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#1
第142回国会 本会議 第3号
平成十年一月三十日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三号
    ─────────────
  平成十年一月三十日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 平成十年分所得税の特別減税のための臨
  時措置法案、地方税法及び地方財政法の一部
  を改正する法律案及び地方交付税法の一部を
  改正する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、福井謙一君逝去につき哀悼の件
 一、常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙
 一、日程第一
 一、平成十年分所得税の特別減税のための臨時
  措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 一、地方税法及び地方財政法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、地方交付税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)

     ─────・─────   
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 さきにノーベル化学賞を授与されました福井謙一君は、去る九日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、議長は、既に弔詞をささげました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院はさきにノーベル化学賞を授与せられました日本学士院会員文化勲章受章者従二位勲一等福井謙一君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────
#4
○議長(斎藤十朗君) この際、お諮りいたします。
 外交・防衛委員長続訓弘君から委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#6
○議長(斎藤十朗君) この際、欠員となりました外交・防衛委員長の選挙を行います。
 つきましては、外交・防衛委員長の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、外交・防衛委員長に及川順郎君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ─────・─────
#8
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 三案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。橋本内閣総理大臣・大蔵大臣。
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、当面の金融経済情勢に対応するため、平成十年分の所得税について、特別減税を実施するものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 この特別減税は、平成十年分の所得税について、定額による特別減税を実施することとしております。この特別減税の額は、本人について一万八千円、控除対象配偶者または扶養親族一人について九千円の合計額としております。ただし、その合計額がその者の特別減税前の所得税額を超える場合には、その所得税額を限度としております。
 この特別減税の具体的な実施方法に関しましては、給与所得者については、平成十年二月一日以後最初に支払われる主たる給与等に対する源泉徴収税額から特別減税額を控除し、控除し切れない部分の金額は、以後に支払われる主たる給与等に対する源泉徴収税額から順次控除することにより実施することとしております。最終的には、平成十年分の年末調整の際に、年税額から特別減税額を控除することにより精算することとしております。
 次に、公的年金等の受給者については、給与等の特別減税に準じた方法により実施することとし、最終的には、来年の確定申告の際に特別減税の額を精算することとしております。
 また、事業所得者等については、原則として、平成十年分の所得税として最初に納付する平成十年七月の予定納税額から特別減税額を控除し、控除し切れない部分の金額は、第二期の予定納税額から控除することにより実施することとしております。なお、予定納税の必要のない者を含め、最終的には、来年の確定申告の際に特別減税の額を精算することとしております。
 以上、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法案につきまして、その趣旨を申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(斎藤十朗君) 上杉自治大臣。
   〔国務大臣上杉光弘君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(上杉光弘君) 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、当面の経済状況等を踏まえ、個人住民税について平成十年度限りの措置として定額による特別減税を実施するとともに、その減収額を埋めるため、地方債の特例措置を講じるものであります。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 まず、個人住民税について平成十年度限りの措置として特別減税を実施することといたしております。この特別減税の額は、所得割額の範囲内で八千円に控除対象配偶者または扶養親族一人につき四千円を加算した金額とすることといたしております。また、この特別減税においては、税負担の軽減効果が早期に実現することとなるよう、徴収方法についても特例措置を講じることといたしております。
 また、個人住民税に係る特別減税による減収額を埋めるため、地方債の特例措置を講じることといたしております。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 今回の補正予算におきましては、平成十年分の所得税の特別減税等に伴い、平成九年度分の地方交付税が二千二百二十一億円余減少することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保する必要があります。
 このため、平成九年度分の地方交付税の総額の特例として、同額を地方交付税の総額に加算するとともに、平成十三年度から平成二十年度までの各年度において当該年度分の地方交付税の総額に加算する額を変更することとしております。
 以上が、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。今泉昭君。
   〔今泉昭君登壇、拍手〕
#13
○今泉昭君 私は、民友連を代表いたしまして、ただいま提案のありました減税関連三法案につきまして、橋本総理大臣に質問を行います。
 減税関係法案の質問に入る前に、今回の大蔵省不祥事に対する責任問題について伺いたいと思います。
 東京地検は二十六日、大蔵省金融検査部の二人を複数の都市銀行から多額の接待を受けていた収賄容疑で逮捕いたしました。
 接待は、大蔵省検査の日程や対象支店を探り出す目的で行われていたものであり、しかも日常的に頻繁に行われ、ひいてはみずから接待を要求していたものでございます。まさにこの事件は大蔵省の構造汚職と言うべきものであります。
 さらに、このようなずさんで業界とのなれ合い体質のもとでの検査が銀行の不正融資や不良債権の累積を生み出し、今日の金融不安につながっていると言わざるを得ません。
