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#1
第142回国会 本会議 第8号
平成十年二月十八日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
  平成十年二月十八日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成八年度
  決算の概要について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり

     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成八年度決算の概要について)
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。松永大蔵大臣。
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(松永光君) 平成八年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額総報告並びに物品増減及び現在額総報告につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は八十一兆八千九十億円余、歳出の決算額は七十八兆八千四百七十八億円余でありまして、差し引き二兆九千六百十一億円余の剰余を生じました。この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の平成九年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、平成八年度における財政法第六条の純剰余金は四千四百四十二億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額七十七兆七千七百十二億円余に比べて四兆三百七十八億円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額三兆六千九百五十一億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は三千四百二十六億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額七十七兆七千七百十二億円余に、平成七年度からの繰越額三兆六千七百七十三億円余を加えました歳出予算現額八十一兆四千四百八十五億円余に対しまして、支出済み歳出額は七十八兆八千四百七十八億円余でありまして、その差額二兆六千六億円余のうち、平成九年度に繰り越しました額は二兆三千四百九十五億円余となっており、不用となりました額は二千五百十一億円余となっております。
 このうち、予備費でありますが、平成八年度一般会計における予備費の予算額は二千億円であり、その使用額は千九百八十六億円余であります。
 次に、平成八年度の特別会計の決算でありますが、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 なお、歳入歳出決算に添付されている国の債務に関する計算書による債務額でありますが、平成八年度末における債務額は四百十六兆二百十五億円余であります。
 このうち、公債でありますが、平成八年度末における債務額は二百四十七兆五千四百三十九億円余であります。
 次に、平成八年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は五十六兆六千七百二十四億円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は五十六兆六千五百八十五億円余であります。
 次に、平成八年度の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 次に、国の債権の現在額でありますが、平成八年度末における国の債権の総額は二百八十八兆八千七百四十五億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額でありますが、平成八年度末における物品の総額は十一兆六千九百九十三億円余であります。
 以上が平成八年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(斎藤十朗君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。岡崎トミ子君。
   〔岡崎トミ子君登壇、拍手〕
#6
○岡崎トミ子君 私は、民友連を代表して、平成八年度決算及び当面する諸問題につきまして、橋本総理並びに関係大臣に質問いたしますが、その前にまず冒頭に総理にお伺いいたします。
 一点目は、政治倫理についてであります。
 新井将敬議員の日興証券への株の取引における利益要求疑惑で、きょう逮捕許諾請求の手続が開始されると報道されております。このような現職議員の国会開会中逮捕という事件が総理のおひざ元である自民党からたびたび起きていることに関してどのようにお考えになるのか、またどのように対処されてきたのか、お伺いいたします。
 二点目は、政治姿勢であり外交姿勢でもありますイラク情勢に関してお伺いいたします。
 国民にとって、今なぜイラクに対する武力行使なのかということが大方の国民の率直な意見ではないでしょうか。対イラク武力行使が国連安保理の新たな決議なくして可能かどうか、また、この問題の外交的解決に向けて日本政府はいかなる努力をしてきたのかについて橋本総理は国民に説明し、かつ十分な議論をした上で我が国の態度を表明すべきであると思います。総理の誠意ある答弁をお伺いいたします。
