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#1
第142回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
平成十年五月七日(木曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 葉梨 信行君
   理事 林  幹雄君 理事 細田 博之君
   理事 田中  甲君 理事 堀込 征雄君
   理事 遠藤 和良君 理事 西野  陽君
      石橋 一弥君    遠藤 利明君
      奥山 茂彦君    鴨下 一郎君
      阪上 善秀君    桜井 郁三君
      田中 和徳君    田中 昭一君
      中野 正志君    穂積 良行君
      松本  純君    上田 清司君
      松沢 成文君    山花 貞夫君
      池坊 保子君    並木 正芳君
      武山百合子君    東中 光雄君
      秋葉 忠利君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 上杉 光弘君
 出席政府委員
        自治大臣官房長 嶋津  昭君
        自治省行政局選
        挙部長     牧之内隆久君
 委員外の出席者
        自治大臣官房審
        議官      牧野 清文君
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  山本信一郎君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  高部 正男君
        衆議院調査局第
        二特別調査室長 田中 宗孝君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十七日
 辞任         補欠選任
  左藤  恵君     北橋 健治君
五月七日
 辞任         補欠選任
  古賀  誠君     遠藤 利明君
  田中 和徳君     阪上 善秀君
  松本  純君     中野 正志君
  北橋 健治君     上田 清司君
同日
 辞任         補欠選任
  遠藤 利明君     鴨下 一郎君
  阪上 善秀君     田中 和徳君
  中野 正志君     松本  純君
  上田 清司君     北橋 健治君
同日
 辞任         補欠選任
  鴨下 一郎君     古賀  誠君
    ―――――――――――――
五月六日
 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等
 の臨時特例に関する法律案(内閣提出第一〇七
 号)
四月二十一日
 船員の洋上投票実現に関する請願(小坂憲次君
 紹介)(第一七八八号)
 同(堀込征雄君紹介)(第一八一五号)
同月二十四日
 船員の洋上投票実現に関する請願(小川元君紹
 介)(第一八八四号)
 同(宮下創平君紹介)(第一八八五号)
同月三十日
 船員の洋上投票実現に関する請願(木島日出夫
 君紹介)(第二〇八七号)
 同(羽田孜君紹介)(第二〇八八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等
 め臨時特例に関する法律案(内閣提出第一〇七
 号)
     ――――◇―――――
#2
○葉梨委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を求めます。上杉自治大臣。
    ―――――――――――――
 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等
  の臨時特例に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○上杉国務大臣 ただいま議題となりました地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 この法律案は、全国多数の地方公共団体の議会の議員または長の任期が平成十一年三月から五月までの間に満了することになりますので、国民の地方選挙に対する関心を高めるとともに、選挙の円滑な執行と執行経費の節減を図るため、これらの選挙の期日を統一し、これに伴う公職選挙法の特例を定め、その他所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、期日を統一する選挙の範囲につきましては、一、平成十一年三月から五月までの間に任期が満了することが予定されている地方公共団体の議会の議員または長について、その任期満了による選挙を三月以後に行う場合、二、これらの議会の議員または長について、任期満了による選挙以外の選挙を行うべき事由が発生し、三月から五月の間にその選挙を行うこととなる場合、及び三、平成十一年三月から五月までの間に任期が満了することが予定されていない地方公共団体の議会の議員または長について、選挙を行うべき事由が発生し、三月から五月の間にその選挙を行うこととなる場合について、これらの選挙の期日を統一することといたしております。
 ただし、平成十一年三月から五月までの間に任期が満了することが予定されている地方公共団体の議会の議員または長でありましても、当該地方公共団体の議会の議員と長のいずれか一方の任期が平成十一年三月から五月までの間に満了し、かつ、当該地方公共団体の議会の議員と長の任期満了の日が九十日以内に近接している場合におきましては、当該地方公共団体の選挙管理委員会の判断によりまして、公職選挙法第三十四条の二の規定、いわゆる九十日特例の規定により、統一地方選挙の日以外の日に当該地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙を同時に行うこともできることといたしております。
 また、平成十一年六月一日から同月十日までの間に任期が満了することが予定されている地方公共団体の議会の議員または長につきましては、当該地方公共団体の選挙管理委員会の判断により、統一地方選挙としてその任期満了による選挙を行うこともできることといたしております。
 第二に、選挙の期日につきましては、都道府県及び指定都市の議会の議員及び長の選挙については平成十一年四月十一日とし、指定都市以外の市、町村及び特別区の議会の議員及び長の選挙については同月二十五日とし、いずれの期日も日曜日といたしております。
 第三に、この法律の規定により統一地方選挙の日に行われる各選挙は、同時選挙の手続によって行うものとして選挙管理事務の簡素化を図るとともに、都道府県の選挙の候補者となった者は、関係地域において行われる市区町村の選挙の候補者となることができないものとすること、文書図画の掲示の禁止期間、寄附等の禁止期間は、いわゆる九十日特例の規定により選挙を行うことができる地方公共団体の議会の議員または長の任期満了による選挙等を除いて、それぞれ各選挙の期日の六月前あるいは九十日前から当該選挙の期日までの期間とすることなど、必要な特例を設けております。
 以上が、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○葉梨委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○葉梨委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石橋一弥君。
#6
○石橋(一)委員 久しぶりに質問をやらせていただきます。
 私は、きょうは大臣、恐縮ですが、大臣と同じ政治家同士の仲間として、皆さん方の御意見よりも大臣と一つ一つ話し合いをして、私自身も突っ込んでいくことはしません、こんなようなことの考えがあるがどうでしょうか、せいぜいそんな程度でありますから、二人の間の質疑応答ということでお願いを申し上げたいと思います。
 そこで、まず第一でありますが、それこそ今お話のありました地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案、これにつきましては、まだ審議をやらないうちでありますが、私といたしますと、賛成の考え方を持っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 そこで、今申し上げたような前提に立って、まず第一に憲法四十三条の問題であります。
 昭和五十七年六月二十四日、参議院の公職選挙法改正に関する特別委員会にて、参議院拘束名簿式比例代表制に関する参考人、これは、参考人がそれぞれ出てやったわけであります。
 その中で、まず第一は、名古屋大学教授の長谷川正安君は、この法案の導入の仕方は「憲法違反の疑いが非常に濃いと思います。」そう言っております。そして、参考人の第二、慶応義塾大学教授堀江湛君は「若干の憲法上の疑義があることは否定できないと思いますが、かといって明瞭な違憲であるという判断もいたしかねる」こうおっしゃっております。そして、三番目に、また参考人中央大学教授佐竹寛君は、選挙権、被選挙権の制限というものは「きわめて慎重でなければいけない。」「今回の法案につきましてはかなり深い疑義があると申し上げます。」こういうふうにそれぞれおっしゃっております。申し上げますと、だめだろうというのが一人、疑義があるけれどもまあまあというのが一人、もう一人は、だめだ、慎重でなければならない、こういう発言をなさっているわけであります。
 私自身、この問題を、ずっと前から既にこの委員会でも質疑をやったことがあります。そうしたことを申し上げて考えてみますと、現行の衆議院小選挙区及び参議院地方区選挙につきましては候補者個人の名前を投票しますが、衆議院の比例代表並立制及び参議院の全国区比例制は政党名を書いて投票する、個人名を書いた場合は無効になる投票方法であります。まさに、政党名を書いてしか有効にならない。したがって、比例区については明らかに憲法四十三条の「選挙された議員」、こう書いてありますね。「選挙された議員」ということに対して違反をしていると私は思っておりますが、大臣の御見解を、決して憲法問題、突っ込みませんから、どうぞ率直に話してください。
#7
○上杉国務大臣 憲法第四十三条の考え方でございますが、参議院におきまして、その選挙に比例代表選挙が導入をされました当時の国会審議等を見ますと、ただいま委員の御指摘のような点について、幅広い御議論があったことを承知いたしておるわけでございます。
 比例代表選挙の当選人は、政党の得ました得票数に従いまして、名簿の順位によって決定をされるものでございます。究極のところ、当選人を国民が決定しているものでございますので、当選人は「選挙された議員」となるものと考えております。
#8
○石橋(一)委員 そこら辺のことでございますが、これは憲法解釈というのは、せいぜい高等学校の生徒あたりがやることが一番率直にそれを表明することができる、こう私は考えています。なかなかもって、学者諸君と今までいろいろな話をしておりますが、右の話をして、そのうち左の話をして、そのうちその次の話になっていって、議論を変えていってしまう、そんなようなことがたびたびたくさんあります。そんなことを考えながら、このことを見てみますと、やはりはっきり、明瞭に選挙された議員をもって組織する、こうなっているのですが、これをそのまま解釈いたしますと、どうしてもおかしなことだな、こう思っておりますので、ひとつよろしく御勘案のほどをお願いを申し上げます。
 次に、重複立候補の問題、これはこの間やったばかりでありますね。重複立候補のことであります。
 平成六年一月十日、参議院政治改革特別委員会で、鈴木貞敏委員が、小選挙区で否決された者が比例区で当選するのはどういうことですかと疑問を出されております。また、平成六年六月二十日、衆議院政治改革特別委員会で、唐沢委員から、選挙区で、例えば五人の立候補者があって、一位は小選挙区で当選する、二位、三位、四位は落選して、五位が比例代表で当選することがあり得るのかどうか。あり得るとすれば、その場合、法定得票数に満たない人や、しかも供託金を没収された人も含まれるのかどうか、疑問を出されております。まさにそれが、平成八年十月二十日施行の第四十一回衆議院議員選挙で疑問が現実となったわけであります。
 具体的なことを申し上げてまことに失礼だな、恐縮だな、こう思いますが、比例区で法定得票数未満の当選者が先回の選挙で八人おりました。しかも、うち二名は供託金没収者であります。この人たちを当選させること自体がおかしいのではないか。この制度は、これは私の考えですが、どうも立候補者のことを大変重く見た選挙制度、裏から申し上げますと、選挙をする人、選ぶ人、この方々にとっては、どうも大変おかしな感じを持つように私は考えております。この点について、大臣の率直な御意見を伺います。
#9
○上杉国務大臣 委員御案内のとおり、小選挙区比例代表並立制が導入されました折に、候補者についても、政党に幅広い裁量を認める趣旨から、この重複立候補制が採用されたものと承知をいたしております。
 重複立候補制度の是非につきましては、一昨年の十月の選挙の結果を踏まえまして、種々御批判、御論議があると承知をいたしておりますが、長期間にわたる政治改革論議の結果この制度が導入されましたことを考えますと、その功罪については慎重な検討が必要であると考えます。今後、よりよき制度に向けて論議を深めてまいりますとともに、慎重にそれらのことについては論議をしていくことが大変重要であると考えておるわけでございます。
 なお、現在与党選挙制度協議会を初め、各党におきましても検討がなされておるところと承知をいたしておるところでございまして、自治省といたしましては、これらの御論議を十分に踏まえ、それを踏まえた上で的確に対処してまいる所存やございます。
#10
○石橋(一)委員 お話は私も理解をいたしますが、どう考えてみても、今言ったような形になつていますと、順序の問題、もっと言えば、比例の場合、党をかえるという問題、途中で違う党に行ってしまう、あるいは今度のようにたくさんの党が一緒になってしまったようなこととか、これはある程度わかりますが、そんなようなことを考えてみますと、どうも基本的に選ばれる人を重く見て、選んでやる人の方を軽く見たような制度だな。今大臣のお話の中に慎重というお言葉があったわけでありますから、まあまあ大臣御自身も、これはさてなと、こうお考えになっているのではないかなと私は推測をしております。
