くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第142回国会 本会議 第25号
平成十年五月十一日(月曜日)
   午前十時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十五号
    ─────────────
  平成十年五月十一日
   午前十時三十分 本会議
    ─────────────
 第一 大規模小売店舗立地法案、中心市街地に
  おける市街地の整備改善及び商業等の活性化
  の一体的推進に関する法律案及び都市計画法
  の一部を改正する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 大規模小売店舗立地法案、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案及び都市計画法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 三案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。堀内通商産業大臣。
   〔国務大臣堀内光雄君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(堀内光雄君) 大規模小売店舗立地法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 我が国の小売業は、需要面ではモータリゼーションの急速な進展と消費者の生活様式の変化により、また、供給面では新たな業態の急速な成長等を背景に、大きな構造的変化を遂げつつあります。こうした中、単に規模の経済を追求するよりも、魅力ある商業集積の構築や情報化、システム化を進めることが小売業の競争上重要になっています。
 一方で、周辺の地域住民を主要な顧客とし、地域密着性が高いという特徴を有する小売業が健全な発展を図るためには、地域社会との融和が極めて重要であり、特に、近年、大規模小売店舗の立地に伴う交通渋滞や騒音等の社会的問題への対応について要請が高まっています。
 これらを背景に、事業活動の調整を行う現行制度の限界が指摘されており、社会的問題に対応し、新たな実効性ある措置を講ずることが必要となっております。
 以上のような観点から、大規模小売店舗の設置者がその周辺の地域の生活環境の保持のための適正な配慮を行うことを確保することにより、小売業の健全な発達を図るべく、店舗の新増設に際し、都道府県等が生活環境の保持の見地から意見を述べるための手続等を定めるとともに、その意見を反映させるための措置を講ずるため、今般、本法案を提案した次第であります。
 次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、通商産業大臣は、大規模小売店舗の立地に関し、その周辺の地域の生活環境の保持を通じた小売業の健全な発達を図る観点から、大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項について指針を定めることとしております。
 第二に、大規模小売店舗の設置者が店舗を新増設する場合には、大規模小売店舗の施設の配置や運営方法等について都道府県等に届け出を行い、その内容を周知させる説明会を開催することとしております。
 第三に、この届け出内容について、市町村、地域住民、事業者、商工会議所または商工会その他の団体等は、都道府県等に意見を述べることができることとしております。都道府県等は、これらの意見に配意するとともに、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し、その周辺の地域の生活環境の保持の見地からの意見を述べることができることとしております。
 第四に、これに対する大規模小売店舗の設置者の対応が、都道府県等の意見を適正に反映しておらず、その周辺の地域の生活環境に著しい悪影響を及ぼす事態の発生を回避することが困難と認められるときは、都道府県等は、市町村の意見を聞き、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し、必要な措置をとるよう勧告できることとしております。さらに、正当な理由がなく、設置者が勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができることとしております。
 なお、このような新たな実効性ある制度が施行されることに伴い、現行の大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律は、本法で廃止することとしております。
 以上が本法案の趣旨であります。
 続きまして、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の地域の発展の中で、中心市街地は、文化、伝統をはぐくみ、経済社会活動を展開する町の顔であり、これまでも重要な役割を果たしてきました。こうした中心市街地は、今後とも、快適で利便性の高い生活空間として、また、人、物、情報等の活発な交流による新たな経済活動の苗床として、豊かで活力ある地域経済社会の実現に大きく貢献することが期待されます。
 しかしながら、近年、車社会の進展、土地利用の効率化のおくれ、中心商店街の疲弊等を背景として、中心市街地は空洞化が進行しつつあり、その再活性化は我が国が取り組むべき緊急の課題となっております。そして、この課題に取り組むに当たっては、土地区画整理事業や道路等の公共施設の整備と、中小小売商業を初めとする商業の面的な振興のための施策をあわせて実施することが不可欠となっております。
 以上のような観点から、中心市街地について、地域における創意工夫を生かしつつ、市街地の整備改善と商業等の活性化を車の両輪として関連施策を一体的に推進するため、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、主務大臣は、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に向けた市町村及び事業者の取り組みに関する基本方針を定めることとしております。
 第二に、市町村は、この基本方針に基づき、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化に向けた基本計画を作成することとしております。
 この基本計画には、本法律案に基づく措置を講じようとする中心市街地の位置及び区域、当該中心市街地において実施されるべき市街地の整備改善及び商業等の活性化のための事業の内容等を市町村が定めることとしております。
 第三に、市町村の作成した基本計画に定められた中心市街地の整備改善等を促進するため、土地区画整理事業を活用した公共施設の整備促進、地域振興整備公団による施設等の整備、都市公園の地下駐車場の整備を円滑化する手続の特例、都市再開発資金貸付制度の拡充等の措置を講ずることとしております。
 第四に、主務大臣の認定を受けた商業等の活性化のための特定事業計画及び中小小売商業高度化事業計画について、これらの事業を促進するため、産業基盤整備基金による債務保証等の実施、中小企業設備近代化資金貸し付けの特例、中小企業信用保険の特例、食品流通構造改善促進機構の業務の特例、道路運送法等の許認可の特例、通信・放送機構の出資、課税の特例等の措置を講ずることとしております。
 その他、国及び地方公共団体は、地域住民等の理解と協力を得るとともに、民間事業者の能力の活用を図るよう配慮し、また、施策全般にわたり総合的かつ相互に連携を図ることといたしております。
 以上が本法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(斎藤十朗君) 瓦建設大臣。
   〔国務大臣瓦力君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(瓦力君) 都市計画法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、地域の実情に的確に対応した市街地の整備の推進を図るため、特別用途地区の多様化及び臨港地区に関する都市計画の決定権限の見直しを行うとともに、市街化調整区域における良好な居住環境の維持及び形成を図るため、地区計画の策定対象地域及び開発許可の対象範囲の拡大を図る等の措置を講ずるものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の多様なニーズに対応し、用途地域の指定を補完してきめ細かな用途制限を実現するため、特別用途地区の類型をあらかじめ法令により限定せず、具体の都市計画において定めることができるものとしております。
 第二に、重要港湾以外の港湾に係る臨港地区に関する都市計画について、その決定権限を都道府県知事から市町村に変更することとしております。
 第三に、市街化調整区域における地区計画の策定対象地域について、小規模な事業が行われる土地の区域及び建築物の建築等が無秩序に行われ、不良な街区の環境が形成されるおそれのある土地の区域を追加するとともに、地区計画適合行為を市街化調整区域における開発許可の類型に追加することとしております。
 以上が都市計画法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。平田健二君。
   〔平田健二君登壇、拍手〕
#8
○平田健二君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま趣旨説明のございました大規模小売店舗立地法案並びに中心市街地活性化法案について、総理大臣並びに通産大臣にお尋ねをいたします。
 まず、大規模小売店舗立地法案について伺います。
 今日までの大店法は、戦前につくられた百貨店法の対象を、百貨店のみならずスーパーにも拡大する目的を持って昭和四十八年に制定されました。その歴史的背景から、この法律は大規模店舗と中小小売店との需給調整を目的としており、中小小売店を保護するために大規模店舗の出店を規制するというものでありました。昭和五十年代にはさらに規制が強化されるなど、我が国の保護行政の象徴的存在でありましたが、昭和六十年代に入り、規制の見直しを求める声が、特に市場開放を求めるアメリカから強くなり、昭和六十三年の臨時行革審答申や平成元年の九〇年代流通ビジョン、さらには平成二年の日米構造問題協議で規制緩和措置を講ずることが明記されるに至りました。
 一連の規制緩和措置が、政府や自民党による自発的な政策ではなく、アメリカを初めとする外圧によるものであったことは、堀内通産大臣が今月八日の記者会見で、WTOで審理された場合、限りなく違反に近い結論が出ると思うと発言されていることからも明らかであります。WTOで大店舗法が提訴されて初めて法改正に着手した政府・自民党の消費者不在の姿勢を強く糾弾するものであります。