 大蔵大臣から平成八年度の決算について概要説明をお聞きいたしました。その印象を率直に申し上げますと、一般会計、特別会計等の数字の羅列に終始しているということであります。決算ですから数字が大切であるのは当然でありますが、私たちが、また国民がお聞きしたいことは、予算執行の結果である決算に対する評価、財政運営、経済運営等に対する政府自身の評価を含めた説明であります。
 そこで、決算審議の開始に当たって、まず、総理、大蔵大臣から、八年度決算にあらわれた我が国の財政運営、経済運営等に対する総括的評価を示していただきたいと思います。
 次に、公共事業のあり方をめぐる問題について何点か伺います。
 まず最初に申し上げたいことは、現下の国、地方を通じた財政赤字と環境破壊の元凶が、これまで政府が進めてきた開発型の公共事業にあるという現実であります。政府のいわゆる財政構造改革白書の副題は、「明るい未来を子どもたちに」でありますが、私たちが本当に子供たちの未来を考えるなら、二十一世紀を目前にした今、この時期に、公共事業の必要性とそのあり方を根本的に見直す勇気を持つべきではないでしょうか。そういう立場に立って、以下質問をいたします。
 昨年七月、参議院のこの本会議場を中心に五十周年を記念した子ども国会が開催されました。その報告書を改めて読んでみますと、十一の委員会のうち、自然と環境をテーマにした委員会が第一から第四まで四つも設置され、そこでの発言の一つ一つから、全国のいかに多くの子供たちが自然と環境の問題に心を寄せているかがうかがえます。
 橋本総理は、子ども国会の報告書を読まれてどんな感想をお持ちになったか。また、子供たちの心配する環境破壊の問題が、これまでの全国津々浦々における開発型の公共事業と無縁であると私たち大人が言えるでしょうか。橋本総理の御所見をお伺いいたします。
 参議院は、先月、平成七年度決算に関し、内閣に対する六項目の警告決議を行っており、その第一項目で「公共事業の実施に当たっては、事前の費用対効果分析の活用や事業実施後における事業効果の評価等により効率的な整備を推進し、社会経済情勢の変化等に対応した必要な見直しを行うことを検討する」ことを求めております。政府は、この決議を受けて、どのような具体的取り組みをなさるおつもりか、総理及び大蔵大臣にお伺いいたします。
 ところで、橋本総理は昨年十二月に、国の公共事業を原則五年で見直し、事業決定後も工事の進まない公共事業を例外なく再評価する「時のアセス」を導入することを関係閣僚に指示したと報道されております。私は、いわゆる「時のアセス」導入に向けた総理の姿勢は評価するものでありますが、その内容が必ずしも明確でありません。そこで、総理が指示されたと言われる内容を国民の前に具体的に明らかにしていただきたいと思います。
 昨年十二月の行政改革会議の最終報告等には、評価機能の充実強化の必要性が掲げられており、政府もようやく政策評価の問題に正面から取り組もうとされてはおりますが、評価機能の充実強化が今後の中央省庁再編を待っていたのでは、いかにも遅過ぎはしないでしょうか。総務庁の行政監察機能の強化とあわせて、行政評価システムの構築が急がれると思いますが、総務庁長官の御所見をいただきたいと思います。
 なお、政策評価や事業評価システムの構築においては、環境配慮の観点が極めて重要であり、特に公共事業の評価や監視を事業実施官庁に任せるのではなく、外部の専門家を加えた第三者機関を設置して行うべきであると考えますが、この点について、橋本総理の御所見をいただきたいと思います。
 次に、公共事業に関連した国庫補助金の問題について伺います。
 地方分権推進委員会の第二次勧告には、「長期にわたり実施中の国庫補助事業について、社会経済情勢等の変化に応じて再評価し、中断すべき場合には過年度分も含め国庫補助負担金の返還を要しない仕組みとする。」との提言がありますが、その後政府内の検討はどのようになっているのでしょうか。
 地方の事業実施主体において、環境破壊のおそれやむだを知りながら、やめるにやめられない公共事業を今後なくするためには、補助金適正化法の中に合理的な撤退の道を設けるべきであると考えますが、この点について、自治大臣及び大蔵大臣の御所見を伺います。
 公共事業によるむだを排除するためには、公共事業をコントロールする法的仕組みと情報公開法の早期制定が必要であり、また、決算委員会や行政監視委員会による審査や国政調査に対する政府の全面的協力が必要であると思いますが、この点について、改めて橋本総理の御所見をいただきたいと思います。
 次に、決算重視の観点から、各省庁における内部監査体制の問題について伺います。
 予算の効率的執行の上から、内部監査体制の重視ということが言われて久しいのですが、定員削減が強化される中で、むしろ後退しているのではないでしょうか。各省庁において予算獲得が至上命題であり、予算担当部門は充実強化するが、予算の使われ方を検証する内部監査や決算担当部門は人員配置の面でも軽視されてきているのではないでしょうか。これは地方においても同様であると思います。
 私は、先ほど申し上げた公共事業等の評価システムの問題ともあわせ、公務員の定員管理の面で各省庁における決算部門の充実強化と内部監査部門の専門性、独立性を高めることがバランスのとれた行財政運営と効率的な予算執行に資すると思いますが、この点について、総理及び総務庁長官の御所見をいただきたいと思います。
 次に、決算の視点からODAのあり方について伺います。
