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#1
第142回国会 決算行政監視委員会 第9号
平成十年五月二十日(水曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 原田昇左右君
   理事 佐藤 静雄君 理事 高市 早苗君
   理事 穂積 良行君 理事 村田 吉隆君
   理事 上田 清司君 理事 海江田万里君
   理事 大口 善徳君 理事 石垣 一夫君
      安倍 晋三君    臼井日出男君
      河井 克行君    久野統一郎君
      熊谷 市雄君    倉成 正和君
      桜田 義孝君    田中 昭一君
      田邉 國男君    滝   実君
      橘 康太郎君    萩山 教嚴君
      堀之内久男君    矢上 雅義君
      山口 泰明君    石井 紘基君
      古賀 一成君    島津 尚純君
      末松 義規君    前田 武志君
      山本 譲司君    池坊 保子君
      河合 正智君    山中 Y子君
      米津 等史君    佐々木憲昭君
      瀬古由起子君    中林よし子君
      保坂 展人君
 出席国務大臣
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
 出席政府委員
       総務庁恩給局長  桑原  博君
       大蔵大臣官房長  溝口善兵衛君
       厚生政務次官   原田 義昭君
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  篠崎 英夫君
       厚生省医薬安全
       局長       中西 明典君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       社会保険庁運営
       部長       真野  章君
       労働省女性局長  太田 芳枝君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     中野 秀世君
 委員外の出席者
       総務庁行政監察
       局企画調整課長  熊谷  敏君
       大蔵省主計局司
       計課長      田頭 基典君
       会計検査院事務
       総局第二局長   諸田 敏朗君
       決算行政監査委
       員会専門員    天野  進君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十日
 辞任         補欠選任
  熊谷 市雄君     田中 昭一君
  滝   実君     河井 克行君
  三塚  博君     安倍 晋三君
  田端 正広君     河合 正智君
  若松 謙維君     池坊 保子君
  中林よし子君     瀬古由起子君
  村山 富市君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     橘 康太郎君
  河井 克行君     滝   実君
  田中 昭一君     熊谷 市雄君
  池坊 保子君     若松 謙維君
  河合 正智君     田端 正広君
  瀬古由起子君     中林よし子君
  保坂 展人君     村山 富市君
同日
 辞任         補欠選任
  橘 康太郎君     三塚  博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関す
 る件(年金問題)
     ――――◇―――――
#2
○原田委員長 これより会議を開きます。
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件、特に、年金問題について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤静雄君。
#3
○佐藤(静)委員 きょうは年金問題について議論をするわけであります。目安箱にたくさんいろいろな問題が来ておりますけれども、年金問題に対する苦情が一番大きな比重を占めているわけであります。
 今、来年に向かって年金問題は抜本的な改革をする準備をしているわけでありますけれども、問題は、多くの国民の皆さんの不満だとか、それから、こんなことを直してもらったらいいじゃないかと、たくさんの意見があります。そういうものをまとめながら御意見をお聞かせいただきたい、そう思っておるわけであります。
 まず第一に、国民年金の未納対策です。平成八年現在、百七十二万以上の方々、国民年金被保険者の一割を未納者の方が占める状態になっています。未納保険料は一兆二千三百億円にも上っている。次々に時効が来ますから、この欠損額は毎年四千七百億にも上っていくということにもなってしまっているわけであります。
 未納の理由として、三十歳代を中心に、国民年金を当てにしていないという方が二一%ぐらいおる。その主な理由としては、制度の将来が不安だ、一三・七%。そのほか、四十代や五十代の人を中心に、これから払っても加入期間が少なくて年金がもらえないじゃないか、そういう方もおる。そういう国民年金に対する国民の不信感といいますか、不満が非常にあるわけでありますね。
 保険料未納額一兆二千三百億というのは非常に大きな額でありますけれども、国民年金のファンドの収支に対してこれは大きな影響を与えていると思うのですけれども、どの程度の影響を与えているのですか。ちょっとおっしゃっていただきたいと思います。
#4
○矢野(朝)政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、現に一兆二千億というような未納額があるわけでございます。そういう関係で、その分、保険料収入が確かに減少をいたします。ただ、保険料を納めなかった方は、将来、年金がもらえない、こういうことになるわけでございますので、長期的に見ますと、年金財政に影響を与えるものではないということでございます。
#5
○佐藤(静)委員 いや、そんなことを聞いているのじゃないのです。もしもみんながみんな納めるとしたら、これは第一、法的には、全部納める人、みんなが加入しなければならぬわけでありますから、みんなが加入するのと今のような状態とでは相当違うでしょう、ですから、みんなが集めるようにしたならば、年金の今のファンドに対して非常に、本当はもっと楽になるのだけれども、相当な影響を与えてしまっているでしょうと。だから、後でお話ししたいと思っていますけれども、もっともっと集める努力をしなくてはならぬ。その前提としてちょっと私は聞いたのであります。
 大体年金は、免除者、これは法的に免除される人もいろいろあるわけでありますから、全部含めますと、納付者というのはもう七五%にしか達していない。四分の一の方々が未加入か、納めていないかという状態にあるわけですね。その辺に一つ大きな問題があります。
 ですから、その辺を中心として少しお伺いしたいのでありますけれどもへ例えばもっと納付しやすいような仕組みをつくることも必要ではないのか。けさの新聞見ましたら、ちょうどこの保険料の自動払い利用率、民間が大体七割、八割にも達している。水道ですとか電気代だとかガス代なんかは、もう八割、九割と達しているということでありますね。ところが、国民年金の口座振替というのは、平成七年度で四割にしか達していないということであります。郵便局の自動振り込みなんかを利用しましたら、全国二万四千ぐらいの郵便局があるわけでありますから、そういうものを利用しましたらもっともっと納付しやすいようなこともできるでしょうし、窓口へ行って納めたりなんかするのではなくして、もっとそういうようなことを普及したらどうなのだろう。それから、コンビニでなんかも最近公共料金はどんどん納めていますね。そんなことも考えたらどうなのだろうかと私は思うのですね。
 けさの新聞に、旅行、航空券をコンビニで購入する、それもキャッシュカードで購入する。やはり、そういう時代になってきているのですね。若い人たちは、そういうことをやはり望んでいるわけですよ。特に若い人たちは未納者が非常に多いわけです、未加入も多いわけですから。どうでしょう、何か新しいそういうような方法を考えられる意思があるかどうか、新しい、納付しやすい仕組みを考えているかどうか、お聞きしたいと思います。
#6
○真野政府委員 御指摘いただきましたように、私どもも、国民年金の保険料納付に際しましては、一番きちんと確実に納めていただく、また、納付をしていただく方にも便利でありますし、私ども納めていただく方にも、毎月毎月きちんと納めていただくということで、この口座振替を何とか推進したいというふうに思っております。
 先生御指摘のとおり、公共料金の方はかなり、七、八割という水準でございますが、残念ながら国民年金の場合にはまだ四一%程度ということで、公共料金よりは低い状況にございます。これにつきましては、資格を取得していただきますときに、窓口で口座振替依頼書というものをお渡しして、加入していただくときに、ぜひ口座振替をお願いしますということをお願いいたしておりますし、毎年、国民年金の保険料を納めていただく納付書というものを市町村の方から通知をいたしておりますが、その際にも、口座振替依頼書というものを同封いたしまして、ぜひそういう御利用をいただきたいというお願いをいたしております。
 また、金融機関の方にも、口座を持っておられる方、また、口座を新しく開設される場合には、ぜひ口座振替を勧めてほしい、こういう契約も結びまして、現在、その努力をいたしております。今後とも、口座振替の推進というのが納めやすいという意味では一番の方法でございますので、力を入れていきたいというふうに思っております。
 それからもう一つ、今御指摘をいただきましたコンビニでの保険料の取り扱いでございますが、これも先生御案内のとおり、公共料金サービスその他、種々の取り扱いをコンビニがやっていることは私どもも承知をいたしております。ただ、現在、制度上、公金は法律または政令で特別の定めをした者以外は扱えない、また国のお金の場合には歳入徴収官以外扱えないという制度上の問題がございます。
 ただ、私ども、国民年金の被保険者の実態調査を行いました場合に、現在未納であるという方の中で、納めやすい方法としてはどうかという調査をいたしましたところ、コンビニでの納付というようなことをやってほしいという答えが実はかなり出てまいりました。
 そういうようなことで、制度的な制約が現在ございますが、何とか、被保険者からの要望も強い、また、私どもターゲットにしなければならない未納者の方からの要望も強いというようなことで、ぜひこれについては検討したいというふうに思っております。
#7
○佐藤(静)委員 今の制度上は難しくとも、制度を変えて、やはり時代に合ったことをやることによってみんなが納めやすくなるわけですから、ぜひともひとつ早急に進めていただきたいと思います。
 それから、未加入は罰則があるのですね、これは十万円以下の罰金だと。未納の場合には、罰則はないけれども、強制的にこれは取れる。さらに、延滞金をつけてもいい。そういう法律になっているのですね。これは実施されたことはあるのですか、ないのですか。
#8
○真野政府委員 未加入の罰則については、ちょっと至急に調べますが、まず、実際に罰則を、刑事罰をもって適用した例はないと思いますが、今お調べをいたします。
 それから、先生御指摘の滞納処分でございますが、これまで、昭和六十三年と平成二年、過去五件の例がございます。
#9
○佐藤(静)委員 確かに、これは罰金だとかなかなか大変だと思うので、そのためになかなかしていないんだとは思うのですけれども、やはり、法的にやれることはやる、そのぐらいの姿勢を示すことが大事だと私は思いますよ。もしもできないのだったら、その法律を改正して違うことを考えればいいのであって、法治国家ですから、法律がある以上はやはり法律に従う、そういう強い姿勢が私は大切なんだろうと思います。やはり年金というのはみんなで助け合う制度ですから、個人の問題というよりもみんなで助け合う制度ですから、みんなに迷惑をかけるわけですから、そういうことはやはりすべきだと私は思いますね。
 それから、平成三年度に、未納対策について会計検査院で指摘をしているのですね。国民健康保険のデータなんかを活用して集めればもっともっと集められるだろうという指摘をしているのです。ところが、その後余り改善措置がされていないように思うのですけれども、どういう努力をされておるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#10
○真野政府委員 先生御指摘のとおり、過去、行政監察、会計検査院からの指摘をいただいております。
 未納と未加入両方の問題がございまして、実は、まず制度に入っていただくという方を優先をいたしまして、未加入者の解消というのを先行させております。
 平成七年度から一二年計画によりまして、まず、二十になられた方には入っていただく。それから、国民健康保険に入っておられながら国民年金には入っておられないという方についても入っていただくというようなこと。・それから、昨年の一月から実施をいたしました基礎年金番号を活用いたしまして、一人一番号でございますので、従来のように制度ごとに分かれていて制度の谷間で落ちるようなことのないというようなことで、私ども、一応、未加入という対策につきましては、この三年間でかなりの手を打てたのではないかというふうに思っております。
 しかしながら、逆に、適用をしていくということは実はなかなか、いわば国民年金に関心の薄いといいますか、いわば理解がなかなかいかない方々を適用してきたというようなこともございまして、そういうような影響も受けまして、残念ながらここ数年収納率が低下をいたしております。
 三年計画の適用の方の対策が私どもとしては一応ある程度の成果が上がったと考えておりまして、いわば入っていただいた方に年金に結びつけていただくというのは、保険料を納めていただくということでございますので、今年度から、特に未納対策の方に重点を置きまして実施をしたい。
 先ほど先生御指摘をいただきました口座振替の促進などによります納付しやすい環境づくり、また文書、電話、戸別訪問というようなことで納付対策の督励を実施していく。それから特に、やはり未納者は若い方、と同時に都市部に多うございますので、そういう都市部におきまして専任徴収員の体制を充実する。また、なかなか、今申し上げた電話、戸別訪問等の実施をしていただいておらない市もございますので、そういう市でぜひ実施をお願いするというようなことで、未納対策に充実を期していきたいというふうに考えております。
    〔委員長退席、穂積委員長代理着席〕
#11
○佐藤(静)委員 保険料の未納者のうち、国民健康保険の保険料を最高限度額納付している人がたくさんいるのですね。ですから、当然納められる。しかし、納めてない。その辺も会計検査院は指摘しているのですね。ですから、国民健康保険と連携をとってしたらどうかと言っているわけです。
 同じ厚生省の分野でもありますし、国民年金と国民健康保険、今おっしゃったように、やはり戸別訪問をやったり電話作戦をやったり、いろいろなことをやりながら、選挙みたいですけれども、いろいろなそういう細かなことをやりながら督促していくわけでありますけれども、一緒にしてする。健康保険と年金を一緒にする。そうしたらむだが省けますし、事務費なんかもそれだけ少なくて済むわけでありますから、その辺をやることが必要だと私は思うのですよ。どうですか、もう一度。
#12
○真野政府委員 確かに、国民健康保険と国民年金、対象にしております被保険者の範囲は重なっております。また、国民年金の保険料も印紙納付という形で市町村にお願いをいたしております。
 しかしながら、制度といたしましては、国民年金は国が保険者でございまして、いわば徴収に当たるべき責は国にある。形として、印紙を介して市町村にお願いをしている。国民健康保険の方は、市町村がまさにみずから、保険者でございまして徴収をしているということで、そういう制度の違い。それから、技術的にはなかなか、私どもは毎月が納付期限でございますが、国民健康保険の方は四半期に一回というような技術的な違いということもございまして、一挙に一元的に行うというのはなかなか難しい面がございます。
 ただ、先生御指摘のように、対象は重なっているわけでありますので、国民年金の担当部局と国民健康保険の担当部局で十分、意志疎通、情報の交換をいたしまして、できる限りの成果を上げていきたいというふうに思っております。
#13
○佐藤(静)委員 次に、未加入の対策でありますけれども、未加入の理由については、届け出の必要性や制度の仕組みを知らなかった、そういう人が四六%もいるのですね。加入したくないという人が五四%近くいる。大体この二つが未加入の理由としてあるわけですね。さらに、この加入したくない理由は、経済的に困難だという人が大体一五%ぐらい、年金制度の将来が不安だという方が八%、貯蓄や個人年金の方が得だという方が五%。
 要するに、これらの結果を見てみますと、国民年金制度に対する理解不足、国民の不信、そういうものがあるということがこの数字を見てもわかるわけでありますけれども、国民年金より貯蓄や個人年金の方が得だと、非常に個人を中心として考えているわけですね。年金はみんなのためにあるというその辺の理解が、これだけの大きな数字を見ましても、どうも徹底したものがないのではないかな、そういう気もするのですね。
 ですから、そういうことに対して、通常、どういう努力をされているのですか。その年金というものの必要性というか、僕らもそういうふうなPRなんかをしているというのも余り目に見えたことがないのです。特に、若い人たちが年金に余り関心を持っていない。だんだん年をとるに従って、年金がもらえるようなころになってようやく関心を持ってくるという状態でしょう。やはり若い人たちが年金に関心を持つ、これはみんなのために自分がするのだという意識を持ってもらう、そのための努力がやはり必要だと思うのですよ。そういう努力をされていますか。
#14
○真野政府委員 まず、先生おっしゃるとおりでありまして、若い人にぜひ御理解をいただきたいというふうに思っております。
 その具体的な方法の一つが、二十歳になられた方への周知、広報ということで、例えば成人式その他のチャンスをつかまえまして、パンフレット等の配付を行いまして周知をする。それから大学等にポスターの掲示その他をお願いするというようなことを行っておりますし、また、若干遠回りかもしれませんが、学校教育の場で年金を取り上げていただいて、年金教育という形で推進していこうということで、中高校生を対象にいたしまして、学校教育の場で年金を教えていただく、そのために、社会科の先生のセミナーを行いましたり、中高校生を対象に副読本を配付をするというようなことも行っております。また、本当に一般論でありますが、年金週間ということで、十一月六日から一週間、いろいろなマスメディアを使いまして年金についての理解を求めていく、そういう努力をいたしております。
#15
○佐藤(静)委員 特に、今おっしゃった学校教育などは絶対いいと思いますし、やはり若いときから、年金というものが本当に必要なのだ、自分のためにも必要だけれどもみんなのために必要だということを、子供のときから頭に植えつけるということが大切だと思うし、それは、年金ばかりでなくして、自分の生き方というものをその中で得ていくということにつながると思いますから、これは文部省などともよく打ち合わせしまして、ぜひともひとつお願いいたしたいと思いますね。
 同時に、国民年金制度についてのPRも、いろいろなことをしっかりしないといろいろなトラブルが発生するのですね。
 目安箱の三月十八日に来た中に、こういうことがあるのですよ。ちょっと時間もなくなりましたけれども、この方は、現在四十一歳の主婦で、夫が国家公務員だったのですね。国民年金がまだ任意加入だった昭和五十九年に区役所に申し出て、国民年金の被保険者になった。二年ほどお金を払っていたのだけれども、六十一年の年金法の改正によって自分は三号被保険者となった。そのときは、自分では手続をしないで、職場から手続が行ったと思っていた。そうしているうちに、何となく不安になって、昨年になってから問い合わせてみた。そしたら、今も国家公務員の妻ということになっていた。変わっていなかった。それで、急いで手続したところが、二年間は戻れるけれども、あとは、大分長い間だめになってしまった。そういうことがあるのですね。
 そして、この方は年金手帳をよく見てみたというのですよ。
 これは私の年金手帳の裏をコピーしてきたのですけれども、もっと年金手帳の裏に詳しく書かないとだめですね。私も初めて自分の年金手帳を見てみたのですけれども、大ざっぱに書いてあるのですね。「被保険者の行う届出手続等」。年金というのはほとんど手続でやるわけでしょう、本人の手続で。窓口に行って手続をする。自動的にやれるということは余りないわけですね。ですから、自分で手続をするのだから、相当詳しく書かないとだめですね。「被保険者になったとき」「被保険者でなくなったとき」「氏名が変わったとき」「住所が変わったとき」「この手帳がなくなったり、破れたりしたとき」こんな程度しかない。
 やはりもっと、夫が転職して厚生年金から共済年金に変わったときとか、就職して厚生年金から共済年金に加入したときとか、夫が退職して自営業者になったときとか。特に今は、離婚が非常に多いというのがありますでしょう。若いときに離婚することもある。さらに、女性は今、家庭にいるというばかりではなくして、勤めたりいろいろする。そしてまた男性も今は、一生一つの会社に勤めていたりしないで、転々といろいろなことをすることが一つの価値観として出てきている。ですから、窓口に行って一回一回手続をするというのはなかなか並み大抵ではありませんよ、これ。だから、そのために、年金手帳の裏に説明を相当詳しく書いてやる。私が今申し上げたような相当詳しいものをしてやる。民間の保険に入るときは、皆さん、大変でしょう。小さな字でたくさん書いてありますでしょう。やはりそれぐらいのサービスをしないと、だめですよ。そして初めて年金というものが国民の中にすとんと落ちていくのですよ。どうでしょう。
     〔穂積委員長代理退席、委員長着席〕
#16
○真野政府委員 先生の御指摘、もっともなところがございますが、詳しく書きますと、また、なかなか読んでいただけない、もっとはっきりわかるように書けという御指摘もございます。限られたスペースに何を書くか、そして、スペースがなければほかの方法で、いろいろな形で追加的な資料にするということだと思います。
 ただ、一点、私ども、昨年の一月から基礎年金番号ということを導入いたしました。これによりまして、一人一番号、職場を変わりましても、住所を変わりましても、同じ番号でその記録をつないでいこうということを行っております。
 今先生、必ず自分で手続をする必要があるということをおっしゃられましたけれども、厚生年金の場合には、かなりの部分を事業主を通じて事務を行っておりますので、事業主の方に御連絡するという方法もございますし、また、国民年金の場合には、先生おっしゃられたとおり、御自分でいろいろな手続をしていただかなければなりません。
 その手続をいたしますときに、例えば、厚生年金をおやめになって自営業になった方、これは、従来ですと、御自分で市町村役場に行っていただくしか方法がなかったわけですが、今回、基礎年金番号を導入することによって、例えば、二号の被保険者資格を喪失された、しかし、新しく二号の資格は取得しておられないし三号の資格も取得されていないというのが私どもでわかります。その場合には、市町村の方に、この二号の方が資格を喪失されて、おたくの市町村に住んでおられるのではないか、この方をぜひ一号に加入をさせてほしいというような方法も、私どもとしては、基礎年金番号を実施することによって実行ができるようになりました。
 先生おっしゃられるとおり、御自身できちんとした届け出ができるように私どももPRをする必要がありますし、努力をいたしたいと思いますが、一方では、そういう基礎年金番号の導入というようなことでバックアップをしていきたいというふうに思っております。
#17
○佐藤(静)委員 さっき私が申し上げましたとおり、今、私たちも、一生一つの会社に勤めたり一つの仕事をしない時代ですよ。女性もそうでしょう。だから、五年に一度の再計算のときに、あなたの年金はこうなっていますよということを知らせたらどうですか。過去にこうなっていますよ、どのぐらい納めて、どうなっていますよ、今どういう立場になっていますよと。健康保険は各地方自治体で知らせますでしょう、年に一回、あなたのは保険料からこのぐらい使いましたと。知らせますよ。知らせて認識させていくということをやりますよ。だから、ぜひとも、来年の抜本的改正のときからそうしたらいいと思います。五年に一回知らせる、設計図を知らせる、どうですか。
#18
○真野政府委員 制度の全体の方は後ほど年金局長から答弁があるかと思いますが、個人に年金額をお知らせをする、年金額を改定したときには当然のことながらお知らせをいたしておりますが、先生の御指摘は、まだ年金をもらっておられないような方にも、今回の制度が変わることによってどういうふうになるんだというようなお知らせをしろということではないかと思います。
 私ども、今、基礎年金番号を導入いたしまして、今まで制度が分かれておりましたので幾つか番号をお持ちの方がおられますが、実はこれから一生懸命つなぎ合わせをいたします。つなぎ合わせますと、ある人の年金の加入履歴というのがわかりますので、それを、一定の前提を置いて、例えば六十歳間近になりましたらあなたの予想年金額はこういう年金額になりますよというお知らせができるようなサービスをしたいというふうに今検討をいたしております。
#19
○佐藤(静)委員 僕が言ったのと答えがちょっと違うんだけれども。
 もっと、あなたはこのとき、何年から何年まで厚生年金に入っていました、次は何に入りましたから、そのときに、六十歳になったら幾らもらえますとかとわかるように
        ―――――今コンピューターで全部処理するんでしょう。それぞれ共済年金も全部コンピューターでやっているんでしょう。全部一つにできるはずですから、そういうことをやはり知らせていく、認識させていく、そういうことが大事だと思いますから、ぜひともやっていただきたいと思います。
 それから、もう時間ないので、最後にもう一つだけ言いますけれども、年金の窓口をもっとしつかりしないと、それぞれの窓口をしっかりしないとだめですね。七十歳の、これも苦情で来た人ですけれども、老齢年金の七十歳までの繰り下げ支給を希望していた、ところが窓口がしっかりしていないためにならなかったということも出てきているんですよ。ですから、しっかりとシステム化して、いろいろなことがわかるように、窓口の人もよくわからない面があるので、やはりしっかりと気をつけてやっていただきたい、そう思います。それをお願いしまして、終わりたいと思います。
#20
○原田委員長 次に、高市早苗君。
#21
○高市委員 おはようございます。高市早苗でございます。
 私も、佐藤委員と同じく、まず国民年金未納者問題についてお伺いをしたいと思います。
 国民年金は、年金の基礎部分をなすものといたしまして、国民生活設計の屋台骨と位置づけられております。ところが、自営業者などの第一号保険者は、サラリーマンなどの第二号保険者と違って、給与から強制的に保険料を天引きされるような仕組みにはなっていないことから、未納者や未加入者が非常に多い。これが、佐藤委員御指摘のとおり、国民年金の基礎が崩れる要因になるんじゃないかという懸念がございます。
 先ほど少し数字も出ましたが、ちなみに、平成八年三月末で未納者が百七十二万二千人、これは被保険者の一割に当たる。未収保険料が一兆二千二百九十九億円。未加入者は、平成七年十月十五日時点のデータですが、二百八十六万九千人、推定未収保険料が千二百四十七億円に上るだろうということでございます。
 保険料を納めずに将来無年金になった人への福祉の代価をまた皆で負担するようなことになってしまう、このような現状を放置するというのは、税制ともどもサラリーマンの不公平感につながっておるように思います。何か、まじめに義務を果たす者の無力感、これを放置すると、本当に国家への不信感を呼ぶことになるんじゃないか、私はこのように感じております。
 国民年金保険料未納者のうちの六三・四%が民間の生命保険には加入している。国民年金の保険料は払ってないけれども、民間の保険には加入していて、個人年金には二〇・三%が加入、生保と両方加入している人が一七・三%だ。それから、年金保険料免除者であっても五〇・二%が生命保険には加入している、九・四%が個人年金に加入、七・三%は両方に加入している。
 まず、後で申し上げました保険料免除者ですけれども、この免除制度というのは低所得とか障害などで保険料納付が困難な人のためのものと思っておりましたけれども、現状では、保険料負担能力のある者にも免除をしているということになってしまうのじゃないかと思います。
 国税庁の「申告所得税の実態」でも、低所得者層と言われます百万円以下の所得で、社会保険料控除よりも生命保険料控除の適用者が多いということですから、未納者についても必ずしも保険料負担能力がないとは考えられない。まず、このような現状についてどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#22
○真野政府委員 保険料免除者の生命保険なり個人年金への加入の状況は、先生おっしゃられたとおりでございます。
 国民年金の保険料の免除につきましては、世帯の所得、課税状況、固定資産を総合的に勘案して判断をいたしております。端的に申し上げますと、住民税が非課税の場合には免除、それから所得税が課税されている場合は免除されないという状況になっておりまして、その間に層がございますので、その層につきましては、それぞれ世帯の所得でありますとか固定資産の状況、それから扶養者の数、そういうものを指数化をいたしまして負担能力を判定をして判断をいたしております。
 この負担能力を判断する指数の一つに、生命保険、個人年金の保険料額というのが判断の一要素というふうになっておりまして、そういう面も、生命保険に入っているから負担能力があって免除になるのはおかしいということではなくて、生命保険に入っていることも考慮しながら負担能力を判断するということで現在の仕組みは考えております。
 しかしながら、高額な生命保険料をお支払いになりながら免除を受けているというようなことは、先生おっしゃられたとおり、公平という観点、またはみんなで負担をするという観点からはまさに適当ではないというふうに思っておりますので、この免除の制度の適正な運営ということにも努力をしていきたいというふうに思っております。
 それから、未納の方につきましても、調査によりますと、保険料を納めていただいている方々との所得の格差というのはそんなにないというふうに思っておりますので、私ども、未納の世帯に対しての努力をする必要があるというふうに思っております。
#23
○高市委員 今のは、免除の方に対してもう一度考えていきたいというようなことだと思うのですが、具体的にどういう方向でお考えになるつもりでしょうか。
#24
○真野政府委員 免除につきましては、仕掛けは先ほど申し上げたとおりでございます。
 その実際の運用に当たりまして、市町村と事務所の連携というようなところに
        ―――――実際問題として、個人の方がそれでは生命保険料を幾らお支払いになっているのか、所得税法上の生命保険料控除というのはもう上限が決まっておりますので、それ以上の、実際の納められた生命保険料の把握というのがなかなか難しいというような面もございます。そういう意味では、市町村、事務所における所得の把握段階でそういうところをきちっと把握をする、そういう方向でまずは適正化を期していきたいというふうに思っております。
#25
○高市委員 どうもすっきりしないんですね。本当に強制的に給料から天引きされてまじめにずっと納め続けている人と、もしかしたら負担能力があるのにその保険料を納めない人とのバランスという問題もあるし、だんだん、まじめに納めている人があほらしくなってきたときに本当にこの制度が崩壊するのじゃないかという危惧を私は感じています。
 それで、ちょっと過激かもしれませんけれども、上智大学の山崎泰彦教授という方が、国民年金未納者、未加入者対策として次のような提言をされております。
 まず、未加入者や未納者については生命保険料控除の適用を外すこと。社会保険料負担を逃れている生保加入者に対する税制上の優遇措置は常識的には認められないという御意見。それから、運転免許証の交付と更新に当たって社会保険料納付済みを条件とすること。これは実際、交通事故などで障害年金というものが適用されていくという可能性を考えると当然の措置ではないかという二点の提言がございます。
 私は、ある意味ではこの山崎教授の指摘は的を得ているのじゃないか、傾聴に値すると考えるのですが、この二つの提言について政府の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#26
○原田(義)政府委員 今、具体的な形で御提言もいただきましたが、少し検討させていただきたいと思います。
#27
○真野政府委員 今お話しをいただきましたように、未納、未加入対策として、山崎先生から、生命保険料控除の適用の問題、運転免許証の交付、更新の問題を御提言をいただいておりますし、また、幾つかの有識者の方々からも御意見をいただいております。また、大阪で年金審議会を開きましたときにも、意見をお聞きした労働組合の代表の方々からもそういうような御提言をいただいております。
 私どもといたしましては、年金審議会にそういう御紹介をいたしましたし、実際に実務を預かる私どもといたしましては、未納、未加入のいろいろな方法をお考えいただきたいという場合の、いわば一つの有力な御提言として、年金審議会でぜひ御検討いただきたいというふうに思っております。
#28
○高市委員 ぜひよろしくお願いいたします。サラリーマン家庭の切実な声も聞いていただけたらありがたいと思います。
 それから、いろいろな本を読んでいますと多くの方がよく提言されているのですが、高額所得者は年金辞退をすればどうかというような話が出ておるのです。とはいっても、長年納めた、長いこと一生懸命働いて納めた保険料に対して年金受給権を放棄するということですから、これは国家が強制的にやるようなものでもないし、全く見返りなしということになると、何だかそれも反対に不公平な話だなと思うのです。ただ、アイデアとしては、高齢者になられてからもかなり生活にゆとりがある、長いこと保険料を掛けたけれども、でも受け取らなくていいよというような方も幾らかおられるかもしれません。こういった方に対して、例えばですけれども、辞退した分の年金を自分の好きな政策、例えば福祉施設でもいいのですが、そういったものに対して寄附できるといったようなこととか、あとは名誉ですね、金か名誉かということで、名誉が欲しいというような場合がありましたら、褒章とか勲章に準ずるような、この人は年金を辞退して社会のために尽くしてくれました、年金の安定化に貢献してくれましたといったような、名誉を与えるというようなこともいいのじゃないかなと感じたのですが、次官、いかがでしょうか。
#29
○原田(義)政府委員 大変傾聴に値すべき具体的な提案でございます。もちろん保険金を払う段階で、自分は将来高額所得になるからもう払わぬでいいのじゃないかとか言う人も出かねませんので、皆保険、皆年金をきちっと充実させるためには、今のようなケースをどういうふうに扱うか、これから幅広く検討をしていきたいと思っております。
#30
○高市委員 次官、どうもありがとうございます。
 それから、さっき佐藤委員の御質問の中にもあったのですが、保険料未納の理由として、国民年金を当てにしていないという回答が最も多くて、これらを第一に挙げているのが私と同世代の三十代だということです。それから、厚生省の試算では、前にいただいた資料を見ますと、三十歳代でも将来年金の受け取りは確実に可能であるということですけれども、それでも、地元を歩いていると、やはり同級生なんかからは、どうせ掛け捨てでしょうというような声も多く耳にします。
 そういった声が若い世代から多いというのは、制度の信頼性そのものにやはりこれは疑問があるのじゃないかと。この年金制度というのが将来、三十年後も四十年後も健全に続いているという見通しを、三十代、四十代の世代が持てなくなっている。この信頼回復のために、ぜひども現在の三十代の方、二十代の方、十代の方たちの年金受給の見通しを明らかにしていただきたいと思います。
#31
○矢野(朝)政府委員 昨今、年金に対する不安とか不信が強くなっているわけですけれども、ただ、年金制度といいますのは、マクロ的に見ますと、日本全体で稼いだ富を高齢者と現役、若い世代にどうやって分配するか、こういう問題だと思うのですね。したがいまして、日本の経済がしっかりしている、国際競争力もそこそこある、こういう状況が続けば、年金がもらえない、こういうことは絶対あり得ないわけでございまして、年金がもらえないということは、もう日本経済、日本社会かその前に沈没している。こういう事態が生ずれば、それは年金がもらえない、こういうことになるかもしれませんけれども、そういうおかしなことはあり得ないと思いますので、年金がもらえないということはあり得ないわけです。
 ただ、年金というものは、給付と負担とのバランスを図っていかなければこれは制度がもちませんので、給付と負担のバランスをどこの水準で保っていくのか、これが年金制度にとって一番重要な課題、こういうことになるわけでございます。したがいまして、将来世代がどの程度の年金をもらえるかというのは、これは将来の保険料負担との見合いで決まってくる、基本的にはそういう性格のものでございます。
 現行制度はそこのところがどうなっているかといいますと、基礎年金につきましては、二十歳から六十歳の間の四十年加入の場合で、平成六年価格で月額六万五千円、こういう金額になっておるわけでございます。ただ、これを賄うために、現在一万三千三百円の月額保険料をいただいておりますけれども、少子・高齢化が進む中で、最終的にはこれから二万四千三百円にまで引き上げざるを得ない、こういう収支見通しになっておるわけでございます。
 したがいまして、こういった収支見通し、これでいいのかどうかということがまさしく次期年金制度改正の大きな課題になってくるわけでございます。
 繰り返しになりますけれども、将来世代が年金がもらえなくなるというようなことはありませんし、もしそういう社会を想定しますと、これはもう、お年寄りですから、自分の蓄えか、自分の子供に面倒を見てもらう、昔の世の中に返らなければいけないことになるわけでございます。そういった世界には今さら戻れないわけでございますし、これはやはり年金がどうしても必要になってくるし、これを守っていかなければいけない、それで、年金がもらえなくなることはあり得ない、こういうことでございます。
#32
○高市委員 そういったことを国民に正しく知らしめていただきたいと思います。どこへ行ってもこの話を聞きますね。年金は私たちはどうせ掛け捨てでしょうというのと、それから、どんどん支給開始年齢が上がって、私たちの親の世代でも、今、退職したもう翌日にぽっくり亡くなってしまって、ああ、年金ももらえぬとなあというような話を聞くものですから、この世代も、やはり長いこと月々高いものを納めて、最後何年もらえるかわからぬけれども、それも支給開始年齢が上がっていくからさっぱり絶望的やなあというような感じなんですね、世の中一般の認識が。
 ですから、先般の当委員会で取り上げました大蔵省の三十兆円対策の新聞一面広告じゃありませんけれども、何かわかりやすい、みんなが信頼して、ああそれだったらこの制度を支えていこうじゃないか、ある意味では哲学も書いた広報を考えていただきたいな、見通しなんかについても、わかりやすく、みんなが認識できる広報をぜひ考えていただきたいなと思います。
 その前に、ある程度哲学といったものをお互い確認しておく必要があると思うのです。と申しますのは、何ですか、この国民年金制度そのものの哲学というのですか、意義というのですか、そういうもののとらえ方が人によってすごく違うと思うのですよ。
 例えば、二十歳になってから毎月毎月保険料を掛けて、四十年間一生懸命積み立てて、それを受け取れるのやというような解釈が一つ。この場合は、私たちの世代もそうですけれども、三十年後、四十年後は余りイメージできない。現実のものとして、そのときの自分の状況、例えば、もう収入が全然ないのかな、体もかなり弱っているのかな、そういうこともなかなかイメージできない。だから、四十年後のための積み立てを、今はもう私たちの世代は生活で手いっぱいだ、みんな子育てと月々の家賃の払いで手いっぱいだというときに、何も今から掛けぬでも、もう四十年後は四十年後や、三十年後は三十年後やと。そういうタームで考えておられる方がほとんどだと思います。
 一方で、もう一つの考え方というのは、今回じ時代を生きている私たち、同じ時代を生きている違う世代がお互いに助け合って一緒に生きていくんだ、そのための制度なんだ、現在をベースに違う世代のが助け合い一緒に生きていく、こういう考え方と二つあると思うのですよ。
 実は、今しゃべっていることは通告しておりません。というのは、きょうは、先に質問された佐藤委員がほとんど私が用意してきた質問と重複したものをされてしまって、そういう意味で少し、今のこの哲学云々の話は通告しておりませんので、申しわけないのですけれども、ただ、厚生省としては、長期的にどういった形でこの国民年金制度を国民に訴えていきたいのか、また、そういった哲学をきちっと浸透していくために何が必要だと考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#33
○矢野(朝)政府委員 国民年金の哲学というお話でございますけれども、その例示として、今二つお話がございました。最初の積み立て方式、いわゆる若いころから三十年、四十年とずっと掛けていってそれを老後に年金という形でいただく、これはいわゆる積み立て方式と称されているわけでございますけれども、実は、日本の年金、国民年金も当初はそういう考え方で制度設計をされたわけです。
 ところが、その後、いろいろな理由がありまして、例えば、物価スライドとか年金額の賃金に合わせたいろいろな政策改定、改善をしますと、その分の保険料というのはそれまでの保険料の中に含まれていなかったわけですから、新たに追加して保険料拠出を求めなければいけないということで、事後的にどんどん保険料をふやしていかざるを得ない、こういうことになるわけです。それとか、制度発足当初、比較的加入期間の短い方にもかなりいい年金を差し上げた、こういうこともございまして、事前に必要な資金を積み立てていく、こういうやり方が実はやれなくなったということでございまして、その後、現在の制度は、その時々の現役の方の保険料でもって年金給付を賄う、これは賦課方式と称しておりますけれども、こういった助け合いの制度に変わっていったわけです。
 それからもう一つ、国民年金にとって非常に重要な要素といいますのは、六十年の改正でございます。これまでは、国民年金というのはいわゆる今の一号被保険者だけの制度でございまして、自営業者とか農民の方だけの制度であったわけですけれども、昭和三十年代、四十年代、日本の社会が大構造変化を起こしました。農村人口が都会にどんどん出ていく、農家の次男、二男、長男でさえもみんな都会に出ていってサラリーマンになってしまうということで、一号の被保険者、国民年金の現在の一号の自営業者の方というのがもうどんどん減ってしまったということで、こういった制度が分立しておりますと、産業構造の変化で加入員と受給者のバランスが崩れてしまう、非常に体質が弱くなってしまう、あるいは給付と負担で不公平が出てくる、こういうことで、六十年に制度を全部一本化しまして基礎年金にした、こういうことでございまして、現在は、国民すべてが支え合う、そして賦課方式の制度になっておる、こういうことでございます。
 こういった問題について、私どももいろいろなところで御説明とか広報をやっておるわけですけれども、先ほどおっしゃられたように、なかなかまだ国民の間に浸透していないということで、現在でも、保険料は自分がちゃんと納めたのだ、だからこれに見合うものがちゃんどもらえるのだということで、まだまだ積み立て方式の認識を持っていらっしゃる方が非常に多いわけです。私どもは、こういうことでは年金の正しい姿が理解されていないということで、何しろ年金というのはもう国民すべてに関係する、一人一人に直結する問題ですから、こういうことではいけない。
 年金というのはとかく複雑でわかりにくい、こういう声も非常に強うございますので、今回、おくればせなのですけれども、年金白書というのをつくりまして、そういう中で、現在の制度なり仕組みなり、今何が問題か、年金改正がなぜ必要か、こういったことをできるだけ幅広く、わかりやすく解説をしております。それからまた、いろいろな形で、シンポジウムをやったり、あるいは年金審のいろいろなデータとかそういうものも全部公開だ、議事録も公開するということで、情報公開を大いに徹底してやろうということで現在進めておるわけでございます。
#34
○高市委員 先ほど申し上げました未納の理由その二でございますけれども、三十代後半から五十代前半の人に関しましては、これから払っても加入期間が少なくて年金がもらえないという理由を挙げる方が多いそうなんです。どんなにおくればせながらであっても、では今から年金に加入してずっと払っていこう、ちょっと高額な保険料でも残り数年負担していこうという意思を持った人に対する救済策、もちろんそういった方もどんどん年金の中に取り込んでいった方が基金としてはいいのではないかなと考えるのですが、おくればせながらの加入者に対しての救済策を教えてください。
#35
○矢野(朝)政府委員 年金の支給につきましては、社会保険方式でやっておりますし、一定の加入期間、保険料納付期間、こういうものが要求されておるわけでございます。したがいまして、日本の場合では、老齢年金は二十五年加入実績があるということが要件になっておるわけでございます。この二十五年につきましては、諸外国に比べると長い部類に属するのですけれども、これは二十歳から六十歳までの間の二十五年ということでございますので、そんなに無理な要件ではないのではないか、こういう見方をしております。
 それで、二十歳から六十歳までの間で二十五年の資格期間がない、こういった方は、六十歳から六十四歳までさらに五年間制度に加入できる、こういう道も開かれておりますし、これでもまだ二十五年に足りない、こういう方につきましては、実は平成六年改正で、昭和三十年四月一日以前に生まれた方につきましては、六十五歳から六十九歳までさらに任意加入できる、こういう道も用意したわけでございまして、私どもも、この資格要件の問題につきましては、考えられるあらゆる手を尽くした、こう考えておるわけでございます。
#36
○高市委員 わかりました。
 それでは、平成目安箱に寄せられた苦情ファクスを一枚御紹介して、回答をいただきたいと思います。
 この方は旧軍人です。兵役加算を含む十二年以上在職の者に対しては毎年スライド方式で恩給が支給されているけれども、十二年に満たない者には、政府に既に軍恩欠格者の全国連盟から陳情しているものの、現在は、書状、銀杯、慰労品、こういったものの支給になっている、しかし、このようなものは生活の足しにならないと書いておられます。戦地においての戦傷病者の方は、健康人と異なり自分の体が自由にならないので、厚生年金も十年ないし二十年未満といった方もおられると。
 つまり、国家のために一生懸命頑張って兵役に服された方が、その後の生活で困っている事例が見受けられるようでございます。この十二年という一つの線を引いておられる、このことによって銀杯をもらうのだったら、少しばかりの一時金でもいただけた方がありがたいなというような御要望であると思いますけれども、いかがでしょうか。
#37
○桑原政府委員 お答えいたします。
 恩給でただいま十二年という話が出ましたけれども、これは普通恩給でございまして、けがをされたり病気になられたという方ではない方の、年限が来た場合の恩給の制度でございます。
 先生御指摘の中にございましたように、戦傷病者でございますが、恩給が国家補償的な性格を有することを踏まえまして、戦傷病者たる旧軍人に対しましては、その傷病の程度が一定以上の場合には、増加恩給、傷病年金という年金恩給、または傷病賜金という一時金を支給しているところでございます。
#38
○高市委員 今の制度のままでは、実際に当時軍隊に行かれた方で生活が著しく困窮されている方がおいでになるという意味での要望だと思うのです。今後、こういった方々、特に厚生年金等の年限が足りないということで、総支給額を考えますと十分じゃないというような話なんだろうと、私はこれを拝読して解釈をしているのですけれども、将来、こういった方々への救済策の可能性というのはありますでしょうか。
#39
○桑原政府委員 今の御指摘、傷病年金等の金額の問題かというふうに思います。確かに、中には大変少額の金額が支給されているというふうに言われておりまして、その増額についての御要望は出ております。この問題につきましては、毎年、公務員給与及び物価等の問題等総合勘案して、わずかながらではございますけれども、恩給の支給水準といいますか、金額の増額を図っているところでございます。
#40
○高市委員 この問題はまた改めての場で、じっくり私も研究した上でお願いをしたいと思うのですけれども、ぜひ、国家のために大変な犠牲を払って、また、命をかけて貢献された方のために御配慮をお願いしたいと思います。
 それでは、残り時間で公営宿泊施設について伺いたいと思います。
 年金福祉事業団所有の大規模年金保養基地、グリーンピアにつきまして、利用者の減少から、全体収支が赤字になっておりまして、特に、年金福祉事業団による一兆円を超える年金資金運用赤字とともに、グリーンピアに関しては、年金資金の食いつぶしとの非難の声が上がっております。これは、平成九年六月六日、特殊法人の整理合理化に関する閣議決定で年金福祉事業団の廃止は決定されておりますので、それはいいとして、残ったグリーンピアですね、このグリーンピアの売却等、後始末について、現状、どのような状態にあるのかをお聞かせ願いたいと思います。
#41
○矢野(朝)政府委員 ただいまお話にございましたように、このグリーンピアから撤退をする、それと年金福祉事業団自体が廃止をする、こういう決定が昨年行われたわけでございます。この閣議決定に沿いまして今作業をやっているわけでございますけれども、私どもは、この全国十三カ所のグリーンピア、せっかくつくったわけですし、あるいは土地も広いということで、何とか地元で引き受けていただきたい、あるいは地元で有効活用していただきたいということで、地元自治体で引き受けていただけるのが一番いいんじゃないか、こう考えておりまして、現在、地元自治体といろいろ御相談中でございます。
#42
○高市委員 この公営宿泊施設というのは、赤字になっても当然その基金の食いつぶしということで批判されますし、郵貯のメルハルクのように、黒字であっても今度は民業圧迫、こういった批判を受けております。
 厚生省関係では、このグリーンピアのほかに、社会保険庁所管の公的宿泊施設がありますけれども、いずれも設置目的は福祉目的施設、こうなっております。でも、福祉に対応した施設とか国民の娯楽の場の少なかった時代と違いまして、こういった福祉施設にしても娯楽施設にしても、民間や各市町村がやっておりますいろいろな行政サービスの中で十分事足りているんじゃないかなと私は思います。今やもうこの公営宿泊施設の役割というのは終わったんじゃないかと考えるのですけれども、現代におきます公営宿泊施設の存在意義があるとしたら、それを教えていただきたい。
 そして、もう一点続けて申し上げますと、福祉や会員の保養を掲げる公営宿泊施設にコンぱニオンが入っている。それから、白バス行為を行っている。カラオケルームやクラブが入っている。コマーシャルを流しての大宣伝を行っている。さらに、民間の原価率ではもう当然不可能な宿泊や日帰りの商品が売られている。官がここまで民業圧迫をしてはいけないんじゃないかという声がもう全国の旅館業者からも上がっておりますけれども、今私が申し上げましたコンパニオンにしてもカラオケやクラブにしましても、こういった実態は、厚生省所管の宿泊施設についてありますか。
 以上二点、お願いいたします。
#43
○真野政府委員 社会保険関係の保健福祉施設は、被保険者の病後の保養、心身の休養、体力の向上を図り、健康の保持増進に資すること、それから被保険者及び年金受給者などの福祉の増進を図ることを目的といたしております。
 確かに、先生御指摘のような状況でございますが、一方、私どもの政管健保の事業所というのは、これは大変中小零細な事業所が多うございます。そういうところで働いておられる方の福利厚生施設というのはなかなかそう十分ではないという面もございます。また、国民年金、年金の関係は、四十年間保険料を納めていただく。もうとにかく納めるだけで、現役の間にはメリットはほとんどないんじゃないかというような御意見もございまして、そういう保険料の納付意欲という面からも、こういう施設を整備してまいったわけでございます。
 一方、先生おっしゃられたような、民間の充実ということもございまして、私どもといたしましては、新規の施設は、計画中のものを除いてもう新設はしない。それから、施設整備費も大幅に圧縮をいたしまして、平成十一年度には九年度の半分にする。それから、施設の整備、運営に当たりましては、保険料を納めていただいております労使、保険料拠出者の御意見を十分お伺いする。それから、既存の施設にありましても、利用者の状況、経営状況から見まして、廃止、統合、譲渡、そういうものを含めまして見直しを行っていく。また、全施設につきまして、建てかえ時期におきましては、その施設の必要性を含めましてその適否を判断する。それから、利用料金その他の適正化、運営方法の改善によりまして採算性の向上を図って、現在も独立採算でございますが、修繕費等は施設の負担ということで、その独立採算に一層努力をしていただくという方針で現在臨んでおります。
 また、先ほど御指摘の、社会保険関係の福祉施設で先生御指摘のような問題があるかということでございますが、当然、その施設の設置目的に沿いまして、その意義を損なわないように運営をしろという指導をいたしております。
#44
○高市委員 ちょっと答弁がぼけていると思うのですけれども、まず、その存在意義について、今の御答弁だと、一応あるということでの説明だったと思うのです。
 例えば、年金保険料の納付意欲を高めると。そうですが。私などは、厚生年金関係の宿泊施設というのは余り利用する暇もないし、そんなんで施設をつくってうんともうけてくれて、保険料が安くなったり将来の私たちの受給金額が高くなるのだったら、それはうれしいですよ。運用の一環としてやっていただいて、えらいもうかっているというのならちょっとはありがたいと思いますけれども、そんな、ここに来て、民間より少し安く泊まれるよ、どうぞ御利用くださいというので、喜んで年金保険料を納めようなんて思わないので、納付意欲というのは全く役所サイドの思い込みではないかと思いますので、私は、そんなものが存在意義だとは全然思いません。
 あと、小さな事業所等の娯楽の場がないと言いますけれども、本当に幾らでもあると思うのですね、民間で遊べるところは。うちの事務所なんかも、お金はないですけれども、スタッフで、懇親会とかいっていろいろツアーを工夫しましたら、本当に幾らでも遊び方というのはあると思います。何もわざわざこういう施設を設置して、そこに遊びに来てもらうのが国家のサービスだなどというのはさっぱり私は理解できないので、いま一度、存在意義について明確な答弁をいただきたい。
 あと、コンパニオン、白バス、カラオケルーム、クラブ、コマーシャル等々でございます。私が具体的に言ったことに対して、そういったことのないような指導をしているというのはわかるのですけれども、実際にそれをやっているのかやっていないのか。これが本当に一番大きな民業圧迫なのですね。そして、福祉という目的に、そのコンパニオンや白バスサービスとかいうのが合っているのかどうか、テレビでがんがんコマーシャルを流すようなことも含めて、合っているのかどうか。こういったことも含めて、実態をきちっと教えていただきたいと思います。
#45
○真野政府委員 私どもの保健福祉施設は、先ほど申し上げましたように、被保険者の福祉の向上ということで整備をしてまいりました。そして、現在、今新しく整備をする必要性があるかということであれば、先生おっしゃられるように、今、もう新しく整備をする必要はないということで、私どもも、新しい施設の整備は考えていないということを申し上げました。
 ただ、現にあって、ある程度といいますか、かなりの利用をされているという施設を全部やめるのかということは、現在、独立採算でやっていただいているそれぞれの施設でございますので、その独立採算ということで、かてて加えて、先ほど申し上げたような状況からすれば、私ども、現在ある施設はやはり御利用をいただくということではないかというふうに思っております。
 それから、個別のコンパニオン等の状況でございますが、私ども、先日、急いで調べた状況でございますので、概括でございまして恐縮でございますが、コンパニオンにつきましては、原則として断っている。しかしながら、利用者からの強い希望がある場合には一部認めている施設もあるようでございますが、あくまでも、先ほど申し上げたように、その施設の趣旨を損なわないように利用者の方にも十分お願いをしている。それから、いわゆる白バス行為については、これは行っていない。カラオケにつきましては、これは、カラオケルームを設置している施設もございます。広報につきましては、民営圧迫とならないように十分配慮いたしまして、できるだけ事業主を通じた周知という方法をとっている。それから、民間の原価率では不可能な宿泊等の商品販売ということでございますが、これにつきましても、その近隣の実情を勘案した料金設定にしているというふうに承知をいたしております。
#46
○高市委員 コンパニオンが入っている施設が一、二あるとおっしゃいましたけれども、具体的にどことどこでしょうか。それから、そのコンパニオンを入れてやるというのが福祉目的に合っているのでしょうか。
#47
○真野政府委員 具体的な施設名は、ちょっと今、手元にございませんのでお許しをいただきたいと思いますが、御指摘の御趣旨でございまして、したがって、原則認めていない。しかし、非常に強い希望があった場合に一部認めている施設もあるけれども、それについても、できるだけ、利用者の方々にこの施設の趣旨を申し上げてお願いをしているという状況でございます。
#48
○高市委員 私は別に、遊ぶときにはコンパニオンさんも入っていただいて、カラオケやクラブもあって、それは楽しい方がいいですよ、同じ泊まりに行くのだったら。だけれども、これはもう何より明らかな民業圧迫だと私は思います。とにかく本当に、福祉目的だったら福祉目的で、それなりのはっきりした存在意義を示していただきたいし、それが徹底できないのだったら、もうやめていただきたいなと正直思います。
 昭和五十八年九月に行管庁が出しております「国及び特殊法人による宿泊施設の設置・運営に関する地方監察結果に基づく改善意見」。これが出ております。先ほどから御説明いただきましたように、施設新設の原則中止、これは厚生省は守っておられるようですけれども、利用低調な施設の廃止、運営の適正化で、員外の人が使う利用料金は地域の民間水準にする、会員のための福祉施設として節度を守る、こういった指摘がありますので、特に、現存していて利用の多い施設はやめられないとさつきおっしゃったけれども、利用低調な施設に関してはきちっと廃止を決められたのかどうか、それから、しつこいようですが、さっき申し上げました、会員のための福祉施設として節度を守るということを徹底されるおつもりがあるのかどうか、最後にお伺いして質問を終わります。
#49
○真野政府委員 御指摘を受けました政管健保、船保の施設、これは、それぞれの保険財政が厳しいという状況もございましたので、利用の低調な施設は現に廃止をしております。また、利用状況につきまして、員外利用というような面についての適正化というのもこれまで指導いたしてきておりますが、今後とも指導をしていく所存でございます。
#50
○高市委員 どうもありがとうございました。
#51
○原田委員長 次に、石井紘基君。
#52
○石井(紘)委員 最近、国民健康保険と厚生年金の問題で厚生年金の負担というものが非常に重くなっておる、そういう市中の情勢があると思います。
 例えば、これは全国的なんですが、特に北海道なんかでは大変な景気の悪い状況を反映いたしまして、事業所、一人以上の法人に働く人はすべて厚生年金に加入をしなきゃいけないということで、事業者側の負担と本人負担で、これは大変な重い負担という状況になっております。例えば、この北海道の状況を簡単に申し上げますと、法人では、法人として健保に加入するということをやめて、そして年金は国民年金に入る、そして健保の方は市町村の保険に入る、こういうケースが続出しておって、大体、数からいいますと、例えば札幌市なんかでは、ことしの二月までに四千三百世帯以上というような状況が出ているわけです。
 これは私は、昭和六十年以降改正になった厚生年金強制加入、この法改正というものが大変問題があったんではないかというふうに思っているのですが、当時としては、やはり従業員の年金や保険の権利を守るという趣旨があったのかもしれません。しかし、今日ではどうも、こういう経済情勢になってまいりますと、むしろ従業員を保護するというよりは会社全体が危ないという状況にあるわけですから、そうすると、従業員を保護しようと思ったものが会社をつぶしてしまうということにもなりかねないといいますか、現にそういうふうになっているという状況が起こっております。角を矯めて牛を殺すといいますか、そういうのが実態であろうと思うわけでありますが、まず、六十年の法改正の趣旨について伺いたいと思います。
    〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕
#53
○矢野(朝)政府委員 昭和六十年の法律改正で、常時五人未満である事業所のうち、法人の事業所につきましては、厚生年金保険それから健康保険、これを強制適用する、こういう改正が行われたわけでございます。
 この趣旨でございますけれども、厚生年金にしろ健康保険にしろ、これはサラリーマンとその家族を守る、家族の生活を守る、こういうことでできておるわけでございます。
 サラリーマンというのは、自営業者と違いまして、会社をやめられると生活の手段、方法が何もないわけですね。一方、自営業者の方というのは、これは生活の手段、方法がございますから、六十とか六十五になったら仕事をやめなきゃいけない、会社を首になる、こういうことはないわけでございまして、自主的に引退を決めることができる、こういうことでございます。要は、サラリーマンというのは会社をやめたら生活の手段、方法がないということで、そのような場合に、国民年金だけ、基礎年金だけだとこれはなかなか老後が大変だ、それで、厚生年金でありますと二階部分があるわけで、金額もそれなりに高いわけですから、やはりサラリーマン家庭は厚生年金で守るべきだ、こういう趣旨でございます。
 このことは、実は国会で何回も附帯決議が行われておりまして、例えば、昭和五十四年四月九日の衆議院社会労働委員会、それから衆議院社会労働委員会ではその後五十六年四月二十三日とか五十七年の四月十五日、参議院社会労働委員会でも五十六年の五月十二日、五十七年八月三日、しばしばこういった国会の附帯決議、それから関係審議会でも、サラリーマンの家庭を守るべきだ、これは厚生年金それから健康保険を適用すべきだ、こういったび重なる要請がございまして、先ほど申し上げた六十年の法律改正で現在の形に改めたということでございます。
#54
○石井(紘)委員 その当時としては、まだ今日のような経済情勢というのは予測されてないという中で、今の御答弁にあったような趣旨というものは必要だったんだろうと思います。そういう必要性があったかもしれません。
 しかし、今日、こうして全国的に一人以上の法人事業所が強制的に厚生年金と健康保険の方にそれぞれ一人当たり何万円というお金を負担しなきゃいかぬということになってまいりますと、小規模の零細の事業所というものはとても耐えられないということで、結局法人を解消して、そして一方では、市町村の国民年金というものに入っていく。この方が負担はもう半分ぐらいで、個人の負担だけで半分ぐらいで済むわけです、法人の方の負担はないわけですから。そういうふうに入っていくわけです。
 年金の方はそういうことで国民年金、それから保険の方はそうした市町村の国保ということになっていくわけです。こういう現象が、例えば東京都の場合、聞いてみましたら、昨年調査をして、大体四割ぐらいの人たち、つまり法人に該当する者、それからその適用除外を受けて国保組合というものに入っている。そういうふうにしなきゃいけないというわけですが、しかし実際には、さっき言いましたように、法人ではやっていけないので個人個人でそういう市町村あるいは特別区なんかの保険に入っていくというような事例が四割あったというわけですね。それを、厚生省の強力な指導があったために、東京都は一生懸命、無理やりまた厚生年金に強制加入ということで引き戻したというわけでありますけれども、これは非常に酷な話だなというふうに思うのです。
 実際に、国にとっては損はないといいますか、どっちに入っていたって別に国にとって損はないわけですから、厚生年金への強制加入というのをやはり改めて、せめて選択ができるようにすべきじゃないか。零細企業の年金についての選択制ということで、原則は厚生年金でもいいと思いますよ、原則は厚生年金でいくけれども、しかし、どうしてもそれに耐えられないという場合には国民年金を選択するということもいいですよというふうに改めるということがやはり緊急の課題ではないかという感じがするのですが、いかがですか。
#55
○原田(義)政府委員 石井委員の御指摘でございますけれども、ただいま局長が説明いたしましたように、この制度の導入のプロセス、意義等を踏まえまして、同じ被用者、サラリーマンであるにもかかわらず事業者の都合で給付水準が異なるというような制度にするということは、被用者の所得保障、将来の生活設計を大変不安に陥れるということになるわけでございまして、現在の制度のように、被用者一般を対象とする厚生年金制度が適用されるということを維持することが大切ではないかと思うわけであります。
 もとより、今、事業者、とりわけ規模の小さい事業者、これが経営を圧迫するというような事情については私どもも十分認知はしておるつもりでございますけれども、まず、サラリーマン、従業員、こういう人々の生活を安定させる、安心させるということが大事ではないか、こういうふうに考えておるところであります。
#56
○石井(紘)委員 そういうふうにしたら被雇用者を不安に陥れるというのは、どういう意味なのでしょうか。
#57
○原田(義)政府委員 今、この厚生年金で基礎年金のほかにいただいている部分、それを選択制によって積み立てない、さらにはその給付は行われないということでございますから、リタイアした後の生活費といいますか、それについて大変不安になるのではないか、こういうふうに思うわけであります。
#58
○石井(紘)委員 今、そうした極めて厳しい経済情勢に加えて、年金に対する不信というものはどのくらいあるかお感じになっておられるのでしょうか。年金を掛けていたってもらえないのじゃないかという不安というか不信というものは、若い人たちはほとんどですね。若くない人たちだって、それを信用しないで、やむを得ず強制的に加入させられているということで、束縛を感じながら、嫌々、無理やり取られている、そういう感じで厚生年金に加入しているというのが非常に多いのですよ。どっちの不安の方が大きいと思いますか。
#59
○矢野(朝)政府委員 年金に対する不安、不信に根強いものがあるというのは、私どもも十分承知しております。したがいまして、そういった不安、不信を解消するような制度改革、制度改正に取り組んでいかなければいけないということでございまして、今、そのために年金審議会で御議論いただいたり、あるいは有識者調査をやったりということで、来年の制度改正に取り組んでいるわけでございます。これは今申し上げたような不安、不信を取り除く、安心できる年金制度にしたい、こういうことでやっているわけでございます。
 それから、ただいまの問題について補足させていただきますと、もし、国民年金に入る、選択制にしてへ国民年金でもいい、厚生年金でもいいということになりますと、これは事業主の立場からしますと確かに事業主負担のない国民年金の方がありがたい、こういうことになるのでしょうけれども、従業員、サラリーマンの立場から見ますと、国民年金ということになりますと、これは基礎年金だけということで、夫婦合わせまして金額で今十三万、こういったレベルでございます。厚生年金ですと、モデルですと二十三万、こういうレベルでございまして、こういうサラリーマンというのは、通常、会社をやめますと生活の手段が何もなくなるわけでございますので、十三万で本当に生活できるか、こうなりますと、なかなか厳しいわけでございます。
 したがいまして、自営業者と違うサラリーマンにつきまして、国民年金だけですよ、それで老後は十三万円でやりなさいよ、こういうわけにはなかなかまいらないのじゃないか、サラリーマンである限りやはり原則は厚生年金に入っていただく、それで一階部分だけでなくて二階部分の年金もあわせて受給していただく、こういう形が本来あるべき姿じゃないか、こう思っているわけでございます。
#60
○石井(紘)委員 そうおっしゃいますけれども、一人法人、二人法人、四人、五人というような小さな企業の中で、要するに厚生年金を抜けて国民年金に行こうというような場合には、その従業員の意思というものがあるわけですから、そういう家族的な小さい中で、こっちの人は行きたい、こっちの人は行きたくないというようなことがあればそれは行けないということになるかもしれませんが、五人なら五人全員が、厚生年金いいよ、国民年金行きたいな、その方がいいわ、あるいは、このままいったら一人首切りになるよ、雇用者の方が二万五千円か三万円ぐらい払って、従業員の方がちょうど同じだけ払うわけですから、五人ぐらいいたらすぐ一人分の人件費になりますから、そうすると、一人首切りになるのとどっちがいいかなとか、現実にはそういう問題なんですよ。
 そうした場合には、やはりそれだったらみんなでもって、苦しいけれども、当てにならない厚生年金なんか掛けていくよりも国民年金へ移行して、そして会社をみんなで一人でも多く首にならないようにひとつ頑張ろうやというところはたくさんあるのですよ。それはもうたくさんどころじゃないですよ。私なんかの地元だって、圧倒的ですよ。従業員が厚生年金を望んでいるなんて、そんなのはうそですよ。それはどうでしょうか。
#61
○矢野(朝)政府委員 これは先ほど改正の経緯で述べましたように、これまでいろいろ経緯がありまして、それで、国会の附帯決議あるいは関係審議会の御意見、こういったものを踏まえて一歩ずつ改善を図ってきて、それで、六十年改正で現在のような形になったわけでございます。確かに、現在日本国どこでも経済状況が非常に厳しいというのは非常によくわかるわけでございますけれども、これまでのそういう社会保障の経緯、歴史を踏まえて今日があるわけでございまして、そういう経済状況だけでこれまでの経緯を一挙に覆すようなやり方をとるということが果たしていいのかどうか。これは慎重に考えなければいけない問題ではないか。むしろ、そういう経済問題、経済対策の問題としてこの問題はより考えるべき問題ではなかろうか。そういう状況だから、年金制度を、そこを改めるということについては、これは慎重な検討、御議論が必要ではないかと思います。
#62
○石井(紘)委員 慎重な議論はもちろん必要なのでしょうけれども、厚生省は、今、年金の見直しという中で、将来国民年金だけにしようかというようなメニューがあるのではないかと思いますが、それはどうなのですか。
#63
○矢野(朝)政府委員 来年は、五年ごとの財政再計算ということで、制度改正を控えておるわけでございます。従来ですと、年金審議会で御議論いただき、御意見をいただいて、それをもとに政府原案をつくり国会で御審議いただく、こういう進め方をしてきたわけでございますけれども、私どもは、この年金というのは、国民一人一人に直結する問題だ、これは国民的な議論と合意形成が不可欠だ、こういうことでございますので、もうこれしかありませんよ、これがベストの案ですよということではなくて、複数の選択肢をお示しをして、大いに議論していただき、その中から選んでいただく、こういうプロセスをとるべきではないかということで選択肢をお示ししたわけでございます。
 その選択肢といいますのが、現行制度を前提といたしまして、年金というのは、何といいましても給付と負担を長期的にバランスをとらなければ制度がもたないわけでございますので、現行制度を前提として給付と負担のバランスをとる方法、これはA案からD案まで四つお示ししたわけでございます。最後のE案というのは、これは現行制度を前提といたしませんで、公的年金としましては基礎年金だけにする、その中で、基礎年金の水準を少し上げるべきだとか、税方式でやるべきだ、こういう意見もあるわけでございますけれども、基本的な考えとしましては基礎年金だけにする。それと、二階建て部分につきましては、これは企業年金なり個人年金ということで、民間で積み立て方式でやっていただく。こういう考え方につきましても、これは、最近へ経済学者等を中心にこういう考え方があるわけですから、こういった考え方も選択肢として示さないと不公平ではないかということでございましてへそういうE案というものもあえてお示しをしたわけでございます。
 ただ、これにつきましてはいろいろな問題点もあるわけでございますので、例えば、この基礎年金だけでサラリーマンの老後生活は本当にやっていけるのか、企業年金とか個人年金といっても、中小企業、零細企業のサラリーマンは企業年金に入ったり個人年金に入ったりすることはできないのではないか、こういう大きな問題が指摘されておるわけでございます。あるいは大きなインフレが来た場合に、企業年金なり個人年金なりではもう積立金も限界に達しまして、中身のある年金が払えないのではないか、こういう御指摘もございます。
 それから、こういった積み立て方式に変えるということになりますと、現在受給者の方あるいはこれから間もなく受給される方につきましては、既に年金を約束しているわけでございまして、その費用負担をどうするのか。いわゆる二重負担の問題でございます。これは三百五十兆にもなるわけでございまして、これをどうするのか、こういった大きな問題がございますので、そういった問題点もつけた上で、こういう考え方もございますけれどもどうでしょうかということで、御意見を求めたわけでございます。
 こういった問題につきましては、先般の有識者調査でも調査をいたしました。その結果、この民営化案というのは実は十数%ということでございまして、やはり圧倒的多数は現行の二階建ての年金制度を維持すべきだ、こういう有識者調査が示されたわけでございます。
 今後は、こういった調査も参考にいたしまして、さらに年金審等で御議論いただいて、九月には意見書をいただきたい、こういう形で今進めておるわけでございます。
#64
○石井(紘)委員 議論をちょっと回り道させますけれども、現在、その法人の数というのはどのぐらいあるのでしょうか。それをちょっと伺いたいと思います。法人の数と、それから、加入者の数。
#65
○真野政府委員 法人の数というお尋ねでございます。ちょっと法人数はわかりかねますが、適用事業所ということでお答えさせていただければ、平成八年度末現在におきます厚生年金の適用事業所数は約百六十五万事業所、被保険者数は約三千三百万人でございます。一方、政管健保の方、医療保険の方でございますが、適用事業所数は約百五十一万事業所、被保険者数は約二千万人ということでございます。
#66
○石井(紘)委員 これはやはり思いのほか少ないわけです。百六十五万事業所しかない、適用事業所が。それから、三千二百万人。百五十一万事業所に、二千万人。法人として加入できる、厚生年金に入れる、そして国保組合なんかをつくってやれる、そういうところでも、とても持ち切れないというのがもうどんどん出てきているわけです。そういうところのどこへも入れないというのが圧倒的に多いわけですよ。これをどうするのですか。それは経済的な事情で、どこにも入れなくて困ってしまっているという、厚生年金あるいは年金の強制加入、皆保険あるいは皆年金と言ったって、入れないという人たちが多いわけでしょう。それはどうなのですか。
#67
○矢野(朝)政府委員 これは、現行の制度は国民皆年金でございます。サラリーマンは厚生年金、自営業とか農民の方は国民年金の一号ということでございます。それから、サラリーマンの方は、あわせて国民年金の二号、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、国民年金に最終的には入っていただく、言方に入っていただくということが大原則でございまして、その場合に、収入がないというような場合には、国民年金の中で免除制度というのがございます。したがいまして、国民年金に入って収入がない場合には免除を受けていただく、こういうことになりますと、最終的に年金にはつながっていくわけでございます。
#68
○石井(紘)委員 ちょっと私の言い方が悪かったかもしれませんが、国保組合、要するに、法人だから法人としての加入をしなければならない、だけれども、それはできない。それで、国保組合の、組合にはいろいろあるけれども、それも入れないという法人の被雇用者、そういう人たちは国民年金に入れないわけですから。そうでしょう。それで、そういう人がたくさんいるというのは、これが大きな問題なんじゃないかと思うわけですよ。それでは、そういう実態をどういうふうに考えるわけですか。
#69
○矢野(朝)政府委員 繰り返しになりますけれども、今の仕組みでは、五人未満の法人の事業所につきましては厚生年金に入っていただくというのが大原則。それから、そうでない方は国民年金に入っていただくというのが次に来るわけです。国民年金に入っても、そういう収入がないという方につきましては、免除制度、こういうのもあるということでございます。
#70
○佐藤(静)委員長代理 経営者が負担できない場合はどうするかということだよ。経営者が負担できない企業はどうするかという質問でしょう。それについて答えてあげてください。
#71
○矢野(朝)政府委員 これは、事業所として事業を継続されているわけでございますから、賃金は払っていただいているはずでございますので、その一定比率を厚生年金の保険料として納めていただくということになるわけです。
#72
○石井(紘)委員 だから、それが建前なんだけれども、現実の問題を私は言っているわけですよ。現実には、それじゃ入れないという人たちがあふれているわけです。これをどうするんですかというんだ。現実と法との乖離というのは、こんなにあるわけでしょう。それをどうするんですかと言っているのですよ。どうにもしようがないというわけですか。しょうがないから、しょうがないと言うの。
#73
○矢野(朝)政府委員 厚生年金に入らなければいけないところはへこれは厚生年金に入っていただくわけです。それで、給料も支払われておれば、その一定率を保険料として納めていただく。保険料がどうしても納めていただけなければ、法律的には国税の例に倣って強制徴収する、こういうことになっております。
#74
○石井(紘)委員 そういうむちゃくちゃなことを言わないでくださいよ。やはりもうちょっと現実的に、厚生省、強制的に何か法律で執行して、厚生年金に入らなければ罪人扱いしてしまって、そして無理やりでも、強制的にでも払わせる、こういうわけなんですか。もう一回聞きたいと思います。
#75
○真野政府委員 年金局長と同じ答えで恐縮でございますが、厚生年金の適用事業所ということであれば、当然のことながら、給料から事業主の方が被保険者の保険料分も天引きをされておられるわけでございますので、私どもとしては、そういう実態を踏まえて、保険料を納めていただくというお願いをするということしかないのではないかと思います。
#76
○石井(紘)委員 そうすると、もう払えなくなってしまったというところは、要するに、そういう側面から会社の倒産ということもあり得ますかね、今のお話でいきますと。
#77
○真野政府委員 個別ケースで、現実の問題としてどうなるかという状況、それぞれの個別の実態に着目しなければなりませんが、強制徴収ということの議論はかなり後の段階であろうと思います。
 もちろん、保険料を納期限までに納めていただくのが原則でございますし、それをお願いいたしておりますし、大部分の事業主の方がそれを守っていただいております。しかし、現に保険料を納められないという事業主もございます。それは、厚生年金でも徴収率が九八%程度でございますから、逆に言えば、その現実はあるわけでございます。私ども、それは事業主の方々に御理解をいただいて、そしてその企業の資金繰り、そういうものも十分御相談をさせていただきながら、社会保険事務所の方で徴収をさせていただくということになろうと思います。
#78
○石井(紘)委員 徴収率が九八%というのは、どういう根拠でそう言っているのかわかりませんが、払えないで、法人として本来加入しなきゃいけないのに脱退しているとか、あるいは加入できないとかいうものを含めますと、私は、それはとてもそんな数字じゃないと思いますよ。
 それから、何カ月も、あるいは一年、二年と保険料の滞納というものがあるわけでしょう。その実態というのはある程度言えますか。
#79
○真野政府委員 今申し上げました九八%というのは、先生御指摘のような数字も含めて、それから、場合によっては企業が倒産をして徴収ができないというような部分も含めて申し上げております。
 ただ、個別の実態については、申しわけございませんが、今手元に資料がございませんので、お許しをいただきたいと思います。
#80
○石井(紘)委員 百六十万の事業所の中での二%といったらばかにならない数字ですが、何カ月も何年も滞納した、そうすると、これは強制徴収ということはどういうふうにやっていくわけですか。差し押さえとか、そういうところにまで最終的にはいくわけでしょう。
#81
○真野政府委員 そのとおりでございます。
#82
○石井(紘)委員 そうすると、それによって会社が立ち行かなくなってくるという可能性は大いにあると思いますね。いろいろな要素があると思いますが、要するに、会社本来の事業が非常に厳しくなっている、そういう中で、追い打ちをかけられて、そしてそうした社会保険の面でとどめを刺されるといいますか、そういうこともあり得るわけですよ。
 しかもへ多くの小規模な事業所は、もうひいひい言っているわけですよ。そういう実態というものをやはり少し、法律、法律と言うだけじゃなくて、この法律というものはそういう現実と非常に乖離しているわけですから、やはり実態に照らした何らかの考えというものがあってしかるべきじゃないかと思いますが、そういうことはさっきから全然おっしゃらない。つまり、自分たちは首に縄をつけてでも、鎖をつけてでも厚生年金に引っ張ってくるんだ、こういうことしかおっしゃらないわけですね。そういうことでいいのかどうなのか。
 やはり、現行の制度というものは、非常にいろいろな複雑な過程を経て、歴史を経て、そして成り立ってきているから、まあ建物でいえば継ぎはぎの住宅みたいなものですね。したがって、これを、矛盾があちこちで出てきているから見直していこうということになっているわけです。
 そういう中で、少なくとも、やはり今の高過ぎる厚生年金というものを、もうちょっと加入者にとって自由な、ゆとりのあるといいますか、納得のできるといいますか、そういうものに変えていく。それにはやはり、さっき言った選択できるという方向が望ましいだろうと思いますけれども、そういう点について、もう一回、前向きの答弁をどうしてもしてもらいたいと思います。
#83
○矢野(朝)政府委員 公的年金は、これは国民全体で支え合い、助け合っていく、こういう制度でございます。そういう助け合いの制度の中で非常に重要なのは、これを個人の自由にゆだねますと、得をする人が加入して、そうでない人は加入しない、こういうことになるわけですから、公的年金の一番の特色といいますのは、強制加入、強制適用になっている。ここが、民間保険と決定的に違うわけでございます。
 したがいまして、現在は、先ほど来申し上げたような経緯で、五人未満の事業所であっても、法人のものは厚生年金の適用事業所、強制加入、こういう仕分けをしているわけでございます。
 そういう一律の基準ではなくて、個別に、厚生年金がいいか国民年金の一号がいいかということで、選択にゆだねる、こういうことになりますと、助け合いの制度というものがゆがんでくるといいますか、制度がおかしくなってくる、こういうことにもつながりかねないわけでございます。
 したがいまして、現在、企業が非常に厳しいという事情は私どもとしてはよくわかりますけれども、制度の立て方としましては一律の立て方にならざるを得ないわけでございまして、選択を認めるというようなことになりますと、当然、逆選択が働いて、助け合いの制度である公的年金が揺らいでくる、こういう懸念が多分にあるわけでございますので、こういう事情をぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。
#84
○石井(紘)委員 理解できません。
 厚生省はそういう点、要するに、古い制度でも、現実に合わなくても、とにかくそれをかたくなに守るのだというようなことでありますので、相変わらずどうにもならぬなという感じがするわけでございます。
 ちょっと最後に、残った数分で、以前にもちょっと質問しておりました配置薬、置き薬という問題です。
 これは、伝統的販売方法であるのでこういう販売方法というものを認めておるということでありまして、結構なことなのですが、伝統的販売方法だから家庭だ、事業所はだめだというわけなのですが、私は、ここに証拠物件を持ってきたのです。これも随分苦労して、古文書ではないけれども、昔の、江戸時代か明治の初めぐらいでしょうか。これは何というのですか、販売台帳というようなものですね。これにみんな書いてあるのですよ。全部というか、もう圧倒的に事業所なのですね。今でいえば事業所あるいは会社。要するに商売をやっているところですね。昔は株式会社などというのはなかったから、何とか屋何とかというのが会社なのですよ。今でいう事業所なのですよ。そういうところじゃないと、一般の民衆は、江戸時代などというのはそれはなかなか、そうはいったって、そんな高級な薬を買えるところというのは少なかったわけですから、事業所以外は。ですから、この配置販売というものの伝統的な販売形態というのは、この前の答弁のように家庭ですと言うのだけれども、少なくとも家庭だけではない。
 家庭だけではないというぐらいのことは言わないと、うそをついたことになるのではないですか。どうですか。
#85
○中西政府委員 先生のお話にございます明治の時代、あるいは江戸時代まであるのかもしれませんが、そういった時代における配置先として、○○屋といいますか、そういったタイプの消費者があるではないかということでございます。
 それがどういったタイプの消費者であるか、私ども、歴史をつぶさに調べたわけではございませんので定かな答えはできないわけでございますが、今にいいます薬局あるいは薬店といったような形での医薬品の購入機会が十分でなかった時代においては、いわゆる典型的な家庭を超えて、生業的な商店等に対して配置が行われていたのではないかという御主張、見方、そういったものを私どもとして否定する考えはございません。
 しかしながら、薬局、薬店における医薬品の購入機会というものが改善されていく中で、遅くとも戦中、戦後の実態などを見ますと、配置販売の対象となる医薬品につきまして、業者の方々がみずからこれを家庭薬というふうな呼称もされておられますし、配置というのは基本的に家庭を対象として行われるものであるという観念が、戦中、戦後に入って、業界にも国民の間にも定着していたものと考えられ、現行法上もその考え方の延長線上にのっとって配置販売業を位置づけているところでございます。
#86
○佐藤(静)委員長代理 時間がないので簡単に。
#87
○石井(紘)委員 ちょっと答弁が歯切れが悪くて長過ぎたものだから、私の質問時間が終わってしまいましたけれども、何を言うために出てきたのかさっぱりわかりません戦争、戦後なんて、戦中、戦後は全然関係ないのですり伝統的販売形式というのは、江戸時代とかせいぜい明治の初めぐらいまでの話でありまして、そういう答弁では全くだめでありますが、もう時間が参りましたので、これは改めてじっくり時間をとってまたやらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#88
○佐藤(静)委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
#89
○原田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。池坊保子君。
#90
○池坊委員 新党平和の池坊保子でございます。
 私ぐらいの年になりますと、年金は大変重要な問題になってまいります。(発言する者あり)もちろん若いです。
 今、政府が総合経済対策をしても消費マインドが上がりませんのは、一点には医療費が二倍になったということと、やはり年金問題が絡んでくるのだと思います。昔でしたら地域社会との連帯がございましたから、一人ぐらい寝たきりになっても、あるいは老後はだれかが面倒を見てくれるのではないか。ところが、核家族になりますと、自分のことは自分で面倒見なければならない。すると、どうしても年金に頼らざるを得ない多くの女性たちがおります。
 そこで、私、女性の立場からちょっと大臣並びに局長等にお伺いしたいのですけれども、一千二百万人の専業主婦がいる。それと同じだけ、共働きの女性たちがいるわけです。自立しておりますというか、共働きで、あるいは働いております女性たちは、言うまでもなく厚生年金を払っております。ところが専業主婦は払わないで済むというのがいかにも不公平ではないかと思っている、働いている多くの女性たちがいるわけでございます。そういう問題をこれからどうなさるのかということが、私は大きな課題ではないかと思っております。
 昔ですと、働くことが特殊であったから、専業主婦は夫の扶養というのが当たり前だったと思います。でも、社会制度が変わってまいります。すると、シングルライフ、シングル志向の女性もふえてくる、また、熟年の離婚というのもふえてまいります。そういうものにかんがみて、これから専業主婦の保険をどのようにするかというのを伺いたいのです。
 ちなみに、厚生省は年金制度改定の焦点として、第三号被保険者、つまり専業主婦の負担を検討していらっしゃるようでございます。この専業主婦千二百万人の保険料をだれが負担しているかというと、その夫が払っているのではなくて、第二号被保険者、つまり会社員、公務員、そういう人たちが全体で負担していることになるわけです。ですから、二十代、二十五歳ぐらいで仕事を持っている、自分の仕事も大変である、同時に、自立していて家賃も払わなければいけない、生活が決して豊かではない人たちがそういう専業主婦の保険料を負担するというのは公平さを欠いているのではないかという指摘がございますが、それについてはどのようにお考えでございましょうか。
#91
○矢野(朝)政府委員 この三号被保険者制度でございますけれども、これは昭和六十年改正で、女性の年金権を確保する、こういう趣旨で設けられたものでございます。
 それで、専業主婦の場合は独自の所得がないということでございますので、これは、制度全体でその負担をするということで、個別の保険料負担はしておりませんけれども自分名義の基礎年金が受給できる、こういう制度にしたわけでございます。
 これにつきましては、不公平じゃないか、特に働く女性からは、不公平ではないか、こういう議論がございます。
 ただ、これに対しましても、年金制度というのはこれは社会保障の一環としてやっておるのだ、社会保障といいますのは、負担能力に応じて負担をし、必要度に応じて支給をする、こういうことだから、独自の所得がない専業主婦に負担を求めるわけにはいかないのだ、だからこれは不公平とは言えないのだ、こういう議論もあるわけでございます。
 これは、それ以外に、就労を抑制しているかいないかとか、これをめぐっては大変な議論があるわけでございまして、両論が激しく対立している。それぞれもっともな言い分がございますし、非常に悩ましい問題じゃないか、こう考えておりますけれども、この問題も次期制度改正の一つの大きなテーマでございますので、現在、年金審で御議論いただいているということでございます。
#92
○池坊委員 参考までに、第二号被保険者のうち、女性は平均月額二千八百九十円を払っております。男性は平均月額四千八百六十円を払っているのです。こういうのを考えてみますと、女性は賃金が低い、にもかかわらず二千八百九十円を負担しなければいけない、これは事業者との折半になっておりますけれども。そういうのが現状でございます。
 これを受けて、厚生省はことし三月、専業主婦の負担を検討するために、専業主婦からも公的年金の保険料を徴収した場合の一般世帯の負担について試算していらっしゃいます。それによると、夫の月収が五十万円で妻が専業主婦の場合は、約一万円負担が重くなります。共働きで夫の月収が三十万円、妻の月収が二十万円、だから入ってまいります収入は家庭の場合同じなわけですが、その場合、月額約三千三百円が軽くなるんです。男性が一万円負担するのも、私はこれからの場合は妥当なのではないかと思うのです。
 昨年五月、経済企画庁が、家庭内の家事、育児や社会奉仕などの無償労働、アンペイド・ワークの貨幣評価を初めて発表されました。これがどれだけの意味があるのかというのは私は大変疑問ではございますけれども、主婦労働の評価額は年二百七十六万円となっておりました。この金額は、働く女性、パートとかアルバイトを含まない、普通に働いている女性のボーナス以外の平均賃金よりも高いのではないか。
 二百七十六万円というのはどういうことを根拠にして出されたのかはわかりませんけれども、年額二百七十六万円とするならば、それを受けているのは社会ではなくて、夫自身、夫や子供ということになっていくわけです。ですから、夫が負担するのが当然ではないかというふうに考えられますけれども、この調査との整合性でちょっとお答えいただきたいと思います。
#93
○矢野(朝)政府委員 年金審に提出した資料について今引用がございましたけれども、この問題につきましては、より突っ込んだ議論を年金審議会でお願いしたいということで、仮に保険料を納めていただく、こうした場合にどういう影響があるかということでお示ししたわけでございます。
 そこで、保険料を納めていただく場合も、専業主婦御自身に個人として納めていただく方法、それから夫が負担をする方法、この場合は夫の給料から天引きをする、こういう方法でございます。
 それぞれにつきましてその利害得失があるわけでございまして、この問題というのは、何しろ、保険料負担をさせるといいましても、個人負担をまた求めるというようなことになりますと、昔に戻って未納者、未加入者が生じて女性の年金権を確保できない、こういう問題もございますし、夫から取るといたしますと給料天引きということになるわけでございまして、この場合に事業主負担ができるのかどうか、こういった問題もございます。
 それから、夫が負担をするということになりますと、逆にいいますと、何か独身者を優遇するということにもつながりかねないわけでございまして、こういった家庭持ちの方々から保険料を取るということが少子化対策から見ていかがなものか、こういう御意見もあるわけでございます。
 したがいまして、この問題というのは、先ほどもちょっと申し上げましたように、両論が非常に対立をしておりまして、それからまた関係者も、御指摘のございましたように、三号の専業主婦が一千二百万、働いている二号の女性が約一千百万、それから一号の方々は、これは自分自身で国民年金保険料を納めていらっしゃいますけれども、こういう方が約一千万弱ということでございまして、非常に数の上でも均衡しておりますし、意見が対立しておるということで、こういった問題というのはさらに慎重に検討すべき問題じゃないかと思っております。
#94
○池坊委員 私も専業主婦を高く評価いたしておりますけれども、現実の問題として、専業主婦は何で二百七十六万円という評価があるのだと聞きましたら、それは看護とか育児に専念しているからだという答えが返ってまいりましたけれども、今、看護とか育児というのは、専業主婦じゃなくても、共働きの女性でも同じことをやっているわけでございますから、ここは何か、同じように払えとは申し上げませんけれども、多少は専業主婦でも払わなければならないのじゃないか、つまり社会制度がもう変わってきたのではないかと思っております。
 言うまでもなく、厚生年金、共済年金、国民年金は、原則的には個人でございます。でも、専業主婦は保険料についてのみ世帯単位になっております。これから、世帯単位で考えるかそれとも個人で考えるかというのが大きな問題になってくるのではないかと思います。
 女性の自立から申し上げますと、百二十万円までは、これは夫の扶養になります。働いている女性は、働いているという意識を持ちたい、だからきちんとした仕事につきたいと思うけれども、これでは百二十九万までに抑えた方が得だということになってしまうのです。ですから、女性の自立をこれは阻んでいるのではないかと思いますことと、パートタイマーの賃上げなどの待遇改善が進まないという弊害も含んでおりますので、それについてもちょっと御見解を伺いたいと存じます。
#95
○矢野(朝)政府委員 専業主婦の場合でも、百二十万を超えるパート収入がある、こういった場合には、その一号の保険料、これは今月額一万三千三百円でございますけれども、これを納めていただく、こういう仕組みになっているわけでございます。したがいまして、こういった百三十万円の基準というものが就労を抑制しているんじゃないか、あるいは自立を阻んでいるんじゃないか、こういう指摘があるわけでございますけれども、これにつきましては、私どももいろいろな調査結果を調べたのですけれども、百三十万のところで就労調整をしているという明白な調査結果は出ていないわけでございます。
 確かに、税の配偶者控除というのがございまして、これが百三万ということでございます。調査結果を見ますと、この百三万あたりでかなり抑制しているな、こういう結果は出ております。しかし、百三十万のところで抑制しているというような調査結果は、特にないということでございます。
 これは、卵が先か鶏が先かというような議論になるわけでございますけれども、こういう制度が女性の就労を抑制しているのかどうか、それにつきましては、むしろ逆に、社会の実態が女性の就労を拒んでいるといいますか、女性の場合にはなかなかいい職場がないとか、職についても給料が低い、こういう実態がまずあるんじゃないか、年金制度があるからそういうことになっているんじゃなくて、逆に言うと、年金制度はそういう実態に着目してその制度を仕組んでいる、だからこれはこれでいいんだ、こういう御意見もあるわけです。
 したがいまして、この辺はなかなか簡単に、こうだという結論を出すのは難しいのじゃないかと思っております。
#96
○池坊委員 これは、パートの人たちの実態を御存じないからだと思います。パートにいらっしゃっている方たちはそうは言っていらっしゃいません。妻の年収が百三十万を超えると年金や医療保険の保険料を徴収されるから、働いても手取り所得が減少する逆転現象が起きるから申告しないんだ、あるいは、それ以上働きたいけれども百三十万で抑えるという人が、現実に多いのです。
 ですから、実態をやはりしっかりと把握なさって、考えて、これは重大な問題だと思いますし、こういうことがありますと、これから、働いている女性がふえてまいりますので、働いている女性は、もう厚生年金を払いたくないということ、もう老後はいいんだ、だから払いたくないんだ、こんなふうに取られるのは嫌だということになってまいりますので、これは審議会でぜひ考えていただきたいと思います。
 それから、午前中、高市議員が国民年金の保険料未納問題をおっしゃったと思います。私も、これは今の年金を考える上で重大な問題なのではないかと思います。つまり、納めていない人がいる、その人たちに対しては何もペナルティーはない。税金でしたら、払わないとこれは脱税だとかいろいろなペナルティーがあるわけですけれども、これに対してのペナルティーがない。
 私がびっくりいたしましたのは、厚生省・社会保険庁が昨年調査した国民年金の未納状況をまとめたものによりますと、九五年度時点で、過去二年間に保険料を全く納めていない未納者は百七十二万二千人、全加入者の一一%を占めている。つまり、一割以上だ。未納の理由として、保険料が高く払うのが困難と、経済的な要因を挙げた人が最も多く、全体の五五・四%、国民年金を当てにしていないとの回答も二〇・八%ありました。けれども、これが大切だと思うのですけれども、未納者のうち六六・三%が、民間の生命保険、個人年金には加入しているのです。
 それで、支払っている保険料は月額平均二万円で、国民年金保険の月一万二千八百円より上回っているのです。ですから、保険料が高く、払うのが困難と言いながら、五五%の人はそう言っているのですが、片方厄は、一万二千八百円を払わないで保険料の二万円は個人で払っている。つまり、これは国民年金の制度そのものの信頼性が問われているのではないかと思うのです。
 言うまでもなく、公的年金制度は、世代と世代の助け合いの考え方に基づくものであり、それぞれの世代が将来にわたって年金制度に対して揺るぎない信頼を有することが制度運営の基本ではないかと思いますけれども、この未納者対策をどのようにお考えになりますか。
 そしてまた、民間には入るけれども国民年金は嫌だというのに対してはどんなふうにお考えでしょうか。
#97
○真野政府委員 先生御指摘のとおり、保険料を納めていただくのが非常に難しい状況になってきております。先生はペナルティーがないとおっしゃいましたけれども、将来年金がもらえないというのが、私どもとしては、保険料を納めていない方の最大のペナルティーだと思っておりまして、自分の年金ももらえない、それから、現在世代間で支えておられる、そういう状況のためにもぜひ保険料を納めていただきたいというお願いをいたしておるわけでございます。
 未納者対策といたしましては、口座振替の促進、それから文書、電話、その他、戸別に訪問をして納付の督励をするというようなこと、それから、先ほど申し上げましたように、年金制度の周知のためにも、年金教育ということで中高生の時代からその御理解をいただくというようなことで進めております。
 先ほどお話もございましたように、民間の生命保険料を納めながら国民年金には未納の状態という御指摘もございました。これにつきましても、午前中御議論がございましたように、有識者の方々の中から、生命保険料控除という税制上の優遇措置を講ずるためには、その前提として国民年金の保険料を納めているということを問うてもいいのではないかという御指摘もいただいております。これにつきましても、私ども、年金審議会で御披露させていただきまして、ぜひ御議論をいただきたいというふうに思っております。
#98
○池坊委員 局長ばかりの御答弁でございますので、せっかく大臣がお出ましいただいく私は厚生委員ではございませんので、大臣の答弁を伺うことが余りございませんので、今の問題、国民年金の信頼性がないことをどのようにお考えか、そして今後どのようにしたらいいとお考えか、それからまた、先ほども質問いたしました、専業主婦のみ免除されることに対して、これからの社会制度を考えるときにどんなふうにお考えかをちょっと伺わせていただきたいと思います。
#99
○小泉国務大臣 国民年金が民間保険に比べて不利ではないかというのは、これは完全に誤解なんですね。その点からいうと、制度の仕組みとかわかりやすさ、利用のしやすさ、手続のより簡単にできる方法とかいうものに工夫を凝らさなければいけないと思っています。なぜ有利か。国民年金には税金も投入されている、物価スライドもある。民間保険にはないのです。だから、完全な錯覚というか、誤解ですね。国民年金よりも民間保険が有利などというのは、恐らくかなり誤った情報に踊らされている人が多いのではないか。もっと厚生省も政府も、民間保険よりも国民年金の方がはるかに、お互いの連帯感の精神からしても、また老後の自分のことを考えても大事な問題であるということを、周知徹底を図るように努力をしていかなければならないと思っています。
 また、専業主婦の保険料の問題ですけれども、これはこれから大変大きな問題になると思います。悩ましい問題でありますが、今御指摘のいろいろな問題も含めて、どういう方向がいいか、もっと有識者の意見を聞いていかなければいけないと思いますが、当面は、やはり収入のない主婦から保険料をいただくということに対しては、まだ理解を得るのにはちょっと時期尚早ではないかなと思っておりますが、将来の課題として、これは今後大変重要な問題であるというふうに認識しております。
#100
○池坊委員 今大臣から、国民年金の方が民間よりもずっと有利なんだという力強いお言葉をいただいたのですが、私、後で質問しようと思っておりました、つまり、そういうことのPRが全然なされていないのではないかと思うのです。国民年金は払ったけれども本当にもらえるのだろうかとか、あるいは、二十五年払わなければいけないのだけれども二十三年で、二年間の空白があるんだ、そういうときにも本当にもらえるのか、そういうことに対して、国民は大変に疑問に思っているわけです。各区ごとに社会保険庁はありますけれども、なかなかそこに行きづらい。絶対に私はこのPRをしていただきたい。私たちは知るすべもないのです。今大臣から伺って、ああそうなのか、国民年金の方がいいのかなと思ったぐらいでございますことが一点。
 それから、今おっしゃった、わかりやすくというのは全くそうでございまして、私も今まで年金というのは余り関心がございませんでしたが、今回の質問に際して、土日、年金問題をもう一生懸命勉強いたしました。でも、すればするほどわからない。お役人というのは本当に複雑化するのが好きなんだなという感じがいたしましたけれども、もうちょっとすっきりとすることはできないのでしょうか。
#101
○小泉国務大臣 私もよくそう思うことがありますよ。説明を受ければ受けるほどより複雑になって、わかっているのかわからないのかわからなくなってくる。もうできるだけ言葉は少なく、わかりやすい方法を講ずる努力をもっとすべきではないかなというふうに私も思います。そのように努力して、いろいろな方の知恵をかりまして、いかにわかりやすく、国民に理解してもらって、多くの方に年金に加入してもらうかというのは、今後、年金制度の改正に絡んでも大変重要なことだと認識しておりますので、そのようにさらに努力をしてみたいと思います。
#102
○池坊委員 大臣はいろいろな簡素化に対して英断を下されておりますので、ぜひ、わかりやすい、一日で見ればわかる、大体対象者はお年寄りだとか主婦とか、私みたいな人間なのですから、そういう人たちにわかるようにするのがお役所の最大の任務ではないかと私は思います。
 大臣が英語を使ってはいけないと言うのも、私は大賛成で、私のように横文字の弱い人間は、できるだけ日本語でしたらいいと思っております。今のこの、二十五年間納めて二年空白がある、二十五年間だけれども二十三年しか納めなかった、二年空白があるんだ、こういう人間はもらえるのだろうかという質問を私は受けておりますので、ちょっとそれに対してお答えいただきたい。
#103
○矢野(朝)政府委員 年金は社会保険方式でやっておりまして、今、二十五年の加入期間を老齢年金の支給要件にしておるわけでございます。この二十五年が長いのではないかという御意見、御指摘がよくあるわけでございますけれども、これは二十歳から六十歳までの四十年間で二十五年ということでございますので、決して無理な条件ではないのではないか、こう思っております。
 それから、この二十五年にあとちょっと足りない、こういう方もいらっしゃるわけでございますけれども、こういった方々のためにいろいろ工夫をしているわけでございまして、これは、免除とか追納とか、そういう制度もございますし、それから、六十から六十五の間は任意加入できるということにしております。それから、海外にいらっしゃった期間は丸々この二十五年の資格期間に算入する、いわゆる空期間と称しておりますけれども、海外にいた期間は空期間として認めるとか、それから、六十五歳になってもさらに受給資格を満たしていない、こういう方につきましては、前回、平成六年の改正におきまして、平成六年改正時に四十歳以上の方、こういう方につきましては、六十五歳から七十歳までの間さらに任意加入を認める、こういう制度もとったわけでございまして、いろいろ工夫をしているところでございます。
#104
○池坊委員 いろいろな工夫は伺いましたが、これが一覧で見られるとか、パンフレットにはなっているのでございましょうか。
#105
○矢野(朝)政府委員 今度、年金白書というのをつくったのですけれども、それはもうわかりやすくということで一生懸命やりましたけれども、ここのところの一覧表というのは私も見たことがございませんし、つくっていないのではないかと思います。
#106
○池坊委員 パンフレットなどがつくってあるのかと伺ったら、それはないということでございましたので、私は、ぜひこれをつくっていただきたいと思います。
 と申しますのは、私は三年間空白だけれどもどうしたらいいかと思っていらっしゃる方、あるいはもうもらえないのじゃないかとあきらめていらっしゃる方も多いのですね。こういうあきらめていらっしゃる方が、だからもう国民年金なんて納めてもしようがないのよというのに結びついていくと思うのです。ですから、私も、海外とか病気とか扶養者だったらいいんだなんという免除の項目を伺いましたけれども、こういうことを一々聞きに行く人は少ないということと、また、聞きに行きました場合にも、審査官が大変親切な人だったら免除できるよういろいろ工夫してくれる、ところが、待たされてつっけんどんで帰されるというのが現場の実態でございます。ですから、こういうことがみんなにわかるようにしていただきたいと思います。
 今の未納者の問題なのですけれども、未納者が全体の一割強を占めるということは、未納保険料は一兆二千二百九十九億円にも上るということだと思います。これは、厚生年金ですと強制的に年金保険料を天引きされる、だけれども、国民年金の場合には自発的に行かなければいけないということが問題なんだと思いますけれども、現在行っている督促状だけでなくて、ほかにいろいろな方法を考えていらっしゃるのかどうかをちょっと伺いたいと思います。
#107
○真野政府委員 先ほど申し上げましたように、まず督促をいたしまして収納をお願いするということ、それから電話、それから専門徴収員によります戸別訪問というような形で収納のお願いをいたしております。そういう格好で御理解をいただき、納めていただく。
 先ほど、午前中にも御質問がございましたように、強制徴収という方法も国民年金では認められておりますし、過去行ったこともございます。しかしながら、一時納めていただきましても、いわば二十五年以上、四十年という期間、保険料を納めていただかなければなりませんので、徴収窓口としては、できるだけ、そういう強制権限的な手段ではなくて、制度の理解を得て、納得を得て保険料を納めていただくような方向に持っていきたいということで努力をいたしております。
#108
○池坊委員 戸別訪問ということでございましたけれども、特に都市部において他の市町村と比較して未加入者、未納者が多いということが指摘されております。つまり、都市部というのは留守になっているところが多いから、戸別訪問しても何の役にも立たないのではないかと私は思います。
 便利だなと思いますのは、ガス、水道というのは今コンビニで払い込むことができますね。それで、ガス、水道と同じように、例えば二十四時間やっているコンビニに払い込むというようなことはできないのだろうか。窓口まで行くといっても、九時から五時までですと、働いている女性はなかなか、パートなんかでも、また自営業でも、行くのが大変ということがございます。このコンビニで扱うというのが大変いいことではないかと私は思うのですが、それはいかがでございましょうか。
#109
○真野政府委員 御指摘のとおりへ電気、ガス、電話等の公共料金は既にコンビニで扱っております。非常に便利でありますし、そういうことから収納も高い状況であろうと思います。
 しかしながら、現在は、制度的には国民年金の保険料は公金ということでございまして、自治体、市町村で扱っていただく場合にも、また、国、社会保険事務所が直接扱う場合におきましても、公金の収納を私人に行わせるわけにはいかないというのが現行の制度でございます。
 しかし、先生御指摘をいただきましたように、昼間納めに行く機会が少ないという場合に、二十四時間あいているところで納める、そういう方法を考えられないか。また、私ども、平成八年に国民年金の被保険者実態調査を行いましたが、そのとき、私は国民年金の保険料を納めておりませんという回答をしていただいた方々の中に、いわばコンビニで保険料を納められるようになれば便利でいいなという回答が大変多うございました。そういうようなことも踏まえまして、現行制度上制約がございますが、この辺につきましては、私どもとしてはぜひ年金審議会で御検討いただきまして、制度的な対応も含めて改正をお願いしたいというふうに思っております。
    〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕
#110
○池坊委員 現行制度の制約というのは、本当にお役所の窓口に行きますと何回となく聞かされる言葉で、なぜ国民年金が企業の保険よりも有利であるにもかかわらず入る人が少ないかと申しますと、今おっしゃったこと、つまりサービスが悪いのですね。民間の保険会社がやるときにはサービスがいい。にもかかわらず、何かというと、ちょっと問題があると、これは現行だからできません。国民の側に立って現行の制度を変えていただかなければ困るのだというふうに思いますので、それは配慮していただきたいと思います。
 私はコンビニの経営者でもありませんけれども、コンビニの利用という、つまりコンビニだけではなくて身近なところですぐ払い込めるということも、やはり国民年金を広げる一つの大きな要因になるのではないかと思っております。
 それと、給料天引きの第二号被保険者の保険料、つまり厚生年金が、滞納や未納が出やすい国民年金の保険料基礎部分に流用されているのではないかという疑念が指摘されております。これは公的年金制度への信頼性にもかかわる問題でございますので、こうしたことはないのかどうか、明快な御答弁をいただきたいと思います。
#111
○矢野(朝)政府委員 昭和六十年の改正で基礎年金制度ができてもう十数年たちますけれども、今もってそういう御指摘があるというのは非常に残念でございますし、私どものPRが足りないのかと反省しておるわけです。
 この六十年改正までは、これは職業別、職域別の制度であったわけですね、国民年金といいますのは。国民年金は、当時、自営業者とか農家の方、今の一号被保険者の方だけのための制度であったわけでございます。ところが、日本の社会が構造変化を起こす中で、農業人口が急速に減っていった、そしてそういう農家の方の子供さん方は都会に出てサラリーマンになる、こういうことが大量に起きたわけでございます。
 そういうことで、制度が職域ごとに分かれておりますと、そういう産業構造、就業構造の変化によりまして非常に体質が弱くなる、それから給付と負担に非常に不公平が生じる、こういうことでございまして、できるだけ集団を大きくしよう、国民年金というのはもう自営業者や農家の方だけのための制度ではなくて、全国民を対象にするということで、全国民で助け合って基礎年金を支給するんだ、こういう制度に移行したわけでございますし、その費用負担は各制度が頭割り、人数割りで公平に分担しましょう、こういうことでやっておるわけてございます。
 そういうことから、この基礎年金制度の導入、国民年金を全国民に適用するということによりまして、非常に安定的な制度になったわけでございます。何か、厚生年金とか共済年金から国民年金に財源を流用しているとかしていないとか、そういう問題ではないということでございます。
#112
○池坊委員 国民年金に限りませんけれども、情報開示をなさったらいかがかと思います。これは、これから先ももっとこの要望は強くなってくると思っておりますけれども、国民が納めたお金が今幾らあるのか、そしてそれがどのように使われているのか、納めた人間には知る権利があるのだと思います。一体幾らあるかもわからないから納める方は不安になってしまう。それで一体大丈夫なのかなということになってくるのではないかと思います。
 私は、国民年金も捨てたものではないなと思いましたのは、百六十八万人いる学生の五八%の九十八万三千人の人が国民年金を払っている。これは親が払っているわけですけれども、この現状を見たときに、国民年金というのもまだまだ捨てたものじゃない。これもやはりPRなんだと思うのですね。ですから、誠実にそういうPRをしていただきたいと思います。
 それから、五つの選択肢が出されました。五つの選択肢の有識者アンケートを見て私は思ったのですけれども、この有識者アンケートはちょっと公平さを欠くのじゃないだろうか。つまり、五十代、六十代の人が、答えている人間に多かったわけですね。三十代の人は少ない。三十代と今受けようとしている六十代では、年金に対する意識が全然違います。これから大切なのは、その二十代、三十代の人が年金をどう思っているかということではないかと思うのですけれども、その点についてはどうお考えですか。
#113
○矢野(朝)政府委員 今回の有識者調査は、確かに三十代、二十代の方が少ないわけでございます。これは、各界の有識者の方ということになりますと、やはり年代も五十台が中心にならざるを得ない、あるいは六十代の方が結構多いということで、二十代、三十代の方が少なくなる。これは調査の性格上やむを得ないと思いますけれども、それを補う意味におきまして、実は世論調査も別途行ったわけでございますし、この結果につきましては、そう遠くないうちに発表されると思います。それからまた、これは四千人ぐらいですけれども、大学の協力を得まして、学生を対象にした調査、こういうことも考えておるわけでございます。
 そういうことで、幅広く各世代の御意見を伺いながら年金審議会を中心に御議論をいただきたい、こう思っておるわけでございます。
#114
○池坊委員 それと、私はアンケートを見て思いましたことは、五つの選択肢があってもへ四つの選択肢があって、それとは別個に、民営化というのが出ておりました。これは国営にしたいという厚生省の、民営化にするのは嫌だ、反対だという意識、それは誘導ではないかというふうに感じたのです。私は、基礎年金はもう税金で賄ったらどうなんだ、目的福祉税でもいいのだし、どうなのか。その上で、民営での積み立てが一番合理的ではないか、それが若者たちの要求に合うのではないかというふうに思っておりますけれども、その辺の検討というのも当然されていると思うのですけれども、いかがでしょうか。
#115
○矢野(朝)政府委員 厚生省が、民営化が本当に嫌だと頭から決めておるのであれば、五つの選択肢の中に民営化案、E案などは出さないわけでございまして、これは、いかに厚生省が中立公平に選択肢を出して国民的な議論をお願いしているか、こういうあらわれではないかと思うわけでございます。
 有識者調査におきましても、これはちゃんと調査しております。A案からD案までは、これは、現行制度を前提とした上でその給付と負担のバランスをどの水準でとっていくかということです。現行制度を前提としたのがA案からD案まで。それから、E案というのは、現行制度はもう前提とせずに、公的年金は基礎年金だけだということで、それで、今の厚生年金の二階部分というのは、民間の企業年金なり個人年金なりで積立方式で自分でやっていただく、こういう制度にしたらどうかというのがE案でございまして、このE案につきましては、現行制度を前提としておりませんので、これはこれで、別途調査をしたわけでございます。
 その結果、現行の二階建ての仕組みを維持するというお答えが七〇・九%、それから、公的年金は一階建ての基礎年金のみとし二階部分に当たる厚生年金を民間の企業年金等にゆだねる、これが八・五%、それから、将来の民営化に向けて徐々に制度の変更を図るというのが一七・一%、こういう結果になっております。
 それから、民営化についてどう考えるかということでございますけれども、これは、現在いろいろなところで御議論いただいておるわけですけれども、三つばかりポイントがあるのではないかと思っております。
 一つは、公的年金は基礎年金だけということになりまして、二階部分は企業年金なり個人年金なりでやっていただく、こういうことになりますと、現実問題として、中小企業、零細企業等におきましては企業年金とか個人年金がなかなか普及しにくい、入りにくいわけですね。そういった方々はもう基礎年金だけになってしまう、これで本当にサラリーマンの老後は大丈夫か、こういう御議論が一つございます。
 それから、企業年金、個人年金で積立方式でやるとなりますと、大きなインフレが来た場合、年金というのは、加入期間四十年、受給期間二十年、六十年ぐらいの長期間の制度でございますから、インフレが来た場合に、本当に大丈夫か、目減りしないかということですね。
 それからもう一つは、二重負担の問題でございまして、これは、切りかえ時に二重負担が生じる、これが約三百五十兆ございます。これをどうやって解消するのか、こういう問題がございますので、こういった点について慎重な御議論が必要ではないか、こう思っておるわけでございます。
    〔佐藤(静)委員長代理退席、委員長着席〕
#116
○池坊委員 厚生省は民営化に反対をしていらっしゃるのではないかなと思いましたのは、厚生省の天下りが社会保険庁、それから企業年金に千名いらっしゃる。これが民営化になりますと、当然こういう方たちもお困りになるので、そういうことを配慮されて民営化には反対なのかなというふうに私は勘ぐってしまったわけでございます。
 時間もございませんので、現行は一七・四%でございますね、これは労使、企業と個人とが払っているわけですけれども。この一七・四%というのは、月収であって、ボーナスをひっくるめたお金で考えていないわけなのですけれども、大概、アメリカもボーナスも入って計算していると思います。私たちが年収という場合には、このごろ、ボーナスも入れると思うのですね。その辺は、ボーナスをこれからもこうやって抜いて、月収だけでやっていらっしゃるおつもりなのか、ちょっと伺いたいと思います。簡単で結構でございます。
#117
○矢野(朝)政府委員 これは、現在の月収だけを対象にしている制度は、世代内の不公平を招いていると思います。したがいまして、月収だけでなく、ボーナスを含めた総報酬で負担なり給付なりを考えていただく、負担、給付の基礎は総報酬であるべきだというのが私どもの基本的な考え方でございます。
#118
○池坊委員 では、今はボーナスも入っているということでございますか。
#119
○矢野(朝)政府委員 今はボーナスが入っていないのですね。月収だけで保険料負担を計算したり年金額を計算していますので、ボーナスが多い少ないによって同じ世代内に非常に不公平が生じている。したがいまして、ボーナスも含めた総報酬で保険料なり年金額を計算すべきだということでございます。
#120
○池坊委員 先ほどのお答えだと何だかボーナスを入れていらっしゃるのかなというふうに思いましたのは、つまり、ボーナスは入っていないけれども、ボーナスを入れた方がいいとお考えになっていらっしゃるわけでしょう。だったら、それはすぐお変えになったらよろしいと思うのですね。お変えになる予定があるのかどうかを伺いたいと思います。私が懸念いたしますのは、企業も、これからボーナスを入れませんと、ボーナスだけは高くしておく、それで月収は低くするということが考えられると思うのですね。それも私はちょっと思っておりますので。
#121
○矢野(朝)政府委員 ですから、ボーナスを入れて総報酬ベースで考えようということでございます。これは、今回改正の一つの大きな検討課題でございまして、現在、審議会でも御議論いただいているところでございます。
#122
○池坊委員 時間が来たようでございますけれども、ちょっと具体的なことを伺いたいのです。遺族年金のことなのです。
 つまり、夫が死んでしまった。そうすると、自分は、未亡人はもらえる。ところが、未亡人が再婚する、そうすると未亡人はもうもらえなくなるわけですね。ところが、十八歳まではその子供がもらえるわけですね。子供を連れ子して、養子縁組をしたときには子供はもらえるわけですね。ところが、全く違う赤の他人と養子縁組をした場合にはこの遺族年金はもらえないですね。その辺はどうなっているのか。なぜそうなのかというのをちょっと伺いたいと思います。
#123
○矢野(朝)政府委員 母子で、お母さんが再婚をされる、その新しいお父さんとの間で子供さんが養子縁組をされる、こういった場合は、遺族年余は失権いたします。もらえません。
#124
○池坊委員 もらえませんか。もらえないのですか。自分が子供を連れて再婚して、その子供がお父さんと養子縁組した場合ですよ。もらえると私は思いますが、もらえませんか。
#125
○矢野(朝)政府委員 それはもらえないということです。
#126
○池坊委員 そうすると、要するに、その父親がどの人であっても、養子縁組をしたらもらえないということですね。
#127
○矢野(朝)政府委員 そのお母さんの再婚相手と養子縁組をした場合にはもらえないということでございます。
 ただ、これは、もらえるといいましても、十八歳という年齢制限がございますので、それまでの間ということですけれども。
#128
○池坊委員 もちろんそれはわかっております。十八歳の三月までもらえるわけですが、どこかに行きました場合はもらえないのですね。これだけ確認して、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#129
○原田委員長 次に、米津等史君。
#130
○米津委員 自由党の米津でございます。きょうばいろいろな先生方から質問が出ておりまして、ダブっておりますので、そこら辺をはしょらせて質問させていただきます。
 高齢化と少子化が急速に進む中で、年金制度を初めとした我が国の社会保障制度に対する不信感、不安感が非常に国民各層に高まっている。確かに、大臣御苦労いただきました介護保険の成立については、非常に大きな前進だというふうに思いますが、今現在、十分な介護サービスが実施されるのかどうかというような不安は、まだまだ根強いように聞いております。また、医療保険制度についても、抜本的な改革という言葉だけが先行しているのではないか、その中身が何ら見えてこない、国民の負担だけがふえていくのではないかという不安が、この決算行政監視委員会に寄せられたファクスでも見受けられました。
 例えば四月二十日に寄せられたファクスでは、「年金の危機の原因は少子高齢化、出生率の低下だけでなく、大赤字の旧国鉄年金と厚生年金の合体、年金基金の運用の失敗、グリーンピアの大赤字など、厚生省の施策にもあると思う。年金の危機を叫び、国民の年金の不信を招き、未納、未加入を招いたあげく、税に転嫁するのはおかしい。厚生省は試算ばかりではなく、自らのスリム化などの努力を行うべきである。」というようなファクスも送られてきております。
 厚生省は、次期財政再計算に向けた検討の中で、昨年の十二月に、年金の給付と負担のあり方に関する枠組みについて五つの選択肢を提示いたしましたが、国民の多くは、まだまだ理解ができてなく、どちらからというと疑問がふえるだけではないかというふうに言えます。簡単に言えば、年金の保険料を引き上げるのか、年金額を引き下げるのかというような見え方にだけなってしまう。したがいまして、きょうは私、この五つの選択肢について質問をしたいと思います。
 この五つの選択肢では、国民に保険料の引き上げか年金額の引き下げかという形で迫っておりますが、私は、それよりもっと初めに確認し、やるべきことがあるのではないかというふうに思います。
 現行の年金制度は労働人口が受給者人口を支える構造になっていますから、まず現役の労働人口をふやすようにどのように努力をする、そういうような方向をもう少し明確に打ち出していくべきではないか。具体的には、中学や高校を卒業をして早くから実社会に出て働く人たちに、働きやすい環境をつくることが必要だと思います。私は、公的年金制度を支えていくという観点からも、現役の労働人口をふやす努力を具体的にどのようにやっておられるのか、あるいはやっていこうとされているのか、労働省と厚生省にお伺いしたいと思います。
#131
○中野政府委員 お答え申し上げます。
 今ほど先生御指摘のとおり、少子・高齢化が進展しているわけでございますが、そうした中におきまして、一人でも多くの働く意欲と能力のある方々が労働を通じまして社会を支える側に回っていただけるようにしていくことが、公的年金制度を支えることを含めまして、今後の我が国経済社会の活力を維持するためには重要であると考えておるところでございます。
 そういった意味におきまして、例えば、若年者の方につきましては、他の年齢層と比較しまして失業率が高いわけでございますが、その背景といたしましては、失業期間は短いものの離転職が多いというような事情がございます。こういったことに対しましては、早い段階から職業の社会的意義だとか自己の適性等について理解し、適職を選択できるよう、教育機関とも連携しながら、中高生等を対象に職業講座や職場見学を実施する等の職業意識啓発事業を実施するなど、それぞれの年齢階層に応じたきめ細かい対策を講じているところでございます。
#132
○矢野(朝)政府委員 五つの選択肢に関しまして、もっと別の考え方があるのではないか、労働人口をふやすとかそういった別の考え方があるのではないかという御指摘でございますけれども、そういう御意見、御指摘は非常に大事なポイントであるとは思っております。
 しかし、年金といいますのは何が一番基本かといいますと、給付と負担がバランスをとる、こういう給付と負担の均衡ということが制度の安定にとって最重要課題でございまして、その場合に、どのレベルで均衡をとるのかということがやはり年金制度の根幹にかかわる問題ではなかろうか、こう考えておるわけでございます。したがいまして、五つの選択肢というのは、そういう観点から五つの考え方をお示ししたわけでございます。
 労働力人口をふやす、そういう観点につきましては、これはこれで非常に重要なポイントでございまして、特に女性とか高齢者、こういった方々の就労に対して抑制的に働く年金制度であってはいけないのではないか、こういう就労については中立的あるいはさらにより促進的な年金制度でなければいけないというのは、私どもも同じ考え方でございます。
#133
○米津委員 ぜひ労働省さんには、最近は高学歴化あるいは学歴社会というのが薄まってきたようですけれども、働くことのとうとさ、あるいは、学びがいを追い求めるということとはまた違った生きがいを働くことによって感じる、そういうような啓蒙活動をしていっていただきたいと思います。
 また、女性についても、私は、家庭においてしっかりと子育てを済ませて、母親としての役割が一段落した後働きたいというふうに思っている女性についてはできるだけの支援をしていきたいな、あるいは支援をしていくべきだというふうに思っております。先ほど池坊議員の御質問にもありましたが、厚生省さんの方では、百三十万円を超えることにおいて就労について調整を女性は余りしていないのではないかというふうな実態の御報告もありましたけれども、労働省さんについては、そこら辺の実態をどのように把握なさっているのか、お伺いしたいと思います。
#134
○太田(芳)政府委員 お答えいたします。
 労働省におきましては、今先生がおっしゃいました、国民年金の保険料の支払い義務が生ずることを理由といたしまして女性が就業調整を行っているかどうかということについて、直接的に調査したものはございません。
 ただ、平成七年にパートタイム労働者総合実態調査というのをやっておりまして、この調査によりまして女性のパートタイマーの就業調整の対応を見ますと、まず所得税の非課税限度額、これは例の百三万円でございますが、これを超えないように就業調整を行う者が約四割近くおるという実態がございます。
 そしてまた、年収に所得税がかからないようにすること以外、これ以外の理由で就業調整を行う者の割合は、平成七年で三六・七%でございます。この三六・七%の方々を一〇〇として見ますと、この中で、国民年金の保険料の支払い義務と同額で生ずることとなる健康保険の加入義務を理由とする者が、三六・七%のうち四二・二%いるというような実態を把握しているわけでございます。
 また同時に、配偶者控除とか配偶者特別控除がなくなることを理由に働かない人とか、夫の配偶者手当がもらえなくなるということを理由として働かなくなるというような女性もいるわけでございまして、女性のパートタイム労働者の就業調整の問題は、所得税の非課税限度額とか配偶者控除制度のほかに、社会保険の被保険者となる基準額も意識している部分があるというふうに認識しておるわけでございます。
#135
○米津委員 厚生省さんとちょっと食い違っているようでございますが、実際、五月七日の毎日新聞では、「女性たちの年金」という記事の中で、「八五年の制度改定で会社員や公務員の夫を持ち、年収百三十万円未満の主婦は、第三号被保険者として“強制加入”することになりた。」「第三号被保険者は負担なしに届け出だけで老齢基礎年金をもらえることになった。その専業主婦の保険料は、だれが出しているのか――。夫がその分も払っているというのは誤解で、共働きや単身者を含む第二号被保険者全体で負担している。」というような記事が載っておりました。また、同じ毎日新聞の五月十日「女性たちの年金」の下では、百三十万円の壁の前で立ちどまるのか、あるいはその壁を越えていくのか、具体的な例で掲載をしております。
 したがいまして、厚生省さんに、今後の年金制度を考えていく上でこの百三十万円という基準をどのように、これからも踏襲していくのか、あるいは見直していくのか、その方向性についてお伺いをしたいというふうに思います。
#136
○矢野(朝)政府委員 この百三十万円の基準をめぐりましてはいろいろな御意見がございまして、上げるべきだという意見、それから下げるべきだという意見、両方あるわけでございます。
 それぞれ問題もあろうということで、これからこの問題につきましては慎重な御議論をお願いしたい、こう思っておるところでございます。
#137
○米津委員 ちょっと答弁になっていないと私も思うのですが、もう一度労働省さんの方に、専業主婦の年金保険料の負担問題についてどのように今後考えておられるのか、再度お伺いをしたいというふうに思います。
#138
○太田(芳)政府委員 年金に限らずもろもろの就業調整の問題も含めてでございますけれども、私どもの女性少年問題審議会というところがございまして、そこで先般建議をいただいております。
 その建議では、単に就業調整の基準となる一定額の引き上げでは、女性の労働のあり方の根本的解決にはならないのではないかという考えでございまして、そういう意味で、個々の制度の撤廃も含めまして、関係諸制度のあり方について抜本的な見直しが必要ではないかということを指摘しているわけでございます。
 そして、女性の就業を初めといたしまして、ライフスタイルの選択、こういう制度が女性の就業とかライフスタイルに非常に大きなかかわりを持っているわけでございますので、そういうかかわりを持っております税制とか社会保障制度、そういうものを、これだけ女性が職場に進出してきておりますので、女性も男性と同じように能力を発揮して働くことができる雇用環境をつくるという観点からも、今後、関係行政機関において検討をしていっていただきたいというふうに考えているところでございます。
    〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕
#139
○米津委員 厚生省さんも、いろいろな形で情報収集なさったり、議論の準備をなさると思いますが、私が感じるところは、一番女性の声を調査し、あるいは実体験として聞いていらっしゃるところはやはり労働省の女性局だと思いますので、そこら辺の情報をうまく加味しながら、ぜひ今後対応していっていただきたいというふうに思います。
 次に、年金の国庫負担の問題に移りたいと思います。
 五つの選択肢では、保険料の引き上げか年金額の引き下げかという形で国民に迫っておりますが、国庫負担を引き上げるという選択肢もあるというふうに思います。保険料も税金も、最終的には国民が負担するわけで、年金制度の安定を考えた場合、保険料の引き上げではなく、税金の引き上げで行うという選択肢もあると思います。
 保険料を引き上げた場合と、税金を引き上げ国庫負担率を引き上げた場合とでは、現役世代、受給者世代などに与える影響は違ってくると思いますが、負担面ではどのような違いが生じるのか、お聞きしたいと思います。
#140
○矢野(朝)政府委員 国庫負担の問題でございますけれども、これは、税金で対応する、こういうことを考えますと、具体的にどういう税で国庫負担の引き上げを図るのかということによって、その影響は異なってくるわけでございます。
 それからまた、消費税の引き上げで対応したらどうか、こういう御意見も一般的にございますけれども、これにつきましては、例えば、私ども年金審議会に資料を出したわけですけれども、影響としましては、家計部門、現在は保険料ということで労使折半でやっておるわけですから、これを、税金で賄う、こういう方式に改めますと、家計部門としては消費税という形で負担がふえる。それから、事業主部門は、これは事業主負担がなくなりますので、その分、負担は減る。
 それから、家計部門でさらに見ますと、現役世帯は、自営業とか給与所得世帯、いろいろございますけれども、どういった消費をするかによって、消費税による負担増と、年金についての国庫負担引き上げによる年金の保険料の減というのが、影響が異なってくるということでございます。それから、年金受給世帯も、これは、消費税ということでありますと、負担するわけでございますので、消費税の面で負担がかかってくる。
 こういうことで、それぞれ、税の影響というのは、どういう影響なのか、あるいは消費税による場合でも、それぞれの当事者によって影響度合いが変わってくる、こういうことかと思います。
#141
○米津委員 厚生委員会のとき、小泉大臣等にいろいろとお伺いしまして、税の問題については非常に熱心に御議論いただいたわけですが、ぜひ税財源も含めて、今後は総合的にもう一度検討していただきたいというふうに思います。
 次に、五つの選択肢について、今後の議論の進め方について質問をしたいと思います。
 まず、今回、厚生省から五つの選択肢が示されましたが、今後、国民がこの五つの選択肢を正しく評価するためには、この五つの選択肢に当てはめた場合、自分の支払う保険料が、自分が受け取る年金額がどのように変わっていくのか、具体的な情報をわかりやすく伝えていかないと、理解が進まないのではないかというふうに思います。
 厚生省は、本年二月に年金白書を出して、今後の議論の素材提供に努力しておられる。その点については非常に評価できますが、この年金白書を見ても、具体的に自分の年金がどうなるのかというイメージがっかめないのが本音ではないかというふうに思います。
 この五つの選択肢を国民に理解してもらうためには、それぞれが、保険料や年金額は具体的にどうなるのか、もっときめ細かい情報を提供してほしいというふうな希望が出てくると思います。この影響は年齢によっても異なってくると思いますが、自分にどの程度影響があるものなのか、イメージできるような情報の提供について、PRについて工夫していただけないかというふうに思っておりますが、その点について、よろしくお願いします。
#142
○矢野(朝)政府委員 私どもも全く同じ認識でございます。
 ただ、現時点では、次期制度改正の大枠、基本的な考え方として、どういった考え方をとるべきなのかということが、現段階での一番御議論いただかなければいけないテーマじゃないかと思います。例えば、前回、平成六年改正のときは、負担が一番重くなったとしても、最終保険料率でも、厚生年金の保険料を月収の三〇%におさめる、その範囲内におさまるように給付を抑制をする、こういう考え方で、前回、平成六年改正が行われたわけでございます。今回改正はどういう基本的な考え方で改正を行うのかというのが、一番現段階で御議論いただくべきテーマじゃないかと思います。
 そういう大枠の議論が、ある程度のコンセンサスといいますか、方向性が得られましたら、今度はそれをもとに、具体的に、給付水準がどうあるべきなのか、支給開始年齢がどうあるべきなのか、スライド方式をどうするのか、こういったいろいろな方法がございますので、そういったものについて、一つ一つ具体的な方向を次のテーマとして御議論いただくわけでございます。そういったときには、ただいま御指摘のございましたような、世代ごとに、あるいは個人ごとに、給付と負担がどうなるのかということを具体的な数値でお示しする必要があるのじゃないか、こう考えております。
#143
○米津委員 今後のことについてはわかってまいりましたが、今月十五日、五つの選択肢について有識者の調査の結果をまとめられたというふうに聞いております。具体的にはどのような方々にアンケートをされたのか、あるいはまた、有識者だけを対象にした目的は何だったのか、お伺いしたいと思います。
#144
○矢野(朝)政府委員 各界の有識者が次期制度改正につきましてどういうお考えをお持ちなのかということでお聞きしたわけでございます。具体的には、九つの分野、例えば、経済界、労働界、報道・評論、農業・自営業者団体、年金実務、行政、青年、女性団体、学識者、こういった九つの分野になるわけでございますけれども、こういった分野から各約二百名、ただ、学識者だけ四百名お願いしたわけでございますけれども、こういった方々の中から無作為で抽出をして対象者を選定をしたということでございます。
 それから、今回のこの有識者調査というのは、実は、年金制度改正に当たりましては、今回が三回目でございますけれども、過去三回、同じような調査をやっておるわけでございます。これは、年金制度というのはかなり複雑でございますし、調査内容もかなり細かく多岐にわたるということから、無差別で、例えば世論調査みたいな形でやるのは無理なんじゃないかな、やはり、各界の有識者に現状とか、いろいろな意見があるわけでございますので、そういった意見を公平に紹介をしながらお聞きするのが適当じゃないか、こう考えたわけでございます。
 それから、もちろん、有識者調査だけで判断するわけにもまいりませんし、これは、別途、世論調査も実施しております。あるいは、学生を対象とした調査も行っておりまして、こういった調査結果を総合的に判断して方向を御議論していただきたい、こう期待しているわけでございます。
#145
○米津委員 五月十六日の読売新聞に、今御説明がありました有識者の調査の結果が出ております。
 ここにも書いてありますが、「世論誘導の心配も」というふうなこともありますし、また、厚生省の事務当局も「あくまで有識者の意見であって国民全体の意見ではない」というふうな記事が載っております。
 私は、こういうのは非常に残念な記事だと思いますし、こういうことが、ある意味では、せっかく厚生省さんがやっていらっしゃることを逆にマイナス的に見せてしまうということにもなりますので、そこら辺はもう少しどういうふうな調査をしたら、どういうふうな発表をしたら、どういうふうな影響になってくるのかということを、何回も経験なさっていらっしゃるわけですから、うまくそこら辺を準備し実施されていったらいいのではないかなというふうに思います。
 また、五つの選択肢については、今後さらに各方面で検討がされるというふうにおっしゃっておりましたが、年金白書では、年金改革についての意見をいろいろな形で募集なさっているように聞いております。今までにどのくらい集まったか、またどのような意見が多かったのか、お伺いしたいと思います。
#146
○矢野(朝)政府委員 これは有識者調査以外にいろいろな形で国民の声を直接お聞きしたいということで募集しておりまして、一つは厚生省の電子メール、それから年金白書に挟みましたはがき、それからお手紙もいただいております。こういったものが、正確に言いますと二百四十七通、御意見をいただいております。はがきとか手紙はどちらかというと中高年の方、それから電子メールは若い方が多い、こういう特徴がございます。
 それから、内容的には、制度の基本的な枠組みから個別の問題、それから給付のあり方、負担のあり方、本当に広範多岐にわたっておるわけでございます。
#147
○米津委員 厚生省が実施するアンケートあるいは文書など、年金改革をPRするためのものについてはいろいろな努力をなさっていらっしゃるというふうに、先ほど池坊議員の質問にもお答えになっていらっしゃいましたが、私が今回の質問をするに当たっていろいろとちょうだいをいたしましたけれども、やはり非常に分厚い。私もそうですし、いろいろな私の支援をしていただいている方もそうですが、実社会に出ますと、自動車教習所の教本でさえじっくり見ないというような方々が多い現実ではないかな、自分で買い求めた本以外はそういうふうなものではないかなと。
 そうなりますと、今の厚生省さんがせっかくつくっていらっしゃるものが余り活用されていないというふうなことで、ぜひ、PRの文書、それからいろいろな出先機関、あるいは今の新しい情報システムネットワーク等を活用した総合的な厚生省の情報発信をもう一度見直してみるべきときに来ているのではないかなというふうに思っておりますが、その点はいかがでしょうか。
#148
○矢野(朝)政府委員 御指摘のとおりでございまして、年金といったら何か非常に複雑だ、わかりにくい、こういうイメージがもう既に定着しているのではないか、こう思うわけでございます。本来は、年金というのはそんなに難しい問題ではございませんし、それから国民一人一人に直結する問題ですから、もっともっとわかりやすく、そして丁寧なPRの文書づくりに努めていかなければいけない。これは、今回初めて年金白書をつくったのですけれども、そのときにもわかりやすいということで工夫したつもりでございますけれども、なかなか、言うはやすく行うは難しいなということも実感したのですけれども、御指摘のような、わかりやすい、理解しやすい広報のあり方、これは今後とも徹底して追求していきたいと思っております。
#149
○米津委員 次に、国民年金の未加入者、未納者問題についてお伺いをしたいと思います。
 公的年金制度に対する信頼が揺らいできているというふうに誤解、あるいはいろいろな形でそういうふうな実態の声が当委員会にも寄せられておりますが、現在、国民年金制度において、制度への未加入者と保険料の未納者の問題が非常に大きな影響を及ぼしており、この問題については、午前中から各先生御指摘のとおりだと思います。
 厚生省さんも真剣にこの問題に取り組まれていらっしゃると思いますが、国民年金への未加入者及び保険料未納者がふえ続けていることを調査されて、その未加入者に対する適用対策を何項目かに分けて、非常に具体的におやりになっていらっしゃる。実際、平成四年から平成七年にかけては、未加入者が百七十八万人から百五十八万人に減ってきているというふうな形で、いい影響にはなっていると思います。
 例えば、未加入者の適用の中で、三つほど柱がありまして、二十歳到達者の適用、あるいは国民健康保険加入者の国民年金への適用、基礎年金番号の活用による種別変更者の適用。また、二つ目の柱としては、学生の適用ということで、本人に対する届け出勧奨による適用、親元への勧奨による適用、大学等を通じた加入勧奨。あるいは届け出しやすい環境づくりということで、届け出の書類の一本化あるいは窓口の一元化というふうな形で、非常に具体的な対策を実施されているのはわかるのですが、明らかに効果があった、あるいは反応があった、あるいは思ったよりもいい効果が得られなかったというふうなことについて、もし実態を把握なさっていらっしゃるのであればお伺いしたいと思います。
#150
○真野政府委員 先生御指摘のとおりの対策を講じております。
 先ほど引用されました数字は、平成四年と平成七年でございまして、私ども、こういうふうにいわば体系立ててといいますか、市町村を指導をいたしますのに、こういう柱でやってほしいというふうにやり出したのが平成七年から三年計画ということでございます。したがいまして、我々としては、先ほどの先生がおっしゃられた一号の未加入の状況は、さらにこの対策の効果によって減少しているというふうに思っております。
 その中で、やはり一番典型的にといいますか、我々、入り口で適用と申しておりますが、とにかく二十になったときには必ず国民年金に入っていただくんだ、午前中にも、成人式でパンフレット等をお配りしているというふうに申し上げましたけれども、とにかく二十になれば国民年金に入っていただくということがまず第一だろうということで、これは全市町村で実施をいただいております。そういう意味では、かなりの効果があるのではないか。
 あとはやはり、国民健康保険に入っていただきながら国民年金には入っていただけないという方、これもかなりおられるわけでございまして、この方々に対しましては、ぜひ入っていただきたいということで、平成九年の六月末におきまして約八割の市町村でそういう取り組みをしていただいております。
 社会保険庁といたしましては、平成九年の一月に基礎年金番号というのを付番をいたしました。一人一生一番号で年金の記録を管理をさせていただくということでありますので、これによりまして、制度を変わられても、とにかく二十のときに持った番号でずっと記録をつないでいこうということで、未加入という部分についてはかなりの効果が上がるのではないかというふうに考えております。
 このいわば直接の効果ではございませんが、参考までに申し上げますと、平成六年度末に第一号の被保険者は約千八百四十万人と言われておりました。平成八年度末には千九百万人ということで、約六十万人ぐらいふえております。これは、私どもとしては、こういう未加入対策が功を奏してきたのではないかというふうに考えております。
#151
○米津委員 未加入者に対する施策が随分効果があって、その数が減っているというふうになりますと、反対に、今度は未納保険料に対する施策をやっていかなければいけない。私は、きのう、おとといと、いろいろこれを見て、自分の政治資金管理団体の担当者に見せようかなと思ったくらい、徹底して未納料に対する施策を行っていらっしゃる。
 要は、その陰には、わかりやすく、そして入りやすく、払いやすく、そして払い続けやすくというのが、これは、当たり前のことなんですが非常に難しいというのを、私も実感しておるのですけれども、ぜひそこら辺でこの未納保険料に対する対策について、いろいろと大きい柱が二つあって細かくなっておりますけれども、ここについての、今後徹底してやっていく、あるいはこれについては少し見直した方がいいというふうなことがあれば、ぜひお伺いしたいと思います。
 例えば、「専任徴収員の設置による個別納付督励の実施」というふうに書いておりますが、今はもうNHKさんもこういうふうなことをやらなくなってきている。午前中からコンビニエンスストアというふうなことが非常にのっておりましたけれども、この中で、電気、水道、ガス、これについては、電気が八一・五%、水道が七五・六%、ガスが七八・六%、国民健康保険は三三・七%というふうな形で、ほかのはおおむね七五%以上、公共料金は振り込まれてきている。しかしながら、国民健康保険だけは三三・七。
 実質、今現在の制度では、コンビニエンスストアは非常に難しいというふうなことがあるのかもしれませんけれども、実際の数字としてここまで差がついてきてしまいますと、速やかに何らかの工夫をしていかなければいけないのではないかなというふうに思いますが、その点はいかがでしょう。
#152
○真野政府委員 入っていただきましたら、まず納める習慣といいますか、保険料は納めるものだというふうに思っていただいて、そして引き続いて納めやすい環境を整備し、引き続き納めていただくという努力をしなければならない。そういう意味では、口座振替ということで、先生御引用されましたように、他の公共料金との比較ということからいきますとまだまだ低うございます。これは、金融機関に口座振替の利用促進のための手数料も予算化してお支払いをしておりますので、そういう意味で、今後こういう口座振替の促進をぜひ推進していきたいというふうに思っております。
 コンビニでの保険料納付ということにつきましても、現行制度上制約があるというふうに申しておりますが、何とか工夫をして納めやすい環境づくりをぜひしてまいりたい。
 そして、国民年金の保険料も一万三千二百円ということで、たまってまいりますと、一どきにまとめて払うというにはかなりの重い負担になってきております。そういう意味では、未納を早期に発見して、早い段階で手が打てるという対策を講じたい。そういうことで、督促状、電話による督促、そういうような方法を講じて、できるだけ早く未納の状態を発見して、納めていただけるようなアプローチをしたいというふうに思っております。
#153
○米津委員 いろいろと工夫をしていただけるというふうに思いますが、これは魅力づけではないのかもしれませんが、一つの工夫としてお伺いをしたいのです。
 国民年金未加入である理由として、個人年金に入っているからという人が非常に多い。そして、その中には、国民年金の場合、年金受給時に死亡しても、少額の死亡一時金しか出ないので掛け捨てになってしまうから加入しないという方が非常に多いように聞いております。
 現在、死亡一時金はどのくらい出るのか、あるいは今後もっと引き上げた方がいいというような意見についてどのようにお考えになっているのか。
#154
○矢野(朝)政府委員 この国民年金の死亡一時金でございますけれども、通常、亡くなられますと、その奥さんあるいは子供さんが遺族年金を受けられる、これが通常の形なんですけれども、そうでない場合には、死亡一時金という形で一時金が支給されるわけでございます。これは、死亡した方が三年以上国民年金に保険料を納めていらっしゃったということでございまして、そういった場合には、保険料納付期間に応じまして十二万から三十二万円の一時金が支給されます。
 この金額の引き上げでございますけれども、これは現在、次期制度改正の重要テーマとして給付水準の御議論をお願いしております。したがいまして、この一時金の金額もこの給付水準の問題とやはり関連するわけですので、そういった議論の中でこの問題も検討していきたいと思っております。
#155
○米津委員 最後になりますが、現在公的年金制度の信頼が非常に揺らいでいるというふうに思います。今までいろいろとお話を伺っておりましたが、工夫すべき点も多々あると思います。次期財政再計算も迫っておりますが、今後の年金制度の改革をどのような理念で進めていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。
#156
○小泉国務大臣 公的年金制度の信頼性が揺らいでいるというのは、これはかなり誤った情報に左右されているのではないかなと。あらゆる民間の個人年金等に比べて公的年金制度が老後にとっていかに有利かということは、先ほど申し述べましたように、民間保険というのは税金も投入していないし物価スライドもない、このことだけとってみても公的年金制度がいかに有利かというのはわかるはずなんです。
 ところが、いろいろな情報によってどのような誤解を受けているのかわかりませんが、年金制度に対する理解が欠けているのか、あるいは周知徹底が不足なのか、両方しっかりあると思いますけれども、できるだけ現行制度に対する国民の理解を得る、そしてわかりやすい仕組みにしていく、さらには手続面等においてできるだけ簡易にできるような方法も考えるという工夫が今後も必要だと思います。
 いずれにしても、年金制度、公的年金制度というのは、社会の連帯感による、若い世代も高齢の世代も支え合うという大事な制度でありますので、今後とも多くの国民の理解を得られるような努力を一層していかなくてはならないと思います。
 今御質問の中でいろいろお話がありましたように、また年金制度というのは人によっていろいろ受け取る給付も負担も違ってくるわけですから、その辺は全部に一律の説明というのはなかなか難しいと思いますが、ともかく、年金に対して疑問を持っている方はこういうところに相談してくださいというぐらい、できるだけ手軽にできるような方法、また親しく問いに答え得るような体制、これは今後とも工夫をして、多くの方々に年金制度に対する理解を深める方策が必要ではないかなと思っております。
 さらに、大事な、老後になったらどれぐらい自分は年金をもらえるのだろうか、いわゆる給付の問題と、この給付を支えるところの負担というのはどの程度になるのだという給付と負担の均衡の問題につきましても、今後いろいろな方々、各界各層の意見を伺いながら、お互いにこの公的年金制度を支え合っているのだという意識を共有することによって、この程度は公的年金で賄っていこう、あとはできるだけみずからの努力によって老後に対する備えをしていこうという均衡のとれた考え方を多くの国民に持っていただきまして、社会福祉制度としての重要な制度でありますこの年金制度を安定的に運営していくよう、より一層の努力が必要だと思っております。
#157
○米津委員 ありがとうございました。
#158
○佐藤(静)委員長代理 次に、瀬古由起子君。
#159
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。
 私は、学生無年金障害者、特に九一年の学生を強制加入とする以前の任意加入時における無年金障害者の問題についてお聞きいたします。
 国民年金法は、憲法二十五条二項の規定、このように憲法条項がこの中に書き込まれているという大変珍しいといいますか、法律では大変珍しいと思うのですけれども、つまり、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」、この憲法二十五条の理念に基づくものであることが明示されております。これはどういうことかということを、まずお聞きしたいと思います。
#160
○矢野(朝)政府委員 お答え申し上げます。
 国民年金制度の目的につきましては、老齢または障害による所得の減少ないし喪失、あるいは死亡によって国民生活が経済的に損なわれることを、国民の共同連帯によって防止する、これを目的としておるわけでございます。この目的というのは、日本国憲法二十五条二項に規定する生存権に関する国の努力義務、本規定はこの生存権に関する憲法の規定に基づくものだと理解しております。
#161
○瀬古委員 そこのところが大変私は国民年金を考える場合に大事だと思うのですね。今言われておりましたように、憲法二十五条の生存権の理念、ここに基づくものだ、これに基づいて無拠出の老齢、障害、それから母子年金、こういう補完的な制度として認めているわけで、そして包括的な国民皆年金制度として創設したと、国の責任を明確に国民年金法では位置づけているという点が私は大変大事と思います。
 そこで、学生の無年金障害者の問題を中心にしてお聞きしたいのですが、九五年の公的年金加入状況調査によりますと、二十歳から五十九歳の学生総数は二百二十三万六千人、一号被保険者は百八十三万一千人。未加入者は二十三万七千人、これは一一・五%になるわけです。免除者とか、また滞納者の数及び割合はどうなっているでしょうか、お聞きします。
#162
○真野政府委員 学生の未納者十八万九千人、一一・二%、免除者は五十万九千人、三〇・三%でございます。
#163
○瀬古委員 滞納者は。
#164
○真野政府委員 未納者が滞納者ということでございます。
#165
○瀬古委員 この現在の未加入者の割合が一一・五%、そして滞納者一一・二%、免除者が三〇・三%、こういう率に上りますと、合わせて五四%なんですね。それで、二十歳以上の学生総数のうちその半分以上、百万人以上が保険料を負担できない、こういう事実がこの数字で出てまいります。いわば、学生だけでとってみますと、制度としても成り立っていないわけですね。私がいただきました決算行政監視委員会の資料でも、現在も自分でその保険料を負担している学生はわずか三・九%にすぎないわけです。実態はもう大半が親が負担をしているということになります。
 一九五九年三月に成立しました国民年金法は、法の施行は拠出年金は二年後の六一年の四月、このようにしていましたけれども、母子家庭とか障害者についてはその年の五九年十一月から実施されておりました。大臣は、この趣旨説明の中で、この福祉年金のあり方については、給付に係る費用については当然のことながら全額国庫で負担いたします、このように述べておられるわけです。収入のない学生に負担を求めるというのは一体どうなのかということなんですね。やはり、この年金法の出発点に立った、そして先ほどお話がありましたように、憲法二十五条の生存権の理念に基づいたこの立場からいうと、やはり岸生の場合には全員保険料を免除すべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#166
○矢野(朝)政府委員 学生につきましては任意加入制度であったわけでございますけれども、学生時代に交通事故等で障害になられる方が結構いらっしゃる、こういうことで強制加入にすべきだ、こういうことになりまして、平成三年四月から強制適用に踏み切ったわけでございます。
 ところが、この学生の強制適用につきましては、今御指摘にもございましたように、そもそも学生は本人の収入がないじゃないか、所得がないじゃないか、それにもかかわらず保険料納付を義務づけるのはおかしいのではないか、こういう御指摘がございます。それから、障害年金が主たる目的であるのであれば、障害年金に相当する保険料だけ納めたらどうか、こういう御意見もございます。それからまた、学生は社会に出て働くようになってから、いわゆる出世払い方式にしたらどうだろうか、こういう御意見とかいろいろございまして、この問題は、次期制度改正の一つの検討項目ということで年金審議会でも御議論いただいているところでございまして、次期制度改正の課題ということでこれから検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
#167
○瀬古委員 私がいただきましたこの決算の委員会の資料でも、保険料未納の理由というのが学生の場合に出ていまして、この中でも、保険料が高く、経済的に払うのが困難だ、こういうように答えた方が五五・四%で、断トツの一位になっています。
 先ほど、保険料をどう払ってもらうかということでいろいろ工夫があるなどというお話もされていましたが、もともとやはり支払い能力のない学生に負担をさせるというのは大変無理な面が出ているし、また、親が負担するという場合でも、今御存じのように、学費といいますか授業料といいますか、日本の大学の教育の負担というのは本当に世界でも最高だと言われているわけです。親も大変な状態になっている。この上に保険料ということになりますと大変困難な状態が生まれるというのは、もう当然の例として出てくるわけです。私も調べさせていただきましたけれども、世界で学生に保険料を負担させるというところはないと思うのですね。
 そういう点で、今言われたように、審議会等でもこういう負担の仕方について今十分検討されているというのはよくわかりました。この成り立ちといいますか、本来の国民年金法の趣旨、そして現状、学生の置かれている現状、そしてその両親の置かれている現状などを踏まえまして、学生の保険料についての免除、この点ではきちんと、年金審議会にかけるということもありますが、厚生省としても一定の判断が要るんじゃないかと思いますが、その点、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#168
○小泉国務大臣 御指摘の問題について、厚生省としても、確かに現行の学生に対する保険料は問題があるのではないかという認識は持っております。そういうことから、先ほど局長が答弁したように、いろいろな意見があるということを踏まえて、年金審議会での一つの大きな検討課題であるということを今考えながらやっておりますので、どういう方法がいいか、よく、識者等、審議会等の意見を聞いて、改善の措置が講じられればできるだけ早くその所要の改正をしたいな。もう少し広範ないろいろな意見を聞いてみたいと思っております。
    〔佐藤(静)委員長代理退席、委員長着席〕
#169
○瀬古委員 学生の保険料免除については、ぜひ積極的に、前向きに御検討いただきたいというように思います。
 そこで、学生の無年金障害者、要するに任意加入のときに入らなくて障害を負った人たち、こういう人たちが何人か残されているわけですが、現在そういう人たちは何人ぐらいいると厚生省は考えてみえるでしょうか。
#170
○矢野(朝)政府委員 これはなかなか数字の把握というのが難しゅうございまして、年金を受給していらっしゃる方だったらこれはすぐわかるのですけれども、受給されていない方、しかも学生期間中に障害に遭われた方、こういう学生時代の障害がもとでの障害無年金の方というものの具体的な数字というのは実は私どもも把握しておりません。
 ただ、無年金障害者の方全体では、推計をいたしますと約十万人強程度かと思っております。
#171
○瀬古委員 学生で収入がなくて負担ができなかった、そして任意だから加入もしていない、そのときに事故に遭って障害者になったというケースなんですね。
 この学生たちは今どういう状態に置かれているか。就職もままならない、それから障害者の年金ももちろんないわけです。無年金障害者の会の調査によりますと、五〇%以上が現在も収入がゼロだという報告もございます。実際には、年金がもらえないとさまざまな福祉施策も受けられないという問題もあるのですね。それから、本当に障害者の自立という点でも大変困難な状態に置かれている。
 私は、ぜひこの無年金障害者の実態調査を行うべきだというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
#172
○篠崎政府委員 私どもの方で、身体障害者実態調査というのを五年に一遍やっておりますが、最近では平成八年十一月に身体障害者実態調査を実施いたしまして、現在、集計作業を行っているところでございます。
 今後、なるべく早くその調査結果を公表できるように努力をいたしたいと思っております。
#173
○瀬古委員 今、身体障害者の調査と言われたのですけれども、無年金障害者の場合は身体障害者だけではありませんので、精神障害者や、またいろいろな障害、知的障害や幾つかの問題もございます。
 さらに、今言われた身体障害者の調査も、本当にその人たちの生活がどうなっているかというところまで突っ込んだ調査じゃないのですね。そういう意味で、私は、一体そういう人たちがどういう生活実態になっているのかというところまで踏み込んだ調査もぜひお願いしたい。
 調査の仕方も難しい面もあるかもしれません。しかし実際には、こういう無年金障害者の会だとかいろいろな団体がございますので、そういうところにもぜひ依頼をされて、協力も求めて、実態をつかんでいただくということが大変大事だと思いますけれども、いかがでしょうか。
#174
○篠崎政府委員 今先生も大変難しいところもあると御指摘がありましたが、現在のこの実態調査の中で、無年金障害者の在宅サービスの利用状況ですとか、あるいは社会参加の状況など、そういう分野での生活状況について把握することは不可能ではないと考えております。
 ただし、標本数が少数となることなどから、統計学的にどの程度の有意であるかなどの問題はあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、この調査の中で対応を研究させていただきたいと思っております。
#175
○瀬古委員 社会保険庁がまとめました「国民年金二十五年のあゆみ」には、このように載っております。高等学校や大学で教育を受ける程度の学生は、通例、卒業後、現行被用者年金各法の適用者になると思われ、また、わずかな期間保険料を納付させたままで除外するとすれば、多くの場合保険料が掛け捨てになることも予想されるので強制的には適用しないこととしたと。要するに、任意加入になったときの経過がここに書かれております。
 ですから、具体的に、その当時、市町村の窓口ではどうなっていたかといいますと、市町村の窓口では、相談したら、入らなくていいですよ、こういう指導までされていたというのが、今、無年金障害者の方から幾つか出てきております。
 こういう場合に、私は、その当時加入しなかったという場合に学生に一体責任が問えるのかというふうに思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
#176
○矢野(朝)政府委員 平成三年四月以前の任意加入時代でございますけれども、これは、学生は一般的に稼得能力がない、収入がない、こういうことから、強制適用にするのは問題があるのじゃないかということで任意加入ということにしておったわけです。
 しかし、その後、先ほど申し上げましたように、アルバイトとかスポーツで障害者になる例などもございまして、無年金になってしまう。それからもう一つは、四十年加入ということが基礎年金の満額支給の条件になっている、こういうこともございまして、そういう満額年金の受給権を与えるようにすべきだ、障害年金を支給できるようにすべきだ、こういうことから、平成三年四月から学生が強制適用になったということでございます。
#177
○瀬古委員 学生が年金に加入するかどうかという場合も、任意加入の場合、特に、自分には所得がないわけですから、そうしますと、親がそれに入るかどうかというのを決めるわけです。実際には、親にもこの任意加入の問題にどういう問題点があるのかというのを十分窓口や広報で知らされていなかった、親の責任だって問えるのかという問題があるのですけれども、親がある意味では入るかどうかというのを決めるような状況になっていたにもかかわらず、私は、その学生に本当に責任が問えるのかと。
 入っていなくて、障害を一生背負った。その入るべき当時は、親の責任というけれども、実際には、障害を受けたら、一生その方はその障害で、ずっと年金をもらえないまま過ごさなければならぬ、こういう問題があるというふうに私は思うのです。実際には厚生省自身も、先ほど言いましたように、窓口では、加入しなくていい、そういう徹底の仕方だったという問題も指摘されているわけです。
 中には、本制度は、二十歳前に障害を受けた場合にはきちんと救済するという制度があるわけです。こういうすぐれた面を持っているわけですね。たまたま二十歳になって、そのあと、二十日後に障害を負ったために、そして、たまたま年金に入っていなかったというので、こういう差が大きく生まれるわけです。
 この年金の立法がされた当時、当時の小山局長がこういうふうに言っているのですね。「老齢、廃疾、または配偶者の死亡という所得喪失の事故に対しても、国民がこのような事故に遭遇して窮迫の状態に陥ってから救済する対策のほかに、このような事故が発生した場合、自動的に所得保障が行われる施策をあらかじめ整備しておいて、このような場合に窮迫した状態に転落することを未然に防止することを考慮しようということになった」と。このように、この年金がそもそも成立した経過について述べているわけです。
 やはり学生に責任が負えない問題、そして親にも負えないような問題を幾つか持っている。この学生の無年金障害者については、速やかに特例の救済措置をとるべきだと私は思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#178
○矢野(朝)政府委員 その学生が任意加入の時代にこの制度に入っていらっしゃらなかった、その間に事故に遭って障害者になられた、こういう方の救済の問題でございますけれども、これは非常にお気の毒なことは重々わかるわけでございますけれども、今の公的年金制度といいますのは社会保険方式をとっておるわけでございます。つまり、制度に入って保険料を納めるということが給付の条件になっているわけでございまして、制度に加入されていない、あるいは制度に入っておられても保険料を納めていらっしゃらない、こういう方に年金制度から支給をするということは、これはもう制度の根幹に触れる問題でございまして、これはなかなか難しい問題でございます。
 こういった問題については別途何らかの対応が必要だと思いますけれども、年金制度としてやるべきだという御意見に対しては、私どもとしては否定的にならざるを得ないということでございます。
#179
○瀬古委員 特例措置でいいましたら、例えば老齢の年金も含めて幾つかの特例措置をこの国民年金というのはつくってきているわけですよ。そういう点では、私が最初に言いましたように、憲法にうたっている生存権、こういうところから出発しているという経過がある。そういうために幾つかの特例措置をつくり、いろいろな人たちを救うといいますか、こういう立場をとってきています。
 さらに、国の責任ということでいいますと、例えば旧法の第七条には、主婦や学生の年金加入については速やかに検討すると法定されていたわけです。ところが、学生については四十年間も放置されていたという経過があるわけですね。これは検討しなさいとなっていたわけですから、早く検討すべきだったのです。その間に、年間二百人から三百人と言われていますけれども、無年金になっていった人たち、そして障害を負っている人たちがふえてきたわけです。そういう点で、私は、政府の責任というのは、一般的にこれは特例を設けるわけにいかぬと言えないような責任があるのではないか。
 さらに、この問題については、九四年の法改正の際に、無年金障害者の所得保障についても検討するよう衆参の両院で附帯決議を行っています。九五年の障害者プランにも同様の規定がございます。それから、東京都とか政令指定都市など、今地方自治体からもこの見直しをぜひという、こういう要望が強く出てきているわけです。ぜひ政府の責任で解決すべきだと思いますけれども、この点は大臣のお考えを伺いたいと思います。
#180
○小泉国務大臣 先ほど局長も答弁しましたが、年金制度というのは、そもそも保険料に応じて給付を支給する。年金保険料をかけていないのに給付を受けられるとなると、じゃ保険料を払っている人との公平感はどうなるのかという、この根幹にかかわってくる問題なんです。
 しかしながら、学生の方にも保険に入ってもらおうというのは、いわばもし障害になった場合どうしようかという善意で、あるいは入っていない場合よりいいんじゃないかという形でこういう制度を設けた。ところが、制度を設けてみると、今言ったような問題が出てきた。
 でありますから、私は、年金制度で対応するべきか、これは今言ったようになかなか難しい、あるいは障害者対策として対応を考えるべきか、こういう点についてもうちょっと、いろいろ多くの方の意見がありますから、その意見を踏まえて検討してみたいと思います。
#181
○瀬古委員 ぜひこの問題も積極的に取り組んでいただきたいということを御要望したいと思います。
 五月十五日の年金審議会でもこの問題が審議されたというふうに聞いております。中身は十分聞いておりませんけれども、この無年金者問題については審議が余り十分でなかったというのも聞いています。
 そういう意味では、幾つかの国会の決議もございまして、先送りするということがぜひないようにしていただきたい。その場合に、少なくとも、無年金障害者の会など関係団体もございますので、この意見も聞いて十分制度として反映していただけるようにお願いしたいと思いますけれども、最後に大臣のお考えを伺いたいと思います。
#182
○小泉国務大臣 今後、検討させていただきたいと思います。
#183
○瀬古委員 以上です。ありがとうございました。
#184
○原田委員長 次に、保坂展人君。
#185
○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 本日は、先日の当委員会で、公務員倫理に関する答弁の中でどうしてもわかりかねる部分がございますので、そこを中心に聞かせていただきますが、関連をして、本日のテーマであります年金の問題について、大蔵省のトップをきわめた、例えば松下さんだとか長岡さんだとかいう方たちが、天下り先で高額の収入を得ながら、この方たちは全額共済年金をもらい続けられていたのかどうかということについて、まず伺いたいと思います。
#186
○溝口政府委員 国家公務員を退職いたしまして民間企業等に再就職し、高い収入を得ている者に対しましては、国家公務員共済の年金の支給につきまして、得ている所得金額に応じまして厚生年金相当分、共済の中に厚生年金相当部分があるわけでございますが、その最大九〇%までカットする仕組みになっております。したがいまして、この仕組みが適用されているというふうに理解をしております。
#187
○保坂委員 そうすると、高い収入があった場合には、ここのところは減額をされているというふうに理解してよろしいわけでございますね。
 それについて確認した後に、先般のこの委員会で、たしかその当時は武藤官房長で、交代をされたということで、実は大蔵省の処分にかかわる不祥事の記録ということなんですけれども、非常にここにこだわってお聞きしているわけですけれども、そもそもへ国民の信頼を大きく損なうような不祥事が起きたときに記録をとるあるいは記録に残しておくという意味を大蔵省ではどのように厳粛にとらえているか、その意味と意義についてお伺いをしたいと思います。
#188
○溝口政府委員 この点につきましては、保坂先生との間で何度かやりとりがあったわけでございますけれども、今回の調査につきましては、個々の職員につきまして、民間金融機関との間において節度を欠いた関係がないかを調査し、問題がある者に対しては厳正な処分を行い、それで国家公務員法上の処分と内規による処分をいたしまして、その処分の内容につきまして、氏名等を含めまして公表をさせていただいたわけでございまして、(保坂委員「記録について」と呼ぶ)したがいまして、その公表自身が一つの記録であるわけでございます。
#189
○保坂委員 これはたびたび、質問主意書やらあるいは直接にお尋ねをしたこともあります。たびたびの機会にこの問題を聞いていくときに、例えば週刊誌であるとかあるいは新聞の一部であるとかに、大変先走った、あるいは御本人にとっては事実でないことも多々書かれているんだ、非常にプライバシーが侵害されているというようなことをおっしゃっていました。
 十年後、二十年後に、財政、金融を預かる役人の方、官僚の方が、二十年前に、十年前に不祥事があった、そのことを先輩たちはどういうふうに解決に乗り越えたのかということを探るときに、何に基づいてこれを見たらいいのか。確かに処分結果はわかりますよ。書いてあります。しかし、それ以外にさまざまな、それこそ基準があったり、どういう精査に基づいてこの処分がなされたのかというと、この処分結果と、一最も明らかになっているのは週刊誌や新聞しかないということになってしまうのではないかと思うのですが、その点はどうですか。簡潔にお願いします。
#190
○溝口政府委員 処分につきましては、国家公務員法上の処分と内規による処分がございまして、国家公務員法上の処分の該当者につきましては、停職、減給、戒告とあったわけでございますけれども、そういう職員につきましては、行き過ぎた民間との関係の概要を書類の形で公表させていただき、その部分はきちっと残るわけでございます。
 それから、内規による処分につきましては、訓告、文書厳重注意、口頭厳重注意、三つございましたけれども、そのうち、訓告、文書厳重注意を受けた者につきましては氏名を公表させていただいているところでございまして、そこのところは、そういうことで先生の御指摘の点にはお答えできるのではないかというふうに考えている次第でございます。
#191
○保坂委員 それでは、まだ総務審議官をされていた当時に、法務委員会で私がこの処分の問題を尋ねていますよね。思い出していただきたいのですが、金融機関への聞き取りの調査あるいは本人の聴取等々を行って、総合的に勘案してこの処分を決めていった。そのときに、文書での照会ではないのだというふうにおっしゃったのを覚えておられるでしょうか。―――――そうすると、さすがに大蔵省の方は記憶力抜群だというのはわかりますけれども、しかしこれだけの内容を、ゴルフをこの人は五回とか十回とか、それぞれの時期に分けて、全部これを頭の中に暗記して、つまり一切の文書を使用せずにこの処分をやられたのでしょうか、そこの点についてはっきり答えてください。
#192
○溝口政府委員 御指摘のように、法務委員会におきまして保坂先生の御質問がございました。それは、相手方の金融機関等に対しても照会を文書で行ったのかということでございましたので、そこは、文書という形ではございませんでした、事前に、こういうものについて調査をしたいので調べておいてお聞かせ願いたいということで、そういうやりとりをして、聞き取りでございますね、聞き取りをして、調査を進めたわけでございます。
 したがいまして、文書と申しましても、それはメモかどういうことか、それは担当者にあるのかどうか、私も詳細は存じませんけれども、いずれにしても、そういう聞き取りの結果を総体としてまとめまして、問題がある者については今お触れになったような文書の形にまとめた、これがいわば記録であるということでございます。
#193
○保坂委員 そうしますと、よろしいですか、前回武藤官房長が答弁されたのは、本人の記憶に基づいた過去の接待あるいはいろいろな行動、規律違反等についての申告書は、もう所定の目的を遂げたので返してしまいました、すなわち大蔵省にありませんというお話でした。今おっしゃったのは、金融機関に照会をしたかどうか。つまり私は、文書で照会したかどうかと必ずしも聞いていません。文書ではなくて、口頭であれ何であれ、照会した内容を、金融機関がお話しになったことは記録にとどめたのですね。それはどこにあるのですか。金融機関に返したのですか。
#194
○溝口政府委員 聞き取りをいたしたわけでございますから、その聞き取りの結果を総合して、今の、公表をいたしました文書の形に記録をしたということでございます。
#195
○保坂委員 官房長、ちゃんと答えてくださいよ。いいですか、金融機関に聞いたわけですよ、そして金融機関が答えた。つまり聴取した結果をメモなりあるいは記録なりに作成したのでしょう。その部分については金融機関に返したのですか、それとも大蔵省が持っているのですか。それだけでいい、ちゃんと答えてください。持っているか、持っていないか。
#196
○溝口政府委員 その点は、聞き取りをいたしたわけでございまして、そういうものはないわけでございます。そういうものはございません。
#197
○保坂委員 そうすると、それは何、全部記憶で頭の中に入れて、担当者が、あの銀行はどうだと言うと、こいつはと言うと、ぱっと思い出す、そういう仕組みだったのですか。そんなことができるのですか。おかしいですよ、そんなのは。やってみせてもらいたいぐらいです。
#198
○溝口政府委員 ちょっと私の説明が不十分であったかもしれませんが、それぞれ職員から、記憶をたどりまして、メモを出させたというのは事実でございます。それは調査が終わりましてお返ししたというのも、前の官房長がお答えしたとおりでございます。
 金融機関との関連で、保坂委員の方から、前回は、文書で聞いたのかということでございましたから、そうではございませんで、やりとりをしましたと。それで、実際に金融機関に参りましたのは、金融服務監査官とかそういう担当者が行っているわけでございまして、実際の作業上、担当者が途中のプロセスでどういうことをどういうやり方でやったかというのは私も詳細は存じておりませんけれども、最終的には、そういう聞き取りをした結果を、公表いたしました内容として記録にとどめたということでございます。
#199
○保坂委員 やはり武藤さんに来ていただくべきだったですね。引き継ぎがちゃんと行われていないですよ。
 これは私の質問主意書の答弁書にちゃんと書いているわけです、大蔵省は。いいですか、今回は、「調査対象者との個別面談、諸資料間の相互確認、」ちゃんと書いてあるわけです。「相手方民間金融機関等に対する問い合わせ等を必要に応じて並行的に」行って、総合的に勘案して処分を行ったということですから、同じことですよね。同じことを聞いているわけです、前回も。
 やはりそこはちゃんと引き継ぎをされて出てこられないとだめだし、そもそも新官房長は、これは明らかに情報公開法逃れではないですか。はっきり、今国会に提出されている情報公開法を意識して、記録はありません、全部返しました、どうなっているかわかりませんと。こんなことで納得できますか、国民が。
#200
○溝口政府委員 今回の調査は、一つは本人からの申し立てたメモ、それからそれを突合するという作業、それから相手方の金融機関につきましても、問題があると思われる者につきまして聞き取りを行う、それから本人自身に話を、金融監査官なりあるいは服務管理官が聞くということで、総体的に行ったわけでございます。
 なぜこういうことになったかと申しますと、過去五年にさかのぼりまして、非常に記録の薄いところがあるわけでございますから、そこを総体として把握する必要があったわけでございまして、その総体をまとめたわけでございますので、その点はぜひとも御理解を賜りたいというふうに思います。
#201
○保坂委員 本当にこれははっきりしてほしいのですよ、新官房長。今回のようなことはかつてなかったことなのです。何で今回のような大量処分をせざるを得なかったのかといったら、過去の慣例によってやってきたわけでしょう。現金の受領さえなければ、飲食接待やゴルフも含めて歴代続いてきたことが、今回問題になったわけですね。過去の慣例や慣習にとらわれていてはいけないのですよ。例えばこの紀律保持委員会にしても、前回の答弁では、新しくできた金融服務監査官にしても、大蔵省では議事録なるものをつくる習慣はございません、当省ではこういったものはつくりません。これまでそうだった。これまでが問われたのだから、これからきちっとしなければいけないのではないですか。何が疑惑だったのか、何が不祥事だったのか、どのように判断したのか、それを残すのが新しい信頼回復への道でしょう。これは正面から答えてください。
#202
○溝口政府委員 繰り返しになって大変恐縮でございますが、過去にさかのぼるという作業でございましたので……(保坂委員「そんなことは聞いていない、これからのことを聞いている」と呼ぶ)したがいまして、議事録一般ということになりますと、こういう問題を離れましても、役所の中でいろいろな会議がございます。ございますが、私ども途中の段階で、会議というのはしょっちゅう、この問題とは別でございますけれども、あるわけでございまして、議事録のような形で何か記録を残すということは余りないわけでございます。途中のプロセスにおきましては、それぞれが問題を認識しているわけでございますから、それぞれの頭の中にあるなり、あるいはそれぞれの人が覚えているわけでございまして、議事録のような形で内部の会議をとどめて、それで仕事を進めるという形はとらないわけでございます。
 いろいろなものは、最終的には文書になります。政策であれ、今回のような決定であれ、文書になるわけでございますけれども、その過程にはいろいろなプロセスがあるわけでございまして、その点は御理解を賜りたいというふうに思うわけでございます。
#203
○保坂委員 端的に聞きます。紀律保持委員会、そして今回の金融服務監査官、どの金で運営しているのですか。だれのお金でこれは持たれているのですか。弁護士が出席するとすれば、その謝礼はどこから出ているのですか、答えてください。
#204
○溝口政府委員 紀律保持委員会の委員には、各局の総務課長クラス、それから金融監査官はほかの仕事を兼務しながらやっているわけでございまして、それぞれの職務の一環としてやったわけでございます。
 それから、弁護士さんにつきましては、それは所要の謝金のようなものはお支払いを申し上げているわけでございます。
#205
○保坂委員 それはどこから出ているのですか。つまり、国民の税金なんですか、あるいは皆さんのポケットマネーですか。
#206
○溝口政府委員 大蔵省の職務を遂行するために所要の予算が計上されているわけでございまして、一般論で申しましたら、それぞれの任務を遂行しながら、その中で対応しているということでございます。
#207
○保坂委員 だとしたら、大蔵不祥事への怒りが強いというのはそこでしょう。まさに、本来最も高い倫理性を持たなければいけない官僚がこんな実態だったのかと。信頼を回復していくのでしょう。信頼を回復していくのなら、これまでのやり方をやめて、不祥事や規律に関する審議をしているのだから、きっちり記録も残して、国会の求めがあればこれを出す、こういうふうに転換するべきじゃないですか。
#208
○溝口政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、国家公務員法上の処分を受けた者につきましては、これは事柄の重要性に基づきまして、概要が判明した者につきまして、それを整理して、公表させて、国会にも提出をさせていただいたわけでございます。
 それから、内規処分を受けた者はどうかということがございましたが、内規処分につきましても、先ほど申し上げましたが、訓告、文書による厳重注意を受けた者につきましては氏名を公表させていただいたわけでございます。
 それから、そういうものの内容につきましては、私どもとしては、職員に対するこれからの意欲でありますとか、あるいはいろいろなものに対する、家族に対する配慮等、いろいろなことも考えまして、その部分はそういう、今申し上げましたような取り扱いにお願いをしてさせていただいたということでございますので、ぜひとも御理解を賜りたいと存じます。
#209
○保坂委員 委員長、ぜひお願いしたいのは、お聞きしていることに全く答えないで、別のことをお話しになっているのはよくおわかりだと思います。私が言っているのは、これからきちっとこういう疑惑に答えて、記録は今までしてなかったのなら記録をして、国民への信頼回復にこたえるようにど求めているわけです。全くお話にならないわけです。非常に答弁が不十分で、例えば先ほどのやりとりでも、本人の自己申告は返しましたと、そして金融機関の聴取に対しては、何だか全部記憶したようなことも言っているし、そうでないようなことも言っておられる。こういうことをきちっとしていただきたいのですね。
 ですから、委員長にぜひお願いをしたいのは、これからの大蔵省がこんなことを繰り返さないために、官房長は今の規律保持の責任者でございますから、同じ往復になっていることを踏まえて、ぜひ委員会として、こういった点の、出す資料は出せ、つくるものはつくれというふうに申していただきたいということを要望して、私の質疑を終わります。
#210
○原田委員長 ただいまの件については、理事会で協議して対処することにいたします。
 次回は、来る二十七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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