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#1
第142回国会 本会議 第14号
平成十年三月二十五日(水曜日)
   午後零時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十四号
  平成十年三月二十五日
   午後零時三十分開議
 第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指
  名
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、平成十年度における財政運営のための公債
  の発行の特例等に関する法律案、法人税法等
  の一部を改正する法律案及び租税特別措置法
  等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、国務大臣の報告に関する件(平成十年度地
  方財政計画について)
 一、地方税法等の一部を改正する法律案及び地
  方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 一、沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する
  法律案(趣旨説明)
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名
 内閣から、中央選挙管理会委員五名の任命について、本院の議決による指名を求めてまいりました。
 本委員を指名するときは、あわせて同予備委員を指名することとなっております。
 よって、これより中央選挙管理会委員及び同予備委員各五名の指名を行いたいと存じます。
 つきましては、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名は、いずれも議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 中央選挙管理会委員に皆川迪夫君、石原輝君、田口健二君、阪上順夫君及び浅井美幸君を、
 また、同予備委員に山口義弘君、金井和夫君、西川洋君、今野竹治君及び矢追秀彦君を、
それぞれ指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。松永大蔵大臣。
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(松永光君) ただいま議題となりました平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 平成十年度予算につきましては、財政構造改革法に従い、歳出全般について聖域を設けることなく徹底した見直しを行いつつ、限られた財源を重点的、効率的に配分したことにより、前年度当初予算に対して一般歳出について五千七百五億円、一・三%の縮減を達成するとともに、公債減額一兆千五百億円を実現するなど、財政構造改革のさらなる一歩を進めたところであります。
 その中で、特例公債については、前年度当初予算における発行予定額から三千四百億円減額したものの、引き続き平成十年度においても発行せざるを得ない状況にあります。
 本法律案は、以上申し上げましたように、厳しい財政事情のもと、平成十年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置及び厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れの特例に関する措置を定めるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、平成十年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができること等としております。
 第二に、平成十年度における一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れのうち経過的国庫負担については、七千億円を控除した金額を繰り入れるものとするとともに、後日、将来にわたる厚生年金保険事業の財政の安定が損なわれることのないよう、七千億円及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れることとしております。
 次に、法人税法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 本法律案は、近年の経済社会の変化や国際化の進展にかんがみ、企業活力の発揮に資する等の観点から、法人税率の引き下げを行うとともに、法人税の課税所得の計算の適正化等の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 まず、法人税率について、基本税率を三七・五%から三四・五%に、中小法人の軽減税率等を二五%に引き下げることとしております。
 次に、法人税の課税所得の計算について、賞与引当金等の廃止、貸倒引当金の繰入限度額の計算方法の見直し、長期工事の収益計上方法の見直し等、所要の経過措置を講じた上、その適正化を図ることとしております。
 また、所得税についても、法人税に準じて課税所得の計算の適正化を図るほか、特定扶養親族に係る扶養控除額の引き上げ等を行うこととしております。
 次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、最近における金融経済情勢を踏まえつつ、経済社会の構造的な変化及び諸改革に対応するため、金融関係税制、土地住宅税制等について適切な措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、金融関係税制について、有価証券取引税及び取引所税の税率の半減、特定の株式の取得に係る経済的利益の非課税制度の改組、銀行持ち株会社に係る措置の創設等を行うこととしております。
 第二に、土地住宅税制について、地価税の臨時的な課税停止、個人、法人の土地譲渡益課税の大幅な軽減、事業用資産の買いかえ特例の拡充、居住用財産の買いかえに係る譲渡損失の繰越控除制度の創設等を行うこととしております。
 第三に、沖縄の経済振興や中心市街地の活性化に資する措置を講ずるほか、既存の特別措置の整理合理化等による課税の適正化を行うこととしております。
 その他、いわゆるオフショア勘定において経理された預金等の利子の非課税措置、揮発油税及び地方道路税の税率の特例等適用期限の到来する特別措置について、これを延長する等の措置を講ずるほか、阪神・淡路大震災の被災者等が取得した特定の土地の所有権等の移転登記に係る登録免許税の免税措置の創設等及びしょうちゅう等の酒税の税率改正時期の変更等を行うこととしております。
 以上、平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。峰崎直樹君。
   〔峰崎直樹君登壇、拍手〕
#9
○峰崎直樹君 私は、民友連を代表し、ただいま提案のありました平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案について、総理及び関係大臣に質問いたします。
 昨年十一月以降、私の地元である北海道では、拓銀が破綻をしたことにより企業の倒産が頻発しています。中小零細企業は銀行の貸し渋りに苦しみ、経営難を苦にして何人もの経営者がみずから命を絶っています。一方で、金融システムの安定という大義名分のもとに、銀行には莫大な公的資金がつぎ込まれていますが、経営者の責任追及はあいまいなままです。もちろん、銀行の監督官庁であった大蔵省や政府の責任もいまだに問われていません。まさに、厚顔無恥なやからが跳梁ばっこする陰で、多くの善良な市民が泣いているのです。
 今日の深刻な経済不況は、橋本内閣が、バブル経済崩壊により発生した不良債権問題の根本的な解決を先送りにしてきただけではなく、特に消費税率を引き上げた昨年春以降のマクロ経済運営を誤った結果であることは、もはや内外周知の動かしがたい事実であります。すなわち、橋本内閣は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の増大による一時的な景気上昇を本格的な景気回復と見誤り、昨年春以降、冷え込む消費需要に対して何ら手を打たないばかりか、医療費の負担増によって景気悪化に追い打ちをかけるという暴挙に出たのであります。
 しかも、財政構造改革法が成立するや、この平成十年度予算案で今度は景気対策を先送りし、無謀な緊縮財政路線を推し進めようとしています。タイミングを逸した小出しの景気対策も、一貫性がなく、場当たり的で実効性のないものばかりです。財政構造改革法の硬直的な規定を改正するなど適切な措置をとって、恒久的な所得減税をすべきとの民友連の提案や、内外世論にも耳をかすことなく、みずからの政治責任を回避するため、何とかしてごまかそうとしています。
 橋本総理にお尋ねします。今日の深刻な経済不況を招いた重い責任を、あなたはどう認識しておられますか。
 平成十年度予算案は、その審議が行われているさなかに早くも補正予算が取りざたされるという、非常に異例な予算案であります。補正予算を組むために本予算を早く通そうというのは、何とも国民をばかにした話です。補正が必要ならば、本予算を組み替えるべきであり、それをしないのは、橋本総理が責任をとりたくない一心からではないでしょうか。この件は、長い国会の歴史の中でも汚点として残るのは間違いありません。橋本総理は、平成十年度予算案は間違った景気認識の上に編成された、デフレ促進という欠陥がある予算であることを認めるべきです。その上で、景気回復のためにどうしても早期に成立させたいのなら、そのように明言すべきです。
 橋本総理、平成十年度予算案は欠陥予算なのですね、明確にお答えください。欠陥予算を無理やり通そうとすることについて、全く責任は感じておられないのですか。
 自民党幹部から聞こえてくる補正予算の内容は、公共事業が中心になるようです。確かに、かつては公共事業は景気対策としては有効な手法でありました。しかし、今日においては、公共事業はもはや景気対策の決め手にならないことは、ここ数年の景気対策の結果としてのこの深刻な不況を見ればだれにもわかることです。アメリカからも同じことが声高に聞こえてきているではありませんか。
 しかし、自民党の山崎政調会長は、公共工事は減税の二倍以上の効果があると発言しています。公共工事を欲しがっているのは一部の土建業者とその周辺のみであり、自民党が公共工事をちらつかせているのは、明らかに選挙目当てとしか思えません。公共工事は選挙対策として二倍の効果があるというのが山崎発言の真意であろうと思いますが、自民党総裁である橋本総理、そのとおりですね。
 この不況を乗り切るために、何といっても減税が必要です。しかも、一年限りの二兆円の特別減税などではなく、税率引き下げを伴う恒久的な大型減税が必要です。景気が悪いのは、国民がこの国の将来に不安を抱いているからです。そしてその不安は、このままでは一体どこまでさまざまな国民の負担が膨れ上がっていくかわからないことから生まれているのです。橋本総理にお尋ねいたします。国民の不安感を取り除くため、税率引き下げを伴う恒久的な大型減税をすべきではないですか。
 平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案においては、七兆一千三百億円の範囲内で特例公債を発行できることとしております。これは決して今日の危機的な経済不況を切り抜けるために発行するためのものではありません。これまでの橋本政権の経済運営の失敗や不十分な行政改革による歳出削減の不徹底さが、このような巨額の将来世代へのツケ回しを強いているのです。
 また、厚生保険特別会計年金勘定に対する七千億円のいわゆる隠れ借金については、同勘定に対する隠れ借金が累積四兆五千億円に上るにもかかわらず、その返済方法や期限を明確にしておりませんが、安易な将来世代へのツケ回しは断ち切るべきであると考えますが、総理、いかがでしょうか。
 巨額の財政赤字に苦しめられている今日の財政状況では、大型恒久減税を実施しようとすれば、一定の財源対策は必要です。問題は、建設国債は公共工事のために発行するから善であるとして、特例公債と建設国債を区別する考え方であり、この区分をなくし、より景気浮揚効果のある減税その他の施策を柔軟に行えるようにすることが必要であると考えます。財政法や財政構造改革法の硬直性について、柔軟な財政運営ができるように改正すべきではないですか。総理にお伺いいたします。
 次に、法人税法等の一部を改正する法律案についてお尋ねいたします。
 近年の経済社会の変化や国際化の進展にかんがみ、企業活力の発揮に資する等の観点から法人税法等の改正を行うという本法案の趣旨について、その方向性は当然であります。
 法人税法の一部改正について、政府案では法人税率を三七・五%から三四・五%へと引き下げることとしており、これにより地方税を含めた実効税率は四九・九八%から四六・三六%へと下がることになります。しかし、欧米諸国の実効税率は四〇%前後であり、それらに比較すると依然高いと言わざるを得ません。したがって、ここは思い切って法人税率を三〇%程度まで引き下げて経済活動の活性化を促し、もって現下の経済不況を乗り切るべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案についてお尋ねいたします。
 当面の金融経済情勢を踏まえつつ、経済社会の構造的な変化及び諸改革に対応するため、金融関係税制、土地住宅税制等について適切な措置を講ずるのは当然であります。
 我が国の金融市場が健全かつ国際的に発展するためにも、より適切な税制へと変えていくことが何よりも重要と考えますが、残念ながら政府案ではいまだ不十分あるいは不適切と言わざるを得ない点もあります。
 第一に、有価証券取引税及び先物取引等に対する取引所税を五〇%引き下げることとしておりますが、この四月に改正外為法が施行されることを考えれば、それと歩調を合わせてこれらの税制を即刻廃止し、証券市場の使い勝手をより高めるようにすべきと考えます。さもなければ、今後さらに拡大が見込まれるデリバティブ等の新しい金融商品の発展が阻害され、一千二百兆円と言われる我が国個人金融資産の海外への流出が加速するおそれがあります。
 第二に、自動車関係諸税の特例措置を五年延長することとしておりますが、国の道路特定財源は消化し切れずに余っており、めり張りのきいた柔軟な財政運営をするためにも公共工事の重要性や効果についてよく吟味し、自動車ユーザー等納税者の視点に立って思い切った見直しを行うことが必要であると考えます。
 第三に、租税特別措置の整理合理化について、新設五件に対して廃止がわずか一件にとどまるのはいかにも不十分であり、さらに思い切った法人課税ベースの見直しをすべきであると考えます。
 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部改正については、被災者の負担を和らげる観点から引き続き重要なものであり、被災者の立場に立った運用を要望するものであります。
 沖縄の経済振興に係る税制上の措置については、沖縄県の経済振興を図る観点から当然必要なものと考えます。
 以上について、大蔵大臣の御所見をお聞かせください。
 最後に、橋本総理にお尋ねいたします。
 私は、税は民主主義の基本であり、公平、中立、簡素という考え方のもと、既得権益にとらわれず、最も理想的な税制の姿を思い描き、それをいつまでに実現するのか、きちんと国民に約束することが重要であると考えております。それが真の意味で財政構造の改革にもつながり、この国の将来を明るくするものであると私は確信しております。
 橋本総理のいわゆる六大改革の重要課題になぜ税制改革を加えなかったのかをお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(橋本龍太郎君) 峰崎議員にお答えを申し上げます。
 まず、今日の経済不況を招いた責任についてのお尋ねがございました。
 今日の経済情勢につきましては、バブルの後遺症といった経済社会の構造問題に加えまして、アジアの通貨・金融不安、我が国の金融機関の破綻による金融システムへの信頼低下などの影響もあります中において、家計や企業の景況感の厳しさが個人消費あるいは設備投資に厳しい影響を及ぼしていると考えております。
 政府としては、こうした現下の情勢に対応するために、既に実施しております緊急経済対策、特別減税、九年度補正予算に加え、金融システム安定化対策の迅速かつ的確な執行に努めることとしておりまして、こうした措置が我が国経済の回復に役立つと考えております。
 次に、十年度予算はデフレ予算であり、欠陥があるという御指摘をいただきました。
 内外の厳しい経済金融情勢に配慮するという観点から、歳入面につきましては、平成十年度税制改正におきまして、所得税、住民税の特別減税を実施するとともに、法人課税、金融関係税制、土地住宅税制等におきまして、国、地方合わせて八千四百億円程度の減税を行いますとともに、金融システム安定化対策の一環としての二十兆円の政府保証限度額の設定に加え、歳出面におきましても、将来の経済発展に向けての基盤整備のために、科学技術振興費に関して対前年度四・九%の増額を図ってまいりました。
 こうした配慮をいたしており、デフレ予算であり、欠陥予算であるという御指摘は同調できないものがございます。
 次に、公共投資と減税の効果などについてのお尋ねがございました。
 経済に対する短期の需要拡大効果につきましては、一般に公共投資の方が減税よりも大きいと考えられております。ただし、その効果の大きさはその時々の経済情勢によって異なるものと考えられており、いずれにいたしましても、政府の経済政策の立案に当たりましては、内外の経済社会情勢などを考慮し、政策目的に照らして適切な政策手段を考えていくべきものと考えております。
 また、大型の制度減税についての御意見をいただきました。
 この実施は、後世代への負担の先送りである特例公債の大量発行を伴うという問題があります。また、我が国の租税負担率が欧州諸国に比べてかなり低い水準にあります中で、税負担のあり方としても慎重な検討を要すると考えております。
 次に、厚生保険特別会計の厚生年金国庫負担繰り入れ特例についてのお尋ねがございました。
 今回及び過去の繰り延べ措置に関する返済の時期、方法等返済の具体的内容につきましては、今後の国の財政状況等を勘案する必要がありまして、現時点で明らかにすることは困難でありますけれども、政府としては、運用収入相当額も含めた繰り延べ分を、国の財政状況を勘案しながら、できるだけ速やかに繰り入れたいと考えております。
 次に、建設国債と特例公債の区分について御意見をいただきました。
 財政法は、健全財政主義の原則のもとに、世代間の負担の公平の観点から、合理的と考えられる範囲におきまして、例外的に建設公債の発行を認めております。財政の現状は、特例公債の発行を余儀なくされるそうした状況にありますけれども、だからといって、こうした財政法の原則を捨ててしまっていいか。やはり財政運営の健全性の観点から意味があるのではないかと考えております。
 また、財革法についても御意見をいただきましたが、財政の現状を踏まえるとき、財政構造改革を進める必要性は何ら変わるものではないと思います。
 次に、法人税についてのお尋ねがございました。
 今般、法人税につき、課税ベースを適正化しながら、法人税の基本税率を三四・五%に引き下げることとしており、こうした改革が新規産業の創出や企業活力の発揮など、経済構造改革の推進に資するものと願っております。
 最後に、六大改革と税制について、なぜこれを加えなかったかというお尋ねがありました。
 議員よく御承知のように、税制につきましては、ここ十年間他の制度改革に先行し、時代の要請に応じた抜本的な改革が行われてきております。今後とも、公平、中立、簡素という租税の基本的な考え方に基づいて、経済社会の構造変化に対応し、より望ましい姿を考えていく必要があると思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。
 有価証券取引税及び取引所税についてのお尋ねですが、これらの税については、その税率を本年四月から半減し、さらに平成十一年末までに金融システム改革の進展状況、市場の動向等を勘案して見直しをし、株式等譲渡益課税の適正化とあわせて廃止することとしておるところであります。
 自動車関係諸税の特例措置の延長についてのお尋ねでありました。
 今般、歳出面から十分に吟味の上、新たな道路整備五カ年計画を取りまとめているところであります。期限の到来する自動車関係諸税の特例措置につきましては、この道路整備五カ年計画の策定状況や極めて厳しい財政事情等を勘案すれば、これら諸税の現行税率の水準を維持する必要があると考え、五年延長することとしたものであります。
 租税特別措置についてのお尋ねですが、平成十年度の税制改正におきましても、現下の重要な政策課題に対応する一方、既存の諸措置については、その政策目的、効果等を十分吟味しつつ、さらには法人税の課税ベースの見直しの観点をも踏まえ、整理合理化に努めたところであります。
 今後とも、租税特別措置については、ただいま申し上げました観点を踏まえながら、その整理合理化を徹底していくことが重要であると考えております。
 阪神・淡路大震災の被災者に対する税制上の措置についてのお尋ねでございますが、平成十年度税制改正においても、被災者向け優良賃貸住宅の割り増し償却制度の適用期限を延長するとともに、被災者のマンション建てかえを支援するために、被災者等が取得する一定の共同住宅等の敷地の所有権の移転登記に対する登録免許税の免税措置の創設を図るなど、被災者の支援に努めているところであります。
 沖縄の経済振興に係る税制上の措置についてのお尋ねでございますが、平成十年度の税制改正におきまして、沖縄の経済振興を図る観点から、特別自由貿易地域における認定法人の所得の特別控除制度などの措置を講じることとしております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(斎藤十朗君) 魚住裕一郎君。
   〔魚住裕一郎君登壇、拍手〕
#13
○魚住裕一郎君 私は、公明を代表いたしまして、ただいま議題となりました法人税法等の一部を改正する法律案外二法案につきまして、橋本総理に質問をいたします。
 まず、法人税法改正案等の質問に入る前に、一連の大蔵の不祥事につきましてお伺いいたします。
 一月に大蔵省金融検査部の二人が収賄容疑で逮捕されました。後任の松永大蔵大臣は、綱紀の粛正、真相究明と再発防止のため徹底調査を約束しましたが、その舌の根も乾かないうちに、証券局のキャリアである現職の課長補佐が証券会社からの収賄容疑で逮捕されました。中島主計局次長、田谷東京税関長の不祥事以来、頻繁にこの種の事件が大蔵省で起こっております。
 こうした不祥事は、長年にわたる財政、金融、国税という権力の集中と、護送船団方式、裁量行政、がんじがらめの規制、さらには金融機関の横並び意識が背景になっていると指摘されております。まさに構造的な問題であり、表面的な対策では、こうした背景にメスを入れることはできません。
 今国会に提出済みの中央省庁改革基本法案では、財政と金融は大蔵省の権限となっております。財政と金融の真の分離なくして大蔵省の権限集中、構造改革にメスを入れることができるのでありましょうか。また、行政改革会議の中間報告では、国税庁の分離を検討するとしながら、最終的には大蔵省の外庁として残ることになっておりますが、なぜ分離しないのか。財政、金融の分離問題とあわせてお尋ねいたします。
 また、総理は、大蔵省金融検査官の逮捕を機に、公務員倫理法の制定が必要であると従来の方針を変えておりますが、既に一月の逮捕から二カ月が過ぎました。その間に、日銀の課長の収賄による逮捕も起きました。さらに、大蔵省からの出向者による覚せい剤事犯というようなおまけまで出ました。
 国民の公務員に対する不信が募っている中で、いつになったら国会に提出するのか。また、総理は公務員倫理法は内閣提出法案として考えておられるようですが、公務員の倫理問題を規律する、そういう法律を公務員自身がつくるというのは何か筋違いな、いわば泥棒に縄をなわせているような気がします。私は、議員提出が望ましいと思います。現在、衆議院に野党四会派から提出されている法律案につきまして、総理はどのように評価しておりますか、あわせてお聞かせください。
 次に、国民生活に深刻な影響を及ぼしております景気問題についてお聞きいたします。
 私は、昨年からの景気落ち込みは、消費税率アップなど九兆円に及ぶ巨額の国民負担増が原因だと考えます。もし、この大増税なかりせば、景気は落ち込まず、株価も維持され、また金融不安も深刻化しなかった。当然、三十兆円の公的資金も必要なかったでありましょう。
 総理は、景気判断を完全に誤ったのであります。しかし、総理は、金融機関の破綻や株価の下落、アジアの経済混乱など予期しないことが起こったため景気が悪化したと主張しておりますが、これは責任を転嫁するものであり、到底認めることはできません。
 こうした景気の中にあるにもかかわらず、総理は歳出削減を内容とする財政構造改革法に基づき、平成十年度の超緊縮デフレ型予算を編成しました。景気の現状を考えると、平成十年度予算は欠陥予算、経済音痴予算と言わざるを得ません。その証拠に、参議院における予算審議のさなか、自民党の幹部は大型景気対策構想を次々に打ち上げているのであります。
 総理、不況を一層深刻化する十年度予算は、景気優先型へ組み替え、修正すべきであると考えますが、景気が悪化した認識を含め、総理の御所見をお伺いいたします。
 ところで、財政構造改革法では、赤字国債を毎年前年度より減額させ、二〇〇三年にはゼロにするとしております。この考えは、赤字国債は不健全であり、建設国債は健全だという認識に基づいている。しかし、建設国債であっても投資先によっては不健全になり、赤字国債といっても教育投資や人材育成の財源にするのなら健全ではないか。
 先進国ではこうした区分はないと聞いておりますが、要はどう適切に管理するかにかかっております。単に、ソフト開発事業は建設に含まれるのではないかというような小手先の議論ではなく、そもそも建設、赤字の区別は不要であるとの最近の意見に対し、総理はどう考えておられるか、お伺いいたします。
 現在の景気について、大型減税を含む財政出動が必要であるとの声が財界からも海外からも市場からも上がってきております。その際、財政構造改革法が大きなネックになります。
 私たちは、財政構造改革法は真の財政構造改革にはほど遠く、改革の名に値しない内容である以上、当分の間、執行停止すべきであると考えます。与党の責任ある立場の方が、財政再建目標二年延長を検討すべきという発言もあります。総理は、この点も含めどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
 さて、先進国で最も高かった我が国の法人実効税率は四九・九八%から四六・三六%に引き下げられることになっておりますが、アメリカ、イギリス、フランス等と比較すると、まだまだ我が国の法人課税は著しく高率であります。経済のボーダレス化、大競争時代にふさわしくどう引き下げていくのか。また、法人税は少子・高齢社会の依然貴重な財源として役割を担うべきだと考えますが、今後の方針をお示しください。
 また、法人事業税に関し外形標準課税制度の必要性が言われておりますが、総理はどう考えておられるか、お伺いいたします。
 所得税関係では、特定扶養親族の扶養控除、特別障害者控除等の控除額が引き上げられましたが、教育等の支出のかさむ中堅所得者や介護老人を抱える家族の負担を考えると、なお控除額は不十分であります。また、我が党の年来の主張であります子育て減税が見送られておりますが、いかがなものか。今後の教育減税、介護負担の軽減とあわせお伺いいたします。
 最後になりますが、総理、景気は極めて深刻であります。特に、金融機関の破綻が続いた昨年十一月以降の経済指標は、第一次石油危機やバブル崩壊後の不況に匹敵するマイナスを示しております。GDPの十―十二月期は年率でマイナス〇・七%とマイナスになり、今年度の成長率は戦後最悪のマイナスになることは避けられない事態であります。
 企業倒産もバブル崩壊後最悪の状態であります。自動車、住宅は昨年春以来連続二けた前後のマイナス、パソコンも売り上げが大幅に落ちております。大蔵省の法人企業統計では、売り上げが四十年ぶりの大幅減少となっております。卸売物価も大幅下落を示し、このままでは戦後最大のデフレになるのではないかと懸念されております。
 総理、消費喚起を最優先課題とすべきであります。我が党は、十兆円規模の減税が必要であり、その十兆円のうち四兆円は特別戻し金として、すべての国民へ一人当たり三万円、四人家族で十二万円を商品券などで支給することが必要であると考えております。このままでは、財政再建も景気も両方だめになってしまいます。総理の勇気ある政治決断で十兆円減税を実現すべきであります。総理の答弁を求めます。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(橋本龍太郎君) 魚住議員にお答えを申し上げます。
 まず、大蔵省の財政、金融、国税についてのお尋ねがございました。
 財政、金融の分離問題につきましては、先般来与党間で議論が尽くされ、その結果として合意が取りまとめられました。また、国税庁につきましては、行政改革会議最終報告において財務省の外局と位置づけられるとともに、徴税の中立性、公正性の確保を図る観点から、税制の簡素化等の指摘がなされました。
 政府は、これら与党の合意並びに行政改革会議最終報告の内容を忠実に盛り込みました中央省庁等改革基本法案を取りまとめ、既に国会に提出をしたところであります。
 次に、公務員倫理法についてお尋ねをいただきました。
 この法案につきましては、整理すべき論点も多く、法律的な議論をきちんと詰め、その内容を固めたいと考えております。現段階におきまして、野党提案についての評価をお尋ねいただきましたが、その評価は差し控えさせていただきたい。いずれにしても、今国会中に御議論をいただけるよう、早急に作業を進めてまいります。
 なお、昨日も本院において御答弁を申し上げたところでありますが、その倫理法を公務員である政府の手でつくることが本当によいのかどうかも含めまして、与党と密接な連携を図りながら検討を行ってまいりたい、そのように考えております。
 次に、平成十年度予算を組み替えるべきではないかという御指摘をいただきました。
 政府としては、景気回復のためにも、現在御提案申し上げ、御審議を願っております十年度予算並びに予算関連法案を、ともかく一日も早く成立させていただきたいとお願いを申し上げております。
 景気が悪化した理由についての認識というお尋ねもございました。
 バブルの形成から崩壊、そしてこの後遺症といった経済社会の構造問題に加えまして、アジアの通貨・金融不安、さらに我が国の金融機関の破綻による金融システムの信頼低下、こうした影響を受けまして、家計や企業の景況感の厳しさが個人消費や設備投資に影響を及ぼしている。非常に厳しいものと受けとめております。
 また、建設公債と特例公債の区分について御意見をいただきました。
 財政法は、健全財政主義の原則のもとに、世代間の負担の公平の観点から合理的と考えられる範囲において、例外的に建設公債の発行を認めております。財政の現状は特例公債の発行を余儀なくされております。その状況にありますけれども、だからといって、それでは財政法の原則を捨ててしまっていいか、やはり財政運営の健全性確保の観点からこれには意味がある、そのように思います。
 また、財政構造改革法執行停止あるいは二年延長についての与党幹部発言についてというお尋ねをいただきました。
 私は、財政構造改革の必要性は何ら変わるものではないと思いますし、今後とも財政構造改革を着実に進めていく必要性はあると考えております。同時に、現実の景気あるいは経済金融情勢の変化に応じて対応していく、そして景気の回復を図っていくための努力というものも当然許されることと思いますし、私は財政構造改革と景気対策が二者択一の問題だとは考えておりません。
 また、法人課税についてお尋ねがありました。お尋ねがあったのでお答えをいたしておきます。
 法人課税の水準については、国際水準に近づけていくことが重要であると考えておりまして、今回も課税ベースを適正化しながら、法人税や法人事業税の税率を引き下げることといたしました。
 今後の法人課税のあり方につきましては、当面、法人事業税における外形標準課税の検討が法人課税の実効税率の議論にもつながることを念頭に置きながら、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
 なお、法人税収は少子・高齢社会の貴重な財源と考えるが認識を問うというお尋ねがありました。
 法人課税は今後とも財源として重要な役割を担っていくものと考えております。
 また、事業税の外形標準についてのお尋ねも繰り返しございましたが、具体的な外形基準のあり方等、なお検討すべき課題もございますが、都道府県の税収の安定化に資する等の意義があることから、今後、政府税制調査会等の場において広く各界各層に御論議をいただきながら、さらに検討を進めていきたいと考えております。
 また、所得税関係の控除額の引き上げ、教育減税、介護負担の軽減等についてのお尋ねがございました。
 平成十年度税制改正におきまして、教育費など支出のかさむ中堅所得者層の税負担に配慮をし、特定扶養控除額の引き上げを行うとともに、介護の負担に配慮して特別障害者控除額等の引き上げを行うなど、きめの細かい配慮をすることとしておりまして、既に相当の配慮を払ってまいりました。
 最後に、総額十兆円規模の減税についてお尋ねがございました。
 この実施は、後世代への負担の先送りである特例公債の大量発行を伴うという問題がありますし、我が国の租税負担率が欧州諸国に比べてかなり低い水準にある中で、税負担のあり方としても慎重な検討を要すると考えております。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(斎藤十朗君) 星野朋市君。
   〔星野朋市君登壇、拍手〕
#16
○星野朋市君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました三法案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 我が国の今日の不況の原因が経済の見通し、政策に失敗を重ねてきた橋本総理御自身にあることは、今や我が国のみならず、アメリカを初め世界各国の政府、議会、経済界の認めるところであります。
 我が国経済が立ち直りかけつつあった昨年前半、我々当時の新進党は、財政再建のためにもまず経済再建を主張いたしました。それを継ぐ我々自由党の今日までの警告、提言を否定し、橋本総理が自信満々に行った平成九年度のデフレ予算、九兆円の国民負担増加、たび重なる経済見通しの誤り、不良債権処理の現状認識の甘さ、そして単なる歳出の一律削減法にすぎない財政構造改革法の制定による、まさに橋本不況と言うべき現象であります。内閣及び今の与党は政策の失敗を重ねてきた、そしてその失敗は、これからも繰り返されるであろうという修復不能な不信感であります。
 橋本内閣はまた失敗するだろうという不信感がある限り、小出しの減税を行っても、また、本来景気対策とは何ら関係なく国家の基盤、インフラ整備のために効率的かつ計画的に行わなければならない公共投資を、無理やり従来どおりばらまき的に行っても、国民が我が国の将来に明るい見通しを持たない限り全くむだであり、むしろ、二十一世紀に向け本当の構造改革を行わなければならない我が国の税制、財政、金融システム、産業構造にとって大きな害悪とならざるを得ません。
 総理、この根本的な問題につき反論があれば具体的に反論していただきたいと思います。
 法人税改正について申し上げます。
 橋本内閣は、さきに強引に成立をさせた金融二法により、金融機関に三十兆円もの公的資金を投入する枠組みをつくりました。
 今回の法人税改正では、減収額は初年度八千百九十億円、課税ベースの拡大により、実質では三千二百六十億円の減税でしかありません。大手十八行に投入される公的資金は二兆円とまで言われており、これでは余りに不公平ではありませんか。
 戦後日本の奇跡的な経済成長を支えてきたのは製造業、しかも数多くの中小企業であります。総理の経済見通しと政策判断の誤りが今この不況と金融不安、それに伴う貸し渋りを生み、他の産業にしわ寄せがなされているのであります。
 世間の批判が集中している金融機関が公的資金により救済される中、厳しい年度末を迎える製造業を初めとする他の産業、中小企業について、総理はどのような感慨をお持ちか、お答えいただきたいと思います。
 自由党はかねてより、連結納税制度を導入し、法人関係税の実効税率を一〇%引き下げ、四〇%とすることを主張してまいりました。産業界からも同様の要望が出ておりますが、グローバル化の加速する経済状況にあっては当然のことであります。そのためには、課税ベースの適正化もさることながら、国、地方をあわせた体系的な税制、行政、財政の真の構造改革が必要であります。
 また、法人課税との均衡、世界各国の税制を考慮し、所得税、住民税の最高限界税率を六五%から五〇%に引き下げ、税率の簡素化、フラット化を初めとした大幅制度減税を実施するべきであります。法人課税実効税率の引き下げが約三・六%程度にとどまり、実質一%程度の引き下げでしかないのは、今回の平成十年度税制改正案が大胆な改革を避け続けているためにほかならないのであります。
 以上について、総理の御所見を伺います。
 次に、金融関係税制について質問をいたします。
 本来、有価証券取引税は、我が国証券市場の空洞化を防ぎ、活性化を図るのが目的であれば全廃とするべきであり、我々もかねてより主張してまいりました。取引所税についても同様であります。それがなぜ半減でしかないのでしょうか。これは財政構造改革法により減税財源が縛られているため、思い切った政策がとれなかったからではないのですか。明確に答弁願います。
 また、有価証券取引税、取引所税はキャピタルゲイン課税とあわせて今後見直すとのことでありますが、本年四月一日にも第一波が始まる金融ビッグバンに間に合うのでしょうか。橋本内閣の危機感のなさがここにもあらわれているとしか思えません。
 来年度の公債発行額についてお尋ねをいたします。
 総理は昨年の財政構造改革の推進等に関する特別委員会において、当時の三塚大蔵大臣の、予定されない経済政策について直ちに補正要因になるとは考えられない、考えるべきではないとの発言を受けて、私もさように考えますと述べています。また、補正予算についても財政法二十九条を厳格に運用すると再三述べております。
 補正予算を編成する際に財政法二十九条を厳格に運用するなど当然であります。まして、今はあなた自身が強引に通した財政構造改革法があります。公債特例法案により七兆千三百億円の赤字公債を発行できるとしても、平成十年度は集中改革元年のはずであります。その平成十年度に多額の赤字公債を発行することは、財政構造改革法の趣旨に真っ向から反するものではありませんか。
 我々の再三の減税要求に対し総理は、財源を特例公債に求めることはできないと答弁しています。もし大規模補正を編成するのであれば、赤字公債以外の財源は一体何なのでしょうか。総理、今ここで明確にしていただきたいと思います。
 総理の六つの改革の中に含まれていないのがまさしく税制改革であります。総理の言う改革は、行政改革にも見られるように全く理念を欠いた小手先のものであることは明らかであります。財政構造改革法によって財政の目先の帳じり合わせのみに血道を上げた結果、景気対策を税制にしわ寄せし、場当たり的な改正のみに終始し、国家百年の大計の議論を行わなければならない税制構造をゆがめてしまったあげく、赤字国債削減目標も達成できない橋本内閣には、まさに不信のレッテルが張られてしまったのであります。
 財政構造改革法は、単に歳出一律削減法であるよりさらにあしく、抜本的税制改革を阻害するものであります。財政構造改革法の廃止、凍結のための政府提出法案をメンツを捨てて用意されたい。さもなくば、不信のレッテルしか見えない橋本内閣はみずからけじめをつけるべきであります。
 以上、総理の決断を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 星野議員にお答えを申し上げます。
 まず、今日の不況は失政による不況ではないかという御指摘をいただきました。
 先ほど来申し上げておりますような認識のもとで、私は、政府として現在のこの状況に対応するために、既に実施をしております緊急経済対策、特別減税、九年度補正予算に加えまして、金融システム安定化対策の迅速かつ的確な執行に努めることとしており、こうした措置をもって我が国経済の回復、構造改革に一歩でも前進をさせたいと考えております。
 また、現在御審議をいただいております平成十年度予算並びに関連法案につきましても、同様の思いから一日も早い成立をお願い申し上げているところであります。
 次に、自己資本充実策と減税の関係で不公平という御指摘をいただきました。
 しかし、今回の対策は、議員が既によく御承知のとおり、個別金融機関の救済を目的としたものではなく、金融システムの安定が我が国経済の景気回復軌道への復帰には必要不可欠、そうした考え方のもとに、金融システムの安定化のために行う緊急対策であります。また、破綻する蓋然性の高い金融機関は対象にしておりませんし、かつ優先株等の売却により益が出てくる場合もありますことから、その二兆円弱がそのまま国民負担になるというわけではない、この点もぜひ改めて申し上げておきたいと存じます。
 また、製造業、中小企業の年度末の厳しい状況についてのお尋ねをいただきました。
 企業の景況感は非常に厳しいものがありますし、特に中小企業の景況は低迷しております。しかし、我が国は有能な人材、豊富な資産、資金、そして新しい時代を創造する技術という世界に誇る財産を持っており、日本経済及びそれを支える製造業、中小企業に対する悲観論に私はくみするつもりはございません。むしろ、こうした財産を活用し、我が国経済が成長していくために貸し渋り対策等に万全を期してまいりましたが、今後とも内外の経済情勢に対応するためのそれぞれの措置を講ずるとともに、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、構造改革と法人課税についてお尋ねがありました。
 いわゆる行政、財政等六つの改革と並び、税制についても既に時代の要請に応じた抜本的な改革が始まっており、現在も動いております。法人課税の水準につきましては、国際水準に近づけていくことが重要であると考えており、今回、課税ベースを適正化しながら、法人税や法人事業税の税率を引き下げることといたしました。
 今後の法人課税のあり方につきましては、当面、法人事業税における外形標準課税の検討が法人課税の実効税率の議論にもつながることを念頭に置きながら、引き続き検討を進めてまいります。また、連結納税制度につきましては、幅広い観点を踏まえながら検討を深めていくべき課題と考えております。
 次に、所得税、住民税の大幅引き下げを初めとした大幅な制度減税をという御意見をいただきました。
 税体系については、これまでも改革を行ってまいり、また、今後とも公平で簡素な税制を目指していくべきと考えておりますが、大幅な減税を考えますとき、この実施が後世代への負担の先送りである特例公債の大量発行を伴うという問題があり、また我が国の租税負担率が欧州諸国に比べてかなり低い水準にあります中で、税負担のあり方としても慎重な検討を要すると思います。
 また、十年度予算が財革法の趣旨に反するという御指摘をいただきました。
 十年度予算におきましては、財革法の規定に沿い、歳出の改革と縮減を進め、公債減額一兆一千五百億円、特例公債減額三千四百億円を達成しました。これは、現下の経済金融情勢を考えれば、財革法成立後初めての予算としてしかるべき公債減額を達成できたと考えております。
 また、当たり前という御指摘もいただきましたが、補正予算に対するお尋ねについては、財政法第二十九条の趣旨を厳正に判断し、適切に判断してまいりたいと思います。
 また、財革法を変えろという御指摘をいただきました。しかし、財政構造改革の必要性は何ら変わるものではなく、これからも財政構造改革を着実に進めることは必要であると思います。
 こうした中におきまして、集中改革元年となります平成十年度の税制改正におきましても、各般の改革に合わせて法人課税、金融関係税制等につき、広範かつ思い切った措置を講ずることとし、今後とも経済社会の構造変化に対応し、より望ましい税制を考えていく必要があると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(松永光君) 星野議員にお答えいたします。
 有価証券取引税及び取引所税についてのお尋ねでございますが、これらの税については金融・証券税制全体の中での役割等を総合的に勘案し、平成十年度税制改正において税率を半減することとしたところであります。さらに、平成十一年末までに金融システム改革の進展状況、市場の動向等を勘案して見直しをし、株式等譲渡益課税の適正化とあわせて廃止することとしておるところでございます。
 土地税制については、有効利用に向けた……(「土地税制は聞かなかった」と呼ぶ者あり)お聞きにならなかったですか。土地税制につきましても質問の事項に書いてあったものですからお答えしたわけでありますが、じゃよろしゅうございますか。
 それでは、土地税制については質問がないそうでありますから、これで終わります。(拍手)
#19
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#20
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 平成十年度地方財政計画についての国務大臣の報告並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についての提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。上杉自治大臣。
   〔国務大臣上杉光弘君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(上杉光弘君) 平成十年度の地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成十年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 平成十年度においては、当面の経済状況等を踏まえ、所得税及び個人住民税の特別減税が実施されることに伴う影響を補てんするほか、財政構造改革の推進に関する特別措置法等を踏まえ、歳出面において経費全般にわたる徹底した節減合理化により地方一般歳出を抑制し、歳入面においては地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額の確保を図ることを基本としております。
 第一に、地方税については、個人住民税において特別減税を実施するほか、法人事業税の税率の引き下げ、特別土地保有税における所要の見直し、非課税等特別措置の整理合理化等の所要の措置を講じることといたしております。
 第二に、地方財政の運営に支障が生じることのないようにするため、所得税及び個人住民税の特別減税に伴う影響額について地方交付税の増額及び減税補てん債の発行により補てんするとともに、それ以外の地方財源不足見込み額についても、地方交付税の増額及び建設地方債の発行により補てんすることといたしております。
 第三に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民に身近な社会資本の整備、災害に強い安全な町づくり、総合的な地域福祉施策の充実、農山漁村地域の活性化等を図るため、地方単独事業費の確保等、所要の措置を講じることとしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることとしております。
 以上の方針のもとに、平成十年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十七兆九百六十四億円で、前年度と同額程度となっており、公債費等を除く地方一般歳出は七十三兆三千六百二十五億円と、前年度に比べて一兆一千五百六十七億円、一・六%の減となっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成十年度の地方税制改正に当たりましては、最近における社会経済情勢等にかんがみ、地方税負担の軽減及び合理化等を図るため、法人事業税の税率の引き下げ、住民税の土地譲渡益課税の見直し、三大都市圏の特定市における特別土地保有税の免税点の特例措置の廃止等の措置を講じるほか、地方分権を推進する観点から地方団体の課税自主権を拡充するための所要の見直しを行うとともに、帳簿書類の保存方法等の特例の創設、非課税等特別措置の整理合理化等を行い、あわせて国有資産等所在市町村交付金に係る交付対象の見直しを行う等、所要の改正を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成十年度分の地方交付税の総額につきましては、交付税特別会計における借入金の償還方法を変更するとともに、地方交付税法第六条第二項の額に、平成十年度における加算額三千億円、交付税特別会計借入金一兆九千四百五十七億円及び同特別会計における剰余金二千億円を加算した額から、同特別会計借入金利子支払い額四千九百七十四億円を控除することとした結果、十七兆五千百八十九億円となっております。
 また、平成十年度分の普通交付税の算定につきましては、地方団体が必要とする経費の財源を措置するため単位費用を改正するとともに、個人住民税の特別減税に伴い、基準財政収入額の算定方法の特例を設ける等の所要の改正を行うこととしております。
 以上が地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(斎藤十朗君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。朝日俊弘君。
   〔朝日俊弘君登壇、拍手〕
#24
○朝日俊弘君 私は、民友連を代表して、ただいま議題となりました一九九八年度地方財政計画及び地方交付税法等の一部を改正する法律案並びに地方税法等の一部を改正する法律案について、総理及び関係大臣に質問いたします。
 私は、昨年もこの同じ議題について、本会議における質問をさせていただいたわけですが、その際、私は、従来のいわゆる護送船団方式による社会経済運営と全国画一的なナショナルミニマムを目指す社会から、より多様な選択肢が提供され、しかも安心して暮らせる地域づくりを目指す社会への転換を図るべきであることを主張させていただきました。
 ところで、その後の一年間というものは一体どうだったのでありましょうか。先ほど来指摘をされておりますように、とどまるところを知らない金融危機の進行、とりわけ大蔵省及び日銀の汚職事件の続発、まさに政官業が癒着した構造の、いかんともしがたい現実が白日のもとにさらけ出されたと言うべきではないでしょうか。
 このことは、事金融問題にとどまらず、我が国における国と地方の関係においても、いわゆる霞が関、つまり中央官庁主導による横並びの集団主義的手法から決別をし、新たな国と地方との関係、新たな行政システムの構築が求められていると思うのですが、まず冒頭、この点に関する総理のお考えをお尋ねしたいと思います。
 改めてこうした問題に関する総理のお考えをお聞きしましたのは、それなりの理由がございます。といいますのは、昨年の十一月十四日に自治省から出された「地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針」という文書を一読いたしまして、正直なところ私は首をかしげざるを得ませんでした。その内容の詳細について触れることは避けたいと思いますが、一言で言えば、まるではしの上げおろしに至るまで事細かに指示する内容となっております。
 この文書は一体どういう性格のものなのでしょうか。国から地方公共団体に対する助言あるいは参考という程度のものなのでしょうか。それともこの指針どおりにしなければ何らかのペナルティーを科そうと、こういう性格のものなのでしょうか。この点は自治大臣に確認のために質問をさせていただきたいと思います。
 さらに、この文書の末尾には、都道府県知事から管内の市町村に対して、この旨を伝達の上、適切な指導をお願いすると記されておりますが、こういう表現は、いまだに国が都道府県を、都道府県は市町村をいわば下部機関とみなしていることのあらわれではないでしょうか。地方分権の具体的な推進が課題となっている今日、私は、もはやこのような通達は出すべきではないし、ましてやこのような表現は改められるべきものと考えますが、この点に関する総理の御見解をお伺いしておきたいと思います。
 さて、焦眉の地方分権の推進に関して言えば、私は新たな自治体のイメージを土建国家から福祉自治体への転換をと提案したいわけでございます。この間、政府・与党は土木建設事業に偏重した公共投資を長年にわたって続けてきたこと、そのため地域経済のあり方にも大きなゆがみを生じさせてきたことは紛れもない事実であります。
 具体的に言えば、九八年度末における地方の公債残高は百五十六兆円余に上ると見込まれておりますが、この点は、ちょうど昨日報告された地方財政白書によれば、さらに深刻な事態となることは必至の情勢と言わねばなりません。このような事態は、九二年度以降の相次ぐ経済対策の財源を専ら借入金に依存してきたことがその大きな要因であると指摘せざるを得ません。
   〔議長退席、副議長着席〕
 例えば、橋本総理の地元である岡山県は、もはや赤字再建団体に転落寸前とさえ言われておりますが、このような実態に関して、県の関係者をして、九二年度以降、国の景気対策と連動して公共事業を積み増ししたことや、住民税減税を実施したことが財政を悪化させたと言わしめていることを総理は御存じなのでしょうか。
 こうした点を含め、福祉自治体への転換を求める私の提案についての総理の率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、具体的に地方交付税法等の一部を改正する法律案についてお尋ねしたいと思います。
 政府は、九八年度の地方財政の歳出歳入構造についても、地方分権の推進を可能な限り反映した内容とすべきであります。しかし、残念ながら今回提案されております法律案には、そのようなものを感じさせる姿も形も見受けられません。
 端的に申し上げれば、既に五年続きの通常収支不足が生じており、本来であるならば、地方交付税法第六条の三第二項の規定により、交付税率を引き上げる等何らかの抜本的な制度改正をしなければならない事態に立ち至っているにもかかわらず、相も変わらず従来どおりの手法を踏襲している。その上に、今回は財政構造改革法とも絡んで、こうした手法を集中改革期間である今後三年間は継続しようという内容となっているわけであります。
 総理は、昨年、同様の措置を講ずることに関する私の質問に対して、単年度のやむを得ざる特例措置としてと答弁をなさいました。その後、政府内で一体どのような検討がなされたのでしょうか。そして自治大臣は、この地方交付税法の規定をどのようにお考えなのでしょうか。このような事態に立ち至っている今日、自治大臣は法の趣旨に基づき交付税率の引き上げ等について、政府内できちんと御主張なさっているのでしょうか。明確にお答えをいただきたいと思います。
 同時に、大蔵大臣はこのような事態をどのように受けとめ、これからの地方財政の歳出歳入構造の改革に向けてどのようなお考えで臨もうとされているのか、あわせてお伺いしておきたいと思います。
 ところで、地方公共団体における行財政改革は、いわば中長期的な視点に立って進めていくべきものであることは言うまでもありません。そこで必要なことは、中長期的に見て地方財政が今後どのように推移していくのか、そのことを判断するための材料あるいは資料を提供することではないでしょうか。もちろん、地方財政計画は全国的な規模における地方財政のあるべき姿を示すものとされていますが、御承知のとおり、これとて単年度限りのものにとどまっております。
 私は、地方財政が危機的な状況にあるときであるだけに、こうしたときにこそ全国の地方公共団体に対して、一定の仮定に基づく試算でもよいと思いますが、何らかの中長期的な指標というか見通しを示唆していただきたい。むしろ、そうしたことこそ地方分権の時代における中央政府の果たすべき役割ではないかと思いますが、この点に関する自治大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、先ほど述べました福祉自治体への転換とも関連して、幾つか具体的な課題についてお伺いしておきたいと思います。
 まず、ごみ焼却施設に関する補助事業のあり方についてお尋ねいたします。
 厚生省は、問題となっておりますダイオキシン対策の一環として、焼却施設の広域化と大規模化を促進するため、補助事業の対象を百トン以上の施設に限定する採択基準の変更を行いました。
 しかし、問題は、焼却施設の大規模化によってダイオキシン発生の抑制を図ることなのではなくて、むしろごみ減量化をいかに進めていくのかという点が重要ではないかと思うのですが、この点に関しては厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 あわせて、小規模の焼却施設については、地方債及び地方交付税で措置されることとされました。その設置に当たっては、リサイクルの推進やごみの分別収集の徹底等、情報公開と住民参加により、焼却すべきごみ総量の抑制と相まって、ダイオキシン対策にも効果を上げるように取り組むべきであると思いますが、この点に関する自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 次に、地方公共団体においては、さきの臨時国会で成立をいたしました介護保険制度の実施に向けて、怠りなく準備を進めることも当面する重要課題であると言わねばなりません。具体的には、二〇〇〇年に予定される介護保険制度の実施に向けて、今回提案されている地方財政計画及び地方交付税において、そのための準備経費はどのように措置されているのでしょうか。
 また、介護サービス提供体制の基盤整備に当たっては、所要の額を基準財政需要額に算定する等、財政的な支援が必要であると思いますが、介護保険制度の円滑な導入のための具体的な支援方策について、この点は自治大臣及び厚生大臣にお伺いしたいと思います。
 最後に、地方税法等の一部を改正する法律案についてお尋ねいたします。
 私は、今回の改正により、地方分権推進の観点から、地方公共団体の課税自主権を拡充するための幾つかの措置が盛り込まれていることについては、たとえそれらが小さな一歩であるとはいえ、率直に評価したいと思います。
 その上で、今回提案されている内容は、専ら中央政府の責任による景気対策の一環としての所得税減税に引きずられる形で、それでなくとも深刻な財政状況にある地方公共団体の財源確保を一層危うくするような内容も盛り込まれており、到底賛成できるものではありません。
 この点に関しては、地方公共団体の中からも、景気対策としての所得税減税は国税にかかわる範囲内で実施すべきだとの声も出始めており、現在私どもが提案をしている減税要求については、こうした声を十分受けとめた内容として提起させていただいております。
 そこで、自治大臣にお尋ねいたしますが、地方分権推進の観点からは課税自主権を拡充すべきと言い、その一方で、減税措置を国から地方に対して押しつけている根拠は一体どこにあるのでしょうか。この点は場合によっては今後直ちに問題ともなり得ることでもありますので、自治体関係者にも十分納得できるような答弁をお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(橋本龍太郎君) 朝日議員にお答えを申し上げます。
 まず、新しい行政システムをつくり出すことに関しての御指摘をいただきました。
 これまでの経済社会システムが大きな変革を求められており、国と地方との関係についても抜本的な見直しを行うことが必要でありますし、そのためにも地方分権を強力に推進することが重要であり、具体的な改革の実現に強い決意で取り組んでまいります。
 また、地方行革の指針の策定につきましては、地方分権推進委員会の勧告に盛り込まれており、地方独自の工夫を生かした一層の地方行政改革の推進を強くお願いしたものであります。
 地方分権の時代におきまして、国と地方及び地方公共団体間の関係は対等なものと言えるはず、議員の御指摘は私もそうだと思います。であればこそ、地方公共団体の主体的な取り組みを尊重しながら、国、地方を通じた適切な行政運営確保の観点などから、要請すべきものについては要請していくことは必要だと考えております。ただ、表現等についてこれでいいのかという御指摘は私も留意したいと思います。
 また、岡山県など地方公共団体の財政が悪化した理由についてお尋ねがございました。
 地方税収、地方交付税収が低迷していること、景気対策や減税の減収補てんのために増発した地方債の償還費が累増していること等によるものと考えております。
 今後におきましても、国、地方双方の歳出抑制につながる施策の見直しを進めるとともに、地方公共団体に徹底した行財政改革を要請するなど地方財政の健全化を進めてまいります。
 次に、地方分権の分権されたイメージをみずから御提案になりました。
 地方公共団体は、本格的な高齢社会というものに向け、地域福祉の充実や生活関連社会資本の整備など、こうした重要課題に対処していくことが重要であります。
 こうした状況を踏まえながら、地方分権推進委員会の四次にわたる勧告を最大限に尊重し、今国会のできるだけ早い時期に地方分権推進計画を作成し、確実に実施してまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣上杉光弘君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(上杉光弘君) 朝日議員にお答えをいたします。
 まず、地方行革の指針に関するお尋ねでございますが、地方分権の成果を上げ、国、地方を通じた行政改革を推進するためには、一層の地方行革が不可欠であります。この指針は、地方行革の取り組みの視点を情報提供し、地方の積極的な取り組みを要請したものであり、地方公共団体においては、この指針を踏まえつつ確固たる自覚を持って取り組むべきものと考えております。
 次に、地方交付税法第六条の三第二項についてのお尋ねでございますが、平成十年度の地方財政対策においては、その趣旨を踏まえ、地方交付税率の引き上げを含め検討を行ったところでございます。しかしながら、国の財政も深刻な状況にあること、財政構造改革法に基づき集中改革期間を定め、国、地方を通ずる財政の健全化を進めることとしていること等から、この間における交付税特会借入金の償還を繰り延べるとともに、原則として、財源不足のうち地方交付税の増額により補てんすべき部分については、国と地方が折半して補てんする等の制度改正を行うこととしたものであります。
 次に、地方財政の中長期にわたる見通しについてのお尋ねでございますが、今後、地方財政は、公債費が毎年一兆円程度累増していくなど厳しい状況が続くことが見込まれており、再建目標期間中に財源不足を補てんするための特例的な借入金を縮減するなど、その健全化に取り組むこととしております。
 なお、国と同様の形での試算については、地方財政は三千三百の地方公共団体の財政の集合体であること等から、慎重な検討が必要と考えております。
 次に、地方団体における廃棄物処理についてのお尋ねでございますが、自治省といたしましては、これまでも地方団体におけるごみのリサイクルや分別収集、ダイオキシンの排出抑制等に要する経費について適切な地方財政措置を講じているところであります。
 今後とも、ごみ焼却施設の円滑な整備とあわせて、住民の理解と協力のもとに、資源リサイクルやごみの減量化、ダイオキシン排出抑制対策等が円滑に推進されるよう、厚生省など関係省庁と密接に連携を図りながら、適切に対処してまいりたいと考えております。
 次に、介護保険準備経費についてのお尋ねでございますが、平成十年度の地方財政計画においては、介護保険制度の円滑な導入を図るため、千百四十人を計画的に増員するとともに、介護支援専門員養成研修、市町村の介護保険事業計画や都道府県の支援計画の策定等に要する経費を計上いたしております。
 また、これに対応して地方交付税においては、高齢者保健福祉費の中に介護保険費を新設し、個々の地方団体に対しても適切な財源措置を講じることとしております。
 次に、介護保険の導入のための体制整備についてのお尋ねでございますが、現在、介護サービス基盤の整備、マンパワーの確保等については、新ゴールドプランに基づき、その地方負担分について所要の財政措置を講じているところでございます。
 また、介護保険導入後においては、市町村が策定する介護保険事業計画等に基づき、計画的な基盤整備を進めることとしております。
 自治省といたしましては、今後とも地方交付税の算定等を通じて適切な地方財政措置を講じ、介護保険サービスの基盤整備の着実な推進を図ってまいる所存であります。
 最後に、所得減税について課税自主権の観点からのお尋ねでございますが、私といたしましても、地方分権を推進する観点から、地方団体の課税自主権を尊重することは必要であると考えております。
 一方で、個人住民税は所得税と共通する税源により負担していただいている税でもありまして、国、地方を通ずる政策として必要がある場合には、所得税とあわせて個人住民税の減税を行うこともあるものと考えております。
 所得減税を行う場合においての個人住民税のあり方につきましては、減税の目的、規模、必要性、個人住民税の負担の現状等を踏まえながら判断していくことが必要と考えております。(拍手)
   〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(松永光君) 朝日議員に御答弁を申し上げます。
 地方財政の構造改革についてのお尋ねでありましたが、財政構造改革は私たちの世代でぜひともやり遂げなければならない重要課題であります。
 そのため、国、地方双方の歳出抑制につながるよう諸施策を見直すなど、歳出、歳入両面にわたる構造改革により地方財政の健全化を進めてまいりますが、その際、地方自治、地方分権の推進の視点に十分留意し、住民に身近なサービスを提供する地方行政の運営に支障が生ずることのないよう、適切に対処してまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(小泉純一郎君) ごみ焼却施設の整備に関するお尋ねですが、厚生省では、第八次廃棄物処理施設整備計画において、極力リサイクルを行い、なお排出されるものは焼却等を行うとともに、積極的に余熱の活用を図ることとしております。
 このため、リサイクル関連施設等の整備や、容器包装リサイクル法、今国会に提出している特定家庭用機器再商品化法案等を通じて廃棄物循環型社会の構築を推進してまいります。
 御指摘のごみ焼却施設の補助については、建設費の縮減、熱エネルギーの有効利用、ダイオキシン対策の効率的推進の観点から、施設の大規模化を進めるため、平成十年度より採択規模を変更したものであります。
 介護保険の施行準備についてのお尋ねですが、平成十年度には要介護認定の試行、介護保険事業計画の作成等の準備を進めるとともに、新高齢者保健福祉推進十カ年戦略の着実な推進に必要な予算を計上し、あわせて地方交付税においても適切な財政措置を講じていただいたところであります。
 今後とも、介護保険の円滑な施行が図られるよう、関係省庁とも相談の上、準備に必要な人員体制等の整備や介護サービス基盤の整備に努めてまいります。(拍手)
#29
○副議長(松尾官平君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#30
○副議長(松尾官平君) この際、日程に追加して、
 沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○副議長(松尾官平君) 御異議ないと認めます。鈴木国務大臣。
   〔国務大臣鈴木宗男君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(鈴木宗男君) ただいま議題となりました沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、沖縄がさきの大戦において筆舌に尽くしがたい苦難の歴史を経験し、さらにその後、二十七年間にわたって米国の施政権下に置かれたこと等にかんがみ、本土への復帰以来、沖縄における基本的な社会資本の整備や、地理的、自然的な特性に即した沖縄の振興開発を図ってまいりました。
 すなわち、沖縄振興開発特別措置法により、三次にわたり総合的な沖縄振興開発計画を策定し、これまでに、面積当たりで全国平均の四・七倍の公共事業関係費を投入する等特別の措置を講じ、もって、沖縄の振興開発を積極的に推進してきたところであります。
 しかしながら、沖縄は、本土から遠隔の地にあり、また、多数の離島により構成されている等の不利な条件に加え、全国の米軍施設・区域の七五%が存在するなど、本土とは異なる事情を抱えており、沖縄の経済社会は依然として厳しい状況にあります。
 沖縄における米軍施設・区域の整理、統合、縮小と、沖縄振興策は引き続き内閣の最重要課題であり、沖縄県が地域経済として自立し、雇用が確保され、沖縄県民の生活の向上に資するよう、また、我が国経済社会の発展に寄与する地域として整備されるよう、政府として最大限の努力を払ってまいります。
 昨年十一月の沖縄復帰二十五周年記念式典における内閣総理大臣式辞を踏まえ、特別自由貿易制度を初め、情報通信産業の振興や観光の振興のための制度の創設など、沖縄の振興開発のための特別の措置を新たに導入することとし、また昨年、沖縄県において策定された国際都市形成に向けた新たな産業振興策をも踏まえて、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その概要を申し上げます。
 第一に、特別自由貿易地域制度を創設し、製造業等を営む特定の法人につきまして、所得控除の適用があることとしております。
 第二に、自由貿易地域及び工業等開発地区に関し、特定の機械、建物等につきまして税額控除の適用があることとし、また、自由貿易地域については、あわせて関税の課税の選択制を導入することとしております。
 第三に、情報通信産業振興地域制度及び観光振興地域制度を創設し、特定の機械、建物等につきまして税額控除の適用があることとするとともに、地方税の課税免除または不均一課税に伴う減収補てん措置を導入することとしております。
 第四に、中小企業の創造的事業活動支援のために、税額控除の適用があることとしております。
 第五に、旅客が空港内の免税店で関税を免除した価格で物品を購入できるようにするため所要の措置を講じることとしております。
 以上が沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#33
○副議長(松尾官平君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。齋藤勁君。
   〔齋藤勁君登壇、拍手〕
#34
○齋藤勁君 私は、民友連を代表して、ただいま提案されました沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 沖縄県の大田知事は、自由貿易地域の新たな展開、情報通信関連産業の集積促進及び国際観光・保養基地の形成の三分野を重点的に推進していくためには、税制上の優遇措置の導入が最も重要であり、国際都市形成に向けた新たな振興策の実現に向けてスタートを切ることになると評価をしていますが、私も本法案を契機に本格的な振興策が実施されることを期待するものであります。
 本法案に関連して、まずは在日米軍基地に関して伺います。
 私は、日本の防衛とアジア太平洋地域における平和と安定に果たす日米安全保障条約の役割を考えれば、現状では、在日米軍が日本に一定限度駐留することは認め、我が国の安全保障に見合うコストを負担しなくてはならないと考えます。しかし、日本を取り巻く安全保障環境の変化や軍事技術の進展、日本独自の外交・防衛努力に応じて在日米軍基地の機能や規模を見直し、基地の整理、縮小を進めるべく日米協議を行うべきであります。
 米軍の前方展開の基本能力を維持するという意味で、米第七艦隊及び第五空軍などの海空軍部隊に対する基地提供は当面継続するにしても、海兵隊を初めとした地上部隊に関しては、即応後方配備を漸進的に進め、在留米軍の機能、兵力を削減することが可能であると考えます。
 SACO合意は、基地機能や兵力を減らさずに基地を整理、統合しようとする計画で、基地問題に関する第一歩でしかなく、根本的な解決ではありません。政府はSACO合意を取りつけることで精いっぱいで、米軍の機能、兵力削減についてアメリカと議論することを避けているように思えます。沖縄の基地の整理、縮小なくしては、沖縄振興はあり得ないことは言うまでもありません。もう一歩踏み込んだ基地の整理、縮小について、総理はどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
 次に、日米地位協定に関してお尋ねをいたします。
 私は、つい先日、衆参議員有志と、沖縄に次ぐ第二の基地県である神奈川県厚木基地及び逗子市池子の米軍家族住宅、そして横須賀海軍基地を視察するとともに、関係の市長さん方と懇談する機会がございました。大和市長からは、NLP、夜間離着陸訓練に伴う騒音問題、逗子市長からは、住宅建設問題が生じたときに国と地元が交わした約束事項の実現への要望、横須賀市長からは、基地内から検出された異常に高い数値の重金属混入の土壌汚染の問題や基地交付金について等、さまざまな要望や苦悩を訴えられました。
 平成九年七月に、渉外関係主要都道府県知事連絡協議会が政府に提出をした「基地対策に関する要望書」は、地位協定とその運用について適切な見直しと改善を求めています。
 例えば、米軍施設・区域において大気汚染法、水質汚濁防止法などの国内法を適用すること、施設・区域の規模や機能を変更しようとする際の日米政府間協議、地元自治体との協議を義務化すること、低空飛行訓練を含む米軍機の最低飛行高度への国内航空法を適用すること、日本側が第一次裁判権を有する際に米軍関係の被疑者の拘禁、取り調べが支障なく実施できることなどを協定に明記することが挙げられております。地位協定の見直しについては、昨年の駐留軍用地特別措置法改正の際、また、事あるごとに民主党が政府に求めてきたことであります。政府は地位協定の見直しに関し、どのようにアメリカと協議していく考えなのか、総理に伺います。
 また、日米地位協定の第二条三項は、「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなつたときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討する」と規定をしております。
 例えば、私の地元、先ほども述べました神奈川にある上瀬谷通信所施設や富岡倉庫地区など、私から見れば遊休化しているので当然返還されるべき土地であり、多くの市民もそのことを望み、跡地の市民利用のプランもあるところであります。
 ドイツとアメリカの間で締結されているボン協定は、各施設の使用目的や使用期間を盛り込んだ計画書の提出が義務づけられていますが、日米地位協定についても、それに匹敵するような改正が必要ではないでしょうか。
 そこで伺います。上瀬谷及び富岡倉庫地区の返還の見通し及び日米合同委員会の中で、米軍施設について本来の目的のために使用されておらず遊休化をしているのか、積極的に質問したり指摘をしたことがあるのか、総理にお尋ねいたします。
 次に、懸案となっている海上ヘリポートの建設案につき、政府の姿勢について幾つか指摘いたします。
 第一に、日米首脳間の合意である普天間基地返還に関し、代替ヘリポートの建設地を決定する責任は総理にあるのに、地元にげたを預けた橋本内閣の姿勢は無責任きわまりありません。移転問題の混乱は、橋本総理のリーダーシップの欠如に起因すると思うのであります。
 三月十二日に普天間基地問題について、大田知事と関係省庁の審議官の間で長時間にわたって行われた協議は、平行線に終わったと聞いております。沖縄と国との信頼関係がますます希薄になり、溝が深まっていくことを危惧しております。今後の協議をどのように進めていこうとお考えなのか、総理にお尋ねいたします。
 大田知事はかねてから、総理と直接協議することを求めていますが、総理はどうして大田知事に会おうとしないのか、あわせてお尋ねいたします。問題解決の展望を示せないでいれば、国民から理解を得られないばかりか、米国との信頼関係も損なわれるおそれがございます。
 第二に、情報公開の問題であります。
 政府は、キャンプ・シュワブ沖の海上ヘリポート案が最善策であるとして提示をしておりますが、どういう代替案が比較検討され、日米間でどのような話し合いがあったのかなど、最終案にまとまるまでの経過を全く情報公開しませんでした。このような不透明な意思決定プロセスはいかにも中央集権的な発想で、政府は改めるべきであります。検討経過の中に出てきた他の案についても総理に説明を求めます。
 また、海上ヘリポートの建設案の安全性、環境や住民生活への影響、そしてヘリポートの建設費用、維持費用と、それをだれが負担するかについて、防衛庁長官に改めて説明を求めます。
 次に、本法案に関してですが、第一に、政府はなりふり構わぬばらまき振興策でヘリポート建設反対の声を抑えつけ、建設案を地元に押しつけようとしていることであります。
 政府は、普天間代替ヘリポートの建設地を決定するに当たって、地元の頭越しには決めないと言ってまいりました。これは民主主義を尊重しているかのような体裁のよい言葉ですが、政府の普天間移転問題への取り組み方を振り返ってみると、名護市に海上ヘリポートありきで押し通そうとする政府の横暴さが露呈されています。
 大田知事が二月六日に、海上ヘリポート建設案への反対を表明した際、防衛庁長官は普天間返還凍結を示唆されました。沖縄開発庁長官は、振興策は基地問題とリンクするとし、本法案の提出を見合わせるかもしれないと発言されました。その二日後、名護市長選で基地反対を主張した玉城氏に岸本氏が勝ったのを受けて、政府の態度は一転しました。沖縄開発庁長官は、参議院本会議で、国益、さらには国策に御協力いただいた場合には、当然、予算の傾斜配分等があってしかるべきだと答弁され、十三日には本法案が閣議決定されました。金をやるから基地を受け入れろという姿勢は、地元の意思を全く無視したやり方で、振興策と基地問題は切り離して考えるのが当然であります。
 また、政府が昨年十一月に打ち出した沖縄県北部振興策は、沖縄が海上ヘリポートを受け入れる入れないにかかわらず実施すべきだと考えますが、この点につき、総理と沖縄開発庁長官の見解をお尋ねいたします。
 第二に、法案が提示する税制措置など一連の政策でどれくらいの減税効果があり、その結果として沖縄の地場経済や雇用にどの程度影響があると見込んでいるのでしょうか、沖縄開発庁長官にお尋ねをいたします。
 最後の質問になります。
 沖縄問題の解決に向けて、これまでさまざまな議論が行われてきました。沖縄独立論、特別自治地域構想、沖縄自治州構想、特別県制構想など、さまざまな制度論が提起をされ、新たに地方分権を徹底した沖縄自治政府構想が話題となっております。
 今、沖縄自立の基本戦略は、沖縄県によって九六年に策定された二十一世紀沖縄のグランドデザインに明確になっています。そこには、平和、共生、自立を基本理念に、アジア太平洋地域における新たな地域間協力、国際都市形成構想が打ち出されています。私は、国のあり方を分権の方向に大胆に変える道筋を示しながら、沖縄県民が主体的に打ち出した振興策を尊重し、実現していくべきと考えます。
 経済の自立的発展と自己決定の仕組みは、車の両輪のごとく不可分のものであります。沖縄の歴史を踏まえつつ、新しい分権社会という未来を見据え、その実現を目指すプロセスの中で、分権日本のパイロットケースとして位置づけ、環境整備を大胆に行う必要があります。こうした方向での沖縄自治政府構想について、総理の未来に向けた展望がおありかどうか、伺いたいと思います。
 沖縄の青い海、美しい自然は日本の宝だと言えましょう。基地の整理、縮小なくして沖縄の振興策もありません。長年基地の過剰負担に苦しんできた沖縄の痛みを重く受けとめ、継続的な取り組みを行うよう総理に要望して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(橋本龍太郎君) 齋藤議員にお答えを申し上げます。
 まず、沖縄米軍基地の整理、統合、縮小の問題について御質問がありました。
 在沖縄米軍は、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与しており、現時点ではその削減や撤退を求めることは考えておりません。政府としては、米軍施設・区域の集中に伴う沖縄県民の方々の負担の軽減のために、SACO最終報告の内容の着実な実施に引き続き最大限努力してまいります。
 また、渉外関係主要都道府県知事連絡協議会からの御要請等を踏まえながら、地位協定についてのお尋ねがありました。
 政府としては、日米安保条約の目的を達成しつつ、米軍の施設・区域や活動が地域社会にもたらす影響をできるだけ軽減すべく、同協定にのっとり適切に対処し、米側に対しては、公共の安全や環境等に対し妥当な配慮を払うよう、引き続き申し入れていく方針です。
 なお、SACO最終報告の地位協定の運用の改善措置は在日米軍全体に適用されるものであります。
 また、ボン協定に匹敵する日米地位協定の改正についてのお尋ねがございました。
 日米地位協定第二条に基づいて、日米両国政府は個々の施設・区域につき協定を締結し、使用目的や使用条件等について規定しております。ボン協定との比較は、それぞれの協定の実際の運用のあり方等も検討する必要があり、一概に論ずることは困難であります。
 また、上瀬谷通信所、富岡倉庫地区、具体的なお尋ねをいただきましたが、御指摘の米軍施設・区域は、現在米軍において日米安保条約の目的達成のために必要なものとして使用されていると報告を受けており、政府としては現時点において米側に返還を求めることは考えておりません。いずれにせよ、今後とも米軍施設・区域の提供、返還に関しては、日米地位協定にのっとって適切に対処してまいる所存であります。
 また、去る三月十二日の大田知事と関係省庁の審議官の協議等を踏まえた御質問がありました。
 これは、普天間飛行場の返還問題をめぐる協議について行ったものでございまして、忌憚のない意見交換を県首脳部との間に行ったわけでありますが、今回の協議では残念ながら今後の展望にまでは至りませんでした。
 ただ、なぜ知事に会わないのか、逃げているのかと言わんばかりのお尋ねをいただきましたけれども、私は、大田知事にお目にかかりたいということこそ何回も申してまいりましたけれども、面会を拒否したことはございません。その点だけはどうぞその事実をお認めいただきたいと思います。
 今日もなお、私は、何とかして知事と意見交換の中からこの事態を解決するための協力を得たいと真剣に考えており、御要望があれば事務的な協議の継続とともに、双方の日程の調整がつき次第、知事とお目にかかり意見も伺いたいと思っております。
 次に、海上ヘリポート案を最善策としているが、どういう代替案が比較検討されたのかという御質問をいただきました。
 平成八年秋のSACO現状報告におきまして、嘉手納飛行場への集約、キャンプ・シュワブでのヘリポート建設及び海上施設の開発及び建設の各案につき検討を行うこととされました。日米間で検討の結果、SACO最終報告におきまして、米軍の運用能力の維持、沖縄県民の安全及び生活の質に配意するとの観点から、海上施設案が最善であるという結論に達しました。
 また、北部振興策についてのお尋ねがございましたが、県土の均衡ある発展を図る観点から、北部地域の振興が重要な課題であることは認識しております。そして、普天間飛行場の返還を実現するために必要となる代替ヘリポートの建設に関連して、その新たな負担にこたえるという観点からも、からだけではありません、からも、昨年十二月に北部振興策を取りまとめ御地元に提示をいたしました。今後とも御地元とよく御相談をしながら、所要の施策を進めてまいりたいと思います。
 最後に、沖縄自治政府構想についての展望というお尋ねをいただきました。
 沖縄自治政府構想につきましては、労働界の一部からアイデアが出されたように伺っておりますけれども、その趣旨等が必ずしも明確ではなく、現時点でのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、沖縄の将来を考えますときに、米軍基地の整理、統合、縮小を図ると同時に、基地依存型の経済から自立型経済への移行に向けた努力が不可欠である、私どもはそのような認識のもとに、これまでも県と密接な連携をとりながら沖縄経済の振興に努めてまいりました。こうした努力は今後とも払ってまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣鈴木宗男君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(鈴木宗男君) 齋藤議員から、私が「振興策は基地問題とリンクするとし、本法案の提出を見合わせるかもしれないと発言されました」という表現がありますけれども、正確にお話をしたいと思いますが、この法案は沖縄開発庁が提出するものでありますから、与党の審議を見守っていた、与党の審議に若干時間がかかったということでありまして、私が提出を見合わせるという発言はありませんので、この点はおわかりをいただきたいと思います。
 振興策と基地問題のリンクの話でありますけれども、今の趣旨説明でも申し上げたとおり、基地の整理、縮小、統合と振興策は最重要課題だということであります。SACOの最終報告も、大田知事さんのアクションプログラムを受け入れての部分が相当あるんです。五千二ヘクタールなくなるんです。二一%の基地が縮小されるんです。この現実をぜひとも私は、数字は正直でありますから、おわかりおきをいただきたいと思います。
 同時に、国益さらには国策に御協力いただいた場合には、当然予算の傾斜配分があってしかるべきということを私は再三申し上げております。それは、新たな負担を伴う場合、国が何がしかの優しさや思いやりを持つのは私は当然でないかと思っております。同時に、私がよく言う国益、国策というのは、比嘉前名護市長さんの言葉であります。前名護市長さんは、国益は県益、県益は市益だということを言いました。同時に、北部振興策は私の遺言だと、こう言われたものですから、私はこの言葉を絶えず頭に入れて北部振興策はしっかりやっていきたいと、こう思っております。
 さらに、沖振法の改正による税制措置などにより、どの程度の経済効果があるのか、またその試算はされたのかという御質問でありますけれども、現在、中城湾新港地区約七十ヘクタールに企業が立地しております。ここに新たに百ヘクタールの特別自由貿易地域が展開した場合、現在は四十一社、千百人、四百七十億円であります、売り上げが。それが百ヘクタールになりますと、七十社ぐらいの立地があるかな、六十社ぐらいは間違いなくあるかな、同時に千六百人ぐらいの雇用創出があるんでないだろうか、売り上げも七百億円以上が見込まれるんでないかな、こんなふうに試算をしております。
 ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣久間章生君登壇、拍手〕
#37
○国務大臣(久間章生君) 海上ヘリポート案についてのお尋ねですが、先ほど総理がお答えいたしましたとおり、各案を検討の結果、海上施設案が最善とされたのを受けまして、海上ヘリポート基本案を作成し、昨年十一月に地元に提示いたしました。
 この海上ヘリポート基本案は、現地調査の結果及び米軍運用所要についての概略的な調整結果を踏まえ、工法を含む同ヘリポートの概要や、ヘリポートの設置、運用が市民生活に与える影響、自然環境に与える影響等につき検討を行い作成したもので、その内容は一般に公開されております。
 なお、建設費や維持経費につきましては、今後地元の御理解が得られた後、工法等を決定する過程で精査することとしており、具体的に今申し上げる段階にはなく、また、海上ヘリポート提供に係る我が国の具体的な負担額も、いまだ確定されていないことをぜひ御理解願いたいと思います。(拍手)
    ─────────────
#38
○副議長(松尾官平君) 福本潤一君。
   〔福本潤一君登壇、拍手〕
#39
○福本潤一君 私は、公明を代表して、ただいま議題となりました沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対し、総理並びに関係大臣に質問を行います。
 沖縄の現状は、政府計画の目標としている自立型経済には遠く及ばず、今なお基地と公共事業に依存した実態は変わっておりません。雇用に大きな意義を有する第二次産業を見ても、県内総生産に占めるその比率は約二〇%と、全国平均に比べて大きな格差があります。中でも、製造業においては復帰時より一層低下している傾向にあります。
 総理が国政の最重要課題と位置づける沖縄をめぐる諸問題の中でも、沖縄の経済社会の自立的発展を図り、活力のある地域社会を実現するためには、私はこれまでの施策を抜本的に見直すことが必要であると考えます。
 総理は、沖縄県経済の現状認識をどのようにとらえ、また低迷から脱却できない原因は何であるとお考えか、総理の御見解を伺います。
 総理は、昨年十一月の復帰二十五周年記念式典の式辞で、沖縄県民の痛みを国民全体で分かち合うことの重要性に言及し、従来の認識不足を率直に認めるとともに、国民全体としての反省を促しております。また、鈴木沖縄開発庁長官は、その所信の中で、沖縄の痛み、思い、心を大切にすると発言しておられます。
 そこで、米軍基地の返還問題に関して伺います。
 一昨年十二月、SACOの最終報告が出され、在沖縄米軍施設・区域約五千ヘクタールについての返還が合意されました。私は、過重な基地負担を背負い、地域の振興のための土地利用にも大きな障害となっている米軍基地の返還に、総理が御尽力されたことを認めないわけではありませんが、そのほとんどが基地機能の県内移転の条件つきとなっており、全く不満であります。特に、普天間基地については、移転先となる代替ヘリポートの建設方針に対して、大田知事は明確に拒否を表明いたしております。
 総理は、昨日の予算委員会の質問において、同僚議員の質問に、最善ではないが次善の策だったと述べておられますが、私には全くそうは見えません。
 まず、一九九六年橋本・クリントン会談の成果として普天間返還合意、その移転先の候補地三カ所はすべて沖縄県内であったことです。それでなくとも過大な基地負担にあえいでいる沖縄での県内移転は、県民の心を踏みにじるものと思います。ましてやヘリポート基地となると、今後何十年間も沖縄に普天間飛行場を固定することになるのではありませんか。那覇軍港は、返還が決まったにもかかわらず、県内移転のため、凍結状態が現在二十年続いているではありませんか。
 米海兵隊が存在する必要があると言うならば、また沖縄の痛みを国民は分かち合うべきと言うならば、関係閣僚の英断として基地の県外移転を図るべきであります。特に、総理御自身の地元である岡山県、防衛庁長官の長崎県、沖縄開発庁長官の北海道、この三道県の中から移転地を決めていただきたい。そうでなければ、総理の言葉は言葉のみで、格好はつけておるもののむなしい言葉を操った答弁と言わざるを得ません。総理並びに両長官に答弁を求めます。
 次に、本法律案の内容について伺います。
 本法律案は、特別自由貿易地域制度を初め、情報通信、産業振興地域制度、観光振興地域制度を創設し、進出企業に対する税の優遇措置を定めております。しかし、その置かれている地理的条件や我が国の経済の高度成長期に米施政権下にあったというハンディを考慮すると、沖縄の振興には、一国二制度的な抜本的な施策が必要であるということは、多くの識者も指摘するところであります。
 本法律案における特別自由貿易地域は地域限定型となっておりますが、沖縄県においては、二〇〇五年を目途に諸条件が整い次第、可及的速やかに全県自由貿易地域制度の導入を希望し、目下政府に対し、沖縄の自立的発展に向け、規制緩和を含む精力的な取り組みを行うように求めております。このような県の方針に対する政府としての御認識と対応策及び今回の法案の位置づけについて、総理の御所見をお伺いいたします。
 ところで、本法律案では、制度の具体的な要件のほとんどが政令にゆだねられております。したがって、政令や実施細則の内容が極めて重要な意義を有することになります。私は、かねてより、こうした制度の実質的内容を政令に大幅にゆだねる立法のあり方について、立法府の責任の観点から深い疑問を有しております。政令主体行政は裁量行政であり、政治家への官僚優位、閣僚の官僚的答弁を生じております。また、官僚のおごり、腐敗、堕落の原因にすらなっております。この点について、立法府の一員でもある総理の所見をお伺いいたします。
 政令等の内容については、地域の現状や現地企業の実情を踏まえて、県や経済団体から、例えば特別自由貿易地域の面積要件は三十ヘクタールに、また、課税の特例を受けられる企業の雇用規模は二十五人とすること等についての具体的な要望が出されております。制度の実効性を担保するために、地元の実情を踏まえた要望を十分に勘案し、措置を講ずべきものと考えますが、鈴木開発庁長官の所見をお伺いいたします。
 総理は、さきの式辞の中で、今春、沖縄経済振興二十一世紀プランを策定する旨の発言を行っておられます。そのプランはいかなるものとなるのか、またその時期はいつになるのか、そしてそれは現在の沖縄振興開発計画、新全国総合開発計画等との関係はどのような位置づけになるのか、お伺いいたします。
 最後に、平和を求める沖縄の声に耳を澄まし、沖縄がこれまで過重な基地の負担に耐えてきた心に思いをいたし、基地問題で早急に沖縄大田知事と対話し、経済的にも最大限誠実に支援することが総理の責務であると申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(橋本龍太郎君) 福本議員にお答えを申し上げます。
 まず、沖縄経済の現状についてのお尋ねがございました。
 沖縄が本土復帰以来、振興開発計画に基づくさまざまな施策により、総体として発展はしてまいりましたが、依然として公共投資や基地収入への依存度が高く、また製造業の伸び悩みなどの課題を抱えておることは事実であります。さらに失業率も特に若年層において高い。たびたび、今まで知事との会談の中でもそれが問題になってまいりました。
 私は、沖縄県が地域経済として自立できるように、今般の沖縄振興開発特別措置法の改正を含め、沖縄の産業振興のためのさまざまな施策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、代替ヘリポートの問題について、普天間飛行場を固定するという視点での御議論をいただきました。
 しかし、現実に市街地の中にあり、学校等も周辺にあります普天間基地を、今よりもはるかに縮小した規模において海上に移設し、しかも移設可能な形態をとるというものは、私は固定というものではないと思います。そして必要がなくなりました場合撤去できるという要件は、私は海上ヘリポートという形が一番望ましい形と、そのような考え方でこれをまとめてまいりました。
 次に、沖縄基地の県外移転について御意見をいただきました。
 SACO最終報告におきましては、KC130の岩国飛行場への移転、県道一〇四号線越え実弾砲兵射撃訓練の本土演習場への移転、既に本土への移転案件も含まれており、実施されておるものも出てきていることは御承知のとおりであります。
 いずれにいたしましても、米軍施設・区域の整理、統合、縮小について、県から伺った意見も踏まえながら、日米両国政府が最大限の努力を払った結果として取りまとめたSACOの最終報告、その内容を着実に実施することが、一歩一歩沖縄県民の負担を軽減する一番確実な道であると私は考えております。
 次に、全県自由貿易制度の導入についてのお尋ねがございました。
 自由貿易地域を全県化することにつきましては、地元産業に与える影響など、御地元においても多くの問題がございます。さらに検討が必要だと考えております。県が早急に実施するよう要望しておられる地域限定による自由貿易地域制度の拡充強化については、今回の沖縄振興開発特別措置法の改正によりまして、抜本的な振興税制の導入など、所要の措置を行っているところでありまして、この早期成立をぜひお願い申し上げたいと存じます。
 また、この沖振法改正案について、政令にゆだねるという点についての御批判をいただきました。
 専門的、技術的な事項のほかに、時宜に応じ、あるいは地域の実情に即して臨機に対応する必要のある事項等につきましては、合理的な範囲内で政令以下の行政命令に委任するというのが従来からの考え方であります。この法案における政令委任も、この範囲を超えるものではなく問題はないと思っております。
 また、沖縄経済振興プランについてお尋ねがございました。
 プランの策定に当たりましては、昨年十一月、沖縄県から政府に対し御要望のありました国際都市形成に向けた新たな産業振興策、また、沖縄振興開発計画、現在最終取りまとめ段階にあります新たな全国総合開発計画をも重要な参考としながら、今後、県のお考えもなお十分にお聞きをし、具体的な策定時期等も含め、さらに検討を行う予定としております。
 大田知事にお目にかかる意思はございますということを先ほども申し上げましたが、昨年十二月にお目にかかりましたとき、一月中旬までの時間をとおっしゃいましたのは、私ではない、知事さんの方でありまして、その後、双方の日程調整がつかず今日に至っておりますけれども、なおお目にかかる意思を持っておりますことを再度申し上げます。
 残余の質問につきましては、関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣鈴木宗男君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(鈴木宗男君) 福本議員から、基地の県外移転についてのお尋ねがありましたが、私は、沖縄の痛みは少しでも分かち合おうと思って、今総理からもお話がありましたけれども、あのキャンプ・ハンセンにおける県道一〇四号越えの実射訓練を私の選挙区の矢臼別演習場に一番目に誘致したということ、この事実だけはしっかりとおわかりをいただきたいと、こう思います。
 また、政令の制定に当たっては、現在、県さらには経済界から、面積については三十ヘクタール、雇用規模については二十人程度にしていただきたいという要望がありますので、今、鋭意検討中でありますけれども、県の要望、経済界の要望に沿って政令指定をしていきたいと、こう思っております。(拍手)
   〔国務大臣久間章生君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(久間章生君) 普天間飛行場の県外移転についての御質問でございますけれども、沖縄に所在する海兵隊は、水陸両用作戦を実施する空地一体となった部隊でございまして、普天間飛行場に駐留する海兵隊の航空部隊はその一翼を担っていること、また、練度維持のため地上部隊と航空部隊が一体となって効果的な訓練をする必要があり、そのため航空部隊が陸上部隊の近傍に所在する必要があることなどから、代替へリポートを沖縄県における他の施設・区域に建設することとしたものでございます。このような結論は、海兵航空隊の任務及び地上部隊が沖縄県に駐留していることを考慮すると、普天間飛行場の返還を実現するための現実的な方策としてやむを得ないことを御理解いただきたいと思います。
 防衛庁としましては、現時点における最良の選択肢として提示しましたこの海上へリポートの実現に向けまして、引き続き大田知事を初めとする地元の御理解と御協力が得られるよう、粘り強く取り組んでまいりたいと思います。(拍手)
#43
○副議長(松尾官平君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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