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#1
第142回国会 本会議 第9号
平成十年二月十九日(木曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第九号
  平成十年二月十九日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る十六日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。菅野久光君。
   〔菅野久光君登壇、拍手〕
#4
○菅野久光君 まず冒頭に、昨日、同僚の岡崎トミ子議員からの質問がありましたけれども、衆議院の新井将敬議員に対する逮捕許諾請求が内閣から衆議院に出されたことについて伺います。
 時あたかも冬季長野オリンピックの終盤であります。各選手がそれぞれルールに従ってスピードとわざを競い合っております。私は、日本選手の活躍、とりわけ北海道出身選手の活躍に涙の出る思いで応援し、感動しております。
 世の中はすべてルールが大事であります。しかるに、今回の新井議員の事件は、疑惑とはいえ、報道によると明らかなルール違反、いわゆる法律違反であると報ぜられています。まことに残念なことであり、また政治不信が一層高まるのではないかと憂慮をしておりますが、この時点における総理の御感想を伺いたいと存じます。
 本論に入ります。
 私は、民友連を代表いたしまして、総理大臣の施政方針演説を初めとした政府四演説に対する質問をいたします。
 冒頭に申し上げます。総理は、施政方針演説において、「我が国の将来像、進むべき方向を示し、それを実現するために政策を実行するのは政治の使命」と述べました。まさに今日の我が国の最大の問題点は、政府みずからがこれを全うしていない点、この使命を放棄していることにほかなりません。
 二十一世紀を目の前にして我が国経済は危機的な状況を迎えております。まるで日本全体が深い霧に覆われてしまったかのようであります。なぜ先の見えない不況が続くのか。国民は一時的な小手先の景気対策では将来に希望が持てないのです。今本当に必要なのは、将来に希望が持てる確固たる信念に基づいた首尾一貫した政策であります。
 橋本総理は、財政構造改革を初めとするいわゆる六大改革を火だるまになってもやり遂げると言われました。しかし、どれ一つとして首尾一貫しているものはありません。橋本総理自身が招いた政策不況が深刻化し、金融機関の破綻が続出した結果、総理は慌てて景気対策を言い始めました。総理は臨機応変に景気の回復を図るとおっしゃいましたが、臨機応変ではなく場当たりという言葉の方がぴったりではないでしょうか。与党の中からは、平成十年度本予算案が審議されていないうちから、補正予算が必要だとの発言が聞こえてきております。これは、まさに政府の場当たり的対応がもたらした結果であります。
 橋本総理にお尋ねしますが、審議前から補正が叫ばれるような前代未聞の事態をもたらした責任をどうお感じになりますか。
 民友連は、国民の皆さんが将来にわたって希望が持てるような確固とした信念に基づいた政策を提言していきたいと思っております。
 民友連の景気対策は、目下の不況に対応するだけのものではありません。二十一世紀を迎える日本が年率三%程度の持続可能な経済成長を達成するため、抜本的な経済構造改革を行うことを目的としております。
 民友連は、これから数年間を景気対策集中期間と位置づけ、景気対策と同時に経済構造改革にも取り組んでまいります。もちろん、将来世代にツケを残さないよう、景気対策のための減税等の財源は十年程度で償還する特別の国債によるべきであると考えております。
 まず、即効性のある政策として三兆円の所得税の制度減税を提案します。これまでの特別減税のように、定率減税、定額減税という場当たり的なものではなく、最高税率を含む各段階の税率の引き下げと、現役世代の子育てや高齢者介護等の経済的負担緩和のための扶養控除の大幅な引き上げを実施すべきと考えます。また、地方分権を推進する観点から、地方自治体の住民サービスに対する応益的課税と考えられている住民税に国が勝手に手をつけるようなやり方には反対であり、あくまでも国税である所得税だけで減税を実施することを提案しております。
 国際的に見て明らかに高い法人課税の実効税率についても、主要先進国の税率の水準に合わせ四〇%程度に引き下げるべきであります。同時に、業種や企業規模等によって公平性を損なうものとなっている各種引当金などや租税特別措置等の課税ベースの見直しを大胆に行っていくべきであると考えます。そのほか、有価証券取引税の廃止やローン利子所得控除制度、居住用財産の買いかえの際の譲渡損失の所得控除制度、情報化投資減税などを提言します。
 これらの政策により、合計六兆円の減税を行って景気を刺激すると同時に、我が国産業の空洞化を阻止し、経済構造の改革を行ってまいりたいと考えております。
 橋本総理にお尋ねしますが、二兆円の特別減税が果たして国民の不安感をぬぐうのに十分なものであったとお考えでしょうか。より抜本的、恒久的な税制が必要であるとお考えになりませんか。明確にお答えいただきたいと思います。
 公共事業については、従来型の土木工事のみに偏重することなく、二十一世紀をリードする新しい産業に重点配分すべきです。民友連は、二十一世紀の日本経済をリードするであろう情報通信、福祉関連、環境・エネルギー、住環境整備などの新社会資本の整備を重視します。
 そのためには、従来のような硬直的な予算配分を徹底的に見直すことが必要です。建設国債、赤字国債の区別もなくして、国債の発行量総額をコントロールすることにより、必要な分野に適切に資金を投入できるようにすべきであります。
 ニュービジネスを創造するためには、起業家が起業家精神を発揮できる環境整備はもちろん、高コスト経済構造の改善も重要であります。民友連は、思い切った規制緩和により、それらの実現に努力する所存であります。
 橋本総理は、これからの公共事業の予算配分についてどのようにお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。
 昨年は金融機関の破綻が相次ぎました。金融システムの安定化は目下の日本経済の最大の課題の一つです。アジア諸国への悪影響を防ぐためにも、速やかに有効な対策を講じる必要があります。しかしながら、そのためには関係当事者の責任を厳正に明確化することが不可欠です。我が国の金融行政に欠けていたもの、それは透明なルールに基づいた公正な運用であります。三十兆円もの血税を投じるからには、金融機関と癒着した大蔵省による密室での裁量行政をきっぱりと断ち切り、すべての国民が納得できるような行政を行うべきであります。
 今日の金融システム不安の根本にあるのは、言うまでもなく不良債権問題です。不良債権問題はバブル経済崩壊による地価急落と密接に関係しており、したがって不良債権問題の解決には不動産の流動化が不可欠です。
 民友連は、不動産の流動化のため、公的債権回収機関、いわゆる日本版RTCを活用した不良債権の担保不動産の証券化を提案します。RTCには公的権限を持たせ、複雑な権利関係などにより流動化が困難な不動産をスムーズに証券化できるようにします。これにより、我が国金融市場に新たな証券市場ができるほか、超低金利政策により行き場を失っている千二百兆円もの個人金融資産の運用の多様化も期待できるのではないでしょうか。
 いわゆる貸し渋り対策も重要であります。政府・与党は、三月期末決算対策として、有価証券の評価方法の変更を認める一方で、土地の再評価により含み益を実現し、自己資本比率を引き上げることを認めるなど、まさに首尾一貫しないなりふり構わぬ対策をお考えのようですが、果たして効果があるのか疑問です。経済は市場原理に基づいて動いており、その場限りの恣意的なルール変更は国際的な信用を失うばかりか、市場には通用しません。表面的には自己資本比率が向上しても、市場では決して評価はされないでしょう。むしろ、我が国金融機関を見る海外市場の目は一層厳しくなり、国際市場での競争力はますます低下するでしょう。
 橋本総理にお尋ねしますが、こうした子供だまし的な方法で本当に貸し渋りが解決できると信じておられますか。
 次に、金融検査官が収賄で逮捕されるなど、現職の大蔵省幹部による不祥事、公務員のモラルの崩壊について伺います。
 橋本総理はこれに対して、徹底した内部調査と関係者の厳正な処分を行い、綱紀を正すと述べていますが、私たちはそのような言葉を何度この本会議の場で聞いてきたことでありましょうか。九六年、厚生省事務次官の汚職事件では、真に実効の上がる綱紀粛正の方策を策定すると明言し、本年の一月にも、政府を挙げて綱紀粛正を徹底し、信頼を回復するように努めたいと述べています。
 総理がこれほど意欲を示してきたにもかかわらず、綱紀粛正の実効を上げ得なかったのはなぜでしょうか。今回逮捕された大蔵省幹部の一人は昨年七月に大蔵大臣から処分を受けていますが、国家公務員法上最も軽い戒告処分でありました。もう一人は七月以降も接待を受けていたと言われております。再三再四、綱紀粛正を言わなければならない橋本総理の率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
 松永大蔵大臣は、今回の不祥事への対応策として、金融検査の予告制の導入などを打ち出されていますが、これでは本末転倒であり、まるでカンニングが多いから試験は参考書持ち込みにするというようなものではありませんか。予告制によってどのように厳正で実効性のある検査体制が確立できるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 また、九五年に過剰接待で辞職した元主計局次長の脱税疑惑について、一たん再調査を明言しておきながら、日を置かず前言を翻したのは納得できません。主計局次長まで務めた人が税金の基本について知らなかったということが世間一般に通用するでしょうか。改めて再調査を求めます。この点については総理の御見解もお聞かせください。
 総理は、公務員倫理法の制定を期すと明言されていますが、もはや制定するかどうかではなく、早急にその内容を討論し、今国会の成立を図らなければなりません。
 私たち民友連は、既に衆議院の平和・改革や自由党とともに、国家公務員の倫理の保持に関する法律案と政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律の一部を改正する法律案の大綱を用意しております。二千円以上の接待を含む贈与については報告義務とし、報告を怠ったり、虚偽報告をしたときには刑罰を科すこととしているのであります。国会議員の資産公開についても、より厳しい規定にして、公務員同様の罰則規定を新設しているところであります。改めて公務員倫理法制定に対する橋本総理の決意をお伺いいたします。
 そして、国民が直接行政を監視する方法として情報公開法制定も急務であります。既に野党は国民の知る権利を保障し、特殊法人までを公開対象にした法案を提出しております。それに比べ、政府・与党が検討している法案は、その作成を官僚に任せたため、国民が使用しにくくなるよう工夫が凝らされているようであります。総理、情報公開制度は行政改革の重要な柱ではありませんか。官僚に任せるのではなく、政治のリーダーシップで、与野党の協議による議員立法でつくり上げるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 また、新井将敬議員の不正蓄財疑惑、泉井石油商の不正献金疑惑など、政治家の腐敗疑惑も後を絶ちません。私は刑法に政治家の地位利用収賄罪を創設するなどの抜本的な腐敗防止法整備が必要と考えますが、総理、いかがでしょうか。
 その他、時効期間が五年であるにもかかわらず、政治資金収支報告書等の保存期間が三年しかないという法制度上の不備も大問題であります。謄写の解禁とともに早急に改正すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 加えて、証人喚問の映像を解禁する議院証言法の改正も、衆議院では可決したものの、参議院において与党の抵抗でたなざらしとなっております。このような実態も国民の政治不信を募らせる大きな要因となっておりますが、総理、いかがお考えでしょうか。
 そして、政治の信頼回復のためには、国民の参政権を保障し、拡大する立場に立った改革を進めていくべきだと考えます。継続審議となっている在外邦人の選挙制度、また、船員の洋上投票制度、十八歳選挙権の実現は急務であると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、今国会最大の課題の一つである行革、そして密接に関連する地方分権について伺います。
