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#1
第142回国会 本会議 第22号
平成十年四月二十二日(水曜日)
   午後零時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十二号
  平成十年四月二十二日
   正午開議
 第一 船員職業安定法及び船舶職員法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業
  団法の一部を改正する法律案(趣旨説明)

     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。交通・情報通信委員長川橋幸子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔川橋幸子君登壇、拍手〕
#4
○川橋幸子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、交通・情報通信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、海上企業の人材確保の必要性や近年における船員をめぐる社会経済情勢の動向にかんがみ、文書等による船員の募集を自由に行うことができることとするとともに、千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の締約国が発給した資格証明書を有する者が、運輸大臣の承認を受けて、船舶職員になることができる制度を創設することとする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、国際船舶への日本人船長・機関長の二名配乗体制の具体的な実施方法、日本人外航船員の減少傾向の現状と原因、日本籍船の減少防止対策、小型船舶操縦士資格のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党筆坂委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、三項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#6
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#7
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百九
  賛成            百九十四
  反対              十五
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#8
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。谷垣国務大臣。
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(谷垣禎一君) 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 これまで、動力炉・核燃料開発事業団は、昭和四十二年に設立されて以来、原子力基本法に基づく原子力の開発機関として、高速増殖炉及び新型転換炉に関する開発、核燃料物質の生産及び再処理、核原料物質の探鉱等を行うことにより、我が国の原子力の開発及び利用の促進に寄与するといった重要な役割を担ってきたところであります。しかしながら、平成七年十二月に高速増殖原型炉「もんじゅ」において、また、平成九年三月にアスファルト固化処理施設において事故を起こし、さらに、それらに関連して虚偽報告や不十分な通報連絡といった一連の不適切な対応がなされました。
 このようなことから、同事業団を抜本的に改革することとし、その体質及び組織、体制について徹底的にチェックするため、組織論や危機管理等に関する有識者で構成する動燃改革検討委員会を設置し、その改革の方向について検討を行ったところであります。
 本法律案は、動燃改革検討委員会報告書、原子力委員会高速増殖炉懇談会報告書等を踏まえ、これまでの動力炉・核燃料開発事業団の業務を抜本的に見直し、整理縮小するとともに、経営の刷新や機能強化を図り、核燃料サイクルの技術的な確立に向けた開発や、これに必要な研究を行う法人として再出発させるために必要な措置を講じるものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明いたします。
 第一に、改組後の法人の名称を核燃料サイクル開発機構に改めることとしております。
 第二に、立地地元重視の観点から、同機構の主たる事務所を茨城県に置くこととしております。
