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1998/03/27 第142回国会 参議院 参議院会議録情報 第142回国会 地方行政・警察委員会 第6号
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1998/03/27 第142回国会 参議院

参議院会議録情報 第142回国会 地方行政・警察委員会 第6号

#1
第142回国会 地方行政・警察委員会 第6号
平成十年三月二十七日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     岩永 浩美君     保坂 三蔵君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藁科 滿治君
    理 事
                久世 公堯君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                有働 正治君
                高橋 令則君
    委 員
                田村 公平君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                三浦 一水君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                村沢  牧君
                渡辺 四郎君
                山口 哲夫君
                岩瀬 良三君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
   政府委員
       警察庁生活安全
       局長       泉  幸伸君
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       自治省行政局長  鈴木 正明君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   説明員
       厚生大臣官房政
       策課調査室長   高井 康行君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は昨二十六日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。
 ただいま提案をされております両案と地方財政計画について、若干御質問をさせていただきたいと思います。
 地方財政計画の規模でございますが、これは大体どれくらいの額でございましょうか。
#4
○政府委員(二橋正弘君) 平成十年度の地方財政計画の規模は八十七兆九百六十四億円で、対前年度比〇・〇%、ほぼ同額というふうになっております。
#5
○谷川秀善君 今お答えいただいたように、これは大変な額であります。
 地方財政というのは、大臣も御存じのように平成六年度以降大変財源不足が続いておりまして、それで平成八年、九年、十年と三年連続して財源不足が続いているわけでして、これはこれだけ続くと地方交付税法の第六条の三第二項の規定に大体該当する事態になっているわけであります。
 こうなると、私はやっぱり根本的に財源の問題というのを考え直さざるを得ないのではないかなというふうに思っております。これはまた後で議論をさせていただきたいと思いますが、平成八年度、平成九年度は、この財源不足を補う措置として単年度の措置をいたしまして、何とか切り抜けてきているわけですが、平成十年度におきましては、財政構造改革の集中改革期間三年間にわたる中期的な措置として地方交付税特別会計借入金の償還を平成十三年以降に繰り延べますとともに、集中改革期間中は原則として財源不足のうち地方交付税応当分については国と地方が折半して補てん措置を講じる等の制度改正がなされたわけです。私は根本的な議論は別として、こういうことをやっていただくと非常に一般的にはいいんじゃないかなと評価をいたしておるわけでございますが、一番大事なことは、やっぱり地方交付税の総枠をどれだけ確保するかということだろうと思うわけです。
 平成十一年度また平成十二年度においても確実にこの総枠が、総額が確保されるのかどうか、また確保するつもりでおられるのか、大臣にまずお伺いをいたしたいと思います。
#6
○国務大臣(上杉光弘君) 事務的な経過措置もありますから財政局長から答えさせまして、後で私がお答えさせていただきたいと思います。
#7
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員から御指摘がございましたように、八年度、九年度とそれぞれ単年度の措置を講じてまいりましたが、十年度の地方財政対策を講ずるに当たりまして、十年度から財政構造改革がスタートするということを踏まえまして、この間において国、地方共通した財政再建を図っていく観点から、双方に共通する歳出の抑制を図るということを基本にして再建に取り組まなくてはいけないということになって、かつ財政赤字を国と地方合わせて六年間のGDP対比に対する目標を定めておるわけでございます。そういったようなことを踏まえまして、また地方財政の場合には特に公債費がこの間にかなり急激に伸びるということが見込まれまして、毎年度約一兆円の伸びが見込めるというふうな状況もございます。
 そのようなことをいろいろ考え合わせながら、今回十年度の地方財政対策を講ずるに当たりましては、この間における中期的な交付税の確保ということに視点を置きまして三年間の制度改正を行おうということにいたしたわけでございまして、そういうことを今回の法律改正の中で盛り込んで御審議をいただいておる次第でございます。
#8
○国務大臣(上杉光弘君) 私からお答えいたしますが、地方分権という新たな事態を迎えての地方財政の対応というものはおのずと私はこれまでどおりではいけないだろうと、こう思っておるわけでございます。その前提を置いて申し上げたいと思います。
 今回の制度改正は、平成十二年度までの集中改革期間中に、歳出の改革を中心といたしまして国、地方を通ずる財政構造改革を進めることにしておることはもう御承知のとおりでございます。その一方で、今後公債費が毎年度一兆円程度累増することが見込まれておるわけでございまして、集中改革期間中も相当の財源不足が見込まれるところでございます。委員御指摘のとおり、ここ五年ぐらい財源不足がずっと続いておるわけでございます。
 このようなこと等を踏まえまして、集中改革期間中の地方交付税総額を安定的に確保するためのものでございますが、九年度は御案内のとおり一・七%の伸びでございましたが、十年度におきましては二・三%の伸びを確保したところでございます。大変、財政、大蔵との激しいやりとりがあったことはもう申すまでもないことでございます。
 今後におきましても、地方財政計画の策定に当たりましては、所要経費を的確に見込みますとともに、必要な地方交付税総額の確保をいたしまして、地方財政の運営に支障が生ずることのないように努めてまいりたいと考えております。
#9
○谷川秀善君 どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それで、財源構造改革の推進についてということですが、これでは国と地方、双方やっぱり歳出を抑制していくような施策をとらなきゃいかぬ、また、そういう今までの施策も見直していかなきゃいかぬというふうに思うわけです。地方単独事業の抑制を大分、この地方単独事業についてはまだ後ほどお伺いしたいと思いますが、地方単独事業がだあっと相当伸びていますね、やっぱりある程度これも抑制しなきゃいかぬだろうというふうに思います。地方の歳出の伸びを国と同一基調で抑制をして、それで名目成長を下げていく、こういうふうに財源構造改革の推進については言われているわけですが、この考え方が平成十年度の地方財政計画ではどのように具体化をされているのか、ちょっとお伺いをいたします。
#10
○政府委員(二橋正弘君) 今お挙げになりました財政構造改革の推進ということでは、聖域なく全般の歳出について見直しを行って抑制を図ると、こういうことになっております。
 中でも国と地方に共通する分野といいますのは、公共投資関係、それから教育、福祉関係といったようなものが非常にウエートが大きいわけでございますが、十年度の地方財政計画におきましては国の予算と双方あわせまして、まず第一点の公共投資の分野では公共事業関係が七%マイナスキャップということでございましたが、具体的には七・八%削減ということになっております。また、長期計画の延長に伴う関連事業費の抑制がございました。それから教育の分野では、義務教育とかあるいは公立高等学校の教職員の配置改善計画の延長に上ります職員数の抑制ということが図られております。それから社会保障の分野では、薬価の引き下げ等によります医療費の抑制、あるいは児童扶養手当制度の改正等が行われておるわけでございます。
 こういった国、地方を通ずるいわば補助的な事業に加えまして、単独の施策の面でも、例えば当初の単独事業はマイナス四%にするといったようなことで、全般の歳出抑制をいたしておりまして、これらを全部ひっくるめまして平成十年度の地方一般歳出というのは前年度に対してマイナス一・六%になっておるわけでございます。
#11
○谷川秀善君 いろいろ御苦労していただいた結果だろうというふうに思いますが、それでもなおかつ通常の収支不足が四兆六千四百六十二億あるわけです。これはどういうふうに補てんをされるのでございましょうか。
#12
○政府委員(二橋正弘君) 平成十年度は、いわゆる特別減税分を除きました通常収支の不足が四兆六千四百六十二億円ございました。
 これにつきましては、基本的に交付税によります対応で二兆七千五百億余、それから地方債の増発で一兆八千九百億ということで補てんをいたしておるわけでございまして、そのうちでも交付税の関係につきましては、交付税特別会計の償還の延長を行いますとともに、増額措置として二兆一千百億円を特会の借り入れということを行っておりまして、そのさらに半分について国と地方とでそれぞれ半分ずつ責任を持ち合うといいますか、その償還を持ち合うというふうな考え方でこの四兆六千四百億余の財源不足を補てんいたしておるところでございます。
#13
○谷川秀善君 今御説明をいただきましたが、そういう意味ではやっぱり地方交付税というのが地方財源にとって非常に大きなウエートを占めているわけであります。この地方交付税のあり方については私もいろいろ意見を持っているところでございますけれども、これは後ほど議論したいと思います。地方交付税というのはそういう意味ではやっぱり地方の固有の財源であるわけです、地方交付税は固有の財源。まあたまたま税を国が集めているというだけのことでございまして、これは私はやっぱり地方の固有の財源だろうというふうに思っておるわけです。
 そういたしますと、その配分等についてもやっぱり地方公共団体の意見が十分反映されるような民主的であってかつ制度的な保障といいますか、地方の声が十分反映されるという保障をつくるべきだろうというふうに私は考えておるわけです。これは地方分権推進委員会の勧告でも指摘をされているところであります。
 しかしながら、どうも地方の側から見ますと、どうしてもやっぱりこの地方交付税というのは国が財源を地方に分けてやるんだ、渡してやるんだというどうも感じに受け取られて仕方がないわけであります。そういう意味では、実態は地方から見るとそう思われまして、特に特別交付税、年度末なんかの特別交付税については、これはひもがついていないものですからやっぱりちょっとでも多くいただきたいという要望が恐らく先生方にも我々にもいろいろ地方公共団体からは来ると思うんですね。
 そういう意味ではこの地方交付税というのを基本的にどのように考えておられるのか、もう一度お伺いをいたしたいと思います。
#14
○政府委員(二橋正弘君) 地方交付税は、今、委員も御指摘になりましたように、その基本的な性格は税が各地で偏在をいたしますので、必要な地方財源を共通の形でいわば国の方が地方にかわって税として集めて、それを地方団体に財源調整的にかつ財源保障機能を持たせて配分をいたしておるというのが地方交付税の基本的な性格でございまして、そういう意味では地方の共有の固有財源であるというふうに私どもも認識いたしております。
 その配分に当たりましては、したがいましてこういう性格でございまして、まず基本的には何といいましても国会の方で御審議をいただく地方交付税法で基本的な骨格を定めて、それに従って配分をいたしておるということでございまして、今般も御審議いただいておりますように、各行政項目ごとの測定単位それから単位費用、それから測定単位の補正の種類あるいはその補正を適用する費目、そういった基本的な事項については、いずれも法律で定めるということになっておりまして、毎年度いろんな施策の改正なり展開に伴って変えるべきところは国会の御審議をいただいてその変更を行う、改正を行うということにいたしておるわけでございまして、それに従って毎年度の交付税の配分が行われているわけでございます。
 共有の財源であるんだから地方団体の意見を反映すべきであるという御意見、まことにそのとおりだと思います。現行のもとではこの地方団体の全体の集まりであります地方六団体がございますが、地方六団体からそれぞれ御推薦をいただきました委員で地方財政審議会というのが構成されておりまして、その地方財政審議会に具体の算定方法あるいは具体の算定結果を御報告して、またその審議をいただくということにいたしておりまして、そういう形でまず全般的な地方団体の代表としての意見が反映されるというふうなことになっております。
 それからまた、具体の算定に当たりましても、地方団体の方でいろんな御意見が、もちろんそれぞれの地域の実情を踏まえてございますので、毎年度そういう改正についてこういうことを自分のところの事情を考えて反映すべきであるといったような意見が出されてまいります。毎年度五百項目近い意見が出てまいりますけれども、そういったようなものもいろいろ検討しながら、先ほど申しましたような法律の改正なりあるいは地方財政審議会の審議なりを経て、毎年度の算定に当たっておるということでございます。
 地方分権推進委員会から以上のようなことも踏まえた上で、この地方団体の意見の反映ということについては、制度化をした方がいいんではないかというふうな御意見をいただきました。交付税法の中にそういう制度を設ける旨の規定を置くべきではないか、こういう御意見でございまして、私どももそういう方向で地方分権推進計画に盛り込むべく、今検討を行っておりまして、それを踏まえて交付税法の改正につなげていきたいというふうに考えておる次第でございます。
 なお、委員の方から特別交付税についても言及されましたが、これにつきましては、いわゆる六%分が特別交付税になっておりますが、毎年度算定項目あるいはその算定の単価等の基本的事項につきましては、詳細に自治省令をもって明らかにいたしておりまして、もちろんそれだけで反映できないことにつきましては、各地域ごとのかなり特有の財政事情がございまして、そういうものにつきましては、県、市町村からいろいろその状況を聞かせていただきながら算定をいたしておるという実情にございます。
#15
○谷川秀善君 地方配分その他について制度化した方がいいんじゃないかなと私も思いますが、なかなかこれどう制度化するかというのは非常にこれまた難しい問題で、それぞれ地方の実情、皆違うわけですから、大変だろうと思いますが、十分検討をしていただければと思います。
 やっぱり地方にとってこれから地方分権をどんどん推進していかなきゃいかぬ、そして身近なことは原則的には第一義的な市町村でおやりいただくというのがこれからの地方分権の進むべき道だろうと思いますが、しかしなかなか第一義的な市町村というのは三千三百あるわけですから、だから御存じのように、人口も違う、財政力も違う、もう千差万別だろうというふうに思いますから、これはなかなか実現へ向けて一歩を踏み出すというのは大変なことだろうというふうに思いますけれども、さはさりながら、結局は財源がどうあるかということが一番大事なことだろうというふうに思います。だから、権限だけが何となく先走って、権限だけをどんどん府県におろし市町村におろしても、財源が伴わないとなかなか本当の意味の地方分権というのは進んでいかないだろうと思っておるんです。
 大臣、その権限と財源の問題についてちょっと御感想をお伺いいたしたいと思います。
#16
○国務大臣(上杉光弘君) 地方分権推進委員会からも勧告をされておりまして、この中身は、御案内のとおり、国から地方公共団体への事務、権限の移譲が行われた場合には地方公共団体が事務を自主的、自立的に執行できるよう、地方財政計画の策定を通じまして所要財源を明らかにした上で必要な地方一般財源を確保することが必要である、こうなっておるわけですね。
 問題は、この分権推進と地方財政の問題というのは連動した問題だと。もっと言葉を詰めた言い方をすれば地方分権の推進と地方の財政構造改革、行政改革というのはもうこれは三者一体のものである、そういう気持ちが非常に強いわけでございます。したがいまして、こういう考え方を分権推進委員会も念頭に置いてこういう勧告がなされておるものと考えておるわけでございまして、地方分権推進が進められることにおける地方の財政需要というものは十分考えた上で対応していかなければならない、このように考えておるわけでございます。
 こうした点を十分に踏まえまして、もう一つは、国と地方の役割の分担というものを明確に仕分けしていかにゃいかぬだろう、整理していかにゃいかぬだろうというのも当然のことでございまして、その役割分担をした上で、じゃどういうふうに財政需要というものが地方にはあるのか、仕分けた中で人員の問題も含めた行政体制というのをどうするかということに最終的にはなってくるんじゃないか、私はこう思っております。
 ただ、その場合、市町村の合併がいいのか、あるいは広域行政というものがいいのか。分権の受け皿というものは財政と裏腹の関係、連動した問題もあると申し上げましたが、これは一体的に、今度は地方がどういう受け皿で分権というものを受けていただくかは地方が自主的に判断し決断をし、今後の対応を地方行政体制の整備ということでしていただかなければならぬことだろう、こう思っております。
