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#1
第142回国会 本会議 第33号
平成十年六月九日(火曜日)
   午後三時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十三号
    ─────────────
  平成十年六月九日
   午後二時 本会議
    ─────────────
 第一 中央省庁等改革基本法案(内閣提出、衆
  議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、議員木暮山人君逝去につき哀悼の件
 一、日程第一
 一、国際問題に関する調査の報告
 一、国民生活・経済に関する調査の報告
 一、行財政機構及び行政監察に関する調査の報
  告
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第一五六番、比例代表選出議員、松崎俊久君。
   〔松崎俊久君起立、拍手〕
#4
○議長(斎藤十朗君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、松崎俊久君を国民福祉委員に指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(斎藤十朗君) 議員木暮山人君は、去る五月二十六日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院はわが国民主政治発展のため力を尽くされさきに規制緩和に関する特別委員長選挙制度に関する特別委員長の重任にあたられました議員従四位勲三等木暮山人君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
    ─────────────
#7
○議長(斎藤十朗君) 足立良平君から発言を求められております。この際、発言を許します。足立良平君。
   〔足立良平君登壇〕
#8
○足立良平君 本院議員木暮山人君は、去る五月二十六日、大腸腫瘍による肝不全等により新宿区内の病院において逝去されました。
 小柄にして精悍あふれる豆タンクのような君が、昨年夏ごろから急に細身になられたことを私たちは少々心配をいたしておりましたが、君は健康を考えてダイエットに努めているなどと、今にして思えば、病魔に侵されつつも、周囲を心配させない心配りをされておられたのでありましょう。
 今国会、君は、国民福祉の委員会を中心に八回も質疑に立たれ、五月の連休前にも感染症の予防と医療に関する法律案等について、君の専門的立場からする参考人質疑を拝聴したばかりでありましたので、突然の訃報に驚き、まことに痛惜哀悼の念にたえません。
 私は、ここに、皆様のお許しを得て、議員一同を代表し、従四位勲三等故木暮山人君のみたまに謹んで哀悼の言葉を申し述べます。
 君は、昭和三年三月、新潟県は新発田市に生をうけ、旧制新発田中学校を卒業後、昭和二十四年に日本歯科医学専門学校を卒業、さらには法政大学法学部に進学、二十六年に卒業されたのであります。新生日本のこれからの社会では、世の中の仕組みを理解し、実業界で身を立てるためにも、歯科医学技術だけでなく、生きた法律を学ぶ必要性を感じての入学だったと伺っております。
 君は、大学を卒業後、歯科界に身を投じ、多年にわたり卓越した識見と行動力により歯科医療とその教育の発展に情熱を傾けてこられました。
 すなわち、昭和三十四年には財団法人歯友会を設立、その歯科技術専門学校では、全人教育を目指し、全寮制のもと、学生たちと寝起きや炊事をともにされたとのことであり、歯科技工士や歯科衛生士の養成と地位向上に並々ならぬ愛情を注いでこられました。まさに歯科医療技術者養成の第一人者をみずから実践され、歯科医療技術教育の今日の発展の基礎は、木暮先生、あなたが築いたと言っても過言ではありません。
 このことは、平成八年十二月に、君が理事長に就任された学校法人明倫学園明倫短期大学が、文部大臣から、我が国初の歯科技工士養成の高等教育機関に指定されたことでも実証されているのであります。
 君は、歯科医療技術者の養成に献身するとともに、日本歯科医師会会長中原實先生の筆頭秘書を長く務められ、日本歯科医師会のみならず、私立大学協会や大学設置審議会などにおける中原先生の公的、社会的活動を支え、多くの大学設置や運営の手助けをされました。
 また、歯科医療技術の革新及びその周辺分野を手始めに、実業界でも多くの業績を残されました。昭和三十八年に、後に沖歯科グループの中核となる沖歯科工業株式会社を設立されたのを初め、流通、貿易など関連の会社を相次いで設立し、全国的な流通網を整備して、我が国の歯科医療の充実を側面から支える役割を担われたのであります。
 君は、郷里の城下町新発田で、四人兄弟姉妹の次男として、武家の家系である父君大郁氏の薫陶と、母君の愛情に支えられ、幼少時代を過ごされました。君の多彩な才能は、まず書道において発揮され、小学五年生のときには全国書道大会において第一位に輝き、数々の商品はリヤカーいっぱいになるほどであったとのことであります。
 専門学校時代、君は、日ごろは余り目立たない存在であったようですが、学校行事やクラス集会では積極的に発言し、その内容は確固たる信念に基づく正義感あふれるものであり、中傷や非礼な発言に対しては厳しく叱責する一方、情義の厚さにかけては天下一品、しかも洒脱で天真らんまんかつ豪放らいらくであり、その交友範囲は、がり勉型学生から多芸放漫な学生に至るまで極めて広く、抜群のリードオフマンでありかつアイデアマンであったとのことであります。
 この本会議場での今は亡き君の演説と鋭いやじを思い出すとき、私たちにも、君の友人から聞いた学生時代の数々のエピソードがほうふつとわいてくるのであります。
 君は、若き時代より政治家への夢を持ち続けてこられました。昭和二十八年、弱冠二十五歳一カ月にて郷里新潟から衆議院総選挙に出馬、以来、代議士への挑戦は五回に及びました。しかし、君の夢はかなえられず、政治家への道が開けたのは初出馬から三十六年後の参議院通常選挙でありました。平成元年七月に自由民主党の比例代表十一位で見事初当選され、三年前の通常選挙では新進党比例代表で再選を果たされたのであります。