 日米構造協議に端を発する規制緩和策は、平成二年以来段階的に行われてきましたが、本来なら需給調整を断念し、早急に政策転換を図り、総合的な施策を講じなければならなかったものでありますが、単に経済規制だけをなし崩し的に緩和したことにより、地域の商店街を衰退させ、一方で大型店の発展も妨げ、同時に交通渋滞や町の機能の衰退など、社会的な問題も生じさせてきたことは明らかであります。
 こうした現状をつぶさに検討していったとき、十数年来政策転換の必要性を指摘されながら、小出しの規制緩和策しか講じてこなかった政府の罪は明らかであり、今回の流通政策の転換は明らかに遅きに失したと断ぜざるを得ません。
 橋本総理は、自他ともに政策通を任じており、平成六年からは一年半にわたり通産大臣の職責にありました。なぜ、今日まで政策転換がおくれたのか、橋本総理はみずからの責任と反省をこの場で明らかにすべきだと考えますが、総理の所見を伺います。
 また、堀内通産大臣のWTOで違反の結論が出ると思うという八日の記者会見の発言と、日本政府の問題ないとしてきた立場との整合性について、釈明を願います。
 続いて、法案の内容について伺います。
 今回の改正は、需給調整を初めとする経済的規制から、騒音、交通、ごみ等の社会的規制へと転換したものだと言われております。その転換が本当であれば、従来の大店法と今回の大店立地法は、名前は似通っておりますが、その内容と方向性は全く異なったものであり、その両者は断絶した継続性のないものと考えますが、両者の関係について、総理並びに通産大臣に伺います。
 また、新聞等の報道によりますと、需給調整を初めとする経済規制の排除を明確にした通産省の原案が、与党の事前審査の中で玉虫色の表現が挿入されたということであります。法案の調整項目の中に、経済上の需要を勘案することはあり得ないかどうか、立地法にある「商業その他の業務の利便」という表現には受給調整的意味合いは一切入らないと理解してよいのか、伺います。
 次に、法案の具体的内容は、これから通産省で作成されるガイドラインで決められることになっておりますが、その内容こそが重要な問題であり、法律でしっかりと示すべきものであります。
 先日、訪米した我が党の菅代表に対し、アメリカ通商代表部のフィッシャー次席代表は、行政指導で業界を誘導する日本の官僚を指し、日本の官僚はパチンコ店のくぎ師だと、くぎの向き一つで玉の流れを変えられるくぎ師になぞらえた発言をしております。政府のこうした裁量行政の姿勢が対外的な不信を増幅させてきたことは明らかであります。
 この批判にあるように、ガイドラインが裁量的な参入規制となる懸念を払拭できるよう、定量的、定性的なルールをつくることが重要であり、また、そのルールづくりにおいては、通産省内部のみならず、当該業界、学識経験者、労働組合や住民代表など、幅広いメンバーによる透明な議論がなされることが大切だと考えますが、政府としてどのような対策を考えているのか、御答弁願います。
 また、法案では、従来すべての出店許可を国が一元的に管理するシステムから、県や市町村に権限が移譲されております。しかし、この点に関しては、市町村による恣意的な参入規制を招くとの批判もあります。商店街はある意味では政治的圧力団体となり得るものであり、各市町村長に対し絶大な政治力を保持していることが多くあります。市町村の恣意性の排除にどのような対策が講じられているのか、伺います。
 同時に、地方分権を推し進めていく際に、住民の政策決定過程への参画と、その前提としての情報公開ということが重要になろうかと思います。今回のスキームでは出店計画の申請先は県であり、その出店計画の公告縦覧が当該市町村でされる保証はありません。町づくりへの住民の積極的な参加を保障するためには、県庁に行かなくては出店計画の縦覧ができないということは論外であります。制度として、当該市町村の役場で縦覧できるよう、制度を整える必要があると思いますが、通産大臣の見解を伺います。
 次に、社会的規制として交通問題、駐車場対策も加えられました。
 しかし、交通渋滞の要因となるのは大型小売店だけではありません。昨今のスーパーは買い物だけでなく、食事や映画、ゲームなど時間消費型総合センターとして営業拡大をしておりますが、これらの中で駐車場に対する規制があるのは大型小売店だけということであれば、飲食店、ゲームセンター、パチンコなどあらゆるモータリゼーションを前提としたものと、法のもとの平等という観点からも逸脱しますし、法の抜け道もつくることになります。通産省所管の法律が警察や厚生省管轄のところにまで規制がかけられないというのならば、まさに縦割り行政の弊害をここに見る気がいたしますが、政府の見解を伺います。
 最後に、中心市街地活性化法案についてお尋ねいたします。
 法案では各行政区の中心市街地が計画の対象となっておりますが、商店街の衰退は中心地だけではありません。今回の法案の対象とならない地域の商店街こそ、その活性化が強く求められております。既に法律としては、特定商業集積整備法が平成三年に制定され、五十一市町村がその対象となっております。この法律の中で、内容が重複するところは中心市街地活性化法案に吸収されるべきでありますし、その分、中心地ではない地域密着の商店街対策を強化する必要があろうかと考えます。
 中心市街地活性化法案の提出とともに、特定商業集積整備法の改正強化が必要だと考えますが、地域商店街対策の強化について、総理並びに通産大臣にお伺いをいたします。
 さて、幾らよい法案を提出し、活性化のための体制が整ったとしても、国全体の景気がよくならなければ、大型店も商店街も活性化のしようがありません。昨年一年間のスーパー、デパートの売り上げは一昨年を大幅に下回り、最悪のダウン幅との結果が出ております。言うまでもなく、この不況は橋本内閣の景況判断の誤りによる政策不況であることは明らかであります。
 橋本総理、あなたはこの大切なときに政治空白をつくってはならないと繰り返し述べておられますが、もはや橋本総理のもとでは景気回復の希望を国民は描けない状況となっているのです。十六兆円もの巨額な税金を経済対策と称して投入しようとも、あなたが総理を続けている限り、我が国の経済政策を世界の市場は信用しないのであります。
 責任者というものは、たとえ優秀な人材でも、たとえ功績が大きかった人間でも、一度信頼を失ったら、かわらない以上世間は信用しないということが世の中に多くございます。今日の深刻な日本経済の状況を心の底から憂い、再建を願う立場から、橋本総理の高度な政治判断によるみずからの身の処し方を強く求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平田議員にお答えを申し上げます。
 まず、政策転換が遅きに失したのではないかという御指摘をいただきました。
 大店法は、大型店と周辺の中小店及び消費者との間の経済上の利益を調整する制度として、逐次法改正や運用の見直し等を行いながら、これまで一定の役割を果たしてまいりました。
 しかし、近年において特に顕著となった消費者ニーズの多様化、大型店の出店に伴う生活環境への影響緩和への要請の高まり、そして私が進める経済構造改革の中での経済的規制の見直しの機運等、時代の変化に対応するために、今回、政策転換が必要と判断したものであります。
 今回、国会に提出した関係する法律案等によりまして、地域社会と調和のとれた大型店の出店や、町の顔としての中心市街地の活性化を図るための実効ある新たな制度の構築を図りたいと考えております。
 次に、現行大店法と大店立地法との関係についてお尋ねがあり、もし、経済的規制から社会的規制への転換ということならば、両者は断絶した継続性のないものと考えるがという御指摘をいただきました。
 大店立地法は、小売業をめぐる近年の環境変化の中において、経済的規制としての現行大店法から政策転換を図り、大型店の出店に伴う生活環境への影響緩和への要請の高まりに対応するための制度を設けるものであります。したがって、御指摘のように、両者はその趣旨、目的を異にするものであります。
 次に、中心市街地でない地区の商店街対策についてのお尋ねがございました。
 中心市街地であるかないかを問わず、商店街は今大変厳しい経営環境に置かれております。このため、政府としては、特定商業集積法のほか、中心市街地でない地区につきましても、意欲のある商店街の活性化への取り組みに対する支援に努めてまいりたいと考えております。
 次に、今日の不況の責任についての御質問をいただきました。
 私の責任は、国政を停滞させずに、構造改革を進めながら、一刻も早く景気回復を図ることにあると考えております。今後とも、責任を持って、全力を尽くしていきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣堀内光雄君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(堀内光雄君) お答えを申し上げます。
 大店法とWTO協定との関係についてお尋ねがありました。
 WTOとの関係でいえば、我が国は米国との交渉の中で、大店法上の措置はサービス貿易一般協定に整合しない措置には当たらないと主張しております。しかしながら、同協定違反を主張する米国とWTOのもとでの二国間協議を行った結果、相互に満足すべき解決には達しておりません。依然として係争中であります。すなわち、米国がパネル設置要請の権利を有したまま模様眺めの状態で現在に至っておりまして、今後の見通しについては予断を許さない状況にあると認識をいたしているところでございます。
 なお、今回の大型店に対する政策の転換が外圧によるものとの御指摘がございましたが、今回の措置は、時代の変化に対応するため実効ある新たな制度を構築しようとするものでありまして、その背景の一つに、経済的規制たる大店法は廃止すべきとの国内外からの指摘があることは事実でございますが、あくまで我が国の判断として行うものでございます。
 現行大店法と大店立地法との関係についてのお尋ねでございました。
 今回の大型店に対する政策の転換は、御指摘のとおり、経済的規制たる大店法から転換をいたしまして、大型店の立地に伴って生ずる交通、騒音、廃棄物問題等の周辺生活環境への影響を緩和するため、大規模小売店舗立地法の制定を図ることとしたものでございます。
 その背景といたしましては、第一に、大型店の出店に伴う交通、環境問題に対して生活者としての住民の関心が高まっておりますが、商業調整法たる大店法ではこれらの周辺生活環境問題への関心に対応ができないということであります。
 第二に、中小小売業の事業活動の機会の確保の観点からいいましても、経済構造改革、特に規制緩和の流れの中で、経済的規制たる大店法による大型店の出店抑制を継続するには限界があります。また、地域と地域との間の集積問題、集積間競争が大きくなる中で、大と中小という対立の図式が崩れつつあることも確かであります。
 第三に、大店法を廃止すべきとの国内外からの指摘が存在することもあります。
 これらの点を総合的に踏まえまして、今般の政策転換を図ることといたしたものでございます。したがいまして、両者はその趣旨、目的を全く異にするものでございます。
 大店立地法の調整項目に、いわゆる需給調整の観点が含まれていることはないかというお尋ねでございました。