 ただ、これを直すということになりますと、各党の議論ですとか、この委員会の議論ですとか、大変いろいろなことをやらなくてはいけないというのは私もよくわかりますが、選挙区に行って、このぐらい評判の悪いのはないのです。これはあなた方のためにつくったのか、我々はどうなのだということで、大変評判が悪いのですね。評判がいい悪いというようなことで議論をするのはいかがかと思いますが、やはり現実的にはそんなようなことです。
 そんなようなことをお考えになりまして、もう一歩、大臣の積極的なお話を承りたいと思います。
#11
○上杉国務大臣 確かに、委員が御指摘のとおり、有効投票の十分の一に満たない者は供託金の没収をされるわけです。そういう人が当選するという今日の選挙の制度は、御案内のとおり幅広の議論が、国民の間におきましても、また各党間におきましても存在しておるところは十分理解をいたしておるわけでございますが、そのような国民の批判やあるいは議論や意見等を受けとめた上での各党間の議論でございますから、十分各党で議論をされ、またその状況がどうあるのか、その推移も見守った上で、自治省としてはこの選挙制度のあり方等については適正に対処していかなければならない、このように考えておるわけでございます。
 委員のお気持ちというものは十分私も受けとめるところでございます。
#12
○石橋(一)委員 ありがとう存じます。
 そこで、もうちょっと、これは憲法でないですから、少し突っ込ませていただきます。
 昭和五十七年の六月二十四日、参議院公職選挙法改正に関する特別委員会で、参考人、慶応義塾大学教授堀江湛さんが、この政党名簿に投票した場合には、その政党に国民が投票したのでありまして、名簿に記載されている候補者を一括して信任したということになるのではないかと思います。その中の一人が党から除名された場合、その取り扱いはどうなるんだろうか。現在の政党名簿で投票した場合に、当選後にその当選者が離党、除名された場合に一体どうなるのか。あるいは党そのものが分裂したり政界の再編成が起こった場合どうなのかとの疑問を出されております。
 それからさらに、平成十年四月二十七日、旧民主党、旧民政党、旧新党友愛、旧民主改革連合が大国合併をしたわけであります。そして新しい名前が民主党となって結成をされました。こういう場合、党籍及び当選者はどうなるのか。また、みずから離党した場合。
 このようなことが次から次と起きていることも、これもまた現実な姿でありますので、もうちょっとここら辺のところを具体的に御答弁をお願いします。
#13
○上杉国務大臣 当選後の議員の資格の問題についての問いでございますが、当選後に離党した議員の資格につきましては、比例代表選挙においても、一たび選挙され議員としての地位を有した者は、単に一政党を代表するものではなく、全国民の代表、これは憲法第四十三条の一項でございますが、全国民の代表であり、除名のことも先ほど出ましたが、党籍変更をもって議員の身分を失わせることはできないものとの考え方によりまして、現行法ではその規定になっているものと承知をいたしておるわけでございます。
 しかし、比例代表選挙は政党名を書く選挙でありますことから、党籍を変更した議員の資格を失うべきであるとの御意見も一方にあるわけでございますが、このことにつきましては与党政治改革協議会において協議が進められているものと承知をいたしております。その推移等も十分見守ってまいりたいと考えております。
#14
○石橋(一)委員 ありがとうございます。
 いずれにいたしましても、この制度そのものが大変わかりにくい。国民から見ますと何だろうかという感じになっているわけでありますから、どうぞ大臣、大臣の今の御答弁は結局、各党各会派の中でじっくり、どうしたらいいかということをやった後、これは改正をしてもいいのだろうな、こんなふうに私は解釈を自分勝手にいたしますので、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
 そこで、全然違う問題ですが、例えば選挙人名簿の調製につきましては、御承知のとおり、アメリカ、ギリシャの有権者の定め方は、みずからが選挙権を取得する申告登録制であります。日本の場合は国による職権登録制で選挙権を取得する、こうなっているのですね。
 そしてまた、具体的になお申し上げますと、アメリカの場合、選挙権は十八歳でありますから、二十歳という日本に当てはめますと、二十歳以上の人口数が一億八千三百三十四万人、二十歳以上の選挙人登録者数が一億一千六百七十七万人。したがって、約六千七百万の人は登録しませんから、選挙権がない人たちが六千七百万も出ているのがアメリカの制度であります。人数はわかりませんが、ギリシャも同じようなことだと思います。
 そこで私は、これをこうすればどうだということはまだ自分でもきちっとしたものは持っていませんが、民主主義、特に自由主義というものの根底は、社会を維持していく一番の根底は、やはり責任にあると思います。責任を持っていないのがいろいろなことをやると、勝手なことを言ってしまう。選挙制度そのものも、やはり責任ということを考えてみますと、さてな、これはやはり登録制でなく、みずからが申告して選挙権を取ってくるという考え方の方が自由社会を維持する上に一番いいのではないかなという感じ方を私としては持っておりますが、どうでしょうか。
#15
○上杉国務大臣 民主主義のもとでの選挙権の行使あるいは選挙制度の大変難しい議論だと思いますが、委員御指摘のように、我が国では選挙人名簿の登録を住民基本台帳の記録に基づきまして職権登録制としておるわけでございます。また、御指摘のアメリカあるいはギリシャ等では選挙人名簿について申告登録制を採用いたしておると承知をいたしております。
 選挙人名簿については、有権者の自覚を促し政治への積極的な参加を期待する見地から、これを申告登録制とすべきとの議論があることは承知をいたしておりますが、選挙権は国民の重要な権利でありまして、できるだけ漏れなくこの権利行使の道を開いておくべきでございます。また、選挙権は権利であると同時に、選挙という公務に参加する義務としての性格をあわせ持っていることを考えますと、職権登録主義がその趣旨に沿うものではないか、このような判断で、我が国では職権におきます登録制というものを採用いたしておるわけでございます。
#16
○石橋(一)委員 ただいまの大臣のお考え方、私も、そうしたことがありますから、あるいは自分が申告してやるということがなかなか難しくなると思いますので、ただ自由社会というものは、一番のもとはやはりみずからの責任である、すべてのことがそれによって成り立たねばならないというのが私の考え方です。
 そこで、まず選挙のこの問題、早速ということはとてもできないと思いますけれども、そのような考え方、自由社会というのはみずからの責任においてすべてのことをやるという考え、この辺のところはどうですか、大臣。
#17
○上杉国務大臣 民主主義におきまして、果たすべき当然の責任と付与された権利の行使と二つあると私は思うわけでございまして、いずれもこれは大切なことでございます。
 しかし、選挙権という付与された権利については、これは当然行使していただくことがまた大切なことでもございますので、委員の考え方というものは十分受けとめさせていただきたいと思っております。
#18
○石橋(一)委員 ありがとうございました。
 そこで、時間がもうありません。最後に一つだけ、政党法、これは今我が国にはないですね。一定の資格を持っているところについては、国民の税金からいただいて補助金が出るという形になっておりますが、各国のこうしたものを調べてみますと、特にドイツなんというのは政党法というものをきちっとつくって、そしてその中において、国民からいただいた税で補助金を出すという形になっていますね。ここら辺のところはどう、つまり政党法をつくった方がいいか悪いか、どういうふうに大臣はお考えになっておりますか。
#19
○上杉国務大臣 諸外国の政党法またはこれに類する法律は、第一に、政党の資格要件や内部秩序のあり方等を規制する政党規制型、また第二には、政党に対します国庫補助を主目的とし、その対象となる政党の範囲を定める政党国庫補助型、第三には、政党に対する規制と国庫補助の両方を定める混合型の三種類に分類できるのではないかと思います。ドイツの政党法は、どちらかというと三番目の混合型に属するものではないかと考えます。
 我が国では、公職選挙法や政治資金規正法がその法律に必要な範囲で政党に関する規定を有しておりますほか、政党助成法が政党助成の対象となる政党の要件を定めておるわけでございますが、ドイツの政党法のような、政党の内部秩序についての具体的な規定は設けていないわけでございます。
 政党法の制定については、政党助成法や法人格付与の法律の審議の際にもいろいろな御論議があったところでございまして、議会制民主主義の主要な担い手である政党が、その期待される役割を十二分に果たしていくためには、何よりもまず政治活動の自由が最大限尊重されなければならないと考えるわけでございます。政党に対しまして制約を及ぼす可能性のある事柄については慎重に対応を要するのではないか、このように考えるわけでございます。
#20
○石橋(一)委員 ありがとう存じます。
 なかなか、政党法をつくるということになりますと、ちょっと遠いなという感じを受けます。
 これはもう時間が参りましたので御答弁はよろしゅうございますが、私は、特に自分自身が村会議員からやってきて今まで、地方自治体三十年、こっちに参りまして二十二年になりますか、地方自治体というのは、長い間、我が国あるいは中国、このようなところではまず話し合い、そして話し合いをやってどうしても決着がつかなかった場合は選挙をやるという考え方、私は自分でもそう思って、そのように自分の村、自分の市、それをやってまいったものであります。そうした考え方の人が今まだいるなということだけをひとつ御了承していただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#21
○葉梨委員長 次に、田中甲君。
#22
○田中(甲)委員 民主党の田中甲です。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、今回の地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案についてでございますが、第一条第一項において、九十日の特例の規定に従うか、あるいは従来どおりの二回に分けて選挙を行うかという地方自治体で選択ができるとされている点、阪神・淡路大震災関連自治体においても同様に選択権を与えている点、地方自治の尊重並びに自主性ということを重んじている、そんな法案であると思います。
 また、これらの点以外では、統一地方選挙の前年に提出される法案とこれは従来どおり全く変わらないものでありまして、まずこの法案に対しては賛成の意思表示というものをさせていただきたいと思います。
 きょうは三十分の質疑時間をいただきましたので、憲法の前文にうたわれている、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」中略いたします「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」このように国民主権というものを高らかにうたっているわけであります。
 さらに、日本国憲法第十五条第一項で、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と定めて、参政権が国民主権を実現する上で非常に重要な権利として位置づけられているところでもあります。
 本来ならば、主権者たる国民が全員直接政治に参加するという姿がとれれば、いわゆる直接民主制をとることができればいいわけでありますけれども、事実上不可能ということから、代議制を国民主権の実現、国民の政治参加の手段として採用し、具体的に憲法第四十三条「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と定めているところでございます。国民の意思をできる限り公正かつ忠実に国会に反映する選挙制度が憲法上要請されていると認識をいたしているものでございます。
 当委員会は、選挙制度を審議する公職選挙法改正に関する特別委員会は、こうした原点に立って、超党派で審議を行っていく、僭越なことを申し上げるかもしれませんが、間違っても党利党略ではない、国民の権利、意思を一番に置いた選挙制度というものを検討していかなければならない委員会であるという認識を持たせていただいています。
 そんな中で行われました、前回、四月三日、この委員会で審議を行いました在外投票制度の実現というものは、まさに国民の権利、意思を尊重するものであり、大変に評価されるものである、そんな思いを持たせていただいております。
 その際、自治省の選挙部長に私が質問をさせていただきましたところ、残された問題点として、選挙権を有しながら、現在の仕組みの中では事実上投票ができない方々、寝たきり老人の方でありますとか、あるいは洋上におられる船員の方々、こういう方々におかれての今後の対応ということが必要だという答弁をいただきました。きょうは、その点にも触れて御質問をさせていただきたいと思います。
 また、そのときに答弁の中に含まれておりませんでしたが、三年前、一九九五年、平成七年の最高裁におきまして、定住外国人の地方選挙権は憲法上禁止されていない、法整備があれば可能であるという判決が出されております。
 この点について冒頭お聞かせをいただきたいと思うのですけれども、定住外国人に地方参政権を付与することに対する現在持たれている自治省の御見解というものをお聞かせいただきたいと思います。
#23
○上杉国務大臣 ただいまの御質問でございますが、在日外国人に対する地方選挙権の付与の問題につきましては、国民主義、地方自治のあり方、国と地方公共団体との関係等の基本的な事柄にも関係する問題でございます。この点については、さまざまな角度から幅広に検討されなければならない問題と考えております。