 参議院においては、君の長年にわたる活動領域であった医療、福祉を所管する社会労働委員会に所属され、その後、委員会再編に伴い、厚生委員会、国民福祉委員会と名称こそ変わりましたが、一貫して国民の健康と福祉を担当する委員会で活躍されました。また、法務、文教、外務、決算などの各常任委員会でも活躍され、さらには規制緩和に関する特別委員長、選挙制度に関する特別委員長の要職を歴任されたほか、政治改革、国連平和協力、臓器移植など、時々の政治的、政策的課題を審議する特別委員会や外交・総合安全保障、国民生活などの各調査会で豊富な御経験に基づく積極的な発言を続けられたのであります。
 特に、平成五年の細川連立政権誕生後には、さきの大戦の歴史認識について舌鋒鋭く時の政府を追及する論陣を張り、一時間有余に及ぶ長広舌は、君の真骨頂を示すものとして我々同僚議員の間で語りぐさになっております。
 君は、平成四年八月に、宮澤内閣で環境政務次官に就任され、同年十一月には、オゾン層に関するモントリオール議定書の第四回締約国会合日本政府代表に任命され、また、八年十一月には、本院の推薦に基づき内閣から社会保障制度審議会委員を委嘱されており、地球環境や社会保障の分野で貢献されました。
 君は若くして、昭和二十五年に亜細亜青年連盟を結成した後、これを全亜協会に発展させ、東南アジア各地に医療奉仕団を数次にわたり派遣、第二回目には団長を務められました。また、昭和四十三年にはシンガポールに現地法人を設立、六十二年には中国に上海申大医療技術発展公司を設立するなど、アジアの復興と発展に寄与する政治、経済活動と奉仕を続けてこられました。このようなアジアの民衆に寄せる君の精神は、旧制新発田中学時代の夏休みに黄河の奥地、内蒙古は包頭に至る単独行の見聞によって培われたものと思われます。
 また、君には、時代を読む才覚と先見の明があり、アイデアマンとしての君の才能は、特許の分野で遺憾なく発揮されているのであります。国内外での特許出願件数は八十件にも及び、日本発明特許学会発明賞を二回、社団法人発明協会発明奨励賞を一回受賞されたのを初め、君の特許が地域産業の振興に貢献したとして、昭和五十四年には新潟県知事賞を受賞されたのであります。
 郷里新潟を人一倍愛する君は、医療奉仕団を結成して、県内の歯科医のいない地区を無報酬で巡回し、また、身体障害者の歯科技工士を無料で育成するなど、社会的弱者に常に温かい目を向けてこられました。昭和六十一年には、君の地域歯科医療の貢献に対して、新潟市有功賞が贈られているのであります。
 我が国は今、二十一世紀を目前に、財政を初めとする極めて困難な諸状況の中で、本格的高齢社会を迎えようとしております。そのような中で、君は、福祉や教育における実践を国政の場で生かすべく、獅子奮迅の活躍をされてこられました。特に、高齢社会にあって一番大切なのは歯であると強く訴えられ、八十歳の時点で健康な歯を二十本残すことを目標とした八〇二〇運動の推進や、歯科口腔外科の四十年ぶりの復活に努力されたのであります。
 視野を広く世界に求め、また、専門の歯科医療や保健、福祉、教育など幅広く、かつ実践に裏づけられた君の見識は、健やかで、安心して暮らせる高齢社会を目指そうとしている我が国にあって、今後ますます輝きを増すことが期待されておりました。
 そのような時期に、突然君を失ったことは、御遺族や関係の皆様の悲しみはもとより、本院にとりましても痛恨のきわみであり、我が国国政の大きな損失であります。
 君は、病を押して四月二十六日の自由党新潟県連結成大会に出席をされました。それが公に見る君の最後の姿となりましたが、君は、声を絞って日本の危機を訴えられ、我が国を立て直すためにはスクラムを組み、政治の力を結集しなければならないと強調されたのであります。
 三年余の任期を残し、参議院議員としてまだまだ多くの政策課題に取り組もうとしておられた君にとって、また、ライフワークであった歯科医療技術教育分野の四年制大学、さらには大学院への発展を目指して挑戦しようとしていた君にとって、よみの国への旅立ちは返す返すも残念であり、その心中は察するに余りあるものがあります。
 二十一世紀を豊かで明るく安心できる社会にするために、私たちは、君の情熱と君の残した政策課題を引き継ぎ、真の福祉社会実現に向けて全力を尽くすことをかたくお約束したいと思います。
 ここに、波乱万丈に富んだ異色の政治家、木暮山人君のありし日のお人柄と数々の業績をしのび、院を代表して、心からの御冥福をお祈りし、哀悼の言葉といたします。
     ─────・─────
#9
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 中央省庁等改革基本法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。行財政改革・税制等に関する特別委員長遠藤要君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔遠藤要君登壇、拍手〕
#10
○遠藤要君 ただいま議題となりました法案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法案は、行政改革会議の最終報告の趣旨にのっとって行われる内閣機能の強化、国の行政機関の再編成、国の行政組織及び事務事業の減量、効率化等の改革について、基本的な理念及び方針その他の基本となる事項を定めるとともに、その推進に必要な体制を整備しようとするものであります。
 委員会におきましては、橋本内閣総理大臣を初め全閣僚の出席を求めて総括質疑を行うとともに、総理大臣及び関係大臣に対する省庁別集中質疑を行ったほか、参考人から意見聴取を行いました。
 委員会における質疑は、中央省庁等改革の基本方針、地方分権の推進と本法制定の手順、新省庁権限規定のあり方の検討、巨大官庁への権限集中による利害等、多岐にわたり熱心に行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して小川委員より反対、自由民主党を代表し、社会民主党・護憲連合及び新党さきがけの賛同を得て釜本理事より賛成、公明を代表して渡辺委員より反対、日本共産党を代表して笠井委員より反対、自由党を代表して星野委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、採決の結果、本法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(斎藤十朗君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。伊藤基隆君。
   〔伊藤基隆君登壇、拍手〕
#12
○伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会を代表して、政府提出の中央省庁等改革基本法案に反対の立場から討論を行います。