 国民の血税を三十兆円も投入する前に、大蔵省はみずからの手で構造的汚職体質にメスを入れ、過剰な接待を受けていた幹部、職員の氏名、実態を国民の前に明らかにすべきであり、関係者はその重大な責任をとって辞職すべきであると考えます。
 我々は、昨年六月に厳しい罰則つきの国家公務員等倫理法案を議員立法として衆議院に提出いたしました。ところが、自民党は法案を深く検討することなくあえて廃案にし、そのかわりに各省庁に倫理規程をつくらせましたが、今回の事件で倫理規程の無意味さが明らかになったと言わざるを得ません。
 退廃した国家公務員の倫理を立て直し、再発防止のため、職務に関係して一切の接待、贈り物などを禁止する厳しい罰則つきの公務員倫理法を今こそ制定すべきであります。このことなくして国民は大蔵省を信頼することはできず、国民の信頼を失った大蔵省が立案した公的資金三十兆円もの投入に断固ノーと言うはずでございます。
 三塚大蔵大臣と小村事務次官は、今回の事件と無策の経済運営の責任をとって先日辞任いたしましたが、行政の長として、また大蔵大臣経験者としての橋本総理の責任も厳しく問われなければならないと思います。
 橋本総理、金融安定化システム法案の審議に入る前に、大蔵省関係者の責任をとらせること、みずからの監督責任、政治責任を明確にすること、その上で厳格な公務員倫理法の制定を求めるものでございます。総理の明確な見解を求めます。
 さて、総理、我が国は今、戦後最悪の未曾有とも言うべき経済危機のただ中にあります。その未曾有の経済危機の中で、総理は今三つの罪を犯していると言わざるを得ません。第一は経済認識の誤りの罪、第二は誤った経済政策をとり続けた罪、第三は誤った経済政策を転換しない罪であります。
 まず、総理はこの経済危機を危機と認識せず、誤った経済認識をこの一年間続けてまいりました。総理のすべての誤りはこの認識の誤りから始まっているわけであります。
 景気停滞の引き金を引いたのは個人消費の低迷であります。昨年三月までの個人消費の盛り上がりについて、増税前の駆け込み需要を過大評価し、景気の回復基調そのものが強いと見誤ったことがその後の経済政策を誤らせた出発点であります。
 昨年一年を通じ、消費はますます落ち込み、企業は在庫調整、生産抑制を行い、株安、円安が進行いたしました。
 さらに、九七年は円高不況以来最悪の倒産件数を記録、東証一部上場企業の倒産件数は八件と戦後最悪、負債総額も戦後最高となり、実に十三万人を超える人々が路頭に迷う状況が生まれているわけであります。町じゅうには、政策による不況を怨嗟する声が満ちあふれています。最近の新聞社の世論調査では、とうとう橋本内閣不信任が半数を超え、その理由の第一は景気対策が不十分という理由であります。
 政治家として、一国を預かる総理として、今こそ民の声に耳を傾けるときではございませんか。総理、あなたの経済認識は間違っていたのではないか、率直な答弁を求めたいと思います。
 次に、誤った経済政策をとり続けた罪についてであります。
 第一に、消費税のアップ、特別減税の打ち切り、医療保険の自己負担増という約九兆円もの国民負担増で冷え込む個人消費に冷や水をかけたことであり、景気回復の芽を摘みました。
 第二に、景気が回復基調にあるとの認識から、財政改革路線を景気対策よりも優先したことでございます。昨年十一月には、財政の構造改革とは無縁の財政構造改革法案を無理やりに成立させました。この法律は、公共事業の配分など本質的な問題には全くメスが入らず、景気の足を引っ張るだけの法律となっております。
 このように、今日の経済危機は橋本総理のとり続けてきた政策によって引き起こされていることは明白であります。政権の交代が最大の景気対策と言われるところであります。日本を経済危機に陥らせた総理の今日までの経済政策を誤りであったと認めるべきであり、それを認めない限り今後の責任ある政策展開は不可能であると考えます。総理の見解を伺いたいと思います。
 約一年前の平成九年一月二十七日、総理は衆議院予算委員会で、「減税策というものを採用いたしました場合に、」「むしろ非常に深刻な状況になるであろうと存じます。」と述べられております。現実は総理の発言とは全く逆に、我々が強く提案した減税策をとらなかったがゆえに非常に深刻な状況になりました。
 このような状況のもと、橋本総理は昨年末、突如記者会見を行い、景気対策として二兆円規模の所得税、住民税減税を行うことを表明いたしました。タイミングは余りにも遅く、額は余りにも小さいのでありますが、これを我々が主張してきたように平成九年度予算の時点でもっと大きな額で行っていれば、平成八年度で見えてきた景気回復の芽を摘むことなく、現在のような経済不況には陥っていなかったことをまず指摘しておきたいと思います。
 減税法案に対する質問の第一は、総理が政策転換したのかどうかという点でございます。
 赤字国債を財源とする今回の減税実施は、総理がかたくなに守り続けてきた財政改革至上主義とも言うべき路線からの明確な転換ではないでしょうか。しかし、総理は政策転換を認めず、財政改革路線と今回の決定が両立するものであるとの主張を変えていないわけであります。財政改革は確かに重要な課題であります。中期的な課題であり、二〇〇三年度の目標年次については若干の先送りも当然検討すべきではないでしょうか。
 現在の経済危機の克服を第一の優先課題とし、経済の回復状況を見つつ財政改革を進めていくべきであると考えますが、総理の見解を求めます。
 第二は、減税の決定過程についてであります。
 我々の再三の減税要求には、財政再建を盾にかたくなに拒否してきたにもかかわらず、外国に行った途端に減税実施を決断した真の理由は一体何でしょうか。今回の減税実施の決断は、伝えられるようにアメリカからの内需拡大の要求にこたえたものなのか、総理の決断の要因についてまずお伺いしたいと思います。
 また、額賀官房副長官はアメリカ政府高官との会談で、日本政府は特別減税の継続と所得減税の積み増しを中心とした九八年度の大型補正予算に着手するとの意向をアメリカに伝えたと報じられております。総理を初め関係者はこの報道を否定していますが、九八年度におけるさらなる減税を含む大型補正予算の編成はあり得るのかどうかをお伺いいたします。
 第三は、特別減税の額と効果についてであります。
 我々は、二兆円減税について、そもそも規模が小さ過ぎること、一過性であること、減税が終われば即増税効果があることなどから景気回復への効果は限定されたものになると考えております。小出しのメニューの寄せ集めである総額八千五百億円の平成十年度減税とあわせて今回の減税効果は一体どれくらいなのか、この程度の減税で政府の経済見通しである九八年度実質経済成長率一・九%は実現できて経済は自律的回復過程に戻ると考えているのか、総理の見解を伺いたいと思います。
 私たち民友連は、一日も早く日本を経済金融危機から脱出させることこそが今政治に課せられた最大の課題であると考えております。
 我々は、税率構造の簡素化を中心とした所得税、住民税の減税で三兆円、企業の国際的競争力を引き出すための法人関係税の減税で二兆円、住宅減税の拡充などで一兆円、以上の合計で総額六兆円規模の恒久減税を実施するよう提案をしております。これらの減税で経済を自律的回復傾向に戻すことが重要であります。
 それと同時に、大蔵省のような不祥事をなくすためにも、我が国の経済活動が公正なルールに基づく自由な競争下で行われるよう大胆な規制緩和を行う必要があります。減税と規制緩和が相まって、民間主導の力強い経済を復活させ、財政構造改革も軌道に乗るものと考える次第であります。総理に、恒久減税を中心とする民友連の提案に対する所信を伺いたいと思います。
 最後に総理、かの文豪シェークスピアは、知識は我々が天に飛しょうする翼であると書いております。願わくば、総理が我が国の置かれている現状について正確に認識し、日本が再び飛び上がることのできる正確な政策運営を期待するものであります。もしそれができなければ、すなわち大胆な政策転換ができなければ、橋本政権が失速し墜落してしまう危険性が大いにあることを強く指摘いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今泉議員にお答えを申し上げます。