 八年度検査報告には、会計検査院が七カ国、計七十三の事業について現地調査を行ったところ、援助の効果が十分にあらわれていないものが、無償資金協力に一事業、プロジェクト方式技術協力に一事業、直接借款に二事業があることが詳細に報告されております。
 ODA検査の状況が二年度決算検査報告に掲記されてから七度目の報告でありますが、今回の指摘の中には、会計検査院が三年前に現地調査をして、検査報告への掲載は見送られたが問題点の指摘がなされていたと言われる用水路水力発電事業の例もあります。
 そこで、外務大臣に伺いますが、会計検査院のODA検査は、検査権限を初めとしてさまざまな制約の中で行われており、現地調査の期間も比較的短く、検査の要員も少ないにもかかわらず、援助の効果が発現していない事例が毎年度数例検査報告に掲記されている事態について政府はどのように受けとめておられるのでしょうか。
 八年度報告に掲記された用水路水力発電事業は、一次、二次合わせて我が国から百億円余の資金協力が行われておりますが、平成三年には完成予定の発電所が、六年を経過した時点でも、搬入された水車や発電機の大半が設置されておらず、発電所は未完成であり、また、我が国の資金協力で建設されたセメント工場が電力不足のため十分稼働していないとの指摘もあります。
 会計検査院が指摘した本件事例のように、事業の進捗が計画より相当おくれている案件については、この際、事態把握のため総点検を行う必要があると思いますが、政府のお考えはいかがでしょうか。
 なお、過去の検査報告にも類似の指摘がありまして、事業の採択に当たっての審査や相手国政府との対話が十分でないとの感想を持ちますが、政府の認識はいかがでしょうか。
 次に、八年度検査報告に初めて掲記された開発金融借款、いわゆるツー・ステップ・ローンの問題について伺います。
 我が国が供与する長期かつ低利の資金を原資として、相手国の開発金融機関から中小企業者や農業者等に融資を行うツー・ステップ・ローンの手法は、相手国の中小業者の育成と経済の安定に大変有効であると思います。しかしながら、今回の検査院の報告によりますと、資金管理の状況把握が十分でなく、また、回収資金による二次貸し付けが低迷するなど、資金の有効活用が図られていないと指摘されております。
 政府は、開発金融借款の状況把握と資金の有効活用について、今後どのような改善措置を講じていくつもりか、お伺いしたいと思います。
 なお、関連して伺いますが、検査院の報告によりますと、我が国からの貸出金利は年二・五%から三・五%であるのに、相手国の開発金融機関等を経由した借り受け者の支払い金利が一〇%を超えるものが多く見られ、中には一五%という高利もあります。これでは、我が国からの長期かつ低利の資金が中小業者のために活用されておらず、ODAとは呼べないのではないでしょうか。交換公文等の締結の際に、この点についても十分な協議が必要と思いますが、政府の認識はいかがでしょうか。
 最後に、アジアの通貨危機に関連して伺います。
 ASEAN諸国などを中心とする今日のアジアの経済成長に我が国のODAが貢献してきたことは率直に評価したいと思います。しかし、受入国の中には、言論・出版の自由、結社の自由が著しく侵害されていたり、公正な選挙が行われていない国もあります。受入国において国民がみずからの意思を政治に反映することができなければ、せっかくの我が国のODAも、いわゆる開発独裁型の政権維持に利用され、民主化や経済の発展を阻害するものとなってしまうのではないでしょうか。
 現に、人権抑圧や貧困の一方で、過剰な富の偏在が今なお続いている地域が多くあることは、国連やNGOの報告にも明らかなとおりです。昨年夏からのアジアの通貨危機、経済危機も、これらの国において健全な市場の発展を支えるべき民主主義が依然脆弱であることと無関係ではないのではないでしょうか。
 アジアの通貨危機は、世界や日本の経済への影響という視点だけでなく、我が国のODAのあり方が問われる出来事でもあります。我が国のODA大綱に示された四原則の意義とその厳格な適用の必要性が改めて認識される状況であり、また、折しも二十一世紀に向けてのODA改革懇談会の最終報告書が出されるなど、我が国のODA改革が進められようとしています。
 以上のことを踏まえまして、アジアの通貨危機の背景とODAを含めた我が国の対応について、政府の基本的考え方を橋本総理にお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 岡崎議員にお答えを申し上げます。
 まず、ただいま本会議場に入る直前までの状況におきまして、逮捕許諾請求手続が開始されたという報告は受けておりません。なお、一般論として申し上げるなら、政治家はみずからに対し常により厳しくあるべきだと、そう考えております。
 次に、イラク情勢についてのお尋ねがございました。
 イラクが大量破壊兵器等の廃棄に関連した安保理決議に対する重大な違反を行っているということは、国際の平和と安全を脅かすものであるということが既に安保理決議の中で認定をされております。
 この中で、対イラク武力行使ということが一体どうなのかという御指摘がございましたけれども、どのような態様で行われるか定かでない状況におきまして断定的なことを申し上げるのは大変困難なことですけれども、イラクが関連する安保理決議に対する明白な違反を繰り返すことによって、関連決議で規定されました湾岸戦争の停戦の前提条件が充足されていない、そうした状況が現出されつつあるように思われます。
 こうした中にあっても、なお外交的な解決が最善である、そういう考え方に基づき、我が国としても、イラクに対する働きかけを初めとし、さまざまな外交努力を行っているところでありまして、今後とも安保理非常任理事国の立場において、全安保理理事国を含む関係国への働きかけを行ってまいる所存であります。