 今回の行政改革においては、中央政府のスリム化は大前提であり不可欠な改革であります。当然、橋本総理もこの点を以前から何度も繰り返しています。しかし、総理も担当大臣である総務庁長官も、この最も重要な点について、これまでの議論では何ら具体的な方向性を示すことができませんでした。
 中央政府のスリム化を進めるためには、地方分権と規制緩和が両輪であることは議論のないところだと考えます。しかし、この法案には、その中身について何ら具体的な改革内容が示されていません。
 地方分権に関しては、先日、政府は地方分権推進計画を閣議決定しました。この内容は、地方分権推進委員会の四次にわたる勧告をほぼ忠実に盛り込んだものであります。本法案にも地方分権推進委員会の勧告を着実に実施する旨の条文が入っています。しかし、この地方分権推進委員会の勧告あるいは地方分権推進計画を着実に実施したとき、現在の中央政府の権限や財源がどれほどスリム化できるか疑問であります。地方分権推進委員会の勧告では、実際の事務事業の移譲は全くと言っていいほどありません。昨年十月に提出された第四次勧告に若干盛り込まれただけであります。
 地方分権推進計画の中心となるテーマは、機関委任事務の廃止とこれに伴う事務の新たな振り分けです。しかし、機関委任事務を新たに自治事務に振り分けたからといって、その事務は以前から自治体が行っていた事務であり、何ら変わるところはありません。法律は、従来と同じように、自治体の事務を細部まで縛っているのです。
 さらに、地方分権推進計画では、自治体が最も望んでいた地方財源の拡充について、総理が主宰する財政構造改革会議がさきに出した結論に縛られ、何ら期待にこたえる勧告は行えませんでした。
 このように、実際に国から地方への事務も財源も移譲していない地方分権推進委員会の勧告の実施では、中央政府のスリム化が進むはずはありません。唯一公共事業については、国の事業を限定するとしていますが、その移譲先が地方支局では地方分権とは言えません。
 もとより、現在求められている地方分権は公共事業の権限を霞が関から地方支局へ移すという小さな地方分権ではありません。二十一世紀の日本社会を展望したとき、より多様で柔軟な社会を構築していくための重要な手段なのです。
 戦後の経済成長を一元的な価値としてきた社会は既に終えんのときを迎えつつあります。みずからの地域の歴史や風土を尊重し、また、地域地域の特性を生かした多様な社会を形成していくためには、霞が関が幾ら努力したところで限界があります。社会の多様な変化に行政が柔軟に対応するため、同時に一層適切な対応を行うべく地域にあるさまざまな社会的財産を活用するために、地方への決定権とその裏づけとなる財源の移譲、すなわち地方分権が必要なのです。
 規制緩和についても同様であります。
 昨今の社会状況の変化、特に経済社会においては変化の速度がますます速くなっています。しかし、ルールを策定した上で、あるいは年に一度の予算に基づいて対応を行っていく行政では、この変化の速さになかなか対応できません。
 また、例えばデリバティブなどの金融技術に代表されるように、経済社会の複雑さも行政の追随が困難なレベルになってまいりました。この分野において行政が指導的な立場に立ち、企業や産業社会をリードしていくことはもはや不可能であります。
 行政は既に国民や企業を指導する立場ではないのです。行政は国民が安心して活動できる環境の整備を主として担い、または社会的に弱い立場にある人々を守っていくことを主たる役割としなければなりません。競争力のある個人や国民に対しては、細かな干渉は行わずできるだけその能力を活用できるよう、自由を確保することが重要なのです。このことをまず認識しなければ、本来の行政改革をなし遂げることは困難です。行政の役割の転換を踏まえ、新たな環境に適した行政に向けて、地方分権や規制緩和を推進していくことが必要です。
 今回の行政改革は、明治以来の日本の行政体制の大幅な再編成を行おうとする、いわば国家改造にも匹敵する大改革であります。それは社会が既にそれだけ変化し、改革をせざるを得ない状況になっているがゆえの改革であります。したがって、今回の改革は、従来と同様の視点の既得権益を守る形での改革は意味をなしません。従来の視点を大胆に転換し、生活者、納税者、消費者の立場から新たな行政組織を創造していく必要があるのです。このような立場から見た「この国のかたち」を想定し、制度疲労を生じている行政を抜本的に改革していくことが現在求められている行政改革なのです。
 私たちはこのように考えているからこそ、現在過度に中央政府に集中している権限、財源を地方へ、市場へ、市民へ振り分けていくこと、その上で地方分権型、民主導型の社会へ転換していくことを主張しているのです。
 しかし、今回の法案は、こうした最も重要な部分が抜け落ちたまま中央省庁再編だけを先行させたものであり、あるべき手順と全く逆と言わざるを得ません。まさに意図的に行政改革イコール中央省庁再編と、行政改革の議論を矮小化させたものであります。橋本総理は、より重要な改革をなおざりにして性急に省庁の再編を先行させたのです。
 さらに、政府案の大きな欠点は、行政改革の主導権を官僚にゆだねていることであります。今回の基本法はプログラム法であり、実質的な中身の改革は今後の設置法等の制定作業の中で具体化するものであります。特に重要なのが設置法であります。現在の設置法によるあいまいな権限規定が行政の裁量の幅を拡大しているのは明らかです。しかし、政府案ではこの点の歯どめが全くないばかりか、法律案の十七条以下の各省の編成方針には相変わらずあいまいな規定が並んでいます。この法律案を基本として官僚が設置法を編成するとすれば、現在の権限規定が継続される可能性が十分にあります。これでは行政改革の意味そのものが問われます。
 以上のように、本法律案は本来求められている行政改革とは異なるものとなっています。橋本総理がこの法律案を成立させることによって、どのような二十一世紀の日本社会を想定し、現在の行政をどう転換していくかが明確ではありません。
 重ねて申し上げますが、地方分権は我が国の構造改革に不可欠なものであります。地方分権の実質的な進展なくして新たな日本社会の創造はできないのです。この地方分権を含めて、中央から地方へ、官から民への転換を進めることによって行政の裁量権を縮小し、国民が自由にかつ安心して活動できる環境を保障することが二十一世紀の日本社会に必要なのです。このような社会の創造を明確な目的に置いてこそ意味のある行政改革が推進できるのです。