 総理は、昨年の通常国会の施政方針演説で、「現在の仕組みがかえって我が国の活力ある発展を妨げていることは明らか」と発言されたことを御記憶でしょうか。この指摘は正鵠を得ていると思います。行政の仕組み、あり方を現在及び将来の日本社会に適した構造へ転換することが今求められています。
 大蔵不祥事で明らかになったような官民の関係は、恐らく近年始まったものではなく、戦後一貫して存在したものです。しかし、それがここに来て露見し、糾弾されるようになったのはなぜか。それは日本社会が変わったからだと思います。
 官民が同一の目標を目指した時代において、官民が協調し、情報交換することは国のためであり、また、民間企業あるいはそこで働く従業員のためでもありました。だからこそ問題になることは少なかったと思います。しかし、社会は変わりました。情報収集能力において企業は行政を追い抜きました。また、激しい競争を行っている企業にとって、国の動向よりも消費者あるいは国際市場の動向の方がより重要となりました。既に国は民間を指導することも育成することも不可能なのです。
 このように官と民の関係が変化する中、従来の関係の残滓が現在の汚職として露見しているのです。国と地方の関係においても同様であり、官官接待という残滓が露見しています。
 行政の権能は財源と情報を持つことによって発揮されました。しかし、現在の国に財源はなく、また情報においては民間企業、個人あるいは自治体に凌駕されています。今後の行政は、財源と情報を持って民間、自治体を指導、育成するのではなく、正義や公平、人権という基本的価値の守護者あるいは公正な競争環境を整備するグラウンドキーパーになることが必要だと思います。この行政の役割の転換に応じて行政の仕組みを改革することが行政改革であり、また我が国の活力ある発展を実現するための必要条件であります。
 そこで、総理にお尋ねします。今、私が触れたような行政の根本的なあり方についてはどうお考えでしょうか。現在の行政の役割を前提に、それを簡素化などするのみで行政改革がなし遂げられるとお考えでしょうか。
 さらに、政府が今国会において提出される中央省庁等改革基本法について伺います。
 私たちはこの法案を行革とは評価していません。仮に行革の中心が政府の簡素化、効率化なら、この法案にある公共事業関連の予算、財政投融資三十兆円を有する国土交通省のどこが簡素化を体現するのでしょうか、自治省、総務庁、郵政省を統合する総務省のどこが効率化なのでしょうか、お伺いいたします。
 また、今回の行革は、政治のリーダーシップの確立も目的としています。しかしながら、政府の省庁再編案は数合わせに終始したため、省庁はより巨大化、肥大化し、大臣は行政をコントロールすることがますます困難になります。三十一万人を擁する総務省、十万人を超える労働福祉省を一人の大臣が監督して、政治のリーダーシップを発揮することが可能でしょうか。
 我々は、副大臣制度を導入して、政治がグループで対応することを提唱していますが、総理はこの点についてどうお考えでしょうか。
 次に、中央省庁事務の実質的削減の柱である地方分権について伺います。
 総理は、施政方針演説の中で、地方分権等により国の権限と仕事を絞り込むとしていますが、地方分権推進委員会の勧告は、国の地方に対する関与の整理が中心であり、実質的な権限の移譲はわずかであります。したがって、この勧告が実施に移されても、中央省庁の事務が大幅に削減されることはありません。総理は、今後さらなる事務の移管を進めていくつもりはあるのでしょうか。特に、地方分権推進委員会に対し、中央省庁事務を削減するという観点から、さらなる勧告を求めていくのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、外交・安全保障問題について伺います。
 イラクが大量破壊兵器を保有していることは国際社会への脅威であり、イラクが直ちに国連の査察を無条件に受け入れ、大量破壊兵器を廃棄するよう強く求めるものであります。民友連は、外交交渉による事態の解決が望ましいと考え、アナン国連事務総長による調停案の交渉の成果に期待いたします。
 アメリカは、イラクに対して武力行使も辞さないと表明していますが、安保理決議六百八十七号の湾岸戦争停戦決議の条件である国連査察を拒否していることを根拠に、今回の武力行使が正当化されるのか、疑問が残ります。軍事行動を実施するには、イラクへの武力行使を容認する新たな安保理決議が必要であると考えますが、これについて総理及び外務大臣のお考えを伺います。
 また、アメリカが新たな安保理決議なしに武力行使を決行したとき、日本政府はどのように対応するのか、伺います。武力行使を支持するのであれば、日本がどの程度米軍に協力し、費用を負担するお考えか、あわせて伺います。
 次に、日米防衛協力のための指針についてお尋ねします。
 ガイドラインのもとに行われる周辺事態及び日本有事における日米協力の実施の是非につき、シビリアンコントロールを堅持する必要がありますが、個別事項に関し、国会でどのように審議されるべきだとお考えか、総理及び外務大臣にお尋ねいたします。
 また、昨年の名護市住民投票と大田知事の反対表明で、海上ヘリポート建設案に関し、地元の十分な理解を得られなかったことが明白になりました。国の安全保障の問題である普天間の代替地決定を沖縄県に責任転嫁し、普天間基地返還計画の進行に関する混乱を招いたのは総理の責任でもあります。
 政府は、海上ヘリポート案のみに固執するのか、総理は今後どのように地元との調整を図っていくのか、御説明願います。
 またこの間、政府は沖縄の経済振興策の実施を見送る考えをちらつかせるなど、沖縄県に不当な圧力をかけてきました。沖縄振興策は基地の移転問題とは切り離して推進されるべきだと考えますが、その点につき総理のお考えを伺います。
 次に、昨年私が代表質問で取り上げたアジア歴史資料センターについて再び伺います。
 平成七年六月に有識者会議がセンターの設立構想について提言しておりますが、いまだに設立の予定が一向に立っておりません。総理御自身、アジア太平洋地域の平和と安定がますます重要になると指摘されていますが、センターは一体いつ設立されるのか、伺います。
 次に、農業問題について伺います。
 米過剰による米価の大暴落を受けて、昨年末、政府は新しい米政策を打ち出しました。しかし、今回の対策は、新食糧法の目的である主要食糧の需給及び価格の安定を図るためには極めて不十分なものと言わざるを得ません。
 政府は、米が大量に流通する市場に備蓄米を放出し、在庫処理に奔走しています。しかし、過剰の際には備蓄米を棚上げし、不足の際には放出するのがあるべき備蓄制度ではないでしょうか。問題は現在の備蓄制度にあります。現行の回転備蓄制度を棚上げ備蓄に改め、備蓄米を市場から切り離さない限り、今回の政策も有効に機能するとは思えません。
 また、総理は施政方針の中で、新しい農政の基本法制定について述べられていますが、昨年末の政府「食料・農業・農村基本問題調査会」中間取りまとめでは、重要部分について両論併記が多く、その方向性はなお不明確なままであります。国内農業の位置づけや食糧自給率の目標設定、さらには条件不利地域への直接所得補償制度の導入などについて、総理自身はどのようにお考えか、先ほどの備蓄制度のあり方とあわせてお伺いいたします。
 次に、漁業問題について伺います。
 一昨年、日韓両国が国連海洋法条約を批准したのを契機に、政府は新たな漁業協定を締結するべく韓国との間で交渉を行ってきましたが、合意に至らず、一月二十三日に協定の終了通告を行いました。その直後から韓国漁船は自主規制海域での操業を公然と開始し、我が国漁業と沿岸海域の水産資源に多大な被害を与えております。
 総理、政府は韓国政府に対して、引き続き自主規制措置を守ることを強く申し入れるとともに、監視体制を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、漁具被害、水産資源の枯渇及び漁場の損壊に対する政府の措置についても伺いたい。
 何はともあれ、隣国である韓国との平和友好を促進するためにも、国連海洋法条約に基づく新たな漁業協定の早期締結を願っているのでありますが、その見通しはどうか、政府の考え方をお伺いいたします。
 次に、森林・林業及び国有林野事業について伺います。
 二十一世紀の地球環境時代を迎え、森林・林業の機能、役割の十全な発揮を求める世論は国際的な高まりを示しています。とりわけ地球環境問題では、京都で開催されたCOP3において森林が温室効果ガスの吸収源として位置づけられ、新規植林による吸収量が評価されたこともあり、森林・林業施策の推進がより強く求められています。このような世界的な流れを見たとき、衰退著しい我が国の森林・林業の再生は今や国際的責務であります。
 特に、長期累積債務の解消に向け、対策の抜本的見直しが求められている国有林野事業については、さきの林政審答申において示された公益的機能重視への転換や、独立採算制性の企業特別会計の廃止を確実に行うことが必要であります。そしてそのための財政的裏づけとして、一般会計からの繰り入れ拡大が必要不可欠であります。我が国の林政の基本方向と国有林野事業再建に向けての総理のお考えを伺います。
 また、政府・与党は、国鉄長期債務の処理に関して、JRに追加負担を強制すべく画策しております。しかしながら、私は次に述べます重大な問題点が明白であると考えます。
 一つは、民間企業への追加負担強要は、「財産権は、これを侵してはならない。」とする憲法第二十九条第一項に反するものであると思います。二つ目には、追加負担は、政府が責任を持って定めた負担枠組みを根本から覆すものにほかならず、また民営化イコール自立した経営基盤の確立という国鉄改革の本来の趣旨に反するものであります。三つ目には、株主の存在、意向を全く無視したものにほかなりません。そして四つ目には、JR株については海外投資家の所有株もあり、日本の証券・金融システム全体の信用にかかわる問題となることが明らかであります。
 よって、国鉄長期債務に関するJRの追加負担は、到底国民、利用者及び世界の投資家の理解を得ることができるものではありません。総理、これらの問題点に明確な御認識をお示しいただきたいと思います。
 また、地球温暖化防止京都会議は、多くの市民の支援によって国際的な温暖化物質削減の枠組みを決定しました。日本は、議長国として世界の模範となるような温暖化物質削減対策を行うべきであります。
 具体的には、新エネルギーの積極的な導入のための財政措置の大幅拡大や買い取り価格の上乗せ、ライフスタイルを見直すための環境教育の強化などの政策的措置を至急行うべきであります。あわせて、温暖化物質の削減を国や各自治体、企業などが真剣に行っているかをチェックするために、温暖化物質排出量や削減計画の公開を義務づけ、国民全体で監視するシステムが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
 また、オゾン層破壊物質であり、強力な温暖化物質であるフロンについては、民主党が昨年末にオゾン層保護法改正案としてその回収を義務づける法案を衆議院に提出いたしましたが、法律上フロンの回収を義務づけなければフロンの回収は進まないと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 さきの施政方針演説の中で総理は、子供たちが直面する問題に対して、家庭、学校、地域、さらにはマスメディアなども含めた幅広い観点から議論していかなければならないと述べられました。
 最近のバタフライナイフによる殺傷事件を初め、陰湿ないじめ問題、薬物の乱用、援助交際に見られる性の乱れ等々、今子供たちが直面する深刻な問題の背景には、まず何にも増して家庭における教育力の低下が挙げられると考えます。
 依然として改まらない家庭における父親不在に始まり、核家族化や女性の社会進出の拡大などにより、親子のつながりは希薄になるばかりであります。そんな中、親たちは善悪の判断力も未熟なうちから、子供たちにファミコンやホラービデオなどを買い与え、これでよしとし、子供たちは日々仮想の世界に浸り、いつしか現実世界と仮想世界の区別がつかなくなっていきます。
 そんなふうに育った子供たちも、学校で受験ストレスにさらされ、教師の顔色をうかがいながら、よい子を演じ続けなければなりません。そして最後のよりどころとなるべき家族も、子供たちへ寄せる関心は偏差値のみといった息苦しいだけの状況の中、抑圧されていたものがあるとき一気に爆発します。そして命の大切さを理解していたなら決してできないような行為を平気で行い、世間を驚かせます。
 そこで、総理にお伺いします。今回の教育改革の中で、家庭における教育力をどのように回復させようとお考えなのか、単なる精神論ではなく、具体的な政策をお聞かせください。また、地域教育、学校教育の充実にしても、少子・高齢化社会、教員数削減の現状の中でどう具体的に実行していかれるのか、明確にお示しください。
 次に、労働基準法改正についてお尋ねいたします。
