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#1
第142回国会 外交・防衛委員会 第10号
平成十年四月十六日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         及川 順郎君
    理 事
                笠原 潤一君
                須藤良太郎君
                武見 敬三君
                吉田 之久君
                高野 博師君
    委 員
                岩崎 純三君
                塩崎 恭久君
                鈴木 正孝君
                野間  赳君
                二木 秀夫君
                宮澤  弘君
                齋藤  勁君
                竹村 泰子君
                広中和歌子君
                田  英夫君
                立木  洋君
                田村 秀昭君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       外 務 大 臣  小渕 恵三君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
   政府委員
       防衛庁参事官   山崎隆一郎君
       防衛庁参事官   伊藤 康成君
       防衛庁長官官房
       長        大越 康弘君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛庁運用局長  太田 洋次君
       防衛庁人事教育
       局長       坂野  興君
       防衛庁装備局長  鴇田 勝彦君
       防衛施設庁長官  萩  次郎君
       防衛施設庁施設
       部長       首藤 新悟君
       外務大臣官房審
       議官       海老原 紳君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  阿部 信泰君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省北米局長  高野 紀元君
       外務省欧亜局長  西村 六善君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大島 弘輔君
   説明員
       外務大臣官房領
       事移住部長    内藤 昌平君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルラ
 ンド連合王国政府との間の協定の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○民生用国際宇宙基地のための協力に関するカナ
 ダ政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政
 府、ロシア連邦政府及びアメリカ合衆国政府の
 間の協定の締結について承認を求めるの件(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(及川順郎君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○須藤良太郎君 初めに、外務省にお尋ねいたしたいと思います。
 いよいよ十八、十九の両日、エリツィン・ロシア大統領が訪日されることになったわけでありまして、今度は本当だと思いますけれども、最近の情報をお聞かせいただきたいのと、考えますと、一九九三年の東京宣言から昨年十一月のクラスノヤルスク会談まで相当の時間を費やしておるわけであります。昨年十一月の会談におきましては、橋本総理とエリツィン大統領との間で、東京宣言に基づき二〇〇〇年までに平和条約を締結するよう全力を尽くす、こういう極めて歴史的な合意を達成されたわけであります。政府としては、特にこの両国首脳の合意実現の観点から今回の川奈における日ロ首脳会談をどのように位置づけておられるのか、まずお聞きしたいと思います。
#4
○政府委員(西村六善君) 最近の情報という御質問でございます。
 この点につきましては、ロシアの状況のいかんにかかわらずエリツィン大統領が、十八日及び十九日でございますけれども日本を訪問するという非常に明確な情報をロシア側から受けておりまして、相互にその点を公表するということに合意をいたしまして、昨日でございますけれどもその点を公表した次第でございます。
 ロシアの国内におきましては、御承知のとおりでございますけれども、内閣を解任いたしまして、現在新首相を選任する手続が進められているところでございまして、十七日に二度目の国家院におきまする投票が行われるという予定になっている状況でございます。その帰趨につきましてもいろいろな観測が行われている次第でございますけれども、現在の私どもが得ております情報によりますれば、その帰趨のいかんにかかわらずエリツィン大統領としては今週末に日本を訪れるという御意向であるというふうに承知している次第でございます。
 以上が最近の状況に関します情報をかいつまんで申し上げた次第でございます。
 クラスノヤルスクにおきまして、二〇〇〇年までに東京宣言に基づきまして平和条約を結ぶべく最大限の努力をするという合意をいたした次第でございますけれども、その合意に基づきまして、昨年来から両国の外務大臣をヘッドといたしまして次官級で平和条約を結ぶべく協議を行う実質的な機関、組織を設立した次第でございます。平和条約問題に関する合同委員会というものを両国の間で設立いたしまして、そこで議論が行われている次第でございます。平和条約につきましてはさようなことで議論がされているわけでございます。
 さらに、今後におきましては、両国の首脳の相互訪問といったようなことも視野に入ってきている次第でございますので、そういう機会を最大限に活用いたしまして、所期の目的でございますところの二〇〇〇年までに平和条約を結ぶべくその努力をさらに続けるという構えでいるわけでございます。川奈におきます今回の会談はまさしくその過程の非常に重要な一つのスナップというような位置づけではないかというふうに思う次第でございます。
 さような観点から、橋本総理大臣におかれましても、ロシアと日本の全般的な関係の発展をさらに進めていくということを目指しまして、エリツィン大統領とお話をされるというふうに承知している次第でございます。
#5
○須藤良太郎君 最大の問題は北方領土問題の解決による日ロ平和条約の早期締結、これは当然のことだと思うわけでありますけれども、そのためにも日ロ関係全般といいますか、多くの分野におきまして進展させていくことが極めて重要ではないかといろいろ言われておるわけでございます。
 昨年の首脳会談におきましては、経済分野における日ロ両国間の協力を進めていく上での今後の指針となるような包括的なプランが作成されておるわけでありますが、その後、政府としてはロシアとの間の経済分野における協力、これをどう実施しているのかあるいは始めているのか、この点についてお聞きいたしたいと思います。
#6
○政府委員(西村六善君) 今、先生が御指摘になられましたとおり、昨年のクラスノヤルスクの首脳会談におきまして、橋本・エリツィン・プランと称しますところの非常に広範な日ロ間の協力を進める枠組みに合意いたした次第でございます。その枠組みに基づきまして非常に多くの経済関係の進展を図りつつあるというのが現状でございます。
 幾つかの主な点がございますので、その点を御説明させていただきたいと思うのでございますけれども、一つの大きな柱は投資を促進するために環境を整備するという柱でございます。
 日本からロシアに対する投資を促進しようとしますときにいろいろな問題があるわけでございます。その問題は、ロシア自身が国としまして自由経済といいましょうか、市場経済のシステムに移行しましてからほんの六年ぐらいしかたっていないわけでございまして、そのことに出発しますところのいろいろな難しい国内的な問題を抱えているわけでございます。そういうことが投資を促進しようとしても障害になるといったようなことがあるわけでございまして、そこのところを政府のレベルにおきまして協力して解決していこうということが中心的な眼目であるわけでございます。そういう観点に基づきまして、投資保護協定というものを結ぶべく両国の間で議論を開始しているところでございます。
 こういったような投資保護協定を結ぶことによりまして、ロシアの国内制度、税制度、企業に対する扱い方、投資利益についての扱い方、そういったようなものにつきまして、国際的なスタンダードにロシアの法制度を移行してもらうということを促そうとしているのがこの投資保護協定の中心的な眼目でございます。そういったような意味合いにおきまして、この投資保護協定の交渉を既に開始しておりまして、鋭意進めているところでございます。
 さらに、ロシアのAPECへの参加につきましても、私どもとしましていろいろな協力をした結果、それが実現することになったわけでございます。これもロシアの経済全体がアジア太平洋の枠組みの中に参画していくことによってロシア経済の国際化を促していくということが眼目でございまして、そのための協力を行っているという次第でございます。
 さらに、ロシア自身は国内経済の改革を進めるために非常に大きな計画を持っているわけでございます。
 その一つは、非常に大規模に企業経営者を養成するという国家的な計画でございます。この計画に基づきまして日本といたしましても協力をするということにいたしました。ロシアの計画は五千人の企業経営者を養成するという計画でございますけれども、そのうちの千人は日本が引き受けるという形で現在この研修が進められているところでございます。エリツィン大統領の訪日までにロシアの国内におきまして約四百名程度、それから我が国におきまして二百名程度の研修員を受け入れて、企業経営者の養成に私どもとしても協力をするという事業を行っている次第でございます。
 さらに、中小企業の育成につきましても、それがロシアの経済開発に非常に重要な役割を担っているわけでございますものですから、これに対する協力も鋭意進めているところでございます。
 エネルギーに対する協力も大きな協力の柱でございます。それからさらに、目新しいところではロシアの鉄道の改修、それから物流システムの改善といったようなことにつきましても我が国から技術協力の形で協力を進めているという次第でございます。
#7
○須藤良太郎君 次に、防衛庁の設置法案に関連いたしまして若干お尋ねいたしたいと思います。
 ソ連の崩壊後、日米安保等につきましていろいろ議論もあったわけでありますが、二年前、日米共同宣言が行われまして、日米安保体制の再定義を行ったわけであります。そして、新防衛大綱並びに中期防がつくられたわけであります。もともとこの防衛大綱は、独立国として地域の不安定要因にならないように必要最小限の防衛力を維持しようとするものであると思うわけでありますが、そういう方針であってもなかなか予算の拡大は避けられない面もあったわけでございます。今回、この新しい大綱、中期防の内容に沿って防衛力の合理化、効率化、コンパクト化、これを進める一環として出されたのがこの設置法案と、こういうふうにも思っておるわけであります。
 この中には、定数問題とか、あるいはまた若干不安もあるわけでありますけれども、いわゆる即応予備自衛官制度の導入というようなものが示されておるわけであります。
 いずれにいたしましても、この合理化、効率化あるいはコンパクト化をねらいとする今回の法案で特に強調したい主要点について、簡単でいいんですけれども、わかりやすく御説明いただければ、こういうふうに思うわけであります。
#8
○国務大臣(久間章生君) 今、お述べになられましたように、防衛計画の大綱におきましては、今後の我が国の防衛力につきまして、その合理化、効率化、コンパクト化を一層進めることというふうにされました。具体的には、陸上自衛隊の平時地域配備する部隊としてこれまでの十二個師団、二個混成団の体制を八個師団、六価旅団の体制とすること、陸上自衛隊の編成定数について、これまでの十八万人体制を十六万人体制とし、さらにこのうち一万五千人につきましては即応予備自衛官を充てることにする等とされたわけでございます。
 今回のこの防衛庁設置法等の改正につきましては、新たに旅団の編成等を定めまして、一三師団を旅団に改編すること、陸上自衛官の定数を約五千人削減するとともに即応予備自衛官の員数を約二千人増加すること等を内容とするものでございまして、大綱に定める合理化、効率化、コンパクト化を一層進めるというその趣旨に沿った施策を盛り込んだものでございます。
#9
○須藤良太郎君 申し上げるまでもなく、防衛力の規模につきましては極めて難しい問題でありまして、これまでも大変苦労されてきておるわけでございますが、最小にして最大の効果といいましてもなかなか実態は難しいと思います。しかし、民主主義を基調とする我が国の独立と平和を守るための防衛力というものは絶対にこれはしっかりしておかなきゃならぬ、こういうふうに思うわけでございます。
 これからいよいよガイドラインの問題も国会で論議されるわけでありますけれども、申し上げるまでもなく、防衛力なり軍備の問題につきましては国民のコンセンサスを得ることが大変難しい、苦労する問題であると思います。特に日本の防衛、軍備につきましての国民の意識というのは、日本の地理的、歴史的等々の面かもほかの国とは大きな違いがあるように思うわけでありまして、ある国の世論調査で見ますと、相当日本の場合は違った形になっている、こういうふうに見ておるわけであります。
 それはそれといたしまして、いずれにしろ国家存続の基本である防衛体制につきましては、その必要性について不断のしかも地道な国民へのPR活動、これを少しでも多くして理解を得るという努力が必要ではないか、こういうふうに思っておるわけであります。防衛庁の努力を多とするわけでありますし、またこれは防衛庁だけの問題でもありませんけれども、国民へのPR活動、この取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(久間章生君) 我が国は、御承知のとおり、日本国憲法のもと専守防衛に徹して他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないという基本理念に従いまして、日米安保体制を堅持しながら、防衛計画の大綱のもとに節度ある防衛力を自主的に整備しているところでございます。当庁としましては、このような基本的な防衛政策や国の防衛の重要性、また防衛力の必要性などにつきまして国民にわかりやすく説明しその理解を得ることは、御指摘のとおり重要なことだと考えております。
 このような観点から、従来からも当庁としては各種広報活動に努力してきたところでございますが、やはり広く国民の皆様方にこのような基本的な姿勢また現状等について理解してもらうことが大事でございますから、これからもさらに我が国の防衛問題に対して国民の理解が得られるよう努力していきたいと思っております。その中での広報の役割というのは非常に大事だと思っております。
#11
○須藤良太郎君 それから、今後の防衛庁の役割といたしまして、私は安全保障対話の問題、それから防衛交流の問題、これは非常に重要だと思っておるわけであります。
 特に中国に注目しているわけでありますけれども、本年早々、久間長官と遅浩出国防相との会談で日中間の防衛交流促進が合意されたと思います。具体的には、久間長官が早く訪中する、それから両国の制服組の早い相互訪問等々が行われると聞いておりますけれども、率直に申しまして、今度の新しい中国指導者、特に朱鎔基首相なりあるいは胡錦涛副主席、これはいずれも文字どおり新しい時代を切り開く上で不気味なほどに迫力を持ったものと、こういうふうに思っておるわけであります。それだけに、ぜひ防衛面での中国との交流促進、これが強力に図られるということは非常に大きい意味を持つわけでありますし、期待をするわけでございます。
 そういう意味で、長官のお考え、方針等をお聞かせいただきたい、こういうふうに思います。
#12
○国務大臣(久間章生君) おっしゃるとおり、やはりこれから先は、必要な防衛力はもちろん整備しますけれども、日ごろから防衛対話、防衛協力、いろんな意味での交流を深めることによってお互いの信頼醸成を深めていくことが大事だということで、従来も防衛庁に限らず我が国としては交流その他をやってきたわけでございます。
 私になりましてからも、こちらから韓国等に出かけていきましたし、またロシアからも国防大臣が見えましたし、その他いろいろ交流をやってきたわけでございます。やはり中国との関係について言いますと、十数年ほど前、我が国から粟原防衛庁長官が訪中したのが最後で、その後交流はございませんでした。しかしながら、アジア太平洋地域において大きな影響力を有している中国との間で相互理解や信頼関係を増進するということが、両国間の安全保障に資するだけではなくてアジア太平洋地域の平和と安定にも資するものでありますから、防衛庁としては中国との防衛交流の中で、特に我が国の防衛政策に対する中国側の理解の促進に努めるとともに、中国の軍事力とかあるいは国防政策の透明性の向上を働きかけてきておったわけでございます。
 そういう中で、昨年九月と十一月の日中首脳会談におきまして、防衛関係者のハイレベル交流を含めて日中防衛交流を今後一層推進していくことが合意されたのを受けまして、本年二月には先ほどおっしゃいましたように、公式訪問としては初めて遅浩出国防部長が日本に見えました。その際行われました日中防衛首脳会談におきましては、こちら側の防衛庁長官の本年前半の訪中を望む、統幕議長と参謀総長の相互訪問の早期実現を望む、また防衛研究交流や防衛医療交流の推進をする、官邸相互訪問の実現に向けた検討の開始等について合意されたわけでございます。
 そういうこともございまして、国会のお許し等を得られれば私もできるだけ早い時期に中国を訪問して、今述べましたようにアジアにとっても非常に大事な国でございます中国との防衛交流に努めていきたいと思っているところでございます。
#13