 以上のように、今回の行政改革に求められている視点から見ると、本法案の欠点は明らかであります。政府案は官僚による単なる看板のかけかえであるという問題点から、反対を表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(斎藤十朗君) 石渡清元君。
   〔石渡清元君登壇、拍手〕
#14
○石渡清元君 私は、自由民主党を代表いたしまして、社会民主党・護憲連合、新党さきがけの賛同を得て、ただいま議題となりました中央省庁等改革基本法案につきまして、賛成の討論を行います。
 現在、我々が依拠している行政システムは、明治以来百年を超えて存続し、高度経済成長に至る我が国の発展に大きく寄与してまいりました。しかし、二十一世紀を間もなく迎えようとする今日、我が国の行政システムにつきましては、縦割り行政の弊害や硬直化が指摘されるなど、制度疲労の様相を呈し、複雑化する現代社会にもはや対応できなくなりつつあります。
 そして行政システムの是正といたしましては、官民役割分担の見直し、国から地方への権限移譲といった量的な行政改革にとどまらず、自己責任に基づき個人が自己実現を目指していくことを重視する、より自由かつ公正な社会を実現するための枠組みへの変化、すなわち、事前の管理ではなく、事後のチェックを旨とする行政への質的な変化を求められているのであります。
 このような行政システムの変革の求めに対し、橋本内閣は、行政改革会議の論議並びに政府・与党間協議を経て、本法律案を国会に提出してまいりました。我々は、我が国の将来を見据えて大胆な改革案を提出してきた政府を高く評価し、この国のさらなる飛躍のかぎともなる重要な本基本法案につきまして、以下、賛成の理由を申し上げます。
 賛成の第一の理由は、本法律案により内閣機能が強化され、総理大臣のリーダーシップのもと、機動的な政策実施、危機管理体制の一層の強化が可能となることであります。
 変転きわまりない国際情勢あるいは突発的な自然災害への迅速な対応は、国民生活を守り、国際社会における我が国の責任を果たす上で極めて重要であります。この点において、既に行われている内閣危機管理監の設置に引き続き、内閣官房をさらに強化すること、総理大臣の補佐、支援体制としての内閣府の設置は、内閣総理大臣に強い指導力を与え、そのもとで的確な行政対応がなされることになる点で極めて有意義な措置であります。
 我々は、内閣総理大臣の国政運営上の指導性をより明確化するとともに、内閣機能の一層の充実を図る姿勢を高く評価し、また、省庁再編の目標年である平成十三年を待つまでもなく、必要な内閣機能強化策は速やかに実施していくことを願うものであります。
 賛成の第二の理由は、行政組織の減量、効率化を図っている点であります。
 官民役割分担の見直しあるいは地方分権により、国の役割を減らした上で行政組織をスリム化、効率化することは行政改革の主要な柱であります。また、行政組織の簡素化は、規制緩和のバックボーンとなるとともに行政の透明性の向上に寄与するものであります。
 我々は、独立行政法人の創設を初め、行政機能のアウトソーシングを行うとともに、政策評価機能の充実強化や公共事業の見直しなどにより、行政の効率化の徹底を図っている本法律案を高く評価いたします。そして既得権益にとらわれずに行政をスリム化することこそが財政構造改革の推進にもつながるということを改めて申し上げます。
 賛成の第三の理由は、本法律案が国民の立場に立ち、総合的に政策を展開するため、中央省庁を一府十二省庁という大くくりの省庁に再編し、さらに企画立案部門と実施部門の分離を図っている点であります。
 技術の進歩とともに年々複雑化する社会に対応し、現行の行政システムで今までのように対応していくことは不可能となりつつあります。こうしたことから、本法律案では、縦割り行政の弊害をなくし、国民のニーズに的確かつ柔軟に対応するため、既存の省庁を再編して大くくりのものとし、また、再編された省庁におきましては、企画立案と実施を分離して、その機能の高度化及び行政責任の明確化を図るものとしております。
 本法律案の成立により、高い視点と広い視野から政策調整機能が発揮されるようになり、その結果、行政サービスの質も大いに向上することを強く期待いたします。
 最後に、本法律案は、二十一世紀に向けて「この国のかたち」を再構築するための準備の一つにすぎず、本法律案が可決、成立いたしましても、行政改革はやっとベースキャンプを確保したといったところであります。我々は、この基本法案に基づき、真に行政改革と言い得るような各省設置法案等が速やかに策定されることを求めますとともに、国家公務員制度の改革、地方分権や地方財政制度の改革、さらには行政情報の公開といった行政改革の諸課題をもあわせて断行されますことを強く要請いたしまして、私の賛成討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#15
○議長(斎藤十朗君) 猪熊重二君。
   〔猪熊重二君登壇、拍手〕
#16
○猪熊重二君 私は、公明を代表し、ただいま議題となりました法案に対し、反対の立場から討論を行います。
 敗戦の廃墟の中から今日の我が国の繁栄を築き上げてきた戦後五十年間の官主導の社会経済構造は、それなりに評価されるべきものと思料します。
 しかし、最近の世界情勢は、旧来の社会経済の仕組みの根本的転換を要請しております。すなわち、現時の世界においては各国家間の交流、科学技術の飛躍的向上による世界の時間的、空間的短縮、世界各国を瞬時に駆けめぐる情報網の整備など、十年、二十年前には想像もつかなかった変革が生じております。
 このような世界の変革を眼前にして、我が国が今後も世界の中の一員として、特に世界の発展をリードすべき先進国の中の一国として、過去の栄誉ある地位を維持、継続していくためには、旧来の社会経済構造の根本的立て直しをすることが不可欠であります。
 橋本内閣が六つの改革を掲げ、その達成に全力を傾倒するとの決意は高く評価すべき政策決定であります。しかし、決意、願望の表明は単に改革の糸口にすぎません。問題は、改革の実現それ自体にあります。
 このような観点から見るとき、既に政権担当以来二年を経過したにもかかわらず、橋本内閣の改革実現の成果には見るべきものがなく、また、改革実現へのスピードも余りに遅々としていると断ぜざるを得ません。橋本内閣の六つの改革は、今国民にとって単なるスローガンとしか映らず、国民は改革の実現に対し絶望的状態にあると言えます。