 与党三党におきましてはこれまで検討が重ねられてきておるわけでございますが、今後とも、各党各会派におきまして十分御検討をいただきたいものと考えております。
#24
○田中(甲)委員 大臣に御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 選挙部長とされましては今後の方向性というのをどのように御認識されているのか、お考えを持たれているか、お聞かせをいただければありがたいと思います。
#25
○牧之内政府委員 御質問の中にございましたように、平成七年二月の最高裁判決で付言している中で御指摘のような内容が出されたということでございまして、それを踏まえまして、各地方公共団体の議会からも在日外国人の地方参政権を求める決議等が出されまして、私どもの方にも多数来ておるところでございます。
 ただ、この問題につきましては、ただいま大臣ら御答弁申し上げましたように、我が国の、国のありようにもかかわる基本的な多くの問題を含んでおりますので、まずはそこらにつきましての基本的な考え方の整理ということを各党各会派で十分御論議をいただく必要があるのではないか。それを踏まえまして、私どもとしてやるべきことがあれば適切に対応したいというふうに考えておるところでございます。
#26
○田中(甲)委員 各党各会派で審議を行い、検討をいただいてという御答弁でありましたけれども、まさにこういう問題こそ重要な問題としてこの委員会の中でも取り扱っていかなければならないのだろうという気持ちを持っております。
 最高裁は、憲法九十三条地方自治の規定というこの考え方で、住民の日常生活に密接に関連する公共の事務は、その地方の住民の意思に基づいて地方自治体が処理するという形態を憲法上の制度として保障する趣旨で設けられたという解釈をしております。永住している在日外国人に法律によって首長や議員の選挙権を与える措置を講ずることは憲法上禁止されていないというものでございますから、やはりこの点は多くの衆目を集めている問題点として、棚上げにすることなく、決してそのような答弁ではありませんでしたけれども、各党各会派のみならずこの委員会でも、また自治省でも積極的に検討していく課題と考えております。どうぞ前向きな検討、そして議員からの対応に対する適切な自治省の対応ということを求めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に御質問させていただきたいのは、実は、旧民主党の中で衆議院法制局と打ち合わせを行い、提出することのできるような準備をしている法案でございますが、できる限り多くの国民に選挙権を保障することが望ましいとする国民主権の原理の要請にこたえるため、十八歳、十九歳の者に新たに選挙権を付与することが必要と考えるというものでありますけれども、この点について御質問させていただきたいと思います。
 そもそも、国権の最高機関であり唯一の立法府であるこの国会において、積極的に議員立法というものを提出していくべきその姿勢がやはり必要ではないかと思っているものでございますから、この選挙権の年齢の引き下げについても、諸外国、さまざまな国々が、特に先進諸国の選挙権の年齢が十八歳ということになっている、この状況にかんがみて、自治省はこの年齢の引き下げについて現在どのようにお考えになられているかをお聞かせいただきたいと思います。
#27
○上杉国務大臣 基本的なことでございますから、私からお答えいたします。
 諸外国では選挙権の年齢を十八歳としておるところが多いと承知をいたしております。委員御指摘のとおりでございます。ただ、選挙権の年齢の問題だけは、単にこれだけで問題として扱うということではなく、民法上の成人年齢や刑事法での取り扱いなど、法律体系全般との関連も十分に考慮して検討すべき事柄ではないか、そのように考えておるわけでございます。
 ちなみに、我が国におきましては、民法では二十歳、少年法においても二十歳を成人としておるわけでございます。これらとのバランスも十分考慮する必要があるのではないか、このように考えるわけでございます。
 なお、この問題につきましても、まことに繰り返しのことで申しわけありませんが、与党三党の選挙制度協議会におきまして検討をされておるわけでございます。その検討の状況も見ながら、各党にもそういう国民の意見であるとか求めというものを十分吸収していただいておるわけでございまして、各党間の御意見や御指摘の点も含めまして、私としてもやるべきことがあれば適切に対処していかなければならない、このように考えております。
#28
○田中(甲)委員 大臣、ありがとうございます。
 御答弁の中で、日本の場合、民法上の問題ですとかあるいは少年法の問題ですとか、成人というものを二十という規定で取り扱われているという関係上、さまざまな先進諸外国が十八歳の投票権ということであるけれども、日本は成人年齢ということからすると現状においてはなかなか問題があるのだという御答弁をいただいたものと思います。
 そうしますと、御答弁はどなたになるか、私お任せをいたしますけれども、成人年齢というものが他の法律の中で改正されるようなことがありますと、それに連動してこの選挙権も十八歳ということが極めて現実性を帯びてくるというような受けとめ方でもよろしいのでしょうか。
#29
○牧之内政府委員 刑法や民法との関連の問題につきましては、例えば刑法との関連でいいますと、選挙権を十八歳に引き下げましても刑法上の成人年齢が二十でございますので、いわゆる選挙犯罪としての刑の執行が不可能でございます。十八歳、十九歳ということでございますと、刑法上は保護処分ということで、そうしますと選挙権が停止をされないということで、二十以上の成人との均衡を失する、そういう問題から、先ほど刑法や民法との関連を考えないとこの問題は先に進みませんという話をしたわけでございます。
 したがいまして、刑法、民法が十八になれば自動的にじゃあ選挙権も十八になるのかというようなお話ではないのではなかろうかというふうに考えております。
#30
○田中(甲)委員 自動的になるとは申しませんが、しかし刑法や民法においての成人年齢に一律に合わせるということが重要なポイントなんだという御答弁であったかとは思います。
 ですから、私が申し上げたいのは、成人年齢というもの、現行の他の法律における成人年齢をかなり基準にして考えているものである、これは認識してよろしいですか、確認です。
#31
○牧之内政府委員 むしろ、成人年齢の中で選挙権の年齢要件をどうするのかという物の発想ではなかろうか、それが今は成人年齢と一致している、こういうふうに御理解をいただければと思います。
#32
○田中(甲)委員 私の手元だけで恐縮なんですけれども、諸外国における選挙権年齢、被選挙権年齢及び成人年齢という一覧表があります。これを見てまいりますと、今私が質問させていただきました選挙権の問題と同時に、被選挙権の問題というのが関連して出てまいります。この被選挙権を見てまいりますと、まさに成人年齢と一致しているというその姿が浮かび上がってまいります。
 私は、旧民主党の中でつくってきた十八歳の選挙権というものと同時に、被選挙権というものを現行の成人年齢に我が国日本もそろえるべきであるという考え方を持って、ぜひこの点においても議員立法で進めていきたいという考え方を持っております。
 さまざまな国を見てまいりますと、成人年齢と被選挙権というものが一致しているこの姿は、特に地方自治において私は日本の場合に指摘をしてまいりたいのですけれども、地方自治は民主主義の学校であるという言葉もございます。あるいは、住民参加とか住民自治とか地方主権という言葉があるわけですけれども、権利と義務の関係を明確にしなければ、私は、若い世代の投票率というものは上がってこないんだろうと思います。
 もう一枚ここにグラフがありますけれども、平成八年における第四十一回衆議院議員選挙の年齢別投票率の一覧表であります。二十から二十四歳の投票率は、男性を例に挙げてみますと何と三〇%を切っておりまして、二九・八二%。極めて低い。ここから五歳ごとにずっと表ができているのですけれども、一番大きいのは、これは選挙に対する、あるいは社会に対するモラルの問題かもしれませんけれども、八〇・八七%、六十五歳から六十九歳の年齢層においてはこれほど投票率が高い。
 極端に投票率が低いというその理由の一つとして、私は、権利と義務の関係ということを明確にしていない、二十から成人としてさまざまなものに責任が課せられるのに、被選挙権というものは二十から与えられていないという姿に一つ問題があるのだろうと思いますが、この点についてはどのような御見解をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
#33
○牧之内政府委員 各種選挙で二十代前半の投票率が極めて低いことは御指摘のとおりでございますが、その要因分析といたしまして、被選挙権がないということが影響しているのかどうかというものは、私ども、寡聞にしてそのような調査の存在も今のところわかっておりませんので、ちょっとお答えのしようがないのでございますが、先生の御指摘のような要因というのもあるいはあるのかもしれません。その程度で御勘弁をいただきたいと思います。
#34
○田中(甲)委員 私は、そういう要因は極めて高いと思います。つまり、候補者が七十歳のところで、まあそれが悪いとは申しません。しかし、若い方がその候補者に対して同じような時代認識を持てるかというと、これはかなり難しいと思うのです。やはり、自分たちと同じ世代の人間が立候補していく中で若い人の投票の姿というものが生まれてくる。私自身、地方選挙を含めまして五回選挙を行ってまいりましたが、自分を支持してくださる方は大体自分の年齢に平均年齢が落ちついてくるという、そんな認識を私自身は経験上は持っています。
 つまり、二十から立候補していくというような姿。そして、先ほどの選挙権の問題でも、成人ということを一つの基準にされているという中では、成人の年齢に被選挙権を合わせる。すべてをとは申しません。しかし、地方選挙においては、この姿勢というものが今重要になってきているのではないかという指摘をさせていただいております。
 おもしろい資料が目に入りましたので、ちょっと御披露させていただきますが、三十九歳のときに原健三郎さんが質問をされている資料を見つけてまいりました。少しお話をさせていただきたいと思うのですが、そのときに原先生は、衆議院と参議院議員選挙、都道府県知事と地方議会議員選挙の被選挙権年齢に差を設けたことについての質問をされています。そのときの答弁を紹介する前に、その点の質問をまずさせていただきたいと思います。なぜ年齢に差をつけてあるのか。明確な御答弁をいただきたいと思います。
#35
○牧之内政府委員 たしか参議院が三十歳となった理由として聞いておりますのは、やはり年齢が高くなるにつれて思慮分別も深まるということで、参議院の二院制の役割を果たすためには衆議院よりは年齢を高くすべきなのだというようなことがその理由として挙げられていたかと存じます。
#36
○田中(甲)委員 当時の原先生の質問でありますけれども、被選挙権年齢が衆議院において二十五歳、参議院で三十歳ということになるわけですけれども、わずか五歳くらいの年齢の差をもって、参議院が衆議院と異なった、いわゆる異質的なものにしようという考え方が私はそもそもおかしいのではないかと考えているという質問です。さすがに専門のお立場でありまして、答弁は当時の郡さんという内務事務官が答弁されているのですけれども、年齢というものが、何と申しましても人間の思想の円熟さ、分別経験の程度というものをあらわす以上、これによってよき意味の保守性を保つということは、やはり必要なことではなかろうか、かように考えるわけですという答弁をされているのです。
 あれから五十二年たちました。今、さまざまな面で若い世代が社会に参加していく。あるいは犯罪面、悲しい面でありますけれども、そういう面でも低年齢層に犯罪の傾向というのが変化してきている。こういう状態の中において、何度も繰り返すようでありますけれども、地方議会における成人と被選挙権というものを一致させる、このことに対して、議員として議員立法の提出を考えてまいりたいと思いますが、大臣、御見解のほどをお聞かせいただければありがたいと思います。
#37
○上杉国務大臣 地方公共団体の議会の議員及び長の被選挙権年齢につきましては、知事が年齢三十歳以上、その他の者、すなわち市町村長、市町村会議員、県会議員が年齢二十五歳以上とされておるところでございます。
 知事の被選挙権年齢については、公選となりました昭和二十一年の府県制改正以来三十歳以上とされているものでございますが、市町村長との間に年齢要件の相違があるのは、知事という職務から見て、余り年少者では不適当であると考えられたものと承知いたしております。
 諸外国の地方選挙における被選挙権年齢につきましても、さまざまであるようでございますが、選挙年齢より若干高い国が多いということでございまして、地方選挙の被選挙権年齢を引き下げることにつきましては、選挙年齢との関係や国政選挙における被選挙権年齢との均衡をどうするかなどの課題もあるのではないか、このように考えます。
 いずれにいたしましても、選挙の基本にかかわる問題でございますので、これもまことに申しわけありませんが、各党各会派でこれは十分御論議をいただきたい、このように考えております。
#38
○田中(甲)委員 いや、大臣、少しおかしいと思います。
 先ほど、選挙権は成人年齢というものを基準にされたというような御答弁をいただいたところでありまして、世界先進諸外国において成人年齢と一致した被選挙権という傾向が見られているという御説明を時間をかけてさせていただきました。つまり、成人年齢と被選挙権というものを一致させるということが日本の地方議会においても必要なときを迎えているという認識をさせていただいているわけでありまして、残念ながら、大臣の御答弁というものは、どなたがおつくりになられたかわかりませんが、大臣の御見解とは聞き取れないような、つくられた言葉のように聞こえてなりませんでした。
 そして、もう一点、議員が議員立法を提出するということに対して大臣はどのようにお考えになりますかという御質問をさせていただいたわけでありますが、御答弁のほどをよろしくお願いいたします。
#39