 今回の大型店に対する政策転換の考え方は、いわゆる経済的規制を廃止し、必要な社会的規制への転換を図ろうとするものでございます。大店立地法においては、大型店の立地に伴って生じ得る交通、騒音、廃棄物問題等の周辺生活環境への影響を緩和するためのスキームを用意することといたしております。
 したがいまして、御指摘のとおり、大店立地法においては、経済上の需要を勘案することはなく、また本法の「商業その他の業務の利便」という文言には需給調整的意味合いは一切入っておりません。
 次に、大店立地法の指針の策定についてのお尋ねがございました。
 指針は、周辺地域の生活環境の保持を図る観点から、大型店の設置者が配慮すべき具体的な内容を定めるものでございまして、都道府県等が本法の運用を行うに当たりまして、そのよりどころになるものであります。したがいまして、御指摘のように裁量的な参入規制とならないようにとの点も含めて、できる限り明確かつ具体的に規定をすることを予定いたしているところであります。
 しかし、具体的な策定方法につきましては、今後検討することといたしておりますが、御指摘のように、関係行政機関あるいは地方自治体、さらには生活環境に関する専門的知見を有する方々から、幅広く御意見を承りまして、検討を進めることといたしております。
 また、大店立地法の手続におきまして、地元の自治体が恣意的な参入制限を行うのではないかという御指摘がございました。
 大店立地法は、大型店の出店等に伴う生活環境上の問題について、地方の実情に応じた適切な対応を図るものでありますが、都道府県及び政令指定都市は、国が定める共通の手続のルールに従ってその運用を行うことといたしております。したがいまして、地方自治体の意見等につきましては、公告縦覧を求めるなど手続の透明性の確保を求めるとともに、国といたしましても、明確かつ具体的な指針の策定を行うことによりまして、御懸念のようなことのないように、本法の公正かつ適正な運用を図ってまいりたいと考えております。
 また、出店地の市町村役場で出店計画を縦覧できるようにすべきだという御指摘をいただきました。
 大店立地法の適切な運用のためには、先生御指摘のとおり、生活環境上の影響を受け得る住民の方々が容易に出店計画の内容を知り得ることが最も重要であると存じます。したがいまして、議員の御指摘は大変貴重な御指摘と受けとめましたので、書類等の縦覧の具体的な方法につきましては、先生御指摘の趣旨を踏まえて検討させていただきたいと思っております。
 また、交通渋滞の解決のために、大型店舗以外の施設も法律の対象とすべきとの御指摘でございますが、大型店舗は他の施設と異なりまして生活利便施設であるため、生活空間からの一定の範囲の近接地に立地をすることが不可欠であります。
 また、不特定多数の来客、車の利用度の高さ、大規模な物流などから見まして、他の大型建築物とは物理的に一線を画する実態を有する施設でございます。これに加えて、大型店舗が周辺の生活環境に及ぼす問題が現に顕在化している実情に着目をいたしまして、今回、大型店舗について固有の制度を構築することにいたしたものでございます。
 中心市街地でない地域についても、商店街対策を強化すべきではないかという議員の御指摘がございました。
 御指摘のとおり、近年、消費者のライフスタイルの変化、あるいはモータリゼーションの進展等の著しい環境変化に直面をいたしまして、中心市街地か否かを問わず、商店街は大変厳しい経営環境に置かれております。当省として、こうした厳しい環境に積極的に対応しようとする意欲ある商店街の方々に対しまして、中心市街地以外の商店街にも、御指摘の特定商業集積法のほか、各般の支援策を用意いたしまして、その拡充を図っております。
 具体的には、駐車場あるいは商店街の基盤整備への支援、空き店舗の有効活用、高齢者向けの宅配サービスなど、商店街活性化のための先進事業への支援、商店街カードの導入等の情報化への支援など、予算面において十分に対応いたしたいと考えているところでございます。
 当省といたしましては、これらの支援策の実施により、引き続き商店街の活性化に最大限努力をしてまいる覚悟でございます。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(斎藤十朗君) 岡崎トミ子君。
   〔岡崎トミ子君登壇、拍手〕
#12
○岡崎トミ子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま趣旨説明をされた都市計画法の一部を改正する法律案について、総理及び建設大臣に質問いたします。
 法案の質問に入る前に、町の活性化と都市計画についての基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
 日本じゅう至るところで空き店舗が増加し、商店街の活気が失われるという深刻な状況に直面しております。昨年四月の全国の商店数は百四十二万店で、九一年から過去六年間でおよそ十八万店が減少したという数字も報告され、毎日八十店以上が閉店したことになります。
 私の地元、宮城県でも同様です。仙台市内では駅から一キロも離れますと空き店舗が目立ち、地方ではシャッター通りがとても多くなりました。そしてコンビニエンスストアがふえ、巨大スーパーが郊外にという図式であります。日本じゅうどこでもこのような状況が生じているわけです。
 商店街は長い歴史の中で、人が集い、住み、形成されてきました。かつては人々の生活と助け合いとコミュニティーの場として存在してきました。便利さと新しさを求めてきた私たちは今、かつての商店街が持っていたよさに気づき始め、それを生かして時代に即応した町づくりをしていかなければならないという認識を持ち始めました。そのためにも地方分権を推し進め、それぞれの自治体が創意工夫をすることが大切になってきたと言えます。
 例えば、こんな町はどうでしょうか。福祉を中心に据えた町づくりです。福祉施設を中心市街地に導入し、町の中心やシンボルとして人々がゆったりと触れ合う開放スペースをつくります。そこにはボランティア活動に参加する若者や市民、さまざまな職業、年齢、性別の人たちが集って、商店街と有機的に結びつくのです。町は人を中心としたにぎわいを第一として、車の乗り入れを制限し、かわりに高齢者や環境に優しい現代版の路面電車を走らせる。こうすれば商店街を道路で分断することもなく、新しいコミュニティーも生まれます。まさに、地域がデザインした自治体主導の総合的な町づくりこそ大切と思います。
 そこで、総理、町づくりのあるべき姿についての基本的なお考えについてお聞かせ願いたいと思います。
 次に、主体的町づくりを行うに当たっての具体的な問題点を伺います。
 現実論として、地域住民が主体の町づくりは実行が著しく困難と言わなければなりません。その第一の理由として、都市計画に関する市町村の権限が著しく制限されていることで、都市計画が市町村の仕事だという認識や責任感が自治体の中で共有されていません。第二に、中央省庁の縦割り行政の弊害です。先ほどの例で言いますと、車の乗り入れ規制を行い、路面電車を活用する政策を実現する権限や方策を市町村は持っていません。商店街と福祉施設を有機的に結びつけようとしても、建設省と厚生省あるいは自治省などの補助金や起債などが複雑に関係し、省庁間の連携は考慮されておりません。したがって、自治体の財政担当者の仕事は、どの補助金メニューや起債を組み合わせれば事業が可能なのかという視点が先行して、主体性は二の次になってしまう場合がしばしばあります。また、第三の問題として、住民参加のシステムが不完全です。これらは特別用途地区を多様化したとしても解決するものではなく、都市計画制度、地方自治制度全体を見直さなくてはなりません。
 以上、申し上げましたように、全国一律の都市計画制度こそが障害となっており、国と地方の役割分担について根本的に問い直さなくてはなりません。従来は、都市計画は国民の財産権を制限するものであり、憲法二十九条に基づき、国が法律によって定める必要があると主張されてきました。しかし、土地利用にかかわる公益性そのものが地域の事情や特性によって左右され、判断が画一的であることはあり得ず、民主主義にのっとった地方自治の中で決定すべき事柄だと思います。
 そこで、総理に伺いたいと思います。
 私たちは、市民参加の町づくりを実体化するために、地方自治体が都市計画についての責任を持つことを明確に規定し、国の役割は限定的なものにとどめるべきと考えております。これについてどうお考えでしょうか。
 また、町づくりなどの事業に対する補助金は現在所管の省庁に分かれているわけですが、これを改め、予算を一括して申請できる仕組みも検討すべきではないでしょうか。住民や市町村のアイデアが生かされ、実効性のある町づくりのため、多くの自治体が望んでいることでもあり、行政改革にもつながると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、建設大臣に住民参加のシステムを充実させる具体的な方策を伺います。
 都市計画中央審議会の答申では、市町村の審議会の法定化や政令指定都市の決定権限の拡大等について提起されておりますが、今後いかがなされるのでしょうか。
 また、都市計画の決定過程における公告縦覧の期間を延長すること、公聴会開催を義務づけることなど、積極的に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、この法改正の大店法廃止の受け皿としての効果のほどを伺います。
 特別用途地区の多様化についてですが、その効果に疑問が残ります。全国の都市計画区域のうち、用途地域が指定されているのはわずかおよそ一八%であり、また、用途地域の類型が従来どおりであることを考えますと、特別用途地区の多様化はおのずと制限されてきます。例えば、大規模な店舗等を制限する小規模小売店舗地区が新しい類型の例として議論されています。ところが、この特別用途地区を設定できるのは、事実上幾つかの類型の用途地域が既に設定されている地域に限られ、それは全国土の〇・三%にすぎないと言われています。これでは一体どの程度の効果があるのでしょうか。特別用途地区の多様化の大店法廃止の受け皿としての実効性のほどを建設大臣に伺いたいと思います。
 さらに、商店街の活性化に前向きに取り組む自治体が大規模店の出店をコントロールしようとしても、今回の法改正では対応できないということを指摘したいと思います。
 そもそも大規模店の計画地域は、地価が安くて面積が広く確保できる都市計画区域外であることが多いわけです。これは都市計画区域が狭いという現行制度の問題点を明確にしました。本来、市町村が町づくりの方針に照らし、開発計画を誘導あるいはコントロールできることが望ましいわけですが、この点について総理はどうお考えでしょうか。
 次に、市街化調整区域における地区計画の策定対象地域の拡大と、地区計画に適合する行為の開発許可行為への追加についてお尋ねいたします。
 市街化調整区域は本来市街化を抑制すべき区域であり、この地域において開発が必要であるということは、二つの町づくりの考えが相矛盾して存在していることになります。このような場合、むしろ徹底的な議論を経た後にこの地域を市街化区域に変更するなど、統一性のある均衡した町づくりを進めていくことが望ましいと思います。この点について、建設大臣はいかがお考えでしょうか。
