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#1
第142回国会 財政・金融委員会 第12号
平成十年四月二日(木曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     竹村 泰子君
     谷本  巍君     三重野栄子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         石川  弘君
    理 事
                岡  利定君
                河本 英典君
                楢崎 泰昌君
                久保  亘君
                益田 洋介君
    委 員
               大河原太一郎君
                片山虎之助君
                金田 勝年君
                野村 五男君
                林  芳正君
                松浦 孝治君
                伊藤 基隆君
                今泉  昭君
                竹村 泰子君
                牛嶋  正君
                志苫  裕君
                三重野栄子君
                笠井  亮君
                星野 朋市君
                菅川 健二君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  自見庄三郎君
   政府委員
       大蔵大臣官房長  武藤 敏郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       中井  省君
       大蔵省理財局長  伏屋 和彦君
       郵政大臣官房総
       務審議官     濱田 弘二君
       郵政省貯金局長  安岡 裕幸君
       郵政省簡易保険
       局長       金澤  薫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       自治省財政局公
       営企業第一課長  大野 慎一君
   参考人
       日本道路公団理
       事        黒川  弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
○郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託
 に関する法律案(内閣提出)
○郵便振替法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
○簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、谷本巍君及び峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君及び竹村泰子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(石川弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案、郵便振替法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本道路公団理事黒川弘君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(石川弘君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案、郵便振替法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 四案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岡利定君 自由民主党の岡利定でございます。
 大臣、午前中の交通・情報通信委員会に引き続き、御苦労さまでございます。
 まず、総括的な点について四、五点お尋ねしたいと思っております。
 きのう、四月一日ですが、改正外国為替法が施行されたということで各新聞は、日本版ビッグバン始動だとか改革の春スタートだとかいうようなことで、まさにいわゆるビッグバンの幕が切って落とされたということで大々的に取り上げられております。
 従来の政府の規制を前提とした金融システムから競争原理に基づく透明な市場メカニズムに移行するという、いわば大変革であります。それだけに、日本の金融機関の実態を見ると、本当にどれだけふるいに耐えられるのか、また勝ち残れるのかと心配する声も出ているほどでございます。
 この金融ビッグバーンの幕あけを郵政大臣はどのように受けとめられておりますか。また、ビッグバンとの関連において郵便貯金、簡易保険のあり方についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
#7
○国務大臣(自見庄三郎君) 同委員にお答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、金融ビッグバンのフロントランナーと言われました改正外為法が昨日施行されたということでございます。きょうの朝、私も新聞を見ましたら、秋葉原のパソコンショップでも一部商品がドル建てで販売というようなことが写真入りで載っておりました。また、ある家電の量販店でも外貨両替サービスを実施したというような、これもたしか一面だったと思いますが、記事を見させていただきました。
 金融ビッグバン、もう皆さん方は御専門でございますけれども、改革三原則、フリー、フェア、グローバル、いよいよこういった金融ビッグバンが動き出したという実感を私も持たせていただいたわけでございます。
 金融ビッグバンの本旨は、もう先生御専門でございますが、我が国の金融市場の活性化を目指して、民間金融機関等に対する規制緩和を進めるものと理解しており、利用者利便を向上させるものとして積極的に推進されるべきものだというふうに思っております。
 しかし、こうした中で影の面といたしまして、イギリス、アメリカなどで見られますように、規制緩和に伴い民間の金融機関が、当然でございますが、効率性を最優先にするという現象が起きておりまして、そういった中で金融サービスの地域間の格差だとか顧客間の格差が拡大する懸念もあるというふうにお聞きをいたしております。
 一方、郵便貯金、簡易保険は小口個人を念頭に置いて基礎的な金融・生活保障サービスを全国あまねく公平に、御存じのようにこれはユニバーサルサービスでございますので、約三千三百の市町村にすべて郵便局があるわけでございまして、二万四千六百のネットワークを持たせていただいているわけでございますが、そういった中で公平に提供するという役割を果たさせていただいているわけでございます。
 ビッグバンが進展する中でございますが、郵便貯金あるいは簡易保険はこうした役割を引き続き果たしつつ、国民の共有財産でございます今申し上げました郵便局ネットワークを広く開放して有効活用を図ることにより、全体として利用者利便が向上するようにさらに一層心を引き締めて事業運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
#8
○岡利定君 今、大臣のお答えにもありましたように、郵便貯金、簡易保険はまさに国民にとってのユニバーサルサービスであり、生活インフラ的なものだと位置づけられると思います。特に、地方の住民にとってはもう不可欠な存在であるわけであります。それだけに郵便局の仕事、貯金あるいは保険についての責任というのは大変大きいわけでございますので、郵政省、そしてその最高責任者である郵政大臣の御指導をよろしくお願い申し上げたい次第でございます。
 次に、一昨日、三月三十一日の当委員会で、資金運用の関係でございますけれども、郵便貯金、簡易保険の資金運用に関するいわゆるディスクロージャーが厚生省の厚生年金の場合よりおくれているんじゃないかという意見が出されましたが、これについて郵政省はどのようにお考えでしょうか。
#9
○政府委員(金澤薫君) お尋ねのございました郵貯、簡保の資金運用でございますけれども、これにつきましては、資金の運用状況、増加資産の配分状況、主要資産の平均残高及び運用利回り、利息及び配当金等収入明細、資産運用費用明細等につきまして最大限開示しているところでございます。民間生保や全国銀行と制度上比較可能な項目につきましてはすべて開示しております。例えば簡保の場合、独自に開示している十九項目を含めまして八十九項目をディスクロージャーにより開示しているところでございます。
 以上が本体の開示状況でございますけれども、続きまして簡保事業団におきましては、特殊法人の財務諸表等の作成及び公開の推進に関する法律という法律がございますが、この法律に基づきまして毎年度決算の状況を官報に公告するとともに、私ども「事業のあらまし」というディスクロージャー冊子をつくっておりますが、このディスクロージャー冊子によりまして財務諸表等を公表しているところでございます。
 簡保事業団の資金運用事業でございますけれども、これは郵貯、簡保本体と共通の目的を持ち、それぞれの事業経営の健全性を図るために行われているということでございまして、一体として資金運用を行っているというものでございます。したがいまして、会計処理につきましても金融自由化対策資金や簡保積立金と同一の原価法を採用しているところでございます。
 指定単の時価でございますけれども、指定単は信託銀行のみずからの見通しに基づく投資判断により運用を行います一つの金融商品、つまりパッケージ商品でございます。これは、売買するものではなく、長期保有を前提に信託契約を締結しているものでございます。時価の公表につきましては、時価を合理的に算定できる有価証券ということが原則になっているわけでございまして、売買できる商品というものを対象にして現在時価情報を開示いたしております。そういう考え方から見ますと、この指定単と申しますのは、売買するものではない、一つのパッケージ商品であるというふうに言えようかと思います。
 それから、信託銀行相互におきましても顧客資産を統一的な基準で評価することは現在行っておりません。したがいまして、それぞれの信託銀行が運用しております資産を合算することが非常に難しいという点がございます。
 また、指定単の資産内容は日々変動しているということもございまして、これについて公表しているということはございません。公表していないということでございます。
 金銭の信託の時価情報の公表でございますけれども、上場企業におきましては財務諸表等の規則というのが証取法に基づいてございますが、これに基づきまして開示対象としていないということでございます。
 また、生命保険会社は生保協会の自主基準の開示対象としておりませんので、生保協会もこれを開示していない、一般企業も生保会社もこれを開示していないということでございます。そのような一般的な開示の流れもございますので、私どもとしてはこの点については現時点では開示していないということでございます。
#10
○岡利定君 一口にディスクロージャーといいましても、今お話のあったように、性格とか運用主体、運用内容、さらに市場に対する影響等々いろいろと考慮しなければならない要素もあるということでありますが、そのような条件を十分踏まえながらも可能な限りディスクロージャーに努めるべきだと思いますので、郵政省としてもそのあり方について研究していただきたいと要望いたしておきます。
 次に、去る三月三十日に郵政省は簡易保険福祉事業団を通じて郵貯、簡保の資金九千七百二十億円の運用を信託会社に委託したことを明らかにしたという報道がありましたが、その概要についてお伺いいたします。
#11
○政府委員(金澤薫君) 先般、与党三党におきまして「総合経済対策の基本方針」というのが定められました。この中におきまして郵貯、簡保の自主運用における指定単の運用額の拡充等が合意されたわけでございます。これが経済対策閣僚会議で報告されまして、経済対策閣僚会議の中でこの案件について了承されたということでございます。
 郵政省といたしましては、これらの流れを受けまして、今回指定単の増額を行おうということで決断したわけでございます。この指定単の増額の施策は、より一層有効適切な資金運用を可能たらしめるというものでございまして、預金者及び加入者の利益の向上という簡保、郵貯の本来の資金運用の趣旨にのっとるものというふうに考えておるところでございます。
 今回の施策の具体的な効果でございますけれども、主として簡保の場合、今回投入しました金額は八千三百十一億ございますけれども、この資金は不用残を中心にして捻出したものでございます。不用とか繰り越しとか、そういう資金につきましては、これを運用するのは具体的には平成十一年の運用計画の中に明記しないと運用できないという状況になります。したがいまして、一年間寝かさなきゃいけないわけでございまして、今回の措置によりまして一年間、短期で転がさなくても運用が可能になったという点があるわけでございます。
 それから、債券市場を見ましても、国債の指標銘柄あたりを見ましても現在百三十円ぐらいいたしておりまして、運用利回りは一・五%というふうな非常に低利な状況でございます。したがいまして、債券に投資するということも非常に難しい状況にあるということがございまして、今回の株式への運用というのはそれなりの成果があるだろうというふうに私どもは考えている次第でございます。
 これらを受けまして、三月三十日に郵貯、簡保の指定単の運用額、先ほど簡保は八千三百十一億と申しましたが、郵貯は千四百一億でございまして、合わせて九千七百十二億、これを郵便貯金特別会計及び簡易生命保険特別会計から簡保事業団に資金交付を行ったところでございます。簡保事業団は、同日付で信託銀行と信託契約を締結いたしまして、金銭を信託したという報告を受けている次第でございます。
 御承知のように、指定単と申しますのは何を指定するかということでございますが、簡保事業団といたしまして指定いたしますのは運用対象、例えば株か債券が、それから運用割合、どの程度運用するかということを指定しているだけでございまして、具体的な株式の銘柄、数量、時期、こういうものについては一切指定はしないという商品でございます。したがいまして、信託銀行に資金を流した後は信託銀行がみずからの裁量により売買の決定を行うというものでございまして、郵政省が具体的な指示を出せる仕組みにはなっていないというものでございます。
 このように、郵貯、簡保では純粋に資金運用の観点から指定単を通じて株式に投資しているものでございまして、株価対策を目的として行っているものではないということでございます。
#12
○岡利定君 次に、貯金の関係でお伺いしたいんですが、大型の金融破綻をきっかけに金融システムに対する不安が高まる中で、いわゆる安全志向を強めた個人、企業がたんす預金や手元流動性の確保に走って郵便貯金や優良銀行への資金シフトに拍車がかかっているというようなことが言われております。
 きのう、四月一日に郵政省は平成九年度末の郵便貯金速報を発表したそうでありますが、それによると郵便貯金の純増額が前年度より倍増した、特に民間金融機関の経営破綻が相次いだ昨年十一月以降は前年同月を上回っている等々から郵貯への資金シフトについて報道されているわけでありますが、これらについての郵政省の分析を含めた見解をお伺いいたします。
#13
○政府委員(安岡裕幸君) 郵便貯金の平成九年度の純増額の推移でございますが、純増額というのは預入から払い戻しを引いた額ということでございますけれども、御指摘のとおり、昨年十月まではほぼ平成八年度並みで推移をしたということでございます。十一月以降は四兆二百五十三億円の純増ということで、平成八年度の三兆六千五十三億円を上回った状況になったということでございます。
 平成九年度の全体の結果でございますけれども、六兆六千三百十九億円ということでございまして、平成八年度の増加額三兆一千二百二十億円に比べまして約二倍ということになったことは事実でございます。また、平年ということで五年度から七年度の平均額でございますが、五兆三千五百六十億円と比較しますと、やや上回った状況だということでございます。
 そこで、九年度が八年度に比べて増加しているということでございますけれども、八年度の動きもちょっと特異な動きをしておりまして、実は八年度は消費税率が引き上げられたということで大変駆け込み需要が多いということで郵貯の払い出しも増加をしたということでございます。かてて加えまして預入も少ないということで平年に比べまして純増額が大幅に少ない状況であったということでございます。
 九年度の状況でございますけれども、今、逆に景気停滞だということで消費が大変低迷しているということで貯金の払い戻しの割合が例年に比べまして非常に少ないということがございますし、今の金融情勢とか低金利によりまして、郵貯の一種の安心のよりどころということから、ひとまず通常貯金とかの流動性預金に預入しておるという状況が見られたということで平成九年度が八年度よりも大幅にふえたという状況でございます。
 一方、民間銀行さんの個人預金の状況を見てみますと、実はまだ民間さんの方は去年の十二月末時点のものしかございませんけれども、その時点におきます残高の伸び率は六%ということです。それに比べまして郵貯も六・五%ということで、いずれも六%台の同じような伸びをしているということでございます。
 いずれにいたしましても、郵貯は預入限度額一千万の小口の少額貯蓄だということで、身近な国営の貯蓄機関ということで大変国民の皆さんの安心のよりどころということになっておりまして、今後ともその役割を果たしてまいりたいと、このように考えております。
#14
○岡利定君 それでは、四法のそれぞれについての御質問をいたします。
 まず初めに、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案についてでございますけれども、全国二万四千余りの郵便局を結んだ郵便貯金のオンライソネットというのは、まさに日本最大のネットワークであり、国民共有の財産と言うべきものだと思っております。
 このオンライン網を民間金融機関に開放して相互に利用しようというのがこの法律案でありますけれども、そのオンラインシステムの開放及び相互利用の意義についてどのようにお考えですか。
#15
○政府委員(安岡裕幸君) お答え申し上げます。
 先生、言われましたとおり、郵貯のオンラインシステムというのはまさに国民共有の生活インフラの機能を果たしていると思います。その郵貯オンラインシステムを民間金融機関に開放するということは、郵便貯金の利用者が民間金融機関のATMとかCDを利用できるということだけではなくて、民間金融機関の利用者が全国津々浦々にございます郵便局のATM等を利用できるということになるものでございまして、郵貯の預金者、銀行の預金者ともども国民利用者の利便性を飛躍的に向上させるもの、このようなところに意義があるというふうに考えております。
#16
○岡利定君 大変意義のあるものでありますが、今まで郵貯と民間の金融機関との提携が行われなかったのは、郵貯と提携すると資金の流出などが起こって民業圧迫になるんじゃないかというような危惧があったとか、あるいはまだ持っているところがあるというようなことも聞くわけでありますけれども、この点についての郵政省のお考え方はいかがですか。
#17
○政府委員(安岡裕幸君) 今回のATMの提携というのは、まさに国民共有の財産の郵貯ネットワークを民間と接続するということでございまして、国民の利便性を一層向上させるということにあるわけでございます。
 もう少し詳しく申し上げますと、民間と郵貯との一種の店舗網を相互に補完し合うということがあるんじゃないかと思います。それから、例えば災害時等で一方のシステムがダウンしたときはそれを補完し合うというような機能もございまして、私どもこの意義というのはあくまでも国民利用者の利便を向上させることにあるということでございまして、民間さんを圧迫するということはないというふうに考えております。
 現実に、民間金融機関さん同士で、例えば都銀のシステムと地銀さんのシステムを結び合わせるというときに若干そういう資金流出があるんじゃないかということを懸念する議論がありましたけれども、実際に接続し合うとその資金シフト等の問題は生じた事実がなくて、逆にお互いに店舗網を補完し合う、一種の相乗効果があったというふうに聞いておるところでございます。
#18
○岡利定君 民業圧迫になるのじゃなくてむしろ相乗効果が高まるということでありますが、そういうことで有意義に使われることが望ましいと思います。
 新聞報道なんかを見ておりますと、具体的にこの郵便貯金のオンラインシステムとの提携を希望しておるような企業も幾つか出てきておるというように報じられておりますが、状況はどのようになっておりますか。
#19
○政府委員(安岡裕幸君) ATM提携というのは、先ほど申し上げたように、国民利用者の利便を向上させるということで、私どもとしても広く金融機関に参画をしようじゃないですかということで呼びかけを図ってきたところでございます。本日、四月二日現在でございますけれども、都市銀行、信託銀行、第二地方銀行協会の加盟行、長期信用銀行、それから信用金庫、農協など合わせまして合計五十七社から相互開放の要望があるところでございます。
#20
○岡利定君 それでは、ちょっと細かいことになりますけれども、法案の第二条第一項の「事務の委託」というところでありますけれども、ここで金融機関に委託する事務としては当面具体的にどういうものを考えておられるのか、また第四条で「事務の受託」があるわけでありますけれども、これについてはどうか、お教えいただきたいと思います。
#21
○政府委員(安岡裕幸君) 法案の第二条第一項にございます「その他の金融業を営む者」ということでございますけれども、本法律案の二条は郵貯と提携を行う金融機関につきまして「銀行、信託会社、保険会社その他の金融業を営む者であって郵政省令で定めるもの」という規定ぶりになっておりまして、これを本法案の金融機関と称しているということでございます。
 御指摘の「その他の金融業を営む者」といった場合の範囲というのはこれでかなり広範なものになるわけでございますが、具体的な範囲は郵政省令で定めるということで、その省令で定める金融機関がATMとかCDによる金銭の受け入れとか払い出し業務の委託、受託のために提携をするわけでございますので、そういったところが金融機関の性格として決められるということで、この省令で定め得る金融機関の範囲はいわゆるATM提携に係る業務を前提に定めるということになります。