 少子・高齢化、就労形態の多様化が進む中で、男女にかかわらず、家庭生活と仕事を両立し、安心して働くための新しい働き方のルールの確立が求められています。政府は、年間労働時間千八百時間という目標を掲げ、完全週休二日制の普及、年次有給休暇の完全消化、所定労働時間の削減に取り組んでいますが、週四十時間労働制を実施していない事業所がまだ二〇%以上もあることに象徴されているように、目標達成にはほど遠いのが実態であります。時間外労働、休日労働、深夜労働に関する男女共通の法的上限規制が必要であると考えます。政府は、使用者に労働時間の制限を遵守させるためにどのような方策を講じるのか、総理にお尋ねいたします。
 また、政府改正案による裁量労働制の対象者拡大と変形労働時間制の要件緩和は、労働者の健康や家庭生活に深刻な影響を与えることが懸念されます。職場の実態を踏まえ、労働者の労働条件、権利をどのように擁護していくのか、総理にお尋ねいたします。
 次に、男女共同参画についてお尋ねします。
 昨年七月に発表された男女共同参画二〇〇〇年プランに関する報告書の中で、政策・方針決定過程への女性の参画の拡大が重要であるとの指摘がありますが、国の審議会の女性委員の割合は目標の二〇%に達しておりません。政府は女性委員をふやす努力をしているのか、女性の専門家が少ない分野について、女性専門家の育成を奨励しているのかどうか、総理にお尋ねします。
 また、法務省は組織犯罪対策として、盗聴を合法化する法律案を提出しようとしています。一歩間違えば憲法の基本原則を踏みにじる危険があるわけですから、国民の十分な理解と同意が不可欠です。総理は、盗聴を合法化することの是非について、国民が検討するのに十分な時間を設ける考えがあるのかどうか、それとも強引に今国会での成立を目指すおつもりなのか、明確な答弁を求めます。
 阪神・淡路大震災が発生してから三年の月日が経過しております。しかし、その被災者を支援する施策は一向に講じられず、野党が再三提出した被災者支援法案も、政府・与党の無理解により審議がはかどっておりません。行政が全く警告しなかった大災害が発生し、多くの人々の自助努力を超えた被害が生じたのです。まさに政治の出番ではありませんか。橋本総理、なぜあなたが率いる自民党や政府はこれらの人々を支援しようとしないのでしょうか。あなたはこの問題についても何もしないおつもりなのか、明確にお聞かせいただきたいと思います。
 最後に申し上げたい。総理は施政方針演説の結びにおいて、「この国と国民の力を信じます。」と声高にお述べになりました。当たり前のことだと思います。余りにも自明のことを殊さらに強調する総理の姿勢には、逆に問題解決の責任を国民に押しつけようとしているとの印象を強めるばかりであります。
 問題は、国民が信じるに足る政府であるかという点であることを総理は御存じないのでしょうか。「明日への自信を持つ年」ともおっしゃいましたが、今日の渦巻く不信と不安を払拭できない現実を前に、まさに鼻白む思いであります。
 改めて申しますが、政治倫理、公務員倫理の問題もかけ声ばかりで、与党協議を数カ月続けても法案の方向性すら見えてきません。一体国民に何を信じろとおっしゃりたいのか。また、当初予算が審議入りすらしていない段階で、与党幹部が十年度の補正予算を明言するありさま。総理は与党の協力体制を強調されておりますが、国民が目の当たりにしているのは、求心力を失った政府・与党の無責任状態、リーダーシップを失った内閣の実像であります。総理にこのような失態に対する釈明を国民の前に明らかにすることを強く求めます。
 総理、今日における経済危機、不況は、昨年四月からの消費税アップ、二兆円特別減税の打ち切り、さらに九月からの医療費値上げによる九兆円にも上る国民の負担増にあることは明白であります。ちまたでは、経済界、中小企業者、長引く低利子で生活設計に大きな狂いを生じた年金生活者など、怨嗟の声が満ち満ちています。
 総理は、臨機応変に景気の回復を図るとおっしゃっていますが、何をどうしようというのか、その処方せんを具体的に示さないでだれが納得できるでしょうか。その青写真を示せないのであれば、我が日本丸は沈没してしまいます。総理にこれ以上かじ取りを任せるわけにはいきません。
 今こそ総理が決断すべきときであることを申し上げて、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(橋本龍太郎君) 菅野議員にお答えを申し上げます。
 まず、新井将敬議員に対する逮捕許諾請求の手続開始の問題についての感想を言えというお尋ねがありました。
 昨日、参議院本会議終了直前、内閣の方に司法当局からこれについての要請が来たと承知をいたしております。内閣としては、これに対する閣議を終え、正確な時間はちょっと失念をいたしておりますけれども、一時前後には衆議院に対し、これを取り次いだと記憶をいたしております。淡々とこの手続が進められることを今願っております。
 次に、経済運営について場当たりであるというお尋ねをいただきました。
 政府としては、既に実施しております緊急経済対策、二兆円規模の特別減税、九年度補正予算に加えまして、金融システム安定化対策の迅速かつ的確な執行に努めることとしておりまして、こうした取り組みのすべてが相乗効果をもって我が国の経済の力強い回復に資するものと考えております。今後とも責任を持って適切な経済運営に努めてまいります。
 次に、恒久減税が必要ではないかという幾つかの例示を挙げての御指摘がございました。
 私は、日本発の経済恐慌は決して起こさない、そうした思いの中で国民の不安感を払拭することこそ必要、そう考えて特別減税の実施に踏み切りました。この特別減税を含む財政・金融両面にわたるさまざまな措置が、相乗効果をもって我が国の経済の力強い回復に寄与するものと思います。
 大規模な恒久減税の実施につきましては、我が国の租税負担率が欧州諸国に比べてかなり低い水準にありますところから、税負担のあり方としての問題もあろうかと思います。
 次に、公共事業予算の配分について御意見がございました。
 公共事業予算につきましては、財政構造改革の趣旨を踏まえ、経済構造改革関連の社会資本について物流の効率化に資するものを中心として優先的、重点的に整備するほか、相対的に立ちおくれている生活関連の社会資本への重点化を図ることとしております。
 次に、規制緩和について御意見をいただきました。
 規制緩和の推進は、市場原理が有効に機能することを通じ、高コスト構造の是正に資するものであり、民間事業者の創意あふれる事業活動の促進による経済構造改革の実現に向けての極めて重要な課題であると認識しており、このため今後とも新たな規制緩和推進三カ年計画の策定など、さらなる規制緩和の推進に向けて最大限の努力を払ってまいります。
 次に、不良債権の担保不動産の証券化につきまして、政府としては、特定目的会社による不動産、債権等の流動化のための制度に関する法案を検討しており、本制度の導入により担保不動産を含む不動産全般の流動化が促進されるものと考えております。なお、債権回収機関としては住宅金融債権管理機構や整理回収銀行が特別調査権を持つ預金保険機構と一体となって強力かつ効率的な回収を進めているところであります。
 次に、いわゆる貸し渋り対策についてのお尋ねがございました。
 現下の金融経済情勢を踏まえれば、金融機関の融資対応力を強化し、健全な事業を営む中小企業などへの資金供給の円滑化を図ることが我が国経済の喫緊の課題であります。そのためには金融機関の自己資本の強化や金融システムの安定が重要であり、政府としては、でき得る限りあらゆる方策を講じ措置していくことが必要であると考えてさまざまな施策を実施しております。
 次に、綱紀粛正についてのお尋ねがありました。
 私は、一昨年末に各省庁が制定した公務員倫理規程によって公務員諸君がみずからの行動を律してくれるものと願っておりました。しかし、このたび現職の国家公務員が収賄容疑で逮捕、起訴されましたことは、倫理規程だけでは完全に徹底できないということを思い知らされた、そのような思いであり、極めて残念だというのが率直な私の気持ちであります。そして今、公務員倫理法の制定に向けての作業を急いでいるところであります。
 次に、金融検査の予告制の導入について大蔵大臣と二人に御質問がありました。
 詳細は大蔵大臣から御答弁を申し上げるのが適切と思いますが、金融検査のあり方を基本的に変えていく中において、検査目的に応じて予告検査と抜き打ち検査を効果的に組み合わせることが検査の実効性、効率性を高める上で有効だと考えております。
 次に、元主計局次長の税務上の再調査についてのお尋ねがございました。
 国税当局は、納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じ資料、情報の収集に努め、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなど適正な課税に努めておると思います。御指摘の件につきましては、松永大蔵大臣が国税庁から調査経過などを詳しく聞かれた上で、収集された証拠などに照らし、告発し得なかったことはやむを得ないと認識されたと承知をいたしております。
 また、公務員倫理法制定について改めてお尋ねがございましたが、こうした法律案を考えなければならないということ自体がまことに残念でありますし、遺憾であります。
 政府としては、事態を深刻に受けとめながら、先般、政府部内に公務員倫理問題に関する検討委員会を設け、いわゆる公務員倫理法の制定を期して鋭意検討に入っております。同じく本問題を検討されている与党三党とも連携し、早急に作業を進めてまいりたいと考えております。
 また、情報公開法案は議員立法によりつくるべきではないかという御意見をいただきました。
 情報公開法案につきましては、現在、行政改革委員会意見を最大限に尊重して立案作業を行っております。この法案につきましては、平成九年度内に国会に提出させていただきたいと考えており、十分御審議をいただきたいと存じます。
 また、いわゆる腐敗防止法の創設についてのお尋ねがありましたが、政治腐敗の防止のための特別立法の措置につきましては、現在、与党政治改革プロジェクトチームにおきまして検討が進められていることから、この議論の推移を見守りながら適切に対処してまいりたいと考えております。
 次に、政治資金収支報告書等の保存期間及び公訴時効期間との違い、謄写の解禁といった御質問がございました。
 収支報告書の保存期間につきましては、その閲覧期間や公職選挙法の選挙運動の収支報告書の保存期間などとの関係において三年となっており、他方、公訴の時効期間については、法定刑に応じて刑事訴訟法により五年とされていると承知しています。また、閲覧の中に謄写は含まれておりません。謄写について明文の規定もないということから、謄写は認めない扱いといたしております。
 証人喚問の映像解禁についてのお尋ねがございましたが、これは院の各党各会派において御論議をいただくべき事項であり、政府としてお答えをすべきことではないと存じます。
 それから、参政権の拡大という視点からの御提言がございました。
 まず、在外選挙につきましては、昨年の通常国会に在外選挙法案を御提案申し上げたところでありますが、当時の新進、太陽両党からも法案が提出をされ、両案とも今国会に継続審査とされているところと承知しておりまして、今国会において御審議の上、早急に法律が成立するよう念願をいたしております。
 次に、洋上投票につきましては、船員の方々の就業形態が特別なものでありますことから、特例的な不在者投票制度を設けておりますけれども、不在者投票の送致が難しいことなどにより投票が事実上困難な方がおられることについては十分認識いたしております。貴重な選挙権の行使にかかわる重大な課題でありますので、さまざまな角度から検討していきたいと思います。
 また、選挙権年齢の引き下げにつきましては、民法上の成人年齢、また刑事法での取り扱いなど法律体系全般との関連も十分に考慮しながら検討すべき課題であると考えます。
 いずれにいたしましても、これらの問題につきましては各党各会派で十分御論議をいただき、その結果を踏まえて適切に対処していきたいと考えております。
 次に、行政改革についてのお尋ねがございました。行政改革の目的、これは一体何なんだということからのお問いかけであります。
 行政改革の目的というものが国の権限と仕事を減量する、簡素で効率的な行政、機動的で効果的な政策遂行を実現すること、国民の皆様から信頼される開かれた行政機構をつくるということに尽きると思います。
 中央省庁等の改革に当たりましても、国の果たすべき役割というものを根本から見直し、規制の撤廃、緩和、官民の役割分担の徹底、地方分権の推進、情報公開法の整備などを着実に並行して行ってまいります。