 最後に、土地政策について伺います。
 一九六八年の都市計画法制定以来、歴史を振り返ってみますと、開発重視の規制緩和の繰り返しでした。また、あのバブル経済は八〇年代の土地利用の規制緩和が地上げをもたらした結果という指摘もあります。このような経過、現実を踏まえますと、土地の有効利用という名目のもとに、人が住むべき土地を安易に景気回復の道具として使ってきたことを反省する必要があります。そして福祉及び土地住宅政策など、景気対策も含めて国民生活の安定を目指した経済政策を導入すべきときが来ていると思いますが、総理並びに建設大臣のお考えをいただき、私の質問を終わらせていただきます。
 今回のこの法改正の審議を通して、日本の都市計画制度、また、土地利用制度全体の見直しの機運が高まることを期待して、前向きの御答弁をお願いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) 岡崎議員にお答えを申し上げます。
 まず、福祉を例に挙げられながら、自治体主導の総合的な町づくりについての御意見をいただきました。
 地域の特色を生かした個性のある町づくりを進めることの大切さは私も同感です。そしてそのためにも、地域住民等の意見を適切に反映しながら、地方公共団体が主体的に町づくりを進めることが重要と考えており、国としてもこのような取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、都市計画の地方分権についてお尋ねがありました。
 これにつきましては、国、都道府県との適切な役割分担のもと、市町村が中心的主体となるべきだと考えておりまして、所要の制度改正を進めることにしております。また、補助事業のあり方につきましては、引き続き補助金の統合化、メニュー化などを進めるとともに、関係省庁間の連携の強化に努めてまいりたいと思います。
 次に、都市計画区域以外の大型店の出店についての御質問がありました。
 現行制度のもとでは、都市計画区域外で都市計画制度を活用することを想定してはおりませんけれども、土地利用の動向などから必要な場合には、都市計画区域の拡大を図ると同時に、計画的な町づくりを進めるために、市町村の都市計画に関する基本方針の策定を推進してまいりたいと思います。また、例えば農地については、申し上げるまでもなく農地法あるいは農振法など固有の目的による規制も行われているわけであります。
 次に、土地を景気回復の道具として使うべきではないという御指摘がありました。
 都市計画については、土地の特性に応じた適正な利用を図るために適時的確に見直しを進めてきたところでありまして、その見直しがバブルの直接の原因だったとは考えておりません。今後とも、国民のニーズを踏まえ、的確な制度の見直し、制度の運用の促進を高めていきたいと思います。
 国民生活の安定を目指した経済政策を導入すべきであるという御指摘もいただきました。
 政府としては、深刻な経済状況から早期に脱却するとともに、二十一世紀の活力ある我が国経済社会を実現するために、過去最大規模の経済対策を策定したところであります。この中で、少子・高齢化などに対応した福祉、医療、教育のための事業の実施、住宅投資の促進、臨時福祉特別給付金の支給、土地・債権の流動化と土地の有効利用などの施策が盛り込まれており、これらの施策を着実に実施することによって国民生活の安定と景気の回復を図ってまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣瓦力君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(瓦力君) 岡崎議員から私に対しまして、四問質問がございました。
 初めに、都市計画における地方分権等の御質問でございますが、市町村審議会の法定化、政令指定都市の都市計画決定権限の拡大につきましては、都市計画中央審議会の答申に示された考え方に従いまして、所要の制度改正を行うことといたしております。現在、法制上の検討を進めているところでございます。住民参加につきましては、適切な制度の運用を促進してまいりたいと考えております。
 次に、特別用途地区の多様化の効果についての御質問でございますが、用途地域や特別用途地区の指定は、都市計画区域における土地利用の状況、動向等を勘案して必要な範囲に指定するものでございます。今般の改正で特別用途地区の柔軟な適用が可能となり、用途地域を補完してさらに的確に指定できるものと考えております。
 次に、市街化調整区域の指定変更についてお尋ねがございました。今般の市街化調整区域の地区計画に係る措置は、土地利用の整序を図るものでございまして、市街化区域に編入することとは必ずしも目的を同じくするものではございません。
 最後に、土地を景気回復の道具として使うべきでないと、かような御指摘についてでございますが、都市計画制度につきましては、長期的視点に立ちまして、良好な町づくりを促進するため充実を図ってきたところでございます。今般の改正も、地域の実情に的確に対応した町づくりを進めることができるようにすることを主眼とするものでございます。今後とも制度の的確な運用を図る考えでございます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(斎藤十朗君) 海野義孝君。
   〔海野義孝君登壇、拍手〕
#16
○海野義孝君 私は、公明を代表し、大規模小売店舗立地法案、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案、都市計画法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に対し、質問をいたします。
 現下の日本経済は、先般、橋本総理が戦後最悪の不況とみずから認められたように、極めて深刻な事態にあり、経済は一流と言われたのが絵そらごとであるかのような状況を呈しております。二十一世紀までの三年間を経済再建への集中期間として、政府の総力を挙げて取り組むべきところを、財政再建の集中改革期間と取り違え、経済不況を一段と深化させた橋本総理の責任は重大であります。
 公明が一月に他党に先駆けて十兆円の大型減税を提唱したのは、経済の実態がいかに厳しいものであり、国民生活に少しでも希望と明るさを、との思いからのものでありました。
 橋本内閣は四月に、平成十年度の一般予算が成立するのを一日千秋の思いで待っていたかのように、十六兆円余りの経済対策を発表されました。対応を誤ると傷が深くなり、対策には巨額の財源が必要であることを今回も見せつけられました。
 総理がどのような強がりを言おうとしても、市場原理は冷酷なものであります。為替、金利、株式のトリプル安が日本に突きつけているものは一体何でありましょうか。バーミンガム・サミットで総理は何を訴えようとされているのでありますか。あわせて御所見を伺います。
 通常国会は余すところ一カ月となり、中央省庁再編関連法案、日米防衛協力のガイドライン関連法案を初め審議法案はメジロ押しで、極めてタイトな日程になっております。その上、昨年十一月に成立したばかりの財政構造改革法の改正や減税などを含む補正予算の審議など、これでは幾ら日数があっても足りません。
 橋本総理は、このような事態に立ち至ったことをどのように反省されているのか。もしや御自身に責任はないとは言われないと考えますが、総理の明確な答弁を願います。
 さて、このようなときにあって、大店立地法、中心市街地活性化法、改正都市計画法、以上三法案の審議に入りました。
 私は、重要法案が上程されるたびに、なぜもっと早く審議できないものかと考えますが、今回の三法案についても遅きに失したとまず申し上げなければなりません。
 中心市街地の空洞化、中小小売業の転廃業、郊外大型店の出店ラッシュと競争激化など、流通小売業に対する行政の貧困さは目に余るものがあります。ある識者は、日本の小売業は米国より十年、東南アジアに比べ五年おくれているとすら指摘しております。
 中小小売業が疲弊の極に達し、大きな社会問題となっている中で、大店法が廃止され、新たに大店立地法が制定されようとしております。現行大店法が制定され二十五年が経過した今日、従来の経済規制から生活環境などの社会規制に大変革が行われるわけであります。
 大店法廃止の影響と大店立地法の目的及び実効性につき、総理の御所見を求めます。
 昨年暮れの産業構造審議会、中小企業政策審議会の合同部会の答申により、大店法規制は根本から転換することになりました。しかし、大規模小売店舗立地法の主要条文を見ますと肝心な問題があいまいになっており、通産大臣にこの際明確な答弁を求めたいと思います。
 まず、この法案第一条の目的の主意でありますが、周辺地域の生活環境保持のため、大規模小売店舗設置者の施設配置及び運営方法に関する適正な配慮を確保する、それにより小売業の健全な発展を図り、もって国民経済及び地域社会の健全な発展並びに国民生活の向上に寄与することを目的とするとあります。答申が示した理念は、大規模小売店舗の周辺の生活環境への弊害を除去することであり、都市環境の改善が目的ではないでしょうか。
 また、この条文の書き方は極めてあいまいであり、大規模小売店舗の立地そのものを変更させることができるかどうか、言いかえれば、周辺環境への影響を除去できないと認められる場合に、立地場所不適当の勧告とその強制力を地方自治体が有することができるか、通産大臣にお答えいただきたいと思います。
 また、第四条では、通産大臣が店舗の設置者が配慮すべき事項を指針、つまりガイドラインとして示すことになっています。ここでも店舗の配置という概念が不明確であります。配置という用語が、店舗の入り口や搬入口、駐車場の位置といったレイアウトを指すのか、店舗立地そのものなのかは明らかではありません。公平、公正、透明なルールづくりが求められる時代にあって、大店立地法の根幹である指針や届け出事項について省令にゆだねることは行政の介入余地を残すことになると思うが、通産大臣はどのようにお考えでしょうか。
 また、いわゆる町づくりという課題への配慮が全く欠落しております。町づくりは、都市計画だけではなく、ソフトな領域を含んでいると思います。また、生活環境や住環境に影響を与える構築物は、何も大型小売店に限定されたものではありません。飲食店、サービス業、マンション、遊技場、その他あらゆる大型建築物に共通する問題であります。したがって、大型小売店舗だけを対象とする環境規制法をつくることは、社会的公平性という見地から見て果たして妥当なものか。
 以上、通産大臣の明確な答弁を願います。
 次に、大店立地法第十三条において、地方公共団体が独自に講じる施策について、地域的な需給状況を勘案することを禁じる規定をわざわざ設けております。これについて、米国が日本の大店法をWTOルール違反だと主張し、その廃止を求めて提訴していることに配慮するためと説明しているようであります。この点では通産省と外務省でその見解を異にしております。なぜ大店法問題に関して、必要以上に米国の外圧を強調するのか、理解に苦しむところであります。
 大店法廃止への大きな要因となったこの問題につき、総理大臣に明確なお答えをいただきたいと思います。
