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#1
第142回国会 地方行政・警察委員会 第7号
平成十年三月三十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     三浦 一水君     下稲葉耕吉君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     保坂 三蔵君     大木  浩君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     大木  浩君     鈴木 政二君
     下稲葉耕吉君     田浦  直君
     鈴木 省吾君     長尾 立子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藁科 滿治君
    理 事
                久世 公堯君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                有働 正治君
                高橋 令則君
    委員
                芦尾 長司君
                岡野  裕君
                上吉原一天君
                鈴木 政二君
                田浦  直君
                田村 公平君
                谷川 秀善君
                長尾 立子君
                小山 峰男君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                村沢  牧君
                渡辺 四郎君
                山口 哲夫君
                岩瀬 良三君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
   政府委員
       警察庁長官    関口 祐弘君
       警察庁生活安全
       局長       泉  幸伸君
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       自治政務次官   佐藤 静雄君
       自治大臣官房総
       務審議官     香山 充弘君
       自治省行政局長  鈴木 正明君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
       消防庁長官    谷合 靖夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   説明員
       大蔵省理財局次
       長        中川 雅治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び
 海上保安等に関する調査
 (地方財政の拡充強化に関する決議の件)
○風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨三十日、保坂三蔵君が委員を辞任され、その補欠として大木浩君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(藁科滿治君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○小山峰男君 おはようございます。通告の順序とは若干変わりますが、よろしくお願いしたいと思います。
 最初に法人事業税の分割基準についてお聞きしたいと思いますが、この分割基準につきましては、平成元年度に改正が行われて以来変更がなされていないという状況のようでございます。平成元年度の改正の状況を見ますと、資本金が一億円以上の製造業を行う法人の工場の従業者数については一・五倍にして分割をしているという改正が行われて現在に至っておりますが、最近の状況等によりますと、この製造業等ももちろんでございますが、大変ロボット化が進んでいるというような状況でございまして、果たして一・五で適正な課税になるかどうか、私はかなり疑問に思っているところでございます。
 それから、建設現場等における従業員数の把握でございますが、実際には事業所なり支所なりがそれぞれの地方に置かれておりますが、本社機能が中央だという形の中で人員割というような形になると必ずしも公平でない。大変大きな工事を例えば地方でやっていても、結局配置人員としては非常に少ない支所の職員しかいない、実際には東京本社なりから行ってその応援をしているというようなこともあるやに聞いておりまして、もう少し実情を調査してこの分割基準を適正に持っていってほしいというふうに思うわけでございますが、その辺、自治省としていかがでしょうか。
#5
○政府委員(成瀬宣孝君) 法人事業税の分割基準に関するお尋ねでございますが、御案内のように分割基準は、二つ以上の地方公共団体に事務所ないしは事業所を持っております法人に対しましては、それら複数の地方公共団体が課税権を有しますことから、この団体間の課税権を調整するために設けられておりますことは御案内のとおりでございます。
 この事業税の分割基準につきましては、応益原則に基づきます事業税の性格から、これまでも社会経済情勢の変化に応じた事業活動と行政サービスとの受益関係を分割基準に的確に反映をさせまして、税源帰属の適正化を図る観点から随時見直しを行ってきたところでございます。
 最近では、御指摘にもございましたように、平成元年度の改正におきまして、製造業につきましては、近年のロボットの導入の進展等に伴い工場従業者数が減少してきております状況を踏まえまして、製造業で資本の金額または出資金額が一億円以上の法人につきまして工場の従業者数を五割増しとして算定し分割することとしているところであります。
 なお、御案内かと思いますけれども、それ以前に同じように資本金が一億円以上の製造業を行う法人の本社管理部門の従業者数につきましては二分の一とする、つまり本社の方は割り落とし、地方の工場は割り増しというような分割基準をとっておるところでございます。
 また、建設事務所につきましてもお触れになりましたが、一般に分割基準となります従業者数は、勤務の実態等を踏まえまして、その事務所などに勤務すべき者でありまして、その事務所等で給与支払いなどを受ける者の数を基本として算定することとされておりまして、建設工事に係る現場事務所等についてもこの取り扱いによって計算を行うことといたしております。
 しかしながら、御指摘ございましたように、いずれにせよ今後とも事業税の課税が事業活動の実態をあらわしているかどうかにつきまして絶えず検証、吟味を行いまして、税源帰属の適正化が図られるよう十分留意してまいりたいというふうに考えております。
#6
○小山峰男君 かなり世の中も動いていると思いますし、また今の建設事業等については給与の支払いというのが基準になっているようですが、必ずしも今の支所だとか出張所から給与が出ていない、いわゆる本社直属でというような職員もかなりいるようでございますので、ぜひ実情をいろいろの業種についてやっぱりお調べいただいて、この最後の改正からもう十年たっているわけですので、適正な課税について御配慮いただきたいというふうに思うわけでございます。
 あわせて、法人事業税の外形標準課税について、既に質問も出ているようでございますが、若干ダブるかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 この外形標準課税の問題につきましては、もう三十年も前からいろいろの論議が呼ばれているところでございますし、平成十年度の税制改正答申でも、そろそろ法人事業税については外形標準課税を導入する時期ではないかと考えるというようなことで言われているわけでございまして、いずれにしましても、行政サービスを受けるという意味では、地方法人が存在すること自体が既に行政サービスの対象としてかなりかかっているということもございますので、ぜひ早急な検討をお願いしたいというふうに思いますが、自治大臣、いかがでしょうか。
#7
○国務大臣(上杉光弘君) 御案内のとおり、委員はもう地方の行政経験豊宮な方でありますから御承知でございますが、事業税につきましては、従来より、事業が地方団体から受ける行政サービスに必要な経費については分担をしていただく、この基本的な考え方に基づきまして、事業の規模や活動量を示す外形基準によりまして課税することが望ましいとされておるところでございます。もっと平たく言いますと、赤字法人でありましても行政サービスは受けておるわけでございまして、そのことに対する考え方をきちっとするということであれば、赤字法人からも税金はいただく、応分の負担はいただく、こういうことでございます。
 地方法人課税の今後のそのようなあり方につきましては、昨年末の政府税制調査会の答申におきましてもこう記されておるわけでございます。「地方の法人課税については、平成十年度において、事業税の外形標準課税の課題を中心に総合的な検討を進めることが必要」と、このようにされておるわけでございまして、今後とも政府税制調査会の場でこれは検討されていかれるものと思っております。
 事業税の外形基準の導入についてでございますが、具体的な外形基準のあり方や税負担の変動をと、なお検討すべき課題もございまして、都道府県の税収の安定化に資する等の意義もありますことから、自治省といたしましてはその実現に向けまして努力を重ねてまいる所存でございます。
 今後、政府税制調査会等の場で広く各界各層に御論議をいただきまして、大方の理解が得られますようにさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
#8
○小山峰男君 ぜひ、実のある検討をしていただいて実現方をお願いしたいというふうに思うわけでございます。
 次に、いわゆる世間で一般に共同税というようなことが言われております。また、国税と徴税機関を一本化したらどうかというような話も出ておりますし、大蔵省主税局、国税庁の分離を図って、徴税機関を地方のいわゆる徴税も含めて一本化したらどうかというような意見もあるわけでございますが、まず最初に、共同税の考え方、あるいは各国、ドイツあたりでは共同税ということでやられているようですが、その辺の状況をおわかりになりましたらお願いしたいと思います。
#9
○政府委員(成瀬宣孝君) ドイツにおいては統治構造が連邦、州、市町村という三段階になっておりますけれども、このドイツの共同税は所得税、それから法人税、それから売上税、付加価値税でございますが、これを共同税として州が賦課徴収し、連邦、州、所得税につきましてはさらに市町村にも配分する、徴収を州がやっておる共同税ということでこの三つの税目についてそういうシステムがとられております。
 そこで、こうしたドイツにおいて実施されておりますような共同税方式を日本においても導入したらどうなるのかといったお尋ねかと思いますが、御案内のように、ドイツは連邦国家でございまして、中央政府と地方政府の関係が日本と全く異なっております。したがいまして、そうした統治構造が違う仕組みの中で現時点におきまして我が国にそのままこうした方式を導入していくということにはさまざまな課題があるのではないかというふうに思っております。
 しかしながら、今後我が国におきまして地方分権を推進し、国、地方を通ずる税財政のあり方を考えるに当たりまして、地方団体が国税と地方税を共同税として徴収し、地方のニーズに合った行政を進めるために必要な地方の財源を確保するといったような御提案であれば、将来地方分権の推進を検討するに際しましての一つの貴重な御提案になるものと考えております。
#10
○小山峰男君 国税との関係もあるわけでございますが、今申し上げましたような形で地方税、国税のいわゆる徴税機関の一本化というようなことが言われているところもあるわけでございますが、そういうことについてあらゆる税目を徴税機関一本でというような考え方もありますが、自治省としてどう考えるのか、見解をお願いしたいと思います。
#11
○国務大臣(上杉光弘君) 国税と地方税は仕組みというか中身が違うわけでございまして、国税の場合には大づかみで申告制によって税を徴収する、地方税は見つけて歩きながらそれを集める、細かな税を集めるという、おのずとそこにはその苦労、自主性とか自立性に向けて大切に国民の皆さんから集めた浄財を使うという、国も地方も変わりございませんが、そのような税の仕組みでありますとか徴収の基本的な中身の違いもありますから、一本化でやるというのは、勢いそこへ行き着くというのは非常に難しいと、こういう気持ちがするわけでございます。
 しかし、徴税コストを切り下げるとか合理的に税を徴収するということになれば、それは委員の御提案については否定をするものでもございませんし、全く同感でございます。
 しかし、今後はどのように国税と地方税の整合性を持たせてそこへ行き着くかということについては慎重の上にも慎重に検討しなければならないのではないか、このように考えております。
#12
○小山峰男君 私もそういうことがいいということを申し上げているわけではないわけでございまして、いろいろの意見が今ある、それについての自治省の見解というものをお聞きしたかったということでございます。
 ただ、地方公共団体としてやっぱりサービスと負担というのが直結するということが必要であろうというふうに思いますし、また各団体によって税率が異なってくるということも当然是認されるべきだというふうに思うわけでございまして、必ずしも徴税機関の一本化というのが本当にいいのかどうかというのはまだ疑問があろうというふうに私も思っているわけでございます。
 ただ、徴税費の経費の削減というような意味では、場合によってはできる税目もあるのかなという感じもします。そういう意味で、今の共同税なりあるいは徴収機関の一本化なりについてもやっぱり検討だけはしていただきたいというふうに思っている次第ですが、これは税務局長にお尋ねします。
#13
○政府委員(成瀬宣孝君) この一本化、一元化の問題につきましての基本的な考え方はただいま大臣から御説明がありましたとおりかと思います。
 ちょっと参考になろうかと思いますので、この問題につきましては、昨年末の行政改革会議の最終報告におきまして、この一元化の問題については、地方自治との関係、国、地方を通ずる税制のあり方を踏まえ、今後検討していくというふうにされているところでございます。
 もう申すまでもないことでございますけれども、地方税は地方公共団体の歳入の基幹となるものでありますし、地方自治の責任ある運営を保障するものであります。地方公共団体がその課税権に基づき、それぞれの議会で制定された税条例をもとにみずから地方税を賦課徴収し、それによって住民へ行政サービスを提供することが自治の基本かと思います。
 また、地方公共団体が歳入をみずからの努力により確保することによりまして、より厳しい財政運営が求められ、また住民の地方行政に対する関心もより高まるものと考えております。
 したがいまして、徴収一元化の問題につきましては、こうした地方自治の本旨あるいは地方公共団体の課税自主権などについて十分に配慮しながら検討を重ねていくべき問題であるというふうに認識いたしております。
#14
○小山峰男君 次に、地価税等特別措置の関係でお伺いをしたいというふうに思います。
 この整理合理化等につきましては自治省におかれても常々努力をされているというふうに思っておりますが、当然その税制の簡素化を図るというような立場あるいは特定業者の優遇策とならないようにするため、そういうためにもその効果や政策目的の達成度あるいは利用者の利便性などの観点から絶えず見直していく必要があろうというふうに思っているところでございます。
 また、一方、新たな政策目標等につきましては積極的に対応を図ってほしいというふうに思っているわけでございますが、私はやっぱり日本の今後の課題としては環境問題だろうというふうに思っております。
 当面具体論として若干お聞きしたいわけでございますが、低公害車、電気自動車とかあるいはハイブリッド自動車とかいろいろの低公害車があるわけでございますが、現在、若干その控除率、控除というか通常の税率より安くしているという面があろうかと思いますが、その実情についてお聞きしたいと思います。
#15
○政府委員(成瀬宣孝君) 現在、環境対策の観点から、電気自動車、天然ガス自動車及びメタノール自動車につきまして、その普及を促進するため、自動車取得税の税率を二・四%軽減する特例措置を講じているところでございます。そうした中、今回の平成十年度の改正におきましては、環境対策の観点からハイブリッド自動車につきまして、バス、トラックにつきましては二・四%、その他の自動車につきましては二%、それぞれ自動車取得税の税率を軽減する特例措置を講じることとしたものでございます。環境対策の観点から行うこととしているわけでありますけれども、これにより、自動車の取得時における負担は大幅に軽減されることになると思われますので、当面の普及促進策としては相当の効果を持ち得るものではないかというふうに考えております。
#16
○小山峰男君 一応の対応はなされているというお話でございますが、私は、やっぱり地球温暖化というような問題を考えると、地方税だけの問題ではないわけでございますが、この程度のいわゆる軽減ではまだまだ足りないだろうというふうに思っておるわけでございます。CO2の付加をしている人たちにはやっぱりそれなりの対応をとる必要があるというふうに思っております。
 世上、炭素税というような話が出てきておりますが、これは今後かなりまた検討しなければならない問題だろうと思いますが、一方、そういうものに寄与するものについては積極的に対応していくということが必要だろうと。国税であります自動車重量税とかそういうものも含めて、やっぱり日本の車は全部もうハイブリッドか電気自動車かぐらいの対応をしないと本当に京都会議の削減も実現してこないだろうというふうに思っておりまして、今後この二・四とかそういう数字じゃなくて少なくとも全廃するぐらいの対応をしてほしいというふうに思っております。
 具体的にこの削減で実際にどの程度の額が出ているかというのをちょっと教えていただきたいと思います。
#17
○政府委員(成瀬宣孝君) 現行制度によります軽減による負担の軽減額でございますけれども、電気自動車につきましては、これは平成八年度の数字でございますが九百万円、天然ガス自動車につきましては三千五百万円、メタノール自動車につきましては四百万円といったところでございます。
#18
○小山峰男君 今の数字を聞きますと、全体の中では非常に少ない額だというふうに思うわけでございまして、本当にこういうものを普及させるためにはどうも余り役に立っていないかなというふうに思うわけでございます。今後地球環境という問題の中で、この問題だけではないわけですが、ぜひ検討いただきたいというふうに思っておる次第でございます。
 税の問題は以上ですが、財政問題についてこれからお聞きしたいと思います。
 これもお話がいろいろ出ているようでございますが、私、交付税は地方公共団体の自主財源だというふうに言われておるわけでございまして、そういう意味では今のこのシステム、一般会計で予算化して交付税特会へ入るというようなシステムというのはやっぱりおかしいんではないかというふうに思っておりまして、交付税特別会計へ直入すべきだろうと。今度の国鉄清算事業団の赤字あるいは国有林野の赤字等に対するいわゆるたばこ消費税の問題もそうですが、ああいうのは少なくとも直入という形で行われるわけでございまして、地方公共団体の固有の財源であるという考え方に立てば当然交付税特会直入ということになるだろうというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#19
○国務大臣(上杉光弘君) 交付税の特会への直入については全く同感でございます。
 私は、今年度の大蔵との折衝に当たりましても、地方共有の固有財源である、このような見地から地方交付税の性格もまた明確にする必要性もございますから、予算編成に当たりまして、本年度地方交付税の概算要求に当たりまして直入を強く要求したところでございます。しかしながら、国の一般会計において主要税目の状況を一覧性ある姿で示せなくなる、このような姿勢で、これが国庫当局との合意を見るに至らなかったところでございます。
 しかし、委員御指摘のように今回のたばこ税等の直入等で見ますれば、直入に対する一つの考え方というものは少しずつ弱まって、自治省の要求というものは受け入れられる環境が整いつつあるのかなと、こういう気持ちも私はいたしておるところでございます。
 地方分権推進委員会の勧告においても、こうした問題点を踏まえましてさらに検討していく必要があるとされておりまして、今後ともその実現に向けまして委員御指摘のとおり取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#20
○小山峰男君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に、地財対策の関係でお聞きしますが、毎年、予算編成後、地財対策をどうするかというようなお話で大変自治省も苦労をしているというふうに思いますが、現在のこの交付税特会の借入金の状況、また、その中で国へ貸している分、国から将来的に負担してもらう分、その辺の状況を御説明いただきたいと思いますが。
#21
○政府委員(二橋正弘君) 交付税特別会計の借入金につきましては、平成十年度末で十九兆円余に達するという大変厳しい状況にございます。
 一方で、この十九兆円の中には国の負担によりまして償還されるものが二・七兆円ございます。それから税制改革に伴いまして償還財源が確保されているものが三・四兆円ございます。そのほかに今後国の一般会計からいわゆる法定加算として予定いたしておりますものが五・八兆円ございます。