 簡素効率化という点についてのお尋ねもございましたが、今回の改革におきましては、単に現行の省庁をそのままの姿でくくり直すのではございません。郵政事業を初め現業の改革、独立行政法人制度の創設、公共事業の見直し、国立病院等の施設等機関の見直し、局、課等の整理簡素化及び定員の削減などを通じて国の仕事の減量、効率化を推進し、行政を大幅にスリム化してまいります。
 副大臣制度の導入につきましては、立法府と行政府との関係、政治と行政との関係、行政の中立性の要請等に十分留意しながら慎重に検討されるべきものだと考えておりますが、これまでも大臣を補佐する政務次官制度をより積極的に活用する観点から、閣僚経験を既に有しておられる方を政務次官に就任願うなどの取り組みを行っております。さらに、政務次官を重要政策の決定過程に一層深く参画してもらうべく工夫をするよう各閣僚に指示したところでございます。
 また、地方分権につきましては、地方分権推進委員会から機関委任事務制度の廃止、都市計画決定権限や農地転用の許可権限などの権限移譲等につきまして、四次にわたり勧告が行われておりまして、政府はこれらの勧告を最大限尊重し、今国会中に政府の推進計画を策定し、確実に実施をいたします。
 さらに、一層の事務権限の移譲について引き続き取り組むべきであると考えており、地方分権推進委員会に対しまして、市町村への権限移譲を含む国及び都道府県からの事務権限の移譲などの問題について、さらに検討を進めていただきたい旨お願いを申し上げております。
 次に、イラク情勢についてお尋ねがございました。
 米国は、現時点において武力行使を決定したわけではないと思います。仮に、対イラク武力行使が行われることになったといたしましても、どのような態様で行われるかが定かでない時点で、議員が幾つか指摘をされましたような点について断定的なことを申し上げることは困難だと思います。
 なお、新たな安保理決議の必要性につきましては、イラクによる大量破壊兵器等の廃棄に関連する安保理決議への重大な違反が国際の平和と安全を脅かすものであることは、既に関連の安保理決議で認定をされており、イラクが関連安保理決議の明白な違反を繰り返すことで、関連決議で規定された湾岸戦争の停戦の前提条件が充足されていない状況が現出されつつあると思われます。
 なお、けさ小渕外務大臣がアナン事務総長との間で電話会談を行い、事態の平和的解決の努力を続けておりますことを申し添えます。
 ガイドラインの関連での幾つかのお尋ねがございました。
 指針のもとでの日米協力と国会のあり方についてのお尋ねでありますが、指針のもとでの日米協力のあり方について国会でも十分御論議をいただきたいと存じます。いずれにせよ、日本に対する武力攻撃及び周辺事態に対し、我が国が行う対米協力がしかるべき手続を経、その時々の国内法令に従って行われることは当然であります。
 次に、普天間飛行場の返還計画に混乱を招いたのはおまえの責任だという御指摘をいただきました。
 普天間飛行場の返還問題、沖縄振興策につきましては、普天間飛行場は市街地にあって、危険な状況をほっておけないという思いから、アメリカ側との返還合意にこぎつけたものでありまして、その代替施設については、現時点における最良の選択肢として海上ヘリポート案を提示したものであり、今後とも大田知事を初め地元の御理解と御協力をいただけるよう粘り強く取り組んでまいりたいと思います。
 沖縄振興策につきましては、基地の整理、統合、縮小に対応し、依存型経済から自立型経済への移行を図ろうという県のお考えを重く受けとめ、鋭意取り組んできたところでありまして、今後とも基地の整理、統合、縮小の進展を踏まえながら、最大限の努力を払ってまいります。
 また、アジア歴史資料センターについてお尋ねがございましたが、平成七年六月末に取りまとめられた有識者会議の提言の趣旨を踏まえながら、所要の調査検討を行っているところでありまして、今後ともセンター構想の可能な限り早急な実現に向けて着実に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、米の棚上げ備蓄についての御意見をちょうだいしました。
 しかし、棚上げ備蓄におきましては、品質の劣化等によりまして主食用への売却が困難になり、多大な財政負担が必要となることから、これを採用することは困難と考えておりまして、政府としては、昨年取りまとめた新たな米対策を着実に実行し、米をめぐる厳しい状況に適切に対処していきたいと考えております。
 農政の改革についてもお尋ねがございました。
 現在、食料・農業・農村基本問題調査会におきまして、農政の全般にわたり抜本的な見直しを行うための幅広い議論が進められております。中間取りまとめでは、議員御指摘のように、両論併記とされた事項もございます。これは御指摘のとおりでありますが、これらを含めまして、国民的な合意を形成し、農業農村の発展を図るための新たな農政の指針をつくり上げたいと考えております。
 次に、日韓漁業関係についての御質問がございました。
 韓国による自主規制措置の停止につきましては、韓国側に対して冷静な対応を求めるとともに、漁具被害に関する民間協議の支援と韓国漁船に対する監視を継続してまいります。また、漁場の資源の保存管理のため、国連海洋法条約の趣旨を踏まえた新たな漁業協定の締結交渉に真剣に取り組んでいく決意であります。
 次に、林政の基本方向、また国有林野事業についてお尋ねがございました。
 水資源の涵養あるいは二酸化炭素の吸収など、森林の公益的な機能というものを否定する方はだれもないと思います。その公益的な機能を十分発揮させるために、森林整備の計画的な推進、林業・木材産業の活性化を図ってまいります。
 また、国有林野事業につきましては、国有林野が国民共有の財産である、そうした考え方のもとに、累積債務の処理を含めた抜本的改革の実現を図ることとしております。
 次に、国鉄長期債務処理策に関するお尋ねがございました。
 国鉄清算事業団の債務等のうち、JR社員分の厚生年金移換金は、JRの社員の年金給付のための負担であります。当該負担はJRの社員の福利厚生のための負担であること等からすれば、これを一般国民の負担とするのではなく、鉄道共済の関係事業主そのものであるJRの負担とすることには合理性があり、憲法が保障する財産権を侵害するものではない、そう認識をいたしております。
 厚生年金移換金七千七百億円のうちJR社員外の分四千百億円につきましては、国庫補助金等を裏づけに鉄道建設公団が負担することも、この機会に指摘させていただきたいと思います。
 また、厚生年金の移換金は、国鉄改革においては予定されていなかった負担でありました。当該負担に関しては、最終的にだれが負担するか、国民との関係で一番合理的な案はどういうものか、こうしたことで判断をすべきものであると考え、その上で、事業主であるJRの負担とすることは国鉄改革その他の方針に反するものではない、そのように考えております。
 こうした合理性のある措置でありまして、JRの株主あるいは我が国の証券・金融システムとの関係においても御説明ができるものである、そのように認識をいたしております。
 次に、温暖化物質削減対策について、京都会議の合意を受け、新エネルギーの導入、環境教育、監視システム、さまざまな御提案をいただきました。
 京都会議直後に、私が本部長となり地球温暖化対策推進本部を内閣に設置し、地球温暖化対策の今後の取り組みについて決定をしたところでありますが、温室効果ガス削減目標の達成に向けては、推進本部において、具体的かつ実効ある対策を今後総合的に推進してまいります。しかし、これには、議員を初め国民の御協力を得なければできません。この場をかりて御協力を心からお願いする次第であります。
 次に、フロンの回収について法律上の義務づけが必要ではないかというお尋ねをいただきました。
 廃棄されますエアコン、冷蔵庫などに含まれている特定フロンの回収は、それぞれ機器の廃棄の実態を踏まえた回収ルート、費用分担のシステムを関係者の協力を得て構築する必要がございます。
 このため、メーカーがフロンの回収機や破壊施設を整備する、自動車の販売店、市町村などがフロンを回収し破壊する、消費者にも回収作業の人件費などを負担していただく。このような産業界や地方自治体による自主的なシステムの構築、推進を促し、政府がレビューを行うという現在の取り組みの方が最も実効が上がり、特定フロンの回収が着実に進むものと考えております。
 また、家庭における教育力をいかにして回復させようと考えているのかという御指摘をいただきました。
 家庭教育がすべての教育の出発点であり、親の果たす役割が極めて重要であることは御指摘のとおりであります。このため、親御さんに対する家庭教育に関する学習機会の充実あるいは相談体制の整備などの家庭の教育力の充実を支援していくための施策を中教審などにおける検討も踏まえて一層進めていきたいと思います。
 また、地域社会におけるさまざまな活動体験の機会を充実したり、学校教育を子供たちがみずから学び、みずから考える教育に転換するなどの施策を進めていきたいと考えます。
 次に、労働基準法の改正についてのお尋ねがございました。
 時間外労働については、法律に根拠を置く上限に関する基準及びこれに関する労使の遵守義務を定めることにより適正な水準となるようにします。
 裁量労働制及び変形労働時間制の見直しにつきましては、健康確保や総労働時間の短縮のための措置をあわせて講ずるなど、労働者が健康で安心して働けるルールの設定を内容とする法律案といたしました。
 審議会への女性委員の登用につきましては、現在、平成十二年度末までのできるだけ早い時期に二〇%という目標の達成に向け鋭意取り組んでおりまして、特に、審議会等へ委員を推薦していただいておる各分野の団体等に対しては女性の推薦と団体内部における女性の登用について協力をお願いいたしております。
 また、女性の専門家の少ない分野からも積極的に委員を登用することにより、各分野における女性専門家の育成を奨励することになると考えております。
 次に、通信傍受の制度の導入についてお尋ねがありました。
 組織的な犯罪に対抗するための刑事法の整備は、私は重要かつ緊急の課題だと考えております。これに関する法制審の答申に含まれております犯罪捜査のための通信傍受の制度は、憲法上の権利との関係についても十分配慮した内容となっておりますことから、皆様の御理解を得てその実現に努めてまいりたいと考えております。
 次に、阪神・淡路大震災に関連してのお尋ねがございました。
 議員が御指摘の法案につきましては、議員立法と承知をしており、政府としてコメントは控えさせていただきますが、政府としては、これまでも公営住宅の大量供給とその家賃の大幅な引き下げ、阪神・淡路復興基金を活用した生活再建支援金の給付に対する地方財政措置などさまざまな支援策を講じてまいりました。
 なお、将来の災害の被災者の支援について、現在与党内において議論が進められていると承知しておりまして、これを注意深く見守ってまいりたいと考えております。
 最後に、私自身に対して大変厳しい御批判をいただきました。
 政府としては、既に実施している緊急経済対策、特別減税、九年度補正予算に加え、金融システム安定化対策の迅速かつ的確な執行に努めることとしており、こうした取り組みのすべてが相乗効果をもって我が国経済の力強い回復に資するものと考えております。その意味でも、平成十年度予算の早期成立が今何よりも必要であり、議員の御協力をぜひお願い申し上げたいと存じます。
 残余の質問については、関係大臣から御答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(松永光君) 菅野議員にお答え申し上げます。
 その前に、のどを痛めて悪声でありますことをお許し願いたいと思います。
 私に対する第一の質問は、金融検査の予告制導入に関する御質問でした。
 この点につきましては、今総理からお答えもあったわけでありますが、一、二つけ加えて御答弁申し上げますと、御存じのとおり本年四月から早期是正措置が導入されることになります。その制度の導入後の金融検査では、金融機関の自己査定の実施状況あるいはルールの遵守状況、その実態把握が検査の重点項目になるという方向で、実は基本的に検査のあり方を改めるということで検討をしているところでございます。
 現在は抜き打ち方式が基本でありますが、新しい事態に対応していくためには予告検査も導入して、そして実効性と効率性を高めていきたい、こういうことなんです。事前に予告したのでは的確な実態把握ができにくい、そうなるような問題のある金融機関に対しては引き続き抜き打ち検査。さようなわけで、予告検査と抜き打ち検査を効果的に組み合わせる、そういう方向でやることを考えておるわけであります。
 次に、元主計局次長の課税問題についてであります。
 私は、前に委員会でも申し上げたわけでありますが、要するに、一昨年の二月になされた国税の処置というものが公正なものであったのかどうか、それを私自身よく調べてみたいということを申し上げたのでありますが、それに基づいて私は国税当局者から数回にわたって十分事情を聴取して調べてみました。その結果、この件では国税当局は十分に調査をして、そして証拠関係等に基づいて適正に処理をしたというふうに私は理解ができたわけであります。