○上杉国務大臣 議会における議員立法というものは、その時々の政局やあるいは国政上の問題や、あるいは社会問題等も踏まえて、議員の発議によってなされるものでございまして、議会の活発な論議というものを考えれば、議員発議というものにつきましては、これは議会、議員の活動の上でも国会論議の上でも大変重要であり、必要なことであると考えております。
#40
○田中(甲)委員 大臣、ありがとうございます。
 問題がいろいろな角度から検討されて、整理されていかなければならないと思っておりますけれども、地方議会における被選挙権を二十から、成人年齢と一致させるという議員立法の提出をぜひとも試みてまいりたいと思います。御指導のほどをよろしくお願いいたします。
 洋上投票について質問させていただきます。
 在外邦人の新しい展開が見られて、多くの方々から感謝をされるといいますか、これは当然のことなのですけれども、積極的な公選特の姿勢ということが評価されたところでありますが、洋上投票に関して、現段階で自治省がどのような見解を持ち、そして今後どのような具体的な検討の内容というものを持っているか、その状況をお聞かせいただきたいと思います。
#41
○牧之内政府委員 船員の方々につきましては、その就業形態が特殊でありますことから、洋上投票などの特殊な不在者投票の方法が認められているわけでございますが、外洋航行が長い船員の方々につきましては、いずれにしても投票用紙を投函して国内に送るということはできないということで、事実上そういう方は投票の手段を奪われているという状況にございまして、船員の方々からは、私どもに対しましても、投票権行使につきましての強い要望がたび重ねて行われているところでございます。私どもも、その要請を受けまして、いろいろと問題点や対応策の研究をしているところでございますが、正直なところ、いまだ有効な方策について結論らしいものを導き出していないところでございます。
 先般は、シールドファクスによりましての模擬投票の実験も行われたということで、私どももそのシールドファクスも見せていただき、また、投票の方法等も詳しく聞かせていただきました。いろいろと問題はございますが、大きく分けますと、一つは、本人確認がどういう方法でできるかということ、それから、投票の秘密、これはシールドファクスにしましても、ほかの投票用紙とは明らかに違うものを、どの段階でそのシールドをはがすかということでの、どこまで投票の秘密が守られないことを是とするかということ、それからもう一つは、投票用紙公給主義、これは今全く例外はございません、これの例外をつくらなければならない、そういう問題がございます。
 いずれにしても、今の公選法の中で若干の手直しをすれば対応可能というような問題ではなくて、大きな物の考え方の変更を余儀なくされるというところが一番の問題点であろうということでございます。
#42
○田中(甲)委員 ありがとうございます。御丁寧な答弁をいただきました。
 代理投票制度やシールドファクスあるいは電子投票、さらにはインターネット投票という新しい分野に対する部分、その投票の根幹ということが改正されなければなかなか難しい点があるのかもしれません。
 そんなことも委員長にこれから相談をさせていただきながら、参考人を呼んで、現状がどうなっているのか、あくまでも投票の権利ということを守っていく公選特の姿というものを進めながら、具体的には参考人招致というような形で進めてみたいと思っておるのですけれども、その点は大臣、いかがでしょうか。
#43
○上杉国務大臣 委員会の運営については、各党の代表の理事さん、委員長を中心にしてその運営は御決定をいただくものでございますが、一般論で申し上げますと、参考人等をいろいろ委員会や、審議のためにお招きになってお聞きになるということは、私は、議員活動としては当然必要なことではないかと思います。ただ、委員会の運営については、私があれこれ言うものではなく、これは理事会等で御協議いただき、方向づけしていただくものであります。
#44
○田中(甲)委員 大臣、ありがとうございました。葉梨委員長と相談をしながら、理事会で相談、協議をしながら進めてまいりたいと思います。
 最後に一点だけ質問させていただきます。
 現行法上の第四十九条第二項、郵送投票の制度が定められている重度障害者の投票のシステムでありますけれども、これは重度障害者だけに限られたものであって、寝たきり老人の投票権や、あるいはいろいろなケースがあると思いますが、例えば産後の治療をされている方々、自宅から動けないような方々は、選挙権を持っているのに実際には投票ができないという実態であります。
 いろいろ紆余曲折があったようであります。一九五一年に在宅投票制度が廃止されているという姿でありますが、やはり投票の権利ということを守っていく姿勢というものは当然必要だろうと思いますが、現段階においてどのようなお考えを持たれているか、また、具体的に検討されているのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#45
○牧之内政府委員 在宅の寝たきり老人の方々が増加をしておりまして、これらの方々に実質的な選挙権の行使が可能な道を開くということは、重要な検討課題と認識をしております。
 問題は、今お話がございましたように、郵便投票、いろいろな経緯のもとに現行のような非常にシビアな制度になっているわけでございまして、これを拡大していくということになりますと、従来あった問題点がどのようにクリアできるのかというところが、やはり自信を持った仕組みにしていかなければいけないということでございまして、一つには、在宅寝たきり老人という方々をどういうように公的に認定をしていけるのかというところが一つのポイントではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#46
○田中(甲)委員 どうもありがとうございました。以上で質問を終わります。
#47
○葉梨委員長 この際、休憩いたします。
    午前十時九分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時一分開議
#48
○葉梨委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。遠藤和良君。
#49
○遠藤(和)委員 きょう審議をいたしますこの法案は、来春の地方統一選挙を、昭和二十二年以来やっておりますように、県の選挙と市町村の選挙を二週間間を置いて実施しようとするものでございますから、従来のやり方と特段変わったやり方ではない、こう理解をさせていただいております。
 この法案の審議の前に、若干大臣に所見をお聞きしたいのですけれども、最近、各種選挙の投票率が大変低い、三〇%とか四〇%とか、そういう選挙が見られるわけでございますが、これは民主政治、代表を選び出すというその仕組みからいって、制度の根幹にかかわる危機的な状況ではないかな、こう思うわけでございますが、この低投票率の問題についてどのように認識をしていらっしゃいますか、お伺いしたいと思います。
#50
○上杉国務大臣 お答えいたします。
 最近の投票率の低下傾向は極めて著しいものがございまして、委員御指摘のとおりでございます。私としても大変心配をいたしておるわけでございまして、このまま投票率の低下が続きますと、民主主義にとりましても極めて憂慮すべき事態であると深刻に受けとめております。
 この背景には、いろいろな見方がございますが、その時々の選挙の状況にもよるということは、もう私が申すまでもないことでございます。総体的には、国民の政治に対する信頼感あるいは期待感が極めてなくなっておる、また政治に対する無関心が非常に若年層にございますこともその一因だ、こう思っております。さらに、政治が国民の求めに合致した形で機能していないような見方がされておるかもしれません。そういうものが総じて投票率の低下ではないか、このように考えておるわけでございまして、投票率の低下そのものは、政治に対する不信感、期待感がなくなったことと無関心が非常にふえておること。
 投票率の低下に少しでも歯どめをかけるべく、選挙の管理、執行の面から、投票時間の延長でありますとか、あるいは不在者投票の条件緩和でございますとか、これらのこと等について公職選挙法の改正をお願いいたしたわけでございまして、さきの臨時国会で、これらのことについては少しなりとも投票環境の条件整備ができたもの、このように考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この投票率の低下は重要な問題でございますし、私ども政治に携わる者が、与野党を超えましてこの責任を自覚し、政治不信の解消や政治がより魅力的なものに機能していくことに万全を期して頑張っていかなければならない、また政党や候補者が、選挙に対しての争点を明確にいたしまして、活発な選挙運動を行うことも今後の課題としてあるのではないか、このように考えておるわけでございまして、責任者として責任を痛感し、どんなことでも、あらゆる手を使ってやれることはやらなければならない、このように考えております。
#51
○遠藤(和)委員 低投票率の原因が政治家の側にあるという認識は私も同感するところでございます。やはり、政治自身が国民にとって信頼を回復する、そうした魅力のある政治、あるいは緊張感のある政治、そういうものにダイナミックに変わっていかなければいけない。これは大きな、大事な原因の一つだと思います。
 もう一点。せっかく選挙権がありながら、いろいろな理由で投票所に行くことができない、この人たちに対して、私ども、その投票機会をどのように拡大していくか、こういうこともこれは考えていかなければならない問題でございます。
 その中で、今後の大きな課題といたしましては、高齢化社会になってきますと、いわゆる在宅の寝たきり老人の方がふえていくわけでございますが、この方々は、今の選挙制度では郵便投票の該当ではないわけでございまして、不在投票をするか、あるいは直接投票日に投票所に行かなければならない。寝たきりでございますから、なかなか移動が大変なわけですね。この方々に郵便投票制度をさらに拡大していくという方法もあるでしょうし、あるいは私、考えるのですが、巡回投票制度といいますか、むしろ選挙をやっている職員の方が、その御家庭を訪問をして、投票箱を持っていってちゃんと投票してもらって帰ってくる、こういうふうなことも考えようによっては可能だと思うのですね、巡回投票制度。あるいは諸外国でやっているのですが、代理投票制度ですね。信頼できる家族の人に委任をしてその家族の方が代理投票する、こういう制度もあろうかと思いますが、自治省としては、この在宅の寝たきりの方々に対してどういうふうなことを考えているのか、これをちょっとお聞きしてみたいと思います。
#52
○牧之内政府委員 高齢化社会の進展に伴いまして在宅寝たきり老人が増加をしておりまして、これらの方々に投票権行使の機会を確保することは重要な課題だと認識をいたしております。
 まず、その方法といたしまして、今先生御指摘がございました幾つかの方法が理論的にはあり得るというふうに思っておりますが、その中で、巡回投票につきましては、その短い選挙期間内に選挙管理委員会の職員が、これは単独で行くわけにもまいりませんし、複数の者が一々回っていくということが、すべて網羅できるのかということが非常に大きな課題でございますし、もし交通至難な地とか、あるいは交通状況が悪かったというようなときに、それが不可能になった場合の取り扱いをどうするのかといったような大きな問題があるというふうに思っております。
 それから、代理投票につきましては、諸外国ではそのような例は多いわけでございますが、我が国の選挙制度では、投票の秘密というものを厳守するという立場から、いわゆる代理記載は認めておりますが、だれかに委任をして投票してもらうという代理投票は全く制度化の外にあるのが現状でございまして、これにつきましても、我が国の選挙制度全体の中でそういう方法をとり得るということにつきましてはなかなか困難な問題があるのではないかという認識を持っております。
 したがいまして、考え得る一番現実的な方法は、やはり郵便投票ではなかろうかということでございます。これにつきましては、郵便投票は過去からいろいろな経緯がございますので、その経緯も踏まえ、特に寝たきりで投票が不可能な者というものの認定をどうしていくか、そこのところを、いろいろな諸制度との関連を見ながら研究をしてまいりたいというふうに考えております。
#53
○遠藤(和)委員 介護保険制度が導入されまして、要介護者の認定をするということになると思いますね。そうすると、公的に認定された人が出るわけです。その公的に認定された人というのは、その時点で郵便投票の対象者とする、こういうふうなことは考えられますね。
#54
○牧之内政府委員 介護保険制度が平成十二年からスタートいたしまして、要介護状態の認定というものが行われるわけですが、大体六区分によって認定が行われるということでございます。そのそれぞれの区分の中で、仮に使うとしましても、どこの区分の人たちが現在の身障者等とのバランスから見て妥当なのかどうかということを検討しなければいけませんし、そして、現在の身障者制度の認定の仕組みとこの要介護状態の認定の仕組みというものの公証性というものがどういう関係になり得るのだろうかというようなことも少し内容を詳しく勉強させてもらい、また、その認定状況というものがどういう推移をたどるかということも見定めさせていただかなければ、なかなか結論が導き得ないのではないかという認識でございます。
#55
○遠藤(和)委員 ですから、これは厚生省の所管になると思うのですけれども、厚生省と自治省がよく協議をして、実際に投票所に向かうことは困難であるというふうな認定を、一級から六級ですか、その間で何級までにするとか、そういう話を具体的にすると。もうしているのですか。
#56
○牧之内政府委員 要介護状態の認定というものがこの問題を検討するに当たっての一つの取っかかりにはなるのではないかという認識は持っておりますが、まだ具体的に厚生省と協議等を進めている状況にはございません。
#57
○遠藤(和)委員 ぜひその協議は幅広くやった方がいいと思うのです。
 それから、これは寝たきりの老人ばかりではなくて、例えば難病の人だとかそういう方も、必ずしも重篤な身体障害者に認定されていない人がおりますね。実際は難病でほとんど寝たきり状態だ、こういう方もいらっしゃるわけですね。ですから、老人と限らないで、若年の方も対象として検討を広げる、こういうことを考えるべきだと思いますが、どうでしょうか。