 次に、中心市街地の活性化等に関する法案について質問いたします。
 本法案は、欧米諸国の施策に比べ商業活性化に相当の重点が置かれております。大店法廃止の反動を吸収するために、振興策が積み上がったためと考えられます。実際の町づくりに当たっては、住民のニーズを反映したさまざまな施設がバランスよく整備されることが望まれます。欧米では活性化策を講じる中心都市の数は絞り込まれているのに対し、本法案の中心市街地の概念は大変あいまいであります。
 関係十一省庁で三百都市に一兆円余の財政措置が本年度予算で講じられております。予算のばらまきとなるおそれはないのか。多額の資金が投入される以上、同法の施行状況を費用対効果の観点から評価するシステムが必要と考えられます。
 以上の問題点につき、総理及び通産大臣の答弁をいただきたいと思います。
 今回の中心市街地活性化施策の大きな柱となるタウンマネジメントによる商業の振興は、米国のダウンタウン活性化に効果を発揮した町づくり活動に範をとったものと考えられます。米国では、商店街の振興と市街地の整備改善を一体的に進める町づくり活動のために統一的な組織が設定され、その開発行為や資金調達に関して大きな権限が与えられております。これに対して我が国のスキームでは、商業の振興と都市基盤施設とは、市町村、TMO、中心市街地整備推進機構とに三分された形になっております。そこでは、市町村がTMOや中心市街地整備推進機構の活動内容と、みずからの直轄事業とを調整、統合していくべきものとされています。
 こうしたあり方が十分合理的なものかどうか、また、法律施行後のフォローアップ等について、通産大臣はいかがお考えでしょうか。
 次に、都市計画法の一部を改正する法律案につき質問いたします。
 現行の都市計画には、市街化区域、市街化調整区域、地域地区、つまりゾーニング等があり、ゾーニングの都市計画の代表的なものとして十二種類の用途地域があります。これら用途地域内での特別の目的から、土地利用の増進、環境の保護等を図る特別用途地区があり、現在十一種類が定められております。
 今回提案されている都市計画法の改正案は、現在十一種類に限定されている特別用途地区を自由化するものであります。これにより、自治体は、例えば中小小売業を集積する特別用途地区を定め、条例で大型店の建設を制限することができるものと理解しておりますが、建設大臣の御所見をお聞かせください。
 都市計画権限の移譲や特別用途地区の多様化は町づくりを推進するために重要であります。しかし、町づくりの基本方針である市町村のマスタープランの策定状況は、昨年三月で全国の二百三十一市町村という状況下では、どれほどの効果が期待できるのか疑問であります。マスタープランづくりを積極的に進めるのが第一と考えますが、建設大臣の答弁をお願いします。
 全国の都市計画区域のうち、用途地域は一八%、特別用途地区に至っては都市計画区域の〇・四%、用途地域の二%にすぎません。このような実態のもとで特別用途地区の多様化の効果は期待できるとお考えでしょうか。
 地域の実情に対応した町づくりを進めるという趣旨からは、一定の建築制限が課され、特定の類型に限定されている用途地域についても、地方公共団体の自主性に任せるため類型を廃止すべきではないでしょうか。建設大臣の御所見をお聞かせください。
 次に、本法案では、都市計画区域における大型店舗規制だけでなく、市街化調整区域や白地地域の出店をどのように考え、どう規制していくかの観点が全く欠落しております。この点で、昨年末の産業構造審議会等の答申が求めた大型店舗の立地配慮の適正化という課題はほとんど積み残しとなっております。建設大臣の明確な答弁をお願いいたします。
 以上、大店立地法など三法案につき見解をお聞きしましたが、それぞれの法案の目的、内容について不明確な部分があり、三法案により、大店法廃止後の効果的運営が期待できるかという点で問題なしとしません。
 最後に、三法案の内容の充実、適正かつ慎重な運用について通産大臣の決意を伺って、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 海野議員にお答えを申し上げます。
 まず、為替などトリプル安などの経済状況についてのお尋ねがありました。
 私は、子供たちや孫たちに負担を先送りせず、二十一世紀の我が国経済社会の活力を維持するためには、財政構造改革の必要性は何ら変わるものではないと考えておりますとともに、内外の経済社会情勢の変化に応じて臨機応変の措置をとる、これも当然のことだと申し上げてまいりました。
 そして、今般の深刻な経済状況から早期に脱却をし、内外の我が国経済への信認を確固たるものにするためにも、二十一世紀の活力ある我が国経済社会を実現するためにも、不良債権の処理等も含め、過去最大規模の経済対策をまとめました。こうした施策を着実に実行していくことで、消費者や企業の将来に対する展望が開かれ、我が国経済の順調な回復につながると考えております。
 また、サミットで何を訴えるのかというお尋ねがありました。
 サミットでは、参加各国が自国の経済あるいは世界経済について意見交換をするのが常であります。日本経済は米国、欧州と並んで世界経済の中で重要な地位を占めるものでありますし、ただいま申し上げたような経済運営の考え方を十分説明してまいるつもりであります。
 そして、それだけがテーマではありません。今回のサミットにおきましては、雇用、国際組織犯罪、アジアの通貨・金融危機、開発、環境などさまざまな課題が議論されることになっております。我が国からもテーマとして語るべきテーマは幾つもあります。我が国の経験を踏まえて、(発言する者あり)お尋ねがありましたのでお答えしておるんです。議論に対し、十分貢献をしていきたいと思います。
 また、重要法案などが多くある中で、極めてタイトな国会日程をどう考えているかという御指摘をいただきました。
 内外の課題の山積する現在、多くの重要法案などの御審議を国会にお願いいたしております。内閣として、全力を挙げてこれらの課題の解決に努める考えであり、各党各会派の御理解、御協力を賜りたいと存じております。
 また、大店法廃止の影響、大店立地法の目的、実効性、こうした点のお尋ねをいただきました。
 今回の政策の転換は、近年の小売業を取り巻く環境変化にかんがみて、現行大店法の限界を克服しようとするものであります。すなわち、第一に、大店法では大型店の立地に伴う交通渋滞やごみ問題等周辺生活環境の問題に対応できないこと、第二に、経済構造改革、特に規制緩和の流れの中で、経済的規制たる大店法による大型店の出店規制を継続するには限界があること、また、地域と地域の間の集積間競争が大きくなる中、大対中小という対立の構図が崩れつつあること、第三に、経済的規制たる大店法は廃止すべきという国の内外からの指摘のあること等の点を踏まえ、新たな制度を構築することといたしました。
 具体的には、大型店の適正な立地の実現を図るため、都市計画法の改正を含むゾーニング的手法の活用を図り、加えて、大型店の立地に伴って生じ得る交通、騒音、廃棄物問題等の周辺生活環境への影響を緩和するため大店立地法の制定を図ることといたしました。これらにより、地域の実態に即した実効ある制度の構築が図られるものと考えております。
 次に、WTOのもとでの議論等大店法問題について、必要以上に米国の外圧を強調していないかといった御指摘をいただきました。
 WTOとの関係でいえば、我が国は、大店法上の措置は、サービス貿易一般協定に整合しない措置には当たらないとの立場です。一方、同協定違反を主張する米国とWTOのもとで二国間協議を行った結果、相互に満足すべき解決には達せず、米国がパネル設置要請の権利を有したまま現在に至っているという状況にあります。こうした認識において通産省と外務省の見解は共通いたしております。
 そもそも、今回の大型店に関する政策の転換は、時代の変化に対応するために実効ある新たな制度を構築するものであり、その背景の一つに、経済的規制たる大店法は廃止すべきという国の内外からの指摘があることは事実でありますが、我が国としての判断で行うものであります。
 それから、中心市街地活性化策がばらまきとならないか、その費用対効果についてはというお尋ねをいただきました。
 今回の対策は、空洞化の危機にある中心市街地の大変厳しい状況にかんがみて実施するものであります。その実施に当たっては、関係省庁が連絡協議会を設置しながら互いに連携をとりつつ、個々の事業の熟度、独自性、先行性等を考慮しつつ、地域の特性を生かしたすぐれた計画に盛り込まれた事業を重点的、集中的に支援してまいります。また、関係省庁は当然ながら施行状況の点検、評価をきちんと行ってまいる予定であります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣堀内光雄君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(堀内光雄君) 海野議員に御答弁申し上げます。
 大店立地法の目的規定についての御指摘がございましたが、本法第一条において「周辺の地域の生活環境の保持のため、」「適正な配慮がなされることを確保すること」と規定をいたしておりまして、御指摘の産構審並びに中政審合同部会の答申の趣旨を明確に体現したものとなっております。
 また、大店立地法において周辺環境への影響の除去ができない場合に、立地場所を不適当と勧告を出せるかどうかというお尋ねがございましたが、立地の適否につきましては、改正都市計画法を初めとするいわゆるゾーニング的手法によって対応することとなっておりまして、これをクリアした場合について大店立地法の手法を想定しているところであります。したがいまして、大店立地法による大型店の立地場所そのものが不適当との勧告を行うことは想定をいたしておりません。
 大店立地法の指針や届け出事項を省令にゆだねることの是非についての御指摘がございましたが、大店立地法が適正に運用されるためには、指針や届け出事項の内容が実態に即したものとなることが不可欠であります。
 例えば、御質問の店舗の施設の配置については、大規模小売店舗及びこれに付随する駐車場、荷さばき場等の施設の位置、相互関係等に関して大型店の設置者が配慮すべき具体的な内容を定めることといたしておりますが、詳細かつ具体的なこれらの事項を法律案に記することは困難と考えております。ただし、これらの内容については慎重かつ十分な調査検討を行いまして、そのプロセスの中で幅広い意見を踏まえて策定することといたしております。
 また、大店立地法における町づくりへの配慮についてのお尋ねでございますが、今回提出をいたしております大店立地法案及び中心市街地活性化法案は、都市計画法の改正と相まって計画的な地域づくり、大型店の出店に伴う生活環境問題への対応、中心市街地の市街地整備や商業等活性化を図るものでありまして、これらの施策全体として地域の主導による町づくりへの積極的な取り組みを促進するものであります。
 したがいまして、ひとり大店立地法をもって、広範な内容を含む町づくり問題すべてに対応するものではありません。ただ、同法におきましても、大型小売店の立地に伴う駐車需要の充足、住民の利便あるいは業務の利便という観点からの町づくりについて対処することといたしております。