 具体的なこととしまして、銀行、信託会社、保険会社のほかに長期信用銀行、信用金庫、農協等を規定することを想定いたしておるということでございます。
 それから、金融機関に委託をする事務としましては、通常貯金の預入、払い戻し、それから預金者貸し付け、残高照会などの事務を想定しているということでございます。
 逆に金融機関から受託する事務といたしましては、預金等に係る金銭の受け入れとか払い出しのほか、これらについての残高等の照会を想定しているということでございます。
#22
○岡利定君 続きまして、第五条の「利用の制限及び業務の停止」でありますが、法文によりますと、天災その他やむを得ない事由がある場合において、重要な業務の遂行を確保するため必要があるときは利用の制限、業務の停止というものを行うんだというふうに書いておりますが、具体的なケースをお教えいただきたいと思います。
#23
○政府委員(安岡裕幸君) お答え申し上げます。
 大地震などの天災によりまして局舎の使用に支障が生ずるといった場合とか、大火などによりまして局舎の利用が不能になるという場合が非常のときに想定されるわけでございまして、そういった場合には金融機関から委託を受けました事務の遂行が困難になるということが考えられるわけでございます。
 このような場合に、郵便局におきます重要な業務の遂行を確保する、こういう観点から利用者が払い渡しを受けることができる金額を制限したり、取り扱う業務の一部を停止することができるように法的根拠を整備したということでございます。
 こういう規定につきましては、郵便貯金法あるいは為替、貯金関係の従前の業務を規律する法律にも設けられておるところでございます。
#24
○岡利定君 この利用の制限及び業務の停止というのは、金融機関の預金受け払い事務の利用制限というようなことでありますから、できるだけ公平な形で判断すべきだと思いますので、その点について要望いたしておきます。
 次に、郵便振替法の一部を改正する法律案でございますが、これは払出証書の証書限度額の引き上げとか特殊取り扱いサービスの改善など、郵便振替利用者の利便の増進に資する内容でありますので、大変結構なことだと思っております。
 そこで、払出証書の証書限度額、一枚百万円以下となっておりますが、これを千五百万円以下に引き上げたこと、それから支払通知書の金額を十万円以下から三十万円以下に引き上げた理由をお伺いいたします。
#25
○政府委員(安岡裕幸君) まず、払出証書の関係でございますけれども、この振替サービスの利用の態様といたしまして非常に一般的な態様は、生命保険会社とか損保会社さんが保険金等を送金するという場合によく御利用いただいているということでございます。それから、信託銀行さんだとか共済組合が年金の支払いをするといったときに利用されるというこちでございます。
 従前は払出証書の証書制限ということが百万円以下とされていたわけですけれども、さらに昭和六十二年に業務の遂行上支障がないという場合には五百万に引き上げることにしたということでございます。これは原則百万で例外的には五百万という建前だったわけですけれども、実はオンラインシステムが途中であったので、オンラインがやれたところはそういうことにしましょうということにしたわけですが、すべて今オンラインシステムになっているということでございます。そういうことでいいますと、実質的には現在は証書限度額は五百万円ということでございます。
 ところが、この払出証書の場合に、先ほど申し上げましたように、保険金額を支払うということになりまして、例えば千五百万円を送金する場合には、今五百万までと制限されていますので、実はその証書を三枚作成しないといけないという煩瑣な手間暇がかかっておりまして、その枚数が八十万枚を超えるというような状況になっているということでございます。
 一方、支払通知書というサービスでございますが、これは今十万円ということになっていますが、その利用の態様は株式の配当金、これを送金する場合によく御利用いただいているということでございます。ところが、その利用状況も送金金額が年々高くなってきていまして、今のままですとまた複数の支払通知書を切っていかないかぬという話になりますので、これを三十万に引き上げまして一枚で送金ができるようにしたい、こんなところが改正の趣旨でございます。
#26
○岡利定君 もう一点ですけれども、加入者が払出証書の交付を受けて、みずから受取人に送達することができるようにするというように改めるようでありますが、その理由は何でしょうか。
#27
○政府実員(安岡裕幸君) 現在の郵便振替の加入者が加入者以外の方に送金するというケースでございますけれども、現行の制度におきましては、郵政省におきまして払出証書を作成して、これを郵政省から直接受取人に送付する、こういうのが基本パターンの仕組みになっているということでございます。
 しかしながら、近年、こういう払い出しによる送金の利用者、よく利用していただいているのは生命保険会社とか信託銀行さんなんですけれども、みずから払出証書の交付を受けて、みずからその受取人に送付をしたい、こういう要望が出てまいりました。その要望の趣旨というのは、払出証書とあわせまして自社の商品のパンフレット等を同封して受取人に送付する、いろんなメッセージを送付したいという要望がございまして、それにこたえるために基本パターンとは違う払い出し方法をとれるように所要の改正を図ろう、こういう内容のものでございます。
#28
○岡利定君 それでは、最後でございますけれども、郵便貯金法の関係であります。
 事業の健全運営に資するために、保有国債等を信託銀行に信託して、これは貸し債というんですか、貸し債券の事務を行わせる有価証券信託を導入するということであります。
 これに関連してお伺いいたしますが、今回なぜこの有価証券信託を導入するのか、その理由をお伺いいたします。
#29
○政府委員(安岡裕幸君) 郵便貯金の自主運用は金融自由化対策資金を運用するという格好でなされておるわけでございますけれども、この国債を貸し付け運用するという制度は、平成二年から郵政省自身が国債、地方債等を金融機関に貸し付けて、貸し付けた利回りをいただくという仕組みでやっているということでございますが、その量がかなり増加してきたということに伴いまして貸付事務が煩瑣になっているということでございます。
 そこで、信託銀行に債券貸付事務を委託するということによりまして一層の効率化を図るとともに、貸し付けを行う債券の量をふやすことで運用収益の向上を図る、こういうふうにしたいという
 のが改正の趣旨でございます。
#30
○岡利定君 終わります。
#31
○楢崎泰昌君 引き続いてさせていただきたいと思います。
 最初に、私はこの四法案を拝見して、非常に細かいものまで法律案に入っているなという印象を強く受けるんです。
 例えば、郵便貯金法の一部を改正する法律案では、貯金証書に預金者があらかじめ提出する写真を複写する取り扱いその他特別の取り扱いを行い、そのときには手数料を徴収するものとするというのが一番最初に来るわけです。それから、先ほど岡先生が御質問になりましたけれども、金融自由化対策資金をもって取得した債券を信用業務を営む銀行または信用会社に信託できることとするとか、金融ビッグバンの取り扱いで政府は規制を緩和して金融機関に自由に物事ができるという方向に持っていく大改正をやっているわけです。そして、当委員会にまだ来ておりませんけれども、それに関連する法律案も来ているというようなことを考えますと、何かちょっとちまちまとした内容の法律案を出しておられるというぐあいに思うんです。
 ただしかし、郵便貯金、簡易生命保険は国の事業としておやりになっている。片方では国の絶大な信用をもって国が貯金あるいは保険を保証している。それからさらに、所要の施設等の税金を免除しているというような保護を加えているわけですから、その使命に照らしてその運用を非常に厳しく規定しているということはわかるんですけれども、それにしてもどうも細かいところまで法律の改正をしている。
 これは大臣、工夫をされて、金融自由化の方向に沿ってある程度自由に物事ができる、しかし、国会、国の規制のもとにあることは当然なんですけれども、どうも内容が細か過ぎるのじゃないかという印象をまず受けるんです。普通の金融機関でいえば業務方法書をちょっと直せばそれで済むものをここに法律として持ち出しているというような印象すら受けるわけですが、御印象はいかがでしょうか。
#32
○政府委員(安岡裕幸君) ただいま先生から御指摘がありますように、この法律に大変詳細なところまで規定をされているということで、もっといろいろ弾力化すべきではないかというお話だと思います。
 まず、先生もおっしゃっているように、為替・貯金事業は国が行う事業だということでございまして、やはり一定の法律の制約を受けて事業運営をしていくということで、そういう面でやむを得ない面があるというふうに考えているところでございます。一方で、先生御指摘のように、預金者のニーズにこたえまして適時適切に業務運営をしていくということで、これからますますビッグバンだとか自由化が進む中ではその辺を心がけていかないかぬということで、私どもとしても為替・貯金事業を所管する法律についてはできるだけ法定制を緩和していこうということで努力はしてきたつもりでございます。
 いろいろな観点で、例えば貯金法では昭和六十一年に郵便貯金の預払いの取り扱いについて必要な事項は省令において定めますというふうに改正しました。実は、昔は一つのことをやるについては必ず法定して書くということから、一種の包括的な省令委任事務を設けるとか、それから振替法でいいますと、従前は料金そのものを、これは財政法との関係もございまして具体的に金額が明示されていたということでございますけれども、それも一定の範囲で料金の法定を緩和するという格好にしてきたところでございます。
 今回についても、確かに細かいところまで規定している面もございます。例えば、郵便貯金で手数料を取る根拠を置くという観点で、先ほどの写真の複写という制度をつくりまして、その他の事項についてはやりますよというような条項を設けるなどいたしまして、できるだけ細かな規定、具体的なサービスの中身は省令に委任していこうということで努力はしてきたところでございますけれども、確かに先生御指摘のように、これからますます時代は変化するということで、国営事業としても国民の皆さんの要望にも機動的にこたえていかなきゃいかぬという意味合いで、法律の規定等につきましては一層弾力化を図るということで一生懸命努力していかなきゃいかぬ、こんなことで考えております。
#33
○楢崎泰昌君 細かい規定があるということは、すなわち細かい規定がなければ動かないということなので法律案に出してきているんでしょうけれども、従来は大蔵省その他との関係があって郵政事業の範囲を細かく制限するということが必要だという意識もあってこういうぐあいになっていると私は思うんですよ。
 ただ、先ほども申し上げたように、国民との権利関係は法律で相当厳しくやらなきゃいけないのかなと思いますけれども、資金運用面の話、そのような話は金融自由化と絡めて包括的な規定を置くとかしないと何ともならないのじゃないかと。
 例えば、外為の両替事業をやっておられますね。それの根拠は何ですか。
#34
○政府委員(安岡裕幸君) 今、郵便学窓口で外貨の両替業務を営んでいますけれども、これにつきましても外貨両替に関する、正式名称はちょっとあれしていますけれども、法律に基づいて実施をしているということでございます。
#35
○楢崎泰昌君 それはおとといまでの話なんですよ。ところが、きのうからは自由化されてだれでもできるということで、自由にできるんだからやるよ、こういう話ですよね。法律上の根拠はないじゃないですか。答弁してください。
#36
○政府委員(安岡裕幸君) 外為法との関係でございますけれども、郵便局で外貨両替を営むという場合には、従前は外為法との関係で大蔵大臣から承認をいただくという格好で丸々郵便局でやりますということでありましたけれども、今回の改正によりましてそこの点はなくなったということで、郵政大臣のみずからの判断で利用者のニーズにこたえるような格好で店舗そのものもふやしているということでございます。
#37
○楢崎泰昌君 私は、今、局長が言われたみずからの判断でというのは大変結構な話だと思うんです。法律上の根拠が、旧来のやつは両替商の認可を受けてやっていた、しかしもうそんなことはなくなってしまって、何でもできるんだ、だれでもやっていいんだということでやっておられるんじゃないかなというぐあいに思うんです。
 私は、そのように金融自由化の関係に応じて自由にいろいろなことができるような体制を、先ほど申し上げたように、国民との関係ではさまざまな制約はあると思いますが、国営であるという点からいって安全、確実にということもあると思いますが、そういうような発想を持ってやっていただきたいというぐあいに思うんですけれども、大臣の御感想はいかがでしょうか。
#38
○国務大臣(自見庄三郎君) 楢崎委員も今申されましたように、郵便事業は国の事業でございまして、安全、確実、有利ということが原則でございます。しかしながら、今申し上げましたように、ビッグバンの時代になってきたわけでございまして、今まで法定制の緩和に努めたということはるる局長が申し上げたわけでございますけれども、さらに、こういったビッグバンの時代でございますから、預金者のニーズへの迅速な対応あるいは事業の機動的運営が可能になるように制度の整備に一層努めてまいりたいというふうに思っております。
#39
○楢崎泰昌君 今、大臣がお答えになりましたように、なかなか難しい面があると思いますよ、細かいことをいっぱい書いてありますから。その枝葉をやるということになると、またつくらなきゃならないなというようなことになると思いますけれども、省内で、将来は郵政公社になるわけですね、そのときには相当の自由性というものを持ってやらないと何ともならぬことだというぐあいに思います。
 そういう意味では、私の申し上げたのが必ずしも正鵠を得ているとかそのとおりにせよとか、そういう意味ではないですけれども、そのようなことを金融自由化に即して、ビッグバンに即して御検討なさることは必要ではないかというぐあいに思っています。
 それから次に、通称ATM法、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案の中で、民間銀行と郵便貯金とがATM等を相互に使えるということではありますけれども、それは金融業という言葉を使っておられるわけですね。新聞等で拝見しますと、またお聞きしてみますと、信販業界がこれを利用しようとなさっておられるように思います、
 信販というのは実は本体は貸金業と割賦販売と両方の法律根拠を持っているように思いますけれども、信販は入るんですか。
#40
○政府委員(安岡裕幸君) 先生御指摘のように、信販会社の業務は割賦販売ということのほかに資金の貸し付けの業務という例が多いわけでございます。今回、銀行等の民間金融機関と信販会社とのATM提携において信販会社というのは、貸し付けに係る現金の払い出し等の業務の銀行への委託を行っているということでございまして、郵便貯金が信販会社から受託することになる業務もこれと同様なものになるということでございます。
 一方、割賦販売代金等にも今郵貯が使われているわけですけれども、現在、預貯金口座から代金を引き落とすといういわゆる自動引き落としというのが一般的に行われているところでございまして、この件については本件提携対象の業務としては入っていないということでございます。キャッシングの部門が今回の提携だということでございます。
#41
○楢崎泰昌君 非常にややこしいんですね。
 今、割賦販売で郵便貯金との間の振替というようなことを言われましたけれども、実は郵便貯金から振りかえるばかりではなくて、現金でもって割賦販売を納めるという場合だってあるわけですね。そのときにはATMは使えないんですか。
#42
○政府委員(安岡裕幸君) いろいろ割賦販売の場合に送金で利用される態様で一つございますのが、口座と口座で自動的に引き落とすというケースと、割賦販売の方が郵便振替の現金払い込みという格好で紙ベースでやるケースがございます。これにつきましては現金でもって決済をしていくということになります。民間、郵貯を問わず、それぞれ口座が頻繁になったりいたしますと自動的に引き落としするという形にだんだんなろうかと思いますけれども、現金でもって郵便局に払込用紙を出して○○割賦販売の通信販売の○○をいただきたいというケースもまだまだございますのでそういう態様でやっているということでございます。
#43
○楢崎泰昌君 そうすると、割賦販売の一部のものはATMは使えない、現金でやってもらうんですということになると、それは自動振替機か何かを使うことになるわけですね。
 自動振替機というのは普及しているんですか。
#44
○政府委員(安岡裕幸君) いろんな態様がございまして、口座と口座で自動的にやるケースはそういう自動的な決済ができるわけでございますけれども、今でも郵便局に行って現金でもって送金をしたいというケースもまだまだございますので、その道はニーズのある限りまた別の方法として活用していくということでございます。
#45
○楢崎泰昌君 やっぱり口座を持っていないとATMを使えないわけだから、現金で払おうというときにはATMを使えといったってそれは使いようがないんだと思いますが、そこら辺のところは非常に紛らわしくて、信販がATMに加入しているということになれば、何だ、ATMをどうして使わせないんだとかいろんな誤解が生ずることになると思いますので、そこら辺は取り扱いをきちんとやっていただきたいというぐあいに思います。
 それから、私は、三年ぐらい前でしょうか、決算委員会で郵政の資金運用について郵政省が直接運用しているものと、それから指定単のように、今はやりのアウトソーシングというんですか、そういう外部委託をしているものとの割合を質問いたしましたが、どうも郵政省がみずから資金の運用をやっているという分野が非常に多いように思います。
 そのときに外貨の運用について御質問申し上げたわけですが、外貨の運用は現在どこかの外部機関を使ってやっておられますか、それとも郵政省が御自分の判断でやっておられますか。
#46
○政府委員(金澤薫君) みずからの判断でやっております。
#47
○楢崎泰昌君 私は、その決算委員会で質問したときに、正確な数字はよく覚えていませんけれども、ちょうど日本円が高くなったとき、簡易生命保険で約八千億ぐらい、郵便貯金で約四千億ぐらい為替差損のできていたときなんです。幸いにして円が今少し安くなりましたからそんなに欠損は出ていないと思いますけれども、そういう運用は安全、確実ということと大分遣うんじゃないですか。
 要するに、金融機関ですから為替リスクがあってそれなりの運用をするのはやむを得ないとしても、それを郵政省自身がおやりになるということは、大変失礼な言いぶりですけれども、金融についての十分な知識を持っていない国家公務員が為替の先行きを予想して運用なさるというのはいかがかというぐあいに私は思いますが、その点はいかがでしょうか。
#48
○政府委員(金澤薫君) 外国債の運用に当たりましては、私どもは主として流動性の観点、それからリスクの観点等々を勘案いたしまして分散投資を行っております。現時点での為替差損でございますけれども、為替益となっておりまして、二千数百億の為替益が出ております。
 これらの分野に民間をどのような形で活用するかということでございますけれども、現在の法律の中では簡保資金につきましては郵政大臣がこれを管理、運用するということが原則になっております。外部にこれを任せるというのは、現在認められておりますのは指定単という制度しかございません。したがいまして、私どもとしていろいろ法改正等々をいたしまして外部の能力も活用できるような仕組みを考えて組みたいというふうに考えております。
 一つは、例えば投資顧問会社を活用したいと我々が思いましても、投資一任契約の運用は現在認められておりません。したがいまして、投資顧問会社を活用した特定金銭信託という制度が認められれば投資一任契約が認められるわけでございまして、そういうふうな新たな外部能力の活用という方策について今後とも先生のおっしゃるように考えていくべきものというふうに考えております。
#49
○楢崎泰昌君 考えているのは結構ですけれども、それなら法律をその前に直せばいいんですよ。考えておりますというのも結構だけれども、また現在の法律でできないというのも結構だけれども、考え方として、郵政省側の役人が御自分の判断でリスクの大きい為替を、売買をやっているわけじゃないですけれども、リスクの大きい為替をみずからの手で扱っているということ自体に非常に問題があるように感じます。
 実はこのほかに郵政省が外部委託をしているものは、さっき岡先生の御質問された指定単と、それからもう一つは国債の運用、それを信託なさると。この二つしかやっておられないわけですよね。あと、運用としては地方公共団体に対する起債であるとか、これはなかなか現在においては外部に委託しろというのは無理かもしれませんけれども、そのほかに社債の購入、金融債の購入、国債の購入、それぞれいろんなことをやっておられるわけです。
 そういうことを郵政省の本体が、ということは郵政省の役人がそれをみずから運用するということについては疑問を感じませんか。いかがですか。
#50
○政府委員(金澤薫君) 簡保資金の運用実績でございますけれども、平成八年度末で四・一四程度で回っております。同時期における民間の運用実績は二・九幾つでございまして、簡保の運用は民間に比しても劣らない運用をやっているのではないかというふうに思っております。
 しかしながら、先ほど失礼申し上げましたが、指定単以外に昨年から有価証券信託というのが簡保について認められておりますが、いずれにいたしましても、私どもできるだけ運用方法を多様化いたしますために民間能力を活用したいということについては先生と同じ考え方でございます。したがいまして、それができるような方向でさまざまな予算要求その他をやっておるわけでございますけれども、なかなか難しいという状況もございます。
 今後とも、先生の御趣旨をも踏まえて、外部能力の活用という方向でさまざまな予算要求をしてまいりたいというふうに思っております。
#51
○楢崎泰昌君 四・一%だとか余計なことを言う必要はないんですよ。それはたまたまそういうぐあいになっているだけの話で、私が言っているのは責任体制をどうするかという話をしているんです。余計なことを答えてもらっちゃ困る。