○須藤良太郎君 ぜひこれは積極的に頑張っていただきたいというふうに思います。
 次に、自衛隊の士気等にかかわる問題でありますけれども、防衛庁の本来の役割は、国防のための警戒監視活動あるいは作戦、訓練ということであると思います。これに加えまして、六年前からPKO、国際平和協力業務が加わりまして、カンボジアでは大きな成果を上げたわけでありますし、今日もゴラン高原等で活躍中でございます。
 さらに、国際緊急援助活動としての海外への災害派遣、さらにはここ数年国内でいろいろな大きな災害、事件が起こっております。特に阪神・淡路あるいは地下鉄サリン、それから奥尻なり鹿児島の出水市なり、長野県の小谷あるいは北海道のトンネル事故等々たくさんあったわけであります。これらにおける自衛隊の活躍には非常に目覚ましいものがあるわけでありまして、そういう意味で私は国民の感謝、期待は非常に大きいというふうに思っておるわけであります。
 しばらく前に防大卒の方が多数ほかの方に流れだということが話題になったわけでありますけれども、そういう問題も含めて、今日の防衛庁、自衛隊の士気はどんなものなのか、この辺について若干お話しいただければと思います。
#14
○政府委員(坂野興君) 今、先生お話しございましたように、自衛隊の業務の中でも特にPKOとか災害派遣とか、こういった分野に対する国民の理解あるいは関心は大変深まっているというふうに私どもとしても考えております。
 総理府が昨年実施いたしました自衛隊・防衛問題に関する世論調査におきましても、自衛隊の国連平和維持活動への参加に賛成すると回答した者の割合は約六割でございますし、災害派遣活動は成果を上げていると回答した者の割合も約九割と大変高い割合を占めております。これらの活動における自衛隊の活躍は国民から高く評価されているというふうに私どもとしても考えております。
 このような活動を通じまして、国民の自衛隊に対する関心、理解の高まりによりまして、隊員は社会に貢献しているという実感のもとで自信と誇りを持って日々の隊務に従事しているというところでございまして、隊員の士気向上にも好ましい影響が与えられている、このように考えております。
#15
○須藤良太郎君 これからの防衛にとりまして生死を決するような重要な問題はやはり情報の問題ではないか、こういうふうに思うわけであります。宇宙ステーション等につきましていろいろ大きな制約を持つわけでありますけれども、防衛庁の情報収集あるいは情報交換等につきまして今後どういうふうに取り組んでいくのか、その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#16
○政府委員(佐藤謙君) 今、須藤先生から御指摘ございましたように、私どもといたしましては、情報機能の充実ということが極めて重要である、こういうふうに考えております。防衛計画の大綱にも記しているところでございますけれども、情勢の変化を早期に察知する、機敏な意思決定に資するというような観点から、多様な情報収集手段の保有あるいは能力の高い情報専門家の確保ということを通じまして、戦略情報を含む高度の情報収集・分析等を実施し得る体制の構築に努めてまいりたい、かように思っております。
 このような努力の一環といたしまして、昨年一月に先生方の御理解もいただきまして、防衛庁の中央情報組織といたしまして情報本部というものを新設したところでございます。また、本年はさらにその要員を、自衛官二十五名の増員も実施をするという予定でございます。
 今後とも、この情報本部の機能あるいは運用態勢の充実、こういうようなことを図ることによりまして防衛庁としての情報収集・分析体制の充実に努めてまいりたい、かように思っているところでございます。よろしくお願いいたします。
#17
○須藤良太郎君 最後に、久間長官から、士気の問題あるいは情報の問題等々、これからの日本の防衛を担う最高責任者としての御決意というかお考えを一言お願いいたしたいと思います。
#18
○国務大臣(久間章生君) やはり我が国の防衛をしっかりと立てていくためには、それに携わる自衛隊員の士気が大事でございます。そういう意味では、幸いに国民の期待も非常に高まっている今日、自衛隊員の士気も非常に高揚してきておりまして、非常にいいことだと思っております。これから先、何といっても我が国の安全を守るというのが第一の目的でございますけれども、それにとどまらず、最近我が国は災害常襲地帯でもございまして、そういう場合における自衛隊の活躍に対する期待もございます。そういうことに対しても機敏に対応できるような心構えで対処していきたいと思っております。
 これから先、PKO等がどういうふうになりますか、これはまた国会の御論議等もございますけれども、今日、国際貢献に対する自衛隊への期待も非常に国民の中では高まってきておりますから、これらについてもいつでも対応できるような心構えでみんなもおるようでございますから、そういう方面でもしっかりと対処していけるようにしておきたいと思っておるところでございます。
 なお、情報につきましては、これは情報本部もできたことでございますし、これから先、発足いたしました情報本部を中心として、正確でしかも早い情報を集めることによって間違いのないようにしていきたい、そう思っておるところでございます。
#19
○須藤良太郎君 終わります。
#20
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。防衛庁設置法等の一部を改正する法律案につきまして何点か質疑をさせていただきたいと思いますが、法案の具体的な中身に触れる前に一点お尋ねをしたいことがございます。
 それは昨日の新聞報道で、久間防衛庁長官が閣議後の記者会見で、いわゆる日本有事の関連法整備について、単なる研究にとどまらず、法整備をするならば、どんな問題があるのか検討に入らないといけない、こういうふうに記者会見をされたということが報じられております。この発言ですと、そういう前提で法整備を視野に入れた新たな有事法制の研究が必要だと、こういう趣旨ではないかというふうに思いますが、その後に村岡官房長官が、久間長官の記者会見の後を受けてなんでしょうか、法制定を前提として検討を始めることを決めた事実はないとして、政府としての態度は決定していないということを十四日午後の記者会見で述べられております。
 昨日の報道ですから一昨日の記者会見ということで、これが報道の内容でございますが、久間防衛庁長官の記者会見を受けて村岡官房長官の記者会見ということで違いが出ているわけです。率直に申し上げまして、閣内での意思統一というのはどういうふうになっているんだろうかということを伺わざるを得ないものでございますので、きょうは官房長官に出席をお願いしておりませんが、このことについてお尋ねしたいというふうに思います。
#21
○国務大臣(久間章生君) 官房長官の発言と私の発言と実を言いますとそんなに食い違っているわけじゃないわけでございます。
 私が言いましたのは、そこの私の述べました内容をそのまき言いましても、ここで言っていますように、単なる研究から、もう少し研究だけにとどまらず法整備をするとすればどういう問題があるかというような気持ちでありますと。法整備を進めるということではなくて、法整備に向かっての検討といいますか、要するに言いたかったのは、従来の研究成果をもって直ちに法整備はできないという気持ちがあるわけでございます。
 といいますのは、この従来の研究成果というのは、法整備を前提とするものではないということで研究をしたわけでございますから、そこで出てきた成果物をもってすぐ立法化したらどうかというような意見が一方で党の方から出てまいりましたので、そういうふうに直ちにやれる問題ではないんだということを言いたかったわけですけれども、私の言葉足らずだったのか、ああいうふうな報道になりました。
 これはかなり幅広く検討しなければならない問題があって、村岡長官の答弁によりますと、慎重に対処するというような表現になるのかもしれませんけれども、もう少し幅広く検討しなければ、この問題は成果物があるからといって直ちに立法化というようなことにはまいらないというようなトーンを述べたつもりだったんですけれども、これが立法へ着手というような表現に報道されまして、私自身そんな言い方じゃなかったんだけどなというような思いがその後にあったわけでございます。
 それで、村岡長官が言われましたのもそういうことで、有事法制について法整備を前提とした検討を始めることを決めたという事実はございませんと言われたのは、まさにそのことでございまして、もう少し幅広く検討をしてみないといけないんじゃないかというようなことを言ったわけでございますので、決して意見が食い違っているということではないと思います。
#22
○齋藤勁君 きょうは法案の質疑もございますし、有事法制の是非について論じるつもりはないんですが、いずれにしましても、最近いろいろ閣内不統一、閣内一致がやはり何か随分乱れているのではないかなという危惧もございまして、大変重要な問題です。私は、官房長官というのは、総理がもちろん最高責任者ですが、閣議等については所管大臣も記者会見をされますが、閣議全体は官房長官の記者会見をもって、スポークスマンとして明らかにしているというふうに受けとめさせていただきますと、私の官房長官の記者会見の受けとめ方というのは、閣議の中では法制定を前提として検討を始めるとか決めた事実はないということを表明している、このことが閣内の統一見解であるということでよろしいですか。
#23
○国務大臣(久間章生君) 結構です。
#24
○齋藤勁君 それでは引き続き質問をさせていただきますが、今回の法改正の中で、まず統合幕僚会議の機能の充実ということについて触れさせていただきたいと思います。
 まず、今回の機能充実に至った前提、理由、これについて伺いたいと思います。
#25
○国務大臣(久間章生君) 御承知のとおり、阪神・淡路大震災等がございましたときに陸上自衛隊の部隊が出ました。また航空自衛隊の部隊も出ました。そして、後からいろいろと検証してみますと、この場合にはこちらの部隊が出た方がよかったとか、あるいはこことここが両方ダブって出てしまったとか、いろんなことがあったそうでございます。
 その当時、私は防衛庁長官をいたしておりませんでしたけれども、そういうような経験に立って、今、統合幕僚会議は防衛出動と治安出動の場合のみにそういう統合調整の機能を持っておりますけれども、それだけではなくて、平時においてもこのような大規模な災害等においてはやはり統合幕僚会議が、特に二部隊以上が参加するような場合には統合調整機能を持ってやった方がいいんじゃないかということで、それ以来検討を重ねてまいりました。そして今回、このような改正案を持ったわけでございます。今回の法律はそれ以外のものも持っておりますけれども、統幕機能の強化についてはそういうようなことでございます。
#26
○齋藤勁君 ただいま理由についても伺ったんですが、今度、統合幕僚会議がいわゆる出動時以外も長官の補佐を行えるようにする、こういうことですが、現行でも不都合な点が特に何かあった事例があるんだろうかということ。それから文言で「大規模災害派遣等」と、「等」という文言があるんですが、この「等」というのは、例えばどういうことを想定されておつけになったのか伺いたいと思います。
#27
○国務大臣(久間章生君) 現在、不都合というほどのことはないと思いますけれども、望ましいという点では統合運用した方がいいという、先ほどの災害等の例もそうでございます。それから、例えば現在ゴラン高原に行っております部隊等は、確かにPKOとして陸だけではなくて海、空も一部入っております。しかしながら、海の場合は、幹部は医官であるとかもう本当に少ないわけで、ほとんどは陸上でございます。これから先国際平和協力業務あるいは国際援助隊ですか、そういう形で出ていく場合に、陸上、海上、航空それぞれの部隊が二部隊以上統合して部隊を編成される、そういうようなケースもやっぱり出てくると思います。そういうことになりますと、やはり統合幕僚会議がそれを全体として統合調整した方がいいというようなこともございまして、そういうケースも入るわけでございます。
 あるいはまた、今は海外の邦人の救出等につきましては、航空自衛隊が政府専用機あるいは航空自衛隊の飛行機で外務大臣から依頼を受けたときに行くことになっておりますけれども、これらについても将来二部隊が出るようなこともあり得るというようなことを考えますと、やはりそういうような場合にも対処できるようにした方がいいんじゃないかというようなことを考えましてこのようにしたわけでございます。
#28
○齋藤勁君 そうしますと、今答弁があったのは「大規模災害派遣等」の「等」の部分ということでよろしいですね。
#29
○国務大臣(久間章生君) はい。
#30
○齋藤勁君 そうすると、これも報道だったんでしょうか、今回の統幕会議の機能の充実というのはいわゆるガイドラインの法整備に向けての一つの布石ではないかと、こういう指摘もあるんですが、そのことについてのお考え方を伺いたいと思います。
#31
○国務大臣(久間章生君) これは全く最初のスタートはそういうことじゃございませんで、今言いましたように、阪神・淡路大震災の経験からそういう議論をして統合運用というようなことにしてきたわけでございます。
 そして、今言いましたように、大半はそうなっておるわけですけれども、ただ、海外の在外邦人の救出のときになってまいりますと、今度のガイドラインの中で、いわゆる今の航空自衛隊による百条の八だけではどうかという議論が出てまいりまして、海の部隊が出ていくこともあるんじゃないかということになってまいります。
 そうなってまいりますと、そういう部分は確かに、ガイドラインで新たに出てくる部分が統合幕僚会議の所掌事務に入ってくることはあり得るわけでございます。そういうことによって、それを先取りしたものではないかという議論になることもありますけれども、実際はそうじゃございませんで、我々の本旨は、阪神・淡路大震災を契機として、その経験に基づいて統合運用をしようというときに、先ほど言いましたPKOとかそういうものも入っており、そこで、「等」という形でもう少し幅を持たせた。
 そこで、今度のガイドラインで在外邦人の救出というのが出てまいりましたが、それは含まないのかと言われますと、それが実現した場合には含み得るということになりますので、結果としては先取りだったじゃないかというような御指摘もあろうかと思いますけれども、意図はそういうことでございます。
#32
○齋藤勁君 いわゆる統合幕僚会議というのは制服の方々の組織だというふうに思うんですが、長官自身のシビリアンコントロールのもとでの補佐という関係ですね。私も、この統合幕僚会議の中身というのはまだ詳しく研究といいましょうか、それなりに理解を深めていない部分もあると思うんですけれども、今回、出動時そして出動時以外にも運用をするということについては長官の指示に基づいて行うわけですね。そうしたら、運用状況とか運用報告とかいうことについては、これはどの程度公開といいましょうか統合幕僚会議の公開。その実情というんでしょうか、経過というかその後の結果報告もそうなんですが、例えば情報公開的な発想で今申し上げさせていただいているんですけれども。
#33
○国務大臣(久間章生君) 細かい運用等については担当の局長から答弁しますが、その前に、現在の制度でございますと、統合幕僚会議がございますけれども、防衛出動とかあるいはまた治安出動以外の場合、災害でもそうですしあるいは今のPKOでもそうですし、これから先のいろんな運用に係るものは全部、それぞれ陸幕長あるいは空幕長、海幕長が防衛庁長官を補佐するということになりまして、統合幕僚会議議長がおるにもかかわらず、統合幕僚会議議長が補佐するという仕組み
 になっていないわけでございます。
 防衛出動、治安出動のときだけ防衛庁長官を補佐するということになっておりますから、シビリアンコントロールの制度としてはあるわけですけれども、統合幕僚会議議長は防衛出動と治安出動のときだけ登場するので、それ以外のときには長官を補佐することになっていない。ところが、二部隊が統合して行動するようなケースが出てきた場合には、やはりそれは統合幕僚会議議長がきちっと補佐するというふうにしておくことの方がむしろ望ましいんじゃないか、そういう考え方でございます。
 したがいまして、運用の実態等あるいは報告等につきましては従来と変わらないわけでございますけれども、その辺の中身につきましては担当局長から説明させます。
#34
○政府委員(太田洋次君) お答え申し上げます。
 今、大臣から御説明申し上げましたように、自衛隊が部隊として行動する場合に、その指示、それからどういうふうにやるかという行動の計画等の承認はこれは防衛庁長官が行います。
 これの具体的な実施ということになりますが、その場合に、ちょっと具体的な例で申し上げますと、この法案ができまして、先ほど大臣がお答えしました例の中に、PKOの場合に、陸海空自衛隊ございますけれども、その部隊として二以上の部隊で編成される場合が仮にあるとします。そういう場合には、実際の実施計画等の事務を所掌しておりますのはいわゆるPKO事務局でございますけれども、ここから防衛庁の方に、今度こういうPKO活動に自衛隊に参加してほしいということの依頼がございました場合、私どもの方にそういう事務調整がございます。
 その場合に、陸海空自衛隊、それから先ほどの例のように二以上の自衛隊の特別の部隊をつくって統合運用した方がいいというような場合がございますと、これは統合幕僚会議の事務局にも相談することとなります。
 そのための根拠として、今回、統合幕僚会議の所掌事務の第六号に、その受け皿と申しますか所掌事務に関することを改正事項として入れていただくわけでございます。これにより、統合幕僚会議として、どういう部隊をつくるか、それからそれに当たってどういう協力をやるかということ等々について実際にそれの補佐に当たることができるわけでございます。
 この場合、長官がすべて統合的にやるわけじゃございませんで、その必要があるというふうに長官が認めた場合ということでございますけれども、その場合に、指揮命令に関することで統合幕僚会議が補佐することができるようになるというようなことでございまして、今回の改正はその趣旨を盛り込んだものでございます。
#35
○齋藤勁君 それぞれの今の御説明、答弁ですと、いわゆるシビリアンコントロールのもとですべてこれからも行い得る、行っていくものだというふうに理解してよろしいですか。
#36
○国務大臣(久間章生君) そのとおりでございます。
#37
