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#1
第142回国会 決算行政監視委員会 第11号
平成十年六月三日(水曜日)
    午前九時一分開議
出席委員
  委員長 原田昇左右君
   理事 佐藤 静雄君 理事 高市 早苗君
   理事 穂積 良行君 理事 村田 吉隆君
   理事 上田 清司君 理事 海江田万里君
   理事 大口 善徳君 理事 石垣 一夫君
      臼井日出男君    大野 松茂君
      粕谷  茂君    久野統一郎君
      河野 太郎君    桜田 義孝君
      園田 修光君    田邉 國男君
      戸井田 徹君    中野 正志君
      萩山 教嚴君    堀之内久男君
      矢上 雅義君    石井 紘基君
      古賀 一成君    城島 正光君
      末松 義規君    山本 譲司君
      山本 孝史君    田端 正広君
      山中 Y子君    若松 謙維君
      西川太一郎君    佐々木憲昭君
      中林よし子君    保坂 展人君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
 出席政府委員
        人事院事務総局
        管理局長    尾木  雄君
        防衛政務次官  栗原 裕康君
        防衛庁長官官房
        長       大越 康弘君
        防衛庁人事教育
        局長      坂野  興君
        防衛庁装備局長 鴇田 勝彦君
        防衛施設庁長官 萩  次郎君
        防衛施設庁総務
        部長      西村 市郎君
        法務省刑事局長 原田 明夫君
        外務省経済協力
        局長      大島 賢三君
        大蔵政務次官  塩崎 恭久君
        大蔵省主計局次
        長       寺澤 辰麿君
        大蔵省国際金融
        局長      黒田 東彦君
        厚生大臣官房総
        務審議官    田中 泰弘君
 委員外の出席者
        総務庁行政監察
        局企画調整課長 熊谷  敏君
        法務省刑事局刑
        事課長     藤田 昇三君
        大蔵省主計局司
        計課長     田頭 基典君
        会計検査院長  疋田 周朗君
        会計検査院事務
        総長官房総務課 船渡 享向君
        長
        会計検査院事務
        総局第一局長  深田 烝治君
        会計検査院事務
        総局第二局長  諸田 敏朗君
        決算行政監視委
        員会専門員   天野  進君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月三日
 辞任         補欠選任
  粕谷  茂君     河野 太郎君
  熊谷 市雄君     大野 松茂君
  滝   実君     戸井田 徹君
  山口 泰明君     園田 修光君
  島津 尚純君     城島 正光君
  前田 武志君     山本 孝史君
  米津 等史君     西川太一郎君
  佐々木憲昭君     矢島 恒夫君
  村山 富市君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  大野 松茂君     中野 正志君
  河野 太郎君     粕谷  茂君
  園田 修光君     山口 泰明君
  戸井田 徹君     滝   実君
  城島 正光君     島津 尚純君
  山本 孝史君     前田 武志君
  西川太一郎君     米津 等史君
  矢島 恒夫君     佐々木憲昭君
  保坂 展人君     村山 富市君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 正志君     熊谷 市雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 歳入歳出の実況に関する件
 行政監視に関する件
     ――――◇―――――
#2
○原田委員長 これより会議を開きます。
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河野太郎君。
#3
○河野(太)委員 おはようございます。自由民主党の河野太郎でございます。よろしくお願いします。
 まず、人事院にお伺いをいたしますが、人事院の行政官長期在外研究員制度というのがございますが、これによって海外へ派遣されている留学の人員が最近ではどれぐらいの数字で推移をしているか、まず教えていただきたいと思います。
#4
○尾木政府委員 人事院におきましては、政府職員の長期在外研究員制度といたしまして、昭和四十一年から国際化に対応する要員の養成を目指しているところでございます。当初、発足しました昭和四十一年におきましては十八名でスタートしたわけでございますけれども、近年の状況で見てみますと、この十年、例えば昭和六十三年から平成十年までの間に約二倍、すなわち三十四名から七十三名にということで、逐年三名ないし五名増加しているという状況でございます。
#5
○河野(太)委員 七十三名ということでございますが、例えばお隣の韓国を見ておりますと、韓国は、同様の制度で毎年、ここ四、五年は少なくとも二百名、多い年には二百七十名海外に官僚を派遣して勉強してもらう、そういう制度をとっているようでございます。それから比べると、この七十三名という数字は大変に少ないのではないかと思うのでございますが、人事院は、そうしたことも考えてできれば倍増したい、そのような意思があるように聞いております。しかし、現実は大体三名から五名の増員、そういうことにとどまっている。そういうことで、人事院の方、よろしゅうございますでしょうか。
#6
○尾木政府委員 行政における国際交渉あるいは国際協力等の国際関係や業務が増加しているとか、あるいは行政全般につきまして国際的視点で対応すべき業務がふえてきているという実態の中で、この長期在外研究員制度の増員というのは、人事院としても大変熱意を持っているところでございます。
 今御指摘がございましたように、大韓民国政府におきましては、近年急速にこの長期留学制度を充実させているということを我々としても承知いたしております。そうした中で、財政事情等を勘案しながら、そこのところはふやしていただくようにということでお願いをしているという状況でございます。
#7
○河野(太)委員 国際化が進む世の中でございますから、こうした国際化に対応できる人員を養成しなければいかぬというのは、日本国政府の中あるいは各省庁でも大変重要なことだろうと思いますが、現状では、人事院がふやしたいと言っても、なかなか大蔵省の査定が厳しくてふえない。最新の数字は七十三名、予算にして大体八億円程度だそうでございます。
 それで、これでは各省庁本当に必要な人員の数がふえないということで、いろいろと各省庁が頭を絞って、独自のやり方で海外にその省の方々をお送りしている、そういうことなんだろうと思います。例えば通産省は、ジェトロを利用して、ジェトロに出向させてそこから海外へ送り出す、そんなことをやっておりますが、大蔵省は世銀のファンドを使っているわけでございます。
 人事院が人数をふやせと言っておりながら、大蔵省が何らかの理由で余りふやしてはいかぬ、三人ふやそうとか五人ふやそうとか、大蔵省がそう言っておきながら、実はその当の大蔵省が、これじゃ足らぬといって、大蔵省独自の形で海外に大蔵官僚を送っているわけでございますが、その送り方に私は大変に問題があるだろうと思います。
 一つは、大蔵省が世銀に日本特別基金、ジャパン・スペシャル・ファンドという形で拠出をしております。これは、ODA予算に計上されているODAでございます。ODAといっているお金、しかも世銀に拠出したお金、世銀に渡したお金を利用して、毎年毎年大蔵省が海外に留学をさせているというのは、予算の目的からしても、大蔵省が拠出金を世銀に出しているという目的に照らし合わせても、これはおかしいのじゃないかと思うのですね。
 具体的に言いますと、世銀の中にジョイント・ジャパン・ワールド・バンク・グラジュェート・スカラシップ・プログラムというのがございます。これは、今政務次官がお手元にアニュアルレポートを持たれておりますが、その表紙にも出ているように、開発に関する専門家を途上国に養成しよう、そういう専門人員を途上国に育てるためにこのお金を使ってもらって海外へ留学してもらおう、そういう制度でございます。それは、この中に、私の手元にもこのJJ/WBGSPの要綱がございますが、その中にもはっきりとうたわれております。
 ところが、そういうプログラムを利用して、日本人が、昨年までの数字でいえば七十五人、この金を使って海外留学をしております。別に日本人だって、開発に関する専門家を育てるのだから日本人が行ってもいいではないか、そういう御意見もあるかもわかりませんが、この七十五人の日本人の内訳を見ておりますと、そのうち四十七人が大蔵省の人間でございます。国税庁が二名、そのほかにOECFが十名、輸銀が九名、国際金融情報センターが一名、いわば大蔵省と大蔵省のファミリーがこの金を使って留学しているわけでございます。
 それ以外に六人、大蔵ファミリーでないという方がいらっしゃいますが、この六名を見ておりますと、例えば社団法人海外コンサルティング企業協会から人が行っている。ECFAというこの団体については、また別途改めていろいろ政務次官にお伺いをすることがあろうかと思いますが、きょうの本題からは外れますのでここは外させていただきます。
 この世銀への拠出金を利用して、世銀への拠出金によってつくられたプログラムによって大蔵省並びに大蔵ファミリーがこのように多数留学をしているという事実を知って、主計局はこの世銀への拠出金の予算をつけているのかどうか、まずそれをお伺いしたいと思います。
#8
○寺澤政府委員 お答え申し上げます。
 財政当局といたしましても、当プログラムは、途上国の人材育成及び先進国を含みます国際開発金融機関を中心とした開発問題に従事している人々、人材の能力強化に資することを目的としたものであるということは認識をしております。このプログラムはその目的に沿って執行されておりますけれども、その具体的運用は世銀当局にゆだねられているものでございます。
 先生御質問の、財政当局として事実を知っているかということにつきましては、予算編成時におきまして各年度の要求の中身をヒアリングいたします中で、過去の実績について、どういう方々が選ばれているかということについて把握しております。
#9
○河野(太)委員 大蔵省出身の我が同僚の話では、世銀のこのプログラムは、人事院の派遣と比べると待遇面でやや劣るそうでございます。ですから、大蔵省は、まず省内で選抜をして、人事院に上の方から応募させる、それで足りない者が世銀に回る、そういうことが大蔵省の中で広く一般に言われているそうでございます。
 今、発展途上国並びに先進国においてこういうことをやっているのだというお話でございましたが、確かに先進国という枠は、この世銀の出しました書類を見ると、インダストリアライズドカントリーズということで出ております。インダストリアライズドカントリーズという複数形になっておりますが、過去数年間さかのぼっても、日本以外の国から行っていないのです。要するに、インダストリアライズドカントリーズじゃなくてインダストリアライズドカントリーじゃないか、もっと言えばジャパンなのです。
 確かに、応募件数は行っている人数を上回っております。九五年度、インダストリアライズドカントリーの応募者は十七人でございますが、行ったのはそのうち日本人七名でございます。九六年は四十三名の応募があり、日本人九名が行っております。九七年度は二十九名の応募がありますが、行ったのは日本人十四名でございます。このプログラムの対象者を選考する過程において、大蔵省は世銀と何か打ち合わせをして、ぐるになって選考者を選んでいるのではないかと考えられますが、大蔵省、いかがでございますか。