 それから、現在の法律の体系ではそうなっているんですけれども、実は私は、今どうしているのか、今うまくいっているのかねということを問うているわけではないんです。そうではなくて、資金運用の体系としてどういうぐあいに物を考えていくかということを議論したいというぐあいに考えているんです。
 というのは、資金運用部の預託が廃止されるということが中央省庁等改革基本法案、まだ審議されていませんのであれですけれども、政府の方針としては打ち出されています。そのときには資金運用部に対する預託を廃止し、郵政事業の資金を「当該資金の全額を自主運用とすることについて必要な措置を講ずる」と書いてあるわけです。そして、郵政公社に移管するのは法案にはその年限が書いてありませんけれども、自民党の案ですけれども、二〇〇一年ぐらいには移行したらどうかということが議論されているわけです。私は、その間にそれに備えてどういうぐあいに郵便貯金事業あるいは簡保事業の資金運用の絵をかいていくのか、これは大いに議論をしていかなきゃならぬことであるというぐあいに思っているんです。
 さらに言えば、いろんな議論がございます。内部に大金融機関としての人材を育成して、その人たちが運用をすべきであると。えっ、公務員に大金融機関に匹敵するような金融専門家を置くのというような議論もあります。全部外部に移管すればいいじゃないかと、あるいは全部は外部に委託できないかもしれませんが。例えば、地方債とかあるいは財投機関債なんという議論もありますけれども、そのようなときに、時には判断のいかんにかかわらず出さなきゃならぬなというところに追い込まれるのかもしれません。
 しかしながら、そういうもの以外に、何しろ郵便貯金は二百四十兆円ですよ。全金融機関の四割の資金量を占めているんです。簡保事業は百兆円の資金を持っています。全保険会社の四割の資金量を持っているんです。それだけの資金量を持ってやるわけですから、その運用方針というのは非常に大変なことだと思うんですね。ただ単純に郵政省で議論なさってこれでいいじゃないのという程度の話とはちょっと違うなというぐあいに思います。私はこれを表現して、小さな池で鯨が泳いでいるようなものだと。ちょっと暴れると水がばしゃばしゃと外へはみ出しちゃう。悠々と泳いでいてもらいたいわけです。
 そういう意味からいうと、資金運用の方途というのは非常に重要なモメントであって、郵政省において外部委託をどういうぐあいにするのか、要するに金融の専門家として金融のみを勉強してきた連中、そういう連中にどういうぐあいに対応していくのか。先ほど局長がおっしゃった投資会社、そういうのを活用なさるのもいいでしょう。しかし、そういうことについての検討を今から十分やって議論していかなければ間に合わないよということを申し上げたい。
 私は、外部委託できるものがあれば、できる限りそれに即応しておやりになるのがいいというぐあいに思いますけれども、これについての大臣の御所見を承って質問を終わりたいと思います。
#52
○国務大臣(自見庄三郎君) 楢崎委員から自主運用ということについて大変見識のある御意見を伺ったわけでございます。
 郵政省は簡保資金、郵貯資金とあるわけでございますが、先生御存じのように、簡保資金は大正八年創業以来、原則として戦時中に一元的に資金を管理するということで離れたことがございますが、戦後も昭和二十八年から自主運用をやらせていただいております。今、お話がございましたように、百兆円のお金を自主運用させていただいております。
 一方、郵貯資金は、御存じのように、昭和六十二年の金融自由化対策資金といたしまして自主運用額が認められまして、資金運用部に一遍預けて預託金利で預かっていくというシステムになっておりまして、この年度末には四十六兆円になると思いますが、簡保資金、郵貯資金、合わせて現在百五十兆円の国民からお預かりをいたしました大変貴重な資金を運用させていただいておるわけでございます。
 そういった中で、先般、自主運用の預金預託義務の廃止ということでございまして、将来自主運用になるわけでございます。責任の重たさを痛感いたしておりますが、やはり自主運用の基本としては、御存じのように、これはいろいろとシステムが変わりましても、今、先生のお話にもございました地方債の問題あるいは公的資金の供給ということに関しては当然社会のニーズがあるわけでございますから、そういったことを中心にやっていきたいというふうに思っております。また、これはやはり安全、確実、有利という法律上のきちっとした縛りがあるわけでございまして、そういった中で基本的にローリスク・ローリターン、国家にとってお金の必要なところがあるわけでございますから、そういった中で、長期債と申しますか国債あるいは債券を中心とした運用をしていくべきではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 また、先生の今御指摘の指定単運用でございますが、これは今の法律では指定単契約をしたのが、百五十兆円を自主運用させていただいていると申し上げましたけれども、大体今二十兆円ですね。全体の中の大体一三%を実は指定単運用させていただいております。
 これはもう先生も御専門でございますからよく御存じのように、債券の値の動きと株式の値の動きは違いますね。どちらかというと、株が高くなれば債券が低くなる、株が低くなれば債券が高くなる、こういう関係にもあるわけでございますが、国民からお預かりした貴重な資金でございますから、やはりこの預かった資産をできるだけ有利、確実に運用せねばなりません。そういった意味で、いろいろな資産運用の長所、短所があるわけでございますから、そういったことを非常にうまく組み合わせていくといいますか、ポートフォリオと言うそうでございますが、そういったこともきちっとやっていきたいというふうに思っております。
 また、今さっきのお話でございますが、できるだけ委託したらどうかというお話がございました。
 指定単を一例にとりますと、実はこれはもう直接郵政省本体では扱えないようになっておりまして、簡易保険事業団を通じて指定単運用をするということになっております。これはいろいろな経緯があったようでございますが、郵政省としては信託銀行と直接指定単契約を結べるようにしていただきたいということを実は昭和六十二年の制度創設以来お願いをしておったわけでございますが、率直に言えば財政当局との折り合いがつかず、これはずっと今日までこの問題が尾を引いているというふうに私どもは勉強をさせていただいてそういったことがわかったわけでございます。
 やはり、今、先生が申されましたように、ビッグバンの時代でもございますし、一方、国の事業でございますから安全、確実、そういったことも大変大事なことでございますから、そういったことを勘案しつつ適時適切に、自主運用の責任の重たさを大変感じますが、やっていきたいというふうに思っております。
#53
○楢崎泰昌君 質問を終わります。
#54
○伊藤基隆君 現在、我が国の金融は急速なグローバル化の流れの中にあるというふうに思うわけでございます。グローバル化はすなわち自由化とネットワーク化であります。
 まず、ネットワーク化の問題について、その視点からお伺いしたいわけでございます。
 情報通信技術の発達によって海外では金融分野で情報通信の活用が急速に進んでいるというふうに思われます。電子マネーやネットワークを通じた取引さえ行われつつあるという状況でございます。ところが、我が国は海外に比べて随分とこの分野での立ちおくれがあるのではないかというふうに思います。
 今般、郵便貯金のCDやATMと民間金融機関のCDやATMを接続できるようにする法案がようやく出てまいりました。この施策は、利用者の利便ということを考えれば、大変その利便を向上させる上でだれしもが非常にいいシステム、制度というふうに、わかりやすいものだと思うわけでありますが、改めて考えてみれば、この郵便局のCDやATMを民間金融機関のCDやATMと接続してお互いに利用できるようにするという話がこれまでなかなか進展を見なかったというのは、私に言わせれば大変おかしな話ではなかったかというふうに思います。
 郵政省は、郵便貯金と銀行等々のATM等の接続を平成六年の予算要求以来求めてきたようですが、どうしてこんなに今日までの年月を要したのか、これまでの経過について述べていただきたいというふうに思います。
#55
○政府委員(安岡裕幸君) お答え申し上げます。
 郵政省といたしましては、国民共有の財産とも言うべき郵便貯金オンラインシステムネットワークを効率的に活用しまして国民利用者の利便の向上を図る、こういう観点で平成六年度の予算要求以来、民間とのATM提携に係る調査研究の要求をずっと続けてきたところでございます。残念ながら民間金融機関の賛同を得ることができませず、これまで民間とのATM提携が実現しなかったところでございます。
 しかしながら、ようやくにしまして、平成九年度の予算でございますけれども、信販会社等とのデータ送受信実験が認められまして、平成十年度の予算案におきまして民間とのATM提携の実施のための予算が計上されたところでございます。今そのための法律案を御審議いただいているところでございますけれども、御採決いただけましたならば、できるだけ準備を早目に行いまして早期に実施を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
#56
○伊藤基隆君 おくれた原因はいろいろあるんでしょうが、今の答弁の中ではその原因について郵政省がこのように考えているという見解が出されておりません、言いにくいのかもしれませんけれども。
 私は考えるに、そのおくれてきた原因は、なかなか民間金融機関の賛同が得られなかったという言葉にあるように、民間金融機関の時代おくれの感覚にあったんだというふうに私は思っています。郵便局と銀行等のCD、ATMを相互に結べば利用者にとって便利になることは疑いがない、そういうことなのにもかかわらず横並びで接続しない対応を続けてきた。これはATM接続問題を利用者の利便の問題というふうにとらえるのではなくて、郵便貯金と銀行とのかかわりでしか考えなかったのではないだろうかというふうに思います。
 郵便貯金が国営であるのはけしからぬという主張がこの間ずっと続いてきたわけであります。それが民営化しなければ接続しないというような次元の発想となったんだとしたら、国民の利便、金融自由化とかグローバル化とか言われる中で大変おくれた対応ではなかったかというふうに私は思うわけです。
 今回、ようやく民間金融機関でも郵便貯金のATM等の接続に名乗りを上げてきたということは極めて喜ばしいことだというふうに思いますが、現在郵便貯金のATMとの接続を要望している金融機関はどのような状況にあるのか、そのことについての説明をいただきたいと思います。
#57
○政府委員(安岡裕幸君) ATM提携は国民利用者の利便性を一層向上させるためのものでございまして、広く金融機関に参画を呼びかけできたところでございます。本日、つまり四月二日現在でございますが、都市銀行、信託銀行、第二地方銀行協会加盟行、長期信用銀行、信用金庫、農協など合計五十七社から相互開放の要望があるところでございます。
#58
○伊藤基隆君 大銀行と言われるところはどうなのかというところでございますが、今言われたように多くの機関が名乗りを上げてきていることは大変いいことだというふうに思います。
 しかし、まだまだ部分的な対応と言わざるを得ないだろうというふうに思うわけです。公的なインフラネットワークというものが全国の郵便局ネットワークであるわけでして、民間企業、民間金融機関がその公的インフラを活用し、その上でみずからの活力、国際的な場面での力というものを高めていくということが理想的な姿ではないだろうかというふうに思います。
 ただ、シティバンクと郵便貯金との提携ということが出たときに、このことがなかなか認められないという中でシティバンクが全国のコンビニエンスストアとのネットワークを結ぶというような話がありました。これは五万店舗との提携という、このアメリカ資本の非常に柔軟性のある対応ということはまさに脅威ではなかったかというふうに私は思っております。
 しかし、何よりも今回の措置は利用者が便利になることでありますし、我が国としてもより効率的なネットワークをつくり上げる、社会的なネットワークができてくるということになりますので、民間金融機関など全体がお互いに接続されるような関係者の一層の努力を求めますし、郵政省の努力を求めるところでございます。
 さて、自由化の問題でございますが、日本の金融自由化は国際金融ビジネスに対応する形で、国際金融、企業金融、そして大口が先行する形で進んできました。結果、取り残されたのは国内、個人、そして小口であります。
 そのような我が国の金融自由化のプロセスの中で、私はそこはかかわる者として十分承知しているのでありますが、郵便貯金は独自の役割を果たしてきたのではないかというふうに思います。一九七〇年代の後半、まだ多くの金融機関が金利自由化に及び腰であった時代に、世の中では意外というふうに思われたようでありますけれども、郵便貯金は積極的な姿勢を示していたというふうに記憶しております。その基本的な主張陣後回しにされがちな個人、小口分野の金融自由化に積極的に対応して、その成果を個人、小口の預金者に還元すべきであるというものだったというふうに思います。過去を振り返れば、郵政省の主張が実現したものもあれば、主張のとおりには実現しなかったこともあると思います。
 そこで、我が国におけるこれまでの金融自由化に対して、郵便貯金としてどのような考えでどのような対応をしてきたのか、お伺いしたいというふうに思います。
#59
○政府委員(安岡裕幸君) 郵便貯金は個人、小口の貯金をあまねく公平にサービスを提供しまして預金者の利便を向上する、これが私どもの使命でございまして、金融自由化に対しましてもそのことが個人預金者の利便を増進するという立場で積極的に取り組んできたところでございます。
 自由化によりまして金融機関の間の競争が活発化すると新たな商品開発や利用者本位のサービス競争が行われることになりまして、預金者が、金利はもちろんのことでございますけれども、商品、サービス面も含めまして自由化のメリットを享受できる、こう考えまして金融自由化に対しまして一貫して積極的に御指摘のとおり取り組んできたところでございます。
 具体的に申し上げさせていただきますと、まず金利の自由化でございますけれども、民間金融機関と歩調を合わせまして、平成元年の六月でございますけれども、小口MMCの導入ということを皮切りにしまして金利自由化を推進しまして、平成六年十月の通常郵便貯金の金利自由化でこの自由化は完了したというところでございます。
 それから、郵便貯金の商品面の改善でございますが、平成元年に、小口MMCの導入にあわせまして、従前、郵便貯金の定期は預入期間が六カ月と一年のものしかございませんでしたが、それに三カ月、それから二年、三年物を追加したということでございます。さらに、平成四年でございますが、通常貯蓄貯金を創設する、それから、平成六年でございますけれども、預入期間四年物の定期を創設するということをやったわけでございます。
 それから、これは商品面というか入り口面でございますけれども、資金の運用面に関しましても、昭和六十二年から資金運用部への預託利率につきまして市場金利に連動をするということで決定いたしておりまして、事業の健全経営を図るということをやっています。それから、同じく六十二年でございますけれども、郵貯の自主運用でございます金融自由化対策資金の創設を行いまして金融自由化にいろいろと適切に対応したというのが経過でございます。
#60
○伊藤基隆君 大蔵省においでになっていただいていると思いますが、大蔵省にお伺いいたします。
 今でこそビッグバンのかけ声のもとに自由化の進展に消極的な態度をとる金融機関は見当たらないわけでございます。しかし、長らく自由化に消極的であったと言われるもののツケは大きいわけでして、自由化よりは規制のもとでの横並びを重んじたために利用者によりよいサービスを提供しようという競争がおろそかになってしまって、結果として競争が進んでいる海外の金融機関に比べて新商品開発やリスク管理面の技術が格段に劣ってしまったのではないか一というふうに思います。
 今日の我が国の銀行は、新商品のための技術革新ができていない、バブルやその後始末に時間とエネルギーを費やしている間に海外の金融機関との差がますます開いていると言わなければなりません。アメリカではミューチュアルファンドは個人の運用資産としての中心的な存在となっておりますけれども、日本の投資信託はいまだに傍流の位置づけしかされていないのではないだろうかというふうに思います。新聞紙面で商品のPRなどにぎやかなのはシティバンクの外貨預金など外資系の商品であって、日本に育った者として寂しい感じがするわけでございます。
 大蔵省にお伺いするわけですが、我が国の民間金融機関の金融技術革新の現状の水準についてどのように認識しているか、また海外におくれをとった原因は何だと考えているか、この点について見解をお伺いしたいというふうに思います。
#61
○政府委員(中井省君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、現状を見ますと、確かに日本の金融機関は海外の、特に欧米先進国におきます金融商品の開発等に正直に申し上げておくれをとっていると言わざるを得ない状態でございます。これは、原因をさかのぼってみますといろんな複合的な要因があろうかと思いますが、例えば、今、安岡局長がお話をされましたけれども、金利の自由化に関して申し上げますならば、当然金融機関側におきまして競争に対する恐怖、あるいは自己の経営に対する影響への懸念というのも強くございました。
 それからもう一点忘れてはならないのは、日本においては郵便貯金という国営の金融機関がかなり大きなシェアを占めておられる。そこで金利を自由化いたしますと、まさに国営の金融機関である郵貯がブライスリーダーになって、自由主義経済で各金融機関が自己の判断で金利をつけていくという金利自由化後の世界にもかかわらず、国営の金融機関がプライスリーダーになって競争に負けてしまうのではないか、そういう大変な恐怖があったわけでございます。
 これにつきましては、我々は郵政省さんの協力もいただきまして、先ほど安岡局長が御説明されておられましたけれども、郵便貯金と民間の金融機関が同じ商品を持ちましょうと。したがいまして、定期預金等についても預入期間が郵便貯金については限られていたわけですけれども、基本的には民間が持っているような期間についても郵便貯金はオーケーにしましょう、そのかわり金利については民間がつけた市場金利連動にいたしましょうということで自由化に対する解決を図ってきた次第でございます。そういう努力はしてまいりました。
 それから次に、金融商品の多角化に対するおくれでございますが、我が国の金融制度と申しますのは、戦後、専門金融機関制度というのをとってきておりまして、御案内のとおり、銀証分離というのがございます。証券会社と銀行が分離されている、それから銀行の中でも普通銀行と長期信用銀行、信託銀行ということで細分化されておる、それぞれの機関がそれぞれの商品を持って資金仲介をしていたと。証券会社は当然のことながら証券商品でありますし、銀行は預金、定期預金、普通預金でございます。長信銀は金融債、これは長期の資金でございますし、それから信託銀行については貸付信託、これは一種の変動金利商品でございます。こういう体制になっていたものでございますから、どうしても新商品というのはそういう伝統的な商品のはざまの商品が出てくる場合が多い。このはざまの商品を導入するに当たりまして、大変残念ながらそういう専門化された既得の金融機関の間での争いというものが生じる。それの調整に我々の力が非常に不足いたしまして、大変時間がかかってしまう。
 御案内のとおり、八〇年代の後半から我々は金融制度改革を進めまして、そういう専門化された業界が相互参入を行うということによりまして、こういう後ろ向きのいわゆる水争い的なことはなくしていこうということで努力をしてまいったわけでございますが、なかなか我々の力も及ばず非常に遅いペースになってしまったという点が一点あろうかと思います。
 それから次に、日本の一般的な法規制そのものが新しい金融商品に沿ったものになっていないという問題がございます。
 例えば、ある種のデリバティブの商品と申しますものは、刑法で言います賭博罪に当たるというようなことになりますと、それに対して特別立法等を必要といたしまして、解除規定を考えていかなきゃいけない。したがって、賭博罪を外すわけでありますから、投資家保護の規定をどうするか、こういうような議論が延々と行われまして、これとまさに業界の間の争いが非常に錯綜いたしまして大変時間がかかってしまったということでございます。これは我々の行政も含めまして大変反省すべき点であっただろうと思っております。
 これにつきましては、先ほど先生からも御指摘がございましたけれども、現在の状況におきましてはもう日本の金融機関はそういうことは言っておれないということになっておりまして、おかげさまをもちまして、例えば昨年の秋の臨時国会で御承認いただきました金融持ち株会社法、これで相互参入を一層進めまして、現在国会に提出させていただいております金融システム改革法案におきましても銀行の直接子会社、それから証券、保険の直接子会社の業務範囲の拡大というようなことで相互参入をやっていく、それから証券取引法の大きな改正も入れまして、いろいろ証券化商品について市場に出していくというような法律改正を提案させていただいているところでございます。
 そういうような措置をとりまして、少なくとも我々は、いわゆる一般の金融機関が金融商品の開発を憂いなく、法的な規制に対する心配なくできるような土壌づくりを既に始めておりますし、これからも積極的に推進していきたいと考えている次第でございます。
#62
○伊藤基隆君 ただいま郵政省、大蔵省の答弁を聞きまして、質問予告していないのでありますが、関連して少しお伺いしたいと思います。
 本日の新聞に、「郵貯残高二百四十兆円に迫る」、昨年に比べて二・一倍の純増であると。新聞紙上で、「金融機関の経営破たんが相次いだ昨年十一月以降は前年同月を上回っている。」、民間金融機関の破綻が相次いで、それに対する不安感から郵便貯金に資金が集まっていると。民間金融機関が、「民間から郵貯に預け替える動きが加速している」とシフトに対する懸念が表明されております。
 私は、郵貯の主力商品について大蔵・郵政合意がありますからもう何年も前から主力商品の金利が民間より低く抑えられている、にもかかわらずこういうことが起こってくる、金利が低い方に集まってくる、それは安全であるからということだけで来るような状況が起こっている、これは国民またはお客さんを大変過酷な条件に置いておるんじゃないかというふうに思います。
