業対策基金というものを設けておりますが、この事業を平成八年度の補正予算におきまして二百億円の積み増しを措置いたしたわけでございます。
 また、先ほど委員御指摘の蒸留廃液の問題、環境上大変問題になっております。したがいまして、この蒸留廃液の処理施設の整備を進めていく必要があるということで、今般、同じこのしょうちゅう乙類業対策基金の運用益で処理施設の整備に対する支援事業を行って、それに必要な経費が確保できるようにこの基金に百億円の金額を今般の補正予算において措置させていただいたわけでございます。
 なお、しょうちゅう乙類の今のような厳しい環境にかんがみまして、緊急の構造改善を図るという観点から昨年十一月に新たな近代化計画が策定されておりますし、また日本酒造組合中央会は昨年十二月に構造改善計画を作成いたしまして、この計画に沿って各種の事業を推進しているところでございます。
#77
○三重野栄子君 ありがとうございました。
#78
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮でございます。
 大臣にもいっぱい今伺いたいことはあるんですけれども、きょうは法案に即してやらせていただきます。
 電子データの保存の問題でございますが、紙の保存コストあるいは紙への出力費用の削減などによる納税者の負担軽減には一定の評価といいますか、当然これは必要だというふうに私は思っているところであります。ただ、気がかりなのは本当に納税者の負担軽減になるのかどうか、そしてまた、規制緩和の観点という話もありますけれども、かえって規制強化につながることがないのかどうかという点が気がかりになっております。
 そこで、まず伺いますけれども、もともとの所得税法、それから法人税法などによる義務の履行というのは現行と変わらないということですから、当然この法律によって新たな義務を課すということはないわけですね。そのことの確認をお願いしたいと思います。
#79
○政府委員(尾原榮夫君) 今、先生から御指摘がございましたように、今回のこの新しい制度は各税法に規定いたします国税関係帳簿書類の備えつけ、保存制度を前提といたしまして、コンピューターを使用して作成いたします国税関係帳簿書類の備えつけ、保存の媒体の特例を定めているものでございます。したがいまして、この帳簿書類の備えつけあるいは保存義務の有無、保存すべき場所、保存すべき期間等はすべて現行の各税法の定めによるということになっております。
 したがいまして、この制度により納税者に対して新たな義務が課せられるということはないというふうに承知しております。
#80
○笠井亮君 その上で、先ほど省令の話がありましたけれども、真実性の確保とか、それから可視性の確保ということで必要な機器と運用要員を納税者側の負担で用意することが要件ということで定めていくという話がありました。
 日進月歩、それから秒単位という話がありましたけれども、まさに保存期間の五年、七年の間にどんな変化が起こるかは、過去を振り返っても相当この技術の進歩は激しいわけでありまして、明らかだと思うんです。OSの問題ではこの五年間だけでもハードの仕様もさま変わりしております。
 そこで、このような変化の中で古い型のシステムとその運用要員を税務調査のためだけに納税者に確保し続けさせるというのは極めて不合理な点があるんじゃないかと思うんですね。自社システムでやっているような力のある企業は別として、場合によっては、ディスプレーの問題もそうですけれども、更新をしていくということがありますと、やはり国税庁の側で、税務署の側で用意して、ノートパソコンでも済むということもあると思いますが、それでもいいんじゃないかという問題、さらにはマニュアルの設置ということも別に文書でなくてもいいのではないか、それからバージョンアップなどでマニュアルがないことも多々あるわけでございますが、そういう点でそういう必要最小コストの負担原則というのは現行法からいっても当然要請されているはずだと思うんですけれども、こういうことを含めて新しいことをやるということで今後納税者の側も税務署の側もいろんな問題に直面することが予想されると思うんです。
 そういう点で、柔軟に対応していくべきだと思うんですけれども、しゃくし定規な機械的な対応をしないということをはっきり約束をいただきたいと思うんですけれども、実際の現場の直面する問題ですから。
#81
○政府委員(船橋晴雄君) お答え申し上げます。
 今、委員の方から御指摘ございました実際の税務調査に当たって電子帳簿に対してどういう調査をしていくかということがまず第一点かと思います。
 これは、先ほど来主税局長が御説明をいたしておりますように、真実性の要件あるいは可視性の要件、そういったものが納税地において整備されているということでございますけれども、この要件を満たしておればいろいろなバリエーションがあろうかと思います。バリエーションと申しますのは、まさに御指摘のような技術の日進月歩、そういったことを踏まえて電子的なデータの伝送によってそれが見えるような形であればそれはいいとか、いろんなケースがあるかと思います。したがいまして、これから私どももどういう形でそういったものについての対応をしていくかということについて弾力的、柔軟な対応をしてまいりたいと思います。
 それから、先ほど楢崎委員の御質問にお答えしたことに重なるわけでございますけれども、今回新しい制度が導入されるということでございますので、導入当初におきましてはこの制度内容の周知、それから納税者からの相談等に適切に対応していくということで制度の定着を図っていくように努力をしてまいりたいと。
 そして、先ほども申し上げましたが、この電子データ保存の承認取り消し、青色の承認取り消しといった問題は起こり得るわけでございますけれども、機械的に処分を行うというのではなくて、今申し上げたような趣旨を踏まえて、個々の納税者の事情を十分しんしゃくして慎重かつ柔軟に対応してまいりたいというふうに考えております。
#82
○笠井亮君 今、最後に答弁されたことの関連なんですけれども、先ほども御議論ありましたけれども、取り消しという場合と、それから納税者の側でやってみてどうもこれはうまくいかぬなと、やめたいなということも場合によってはあると思うんですね。その両方があると思うんですけれども、やめたりあるいは取り消しという場合に、簡単に紙の保存に戻すことができるようになっているのかどうかということで先ほども若干あったと思うんですが、まさに取り消された時点から以降を紙での保存ですればいいということで理解してよろしいんでしょうか。
#83
○政府委員(尾原榮夫君) 一たん電子データ保存の承認を受けた納税者の方が取りやめようということになりました場合は、取りやめの届け出書を税務署長に提出するということによりまして紙による国税関係帳簿書類の保存に戻ることができるようになっております。なお、取りやめの届け出書の提出があったときは、その提出の日にその届け出書に記載された国税関係帳簿書類に係る承認の効力が失われることになるわけでございます。
 それからもう一点、取り消しの話がございました。先ほど申し上げましたが、この電子データ保存が要件に従って行われていないという場合にはこの承認の取り消しを行うことになるわけでございますが、この取り消しといいますのは講学上行政法で言います行政行為の撤回に当たるものであると考えておりまして、その効果は取り消し通知がされたときから生ずるというふうに承知しております。
#84
○笠井亮君 要するに、今の問題では取り消された時点から以降は紙で保存すればいいということでいいわけですね。
#85
○政府委員(尾原榮夫君) そのとおりでございます。
#86
○笠井亮君 あと関税の問題ですけれども、先ほどありました蒸留酒の関税の引き下げと相まって酒税法改正によるしょうちゅうの税率アップの前倒しの問題であります。
 昨年三月二十一日の当委員会で薄井前局長がしょうちゅうの税率アップについて、「これだけ大きな税率の引き上げということは他に例がないわけでございまして、これの影響というものを慎重に考えていく必要がある。」と、「転廃業ということも考えないといけない」と、「三年設けることはどうしても必要であろうと私ども業界とも話をしながら、こういう案にまとめた」と、「国内の業者あるいは愛飲家に与える影響を考えますとどうしても必要だということで主張してまいった」ということで答弁されております。
 この立場に照らしてどうかということで、国内の製造業者への影響は一層大きくなるんじゃないかという問題と、不況の中でのさらに遣い打ちということがあると思うんです。先ほど新たに百億円の貸し付けという話もありましたが、それをやったとしても運用益は低金利ですから二億円とかその程度になると思うんですね。
 そうしますと、まさに一方では、ウイスキーの業者の側は今回の改正によって消費の拡大が期待できる、評価できるというふうに歓迎している一方で、しょうちゅう業界は非常に困る、大変だということを言っているわけでありまして、私は国税当局も、先ほど工場の近代化ということでのそういう計画もあるということを言われましたが、まさにみずからもどういう影響が出てくるかも注意して、さらに工場近代化とか原材料確保など当局自身もいろんな面で対応を具体化すべきじゃないかと思うんですけれども、その点で具体的にお答えをお願いしたいと思います。
#87
○政府委員(船橋晴雄君) お答え申し上げます。
 先ほどしょうちゅう乙類の酒税率引き上げの前倒しに伴う国内業者への打撃、そういったものを踏まえて私どもとしても具体的な対策をとっておりますと、またその中でしょうちゅう乙類業対策基金における蒸留廃液の処理施設の整備に百億円の基金への積み増しをいたしましたというようなことを申し上げました。
 私ども、しょうちゅう乙類の製造業者、先ほど申し上げましたように、中小・零細業者が多い業界でございます。個々の事業者が自助努力のみでその影響を克服していくということにはやはり限界があるだろうというふうに考えているわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げました近代化事業、構造改善事業の中においてどういうふうにして需要を開発していくか、それからしょうちゅう乙類業者の人材育成を図っていくか、それからPR活動なども含めて周辺的な振興事業をどうやっていくか、こういったことについて業界からの要望を逐一伺わせていただきながら一緒に考えてまいりたいというふうに考えております。
#88
○笠井亮君 終わります。
#89
○星野朋市君 それでは、私は法律に沿わない質問だけをいたします。
 先ほども御議論がございましたけれども、自民党が昨日発表したいわゆる景気対策、これの評価の問題ですけれども、やはり制度減税の問題が入っていないということでこの評価というのは金額の割合に余り大きくないと私は思っております。
 それで、きょうの午前中の予算委員会において私は総理に対して、何回か総理とこの国会が始まってから質疑の機会を持ったけれども、あなたは制度減税は絶対しない、財革法は変えないと、そうおっしゃっておったけれども、もうこの段階に至ってはそれは臨機応変などという言葉でなくて実際に変えなくてはもうならないんじゃないかと、制度減税というのは取り上げないともうだめなんじゃないかということを申し上げました。
 それで、思い出していただきたいのは、この前、大蔵大臣に、要するにこの間二兆円の特別減税をやったけれども、こういうような結果で余りみんなが意識をしていないじゃないかと、しかも振り込み制だから余計わからないと、三月一日には大雪が降っちゃってだめだったと、大蔵大臣、どうお考えになりますかと。
 そうしたら、家へ帰って奥さんに聞いてみるとおっしゃいましたよね。聞いていただけましたか。
#90
○国務大臣(松永光君) 私は、前に星野先生に対する御答弁の中で申したと思うんですが、私は言うなれば給与所得者の権威を守る意味で振り込みにしないでもらうという式にしておるんです。そして、それを家内に渡す、それで私の権威が保てる、こう思っておるものですから。意識はしておりましたね、ふえたねと。ただし、国会議員の場合には引くのがあるものですから、いろんな差し引かれるやつが、個人的な事情で何とかという研究会に入った、どういうところとありますが、それでも少しふえておったからふえていますねと、こう言いました。多少へそくりがふえたんじゃないかなと、私はそう思っております。
#91
○星野朋市君 さすがにやっぱり大蔵大臣の奥さんですよね。
 ところが、先ほど終わったきょうの株式市場は二百四十一円安です。きのう上がり過ぎた反動だといえばそれまでですけれども、今度の景気対策は内容がわからないから市場は評価しなかった、こういうふうに解釈するほかないんですね。山日銀行局長は、株価というのは毎日上がり下がりするものだからそう一概に言えないというこの前の御答弁だったけれども、その節目というのが大事だと私は言っているんですよ。きょうの状態では評価しなかった、こういうことになります。そうすると、私は、来週になったら今度は二十兆と言うんじゃないかと、そんな状態ですね。
 それから、予算委員会のときに、これもきょうの財政・金融委員会で私はちょっと質問をするからと言って山日銀行局長を煩わせまして多少の質問をいたしました。再度繰り返しますけれども、この間十三兆の一部を使って銀行のいわゆる自己資本の充実というのが行われましたけれども、この銀行の中で不良債権といいますか問題債権といいますか、これを公表したのは三行にすぎなかった。三行は長銀と日債銀と中央信託。それで、長銀は一兆二百四十六億円が新しい基準だと一兆三千五百七十八億円、日債銀は一兆二千五百億円が新しい基準では一兆六千九百七十億円、中央信託は二千三百十億が二千五百十六億円、いずれも問題債権が大幅に増加している。この原因は一体何であるか。
 それから、特に長銀と日債銀については申請どおり認められなかったという事実がございます。
 私は、先ほども銀行局長に七人委員会の審議の模様、これを公表してもらいたいというお願いをしておきましたけれども、まず私の疑問に対してお答えをいただければ幸いであります。
#92