 改めて再調査すべきであるという御意見でございますが、一般論として、調査当時に把握できなかった事実が新たに判明して課税上問題がある、こう認められる場合には国税当局は当然に調査を行うものと承知しております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(小渕恵三君) 緊迫するイラク情勢、また新たな安保理の決議の必要性並びに日韓漁業協定につきましては、先ほど総理から御答弁申し上げましたので、御理解をいただきたいと思います。
 若干補足しますと、けさ九時に国連事務総長と電話で会談をいたしました。事務総長みずからがバグダッドに乗り込むということですから、よほどの決意があってと思っておりますと同時に、P5との十分な話し合いも済まされて行かれると思いますので、正直申し上げてこの事務総長のイラク入りというのは大きな最後の私は努力かという気もいたさないではありません。
 したがいまして、私といたしましても、日本政府の立場を申し上げるとともに、この努力を高く評価し、成功を心からお祈り申し上げて、今後、外交的手段をもってぜひともこの問題解決に対して御努力を願いたいと申し上げたところでございます。
 日韓の漁業協定につきましては、まことに残念ながら、外交演説でも申し上げましたが、現下、韓国との間は問題はほとんどない、こう思っておりますが、残念ながらこの協定が結ばれておりません。
 御案内のように、二月二十五日に金大中新大統領が誕生されますので、我々としてはできる限り早い機会にこの協定成立のために話し合いを再開いたしたい、こういうことで最善の努力をしてまいりたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(斎藤十朗君) 井上吉夫君。
   〔井上吉夫君登壇、拍手〕
#9
○井上吉夫君 私は、自由民主党を代表して、先日の総理の施政方針等政府四演説に対して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 冒頭申し上げたいことは、本年は今上陛下御在位十年となる新春に当たり、この場をおかりして慶賀の意を表したいと存じます。
 国民の間では、来年、天皇陛下の御即位十年に向けてお祝いの行事を開催する動きが出ていると聞くのでありますが、政府としては、このような催しに対して後援するなどにより、祝意を表すべきであると存じますが、どのように取り組んでいかれるおつもりか、総理のお考えをまず伺いたいと存じます。
 この十年いろいろ大きな出来事が起こりました。皇太子殿下の御成婚や宇宙飛行士の誕生などの明るいニュースがあった反面、ペルーの日本大使公邸占拠テロ事件や阪神大震災のような不幸な事件も起きました。
 大震災の後、いち早く被災地を御慰問くださった天皇皇后両陛下のお姿は、被災者はもとより多くの国民の心に深い感動を与え、復興の大きな励ましとなりました。あのときの映像を見るたびに、常に国民の幸せを願っておられる陛下のお心が強い感銘を持ってよみがえってまいります。この十年の節目に当たって国民を挙げて祝意を表したいものであります。
 近年、冷戦構造が終結する中で、世界的な大競争時代が始まり、我が国は、超高齢化社会に備えて日本のシステム全体を見直し、来るべき二十一世紀の展望を切り開いていかねばなりません。
 六大改革、特に行政改革、金融改革等が進行しつつある中で、昨年の相次ぐ金融・証券不祥事に加え、ことし、その監視役であるべき大蔵省の検査官の汚職が発覚し、国民の大きな不信と怒りが巻き起こっております。
 このため、先日、大蔵大臣、大蔵事務次官が辞任いたしましたが、これだけで済ませるわけにはまいりません。長い間の中央集権的な体制における根深い官・業の癒着体質という問題の根源にメスを入れるべきであります。
 二十一世紀の新しい日本のシステムをつくるには、まず過度な権限の集中排除、癒着体質の徹底的改善により、政治、行政の信頼を回復することが何より大切であります。真相を徹底究明し、大蔵省の改革を初め、公務員倫理法の制定等を早急に具体化すべきであります。
 これらの点を踏まえ、総理と大蔵大臣の決意と取り組みについてお聞かせ願います。
 次に、昨今の経済情勢は予想以上の景気の停滞と金融不安に見舞われ、とりあえずこの難局をどのように乗り切るかが焦眉の急務であり、当面の緊急課題であります。
 国の責任、政治の最大の役割が国民の生活を守ることにある以上、それは単に今の時代だけでなく、将来のこと、次の世代のことも見据えたものでなければならないことは論をまちません。たとえ今苦しくとも、子供が立派に成長し、家族が幸せになることを願って頑張るのが親の心であります。行政改革を初めとする六大改革もいろんな痛みを伴いますが、総理が火だるまになって取り組む限り、政府が日本の将来を考えて進めようとする改革が真剣であればあるほど、国民の皆様はわかってくれるはずであります。
 総理は、年頭のあいさつの中で、景気対策と金融システムの安定化を最優先課題とすると述べられました。我が国初めアジアの景気停滞、金融不安の中で、日本経済の足場を早急に固め、内外のかつてない難局を乗り切るために全力を挙げて予算や重要法案の審議に取り組むことが、今、国会の果たすべき役割であります。
 中小企業への貸し渋り等も加わって、景気の腰折れの心配が強まり、日本の家計や企業の景況感も厳しく、アジアの経済・金融不安も深刻な状況にあります。経済がグローバル化する中で、世界のGNPの二割を占める日本が、総理も言われるように、世界恐慌の引き金を引くような事態は断固防がねばなりません。
 このような決意のもと、総理は、ASEAN会議から帰朝された直後、ぎりぎりの判断として二兆円の特別減税を指示されました。さきの臨時国会で財政構造改革法が決まったばかりではありますが、予想以上の不況に対応する政治の選択としてはむしろ当然のことでありましょう。財政構造改革に弾力的に対応してでも、当面はこの経済危機を脱出することに政策を集中するべきであります。
 今回の二兆円特別減税を初め、十兆円の交付国債、二十兆の政府保証等最大限の景気金融安定化対策を決定されました。かつてない思い切ったこれらの対策は、執行が早いほど相乗効果を発揮すると思います。もし効果が十分でない場合には、成功するまで追加措置をとることを内外に宣明するべきだと思います。
 このことについて、中長期的な大方針である財政構造改革との関連を含め、御所見を伺うとともに、経済・財政両面の再建について、総理の不退転の決意を御披瀝願います。
 今までの補正予算等の審議の中でも、六兆円の大型減税や恒久減税化などさまざまな意見があり、政府の景気対策が不十分だとの論議が見られました。しかしながら、国と地方を合わせた長期債務が九八年度末にはGDPを上回る五百二十九兆円にも達しようとする中では、さらに大幅な赤字国債の発行を追加対策として打ち出すわけにはまいりません。
 補正予算の迅速な執行、十年度予算の早期成立こそ、目下の最大の景気金融対策であります。その効果と市場動向を見守りつつ、公共事業の前倒しや土地資産の時価評価への見直しによる貸し渋り対策を初め、即効性のある規制緩和などにいろいろ知恵を絞ってさらなる対策を検討すべきであります。総理と大蔵大臣の御見解を伺います。
 この際、金利政策についてお尋ねします。
 御承知のとおり、公定歩合〇・五%という超低金利が九五年九月以来既に二年半になろうとしております。金利収入が大幅に減少し、老後の生活が狂ってしまったという不満が続出しています。また、年金生活者の犠牲の上で金融機関の不良債権処理を行っているという批判もございます。景気は気のものと言われており、消費者マインドを刺激するためにも金利を上げるべきではないかと私は思うのであります。
 日銀総裁は、過日、金利引き上げは企業の資金調達コスト増となり、それが収益減につながり、投資の足を引っ張ると言われて、引き続き低金利政策が必要であると述べられました。しかし、金利所得のアップは、必ず需要を喚起し景気を引き上げるはずであります。金利政策は日銀専管事項ではありますが、あえて総理に景気対策の観点からこのことについての御意見を伺いたいのであります。
 本年四月から改正外為法が施行されます。変動為替相場のもと、千二百兆円に及ぶ個人金融資産がかなり海外にシフトするのではないかと懸念されています。日本の異常な低金利でありますだけに、四月以降の資金動向についてどのように大蔵大臣は認識されておられるのか、お答えください。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、生活の基盤である我が国土の均衡ある発展と環境の保全の問題について伺います。
 高齢化の進行は、農山村、とりわけ中山間地域について厳しいものがあり、集落が消えていくところも出ております。農山漁村地域が果たしている国土保全のための多面的な機能を考えるとき、この流れをこのまま見過ごすわけにまいりません。これらの地域を抱える市町村長さんにとって、今最も切実な問題であります。かねてこのことに深い関心をお持ちの自治大臣に、関係地方公共団体の指導を含め、取り組みの具体的な方針をお聞かせ願います。
 財政構造改革に伴い公共投資削減が行われますが、このように大きなハンディーを負う地域こそ、生活関連のインフラ整備と経済の活性化が重要であります。次期全国総合開発計画の策定が急がれていますが、今までの開発重視主義から、保全や利用の概念を重視していく基本方針のようにうかがわれます。四つの国土軸や地域への投資に十分に配慮することが地方の暮らしと環境を守るために重要であると考えます。この点について総理大臣に方針をお聞かせ願います。
 ウルグアイ・ラウンドによるミニマムアクセス米の輸入等で大きな打撃を受け、深刻な後継者不足の問題を抱えている農業に対して、できるだけ明るい展望を示し、営農にいそしむことができるようにすることがぜひとも必要であります。今までの農政の壁を破り、新機軸を盛り込んだ新しい基本法を早く打ち出すべきであります。このことについて総理大臣に基本的なお考えを伺います。
 先般発表された食料・農業・農村基本問題調査会の中間報告では、懸案となっている食糧自給率目標や株式会社の農地取得の是非、条件不利地域に対する直接所得補償措置、いわゆるデカップリングについては両論併記となっております。いずれも日本農業と農村の存続にとって決定的な重要項目であります。国民的合意を得て早急に答えを出すべきときだと考えるのでありますが、これらの重要な課題にどのように取り組んでいかれるのか、農林水産大臣に伺います。
 また、豊かで安全な生活のための森林の公益的機能の高度発揮、山村の活性化等のための第二次森林整備計画が先般決定されました。造林、間伐、林道整備等を着実に推進し、豊かな緑の山を再生させることが強く望まれるところであります。
 今、森林の現状は、総面積の約四割に当たる一千万ヘクタールの人工林が造成されつつあるにもかかわらず、木材の完全自由化以来年々輸入が増大し、木材需要の八割を外材に依存するに至っており、木材価格の低迷が続いております。
 森林全体の約三割を占める国有林野事業についても事態は全く同じで、懸命の経営改善努力にもかかわらず累積赤字は三兆八千億円にも達し、これ以上独立採算制を続けることは到底無理なことから、国有林野の公益的機能に着目して抜本的な制度改正が実施されることになりました。長年続いてきた国有林野制度の大幅改正が順調に進み、十分な成果を上げてもらわなくてはなりません。今後、林業・木材産業の活性化に向けて一段の政策努力を特に期待します。
 国土、自然環境の保全など、公益的機能を一層重視した森林整備を民有林と国有林一体として進めていく必要があると考えますが、農林水産大臣の所見を伺います。
 次に、地球の運命を左右すると言われた昨年十二月の地球温暖化防止京都会議の結果についてであります。
 温暖化ガス削減目標をめぐって関係国の利害調整が難航し、ようやく日本六%、アメリカ七%、欧州連合八%という水準でまとまり、議長国日本として会議を成功に導いたことを高く評価いたします。
 しかしながら、開発途上国と先進国との間に大きな主張の隔たりがあったほか、先進国の間でも合意するまで激しく意見が対立したと聞きます。それだけに、むしろこれからは各国が目標達成に向けての実行こそが大切であります。
 議長国たる日本も六%という目標達成は容易なことではなく、産業界を初め生活面でも省エネに最大限努力せねばなりません。ハイブリッド車の開発普及など日本の高い技術力をもって世界に貢献すべき対象であり、森林の持つ炭酸ガス吸収能力を適正に評価する方法を確立することも残された課題でありましょう。