 まず、今回発生いたしました大蔵省不祥事の責任問題に関するお尋ねがございました。
 このたびの事件はまことに遺憾でありますし、皆様にこの場をかりて心からおわびを申し上げます。今後、このようなことが二度と起こらないように的確な対策を講ずることが政府の責務だと考えております。
 なお、現在、金融関連部局に過去五年以内に在職していた職員に対する内部調査を行っております。できるだけ早く調査結果を取りまとめ、厳正な処分を行うとともに、その結果を公表すると聞いております。
 私は、いわゆる公務員倫理法、すなわち倫理を法で縛ることが必要にならないように、公務員倫理規程によって公務員の諸君がみずからの行動をきちんと保持してくれることと信じていました。それだけに、今回の事件でそれだけでは完全に徹底できないということになりましたことを本当に残念に思います。したがって、この際、公務員の不祥事を根絶するためにはさらに抜本的な対策を講ずる必要があると考え、一昨日、公務員倫理に関する法制化などの検討を官房副長官に指示をいたしました。
 他方、自民党でもこうした問題に関する委員会をつくり、検討されると聞いており、これと連携しながら速やかに作業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、個人消費を初めとした経済動向の認識についての御質問がございました。
 昨年来の我が国の経済の動向を見ますとき、昨年四月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要、その反動減が予想したものよりも大きなものでありました。これに加え、昨年秋には北海道拓殖銀行など大手の金融機関が相次いで破綻をいたし、金融システムに対する信頼感が低下するなど予期せざる事態の影響もある中で、最近では家計や企業の景況感は厳しさが一層増しており、個人消費や設備投資に影響を及ぼしております。
 また、一連の制度改正等についての御意見をいただきましたが、消費税率の引き上げや財政構造改革の推進などの一連の改革、これは少子・高齢化の進展などの経済社会の構造変化や危機的な財政状況に対応したものであり、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えます。
 また、平成九年の特別減税は、当時の経済財政事情を踏まえ実施しないこととしたものでありまして、当時の判断としては妥当な政策判断であったと思います。
 また、政策転換をしたのかという御指摘をいただきました。
 私は、財政構造改革の必要性というものは何ら変わるものではないと思います。同時に、経済の実態や金融システムの安定など、状況を考えながら臨機応変の対策、措置をとっていくことも当然必要なことだと思います。その上で、私は日本発の経済恐慌は決して起こさないという決心を持ち、国民の不安感を払拭するために臨機応変に対応することが必要だと考え、それが国政を預かる者の責任と考えまして、二兆円規模の特別減税を決意いたしました。いずれにせよ、財政構造改革と景気対策、これは二者択一の問題ではない、中期的な目標と当面の対応というタイムスパンの異なる問題であると思います。
 また、経済危機の克服を第一の優先課題としてはどうか、減税を含む大型補正予算を編成するのか、そうしたお尋ねをいただきました。
 今申し上げましたように、財政構造改革と当面の臨機応変の措置をとっていくこと、これは私は二者択一の問題ではないと考えております。いずれにいたしましても、政府としては今後御審議をいただくことになります平成十年度予算、この時点において最善の編成をしたものと考えておりまして、その成立に御理解を賜りたいと思います。
 また、減税と九八年度の実質経済成長率についての関係をお尋ねがございました。
 政府は、今回御審議をいただきます特別減税を含みます予算・税制面の措置、金融システム安定化のための三十兆円の公的資金の活用など、財政・金融両面にわたるさまざまな措置を講ずることとしております。こうしたさまざまな取り組みのすべてが相乗効果を持って我が国経済の力強い回復をもたらすものと考えており、政府経済見通しの平成十年度の実質経済成長率一・九%程度は達成可能なものと考えております。
 また、民友連の御提案になっておられる恒久減税をどう考えるか、そういうお尋ねをいただきました。
 この実施は、後世代への負担の先送りである特例公債の大量発行を伴うということばかりではなく、また我が国の租税負担率が欧州諸国に比べてかなり低い水準にあります中で、税負担のあり方としても問題があると考えております。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(斎藤十朗君) 益田洋介君。
   〔益田洋介君登壇、拍手〕
#16
○益田洋介君 私は、新しく出発いたしました公明を代表して、ただいま議題となりました減税関連三法案について、橋本総理に対し質問いたします。
 政府は、昨年一年を通じ、国民生活を圧迫する二%に及ぶ消費税率の引き上げ、所得税、住民税の実質増税、医療保険改悪などによる九兆円の負担増を行った結果、個人消費を落ち込ませ、今日の深刻な経済不況を招いてしまったわけであります。
 そこで我が党は、政府が当初提案した六兆円の減税に加え、消費税率二%上げに対する国民への応分の戻し金を加えた大幅な減税政策を立案いたし、今後十年度予算案の審議の際に論陣を展開してまいる所存であります。
 こうした状況にかんがみ、今日の経済状況を国民に対してどう説明するおつもりか。また、財政運営の失敗が明白となった今日、政策不況を招いた失政の責任を明らかにすべきであると考えるが、総理の御所見を伺います。
 さて、今般の一連の大蔵省接待汚職事件は目を覆うばかりでありますが、去る二十六日、現職の大蔵省大臣官房金融検査部検査官二名が逮捕され、大蔵省本丸に強制捜査が実施されたわけでございます。さらに、昨日は大蔵事務次官の引責辞任という深刻な事態にまで立ち至った。
 こうした不祥事続出に対する主管大臣としての引責を表面上の理由として、三塚前大蔵大臣は二十八日、辞任をしたわけでございますが、実は長期にわたって低迷する経済状況と、政府の財政金融行政に対する国民の不信がうっせきしたため、経済、財政の失政の責任をとってやめたのが実態であると私は考えるものでございます。
 ただ、一つ不思議でならない点は、一昨日、引責辞任をした大蔵事務次官の後任は直ちに決定されたわけでございますが、大蔵大臣の後任はいまだもって決まっておらぬ。この紆余曲折ぶりは、一説によれば引き受け手がないと伝えられておりますが、後任人事を一体いつ決定されるのか、総理のお答えをいただきたいと存じます。
 例えば、読売新聞の一月二十八日発表の世論調査におきましては、橋本内閣の支持率は過去最低の三四・七%、逆に不支持率は五二・七%と支持率をはるかに上回っております。このことは、現政権の景気対策への過半数を超える国民の不信感と不満のあらわれの証左以外の何物でもないと考えるわけでございます。このことからも、今回の大蔵大臣辞任は、橋本政権の失政の責任をとったと換言できるのではありませんか。
 現在、我が国、国民生活は深刻な不況にあえぐ日々を送っているのが現状でありますが、銀行の破綻、証券会社の倒産、総会屋をめぐるまさかと思われた一流企業の不祥事等々、また今回大蔵官僚汚職事件などが続出したことは、大蔵大臣という一経済閣僚の管理監督責任問題をはるかに超越し、内閣のかなめである総理みずからの責任が問われるべきであると考えますが、御所見をお伺いしたい。
 さて、元大蔵省造幣局長であった日本道路公団財務担当理事井坂武彦容疑者が収賄容疑で逮捕され、さらに再逮捕されるというニュースも流れておりますが、官僚、業界もたれ合いの構造が続いた結果、官民一体となって特権意識の中で接待が行われ、犯罪にまで発展していったものだと考えるものであります。
 また、昨年十二月二日、私は当院建設委員会で質問をした政府保証債の最大の発行団体である公営企業金融公庫についても、類似したもたれ合い同様の構造があると指摘をいたしました。つまり、政府保証つき外債発行を通じて欧州マーケットで破格の低利で潤沢な資金調達をいたし、国内インフラの整備事業に貸し出すというもので、資金の調達パターンとしては道路公団等と全く異ならないということでございます。