○政府委員(山口公生君) 七人委員会の審議の模様でございますが、私がお答えする立場にはございませんが、聞いているところをお伝えしますと、これは法律にも書いてございますが、いずれは議事録が公開になります。現在のところは概要という形で、だれがどう言ったという細かいことまでは公表されておりませんが、こういう議論があったということはもう公表されております。最終的には議事録という形で出ると。ただ、余り近い時点でそれを出しますといろいろ信用問題にもはねますので、その点は配慮して公表されるというふうに聞いておるわけでございます。
 それから、前の方で幾つか御指摘がございました。
 例えば、三行が新しい基準でトライアルで出してきたのでございますけれども、一つ考えられますのは、延滞債権が六カ月以上延滞という税務基準でやっておりまして、三カ月以上延滞というふうにしましたので、それでふえるという銀行もあります。それから、金利減免債権というジャンルでグルーピングしておりましたのは、約定改定時にそのときの公定歩合以下まで下げた、要するに調達コストを公定歩合と見たわけですね、だから調達コストを下回るという意味で公定歩合以下まで下げた債権について計上しなさいとなっておりましたのを今度の新基準では少しでも相手に有利になるように下げた場合は計上するというふうになっています。そういう金利減免債権の概念の違いということでふえる、そういったものが主たる原因だろうなと思うわけでございます。
 それで、確かに星野先生がおっしゃるように、今までの基準とがらっと変えるのではなくて、それに加えみわけでございます。SEC基準の一番厳しい基準と合わせて加えますので必ずそれはふえます。それがどれくらいふえるのか、ちょっとまだ予断を持って申し上げるわけにはいきません。
 したがって、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、不良債権と余り決めつけていただきますと、少し手をかせば立ち直る企業もありますのでこれからはリスク管理債権というふうに呼ばせていただいて、その部分は公表をしていこうかなというふうに、別にごまかすという意味で申し上げているわけじゃございませんが、余り不良債権不良債権といいますと、そういうものをみんな切り捨てろというふうになりますので、そういう配慮はしたいと思います。
 それから、長銀、日債銀が申請どおり認められなかったとおっしゃいましたけれども……
#93
○国務大臣(松永光君) これは、私も審査委員の一人でございましたから、そのときの会議に参加した者として記憶に基づいて申し上げますと、今回の資本注入、自己資本比率の上昇に貢献するということも注入を認める理由の一つになっておりました。
 その銀行についてはティア2がティア1を超えておったんですね、劣後債がティア2だそうでございますから。したがって、その分は適当でないというわけで減額されたという記憶があります。あのときに優先株の申請もあったかと思いますが、それは全額認められたはずでございます。というのは、あれはティア1の方になるんだそうでありますから。そういう自己資本比率向上の限度内で認めるのが適当ということでああいう結論になったという私は記憶でございます。
#94
○星野朋市君 これはずっと追いかけていきますけれども、時間ですから終わります。
#95
○菅川健二君 先ほど来、今泉、星野委員からも御質問ございましたけれども、その後の経済状況を見ましても、企画庁の一致指数とか、あるいは二月の百貨店、スーパーの売上高とか、きょうの完全失業率とか、地価の下落動向、いずれの指標をとってもなお悪化の一途をたどっておるわけでございます。そういった中で、昨日自民党が総合経済対策を発表いたしたわけでございますが、依然といたしまして財革法のおもしの中で非常にまだら模様の場当たり的な対策が目立つわけでございまして、市場はきのうは若干敬意を表したけれども、きょうはまたもとに戻ったというような状況にもなっておるわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、その評価は別にいたしまして、私は気になりますのは、十六兆円にも及ぶ膨大な財政負担を伴い、また実質上それが財革法の空文化につながる重要な決定につきまして大蔵大臣並びに大蔵省当局が事前に何ら相談も協議もなかったということが大変不思議に思うわけでございますが、大臣、そういうことでございますか。
#96
○国務大臣(松永光君) 御答弁申し上げますが、全体としては事前の相談は受けておりません。ただ、部分的にはあったわけでありますが、全体としては事前の相談等はございません。それで、情報はゆうべのうち承知いたしましたけれども、けさの経済関係閣僚会議の席で自民党の政調会長から三党協議でこれが決定したということで朗読がありました。
 これはあくまでも与党の決定事項でありますから、それを受けとめて私どもはこれからいろいろ勉強していくということになったわけでございます。
#97
○菅川健二君 与党と政府というのは一体でございまして、従来、政策を実行する、あるいは立案する場合はお互い協議しながらやっておったというのが例ではないかと思うわけでございます。きょうの新聞報道にも大蔵省の幹部が「かつて、これほど相談を受けずに、政策立案が進むことはなかった」と述懐しておるという記事もあるわけでございます。
 いずれにしても、与党の政策を聞いたのでこれから大蔵省として検討するんだということでございますが、それについては大蔵省としてフリーハンドに政策をつまみ食いしたり、その中でやらないと言うことができるんですか。ほとんど事実上、与党の言っておることについて大蔵省が後追いをしていくということになるんじゃないかと思うんですが、いかがでございますか。
#98
○国務大臣(松永光君) 委員もお気づきと思いますけれども、この決定は詳細な点までの決定じゃありませんね。(「基本方針なんだ」と呼ぶ者あり)今お話がありましたようなことでございまして、これから勉強し、検討していくということでございますので、これからの検討、勉強の段階ではいろいろ大蔵省としても意見を言うという段階がそのうちあるものだと、こういうふうに思っております。
#99
○菅川健二君 先ほど今泉委員からも御指摘がありましたように、これから大蔵省が検討するというような悠長なことでは今の大変な経済危機を乗り切ることはとてもできないと思うわけでございます。
 きょうの新聞記事に大きく載っておりますが、「機能不全の大蔵省」と書いてあるわけです。これはやはり経済、財政の執行者としての最高責任は大蔵大臣にあるわけでございまして、こういう経済危機に向かって大蔵大臣としてどうそれを乗り切っていくかという見識は当然あってしかるべきではないかと思うわけでございますが、その声が一向に聞こえない。
 むしろ、与党で決まったことについて大蔵省はそれを実行していくんだと、それならまるで自民党のエージェンシーになったのではないかという感じがいたすのでございますけれども、いかがでございますか。
#100
○国務大臣(松永光君) これほど大きな対策でございますので、内閣を支えてくださっておる与党でまず大どころの方針というものは決められるものだと、それが政党政治だろうというふうに思います。その大どころで決められたことを受けて、そして役所の方では検討を加えて、そして具体的な施策に積み上げていくという手順だろうと思うのでございまして、先ほど申したとおり、この与党の決定を重く受けとめて、そしてこれから検討していくということでございます。それがある意味では政党政治の姿ではなかろうかというふうに私は思っております。
#101
○菅川健二君 これは基本的に私とちょっと見解が異なるわけでございまして、行政と政治というのは車の両輪でございまして、しかも行政のトップというのは政治がおやりになっておるわけでございまして、政治の場合は補佐する者というのが事実上いないわけでございますが、行政の場合は過去いろいろな政策をやったその政策の効果というものについて評価をして、その反省の上に立って新たな政策を専門家として知恵を出していくという努力が要るのではないかと思うわけでございますが、どうも専門家としての大蔵省の頭脳が不祥事のためにそっちにとられちゃって機能停止して、要するに頭脳が全然回転していないんじゃないですか。その辺を私は非常に危惧いたしておるわけでございまして、そういった面の大蔵省の危機を私は感じておるわけでございます。大蔵省、頑張れというふうに私は申し上げたいと思うわけでございます。
 これからの中で、特に補正論議で問題になりますのは、いろいろ言われております減税がより効果があるのか、あるいは公共事業がより効果があるのかということについての選択の問題、あるいは両方のバランスの問題ということが重要ではないかと思うわけでございまして、これもいずれも過去のいわゆる政策がいろいろ打たれてきたわけでございます。そういった面での過去の政策の評価をきちっとした上で、大蔵省としてはどう考えていくのかということを判断していただきたいと思うわけでございます。
 現段階におきますそれらの見解についてございましたらお教えいただきたいと思います。
#102
○国務大臣(松永光君) 減税を重視するか、それとも公共投資を重視するか、どちらが妥当かということについては、先般の予算委員会で牛嶋先生から非常に高邁な議論の展開がございました。そういったことも恐らく出席をされておった委員の先生方も、また大蔵省の役人の側も、御意見といいますか、ある意味では講義のような感じがいたしましたけれども、随分参考にされたんじゃなかろうかなと、こう思います。
 なお、税の関係では、与党の方針の決定は自民党税調で相当な論議がなされた上、実は決まることになっておりますので、まだ税調の論議が始められたということは承知いたしておりません。まさにこれからの議論だろうというふうに思います。
#103
○菅川健二君 その点、厳しく過去の政策評価に基づいて、今後の効果的な対策をぜひ打ってもらいたいと思うわけでございます。
 ほとんど時間がございませんけれども、一言だけこの電子時代に備えましてお聞きしておきたいのは、納税者番号制度の導入につきまして、現在自治省の方で住民基本台帳のネットワーク化の法案が出されておるわけでございます。これらの関係におきまして大蔵省としてどのようにお考えか、お聞きしておきたいと思います。
#104
○政府委員(尾原榮夫君) これまで納税者番号制度はいろいろな観点から議論をしてきているところでございます。この納税者番号制度を検討するに当たりましては、どのような番号制度がいいのかというのが一つの大きな焦点になってまいります。
 従来、政府税制調査会におきましては、年金番号を利用するいわゆるアメリカ方式が一つ、それからもう一つは北欧方式でございますが、北欧でやっている住民基本台帳の番号を利用したらどうかと、この二つが有力であるというふうにされてまいりました。
 ただ、どちらの番号が有力かということは、まだ税制調査会で検討を深められておりませんで、これからまさにこのそれぞれの番号の実施状況を見きわめながら、政府税調の場を含めて、それぞれの番号を利用する場合のメリット・デメリットについて検討がなされていくのではないかというふうに考えておるところでございます。
#105
○菅川健二君 終わります。
#106
○委員長(石川弘君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#107
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、関税定率法等の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。
 本法案は、ウイスキー等の蒸留酒の関税引き下げ、撤廃の前倒しを行い、厳しい状況にあるしょうちゅう乙類業者等を一層の苦境に追い込むものです。
 また、石油関係の関税の還付制度は石油精製業、石油化学工業等の大企業を優遇するものであり、その延長は認められません。
 さらに、タマネギ、繭などの暫定税率の延長は安価な外国産の輸入増加のもとで重大な影響を受けている地域農業に追い打ちをかけ、金属製時計バンド等の関税撤廃は国内生産の海外移転を固定化する側面を持ちます。国内農業と下請け中小企業の保護育成にこそ政府は力を入れるべきです。
 中には基本的に賛成できる沖縄振興のための制度創設や一部個別品目の関税引き下げなどやむを得ないものもありますが、さきに述べた理由から本法案に対して反対の態度をとるものであります。
#108
○委員長(石川弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます、
 これより順次両案の採決に入ります。
 まず、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(石川弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について採決を行います。本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#110
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、久保君から発言を求められておりますので、これを許します。久保亘君。
#111
○久保亘君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、自由党及び改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 関税率の改正に当たっては、貿易自由化の流れに基礎を置きながら、町民経済的な視点から国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、調和ある対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努め谷こと。
   なお、関税の執行に当たっては、より一層適正・公平な課税の確保に努めること。