 環境問題の重要性を人一倍認識されている総理は、京都会議の議長国の最高責任者としてどのように総括され、目標の実行について世界をリードされていかれるのか、方針をお聞かせ願います。
 次に、外交・防衛問題に関しお伺いいたします。
 まず、緊迫するイラク情勢でありますが、国連等により最大限の外交、調停努力がなされることを強く望むものであります。
 外交的解決が困難になり、米国が武力行使を選択した場合に、日本としてどのように対応するか、湾岸戦争のときの教訓も踏まえて迅速かつ的確な判断が必要となりますが、総理及び外務大臣の見解をお聞かせ願います。
 昨年は、日本、アメリカ、中国、ロシアの四カ国の間で、それぞれ活発な首脳外交が展開されました。二十一世紀に向けた新たな秩序づくりが欧州だけでなくアジア太平洋地域でも本格的に始まった感がありますが、真に平和で安定し、持続可能な発展がともに享受できる新しい秩序の構築は、これら四カ国の関係を一層強化し、信頼醸成の進展をいかに図るかにかかっていると言えるのであります。今や一つの極を形成する我が国は、この時に臨んでどのような地域秩序の構築を目指し、それを実現するためにどのような役割を果たすおつもりか、橋本総理に伺います。
 昨年タイから始まった通貨・金融不安が、たちまち韓国を初め東南アジア諸国に波及し、我が国も含め、アジア経済の先行きに暗雲が垂れ込めております。
 歴史的にも経済的にも密接なつながりのあるこの地域において、我が国がIMFと協調しつつアジアの通貨の安定に最大限努力することは、国際的な責務と申しても過言ではありません。これが我が国の経済のみならず、頼りがいのある友好国として、周辺諸国の平和と繁栄に寄与する大きな礎になると思われますが、総理のアジア通貨危機への対応についてお伺いをいたします。
 我が国外交の基軸である日米関係が、安保共同宣言や新たな防衛協力のための指針などによって、日米同盟を基礎に相互の信頼を高めていることは喜ばしい限りであります。これをさらに確かなものとするには、新指針を真に実効あるものとする必要がありますが、周辺有事、日本有事を含む我が国の緊急事態に対処する立法が望まれます。
 周辺有事の立法を優先するとの報道が見られますが、今国会における対応等について総理のお考えをお聞かせください。
 一方、沖縄普天間基地の代替ヘリポート建設は、進退をかけた前名護市長の苦渋の選択によって一歩前進したかのように見受けられましたが、その後、沖縄県知事が反対を表明され、それにもかかわらず、先日の名護市の市長選挙で前市長の意思を酌む岸本氏が当選を果たされました。
 政府は、日米同盟のありようにも影響しかねない代替ヘリポート建設に全力で取り組むべきでありますが、同時に基地が存在するがゆえの沖縄の人々の痛みを少しでも軽くし、希望に満ちた二十一世紀の沖縄の建設を実行で示すときでもあります。基地の存続と沖縄の振興開発とを両立させる施策が一層求められますが、この問題への今後の対応について総理の御見解を伺います。
 ロシアとの関係では、昨年のクラスノヤルスクにおける非公式首脳会談の成果を受けて、戦後処理で現在も残された最大の懸案である北方領土問題の解決に国民は熱い期待を寄せております。今後、橋本・エリツィンプランの着実な具体化を図りつつ、今世紀中の北方四島返還を確実に実現していただきたい。総理の決意をお聞かせ願います。
 中国とは、昨年の国交正常化二十五周年に続いて、ことしは日中平和友好条約締結二十周年の年であります。江沢民国家主席の訪日も予定され、日中関係は一層進展するものと思われますが、今後の対中国外交についての御見解を総理並びに外務大臣にお伺いいたします。
 朝鮮半島情勢について伺います。
 韓国では、金大中氏が次期大統領に選出され、今後の動向が注目されますが、当選決定後、金大中氏は日本との関係強化を訴え、日米両国が北朝鮮との関係改善に前向きに取り組むよう求めたと言われます。
 また、日韓漁業協定の終了通告に見られますように、早急に解決すべき課題があり、新大統領のもとで日韓関係にも新たな動きが予想されます。これら金大中政権発足に伴う朝鮮半島情勢の動向、日韓関係の進展などについての見通しを外務大臣に伺います。
 一方、日朝関係については、先日、日本人妻の里帰り第二陣が実現したとはいえ、なお大きな懸案が残され、とりわけ北朝鮮工作員による七件十人の日本人拉致疑惑は、日朝国交正常化交渉を再開する上での最大の問題点であります。さきに訪朝した与党三党代表団との間で、一般の行方不明者として調査することを北朝鮮側は約束しておりますが、その後何か進展はあったのでありましょうか。日朝国交正常化交渉の再開の見通しとあわせてお尋ねいたします。
 終わりに当たり、一言申し上げます。
 今国会から参議院改革の大きな第一歩として、新たな委員会編成で審議が始まり、この本会議場の採決も効率的な押しボタン方式が導入されました。このような新しい審議体制を生かしつつ、この七月の参議院選挙に向けて国民の政治への信頼を高めるよう、これから予算案、重要法案の審議に党利党略を超えて真剣に取り組んでいくことが国民の負託にこたえる道であります。
 今後、十年度予算等の早期成立が景気と国民生活にいかに大切か理解を得ながら国会審議に最善を尽くしてまいりますので、総理がさらにリーダーシップを発揮されることをお願いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(橋本龍太郎君) 井上議員にお答えを申し上げます。
 まず、天皇陛下御在位十年、これを祝って民間でさまざまな行事の計画がある、政府においてはどうするかという御指摘をいただきました。
 従来から、こうした行事の後援につきましては、主催者からの申請に基づいて、その行事の目的、内容等を審査した上で後援名義の使用承認を行うということにいたしております。
 お話がございましたようなさまざまなこと、いろいろ伺ってはおりますけれども、現在、正式の申請といった状況の段階ではございません。今後、行事の開催が具体化し、申請がなされた段階におきまして、具体的内容等を審査し、その上で適切に判断をさせていただきたいと思います。
 次に、官・業の癒着体質に対するお尋ねがございました。
 公務員や特殊法人の役員の不祥事が相次ぎましたこと、厳粛に受けとめており、遺憾と申し上げる以外にない気持ちであります。こうした事件は、基本的にはまず当人の倫理観の欠如によるものではありますけれども、大蔵省として、今回の事件を深く反省し、綱紀の保持に努めることはもちろんのことであり、金融行政を明確なルールに沿った透明性の高いものに転換する等の大改革が必要であります。松永大臣を中心に、職員一同が自覚を新たにし、一丸となって国民に対する信頼の回復のために大蔵省改革に取り組んでいかなければならない、そのように考えております。
 そして、本当に現職の国家公務員が収賄容疑で逮捕される、起訴される、こうした状況を踏まえ、先般、政府部内に公務員倫理問題に関する検討委員会を設けまして、いわゆる公務員倫理法の制定を期し、鋭意検討を行っております。
 同じく本問題を検討されております与党三党とも連携をいたしながら、早急に作業を進めてまいりたいと考えております。
 また、財政構造改革と景気対策についてのお尋ねがございました。
 財政構造改革の必要性は何ら変わらないことですが、同時に経済金融情勢の変化に応じて臨機応変の措置を講じる、景気の回復を図るということは当然でありますし、二者択一の問題ではないと今までも申し上げてまいりました。今後とも、財政構造改革も含め、責任を持って議員から御指摘のありましたような適切な経済運営に努めていきたいと考えております。
 また、さらなる景気対策という視点から幾つかの御提言をいただきました。
 経済運営につきましては、今申し上げましたように、政府としては、既に実施しております緊急経済対策、特別減税、九年度補正予算に加えまして、金融システム安定化対策の迅速かつ的確な執行に努めることとしており、こうした取り組みのすべてが相乗効果をもって経済の力強い回復に寄与すると考えております。
 議員御指摘のように、補正予算の迅速な執行、さらには土地資産の時価評価の見直し、あるいは規制緩和など、とうに検討いただいておりますものに加えまして、十年度予算の早期成立こそ目下の最大の景気金融対策でありまして、その一日も早い成立に心から御協力をお願い申し上げる次第であります。
 また、金利政策についてお尋ねがございました。
 議員も御指摘をされましたとおり、公定歩合の操作等の金利政策は日本銀行の所管事項でありまして、本来政府が答えてはならないことだと存じます。
 なお、議員が御指摘になりましたように、金利と経済の関係ということから申しますなら、金利上昇が家計の金利収入を増大させる、消費によい影響をもたらすという面があることも事実でありますが、低金利のおかげで助かっておられる住宅ローンを払っていらっしゃる方といったような方にはプラスの影響ばかりではない、そうしたことも申し上げられるのではないかと思います。
 次に、次期の全国総合開発計画の策定について幾つかの視点の御指摘をいただきました。
 議員も御指摘になりましたように、多軸型の国土構造の形成を目指す次期計画におきましては、多様な地域特性を生かした国土の均衡ある発展を図る、これを基本にしながら地域の自立を促進し、自然や文化を重視した誇りの持てる地域づくりを進めることとしております。このためにも生活基盤や地域の発展を支える国土基盤を一定の範囲内で整備していくことが非常に重要、議員の御指摘と同様に思います。
 また、食糧、農業、農村の新しい基本法についてのお尋ねがございました。
 社会情勢の変化や国際化の進展に対応しながら農政の改革が必要になっておる、そして現在、食料・農業・農村基本問題調査会において幅広い議論が行われております。その詳細は既に御承知でありますから繰り返しませんけれども、この調査会の議論を踏まえて、国民的な合意を形成しながら、農政の全般にわたり抜本的な見直しを加えて新たな農政の指針をつくっていきたいと考えております。
 次に、京都会議議長国としての日本、省エネへの最大限の努力とともに、ハイブリッド車に代表される開発普及への努力、また森林の炭酸ガス吸収能力の適正評価法の確立も残された課題、こうした視点からの御指摘をいただきました。
 内閣としては、京都会議直後、私が本部長となり、地球温暖化対策推進本部を内閣に設置し、温暖化対策の今後の取り組みについて決定をいたしました。ただいま御指摘を受けましたような点も含め、温室効果ガス削減目標の達成に向けて、推進本部におきまして具体的で実効性のある対策を総合的に進めてまいります。国民各位の御協力、議員の御協力も心からこの機会にお願いを申し上げます。
 次に、イラク情勢についてお尋ねがございました。
 先ほども申し上げましたように、仮にイラクに対して武力行使が行われることになったといたしましても、どのような態様で行われるか全く定かではない状況の中であります。御指摘を受けました幾つかの点につきましても、断定的なことを申し上げることは困難でありますが、いずれにせよ、我が国は外交的な解決が最善である、そうした考え方に基づき、イラクに対する働きかけあるいは関係国との緊密な協議を初めとしてさまざまな外交努力を行ってまいりました。
 二十日からアナン国連事務総長がイラクを訪問し、平和的解決に向けての努力を行うことになっております。我が国としても、非常任理事国としてこのような努力にできる限りの支持と協力を与えてまいりたいと考え、これまでも行動してまいり、本日も小渕外務大臣から、アナン事務総長との電話会談においてさらなる努力の慫慂を行ったところでございます。
 次に、二十一世紀に向けたアジア太平洋地域への新秩序の構築という点から、日米中ロ四カ国の関係の強化、信頼醸成というものについて御指摘をいただきました。
 この地域の安定と繁栄を図る上で、この四カ国の間に良好な関係が構築されることが極めて重要であることは御指摘のとおりであります。我が国としては、引き続き日米関係を基軸としながらその維持強化に努めつつ、中国、ロシア、韓国等の近隣諸国との関係の強化を図り、同時にこの地域の主要国の一つとしてこの地域における地域協力の推進に積極的に努力してまいりたいと考えております。
 そうした観点から、クラスノヤルスクでの合意の一つに基づきまして、我が国は昨年のAPEC非公式首脳会合においてロシアのAPEC加盟を率先して支持し、各国の協力を呼びかけました。幸いこれが実現の運びとなったわけでありますが、これは日米中ロ四カ国の首脳あるいは閣僚のレベルにおきまして、さまざまな機会に自然体で顔を合わせる機会が新たに生まれたということを意味します。こうした機会ができましたことは大変喜ばしいことでありますし、これは日米中ロ四カ国の対話と協力の増進にも資するものと、そのように考えております。
 また、アジアの通貨、経済の変動についてのお尋ねがございました。
 この地域の平和と安定が我が国にとって極めて重要な課題であることは御指摘のとおりであり、そのためにも昨年夏以来のアジア各国の通貨、経済の変動に対し、IMFを中心とする国際的枠組みを基本として積極的に支援を実施してまいりました。