 次に、八年度決算にあらわれた財政運営、経済運営に関する総括評価という御指摘がございました。
 まず、八年度決算と財政運営についてのお尋ねでありますけれども、八年度予算は、急速に進展をしておる人口の高齢化、国際社会における我が国の責任の増大など、社会経済情勢の変化に弾力的に対応できるような財政体質をつくり上げていくことを基本的な課題としながら、限られた財源の中で資金の重点的、効率的配分に努め、質的な充実に配慮したものであります。その適切な財政運営の結果は八年度決算にあらわれていると考えております。
 経済運営につきまして、政府は、景気回復の確実化、経済構造改革の推進、国民生活の充実、行財政改革の推進及び国際的役割の遂行という五点に重点を置いた経済運営を行いました。この結果、平成八年度の我が国経済は、民間需要中心の自律的回復の動きを続けながら、消費税率引き上げ前の駆け込み需要が加わったこともありまして、実質GDPの成長率は三・二%となっております。
 次に、子ども国会の報告書をごらんになって、みずからの御意見を述べられるとともに、その感想についてのお尋ねがありました。
 私も、この子ども国会、ごあいさつの機会を与えていただきましたけれども、この議場に集うていた若い彼ら、彼女らが皆大変輝いたまなざしを持っていたことを、そのほのぼのとした気持ちとともに今思い起こします。
 そして、二日間にわたる活発な議論や意見の交換の中から、我が国の将来を担ってもらわなければならない多くの子供たちが、特に環境問題について議員からお尋ねをいただきましたけれども、その環境問題も含め、高い意識を持って自分の問題として取り組んでいる、そんな姿に頼もしさを感じました。同時に、私どもが子供のころには当然のこととして我々の身の回りにあった自然の幾つかが既にその子供たちの暮らしから姿を消しているということも感じさせられた次第であります。
 我々の務めとして、かけがえのない地球の環境を守りながら次の世代にしっかりと引き継いでいかなければならない、そのような思いを持ったことも事実であります。
 次に、環境問題と公共事業とのかかわりについてのお尋ねがございました。
 公共事業の実施に当たりましては、これまでも環境の保全については最大限の努力を払ってきたところでありますし、公共事業は安全で潤いのある豊かな国民生活を実現するために実施するものであり、今後とも環境影響評価を的確に実施するなど、環境の保全と創造の融和が図られるようにしていきたいと考えます。
 次に、参議院の七年度決算に関する警告決議についてお触れいただき、御質問をいただきました。
 公共事業の効率的な執行を図るために、事業採択段階において費用対効果分析を基本的に全事業で実施することや、事業実施段階において社会経済情勢の変化等に対応した必要な見直しを行う新たな再評価システムを導入することを昨年十二月に公共事業関係大臣に対し指示いたしたところでありまして、現在、関係各省庁において具体的な方策を検討いたしております。
 次に、「時のアセス」について具体的な内容をという御指摘がございました。
 昨年十二月に導入を指示した公共事業の再評価システム、これは事業採択後一定期間経過後において未着工の事業、また長期にわたる事業等を対象に再評価を行い、その結果に基づき必要な見直しを行うほか、継続が適当と認められない場合には休止または中止する、そうしたことを考えておりまして、公共事業全体に導入することを考えております。
 また、評価システムについて、環境配慮の観点及び外部意見の導入についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおりに、政策や事業を評価するに当たり環境配慮の観点からの検討は重要と考えておりまして、その際、外部の意見を適切に反映することを検討してまいりたいと思います。
 次に、公共事業についてのお尋ねがございました。
 公共事業全体への再評価システムの導入や費用対効果分析を基本的に全事業で実施することなどにより、公共事業の効率性、透明性の確保に努めてまいりたいと思います。
 また、決算委員会あるいは行政監視委員会における審査及び国政調査に関し、今後ともできる限りの協力を行っていくことは当然であると思います。
 また、公共事業によるむだを排除するためには、情報公開法の早期制定が必要だという御意見をいただきました。
 この法律を制定する意義は、主権者である国民の皆様に政策を評価、吟味していただき、政治と行政への関心を高めていただくためにも極めて重要だと考えておりまして、平成九年度内に情報公開法案を国会に提出できるよう、現在、詰めの作業を行っているところであります。
 また、定員管理面からも、各省庁の決算部門を充実強化し、内部監査を強化すべきではないかという御指摘をいただきました。
 予算の使われ方を検証する内部監査あるいは決算が重要であることは、御指摘のとおり認識をいたしており、このため、厳しい定員事情のもとにおきましても、今後とも各省庁において適切な措置が講ぜられるものと考えております。
 最後に、アジア通貨危機とこれに対する我が国の対応、またODAについての御意見をいただきました。
 通貨危機の背景というもの、さまざまな要因があると考えますし、それぞれの国のものを一つにまとめることは困難でありますから、基本的には通貨の過大評価、これに伴う経常収支赤字の拡大等、経済的要素に起因する市場の信認の低下が主たる要因であると考えており、今回の危機に対して、IMFを中心とする国際的な支援の枠組みを基本としながら、ODAによる持続的、安定的発展のための構造改革支援を含め、今後とも積極的な貢献を行っていきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(松永光君) 岡崎議員にお答え申し上げます。
 八年度決算と財政運営、経済運営に関するお尋ねでございました。
 総理からもお答えがございましたが、八年度予算は、景気の回復を確実にし、中長期的な安定成長につなげること等を経済運営の基本的な態度としつつ、限られた財源の中で資金の重点的、効率的配分に努め、質的な充実に配意したものでありました。その適切な財政運営、経済運営の結果は八年度決算にあらわれているものと考えております。
 次に、七年度決算の警告決議に対する具体的な取り組みについてのお尋ねでございました。
 総理からもお答えがありましたが、十年度予算案においても、その趣旨を踏まえて、事業の徹底した見直しを行い、過去に例のない規模での事業の中止、休止等を行っているところであります。
 補助事業等の中断に係る関連についてのお尋ねでございますが、補助金適正化法におきまして、交付決定後の事情変更により特別の必要が生じた場合における補助事業等の中断についての適切な規定が定められておりますが、その場合には、地方公共団体等が既に事業等の執行が済んだ部分に係る補助金等の返還を求められることがないものとされております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣小里貞利君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(小里貞利君) 行政評価システムの構築についてのお尋ねでございますが、政策の効果につきまして厳正かつ客観的な評価を行い、その結果を迅速かつ適切に政策に反映させてまいりますことは極めて重要な課題でございます。特に、昨今の行政に対する批判の高まりをしっかりと自覚いたしまして、何よりも行政に対する信頼を高めるという心構えを持ちつつ、行政の自己評価、改善に真摯に取り組んでまいらなければならないと思っております。
 昨日、国会に提出をいたしました中央省庁等改革基本法案におきましても、このような観点に立ちまして、政策評価機能のあり方について、具体的な改善策を盛り込んだところでございます。
 なおまた、議員から御指摘がございましたように、このような中央省庁等改革法を待つまでもなく、できるだけ早目に行政監察機能の一層の発揮に努めなければならない、さように存ずる次第でございます。
 次に、定員管理の面からも各省庁のいわゆる決算部門を充実するべきではないかというお話でございますが、総理からもお話がございましたように、内部のいわゆる専門性、独立性を高めたそのような内面的な一つの決算に対するきちんとした姿勢を確立するべきは当然でございます。
 内部監査や決算の重要性を踏まえ、極めて厳しい昨今の財政事情ではございますけれども、バランスのとれた行財政運営と効率的な予算執行に資するよう、各省庁からの要求に適切に対処してまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣上杉光弘君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(上杉光弘君) 岡崎議員にお答えいたします。
 補助事業等の中断に係るお尋ねでございますが、補助金適正化法上、天災地変など特別の必要が生じ、交付決定を取り消す場合でございましても、執行済みの部分は、補助金等の返還を求めることができないとされております。この規定に基づく補助事業等の中断などの場合の補助金等の取り扱いについては、分権勧告も踏まえまして、適正に処理されるものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(小渕恵三君) ODAにつきましてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、会計検査院のODA検査についてでございますが、例年、その年に調査を実施したODA案件のうち、その大部分につきましては、おおむね順調に推移しているということでございます。ただ、数件につきまして、援助の効果が十分発現していないという御指摘をいただいております。
 その原因の多くは、主として相手国の自助努力の不足や、予測し得ない状況の変化等、相手国側の事情によるものではございますが、一部案件につきましてこうした御指摘を受けておりますので、政府といたしましても、十分これを検討し、会計検査院の報告に十分留意いたし、かつ相手国に対しましても事態の改善を促すとともに、必要に応じて適切に措置を講じてまいりたいと思っております。
 次に、ODA事業の進捗状況につきましてでございますが、政府としては、従来から、援助の一層の適正で効果的な実施を確保するため、現地大使館等を通じ、また調査団の派遣により、案件の進捗状況の把握や相手国実施機関に対する助言等を行っております。また、案件実施後に、援助が真に効果を発揮しているか否かにつきましては公正で客観的な評価を行っております。
 また、案件採択に当たりまして、綿密な事前調査や政策協議等相手国との対話の強化により、相手国が真に必要としておるODA事業の発掘や形成に努めております。
 政府といたしましては、今後ともこうした努力を拡充し、援助の質の向上及び効果的で効率的な実施にさらに努めてまいりたいと思っております。
 最後に、開発金融借款についてでございますけれども、開発金融借款は、我が国の援助の効果が相手国国民に広く行き渡る制度であり、相手国からも高く評価されております。今後、開発金融借款を一層有効に活用していくため、会計検査報告を踏まえ、実態を把握し、相手国実施機関の審査、管理能力の向上のために必要な手段を講じてまいる考えでございます。