 一 著しい国際化の進展等による貿易量及び出入国者数の伸長等に伴い税関業務が増大、複雑化する中で、その適正かつ迅速な処理に加え、銃砲を始め、麻薬・覚せい剤、知的財産権侵害物品、ワシントン条約物品等の水際における取締りの強化に対する国際的・社会的要請が高まっていることにかんがみ、税関業務の一層の効率的・重点的な運用に努めるとともに、税関業務の特殊性を考慮し、税関職員の定員確保はもとより、その処遇改善、職場環境の充実等に特段の努力を払うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#112
○委員長(石川弘君) ただいま久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(石川弘君) 全会一致と認めます。よって、久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、松永大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松永大蔵大臣。
#114
○国務大臣(松永光君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#115
○委員長(石川弘君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#117
○委員長(石川弘君) 次に、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は先ほど聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#118
○河本英典君 自由民主党の河本でございます。
 それでは、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律案についての質問をさせていただきます。
 本日、参考人としておいでいただいております中坊社長が率いておられます株式会社住宅金融債権管理機構は、平成八年の六月十八日に成立いたしましたいわゆる住専法に基づきまして住専債権の回収を目的に七月二十六日に設立されたわけでございます。
 住宅金融管理機構におかれましては、中坊社長の指揮のもとに強力に、積極的に債権回収をしていただき、また厳格な責任追及に取り組んでおられるわけでございます。その設立から昨年の十二月までに目標額を上回る七千七百十億円の債権を回収しておられるというふうに伺っております。当初は十五年間で債権の回収をということを考えておられたようでございますけれども、それを七、八年で回収してしまおうという社長の大変強い決意のもとに目標を上回るペースで回収が進んでいるということを聞いております。社長初め職員の皆様方の熱い、粘り強い回収活動に対しまして心から敬意を表したいと思う次第でございます。
 さて、この法案は、このような住宅金融債権管理機構の債権回収をさらに促進するための方策として、回収益と第二次損失への補助金との相殺を主な内容とする改正であるというふうに承知しておりますが、まずこの法案を提案しておられます大蔵省からその概要につきましてお聞きしたいと思います。
#119
○政府委員(山口公生君) 住専法の一部改正法案をお願いしてございますが、中身といたしましては、国庫納付または国庫補助の基準となる住管機構による譲り受け債権等の回収などに伴う利益または損失について各事業年度ごとの回収益と二次損失の二分の一相当額、これはすなわち国庫補助可能額でございますが、を相殺するというのが一点でございます。
 もう一つは、譲り受け債権等に係る預金保険機構の財産調査権の対象に当該債権の担保として第三者から提供を受けている不動産を追加するなどの措置を講ずることによりまして住管機構による譲り受け債権の処理のさらなる促進を図ろうというものでございます。
#120
○河本英典君 回収益と損失とを相殺することによって回収を促進するということなんですけれども、なぜ促進されるというふうになるのか、ちょっとお伺いしたいのであります。お願いいたします。
#121
○政府委員(山口公生君) 中坊社長からまたお話があると存じますが、この相殺を認めることによりまして債権回収を一生懸命やっていただいた結果出てきます回収益をもって他の債権回収により生ずる損失の補てんを可能にする。そうしますと、職員は回収意欲を高めるわけでございます。そうしますと、回収益の極大化を図れる、こういうことが趣旨でございます。
#122
○河本英典君 きょうは、参考人として来ていただいております中坊社長、ありがとうございます。
 同じことを聞いて申しわけないのでございますけれども、今ちょっと銀行局長から伺いました、なぜ回収を促進することができるかということでございますけれども、実際これをしていただいたら、こういうことに変えますと回収益というのはふえるんでしょうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#123
○参考人(中坊公平君) お答えさせていただきたいと思います。
 回収益というのは間違いなくふえるのではないか、このように考えております。
 回収益と申しますのは、実質的にはいわゆる分類をされましたときにW分類として損失処理されておるものなのであります月その中から回収益を探してくるということは、いわばくずの中から金を発見することになるのではないか、そのような金を発見するということは、通常ではなかなかだれもそこまではやらないと思うんです。しかし、我々としては、国民にこれ以上二次負担をかけないためには二次ロスが発生しても国民に迷惑をかけないようにしよう、そのためには回収益を図ることが唯一の道だ、このように職員一同が考えることによりまして結果的には回収益もさらに増加するものと考えておるわけであります。
#124
○河本英典君 中坊社長が実際現場でやっていただいて出てきた一つの要望でありますけれども、私は一つだけ疑問に思いますのは、これは最初につくるときからその話はなかったかなというのが実は疑問でありまして、その辺はいかがなんでしょうか。
#125
○政府委員(山口公生君) 確かに住専法をお願いしたときには違った形になりまして、両建てといいましょうか、両方相殺しないという形になっておりますけれども、今、中坊社長からお話しいただきましたように、回収ができた場合には六千八百億という国民の負担を幾らかでも減らすということを目に見えた形でお示しできるのではないかというような要素もございましてそういう形をとらさせていただきましたけれども、よくよく考えてみますと、中坊社長がおっしゃいましたように、結局はいかにたくさん回収をしていただくかという方がより大事でございますので、そういった目に見える形も大切ではございますが、それは別途明らかにするということを前提に回収益の最大化を図るということを優先させていただきたいと、こういうことでございます。
#126
○河本英典君 何で前にしなかったということを別に追及しているわけじゃないんです。やっぱり今いろんな問題、こうした現場から出てくる問題と、それから悪く言えばお役所が机上でつくられた案、この誤差が出ているんじゃないかなということで、非常に大事なポイントだなというふうに考えましたので、それに最初からしておけばよかったんじゃないかという話も、それは結果論でありますけれども、しかし大いにそういうことは予測をこれからしていかないかぬ状況じゃないかというふうな気がいたします。そういった意味で、これは早く成立してやっていただきたいなというふうに期待するものでございます。
 そこで、住宅金融管理機構は一体どのくらいの担保不動産を保有しておられるのかということをお聞きしたいんですが、数字でお願いいたします。
#127
○参考人(中坊公平君) 現在保有しております担保物件は約十六万件ぐらいに及ぶのではなかろうか、このように考えております。
#128
○河本英典君 金額でどのぐらいのものでしょうか。
#129
○参考人(中坊公平君) 約三兆円余りではないかと思っております。
#130
○河本英典君 多額の不動産を有効利用するという観点からも今大変話題になっております担保つき債権の証券化、流動化ということが必要と思われるわけでございますけれども、この証券化等は考えておられるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
#131
○参考人(中坊公平君) 当社といたしましては、きょう現在は具体的には考えておりませんが、そのように証券化されるということは当社にとっても今後の担保物件の処分ということからいいますと極めて意味が多い、このように考えておりますので、そのような方向は我々の将来の選択肢の中の一つとして考えていきたい、このように考えております。
#132
○河本英典君 これは中坊社長の会社だけのものではなしに、不動産の流動化という意味で証券化が言われておるわけでございますけれども、ぜひとも不動産が動いてもらいたいというのは景気の活性化には一番よかろうというふうに思っておるわけでございます。
 ところで、今国会では金融システム不安の解消ということで総額三十兆円の公的資金の投入が決定されたわけでございますけれども、当時、住専処理ということで六千八百億円がかなり議論されたわけでございます。六千八百億円といいますと、兆に直しますと〇・六八兆円でございまして、あのときわあわあ言っておった割に、ここへ来まして三十兆というのはえらい大盤振る舞いになっておるわけでございますけれども、公的資金といいますか、お金の入れ方もよい悪いの議論はありますけれども、いつ入れるかということが、タイミングというのが非常に大事であることの証明ではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 しかし、中坊社長は、この公的資金投入の不始末を招いた母体行や旧住専経営者などの関与者に責任を持ってもらうのが筋ということで、昨年五月以来、責任を追及する準備を進められているというふうに聞いておりますが、これまでの取り組み状況や今後の予定等をお聞かせいただければと思います。
#133
○参考人(中坊公平君) 今、先生のお尋ねのことに関しましては、我々内部では関与者責任追及、こういう言葉で呼んでおるわけでありますけれども、当社といたしまして関与した銀行あるいは経営者の責任というものはどういうものだろうかと考えました。私企業である七つの住専会社がつぶれまして、その不始末の後始末を何らそのことに関しては罪のない国民が税負担で賄うことは基本的には罪なくして人を罰したことになる、このように考えました。そういうことに、その国民の税負担まで負ったということになりますれば、その前にこの倒産に関与した者の中で責任があるのではなかろうかと考えたわけであります。
 そして、具体的には、その関与の責任を負っていただかないといけないと思いましたのは、おおむね三つの類型に分かれます。
 その一つは、いわゆる紹介責任というものでございまして、表現はいささか問題かもしれませんが、よく世の中でばば抜きと言われておる、劣悪な借り主を住専七社のどれかに紹介した、そして自分のところが難を免れたり二つ目には、我々としては甘い経営と言っているんですけれども、本来貸すべきでない、貸せば必ず損失が発生するということがわかっていながら貸した会社の経営者。そして三つ目には、これは我々が債権回収の中でぶち当たることでございますけれども、債務者が財産を隠そうとしているわけでありますけれども、隠すときにまた援助した隠匿の責任、こういったようなものにつきましては我々として関与者責任として追及していく必要があろうかと、このように考えております。
 そして、そのような責任を負っていただく方をどのようにして選んでいくかというのが問題でありまして、我々といたしましては碓年の五月にそのためだけの弁護団体制を東京、大阪でそれぞれ十名の弁護士をもって充てたわけであります。
 そして、私自身といたしましては、世の中によく一罰百戒という言葉がありますが、このような責任を負ってもらうためにはやはり百罰百戒であるべきではないか、このように考えたわけであります。そのために、一応住宅ローンを除きまして事業者ローンの全権にわたりまして、その不良債権の中でも特に劣悪債権、すなわち貸付債権の二割も譲り受け価格をもってしても回収できないような劣悪債権、それを数値基準の根底に一応置きまして、そのようなものを紹介したりあるいはそのような結果を発生させた経営者の責任が問われるべきものではなかろうかと考えたわけであります。
 さて、そのようにして選び出されてきましたのが約五千二百件ございました。しかしながら、その五千二百件が全部それじゃ責任が追及できるのかという問題。本件はもしその相手の方が応じられをいときには裁判を提起して決めざるを得ないということになってまいります。法的責任を負うてもらうべきということから考えますと、さらにその中から絞っていく必要がある。すなわち、紹介の仕方が極めて不公正おもの、あるいは、先ほど言った甘い経営というだけではなしに、その経営者の行為の中にいわゆる会社に対する背任的な要素があるもの、これをその中から選び出してきたわけであります。
 そして、先ほど申し上げました五千二百件の中から現在選び出しましたのが二百八十七件ございます。そのうち既にこの二月に二つの銀行に対しまして紹介責任といたしまして約七十六件について、そしてまた経営者責任について六件のものについてそれぞれの経営者の方々に責任を一応我が方としては通知いたしました。そして、相手方にその言い分を聞く、このようなことにいたしておるわけであります。そして、この三月中にはさらに約八十件について我々としては先ほど言った紹介責任を追及するための文書、すなわち同時に相手方の言い分を聞くための機会を与えるという行為に移っていきたい、このように考えておるところであります。
#134
○河本英典君 責任というのは、今、中坊参考人がおっしゃいましたように、いろいろあるわけでございますけれども、法的な対応ということで特に法的な責任ということが言われておるわけでございますけれども、道義的責任であるとか経営者としての常識の範囲を超えるという経営者としての責任とかいろいろあるわけでございますけれども、いろんな形でこういったことに当たっておられる中坊社長にちょっとこの際お伺いしたいんです。
