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#1
第142回国会 地方行政・警察委員会 第3号
平成十年三月十日(火曜日)
   午後零時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     白浜 一良君
     扇  千景君     高橋 令則君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     鈴木 正孝君     岡野  裕君
     常田 享詳君     鈴木 省吾君
     三浦 一水君     下稲葉耕吉君
 二月九日
    辞任         補欠選任
     谷川 秀善君     片山虎之助君
 二月十日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     谷川 秀善君
 三月五日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     大木  浩君
 三月十日
    辞任         補欠選任
     芦尾 長司君     鈴木 正孝君
     大木  浩君     林  芳正君
     下稲葉耕吉君     海老原義彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藁科 滿治君
    理 事
                久世 公堯君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                有働 正治君
                高橋 令則君
    委 員
                海老原義彦君
                岡野  裕君
                鈴木 正孝君
                田村 公平君
                谷川 秀善君
                林  芳正君
                小山 峰男君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                村沢  牧君
                渡辺 四郎君
                山口 哲夫君
                岩瀬 良三君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        野田  健君
       海上保安庁長官  相原  力君
       自治大臣官房長  嶋津  昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び
 海上保安等に関する調査
 (地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施
 策に関する件)
 (平成十年度自治省関係予算及び警察庁関係予
 算に関する件)
 (平成十年度海上保安庁業務概況及び関係予算
 に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月三十日、荒木清寛君及び扇千景君が委員を辞任され、その補欠として白浜一良君及び高橋令則君が選任されました。
 また、去る二月二日、三浦一水君、鈴木正孝君及び常田享詳君が委員を辞任され、その補欠として下稲葉耕吉君、岡野裕君及び鈴木省吾君が選任されました。
 また、去る五日、山本一太君が委員を辞任され、その補欠として大木浩君が選任されました。
 また、本日、下稲葉耕吉君、芦尾長司君及び大木浩君が委員を辞任され、その補欠として海老原義彦君、鈴木正孝君及び林芳正君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(藁科滿治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高橋令則君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(藁科滿治君) 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題といたします。
 まず、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策について、上杉自治大臣・国家公安委員会委員長から所信を聴取いたします。上杉自治大臣・国家公安委員会委員長。
#6
○国務大臣(上杉光弘君) 委員長初め、理事、委員各位におかれましては、平素から地方行政及び警察行政の推進に格段の御尽力をいただき、厚く御礼を申し上げます。
 この機会に所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し上げ、皆様の深い御理解と格段の御協力を賜りたいと存じます。