 もう一つは税制の問題があるわけでございまして、財源としての地方税財源の問題というものは当然これは今後対応していかなければならない、地方分権という新たな事態を受けての問題がもう一つあるのではないか、このように考えております。
#17
○谷川秀善君 今、大臣おっしゃったとおりだと思うんです。私は、財源と権限というのは車の両輪みたいなもので、やっぱり両方がうまくいかないと車はスムーズに走らないというふうに思っております。また、受け皿の問題、これはもう本当に昔から議論されているところでございまして、なかなかこれは本当に、三千三百をどれぐらいにするのがいいのかと言ったら、これはまた地方の実情もいろいろありまして大変難しい問題だろうとは思いますけれども、やっぱりこれはある程度進めないと、今の三千三百ではとてもじゃないが難しいだろうなと。
 ところが、大阪なんかでも、関西国際空港のあるところに二市一町あるんですよ、市が二つと町が一つ。あれができたものですから、第一期工事だけでも。その町は大体人口せいぜい五、六千だと思いますが、固定資産税ががばっと入ってきて、恐らく町民税は要らぬのじゃないかなというぐらい財政が非常に豊かになっているんですね。私は考えれば、二市一町が全部合併したってせいぜい人口で三十万行くか行かぬかだと思うんですね。そうすると、これは合併すると非常にいい市になるんじゃないかなと思うんですが、なかなかそういきません、面積的には非常に狭いんですが。財政事情もあり、特に田尻町という町なんですけれども、絶対合併はしたら損やというような町民感情もあり非常に難しいところでございますが、どうぞ大臣頑張っていただいて、何とかやっぱりある程度、歴史的な経過のあるところもあると思いますけれども、三千三百じゃ地方分権を本当に根づかせるというのにはちょっと数が多すぎるんじゃないかなというふうな感じがいたしております。
 それで、財源問題を論議する上で一番大きな問題は私はやっぱり補助金だと思うんですね。固有の財源もさることながら、各省からいろんな補助金がそれぞれ地方団体に行っているわけで、この補助金がまた逆に非常に地方の財源の大きなウエートを占めているわけです。
 補助金総額、これは民間の分も入っているんだと思いますが、平成九年度で十九兆七千八百四十二億、平成十年度で十九兆六千五百一億、これは大変な額だろうと思うんです。これを地方団体の財源の論議をする上では、この補助金というのには負担金、補助金、補給金、委託金、交付金、いろいろあるわけですが、それを差っ引いて純然たるいわゆる補助金だけでも平成九年度は十六兆一千四百六十一億、平成十年度で十六兆八百二億、これだけあるわけですが、この補助金についてどうお考えでしょうか。
#18
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員がお挙げになりました補助金全体の数字、十年度で十九兆六千億余、それから地方公共団体に対するものがそのうちの十六兆八百億余というのはまさにそのとおりでございまして、国の予算に占める割合も補助金全体で四分の一ということですから非常に大きなウエートを占めております。特に地方団体向けのものが十六兆余ございまして、そのうちいわゆる普通会計で地方財政計画に載せておりますものは、公営企業関係、下水のようなものとかあるいは公庫みたいなものは除かれておりまして、地財計画に載っているものだけでもそのうちの十二兆九千八百億余でありますから約十三兆円ございます。歳入の一五%を占めておりますので、地方にとりましても非常に大きなウエートを占めておるものでございます。
 量的に大きいということだけではなくて、このことで地方の側がともすれば補助金を通じていろんな制約を受けるということがある。それからまた、そういうことを通じて補助金を頼ったり補助金を待ったりするような姿勢になることがあるということ、もちろんいろんな手間暇がかかるということも含めまして補助金についてはいろんな問題が指摘されておるわけでございます。
 私ども、地方分権という観点から考えました場合に、財政のサイドからいきますと、委員が先ほどおっしゃいましたように恐らく補助金の問題がそういう意味では最も大きな問題ではないだろうかというふうな思いでおります。
 ただ、これは非常にいろんなところとかかわりの深い問題でございまして、これを今抜本的に整理するということになりますと、それに伴った組織なり人員から含めまして、あるいはその代替の財源をどうするかというようなことまで含めまして非常に難しい問題があるわけでございます。
 しかし、分権委員会もこの補助金については、重点化を図るべきであるとか、あるいは真に国が義務的に責任を負うべきもの、例えて言えば義務教育国庫負担のようなもの、そういう義務的に国が責任を負うべき分野といったようなことに限定をしていくべきだという方向が出されております。それから、行革会議からも同趣旨の方向が出されておりますし、構造改革という意味でも補助金の整理ということが必要というような情勢にだんだんなっておりまして、そういう意味で、この補助金の整理、それからそれに伴う一般財源化ということが進められていくということが地方財政の上でも非常に大きな分権の推進につながっていくだろうというふうに私どもは考えております。
#19
○谷川秀善君 おっしゃるとおりだと思うんですね。この補助金をどれだけうまく整理をして一般財源化していくかということが大切だろうと思いますが、各省庁にまたがっておりますし、各省庁も地方分権推進委員会ではいろいろ御論議をしていただいておりますが、補助金についてはなかなかうんとは言いにくい部分もあるだろうと思いますが、どうぞ補助金にやっぱりある程度メスを入れる御努力をしていただきたいと思います。
 平成十年度は四百六十二億円が一般財源化されることになっているように聞いておりますが、これを見ますと、十六兆のうちの四百六十二億ですから、本当にこれ、まだまだ道が遠いという感じがいたします。よろしくお願いをいたしたいと思っております。一般財源化されますと、この分、地方公共団体の運営に支障が生じないような手当てをされていただいているんでしょうか。
#20
○政府委員(二橋正弘君) 補助金が整理をされまして一般財源化をされます場合というのは、事務自体が残っておって、それを引き続き行う必要があるというものでありますので、それに伴って当然財源手当てをする必要があるわけでございます。分権委員会の勧告にも、地方財政計画の策定を通じて所要財源を明確にした上で地方一般財源を確保することが必要だというふうに言われております。
 十年度は、今、委員御指摘になりましたように、四百六十二億円の一般財源化が行われておりますが、これは厚生省の関係あるいは通産省の関係等でございますが、これに伴いまして、必要な事業費につきましては地方財政計画の一般行政経費に、今度は補助から単独に変わりますので、単独に計上をいたします。それで、全体で地方財政の収支がとれるような財源を確保した上で、これを個別の地方団体については交付税に算定をしていくという形で財源手当てをしておるわけでございます。
#21
○谷川秀善君 これは不交付団体はどうなるんでしょうか。
#22
○政府委員(二橋正弘君) これは交付税の算定でございますので、交付団体、不交付団体を問わず、全体をまず基準財政需要額に伴う必要額を算定いたします。その結果、もちろん、もろもろのほかの要素もございますが、それに伴って不交付団体であったところが交付団体に変わるというケースは当然あり得ますが、引き続きそういう基準財政需要額の算定を行ってもなおかつ収入が多いというふうなところにつきましては引き続き不交付団体になるわけでありまして、そういう団体については交付税の交付ということは行われない。要するに、交付税の算定上、需要額に算定したということになるわけでありまして、そこは交付税の仕組みからいってやむを得ないものであるというふうに御理解いただきたいと思います。
 ただ、不交付団体におきましても、そういうケースも含めて、毎年度の財政運営上やはりそういったような要素もございまして、資金的な手当てをする必要があるというふうなケースがございます。そういうときにはそれぞれの関係団体から御相談がありまして、そういうことを踏まえた上で地方債によってその資金的な手当てをして、これは調整債という形で一定の枠を地方財政計画上にも計上いたしておりますが、そういうもので対応して、財政運営に支障が出ないようにという対応をいたしておるところでございます。
#23
○谷川秀善君 不交付団体はそれだけ税源がよその団体よりあるんだから、まあ辛抱してもらっていいじゃないかということもあろうと思いますが、最近本当に不交付団体がだんだん減ってきていますね、昔から比べますと。だんだん、どんどん財政状況が悪くなって不交付団体が減ってきていますので、そういう点もちょっとやっぱりお考えをいただければなというふうに思います。
 地方分権推進委員会の第二次勧告では、地方債の許可制度を廃止して事前協議制に移行するとされておりますが、今後この地方債の許可制度についてどう取り組んでいかれますでしょうか。
#24
○国務大臣(上杉光弘君) 地方債制度につきましては、地方分権推進委員会より御指摘のとおり、地方公共団体の自主性を高める観点に立って許可制度を廃止いたしまして、原則として事前協議制に移行することについて勧告をいただいておるところでございます。
 あわせて、この勧告におきましては、「少なくとも財政構造改革期間中においては、国及び地方の財政赤字の縮小のため財政健全化目標が設定され、地方公共団体の歳出の抑制が求められていることに鑑み、許可制を維持すること」とされておるわけでございます。財政構造改革は当然取り組み、方向づけがされておるわけでございますから、これに対する対応はしていかなければなりませんが、特に六年間の集中期間中についてはきちっと許可制を維持することとされておるわけでございます。
 地方債全体では十一兆三千億、平成十年度の予算でございますが、その基本線に沿って九・一%の縮減も予算では、数字で見ていただきますと、自治省はあらゆる創意工夫をいたしましてやりくりの中ではございますが、健全財政化に向かって努力はしておる、これは御理解をいただきたいと、こう思うわけでございます。
 このようにして自治省は、地方財政健全化の早期達成に努めることにあわせまして、勧告に沿って地方分権推進計画に盛り込むべき新しい制度のあり方、内容について検討を進めておる今真っただ中でございます。
#25
○谷川秀善君 地方団体の自主性を尊重するということからいうと、この許可制度というのはない方がいいんだろうと思いますが、今の起債残高を見ていますと、これはちょっとやっぱり大変だと思いますね。だからもう自由にやりなさいと言うと、首長さんは大体選挙ですから、やっぱりある程度私は、もともとはこれは許可制度はおかしいなと思っていたんですよ。
 ところが、最近の起債残高、公債費の率を見ていますと、これは大変だなと。だから、地方分権推進委員会でも、これは理想はそうなんですけれども、ある程度これはどこかでチェックしないとあかぬのかなという気持ちの変化が最近起こってきていますので、この辺も含めまして十分御検討いただければなと。公債費がだんだん下がってくればまた別だろうと思いますが、今の段階ではちょっと、何かどこかで規制が要るのかなという感じをいたしております。
 今度の地方債計画で地域経済対策事業というので三千億円が計上されておりますが、これはまあいろいろ地域それぞれに応じて配分をされるんだろうと思いますが、この趣旨と内容についてちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
#26
○国務大臣(上杉光弘君) 御案内のとおり、財政構造改革の枠組みに沿いまして、国と地方を通じて公共事業につきましては七%の削減という極めて重いキャップがはめられておるわけでございます。しかし、地方単独事業、私の間違いがなければ十九兆三千億でございますが、四%のこれは削減といたしました。削減というよりか縮減といたしたわけでございます。
 そのように、相対的には公共事業の地域経済で占める割合が高くまた影響が大きいということは、もう私がるる説明しなくても御理解のとおりだと思いますが、そうした公共事業のマイナスが地域経済に与える影響というものは大変心配をされるわけでございます。そのような影響を緩和するために地方単独事業を積極的に計上する必要のある団体も地方には多いわけでございます。また、社会資本の未整備という問題もあるわけでございます。
 そのような意味から、平成十年度の地方財政計画におきまして、急激な影響が出たり住民生活に影響のないようにというそのような願いを込めまして、地域経済対策事業を創設いたしまして三千億円の地方債枠を確保したと、こういうことでございます。
 具体的な取り扱いにつきましては現在検討中でございますが、各地方団体において地域の経済状況に対応した事業が実施できますように、所要の地方債措置及び地方交付税措置等を講じてまいりたいと考えております。
#27
○谷川秀善君 大変な御配慮をいただいて、これ、有効に効果的な事業にどうぞ御指導賜りますようにお願いをいたしたい。
 今、大臣からのお話がございましたが、地方公共団体の事業にとりましてやっぱり一番大きなウエートを占めているのは、最近、地方単独事業だろうと思うんです。ところが、それぞれ非常に財政が悪くなってきまして、なかなか地方単独事業をやりにくくなってくると思うんです。
 ちょっとこれお伺いをしたいんですが、大体、昭和六十一年度以降ぐらいで単独事業も入れまして普通建設事業はどれくらいで、うち補助事業とそれから単独事業というのをちょっとおっしゃっていただけませんでしょうか。
#28
○政府委員(二橋正弘君) 六十一年度から平成八年度までの間の普通建設事業費の状況でありますが、昭和六十一年度には普通建設事業費は全体で十五兆五千九百三十九億円でございましたが、平成八年度にはそれが二十九兆九千六十七億になっておりまして、約一・九倍の規模になっております。これはもちろん補助と単独を含んでおります。そのうちの単独事業について申し上げますと、六十一年度が六兆七千六百七十億円でございましたのが八年度には十六兆七千三百七十五億円となっておりまして、約二・五倍の規模に拡大をいたしております。その残り分が補助事業ということになるわけでございます。
#29
○谷川秀善君 これで見ますと、昭和六十三年度ぐらいは補助事業と単独事業が大体まあまあ半々ぐらいなんですね。平成元年以降になりますと補助事業を単独事業がどんどんと上回りまして、平成七年で補助事業が十二兆五千四百七十三億、単独事業が十七兆一千四十三億というぐあいに、単独事業の伸びるウエートがどんどん高くなっているわけですね。
 単独事業というのは大体これ借金ですね、起債で。これはほとんど起債でやっておると思うんです。そうすると、景気の影響もあると思いますが、これが地方公共団体の財政悪化の非常に原因になっていると私は思うんです。それは事業をやることが悪いとかいうことじゃなくて、どうも財政構造から考えますと、この単独事業が六十三年、平成元年からずっとどんどんとふえてきた。これはそれぞれ地方にとっては不要不急の仕事はしていないと思いますから、それぞれに必要な仕事をやってきたんだろうと思いますが、この単独事業の伸びをこれからも同じ調子でいくのか、それともある程度足踏みをしてもらって、それをどういう形で抑制をしていくのか、その辺のお考えがありましたらお願いいたします。
#30
○政府委員(二橋正弘君) 単独事業につきましては、先ほど過去の趨勢値で委員の方から、六十三年ぐらいにほぼ同じくらいであったのが、七年で補助が十二・六兆ぐらい、単独が十七兆ぐらいと、こういう数字を御指摘になりました。
 私どもの方針といたしましては、先ほど補助金の問題について委員からも御指摘がございましたが、地方の方がいろんな仕事に取り組むときに、補助金を当てにいたしますとどうしてもその補助金の規格に合うような計画になってしまう。これについて、地方の方が非常に地域の実情に合わないようなものでも補助金をもらうということを最優先に考えると、どうしてもそういうことにならざるを得ないので、何かそこのところは、やはり地方の方がいろいろ創意工夫を凝らせるような仕組みというのを拡充すべきであるというのがかねてからの地方の関係者からの強い期待でございました。私どもも、そういうことをこの地方財政の世界で何とか拡大をすべきであるというふうに考えてまいりました。
 そういう基本的な考え方のもとに、毎年度の地方財政計画を組んできておるわけでございますが、その間、特に公共投資基本計画のような大きな計画がつくられます際に、やはりどうしても住民に身近な社会資本整備というのは地方団体が主体となって行う必要があると。そのときでも、補助事業ばかりではなくて、きめの細かい配慮をできるような単独事業というのもそういう中で一定の役割を果たすべきであるというふうなことから、この間において単独事業の拡充をずっと図ってきたというのが事実でございまして、いわば地方分権を進めていくという意味でも、地方の方がいろんな工夫を凝らしながら主体的に取り組めるような事業を拡充しようということが基本にあったことがこの一番大きな増加の要因でございます。
 この単独事業を行います場合の財源は、年の中途で例えば景気対策で追加をするといったようなときにはもちろん地方債が大半になりますけれども、年度の当初から行いますような単独事業というのは基本的には地方債と一般財源の組み合わせで行うわけでございまして、平均いたしますと、景気対策を行うようなものを除きますと、大体全体の事業費のうち三割ぐらいが地方債で残りが一般財源という形でやってきたというのが主体でございます。
 ただ、先ほど委員も御指摘になりましたように、非常に過去の債務の残高が大きくなってきて公債費の負担が大きくなってきたということから、財政の健全化をしなくてはいけないということで、近年はこの単独事業の枠についても抑制的な取り扱いをいたしておりまして、平成九年度、今年度になりますが、九年度の場合には八年度に対して前年同額と。したがって、消費税のアップ分は実質的にマイナスというふうな形で九年度の地財計画を組みましたし、十年度は、先ほど大臣から御答弁がございましたように、マイナス四%ということで組んでおりまして、そういう意味では全体のやはり財政状況をよくにらみながら、単独事業の枠の設定といいますか額をどうするかということも、そういう要素を十分加味しながら決めていく必要があるというふうに私ども考えております。