 私は、最近のいろんな出来事、これは今問題になっております大蔵省の問題にしたって、役所を含めたすべての問題でございますけれども、責任という考え方がどうもみんな、変な言い方をしますと、語弊があったらいけませんけれども、サラリーマン化といいますか、みんな何か責任最小主義的な世の中の風潮になっておりまして、自分のある範囲内で言いわけができればそれはもう私の責任じゃないというような考え方が実は基本にあるんじゃないかなと。経営者としての責任、格好よく言えば簡単に辞めたらいいじゃないかと。中小企業であれば、これは自分の家、財産を判について下手したら取られるわけですけれども、大きな組織の経営者は何か社会的制裁といいますか社会的責任をとらなければいけませんけれども、本当の意味の経済的な、法律的な責任は、よほど悪質なのは、明確に立件できるのは今お話があったとおりやっていただけるのでありますけれども、その辺が根底にあるんじゃないかと。
 だから、これは私は単なる住専の問題じゃなしに、責任の問題ということをもう少しみんながこの際考えにゃいかぬというふうな気がしておりますのであえて中坊社長に、実際現場に当たられて、責任責任と皆さんおっしゃっているけれども、一体どの程度の責任感、実際に持たされている責任より感じている責任がかなり希薄じゃないかなというふうな気がいたしますので、この辺をちょっとお聞きしたいと思います。お願いいたします。
#135
○参考人(中坊公平君) ただいまおっしゃられたとおりに私も思っております。現場でいろいろ関係者の方々にお話を承る中において、その意味において責任を深く考えられている方が正直言って数少ないのではなかろうかと、大変遺憾なことだと思っております。
 私自身といたしましては、やはり今度の関与者責任を追及する最大の目的は、今までは責任があるあると言われていても結局責任をとらぬうちに忘れて、なくなりはしないけれども、そういう形になって消えていくということが多いので、今回の場合は私としては回収金額そのものよりもこの問題にけじめをつける、そしてけじめをつけた結果を公表する、このことが最小限必要ではなかろうかと考えておりまして、そのような方法で今後も責任追及ということを考えていきたい、このように考えております。
#136
○河本英典君 ぜひそのように、公的資金を導入した原因をつくったということでありますから、責任の所在の立証といいますか、困難でありましても追及していっていただきたいということをお願いするわけでございます。社長の熱意に対しまして心から敬意を表したいと思いますし、ぜひとも強くお願いするものでございます。
 それから、これは一部であろうかと思うのでありますが、住宅金融債権管理機構の回収担当職員の正義感、熱心の余り取り立てがほかの金融機関に比べて強引だと言われているというふうなこともあるよってありますけれども、経済弱者といいますか、そういった方に柔軟な対応をすべきであるというふうに考えますが、いかがでしょうか。そのところの考え方をお聞きしたいと思います。
#137
○参考人(中坊公平君) ただいま河本先生がおっしゃったように、やはり社会的なあるいは経済的な弱者に対しては柔軟な対応が必要であろうかと考えております。
 そこで、当社といたしましては、まず基本的に住宅ローンと事業者ローンの二つに分けて物を考えることにいたしております。住宅ローンの債務者、これが大体全体の八割以上でございますけれども、その方々はある意味においてバブルの被害者であったわけであります。そのような方に対する債権回収の行使というものとお金もうけのためにやった事業者ローンとでは基本的に対応が違うのではないか、このように考えております。そのようなことから、全体として当社は血も涙もない回収はしないということを目標として職員一同に私は言っておるところであります。
 例えば阪神大震災に遭われた被災者、このような方々に対しては当社としてはそもそも頭から催告状自体を出しておりません。そしてまた、そのような方々が新しく家を建てようと思いますと、今度は神戸市の方などが順位一番にしてもらいたい、我が方が土地の一番でありましても順位一番にしてもらいたい、そのようなときにも当社は応じております。そのようなことで、できる限り住宅ローンの方々には慎重な手続をとっておるわけであります。
 そして、さらに今度は事業者ローンであろうが住宅ローンであろうが、私は任意交渉、任意返済が根本原則である、このように言いまして、正直言って、裁判の提起あるいは競売の申し立てというのも予想されておったよりかははるかに少ない件数で終えておるところであります。
 さらに、当社におきましては、このようないろんな意味の苦情というものがあったときにその苦情をどうして我が社が受けとめるかということが大切だと考えまして、私が社長に就任いたしまして直ちにこの会社には相談室というのを設けました。そして、その担当の職員を配置し、同時に事件は私が全部直轄で見るということにいたしました。正直言って、多いときには二十件を超した日もありました。しかしながら、おかげさまにてだんだんそれが減ってまいってはおりますけれども、このような対応の中で今おっしゃいました社会的なあるいは経済的な弱者に対しては柔軟な姿勢で臨んでいきたい、このように考えて実行をしておるところであります。
#138
○河本英典君 それを聞かせていただいて安心したわけでございます。経済的、法律的に厳しくやっていただいておるわけでございますけれども、政治的にも十分な配慮をしていただいておるということを具体的に聞かせていただきまして、本当にありがたいなというふうに思うわけでございます。ぜひともよろしく、応援させていただきたいと思います。
 それでは、先ほど大蔵省の説明にもありましたが、今回の住専法改正に罰則つき財産調査権の対象範囲の拡大がありますが、拡大された場合の効果につきまして住管機構にお尋ねしたいと思います。
#139
○参考人(中坊公平君) 今回、いわゆる預金保険機構の特別調査権の範囲が物上保証人まで及ぶことになりました。
 御承知のように、人的な保証にとどまらず物件だけで保証した方にも実は財産隠匿その他のいろんなことがあり得るわけでありまして、その意味におきまして範囲が人的保証のみならずいわゆる物的保証の場合にまで及ぶということは、その担保物件に関するいろんなことが調査の対象に入ってまいります。どの人に貸してどうだとかということがすべて今度は特別調査の対象になるわけでありまして、そういう意味ではいわゆる隠し資産等を発見する、あるいはそういうできた賃料債権を我々が物上代位で押さえたりする、こういう場合には今回の改正によりまして多大の効果があるのではなかろうか、このように考えております。
#140
○河本英典君 時間も余りありませんけれども、最後に中坊社長にお聞きいたしますが、いわゆるW分類債権からの回収実績を上げるためにどのような努力といいますか工夫というものが必要なのか。特に、現場の状況、御苦労があるわけでございますけれども、我々にも先ほどからも聞かせていただいておるわけでございますけれども、最後に披露していただければ非常にありがたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
#141
○参考人(中坊公平君) 今おっしゃっていただきましたことについてはいろいろそれなりに工夫をしておるわけでありますけれども、やはり一番大きいのは一体何であっただろうかと考えますと、これはやはりこの国会において与えていただきました預金保険機構の特別調査権、これが当社の債権回収に大変な威力を発揮いたしております。
 通常の場合ですと、相手方がないと言ったらそれ以上踏み込めなかった。ところが、預金保険機構のお力によりましてそういう者に対していわゆる隠し資産といったようなものを発見できる、あるいは、それを現実にやらなくても、そういうものがあるんだということがどれほどか回収自体に役立っておるというのが現実であります。
 それから、当社の方といたしましては、このような担保物件にはそもそもがいろいろ虫食いその他の傷がある上に、いわゆるやみの勢力、暴力団がいろんな傷をわざわざつけて、そして我々にそのためのいわゆる解決金を要求するということが、暴力団のそのような役割をする人を損切り屋と言っておりますけれども、それの登場があるわけであります。その損切り屋というものを許すということは、仮に金融機関の不良債権が七十六兆円としてその一割が流れたとしても実に七兆六千億という巨大な金がやみの世界の中に流れ込んでいくわけでありまして、そのようなものを排除しなければならない、このように考えてやっておるわけであります。その点については警察の大変な協力をいただいておりまして、既に民事や刑事事件で告発いたしました事件だけで三十九件、そしてまた暴力団を現実に追い出す仮処分の執行が二十一件、多くの件数に上っております。
 そのようなことが相まちまして、おかげさまでもう余りそういうことを、これは表現はよくないと思うんですけれども、暴力団の中では住専銘柄には手を触れるな、こういうことになってきているのだそうでありまして、そういう意味ではそういうものを一つ一つ積み重ねておることが回収を進めることには役立っているのではなかろうか、このように考えております。
#142
○河本英典君 ありがとうございました。
 終わります。
#143
○今泉昭君 まず最初に大蔵大臣にお伺いをしたいと思います。
 この住専処理法が施行されましてから、間もなくもう二年を迎えようとしているわけであります。当初、六千八百五十億の公的資金の投入に対しまして国民的な大反対が起こったわけでございまして、このことを振り返ってみますと、今、中坊社長の説明の中にも見られていますように、何の罪も犯していない国民が汗水流して納めた税金がこういう不祥事を起こした銀行や金融機関の穴埋めに使われる、しかも世の中、通常そういう問題を起こしたならば法的な措置に基づいて処理されなければならないにもかかわらず、法的な措置は一向にとられずに、そういう失敗を犯した人の責任や罰は一向に加えられないで国民の税金が使われた、国民が実は罰をこうむったという形の処理がなされたということであったというふうに思っているわけであります。
 先ほど河本議員の方から、あの当時は六千八百五十億という金額が大変問題になったけれども、今回の三十兆の公的資金の投入については問題なかったじゃないかというようなお話がございましたが、私は基本的に小さなお金ではあったけれどもこの六千八百五十億の使い方と今回の特に預金者保護を中心として投入された三十兆円の使い道というのは区別されて考えなきゃならないもの、金額の大小の関係ではないと思っているわけであります。
 そういう意味で、大蔵大臣といたしまして、この問題がそういう形で使われたということを振り返って考えていただきまして、どのように今お考えでございますか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#144
○国務大臣(松永光君) 今、先生もおっしゃいましたように、住専の場合の六千八百五十億と先般法律を審議して通していただいて実行に移した今回の金融システムを安定させるための三十兆、これは性質が違うものだというふうに私は思っております。
 今回の場合は、去年の十一月以降、金融機関が幾つも破綻をした、そのことから金融不安が起こり、日本の金融システムそのものについての内外の信認が著しく低下してきておった、そのことが日本の経済に非常に悪い影響を及ぼし、あるいはまた雇用不安まで起こって、それが消費マインドを冷やしてしまい、あるいはまた企業家のマインドも冷やしてしまった、これでは日本の経済がえらいことになるというわけで、まず金融システムを安定させよう、そういったことから今回の三十兆の措置はなされたんだと、こういうふうに思います。
 特に、預金者の不安感をまず一掃しなきゃなりません。預金者に不安感があれば銀行にお金を下げに行く、それがうわさとなって次から次に預金者がお金を下げに行けば、それがすなわち取りつけ騒ぎになる、こういったことでは日本の金融システムは破壊されてしまう、そういったことを防止するために国が断固たる決意を持って預金者の預金は絶対守るということで七兆円の国債を交付し、かつ十兆円の預金保険機構の他からの借り受けについて政府が保証する、こういったことで預金者の不安を一掃するということが一つの仕組みだと思います。
 もう一つは、金融システム安定のためには、やはり日本の健全な金融機関というものの力をつけていくことが金融システムの安定化につながる、同時にまたそれによっていわゆる貸し渋りの解消にも資するであろうということで三兆円の国債の交付、そして預金保険機構の資金繰りのための政府保証、これが十兆円用意されたということでございます。
 この間、それによって金融危機管理審査委員会の審査を経て二十一行の銀行に資本注入がなされたということでありまして、このことをしたことによって我が国の金融システムについての内外の信頼は相当程度落ちついてきた、高まりつつあるというふうに思うのでありまして、これは日本経済のために相当貢献するようになったと、こういうふうに私は思っておるわけであります。
 一昨年でございましたか、この住専問題のときは、今、先生は法的処理という話がございましたが、私は考えますのに、法的処理といえば破産手続でやれ、ないしは会社更生手続でやれということであったかもしれませんけれども、しかしそれでやった場合には相当期間がかかるんじゃなかろうかなと。結果においては、住専の処理機構というものができて、そして中坊先生というすばらしい方を社長に迎えることができたので大いに不良債権の回収が進んでおる、これで住専というある意味では間違った経営をしたことによる問題の解決、処理が徐々に進みつつあると、こういうふうに私は見ておるわけでございます。
#145
○今泉昭君 銀行局長にお伺いしたいんですが、当時、国会の論議の中で常に大蔵省が言ってきたことは、とにかく国際的な日本の金融に対する不信、不安というものを除くために、あるいは今後大変危険視されている金融不安を防ぐために、まずこの住専の不良債権を何とか処置しなきゃならない、そのために必要な公的資金の投入である、これをやればもう我が国の金融は安心だと、こういうことを再三言ってこられたわけであります。ところが、一年後にはどうですか、我が国は逆に大金融不安が起こったわけでありまして、何か大蔵省のそういう説明に対して国民が信用していないわけですよ。
