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#1
第142回国会 予算委員会第四分科会 第2号
平成十年三月二十日(金曜日)
    午前九時開議
出席分科員
   主査 石川 要三君
      津島 雄二君    萩野 浩基君
      松本  純君    吉田  治君
      中井  洽君    吉田 幸弘君
      大森  猛君    矢島 恒夫君
   兼務 松崎 公昭君 兼務 赤羽 一嘉君
   兼務 大口 善徳君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
 出席政府委員
        厚生大臣官房総
        務審議官    田中 泰弘君
        厚生大臣官房障
        害保健福祉部長 篠崎 英夫君
        厚生省健康政策
        局長      谷  修一君
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        厚生省医薬安全
        局長      中西 明典君
        厚生省社会・援
        護局長     炭谷  茂君
        厚生省老人保健
        福祉局長    羽毛田信吾君
        厚生省児童家庭
        局長      横田 吉男君
        厚生省保険局長 高木 俊明君
        厚生省年金局長 矢野 朝水君
 分科員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      村瀬 吉彦君
        厚生委員会専門
        員       市川  喬君
        予算委員会専門
        員       大西  勉君
分科員の異動
三月二十日
 辞任         補欠選任
  津島 雄二君     松本  純君
  五島 正規君     藤村  修君
  中井  洽君     吉田 幸弘君
  矢島 恒夫君     大森  猛君
同日
 辞任         補欠選任
  松本  純君     津島 雄二君
  藤村  修君     吉田  治君
  吉田 幸弘君     一川 保夫君
  大森  猛君     平賀 高成君
同日
 辞任         補欠選任
  吉田  治君     五島 正規君
  一川 保夫君     中井  洽君
  平賀 高成君     矢島 恒夫君
同日
 第一分科員大口善徳君、第五分科員赤羽一嘉君
 及び第八分科員松崎公昭君が本分科兼務となっ
 た。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十年度一般会計予算
 平成十年度特別会計予算
 平成十年度政府関係機関予算
(厚生省所管)
     ――――◇―――――
#2
○石川主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算及び平成十年度政府関係機関予算中厚生省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。
 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願いいたします。
 なお、政府当局に申し上げます。
 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田幸弘君。
#3
○吉田(幸)分科員 おはようございます。自由党の吉田幸弘でございます。
 時間が限られておりますので、早速始めさせていただきます。
 二十一世紀の医療保険制度の内容について、また厚生委員会に引き続きお伺いをさせていただきます。
 今後の診療報酬の体系において、技術や物及び施設管理費用とその支払いにおける対応を明確に改めていくというふうにございます。技術の適正な評価を行うとありますが、一体この評価を下すためにはどんな要因が絡まってくるのか、非常に多くの要因が絡まってくるのではないかと考えております。
 また、歯科治療の場合、一回の治療、いわゆる施術というか、一つ一つ段階を踏んで治療を進めていくわけでありますが、この時間が医科と比較をして長くかかる、一回の治療時間も長くかかるし、また通院の回数も長くかかるというようなことがあると思います。このことももちろん考慮していかなければならないというふうに考えておるわけであります。
 また、一定の範囲内にて医師及び歯科医師が技術、経験に応じて患者から徴収できるような道を開くというようなこともあるようでありますが、実際に客観的にそういう評価が可能かどうか。
 うちの父親も歯科医師であります。私も歯科医師であります。私は補綴科という、大学院、入れ歯の専門の医局を出て、そのことについて多くを研究して、いささかではありますが臨床経験もあると思っております。ただ、うちの父親からしてみれば、おまえの医療技術、入れ歯の技術はまだまだだ、こういうようなことをずっと言われて今日に至っているわけでありますが、本当に医療の評価というもの、これは非常に難しい要素が絡まってくるというふうに今現在も思っております。
 でも、これは現場で日常診療に当たっている先生方にしてみれば、一体自分の行っている診療のどの行為がどんな評価、これは厚生省の方から、またこれは非常に突っ込んだ話になりますが、一体この保険点数で十分なんだろうか、こういうことを考えながら診療を行っているとさえ、私ども各地の勉強会でいろいろな先生方から意見をいただいているわけであります。
 そこで、本当はいろいろな要素の中に患者さんとの信頼関係、またこれが、ある人から紹介を受けたのだ、この病院は非常にすばらしいのだ、いい先生なんだというような情報も本当に大きな要素になってくるとは思うのですが、一体、医療の評価というもの、どのようなことが絡まって患者さん、医療を受ける人たちにのしかかってくるのかというようなことまで含めて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#4
○高木(俊)政府委員 まさに先生御指摘のとおり、技術と物の分離なり、あるいは技術の評価といった場合の物差しをどうするのか、なかなか難しい面があると思います。
 これは一つには、しかし医療行為というものを考えていく際の物の考え方として、方向としてはそうあるべきだというものと、それから、じゃ具体的にそれをどういうふうに点数なりの中で消化
していくのか、こういう問題があると思うのです。
 昨年の八月に与党の医療協議会なり、あるいは厚生省もそうでありますが、抜本的な改革の方向の中で一つの方向をお示しをした。それが今先生御指摘の考え方であります。
 では、それをいざ具体的にどう診療報酬の組み立てとしてやっていくのか、これはこれからの作業になりますけれども、なかなか難しい作業だと思います。私どもは、これはやはり相当時間がかかるというふうに思っておりまして、そういう意味で、この抜本的な改革の見直しに当たっては、まずこの診療報酬体系のあり方について、御議論を今いただいておるわけであります。ただこれも、一致したところもありますが、両論に分かれるところもありまして、まだまだ慎重な詰めの議論が必要であるというふうに考えております。
 そういった中で、やはり私は、そもそも医療に対して国民がどれだけ要するに負担をするといいますか、財源なりを充てていくのかというそのマクロ的な議論というのは本来要るのだろうと思います。まさに今回の審議会の議論の中においても、そういった点についてこうすべきだというところまでまだいっていませんが、そういう問題認識のもとに、今後さらに検討していくということになっておりますが、その辺のところが非常にはっきりしないところもあるのじゃないか。
 例えば、国民医療費全体で見ますと、我が国は例えば国民所得の約七%程度を今使っておりますが、果たしてこれがどうあるべきなのかという問題がやはり基本にあるだろう。それと同時にまた、現在七%程度、これは西欧諸国と比べた場合、決して高い割合ではありませんけれども、これの中にむだとか非効率なものがあるとすればそれを直していかなければいかぬという問題があって、その辺のところはやはりきちっと区分して議論していかなければいけない問題だと思います。
 いずれにしましても、具体的に診療報酬の組み立てを考える際には、御指摘のとおり非常に難しい問題でありますけれども、昭和三十三年に現行の点数表ができ、約四十年たっわけですが、もうやはり見直していかなければならない時期である、このように考えております。
#5
○吉田(幸)分科員 次に、診療所内のスタッフについてお伺いしていきたいと思います。
 歯科診療所内には、歯科医師のほかにパラデンタル、コデンタルと言われる歯科衛生士さんや歯科技工士さんらが従事をしております。歯科医師とともに歯科診療の一翼を担っておりまして、私どもも、技工士さんに至っては、開業時、またどの先生に技工物をお願いしようと、ある意味では補綴治療に関しては非常に大きな要素となってくるスタッフがともに働いておるわけであります。
 今回の診療報酬の改定に当たっては、社会保障関係予算や医療保険財政が非常に厳しい状況下において、人件費、物件費の上昇への対応として一・五%の改正が行われましたが、まだまだ十分であるとは考えにくい部分がございます。
 今回の改正において、歯科衛生士、歯科技工士に配慮した診療報酬の改定が実際行われたのかどうか、このことについてお尋ねいたします。
#6
○高木(俊)政府委員 四月からの改定でありますけれども、そういった中で歯科医療全般について配慮しながら、限られた財源でありますけれども改定が行われたものであるというふうに私どもは考えております。
 歯科の関係ですと、歯科衛生士の方にかかわる分としては歯科衛生実地指導料というのがございますけれども、現行六十点、これを八十点に引き上げるというふうな形で改定を行っておりますし、また歯科技工との関係で申し上げるならば、いわゆる歯冠修復とかあるいは欠損補綴、こういった製作料の中の代表的な項目ということで、ある程度重点的な評価ということをさせていただいております。全部鋳造冠の関係あるいは前装鋳造冠の関係あるいは鋳造鉤というような関係につきましても、それぞれ点数の引き上げを行っておりますので、必ずしも関係者の方々はそれで十分であるということにならないかもしれませんけれども、そういった配慮がなされておると考えております。
#7
○吉田(幸)分科員 ありがとうございます。
 次に、在宅歯科診療についてお尋ねします。
 平成六年十月の診療報酬改定に当たり、在宅医療推進の一環として、在宅の歯科診療も全面的に改正をされました。社会福祉施設などへの歯科訪問診療料の新設や訪問歯科衛生指導料の評価、さらには処置などを行った場合の百分の五十加算の新設など、大幅な改正が行われ、地域における取り組みの推進が図られたものと私自身も評価をいたしております。
 その一方で、在宅歯科医療についての不合理な点も多々浮かび上がってきたのではないかというふうに考えます。といいますのは、例えば、特別養護老人ホームなどの施設に赴いて複数の患者さんに対して歯科訪問診療を行った場合と、通常の居宅で一人だけ診療を行った場合の保険請求について、採算面で不合理があるのではないかということであります。
 具体的に申し上げますと、往復に要する時間は施設であっても居宅であっても、こういう往復に要する時間は何ら変わりはございません。また、距離の問題とかいろいろな問題を含めて、規制というわけではないのですが、規定みたいなものがあって、遠くへ行って訪問診療はできないというような状況にあるとも聞いております。また、施設で複数の患者さんに訪問診療を行う場合に比べると、居宅でやる場合は一人か多くても夫婦で二人とか、この人数もかなりの違いがあると思います。
 最も大きな点としては、環境が違う。施設でやるのと御自宅でやるのでは歯科診療におけるハード面の整備というものも全然異なってくるのではないかというように考えております。いわゆる治療の効率、あるいはやりにくさ、やりやすさと申しますか、非常に困難な場所で治療を行うのが居宅の方ではないかというふうに思っております。
 もちろん歯科医療が経済性、効率性のみで論議されるわけではありません。ただ、地域で居宅の訪問診療に熱心に取り組んでいる先生方のこの思いを断ち切らないために、また現在においては何か割り切れないような気持ちもあるのではないかという思いから、もう少しこのことに対して積極的に取り組んでいっていただきたいというふうに思っております。
 高齢社会を迎えて、在宅歯科医療はますます重要になってくるということは私が今言うまでもありませんが、今回の改正において、どのような方針で在宅歯科医療の見直しをされたのか、少し詳しくお伺いをしたいと思います。
#8
○高木(俊)政府委員 まさに御指摘のとおり、これから高齢社会を迎えて、在宅における歯科医療というのは非常に重要になってくるというふうに思います。ただ、そういった中で、現行の状況を考えますと、なかなかまだ十分な面があるわけではないというのも御指摘のとおりだと思います。
 今回の改正におきましては、そういった面では、むしろ、ただいま先生からお話がございましたような、いわゆる施設、社会福祉関係の特養とかそういった施設に出向いて治療をする場合と、いわゆる一般の家庭の在宅の治療をする場合とのバランス論、これはかねてから御指摘があったわけであります。そういった意味で、その辺の調整というのをまず一つさせていただいております。
 それは、まさに施設等に行った場合は、ある程度の数の患者さんを一遍に診られる、それからまた施設によってはそういう歯科関係の治療の施設等も備えているところもあるというので、環境的にも恵まれている面もある場合もありますし、そういったようなことも配慮して、社会福祉施設で治療をする場合については、これはある程度、現行よりも若干の制限をかける。
 それから、一方、在宅でする場合については、現行よりも、例えば歯科の訪問診療料とか、あるいはまた訪問歯科衛生指導料とか、こういった訪問して行った場合の点数というものを大幅に引き
上げるというふうな形をとらせていただいたわけであります。
 私ども、こういった中で誤解があってはいけないのですが、在宅で治療を受ける場合と社会福祉施設で受ける場合と何か差別をしているということではありませんで、あくまでもそれぞれバランスを図った形で両方の治療サービスというものが今後とも円滑に行われるように、そういうような視点で考えていかなければならないと思っておりますので、そういったこれからの社会というものを考えた場合には、今後なお、この辺のところも時代に合った形で引き続いてやはり見直しをしていく必要があるだろう、このように考えております。
#9
○吉田(幸)分科員 次に、歯科診療における感染予防対策についてお尋ねいたします。
 歯科の治療においては、ミラーやピンセットを初めとして、実に多くの器具を使用いたします。これらの器具についての滅菌、消毒は時間も経費も非常にかかるものでありますが、決しておろそかにするものではないと考えます。
 これらの感染予防については、単に医療従事者の健康の問題ではなく、患者さんの立場に立った対策が必要であり、従来にも増して歯科医療に従事する歯科医師や衛生士の関心も非常に高くなってきております。
 ところが、医療機関によっては、かなりの費用を投じて感染予防対策を行っているにもかかわらず、感染予防に直接対応した点数は設定されておらず、非常に大きな矛盾ではないかと考えます。特に、来院される患者さんの中でも、全身疾患を持ち、抵抗力、免疫機能が低下している患者さんの場合は、臨床上、より細心の注意を払って治療を行っていくわけであります。
 そういった中、今回の診療報酬改定に当たり、病院歯科の限定があるものの、感染予防対策管理料が新設された点は私自身も評価をいたしたいと思っております。
 では、一方、なぜこの病院歯科に限定して感染予防対策管理料が新設されたのか、そして今後これはどのような展開になっていくのか、一般診療所まで広げていくお考えがあるのか、この点についてお伺いをいたします。
#10
○高木(俊)政府委員 現行の診療報酬点数体系の基本的な考え方とも絡む話になろうかと思いますけれども、それぞれのいわゆる項目が設定されなければそれについては点数表上評価されていないということでは必ずしもないわけでありまして、そういった意味では、現行の点数表の体系、いわゆる出来高払い制ということの名のもとに、かなり積み上げ的に項目も新設をしてやってきているという経過がありますが、今後ともそういった形がいいのかどうかという、その辺のところも実はあろうかと思います。
 私は、やはりそれをずっと積み上げ的にやってきたために非常に分厚い点数表ができてきてしまったという面もあろうと思いますし、そういった意味では、むしろ、もっとその辺の簡素化も図るべきだという要請が今出てきておりますので、そういうような方向がむしろ望ましいのだろうという気がいたします。
 ただ、今回、病院については感染予防対策管理料というものが新設され、診療所についてはそういった項目はないということになりますから、何か片一方は評価されたけれども、片一方は評価されていない、あるいは逆に、余り期待されていないというふうに受けとめられる嫌いがあるのでありますが、私は必ずしもそうではないというふうに思っております。
 例えば、そのような誤解を招くようなことがあるとするならば、あるいは現行点数表の中で、診療所についてもそういうものを新設するというのも一つの考え方かもしれませんけれども、全体の中で、こういう感染予防対策というものについて、診療所も病院もやはり基本的には考えていただかなければならない面がある。
 ただ、病院については、今回一定の紹介率等々の基準を設けまして導入をしたわけでありますが、総論的にこういうような一つ一つをやっていくのがいいのかどうかという問題等というのは基本にありますけれども、今回の改正においては、率直に申し上げれば、診療所の方に新たにこういった項目を設定をして、そして、新たな点数を設けるというところまでは、全体の財源の配分の中でそういう格好というものがとられなかったということでありまして、内容的には、病院も診療所も、やはりこういった点については十分今後とも充実していかなければならないなというふうに考えております。
#11
○吉田(幸)分科員 次に、小児の歯科診療についてお伺いをいたします。
 私は、以前歯科医師として、子供さんの歯を多く診てまいりました。昔と比べて子供の口の中というのはよくなってきたというふうには聞いておりますが、子供というのは非常に虫歯にかかりやすく、私が治療を行った患者さんの中でも、一度治療したのにまたすぐに虫歯になってしまうという患者さんがいたことを記憶いたしております。
 我が国の将来を担う子供たちの健康を守ることは大変意義のある課題であり、その一環として、子供の歯科診療について、虫歯などの歯科疾患の再発抑制がなされるような診療報酬上の評価を行うべきではないかというふうに考えております。
 歯の治療が終わった子供さんに対して健康管理を行う場合、この指導料が初診月については算定できないというように今まではなっておりましたが、今後どのような対応をしていかれるのか。