 また、平成七年、一九九五年十月、フランクフルトでの二億ドイツマルク、邦貨にいたしまして百四十四億五千万円に及ぶ外債発行調印式に出席した元財務担当理事は、関東財務局長を平成五年六月に退官した大蔵省の天下りの一人でありました。こうしたことから私はこの件についても重大な関心を持っているところでありますが、今後、公庫を所管する自治省や大蔵省はもとより、政府・官邸としても内部調査を進めるべきであると考えるわけでございますが、総理の御所見をお伺いしたい。
 前大蔵大臣は、みずからが辞任した二十八日、法律で規定されず内規に基づくだけの金融服務監査官室を設置いたしました。しかし、青山関税局管理課長を室長とする十人の監査官はすべて大蔵省の職員であること、さらには、調査権を有しないために身内同士でどの程度の公正中立な調査ができるのか、甚だ疑問であると言わざるを得ない。
 例えば平成六年、一九九四年十月から十二月にかけ第一勧業銀行の検査の真っただ中に接待を受け、昨年七月二十九日、戒告処分を受けた二人の検査官のうち、今回逮捕された宮川宏一容疑者の上司であった日下部元雄前国税審議官は、平成九年八月八日より現在に至るまで世界銀行の顧問としてニューヨークに駐在しているわけでありますが、宮川容疑者と同等程度の内部調査を行い、在外邦人に対する検察の捜査権の域を越える調査を断行すべきであると考えますが、総理の御所見をお伺いしたい。
 第二次橋本内閣においては、平成九年九月二十二日、ロッキード事件の実刑判決を受けた佐藤孝行総務庁長官が国民の反発に遭い辞任、同九月二十六日には越智伊平農林水産大臣が病気のため辞任、そして本年一月二十八日三塚大蔵大臣と、わずか半年足らずのうちに三人の閣僚が辞任したわけでございます。過去に複数の閣僚が不祥事により引責辞任した例は、リクルート問題で紛糾した竹下内閣の五人の閣僚の辞任に次ぐ辞任数であります。
 既に前述したように、経済、財政の失政とたび重なる不祥事の続出で国民の信頼を全く失った橋本内閣は既に死に体内閣であり、国内外の我が国政治、経済に対する信頼の回復を実現するためにも総理の即刻退陣を要求いたし、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 益田議員にお答えを申し上げます。
 まず、財政再建策についての政策転換、また経済運営の責任についてのお尋ねがございました。
 財政構造改革の必要性は何ら変わるものではない、同時に経済の実態や金融システムの状況を考えながら臨機応変の措置をとっていくこともまた当然のことであり、私は、財政構造改革と景気対策は二者択一の問題ではない、そのように考えております。
 我が国の経済の現況を見ましたときに、アジアの通貨・金融不安や我が国の金融機関の経営問題などの影響によりまして、家計や企業の景況感が厳しさを一層増し、個人消費や設備投資にも影響を及ぼしております。こうした状況に対応いたしますため、この特別減税を含む予算・税制面の措置や金融システム安定化のための三十兆円の公的資金の活用など、財政・金融両面にわたる幅広い措置を講ずることとしておりますが、こうしたさまざまな取り組みがそれぞれ相乗効果をもって我が国経済の力強い回復をもたらすものと考えております。
 また、金融機関の破綻などに係る私の責任についてもお尋ねがございました。
 金融安定化二法による金融システム不安の除去、総会屋根絶に向けた政府一体の取り組み、金融行政の転換や公務員倫理の確立など全力を尽くしていくことによって国民の皆様に対する責任を果たしてまいりたいと考えております。
 なお、三塚前大蔵大臣は、検査官等二名の逮捕について、担当大臣として責任を痛感され、辞任をされました。そして、後任の閣僚人事についても御意見をいただきましたけれども、昨日も私は一日本院におり、本日も国会にこうして御答弁を申し上げております。できるだけ早く選任をいたすつもりでおりますので、ぜひ御協力を賜りたいと思います。
 次に、御自身が既に提起をされたという前提で公営企業金融公庫についてのお尋ねがございました。
 その業務の執行に当たりまして、公正な運営に疑念を抱かれるようなことのないように、厳正に対処すべきものであることは言うまでもありません。今般、特殊法人などに対しましては倫理規程の制定あるいは内部チェックシステムの充実などを指示したところでありまして、現在自治省を通じ点検をしているところと承知をしております。
 最後に、大蔵省の金融服務監査官制度についてのお尋ねをいただきました。
 金融服務監査官は、民間金融機関などの検査・監督に従事する職員につき、綱紀の保持状況の監視や非行事件の調査などを行うに当たりまして、外部の意見も踏まえながら厳正な活動を行うという観点から弁護士の方に顧問をお願いする、委嘱をする、そして助言を求めることとしておりまして、現在人選中と聞いております。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(斎藤十朗君) 阿部幸代君。
   〔阿部幸代君登壇、拍手〕
#19
○阿部幸代君 私は、日本共産党を代表して、減税関連三法案について質問いたします。
 国民の間にある金融不安の解消が国政上の重要問題となっているまさに今日、ほかでもない大蔵省金融検査部の金融証券検査官二人が収賄容疑で逮捕され、大蔵省が五十年ぶりに東京地検の家宅捜索を受けたことは、国民の間に大きな憤激を呼んでいます。
 銀行は、預金者保護という重い責任を果たすなど、その社会的役割にふさわしい経営が求められているからこそ、厳正な検査が必要です。それなのに、飲食やゴルフなどの接待の見返りで検査がゆがめられたというのですから、金融行政に対する国民の信頼は地に落ちたと言ってよいものです。
 大蔵大臣の辞任は当然であります。しかし、それだけで済ますわけにはまいりません。これで一件落着にするな、背景に大きな、不正の山が控えている。トカゲのしっぽ切りで終わらせたら、国民に笑われる、こうした国民の声を総理はどう受けとめますか。総理自身の認識を伺います。
 大蔵省は、昨年七月、銀行からの接待について内部調査をしています。その際、ゴルフ接待を一回受け、バスの中で缶ビールを飲んだということで、今回逮捕された検査官室長を含む二人を戒告処分にしています。しかし、実際には、室長らは庶民の感覚では理解できないほどの接待を受け、たかりを続けていたということが明らかとなりました。なぜこのようなずさんな内部調査しか行わず、この程度の行政処分でお茶を濁したのですか。長期にわたる大蔵官僚の汚職、大蔵省と銀行との癒着は重大です。
 さらに、今日の金融不安をつくり出す発端とされた山一証券のいわゆる飛ばしが、証券局長の指示によるものであったことが判明するなど、不良債権や飛ばしなどの不正行為が見逃された疑いが出ていることは極めて重大です。大蔵大臣はもとより、内閣を挙げての責任が問われているのではありませんか。
 報道によれば、逮捕された検査官室長は、第一勧銀の総会屋への不正融資をもみ消し、もう一人の課長補佐は、北海道拓殖銀行が立ち直れるかどうか経営上の重大な事態に直面していたまさにその時期に、ゴルフや飲食の接待を三年足らずの間に十二回も受け、検査をゆがめました。
 金融業界と癒着した大蔵官僚たちが金融機関の乱脈経営や不正融資、不良債権などを見逃してきたことが、不良債権を肥大化させ、今日の銀行破綻と金融不安を招いたことはもはや明らかではありませんか。総理の見解を伺います。
 日本共産党は、癒着の徹底解明と根絶を求めるものです。そのためにも、政治的リーダーシップの妨げとなる銀行からの巨額の政治献金の受け取りはこの際直ちにきっぱりとやめるべきではありませんか。
 総理は、九六年の住専国会のときに、母体行からの献金について自粛すると約束しました。ところが、この年、自民党は金融関連業界から約七億円もの献金を受け取り、北海道拓殖銀行からも千八百二十四万円受け取っています。こうした自民党への銀行業界からの献金も、官僚への飲食やゴルフの接待もその根っこは同じです。役人にはだめで政治家にはよいというのでは、銀行に対しても行政に対しても国民の立場で公正厳格な指導監督ができないのは当然ではありませんか。総理の見解を伺います。
 次に、本題の二兆円の特別減税について質問いたします。
 今回の二兆円減税は、橋本首相がASEAN首脳会議から帰国した昨年の十二月十七日、急遽決断して発表されたものです。それまでは財政構造改革の必要性を唱え、減税はできないとの強硬な姿勢をとり続けてきました。それが一転して突如減税を決意したのはどういう理由によるものですか。
 九七年度予算は、消費税増税、特別減税打ち切りに加え、社会保障改悪等によって合わせて九兆円もの国民負担増を図りました。民間の多くの研究機関も、この国民負担増が消費者の購買意欲を冷やしたことを指摘しています。GNPの六割を占める消費需要の落ち込みが景気の回復をおくらせ、足を引っ張っていることは今や明らかではありませんか。減税に踏み切ったのは政策の失敗を認めてのことですか、それともあくまで九兆円の国民負担増は間違っていなかったと言い張るのですか。総理、はっきりと答えてください。
 経済企画庁の速報によると、今年度の個人消費はその総額で前年度に比べてマイナスになることが必至と見られています。戦後初めての事態であります。総理はどのようにこの事態を受けとめていますか。数年前までは、預貯金が満期になればその利子で洋服を買おうとか、一部をおろして電気製品を買いかえようなどと楽しみがあった。今は預金金利はないに等しく、将来の生活設計も崩れ、不安が募る。その上に、消費税の引き上げや医療費の負担増がのしかかった。自然に消費は抑えぎみになる。国民こそが火だるま状態だ。年末の新聞紙上に見られた、この主婦の気持ちをこそ酌み取るべきです。
 この深刻な事態を打開するためには、二兆円の特別減税を、しかもたった一年限り復活させるだけでは全く不十分です。国民の懐から奪った九兆円をもとに戻すこと、これを上回るくらいのインパクトのある国民負担の軽減を行うことが必要ではありませんか。そのためには消費税についても税率をもとに戻して三%に引き下げることが必要だと思いますが、この要求をあくまで拒否するのはなぜですか。
 また、二兆円の特別減税も恒久減税にする考えはありませんか。
 あわせて、私は、不況深刻化のもう一つの要因である社会保障の連続カットを取りやめ、充実こそ必要であると主張するものです。
 二兆円の特別減税は、三十兆円の銀行支援策といわば抱き合わせの形で出されてきました。それは国民に冷たく銀行には極めて手厚いものです。国民には九兆円の負担増を押しつけ、大蔵官僚を接待漬けにし、自民党を献金漬けにした銀行業界には三十兆円もの支援を行うというのは絶対に許せません。銀行支援について、エビで鯨が釣れる、こう批判している方がいましたが、これこそ今日の国民感情を代表する声なのです。
 接待と献金が汚職と癒着の温床であり、金融行政をゆがめてきたのであり、道理も根拠も崩れたともいうべき三十兆円銀行支援策は撤回することこそ筋と言うものです。国民の懐を暖める大幅減税断行を重ねて強く求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(橋本龍太郎君) 阿部議員にお答えを申し上げます。
 まず、大蔵省の職員の逮捕に関する国民の声をどう受けとめるかというお尋ねがありました。
 このたび、大蔵省の金融検査部の職員二名が収賄容疑で逮捕されましたこと、まことに遺憾でありますし、今回の事態を厳粛に受けとめ、皆様方におわびを申し上げたいと思います。本人に対する行政処分はもちろんのことでありますが、関係監督者に対する処分につきましても、今後の捜査結果などを待ち、厳正に行われるものと考えております。
 また、大蔵省の内部調査についての御指摘をいただきました。大蔵省の不十分な内部調査あるいは大蔵官僚の汚職に関する内閣の責任というお尋ねでありますが、今回の事件によりまして、結果において十分な事実解明ができておらなかったことが明らかになりました。
 事態の徹底究明の努力を行いますとともに、このようなことが二度と起こらないような的確な対策を講ずることが政府の責務であると考えております。
 また、大蔵省と金融業界の癒着が今日の金融不安を招いたという御意見がありました。そのような御批判を重く受けとめて、自己責任原則の徹底と市場規律を基軸とする透明性の高い金融行政の確立、厳正で実効性のある検査の実施によりまして、我が国金融システムの安定性、また内外からの信認を回復すべく全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、銀行からの政治献金についての御意見をいただきました。
 政治資金規正法におきましては、政治活動に関する寄附につき特定の分野を対象とした規制は定められておりませんが、自由民主党は、金融システムの安定のために公的資金が投入されることにかんがみ、過去における借入金の返済に充当するものを除いて銀行業界からの政治献金を改めて自粛することといたしました。
 特別減税を決意した理由についてもお尋ねがありました。
 アジアの通貨・金融不安や我が国の金融機関の経営問題の影響などにより、家計、企業の景況感の悪化が見られる中で、国民の不安感を払拭するために臨機応変に対応することが責任者としての役割、そのように考えて特別減税を決断いたしました。同時に、こうした施策と財政構造改革は、二者択一の問題ではなく、中長期的な目標と当面の対応というスパンの異なる問題だと考えております。
 昨年の消費税率引き上げ等についての御意見をいただきましたが、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化などに対応する措置であり、必要な措置であったと考えております。
 次に、今年度の個人消費についてのお尋ねがありました。
 平成九年度の民間最終消費支出につきましては、政府経済見通しにおきまして実質前年度比マイナス〇・四%程度と見込んでおります。これは、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が予想していたより大きかったことに加え、アジアの通貨・金融不安や我が国の金融機関の経営問題などの影響により、家計や企業の景況感が厳しさを増し、個人消費に影響を及ぼしていることを踏まえたものであります。
 政府としては、こうした状況に対応するため、これから御審議をいただこうとしておりますこの特別減税法案を初め、予算・税制面の措置、また金融システム安定化のための三十兆円の公的資金の活用など、財政・金融両面にわたる幅広い措置を講ずることとしておりまして、こうしたさまざまな取り組みなどのすべてが相乗効果を持って我が国経済の力強い回復をもたらしていく、個人消費などの回復にもつながっていくと考えております。
 また、消費税率の引き下げを初めとした一連の御意見をいただきました。
 現在、政府が提案をさせていただいております財政・金融両面のさまざまな措置、今も申し上げましたように相乗効果をもって我が国経済の力強い回復をもたらすものと考えておりますし、今回の特別減税が十一年度以降も必要となるような状況にならないように、景気の回復に最大限の努力をしてまいります。
 そして、繰り返し昨年の消費税率の引き上げ等について引き下げの御意見がございましたが、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化等に対応する措置として、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えております。
 また、社会保障の構造改革につきましても、今後ともに国民生活のセーフティーネットとしての役割を社会保障が果たし得るよう、そうした視点から努力をいたしておることを申し添えます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(斎藤十朗君) 平野貞夫君。
   〔平野貞夫君登壇、拍手〕
#22
○平野貞夫君 特別減税関係三法案について、自由党を代表しまして質問いたします。
 まず、冒頭に大蔵省の金融検査をめぐる汚職事件について指摘しておきます。
 行政・官僚機構がこれほどまでに腐敗していたのか、国民は改めて我が国の先行きに不安を感じています。公正な市場ルールづくりを怠ってきた大蔵行政、不良債権をふやすことに協力してきたとも言えるこの事件は、事政治、行政、経済のみならず、教育も含め、日本人のあり方と国家の根本を問いかけるものであります。
 三塚大蔵大臣が引責辞職して事足りるものではありません。事件は氷山の一角と推察されます。徹底的な捜査により事実の解明を行い、一日も早く信頼を回復する措置を講ずるよう、強く要請しておきます。
 日本の政治文化は、古来から、銀行の貸出部門と大蔵省の検査部門とを一緒くたにして裏で談合するというものでした。自社さ連立政権は今それを表でやっているようなものだと心ある国民は指摘しております。社民党の前身の社会党は、かつてすぐれたノウハウを持った政治的検査部門を担当していました。今や懐かしい思い出でございます。
 それにしても、橋本総理、事件発覚後のあなたの対応は余りにも無定見です。数日前の自社さ与党三党による、当分の間、財政・金融両部門を分離しないと決まったばかりの問題について、分離を明確にすると発言しました。事件に合わせた一時しのぎの感情論ではないのですか。
 公務員倫理法の制定も、結局はあなたが後退して倫理規程にしたものです。本気でこれらのことを実行すると言うなら、まず自分の無定見さを国民にわびてからにしてもらいたい。
 大蔵省汚職事件の本質は政治家の腐敗にあります。大蔵官僚を利用して利権のネットワークをつくり政権を持続する政治構造が問題なのです。橋本総理や加藤幹事長が事務次官の首をとって問題の核心から国民の目をそらそうとしていることは明らかであります。大蔵省との癒着が取りざたされた総理自身の富士銀行疑惑事件もうやむやのままではないですか。閣僚、自民党執行部の泉井事件、共和事件等を放置して、官僚の批判をできる与党の政治家が何人いると思いますか。橋本総理自身が責任をとるべき問題であります。いかなる御所見か、お答えいただきたい。
 橋本総理、我が国の金融不安、アジアの通貨不安を初め経済危機の原因は何でしょうか。これらの危機を招いた責任はだれにあるのか。いかがお考えか、お伺いします。
 あなたが、平成九年度予算で九兆円に上る国民負担増を強制し、公共投資を削減するなど、超緊縮財政を選択したのが今日の経済危機の直接の原因であります。私たちが一昨年の臨時国会以来主張してきたように、特別減税を継続し、消費税率の引き上げを延期し、社会保険料の値上げをしなければ日本経済はこれほどまでに落ち込まず、金融危機も発生しなかったはずです。
 この事態を私たちは一年以上も前から予見して警告していました。ところが、橋本総理は、特別減税を打ち切っても、消費税率を上げても、日本経済は自律的に回復するとほんの数カ月前まで言い続けてきたのであります。見通しの甘さ、無能さが全世界に知られただけではなく、我が国の金融不安のみならず、アジアの通貨危機の大きな原因の一つなのです。あなた自身が世界金融恐慌の発信地にはなりたくないと発言するほど重大な状況をつくったのであります。
 まず、橋本総理が行うべきことは、経済財政政策で私は間違っていました、政策不況をつくりましたと、世界と国民に謝るべきではないでしょうか。いかがですか。
 昨年末、ASEANの会議から帰国直後、あなたは突如特別減税の再実施を表明されました。 私たちは、昨年の通常国会において、恒久化を視野に入れた特別減税を継続する法案を国会に提出しました。一月二十三日の衆議院本会議において、神崎武法議員の特別減税要求に対して、橋本総理は、特別減税を続けるには恒久的な新たな財源が必要だが、現在の厳しい財政状況を考えればとり得ませんと一蹴しております。
 昨年、国民から、消費の落ち込み、景気の冷え込みを懸念して特別減税の継続を求める声が沸き上がりましたが、政府・自民党執行部はすべてこれを拒み続けてきました。
 十月九日、村岡官房長官、尾身経企庁長官、加藤幹事長、山崎政調会長の会談で、赤字国債の発行を伴う所得税減税は額の多少にかかわらずできないと完全に否定しています。
 同月十八日の衆議院予算委員会で、上原康助議員の所得税減税の強い要求に対して、橋本総理は、所得税減税をする大きな財源を持っているわけではない、赤字国債の発行はあってはならないとまで言い切っております。最近、財政改革と景気対策は二者択一ではないと言っていますが、よく言えたものです。
 同月二十日、衆議院の財政構造改革委員会で、野田毅議員が、日本経済はまだ重病だが、消費税率引き上げや特別減税打ち切りで治りかけた病人に水をかけ肺炎を起こさせた、これは政策不況だ、所得税、法人税の減税をやるべきだとの主張に対して、三塚大蔵大臣は、財政構造改革の原点は赤字国債依存体質からの脱却、それを崩すと日本経済はつぶれるとまで言い切っております。これはほんの一例です。
 これだけのことを国会答弁などで国民に約束した上で、ASEANから帰国するや否や、十二月十七日、突如として、あなたが原因をつくったアジアの通貨不安を口実に赤字国債を財源とする二兆円の特別減税に踏み切り、記者会見で政治責任は今やらなくてはならないことに比べて小さな話だと言い放ったことは見逃すわけにはまいりません。
 何が橋本総理をして心変わりをさせたか、国会答弁を覆したのか。御自分の判断で政策を変更したのかどうか、お答えいただきたい。
 同じ日に、クリントン米大統領に電話で二兆円の特別減税について説明したとのことですが、米大統領の圧力でもあったのですか。国民の前で明確にお答えいただきたい。
 政策の変更なら、まず特別減税を否定してきた政策の誤りの結果責任をとるべきです。なし崩しに変更してよいというのなら、これから先の政策を責任を持って立案し、実行しようという保証がありません。政策のモラルハザード、すなわち民主政治の倫理観が欠如したものと断ぜざるを得ません。他党の政策を断りもなく失敬するようでは議会民主政治、政党政治は成り立ちません。理念や政策に殉じない橋本総理に対して、朝日新聞でさえ一人二役のごとくぬえ的と評しています。政治責任など小さな話だとは何事ですか。総理大臣としての資質を疑います。御所見を伺いたい。
 加藤自民党幹事長が十月二十六日にフジテレビで語ったと報道された読売新聞の記事も重大です。財政出動要請は、今は国内の声だが、米大統領からも日米のためにやってくれとの圧力が必ず来る、米大使館筋からも事前に来ているが、断っているとの発言です。
 このこと一つをとっても、特別減税の再実施や額賀副長官の米国での景気追加策の説明などの政策変更が、国民の意見や国会での議論の中で行われるのではなくて、米国側の圧力で行われたことは厳然たる事実だと言えます。朝日新聞も報道を訂正しません。政府・自民党挙げて、橋本政権ぐるみで口先介入などによる株価操作、国際的インサイダー取引がきょうも続けられております。
 こういうことだから、特別減税の中身も、国民の利益にならない、経済を構造的に改革しない行き当たりばったりの減税になるのです。この減税三法案は、財政構造改革法と矛盾し、その精神を踏みにじるものであり、今回限りの一時的措置は増税予告つきばらまき減税にほかなりません。
 減税には中期的な税体系に対する理念、哲学が必要であります。構造的に仕組みを変える恒久減税であるべきです。同じ二兆円の財源を活用すれば、最高限界税率の引き下げ、税構造のフラット化、簡素化を実現して、すべての税率を下げることも可能です。今や国民のため、国民による恒久減税の実施が必要です。私たち自由党の恒久減税論がそれであります。御所見を伺いたい。
 最後に、政策のモラルハザードどころか、クリントン大統領の女性問題とは質の異なる、国際問題をはらんだ日本の国益にかかわる女性問題に悩まれている橋本総理には、もはや政権の持続は不可能です。政策不況で莫大な国民の富を失った責任のみならず、これ以上総理が政治と政策にわたる過ちを重ね、優柔不断を続けることに国民は耐えることができません。一日も早く退陣されることが国民のためにも、日本のためにも、世界のためにも有益であります。総理の御所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平野議員にお答えを申し上げます。
 まず、官僚の腐敗の原因が政治家の腐敗にあるとのお考えを述べられながら、私の責任について御意見をいただきました。