 先ほどミューチュアルファンドのことについて申しました。先刻御存じのことと思いますが、アメリカにおいては従来は余裕資金は銀行に預けておくのが一般的だった。ところが、一九九二年から九三年の二年間、実質のフェデラルファンドレート、日本の公定歩合が平均〇二一八%になって、銀行に預けていても実質金利がゼロであるというような状況になったと。このことを直接の原因として、一般勤労世帯が銀行預金を解約して株式ミューチュアルファンドを大量に買い始めたという状況であります。日本にはそういう選択肢がございません。逃げ場としての郵便貯金ということなんだと思います。これは金融行政というか民間金融機関の金融サービスという面から大変なサボタージュが行われてきたのじゃないかというふうに思います。
 ミューチュアルファンドの概略について少し調べましたが、米国の監督官庁との関係は厳しい監視と報告義務がある、運用成績は公開され格付される、運用方法は明確で一般投資家に理解しやすい、粉飾決算は極めて困難、運用経費は一%、成功報酬なし、そういう非常に厳しいアメリカ政府の規制の中でそういったものが行われているというふうに思います。
 今、日本において超低金利が続いていて、それにかわるものを求めようがない。今度は外貨でできるようであります。しかし、その外貨であることに対するリスクの面については、完全な情報を得たり分析したりする能力は一般的にはないわけでありますから大変難しい。
 先般、テレビに出ました城南信用金庫の理事長は、これからビッグバンの時代で城南信用金庫としてはローリスク・ローリターンに徹していくと他の意見を持つ人とかなり厳しい議論をやったようであります。城南信用金庫の社員がぼろの自転車に乗って家庭訪問しているのを東京にお住みの方はごらんになっていると思いますけれども、城南信用金庫は郵便貯金と競り合おうとしているわけであります。
 だから、ローリスク・ローリターン部分も必要かと思いますが、一般の勤労世帯がきちんとした政府の規制、保護というか監視のもとにあるそういう新しい商品展開などということを望んでいるわけでして、郵貯残高が急速にふえたということはそういういわばサービスを提供する側のサボりなんだということを私は思うわけです。
 これについて、大蔵省と郵政省の当事者の感想をお伺いしたいというふうに思います。
#63
○政府委員(中井省君) ただいま御指摘のありました民間の金融機関、いわゆる金融不安によりまして郵便貯金の方にかなり預金が移っているというのは、どうもそういう現象は事実のようでございまして、我々にとっては非常に残念なことでございます。
 御案内のとおり、政府は二〇〇一年三月まで預金については全額保護しますということを申し上げ、なおかつこれまでの金融機関の破綻におきましてもすべて実績として預金者のお金については保護してまいりました。ただ、残念ながらいろんな不祥事等もございまして、大蔵省に対する信用自体も非常に失墜しているというような事情があるのかもしれません。非常に残念なことでありますが、やはりトラブルを嫌うという預金者の行動として、フライト・ツー・クオリティーといいますか、質への逃避、安全なところへお金を預けるという現象が出てきているんだと思います。
 これにつきましては、一つは我々が民間の金融システムをより強固にするような努力をますます続けていかなきゃならないと同時に、何といいましても基本的には民間の金融機関がいわゆる不良債権の早期処理を行って再び国民の皆様に信頼できる金融機関となるように努力をしていただくほかないと考えている次第でございます。
 あと、今ちょっと投資信託の件がございました。私は担当ではございませんが、今回の金融システム改革法案におきましても、例えば会社型投信の導入でございますとか、それからいわゆるラップアカウント、これまでともすれば証券会社の経営が手数料稼ぎで投資家の信頼を失ってきたというような経緯も踏まえまして、投資家の資産の規模がふえればそれと同様に証券会社の手数料もふえる、投資家と証券会社の向かっている方向が同じになるような商品を導入していくとかというようなことでいろんな工夫をしまして、アメリカにおいては投資信託というのは非常に信頼があるけれども、日本においては残念なことにパフォーマンスが今まで余りにも寂しいものですから信頼がない。それで新たに信頼を回復するような措置をシステム改革法案にも盛り込んでおります。
 何とぞ、その辺も踏まえてよろしくまた御審議をお願いしたいと考えている次第でございます。
#64
○政府委員(安岡裕幸君) ただいま先生御指摘になった点でございますけれども、昨今の郵便貯金の増加の状況の要因といたしましては、確かに先生おっしゃっているように、金融情勢、つまり一つの金融不安があるという中で、あるいは金利自身が低金利だということで郵便貯金が、これはもともと郵貯創業百二十三年以来の伝統でございますけれども、安心のよりどころだということで例えばボーナスも郵便貯金に入れようという動きがあることは事実でございます。
 ただ、よく言われますように、シフトしているということでございますけれども、この数字自体は、先ほど来もちょっと申し上げていますけれども、平成八年度はむしろ消費が非常に多かったということで額自身は増加状況が少なかったということで、いわば中長期のトレンドで見ますと極めて低い時期だったということでございまして、二倍が全部来ているということではございません。さはさりながら、今の状況の中で郵貯が安心のよりどころとして小口の範囲の中で資金を入れているということは事実かなと、こんなふうに考えているところでございます。
 私どもも、百二十三年来、国営で小口預金の利益を確保するという観点の中で、まず何よりも安全性ということを確保しつつ、いろんな金融状況の中でできるだけ利回りの高いものとかあるいは商品の多様化をしていくとかという努力をこれから、金融が一たん落ちついた中で、ビッグバンで本格的に金融システム全体として競争下に入るという中では重々努力もしていかにゃいかぬということでございます。
 具体的には投資信託、ミューチュアルファンド云々の話については私どもの方も十分意識をしながら、郵便貯金商品をどういうふうな格好に持っていくのが預金者の利益にかなうのかという観点でよくよくこの辺は検討をしていかにやいかぬというふうに思っております。
#65
○伊藤基隆君 金融システム改革法については後刻出てまいりますからそのときこの問題は掘り下げていきたいと思いますが、本委員会で先ほどからちょっと議論になっていました郵政省の資金運用についてもアメリカのミューチュアルファンドに対する政府の厳しい監督、規制というものについて、または国民の信頼というものについては大変参考になると思うので、ぜひ検討していただきたい、将来に向かってやっていただきたいと思います。
 私は、直接全国銀行協会の方ともやり合ったこともございますけれども、日本の民間金融機関が意識すべき競争相手はグローバル、世界の市場であったのに、残念ながら長年にわたってお互いの出過ぎを牽制する横並び対応を続けて、あろうことか郵便貯金、ローカル中のローカルみたいなものをいたずらに攻撃のターゲットにするだけだったというところに今日を招いた遠因があるんじゃないかというふうに思います。結局、みずから古典的な銀行のスタイルから脱皮することができなかったのではないかというふうに思います。技術革新を本当に重要なものと考えていたら、そもそも私に言わせれば法律で商品やサービスが細かに規制されている郵便貯金など相手ではなかったはずなんです。何よりも利用者のニーズに即した商品を開発することに民間金融機関は努力すべきだというふうに思っておるところでございます。
 さて、我が国では長い間護送船団方式のもとにありました。私は、大蔵の金融行政について、護送船団方式については批判しますし、今回の接待疑惑などということについては大変問題だということで再三質疑の中でも取り上げさせていただきましたが、大蔵省の機能というものの重要性は全然変わっていないわけですし、大蔵省が持っている基本的な機能というか、そういう力、能力というものと組織の力というものは失われていないというふうに思っております。そういうことを前提に、今後どうするかということで金融システム改革の問題については議論したいというふうに思うわけでございます。
 さて、技術革新がおくれたことを再三申し上げてきたわけでありますが、反面、市場メカニズムに一〇〇%ゆだねるとどのような不都合が生じるかについての認識も十分ではございません。
 個人の立場から見ても、商品やサービスが多様化して選択範囲が広がるとか、工夫によっては有利な資金運用が可能になるなど、耳に心地よい話ばかり聞かされております。何か田舎の信用組合の理事長がニューヨーク外債市場に出ていくような話も時々出ているわけで、そんなことはないと私が言うと、あなたはおくれているんだというようなことをよく言われますが、本当に耳に心地よいことばかりが実現するわけじゃないというふうに思っております。
 アメリカやイギリスなど金融自由化を早くから進めた国では、サービスの拠点である金融機関の店舗が地域から消えたり、差別的取り扱いが新たに設けられた結果サービスを受けにくくなる人々が発生したと聞いております。金融自由化が既に相当進んでいるアメリカやイギリスにおいて、個人の立場から見てどのようなプラス、マイナスがあったのか、郵政省はどのように把握しているか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#66
○政府委員(安岡裕幸君) 金融自由化が既に進んでおりますアメリカとかイギリスにおいて、個人の立場でそれがプラスに働いているのかマイナスに働いているのかと、こういうお尋ねでございます。
 私どもの方もいろいろと諸外国の自由化の進展について調査をいたしておりまして、まず金利面につきましては、アメリカの方では一九八三年、昭和五十八年でございますが、それからイギリスでは一九八四年、昭和五十九年でございますが、このときに実質金利の自由化が完了したということでございます。日本では先ほど申し上げましたように一九九四年、つまり平成六年ですから端的に言えば十年おくれということでございます。
 それから、業態間の参入ということで、これは大蔵省さんからお答えした方がいいのかもわかりませんが、アメリカの方では一九八〇年代に銀行持ち株会社の子会社に証券業務を段階的に解禁するとか、イギリスでは一九八六年に銀行の証券業への参加が自由化されるということがされております。
 それから、証券市場の改革ということで、これはイギリスで一九八六年のビッグバンで実施というのが顕著なことでございまして、早い時期から金融自由化が進展しているということでございます。
 その結果、自由化が個人の立場で見たときにプラスの面としてどう働いているのかということでございますが、例えばイギリスの方では結構異業種のハロッズとかテスコとか流通業の企業が銀行業へ参入するということで高金利の預金を提供するようになったという点もございます。
 それから、先ほど先生からお話がございましたように、これはアメリカの事例ですけれども、投資信託等の魅力ある証券関連商品が普及してきたということもございます。
 それから、金利自由化直後でございますが、一九八三年十月にはかつての規制金利のときが五・七五%だったのが一〇%台に上昇したということでございます。当時はかなりフィーバーしたという面もございますが、最近は少し落ちついております。そんな格好になっているということでございますし、最近でも、ワシントンDCに十行ぐらいありますけれども、金利が横並びというのではなくていろいろばらついてつけられているということで、最大〇・七%の金利差があるというようなこととか金融商品が多様化されるということで個人の選択の幅が広がったという状況はプラスの面として、自由化の光の面として挙げられるのではないかというふうに思っています。
 しかしながら、一方、金融自由化の影の面といいますか、配慮すべき点でございますが、例えばイギリスにおきましては一九九〇年から一九九五年、この五年間でございますが、ロンドンで銀行支店数が二百七十一店舗閉鎖されたということで二割ダウンという状況がございます。
 それから、アメリカの方で小口預金者の手数料引き上げということで、たしか二十万か三十万の一定の口座資金を入れないと金利をつけるのではなくて口座維持手数料を取るということもありまして貧しい家庭が銀行口座を失っていくということで、現在銀行口座を持っていない世帯が全体の四分の一ということを指摘している調査もございます。金融サービスの地域間格差とか顧客間格差の拡大という状況、つまり金融自由化のマイナスの面も見られているというふうに認識しておりまして、プラス面、マイナス面を十分認識してこれから事に当たっていくべきだというふうに考えております。
#67
○伊藤基隆君 今、答弁にもありましたが、金融自由化については、イメージばかりが浸透してしまうと後でこんなはずではなかったんだというようなことが起こりかねないわけでありまして、金融自由化には個人にとって大変厳しい面もあるということをよく認識しておく必要があると思います。単に自己責任を唱えるだけでは個人の不安を増幅させるだけでありまして、金融自由化は進めるが、同時にその副作用にも十分対応する措置をとっておくことが必要でありますから、市場メカニズムでは十分な対応ができない分野に社会的な配慮を加えるということが国としての役割なのではないだろうかというふうに思うわけでございます。
 アメリカのライフライン・バンキングの話もありましたが、アメリカでは年金等の受領をスムーズにするために改めて郵便局ネットワークの再発見といいましょうか、再整備というようなこともやっておるようでありますので、郵政省としても頑張っていただきたいなと思います。
 さて、今、公的金融の本来の役割ということが問題になっているんじゃないかと思います。私は、開銀からちょっとおいでいただいて開銀の昨今の業務活動、業務内容について少し勉強したところでありますが、開銀が国の基幹産業への融資というものから中小企業、社会政策的なものにシフト、少し重点を移しているという印象を覚えました。昨年末から公的金融システムが本来の活動分野を広げながら重要な役割を果たしてきているということを開銀の活動状況を見て感じたところでございます。
 預金、貯金というのは人々が働いて得た金でありまして、汗と涙の結晶であります。これらは掛け算では絶対にふえない、足し算によってふえてきた資金であります。その大切な資金を安全に少しでも有利に運用するには安定したシステムというものが私は必要ではないかというふうに思います。
 働いて得る金というのは個人個人にとってはまさに絶対価値のようなものでありますけれども、これが預金になると価値が相対化されて市場メカニズムの中にゆだねられてしまう。これが今の超低金利の中での勤労世帯の持って行き場のない怒りというものの原因になっておるわけであります。自分たちが働いて得た金を金融機関に預けても、それが自分たちが感じているような正当評価を受けていないという認識が強いわけであります。これが民間金融機関に対する批判ということになっているし、今回の大蔵、日銀の接待疑惑に対する非常に直接的な批判というものになっているんじゃないかと思います。さあ、その金融自由化時代にいよいよ突入してきました。こういうときに郵便貯金が果たすべき役割はどのようなものなのか、郵政省はどのように感じておられるか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
#68
○政府委員(安岡裕幸君) 金融自由化時代で郵貯が果たすべき役割はいかがか、こういうことでございますけれども、郵貯は国営事業としまして百二十三年にわたりまして国民生活に不可欠な基礎的金融サービスをあまねく公平に提供するという使命を有しまして、いろいろと一生懸命頑張ってきたということでございます。
 先ほどちょっと申し上げましたが、金融自由化で先行いたしておりますアメリカとかイギリスにおきまして、所得とか居住地によりますサービスの格差といいますか差別化が進む事例が見られます。我が国におきましても、金融ビッグバンに対応しまして富裕層向けのサービス強化め動きが見られるということでございまして、金融自由化時代におきましては、光の面もございますが、サービス格差も広がるということが予想されるところでございます。
 今後、高齢化とか情報化が進展する中で人々が安定的な経済生活を円滑に進めていく上で、金融サービスをどこでもだれでも簡易に利用できることが従前以上に大切になるものと考えているところでございます。このような中にありまして、自由化のメリットを受けられない小口個人の預金者に対しましても、あまねく公平に貯蓄手段を提供するという郵貯の役割はますます重要性を増すもの、こういうふうに認識いたしているところでございます。
#69
○伊藤基隆君 そこで、汗と涙の結晶と申し上げましたが、最近の低金利情勢の中で郵便貯金の金利も含めて預貯金金利全体が極めて低い水準になっております。年金生活者などは大変困っているのではないか、データでもこれが明らかになっております。取り崩し額がだんだん少なくなっている、生活の引き締めになっているというのが今の状況であります。
 私は、臨時国会の財政構造改革の論議の中でも、日銀総裁や大蔵大臣に公定歩合の引き上げないしは預金金利をせめて低所得者世帯に対して引き上げる措置はできないのかということも質問いたしましたが、いずれもノーでありました。
 そういう状況下でありますけれども、国民、利用者のためにぜひ郵便貯金だけでも金利を引き上げるべきではないかというふうに私は思いますが、いかがですか。
#70
○政府委員(安岡裕幸君) 現下の金融情勢の中で大変金利水準が低いということでございまして、このことは民間金融機関の預金のみならず、郵貯につきましてもそういう市場の実勢に従っている中で低いということで、率直に申し上げまして大変心苦しいということでございます。
 今、郵便貯金の金利の決め方は、原則といたしまして市場の実勢で決めていきましょうということ、それから預金者の利益にも配意しましょうということ、あわせ民間にも配意します、この原則に基づきながら運用しているところでございます。
 先ほど一般的には大変金利が低いということで、今回、福祉定期郵便貯金というのがございますが、この二月末に期限が切れるということで三月からこれを一年間延長しますということで、今、金利が四・一五でございますが、非常に今の水準の中では高いということでそれを一年間継続するということと、あわせましてその対象になります預金者の方々を恩給等の受給者の中の援護関係というかそういう方々に限定しておりますけれども、数にしまして百万人の方だったと思いますが、そういう方々を福祉定期の預入の対象に加えていくという措置もとりまして、できるだけそういう福祉の面でも配慮したいという努力をさせていただいているところでございます。
#71
○伊藤基隆君 もう一問、大蔵省にお伺いいたします。
 公的金融機関の本来果たすべき役割についてちょっと申し上げました。まさに中小企業金融などいわゆる政策金融の分野でも同様であろうというふうに思います。近年の財政投融資をめぐる議論は、財投機関の一部のふできをとらえて、それがあたかも財投全体のできごとであるかのように論ずるものでありまして、私は大変行き過ぎな議論であるというふうに感じておったところであります。直すべきは直すべきだし、正すべきは正さなくてはなりませんけれども、国本来の役割を否定してしまっては最後に国民にツケが回ってしまうというふうに考えるわけでございます。
 中小企業等が民間金融機関から必要な資金を円滑に調達できない今こそ公的金融機関が役割を果たすべきだと考えておりますけれども、大蔵省の見解はいかがですか。
#72
○政府委員(中井省君) お答えいたします。
 先生から御質問がございまして、まことに自由な市場なり自由な金融システムのもとでもしひずみが出、民間の自由な活動だけではカバーできないところがあるとすれば、それはやはり中小企業等についての政府関係金融機関がそこを本来カバーすべき分野であろうと我々も思っている次第でございます。
 現在におきましても、もう御案内のとおり、いわゆる貸し渋りという問題がございます。もちろん、政府といたしましても貸し渋りの原因について、例えばバーゼルの自己資本比率規制等の人為的な規制がもし貸し渋りを生じているというこをでありますならば、そこでの非合理な点を改めまして、なるべく合理的菅修正をして貸し渋りの原因をなくしていくという努力はしておりますけれども、そのほかに、やはり日本の金融機関は不良債権を大量に抱えて、かなり不良債権の償却それから株式の価格の低下等によりまして体力を消耗しているがゆえに自己の生き残りのために貸し渋りをせざるを得ないというようなやむを得ざる状況がございます。
 そういうようなところをカバーできるのはやはり政府関係中小金融機関ということで、政府におきましても昨年の末以来、二十五兆円の資金を確保いたしました。それから、制度的にもいろいろ条件を緩和するという努力をしております。今までの実績を見ますと、かなり実績も伸びてきております。まさにこういう事態でやはり政府系の中小金融機関、関係金融機関が活躍する分野があるんだろうと思っている次第でございます。
#73
○伊藤基隆君 次に、簡易保険局長がおいでになっているのでお聞きいたします。
 郵便局では郵便貯金とともに簡易保険のサービスも提供されているわけでありますが、この簡易保険も個人の生活の安定を図る上で重要な役割を果たしてきていると思います。金融自由化の中で経営環境も大きく変わってきているというふうに思います。民間生保の経営状況の厳しさということについても起こっているわけであります。
 そこで、金融自由化時代に簡易保険が果たすべき役割についてどのように考えているか、現下の経営状況ということも踏まえてお答えいただきたいと思います。
#74
○政府委員(金澤薫君) 金融自由化時代に簡易保険がどのような役割を果たすべきかというお尋ねかと思います。お答え申し上げたいと思います。
 簡易保険事業は、全国あまねく設置されました身近な郵便局を通じまして、無診査、職業による加入制限がないということ、それから即時払いというような非常に簡易な取り扱いを特色とするサービスを提供するものでございます。また、その資金は社会資本整備に貢献するという形で運用されております。国営事業でなければできない役割というものを果たしているわけでございます。
 金融自由化、金融ビッグバンの本旨でございますけれども、これは我が国金融市場の活性化、利用者利便の向上というものを目指すものであるというふうに理解しておりますけれども、一方で影の部分もかなりございます。効率性を最優先する仕組みというもの、自己責任の原則という中でサービスの地域間格差や顧客間格差が非常に拡大する懸念もございます。また、現在の民間生保の経営状況も必ずしも良好なものではなく、破綻した生保会社も発生したところでございます。
 こうした中にございまして、離島、山間辺地、都市部の住宅地などを含めましてバランスよく店舗を配置いたしております郵便局を通じまして、だれでも簡易に利用できます基礎的な生活保障手段を提供しているという簡易保険の役割、これはますます重要になるものというふうに考えておる次第でございます。特に、少子・高齢化が進展する中で、国民の自助努力というものもそれなりに要請されるわけでございまして、国民の自助努力に最もふさわしい手段として簡易保険の役割は今後ますます光ってくるものというふうに認識している次第でございます。
#75
○伊藤基隆君 最後に大臣に御質問申し上げて、私の質問を終わりたいと思いますが、私のきようのテーマは民間金融機関が自由化に消極的であったのではないかということの経過について解明しようとしたわけであります。
 大蔵省のこの間の苦心、苦労というものも明らかにされましたし、郵政省の努力ということも明らかにされました。その経過の結果、我が国が今苦境を迎えているわけでありますが、今後の金融自由化の中での公的金融の役割についてある程度の問題解明ができたのではないかと思います。今後ますます金融自由化が進展する中で、公的金融機関の本来の役割は、質的には変化するでしょうけれども、ますますその意義を深めることが明らかになったのではないかと思います。
 郵便貯金及び簡易保険を取り扱う郵便局は国民にとって今後とも親しみやすく、また頼もしい存在であり続けてほしいというふうに願うわけでございますが、郵政大臣としての決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
#76
○国務大臣(自見庄三郎君) 伊藤委員にお答えをいたします。
 今までいろいろ論議があったわけでございますが、今後、金融自由化が進展する中で、先生の御指摘のように、公的金融機関としての郵貯、簡保の役割はますます重要になってくるというふうに考えております。ユニバーサルサービスとしての郵貯、簡保の提供を可能とするのが、約三千三百の市町村、本当に山村僻地、有人離島にまで配置された、まさに明治四年創業以来先人がつくってこられた国民の財産としての二万四千六百の郵便局のネットワークがあるわけでございますから、そういったネットワーク、まさにライフラインとしての郵便局、なおかつ国営事業でございますから、国営事業であるがゆえに当然責務はあるわけでございますから、そういった中で地域の利便性を第一として、不採算地域をカバーする郵便局ネットワークを国営であるからまた維持運営できているという大変貴重な側面もあるわけでございます。
 そういった中で、郵便局については、利用者の国民の方々から、本当にいろいろございましたけれども、私は大変高く評価されているというふうに思っているわけでございます。昨年の行政改革のときも各種新聞あるいは報道機関が世論調査したわけでございますけれども、いろいろな御意見があった中で、やはり国営三事業一体、そういった形態でいいだろうという国民が大体六割、七割、調査によっては八割いたわけでございまして、これはやはり明治創業以来本当に国家公務員としての任務を自覚しつつ、現在も全国三十万人の職員がおられるわけでございますけれども、努力のたまものだというふうに思っております。
 今後とも、三事業一体のメリットを最大限生かしつつ、効率的な経営に努める必要がございますし、ワンストップ行政サービスを初め、郵便局の窓口をいかに有効活用していくかということについて鋭意検討を重ねてまいる所存でございます。
 こういった取り組みを通じて、委員が申しておられますように、今後とも、郵便局は親しみやすく、また頼もしい存在であり続けるように職員ともども最大限の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#77
○伊藤基隆君 ありがとうございました。
 終わります。
#78
○益田洋介君 まず最初に、郵政大臣にお尋ねいたします。
 きょうは初めて郵政大臣に御質問させていただく機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 郵政省は、三十一日、本年二月末までの九七年度の郵便業務収入累計を発表いたしました。それによりますと、実に昨年同期比一・三%減の一兆九千五百八十四億円ということで、三月期も大変苦戦をされたということでございまして、これは一八七〇年以来、郵便行政開始百二十七年目にして初めて年度の郵便事業が減収になることが確実になったということでございます。
 この点について大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。
#79
○国務大臣(自見庄三郎君) 御質問の通告はいただいておりませんけれども、郵便事業が明治創業以来減ったじゃないかということでございます。これは、もし私の記憶が正しければ、実はたしか十一月には大手の民間銀行の破綻、証券会社の破綻があったと思いますが、あのときに非常に信書の販売部数が減少したということを報告としていただいているような記憶がございます。
 御存じのように、今、郵便物の部数というのは大体二百五十五億通ぐらいでございまして、一日大体七千万通ぐらいかなというふうに思うわけでございます。これは従来から経済成長率の伸展と郵便物の伸長というのはパラレルであるというふうな関係もございまして、そういった意味で昨年の十一月に郵便の発行部数が大変大きく落ちまして、それ以来なかなか回復できないということでございまして、今そういう状況にあるという報告はいただいております。
 いずれにいたしましても、そういう中でございますけれども、全国の郵便に従事している職員が約十七万人おるわけでございまして、そういった中、いろいろ地域の営業活動あるいはそういったことに鋭意努力をしているということは聞いておる次第でございます。
#80
○益田洋介君 さまざまな形でリストラあるいはスリム化等の努力をぜひお続けなさって、再び黒字転換ができることを要望いたします。
 さて、行政改革会議において二〇〇一年を目途として、その間、省庁の再編ですとか財政投融資制度の改革などを踏まえて、いよいよ資金運用部から郵貯が自主運用に転換していくという機運が高まっているわけでございますが、私は、郵貯の弱点といいますのは金融商品の開発力にまだ力がないのではないか、したがって独自の新商品を開発したり、証券業務を行うノウハウもお持ちではないのではないか、そういったことで郵貯の資金が流出して民間金融機関の新しい商品にシフトしていく、そうした懸念があるのではないかと思いますが、この自主運用について大臣の御見解、また御決意を伺いたいと思います。
#81
○国務大臣(自見庄三郎君) 今、先生も言われた郵便貯金資金の預託の廃止と全額自主運用について、さっきも述べましたけれども、まさに大変責任の重大さを感じているところでございます。
 郵便貯金においては、昭和六十二年度から金融自由化対策資金といたしまして一部自主運用を行っております。平成八年度の末には、ちょっと細かいことでございますけれども、約四十兆二千百四十五億円の自主運用の額となっております。
 また、簡保の積立金につきましては、今さっきも申し上げましたように、大正八年の創業以来、基本的に郵政省が自主運用をさせていただいておりまして、戦時中から昭和二十八年までは国家の資金を一元管理するということがございまして郵政省の手を一時離れたこともございますが、基本的に昭和二十八年から郵政大臣が直接管理運用いたしておるところでございます。平成八年度末現在の簡保資金の保有総額九十八兆七千九百六十九億円のうち約九町%が自主運用となっております。
 郵政省といたしましても、こうした郵貯、簡保における長年の自主運用の経験と実績を踏まえて、預金者利益の確保や健全な経営の確保の視点に留意しつつ、実施に向けてリスク管理の方法や運用体制の強化充実等について検討を行うなど、適切に対処していきたいというふうに思っております。
 また、全額が自主運用になった後には、具体的には、今さっきも私が述べましたように、引き続き社会資本整備等公的分野へ長期資金を供給するとともに、日本版ビッグバンの進展により拡大する証券・金融市場で国債、社債等の長期債を中心とした有利運用を行っていきたいというふうに思っております。
 こういったことを行うことによりまして、安全、確実な資産を中心とした長期安定的な資金運用を行うことを基本として健全経営を維持していきたいというふうに考えております。
#82
○益田洋介君 理財局はこれまでストックベースで約二百兆円超の資金を適正に運用するために徹底してALM、資産負債の総合的管理をされてきたわけでございますが、もし理財局を廃止するなら、そうしたノウハウを郵貯に肩がわりさせなきやいけない。
 これについてどういう見解をお持ちですか。
#83
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 私ども、毎年度の財政投融資計画の編成に当たりましては、今言われましたのですが、まず一つは民業補完という考え方もございますが、もう一つ、償還確実性というものを重んじておるわけです。と同時に、結局、多額の資産と貸し付けの関係でございますので、資産負債管理を徹底いたしまして資金の重点的、合理的な配分を図っておるところでございます。
 このALM管理の手法といいますのはある意味では大事な手法でございまして、いろんな意味で各機関等から求めがあれば、例えば財政投融資対象機関でもそうでございますが、現在私どももそれにつきましてお手伝い、御協力させていただいているところでございます。
#84
○益田洋介君 そうした相互のノウハウの交換によって、どうかうまいシフトをこれからしていただきたいと願うものであります。
 次に、今回の一連の金融汚職でございますが、発端になったのは大蔵省のOBであって元道路公団の理事であった井坂武彦さん。この方は、東海財務局長、それから大臣官房検査部長を経て造幣局長から道路公団理事に行かれた。それから、それに引き続き大蔵省の検査官の逮捕、証券局のキャリアの課長補佐の逮捕、日銀の課長の逮捕、こういった一連の不祥事の発端は実は財政投融資の対象になる受け皿の大きな一つである道路公団。その道路公団の理事は大蔵省の出身であった。
 私は、大蔵省は基本的に収賄罪の適用の目的についてどういうふうにお考えなのか、ちょっと言い方は一方的かもしれませんが、元来、現金の授受がなくて接待だけであれば収賄罪にならない、むしろそんなに接待接待と攻めるとこれは行政をねじ曲げてしまうようなことになるのではないか、やはり親密な人間関係というのは官民に存在してそれが行政をうまくやっていく一つのポイントではないかという見方もあるというふうに聞いておりますが、同時に他方では公務員の公務の執行に廉潔性がなければいけない。
 今回の検察の一連の行為の考え方の基調にはこういうことがあるのじゃないか、そして公務の廉潔性を貫くことが国民に対する公務員の信頼感の保持につながるのではないか、そうした考え方を検察が合していると思いますが、この辺については大蔵省はどういうふうにお考えですか。
#85
○政府委員(武藤敏郎君) ただいまのお尋ねの中に、一連の接待に関する疑惑について検察のいろいろお考えといいますか御判断があり、それにかかわる形での御質問もございましたけれども、私どもといたしましては捜査当局の捜査方針なり考え方についてコメントする立場には基本的にはないというふうに思っております。
 確かに、民間との何らかの意見交換という場が必要ではないかというような議論もいろんな方面にあるというふうに理解はしておりますけれども、平成八年十二月のいわゆる公務員倫理規程が制定されて以来はこの点に関する考え方は少なくともはっきりされているというふうに私どもは理解しております。
 国家公務員の廉潔性という御指摘がございましたけれども、やはりそういう廉潔性が国民の信頼を得るために非常に重要なことであるということについては私どもは当然のことだというふうに理解をいたしております。
#86
○益田洋介君 今、大蔵省は鋭意内部の、特に銀行局、証券局、金融検査部の職員あるいは経験した職員約五百五十名を対象に金融服務監査官室が内部調査をしている。それで、私たち国民の目から見ますと、割合に今まで逮捕されてきた官僚の方々というのはそれほどの地位にある方ではない、確かにキャリアは出ましたけれども。
 それ以上に多額の接待を受けながらまだグレーゾーンにいる中枢の官僚もいるのではないかと一部では取りざたされている。一人は主計の中心を歩んできた人で、これは官房秘書課長のときに叙勲に絡んでさまざまな特典を与えて、その見返りに多額の接待を三和銀行と日興証券から受けていたという疑い。さらに二人目は、住専の一次処理問題で興銀にとって系列の日本ハウジングローン処理で興銀が四苦八苦しているときに、これも金融安定化基金の設立案等を推進して興銀を窮地から救ったその見返りに接待を受けている。こうした疑惑が持たれているある審議官。三人目は、これは長いこと銀行局の担当をしておりまして、現在、地方の財務局長をしている方。
 この方たちもこの五百五十人の中に入っているんでしょうか。内部調査の対象になっているんでしょうか。
#87
○政府委員(武藤敏郎君) ただいま御指摘のありました者たちは、まさに金融関連部局に在籍したことのある職員でございますので、私どもの内部調査の対象になっております。
#88
○益田洋介君 内部調査はいつごろ終結する予定ですか。
#89
○政府委員(武藤敏郎君) 内部調査につきましては、何度か御質問いただいておりますけれども、今現在、先ほどお話しいたしました平成八年十二月の倫理規程が制定された以降の状況を中心に、さらにはその前にも紀律保持委員会を通じて綱紀の保持の徹底を図るといったような平成七年の通達等もございますので、そういうものの遵守状況などについて調査をしておるわけでございます。
 具体的にいつごろ調査が終了するのかというお尋ねでございますけれども、いろんな相互のチェックでありますとか、場合によりましては関係の金融機関等に対しましても各種の情報を収集あるいはお尋ねするといったようなことも今進めておりまして、現時点ではいつという具体的な日時を特定してお話しするような段階になっておりませんけれども、大臣からはできるだけ早く調査をするようにということでございますので鋭意調査を進めております。今しばらくお時間をいただきたいというふうに思います。
#90
○益田洋介君 官房長、私がこういうことを言うのは、もう国民は嫌気が差しているんだ、はっきり言って。私はその国民の声をあなたに伝えているんですよ。早く決着をつけてくださいよ。大体、外国から見たって日本のこうした中央官庁のトップである大蔵省、また中央銀行がこういうことにさらされているというのはみっともなくて外国人の友達と話ができない、そういう意味を込めて私は言っているんです。何もせっついているわけじゃないんですよ。それが日本の国家国民のために役に立つことだから早くけじめをつけていただきたい、これはお願いなんです。
 それから、東京地検は、先月の上旬からですけれども、生命保険に対しても資料提出を求めている。対象になっているのが日本生命、第一生命、住友生命、明治生命、朝日生命。多分大蔵省の内部調査においてもこうしたところが出てきている。銀行とか証券に限らず、こうした生保についても大蔵省の官僚を随分接待している。
 この辺について今コメントできますか。
#91
○政府委員(武藤敏郎君) 捜査当局の捜査状況につきましては私どもとしてコメントはできませんが、内部調査につきましては金融関連部局ということで当然保険関係の者も対象にしているところでございます。
#92
○益田洋介君 それでは、先ほどの道路公団の井坂さんの話に戻りますが、この方は、フランスに出張されたとき、ある大蔵省の後輩を呼ばれて興銀から同様にして接待を受けたということが言われていますが、この当時の在フランス日本大使館の参事官であられた方は現在東京に帰ってきている関税局の国際機関課長、これは間違いありませんか。
#93
○政府委員(武藤敏郎君) 御指摘のとおりでございます。
#94
○益田洋介君 お名前を教えてください。
#95
○政府委員(武藤敏郎君) 有地浩と申します。
#96
○益田洋介君 有地さんという方は井坂さんの大学の後輩でもあるんですね。そんなことで非常に仲がよかったと。この方も当然のことながら調査の対象になっていると思いますが、いかがでしょうか。
#97
○政府委員(武藤敏郎君) 御指摘の人物につきましては、やはり金融関連部局に在籍した経験がございまして、調査の対象といたしております。
#98
○益田洋介君 それでは、調査結果を一日も早く、しかも薄っぺらな調査じゃなくて納得のいくような調査をして提出していただく、そのことを期待しておきます。
 次に、きょうは道路公団の方にもお見えいただいていますが、今、問題にしました前道路公団理事の井坂武彦さんはことしの一月十八日に逮捕されて二月六日に起訴された、それから九日に再逮捕された、二月二十七日に再び起訴されている、いずれも収賄罪で。
 このことは間違いありませんか。
#99
○参考人(黒川弘君) 間違いございません。
#100
○益田洋介君 大変な事態に陥ったんです。
 これだけで済むかと思ったら、そうじゃないんです。今度は公団発注の電光掲示板工事をめぐる汚職事件が発覚した。
 これについて説明していただけますか。
#101
○参考人(黒川弘君) 前経理担当理事の井坂が逮捕され、また起訴され、あるいは追起訴されたことにつきまして、まことに申しわけないことだと思っております。
 そういった中で、三月二日に私たちの方の東京第一管理局の施設第二課長でございます水越信明が収賄容疑で逮捕されました。これにつきましては、電気通信工事を発注する業者の方から現金を収賄したという容疑でございます。
#102
○益田洋介君 業者の名前を言ってください。
#103
○参考人(黒川弘君) 三月二日に逮捕された段階でオムロン株式会社と小糸工業株式会社でござい、ます。
 また、その後さらに再逮捕された段階で名古屋電機工業株式会社及び日本無線株式会社が現在取り調べを受けている段階でございます。
#104
○益田洋介君 どんどん事件は大きくなって、また穴の深みにはまってくる、このことについてどうお考えですか。
#105
○参考人(黒川弘君) 公の仕事をやらせていただいている道路公団が、仕事の中身としましてはまさに公平性、透明性、そういったことを基本に仕事をすべき公団でありながら、そういった不祥事が続けて出ましたこと、まことに申しわけないことだと思っております。それらに対しましては、まず綱紀の粛正という意味で役職員倫理規程を制定いたしまして、現在我々も現地に出向いてその徹底に頑張っているところでございます。
 また、制度面でいろいろ問題があるのではないかということで大至急調査をいたしまして、財務担当理事の関係で申し上げますと、外債の発行業務を含めました資金調達業務、これについて改善を行うための委員会を設置しております。
 さらに、具体的に外債あるいは国内債を発行する際に幹事会社等の候補社、あるいは幹事会社を選ぶ際に公団の中に副総裁を長とする委員会をつくりまして、そこでいろいろな事象を検討しながらそういった候補社あるいは入札等の開放を行う、そういったことによって公平性を保つような措置を講じました。
 また、次に御指摘いただきました通信電気工事の発注業務の関係でございますけれども、これにつきましても全国につきまして調査をいたしまして、三つほど改善措置を講じました。
 一つは、守秘情報管理の厳正化ということでございます。具体的に工事を発注いたします場合に、設計金額、予定価格等が積み上がっていくわけでございますけれども、それに関与する人間を最小限に絞るというのが一つでございます。それから二番目には、競争性の拡大のために、従来指名競争で行っておりました一部のものにつきまして、公募型指名競争入札という制度に改めた部分もございます。それから三番目に、チェック機能の強化ということで、従来からそれぞれのブロックに入札監視委員会、これは民間の学識経験者で構成しておりますけれども、そこで具体的に発注した工事を抽出いたしまして、選定の経過とか結果等についていろいろ監視していただくシステムがございます。こういった道路情報施設等の機器整備工事も常に対象にする、こういった事柄を入れまして制度の改善も図っているところでございます。
 いずれにいたしましても、具体的に仕事をいたします役職員個人個人が綱紀粛正という意味でそういった心がけを持つべきは当然でございます。そこのところを含め、反省と具体的な施策の強化に努めているところでございます。
#106
○益田洋介君 公団のファミリー企業と言われている公団発注のサービスエリアだとかその他のメンテナンス工事、エンジニアリング工事などに関して相当数の会社がある。七十九社ぐらいあると言われている。今、剰余金が合計で七百五十三億円。公団自体は二十一兆円を超す赤字を抱えている。さらに今度、今、計画中の全路線が着工されれば累積赤字は三十五兆円になると言われている。
 この辺のバランスについてはどういうふうに考えていますか。
#107
○参考人(黒川弘君) 道路公団がやらせていただいている仕事は、御承知のとおり、有料道路ということで、借入金を使って建設工事をやらせていただいて、後でお客様から料金で徴収させていただくという仕組みでございます。しかし、採算の問題がございますので、具体的な金利につきましてはいろいろ資金コストという考え方のもとに出資金あるいは補助金を国からいただいて、全体として収支が伴う形で仕事をやらせていただいているのが現状でございます。
 そういった中で、今、先生が御指摘になりましたいわゆるファミリー企業と言われているものでございますけれども、これは具体的に道路を維持管理したりあるいは料金を取ってまいります場合に、従来は直接公団職員が料金徴収等をやっていたわけでございますけれども、アウトソーシングという形でできるだけ経費を削りたいということで昭和四十年代から外部に会社をつくり、それに対して委託するという形で公団として定員をふやさない形でやらせていただいて現状に至ったものでございます。
 しかし、今御指摘のように、競争性とかあるいは透明性、そういった事柄をいろいろ御指摘いただいております。したがいまして、それらに対しましては従来随意契約でいろんな委託業務を推進しておりましたけれども、昨年から料金徴収あるいは維持管理業務、それらについて競争性を導入させていただいて、それらによって透明化を図ってまいりたいと思っております。
 また、具体的に工事あるいは維持管理を委託します委託の積算につきましてもさらに厳正に対応してまいりたいと考えているわけでございます。
#108
○益田洋介君 随契をやめて競争入札にした、しかしその競争入札に加わるための資格審査にはさまざまな条件がつけられていて、なかなか自由にどの業者でも入札できるというぐあいになっていない。例えば、道路公団の工事を以前に行った実績がある会社だけが入札できる規定があるというふうに聞いています。
 私は、随意契約から競争入札に変えたそのときの資格の条件、それから実績、ファミリーカンパニー以外のところがどれぐらいの工事を幾ら受注しているのか、これを提出してもらいたいと思います。
 次に、公営企業金融公庫。大野慎一さん、お見えですか。
 これは昨年十二月二日、建設委員会で私は質問いたしました。どういうことかというと、一九九五年、公庫の元財務担当理事が外債発行のために総額二億ドイツマルク、フランクフルトに調印式に行った。これも相手は興業銀行。昼夜を問わずの接待を受けた、さらにはイスタンブールに丸抱えの旅行をした、こういうことじゃ困るんです。
 それで、僕は十二月二日にあなたに言った。この元公団理事の接待について調査してもらいたい、報告書を出してもらいたいと。これはまだ出ていない。そのとき僕は委員長にお願いしたんです。委員長は理事会協議にすると。これもまた変わった委員会で、僕が首になって今ここに来ているからというんじゃないけれども、全然理事会協議をしていない。あなた、出してくださいよ。でなきゃ、もう一回理事会で協議してもらうけれども、いかがですか。
#109
○説明員(大野慎一君) まず、公営企業金融公庫の元財務担当理事の外債発行に係る問題につきましては、公庫におきまして直接本人から事実確認を行ったわけでございます。
 まず一点でございますが、外債の発行時に海外へ出張するわけでございます。調印式に要する経費あるいは現地法人等との情報交換、これらに要する経費につきましては公庫において負担しておりましたが、当地の社会通念の範囲内、こういうことで会食等にも応じることがございましたが、近年においては応じておらないということを聞いております。
 また、その際の外債の発行に係ります主幹事の選定でございますが、主幹事の候補となります会社を複数選定いたしまして、一定の日時を決めて入札させ、迅速に主幹事を決定するなど厳正に対処いたしておりまして、誤解を招くような会合はなかったと、このように公庫の方から報告を受けているところでございます。
 なお、私ども自治省といたしましても、既に公庫に倫理規程の早急な制定でありますとか、あるいは内部のチェックシステムの充実につきまして指示をいたしておりますが、これを踏まえまして、公庫におきましては去る二月九日に国家公務員に準じました公営企業金融公庫役職員の綱紀の保持に関する内達を制定いたしました。また、外債発行手続につきましては、主幹事の選定に関しまして内部チェックシステムの充実を図り、さらには一連の手続を明文化した、このように報告を受けております。
 いずれにいたしましても、今後とも公庫の公正な業務運営に疑念を抱かれることのないよう厳正に対処することが必要と、このように考えているところでございます。
#110
○益田洋介君 時間ですので、終わります。
#111
○三重野栄子君 社会民主党の三重野栄子でございます。
 ただいま議題になっております四法案並びに郵貯、簡保の事業についてお尋ねいたします。
   〔委員長退席、理事楢崎泰昌君着席〕
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案でございますけれども、今回の改正で貯金証書に写真を入れるという大変ユニークなサービスが可能となるということでございますが、先ほど楢崎委員もこのようなことを法改正にまでということもございまして、この点については同感でございますけれども、詳しく伺いたいと存じます。
 このような同種のサービスを実施しているのは、都銀ではさくら銀行がキャッシュカードの裏側に写真を入れるサービスを消費税別で三百円ほどで行っているそうでございますけれども、この法律ではどのようなものになるのか、御説明いただきたいと存じます。
#112
○政府委員(安岡裕幸君) お答え申し上げます。
 このたびの貯金法の改正で実施をしようとするサービスは、具体的に郵便貯金の預け入れに際し、貯金証書に子供の誕生や結婚などの慶事にちなんだ写真を複写しまして、特別なデザインの証書を交付するということでございます。これは見本なんですが、こんな格好です。(資料を示す)これはお誕生日を記念した格好のものです。
 このサービスでございますけれども、預金者の希望に応じまして取り扱いをするということでございまして、サービスを希望する預金者に交付手数料を負担していただくということで、他の預金者との均衡に配意するということでございます。
 手数料の具体的な額でございますが、郵政省がサービスの提供をするのに必要となる費用に見合うものとすることを基準といたしまして、貯金証書に写真を複写するサービスについて、一応今の試算でございますけれども、一件百六十円を予定しているということでございます。
#113
○三重野栄子君 大変かわいい証書ができるようでございますので貯金がふえるんじゃないかと思います。
 次に、郵便預貯金の受払事務の委託に関する法律案についてお尋ねいたします。
 郵政省は既に一月から信販会社との間で実験用ATMデータ通信を実施していると払うことでございますが、具体的内容について伺いたいと思います。
 さらに、郵貯のオンラインシステムはNTTデータ通信が開発をして業務委託を受け管理しているということでございまして、年間管理費の過去五年間の実績を事前に伺いましたところ、平成九年度の額が千五百十五億円で平成五年は三百八十九億円と四倍になっておりますので、その二点についてお尋ねいたします。
#114
○政府委員(安岡裕幸君) まず、ATMの接続でございますけれども、一月から信販会社等との実験をやっているところでございます。お互いに実験用のATMを使用いたしまして、中継センターを介しまして払い戻し等のデータが確実に送信あるいは受信されているかどうかということを現行法の範囲内で確認するものがその実験の中身でございまして、ことしの一月十四日から三月二十五日までの間に行ったところでございます。
 実験に参加しました信販会社は、日本信販株式会社、株式会社セントラルファイナンス、国内信販株式会社等三十三社でやりまして、特段の問題なく順調に終わったということでございます。
   〔理事楢崎泰昌君退席、委員長着席〕
 もう一つのお尋ねでございますが、郵貯オンラインシステムをNTTデータが開発しているわけでございますが、その経費の関係でございます。
 過去五年間の実績ですが、平成五年度は三百八十九億円ということでございます。それから六年度が六百十二億円、七年度が九百九十二億円、平成八年度が千三百十二億円、それから平成九年度が、ただいま先生御指摘されたように、千五百十五億円というふうになっておるところでございます。
 その中身が、経費が年々増加しているということでございますが、これはちょうど開発の時期が、現在のシステムは第三次システムでやっているところでございますが、それの開発期間に当たったということでございまして、八年度からこの開発のピークに当たったというのが一番大きなポイントでございます。平成九年五月に現在の郵貯オンラインシステムに切りかえが完了いたしましたので、現在のシステムは平成九年度の運用経費を超えることはない、こんな状況でございます。
#115
○三重野栄子君 経費の方も落ちついているようでございますし、また実験用も順調に進んでいるようでございますが、平成八年四月一日に東京を除く仙台、名古屋、大阪のシステムが故障するという、もう郵貯始まって以来の最大の問題が起こったわけでありますけれども、今後、官民ATMの相互接続が実現をしてネットワーク自体が拡大の方向に向かっているのでありますから、わずかなミスや見逃しによってまた大きな事故が起こるということにつきましては大変心配をしております。
 当時の原因と回復までの措置、その後の対策、加えて今後の危機管理体制についてお伺いいたします。
#116
○政府委員(安岡裕幸君) ただいまの郵貯システムのダウンのお話でございますが、実は平成八年の四月一日でございまして、朝から関東の一都七県を除きます地域の郵便局におきまして、四時間ないし最大十一時間郵貯オンラインシステムが使えずに、利用者の皆さんに大変御迷惑をかけたところでございます。
 原因でございますけれども、故障原因というのは三月三十一日にプログラムを入れかえたということでございますけれども、そのプログラムに誤りがあったということでございます。そんな形で具体的に誤り等につきましては十分原因が究明されておりまして、ちょっと専門的になりますけれども、人分配プログラムで使用しているテーブルの変更を行うとか、テーブルの変更が正しく行われたかどうか既存プログラムとの整合性を確かめる等、センターシステムが故障のないようにしていこうということでございます。
 今後の話といたしまして、いよいよ民間とのATMの相互接続をしますということになりますと、郵貯のATMに民間の方々も御利用いただくという話になりますのできちんとしたシステムを組まなきゃいかぬということでございまして、要望の金融機関さんとも具体的に段取りを進めていこうということを今やっておりますし、並行いたしまして、先般の八年のときの反省といたしまして、一つはプログラムを委託しております委託先の指導を徹底していこうということでございます。特に試験データの充実を図っていこうということでございます。単純に想定のデータだけじゃなくて、全く違う多様な種類のデータもやっていく、そういう総合試験を繰り返しやっていくということが一つでございますし、もう一つは、そういうプログラムを郵政省におきましてきちんと研修を徹底するということをしていきたいと思います。
 研修の方法といたしまして、より多様なデータによる試験の実施もやっていく。それから、プログラムを入れかえる周期を見直していくということで、単発じゃなくてなるべくまとめて総合的に試験をしていくということもやりまして、再発のないようにしていきたいということで今回のATM接続に当たっても十分その辺のシステムについて万全の体制で臨んでいきたい、こんなふうに考えております。
#117
○三重野栄子君 次に、郵便振替法の一部を改正する法律案に関連して伺います。
 寄附金の料金免除について、現在対象となっている事業あるいはそれに関する利用度はどのようになっているかということ、もう一つはNPO法が成立をいたしまして、大変これは期待されていた法律でありますが、今後NPOで法人格を取得した団体が寄附金送金の料金免除を受けられるとすればさらに喜ばしいことではないかと思いますけれども、これらの対象団体のお取り扱いはどのようになるでしょうか。二点伺います。
#118
○政府委員(安岡裕幸君) 現在、郵便振替によります寄附金送金の料金免除の取り扱いでございますが、一つは災害の被災者救援を目的とするものがございます。それから、社会福祉の増進を目的とするものがございます。
 それぞれの取り扱い実績でございますが、災害の被災者救援を目的とするものにつきましては、これは平成八年度のことでございますが、件数が二万件、送金金額が約五億円となっております。それからもう一つ、社会福祉の増進を目的とするものにつきましては、件数が十万件、送金金額が約十七億円となっております。
 それから、ちなみに平成七年一月の阪神・淡路大震災のときに震災の被災者救援を目的としましてこの郵便振替の寄附金送金がありました。これは平成十年二月末現在でございますけれども、二百六十一万件、金額にしまして約三百六十五億円もの御利用がありまして、大いに役に立てていただいたということでございます。
 それからもう一つのお尋ねは、NPO法の法人格取得とこれの関係ということでございます。
 まず、今回の改正で対象事業を災害からがん、結核等の難病の学術的研究とか治療・予防を行う事業、それから地球環境の保全を行う事業ということにしておりまして、それを行う法人または団体の口座に対する寄附金の送金については料金を免除しますという内容になっております。
 こういうスキームをとっておりますのは、国がこういうサービスを提供することに当たりましてはトラブル等が生じないようにきちっとしていかにゃいかぬということでございまして、寄附金を受け入れる法人または団体の要件といたしまして、非営利であるということ、それから法人格の有無を含めまして責任の所在が明確であることが最低限度必要なものと考えております。
 寄附金送金の料金免除の対象となります法人または団体につきましては非営利の法人等を対象としておりまして、例えば特別の法律により設立された法人ということで環境事業団ということでございます。それから、民法第三十四条の規定によりまして設立された法人ということで緑の地球防衛基金であるとか、それからがん研究振興財団というのが例として当たると思います。それから三つ目に、特別の法律によりまして設立された法人または民法第三十四条の規定により設立された法人を構成員とする団体等を予定しているということでございます。
 今御指摘の非営利活動を行う市民団体等についてのいわゆるNPO法が成立をしたということでございまして、その施行は法律の公布の日から起算しまして一年以内の政令で定める日からとされております。私どもとしては、法律が施行されるまでの間につきまして、関係省庁とも連絡をとりながら寄附金送金の料金免除の取り扱いについて前向きに検討していきたいというふうに考えています。
#119
○三重野栄子君 大変広範に利用されていることを具体的に伺いまして驚いたわけであります。それから、これからのNPOの団体につきましても前向きで御検討いただく御答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。関係する団体の皆さんもお喜びだろうというふうに思います。
 次に、ATM相互接続は既に住友、三井、安田、東洋、中央の信託五行とは合意に至っているそうでございますけれども、信託銀行とは密接な御関係にあるやにも伺っております。先ほども大変議論になりましたけれども、世間を騒がせております接待行政といいましょうか、大変批判も大きいし不安も持っているわけでございますけれども、郵政省としてはこういう企業は対しましてどのような対応をお進めでしょうか、伺います。
#120
○政府委員(安岡裕幸君) 郵政省におきましても、官庁綱紀の厳正な保持に関しては従前より機会あるごとに注意を喚起してその趣旨の徹底に努めてきたということで、自戒をしておるところでございます。
 貯金局におきましては、運用関係がありますけれども、資金運用に携わる職員についても国民の疑惑を招かぬように内規を定めて徹底を図っているということでございます。きちんとした対処をしていくということでございます。
#121
○三重野栄子君 大変失礼なことを伺いまして申しわけありませんけれども、郵便局は大変国民が頼りにしている局でございます。「郵便局、おまえもか」というふうにならないように大変心配しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。次に、信託銀行が郵貯の保有国債を貸し付ける場合に、その貸付先について郵政省としては何らかの縛りが必要ではないかと思うんですけれども、どのような縛りをかけておられるでしょうか。また、保有国債の委託先の信託銀行自体が破綻した場合はどうなるのか、その点について伺います。
#122
○政府委員(安岡裕幸君) このたびお願いしております有価証券信託の導入に当たりまして、既に郵政省ではそういう債券につきまして直接貸し付けをやっているということでございまして、貸付先に関するリスクが拡大しないように、信託銀行が貸し付ける場合の貸付先につきましても、法令上現行の債券貸し付けにおける貸付先の範囲と全く同じ範囲で考えていくということでございまして、安全なところにやっていくということでございます。
 それから、信託銀行が受託しました債券を貸し付ける場合に、取引の安全上必要に応じて担保をとるということもできますので適切に業務執行がなされるものと、こんなふうに理解もしております。
 それから、信託銀行が万一倒産するというケースですが、今、信託法第二十八条によりまして、信託銀行は信託財産を自己の固有財産及び他の信託財産と区別して管理する義務を負うと、こうなっております。そういうことでございますので、分別管理が法律上義務づけられておりますので、その点においても心配がないと思います。
 それから、破産手続に際しまして、委託者は信託財産に対する取り戻し権を行使することができるということも信託法に明示されておりまして、債権の保全には問題が生じないと、こう思っております。
#123
○三重野栄子君 昨今でございますから、消費者といたしましては、また利用する側としては大変神経をとがらせているものですからそういう御質問をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、簡保の方で伺いたいのでございますが、先ほど同委員の御質問もございまして、簡保事業団のディスクロージャーにつきまして御答弁をいただきました。その上に立ちまして、三月三十一日に塩崎政務次官は厚生省所管の年金福祉事業団と比較するとかなりおくれているという御発言でございましたのですけれども、先ほどお答えいただきました中身と比べまして、局長としてはどのようにお考えでしょうか。一般的な開示等はおくれていないという御答弁でございましたけれども、それと塩崎政務次官が指摘なさいましたところの関連について伺いたいのでございます。
#124
○政府委員(金澤薫君) 年福事業団のディスクローズの詳細を私は承知しているわけではございませんけれども、年福事業団は年金分野の自主運用をすべて担当しているわけでございます。簡保事業団の場合は郵貯、簡保資金の一部を運用しているだけでございます。そもそもその位置づけが違うということでございまして、ディスクローズの方法も異なってきて当然かというふうに思っている次第でございます。
 先ほども岡先生からの問いかけに対してお答え申し上げましたけれども、郵貯、簡保の自主運用につきましては民間生保や全国銀行と制度上比較可能な項目恒ついてはすべて開示しております。例えば、簡保の場合、独自に開示している十九項目を含めまして八十九項目をディスクロージャーにより開示しているということでございます。
 簡保事業団は本体の資金運用と一体として資金運用を行っておりますので本体の開示方法と当然同じようなやり方で開示していく必要があるわけでございますけれども、会計処理手続におきましては原価法ということになっておりますので原価法を採用しているということでございます。
 本体と簡保事業団の関係につきましては、本体のディスクローズの中では運用寄託ということで額が表示されております。いわば一種の貸し付けということでございます。その貸し付けを受けた簡保事業団におきましては、特殊法人の財務諸表等の作成及び公開の推進に関する法律という法律に基づきまして必要事項を官報に公告するということでございます。また、「事業のあらまし」というディスクロージャー冊子も発行しているということでございます。
 指定単の時価をどうするかということで差異が出てきたわけでございますけれども、私どもとしては、指定単というのは一つのパッケージ商品ということでございまして、一つの金融商品というふうに考えております。したがって、売買の対象にはならないということで、長期保有を前提に信託契約を締結しているものでございまして、私どもとしては指定単というのが一つの商品であるという理解でございます。
 それから、指定単の資産内容、日々変動しているということでございまして、いつの時点で公表するのかということについてもさまざまな問題があろうかというふうに思っております。1この指定単の時価情報でございますけれども、上場企業も生保会社もいずれも公表していないということでございまして、私どもとして、この信託の時価情報を開示すべきという意見につきましては、証取法に基づきます時価情報の開示、それから保険業界の取り組み、さまざまな流れがございますので、その中で全体の動向を踏まえまして、岡先生からの御提言もございましたので、研究してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#125
○三重野栄子君 そうしますと、まだ細かく私も調べておりませんので、その中で質問するのは恐縮ですけれども、一昨年の逓信委員会で当時の保険局長が指定単運用実績の公表について簡保事業の現況を加入者に御理解いただくという観点から公表については今後検討するという御答弁をされておるんですけれども、今、局長がお答えいただきました分はその後検討されて今のようになったんでしょうか、あるいはもっと検討する課題というのは残っているんでしょうか、お尋ねします。
#126
○政府委員(金澤薫君) 世の中全体の状況がどうなっているかということも一つの検討対象でございまして、私どもはその点も十分検討した上で今後どうすべきか研究してまいりたいということでございます。
#127
○三重野栄子君 検討された結果、できるだけ早い時期にディスクロージャー、公表ができまずように御要望いたしまして、この件の質問を終わりたいと思います。
 次に、貯金の問題、国際ボランティア貯金のことを伺いたいのでございますが、平成十年度の寄附金配分に公募した団体はどれぐらいでございましょうか。開設以来もう数年たっているんですけれども、実施状況、あるいは国民や預金者にはどのようにお知らせになっているか、その点について伺います。
#128
○政府委員(安岡裕幸君) 国際ボランティア貯金でございますけれども、制度の創設が平成三年の一月からということで国民の皆さんにも定着をしているということでございます。
 平成十年度の寄附金の配分公募でございますけれども、この三月二日から三月三十一日にかけまして全国の集配郵便局で受け付けをしたところでございまして、団体からの応募件数については今取りまとめをしている最中ということでございます。
 それで、援助事業の実施状況でございますけれども、創設以来七年間の累計で約百三十八億円を世界の八十四の国・地域で行う援助事業に配分をしてきたところということでございます。
 平成九年度の国際ボランティア貯金の寄附金は、平成九年六月十三日に郵政審議会の答申を経まして、二百九団体が五十の国、地域において実施する二百三十九事業に十億六千百九十万五千円を配分決定いたしまして事業が実施されているところでございます。
 具体的には、先生御案内でございますが、開発途上地域で貧困、災害で苦しんでいる人々のため、医療、保健、衛生指導、教育関係を中心としまして、自立を促すための職業訓練、農業等の技術指導、それから環境保全、食糧援助等に広く役に立っているということでございます。