 また私は、せめて虫歯になりやすい子供については、早い時期から虫歯の再発を防止できるような指導体制の充実というものを強く訴えていくとともに、実質的に、診療報酬の中にこの評価を入れていくべきではないかというふうに考えております。この点についてお伺いをいたします。
#12
○高木(俊)政府委員 小児のときからの虫歯の予防ということは非常に大事であるということはもうそのとおりだと思いますし、また、これからの歯科医療の方向についても、こういった問題の重要性というものがさらに高まるような方向にいくのだろうと私は思っております。
 ただ、そういった中で、今回この改正の中で、後ほど申し上げますけれども、充実を図ることにしたわけでありますが、これについては、一種の予防的な性格のものではないかというような御議論もございました。そういった意味では、中医協の中においても、今後、こういった予防的な給付というものを医療保険の中でどう考えていくべきなのかという極めて基本的な問題について、引き続き議論をしていくということになっておりますけれども、歯科について、今回まさに小児の歯科、虫歯の予防ということについての対応をさせていただいたわけであります。
 ただ、この対応については、かなり成功報酬的な色彩を込めた改正になっております。これについても賛否両論ありますけれども、ある意味では思い切った、めり張りをつけた形の改正をさせていただいて、この重要性というものをむしろ十分認識していただきたいというふうな気持ちもあったというふうに思います。
 そこで、内容的に申し上げますと、従来ですと、歯科の口腔衛生指導というものを行った場合に、初診を行った翌月から算定できる、こういうふうになっておったわけでありまして、初診のときには算定できないということであったわけでありますが、今回新たに設けられました継続的な歯科口腔衛生指導料につきましては、初診を行った月からもう算定ができるということにいたしました。
 これはもう当然のことでありますけれども、できるだけ早くからそういう指導が行われる方が好ましいということで、治療が開始されてから比較的早い時期に口腔指導を行う、そういった誘引というものを考えまして、こういう取り扱いにさせていただいたわけであります。
 その裏腹として、成功報酬的なものになりますけれども、それらの結果、最終的にはやはり虫歯ができてしまっていたという場合については、こ
れは、その点については算定についての抑制をするというような形で、その辺のところをかなり成功報酬的な誘引を導入したということでございまして、一年経過後、新しい虫歯ができていないという場合には、これは、現行の九十六点という点数を二百四十点ということで、大幅に引き上げさせていただきましたけれども、やはり一年経過後を診ると新たな虫歯ができているという場合については、とれは算定できないということにさせていただいております。
 今後、こういう形のままでずっといくのがいいのかどうかというのはなお検討していく必要があると思いますけれども、今回の改正においては、そういった形で評価をさせていただいた、こういう内容でございます。
#13
○吉田(幸)分科員 今の御説明なんですが、では、成功報酬ということは、一年後に虫歯になっていなければ報酬というか算定をすると。ということは、その時点でその患者さんというのは病気じゃないわけです、疾病を有していないわけです。では、どんな形で歯科診療、歯科医院に行くのか。健診で行くのかと一要は、病院というのは病気があって行くところだと思っております。ですから、その点に関しての御所見と、あとは、治ってしまったらもう来ないのじゃないか、このことに関してもどんな感じで進めていくのかということについてお伺いをします。
 さらに、患者さんの責任もやはりあって病気が治る、治らないかというのがかかってきますので、予防が失敗した場合、治療が失敗した場合についても、成功報酬に反する言葉として失敗という言葉を使わせていただいておりますが、これは、医療従事者、歯科医師が何も手を抜いてそうなったわけではないということを十分御理解いただいて、早急に同様の評価をいただきたいということをお願いを申し上げて、先ほどの、一体どんな形で診療所に来るのかということをお伺いしたいと思います。
#14
○高木(俊)政府委員 まさに、これは齲蝕の多発傾向者に対する対応でありますから、そういった意味では、継続的にやはり歯医者さんに管理してもらうということは基本であります。
 ですから、そういった意味では、継続管理ということでありますから、やはりそれなりに、歯科治療の終了した後、三ないし四カ月というような間隔を念頭に置いておりますけれども、一定の間隔で一やはり管理といいますか、指導といいますか、そういったものをやっていっていただくということが基本でありますし、まさに齲蝕の多発傾向者の方御本人もそういった意味では悩んでおられるでしょうから、歯医者さんとの信頼関係のもとに、適切な指導を受けながらやはり注意をしていくということではないかと思います。
 ただ、今回はこういうことで、その結果うまくいかなかったという場合には算定がないわけでありますけれども、果たしてこういうようなことでいいのかどうかというのは、なお状況等を見ながら、今後やはり見直すべきものは見直していくということではないかと思います。しかし、まずこういうような方向というものをやってみるということで今回の改正では改定が行われたということで、十分この趣旨を御運解いただいて、効果的な治療が行われるようにお願いしたいというふうに考えております。
#15
○吉田(幸)分科員 以上で終わります。どうもありがとうございました。
#16
○石川主査 これにて吉田幸弘君の質疑は終了いたしました。
 次に、大森猛君。
    〔主査退席、萩野主査代理着席〕
#17
○大森分科員 おはようございます。日本共産党の大森猛でございます。
 冒頭から立ち入った質問で大変恐縮なんですが、大臣はこれまでマンションにお住まいになったことがあるでしょうか。もしあれば、その御感想を含めて、ちょっとお聞きをしたいと思います。
#18
○小泉国務大臣 私は今議員宿舎に住んでおりますので、議員宿舎もマンションといえばマンションかと思います。住んでおります。
#19
○大森分科員 私は神奈川に住んでおりまして、神奈川でも、また全国でも、私ども、マンション何でも相談会というのをやっているわけなんですが、神奈川県では過去十数年間、ニカ月に一回やって、毎回、大変な皆さんの相談も寄せられているわけでありますけれども、その背景には、マンション世帯がとりわけこの都市圏で大変増大するということが当然あるわけですが、横浜では集合住宅、マンション等に住む方が大体もう四割近い。千葉県の浦安市ではもう七六%、八割近くになっているわけなんです。
 首都圏でいえば、国土のわずか三・六%の地域に日本の人口の二六%が集中するということで、その一極集中のよしあしは別としても、日本経済の動向とやはりこれは深いかかわりがあったと思うのです一こういう過度の人口、労働力の集中を支えてきたのが、都市における都市空間の高度利用ということがあるのではないか。集合住宅がそういう意味では大きな役割を果たしてきたと思うのです。
 一方では、公共住宅の割合、これはヨーロッパと比べても、各国が二〇%から三〇%に対して、日本ではわずか七%ということで、住宅は福祉、住まいは人権と言われながら、残念ながら、そういう面で国の役割が果たされていないという中で、民間のマンションの果たしてきた役割、これは非常に大きいものがあるのではないか。極言すれば、マンションがなかったら今日の日本経済はないんじゃないかと言ってもいいくらいの公共的な役割、意義が民間マンションにはあるんじゃないかと私は思いますけれども、その点のことも含めて御見解を伺いたいと思います。
#20
○小泉国務大臣 当然、多くの方がマンションに住んでいるわけでありますので、マンションの果たしてきた役割というのは大きいものと思っております。
#21
○大森分科員 一般的にもそうですけれども、公共性があるという点はぜひ大きく強調しておきたいと思うのですが、しかし、とりわけ都市においては、バブル期、マイホーム自体がもう絶望的になってしまう、ましてや戸建て住宅というのは夢のまた夢という状況のもとで、マンションライフを選択される方も、あるいは積極的に好んでマンション生活を希望される方もあるかとも思うわけなんですけれども、いずれにしろ、好むと好まざるとにかかわらず、マンション生活をやっている方が非常に多い。
 しかも、今、マンション始まって以来三十年たって、建てかえ問題、大規模修繕問題、あるいは住民の高齢化の問題と、新たな深刻な問題がたくさん今日出てきているわけでありますけれども、そういう中で、私は、とりわけ生活の基本のところで、戸建て住宅の住民の皆さんとマンション住民の皆さんとの間で大きな格差が生じているんじゃないかということをまず申し上げたいと思います。
 例えば、ライフライン、電気、ガス、水道、これらの面で見ますと、電気では、変電所など管理コスト、こういうものが住民負担になる。あるいはガスについても、団地内、マンション内の配管の管理あるいは敷設がえ等についても住民負担が強いられる。さらに、水の問題でも、受水槽を利用した場合、戸建て住宅の二倍近くもかかってしまう、こういうぐあいになっているわけであります。したがって、ライフラインと言われる、そういう生活の最低の条件のところでやはり住民は公平に行政の恩恵を受けるべきじゃないか、こういう立場で私もこれまで国会で取り上げてまいりました。
 電気の問題では、昨年の予算分科会で亀井建設大臣にお尋ねをしたわけなんですが、大臣は、住都公団に対して、電力会社のコストを下げることに何も協力する必要はないんじゃないかと、非常に明快な御答弁もいただきました。ガスの問題でも、商工委員会で佐藤通産大臣に前向きの答弁もいただいたわけですけれども、きょうは小泉大臣
にこの水の問題でお聞きをしたいと思います。
 これは横浜市が五、六年前に発行したパンフレットでありますけれども、大変ショッキングな内容になっております。ビルの水道、受水槽の問題を取り上げているわけですが、冒頭から、「ぎょ!蛇口から虫が出てる」、大変ショッキングな見出しです。「蛇口からアワが出る」、さらに「受水槽のヒビ割れから殺虫剤が入った!」大変リアルなことが盛り込まれているわけなんです。
 水道法第二条では、「国及び地方公共団体は、」「水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じなければならない。」ということで明確に規定をしているわけでありますけれども、マンション、団地居住者が口にする水道水の適正かつ合理的な使用及び衛生管理について、これは、その第一義的な責任が国や地方公共団体にあるのではないかということをまず確認させていただきたいと思います。
#22
○小野(昭)政府委員 基本的には、安全な水を供給するというのは水道事業者の責務でございますけれども、先生御存じのとおり、いわゆる高層建築の場合には、その高層建築の設置者が直接に給水できない場合に関しましては、受水槽を設置し、受水槽から居住者に対しまして水道水を供給するということの仕組みを取り入れているわけでございまして、その場合に、受水槽の衛生管理あるいは検査というものは、建築物の設置者がきちんと行わなければならないという規定になっているわけでございます。
#23
○大森分科員 それは当然の話で、私が伺ったのは、第一義的な責任がどこにあるかという点であります。この点、どうでしょう。
#24
○小野(昭)政府委員 基本的には、水道事業者がいわゆる水道メーターのところまできちんとした水を、衛生的な水を供給するという仕組みになっているわけでございます。
#25
○大森分科員 水道事業者の責任もあるわけなんですが、そうすると、この水道法の第二条、「国及び地方公共団体」というのはどういう意味でしょうか。第一義的な責任が国及び地方公共団体にあるということは、私の理解は間違っているのでしょうか。
#26
○小野(昭)政府委員 国が基本的にいわゆる衛生的な水道水を住民の皆さんに供給するために必要な規制その他を定めているところでございますが、その具体的な事業の実施に関しましては、地方公共団体において行うというのが水道法の基本でございます。
#27
○大森分科員 国の責任がどういう位置にあるかということを、具体的にだれがどうするか、これは当然それぞれあるわけで、国が基本的にそういう責任を果たすという点を、これはおっしゃらないんですか。
#28
○小野(昭)政府委員 水道法第二条の責務規定がございます。若干長くなりますが、読み上げさせていただきます。
 国及び地方公共団体は、水道が国民の日常生活に直結し、その健康を守るために欠くことのできないものであり、かつ、水が貴重な資源であることにかんがみ、水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じなければならない。
というふうに第一項で定められているところでございます。
 また、第二項におきまして、
 国民は、前項の国及び地方公共団体の施策に協力するとともに、自らも、水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に努めなければならない。
と規定をされております。
#29
○大森分科員 やっと法律の上で、読まれる形で、国の責任がまず、及び地方公共団体の責任、そのもとでそれぞれ具体的に水道事業者等が行うことについて、それが進められるように国が図っていくという関係をまずこれは第一に明確にしなくちゃいけないと思うのですね。
 その点で、この適正かつ合理的な使用あるいは衛生管理について、国と自治体が本当に責任を果たしているかどうかという点で若干検証したいと思うのですが、まず費用の面でありますけれども、マンション住民と戸建て住宅の場合、同じ量の水道を使っても非常に大きな格差が生まれているわけです。
 これはちょっと古い数字で恐縮なんですが、一九九一年、水道料金、横浜市の戸建て住宅の場合、年間平均二万八千二百十四円で済むわけですね。ところが、マンション、受水槽方式の住民の場合には、この二万八千二百十四円に加えてポンプ運転電気代一万五千六百円、受水槽清掃料三千五百円、検査料八百円、これを毎年負担しなくちやならない。これに加えて、毎年ではありませんけれども、三年から五年に一回行うポンプの分解修繕費、あるいは八年から十五年に一回行うポンプの取りかえ費、あるいは受水槽の塗装代等、受水槽の取りかえ費、こういうようなものの負担もこれは乗ってくるわけですね。
 したがって、同じ量の水道水を使っても、マンション住民の場合二倍以上の格差が生まれてしまう、こういうことになるわけなんですが、こういう格差はどうして生まれるか、これはどうでしょうか。
#30
○小野(昭)政府委員 直接給水の場合におきましては、先生御指摘のような費用は発生しないわけでありますが、高層の住宅の場合、当然水道管圧が、低いというのは大変失礼でありますが、大体二階建て程度の家庭であれば、十分二階の部屋の水道使用に耐えるだけの水道管圧を維持しているところが普通でございますけれども、それ以上に高層になりますと、それは直接に水道管から水道水が供給されないということになりますので、当然ポンプアップをいたしまして受水槽に水をため、それが落下してくるわけでございますので、その水を利用するということになるわけでございます。
 そういう意味では、今先生御指摘のような、数字は私詳細はよく承知いたしておりませんが、受水槽を設置し、費用が発生することは事実でございますけれども、これは一戸建ての家に居住するのかマンションに居住するのか、当然マンションに居住する場合にはそれに伴う水その他管理費用の発生するという前提条件で入居されるわけでございますので、そういった居住の形態の差による負担費用の差というものは、これは居住者の選択ということにゆだねられるものというふうに考えております。
#31
○大森分科員 一般的な商品ではなくて、水は生命を維持する上で最低限必要なものだと思うのです。したがって、水道法の精神としても、例えば水道料金を払えない場合でもすぐにそれをストップしてしまうということには恐らくなっていないと思うのですね。そういう性格のものだと思うのですよ。ですから、これは一般的な商品でもない、しかも住居に伴うものという意味では、そういう居住形態の選択で格差があって当然だということは、これは単純にはやはり言えないんではないかと思います。
 加えて、費用の面でもそうでありますけれども、今の御答弁にあったように、あるいは先ほどパンフレットでも紹介しましたように、この清潔の保持と衛生管理、こういう点でも、マンション住民と戸建て住民の場合かなり大きな格差が生まれているわけです。
 そういう中で、国としても水道法等で簡易専用水道について年一回の点検、清掃を義務づけているわけですが、そういう水の衛生管理が十分にいっているかどうかという点でお聞きをしたいんですが、全国で簡易専用水道施設について、その施設数と点検、清掃の実施状況、それからその結果及びその評価、これについてお聞きをしたいと思います。
#32
○小野(昭)政府委員 簡易専用水道の管理についてでございますが、平成二年度から七年度におきます検査の実施状況を見てまいりますと、対象となる施設数が約十三万から約十六万へと増加をし
ております。この間、検査を受ける受検率に関しましては、七八%から八四%というふうに向上しているところでございます。
 その検査の結果、衛生上問題があって速やかに改善する必要があるというふうに判断をされまして都道府県等の地方公共団体が改善の指導を行った施設の割合についてでございますが、約二%程度でございますけれども、この傾向は年々低下の傾向にございます。
#33
○大森分科員 御答弁があったように全国で十三万から十六万、しかし、そういう中で改善が必要な施設というのが大体四割台以上、時には五割近くに達しているという状況なわけですね。しかも、通報対象施設、これが二%を絶えず超えているという点で、清潔の保持と衛生管理という点でやはりこれは大変深刻な状況じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。恒常的に四割以上改善を要する施設が発生しているという問題です。
#34
○小野(昭)政府委員 水の衛生上の問題となる事例につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように二%程度ということでございますが、検査時点におきます助言や指導によりまして、設置者の管理を適正にしていただくというふうなこと、あるいは衛生上の問題が生ずることを未然防止するということが非常に有効でございます。したがいまして、設置者が定期的に受けていただくということは非常に重要なことだと考えております。
 厚生省といたしましては、設置者に対します指導が徹底をされまして受検率が向上することが図られますよう、従来より、簡易専用水道の規制権限を有します都道府県等の地方公共団体に対しまして、広報あるいはパンフ、立入検査、指導等によりましてその徹底を要請してきたところでございまして、これにつきましては引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
#35