#31
○谷川秀善君 おっしゃるとおり、単独事業ですと補助事業と違って余り制約はないですね。だから、一時、バブル華やかなりしころは地方は相当財政にゆとりがあったんですね。大阪府でも、私が副知事をいたしておりましたときは相当ピークで、平成三年ぐらいはもう一兆五千億ぐらい税収がございましたからね。今は一兆そこそこで、三分の一ぐらい減っているわけですね。そういうときには大いに単独事業もいろいろやったらいいと思うんです。そのツケが、大臣が今もおっしゃったように公債費の償還ということで回ってきていますので、そろそろこの辺でどこかである程度歯どめをかけないと、また景気がよくなって税収が上がるようになればまた大いに地方のニーズに応じたような事業をどんどんおやりいただければいいと思いますが、そろそろちょっと歯どめが必要ではないかなというふうに思います。
 それと、勧告なんかでも新しい財源を地方は探しなさいと。ところが、なかなか新しい財源というのは非常に難しいと思いますよ。Aという市で税金がかかって、Bという市では税金がかからないというような税目があったら、これはBという市に行こうかなというようなことになると思います。そういうこともございますので、今、法定外普通税、都道府県でどれぐらいやられておって、市町村でどれぐらいやられておって、その税額は総トータルでどれぐらいでございましょうか。
#32
○政府委員(成瀬宣孝君) 法定外普通税を課税しております団体数は、都道府県で十四団体、市町村で六団体の合計二十団体となっております。
 その税収額は、平成八年度決算で見てみますと、都道府県で二百二十億円でありまして、内訳は核燃料税百九十二億円、核燃料物質等取扱税十九億円、石油価格調整税九億円となっております。また、市町村では六億円の税収でございまして、内訳は別荘等所有税が四億円、砂利採取税等が二億円となっておりまして、都道府県と市町村を合わせますと合計で二百二十六億円となっております。
#33
○谷川秀善君 今御説明いただきましたように、核燃料税にしても非常に特異というか特殊ですね、市町村の場合はもう砂利と別荘だけです。なるほど、大体一般的なものじゃないです。そういう意味からいいますと、いわゆる税源を別途探すというのは非常に難しい。これ、三千三百で二十団体ですから、しかも非常に特異なものです。
 それで、大阪府も昔はいわゆる超過課税というのをやっていたんですよ。これは非常に議論になったんですけれども、今はもう超過課税は廃止したのかどうかわかりません、私のときはまだ超過課税があった。だから、黒字の団体、会社なんかに余分に税率を負担してもらう。これでも景気が悪くなると、これはもう廃止してもらいたいというのは、それは当然だろうというふうに思いますので、この税源というのはなかなか地方公共団体独自では、努力はしなきゃいかぬと思いますが、非常に探しにくい分野ではないかというふうに思いますので、できれば何とか国と地方の税の配分のところにやっぱり力を入れていただかないと、なかなか独自の税目を新たに、これは地方は地方で議会を通さなければいけませんから、なかなか議会を通りにくいんではないかというふうに思っているところであります。
 今回の改正で自動車取得税及び軽油引取税の暫定税率を五年間延長することにしております。これはこれで大分助かると思いますが、地方道路財源についてもなお一層の充実が必要ではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
#34
○国務大臣(上杉光弘君) 前段からお答えをいたしますが、地方税源の確保につきましては、これは地方分権推進委員会の第二次の勧告でこうしておるわけです。もう委員御承知のとおりだと思いますが、「国と地方公共団体との役割分担を踏まえつつ、中長期的に、国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら、地方税の充実確保を図っていく必要がある。」、そういうふうに基本的な方向を示しておるわけで、委員の御指摘のとおりでございます。
 今後、この地方分権推進委員会の勧告を踏まえまして、所得、消費、資産の間におけるバランスのとれた地方税体系や、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系の構築などにも努めてまいりまして、地方の税財源の充実確保を図っていかなければならない、このように考えておるわけでございます。
 そのような意味からいたしますと、この税収の安定性に備えた地方税体系の構築というのは、言葉では言いましても非常に難しいものだと思うんですが、平成十年度におきましては事業税の外形標準課税の問題について専門的に今検討を進めていくことといたしておるところでございます。
 赤字の会社からは税収がないという今日の実態等も踏まえ、この外形標準課税というものの問題については、広く浅くという意味では非常に合理的な税だと私は思っておりますが、そういう意味での地方税の安定収入といいますか、税収の安定的確保といいますか、そういう意味では今検討を進めていくことに自治省としても踏み切ったわけでございまして、この点については今後の対応というものを見守っていただきたい。我々も、大方の納得が得られますように十分各階層の御意見も聞いた上で対応していかなければならない。どんなに財政が苦しくとも社会資本の整備はしていかなければなりません。赤字の企業でありましても事業でありましても行政サービスというものはいたしておるわけでありまして、そのような観点からの対応をいたそうと、こうしておるわけでございます。
 それから、次のお尋ねでございますが、現行の自動車取得税及び軽油引取税の暫定税率等の期限については、御案内のとおり、第十一次道路整備五カ年計画、五年から九年度まででございますが、この期間を勘案いたしまして平成十年三月三十一日までとなっております。今回の改正におきまして、地方道の整備状況あるいは新たな道路整備五カ年計画、十年度から十四年度の策定状況等も十分踏まえまして、現行の暫定税率等の適用期限を五年延長することにいたしたものでございます。
 地方道整備のため目的財源につきましては今後とも、立ちおくれておる地方道というのは実態的にあるわけでございますから、この地方道の整備、その実情というものを十分見きわめ、またこの道路整備事業を行うことに対する事業費の増嵩等の動向を見きわめながら、実情に即して対応ができるように検討してまいりたいと考えております。
#35
○谷川秀善君 どうぞよろしくお願いをいたします。
 軽油引取税というのは大臣も今おっしゃったように地方の貴重な道路財源になっているわけです。最近、この軽油引取税について脱税が行われているということをよく耳にするわけでございますが、今回の改正で免税軽油の取り扱い等につきまして報告義務制度を創設するとされているように聞いておりますが、その趣旨と効果はいかがなものでございましょうか。
#36
○政府委員(成瀬宣孝君) 軽油引取税につきましては、お話にもございましたように、道路目的財源でございますので、船舶の動力源として用いられる場合や、あるいは農業用機械の動力源として用いられる場合など、道路の使用に直接関係を持たない特定の用途に供されます軽油の引き取りにつきましては課税を免除することとされております。この免税軽油を使用する者は、課税庁から交付を受けました免税証を販売業者に提出することによりまして、軽油を免税価格で購入できるという仕組みになっています。
 ところで、この軽油引取税の脱税事案といたしましては、免税軽油を用途外に使用するでありますとか、あるいは他人へ譲渡してしまうといったケースに加えまして、近年、この免税軽油の使用者が、虚偽申請によりまして課税庁から交付を受けた免税証を金券として石油製品等の代金決済に使用するという免税制度を悪用した事案が発生いたしております。
 こうした状況にかんがみまして、課税庁として、免税軽油の使用状況などを的確に把握することが必要不可欠と考えられますことから、このたび、この免税軽油の引き取り等に係ります報告義務制度を創設することとしたものでございます。この制度が創設されますと、課税庁にとりましては、免税軽油の引き取り数量、あるいは免税機械ごとの使用状況などについて、より詳細な把握が可能となります。
 一方、免税軽油を使う者にとりましては、免税機械ごとの軽油の使用状況などを原則として毎月課税庁に報告する必要が生じることによりまして、免税証、免税軽油とも不正使用が極めて困難になることなどによりまして、免税制度の運用の補完を図る意味で、この報告義務制度の創設は大きな効果が期待されるものと考えております。
#37
○谷川秀善君 どうぞよろしくお願いします。
 今、地方財源の充実策としては、大臣おっしゃいました外形標準化、これはそのとおりだと思うんです。赤字の会社でもそれは下水も使えば水道も使う、何でも、道路も使うということですから、これは大いに検討をしていくべきものだろうというふうに思いますが、事務的に今どの辺まで検討が進んでおられるのか、答えられる範囲で結構でございますからお答え願います。
#38
○国務大臣(上杉光弘君) 事業税につきましては、従来より、事業が地方団体から受ける行政サービスに必要な経費について分担すべきである、この考え方に基づきまして、事業の規模や活動量を示す外形基準により課税することが望ましいとされております。
 地方法人課税の今後のあり方につきましてどこまで進んでおるか、こういうことでございますが、昨年末の政府税制調査会の答申におきまして、「地方の法人課税については、平成十年度において、事業税の外形標準課税の課題を中心に総合的な検討を進めることが必要」、このようにされておるわけでございます。今後、政府税制調査会等の場において検討を進めることになっておるわけでございます。これはそのまま検討が進むものと思っております。
 事業税への外形基準の導入についてでございますが、具体的な外形基準のあり方や税負担の変動など、なお検討すべき課題も多くあるわけでございまして、都道府県の税収の安定化に資する等の意義があることから、自治省といたしましては、その実現に向けて努力を重ねてまいりたい所存でございます。今後、政府税制調査会等の場で、広く各階層に御議論をいただきまして、先ほども申し上げましたように、国民の大方の納得が得られるようさらに検討を進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
 なお、この問題につきましては、おおむね、一体どこまで進んでおるか、こういうことでありましたから、本年末までの税制改正の検討において取り組まれるべきものではないか、このように考えておるところでございます。
#39
○谷川秀善君 これは、地方、特に府県にとって大変期待されているところだろうと思います。いろいろ反対の意見もあることは聞いておりますが、ぜひ精力的に御論議を進めていただいて、一日も早く大方の納得が得られますように御努力を賜りますようにお願いを申し上げておきます。
 介護保険法が成立をいたしまして、平成十二年度から介護保険が実施されるわけでありますが、これの事業主体は、大臣も御存じのように市町村であります。これから二年間、この実施に向けましていろいろと市町村、また府県もお手伝いをして準備をしていかなければならないわけでございますが、施設の整備だとかマンパワー、いろいろやらなきゃならぬ問題がたくさんあろうと思います。しかし、市町村の皆さん方にお話を聞きますと、やっぱり財源が、財政問題が大変なことになるのではないかという心配をされておられます。
 それで、これは第二の国保になったらえらいこっちゃなという話も時々出るわけでございますが、これは第二の国保にならないようにどのように自治省として御指導をされておられるのでしょうか。
#40
○政府委員(二橋正弘君) この介護保険制度につきましては、制度の安定的な運営を図るために保険者は市町村になっておりますが、その上で、国、都道府県、医療保険者等がそれぞれの役割に応じて、保険者であります市町村を重層的に支え合う仕組みにいたしておるところでございます。
 具体的には、財政安定化基金を都道府県に設置いたしまして、高齢者によります保険料、いわゆる第一号保険料の未納の赤字の二分の一を補てんいたしますとともに、給付費増等による赤字について無利子の貸し付けを行うこと、それから、二号保険料についてと公費負担について、いわゆる精算方式を完全に行うこと、それから、複数の市町村が第一号保険料を統一して相互に財政調整を行う市町村相互安定化事業を行う際に、保険料基準の提示などを都道府県が行うという形の調整をするといったようなこと、それから、市町村からの委託に応じまして要介護認定に係る審査判定業務を都道府県が実施する等のいろんな措置を講じておるところでございます。
 今後とも、介護保険制度に関しまして、市町村行財政運営への影響も含めて、制度が円滑に実施されますように、市町村の意見を聞かせていただきながら、我々としても適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#41
○谷川秀善君 これは厚生省に聞かなければならないだろうと思いますが、この介護保険を本当にスムーズに進めていくためには、やっぱり在宅介護、在宅介護がちょっと抜けているわけです。在宅介護に力を入れないと、これは財政的にも施設的にもパンクするんじゃないかなという心配を私はしているわけです。やっぱり子供が親を見るという視点を何とかしないと、この介護保険制度というのは、将来本当に、社会でみんなで支えるということもこれは大事です。大事ですけれども、やっぱり家でお父ちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんを見たいという人にとっては、家で見てもらうということが私はやっぱり一番大事だろう。この辺にやっぱり力を入れないと、なかなかこの制度が、施設とマンパワーだけでいいんだということにはならないんじゃないかなという感じはいたしますが、大臣、家庭で見るという視点についてどうお考えでございましょうか。
#42
○国務大臣(上杉光弘君) 介護保険法が成立したばかりでございまして、ある意味では御指摘のような点があるかもしれません。
 私は、もっと心配しているのは、介護保険法を受けて行政がこれを効果的にやるためにまあ村だとか小さいところは単独でできないところがたくさんあるんじゃないかという心配があるわけです。
 そういう場合の対応としては広域行政という一つの手法はあるにいたしましても、そういうものがスムーズに近隣市町村と連携をとってできるように、満遍なく介護保険法の目的が果たされるような行政の受けとめというか対応といいますか、そういうものがまずできることが大変大切であり、そういう上で一つの実績というか経験を踏まえた形の中で、またそういう落ち度があったり、改めなければならぬことがあれば、それはこの経験を積み上げた中でそれは対応せられるべきものではないか、このように考えております。
#43
○谷川秀善君 これからは恐らく介護保険法を適正に実施するということが市町村、地方自治体にとって大変な大きな事業に私はなっていくと思います。もうだんだん高齢化が進んでいく、少子化も進んでいくということだろうと思いますので、だからやっぱりそういうことがちゃんとできるような御指導を自治省としても十分、今大臣がおっしゃったように広域化をしなきゃいかぬところは広域化をしなきゃいかぬでしょうし、そういうことがスムーズに進められるような方策をどうぞよろしく御指導賜りたいと思います。
 まだ時間ちょっとありますから、最後に大臣に、これからは本当に地方の時代、本当に地方分権をどんどんと進めていかなきゃいかぬと。これはもうなかなか言うはやすし行うは非常に難しいという問題がいろいろと山積していると思います。しかし、二十一世紀に向けて本当の意味で地方分権を進めていく上には、やっぱり強力なある意味の地方は地方で行政改革をやり、財政改革をやっていかなきゃいかぬと思いますが、やっぱりある程度強力なリーダーシップがないとなかなか前へ進んでいかないんじゃないかなというふうに思っておるところでございます。
 どうぞ、大臣、この地方分権の推進に向けて決意を、大臣のお気持ちをお伺いして質問を終わります。
#44
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、財政の問題もありますが、地方行政改革、地方の財政構造の改革、そして地方分権推進というのはもう一体的なものだと、こう思っておりますが、その場合、分権にどんどん取り組んでいくことに変わりありませんが、分権を推進するに当たり私は幾つかの問題意識を持っております、
 それは、事務ベースと事業ベースの分権という問題があると思うんです。事業ベースになればこれは各省庁との話し合いが当然出てきます。そこも踏み込んだものとしてこの大改革ということになるのか、あるいはそれをなだらかな状況にするのか、今までどおりかという問題もあるが、今までどおりでは相済まぬだろうと。だから、事業ベースと事務的なベースとの踏み込み方というものが一つあると思います。
 これを積極的に進めるとするなれば、私は今度はこの市町村行政を含めた地方団体の皆さんの決断が迫られる、選択が迫られると。
 その一つは、合併という行政体制の整備でいくのか、あるいは広域行政というあくまで合併はだめよということで、一つにはならぬよということで神よしに手をつないでという形の広域行政でいくのかという問題、これは分権が進めば進むほど、私は、まだせっぱ詰まった状況が全国に一つのムードとして空気としてございませんが、分権を進めていけば必ずそこへ行き当たる、そのときに自主的な判断、自立的な判断、将来の展望も含めて地方行政というものが判断をして、選択を迫られる問題が必ずあると。
 それからもう一つは、地方分権という事態を受けて、県という行政、都道府県と言った方がいいでしょうか、という行政がこれまでのように市町村合併というものを黙って見ておいていいかということについては、私はこれは基本的に違ってくるだろうと。地方分権推進を受けて、それでは都道府県という立場での果たすべき役割というものは、一番市町村の実態を知った上での役割がそこに一つあるんではないかと、こう思います。