#58
○牧之内政府委員 寝たきり老人の方々と同じような身体の障害の状況にある方々も含めて、やはり検討はすべきだという認識は持っております。
#59
○遠藤(和)委員 それから、巡回投票制度は、時間的に短いという話で否定されたわけですけれども、今度行政改革の中央省庁の再編がありまして、将来、総務省という形になって、いわゆる現在の自治省それから郵政省等が一つの役所になるわけですね。そうすると、郵政省の職員、郵便局の職員の皆さんですけれども、ワンストップサービスということで、二万四千の郵便局を国民のサービスの窓口にしたい、こういうふうな計画を持っていらっしゃいます。福祉のサービスだとかいろいろなことも国家公務員である郵便局の職員がやりましょう、こういうことを言っておりまして、具体的には、年金の配達だとか、そういうこともやっていらっしゃるようです。しかも、郵便局の職員の人というのは、田舎の方では各家庭まで全部よく知っているわけですね。ですから、巡回するのはそんなに苦になっていない人たちではないかなと思います。
 そうすると、郵便投票ですが、ポストまで持っていかなくてもその方に渡すとか、あるいはその方から投票用紙を持ってきてもらうとか、ポストまで持っていかなくてもとりに来てくれる、そういう形でうまくリンクしていけば、郵便投票の形態ですけれども実質的には巡回投票のような形で、投票用紙の入った郵便物がきちんと郵便局の職員の方に家で渡せる、こういうふうな制度も考えたらどうかな、こう思いますが。
#60
○牧之内政府委員 仮に巡回投票というものを制度化する場合も、当該本人がちゃんと記載をしたということが確認できて、公正な投票であるということが確認できるような仕組みをつくらなければいけない。そうしますと、やはり不在者投票管理者なり投票立会人といったようなものを設ける必要があるということになろうかと思いますが、先ほど申しましたように、それに選挙管理委員会の職員がすべて対応するということであると、これはもう不可能に近いであろうということでございます。だから、かわりにどういう活用の方法があるのかということは検討材料でございますけれども、今のところこういう方法があるということを確定的に申し上げる状況にないということでございます。
 御指摘の点につきましては、参考にさせていただきたいと思います。
#61
○遠藤(和)委員 私は、郵便局の職員の方は国家公務員であるということから、そういう選挙の管理者としてそのときにはお願いをするということは可能なことではないのかな、安心のできる状況ではないのかな、こう思いましたものですから、ちょっと提言として言わせていただきました。
 それから、電子投票制度のことなんですが、やはり将来は電子投票制度に持っていくのが大切ではないかと思うのですね。こうなると、記号式の制度に変えなければいけないという面があります。あるいは、本人確認のためのアイデンティティーカードを本人に持ってもらわなければいけないという二つの点があるのですが、今、住民の登録、住民のコードをつくるということでございますから、本人確認のカードはそれからできるという話になりますと、記号式に変えていくという障害を乗り越えれば、これは技術的には可能な問題ではないのかなと思います。やはり、開票作業が格段に速くなりますし、投票所の数も非常に、今よりも格段に多くなるし、私は、日本全国二万四千の郵便局を即投票所にすればいいのではないかなという考え方も持っているのですけれども。
 そういうふうな形で、電子投票制度というものを将来日本の国においてもやっていくんだ、こういう方向で、自治省としても、具体的な検討を進めて、いつ結論を出してということまで将来ビジョンは明確になっているのでしょうか。
#62
○牧之内政府委員 電子投票制度につきましては、開票時間がスムーズになりますし、無効投票も少なくなりますし、また、完璧な意味の電子投票制度というものができますと、いつでもどこの投票所からでも投票できるというようなシステムも可能なわけでございまして、私どもも将来のシステムとして大いに関心を持っているところでございますが、ただ、いろいろとネックがございまして、ただいま先生から御指摘のあったところでございます。
 ただ、お話にございましたように、現在自治省の方で住民基本台帳ネットワークシステムの構築のための住民基本台帳法の一部改正法案を今国会に提出をさせていただいております。これができますと、ICカードによります本人確認等が可能になってまいりますので、技術的には電子投票制度の実現性ということに展望が開けてくるのではないかというふうに考えておりまして、このネットワークシステム等の伸展の関連において引き続き研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
 いつまでというようなお答えができる状況にはまだ至っておりませんことをお許しいただきたいと思います。
#63
○遠藤(和)委員 午前中にも若干話題になりましたが、洋上投票制度の問題ですけれども、多くの皆さんから、特に外国航路に乗っている、あるいは漁船の船員の皆さんから陳情があるわけです。
 シールドファクスを使った模擬投票をやった、こういう話があるわけですが、ファクスを使った投票というものは、いろいろな課題はあると思うのですけれども、時代を反映した話だと思いますね。ですから、そういう方向性というものはやはり今後考えていかなければいけない問題である、こう思います。
 技術的な問題は別にしまして、法律的な問題としてどんな障害がありますか。
#64
○牧之内政府委員 一つには、ファクスで送られてくるということで、投票の現場がわからないわけでございますので、本人の投票かどうかという、本人確認をどういうふうに仕組むかという点。
 それから、シールドファクスという方法を用いましても、ほかの投票用紙とは違いますし、また、いずれかの時点でそのシールドをあけなければいけないわけでございますので、投票の秘密との関連をどう考えるかという問題。
 それから、投票用紙公給主義をとっておりますが、ファクスはコピーでありますので投票用紙公給主義の完全な例外になるわけでございまして、この例外は現行制度上は全くないわけでございまして、大きな壁を乗り越えなければいけないということになるわけでございます。そのあたりが今後検討をし、結論を出していかなければならない問題だと思っております。
#65
○遠藤(和)委員 本人確認というのは、例えば船なら船の船長さんがそこの選挙責任者という形でやるとか、あるいは、住民基本台帳ができたらIDカードができるわけですから、これは簡単に本人確認ができますね。
 あとは、投票の秘密を保持するという話ですが、たくさんいらっしゃるところだったら、シールドファクスをあけてもだれの字だかわかりませんよね。でも、そういう方が一人とか二人というところは特定されますよね。そこら辺の問題があるのじゃないかなと思うのですね。そうすると、それをどこかまとめて管理して連絡するという方法もあるかなという気もします。
 電子投票制度になれば何にも問題はないわけですね、船の上に投票機を置けばできますから。でも、電子投票制度というものは、そんなに急に、あしたあさってできるような話じゃありませんから、やはりファクスで出した書類が、住民票とか、公文書として通るような時代にもなっていますし、何か、船員の方々に特定して、こういうふうな選挙の機会を拡大するために特例として法律をつくる、こういうことは手法としては可能ではないかと思うのですが、どうでしょうか。
#66
○牧之内政府委員 特に、外洋航行で長い航海途上にある方々は、現行の投票方法では投票ができない、投票の道が閉ざされているわけでございますので、何らか別途の方法を講じなければいけない。それは現行法にない特例制度になるということでございます。したがいまして、理論的に絶対不可能ということではないわけでございますが、先ほど申しましたような幾つかの問題がございますので、その問題点についてどういうふうに乗り越えていくのか、より問題が少ない方法というのをいかに見出していくのかというところが検討課題であるというふうに思っているところでございます。
#67
○遠藤(和)委員 ぜひ実現の方向でお取り組みをお願いしたいと思います。
 それから定住外国人の地方参政権付与の問題ですけれども、これは最高裁から憲法解釈の話がありまして、立法の問題だという話になっているわけです。
 これは大臣の見解を聞きたいのですが、参政権というのは、一つは被選挙権と選挙権がありますが、定住外国人の方に被選挙権を付与するという問題点は憲法上どうか、参政権を付与するのは立法措置でできるのだ、こういうふうな判断ではないかと思えるのですが、選挙権と被選挙権に分けて大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#68
○上杉国務大臣 在日外国人に対する地方選挙権、被選挙権と分けてと、こういうことでございますが、これらにつきましては、むしろ参政権の付与という問題の方が、国家としての権利を付与することが非常に大きな問題がある、私はこう思うのですね。
 この付与権の問題につきましては、国民の主権あるいは地方自治等のあり方、さらには国と地方公共団体等との関係など、基本的な事柄等も関係する問題でもあり、これはさまざまな角度から幅広く検討されなければならない問題だと考えております。
 与党三党におきましてもこれまでも検討が重ねられたと承知をいたしておりますが、この件については、まだ各党各会派、十分結論が出たとはお聞きをいたしていないわけでございまして、午前中にも申し上げましたけれども、引き続き各党各会派において十分御検討をいただかなければならないもの、このように考えております。
#69
○遠藤(和)委員 国政選挙に対する参政権は考えられない。その理由は、外国人に日本の国の意思決定をゆだねるわけにはいかない、こういう理由だろうと思います。
 それから、地方の選挙の被選挙権というのは知事さんとか市長さんとかあるいは議会の議員になるという資格ですけれども、これもやはり、今の日本の国の仕組みは機関委任事務とか団体委任事務がございますから、国の統治行為の一環を地方にゆだねている部分がありますから、間接的にですけれども国の統治行為の責任を外国人に任せるわけにはいかない、こういう論理ではないのかなと思うのですね。
 しかし、人を選ぶという投票権の問題、特に地方の首長あるいは議会の議員の皆さんの選挙に参加する、要するに投票権を付与する、この問題は、私は、国の統治行為とは一線を画した話でございますから、やはり税金を払っていらっしゃるわけですから、積極的に、きちんと選挙権も与える、こういうことが論理的には大事ではないかなと思うのですね。ですから、最高裁の判決でもそこの部分については国の立法の事務の中で考えるべき話だ、こういうふうにされたのではないかな、私はこう理解をするわけですが、大臣はどういう認識を持っていますか。
#70
○上杉国務大臣 先ほどもお答えいたしましたとおり、与党三党初め各党で御論議をいただいておるわけでございまして、その御論議の推移というものを十分見きわめた上で、自治省としては適正に対応しなければならないもの。特に、もう既に永住をされて、ある意味では帰化をされたりして同化されておる方はたくさんいらっしゃるわけでございまして、そのような委員御指摘の御意見というものは十分受けとめさせていただきたいと考えております。
#71
○遠藤(和)委員 質疑時間が終了いたしました。どうもありがとうございました。
#72
○葉梨委員長 次に、西野陽君。
#73
○西野委員 自由党の西野陽でございます。
 まず、今次委員会に付託をされております地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案につきましては、私どもは賛成の立場にありますことを申し上げておきたいと思います。
 私もこの公選特の委員会に所属をさせていただいた期間はまだ短いわけでございますが、先般、懸案でございました在外邦人の投票権付与の方向づけが本委員会で決定をされたところでございます。比例区のみということでございますが、大きく前進をしたことでありますし、我が国の選挙制度の中に、いわば画期的な一歩をしるしたというふうに思っておるのです。ひとえに葉梨委員長のリーダーシップとお人柄によるところも大ではないかと思いますし、加えて上杉大臣のリーダー性のしからしめるところではないか、まずそう思って評価をしておきたいというふうに思っています。
 それだけに、けさの質問者の答弁等を承っておりまして、性格上やむを得ないところもあるかというふうに思うのでございますが、大臣初め政府委員の皆さんにおかれまして、これから御質問を申し上げますことについてはどうぞ、各党間で十分審議をされましてその結果を見定めた上でという御回答の余り出ないことを、むしろ大臣として、あるいは一国会議員としての考え方を吐露していただいた方がありがたいな、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 したがいまして、私が常々考えておりますことも踏まえまして、二、三御質問、考え方、大臣の所見を伺いたいというふうに思います。
 まず、公民権にかかわる問題でございますが、公民権というのは、広辞苑を見ますと、「公民としての権利。国会または地方公共団体の議会や長に関する選挙権・被選挙権を通じて政治に参与する地位・資格などを指す。」こう広辞苑に出ております。要するに、選挙権、被選挙権にこの公民権は代表されるものであるというふうに思います。
 このことは、憲法の第十四条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」十五条には「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」とうたわれております。さらに、四十四条では「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。」例外規定がまたそこにあるわけでございます。