#10
○黒田政府委員 お答えいたします。
 留学生の選考につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおり、世銀の事務局に任されておるわけでございますが、具体的には、事務局に設置されました運営委員会というところで行われております。その際には、この運営委員会自体に大蔵省は関与しておりません。また、選考に係る枠というものも特別には設けられておりません。
 なお、運営委員会の委員は、世界銀行の職員が四名及び理事が三名ということで構成されておりまして、理事の選出委員は理事会が、それから銀行の選出委員は総裁がそれぞれ選任しているところでございます。
#11
○河野(太)委員 建前はもちろんそういうことなのだろうと思いますが、実態としてこういう実態でございます。極めて不透明と言わざるを得ない。本当にそういう建前でこれが実態であれば、世界銀行の中すら何かおかしなことが行われているのではないか、そう疑わざるを得ない状況でございます。
 この情報を、私は昨年の五月の連休あたりからずっと調べてまいりました。世銀にも参りましたし、関連で、フィリピンにありますADBにも一度参りました。世銀の職員の中には、あからさまにごのプログラムに関する批判をする外国人の方がいらっしゃいます。日本は拠出金として出しながらどうもおかしいのじゃないか、かなり大蔵省がいろいろと世銀に対して言っているのではないか、そういう批判をする人間が世銀の中におります。そういう人間が、まず最初にいろいろな資料を私のところに送ってきてくれたわけでございます。
 世銀の情報公開センターというのが東京にございます、あるいは世銀の本部に、こういう情報を出してほしい、こういうことを調べているので資料をくれないかという連絡をいたしますと、決まって返ってくる答えが、まず大蔵省に聞いてくれ、まず日本の大蔵省に聞いてくれ、そういう話でございます。次に、大蔵省に確認をするからちょっと待ってくれ。あるいは、大蔵省の許可が出ないから資料は出せない、そういう返答をいただいたことすらございます。
 日本が世銀に対して拠出金という形で出している以上、そして、今大蔵省の方からも言われているように、世銀のお金になるわけでございますからへ世銀がそれをどう使うかというのは世銀の情報公開ポリシーに基づいて公開されるべきであって、世銀が情報公開をしようというときに、一々大蔵省の了解をもらったり、大蔵省に聞いたり、あるいは世銀が大蔵省からその資料はもらってくれと言うこと自体、おかしなことだろうと思います。
 私は、この世銀に対する拠出金について、世銀に対してきちんと情報公開をせよと、ジャパン・スペシャル・ファンドに関する情報は、その使途あるいはどういうプロセスで使い方が決まっているのか、そういうことをすべてオープンにしろと大蔵省が世銀に申し入れをして、世銀が、わかった、すべて情報を公開しよう、そう同意したときに限って次年度からは拠出金を出すべきだと私は思いますが、きょうは大臣はいらっしゃいませんので、まず、政務次官に、そのことについてどうお考えになるかということをお伺いをしたいと思います。
 それと、もう一つ、日本から海外に官僚を送って国際化に対応できる人材を育てるということは、この国際化の時代、ごく当たり前のことだろうと思います。私は、この七十三人という数字は、そのニーズに比べると大変に少ないと思っております。これをふやさなければいかぬ。しかし、今のように各省庁がてんでんばらばらにやっている、この状況もいかぬと思いますし、特に大蔵省の、この世銀に出した拠出金を使って、裏金のような形で官僚を送っているということは、これは決してやるべきでないと思います。大蔵省は、まず、この大蔵官僚を海外に送っている世銀の拠出金を、その分削減をして、その分を人事院の予算に次年度から振りかえるべきではないかと思いますが、それについても、大蔵大臣の代理としての政務次官にお伺いをさせていただきたいと思います。政務次官、よろしくお願いします。
#12
○塩崎政府委員 お答え申し上げます。久しぶりに衆議院の委員会の部屋で声を出させていただくことを河野先生に機会をつくっていただきまして、ありがとうございました。
 日本スペシャルファンド、ジャパン・スペシャル・ファンドの件につきましてでございますが、今回、御質問いただくということで、私も初めて勉強をさせていただいて、私も正直言って知らなかった点がたくさんございました。そういう意味で、今回のこの御質問をいただいたことを契機にもう一回洗い直しをしたいというふうに、私は個人的に思っております。
 御質問、二つあったと思うわけでございますが、一つは情報公開の問題でございますが、大蔵省がうんと言わなければなかなか情報公開もされない、あるいはまた、世銀のディスクロージャーも大蔵省のお墨つきがなければいけないのではないかというようなことが考えられるわけでありますが、やはりこの辺は、私ども、日本政府としてお金を出す以上はきちっとした情報公開をしていかなければならないし、そこに何があるのか、それは今まで、過去のいろいろ長い経緯の中で、私も、後ほど申し上げますけれども、いささか納得できないことがあっても出していかなければいけないという意味で、情報公開はきちっとやるべきだろうというふうに思います。
 それから、国際人としてお役人がきちっと海外でも研修を積んでいけということについては、私も全く同感でありまして、先ほどの韓国の数字、韓国と比べて日本が余りにも見劣りをするということで、私もそれは随所に実は感じているわけでございまして、そういう意味で果たして、今の人事院の七十三人ですか、この程度では、とてもじゃないけれども国際人として日本の役人が活躍していくことにはならないんだろうというふうに思っているわけでございます。
 このファンドについて、どういう形で何をマンデートとしてスタートしたのかということをもう一回ちょっと振り返ってみますと、八七年から実はこの奨学金は出ているわけでありますが、八九年にまとめてスペシャル・ファンドというのにしました。そのときは、今の総理が大蔵大臣でありまして、その中で提案を総会でしているわけですね。
 それを見てみると、目的は二つあって、一つは「世銀を通ずる開発途上国への技術援助」、それから「開発途上国において政策立案とその実施の責任を双肩に担う人材を育成すること」などと、こう書いてある。二つと「など」ということであって、ややそれがファジーでありますけれども、しかし明確に、「開発途上国において政策立案とその実施の責任を双肩に担う人材を育成する」ということでありますから、先ほどの世銀の方が出しているものにおいても、社会経済発展の、言ってみればエキスパティーズを開発途上国において養うということが目的ということでありますから、まさにその開発途上国の人たちが主な対象であることは、もう間違いないことだろうと思います。
 そういう中で、さっきお話ありましたインダストリアライズドカントリーズというのがありますけれども、これは実は、今御指摘のとおり、九三年から日本だけ行っているわけであります。その前、六年ありますけれども、例えば始まった八七年は、七人のうち三人はアメリカ、カナダ、アイスランドというところから行っています。あとアメリカ、ベルギー、スウェーデン、イタリア、こんなところがぱらぱら行っておりますけれども、さすがに、九三年からは日本からしか行っていなくて、それもかなり大蔵省から行っているということで、私もやや、タコが自分の足をかむような話というのはやはりおかしいんじゃないかというような感じがいたすわけでございます。
 しかし、もう一回振り返ってみて、今、我が国の行政マンを育てる、特に、国際社会の中でどうやって国際人を育てていくかということを考えてみると、今の七十三人の枠ではとても足らない。韓国でも二百数十人、であれば、国力からいったら恐らく日本はその十倍ぐらい行ったっておかしくはないわけであります。
 ところが、人事院でのやり方というのを聞いてみますと、これは人事院の予算ということではなくて、各省に一つ一つ割り振っていって、それぞれの役所がこれだけ出したいというのを出してくる、そこで認めているという格好になっているらしくて、人繰りの問題というのもあるようなんですね。
 私も、ちょっと各省別で見てみると、例えば公取なんというのは、まさにこれからビッグバンではんばん競争しないといけないという中にあって、例えばこれは、十年度は公取はゼロであります。それから、防衛も大事でありますけれども、たった二人。環境庁、環境問題は大変大事でありますけれども、一人。この程度でやっているわけであります。法務省、これもいつまでも日本のことだけで、国内だけでやっていくわけにはいかない役所でありますけれども、これも一人だということでありますから、本当は人繰りがつきさえずれば、やはり正々堂々と人事院の予算でもって      ―――――例えば五倍ぐらいにしたって私はいいんじゃないかと思います。たった八億で、五倍にしたって四十億でありますから、そのぐらいのことは財政構造改革の中であったって、何かの工夫ができるんじゃないかと思うわけであります。
 あとは、問題は、それぞれの役所が本気にそれだけ人繰りをしながら出していくだけの、国際的に開かれた心を持っているかどうかということが大事なんじゃないかなというふうに私は思うわけであります。私としてはやはり今、このスペシャル・ファンドについては、このままこのような形で大蔵省の人が、公募は去年から始めましたけれども、日本人の中で大勢を占めていくというようなこと自体はおかしいし、世銀の方のディスクロージャーを見てみても、やはり期待しているのは、開発途上国からの人材を育てるために使いたいというふうに思っていることは、私は随所にあらわれているんだろうと思っております。
 では、今すぐこれをやめてしまって、大蔵省から行っている役人が海外に行くことをやめることがいいのかどうかということを考えると、これはまた別問題であって、むしろ、後ろ向きの発想じゃなくて、これをつけかえられるかどうか。それは、つけかえていったって私自身は構わないと思いますけれども、では、その分、人事院が大蔵省が今送っている人材をそのまま認めるかどうかといったら、多分認めないだろうと思うのですね。
 大蔵省は大体、今の時点で輪切りにすると、世界に百十一人、T種の人たちだけで海外に出ております。これが多過ぎるというのだったら別でありますけれども、私はむしろ、ほかの役所だってもっと出ていいのじゃないか、あるいは出るべきだろうというふうに思っております。
 なお、その予備軍としての留学生をどうやって育てるかという中で、これを支えるだけの枠を人事院がちゃんと、人事院の枠でとれるかどうかということを考えてみると、もう少し検討しないといけないのかなという感じがいたすわけでございます。
#13
○河野(太)委員 昨年、フィリピンのADBに参りました。私が行く前は、大蔵省からADBに対して、ジャパン・スペシャル・ファンドがどのように使われているか一切明らかにしてはならぬ、そういう指示が出ておったそうでございます。それぞれのプログラムの資料にも、これはJSFを使っている、そういう旨の記載を一切してはいかぬということで、日本は金を出しておきながら、その金がどういうふうに使われているかアピールをすることが一切できなかったそうでございます。
 それが、昨年の夏、どういうわけか変わりまして、これからは、JSFはJSFと明記せよ、そういうマニュアルまでつくって、ADBに指示が出たそうでございますが、今の大蔵省が出している各国際金融機関に対する拠出金の中身というのが、非常に不明確、情報公開をわざわざ拒むようなやり方をやっているのは、きっと世銀、アジ銀だけではないのだろうと思います。そういう面をきちんと正すような努力を、政務次官としても行っていただきたいと思います。
 ことしの予算に、最終的な本会議の予算の記名投票で、私も賛成票を持って賛成をいたしましたが、こうした不可思議なお金の使われ方をしている予算が含まれているのがわかっていながらむざむざ賛成をするというのは、非常にじくじたるものがございます。今のように、政府が提案した予算を一字一句変えない、一円たりとも中のやりくりをしないで、ただ政府提案を賛成するのか反対するのか、こんな予算の国会審議は、そろそろやめる時期に来ているのではないかと思います。
 政府に予算の編成権はあるかもわかりませんが、それを通すかどうかは、国権の最高機関である国会の仕事でございます。政府の出した予算の中におかしなところがあれば、国会がそれを修正するのは当たり前でございます。特に、こういう拠出金を乱用して、人事院の予算をふやさぬ大蔵省の役人が、自分のところのODA予算で海外に留学していく、こんな使い道は、政治家であれば、ほとんどすべての人間がおかしいと思うはずでございます。
 政府提案の予算を、そうした詳細を見て、今の七十三人を二倍にするか三倍にするか、そこは政策の判断でございますからお任せをするとして、こういうおかしなお金の使い方は、やはり予算から削る、あるいは予算を修正する、そういうことを、国会はきちんとこれからやっていかなければいけないのではないかと思います。
 そうした国会の権利をきちんと確保した予算審議を今後やっていただきますことを、広く、きょう出席の議員の皆様、あるいは衆議院の皆様にお願いをいたしまして、きょうの質問とさせていただきます。
 政務次官には、今後この問題に関して、大蔵省の内部できちっと善処をしていただきますことをお願い申し上げます。
 どうもありがとうございました。
#14
○塩崎政府委員 今、河野委員からお話ございましたように、この問題を含めて、今いろいろ改革をしようということでございますけれども、やはり透明性というのはキーワードでありまして、それを守るべく、大蔵省の中でも、この点を含めて明らかにしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#15
○原田委員長 次に、石井紘基君。
#16
○石井(紘)委員 石井紘基でございます。
 防衛庁の装備品発注に絡む過払い疑惑の問題について質問させていただきます。
 まず最初に、法務省に伺いたいと思いますが、背任罪というものの構成要件はどういうことになっていますか。
#17
○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。
 刑法二百四十七条に定められております背任罪は、他人のためにその他人の事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図り、または本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をする、そして、それによりまして本人に財産上の損害を加えたときに成立する罪であるとされております。
#18
○石井(紘)委員 ある人が自分の利益のために本人に対して損害を与える、あるいは他人の利益のために本人に対して損害を与える、簡単に言えばこういうことでしょう。
 そうすると、他人の利益のためにその本人に対して損害を与えるというのは、これもやはり、自分の利害と関連した意味で他人の利害のためにということになるのでしょうか。
#19
○原田(明)政府委員 先ほど申し上げました中での自分自身または第三者の利益を図ることですから、その点では、自分または第三者の利益を図ることが一つの概念でございます。
 そういうことである以外に、本人に損害を加える目的でということで、いわば目的がこの罪の、背任罪の構成要件になっているわけでございますが、それは、自分または第三者に利益を与えるかどうか、そういうこととかあるいは本人に損害を加える目的があったということが構成要件とされているわけでございます。
#20
○石井(紘)委員 防衛庁の調達実施本部は、装備品の発注に絡んで、払わなくてもいいお金を、莫大なお金を払っておった。これを処理するのに、結局は商法の時効の期間が五年間だということで、発覚した平成六年、一九九四年からさかのぼって五年間を調査したというわけですね。そして、約二十一億を四社に対して返納させたということなんです。
 一つは、このやり方において、前回の安全保障委員会における長官を初めとする防衛庁側の答弁によりますと、どういうことであったかというと、これはどの分を返させたということをしていない、どこがどういう形でやったかはつまびらかになっていない、返納の法的根拠については確たるものが得られないという状況の中で、先方に対して包括的に返納させたのだ、だから結局、その会社の損益計算書を見て、損益計算書というのはその会社の年度年度の決算の書類でありますので、それを見て、包括的に大体このぐらいであろうということでもって取り返したという説明であったわけであります。
 ということは、要するにこの過払いの根本は、工数と言われる、つまり、だれが何人でどのぐらいの時間この生産活動にかかわったかということの工数の問題であるにもかかわらず、そういうところのチェックをし直さなかったということにおいて、しかも、幾らを返納させるかという金額の確定については、いわば和解であったために、そのときの双方のいろいろなネゴシエーションといいますか、やりとりの中で最終的に、まあこのぐらいで適当であろうというようなことで決めたのだということであるわけです。ということは、正確に防衛庁の装備品についての価格が幾らであったかということではないということですね。そのことが一つ。
 それからもう一つは、商法の規定で五年間だということです。だから、それ以前については調べていないのだ。ということは、それ以前にも過払いがあったということについてはほぼお認めだったわけですね。
 この二つの問題というものは、これは、国に対する損害を明らかに与えたことになるわけであります。そこで、この問題の解決というものは、そこの責任を明らかにしない限り解決になりません。どういう責任を考えておられるのかということを長官に伺いたいと思います。
#21
○久間国務大臣 先般もほかの委員会で申し上げましたとおり、今石井議員がおっしゃったとおりの経過でございます。
 ただ、先ほども石井議員本人もおっしゃられましたけれども、その当時過払いした金額が幾らを過払いしているのか、それをきちっとした根拠に基づいて取り立てることができないというようなために、そのときに、一種の和解契約みたいな形で解決をしておるわけでございます。そのときの根拠になった数値等についても、会社側の方も、過去のものについては、いわゆる提出した資料はあるけれども、それの原票等はないというような、いろいろな中でそういうふうに決まったわけでございます。そういう意味では、いわゆる国に損失を与えたかどうか、そこのところははっきりしていないわけでございまして、過払いしたのは間違いない、ところが、過払いが幾らだったのかということのやりとりの中で一種の和解契約として解決をした、そういうことでございますので、この問題については私どもは強制調査権もございませんので、それ以上の確定する方法はいまだに、特別委員会をつくって調査しておりますけれども、ないということでございます。
#22
○石井(紘)委員 国に損害を与えたかどうかははっきりしないということは、それは全くの間違いだと思います。こういう答弁は通らない。時間の関係でこの問題は後にします。
 そこで、鴇田さんが先日答弁をされたのは、個別原価資料は各企業にも残っていないということで、九四年当時発覚をして、そして、さて幾ら過払いがあったか、それを調べようというときに、資料は残っていない、企業の方にも残っていない、自分の方にもないという答弁をされたのですが、これは私は確認してきたのですが、企業の方にはその当時はあった。それはあるはずですよ。九四年ですから、その前の年、前の年と五年間さかのぼるわけですから、これはなかったら処罰される問題です。法律にひっかかる問題です。ですから、これはあったはずですよ。その九四年当時に資料がなかったということを言われたというのは、これはうその答弁だというふうに思いますけれども、どうなんですか。
#23
○久間国務大臣 企業側から国に出した資料等はあるわけでございます。しかし、その資料が本物かどうかをチェックする資料がないわけでございます。そういうことで、あの当時、とにかく損益計算書とか、そういう残っている公的な資料をもとにしてはじき出して、やはりこれはおかしいじゃないか。おかしいことはわかったわけでございますけれども、その金額が、本当に正確な数字は幾らなんだという意味でのきちっとした数字はつかみ切れなかったということなんです。
 私が先ほど国に損害を与えていないと言ったのがもし誤解してとられればいけませんので、国が過払いをしておったというのは事実でございますから、それに対して返納をさせたわけでございますけれども、ところが、先ほど背任罪の話をしておられましたが、そういう意味での国に損害を与えたかどうかははっきりしないというのは、私どもの方としてはっかみ切っておらない、そういうような意味で言ったわけでございます。過払いの分として二十一億数千万円を返還させているわけでございまして、そういう意味では、過払いをしたというのははっきりそれはもう国に損害がそのとき発生しておって、それをとにかく和解契約という格好で取り返したということでございます。
#24
○石井(紘)委員 法律に従っての和解契約ですから、私は、それは企業との間はそれで一たん済んだと思いますよ。ただ、そこで、その計算方法は極めて大づかみであったということが一つ。それから、それ以前の過払いがあった。これは、なかった証拠があったら言ってください。そうでしょう。そうしたら、国に損害を与えていませんか。
#25
○久間国務大臣 五年よりも前にそういう過払いはあっただろうということは、これまでの経過からいって、私もそう推定いたします。しかしながら、そのときに、和解契約を結ぼうとするときに、商事の時効も五年でございますから、五年以上前の契約について取れるかどうかという、その辺が判断としてあったのじゃないかと思います。
#26
○石井(紘)委員 国の予算というものは商事と関係ない。国民の税金というものは商事の解決と関係ない。商事の解決は五年となっているけれども、それ以前に莫大な払い過ぎがあったということが、会社と和解契約を結んだからそれですべて済んだというものじゃないのです。国の予算というのは、そうやって不当にやり過ぎたものというのは、また商事とは別の問題だということを認識してもらわなきゃ困りますよ。長官、はっきりここのところは言ってください。
#27
○久間国務大臣 いや、それはもう委員がおっしゃるとおりでございます。私も、今言ったように、五年よりも前にも過払いがあったのじゃないか、そういう気がしますし、そういうことについてまことにもってけしからぬ、そういう気持ちは全く同じでございますが、ただ、和解契約で取ろうとする場合には、それは和解契約では取れないのじゃないかという問題も、それはあると思っております。
#28
○石井(紘)委員 和解契約で取れません、それは。そういう商法上のことじゃないのですから。これは国が、防衛庁が預かった国の予算を、国民の税金を、どういうわけか知らないけれども払い過ぎた、これが残っているわけですよ。これは国に損失を与えたということじゃないですか。そこははっきり認めなさいよ、もう一回。認めるまで何度でも言いますから。
#29
○久間国務大臣 それはもう本当におっしゃるとおりだと思います。それは、国がそれだけの損害をこうむっているわけでございます。
#30
○石井(紘)委員 そうしたら、それについて徹底した調査と、そしてそれの責任をとらなきゃいかぬじゃないですか。責任はどうなっているのですか、責任は。
#31
○久間国務大臣 だから、先ほどから言いましたように、五年以上前にさかのぼって、いつの時点からそういうふうになっておったのか、その問題もあるわけでございますけれども、五年間手前はとにかくこれを回収しなければならないということで、一生懸命やった。そのときですら、その金額が本当に確たる数字は幾らなのかということをなかなかつかみ切れなかったという実態でございまして、五年以上前、だれの時点に、どの内閣の時点で、どういうような損害を国に発生させているかということについては、つかみ切っていないということでございます。
#32
○石井(紘)委員 過払いがあるということまで、国に損失を与えているということまで言われたのだから、それは責任の問題が生ずるということを、一言大臣言いませんか。国に損失を与えたけれども責任はないというのですか。そこのところ、イエスかノーかで言ってください、時間がないから。
#33
○久間国務大臣 どの時点で責任があるかということなんでございまして、四年前に、その調査をしたときに責任があるかというと、私はその時点ではないのじゃないかと思っております。