 国の立場でいけば、分権というものを安心して移譲する、お任せしますよと、安心してお任せするという体制をおつくりいただかなければならないだろうと。それはお互いの信頼関係、お互いの理解し合う関係においてそういうものが連動した形ででき上がっていきませんと、実効ある分権の推進というものにはならないのではないか。私はその二つの問題意識を持っておるところでございます。
#45
○谷川秀善君 どうもありがとうございました。終わります。
    ―――――――――――――
#46
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩永浩美君が委員を辞任され、その補欠として保坂三蔵君が選任されました。
    ―――――――――――――
#47
○朝日俊弘君 民友連の朝日でございます。
 私は、一昨日の本会議における私の質問とそれに対する大臣の答弁を踏まえた上で、幾つか質問を準備させていただいておりました。
 しかし、質問に入ります前に、どうしても伺っておきたい点がございます。それは何かといいますと、けさの新聞を見まして、私は少々きょうの質問をする元気がなくなってきました。
 といいますのは、もう皆さんもよく御存じだと思いますが、自民、社民、さきがけの与党三党は二十六日、ついきのうですね、総合経済対策基本方針というのを決めたと。これを受けて、政府は九八年度の当初予算成立後、直ちに補正予算を編成し、五月中の成立を目指すと、こういう記事が出ておるわけであります。また、ほかの新聞では、大型所得税減税へ財革法改正、橋本首相は路線転換表明へと、財政構造改革法に弾力条項を設けるなど、今国会中の実現を目指すと、こういうふうにあるわけであります。
 ところで、きのうこの委員会でいろいろるる御説明いただいた地方財政計画等々は実は全然このトーンと違うわけであります。むしろ、きのう大臣も地方財政計画の中で御説明いただいたように、平成十年度の地方財政計画は、財政構造改革の推進に関する特別措置法等を踏まえ、歳出面において経費全般にわたる徹底した節減合理化により地方一般歳出を抑制する、こういう基本的なお考えを御説明いただきました。
 このきのう御説明いただいた地方財政計画とそれからけさの新聞とを一体どう考えたらいいのでしょうか。そもそもまだ参議院において来年度の予算が現在審議中であるというところでこういう方針を出してくるということ自体、大いに問題だと私は指摘せざるを得ませんが、とりわけここは地方行政の委員会でありますから、特に私がお尋ねしたいのは、このような方針が例えばこの五月に出されてくるとすると、きのうお伺いした話、あるいはきょう審議している話は一体どうなるんでしょう。全くむだになるんじゃないでしょうか。ある意味で財政構造改革法に沿ったさまざまな地方財政計画の項目はがらっと変えなけりゃいけなくなるんじゃないでしょうか。そうなった場合には、きのうお示しになった地方財政計画の中身というのは一体どうされるのでしょうか。この点は、私たちが非常に戸惑うだけではなくて、同時に地方公共団体の関係者の皆さんも大いに戸惑っておられるだろうと思います。
 まず、きょうは質問に入ります前に、この点について大臣がどういうふうにお考えなのかをぜひお聞かせいただいた上で、納得できればその後の質問に入りたいと私は思います。
#48
○国務大臣(上杉光弘君) きのう、けさの新聞で報道されたことは御案内のとおりでございます。
 この点につきましては、けさも閣僚会議がございましたが、閣僚会議が始まります前に経済閣僚対策会議がございました。これは与党三党含めてのものでございましたが、その場で正式に私どもは、初めて与党三党を代表して山崎政調会長から与党としてこういうことを取りまとめたことの御報告を聞いたわけでございます。
 それに対して総理からの発言が閣議でございました。その発言は、前段は省きますが、関連のところで申し上げますと、与党が今般、現下の我が国経済の状況は極めて厳しいとの認識のもとで新たな対策を正式に御提案されたことを重く受けとめさせていただく。政府としても、厳しい経済の現況から一日も早く抜け出す必要があるとの考え方を与党と共有しており、諸般の情勢を見極めて政府としての対応について結論を出してまいりたい、こういうことでございました。
 ですから、きょうは閣議においては、九時から予算委員会も始まるという予定もありますし、議論の余地は全くありませんでした。このことについての閣議においても閣僚懇談会においても議論が激しくやられたということでもなかったわけでございます。
 さような前提を置いてお答えいたしますが、今回の対策はあくまで与党の決定でございまして、政府としては与党の案としてこれを受けとめ、しっかり勉強をいたさなければならぬと考えております。特に、仮定の話で申し上げるわけにはまいらぬと思いますけれども、地方財政も無縁ではないという認識に立てば、地方財政がこの厳しい折、さらに勉強をしっかりしなければならぬと考えておるところでございます。まず何よりも、一日も早く十年度予算及び地方税法、地方交付税法の関連法案の成立に向けて全力を私は尽くしていくべきものと考えております。この点についてはそのような姿勢以外にはございません。したがって、きのう説明したとおり、お願いをいたしたとおりでございます。
 いずれにいたしましても、極めて厳しい地方財政の状況を十分踏まえまして、地方財政の運営に支障が生じることのないように対処していかなければならないものとかたい決意を込めて私は考えておるところでございます。
#49
○朝日俊弘君 どうも納得がいきませんが、じゃ質問の仕方を変えてみましょう。
 もし仮に、けさの新聞報道のような形でのさまざまな例えば財政構造改革法の改正とか、あるいは新たな経済総合対策というものを出されるということになれば、きのう御説明いただいた地方財政計画の中身と相当に変わってくることは間違いないと思いますが、その場合には地方財政計画そのものをつくり直すのでしょうか。
#50
○国務大臣(上杉光弘君) 政府・与党からは十六兆円という数字が示されたわけでありますけれども、この提案というものをどう受けて、橋本内閣でどういう形で、ぎりぎり今まで取り組んできましたこと等も十分視野の中に入れなければならぬわけでありまして、これまでの財革法等との整合性の問題、それらも含めて今後検討はされると思いますが、それらを見た上でどういうふうにするかということについては判断をしなければならないと考えておるわけでございまして、今の段階でどうだということにはまいらぬだろうと。私どもは先ほどお答えしましたとおりの方針、基本的な考え方で臨んでいくというただいまの立場はそれにも変わりはないわけでございます。
 政府・与党と言いましたが、与党だけで提案をされたことであります。政府は入っておりませんので、謹んで訂正をさせていただきます。
#51
○朝日俊弘君 新聞報道だけを根拠にこれ以上あれこれ申し上げても議論は進みませんから、本来用意した質問の方に入りたいと思いますが、このような形でもし仮に国の経済政策あるいは地方財政の政策の路線を転換するということなのであれば、改めて地方財政計画そのものの中身についても十分見直しをし、それに基づいてさまざまな対策を講じないと、一番困るのは自治体ではないかというふうに思いますから、この点についてはぜひ十分念頭に置いた上での今後の検討をお願いしておきたいというふうに思います。
 それでは、ちょっとこの分で時間をとってしまったので、用意した質問を十分順番どおりできないかもしれませんが、まず大臣にお伺いいたします。
 一昨日の大臣のお答えの中で、その後も考え直してみたんですが、どうも腑に落ちない点があります。その点に関して改めて大臣の答弁を求めたいと思います。それは、現在提案されております地方交付税法の一部を改正する法律案、この中身はこれまでにも実施されてきたいわゆる単年度の特例措置というものではなくて、今ほど問題となりました財政構造改革法に基づく集中改革期間、つまり来年度から三カ年にわたる改正というふうにされている点であります。
 一昨日の答弁では、大臣は胸を張って、原則として、財源不足のうち地方交付税の増額により補てんすべき部分については国と地方が折半して補てんする等の制度改正を行うこととしたというふうに述べられました。果たして、これが本来の意味で制度改正と言えるのでしょうか。私の理解では、地方交付税法第六条の三第二項の規定は、そこにも述べられているような事態に立ち至った場合には、いわば構造的に地方財源の不足が生じているとの認識に立って、例えば新しい地方財源を求めるとか、例えば現行の交付税率を引き上げる等、そうすることによって恒久的にといいますか、あるいは抜本的にといいますか、地方財源が安定的に確保できるような制度改正を本来法は求めているのではないでしょうか。もし、私の理解が間違っているのなら、その点を率直に御指摘いただきたいと思います。
 提案されている中身は、財源不足をいわば前提として認めた上で、この三年間は不足分を国と地方が折半して負担しましょうというルールを定める内容になっております。
 これでは本来法の求めている趣旨に合致していないのではないか。当然、こういう形でやりますと、この三年間の集中改革期間が過ぎた後、平成十三年度以降にはその間に積もり積もった借入金の返済が待ち構えている、こういうことになると思います。その上、下手をすれば、この三年間は本来行うべき制度改正のチャンスを放棄してしまうに等しい、言いかえれば今回の改正はみずから自縄自縛の状態に陥らせようとしているというふうに私は思えてならないわけであります。
 もちろん、国及び地方における財政状況が大変厳しいことを十分に承知しつつ、私がここであえてチャンスと申し上げましたのは、ほかでもありません、四次にわたる地方分権推進委員会からの勧告を受けて、いよいよこれから地方分権の推進に向けた具体的な作業に入る、現在はまさにそういう時期にあるわけであります。
 以上、あれこれ申し上げましたが、改めてこの点について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#52
○国務大臣(上杉光弘君) 基本的なことは私からお答えしまして、あと事務方に事務的なものを答弁させたいと思います。
 極めて厳しい地方財政の状況のもとで、地方交付税率の引き上げや恒久的な制度改正が望ましいということは全く同感でございます。委員御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、その一方で、国の財政も深刻な状況にあること、いま一つは財政構造改革法に基づき集中改革期間と定めて国、地方を通ずる財政の健全化を進めていくということにいたしておるわけでございます。
 こういう事情もございますが、こうした状況のもと、集中改革期間、三年間の制度改正を行うこととしたものでございます。この三年間に財政の健全化を進めます一方で、この間における地方税額の中期的な確保を図る視点から三年間の制度改正を行おうとするものでございます。この点については、国との財政の整合性も含め方向づけをいたしたことでございまして、御理解をいただきたいと存じます。
#53
○政府委員(二橋正弘君) 交付税法の六条の三第二項の規定の趣旨についてだけ補足させていただきたいと思いますが、この六条の三第二項の規定は、交付税が一定金額以上不足する事態が続いた場合に制度改正を行うべきであるということを規定したものでございまして、過去、この規定によって制度改正が行われましたのは、昭和五十二年度、五十三年度、それから八、九、それから今回と、こういうことになるわけでございます。
 特に、五十二年から五十三年にかけて初めて制度改正ということがとられたこともございまして、いろいろ国会等でも御議論になりました。その際に、この法律の規定の趣旨をどう考えたらいいのかということが法制局に対して質問がございまして、そのときの、昭和五十三年のときでありますが、法制局の見解は、地方行財政制度の改正というのは、交付税率の引き上げのようないわゆる恒久的な制度改正ももちろん考えられておりますけれども、この六条の三第二項の規定の規定しぶりからもうかがえるように、どういう内容の行財政制度の改正を行うべきかということについては法律は広い選択を許しているというふうに法制局の見解を示された上で、当時も交付税の増額を特例的に行って、その償還を将来一部国の一般会計で負担するということを法律で規定するということもまたこの六条の三第二項で言う地方行財政制度の改正に該当するというふうな考え方が示されておるところでございます。
#54
○朝日俊弘君 ただいまの法制局の見解というか解釈はお伺いしましたが、私はぜひ、いつまでも足らざる分をどうしようかという後始末的というか事後的な対策の制度改正ではなくて、もっと前向きの制度改正をある時点で積極果敢に挑戦すべきだというふうに思っているわけであります。その意味では今回の、地方分権推進委員会から出されて、いよいよ計画を立ててさまざまな法制度改正をやっていこうという時期というのは、非常にある意味でチャンスだったというふうに私は思っているんです。
 ただ、残念なことに財政構造改革法なるものをつくらざるを得ないような状況にぶつかったために、大変苦しいというか、悩ましい状況になっていることは十分承知いたしますが、ぜひその基本的なところについては受けとめていただければ大変ありがたいというふうに思います。
 それでは、残された時間、介護保険の問題について、一昨日大臣から基本的な事項については御答弁をいただきましたので、少し詳細にわたってお尋ねしたいというふうに思います。
 ただ、大分時間を使ってしまいましたので、予定どおりの質問に入れませんので、用意した質問の中から二、三に絞ってお尋ねすることをお許しください。
 一昨日、大臣は介護保険制度の導入準備過程において、さまざまな形で幾つか自治省としても対応策、例えば地方財政計画の中でこういう増員を見込んでいるなどというお答えをいただきました。ただ、そのお答えの中で、どうもよくわからない点というか、納得できない点がございます。
 それは、地方財政計画の中で提示されております介護保険制度の準備に必要な職員の増員にかかわる数字でございます。一昨日の御答弁では、都道府県と市町村に具体的には分けられているようですが、市町村分については千四十六人という増員を想定しているという御答弁がありました。この千四十六という数字がどうもよくわかりません。自治体の数はよく言われるように三千三百あるわけでありまして、残る二千余の自治体は増員しなくてよいという意味ではないでしょうねという点を確認しておきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか、自治省の方から。
#55
○政府委員(二橋正弘君) 十年度の地財計画で、県分と両方合わせまして千百四十人という増員を計画に盛り込んでおります。この内容は、市町村の職員といたしましては、介護認定の準備でありますとか、試行のため、あるいは電算システムの設定のため、あるいはその制度準備のためといったようなことで、それぞれ計算いたしましたものを地方財政のマクロで、今先生御指摘になりましたような数字、県分と合わせますと千百四十人を措置しておるところでございます。
 三千三百の市町村数より少ないではないかということでございますが、この数字は地方財政全体の仕事量を所要人員であらわしたものでございまして、これは標準団体をベースにして算定をいたしていくわけでございます。したがいまして、全団体にもちろん算定はいたします、三千三百団体全部いたしますが、人員という観点からいきますと、例えば小さなところでは電算システムにかえてパッケージソフトの購入をすれば足りるといったようなケースも当然あるわけでございまして、これは一人分の増員をしなくてもできる量でございます。そういうところにつきましても、その標準団体をもとにした需要額の算定はいたします。
 そういうところで、じゃどうするのかということでありますが、実際にはこれからもまた十一年度以降の増員も当然あるわけでありますが、差し当たって、十年度のこういう要素を考えますと、いわば一人分の事務量も出ないような小規模団体の場合には当然これはその間は兼務とかあるいは臨時とかというような形で対応することになると思いますが、交付税の算定の上ではそれは全団体について仕事量に応じた財源措置を行っていくということでございます。それぞれの算定いたしました需要、もちろん各団体でわかりますから、そういったことも考え合わせながら、この準備の仕事に具体にどういう対応の仕方をするかはそれぞれ団体ごとにお考えいただく、こういうことになるわけであります。算定は三千三百団体すべてにいたします。
#56
○朝日俊弘君 算定の仕方について、恐らく、例えば市町村で言えば人口十万あたりを標準団体として、さあどれぐらい業務があってどれぐらい人が要るだろうか、こういう算定をされているのは私は承知しているんですが、例えばある種のペーパーに介護保険制度の準備に必要な職員の増員については都道府県何人、市町村何人というふうに出ますと、その数字の受けとめ方にはさまざまな誤解も生ずる可能性もあるわけで、そこのところはよく趣旨を全国の市町村の皆さんに御理解いただけるように工夫なり努力をいただきたいと思います。
 そこで、今もちょっとお触れになりましたが、私が思うには、平成十年にこれくらい必要になってくるということですが、この二年間、介護保険制度施行までの二年間は従来の制度に基づく業務はこれはこれでそのまま継続をして、例えば老人福祉等について継続をしながらそれに加えて新たな介護保険制度の導入に向けての準備をしなければならないという意味で、その分わかりやすく言えば丸々仕事がふえるのではないか。そういうことを考えますと、この程度の増員を見込むだけで果たして大丈夫なんでしょうか。この点についてはどうお考えでしょうか。
 あわせて、じゃ例えば平成十年はそうするとして、来年度以降どんなふうに考えておられるのか。この点は厚生省にお尋ねした方がいいのかな。
#57
○説明員(高井康行君) 十年度につきましては今財政局長の方からお話しいただいたとおりでございます。十一年度以降につきましても準備のための増員が必要かと思います。現在、必要な事務量につきましての調査を都道府県、市町村に対して行っております。こういう結果も踏まえまして、関係省庁、自治省とも協議を行って、必要な人員が十一年度にも措置されるように我々としても努力していきたいというふうに思っております。