 ところが、いわゆる収賄罪等々の犯罪を起こした犯罪者に対しては、公民権が停止をされておるところであります。例えば、一般犯罪におきましては実刑判決を受けた以上の方。さらには、収賄罪におきましては執行猶予から公民権が停止をされております。選挙犯罪に至りましては、直接選挙にかかわることでございますから、執行猶予になっております。政治資金規正法違反についても同じくであります。さらに、さきの総選挙から実施をされました連座制という問題につきましても、それが確定した日から五年間公民権が停止をされておるところであります。
 そこで、私は、きょう申し上げたいことは、我が党初め何党かで御検討をされていると思うのですけれども、いわゆる公共事業の入札干渉罪なるものであります。国会議員等が、公の入札の公正さ、政治家の政治倫理の確保のために、この入札干渉罪というものを考えるべきではないか。
 このことは、いろいろなところで政治家にかかわります公共工事との関連での事件等々が残念ながら後を絶たないわけであります。余りこんなことは本委員会で自慢たらしく申し上げることができないのでありますが、私の選挙区は大阪の東大阪市でございまして、目下、私どもの市長が大変申しわけない事態にあるわけでございます。そんなことからいたしまして、この公共事業の入札は、政治家、公務員の清廉さ、透明性、公平性、機会均等がむしろ業者に担保されるべきだというふうに思っています。
 いやしくも国会議員、それから首長、地方公共団体の議員その他、その候補者になろうとする者が、正当な理由は除いてでありますけれども、入札の手続だとか、あるいはその入札の決定に影響を及ぼし得るような行為をした場合は、要するに公正を害すべき干渉を行った場合は罰金に処すべきではないか、こういう検討を今いたしておるところであります。さらに、その干渉行為によって政治家が不正な利益を受けた場合、これはさらに罰則といいますか刑罰を厳しくして、懲役もしくは禁錮に処すべきではないか。
 こんなことを今検討いたしておりましたら、ちょうど与党の皆さんの方で、政治家のいわゆるあっせん利得罪等を御検討されておる由でございます。与党の枠組みであります社民党さんとの御意見がどうも一致していないようでありますけれども。そのあっせん利得罪と称するものの中の公共事業に係る入札干渉罪であると私どもは思うのですが、これは、ある意味で社民党さんのおっしゃっていることの方が私は筋論だな、正論だな、このように思っております。
 したがって、仮に干渉罪というものが成立をいたしまして、その法律に従って仮に将来有罪になりました場合には、当然またそこで公選法の公民権停止条項がこの入札干渉罪として追加をされるべきではないかな、そういうふうにも努力をしていくべきかな、そのように思っております。
 これはもちろん、その処分が、申し上げましたとおり、単なる干渉だけで何の利得も、経済的な利益その他も得ておらないという場合は罰金ぐらいで、それを処分の対象、公民権停止の対象にするかどうかということは、これからそれこそ議論をしていかなきゃならぬと思います。少なくとも、そういう公共事業の干渉をすることによって経済的な利益その他を得せしめたということになりましたら、これはしかるべく刑罰を受けるべきだ。そういう場合には、当然ながら公民権も停止をされるべきではないか。
 以上、私どもが今検討いたしております入札干渉罪の内容について、私の考えも含めながら申し上げたようなことでございますが、まず、この入札干渉罪なるものが今後浮上してまいりました節に、自治省としてこの公民権とのかかわりの中でどのように考えられますか、お答えをいただきたいと思います。
#74
○牧之内政府委員 犯罪と公民権停止の関係につきましては、ただいま委員からいろいろお話がございましたような現行制度になっているわけでございまして、選挙犯罪、政治資金規正法違反につきましては、最も厳しく公民権停止との関係が考えられている。いわゆる選挙犯罪、政治資金規正法以外は禁錮以上の刑が対象でございまして、一般犯罪の場合は、実刑があったときの実刑期間、それから収賄罪の場合は、実刑があった場合は実刑期間とその後の五年間、さらに執行猶予期間も公民権が停止されるというような仕組みでございます。
 今お話がございました入札干渉罪というものの内容につきましては、今初めてお聞きをした状況でございますので、収賄罪なりその他の一般犯罪との関係、位置づけがどうなるのか、それによって公民権停止との関係をどう考えるか、そのあたりが検討されるべきお話ではなかろうかということでございます。
 それ以上のコメントにつきましては「私どもから申し上げることは差し控えさせていただきます。
#75
○西野委員 いずれぜひ俎上に上げてまいりたいというふうに思っておりますので、その折はぜひひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 大臣、お越しをいただいておりますが、入札干渉罪、初めて聞かれる言葉であるかもしれませんが、そういう一つの立法行為というものが、最終的には議員の政治生命、公民権停止を含む制度も含まれてくるというような事態になりますと、これが一つの大きな政治浄化、歯どめになるのかなというふうにも思っております。
 先ほどの遠藤委員のお話にもありましたとおり、選挙に対する投票率の低さ、あるいは政治家に対する国民の信頼、そういう点からしましても、こういう機会に私どもは入札干渉罪というものを俎上に上げてまいりたいというふうに思っておりますが、この精神、干渉罪がいい悪いということは議論がされるところでございましょうが、そのような考え方、干渉罪という精神について、大臣、どのような御感想をお持ちでございますか。
#76
○上杉国務大臣 与党三党で協議されております利得あっせん罪にしましても、ただいまの入札干渉罪にいたしましても、これは政治腐敗を防止して、政治倫理を確立するということに前提は当然置かれておる、私はこう思うわけでございます。また、国民の皆様から信頼をかち取るためにも、そのような意味で、政治腐敗をなくし、議員みずからが襟を正して政治倫理を確立していくことは極めて重要なことだと考えております。
 私も御提言の入札干渉罪については承知いたしておりませんが、事務方からお答えをいたしましたように、政治をよくしていくというこの一点に立てば、御論議をされております。その法案というものが、自民党のあるいは与党三党の利得あっせん罪等とも相通じるものがあるのではないか、私はこのように考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、政治倫理をしっかり確立をし、政治腐敗を一掃することは当然のことでございまして、そのことについて努力をし、また対応していかなければならぬということについては、十分私どもも心していかなければならぬと考えております。
#77
○西野委員 お答えをいただいたところでありますけれども、政治家に対する信頼とあわせまして、選挙という、国民の皆さんが行使をされるときの投票率の向上もあわせまして、我々の取り組まなければならぬ課題というのはまだまだ多くあるというふうに思っております。よろしくまた御理解をいただきたい、このように思っております。
 ところで、次の問題に入ります。
 恐らくこの問題も過去の委員会で議論にはなっておったかと思いますが、いわゆる国会議員のというふうにしたいと思いますが、定年制という問題についてちょっと触れてみたいというふうに思いますので、またお考えをお示しいただきたいと思います。
 世の中いろいろな仕事がございまして、働くことによって要するに対価を得る、見返りといいますか、給料といいますか、それを受ける場合、それと、ボランティアのように、働いてもそれの見返りが形ではないもの、要するに対価のない場合があると思います。
 例えば、対価のある場合。国家公務員法第八十一条の二に「定年による退職」というのがあります。これを見ますと、六十歳ということになっております。定年の特例といたしましては、「病院、療養所、診療所等で人事院規則で定めるものに勤務する医師及び歯科医師」は年齢六十五歳、その他特例事項も人事院規則の第二条に八項目にわたって記されておるところでございます。
 さらに、公益法人の職員の定年制というものでは、公益法人は、この資料によりますと二百十八法人、ちょっと古いのかもしれませんけれども。その中で、定年の定めのある法人が百五十八法人、定めのない法人が六十法人。百五十八の定年の定めのある法人の中で、六十歳定年というのが百二十一、ほとんどですね。あと、六十二歳定年が五法人、六十三歳定年が十四法人、六十五歳以上の定年が十八法人。そのほとんどが六十歳定年ということになっております。
 さらに、外国の例でございますが、カナダですけれども、元老院議員というのは七十五歳に達するまで議席を有する、要するに七十五歳の定年ということであります。上院議員の任命につきましては、これまた七十五歳、こういうことであります。
 さらに、一般企業におきましては、それぞれ差はありますけれども、六十歳と決めておるところが大体七六%から九八%、六十六歳以上でなお定年として定めていないというところはわずかの〇・一%ということでございます。
 おおむねこんなところでしょうか。自治省の方でおわかりの範囲で教えてください。
#78
○牧之内政府委員 公益法人等の定年の実態につきましては、私ども把握をしておりませんので、申しわけございません。
#79
○西野委員 私の調べました、労働省から入手をいたしました資料では、そういうことになっております。
 今、国家公務員を初め一般企業等、対価を得る仕事に従事しておる。いわゆる国会議員も、いわば歳費という対価を得ておるわけであります。ですから、社会通念的に申し上げたら、大体六十歳から長くて七十二歳ぐらいまでが一つの定年かなというところではないかと皆さんが認められるところではないかと思います。
 さて、政治家、国会議員に定年制を設けるということについては、それはそれぞれ国会議員なり党派がお決めになることであって、自治省が、自治大臣が、何歳が定年がいいというようなことを発言できない、なじまないものかとは私も思います。が、政党レベル、会派レベルで考えるべきことかもしれませんが、今申し上げてまいりました、対価を得る仕事についている場合、やはりどこかに定年制というものがこれは検討されてしかるべきだというふうに思いますが、大臣、いかがお考えでございますか。
#80
○上杉国務大臣 国会議員の定年制等についてはさまざまな議論があることは承知をいたしておりますが、国会議員としての年齢制限というのは、これは身分の根幹にかかわる問題でもございますので、軽々に申し上げることではなかろう、こう思うわけです。
 余分なことかもしれませんが、私どもの大先輩で、国政の指導的な立場にありました、文部大臣あるいは法務大臣、建設大臣をされた瀬戸山三里先生は、よく話の中で、五十、六十ははな垂れ小僧、七十、八十が働き盛り、九十になって迎えに来たら、百まで待てと追い返せと冗談めいて、かくしゃくとして国会活動をされておったのを私どもよく見ました。
 さような意味で、人生八十年という時代でございまして、さようなこと等も受けて、どういう形で定年制をするのか、これは大変難しいことではないか、こう思うわけでございます。しかし、大変貴重な御提言でもございますが、委員の意には背くかもしれませんが、各党間におかれましてこれは十分御論議をいただかなければならない問題と考えております。
#81
○西野委員 よくわかります。私も、先輩の会合へ行きましたら、今大臣がおっしゃった言葉を上く引用するのです。
 もう一度これを言いますと、論語の中に、三十にして立つ、四十にして惑わず。今は時代が変わりまして、二十、三十は花ならつぼみ、四十、五十で初めて立って、ですから私は今立っています、こう言います。六十、七十は惑わず、八十歳は働き盛り、九十でお迎えが来たら、わしゃ百十歳まで生きるのやと追い返せ。百十歳まではまだ大分あるでしょう、というようなことを申し上げておるわけであります。
 しかし、要は、被選挙権もあるいは選挙権も、今、その年齢を下げていこう、若くしていこうという意見もかなり出てきておるのも事実でございますし、いずれまたこういう問題も討議をされるだろうというふうに思います。そういう中で、やはり健康に恵まれて、そしてまだまだその経験を存分に生かしての活動をしてもらう場合は、一概に定年ということについても問題はあるかもしれません。しかし、そういう中で国会議員がみずから一つの枠を決めることも国民から信頼を寄せられることになるのではないか。非常に難しい問題だと思いますが、これらの問題も、ぜひ我々も今後とも討議をしていきたいなというふうに思っております。
 次の問題に移らせていただきたいと思うのですが、あと五分ということでございます。
 先般来、新しいこの選挙制度で取り組まれた第四十一回の総選挙の折に、いろいろな結果が出てまいりました。政策本位だとか二大政党制の実現ということで、確かに大きく一歩前進したと私は評価をいたしておるわけでありますが、その中で、では、時間がありませんから一点だけに絞ってお尋ねをしたいと思うのです。
 要するに、朝の石橋先生でしたかも御発言されておったと思いますが、我が国は法治国家でもあります。法律があって、その法律が、相反するようなもの、例えば重複立候補、復活当選という問題は、これは現実にあるわけですから、一つの法律として現存してあります。したがって、さきの選挙では八十四名、自民三十二名、旧新進二人、旧民主二十五人、共産十六人、社民九人でありますが、その中で、比例当選をされた方で法定得票数に達していない方が八名、さらにそのうちの二人が有効投票数の十分の一未満の得票にとどまったという問題。
 これは、一方ではそういう制度を設けながら、一方では公選法九十三条で供託物の没収までうたっている。そういうことからいたしますと、我が国の選挙制度の中で、私は、いわば相反する二つの法律が併存しているような感じを受けてならないのです。これは一つの矛盾があるような気がいたしてならないのです。このことは、選挙区に帰りますと、多くの有権者の皆さんが、選挙制度の話になると必ず、これだけはやめた方がいいという批判の声が非常にあるわけでありまして、これらについても、当委員会で今後とも皆さんの間で議論をしていかなければならぬ、正すべきものは正していかなければいかぬ問題ではないかなというふうに思うのです。