 開発金融借款の転貸金利は、一般に為替リスクを相手国の資金市場に配慮する必要がございまして、円借款金利よりも幾分高くならざるを得ません。こうした制約条件でありますが、相手国内の市場金利よりは低い水準で、中小業者にとっても魅力ある金利を設定するよう今後努めてまいりたいと思っております。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(斎藤十朗君) 渡辺孝男君。
   〔渡辺孝男君登壇、拍手〕
#13
○渡辺孝男君 ただいま大蔵大臣から報告のありました平成八年度決算につきまして、公明を代表し、橋本総理並びに関係大臣に質問いたします。
 政策不況により、雇用不安、生活不安、老後不安など多くの不安が渦巻く今日の日本において、必死に働き生活している国民は、大事な税金がどのように使われるか、また使われたか、大変厳しい目で見ております。びた一文血税がむだに使われてはならない、税は国民全員のために平等、公正、効率的に使われるべきである、そのような思いで国民は監視しております。
 平成八年度決算に関する会計検査院の検査の結果、不当事項として掲記されたものは三百十四件、約百七十億五千万円にも及び、そのほかにも改善を要する事項が数多く指摘されております。
 不当事項件数の省庁別比較では厚生省が群を抜いて多く、中でも補助金事業の実施及び経理が不当であったものが百五十四件、約三十九億五千万円と過大であるのは非常に問題であります。
 この点に関する厚生大臣、大蔵大臣の見解を求めます。
 中でも特に憤りを感じるのは、福祉を食い物にした彩福祉グループによる特別養護老人ホームをめぐる汚職事件であります。これに関連して厚生省の事務次官が辞任し、そのほか審議官ら十六人が処分を受けました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、この事件を契機に、平成八年十二月、各省庁に綱紀粛正のため職員倫理規程がつくられることになったわけであります。それをさかのぼること一年前にも、大蔵省は、東京協和、安全二信組関連の接待事件で省内処分を行った後に、「綱紀の厳正な保持について」という官房長通達を出しておりました。にもかかわらず、今回の金融関連の不祥事にて、大蔵省幹部やその捜査に当たる警視庁警部の収賄事件が新たに発覚し、公務員の綱紀の乱れが一向に改善されていないことが天下に明らかとなりました。
 そこで、総理並びに大蔵大臣にお尋ねいたします。何ゆえ官房長通達や職員倫理規程が守られなかったのか。その原因と、天下り規制の強化や公務員倫理法制定を含めての今後の綱紀粛正対策についてお答えいただきたいと思います。
 また、公務員ばかりでなく、新井将敬自民党代議士の不正利益取得疑惑、泉井石油商不正献金疑惑などの政治家の倫理が問われる事件も多発しており、この際、汚職議員が再び立候補できないようにする政治腐敗防止法を制定し、政治不信の解消に努めるべきだと考えます。これに対する橋本総理の御所見をお伺いいたします。
 さて、時代の変遷や社会の変化に伴い、国民の生活パターンや意識にも変化が生じてきております。例を挙げれば、近年の省エネ、リサイクルに対する認識の高まりや、地球温暖化防止のための世界市民としての連帯意識の高揚であります。また、少子・高齢化に伴う家族や地域社会の人間関係の精神的ストレスの増加や、世代間、男女間の負担の公平化を求める要求の増大などであります。
 行政は、これらの社会変化や国民意識の変化に敏感に対応しながら、国民へのサービス向上に努める必要があります。大衆の党公明は、これら国民の関心が高いリサイクル、環境問題や少子・高齢化に伴う福祉、教育の問題を重点政策課題としてとらえ、積極的な取り組みをしているところであります。
 そこで、これらに関係を有する決算の二つの事項について質問いたします。
 平成三年に再生資源の利用の促進に関する法律、いわゆるリサイクル法が制定され、政府は公共建設工事において再生資源の有効活用を強力に推進することになりました。しかし、平成八年度決算に関する会計検査院の報告では、国庫補助による道路改築事業に再生砕石が適切に利用されず、高コストの新材の砕石が使用されたために、約三十八億円の材料費中約十億円が割高となり、その分、国庫補助金が約五億円多く支出されたとみなされるとの趣旨の指摘がなされております。
 一九九二年のリオの地球サミット以降、世界的に資源循環型社会の構築が求められており、我が国もゼロ・エミッションを目指して積極的に取り組んできたはずでありますが、まだ指摘されるような状況にあることはまことに遺憾であります。このような現状を総理並びに建設大臣はどのように認識しておられるのか、また今後の公共建設事業において資源リサイクルをどのように積極的に取り入れていくつもりなのか、その方針をお聞かせいただきたい。
 次に、少子・高齢社会に関連して質問いたします。
 急速な少子化により、我が国の児童生徒数は、昭和六十年の千六百七十六万人に対し、平成八年度は千二百二十四万人と、この十一年間で約四百五十万人も減少しております。しかし、学校数はほとんど減っておりません。その結果として、平成八年五月一日現在で、おおよそ一割に当たる約一万二千室は将来とも使われる見込みがない空き教室とみなされております。
 国は、公立小中学校施設の設置に際し、国庫負担を行っており、文部省は各種の通知等を通して、余裕教室の有効な活用や社会福祉施設など学校以外の施設への転用を打ち出しております。しかし、会計検査院はいまだその有効活用は不十分であるとして改善を求めております。