 今回のこの三十兆円の資金投入にいたしましても、いろいろなデータが発表されるたびに数字が変わってくる。もっとあるんじゃないだろうか、ただ単に一般銀行だけじゃなくて、信用組合にしろいろんな金融機関にしろまだたくさんあるわけでございまして、そういうところからも同じような逆にまた金融不安が出てくるんじゃないかと、こういう不安を実は一面で持っているわけでございまして、そういう意味で、前任の銀行局長の時代でありましたけれども、どうですか、どういうふうにお考えですか。
#146
○政府委員(山口公生君) この住専処理の問題、あるいは今回の公的資金の投入問題も、ややバブル経済の処理の大きな時間的な流れで物を見ていただく方がよろしいんじゃないかと思うんです。
 それは、バブルが崩壊して十年まではたちませんが相当期間たっておりますが、バブルが崩壊して直ちに不良債権問題というのが生じたわけではないわけです。仮に土地が下がり、あるいは担保価値が下がり業況が悪くなってもすぐさまではないんですね。それは借りている企業もかなりまだ余力があるわけです、蓄積もあるわけです。まだ熱でいうとかなり余熱が大分ある時期、それが時間がたってきますとだんだん優良企業がよくない企業になり、返せるはずのもののもとになっている担保が下がってくる。そうすると、次第次第にそれは金融機関の不良債権という形で、あるいはゼネコンの問題もあるかもしれませんが、そういう形でだんだん集約されていっている。だから、時間がたつにつれてそういった問題が出てきていたと思うんです。
 そのとき非常に大きなネックになっておったのが住専だと思うんですね。住専で三・五兆円の放棄と一・七九兆円の放棄、合計五兆円以上の債権放棄ができたんですけれども、それは住専という問題、非常に不幸なことにたくさんの母体行があってだれが一体責任を持っているのかということすらはっきりしない、非常にほぐれにくい形の難問題になったわけでございます。それをこういう形で処理していただいたということで、不良債権の道筋の中で一つありました大きな山、大石があった、それをちょっと除くことはできたんだと思うのでございます。
 しかし、その後もそうした処置をやるということは、銀行にとってみますと体力を減らすことです、利益を使うことです。したがって、だんだん体力が、償却財源がなくなってくる。そうしますと、まず体力の弱いところから問題が生じる、それが信組の問題だったと思うんです。だから、あの後、信組の問題はかなり深刻になりました。それで金融三法をお認めいただきました。
 ところが、じゃ信組だけで物事が終わるかというと、それ以降もバブルの影響はずっと続いたわけでございます。続けば続くほど借り手の企業も疲弊します。本当は優良債権だったのが不幸にして不良債権になったものもたくさんあると思うんですね。そうしたものを最終的に銀行という名前のところも抱え切れないところが出てきた、それで大型の破綻が証券会社にも生じました。
 そうすると、この間も何度も御説明しましたように、マーケット自体が非常に今度は萎縮したという現象を生じたわけです。それで今回の金融安定二法という形にさせていただいたんですが、そういう形で見ますと、この住専の処理が、いろいろ御議論ありましたけれども、この五・数兆円の処理がもし今でもまだ解決していなかった場合は一体どういうふうになっていっただろうかという感じは持つわけでございます。
 いろんな御批判はもちろんありますけれども、ただ我が国がこの大きなバブルを崩壊させた、それをだんだん解消しなきゃいけない、それを解決しなきゃいけないときにたどるプロセスのときの大きなネックになっていたものがこれで一つは解決をしたと。しかし、解決したからといって健康体にすぐなれたわけじゃありません。問題点だけをちょっと片づけただけだったということだったのかもしれません。
 したがって、今でもその問題がまだ続いているということですけれども、今回の措置でそろそろ先に進める銀行と、まだまだリストラして不良債権問題に取り組む銀行と両方あると思うんですね。しかし、みんながみんなもう不良債権にすべてがのしかかられてあえぎあえぎやる時代はだんだん脱することができるのではないかというふうに見ております。若干楽観的かもしれませんが、そういうふうに見ております。
#147
○今泉昭君 政治は批評家じゃないと思うんですよ。後から振り返ってこうだこうだと言うのではなくして、行政は常にやっぱり先見性を持ってその問題点を先取りしながら解決していくということが一番重要なわけでありまして、今のをお聞きしてみますと、結局振り返ってみたならばそうだったということにすぎないというふうな印象しか我々としては受けないわけです。
 そういう意味で、行政並びに政治のやるべき仕事というのは、前もってそういう問題点をつかみ取り、それを解決していくというのが一番必要なわけでありまして、そういう点がなかったというところに大きな大蔵の責任があると私は思うんですよ。
 時間がなくなりますからほかに移りますけれども、もう一点だけ政府にお聞きしておきたいと思います。
 今盛んに銀行の貸し渋り問題が言われているわけであります。この貸し渋り問題というのが今盛んに御苦労なさっている中坊社長の住管機構の債権回収の実はネックになったり足を引っ張っているような状態が私はあると思っているわけです。せっかく債権が売れるかもしれない、契約が調うかもしれないというところに来ているにもかかわらず、優良債権であっても銀行が金を貸さないからその債権が売れなかったり、そういうような問題でこれからますます銀行の貸し渋りが広がっていけば大変苦しい立場に住管機構は立たされると思うんですが、そういうものに対して政府の方としては何かお考えになっていますか。
#148
○政府委員(山口公生君) 今泉先生の御指摘の御趣旨はよくわかりますが、問題は貸し渋り現象が住管機構のみならず一般経済の潤滑な流れをとめているのではないかということだろうかと思います。
 したがいまして、この貸し渋り問題というのは私どもも真剣に取り組んでいくべき課題でございまして、中小企業向けの政府融資あるいは十二月にやりました貸し渋り対策、今回の金融安定二法での措置といろいろできるだけのことは手を打っておりますし、銀行のビヘービアについても私どもとしてはこれから十分に注視していく所存でございます。そういうことを積み重ねることによりまして、結果として中坊社長が御努力いただいている住専機構についてもいい結果が出てくることを期待しているということでございます。
#149
○今泉昭君 今度は中坊社長にお伺いしたいと思います。
 マスコミでもいろいろ活躍を目にしておるわけでございまして、大変御苦労なことだというふうに敬意を表したいと思います。
 先ほど中坊社長の方から住専の不良債権の関与した者に対する責任の問題を触れられました。一つは、ばばをつかませた責任、もう一つは要するに放漫経営でもって盛んにそれを膨らませたという責任、もう一つは資産隠しを助けたグループに対する責任と三つ申されました。
 私は、きょうは隣に大蔵省の方がいらっしゃるから遠慮していらっしゃるんじゃないかと思うんだけれども、いろいろとマスコミで社長が言われているものの中にもう一つあったような気がするわけですね。要するに、我が国の金融行政というものを陰に陽に指導してきた、また関与してきた行政責任があるんじゃないかと。大蔵省の責任ということですよ。これに対して社長の立場でどういうふうにお考えですか。
#150
○参考人(中坊公平君) 私は、今回この旧住専の問題が発生し、その処理につきましては、やはり全体の業界を指導されてこられた大蔵省にも責任があるものと思っております。
 しかし、私自身がこれは個人として考えていることでありますが、それじゃその責任を損害賠償として問うということになってくると、結局これは国民が払わないといけない、こういうことに相なるわけでありまして、私としては、少しでも国民にこれ以上負担をかけないためには例えばきょうこうして御審議いただいているような法律そのものを直してあげる、そのことによって早く回収を促進させる、こういうようなことが大蔵省としての一つの物の考え方ではないでしょうかということは申し上げてまいりました。
 そしてまた、大蔵省の方におかれましても、私たちの意図を酌んでいただきまして、これを内閣提出の法案というふうにしていただいて現在まで進めていただいておりますので、そういう意味では今回のこのような法改正も一つの責任のとり方ではなかろうかと、このように考えております。
#151
○今泉昭君 大変温情あふれる解釈の仕方をきょうはどうも遠慮しながらされているような気がしてならない。もっと舌鋒鋭く正直に言っていただきたかったと思うんです。
 最近の地価の値下がりというのはまだ依然として続いているような状態でございまして、こういう地価の値下がりというものは、これは不良債権を抱えているあるいはいろんな債権を抱えている住管機構として、第二次ロスというんでしょうか、これの危険性を大変含んでいるのではないかと思うんです。そういう意味で、今、土地の流動性が全くないような状態でございますから地価の下落というのはまだまだ続く可能性があるんですが、この第二次ロスというものの今後の見通しというものは、社長はもう絶対第二次ロスがないように頑張るんだというふうに常日ごろ言われているのはよくわかるんですが、いかがなものでしょうか。
#152
○参考人(中坊公平君) ただいまお話しいただきましたように、地価の下落を初めといたしまして経済不況、その他の原因によりまして二次ロスが発生する危険性は極めて大であろうと、このように認識をいたしております。
 特に、地価だけといいますか、平成七年一月一日付の路線価格で決まった金額が当社が譲り受けた担保物件の価格になっております。そのようにしてこの価格が算定されておるものですから、路線価格がずっと下落を続けておりますと、大小いろいろありましょうけれども、二、三〇%は落ちておるものも多いわけであります。そういたしますと、当然にそこには二次ロスというものが出てくることは必至の状態ではなかろうかと考えております。
 問題は、例えば今回このように法律改正をしていただくように、二次ロスは出ても、しかし先ほど言ったいわゆるW分類損失処理されたところから回収してきたものと相殺をいたしますと結果的には二次負担が新しく出てこないわけでありまして、このような方法によって、やはり時価は時価ですから時価で売買し、二次ロスは出ても国民には二次負担をかけないで済む、このような今回御審議いただいているような法改正も必要でございましょう。
 あるいは、当社といたしましては、できる限りこの担保物件というもの、正直言っていろんな傷があるわけです。先ほどはやみの勢力がつけておる損切り屋の話をいたしました。それ以外にもこの担保物件の中にはいわゆる地上げ途中でへたばったということからくる例えば虫食い状態、あるいはウナギの寝床みたいな土地というものも多いわけでありますが、それは我々の職員の中の銀行から来られた方々が近所の人と話をして、時には少々のお金を出したこともあります。そのようにして、何とかして価格が下落しておる担保不動産のグレードアップを考える、そういう中においていわゆる実需というものに結びつけていくと、このような作業をいたしておりまして、それはそれなりに効果を上げておると、このように考えており、今後もそのような努力、さらにはいわゆる預金保険機構の調査権によって今度は全然担保にもなかった隠し資産を発見して、そこから回収することによって結果的には国民に二次負担をかけないで済ませたい、このように考えてやっておるところであります。
#153
○今泉昭君 大変な御苦労をなさっていることに敬意を表する次第でございます。
 先ほどのお話によりますと、当初、住専各社の資産を六兆一千億で買い取られていると思うわけでございますが、これまで二年近くの間に回収をされたものと、先ほど大体今どのくらい持っているかということのお答えの中で三兆円ほどの不良資産を抱えていらっしゃるといったところから見ましても、実態はその数字だけで見た限りにおいては第二次ロス的なものが生じているなという気持ちがしないわけでもないわけでございますが、第一年目の回収は大変いい御成績を上げられた、二年目の回収も当初目標に近いような、今月いっぱいで終わるんですけれども、御成績を上げられているというふうに聞いております。最初に回収できるのは比較的条件のいいところが多いわけでしょうし、これから大変難しい不良資産を回収しなきゃならないということで大変な御苦労があるのではないかというふうに思っているところでございますが、ぜひひとつ頑張っていただきたいというふうに激励を申し上げまして質問を終わります。
#154
○益田洋介君 中坊社長、毎日御苦労さまでございます。きょうはお忙しい中、お運びいただきまして、ありがとうございます。
 中坊社長にお伺いする前に、一点だけ大蔵大臣に伺っておきたい点がございます。
 今回の一連の大蔵不祥事で六人の逮捕者を出して、残念なことに自殺者も三人出たという大変な事態になったわけですが、これで打ちどめではないのではないか。巷間伝え聞くところによりますと、ある銀行局担当の審議官の接待疑惑が浮上してきている。この方は大変なエリートでございまして、昭和二十二年に三重県でお生まれになって、四十年に愛知県の時習館高校を卒業して、東大法学部を卒業して四十四年入省。自乗、主計局課長補佐、銀行局企画官、主計局企画官、大臣官房秘書課長、平成七年には主計局の次長、八年に大臣官房審議官、こういうふうなエリートコースを歩んでこられた。しかし、この審議官の疑惑というのは今二つございます。
 一つは、平成四年から七年まで大臣官房秘書課長を務めていたときに、この秘書課長という立場は金融機関の叙勲の候補者を総理府に推薦できる立場であるというふうに伺っておりますが、この問題で相当の接待を受けて、その結果として三和銀行の川勝堅二及び日興証券の梅村正司両元会長への叙勲の働きかけを行って、いずれも勲一等を強引に総理府から引き出した、こういうことが言われているわけでございます。
 二つ目は、たまたまきょう中坊社長に来ていただいていますが、住専の第一次損失処理問題で、当初は個別の母体行がすべてそれぞれの住専の面倒を見るんだという案が浮かんでいたわけでございますが、結局それは日本興業銀行にとっては、日本ハウジングローンという大変な厄介物を抱えていたわけでございますが、興銀にとってはこの系列の住専の処理で大変な負担を背負うところであったのが、結果的に住専七社の横並びの処理策の制定を推進して、この審議官が推進派だった。そして、結果的に自分のところの債権を放棄するだけでいいんだと、系列の住専の面倒を母体行が全部見ることはないんだ、そういうふうな金融安定化基金の設立案、二次損失処理に備えてこういうものを発案した。これは銀行が基金へ融資をしてその運用益で損失を補てんするんだ、補うんだと、これは融資であって資金を捨てるわけでもなんでもない、こうした興銀にとっては大変助かる話、これを推進してきたのもこの審議官であった。そして、その見返りに興銀からかなりの接待を受けていた。
 こういうことが言われておりますが、大臣、どういうふうにお考えですか。
#155
○国務大臣(松永光君) 捜査当局による大蔵省の職員等に対する刑事捜査というものが今後どういうふうになるんだろうかということは私の方では全くわかりません。それは捜査当局の方で法と証拠に基づいて厳正になされるものだと、こういうふうに理解をいたしております。
 それからもう一つ、叙勲云々の話がございましたが、これは委員よく御承知のとおり、叙勲というのは賞勲局において厳正な審査がなされるわけでありまして、大蔵省の秘書課長が何かするという余地は少なくとも賞勲局の審査の関係では何ら関係はないものだと、あくまでも当局で厳正な審査がなされた上での決定だと思うのであります。
 いずれにせよ、この人も内部調査の対象に当然なっておるわけでありますから、内部調査は粛々と実は進めているところでございます。
#156
○益田洋介君 大臣がおっしゃるとおり捜査当局にゆだねておればいいという問題ではもうなくなっているんです、大蔵省の問題は。だから、きちっとした形で、今おっしゃったように迅速に内部調査を進めていただきたい、そのことをお願いしておきます。
 中坊社長、先ほど来話題になっておりますが、損害賠償責任の追及、事によっては訴訟まで起こすんだと。これは、伝え聞くところによると、とりあえず都銀二行、信託銀行、第二地銀各一行、それから住専の経営者二名を対象にして、今、東京と大阪に十名ずつの独立した弁護団をつくって、それで話し合いをしようという状況であるというふうに理解をしております。
 私は驚いたんですが、先ほどおっしゃっていな紹介融資という言葉は私も生まれて初めて聞いた言葉なんですが、目を覆うばかりなのは住友銀行。社長が先ほどおっしゃったように、回収困難な融資案件だけを住専に押しつけてきた。件数として住友銀行は六十件、関西銀行は十四件ですけれども、数からも金額の面からも圧倒的に突出している。住友銀行の場合は六十件で融資額が約四百億円、こういう理解をしておるわけでございます。住友銀行に関しては、宮川宏一容疑者、それから榊原隆容疑者、宮野敏男容疑者、これはいずれも住友銀行が絡んでいる。
 これからどういう御予定で社長としてはこれらの方々の責任を追及されていかれるのかそれをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#157
○参考人(中坊公平君) ただいま特定の銀行の名前が出てまいりましたけれども、現在進行させておる手続は相手方の言い分を聞くという機会であります。私たちが手元にある資料を見て、先ほど言ったような関与者責任、紹介責任を問わなければならない、このように考えておるものを先ほど申し上げましたように数値的な基準を基礎に置いて調べたところ、確かに今御指摘の銀行がその中で六十件というような異常に高い数字が出てきたわけでありまして、まずそこを中心として相手方の言い分を現在聞いておるところであります。
 そのことに対しまして、その銀行は今のところそれなりにまじめに対応をされておるようでありまして、我々が具体的な事実を相手方に通知し、その存否について尋ねておる範囲では、全面的に頭から否定しようという形ではなしに、その中になるほどというものもあるということは認められておりますので、そのような手続の中で双方にいわゆる異論がないかどうかというところを今探しておるところでありまして、今後もほかの銀行に対しましても同様な方法で一律的に、画一的にやっていきたい、このように考えておるところであります。
#158
○益田洋介君 左に行ったり右に行ったりで失礼ですが、大蔵大臣、今私が申し上げたように、この特定の銀行は六十件、四百億といういわゆる紹介融資をしたことも判明しているし、宮川、榊原、宮野容疑者にも贈賄の疑いが持たれている。
 どういうふうな措置をおとりですか。特別に呼んで指導しておりますか、この銀行を。
#159
○国務大臣(松永光君) 御指摘の銀行の関係についての御質問と思いますが、事実関係をよく調査して、明確になった時点でどうするか考えたいというふうに思います。
#160
○益田洋介君 この点もしっかり、指導責任があるわけですから、大蔵大臣としてきちっとしていただきたいとお願いをしておきます。
 中坊社長、当院の予算委員会においても特別委員会においても、日住金の庭山慶一郎さんにおいで願おうとして、衆議院の方ではおいでになりましたが、参考人招致を予定しておりましたが健康上の理由でおいでになれなくて、かわりに当時の日住金の社長の丹羽進さんにおいでいただいてお話を伺った。私も参考人に対する質疑を行ったことがあって、非常にまだ鮮明にさまざまな庭山元社長については記憶がございます。
 その中で、一つは販売用に日住金が購入したハワイの別荘、これは事実上は庭山元社長と親族が専用施設のようにして使っていたなど、三件で約六十億の損害分について損害賠償をお考えだと、これは事実ですか。
#161
○参考人(中坊公平君) 今お示しの方につきましては、私たちは先ほど言った背任的要素のある者を責任追及するという中における背任的要素の中の一つとして公私混同というものがあろうかと考えております。そういう意味では、確かにおっしゃいますように、この方にはかなりの公私混同が見られるのではないかと。ただいま御指摘になりましたハワイの件もございます。あるいは隣地に自分の娘婿を住まわせておった土地の件もございます。そういうようないろんな公私混同が見られるところでありまして、そのような案件を全部合わせまして、現在、その本人さんのところへ通知をして、相手方の言い分を聞いております。
 それに対しまして、今のところは一応の弁解と申しましょうか、自分はそんなつもりでやったんじゃなしに、投資でもうかると思ってやったんだと、このような御主張を主になさっておるのが現状であります。しかし一方において、もうかなりの高齢者になっておられまして、早くこの件は始末をつけて責任もとりたいともおっしゃっておられますので、この点はさらにもう少し事実関係等を詰めまして当社としての基本的な姿勢を決めていきたい、このように考えておるところであります。
#162
○益田洋介君 次に、三月十九日に判明した、先ほど社長御自身も若干触れておられました損切り業者、根抵当権を抹消するという三正という不動産会社の事件がやっぱり住専との絡みで出てまいりました。まだ詳しい内容はわかっていないわけですが、融資総額は約五十億円だった、これは日債銀だとか都銀系のノンバンクも含めまして、こうしたのが絡んできていると。
 この事件についてはどういうふうな、これは結局社長のところの会社の債権の回収を妨害するために、免れるためにこういう事件が起きたのだと思いますが、若干の御説明をいただけますか。
#163
○参考人(中坊公平君) 今おっしゃいました三正の件に関しましては、新聞紙上にも出ておりますように、西の末野、東の満井、三正の社長を満井というわけですけれども、と言われるほどに今回の住専問題については独特の一つの物の考え方を主張されました。バブルの崩壊というものはすべて政治と行政が悪いんだ、我々借り手には責任がない、このようなことを関連する方、主張をともにする人を募っていろいろな協会をつくって、あちこちに文書等を配布されるなどしておられた方であります。
 そして、我が方が調査いたしました結果、今お示しのように、いわゆる架空の名前のところへお金を流しておる、あるいは架空の賃借権等をつけて強制執行を妨害しておる、このような事実が判明いたしまして、それに基づいて警察に告訴し、今お示しの日に満井らが逮捕されておる、このように聞いておるわけであります。
#164
○益田洋介君 一日も早く住専法が改正されるということを社長は希望しておられるというふうに伺っておりますし、私どもこれは全員でやはり御協力をさせていただきたいと思っておるわけです。
 回収額が今七千七百十億円に達したと。しかし、記者会見では社長はなお回収困難な案件が少なくはないんだと。貸し渋りなども影響して、ますます厚く広がる岩盤と正念場の連続を迎えるんだと、こういうお言葉を使っている。これについて現在の御心境を披瀝していただき、私の質問を終わります。
#165
○参考人(中坊公平君) 回収額は、前期に二千七百五十六億、本年度の回収目標を六千三百九億と置いておりました。その六千三百九億という目標は、もう三月が終わろうといたしておりますが、大体それは若干上回って本年度も回収できる見込みであります。したがいまして、これでちょうど一年半かかりまして約九千億余りの債権を回収したことになる、このように思っております。
 しかし、先ほどからもお話のありましたように、やはり売れやすい物件から売れていくということ自体は変わりがない、だんだん売れにくいものに移っていく、このように考えておりますし、さらには最近御承知のような経済不況、土地の値下がり、あるいは金融不安からくる貸し渋り等が率直に言って当社の債権回収に大変な影響を与えておるのではなかろうかと思っております。現に、本年度に限りますと上半期におきましては、我々は三千四百三十億という金をこの上半期、九月末までのところで上げたわけでありますけれども、下半期は三千億にも達しなかったという状況であります。したがって、このようないろんな社会的な悪条件というものが当社の債権回収にも決していい影響を与えていない、今おっしゃるように、ただでさえも担保物件でいい物件がなくなっていくという中において今後の回収は一層困難なことが予想されるところであります。
 しかしながら、私たちといたしましては何とかして早く回収をしませんと、同時に我々はいわゆる四兆五千億に上る借り入れをいたしておりまして一日一億円余りの金利を支払わなければならない、このような大変な状況のもとで仕事をしているわけでありまして、そういう意味からいたしますれば、やはり早く回収しないといけない、そのためには年間大体六千億は回収していかなければならない、このように考えておりまして、先ほど申し上げましたような、何とかして実需に結びつけていくような作用、グレードアップその他の行為を行うことによってこの岩盤を何とかして打ち砕いて前進を続けていきたい、かように考えておるところであります。率直に言って、役職員の方々は本当に想像した以上によくやっていただいておりますので、私は今後もこのような調子で物事が進んでいくことを本当に心から期待しておるわけであります。
#166
○志苫裕君 中坊参考人、御苦労さまです。
 社民党の志苫といいます。実は私は体調を崩しておりまして、座ったままでの発言を許可されておりますのでこのままお伺いさせてもらいます。御了承ください。
 私の不勉強を隠さずに申し上げますと、この法案に関して関係の職員から何遍も話を聞いた、また大蔵大臣の趣旨説明、いわゆるお経も聞いたんだけれども、なかなかのみ込めなかったですね。それは住管機構の実態について我々の情報が疎かったということが大きい原因ですが、先ほど中坊社長と同僚の議員とのやりとりを伺って、ようやくその意味がのみ込めました。目のうろこが落ちたという感じなんですね。よくわかりました。ありがとうございました。だからもう質問は要らぬというわけにもいきませんので、もう少しおつき合いをしてください。
 今振り返りますと、全くうそのような時代があったんですね。それがバブルだとはだれも気づかずに、政府も企業も個人もみんなどうかしていたなと今思います。その後始末を中坊社長、あなたにお願いをして、本当に御苦労さまです。
 住専問題というのは、一口で言うと住宅投資に膨大なお金が動いて、それが焦げついてしまったというケース、そのように承知しております。言うまでもないことですが、金融では借りる方と貸す方があるわけでありまして、この世の中では借りて返さぬやつが一番悪いやつなんですけれども、しかしそうばかりも言っておれない。例えば、変額保険のように御丁寧な、あつかましい、借りてくれ借りてくれという話もあったわけでして、それにごまかされて借りて、さあ困ったという人もないわけじゃない。
 それらのお話につきましては、先ほど同僚の河本委員とのやりとりで社長の方から、さまざまなレベルでの責任がある、その責任の問い方にもいろいろあると。それから、借り手は悪いやつだけれども、それはそれでバブルの被害者と言えないわけでもないというお話がありましたのでようやく何か胸のつかえがおりたような気もい、たします。
 あなたはいろんなケースをお扱いになられていて、借りた方と貸した方とどっちに問題がありますか、概括的に言って。
#167
○参考人(中坊公平君) 私は、やはり基本的には借りた側にあると思っております。
 特に本件の場合、この住専問題で出てまいります借り手というものは何千億、二千億だ、三千億だといった多額の金を借りておる人が多いわけであります。その人たちの話を聞いておりますと、基本的に借りたものはもらったものと同じだ、このように考えておるわけでありまして、借りたものは返すのが当然であろうと思うのでありますけれども、そこの認識からが全く違っておる、このような借り手が大変多かった、ここに本件の一つの大きな問題があろうかと思っておるわけであります。
 そして、私自身といたしましては、貸し手の責任という場合には、旧住専七社がみずから自分の後始末をされるならばそれはそれでまたあるいはよかったかもしれません。しかしながら、旧住専七社が実質上倒産をしてその責めを罪のない国民になすりつけるということになった以上は、その前にいわゆる貸し手側に回った方の責任も私は追及せざるを得ない、それが世の中のけじめではないか、このように考えております。正直言って、それを集めればそれだけ回収になるわけです。しかし、私は回収金額そのものよりも、世の中というものはもっとそういう意味におけるけじめをつけないといけない、けじめをつけるためにはやはりそのことをみんなに公表しなければならない、このように考えておりまして、私は内々の話し合いということを一切避けて、そしてその結果は公表できるというもとに対応をしていきたい、このように考えておるわけであります。
#168
○志苫裕君 この法案では預金保険機構の財産調査権の対象範囲の拡大という条項も提案されているんですが、私は預金保険機構のことなら預金保険機構の法案改正のときになぜ出なかったんだろうと不思議に思っていましたが、今大体わかりました。
 それで、例えば住管機構、預金保険機構及び東京共同銀行を改組した整理回収銀行、契機は違いますが、大体似たようなお仕事をなさっているんですね。この三社にも同じように不良債権を抱えているつわものがおりますか。預金保険機構にも住管機構にも整理回収銀行にも同じ債務を抱えた企業なり個人というものがあるものですか。
#169
○参考人(中坊公平君) 預金保険機構と整理回収銀行と当社との関係は、必ずしもおっしゃるように並列的に並んでおるものではないと心得ておりまして、実際上の債権を持っておりますのは譲り受けた当住宅金融債権管理機構であり整理回収銀行であると。ただ、預金保険機構は当社にとっては唯一の株主様であり、それから当社の業務等についての指導監督をいただき、あるいは、先ほどから申し上げていますように、隠し資産等の発見等については特別調査権を発揮してやっていただくと、このような関係になっているわけでありまして、そういう意味では整理回収銀行と当社は大体同じような形のものになる、このように考えております。
 そして、その二つにおきましてやはりこの特別調査権の範囲が広がっていくということはそれ自体よいことでございますし、しかも我々の間では具体的に特別の債務者については率直に言って整理回収銀行と当社が重複している、ともに債権者であるという場合等がございまして、そのような場合はどちらかの方が非常に大きいというときにはそちらの方に、今回の法改正等を前提といたしますとお互いに自分の持っている不良債権の委託ができますので、そういう形の中でこのような関係は律していきたい、このように考えておるところであります。
#170
○志苫裕君 ですから、同じような機能というか役割を果たしておる預金保険機構と、それからおたくの住管機構と整理回収銀行で、例えば預金保険機構に債務を負っている者は住管機構にも大体債務を負っている者でしょうか。あるいは、整理回収銀行とおたくにはダブったのがおるというんですが、そうするとどこにももう始末が負えないでおたくへ行って御用になるわけですか。そうではないんですか。
#171
○参考人(中坊公平君) 先ほど少し申し上げましたように、預金保険機構というものは我が社との関係においては指導監督をしたり自分が持っている特別調査権を我が社のために行使していただくという立場にありまして、自分が主体的に債権をお持ちではない。しかも、法規定のままであれば、私たちで回収困難な場合には場合によっては今度は私たちの方が預金保険機構に委託をして、それで預金保険機構がその権限を行使するということもあり得るということになっておりますが、現在までのところ、一年半の間、さような実例にはなっておりませんので、すべて当社の債権は当社の責任において現在は回収をいたしております。預金保険機構からのお助けをいただいておるのは、先ほど言った我々にはないというのは、我々の持っている債権もお互いに私的債権でございますので、それに対して今回の住専法に伴いまして公的資金が出たこと、税金で賄われたことから出ます特別調査権、これは我々にはないわけでありまして、預金保険機構にある。それで、債権を回収するときにはその預金保険機構の職員の方による特別調査権によって我々は債権回収の前提としての資産調査、特に隠し資産の発見等に当たっていただく、このような関係になっておりますが、あくまで権利の主体は当社であり、あるいは整理回収銀行になる、このようにお考えいただいて結構かと思います。
#172
○志苫裕君 この住専スキームというのは、いい意味でも悪い意味でも金融不安に対処するテストケースになりました。特に、公的資金の出動にはアレルギーに近い後遺症を残したことも否めません。それだけに中坊社長は、振り返ってみて、よくぞここまで来たなという感慨がおありだと思うんですね。その一端がこの法案だと承知はしますが、実はこの後に保険の分野にも証券の分野にも同様の処理機構といいますか、そういうものが予定をされています。それらをにらみながら、一つはこの法案にあなたのお考えが出てきたわけですが、さらにつけ加えるコメントでもあればこの機会に伺っておきたいと思います。
#173
○参考人(中坊公平君) ただいま我が経済においていわゆる不良債権の回収ということが大変問題になっております。証券化されても結局はだれかが最後は債権回収という仕事をしないといけないわけでありまして、率直に言って債権回収という仕事は楽しい仕事ではありません。世の中で言ういわゆる三K、汚くて、きつくて、そして危険だという三つを伴った仕事であります。このような仕事を最後のどぶざらいのようにしてやる人がやはり社会においては必要ではなかろうかと思っております。そういう意味で申し上げますと、当社は住専法によりますと十五年たてば消滅する、どれだけか働いたら最後は首だという形になっておるわけであります。
 私は、そのようなことで、既に現在お考えいただいておりますように、それはやはりおかしいのじゃないかと。最近、御承知のように整理回収銀行の方は大変に間口が広くなりました。我が社は住専問題に特化をいたしております。しかしながら、先ほどからも御質問いただいておりますように、その二つは全く似通ったような性質であり、しかもそれを指導監督していただくのは預金保険機構でございますので、私は二つはいずれ統合をしましてこのような不良債権の回収、わけても公的資金が出た場合の不良債権の回収を一本化してやることが必要ではなかろうか、このように考えておりますので、ぜひそのような方向で御審議をいただきたい、このように思います。
#174
○志苫裕君 今お伺いしようと思ったことをお答えいただいたんですが、似たような機能を持った機構がございます。これらを統合してより強化をしていくというふうな構想について大蔵省はどのように考えておりますか。
#175
○政府委員(山口公生君) 現在、中坊社長のもとで大変御苦労いただいて実績を上げていただいております。
 それから、一方、整理回収銀行の方も大分間口が本当に広くなり、例えば北拓の処理でも活躍をしていただかなきゃいけないということで現在時点におきましてはその役割をある意味では特化した形で追求していただくということでございますが、将来的には、今、中坊社長のおっしゃったようなことも念頭に置いて検討していきたいと、またその必要が出てくるのではないかなというふうに思っております。
#176
○志苫裕君 膨大な不良債権の存在が日本経済の足を引っ張っておる、不況の元凶だというのが大方の見方のようですし、経済論壇の主流です。
 そこで、この償却が急がれるわけですが、今お話しのように、一つ一つ丹念に楽しくない仕事を辛抱強くやっていく、日本全体では相当先の話になっちゃう、それまで不況を続けているわけにもいかぬわけでありますが、何かそこであなたのノウハウからいって一まとめにして償却してしまうような、忍術みたいな話ですが、何かそういうアイデアというものはないものでしょうか。お知恵を拝借できればありがたいと思います。
#177
○参考人(中坊公平君) 私は、全く私個人が考えておることでございまして別にオーソライズされた考え方ではありませんけれども、基本的に今の日本国の法体制の中では、いわゆる権利を行使するときには大変お金がかかる、逆に義務を免れるときは安い、このような傾向があろうかと思っています。
 御承知のように、最近登記簿の謄本の値上げが、八百円から千円に上がりました。これ以外にも、一遍財産を確保しようと思いますと保証金、それがやはり債権額の二割程度要ります。その上、やれば登録税がかかってきます。あるいは、裁判を起こせば印紙代その他、本当に費用からだけ考えてみましても、実は我が国の現在の状況というものは基本的に権利を行使するのには壁が高いのではないか、もっと根本的に総合的に権利行使は安いようにしなければ権利行使は妨げられ、結果的にやみの勢力がそれにかわるおそれがあろうかと、このように考えております。
 また、例えば具体的に申し上げますと、末野興産なら末野興産にいたしましても、大体二、三十社の別会社をそのような関係でつくっておりまして、そしてそこへ財産を移転するということが行われております。その場合も、向こうの方、隠す側にしてみると幾らでも会社は簡単につくれます。そして、登記さえ移せばそれで債権の行使が一応は免れられる、このような形になってくるわけでありまして、我々としてはその資本関係その他を見ればそれが一つのグループをなしておるというふうに把握できると思うのであります。ところが、我が国の今の法制のもとでは、破産法にいたしましても何にいたしましても、一つの企業をそれぞれ分割して考えるということになっております。
 アメリカではそういう場合にはいわゆる包括倒産法といいますか、そういうような法律もあるというふうに聞いておりまして、彼らの財産の隠し方、それを早く見つけてそれに対応するような法律をつくっていただくこともまた必要ではなかろうか、このように私個人は考えております。
#178
○志苫裕君 今お挙げになりましたその不動産屋さんの話をテレビていつか聞いておったんですが、なかなかふてぶてしいものでありまして、おれはバブルでもうけるつもりでいたところが政府の政策が悪くてバブルがなくなってしまったので責任はそっちだというようなことを言っていますが、ああいうのにかかったのじゃなかなか不良債権の償却も面倒ですけれども、いずれそういう対処できるような法案の検討は大蔵当局にもお願いしておきたいと思います。
 以下、この法案に関して大蔵と社長と両方にちょっとお伺いしますが、この法案の骨子であります債権を回収して国庫に納めるその納付金を二次ロスが出た場合の補助金と相殺するということは、お金の話だけでいけば差し引き同じことにはなってしまわないんでしょうか。ただ、中坊社長は回収に当たる職員の励みとかそういうサイドからメリットを挙げられましたけれども、しかし物は考えようで、公的なお金にこの論理が必ずしも通用するわけではない。国税庁の職員が余計に税金を取ったら少し使ってもいいというわけにもなかなかいかぬわけであります。
 それで、中坊社長に一つだけどうしても納得がいかぬのでお伺いしておきたいのは、「住専を忘れるな」という岩波ブックレット及び「金融法務事情」という書物によりますと、「苦労して資金を回収してきている。」、「これが国庫に納付されてしまって当社の資金としては使えず、当然のことながら、二次ロスとの相殺もできない。」、こういうくだりがありますが、「当社の資金としては使えず」とはどういう意味でございましょうか。
#179
○参考人(中坊公平君) 先ほど言いましたように、いわゆる損失処理されたところから回収したものはW分類として国庫納付をすべしということになっております。一方、我々は譲り受けた資産を買い入れしておるわけでありまして、それには当然のように利息がつくわけであります。その利息一つを考えてみましても当社にとってはマイナスであります。そのようなことも一つの理由であります。
#180
○志苫裕君 大蔵当局、その点どうですか。差し引き同じになりませんか。
#181
○政府委員(山口公生君) 同じでございますが、結局回収を極大化するというためでございます。
#182
○志苫裕君 わかりました。
 中坊社長、ありがとうございました。
 終わります。
#183
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。
 住専法が二次損失に公的資金を投入するスキームになっている中で、国民に二次負担をかけないようにということで中坊社長初め住管機構が懸命に回収を図っておられるということは私も承知しておりますし、先ほど来大変な御苦労があるということを伺ったところでございます。
 なかなか大変だという中ではありますけれども、先ほどもちょっと御質問があったと思うんですけれども、そういう努力をされる中でも二次ロスというのが必至だという話がありましたけれども、現段階で既に二次ロスというのが出ているのかどうかということと、それから今後の見通しということがありましたけれども、具体的には今年度末というところでどんなふうな見通しを持っていらっしゃるかについて伺いたいんですが、いかがでしょうか。
#184
○参考人(中坊公平君) おっしゃいますように、二次ロスは既に発生をいたしております。ということは、御存じのように、この法律は成立をいたしますと昨年の四月一日、すなわち本年度からこれが遡及して行われるということになっております。
 当社の方といたしましては、きょう現在、いわゆるW分類から回収したものと二次ロスというものを当社内部において一種の見切り発車をしておりまして、そういう意味におきましては、現在のところ、この法案がもし事業年度内に終わりますと、当社といたしましては二次ロスの公約二百五十億というものを考えておりまして、その意味におきますW分類として回収したもの百二十五億円をこれに充てたい、このように計算上いたしております。
 しかし、いずれにいたしましてもこれは目下の、まだ三月末になっておりませんので、さらに来月ぐらいには決算をして、もしこの法案が通ればそのように処理させていただきたい、このように考えております。
#185
○笠井亮君 二次ロスが、二次損失が出た場合に対応するためにということで住専法の九条で金融機関が一兆円の拠出をして金融安定化拠出基金がつくられた。これは預金保険機構の中につくられたということでありますけれども、そのうちの九千億円を運用してロスが出た場合に備えるということとされております。