 先日も、自民党の調査団がアジア各国を歴訪され、また政府としても、私の指示により関係省庁から成るミッションをシンガポール、インドネシアに派遣いたしました。それぞれ要人と率直かつ心のこもった論議を行ってきていただいており、その報告を受け、今後とも関係各国及びIMFなどの関係国際機関と密接に連携しながら対応してまいろうとしております。
 次に、新指針に基づく法整備ということについてのお尋ねがございました。
 指針の実効性の確保につきましては、昨年九月二十九日の閣議決定の趣旨を踏まえて、現在、政府部内で法的側面も含め鋭意検討を行っております。可能な限り速やかに検討作業を取りまとめ、所要の措置を講じることが重要と考えておりますが、現時点で法整備の内容、法案等の提出時期などについて具体的に定まってはおりません。
 また、代替ヘリポートの建設と沖縄の振興についてのお尋ねをいただきました。
 私は、沖縄の方々が長年背負ってこられた負担というものに自分なりに思いをいたし、沖縄の抱える問題の解決に引き続き全力を傾けていきたい、そう考え、今日までも、普天間飛行場の返還を可能にする代替ヘリポートの建設に向けて、地元の御理解、御協力を得られるように取り組んでまいりました。これからも粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
 また、沖縄振興策につきましても、米軍基地の整理、統合、縮小に対応し、依存型の経済から自立型経済への移行が図られるよう、今後とも最大限の努力を払っていきたいと考えます。
 次に、ロシアについてお尋ねがございました。
 私は、両国の経済関係の発展の基礎となります一連の協力措置を内容とする橋本・エリツィンプランを着実に実行すること、あるいは先ほど御披露いたしましたAPECへのロシアの加盟希望、これを支持すること、こうしたことを着実に実行することを含めまして、各分野における協力と関係を強化していくとともに、東京宣言に基づいて、二〇〇〇年までに平和条約を締結できるよう双方が全力を尽くすというエリツィン大統領との合意の実現に努力してまいるつもりであります。
 最後に、中国との関係についてのお尋ねがございました。
 今年は、日中平和友好条約締結二十周年を迎え、江沢民国家主席の来日が予定されております。このほかにも、昨年私が訪中いたしました際、合意をした安保防衛分野での交流を含め、既に動きが出ておりますし、さまざまなレベルでの対話を深めてまいりたいと考えております。
 同時に、中国の改革・開放政策というものを引き続き支援し、WTOの早期加盟の支持などにより、中国と国際社会との一層の協調を促していきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(松永光君) 井上議員にお答え申し上げます。
 今般の大蔵省の不祥事関連の御質問でございますが、今回の事件はまことに遺憾なことであり、厳粛に受けとめるとともに、改めて深くおわびを申し上げる次第でございます。
 被疑者については、既に懲戒免職処分にいたしましたが、今後、徹底的に原因を解明し、その結果を公表するとともに、関係監督者に対しても処分を厳正に行いたいと、こう考えております。
 また、新たに設置された金融服務監査官制度を最大限に活用して綱紀の粛正を図るとともに、金融行政を明確なルールに沿った透明性の高いものに転換する等の改革を行って、国民の信頼回復のため、職員とともに一丸となって努力してまいる決意であります。
 補正予算のこと、あるいはさらなる景気対策等についての御質問でございますが、この点については総理から詳細な答弁がございました。私も同じような考え方でございます。
 四月以降の資金動向についてのお尋ねでしたが、先般の外為法改正、これはこれまでの自由化の延長線上にあるものであり、個人金融資産が一方的に海外にシフトするということはない、こういうふうに考えております。
 資金の流出入というものは、内外金利差のみならず、為替リスク等々さまざまな要因によって決定されるものであり、外為法改正の影響を一概に論じられるものではないというふうに考えております。(拍手)
   〔国務大臣上杉光弘君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(上杉光弘君) 井上議員にお答えをいたします。
 中山間地域についてのお尋ねでございますが、私はかねてから、国土の大宗をなす農山漁村地域が有する国土保全等を中心にした多面的、公益的な機能について、その役割等を理解、評価する必要がある、このように申し上げておるところでございます。したがいまして、この国土保全等を中心にした機能と役割を正面にとらえた施策を展開することが肝要であると考えておるわけでございます。
 このため、平成十年度におきまして、地方公共団体が農林漁業者の生活の安定を図る事業、川上を川下が支える政策的な方向づけとして、川下や都市部の住民の皆様の理解を深めつつ、地域に活力を取り戻す事業等の国土保全対策を総合的に推進することができるよう、総額二千百億円の地方財政措置を講ずることといたしました。
 今後さらに、生活の場としての集落問題がございます。全国に十四万集落、六十五歳以上の人が五五%を超える事態となっておるわけでございまして、高齢化が加速度的に進んでおるわけでございます。集落が消滅し、あるいは機能の維持ができなくなる状態を黙って見過ごすことは無責任と言われても仕方のない行政の責任があると理解をいたしておるわけでございまして、これらの実態を十分把握し、これに対応していかなければならないと考えております。(拍手)
   〔国務大臣島村宜伸君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(島村宜伸君) 井上議員にお答え申し上げます。
 まず、食料・農業・農村基本問題調査会の中間取りまとめにおける課題に対する取り組みについてのお尋ねでございますが、調査会におきましては、両論併記となっている事項を含め、具体的な施策の方向に関し早急に議論を深め、本年夏ごろをめどに最終答申をいただく予定であります。
 今後、調査会での議論を踏まえ、国民的な合意を形成し、二十一世紀における我が国農業農村の発展と国民生活の向上を図るための新たな農政の指針の構築に精力的に取り組む考えであります。
 次に、森林整備の方向についてでありますが、御指摘のありましたとおり、森林は木材の生産のほか、国土の保全、水資源の涵養、そして自然環境の保護、清浄な空気の供給等の公益的機能を有し、地球環境の保全や豊かな国民生活の実現に重要な役割を果たしております。また、このような森林の機能に対する国民の要請も一層多様化、高度化しております。
 このため、森林の諸機能が発揮される単位である流域を基本として、民有林、国有林を通じた関係者の協議、合意のもとに、間伐の適切な実施、複層林施業等を推進し、森林の公益的機能の発揮を一層重視した森林の整備に取り組んでいく所存であります。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(小渕恵三君) 井上議員にお答え申し上げます。
 お尋ねの一つは、金大中政権発足に伴う朝鮮半島の動向、日韓関係の進展などの見通しについてでございますが、朝鮮半島に関しましては、韓国との友好協力関係の増進が基本でございまして、金大中次期大統領を初めとする新政権と十分協力しつつ、二十一世紀に向けて強固で幅広い新たな日韓パートナーシップを構築してまいりたいと思います。
 金大中次期大統領は、九一年の南北基本合意書に基礎を置く南北対話と交流を進めたいとの考えと承知いたしております。我が国といたしましては、南北関係が進展し、朝鮮半島の平和と安定が図られますよう、韓国等友好国と十分協力していく考えでございます。
 次に、日朝国交正常化交渉の再開の見通しと日本人拉致疑惑等の問題についてお尋ねをいただきました。
 北朝鮮による拉致疑惑に関しましては、先般の与党訪朝団の結果を踏まえ、政府といたしましても、日朝赤十字連絡協議会等におきまして、北朝鮮に対し、早急かつ真剣な調査を要請してきてまいっておりますが、残念ながら今までのところ納得のできる結果は得られておりません。さらなる努力を傾注いたしたいと思います。
 日朝国交正常化交渉に関しましては、日朝双方が第九回本会談をできるだけ早期に行うことについて意見の一致を見ておりますが、これまた残念ながら具体的な点につきましてはここの場所でまだ御報告できませんが、引き続いてあらゆるパイプを通じまして、その九回目の本会談ができますように、これまた最善の努力を続けてまいりたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#15
○副議長(松尾官平君) 松浦孝治君。
   〔松浦孝治君登壇、拍手〕
#16
○松浦孝治君 私は、自由民主党を代表して、行政改革を中心に、経済構造改革、中小企業、地方経済対策等について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 御案内のとおり、我が国は内外環境の激変を受け、国家、社会経済システム全体にわたり改革を迫られております。そして我々に要請された六大改革のかなめが行政改革であり、新たな日本の産婆役としての気概を持って、断固としてこれを実行せねばなりません。
 昨年十二月にまとめられた行政改革会議の最終報告では、内閣機能と総理の指導性強化策を初め、中央省庁体制の抜本的再編、独立行政法人制度など、二十一世紀の新たな行政システムの構築を目指したデッサンが示されております。
 中でも、内閣機能の強化策については、各方面から高い評価を受けているのであります。それは内閣法四条改正による総理大臣の基本方針発議権の明確化であり、同十二条改正による内閣官房への企画立案機能の付与であります。さらに内閣府の創設や経済財政諮問会議の設置なども提言されております。
 こうした制度、組織の改革により、従来の官僚主導による行政運営が抜本的に改められ、政治主導による機動的な政策決定の促進が図られることはまさに画期的であります。
 しかしながら、内閣官房など総理の補佐機関の人選いかんによっては、特定省庁の権限が実質的に温存されることになりかねず、その人材登用の仕組みが重要であります。加えて、政治主導による行政運営、トップダウン体制が制度的、法的に裏づけられることにより、改めて与党と官邸との緊密な連携が重要となりますが、総理はこうした一連の内閣機能強化策についてどのような御所見をお持ちなのか、お伺いいたします。
 行政改革会議においては、一昨年秋の衆議院選で我が党の公約として打ち出した国家機能の四分類に基づき、省庁再編について検討が行われ、その成果として中央政府の行政機能、目的別編成による一府十二省庁体制への再編が提示されております。一八八五年の内閣制度創設以来、国家の行政機構や中央省庁体制が根本から見直され、大幅な縮小、再編に踏み切るのは初めてのことであり、その点からも省庁数を半減する今回の行革がいかに大改革であるかをうかがい知ることができるのであります。
 しかしながら、こうした省庁数の削減に伴って仕事の減量や人員削減など、簡素化、効率化を大胆に進め、規制緩和や地方分権とあわせた小さな政府実現への道筋を明確にしていかなければ、所期の目的を達成することは困難であります。
 政府は今般、行政改革会議の最終報告の趣旨にのっとり、早ければ二〇〇一年一月一日の新体制移行に向け、中央省庁等改革基本法案を作成し、今通常国会に提出されました。そして法案成立後は直ちに各省庁設置法など関連法の改正作業に入り、その過程で行政のスリム化、減量化を具体化していく方針と伺っております。
 基本法では、現在百二十八ある中央省庁の官房、局を九十近くに、千二百の課、室を最終的に九百近くに削減することを明示し、さらに国家公務員定数を、新体制スタート時の総定員法改正、新定員削減計画により十年間で一〇%削減するとの目標が明示されておりますが、局や課の統廃合、所管事務などの具体像は描かれておりません。
 今後、具体化作業の過程で省庁の激しい抵抗も予想されますが、ここで後退することは許されないのであり、効率的な小さな政府を目指し、不退転の決意のもと、大胆に切り込んでいかなければなりません。総理の省庁再編に対する御見解と取り組み姿勢をお伺いいたします。
 また、スリム化の一環として、中央省庁の業務を企画立案業務と実施機能とに分離し、後者の一部は独立行政法人に移行する方針が明示されており、最終報告ではその検討対象として七十以上の業務が挙げられております。
 およそ組織というものは、本来的に自己拡大し、肥大化する性格を有しているのであります。新たな制度創設に当たっては、それが行政の効率性の追求という目的に反することのないよう、簡素化に向けた調整機能をあらかじめ内在させ、これを有効に機能させることが重要であります。この点を踏まえ、行政減量の切り札として期待される独立行政法人制度の意義、そして今後の取り組み方針について、総務庁長官にお伺いいたします。
 行政改革の前提として、その推進が望まれているのが地方分権であります。国の行政機構の量的縮小を図るためにも、身近な行政は極力地方に任せ、国はその本来事業に純化していくことを原則とすべきであります。
 しかしながら、省庁再編に伴い、中央政府が縮小する一方で地方の肥大化を招かないよう、国、地方を通じた行革への取り組みが必要であります。また、分権実現には、新たな地方の役割を担うにふさわしい行政整備の観点から、受け皿としての市町村合併を進めることも肝要であります。
 これまで地方分権推進委員会からは四次にわたる勧告が提出されており、これに加え、総理の強い要請を受け、さらなる地方への権限移譲促進に向けた五次勧告が提出される予定と伺っておりますが、地方分権推進計画策定の基本方針とスケジュールについて、総理並びに自治大臣にお伺いいたします。
 次に、経済構造改革についてお尋ねいたします。
 世界経済のグローバル化が進展し、企業が立地する国を選ぶ国際的な大競争時代に対応できるよう、日本経済の再構築を図るため、経済構造の変革と創造のための行動計画が昨年の五月十六日に閣議決定され、さらに十二月二十四日にはその行動計画のフォローアップが示されました。
 経済構造改革は、技術開発、人材育成等の環境整備を行うとともに、競争を活発化し、効率性を高め、高コスト構造からの脱却を行うことによって、自由かつ透明でグローバルスタンダードに沿った魅力ある市場を形成することにあります。
 このための規制緩和は、長期的には、新たな産業の創設やサービスを生み出し、需要の増大や雇用の創出が期待でき、国際競争を乗り切るためにもぜひ必要なものであります。しかし、短期的には効率性の向上によって既存の雇用がマイナスになり、設備投資が抑制されることが考えられます。このような短期的な問題についてどのように認識され、どのように対応されるおつもりなのか、通産大臣にお伺いいたします。
 平成十年度予算案を見ますと、物流効率化による経済構造改革特別枠一千五百億円が措置されました。各事業のプロジェクト性に着目し、空港や港湾整備、高規格幹線道路などに配分されておりますが、核となる事業の国際性、広域性とは具体的にどのようなものなのでしょうか。さらに、事業そのものが広範囲にわたっており、一千五百億円では金額的に対応できないと思うのでありますが、通産大臣の御意見をお伺いいたします。
 次に、行動計画のフォローアップにおいて、新規産業分野への円滑な資金供給の促進を図ることとなっておりますが、金融機関などはリスクに対して極めて慎重であり、ベンチャー企業に十分な資金が供給されておりません。具体的にどのような施策をお考えになっておられるのか、通産大臣にお伺いいたします。
 最後に、中小企業対策及び地方の経済対策についてお尋ねいたします。
 現在のような景気状況の中で一番打撃を受けているのは中小企業と地方経済であります。下請の切り捨てによる産業の空洞化、金融不安による銀行などの貸し渋り、さらに公共工事の大幅な発注減が加わり、企業倒産や失業が増大し、地方の経済はまさに瀕死の状況にあります。
 幸い、二兆円の特別減税や公共事業費を含む補正予算が成立し、さらに三十兆円規模の金融システム安定化策の決定や早期是正措置の一年間の猶予、政府系金融機関の融資枠の大幅な拡大など、諸施策の機動的な実施により貸し渋りは解消され、景気回復への足がかりが期待できるのであります。そしてさらに、平成十年度予算を年度内に成立させ、切れ目のない予算執行によって景気回復につなげていかなければならないと考えます。
 しかし、そうした中で配慮していただかなければならないのが中小企業者への受注機会の増大と公共事業の地方への傾斜配分であります。
 政府は、官公需確保法に基づき、毎年中小企業者向けの契約目標額を設定し、閣議決定を行っているのであります。現下の中小企業者を取り巻く厳しい情勢を考えますと、今年度は、過去五年間続けている三九・九%ではなく、これを大幅に上回る五〇%に近い契約目標額を設定すべきであります。また、地方の経済や雇用において公共事業が占めるウエートは非常に大きいのであります。
 こうした観点に立って、我が自由民主党においては、昨年十月の緊急国民経済対策の決定に当たって、公共投資の七%削減に伴い、公共事業への依存度が高く、規制緩和による経済活性化効果が期待しにくい地方部において、事業量が今年度を下回らないよう、思い切った傾斜配分を実行すべきであるとしておりますが、これらに対する総理の御決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 松浦議員にお答えを申し上げます。
 まず、内閣機能の強化についてお尋ねがございました。
 中央省庁等改革基本法案におきましては、内閣官房の運営は基本的に内閣総理大臣が直接選任した者が行うべきであるとし、行政の内外からの機動的な人材登用を求めております。これらを含む一連の内閣機能強化策により、内閣主導による機動的な政策決定を促進してまいりたい、そのように考えております。
 また、省庁再編についても、効率的な小さな政府という表現で御意見を述べられました。
 今回の改革は、単に現行省庁をそのままの姿でくくり直すのではございません。国の権限と仕事の減量や行政組織の簡素合理化といいましょうか、整理合理化といいましょうか、こうしたものを進めた上で省庁を再編し、簡素で効率的な政府を実現しようとしております。この改革には痛みと困難を伴いますけれども、また反対もさまざまございますけれども、改革の実現に向けて全力を尽くし、やり抜きたいと決意をしております。
 また、地方分権推進計画の策定と今後のスケジュールといった御質問がございました。
 地方分権推進委員会の四次にわたる勧告を最大限に尊重して、住民に身近な行政はできる限り住民に身近な地方公共団体が担っていただくことをその基本とし、今通常国会が終了するまでのできるだけ早い時期に地方分権推進計画を策定し、地方分権を総合的かつ計画的に進めてまいりたいと考えております。
 なお、今後推進委員会が御作業いただきますものにつきましても、それを受けて努力をしていくことは当然のことでございます。
 次に、中小企業向けの官公需についてのお尋ねがございました。
 中小企業向けの契約目標、これは議員よく御承知のように、各省庁等が過去の中小企業の受注実績などを勘案して積み上げたものをベースとして、政府内で協議を行いながら決定をする性格のものでございます。したがって、今具体的な数字を申し上げることは困難ですけれども、平成十年度におきましても、引き続き中小企業の受注機会の一層の増大に努めてまいりたい、そのように考えておることを申し述べます。
 次に、公共事業について、傾斜配分という御指摘をいただきました。
 六月三日に閣議決定されました「財政構造改革の推進について」、これに沿いまして、経済構造改革関連の社会資本について物流の効率化対策に資するものを中心として優先的、重点的に整備をするほか、地域経済への配慮を行う。こうしたことを考え、国土の均衡ある発展と整備水準についての地域間の格差の是正という観点にも十分留意してまいりたいと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣小里貞利君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(小里貞利君) お答え申し上げます。
 広範にわたる行政改革を具体的に進めてまいります上におきまして、最もその役割が期待されておると言われる独立行政法人制度についてのお尋ねでございます。
 御案内のとおり、国とは別の法人格を有する独立行政法人に、現在国が行っている事務あるいは事業の一部のものを行わせることにいたしまして、しかも自律的、弾力的な組織、業務運営を可能といたします。
 同時に、特徴として申し上げますと、その事業体そのものが中期的な一つの目標を設定することが許容されます。同時にまた、その中期的目標の達成状況をみずから評価する一つの機関、機能を所持させるということでございます。
 したがいまして、お話がございましたように、効率性やサービス等の質の向上あるいは透明性等についても十分確保できるというところに大きな意義があると思っておるのであります。
 先日、国会に提出をいたしました中央省庁等改革基本法案におきましても、このことは十分基本的に留意しながら盛り込んであるつもりでございます。
 なおまた、これからの独立行政法人法制定に関する手続についてのお話でございますが、内閣に置かれる中央省庁等改革推進本部が行うこととなっておりまして、その検討に当たりましても、先ほど申し上げました目的、趣旨を十分留意しながら進めるつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣上杉光弘君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(上杉光弘君) 松浦議員にお答えいたします。
 地方分権推進計画についてのお尋ねでございますが、先ほど総理からもお答えを申し上げましたが、政府は地方分権推進委員会の四次にわたります勧告を最大限に尊重し、今国会が終了するまでのできるだけ早い時期に計画を作成いたします。
 このため、自治省といたしましては、昨年末に大綱を取りまとめたところでございまして、今後とも関係省庁と相協力して、計画の作成が円滑に進むよう努めてまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣堀内光雄君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(堀内光雄君) 松浦議員にお答えを申し上げます。
 規制緩和の短期的な効果についての御質問でございますが、規制緩和を含めた経済構造改革の推進によりまして、御指摘のように一部の方々には現実に痛みが生ずることは事実でございます。しかしながら、規制緩和の推進は、参入規制の撤廃や競争の促進等によりまして、新規事業の創出、ベンチャー企業の育成などを通じて、良質な雇用の確保や設備投資の拡大に資するものでもございます。
 また、抜本的な規制緩和の推進にあわせて、労働力移動の円滑化に資する労働市場の構築のための諸制度の見直しによりまして、雇用を促進するとともに、新事業の分野に進出のための支援等を行うことによりまして設備投資の拡大を図るなど、所要の環境整備を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 また、平成十年度予算における物流効率化による経済構造改革特別枠についてのお尋ねでございますが、国際ハブ空港あるいはハブ港湾などの国際物流の効率化が重要であること、また高規格幹線道路など、地域間物流の円滑化の波及効果が特に大きいことにかんがみまして、特に国際性、広域性を持つ社会資本の重点的な整備を行うことにいたしているところでございます。
 また、特別枠の予算額につきましては、財政構造改革期間中におきまして公共事業関係費が大幅に削減される中で、その重要性にかんがみまして一千五百億円の特別枠を思い切って設けられたものであります。千五百億円と申しますが、予算ベースでありまして、事業費はこれを上回りますし、さらに事業効率化の効果が大きい事業から優先的に配分することによりまして、その実効を上げることが可能であると考えております。
 また、新規産業分野への資金供給の促進についてのお尋ねでございますが、新規産業分野の創出につきましては、資金、人材及び技術に関する総合的な施策が必要でございます。特に資金面につきましては、一千二百兆円の個人資産に代表されるような我が国の豊富な民間資金、こういうものを活用し、ベンチャー企業等に十分な資金が提供されるよう環境の整備が不可欠でございます。
 このため、通産省といたしましては、米国のように年金資金等からベンチャー企業への資金供給を円滑化するために、投資事業組合の組合員の責任を有限なものとすることなどを内容とする法律案を今通常国会に提出する所存でございます。また、企業年金、証券の投資信託の投資対象にベンチャー株を含めるための運用規制の緩和も昨年行ったところでございまして、こういうものによりましてベンチャー企業による資金の供給を潤沢にできるように行ってまいりたいと考えております。(拍手)
#21
○副議長(松尾官平君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(松尾官平君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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