○大森分科員 例えば五十世帯の民間マンションでは点検、清掃に約十一万八千円かかる、これは横浜建物管理協会の調べでありますけれども、そういう費用の問題とあわせて、やはりマンション、団地居住者、あるいは管理組合任せになってしまっているんじゃないかという問題があるんじゃないかと思うのですね。
 そこで、横浜市の場合でありますけれども、大臣のお住まいの横須賀市でも条例をつくって、小規模受水槽の点検、清掃を進めている全国で数少ない自治体であるわけなんですけれども、横浜市では、八トンを超え十トン以下の小規模受水槽の点検、清掃を条例をつくって促進した。その結果、九二年に九〇%近くあった改善を要する受水槽が、九六年には三六%まで減少している。
 ですから、行政が率先して点検、清掃を促進すれば、目に見えて受水槽の安全が確保できるんじゃないか。設置者の、居住者の責任です、こう言っている限りは、毎年毎年、時には五割近い改善を要するような施設が発見される、そういう状況を改善できないんじゃないか、こう思うわけです。
 そういう点で、蛇口までの水質について、国と自治体がきちんと責任をとるよう水道法の精神に立って運用の改善をする必要があるんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#36
○小野(昭)政府委員 いわゆる簡易専用水道に関しましては、水道法の規定によりまして、先生先ほどから御指摘のございますような幾つかの規定がございます。それから、今、水道法の規定に当てはまらない小規模受水槽につきましてもいろいろ御指摘がございますが、これらにつきましては、その設置者等に対しまして法律あるいは行政上の適正な指導を徹底いたしますことによってより安全な水の供給ということを図っていく必要があると考えております。
#37
○大森分科員 先ほど申し上げましたように、啓発普及に一定の御努力をやられていることは認めるわけでありますけれども、当面、公共団体やら設置者に対して、国としてももう少し踏み込んだ積極的な援助はできないものでしょうか。
#38
○小野(昭)政府委員 平成三年の六月に、厚生省といたしまして、二十一世紀に向けた水道整備の長期目標というものを定めたわけでございます。
 この趣旨につきましては、各都道府県知事あるいは各水道事業者あてに周知徹底を依頼いたしましたが、その中で、御指摘の点も含めました小規模受水槽等によります衛生問題の解消というものを図る一つの手段といたしまして、直結給水というものを長期的な視点から推進するという方向を示したところでございます。
 直結給水を実施いたしますためには、より高い水圧に耐える水道管に施設を変えていかなきゃいけないというふうな問題がございます。そこで、平成六年度から、水道事業者が直結給水を効果的、効率的に実施いたしますために、水道管路の更新等の事業に対する費用の一部を補助いたしているところでございます。
 さらに、水道事業者が直結給水システム導入を具体的に検討する際の参考となるような技術的なガイドラインというものを平成九年六月に作成をいたしまして、都道府県あてに送付したところでございます。
#39
○大森分科員 小規模受水槽のお話になりましたので、今の直結給水について伺いますけれども、小規模受水槽についてはそういう見通しを持って取り組まれているわけなんですけれども、今後の展望として、小規模受水槽というのは水道法上も点検、清掃を義務づけられていないという状況のもとで、一日も早く直結給水が実現することが望ましいわけでありますけれども、全国のそうした小規模受水槽を直結するというのには何年ぐらいかかるんでしょうか。
#40
○小野(昭)政府委員 受水槽によります方式を直結給水方式に切りかえますためには、まず配水管の更新をしなければなりませんし、高水圧の対策、あるいは適正な配水管水圧を確保するための配水管の整備が必要でございます。
 このような条件がそろって初めて直接給水方式への切りかえが可能になるわけでございますが、これはそういった水道事業者の面的な対応ということになると思いますし、また、水道事業者の事業の範囲内におきます受水槽の設置状況あるいは建物の高さといったような状況等もありますので、何年までにということを申し上げる段階ではございません。そういった条件の整ったところで水道事業者が逐次実施されているというふうに私どもとしては承知をしております。
#41
○大森分科員 問題は、国民が清潔な水を飲むことができるかどうかという問題だと思うんですね。
 先ほどの大規模受水槽については五割近い施設が問題がある、それが毎年毎年続いている状況、これについてもう一歩踏み込んだ援助ができないかという質問についての御答弁はありませんでした。
 それから、設置数の上ではもう圧倒的に多い小規模受水槽についての直結化、これについては何年かかるかわからないと。これは、国の責務という点では、私、大変問題のある御答弁ではないかと思いますが、その点で、もうちょっと前向きの、具体的な御答弁をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#42
○小野(昭)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、建築物の設置者が受水槽を設置し、それを管理し、そこに居住する住民の方々に安全な水を提供するというのは、これは基本的には居住者と建築物の所有者との間の契約関係が基本であろうと私どもとしては思っております。
 ただ、もう少し何かならないかというお話もございますが、一例を申し上げますと、先ほど申し上げました水道水源の管路の近代化推進事業、直結給水でございますが、そういったものの推進のための事業費というものを国としても計上しておりますし、さらに、いわゆる融資制度もございます。
 これは、一戸建て住宅あるいはマンションの両方でございますけれども、新築、改築を問わず、受水槽及び直結給水を行うために必要な給水装置の設置費用というものにつきましては住宅金融公庫の融資の対象というふうになっておりまして、
そういった面で、直接的であるかどうかというのはいろいろ御議論がありますけれども、側面的にはいろいろな形で安全な水の供給に資するような制度というものを用意いたしているところでございます。
#43
○大森分科員 直結給水に切りかえる際、当然住民負担が生じるわけなんですが、千葉県水道局の試算では、受水槽から直結給水への切りかえに一戸当たり四十万円程度。これは、既存の管が利用できたとしても二十万から三十万かかるという状況なわけですね。今融資等のお話もあったわけですが、こういう部分への助成あるいは融資条件の一層の改善、こういう点をぜひ御検討をいただきたいと思います。
 最後に、震災時に受水槽が利用できないかという問題であります。
 阪神・淡路大震災ではっきりした点は、生活を営む上で欠かせない水の供給が停止されたら深刻な事態を生む。震災時に水道のパイプラインが断絶しても、数日間受水槽から飲み水が確保できる。その果たす役割は非常に大きなものがあると思うんです。
 横浜市は、十トンを超える簡易専用水道の受水槽だけでもその量が約二十八万四千トン、一人十リッターとして、一日当たり二千八百四十万人分確保できるということになっているわけです。ですから、横浜市の方でも、「困った時の受水槽頼み」こういうパンフレットをわざわざつくっているような状況で、これは水のくみ出し方等々いろいろ書いているわけですが、やはり民間の受水槽をこういう場合の公的な役割として位置づけているということが言えると思うんです。
 横浜市の水道局も、四階建て以上の受水槽の有効活用を検討中だ、建設省としても、官庁施設の総合耐震計画基準というものを定めて、この中で受水槽の耐震性能の確保及び採水可能な給水栓の設置等をうたっているわけですね。
 ですから、こういう点で、こういう位置づけについて検討をされたいということと、加えて、そのためには緊急遮断弁なとを認ける心要がある、これについても今居住者負担になっているわけですけれども、これを公費負担とか、こういう面で積極的な援助、居住者負担の軽減を図るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#44
○萩野主査代理 小野局長。簡潔に。
#45
○小野(昭)政府委員 全般的な震災対策というのは、私どもの所管ではなくて、これは全政府を挙げて取り組むべき課題でございます。
 水道の地震対策ということに関しましては、配水池の緊急遮断弁の設置等々につきまして推進をいたしているところでございますが、先生御指摘の、受水槽に設置をして貯水機能を高めるということに対します公的支援につきましては、受水槽は私的な所有物である、あるいは規模も小さいといったようなこと等もございます。公共性の確保、あるいは施設整備の効果、効率性の観点から慎重に判断すべき問題と考えておりますけれども、いずれにいたしましても、震災時におきます緊急対策というのは、これは、どういう方策が妥当かということを政府全体として検討されるべきものというふうに考えております。
#46
○大森分科員 私有財産といっても、スーパーとか百貨店ではなくて、人が住んでいる施設であり、しかも、事はライフラインの最も重要な水に関する問題なので、ぜひ積極的に御検討いただきたいと思います。
 質問を終わりますけれども、最後に、現在マンションにお住まいという大臣に、ぜひ、御感想と今申し上げた点についての御見解、簡単にお聞きできたらと思います。
#47
○萩野主査代理 小泉大臣。簡潔にお願いします。
#48
○小泉国務大臣 受水槽の設置者に対しては、安全な水の供給とか管理等に対して指導する、また、直結給水の普及にいろいろな対応が必要だということはわかります。
 しかし、どのマンションに住むか、どこに居住するかというのは、最終的には個人の選択の問題だから、個人に公費助成、そこまては必要ないのじゃないかと私は思います。
#49
○大森分科員 終わります。
#50
○萩野主査代理 これにて大森猛君の質疑は終了いたしました。
 次に、松崎公昭君。
#51
○松崎分科員 おはようございます。民友連の松崎でございます。
 私は、厚生省所管の委員会は初めてでございますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 きょうは介護保険の問題を、私も国会で初めて取り上げさせていただきます。大変初歩的なことが入っているかもしれませんが、特に、私も施設に関係している一人といたしまして、施設の立場ということも踏まえながら御質問をさせていただく予定でございます。
 介護保険法は、十二月九日に三回の国会を経てようやく成立をし、二〇〇〇年の四月からスタートするということになったわけであります。非常に難問山積ということで、国民の期待と同時に、大変な問題をたくさん抱えて、走りながら改善するしかないというような実態のようでありますが、ひとつ、前回の国会審議の中の附帯決議とか本会議の決議に盛り込まれました課題を、ちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
 何かと大きな話題になります要介護認定でございますが、認定は、要介護、必要かどうかというだけでなくて、保険の給付額を決定づけるランクにもなるわけで、利用者にとりましても保険者にとりましても大変な要素だと思います。
 厚生省のモデル事業で、平成八年あたりからいろいろテストを全国でやっていらっしゃいますが、一次判定と二次判定で三割近い誤差が出ておるというふうに聞いております。一次の場合、コンピューターで機械的にやる、それから二次は、専門家あるいはかかりつけ医、そういう細かいチェックをされる。質が違うかもしれませんけれども、どうしても時間がかかってしまう。三十日以内にということもありますが、その後、判定をされてからケアプランをつくったりするとまた日にちがかかる、こういう大変問題点のある箇所であります。
 これがきちっと公平さ、公正さを確保できないと、これは恐らく、利用者からの不服の申し立て、そういったことも随分出てくるのではないかと思いまして、この辺、一番ポイントでもございますので、公平公正、迅速な判定、こういう方向に向けてどのように対応しようということでございますか。具体的にお示しいただきたいと思います。
#52
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、介護保険のいわばスタートとして、要介護認定の公正公平、そして迅速な認定ということが大変大事であることは、私どももそのように認識をいたしております。
 私どもとしては、まず迅速という点で申し上げますと、要介護認定を受けまして、それから実際のサービスを受けるまでの間が余りあいてしまいますと非常にサービスに欠けるところがございますので、その点は、まず制度的に、要介護認定の効果そのものを申請日にさかのぼるという形で給付に結びつけているという工夫を制度的にいたしておりますと同時に、それでもやはり、認定の期間というものについて、法律上は三十日以内ということにしておりますけれども、その三十日以内であっても、その中でできるだけ早いようにするようにということで工夫もし、市町村の指導をしておるところでございます。これからもそういう方向でやってまいりたいと思います。
 そこで、公正公平という点でございますけれども、これにつきましては、先生今、いわゆる要介護認定の基準の面とそれから体制の面と両方あると思いますけれども、基準の面で、いわゆるモデル事業で実施をいたしておりますものの一次暫定と最終の二次判定との間での一致率についてのお話がございました。これはもともと、いわゆる要介護状態の大数観察をしまして、大数を調査した
ところから出てきたことによりまして介護度のかかりぐあいを統計処理しまして、それを調査項目に当てはめて処理をするというのがまず第一次判定です。それを参考にして、合議体で最終的に決めていくという仕掛けで第二次判定があるわけでございます。
 したがいまして、一次判定と二次判定は、ある意味からいうと、ある程度食い違っているというのは、当然その仕組みとして、一次判定のそういった大数観察の結果による当てはめの結果によるものも参考にしながら最終的に決定をしていく。そこの間には、かかりつけ医等の意見も入れて決めていくということでございますから、そこは、そういうことでのある種の差があるのはむしろ制度としては当然でございます。
 ただ、それにしましても、そういった公正公平という観点から、それをいかに客観的な基準にしていくか、そして、そういった一致率をできるだけ高めていくかということは大事でございますので、平成八年度以来、モデル事業を全国において実施をいたしております。そして、八年度の結果に基づいて、改善すべき点をさらに改善をして、今、九年度のモデル事業を実施しているという形で、実施に至りますまでに、先生おっしゃるような客観性一公正公平が保てるような基準にするような努力を引き続き続けていって、最終的な客観的ないい基準をつくっていくということにいたしたいと思います。
 それからもう一つ、体制の面につきましては、これを恣意的に判定がされるというようなことになっては困りますので、専門家から成る審査会という形での合議によって決めていくという形の体制をつくっていきたい。これにつきましても、やはり習熟をするということも含めまして、施行までにモデル事業で経験を重ねながら客観的なものにしていくということで、迅速と同時に、公正公平に心がけるようなことをこれから進めてまいりた。これまでもやってきておりますけれども、さらに進めていきたいというふうに考えております。
#53
○松崎分科員 ありがとうございます。
 確かに質が違いますから、一次と二次の単純に数字が違うのも責めても意味がないということはわかっております。それから一いろいろ九年度のテストですとまた随分接近してきたということで、その御努力はよく承知はしております。
 ただ、一次判定で一番とらえにくいというのが痴呆なんですね。この痴呆問題、これが、数はまだ少ないとはいいながらかなりの人数になってきております。これは、本人から直接聞き取り等はできないわけでありますね。この痴呆の部分の認定の問題、ちょっと細かいですけれども、切り捨てられないかという心配を非常にしておりますので、この辺はどうでしょうか。
#54
○羽毛田政府委員 先生のお話のような、痴呆の方々に対する判定の問題については、このモデル事業を実施する過程でもやはりそういった指摘がございました。したがって、平成八年度に実施をしました結果を踏まえまして、その点について改善を加えて、実は今、平成九年度のあれに臨んでおります。
 具体的に申し上げますと、一つは、やはり痴呆の方々というのは、その一時点だけの状態ではなくて、経過観察といいますか、ある程度の状況の観察が要るということがございますので、今回のいわゆる調査に当たります調査員の調査項目の調査に当たりましては、家族等から一カ月ぐらいの状況を聞いた上で記入していただくという形に書式を改めまして、事項もそういう形の書式にいたしました。
 それから、あわせまして、やはり痴呆の状態についての医学的な判断というものをきちっととることをするということで、かかりつけ医のいわば意見書の中に痴呆についての記述というものをきちっと入れられるように、意見書の様式あるいは記入事項について改善を加えるというようなことを加えまして、それでもう一回、今、平成九年度のモデル事業を実施したところでございます。
 その結果を踏まえまして、また改善すべき点があったら改善をしていくという態度で臨みたいと思っております。
#55
○松崎分科員 ちょっと、痴呆の問題に少し入ろうと思っております。
 というのは、痴呆一般が、もちろん厚生省の福祉行政の中では、老人福祉の中で随分取り上げられてはおりますけれども、この痴呆は、今の推計でまいりますと、この保険が始まる二〇〇〇年には大体百五十七万人。痴呆の発症率も七・一八と毎年上がっていますね、当然なんですが。それでいきますと、百五十七万人おります。私は、きょうちょっと取り上げてみたいのは、その中で俳回がまた一一%いるのですね。これはかなりのデータが出ております。そうしますと、俳回老人、二〇〇〇年の時点で十七万三千人という推計が出るのですね。
 今、俳回の問題というのは意外とクローズになっていて、家庭の中でしていますから、意外と数字としては出にくいのですけれども、世の中では、どこかへ行ってしまった、あるいは冬なんかの場合は途中で亡くなったり、そういうケースがかなり出てきております。それが二〇〇〇年になりますと大変な数になるということでありますので、この俳回老人対策、これを今の時点からどんなふうに考えていらっしゃるか、ちょっとお聞きいたします。
#56
○羽毛田政府委員 痴呆性老人、特に俳回をされます老人の方々に対する処遇というのは、行政施策をどうするかというところも含めまして、大変難しい問題であることは、私どももそのように認識をいたしておりますし、先生お話しのとおりでございます。
 それで、今回の介護保険の中におきましてもそういったことを配慮いたしまして、介護度の認定に当たりましても、いわゆる医学的な痴呆の重さという観点もさることながら、むしろ、砕けて言えば介護に要する手のかかりぐあい、そういうところを配慮した介護基準にしていかなければならない。