 少子・高齢社会を反映して、地域住民からは福祉施設や生涯学習の場としての利用を求める声が大きくなってきております。そこで、学校の閉鎖性を打ち破り、地域住民との交流を深める効果も期待できるこの空き教室の有効利用を積極的に推進すべきであると考えます。多数の空き教室が有効に活用されない原因をどのように分析され、今後その改善のためにどのように取り組まれるのか、文部省としての具体的な対策と福祉施設への転用についての厚生大臣の考えをお聞かせいただきたい。
 公明の浜四津代表は去る二月十四日、中学生によるナイフを使った事件が多発していることを踏まえ、教育に関する三つの緊急提言を発表いたしました。その一つが、空き教室を活用し、二十から二十五人の学級を実現し、きめ細かな教育ができるようにしてはどうかという提言であります。この提言に関しての文部大臣の御所見をお伺いしたい。
 また、文部大臣は中央教育審議会に対し、心の教育について諮問を行っておりますが、大人社会のモラルの低下と児童の心の荒廃との関連について、大臣御自身どのような見解を持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 最後になりましたが、中国の易経に「亢竜悔い有り」という言葉があります。その意味は、上り詰めた竜には、後は下るだけで悔いを残す運命が待っているということであります。橋本総理は、昨年九月に自民党総裁に再選されましたが、その後、閣僚人事のつまずき、景気対策の失敗、中央省庁再編における初期の理念の後退、財政構造改革法の有名無実化、さらには国家公務員の綱紀の乱れなど、失政やリーダーシップの陰りを示す事件、状況が相次いでおります。国民の支持率も五〇%台から三〇%台に低下しております。今後さらに失政が重なり、国民にこれ以上の負担を強いることがないよう、橋本総理は早急に退陣を考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。総理の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(橋本龍太郎君) 渡辺議員にお答えを申し上げます。
 まず、今回の大蔵省あるいは警察の収賄事件に関連して、職員倫理規程や大蔵省の官房長通達が守られなかった原因についてのお尋ねがありました。
 各省庁におきましては綱紀の保持に努めてきたと信じておりますが、一部に緊張感の緩みを生じていたこともあったのではないかと考え、まことに残念に思います。
 大蔵省は、今回の事件を深く反省し、職員一同自覚を新たにしながら、一丸となって国民の信頼回復のために、松永大臣の指揮のもと、大蔵改革に携わっていかなければならないと考えます。
 また、厳正な規律が警察の生命であると考えておりますが、警察において厳正な規律が守られ、その運営に遺憾なきが期せられるよう、努力してまいりたいと考えております。
 また、綱紀粛正策についてのお尋ねがございました。
 今回の不祥事を踏まえまして、先般、政府部内に公務員倫理問題に関する検討委員会を設け、いわゆる公務員倫理法の制定を期して鋭意検討を行っております。
 また、天下りの問題に関連した公務員制度等の見直しにつきましては、先般、政府部内における速やかな検討を指示いたしました。また、公務員の退職、再就職のあり方につきましては、公務員のライフサイクル全般にわたる問題として、現在、公務員制度審議会で調査、審議をいただいておるところであります。
 次に、政治腐敗防止法についてのお尋ねがございました。
 昨年九月三十日の政治倫理等に関する三党確認に基づいて与党政治改革協議会が設置され、収賄罪に係る有罪確定議員の被選挙権の停止期間の延長について既に合意を得られたものと承知をいたしており、また、その他の事項につきましても、現在、引き続き鋭意検討されているものと承知をしております。その議論の結果に従い、清潔で活力のある政治の実現を図りたいと考えております。
 次に、再生資源の有効活用について御指摘をいただきました。
 かけがえのない環境を守り、限られた資源を有効に活用するために、従来から建設廃棄物を初め廃棄物のリサイクルを推進してまいりましたが、いまだ十分な水準に達していない現状を踏まえ、今後ともリサイクルに一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、易経の言葉を引用されながら私自身の進退に対する御意見をいただきました。
 自分の与えられた時間内、全力を尽くすのが私の責任と考えており、御忠告をありがたくちょうだいいたします。
 なお、残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(松永光君) 渡辺議員にお答え申し上げます。
 八年度決算に関する会計検査院の検査結果についてのお尋ねですが、申すまでもなく、国の予算は国民の負担に基づく貴重な財源を使用して国の施策を推進していくものであり、従来から厳正かつ効率的な執行について特に留意するよう各省庁に対して指導してきたところでありますが、会計検査院から厚生省関係を初め多くの不当事項等の指摘を受けたことは、まことに遺憾であります。今後、このような指摘を受けることのないよう、従来にも増して厳正かつ効率的な予算の執行に留意するよう、各省庁に対し指導してまいりたいと考えております。
 綱紀粛正に関するお尋ねですが、大蔵省においては、通達の発出や倫理規程の制定により、綱紀の厳正な保持に努めてきたところでありますが、にもかかわらず今回のような事件が起きたことはまことに遺憾であります。今後は、新たに設置した金融服務監査官制度を最大限に活用して、綱紀の保持と不祥事の再発防止に努めてまいりたいと考えております。
 なお、いわゆる天下り問題については、先般、総理から再就職問題に関連した公務員制度の再検討を関係機関に指示されたところでありますが、私としてはこの検討状況を厳粛に見守っていきたいと考えておるところであります。