#34
○石井(紘)委員 そうすると、いつの時点であるのですか。
#35
○久間国務大臣 過払いをした時点、あるいはまた、十年前になりますか、五年前になりますか、六年前か知りませんけれども、監査なんかをした場合にも、監査で見逃したというような時点、それぞれのところにおいてそれは全部責任が発生しているからこういう問題が起きているわけでございます。それはもう、そのとおりてございます。
#36
○石井(紘)委員 長官のここにいられる時間の都合があるようでございますので、私は、一たん若松委員に時間を交代させていただいて、また続けさせていただきます。
#37
○原田委員長 若松謙維君。
#38
○若松委員 平和・改革の若松です。久間長官、これから参議院に行かれるということで、五、六分ですけれども、大変重要な問題ですので、私も石井議員と同じ問題を取り上げさせていただきます。
 二点伺います。
 まず、今回のこの疑惑がなかなか晴れないのは、いわゆる昨年の十一月の決算がありまして、一般契約しかなかったというのが、途中で、中途確定契約があった。そういう話から、では、それに対して書類はどうなのかというと、書類はないと。さらに、では、返納額はどうやって計算したかというと、和解契約だと。それじゃ疑惑は晴れないわけですよ。それを、それしかないんですよというのを、防衛庁、当事者が言ったってだめなんですね。自己証明は証明にあらず。これを前提に二つ話させていただきます。
 ちょうど平成六年以降、この問題がいろいろやりとりされているときに、まず、名前は申し上げませんけれども、調本、この原価監査課長ですね、I氏ですか、この方がこの東洋通信機に天下りしております。それ以降も二人天下りしております。いわゆる監査をする側から監査される側に行っておるわけですよ。その間にこの和解契約をやっている。これに対して防衛庁としてどのように認識しているのか、ぜひ天下り問題も含めて答えてください。
 もう一つは、今回の、さまざまな議論をしているこの二十一億円、マスコミでは百億から七十億とかいろいろあります。それに対してこういう議論をしていたのでは疑惑は晴れません。疑惑を晴らす義務があるのが、防衛庁なんですよ。その二点についてお答えください。
#39
○久間国務大臣 まず第一点の問題でございますけれども、問題がある会社とやりとりをしておって、その直後にその会社に行くというのは、それはやめられた方が行く分は、その人の識見、経験等を生かすのかもしれませんけれども、少なくとも、今監査をして、その後にその会社に行くというような、そういうようなことについては、いいことじゃないというふうに思います。(若松委員「後の答えはどうですか。二十一億円じゃおかしい、その疑惑をどうやって晴らすか」と呼ぶ)
 先ほどから何回も言っておりますように、この二十一億円というのが本当に真実の数字かどうかということについては、私どももっかめないわけでございます。その当時としては、それがもう相手側が支払う能力としてこうだということで、和解契約みたいな形で結んでおりますので、それをもってして、これがよかったか悪かったかというのを今ここで私どもの立場から判断できないというのも事実でございますので、御理解賜りたいと思います。
#40
○若松委員 今長官ははっきりと、そういう原価監査課長がそちらに行った、監査を受ける立場に行った、それはおかしいと。おかしいという人事の中で、今回の二十一億円が決められたんですよ。二十一億円はおかしいでしょう。明言してください。もしそれで明確な説明ができなければ、私は長官の責任だと思います。
#41
○久間国務大臣 その二十一億何千万かの金額を各四社と決めたというのは事実でございます。しかし、その後にまた何人かが天下ったといいますか、要するにそこの会社の顧問になったというのも事実でございます。
 しかし、その両者に因果関係があったかどうか、それについても、私どももいろいろ調査しました。バーターでやったんじゃないかとか、そういうこともいろいろと調べてみましたけれども、それについても、そうだったという、そういうことの立証ができなかったということでございまして、バーターでやったとすれば、それはいろいろ問題がございますけれども、そういうようなことはつかみ切れていないということでございます。
#42
○若松委員 ですから、今までの話し合いの中で、要は疑惑は払拭できないのですよ。二十一億円はどうなんですかというときに、説明できない、これで済みますか。それじゃ済まないでしょう。長官、どうしたらこの問題に決着がつけられるのですか。
#43
○久間国務大臣 しかし、二十一億数千万という形で決着をしておるわけでございますが、それにかわる数字を算出するだけの根拠、確たるものを私どもは持っていないわけでございます。
 そしてこれは、相手の企業に対しても、私ども、その後も調査もし、やってきておりますけれども、これもなかなか、今言いましたようにきちっとしたものをつかみ切っていない。そういう中で、しかもこれが補助金とかなんとかだったら適正化法に基づいて返還命令という形でできるわけでございますけれども、これはあくまでも売買という格好でやっておりまして、監査も行って、そして金額を払っている。それについて、その後、過払いだったから、おまえ返せというような形で返してもらったその金額が、要するに相手との契約でしか返してもらえなかった、そういう状況でございますから、これが一方的な、要するに補助金みたいに交付する立場ならまた違った解決策もできるかもしれませんが、今となって考えてみましても、なかなかこれと違う解決方法を、適切なものを見つけ得ないという状況でございます。
#44
○若松委員 少なくとも、平成元年前後以降この原価監査に携わった責任者、この四社に関してかかわった人たちは、やはりそれなりの、降格とか給与の減額とか、何かすべきじゃないですか。
#45
○久間国務大臣 それは内部でもいろいろな検討もしておるわけですけれども、ほとんどの方がやめられてしまっているわけでございます。だから、とにかく、この問題について、そのときの処理の仕方が誤っておったとなれば、またそれなりにどうするのかという方法もありますけれども、それから、とにかくきちっとした数字が、二十一億数千万が間違っておったというような、数値が、今のところつかみ切っていないわけです。
 私どももこれから先もやはり注目をしてまいりますけれども、これにかわるべきような算出方法がなかなか把握できていないということでございます。
#46
○若松委員 参議院がありますからあれですけれども、残っている方もまだいらっしゃるわけですから、そういった方のしっかりとしたものが明らかにならないと、この話は永遠に続きます。それを指摘して、質問者に戻ります。
#47
○原田委員長 石井紘基君。
#48
○石井(紘)委員 長官、五十五分までいいんでしょう。
 そこで、長官、これはまず、当時のことを克明に、やはりここで明らかにしてもらわなきゃ困ります。そして、その当時の責任者、これは、国に損失を与えた、背任に当たる疑惑があります。それからまた、贈収賄の疑惑もあります。ですから、これを告発をする等のことを含めた責任を防衛庁としてはっきりさせるということを明言してください。
#49
○久間国務大臣 私どもがこのたび原価差異事案対策特別委員会をつくりましたときは、今委員が御指摘になられましたような問題まで含めてとにかく調査に入ったわけでございます。しかしながら、強制調査その他の力もございませんので、なかなかそこまでいかなかったというようなことでございまして、かなりのところ、私どもも、もしそういうことがあるならばというようなことも含めてやりましたが、残念ながら、今の私どもとしてはそういうようなことまでするだけの資料を得るに至りませんでした。
 以上でございます。
#50
○石井(紘)委員 調査していないじゃないですか。何を言っているんですか。やっているのは、これからの体制をどうするかということをやっているわけでしょう。
 この問題について、だれがどうしてどういう交渉を企業とした、三カ月間ぐらい交渉をやっていたわけですから、そういう中で、企業の方は安くしてくれと言った。防衛庁の方は、先日の答弁にもあるように、こうこうこうしたらこれだけの金額になる、あるいは、こうこうこうしたらそれより金額がふえる、何段階か、いろいろな方法があった、それで最終的に決まったのがあの金額だということを言っているわけです。そのやりとりの経過、だれがやったか。その副本部長が、上野さんが陣頭指揮をとって、そして、井内さんという当時課長をやっていた人と課長補佐をやっていた人たちがそれぞれの担当の会社とやり合ったわけじゃないですか。そういう中でどういう出来事があったのか。これが国に損害を与えたんだということになったら、この責任をはっきりさせなきゃならないじゃないですか。そこを明言してから帰ってくださいよ。
#51
○久間国務大臣 先ほど言いましたように、特別委員会をつくりまして、どういうことからこういうことが発生したのか、そのときどういうふうに処置したのか、これから先はこういうことがないためにはどうすればいいか、こういうふうに分けながらやっているわけです。
 そして、今言われましたような内容等につきましても、報道等で報道されているのはわかっておりますけれども、私どもが調査した限りでは、先ほど言われましたように、告発するかと言われましたが、そこまでするだけの内容はつかんでおりませんので、そういうことで、先ほどから抽象的な表現になっているわけでございます。これがまた事件とかなんとかになりますれば、そういう調査内容等についてももし明らかにしろと言われればそれはそうですけれども、まだそういうようなところまでつかみ切っていない段階で私どもの方からいろいろなことを明らかにするというわけにはいかぬわけでございまして、どうかひとつその辺についても御理解賜りたいと思います。
#52
○石井(紘)委員 大臣、それではもう行かなければならないでしょうけれども、はっきり言っておきますが、これでは済みませんからね。いいですね。
 それから、先ほど、鴇田さん、あなたは先日の安保委員会でもって明らかに、原価を算定する書類は残っていなかったというふうに言いましたね。ところが、そんなことはないはずなんですよ。どうですか、もう一回言ってください。
#53
○鴇田政府委員 お答えいたします。
 委員も十分に御承知のように、原価差異額があるということが我々の調達実施本部のやりました当時の特別調査で明らかになりました。その上で、具体的にいかほどの金額を返納させるかについてが我々の調達実施本部としての最大の課題になったわけでございまして、このとき既に不適切な資料を提出されている企業について、その企業の結果の数字をいただいても、これが正しいものであるというものをいただいても、我々はそれをおいそれと活用して、単純計算して、原価差異を計算するわけにはまいりません。したがいまして、私が先日の安保委員会で申し上げましたのは、原価簿的なものはあったかもしれませんが、それを原紙伝票としてすべて原価を個別に証明するような資料については、我々は入手ができませんでした。
 それから、本日の新聞の記事がございまして、私も拝見をいたしましたが、この中で、企業側が当時五年分の原価資料が残っていたことを認めたという記事がありましたので、早速確認をさせました。こういった対応を一切同社としてはしておらないという報告を私は受けておりますので、追加をさせていただきます。
#54
○石井(紘)委員 あなたは何を言っているんですか。私が言っているのは、個別原価の資料は各企業にも残っていなかったというふうにあなたは明確に言っているんですよ。いいですか。うその資料しかなかったとあなたは今言っているわけだけれども、そこが問題で、本当の資料があるんだったらこんな問題になるわけないんですよ。そういう資料というものはこれしがなかったんですよ。それはあったかなかったかということを言っているんです。それはあったんじゃないですか。はっきり言いなさいよ。イエスかノーかでやらなければだめですよ、時間稼ぎみたいな答弁ばかりやっていたんでは。
#55
○鴇田政府委員 全体を集計いたしました原価元帳的なものはあったかもしれませんが、それを一つ一つ証明する原紙伝票等々の資料についてはありませんでした。なかったと私は聞いております。
#56
○石井(紘)委員 そうすると、資料はそこにあったんじゃないですか。企業としては残しておくのは義務ですから。資料はあったのをあなたはなかったと答えたんですよ。これは虚偽の答弁じゃないですか。
 当然、この問題の本質は工数なんですよ。工数を企業の側でこれだけだと言って出してきたんです。資料はあるんです。そうしたら、企業が出してきた工数が違っている。工数だけをそこはやり直せばよかったはずですよ。それをあなた方は、損益計算書をみんな見て、何でそんなことをやる必要があったんですか。いいですか。工数を見れば、五年間の資料があるわけですから、そして間違った資料があるわけですから、そうすると、そのときに、その企業はその他の民需関係の資料もあるわけです、当然。残しておかなければいけないのですから。それで、民需関係がどれだけあったかということと照らし合わせてみれば、工数だけでもってこの価格は出せたはずなんです。
 いいですか。あなたのこの間の答弁はうその答弁だったということをはっきり言いなさいよ。
#57
○鴇田政府委員 今委員の方から、真正な工数というものを企業側が資料として保存をしていたということでございますが、これについて、私どもはそういった事実関係を確認しておりませんし、企業側からも、当時、そういった数字については出せないという説明を受けているという事実がございます。
 それからもう一点、企業側が資料を全部保存する義務があるということを委員の方でおっしゃいましたけれども、例えば、大宗を占めております一般確定契約につきましては、契約価格を決定し、契約を結び、それを履行する、そういう段階になりますと、その原資料というものを保存する義務は企業側にないわけでございます。
#58
○石井(紘)委員 そういう答弁では、これは改めて、また別の機会を設けてやってもらわなければなりません。
 そこで、防衛庁は、例えば日本工機というような会社は、売上量の約七八%を防衛庁の装備品でやらせている会社です。こういう会社が政治家に献金しているということは、ほとんど、防衛庁から来たお金を政治家に回しているということになるんじゃありませんか。こういう会社と防衛庁は、なあなあで取引をやっておる。
 いいですか、秀政会というのはだれの後援会ですか。あるいは、安全保障・危機管理政策研究会。毎年のように五十万円ずつ、これは規定でそれ以上の数字は出せませんから。政治家にも莫大なそういう献金をしている。あるいは、選挙や何かの手伝いをやっている。これは、防衛庁の予算、端的に言えば、税金を丸ごと迂回させて、そして政治家に献金しているんじゃないですか。これはどう思うんですか。(発言する者あり)済みません、一部の政治家です。今、何か安全保障・危機管理政策研究会というのがあるんですよ。
#59
○大越政府委員 お答え申し上げます。
 個々の企業がどういう政党あるいはどういう先生方に献金をしておるかどうかについて、防衛庁の方からコメントする立場にはないと承知しております。
#60
○石井(紘)委員 委員長にぜひお願いしたいのですが、防衛庁は、そういうことでこの問題の調査とか責任についての究明をしようとまだしていないわけです。
 ここで、この決算委員会で、これはぜひ決算委員会の一つの任務として、この問題は大変重要な、莫大な金額の国に対する損害でありますので、この中で調査委員会なりなんなりをつくって究明に当たっていただきたいということを委員長にお願いをいたしたいのですが、お答えをいただけますでしょうか。
#61
○原田委員長 理事会に諮ります。
#62
○石井(紘)委員 ありがとうございました。
#63
○原田委員長 次に、若松謙維君。
#64
○若松委員 防衛庁長官の時間の都合で、質問委員がちょっと錯綜しましたけれども、再度質問に戻らせていただきます。
 今回の問題ですけれども、再度、ちょっと確認しておきたいと思います。
 中途確定契約につきましては、これは調本の監査が義務づけられておりますね。それで、結果的に、原価監査官が検査をしたわけですけれども、いろいろと問題があって、特別調査を行った。
 この監査の状況、結果なんですけれども、それによっていわゆる過大請求が判明したのかどうか、それをちょっと総括的に、端的に答えてくれませんか。
#65
○鴇田政府委員 ただいま委員がおっしゃいました原価監査つきの監査というものは、当然、契約の途上でやられるわけですが、本件四社事案について申し上げますと、いろいろな外部情報等もありましくそれに基づいた特別調査というのを四社ごとにやらせていただいて、これは昨年の十二月に決算委員会の方に出させていただきましたが、それを契機として原価差異事案の発見に至ったというのが事実関係でございます。
#66
○若松委員 十二月の決算委員会に出された結果ですけれども、結局、過大請求があったんでしたか、なかったんでしたか。何かちょっと、あいまいなのでわからないのですけれども。
#67
○鴇田政府委員 十二月にお出しをいたしました特別調査の結果概要によりますと、四社それぞれについて、いろいろ原因は違いますけれども、過大請求があり、それに基づいて、平成五年から七年にかけて計二十一億円強の返納をさせたということであります。
    〔委員長退席、高市委員長代理着席〕
#68
○若松委員 そうしますと、要は、過大請求があって、それを先ほどの原価監査官の監査で発見できなかったということは、監査が甘かったということですね。それは、そういうことで認知しておりますね。
#69
○鴇田政府委員 四社事案、契約の件数で九四・数%が一般確定契約であります。ただ、残りの数%につきましては、委員がおっしゃるように、原価監査つきの契約であったわけですから、原価監査が行われたにもかかわらず、過大請求の部分については見つけられなかった。これは、我々の判断では、企業側の不適切な原価処理ということもございましたので、見つけられなかったという実態にあると思います。
#70
○若松委員 見つけられなかったというのは、要は監査が不適切だったということをはっきり言ってくださいね。後でまた問題になりますから。
 政務次官にお聞きしたいのですけれども、先ほども、特に東洋通信機、処分の結果、処分なし。いわゆる内部管理が非常によくなっているということなんですけれども、もう一方、先ほど長官もおかしいとはっきりと言われた、いわゆる原価監査課長が東洋通信機に行って天下りしている。それで、その当事者が監査している。これについて、何とかしないとこの問題というのは解決しないでしょう。政務次官、どうお考えですか。
#71
○栗原政府委員 原価監査課長が直接この東洋通信機の監査をしたかどうかというのは、私承知していないのでございますけれども、いずれにしても、先ほど長官が答弁したとおりだと思います。
#72
○若松委員 長官はどういうふうに答弁しましたか。(栗原政府委員「おかしい」と呼ぶ)おかしいんですね。おかしいんですよ。
 ですから、局長が幾ら説明したって、いいですか、おかしいんですよ。監査もおかしいんですよ。二十一億円という一つの結果もおかしいんですよ。政務次官、そういうことをおっしゃっていますよね。
#73
○栗原政府委員 先ほどから長官も答弁なさっておりますように、原票がないものですから、いろいろな企業の損益計算書等でやっておりまして、この二十一億円が果たしておかしいかおかしくないかということについては、それしか方法がなかったということを申し上げていると思います。そういうふうに理解しています。
#74
○若松委員 伝票がないと言っていますけれども、伝票はあるんですよ。税法の規定で七年書類を保管しなくてはいけないし、実際に監査の対象にもなっているわけですから。
 いいですか。それは、防衛庁の立場からして見れないと言う。いわゆる、それは見ると都合が悪いから、見れない、そういう契約システムにしたわけでしょう。それに対して反省はありますか。
#75
○鴇田政府委員 委員御指摘のように、原価監査つき契約について、実際、原価計算書というのが強制的にかつ正確に入手できるというのは我々の一番の希望であります。例えば監査つき契約につきましても、あくまでも調達契約の契約の中の義務として企業側にお願いをしているものでありますから、本当の意味で真実完璧な原価監査、原価の積算ができるかどうかは、これはあくまでも我々の努力としてやっていきたい世界だと思います。
 二月に再発防止策を打ち出しましたが、三つある柱の最後にございますのが原価計算能力あるいは原価監査能力の強化ということで、我々はこれを限りなく一〇〇%に近づけるように努力をしたいと思っております。
#76
○若松委員 でも実際、限りなくとおっしゃっていますけれども、では、どうやったら限りなく明確な原価監査体制になるんですか。これだけ疑惑が深まって、防衛庁の監査システムの当事者がみずから幾らやったって、無理なんですよ。当事者が監査したって、自己証明は証明にあらずなんです。具体的にどうするんですか。返納額、どういうふうに計算したんですか。皆さんが説明して、それで国民が納得できるようなものを提示できますか。どうですか。
#77
○鴇田政府委員 今二点の御質問をいただいたのではないかと思いますが、後半の方について申し上げますと、二十一億円の原価差異額の算定方法をどうやったのかということで、これは長くなりますので簡単に申し上げますと、これは委員も一番御承知のように、ともかく企業の財務会計制度上で信頼性の高いとされる決算書類を使いまして、あらあらで申し上げますと、防衛庁向けの売上高、防衛庁向けの原価、これをいろいろな手法を用いて計算をして、当該企業と防衛庁との間の売り上げ、売上原価というのをはじきました。これと、実際に我々が原価差異を計算して返納された金額との差を求めて、それをそれぞれ各社から返還を求めたということであります。
 これはもちろん、調達実施本部の中央契約だけでも千数百、当時ございました。これ以外に、地方の調達もあります。そういったものを踏まえて、個別に一件一件もう一度再調査をして原価を積み上げるというのが理想ではあるのですが、先ほど来申し上げているように、原価資料については、実際にそれを補強するところまで含めますと、必ずしも利用できる状況にありませんでした。したがいまして、そういった観点から、今申し上げたような方法で原価差異の算定をいたしております。
 それから、再発防止対策で、一度こういうことを起こしてしまっておる防衛庁として、実際に原価監査に万全を尽くすといっても期待できないのではないかという点については、大変重い御指摘として私受けとめたいと思いますが、コンピューター、システム監査手法を取り入れるとか、人知を超えたところでできるだけ改善できるところについては、投資も含め、教育訓練もやっていきたいと思っております。
#78
○若松委員 今の御説明はもう既に何度もお話しされていることなんですけれども、結局、今回の二十一億というのは和解契約です。言い方をかえれば、当事者の裁量によって決めた金額なんですね。
 この二十一億の算定の過程におきまして、これもちょうどたしか石井委員でしたか、二十七日の安保委の局長答弁で、処理にしたがって試案があったことは事実とおっしゃいました。この試案というのは幾つかあったと思うのですけれども、これをもっと詳しく御説明いただけますか。
#79
○鴇田政府委員 先日の安保委員会で御質問がございましたし、また世上、各種のマスコミに七十億だとか二十何億だとかいろいろな数字が出てきております。我々としては、=言申し上げたいのは、原価計算や原価監査についての訓令とか通達とかマニュアルは防衛庁の中で当時できておったわけですが、実際にこういう原価差異事案が発生したときそれをどう処理するかについての通達とか訓令、ルールというのは決まっていなかったわけであります。
 そういったことから、具体的に、もう一点さらに加えさせていただくと、一般確定契約というのが大宗を占めておりまして、これらについては、原価差異があっても本来はお金を返してもらうという法的構成は難しい、私自身もそう思いますが、そういった部分も含めて、当該企業との原価差異額全般を取り返そうということで、当時の担当者は努力をいたしたわけであります。
 したがいまして、そういった中でいろいろな案を、これは関係者多数にわたりますけれども、議論をしてつくったのは事実であります。私も幾つかの数字については承っておりますが、それがどういった根拠で、どういう積算で当時計算されたものであるかについては、定かな説明が得られる段階ではございません。
 申し上げられるのは、二十一億の各社別の返納額については、個別に数字をもとに積算したというのがございまして、これで結果的に五億になっている、あるいは八億になっているという説明、ファイナルなものについては受けている次第であります。
#80
○若松委員 結局、試案というところが一番関心事であって、かつグレーにしたがっているんです。二十一億以外にもいろいろあったんでしょう、金額的には。ちょっと言ってください。どういう案があったのか。
#81
○鴇田政府委員 ただいまも御答弁申し上げましたように、私、現在、今、そういった数字を持ち合わせておりません。頭の中にも正確に院で御報告をするような形では記憶いたしておりません。また先ほど申し上げたように、根拠についても今まで調査委員会でいろいろ話を聞かせていただいていますが、定かな根拠説明は受けておりません。
#82
○若松委員 これは言っても繰り返しで、本人は知らないということですけれども、ただ、試案があったということを言っておりますから、その裏には何かあるはずなんです。
 これはぜひ、委員長、理事会で検討していただいて、この試案が何かというものをしっかり把握していただきたいのです。お約束いただけますか。
#83
○高市委員長代理 理事会の検討テーマとさせていただきます。
#84
○若松委員 よろしくお願いいたします。
 それでは、先ほどの東洋通信機ですけれども、やはり監査する側が監査される側に天下って、その人事交流の中でこの二十一億を決められた。これはどう考えても、どうやっても、どう説明しても、疑惑は晴れないのです。
 局長もしくは政務次官、この疑惑を晴らすためにどうするのですか。
#85
○栗原政府委員 天下りにつきましては、御案内のように、法律に基づいて、役員以外で入っているわけです。ですからそこの辺も、原価監査課長ですから、どう考えるかというのはなかなか私は今即答できないと思いますけれども、よく内部でも検討してみたいと思います。
#86
○若松委員 少なくとも四社のうち東洋通信機だけが処分がなかったんです。理由は、内部管理システムがよくなったからということです。それは先ほどの疑惑の当事者側の答えなので、これは納得できません。
 ぜひ、では、どうよくなったかという改善した報告書をこの委員会に出していただきたいんですけれども、お約束いただけますか。
#87
○鴇田政府委員 再発防止対策といいますか、改善策につきましては、二月二十六日に大綱をまとめさせていただきました。ここでいろいろな骨格をお示しして、前決算委員の各委員にもお配りをさせていただいたところであります。今この具体的な枝ぶりについて実効措置をとっているところでございますので、これが仕上がった段階には当然のことながら報告をさせていただきたいと思います。
#88
○若松委員 では、この東洋通信機はしっかり後ほど報告いただける、そういう理解をいたしました。
 いずれにしても、特にこの東洋通信機について非常に天下りの密着度が、特に監査当事者の関与というのが非常に、いわゆる監査と調本との独立性というのが全然機能していないのです。そこで当然上野氏の関与というのが出てくる。わいろと天下りですよ、これ。それで、今背任容疑で捜査が進められているのですか。
 ちょっと原田局長に来ていただいていますので、何か話を聞きますと、今の地検特捜部長が交代されるということで、非常に今の重要な時期にこれは行われるべきではない、とにかくしっかりやってもらいたいという気なんですけれども、局長、どんなお考えですか。
#89
○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。
 検察官の捜査活動の内容にかかわる事項でございますので、答弁を差し控えたいのでございますが、一般論ということで申し上げることをお許しいただけますならば、検察官は、事実を証拠に基づいて確定してまいりまして、所要の捜査を遂げ、刑事事件として刑罰権を発動すべきものと認められるものにつきましては、その職責を踏まえて適正に処理してまいると思います。
 人事異動に絡むお尋ねでございますが、検察は、常に厳正公平に処理すべきものと考えておりまして、検察官一体として処理に当たっておりますので、その点、御理解賜りたいと思います。
#90
○若松委員 ちょっと会計検査院に来ていただいていますけれども、院長、こういう一連の二十一億円という、決着したとかしないとかという議論をしております。いずれにしても、やはり独立性がゆがめられた形での話し合いですから、こういう解決しにくい問題、会計検査院として、どういうふうにしたら最終的な結論が出ますか。
#91
○疋田会計検査院長 お答えいたします。
 この問題につきましては、私どもも非常に重要な問題だと受けとめておりまして、先ほど来防衛庁の方からも、いろいろと実態などにつきまして調査をしておられるということでございますので、私どももその結果を見守りながら、今後より一層重要な問題として検査に取り組んでまいりたい、このように考えております。
#92
○若松委員 もう時間が来ましたので、最後に一つ、政務次官に私の要望という形で御意見を聞きたいのですけれども、今のこの調達、いわゆる一兆三千億と言われるもの。これについて、二兆円超が八百四十四件あるのですね。その金額が総契約金額の九割近くです。八百何件です。一万件の中の八百何件。ですから、こういったいわゆる金額基準で一定額以上は、先ほどの監査ですけれども、いわゆる当事者同士の監査だけではなくて、全く独立した第三者の監査制度も導入すべきだと思うのですけれども、それについて、ぜひ前向きの答弁をいただきたいと思うのです。
#93
○栗原政府委員 お答えします。
 先生御案内のように、有識者による調本の二十一世紀プロジェクト委員会とか取得改革委員会等、外部の意見も聞きながら、今そういうことを検討させていただいております。
 私も、こういう疑惑がまた二度と起こらないように防衛庁として何ができるか、そして、謙虚に外部の意見も聞きながらやっていくべきたというふうに思っておりますので、そういう方向で努力させていただきたいというふうに思います。
#94
○若松委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#95
○高市委員長代理 次に、西川太一郎君。
#96
○西川(太)委員 自由党の西川太一郎でございます。
 きょうは、ODA関係のことにつきまして、外務省にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 実は、私ども自由党と民主党が共同で、中国・長春にございますベチューン医科大学附属病院のODA問題について、橋本内閣総理大臣がこれのいろいろな点に関与しておられる、こういうことが一般に公刊されております雑誌の中で取り上げられている、このことについて、いろいろな属人的な問題もあってこれは無視できない、こういうふうに考えて調査をいたしているところでございますが、私どもがこの場でお尋ねをしてまいりますのは、その調査の中で、ODAのあり方について、または使途について、それを国会がチェックができない仕組みになっていることに私は非常に問題があると思ってきょうはお尋ねをさせていただきたいと思うわけでございます。
 まず、外務省の経済協力局長さんにお尋ねをいたすわけでございますけれども、ベチューン医科大学附属病院に供与された三百十四品目の医療機材の調達単価、またはその供与の個々の価格、こういうものを公表せよと、そういう資料を私どもは要求をしました。これは、実際にシステムの上から外務省はそのことについてすべて承知をしておられるということを私どもは理解をしておるわけでありますが、なぜそれが公開できないのか。少なくとも、一般公開でなくて、国会の、公党の資料要求に対して、なぜそういうものが出せないのか、それについて伺いたいと思います。
#97
○大島(賢)政府委員 お答え申し上げます。
 ベチューン医科大学に対します日本の無償資金協力に係る調達の内容についてのお尋ねでございますけれども、本件に関しましては、この調達に係る契約を締結した企業、これにつきましては伊藤忠商事ということで公表されております。それから、本件の機材整備計画に係ります契約総額につきまして、二十六億円ということで、これも公表されておるとおりでございます。
 今お尋ねの、三百以上に上ります個々の医療機材の調達先、それから価格等につきましては、この調達に係ります契約、これは今の資金協力の仕組みによりまして、契約の主体は中国側、中国政府当局でございまして、それと日本側の受注企業との間で交わされておるものでございます。個々の機材にわたりまして、どのメーカーがどういう機種を幾らで納入したかといった内容につきましては、外務省、それから実施機関でありますJICAは、その契約のプロセスにかかわりまして、適正に行われているかどうか、仕様に従って行われているかどうかは克明にチェックをいたします。その結果に基づきまして契約を認証いたしておりまして、プロセス全体にかかわっております。
 ただ、細かい内容につきましは、これは当事者間の契約事項ということで考えておりまして、日本政府はその直接契約当事者ではございませんので、これをいわば第三者の立場から内容を明らかにするということは控えさせていただきたいと思っておりまして、御理解を賜りたいと思います。
#98
○西川(太)委員 今の答弁は、だれが聞いても納得できない答弁であります。
 と申しますのは、大島さん、今のその、ベチューン医科大学に対して伊藤忠商事が請け負ったということ、そしてそれが二十六億円だったということは、私どもがあなたたちに要求したときに出されたのは、たった二枚のこの紙ですよ。たった二枚。三百十四品目について具体的なことを示しなさいといって要求したときに、おたくから出てきたのはこのたった二枚の資料。その二枚の資料だって、JICAの年報を、その一部をコピーしてきただけなんだ。それも半ページに、一カ所にマーカーで印がついている。バングラデシュに幾らだとか、インドに幾らだとかという中に、中国の三件のものがここに載っていて、ベチューンとハルビンとそのほかが載っていて、そこにただ線が引いてあるだけ。二十六億円。
 これで通用するならば、会計検査院の制度も要らないし、憲法で、国費の支出を国会が議決をするとか、または、国会にこの委員会の根拠になっている決算を報告するという九十条の規定なんというものは、全く要らないじゃないですか。そんなばかな話ないですよ。
 あなたのポケットマネーを使っているなら別ですけれども、国民の税金を使って中国に、よきことをしたのでしょう。私は中身は悪いと言っていませんよ。よきことをして、このJICAの報告書によれば、たくさんの人がそれによって稗益されたと書いてある。それは結構ですよ。健康が保障され、増進され、維持される。そのために使われたのだから大変結構なことで、私はこの使い方が悪いと言っているのじゃないのですよ。そのために支出をされたいろいろな国民の税金がどう使われたかということを知りたいから聞いているのに、それが出せないという根拠法は何ですか。何の法律が根拠で出せないのですか。
#99
○大島(賢)政府委員 無償資金協力につきましては、その支払い等手続にかかわることについては、当然のことでございますけれども、日本国の国内の法令、それから国会の御承認を得た予算の範囲内で行うということでございまして、そういう方式に基づきまして支払い等も行われておるわけでございます。そういう原則のもとでその実施をやっておりますが、その手続の細かいところに立ち入りまして法的に何かを決めている、これは公開しなければならない、これは公開すべきでないといったような形で、特に法的に規定をされておりません。
 そういうことで従来、先ほど御説明申し上げましたように、日本政府の公金による協力ということではございますが、その実施につきましては、日本政府が直接その発注者あるいは契約当事者になっておりませんので、個々につきまして、契約の細かい内容等については、相手が第三国の政府であるということ、それから、個々の調達の内容につきましては、これはいろいろ企業の業務内容にかかわる機微な側面もありますので、ここは公表を差し控えさせていただきたいということで申し上げております。
 もちろん、私どもとしましても、ODAの事業を実施するに当たりまして、国会を中心といたしますいろいろな場での御質疑、チェック、これについての重要性は重々認識をいたしております。情報公開にも一般的に努めてきておりますし、これからもいろいろな形で努めていくという考えではおります。
#100
○西川(太)委員 私は二週間にわたって個別に折衝してきたのですね、局長御存じのとおり。と申しますのは、私はこの間、緊急経済特別委員会で局長に同じ質問をしている。同じというか、このODAに関してもっと包括的な質問をしている。そこから敷衍させる形で、こういう要求を二週間にわたってしてきたけれども、何にも誠意ある態度で臨んでくれない。
 したがって、私は、きょうこの場をおかりして、国会の審議の中で、ODAの仕組みがいかに国民の情報公開の要求に沿っていないかということを明らかにするために質問をしているわけでありますけれども、ODAの四原則の中に情報公開というのがあるんじゃなかったですか。これはどういう原理なんですか。
#101
○大島(賢)政府委員 情報公開につきましてはへODA原則もございます。もちろん、ODA原則をまつまでもなく、一般論としてもそうでございますし、さらに、ことし一月に外務大臣に報告をいただきましたけれども、外部の有識者によって構成されますODAの改革懇談会の報告にも、情報公開の趣旨というものはきちんと出ておりまして、私どももこれを重く受けとめておりまして、ODA全体にかかわる問題についての情報公開ということについては、これはきちんと進めていく必要があると重々認識をいたしております。
 ただ、個々の契約あるいは入札の細かい事項にわたる部分におきまして、これをどう扱っていくかということは、これはやはりいろいろ考慮すべき点があるわけでございますので、ぎりぎりのところについて検討した上で、先ほど来御説明申し上げておりますラインで対処をしている、こういう状況でございます。
#102
○西川(太)委員 それはおかしいですよ。プロジェクト型の無償資金を協力する場合には、エクスチェンジ・オブ・ザ・ノートというのですね、交換公文、これからスタートして、もちろんその前に事前調査があったりいろいろするのだけれども、そういうことをJICAが全部やっているのです。そして、たびたび、中国政府とあなたたちが中心になってやっている、こう言うけれども、この問題については、このJICAの報告書を見ても、私は三回も四回も読んだけれども、中国政府よりもベチューン医科大学が当事者になっているのですよ。
 仮に、百歩譲って、局長が言うとおり、中国政府がやっていて日本の主権が及ばない、これは条約に基づくものだと言うけれども、憲法は条約より優先するのですよ。憲法論議の中で、条約が憲法に優先するという理解はもう今は古いのです。憲法が条約よりも上位にあるのですよ。その憲法に、国費の支出またはその検査について国会に報告する義務があるんじゃないですか。その国会で、資料を出せと。
 不正があったら会計検査院からやられるのだろうけれども、よいことに使ったことを、例えばCTスキャンは幾らでどこから調達して納めたのかと聞いたら、それについて何で答えられないのですか。何でそういうことを答えられないのかということを調べたら、根拠法は何もないのですよ。長くそういうことをやってきたという習慣だけじゃないですか。こんなことでODAが誤解を招いたりなんかするのはおかしいんじゃないですか。どうですか。これについて答えてください。
#103
○大島(賢)政府委員 細かい事項につきましての公表事項については、先ほど来申し上げているとおりでございますが、情報公開ということにつきましては、これはまだ今の状況で私ども完全であるというふうには必ずしも思っておりません。したがって、これからいろいろODA全体に国民の理解を得ていくためにも、その必要なところは検討を進めてまいりたいと思っております。
 今のお尋ねの内容につきましては、これはやはり、政府として、契約の締結に至る一々の過程、これは入札過程を当然含むわけでございますけれども、これにつきましては、外務省それから実施機関であります国際協力事業団におきまして公正な入札が図られている、適正に施行されるという見地から細かいチェックをかけるわけでございまして、そういうことで契約認証にまで至る過程を一々にわたってチェックをするわけでございます。
 そのことと、それから、幾らの機材をどこから調達したか。三百以上にわたる機材の個々の内容につきまして、これを直接契約当事者でない日本政府が明らかにするということは、これはやはりよくよく検討してみなければいけないことであって、私どもの結論は、そこはちょっと問題があるということでございます。
 なお、細かい、憲法と法的な体制に当たることにつきましては、これは私もつまびらかにいたしませんけれども、それはそれとしまして、これからは、先ほど申しましたように、できるだけ情報公開を進める、ODA全体について情報公開を進めるという見地は十分踏まえて対応していくつもりでございます。
    〔高市委員長代理退席、委員長着席〕
#104
○西川(太)委員 それはそれとしてなんというのはとんでもない答弁で、公務員は憲法を遵守して働かなければいけないのは常識じゃないですか。
 私は、もう質問の時間もありませんから、委員長にお計らいをいただきたいのですが、理事会で御協議の上、以下の資料をぜひ提出していただきたいということをお願いいたします。
 全部で七つあるわけであります。
 一つは、ベチューン医科大学ODAに関して、最初に援助要請があった日時はいっか。また、そのときの日中の関係者はだれだったのか。
 二番目。ベチューン医科大学ODAに関して行われたすべての日中間での要請、交渉、調査、視察等の日時と、そのときの出席者と責任者及び通訳者はだれであったのか。
 三番目。また、このODAに関して行われた要請、交渉、調査、視察等で、橋本龍太郎氏が参加したか、もしくは指示を出したことがあるか。あれば、その日時及び内容。
 四番目。ベチューン医科大学のODAに関する職務権限者及び最終決定者はだれだったのか。
 五番目。ベチューン医科大学ODAを請け負った業者名。その際、最終選考に残った業者名または選考した基準。
 六番目。天安門事件後の対中国円借款凍結解除の決定を行った責任者はだれだったのか。
 七番目。対中国円借款凍結解除に関する橋本総理の発言はあったのか。あれば、その内容。
 これを、委員長のお計らいにおいて、理事会で資料として提出いただけるかどうか御協議をいただきたいというふうにお願いを申し上げたいのでございますが、いかがでございましょうか。
#105
○原田委員長 理事会で協議します。
#106
○西川(太)委員 ありがとうございます。
 それでは、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
#107
○原田委員長 次に、佐々木憲昭君。
#108
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 先ほど来の質疑で、石井議員、若松議員から装備費についての過大な支払い問題について指摘がありました。私もこれに関連をしてお聞きをしたいと思います。
 この過大請求の計算の根拠、それからそれを是正させた返還の根拠、これは先ほどの答弁ではなかなか明確に出ておりませんが、一つ具体的にお聞きをしたいのですが、過大な支払いを是正させる適正な返納計算だったかどうか。
 その中に、例えば東洋通信機の例を挙げますと、八億七千四百万円の返納をさせたということになっていますけれども、その計算の中に、コストとして宣伝広告費などを加えていたのかどうか。それから、取引以外の事業資金の金利が入っていたのではないかという指摘もありますが、そういうことはあったかどうか。これについて、まずお答えを願いたいと思います。
#109
○鴇田政府委員 お答えをいたします。
 具体的に東洋通信機の事案についての御質問でございますが、最初にございました広告宣伝費につきましては、我々が仮にこれから新たな調達契約を結ぶ場合に原価計算をいたします場合には、我々、予定価格の算定基準に関する訓令という大臣に定めていただいた訓令をいただいておりまして、その中におきましては、GCIPというか、一般管理費の一部といたしまして、広告宣伝費についても訓令上読み得ることになっております。
 ただ、正確に申し上げますと、これはあくまでもこれから調達契約を結ぶ場合での訓令でございまして、原価差異事案が本件のように発生をいたしまして、それについて幾ら返させるか、原価をどうやって、実際に支出したコストというのをつかまえていくかという観点では、形式論で申し上げますと、ルールは当時ございませんでした。今我々は、これをつくろうということで、去る二月以来、関係当局ともいろいろ相談をしながら、今申し上げた法的根拠等も含めましてやっております。
 具体的に申し上げますと、東洋通信機の返納額の算定に当たって、広告宣伝費というのを認めているというのは事実でございます。
 それから、第二点の金融費用でございますが、これも、事業をやっていく上で、当該製造をやる場合に企業としてはいろいろな借り入れコストというのはございますから、そういった金利コストについても、新規の契約の段階には、先ほど申し上げた予定価格の算定に関する訓令に基づいて所要の金利を計算しておりますので、東洋通信機の場合にも、当然、原価計算の一つの項目として金融費用というのもカウントをしてあります。
#110
○佐々木(憲)委員 そうすると、これから入れるという話でありますが、それ自体、私は極めて重大だと思っておりますが、この東洋通信機の計算の際にも宣伝広告費を入れたと。直接防衛庁と取引をしているわけでありますから、宣伝費なんというのは必要ないわけであります。それを入れるというのが大体おかしいわけですね。それを入れて計算をしたら、当然コストが大きく膨らんで、その分返還が過小になるというのは当然のことでありまして、極めて重大な問題だと私は思うのです。
 この過程で調本副本部長が深くかかわっていたという疑惑はいろいろ指摘されております。話し合いで解決するんだ、十億円ぐらいでないと交渉できないという発言をしたとか、へ理屈でもいいからやれということで減額を命じたと言われているわけですけれども、この事実はありましたか。
#111
○鴇田政府委員 昨年の九月に原価差異事案の対策特別委員会というのを設けまして、二月の再発防止対策を打ち出すためにいろいろな検討を進めてまいりました。その過程におきまして、当時においてこういった原価差異というのをどういう仕方で処理したのかについても調査を続けておりますが、今委員御指摘のような事実関係については、私どもが今まで内部で委員会を中心にやっておる調査では、それが確実な事実であるということは確認されておりません。
#112
○佐々木(憲)委員 事実かどうかは、調査をして、具体的にその問題のその当事者に聞けばわかるわけでありますから、そういう指示をされたかどうか。そういう点を調査するというのが当然のことで、それによって確認される。それをまともにやってないということじゃないですか。
 それからもう一つは、NECの担当者に相談するように言われた、こういう報道もあります。つまり、東洋通信機の親会社のNECの担当者と相談をして、過払いをどの程度にするのか、返納をどの程度にするのか、こういうことを相談せよという指示があったと。これは事実ですか。
#113
○鴇田政府委員 今委員がおっしゃられたことは新聞報道等に出ていた事実関係でございますが、昨年来、我々も当然当事者からヒアリングをさせていただいております。必ずしも強制捜査権を我々持っているわけでありませんので、強制的にいろいろ調査ができるわけではありませんが、これまで当人に聞いたところでは、そういう事実はないということを聞いております。
#114
○佐々木(憲)委員 最初の相談のときに、NECの担当者とそれから防衛庁のこの担当が会って相談をした、一番最初の段階で。それは事実ですね。
#115
○鴇田政府委員 こういった、ある意味で本邦初演の原価差異事案というのが発生いたしまして、従来申し上げていますような一般確定契約も含めて全体の原価差異を要求する、返納させる法的構成についていろいろな議論がある段階でございますから、企業側から担当者が話を聞いたということはあると思います。
#116
○佐々木(憲)委員 企業側というのは、NECの担当者という意味ですね。
#117
○鴇田政府委員 ただいま申し上げましたように、原価差異対策特別委員会は調査をまだ継続いたしております。私の、責任を持ってここでお答えをする立場からすると、そういった企業との間でいつ何どき会ったという報告については確認をしておりません。
#118
○佐々木(憲)委員 こんなものは調べればすぐわかるわけであります。最初に担当者が顔をそろえたのはNECの本社ビルの一室だった、こういうことでありますから、すぐその関係者に聞けばわかるわけです。それをやっていないということですね。調査していないということですね。
#119
○鴇田政府委員 先ほど来申し上げておりますように、対策特別委員会の調査は今継続中でございますので、そのファイナルな形で私が報告を受けていないということであって、調査は継続をしております。
#120
○佐々木(憲)委員 調査の中にこれも入っているということだろうと思いますが、事実は事実として明確にしていただきたい。
 それから次に、この調本副本部長の疑惑は極めて大きいわけであります。マスコミでも、ゴルフあるいはマンション購入祝いパーティーというのが指摘をされておりますが、この点については具体的な調査は行われていますか。
#121
○鴇田政府委員 いろいろなこの原価差異事案に絡む調査というのをやっておりますし、今委員がおっしゃられたようないろいろなマスコミ関連の報道というのも我々は承知をしております。本人等にも当然のことながら確認をしておりますが、客観的にこれが事実であるという、自信を持ってここでお答えできるような形で確認はされておりません。
#122
○佐々木(憲)委員 いずれもあいまいな答弁しか出てこないのですが、この元調本副本部長は、自宅マンションを買った際に、祝い品を持った通信・電機業界大手六、七社の重立った営業幹部がずらりと顔をそろえた。それで、一社から五十万円集めたという話もある。それから、祝い金を取られたと業者がぼやいていたのを聞いたと防衛庁の同僚の一人が言っているというようなことが、次々と報道されているわけです。
 ですから、これはもう防衛庁の職員倫理規程、その中でも、禁止項目に極めて重大な問題として該当するわけですね。そういう問題があった場合には直ちに、第六条で、事実の調査、事情聴取を行うということがありまして、それに基づいて当然何らかの処分なり対応をするというのは、これは当然のことであります。直ちにこれはやっていただきたい。
 それからもう一つは、このような問題が生まれてくる背景に、やはり天下り問題というのがあると思うのですね。お配りした資料に、今回問題になった水増し請求をした四社に対する防衛庁からの天下りのリストをお配りいたしました。
 これを見てもわかりますように、東洋通信機は七名、日本工機七名、藤倉航装四名、ニコー電子六名、合わせて二十四名。しかも原価計算にかかわっていた元課長もこういう中に入っている。これは、退職後二年以内に天下りしたメンバーであります。三年以後になりますとこれは把握できない、こういうことになっておりますから、全体の天下りの問題というのはもっと大きい、広いというふうに私は思うのでま。
 問題なのは、このような二年間で天下りするということについて、二年間は一般国家公務員の場合は禁止されてけるわけですが、営利企業体の役員あるいは役員に相当する地位というのが自衛隊法で規定されておりまして、そういう地位については天下りの規制があるけれども、しかし例えば、役員以外の、嘱託あるいは顧問、こういう部分については全くしり抜けになっております。
 国家公務員法の一般職となぜ違う扱いをするのかというのが、次に問題になる。関連業界と癒着して国民の税金をむだに使ってはならない、こういう点では防衛庁も他の省庁も当然同じだと思うわけですけれども、なぜ自衛隊だけが別な扱いをされているのか、その理由は何でしょうか。
#123
○坂野(興)政府委員 お答えいたします。
 自衛隊員の再就職規制につきましては、今先生がお話しになったような仕組みになっております。一般職の国家公務員と若干異なるのではないかというお話でございますが、防衛庁につきましては、一般的に、民間企業との関係につきましては監督権限とか許認可権限を持っておりません。民間企業との関係では契約関係だけということは、一般の省庁とちょっと違うところがございます。また、自衛隊員につきましては、特に自衛官につきましては、若年定年制を採用している、あるいは任期制の隊員がいる、そういうような人事管理上の差異もございます。
 そういうことで、規定ぶりにつきましては若干異なるところもございますが、公務の厳正さを確保するという意味での趣旨としては、おおむね一般職と同等な制度になっているのではないかというふうに考えております。
 再就職につきましては、いろいろと御議論がございますが、私ども防衛庁といたしましても、公務の信頼性、厳正さにつきまして国民からの信頼を損なうことのないように、今後とも、運用につきましては注意してまいりたいというふうに考えております。
#124
○佐々木(憲)委員 もう時間が参りましたので終わりますが、お配りした資料は、私、ゼネコン五十社について調べました。その中で、防衛施設庁及び防衛施設局からの天下りというのは、十社に及んでおります。このように、防衛庁、防衛施設庁との関連で極めてたくさんの天下りがあって、それが今のような問題も生み出している温床になっている。こういう点などについて、さらに徹底して質疑を今後とも要求をしたいと思います。
 委員長にお願いしたいのですが、この問題については集中質疑をぜひやっていただきたい、この点を最後にお願いをしたいと思います。
#125
○原田委員長 理事会で相談いたします。
#126
○佐々木(憲)委員 どうもありがとうございました。
#127
○原田委員長 次に、保坂展人君。
#128
○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 本日は、防衛庁の装備疑惑について、角度を変えて質問をしたいと思います。
 防衛庁の装備品メーカーに対する返納手続にかかわった調達実施本部長が不正に圧縮をしていた容疑、これは本来請求すべき返還額を削って国に損害を与えたというものでありますけれども、これは、国家に対する背任ととらえるという議論が起きております。公務員の犯罪、汚職といいますと、贈収賄、横領等、我々耳になじんでいるわけですけれども、本来なら国に返還すべき金額を個人の利欲のために私物化していたら、これは国家に対する背任というのもうなずけようものであります。
 法務省に見解を求めたいと思いますが、過去、こうした摘発事例があったのかどうか、あわせて伺いたいと思います。
#129
○藤田説明員 国を被害者とする背任罪の事例ということでお尋ねであろうかと存じますが、一般論として申し上げますが、背任罪というのは、他人のためにその事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図りあるいは本人に損害を加える目的で、任務に背く行為をして、本人に財産上の損害を加えたときに成立するという罪でございます。これらの要件がすべて満たされる場合には、財産上の損害をこうむる者が国や地方公共団体である場合にも、理論的には背任罪が成立する場合があり得るというふうに解されておりまして、その成立が認められた事例が過去にあったものと承知をいたしております。
#130
○保坂委員 過去にあった事例を紹介していただけますか。
#131
○藤田説明員 ここに資料を持っておりませんので、余り詳細な把握をいたしておりませんけれども、例えば、税関の官吏が税関貨物取扱人の使用人と共謀して、貨物の通関に関して、通関貨物の数量等を不正に減少して倉敷料の一部を免れた事案というようなものにつきまして、国に対する背任罪の成立を認めた事例などがあるものと承知しております。
#132
○保坂委員 続けてもう一度、法務省に。その場合に、背任が成立したときに行政組織にはどのような責任が問われるか、端的に一言でお願いします。
#133
○藤田説明員 刑事責任ということにつきましては、これはもちろん一般論で申し上げるわけでございますが、現行の刑法におきましては、個人の行為を犯罪行為ととらえまして、個人を犯罪行為の主体としてこれを処罰するということになっておるわけでございます。したがいまして、刑事責任としての責任は、当該行為を行った個人が責任をとるということになっております。
#134
○保坂委員 組織的犯罪をよく言う法務省ですから、組織的犯罪と言われるのかと思ったのですが……。
 それでは防衛庁、今の答弁を聞いて、背任ということが成立したときに潔くこれを認めるということで信頼回復に努めるのかどうか。
#135
○大越政府委員 この件につきましては、現在部内において調査中でございますので、現時点においてコメントすることを差し控えさせていただきたいと思います。
#136
○保坂委員 具体的に伺いますが、防衛庁のOB、防衛産業への再就職OB団体、月例経済会なるものが耳に入ってきているわけですが、これはいかなる団体でしょうか。財源、目的、運営、どこで会合を開いているのか、明快に答弁いただきたいと思います。
#137
○大越政府委員 御指摘の月例経済会と申しますのは、調達実施本部出身者を中心としますOBの任意団体でございます。そこにおきましては、経済知識等の向上と相互の親睦を図るということを目的にしまして、日ごろ、経済問題の勉強でございますとかあるいは講演会などの活動を行っているというふうに承知しております。
#138
○保坂委員 質問に全部お答えになっていないのですが、例えばどこで何人ぐらいが集まって話しているのか、そして、話題の中に自衛隊の調達物資に関する話も出てくるという報道もあるのですが、事実ですか。あわせて答えてください。
#139
○大越政府委員 お答え申し上げます。
 会員は約四十名くらいだというふうに聞いております。会合は、例えば調達実施本部の中でいろいろな時事問題について話をするときに聞きに来るというようなこともありますし、そのほか、どういうところでやっているかというのはつまびらかに承知しておりません。
 話題の中でどういう話題が出るかということについては、よくわかりませんけれども、調達問題についても話題に出るというふうに想像されるところでございます。
#140
○保坂委員 最後の質問にしますが、過大請求額を今回返還するに当たって、メーカーによって遅延金利を八・二五%上乗せしたところと五%としたところが分かれたというふうに伝えられていますが、この理由をわかりやすく話してください。
#141
○鴇田政府委員 返納額の算定に当たりまして、最後の段階で、それまでの遅延金利を取るべきであるということで議論がされたわけでありますが、四件それぞれ、平成五年から七年度にまたがって個別に処理をされております。今委員御指摘のように、国の債権の管理等に関する延納利息八・二五%を適用いたしました日本工機の件、藤倉航装の件と、四・八六%といいまして、これは市中、日銀さんが整理されております過去の標準実績金利率、実際にお金を借りるとしたらどれだけの金利がかかるかといったもの等を使いました東洋通信機、ニコー電子の件がございます。
 これらにつきましては、一言で申し上げますと、原価差異額の返納に当たっての基準、ルールというものが訓令達の形で当時できておりませんでした。具体的に、司法上の和解契約ということで先方と合意の上でこれだけの新たな契約を結んでお金を返してもらうという交渉の過程で、相手方によって金利がばらついたというのが、私ども、調査の結果わかった点でございます。
 いずれにしましても、一律の金利で処理するのが実際の姿だと思いますので、今後策定いたします実施要領といいますか処理基準では、金利水準については一律化を図りたいと考えております。
#142
○保坂委員 時間が来てしまい、そして今の答弁で極めてわからなかったので、わかりやすく一覧表にして、こういう基準でこう適用したらこうなったという資料を当委員会に提出していただくことを委員長にお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#143
○原田委員長 理事会で協議します。
    ―――――――――――――
#144
○原田委員長 この際、委員各位に申し上げま
す。
 本日午後一時より、第一議員会館第二会議室において、教育現場関係者との意見交換会を行いますので御参集ください。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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