 第三に、同機構における業務運営の透明性を確保するとともに、社会等との乖離を未然に防ぐため、内閣総理大臣の認可を受けて理事長が任命する委員により構成される運営審議会を設置することとしております。
 第四に、同機構は、これまでの業務のうち、新型転換炉に関する開発、ウラン濃縮を含む核燃料物質の生産を行う等の業務を整理縮小することとし、核燃料サイクルを技術的に確立するために必要な高速増殖炉、核燃料物質の再処理、高レベル放射性廃棄物の処理及び処分等に関する開発及びこれに必要な研究を行うとともに、その成果の普及を行う等の業務を行うこととしております。
 なお、これまで同事業団が行ってきた新型転換炉に関する開発等の業務につきましては、同機構の業務の特例として、適切な期限を設けて業務の廃止に向けた準備を行うとともに、その後においても、当分の間、それら業務に伴い発生した放射性廃棄物を管理する業務、施設を廃止する業務やその措置に関する技術の開発等を行うこととしております。
 第五に、同機構の業務の運営につきましては、安全の確保を旨としてこれを行うものとし、適切な情報の公開により業務運営における透明性を確保するとともに、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならないこととしております。
 以上が原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。小林元君。
   〔小林元君登壇、拍手〕
#12
○小林元君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 私の地元であります茨城県は、動燃を初め原研といった原子力の研究開発機関が所在し、また、我が国で初めて商業用の原子力発電が行われた地であって、いわば原子力開発利用のメッカとも言えるところであります。
 しかしながら、動燃は、敦賀市に引き続き東海村でもたび重なる重大な事故を起こし、さらにゆゆしきことに、それらの事故に関連して、虚偽報告や不十分な通報連絡といった不適切な対応が重ねて行われたのであります。「もんじゅ」事故の教訓が生かされていれば、昨年三月のアスファルト固化処理施設における火災爆発事故は防げたのではないかと思います。まさに、地元住民に対する裏切りともとれる事態でありました。
 これまで原子力開発利用は、国民の理解と協力を得つつ、安全の確保を大前提として進められてきたはずです。このように、地元住民を初め国民の信頼に反し、ひいては原子力開発利用そのものへの不信感を招き、不安感を増幅したことは非常に遺憾であります。資源の乏しい我が国にとって、原子力は選ばざるを得ない選択肢の一つであるだけに、できるだけ早急に動燃を抜本的に改革し、損なわれた国民の信頼が回復されるよう努めることが最重要課題と考えております。
 そこで、今回の動燃改革について、総理はどのように評価されているのか、また、国民の信頼回復への道筋をどのように考えているのか、お伺いしたい。
 今回の改革は、動燃改革検討委員会の報告書を踏まえて取り組まれていると聞いています。その報告書においては、動燃の体質及び組織、体制について徹底的にチェックした結論を一言でまとめると、経営の不在としておりますが、これを改めることは非常に難しいことだと思います。しかしながら、これを乗り越えなければ動燃の再出発はあり得ないわけであり、我が国の核燃料サイクル確立に向けた研究開発の担い手を喪失することになります。
 そもそも動燃改革は、法律をつくることによって実現をするといった性格のものではありません。あくまでこの法案は動燃改革の骨格を定めるものにすぎないのであって、真の意味での改革が達成されるかどうかは、実態的にどのような取り組みをしていくのかで決まるものと考えます。
 そこで、動燃改革については、この法律改正以外にどのような取り組みが行われているのか、科学技術庁長官にお伺いしたい。
 また、どんなに法律や制度を変えたところで、動燃の体質そのものが変わらなければ何の意味もありません。見せかけだけの改革に終わらせないためには、その閉鎖性を改善し、常に国民の目にさらされるよう、業務運営の透明性を確保しなければなりません。既に昭和三十年に制定されました原子力基本法において、民主、自主、公開の三原則がいち早く定められています。我が党初め野党四党は情報公開を最重要課題と考え、そのための法案を提出しております。
 そこで、国民にわかりやすい情報の積極的な公開に向けて、国及び改組後の法人においてはどのように取り組みを行っていくのか、科学技術庁長官、先導的役割を果たしていただきたいと存じます。御決意を伺います。
 今回の改正により、これまでの動燃の業務を抜本的に見直し、整理縮小するとともに、核燃料サイクルの技術的な確立に必要な業務に重点化されております。しかしながら、その整理縮小の内容を見ますと、既に実証炉の建設中止が決定していた新型転換炉開発や、民間により事業が円滑に進められる段階を迎えているウラン濃縮開発など、この改革以前にそもそも整理されるべきではなかったかと思います。まさに、これは科学技術庁及び動燃における問題の先送り体質のあらわれととらえることができるのではないでしょうか。
 その意味で、今後の業務運営に当たってはスクラップ・アンド・ビルドを徹底するとともに、適時適切に業務の見直しが行われるべきと考えますが、総理の御所見はいかがでしょうか。
 また、今回の改革に当たって、動燃における業務の肥大化が指摘されていることにかんがみれば、商業化のめどがつくなど民間で実施すべきものについては、核燃料サイクル開発機構においては業務として行えないように明確にすべきと考えますが、科学技術庁長官のお考えはいかがでしょうか。
 今回の一連の不祥事については、その責任は動燃にあることは明らかです。しかしながら、監督官庁である科学技術庁の責任も重大であると思います。同罪だと言っても過言ではありません。そこで、動燃の一連の事故や不祥事を踏まえて、科学技術庁においてはどのように自己改革に取り組んでいるのか、科学技術庁長官にお伺いしたい。
 次に、原子力政策について幾つかお伺いします。
 プルサーマル計画については、プルトニウムの需給調整のための数合わせとの声があります。また、現段階においては、プルトニウム利用の主役である高速増殖炉の実用化についての見通しも立っておりません。使用済み燃料については、いわゆるワンススルーといった使い捨て路線をとっているアメリカのような国と、我が国のように再処理リサイクル路線をとっている国がありますが、その選択についてはもっと柔軟に対応すべきと考えます。
 使用済み燃料が資源的な観点から価値があるものならば、資源の少ない我が国としては、それを有効に使っていくことは意義のあることと思います。しかしながら、現段階において、帳じり合わせが必要な再処理を行う必要はなく、将来、プルトニウムを有効に利用できる状態になるまで、使用済み燃料を再処理せずに保管しておくべきと考えますが、総理の御見解をお伺いしたい。
 また、プルサーマルについては、諸外国においては二十年以上前から行われており、技術的に確立したものであるとも聞いております。「もんじゅ」事故への対応も進まない中、突然昨年二月に軽水炉でのプルトニウム利用を開始することが閣議了解されました。プルサーマルが余剰プルトニウムの帳じり合わせではなく本当に意味のあるものならば、我が国において核燃料サイクルの基本方針や、その中でのプルサーマルの位置づけをもっと明確にして推進すべきであると思うのですが、諸外国に比べ、我が国においてプルサーマルがおくれている理由について、科学技術庁長官、どのようにお考えでしょうか。
 冒頭申し上げましたように、私の地元におきましては、国内初の商業用原子力発電所である日本原子力発電東海発電所が昭和四十一年以来、三十余年にわたる運転をこの三月三十一日に停止いたしました。原研JPDRの先例はありますが、今後は国内の商業炉では先例のない解体、撤去が行われると聞いております。
 運転を終了した原子力施設を早期に解体、撤去することは、今後の原子力立地政策上非常に有効なことと考えます。しかしながら、当原子力施設の解体に伴って十六万トンの廃棄物が生じ、そのうち放射線のレベルが異なるさまざまな放射性廃棄物が二万三千トンと大量に発生いたします。そのレベルに応じた分類をするなど、いかに合理的に処理、処分をするのか、バックエンド対策を早急に確立する必要があります。
 そこで、原子力施設の解体廃棄物の処分に関する基本的な考え方について、総理の御見解をお伺いしたい。
 ただいま申し上げましたように、我が国初の商業用原子力発電所が営業運転を停止したところでありますが、現在稼働中の原発五十一基のうち、二十年を経過した原発は十三基に及んでおります。新規立地が容易に進まない状況下で、これらの発電所の耐用年数を少しでも延長したいと考えることは容易に想定できます。古くなった施設に関しては、新しい段階では余り問題とならなかったような項目についてまで十分にチェックする必要があるのではないかと思います。この問題は、それぞれの電力会社が個別に対応するといった性格のものではなく、国の方針として統一的に対処すべきものと考えます。
 そこで、商業用の原子力発電所の高経年化対策については、十分な安全確保を図るため国による指針が必要と考えるが、総理の御見解をお伺いしたい。
 これまで、幾つか原子力政策についてお伺いしましたが、今後の原子力政策につきましては、原子力委員会の定める原子力の研究開発及び利用に関する長期計画を基本としているものと理解しております。現行の平成六年に定められた長期計画は、その後の状況の変化に対応したものになっておりません。例えば、平成七年には新型転換炉実証炉の建設中止が決定されました。この動燃改革や高速増殖炉懇談会報告書の内容もいまだ反映されたものとはなっておりません。早急に長期計画を改定すべきと考えますが、原子力委員会委員長たる科学技術庁長官の御見解をお伺いしたい。