 なお、公務員倫理法の制定については、私としても真剣に取り組んでまいりたいと、こう考えておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(小泉純一郎君) 渡辺議員にお答えいたします。
 平成八年度決算検査報告において、国民健康保険の財政調整交付金等に関し、会計検査院から多額の指摘を受けたことはまことに遺憾であります。
 従来より、補助金等の適正な執行を行うため、各都道府県等に対して通知等による事務処理の適正化を期するとともに、交付申請書の審査及び指導監査の強化を図ってきたところでありますが、今後とも一層の適正化に努力をしていきたいと思います。
 また、社会福祉施設等の施設整備費補助金については、昨年、厚生省内に施設整備業務等の再点検のための調査委員会を設置し、公共工事に準じた建設工事契約の適正化等の改善措置を講じたところであります。
 学校の空き教室の活用についてでありますが、私は渡辺議員の御指摘、御意見に全く同感であります。今後、文部省と連携をしながら、公立小中学校の空き教室、いわゆる余裕教室の社会福祉のための活用を積極的に推進していきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣瓦力君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(瓦力君) 渡辺議員にお答えをいたします。
 公共建設工事における再生資源の有効活用につきまして、総理からも御答弁がございましたが、建設省では、従来より公共工事におけるリサイクルの向上に努めてきておりまして、その結果、一定の成果は上がっておりますが、なお一部におきましてリサイクル率が低迷いたしております。
 今般の会計検査院の指摘を踏まえまして、再生砕石の一層の利用、活用を図るよう、地方公共団体に改めて周知したところでございます。
 建設省といたしまして、建設リサイクルを一層推進するため、昨年十月に公共工事の発注者としての責務の徹底を主眼とした新たな計画を策定いたしまして、当面、平成十二年度までに達成すべき具体的目標を定めまして、その実施に取り組んでおるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(町村信孝君) 渡辺議員にお答えいたします。
 空き教室の活用のための取り組みについてのお尋ねでございました。
 児童生徒の減少に伴いまして、平成九年五月現在、公立の小中学校の普通教室の約一割に当たります五万七千教室が余裕教室となっているところであります。余裕教室につきましては、地域の実情に応じて、特別教室や多目的教室など、学校教育活動のために活用されているほか、生涯学習施設等への転用が図られているところでありますが、近年は徐々に社会福祉施設等への転用も行われてきております。
 文部省としては、平成五年四月から余裕教室活用指針というものを示しまして、各市町村において余裕教室の積極的な活用が図られるよう促すとともに、余裕教室を学校以外の施設に転用する際の財産処分手続の簡素化を図ってきているところであります。
 今後とも、厚生省など関係者の十分な理解と協調を得ながら、各市町村において社会福祉施設等への転用も含めて余裕教室の積極的な活用が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、二十人から二十五人学級の実現についてのお尋ねでございます。
 公立小中学校の学級編制につきましては、数次にわたる改善計画により、現在四十人を上限として編制することとしているところでありますが、実際には、一学級当たりの児童生徒数は、全国平均で小学校が二十七・七人、中学校が三十二・九人まで改善されてきたところであります。
 また、平成五年度から実施しております第六次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画は、厳しい財政状況にかんがみまして先般成立をいたしました財政構造改革法において平成十二年度まで二年間延長することとなったわけでございますが、文部省といたしましては、一人一人の子供の個性を尊重し、きめ細かな指導が行えるよう、この改善計画を着実に推進してまいりたいと考えております。
 最後に、大人社会のモラル低下と児童の心の荒廃との関連についてお尋ねをいただきました。
 我が国は、自由で民主的な国家として、国民が豊かで安心して暮らせる社会を形成し、世界の平和に貢献しようと努力を傾けてきたところであります。しかしながら他方では、物、金などの物質的な価値を優先して、自己責任の考え方が欠如した利己的、享楽的な風潮など、大人社会のモラルの低下が見られているところでありまして、それが子供の豊かな人間性の育成に大きな影響を与え、心の荒廃の一因になっているのではないかと考えておりまして、渡辺議員と私も同様の考えを持っているところでございます。
 現在、幼児期からの心の教育のあり方につきまして、中央教育審議会において昨年夏以降鋭意御審議をいただいているところでありますが、大人の責任において家庭、地域、学校がどのように取り組むべきかについて検討が進められているところであり、その審議の成果などを踏まえまして、子供たちの心の教育の充実に最大限努めてまいりたいと考えております。(拍手)
#19
○副議長(松尾官平君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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