 本法案は、右のような状況にある橋本内閣が中央省庁等の再編を目指して作成、提出したものでありますが、根本的に橋本内閣の右のような優柔不断の性格をそのまま背負った中途半端なものと言わざるを得ません。すなわち、本法案は行政改革、とりわけ省庁再編そのものを実現する法案ではなく、今後何年かをかけて行政改革、省庁再編を実現したいとの決意、願望を表明したスローガン法にすぎないのであります。
 以下、我が公明が本法案に反対する理由を述べます。
 反対する第一の理由は、本法案が、右に述べたように、中央省庁再編に対するプログラム、見取り図を描いたものにすぎない点にあります。
 もちろん、ある改革を志向する場合、当初にその見通し、道行きを見定めることは必要であります。しかし、行政改革は、昭和五十六年三月の臨時行政調査会からでも既に十七年、平成六年一月の行政改革推進本部からでも四年半を経過しております。これだけ論議を積み重ねてきた現在の時点において、今後さらに二年をかけて、あるいは遅くとも五年以内に省庁再編を行うことを定めるなど、考えられない出来事であります。
 今さら何の決意表明か、今ごろになって何のプログラムの宣言かということが本法案に対する率直、最大の批判であります。
 反対する第二の理由は、本法案が、本末転倒の逆立ちした法案であるからであります。
 行政改革とは、まず国の事務事業を根本的に見直すこと、そして見直しの中から地方公共団体に移管すべきものを地方の事務に切りかえること、すなわち地方分権、国の規制を緩和・撤廃して国の事務から解放すること、すなわち規制緩和を行い、その結果として国の事務事業を減量すること、次に減量した事務事業をいかなる省庁にいかに効率的に執行させるかを検討すること、すなわち省庁再編であります。
 本法案は、地方分権の姿が見えず、また規制緩和・撤廃も検討中の段階において、すなわち、国の事務事業の減量が全くなされないままに新たな省庁を編成するとしているのであって、まことに本末転倒の法案であると言わざるを得ません。
 反対する第三の理由は、直ちに実行すべき行政改革を、他の検討課題と横並びにして先送りしている点にあります。
 例えば、前述の世界情勢のもとにおいて、内閣機能の充実強化は一日もゆるがせにできない緊急事であります。すなわち、内閣総理大臣の閣議発議権、内閣官房の機能強化、強力な政策企画立案機能並びに調整機能を持つ内閣府の設置など、即時実施することが必要不可欠の緊急政治課題であります。
 本法案は、全体としての府・省庁再編時期に合わせるために、これらの改革をわざわざ二年先送りすることとしているのであります。
 反対の第四の理由は、本法案が実質的に、地方分権の実現、規制緩和の実現、財政と金融の分離、補助金行政の見直し、公務員制度の改革、官僚の裁量行政の全廃などの、各分野における行政改革について何ら確実な計画も示さず、また、実現された結果の姿を明示することもせず、単に改革の希望、決意を述べているにすぎない点にあります。
 右のどれ一つをとってみても、ただいま現在、確実な実現の道筋、また、その結果が明示されなければなりません。本法案は、右の諸点の改革にとって全く無力、無効な法律であります。
 反対の第五の理由は、本法案のうち唯一の実効性ある規定である中央省庁等改革推進本部の役割、効果が不分明であることであります。
 行政改革は、六つの改革の中でも、特に公務員制度の改革と密接な関係を有するだけに、実現に対し、公務員の側からのあらゆる反対意見や反対活動が予想されるところであります。
 右状況下において、中央省庁等改革推進本部は、内閣総理大臣を本部長とし全国務大臣が委員となって構成されております。しかし、同本部の会議は、各省事務を担当している大臣の繁忙な時間の合間を見て安易、拙速に行われるおそれなしとしません。その場合、実務を推進する事務局こそ、推進本部の中核的機能を有することになります。しかし、法案は、この事務局職員の構成に何ら格別の配慮をせず、現存官僚によって構成されることを当然の前提としております。
 国会審議における答弁で、総理は、事務局職員への民間人の採用や推進本部に附属する民間人による第三者機関構想を述べておりますが、もしそれを重要と考えるのであれば、法案の中にその旨の規定を置くべきであります。中央省庁等改革推進本部の役割、組織構成に関する規定は、全く不完全であり不備であると言わざるを得ません。
 以上の理由により、私の党は本法案に反対するものであります。
 私たち公明は、本法案には反対でありますが、もちろん行政改革の推進、省庁縮小編成そのものには大賛成であり、今後とも行政改革の強力な推進に全党を挙げて努力し、もって真に国民の負託にこたえる国家行政の確立のために全力を傾倒することを申し述べて、反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(斎藤十朗君) 吉川春子君。
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#18
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、中央省庁等改革基本法案に対する反対討論を行います。
 本法案は、橋本総理が会長を務める行政改革会議で、二十一世紀における国家機能のあり方等について、総理みずからが議論をリードし、たった十五人のメンバーで、しかも、国会は人事を含めて何ら関与しないまま最終報告を出して、それを法案化したものです。そこには、政財官の癒着構造を抜本的に打ち破り、行政のゆがみを正す、そして国民へのサービスを充実させるという課題は一切盛り込まれておりません。むしろ、行政改革に事寄せて、政府、財界が長年望んできた国家への大改造プログラムであり、国民の求める行政改革とは相入れないものと言わなければなりません。
 以下、法案に即して、具体的に反対の理由を述べます。
 反対の第一の理由は、本法案が内閣機能の強化、なかんずく内閣総理大臣の権限の強化によって、トップダウン的な政策の推進を可能にしていることです。最終報告は、憲法六十六条三項に抵触する閣議の多数決制の採用や、指揮監督に関する内閣法の規定の弾力化を打ち出しました。既に橋本総理は、国会の同意はおろか閣議決定すらしないで、自衛隊機を海外へ二度派遣しました。これは、行政権は内閣にあり、総理の指揮監督権は閣議決定に基づいて行使するとの憲法、内閣法を踏みにじったものです。
 最終報告が言う危機管理の対象には、周辺事態も含まれることが私の質問でも明らかになりました。内閣機能の強化は、政府の言う災害などの緊急事態にとどまらず、新ガイドラインに沿った有事に即応できる国家体制づくりであることは明らかであり、到底認めることはできません。