○齋藤勁君 次に、外国人の教育訓練の受託に関する制度でございますが、これまでも外国人の教育訓練というのは行っていると思うんですけれども、我が国におけるこの実績について、国別人員というのは、国がたくさんあれば何ですけれども、この場で言えるような時間の範囲で、国とできれば人員の実績についてお尋ねしたいと思います。
#38
○政府委員(坂野興君) お答えいたします。
 防衛庁におきましては、友好諸国との間の友好親善や相互理解を増進することを目的といたしまして、昭和三十三年以来、防衛大学校、防衛研究所、自衛隊の学校などにおきまして留学生の受け入れを実施しているところでございます。
 これまでの実績としては、昭和三十三年にタイ、フィリピンから留学生を受け入れて以来、平成十年四月までに十四の国から約五百二十名の留学生を受け入れているところでございまして、このうち八カ国からの約七十名が現在も留学中でございます。
 現在留学中の国として申し上げますと、八カ国で、タイ、シンガポール、フィリピン、米国、パキスタン、韓国、豪州、それから中国がその内訳でございます。
#39
○齋藤勁君 今回、教育訓練の履修を支援するということで給付金の制度が盛り込まれているんですけれども、これはそれぞれ今実績を報告していただきましたが、相手国と申しましょうか相手側の国の方からそういう強い要望があったのかどうか。今度給付金を支給することに至ったきっかけですかね、原因、要因ということについてお尋ねしたいと思います。
#40
○政府委員(坂野興君) 日本に留学生を派遣するということにつきましては、私ども、今までいろんな諸経費の無料化というような諸施策を講じてまいりましたし、それから日本語を習得するということがやはり大きなネックになっておりますので、日本語課程を設けるとかそういったことも実施してまいりました。
 しかし、やはり日本での生活費が高いということが、特に開発途上国から日本に留学生を派遣するに当たりまして障害になるというふうなこともございまして、具体的に特定の国からは、そういった財政的な支援もしてほしい、そうすれば留学生も派遣できる、そういうふうな声もございまして、今回実施させていただきたいということで、今法案を提出しているところでございます。
#41
○齋藤勁君 今回の法律が成立をして、具体的に国の数がふえたり人員がふえたりしていくということについては見込んでいるんでしょうか。
#42
○政府委員(坂野興君) 今回の措置によりまして、具体的にどの国ということはまだ現時点では申しかねますけれども、いろんな二国間でのやりとりの中で、こういう制度ができるということに伴って留学生を新たに派遣していきたい、そういうふうな国も現にございます。
#43
○齋藤勁君 三十三年以来、五百二十名、現在八カ国七十名ということですが、これは先ほどの教育訓練の理由なり、これからさらに給付金制度により定着をさせるということがねらいでしょうけれども、言ってみればアジア諸国が中心ですから、先ほど信頼醸成措置という長官と須藤先生とのやりとりが別な角度でございましたが、私もそういう意味での信頼醸成措置の大きな一つの柱ではないかなというふうには認識をします。
 訓練後帰国した留学生の方々と、それから今度日本側とのコミュニケーションなり、帰国をしました、されっぱなしということはないと思うんですけれども、ここのアフターケアというんですか、それはどういうふうな取り組みをされているのですか。
#44
○政府委員(坂野興君) 防衛庁の留学生受け入れの趣旨につきましては、先生大変御理解いただきまして大変感謝しております。確かに留学生を受け入れてその後はほったらかしということになりますと、せっかくのいろんな努力というものが十分な効果を上げないということになります。
 そういうことで、私どもといたしましても、我が国と派遣国との間の友好親善、相互理解をさらに増進していくためには帰国後の留学生との交流を継続していくことは重要である、このように考えております。このような観点から、防衛大学校を卒業した留学生につきまして、我が国に招聘いたしまして、自衛隊の部隊の研修などを二週間程度実施する、こういうようなことでの我が国の留学経験者との交流の継続にも努力をしているところでございます。
 また、そのほか我が国の留学経験者が卒業後にさらに上級の自衛隊の学校に再度留学するといった例もございますし、我が国の防衛駐在官の赴任先での対応窓口となったり、また在日武官として活躍する例などもございまして、さまざまな面で交流が継続されているというのが実態でございます。
#45
○齋藤勁君 この制度につきましては、先ほど私自身も位置づけをしていますので、ぜひまたより積極的な取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 次に、日米地位協定に関しまして、何点かお尋ねさせていただきたいと思います。
 外務省お見えですね。新年度から日米安全保障条約課に、今度の予算の説明の中にも入っていたのですが、日米地位協定室というのを設けると、設けたのでしょうか、正確には。この日米地位協定室というのをつくったわけでしょうけれども、日米地位協定室と書いてあれば、その言葉どおり文字どおりなんでしょうけれども、ねらいとそれからスタッフというんでしょうか、一人や二人じゃないと思いますけれども、このスタッフについてお伺いしたいと思います。
#46
○政府委員(高野紀元君) 昨四月十五日でございますが、国会の予算のお許しもありまして、外務省の北米局日米安全保障条約課の中に日米地位協定室を設置させていただきました。
 この考え方は、我が国に米軍が駐留し、それに必要な施設・区域を提供しているわけでございますが、その関連で種々の周辺住民の方々の御負担あるいは米軍の訓練等から生じる問題が生じているわけでございます。特に、最近年におきましては、沖縄における諸般の問題が起きて、これに伴って日米安保条約の運用あるいは我が国における米軍の駐留そのものについて、国民の皆様方からのいろんな声をいただいている。そういう背景のもとに、やはり日米安保条約をきちっとかつ円滑に運用するためには、この駐留に伴う問題、それに法律的な枠組みを提供しているのは日米地位協定でございますが、その問題について、より専門的あるいは集中的な対応をする体制を整備しなきゃならない、こういう考え方でございます。
 予算の定員上八名をいただいておりまして、日米地位協定室長も昨日着任いたしました。
#47
○齋藤勁君 そこで、今国会の中でも、衆議院の論議を伺った中で、幾つか日米地位協定に絡む見直しあるいは運用の改善等についてやりとりがされております。私も本会議の中で、全国の渉外関係主要都道府県知事連絡協議会から政府に対する要望の中で、運用等適切な見直しを行ってほしいということで本会議でも述べさせていただきましたが、率直に申し上げまして、総理からの答弁は従来と変化がない答弁であったというふうに理解せざるを得ません。
 今回の新しいそういうポジションができたことによって、私はむしろ、今沖縄の例を御例示になりましたけれども、現実にその地域で起きているさまざまな問題について、より積極的に情報収集をして、運用面そして地位協定問題について積極的に日本政府の立場を明確にしていくということが日本の政府にとって大きな責務ではないかなというふうに思います。
 まず、具体的にお伺いしたいんですが、いわゆる低空訓練飛行というのがございまして、これを今どのルートのことを承知をしているとか、あるいはどういう事件があったとかいうことではないんですが、相当前に私もこのことでの国会でのやりとりの中で、いわゆる地位協定上の問題、米国と日本とのやりとりの中で幾つか政府から見解が出されていますので、この見解については現在もそういう見解なのかどうかということについてお尋ねさせていただきたいと思います。
 一つは、いわゆる飛行訓練の参加機数あるいは飛行ルート、これを政府は事前に連絡するよう米軍に求めていくべきではないか、こういう質問をしておりますが、政府の方の答弁というのは、「個々の飛行訓練の具体的内容について我が国への連絡を行う必要はなく、政府として、かかる連絡を行うよう米側に求める考えはない。」と、これが一つ。
 もう一つは、低空飛行訓練については、最低高度規定など航空法の規制が適用除外になっている、騒音、安全面から大きな問題だ、事故多発の折から政府は米軍に対し高度、スピード制限等、規制を強化するよう申し入れるべきだというのが二つ目の質問であります。それに対して政府の方は、「米軍は、飛行訓練を行うに際しては、民間航空路を避け、最低安全高度を尊重する等航空交通の安全と秩序の維持に配慮しつつ実施しているものと承知をしている。政府は、御指摘の米軍機墜落事故にかんがみ、安全確保の徹底等につき改めて米側に申入れを行い、米側も同申入れを了解をしたところであり、政府として飛行規制の強化等を米側に求める考えはない。」ということで、これは岩手県内におきます米空軍機の墜落事故のときのその後のやりとりでございます。
 いわゆる飛行ルート、訓練空域について連絡を日本政府の方に行うように米側に求める考えはないということ、もう一つは、航空法、国内法ですけれども、事故のあったことについて安全と秩序に特に配慮してほしいということを申し入れしたけれども、飛行規制の強化等については米側に求める意思はないんだと、こういうのが二つの柱になっているんですが、このことについて現在の考え方についてお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(高野紀元君) まず、先ほど申し上げました地位協定室の点で訂正させていただきたいと思いますが、定員上八名と申し上げましたが、九名でございます。
 それから、今の御質問でございますが、いわゆる低空飛行訓練に関連しての御質疑というふうに理解いたしますが、まずいわゆる低空飛行を我が国で行っている際の飛行ルートでございます。
 これは従来から申し上げているところでございますが、米軍が飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあることは承知しております。かつ、これは随時安全性の問題あるいは周辺住民の方々への影響等も考慮に入れながら見直しをしているというふうに承知しております。
 そういう中で、具体的なルートの詳細、そういう意味での詳細は、米軍の運用にかかわる問題であって我が方として承知しておりません。
 それから、飛行訓練のあり方と申しますか具体的な飛行訓練の実績と申しますか、そういうものについての詳細でございますが、これも今のお答えと同様になるわけでございますが、米軍としてこのような飛行訓練というものは各軍のパイロット等の練度の維持ということから軍として規則上やらざるを得ないという立場で、我が国として駐留を認めている以上これを認めるということが我が方の立場でございますけれども、訓練の詳細については軍の運用上の問題でございまして、我が方として米側から一々その詳細の一つ一つについて通報を受けているわけではございません。
 それから、最低飛行高度あるいは最低安全高度の関連でございます。
 これは今御指摘のように、在日米軍の航空法との関係におきましては特例法がございまして、一定の範囲で航空法の適用免除を行っております。
 この基本的な考え方は、必ずしも我が国だけではなくて、外国軍隊が外国に条約上駐留を認められている際に、その軍隊というものは国内法は一般的には適用されないという考え方があるわけでございます。軍としての一つの特別の地位ということで、これはNATOにおきましてもあるいは韓国におきましても外国軍隊が駐留する際には基本的にはその考え方になっているわけです。
 しかしながら、それでは受け入れ国の国内法を無視して自由に行動していいか、そういうことではございませんで、日米の地位協定におきましてもほかの国における地位協定と同様に、駐留する受け入れ国の国内法を十分尊重しなければならないという義務は課されているわけでございます。
 その関連で申し上げますと、この最低安全高度に関しましては、我が国航空法の第八十一条及びそれに基づく運輸省令第百七十四条がございますが、人ないしまたは家屋の密集している地域の上空では三百メートル、その他の地域では百五十メートル以上の距離を保って飛行することというふうになっております。この部分は法律的には適用になっておりませんが、この点は米軍として十分尊重して飛行訓練を行っていることは再々米側も明らかにしておりますし、最近について申し上げますと、米側は四月一日付のプレスリリースということでこの点も改めて明確にしております。
 その当該部分を申し上げますと、在日米軍は、国際基準を遵守し日本の国内法令を尊重している、在日米軍は、最低飛行高度に関する規則、人口密集地三百メートル、その他の地域百五十メートル等、日本の航空法令を自発的に遵守しているということを述べているわけでございます。
#49
○齋藤勁君 そこが大事だと思うんです。私は、地位協定はさまざまな国内法除外というような規定がありますが、原則としては国内法遵守だと思うんです。
 それで、しかしということでさまざまな除外規定があるんでしょうけれども、いずれにしましても、駐留の外国の軍隊というのは少なくとも国内法を尊重するということが、法律専門家に例をとるまでもなく国際慣習法のルールであるということについて、私はここではっきり申し上げさせていただきます。
 次に、飛行ルートとかさまざまな問題について、アメリカ国内においては、アメリカ国民に向けては米空軍というのは、インターネットのホームページの中に低空飛行訓練という広報をしているわけです。その最後の方には、規則に違反をしている飛行機がいたら最寄りの空軍基地に連絡をしてくださいと、こうまで記述をしているわけであります。
 今、後段局長から触れられましたけれども、尊重しているとか自発的にとかというふうに言いますが、これは少なくとも国内法の原則ということや、これだけの地方自治体から、例えば地位協定の運用とかなんかで、具体的に今申した点でいいますと五条関係ですけれども、米軍機の飛行については、航空法の今八十一条を読み上げられましたけれども、現在最低安全高度の規定が特例法により適用除外されているのでこれを見直し、航空法第八十一条を適用されたいということを明確にされているんです。これはやはりきちんと何か明記をさせていく、そして国民に明らかにさせていくという努力が私は必要ではないかというふうに思います。
 いわんや、米軍のダブルスタンダードというふうによく言われるんですけれども、国内にあっては国内法を米軍は尊重する、しかし他国に行ったら他国ではどうもそうではないということになりますと、大変問題があろうかというふうに思います。
 外務省としては、今私が申しましたアメリカ本土において低空飛行訓練の広報、ホームページを今一例出させていただいたんですが、国防総省と地域別の航路図、航空従事者等の情報マニュアル、それからいかなる航空機も人や船舶、構造物から五百フィート以内を飛行してはならないというような規則をきちんと記して、何かあれば国民の皆さん通報してくださいと、こういうふうになっている。
 こういった事実というようなことをやっぱりきちんとアメリカ側の方に申し入れをする。たまたま今、低空飛行訓練のことを言っていますが、そのほかにもたくさんあるんですけれども、こういったことをやはり日米地位協定の見直しの俎上にのせて、その役割を果たすのが日米地位協定室だというふうに私は受けとめさせていただきたいんですけれども、いかがですか。
#50
○政府委員(高野紀元君) 低空飛行問題に関しましては、先般イタリアで極めて重大な事故が生じたわけでございます。私どももこれを非常に重要視し、重大視して直ちに米側に対してこの訓練のあり方、特に安全面から見て米側に対して再度何ができるかという観点から申し入れをいたしました。現在、この話し合いをしているところでございます。
 今の御指摘の関係で、アメリカの国内では飛行ルートがあり公表されているではないかという御指摘であろうかと思いますが、これはアメリカの国家映像地図庁、NIMAというのがございまして、そこで市販されている「米国の低高度における計器飛行方式ルート」という航空図に連邦航空局が承認した軍の飛行ルートが記載されていることは事実でございます。
 他方、私ども確認しているところでございますが、こういうルートをつくっていることはそれぞれの航空環境というものが置かれている違いからも出てきているわけでございます。米国では小型の民間航空機が極めて大量に飛び交うということも含めて、こういう制度を連邦航空局が軍との調整において行っているということで、これが発表されているわけでございます。
 米軍の実際の訓練は、このルートももちろん使っておりますが、我が国で行われているような意味での有視界飛行によりまして、もちろん安全性を見ながら一定のルートを使っているというのも、これまた事実であることが確認されております。したがいまして、その部分に関しましては我が国と米国との間で差がある、つまり有視界飛行の部分については同じような訓練をしているということはまた事実でございます。
 それから、ヨーロッパにおきましても、これは各国それぞれ国情で違いますが、例えば英国の場合は我が国とほぼ同じような制度をとっております。あるいはドイツ、イタリアの場合は空域を設けたりしているところでまたちょっと差があることはそのとおりでございます。
 したがいまして、米国と我が国との関係で申し上げますと、米国内における飛行訓練のあり方というものは少なくとも同じようなシステムをとっている部分もあるということでございます。
 一般的に申し上げますと、米側としては、我が国における低空飛行のあり方とそれから米国内において行っている低空飛行のあり方を照らし合わせた場合に、米側の説明によりますと、日本における国内法令を遵守、尊重しているわけでございますが、このあり方の方が米国内で米軍が行っている方式より厳しい、つまり米国内で行っている飛行訓練というのはより低いところを飛んでいる例もあるということを含めてだというふうに理解しておりますけれども、そのような説明を受けているわけでございます。
 繰り返してございますが、いずれにしても、この問題は非常に重要な問題だという認識を私どもしておりまして、現在、安全対策でどのように改善ができたのか、米側と話し合いをしているということでございます。
#51