 その九千億の運用というのがどうなっているかということなんですけれども、今期にロスが出た場合に運用益で賄うことができるのか、それとも元本に食い込むこともあるのか、その辺はいかがでしょうか。
#186
○政府委員(山口公生君) まだ数字が二次ロスにつきましても不明でございますので、そこは何とも申し上げられませんが、運用益の範囲内で手当てできればもちろんそれで結構ですけれども、法律を読みますと、運営委員会の議決を経まして金融安定化基金から助成金を交付できると第十条でなっておりますので、元本を取り崩して損失に充当することも否定はされておらないわけで、結局数字いかんによってということにはなろうかと思います。
#187
○笠井亮君 住専法では、元本を割った場合、預金保険機構の一般勘定から繰り入れるということに規定はなっていて、九千億円の元本は結局減らさないということになっていると思うんです。これは母体行などの貸付債権者であった金融機関の負担を結局その分減らすということになってしまうんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
#188
○政府委員(山口公生君) 法律をお読みいただきますとわかりますように、金融安定化拠出基金そのものから助成金が出るということになってございます。
 だから、今、拠出基金がございますね、そこから運用益があればもちろん運用益を優先して充てるでしょうけれども、もしそれが足りなければ元本に食い込むことも法律は否定しておりません。
#189
○笠井亮君 食い込むとその分が結局母体行などの負担を減らすことに最終的にならないかということなんです。
#190
○政府委員(山口公生君) この基金は母体行を初め各金融機関が拠出しておりますので、もし元本まで食い込むような事態になりますればそうした拠出している銀行等が負担をするということになるわけです。
#191
○笠井亮君 そういうことになるんですか。
#192
○政府委員(山口公生君) はい。
#193
○笠井亮君 わかりました。
 中坊社長に伺いたいと思うんですけれども、先ほど責任追及の問題がございましたが、住専法の審議のときに、住専各社が住管機構に対して貸付債権等を譲り渡した後は清算されて消滅してしまうということなので、それ以降も責任追及するためには貸付債権だけじゃなくて損害賠償請求権もすべて譲り受けなければならないということが確認されていると思うんですけれども、住専各社から貸付債権を譲り受ける際に住専経営者、母体行あるいは第三者に対するところの損害賠償請求権というのはどの程度譲り受けされたのか、それについてはいかがでしょうか。
#194
○参考人(中坊公平君) 正直申し上げまして、その金額は私たちとして目下発見中といいましょうか、確定はいたしておりません。しかし、おっしゃいますように、現行法のもとにおいては、相手方がわからなくても、あるいはその金額が決まっていなくても債権譲渡をしたものとみなすという規定になっておるようでございまして、そのような立場から我々は関与者責任がわかったところにはこれから請求していいと、このように考えて処理いたしておるところであります。
#195
○笠井亮君 先ほどから責任追及の話がありましたけれども、実際に住専経営者や母体行への経営責任の問題、特に損害賠償請求についてはどの程度行われたのか、それから今後の見通しといいますか、なかなかお答えが難しいところがあるかもしれませんが、実際にどの程度請求が行われているのか、今後の見通しはいかがかということについてはどうでしょうか。
#196
○参考人(中坊公平君) 損害賠償請求ということを損害賠償請求の裁判を起こしているという点に限定するならば、関与者責任ということで責任追及を既にいたしておりますのは旧ハウジングローンの河原氏ほか三名の背任行為に基づく個人に対する請求、これが金額で約三十六億円の損害賠償請求をいたしております。それ以外に、大体五、六件だと思いますけれども、具体的な執行妨害等を行った場合、その者に対しての損害賠償請求等を約十件ほど当社としては現在提起をいたしております。
 しかし、まさにいう大がかり的というか、先ほど言った百罰百戒での組織的にやるのは今着手して、先ほど御説明したような相手方の言い分を聞いている段階でございます。
 そういう意味では、まだ裁判の提起はされていないけれども、いずれにしても今請求しておるのはおっしゃるような損害賠償請求として出しておるわけであります。
#197
○笠井亮君 終わります。
#198
○星野朋市君 自由党の星野でございます。
 私は、一月二十九日に予算委員会で住専の問題を取り上げました。そのときの意図は、例の金融機関の三十兆円の支援に絡んで、何か新しい問題が起こるときはかなり議論が出て世の注目を浴びるんだけれども、実行された後は比較的皆さん関心が薄れてどうなっているのかということについて確かな情報を持っている方が少ないと、そういう観点から住専機構は今どうなって、どれだけお金を回収して、そのお金はどこに行ったんだろうという観点で予算委員会で主として山日銀行局長との間に質疑を交わしました。あれはちょうどテレビの中継がございましたときで、その後随分私のところへいろいろな形で反響がございました。
 きょうはその裏づけの意味で中坊社長にお聞きしたいんですけれども、私と銀行局長との間で交わした質疑では回収されたお金、それからつぎ込んだ六千八百五十億、五十億は預金保険機構ですから正確には六千八百億ですね、それから系統金融機関から寄附という形で出た五千三百億、そういうものはどこへ行ったんだということで、結局私の認識ではこれは系統金融機関へ戻ったと。それはなぜかというと、さっきから中坊社長がおっしゃっていたように、相当な借金がございます。それの利息負担が大きいからということで利息の高い系統へまずこのお金を返しているんだと、こういうことを私は聞いておるんですけれども、そのとおりなのか、それから利息の高いと言われる系統金融機関の利息はどのくらいなのか、それを教えていただきたいと思います。
#199
○参考人(中坊公平君) ただいまお話しいただきましたように、農林系の中でそれが二つに分かれておりまして、いわゆる短期プライムレートで借りるという高い方の金利を持っているものと、そうではない一般のほかの銀行も貸していただいているTIBORというものとの二つに分かれております。その中で問題なのは短期プライムレートで利息を支払わなければならない分であります。
 その当時、短期プライムレートによります借り受け金というのは、一・六二五%で金利を払わなければならない。ところが、現実に当社に余裕資金が出ましても、結局回し得る利息金は大体〇・八あるいは七といったようなところでありまして、ひどいときには一%の誤差があるわけであります。私といたしましては、このようなことにいたしますと会社を経営すれば経営するほど逆に逆ざやになってしまう、このようになるのではなかろうかと思ったわけであります。
 したがいまして、借りた債務の中で一番優先して返さなければならないのはこの高い金利で借りておるものを返さなければいけない、その総額が一兆三千二百十五億円というのに達しておりましたので、そのすべてを昨年の七月末をもって全部返済いたしました。借り受けた金と手持ちにあったお金を合わせまして、それをまず返したというのが現状であります。
#200
○星野朋市君 その過程の中で、要するに今まで回収をしたのは比較的回収のしやすいもの、それによって多少利益が出たかもしれない、これからはなかなかそれが難しかろうという、これは銀行局長の間じゃないんですが、私がそれを調べている間のことですけれども、そういうことを聞きましたところ、幸いなことに今までは末野興産の隠し財産をつかまえることができた、そういうことがあってこれは利益になったんだけれどもというコメントがあったわけですね。それが僥幸だったのかどうかわかりませんけれども、これからそういうことはなかなか難しくなるんじゃないかと思いますけれども、いかがでございますか。
#201
○参考人(中坊公平君) ただいまお話しいただきましたように、末野興産では約一千三百億に近い隠し資産が発見できました。しかしながら、その後、こうして一年半ほどたっておるわけですが、これに匹敵するようなものは実は見つかっておりません。したがって、そのように隠し資産がぼんぼんあっちこっちから出てくるということは期待できない、このように考えておりまして、その分だけいわゆる担保不動産といったものを先ほどからるる説明させていただいているようにグレードアップを図ったり、その価格を少しでも上げることによって債権回収を図る、あるいは、いわゆる売り情報というものをみだりに出すことは結局娘を傷つけると同じことでありまして、私は必要なのは買い情報でおると、したがって買い情報をどれだけか集めて売ることが我々として大切ではなかろうかと。
 このようなことで関係銀行から我が社へ出向している方が多いわけでありまして、そういう銀行あるいは信託銀行等の中でいわゆる買う情報と我々の希望する売りのものとを合わせる、そのような交渉をやっておりまして、債務者に任すのではなしに当社が積極的にこのような利用先を探すというようなこと、あるいは先ほど言いましたようないろんな傷をつけているものを排除していくというようなグレードアップその他をまぜましてこれから回収実績を上げていかなければならない、このように考えておりまして、それはそれなりに効果を上げておるものと考えております。
#202
○星野朋市君 最後でございますけれども、私はかねてからこのたびの金融不祥事、それから銀行の不良債権問題についてずっと追及をしてきたんですけれども、銀行の首脳部で不良債権をこれだけつくったということで責任をとった人はだれもいないんですね。不祥事で責任をとった人はおります。だけれども、不良債権をつくったがゆえに責任をとった人はだれもいない、このことを非常に残念に思っております。
 と同時に、住専のときに別の条項があって、母体行は七年間の間に一兆五千億の合理化をして五千億の要するに税金を納めますと、こういうことがうたってあるんですね。ところが、二年たってその銀行はどうだというと、不良債権の処理をどんどんして税金なんか今一銭も納めていないわけですよ。
 こういうことに関して、一生懸命自分のところで苦労しながらこれだけ債権を集めている人たちの上に立って中坊社長はどんな御感想をお持ちですか。
#203
○参考人(中坊公平君) 当社といたしましては、確かに他の金融機関と比較いたしますと、そういう人たちがつくった不良債権の回収という仕事に当たっております。しかし、私自身は、いかにその仕事が困難であっても自分たちが本当に国民に二次負担をかけないということで努力すればそれなりの成果は上がってくる、私はこのような実績を今おっしゃるような金融機関の経営者も見ていただきたい、やみの勢力とも対峙してやっていく、この先導役を我々が務めるのではなかろうか、我々が正しいことをすれば、人に物を百言って批判するよりも実行を見てください、このように考えて私たちは金融機関の皆様のそういう意味における反省をも待ちたい、このように考えておるところであります。
#204
○星野朋市君 終わります。
#205
○菅川健二君 散会予定が十八時十分ということでかなり経過いたしておりますのでお疲れのことと思いますので、一言だけ申し上げまして終わらせていただきたいと思います。
 中坊社長にお聞きいたしたいと思うわけでございますが、先ほど来いろいろお話がございますけれども、我が国はけじめをなくしたということが今日の社会の腐敗なり堕落なり教育の荒廃現象をもたらしているのではないかと考えておるわけでございます。そういう意味で、私は住専処理を通じてけじめのあり方について国民に教訓を与えていただけるように大いに期待いたしておるわけでございます。
 そこで、けじめのあり方につきまして御所見をお伺いしますとともに、今後の住専処理機構での社長さんの取り組みの御決意をお聞きいたしまして終わらせていただきたいと思います。
#206
○参考人(中坊公平君) 私といたしましては、預金者保護という「預金者」も旧住専の場合はないわけでありまして、当社といたしましては依然としてこのようなことになりましても旧住専七社について国民の新しい税負担をかけてはならない、このことを唯一の目的といたしまして、それをなし遂げるためには何ができるのかという発想の上に立ちましてあらゆる方法を駆使し、そしてまた預金保険機構の指導を受けながらそのようなことにならないよう不良債権の回収、既に九千億ほど回収し約二五%まで回収をいたしております、それの一〇〇%の回収を何とかして実現していきたい、しかも大体予定の半分ぐらいでやりたい、このように考えて今後とも頑張っていきたい、このように考えております。
#207
○委員長(石川弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#208
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、住専の債権債務処理促進に関する特別措置法の一部改正案に対する反対の討論を行います。
 今回の改正内容は、住宅金融債権管理機構が住専各社から譲り受けた債権回収の促進を図るためとして、回収益を二次損失への補助金と相殺するようにし、また譲り受け債権等の第三者たる不動産提供者に対する立入調査権を認める等の措置をとるものであり、その限りにおいては特段の問題はなく、理解できるものです。
 しかし、債権回収において二次損失が生じた場合、その二分の一を公的資金で賄うという住専処理スキームの基本を変えるものではなく、本法案はそれを追認するということになるため賛成できません。
 以上が反対の理由であります。
#209
○委員長(石川弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#210
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#211
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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