 また、中心市街地の概念についてのお尋ねがございました。
 施策の対象となる中心市街地の具体的な要件といたしましては、第一に、小売商業者及び都市機能が集積している地域であるということであります。第二が、空洞化を生じているまたは生ずるおそれのある地域であるということであります。第三に、施策を講じることによって周辺地域も含めた地域全体の発展に寄与する地域であるということの要件を定めておりまして、限定がされております。
 また、具体的な支援対象事業の選定に当たりましても、市町村の作成する基本計画に盛り込まれた事業について、先進性、独自性、熟度等を考慮して、客観性かつ透明性をもって支援対象を限定することといたしております。
 また、中心市街地活性化策が予算のばらまきにならないかというお尋ねがございました。
 これは総理の御答弁がございました。重複することになりますので、総理の御答弁のとおり、関係省庁が連絡協議会を開いて互いに連携をとりながら、基本計画に盛り込まれた事業の熟度、独自性、先進性等を考慮しつつ、支援対象とするかどうかを客観性かつ透明性をもって決定してまいりますので、ばらまきになることはございません。それにより、予算の効果的な執行を図ってまいりまして、あわせて関係省庁は、御指摘のような観点から施行状況の点検、評価を当然に行っていく考えでございます。
 市町村、タウンマネジメント機関、中心市街地整備推進機構の関係についてのお尋ねがございました。
 商工会、商工会議所、または第三セクターがその母体となるTMOは、中心市街地の商店街等の活性化のため総合的なプランを立案し、かつ、それを実施する機関であります。また、中心市街地整備推進機構は、市町村の指定を受け、低未利用地の先行取得などを推進する事業施設機関と承知いたしております。いずれの機関も市町村の指導あるいは指揮監督を受けるため、中心市街地の活性化のための商業等の活性化と市街地の整備改善を一体的に推進するとの本法案の趣旨を踏まえ、市町村のイニシアチブのもと、両機関による緊密な連携をとりつつ事業を推進されるものと期待をいたしております。また、その事業の推進状況についても十分注視をしてまいる所存でございます。
 最後に、三法案の内容の充実、適正かつ慎重な運用についての決意についてのお尋ねがございましたが、今回の大型店に対する政策の転換は、経済的規制から社会的規制への転換を図るものでありまして、大型店の適正な立地の実現のため、都市計画法の改正を含むゾーニング的手法の活用を図り、また、大型店の立地に伴って生じ得る周辺生活環境への影響を緩和するために大店立地法を制定することといたしたものであります。
 さらに、中心市街地活性化法は、市街地の整備改善と商業等の活性化を車の両輪として、関係省庁が連携しつつ施策を総合的、一体的に実施することを目的とするものであります。
 これらの法律の適正な運用により、地域社会と調和のとれた大型店の出店や町の顔としての中心市街地の活性化が図られるよう、私といたしましても全力で取り組んでいく覚悟でございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣瓦力君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(瓦力君) 海野議員から私に対しましての幾つかの質問がございました。
 初めに、中小小売業を集積する特別用途地区の指定は可能かとのお尋ねがありました。
 特別用途地区の多様化が講じられることから、地域の実情に応じて、市町村の主体的な判断により、御指摘のような特別用途地区の活用方法も可能となるものでございます。
 次に、市町村マスタープランについてのお尋ねでございますが、地域の実情に応じたきめ細かな町づくりを推進するため、市町村マスタープランは重要な役割を有すると考えております。その策定過程自体に町づくりへの住民参加の意義もございまして、今後とも、その策定が促進されるよう努めてまいりたいと考えております。
 特別用途地区の多様化の効果は期待できるかとのお尋ねもございました。
 用途地域や特別用途地区の指定は、都市計画区域における土地利用の現状や動向を勘案いたしまして、必要な範囲に指定するものでございます。今般の改正で、特別用途地区の柔軟な適用が可能となり、用途地域を補完して、さらに的確に指定できるものと考えております。
 さらに、用途地域の類型廃止についての御質問でございますが、用途地域は、市街化区域の全域で定めるべき全国共通の一般的ルールとして、一定のメニューの中から選択して地方公共団体が指定する、こういう仕組みが適当であると考えております。
 最後に、市街化調整区域等における大店舗の立地規制についての御質問でございますが、調整区域においては、そもそも許容される開発行為が限定的なものとなっており、大型店の立地につきましては、計画的な市街化に支障が生ずること等のないように、開発許可権者である都道府県知事や市町村長の判断により、適切にコントロールができると考えております。
 いわゆる白地地域では、用途地域を定めたり、さらに必要に応じ特別用途地区を定めることで、的確に対応していくことができると考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#20
○議長(斎藤十朗君) 大渕絹子君。
   〔大渕絹子君登壇、拍手〕
#21
○大渕絹子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題になりました三法案について、総理及び関係大臣に質問いたします。
 現在の景気動向は、政府が多くの経済対策を打ち出したにもかかわらず停滞を続け、雇用の面にも悪影響を及ぼしています。失業率は三・九%と上昇し、最近は特に五十代、二十代の失業率が高くなっています。新卒者が就職できない事態は深刻であり、社会不安を拡大させています。日本経済を支えている中小商工業を救済し、そこに働く人々の雇用の安定を図らない限り、景気を立ち直らせることはできないと思います。
 金融機関の不良債権処理と倒産防止のために三十兆円の財政支援枠を組みましたが、中小商工業に対しても思い切った財政措置が必要です。地方自治体と政府が協力して信用保証協会の役割を果たし、地域の中小商工業を守るという強い姿勢を求めます。
 政府は、十六兆円を超える総合経済対策を打ち出し、補正予算を編成しましたが、雇用の場の確保という視点からのしかるべき施策が講じられているのか、総理にお伺いいたします。
 次に、我が国経済における中小小売業の位置づけの問題です。
 非一次産業における小売業の割合は、従業者数で見ると一三・六%を占めており、その中で五十人以下の中小小売業は八五%に及び、我が国の産業経済の重要な位置を占めています。産業経済のみならず、高齢社会においても重要な役割を果たしています。
 九六年度の中小企業白書によれば、お年寄りが一般の小売店で買い物をする割合は四割近くに達しており、商店街がお年寄りにとって非常に大切な存在になっていると指摘をしています。商店の中には、宅配サービスや介護用品専門店など、お年寄りに配慮した事例も報告されております。高齢社会に対応した町づくりが商店街に期待されていると思いますが、こうした点について総理はどのように認識されておられるのか、お伺いいたします。
 雇用の場の確保や高齢化社会に重要な役割が期待されているにもかかわらず、全国の小売商店数は、八二年のピーク時の百七十二万店から、九八年には百四十万店と、三十万店が廃業に追いやられています。大型店が大店法の規制緩和以降急増しているのに対して、従業員五人以下の零細店は、昨年までの十六年間で約四十万店も大幅に減少しております。
 最近の小売商店数の減少は、大型店が急増した影響によるものであることは明らかであります。このたびの大店法の廃止によって中小小売業の廃業が一層加速されるのではないかと危惧されますが、このような懸念は生じないか、総理にお伺いいたします。
 都市計画法改正案では、市町村が地域の実情に合わせて特別用途地区を設定して大型店の立地を制限することができることとなっております。
 しかしながら、特別用途地区を設定できるのは都市計画区域全体のわずか三・七%にすぎず、さらに、全国土の圧倒的部分を占める市街化調整区域や農地については対象とされておりません。これでは、都市計画区域外への大型店出店が野放し同然であり、法的効果は期待できないと思います。廃止される大店法の機能を今回の大店立地法や都市計画法の改正で完全に代替できると考えておられるのか、建設大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、大店立地法案についてお伺いいたします。
 まず、法の第四条では、大型店が配慮すべき事項について指針を定めるとしています。しかし、大型店の立地は地域によって事情が異なる上に、地域全体の総合的な町づくりを行うためには、画一的でない柔軟な大型店の出店調整が行われるよう、指針に具体化する必要があると考えます。
 また、法の十三条では、地方公共団体が地域的な需給状況を勘案して大型店の出店調整をしてはならないとしています。このことによって自治体の独自規制に枠がはめられ、地域の町づくりに対する意欲が阻害されるおそれがあります。売り場面積の削減や閉店時刻の繰り上げといった規制を伴って初めて地域、生活環境問題に対する規制が実効性を持つと考えます。この点についても、あわせて通商産業大臣のお考えをお伺いいたします。
 なお、この法律案の施行に当たっては、都市計画法改正案で示される特別用途地区設定の進展状況に十分配慮すべきであり、また、二年間の経過期間の間に大型店の駆け込み届け出による混乱が生じないよう、現行の大店法の運用において最大限の対策を講ずるべきであると考えます。これについてはどのように対応する考えか、通産大臣にお伺いいたします。
 次に、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案についてお伺いします。
 まず、中心市街地の定義についてお尋ねします。
 法の第二条では、専ら中心市街地の経済的機能が取り上げられております。地域コミュニティーの崩壊が叫ばれている今こそ、地域固有の歴史や伝統、文化を生かし、都市の既存のストックを活用した町づくりが必要であります。地域住民の立場からすれば、中心市街地の定義については、社会的、文化的機能の観点からも言及されてしかるべきであると思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
 今回の中心市街地活性化策には、通産省を初めとして建設省、自治省、厚生省など、実に十一省庁が関係しております。このような中で、実際に市街地の整備改善や商業等の活性化対策を実施する市町村は、どこに話を持ち込めばよいのか、どういった基準で認定されるのかなど、戸惑っているとの声も聞かれます。対象地域の設定については、人口規模などによる一律の基準を設けることなく弾力的に運用される必要があります。この点についてはどのように対応される考えか、通商産業大臣にお伺いいたします。