 地元茨城県では、四月一日に原子力施設と県、市町村が締結している原子力安全協定が改正され、また、東海村では初めて原子力対策課が創設されまして対策の強化に努めております。
 国においても、動燃による一連の事故や不祥事によって損なわれた、地元住民を初め国民の信頼が早急に回復されるよう、真の動燃改革の達成に向けたさらなる努力を強く要求するものであります。
 最後に、阪神大震災、動燃事故、ペルー事件などが続発し、政府の危機管理能力の欠如が露呈し、また、住専問題や金融破綻が相次ぎ、橋本不況と断じざるを得ない深刻な状況にあります。臨機応変と称し、小出しのびほう策の連続で後手に回り、国民に何の希望も与えておらず、先行き不安は募るばかりです。
 大河ドラマで登場する水戸藩主徳川斉昭は、日本一の藩校弘道館を開校しました。その弘道館において吉田松陰が尊敬しました会沢正志斎総裁のもとで、徳川慶喜は先見性、実践性、国家的視野を重視する水戸学の真髄を学んだのであります。
 今、第三の国難の時代と言われておりますが、総理、進むも引くもあなた御自身の選択であります。武士道を重んずる橋本総理、慶喜に学び、国家国民のため、身を捨てて大政奉還を決断すべきことを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) 小林議員にお答えを申し上げます。
 まず、動燃改革についての評価及び国民の信頼回復についてお尋ねがありました。
 動燃改革の内容は、事業をスリム化するとともに、安全確保を旨として、適切な情報公開により業務運営の透明性を確保しながら、裁量権と責任を明らかにした体制を整備するのが妥当と判断しております。今後とも職員の意識改革を初め改革の努力を継続し、国民の信頼を回復していくことが重要だと考えております。
 また、適時適切に業務を見直すべきだという御指摘をいただきました。
 動燃問題の原因の一つは業務の肥大化であり、機構においては核燃料サイクルの技術的な確立に必要な業務に限定をしております。今後とも、スクラップ・アンド・ビルドの考え方も踏まえながら、定期的に業務を見直し、必要な場合には民間等に業務を移管するなど適切に対応してまいりたいと思います。
 次に、プルトニウムの利用の見きわめがつくまで使用済み燃料を保管すべきという御意見をいただきました。
 資源の乏しい我が国としては、使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウム等を再利用することとして、まずプルサーマルを進め、プルトニウム利用を着実に推進することが重要ではないかと考えております。
 次に、原子力施設の解体廃棄物の処分についてお尋ねがありました。
 解体で生じる廃棄物のうち、放射性廃棄物は一部であり、大部分は産業廃棄物と同様に扱われるものであります。この放射性廃棄物については、放射能レベルに応じて適切に区分をし、既に処分が行われている原子力施設の運転に伴って生じる放射性廃棄物と同様に、安全確保を大前提として合理的に処理、処分を進めてまいりたいと思います。
 次に、原子力発電所の高経年化対策につきましてのお尋ねをいただきました。
 通商産業省におきまして、平成八年四月、「高経年化に関する基本的な考え方」に関する報告書を取りまとめ、高経年化した原子力発電所の点検、検査の充実等、安全確保のための具体的な取り組みについて基本的な方針を示したところでありまして、今後も高経年化対策に万全を期してまいりたいと思います。
 最後に、御忠告をいただき、ありがとうございました。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(谷垣禎一君) 小林議員にお答えいたします。
 まず、動燃改革につきまして、法律改正以外の取り組みはどうなっているかというお尋ねでございますが、改革を実現して、新法人の器に、仏に魂を吹き込んでいくためには、まず動燃職員一人一人が新たな法人として出直す覚悟で意識改革に努めることが大事であります。このための環境づくりに努めているところでございます。
 また、動燃におきまして、徹底した職員の研修あるいは全施設設備の総点検による安全性の向上など、抜本的な改革に向けた具体的な作業を進めております。
 次に、情報公開についてのお尋ねでございます。
 今回の法改正で、二十六条に適切な情報公開を新しい機構の責務として規定しております。それとともに、現在の動燃においても、既に情報公開指針をつくりまして情報公開に努めております。また、国におきましては、会議の公開のほか、審議会が報告書を取りまとめる際に国民の意見を聴取する等の措置を講じているところでございます。今後とも、わかりやすい情報の提供などに積極的に取り組んでまいります。
 それから、機構の業務の明確化についてのお尋ねがございました。