 そういう状況でございまして、また、過去におきましても昭和六十二年から平成三年にかけて五・五兆円のいわば繰り上げ償還の形の健全化を行ったということもございまして、いろんなことを踏まえながら、この残高は非常に大きくなっておりますが、この問題について適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#22
○小山峰男君 今の借入金、当然公債費率等にも、各団体にどういう配分になるかは別として、上乗せになってくるものだろうというふうに思っております。
 財源不足額の状況を見ますと、平成六年度以降ほとんど五兆円以上と。平成六年度も五兆九千億、七年度が七兆、八年度が八兆六千億、それから九年度が五兆九千億、十年度が五兆四千億と。このうち減税分がかなりの部分を占めるわけですが、通常収支分でもことしの場合は四兆六千億の財源不足が出ているということでございまして、この減税分、こういう形で財源不足として対応していくこのスタイルが問題だというふうにも思っています。
 この財源不足額の問題として、今まで比較的論議としてはいわゆる交付税率の改定という、今の三二%等の改定という論議が主流だったというふうに思っておりますが、私はやっぱり交付税率というか交付税の問題としてではなくて、基準財政収入額をふやすというか、いわゆる地方公共団体の税収をふやすことによってこれを埋めるべきだというふうに思っているわけでございますが、その辺のお考えについていかがでしょうか。
#23
○政府委員(成瀬宣孝君) 御指摘にもございましたように、現下の地方財政は大幅な財源不足の状況にございまして、平成十年度におきましても五・四兆円の財源不足となっております。
 地方公共団体が自主的、自立的な財政運営を行うためには地方税の充実確保が不可欠であることは言うまでもありませんが、当面の地方財政の財源不足に対しましては、地方交付税の総額を確保することで対応することも必要であると考えております。
 なお、地方税源の充実確保につきましては、分権推進委員会の二次勧告は、「国と地方公共団体との役割分担を踏まえつつ、中長期的に、国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら、地方税の充実確保を図っていく必要がある。」として、その方向を示しております。
 したがいまして、国から地方への税源移譲といったこともその際の重要な課題であると考えられ、こうしたことも踏まえながら地方税源の充実確保に努力してまいる必要があると考えております。
#24
○小山峰男君 当面の課題として、地方交付税特会をどうするかという問題に帰着するだろうと思いますが、ずっとここの状況を見ますと、常に五兆円以上ぐらいのいわゆる財源不足という問題が経常的に出ているということでございまして、これはやっぱり税源配分で対応すべきだというふうに思っておりますので、今のうちから自治省としても、この十二月にならない前から検討していってほしいというふうに思っています。
 それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、国の景気対策で、地方も当然やるべきだというようなことで住民税減税とか、そういう問題が連動して行われている。基本的にはこの連動というのはやっぱりおかしいだろうというふうに思っておりますが、この財源不足額の中でも、例えば十年度は減税分として八千億円が足りない、八年度だと二兆九千億、七年度だと二兆七千億とか、六年度だと二兆九千億というのが減税分として財源不足を来している。これは言うならば、すべて国の景気対策等に伴う地方の道連れ分だというふうに思っております。
 ところで、私たちもよく使ったんですが、有利な起債、有利な起債ということを言っておりますが、元利償還を交付税で面倒を見るというようなことの起債が有利な起債だろうと思いますが、この有利な起債が例えば平成九年度における需要額の中でどの程度占めているのか、また割合がどうか、それから当然事業費補正というようなものもあるわけですが、そういうものがどの程度含まれているか、その辺についてお聞きしたいと思います。
#25
○政府委員(二橋正弘君) いわゆる有利な地方債といいますと、やや範囲が限定的になるかと思いますが、まず地方債の元利償還を交付税の需要額に算入しているものということでとらえて申し上げますと、これは今も委員のお話の中にもございましたような減税分、将来元利償還は当然交付税に入れなくちゃいけませんから、そういう減税分の補てんといったようなことも含めてでありますが、平成九年度の基準財政需要額が全体で四十四兆余りでございまして、元利償還を交付税に入れているものの需要額、元利償還の需要額が四兆五千億強であります。したがいまして、約一割ということになります。
 ただその中には、今申しましたような減税の補てんのようないわゆる財源対策的なものも相当含まれておりまして、そういう財源補てん的なもの、補助率カットといったようなものも含めてこれが、その一割のうちの、三・五%ぐらい、それから災害関係のものが二%ぐらいございます。
 それから、いわゆる有利なといいますか、事業の執行に伴って元利償還を見るものという意味で、代表的なものは公共事業関係でございますが、港湾とか河川とかあるいはそれ以外でも廃棄物とか義務教育の学校といったようなそういうものの系統のもの、これが二・八%ございます。
 それから、もっと狭い意味で単独関係で元利償還を見ているものというのは、過疎・辺地、それからいわゆる地域総合整備債というのがございますが、これを二つ合わせまして、過疎・辺地、地域総合整備債で一・九%が元利償還を見ているものということになっておるのが現状でございます。
#26
○小山峰男君 いわゆる事業費補正というような形で見ているのはどのぐらいありますか。
#27
○政府委員(二橋正弘君) 今は全部その両者を含めて申し上げましたが、そのうちの、先ほど四兆四千億強と申しましたが、そのうちの事業費補正分といいますのが約半分、二兆二千億強でございます。
#28
○小山峰男君 平成九年度で約一〇%というお話でございまして、これは当然交付税特会の将来的な負担として乗っていくということかというふうに思うわけでございますが、今のような形で負担を将来に先へ延ばすというのは必ずしも適正な運営ではないというふうに思っております。それで、ここで大型補正の予算が出るのか出ないのかまだよくわかりませんが、いずれかなりの大型補正が出てくるだろう、当然地方公共団体も巻き込まれた形で景気対策に道連れにされるだろうというふうに思うわけでございますが、地方ではもう交付税で面倒を見てくれる起債だからいいという程度では済まなくなってきているというふうに思っております。もうこれ以上負担ができないよというような団体もかなり出てきているわけでして、私なんかも市町村を回ってみると、もうそういう意味では大変だという意見がかなり出てきております。
 そういう意味も含めて、やっぱり従来型の景気対策で本当にいいのかなというふうに思うわけです。減税をしてその減税分を起債で、減税補てん債で見て、それを将来交付税で見ますよということではどうも何か違うんじゃないかなという気がしてしようがないわけです。
 国の景気対策ももう何年も同じパターンを繰り返してきているというふうに思っておりますが、減税が一方にあって、一方に公共事業等の事業の促進があるという形で、地方へ行くと、地方も減税あるいは公共事業、単独事業含めて裏負担は起債で面倒を見て、それをまた交付税で見るというパターンが何年あるいは何十年と繰り返されているわけですが、私も残念ながらこれにかわるような方策が見つかりませんが、何か知恵が自治省としてわかないのかなという気もいたしますが、その辺どうでしょうか。
#29
○政府委員(二橋正弘君) ちょっと今の委員の御指摘に若干私どもで説明をさせていただきたいと思います。
 今の減税にしろあるいは公共事業の追加の場合の地方債にしろ、元利償還を後年度交付税に算入するという措置は、地方財政の中では交付税特会の中の話というよりはむしろその前に地方財政計画の中でそれをどう扱うか、その中で今申し上げたような減税分とかあるいは公共事業追加とかといったものを含めておよそ公債費というのを地方財政計画の歳出にどういうふうに立てて、それを前提にして地財の収支を見込んで財源をどう確保するかという問題でございまして、交付税特会の中で最初から頭を決まった中で押し込んでそのやりくりをするというそういう性格のものではないわけでありまして、まず地財計画の段階で公債費をきちんと見込むと。それを前提にして収入を見込んでそれで収支がどうなるかということを考えた上で、それではその毎年度の交付税の総額が幾らなければ地方財政の収支が償わないかといったようなことを考えて交付税の総額が決まって、その決まった交付税をどう要するに計算していくかというその歳出、需要の計算の中に今の公債費を織り込んでいくということでありますので、そこのところはまず全体、そういう形で財源の確保あるいは交付税の総額の確保ということがまず前提になっておった上での計算方法になっているということはぜひとも御理解をいただきたいと思います。
 確かに、今後どういうふうな対応をしていけばいいのか、率直なところ特別これまでと違った形の財源調達なりあるいは財源計算の方法を今私ども直ちに考えておるわけではございませんが、いずれにしても国も地方も非常に財政が厳しくて歳入に限度があるというのがまず大前提でありますので、その中で、いろんな対応をしていく中で、やはり毎年度の財政運営に支障が出ないようにということをまず最大限の課題として取り組んでいく必要があるんじゃないかというふうに考えておるところでございます。
#30
○小山峰男君 また何とかいい知恵を出してほしいと思いますのと、これから国がどういう形で景気対策を打ち出されるかということもあるわけですが、いずれにしても箱物中心的な公共事業というのはもうある程度やめてほしいというふうに思っております。だから、建設公債だ、赤字公債だという問題も若干あるわけですが、できるだけソフト的な面あるいは今まで非公共と言われていたような事業についても配慮をしていただくということが大変大事だというふうに思っていますので、自治省としてもよろしくお願いしたいと思います。
 以上。で終わります。
#31
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。
 現在平成十年度予算審議の真っ最中でありますが、財政構造改革法の関係で、デフレ予算だということで今の景気状況に照らしていかがなものか、欠陥予算ではないかという指摘が多くなされております。そんな中で、与党の中で景気対策、さらには財政構造改革法の改正というようなことが新聞紙上にも出ているわけでございますが、例えば今審議しておりますこの法案の中においても、交付税特別会計における借入金の償還方法を変更するということもございます。要するにこの集中期間においてそれを延ばして先に持っていくというようなことでございますけれども、今この財政構造改革法を改正して目標年次を二年延長するよとか、そういうことも議論されております中でそれがいかなる影響を及ぼすのか、その点について所見をいただきたいと思います。
 予算審議における総理の答弁は、与党の経済対策等については重く受けとめるというような表現しか言っておりませんけれども、しかしやはりこの地方財政に大きく影響するところでございますので、勉強中とか検討中とか言わないで、勉強家であられます自治大臣の御所見をお教えいただきたいと思います。
#32
○国務大臣(上杉光弘君) まことに繰り返しで申しわけないんですが、今回の大型補正等についての一つの決定というか、それは政府・与党のという形ではございませんで、与党三党における協議の結果そういうものが判断として決定というか結論を求められたと。まだ私、閣僚会議あるいは閣僚懇談会ございますが、政府と与党が一緒になって、この問題があったのは、与党からこういう経過によってこういう結論を得たという報告があっただけでございます。それに基づく政府としての協議、論議というものはまだなされておりません。したがいまして、総理のたびたびの答弁にもありますように、与党としての提案を重く受けとめまして今後どう対応するかというのがあるわけでございますが、我々といたしましては、与党提案をあらゆる角度から検討をし勉強してまいりたいというのが我々の今の政府としての姿勢であろうかと思います。
 景気対策をやるとするなれば切れ目のない予算と念じておりましたが、暫定予算が必至となり、極めて残念に思いますけれども、国民に対しては国民生活に切れ目のない予算執行ができ、また行政の推進ができますように、新年度提案をいたしております予算を一日も早く上げていただく、また予算が執行できますには関連法案があるわけでございまして、その関連法案を上げていただくということに我々は全力を傾けて努力をしなければならない、このように考えておるわけでございまして、この点については御理解をいただきたいと思います。
#33
○魚住裕一郎君 自治大臣の現時点における姿勢ということ等はわかりました。ただ、ここから先は予想ということになりますが、万が一その目標年次が二年先送りになった場合、いろんな計画がございますけれども、どのような影響を受けますか。
#34
○政府委員(二橋正弘君) 今の経済対策なりあるいは財政構造改革法の問題なりにつきましての基本的な立場は今大臣から御答弁のあったとおりでございまして、これまで予算委員会等で御質問があった場合にも、財政構造改革法の例えば目標の時期を延長するといったようなことは考えていないということは総理からも答弁されておりまして、私どももそういうふうに理解をいたしておるところでございます。
#35
○魚住裕一郎君 それでは、これはこの程度にしておきまして、土地住宅税制について改正がなされようとしておりますが、ちょっとこの概要を簡潔に言ってください。
#36
○政府委員(成瀬宣孝君) 今回の地方税制改正案におきます土地住宅税制の関係でございますけれども、まず一番目が住民税の土地譲渡益課税の改正でございます。
 その改正内容でございますが、まず、平成十年一月一日から平成十二年十二月三十一日までの間に、個人の長期所有土地、五年を超えるものでございますが、これを譲渡しました場合の譲渡所得につきまして、特別控除後の譲渡益六千万円以下の部分については六%、六千万円を超える部分につきましては七・五%の税率で課税をすることといたしております。
 次に、平成十年一月一日から平成十二年十二月三十一日までの間に、個人の短期所有土地、五年以下のものでございますが、これを譲渡した場合の事業所得または雑所得につきまして、現行の分離課税制度は適用せずに、給与所得などに対する課税と同様に総合課税を行うこととしております。
 さらに、平成九年十二月三十一日までの譲渡をもちまして、個人の超短期所有土地、これは二年以下のごく短い所有期間の土地でございますが、これを譲渡した場合の事業所得または雑所得に対する重課制度を廃止することといたしております。
 それから、特別土地保有税の改正が大きな改正の一つでございます。これにつきましては、平成三年度に、いわゆるバブル経済下における異常な地価高騰への対応としてその強化が行われました。しかしながら、近年、土地の投機的土地取引は鎮静化してきておりまして、地価の下落傾向も続いておりますので、平成三年に課税強化された措置を見直すことといたしております。
 このため、まず、市街化区域内の土地のうち、保有期間が十年を超えるものにつきまして、他の区域の土地と同様に課税対象から除外することとし、また、三大都市圏の特定市に限って時限的に免税点を一千平米に引き下げる課税の強化措置があったわけでございますが、これを廃止するなどの見直し措置を講ずることといたしております。
#37
○魚住裕一郎君 今のお話の中で、バブルを抑えるという趣旨のお話がありましたけれども、これを改正することによってまた土地の高騰というかそういうおそれはないんでしょうか。
#38
○政府委員(成瀬宣孝君) 土地譲渡益課税につきましては、いわゆるバブル崩壊後も、年々の土地をめぐります状況を踏まえまして、累次の見直しを行ってきたところでございます。しかしながら、依然として続いております長期にわたります地価の下落、土地取引の状況などの土地をめぐります状況、あるいは現下の極めて厳しい経済情勢などを考慮しまして、この際、土地の有効利用の促進や土地取引の活性化を図るため、土地譲渡益課税の軽減を図ることといたしたものでございます。
 また、特別土地保有税につきましても、昨今の土地をめぐりますいろんな状況を踏まえまして、土地の流動化、有効利用促進のため、先ほど申し上げましたような見直し措置を講ずることとしたものでございます。
 したがいまして、今回の改正は、昨今の経済情勢や、殊にバブル期に大変ひどい状況でございました土地の投機的取引、これはもう相当鎮静化してきていると思います。そういった状況や地価の下落傾向がずっと続いております。
 そういった中で、基本的に、バブル対策として講じられました措置をもとに戻すということでありますので、こうした税制改正によりましてバブルが再燃するとかあるいは地価がさらにまたもう一度高騰するといったような事態にはつながらないものというふうに思っております。
#39
○魚住裕一郎君 このバブル税制、平成三年ということでございますけれども、地価ががくんと下がってきた分水嶺は平成三年秋だと私は認識をしております。それからもう七年たつわけでございますけれども、バブルを、狂乱土地をずっとやらせておいて、最後になって、これが効いたのかどうかわかりませんけれども、土地の高騰の鎮静化に向かった、それでまた七年たってようやくこういうような改正が出てくるといいますか、余りにも後手後手過ぎないかというふうに思うんですが、つまり、バブル崩壊後の不況にもう六十数兆の経済対策を一生懸命やっているというような中で、いつまでたってもこれを放置しておいたというのはどういうことなんでしょうか。
#40
○政府委員(成瀬宣孝君) 確かに、御指摘ございましたように、地価の動向でございますが、バブル期の地価の最も高かった時点は平成三年かと思います。その後、御案内のように、ここ四年以降すっと地価の下落傾向が続いておるわけでございますけれども、近年の地価下落は、国民経済的にはプラスの効果も生み出しているものの、その下落が急激かつ継続的でありますことから、いろいろなさまざまな問題が出てきているわけでございます。
 もちろん、先ほども申し上げましたように、例えば土地の譲渡益課税などにつきましては、平成三年に相当強化措置が講じられたわけでありますけれども、その後何回か税負担を軽減緩和する措置が講じられてきております。しかしながら、そうした措置がとられても、なお地価の下落は依然として続いておりますし、土地取引もなかなか回復の兆しを見せないというようなことで、現在の土地をめぐります動向が、金融システムあるいは経済全体へ与える影響の大きさ、そういったものを考えまして、この際さらに思い切った対応策を講ずるべきではないかといったような観点から政府税制調査会でも論議が行われ、そうした方向に沿って今回の見直し、軽減措置がとられたというふうに理解をいたしております。
#41
○国務大臣(上杉光弘君) この点につきましては、随分激しい議論が政府・与党であったことも事実でございます。これは、長年にわたりまして、委員御指摘のとおり、金融機関も不良資産としての土地を多く抱えており、またバブル期の企業も、そういう意味では不良資産として多くの土地を抱えておる。
 言うなれば、この不況の一因でもございます、土地が動かない、土地の流動化をどうしても促進させなければならない、そして不良債権の整理というものをしなければなかなかこの景気に対する対応というものが、立ち上がりというものができないじゃないか、こういうことで、思い切ってこういう税制的な措置をしたというのが基本でございまして、この点については、またバブルに戻るんじゃないかという心配があったこと、懸念があったことも事実でございますが、しかし、このままでは何とも動かないじゃないか、不良資産の整理ができないじゃないか、土地の流動化を図る必要があるとの一つの視点に立ってこのような措置が講じられた、こういうことで御理解をいただければありがたいと思います。
#42
○魚住裕一郎君 私も同じ意見でございまして、余りにも遅過ぎるんじゃないかという視点でお聞きをいたしました。
 次に、今回、共用飛行場に関連して、民間航空専用部分についての市町村交付金、固定資産等所在市町村交付金というんでしょうか、盛り込まれておりますが、国の部分は、民間ではない部分、自衛隊の部分ですか、これについては交付金は出されないんですか。
#43
○政府委員(成瀬宣孝君) 今回のこの交付金制度の改正でございますが、国が持っておりますいわゆる共用飛行場、民間と自衛隊が共同使用しておるものでございますが、これを交付金の対象とするというものでございます。この交付金制度におきましては、空港の用に供します固定資産につきましては、空港施設に係る財政需要が大変大きいこと、広大な面積を持っているにもかかわらず固定資産税収入が得られず財政上の困難を来すおそれがあることなどから、これらの要素が特に強い空港整備法に基づきます一種、二種、三種の空港に限って交付金の対象としてきたところでございます。
 しかしながら、空港所在市町村は、共用飛行場に対しましても通常の空港と同様にいろんな行政サービスをやっておりますし、共用飛行場と空港整備法に基づく空港との間で負担の不均衡が生じているといったようなこともございます。
 それから、ただいま御指摘の共用飛行場のうち自衛隊が直接使用しております空港施設につきましては、別途基地交付金、いわゆる基地交付金でございますが、これの対象とされておりまして、同じ施設の中でも不均衡が生じていることなどを勘案いたしまして、共用飛行場におきまして専ら一般公衆の利用に供する固定資産で国が所有するものにつきまして、今回、交付金の交付対象と新たにすることとしたものであります。
#44
○魚住裕一郎君 私、わからないのが、なぜ交付金なのかということなんですね。その点、お願いできますか。
#45
○政府委員(成瀬宣孝君) 現行の地方税法におきましては、国及び地方公共団体に対しましては固定資産税を課することができないというふうな仕組みになっております。
 この理由は、国や地方公共団体の活動に伴う財政需要は国民の租税負担による収入によって賄われておりますので、仮にこれらの団体に固定資産税の負担を求めるといたしましたとしても、終局的には一般国民の租税負担になってしまうということを考慮して、国や地方団体が持っております資産に対しては固定資産税を課さないという仕組みになっているわけであります。
 しかしながら、国や地方団体が持っております固定資産の中には、その使用の状況や、あるいは所在市町村の行政サービスとの受益関係におきまして、固定資産税が課されます一般私人が持っております固定資産と何ら異ならないものも存在をいたしております。
 そうした資産を考えますと、負担の公平の見地よりすれば、国や地方団体の持っております固定資産といえども、所在市町村との受益関係が固定資産税を課されている他の類似の固定資産と同様であるものにつきましては同一の負担を求めるものとすることが望ましいと考えられますことから、国や地方が持っております固定資産のうち、国や地方公共団体以外の者が使用している固定資産、つまり貸し付けられている固定資産、そうしたものでありますとか、空港の用に供する固定資産、先ほど御説明したものでございますが、そういった一定の固定資産につきまして、税ではなくて、その資産の所有者であります国または地方団体に対しまして固定資産税相当額の負担を求めるということでこの交付金制度が設けられているものでございます。
#46
○魚住裕一郎君 つまり、今おっしゃった趣旨で交付金を出している部分については、同じ趣旨なんだから固定資産税でいいんではないかと思うんですね。その点についてはどうですか。
#47
○政府委員(成瀬宣孝君) 結局、固定資産税を所在市町村が国や地方団体にかけるといたしましても、最終的には国や地方団体はその財源を、最終的に考えますれば一般国民あるいは地域住民の租税負担に求めて、それで財源調達をしてお金を払うということになりますので、そういう仕組みをとるのではなくて、交付金という形の中で、効果的には同じかと思いますけれども、税ではなくて交付金という形で制度が仕組まれているということでございます。
#48
○魚住裕一郎君 交付金であったとしても、それは最終的には国民の負担になるんじゃないですか。
#49
○政府委員(成瀬宣孝君) 基本的には、国と地方公共団体相互間の関係におきましては、通常は税は課さずに必要な負担を求めるという場合には、相互間に課税関係で入るということではなくて、必要な財政需要を賄うための費用については別途この交付金といったような形でもって費用負担を求めるという仕組みになっているものと思われます。
#50
○魚住裕一郎君 いや、よくわからないですね。要するに市町村が国に課税しちゃいけないということなんですか。
#51
○政府委員(成瀬宣孝君) 固定資産税につきましては、先ほど申しましたように、基本的には固定資産税は課すことはできない、ただ他の一般の私人が持っておりますような固定資産と同じような関係にあると見られます国の有する固定資産につきましては、税ではなくて交付金をいただくというような仕組みで制度が仕組まれているわけでございます。
#52
○魚住裕一郎君 では、ちょっと話題を変えまして、交付税なんですが、今どのくらいの割合になっておるんでしょうか。地方財政収入における割合。
#53
○政府委員(二橋正弘君) 平成十年度で二〇・一%になっております。
#54
○魚住裕一郎君 大変大きな財源になっておりまして、これがなくしては地方の行財政は成り立たないというふうに思います。これは普通交付税と特別交付税があるというふうにお聞きをしておりますけれども、特別交付税というのはどういうものなんでしょうか。
#55
○政府委員(二橋正弘君) まず、交付税全体が今言いましたように二〇・一%のウエートを占めておりますが、その中を二つに分けまして、普通交付税が九四%、六%分を特別交付税ということになっております。
 この特別交付税でございますが、これは標準的なものは普通交付税に算定いたしますので、そういう普通交付税の算定方法によっては捕捉できないような特別の財政需要とか、あるいは時期的にあらかじめわからないような災害等の財政需要につきまして、それぞれ当該団体の財政事情等をいろいろ判断をして交付する、いわば普通交付税の補完的な役割を果たしているのが特別交付税でございます。
 具体的には、今申しましたような災害の関係でございますとか、除雪、排雪関係の経費でございますとか、あるいは公営企業関係の健全化ということで、病院とか上下水道の公料金対策といったようなこと、その他さまざまな財政需要をとらえて算定をいたしておるところでございまして、基本的な算定の項目なりあるいはやり方につきましては自治省令という形で定めて、項目あるいは単価といったようなものを決めて算定をいたしているわけでございます。
#56
○魚住裕一郎君 今六%とおっしゃいましたけれども、額にしたら大体どのぐらいですか。
#57
○政府委員(二橋正弘君) 平成九年度で申しますと一兆二百八十億三千九百万でございます。
#58
○魚住裕一郎君 今御答弁の中で、捕捉できない事態、あるいは予測できない事態に備えるものだということでございますが、例えば積雪ということはおっしゃっていましたね、除雪。もちろんエルニーニョ現象が出たり雪が少ないとかそういうのはあるかもしれません。だけれども、毎年大体降るところは決まっているんじゃないのかなと。あるいは上下水道ということも出ました。あるいは病院ということも出ました。こんなのは突然病院建てようという話じゃないでしょう。どういうことなんでしょうか。
#59
○政府委員(二橋正弘君) 積雪の関係で申しますと、もちろん一般的には普通交付税で寒冷補正という算定のやり方がございまして、雪の降るところでは例えば道路の維持経費が降らないところに比べて当然割高になるわけでありますから、費目ごとに雪の影響を考慮すべきところは寒冷補正という形で算定いたしておりまして、しかもそれも雪の過去の降る程度といいますか量を勘案して級地を決めて、それに基づいて算定をまず一般的にいたしております。
 ただ、その年によりまして相当雪の量が多くて除排雪経費が多額にかかって、いわばその金額では間に合わないというケースが当然出てまいりますし、それがもちろん地方によっても局地的に大きな雪が降るということは当然ございますので、そういうところにつきましては普通交付税で算定し足りないところをいわば補完的に算定をして特別交付税で除排雪関係を算入している、こういうことでございます。
 それから、病院は今の建設の関係のことではございませんで、病院のいわば経営の状況、これもさまざまでございます。それから、もちろん一般会計との負担を区分して、公立病院の場合には他の病院にないような高度医療とかあるいは救急医療とかといったような公立病院で特に果たさなくちゃいけないようなものを、これは全部診療報酬で賄うのは無理だというものは一般会計が負担をして繰り入れるというふうな、ルール的に決めているものがございます。
 そういうものを上回って個別の病院ごとに特別、病院経営上にお金がかかっているような要素がある場合にそういうものを算定いたしておるということでございまして、その病院の関係とか雪の関係とかも全部特別交付税で算定しているということではないわけであります。普通交付税であくまでも算定し足りないものといいますか、捕捉し切れないものを補完的に特別交付税が算定しておるということでございます。
#60
○魚住裕一郎君 今の積雪の話だと、これ予測し得ないということもあるんでしょうけれども、そこまでいくと災害の部類になるんじゃないのかなと思うんですね。今お話の中で補完的にやっているんだという話でございますけれども、だけれども捕捉できないあるいは予測できないということと補完というのは意味が違いますね。あらかじめわかっていることを補完するんじゃないんですか。
#61
○政府委員(二橋正弘君) 一番最初に申しましたように、普通交付税の算定で捕捉できないような特別の財政需要、これは何といいますか、比較的広い団体に普遍的にあるというものではなくて限られた団体に財政需要として発生するようなものと、それから災害のようにあらかじめ予測できなくて、あるいはさっき申しましたような雪のように普通交付税で算定しているものを上回って局地的に大きな雪が降ったといったような要素と両方ございますので、それをひっくるめて特定のある程度団体が偏ったところについて算定するものと、それからあらかじめ予測できないもの、それをひっくるめて補完的にというふうに御説明申し上げているわけでございます。
#62
○国務大臣(上杉光弘君) 予測できない、例えば自然的なものはこれは予測できませんね。
 例えば、鹿児島県の出水市を中心にした大規模な災害が起こった。これは財政需要が起こります。それから、積雪にしても、例えば山梨県、あそこはブドウでありますとか果物であるとか、そういう栽培が盛んに行われているところですが、ブドウ棚がほとんど積雪のために壊れたとか果物がえらいやられたとか、それはまだある意味では農業振興とかその農業の立ち上がりのために財政需要が要る、そういうものは予測できませんのでそういうところに特交で対応しておる、こういう意味でお受けとめいただければありがたい、こう思うんです。
#63
○魚住裕一郎君 普通交付税についてはいろんな基準を設けて積算をしてきちっと出しておりますけれども、この特別交付税の基準について概略、どんな基準でやっておるんですか。
#64
○政府委員(二橋正弘君) 特別交付税につきましては、一番最初に申し上げましたように、項目ごとにかつこういう単価で計算するという旨のことを自治省令で定めて、それでもちろんオープンになっておるわけでありますけれども、そういう形で定めております。
 それから、それでもなおかつどうしても特定のところにしかないようなもので、要するにあらかじ目標準的な単価的なものはなかなか決めがたいようなものも当然ございますが、そういったものはそれぞれの団体から報告をしていただいた数字をもとにして算定をするという形でございまして、基本は、項目あるいはその算定の基準単価は自治省令の中に物すごくたくさんの項目がございますが、そういう項目を全部一覧にして定めておるということでございます。
#65
○魚住裕一郎君 今、細かい基準を定めて、しかもそれはオープンになっているということでございますが、これ一兆円の使い方の問題なんで、何でこれ省令なんですか、法律化してもいいんじゃないですか。
#66
○政府委員(二橋正弘君) これは項目が非常に何といいますか、普通交付税で算定できないような特別なものが要素として多うございますし、それから今、特別交付税の場合には十二月分と三月分に分けて二回で交付いたしておりまして、それぞれの項目ごとに毎年度少しずつ改正をする、その財政需要の性格から少しずつ改正する必要がある、それから十二月分と三月分に分けて交付をするということになっております。そういうこともございまして、省令という形で定めておるものでございます。
#67
○魚住裕一郎君 額も大きいし、それから毎年改正しなきゃいけないなんといっても、租税特別措置法なんて毎年改正しているわけであって、それは理由にならないじゃないですか。
#68
○政府委員(二橋正弘君) 額は先ほど申しましたように一兆円を少し上回る金額になっております。これにつきましてはおおむね三分の一以内の額を十二月で交付をするということにいたしておりまして、残りの部分を三月に算定をするということにいたしておるわけでございます。
 年に二回に分けて、かつ毎年度いろんな団体からの財政需要の状況を聞かせていただきながらこの算定のルールを定めていかなくてはいけないということもございまして、年を通じていろいろ状況の収集なりあるいはそういう事情の把握なりをしなくてはいけないということがございまして、今この省令という形になっておるわけだと考えております。
 金額は確かにそういう金額になっておりますが、あらかじめ地方団体の皆様方にはその算定の対象あるいはやり方ということを省令の形で明らかにいたしておりますので、そういう点では、自治省令という形で算定をするということが特別交付税の算定のやり方からいって必ずしも不適当ということではないんじゃないかというふうに私どもとしては考えております。今のやり方で地方団体に対する説明も十分にできるというふうに考えておるところでございます。
#69
○魚住裕一郎君 いや、まだ納得できないですね。
 額にしても、前に私は法務委員会にいて、裁判所が約三千億ぐらい、法務省が六千億ぐらい。ええ、こんなので三権分立を支える体制やっているのかと思ってぞっとしたんですが、それを合わせても一兆にも満たないわけですね。今お聞きしたら、特別交付税は一兆を超える。それを省令でやっている。省令なんて簡単に変えられますよ。
 今いろいろマスコミ等を騒がしておりますけれども、裁量行政というようなことを言われておりますけれども、個々人の役人の裁量というだけではなくして、やはり自治省全体としての裁量で一兆円を使えるということを意味するわけであって、この点についてまだ納得できません。御答弁を求めます。
#70
○政府委員(二橋正弘君) この算定のやり方、今も申しましたような項目ごとに算定の基準単価を決めてやっておりますが、具体にこの省令を定めます場合、あるいは金額の算定をいたします場合には、先ほど申しましたように、あらかじめ全体の基準はオープンになっておりますから、地方団体の皆さん方も十分お知りいただけるという状況になっておりますし、また関係団体の意見、これもその都度各県、あるいは市町村につきましては県でいろいろまとめていただいてお聞きいたしております。
 さらに加えて、仕組みの上では地方団体の代表の方が入っておられます地方財政審議会が自治省にございまして、この算定の毎年度の具体のやり方、省令の決め方、それから具体の算定を地方財政審議会にお諮りをして御意見もお聞きいたしておるところでございまして、その委員は関係地方団体のそれぞれ御推薦をいただいた方々になっていただいているということでございます。
#71
○魚住裕一郎君 まだ納得できませんね。
 要するに、地方と自治省でお手盛りをやっているということなんでしょう、それは。
#72
○政府委員(二橋正弘君) 地方交付税は地方の共有の固有財源というのが基本的な性格でございます。したがいまして、その性格にのっとりまして、地方団体の皆様方にも御理解の十分いただけるような算定をする必要があるわけでございます。そういうことから、今申しましたような省令の決め方なり、あるいは地方財政審議会への付議なりといったような形で、いわば共有財源であるものを関係の地方団体の皆様方のいろんな意見も反映できるような形で今算定をいたしているということでございます。
 なお、分権推進委員会からは、交付税の算定のやり方について、透明性をさらに高めるといったような観点から、地方団体の意見が算定に反映できるような制度的な仕組みを考えるべきだというふうな勧告もいただいておりまして、私どもはそういう方向に沿って、今後意見の反映ということの制度化を図っていきたいというふうに考えております。
#73
○国務大臣(上杉光弘君) 私、大臣になって、特交について説明を聞きました。これを聞きまして感じたことは、特交については、全国の三千三百の地方団体に特交をどういうふうに配賦されるかということについては項目別に熟知をしておるということが一つ。
 それから、これは公開をされておるということが一つ。
 さらにもう一つは、交付税を決定する段階で、財政需要がその段階以後変動するというか変わるものについて自治省が二回に分けてやるというもので、本当は特交も一回でなぜできないのかな、こう思ったんですが、やっぱり前半、後半というか、財政需要に変動を地方団体が来した場合に、交付税ではとらえることのできなかったものを財源としてならしていくという、そういう目的がよく私は説明を聞いてわかりました。
 しかも、これは自治省の裁量とか個人の感覚とか政治的判断の入らない形での配分でございまして、この点については極めて機動的に、その地方団体の交付税を決定した段階ではとらえることのできなかった財政需要に対してならす、それを補足していく、そういう役割を十分私はこの特交というのは果たされているのかなという気持ちが強くいたしました。
 したがって、法律でありましても政令でありましても、役所が勝手な裁量とかあるいは政治的な判断とか、それでなされるものではないという事実を私も確認いたしておるわけでございまして、この点についてはひとつ御理解をいただきたい。
#74
○魚住裕一郎君 大臣のお感じと、私はちょっとまだ乖離がありますけれども、時間が迫ってきましたので、次の点について進みたいと思います。
 今回、地方税の特例措置として中心市街地の活性化に資する一定の施設整備に伴う関連で特例措置を設けようとしておりますが、この中心市街地活性化のための施策の内容を簡潔に言ってください。
#75
○政府委員(香山充弘君) お答え申し上げます。
 中心市街地の再活性化は全国を通じまして重要な課題でございますので、自治省におきましては通産省、建設省等と連携をいたしまして、今国会に新たな法律案を提出するとともに、地方財政措置といたしましては計画策定、人材育成等のソフト事業に対しては普通交付税措置、また地方単独事業として実施いたします街路、駐車場の整備、あるいはイベント広場の整備等、いわゆるハード事業に対しましては中心市街地再活性化特別対策事業という制度の創設、さらには個々の地方団体が活性化のために地方税の不均一課税等を行う場合には、それに対する交付税による減収補てん措置、これらの措置を講ずることによって対応することといたしておるところでございます。
#76
○魚住裕一郎君 中心市街地再活性化ということでありますから、今活性していない中心市街地というものが対象になるんだと思うんですね。だけど、町というのは、ある意味じゃ釈迦に説法の世界になりますが、いろんなライフスタイルでありますとか、経済構造の変化でありますとか、どんどん中心市街地も移動していくのが当たり前ではないかと思うんですね。江戸から東京になって、例えば浅草から上野あるいは銀座、新宿というふうにどんどん西の方に移動していくようなこともございました。あえて国として中心市街地を再活性化させなさいよという施策の意味はどういうことなんでしょうか。
#77
○政府委員(香山充弘君) 中心市街地は、法律の定義によりますと、これまで市町村の中心としての役割を果たしてきたもので、その役割が低下し、または低下するおそれがあるという区域でありまして、具体的なイメージといたしましては商店街だとか駅だとか、あるいは官公署を中心として都市機能が集積しておって、大体歩いて二、三十分ぐらいの広がりを持つ区域というふうに一応私ども考えております。
 その再活性化についてでありますけれども、私どもが今回法律あるいは自治省の単独施策として考えておりますのは、あくまで関係市町村の創意を前提といたしまして、市町村の自発的取り組みを支援しようという基本姿勢に立つことにいたしております。
 今、率直に申し上げまして、委員御指摘のような考え方をとりまして、そういうことに対しては手を出さないという地方団体も私ども率直に言ってあろうかと存じますけれども、一方で、中心市街地というのは地域において文化とか伝統をはぐくんできないわば町の顔でありまして、商店街が衰退するとか、あるいは官公署が移転するといったことによりまして空洞化が進みますと、町づくりの基本そのものの見直しを迫られるようなところが出てまいります。そういうケースにおきまして、要するに市町村がコミュニティーの中心の役割を担うべき中心市街地の再活性化に取り組むということは、これは十分考えられることでありまして、この点に対して地方団体からも国による支援を求める強い要望がございます。
 そういうことで、私ども、市町村が自主的な判断によってそのような取り組みをする場合には国としてしかるべき支援方策を用意しておく、そういうことには大いに意味があるというふうに考えまして今回のような措置を講ずることにいたしたのでございまして、御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
#78
○国務大臣(上杉光弘君) 私、大臣に就任しましてプロジェクトチームをすぐ指示しました。一つは、地方の時代と言われてなかなかそうならない、国土保全的視点からの地方の活性化のプロジェクトが一つ。それからもう一つは、中心市街地という地方の問題があるわけでございますが、地方の中心市街地、特に過疎地等におきましては空洞化が目立つ、商店街が歯が抜けたようにもうどこかへ行ってしまう。そういうものであってはこれはならないんじゃないか、それを黙って見過ごすというのは私はむしろ行政の無責任だという気持ちが非常に強うございまして、主にこの中心になる地方の市街地の活性化というものについての政策を研究、検討してみると、こういうことでプロジェクトで予算編成に間に合うまでの間議論を詰めてきて、こういう方向を出して九百五十億のソフト、ハードを含めた予算措置をした、こういうことでございます。
 もちろん、関係省庁と連動して法案等も提出をいたしましたが、言うなれば歯がもげたようになったこの町並みというものをそのままほったらかしちゃいかぬ、またそういうふうに衰退しておる町並みでありますとか中心市街地をほったらかしちゃいかぬ、何とか再活性化をする方策というものを地域の皆さんが自主的なあるいは自立的な方向でこの振興策を図ってはどうかと、こういうのが率直な一つの考え方であったことを御理解いただければありがたいと、こう思います。
#79
○魚住裕一郎君 だんだん時間がなくなってきましたけれども、二つ一遍に聞きたいと思います。
 一つはソフト事業、これは地方交付税による財源措置、それからハード事業については地方債、だけれども交付税措置つきですよということでございます。
 先ほど小山委員からもお話が出ましたけれども、要するに一般財源であるべきこの地方交付税、これがだんだんひもつきというか特定財源化してきている。さらにこういう新規な施策をやることによってその傾向性が進むのではないかという点。これが一点目。
 二点目は、この中心市街地というのをどうやって選ぶんだという点でございます。
 もう既に二月の段階から、ある新聞ではもう分捕り合戦が終わったというような話でございます。このお金を集中投下する候補地というのは大体商工族幹部の選挙区と不思議と重なるというような表現がございます。この点についてはいかがですか。
 二点、お願いいたします。
#80
○国務大臣(上杉光弘君) 例えば、事例を申し上げます。私、宮崎ですが、宮崎県の都城市というところがございます。ここで都市計画事業を今進めようとしておるわけです。都市計画事業をやりますと、なぜ中心市街地が廃れたかというのは、決め手がなかったけれども、これで一緒にやりたいということなんです。
 例えば、政府の出先機関が、十一の省庁の出先機関がばらばらにございます。それで、一番衰退したところ、土地があきましたから、そこに総合事務所をつくろう、そうなれば食堂も必要でしょうし、商店街もまたその需要というかそこへ人が集まってくる、そういうものを目玉にしようということで取り組みをしておるところ等もございます。
 言うなれば、今まで空洞化して、なかったことを逆手にとりまして、空き地に、ばらばらであった国の出先を一ところへ集める、そしてさらにまた利便性だとか、あるいは関連する商店街がそこに活性化していく状態というのができればいい、こういう事例がございますが、そういうものを国として支援をしていこうじゃないか、こういうふうに御理解いただければありがたい。そういう事例がありましたので、事例も含めて申し上げておきたいと、こう思います。
#81
○政府委員(香山充弘君) この事業の中身についての御質問でございますけれども、まず、交付税のひもつきについての御指摘がございましたけれども、先ほども御説明申し上げましたように、あくまでもこれは地方団体からの申請に伴いまして、地方団体が地方債を発行して事業を実施する、しかも国庫補助金と異なりましてあくまで地方公共団体の創意工夫に基づいて事業の内容、規模等が決定される地方債でありますので、これにつきましては、補助金に依存しないという財政運営等も一方では重要なことでありますので、そういった場合につきましては、おる程度具体の事業量を反映したような形で交付税でフォローするということも、これはあながち交付税のひもつきになることではないというように私ども考えている次第でございます。
 また、具体的な箇所の選定でありますけれども、これはあくまで先ほど申し上げました法律の定義あるいは考え方等を踏まえまして、市町村が具体的に申請をしてこられた場合を私どもできるだけ広く採択をいたしたいというふうに考えておりまして、私どもの施策の対象といたしましては、いわゆる補助金の箇所づけをするというような形の運用をするつもりは一切考えておらないところでございます。
#82
○魚住裕一郎君 終わります。
#83
○高橋令則君 大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 既に御承知のように、二十七日だったと思いますが、総務庁の調査としていわゆる完全失業率、それが三・六ですか……
#84
○国務大臣(上杉光弘君) 三・五です。
#85
○高橋令則君 そうでしたかね。非常に悪い率が出ております。
 一方、大臣もごらんだと思いますけれども、これは警察庁の調査で出ていますけれども、九年のやつがどうかなと聞きましたら、まだ間に合わないそうでございまして、古い資料になりますけれども平成八年のときに自殺した原因の数が出ていますが、これが三千二十五人です。これが、相当前にと申しますか、例えば昭和三十二年では千八百四十二人。最近非常にふえてきているんですね。それで九年は、さっき申し上げたように、四月にならないとできないというふうな話も聞いておりますが、こういうふうな状況から見て、最近、経済状況が非常に厳しいなということを実感しているわけでございます。
 大臣は地方財政を預かって、そしてまた閣僚の一人でもいらっしゃいますので、とういうふうな経済情勢の全体についてどのような認識をしておられるのか、それを伺いたいというふうに思います。
#86
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、ただいまのお尋ねでございますが、内外の通貨・金融市場等の混乱を背景として家計や企業の景況感の厳しさが実体経済に強く影響を及ぼしておるという理解をいたしております。さらに、この感じは昨年の暮れごろからことしに入りまして地方にも強く波及しておるわけでございまして、地方が実感として地域住民の皆さんが不況感を強く感じられているのではないか、こういうふうに考えるわけでございまして、我が国の景気は大都市圏、地方圏を問わず全国的に停滞局面というか非常に厳しい状況のもとにある、このように認識をいたしておるわけでございます。
 ただ、失業率とかこういう社会不安の問題が示されましたが、三・五%というのはヨーロッパ先進諸国あるいはアメリカ等に比べましても、私の記憶ではアメリカも四%台でございまして、あれだけ景気がいいと言いながら失業率は四%以上を示しており、三・五という失業率は極めて重圧としては感じますけれども、ヨーロッパやアメリカと比べればそこまで失業率も行っていない。ただ、社会不安の、こういう青少年の刃物でありますとかあるいは来日外国人の組織的な犯罪でありますとか、景況感の非常な悪さに加えて社会問題が惹起しておるというのは極めて不幸な実態だと、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
#87
○高橋令則君 今ちょっと失業率の話で、三・六でありますけれども、それが諸外国に比べて低いということは確かにそのとおりなんです。ところが、中身がちょっと違うんではないかというふうに私は思っているわけです。というのは、我が国の場合は企業が事実上潜在失業者というんですか、そういうものを抱えているんですね。そういうようなことを言うわけでございまして、今の大臣が言われたような率でもってアメリカに比べていいというふうにならないのだろう、中身が違うのではないかというふうな認識を私は持っておりますので、それは申し上げておきます。
 それでは、次に参りますけれども、総体的には大臣がおっしゃるような厳しい状況にあるということについては同じでございます。そういう中で、二十七日にこれも朝日委員がおっしゃったわけですけれども、私も同じような意見を持っておりますが、このような状況のもとで、与党そして政府の関連ですか、総合経済方針というか、そういうものが決められて、そしてそういうふうなことを議論する中で十年度予算についてはまだ同じようなお話を総理等から伺っておる。
 一方で、当然ではありますけれども、多分近く大型補正があるんじゃないか、これはもうみんな言っているわけです。この関連というのはどうも遅いというのか非常にちぐはぐのような感じを私は持っているわけでありますが、重ねてですけれども、こういったことについて大臣のお考えを伺いたいというふうに思います。
#88
○国務大臣(上杉光弘君) その前に、先ほどの失業率の感じが違うんじゃないか、こういう話でしたが、委員とは全く逆でございまして、労働省の見解を聞きますと、三・五の中身というのは、男性の方が三・七ですから女性よりも多く上回って、平均すると三・五になっているわけです。そういう意味ですが、例えばアメリカが四・七ぐらいだったと思います。イギリスは五・五、六%、それからドイツは一一・四、フランスも一〇%台です。ところが、日本の場合の失業率は、もっといいところはないかという失業が半分ぐらいある。これは労働省の見解でございます。したがって、むしろ委員とは逆に、この失業率の中身については違うものがある。ただ、山一が閉鎖するとか企業の倒産等もふえておりますから、非常にそういう意味ではそういう見方がなされる側面もある、それは否定しません。しかし、中身については、失業者の半分ぐらいはまだもっといいところはないかという職探しのための失業もあるというのは日本的な特徴だそうでございまして、その点については私も驚いたんですが、本当かなという気持ちを持ったぐらいですけれども、そういう実態があることは御理解をいただきたい。
 それから、大型補正予算の件でございますが、これは御案内のとおり、新聞報道がありましたその前の日の閣議で、我々は初めて政府・与党の会合がございまして与党の結論としてこれは報告をお聞きいたしました。
 この点については、政府の姿勢は御案内のとおり、まことに繰り返しで申しわけないんですが、これは与党の提案ですから重く受けとめる、重く受けとめた上であらゆる角度から勉強して今後の対応というか、そういうものはどうかというところまではまだ行っていない、勉強中であると。まことにおしかりを受けるかもしれませんが、そういうことでございますので、この点については御理解をいただきたい。
 さらに、国民の立場からすれば、今はとんと終わりつつありますが、三千三百の地方団体、地方議会で新年度の予算を審議しておるさなかにあるわけでございまして、一日も早い予算の上がりを待っておるわけでございまして、地方行財政を預かる自治大臣としては極めてこの問題については心配もいたしておるわけでございまして、一日も早い予算の上がりを心からお願い申し上げるほかない、こういうことでございます。
#89
○高橋令則君 二十七日のと申しますか、内閣の方で与党の方針について今聞きましたというふうな趣旨、極端なことを言いますと、お話でございますけれども、これは二十七日の予算委員会の質疑を見ていますと、例えば総理が、基本方針といいますか、この考えをまとめていくプロセスにおいて相談は受け、指示をいたした部分がありますけれども云々と言っているんですね。いわゆる与党が審議されている中で、総理も考えをまとめていくプロセスの中で相談も受けているし、また指示もしているというふうなことをおっしゃっているんですね。これに書いてあります。
 とてもじゃないが、そのとき出ました、これからやるんですというふうな考え方だとちょっとうなずけないんですが、いかがですか。
#90
○国務大臣(上杉光弘君) ずっと衆参の予算審議の場でも私総理の答弁に耳を傾けておりましたが、あなたは全く知らなかったのか総理と、こういう質問が各党の代表からございました。いや、知らないということではございません、メモ的には報告を受けておりましたと、そういう答弁が基本であったと私記憶をいたしておるわけでございまして、全く知らないわけじゃないけれども、それは与党の議論というか三党の議論というものをずっと見守っておられたのではないかと、このように私としては受けとめておるところでございます。
#91
○高橋令則君 この辺はもうかみ合わない話にしかならないと思いますけれども、一つだけ大臣、申しわけないんですけれども、この前の委員会のときに私は日経のコラムについてお話を申し上げました。ぜひ見ていただきたいというふうに申し上げました。いかがでございますか。
#92
○国務大臣(上杉光弘君) コラム記事ですか。これは、委員のお気持ちと私はそう変わらないと思いますが、全体的な政治の動きとしてたび重なる政治不祥事があり、さらに景気対策にしても決め手を欠いておった経緯等もこれありますから、政治不信が起こっておると。政治が一日も早く政治信頼というものをかち取らなければならないのに、政治に対する信頼はなかなかかち取れない。それがだらだらと続いておりますから、政治に対する期待感すら薄れておるというのが今日の私は姿だというふうに認識をいたしておるわけでございます。
 そういう意味では、政治に携わる者は、特に政府・与党として私どもには責任があるわけでございますから、一日も早い政治信頼をかち取るとともに、さらに打ち出すべき政策の中で、国民の期待にこたえていくというものを構築していかなければならない、そのように私も強く感じておるところでございます。
#93
○高橋令則君 そういうふうにおっしゃるのであれば、この景気の問題でなくて、もっと早く手を打つべきではないかというふうに私はずっと前から考えておりました。それがこれだけ、予算が衆議院で通りまして、そしてこっちに回ってきているわけですけれども、その中で政府・与党のと申し上げますけれども、与党のそのような大型補正の話が出てくる。これをやるくらいなら、まだ予算中ですから、早急にむしろ予算をかえて、そしてもっと早い手を打つべきではないかというふうに思うんです。そういう動きが全くない。そして、消化試合というんですか、そんなことを言われるわけでございます。
 そういう中で、きのうの産経のこれもコラムを見ていますと、これでは参議院は必要がないんじゃないかというふうな案もあるんですね。こういうふうなことを言っている人もいる。これでは私ども残念と申しますか、しようがないんですね。参議院封じた、もう本当に情けないと思うんです。
 大臣はもう私どもの大先輩でいらっしゃいまして参議院で大変な苦労をされているわけでございますが、このような予算絡みの議論で参議院はこれでいいのかということについて、もっと高い立場から大臣の御指導をいただきたいというふうに思います。いかがですか。
#94
○国務大臣(上杉光弘君) 委員は大変地方行財政に精通された方でありますから、御指導申し上げるような私には見識はございませんが、参議院の国会審議における役割というのは、衆議院に出過ぎたものがあればこれを抑制し、足らざるものがあればこれを補完する、そしてバランスをとるという三つの役割が私は参議院の役割だと思います。
 しかし、国会運営上、国会の論議上、参議院の役割、機能というものがそれでは完全に果たされておるかというと、私はそうは思いません。したがって、国会運営上の与野党を超えた一つの問題というものがそこにあるような気がしてならないのでございますが、その一つは予算審議にあると思います。
 これは、法律で衆議院の優位性というものがちゃんと方向づけされておる以上、参議院はどうしても二番せんじという感を否めないわけでございまして、今の国会のあり方を含め、参議院としての無用論が出ないように我々は与野党を超えた対応というものが必要であろう。その点については全く委員と同じ認識であり、私は同じスタンスではないのかな、こういう気持ちがいたしておるわけでございます。委員会審議のみならず、本会議のあり方も含めた参議院の新しい時代に向かったありようというものは、衆参を含めた国会の改革というものは一つありますけれども、参議院は参議院としてどう独自性を発揮し、どう良識の府としての参議院の機能というものを高めていくかというのは、これは今後腹を割って与野党を超えて話し合っていくべきものではないのかな、こういう気持ちが強くいたしております。
 また、それが長年にわたってできないということについては我々大変じくじたるものを強く一方では感じておるわけでございまして、そういう点も含めた今後の話し合いというものをしていかないと、この無用論というものは何かあると必ず起こってくる。このことについては、そういうことのないように気をつけ、また努力をしていかなければならない参議院の大きな基本的な課題だと、このように私は理解しております。
#95
○高橋令則君 大変力強いと申しますか、そういうお話をいただきました。大臣は閣僚のお一人でいらっしゃいますけれども、まさに少ない参議院の一人でいらっしゃいますから、今後の議論に閣内におってもぜひそういうふうな反映ができるように、そのようなお力をいただきたい、このように要望申し上げます。
 次に、地方財政について、常に私も言われていましたけれども、国と財政は二つの車であるという両輪議論でやってきました。それに沿っている形でこれまでの地財対策というのはやってきたというふうに思うんですけれども、足りない財源に対しまして、半分国、半分地方というふうな形の対策が基本的に流れてきているように思うんです。その関係が果たして本当に両輪かな、それでいいのかなというふうなことをちょっと考えるんです。これは財政局長、いかがですか。
#96
○政府委員(二橋正弘君) 我が国の地方財政は、地方団体が打っている仕事の量が非常に多うございまして、国民生活に密接に関連するような仕事は大半地方団体の手で行われているということがございまして、歳出のベースで最終的な国と地方の役割分担というのは、いつも申し上げておりますように、地方が二で国が一という形になっております。
 一方で、税金が偏在しておりますので、税金は逆に地方が一、国が二になっていると。その間を地方交付税と国庫補助金で埋めているという形になっておるわけであります。特に一般財源のベースで税の一対二を交付税の配分後でおおむね一対一にしているというのがやっぱり地方財政の骨格的な部分でございまして、国も地方も財政は、これは委員にまことにこんなことを申し上げて恐縮でありますけれども、全部最終的に国民の方々から納めていただいている税金で国も地方もやっておるわけでありまして、最終は全部税に帰着するわけであります。その税をどうやって分けているかというのは、交付税まで織り込みますと一対一になっていると。
 それは、それだけの大きさになるのは、歳出がそもそも二対一というくらいの大きな割合で最終的に地方団体にいろいろ仕事をやっていただいておるということからきておるわけであります。そういう骨格になっておるものですから、地方財政が毎年度お金が足りる足りないというふうな話をするときに、国と地方とでそれをどうやって補てんし合うかという話になりますと、骨格のところを一般財源で、税を交付税まで含めて考えますと一対一で分けているということがやはりどうしても基本にならざるを得ないんではないかと。その基本構造というのは、歳出の状況がそういうことである以上はそこのところはなかなか変えがたい、税の偏在の状況はもちろんその一つの大きな要因でありますけれども。
 そういうことがありますので、基本的なその構造というのは歳入歳出全体を通じたところからきているというふうに考えていく必要があるんじゃないかというふうに思っております。
#97
○高橋令則君 私もそのような説明を聞いておりましたし、そういう勉強もしてきた一人なんですけれども、例えば神野先生あたりを見ていますと、国際比較では必ずしもそうじゃないというふうなこともおっしゃっているんですね。私はそれを見てああそうかなと。財政局長はそうおっしゃいますけれども、何らかの別途の手当てでもしないとこれがまた、大臣はおっしゃいますけれども、大型補正なんて具体的に出てくるんだろうと思うんです。そのときにもまた大変だなというふうに思うんですね。補正債は確かにおっしゃるように後で財政全体を見ながら、算入の仕方もその年によって違うんですね、その時々にやっていくわけで、六六%とかいろんなケースがあるわけですから、それもわかっていますけれども。こういうふうな国際比較、そういうものを見ながら、何かもう少し手がないものかなというふうなことを最近はまたつくづく思うわけです。
 この辺について、大臣、いかがですか。
#98
○国務大臣(上杉光弘君) 国の財政も地方の財政も昭和三十年代め初め、五十年代の初め、非常に厳しい時期がございまして、財政再建を克服してきました。私は、日本人というのはそういう意味では大変質いし、勤勉だし、そういうものに耐えて乗り切る力というものはあると思っております。
 ただ、今は国も地方も財政が苦しくてやりくり算段の中にある。やりくり算段の中には、家庭でもそうでありますが、いろいろな議論があるし意見もあるわけでございます。どうぞひとつ、やりくり算段の上で、何かこういうものがいいというものがあればそれはお示しをいただきたい。与党といえども十分各党の御意見というものを聞いた上で予算を編成し政策的な方向を打ち出していくのは当然でございます。
 私は、特に地方というものは、そういう意味では経験から生まれたとうとい知恵あるいは提案というものについては柔軟に受けとめて対応していかなければならない、このように思っておるところでございます。もう縦割り行政で上から下に締めつけたり指示をしてどうだという時代ではないと私は思っておるんです。各省間の壁も取っ払って、協力できるものは協力し、そして一緒にやっていくものがあるとすれば協力してやっていけばいい。そういうものにならないと私は地方分権推進を幾らやっても効果というものはないのじゃないか、こういうふうに思っております。
 ましてや、地方の一般歳出で公共事業と社会保障と教育で七〇%を占めるという地方財政にある意味では縛りがかかっておると言っても決して差し支えございません。そういうものにどう対応するかというのは、自治省自身の姿勢もございますが、地方団体にもその点については十分御理解をいただきまして、行財政運営はもとより、分権推進についても地方団体に御理解、御協力をいただかなければこれはなせないわざでございますから、十分意思の疎通を図り、理解をいただき協力をいただくという体制づくりに怠りなく努力を続けていかなければならない、このように理解をいたしておるところであります。
#99
○高橋令則君 大臣の総論を具体論、各論としてぜひお願い申し上げたいというふうに思います。
 次に、既発債の問題です。
 魚住委員もこの間言われたんですけれども、どうも地方債の利率が本当に高いんですね。三月のあれを見たばかりですけれども、一番高いのが市町村で、九%以上に地方債が入っているんです。これはいかにも高過ぎるのではないか。聞いてみると償還したい団体もいるんです。
 御承知のように、民間の場合ですと、相対でやりまして、そういう高いのは返してもらってそして償還するというふうなこともやってきているんです。ところが、政府資金はこれができない、できないというかやっていないんですね。私はこんな極端に高いのは繰り上げ償還、これについて何かの対策というか考え方が多少はあってもいいんじゃないかというふうに思うんです。
 大蔵省、いかがですか。
#100
○説明員(中川雅治君) 今御指摘のように、現在金利が非常に低下しているわけでございまして、過去に借りたときの金利が非常に高かったということで、金利の低下を理由とする繰り上げ償還あるいは低利借りかえという問題でございますけれども、これは借り手が負担の軽減を受けるかわりに資金運用部にそのコストを転嫁するものでございます。資金運用部は、できるだけ低利の資金を供給するために、貸付金利と預託金利を同一とし、利ざやを取らずに長期国定の貸し付けを行いながら収支相償うように運営されておるわけでございまして、このようなコストの転嫁を受け入れる余地はない仕組みになっておりますことをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
 資金運用部は、公団、事業団、地方公共団体等に対しまして長期固定金利の資金を供給しているわけでございますが、低金利時に貸し付けた債券について、その後市場金利が上昇したことによりその時点での預託金利を下回るに至ったといたしましても、貸付先から既往の低利貸付金の繰り上げ償還や金利引き上げを求めることはないわけでございます。したがって、逆に高金利時に貸し付けられた債券について、その後市場金利が低下したからといって繰り上げ償還や借りかえによる金利引き下げ、低利借りかえに応ずるということになりますと、市場金利の変動の影響の不利な面だけを片面的に受けることになるわけでございます。国の制度、信用に基づいて国民から集められた公的資金をそのような一方的な不利益を受けるリスクにさらすことはできない、こういうこともぜひ御理解をいただきたいと思っております。
#101
○高橋令則君 今次長が言われた中身は大体私も聞いているわけでございます。前回の予算委員会のときにその資料も見ています。だからそうだろうというふうに思います。国のそういう仕組みだけではなくて、資金運用部資金の話だけではなくて、大きな意味の金融情勢全体から見ますと、民間ができるのになぜできないんだという話が、やっぱりおかしいじゃないかという議論が出たっておかしくないんですよ、これは。もっと大きな意味の、これはビッグバンというかそんなふうになるんですか、そういうふうに大きく情勢が変わってくる、そういう中で今後やっぱり検討の必要もあるのかなというふうに私は思っております。
 時間がありませんので、この議論はこれでとどめさせていただきます。恐縮ですが、またやりたいと思います。
 次に、病院事業の経営についてでございます。
 病院事業は公営企業ですけれども、実は岩手県の場合は日本で一番多い、二十八ある病院をやっており、そしていろんな苦労をしながら、自治省の御指導もいただきながらやってきております。私も長年お世話になっているわけですけれども、なかなか病院事業の運営は大変でございます。
 これに対する、これは本質的に厚生省の問題ですけれども、自治省としての最近の経営効率のための対策についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#102
○政府委員(二橋正弘君) 自治体病院の経営状況でございますが、依然として厳しい状況が続いておりまして、これからの医療需要に対応していくためには経営の効率化というのを一層進める必要がある、経営基盤の強化を図ることが必要であるというふうに私どもも認識いたしております。
 このために本年一月に、病院事業を含みます公営企業につきまして、経営の健全化、効率化を推進するための観点から経営の総点検を行っていただく、そのためのいろいろ留意いただく事項についての指針をお示しいたしておるところでございます。その中で病院事業につきましては、職員配置の適正化でございますとか薬品等の医療材料の見直し、在庫管理の適正化、それから業務の民間委託の推進等を図るなど、病院業務全般にわたる効率化を推進するように要請をしているところでございます。
 なお、今、全体で経常の損失を生じておる病院がピークよりは少しずつ減ってはきておりますが、それでもまだ半分近い病院がそういう状況でございまして、今申しましたようなことも含めて全般の経営の効率化を推進していただくように、私どもまた地方団体に対する支援をしていきたいというふうに考えております。
#103
○高橋令則君 ぜひともその点についてまたさまざまなお願いを申し上げたいというふうに思います。
 実は消防関係で幾つか用意したんですけれども、時間がございませんので、この前ちょっと落としちゃったものですが、いわゆる都市火災、そして林野火災のときのヘリコプターの運用の問題について、効用といいますか、そういうことについてお伺いしたいと思います。
#104
○政府委員(谷合靖夫君) ヘリコプターを活用いたしました空中からの消火でございますが、これにつきましてはこれまでもいろいろ研究をしてまいりまして、現在、林野火災に対する消火活動ということで広く実施をされているというところでございます。平成八年中には百十八件実施をされているということで、近年その出動件数は増加傾向にあるのは事実でございます。
 ただ一方、市街地の火災ということにつきましては、これも研究をしてきておるわけでございますが、やはりヘリコプターとして搬送できる水の量にも限界がありますし、また、上から水をまくあるいは消火剤をまくという場合については屋根等に遮られてその効果がどうかと、さまざまな課題がございまして現在実施をされておりません。
 ただ、阪神・淡路大震災がございまして、それを契機といたしまして、そうしたものについても消防庁あるいは東京消防庁においてもその後も研究をしておるわけでございます。
 現在、空中消火ということによって一時的に火勢抑止現象というものが出てきますし、ただ、これを持続させるためには連続して空中消火を実施しなきゃいかぬ、こんな問題とか、ヘリコプターからの吹き下げ風というんですかいわゆるダウンウォッシュと言うんですが、それが火勢を逆にあおるんではないかという懸念があったんですが、これもある程度の高度と速度を維持すれば弱まるんではないか。こんなことも一応今までの研究等でデータに基づいたものがある程度判明をしてきておるわけでございます。
 今後、ヘリコプターの空中消火については、技術的にいろんなまだ難しい問題もありますので、このような研究を積み重ねながらそうした活用の可能性について実証的な把握に努めていきたい、こういうふうに考えております。
#105
○高橋令則君 時間がありませんで申しわけないんですが、一点だけ大臣、地方公共団体と国との派遣人事の問題です。
 前大臣が、たしか私の記憶では厚生省絡みの話だったと思いますが、いわゆる同一ポストの弊害を避けるために、そうしないんだというふうなことを方針でおっしゃられたように私は思っております。お聞きしますと、何か幾つかそうじゃないケースも今後あり得るということは新聞で読みました。この辺についての御方針はいかがですか。
#106
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘のとおり、自治省としては同一ポストに連続して派遣するということは基本原則としてやらない、地方制度調査会ですか、弊害もあるという指摘もされておるところでありますから、そういう基本原則は貫いておるつもりでございます。
 ただ、全国には三千三百ございます。その中で、お断りを事務方でいたしたものでございますが、知事さんとか市長さんから強く直接私に要請がございました。人事はそういう意味で地方団体の皆さんがお決めになることでもございますから、強い要請があってそれにこたえないというのもいかがなものか、こういう思いもいたしまして、そこまで強く言われるならということで求めに応じたというのが数件ございます。
 しかし、総体的には同一ポストに連続して派遣をしない、こういうことにいたしておるわけでございまして、その原則は貫いたものと私どもは理解をいたし、今後、地方団体また自治省ともその交流人事というものが、我々は受け入れる、我々の方から地方に出向するわけでございますが、地方分権、新しい地方自治の時代を迎えたこのさなかでありますので、その交流というものがより実効あるものにならなければならない、このように理解いたしておるところでございます。
#107
○高橋令則君 終わります。
#108
○委員長(藁科滿治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#109
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#110
○山口哲夫君 地方交付税法第六条の三第二項の問題について質問いたします。
 この条文の質疑は、恐らく何十年も地方行政委員会でやっているんじゃないかなというふうに思います。依然として抜本的な改正がされていないということで、非常に残念に思っております。もうそろそろ抜本的な改正をぜひやっていただきたい、そういう立場で質問をしたいと思います。
 平成十年度財源不足の補てん措置という表があります。それを見ておりますと、地方財政収支財源不足額約五兆四千億、そのうち特別減税による減収が七千五百億、これはちょっと外へ置いておきまして、通常収支の不足額が四兆六千億、そのうち一兆八千九百億は地方債財源対策債で賄う。問題は地方交付税の方です。二兆七千億。その二兆七千億というものは、本来、当然これは国において見るべきものではないかなと私は思います。ところが、国が見ているのは二分の一、約一兆円、そして地方が同じように約一兆円。なぜここで一兆円地方に負担をさせなければならないのか、私は大変疑問に思っております。これは、地方交付税法第六条の三第二項に私はこのやり方は違反している、そういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#111
○政府委員(二橋正弘君) 第六条の三第二項の規定は、交付税が中期的に不足している場合の措置を定めたものでございますが、この規定の解釈につきましては、この規定に基づきます制度改正を昭和五十二年度、五十三年度に行いました際に国会でもいろいろ議論がございました。
 その際に、内閣法制局の方から、ここで言う制度改正というのはどういうものなのかということの見解を求められまして、この規定のしぶりからうかがえるように、法律は広い選択を許しているということで、恒久的な制度改正はもちろんでありますが、この五十二年とか五十三年に行いましたように、特例で総額をふやしてその償還を一部一般会計において後年度負担するということを法定化することもここで言う地方行財政制度の改正に該当するというふうな見解が示されておりまして、そういうことに基づいてそれ以降の制度改正が行われてきているということでございます。
#112
○山口哲夫君 大蔵省も同じ考えでしょうか。
#113
○政府委員(寺澤辰麿君) 平成十年度の地方財政収支見通しにつきましては、ただいま自治省より答弁のあったところの考え方を踏まえつつ、また私どもは、財源不足については、国と地方という公経済の車の両輪がバランスのとれた財政運営を行う必要があるという基本的考え方を踏まえまして、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう所要の措置を講ずることとしたところでございます。
#114
○山口哲夫君 財政局長、今法制局の見解を述べられたんですけれども、そういう一時的な対策ということもあり得るかと思いますけれども、それはほんの数年の問題であって、恒久的に行われるということになると、その解釈そのものが違うんじゃないでしょうか。
#115
○政府委員(二橋正弘君) この六条の三第二項の事態に該当した場合に、その年にどういうふうな制度改正を行うかということでございまして、この法制局の見解は、五十二年度あるいは五十三年度のいろいろ議論があったときに示されておるわけでありますが、もちろん制度改正は幅の広い選択が許されているということでありますから、その時々でも、恒久的な制度改正ができる場合にはもちろんそれが望ましいわけでありまして、そういうことも含めて、制度改正としては広い選択が許されている、単年度のものでありましたり暫定的なものも含めて制度改正ということが可能であるということが示されておるものというふうに私ども考えております。
#116
○山口哲夫君 恒久的というのは何年くらいのことを指すんでしょうか。
#117
○政府委員(二橋正弘君) 一義的に年限をもって示すのは難しいと思いますが、恒久的な制度改正というのは、一番端的に申しますと、交付税率を引き上げるといったようなことが恒久的な制度改正になるわけでありまして、よほど次の事態が大きく変わらなければ、税率を引き上げた場合の制度改正というのはその後ずっと続くわけでありますから、そういう意味合いのものを恒久的な制度改正として理解すればいいんではないかというふうに考えております。
#118
○山口哲夫君 あなた方の先輩の石原さんと遠藤さんが書かれた地方交付税法逐条解説という本があります。これは昭和六十一年に発行された本で、私どもはそれを随分勉強しております。その中にこういうことが書いてあるんです、九十ページですけれども。
 今あなたがおっしゃった制度改正、本来であれば税率を上げるのが私は当然だと思うんです。しかし、税率が上げられない場合においては制度改正をやってもいいと書いていますね。その制度改正についてこう書いています。制度改正の内容については、「構造的に生じている地方財源の過不足を解消できる程のものでなければならないというのが本来の趣旨と解する。」、そして、「これによっては地方財源の過不足が恒久的に解消されない場合に、交付税率の変更を行うことになる。」と書いてある。
 だから、恒久的に解消されていないわけでしょう、今。相当の年数をかけなければこの財源の不足というのは埋められない、今回の法律案、そうですね。平成十三年度から二十四年度まで十一年かからなければ一般会計からの繰り入れが終わらないんです。
 法定加算というのがありますね。自治省と大蔵省といろいろやりとりして、財源が不足するから法的に加算をしましょうという、これは両大臣の大体覚書によってやるものだと思うんですけれども、それが平成十一年度から二十五年度まで十四年間かけなければこれが入ってこない。こんなことで果たしていいんでしょうか。これは明らかに、恒久的に不足しているということから解釈すれば、地方交付税率の引き上げを自治省としては大蔵省に強く要求するのが当然じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#119
○政府委員(二橋正弘君) 財源不足は、毎年度の財源不足がその六条の三第二項に規定しているような事態に該当するかどうかで判断すべきというふうに考えております。それに対応いたしましてとりました制度が恒久的な制度でない場合でも、法律で、後年度の一般会計の負担も含めて法定化するという意味で、ここで言う地方行財政制度の改正に当たるというのが、これまでも法制局の解釈でございますし、私どももそういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、交付税率の引き上げの問題でございますが、これは、交付税率の引き上げを含みます恒久的な制度改正がこの法律の趣旨からいって望ましいということはそのとおりでございます。地方財政の側からいきますと、そういうことが望ましいということはそのとおりでございまして、十年度の地方財政対策におきましても、この交付税率の引き上げを含めて国庫当局の方と折衝、検討を行ったところでございます。
 しかしながら、その一方で、構造改革が十年度からスタートするように、国、地方を通じて非常に厳しい財政状況、これは共通の厳しい財政状況にあることと、その構造改革を通じて財政赤字の縮減という、これも共通した目標を設けるというふうなことで、法律をつくってその中期的な財政の健全化に取り組んでいこうということでございまして、そういったような状況を考え合わせて、恒久的な制度改正は今回難しいということから、今度の交付税法で御提案申し上げておりますような制度改正を御審議いただいているということでございます。
#120
○山口哲夫君 そうしますと、平成十年度の財源不足に対する解決策として、大蔵省に対しては税率の引き上げは全然要求していなかったということですね。
#121
○政府委員(二橋正弘君) 今、私はそういうふうに申し上げたつもりはございませんで、十年度の地方財政対策においても交付税率の引き上げを含めていろいろ国庫当局と折衝、検討いたしましたということを申し上げております。ただ、その結論として、先ほど申しましたような客観情勢をいろいろ考え合わせて今回のような三年間の制度改正を御提案申し上げているということでございます。
#122
○山口哲夫君 私は、自治省の折衝の仕方が非常に弱いんじゃないかと思うんですよ。私は現場にいたことがないからわかりませんけれども、自治体の立場をもっと考えたならば、今、大蔵省次長が、車の両輪なんだから、要するに国も地方も車の両輪でやっていかなきゃならないんだから、今こういう財源が苦しいときにはお互いに苦労し合おうじゃないかと、そう言われればそうだなということで簡単に引き下がっているんじゃないんですか。
 車の両輪というのは大臣もよく使われるんですね。橋本総理も時々車の両輪と使うんです。私はちょっと気になっている言葉なんです。非常に格好がよく聞こえるんですね。大きさは同じなんですよ。しかし、地方の車の方は空気が漏れて非常に安定していない。だから、そんなんで走ったら左にもうそれこそ転んでしまうんではないかと思うんです。だから、車の両輪、大きさだけは同じだけれども、中身は全然違うということをもう少しやっぱり自治省は理解して、自治体の立場に立ったら、大蔵省と大げんかするくらいにやってもらわなければ困ると思うんですね。
 ここに地方財政赤字のGDP比の国際比較があるんです。日本は国際比較二・〇。カナダが一・二、ドイツが〇・七、アメリカが〇・六、イタリアが〇・四、イギリス〇・三、フランス〇・二。日本が一番悪いと書いているんですね。地方財政の赤字の比較が一番悪いんですよ。ところが逆に、国の財政赤字のGDP比の比較はどうかといえば、イタリアが八・八、イギリスが六・九、フランスが四・九、アメリカが四・一、カナダが三・八、日本は三・七で、順番からいくと六番目なんです。だから、国と地方の赤字財政を比較すると国の方がまだ安定しているということなんです、国際的に見て。
 そういうことを考えたら、いかに地方自治体の財政赤字というのは深刻なものであるかということを私はやっぱり大蔵省は少し理解してもらわなければ困ると思うんですが、どうでしょうか。
#123
○政府委員(寺澤辰麿君) 国、地方とも極めて厳しい財政事情の中で、御承知のように、財政構造改革法におきましては国、地方を通ずる財政構造改革を進めるということで、私ども財政構造改革に努めているところでございまして、国だけがまたは地方だけがどうということで予算編成過程において議論したものではございません。
#124
○山口哲夫君 かつて大蔵大臣と自治大臣がその年の財源不足についてお互いに覚書を取り交わしていることが何回かありました。今私はそれを持っていませんけれども、覚書をちゃんと取り交わしているのに、次の年になるとそれがまた修正された覚書になってくる。何回か繰り返されている。
 そのとき、私は、大変失礼だったけれども、大蔵大臣と自治大臣を比べるとやっぱり大蔵大臣の方が絶対に力があるんですねと。何で両方で覚書を交わしたのに、簡単に自治大臣は下がって次の新しい覚書に変わっていくんですか、これほど自治大臣というのは力がないんですかと皮肉を言ったことがあるんです。
 私は、上杉大臣は実力者だと思っているので、もう少し大蔵大臣と渡り合って、国際的に見たって地方財政の方が国家財政よりも苦しいことははっきりしているんだから、もっとやっぱり強力な折衝をしてもらわなければ、いつまでたってもこれは解決されない。恒久的に地方財政の赤字が続いていく。こんなことでは困ると思うんですが、どうですか。
#125
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、委員の認識とはちょっと違うと思っているんです。
 というのは、年度内予算編成を目指すために国家財政の枠を決めます。我々は地方財政の枠を決めなきゃなりません。地方財政の枠が決まらない以上は年度内予算編成に落手できないんです。ですから、我々はぎりぎりまで交渉をするわけであります。
 その証左の一つは、財政構造改革、財政が国も地方も非常に厳しいわけですが、例えば地方共有の自主財源としての地方交付税、平成九年度対八年度は一・七%の伸びしか確保できておりません。しかし、平成十年度の地方財政計画では二・三%伸ばすことができておるわけです。その事実から見ても、決して我々は弱腰でやっておるわけではない。
 また、覚書について、引き下がっておるんじゃないかと。とんでもない話で、我々が引き下がらないから大蔵が譲って、ちゃんと地方財政運営に支障のないようにという願いも込めたものとして覚書が取り交わされているものと思っておるわけでありまして、そういう弱腰では私はやりませんでした。これまでもやっていないと、こう思うんですね。
 ですから、予算編成を、我々がやる以上は、国の財政だけ決まったってやらせません。また、できません。地方財政計画が決まらない以上はできない。我々の要求は最後の最後までぎりぎり要求していく、地方交付税率のアップについても最後までやった、こういうことであります。
#126
○山口哲夫君 覚書の話は昔の話ですけれども、大蔵大臣と自治大臣が決めたことをそのとおりやればいいんです。やればいいのに、もう翌年になったら、今度は自治省の方が弱腰になってそういう覚書の修正をやるから、これは大蔵大臣の方が絶対的な権限を持っているんですねと皮肉ったことがあるということなんですよ。そういうことは今ないのならいいけれども、どうもちょっと不安なんでね。
 それから、国の方が苦しければやっぱり自治体も苦しいんだというようなことをよく言いますね。そこで、非常に心配なのは、今度十六兆の景気対策をやりますね。やる――自民党を先頭にして与党三党で十六兆の景気対策をやると言っているじゃないですか。やるとした場合に、これは自治体に対する大変な負担が強いられてくると思うんですよ、私は。国が全部負担してやりますか、どうですか。
 大蔵省、仮に十六兆円の所得税減税を初め公共事業をやったときに、これは国の政策であるからすべて大蔵省がやります、自治体には負担はかけませんと断言できますか。
#127
○政府委員(寺澤辰麿君) 先生今御指摘の十六兆の話は、あくまでも与党の決定として我々は了解しているわけでございまして、政府といたしましては、与党の案を受けとめまして、今後勉強していきたいと考えております。
#128
○山口哲夫君 今年度もそれから前年度も、国の方の公共事業というのが行われれば、それに伴って当然自治体に負担が来るわけでしょう。
 特に今年度は、さっき申し上げましたように、特別減税による減収というのがありますね。こういったものが通常収支の不足にもつながってくるわけでしょう。そうすると、最後は結局、今言ったように、本来国が全部持つべきなのに、自治体が半分持たされているじゃないかと。そういうしわ寄せというのは、国が景気対策をやれば必ず自治体にしわ寄せが来るということを言っているんですよ。
 だから、今年度の自治体に対するしわ寄せと同じようなことが、十六兆円の景気対策をやればまた出てくるんでないかということなんです。それは当然のことでないですか。どうですか、大蔵省。
#129
○政府委員(寺澤辰麿君) 具体的にその特別減税なり減税の姿が今はっきり申し上げられる状況にございません。
 私どもは、減税について、後世代への負担の先送りである特例公債の大量発行を伴うということは、我が国の財政への信任を失わせるという意味で弊害があるというふうに一般論として申し上げているところでありまして、先ほど申し上げましたように、与党の案を受けとめた上で今後勉強させていただきたいと思います。
#130
○山口哲夫君 いや、そういうことを聞いているんじゃないんですよ。今年度も所得税減税をやったわけでしょう。すると、当然所得税に掛ける三二%は交付税、減ってきますね。それの穴埋めもしなければならないということで減税補てん債とかそういうものを出していく。そういうものが結局一般の通常収支の不足にもやっぱり及ぼしてはくるでしょうと。これは当然くるでしょう。くると、結局は最後どうなるかといえば、この図面のように国が半分、地方が半分持つということで、国が全部持つのならいいですよ、何でここで地方が二分の一持たなきゃならないのかと。こういう例からいえば、これからの十六兆円の問題を考えた場合に、同じように自治体に対する負担がかかってくるんでしょうということを聞いているんですよ。
#131
○政府委員(二橋正弘君) 今、話題になっております景気対策につきましては、先ほど大蔵省からあったのは政府共通の立場でございますので、そういうことで御理解いただきたいと思います。
 過去のものがどういう影響を及ぼしてということにつきましては、例えば十年度で申しますと、減税の影響は先ほど申しました通常収支の不足とは別でございまして、減税の影響は、さっき委員が七千五百億余と言われましたそれについては減税の影響額を補てんいたしておると。通常収支はそれとは別であります。したがいまして、これは十年度限りのものでありますから、減税に伴う減収は十年度限りのものとして手を打っておるということであります。
 それから、過去に景気対策なんかで事業を追加いたしまして、それにもちろん国庫なり地方負担を伴うということは当然あります。これは基本的にはいつも申し上げておりますように、今、国と地方の財源配分がどうなっておるかという基本は、例えば公共事業について言えば国の方は事業によっては三分の二を持ったり二分の一を持ったりいたします。その地方負担は地方が持つという前提で、それを前提にして財源配分が行われているということでございます。それで、税金は交付税まで入れますとおおむね一対一になる、さらに補助金を入れるとそれが二対一になるという形で、税源配分はそれに見合って行われておりますから、そのことが地方にしわ寄せをしたとか地方に負担を転嫁したということにはならない、それを前提にして今財源配分が成り立っているということは、これはぜひとも御理解いただきたいと思います。
#132
○山口哲夫君 通常収支の不足というのは、もろもろの要素が最後は通常の収支の不足になってくるということを私は言っているんですよ。確かに特定の所得税減税という場合にはそれに対する措置はそれなりにしているんでしょうけれども、すべての問題をひっくるめるとそういうことになってくるでしょうというわけですね。
 それで、公共事業の話が出ましたけれども、一九九二年、三年、これは政府として大変な景気対策をやった年ですね。巨額な公共事業をやられたわけです。それが結局、自治体だって財源負担しているんですから、三年後から今度は償還が始まるんですよ。そうしますと、突然三年後の九五年、これは財政不足額が七兆円になっておるわけですね。その前の年までは五兆九千億円なんですよ。ところが、巨額な公共投資を風の政策としてやったために自治体の財源不足が九五年度は七兆円、九六年度は八兆六千億円と、こういうふうに膨れ上がってくるわけです。
 ですから、私が一番心配なのは、これから十六兆円の景気対策をやられる場合にそういうしわ寄せが自治体財政に必ず出てくるでしょうというんです。これでは自治体はたまったものではありません。大体自治体は単独事業をたくさん回されることは形としてはありがたいですね。しかし、財源を伴っているならいいんだけれども、単独事業一兆円やるからその分は国が全部面倒見ましょうと一兆円つけてくれるんならいいですよ、そうじゃないわけでしょう。単独事業はやっぱり自治体の努力でもって何とか財源対策をしなければならない。
 だから、そういうふうな影響が自治体に出てくるんで、今回行われようとしている十六兆円の景気対策については、自治体財政に今までのような形での面倒はかけないということを少し大蔵省の方で腹を決めてほしいと思うんですがね。
#133
○政府委員(寺澤辰麿君) 繰り返しの答弁で大変恐縮でございますが、今後勉強していく中で、先ほど申し上げましたように国と地方という公経済がバランスのとれた財政運営が行われることが必要であるというふうに考えておりまして、今後ともそういう観点から自治省と協議をしてまいりたいと思います。
#134
○山口哲夫君 バランスをとるということが、私に言わせると地方交付税法六条三の二項の精神に反するということを言いたいわけです。だから、国がやることなんですからそれは当然国の財政で賄ってもらわなければ、こっちがぜひやってくださいと言っているんじゃないんですよ。ぜひ景気対策で公共事業をやってください、じゃ自治体が一部負担しましょうと、そう言っていろんならわかるけれども、もうこれ以上どうにもなりませんと。もう公共事業、公共事業でもって道路をつくってもらうのはありがたいけれども、それだけ負担しなきゃならないんだから、その前にやらなきゃならないことがたくさんあるんで、本来であればそんなに公共事業、公共事業でもって景気対策をやってもらいたくはないんですよ。ですから、頼みもしないことをやって、その負担をおまえの方で少し持てというのは私は少し虫がよ過ぎるんじゃないかなと思うんです。私はそういうことを考えているから、きのうも総理に対して、景気対策をやるんであればむしろ消費税の減税をやった方が景気対策のためにはずっといいですよと、そういうことを申し上げたんですがね。
 だから、そういうことを考えたら大蔵省、もう少しその辺を理解してもらわなければ困ると思うんですね。自治体だって役に立っているんだから自治体も財源を負担せよと言われたって、そう簡単にはいかないと思うんですよ。欲しくもないものを隣のうちから持ってきて、これあんたにあげるから一部負担しなさいなんて言われたって困るじゃないですか、どうですか。
#135
○政府委員(寺澤辰麿君) あくまでも今後検討していくわけでございますけれども、景気対策ということで検討する場合に、今、先生が御指摘されておりますように、国だけであって地方は全くやらされるんだということだけでいいのかどうかということについては、必ずしもそうという面ばかりではないんではないかという感じがしておりまして、いずれにいたしましても自治省と十分協議をして勉強をしていきたいと思います。
#136
○山口哲夫君 大蔵省、これで終わりなんですけれども、もうちょっとつき合ってください。済みません。
 結局、今政府がやることについて必ずしも自治体は全部が全部要らないものだというものじゃないでしょうというお話をされました。そうかもしれません。しかし、自治体の立場に立つと、その公共事業をよこすならこっちをくださいと言いたいものがあるんですよ。それは自治体が選択をするべきものなんです。国の五カ年計画に基づいて港湾はこれだけの仕事、道路はこれだけの仕事と決まっちゃうわけですね。そうすると、港湾よりはもっと学校の改築や急がなきゃならない仕事がたくさんあるんだ、こっちをやりたいんだけれども、そうかといってこっちめ財源くださいと言っても、国の方の五カ年計画に学校なんというのは入ってないと。そうすると、港湾の方もおつき合いしておかないと、この次に補助金をつけてくれないんじゃないかと思うと、こっちをやめても無理して国の計画の方にやっぱりどうしても協力せざるを得ないということになるわけです。
 そこで大臣、地方分権推進委員会から第二次答申、特に国の国庫負担金、補助金等の問題についてこういうものが出ているんです。
  総合的に樹立された計画に従って実施されるべき建設事業に係る国庫負担金については、従来のシェア配分にとらわれずその対象を国家的なプロジェクト等広域的効果をもつ根幹的な事業などに限定するなど、投資の重点化を図るとともに、住民に身近な生活基盤の整備等に係る国庫負担金については、類似した奨励的補助金も含めて国の補助負担対象の縮減・採択基準の引上げ等を図り、地方の単独事業に委ねていくこととする。
 この場合において、全国的に一定の整備水準が達成された事業に係る国庫負担金については、廃止・縮減することとする。
 要するに、いろいろと今申し上げた国の五カ年計画のようなものをもっと広域的な効果を持つ事業等に限定をしていく必要があるんでないかと。それから、住民の生活基盤にかかわる国庫負担等についても、これをいろいろな立場から検討して縮減、採択基準の引き上げ等をやりなさいと。要するに、結果的には自治体の単独事業というところを重点に置いてやるようにしなさいという趣旨の分権推進委員会の答申があるわけなんですね。
 ですから、分権推進委員会の趣旨からいえば、私は公共事業について、五カ年計画でこれは自治体の負担分です、補助金です、負担金分です、そういうお金を、この際、何兆円になるかわからぬけれども、全部自治体にもらえばいいんですよ。そして、これを特会なら特会でもらって、そして特別会計で自治体の方に全部配分して、後は自治体の考え方でやりなさい、私はこの分権推進委員会の趣旨に沿ったならばそういう発想が出てくると思うんです。分権計画を早晩つくらなきゃならないということからいえば、財源配分等も含めてもっと自治体が自主性を持って仕事ができるような分権推進計画をつくるようなイニシアを大臣にとっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#137
○国務大臣(上杉光弘君) 委員おっしゃるように、国は国だ、地方は地方だ、我々は勝手にやるよ、それではちょっと国家として同じ国づくりをしていく以上、あるいは立ちおくれた地方の社会資本の整備をしていく以上、国の力というもので支援しなければ地方単独ですべてできるというものじゃなかろうと私は思うんです。されども、御指摘のように、地方単独事業は地域の住民から最もニーズが高く、極めて機動性に富んだ対応のできる事業であることには間違いありません。
 今回のこの御指摘でございますが、地方分権推進委員会の第二次勧告においては、公共事業に係る国庫負担金については、「国家的なプロジェクト等広域的効果をもつ根幹的な事業などに限定するなど、投資の重点化を図るとともに、」というくだりがございますが、これは当然御指摘のとおりでございます。めり張りをつけるためにはそういうものが必要だというのは全く同感でございます。あわせて、「住民に身近な生活基盤の整備等に係る国庫負担金については、」「地方の単独事業に委ねていく」というのが方針として示されておって、これもそのとおりかと思います。
 ただ、この勧告や構造改革の推進についての閣議決定等を踏まえ、公共事業等について、補助対象の縮減あるいは採択基準の引き上げ等によりましてその重点化を図るということは、これはめり張りをつけるということですから、この重点化を図るとともに、これに対応して、地方単独事業につきましては地方公共団体のニーズを踏まえつつ地方財政計画の策定を通じて必要な事業量とそれに対応した財源の確保に努めていくというのが自治省の姿勢じゃなければならぬ、こう思うんです。
 地方分権という問題がありますから、自治省が主導的立場をとって強い姿勢で国に迫るということだけでは相済まぬものもございます。先ほどから申し上げておりますように公経済の両輪として、どっちがパンクしても膨れてもいかぬわけです。これはどっちかが片ちんばになれば絶対、委員は先ほど左に打っちゃうと。右の方がパンクすれば右の方へ行っちゃうわけですから、どっちも同じように回すためにはやっぱり財政的には整合性を持たせなきゃいかぬ。その中でめり張りをつけた公共事業というものにどういうふうに我々は対応していったらいいのかというのがこの分権問題も含めて考えていかなきゃならぬことじゃないか、こう思っております。
 今、片ちんばと言いましたが、バランスがとれなきゃということで、謹んで訂正をさせてください。
#138
○山口哲夫君 自治体の方に負担がかかっているんですよ、この車輪は間違いなく。それはさっき国際的な比較から私はそう言ったんです。
 それで、国の方針と自治体の方針と全く別々でいいとは言っていないんです。五カ年計画というのは国がつくるんです、あれは。港湾整備五カ年計画、道路整備五カ年計画。それじゃ、それにもっと自治体の意見というものを集めてみたらどうかと私は言うんです。公共事業をやりたいのであればどういう仕事を三千三百の市町村はやりたいのか、一回十カ年計画で出しなさいと。それを全部集約して、それと国の考えとを十分譲諭して五カ年計画を立てるのならいいんですよ。頭から整備五カ年計画全部決めてくるわけでしょう。しかも、一年間で〇・何%しか違わない。そういう国の独断的なやり方が私は地方分権を必要としている、これにつながってきたんだろうと思うんです。
 そういうことで、ぜひひとつその辺も私は一度考えて、特に大蔵省はこれから国家予算をつくるわけですから、建設省の言うこととか農林省の言うことだけを聞くんじゃなくしてもっとやはり、自治体はそれじゃ本当にそれだけのものを要求しているのかどうなのか、ちゃんと計画を出させてその上に立って公共事業をつくるのならちゃんと五カ年計画というものをつくらせた方がいいと思いますよ、私は。
 もうあと三分しかなくなったので、通告しております法人事業税の課税方法、これは外形標準課税にやっぱり改めるべきだと思います。これは税制調査会においても何回も答申が出されて、検討しなさい、こういうふうに言われていますけれども、私は、企業というのはそれぞれの自治体の中でそれなりのサービスをみんな受けているわけですから、赤字だ黒字だということには関係がないだろうと思うんです。しかも、法人事業税を見ますと、六五%が赤字でもって納めていないというんですから、これはやっぱり問題があるんじゃないかなと思うんですね。そして、景気変動にどうしても影響を受けやすくなって、自治体の税収も非常に上がったり下がったりするわけです。
 ちなみに、平成三年度は六兆四千七百億円だったのが平成六年度になると二兆円以上減ってしまう。そして平成八年度になると今度は八千億上がるとか、物すごいバランスがあるわけですね。これじゃやっぱり困るので、外形標準課税方式にもうそろそろ改めるべきときではないかと思うんですけれども、自治省、いかがでしょうか。
#139
○政府委員(成瀬宣孝君) 法人事業税のあり方につきましては、ただいまるる御指摘ございましたように、従来より、事業が地方団体から受ける行政サービスに必要な経費について分担すべきであるとの考え方に基づきまして、事業の規模や活動量を示す何らかの外形基準により課税されることが望ましいとされております。
 この地方法人課税の今後のあり方につきましては、昨年末の政府税制調査会の答申におきまして、「地方の法人課税については、平成十年度において、事業税の外形標準課税の課題を中心に総合的な検討を進めることが必要」とされ、今後、政府税制調査会等の場において検討が進められることになっております。
 この外形基準の導入につきましては、具体的な外形基準のあり方は何を物差しとするか、あるいは税負担がどのように変動するか等、なお検討すべき課題もたくさんございますが、都道府県の税収の安定化に資するなどの意義が十分ありますことから、自治省としてはその実現に向けて努力を重ねてまいる所存であり、今後、政府税制調査会等の場で広く各界各層に御議論をいただき、大方の御理解を得られるようさらに努力をしてまいりたいと考えております。
#140
○山口哲夫君 終わります。ありがとうございました。
#141
○岩瀬良三君 しんがりでございますけれども、地方財政計画を中心にして質問したいと思います。
 昨年の秋でしたか、県それから市町村の財政当局の方と話したんですが、予算が組めないということを大分言っておられました。そういう中で五兆四千億の財源不足対策が出されたわけで、その対策に対しては多とするところでございます。そういう中でございますけれども、先ほど来各委員の先生方から御指摘のように、いろいろ問題点があるということだろうというふうに思うわけでございます。
 財政計画、資料をいただいておりますけれども、伸び率はゼロと。ただ、一般歳出という見方でいきますとマイナス一・六%だというようなことでございますし、また公債の発行は抑制をされましたけれども、公債の償還費の方、これはもう八・八%、九%くらい伸びている。また借入残高も非常にふえておるというような中でございます。
 そういう中でこの地方財政計画を一つの参考として組まれた当初予算、これはまだ三千三百余の地方団体全体の集計はできておらないと思いますけれども、この二十八日に新聞で都道府県と政令市の一部の集計が発表されたわけでございます。地財計画はゼロだったんですが伸び率は三・二。ただ、一般歳出と申しますか実質的なものについて、これは一般歳出というより市町村との調整を図ると実質上〇・九%というようなことで、地財計画よりも下であるわけでございますし、単独も四%の減に対しまして七・四%の減というようなことでございます。
 また、全体の集計では姿がまた変わってくるだろうと思いますけれども、私の昨年来からのお話ししていたことから考えると、ここでも議論されておりますけれども、地方団体は非常に厳しい状況ではないかと思うわけでございます。全体はまだ集計されておりますが、この県の集計ができた段階での感想、これはいかがでございましょうか。
#142
○政府委員(二橋正弘君) 都道府県の当初予算を集計した状況で申し上げますと、三県ほど選挙の関係で骨格予算にしておるところがございますので、それを除いた県で全体を見てみますと、規模は地財計画が〇・〇ということでありますが、実質的な規模で県は一・〇ということでございます。
 それから、歳出の面では、計画の大きなものとして人件費が〇・九%増で組んでおりますが、県の予算は〇・三%増と。それから公債費は、地財計画が八・八に対して九・六という増で組んでおる。それから普通建設事業は、地財計画が六%マイナスでございますが県の方は八・一%マイナスという形になっておる、これは補助と単独を合わせてでございます。
 それから、歳入で大きな税でありますけれども、これは地方消費税の平年度化もございまして、計画は八・五でありますがこれは六・○で組んでいるという状況。それから地方債が、九・一のマイナスというような計画でありますが県の予算では八・五のマイナスというような状況になっておりまして、地方財政計画の傾向とほぼ同じような傾向で県の予算が組まれている、そういう状況にございます。
#143
○岩瀬良三君 私も、県だけの場合を見ますと、個々の県はいろいろあるわけでして、私どもがおります千葉県などは単独が二七%くらい減というようなすごいところもあるわけですけれども、平均すると地方財政計画の方向に似ているかなというふうに思うわけでございますし、さらに弱い弱小市町村ではなお厳しい点が出てくるだろうというふうに予想しておるわけでございます。
 そういう中で、いただいた資料を見ますと、地方債依存度の改善というようなことで一二・七%と前年度より若干よくなったとか、一般財源比率の改善が若干ふえたというようなことで健全化となる項目を並べておるわけでございますけれども、こういういろんな要素はあるにしても、税の問題も今お話がありましたけれども、平成十年度の政府の経済見通し、これが名目で二・四、実質で一・九%とされておるわけでございまして、こういうものを参考に恐らく税の収入等を計上されておるんだろうというふうに思うわけでございます。
 たまたま平成九年度の場合を見ますと、政府の見通しが名目で三・一で実質一・九であったわけですが、今実質一・九になるというふうに考えている人は一人もいないと思うわけでございまして、ゼロを割り込むんじゃないかというような話もされておるわけでございます。予測数値でございますので多少の差はやむを得ないというふうに私も思いますけれども、大幅な違いということになるとこれは事問題になってきて、入らなくなってしまう。ふえる分にはまだいいにしても、入らなくなってくるというようなことであるわけでございまして、昨年度も非常に補正で税の減額をやられた県も、市町村もそうですけれども、あるわけでございます。
 こういうことから考えて、平成九年度の場合、非常に実質上の成長率が落ち込んだわけでございますが、自治省の方で見込んでいる税収に対してこういうゼロを割り込むというようなことになってきた場合に税収の見込みはどのくらいに予測されるのか、試算といいますか、そういうものが現在あればお示しいただきたいと存じます。
#144
○政府委員(成瀬宣孝君) 平成九年度、本年度の地方税収の見込みについてお尋ねをいただきましたが、今年度の税収につきましてまず道府県税の方で申し上げますと、十二月現在の状況が、地財計画ベースの調定額累計で、個人住民税が対前年度比一〇六・九%となっているものの、法人住民税が九七・〇、法人事業税が九五・一%とそれぞれ落ち込んでいることなどによりまして、全体で対前年度比一〇〇・七%にとどまっております。
 また、市町村税につきましては、これは悉皆ということではなくて道府県庁所在市あるいは政令指定市などの四十九団体の抽出調査になりますが、十二月末現在の状況で申し上げますと、個人住民税は対前年度比一一〇・八%、固定資産税が一〇〇・四%となっておりますものの、法人住民税が八九・三%と大きく落ち込んでいることなどによりまして、全体で対前年度比一〇二・一%にとどまっております。
 こうした中で、今年度の地方税収入は、現在の状況がこのまま推移いたしますと地方財政計画で見込んでおりました額三十七兆百四十三億円をかなり下回るのではないかと見込んでおります。このまま推移すれば、あくまでも見込みでございますけれども、地方税収全体としては一兆円を超える減収になるのではないかと考えております。
#145
○岩瀬良三君 地方団体としても容易ならざるところにあるわけでございます。かなりの程度での減収が見込まれるということであるわけでございますけれども、地方団体も一生懸命やりくりをしているというのが実態じゃないかと思うわけでございます。
 そうしました場合に、平成十年度の政府の見通しでは実質一・九%の伸びを期待しておるわけでございますけれども、この一・九%の伸びを発表されたときに、今年度はそんなに行くわけはないよという論調がかなりあったわけでございます。これについて、一・九%を前提として地方財政計画は成り立っているんだろうと思うわけですが、この政府経済成長見通しの利用ということと、この一・九%の確保は可能かどうか、そこら辺のところをお答えいただきたいと思います。
#146
○政府委員(成瀬宣孝君) 政府は、今回の二兆円規模の特別減税を含みます予算、税制面の措置あるいは金融システム安定化のための公的資金の活用など財政、金融両面にわたりましてさまざまな措置を講ずることといたしておりまして、こうした取り組みが相まって平成十年度の経済見通しにおける実質経済成長率は現段階で一・九%になるものと見込んでおります。
 地方税の収入見込み額は、最近の経済状況、国税の見積もり、税制改正の影響などを勘案いたしまして、平成十年度は対前年度比三・九%増の三十八兆四千七百五十二億円と見込んでおりますが、政府経済見通しどおり経済が今後推移していくとすれば、全体としては地財計画上の税収入見込み額は確保できるものと考えております。
 ただ、いずれにいたしましても、今後の経済の推移と地方税収の動向につきまして十分留意してまいる必要があると考えております。
#147
○岩瀬良三君 このところ経済成長の見込みの差というのが非常に大きいわけなので、国の方でも臨機応変というような言葉を使っていろいろ対策をとられておりますので、地方財政の面でもそういう臨機応変な措置でもって地方財政が困難になってきた場合にいろんな対策をとっていただくよう要望しておきたいと存じます。
 それから、今度は地方交付税関係でちょっと質問させていただきたいと存じます。
 これは今、山口議員の方からもお話がありましたけれども、交付税制度の改正がなかなか行われない、解釈には弾力的なところもあるようでございましょうけれども、みんなが希望するんですけれども、なかなか抜本的な改正には至っておらないというようなこともあるわけでございますし、大蔵省と自治省の交渉も、大臣の方からお話がありましたけれども、なかなか厳しい交渉であろうというふうなことも推量されておるわけです。
 しかし、そうはいっても、我々にはその交渉の中身について明らかにされているわけではないので、ここら辺をもう少し透明化していただくとありがたいというふうに思うわけでございます。
 なぜそんなことを言いますかというと、これはもう去年の秋に新聞にも出ていたんですけれども、大蔵省の方針で交付税の減額を図ろうというようなことが報道されているわけでございまして、一般会計から支出する特例措置を一兆円程度減らす方向で一般会計の規模を抑えるというような記事も時々出るわけでございます。ですから、その辺のところの交渉経過というのもある程度ガラス張りにする必要があるんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 また、先ほども議論になったところでございますが、対策をしたということであるわけでございますけれども、一面の見方であればそれは固有のものだというような意識の差もあるわけなので、そこら辺のところの差というのは今後ますます出てくるんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 以下、お聞きするようなことにつきましては、大蔵省の方がいた方がいいわけですけれども、今回は自治省の考え方ということでお聞きしたいと思うんですけれども、一点は、交付税の特会の直入の問題があったわけですね。これは先ほど小山先生からお話もありましたので、これは省きます。
 もう一つの交付税の問題、これはもう交付税があったときからの問題ということなんですが、算定の基礎であるいろいろな要素、これが実態として歩いてしまうわけですね。歩いてしまう結果どういうことになるかというと、交付税の補助金化ということになるわけでございます。私などもこれをうまく使って予算獲得をしたという経過もあるわけですけれども、あくまでも一般財源は一般財源であるわけで、先ほども魚住委員の方から市街地の活性化についてのそういうようなお話もあったわけでございまして、余りこれが特定財源化されてくると、一般財源ですから特定財源じゃないわけですけれども、交付税の本来の趣旨が損なわれるというふうに思うわけです。
 今後、補助金の一般財源化ということになってくるとみんな交付税で見ましたというようなことになってくるのでございますけれども、こういう点についてどう考えておられるのか、御説明いただきたいと存じます。
#148
○政府委員(二橋正弘君) 交付税の算定につきまして、特定の項目を算定することによっていわば特定財源化、補助金化をしているんではないかという御意見を私どもも時々伺うところでございます。
 これは、特に投資的経費についてこういう御指摘をいただくことがあるわけでございますが、要は交付税の算定において、例えば道路の延長面積でありますとか河川の延長とか港湾の外郭施設の延長でありますとかといったような現在ある公共施設の客観的な数値を使って算定する、通常いわゆる静態的な算定というふうに言っておりますけれども、そういうものはやはり交付税の性格からいって基本になるべきだということだと思いますが、それだけで果たして交付税の投資的経費の算定がいいのかどうかということでございます。
 これは古くは昭和三十七年度ぐらいから、公共事業、港湾とか河川とかといったような特定のところに大きなものができる、そういうときに、そもそもそういう施設がないから客観的な数値がない、その地方が負担できないじゃないかというようなことから、実際に行われる事業費をある程度その算定の対象にしてきたというのがスタートでございました。その後、義務教育とか廃棄物とかといったようなものについてはそういう算定が行われ、それから近年には単独事業の一部についてそういう実際の財政事情をとらえて算定するということが行われておるわけでございます。
 分権委員会でもこの工事費の算定についていろいろ御議論がある中で、そういういわばその実態をとらえて動態的に算定する要素と、先ほど申しました基本となるべき客観的な要素で算定する静態的な要素をかみ合わせてバランスを考えるべきだという趣旨の勧告をいただいておるところでございます。
 先ほど、需要の中で今そういうものがどのぐらいあるかというのは、午前中の質疑にもお答えいたしましたように、需要全体の中で、これは財源補てん的な減税先行部分もみんなひっくるめてでありますけれども、約一割ということを申し上げました。事業を追いかけているといったようなものは、公共系統、単独系統を含めてそのうちのまた半分ないし三分の二ぐらいあるわけでございまして、そういう全体の需要の中ではそのぐらいの水準のものであります。
 基本的にはやはり静態的なものと動態的なものとを組み合わせていくべきであるし、また基本は静態的なものに求めるべきだというのは私どもとしては常に考えておるところでございます。
    ―――――――――――――
#149
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、下稲葉耕吉君及び鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として田浦直君及び長尾立子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#150
○岩瀬良三君 局長のお話を聞いて安心いたしましたが、できるだけ客観的な数字での一般財源というような点でお運びをいただければというふうに思うわけでございます。
 それからもう一つ、交付税問題につきましては、分権化時代で今その計画を自治省の方でもつくっておられるというふうに思うわけでございますけれども、いろんな問題が、許可制から事前協議制というような流れもあるわけでございます。その事前協議制もちょっと私も疑問に思っているんですけれども、合意ある事前協議制というような新しい事前協議制ができてきそうなんですけれども、これはまた議論する機会もあろうかと思うわけでございますが、それぞれ一つの独立した団体というふうなものとなっていくわけでございます。
 こういう団体になっていった場合、不均衡の状態がいつまでも続いていく、このところもう何年も続いているわけです。これが続いていくということで自治省の方も大変な御苦労をされて交渉しているわけでございますけれども、そういう中で、ひとつ発想の転換を考えて、そういうことだけじゃなくていろんな案があっていいと思うんですけれども、地方団体の代表、地方六団体の代表もそういう地方財源交渉の場に入れてはどうか、こういうふうにも思うわけです。これは特定の人を入れるというんじゃなくて、制度上そういう人をつくってやってはどうかとか、いろいろ発想の転換をしていく必要があるんだろうというふうに思うわけでございます。
 先ほども新聞で発表されたことを紹介しましたけれども、なかなかそこでのいろんなやりとりというのはそれぞれのところの苦労の割にはみんながわからないわけでございます。それはもう当然そういうものを得られるものというふうな感じで来ておるわけで、そういう御苦労の点もあるわけなので、こういう一つの制度についての改革のときであるので、別にこれだけを主張するわけでございませんから、何かそういう発想の転換をして今後の地方団体と政府とのあり方というものを考えていく必要があるのではないかと思うんですが、これは大臣の方からお答えいただいた方がいいかと思います。
#151
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員から地財対策を例にお挙げになりまして、地方の方の参加といいますか、意見を十分に聞いて行うべきだ、やりとりがわかるようにということでございましたので、私の方からお答えをさせていただきます。
 地方財政対策は、地方にとりましてもまことに関心の深い大きな事柄でございますので年末に通常行いますけれども、夏の概算要求が終わりました後からは、地方の方からいろんな形で、どういうふうな方向で行くんだとか、あるいは今の状況はどうなのかというふうなことの説明を求められることは当然ございますし、私どもの方から進んでいろんな機会をつくっていただいて、首長さん方の代表、これは知事会、市長会、町村会それぞれございますし、また議長さん方の集まりもございますが、そういうところにお伺いしていろんな説明をさせていただいたり状況の報告をさせていただいたりしております。それから、六団体が地方自治確立協議会というのをつくっておられまして、だんだん近づいてまいりますと、特にこういう点はぜひとも重点的に取り組んで、ここは絶対実現してほしいというふうな申し入れを幾つか絞って大臣初め私どもの方でお受けするということは必ずございます。
 それから、私、地方財政対策、直接今の立場で今回二回目を行いましたけれども、それぞれのときになかなか難しい時期でもございまして、ちょうど大臣折衝が大詰めになります前後に知事会の代表政策会議というように、知事会長さんを初め代表の方々が、御本人がずっとお見えになりますので、そこで大蔵省との方のいろんな交渉の、いわば当方の戦略といいますか、そういうことも含めて、あるいはこういうところにどうも非常にハードでなかなか折り合いがつけにくいところがある今その場合にはこういうふうに考えさせていただきたいといったようなことも含めて率直にいろんな御説明をいたしておるつもりでございまして、厳しい注文もつきますけれども、そこのところは我々としても、地方団体の皆さん方からそこを理解していただけないと幾ら苦労いたしましても意味がないということになりますので、そこのところは我々日常的にも非常に留意しておるところでございます。
 この地方自治確立で、こういう重点的な要望をするというときにも、自治大臣にももちろん参加をしていただいて、六団体の代表の方々の意向なりあるいは自治大臣としての基本的な方針も話していただいておりまして、委員の御指摘はこれからも十分私どもも心がけてやっていきたいというふうに考えております。
#152
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、地方のそういう問題については、その最たるものは、全国知事会議に午前中は総理と私が出ます。午後は全閣僚が出まして、そこでちょうちょうはっしの議論をするわけです。ですから、そこが地方財政とか地方行政、今度の分権推進、そういうものを直接やりとりする私は最大の場ではないかな、こういう気がいたします。
 あとは、局長が今言いましたように、地方六団体との話し合いの場が持たれるわけでございまして、そういうものを通じてやりますけれども、地方六団体の中でも全国知事会というのは一日かかって、総理も出るし、もちろん自治大臣も出るし、全閣僚が出てそこでやるわけでございまして、地方財政の対策や地方財政をどうするかという問題は、そこが私はじっくり話し合える大きな場かなという感じが強くいたします。
 ですから、そういう場で、地方もおざなりじゃなくて、やっぱり詰めたものを持ってきて火の出るような議論ができることが私は大変今後の対応として必要ではないかな、こういう気持ちが強くいたします。
#153
○岩瀬良三君 大臣からもいろいろお話があり、ただ、これは知事会議に私も出たこともあるんですけれども、これは知事さんだとか大臣の先生方とかがちょうちょうはっしでやったら時間が幾らあっても足らないというので、少し様式化してきておる中での問題でございますので、またそういう点もひとつお考えいただきたいと存じます。
 それから、次に税制の方へちょっと入らせていただきますけれども、私どもの方は減税の継続と所得税を初めとする六兆円の減税を主張しているんですが、これは他の場所でやるべきことだろうというふうに思うわけでございますが、先ほどからお話がありました外形標準課税、これは私もぜひ導入してほしい、こういう者の一人でございます。
 私も若いときにこういう問題を一生懸命やったのを覚えておりまして、そういう意味では古くて新しい問題、新しくて古い問題かと思うんです。問題意識は皆さんがお持ちになっているんだけれどもなかなか実現しない、こういう問題だろうと思うわけで、先ほどもるる御説明いただきましたけれども、一つだけ今議論されております問題点、これについてどんなものがあるのか、簡略で結構ですが、問題点についてお話しいただければと思います。
#154
○政府委員(成瀬宣孝君) 外形基準の問題につきましては、たびたび御議論いただいておりますように、プラスメリット面といたしましては、事業税の性格が明確になるとか税収の安定を備えた地方税体系が構築されるとか地方分権の推進に資するという大変なメリットがあるわけでありますけれども、これからこの実現に向けてクリアしていかなければならない課題も一方であるわけでございます。
 例えば、課題として申し上げますと、一つには、これは外形課税ということになりますので、利益がない企業、法人に対しても課税されることになりますし、あるいは業種別に見た場合に税負担がどのように変動するか、あるいは都道府県別にも税収は恐らく変動するだろうと思います。そのあたりの見きわめについてどういうふうな考え方ができるかといったようなことやら、やはり一番大きな問題としては、外形基準を入れる場合において、具体的な外形基準の物差しとして何をとるか、付加価値とか売上高とか経費などさまざまな考え方がありますけれども、それぞれ一長一短があると思いますので、どういう指標をとることが最も外形基準の物差しとしてふさわしいか、そのあたりについて幅広い詰めた検討をしていかなければいけない、そういったところがクリアしていかなければならない課題の主なものであろうかと思います。
#155
○岩瀬良三君 ありがとうございます。
 いただいた資料で見ますと、法人数が二百四十万余、そのうちの欠損法人が百五十万余で、六五%くらいが欠損法人ということですけれども、先ほどお話がありましたように、社会保障のサービスはもう当然受けていると、これは皆さん御承知のことでございますので、またその実現に向かってひとつ御努力をいただきたいと存じます。
 それからもう一つでございますが、我々新聞を見ますと、標準世帯、夫婦子二人というふうなことでいろいろ新聞をにぎわすわけでございます。これが基準になっているわけでございますけれども、どうも最近はこの夫婦子供二人というのが変わってきておりまして、これは平成七年ですが、四人世帯一九・六%に対して、一人の人が二二・六%、二人世帯が二三・五%ということで、平均的な夫婦子供二人というものの中心性が、これを基本にしていいんですけれども、少し動いてきているんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。
 政府税調の方でも昨年一月、「これからの税制を考える−経済社会の構造変化に臨んで−」というふうな報告を出しておりまして、働く女性の皆さんの立場というようなことも基本にしていろいろ考えておられるおけでございます。夫婦子二人というのと個人での税制上の有利不利ということはないように図っておられると思うんですけれども、どうも税制改正をした場合に単身者、こういう者が、全然関係なくても何だ減税をされたというようなこともあるのか、そんな感じもするわけでございます。
 そういうことのほかに、ふえているというだけでなくて、中身もひとり暮らしの老人がふえていたり、若い単身者、これも二十代の単身者でなくて、社会の中心になる三十代後半と言ってもいいかもしれませんけれども、こういうところまで単身者がふえてきておるというようなことでございますので、こういう点も考えて、個人住民税問題についてモデルを単身世帯にも配慮した税制をお考えいただく、今考えていないということじゃないんですが、そういう社会の情勢の変化に合ったような形で物事を考えていく必要があるんではないか。これは指摘だけでございますので、自治省の見解をお聞きして、この問題は終わりにしたいと思います。
#156
○政府委員(成瀬宣孝君) 先生も今御質問の中で触れておられましたけれども、個人住民税につきましては、夫婦子二人の世帯が標準的でありますために、これをモデルとして税負担の状況の説明などを行ってきているところでありまして、決して特別にこの夫婦子二人の標準世帯だけを優遇するといったような考え方には立っておりません。
 そうした中で、単身世帯についてもいろいろ配慮すべきではないかということであります。個人住民税の制度の企画立案に当たりましては、税制の基本的な原則でございます公平中立等の原則に沿って行ってきているところでありまして、世帯の構成によりまして特段ある世帯が不利益になるということのないように従来からも努めているところでございます。
 今後とも、制度の企画立案等に当たりましては、課税の公平などに十分留意しつつ進めてまいりたいというふうに考えております。
#157
○岩瀬良三君 かなり時間がなくなってきましたので、ちょっと話が途中飛びますので唐突になるかもしれませんけれども、一つ問題点は、先ほどの地方に対する景気対策についてのいろんな協力依頼、その過程での今後の国のあり方、こういうものも議論されたわけでございますし、地方分権推進委員会の勧告にもこの国、地方の役割分担というのがあるわけなんですが、今後景気対策をとっていく上において、別に補正をするとかしないとかということじゃなくて、いろんな国と地方の役割分担ということについてどう考えるのか、これを自治大臣にお答えをお願いしたいと思います。
#158
○国務大臣(上杉光弘君) 国と地方の役割分担につきましては、地方分権推進委員会からも地方税源の充実という立場に立ったことが勧告をされております。それによれば、たびたびお答えしておりますように、国と地方公共団体との役割分担を踏まえつつ、中長期的に国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら地方税の充実確保を図っていく必要がある。これは連動したものとしてその役割と税源の配分というものがあるわけでございます。私もそのとおりだと思うわけでございまして、今後、地方分権推進委員会の勧告を踏まえて、所得、消費、資産等の間におけるバランスのとれた地方税体系や、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系の構築に努めてまいらなければならない、このように考えておるわけでございます。
 平成十年度においては、税収の安定性を備えた地方税体系の構築に向けて、事業税の外形標準課税の課題についても専門的に検討を進めていくこととしておるわけでございまして、今後この外形標準課税のあり方につきましてはぜひ実現を図りたいと。これは地方財政にも及ぶ話でございまして、今後安心して地方分権も御推進していただくためには、安定かつ今後の伸長性のある税制というものがどうしても必要だと、それはこの外形標準課税しかないのではないか、私はこのように思って一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
#159
○岩瀬良三君 それでは、最後に一つだけ大臣にお聞きして終わりにしたいと思います。
 地方分権委員会でも国、地方の役割分担を明確にしていくことがこれから必要だということは言っておりますし、皆さんもそれについての議論はないようでございますけれども、マクロ経済政策としての財政運営は国の仕事なのか、それとも政府の仕事なのか、国全体の仕事なのか、この点を大臣にお答えいただきまして、終わりにしたいと思います。
#160
○政府委員(二橋正弘君) 先ほどの御質問とも関係がございますので、ちょっと私の方からお答えさせていただきます。
 委員が今おっしゃいましたように、マクロ的な経済政策とか所得の再配分とかといったようなこと、これは基本的には国の政策分野の話だと思います。ただ、先ほど来いろいろ御議論が出ておりますように、我が国の場合にはやはり地方団体が担っておる役割がまことに大きゅうございまして、世界の各国に比べても非常に大きい役割を地方団体の方で分担をしていただいております。
 それが結果的に歳出の規模になっておるわけでありまして、例えば今の経済対策的なものを議論する場合に、典型的に、一つは歳入面では減税、歳出面では公共事業の追加というのがその項目になりますが、減税を一つとりましても、先ほど申しましたように税源配分が交付税まで入れて一対一というウエートになっておるということ、それから公共事業は三分の二が地方団体の手で実行しておって、その経費分担も物によっては三分の一あるいは二分の一、ひっくるめて約半分というふうな形で分担をしているというのが我が国の公共事業の役割分担でございます。それを前提にして財源配分も行われておるということでありますから、そういう歳入歳出にわたって国と地方が現在持っておる役割の大きさ、そういうものはやはりいろんな対策をとっていく上において基本的なベースになっていくということじゃないかなというふうに考えております。
#161
○国務大臣(上杉光弘君) マクロ経済は国か地方か、あるいは国全体かということでございますが、基本的なものは国がきちっと方向づけをすべきであろうと。しかし、それは常に地方行財政との整合性があり、また理解と協力なしにできるものじゃありませんから、その方向づけのための対応というのは国全体が一体的になって取り組むべきものではないか、このように考えております。
#162
○岩瀬良三君 終わります。
#163
○委員長(藁科滿治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#164
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大木浩君が委員を辞任され、その補欠として鈴木政二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#165
○委員長(藁科滿治君) これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#166
○朝日俊弘君 私は、民友連を代表いたしまして、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して反対の立場から討論を行います。
 反対理由を述べます前に、地方交付税の総額を一刻も早く確定すること、また沖縄振興や阪神・淡路大震災等の対策を着実に進めること等については、民友連としても同じ思いであることを念のため申し添えておきます。
 その上で、まず、地方税法等の一部を改正する法律案について、反対する理由を申し述べます。
 第一に、土地・住宅税制部分でありますが、土地・住宅税制というものは、取引時期による不公平や投機的な取引を排除するためにも、中長期的な視点に立って構築されるべきであって、景気対策のための政策減税とは明確に区別すべきであると考えます。この点、政府のやり方は、バブル期の緊急避難的な重課を本来の姿に戻すという面は理解できるものの、やはり目先の景気対策の道具としていじり回しているという印象がぬぐえません。
 第二に、深刻な財政状況にある地方公共団体の財源確保を危うくするような個人住民税の減税には反対せざるを得ません。しかも、今回の措置のような薄まきでは、中堅所得者層の税負担軽減効果もごくわずかであり、実施する意義は乏しいのではないでしょうか。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案についてであります。
 反対理由の第一は、五兆四千億円に上る財源不足額が借入金の償還の先送りと新たな借入金によって補てんされていることです。
 特に、五年続きの通常収支不足は、地方交付税法第六条の三第二項の規定、つまり交付税率引き上げなどの措置をとるべき事態に相当していると考えますが、今回の改正内容は国と地方の折半主義による借金財政を今後三年間続けるというもので、これがこの規定が求める制度改正とは到底考えられません。
 今国会は、地方分権推進を言葉から実行に移していくことが求められており、借金による自転車操業ではなく、交付税率の引き上げが税源の移譲によって歳出構造を変えていくべきであるというのが私どもの主張であります。
 第二は、一兆八千九百億円を建設地方債の増発によって措置するという点であります。建設地方債は起債充当率が高く、一般財源が少額で済むことから、これまで事業効果の高そうな箱物の建設を誘導してきた面があります。土建重視から福祉や環境、文化、情報基盤整備の重視へと転換を図っていくことが急務となっており、税財源のあり方をそうした観点から抜本的に見直すべきであります。
 以上、申し上げた理由から、民友連は地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案ともに反対であることを重ねて申し上げ、私の討論を終わります。
#167
○松村龍二君 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合を代表して、政府提出の地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案に対し賛成の討論を行うものであります。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案は、地方税負担の軽減及び合理化等を図るため、企業活力や産業の国際競争力に配慮する観点からめ法人事業税の税率の引き下げ、個人住民税の土地譲渡益課税の見直し、特別土地保有税の特例措置の見直し等の措置を講じるほか、地方分権を推進する観点から地方団体の課税自主権を拡充するための所要の見直しを行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行い、あわせて国有資産等所在市町村交付金に係る交付対象の見直しを行うこととしております。
 これらの改正は、最近における社会経済情勢、住民負担の現状及び地方財政の状況等から見て、いずれも当面の課題に的確に対応するものであり、適切かつ妥当なものと考えます。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の状況が著しく不均衡な状況にあること等にかんがみ、地方交付税の総額の確保に資するため、平成十年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるほか、財政構造改革の集中改革期間中における交付税総額の安定的な確保を図るための特例を設けるとともに、国土保全対策に要する経費及び中心市街地再活性化対策に要する経費を初め、所要の財源を措置するため地方交付税の単位費用を改正することとしております。
 これらの改正は、現在の経済情勢の動向、国及び地方の財政状況等から見て、いずれも地方財政の円滑な運営にとりまして極めて適切なものと考えます。
 以上のような理由により、両案に賛成の意を表するものであります。
 政府におかれましては、地方分権を推進し、新時代にふさわしい地方自治を確立されるよう強く要望するものであります。
 以上で政府提出の両法案に対する私の賛成討論を終わります。
#168
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案に対し反対の討論を行います。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案についてであります。
 反対理由の第一は、改正の最大の特徴が経団連など財界、大企業の要望にこたえた大企業向け減税にあるからです。大企業が全体として九四年度から三期連続二けたの増益にあり、地方税負担の能力があるにもかかわらず、改正案が大企業の遊休土地保有への課税である特別土地保有税、法人事業税、法人住民税などで約八百億円と見られる減税を行う一方、住民向け減税はわずかにすぎません。
 九兆円の国民負担増に起因する消費不況、中小企業の深刻な不況のもとで、今必要なことは、地方税における大企業の適正負担を前提に、自治体の税財源を確保しつつ、その上で真の景気対策のために消費税率の当面三%への引き下げと住民税の恒久減税こそ実施すべきです。
 第二に、土地税制の大幅規制緩和が土地投機への刺激策であり、バブル再現につながるおそれがあるからです。ゼネコンや不動産業界、金融機関、その他大企業の抱える不良資産、遊休土地、開発ストップ土地を流動化させるという口実で、九一年に土地投機規制のために設けられた特別土地保有税制の規制強化策を解除し、地価税凍結、法人譲渡益課税軽減などの政策を実施することは、企業の土地投機の再現を招くものです。地価急騰によるバブル経済がどれほど国民生活を破壊し、経済をゆがめ、破綻させたかを考えれば、土地投機規制措置を解除することは断じて容認することができません。
 第三に、固定資産税、事業所税などで、民活法、リゾート法、テクノポリス法、大阪湾ベイエリア開発法など、さらに電力やガス会社などを優遇する大企業向け優遇税制が依然として延長、温存され、不公平税制が正されていないからであります。自治体の財源確保のためにも、抜本的な是正措置が必要であります。
 日本共産党は、国から地方への税財源の大幅移譲など地方財政の拡充を強く要求し、今回の地方税法改正に反対するものであります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案についてであります。
 反対する第一の理由は、五年連続の地方財政の大幅な財源不足、しかもこの三年間は地方交付税法第六条の三第二項に該当する事態にありながら、その財源不足の大半を地方債の増発や地方の借入金で賄おうとする本改正案は、国が責任を負うべき交付税法の趣旨に反し、地方財政をますます困難に陥れるからであります。しかも、本来、九八年度に国の責任で交付税総額に加算すべき額についても、これを二〇〇一年以降に繰り延べるなど、国の責任を放棄していると言わざるを得ません。
 第二に、改正案は、地方自治体の要望に背を向ける内容となっているからであります。
 本委員会でも指摘したように、介護保険導入を目前にして、高齢化社会に対応した新ゴールドプランについて七割以上の自治体が財源不足を理由に目標達成が困難とし、そのためにも算定費目の拡大、単位費用の引き上げ等の構造上の欠陥の是正を求めています。そのためには、国際的にも異常な公共事業に五十兆円、社会保障に二十兆円という国と自治体の公費負担の構造の是正は急務です。
 ところが、この構造にメスを入れないところか、高齢者保健福祉費の投資的経費を引き下げるなど、国の財政構造改革路線に沿って地方自治体にしわ寄せすることは断じて容認できません。
 最後に、地方分権が叫ばれる中で、真に地方自治の拡充を図り、住民の暮らし、福祉、安全を担う地方自治体がその役割と責任を果たすために自主財源を確保することは不可欠です。そのためにも、交付税率を引き上げるなど、国がその責任を果たすべきことを強く要求して、討論を終わります。
#169
○委員長(藁科滿治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#170
○委員長(藁科滿治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 朝日君から発言を求められておりますので、これを許します。朝日俊弘君。
#171
○朝日俊弘君 私は、ただいま可決されました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、自由党、新社会党・平和連合、改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、地方団体の行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左記の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、地方分権推進委員会の勧告を踏まえ、地方における歳出規模と地方税収入との乖離を縮小する観点から、課税自主権を尊重しつつ、住民の受益と負担の関係の明確化、国と地方の役割分担、及び中長期的な国と地方の税源配分の在り方を検討し、地方税の充実確保を図ること。この場合、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系の構築について検討すること。
 二、法定外普通税の許可制度の廃止や法定外目的税の創設等については、国と地方の関係について地方分権推進委員会の勧告を踏まえ、速やかにその実現に努めること。
 三、地方の法人課税については、税収の安定化、事業に対する応益課税としての税の性格の明確化等の観点から、事業税の外形標準課税の問題を中心に総合的な検討を進めること。
 四、税制の簡素化、税負担の公平化を図るため、非課税等特別措置について引き続き見直しを行い、一層の整理合理化等を推進すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#172
○委員長(藁科滿治君) ただいま朝日君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#173
○委員長(藁科滿治君) 全会一致と認めます。よって、朝日君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、上杉自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上杉自治大臣。
#174
○国務大臣(上杉光弘君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
#175
○委員長(藁科滿治君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(藁科滿治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#178
○委員長(藁科滿治君) 次に、地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題といたします。
 朝日君から発言を求められておりますので、これを許します。朝日俊弘君。
#179
○朝日俊弘君 私は、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、自由党、新社会党・平和連合、改革クラブの各派共同提案による地方財政の拡充強化に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方財政の拡充強化に関する決議(案)
 現下の厳しい地方財政の状況及び財政需要の増大にかんがみ、地方行財政の中長期的な安定と発展を図り、地方団体が自主的・主体的な諸施策を着実に推進できるよう、政府は左記の事項について措置すべきである。
 一、累増する巨額の借入金残高が地方財政を圧迫し、諸施策の実施を制約するおそれがあることにかんがみ、地方の一般財源の充実強化に努め、その健全化を図ること。
 二、地方分権の進展に対応し、地方団体の自主性・自立性を高めるため、地方税の充実強化に努めるとともに、安定的な地方税体系を確立すること。
 三、地方交付税総額の中長期的安定確保のため、地方交付税法第六条の三第二項の趣旨を尊重し、財源不足を解消するための方策を講ずること。
 また、地方交付税が地方団体共有の固有財源であることを明確にするため、国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接、交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度を検討すること。
 四、地方団体が、社会経済情勢の変化、地方分権の進展及び増大する行政需要に的確に対応するため、自主的な市町村合併や広域行政など行政体制の整備や、自主的かつ計画的な行財政改革の一層の推進を行うよう支援すること。
 五、少子・高齢社会に対応し、地域福祉の充実等に積極的に取り組むため、地方団体が行う社会福祉経費等の一層の充実を図ること。
 特に、介護保険制度については、円滑な事務が遂行できるよう適切かつ十分な体制整備を図ること。
 六、地方行財政の自主性を高めるため、国庫補助負担金については一般財源化を含め一層の整理合理化を進めること。
 なお、廃止・縮減に当たっては、その内容、規模等を考慮しつつ、地方への負担転嫁とならないよう、地方税、地方交付税等一般財源の適切な確保を図ること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#180
○委員長(藁科滿治君) ただいまの朝日君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#181
○委員長(藁科滿治君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、上杉自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上杉自治大臣。
#182
○国務大臣(上杉光弘君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#183
○委員長(藁科滿治君) 次に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。上杉国家公安委員会委員長。
#184
○国務大臣(上杉光弘君) ただいま議題となりました風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、最近における風俗環境の変化にかんがみ、風俗営業者に対する規制の合理化を図るための措置を講ずるほか、風俗営業等に関して行われる売春を防止するための規定の整備を行うとともに、無店舗型性風俗特殊営業等に関する広告及び宣伝の方法の制限に関する規定の整備を行うこと等をその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 第一は、風俗営業の規制の合理化に関する規定の整備であります。
 その一は、設備を設けて客にダンスをさせる営業のうち、一定の要件に該当するダンス教授業を風俗営業から除外することとするものであります。
 その二は、風俗営業者たる法人の合併の場合におけるその地位の承継及び火災、震災等一定の事由により営業所が滅失した場合における営業制限地域内での営業の再開を認めることができることとするものであります。
 その三は、この法律の規定の遵守状況等に関する一定の要件に該当する旨の公安委員会の認定を受けた風俗営業者については、営業所の構造または設備の変更についての事前承認制度を適用せず、事後に届け出書を提出すれば足りること等の特例を設けることとするものであります。
 その四は、風俗営業を深夜まで営むことが許容される特別な事情のある地域として政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内は、午前中時まで風俗営業を営むことができることとするものであります。
 第二は、風俗営業等に関して行われる売春事犯等の防止に関する規定の整備であります。
 その一は、不法就労助長罪を犯して一年未満の懲役または罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日等から五年の期間を経ていないことを風俗営業の許可の欠格事由とするものであります。
 その二は、接待飲食等営業者、性風俗特殊営業者等は、接客従業者について不相当に高額の債務を負担させ、旅券を保管する等の拘束的行為をしてはならないこととするものであります。
 その三は、接待飲食等営業者等から委託を受けて接客業務を行う接客業務受託営業者は、接客従事者について、ただいま申し上げましたような拘束的行為をしてはならないこととし、接客業務受託営業者がそれに違反した場合等には、公安委員会は、必要な指示または営業の禁止の処分をすることができることとするものであります。
 第三は、無店舗型性風俗特殊営業に関する規定の整備であります。
 その一は、無店舗型性風俗特殊営業者、すなわち派遣型の性的サービスの提供業者及びポルノビデオ等通信販売業者について、公安委員会に対する届け出を義務づけるとともに、人の住居にビラ等を配ること、年少者を客とすること等を規制することとするものであります。
 その二は、無店舗型性風俗特殊営業者がこの法律に違反した場合等には、公安委員会は、必要な指示または営業の禁止の処分をすることができることとするものであります。
 第四は、映像送信型性風俗特殊営業に関する規定の整備であります。
 その一は、映像送信型性風俗特殊営業者、すなわちポルノ映像をインターネット等を用いて客に伝達する営業者について、公安委員会に対する届け出を義務づけるとともに、年少者を客とすること、客が年少者でない旨の証明を受けないでその客に映像を伝達すること等を規制することとするものであります。
 その二は、映像送信型性風俗特殊営業者がこの法律に違反した場合等には、公安委員会は、必要な指示または年少者の利用を防止するための命令をすることができることとするものであります。
 その三は、インターネット接続業者等のサーバーコンピューター設置者に関し、そのサーバーコンピューターを利用する映像送信型性風俗特殊営業者がわいせつな映像を送信することを防止するため、所要の規定を整備することとするものであります。
 なお、現行の風俗関連営業を店舗型性風俗特殊営業とし、無店舗型性風俗特殊営業及び映像送信型性風俗特殊営業とあわせて性風俗特殊営業と呼ぶこととしております。
 その他、罰則について罰金額を引き上げる等所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律の施行日は、風俗営業の規制の合理化に関する規定の一部については公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日とし、その他の部分については公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております、
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#185
○委員長(藁科滿治君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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