 政治家であれ、官僚であれ、いやしくも疑惑を受けることのないよう常にみずから襟を正し、国家国民のためにその職務に邁進しなければならないものと考えております。また、先刻も申し上げましたが、公務員倫理に関する法制化などの検討を指示したところであり、速やかにその作業をまとめてまいりますとともに、与党政治改革協議会の場などを通じ、政治倫理の確立に努めてまいります。
 次に、現下の経済情勢と一連の制度改正等に対するお尋ねがありました。
 アジアの通貨あるいは経済の変動の原因につきましては、各国の状況によって必ずしも一概には言えません。しかし、為替の過大評価とそれに伴う経常収支赤字の拡大等から市場の信認が低下したことが挙げられると思います。
 我が国の経済情勢については、バブルの後遺症といった経済社会の構造問題に加え、アジアの通貨不安や我が国の金融機関の相次ぐ経営破綻等の影響により、家計や企業の景況感に厳しさが見られています。
 政府としては、財政・金融両面の幅広い措置を講じるなど、責任を持って景気回復に努めてまいります。
 なお、国民負担を強制したという御意見をいただきましたが、消費税率の引き上げは、少子・高齢化の進展という構造変化に対応した税制改革の一環でありますし、医療保険制度改革は、医療保険制度の破綻を防ぎ、安定した運営を確保するものであり、いずれも真に必要な改革であったと思います。
 また、平成九年の特別減税は、当時の経済財政事情を踏まえ、実施しないという判断をいたしました。
 次に、政策転換をしたのではないかという御指摘でありますが、財政構造改革の必要性は何ら変わるものではないということとともに、経済の実態や金融システムの状況等を考えながら、臨機応変の対応、措置をとっていく、これも私は当然のことだと思います。
 その上で、私は、日本発の経済恐慌は決して起こさない、そうした決意のもとに国民の不安感を払拭するためにこの措置が必要と考え、特別減税を私自身で決断いたしました。
 いずれにせよ、財政構造改革と景気対策、これは二者択一の問題ではございません。中期的な目標と当面の対応というスパンの異なる問題であります。
 また、税率構造を改革する恒久減税を行うべきだという御指摘をいただきました。
 今回の特別減税を含む、現在政府が提案をいたしております財政・金融両面にわたるさまざまな措置は、これがタイミングよく市場に届けられることによって相乗効果を持ち、我が国経済の力強い回復をもたらすものと考えております。
 大規模な恒久減税の実施につきましては、我が国の租税負担率が欧州諸国に比べましてかなり低い水準にあることから、税負担のあり方としての問題があると考えております。
 最後に、私の進退について御忠告をちょうだいいたしました。
 政治に空白をつくることなく、一刻も早く金融システムの安定と同時に、景気の回復を図ることに努力することをもって私の責任を果たしたいと考えております。(拍手)
#24
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
 これにて休憩いたします。
   午前十一時十八分休憩
     ─────・─────
   午後四時一分開議
#25
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政・金融委員長石川弘君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔石川弘君登壇、拍手〕
#27
○石川弘君 ただいま議題となりました平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法案につきまして、財政・金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成十年分の所得税について、定額による特別減税を実施することとし、減税額は本人について一万八千円、控除対象配偶者または扶養親族一人について九千円の合計額とすること等を主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、橋本内閣総理大臣・大蔵大臣より趣旨説明を聴取した後、二兆円特別減税を決断した理由、特別減税の経済的効果及び実施方法の是非等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、本法律案に対し日本共産党の笠井亮委員から、平成十一年分以後の各年分の所得税について特別減税を実施するため必要な措置を講ずることを内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して笠井委員より、原案に反対、修正案に賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(斎藤十朗君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。田村秀昭君。
   〔田村秀昭君登壇、拍手〕
#29
○田村秀昭君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。
 反対の第一の理由は、今回の政府の特別減税の提案は、一月十八日付のワシントン・ポスト紙でも指摘されているように、景気対策としてツーリトル・ツーレイト、つまり余りにも規模が小さ過ぎる上に遅過ぎることであります。
 我々は新進党時代、昨年の通常国会において、恒久化を視野に入れた特別減税の継続を主張し、法案として国会に提出いたしました。しかるに、政府・自社さ連立与党に加え野党の民主党の反対により廃案となってしまいました。その結果、日本経済は壊滅的打撃を受けたわけであります。今になって赤字公債を財源とする特別減税を財政構造改革法成立直後に実施せざるを得なくなったのは、橋本内閣が日本経済のかじ取りを誤ったからにほかならないのであり、その責任は重大であります。
 また、九兆円の国民負担増を強いておきながら減税規模が今さら二兆円では、景気を好転させ回復に向かわせるには不十分であることは明白であり、国民を愚弄すること甚だしいものがあると言わざるを得ません。同日付のワシントン・ポスト紙は、今、日本で起きている現象は、経済の衰退というよりポリティカル・ウイル、政治的意思の欠如によるものであると述べておりますが、全くそのとおりであります。
 反対の第二の理由は、中長期的視野から経済構造改革を進めるため恒久的な制度減税を実施すべきであるにもかかわらず、今回の特別減税はなし崩し的な措置であり、一時的ばらまきにすぎないと言わざるを得ないのであります。
 今回の特別減税は臨時の一時的措置であって、特別減税が終われば十年度中に同額の増税が待ち構えており、加えて十年度は財政構造改革法により九年度以上の歳出削減のデフレ予算が強行されようとしております。たとえ特別減税で本人二万六千円、扶養家族一万三千円の税金が還付されても、目前に同額の増税が迫り、歳出削減のデフレ効果が迫ってくれば、だれが消費に回すでしょうか。
 私は、昨年の臨時国会でも指摘いたしましたとおり、経済を安定させ繁栄させる最も基本的条件は、ケインズの言う確信の状態であり、国家や社会が安定し、安全保障体制が万全であり、政治に信頼があり、確かな経済設計が存在することが不可欠であります。
 しかるに、このような思いつき特別減税の一時的ばらまきで確かな経済設計ができるはずはないではありませんか。税体系に対する理念、哲学もなくまさに行き当たりばったりなばらまき減税でなく、中期的税制の確立を視野に入れた恒久的制度減税でなければなりません。
 恒久的制度減税を実施するには恒久的な財源措置が必要となるので、徹底した行財政改革の実施が不可避となります。したがって、恒久的制度減税は、景気対策の効果のみならず、行政のあり方の全面的見直しにつながり、行財政改革を推進する大きなてことなるのであります。
 今回の特別減税は一時的な措置であり、行政改革にもつながらず、単なる予算のばらまきで終わってしまうのであります。財政状況の厳しい折、我が国にその余裕のないことは明白であります。したがって、減税をやる以上、恒久的な制度減税により、行政のスリム化、効率化、財政構造の改革に直結させる必要があるのであります。これが、我々が特別減税に反対し恒久的制度減税の実施を求める大きな理由の一つであります。
 以上、大きく二つの反対の理由を申し述べましたが、さらに最後に、大蔵省の一連の不祥事は、その根源は官僚にあるのではなく確信のない政治にあるのだということを申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)
#30
○議長(斎藤十朗君) 河本英典君。
   〔河本英典君登壇、拍手〕
#31
○河本英典君 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合及び新党さきがけを代表して、ただいま議題となりました平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法案に賛成の討論を行うものであります。
 討論に先立ち、一言申し上げます。
 今回の大蔵省の金融検査をめぐる汚職事件は、大蔵大臣、事務次官の辞職というかつてない異常な事態を巻き起こしました。不況を脱し、財政赤字の解消に取り組まなければならない大事なときに、国民の信頼を裏切ったことは、まことに残念な取り返しのできない痛恨の不祥事であります。
 この上は、公務員の諸君はもとより、我々政治家が襟を正して真摯な姿勢で国政に臨むことを国民の皆様にお約束しなければならないと思うものであります。
 自由民主党は、国民の信頼回復に全力を挙げて取り組むことを誓います。
 賛成討論に入ります。
 我が党は、平成十年度税制改正において、法人税率の引き下げを初め、土地・住宅、金融・証券、教育関係合わせ八千四百億円に及ぶ大規模な減税の実施を決定しました。そして、これらの税制改正に加え、橋本総理は政治指導力を遺憾なく発揮し、二兆円の所得税と住民税の特別減税の実施を決断されたのであります。
 この決断を初め、景気回復への強い決意に加え、三十兆円にも及ぶ緊急金融安定化対策、貸し渋り対策等相まって、停滞していた株価も上昇機運を取り戻し、円相場も反発に転じております。
 確かに、二兆円の特別減税について財政構造改革との整合性を問う向きもありますが、生き物である経済に対し、財政再建の基本を守りつつ緊急避難措置を講じていくことは当然であり、その観点から二兆円の特別減税は適切な対策であります。
 しかしながら、減税のための赤字国債の発行は今後極力避けなければならず、来年度、同じ手段で減税を続けるような事態にならないよう、景気回復のため、まず補正予算の早期執行、十年度予算の早期成立に全力を挙げていかなければなりません。
 国の財政のことも考慮せず、財源の裏づけもなしに、二兆円では少ない、もっと大型の恒久減税をとか、六兆円の制度減税を実施するなどと言うことは無責任のきわみであります。
 今なお、アジアの通貨・金融危機は依然として続いており、何としても世界恐慌の引き金を引かないため、日本経済の本格的回復が必要なのであります。
 我々政府・与党は、日本経済が活力を取り戻すために、今後も金融不安解消策や株価対策などを含む追加景気対策に取り組んでまいります。
 今回の総理の決断、景気回復への強い決意により、日本経済再建への明かりがともりつつあります。この明かりを消さないで大きな光とするために、また、今回の総理のせっかくの決断をむだにしないためにも、私どもは責任ある与党としてさらなる努力を続けていくことを表明いたしまして、賛成討論を終わります。(拍手)
#32
○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#33
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 表決は押しボタン式投票をもって行います。
 ただいまより投票を開始いたします。
   〔投票開始〕
#34
○議長(斎藤十朗君) 本案に賛成の諸君は賛成のボタンを、反対の諸君は反対のボタンをお押し願います。──投票を終了してよろしゅうございますか。
 これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#35
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十八
  賛成            百八十九
  反対             二十九
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#36
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案
 地方交付税法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政・警察委員長藁科滿治君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔藁科滿治君登壇、拍手〕
#38
○藁科滿治君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、地方行政・警察委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案は、個人住民税について、平成十年度限りの措置として定額による特別減税を実施するとともに、その減収額を埋めるための地方債の特例措置を講じようとするものであります。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案は、所得税の特別減税の実施等による国税の減収に伴う地方財政への影響額について、平成九年度分の地方交付税の総額を確保するため、国の一般会計からの加算措置等を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局したところ、日本共産党を代表して有働理事より、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対して、特別減税を平成十一年度以降も継続する趣旨の修正案が提出されました。
 次いで、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び修正案について討論に入りましたところ、日本共産党を代表して有働理事より、原案に反対、修正案に賛成の旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、同法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、地方交付税法の一部を改正する法律案について討論に入りましたところ、日本共産党を代表して有働理事より、原案に反対の旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、同法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#39
○議長(斎藤十朗君) これより両案を一括して採決いたします。
 表決は押しボタン式投票をもって行います。
 ただいまより投票を開始いたします。
   〔投票開始〕
#40
○議長(斎藤十朗君) 両案に賛成の諸君は賛成のボタンを、反対の諸君は反対のボタンをお押し願います。──投票を終了してよろしゅうございますか。
 これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#41
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十五  
  賛成            百八十六  
  反対             二十九  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#42
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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