#58
○朝日俊弘君 できるだけ自治体の現状を正確につかんでいただいて、準備が人手が少ないからできないなどということにならないようにぜひ十分な配慮をお願いしておきたいと思います。
 それでは次に、介護保険制度の導入に向けたいわゆる準備作業とあわせて大変重要なことは、先ほどもお話がありましたけれども、介護サービス基盤整備の進捗状況であります。
 つい先日といいますか、三月の十一日ですか、ある新聞に大変興味深い記事が報道されておりました。これはある民間の生命保険会社のシンクタンクが行った調査結果の報告のようですが、簡単に見出し的に言いますと、介護サービスの充実度は、これは全国を調査したようですが、人口の少ない県では充実していて都市圏がおくれている、こういう見出しでありました。それなりに調査結果の報告としては実態をあらわしているのではないかというふうに思いますが、こうした報道があることを含めまして、厚生省は新ゴールドプランの進捗状況をどのように把握しておられるのか、そして残された二年間の重点的な課題は何だというふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#59
○説明員(高井康行君) 御案内のとおり、新ゴールドプランにつきましては、各市町村で必要量を調査した上で目標量として設けておるというものであります。それを積み上げたものが新ゴールドプランになっている、こういうことでございます。
 その進捗状況でございますが、全般的にはおおむね順調でありますけれども、御指摘のとおり、地域によって、あるいはサービスの種類によってその進捗状況に差が生じているという状況がございます。また、サービスの利用状況でも自治体による差が出ている、こういうことでございますので、私どもとしては、こういう整備のおくれているところを重点的に整備を進める、その際には、あいている教室を使うとかいろんな規制緩和を進めるというようなことで、いろんな手法を使うことによって新ゴールドプランの目標を平成十二年度までに達成するようにということで進めていきたいというふうに思っております。
#60
○朝日俊弘君 ちょっと重ねてお尋ねしますが、かなり地域的にあるいは種類的におくれているところ進んでいるところがあるというお話でしたけれども、いよいよゴールがかなり近づいてきているわけで、何とか介護保険制度導入までに当初予定をしたあたりまでたどり着けるというふうにお考えですか。
#61
○説明員(高井康行君) 今申しましたようにサービスの種類によってかなり差がございます。総体的にいきますとおおむね進むわけでございますけれども、サービスの種類ごとに見ていきますとなかなかしんどいものもあるということでございまして、これはそれぞれのサービスの種類ごとに、さらに地域ごとに細かく見ていこう、我々も見ていきますし、都道府県、市町村でもそのように精査してくださいというふうにお願いをして、そしてできるだけ達成したいということでございます。サービスの種類によってはなかなか難しいものがあるのも事実でございます。
#62
○朝日俊弘君 率直であるけれどもやや心配な答弁なんですが、これからいよいよ具体的に準備作業に入っていきますと本気になってくるというところもあると思いますから、多少地域間の差が出てくることはある意味でやむを得ない面があるのかもしれませんけれども、全体のレベルとして決して介護保険制度の導入時期に大変困った事態になるようなことがないように、ぜひ積極的な取り組みをお願いしておきたいと思います。
 それでは最後に、大臣に決意をお聞かせいただきたいと思います。
 先ほど来御指摘もありますように、私はこの介護保険制度の円滑な実施に向けて制度の運営主体となる自治体、とりわけ市町村の皆さんがやる気を持って事に当たっていただかないと大変困ったことになりかねないというふうにやや心配をしております。その意味では、厚生省はもちろんのこと、自治省としても精いっぱいの努力、きめ細かい配慮を惜しんではならないと思います。
 介護保険制度の導入に向けての大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#63
○国務大臣(上杉光弘君) 私は介護保険についてはまだ思いひとしおのものがあるわけですが、国対委員長をいたしておりますときに、衆議院の議論が十分ではないのではないかという心配もありましたし、さまざまな意見等が寄せられておりましたから、参議院で継続審議とすることにいたしました。それは、とりもなおさず、十分な慎重審議、また各階層の御意見等もお聞きした方がいい、こういう思いがあったからでございます。
 そのような意味で、この介護保険制度がより効果的に、また国民生活の上でそれが生かされることを心から念じておるわけでございますが、平成十二年度からこれがスタートするわけでございますが、今後、地方公共団体におきまして介護保険事業計画等の策定及び要介護認定等の事務処理体制の整備などに相当の準備というかエネルギーが必要になると、こう考えておるわけであります。
 このため、平成十年度から地方財政計画上必要な職員の増員を計画的に行うこととしておるほか、先ほど財政局長からもお答えをいたしましたように、増員については、これは何としても交付税措置の中で全体の増員は見る、こういう決断もいたしておるわけでございます。
 市町村における介護保険事業計画及び都道府県における介護保険事業支援計画の策定のための諸経費等について必要な地方財政措置を講じることにいたしておるわけでございます。また、介護サービス基盤の整備、マンパワーの確保等につきましては、先ほどゴールドプランの話が出ましたが、新ゴールドプランに基づきまして円滑に体制整備が進みますように、地方交付税、地方債等により必要な地方財政措置を講じてまいりたいと考えております。
 自治省といたしましては、今後も適切な地方財政措置を講じ、介護保険制度が円滑に実施されますように十分対処してまいりたいと考えております。
 また、介護保険は、市町村の財政負担や、大変今までと違った新たな時代の要請に従ってつくられた制度でもございますから、経験を踏まえた上で、今後の対応というものはその次に出てくる問題ではないか。せっかくつくりましたことが、保険制度あって介護サービスが行政としてないというようなことにならないように十分心がけて対応してまいりたいと考えております。
#64
○朝日俊弘君 ありがとうございました。終わります。
#65
○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺です。
 まず、交付税法関係から質問を申し上げていきたいと思います。
 十年度の地方財政対策と国の一般会計からの、先ほどもお話がありましたが、特例加算等について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
 まず最初に、平成十年度の地方財政対策に基づいて、地方交付税の総額が前年度に比べて二・三%増の十七兆五千百八十九億円、これが確保されたことに対しては、大臣を初め自治省各所の皆さんの労を歩といたします。
 ただ、私は、昨年暮れのこの委員会でも、地方財政対策の折衝の前でしたので、特に激励という言葉はありませんが、皆さんを激励する意味を含めまして実は質問をしました。交付税の所要額は確保、努力の結果、交付税の総額そのものは確保されたとはいえ、相変わらずやっぱり借金ずくめの内容で不満がないわけではありません。
 確かに、国も地方も財政的になかなか大変な時期であることはよく承知をしておりますけれども、大臣が国と地方との関係については車の両輪だとよく言われますが、私もそう思いますけれども、その前に、やはり信頼関係が何事も先ではないか。この信頼関係がなければやっぱり世の中は成り立たないんじゃないかという気がいたします。というのは、国と地方との財政関係においてもこのことは同様であって、その信頼関係の上に立って毎年度地方財政対策の折衝が行われる。その結果、決められた国の一般会計からの地方への特例加算が法律によって明記をされてきた経過もあるわけです。
 ところが、その額そのものも実は大変な額になってまいりました。さきの国会で、私の質問に対して大臣は、加算すべき交付税の額については法律で明記をしているので、加算すべきものはちゃんと加算してもらう、こういう姿勢で財政当局と対応する、対処するとの非常に心強い御答弁をいただいたことを記憶しております。
 それらを含めて、大変な努力はしたとは思いますが、十年度の地方財政対策の結果について、厳しさの中、努力はしましたでしょうけれども、今どのような御認識なりあるいは御見解をお持ちか、まずお聞きをしたいと思うんです。
#66
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘のとおり、私は、法でちゃんと数字まで示した加算額については、加算すべきものはちゃんと加算してもらうべきだと、これが筋だということは答弁で申し上げたとおりでございます。
 結果的に評価はいただくわけでございますが、平成十年度の地方財政対策におきましては、財政構造改革法に基づく地方財政の健全化、それからもう一つは三年連続して地方交付税法第六条の三第二項に該当する状況のもとでの財源不足の補てん措置、そして三つ目には、国も地方も大変厳しい財政状況のもとでの地方交付税総額の確保といった点が大きな課題でございました。特にそうした点を踏まえまして、集中改革期間三年間における地方交付税総額の安定的確保を図るため三年間の税制改正を行うとともに、地方交付税総額につきましても九年度は八年度対比一・七%でございましたが、交付税の二・三%の伸びを確保したところでございます。これらにより、厳しい財政状況のもとではございますが、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう対処することがほぼできたものではないか、このように考えておるところでございます。
 なお、大蔵省との信頼関係についてはしっかり私は保っている、そのように考え、また、この財政改革の厳しい折であっても、対前年度比一・七を二・三にしてもらった、してもらったというよりか押し込んだというのは、国の財政当局の理解はあったと私は考えておるわけでございまして、信頼のないところに理解はないわけでありますから、十分な両省間の相互信頼関係というものはあると、このように認識いたしております。
#67
○渡辺四郎君 当然、信頼の上に立って、そういうことで折衝されておるというふうに思うわけです。
 私が内容的に不満がないわけではないというふうに申し上げたのは、これは大臣でなくて事務局で結構ですが、毎年毎年地方財政対策問題で問題になる法定加算の問題とか、あるいは大臣間での覚書加算の問題とか、こういう特例措置分が大変大きな額となってきたわけです。
 昨年八月に行った自治省の交付税、譲与税の配付金特別会計の十年度の概算要求では、国の一般会計からの特例措置分が一兆三千八百五十八億円に上ったわけです。その額は、十年度の国税正税の定率分の約十五兆五千七百億ですが、これの何と九・五%、普通交付税額の九・五%ぐらいに相当するというふうに私は読むわけです。
 ですから、今も大臣からも、朝日さんからもお話がありましたけれども、交付税法の六条の三の二項問題、これは以前から私は申し上げてまいりましたけれども、法制局の見解、先ほど財政局長も述べておりましたけれども、では、一体いつ六条の三の二項というのは発動ができるのかというような気がして実はなりません。
 私が申し上げたいのは、こういう特例加算額とか、あるいは大臣間の覚書による加算額とか、これを法律で明確にしておるわけです。それを毎年毎年法律を変え、覚書を変えて、繰り延べたりやってきておるということですね。ですから、何のための法律の附則四条の二の二項とか、それから附則四条の二の三項とかというようなことで、金額はずっと何十年かの公示されておりますけれども、これをそのまままた附則を変えて、法律を変えて延ばしていく、こういうことでいった場合にはこれはやっぱり大変な問題も出てくるし、私は、この法律どおりに国が見てもらえれば自治体の財政そのものも非常に解消されるんじゃないかという見方もできるわけです。
 国の財政が大変だということはわかっておりますけれども、一方、自治体では国の政策に精いっぱいやっぱり協力をしておるということも見てもらわなきゃいけないわけです。そういう中で、例えば昨年の場合は加算すべき額が一兆三千百二十七億円ですか、それに対して三千六百億円に値切られたんです。言葉は悪いけれども値切られたと私は言うんですよ。
 ことしの場合も一兆三千八百五十億円が三千億円に値切られたと。この三千億円の問題も、内容を見てみますとまた違った内容があるわけです。その使途というのは、新たな問題として例のたばこ税の問題、いわゆる一円値上げをした、あるいは需要減が出てくるからという影響額で、この三千億円の中の二百億円は、その分の影響額を補てんするということで二百億円がある、あるいは国の負担金の借入金の利子負担の分が六百九億円ですか、そういうものも入れられて三千億円になっておるわけですね。ですから、そういう点から見れば、これをずっと繰り返していった場合には交付税特別会計の借金はなかなか減らない、ずっと繰り延べ繰り延べしていくような格好になってくるものですから。そういう気がしてならないわけです。
 ですから、大臣、特に悪循環というふうに言いたいんですけれども、こういうことを繰り返していった場合、果たして地方財政対策はこれでいいのかという疑問を私自身はここ二、三年感じてきたわけですね。ですから、一部のマスコミでは交付税の特別会計のことを第二の国鉄化と、こう皮肉った見出しで新聞等も報道されておりましたけれども、そういうことで懸念もあるわけですが、こういうことについて大臣そのものが特例措置の対応についてどういう御見解をお持ちか、お聞きしたいと思うんです。
#68
○国務大臣(上杉光弘君) この交付税の法定加算と覚書と二つあるわけでございますが、私は率直に言えば、苦肉の策だ、財政が余りにも厳しい、苦しいためにそうせざるを得なかった、それほど苦しいということではないかと、私はそのように思っておるわけでございます。そういう苦しい状況のもとで、国も国債依存からの脱却を図って財政の健全化を図ろうとする、地方においても、国が国債に依存をいたしておりますれば、交付税をもらいましても地方税で税収を得ましても足らざるものはこの地方債という借金に頼らざるを得ない。今の実態はまさにそうなのでありまして、どっちが先か後かということもありませんが、これはやっぱり国の財政と地方の財政というものが一緒になって整合性を持って財政健全化に取り組まなければ私はなせるわざではなかろうと。地方だけがよくなって国がよくなるということはあり得ません。国がよくてまた地方はどうでもいいという話もこれはた。まったものじゃありません。
 したがって、この交付税がまさに国と地方の財政の凝縮した状態で苦肉の策をとらざるを得ない、それほど厳しいことではないか。一日も早く国は国債からの脱却を図ってもらって、我々が地方財政を運営するに地方債という借金に頼らなくてもいい状態を一日も早くつくらなければならない。そのためにこの関連法案も含めましてこの国会にお願いをいたしておるところでございまして、委員の感じておられるもの、委員の指摘をされるもの、私は地方の出身ですから全く一緒でございます。しかし、この急場をどうしのいでいくかというのも、また私どもが責任ある者の立場として、政府として国、地方を通じた財政というものを健全化に向けて努力をしていかなければならない、そういうことではないかと理解をいたしております。
#69
○渡辺四郎君 大蔵はどういうふうに考えますかね。
#70
○政府委員(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 この問題につきましては、ただいま自治大臣が答弁をされましたと同じような考え方を私ども持っております。基本的に現在の国と地方の財政事情が非常に厳しいということを踏まえながら、国と地方という公経済の車の両輪がバランスをとって財政運営を行うということが基本的に必要であるというふうに考えておりまして、地方財政の運営に支障がないように所要の措置を講じるという考え方の中で平成十年度の地方財政対策に当たったわけでございます。その結果は先ほど先生が御指摘されたとおりでございますけれども、予算編成過程におきまして両省間で議論をした上こういった結論に達したということについて御理解をいただきたいと思います。
#71
○渡辺四郎君 確かに国同士の大蔵と自治省という立場で見た場合は、今、大臣なり大蔵がおっしゃったようなことでいいと思いますけれども、三千三百の自治体の場合を見た場合に、やはり自治体の場合に借金がかさんでいった場合に再建団体に落ち込むわけでしょう。限界があるわけです。償還の期限も短いわけでしょう、国の建設国債六十年から見れば。そういう点から見た場合に、これをずっと続けていった場合に、毎年毎年返還額は膨れていくわけでしょう。
 だから、六条の三の二項という法律の解釈そのもの、法制局がという財政局長のお話がありましたけれども、僕らはどうしてもやっぱり法律そのものの意味といいますか趣旨といいますか、これからいった場合には、もうこんなに続けば補助率を変えるとか何か新たな財源を地方に求めるとかという方向に来ておるんではないかということをきょうは特に強く申し上げておきたいと思うんですよね。
 それじゃ、自治省にお聞きをしますけれども、今度の補正で所得税、個人住民税の関係で地方財政対策を含めて新規の借入金が新たに一兆九千五百億円ふえることになりました。このうち七千五百五十億円が国の特例加算として追加をされましたけれども、この改正案では、十年度の地方交付税の総額に加算することとしていた額から特例加算の一部を十三年度以降に繰り延べたわけですね。最終的に一兆五十五億円を平成十六年度以降の地方交付税に加算することとしているが、結果として十一年度以降の後年度法定加算の総額というのは一体どのくらいになるのか、また、後年度の覚書加算を加えると国の加算の総額は一体幾らになるのかお伺いをしたいと思うんです。
#72