○齋藤勁君 時間も来ましたので終わりますが、いずれにしましても、六〇年代に結ばれた地位協定で、その後いろいろ状況も違っておりますし、それからいわゆる空の部分でも非常に技術が向上していろいろ訓練の形態も変わっている。私は、運用も大切ですけれども、地位協定そのものについて、やっぱり現状に合った、我が国の納税者にきちんと説明できるような、主権国日本としてきちんと役割を果たせるような、そんな説明のできるような地位協定にしなきゃならないし、アメリカとの話し合いをしていかなきゃならないということを申し添えさせていただきまして、終わりたいと思います。
#52
○高野博師君 最初に、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に関して何点かお伺いいたします。
 この設置法の一部改正の目的は何でしょうか。そして、なぜ今改正をしなくてはいけないのか、それについてお伺いいたします。
#53
○国務大臣(久間章生君) 先ほども述べましたとおり、かねてからといいますか、阪神・淡路大震災が起きました後いろいろと議論をしておりまして、やはり二部隊等をもう少し統合運用した方がいいというような反省にも立ちまして、防衛大綱を決めましたときにも、大規模災害等各種事態への対応等の任務を迅速かつ効果的に遂行するため、統合幕僚会議の機能の充実を図ることというようなことを議論してまいりました。そして、これをやるためにはやはり法改正が必要だということでその準備をしておったわけでございますけれども、今回ほかの自衛隊法の改正がいろいろありましたけれども、いわゆる統合幕僚会議の機能の充実強化ということをテーマとして改正案を出させていただいたわけでございます。
#54
○高野博師君 大震災を非常に強調されておられますが、それならもっと早く改正をしてもよかったんではないかという気がいたします。
 それに関連して、若干私も疑問を持っておりますが、統合幕僚会議の機能の充実、そして陸上自衛隊の旅団の創設、それから海上自衛隊の補給本部の設置、この三つはそれぞれ密接に関連していると私は思うんです。これは一つの目的に対応しているんではないかと思うんです。
 そこで、この統合幕僚会議の機能の充実の中で、出動、これは防衛出動と災害出動があると思うんですが、この出動時以外においても自衛隊の統合運用が必要な場合、これは具体的に、先ほど言われた大震災とか大規模災害とか、そのほかにどのようなことを念頭に置かれているんでしょうか。
#55
○国務大臣(久間章生君) 今、委員がおっしゃられました出動というのは、これは防衛出動と治安出動だけなんです。災害出動は自衛隊の活動であって、自衛隊法上は出動としてはとらえておりませんから、従来の法律でいきますと、我が国が攻撃された場合の防衛出動と治安出動、この二つだけが統合幕僚会議の議長が長官を補佐することになっております。したがいまして、災害につきましては、大規模災害だけではなくて小さい災害も含めまして、統合幕僚会議は全然関与しないことになっておるわけでございます。
 だから、今言いましたように、それを大規模災害等の場合にはそうしようと。その「等」というのは、大規模災害だけではなくて今度はPKO等、そういう活動等についても、二部隊が参加するような場合には防衛庁長官が必要と認めたときには統合幕僚会議議長をもって補佐させるような仕組みにしようということで、今回の改正に及んだものでございます。
#56
○高野博師君 この統合的な運用という言葉がよくわからないんですが、大規模災害等のときは派遣をするわけですが、出動と派遣と運用というのはこれは違うんでしょうか。
#57
○政府委員(太田洋次君) 自衛隊の任務は大きく分けまして、主たる任務の中に、我が国の直接侵略あるいは間接侵略、それからその他公共の秩序の維持に当たるというものがございます。そのほか、自衛隊の持っている機能を効果的に活用しまして国民の生活等に何らかの形で役立たせるというような任務もこれに付与されております。
 そういう区分けの中で、今申し上げましたように、防衛出動、治安出動の場合にはこれは出動と呼んでおりますし、それから災害において自衛隊が行動する場合にはこれを災害派遣というような言い方で、法律の立て方でそこを区別しているところでございます。
#58
○高野博師君 運用はどっちに入るんでしょうか。運用というのは何でしょうか。
#59
○政府委員(太田洋次君) 一般的に自衛隊の部隊として動きます場合に、それをどういうふうに動かすかという観点から見ました場合にこれを運用というふうに呼んでおります。
#60
○高野博師君 よくわかりません。
 例えば、周辺事態に対応して自衛隊を出動か派遣するのかわかりませんが、これは統合的な運用というカテゴリーに入るんでしょうか。
#61
○政府委員(太田洋次君) ちょっと先ほどの説明と繰り返しになりますが……
#62
○高野博師君 余り繰り返さないでください、時間がありませんから。
#63
○政府委員(太田洋次君) 失礼しました。
 実際に自衛隊をどういうふうに動かすかということにつきまして、これは一般的には運用と呼ぶわけです。それで具体的に、例えば日本有事の場合に防衛出動させるという場合には、自衛隊法七十六条に基づきまして、それから最終的には法律に立てられました手続に従いまして防衛出動させるというようなことになるわけでございます。自衛隊が部隊として行動する場合にはそれぞれの自衛隊法等の根拠に基づきましてやるわけでございまして、どういうふうに動かすかという観点から常識的に見まして全体をとらまえた場合にどう運用するかということでございます。
#64
○国務大臣(久間章生君) 委員が御指摘のところもわかるわけでございます。
 といいますのは、従来、防衛出動、それからそれに対して災害派遣、こういうことでございました。この辺は自衛隊の活動面としてそういう章のとらえ方をしております。その後にPKO等が出てまいりました。これは実際は自衛隊が行っておりますけれども、国際平和協力隊として行っておるわけでございます。これは第八章に別の活動として挙がってきておりまして、こういうのを全部ひっくるめまして運用ということでくくっております。そういう意味で自衛隊の活動する場面としての運用というような言葉を使っておるわけでございまして、ちょっと御理解しにくい点があったんだろうかと思います。
#65
○高野博師君 わかりました。
 またよく理解できていませんが、要するに運用の中に派遣と出動と両方あると。出動と派遣というのは有事と平時という分け方でこれは対応できますか。例えば派遣の場合は平時であって、出動の場合は有事だと、そういう分け方はできますか。
#66
○国務大臣(久間章生君) いわゆる治安出動を有事ととらえるかどうかでございます。
 これは、有事と普通言っています場合には、我が国が外国から侵略をされた場合、それに対処する場合にどうするかというのが有事でございますけれども、治安出動はそういう点では、いわゆる有事という言葉は法律上はないわけでございますから、それを含めているかどうかについては、それは従来は含めずに使っているんじゃないかと。
#67
○高野博師君 含めていないと。
#68
○国務大臣(久間章生君) だから、要するに出動というときには防衛出動と治安出動がございます。
 しかし、そのうちの要するに有事に出ていくというような意味で、有事法制もそうですけれども、俗に有事、有事と言うときには、そのうちの防衛出動にかかる部分をとらえて有事と言っているんじゃないかと。治安出動については都道府県知事から要請がある場合もありますし、命令によって治安出動に出動することがございますけれども、これについては有事という言葉は従来使っていないんじゃないかというふうに理解しております。
#69
○高野博師君 御参考までにお伺いしたいんですが、周辺事態が起きたときは、これは平時でしょうか、有事でしょうか。平時ではあり得ないと思うんですけれども。
#70
○国務大臣(久間章生君) これは、私どものそういう有事、平時という概念でいきますと、平時だというふうに理解しております。
#71
○高野博師君 平時。
#72
○国務大臣(久間章生君) はい。
#73
○高野博師君 周辺事態は平時。これは重大な話じゃないでしょうか。
#74
○国務大臣(久間章生君) 先ほどから言いますように、有事というのは我が国が他国から侵略を受けたということで防衛出動する場合を有事と言っているわけでございます。そういう有事ではない状態の中で我が国がどういうようなことを、例えば日米防衛協力でやるかということで、それで周辺事態というような事態においてどうするかということを取り決めたわけでございますから、これはいわゆる平時にあるわけです、有事か平時かといいますと。そういうふうに理解しております。
#75
○高野博師君 ますますわからなくなってきたんですが、そうすると、周辺事態において日本が対米協力をするというのは全部平時という概念でこれは処理しなくちゃいかぬということになりますね。そこは問題ありませんか。
#76
○政府委員(佐藤謙君) 先ほど来長官が御答弁していますように、有事という言葉については確たる定義が行われていないということだと思います。ただ、実際上使われる場合には、自衛隊法の七十六条の防衛出動が下令されるような事態、こういうものを有事として扱う場合が多いということでございます。いわばその定義の問題でございますけれども、そういうことからしますと、周辺事態というのは自衛隊法七十六条に従う防衛出動が下令されるような事態ではございませんから、有事以外の事態、こういうことになろうかと思います。
#77
○高野博師君 わかりました。これは大事な話だと思います。
 そこで、有事というのは日本が攻撃を受けたときということなんですが、これはやっぱりきちんと定義すべきじゃないでしょうか。あいまいな概念に基づいて使っているということではいろいろ誤解を受けるんではないかと思うんです。
 それではちょっと違った観点からお伺いいたします。
 ガイドラインと周辺事態の関係はまた後で外務省にもお伺いいたします。
 先ほど言った統合幕僚会議の機能の充実ということと、陸上自衛隊に旅団を創設するということで、旅団は師団より小さいけれども機動性があるということで、例えば戦車隊等の自衛隊員を削減して、ヘリコプターとか輸送機とか空中機動性を非常に高めると。したがって、これは要するに機動性が高まるという点と、もう一つ海上自衛隊に補給本部を置くということで、これは装備品の高度化等の状況の変化に対応するというようなことを言っているんですが、この補給本部の充実というか設置というのと、それから旅団の設置、そして統合幕僚会議の充実、これは要するに後方支援体制の充実と、これはもう明らかにガイドラインをにらんでの対応ではないかと、この点についてはいかがでしょうか。
#78
○国務大臣(久間章生君) 細かい点については参事官の方から答弁しますけれども、全くそういうことを念頭に置いているわけじゃございませんで、例えば旅団化につきましては、現在の陸上自衛隊のあり方について検討するときに、師団規模ではなくてもう少し小さい規模にコンパクト化した方がいいんじゃないか、そういう発想でコンパクト化をする。そのかわり、コンパクト化しても従来の機能を維持する、あるいはそれ以上の機動性のある機能を持たせようということにして、そういう場合には、今言われたようにヘリコプターをもっと充実させるとか、そういうことをいろいろ考えながらやろうとしているわけでございまして、決して後方地域支援を強化するためにこういうものを設けたということではございません。
 また、海上の補給本部にしましても、現在の調達のいろんなあり方、海上自衛隊の補給のあり方がそれぞればらばらでいいのか。そうじゃなくて、もう少しきちっと一カ所に統率してやった方がいいんじゃないかということでやっているわけでございまして、これとガイドラインとの関係は直接念頭にないわけでございます。
#79
○高野博師君 そういうことを言うから余計わからなくなるので、きちんとそうだと言った方がいいんじゃないでしょうか。要するに、国内法の整備というのは、ガイドラインとの関係で言うとこれから関連法案がいろいろ出てくるわけですね、その整備の一環ととらえた方がわかりやすいんだと、私はそう思うんですが、一言だけお伺いいたします。
#80
○政府委員(伊藤康成君) 個別のところで若干御説明させていただきますと……
#81
○高野博師君 そんな説明要りません、時間がありませんから。
#82
○政府委員(伊藤康成君) 一三旅団につきましては、既に御承知のとおり、平成七年の防衛計画の大綱の中で、平時地域に配備する部隊を、従来の十二個師団、二個混成団を、八個師団、六個旅団にするということ、これはもう平成七年の十一月の防衛計画の大綱で実は決めておったことでございまして、御承知のとおり、その時点で今お話に出ておりますようなガイドラインということが具体化してきておったわけではないわけでございます。
 それから、補給本部につきましても、これは必要性は実はかなり前からあったわけでございます。特に平成三年ごろには既に行政監察の指摘も受けておりまして、逆に言えば非常にこれまで時間がかかり過ぎたわけでございますが、いろいろ部内検討の結果、今回お願いをしているということでございます。
#83
○高野博師君 そういうことであるのであれば、早く出した方がいいと思うんです。今こういうことがまとまって出てくると、これはガイドラインとの関係で位置づけるのはもう当然ということだと思います。
 時間がありませんので、別な点をお伺いいたします。
 日米物品役務相互提供協定、ACSAの改正、これはガイドラインとの関係ですが、この中で在外邦人の救出など、非戦闘員退避活動、いわゆるNEOの協力は対象外とすることで日米で合意したという報道がありますが、これは事実でしょうか。
#84
○説明員(内藤昌平君) 御指摘の非戦闘員、私どもの用語で言いますと邦人救出という行為は、本来、それぞれの国が主体的に行っていることでございます。アメリカとの間においては特に先生御指摘のガイドライン、すなわち日米防衛協力のための指針の中でお互いに協力をするという合意がございます。したがいまして、私どもはこの合意に従って国務省と話し合いを続けているわけでございます。具体的に事態が起きた場合はどういう形で協力をするのかということの話し合いをしております。
 ただ、御指摘のACSA、日米物品役務相互提供協定、これはあくまでも自衛隊と米軍との間の協力関係ということで、私どもが国務省と続けている話し合いとは別建てのものと考えております。
#85
○高野博師君 別建てということでこれは何らかの交渉をやっているんでしょうか。というのは、国務省とやっているといいますけれども、ガイドラインの中には邦人救出という項目が入っているわけですね。そして、そのガイドラインは両国政府が実効性を確保するために努力するということも規定されているわけです。そういう中でとらえると、今回のNEOの協力は対象外とするのはおかしいんではないかと思うんですが、どうでしょうか。あるいは別枠できちんとそれは交渉しているんでしょうか。
#86
○政府委員(佐藤謙君) ガイドラインとの関係でちょっと私の方から補足説明させていただきますと、ガイドライン上、非戦闘員を退避させるための活動という機能及び分野につきまして、先生御指摘のように協力項目例ということで協力項目が挙がっているわけでございます。これにつきましてはまさにガイドラインをまとめるに当たって日米が語をし、そのときの米国の立場というのは現在も変わっておるわけではございません。
 一方、ACSAということでございますけれども、ACSAは先生御存じのように、こういったおのおのが主体的な活動をするときにいわば付随的に物品役務の相互提供が起こり得る、そういうところを律しようとするわけでございます。確かに今回はACSAというものがアメリカの国内体制、国内法の関係からNEOを対象にし得ないということになるわけでございますけれども、そうだからといってこの協力項目のこれについての米側の立場は変わるものではない、こういうふうに私どもは理解しております。
#87
○高野博師君 ちょっと最後の、米側の何ですか、最後の部分。
#88
○政府委員(佐藤謙君) 米側の立場は変わるわけではない。要するに、それに付随します物品役務の提供というACSAの面だけの問題でございます。
#89
○高野博師君 それでは、邦人救出という点についての日米協力はどういう形でやるんでしょうか。これは当然ガイドラインとの関係。
#90
○国務大臣(久間章生君) 邦人救出はガイドラインに書いてあるように米側も協力してくれるわけです。ただ、ACSAというのは、その場合にそれに必要な、例えば油を相互に融通し合うとか役務の相互協定の中に入れるかどうかの問題でございますから、ガイドラインに書いているように邦人救出に米国が協力してくれるということは事実でございます。
#91
○高野博師君 そうすると、報道にあるように、ACSAの中にこれを盛り込むということはしないわけですね。そこはもう決定したわけですね。
#92
○政府委員(高野紀元君) ガイドラインの実効性を確保するための法整備の一環として、現在、現行ACSAの改定の交渉を行っておりまして、これは最終段階にございます。
 今のお尋ねのいわゆるNEO、非戦闘員の退避活動との関係でございますが、これは米国の国内法ないし国内制度との関係では国務省の権限ないし予算の問題になっております。
 ACSAというものはNATO支援法という米国内法に基づいて行う米国防省の軍隊、軍の物品一役務の融通の枠組みを定めるものでございまして、そういう観点からACSAという制度にはこれは乗らないということで、これは米国が二十数カ国とACSA協定をしておりますが、すべてそのような結果になっております。
 したがいまして、私どもも今度のACSAの改定との関係ではいわゆる非戦闘員退避活動は対象外になるというふうに考えております。
#93
○高野博師君 ですから、私が聞いているのは、それではその実効性を確保するためのほかの枠組みをつくろうという努力はされているんでしょうか。
#94
○政府委員(高野紀元君) 先ほど来御答弁ございますが、私どもは非戦闘員の退避活動との関係では、去年九月二十三日のガイドライン最終報告にございましたとおり、米側との間で輸送手段あるいはその他の相互提供の形で協力し合うということは、既にガイドラインの上で日米間の了解となっておりますので、それに基づきまして現在話をしております。今ここで詳細申し上げる段階にはございませんが、実効あるものにしたいということで、今話し合い、交渉をしているところでございます。
#95