 さらに、財界人をメンバーに加えた経済財政諮問会議で、経済財政政策が一元的に決定されることになれば、財界の要求が今以上に政府の施策に直接持ち込まれることは火を見るよりも明らかと言わねばなりません。
 反対理由の第二は、官から民へとのかけ声で規制緩和を推し進め、国の果たすべき責務を、一府十二省庁への再編を通じて民間にゆだねようとしていることであります。
 その典型が、本法案で設置されることになっている労働福祉省であります。現在の雇用失業情勢の深刻さからいっても、その対策は従来の施策の範囲を超えて、解雇規制法の制定、サービス残業の解消など大幅な時短による雇用の拡大、雇用保険の失業給付の弾力化など、思い切った手だてを講じなくてはなりません。
 ところが、労働福祉省の任務からも、その編成方針からも、労働省設置法でうたっている労働者の保護、失業対策の文言は消えうせ、これまで国の責務とされていた職業紹介も民間に任せることとされているのです。加えて、社会保障制度の構造改革を推進するとしていることは、保険あって介護なしの介護保険、医療保険制度、年金制度の全般的改悪など、社会保障制度の連続切り捨てをねらったものであることは明瞭であります。
 また、経済産業省の編成方針は、中小企業の保護またはその団体の支援を行う行政を縮小することを宣言しています。これは、現行通産省設置法でうたう中小企業の振興及び指導、中小企業庁設置法に言う中小企業を育成し、及び発展させ、かつ、その経営を向上させるに足る諸条件を確立するとは、まさに百八十度の転換と言わねばなりません。
 さらに、農水省の編成方針には、食糧自給率の向上が一言も触れられていないばかりか、大規模農家に農業政策を絞り込む、いわゆる新農政を推進することとしています。農業に対する国の財政支出を削減し、新政策を進めることは、家族経営中心の日本農業を崩壊させ、ひいては食糧自給率を引き下げることになるのです。
 反対理由の第三は、この法案が、行政を企画立案機能と実施機能に分離し、実施部門を独立行政法人として独立させ、ここに企業会計原則と達成度チェックのシステムを導入して、国民生活にかかわる公共の分野を徹底的に切り捨てる仕組みづくりを目指していることです。
 独立行政法人は、国立病院・療養所を初め、国立試験研究機関、国立大学など、公務員全体の七五%にも及ぶ実施部門を対象とするものであります。また、対象になっている基礎研究や公共的、長期的視野に立った研究などは、どれをとっても求められている評価を三年から五年で出せるような単純なものではありません。しかも、国立大学まで独立行政法人の対象にするなど、国の責任を放棄し、公務員の身分と雇用に大きな不安を引き起こすものです。
 さらに、法案は、郵政事業を七年後に公社化するなど、民営化にレールを敷くものであります。これは国民サービスの大幅な切り下げにつながるものであり、認めることはできません。
 反対理由の第四は、以上述べたように、国が国民に対して当然果たさなければならない責務は縮小しながら、一方でゼネコン本位の浪費型公共事業の構造を温存し、一層推進する体制として、建設省、運輸省、国土庁、北海道開発庁を合体させて巨大官庁を出現させていることであります。本法案提出の動機が、最終報告で言う五百兆円とも言われる膨大な財政赤字に象徴されるような負の遺産にあるというのであれば、その原因をつくり出した巨大プロジェクトをこそ見直すべきではありませんか。
 ところが、政府は、昨年暮れに供用を開始した東京湾横断道路に並行して東京湾口にもう一本橋をかけることを初め、六本もの海峡横断道路建設計画を五全総として閣議決定をしたのです。東京湾横断道路が巨大な赤字を今後生んでいくことは、予想を大幅に下回る交通量からも明らかですが、こうしたむだと一層の財政破綻を招く巨大プロジェクトの推進こそが国民の厳しい批判にさらされているのです。その構造にメスを入れないで国土交通省とすることは、公共事業の七割を占める巨大利権官庁の出現にほかなりません。
 政府は、行政改革会議の最終報告が発表された昨年十二月四日、声明を発表し、「行政改革の分野だけでなく、それをいわば突破口として、戦後の我が国の社会・経済システムの全面的転換を図っていかねばなりません。」と述べています。しかし、これまで述べたとおり、本法案を突破口として、我が国の社会・経済システムを、議会制民主主義に逆行し、強権的かつ反国民的方向に転換させることは、大企業のみ栄え、国民には大失業と福祉切り捨ての二十一世紀をもたらすもので、断じて容認できません。
 我が党は、憲法の理念にのっとり、民主的で公正かつ簡素、効率的な行政の確立を目指して奮闘する決意を述べ、私の反対討論を終わります。(拍手)
#19
○議長(斎藤十朗君) 星野朋市君。
   〔星野朋市君登壇、拍手〕
#20
○星野朋市君 私は、自由党を代表し、政府提出の中央省庁等改革基本法案について、反対の立場から討論を行います。
 反対する第一の理由は、本基本法案は肝心な中身の見直しを伴っていないことであります。
 国、地方、民間の役割分担を見直し、官から民へ、中央から地方への考えに基づき、規制の撤廃・緩和、地方分権、官業の民間への移管など、民間経済に活力を与え、地方の活性化を図り、もって中央省庁の仕事を減らす行政改革を断行しなければならないのに、その視点が欠落しております。この法案は、単なる機構いじり、省庁半減の数合わせ法案であります。
 反対する第二の理由は、現在の裁量行政の仕組みや、一連の官僚による不祥事を初め、政治腐敗を生む元凶となっている仕組みを全廃するという視点が全くないことであります。
 反対する第三の理由は、公務員制度、政策の立案執行体制、財政投融資、公共事業のあり方、そして統治機構のあり方など、機構改革に一切のメスが入っていないという点であります。
 国の直轄事業以外の公共事業の補助金制度は廃止して、地方自治体に一括交付金として交付し、自治体の裁量によって、自治体が本当に必要とする事業が自由に行えるようにするべきであります。
 また、本基本法案には、役所の数以外の数値目標がありません。行政改革においても、歳出削減目標をはっきりと定めるべきであります。
 橋本総理の六つの改革は、日本の抱える課題を単に羅列したにすぎず、相互にリンクしないという欠陥があります。改革はすべて一つのパッケージとして取り組むべきであり、行政・財政一体の見直しによって歳出削減を行うことが重要であります。
 以上、この法案が行政改革からはほど遠いものと断ぜざるを得ないことを申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
#21
○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。