 動燃におきましては、業務の肥大化があったという反省に立ちまして、今回の改正においては、御指摘のように民間で実施すべきものについては機構の業務としては行わない、そのように第二十四条第一項第一号によりまして、核燃料サイクルを技術的に実施し得る水準に達するための研究開発までが業務の範囲であることを明確に限定しているところでございます。
 それから、科学技術庁の自己改革についての御質問がございました。
 一連の事故、不祥事は、まず当事者である動燃がその責めを負うべきでございますが、動燃を指導監督する当庁の責任も重大であったと認識しております。現在、二十四時間の連絡通報体制の整備や現場重視の法人監督の徹底など、具体的な改革を進めております。
 今後とも、動燃改革はもとより、科学技術庁としても自己改革を着実に進めまして、原子力行政に対する国民の信頼を速やかに回復できるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。
 それから、諸外国に比べプルサーマルがおくれているのはなぜかという御質問でございました。
 我が国では、原子力開発利用に着手した初期段階から、プルサーマルの実施を目指して関連する研究開発を進めてきたところであります。その上で、燃料となるプルトニウムの回収状況等も踏まえまして、去年の二月に早急に開始する必要があるという閣議了解をいたしました。
 現在、これに沿って、安全確保を大前提に、地元を初め、国民の理解を得ながら、プルサーマル計画が円滑に実施できるよう努力してまいります。
 それから、原子力開発利用長期計画を改定すべきだという御指摘でございました。
 平成六年に策定されました現行の長期計画については、これを我が国の原子力政策の基本としつつも、その後、新型転換炉実証炉計画の中止あるいは高速増殖炉に関する部分の見直しなどにつきまして、適宜原子力委員会決定を行うなど、柔軟な対応をとっているところであります。
 今後とも、諸情勢の変化や政策の進捗状況をレビューし、そして長期計画のあり方などの議論を進めながら、適切な政策展開を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(斎藤十朗君) 松あきら君。
   〔松あきら君登壇、拍手〕
#16
○松あきら君 公明の松あきらでございます。
 私は、公明を代表しまして、ただいま議題となりました原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案につき、総理並びに担当大臣に質問をいたします。
 昨年十二月、地球温暖化防止京都会議におきまして、温室効果ガス削減率などを内容とする議定書が採択されました。CO2を削減することは、これ以上化石燃料をエネルギー源としないこととも言えます。
 しかし、私たちの生活は電力なしには瞬時も成り立ちません。一般家庭に普及している家電製品の待機電力だけでも百万キロワットの発電所一基を必要とするとも言われております。豊かな生活を求めてますますその需要がふえることが予想されます。
 既に日本の電力の三分の一は、原子力発電が国民生活を支えている今日、日本のエネルギーの将来について、化石エネルギーから原子力エネルギーにそのほとんどを頼ることにするのか、新エネルギー、代替エネルギーの研究開発に本格的に着手するのか、ここで改めて中長期のエネルギー政策の見通しが真剣に検討されなければなりません。総理の御所見を伺いたいと思います。
 さて、原子力が日本の将来のエネルギーとして期待されていても、平成七年十二月に高速増殖炉「もんじゅ」において、また、平成九年三月にアスファルト固化処理施設において事故を起こし、さらに、それらに関連して、虚偽の報告や不十分な通報連絡といった一連の不適切な対応を行ってきたことから、国民の原子力に対する信頼感は大きく損なわれました。原子力は何か恐ろしいもの、危ないもの、えたいの知れないものといった認識は国民の一般的な感想であると思います。政府は、原子力に関して情報を積極的に開示していくという姿勢に欠けていたからです。
 十分な情報開示と安全対策こそが国民の安心感と信頼感を育て、それは原子力に対する国民の合意形成へとつながっていくと思っております。原子力に対する国民合意形成への努力と決意を総理にお伺いいたします。
 次に、プルトニウム利用政策についてお伺いします。
 エネルギー資源の乏しい我が国としては、ウラン燃料の有効利用を図る観点から、原子力発電所から出てくる使用済み燃料を再処理し、そこから取り出されるプルトニウムを有効利用することを基本としております。その一環として、現在、軽水炉でプルトニウム燃料を燃やすプルサーマル計画が具体化しつつありますが、プルサーマルの安全性、必要性について、地元住民を初め国民に対し、全くといってよいほど浸透しておりません。