 要するに、重複立候補で、選挙区で落選をされて比例で当選をされた方の中で、いわゆる供託金まで没収された方について、それを認めるということについての、まあ現行法でございますけれども、これについての感想等をお聞かせいただきたいと思います。
#82
○上杉国務大臣 重複立候補制度につきましては、衆議院選挙のこの制度を、政策本位、政党中心にした仕組みに選挙そのものを転換する、こういうことで小選挙区制と同時に比例代表制が導入されたと私は理解いたしておるわけであります。候補者の選定につきましても、政党に幅広い裁量権というものを認める趣旨から採用されたものと承知をいたしておるわけでございます。
 重複立候補の制度の是非論につきましては、一昨年の十月の選挙の結果を踏まえて種々御批判や御意見や御論議があるものと承知をいたしておるわけでございます。しかし、これは長期間にわたる政治改革論議の中でこの制度について導入が考えられたわけでございますして、この功罪については慎重な検討が必要でございますが、よりよき制度に向けて論議を深めていくことは、これはまた大変重要なことだと考えております。
 与党選挙制度協議会におきましても、また各党間におきましてもいろいろ議論が行われておるところでございまして、自治省といたしましては、そのような議論を十分見きわめた上で的確に対処し、また国民の期待にこたえていかなければならぬものと考えております。
#83
○西野委員 二、三提示いたしました問題については、いろいろ難しい問題を包含いたしております。在外邦人投票制度を一歩前進させた葉梨委員長のもとで、どうぞひとつ、これらの問題が一党一派に偏する問題ではなくて国民のためのものであろうかというふうにも思いますので、今後鋭意お取り組みをいただき、審議の機会を与えていただきますことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#84
○葉梨委員長 次に、東中光雄君。
#85
○東中委員 今回の統一地方選臨時特例法案は、従来の規定に加えまして、九五年の阪神・淡路大震災特例法の対象となった兵庫県、神戸、西宮、芦屋の四つの自治体の選挙期日を統一地方選挙に復帰できるようにするという措置がとられております。この規定は、統一地方選挙への復帰を強制するものではなくて、復帰するかどうかは各選管の判断で選択できるということになっておりまして、私たちもそれ自体では賛成でありますけれども、統一選挙への復帰を選択した場合に、選挙は四月で、新しい議員は四月に決まるのですが、実際の任期は六月十一日からということになって、六月十日までは前の議員だ。だから、引き続いてやろうと思って立候補したけれども落選した、しかし任期はあるので、選挙は済んで落選したけれどもあと二ケ月間行くという人もおれば、初当選したと思ってもまだ二ケ月間やれない。どうもいかにも不合理だなというふうに思うのですが、そういう点について自治省としてはどうお考えになるか。
 ついでに聞いておきたいのですが、同時に、今回、六月一日から六月十日の間に任期満了を迎えるものというふうに一般的に規定されたわけですが、阪神のものは地震の特例法によってしたのですね。その機会に全く違うものまでを一般化したのはなぜかなというふうに思いますので、この二点、お伺いしたいと思います。
#86
○牧之内政府委員 今回、六月一日から十日までの間の任期満了団体は統一地方選挙として執行することが可能であるという規定を置かせていただきまして御指摘のような状況が生ずるわけでございますが、前回までの統一地方選挙特例法におきましても、五月三十日までの任期満了団体は四月の第二日曜日等に選挙があったわけでございますので、同じように、二ケ月まではいきませんけれども、一カ月半以上就任ができないという状況はあったわけでございまして、それが十日延びるというふうにお考えいただければと思うわけでございます。
 それから、阪神・淡路地区だけでなくて一般的な規定にしたのはなぜかということでございますが、阪神・淡路という特定の地域だけにこういう特例を置くということになりますと、憲法上、特別立法ということで住民投票を行わなければならない、そういうことになるものですから、一般的な制度として選択制という方法をとったということでございます。
#87
○東中委員 それはそのとおりなんです。わかっています。
 そういうことじゃなくて、そうしてやったんだけれども、私が今言ったように、それは選挙民から見たって、当選した人も、初めて当選したけれども、落選した人が議会へ行きよる、こんなのはおかしいですよ。だから、それを何とかちゃんとするという方法を考えるべきじゃないかなということを私は言っているわけです。
 それで、前は五月いっぱいだったのを、今度は十日延びただけだ、また十日延びただけだ。こんなことをやってごらんなさい、おかしなことになりますよ。だから、やはり選挙と任期というのは接近しておるのがこれは常識ですよ。そういうことについて考える必要があるんじゃないかなということを、私はどうしたらいいということを言うほどのことは、しかし何とか、やはり国民の選挙権の行使ですから、それで被選挙権で選出されたけれども、ぐっと先へ行くんだ、おかしいものね。それをひとつ考えてほしいということです。
 ただ、選挙期日を動かすと、自民党さんが言われている年一回に地方選挙期日を統一すると、これは、いろいろ任期を延ばしてそれで統一する、選挙する機会をそれだけ奪ってしまう。これは、選挙の性格からいって、私はそういうことはやるべきじゃない。自治体の選挙期日というのは、その自治体が、例えば不信任案が出たとかあるいは辞職したとか、そういう自治体の意思決定に従って決まってきたものですから、その自治体の意思決定してきたものを、今度は国が法律でぱっと変えちゃう。こういうことをやるのは、自治体の選挙あるいは地方自治の原則からいって介入することになるので、そういうことはやるべきじゃないというふうに考えております。自民党から今、統一地方選挙日をつくるということを言われておりますので、これはやはりやるべきじゃないというふうに考えておるということを申し上げておきたいということであります。
 次に、この機会に、選挙制度、政治資金制度に関して若干質問したいと思うのです。
 与党三党間で国会議員の政治倫理確立に関する法律案というものの協議が行われておる。私もここにその法律案要綱というのをいただきましたが、あっせん利得罪で合意した、しかし骨抜きだ、決裂した、もう新聞を見ておったらどうなっておるのかと思うような状態ですね。
 それで、自民党の法律案要綱を見ると、「国会議員が特定の者に不当に利益を得させる目的をもって、その権限に基づく影響力を行使してあっせん行為をし、その報酬を受けることなどを禁止」する、そう書いてありますね。しかし、それは、報道を見ますと、政治資金規正法に従って処理した寄附等は対象外になるんだ、それから、口ききの対象となる公務員の範囲は、国の事務に従事する公務員で、地方公務員は除外するんだ、それから、議員本人の行為のみで、秘書がやった場合の事前の了承の立証は困難だ、それから、国会議員が受け取る報酬の定義は金銭または有価証券等というふうに限定しておって、無利子融資や借金の肩がわり、運転手つき乗用車の提供というようなものは該当せぬ、これは朝日新聞が書いておるわけですが、そういうふうに言われておる。しかし、この程度のものでも、自民党内では、こんな法律ができたら政治活動そのものが成り立たない、あるいは議員は全員警察に逮捕されるなどの反対意見が噴き出した、こう報道されているのです。それから、東京新聞は「あきれた自民党の倫理感覚」という社説を書いていますね。
 政治資金を担当する上杉自治大臣、こういうものについてどう思われますか。ちょっと所感をお聞かせ願いたい。
#88
○上杉国務大臣 御指摘の点につきましては、あっせん利得行為を禁止することによりまして政治倫理の確立に資することを目的として、今与党政治改革プロジェクトチームにおきまして議論をされておるわけでございます。
 現在、与党一二党協議の最終段階を迎えておると承知をいたしておるわけでございまして、私といたしましては、与党三党の動向というものを十分見守ってまいりたい、このように考えております。
#89
○東中委員 内容的な御意見をお伺いしたいと思っておったのですけれども、まあそれはやむを得ないと思います。
 それではもう一つ。政党助成金制度ができまして、私たちは、これは憲法に保障された国民の権利を踏みにじる、国民の税金を政党が横取りするという根本的な害悪に加えて、政党なるものの根幹を崩すということで、これは強く反対をしてまいりましたし、今も申請することを拒否しております。ところが、この政党助成金制度というのは、政党そのものを腐敗させていくというか、そういう現象が今起こってきているのじゃないか。
 もともと政党というのは、共通の綱領あるいは理念で結集をして、それに基づく政策、公約を掲げて、国民の支持を得て国民と結びつき、国民に責任を持って活動をする、これが政党政治における政党、これは保守党であろうと革新党であろうと、政党というのはそういうものだと思うのです。ところが、その政党助成金制度が生まれてからは、その根幹の変質というような状態が起こっている。
 というのは、理念も政策も組織も決まっていないけれども、その年の一月一日現在で国会議員が五人いればとりあえず政党助成法による政党になる。これはただ法規上の仕組みで、政党助成金の便宜上の仕組みにすぎませんけれども、それが現実には政党結成のいわば基本になってしまっている。だから、ことしも一月一日の前、去年の暮れには、もう私たちにはちょっと理解できないような状態があったように私たちは思っているのです。
 だから、そういうことで、政党の離合集散が非常にふえてくる。これはやはりよくないなというふうに思うのですが、政党助成金制度についてどうお考えでしょうか。
#90
○牧之内政府委員 政党助成制度につきましては、選挙制度改革の一環といたしまして、衆議院の選挙制度を、政党本位、政策本位の選挙制度に転換をしていくという中で、一つには、政治資金をめぐります国民の不信を生じさせないようにするためには、政治活動に対して公的資金を導入することが必要である、そして現在の政治において政党の果たす役割ということを考えれば、それは政党助成という形をとるべきであるというような考え方のもとに現在の制度ができているものというふうに認識をいたしております。
#91
○東中委員 それはもう、そう言ってつくったものがまるっきりおかしなことになっていますよ、私たちの言っているとおりになっていますよ、だから政治家として、そして政治資金についての担当大臣としてどう思われますかということをお伺いしているわけです。
#92
○上杉国務大臣 政党助成金制度については、私は個人としての考えはここでは申し上げるべきでないと思いますが、もともと余り賛成ではございませんでした。しかし、これは政党全体の考え方としてまとまったわけでございますから、法律化されたわけでございまして、政党助成法の趣旨に基づいて適正に、各党間において国民の浄財が効果的に、国家国民のためになるような政党活動が行われるように、十分活用されるべきものと考えております。
#93
○東中委員 そうならない制度だということを、私たちは、だからこれは改めるべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 ところで、政党助成をやるから全面禁止すると言っていた企業・団体献金はいまだに放置されております。企業・団体献金の禁止に向けた五年後見直しはどうなっているのか、自治省、どうですか。
#94
○牧之内政府委員 企業等の団体献金につきましては、御指摘のように、政治資金法の改正法施行後五年を経過した場合において廃止の措置を講ずるものとするということが規定をされているわけでございますが、これの取り扱いをめぐりまして、与党三党の政治改革協議会で種々論議が続けられたところでございます。
 五年後と申しますと、平成十二年一月一日ということでございます。この附則を踏まえた今後の団体献金のあり方をどうするのかということにつきましては、私ども事務方といたしましては、この五年間の企業献金、団体献金あるいは政党助成の動きというものを踏まえながら検討をする必要があるものというふうに考えております。
#95
○東中委員 四月二十日に経済同友会の政治委員会が、企業の政治献金の全廃を主張して、政治資金の使途の明確化を求める提言「経済界と政治の新たな関係の構築」というのを発表しております。
 この提言は、企業献金については、市場経済を維持するためという大義名分は失われつつあると断言しています。経済界の中にある民主主義を担保する適正なコストを経済界が負担するという考え方も否定をしています。政治資金は、企業献金を廃止し、基本的には党費、個人献金、政党助成金で賄うべきだというふうに同友会の政治委員会は主張しています。さらに、政治資金は監査がなく、使われ方の情報公開も、自治省で原本から書き写すしかない現状では実質的な情報公開とは言えないというふうに、改革を求めておるわけですが、自治大臣、この経済同友会政治委員会の出した提言、どう思われますか。自治大臣としてのお考えを示していただきたい。
#96
○上杉国務大臣 経済同友会の議論については、私、新聞でしか見ておりませんが、新聞で報道されておることは承知いたしております。しかし、経済同友会が政治資金について議論をされた結果があのように報道されたものと思うわけでございまして、政治家たる者、このようなこと等は十分踏まえて今後の政治資金等の対応というものはしてまいらなければならないものと考えております。
#97
○東中委員 最後にもう一つ。自民党の野中幹事長代理が、四月四日の講演で、衆議院の小選挙区制を改めて、中選挙区制に戻すべきだという主張をされております。その内容は、定数の削減なんかで我々は賛成できない点もありますが、今の小選挙区制の弊害についての議論は大いにやるべきだと思うのです。所管の自治大臣、野中発言についてどうお考えか、それを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#98
○上杉国務大臣 たびたび申し上げておりますように、小選挙区比例代表並立制は、これは選挙や政治活動を従来の個人中心の仕組みから政策本位、政党中心の仕組みに転換することを目指して導入されたものでございます。一昨年十月の総選挙は新制度導入後初の総選挙でございまして、このような制度改革の趣旨が十分に生かされたかどうかにつきましては、種々御議論のあるところでございます。野中幹事長代理の発言も、そうした議論の中にあるものと考えます。