 最後に、今回の法律案は、これまでの大型店に対する規制的政策から、生活環境や都市計画など、町づくりを中心とした政策へ大きく転換を図ったものと言えます。しかし、町づくりとは本来行政が一方的に策定すべきものではなく、地域住民の主体的かつ積極的な参加によってつくり上げていくものであります。行政はより一層の情報公開や広報活動あるいは対話の場を地域住民に提供していくことがこれからの課題であると思いますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
 この三法律案が制定されることにより、衰退を続けている商店街の活性化が促進をされ、そこに暮らす人たちが安心して連帯ができる地域を形成できるように心から祈念を申し上げ、私の質問といたします。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大渕議員にお答えを申し上げます。
 まず、雇用に関連しながら、中小企業に対する財政措置に対してのお尋ねがありました。
 今般の総合経済対策に係る補正予算案では、中小企業対策費としては過去最大規模の予算額を計上することとしておりまして、中でも信用保証協会基金補助金については、これを大幅に積み増すこととしており、これらの措置により中小企業対策に万全を尽くしてまいります。また、金融面での中小企業の支援対象範囲の拡大のための法律案を今国会提出に向けて準備中であります。
 総合経済対策などにおいて、雇用の場の確保、そうした視点からの施策は講じられているかという御確認もいただきました。
 総合経済対策を推進し、景気の回復を図ることこそがまさに雇用の安定につながる重要な対策であると考えております。あわせて、その一環として緊急雇用開発プログラムを実施することとしており、これらにより雇用の安定を図り、雇用の先行き不安の解消に努めてまいりたいと考えております。
 次に、高齢化社会に対応した商店街の役割についてのお尋ねがありました。
 高齢化が進展する中、商店街の高齢者等への身近な購買機会の提供という役割はますます増大するものと思います。それに加え、商店街には、議員が御指摘をされました宅配サービス、交流の場の提供等、それ以外にも本当にただ単なる人間関係を築くというだけの役割でありましても、みずから工夫を凝らして地域のコミュニティーの中核として、高齢者が豊かな生活を送ることのできる町づくりに貢献していくことを期待いたしております。
 次に、最近の小売商店数の減少を踏まえた大店法廃止の影響についてお尋ねがありました。
 最近の小売商店数の減少の理由としては、御指摘になりましたような点のほかにも、消費者ニーズの変化、モータリゼーションの進展、新業態小売業の出現、さらに後継者の問題といった問題、さまざまな点が指摘をされております。今回の大型店に対する政策の転換は、大型店の適正な立地の実現を図るために、地方公共団体が中心となって都市計画法の改正を含むゾーニング的な手法の活用を図り、また、大型店の立地に伴って生じ得る交通、騒音、廃棄物問題等の周辺生活環境への影響を緩和するための大店立地法の制定を図ることとしたところであります。
 さらに、中心市街地活性化法におきまして、商業等の活性化と市街地の整備改善を車の両輪として、関係省庁が連携しつつ、施策を総合的、一体的に実施することとしており、これにより実効のある制度の構築が図られ、それぞれの地域の判断によって、地域の実態に即した町づくりのための取り組みが進められることを期待しております。
 次に、中心市街地の定義に関する御質問がありました。
 本法案におきましては、小売商業者の集積や都市機能の集積に着目し、対象とする中心市街地を定義いたしております。これは、中心市街地の商店街が地域の文化、伝統の担い手であること、さらに、高齢者等交通弱者にとって身近な購買機会を提供するものであること、また、都市機能という言葉につきましては、福祉、医療や教育、文化といった機能を含んでいるものであり、そうした御指摘の社会的、文化的機能の観点というものを考慮したものであることを申し添えたいと存じます。
 次に、町づくりに関する住民参加等についてのお尋ねがありました。
 町づくりを円滑に進めるためには、地域住民の理解と協力を得ていくことの大切さはそのとおりでありまして、このため、町づくりに当たりまして、地域住民等に対し広く情報提供を行うとともに、その意見を適切に反映していくことが大事だと考えておりまして、国としてもこのような取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣瓦力君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(瓦力君) 大渕議員にお答えをいたします。
 私には、市街化調整区域等における大型店の立地規制についての御質問がございました。
 市街化調整区域におきまして、そもそも許容される開発行為が限定的なものとなっております。開発許可権者である都道府県知事や市町村長の判断により、適切にコントロールができると考えております。
 また、未線引き都市計画区域で用途地域が定められていない区域、いわゆる白地地域でございますが、地方公共団体の判断により用途地域を定めることが可能でありますので、用途地域を定めたり、さらに必要に応じ特別用途地区を定めることで、地域の実情に的確に対応していくことができると考えております。(拍手)
   〔国務大臣堀内光雄君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(堀内光雄君) 大渕議員の御質問にお答えいたします。
 大店立地法における指針の定め方、内容についてのお尋ねがございました。
 指針は、周辺の地域の生活環境の保持を図る観点から、大型店の設置者が配慮すべき具体的な内容を定めるものでありまして、都道府県等が本法の運用を行うに当たってのよりどころになるものであります。したがいまして、その定め方については、御指摘のように、地域の実態に即したものとするとともに、できる限り明確かつ具体的に規定することを予定しております。
 具体的には、基本的な事項、周辺地域の住民の利便及び商業等の業務の利便の確保のための配慮すべき事項、生活環境の悪化の防止のための配慮すべき事項について定める予定でございます。
 大店立地法第十三条により、地域の町づくりに対する意欲が阻害されることのないようにという御指摘でございますが、大店立地法は、現行大店法による経済的規制から転換を図りまして、交通、環境問題といった大型店の出店に伴う生活環境の保持という今日的問題に、的確な対応を図るためのナショナルスタンダードとしてのルールを定めるものであります。
 したがって、地方自治体が生活環境の保持の観点から、本法以上の負担を設置者に課したり、経済的規制のように需給状況を勘案することは本法の趣旨に反することとなります。第十三条はこれらのことを規定したものであります。ただし、このような規定の範囲内であれば、自治体は地域の実情に応じて運用を行うことができることとなっております。地域の意欲が阻害されることはないものと認識をいたしております。
 また、大店立地法の規制の内容についてのお尋ねでございますが、大店立地法に基づく意見、勧告の内容は、ケースごとの大型店の新増設に係る実際の事情に応じてさまざまでありますので、一概に申し上げられませんが、設置者が周辺の生活環境の保持の見地から、施設の配置や運営方法のさまざまな工夫をすることは想定され得るものと考えております。
 また、大店立地法の施行に当たりまして、留意点についてのお尋ねでございますが、今回の政策転換に当たっては、新制度の適正な運用が確保されるよう、さまざまな準備が必要であります。このため、大店立地法の施行まで二年間という十分な期間を確保いたしました。これは、改正都市計画法が公布後六カ月以内の施行となっていることを考え合わせますと、地方公共団体は早目の準備を行うことにより、地域の実情、判断を踏まえつつ、特別用途地区を設定することが十分可能となっているものと考えております。
 また、駆け込み出店についての御懸念でございますが、今回の措置は、規制の強化または緩和のいずれかを一義的に意図するものではなく、したがって、御指摘のようないわゆる駆け込みが生ずるか否かは一概に予想しがたいところでございますが、いずれにせよ、新法施行までの期間においては、現行大店法にのっとってこれまでどおり適正な運営を実施してまいる覚悟でございます。
 中心市街地活性化策の市町村に対する対応についてのお尋ねでございますが、本施策の実施に当たりましては、通産省、建設省、自治省を中心に、市町村等からの相談や書類の送付等について、国の一元的な窓口を設置していく考えでございます。これによりまして、市町村等の円滑な取り組みを促進するとともに、その手続負担ができるだけ小さくなるように図ってまいります。
 また、対象地域の設定についてのお尋ねがございましたが、今回の施策は空洞化の危険のある中心市街地を有する市町村を広く対象とするものでありまして、人口や都市の規模で一律に対象から外すことは考えておりません。また、中心市街地の区域の設定も、基本的には地元の自治体の自主的な判断にゆだねられております。
 なお、実際の支援対象は、地元市町村が策定する基本計画に盛り込まれた事業について、関係省庁が連絡協議会を開いて互いに連携をとりながら、事業の熟度、独自性、先進性等を考慮しながら、客観性かつ透明性を持って決定してまいる覚悟でございます。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#25
○議長(斎藤十朗君) 山下芳生君。
   〔山下芳生君登壇、拍手〕
#26
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、大規模小売店舗立地法案外二法案について、総理並びに関係大臣に質問をします。
 商店街を初め中小小売商業は、これまで地域の自治組織や文化行事の担い手になるなど、地域コミュニティーの核として大切な役割を果たしてきました。住民と商店街事務局をファクスネットで結び、救急通報にも活用するなど、お年寄りが安心して住み続けられる町づくりに積極的に貢献している商店街も生まれています。
 また、同じ百万円の買い物がされても、大型店の場合はその大半が本部に吸収され、地元には年間百二十万円の経済効果しかないのに対し、商店街の場合はそれが仕入れや生活費などで地域を循環し、年間二千四百万円の効果を生み出すとの試算もあります。
 私は、商店街が持つこうした機能は、高齢化が進む二十一世紀の地域社会にとってかけがえのない財産であると考えますが、総理は、中小小売商業がこれまで果たしてきた役割、今後果たし得る役割についてどのような認識をお持ちか、地域経済への波及効果とあわせて伺います。
 現在、少なくない商店街が空き店舗の目立つシャッター通りと化していることは地域社会の深刻な問題であります。商店街をこうした事態に追い込んだ原因は何か。九〇年の日米構造協議以降、歴代自民党政権による三回もの大店法の規制緩和によって、大型店の無秩序な出店が進んだ結果であることは明らかであります。