○高野博師君 新しいガイドラインの関係でいいますと、周辺事態が起きたときに我が方の対米協力というのが主なポイントであります。しかし、その中で周辺事態が起きたときの邦人の救出ということをきちんとどこかで明文化しないと、このガイドラインがどういう意味を持っているのか、単なる戦争マニュアルではないかとか、いろんなとらえ方をされている中で、邦人救出というのは全体の中の非常に重要なポイントだと。これを欠くことはガイドラインの一連の関連法案も含めて私は画竜点睛を欠くのではないか、そういう認識をしておりますが、何か覚書という形でこれの交渉されているという情報もありますが、これはどうでしょうか。
#96
○政府委員(高野紀元君) いずれにいたしましても、我が国から見れば邦人保護、米国から見れば米国人の保護、あるいは地域によっては第三国の方も入ると思いますが、緊急事態においてそういう方々を安全な場所にできる限り早く退避させるということはまずは自国政府の責任だというのが考え方だと思います。
 しかし、それぞれの場所、状況に応じてできる限り双方協力した方がいいだろうという考え方のもとに、日米間で協力し合おうという考え方に立って今交渉しているわけでございます。その交渉の結果がどういうふうになるか現段階で申し上げることはできませんが、我が方としてはできる限り実効のあるものにしたいということで話し合っているところでございます。
#97
○高野博師君 基本的には自国民については自国で救出するという原則、これはよくわかるんですが、日本はこれまで専守防衛ということに徹してきたわけですから、そういう中で能力にも限界がある。例えばインドネシアにいる一万五千人の邦人、もし何かあったときにどうやって救出するのかと。これは自衛隊法とかいろんな国内法の問題もありますが、この自国民を救出する能力を高めるという点については周辺諸国等の懸念等も予想されます。そういう意味では、日米の協力関係をきちんとつくっておくというのは非常に重要な点ではないかと私は思っております。
 この点についてはこれで終わります。
 若干時間がありますので、パキスタンが何かミサイルの実験をしたという報道があります、パキスタンのミサイル、ガウリの実験が成功したと。しかし、これは北朝鮮のノドン二号だという情報がありまして、この点についての事実関係は何かつかんでおられますか。
#98
○政府委員(阿南惟茂君) パキスタンのミサイル実験が行われた六日にパキスタンの外務報道官は、この実験は純粋にパキスタン独自の努力によるもの、国産のミサイル開発に成功したということを言っておりますが、今、先生のお話にございましたような報道があったことも事実でございます。これにつきましては今情報収集しているところでございますが、確たることを申し上げる段階ではございません。
 ちなみに、今お触れになりましたノドン二号というものの存在については、私どもは承知しておりません。
#99
○高野博師君 ノドン一号については何回かいろんな報道があってその存在が懸念されているわけですが、北朝鮮がパキスタンを使ってノドン二号の実験をしているというようなとらえ方もされております。我が方としては北朝鮮との関係で今国交正常化に向けての努力をされていると思うんです。拉致事件とかあるいは里帰りの問題とかいろいろあると思うんですが、非常にミサイルの問題は重要な問題でありますので、中途半端な交渉はされない方がいい、そういう意味ではきちんと言うべきことは言う必要があるんではないかなと、そう思っております。
 最後に、インドとパキスタンの関係で、もし今世界じゅうで核を使う可能性があるとすればあそこが一番高いということがよく言われております。インドでもインド人民党が政権をとったということで、核に関してはかなり積極的になっていると。そういう中で、パキスタンがこのノドン二号を使ったようなミサイル実験もやっているということで、非常に危険性が高まってはいないかなと、そう思うんですが、その点の認識はいかがでしょうか。
#100
○政府委員(阿南惟茂君) 今の御質問のように、印パ関係、特に軍事対立に至るような危険がないかということは国際社会の関心事項でございますが、日本といたしましても、両国にさまざまな機会をとらえて弾道ミサイルの開発、配備等、自制をもってやってくれということを累次申し入れをしております。
 御案内のように、パキスタンとインドは四七年に独立をいたしましたが、この独立も分離独立と言われておりますように、双方が建国したときから、カシミールの領有等をめぐって対立関係にあるわけでございますが、この両国の間で不測の事態が起きないように私どもも両国に働きかけております。
 ただ、今回のミサイル実験につきましては、インド側は比較的抑制のきいた反応をしている、そういうふうに私ども判断しております。
#101
○高野博師君 終わります。
#102
○立木洋君 長官、今、同僚議員も尋ねました統幕会議の問題です。どうして今こういうふうに機能を強化するのかというふうな問題と関連してちょっとお尋ねしたいんです。もちろん今までの問題では、もう明確にこの出動の問題というのは、防衛の場合あるいは治安の場合、これについて、長官の指導のもとに幕僚会議が関与し、そしてその運用等に権限を持つということになっているということははっきりしているわけです。
 それが改定されたのが、結局二十六条の中では、一つは、統合警備計画の作成及び幕僚監部の作成する警備計画の調整にも関与する、これにも権限を持つようになるわけですね。それで、その二十六条の五番目のところには、「その他統合運用が必要な場合として長官が定める場合における自衛隊に対する指揮命令の基本及び統合調整に関すること。」、これについても権限が与えられる。権限が、機能がふえるわけですね。さらにもう一つは、情報の関係で、ニーズ的に言えば、三百八十二名、情報本部、これを統合しますから、情報本部も人数が拡充される等々の機能の強化といいますか拡充といいますか、そういうものが進められる。
 私、先ほど長官の答弁をお聞きしまして、いわゆる権限を出動の時点だけではなくてさらに与えるという問題で、阪神大震災の問題をお持ち出しになりました。私は、やっぱりこの問題は、新しいガイドラインの問題との関係が全くないのかという点で、例えば周辺事態、とりわけ周辺事態での日米の陸海空部隊の統合作戦、あるいは日米共同作戦計画、日米相互協力計画の策定や指揮調整、情報交換などのために統幕会議の関与のあり方、それにどこまでの権限が長官の指揮のもとに与えられるのか。全く関係がないとおっしゃるのか、一定の関係があるとお考えになるのか、その点だけちょっと、長官。
#103
○国務大臣(久間章生君) 共同作戦計画なんかにつきましては、従来のガイドラインの場合でも、それは検討を行ってきているわけです。それについては変わらないわけです。
 確かに、おっしゃるように、今度の統幕機能が強化されました後、これから先いろんな事態があったときにこの規定が働かないかというと、私は働き得ると思います。それは、そういう意味ではガイドラインに全然関係ないかと言われますと、結果としては関係してくるといいますか、これから先のガイドラインを進めるに当たって、この規定に基づいて統合調整した方がいいというようなケースは出てくると思います。そういう意味では、関係があるかと言われますと、私はあると思います。
 ただ、それを目的としてやったわけではございませんで、これはあくまでその当時からずっと検討を重ねてまいっておりまして、それが大体全体としてまとまった、それがちょっと遅かったかという御指摘はあろうかと思います。しかしながら、例えば一三師団を旅団にするというのにつきましては、具体的にそれがもう目の前に、今年度にしなければならないということになりましたので法律改正をお願いしているわけでございます。やはりそういうのを束ねて法改正を行っておるというその辺の背景も御理解賜って、何で今かという、おくれたのかということについては御理解賜りたいと思います。
#104
○立木洋君 全く関係がないというお答えでなかったわけで、私も、その点は当然そうだろうと思います。
 これは結局、四月十日の参議院本会議で、統幕会議の権限強化の問題について、ガイドラインとの、日米協力との関係についてはどういう関係があるのですかという質問に対して総理がお答えになったのは、直接関連するものではありませんという答え方をしたんです。私にとっては明確な答弁じゃなくて、何か関連がないような言い方を総理がされた。その形容詞には直接というのが入れてある、直接関連するものではありませんと。きょう長官が、関係がある、全くないとは言えない、しかしそのこと自体を目的とするものではないという、ちょっとニュアンスの違いがありますけれども、私は、この問題は重視しなければならないと思うんです。
 ここに「朝雲」を持ってきました、コピーを。これはことしの三月十九日です。ここに、「共同作戦計画相互協力計画 検討作業に着手 日米制服組が初の会合」と書かれているんです。この新しい日米防衛協力のための指針、つまりガイドラインに基づいて設置された日米制服組の共同計画検討委員会の初会合が三月十三日、防衛庁で開かれたと。そして、新指針の実効性を確保するために設置された包括的なメカニズムのうち、新指針の柱となる日本有事の共同作戦計画と周辺事態での相互協力計画策定について実務的な検討を行う機関で、去る一月二十日、小渕外相、久間防衛庁長官とコーエン米国防長官との会談で設置が合意されたと。そして会合が始まったんです。
 日本側と米側との共同委員長が双方で出されておりますけれども、日本側の共同委員長として出ているのは酒巻統幕事務局長ですよ。統幕会議の事務局長ですよ。統幕会議の事務局長が責任者で共同委員長として出ておる。アメリカ側から出ているのはだれか。アメリカ側から出てきているのはマレー在日米軍副司令官、同参謀長等々が出ているわけです。
 そうすると、統幕の事務局長が共同委員長として出ておりながら、統幕会議が設置されたもとで全く関与しないと。しかし、これが日米制服組の初会合として、しかも新ガイドラインの周辺事態での相互協力計画策定についての実務的な検討を行う機関である。これが日米間の双方の長官の間での合意として指示されているわけですから、これは明確に新ガイドラインに対応する、そういう内容をも持っているということを私ははっきり指摘しておきたいと思うんです。
 長官はそれ以上おっしゃらないかもしれません、それを直接の目的としたものではないという答弁等があるものですから。それ以上の答弁は、私は次の段階でもっと明確になったらはっきりさせておきたいというふうに考えております。
 ですから、大体周辺事態を認定するのに、総理大臣が今周辺事態だなんて認定できますか。できないでしょう。認定するのは制服組ですよ。制服組が全く関与しないで何の認定をやるんですか。こういうことを一つ考えてみても、ガイドラインの問題にこの統幕の統合運用は重大なかかわりがある。それが防衛庁長官の指揮のもとで行われる、必要な場合には。これはもう新ガイドラインを範疇に入れたものであるということだけは私は明確に申し述べておいて、反論があるかもしれませんが、これは次の機会に――いや反論がないとこう横に首を振りましたから、大体そういうことだろうということで、議事録には首を振ったというのは載りませんけれども、そういうことで、次の機会に検討をさらに進めていくことにしたいということだけは強調しておきたいと思います。
 それで、結局問題になるのは今私の申し上げた周辺事態ということの認定の問題ですが、日本の平和と安全に重大な影響を及ぼすという場合を周辺事態として認定するわけですね。日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす場合といえば、最も重大な影響を及ぼすのは日本に対する武力攻撃が行われる可能性が最大限に高まるというふうな状態になってくるとこれは最も危険な事態ですね。まだ攻撃は始まっていないけれども、攻撃がされるかもしれないという状況、可能性が最高潮に達するような状態になってくるというのが最大の重要な事態です。
 ところが、日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす事態という範疇というのは広い概念があると私は思います。
 秋山事務次官が新聞できのうだったかおとといだったか申し述べていましたけれども、これはシーレーンの問題も入るというふうに考えることもできるというふうなことを記者会見で述べておりました。
 この点で私は、どういう事態が周辺事態と言われるのか。つまり、日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす場合ということを周辺事態と言うわけですから、その基準は全くわからないんですよ、今。全然明確にされていない。だから、どういう場合が日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす事態と、例えばどういう場合どういう場合どういう場合と、法的にも詳しいわけですから、長官、ちょっとお答えいただきたい。
#105
○国務大臣(久間章生君) これは、本当にどういう事態を指してこれが周辺事態だというふうに認定するかどうか、それは確かに難しかろうと思います。やはりその規模、態様、それらを総合的に判断しなければならないわけでございます。
 したがいまして、その間にお互いが、先ほど言われました日米それぞれの軍の関係者、そういったのが情報収集に努めながら、また連絡調整等もそういうところでやりながら、だんだんお互いが連絡を取り合っているわけでございますけれども、最終的にはやはり国民の生命と財産を確保する責任があります政府、その中でも内閣が最終的にはこれは大変だということで認定をして、そしてどういうことをしようかということを閣議決定等で決めていく、そういうようなことになるんじゃないかと、そういうふうに思っておるわけでございます。
 したがいまして、個々の例、先ほど事務次官が言ったシーレーンについて云々という話でございましたけれども、シーレーンについてこれは入るか入らぬかと言われましても、そのときの状況によって、仮に非常にシーレーンのところが危ないと、そこは非常に通るのが危ないとなりましても、また針路を変えることによって我が国全体としてはそれほどの影響はないということもあるわけでございます。それが入る入らぬ、この場所はどうだというようなことは一概に言えないという状況がございますから、最終的には事態の認定は総合的に判断せざるを得ないというようなことで、一つ一つの基準がなかなか設けられないという実情も御理解賜りたいと思います。
#106
○立木洋君 この問題の基準をある程度明確にするということがなければ、いわゆる拡張されたりするような事態が起こり得るという危険性があるんですよ。認定というのはそういう事態だということを認める、そして決定するというのが認定なんですね。だけれども、この周辺事態というのは全く基準がないし、いわゆる規定されていないんです、周辺事態というのはどういう事態なのか。その規定がないというのが私は最大の問題だと思うんですよ。
 これは今までも何回か同僚議員等が問題にしましたけれども、この問題について明確にしないということになるならば、これは制服組が独走するという可能性までやっぱり想定しなければならなくなる、考えなければならなくなる。
 それで問題は、そうすると結局周辺事態のいわゆる認定というのはだれが最初に行うんですか、具体的に。これは総理なのか、長官なのか、あるいは安全保障会議なのか、あるいは今言った統幕の会議なのか、どこでいわゆる具体的な認定、そしてそれを提出するという、それはどこがやるんですか。
#107
○国務大臣(久間章生君) 自衛隊、制服組が独走すると言われましたけれども、そういうことのないようにとにかく制度としてきちっとしなきゃいかぬわけですね、すべてが。だから、現在の日本の法律というのはそういう形で、いわゆるシビリアンコントロールもきちっとできるようになっているわけです。私たちもこのことについては、周辺事態をきちっと決めたときには、それは制服組で決めるんじゃなくて内閣として責任を持って決めることにしなきゃならないと思うんです。
 それともう一つ、周辺事態と認定することはこれがさも悪いことだみたいな前提に立って、できるだけ広く周辺事態として認定するというようなことはけしからぬというような認識に立たれますとそういう議論になりますけれども、逆に政府が、内閣が周辺事態と認定しないばっかりに対応がおくれる、そういうことだってあり得るわけです。だから、むしろそういうのを積極的にもっと早く認定すべきだというような議論だって一方ではあろうかと思います。
 そういうことを考えますと、それらの両サイドに振れる認定の責任はやはり内閣がするわけでございますから、そういう意味で、安保会議はもちろん手順としてはかけますけれども、最終的には、最終的というよりもその決定は閣議で決めて、しかも具体的に何をするかまで一緒に決めて、それによって初めてこれは周辺事態として政府がこう内容を決めたんだということになろうかと思います。
 だから、その前の段階では情報としては内閣総理大臣にも上がってくるでしょう。防衛庁長官にも上がってくる。あるいは、防衛庁長官自身がまたそれをこれは大変だと思ってやるでしょうけれども、やはりそれは内閣一体として決めるという、そこの最後の結論のところでこれは行動に移されると、そういうものだろうと思います。
#108
○立木洋君 周辺事態の認定とどうするかという問題とは、一括して閣議で決定するということについてはもう今までも何回も聞いていますからわかっているんです。
 しかし、問題は、周辺事態ということの基準がまだ明確ではない。総合的に考えなければならないと、さまざまな状況を。これは総理大臣が何ぼ頭がよくても、それから長官が幾らお考えになっても、全体的な陸海空だとか地域の状況だとか総合的に見てやるということは、結局制服組だと思うんですよ。
 例えば敵機が、敵機というか相手の国の飛行機が飛んでくる。それに対してどういうふうな状況に今なっているか。その情報をつかんでいるのは今度強化される情報本部でしょう。そして、この問題についてそういう統幕会議、情報の本部も強化される。さらには、陸海空が今御承知のようにいつでも飛び立てるような状態に飛行機まで待機させるというふうな状況さえあるわけですね。いろんな状態が今あるわけです。これは制服組ですよ。
 どういう具体的な状況に現在あるか、どういう危険性があるのか、また危険性がないのか、少ないのか多いのか、そういう問題の具体的な状況について一番最初に提出するのは制服組ですよ。それが統幕会議で検討され、さらには長官のところに上がり、さらに長官の方から報告されて、閣僚会議で検討されて、そういう事態ならば大変だということになって決定されるというふうなことの手順を踏むんじゃないんですか。そういう手順の問題についてもうちょっと詳しく述べてくれますか。
#109