 さらにまた、よりよき制度に向けまして議論をしていくこともこれは重要なことでございまして、現在、与党選挙制度協議会を初め各党におきまして検討がなされておるところでございまして、自治省といたしましては、このような与党三党、各党間の御議論を十分踏まえ、的確に対処してまいらなければならないものと考えております。
#99
○東中委員 終わります。
#100
○葉梨委員長 次に、秋葉忠利君。
#101
○秋葉委員 質問をする前に、先ほどの与党間の協議でちょっと問題が、問題といいますか、まだ最新の情報が大臣のところには届いていないようですので、ちょっとだけ補足をさせていただきたいのです。
 与党のプロジェクト、先ほどのあっせん利得罪等を議論しているところは座長が自民党の議員ですが、座長の、もうこれでプロジェクトは最後だという宣言で、プロジェクトは開かれておりません。自民党の案、先ほど東中委員が指摘されたいろいろな問題がありますが、一歩も譲らないということで総務会を通ったということでありますし、社民党としては、何度も期限を切った、それを延ばしながら、自民党の柔軟な、しかも世論にきちんと配慮をした柔軟な態度を現時点でも待っているという状態ですので、一言そのことを申し上げたいと思います。
 今回のこの法案ですけれども、臨時特例ですが、この背景にもう一つ、非常にばらばらになってきた種々の自治体選挙を再統一しよう、年に一回あるいは二回に統一をしようというような動きがありますが、再統一をした場合のメリットとデメリット、長所、短所、どういうふうにお考えになっているのか。たくさんありますけれども、簡単に、自治省としてはどんなふうに考えているのか、まずお聞きしたいと思います。
#102
○牧之内政府委員 ばらばらになった地方選挙を年一回ないし年二回に統一をしようというような協議が各党間で進められているというふうに承知をいたしております。
 政治的な問題あるいは選挙管理上の問題等もあろうかと思いますが、そこらにつきましては省かせていただきまして、制度上の問題として考え得るものといたしましては、一つは、選挙期日を法律で特定する、今曲がりなりにも一定の期間内で各選挙管理委員会が選挙期日を決定できるというものを統一してしまうということで、これを地方自治との関係でどう見るのかという点があろうかと思います。ただ、この点につきましては、今御提案を申し上げております統一地方選挙の特例法、これも同じような問題は含んでいるわけですけれども、大きな問題になっていないのは、統一によるメリットというものが非常に大きいという御認識の結果ではないかというふうに思っております。
 それからもう一つは、年一回ないし年二回に統一をするということになりますと、どうしても任期調整というものが欠かせませんで、それは、任期短縮が既得権の侵害等で不可能でございますので、任期延長という措置をとらざるを得ない。それが半年ないし一年の長期に及ぶというところが問題として挙げられようかと。ただ、これも憲法上の問題というほどの問題ではなくて、既にほかの特例法では例はあるわけでございますので、任期延長をしなければならないような合理性があるかどうかというところの判断になろうかというふうに考えております。
 一方、メリットといたしましては、統一をすることによりまして有権者の利便が図られ、また有権者の関心が高まり、あわせて経費の節減も期待できるということでございまして、現在のような投票率の低下傾向が続いている中で、その意味では非常に意義深い御提案ではないかと私どもは考えているところでございます。
#103
○秋葉委員 ありがとうございました。
 選挙に関しては、時期も大事ですけれども、やはり選挙制度そのものが一番大事な点だと思います。実は社民党は、現在の選挙制度、一度だけこれで選挙をやりましたけれども、小選挙区比例代表並立制という制度は余りいい制度ではないというふうに考えております。
 それで議論の出発点として伺いたいのですけれども、これは大臣にお答えいただくのがいいのか、あるいは自治省の考え方を伺った方がいいのかよくわかりませんが、選挙そのもののよしあしを判断する基準といいますか、今の時期のよしあしのメリット・デメリットというのは、割にだれが聞いてもそうだなと納得のいくような理由がどちら側も挙がっているわけですけれども、選挙制度そのものになるともう少し難しくなるのかもしれませんが、よしあしを判断する基準、どんなものがあるというふうにお考えなのか伺いたいと思います。
#104
○牧之内政府委員 選挙制度を考えます場合に、選挙人の意思を当選人の決定にどのように反映させるかというような視点から見ました場合には、よく言われますように、多数代表制、少数代表制あるいは比例代表制というように大きく区分をできるということでございます。世界各国では、これらの組み合わせを含めまして、非常にバラエティーに富んだ選挙制度があるわけでございますが、よく言われますように、選挙制度には絶対に優越した制度があるわけではないというふうに私どもは考えておりまして、例えば多数代表制は、民意の集約にすぐれて、安定した政権ができやすいというメリットはありますが、少数意見を反映させにくい。また逆に比例代表は、多様な意見が議会に反映されますけれども小党分立になりやすいということで、それぞれの制度が、メリットとデメリットを裏合わせで持っているということではなかろうか。したがいまして、要は、その国が置かれました政治、社会の状況の中で、選挙の作用の結果に何を期待するのかというところが制度構築の判断基準になっていくのではないかというふうに考えております。
#105
○秋葉委員 今のは何か逃げられたような感じです。日本社会をもとに考えるとどういう基準があるというふうにお考えなのかというところを聞いたつもりなのですが、その前段で終わってしまつて、ちょっと残念ですが、これから議論をしていきたいと思います。
 日本が非常にへんてこな社会だから世界じゅうで類を見ないようなへんてこな選挙制度を持っている、今のお話だとそんなふうにも聞こえるのですが、そこでもう一つ質問したいのですけれども、現行の制度、これは我々、必ずしもいいと思っていないことは申し上げましたが、比例代表制とそれ以外の制度の組み合わせということに衆議院、参議院、両方ともなっているわけですね。ということは、やはり選挙制度の中には比例代表という要素を加味しないと、現在の社会ではもはや選挙制度としては一人前の役割を果たさないという認識が日本社会にあるというふうな結論にしてもいいのかなという気がするのです。
 となると、統一自治体選挙というような方向で時期を合わせようということについては自治省も非常に熱心に取り組んでいらっしゃるわけですが、自治体選挙の、選挙のあり方そのものについてもうちょっと考える必要があるのではないか。つまり、衆議院、参議院、両方とも国政選挙では比例代表という要素があるのに、地方自治体の選挙では比例の要素が全くない。やはり、それほど比例がよいのであれば、衆参両方ともやっているわけですから、比例という要素が大事だということであれば、これは自治体選挙においても比例制度を加味すべきではないか、そういう結論を導き出してもそれほど牽強付会ではないと思いますけれども、そういった方向での検討なり調査なりを自治省として今までされたことがあるのかどうか、伺いたいと思います。
#106
○牧之内政府委員 比例代表制は、先ほど申しました民意をどういうふうに反映させるかという意味では、民意がいわば鏡のように議席に反映をするという要素を持ちますが、一方の要因としては、やはり政党中、心の選挙という要素が大きいものであろうというふうに認識をいたしております。そういう点から見ますと、今の地方議会というものが政党本位の選挙を要請するような状況にあるのかといいますと、必ずしもそういう状況ではなくて、むしろ党派を超えて地域の課題に向かっていこうというような傾向の方が強いのではないかという感じでございます。
 少なくとも、私の知る限りにおきましては、地方選挙において比例代表制の導入を検討した経緯はないのではないかというふうに思っております。
#107
○秋葉委員 そこの点についても、表面ではそうですけれども、実質的にはかなり政党の要素が加味されていますし、現在の自治体の議会のあり方を考えても、例えば先ほど言及いたしましたあっせん利得罪でも、これは地方議員は外すべきだという非常に強い意見が自民党の中の議論ではあった。なぜそういう強い意見が出てくるかというと、そこにまさに金権腐敗の温床があるからだというような指摘もあります。私は、必ずしもそうではない、自民党の良識を信じたいと思いますが、厳しい指摘もあるわけですから、それはそれなりにやはり謙虚に考えなくてはいけないところだと思います。そういうことで、やはり自治体選挙にも比例制度を加味するということをぜひ提案したいと思います。
 もう一つ、今度は国政選挙、自治体選挙、両方あわせての疑問なんですが、日本の選挙制度が世界でもまれな制度、本当に世界じゅうで一つか二つの国しかやっていないようなまれな制度であるということは今申し上げましたけれども、それは選挙制度の中で、投票の仕方も全く同じですね。いわゆる自書式というのですか、候補の名前を自分で鉛筆で書いて投票するという方式を日本の選挙ではとっていますけれども、世界広しといえども、こういったやり方で選挙をやっているのはいまだに日本だけという状況であります。
 そうすると、先ほどの牧之内選挙部長の話だと、それは何か日本社会の特殊性といいますかに根があるような気がしますが、いずれにしろ、何らかの形でのメリットがあるからこそこの制度がいまだに続いていると思うのです。どうなんでしょう、どういうメリットがあるというふうに自治省では認識しておられるのか、伺いたいと思います。
#108
○牧之内政府委員 全選挙について、原則として自書式がとられております。地方選挙につきましては条例で記号式の採用ができるということでございますが、衆議院議員の投票様式につきましては、御案内のように平成六年の大改正のときに記号式に変わったわけでございますけれども、平成七年の臨時国会で、議員提案によりまして、再度自書式に戻ったという経緯があるわけでございます。
 そのときの提案者の説明ではいろいろなことが言われておりますが、その中で、私ども管理、執行の側から自書式のメリットというものを拾い上げてみますと、記号式投票ですと、立候補の締め切り後に候補者、政党名の入った投票用紙を調製をしなければならない。特に、補充立候補がありました場合は非常に期間が短くて、その再調製というものに困難を来す。それが、自書式の場合であれば、事前に投票用紙の調製を準備しておくことができる、そこはメリットではなかろうかというふうに考えております。
#109
○秋葉委員 自書式以外の投票を実行している国、別に工業化された国ばかりではないのですけれども、例えばフィリピンももう自書式はやめました、そういう国に行って今のような理由を述べられると、日本の評価がかなり変わると思います。低い方に変わるということは、もちろんあえて申し上げませんが。
 それと、最後にもう一つ、洋上投票に関連をしてであります。
 投票率を何とか向上させようということで、例えば投票時間の延長とか、それから不在者投票のやり方を少し容易にするとか、いろいろなことを考えました。それはそれなりに意味のあることだと思いますけれども、それ以上に、これは半分ジョークで申し上げるのですが、日本海員組合の組合員のつめのあかを日本じゆうに配って、せんじてそれを飲んだ方が効果があるのじゃないかと思います。
 それはなぜかというと、船に長い間乗っている人は投票ができない、しかし、自分たちはやはりどうしても投票をしたいんだという非常に熱い思いで、例えばこれは昨年の十一月二十二日、気仙沼の選挙に合わせて、選挙人は五百九十三人が参加をして洋上から模擬投票を、これは実質的には投票としては認められないわけですけれども、模擬投票をしてまで洋上からぜひ選挙に加わりたいんだ、そういう熱い思いを持って働いている人たちがたくさんいるわけです。
 ですから、一つは、皮肉としてといいますか、こういった、現在投票ができない、しかし、投票をぜひしたいんだという人たちの熱意をやはり我々はもっと謙虚に酌むべきではないか。ですから、あえて提案として申し上げれば、こういった人たちのつめのあかでもせんじて日本人全体が飲めば、もうちょっと投票率は向上するだろうというようなことを申し上げたいのですが、最低限、洋上投票について、こういった皆さんの希望に我々が前向きに向き合うべきだと思います。自治省としても当然同じようなお考えをお持ちだと思いますけれども、その決意を最後に一言お聞かせいただきたい。
#110
○牧之内政府委員 洋上投票実現の会の皆さん方を中、心といたしまして、船員の方々が現在の仕組み以外の、ファクス等を活用した新しい投票方法の実現に向けまして非常に熱心な運動を展開されており、私どもも数次にわたりましてその御要請を受けているところでございます。また、お話がございました模擬投票につきましても、いろいろその実態等をお聞かせいただいているところでございます。この御要請にこたえるためには、いろいろ制度上クリアをしていかなければならない問題が多々ございますが、どういう方法があり得るのかということにつきまして、私どもも真剣に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#111
○秋葉委員 これで質問を終わります。
#112
○葉梨委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#113
○葉梨委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#114
○葉梨委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
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#116
○葉梨委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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