 総理は、商業の盛衰は消費者を引きつける魅力をいかに備えるかが決め手と繰り返し述べていますが、これは大型店と中小小売店との資本力の圧倒的格差を無視した、余りに冷淡な議論ではないでしょうか。中小小売業者は、消費者を引きつける魅力を備えようと必死に努力しているのであります。それでも深刻な事態に追い込まれているのであります。
 総理自身、かつて「政権奪回論」の中で、巨大な資本を持つスーパーや百貨店という強者から、魚屋さんや八百屋さんなどの弱者を守ることが大店法の眼目だと述べていたではありませんか。
 中小企業庁の調査でも、商店街の来街者が少なくなった最大の理由は、「大型店にお客をとられる」であり、その割合は、九〇年度の六二・八%から九五年度には七九・四%へと急増しています。まさに、大店法の規制を相次いで緩和し、商店街を巨大な資本から守る機能を弱めてきたことが、今日の深刻な事態を招いた最大の原因ではありませんか。総理の見解を伺います。
 現行大店法は、規制緩和されたとはいえ、大型店の店舗面積を大幅に削減させたり、閉店時間や休業日数を制限するなど、一定の役割を果たしてきました。中小小売商業の深刻な事態が進行している最中に、その大店法を廃止して、さらなる追い打ちをかける政治など世界のどこにもありません。
 総理は、衆議院において、欧米主要国の多くは、大店法のような経済的規制の考え方をとっていないとの見解を示しましたが、これは事実に反しています。
 フランスのロワイエ法、イタリアの商業基本法、ベルギーの商業施設設置法は、中小小売業への配慮規定など、経済的規制による大型店の出店許可制をとっています。都市計画の観点から大型店を規制しているドイツの連邦建設法や、イギリスの都市田園計画法も、近隣商店への影響など経済的影響を審査して許可しています。経済的規制と社会的規制の両面から大型店の出店規制を堅持し、強化しているのがヨーロッパ諸国の実態であります。これが世界の流れであり、グローバルスタンダードであります。
 殊さら経済的規制の考え方を排除し、大店法を廃止するのは、まさに世界の流れに逆行するものではありませんか。総理の見解を求めます。
 さて、これらヨーロッパ諸国に対して、アメリカは出店規制の緩和などを一切求めておりません。また、大店法はWTO協定上何ら問題ないというのが日本政府の公式見解であります。ならば、なぜ日本だけが大店法を廃止しなければならないのですか。アメリカはなぜ日本にだけ大店法廃止を要求するのですか。明確な答弁を求めます。
 政府は、大店法を廃止して、実効性ある新たな制度を用意するとして、大規模小売店舗立地法案と都市計画法改正案を提案していますが、多くの商店街、中小小売業者から、その実効性に不安の声が上がっています。
 まず、大店立地法案について伺います。
 法案は、「地域的な需給状況を勘案することなく」と、中小小売商業への経済的影響を配慮することを一切排除しています。周辺の地域の生活環境を保持するために、大型店が駐車場をきちんと整備し、騒音対策やごみ処理対策を適切に行いさえすれば、何の障害もなく自由に出店し、自由に営業できることになります。都道府県はただ意見を述べ、問題があれば勧告ができるだけ、それさえ大型店の「利益を不当に害するおそれがないもの」という制限が加えられています。勧告を無視されても罰則規定はありません。これではまるで大型店出店自由化法案ではありませんか。
 それとも、法案の言う「生活環境」には、市町村の都市計画など、町づくりの観点も含まれるのですか。また、郊外型大型店の出店が中心市街地を空洞化させるおそれがあるとき、地方自治体が店舗面積の削減などを勧告することができるのですか。お答えください。
 次に、都市計画法改正案について伺います。
 ドイツの連邦建設法では、大型店は指定された特別地区においてのみ出店が許可され、それ以外は原則禁止であります。これに対し日本の都市計画法では、限られた用途地域以外なら出店は原則自由という、全く逆の法体系であります。そもそもドイツのようなゾーン規制は日本では期待できないのではないですか。
 改正案は、市町村が自由に設定できる特別用途地区制度によってゾーン規制をするとしていますが、その特別用途地区は、全国土の四・七%を占めるにすぎない用途地域に上塗りして設定することしかできません。これでは新たな規制の範囲は極めて限られた部分にすぎないのではありませんか。
 最後に、中心市街地の空洞化を食いとめ、衰退した市街地の活性化を図るのは必要なことであります。しかし、大店法を廃止し、空洞化の最大の原因である郊外型大型店の無秩序な出店と、都心部大型店の身勝手な撤退を今以上に野放しにしたのでは、せっかく巨額の資金を投じて事業を進めても、絵にかいたもちになる危険性が極めて大きいと考えますが、そうならない保証はありますか。総理の答弁を求めます。
 商店街が寂れ、地域社会が崩壊していく中、今全国で大店法廃止反対の声が高まっています。日本共産党は、今国会に大店法改正法案を提出していますが、大型店の身勝手な出店や撤退に歯どめをかけるために、国会内外で共同の努力を尽くす決意を表明して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(橋本龍太郎君) 山下議員にお答えを申し上げます。
 まず、商店街の役割についてお尋ねがありました。
 商店街は、従来から地域住民の買い物の場として、また交流の場あるいは伝統文化保持等を担う地域コミュニティーの中核として、地域経済社会で重要な役割を果たしてきましたし、今後、高齢化が進展する中においても、身近な購買機会を提供するといった商店街の役割は、ますます大きなものとなると考えています。
 次に、中小小売業、商店街の地域経済への波及効果についてのお尋ねがありました。
 中小小売業、商店街は、雇用の場、消費生活の場として地域経済に重要な役割を果たしておるほかに、コミュニティーの中核として社会的にも重要な役割を果たしております。
 ただ、議員は大型店の役割について非常に否定的な見解を述べられましたけれども、地域と地域との集積間競争が大きくなる中で、大対中小という対立の図式が崩れつつあるという状況もありまして、例えば、中心市街地の商業の活性化には、中小店だけではなく大型店を含めた集積とすることによって、面的な商業集積の全体としての魅力を高め、集客力の向上を図ることも有意義であると考えますのは、議員の最後の御質問は同趣旨のことではないかと私には聞こえました。
 また、商店街衰退の原因と活性化の方策についてもお尋ねがありました。
 最も影響を受けている環境変化として、商店街組合等への調査では、御指摘のとおり、「大型店に客足をとられる」が最も多い一方で、実際に営業を行っている中小小売店への調査では、「価格競争の激化」、「消費者行動の変化」が「近隣への大型店の進出」を上回る等、さまざまな要因が指摘をされております。
 いずれにせよ、資本力の格差のみによって小売店の競争力が決定されるものではありません。商店街は、大型店にはできない地域に密着したきめ細かなサービスが可能であり、かかる工夫と努力を通じて、地域コミュニティーの中核として消費者を引きつける独自の魅力を持ち得ると考えております。
 また、欧米における規制の動向との関係についてお尋ねがありました。
 例えば、米国においては、我が国の都市計画体系と同様、地方自治体によるゾーニング制度によって規制を行っています。欧州におきましても、英国では都市田園計画法、ドイツでは建設法典と建設利用令によって、いずれも生活環境や都市計画の観点から、地方自治体が策定する計画に基づいて大型店の立地について規制を行っております。
 我が国の今回の政策の転換は、大型店の適正な立地の実現を図るために、都市計画法の改正を含むゾーニング的な手法の活用を図り、加えて大型店の立地に伴って生じ得る交通、騒音、廃棄物問題等の周辺生活環境への影響を緩和するため、大店立地法の制定を図ることとしたものであり、こうした考え方は、さきに申し上げたような、国際的にも広く採用されている考え方に沿うものだと思います。
 なぜ日本だけが大店法を廃止しなければいけないのかとのお尋ねでありますが、今回の政策の転換は、近年の小売業を取り巻く環境変化にかんがみて、現行大店法の限界を克服しようとするものであります。
 また、なぜアメリカが日本だけに大型店出店規制の緩和を要求するのかとお尋ねでありますが、他国の政府の政策判断についてその理由を一方的に推察し、コメントすることは適当でないと思います。
 次に、都市計画の実効性についての御質問でありますが、都市計画については、地域の実情に的確に対応した町づくりを地方公共団体が主体的に進められるようにすることが重要でありますが、今回の改正でよりきめ細かな町づくりが可能となり、土地利用の現状や動向を勘案して、必要な区域に用途地域や特別用途地区の指定が適切に行われるものと考えます。
 最後に、大型店の出退店と中心市街地活性化策の関連についてお尋ねがありました。
 中心市街地の活性化策につきましては、関係十一省庁が連携して総合的な支援策を講じることにしています。また、郊外も含めた大型店の立地の適否に関する問題に関しては、今回の改正都市計画法を初めとするいわゆるゾーニング的手法の活用によって対応していくことが可能であり、適切であります。
 議員は、幾つかのケースを御指摘になりましたが、地元の自治体が地域の実情に応じてこれらの施策を適切に組み合わせていくことにより、総合的な対応が可能となるものと考えております。議員も大型店の撤退というケースを挙げられましたように、むしろ地域商店街が一体として行動し得るチャンスも十分生まれてきていると考えております。
 残余の質問は、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣堀内光雄君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(堀内光雄君) 山下議員にお答え申し上げます。
 大店立地法の「生活環境」の内容についてのお尋ねでございますが、大店立地法は、交通、騒音、廃棄物問題等、大型店の出店によって特徴的に生ずる生活環境への影響に対応するものでございます。一方で、御指摘の町づくりの方は幅の広い概念でありまして、そのすべてが生活環境に含まれるものではございません。大型店の立地に伴う駐車需要の充足、あるいは住民や業務の利便に該当する限りにおいて大店立地法での対応が可能になることといたしているものでございます。
 また、大店立地法における勧告の内容についてのお尋ねでありますが、勧告は、生活環境に著しい悪影響を及ぼす場合に、大型店に対し、大型店の立地に伴う周辺の生活環境の保持のために、設置者に対し適切な対応を促すためのものであります。
 勧告の内容は、ケースごとの大型店の新増設に係る実際の実情に応じてさまざまでありますので、一概には申し上げられませんが、設置者が周辺の生活環境の保持の見地から、施設の配置や運営方法のさまざまな工夫をすることは想定され得るものと考えられます。(拍手)
#29
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
     ─────・─────
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト