くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第142回国会 決算行政監視委員会 第2号
平成十年一月二十八日(水曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
  委員長 粕谷  茂君
   理事 佐藤 静雄君 理事 高市 早苗君
   理事 原田昇左右君 理事 穂積 良行君
   理事 上田 清司君 理事 海江田万里君
   理事 大口 善徳君 理事 石垣 一夫君
      石崎  岳君    臼井日出男君
      久野統一郎君    熊谷 市雄君
      桜田 義孝君    田邉 國男君
      滝   実君    萩山 教嚴君
      堀之内久男君    望月 義夫君
      森  喜朗君    矢上 雅義君
      山口 泰明君    井上 一成君
      石井 紘基君    古賀 一成君
      島津 尚純君    前田 武志君
      山本 譲司君    田端 正広君
      丸谷 佳織君    山中 Y子君
      若松 謙維君    青木 宏之君
      松浪健四郎君    米津 等史君
      佐々木憲昭君    中林よし子君
      横光 克彦君
 委員外の出席者
        総務庁行政監察
        局企画調整課長 熊谷  敏君
        大蔵省主計局司
        計課長     田頭 基典君
        会計検査院長  疋田 周朗君
        会計検査院事務
        総局次長    森下 伸昭君
        会計検査院事務
        総長官房総務審
        議官      増田 裕夫君
        会計検査院事務
        総長官房総務課
        長       船渡 享向君
        会計検査院事務
        総局第一局長  深田 烝治君
        会計検査院事務
        総局第二局長  諸田 敏朗君
        会計検査院事務
        総局第三局長  大和 顕治君
        会計検査院事務
        総局第四局長  牛嶋 博久君
        会計検査院事務
        総局第五局長  小川 光吉君
        決算行政監視委
        員会専門員   天野  進君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十三日
 委員金子原二郎君が退職された。
同月二十八日
 辞任         補欠選任
  佐藤  勉君     望月 義夫君
  若松 謙維君     丸谷 佳織君
  村山 富市君     横光 克彦君
同日
 辞任         補欠選任
  望月 義夫君     佐藤  勉君
  丸谷 佳織君     若松 謙維君
  横光 克彦君     村山 富市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関す
 る件(会計検査の現状と課題)
     ――――◇―――――
#2
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件、特に会計検査の現状と課題について調査を進めます。
 本日は、会計検査の現状と課題について、会計検査院長より説明を聴取した後、質疑を行うことといたします。
 質疑は、まず、各党を代表する委員が順次質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 なお、御発言はすべて着席のままで結構でございます。
 それでは、会計検査院長より説明を聴取いたします。疋田会計検査院長。
#3
○疋田会計検査院長 御説明に先立ちまして、今国会からの決算行政監視委員会の御発足に当たり、一言ごあいさつ申し上げます。
 今日、行財政に対する国民の関心が高まる中で、従来の決算委員会の決算等の審査に加えまして行政監視に関する事項を所管される本委員会が設置されましたことは、まことに意義深いものでございます。粕谷委員長を初め委員の皆様方の今後の御活躍を心から祈念いたしております。
 また、本日、会計検査院の業務を御説明する機会をいただきまして、まことにありがとうございます。会計検査院といたしましては、今後、本委員会の御審査等に積極的に協力してまいる所存でございます。御指導、御鞭撻、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、会計検査院の概要につきまして御説明申し上げます。
 お手元に配付させていただきました資料は、会計検査業務についてまとめた説明資料と、これまで本院が検査してきました実績をまとめました参考資料の@、そして先日国会に提出されました平成八年度決算検査報告の概要を記した参考資料Aの三種類でございます。
 このうち、説明資料により、会計検査院の概要を御説明してまいりたいと存じます。
 説明資料の一ページでございます。
 会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、国や公団、事業団などの会計を検査し、会計経理が適正に行われるよう監督する職責を負っているものであります。
 その組織は、二ページにお示しいたしました。
 会計検査院の組織は、批判官庁としての判断の公正を確保するため、意思決定機関である検査官会議と検査の実施機関である事務総局とから成っております。
 検査官会議は、国会の同意を得て内閣によって任命される三人の検査官で構成されており、その合議により会計検査院としての意思決定を行うとともに、事務総局の行う検査業務を指揮監督しております。
 事務総局には官房のほか五つの局を置き、各省庁や公団、事業団などの検査を実施しておりまして、その定員は現在千二百四十九人、うち検査に実際に従事している職員は、調査官などの約九百人となっております。三ページに、事務総局の職員数の推移表を載せております。
 会計検査院の権限でございますが、まず三ページの「検査の目的」にありますとおり、「会計検査院は、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。」とされておりまして、これは会計検査院法第二十条に定められております。
 そして、この手段として、不適切な会計経理について主務官庁等の関係者に是正改善の処置を求めたり、法令、制度、行政に関して主務大臣等に意見を表示し、または改善の処置を要求する権限が、やはり法律に定められております。
 次に、検査権限を行使する対象につきましては、資料四ページをごらんいただきます。
 第一に、会計検査院が必ず検査しなければならないもの、必要的検査対象がございます。これは、国の各機関や、公団、事業団のように国が資本金の二分の一以上を出資しているものなどであります。
 第二に、会計検査院が必要と認めらときに検査することのできるもの、選択的検査対象があります。この中には、国が資本金を出資したものがさらに出資している、いわゆる孫出資法人、例えば国鉄清算事業団がその株式を保有しておりますJR東日本などがございます。また、国が補助金や貸付金等の財政援助を与えている都道府県や市町村もこれに該当するものであります。
 なお、それぞれのところに括弧書きで示した数字は、昨年、平成九年次の検査に当たり本院が実際に検査の対象とした数であります。
 これらの検査対象についてどのような観点から検査をしているかでありますが、資料四ページにお示ししましたとおり、大きく四つの観点を持って検査を実施しているところであります。すなわち、決算が予算執行の状況を正確に表示しているものとなっているかという正確性の観点、会計経理が予算や法令などに従って適正に処理されているかという合規性の観点、また、それぞれの事務事業が経済的、効率的に実施されているかという経済性、効率性の観点、さらに、事業全体が所期の目的を達成しているか、また効果を上げているかという有効性の観点であります。
 本院の会計検査は、このように広い視野に立った多角的な観点から実施してきているところでありますが、これをさらに一般に周知すべく、今回の会計検査院法の改正により、これらの観点が法律に明記されたところであります。この条文は五ページにお示ししてございます。
 次に、検査の実施手順であります。
 会計検査を実施していく手順と一年間の検査サイクルを、五ページから六ページにかけて説明しております。
 この中で重要なものは検査計画の策定でありまして、限られた人員でよりよい検査成果を上げるため、適切な検査計画を策定し、重点項目を定めて、検査要員を適切に配分することとしております。
 会計検査はほぼ一年のサイクルをもって実施しております。会計検査には、在庁して行う書面検査と、検査対象箇所に出張して行う実地検査とがありますが、検査の主体となっている実地検査は主に一月から九月までの期間で実施しており、昨年の例で申しますと、資料六ページの下段のとおり、全国各地の検査対象三万八千余カ所のうち三千四百余カ所について、延べ四万五千人目を投入して実施しております。この間の調査官一人当たりの出張日数は、おおよそ七、八十日となっております。
 検査結果の分析検討についてでありますが、資料七ページをごらんいただきたいと思います。
 会計検査院の所見は、検査対象についての批判の情報を国民に提供し、また予算執行機関に示すものであることから、判断に誤りがあってはなりません。したがって、検査の結果不適切と思われる会計経理を発見した場合には、関係者に対し文書で質問を発しその回答を徴するなどして、徹底した事実の確認、発生原因の究明を行つく検査報告に掲記し、また改善の処置要求などを行うこととしております。
 資料八ページに、本院の検査報告等の審議システムを載せてございます。
 会計検査院が、検査の結果を最終的に検査報告に不当事項などとして掲記したり、是正改善の処置要求などを行ったりするに至るまでには、ただいま申し述べました事実関係の確認に加え、院内の組織の各段階で慎重かつ徹底した審議を行った上、検査官会議においてその最終的判断を下すこととしております。
 次に、その検査報告に掲記する事項について御説明申し上げます。
 資料の九ページでございます。
 憲法第九十条の規定により、会計検査院は、毎年検査の結果を取りまとめて検査報告を作成しております。この検査報告は、内閣から決算とともに国会の常会に提出されているところでございます。この検査報告に掲記する事項は、現在、大別して五つの態様になっております。
 その一つは、不当事項であります。これは、法律、政令、予算に違反した事項や、不経済、非効率など不当と認めた事項であり、毎年検査結果の大宗を占めております。下段の枠内に平成八年度決算検査報告の概要を記してございますが、不当事項は三百十四件、これらに係る指摘金額は約百七十億円となっております。
 第二は、意見表示、処置要求事項であります。先ほど申し上げました、主務大臣や関係者に対して意見を表示したり、是正改善の処置を要求したりした場合には、これらの実績を検査報告に掲記することとなっており、昨年は、少子化に伴い増加している小中学校の空き教室を有効に活用するよう意見表示したものなど、三件でありました。
 第三は、処置済み事項であります。検査結果を当局に指摘し本院で検討している過程で、当局により速やかに是正改善の処置がとられる場合があり、この場合、これらの実績を処置済み事項として検査報告に掲記することとしており、八年度では三十三件、約四十八億円となっております。
 第四の特記事項でありますが、これは、予算執行の効果や事業成果の見地から適切とは認められない事態ではありますが、その原因が主に社会的、経済的要因にあるなどのため当該省庁のみではなかなか解決できないというような事態について、広く問題提起をするというものであります。八年度ではこの特記事項はございませんでしたが、七年度では、国鉄清算事業団の保有している土地の処分状況が進捗していない事態や、国有林野事業の経営改善計画について目標の実現が困難となるおそれがある事態を取り上げております。
 最後の特定検査状況は、国民の関心が極めて高い問題について本院の検査状況を明らかにするための記述でございまして、平成二年度から掲記しているもので、八年度には、彩福祉グループなど老人福祉施設の整備事業に関する検査状況、あるいは旧国鉄の長期債務等の処理状況について調査した結果など、六件を掲記しております。
 この八年度の検査結果につきましては、参考資料のAの方にその特色をお示ししてございますが、その御説明はまた別の機会にさせていただきたいと存じます。
 ここで、お配りしてございます参考資料の@を用いまして、これまでの検査報告の掲記事項の幾つかを御紹介させていただきたいと存じます。
 参考資料の@には、平成七年度以前の検査報告から、これまで会計検査院がどのような問題を取り上げてきたか、主な指摘事項の概要を記載してございます。
 まず、二ページの公共事業の実施に関するものでございますが、市営住宅などの公営住宅の空き家や収入超過者が入居している問題、ダム事業が著しく遅延していたり、休止している問題などを指摘しております。
 三ページから七ページにかけましては、社会保障、医療、年金等の指摘事項を御紹介しておりますが、これらの中には、五ページの一番下でございますが、国民年金の保険料の負担能力が十分あるのに保険料を納付していない者が多く、その未納保険料が三十八億円に上っている事態を指摘しております。
 七ページから十ページにかけては、農林水産業関係の指摘であります。かんがい排水事業や農用地開発事業の効果が発現しているかという観点からの指摘などがございますが、八ページの中ほどに、木曽岬干拓事業の指摘がございます。これは、干拓により造成されました約三百七十ヘクタールの名古屋近郊の土地が、愛知、三重両県の県境が確定しないことなどから利用されないままとなっていた事態であります。
 十三ページには、政府開発援助、いわゆるODAにつきまして、昭和六十三年度に、海外に赴き現地で事業の実施状況を調査した結果、援助の効果が十分発現していない事態を初めて掲記しておりまして、その後、平成二年度以降、毎年度掲記しているところであります。
 また、十五ページ以降には、公団、事業団等の特殊法人などに対する指摘を載せております。この中には、住宅・都市整備公団において多数の空き家や募集できないままの住宅などが発生している事態を問題提起したり、十九ページにありますように、雇用促進事業団の建設した移転就職者用住宅において入居条件を満たす者の入居率が低く、事業効果が十分発現していない問題などを指摘しております。
 また、旧国鉄につきましても、昭和五十五年度から五十七年度にかけまして、当時の貨物、荷物、そして旅客営業のそれぞれの収支を分析し、問題提起をしております。
 以上、過去の検査事例の一部を御紹介させていただきましたが、資料でごらんいただけますように、予算執行の各分野において多角的な観点からさまざまな問題を取り上げてきているところでございます。
 説明資料にお戻りいただきまして、十ページをごらんいただきたいと存じます。
 検査報告に掲記した事態はどのように改善されているかという、いわゆるフォローアップの状況でございます。
 検査報告に掲記した事項のうち、ます不当事項につきましては、例えば租税や保険料の徴収が不足していたものは徴収決定の措置がとられたり、補助金の不適正な支出にかかわるものについては補助金の返還や手直し工事が行われたりするなどしまして、当局によってすべて是正改善の処置がとられております。
 なお、この処置状況は、内閣において毎年度「決算検査報告に関し国会に対する説明書」にまとめられ、国会に提出されているところであります。
 また、意見表示や処置要求を行った事態につきましては、是正または改善の処理が完了するまでフォローし、その改善状況を検査報告に掲記することとしております。
 次に、検査結果の実効性の確保に関する点でございますが、会計検査の成果が予算の編成や行政に反映され、また同様事態の再発を防止することが最も重要であると考えております。このためには、国会に提出されました検査報告が決算審査などで活用され、原因の究明や改善の処置の徹底が図られることが、事態の速やかな改善や再発防止に極めて効果的であると考えております。
 したがいまして、本院といたしましては、これまで、決算委員会の御審査に当たりましては、局長等が常に出席し、検査報告の内容や検査の状況を逐次御説明いたしてきたところでございます。
 また、財政当局である大蔵省や行政監察を所掌している総務庁と毎年定期的に連絡会を開催したり、各省庁の会計課長などに対する検査報告の説明会を開催するなどして、検査成果を予算や行政に反映させるよう努力をしているところであります。
 資料の十一ページには、会計検査に関連する業務として、法律に定められている弁償責任の検定、各省大臣等に対する職員の懲戒処分の要求、審査要求などについて記述しておりますが、説明は省略させていただきます。
 資料の十一ページから十三ページにかけては、検査活動とあわせて本院が行っております広報活動、民間有識者との意見交換会、他の監査機関の方々との情報交換や講習会及び国際交流の状況について記載しております。
 御説明の最後に当たり、会計検査院の今後の検査方針などについて、資料十三ページ、十四ページに記述いたしましたが、このうちから、一、二所見を述べさせていただきたいと存じます。
 会計検査の基本として個々の不適切な問題を取り上げることは今後も肝要でございますが、現在力を入れている有効性の検査をさらに拡充させ、また、予算の推移や社会経済情勢の変化に応じた検査を指向するとともに、国民の関心事を積極的に取り上げるなどして、新しい検査領域の開拓に努めてまいる所存であります。
 しかしながら、これらの検査、特に有効性の検査に当たりましては、新しい検査手法の開発や個々の調査官の資質の向上が必要となるため、その研究や研修の充実に努め、必要に応じて要員の確保、組織の整備などを検討してまいりたいと考えております。
 また、今回の法改正により、新たに、国会が本院に対し検査の要請を行うことができるようになったところであります。会計検査院といたしましては、本委員会の委員の皆様や関係の方々との緊密な連絡協調を保ちながら、御要請が行われた場合には、現行の本院の権限や体制ででき得ることはこれに積極的にこたえていく所存でございますし、将来的に必要となれば、要員の確保、組織の整備を図ってまいりたいと存じます。
 以上をもちまして、会計検査院からの御説明とさせていただきます。どうもありがとうございました。
#4
○粕谷委員長 これにて説明の聴取は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#5
○粕谷委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高市早苗君。
#6
○高市委員 自由民主党の高市早苗でございます。
 一昨日の大蔵省職員逮捕など、このところ相次ぐ官僚の不祥事や、それから全国各地で問題化しております食糧費や空出張の問題、こういった公務員としての本分を忘れた行政の姿勢や税金のむだ遣いへの国民の怒りは、今や頂点に達していると思います。こんな折から、当委員会及び会計検査院の役割は非常に大きく、国民の政治に対する不信、行政に対する不信を払拭できるかどうかは私たちの今後の働きにかかっていると、私は意気込んでおります。
 先ほどの本委員会の理事会におきましても、自民党理事から提案がございまして、早速、次回は、総務庁の行政監察の実情に加えまして、大蔵省、警察庁にも体制をただし、公務員不祥事の発生の要因、これを究明し、再発防止に向けての議論を進めることになったところでございますので、皆様とともに頑張ってまいりたいと考えております。
 一月二十六日の大蔵省の職員逮捕では、検査する側とされる側、この癒着が恐るべき実態として浮き彫りになりました。平成八年十二月の事務次官会議の決定を受けまして、各省庁は省庁別に倫理規程を強化いたしております。問題の起きました大蔵省においても、関係業者による接待は例外なく禁止、対価払いのケースそれから職務上必要な会食はいいけれども事前届け出は必要、これをしなかった場合、義務違反の場合は免職とか停職といった公務員法による処分がある、こうなっておったわけでございますけれども、残念ながら二人の容疑者からは会食に関しても事前の届け出義務が果たされていなかった、こういったことなんです。今後、モラルづくりのためにさらに徹底した体制づくりが必要だと思います。
 大変失礼なんではございますが、会計検査院におかれましても、検査をする側としていま一度、倫理徹底の方策を御検討のことと思いますけれども、検査官及び職員の規律の問題、特に地方に出た場合の食事のとり方など、具体的にはどのようなルールを決めて対応しておられるのか、また現在の体制が十分だとお思いなのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#7
○疋田会計検査院長 私ども会計検査院職員の服務に関しましては、ほかの省庁と同様に、昨年一月に職員倫理規程を定めているところでございますが、そのほかにも職員への通達を発しておりまして、従来から、出張時、出張時以外を問わず受検庁の職員と夕食をともにするなどの行動は厳しく禁止してきたところでございます。
 これらの倫理規程や通達の趣旨は職員の間に十分浸透しているものと考えておりますけれども、今後とも職員の行動については万全を期してまいりたい、このように考えております。
#8
○高市委員 それは罰則規定もある、国家公務員法による罰則もあるということでございますね。
#9
○森下会計検査院説明員 お答えいたします。
 その服務規定に直接罰則規定を設けるというようなことはもちろんいたしておりませんが、それが国家公務員法のいろいろな義務違反につながる場合は、それに基づく懲戒処分が行われるということにつながっていくものと考えております。
#10
○高市委員 日本とアメリカなんかでもかなりいろいろ価値基準が違ったりするんです。例えばアメリカでは、大統領が不倫したかどうかよりもうそをついたかどうかに関心が集まっていたり、あと大和銀行のスキャンダルでも、日米の罰金とか罰則の重さの違いというものにみんな驚いたりしたんですけれども、会計検査院におかれましては、説明資料によりますと、国際交流を積極的に進められているとございましたけれども、ほかの国との検査基準の違いについて特に気づかれた点があるかないか、また、日本の検査基準というものがベストなものだという自信がおありかどうか、伺いたいと思います。
#11
○疋田会計検査院長 世界各国に日本の会計検査院と同じような組織がございますが、それぞれ歴史的な沿革などもございまして、必ずしも全く同一の基準で会計検査が行われるということにはなっていないと承知しております。しかしながら、会計検査そのものの基本的な観点につきましては共通する部分が非常に多いことから、大筋ではほぼ同様な基準を採用しているというように承知いたしております。
#12
○高市委員 それから、参考資料Aの四ページに「「時代の要請」に応じた検査を実施した。」と書いてございますし、また説明資料の方で六ページにも「国会論議やマスメディアの論調などに留意」しといったくだりがございますけれども、昨年からことしにかけての世の中の動きの中で、会計検査院が新たに時代の要請だと認識しているテーマはございますでしょうか。
#13
○疋田会計検査院長 昨今の社会経済の情勢に照らしてみますと、ます環境と資源の問題、それから少子・高齢化の問題、それから行財政改革の問題などに取り組むことが時代の要請であると私どもも認識いたしております。
 会計検査院は、昨年こうした問題に積極的に取り組みまして、その結果、環境と資源の問題の指摘例といたしましては、再生砕石の利用やダムの有効活用を図るように改善させたもの、あるいは少子・高齢化の問題の指摘例といたしましては、公立小中学校の余剰教室を高齢者福祉施設等に転用するなどの体制を整備しましてその有効利活用を図るよう求めましたり、さらには、いわゆる彩福祉グループなどによる特別養護老人ホーム等の施設整備に係る補助金の過大受給を指摘したりしているところでございます。それから、効率的な行財政執行に関与する問題の指摘例といたしましては、航空機による住宅騒音の防止対策事業につきまして、補助対象機器として、より経済的な市販の冷暖房機器を導入するよう求めたものなどがございます。
 今後とも時代の要請にこたえる検査に努めてまいりたい、このように考えております。
#14
○高市委員 残り二分でございますので最後の一問でございます。
 説明資料の十四ページに、「工事の検査などのハードの分野の検査に加え、社会保障などソフトの分野の検査にも重点を置いて検査している」と書いているんですけれども、ソフトというのは今後ますます重要な視点だとは思いますが、ソフトの検査といっても、非常にこれは難しいと思うんです。工事なんかですとむだ遣いとか経済効果というのもわかりやすいんですが、どのような物差しで検査されているのか、具体的に教えていただきたいと思います。
#15
○疋田会計検査院長 ソフトの検査といたしましては、典型的な例は社会保障関係で、非常に多数の支払い先に対しまして少額の資金が交付されるというようなものが典型的な例でございます。
 このソフトの検査の一つの特徴といたしましては、個々の会計経理は少額ではありますけれども、大且、定型的な事務である場合が多いわけでございます。したがいまして、私ども会計検査院といたしましては、コンピューターを利用して、データを抽出、分析して検査に有効な検査対象箇所の選定を行ったり、あるいは共通的、傾向的な問題点を発掘したりすることが、非常にソフトの検査には有益でございます。
 そういったような形で鋭意検査に取り組んでいるところでございますけれども、合規性、経済性、効率性、有効性という基本的な観点から見ますと、ソフトの領域もハードの領域も検査のやり方としては基本的に特に異なるところはないということで、ソフトの分野の検査につきましてもより力を入れて取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
#16
○高市委員 頑張ってください。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#17
○粕谷委員長 高市早苗君の質疑は終了いたしました。
 次に、上田清司君。
#18
○上田(清)委員 民友連の上田でございます。
 きょうは、委員長を初め検査院の皆様方、御苦労さまです。
 早速ですが、ます、一言苦情を申し上げたいと思います。
 限られた時間にもかかわらず、組織や目的などの、いわば中学生、高校生に教えるような内容の陳述は今回限りにしていただきたい。むしろ後の方で述べられております、十一ページ以降の、「その他の業務」と書いてありますが、まさしくそこが、今日的な会計検査院の持っている課題であり、解決しなければならないさまざまな分野でありますので、そういう部分についてどう取り組んでいるかという御説明の方が望ましかったというふうに、ます苦情を申し上げたいと思います。
 どちらかといえば、きょうは、せっかく新しい組織に衣がえして、張り切ったメンバーの皆さんがおられますので、これまでの会計検査院の業務の中で、例えば法律上の限界、予算上の限界、人員上での限界、あるいは厳正中立に執行する上での限界、あるいは課題、そういう問題について陳述をしていただきたかったかなというふうに、しょっぱなから極めて恐縮ですが、苦情を申し入れたいというふうに思います。
 まずお尋ねしたいのですが、さまざまな是正措置を提起されてこられました、また大蔵の主計局等とも打ち合わせ等々やっておられますが、会計検査院が指摘することによって予算上で大きく、顕著に変わったというような事例がございましたら、典型的な事例がございましたら、ひとつ具体的に御説明いただければありがたいと思います。
#19
○疋田会計検査院長 私ども会計検査院といたしましては、予算を担当しておられます大蔵省主計局とは毎年二回定例的に連絡会を開いているところでございまして、主計局の方からは、予算を編成した際に重点的に取り組んだ事項についての御説明をいただき、また、私ども会計検査院の方からは、その直前に行いました検査の結果につきまして、今後の予算編成に反映していただくためにいろいろな情報を提供しているところでございます。
 過去におきまして検査結果が大きく予算編成に反映された事例の一例といたしまして、昭和五十八年度に、営農集団育成事業の実施ということで農林水産省にかかわる事例でございますけれども、営農集団育成事業の実施状況につきまして本院が検査をいたしましたところ、この実態が所期の目的を達するには非常にほど遠い状況になっているというようなことで、事業の抜本的な見直しを行うよう処置要求をした事例がございます。この事業につきましては、その後の六十年度の予算で、五十一億円、大幅な事業費の削減が行われた、このような事例がございます。
#20
○上田(清)委員 ありがとうございます。
 それでは、例えば国会の委員会で調査の依頼をした場合、個人的な事例で恐縮ですが、昨年の予算委員会で二月六日に私が調査の依頼をしまして、院長が快諾していただきました。そして、その中身について中間的にいろいろ御報告をお願いしたいと思っておりましたが、検査官会議を経てということでございましたので、二月六日が、結果的には十二月に御説明をいただくというような形になっておりまして、その間、事実上待ちぼうけということでありました。
 この、検査官会議を経てじゃなければ御報告もできないというようなそうした慣行というのは、非常にスピーディーな現代にあって意味がないのではないかというふうに私は思っておりますので、こうした中身についてどのように院長はお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#21
○疋田会計検査院長 昨年、上田委員から、中国で行われております養鰻事業につきまして、十分な検査を行う必要があるのではないかという御指摘がございました。
 私どもといたしましても、その後、鋭意検査に取り組みまして、昨年末に内閣に提出いたしました平成八年度決算検査報告に不当事項として掲記したことにつきましては、委員御承知のとおりでございます。
 私どもといたしましても、事実関係の究明など厳密な調査を行う必要があるということで、昨年の検査報告時期になるまで正式な御報告ができなかったわけでございますが、その間の事情につきましては、担当局長の方からお答えをさせていただきたいと思います。
#22
○深田会計検査院説明員 先生御指摘の中国の養鰻事業の検査結果につきましては、たびたび私どもにお問い合わせをいただきまして、恐縮している次第でございます。
 結果といたしまして、検査の要請をいただいてから検査報告まで時間がかかっております点につきましては、以下に述べますような事情がありますことを御理解いただきたいと思っております。
 ます、会計検査院の検査対象は援助実施機関でありますOECFでございまして、借り受け人でございます中国の合弁企業には検査権限は及んでおりません。したがいまして、検査は、OECFを通しまして、借り受け人であります中国の合弁企業、それから日本側の出資企業、そういうところから事情を聴取する形で実施することになりましたけれども、調査時におきましては、既に両者とも先生御承知のとおり破綻しておりまして、OECFにおいても、代表者と直接に実質的に話をすることができない、そういう状態でございまして、書面による事実の確認とか事態の解明等に長時間を要しまして、私ども最善の努力をいたしましたつもりでございますけれども、結果的に長時間を要したということでございまして、その間の事情をひとつ御理解を賜りたいと思います。
#23
○上田(清)委員 理解できないから質問しているのです。途中の経過報告とかが、できる範囲内でできるような仕組みを検査院の慣行としてできないかということを院長にお尋ねしているのであって、くどくどと、なぜできなかったかという理由を聞く時間はありません。できるだけ速やかにその中間でも、中間で報告ができなければ、その分だけ場合によっては不当なお金やあるいはむだ遣いがされていくという結果になりかねないので私は申し上げておりますので、また改めてこの辺をしっかりと受けとめていただきたいというふうに思います。
 それから、お話が出てまいりましたので申し上げますが、中国の養鰻池のある現地に、会計検査院の検査官あるいは職員の方が現地に調査に行かれたことも承っておりますが、私が知っている限りにおいては、OECFの、海外経済協力基金の職員の方と同行されただけで、現地の合弁企業、つまり十億五千万受け取っているはずの現地の合弁企業の責任者とお会いになっていない。つまり、現地の企業の方からヒアリングを受けておられなくて、OECFの職員とだけお話をされて帰ってくるようでは目的を達することはできないのではないかということを、改めて私はこの場で注意をしておきたい。
 仮に素人の私が一日行けば、中国に行ったのですが、十億五千万、一円も入っていないということがわかるわけです。しかし、OECFは十二回も調査団を出しながら、そのことがよくわからなかった。玄人の融資家が十二回も行ってもわからなかった、素人の私が一日行けばわかった、そういう実態があるわけですから、この間、十二月までほうっておかれたことに私は大変憤慨をしている部分があります。スピーディーに中間報告ができれば、もっと違う対応もできるのではないかということを申し上げたい。
 それからもう一点、質問ですが、これはかねてからマスコミ等でも注目されておりますが、私も決算委員会で橋本総理に申し上げたことがございます。会計検査院のOBの方々に公認会計士や税理士の資格を付与するようにして、いわば天下りしなくても済むように、こんなことを申し上げて、それは一考に値するというようなお話も承っております。石油公団を初め検査する対象の公団、特殊法人に監事として再就職されている、こういうことが厳正中立な執行に関して、国民の信頼を得るかということになってくると、ちょっと不信を持たざるを得ないのじゃないかという現況がございますが、この点についても御質問させていただきます。
#24
○粕谷委員長 ちょっと申し上げますが、質疑時間がかなりちょっと経過していますので、答弁は、要を得て簡潔にお願いいたします。
#25
○疋田会計検査院長 まず第一点につきましては、今国会から国会からの検査の御要請の制度ができ上がりましたことに関連いたしまして、私どもといたしましても、できる限り早い時期に中間報告を申し上げるなり、そういった方法について十分検討してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、二番目の再就職の問題でございますけれども、確かに、本院の職責から申し上げまして、疑惑を招くような再就職が行われることは厳に慎むべきであると考えております。
 先ほど委員から御指摘ありましたケースにつきましては、従来からの検査経験を監事としての職責に生かすということで、相手方からの要請に基づきまして、もとの職員をそちらの方に紹介しているわけでございまして、そのことによりまして私どもの検査に手心を加えるというようなことは決してございませんので、その点は御理解を賜りたいと存じます。
#26
○上田(清)委員 これで終わりでございますが、ただ、相手の要請に基づいてはなかなかますいのではないかなというふうに思います。なお悪いのではないかというふうに思います。
 時間がございませんので、いずれにしても頑張っていただきたいというふうに思います。全力で応援させていただきます。
 ありがとうございました。
#27
○粕谷委員長 これにて上田清司君の質疑は終わりました。
 次に、大口善徳君。
#28
○大口委員 新党平和・改革を代表しまして、御質問させていただきます。
 きょうは、院長、簡潔に答えていただきたいと思うのです、時間がもったいないですから。お願いします。
 まず、今回、会計検査院法の改正がございました。その中で、二十条の三項で「会計検査院は、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点その他会計検査上必要な観点から検査を行うものとする。」こういうことで明確に、正確性、合規性のほかに経済性、効率性、そして有効性、この観点について法文上明記をされました。
 そこで、この有効性の評価、これは非常に大事である、こう思うわけでございます。そのことはもちろん会計検査院も認識はございます。また、世界の会計検査院がこのことを一生懸命やっているわけです。そういうことで、昨年の六月二十三日から七月一日まで九日間、国際会計検査フォーラムをされまして、その中で、有効性の検査の経験、それから有効性検査の客観性、効果をいかに確保するか、こういうことについて議論をされた、こう思うわけでございます。
 そこで、まず一つは、この有効性というのは、国の事業とか制度、それは目的があるわけですね、その目的をいかに達成するかどうか、これをチェックすることによって、目的が達成されない場合はその政策の変更ということをしなければいけないわけでございます。税金のむだ遣い、これをチェックする意味におきましても、絶えずチェックしていくということ、これが会計検査院の仕事である、こういうふうに思うわけです。
 その中で、各国がいろいろと工夫をしておるわけですね。ますは事業について客観的な目標を立てる、数値的な目標、量的な目標を立てる。その数値的目標を達成できなければ、そのことが明確になるようにやっているところが結構ございます。そして、そういう数値目標を明確にする、目的を明確にするということ、そういうのが明確でない場合は、明確な目的や数値目標を設定すべきである、こういうふうな勧告をしたり、あるいは検査を受ける受検庁サイドと協議をして、そしてその有効性の基準の設定をする。これがオーストラリア、イスラエル、ニュージーランド、イギリスであります。あるいは、評価対象の分野の専門家の意見を聞いて会計検査院でもってこの基準を設定する。これはスウェーデン。そしてまた、アメリカあるいはドイツにおきましては、議会の議決等を分析して、そしてこの有効性の数値目標の基準の設定をしているわけであります。
 また、数値的な、要するに量的な目標が設定しづらい質的な側面におきましても、これについては、例えば評価の専門家というものを使って質的なものの評価をする、あるいは受益者、受益をする人の満足度を調査をする、こういうことを受検庁でやっている、またやるべきであると勧告をする、こういうことになっております。
 法文上この有効性の検査というものが入ったわけでありますから、当然、有効性の基準は何なのか、そしてまた、会計検査院として基準を明確にせよということの勧告をすべきであると思うし、またそして、その勧告に従ったかどうかのチェックもすべきである。そこまで徹底的にやらなければ、制度の見直しというのはできない、予算への反映はできない、私はそういうふうに考えますが、院長、簡潔に答えてください。
#29
○疋田会計検査院長 大口委員がまさにおっしゃったとおりでございまして、私どもといたしましても、有効性の検査の中で、どういう評価基準に基づいてその事業を評価していくかということが一番重要な事項であるということで、世界各国、特に先進諸国の会計検査院との連携をより深めますとか、あるいは御専門の先生方にいろいろとお知恵を拝借したりしながらそういった検討を進めているところでございまして、今後ともに最も力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
#30
○大口委員 建設省なんかもいろいろ基準を考えたりしておるようでございますけれども、とにかく、いつごろまでにその基準を明確にして、それを会計検査院の方でどんどん推進していくのか、いつを期限にして考えていますか。
#31
○疋田会計検査院長 私どもといたしましては、ます世界各国がどのように取り組んでいるかということを現在検討中でございます。したがいまして、この場では、まことに申しわけありませんけれども、いつまでということにつきましてはまだ内部的に十分詰めておりませんので、御返答は保留させていただきたいと思います。
#32
○大口委員 会計検査院も税金を使っているわけですから、早く基準を立てること。後でまたこちらに報告をしていただきたいと思います。
 二番目に、今回、法律において、会計検査院は、議院そしてまた委員会また参議院の調査会からの要請で、特定の事項について検査を実施して、その検査の報告をする、こういうふうになっているわけです。特定事項について国会が検査を要請できるようになったわけです。今までは、決算に伴って検査をして、内閣を経由して国会へということであったわけです。ですから、今上田議員の方からもございましたけれども、十二月十日前後、検査官会議において結論が出るまでは何も答えられませんと。そのくせ十月、十一月にはマスコミではどんどん報道されている、こういうような実態があるわけであります。そういう点で、今回は国会は直接要請できるわけでございますから、これについてきちっと対応していただきたいと思うわけです。
 ただ、勉強会で会計検査院の方が、十月、十一月、十二月というのは報告書をまとめるのに忙しいものですから、できれば年度の初めの方で出してください、こういうような話もありました。しかし、この特定事項というのはいつ起こるかわからないわけですから、それこそ十月に発生しても、直ちに要請をして、すぐ対応していただかなければいけません。そういう点で、国会の要請に対して、特別班といいますか、それをきちっとつくっていただく、すぐに要請に対してこたえられるような体制にしていただく、そしてそれが足りない場合は、人的、物的、予算的、そういう体制をきちっとしていただかなきゃ困るわけです。それでなければ、今回の会計検査院法は改正にならない、こう思うわけです。この点についての対応をお伺いしたいということ。
 あと、今上田委員の方からもございましたけれども、検査対象に対する再就職、これは十年間で三十五人の方が会計検査院から天下りというか、そういうことでございます。大蔵省金融検査部も霞桜会というのがあって、検査官とそして検査官出身でもって会をつくって、そしてその中で交流が行われているということでございます。こちらから検査官が行って、やあやあ、お世話になりましたということで検査が緩むというようなことがあってはいけませんので、このことにつきましても、上田委員が指摘したようなことによって、検査官の活用というものがもっと別の方法であると思うんです。これについては、今回の問題も契機として改善をしていかなきゃいけない。
 私は、被検査庁からの要請があったからやるというのは、まさしく被検査庁としては、会計検査院から人を受け入れればこれはいろいろと都合のいいことがあるということで要請をしているわけでございますので、それに乗ることなく、もっと会計検査院として、憲法で独立した機関でございますので、きちっとそれだけはやっていただきたい。
 この二点についてお伺いしたいと思います。
#33
○疋田会計検査院長 まず第一点でございますが、今画会から、国会から検査の御要請をいただくことになったわけでございますので、御要請がありました場合には、私ども会計検査院といたしましては最大限の努力をいたしましておこたえするように頑張ってまいりたい、このように考えております。
 それから、先ほどの職員の再就職の問題でございますけれども、私どもといたしましては、一般の国民の方から疑惑を持たれないようなそういった形で適正に対応してまいりたいと考えておりますので、何とぞ御理解を賜りたいと思います。
#34
○大口委員 第一の質問のことについてでありますけれども、その場合、国会からの要請について、中間報告とか、いわゆるまめに、タイミングを失することなく出していただきたいということ、これをお願いをします。
 そして二番目の天下りにつきましては、とにかく再検討をしていただきたい、こういうふうに思います。
 それから、私、会計検査院のインターネットのホームページを見させていただきました。これからこの決算行政監視委員会が国民の声というものをどれだけ受け入れていくか、これはもう国会改革の中で非常に目玉だと私は思うのですね。そしてまた、会計検査院も、どれだけ国民との間に距離を置かないで、国民の苦情ですとか、これは税金のむだ遣いじゃないかということをどう拾い上げていくかが非常に大事だと思うわけです。
 ところが、ホームページを見ますと、どんどんいろんな情報を下さいというような姿勢が出ていないんですね、私見ましたけれども。Eメールだって本当に細かい字で書いてあるわけです。どんどん情報を下さいという、そういうようなホームページにしなければならないと私は思うのですね。この点についてお伺いしたいと思いますし、また、ファクスでも、それからまたEメールでもどんどん受け付けますということを広く広報していただきたい。そのことをお尋ねしたいと思います。
#35
○疋田会計検査院長 本院の活動状況を広く国民の皆様に周知徹底するということは非常に重要な事柄でございまして、そういった意味で、ホームページにつきましてもようやく開設にこぎつけたわけでございますが、今後その内容につきましては、今委員御指摘の点も含めまして、より充実したものに改めるように努めてまいりたい、このように考えております。
#36
○大口委員 ここにホームページはございますけれども、これはなかなか読み取れないような、本当に小さく書いてあるわけですね。これでは、御意見をいただきたいという姿勢が見えていないわけです。私はまた一週間後にこれを見させていただきますが、ホームページがどう改善されているのか期待して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#37
○粕谷委員長 これにて大口善徳君の質疑は終わりました。
 次に、石垣一夫君。
#38
○石垣委員 現在、大蔵省を中心とするいわゆる金融・証券業界の疑惑、特に今回は、金融証券検査官室長がその中心人物である、こういうふうに報じられておりますね。腐敗まさにきわまれり。こういう中にあって、監視機関としての会計検査院の果たすべき役割については、ますます国民の期待が大きく高まってきたと思うんです。
 そういう中にあって、十二月三日の行政改革会議における最終報告においても、検査院の機能の充実強化について特に指摘をしております。先ほど院長からも説明がありましたように、今回、国会の要請についても対応しなければならないという中で、この体制のいわゆる受け皿づくり、これと機能強化について具体的にどのようにお考えになっておるのか、まず一点。
#39
○疋田会計検査院長 今回の、国会から私ども会計検査院に対しまして検査要請が行われるという制度改正が行われたわけでございますが、私どもも、当面は現有勢力の中でできるだけ御協力を申し上げまして、その状況によりましてまた体制の整備などについても考えてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#40
○石垣委員 現有勢力は、いわゆる事務職も含めて千二百四十九名と先ほど説明がありました。その中で七百人がいわゆる会計検査の実施者になる調査官である、こういう報告をなさっておりますね。これでは、今の現有勢力でもって現在のスケジュールをさばくのに精いっぱいじゃないですか。新しく大きな業務が加わってきたときに、今の体制ずくでやれるのかということを非常に懸念するわけであります。
 先ほども院長の話にあったように、要員の確保、組織の整備についても考えておるとおっしゃっておるんですけれども、事が出てからじゃ遅いんですよ。万全の体制で臨むということが僕は大事なんだと思うのです。備えあれば憂いなし、今この時点で体制づくり、組織づくりをやらなかったら、これ、突発事には対応できませんよ。これはどうなっているんですか。具体的におっしゃってください。
#41
○疋田会計検査院長 今後、国会からの検査の御要請が増加いたしまして、その対応に支障が生ずるおそれが出てくるような場合には、当然のことながら、検査要員の確保あるいは組織の整備などの措置が必要になると考えておりますけれども、当面、現在の組織、人員を最大限に活用しながら鋭意取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#42
○石垣委員 この検査計画の策定を十二月から一月にかけてやられるわけでしょう。そこから出発するわけですね。最終的に報告書を十月から十二月につくられる、こういうスケジュールですね。これは既存のいわゆる業務なんですよね。それでもう私は精いっぱいだと思うのですよ。それにこうやって新しいものが加わったときに、今院長がおっしゃっているようなそういうのんきな体制でいいのですか。
 不確定要素があるからわからない、こう言うかもしれませんよ。しかし、現実に決算委員会から決算行政監視委員会になったわけです。業務のふえることははっきりしておるわけです。これでは非常に対応がのんびりしておるのじゃないか、私はこう思うのですが。
#43
○疋田会計検査院長 委員御承知のとおり、私どもの検査対象は、国の各省各庁を初めとしまして、公団、事業団あるいは地方公共団体、補助金の交付先など非常に膨大なものがございますが、その中で、会計検査院といたしましては、毎年、より適切な検査計画を作成しながら、重点的に検査に取り組んできているところでございます。
 そういった中で、国会からの御要請がございました場合には、これまた非常に重要な検査対象と受けとめまして、検査計画をやりくりするなどいたしまして、鋭意検査に取り組んでまいりたい、このように考えておりますが、それでもなおかつ十分な対応ができない場合には、そのための要員の確保あるいは組織の整備などについても検討する必要があるというように考えているところでございます。
#44
○石垣委員 まあ、幾らやっても同じですから。検討する必要があるんじゃないんです。検討しなければならないんです。これは冒頭はっきり言っておきますよ。
 そこで、具体的にちょっとお伺いしたいのですけれども、先ほども説明がありました木曽岬干拓事業、これは平成元年から平成七年まで七回ずっと指摘されてきてますね。あるいはまた、労働者災害補償保険の診療費の算定、これについても、七年間改善命令を出しながら、やっと八年目に結果が出てきた。七年間も指摘をしながらその結果が出ないというのは、これはどういう理由があったのですか。
#45
○疋田会計検査院長 私どもが意見を表示しあるいは処置を要求した事項の大半は、翌年の検査報告取りまとめの時期までには改善されているものが多いわけでございますが、今委員御指摘の木曽岬干拓事業と労災保険の診療費の算定の問題につきましては、御指摘のとおり、是正改善に長期間を要しているところでございます。
 まず、木曽岬干拓事業につきましては、愛知、三重両県の県境問題の解決に非常に時間を要していたわけでございますけれども、八年九月に県境問題は解決いたしまして、さらに引き続き、その土地の利用を、農用地として利用するか、その他の土地として利用するか、こういったことにつきまして、愛知、三重両県が幅広い関係者の参加を求めて鋭意検討を続けておられる、こういう状況でございます。
 それから、労災保険の診療費の算定の問題につきましては、地域特掲料金と申しますのは、各労働基準局と地元医師会との間に、いろいろな長年の慣行とか協定などによって設定されていたものでございまして、労働省あるいは各労働基準局の一方的な決定だけでは解消できない問題でございましたために、解決に時間を要した局が一部にあったわけでございますが、現在ではすべての都道府県におきまして解消の処置がとられているところでございます。そのような状況でございます。
#46
○石垣委員 これ一つの問題について七年間もかかっているんですね、指摘してから。
 そこで、やはり私は、会計検査院のいわゆる権限、これについて、会計検査院は内閣から独立した機関である、こうなっておりますけれども、検査院みずからが法的な拘束力を持つ機関にすべきではないか、こう考えるのですけれども、いかがですか。
#47
○疋田会計検査院長 会計検査院は内閣から独立した機関でございますことから、会計検査院の判断に従った措置をとることを会計検査院から内閣の各省庁に対して義務づけるというような法的拘束力はないというのが現在の状況でございます。
 会計検査院の指摘の実効性を確保する上で最も効果的であると考えられますのは、国会の決算審査などにおきまして会計検査院の検査報告を活用していただくことができれば、より効果があるのではないかというように私どもとしては考えているところでございます。
#48
○石垣委員 今のやりとりは、これは行政改革特別委員会の平成八年十二月十三日の委員会でやりとりが行われているわけですね。はっきり法的拘束力はないということで、今院長の方から、決算の結果でもって何とかそれをカバーしていきたい、こういう話なんですけれども、七年間もかかった実例が二つもあるんですね。まだあと、二年、三年の例がたくさんあります。そういう中で、私は、あえてもう少し権限を強化すべきではないかと思って提言申し上げたんですよ。今後の課題としてやはり考えていくべきことじゃないか、私はこのように指摘したいと思うのです。
 次に、会計検査院が毎年検査の対象とする問題があると思うのですが、その中で、内閣官房予算、それから報奨費の検査状況について、平成七年度が十五億千六百三十五万、平成八年度では十五億千六百四万、平成九年度では十五億一千八百九十五万、こういう支出になっておるんですけれども、この報奨費の検査の中身について、どのようになっておりますか。
 我々が今まで聞いておるところでは、これは簡易証明書をもって領収書にかえるというように聞いておりますけれども、非常にべールに包まれたというような感じを持っておるわけです。この検査内容はどうなっていますか。最後です。
#49
○粕谷委員長 委員長からちょっと申し上げます。
 大変質疑の時間が制約されていますので、質疑者も非常に御苦労があると思うのですが、答弁の方も簡略にひとつお願いをいたします。
#50
○深田会計検査院説明員 報償費の検査につきましては、書面検査とそれから実地検査、そういう二通りのやり方で行っております。
 書面検査につきましては、計算証明として提出されます取扱責任者の領収証書とか、あるいは決議吾等を調査いたします。そして、実地検査におきましては、取扱責任者の手元に保管されております領収証書の提示を受けまして、支出目的等について関係書類の提示や説明の聴取を受けている、そういうところでございます。
 それから、今の簡易証明書というようなお話でございますけれども、一般に、支払いの中には、例えば祝儀あるいは不祝儀に対するものなど、社会儀礼上などによりまして領収書がとれないものがございます。このような場合は、そのとれない理由とか、支払い先、支払い金額を明らかにしました支払い責任者の証明書が領収証書にかわるということになっておりまして、これは報償費に限らず、交際費も同様でございます。また、これは内閣報償費だけじゃなくて、一般のその他の各省の報償費につきましても同じでございます。
#51
○粕谷委員長 これにて石垣一夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、中林よし子君。
#52
○中林委員 日本共産党の中林よし子でございます。
 会計検査院の役割というのは今非常に注目されていると思うのですね。内閣から独立し、厳正、中立な検査というものが求められているときに、私、検査院の方から、この十年間、一九八八年から九七年までの、検査対象になっている公益法人だとか特殊法人、それらにどのくらいの役職の方が天下っているかということで資料をいただきまして、驚きました。実に三十六人の方が、俗に言う天下りをなさっているということなのですね。
 新聞報道を見ますと、検査報告に掲載するのは勘弁してほしいと頼まれると、再就職で世話になることもあるので断りにくい、こういったOBの方のコメントも載っているのを見たのですね。
 だから、本来、厳正、公正中立てなければならない、そういうことがこういう天下りによって甘い検査になるのではないかというふうに思いますし、その天下り先も、今非常に問題になっている石油公団だとか動燃だとか鉄建公団だとか、これまでも随分問題になったところへの天下りになっている。こういう事実を見たときに、国家公務員法では利害関係のあるところには天下ってはならないという禁止事項がありますけれども、特殊法人だとか公益法人だとか、こういうところへの天下りの禁止は法律的にはないというふうに思うのですね。だけれども、今のこの本当に厳正な検査が求められているときに、会計検査院みずからがこれは厳に慎むべきときではないのかというふうに思うのです。
 先ほどの答弁を見ましても、相手側の要請にこたえてという御答弁がありましたけれども、相手側は何のために要請するのかということを考えたときに、やはり甘い検査をしてほしいということが根っこにありはしないかと、勘ぐりやすいというふうに思うのですね。そういう点で、院長の御決意といいますか、そういう、国民から見て不信を抱かれないようにする、みずからがそれを正すということをどのようにお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。
#53
○疋田会計検査院長 会計検査院の職員OBの再就職に当たりましては、ただいま委員から御指摘がございましたように、検査対象機関に再就職している者も一部ございます。これは、先ほども申し上げましたように、主に内部監査の仕事に携わるケースが非常に多いわけですけれども、こういった再就職に当たりましては、国民の信頼を損なうことのないように今後とも十分に配慮しながら行ってまいりたいと考えておりますし、また、私ども会計検査院といたしましても、退職者が再就職している機関であるからということで検査の実施に当たって手心を加えるというようなことは決して行わないということでございますので、この点、御理解をいただきたいと思います。
#54
○中林委員 手心を加えないようにといっても、再就職していれば、国民の側から見た場合、そういう不信感を抱かざるを得ないということがありますので、法律がないからということではなくして、みずからがそういうところへの再就職は慎むようにしていただきたいというふうに思います。
 続いて、実は検査はやっているのだけれども検査報告に載らない分野があるのではないかというふうに思います。
 実はこれは、日本共産党の政党機関紙であります「しんぶん赤旗」でも一月二十四日に報道しましたけれども、現職察官から内部告発がされました力
 これは具体的に県名も出ていたのですけれども、この告発した警察官の身分を保障するという意味で県名は伏せて報道しておりますけれども、「毎月支給される給与明細に記載のない「通信費」、不明りょうな「時間外手当」」など不明朗な支出があるということで、「このような不正をなくすために是非、警察の不明朗会計を調べて下さい。」と、「不正が嫌いな一警官より」ということでの内部告発の手紙が寄せられました。
 同時に、これまでも、新聞報道でも、愛知県警の問題あるいは長崎県警の不正経理の問題など報道されて、会計検査院も検査に入ったというふうに報道されているのですけれども、これまで一度も警察に対する検査の報告はないというふうに伺っているのです。その事実はどうなのか。ないということならば、なぜ警察に関してこれだけ多くの疑惑があるにもかかわらず報告に上らないのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#55
○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 警察庁に対します検査は毎年実施しておりまして、平成九年次におきましては、本庁のほかに二つの管区警察局、それから八つの都道府県警察本部などの検査を実施しております。
 検査の結果につきましては、検査報告に掲記する事項はなかったわけでございます。
 今委員御指摘の長崎県警につきましては平成八年一月、それから、愛知県警につきましては八年八月に実地検査を実施しまして、旅費等の支出につきまして、その支出額が多額に上っております課を抽出いたしまして、関係書類を精査するなどいたしまして検査を実施したわけでございますが、不正経理の事態は検査した範囲では見当たらなかったというものでございます。
 ただ、委員の御指摘もございますし、今後とも警察庁の旅費等の件につきましては従来にも増して力を入れて検査を実施したい、そのように考えております。
#56
○中林委員 検査対象に聖域があってはならない。内部告発などありますから検査はするけれども、報告ができないということで一度も警察関連の報告が出ないということは、やはり聖域があるのではないかと思わざるを得ませんので、その点は、本当に不正を許さないという立場、それから税金の正確な執行という立場から、ぜひ聖域のないようにお願いしたいというふうに思います。
 もう一点だけお伺いしたいと思うのですけれども、予算の執行の政策の評価に対する検査の問題なんですけれども、事業が動いている間はなかなか報告しにくいという話をお伺いしているのですが、具体的に中海土地改良事業の中で、実は九六年の五月に発覚したことですけれども、島根県の県の職員が自分では農業をしないのに不正に干拓地を所有していた問題で検査院が入っていらっしゃる、これは事実でございますけれども、こういうことで今問題になっている。
 これ以上の農地は必要でない、また環境破壊をするという大問題になって、国営事業ですから税金のむだの上にもむだを重ねるのではないかということで、中途であっても、これだけの疑義が出ている問題は、当然、予算の費用効果の問題ででもぜひ検査院としての報告があるべきではないかというふうに私は思うのです。ぜひお答えいただきたいと思います。
#57
○牛嶋会計検査院説明員 お答えいたします。
 会計検査院では、従来から干拓事業については関心を持って検査に当たっております。最近では、国営木曽岬の干拓事業、それから国営羊角湾土地改良事業について、それぞれ検査報告に掲記しているところであります。
 農林水産省におきましては、御質問の国営中海干拓事業のうち、事業を休止している本庄工区につきましては、平成九年度から二カ年間、事業計画の技術的、経済的な検証、環境や資源への影響について調査を行い、その結果をもって今後の事業の取り扱いについて判断することとしております。また、宍道湖・中海の淡水化事業につきましては、鳥取、島根両県知事から水質保全等の面で懸念があるとして淡水化施行の延期要請を受け、これに基づき昭和六十三年度より事業を延期しております。したがって、このようなことから、会計検査院としましては現在その事態の推移を関心を持って見守っているところでございます。
#58
○中林委員 時間が参りましたので、少し意見はあるのですけれども、終わります。
#59
○粕谷委員長 以上をもちまして中林よし子君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
#60
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。
 今、各委員からいろいろと御意見が出ました。とりわけ、大蔵省の検査官の不始末が国民の皆様方の行政に対する信頼を著しく失墜させている現状でございます。それだけに、私、厳正中立であるべき会計検査院の役割というのはこれまで以上に重くなる、そのことをくれぐれも自覚していただきたい、このように、まず冒頭お願い申し上げます。
 まず、検査対象ですが、一般会計の規模一つとってみても、十年間で約一・二倍、また二十年前と比べれば二倍にも拡大しているわけですね。それだけに、行政の自己チェック機能を高め、その透明、公正の確保を図ることは行政改革の最重要課題だと私は考えておるわけですが、こうした財政規模一つとっても膨大かつ複雑となっている今日、会計検査院においても、検査体制あるいは検査手法、検査権限など、思い切った見直しが私は必要どなっているのじゃないかという気がするわけです。特に、現行の合議制に基づく三人制の検査官制度、このことについてどのようにお考えなのか、これで機能を果たせるのか、増員の必要はないのか、あわせて見解を伺いたいと思います。
#61
○疋田会計検査院長 検査官会議につきましては、会計検査院の意思決定機関として、事務総局から分離し、かつ対等の地位を有する検査官の合議体とすることによりまして、その意思決定の中立性、公正性を確保するということが原則となっております。
 具体的には、現在、検査官三人で検査官会議が構成されているわけでございますが、これは、最小の合議体とすることによりまして、実質的な議論と迅速な結論を出すということを容易にしているところでございます。これまで、三人制によりまして業務上特段の支障を生じたこともございませんし、検査官三人による合議体制度が、判断の公正性、それから機動性、こういった両面を確保するための最適の制度であるというように私どもは考えております。
    〔委員長退席、穂積委員長代理着席〕
#62
○横光委員 一般会計の規模が大きくなり、財政規模が増大する根底には、政府の活動領域の拡大ということがありますよね。こうした領域拡大に対応して検査院の体制を強化することは、私は重要なことだと思うのですね。しかし確かに、それは無制限というわけにはまいりません。
 そうしますと、中央政府の自浄装置としての会計検査院の体制強化と政府活動の領域とに一定の均衡点を見出すことが、またもう一つ重要な課題になってくると思うのです。言いかえれば、中央政府の役割を見直して地方分権を図る、これが今後の会計検査をより効率化する重要な課題だと考えております。幸いにして、自治体も外部監査制度を導入することになっているわけですから、会計検査にも新たな役割分担が必要と考えておりますが、この点についてはどのようにお考えですか。
#63
○疋田会計検査院長 地方公共団体の監査につきましては、監査委員が設けられておりまして、地方自治法に基づきまして住民のための監査を行っているところでございまして、本院とはその立場、目的を異にしているわけでございます。
 しかしながら、国の支出を伴う補助事業などにおきましては、監査が行き届いて適正な執行が確保されるということは非常に望ましいことでございますので、会計検査院といたしましても、できる限り、地方公共団体の監査委員会事務局あるいは監査部局による監査が充実するように、例えば講習会を開きましたり、そういったことで協力をし、努力してきているところでございます。
#64
○横光委員 先ほど同僚委員からも質問がございましたが、会計検査院の機能強化として、正確性、合規性、経済性及び有効性の観点その他会計検査上必要な観点から検査を行うものとするとの新たな規定が追加されたわけでございます。これは、本委員会と会計検査院との協力関係の強化という観点からすると重要な意味があると私は考えておるわけです。
 つまり、ポリシー、プログラム、プロジェクトから成る政策体系に対して、会計検査の立場からどのような政策評価を行うか、また立法府は立法府としてどのような政策評価を行うか、ここに会計検査院と立法府の今日的課題に対する接点があると考えているわけですよ。そうした意味から、今後の検査において政策評価の比重を高める必要があると私は考えておりますが、その点はいかがですか。
#65
○疋田会計検査院長 ただいま委員御指摘のとおり、私どもといたしましても、政策評価にかかわる検査につきましてより充実した体制に持っていく必要があるということで、現在いろいろな手だてを講じながら努力を重ねているところでございます。
#66
○横光委員 どうか前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 また、今回設置されました本委員会の所管事項に関連して、会計検査院は、国会から特定事項の検査の要請があったときは当該特定事項について検査を実施してその検査結果を報告することができると、法に明記されましたね。これらによって、会計検査院と国会との関係はこれまで以上に相互の協力関係が求められることになると私は思うのです。
 しかし、本改正は義務規定となっているわけじゃありません。そこで、先ほど同僚議員からも質問がありましたが、議院あるいは委員会から要請があった場合、この法律上の義務のあるなしにかかわらず十分な検査を行うものと積極的に理解してよろしいでしょうか。
#67
○疋田会計検査院長 ただいま委員御指摘のとおり、私ども会計検査院といたしましては、従来から、国会の御審議の状況に対応いたしまして的確な検査に努めてまいったところでございますし、今回新たに検査の御要請という制度ができたわけでございますので、会計検査院といたしましては、御要請があった場合には全力を挙げて真剣にこれに取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
#68
○横光委員 どうか厳正、中立な立場からこれまで以上の御努力を心からお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#69
○穂積委員長代理 以上で各党を代表する委員の質疑は終了いたしました。
 これより自由質疑を行います。
 この際、委員各位に申し上げます。
 質疑のある委員は、挙手の上、委員長の許可を得て発言されますようお願いいたします。また、発言の際は、所属会派及び氏名をあらかじめお告げいただきたいと存じます。なお、一人一回の発言は三分以内で簡潔にまとめていただくようにお願いいたします。
 質疑のある委員は挙手をお願いいたします。
#70
○石崎委員 自由民主党の石崎岳です。
 今回の大蔵省の不祥事を見ても、検査セクションのモラルハザードあるいは検査そのものが形骸化するということが非常に恐ろしいということが如実にあらわれております。
 会計検査院の大事についてお聞きしたいのですけれども、一つのセクションにいる期間ですね、人事ローテーションというのはどういうふうになっているのか。同じ対象を長期間検査することによる問題点というものが発生する、あるいはなれとかそういうものが発生する危険性があると思いますから、一人の人間が一つのセクションにとどまる期間というものはどの程度なのか、あるいはほかのセクションとの、会計検査院以外との人事交流というものがあるのかどうか、お聞かせください。
    〔穂積委員長代理退席、委員長着席〕
#71
○森下会計検査院説明員 お答えいたします。
 会計検査院には幾つかの検査課がございまして、それに対して検査対象機関が所属しているということになりますが、その在職する期間は、余りにも長くなりますと検査の観点もマンネリ化いたしますので、そういった面からもある程度の期間を念頭に置きながら、三年ないし五年の期間を念頭に置きながらローテーションを組んでいるところでございます。
 それから、他の省庁との人事交流も、約三十名ばかりでございますけれども、やはり実際の現場を踏むという経験が必要だという観点から、二年間ぐらいの期間を限りまして、人事交流を図っているところでございます。
#72
○石崎委員 ということは、ほかの省庁からも会計検査院に来ているということですね。
#73
○森下会計検査院説明員 はい、そういうことです。
#74
○石崎委員 そのときに、つまり、人事交流をして戻った人たちとの私的な関係とか、そういった危険性が生じておりませんか。
#75
○森下会計検査院説明員 現在のところそのような心配はしておりませんけれども、いろいろな点で留意してまいりたいと思います。
#76
○石井(紘)委員 友達の石井紘基でございます。
 先ほどの報告の中に検査対象の数字が出ておりますが、三万八千七百カ所余ということになっているのです。余というとこれ以上ということなんでしょうけれども、実際にはこれよりまだ相当あると思うのですね。それは、出資をしたいろいろな団体がさらに出資をする、あるいはまたさらに出資をするという、いわゆる子会社、孫会社、ひ孫会社、やしゃご会社、こういう関連が余りにも多いので会計検査院としてもこれは把握し切れないというのが、二、三年前の予算委員会における私の質問に対する答弁でありました。会計検査院は検査対象の団体が幾つあるか実際にはわからないということだったわけでありますが、現状でも恐らく、それ以降検査院は非常に精力的にそれを把握することに努めたわけでございますけれども、しかし、まだそれはわからないだろうと思いますね。
 そこで、一つ伺いたいのは、今金融対策の中で、公的資金を投入して預金保険機構に注いでいく、そうすると、この預金保険機構からさらに銀行に資金が行く、優先株等々の形で行く、こういう場合には、この銀行も当然、必要的検査対象ではないけれども、任意的検査対象になるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#77
○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 先生のただいまの御指摘は、優先株式等を引き受けた先の銀行についても検査権限が及ぶのかどうかという御指摘ではございます。
 これを含めまして金融システムの安定化の諸方策につきましても、私ども関心を持ってその行く末を見守っているところでございますが、現実に具体化といいますか、正式に制度化がなされていないということ、また、具体的な数字等もよく判明いたしませんので、正式に制度として確定しました際に、院法上の検査対象となり得るのかどうか、そこら辺を検討いたしたいと思います。
#78
○石井(紘)委員 そういう制度になれば資金が行く、そういう制度ですから、その時点で検討するとかしないじゃなくて、従来の検査院の権限としてこれは当然検査対象になるんじゃないですか。もう一回御答弁をお願いします。
#79
○深田会計検査院説明員 検査対象の一つといたしまして直接または間接に財政援助を与えた先というものが選択的な検査対象になるということは、院法上に規定されております。
 本件の御指摘の金融機関がこの財政援助先に当たるのかどうかということにつきましては、十分もろもろの条件、制度等を検討いたしまして、それで確定したい、そういうように考えております。
#80
○石井(紘)委員 済みません、三分間ということなんだけれども答弁がちょっと納得できないので。
 それでは、それはいつ検討して明らかにしてくれるのですか。
#81
○深田会計検査院説明員 この制度がただいま国会で審議されているところでございます。正式に国会で成立されましたならば確定いたしたい、そのように考えております。
#82
○萩山委員 過去の決算委員会は、私も理事をやっておりましたが、なおざりの委員会だったと私は思っている。そしてまた、一年間に一回か二回しか開かれない、監査は二期も三期もおくれていたというのが実情でありました。これからの委員会というのは、名前も変わって充実した委員会になりましたから、行政の監査をしなければならぬということですから、これは大変なお日付役をいただいたなと思っております。
 そこでお尋ねいたしますが、今、不景気にあえいでおります。建設業界も大変な、中小企業の中で頑張っている。これが三月、四月と来て、五月、六月、七月となると大事な前倒しの時期になります。そうしますと、その大事なときに検査官が来て、一カ月ぐらいあるいは十日間ぐらい検査をやるわけですね、建設省なりあるいは県庁なりに入ってきて。大事な工事を発注しなければならぬときに、空白の時期ができるわけです。これを何とか時期をおくらせてやれる方法はないものか。
 それともう一点。完成したものを破壊検査して検査するくらいなら、中間でもう一回検査ができないものか。人が足らないというならまたそれは論外であるけれども、また考えなければならぬ問題ですが、そういうことも知恵を働かせることはできないか。結果で判決を下すよりも中間で注意をした方がもっと効率が上がるのではないかなという気が私はするのです、正しい金の使い道として。どうぞ答えてください。
#83
○大和会計検査院説明員 公共事業に関する検査の時期でございますけれども、過去にも景気対策等の関連でございまして、四ないし五月には、発注に考慮いたしまして検査をずらすということを現にやっております。東北、北海道地方については、特に現在でもそのようなことを実施しているところでございます。
 なお、検査のために業者の方がいろいろ対応をされるということは、本院の方から特に要求しているわけではございませんで、発注者側の方が非常に過剰な反応で検査準備をされているというふうなところがありますので、その辺をぜひ御指導していただきたいというふうに過去からもお願いしているところでございます。
 それと、今お話のありました途中での検査でございますけれども、本院の検査は会計経理が終わった後に行うというのが検査上の建前となっておりますので、途中では現在のところ検査を行えないということになっております。そのように御理解いただきたいと思っております。
#84
○萩山委員 途中で検査ができないというよりも、それは完成してからではわかりますか、適切な処置がされた工事であるかどうかということが。
#85
○大和会計検査院説明員 工事の検査につきましては、発注した側の方で監督検査を行っているわけでございまして、その監督検査につきましては、適切な監督検査要領等、各種の資料等がついているわけでございます。私どもはそれを見まして、問題があるものについては、場合によっては破壊検査等を行ってそれを確認しているということでございまして、実際に検査報告でも何点かの指摘をしているところでございます。
#86
○萩山委員 もうちょっと。
 それはそれとして、大手ゼネコンが四〇%、三〇%を削減して、カットして下請に出す。下請がそれをまた一割五分はねる。孫請まで行ったときにはもう既に半分以下になってしまう。これでも工事ができるのですが、そういうことに対しての検査の方法というのはないのですか。これが最後です。
#87
○大和会計検査院説明員 私どもの検査の対象となりますのは、事業主体の発注と直接の契約発注元でございまして、孫請、下請に関する直接的な検査権限というのはないわけでございます。一括下請の禁止とか、そういうような状態のものについては検査をしていることではあるわけでございますけれども、元請が下請に幾らで発注したかというようなところまでにつきましては、検査権限は現在のところ及んでいないというふうに理解しております。
#88
○萩山委員 では、表面上適切に処理されておれば、それであなた方は引き下がってくるのですか。あなた方が不正を摘発するところに、会計検査院という意味があるのじゃないのかな。
#89
○大和会計検査院説明員 現在の私どもの与えられております検査権限の範囲内でできるだけ努力してまいりたいと思っております。
#90
○萩山委員 もう終わります、もうちょっとだけ。
 法律改正。法律になかったら、法律を改正させればいいじゃないですか。
 終わり。
#91
○疋田会計検査院長 ちょっと簡単に私からもお答えさせていただきます。
 私ども、工事関係の検査に当たりましては、予定価格の積算内容を詳細に検討いたしまして、実態と著しくかけ離れたような積算がなされているものについては従来から指摘をしてきております。そういった意味合いで、適正な工事費が確保されるように常時留意しながら検査に当たってきているところでございますので、その点をちょっと申し添えさせていただきたいと思います。
#92
○粕谷委員長 委員長の方で御指名しますのはなるたけ公平にやっていきたいと思いますから、時間もあるようですから、恐れ入りますが、それで御了承いただきたいと思います。
#93
○松浪委員 自由党の松浪健四郎でございます。
 この委員会に所属させていただくに当たり、平成八年度決算検査報告についてという参考資料をいただき、そしてそれを読ませていただいたわけであります。
 その参考資料Aを見ますと、三ページなのですが、ODAについて書かれてあります。その「C政府開発援助について」ですが、その一番下の行に「四事業については開発金融借款の監理が十分に行われていなかった。」こう書かれてありました。では、この四事業というのは一体どんな事業なのか、私たちはそれを知りたくなる。
 そこで、経企庁に尋ねましたならば、ファクスをいただいたのです。それは非常にわかりづらいものでしたが、いただいたその資料の中で一「特定検査対象に関する検査状況」これは平成八年度の決算検査報告なのですが、その四百三十三ページに今私が申し述べました四事業について書かれてあるのです。それを見ますと、四事業は「A国」「A国」「B国」「C国」というふうに、国名が書かれていないわけなのです。それで、その事業についても非常にわかりづらいのです。経済企画庁調整局の経済協力第一課からいただいて初めて、そのA国というのはフィリピンであり、そしてB国はマレーシアであり、C国は中国であるということがわかりました。
 こういう援助はどこに問題があるのか、これが非常にわからないので資料を取り寄せようと思いましたけれども、これは委員長にお願いなのですが、これらの資料をとることは非常に難しいし、出ない。それは、申すまでもなくODAは二十近くの省庁にわたって行われていることですから、どの局やあるいはどの省がやっているのか非常に報告ではわかりづらい。つまり、親切さに欠けるということであります。
 この四つのことについて、やっと外務省の経済協力局から資料を取り寄せました。読ませていただきますと、この四事業、検査院が言っていることと外務省が考えていること、その見解に余りにも開きがあり過ぎて、どうもこの外務省の言い分を聞いておれば、問題になるようなことではないのじゃないか。例えば、相手国から我が国への返済については一切問題は発生していない、この四事業はすべてそのように一様に書かれてあります。そのようなものを、いかにも検査院が調査をして問題があるかのように書かれてあることに、私は、もしかしたら実績をつくらんがためにODAを問題視したものになっているのではないのかという疑念を持ちました。
 そこで、参考資料の@、このODAのページを見ますと、「FODA等」どうも数字がうそっぽいのですね。実績づくりのために数字が並んでいる。そして、諸外国は文化も民族も伝統も歴史も社会も異なりますから、現地で実際にやっている人たちと、そして検査院が検査するのと、どうもずれがある。それらのことの認識を持って書かれてあるのか、私は理解に苦しみました。
 そして、委員長にお願いしたいことは、我々は、これらの資料を取り寄せるときには容易にとれるように各省庁にお願いしたいということと、そして、この四事業について検査院にお聞きしたいのは、とりたてて問題にするほどの事業ではなかったのではないか、そのことについてお聞きしたいと思います。
#94
○粕谷委員長 松浪委員にお尋ねしますが、委員長、委員長と聞こえるのですけれども、会計検査院長ですか、監視委員長ですか。――資料要求はどうやら私のようですな。これは理事会に諮りまして、後日報告をします。
#95
○松浪委員 ぜひお願いします。
#96
○粕谷委員長 それでは、会計検査院長の答弁の分をお願いします。
#97
○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 今回、ODAで指摘いたしました開発金融借款でございますが、これは先生も御承知のとおり、それぞれの相手国の金融機関にOECFから貸し付けているものでございます。それぞれの相手国の金融機関では、そのOECFから貸し付けられた貸付金を原資にいたしましてそれぞれの国の貸付先に貸し付けている、そういう流れになっているわけでございます。
 一番最初の貸し付けに当たりましては、順調にその事業がなされているわけでございますが、貸付金でございますので、当然償還というものがございます。その償還資金を再度貸し付けるに当たりまして、その点がうまくいっていない、そして、それに対するOECFのフォローが現体制ではうまくいっていないということから、その点の改善方を求めたものでございます。
#98
○粕谷委員長 松浪委員に申し上げますが、ちょっと、時間が相当オーバーしておりますので。
#99
○松浪委員 わかりました。じゃ、このことについてはまた後日の委員会でさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#100
○粕谷委員長 お二人、御発言を求めておりますので、順次これを許していきたいと思います。
#101
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。私は、二点についてお尋ねをします。ます一つは、会計検査院の検査報告のあり方についてであります。二点目は、検査の系統性という問題についてです。
 ます第一点ですけれども、会計検査院の検査報告への掲載の基準について、これは何を基準にして掲載する、しないというのを判断するのかという点なのです。
 具体的な事例でお聞きをしますが、例えば、防衛庁が、艦船装備品の輸送費の予算をめぐりまして、税関の公印など、予算請求書類を改ざんしていたという事実がありまして、これについて、一昨年十月に会計検査院が、これは公文書に対する信用を害するものということで是正をさせたということがありました。この件については、検査報告書には掲載されておりません。説明によりますと、これは、国に損害、つまり実損を与えたものではないというような説明があったようであります。しかし、先ほどの検査院長の報告では、不適切な事態が法令、制度または行政に起因している場合等いろいろな事例を挙げまして、そういう問題についても、法令違反というようなことについても当然これは該当するというふうに思いますけれども、この点について、なぜこれを掲載しなかったのか、その場合の判断の基準、それから、今後、こういう事態について当然掲載をすべきだと思いますけれども、その点についての御見解を伺いたい。
 二つ目は、防衛庁の四社の水増し請求、過大請求の問題で、これは是正をさせたわけでありますが、問題は、この金利の適用について、五%の適用のところと八%の適用のところがあった、こういう報道があります。五%を適用された上場会社、東洋通信機ですけれども、この場合には一億三千万軽減されていたということがあります。一度是正した後こういうことが発覚した場合に、そういうことについて、さらにもう一度内容について点検をする、そういう系統性が必要だと思いますけれども、こういう点について、今後、こういう事態にどのように対応していくのか。
 以上、二点についてお伺いしたいと思います。
#102
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 最初の御質問でございますけれども、輸入品の調達に当たりまして関係書類を改ざんしたという事態が、確かに先生御指摘のとおり、平成七年度にございました。これにつきましては、やはり会計経理上問題だということで、防衛庁に対しまして本院から質問を発しております。
 それで、先生今御指摘のとおり、それでは、会計法令に違反しているのになぜ検査報告に掲記しないかということでございますけれども、この件につきましては、確かに会計法令としては問題がございましたけれども、手続を会計法令上しっかりやっておけば、これはこれとして一応問題がなかったということでございます。
 それと、やはりこの指摘というのは不当事項ということを念頭に置きましていろいろ検討したわけでございますけれども、不当事項ということになりますと、やはり国損が発生するということが大前提になるということでございますので、その点がなかったということ、そういったことを考慮いたしまして、この件につきましては検査報告に掲記しなかったということでございます。
 それから、第二点の四社の問題でございますけれども、この金利を五%あるいは八%ということでやっていたという報道がございました。
 これにつきまして、防衛庁調達実施本部に対して確認しましたところ、確かにそのような取り扱いをしているということでございます。したがいまして、私どもといたしましては、八%がいいのか五%がいいのか、現段階においては結論を出しておりませんけれども、それにつきましても現在鋭意検討している、そういう段階でございます。
#103
○粕谷委員長 時間が参っておりますので、できれば……。田端委員に非常にお待ちをいただいておりますので。
#104
○佐々木(憲)委員 わかりました。では、一応終わります。引き続き、この点について委員会で議論をさせていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#105
○田端委員 平和・改革の田端でございます。
 最後に一点だけ御質問させていただきますが、先ほど松浪委員からも御質問ありましたが、ODAの問題ですけれども、私はかねてから、このODAは例えば年間一兆二、三千億お金が出ているわけですけれども、このODAのチェックというのは一体どうなっているのだろうということはかねてから非常に疑問も抱き、また関心も持っているわけであります。
 基本的には、私の今までの知識では、やはり外務省とタイアップするといいますか、外務省に頼っている部分が相当にあるのじゃないか、こう思っております。実際問題、会計検査院の方が世界百何カ国に出向くなんということはほとんどもう物理的に無理なことですから、何かの問題なり何かの国に絞って、何人かの人が、数名の方が動くのだろうと思いますけれども、しかし、これはそのままでいいのだろうかという思いがかねてからしているわけです。
 そういった意味で、このODAのお金が本当にその国において有効的に、価値的に使われているのか、そしてそれがまた日本に評価されるようなことになっているのかどうか、そういうことを含めて、これからこのODAのチェックについてはもう少し本格的な体制が必要ではないか、そう思っております。
 ちょっと時間があればもっと具体的に事例を取り上げたいわけですが、この毎年の報告でも、年間、例えばダム本体はつくったけれども、それに関する末端の、現地の、その国の施設が整っていないから稼働していないとかうまくいっていないとか、そういうたぐいのケースがたくさんあります。あるいは、それが二年、三年、五年と経過をして、事後調査をすればどういうふうになっているのか、たなざらしになっているというようなこともたくさんあるようでありますし、そういったことも含めて、これからODAの調査に対してのことを本格的にもう一度検討し直して、新しいあり方というものをつくり上げることが必要ではないか。
 人員的な問題も含めて、その辺のところ、もし会計検査院長の方で将来構想をお持ちならお答えいただいて、我々もまたバックアップしていきたい、こう思います。
#106
○疋田会計検査院長 ODAに対する検査の取り組みにつきましては、昭和六十年代に入りましてフィリピンの例のマルコスの疑惑の問題が起こりまして以来、国民の関心も極めて高まり、また国会での御審議も数々行われたわけでございますが、私ども会計検査院といたしましても、従来はほかの検査課の中で一部細々とODAの検査もやっておりましたのを、その際、外務検査課というものをつくりまして、ODAの検査を主体的に行う体制を整えてきたわけでございます。
 その後、ODAの検査そのものは、国内で実施機関に対して行う検査は私どもも十分な検査ができる体制にあるわけでございますが、一方、現地につきましては、主権の問題、その他気象条件、言語の問題、いろいろな障害がございまして、そういったものを一つ一つ解決しながらODAの検査の定着を図ってきているところでございまして、今後ともさらにいろいろな工夫を凝らしながら、充実した検査ができるように体制を整えてまいりたい、このように考えているところでございます。
#107
○田端委員 その際、外務省との関係を、つまり外務省の現地の方で調べていただいたのがそのまま報告として上がってくるのだろうと思いますが、それをどういうふうにチェックするのかということですね。つまり、出先は外務省が持っているわけですから、これからそことのあり方というものをもう少し明確にしていかないと、報告書が上がったままそれを了としていくようではいろいろな問題は解決しないのだろう、こう思うわけで、そこの点をひとつしっかりと考えていただきたい。特に要望しておきます。
#108
○深田会計検査院説明員 私どもの現地調査でございますけれども、検査院の職員が一カ国につきまして三名ないし六名赴きまして、そしてそれぞれのプロジェクトを現地で調査しております。外務省が調査したものを我々が受け取る、そういうものではございません。
#109
○粕谷委員長 それでは、予定をいたしました時間も参りましたので、本日の質疑はこの程度で終了いたしたいと思います。
 次回は、来る二月四日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト