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#1
第142回国会 外交・防衛委員会 第3号
平成十年三月十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月五日
    辞任         補欠選任
     吉岡 吉典君     立木  洋君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         及川 順郎君
    理 事
                笠原 潤一君
                須藤良太郎君
                武見 敬三君
                吉田 之久君
                高野 博師君
    委 員
                岩崎 純三君
                塩崎 恭久君
                鈴木 正孝君
                宮澤  弘君
                齋藤  勁君
                竹村 泰子君
                広中和歌子君
                田  英夫君
                立木  洋君
                田村 秀昭君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       外 務 大 臣  小渕 恵三君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
   政府委員
       防衛庁長官官房
       長        大越 康弘君
       防衛施設庁総務
       部長       西村 市郎君
       外務大臣官房長  浦部 和好君
       外務省総合外交
       政策局長     加藤 良三君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  阿部 信泰君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     上田 秀明君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    天江喜七郎君
       外務省経済局長  大島正太郎君
       外務省経済協力
       局長       大島 賢三君
       外務省条約局長  竹内 行夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大島 弘輔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
 (外交の基本方針に関する件)
 (国の防衛の基本方針に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(及川順郎君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五日、吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として立木洋君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(及川順郎君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 まず、外務大臣から外交の基本方針について所信を聴取いたします。小渕外務大臣。
#4
○国務大臣(小渕恵三君) 外交・防衛委員会の開催に当たり、外交政策につきまして所信を申し述べさせていただきます。
 まず初めに、イラク情勢について申し上げます。
 先般、日英共同提案による国連安保理決議が採択されたことは、我が国が行ってきた外交努力が結実したものとして喜ばしいことであります。先般の決議採択を受けて、大量破壊兵器の廃棄に関する国連特別委員会による無条件、無制限の査察が可及的速やかに実現されることが重要であり、引き続き状況を注視していく考えであります。
 さて、国際社会は今や民主主義と自由市場経済が広く根づき、相互依存がますます深まっております。その中で、我が国の安全と繁栄のためにはアジア太平洋地域を初めとする世界全体の安定と繁栄が不可欠であります。私は、国際情勢の現状と変化を正しく見きわめ、二十一世紀の日本の姿を念頭に置きながら、我が国の外交に果断かつ積極的に取り組む決意であります。
 我が国が位置するアジア太平洋地域においては、地域の平和と安定の枠組みづくりを目指した日米中ロ四カ国間の協力が重要であり、私は、日本外交の基軸である日米関係の一層の強化に努めつつ、日中関係の発展と日ロ関係の前進に向けて努力してまいります。
 日米間では、政治、経済、社会、文化等にわたる広範な協力関係をさらに進展させるべく努めます。この日米関係の根幹をなす日米安保体制は、我が国のみならずアジア太平洋地域の平和と繁栄を支えており、その一層円滑で効果的な運用に努めていく必要があります。特に、新たな「日米防衛協力のための指針」の実効性を確保するための施策に精力的に取り組んでいくことが重要であります。また、普天間飛行場の返還、海上ヘリポートの建設を含め、SACO最終報告の実施が沖縄県の方々の御負担を軽減するための最も確実な道であると考えており、地元の方々の御理解と御協力を得るべく努力してまいります。
 日中関係につきましては、本年は日中平和友好条約締結二十周年に当たり、予定される江沢民国家主席の訪日を初めとする要人往来などを通じて、友好協力関係の一層の増進に努めてまいります。
 ロシアとの関係は、最近、なかんずく昨年のクラスノヤルスクにおける首脳会談以降着実に進展してまいりました。先日、私はロシアを訪問してエリツィン大統領ほかと会談し、平和条約に関するクラスノヤルスク合意を前進させることの必要性につき一致するとともに、あらゆる分野にわたり関係を拡充することができました。今後予定される要人往来等の機会を通じ、東京宣言に基づき、二〇〇〇年までに平和条約を締結し、日ロ関係の完全な正常化が達成されるよう外務大臣として全力を尽くす所存であります。
 また、韓国との友好協力関係は我が国外交の最も重要な柱の一つであり、金大中大統領率いる新政権との間で、両国間のさまざまな問題に適切に対処するとともに、国際社会においても緊密な協力関係を築いてまいります。
 北朝鮮につきましては、朝鮮半島の平和と安定に資する形で、日朝間の不正常な関係を正すべく、韓国等と緊密に連携しながら対処いたします。日本人配偶者の故郷訪問はこれまで二回実現を見ましたが、拉致疑惑などの懸案は未解決であり、引き続き真剣に対処してまいります。また、KEDOの活動に積極的に取り組みます。
 中国、韓国との漁業協定について一言申し上げます。
 中国との間では昨年、新たな漁業協定の署名に至りました。この協定の御承認について本委員会の御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。一方、韓国との間では、新たな協定を早期に締結すべく新政権との間で引き続き交渉を進めてまいる所存であります。
 これら二国間関係にとどまらず、我が国は国際社会の主要な責任を有する一員として、アジア太平洋地域をめぐる地域協力を一層進展させるとともに、国連を初めとするグローバルな取り組みに積極的に協力していきます。
 この関連で、現下の東アジア諸国の経済状況は、この地域の繁栄と安定にとって極めて重大な問題であります。さらにこの問題は、この地域のみならず世界全体に影響を及ぼしており、国際社会が一体となった対応が要求されています。我が国としても、これまでタイ、インドネシア、韓国に対する支援を行ってまいりましたが、アジア諸国、さらには世界全体が保護主義に陥ることなく困難を乗り越え、引き続き繁栄を享受できるようリーダーシップを発揮してまいります。
 山積する外交課題に着実に取り組み、平和で豊かな国民生活を確保していくためには、国民の皆様の御支援に基づいた国民とともに歩む外交を推し進めなければならないと考えております。このためにも、本委員会での御議論は極めて重要であり、及川委員長を初め委員の皆様の御指導と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(及川順郎君) 次に、防衛庁長官から国の防衛の基本方針について所信を聴取いたします。久間防衛庁長官。
#6
○国務大臣(久間章生君) 防衛庁長官の久間章生でございます。
 本日は、及川委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつ申し上げるとともに、私の所信の一端を申し述べさせていただきたいと思います。
 初めに、政府が昨年十二月十九日に安全保障会議及び閣議において決定した「中期防衛力整備計画(平成八年度〜平成十二年度)の見直しについて」を御報告いたします。
 現在、我が国は、平成八年度以降に係る防衛計画の大綱に従い策定された中期防衛力整備計画(平成八年度〜平成十二年度)のもとで、防衛力整備を進めております。同計画では、防衛大綱に定める新たな防衛力の水準への円滑な移行に配意しつつ、合理化、効率化、コンパクト化を推進すること等を計画の基本として、適切な防衛力の整備に努めることとされています。
 今日、防衛大綱策定に当たって考慮された国際情勢の趨勢については基本的に変化はありません。しかし、経済・財政事情については一層厳しさを増しております。国及び地方公共団体の財政は危機的状況にあり、政府は、経済構造改革を推進しつつ、財政収支を健全化し、さまざまな課題に十分対応できる財政構造を実現するために、財政構造改革をできる限り早期に、かつ強力に推進せねばなりません。
 かかる状況を踏まえ、政府では、同計画において三年後に行うこととされていた計画の見直しを一年早めて行うことといたしました。
 見直しに当たり、主要装備については、新たな防衛力の水準への円滑な移行に配意し、防衛大綱に定める防衛力の水準を全体として適切に維持しつつ、より緩やかな形で整備を進めるとの観点から、防衛力の弾力的な運用を図ることを念頭に、計画に定める事業の実施を一部見送ることといたしました。
 こうした措置等により、計画に示す防衛関係費総額の限度について九千二百億円を減額し、平成七年度価格でおおむね二十四兆二千三百億円程度を目途とすることとなったところであります。
 なお、SACO関連事業につきましては着実に実施し、その所要経費については別途明らかにすることとされております。
 私といたしましては、我が国の安全保障上の観点についても十分に勘案し、引き続き国民の信頼にこたえ得る真に有効かつ効率的な防衛力の整備、維持及び運用を図っていく所存であり、国民の皆様の御理解を賜りたいと考えております。
 以上、中期防の見直しについて御報告させていただきました。
 さて、現在国会で御審議いただいておる平成十年度の防衛関係費につきましても、厳しい財政事情を反映し、SACO関係経費百七億円を除き四兆九千二百九十億円、対前年度マイナスというこれまでに例のない厳しいものとなっております。
 さらに、平成十年度においては、防衛力の合理化、効率化、コンパクト化の一環として旅団の創設を行うほか、統合幕僚会議の機能の充実を行うなどの措置をとる方針であり、今国会に関連法案を提出しているところであります。
 次に、日米安保体制について申し上げます。
 冷戦後の今日においても、日米安全保障体制は、日本の安全にとって不可欠なものであるとともに、アジア太平洋地域における平和と安定の維持に重要な役割を果たしております。昨年九月、新しい時代におけるより効果的かつ信頼性のある日米の防衛協力関係を構築することを目的として、新たな「日米防衛協力のための指針」を日米間で取りまとめました。
 一月のコーエン米国防長官来日の折には、新指針のもとで行われてきた作業の進捗状況を確認するとともに、包括的メカニズムの構築を了承し、このメカニズムによる日米共同作業を開始したところであります。また、新指針の実効性の確保に係る法的措置につきましては鋭意検討を行っているところであり、可能な限り速やかにその検討作業を取り進め、所要の措置を講じることが重要と考えております。
 また、沖縄に所在する米軍施設・区域の整理、統合、縮小については、SACO最終報告の内容を一歩一歩着実に実施することが沖縄県民の方々の御負担を軽減するための最も確実な道であると考えております。引き続き最終報告の実現に向けて全力を挙げてまいります。
 殊に、普天間飛行場の移設は喫緊の課題であると認識しております。私は、同飛行場の移設については、自然環境、騒音、安全などさまざまなものを考慮し、現在の基地より規模を大幅に縮小し、しかも撤去可能な海上ヘリポート案を最良の選択肢として、昨年地元に提示いたしました。普天間飛行場移設対策本部の本部長として、今後とも地元の御理解と御協力を得られるよう努力いたします。
 今日、我が国の平和と安全を確保する上で、より安定した安全保障環境の構築に向けて取り組むことがより重要になってきております。我が国周辺諸国を初めとする関係諸国との間での多国間及び二国間の安全保障対話・防衛交流を一層推進していかねばなりません。
 特に日中防衛交流につきましては、橋本総理訪中の際に日中間の安保対話の重要性が確認されたのを踏まえ、先般、遅浩田中国国防部長が来日され、日中防衛首脳会談が開催されました。同会談におきましては、両国間の防衛交流を一層進めていくことに合意したところであり、私自身も、中国側の招請に基づき早い機会に訪中したいと考えております。
 また、日ロ防衛交流につきましても、昨年のクラスノヤルスクで行われた日ロ首脳会談における合意に基づき、今後さらに進展することが期待されます。
 このほかにも、私は本年一月、オーストラリア、ベトナムを訪れ、率直な意見交換を実施してまいりました。これらの安全保障対話・防衛交流に私自身先頭に立って取り組んでまいる所存であります。
 一方、自衛隊がゴラン高原の国際連合兵力引き離し監視隊に参加して二年が経過いたしました。当初二年を目途に始められたUNDOFへの参加が延長されたのは、参加した自衛隊員のプロフェッショナルとしての活動ぶりが国際的に高い評価を受けたからであり、防衛庁長官としてまことに誇らしく感じております。我が国に求められている人的貢献の一環として、引き続き国際平和協力業務を積極的に実施し、国際平和のための努力に寄与してまいる所存であります。
 自衛隊がいかに精強であろうとも、いかにすぐれた装備を有していようとも、国民の理解と支持なくしては我が国の防衛という大任を全うすることはできません。国連平和維持活動などへの参加や災害派遣活動、あるいは長野冬季オリンピックやパラリンピックへの協力など、昨今における自衛隊の活動を通じて、国民の自衛隊に対する理解が深まったことはまことに幸いなことであります。私は、さらに一層の理解と支持を得るべく努力し、我が国の自衛隊と国民との信頼関係を強固なものとしたいと考えております。
 及川委員長を初め委員各位におかれましても、当委員会での御審議を通じて、なお一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。
#7
○委員長(及川順郎君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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