 もう一つ、私ども御指摘のとおり大変大事な点だと思いますが、国際ボランティア貯金の寄附金による援助活動の成果を国民の皆さん、預金者にお知らせをするということは大変大事なことだというふうに承知をいたしておりまして、具体的にはNGO活動状況報告会というものも実施しております。それから、国際ボランティア貯金シンポジウムの実施ということでございますし、NGO活動状況の報告書とか情報紙を定期的に刊行しまして配布するとか、さらにインターネットも活用して情報提供もさせていただいております。
 その情報の提供先も、大事なところは学校教育の中に活用いただけるということで子供向けの情報紙も配布もさせていただいておるということで、今後とも広く国民に情報提供しまして国際ボランティア貯金の定着に努めてまいりたいと、こう考えております。
#129
○三重野栄子君 ボランティア貯金のことにつきましてはずっと以前のこの委員会でもお尋ねしたことがあるんですけれども、大変発展していることを喜ばしく存じます。私が住んでおります福岡県筑紫野市でも、筑紫野郵便局長が音頭をとられまして、国際ボランティア貯金のシンポジウム、報告会等々をされております。各地でもやっているということを今確認させていただいたところでございます。
 次に、高齢化社会を迎えまして簡易保険事業の役割が重要であるというふうに思いますけれども、老後の不安を感じている人々の安心のための施策として最近取り組んでおられる施策があれば簡保事業としてのお答えをいただきたいと思います。
#130
○政府委員(金澤薫君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、我が国では世界に例を見ない速さで高齢化が進展しているということでございます。その中で、国民の基礎的生活保障サービスでございます簡易保険事業の役割はますます重要になるという基本的な認識をいたしている次第でございます。こうした観点から、老後の生活や介護などの分野におきまして、国民の自助努力を支援する商品、サービスの提供に積極的に取り組んでいるところでございます。
 例えば、御指摘の最近の取り組みとしてどのようなものがあるかということでございますけれども、商品面でいいますと、平成七年四月に要介護状態になった場合には年金を割り増しして支払う介護割増年金付終身年金保険というものを新設いたしました。また、平成九年一月には老後に夫婦の一方が亡くなった場合の収入減に対応するため特別夫婦年金保険というものを新設いたしました。
 また、保険給付事業と並び国の事業としてやっております加入者福祉事業の面では、平成七年四月から医療・介護関連情報を郵便局を経由してお客様に提供しております。さらに、平成九年十月からは郵便局が市町村を支援し高齢者に優しい町づくりを推進いたしますケアタウン構想というものを推進いたしております。これはホームヘルパー二級資格取得等の介護知識の習得支援、それから車いすとか介護支援ベッド等介護機器の普及支援というふうなものに積極的に取り組んでいる次第でございます。
 今後とも、国営の簡易保険として、国民のニーズ、それから公的介護保険制度の動向等を踏まえまして、国民が安心して老後を迎えられるような商品、サービスの提供に積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#131
○三重野栄子君 ありがとうございました。郵貯並びに簡保事業がますます発展をするように御活躍をお願いいたします。
 最後に、大臣、今までいろいろお話を伺いましたけれども、なお足りない点がございましたら一言でも伺いたいと思います。よろしくお願いします。
#132
○国務大臣(自見庄三郎君) いろいろ三重野委員から大変示唆に富んだ御質問、また激励をいただいたわけでございますが、やはり郵便事業あるいは簡易保険事業が持つ使命はビッグバンの中でますます大事になってくると、私はこう思うわけでございます。その責務の重たさを自覚しつつ、適時適切にこの郵政行政の運営を図っていきたいというふうに思っています。
 特に、今さっきから出ていますユニバーサルサiビスという点でございますが、やはり全国あまねく、全国津々浦々の国民にきちっとこういった貯金・保険サービスを届けていくということは国の事業である限り大変私は貴重な価値だと思いますから、今後とも御指導を心からお願いする次第でございます。
#133
○三重野栄子君 終わります。
#134
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮でございます。
 今回の郵便貯金法の改正案についてですけれども、この中では九〇年に新設をされました郵便貯金の金融自由化対策資金、これで保有している国債等について、みずから債券貸付運用を直接実施していたものを信託銀行等への信託をして運用できるようにすることが含まれているというふうに理解をしております。
 そこで、まず伺いますけれども、九六年末現在が一番新しいのかもしれませんが、保有国債額のうち幾ら運用して、そして幾ら収益を上げているのか。保有国債額、運用額、それから貸付稼働率、それから収入の実態を明らかにしていただきたい。また、今後保有国債額の何割ぐらいまで運用するというおつもりがあるのか、伺いたいと思います。
#135
○政府委員(安岡裕幸君) 平成八年度末におきます郵貯本体によります債券の貸付残高でございますけれども、これは約三兆円でございました。今後は有価証券信託という格好で運用の幅を広げていくわけでございますが、今回、自由化対策資金の運用対象に追加することとしております有価証券信託を活用するということで、債券貸借市場の実勢等を把握しまして有利運用を行うという観点から、引き続き郵貯本体においても債券貸し付けを行うということでございます。
 ちょっと回りくどかったですが、具体的に平成八年度末で郵便貯金は国債を十九兆円保有しております。このうち有価証券信託を通じた貸し付けを含めてどの程度貸し付けをしていくかについては、今後の市場の動向を見きわめながら決定していくということで考えております。
#136
○笠井亮君 運用の実態というのが今お答えにはなかったように思うんですけれども。
#137
○政府委員(安岡裕幸君) この債券の貸し付けの残高が、先ほど早口で申し上げましたが、三兆円でございます。三兆円で債券運用をしているということでございます。
#138
○笠井亮君 今回の改正は、自主運用に際しては民間金融市場に与える影響にも十分な配慮を行って、市場原理に則した運用をする、こういう形で九七年の十一月でしたか、資金運用審議会懇談会の取りまとめを受けたものと私は承知をしております。また、昨年十二月の行革会議の最終報告、そして今国会に提出されている中央省庁等の改革基本法案で、二〇〇一年以降の資金運用部への預託完全廃止で郵貯資金の完全自主運用に備えるためということで今こういうことになっているのかなというふうに理解しているわけですけれども、先ほども質疑があったわけですが、取引先が限定される直接貸し付けから相対的に信用力が低い金融機関にも債券を貸し出すということにつながるという今回の改正になると思うんですけれども、このメリットは何かということが問題になると思うんです。金融破綻の時代でございます。ビッグバンが始まったと言われ、投資信託をめぐる競争が激しくなっているもとで、貸付業務を委託する信託銀行に対する元本保証というのを明確にするのか、それから、先ほど信託がつぶれた場合というふうにありましたけれども、貸し付けた金融機関が倒産した場合、貸し付けた債券に対する優先権、これはあるということでよろしいのかどうか、そこのところをはっきりお答えいただきたいと思うんです。
#139
○政府委員(安岡裕幸君) 信託契約におきましては、信託銀行は信託財産を自己の固有財産及び他の信託財産と区別して管理をするという義務を負いますということになっております。
 また、信託銀行が倒産をいたした場合でも、その破産手続に際しまして委託者は信託財産に対する取り戻し権を行使することができるということで、これは信託法の第十六条に書かれておりますけれども、債権の保全には問題がないということでございます。
#140
○笠井亮君 要するに、優先権はあるのかということについてはどうですか。それはあるわけですね。
#141
○政府委員(安岡裕幸君) 先ほども申し上げましたように、分別管理をしますという話になりますので、それはもう確保されるということでございます。
#142
○笠井亮君 国民の郵便貯金という公的資金については安全、確実な運用というのが基本だということだと思うんです。ところが、この債券取引の自由化で日本版のいわばレポ市場と言われておりますが、これは債券を貸借する取引から債券と資金を交換する短期の金融市場に変化をして、現物取引、先物取引、それからオプション取引を巻き込んで、近い将来最大の短期金融市場になって金融市場の自由化に発展していくということが言われているところでございます。
 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、こういうことになりますと、資金運用部資金法の一条の立場から見て、郵便貯金を確実かつ有利、公共の利益のために運用するということとの関係で果たしてこれがなじむのかどうかという点についてどうお考えでしょうか。
#143
○国務大臣(自見庄三郎君) 笠井委員の御質問でございますが、今、有価証券信託というのがずっと議題の中心になっているわけでございます。
 有価証券信託は、御存じのように、郵便貯金が保有国債を信託銀行に信託し、当該債券の貸付運用を信託銀行に行わせるものでございまして、有価証券信託においては委託者は信託銀行が貸し債運用で得た貸借料から当然信託銀行の信託報酬等を差し引いた金額を得ることになります。
 このように、有価証券信託は金融自由化対策資金において今までも保有しているだけでは金利収入しか生じない債券等をまた有効活用できるものでございまして、有利、確実に運用すべきという郵便貯金資金の性格になじむものであるというふうに考えております。
#144
○笠井亮君 きょうの新聞でも、先ほどありましたけれども、郵貯の純増が二倍ということで、新聞の見出しでも金融不安の中でふえたということがありました。やっぱり郵便局をなくしちゃいけない、そういう気持ちを多くの国民が持っている、そういうことだと思うんです。
 それで、まさにそういう中で今、信託会社との契約で元本保証をするということも含めてあるのかもしれませんが、結局は信託会社にもうけさせるだけじゃないかというような声が出てくるわけでありまして、先ほど申し上げましたこの現金担保つき債券貸借市場のレポ市場、レポ取引について、短期資金をやりとりする小売市場の残高を上回ったということも指摘されている。そういう中で、この問題はやっぱり大丈夫かということを本当にきちっと見ていかなきゃいけないと思うんです。
 アメリカでは、国際市場を含めて、財務省、連邦準備理事会、それから証券取引委員会、商品先物取引委員会、ニューヨーク連銀が市場監視ワーキンググループをつくって価格操作を監視している。空売りなどのショートセールという投機市場に、まさにそういう中で日本の場合、公的資金を投入すべきじゃないということが大きな議論になってくる。そういう中での問題なので私は大臣にあえて今伺ったわけでございます。その点で私は、大丈夫だと言われてもなかなか、これはそうなのかということを申し上げたいわけです。
 そこで、次の問題に行きたいと思うんですけれども、郵貯資金及び簡保資金の先物外国為替についての銀行、証券会社との直接取引の問題であります。
 現在、郵貯も簡保も先物外国為替取引について信託会社等を通じて間接的に実施できることになっていると思うんですけれども、その実績というのはどういうふうになっていますでしょうか。
#145
○政府委員(安岡裕幸君) まず、郵貯の先物為替の実情でございますけれども、九七年三月末時点では、先物外国為替、オプション取引のいずれも保有していないところでございます。
 平成八年度におきましては、為替相場が一貫して円安傾向で推移しているということで、保有外貨債の為替リスクが比較的小さかったということで、先物外国為替は同年度末時点において残高を保有しなかったということでございまして、八年度末時点では保有はしていないというのが実情でございます。
#146
○政府委員(金澤薫君) お答え申し上げます。
 九七年三月末、平成八年度末のことでございますけれども、先物外国為替、オプション取引、いずれも保有しておりません。
#147
○笠井亮君 今回の郵貯法、それから簡保の資金運用法の改正ですけれども、二〇〇一年に向けた金融ビッグバンに備えて、いつでも機動的に先物外国為替取引を行えるように条件整備をするという意味を持っているんだと私は理解をしております。
 郵政省は、外国債を満期まで保有することを基本としているということで、リスクヘッジとしての先物為替取引の必然性は低いということだと思うんですけれども、今回の改正は巨大な機関投資家である簡保が証券会社に委託せずに直接取引をする、このことによって相場介入的な性格を果たして強めることにならないか、この問題があると思うんですね。これはいかがかということが一つ。
 それから、二〇〇一年の金融ビッグバンのために、個人資産千二百兆円のうち三百三十兆円を占める郵貯・簡保資金を金融先物市場の活性化に動員するという言葉がいいのかどうかわかりませんが、それをねらったものではないのか、その点について伺っておきたい。
 それからさらに、実体経済とかけ離れて世界貿易の数十倍の取引となってカジノ化している為替取引、それから投機的な機能を有して乱高下の激しい外国為替市場での運用というのがリスクも大きくて元本割れもあって国民の資金を危険にさらすことになるんじゃないか。
 三つを申し上げたんですけれども、先ほど大臣はローリスク・ローリターンという言葉もお使いになりましたが、こういう問題についてどうお考えになっていらっしゃるか、伺いたいと思うんです。
#148
○国務大臣(自見庄三郎君) 先に私から総括を答えさせていただいて、後で必要があれば事務方から答えさせていただきたいと思います。
 相場介入になるのではないかというお話でございましたが、そういったことを含めて、今回の先物外国為替の運用方法の改善は、先生御存じのように、現在は証券会社に委託して行わなければならないとされている先物外国為替への運用について、銀行、証券会社等と直接取引できるようにするという、単に運用方法を改善するものであるというふうに思っております。
 それから、今、先生から現在の先物外国為替の運用は投機的というお話があったわけでございますが、これは純粋に保有外貨債の為替リスクをヘッジすることを目的としており、省令でもこれは保有する外貨債の為替変動の危険の防止または軽減を目的として資金の運用の健全性に配意し、投機的な運用は行わない、こういうふうにはっきり明記しているところでございまして、今回の改善後も引き続き投機的なディーリングや市場介入を行うことはないというふうに思っております。
#149
○政府委員(金澤薫君) 大臣からお答えがございましたとおり、現在の法律でございますけれども、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律で先物外国為替は証券会社に委託して行わなければならないというふうにされております。これは、当時、先物外国為替というのは外為銀行しかできなかったというところを受けまして、証券会社に委託して、証券会社の取り次ぎ行為を介して先物外国為替を行うという仕組みとなっていたわけでございます。これによりまして、証券会社の名において行わせることによりまして簡保の名前が世の中に出ないということでございまして、簡保は非常にロットが大きいので市場に対して重大な影響を与えてしまうということもございましてそういうふうな制約を設けていたということでございます。
 ところが、外為銀行でなくても、証券会社等々も先物外国為替の取引ができるというふうになってまいりますと、証券会社を通す取り次ぎ行為そのものもなくなってきたということでございまして、外為法の改正に伴う今回の改正でございまして、手続を改正したというものでございます。
 それから、投機的行為に走るのではないかというふうなお話がございましたけれども、これにつきましては、省令で投機的行為を行ってはならないということが明記されております。そもそもこれは為替変動の危険を防止し、または軽減する目的のため、つまりヘッジ目的のためにやるんだということを明記しているところでございまして、今後ともその方針については省令等で明記していくつもりでございます。
#150
○笠井亮君 今御答弁を伺っていて、危険はないということを断言されるわけですけれども、私は、この金融ビッグバンというのが相当大きな規模でやられるわけですから、そういう中でこの今拝見しているような法律案の中身を見ましても、これはないというふうに断言できる状況じゃないというふうに思うんです。確実、有利、公共の目的の三原則を基礎に運用している郵貯資金、簡保資金を投入していくということが本来法律の目的から見て相反する行為になっていくということになるんじゃないかと私は思うんです。その上、カジノ化を一層促進するということにならざるを得ないというのが客観的な流れの中でのこの改正案の位置を占めるということを私は感じております。
 あと、時間がもう迫ってまいりましたので、いわゆるPKO問題について端的に伺っておきたいことがあるんです。
 局長は先ほど答弁の中で、三月末ということで効果があった、成果があったということを言われましたけれども、新聞を見ますと「PKO株価一夜天下」ということもあります。債券貸借市場、それから金融先物市場への運用拡大等、先日来の郵貯資金、簡保資金による簡保事業団を通じた指定単の運用というのは、私は公的資金による市場への介入そのものと言わなきゃいけないということを申し上げたいと思うんです。
 一つだけ確認をしておきたいんですけれども、三月宋の簡保事業団を通じてのPKOの発動に当たって、郵政大臣や閣僚及び郵政省、大蔵省の職員が株式取引を実施していれば、まさにこれはインサイダー取引ということになると思うんですけれども、そのような事態はないと明言できますか。その点はどういうふうになっているでしょうか。
#151
○政府委員(金澤薫君) 私ども、その点については常々念頭に置いて行為を行うということでございまして、少なくとも簡易保険局でこの機に乗じて株取引を行ったということは一切ないというふうに断言できます。
#152
○笠井亮君 それはもう確認しましたね。
#153
○政府委員(金澤薫君) それについては、従来から株取引は行ってはならないという倫理規程がございまして、それに基づきまして確認しているところでございます。
#154
○政府委員(安岡裕幸君) 郵貯資金の方でございますけれども、ただいま簡保局長が申し上げたとおり、インサイダー取引というのは禁止されている事項でございまして、そういう取引は一切ないということでございます。
#155
○笠井亮君 終わります。
#156
○星野朋市君 ここにあります「郵便貯金97」、それから「簡易保険97」、こういう立派な冊子が出ておるわけですね。これを見ますと、かなりディスクローズされている。これは今から二年ほど前の決算委員会で私はよくできている冊子であるということを申し上げました。
 これは年間で大体どのくらい発行されて、どういうところに置いてあって、どのくらいの人が見ているのかということ、立派なものをつくっても見る人間がいなければしようがないので、どのくらい印刷されて、どのくらい配布されていますか。
#157
○政府委員(安岡裕幸君) お答え申し上げます。
 国営事業でございます郵貯について、事業運営の状況を広く国民の皆さんに御理解いただくというのは、これはもう基本中の基本だと認識しています。郵貯につきましては、昭和六十二年度から毎年度、事業の経営状況とか事業の意義、役割等についてディスクロージャー冊子を作成しております。
 平成九年度ですけれども、五十万部発行していまして、全国の郵便局でごらんいただけるようにするということとあわせまして、地方自治体、公立図書館にも配布をいたしておりますし、それからインターネットの活用もさせていただいておるということでございます。
 このディスクロージャー冊子自身に対しまして御意見をいただきたいということも結構させていただいておりまして、いただいたものを次年度に掲載させてもいただいておるということで、いろいろディスクローズの徹底に努めているところでございます。
#158
○政府委員(金澤薫君) 簡易保険は、国営事業といたしまして、毎年度決算書等を国会に提出しまして審議を受けているということはもちろんのことでございます。
 事業を国民に広く理解していただくためにディスクロージャー冊子を発行しておりますが、一九九七年版で申し上げますと、詳細版、つまり中身がかなり詳しいものを四十七万部出しております。これは、報道機関、地方公共団体、簡易保険加入者の会等へ配布しているところでございます。それからまた、郵便局の窓口にも常備いたしております。
 それから、契約者向けにダイジェスト版を、この種のものとしては最大の発行部数ではないかと思いますが、一千百万部配布いたしております。これは、契約者世帯等へ配布する、また郵便局の窓口に常備するということでございます。
 これ以外にも、最近、経営状況につきまして新聞広告を実施するということをやっております。財務諸表を新聞に載せるということもやっております。また、インターネットを活用いたしまして、経営状況やディスクロージャー冊子の内容をインターネット上に掲載しているということでございます。
 どれだけの人がこれをごらんになっているかというのは、ちょっと調査したことがないので申し上げかねるということでございます。
#159
○星野朋市君 そうしますと、ちょっと簡単なことをお聞きしたいんですけれども、郵便貯金の平成八年度末というところがございまして、これが二百二十四兆八千八百七十二億円とあります。新聞なんかで報じられた平成九年度末の郵貯の残高が二百三十九兆ということでありますけれども、この二百三十九兆というのはこの二百二十四兆九千億円に対比して二百二十九兆円なんですか。
#160
○政府委員(安岡裕幸君) 郵貯のディスクロージャー冊子に、平成八年度末に二百二十四兆ということで表示していまして、今回発表しました二百三十九兆、これに対応するものでございます。ただ、現在の二百三十九兆はまだ速報でございます。そういう面で、確定値になれば若干変わりますけれども、考え方としては接続するデータでございます。
#161
○星野朋市君 そうすると、ざっと十五兆伸びたわけですよね。これは大変なものなんです。そうすると、今からちょうど五年前にさかのぼって見ると、平成四年度末が郵貯の残高は百七十兆、それから五年度末は百八十三兆五千億、平成六年度末は百九十七兆六千億、平成七年度末は二百十三兆四千億、平成八年度末が今言いましたように二百二十四兆九千億、それから平成九年度末が二百三十九兆と、これは大変な伸びなんですね。
 要するに、民間に回らないんですよ、このお金が。どういうふうにお考えですか。絶対額と伸び率、この問題についてお答え願いたいと思います。
#162
○政府委員(安岡裕幸君) 郵便貯金の伸びの状況でございますけれども、平成九年度末、つい先ほどの状況で二百三十九兆九千六百十億円となっています。これを残高の伸び率で見ますと、対前年比が六・八%という格好になっています。もう少し分解しますと、この残高のうち純増という市中から入ったものと元加利子の部分に分かれますが、この純増の部分が三%という格好になっていまして、元加利子分もかなりこれには含まれているという現況がございます。
 この伸びの状況を見ますと、昨年度、つまり八年度は消費税の引き上げの駆け込み消費の影響ということで、先ほど来申し上げていますけれども、残高の伸び率が五・四%増ということで八年度はその伸びが低かったということでございますが、その前の三年間、つまり五年から七年までの間でございますが、いずれもその伸び率は八%弱という格好になりまして純増は三%前後という推移になっています。
 そういうことで、九年度の伸びの状況をいわば平年的なベースである八%弱で見ますと、残高の伸びは六・八%ですから、若干低目になっています。それから、純増の方は平年並み、こんな状況になっています。
 問題は、銀行の個人預金の伸びの状況はどうなのかということなんですが、これは平成九年十二月末時点のものしか実はちょっと民間さんの方がおくれまして公表されておりませんが、その時点での伸び率は六・〇%ということで、ともに六%の状況になっているというのが実情でございます。
#163
○星野朋市君 さらに、これを月別に見てまいりますと、郵貯の残高が十二月に急増しているんですね。数字で申し上げますと三兆三千四百億。一月も、それから二月もかなり多いんですよ。
 これについてはどうお考えですか。私流に言わせれば、十一月に例の山一の破綻の問題が起きている、国民的な心理が国への安全、こういう形に向かったんだと解釈せざるを得ないんですけれども、いかがですか。
#164
○政府委員(安岡裕幸君) 去年の十二月の状況ですが、三兆三千億の伸びが、純増ベースでございますが、ございました。実は、平年が二兆円でございまして、そういう面では平年ベースから見ますと一兆三千億ぐらいが伸びたということでございます。
 その主因というか、分析をいたしますと、一つは十二月のボーナス期なんですが、なかなか景気が停滞しているということで消費が非常にないということでいつもの払い戻しの額までいかないんですね。払いの額がもう極端に少なかったんです。そうしますと、純増というのは預入額から払い戻し額ですから必然的に純増額としてはふえるという現象がございます。
 それからもう一つ、預入額自身も傾向としまして定期性の長いところよりも通常郵便貯金だとか流動性のところに選好されているという現象がありまして、そういう観点でいいますと、今のいろんな状況の中で郵貯も安心のよりどころとして機能しておりますけれども、実際の状況からいいますと、特にある銀行からシフトしているという現象ではないというふうに考えているところです。
 民間さんの状況を見ても、実は都銀さんなんかは残高がたしか四倍ぐらいふえているという状況になっていまして、非常にあの当時の状況としては民間金融機関さんの方もかなり一種の二極化をしていたんじゃないかなという感じがしていまして、その中に郵貯が安心のよりどころとして中間的なところに選好されたというのが、十分な分析じゃないですけれども、実態なんじゃないかなということがありまして、郵貯はもともと小口、つまり一千万円未満の世界で小口預金としての機能を粛々と果たしているというのが実態じゃないか、こんなふうに見ています。
#165
○星野朋市君 局長、これは非常に穏やかな見方ですよね。
 それから、今度は簡保の方に移りますけれども、今、簡保の契約残高はほぼ百兆というようなことで、利回りを見ていきますと、ここのところ毎年急速に利回りが落ちていて、平成八年度が四・一四%ですね。
 平成九年度は大体どのぐらいになりそうですか。
#166
○政府委員(金澤薫君) まだ決算が終わっておりませんので確たることを申し上げることはできませんけれども、四%というふうに判断しております。
#167
○星野朋市君 そうすると、これは今の低金利で運用難ということになりますと、だんだん低下せざるを得ない。
 一方では、ハイリスク・ハイリターンの商品というのがあるわけですよ。それで、先ほど中井審議官からデリバティブの話がちょっと出まして、これは日本の法規によると一種の賭博罪に当たるというような形で日本では今禁止されているんですが、これからこの委員会で審議される金融システム法ではこれが取っ払われるんですね。
 そうすると、どうしてもそこにかなり高い利回りのものがある、アメリカのファンドマネーなんかでは一〇%は当たり前だというようなものがたくさんあるわけですよ。人間の心理として、いろいろ省令で禁止はされているんだけれども、どうしてもそっちの方に向かわざるを得ないという心理が動く、これは人間として当然なんですけれども、そこのところをこれから金融ビッグバンを控えてずっと抑えられるかどうか。局長でもいいです、大臣でもいいですけれども、簡単にお答えください。
#168
○政府委員(金澤薫君) まず、事務的な面についてお答え申し上げたいと思いますけれども、簡保資金の運用対象と申しますのは、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律という法律がございまして、運用対象を限定列挙いたしております。それ以外は運用できないということでございます。
 そのほとんどは元本保証のあるものということが前提になっておりまして、指定単その他若干の例外はございますけれども、簡保資金の九割まではそういう安全、確実なものに運用されているということが原則でございます。
   〔委員長退席、理事楢崎泰昌君着席〕
 私ども国民からの大切なお金をお預かりしているわけですが、これは国の資産というよりもむしろ国民に対する債務でございまして、いずれほお返ししなきゃいかぬ、そういう意味からデリバティブ的なもの、投機性の高いものについて運用することは問題があるのではないかというふうに考えておりまして、従来どおりその大部分につきましては安全、確実という精神にのっとりまして運用してまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#169
○星野朋市君 そこは建前論でありまして、それならば、先ほど私が聞こうと思っていたんですが、お答えになられましたからあえて申し上げますけれども、三月末の指定単、これは私が三月三十日に郵政大臣に実行しましたかという問いをいたしました。はっきりしたお答えはいただかなかった。それが三月三十一日、引け間際にPKOが実施された。そのことは肯定なさいますか。
#170
○政府委員(金澤薫君) 三月三十日に私どもは簡保事業団に対しまして郵貯、簡保とも資金交付を行いました。これは全体で九千七百十二億円でございます。簡保事業団からは三十日付で信託銀行に対してお金が流れております。金銭信託を締結したという報告を簡保事業団から受けているということでございます。
 ただ、その株式の購入につきましては、これは先生も御承知のように、指定単という単独運用指定金銭信託という契約を締結して行うこととなっております。この指定という意味は、運用対象、これは株式とか債券とかという大まかなくくり、それから運用割合も現在は両方とも十割以内というふうになっておりまして、すべて信託銀行に任せているという仕組みになっております。売買する銘柄、数量、時期、これは信託銀行がみずから市場見通しに基づく投資判断により行います。つまり、市場メカニズムにより決定するわけでございます。郵政省はこれに対して一切指示を出せない仕組みになっております。
 したがいまして、三十一日にどのような株式の購入状況かというお問い合わせでございますけれども、これも株式を実際にいつ購入するかについては信託銀行の判断により行われるものでございまして、私どもそれについて報告を求めるというようなこともしておりませんし、現時点で把握していないということでございます。
#171
○星野朋市君 ここのところ毎日この財政・金融委員会と予算委員会で私は引けの株価のことをずっと言っているんですよ。きょうでこの財政・金融委員会はしばらくお休みになりますからもう言いません。だけれども、三月三十日は評価がないから四百七十円も下がった、三十一日は二百六十円ほど上がってまあまあ妥当な線、一日はその分だけ行ってこいで二百八十五円安くなった。きょうはどうだったか。もし安全だとかそういうことをおっしゃるんだったならば、きょうは五百三十八円安ですよ。要するに、いかに無理にやったかというとがめが出ているんですよ。
 それは即売るわけじゃないからすぐ損が出たということにはならない、長期保有ですからね。ただし、無理してやるということがわかっていたから、売り方というのは、売りかぶせるわけですよ。そして、その支えがとれてしまったら買い手がないという、これが今の現実です。だから、そういうことは無理になさることはない。新聞報道によると、局長が三人そろって官房長官のところへ行ってやめてくれと言ったという報道がありますけれども、私はそのことだけを指摘いたしまして質問を終わります。
#172
○菅川健二君 これまで大方の皆さん方の質問によりまして懸案のことは大体解明されつつあるわけでございますが、私は最後で若干落ち穂拾いをさせていただきたいと思うわけでございます。
 まず、先ほど楢崎委員が申されたことと私は全く同じでございますけれども、郵便関係のこの改正案を見まして、こんな細かいことまで法律で規制されておるのかということでびっくりいたしたわけでございます。ATMとかCDなどのことにつきましては、民間ベースでは自由自在に行われて、その連携拡大というのが逐次図られておるわけでございますが、郵貯の場合につきましては法律によってそれを規定しなくちゃいかぬ、大変窮屈なことだなと思った次第でございます。
 国営事業でございますから、事業の大枠につきましては当然法律事項、あるいは施策の根本的な事項につきましては法律に根拠を持つということは重要なことでございますけれども、細部にわたること、あるいはサービス内容の改善にわたるようなこと、こういったことについてはできるだけ自主的に法律改正を待たずしてやれるような法体系にしていただくということがとりわけ現在ビッグバンが始まりまして必要なことではないかと思うわけでございます。
 そこで、私はビッグバン時代に突入した段階でこの法律全体を抜本的に見直していただきたいと思うわけでございます。
 若干具体的なことを申し上げますと、例えば郵便貯金法の七条に郵便貯金の種類が法定されておるわけでございます。「郵便貯金は、次の六種とする。」ということで、通常、積立、定額、定期、住宅積立、教育積立、こういった六種類に限定いたしておるわけでございます。
 申すまでもなく、これからは魅力ある金融商品をどんどん出していくことがビッグバン時代には必要なことでございますので、こういったことについても、標準的な種類というものについては法定することがあるにしても、追加的に新しい商品を自主的に決められるということが必要ではないかと思うわけでございます。
 それから、そのほかでも例えば十九条に貯金原簿の記録方法という規定もございます。それから、三十二条に通常郵便貯金の最低預入金額等についても細かく規定いたしておるわけでございます。
   〔理事楢崎泰昌君退席、委員長着席〕
 こういったことにつきまして、先ほど来申しておりますように、法律を全面的に見直していただき、事業を弾力的に実行できるようにしたらどうかと思うわけでございますが、大臣の決意はいかがでございましょうか。
#173
○国務大臣(自見庄三郎君) 菅川委員にお答えをさせていただきます。
 まさに御指摘のとおりでございまして、金融ビッグバンが進展する中、先生もおっしゃいましたけれども、預金者のニーズも大変高度化あるいは多様化してくることが予想されるわけでございまして、それらのニーズに的確にこたえることが大変重要なことと認識をいたしております。
 そのためには適時適切な新サービスの提供あるいは機動的な事業運営が重要であることから、今、先生は何もかも法律で決めていると、こういうお話でございますが、法制面におけるさらなる法定制の緩和にも努力してまいりたいというふうに思っております。
#174
○菅川健二君 局長、特に第七条の郵便貯金の種類についてはどうですか、こういう規定は非常に不自由じゃないかと思うんですけれども。
#175
○政府委員(安岡裕幸君) その前に、今回のATM接続の観点についてもできるだけ法定事項は少なくするということで努力はさせていただいたということでございます。例えば、本法案の第二条の金銭の受け払いと払い渡しに関すること、これは基本になっていますので、それに付随いたします残高照会のようなものについては省令にゆだねていくというような格好で新法をつくるに当たっても努力はさせていただいているということでございます。
 それで、具体的に貯金法七条の郵便貯金の種類ということでございますけれども、私どもの基本的な考え方も、できるだけ事業の貯金業務法として国民の皆さんとの基本的な権利義務関係に当たるところについてはやっぱりきちっと法律でやりまして、あといろんな時代のニーズに応じたサービスは省令にゆだねるという格好にしておりまして、直ちに貯金の種類の方を、例えば流動性預金とか定期性預金だとかいう考えもいろいろあろうかと思いますけれども、基本的にはそういう目でもってこれから見ていきたいと思っております。
 そういう面で見ますと、預入期間だとか金利のつけ方だとか商品によってはいろんなところがあるわけです。そういうところをもう少し弾力的に対処できるようにしまして、預金者のニーズに即応できるような法体系に持っていくというようなことについてはこれからも先生の御指摘も十分踏まえながら検討していきたいと、こんなふうに思っております。
#176
○菅川健二君 ぜひできるだけ早く法体系を見直していただきたいと思うわけでございます。
 それから、これから財投改革の一環としまして、二〇〇一年ごろには資金運用部への預託が廃止されまして全額自主運用ということになるわけでございますが、やはりその際に郵貯の性格というものを十分頭に入れていただく必要があるんじゃないかと思うわけでございます。
 資金運用につきまして、先ほど来ございましたけれども、安全、確実かつ有利、この三原則がそろうのは大変望ましいわけでございますが、しかしながらこの三つの要件が備わるというのはなかなか難しいわけでございまして、庶民から小口の預金を集めておる郵便事業の性格からしますと、やっぱりローリスク・ローリターンの原則といいますか、それを中心にして資金運用を図っていく、したがって株式運用あるいは外貨運用につきましてはかなり歯どめをかけながら慎重に運用していただくという、ことが一つあろうかと思います。
 それからもう一つは、国営事業でやる以上は公共性を持ったものにやはり優先的に充てていくと。国債、地方債、それから財投機関債というのがこれからできるんじゃないかと思うわけでございますが、そういったものにウエートを置くという原則は要るのではないかと思うわけでございまして、これらの資金運用のあり方につきまして、大臣、いかがでございましょうか。
#177
○国務大臣(自見庄三郎君) 自主運用になった場合、いかなる形で資金を運用するのかということでございますが、今さっきも申し上げましたように、これは国の事業でございまして、国民から預かった郵貯資金、簡保資金でございますから、やはり基本的には公的社会資本の整備と申しますか、今、先生が言われましたように、国債だとか地方債、あるいは場合によっては財投債、財投機関債が出るかもしれませんけれども、そういったもの、長期的な社会資本のニーズというのは当然社会の中にあると思うわけでございますから、それがやはり第一義的だろうというふうに私は思っております。
 それから二番目は、こういったお金でございますから基本的にローリスク・ローリターン、その原則は必要ではないかと思うわけでございますから、やはり国債を初め長期債と申しますか、そういったことを基本にやっていくべきだというふうに私は思っております。
 いずれにいたしましても、自主運用というのは大変重たい話でございまして、私も責任の重たさを痛感いたしておる次第でございます。
#178
○菅川健二君 ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 もう一つだけお聞きいたしておきたいと思うのでございますけれども、これも楢崎委員の例を引かせていただきまして恐縮でございますが、小さな池に鯨が浮かんでおるという、これは大変わかりやすい表現でございます。そうしますと、民業をやっておる方がはじき飛ばされちゃうわけでございまして、おのずから官民のバランスというのは当然あるのではないかと思うわけでございます。
 ただ、郵政事業といいますか、非常に皆さん頑張っておられるからこうなったんだということについては大変敬意を表したいと思うわけでございますが、政策からいいますと、やはり一つのバランスということが重要ではないかと思うわけでございます。その中で、特に民のサイドから言われておりますいわゆるイコールフッティングの問題でございまして、この点についてどのようにお考えになるか、ひとつお答えいただきたいと思います。
#179
○政府委員(安岡裕幸君) 郵便貯金事業と民間金融機関との競争条件のバランスをどう保っていくかという問題じゃないかなというふうに承ったわけでございますけれども、まず郵便貯金の方の基本性格といたしましては、国営事業であります、そのいわれは基本的には郵便貯金という小口個人の貯蓄手段をユニバーサルにあまねくサービスを提供していきます、そういう使命にあるというふうに考えるわけでございます。
 そういたしますと、全国で今二万四千六百の郵便局がございまして、その配置も津々浦々、過疎地を含めまして、都市も田舎の方もあります。田舎の方に店舗を設けますという話になりますと、これはもう採算を超えた店舗を配置してなきゃいかぬということでございまして、そういうユニバーサルサービスを確保するためにはかなり大きなコストをかけなきゃならぬということでございます。したがいまして、全体としまして収支がとれるという格好にしていかなきゃいかぬというふうに思っておるところでございます。民間さんの方は、基本的には利潤をいかに上げるかという話でございまして、店舗政策もできるだけ田舎の方、もうからぬところは引き揚げる配置になってくるということでございます。
 どういうふうにバランスをとっていくかというのは、理念とか制度が違いますので一概にはなかなか言いづらいことで、いろんな議論の中に、民間さんは払っていますけれども、郵貯は税金も払っていないじゃないかという議論もあります。それはやっぱり基本的には郵貯と民間さんにはそれぞれ特色がございまして、トータルで物事を比較してやっていくべきじゃないかなということで、各種の経営資源等についてはトータルバランスで考えていく、その目指すところは私どもで言えば小口預金者の利益増進にいかにしたらつながるかということで考えていきたいなというふうに思っています。
#180
○菅川健二君 終わります。
#181
○委員長(石川弘君) 他に御発言もないようですから、四案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより四案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#182
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表し、議題となっております四法案のうち郵便貯金法改正案及び簡易生命保険積立金運用法の改正案に対して反対の討論を行います。
 第一に、郵貯法改正案に反対する理由は、今回の改正によって大銀行や大企業の利益追求のための投機の場に郵便貯金が保有する大量の国債等を投入することになり、国民の預託金でおる公的資金の運用を投機を促進する債券貸借市場で一層拡大させるからであります。これが公共の利益の増進に寄与するという郵貯資金の運用原則に反することは明らかであります。
 第二に、郵貯法、礼節資金運用法の両改正案ともに反対するもう一つの理由は、これらにより先物外国為替取引を証券会社に委託せず直接取引を実施し、いつでも必要に応じて郵貯資金及び簡保資金を投入できる去りになるため、投機的な機能を有し、リスクも大きく元本割れもある外国為替市場で国民の資金を危険にさらすからであります。資金運用部資金法及び簡保運用法の目的、資金を確実かつ有利な方法で運用することにより公共の利益の増進に寄与することと相入れないことは明白であります。
 改正案の中には預金者の要望にこたえた貯金証書の発行など利用者の利益になる点もありますが、全体として行革会議の最終報告、中央省庁等改革基本法案での郵貯資金の完全自主運用を先取りするものであります。また、金融ビッグバンのために個人資産千二百兆円のうち三百三十兆円を占める郵貯・簡保資金を債券貸借市場、金融先物市場の活性化に動員する以外の何物でもありません。
 最後に、今回の改正が国民の意に反して郵便貯金、簡易生命保険の民営化に道を開くことにつながることを指摘して、反対討論を終わります。
#183
○委員長(石川弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次四案の採決に入ります。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#184
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#185
○委員長(石川弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、郵便振替法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#186
○委員長(石川弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#187
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、四案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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