 二十一世紀を間近に控えまして、内外ともに大きな変革期を迎えつつある中で、国民が豊かさとゆとりを実感できる社会を実現していく上で、地域の総合的な行政体制である地方公共団体の役割はますます増大しております。
 地方行財政を取り巻く環境には依然として極めて厳しいものがありますが、国、地方を通ずる行政改革を一層進めますとともに、今後とも地方税財源の充実強化を図りながら地方分権を具体的に推進し、みずからの創意工夫で地域づくりを行える新時代にふさわしい地方自治を確立していかなければなりません。
 私はこのような基本的認識のもとに最大限の努力を払ってまいります。
 以下、概要について御説明いたします。
 地方分権の推進につきましては、地方がその実情に沿った個性あふれる行政を積極的に展開できるよう、地方公共団体の自主性、自立性を高めていくことが必要であります。
 政府といたしましては、四次にわたる地方分権推進委員会の勧告を最大限に尊重し、今通常国会が終了するまでのできるだけ早い時期に地方分権推進計画を作成することとしております。
 このため、自治省におきましては、昨年末に「機関委任事務制度の廃止後における地方公共団体の事務のあり方及び一連の関連する制度のあり方についての大綱」を取りまとめたところでありますが、今後とも、地方公共団体が自己決定、自己責任の原則のもとにみずからの行政を行うことのできる新時代にふさわしい地方自治を確立するため、地方分権の推進に全力を尽くしてまいります。
 また、地方公共団体においても、自主的な市町村の合併の推進や広域連合の活用など新たな地方公共団体の役割を担うにふさわしい行政体制の整備、確立を図っていただくことが重要であり、私といたしましてもその推進に積極的に取り組んでまいります。
 なお、特別区の自主性、自立性を強化する方向で都区制度の見直しを行うため、地方自治法等の一部を改正する法律案を今通常国会に提出するよう本日閣議決定を行ったところであります。
 次に、地方公共団体における行政改革についてでありますが、地方分権の成果を十分に上げるためには、地方公共団体が自覚を持って徹底した行政改革に取り組むことが必要であります。また、現下の極めて厳しい行財政環境のもと、二十一世紀にふさわしい日本の新しいシステムを構築するため、政府においては行政改革や財政構造改革への取り組みを強力に進めているところでありますが、国、地方を通じた行財政改革を推進するためには地方行革のより積極的な取り組みが不可欠であります。
 このため、先般、地方行革の新たな指針を策定し、行政改革の新たなる推進を強く要請するとともに、情報の提供等を通じて地方行革の一層の支援に努めているところであり、今後とも、地方行革の推進を最重要課題の一つとして積極的に取り組んでまいります。
 公務員行政につきましては、公務能率の向上、公務員倫理の確立と厳正な綱紀の保持、給与、定員管理の適正化、正常な労使関係の樹立等に引き続き努めてまいります。また、来るべき高齢社会に対応し、高齢地方公務員の新たな再任用制度を設けることについて検討を行うほか、社会経済情勢の変化に対応した地方公務員制度のあり方について検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、選挙制度、政治資金制度についてであります。
 選挙は民主主義の基盤をなすものであり、今後とも公正かつ明るい選挙の実現に向けて最大限の努力を重ねていく所存であります。
 なお、在外選挙法案につきましては、前国会から引き続き継続審査とされているところであり、私といたしましてはその実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、地方税制について申し上げます。
 先般、本委員会で審議、採決をいただいたところでありますが、平成十年度分個人住民税について、当面の経済状況等を踏まえ、六千億円規模の特別減税を実施することとしております。この特別減税につきましては、原則として六月に実施することとしており、現在、市町村の税務当局などにおいて、円滑に実施するための所要の手続を進めているところであります。
 この特別減税以外の平成十年度の地方税制改正につきましては、最近における社会経済情勢の変化に対応して早急に実施すべき措置として、法人事業税について、課税ベースを適正化しながら、平成十年四月一日以降に開始する事業年度から、基本税率を一二%から一一%に引き下げますとともに、土地税制の見直しなどの改正を行うほか、地方分権を推進する観点から、課税自主権を尊重するため、個人の市町村民税の制限税率を廃止するなどの改正を行うこととしております。
 また、基地交付金及び調整交付金につきましては、基地所在市町村の実情等にかんがみ増額を図ることとしております。
 なお、事業税につきましては、課税の公平化や税収の安定化などを図るため、課税標準への外形基準の導入が課題となっており、平成十年度において税制調査会での御議論等を踏まえながらさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
 地方税は地方公共団体と住民を結ぶ地方自治の基盤であり、この上に立ってこそ時代の要請である地方分権の推進も図られるものと考えております。私といたしましても課税自主権を尊重しつつ地方税の充実確保を図ってまいります。