○政府委員(二橋正弘君) 今回の十年度の対策をとりました後で十一年度以降の後年度の法定加算額でございますが、これはまず国負担の借入金の償還に合わせて加算されます法定加算額、これが二兆六千八百五十八億円でございます。その他の法定加算額が五兆八千三百十五億円ということで、法定加算額はこの二つでございます。
 これ以外にいわゆる覚書加算というのがあるわけでございますが、これにつきましては、金利の状況で、要するに後年度利子を国の方で負担をしていただくということになっておりますものはその利子の状況によりまして額が変わってきますので、数字が確定的にはならないわけでありますが、仮に現在の予算の金利二・八%を前提にいたしますと、この加算額が約六兆四千億ぐらいになるんではないかというふうに見込まれるわけでございます。
 したがいまして、先ほどの法定加算額等全部単純に合計いたしますと、約十四兆九千億円ということになるわけでございます。
#73
○渡辺四郎君 今度の改正案で十一年度の法定加算分が四千八百四十九億円。それで、これは明確に法律に規定をされておりますから、これに覚書加算を加えると、十一年度の交付税特別会計の概算要求の特例措置分は、私の計算では大体一兆二、三千億になるんじゃないかという気がします。
 そこで、再三申し上げてまいりましたけれども、先ほども言いましたけれども、これから見ても一兆二、三千億ですから、普通交付税の一割近いわけですね。そういう点から見て、特例加算の額が全額加算をされれば地方財政も非常に安定をしてくるわけです。ですから、大蔵に特にこれは強く求めたいわけです。十一年度の特例加算については、大蔵省はやっぱり誠意を持ってこれに対処する意思があるかどうかということを私はきょうこの委員会で求めたいと思うんですね。これは大蔵大臣にもぜひひとつきようの委員会でそういう非常に厳しい質問があった、要求があったということをお伝え願いたいと思うんです。
 今、財政局長からお話がありましたように、法定加算分だけで約八兆六千億でしょう。それで、覚書加算分で、まあ金利は幾らかわかりませんけれども、約六兆四千億という、そういう巨額な金がやっぱりずっと繰り延べ繰り延べで来ておるわけですけれども、ぜひひとつそこらについて大蔵省の決意をお聞きしたいと思うんです。
#74
○政府委員(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 十一年度の地方交付税の取り扱いについてのお尋ねでございますけれども、財政は、申し上げるまでもなく、その時々の経済情勢に大きく影響されますので、十一年度の国、地方の歳出歳入を取り巻く状況は今わかりません。そういう段階で具体的な対応についてどうするという答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、国、地方ともに財政事情は非常に厳しい状況にございます。さらに、財政構造改革法に基づきまして国も地方も新規の借り入れを縮減することを最優先とするという取り組みをせざるを得ない状況でございます。この状況は御理解をいただきたいと存じます。
 いずれにいたしましても、十一年度の予算編成の過程におきまして、自治省と誠意を持って協議をしてまいりたいと思います。先生の趣旨はよく内部でも伝えたいと存じます。
#75
○渡辺四郎君 僕が言うのは、法律に明記をされておる大臣と大臣の覚書だから、法律を守って、覚書を守ってくれということをひとつぜひ大蔵大臣に強く求めておきたいと思います。
 次に、地方の単独事業問題でちょっとお聞きをしたいわけですけれども、先ほどからお話がありました今度の財政構造改革の中での問題として、確かに地方単独事業四%の減少にとどめておりますけれども、これは、自治省どうでしょうか、現実の地方自治体の平成十年度の予算編成を見ると、財政難で各自治体とも重点事業をかなりやっぱり選別をして事業を絞り込んできておる。それで、投資的経費というのはやっぱり軒並みに削減をしておるというのが実態じゃないかというふうに思うわけです。こういう点について、自治省はどういう見方をされておるかというのが第一点。
 それから、政府としては地方の公共事業にもやっぱり配慮しなきゃいけないというふうに言われておりますが、地方自身が地方財政計画に計上された地方単独事業を消化する体制に果たしてあるかどうか、そういうやっぱり厳しい状況にあるんじゃないかというふうに僕自身は思うわけですが、自治省はどういう見解を持っておるか、お聞きをしたいと思います。
#76
○政府委員(二橋正弘君) 平成十年度の地方財政計画で単独事業はマイナス四%にいたしております。また公共事業関係は、これは地方財政計画の上では公共事業費としては一〇・四%の減になるということでございまして、合わせてマイナス六%になっておるわけでございます。
 各県の予算の状況でありますが、各県が組みました当初予算を速報的にとって集計いたしてみますと、公共事業関係は国の予算なり地方財政計画とほぼ同程度に組まれております。それから単独事業は、計画がマイナス四%でございましたが、各県の方の数字は集計いたしますと七・五%のマイナスということでございまして、計画のマイナス幅を若干上回ったマイナスで編成をいたしております。
 ただ、これは当初段階でございまして、各県六月なり九月なりというところで補正予算を組むというのが大体通例でございまして、県では単独事業の補正予算というのは少ない年でも三千億程度は組まれておるというのが過去の実績でございます。今の七・五%と四・〇%のマイナスの差というのは約二千三百億円ということでございまして、このほかに今知事選挙の関係で骨格予算にしている県が三つばかりございますので、これらのところはこれから単独事業等の政策的経費の追加計上を行うわけでございます。
 全体をそういうことで考えますと、今の当初予算の状況はほぼ国の予算なり地方財政計画の方向に沿ったといいますか、それに近いような形になっておるのではないかというふうに私ども見ておりまして、消化できないんではないかというふうな今のお話でございましたけれども、そういう意味では全体としておおむね国の予算なり地財計画の伸び率に沿った、それに基本的な方向としては合った形になっておるのではないかなというふうに私ども見ております。
#77
○渡辺四郎君 ちょっと方向を変えた質問になるかもしれませんが、市町村合併問題と交付税関係の問題で、自主的市町村合併問題と交付税の関係について、これは今後、少子・高齢化社会が進んでいけば自治体の政策課題というのは大変な状況になってくるんじゃないか。特に市町村関係、町村関係では、果たしてこれから後十分対応できるだろうか。先ほどお話がありました公的介護保険制度についてもそういう心配もされておる向きもあって、財政的には非常にやっぱり環境が厳しい。
 そういう中で、いろいろと自主的な合併問題についても、これは自治省の指導もあっていろいろと議論をされておるわけですが、その中で、何か市町村合併について交付税制度を活用して、これは合併に非常に消極的である市町村について交付税制度を活用して、交付税算定に当たって合併した場合の交付水準に近づける形で交付税を段階的に縮小させるというような考え方もあるというふうに新聞に出ておりました。
 こういうペナルティーまでかけて合併を促進するということについては、私は絶対に許されないと思うんです。これは一自治体の人の話とか、それを聞いてほかのマスコミが取り上げてやっておるわけですけれども、そういう部分について自治省としてはどういう見解を持っておられるか、お聞きをしておきたいと思います。
#78
○政府委員(二橋正弘君) 交付税の制度は、たびたび本委員会でも御説明をいたしておりますように、地方団体が標準的に行うべき仕事、特に各分野で法令で行政の内容なり水準を決めておるというケースが非常に多いわけでございます。そういう決められておる仕事をきちんと果たしていく必要があるという義務を負っている一方で、税源には大きな偏在がございまして、全部税金で賄うような税制を仕組むということはなかなか難しいということがございまして、税だけで必要な財源を確保することができないということから、しかし必要な仕事はしなくてはいけないということで、そのギャップを埋めるために交付税という形でいわば共有財源を確保しているということでございまして、仕事を行うことと財源の保障とがいわば裏腹の関係になっておるわけでございます。
 先ほど来議論になっておりますような介護保険につきましても市町村が全部保険者ということになっておりますから、全国の市町村がそれを行っていく必要があるといういわば義務を法律の上で負っているわけでございます。
 そういうことでありますので、あくまでもそういう標準的な仕事を行っていく上で必要な仕事員を財政需要という形で見込みまして、それからそれぞれの税源の状況をもとにして財政の収入を見込みまして、それによって交付税の算定を行っておりますので、そういう財政需要と財政収入とは関係なしに、小さいから、効率が悪いから交付税を減少させるべきだといったようなことは、これはすべきではないというふうに考えております。また交付税の本来の制度の趣旨にも合わないというふうに考えております。
 一方で、合併について、その合併の障害を除去するために、あるいはその合併の環境を整備していくために財政的に何かを考えるべきではないかと、こういう御議論は常にございまして、そういう意味合いでの財政措置を現在も講じておりますし、これからもそういう角度からの検討はしていく必要があると思っておりますが、いわばそういう財政需要とか財政収入に関係なくそういう交付税を減少させるといったようなことはすべきではないというのは、また、交付税制度はそういうことは想定していないということは、私どもそういうふうに考えております。
#79
○渡辺四郎君 以上で交付税関係を終わりまして、あと地方税法の方にちょっと切りかえてみたいと思うんです。
 昨年の七月の地方分権推進委員会の第二次勧告でも出されておりましたように、地方自治体の課税自主権の拡大問題、それと関連をして、今度の税制改正において、地方分権関係の勧告のうち、例えば先ほどもちょっとお話がありましたが、法定外普通税の許可制度の見直しとか、さらには、住民の受益と負担の関係を明確にするようにという観点から、新しく法定外目的税の創設をするといったような課題についてどのように取り扱われてきたか、経過がわかれば御説明願いたいと思うんです。
#80
○政府委員(成瀬宣孝君) 昨年の第二次勧告では、地方公共団体の課税自主権を拡大することにつきまして勧告がなされておりますが、この勧告に盛り込まれた項目につきましては、今回の地方税法改正案を初めといたしまして順次法律改正の措置を講じてまいることといたしております。
 今回の改正案におきましては、道府県民税所得割や不動産取得税などにつきまして標準税率を採用しない場合における自治大臣への事前の届け出制を廃止することとしております。また、個人の市町村民税の制限税率につきましても、住民みずからがみずからの負担を決定する性格が強いこと、あるいは個人道府県民税には制限税率がないことなどの均衡を考慮いたしましてこの制限税率を廃止することとしております。
 お尋ねの法定外普通税の許可制度を廃止し、国との事前協議制とする見直しや法定外目的税の創設などについては、今後予定されております地方自治法の改正を受けて措置することとしております。
#81
○渡辺四郎君 その自主財源の拡大に関連をして、先ほどもちょっと出しましたが、たばこ税の関係で、確かに今回のたばこについて、国鉄問題あるいは林野の問題の累積債務を解消するためのということでああいうスキームが組まれました。そのことについては理解ができますが、たばこ税については、従来、国と地方が折半をする、そして国のたばこ税の二五%が地方交付税として地方の財源になるということがこれはルール化してきておったわけですね。そういう中での問題として、結果的にこの一円分だけは全く地方は関係なく国税ということになるわけです。ですから、そういう点では、私は、地方財源の充実確保をうたわれておる現在、政府税調の中ではどういう議論がなされたか、自治省がお聞きをしておれば伺いたいと思うんです。
#82
○政府委員(成瀬宣孝君) たばこ関係税は、昭和二十九年度の地方たばこ税の創設以来、国と地方が共通の税源を分け合っているものでありまして、地方にとっては偏在性の少ない貴重な税源でございます。また、このたばこ関係税に占めます国税と地方税の割合は半々とされてきたところでありまして、この税は地方税源としても極めて重要な大切なものというふうに思っております。
 今回のたばこ特別税は、先送りの許されない課題でございます国鉄長期債務及び国有林野の累積債務につきまして財政構造改革会議で取りまとめられました処理方策の一環をなす臨時異例の措置としてその創設が図られることとなったものでございます。
 こうした中、政府税制調査会におきましても、たばこ特別税が創設されましても、それは臨時異例の措置であり、これまでの国と地方のたばこ税の関係を基本的には変更するものではないこと、ただ、結果として製造たばこに対します全体的な税財源配分が国に偏った形のものとなりますことを踏まえ、今後、地方税源の充実確保を図ることが必要であるといった議論が税制調査会の中でもなされたところでございます。
 自治省としましては、こうした議論を踏まえながら、今後の税制改正等に当たりましては、国と地方の役割分担に応じた地方税財源の充実確保が図られるよう十分努力してまいりたいと考えております。
#83
○渡辺四郎君 次に、地方法人課税の見直し問題で、十年度の法人課税の改正で基本税率が三%、法人事業税の基本税率が一%それぞれ引き下げになりました。課税ベースの拡大を行ったものの最終的には実質減税ということで決着がついたと思います。九年度の税制改正時の議論以来、法人課税の見直しは課税ベースの拡大と税率の引き下げを同時に行って税収ニュートラルの改正というのが国税を含めた税務当局のお考えのように伺っていましたけれども、その後、確かに景気対策問題等もあっていろいろ議論があったようですけれども、結果的には実質減税となってきたわけです。ですから、そういうふうになってきた経過について、そういう経緯がわかれば少しお聞かせ願いたいと思うんです。
#84
○政府委員(成瀬宣孝君) 平成十年度の税制改正におきましては、法人課税の見直しが大変大きな焦点の一つとなりまして、昨年末の税制調査会におきましては、法人所得課税の実効税率を引き下げることにより、企業活力や産業の国際競争力に配意するという観点から、国税とともに地方税におきましても課税ベースの適正化を勘案しつつ法人事業税の税率を引き下げることが適当であるとの答申がなされたところであります。また、この議論の中では、現在の厳しい経済状況にかんがみまして、国、地方を通じた法人の税負担をさらに軽減していくべきではないかという強い意見も調査会の中であったところです。
 このような議論を踏まえまして、今回の税制改正では法人税におきましていわゆる実質減税を行うこととされていますが、同時に、地方の法人課税におきましても国税と同様応分の実質減税をすることとしたものであります。
 もとより税収を確保するという観点をとり重視すれば、いわゆる税収中立にするという考え方ももちろんございますけれども、企業活力や国際競争力への配慮、さらには現下の厳しい経済状況にもかんがみ今回の改正案になったことを御理解いただきたいと考えております。
#85
○渡辺四郎君 法人税率問題で日本の法人税が高いんだというようなことがよく言われる。確かに高いわけですが、その中で、特に地方の法人事業税、これは各国の地方税と比較すると非常に高いとこのごろ言われております。
 そこで、我が国の法人課税全体をそのことによって重くしておる、地方のいわゆる法人事業税が高いから全体を重くしておるというようなことをよく聞くわけですけれども、諸外国と比較をして我が国の地方の法人課税の位置づけといいますか、あるいは意義といいますか、そういう問題については諸外国と違った役割があるんだという点があればお聞かせ願いたいと思うんです。
#86
○政府委員(成瀬宣孝君) お尋ねにありましたように、我が国の法人課税が高い理由の一つとして地方の法人課税が高いとの御指摘があり、確かに法人の所得に対する表面税率を比較した場合には、我が国の負担水準はドイツを除く主要先進諸国よりも高くなっているとの統計データもございます。
 ただ、これはあくまでも法人の所得に対する実効税率を示すものでありまして、必ずしも法人に対する税負担全体の水準をあらわすものではございません。例えば、フランスで企業にかけられております職業税、これなどは企業に対して課せられる税でありましても所得に対する税ではございませんので、この国際比較の統計の中には含まれておりません。
 したがいまして、我が国の法人事業税につきましても、現在論議されております外形基準の導入がなされればその部分は所得に対する課税ではなくなりますのでこの統計からは除かれることとなり、結果として実効税率も下がっていくことになると思われます。現在行われております我が国と諸外国との実効税率の比較にはこのような面があることも考慮する必要があるというふうに考えております。
 このほか、我が国の地方法人課税につきましては、日本の地方団体はインフラ整備を含むさまざまな分野にわたりまして大きな役割を果たしており、法人も受益を受けます事業をたくさん行っていること、こうした地方団体の役割に見合って我が国の地方税の総額は主要先進国の中ではアメリカに次いで大きく、イギリス、フランスの国税、地方税を合わせた税収総額に匹敵する規模となっておりまして、税源をある程度は法人に依存せざるを得ない構造になっておりますことなどから、平成八年十一月の政府税制調査会法人課税小委員会の報告の中でも、「現在の日本の地方の法人課税の地位には、地方団体が果たしている役割や歳出構造等からみて相応の理由があるのではないかと考える。」とされているところでもございます。
#87
○渡辺四郎君 ちょっと時間が迫ってきましたから、一つ法案とは全く関係ないことで私の私見を少し述べてみて、大臣なり警察庁の方の考え方があればお聞かせ願いたいと思うんですけれども。
 近々の中高生による殺傷事件なんかを含めての事件が相次いでおる、そのことに対して文部省なりあるいは警察庁なりあるいは地域の方でもいろいろ議論をされて対策を講じておるということがよく報道されておるわけです。
 私らは確かに時代が違う、私は旧制中学の四年の八月が終戦の年ですから、そういう世の中が荒れた時代の昔の中学生であったわけです。ですから今の高校一年、二年ぐらいですか。それと今の時代と一緒に合うかどうかということはよくわかりませんが、そういう荒れた時代でも、やはり凶悪犯罪といいますか、あいくちを持って、それは僕ら自身もそういう経験があったわけですが、いろいろとけんかをしたり何やらやっておったわけですね。ところが、そのときの解決策というのが、私見てみますと、政治が介入するわけじゃありませんけれども、親、大人が見た目で問題の解決を図ろうというふうにかかっておるんじゃないかという気がしてなりません。
 僕らがやったのは、全校生徒を講堂に集めて、そして三時間も四時間も徹底して議論をさせたわけです。そうすれば、私らみたいな悪もその中に入っていって一緒に議論をしたわけです。すると、おのずから子供の方、生徒の方から、いや、こうしたらいいんじゃないかとか、あるいは、学校であれば悪だというふうに思われている人間の方から、いや、こうしたらいいんじゃないかという問題提起が出てくるわけです。そうすると、子供たちが自分たちで議論をして自分たちで決めたことというのは守るわけですよ。
 今、所持品検査とがよく言われておりますけれども、それじゃ一体所持品検査はだれがするのか。子供たちが自分たちで議論して自分たちで所持品検査をお互いにすると言うんならこれは別ですよ。先生方がやるのか、父母がやるのかと。毎日やるのか、あるいは飛び飛び、抜き打ちでやるのかと。もしも先生がそういうことでやった場合には、先生と生徒の間の不信感は私はなお深まっていくんじゃないかという気がするんですね。
 ですから、先生も生徒も一緒になって例えば持ち物検査をするとか、あるいは生徒の方から自発的にさせるとか、そういう議論を、これはもう警察庁が言うあれじゃないかもしれませんけれども、今の子供のあの状況を見た場合にはやっぱり何とかしなけりゃいけないというのは全体的な問題として皆思っているわけですけれども、余りにも大人の感覚で物を考えて、それで、近々では、学校現場に、すぐ警察に連絡をとってしなければなかなかという、確かにそういう危険なこともあるでしょう。
 しかし、僕らがずっと覚えてきておるのは、この間まではそうですけれども、やっぱり学校現場にはなるべく警察官に入ってもらうようなことをするなよと。先生方もなるべくやっぱり警察官に学校構内に入ってもらわないように努力しようじゃないかということでやってきたわけでしょう。それをもう今何かあれば警察とすぐ連絡とって云々という、それは危険を防止するという立場から一つ必要かもしれませんけれどもね。
 そういうことで、もう少し子供同士で議論させる、あるいは先生も父母も入って、そして議論をする。それで解決がしないのは二回でも三回でも、それを一回で終わるんでなくて、新学期が始まったら新学期が始まった段階でまた全校生徒でやると。
 そういう繰り返しをやっていった方が、今のナイフの不所持の問題だって、これは旧社会党の浅沼委員長が山口二矢に殺された段階からナイフの所持が禁止をされたと、何かお聞きをしたあれがあったんですけれども、やっぱりもうそういうのが忘れられてしまっておるわけでしょう。
 ですから、そういうことは決めたってあれですが、僕は、文部省と協議をなさるならば、やっぱり一年に一回、新入生が入った段階で、全校生徒でお互いに議論をさせてもらったらどうかと。それで、生徒同士でお互いに確認をする。そういう一つの考え方を私自身は持っておるが、お考えがあればお聞きをして、これで質問を終わりたいと思うんです。
#88
○国務大臣(上杉光弘君) ナイフでの殺傷事件問題というのはさまざまな議論があることは事実でございますし、決め手を欠いておることも事実でございます。
 ただいま委員から御提案がありました生徒同士で話をさせよというのも私は一つの御提案だと思います。
 ただ、大変根が深く広うございまして、やっぱり家庭の教育、しつけの問題もあるだろうと。家庭生活上の子供に対する親の愛情でありますとか、あるいはそれが不足しているとか甘やかし過ぎるとか、あるいは帰っても親がいないとか、そういう何というか放任された状態というのも一つあるだろうと。
 それから、学校で生徒の人権とかそういうものも言われますけれども、学校という教育の現場で身体生命というものが危うい状態があればそういう人の人権というものをどうするのかという、それはやっぱり厳粛な意味でのやられる側の立場というものもあるだろうと、こう思うんです。
 私は、警察は学校現場と連携をとって、あるいは関係省庁と連携をとり、あるいは社会のいろいろな関係団体と連携をとってやることは、これは一向やぶさかではありませんが、しかし学校現場には校長先生を中心にした学校現場としての果たすべき責任と役割があるような気がいたします。警察は要請があればそれに相談に乗り、あるいは対応することは一向にやぶさかではありませんが、警察の責任と役割、学校の現場としての責任と役割、そういうものがおのずとあるのではないか。十分そういうものを踏まえて、警察権が学校教育現場に介入するなどということは、一昔前は絶対にそういうことの要請に対してもいかぬという、あるいは大変な問題があったことも御承知だと思いますが、こういう時代になり、こういう事犯が激増しておる社会を迎えて警察もまた極めて弾力的に対応をしていかなければならないのではないか、そのように考えておるわけでございます。
 私は、直ちにこの問題については事務方に警察庁としてどういうふうに文部省や関係省庁とやるのか、すぐテーブルをつくるように指示しまして、これが今機能いたしておるわけでございます。関係省庁との事務方ベースにおけるテーブルはできて今動いております。連携を保っておるわけでございます。
 それから、私は閣僚懇談会の場において内閣を挙げて取り組む姿勢をきちっと示すことも必要だということを申し上げました。これが今回御案内のとおり、知識層、各階層を含めた一つの対応のための二十一世紀を担う青少年問題の対策会議というのができたわけでございます。
 また、私は警察庁内に刃物対策の推進検討委員会の設置を指示いたしました。これは、国際的な問題もこれあり、我が国がどういう立場でどうするかというのは当然国際的なものも視野に入れていかなければなりません。
 また、国内的にも、例えば銃刀法というのは銃と刀剣、刃物と分かれておるわけであります。それらのことも、当初できた銃刀法の社会的な背景、つくられたそういう目的とは随分私は変わってきておると思うわけでございまして、今日の社会情勢に対応した銃刀法でなければならないと思うし、そういうものも視野に入れて刃物対策推進検討委員会というのが三月六日にできまして、これも数回の会議を開いておるわけでございます。
 このようなこと等を警察としても挙げて取り組んでおり、また対外的には刃物の製造業界あるいは販売業界、警察が独自にやったって知れたものでありますから、国民の理解、協力もお願いをし、また、そのような既存の組織があるとすれば関係組織とも連携をとってやるように私の方からも言いまして、これらについては警察は十分連携をとりながらその成果を上げつつあるところでございます。
 また、今日では、後で事務方、生安局長来ていますから説明があると思いますが、ポスター等も全体的には十一万枚ですか、これを作成いたしまして、刃物に対する啓蒙啓発、また意識づけに取り組みますと同時に、この春休み期間中はそういう意味での指導並びにまたそういう啓発啓蒙、補導、そういうものも含めまして、週間としてこの春休み中とり行うことにもいたしておるわけでございまして、今後気を緩めることなく、またそういうものに対する体制をさらに充実強化いたしまして、民主警察としての基本線を踏み外さないように国民の皆さんとの信頼関係を保ちながら、これらのことに対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。
#89
○有働正治君 まず、地方交付税の改正について聞きます。
 今回改正の中で、基準財政需要の算定の単位費用で、高齢者保健福祉費の投資的経費が高齢者人口一人につきまして四千六百五十円だったものが四千三百八十円に引き下げられているわけであります。
 そこで聞くわけでありますけれども、今日求められているのは、二十一世紀の高齢化社会への対応、それを目前にしてその整備拡充が求められていると。ところが、実際はおくれているという中で引き下げられているというのは、地方自治体、住民の要望とは逆行するというふうにはお考えになりませんか。いかがでありますか、簡単に。
#90
○政府委員(二橋正弘君) 高齢者保健福祉費の投資的経費についてのお尋ねでございまして、この単位費用は確かに都道府県分で四千六百五十円から四千三百八十円に下がっております。これは、平成十年度の社会福祉施設整備に係る国の予算、これは財政構造改革法に基づきましてマイナス七%のキャップがかかっておりますので、それによって国の予算が三角九・四%になっております。それから、単独事業は全体でマイナス四%にいたしました。したがいまして、これらを反映して地方負担がマイナスになっておりまして、単位費用の上で今のような数字になるわけでございます。
#91
○有働正治君 同僚議員の質問にもございました。与党議員の質問の中でも、地方自治体の中でこの点についてとりわけ介護保険制度を前にして心配の念、改善の要望が出されていると。厚生省の方も確信を持った答弁ができなかったわけであります。
 今言われましたように、一つは財革法が私は問題だと思っているわけであります。その予算が、新ゴールドプランの予算を含めまして三年連続例えば前年度比一千億円増額されてきたわけでありますが、九八年度政府予算案では半分以下、四百四十四億円の伸びに抑えられているわけであります。したがって、介護保険制度のスタートを前にして非常に心配の念が強まっているというのは当然のことだと思うわけであります。
 例えば、特養ホームで見ますと、現在、定員が二十七万一千七百四十人で、現時点での待機者、我が党国会議員団が全国調査をやりまして、十万一千二百三十四人という結果が示されました。新ゴールドプラン目標二十九万人分を仮に達成したといたしましても、八万人分もの入所できない人があらわれると。
 本来、新ゴールドプランは期間途中においてその整備状況を見て見直すということが指摘されていたわけでありますから、当然その完全達成、より以上のこういう待機者が出ないような格好で見直して、それに基づいて政府、自治体拳げて全力を挙げる、そういう方向での九八年度予算案その他の措置もとるべきだと思うわけであります。
 そのほか、ホームヘルパーの問題、ショートステイ、デイサービス、老健施設等々含めまして、全国の大半の自治体が目標達成は財源難を理由にして極めて深刻だということが出されているわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねするわけでありますが、全国市長会は、こうした状況を踏まえまして、とりわけ介護保険制度導入等々を念頭に置きまして、交付税につきましても基準財政需要額の算定に当たって算定費目を拡大してほしい、単位費用の引き上げ等を図って財政調整機能を充実するようにしていただきたい等々の要望が出されているわけであります。
 そういう点で、今回単位費用が切り下げられているというのはこの市長会等の要望から見て要望に沿っているとは言えないと思うのでありますが、大臣としては問題がないと思われませんでしょうか。その点、所見を。
#92
○政府委員(二橋正弘君) 介護保険に対応いたします地方財政の措置につきましてはもう準備段階に入っておりますので、私どもは人員の増員も含めまして地方財政計画で必要な額を確保し、また交付税の算定におきましてもそれに対応した算定をいたしておるところでございます。
 今、委員がたまたまその関係のうちの投資の部分がマイナスになっているではないかということで問題ではないかという御指摘でございますが、それは先ほど申しましたように、全体の公共の投資につきましては財革法でマイナス七%というキャップを全部の公共投資にかけた結果こういうことになっておるわけでございまして、交付税の算定におきましては私ども市長会からの要望もよく聞いておりまして、必要な算定あるいはその計画の掲示を行っているということは御理解いただきたいと思います。
#93
○有働正治君 苦しい言いわけとしか聞こえないわけであります。全体として抑制して減らしていることは事実なわけであります。そういう点からいったら国の方針も問題があると私は言わざるを得ないわけで、福祉拡充の大臣の所信等々からいって看板に偽りあると言わざるを得ない状況にあると指摘せざるを得ないわけであります。
 同時に、私はより根本的にいろんな問題があるという点で構造的な問題があると考えるわけであります。基準財政需要の単位費用が果たして福祉重視という形になっているかという問題であります。
 まず、事務当局に事実確認を求めるわけでありますが、市町村向け交付税の積算の根拠となります基準財政需要法定単位費用の推移について、一九八〇年度から九八年度までの十八年間、大局の政治の方向がどうかという点でお尋ねするわけでありますが、道路・橋梁投資が幾らから幾らに、その伸び率は何倍なのか、都市計画投資、社会福祉投資、それぞれどうなっているのか、事実確認をまず求めます。
#94
○政府委員(二橋正弘君) 委員の方から投資ということで特に指定をしてのお尋ねでございましたので、その投資について申し上げます。
 一九八〇年、昭和五十五年度と平成十年度の比較でございます。投資の単位費用ということでございましたので、道路・橋梁費につきましてはこの間に二・一一倍。それから、都市計画費につきましては二・八〇倍。それから、社会福祉費につきましては、この間に高齢者福祉が独立いたしておりますのでその分は無視してお答えをいたします。そういたしますと一・一九倍になります。
#95
○有働正治君 倍率のその伸び率の比較だけを見ますと、社会福祉の投資というのは道路・橋梁投資の半分強の伸びにとどまっているわけであります。また、同じく都市計画投資との比較で見ますと、社会福祉投資というのはおよそ四割にとどまっている。十八年間の大局としての大きな流れ、政治の方向を見た場合には、そういう大きな開きがあるというのは大臣もおわかりだと思うのであります。
 もう一点確認いたします。
 バブル絶頂期でありました九〇年度と今日九八年度を比較した場合、同じ三つの投資の単位費用の伸び率、これをお示しいただきたいと思います。
#96
○政府委員(二橋正弘君) これも委員の方からあえてこの投資に限ってかつ平成二年度と十年度の指標ということでお尋ねがございましたので、まず、道路・橋梁費につきましては一・一五倍、それから都市計画費については一・四五倍、それから社会福祉費につきましては、平成六年度に先ほど申しましたように高齢者保健福祉費が独立いたしておりますので、それを抜きにして単純に無視いたしますと、〇・九六倍ということになります。
 そういう意味では、無視した比較というのは余り意味がないというふうに申し上げたいと思います。
#97
○有働正治君 そうしたらそれを加味しておよそどれくらいになるかというのは、後日でいいですから試算を示していただきたいと思うのでありますけれども、伸び率が上回っているかどうか、結論だけお述べいただけますか。
#98
○政府委員(二橋正弘君) これは今、単位費用で委員から御指摘がございましたので、そういうふうにお答えいたしておりますが、全体の基準財政需要額でお答えした方がそういう意味では交付税上の扱いがはっきりわかってよろしいんではないかというふうに思います。
 それで申しますと、平成二年度から平成九年度まで、この七年間の伸び率で申しますと、社会福祉と高齢者福祉を合計いたしましたものは一・九〇倍、それから道路・橋梁費は一・二一倍、都市計画費は一・五七倍でありますから、福祉関係は最も高い伸び率になっております。
#99
○有働正治君 近年一定の伸びがあることは私も知っています。だけれども、トータルとして一つには投資的経費をなぜ比べたかといいますと、先ほど申しましたように、完全に新ゴールドプランを達成しても八万人の特養の待機者が出るということで、介護保険は導入されるけれども介護体制そのほかを含めまして整わないということになるわけですから、この投資的経費を含めまして拡充強化は避けて通れない全国的な中心問題の一つだということ、それから大局的に見た場合に、事実関係としてもその伸びがやはり抑えられているということは明瞭なわけであるわけですから、その問題を提起しているわけであります。
 そこで、お尋ねするわけでありますけれども、事実関係として政治の大局としての方向がどうだったか、その政治の流れの転換が今求められていると思うのであります。その点でこの基準財政需要の単位費用の伸び、それを地方自治法で言う福祉や健康の拡充を図るという立場から見て、大臣としてはどう思っておられるのか。やはり今後改善に努力すべきであるということは明瞭だと思うのでありますが、その点いかがでありましょうか。
#100
○国務大臣(上杉光弘君) 委員と私は認識が違うわけでございまして、公共事業を削ってでも福祉をやるというわけにはまいらないだろう。やはり国会で法律を御審議いただき、予算を御審議いただき、地方には地方の議会があり、県があり市町村があるわけでございまして、そこでしっかりした予算を審議いただいて御決定をいただくわけでございます。
 したがって、そういう前提で申し上げますが、本格的な高齢社会に向けまして、地方公共団体は地域福祉の充実や生活関連社会資本の整備などの重要課題に対処していくことが必要でございます。地方公共団体がこうした課題に的確に対応していくことができますように、今後においても新ゴールドプラン等に基づき地方財政計画の策定に当たりましては所要経費を適切に見込みますとともに、必要な地方一般財源を確保いたしますとともに、特にその点については、地方交付税の算定に当たっては的確に盛り込むことによりまして地方財政の運営に支障が生じることのないよう適切に対処してまいりたいと考えております。
 その基本となりますゴールドプランは厚生、大蔵、自治の三省の合意によるものでございまして、そういう意味では政府を挙げて今後の高齢者福祉等に対応していく、こういうことになろうかと思うわけでございます。
#101
○有働正治君 地方財政計画についても触れられたのでその問題についても質問するわけでありますが、やはりその地方財政計画の姿に、内容上も私は問題があるということで質問しているわけであります。
 そこで、自治省、事実確認を求めますけれども、九八年度地方財政計画の中で投資的経費について、道路・橋梁事業の額、これは直轄、補助事業等合計で結構です。それから厚生労働施設の額。その倍率といいますか比率、道路・橋梁と厚生施設の比率、あわせお示しいただきたい。
#102
○政府委員(二橋正弘君) 投資的経費についてということでございますので、道路・橋梁関係の投資的経費は、直轄、補助を加えて三兆七千六百三十億円、厚生労働施設費、この投資でありますが、四千四百九十一億円となっております。
#103
○有働正治君 倍率。
#104
○政府委員(二橋正弘君) したがいまして、道路・橋梁費は厚生労働施設費の投資額の八・四倍となっております。
#105
○有働正治君 繰り返すようですけれども、やはり介護保険制度のスタートを前にして、またエンゼルプランだとか障害者基本計画等、自治省としても地方自治体としても推進しなければならない課題であるわけであります。そういう中で、厚生労働施設分野の行政需要は当然拡充が求められている、これは明瞭だと思うんです。ところが、実際はそれがおくれているという中で、道路・橋梁等大規模事業を中心とする投資的経費、これは厚生労働施設の八・四倍ということになっているわけであります。
 そういう点からいって、この点でも地方財政計国そのものを本当に住民の福祉や暮らし、こういうものに役立つ方向にやはり見直していくということは自治体の要望でもあるし、求められていると思うわけでありますが、大臣、簡潔にお願いします。
#106
○政府委員(二橋正弘君) 今のように投資に限定してそういう比較をされますと、地方財政計画全体の中でやや誤解を生むんじゃないかということはやっぱり申し上げたいと思います。
 私どもは、福祉の関係が地方財政計画において非常に大きなウエートを占め、非常に大事なものであることは十分踏まえて計画をつくっておりまして、施設関係は、先ほど申しましたように、当初はそういうことでございますが、十年度地財計画におきましては、補助関係の経常経費に対します地方負担は七兆円余りを算入いたしておりますし、単独につきましても特に四・九%増ということで三兆八千七百億円をそのほかに計上いたしておりまして、投資と経常とあわせてぜひごらんをいただいて、地財計画において福祉がどういう扱いになっているかということは御理解いただきたいと思います。
#107
○有働正治君 同じような答弁でありますけれども、二十一世紀を前にして本格的にこの対応が求められているという問題が一つです。それから、大臣がおっしゃられましたように、公共事業と福祉の問題を対立的に考える必要は私はないと思っているんです。
 日本の場合を考えてみた場合に、国際的比較をしてみた場合にも言えることでありますけれども、例えば国と自治体の公共投資に対する公費負担という場合、それから社会保障に対する公費負担がどうかというのはこの間も議論いたしましたけれども、欧米に比べまして数倍、公共事業投資が、公費負担が大きい。日本の場合、おおよそ五十兆円です。社会保障は二十兆円ということであるわけであります。
 ところが、これを従来型の形で景気対策上必要だとか、地方が要望しているからということで推進していけば、一つには財政破綻がいよいよ明瞭になって、その矛盾を一層拡大せざるを得ない。私どもは公共事業一般を否定しているものじゃなくて、社会福祉を含めましたそういう社会資本整備で、地元に密着したそういうものを大いにやる必要がある。ところが実態としては全体計画、そして大規模プロジェクトを中心にして五十兆円、二十兆円の規模というのが是正されないままで大局として動いているとなると、財政破綻は進む、福祉拡充は本格的に求める方向には進まない。
 私どもは、財政再建を図る、憲法、地方自治法に基づく福祉施策の拡充とそして公共投資もそういう生活に密着したものとしては当然拡充していくべきは拡充していく、これらを統一的に解決する方向として、基準財政需要の単位費用の問題、地方財政計画のあり方について、今日の時点で今の日本の財政、地方財政を含めました構造等を踏まえて、根本的に見直さざるを得ない時期にあるんではないかなと。それこそ今後の二十一世紀の本格的な方向ではないかなというものとして私どもは提起しているというわけでありまして、そういう点で、地方財政計画における福祉関係予算を拡充する、そういう点で大臣としての所見はいかがかなということであります。
#108
○国務大臣(上杉光弘君) 質問を聞いておりますと、財政局長からも答えましたように、事務的経費は外して投資的経費だけをつまみ上げて比較をされる、だから少ないと言われる。しかし、福祉には事務的経費も大切な要素を占めておるわけでありますから、その点については御理解をいただきたい。かつまた、我々は、福祉については限られた財源の中で努力すべく創意工夫もしまして対応しておるというその努力も認めていただきたい。さらにまた、諸外国との比較もされましたが、ヨーロッパ先進国等につきましては、社会資本の整備はほとんどこれは行き渡っておるわけでございます。また、公共事業というものはそのほかに関係のあるものもございます。
 ただ、外国のように、都市も地方も社会資本の整備がそう格差のないものが見られるというこの事実、さらには我が国には過疎地帯もあれば過密地帯という国内の状態もあるわけで、そこには当然、社会資本の整備をする上で公共投資というものをどうしていくかというのは、これはもう最たる国民の福祉である、利便性や生活面を豊かにするという意味も含めておるわけでありますから、そういうものを抑えて限られた財源の中で福祉の投資だけを考えろということには、基本的に地方財政計画の抜本的見直しということにはつながらない、私はそのように考えております。
#109
○有働正治君 一つの象徴として私は言っているわけであります。マンパワー確保についても不十分であるという認識であります。そういう点で、今の自民党政府の方向ではいろんな矛盾が一層拡大せざるを得ないということを指摘しておきます。
 次に、地方税法改正の問題についてお尋ねします。
 事実確認だけ求めますけれども、今回の改正の内容で、大企業を中心とする遊休土地への課税、特別土地保有税の減額は三百十一億円、法人事業税の税率引き下げと法人税改正の影響で三百億円の減税、法人住民税の法人税改正で百七十億円の減税、トータルでこれだけで七百八十億円の減税と承知しているわけでありますが、間違いございませんか。結論だけでいいです。
#110
○政府委員(成瀬宣孝君) まず、地方の法人関係税の減収額でございますが、平成十年度で法人住民税と法人事業税を合わせまして四百七十億円、それから特別土地保有税の見直しに伴います減収見込額は平成十年度で約三百十一億円でございます。
#111
○有働正治君 主としてこれが、事実上恩恵を受けるのは大企業にならざるを得ないわけであります。実際上この要望というのは、経団連などの要望を受け入れた措置だと承知しているわけでありますけれども、景気対策とのかかわりでこの法人住民税、法人事業税減税などが景気への刺激効果としてどうかという点であります。この点で東京大学の経済学部の神野直彦教授、現在政府税調専門委員であります、その政府税調の専門委員の方がどう言っておられるか。
 今議論しています減税というのは景気刺激効果は期待できない。法人税減税にしても、景気の先行きに不安を持っている企業は景気効果のある設備投資に減税分を振り向けない。なまじ投資に行ったとしても、海外投資に回るだけだ。所得税減税にしても、勤労者の雇用が不安なときだから減税分は貯蓄に回る。消費拡大につながらない。景気刺激効果を期待するのであれば、消費税をダウン、引き下げるしかない。一時的にでも消費税率を下げれば大きな消費拡大効果に出るというふうに考える。こういう趣旨のことを述べておられるわけであります。
 そこで、私はお尋ねをするわけでありますが、この消費税率を一時的にでも引き下げる、例えば三%に戻すというこういう提起、そして所得税の恒久減税をやるべきだという提起について、本格的に政府としては傾聴して対応すべきではないかというふうに考えるわけでありますが、その点簡潔にお述べいただきたいと思います。
#112
○国務大臣(上杉光弘君) 法人課税の見直しは主として大企業へのプラス効果だけで景気の効果はないんじゃないかと、こういうことでしたが、現下の経済状況、景気動向というものを見ますと税率を下げることは当然必要なことだと、また当然大企業だけの優遇税制ということではこれは通るものじゃありませんので、その点は委員とは私どもは基本的に認識が違うわけでございます。
 それから、恒久減税にいたしましても、消費税を三%に戻すことにしましても、政府には政府の税調がございます、与党の三党の税制調査会がそれぞれあるわけでございまして、そこで論議をされていただいた方向によって政府がそこでまた判断をしていかなければならぬ。こういうことではないか、こう思うわけでございまして、いきなり恒久減税を打ち出し消費税を三%に戻すなどということは、これはできるものじゃございません。その点については御理解をいただきたい。その時々の景気、経済動向をにらみながら税制は適正に対応していかなければならないものと考えております。
#113
○有働正治君 政府の旧来型の景気対策ではやはり景気の先行きが極めて憂慮されるということだけ述べておきます。
 次に、今回の改正における非課税等の特別措置の整理合理化状況でありますけれども、この中で是正される分というのは固定資産税で幾らなのか、それから、延長、温存される分でありますけれども、JR、電力、ガスあたりでどれぐらいのものが残るのか、まずお尋ねいたします。
#114
○政府委員(成瀬宣孝君) 平成十年度改正におきます固定資産税に係る非課税等特別措置の整理合理化の結果は、増収額にいたしまして初年度ベースで約二十六億円、平年度ベースで約七十三億円に上ると見込んでおります。
 また、次のお尋ねの固定資産税の非課税等特別措置に係りますJR等の特定の企業に対する減収見込み額でございますが、JRに対する特例としましては約百十億円、電気事業者等の送変電施設に対する特例といたしまして約四百三十億円、ガス事業用資産に対する特例として約百億円となっております。
#115
○有働正治君 やはり大きな問題が残ってきているわけであります。民活法だとかリゾート法だとかテクノポリス法だとか大阪湾ベイエリア開発法など、主として大企業向け優遇税制が依然として延長、温存されて、不公平税制がまだ正されていないということであります。この点につきまして、やはりこの問題について是正をすべきだというのは経済界の中にもあるわけでありまして、これらを含めて今後前向きにどう対応されるのか、大臣の所信をお聞きします。
#116
○政府委員(成瀬宣孝君) まず、JR、電気事業者、ガス事業者に対します固定資産税の特別措置でございますが、これらの措置が事業者の費用負担を軽減いたしまして結果として鉄道運賃や電気料金などの公共料金の抑制にもつながるなど、国民生活の安定にも資する観点から講じられているものと理解をいたしております。
 しかしながら、これらの特別措置につきましても、租税負担の公平性を確保する観点から基本的に事業者の適正な税負担を逐次求めることとし、順次必要な見直しを行ってきているところでございます。
#117
○有働正治君 大臣、今後の方針についてだけ。
#118
○政府委員(成瀬宣孝君) 全体としてのお話でございますけれども、地方税におきます非課税等特別措置は特定の政策目的の実現に資するために講じられているものでありますが、税制の基本原則の例外措置でありますことから、社会情勢の推移を見きわめつつ見直しを行う必要があると考えております。特に固定資産税は市町村における基幹税目でもございますし、広く土地、家屋及び償却資産の保有一般に対して課される税でありますことから、これまでもその特例措置について積極的な整理合理化に努めてきたところであります。
 今後とも、こうした非課税等特別措置につきましては、税の性格、特別措置の政策目的、効果などを踏まえ、一層の見直しを進め、引き続き税負担の公平確保に努めてまいりたいと考えております。
#119
○有働正治君 話を進めます。
 特別土地保有税と地価税にかかわってお尋ねしますが、まず最初に大臣に一点だけ確認したいと思います。
 固定資産税に関連して尋ねるわけでありますが、今回改正には盛り込まれていないわけでありますが、全国借地借家人組合連合会などが要求してきました借地借家人にも固定資産税課税台帳を閲覧させる権利を認めていただきたいという、この要望についてであります。
 私、この件について昨年三月十八日の本委員会で質問いたしまして、当時の白川自治大臣が勉強してみたいと答弁をされたわけであります。その後の検討の詳細は結構でありますので、法改正、必要があればそれらを含めて固定資産税課税台帳を閲覧させるという方向でどう対応されていくのか、その積極的な対応を大臣に求めるわけでありますが、いかがでございますか。
#120
○国務大臣(上杉光弘君) 閲覧のあり方につきましては、今日、情報公開の要請が強まってきている中で、また一方ではプライバシーの保護が重要であるとの観点も踏まえまして、今後、地方公共団体等の意見を聞きながらいろいろな角度から検討していくことが必要である、このように考えております。
#121
○有働正治君 これは関係研究会での前向きな方向その他も示されているやに承知しているわけでありますので、そういう方向を踏まえて、こういう当然の要望が反映できるように、大臣、処置願いたいと思うのであります。その点だけ、再度お願いいたします。
#122
○国務大臣(上杉光弘君) お尋ねの件につきましては、本年一月末に取りまとめられました自治総合センターの地方税における資産課税のあり方に関する調査研究委員会の報告書においては、借地借家人等土地家屋について使用収益権を有する者については通常税負担が賃借料等に転嫁されるため、当該使用収益権の対象となる土地家屋に係る記載欄に限っては閲覧できるような仕組みとすることについて検討すべき等の意見が述べられておることは十分承知をいたしておりまして、このようなことも視野に入れて、プライバシーの問題もありますから、慎重に検討させていただきたいと考えております。
#123
○有働正治君 積極的に前向きに対応願いたいということを再度要望しておきます。
 特別土地保有税と地価税をめぐっての質問でありますけれども、この問題で再び土地投機、地価上昇をもたらすのではないかという指摘が各方面から出されているわけであります。
 つまり、土地税制の大幅規制緩和というのはそういうことに道を開くものという指摘でありますけれども、その点で問題ではないかと。とりわけ土地保有課税強化措置は投機規制強化のために設けられたというふうに自治省はこの間説明してきたわけでありまして、その点からいっても矛盾せざるを得ないと思うわけでありますが、この点について簡潔にお願いします。
#124
○政府委員(成瀬宣孝君) 特別土地保有税は、御案内のように、土地の投機的取引の抑制と有効利用の促進を図るという目的を有します政策税制でございます。
 この特別土地保有税につきましては、平成三年度に、当時のいわゆるバブル経済下における異常な地価高騰への対策として課税の強化措置がとられたところでございます。
 しかしながら、近年、投機的土地取引は鎮静化してきておりますし、地価も下落傾向が続いておりますので、平成三年に課税強化されました措置をもとに戻す、そういう見直し措置を講ずることといたしております。したがいまして、今回の見直しによりまして、当時のような地価上昇を招くというようなおそれはないものというふうに思っております。
#125
○有働正治君 その点でそう単純に言えないのではないかという厳しい指摘があるわけであります。
 例えば三木義一立命館大の教授は、朝日新聞二月七日付夕刊の中で、地価税凍結、特別土地保有税緩和、法人の譲渡益課税軽減などが企業の土地投資の有利性復活となることを指摘し、再び地価の上昇をねらうものではないかと懸念を表明しているわけであります。
 実態面におきましても、例えば日本生命保険が六千億円、明治生命二千億円など、大手生命保険会社がバブル崩壊後凍結した不動産投資を再開して動き出していると。先日、国土庁発表の本年一月一日時点の公示価格、全体として下げ幅が縮小したと。同時に外資系企業による不動産投資、オフィス需要などにより、銀座を初め都心二土地点で七年ぶりに地価が上昇に転じたことが指摘されているわけであります。そういう点で内外の関係者も、底値圏に入ったとの認識から土地投機になりかねないという指摘が出されているのが実態だと思うんです。
 そういう点からいって、地価がまた急騰するということになれば、国民生活、公共用地取得等、地方自治体を含めましていろんな問題に大きな影響が出て、再び経済がゆがめられていくことになるわけでありまして、これについては軽々にやるべきではない。そういう点で規制緩和措置、こういうのを解除する政策は避けるべきだということ、これについての大臣の所信を最後にお尋ねするわけであります。
#126
○政府委員(成瀬宣孝君) 先ほども申し上げたことでございますけれども、今回の特別土地保有税の見直しは、平成三年度に当時の地価狂乱とも言うべき異常な地価高騰の状況の中でとられました強化措置をもとに戻すということでございますので、御懸念のような点にはならないものというふうに思っておりますし、またこの特別土地保有税は政策税制でありますので、時々の経済情勢あるいは地価の動向、もろもろの土地をめぐりますさまざまな情勢を判断して、必要であれば適時適切に機動的に内容を考えていくべきものというふうに思っております。
#127
○有働正治君 一言だけ。
 極めて納得できない答弁であります。
 私、るる述べましたように、交付税の問題その他につきましてもやはり内容上、構造上是正すべき内容がある、そのことを正面から考えるべきであるということを再度指摘して、質問を終わります。
#128
○委員長(藁科滿治君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は三月三十一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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