○国務大臣(久間章生君) 我が国が武力攻撃される場合、防衛出動、今言われたように敵機が飛んでくるというような我が国に対して攻撃がされる場合は防衛出動の話になるわけですけれども、そのときにおいてすら、内閣総理大臣がそういう状況になって防衛出動だと命じる場合は、これはやはり閣議にかけて防衛出動を命じる。しかも、国会に承認を語るわけですから、そういうことになっているわけでございます。
 だから、我が国にそういうことがない、直接我が国に対する攻撃が行われていない状況の中で、我が国の平和と安全に重要な影響がある場合にどうするかということでございます。それは非常に判断は難しいと思いますけれども、やはりそういう情報収集をしながら、制服組同士のお互いの連絡調整はやると思います。そういう中から、また外務省もいろんな諸外国からの情報が入ってくると思います。また、ほかの海上保安庁その他にしましても、これは我が国の船舶にとっては非常に危険だとか、いろんな情報が入ってくると思います。
 そういうのを持ち寄って、そして内閣として決めて、そしてこれだけのことはしなければ、我が国は武力攻撃を受けていないけれどもこれはやはり大変なことだ、大事だということでいろんな行動を起こす、そのときに日米間で協力をしながらこれはやりましょうということを決めていく、そういうふうに理解していただければいいんじゃないかと思います。
#110
○立木洋君 今の中で、制服組の問題についてお話しにならなかった。結局問題は、周辺事態の、日本に対していわゆる平和と安全に重大な影響を与える場合の基準がないんですよ。基準が明確にされていないんですよ。それを閣僚会議で決めるとおっしゃるけれども、何を基準にして決めるのかということと、それに対してどういう対応をするのかという基本方針を一括して決めるというわけでしょう。
 そうした場合に、いわゆる制服組から提出されてくる材料が何に基づいているのか。日本に攻撃の可能性が、起こるという危険性があれば、だから私が先ほど申し上げましたように、これは最大のいわゆる重大な危険、そういう状態だと。しかし、その重大な影響を与えるという問題の範疇というのは非常に広く考えることが可能だと、ある意味では。だから基準が今ない。そうしたら、それを認定する、それを閣議で決める。
 しかし、情報は制服組から提出される。制服組から提出されたものが何に基づいてそれが重大な危険を及ぼすという判断になって、そして行動になるのかというところまでの明確な手続といいますか、そういうものが本当に国民にもわかるような状態にならなければ、ある場合にはこれは閣議が独走したというふうなことにもなりかねないというのは歴史上あるんですよ。これは例は私は挙げません。もう長官は全部そういうことは頭の中に入っておられるでしょうから。日本だけではなくて外国でもあるんですよ。
 そういう問題について本当にきちっとした対応ができるのかどうかということについては、これは重大な問題点があるんだということだけは私は指摘しておきたいと思うんです。回答は要りません。次の段階でまた議論はやりたいと思います。
 それで、問題なのは、つまり周辺事態を認定する場合に日米双方でそれぞれ主体的に判断するというふうに言われているわけですね。だけれども、日本が周辺事態という決定をする過程までの間に、アメリカとの情報の提供のし合いだとか交換だとかというふうなことはさまざまな形で私は出てくるだろう、全くないなどということは言えないだろうと。しかし、アメリカ側で周辺事態であるというふうなことが決定されて、それに対して日本側は反対するわけにはいきませんね。反対することが協定の取り決めの中にできますか。
#111
○国務大臣(久間章生君) このガイドラインにも書いておりますように、それぞれが主体的に判断するとなっておりますから、やはりお互いが主体的に判断しているわけです。そして、連絡調整をしながら日米安保体制に基づいてお互い日米防衛協力というのをやっていこうということでガイドラインを決めておるわけです。おれは知らぬよ、あなたは勝手にやりなさいよというような関係ではそもそもないわけでございますけれども、論理的に言うならば、向こうが決めてもこちらはいやそうじゃないということは言い得るような内容になっております。
#112
○立木洋君 私は、この問題に関しては、結局事実上武力行使という手段に出るかどうかということを決定するのはアメリカ側です。周辺事態を認定し、それにどういう手段をとるか、武力行使をするかという決定は、日本側が武力行使をしなさいというふうな決定をするはずがないんです。これは米側が決定する。これはもう答弁で明確に出ている、武力行使をするということは米側が決定すると。その米側が武力行使をするという決定をする以前に日本側が後方支援などといって行動を起こすはずがないんです。
 問題は、武力行使を決定されたら、それに対してどういう態勢をとるか。だからほとんどアメリカ任せの結果になってしまうということをも一言だけ私はつけ加えておきたい。回答は要りません。
 そして、もう時間があれになったので、最後にお尋ねしておきたいのは、この問題に関して、いわゆる閣議で決定するというふうにされている。国会に諮って承認を得るというふうな必要はないというふうに述べられている。それで、その理由は、国民の権利、権限と直接関係がないからだと。ここも直接という言葉を使われたんです。
 しかし、問題は、日本の自衛隊を初めとしてさまざまな形で米軍が戦闘行動を行うことに対する支援を行うという場合、現在でも年に一千回に上る日本の民間空港が米軍によって使用されているんです。民間の港も使用されているんです。さらには、さまざまな形で自衛隊に要望が提出されるかもしれません。民間の医療関係者に対しても要望が出るかもしれません。その他さまざまな形で地方自治体や民間団体等々に要請が出るかもしれない。もちろん上司から言われれば反対するということはなかなか難しいものですね。それは罰則を科していないから、いわゆるペナルティーを科すというようなことはしないと言っているけれども、大体上司の説明、要望によればそれにこたえるというような形に結局ならざるを得ないでしょう。
 そうすると、この問題は憲法上見てみるならば、日本の国民の生存権という最も重要な問題にかかわる極めて重大な行為になるんです。閣議で決定する米軍の戦闘行動に対する日本の支援は、それが国民の権利と義務とは直接関係がないから、国会に諮ることができないなんというようなことは憲法軽視も甚だしい、地方自治の本旨にももとると。国民の権利を一体何とお考えになっているのかということさえ言いたくなるんです。
 これは、私は閣議でもう一遍検討し直していただきたい。国会できちっと議論して、これが本当にいいのかどうか。アメリカのやっている行動をすべて善として、それに対して協力するというような態勢ではなくて、日本側で国会でやっぱり議論をし、国民の意思をきちっと反映したそういうあり方としての日本の政治を進めるべきだと。
 だから、国会にも語らず、政府が一方的に決定するということには依然として危険が伴うということを、先ほどのいわゆる制服組への問題ともあわせて、私は危険があるということを指摘しておきたいんですが、このことについては最後に一言何かございましたら御答弁を願いたい。
#113
○国務大臣(久間章生君) 国民の生命と財産を守っていかなければならない政府として、周辺事態が起きたと、周辺事態は御承知のとおり我が国の平和と安全に重要な影響がある場合でございます。そういうときに迅速に対応しなければならないという観点、あるいはまた国民の権利義務に直接は関係がないというような中でどういう形でそれに対処したらいいか。そういうようなことを考えた結果、やはり早く閣議決定して具体的な内容を決めて、それで行動を起こすということが大事じゃないかということで現在のような仕組みを考えておるところでございます。
 まだ最終的に決まったわけじゃございませんけれども、私どもはそういうような方向でいいんじゃないかというふうに理解しております。
#114
○立木洋君 引き続き、次回に質問させていただきます。終わります。
#115
○委員長(及川順郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#116
○委員長(及川順郎君) ただいまから外交・防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#117
○田村秀昭君 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案につきましては大筋において問題はないと理解しておりますので、この法案の中身についての質問はちょっと後ほどさせていただくことにして、防衛にかかわる基本的問題についてかねがね私が予算委員会等で主張してまいりましたように、防衛庁を国防省に、自衛隊を国防軍に、統幕議長等を認証官にして、自衛隊を正しく認知し、自衛官に国家が誇りと地位を与えるようなそういう普通の国にしたいということで主張してまいりましたけれども、現在はそのような気配は全く見受けられません。防衛庁長官、防衛庁だけの問題じゃありませんけれども、どのようにお考えになっておられるか。
#118
○国務大臣(久間章生君) 防衛庁の省への移行問題につきましては行革会議においてさまざまな議論が行われて、その途中では両論併記等の議論もございましたが、最終報告において防衛庁は現状どおりとされ、同報告につきましては最大限に尊重する旨の閣議決定がなされたところであります。現在、国会に出されている中央省庁等改革基本法案においても、最終報告の趣旨にのっとったものであることから、同法案において現状のままの防衛庁とされているというふうになっております。
 しかしながら、最終報告においては、あわせて我が国の防衛基本問題については別途政治の場で議論を行うこととされておりまして、防衛庁としてはいずれそのような場で十分な御議論が行われることを期待しているところでございます。
 また、いわゆる自衛隊を国防軍へという委員の御指摘でございますけれども、これについては先ほどの省昇格と違いまして若干私は問題があろうかと思います。
 といいますのは、やはり我が国憲法で個別的な自衛権といいますか、我が国が武力攻撃を受けた場合にはみずからそれを守るということについては、これは憲法上何ら排除されているわけではございませんけれども、そのように解釈もされているところでございます。ただ、いわゆる軍隊と違いまして必要最小限の実力というような制限がやっぱりついているわけでございまして、いわゆる軍隊としての国防軍というようなものには現在の憲法九条の趣旨からいってなじまないんじゃないか、そういうふうに思っております。
 また、統幕議長を認証官にすべきというお考えもたびたび委員は御指摘でございます。
 しかしながら、これは戦後の憲法のもとでの新しい制度が発足しましたときにそのような認証官の制度が設けられ、その後、日本が独立をいたしました後に特命全権大使、特命全権公使が認証官になっておるわけでございますけれども、それ以外の職種についてはほとんど追加されたことはございません。
 そして、戦後憲法のもとで、あるいはその後を受けた法律でできましたのも、どちらかといいますと、いわゆる行政から外れたといいますか、ラインから外れた位置にあられる方でございまして、統幕議長といいましてもこれはやっぱり防衛庁のそして自衛隊のトップということで防衛庁長官を補佐する役割になっているわけでございます。そういう意味では若干違うんじゃないかと思いますし、その後の推移を見ましても新たに加わっていないということから、これはなかなか難しい問題じゃないか、そういうふうに思っておるところでございます。
#119
○田村秀昭君 長官の答弁を聞いておりますと、結局国防省にはまだ行革会議でできなかった、あとは憲法改正をしなきゃだめだ、そういうふうに受け取られてしまいます。ここで私がなぜこういうことを常々主張しているかというと二つの理由がありまして、一つは危機管理ができる国家にならないんじゃないかということがあるんです。
 なぜかというと、防衛庁長官は所管の法律案の制定や廃案について閣議の開催を求める閣議請求権を持たないわけであります。そして、内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮監督権を有するということになっているけれども、内閣法によって内閣総理大臣の職権を行うのは閣議によるとされているわけです。ですから、閣議を経ないとペルーの大統領のように部隊に対して突撃命令が出せないように今なっているわけです。ですから、危機管理ができない、危機管理官を何人ふやしても危機管理のできる国家にならないというふうに私は思うんです。
 その点、いかがお考えか。内閣法を改正して、国家緊急事態における内閣総理大臣の権限に関しては別に定めるというふうに項目を入れない限りできないんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
#120
○国務大臣(久間章生君) そのような危機が発生した状況のもとで、いわゆる自衛隊のトップとしての内閣総理大臣だけで行動するということが果たしていいのかどうか。やはり政府を挙げてそういう場合は対応しなければならないわけでございますから、やはり閣議を開くことによってそのトップとしての、内閣の長としての内閣総理大臣が閣議を開いた上でやる。
 また、それほどの問題でない場合には、閣議をあらかじめ開いておいて、いわゆる内閣総理大臣の権限を包括的に行い得るような場合、例えば先般ありました海上の潜水艦に対する対処、これなんかも閣議で決めておりますから、その都度閣議を開かなくてもいいということにしたわけでございます。そういうような方法もございますから、急いでやる場合にもそういうような方法で対処できる。
 しかし、重要な、例えば防衛出動等のようなものは、やはり内閣総理大臣といえども閣議を開いて各省庁相図った上でやるというのがやっぱり筋じゃないか、そういうように思います。
#121
○田村秀昭君 それは、今までのような平和が続いているときはそれでよかったかもしれないけれども、例えば阪神大震災がもう一度起きたら同じような対応になることは今の法制度から見ても明らかなんです。
 国家国民の生命、財産を守り抜くということは緊急な事態が起きたときにしなきゃいけない話で、その緊急に対処できるような法整備、あるいは国防省なら国防省にきちっとしておかないとできないんではないかと私は思っているんです。何もないときは今のままでいいに決まっていますが、どうも今の長官の御答弁だと阪神大震災が起きたらまたこの前と同じ対応になる、私はそういうふうに思うんですが、いかがですか。
#122
○国務大臣(久間章生君) この間の阪神・淡路大震災が起きましたときの対応がおくれたといいますのは、これは現在の内閣法等の仕組みがそういうふうになっているからおくれたのではございませんで、やはり自衛隊が各地方自治体からの要請があって出ていく、そういうような建前になっておる、その辺の初動の立ち上がりの問題もあったかと思います。あるいはまた情報収集の過程におけるおくれもあったかもしれません。しかし、そういう点につきましては、現在では震度五以上の地震が起きましたときには各部隊はもう独自で対処する、情報収集にも当たるようなそういう仕組みにもなっております。
 そしてまた、危機管理官も先般置かれましたけれども、官邸における対応についてもあの反省の上に立っていろいろとまた違った対応ができるようにしておりますから、同じような事態が起きるということはあり得ないと思いますけれども、同じようなことがあったとしても、十分に対応できるように日ごろからその反省の上に立っていろんな制度を積み上げていく、そちらの方が大事であって、閣議を開かなければ防衛出動あるいは治安出動ができないという問題とは若干違うんじゃないかというふうに思います。
#123
○田村秀昭君 私は強くそういうことを求めておきたいと思います。
 もう一つ防衛問題で基本的な問題というのは、平成七年十一月二十八日に防衛計画の大綱が閣議決定されておりますが、これは基盤的防衛力構想の延長だというふうに私は理解しております。
 これは前に予算委員会で総理にもお尋ねしたことがあるんですが、今の憲法ができたときには自衛隊はできておらなかったわけでありまして、米軍が全部日本を占領していた。その米軍が朝鮮戦争が始まって出ていった。その後、名前は警察予備隊、保安隊、そして自衛隊という名前で、米軍の後に自衛隊がその駐屯地あるいはサイトに配置されているわけですね。もともと日本の国はこういうふうにして守ろうという考え方があって部隊を配置しているんじゃないんです。米軍がいたところに一部、全部ではありませんが、自衛隊が配置された。
 ですから、自分の国をどこまで守るのか、自分の国ではどういうふうにするのか、どう守るのかということがあって部隊を配置するわけですが、そうじゃなくて、米軍の考え方で占領したところに自衛隊が入っていっているだけですから、もう一度、冷戦が終わったしかるべき段階で、防衛計画の大綱を見直すときに、日本はこういうところまでは自力で対処できるという考え方をきちっとつくって部隊を配置しないといけないんじゃないか、根本的に考え直していかないといけないんじゃないかというのが私の防衛問題に対する二番目の問題点なんです。
 その点についてはどういうふうに長官はお考えですか。
#124
○国務大臣(久間章生君) 確かに、占領軍が撤退した後自衛隊ができたのは事実でございます。その前には警察予備隊として発足した。
 しかしながら、考え方としましては、その当時は、私はよくわからぬ点もありますけれども、米軍が撤退した後、憲法九条はあるけれども我が国が侵略されたときにはどうするのか。そのときは、憲法の九条でも個別的自衛権といいますか、みずからがみずからの国を守るということについては排除されていないという考え方で、それでは自衛隊を置こうということでやったわけでございます。したがいまして、自衛隊ができましてからは、自衛隊としては我が国がいわゆる侵略をされたときにはどうするか、そういうような考え方に立って対処してきたのは事実でございます。
 ただ、そうは言いながらも自衛隊は限度がある、そういうようなことから日米安保体制がもう一方の車としては必要だということで、日米安保体制もやはりその後ずっと、三十五年に改正されましたけれども、堅持しながら今日に至っているわけでございますから、自衛隊も基本的には我が国を守るという配慮に立って部隊の展開をしております。
 また、前大綱から新大綱になりましたときにも、現在の自衛隊についてもそのような配慮をした上で、基盤的な防衛力というその構想は維持しておりますけれども、やはり新しい時代にあってどのような配置をこれから光やっていくのか。長期的には、配備の状況も幾らか変えながら新しい大綱をきちっとしたものにしていこうということで、中期防衛力整備計画をつくりながら現在まで来ておるわけでございますから、決して現在の自衛隊が我が国を守るという配慮に欠けた存在である、そういう基本的な考え方がないというようなことにはならないんじゃないか。一歩一歩しっかりしたものになってきている、そういうふうに認識しているわけでございます。
#125
○田村秀昭君 私はそういうふうに思っておらないのです。これはアメリカの軍事専門家も言っておりますが、我が国はどの程度の侵攻兵力に対してどこを、どういうものを守れるのかということが検証されたことが一度もないんですね。ですから、まず日本が保有している自衛能力の検証というものを一度しなきゃいけないんじゃないか。それで、普通の国は自分の国のこういうところはきちっと守る、それで足りない部分を同盟軍にやってもらうというのが普通なんですが、日本の場合はそういうふうになっていない。だから、自衛隊はどういう能力を持っているのかということを検証しないといけないんじゃないかと思っておりますが、それはいかがですか。
#126
○国務大臣(久間章生君) 自衛隊がみずから持っておる能力といいますか、それを検証すると言いますけれども、どういう形でそれを検証するのか。具体的にそういう防衛戦争をやるわけにはまいらぬわけでございますから、絶えず自衛隊としてもいろんな演習を通じ、またいろんな想定をしながら、図上で、机上で、あるいはときには実動演習等を兼ねながら日ごろから訓練に励んでおるところでございます。ほかのことと違いましてこれを検証してみるというのは、なかなか言うはやすく現実にはそういうことはできないわけでございますので、そのための模擬の訓練等は欠かさずやっておるわけでございます。
 どうかひとつ、自衛隊は何もやっていないような印象を与えると国民に対して大変不安を与えることになりますから、そういうようなことはないということだけをしっかり言わせていただきたいと思います。
#127
○田村秀昭君 私は国民に不安を抱かせるために何もしていないと言っているんじゃなくて、一生懸命やっているけれどもそういうところがきちっとしていないということを申し上げているのです。
 例えば、九七年の文春の一月号に北朝鮮の潜水艦が敦賀半島に漂着するという麻生さんのシミュレーションがありますが、このシミュレーションを長官がお読みになったかどうか知りませんが、例えば十二名ぐらいのテロリストが来た、こういうのではこのとおりになると私は思うんです。そうすると、こういうのをアメリカ軍に何とかしてくれと言うわけにいかないわけですね。こういうのが自分のところでできるのかできないのか、法的にできないところがたくさんあるんじゃないかというふうに私は思ってそういう質問をさせていただいたので、不安をかき立てるために言っているのではありません。
 これは通告しておりませんのでお答えされる必要はありません。
 この法案についてちょっと一つ、これは私の防衛庁にいたときの専門分野に属する話なんですが、今度の一部を改正する法律案で任期つきの研究員制度の導入をされた。これは装備局長になるか運用局長になるか知りませんが、私はこれは非常にいいことだと思うんです。だけれども、これは民間から防衛庁に来る話で、防衛庁から民間に行くものは入っていないんですね。これは研修制度みたいになっていて、向こうではお客さん扱いにされているわけですね。
 だけれども、これは一九八四年から問題になっているんですが、日米間の防衛技術交流というものは、民間の人は自分が持っている技術が軍用にどう役立つかということを知らないわけですよ。それで、自衛隊にいる人は民間がどういう技術を持っているかわからないわけですよ。
 ところが、アメリカは、一番初めに防衛庁の持っている技術について何にも問い合わせがなかったわけです。それで、いきなりガリウム砒素のデバイス技術、リチウム電池、こう言ってきたわけです。何のことだかわからなかったんですね、防衛庁は。そういうことがないように、民間の人も防衛庁に何年か任期つきで来られる、それから防衛庁の人も民間に何年か、今のような出向じゃなくて向こうの職員になっちゃうようにしないと、お互いに持っている技術がわからないまま日米交渉することになっちゃうわけですね。
 だから、これは非常にいいことですけれども、双方的にやっていただきたいなと。防衛庁の人も、民間に出向するというんじゃなくて、防衛庁を一たんやめて民間会社に行くというふうにぜひしないといけないんじゃないかなというふうに思うんです。
 それは、なぜ言っているかというと、アメリカと日本の開発の仕方が違うわけです。アメリカは軍がやるわけです。昔の陸海軍と一緒です。だけれども、陸海軍が工廠を持ってやると非常に非効率になるから民間にそれをしようというのが戦後の防衛庁、自衛隊の英断だと思うんですね。それを完結するためにはその両方をやらないといけないんじゃないかと私は思っているんですが、いかがお考えか。これは長官でも結構です。
#128
○政府委員(大越康弘君) 防衛庁と民間の人事交流につきましては、専門分野が違うこともありまして、お互いにそういった相互交流をするということは大変重要なことだというふうに思っております。当庁におきましても、従来から防衛庁の職員を民間の研究機関等に派遣しまして研修を受ける機会をふやしておるところでございます。先生の御趣旨も踏まえまして今後さらに充実を図ってまいりたいと思いますし、今度のこの法案が通りますと任期付研究員の制度も導入されますので、そういった観点から、民間のすぐれた研究員を導入して防衛庁の研究に資していくようにしてまいりたいと思っております。
#129
○田村秀昭君 ぜひお願いしたいと思います。
 それでは最後の質問ですが、この前、十四日に産経新聞に載っておりましたけれども、沖縄の海上ヘリポートの問題ですが、大田知事は賛成しないというような不承知みたいなことを言っておられますが、今後これは日米間の約束でもあるし、どういうふうになるのか、ちょっと防衛庁長官に。
#130
○国務大臣(久間章生君) 正直肩いまして大変困っております。やはり私どもは、普天間飛行場はとにかく一日も早く返還をする。しかし、そのためには、アメリカともいろいろ話をしましたけれども、やはり現在普天間飛行場におる海兵隊の機能を維持しないとだめだという現在の国際情勢その他を勘案しますと、どうしてもそれが要求されますし、私どももまたその必要性を感じるわけです。
 そうしますと、普天間よりももっと安全で、そしてまた騒音も小さい、しかも撤去可能だということから、海上ヘリポートということでキャンプ・シュワブ沖に、しかも調査をしてそこがいいということで基本計画をつくって沖縄に提示したわけでございます。沖縄県の方から、知事からこちらに対して、私は基本計画案を持っていったわけですけれども、正式にはだめだという意見はまだ聞いておりませんが、しかし記者会見とかいろんな形を通じてそれは反対であるという表明をしておられます。
 そういう状態が今起きているわけでございますけれども、この問題につきましてやはり普天間飛行場は一日も早く返還をさせたい、そういう気持ちはありますものの、やはり沖縄に駐留している海兵隊の機能は維持しなければならないと。この問題についても沖縄県にやはり理解していただかないとなかなか解決ができないわけでございます。
 その辺でお互いにいろいろとまた知恵を出しながらやっていかなきゃならないのかなと思いながら、しかしそういうふうなことを考えますと、機能を維持しようと考えると、あそこの海上施設案といいますかヘリポート案というのは最善の策だと本当にそういうふうに思うわけでございますので、何とか理解していただきたい、そういう思いが今あるわけでございます。
#131
○田村秀昭君 終わります。
#132
○佐藤道夫君 私からは二つの問題を取り上げたいと思います。
 第一は、海の地雷と言われておる機雷の問題でありまして、この機雷の全面禁止に向けて我が国がリーダーシップをとって国際世論に働きかけていくお考えがあるのかないのか、それをちょっとお聞きしておきたい、こういう考えであります。
 地雷につきましては、御案内のとおり、一九九七年、対人地雷の全面禁止条約が締結され、我が国もサインをした。我が国を含む百二十四カ国ということで、アメリカ、中国、ロシアは留保しておりますけれども、いずれこれまた時間の問題、条約に加入してくるのであろうかと、こう考えておる次第であります。
 地雷は世界でも今一億二千万個ぐらいがまだ埋設されておって、その被害で年間二、三万人の者が命を奪われたりしておるということのようであります。
 しかし、機雷の場合は、被害が発生した場合には地雷の一個、二個の問題ではないんだろうと思うんです。大型商船が被害に遭った場合には何百人、何千人という人が命を失うことになる。それから、大型タンカーが機雷に被雷したら一体どれだけの被害が環境に及ぶのかと想像するだに恐ろしい。もうそろそろ機雷の全面禁止に向けて世界の世論が動き出していっていいのではないかと、私はこう考えておるのであります。地雷について我が国は百万個ぐらいを保有している、こういうふうに言われておりまして、予算も年間七億ぐらいと。機雷についてはいかがでございましょうか。その点、御報告いただければと思います。
#133
○政府委員(鴇田勝彦君) 防衛庁といたしまして、機雷というのは大別して三種類ぐらいございますが、水面付近あるいは一定深度に浮かびまして海流や潮流等の流れによって浮遊する浮遊機雷、二つ目といたしまして、機雷本体は海中に係維される係維機雷、最後に、海底に敷設をされます沈底機雷という三種類がございますが、我が自衛隊といたしましては係維機雷、沈底機雷を保有しております。
 この数については、恐縮でございますが、従前どおりお答えを差し控えさせていただいております。
#134
○佐藤道夫君 地雷の百万個というのは一体どこから出た数字なんでございましょうか。これはいいかげんなマスコミが勝手に言っているだけの数字なのかどうなのか、その点はいかがでしょうか。
#135
○政府委員(佐藤謙君) 私ども、いろいろな防衛関係の情報につきましてはできるだけ明らかにしてきているわけでございますけれども、地雷の数であるとか、今申しました機雷の数であるとか、こういった我が国の防衛能力、また継戦能力、こういったものにかかわるようなものにつきましては、これまで明らかにしてきたところではございません。
#136
○佐藤道夫君 機雷関係の予算額についてお尋ねいたします。いかほどでしょうか。
#137
○政府委員(伊藤康成君) 平成十年度の予算でございますが、機雷の購入経費として約四十億円、これは弾薬全体の中の一部でございますが、そういうことで計上させていただいております。
#138
○佐藤道夫君 これは簡単な数学の問題でして、一個百万円で仮定しますと四千個、簡単に全体の個数が割り出せるんだろうと思いますけれども、そう余りむきになって隠してみても意味はないんじゃないかなという気もいたします。
 いずれにしましても、地雷についてはいずれ十年以内でしょうか何かすべて廃絶をすると、こういうことになっておるようですけれども、機雷について我が国は率先してそういうことをやっていくというお考えが長官おありでありましょうか、
 いかがでしょうか。
#139
○国務大臣(久間章生君) これは外務省の方からお答えになることかもしれませんけれども、国際的な動き等につきましても、地雷につきましては各国それぞれの立場はあるものの、全体として地雷の被害について、特に人的被害、一般市民を巻き込んだ被害が多かったこともございまして、非常に国際世論が高まってまいりましてあのような形で我が国も署名する、しかしながらまだいろんな残されている問題について調整をしていくという形で昨年行われたところでございます。
 しかし、機雷につきましてはそのようなことも余りございません。
 それともう一つは、我が国みたいに四面海に囲まれている国と大陸続きの国とまたそういう点では若干違うわけでございまして、そういうような中でこの問題はやはり議論をしていかなきゃなりませんが、慎重に議論をしなきゃいけないなというふうに思っているところでございます。
#140
○佐藤道夫君 この問題、今、長官おっしゃられたとおり、外務大臣の所見も実は承りたいと思っておるわけであります。いずれにいたしましてもこの機雷、もう今日これに頼っているような時代でもないんじゃないかと私は考えております。機雷の被害を考えたらばもう大変な問題が起こるんではないかと、こういう感じなんです。地雷の問題で先頭に立って運動を盛り上げてきた団体がノーベル平和賞をもらったということにもなっておりますので、長官がひとつ先頭に立ってこういう運動を展開すればノーベル平和賞もあながち夢ではないのかと、こういう気もいたすわけです。
 いずれにしろ、機雷を発見いたした船舶には国際機関に対して通報を義務づける、国際機関がそれを設置した関係諸国に対してその機雷の廃止ですか爆破ですか、それを命ずるというふうなことで実現可能な話ではないのかと、こう思っておるんです。武器が必要だという立場に立てば地雷だって同じ問題があったわけですから、地雷については思い切って踏み込んだ、廃止、廃絶までいつだということですから、これを手がかりとして機雷の廃絶を考えていく。大変意味のある動きではないのか、運動ではないのかと、こう考えておりますので、ちょっと最後にもう一度御所見をお願
 いできればと思います。
#141
○政府委員(阿部信泰君) 機雷につきましては、一九〇七年の非常に古い議定書、条約がありまして、それによって一定の義務が課されております。できるだけ民間の平和的な航海の安全を害しないようにというふうなことがありますけれども、いかんせん古い条約でございまして、当時の触発機雷は対象になっておりますけれども、現在使われているような感応式の機雷はそもそも対象になっていないというようなことがございます。
 それから、長官からもお話がありましたが、現在のところ地雷に関するほどの世界的なこの問題に対する関心は高まっていないという状況がございます。しかしながら、日本の場合は世界の重要な海運国でございまして、おっしゃるとおりタンカーの問題とかあるいは一般の商船が触雷した場合には大変な被害になるわけでございます。日本として重要な関心を持つべき問題だと思いますので、これから関係国とも協議をしましてどのようなことができるのか検討してまいりたいと思います。
#142
○佐藤道夫君 世界の潮流はまだ機雷の廃絶に向けて全然動いていないわけですから、それだからこそ日本が音頭をとって主導権を発揮していくことに大変意味があるのではないかと私はこう考えておりますので、どうか私の考えを御理解いただければと思います。
 続いて、次の問題に入りますけれども、先ほど来同僚議員からも取り上げられておりますけれども、周辺事態法の関係でありますが、実は最近まで国会の議論を聞きましても、マスコミでも周辺有事というふうに言われていたように私は記憶しております。さきのこの委員会でも私は周辺有事という言葉を使いまして、長官もそういう線でお答えいただいたように記憶しておりますけれども、つい一週間ほど前からいかなる理由からか周辺有事という言葉は姿を消しまして、かわって周辺事態、法律の題名も周辺事態法と、こういうふうに言われ出してきておるようであります。こういう言葉の変化についてマスコミも余り注意を向けていないようであります。
 そこで最初にお尋ねしたいのは、周辺有事と周辺事態とはこれは意味が違うのか同じなのか、違うとすればどこが違うのか、それをちょっと御説明いただければと思います。
#143
○政府委員(佐藤謙君) 今、佐藤先生から周辺有事と、こういうお話ございましたが、周辺有事ということについて何かきちっとした定義があるというものではないと私どもは承知をしております。
 それから、周辺事態につきましては、まさにこれまでも先生御承知のように、我が国周辺地域における我が国の平和、安全に重要な影響を与える事態と、こういう観念でございます。
#144
○佐藤道夫君 意味が違うのかどうかということを払お尋ねしているわけでありまして、そして従来は大体マスコミを含めて周辺有事ということで言葉が統一して使われていたように思うんですけれども、最近周辺事態というふうに使われ出したのは何か特別な意味があるのかどうか。先ほど議論をお聞きしておりましたら、周辺事態は平時における概念だと。そういたしますと、周辺有事というのは平時ではない概念なのかと、こういうふうに勘ぐりたくもなるものですから、それでお尋ねしているわけですよ。
#145
○国務大臣(久間章生君) 有事という言葉はたしか私どもの方では余り使っていなかったと思うんです。これは有事立法とかいろんなことを言いますけれども、有事というのは、我が国有事の場合とか、武力攻撃を受けた場合とか、そういう場合ですら余り有事という言葉は、私ども議事録をまだ調べておりませんけれども、周辺有事というのはマスコミが使っていたかもしれませんけれども、うちの方ではあくまで周辺において云々という形で周辺事態という言葉を使っていますけれども、有事という言葉は使っていないと。というのは、ひとり歩きして有事有事というと、何が有事なんだというそんな話になってしまうものですから、有事というのは、一般的に使われたかもしれませんけれども、たしか政府側としては周辺有事という言葉は意識して避けていたんじゃないかというふうに思います。
#146
○佐藤道夫君 わかりました。
 その次に、先日、先ほども出ましたけれども、防衛庁の秋山事務次官が、シーレーンは周辺事態に入ると思うという記者会見をしたことが新聞に出ておりました。私もはっきりこの新聞を見ております。まさかうそを言ったんではなかろうかと思います。
 シーレーンというのは、我が国に石油を安全に輸送してくるルートのことを大体代弁して使われてきたんだろうと思います。もちろん食糧をアメリカから持ってくる、それもシーレーンといえばシーレーンなのかもしれません。主として使われていたのは、中近東の石油を我が国に運んでくるルートの安全ということでシーレーンと、こう言われていたんだと思います。
 そういたしますと、シーレーンがこの概念に入るんだと、こう言い出しますと、一体どこまでこの周辺地域が延びていくのか。まず日本近海、東シナ海、マラッカ海峡を越えてインド洋に入る、それからアラビア海に入ってサウジアラビアとかイラクとかを含むこのライン全体が何か周辺事態法の対象になるのかと、こういう誤解をする国民もおろうかと思いますので、その辺、もう少し詳しく説明していただければと思います。
#147
○政府委員(佐藤謙君) これはもう先生御存じのことでございますけれども、基本的にシーレーン、シーレーン防衛とこう私どもは言っておりましたのですけれども、これは要は海上交通の安全の確保ということからこう申し上げている概念でございます。
 一方、今回のガイドラインとの関係から申しますと、まさに航行の安全が害されるという場合で、それが我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合というような事態であれば、それはまさにガイドラインで言っております。辺事態ということになると思いますけれども、シーレーンだからどうだと、こういうことではなくて、航行の安全がどういうふうに害されているのかと、むしろそういう観点からの議論だろうと思います。
 たまたま我が方の次官がシーレーンという言葉を使ってお話をしたのかもしれませんけれども、趣旨はそういうことだろうと思います。
#148
○佐藤道夫君 この問題はおたくの高官であられる事務次官が提案しているわけであって、私が言い出しているわけでも何でもない。その言葉の意味を私尋ねておるのであります。
 では、具体的に聞きましょう。マラッカ海峡が入るのか入らないのか、周辺事態法の対象地域として含むのか含まれないのか、その点はいかがですか。
#149
○国務大臣(久間章生君) 私も正確にそのときにどういう話をしたか聞いていませんからあれですが、私どもの考え方からしますと、シーレーンであってもいわゆる周辺事態の内容になるときがあり得るということではあると思うんです。
 ただ、マラッカ海峡ならマラッカ海峡で何かあったから、そこが通れなくなったからすぐこれは周辺事態がというとそうじゃございませんで、これはやはりその状況が我が国にどういう影響を及ぼしているか総合的に判断しなきゃならないわけでございまして、あそこを通らずにほかを迂回することだってあり得るわけでございます。
 だから、そういうのをやはり周辺事態と判定するかどうかというのは、先ほども基準がなかなか難しいというふうに言いましたのは、我が国がやはりその事態、規模、そういうのを総合的に判断して、これはとにかく周辺事態として対処しなければならないという判断をするかどうかということでございまして、その地域が入るか入らないかということじゃないんだと思うんです。そこであったいろんな状況がどう我が国に影響しているか、そういうようなことを総合的に判断していろんな行動をそのときやるという事態になろうかと思います。
#150
○佐藤道夫君 今の言葉を解釈していきますと、インド洋も、場合によってはイラク周辺も入ることがあり得るわけですか。いろいろ考えてみると、我が国の安全に重大な影響を及ぼすような事態がイラク沖で発生しておる。そうすると、それも周辺事態に入ってくる可能性があるわけですね。
#151
○国務大臣(久間章生君) 本院の委員会でも、外務大臣もそうですし私どももたびたび答弁したんですけれども、やはりインド洋とか中近東で発生したことが即我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼすというような判定を下すような事態にはなかなかなりにくいんじゃないかと。だから、あの地域については余り想定しないでいいんじゃなかろうかというようなことで、従来から、池田外務大臣のときでございましたけれども、あの辺で起こることが即我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼすことには即なりにくいんじゃないかと。だから、そういうようなことから、そこが入らないとは言わないけれども、入りにくい、入ることは極めてあり得ないんじゃないだろうかというような答弁をさせてもらっておるわけです。
#152
○佐藤道夫君 法律は必ず原則があって例外がある。ですから、なりにくい、入りにくいといえば、では例外的に入ることはあるんだなと、こういう解釈がすぐ出てくるわけですよ。
 これは国民に示すわけですから、もっとはっきりしていただかないと国民も落ちつかないんじゃないか。イラクまでは対象に入るのかな、周辺地域なのかなと、みんなそういうことで疑問を持つ。やっぱり地域的にまずこの概念があるんだ、そしてその中で起きたらそれを状況によって周辺事態と認定して対応を考えていくんだと。さすがに幾ら何でもインド洋は入りませんと、これはきっぱり申し上げてよろしいですというぐらいのことを言わないと、国民は落ちつかないんじゃないでしょうかね。私、それを懸念するわけであります。
 それじゃ聞きますけれども、台湾海峡は入るんですか。これまた状況いかんによるとかといって逃げるんでしょうか。あなたの想定する状況が台湾海峡で起きたとして、これは入るんですか。
#153
○国務大臣(久間章生君) だから、この地域で何かあったのが入るか入らないのかというのは、それが起きてみて、それがどういう影響があるかということを見てみないとわからないという、総合的に判断しないとわからないということで、ここが入るかと一概に言われましても、それは入るとも入らぬともなかなか言えないということになるわけでございます。
 ただ、先ほど委員がおっしやられましたように、法律をつくるということになるとやっぱり概念をはっきりさせなきやいかぬという問題がございます。今立法作業をやっておりますけれども、法制局ともいろいろと事務方で詰めておりますけれども、その辺のことについてどういうふうに規定していくか、いろんな問題について今そういう作業を行っているところでございます。私どもも法律の専門家ではございませんだけに、法律概念というのを国民にある意味ではわかりやすく、かといって間違うことのないようにしなきゃならないと、両方の面から苦慮しているところでございます。
#154
○佐藤道夫君 法律案ができ上がって与党の承認も得た、こうなりますと、この議会で修正するのは実はなかなか難しいことなんですね。それで、できるだけつくる段階からあらゆる問題を踏まえてわかりやすい法律条文を書いてほしいということを私は要求しておるわけであります。
 やっぱり日本人の今一番の関心事は、周辺事態の中に台湾海峡が入るのかどうか。朝鮮半島についてはこれは大体入るだろうを、周辺という言葉で包括できるのかどうかわかりませんけれども、大体入るだろうなと。では台湾はどうなんだと。与党内部にも、入る、いや入らないとかいろんな考えがあるようですけれども。
 具体的なケースを申し上げますけれども、台湾海峡で台湾軍と中国本土軍とがぶつかったら一体これはどういうことになるのか、入るのか入らないのか、だれでもこれを一番知りたがるんじゃないでしょうか、この法律で。概念論、抽象論としてイラクあたりはどうかなんというのはそれは興味、趣味のある人に任せておけばよろしいわけで、一番国民の関心事というのは、何といっても台湾海峡で有事が起きたらどうするのか、こういうことだろうと思います。それははっきりこの場というか国会で説明していただきたい。
 それは仮定の問題ですといいましても、法律はすべて仮定を前提にしてつくっていくわけですよ。人を殺したる者は死刑にする。ではこれは一体人になるのかならないのか、胎児はどうだとか、そういう仮定の話をして法律というのはつくられていくわけですからね。仮定だからこれは議論に応じられないと、こう言い出したらあらゆる議論がナンセンスと、こういうことになってしまうわけですから。
 台湾有事を想定して実ははっきりした回答を国民に示してほしいと、私はこう考えておるんですけれども、いかがでしょうか。
#155
○政府委員(高野紀元君) 台湾に関する日本政府としての基本的立場は日中共同声明において表明されているとおりでございます。
 いずれにしても、我が国としては、中国政府が台湾をめぐる問題は中国人同士の問題として平和的解決を目指すというふうに承知しておりますし、このような基本的立場を維持した上で我が国としても台湾をめぐる問題が当事者間の話し合いにより平和的に解決されることを強く希望しているわけでございます。
 そこで、それとの関係で、あの地域における何らかの事態、紛争が生じたときにそれが周辺事態になるかどうかということでございますが、その点は、先ほど申し上げましたとおり、周辺事態になるかどうかということについては事態の態様、規模等を総合的に勘案して判断するということでございまして、仮定の状況を前提として判断するということは申し上げにくいわけでございます。
 仮定の問題ということについて委員御指摘の点はございますけれども、一つ申し上げかつ御理解いただきたいと思いますのは、特に我が国との関係において、我が国の政府として特定の地域、特定の国における事態ないし国際情勢のあり方について具体的な状況を申し上げるということ自体が、その国との関係あるいはその情勢との関係で場合によっては影響を与える、大きな問題があるということで、従来から特に国会の場でなかなか具体的なお答えを申し上げにくいということを申し上げているわけでございます。その点はぜひ御理解いただきたい点だというふうに考えております。
#156
○佐藤道夫君 実は全然理解できないんですけれども、これはすべて仮定の話ですから、台湾海峡でこういう事態が起きたらこの法律はその場合には適用がある、それぐらいの事態では適用がない、こういうことをはっきり解釈として示すのが法律策定の基本的な心構えじゃないでしょうか。すべて仮定の問題には答えないと言い出したら、本当にこういう議論はナンセンスそのものになってしまうんです。なぜ答えられないんでしょうか。
 もっと具体的に、それでは台湾にミサイルが打ち込まれて、台湾軍が反撃に立ち上がって何かあそこで船舶の衝突も始まった、こういう事態を仮定した場合に、この法律は生きるのか生きないのか、それは結論だけでもいいんですけれども、これは全然想定しておりませんと言われれば国民もそうかというだけのことですから。結論はどちらになろうと私は構わないんですけれども、いずれにしろ法律の解釈として一線だけをはっきりさせておいてほしい。そんなことは起きてみなきゃわからぬというのは無責任過ぎると私は思いますよ。いかがでしょうか。
#157
○政府委員(高野紀元君) 先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、具体的な例ということで、国会でも御説明申し上げていることについて特に申し上げますと、客年の夏にございましたカンボジアの事態において邦人保護の状況にも議論が及んだわけでございますけれども、あの事態に関しては、これは仮にあの時点でこの周辺事態をめぐる法律が成立していたと仮定しても、政府として周辺事態という判断はしなかったであろうということは御説明しているとおりでございます。
 同様に、二年前の台湾海峡をめぐる状況、緊張状況がございましたけれども、それはやはりいわゆる周辺事態ということに該当しなかったであろうという趣旨のことは申し上げているかと存じます。
#158
○佐藤道夫君 先ほども立木議員の質問で、一体これはだれが認定するんだ、国会に対する承認は要らないのか、大変疑問だという提案がなされておりましたけれども、やっぱり、もし内閣が責任を持って認定するということならば、はっきりまず地域を確定する、この範囲内を周辺と言う、その中で起きた例えばこれこれこれこれの事態を周辺事態と言うということを法律できちっと定義してほしいと思います。
 そうでないと、本当にこの法律が必要なのかどうか、これからの問題ではありますけれども、議論できないわけなんですね。立法立案に当たって大変苦労しておられるとは思いますけれども、どうかわかりやすい法律、一目見てああなるほどな、これなら必要なんだなというふうに国民が理解する、そういう法律をぜひつくってほしい、これを我々はできのいい法律と、こう言っておるのでありまして、できのいい法律をつくるべく全力を尽くしていただきたいということを要望して終わります。
#159
○委員長(及川順郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#160
○立木洋君 新ガイドラインに基づいて、米軍と自衛隊の間で共同計画検討委員会が設置され、日米共同作戦計画、相互協力計画の策定が進められています。他方で、国内関係省庁の包括メカニズムづくりも着々と進められており、橋本首相は、新ガイドラインを実施するための法整備の大要を了承し、法案を今国会に提出すると表明しています。
 こういう状況の中で本法案が出されているわけでありますが、新ガイドラインによって周辺事態で自衛隊が担うことになった新しい役割を遂行するための組織改編、強化であり、これに対して強く反対するものであります。
 第一に、統合幕僚会議の権限拡大は、新ガイドラインが強調した周辺事態での日米の陸海空部隊の統合作戦を行うためのものであり、日米間の作戦構想の確立、指揮及び調整や情報交換などの手続作成においても統合面での強化を図るものになります。
 また、共同作戦計画と一体のものとして行われる周辺事態の相互協力計画においても統幕会議の役割は増大し、共通の基準や実施要領が作成されていくことになるのであります。統幕会議が米軍との作戦計画づくりに関与していくことは、自衛隊の海外での作戦に道を開くものであり断じて容認できません。
 第二に、陸上自衛隊の旅団の創設と海上自衛隊の補給統制本部の新設は、周辺事態への自衛隊の後方支援態勢を一層強化するものであり、いずれも新ガイドラインによる自衛隊の組織改編にほかなりません。いわゆる旅団化計画は、一部師団の規模は縮小するものの即応予備自衛官の配備などの部隊改編と装備の近代化を進め、機動性と独立した作戦機能を持つ部隊をつくり上げることで、新ガイドラインが想定しているPKO、人道的国際救援活動、不正規型の攻撃への対処、周辺事態で日米が共同で対処できるようにするものであります。
 また、外国留学生の受け入れを促進する防衛交流は、平時の軍事協力の一環をなすものであり、任期付研究員制度の導入は、高度な先端軍事技術研究を日本の科学技術体制に持ち込むものであり、これも同様、容認することはできません。
 以上の理由を述べ、反対討論を終わります。
#161
○委員長(及川順郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#162
○委員長(及川順郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○委員長(及川順郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#164
○委員長(及川順郎君) 次に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び民生用国際宇宙基地のための協力に関するカナダ政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政府、ロシア連邦政府及びアメリカ合衆国政府の間の協定の締結について承認を求めるの件、以上二件を便宜一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。小渕外務大臣。
#165
○国務大臣(小渕恵三君) ただいま議題となりました原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 日英両国間には、昭和四十三年に、原子力の平和的利用における協力のための現行協定が締結されていますが、現行協定は平成十年十月に終了いたしますので、現行協定に代替する原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定を締結するため、政府は英国政府との数次にわたる交渉を経て、平成十年二月二十五日に東京で、先方ライト駐日大使と私との間でこの協定に署名を行った次第であります。
 この協定は、現行協定に引き続き、原子力の平和的利用における日英間の協力のための法的枠組みを提供するものであり、核物質等の平和的非爆発目的使用、核物質防護措置の実施、核物質等が協定の適用を受けるための要件としての事前通告等を新たに定めるものであります。
 この協定の締結は、我が国の原子力利用にとって重要である長期的に安定した英国との協力を確保するためのものであり、今後の我が国の原子力の平和的利用の維持及び促進並びに核不拡散への我が国の貢献に資するものと考えられます。また、日英間の友好協力関係のさらなる発展の観点からも、この協定の締結は有意義なものと考えております。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、民生用国際宇宙基地のための協力に関するカナダ政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政府、ロシア連邦政府及びアメリカ合衆国政府の間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この協定は、平成十年一月二十九日にワシントンで我が国を含む十五カ国によって署名されたものであります。
 この協定は、宇宙基地協力に関し、一九八八年の常時有人の民生用宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用における協力に関するアメリカ合衆国政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政府及びカナダ政府の間の協定にかわる新たな協定であります。この協定は、ロシアの参加に伴う所要の改正等を一九八八年の協定に加えたものであり、国際法に従って平和的目的のために民生用国際宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用を行うために、参加主体間の協力の枠組みを確立することを目的とするものであります。
 我が国がこの協定を締結することは、宇宙基地に係る国際協力を引き続き円滑に実施するとの見地から、また、我が国における宇宙科学技術の発展を促すとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上二件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
#166
○委員長(及川順郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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