 次に、地方財政について申し上げます。
 地方財政は引き続き大幅な財源不足の状況にあり、地方財政の借入金残高は平成十年度末に百五十六兆円に達する見込みとなっておりますが、今後その償還により公債費の一層の増加が見込まれるなど極めて厳しい状況にあります。
 こうした地方財政の現状のもと、平成十年度の地方財政計画の策定に当たりましては、所得税及び個人住民税の特別減税が実施されることに伴う地方財政への影響を補てんするほか、財政構造改革の推進に関する特別措置法等を踏まえ、地方一般歳出を抑制することを基本といたしますとともに、引き続き生ずることとなった大幅な財源不足について、地方財政の運営上支障が生じないよう補てん措置を講じております。
 この結果、平成十年度の地方財政計画の歳入歳出の規模は八十七兆九百六十四億円で、前年度と同額程度となっており、公債費等を除く地方一般歳出は七十三兆三千六百二十五億円と、前年度に比べ一兆一千五百六十七億円、一・六%の減となっております。
 また、地方公営企業につきましては、上下水道、交通、病院等住民生活に密接に関連した社会資本の整備を推進するとともに、社会経済情勢の変化に対応した新たな事業展開を支援し、あわせて経営健全化、効率化を推進し、経営基盤の一層の強化に努めてまいります。
 二十一世紀に向け活力ある豊かな地域社会を実現するためには、地方公共団体は地域の総合的な行政主体として、みずからの創意工夫による施策を積機的に展開していくことが何よりも必要であります。
 このため、自主的、主体的な地域づくり、少子・高齢化等に対応した総合的な地域福祉施策の展開、国際交流、国際協力の推進等の重要な課題に地方公共団体が積極的に対応していけるよう、引き続き支援してまいります。
 とりわけ地域づくりの課題として、食糧等を供給するという経済・産業活動のみならず、水資源の涵養、自然環境の保持等国土保全という多面的かつ重要な公益的機能を有している農山漁村地域は、過疎化、高齢化の進展等によりその活力は低下してきておりまして、これら機能と役割が低下していることが憂慮されるところであります。一方、町の中心部におきましては、空き店舗の発生等の商業の衰退を初めとする中心市街地の空洞化が進行しております。
 このため、平成十年度の地方財政対策においても、地方公共団体が農山漁村地域における国土保全対策を総合的に推進する経費や、町の中心部の再活性化を計画的、総合的に推進する経費に対して地方財政措置を講じることとしたところでありまして、今後とも引き続き農山漁村地域の活性化、中心市街地の再活性化などに努めてまいりたいと考えております。
 また、高度情報通信技術の進展に対応して地域の情報通信基盤の整備を促進し、住民サービスの向上、地域の活性化を図ることが重要な課題となっております。このため、平成十年度より、光ファイバー等を利用したネットワークの整備等に対して新たに地方財政措置を講ずることとしております。
 さらに、情報化の一層の進展に対応して、行政の簡素効率化、住民サービスの向上に資するため、住民基本台帳ネットワークシステムの導入につきまして、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を今通常国会に提出するべく、本日閣議決定を行ったところであります。
 次に、消防行政について申し上げます。
 我が国の消防は、昭和二十三年に地域に密着した自治体消防として発足して以来、本年で五十周年を迎えました。この間、関係者の努力の積み重ねにより、組織、施設、装備等の充実強化が図られ、国民からの厚い信頼を得るに至っており、また、国際協力にも大きく寄与してまいりました。
 しかしながら、昨年、ナホトカ号海難・流出油災害、鹿児島県出水市土石流災害を初め、各地での地震、風水害、林野火災、危険物漏えい事故など住民の安全を脅かす災害、事故が相次いで発生しております。
 こうした中で、国民の防災に対する関心は依然として高く、災害に強い安全な町づくりを推進し、総合的な災害対応力を強化することが強く求められております。
 私は、災害などから国民の生命、身体、財産を守り、安全で安心な地域社会を実現することが政治の理想であるという認識に立ちまして、安全で安心な地域社会づくりと消防防災行政の推進を二つの大きな柱に、地域防災計画の抜本的な見直しを初め、地域の防災機能を高めるための基盤整備の推進、消防防災の広域的な応援体制や防災情報通信体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
 また、消防団の充実強化、自主的な防災体制の整備に取り組みますとともに、技術革新の成果なども取り入れながら、今後とも消防防災全般にわたる充実強化に全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、警察行政について申し上げます。
 良好な治安は国家社会発展の基盤であり、国民一人一人が豊かで安心できる生活を送るために欠くことのできないものであります。
 最近の治安情勢は、少年犯罪の凶悪化や銃器使用による凶悪事件の発生などまことに厳しいものがありますが、私は、我が国が誇る財産ともいうべき良好な治安を維持向上させるため全力を尽くし、国民の皆様の期待と信頼にこたえてまいる所存であります。
 初めに、少年非行情勢と対策について申し上げます。
 本年に入って少年による刃物を使用した凶悪事件が相次いで発生しておりますが、最近の少年非行情勢を見ますと、刑法犯少年が増加を続ける中、昨年は少年による凶悪犯罪が昭和五十年代以降最悪を記録したほか、少年への覚せい剤汚染も拡大するなど極めて憂慮すべき状況にあります。
 次代を担う少年を非行や犯罪の被害から守り、その健全な育成を図ることは、国民すべての願いであり、社会全体として早急に取り組むべき課題であります。
 警察といたしましても、強さと優しさを車の両輪としつつ、少年事件捜査や少年補導活動の強化、学校、家庭、地域との連携や広報啓発活動の推進、少年を取り巻く環境の浄化活動などの諸課題につきまして、関係機関、団体と協力しながら、緊急かつ総合的な対策の推進に努めてまいります。
 次に、犯罪情勢と対策についてであります。現下の最重要課題は組織犯罪対策であります。
 昨年、暴力団幹部に対する射殺事件が発生し、一般市民が巻き添えとなって亡くなられましたが、それ以降、銃器発砲件数、死者数がともに増加に転じるなど、依然として銃器が安全な市民生活に対する直接の脅威となっている状況が続いております。
 このような情勢を踏まえ、内閣に設置された銃器対策推進本部のもと、関係省庁や海外の関係機関との連携を図り、暴力団等が組織的に管理している銃器を重点に、その流入阻止と摘発を推進いたしますとともに、違法銃器の根絶に向けた諸対策を強力に推進していくこととしております。
 また、暴力団に対しては、あらゆる法令を活用した検挙活動を中心に、暴力団対策法の効果的運用や事務所撤去等の暴力団排除活動を組み合わせた暴力団総合対策を強力に推進してまいる所存であります。
 一方、昨年は大手企業による総会屋等に対する利益供与事件が相次いで検挙され、大きな社会問題となりました。
 こうした中、昨年七月にはいわゆる総会屋対策のための関係閣僚会議が開催され、企業から不正な収益を獲得する活動の排除に向け、政府を挙げた取り組みがなされているところであります。警察におきましても、取り締まりとあわせて企業及び業界団体等に対する指導及び支援を強化しているところであります。
 また、近年、来日外国人による組織的な犯罪が多発し、我が国の治安に対する重大な脅威となっております。
 このような情勢を踏まえ、警察庁では昨年四月に来日外国人犯罪対策室を設置して、来日外国人犯罪の実態解明と徹底した取り締まりを行い、成果を上げてきたところであります。今後とも、捜査体制の充実、関係機関との連携の強化などの諸施策を推進し、犯罪組織の実態解明とその壊滅に向けた取り締まりを強化してまいります。
 さらに、昨今の情報通信ネットワークの急速かつグローバルな規模での発展により、我が国においても新たなコンピューター技術等を用いた犯罪が増加しているところであります。
 こうしたいわゆるハイテク犯罪については、その対策が国際的な重要課題となっておりますが、警察といたしましても、国際的要請に対応しつつ、都道府県警察の捜査力強化の取り組み等に加え、それを技術的に支援するための体制の充実強化を図るなど総合的な対策を推進してまいる所存であります。
 また、オウム真理教関連事件につきましては、平田信を初めとするオウム真理教関係指名手配被疑者が依然として逃走中であり、警察庁長官狙撃事件の全容解明のためにも、引き続き全国警察を挙げて被疑者の発見、検挙に取り組んでまいります。
 また、最近の薬物情勢につきましては、少年による覚せい剤乱用の急増、来日外国人による密売事犯の増加など非常に厳しい状況にあります。
 警察といたしましては、今後とも、薬物の供給の遮断と需要の根絶に不法収益対策を加えた三本柱による総合的な薬物対策を一層強化してまいる所存であります。
 さらに、金融、不良債権関連事犯につきましては、債権回収業務の進捗や本格化する金融制度改革など、経済取引環境の変化に伴い新たな事案の発生も懸念されることから、引き続き関係機関と緊密な連携をとりながら必要な諸対策を推進してまいります。
 次に、警備情勢と対策についてであります。
 国際テロ情勢については、世界各地で宗教、民族間問題を背景としたテロが頻発する中、在ペルー日本国大使公邸占拠事件等の発生で端的に示されたように我が国の権益や在外邦人に対する脅威が高まっております。
 一方、国内においても、右翼等による銃器を使用したテロや、成田問題等に関連した極左暴力集団によるテロ、ゲリラ事件等が今後も発生することが懸念されるところであります。
 警察といたしましては、こうした厳しいテロ情勢にかんがみ、引き続き情報収集活動の強化、事案対処能力の充実、国際協力の推進等テロ対策の充実強化に努めてまいる所存であります。
 また、二十六年ぶりに我が国で開催された長野オリンピック冬季競技大会については、全国警察を挙げて警備、交通諸対策を推進した結果、無事終了したところでありますが、引き続きパラリンピック冬季競技大会についても、その安全確保を図ってまいる所存であります。
 次に、交通情勢と対策についてであります。