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#22
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#23
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#24
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十九
  賛成             百十六
  反対             八十三
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#25
○議長(斎藤十朗君) この際、国際問題に関する調査会長から、国際問題に関する調査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。国際問題に関する調査会長林田悠紀夫君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔林田悠紀夫君登壇、拍手〕
#27
○林田悠紀夫君 国際問題に関する調査会における調査の経過と結果について御報告申し上げます。
 本調査会は、国際問題に関し長期的かつ総合的な調査を行うため、平成七年八月四日に設置され、以来、委員の意見表明、委員間の意見交換を中心に調査を進めてまいりました。
 このたび、三年間にわたる調査活動のテーマとして設定いたしました「アジア太平洋地域の安定と日本の役割」のもと、三十の提言を含む最終報告を取りまとめ、去る六月三日、これを議長に提出いたしました。
 その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、「アジア太平洋地域の安全保障と我が国の対応」においては、アジア太平洋地域の安全保障情勢に対する認識を踏まえ、我が国の安全保障、日米安保体制、アジア太平洋地域における多国間の安全保障等について広範な角度から論議が行われたことを示しております。
 論議を踏まえ、平和構築のプロセスに向けた包括的な外交政策の樹立に努めるべきこと、核廃絶を初め、軍縮の推進、兵器移転の透明性の向上を図るべきこと、アジア太平洋地域の安定に向けた諸国間の取り組みを促進すべきこと、北東アジア地域における安全保障に関する対話を促進するよう努めるべきこと等の提言を行いました。
 第二に、「アジア太平洋地域の安定と繁栄のための方途と我が国の対応」では、アジア太平洋地域の経済情勢に対する認識を踏まえ、経済を中心とする分野における地域協力、人口・食糧・環境・エネルギー等の諸課題への対処、人的・知的交流を通じた相互理解の増進等の取り組みに対し、我が国がいかに対応していくべきかについてさまざまな視点から論議がなされたことを示しております。
 論議を踏まえ、日本経済の活性化とアジア地域の経済発展への協調・協力に努めるべきこと、アジア地域の金融・経済問題の克服に対する取り組みへの支援を強化すべきこと、留学生受け入れ施策の充実を図るべきこと等を提言いたしました。
 第三に、「二十一世紀に向けた我が国の経済協力の在り方」においては、本調査会のもとに設置した対外経済協力に関する小委員会における調査をも踏まえ、大きな転換期を迎えている政府開発援助、ODAを中心とする我が国の経済協力のあり方について、国民参加型援助の推進、ODAに対する国会の関与の強化等の広範な角度から論議が行われたことを示しております。
 論議を踏まえ、ODA大綱の見直しの検討に着手すべきこと、国別援助計画の策定を図るべきこと、援助実施体制について一元化の方向で見直しに向けて検討に着手すべきこと、NGOとの連携の強化等国民参加型援助の推進を強化すべきこと、援助評価活動の充実を図るべきこと、開発協力に携わる人材の育成・確保・活用に努めるべきこと、委員会審査の充実、議員のODA案件の視察の促進等国会のODAに対する恒常的な関与の拡充強化を図るべきこと、国会とODAとのかかわりをさらに明確化していくため、国際開発協力の本旨、国際開発協力の基本原則、国会に対する報告等から成るODA基本法案の骨子を提起すること等の提言を行いました。
 以上が本報告書の主な内容であります。
 政府並びに関係各方面におかれましては、本報告書を十分御検討の上、今後の施策に反映されますよう要望するものであります。
 ここに、本調査会の活動を終えるに当たりまして、参考人の皆様方を初め関係各位に心から感謝申し上げまして、私の報告を終わります。(拍手)
     ─────・─────
#28
○議長(斎藤十朗君) この際、国民生活・経済に関する調査会長から、国民生活・経済に関する調査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。国民生活・経済に関する調査会長鶴岡洋君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
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   〔鶴岡洋君登壇、拍手〕
#30
○鶴岡洋君 国民生活・経済に関する調査会における調査の経過と結果について、御報告申し上げます。
 本調査会は、今期の調査項目を「二十一世紀の経済社会に対応するための経済運営の在り方」と決定し、政府からの説明聴取、参考人からの意見聴取、海外派遣による現地調査、国内派遣による実情調査、さらには委員の意見表明を行うなど、鋭意調査いたしました。
 初年度におきましては、経済運営の現状と課題について幅広く調査いたしました。また、二年度は、社会資本整備と社会保障のあり方を中心に検討し、その基本的方向を明らかにするとともに、政策提言を行いました。さらに、本年度は、二年度目に行った政策提言についてフォローアップを行うとともに、過去二年間の調査に基づき、少子・高齢化等に対応するためには、子供を産み育てやすく、生涯を通じて快適に生活できる環境づくりが喫緊の課題であるとの認識のもと、子育て支援、高齢者支援、快適な生活環境の形成について調査を進めてまいりました。
 今般、各会派の意見の一致を見ましたので、この三年間の調査を踏まえ、報告書を取りまとめ、これを議長に提出いたしました。
 以下、報告書の概要について申し上げます。
 まず、経済社会の変化についてでありますが、近年の我が国経済社会に見られる少子・高齢化、情報化、国際化等の変化は、二十一世紀に向けてより一層加速するものと見通されます。特に、少子・高齢化は経済と国民生活に多大な影響を及ぼすものと懸念されます。
 次に、経済運営の現状と課題についてでありますが、経済は厳しい内外情勢に直面し、財政も厳しい状況にある中で、少子・高齢化への対応など、新たな財政需要の増大が見込まれています。
 このため、今後の経済運営に当たっては、限られた資源を有効に活用しながら、少子・高齢化に的確に対応できるよう、社会保障制度の再構築、女性や高齢者等の雇用環境の整備、安心して暮らせる生活環境の整備を図る必要があります。
 また、社会保障・社会資本整備と国民経済について見ますと、社会保障は、需要や雇用を創出する側面もあるため、今後の経済運営に当たっては、保育や介護の需要増大と社会保障の有する経済的な波及効果に着目する必要があります。
 一方、社会資本は、豊かな国民生活を支える基盤であり、今後の経済運営に当たっては、生活関連社会資本の整備を進めるとともに、質的充実に努め、快適な生活環境の形成を図っていく必要があります。
 最後に、豊かな国民生活の実現についてであります。
 本来、夢である長寿や喜びである子育てが長寿リスクや子育て不安となっており、少子・高齢化等経済社会の変化に対応するためには、子供を産み育てやすく、生涯を通じて快適に生活できる環境づくりが喫緊の課題であります。したがって、子育て支援のため、保育制度の充実、育児休業制度の適切な運用・改善、経済的負担の軽減等が必要であります。また、高齢者支援のため、六十歳代前半の高齢者の雇用機会の拡大、介護基盤の早急な充実等が求められます。さらに、快適な生活環境の形成のため、質の高い住宅や生活環境施設の重点的な整備が必要であります。
 なお、今後の経済運営に当たって特に重要と考えられる子育て支援、高齢者支援、快適な生活環境の形成について政策提言を行っております。
 以上が報告書の概要でありますが、その趣旨を実現するため、関係各方面の一層の努力を要請して、御報告といたします。(拍手)
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#31
○議長(斎藤十朗君) この際、行財政機構及び行政監察に関する調査会長から、行財政機構及び行政監察に関する調査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。行財政機構及び行政監察に関する調査会長井上孝君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔井上孝君登壇、拍手〕
#33
○井上孝君 行財政機構及び行政監察に関する調査会における調査の経過と結果につきまして、その概要を申し上げます。
 本調査会は、第百三十三回国会において設置されて以来、「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」をテーマとして、三年間にわたり鋭意調査を進めてまいりました。
 この間、平成九年六月の中間報告におきましては、参議院に期待される行政監視機能を向上させるために、オンブズマン的機能を備えた行政監視のための第二種常任委員会を設置するという調査会長案を取りまとめるとともに、その立法化に係る措置について、議長に要請いたしました。
 この調査会長案につきましては、今国会から本院に行政監視委員会が設置されたことにより、その実現を見ているところであります。
 最終年に当たる三年目におきましては、近時注目されております「政策等の評価制度」について調査を行い、行政府及び立法府において政策等の評価制度に取り組んでいく上で必要と思われる事項について提言として取りまとめ、その報告書を去る三日、議長に提出したところであります。
 以下、その概要について申し上げます。
 まず、行政府における評価制度に関する実態を把握するため、総務庁から評価の視点に立った行政監察の実施状況について、建設省から公共事業に関する評価の取り組み状況について、それぞれ説明を聴取し、参考人からの意見聴取を行うとともに、調査会委員間の自由討議を行いました。
 この自由討議では、評価は国民のために行うものであるということを基本に定めておく必要がある、国会の行政監視機能の充実のため、行政府が行った評価結果を参議院行政監視委員会等に報告させることを政府に義務づける制度を設けるべきである、評価スタッフの養成・確保は必ずしも内部スタッフにこだわることなく、民間のシンクタンク等の活用を積極的に図るべきである等の意見が述べられました。
 以上のような調査を通じ、政策等の評価制度に関し、本調査会として意見を集約し、提言を取りまとめました。
 まず、行政府における政策等の評価制度のあり方として、行政府が企画立案し、執行する政策等が国民のため効率的で効果的に行われているのか、絶えず評価を行い、その結果を国民に明らかにすることにより、アカウンタビリティーを果たすべきであるとの観点に立ちまして、次の三項目の提言を行いました。
 第一に、「効率的かつ効果的な政策等の企画・立案及び執行を確保するため、事前、途中、事後の各段階で分析・評価し、その評価結果を広く国民に提供するシステムの構築を図る必要がある。」
 第二に、「評価の客観性を確保するため、政策等の実施主体以外の第三者機関を通じた厳正かつ公正な評価を行うとともに、評価結果の提供に際しては、国民に分かりやすい内容のものであるよう努めなければならない。」
 第三に、「政策等の分析・評価に当たっては、マイナスの効果も考慮するとともに、数量的評価が困難な分野に対応するため、評価手法の調査研究に取り組む必要がある。」というものであります。
 次に、立法府としての評価制度への関与のあり方としては、行政府が行った評価のチェックや政策の見直しなどの分析は、立法府において行うべきであるとの観点に立ち、立法府は、行政統制の役割を果たすため、行政監視委員会等を活用して、行政府が行った評価をチェックするとともに、行政府が評価しがたい分野について評価を行っていく必要がある。その際、民間のシンクタンク、コンサルタント等の活用を図る必要があるという提言を行いました。
 以上が本調査会の調査の経過及び結果でありますが、最後に、本調査会の提言に基づいて設置されました行政監視委員会が、今後もその役割を十分発揮されますことを期待する次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#34
○議長(斎藤十朗君) これにて休憩いたします。
   午後四時二十六分休憩
ソース: 国立国会図書館
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