 政府が前面に出て、核燃料サイクルの必要性、プルサーマルの安全性などについて、地元では説明を始めているようですが、電力の大消費地でもきちんと説明すべきであると思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 二月にフランスでは、高速増殖炉スーパーフェニックスの放棄が決定されました。フランス以外にも、既にアメリカやイギリスなど先進国が相次いで撤退する中、我が国だけが研究開発を進めていくのか。しかも、昨年十二月に原子力委員会が取りまとめた高速増殖炉懇談会の報告書では、現行の原子力長期計画に明記されていた実用化時期など、具体的なスケジュールが記述されておりません。このような不透明な中で、なぜ巨額の国費を投入して研究開発を進めていくのか、その意義を、総理、国民にお示しください。
 国民の皆さんは、核物質は高度な知識と経験を持った方々によって、厳重な管理のもとに置かれているに違いないと信じております。しかるに、八つの国立大学において、国の承認を得ていないウランやトリウムが約千五百個、約五十四キロも放置されていたということが、先日、判明いたしました。私たちが最も信頼してきた大学の管理のいいかげんさもさることながら、新聞に取り上げられながら、調査もせず放置していた国の責任は重大です。また、管理を甘く見る雰囲気が大学にあるのであれば、これもゆゆしき問題です。
 また、去る九日には、原子炉の構造材料などの試験をする日本核燃料開発という企業において、放射能を帯びた試験用の金属材料片が十九個もなくなっていたばかりか、紛失したことを何カ月も国に報告しなかったということも判明いたしております。
 これらは、いずれも原子力関係者の意識の低さのあらわれであるばかりか、このようなことは、国民が原子力利用に不信を抱く原因となります。原子力政策を語る以前の基本にかかわる問題であると思います。総理及び国がまず意識を変えるべきです。総理及び文部大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
 次に、動燃の今後のあり方についてお伺いします。
 まず、動燃の情報公開についてであります。
 動燃の情報公開指針については、動燃の研究成果発表程度のものとの評価がなされております。本当に情報公開で望まれていることは、経営の実態、科学技術庁、通産省とのやりとりである通達、指示、報告などについてであると思います。特に、事故隠しや情報改ざんなどにより信用を失墜した後ということを考えれば、経営及び管理にかかわる実情がわかるような資料も公開の対象とすべきと考えますが、科学技術庁長官、いかがでしょうか。
 次に、新法人の事業の撤退に係る雇用問題についてお伺いします。
 新法人が新型転換炉、ウラン濃縮、海外ウラン探鉱から撤退するとのことですが、撤退に際して、これまで動燃の事業に協力してきた地元の意向も十分に反映させる必要があると考えております。
 聞くところによれば、跡地に宇宙ごみ監視施設を建設するなど、計画が報道されておりますが、新型転換炉「ふげん」の立地している福井県、ウラン濃縮原型プラントの立地している岡山県ともに、事業撤退に伴う経済影響や雇用を懸念しているとのことです。円滑なる事業の撤退に向けて、地元の方々の雇用など心配のないよう、しっかり対策を講ずるべきです。こういうことをしっかり手当ていたしませんと、今後どこも国の原子力政策に協力をしなくなると思います。総理、お約束願えますか、お伺いいたします。
 最後に、平成八年に科学技術基本計画が策定され、五年間で十七兆円の規模まで引き上げるということで、科学技術にとって一見追い風の状況になっております。
 しかし、一方、国及び地方が五百兆円近い長期債務を抱え、財政構造改革が急務となっている現在、国としてどの分野にどれだけの予算を重点的に配分し、プロジェクト完成までどれだけの期間かけるのか、国家的な戦略的判断が当然なされなければなりません。特に、科学技術の研究開発に要する費用は莫大なものがあります。科学技術研究開発だからといって、あらゆるところに漫然と予算がつけられるようなことはいつまでもやっていてはいけないと思います。
 このような見地から、科学技術戦略は、国家戦略として、だれがどういうシステムで今後構築していくのか、総理に御所見を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 松議員にお答えを申し上げます。
 まず、中長期のエネルギー政策の見通しについてお尋ねがありました。
 議員も引用されましたように、昨年、COP3が京都で開かれました。そして地球温暖化防止等の環境問題に配慮し、エネルギーの安定供給を確保しながら、国民経済の健全な発展を図ることが我が国のエネルギー政策の基本であります。そのため、化石燃料の安定供給を図ると同時に、新エネルギーの開発利用の促進、原子力の推進等、バランスのとれたエネルギー供給の確保に努めてまいります。
 次に、原子力についての国民合意というお尋ねをいただきました。
 もとより、原子力の開発利用を進めるに当たっては安全が大前提であり、国民の理解と協力が不可欠であります。動燃の一連の問題により、原子力行政に対する不安、不信が広がったことは極めて遺憾であり、十分な情報の公開のもと、安全確保を大前提にし、原子力についての国民的合意の形成に努力していかなければならないと思います。
 また、核燃料サイクルの必要性などについて、大消費地でも説明すべきであるという御指摘をいただきました。
 地元での討論会等の開催とともに、東京、大阪等におきましても、原子力政策円卓会議、原子力に関するシンポジウムの開催等を行ってまいっており、今後とも核燃料サイクルなどにつき、電力消費地の方々を含め、国民一人一人に考えていただけるような環境づくりに努めてまいります。
 次に、高速増殖炉の研究開発の意義ということをお尋ねになりました。
 原子力委員会の高速増殖炉懇談会で取りまとめられた報告書では、高速増殖炉は将来の非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢であり、その実用化の可能性を追求するために研究開発を進めることは妥当といたしております。今後とも研究開発の意義等について、広く国民の理解が得られるよう努力をしてまいります。
 次に、国立大学等の例を引き、核物質の管理に対する意識改革についてのお尋ねがありました。
 核物質を適切に管理するということは、原子力に携わる者に求められる必須の条件とも言うべきものであります。安全の確保に万全を期すことはもちろんのことでありますが、核不拡散という観点からも、原子力利用についての不信感を惹起することのないよう、核物質管理についての意識の向上に努めてまいりたいと思います。
 また、事業撤退に向けた対策についてのお尋ねがありました。
 事業の撤退に当たりましては、急激な地元への影響を避け、ソフトランディングを図るという観点から、撤退までの期間を五年以内とすること、施設の廃止に必要な技術の研究開発を進めることなどにより、結果として、地元影響の緩和を図ることにしています。今後とも、地元の要望を聞きながら適切に進めてまいります。
 次に、科学技術戦略についてお尋ねがありました。
 科学技術は国の戦略的取り組みが重要であり、科学技術基本法においても、また、科学技術基本計画におきましても、我が国の研究開発資源を重点的に投入する基本的方向等を決めてまいりました。今後とも、厳正な研究評価の実施、科学技術会議の活用等により、政府として戦略判断を行ってまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(谷垣禎一君) 松議員にお答えいたします。
 情報公開につきまして、経営、管理に関する資料も含めるべきだという御意見でございました。
 動燃では、閉鎖的な体質が指摘されております。それを改めていくためには、積極的に情報を公開し、あるいは発信して、それに対する国民の声を的確に業務運営に反映させていくということが極めて大切だと思っております。そこで、今回の法改正におきましても、第二十六条で適切な情報公開、これを機構の責務として規定しております。それとともに、動燃におきまして情報公開指針を定めまして、積極的な情報公開に努めているところであります。
 御指摘の経営、管理に関する情報につきましても、この情報公開指針に沿って、プライバシーに関する情報など特殊なものを除いて公開していくべきものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(町村信孝君) 松議員にお答えを申し上げます。
 国立大学における核燃料物質の管理についてのお尋ねでございました。
 文部省におきましては、国立大学における核燃料物質の管理の適正を期する観点から、既に平成八年度から、大学の専門の研究者により、大学における核燃料物質の管理について実態調査を行ってきたところでありまして、その結果、適正な管理が求められる核燃料物質の存在が明らかになったものであり、この調査結果が新聞等で報道されたわけでございます。
 文部省としては、この調査結果を踏まえまして、今月十五日に、これらの核燃料物質が発見をされました八つの国立大学に対しまして、全学的、組織的な対応の体制の確立、二番目に、今回存在が明らかになった核燃料物質の関係法令に基づく速やかな処理を指導したところでございます。
 これ以外の国立大学につきましても、早急に実態調査を進めることといたしておりまして、今後とも、科学技術庁と緊密な連携を図りながら、核燃料物質の管理の徹底を期してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
#20
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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