 端的に申し上げれば、痴呆がある程度進んで寝たきりになられてというときよりも、むしろ、まだ体は元気で俳回をされるというときの方が介護という問題では難しいという側面もございますので、そういった介護度という意味での重さ、低さのところでは、そういった点を配慮した介護保険の基準にしていくということを、今の基準の設定の中で、今モデル事業をやっています中では考えております。その点が一点でございます。
 そういったことも含めまして、介護保険だけとは必ずしも限りませんが、痴呆性老人の方々に対する処遇というものについては、これからいろいろ研究開発をしていかなければならない部分も多うございます。
 そういった点については、痴呆性老人対策の総合的な展開という中でそういった研究をも含めてやっていくということですし、介護保険の中で申し上げれば、新しい試みとして、いわゆるグループホームというような形での痴呆性老人の対応もしております。これも、俳回が非常に重くなったりしますとなかなか難しいですけれども、そこに至る前の、いわばそういう段階に至る前にそういうグループホーム等をやれば効果があるというようなこともございますので、介護保険の中にグループホーム等を位置づける。
 あるいは、施設等の設備の中で、例えば回廊式の廊下を病院の中にすることによって対応ができるというようなことについては、診療報酬の中でそういった点を配慮する。
 あるいは、老人の日常生活用具の給付事業というのをやっておりますけれども、そういった中で俳回感知器という形で、どこかに行かれたらそこがわかる、行かれているところがわかるというような器具の給付をやるとか、そういったいろいろな面での対応をやりながら、しかし、先生おっしゃったように、日本のいわば一つの研究としてまだ未開発と申しますか、そういう部分もございます。これは日本のみならず世界が悩んでいると
いうところもございますから、そういった面での研究あるいは開発といったようなことにも力を入れていくということで、総合的な取り組みをしているところでございますし、これからもそういった力入れをしていかなければならないというふうに考えております。
#57
○松崎分科員 確かに、世界的にも俳回の研究というのは余り進んでないのですね。
 私は今、少し介護保険全体の像からいくと細かいところに入っておりますけれども、なぜかというと、やはり先ほど言った二〇〇〇年のこの保険が導入されるころの推定が、十七万三千人も全国に俳回が出てしまう可能性がある。それで、平成二十二年になりますと八・一%というのですから、痴呆性のあれがどんどん上がってきますから、当然俳回の数もふえる。ですから、今からもっと研究しておいた方がいいのじゃないかということをお伝えしたがった。
 実際は、警察庁はもう既に、これはあくまで事後対策なんですけれども、俳回老人SOSネットワークというのを一九九四年からやっておりますね。これは地域とか行政、民間、放送局、タクシーだとかいろいろなところが協力して既に二百三十七ネットワークということは、二百三十七の警察署でやっております。一道一府三十県。去年上半期で六百三十人発見している。これだけ実際には社会問題が相当出てしまっている。ですから、今からこれをお話をしているわけです。
 それで、研究の点なんですけれども、今から五年ほど前から、老年行動科学研究会というのを筑波大の井上先生を中心にやっていらっしゃいまして、つい三月六日に学会に昇格をして、本気になって実際の老人の行動そしてケア、それを、医学の場合ですと大学病院で研究と治療と両方やるのですけれども、福祉の場合はそういう研究と実際のケアとの接点というのはないのですね。ですから、こういう学会がようやく一生懸命やり出しました。
 そこの研究によりますと、長いときは一日十五キロ歩いてしまう。施設の何人かの徘回老人をテストにやったそうですけれども、平均で一日十二キロ歩いてしまう。これは実在しない目的に向かって歩いてしまうのですね。ですから、それが冬場出ていってしまいますと、危険がある。交通事故になるあるいは凍死する、そういうことになるのですね。俳回経験者の七八%は行方不明の経験者だ、そういうデータもいろいろな団体で出しております。
 この研究から、やはり一定のコントロールができる、抑制もできるんだということで、最近、俳回老人を誘導して一つ大きな公園みたいなところで、ワンダリングパークという名前をつけているのですけれども、これはまだ日本でも世界でもどこでもありません。これをひとつ実験的につくってみる。既にそういうデータがあります。だれか介添え人がいたりするとコントロールできる、それからどこでも行ってしまうということもなくなるというデータが出ております。ですから、こんなものがこれから多分できてくると思います。
 そうしますと、グループホームでもよろしいのですけれども、もちろんこれをただ押し込めるとか閉じ込めるのじゃなくて、その俳回する欲求の原点を探りながら、逆に安全なところで誘導していく、そういうことが必要になるだろう、二〇〇〇年で十七万ですからね。ですから、これはもう施設だって本当は、私の施設もそうなんですけれども、困っているのですね。中でぐるぐる回っていますけれども、やはりなかなか大変だと。それから、もちろん在宅の場合は、もういつも外からかぎをかけたりという状況を私も実際に目の前で見ております。ですから、そういう意味で、こういう試み、ワンダリングパーク、こんなものは非常にすばらしいのじゃないか、そう思います。ですから、これはどうでしょう、こんな構想。まだできていないことに対してお尋ねするのはおかしいのですけれども、御意見はどうでしょうか。
#58
○羽毛田政府委員 先生お挙げをいただきましたワンダリングパーク、不勉強で申しわけありませんが、その論文を私はまだ拝見をいたしておりません。早速に読ませていただきたいと思います。
 今先生からお話を承りましたところで感想を申し上げますと、確かに痴呆性老人の場合に、ややまだ手探りと言ったら言い過ぎでございますけれども、どうやっていったらいいのだろうかという、みんなが工夫をしながら今進んでいるという部分がございます。
 そうした中で、やはり歩かれること、そして地域社会的な雰囲気に入っていくこと、そうしたことが痴呆性老人の方々のそれぞれの悪化をさせない、あるいは回復をするということに非常に効果があるということは私どもの方もそのように思っております。まだワンダリングパークまではいきませんけれども、現に国立病院・療養所の中におきましても、例えば病院自体の周りを全部広い廊下で囲みまして、その周りを老人の方が歩けるようにするというような工夫をしたり、いろいろそういった意味での、先生おっしゃる歩くということの効果、あるいは歩くだけでは恐らくないと思います、そのことによって自然に触れたり、あるいは地域社会と触れたりというようなことで改善するのじゃないかというような効果、これはあるのじゃないかと思います。そういった点も含めまして、私どもとしても関心を持ってこれからさらに研究、検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#59
○松崎分科員 ぜひ御検討いただきたい。
 何せ俳回の発生率、先ほど言いましたように一一%という数字が出ていますから、これは痴呆性老人がどんどんふえると伴って出てくる。これはアルツハイマー型が多いのでしょうけれども、ぜひひとつ関心を持っていただきたい。そして、検討していただきたい。
 そしてまた、いずれ先ほど言ったワンダリングパークみたいな、介護者を置いて、介護者と一緒に歩くのですよね。そうしますと、徘回老人の原点である昔のことしか頭に入らないのですけれども、そういうものも解消されていくということですから、そうなりますと、いずれそういう介護者とかが介護保険の対象にもなるのではないか。そういうことできようは取り上げさせていただいたので、ちょっと早過ぎる話かもしれませんけれども、もう二年ですから、いずれそういう話になるだろう。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、先ほどの本題に戻りたいのですけれども、介護保険制度は大変いろいろな問題があるわけでありますけれども、特にきょうは施設の立場からお話を聞きたいな、そういうことでございます。
 介護保険制度というのは、一九六一年の国民皆保険、それから年金、そしてまた三番目の今回は社会保険制度の柱になるということでありますが、どうしても私の素人考えの見方では在宅中心の、つまり、高齢化社会がどんどん進んできた、施設がゴールドプランをつくってもニューをつくってもなかなか大変だと。何せ在宅の形が一番いい。もちろん、福祉は本来は在宅の方がよろしいわけで、ノーマライゼーションの時代でもありますし、そういう意味で、どうしても在宅福祉中心の介護、そういう色彩が強いのじゃないかと私は強く感じております。ですから、今回、特に特別養護老人ホームあたりは大変な混乱をしている。よくわからないということもあります。ですから、非常に混乱しているのだと思います。
 そこで、基本指針を国がお示しになるということで、本当は九七年度に出されることになっていたはずでありますけれども、この基本指針、それから要介護認定基準、あるいは保険料の算定基準、こういったものが早目に出てきませんと、今措置費でずっと経営しているわけですね。それが措置費がもうなくなって、保険というお医者さんと同じような点数制度で、出来高払いじゃありませんけれども、そういう形で出てくる。そうなると、どういう設計をしたらいいか、経営上非常に不安に思っております。それで、おぼろげながら、今までの出されているデータではっとうちの施設なんかも計算してみたら、もうどうも二割ぐ
らい収入が減りそうだ、これは大変な話になってしまうなと。ですから、非常に施設は混乱している。
 そのうち、ケアプランにしても、ケアプランナーにしても、各施設が持って、要するに今の病院と同じですから、市場原理みたいな形になってくるのではないかと。ケアプランナーの質も違うと、あっちの施設の方がいいよとか、こっちの施設がいいよとか、競争になってくる。ケアプランナーも五年の経験がないとだめだということになっていますから、今新しい施設が多いのでケアプランナーのなり手も少ない、そうすると、そのうち引き抜きが始まる。お互いに施設同士で言っているのですね、おたくのあいつ欲しいからくれとか、現場はそんな話になっている。
 ですから、その基本であります各ホームの財政が本当に大丈夫なんだろうかどうかということを計算してみたい。それには、今言った指針にしても、介護認定の基準はいつごろきちっと示されるか、それから保険料とか介護報酬の骨格、そういったものも早く示してもらわないと試算ができない。これは経営と一緒ですから、私ども経営しておりますから、当然経営計画をつくったりやるわけですね。ですから、そういう意味で早く示してくれということでありますが、これはいつごろになるでしょうか。
#60
○羽毛田政府委員 今先生お話のございました、特に介護施設についての人員あるいは設備運営の基準でありますとか、あるいは介護報酬をどのようにいつまでに決めていくか、こういうことでございますけれども、私ども、今先生在宅重視であるがゆえに施設が劣後になってそういうことが示されていないのではないかというお話ございましたけれども、在宅重視でやっていくというのは、サービスの全体の今後のありようとしてはそういうことを重視していきますけれども、今お話のございましたような事柄については、これは施設も在宅も同じようにこれから決めていくことになります。
 そうした中で決めていくのですけれども、施設につきましても、当然それぞれの所在地、それからそれぞれかかります平均的なコストといったようなものに基づいて、あるいはそれぞれ処遇をしていただいておられます、入っておられる方の要介護度、こういったことを踏まえて平均的な費用を勘案して決めるということになっておりますから、そういう意味で、経営よろしきを得ている、適切な処遇をしておられる施設が経営が立ち行かなくなるというような基準、報酬を決めていくということにはならないというふうに考えておりますし、そのことの具体論は、これから審議会等の意見も踏まえながらやってまいりたいというふうに思っております。
 そうした中で、どういうタイムスケジュールでということになるわけですが、まず、どういう施設を介護保険の対象施設にしていくかという意味での指定基準の問題がございます。どういう施設を対象にしていくか、人員とか配置とか、そのことによってどういう設備なり人を配置をしていくかということが決まってくるわけでありますから、おのずとコストも決まってまいります。そのことの指定基準につきましては、私ども平成十年度じゆうに最終的なあれをもって決めたいと思っております。
 そして、介護報酬でございますが、最終的に正式に決めるということになりますと、当然これは公費が半分入っておりますから、国の予算と絡んでまいります。したがって、正式の決定ということになりますと、どうしても十二年度予算編成を経て決まるということになるわけでありますけれども、それにつきましては、先生今お話のございましたように、できるだけ早くに、どういう見当で大体経営の感覚がなるのだということを決めなければならないということがございますので、正式までに至りますまでも、審議会等へお諮りをします資料、要介護度に応じた報酬額の設定の仕方、考え方、あるいはその介護報酬におきます実態調査の出てきた状況、こういったものにつきましては、その段階段階でむしろ情報を積極的に開示をし、お流しをして、そういった点を、見当はっけやすいような形で進めていくということを考えたいというふうに考えております。
#61
○松崎分科員 時間がありませんので、この予定でいきましても一年以内ということになっていますね。介護報酬の骨格提示をぜひ早くして、各ホームが経営計画を立てられるようにお願いをしたいと思っております。
 先ほどちょっと、私は、在宅中心だというふうに言いましたけれども、印象なんですけれども、やはりどうもなじまないのではないかなと。今さら言ってもしょうがありませんけれども、なじむようにするのが法律であります、政府のやり方かもしれませんけれども。この老人ホームというのは生活の場なんですね。それを介護という部分だけ取り出して、点数にしたり、保険制度にするというところを、では生活の場をどうするかということがなかなか保険制度にはなじまない。
 聞くところによりますと、食費だとかその他のものは自己負担になるというふうにも聞いております。ですからこの辺で、今回の介護保険制度の中の、特に二十四時間体制で生活の場であるという特養ホームあたりはよほど工夫をしませんと、保険制度というものを押しつけていきますといろいろ矛盾が起こる一つまり、心のケアだとか、介護以外の日常の中で皆さんやっているわけですね。ですから、その辺の問題で、この保険制度そのものが、二十四時間で働く場、そして人生の最後を安心して暮らせる、そういう福祉という心のケアを含めた施設にとって、このケアの中身を抽出して点数にしてお金にする、それを基本的な財源にしていくという形はどうも私はなじまないのではないか、そんなふうに思いますけれども、基本的なところでございますので、大臣のその辺のお考えを、所見をお聞かせいただきたい。
#62
○萩野主査代理 時間が来ておりますので、小泉大臣、簡潔にお願いします。
#63
○小泉国務大臣 介護保険制度は、施設サービスと在宅サービスを両方生かしていこう、特別養護老人ホームというのは二十四時間介護をされる場所でありますので、むしろ軽度の方は在宅サービスを基本にしてその基盤整備を進めていきたい、また特別養護老人ホームに入所したり、あるいは退所したりする場合にも、円滑にできるような体制を整えていきたいというふうに考えております。
#64
○松崎分科員 時間が来たので、終わります。
#65
○萩野主査代理 これにて松崎公昭君の質疑は終了いたしました。
 次に、大口善徳君。
#66
○大口分科員 平和・改革の大口でございます。
 パラリンピックが長野でありまして、私も見させていただきました。非常に感動いたしました。その方が持っておる機能を最大限発揮して、そしてベストを尽くされるその姿、これは国民に大きな感動を与え、青少年にとっても非常によい効果を与えたと思っておるわけでございます。
 そういう点で、障害者プランの七カ年戦略、今その中間点にあるわけでありますけれども、市町村の障害保健福祉計画の策定の率が今一七・九%、こういうような状況でもございまして、これからさらに効果的に、積極的にこれらの推進をしていかなければならない大事なときではないか、こういうように思っております。
 二十一世紀の地域社会のノーマライゼーションを体現した社会を構築していくために、今こそ各種のサービスが地域の一人一人の方に届くようにやってまいらなければいけない。
 そこで、大臣にその決意をお伺いしたい、こう思っております。
#67
○小泉国務大臣 障害者のいろいろな施策、計画については、平成十四年度までの数値目標を設定しておりますので、その間、この目標が着実に推進できるように努力していきたい、また予算確保等につきましても、最大限努力したいと思っております。
 事業を担当する市町村が障害者計画の策定の推
進を図ることになっておりますので、身近な障害者施策はどうあるべきか市町村にも努力をしていただいて、お互い連携をとりながら施策の充実に努めていきたいと考えております。
#68
○大口分科員 これはぜひとも我々も一緒になって推進をしていきたい、こういうふうに思っております。
 今、我が国において障害者総数というのは五百万、施設入所が五十七万、在宅が四百四十三万と、増加傾向にあります。
 そういう中で、私、歯医者さんとおつき合いをしておりまして、特に障害者の歯科診療というものを一生懸命やっている方といろいろお話しする機会がございました。その中で、私たち一般の人間にとってみて、障害のない人間にとってみて気づかないような部分を多く示唆していただき、そういう問題意識から、それを踏まえてお伺いをしていきたい、こう思っております。
 歯科診療は、患者が障害者というだけで診療を避けることは許されない、やはりこれは保険診療において国民のための歯科医師、歯科医院であるべきである、そういうことで、患者を選ぶことはできないと私は認識しております。これは当然のことであると思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
#69
○小泉国務大臣 最近、障害者に対して歯科診療をやる歯医者さんがふえてき、そしてまた関心を持っているということは大変いいことだと思います。私の知っている歯科医師にも、車を使って訪問診療されている方もおられますし、障害者もやはりかむことの重要性、食事する喜びというものをわかってほしいということで、積極的にそのような活動に精力を向けておられるお医者さんなり関係者は多くなっているということは、むしろ歓迎すべき傾向ではないかなと思っております。
#70
○大口分科員 今大臣からも、そういう歯科医師さんの中に積極的にやっていこうという動きがあることはそのとおりだと思います。
 しかしながら、障害者が患者さんであるもののうち、困難な歯科診療、これについては、各都道府県立の医療機関かあるいは都道府県の歯科医師会が設立した口腔保健センターというようなところ、あるいは一部の非常にボランティア精神の旺盛な一般開業医によってしか行われていないという現状ではないか、こういうふうに思っておるわけです。
 そういう点で、障害者を受け入れるところが少ないがゆえに、患者さんがかなりの時間をかけて通院をされる、在宅の方は御家族が、また施設の方は指導員の方が付き添いをされる。そういう点で、健常者に比べて通院というものも大変負担である。また、そういう点で日々のブラッシングというものが大事なわけでありますけれども、それもなされていないケースも結構ある。そして、通院が非常に回数が多くなってきて、治療の完了が健常者に比べたら低いのではないか、そういうことも現場の歯医者さんが言っておりました。
 一たん治療が終了しても、日常のケアが不十分であったために虫歯の再発率も高い、定期検診制度のきちっとしたものは今のところないわけでありまして、そういう点で痛み等の症状が出るまで放置されていることがほとんどであります。再来したときにはもうかなり手おくれの状態になって抜かざるを得ない、抜歯せざるを得ないというようなことも多いようであります。これも現場の声であります。
 このような悪循環の最大の原因というのは、障害者を引き受けてくれる医療機関が現実の問題として少ない、そこにあるのじゃないか、こういうふうに思っております。
 厚生省も、八〇二〇運動、それから在宅要介護者歯科保健施策の推進、かかりつけ歯科医の機能支援事業を展開しているわけでありますけれども、こういう悪循環を何とか改善するためにも、障害者の歯科診療について、この現状についてどう思われるか、そして今後の取り組みについてどう考えられるか、お伺いしたいと思います。
#71
○谷(修)政府委員 今お話ございましたように、障害のある方も家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくり、いわゆるノーマライゼーションを推進するという観点から、先生お触れになりましたように、障害者であるという理由で歯科治療が受けられないというようなことがあってはならないと考えております。
 先ほどもお触れになりましたけれども、具体的な障害者に対する歯科治療につきましては、その全身管理が必要である、あるいは施設設備などの点で十分な配慮が必要であるということから、大学附属病院は当然のことでありますが、そのほか、都道府県あるいは歯科医師会等が設置します口腔保健センターを中心に行われてきておりますが、口腔保健センターの数は年々ふえてきております。現在、自治体立あるいは歯科医師会立を含めて二百六十カ所という数になってきております。
 また、歯科診療所におきます障害者の受診ということにつきましては、歯科の診療報酬におきます障害者加算というようなことが設定されておりますけれども、社会医療調査などによりますと、この障害者加算の割合というのも件数としてはふえてきているというようなことでございまして、こういったようなことによって、障害者に対する歯科治療ということについて今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
#72
○大口分科員 障害者の歯科診療ということについて、お医者さん側から見てみますと、例えば知的障害者の歯科診療というのを考えてみますと、知的障害者の意思疎通能力の程度にもよるわけですけれども、非常にインフォームド・コンセントということを重視されているということで、医者と患者の信頼関係、これを構築するにおいても、健常者以上に努力を払わなければいけない。そして、患者の治療に対する恐怖心を取り除くために信頼関係を構築していく、そのためにいろいろな手法を用いてコミュニケーションを図っていく。そうなりますと、必然的にチェアタイムが長くなる、三十分かかったり、あるいは一時間かかったり、こういうようなことになってくる。
 何度かそういうことを行って、そして患者にストレスを与えないようにする、絶えず話しかける、あるいはボディータッチといいますか、スキンシップをしていくとか、そういうふうな形をしていく。急に患者さんが暴れ出すようなこともある。そういうことを考えますと、常に患者さんに注意して、注目していかなければいけない。そのためには、患者さんの度合いによっては最低二人ぐらいの助手も必要である、そういうことなわけです。
 障害者歯科の専門書をひもといてみますと、障害者の歯科診療というのは、歯科医師一人が孤軍奮闘するということではなく、歯科医院のスタッフ全体のチームプレー、これが非常に必要になってくると。そういう点では通常の初診料、再診料という部分ではカバーできない部分がある。
 そういうことで、今の医療保険におきましても、障害者治療ということで、初診・再診料に加算が百七十五点、そしてまた、治療について一・五倍の障害者加算点数制度というのが設けられているということで、これは医科と違うところだと思うのです。
 その場合に、この加算点数を適用する場合に、今のところを見てみますと、ネットですとか身体の抑制具を使って身体拘束をする、あるいは介助の人が手で押さえて拘束して、そして開口器というのを口に、強制的にあけさせて入れて、非常に強制的な力を伴う治療である、これが現状なわけです。
 確かに、抑制具ですとか開口器ですとか、そういうものは設備投資がかかるわけでありますけれども、加算というときにはそういうところが配慮されていると思うのですが、そういう器具を使えば時間が短くて済むわけでありますけれども、果たしてそういうやり方でいいのか。そういう押さえつけるような治療というのは、お母さんですとか付添人の方から見て見るにたえないということを率直に、こういう障害者のお母さんですとか付
き添いの方々がおっしゃっております。
 そういうことで、現場のお医者さんも、できるだけ抑制具ですとかそういうのは使わないで、時間をかけてでもコミュニケーションを図っていく。コミュニケーションを図って、できるだけ強制的な部分といいますか、そういうことのない形でやっていく。若い先生なんかとお話ししますと、今だんだんそういう方向になってきている、できるだけ抑制具を使わないような形でやっていくという方向になってきている、こういうことなんです。
 そういう点で、私は、これは大臣にお伺いしたいと思うのですが、患者さんのいろいろな程度もございますけれども、方向性として、抑制具というものを使って効率的にやった方がいいというふうにお考えなのか、それとも、できるだけコミュニケーションをとって、時間がかかっても抑制具を使わない方向へ持っていくべきなのか、そこら辺の大臣のお考えをお伺いしたいと思うのです。
#73
○小泉国務大臣 基本的に、患者と医師との間に十分な意思疎通が図られるということが大事だと居りのです。
 障害者じゃなくても、子供をお医者さんに連れていくと嫌がりますね。もう逃げ回る、押さえつけないと注射も打たせない、薬もつけさせない、そういう場合がある。はたから見れば、随分泣きわめいて残酷なことを、押さえつけてという感じもあるけれども、どうしてもこれは必要だという場合には、親が子供を押さえつけるなりお医者さんが押さえつけなければならない。
 しかしながら、障害者の場合においても、治療する場合において、どうしても抑制具を使わなければならない場合があると思います。そういう場合においても、できれば最小限に使用を考えるということも大事ではないか。それはやはり患者さんとお医者さんのお互いの十分な意思疎通が図られるべきだ、そう思います。
#74
○大口分科員 今大臣からそういう御認識がございました。
 では実際、障害者の加算基準というものを見てみますと、現実のところは、保険診療をチェックする場合において、抑制具というものを、「抑制具等」となっていますけれども、抑制具、それから人によって押さえつけるということの手段の有無といいますか、それが加算の基準になっていまして、それは確かにある意味ではその方が楽かもしれないのですが、意思疎通を一生懸命図って、同じような意思疎通能力に障害のある方であっても、そういう手段を使わないでやった場合にはこの加算の適用がない、こういうのが現状なわけですね。
 ですから、そういうふうにコミュニケーションを図っていく、その方が今の治療の方向性である、そういう部分をやはり酌み取っていく形に基準の方を見直すべきではないか。ただ抑制具を使うこと、それだけを点検するのではなくて、むしろ、意思疎通能力の障害の程度においてある一定レベルの方に対して歯科診療をする場合は、抑制具を使わない場合でも、その努力を評価して加算の対象にすべきではないか、こういうふうに私は思っております。
 今も、知的障害者の方の場合、ランクづけはAとBという形でやられている。療育手帳というのがあって、そこでAとBというふうに区分分けしてあって、その区分に応じた各種の援助措置というのが設けられているわけでございます。そういう区分を、やはり加算の措置においてもある一定の意思疎通能力のレベルの区分をして、重度の方について診療されるときには加算する、手段については問わないというような形に僕は転換すべきであると。
 そのことがやはりこれからの流れであろうし、障害者の人権、あるいはそういう点で障害者プランの理念に合った方向ではないか。またそれは、保険点数を評価する場合もむしろ客観性が伴うのではないか。「抑制具等」となっていまして、例えば、人が押さえつける場合もいいわけですけれども、そばに二人いて、状況からいって押さえつけていなかった、こういうような限界的な事例もあるわけですね。
 ですから、余りその手段の方を厳格に解するのではなく、対象者の方について区分分けをして、それに対応する形でやっていった方がいいのではないか、こう思うわけでございますけれども、この点の見直しについてぜひとも行っていただきたい。そこのところを大臣にちょっとお伺いしたいのです。
#75
○高木(俊)政府委員 まさに先生御指摘のとおりだというふうに思います。
 これも、昭和五十六年の国際障害者年を契機にこのような加算措置というものが設けられたようでございます。外形的なものを基準として、障害者、特に知的障害者等だろうと思いますが、こういう方たちの歯科診療の困難性というものをやはりきちっと診療報酬の中でも評価していこう、そういう意思のあらわれなんだと思います。
 ただ問題は、御指摘のように、これでいいのかどうか。この辺のところについては、障害者歯科の専門の先生方の御意見等も十分お聞きしながら、私どもとしても今後検討させていただきたい、このように考えております。
    〔萩野主査代理退席、主査着席〕
#76
○大口分科員 それは前向きな答弁だと受けとめます。
 また、全く意思疎通のとれないような最重度の方については、全身麻酔をやっていくわけでありますけれども、これは一般の開業医では困難ですね。ですから、これは最低都道府県に一カ所以上拠点病院が必要だと思いますし、ある意味では、厚生、文部、自治でよく協議していただいて、県立病院だとか大学病院ですとか、そういうところを活用していただいて、最重度の障害者が安心して診療を受けられるようにしていくべきだ、体制を整えていくべきだと考えますが、どうでしょう。
#77
○谷(修)政府委員 今おっしゃいますように、確かに、障害者の歯科治療において、状態によっては全身麻酔下で治療を行わなければいけないという場合があるというふうに承知しています。
 現在は、大学病院あるいは一部の口腔保健センター等で、かかりつけの歯科医と連携をするというような形も含めていろいろやっていただいているわけでありますけれども、今後、具体的にこういう問題についてどういうふうに考えるべきなのかということについて、今専門の先生に集まっていただいて研究をしている段階でございます。
 特に、大学病院だけではなくて、かかりつけの歯科医と地域の中核的な病院というような観点で、この問題にどういうふうに対処するべきなのかというようなことも含めて研究をしていただいておりますので、その成果を見た上で、また具体的な問題として考えていきたいと考えております。
#78
○大口分科員 これは歯科にかかわらず、ちょっとお伺いしたいのですけれども、療育手帳を見ますと、AとBというふうにランクづけがされておりまして、判定基準があるわけです。
 これは知的障害の方の場合であるわけですけれども、身体障害者の場合は一級から七級までというかなりきめ細かに区分けしてあって、そして、それに対応する形で援助を考えておられる、いろいろな施策を考えておられる。ですから、知的障害者の方の場合も、これはAとBという二つというよりももう少しきめ細かな区分をして、そしてきめ細かな対応をしていくべきではないか、こう考えますが、これについてお伺いします。
#79
○篠崎政府委員 今御指摘の点でございますが、知的障害者を含めた障害保健福祉施策の今後のあり方につきまして、現在、審議会で幅広く御審議をいただいておるところでございます。
 御指摘の点も含めまして、その審議の結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
#80
○大口分科員 あと、障害者に対する定期検診ということも推進をしていくべきだとも考えております。そしてまた、大臣、こういう障害者の歯科
診療に対して決意というものをお伺いしたい、こう思っております。
#81
○小泉国務大臣 今までのお話のように、障害者の歯科診療に対して意欲的に取り組んでおられる関係者、医師の方々も多くなってまいりましたので、これは好ましい傾向でありまして、これからもそのような、障害者に適切な歯科診療が提供できるような体制の整備に向けて努力をしていきたいと思います。
#82
○大口分科員 よろしくお願いします。
 それから、平成八年の二月二十九日の予算の分科会で、従来からの課題である医科と歯科の初診、再診の格差、それから感染予防について早急に是正するように質問をいたしました。また、総義歯の不採算の問題についても、総義歯の重要性ということを指摘しまして、そして歯科医療の経営の安定ということも指摘させていただきました。
 この二点について簡潔に、どう対応されているか、お伺いしたいと思います。
#83
○高木(俊)政府委員 まず、医科と歯科の初診料、再診料の差異でございますが、これは、医科と歯科とで何か診療報酬の点数配分で差別を設けているためにこういうふうになったということではございませんで、先生もう御案内のとおりだと思いますけれども、医療の特性とかあるいは診療行為の内容、それによってそれぞれ点数を定めておる。歯科ならば、歯科の全体の中でそれをどういう格好で配分していくのが適当なのか、これを基本に定めておるわけであります。
 ただ、そうは申しましても、できるだけ類似の行為というものは同じように評価していった方がいいという基本原則がありますから、現在でも、手術等とかそういった面については同じような点数を定めておりますけれども、初診料、再診料については医科、歯科で差異が生じております。
 今度の改正におきまして、歯科について申し上げるならば、歯科の中における初診料、再診料の引き上げを行っておりますけれども、これは、例えば歯科診療所における感染予防対策、こういうものも重要だというようなことも配慮してこの辺の手当てを行ったわけであります。
 そういった意味で、外形的にもできるだけ差別感がないようなやり方の方が好ましいと思いますけれども、現行の診療報酬点数表の中における配分の問題としてこのような形をとらせていただいているということについても御理解を賜りたいというふうに思います。
 それから、総義歯の問題、これはむしろ、かねてから御指摘のように、どうも採算割れだ、ちょっと安過ぎるんじゃないかということだと思います。この点については、必ずしも満足のいくような金額であるということにはならないかもしれませんけれども、今回の改正の中におきましてもそれぞれ点数の引き上げをさせていただきました。今後とも、やはりできるだけ実態に合った形での点数の配分というものを考えていかなければいけないというふうに考えております。
#84
○大口分科員 最後に一点だけお聞きします。
 私のこの背広が二万八千円なんですけれども、これはPETボトルの再生品なんですよ。それからワイシャツ、これが三千九百円なんですけれども、こういう感じであります。
 そこで、昨日も分科会で村岡官房長官にそのことを御紹介いたしまして、そして、村岡官房長官はどうでしょうかと。じゃ、ぜひとも売っているところを教えてくれ、自分も着用するよ、閣僚にも勧めたいと。それから、環境基本計画推進関係省庁会議、これにも利用の促進を伝えたいと。国が率先してやるという閣議決定もある、だからやっていくよということです。
 平成七年六月に閣議決定した率先実行計画というのがあります。そういうことで、容器包装リサイクル法もいよいよ本格的に動き出してきております。環境に対して非常に造詣の深い大臣として、厚生省の取り組みはどうか、そしてまた、大臣個人として、政治家としてどうかということを最後にお伺いして私の質問を終わります。
#85
○小泉国務大臣 実は、けさの閣議の後の懇談会で、村岡官房長官から、PETボトルの再利用、今言ったようなお話をしまして、全省庁、閣僚、協力してくれ、自分も使っているんだという発言がありました。
 この再生利用は大事でありますから、厚生省としても、確認してみたところ、もう結構使っている。現にこの万年筆もケースもPETボトルの再生利用品ですということであります。名刺でも、もう既にPETボトルを利用した名刺もできておりますし、私自身もできるだけ再生利用に協力していきたいと思います。
#86
○大口分科員 着用の方はどうでしょうか。
#87
○小泉国務大臣 協力してみたいと思います。
#88
○大口分科員 ありがとうございました。
 以上で終わります。
#89
○石川主査 これにて大口善徳君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉田治君。
#90
○吉田(治)分科員 新党友愛の吉田治でございます。
 小泉厚生大臣という方は、世間的に言うと、非常に正義の味方のような報道でありまして、郵政の民営化、閣内不一致になってでもおれはやるんだと随分頑張られましたし、その結果として、さきの総選挙においては、運送関係の労働組合まで応援しようというほどのことをされた。また、近々のマスコミ報道によっては、政府の行財政改革においては特に、一言居士というふうな言い方が書かれておりますが、その中でもう随分頑張られているというふうにお見受けをさせていただいております。
 私は、本日、まず小泉厚生大臣に何を聞きたいかというと、私を含めいろいろな方が、正直に、素朴な疑問を一つ持っているんですね。それほど天下国家いろいろなことを考えて、郵政大臣のときにはまさに郵政省ともけんかなさったお方が、昨年九月に健康保険法が改正された、御承知のとおり本人負担が倍になった、あれ以来、行って聞くことには、もうとにかく、前まで例えば五百円だったものが、薬価も入ってきますから千円でおさまらなくなって、医療費というのは高かったんだよなというふうに言われるようになった。私、この中で大臣に特にお聞きしたい。
 先ほど言いました、そういう保険を使われている方もいるんですけれども、昨年の健康保険のそういうところが変わる過程で、大臣は、例えば、医療費というのはお医者さんに支払われますよね。それによって、何割によって、十割おりてくる。確定申告も三月十五日に終わりました。私どもも終わって、医療費控除という形で出しました。医療費控除で、一年間で幾ら医療費を使ったか。それが何割だ。それを十割に直すと、ああ、お医者さんはこれだけ医療費として、損得は別にして、お金が入っているんだなという発想になるんですけれども、その中において、大臣が、日本医師会なりまたお医者さんなりに対して、健康保険の制度または医療制度を考えたときに、まあ少し、先生方、お金もうけもなかなか厳しくなってくる、医療費の方も抑制してくる、そういうふうにする、利用者もそれほどの負担をするんだからあなたたちもちょっと我慢しろよというふうなことを公式にどこかで述べられたという記録はあるんでしょうか、大臣。
#91
○小泉国務大臣 私は、委員会審議の中で正式に、公式に述べております。医療費は、だれが考えたって、保険料と税金と病気になった場合の患者負担、この組み合わせしかない。なおかつ、現在の診療報酬体系、むだな部分をなくしていく。薬価にしてもそうであります。使い過ぎ、過剰投薬、過剰診療、そういう点も配慮しなきゃいかぬ、全般的に改革が必要だということは委員会においてもう何回も言っているところであります。
#92
○吉田(治)分科員 委員会で言われるのは、それは記録でだれでも読めるのです。例えば日本医師会さんとの懇談会とか、そういうところで直接お医者さんにそういうふうなことを言われたことはありますか。
#93
○小泉国務大臣 医者だろうがだれだろうが、講演の場で正式に表明しております。
#94
○吉田(治)分科員 では、正式に表明して、結果として、医療費が、診療報酬等々が随分下がった、我慢しているという現状があるのかどうか。
#95
○高木(俊)政府委員 この四月から診療報酬改定、それから薬価基準とか医療材料の引き下げが行われます。その結果、薬価基準それから医療材料の引き下げで、医療費全体としてマイナスの二・八%でございます。それに対しまして、医療関係者の人件費のアップ、それからまた消費者物価の上昇、この二点については一・五%の診療報酬の改定を行うことにしています。ということは、合わせましてマイナスの改定であります。
 このマイナスの改定というのは、これまでの診療報酬改定の中で恐らく初めてのケースになるだろうというふうに考えておりまして、そういった意味では、昨年の九月に、国民に、患者さんに一部負担の引き上げという形で御負担をお願いし、また、政管健保については保険料率の引き上げということで御負担をお願いしましたけれども、一方、診療サイドにおきましても、やはりこういう状況の中で適正化を図り、痛みを分かち合うということでマイナスの形の改定をさせていただいた。これは診療関係者の御理解も得られて行われたものというふうに考えておりますし、今大臣が申し上げました内容について、受け入れられたものだというふうに考えております。
#96
○吉田(治)分科員 大臣の今の御発言の中で、私も講演の中で言ったと述べられましたよね。具体的に、いつぐらいの、どういうところの、どれに対する講演で言われたのですか。講演といってもたくさんされているでしょうから。五人でも講演でしょうし、一千人でも講演でしょうし、後援会の講演も講演だと思います。その辺、いかがなんですか。
#97
○小泉国務大臣 数え切れないぐらいやっています。
#98
○吉田(治)分科員 対象は、では、それは何度も聞きますように、お医者さんということでいいのですね。
#99
○小泉国務大臣 お医者さんもありますし、ほかの場合も、一般の方もあります。
#100
○吉田(治)分科員 私が特に聞きたいのは、やはり命を預かるお医者さん、今局長言われたように、診療報酬が下がって、具体的に言うと、病院経営などはことしあたりは随分厳しいと聞いております。去年の健康保険法の改正が行われて、ああいうふうな形になってから、大臣などは一番よく御存じだと思うのですけれども、もう医者に余り行けないな、高いからと。
 一番どこがはやっているかというと、ドラッグストアというのですか、薬を安く売るところが一番売り上げが上がって、なかなか病院は、何か厳しい状況に入ってきたというふうなのが現実として起こるのですけれども、それ以前として、私が大臣に聞きたいのは、いろいろなところで、たくさんではなくて、例えば医師会なら医師会の、日本医師会の会長さんに、正式にそういうことを言われたことがあるのかないのかということを、そこを突き詰めてお聞きしたいのです。どうなんですか。
#101
○小泉国務大臣 私は、討論会と対談と、いつか忘れましたけれども、正式に言っています。私は、御質問の意味がわからない。何回も言っているのです、私は。どの場であろうが、お医者さんであろうが、一般の方だろうが、正式に言っています。
#102
○吉田(治)分科員 それは何かというと、世間一般、大臣はたくさんマスコミに出てこられる。いいですか。大臣はいっぱいマスコミに、何かというと出てこられる。しかし、事医療に関しては、特に健康保険に関しては、大臣のスタンスは、単に利用者に負担を求めただけとしか映っていないわけなんです。(小泉国務大臣「それは誤解です」と呼ぶ)それは誤解は誤解です。誤解を解くようにするのが大臣の仕事でしょう。それがなされていないから、私はここであえて何度もお聞きしているわけです。
 はっきりとそういうことを公の席で、いろいろな場合で、平成十年度の予算の編成を見ておりましても、厚生省の予算、たくさん出てまいりますね。例えば国庫負担削減策として、退職者医療制度の被保険者に係る拠出金負担の見直しと、老人保健制度の老人加入率上限の引き上げ等々がされていくわけでしょう。結果として、例えば健康保険組合を含めても、大臣が何とはなしに、私だっていろいろなところでお話しして、私たち議員からしても、いや、あの大臣はこういうことを言っているけれども、大臣が医師会に対してはっきりと、ちょっとこういう厳しい時代だから我慢しろと言ったということは、例えば内々の委員会の審議の中ではあるかもしれない。しかし、外に向かって聞こえていない。
 だから私はあえて何度も大臣に、それを言ったのか、言ったのかと聞いているのであって、まだそれが誤解だと言うのであれば、誤解を解くようにこれからも頑張っていただきたい。それは努力していただけるのですね、そういうことについては。
#103
○小泉国務大臣 だからこそ実行したんじゃないですか。
#104
○吉田(治)分科員 いや、実行と、世の中的に言うと、行うこととパブリックリレーションズ、つまり世間的に周知をすることは別じゃないですか。実行したからそれでいいのじゃなくて、実行するについて、加入保険者の皆さん方にも、負担するけれどもこっち側にも負担してくれと。両方見てみると、医療費を払う方が金額だけふえて、お医者さんの方は昔のままじゃないかとある意味で思っていると。大臣の言うそういう誤解というのですか、そこのところを解くように努力をしてくださいよと申し上げているのです。だから、実行したからいいという問題じゃないのですよ。
#105
○小泉国務大臣 それは、マスコミ報道の問題もあると思います。すぐ患者負担ばかりでしょう。今度の医療保険の抜本改革でも患者負担ばかり大きく取り上げる。あらゆる制度の見直しをやっているのです、診療報酬改定等も。それは、幾ら言ったって取り上げるかどうかの問題です。私は努力しています。
#106
○吉田(治)分科員 いや、マスコミ報道の違いだというのであれば、大臣はうまくマスコミを使われているのじゃないですか。ずっといっても、郵政の民営化についても一言居士だと。もっと極端なことを言うならば、今度の行政改革の中でも、いや、厚生の名前を上にしろとまさにうまく使われている方が、なぜここの部分だけではうまく使われていないのですか。
#107
○小泉国務大臣 それは、私がマスコミに、こう言え、こう言えと言うとおりにマスコミが動くわけじゃありません。私は言うべきことを言っている。どう取り上げるかは報道機関の問題です。しかし私は、やるべきことはやる、そして言うべきことは言う。言うつもりで、姿勢でやっております。
#108
○吉田(治)分科員 これ以上この議論を進めても、聞きたいことは山のようにありますのでこれで終わりますけれども、大臣、やはりそこのところは、努力をされる結果は、出たか出ないかだけですよね、報道的に。出るように努力をしてもらわなければ、やはりそこは政府の大臣としての重みもあるし、大臣としての責務だと私は思うのです。これは、反対を言うと、事務方がどれだけそれをバックアップしているかということにもつながってくると私は思うのです。総務審議官、その辺、どう思われますか。
#109
○高木(俊)政府委員 まさにそういった面では、我々のバックアップといいますか、対応のまずさもあろうかと思いますが、私もやはり、この間の厚生委員会の一般質疑の際も申し上げたのですが、医療保険制度の抜本改革の議論を、今関係の審議会で国民的な視点から御議論をいただいています。しかも審議はすべて公開でやっております。ですから、マスコミの方も傍聴にずっと来ておられるわけでありますが、しかし、外から見て
おりますと、以外とその取り上げられ方が小さいというふうに見ております。
 そういった意味で、先般の委員会でも、私どもとしては、マスコミにおいてもまず、公開にするまでを公開にしろ、公開にしろと言うのじゃなくて、公開にした後、大いに国民的な視点で議論していただいているわけですから、この問題についてはもっと積極的に取り上げてほしいということを申し上げたわけであります。
 それからまた、そういった意味では、現在の抜本改革の状況について、近々やはり論説の委員を初めマスコミの理解を得べく会合を開きたいと思っておりますが、さらに今まで以上に、私どもそういった面について配慮をし、できるだけ国民の関心を高め、そして、幅広い国民の合意のもとで改革を進めていきたい。
 そのために抜本改革というものの時期が若干おくれてもやむを得ない、むしろ拙速よりもそういうようなことが大事だ、こういう認識で我々もやっております。
#110
○吉田(治)分科員 やはり、非常に、メディアの時代という中ですから、その辺をしっかりしていただかなければ、まさに一部の報道というか、何かこう違うのじゃないかと。本当に、大臣以下厚生省のやる気だとかいうのが、悪く言えば誤解、でも誤解の中で、実はそれが本当の厚生省がやろうと思っていたことなのかもしれないというふうなことが生まれます。
 それはそれでおいておきまして、十年度予算の中で、先ほども触れましたように、特に健康保険組合に関しまして二点お聞きをしたいと思います。
 先ほども触れましたように、十年度予算の国庫削減策というふうな中で、退職者医療制度、また老人保健制度等々の改革がなされていくというふうなのが組み入れられております。健康保険組合の方からすれば、また拠出がふえていくのかと。ですから、この老人保健という大切な制度、もういろいろなお話がされているのでいろいろな質問は出ていると居います。私は、基本は健康保険結合をつぶさないということが基本、健康保険組合に対して過重な負担にならないようにするということ、中医協その他でいろいろ審議はなされているでしょうけれども、ここのところを守るということがまず一点。どういうふうにこの新しい削減策の中で対応していくのか、善処していくのかがまず一点目ですね。
 二点目は、今度は健康保険組合の運営に関する規制、さまざま出ている。俗に規制緩和と世の中は言われております。きのうも政府規制緩和委員会の答申が出ましたように、やはり、健康保険組合自身にも、組合財政の効率化を進めるという中で、効率化、コスト低減というふうな形になる、その妨げになる規制というのはどんどん緩和していかなければ、今度はこれはいい意味でしていかなければならない。規制だけ置いておいて、おまえら、金出せと言われると、ちょっと待ってくれと。その辺はやはり緩やかにして、健康保険組合自身もそういう政府の要請に対してもある程度こたえられるというふうな体制も私はつくらなければならないと思うのですけれども、この二点について、今どういう現状で、今後どういうふうな形にしようとしているのか、お答えをお願いします。
#111
○高木(俊)政府委員 私どもは、いわゆる健康保険組合のような小集団で健康管理を初めとする保険の運営をしていくという制度というのは、これは決して問題のある制度といいますか、制度として好ましくないものではないという理解に立っております。
 ただ、老人保健の問題、老人医療の問題を考えた場合に、まさに老人保健の拠出金負担が健保組合は大変だ、被用者保険は大変だという声が非常に強いことは十分承知しております。
 ただ、現行の老人保健制度というものの考え方でありますけれども、これは国民がお年寄りをみんな平等に支えていこう、こういう理念でできておる。そういった中で、我が国の医療保険制度は、保険者か五千ぐらいに分かれておる、それは健保組合等が千八百以上ありますし、そういった中で、分かれている中でお年寄りの加入率というものはかなり異なっております。一番大変なのは、先生御案内のとおりでありますが、年とって現役をリタイアをする、そうして国民健康保険に入りますから、市町村の経営している国民健康保険の老人の加入率が非常に高い。
 そういうような状況でありますから、これを老人保健制度の理念に即して公平にみんなで支え合うということになりますと、どうしてもやはりお年寄りの加入者の少ない被用者保険、とりわけ健康保険組合の負担というものはやはりふえてこざるを得ないという、しかし現行は必ずしも完全にパーヘッドで負担をしておりませんから、そういった意味では負担の公平が必ずしも貫徹しているというふうには思えません。しかし、老人保健制度というものができたときのいきさつ等々の中で、一定の関係者間における、制度間における合意のもとに現行制度ができておりますけれども、やはりその公平化というものを進めていくということもまた非常に重要だと思います。
 そういった中で、やはり基本は老人保健制度そのものの抜本的な改革、もう一度やはりこの高齢社会というものをにらんで抜本的な改革というものが必要であるというふうに考えておるわけでありまして、そういった意味で、この抜本改革の大きな課題として老人保健制度の根本的な見直しというのを提案をいたしておるわけであります。
 ただ、二〇〇〇年ということを目途にしておりますが、それに至るまでの間においても現行の負担の公平というものをやはり図っていく必要があるということで今回御提案しておりますが、今回の御提案も、そういった意味では、例えば退職者医療制度の老人保健に係る拠出金の負担の仕方につきましても、本来全額退職者医療制度で負担をしていただくという考え方もありますが、今回の改正では、その二分の一を被用者保険サイドで負担していただくというような形になっておりまして、そういった意味では必ずしも、見方によりますが、完全に公平ということにならないかもしれませんが、そういった中で、抜本的な改革までの間においても一歩でも前進すべく改正をし、改革をお願いしているわけであります。
 これは、必ずこういう改革というのはふえる方と減る方とどうしても出てまいります。その辺の点については、負担がふえる方々、いわゆる健保組合等については十分御理解を賜らないといけないことはもう当然でありますけれども、そういうふうに考えております。
 ただ一点、健保組合というもののあり方そのものについても、比較的所得の高い人、かつ健康に恵まれている人たちが健康保険組合をつくることによって、負担がその分だけ少なくなるということのメリットを当てにして健康保険組合をつくっていくといういき方であってはならない。むしろ小集団ということのメリットというのは、行き届いた健康管理とかそういった中で発揮していただく、そういうことが必要だというふうに考えておりますから、現行のこの健保組合そのままがそれでいいということにはならないということだけはちょっと補足させていただきたいと思います。
#112
○吉田(治)分科員 悩ましいですよね、この問題というのは。非常にこれだけ悪い経済状況の中で、負担というのは随分きつい。
 大臣のところの事務所は、事務所として職員は社会保険に入られていますか。――その辺はやはり厚生大臣だったら知られなければ。私どもでしたら、事務所で事業所にして、社会保険を掛けて、年金、健康保険に入れるわけですよね。給料幾らでと、その割合で出てきますよね。要するに、本人負担と事業者負担ですよね。やりますと、こんなに払っていたのかと。一遍調べられたらいいと思いますよ。厚生大臣をされていて、そういうのも、いや、わからないというのは、ちょっとと思いますので。
 やはりその辺になると、これは私が経営者であるならば、ええっではもうこんなのはやめて、極
端に言うと、メーカーでいうなら物づくりは海外でしようとか、人を減らすとか、また、もうそんなのは関係ない、アルバイトで済まそうかという形になると思うのですね。それはやはりミクロの発想がマクロになってくる。
 ということを申し上げるのと同時に、先ほど申しました規制緩和という部分、健康保険、それは今どういうふうに進んでいるのですか。
#113
○高木(俊)政府委員 失礼いたしました。
 これは、ちょっと今回の法律の中には健康保険組合については出てまいりませんが、この健保組合の規制緩和という意味では、今まで予算につきましては、毎年毎年役所の認可を必要としておりました。これを、役所の認可は要らない、届け出制に改めることにいたしております。健保組合は、法律構成として、健康保険法というのが非常に古い法律なものですから一政令事項としてそこを改めることができることになっておりまして、そういった意味で、政令改正をいたしましてこれは改正をする、規制を緩和するということにしております。
 それからまた、現実の運用の面においても、これまで長年こういうことでやってまいりましたから、実際これらにタッチしている職員の方々の頭の切りかえというものをしないと、制度が変わっても実効は余り変わらない、はしの上げおろしも相変わらずうるさく言うということになってはいけませんから、そういった面についての配慮も十分しながら規制緩和をしていくということにしております。
 国民健康保険組合というのがありますが、これについても、法律上は同じように予算の認可制をとっております。これは法律事項になっております。国民健康保険というのは、健保に比べると新しい法律なものですから、法律で規定している。この法律改正を今回の法案の中に盛り込んでおりまして、これはまさに健保組合も同じようにそういうふうにやっていくということであります。
 それからさらには、そのほかの問題についても、できるだけ健保組合等の自主性が尊重されるように、緩和といいますか改善努力をしていく、そういう方針でやっております。
#114
○吉田(治)分科員 それは具体的に、政令で改正ということですけれども、中の部局で検討し、規制緩和を進めていくということですか。それは全然審議会関係なしですね。
#115
○高木(俊)政府委員 これは、審議会にもお話をし、そして審議会からもその方向でいくべきであるという答申をいただいております。
#116
○吉田(治)分科員 ほかに触れたい点がありますので、少子・高齢化という中で、まさに健康保険の問題もそうですし、あと二つお聞きしたいのは、もう時間もあれですけれども、例えば基礎年金の制度未加入者、また掛金未納者数が非常に増大してきている。このまま本当に基礎年金制度というのはもつのかなと。
 制度の抜本的な改革の必要性、たまたまきょうの朝刊の、これはマンションの広告なんですね。何と書いてあるか。「公的年金をあてにできない将来 金利の低い今 少ない資金でマンションを」と。まさにマンション業者自身も、もう公的年金みたいなのはあきまへんで、だからマンション買いなはれというふうなことを言うような時代、これを出されて、そんなことあるかいと思うよりも、そうだなと妙に納得してしまうというのも、これは残念な話なんですね。そこの抜本的改革というのをどうされるのか。
 また、エンゼルプラン、ゴールドプラン等が策定されておりますけれども、実際上、少子、高齢化というのは予想を超える進行をされている。長期目標の事実上の達成は不可能になってきているのではないか、改めて総合的な少子・高齢化対策を策定する必要があるのではないかと言われているのですけれども、その辺の実情はどういうふうになっているのか、この二点、お答えをお願いいたします。
#117
○石川主査 年金局長、簡単明瞭に。もう時間がないですよ。
#118
○矢野(朝)政府委員 公的年金の見直しの問題ですけれども、来年は五年に一度の財政再計算の年に当たっているわけでございます。そういうことで、昨年から年金審議会でも議論をお願いしておりますし、そういう中で、去年の暮れには「論点整理」が出されたり、あるいは私どもとして、将来の年金はどうあるべきかということで、五つの選択肢という形で選択肢も提示したわけでございます。それから、こういったものを盛り込みました年金白書も先般刊行したところでございまして、それから今、有識者調査もやっております。
 そういうことで、国民的な議論を尽くしていただいて、次期制度改正の内容をこれから固めていきたい、こういうことで鋭意取り組んでいるところでございます。
#119
○田中(泰)政府委員 お答えいたします。
 少子化対策でございますが、御指摘のとおり、子育て支援を初めといたしまして、総合的な取り組みが必要な課題でございます。
 昨年の十月、御存じのとおり、人口問題審議会の報告書で、少子化対応についての今後の基本的な方向について意見書をいただいております。一点は、育児と仕事の両立支援とともに、固定的な男女の役割分業意識等、社会全体のあり方を問い直すことが必要であるというのが一点でございます。それからもう一点は、政府、地方自治体を初め、企業、地域社会、家族、個人それぞれの幅広い国民的な取り組みが必要であるという指摘を受けております。
 この指摘を受けまして、厚生省といたしましても、関係者に働きかけ、また、国民的な議論に結びつけまして、総合的な展開を図っていくべく努力をしていきたいというふうに考えております。
#120
○吉田(治)分科員 エンゼルプラン、ゴールドプランの見直しというのは今されているのですか。
 それとも、今後される予定があるのですか。
#121
○横田政府委員 エンゼルプランは平成六年十二月にできたものでございまして、それに基づく緊急保育対策等五か年事業というのも、保育に関しての五カ年事業でございますが、同じく平成六年につくられておりまして、エンゼルプランは十年程度の期間を見越したものでございますし、緊急保育対策等五か年事業は七年から十一年までの五カ年事業ということでございまして、十年度は四年目に入るということで、私どもとしまして、当面、その着実な実施に向けて最大限の努力を図りたいと思っております。
#122
○吉田(治)分科員 もう時間がないので終わりますけれども、制度未加入者、掛金未納者というのは今どれぐらいおるのですか。それで、それに対してどういう対応をとっているのですか。
#123
○矢野(朝)政府委員 国民年金の未納、未加入者の問題でございますけれども、まず、未加入者といいますのが約百五十八万人、これは平成七年十月十五日現在の数字でございます。それから未納者、これは制度に入っておるけれども保険料を納めていない、こういう方が百七十二万人。それから、制度に入っておりながら、低所得というふうなことで保険料免除を受けている方、これが三百三十四万いらっしゃるわけでございまして、国民年金の対象者の約三分の一が未納、未加入あるいは免除、こういう状況でございます。
 これにつきましては、社会保険庁を通じまして、いろいろな手で、いろいろな形で、制度の加入ですとか保険料の納付を働きかけておるという状況でございます。
#124
○吉田(治)分科員 もう終わりますけれども、三分の一も入っていないというのは、事実上破綻しているということじゃないですか。その人たちが年いったときにだれが面倒を見るのですか。子供がたくさんいて、一生懸命子供を育てて、その子供は賦課方式ですよね。その人たちは年金に入っているけれども、年いったら年いったで開き直って、だれか食わせろ、そういう社会にだけはならないようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
#125
○石川主査 これにて吉田治君の質疑は終了いたしました。
 次に、赤羽一嘉君。
#126
○赤羽分科員 新党平和の赤羽一嘉でございます。
 三月四日の予算委員会の総括質疑で若干触れさせていただきましたが、時間足らずの部分がありました。きょうは限られた時間でございますが、まず、阪神・淡路大震災の厚生省関連の復興支援策について、要望も含めた質疑を行わせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 まず、阪神大震災から三年有余の月日がたち、予算も四兆数千億投入され、しかし、まだ仮設住宅には二万世帯以上の被災者が存在している。また、月日がたてばたつほど被災者の中で実態が非常に分類化して、なかなかこれといったすべてにきくような支援策が難しい状況になっている。それだけに、今、実にきめの細かい、行き届いた支援をしていかなければ、なかなか最後の復興の総仕上げということができないのではないかという思いを、私は週末、現場を歩くたびに痛感をしておりまして、きょうはその幾つかの例を例示させていただきながら、御所見、厚生省の考え方を確認させていただきたいと思います。
 まず、これは何回も出てきて大臣も御存じだと思いますが、一応確認のためにお話をさせていただきたいと思います。
 平成八年、実は地元で応急仮設住宅の入居者に対する調査結果が出されております。アンケート調査をしておるのです。この実態というのは、世帯はかなり減りましたけれども、入居者の概要というのは余り変わっていないという感がいたしますので、特徴的なことをまず御報告させていただきたいと思います。
 入居者世帯のうち高齢者世帯、世帯主が六十五歳以上、これはこの当時は実に四二%を占めているということなんですね。その高齢者世帯のうちの約半数、五一%が単身世帯なんです。だから、独居老人の仮設入居者がほとんどだということ、これは現状も変わっていない。二年前よりもさらに、恒久住宅に移らずに仮設に残っている方たち、今その高齢者の割合は逆にふえているという傾向があると私は思います。
 また、この入居者の総収入額についてのアンケートも実はございまして、三百万円未満が七割程度、そして百万円未満が実に二九・三%。これはもちろん自己申告ですから、どこまで精査されているのかということはありますが、基本的に低所得者の高齢者が実は仮設住宅で取り残されてしまっているというのが二年前の実態であり、この二年間の中で、私の実感ですが、その傾向というのはさらに強まっているのではないかというふうに思っております。
 そこで、予算委員会でも実は取り上げたのですが、その象徴的な事故というか、仮設住宅においての孤独死というのが非常に問題になっておりまして、私の知る範囲では二百件前後の事件が起こっている。これは報道もされておるところですが、今回、質問通告に当たって、厚生省の掌握されている孤独死の現状、これは男女、世代別に何人ぐらいずつ亡くなっているのか。特徴的なところだけで結構でございます。それと死因、自殺もあれば病死もある、年が年ですから老衰もあれば、また違った形で亡くなっている方もある、その状況分析をしてわかる特徴的なことをぜひお答えいただきたいと思います。
#127
○炭谷政府委員 まず、孤独死の定義自身が定まったものはございませんので、一応、兵庫県の警察の方で使っている定義というのは、人にみとられないで亡くなった、その後発見されて警察が検視をしたという定義で調べさせていただいておりますが、これは、兵庫県からの報告によりますと、平成十年の三月四日現在、百九十三人ということでございます。このうち男性は百三十一人。年齢別に申しますと、四十歳未満が四人、四十歳から六十五歳未満が八十七人、六十五歳以上が四十人。女性は総数で六十二人。四十歳未満が一人、四十歳以上六十五歳未満が二十二人、六十五歳以上が三十九人となっております。
 死因につきましては、病気によるものは百六十九人、自殺によるものが二十一人、その他が三名でございます。その病気の内容でございますけれども、これは兵庫県からの報告にはございませんけれども、神戸大学の上野助教授の調べられた報告によりますと、心疾患や脳血管疾患、肝疾患というものが七割以上を占めているのではないかという調査報告を承知いたしております。
#128
○赤羽分科員 私の知り得る範囲では、例えば高年齢、七十歳代、八十歳代で亡くなられている方、心臓でやられている方、これは女性の側にそういう死に方が多くて、男性は、逆に五十歳代から六十歳代にかけて、心臓で亡くなっているというよりも、アルコール中毒が起因して肝硬変とかそういった形で亡くなっている方たちが多いというふうに認識をしておりますが、そういう結果はどう持たれているのですか。
#129
○炭谷政府委員 確かに、先ほど御紹介いたしましたように、男性の場合は四十代、五十代で亡くなられた方が非常に多い、むしろ六十五歳以上の方よりも多いということになっております。これは、仮に現在の日本全体の男性の死亡者数の割合からいっても、二倍以上に該当するのではないかというふうに思います。
 その死因につきましては、先ほど引用させていただきました神戸大学の上野助教授の分析によりますと、やはりアルコール性の肝炎というものがかなり多い。これは、精神的なストレスとかそういうものや一人世帯の寂しさとか、いろいろなものが重なり合っているのだろうと思いますけれども、先生が御指摘されたような事情がかなり大きいウエートを占めているのではないかというふうに思っております。
#130
○赤羽分科員 多分これは、今のお話でわかることは、非常に極端な高齢化の状況と、もう一つは、今御答弁があったように、将来の自分の人生に対する希望を失っている、また実際に仕事を失っている人間がかなり多いという、極めて複雑な状況が今の事件の中に象徴的に出ていると思うのてす、
 まず、孤独死を防ぐ具体的な対策というのは、現場でというか、厚生省として、管轄としてはどうとられているのでしょうか。
#131
○炭谷政府委員 まず重要なことは、一人世帯員を一人のままにしておかないということだろうと思います。家庭訪問とか、周りの人が、私ども福祉の世界ではいわゆる見守り活動というふうな言葉を使っておりますけれども、そのような形で一人世帯に対する接触をふやすということだろうと思います。そのために、私ども厚生省といたしましては、民生委員さんを神戸地区では特に増員をいたしまして対応をしたり、また家庭を訪問する相談員を特に配置をしたり、そういう形でやっているわけでございます。
 また、健康上の問題ということになろうかと思うのですけれども、これにつきましては、保健婦さんを派遣するとか訪問看護を行うとかいうようなこととか、また、今回の特徴的な精神的な問題につきましては、こころのケアセンターというものを設置いたしまして相談活動等を実施しているところでございます。
#132
○赤羽分科員 ぜひ有効な、何が有効かというと非常に議論がある、また一つの施策だけですべてにきくという状況ではないと思いますが、アドバイザーとかカウンセラーの訪問活動をきっちりやっていくということがまず一番の有効な第一歩であるというふうに私も思っております。
 ただ、今、国の施策として仮設住宅から災害公営住宅への転居というのが始まっておるのですが、仮設住宅というのは一カ所にまとまっているがゆえに非常に訪問活動がしやすい。そして、今後、新築の場合は仮設と状況は変わりませんが、従来建っている公営住宅の空き室等々に相当散らばるわけでして、非常に今まで以上に費用のかかる、また手間暇のかかる困難な施策になっていくと思うのですね。
 ですから、仮設から移ったらもうすべてそれでおしまいという状況ではなくて、公営住宅に移っ
ても、例えばアルコール依存症の方なんというのはかなり個人的なデータとしても残っておると思いますし、病弱な方、これはまた別の施策で、二番目の質問に移りたいのですが、そういう訪問活動というのを仮設から移ったら切るというようなことはぜひないように、強く要望しておきたいと思うのですが、いかがですか。
#133
○炭谷政府委員 おっしゃるとおりの方向でやらなければいけないというふうに思っております。
#134
○赤羽分科員 ありがとうございます。
 次は、同じ仮設の中でも、非常に高齢で、仮設住宅に住むこと、また災害公営住宅でひとり住まいに耐えられないような、現状寝たきりに近い要介護老人というのもかなりいるというふうに思っております。予算委員会でもこのことを取り上げまして、大臣からも、地元自治体からの調査結果に基づいた要請があればそれに対してしっかりと対応していきたいという答弁をいただきました。
 私が知っている範囲では、今回の震災に関連した被災地、特にこれは神戸市内ということにまず限って話をさせていただきますと、神戸市内でいわゆる特別養護老人ホームの待機者は約千八百人、そのうち仮設入居者で特別養護老人ホームを待機する方たちは百三十一名という数字が出ておるわけでございます。この千八百名に対してどうなのかというのはまた二つ目の論議があると思いますが、まず、最初の百三十一名、仮設入居者で特別養護老人ホームに入ることを待っているほぼ寝たきりの老人に対して、平成十年度の予算でこれは確保することができるのでしょうか。このことについて、三月四日も同じような話をしていると思うのですが、御見解、今の方針をぜひ教えていただきたいと思います。
#135
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。
 先生今お話のございましたような仮設住宅に入居しておられる高齢者の方々が、一日も早く仮設の住宅での生活ということから、安心して落ちついた、いわばついの住みかでの生活に移られるということは非常に大事だというふうに思っております。その場合にも、介護を要する状態になったから直ちに特別養護老人ホームがいいかということになりますれば、そういう状態になってもできるだけ在宅サービスによって地域での生活ができるという状態を追求していきたい、私ども基本的にそう考えております。
 したがいまして、具体的には、その方の健康状態等に応じまして、高齢者の世話つき住宅、いわゆるシルバーハウジングと申していますこういった住宅施策を進めておりますので、こういった住宅とあわせまして、そういった住宅に入居した場合に、生活援助員の派遣あるいは訪問介護員、いわゆるホームヘルプのサービスをやる、あるいは日帰り介護、デイサービスといったようなものを組み合わせていくという形での在宅サービスをまずやっていきたいと思います。
 通常よく待機者と言われています者の中に、これは神戸を限って言っているわけではございません、全体的にあれしますと、そういった在宅サービスの可能性あるいは在宅サービスの展開ということを抜きに、待機者という形で生で出てくることが多うございますけれども、そのことはやはりそこに暮らす人の希望にも必ずしもかなわないということで、要介護の方々に対して要望を聞きましても、やはりできるだけ地域で、あるいは自分のうちでそういう生活をしたいというのは、かなりそういう意味でも希望も強うございます。そういったことを踏まえて、やはり在宅サービスの展開によって支えていくということを基本にしながら、しかし、今おっしゃいましたように、それでもやはり二十四時間専門的な介護が要る、そういういわば特別養護老人ホームの需要が出てきた部分につきましては、地方団体、兵庫県、神戸市御当局ともよく相談をしながら対応をしてまいりたいと思います。
 ただ、予算の仕組みといたしましては、このための特別枠というような形のものにはなっておりませんので、当然、その整備を進めるとすれば全体的な整備予算の中でやっていくことになります。そういった観点を考えますと、全国的に見ますとまだいわゆる新ゴールドプランが未達成のところが多うございますので、そういったこととの兼ね合いを考えながら、全体的な状況とそれぞれの地域における事情等を勘案しながら最終的に決めていく中で対応していきたいというふうに考えております。
#136
○赤羽分科員 今の答弁を聞いていますと非常にもっともな話かもしれませんが、それは被災地もほかの地域も一緒なんですよ。全く何ら変わっていないわけです。
 仮設住宅の中で待機者かどうか、その認定が難しいというようなことをおっしゃっているのかもしれない。百三十一人ですよ。私が質問してからきようで二週間たっている。私が言っているのは、厚生省として百三十一人の面接調査をしたのですか、しろと地元自治体に要請をしたのですか。その人たちは、私が知っている限りにおいては、災害公営住宅にも当たらない、四次募集する、当たらない人、またはそんなところに一人で行きたくないと言って残っている人、そしてほとんどが寝たきりになっている。働く気力もない。そして孤独死になっている人が二百人も出ているのですよ。そこに対して一律、他の都道府県と一緒で、財政構造改革法で恐らく社会福祉施設整備費が削減される、一〇%減だ。全く何の手も打っていないということに等しいじゃないですか。どうですか、大臣。
#137
○羽毛田政府委員 特別養護老人ホームの整備という点につきましては、今申し上げましたように特別の予算枠という形ではございません。そういう全体の中の整備でやっていくということでございます。そういう意味では、来年度に向けての整備という意味では、今各県とのヒアリング、調整を始めたところでございますので、現段階では、どこまで対応できるか、また、今委員に申し上げましたように、どこまでが真に必要な需要としてのものかということについては、地方団体との調整をしている段階でございます。
#138
○赤羽分科員 きょう、時間も限られていますけれども、大臣、これは役所の行政の従来の考え方でいくとそういう答弁になるんだと思うのですが、僕の知っている限りでは神戸市内だけで百三十一名の仮設という仮の宿に入っていてほぼ寝たきりだという老人がいて、そこをどうするかということ、ここに手を差し伸べるかどうかというのはやはり政治家の力だと思うのですよ。ですから、全員を特別養護老人ホームに入れろとかなんとかという話ではなくて、まずその百三十一名に対して面接調査をして、どうしたいのかということを真っ先にやっていただくということをやるように指導するということをぜひ御答弁いただきたいと思います。
#139
○小泉国務大臣 そういう面については一番自治体がよく承知しているはずでありますから、地元自治体とよく連携をとっていくということが大事だと思います。
#140
○赤羽分科員 もちろんそうなんですが、地元自治体は厚生省の最初の答弁にあったように、今の財政が厳しい中で平たく言えば特別扱いする必要は認められない、全体の枠組みの中で一つ一つ詰めていきましようという話であるから、その中で厚くつけていただけるのであればいいのだけれども、現実に他の都道府県と違って仮設の中でこういった現象があるのだから、ここについて必要なのかどうかということをしっかり、私がお願いしてもう二週間もたってどれだけ詰められているのかはうかがい知れていないのだけれども、厚生省としてそういった調査をし、その百三十一名をまずどうしていくのかということを、政治家として、大臣として取り組んでいただきたいという要望なんです。それについて御答弁をお願いします。
#141
○小泉国務大臣 繰り返しますが、地元の自治体とよく相談して、何ができるのか、何ができないのか、よく連携していく必要があると思います。
#142
○赤羽分科員 では、それはよろしくお願いします。それは私がやることではなくて、私はそうい
 次に移りたいと思います。実は若干長くなるかもしれませんが、被災者のお子さんが今回の震災で障害を受けてしまった、その障害者の母親の方から私は手紙を先日いただいたものですから、まず紹介させていただきたいと思います。
  私は灘区大石東町で被災しました。地震後の流れは、押しつけがましいのですが、同封させていただいた新聞記事のとおりです。
この方は、実は朝日新聞の夕刊でこの親子のことについて連載で取り上げられたことがある方なんです。
  私のここまでに至るまでのことは、まだまだこの何百倍をもっても語り尽くせません。震災による後遺症について、国、県、市、マスコミはどうお考えなのでしょうかと伺いたいのです。私が自分自身勝手に言わせてもらえば、奥が深くて手をつけると大変と思っているような感じがします。以前、県か市の仮設の相談員の方に、心のケア窓口ではなくて後遺症のことについての窓口はないのですかと伺ったら、その相談員の方は、そこまで細かいことには対応できるかな、できないなというようなことをおっしゃっていました。
というようなところから書き出しが始まっております。そして、
  私は難しいことはわかりません。ですが、ぜひ知ってほしいのです。これからという輝かしい人生を目の前にして一瞬にしてその希望を打ち砕かれた、この子供のいることを知ってほしいのです。何でこんな苦しみをこの子は背負わなければいけないのか。私は、親としてこの子のこれからの人生を考えると、死んでも死に切れません。ハンディを背負ってまだまだこれからの人生を生きていく子供を思うと、やはりこういうことをいろいろな人に知ってもらって知恵をかしてほしいと思うのです。今まで、私は人に世話になることはだめだと思っていましたが、
この方も若年性のリューマチという障害を持たれているので、人に世話になるなというふうにしつけられて育ってきたという意味なんですが、
 もうそんなことは言っていられないのです。一人では何もできないということも知りました。
ということで、そういう手紙と相談を受けておるのです。
 今回の災害に当たって、災害弔慰金に関連する法案の中に災害障害見舞金の支給という制度があるのです。震災で障害を受けられたら、世帯の生計維持者の障害の場合は二百五十万円、その他の場合は百二十五万円。ところが、私の調べている範囲では、これを受けている件数というのは四十一件しかないのです。義援金を受けた人は約二十五万件あるのです。これは神戸市内かもしれません。要するに、何十万単位の家がつぶれ、罹災証明が発行され、そして災害弔慰金自体でも四千件の件数の支給が行われている。亡くなった方に対しては四千件ですよ。それより、亡くならなかったけれども障害を受けた、これは四十一件しか支給が行われていない。これは何でなのか。
 回っていると、亡くなった方も六千名以上の方が亡くなられたわけですが、震災でけがをした、障害になった、これは大変な数がいる。しかし、この制度はほとんど役に立っていない。これは、支給の対象が大変厳しい現状だからこそこの四十一件という件数しか支払われていないというふうに私は思うのですが、この災害障害見舞金の支給について、この支給対象について、ちょっとこれは通告を厳密にしているわけではありませんが、わかれば教えていただきたいと思います。
#143
○炭谷政府委員 手元に法律の制度を持っておりませんけれども、災害障害見舞金の支給につきましては、そもそも制度を発足いたしますときに非常に大きいいろいろな議論がございました。特に個人補償の問題云々という問題もございまして、ある程度支給対象者を厳しく限定するというようなことになっているわけでございます。
 したがいまして、先生おっしゃいましたように、災害障害見舞金の支給の対象者、これは、ただいま私が手元に持っておりますのは六、七、八年度までの総計でございますけれども、六十二件という数字にとどまっているというのは、対象者が非常に厳しく条件づけられているということによると思います。
#144
○赤羽分科員 それで、先ほどのお子さんは、実は正式にお医者さんの診断によると、びまん性軸索損傷という、前頭葉の部分に障害が起こってしまって、要するに自分で何か自発的に行動ができない。リハビリを三年間やった後ここまで来たのですけれども、後で新聞記事をもしょろしければお渡ししますが、水をとってとか言われるとそういうことはできる、けれども自発的に何かしようということはできない。ですから、学校も地元の学校で高校一年生で、昨年入学を特別許可しているわけですけれども、試験なんか受けてもとても進級の見込みがない。今度退学になるのではないかということを今すごく心配しているような状況で、常にだれか隣にいないと生活できない。お母さんは大変心配をし、基本的にはずっと付き添っている。
 こういった人たちに対してこの三年間、四兆数千億の予算が投入をされ、いろいろな制度をつくり、しかし全くこの人は何も支援を受けていないのです。変な話ですけれども、あのときに一緒に死んでしまった方がよほど楽だった。そうすれば家族に災害弔慰金として、今答弁があったようなややこしい、何だか何のために法律をつくったのかよくわからないと僕は思ったのだけれども、亡くなっていれば二百五十万円の金額が遺族に出る。しかし、中途半端に、身体障害者認定ですか、そういうものにかからないような障害を残してしまったために大変な苦しみをこれから味わっていかなければいけない。
 その人だけではなくて、そういった状況の人たち、いわゆる障害認定を受けないケースでありながら震災の後遺症を引きずって生きていかざるを得ない被災者に対して、何らかの救う手だてはないのでしょうか。私は自分で調べていて、特別児童扶養手当とか障害児福祉手当、この二つというのはこういったケースの支給対象になるのでしょうか。
#145
○篠崎政府委員 不幸にして震災により身体または精神に障害を負った方で認定を受けられた方につきましては、先ほど御指摘のありましたように、在宅サービスとかあるいは施設入所サービスがございます。
 それで、手当につきましても、重度、重さによるわけではございますが、特別児童扶養手当あるいは今御指摘のありました児童の福祉手当の対象にもなり得ると思いますが、いずれにしても認定ということがその前提にあるということでございます。
 また、先ほど来お話がありましたけれども、そういう法の対象にならない場合でありましても、児童相談所あるいは身体障害者や精神薄弱者の更生相談所あるいは精神保健福祉センターなどで相談に乗っているという状況でございます。
#146
○赤羽分科員 支給要件は、特別児童扶養手当が重度の精神障害とか知的障害とか中度の精神障害とか知的障害というような形だし、障害児福祉手当については、重度の障害を有するため日常生活において常時介護を必要とするという、ある意味では非常に抽象的というような気もするのですけれども、この認定はどこがするのですか。
#147
○篠崎政府委員 児童の場合ですと児童相談所の方でやっております。
#148
○赤羽分科員 私もこの当事者には、こういった制度がある、ぜひそこに相談していただきたいということを直接言いますが、こういった形で今までの制度の中にかからない被災者が数多くいるということをぜひ御理解いただきまして、きょうは本当はあとは聴力障害者への手話通訳の奉仕員の制度も、実は障害者の明るいくらし促進事業の実施という中で盛られておるのですが、そこも実は週二回、三時間ずつしかないのです。ですから、そういったことでも、震災があって新しいところ
で住まなければいけない、今までは一人で歩けたのがそういった奉仕員が必要だということで物すごくニーズが多いわけですから、この点も含めてきめの細かい施策をしていくように、地元自治体に厚生大臣からもぜひ強力な御指導をいただきたいということで、最後に一言だけいただいておしまいにいたします。
#149
○小泉国務大臣 よく自治体と連携を図って協力をしていきたいと思います。
#150
○赤羽分科員 ありがとうございました。
#151
○石川主査 これにて赤羽一嘉君の質疑は終了いたしました。
 次に、松本純君。
#152
○松本(純)分科員 平成十年度予算は、財政構造改革に基づき大変厳しい厚生省予算となりました。小泉大臣を初め厚生省の皆様の御労苦に敬意を表するところであります。
 さまざまな改革に挑戦していかねばならないとき、今我が国の置かれている状況を大所高所から見きわめて手を打っていかなければなりません。しかし、現実には、影響を受ける各現場で大変混乱しているのも事実であります。これから質問させていただきますことは、大臣にとっては小さな問題かもしれませんが、これらの一つ一つの積み重ね、揺らぐことのない哲学がそこに存在することが国民から信頼される厚生行政となることと思います。
 それではまず初めに、平成八年の第百三十六回通常国会において、これまでの医薬品の副作用等の問題の反省の上に立って薬事法、薬剤師法の改正が行われ、その一環として、調剤時における薬剤師の患者さんに対する医薬品情報の提供が義務づけられ、平成九年四月一日より実施されています。
 ところで、昨年、医療法の第三次改正が行われ、厚生省は現在、政令、省令の検討を進められているようですが、これと時を同じくして、病院における薬剤師の配置基準の見直しが行われていると聞いております。多分その議論の一環でありましょうが、先日、私どもにある病院関係団体から、薬剤師の服薬指導等の業務は電子機器の進歩で仕事量が減少しているという趣旨の要望書が送られてまいりました。患者に対する服薬指導がコンピューターに任せてできるとは思えませんし、それ以前に、医療機関における患者に対する情報の提供不足が問題になったからこそ薬剤師法の改正が行われ、第二十五条の二に情報の提供が義務化されたわけであり、薬剤師の仕事量はむしろ増大していると考えなくてはならないと思います。
 改革混乱期でさまざまな考え方や意見が聞こえできますが、これをどのように受けとめるべきか、厚生省健康政策局のお考えをお尋ねします。
#153
○谷(修)政府委員 薬剤師の病院の中における業務というものは、時代とともに変わってきているというふうに思っております。従来は、外来における調剤業務あるいは処方せん交付業務というのが主たるものだったというふうに思いますが、最近では、入院患者に対する服薬指導あるいは薬歴管理、そういうものが必要になってきている。また、そういったような情報を医師や看護婦に伝えるということで、医療チームの非常に重要な一員としての役割がふえてきているというふうに思います。また、そういう意味でも、昨年の医療法の一部を改正する法律の中でも、医療の担い手としての薬剤師の医療を受ける患者さんに対する説明義務というものを薬剤師法の後に改めてまた規定をしたところでございます。
#154
○松本(純)分科員 このような意見が医療関係者の間にあるということは、昨年の薬剤師法の改正の趣旨が関係者に徹底されていないのではないかと感じてなりません。
 一体厚生省は、病院、診療所に対してこの薬剤師法の趣旨をどのように徹底されたのか、どのような指導を行っているのか、健康政策局に具体的にお答えをいただきたいと思います。
#155
○谷(修)政府委員 昨年の施行にあわせまして、その当時、業務局から病院関係団体等に対しましての周知徹底は行われております。また、その後、先ほどもちょっと触れましたけれども、医療法が改正をされたということで、実際にはこれは四月から全面施行されるわけでございますが、いわゆるインフォームド・コンセントという観点から、医療現場におきます医療関係者、医師、歯科医師のみならず、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手の役割というものについて、改めて周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#156
○松本(純)分科員 医療法の第三次改正においては、ただいまのお話のとおり、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手は、患者に対して十分説明し、患者の理解を得るよう努めなければならないという趣旨のいわゆるインフォームド・コンセントの規定が設けられました。
 現在、医療保険財政は大変厳しい状況にあり、医療提供体制の効率化も大変重要なテーマであると思いますが、同時に、薬物治療の質の向上も大変重要な課題であると思います。だからこそ薬剤師法が改正され、また、医療法にインフォームド・コンセントに関する規定が設けられたのだと思います。
 病院薬剤師の配置基準は、現在、調剤数八十につき薬剤師一人とされております。今回は入院患者数当たりの薬剤師数を基準の要件に入れると聞いておりますが、配置基準を変えることにより服薬指導等の業務に支障が出るようなことがあるとすれば、これは薬剤師法、医療法の改正の趣旨に全く反するものであると考えられます。
 医薬分業が進展し、医療機関の処方せんの発行が進んでいるにもかかわらず、ここ一、二年の病院薬剤師の数はむしろふえております。これは、服薬指導や病棟活動、その他薬剤師業務はむしろふえていることの証左であると思います。
 このような状況をも踏まえ、法整備によりせっかく強化されつつある薬剤業務を後退させることがないよう、服薬指導等の業務に支障が出ないよう、所期の目的を達することができるようにすることが大切ではないかと思いますが、厚生大臣のお考えをお聞きしたいと存じます。
    〔主査退席、萩野主査代理着席〕
#157
○小泉国務大臣 今回の病院薬剤師の配置基準の見直しに当たりましては、調剤技術の進歩や薬剤師の服薬指導等の病棟において果たすべき役割等を考慮しまして、その見直しを今行っているところであります。
 具体的な薬剤師数につきましては、現在の病院薬剤師数の実態を踏まえたものとなるよう、現在、医療審議会において御検討いただいているところでありますので、その取りまとめを待って適切な対処をしていきたいと思います。
#158
○松本(純)分科員 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 質問の中身が少し変わりますが、一般用医薬品の販売規制の緩和、いわゆるコンビニ等一般小売店での医薬品販売については、中央薬事審議会の審議を終えて、医薬品のカテゴリーを見直すということでようやく結論が出されたようですが、これに関連して、青少年の医薬品の乱用問題に関連する問題についてお尋ねをいたします。
 ここに、コンビニや一般書店で販売されている若者向けと思われます月刊誌がありますが、この中に次のような記事が記載をされております。
  番外編 それでは精神病院に行ってみましょう!
  精神科を利用した楽しみかたとして、薬でハイになること、俗世間を離れマイペースに生活できること、イッちゃってる人を身近に感じ知り合いになることが可能なこと、医師の患者への対応のしかたなどでしょうか。
  まず、お手軽にドラッグでハイになりたい方は、精神科に通院して医師からの薬の処方をお勧めします。この方法のメリットは格安で薬が手に入ること、非合法ではないこと、もし、多量に服用したり副作用などで具合が悪くなっても、薬の成分が明確なので適切な処置が出来ること等があげられます。
  薬としてではなく、ドラッグとしてハイになるには通常の服用量よりも多い量が必要なの
で、複数の精神科に通ったり、長期間の旅行を装ったり、大きい病院などでは処方箋を渡され薬局で貰うところがありますので、このような場合には処方箋に書かれてある薬の処方量を改ざんし多く貰えるようにしてみましょう。
云々というようなことがこの中に書かれているわけであります。
 これは、法で定められた処方せんという公文書偽造の教唆に当たるのではないか、犯罪行為に当たるのではないか、また、こうして搾取された医薬品の薬剤代金は保険で支払われるのですから詐欺行為ではないかといったことが問題であるばかりではなく、青少年の肉体、精神をも脅かされていることになるのではないかと思うのであります。
 表現の自由も大切ですが、このような記事を放置しておいてもよいのか、必要な措置を講ずるべきではないかと思うのでありますが、厚生省の考えをお尋ねします。
#159
○中西政府委員 御指摘の公文書偽造の教唆あるいは詐欺といった刑事法的な評価について、私どもからお答えすることはなかなか難しいわけでございますが、青少年の薬物乱用という観点から見れば、これは非常に大きな問題になっておるところでございます。御指摘のような青少年に対して向精神薬の乱用をあおるようなそういう記事は、私どもとして極めて不適当なものであると考えておりまして、今後、関係省庁ともよく相談して、どのような方策をとる道があるのかよく検討していきたい、かように考えております。
#160
○松本(純)分科員 一般用医薬品の規制緩和問題については一応の結論が出たわけでありますが、なおコンビニ業界等には不満の声もあるやに聞いております。しかし、若者のニーズにこたえ、このような書籍を販売する一方で、医薬部外品と名を変えた医薬品が管理者なく販売されるということは、本当に背筋が寒くなる思いがいたします。
 このような事例を見ても、医薬品販売のような広く国民の安全、健康に資する社会的規制についてはやはり今後も堅持していくべきだと考えますが、厚生大臣のお考えをお聞かせください。
#161
○小泉国務大臣 今の雑誌の記事の件については、ひどいといいますか、まさに制度の悪用を進めているゆゆしき記事内容だと思います。
 それと、医薬品の規制緩和ですが、医薬品というのは健康、また生命に大きく影響するものでありますので、ある程度の規制は必要だと思います。しかし、現在の規制緩和の時勢でありますので、その点は今後、医薬品の販売に関する規制緩和につきましても、現行の薬局等の問題あるいは医薬部外品等の問題、よく慎重に協議を進めて対応を図っていかなければいかぬと思います。
#162
○松本(純)分科員 どうぞ慎重に、秩序ある規制緩和が進められますようお願いを申し上げたいと思います。
 以上で用意をいたしました質問は終了をいたしましたので、自由民主党松本純の質問を終わります。
#163
○萩野主査代理 これにて松本純君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして厚生省所管についての質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事をすべて終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後零時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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