 平成九年中の交通事故死者数は、国民の皆様を初め関係方面の懸命な御努力により、二年連続して一万人を下回りました。
 しかしながら、いまだ多くのとうとい人命が失われており、交通事故発生件数も五年連続して過去最悪の記録を更新しているところから、決して予断を許さない状況にあります。
 安全で快適な交通社会を実現することは、すべての国民の願いであります。警察といたしましては、関係機関、団体、とりわけ市町村との連携を一層強化するとともに、国民一人一人が交通安全を身近な問題として積極的に交通安全活動に参加していただくよう広報啓発活動の充実を図りつつ、交通安全教育の推進、交通安全施設等の整備、指導取り締まりの強化等の対策を講じていくこととしております。
 次に、地域社会における安全の確保についてであります。
 地域社会における安全は、国民が安心して暮らすために欠くことのできないものであります。このため、特に年少者、高齢者等弱い立場にある者が地域での安全を体感できるような地域社会の実現に向け、自治体やボランティアの方々と連携しながら、地域安全活動を推進していくこととしております。
 また、交番、駐在所は、地域住民に最も身近な警察機関として地域社会の安全と平穏の確保に大きな役割を果たしております。今後とも地域住民の期待と信頼に十分にこたえていけるよう、その充実強化に努めてまいります。
 なお、本国会において、風俗営業に対する規制の緩和などを内容とする風営適正化法の一部を改正する法律案を提出いたしておりますので、慎重御審議のほどよろしくお願いをいたします。
 以上、警察行政の当面する諸問題について申し上げましたが、先般、警視庁警部が収賄罪で逮捕、起訴される事案が発生し、国民の警察に対する信頼を損ねたことについてはまことに遺憾であります。今後とも警察職員の綱紀の粛正と職業倫理の確立についてさらなる徹底に努めてまいります。
 現下の極めて深刻な諸情勢に的確に対処し、我が国の治安水準を維持、向上させるためには、警察力の一層の充実強化が必要であります。このため警察といたしましては、従来にも増して組織、人員の効率的運用、職員の資質向上、装備資機材の近代化など業務の合理化を積極的に推進するとともに、必要な警察体制のあり方について十分な検討を重ねてまいりたいと考えております。
 さらに、警察職員一人一人が誇りと使命感を持って職務に精励できるよう、引き続き処遇の改善や勤務環境の整備にも取り組み、真に国民の負託にこたえることのできる警察の確立に努めてまいる所存であります。し以上、所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し述べましたが、委員長、理事、委員各位の格別の御協力によりましてその実を上げることができますよう、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
#7
○委員長(藁科滿治君) 次に、平成十年度自治省関係予算及び警察庁関係予算の概要について、それぞれ政府から説明を聴取いたします。嶋津自治大臣官房長。
#8
○政府委員(嶋津昭君) それでは、平成十年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、平成十年度の予算の概要により説明させていただきます。
 まず、第一ページでございますが、第一に、一般会計予算であります。歳入は七億六千万円、歳出は十六兆二百八十九億九千百万円を計上いたしております。
 歳出予算額は、前年度の予算額十五兆五千八百六十一億二千二百万円と比較し、四千四百二十八億六千九百万円の増額となっております。
 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省十六兆六十五億三千万円、消防庁二百二十四億六千百万円となっております。
 二ページでございますが、以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして内容の御説明を申し上げます。
 最初に、自治本省につきまして御説明を申し上げます。
 まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、十五兆八千七百一億五千万円を計上いたしております。
 これは、平成十年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二、消費税の収入見込み額の百分の二十九・五並びにたばこ税の収入見込み額の百分の二十五に相当する金額の合算額十五兆五千七百一億五千万円に平成十年度の加算額三千億円を加算した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、二百三十一億五千万円を計上しております。これはいわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する市町村に対し助成交付金を交付するためのものであります。
 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、六十億円を計上いたしております。これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上、特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するためのものであります。
 四ページでございますが、次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として五億四千二百万円を計上いたしております。これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。
 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、二十九億円を計上しております。これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業、ガス事業及び駐車場事業に対する貸付利率の引き下げに関連し、同公庫に対し補給金を交付するためのものであります。
 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、四十九億九千二百万円を計上いたしております。これは、昭和四十七年度から昭和五十七年度までの間において発行された公営地下高速鉄道事業債の支払い利子に相当するものとして発行を認めた企業債の利子の一部について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。
 次に、公営交通施設改良モデル事業に必要な経費でありますが、一億五千万円を計上いたしております。これは、地域の中核的施設である公営交通のターミナル等について、高齢者や身体障害者に配慮した改造をモデル的に行う地方公共団体に対し事業費の一部を補助するために必要な経費であります。
 次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、十九億百万円を計上いたしております。これは選挙人の政治意識の向上を図るとともに投票参加を促す等のために必要な経費であります。
 次に、政党助成に必要な経費でありますが、三百十六億一千六百万円を計上いたしております。これは、法人である政党に対し交付する政党交付金等に必要な経費であります。
 次に、参議院議員通常選挙に必要な経費でありますが、五百六十億七千万円を計上いたしております。これは、平成十年度における参議院議員通常選挙の執行に必要な経費、参議院議員通常選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する参議院議員通常選挙の啓発の推進をするために必要な経費であります。
 以上が自治本省についてでございます。
 次に、消防庁について御説明申し上げます。
 六ページでございますが、消防防災施設等整備に必要な経費として百八十八億二百万円を計上いたしております。これは、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、安全で安心な地域社会づくりを推進するため、耐震性貯水槽、画像伝送システム、消防団拠点施設、防災無線、緊急消防援助隊関係資機材、ヘリコプター、高規格救急自動車などの諸施設等を地域の実情に応じて重点的に整備するために必要な経費であります。
 第二に、特別会計予算について御説明を申し上げます。
 七ページでございます。自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計があり、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定があります。
 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は三十五兆九千五十七億七千九百万円、歳出予定額は三十五兆七千六百四十六億七千九百万円となっております。
 歳入は、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づく一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。
 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費でございます。
 次に、十三ページ、十四ページでございますが、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は一千三億一千万円、歳出予定額は九百二十五億六千四百万円となっております。
 歳入は交通反則者納金の収入見込み額等を計上いたしております。歳出は交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。
 以上、平成十年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。
#9
○委員長(藁科滿治君) 野田警察庁長官官房長。
#10
○政府委員(野田健君) 平成十年度の警察庁予算につきまして概要を御説明申し上げます。
 平成十年度の警察庁予算総額は二千五百二十九億六百万円であります。
 次に、その内容の主なものにつきまして御説明申し上げます。
 第一は、警察庁一般行政に必要な経費八百五十一億四千八百万円であります。この経費は、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の俸給等の人件費のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務経費であります。
 第二は、国際会議等に必要な経費三億三千万円であります。この経費は、国際会議への出席のための旅費等及び国際刑事警察会議分担金であります。
 第三は、電子計算機運営に必要な経費九十二億一千六百万円であります。この経費は、全国的情報管理システムその他のために設置した電子計算組織の運営に必要な電子計算機の借料とそれに付随する消耗品購入費等であります。
 第四は、警察機動力の整備に必要な経費二百八十六億七百万円であります。この経費は、災害対策の一環ともなりますヘリコプター、警察用車両の購入、警察装備品、警察通信機器の整備及びその維持管理等の経費であります。
 第五は、警察教養に必要な経費六十一億一千六百万円であります。この経費は、警察学校入校生の旅費と警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備費等であります。
 第六は、生活安全警察に必要な経費五億六千七百万円であります。この経費は、青少年の非行化防止、風俗取り締まり、麻薬、覚せい剤、密貿易、けん銃等銃砲危険物、公害等に関する犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費等であります。
 第七は、刑事警察に必要な経費三十九億二千二百万円であります。この経費は、暴力団犯罪及び一般犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費、暴力団対策法施行に伴う経費並びに犯罪鑑識に必要な法医理化学機材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。
 第八は、交通警察に必要な経費七億六千五百万円であります。この経費は、交通安全に関する広報及び運転者対策等に必要な物件費並びに交通取り締まり指導旅費等であります。
 第九は、警備警察に必要な経費十億八千二百万円であります。この経費は、警備警察運営及び警衛に関する会議、指導、連絡等の旅費、機材類の整備等に必要な経費であります。
 第十は、警察活動に必要な経費二百八億九千百万円であります。この経費は、犯罪の捜査、取り締まり等警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。
 第十一は、警察電話専用回線の維持に必要な経費三十九億二千四百万円であります。この経費は、警察電話専用回線を維持するためのいわゆる警察電話専用料であります。
 第十二は、犯罪被害給付に必要な経費六億二千六百万円であります。この経費は、殺人、傷害等の犯罪により死亡しまたは重障害を受けた場合、その遺族または被害者に対し国が一定の給付をするために必要な給付金及び事務費であります。
 第十三は、参議院議員通常選挙の取り締まりに必要な経費三億三千九百万円であります。この経費は、参議院議員通常選挙の取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費であります。
 第十四は、千葉県警察新東京国際空港警備隊に必要な経費百七億二千三百万円であります。この経費は、千葉県警察新東京国際空港警備隊の維持、運営に必要な旅費、物件費及び空港警備隊員の人件費等の補助金であります。
 第十五は、船舶建造に必要な経費四億二千二百万円であります。この経費は、警察用船舶の建造に必要な経費であります。
 第十六は、科学警察研究所に必要な経費二十一億二千四百万円であります。この経費は、警察庁の附属機関として設置されています科学警察研究所職員の俸給等の人件費と研究、調査、鑑定等に必要な機械、器具類の購入費、維持費、その他一般事務経費であります。
 第十七は、皇宮警察本部一般行政に必要な経費八十億三千九百万円であります。この経費は、皇宮警察本部職員の俸給等の人件費のほか、その他一般事務経費であります。
 第十八は、皇宮警察本部の護衛、警備に必要な経費七億三千六百万円であります。この経費は、皇居の警備及び行幸啓の護衛に必要な経費であります。
 第十九は、警察庁施設整備に必要な経費百二十四億七千六百万円であります。この経費は、国庫の支弁対象となっております都道府県警察学校等の施設の整備に必要な経費であります。
 第二十は、都道府県警察費補助に必要な経費三百八億二千五百万円であります。この経費は、警察法第三十七条第三項の規定により、都道府県警察の一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、地域警察活動、防犯活動等の一般行政費の補助に必要な経費であります。
 第二十一は、都道府県警察施設整備費補助に必要な経費二百六十億二千八百万円であります。この経費は、警察法第三十七条第三項の規定により、都道府県警察の警察署、待機宿舎等及び交通安全施設の整備費の補助に必要な経費であります。
 以上、平成十年度の警察庁予算の内容につきましてその概要を御説明申し上げました。
#11
○委員長(藁科滿治君) 次に、平成十年度海上保安庁業務概況及び関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。相原海上保安庁長官。
#12
○政府委員(相原力君) 海上保安庁長官の相原でございます。
 海上保安業務について申し述べます。
 海上保安庁は、法令違反の取り締まりのみならず、領海警備、海洋汚染の防止、海上交通の安全確保、海難救助等幅広い業務を行っております。
 平成八年七月の国連海洋法条約の締結に伴い、我が国は直線基線の採用による領海の拡大や接続水域の設定及び二百海里排他的経済水域の設定等により広大な水域を管轄することになりましたが、これらの水域における我が国の権益確保を図ることが極めて重要な課題となっております。
 また、近年、薬物、銃器等の密輸、不法入国事犯等が急増しており、深刻化しております。これらの犯罪の水際での阻止は重要な課題となっております。
 このため、海上保安庁においては、巡視船艇、航空機の増強等を推進し、業務執行体制の強化に努めてまいりますとともに他省庁とも密接な連携をとりながら、これらの事案に適切に対応し得るよう全力を尽くしてまいります。
 海洋汚染の防止につきましては、従来から適切な監視。取り締まりを実施するとともに油防除体制の整備に努めているところでありますが、昨年、日本海で発生したロシア船籍タンカー・ナホトカ号油流出事故、東京湾で発生したパナマ船籍ダイヤモンドグレース号油流出事故といった大規模な油流出事故への対応状況を教訓として、運輸省関係部局と一体となって油防除体制の一層の強化を図るための総合的な施策を推進しているところであります。具体的には、関係省庁との密接な連携のもと、防災基本計画等の各種の計画を見直したほか、運輸技術審議会総合部会の報告書に基づき油防除資機材及び業務執行体制の充実強化、海上災害防止センターの機能強化等の措置を講じてまいります。
 海上交通の安全対策については、東京湾等ふくそう海域における航行船舶に対する指導の徹底のほか、ディファレンシャルGPSを初めとする航路標識の整備、航海用電子海図の刊行、普及にも取り組んでおります。今後とも、最先端の情報技術の活用も図りながら、安全対策の充実に積極的に取り組んでまいります。
 本年は、昭和二十三年に開庁した海上保安庁が満五十年を迎える年であります。この機会に、来るべき二十一世紀を見据えて、海の安全を守るという海上保安業務の重要性を再認識し、一層その推進を図ってまいる所存であります。
 引き続きまして、平成十年度の海上保安庁予算につきまして概要を御説明申し上げます。
 平成十年度の海上保安庁予算総額は一千六百五十九億四千六百万円であります。
 次に、その内容の主なものにつきまして御説明申し上げます。
 第一は、海上保安庁一般行政に必要な経費九百九十二億七千六百万円であります。この経費は、航路標識整備事業に係る職員を除く海上保安庁職員の俸給等の人件費のほか、海上保安庁の一般事務経費であります。
 第二は、警備救難業務運営に必要な経費四百二十三億八千万円であります。この経費は、海上における犯罪の取り締まり、領海警備、海難の救助、海上交通の安全確保、海洋汚染の防止、海上災害の防止等に必要な経費であります。
 第三は、水路業務運営に必要な経費二十九億二千万円であります。この経費は、水路測量、大陸棚境界画定、海象観測、海図の刊行等に必要な経費であります。
 第四は、航路標識業務運営に必要な経費四十二億一千百万円であります。この経費は、灯台や灯浮標、電波標識など航路標識の維持管理等に必要な経費であります。
 第五は、職員の教育訓練に必要な経費四億六千万円であります。この経費は、海上保安庁職員の教育訓練を行うための海上保安大学校及び海上保安学校の運営に必要な経費であります。
 第六は、海上保安官署施設整備に必要な経費八億二千七百万円であります。この経費は、出先機関の庁舎などの施設整備に必要な経費であります。
 第七は、船舶建造に必要な経費八十六億五千百万円であります。この経費は、海上保安庁用船舶の建造に必要な経費であります。
 第八は、航路標識整備事業に必要な経費六十五億七百万円であります。この経費は、国が施行する灯台、電波標識等の新設、改良、改修等に必要な経費であります。
 第九は、航路標識整備事業工事諸費に必要な経費七億一千四百万円であります。この経費は、管区海上保安本部が施行する航路標識の直轄事業に直接必要な人件費及び事務費であります。
 以上、平成十年度の海上保安庁予算の内容につきましてその概要を御説明申し上げました。
#13
○委員長(藁科滿治君) 以上で、自治大臣・国家公安委員会委員長の所信、自治省、警察庁の予算説明並びに海上保安庁の業務概況及び予算説明の聴取は終わりました。
 本日聴取した大臣の所信等に対する質疑は、これを後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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