くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第142回国会 予算委員会第二分科会 第1号
本分科会は平成十年三月十六日(月曜日)委員会
において、設置することに決した。
三月十九日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      相沢 英之君    伊藤 公介君
      久野統一郎君    深谷 隆司君
      生方 幸夫君    岡田 克也君
      加藤 六月君
三月十九日
 伊藤公介君が委員長の指名で、主査に選任され
 た。
平成十年三月十九日(木曜日)
    午後一時五十七分開議
 出席分科員
   主査 伊藤 公介君
      相沢 英之君    久野統一郎君
      下村 博文君    深谷 隆司君
      生方 幸夫君    岡田 克也君
      島津 尚純君    山本 孝史君
      吉田  治君    加藤 六月君
      佐藤 茂樹君    松浪健四郎君
   兼務 金田 誠一君 兼務 川内 博史君
   兼務 仙谷 由人君 兼務 田中  甲君
   兼務 平田 米男君 兼務 山中 Y子君
   兼務 瀬古由起子君 兼務 中林よし子君
   兼務 山原健二郎君 兼務 保坂 展人君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 小渕 恵三君
        大 蔵 大 臣 松永  光君
 出席政府委員
        外務大臣官房長 浦部 和好君
        外務省総合外交
        政策局国際社会
        協力部長    上田 秀明君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省北米局長 高野 紀元君
        外務省欧亜局長 西村 六善君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   天江喜七郎君
        外務省経済局長 大島正太郎君
        外務省経済協力
        局長      大島 賢三君
        外務省条約局長 竹内 行夫君
        大蔵大臣官房長 武藤 敏郎君
        大蔵大臣官房金
        融検査部長   原口 恒和君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    溝口善兵衛君
        大蔵大臣官房審
        議官      大武健一郎君
        大蔵省主計局長 涌井 洋治君
        大蔵省主計局次
        長       細川 興一君
        大蔵省理財局長 伏屋 和彦君
        大蔵省証券局長 長野 厖士君
        大蔵省銀行局長 山口 公生君
        国税庁次長   船橋 晴雄君
        国税庁課税部長 乾  文男君
 分科員外の出席者
        内閣官房内閣外
        政審議室内閣審
        議官      門司健次郎君
        人事院事務総局
        職員局福祉課長 小竹 久平君
        内閣総理大臣官
        房男女共同参画
        室長      名取はにわ君
        防衛庁運用局訓
        練課長     長谷川 晋君
        外務大臣官房会
        計課長     中村  滋君
        大蔵大臣官房会
        計課長     塚原  治君
        大蔵省主計局主
        計官      川北  力君
        大蔵省主計局主
        計官      中江 公人君
        厚生省保健医療
        局地域保健・健
        康増進栄養課長 高原 亮治君
        水産庁資源監理
        部管理課長   石木 俊治君
        運輸省航空局管
        制保安部管制課
        長       田崎  武君
        郵政省貯金局業
        務課長     中澤 欣三君
        自治省税務局企
        画課長     桑原 隆広君
        参  考  人
        (預金保険機構
        理事長)    松田  昇君
        財務委員会専門
        員       宮本 吉範君
        大蔵委員会専門
        員       藤井 保憲君
        予算委員会専門
        員       大西  勉君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月十九日
 辞任         補欠選任
  相沢 英之君     下村 博文君
  生方 幸夫君     山本 孝史君
  岡田 克也君     大畠 章宏君
  加藤 六月君     達増 拓也君
同日
 辞任         補欠選任
  下村 博文君     相沢 英之君
  大畠 章宏君     島津 尚純君
  山本 孝史君     吉田  治君
  達増 拓也君     松浪健四郎君
同日
 辞任         補欠選任
  島津 尚純君     岡田 克也君
  吉田  治君     山本 孝史君
  松浪健四郎君     佐藤 茂樹君
同日
 辞任         補欠選任
  山本 孝史君     吉田  治君
  佐藤 茂樹君     松浪健四郎君
同日
 辞任         補欠選任
  吉田  治君     生方 幸夫君
  松浪健四郎君     加藤 六月君
同日
 第一分科員平田米男君、山中Y子君、山原健
 二郎君、第三分科員仙谷由人君、第四分科員田
 中甲君、中林よし子君、第五分科員保坂展人君
 、第六分科員瀬古由起子君、第七分科員金田誠
 一君及び川内博史君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十年度一般会計予算
 平成十年度特別会計予算
 平成十年度政府関係機関予算
 (大蔵省及び外務省所管)
         
     ――――◇―――――
#2
○伊藤主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 本分科会は、法務省、外務省及び大蔵省所管について審査を行うことになっております。
 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。
 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算及び平成十年度政府関係機関予算中大蔵省所管について、政府から説明を聴取いたします。松永大蔵大臣。
#3
○松永国務大臣 平成十年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は、七十七兆六千六百九十一億七千九百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十八兆五千二百二十億円、雑収入は三兆二千六百九十五億八千三百万円、公債金は十五兆五千五百七十億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十九兆一千三百四十七億四千五百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れば千五百九十五億三千三百万円、国債費は十七兆二千六百二十八億一千六百万円、政府出資は三千三百四十四億二千万円、予備費は三千五百億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも三百億三千二百万円となっております。
 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 国民金融公庫におきましては、収入三千七百九十二億八百万円、支出三千八百五十七億四千八百万円、差し引き六十五億四千百万円の支出超過となっております。
 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#4
○伊藤主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま松永大蔵大臣から申し出がありましたとおり、大蔵省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○伊藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
   平成十年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算に関する説明
 平成十年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は、七十七兆六千六百九十一億七千九百万円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、二千七百九十一億七千五百万円の増加となっております。
 以下、歳入予算額のうち主な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、租税及印紙収入は、五十八兆五千二百二十億円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、七千二百億円の増加となっております。
 この予算額は、現行法による租税及び印紙収入見込額五十九兆六千九百九十億円から、平成十年度の税制改正による減収見込額一兆一千七百七十億円を差し引いたものであります。
 次に、各税目別に主なものを御説明申し上げます。
 まず、所得税につきましては、平成十年分所得税の特別減税等による減収額を見込んだ上で、二十兆五千五百五十億円を計上いたしました。
 法人税につきましては、法人税制改革等による減収額を見込んだ上で、十五兆二千七百四十億円を計上いたしました。
 消費税につきましては、十兆八千百八十億円を計上いたしました。
 以上申し述べました税目のほか、相続税二兆三千五百十億円、酒税二兆五百八十億円、たばこ税一兆二百億円、揮発油税一兆九千九百六十億円、印紙収入一兆八千二百四十億円及びその他の各税目を加え、租税及印紙収入の合計額は、五十八兆五千二百二十億円となっております。
 第二に、雑収入は、三兆二千六百九十五億八千三百万円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、七千四百九十四億三千九百万円の増加となっております。
 この収入のうち主なものは、日本銀行納付金四千八百九十億円、日本中央競馬会納付金四千六百八十一億一千七百万円、特別会計受入金一兆八千八百二十一億二千二百万円等であります。
 第三に、公債金は、十五兆五千五百七十億円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、一兆一千五百億円の減少となっております。
 この公債金のうち、八兆四千二百七十億円は、建設公債の発行によることとし、残余の七兆一千三百億円は、特例公債の発行によることといたしております。
 なお、特例公債の発行につきましては、別途、「平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案」を提出し、御審議をお願いいたしております。
 最後に、前年度剰余金受入は、八億一千四百万円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十九兆一千三百四十七億四千五百万円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、三千八百五十八億五千七百万円の増加となっております。
 これは、国債費が四千六百四億八千七百万円増加しましたが、他方、政府出資が七百十五億八千万円減少したこと等によるものであります。
 以下、歳出予算額のうち主な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、第一に、産業投資特別会計へ繰入につきましては、一千五百九十五億三千三百万円を計上いたしておりますが、この経費は、無利子貸付け等の財源に充てるための「日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法」に基づく産業投資特別会計への繰入れに必要なものであります。
 第二に、国債費につきましては、十七兆二千六百二十八億一千六百万円を計上いたしておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債及び借入金の償還及び利子等の支払並びにこれらの事務の取扱いに必要な経費の財源を、国債整理基金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
 第三に、政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等二機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として、三千三百四十四億二千万円を計上いたしておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫百十三億二千万円、海外経済協力基金三千二百三十一億円であります。
 第四に、経済協力費につきましては、四百二十三億二千六百万円を計上いたしておりますが、この経費は、国際開発金融機関を通じて供与する発展途上国に対する経済協力等に必要なものであります。
 最後に、予備費につきましては、予見し難い予算の不足に充てるため、三千五百億円を計上いたしております。
 次に、当省所管の特別会計のうち主な会計につきまして、その歳入歳出予算の概要を御説明申し上げます。
 まず、造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも三百億三千二百万円となっております。
 次に、印刷局特別会計におきましては、歳入一千九十五億七千九百万円、歳出一千四十億七千九百万円、差引き五十五億円の歳入超過となっております。
 以上申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、外国為替資金、産業投資、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、国民金融公庫におきましては、収入三千七百九十二億八百万円、支出三千八百五十七億四千八百万円、差引き六十五億四千百万円の支出超過となっております。
 このほか、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、環境衛生金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#6
○伊藤主査 以上をもちまして大蔵省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○伊藤主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局におかれましても、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下村博文君。
#8
○下村分科員 大臣におかれましては、連日御苦労さまでございます。また、松田理事長には、お越しいただきましてありがとうございます。
 実は、私は選挙区が東京の板橋でございまして、けさ、地元の経営者の方々を対象に朝食会をしておりまして、その中で、きょうは予算委員会の分科会で大蔵大臣、大蔵省に対して質問をするというふうなお話をしたときに、中小企業の経営者の方々から、大変な悲痛の叫びと言ってもいいような、そういう御意見がたくさん寄せられました。
 その中で特に、やはり中小企業の経営者の方々が一番、一様に御心配されているのは貸し渋りの問題でございます。これが一向に改善されていないのではないか。これについては、やはり血液というのは人間の体、お金はまさに血液そのものでございますから、もっともっと景気対策として、金融安定化ということで、ぜひこの貸し渋りを解消してほしいという中で、具体的な事例が随分出されておりました。その中の象徴的なこととして、きょう、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。
 それというのも、二月に金融システム安定二法案が成立をしたわけでございます。これについては、当初からそういう中小企業の方々が大変に期待をされておりまして、これによって貸し渋りもなくなるし、また景気もいい方向に行くのではないか、こんなようなことで期待をされておりました。しかし、参議院で二月十六日に可決されてから一カ月になるわけでございますけれども、相変わらず貸し渋りが実際には続いているわけでございます。
 実際に資本注入がされて、四月以降貸し渋りが解消に向かうのかなという、スケジュール的にはそういう方向があると思いますが、しかし、きょうも出されていたのは、いや、今回手を挙げた二十一行のそういういわゆる優良銀行でさえ、それぞれの担当の末端の行員は、実際四月、五月になってもなかなか貸し渋りというのは解消しませんよということを直接銀行からも言われているということで、見通しが非常に立たない、こういうお話がたくさんございました。
 そういう中で、今後政府としてこれから、二法案が成立した後を受け、この二法案の徹底ということの中で、金融機関に対して、貸し渋りに対してどう指導していくのか、あるいはその見通しをどんなふうにお考えになっているのか、まずお聞きしたいと存じます。
#9
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 今回の金融二法をお通しいただきましたので、審査委員会におきまして、今回の資本注入を実施させていただくことになりました。その結果、期末の不安感というのはかなり薄らいだというふうに思うわけでございます。その不安感からくる貸し渋り現象ということについては、ある程度の緩和が見込まれると思います。
 それから、同時に出された計画書を見ますと、三月末に向けていわゆるリスクアセットをふやすという銀行がありまして、それを集計しますと、約六兆円ぐらいのリスクアセットをふやすという答えが出ておりました。したがって、各銀行ともに期末に向けてできるだけの貸し出しに努める、こういう方向が見えてきておることは大変いいことだというふうに思います。
 ただ、よく貸し渋り現象と一口に言ったときに、よくよく中身を見てみますと、相手先企業の景況感からくるリスク管理の強化という面もかなりあるわけでございます。もう一つは、やはり、自己資本比率とかあるいはアベイラビリティーリスクというような、金融機関側の理由からくる、リスクアセットを小さくしていくという動きがあるわけです。
 それの微妙な部分がありまして、それがいろいろな形で、貸し渋り現象が、ある人に聞くとけしからぬという話で、ある人に聞くとそれは自然の流れだ、こういうことになりますが、私どもとしては、当然貸してもいいところに貸し渋り現象が起きるようなことは、やはり社会的責任からいっても問題だろうということで、いろいろな形での仕組み上のサポートをしているわけでございます。
 問題は、先生がおっしゃった、二法案の徹底をどうしていくかということにつきましては、各金融機関が、リスクアセットを将来的には大きな銀行はみんな縮小しようという動きにある中においても、中小企業や個人に対しては貸し出しをできるだけ確保する、あるいは伸ばしていこうという姿勢を示しておる、そういう計画を出しておりますので、それをフォローしていくということが大切である、そういうことで担保していく必要があると思います。
 それから、直近の四月以降の見通しといいますと、やはり一息つくという感じを持っておりますけれども、そうした動きが経済の好転とともに表にあらわれてくることを私どもとしても期待しているわけでございます。
#10
○下村分科員 これは、一般の国民の立場から見ますと、この二法案の、特に貸し渋りといいますか、銀行に対する公的資金の導入について、性格がよくわからないといいますか、見えないという部分があるような気がいたします。
 つまり、銀行に対する公的資金の導入を何のためにするのか。これは、一つにはやはり貸し渋りを解消するためにやるということではあるわけですけれども、しかし、実際にこの法案が成立をしてから見てみますと、百四十七行ある中で、非常に優良銀行から、なおかつみんな一列になって、同じような額の投入を希望してきたという中で、この金融システム安定化ということが貸し渋り対策ということに本当になるのかどうか、目的として。そういう懸念が一つある。
 それからもう一つは、銀行の救済とはいっても、本当に困った銀行がこれに手を挙げるということは、事実上は、その銀行が経営的にやはり厳しいということを世間的に認知されることになるということで、優良銀行から公的資金の導入については手を挙げているということの中で、全部の銀行が今手を挙げているわけではありません。
 こういう推移を見ていくと、二〇〇一年からビッグバンが始まるわけでありますが、これに先駆けて、結果的に、この二法案によって、国内における優良銀行、それから、あとは淘汰される銀行の峻別の手段になっていっている、こういうふうにも思うわけです。
 これは、ある意味では本来二法案で意図していたことではないというふうに思いますけれども、いわゆる銀行の体質として、今までの護送船団方式の意識から抜け切れなくて、せっかく政府としてはこの二法案をつくったにもかかわらず、この二法案が本来の趣旨で反映されていないということで、その辺で先ほどの貸し渋り等も中途半端になっていく、こんなふうにも思うわけであります。
 この辺で、公的資金の導入についてまだ手を挙げていない金融機関に対してはどんなふうに考えているか。また、手を挙げるということが貸し渋りを一層早く解消するということにもつながるわけでございますけれども、この辺を含めて、大蔵省としては、この二法案成立の後の各銀行等の動きについてどんなふうに判断されているか、お聞きしたいと存じます。
#11
○山口政府委員 この二法案と貸し渋り対策との関係にお触れいただきましたが、確かに、この二法案におきまして、資本注入をやることによりまして、BIS規制等の壁をクリアできるということでの貸し渋り対策に資するという面があろうかと思います。しかし、本来この二法案は危機管理のための法案でありまして、貸し渋りをなくすためというよりは、各金融機関においてその金融機能を果たし得ないような状況が現出するおそれがある場合にこれが発動されるということでございます。
 今後どういう銀行が手を挙げてくるかということになりますと、その時々の経済情勢あるいは金融情勢等のかかわりからその動きが出てくるものと考えておるわけでございますが、確かにその一面として貸し渋り現象というものも伴ったものということは否定はできませんけれども、各銀行の自主的な判断に基づいて、手を挙げる挙げないということが決まってくるわけでございます。その際には、審査委員会において状況をよく見て、厳密に審査をされ、その投入を図るわけでございます。
 いずれにせよ、先ほど先生おっしゃいました新しい時代への方向性の中で、やはり基本的に金融システムが安定しておるということが大前提でございますので、昨年の十一月、十二月に見られたような不安定な状況のもとでそういった新しい時代に乗り出すことがなかなか難しいという意味で、やはり金融システムを安定させる、こういう目的を第一に掲げているわけでございます。それがひいては貸し渋り現象の解消にも大きく役に立つだろうというふうに考えている次第でございます。
#12
○下村分科員 何をもって安定させるかというのは、立場によって考え方が違うというふうに思うのです。つまり、安定させるということは、一行たりとも銀行を淘汰させないということであるというふうに思いますが、ただ、事実上は二〇〇一年からビッグバンが始まるという中で、こういうふうな二法案が成立をし、また公的資金の各銀行に対する対応等を見ていると、これによって結果的には淘汰の方向に行くのではないか、そんなふうな感じがします。
 それはそれで、これからの、ある意味では、銀行というのは、いい例で言えば温室の中で育てられた花のような存在ですから、これが、温室のフレームが、ガラスが全部取っ払われたときに、寒風の中でその花が自力でずっと生き続けられるためのある意味では期間としてこれからの二〇〇一年というのはあるというふうに思いますし、その中で、自然淘汰の中で、激しい競争原理の中でしていく中で、トータル的にはおのずと安定化に向かう、そういう方向の方が本来望ましいのではないか。
 逆に、一行たりとも、ある意味では、今までいろいろな問題があるところを、公的資金の導入をすることによってそのまま変に温存させるということは、これはやはり正しい方向には向かわないのではないか、こんなふうに思います。
 ちょっと時間がないので、せっかく理事長にも来ていただいているので、先に進めさせていただきたいと思いますが、その中で、公的資金の重要性ということから、やはり資本注入を受けた金融機関に対して経営責任をきちっと明確にさせるということは必要だというふうに思うのですね。
 この中で、実際マスコミ等の報道の中で、各金融機関がそれぞれ申告をしてきておりますけれども、しかし、実際の中小企業の方々の意見というのは、では、自分たちが困ったら公的資金を投入してくれるのか、してくれないじゃないかと。そこが銀行と町場の中小企業の違いである。
 そういう中で、やはりもっとある意味では公正公平な立場の中から、この金融機関の、特に公的資金を注入し、問題のある銀行についてはそれなりの経営責任を明確にしていく必要があるのではないか。それがまだ足らないのではないか。今までの経過を見ていますと、経営責任に対する政府の対処の仕方が足らないのではないか、これが圧倒的な意見でございました。
 これについてはどんなふうにお考えか、また、今後これについてさらに強める考え方があるのかどうか、お聞きしたいと存じます。
#13
○松永国務大臣 下村委員御承知と思いますけれども、今回の金融の安定化に関する特別措置法二法案は、まず一つは、交付国債の七兆円と政府保証による十兆円、この十七兆で、どんな事態になろうとも、国民の預金は利子も含めて一〇〇%保護しますよということをどんと打ち出すことによって、国民の自分の預金に対する不安を一〇〇%解消する、これが一つあるわけですね。これが十七兆であります。もう一つの方が、交付国債三兆円と政府保証による借り受け分の十兆、十三兆でありますけれども、この十三兆を使って何をするのかというと、日本の金融システムを安定化させる。
 金融という分野は非常に微妙な分野であって、ちょっとしたことで預金者が不安を感じたりして預金先に走ったり、あるいはまた、金融機関が資金を集める場合になかなか集まらぬということもあって、それがまたよそに伝染するおそれもある。そういう事態になりますというと、文字どおり金融不安になりかねない。金融不安のような状態が起こりますというと、日本の経済全体が大変なことになる。そういったことを防止するための緊急的な措置が今度の措置なのでありまして、個々の金融機関を救済しようとか、そういったことでは実はないわけであります。
 ただ、結果においては、資本注入を受けた金融機関はいわゆる自己資本比率が高まりますから、そしてまた、自己資本が充実してくることによって金を貸せる能力が高まりますね。それを通じて貸し渋りを解消していくということにもなる。こういったことでやることになったわけであります。
 先ほども貸し渋りの話が出ましたが、審査をする場合に、私ども、銀行の責任者からよく聞きました。何で中小企業の方々から貸し渋りと言われるようなことに銀行の経営がなっているのかと聞きましたら、理由は二つありましたね。
 一つは、この四月から行われる早期是正措置があるから、どうしても四%あるいはまた八%の自己資本比率を確保したい。そうすると、どうしても貸し出しがやや緊縮したような形にならざるを得ないし、場合によっては回収もせねばならぬのだと。自己資本比率の関係での貸し出しの抑制的な気持ちが働く。もう一つは、どうしても不良債権をつくりたくないという気持ち。その二つが、貸し渋りと言われるような行為に走っている原因だ、こういうことを言っておりました。
 今度の資本注入によって、自己資本比率が国内行ならば四%、世界的に仕事をする銀行では八%、その自己資本比率の四%ないし八%ということを十分クリアできれば、そっちの方からくる貸し渋りの要因はなくなるわけですね。それが貸し渋り解消に資することになるわけですね。
 同時にまた、申請銀行からは全部経営健全化計画というものを出させました。その中で、どれだけリストラするのか、これもはっきり数字を挙げて、そして具体的な実行計画を出させました。それからまた、貸し渋りの解消については、どういう考え方でどういうふうにやっていくつもりかということも出させました。
 多くの銀行が、中小企業に対する貸し出しはこの程度ふやしていくことができますという計画書もほとんどの銀行は出しております。それを預金保険機構が中心になって今後ともその実施状況をフォローしていきますから、したがって、その点から、委員が心配なさっておる貸し渋りの問題も私は徐々に解消していくだろう、こういうふうに思っておるわけであります。
 実際は、民間金融機関でありますから、一般的に行政指導的なことはできますけれども、今度は計画書を出させたわけであります、リストラにしろ、中小企業に対する貸し渋りはしないというような事柄等々。しかもその書面は公表されました。したがって、これからは、公表されたことをしっかりそめとおりやっているのかということをチェックしていきますから、そして場合によっては、その実施状況を公表するということもあり得るわけであります。そういったことを通じて、今委員御指摘のような事柄の解消に向けて大きく進んでいくのじゃなかろうか、私はこういうふうに思うわけであります。
#14
○下村分科員 御丁寧な答弁をいただきまして。ただ、大臣、町場の方々の感覚としては、これは二〇〇一年の三月末までということでございますけれども、この一、二カ月をどう乗り切るか、乗り越えていくかということで、経営的に大変に困っている方々もたくさんいらっしゃいます。そういう意味では、やはり貸し渋りあるいは金融の安定化、これが早急に、一日でも早く霧が晴れるように見通しをつくるための、政府としては最大限の努力はぜひ今まで以上にお願い申し上げたいと存じます。
 そして、今お話の中で出てまいりました、申請のある各金融機関から健全性確保計画が出されている、申請主義となっておりますけれども、この自律性だけにゆだねることが十分なのかどうか。マスコミ等で、どこの金融機関がどんなような健全性確保計画を打ち出しているかというのは私も見ておりますけれども、それぞれ金融機関によって基準といいますか、打ち出している具体的な内容も違います。
 これについて、ただ計画が出されているから、それをそのままオーケーとするということでいいのかどうか。預金保険機構として、やはりある程度、それぞれの個々の金融機関との調整だけではなく、国民の立場から見て、これはまさに預金保険機構として、それぞれの金融機関に対して公正公平な基準を設けて指導しているというものをもっと明確に打ち出すべきではないかというふうに思いますが、これについてはどんなふうにお考えなのか、お聞きしたいと存じます。
#15
○松田参考人 先生御指摘のとおり、これは申請主義でございますが、実は審査委員会という立場から申しますと、まず、健全性計画につきましては、漏れがないように、あるいは落ちがないように、どういう事項を盛ってもらうかということをあらかじめ協議いたしまして、それをひな形にしてつくりまして、それを申請する金融機関に配付して、書いてもらっております。これには一々審査をいたしまして、不良債権の問題、貸し渋りの問題、倫理規定の問題、その他いろいろ重要項目にわたりまして、できるだけ客観的な数値も入れてもらって出してもらうようにして、まず落ちがないようにする、それが第一点でございます。
 同時に、出てまいります健全性計画は最小限の記載内容となっておりますので、それは申請銀行に言ってありますから、なお補足事項があれば積極的に説明してください、我々も聞きましょう、こういう立場で審査委員会にも臨んでおります。
 したがいまして、計画の内容につきましては、数値面を含めまして、例えば監督当局の大蔵大臣、日銀総裁から数値の信感性についてそれぞれ御意見を賜って、その上で議論をするということもいたしておりますし、それぞれの申請銀行の代表権のある頭取さんをお呼びして、計画の内容についてどういう考えを持っているか直接ただしておりまして、内容の真偽について一つ一つ確かめて内容を補充し、それから不足している部分については改めて資料の再提出を求めております。中には、さらに再提出の約束をさせて審査を終えたということもございます。
 引き続き、今後ともこの点に留意しながら、運営と申しますか、審査が充実するように心がけていきたい、このように思います。
#16
○下村分科員 ぜひ厳密に、なおかつ、ケース・バイ・ケースの厳密ということでなく、標準的な基準の中でやっていただきたいというふうに思います。
 そういう意味では、厳密にしていくという一方で、先ほど大臣からもお話がございましたように、BIS規制は今月末ですからあともう十日余りでございます。今月末までに、各金融機関にとってはBIS規制ということの中で、やはり株価の問題、景気を浮揚していくことに政府としてどう取り組むかということが求められているというふうに思います。
 特に、この三月までの期間ということを限定して、金融安定化策がさらに残された時間の中で最大の成果、効果を上げていくために、より積極的な行動、姿勢を示すことによって、市場に対してそういう姿勢をアピールする必要があるのではないかというふうに思いますが、これについて、今後、今月の中で対応をする御計画をぜひお話ししていただければと存じます。
#17
○山口政府委員 特に、年度末に向かいまして、先ほど先生御指摘のような貸し渋り現象ということが大変大事な問題かと思います。したがって、大臣からの御指示もありまして、私どもとしても実態を少し調べて、アンケートをちょっととってみようかということを今進めております。
 そういうことで金融機関もよく自覚していただいて、それなりの社会的責任を果たすような対応をやっていただくようにお願いしようと思っています。そういうことで、この金融二法の精神が生かされてくるものだというふうに考えております。
#18
○下村分科員 ぜひ、せっかくこの二法案ができて、これからの見通しについて皆さん期待しているわけでありますから、積極的に、有効的に発揮をしていただきますようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
 以上です。
#19
○伊藤主査 これにて下村博文君の質疑は終了いたしました。
 次に、山本孝史君。
#20
○山本(孝)分科員 民政党の山本孝史でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 今回の予算の中でたばこ特別税が創設をされまして、千二百億円余りの増収が予定されております。創設に至る経緯あるいはその使途の是非につきましては、農水委員会あるいは運輸委員会等で審議がなされると思いますので、そちらにゆだねさせていただきまして、本日は、たばこの健康被害について、たばこ事業法を所管しておられます大蔵省の皆さんに御質問をさせていただきたいと思います。
 まず大臣にお伺いをさせていただきますが、大臣はたばこをお召しになりますのでしょうか。あるいは、最近のたばこの健康被害という問題についての諸外国の取り組み、あるいは健康被害そのものについて、どのような御認識をお持ちでございましょうか、お聞かせをいただきます。
#21
○松永国務大臣 私は、二十二、三のときからずっとたばこを吸っております。ただ、節煙しておりますので一日十五、六本でございまして、やめたいやめたいと思っても、十五、六本の人はなかなかやめられないそうですね、三十本以上吸っておればやめられるそうでありますけれども。節煙しながら吸っているものですから、やめられません。
 ただ、いろいろなことは、新聞や書物やテレビなどで、たばこは健康によくないということを言われておりますけれども、もうこの年になってねと思って、そのまま吸い続けておるわけでございます。
#22
○山本(孝)分科員 世間一般、テレビで言われているということは、今お言葉ですけれども、今諸外国で大変たばこに対する規制が厳しくなってきております。大臣御自身が、その厳しくなってきていることをどう認識しておられるのか。大臣自身がたばこの健康被害という問題についてどう認識しておられるか。御自分が幾らお吸いになるかという話は聞いておりません。そういうところの御認識をお聞かせをいただきたい。
#23
○松永国務大臣 健康上よくないということで、諸外国では、特に先進国の方が多いようでありますが、非常にたばこの健康被害を訴えて、そして健康を保持するためにはたばこはやめましようというふうなことで大変努力されているというふうに思います。日本国内でも、たばこを吸えないような、そういうことが随分進んできたような感じがいたします。
 しかし、私自身は、やはりたばこを吸うことによって心が安まるという面もあるような気がするので、ある程度は許されるのではないかなと思うのでありますが、周囲に迷惑をかけることはできるだけ避けたい、こう思っています。
#24
○山本(孝)分科員 おいおい重ねてお聞きをいたしますので、よろしくお願いします。
 たばこには、御承知のとおり、健康被害に対する警告文が入ってございます。委員長、恐れ入りますが、少したばこを。私は吸いませんが。
#25
○伊藤主査 どうぞ。
#26
○山本(孝)分科員 これが日本のたばこでございます。今お手元にありますのも、同じ文句でございましょう。「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」これが大蔵省の事業法の中で決められているたばこの警告文章でございます。
 外国の場合は大変に厳しい言葉になっております。外国のおたばこを手にされたことがあるかどうか私は存じ上げませんが、例えば今お借りをしてまいりました、これはカナダのたばこでございますが、こういうふうにパッケージのところに「スモーキングキャンキルユー」、喫煙はあなたを殺すかもしれないというふうに書いてあります。カナダですから、英語とフランス語と両方で書いてあります。あるいはベンソンアンドヘッジですけれども、「シガレッツコーズキャンサー」、喫煙はがんになるだろうというふうにはっきりと書いてございます。あるいは「スモーキングデュアリングプレグナンシーキャン八ームユアベビー」、妊娠中の喫煙はあなたの赤ん坊に大変大きな害が及びますよというふうにはっきりと書いてございます。
 この書き方と、日本のJTさんがお書きになっている「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」というこの表現とは、私は随分差があると思いますが、大臣、ここにどのぐらいの差があるというふうに御認識いただけますか。
#27
○伏屋政府委員 今先生がおっしゃいましたように、諸外国ではまさに、アメリカの場合、総合的喫煙教育法、法律では明記してあります。ヨーロッパでも、今言われましたようなそれぞれ割と明快な注意表記がしてあります。
 これはそれぞれ国の状況に応じて行われていることでありまして、我が国の場合、先ほど先生が言われましたとおり、たばこと社会等とのかかわりについての認識とか、それから喫煙と健康の関係についての医学的な所見等を踏まえまして、たばこ事業法に基づきまして、今先生の御指摘のようなたばこの注意表示を定めたり、また広告を行う際の指針を示す等の取り組みが行われてきております。
#28
○山本(孝)分科員 日本の場合には日本の医学的所見がある、したがってそれに基づいて日本の表現はこういうふうにやわらかくなっているのだという理財局長の御答弁ですが、外国で、こんなにやわらかい表現をしている外国がありますか。今首を振っておられるから、はっきり言ってください。外国でこんなにやわらかい表現をしている国がありますか。
#29
○伏屋政府委員 正確に外国の表現を把握しているわけじゃございませんが、例えばヨーロッパの場合は、一般的な警告文言というのが一つあって、もう一つは、ローテーションで付加的な注意文言があるわけでございます。
 その一般的な警告文言の方は、例えばイギリスの場合、たばこは著しく健康を損なう、それ以外に、例えば先ほど先生が言われたような、妊娠への影響とか、いろいろな表示、具体的な表示がまた別途、がんの原因になりますとか、そういうローテーションの付加的注意表示もございます。その意味では、併用しているということだと思います。
#30
○山本(孝)分科員 ごまかしてはいけません。日本だけでしょう、こんなふうにやわらかいのは。やわらかいのは日本だけですとはっきりおっしゃってください。首振っていても議事録に残らないから、ちゃんと言ってください。
#31
○伏屋政府委員 日本の場合は、たばこ事業法によりまして、まさに先生おっしゃった注意文言で「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」という表示になってございます。
#32
○山本(孝)分科員 私が聞いているのは、日本の表現はやわらかいでしようとあなたの認識を聞いているのです。
#33
○伏屋政府委員 個別の付加注意文言に比べれば、そういうことが言えるかと思います。
#34
○山本(孝)分科員 厚生省からも来ていただいていますので、大蔵省としてはたばこの害を認められないという立場で今御発言が続いておりますので、国際的な基準というものをひとつ厚生省にお示しいただきたいと思います。
 国際疾病分類において、禁煙が困難な喫煙習慣者はニコチン依存症という病気である。たばこをやめられない人は病気である。あるいは、たばこには有害物質が含まれているということは世界の常識でございまして、日本の医学だけが違うわけじゃありません、これは世界の常識であるということを、厚生省、御答弁いただきたいと思います。
#35
○高原説明員 御説明申し上げます。
 たばこの煙に含まれておりますニコチンは依存性を引き起こす物質でございまして、世界保健機関、WHOによる疾病、傷害及び死因統計分類の第十版におきまして、精神作用物質使用による精神及び行動の障害といたしまして、たばこ使用による精神及び行動の障害F一七が分類されておりまして、依存症候群F一七・二が発生するとされております。
 また、国際的に広く用いられております米国精神医学会によります精神疾患の診断・統計マニュアル、DSM四版におきましても、物質関連障害としてニコチン使用障害にニコチン依存三〇五・一〇という分類がございます。
 それから、有害性の問題でございますが、たばこの煙には四千種以上の化学物質が含まれていると言われておりまして、そのうち、二百種以上が有害物質ではないか、そして、四十種以上の発がん物質が含まれているとされております。混合物としてのたばこの煙でございますが、世界保健機関、WHOの下部組織でございます国際がん研究機関、IARCによりまして、たばこの煙の混合物は最も危険性の高いグループ一、すなわちヒトに発ガン性ありというふうに分類されていると承知しております。
#36
○山本(孝)分科員 大臣、今お聞きのとおり、世界の認識はこのようになっております。たばこには有害物質が含まれている。
 したがって、端的にお伺いします。
 大蔵省は有害物質を売っているという認識を、大臣、お持ちでございますか。事業法所管の大臣に聞いています。大臣の認識を。
#37
○伏屋政府委員 その前にちょっと考え方を。
#38
○山本(孝)分科員 申しわけありません、イエスかノーかで答えてください。端的に。
#39
○伊藤主査 じゃ、端的にどうぞ、局長。
#40
○伏屋政府委員 たばこ事業審議会から答申をいただいておりまして、喫煙と健康の関係では、喫煙の習慣がある者にとっては精神的には肯定的効果が認められるという一方で、他方、身体的健康に対してリスクになる可能性があるという答申をいただいておりまして、今後、研究が継続される必要がある、私ども大蔵省としても同様の考え方をとっているところでございます。
#41
○山本(孝)分科員 世界の潮流を御存じの上で、日本だけがそう言い続けている。それを言い続けているのが大蔵省であるということは大変に大きな問題だと、私は最後にもう一回御指摘申し上げますけれども、先へ質問を急ぎますので、申しわけありません。
 薬害エイズ事件が厚生省で起きたときに、業務局という一つの局の中で、薬をつくる部門と安全性を確保する部門が同じ屋根の下にいるのは大変に問題があるということで、最終的には厚生省の機構改革というところまで行き着きました。
 このたばこ事業法を大蔵省が御所管でいらっしゃいます。たばこ産業というものを一方に、真ん中に税収ということを考え、もう一つこちらに健康被害という公衆衛生の問題を考える。本来であれば厚生省が考えるような話、あるいは税金を上げるという大蔵省それ特有の話、産業政策という通産省が所管するような話、三つを同じ大蔵省という屋根の下で、一つの部局で、あるいは一つの法律で所管をしているということについて、大臣、どういう御認識でいらっしゃいますか。
#42
○伏屋政府委員 今先生が御指摘されましたように、確かに、たばこ事業法に基づきまして日本たばこ株式会社、JTについての私どもそういう関係もありますし、一方で、税制当局といたしまして、たばこに関する租税負担もお願いしております。他方、今大事な話として先生から御指摘のあります健康との関係につきましては厚生省でもいろいろ研究されておりますし、私どもも、そういう意味では、これは客観的にこれからも研究を続けていかなければならないと考えております。
#43
○山本(孝)分科員 研究を続ける研究を続けるという話は余り答えになっていないので、今申し上げましたように、有害物質を売っているという認識をお持ちかどうかというのは、お答えは大変しづらいところだろうと思いますが、有害物質であることは間違いないというのは、厚生省の御説明のとおりなんですね。それを事業法という中で所管をしておられる。
 問題は、たばこ事業法の中にも広告規制だとか販売規制という項目が入っているのですね。すなわち、それは、明らかにたばこの健康被害に留意をしているという部分を事業法は一種色合いとして持っております。しかし、片方で、もともとは、たばこを売って税収を上げなければいけないという法律なのですね。売らなければ税が上がらない、売れば売るほど健康は被害が進むというこのアンビバレントな心情を持ちながら、この一つの法律をやっていくということに対して、矛盾をお感じになりませんかというのが私の質問です。
 大臣、お聞きになっていて、いかがですか。
#44
○伏屋政府委員 今先生が言われましたたばこの販売、広告の規制というのは、確かにそういう観点も含んでいると思います。従来から、大蔵省といたしましては、たばこ事業法に基づきましてたばこの販売広告規制等に取り組んできております。
 具体的には、例えばたばこの自動販売機につきましては、この事業法の施行規則に基づきまして、その設置場所が、未成年者の喫煙防止の観点から十分な管理監督が期しがたいと認められる場所である場合はたばこの小売販売業の許可をしないことができることとされております。
 また、たばこの広告につきましては、たばこ事業法におきまして、広告が過度にわたることがないように努めなければならないと規定されておりまして、大蔵大臣は、製造たばこに係る広告を行う際の指針を定めておるわけでございます。
 たばこ業界といたしましても、例えば未成年者の喫煙防止の徹底を図るために、平成八年四月から、深夜の時間帯においてはたばこ自動販売機の稼働を自主的に停止するとか、たばこ広告について、たばこ事業法及び広告を行う際の指針、今申し上げましたような指針を踏まえまして、自主基準を作成しまして、本年四月からはテレビ、ラジオ等によるたばこの広告を中止する予定でございます。
 今後とも、今先生の言われましたような、法的な観点もありますが、大蔵省といたしましては、営業の自由等に配慮しながら、たばこ事業法に基づきまして、未成年者喫煙防止とか喫煙と健康の観点から、これは大事な観点でございますので、たばこの販売広告規制について適切に対処してまいりたいと考えておるわけでございます。
#45
○山本(孝)分科員 いろいろと広告規制だとか販売規制だとかをやっていくのだという認識を示されたわけですが、では、言葉をかえてお聞きします。
 日本の喫煙人口といいましょうか、たばこを吸っている人を減らそうというお気持ちはあるのですか、ないのですか。いや、これは簡単な話ですよ。気持ちがあるのかないのかと聞いているのです。そんな答弁集を見なければ答弁できない話じゃないでしょう。
#46
○伏屋政府委員 私ども、先ほど言いました営業の自由ということも一方では配慮しなければなりませんので、ただ、おっしゃる健康の観点とい、つことも大事でございますので、そこは、たばこの販売広告規制を適正にやっていくことによって両立を図っていきたいと考えております。
#47
○山本(孝)分科員 営業の自由があって、喫煙に対してそれほど心配しないのであれば、広告規制とか販売規制をする必要はないのじゃないですか。矛盾していませんか。
#48
○伏屋政府委員 先ほども先生の御質問にお答え申し上げましたが、喫煙と健康の関係につきましては、私ども、これは答申にもありますように、両面があると考えております。精神的には肯定的効果が認められる一方、身体的にはこれはやはりリスクとなる可能性がある。
 それでは、心身全体の健康に対して、どの程度の喫煙がどのような影響を及ぼすかにつきましては、私どもとしては、現在そのすべてが明らかにされた状況ではないのではないか。したがって、先ほど言いましたように、この点につきましては、今後も研究が継続される必要があるというぐあいに考えているところでございます。
#49
○山本(孝)分科員 世界の潮流にもっと日本人が敏感にならなければいけないと私は思います。
 私、橋本総理は、日本がいかにニコチン天国であるかということを世界じゅうに公言して歩いている方だというふうに実は思っております。なぜならば、カンター通商代表と連邦政府の建物の中で、大臣御案内のとおりに、アメリカの連邦政府のビルは全館禁煙でございます。入り口から禁煙でございます。その中でカンターさんとお話をする際に、灰皿がないのかと言って、灰皿をカンターさんに探させたというのが日経新聞に出ました。
 シンガポールに行かれた折に、あなたのために会議は屋内じゃなくて外でやることにしましたよと言われて、うれしいですねと言って、ぷかぷかとうまそうにたばこを吸ったという話があります。
 今回のUSニューズ・アンド・ワールド・レポートにもたばこを吸っておられる写真が載っていて、そこについているキャプションは、日本はニコチン天国であるという話です。
 日本だけが異質に見られている、世界の潮流と合わない、ハーモナイゼーションができない、いろいろなところでそういうことが言われていますけれども、たばこの喫煙規制なりあるいはこの野方図な日本のたばこ天国というのは、世界の潮流から極めてかけ離れているのです。
 そこのところを十分に認識していただいて、今の御答弁、この答弁、英訳されて、また世界じゅう回りますよ。日本の大蔵省はこういう話をしているのだという話になって、それを所管しておられる大臣はいかにもルーズなのだという話になる、私はそこを逆に心配しているのです。そういう御認識を持っていただきたいので、幾つか、さっきから一生懸命質問をしているわけであります。
 今、営業の自由という点をおっしゃいましたけれども、許可基準が今回緩和されて、新規の店舗の開設が容易になるようになっています。これは規制緩和の流れに沿っているという御説明でございますが、これは、今回のたばこの値上げによって消費量が落ち込むであろうと見込まれる、その消費量の落ち込みをカバーするために売る場所をふやすという意図も含んでいるのでしょうか。
#50
○伏屋政府委員 昭和六十年にたばこの専売制度が廃止されたわけでございますが、専売制度の廃止に伴いまして、たばこの小売販売を自由にした場合に、流通秩序に当時少なからぬ影響を与えて、また零細小売人の共倒れ等の深刻な社会問題を引き起こす可能性が大きいため、当時、既存の小売人の実態等にかんがみまして、激変を回避するという見地から、当分の間、小売販売業許可制が採用されたわけでございます。
 一方、いずれにいたしましても、このたばこ小売販売に係る規制につきましては、閣議決定をされております政府の規制緩和推進計画に基づきまして、未成年者喫煙防止の社会的管理目的とか、零細小売業者に対する激変緩和等との適合性に関し、中長期的にそのあり方の検討をこれからも行ってまいりたいと考えております。
#51
○山本(孝)分科員 端的に答えていただきたいのですね。
 大蔵省が目先のことで仕事をしているとは全く思いません。規制緩和という流れがあって、その中で税収も上げていかなければいけないという思いもあって、いろいろ規制緩和の中で、販売を上げるというための規制緩和をするんだ、そこへ今回から税収を盛り込んだんだという、この両方の関係があるのではないですかというふうに私は聞いているのです。あるのですか、ないのですか。
#52
○伏屋政府委員 政府の規制緩和推進計画というものは、平成七年から順次毎年進めているものでございまして、まさに先生が言われました、やはり中長期的にこの流れの中で私どもこの計画を推進しているという点で御理解いただきたいと思います。
#53
○山本(孝)分科員 お利口な大蔵省のことだから、先を見越して、先に先にと手を打ってやっているんだろうなというふうに私は思っているわけであります。
 もう一つ、お伺いします。
 たばこ事業法の第二十二条に、たばこの小売業については、当分の間、大蔵大臣の許可を受けるというふうに、当分の間という言葉が入っているわけです。
 当分の間なんですが、そうすると、これから先、これは、当分の間という言葉が落ちて、これから先もずっとたばこの販売は許可制ということになるのか。あるいは、この二十二条全部がすべて落ちてしまって、許可制ではなくて自由販売制になるのか。この当分の間というのは、あるいはここを含むこの条文は、これから先どういうふうに動いていくのでしょうか。どういうふうなお考えでしょうか。
#54
○伏屋政府委員 委員が御指摘のとおり、たばこ事業法第二十二条では、製造たばこの小売販売を業として行おうとする者は、当分の間、その製造たばこに係る営業所ごとに大蔵大臣の許可を受けなければならないというぐあいに書いてございまして、先ほど申し上げました、昭和六十年の専売制度の廃止の際に、当分の間、小売販売業許可制が採用されたわけでございます。
 その意味では、本来の小売販売自由という考え方と、当分の間激変を回避するという意味での小売販売業許可制の採用ということが両立されているわけでございます。
 では、これからの流れとしてはということになりますと、一方で、先ほど言いましたように、順次、閣議決定に基づいて政府の規制緩和推進計画を進めておるわけでございます。その意味で、全体の中で、今後の扱いにつきましては、中長期的にそのあり方の検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
#55
○山本(孝)分科員 経済的な規制というのはできるだけ外していった方がいい、それはそのとおりだと思います。しかし、必要な社会的な規制は残していかなければいけない、これは、大臣、同じお考えだと思うのですね。
 そういう意味において、今るるこの時間申し上げておりますように、たばこには大変有害性がある、世界の潮流はこうであります。日本は大変ルーズな国であるというふうに思われている。そういうことも踏まえながら、このたばこ事業法というものの中で、今、理財局長の御答弁は、規制緩和という流れの中なんだから当然その方向に行くだろうという御答弁なんですけれども、そういうことでいいのでしょうか。
 今後ともに広告規制あるいは販売規制を強化する方向に行くべきだとお考えなのか。あるいは、規制緩和という流れの中で、もっとルーズな方向に行った方がいいというお考えなのか。大臣はどちらのお立場ですか。
#56
○松永国務大臣 これは、私個人の考え方を述べさせていただきます。
 今委員仰せのとおり、経済的規制というものは、これはできるだけ緩和ないし撤廃までして、そして競争を激化することによって進歩を図っていく、私はそう考えます。
 しかし、社会的規制という規制、例えば酒などもそうですね、青少年に酒を飲ませてはいかぬわけでありますから、その見地からすれば、あちらこちら酒は自由に売れるなどということについては、私は個人としては賛成いたしかねる。しかし、その分野でも、今、規制緩和規制緩和という時代なものですから、やや規制が緩和されるような傾向が出てきているのですけれども、私は個人としては賛成いたしかねる面がある。
 たばこも、そういう意味では、わざわざ吸い過ぎはだめですよと書いておりながら売らなければならぬという商品ですから。また、未成年もいかぬわけでしょう。そういうことを考えると、自由化して、さあ売りなさいさあ売りなさいというのは、私は余り賛成ではありません。
 やはり、この規制というものは、人々の健康を守る、あるいは未成年者にはできるだけ吸う機会がないようにする、青少年の保護という考え方もあるでしょう、そういう面から、やはりある程度の規制はあるべきだ、これは私の個人の考え方で一すけれども、そう思っております。
#57
○山本(孝)分科員 これは、どの立場に立つかによって随分違いまして、小売の、売っておられる方たちは規制がきつい方がいいとおっしゃっているのですね、新規参入を省く意味では。あるいは、売り上げが落ちるという方たちは、労働組合まで含めて一斉に、専売の労組も実は値上げに反対しておられます、値上げすると売れなくなるからというので。
 だから、それぞれのお立場によっておっしゃっていることが違うのだけれども、今最後に大臣がおっしゃったように、やはり健康という点で、どういうふうな規制をしていくのかというのは、規制緩和の一般論に落とし込めないで、たばこという有害物質なんですというところにきちっと着目していただいて、そういう対応をしていただきたいわけですね。
 最後に、もう一度お尋ねしますけれども、その意味合いで、大蔵省が、たばこ事業法というものの中で、税収を上げるということを片っ方の頭の片隅に置きながら、片っ方で公衆衛生上の健康被害も考えなければいけない。この間にはどう考えても矛盾があるわけで、たばこ事業法そのものの見直し、あるいは、たばこの規制にかかわる部分は大蔵省は手を離すということをお考えになってはいかがかというふうに思うのですが、検討してみていただけないでしょうか。大臣、いかがでしょう。
#58
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。
 たばこ事業法に基づきまして、たばこ事業全体につきまして私ども行政として関与をしていく面と、それから、今の健康につきましては、やはりこれは今後とも引き続き大事な問題でございますので、研究が継続される必要があると考えております。
 そういう中にありまして、たばこの、特に健康面からの注意表示とか広告を行う際の指針等につきましては、今後ともきちっと取り組んでまいりたいと考えております。
#59
○山本(孝)分科員 時間が来ましたので終わりますが、たばこはいい面もあるしリスクもある、しかし、リスクは全身的なリスクかどうかわからないという答弁は、ぜひ公式の文書で訂正をしていただきたいと思います。日本の担当者がそういう発言をしたというのは日本の恥になりますという意味で、再度お願いを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#60
○伊藤主査 これにて山本孝史君の質疑は終了いたしました。
 次に、瀬古由起子君。
#61
○瀬古分科員 日本共産党の瀬古由起子でございます。
 私は、まず第一点目に、地方債の借りかえと繰り上げ償還について質問いたします。
 本来、地方財政は、国民がひとしく受けるべき行政サービスに必要な財源を、地方財源で不足する分は交付税で措置することによって成りております。地方債は、長期の耐用年数の公共施設などに限定的に許可されております。
 この地方債の残高が今日百五十兆円を超えて、地方財政難の大きな要因となっており、地方財政規模の一・八倍もの借金、いわゆる地方債の借金返済のために借金する、こういう事態になっております。
 国会に提出されました地方財政の状況の報告にはこのように書いています。国の経済対策に歩調を合わせ、地方単独事業を初めとする普通建設事業等を展開する上での財源を地方債の発行に求めたことから、地方債の構成比は一六・八%と過去最高水準となった、このように報告しております。まさに政府が内需拡大の経済対策として、地方公共事業を地方財政の身の丈を超えてあおってきた、こういう要因が大変大きいと私は考えているわけですが、大蔵大臣、この点、どのようにお考えでしょうか。大臣、基本的な考えを教えてください。お願いします。
#62
○松永国務大臣 地方債というのは、投資的経費の事業量に応じてその額が決まってくるわけでありますが、地方公共団体ではどうしても、地方住民の要望に応じて、いろいろな投資的な事業をしたい、してくれという住民の要望が強い。その住民の要望を満たすために計画を立てて実施する。その場合の財源措置として地方債で対応するということになっておるのだと思うのです。
 問題は、歯どめがなくそれが進んでいけば、将来的にはその返済のために住民に対して大きな負担をかけなければならぬという結果になりますから、あくまでもそういう点を念頭に置きながらの地方債の発行でなければならぬ、こういうふうに思うわけです。
#63
○瀬古分科員 先ほども言いましたように、この地方財政の状況という国会に提出された報告では、要するに、国の経済政策に歩調を合わせた結果、こういう事態になったんだと。確かに住民の要望はあるでしょう。しかし、国がこういう方針をとるぞということでやられてきた経過があるんだということを、この地方財政の状況という中に報告されているわけですね。そういう点でも、私は、この問題は地方だけの責任でない、国が大きな重要な責任を持っているというように考えています。
 そこで、実は、私たち日本共産党が、住宅ローンとか事業資金ローンなどで、既往債務、借金について、条件変更とか借りかえなどで銀行に利子を下げてもらう、こういう運動を今まで行ってまいりました。
 特に東海地方、私の出身地域なんですけれども、東海地方の金融機関に金利のアンケートを実施いたしまして、金利一覧表をつくって、これを商工会議所だとか商工会にお渡ししまして、同じ企業でもこういうような利息の違いがあるんだということも明らかにして、ここまで下げられるとここは言っているんだという状況も全部明らかにするようなものを出させていただきまして、大変多くの業者の皆さんにも喜んでいただきました。
 これらの運動を背景に、福祉充実などの住民奉仕の事業財源をつくるという見地で、今問題になっております地方債の借りかえ、繰り上げ償還、特に金融関係ですけれども、縁故債と言われているものの借りかえや繰り上げ償還、これを各自治体にも提起させていただき、実際にその交渉に各自治体が当たられ、さまざまな市町村長さんからも大変歓迎をしていただいたところです。その後、各自治体では縁故債の繰り上げ償還がどんどん広がってきております。県レベルでは全国で八道県が繰り上げ償還となって、大変大きな流れに今なりつつあります。
 しかし、金融機関の中には、実際に当たってみまして、抵抗しているところもございますし、同じ金融機関でも、この自治体ではこれだけの金利なのに、この自治体ではこれだけの金利と、いろいろまちまちになっているわけですね。
 そういう意味では、今の地方財政の状況を考えれば、ぜひ、この銀行資金の繰り上げ償還や低利借りかえについて金融機関が協力するよう、ぜひ大蔵省が指導していただきたいと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
#64
○山口政府委員 今、先生から縁故地方債等の繰り上げ償還についてのいろいろな運動を御紹介いただきましたが、この約定期日前の弁済に債権者が応じるかどうかという問題は、やはりあくまで債権者、債務者の間の協議の問題だというふうに思います。
 いろいろな立場での御議論はあろうかと思いますけれども、私ども銀行監督当局が、こういうふうにしなさいというように、一つ一つを指導するというような問題ではないのではないか、よく当事者間でお話し合いをされることが必要ではないかというふうに考える次第でございます。
#65
○瀬古分科員 確かに、当事者間の話し合いというのは大事だと思うのです。
 ただ、なぜこういう銀行の縁故債について、自治体が何とかしてもらいたいと思っているのかといいますと、例えば、今、この低金利時代に、かつて七%、八%と異常な金利のままに放置されている縁故債があるわけです。今日の低金利政策というのは、これは国が、大蔵省がとった政策でもあるわけですね。このことによって、先ほど地方債がどんどん伸びているという責任も、今の経済政策をとってきた国や大蔵省の責任というのはあると思うのですけれども、一方、低金利政策によって銀行がやはり低金利でかなり潤ってきたという経過もあるわけです。そういう中で、いろいろなおつき合いの中で、銀行が自治体の要望に応じましようという形で出てきているわけです。
 ですから、単なる当事者同士でやりなさいという問題ではなくて、政策的な中で、高い金利のままのものを何とかしてもらいたいという声があるし、一方では、銀行が低金利にしてきた経過もあるわけです。そういう流れもくんで、私は、やはりこういう監督省庁である大蔵省が、銀行に対してそれなりの協力を要請するということは必要ではないかというふうに思うのですけれども、大臣のお考えいかがでしょうか。
 大臣、お願いします。もう先ほど聞きました。大臣にお願いします。大臣の御見解、いかがですか。
#66
○山口政府委員 御指名でございますので、お答えしますが、あくまで自己責任の経済に移ってきているわけでございます。一つ一つの取引について、それぞれの立場でいろいろなネゴが行われ、妥当な解決が図られていくことは大切なことだと思いますけれども、それを行政当局が指導するという性格のものではないような気がします。
 また、行政としても、そういったことは当事者間の問題として処理していくという方向に行くのが至当ではないかというふうに考えるわけでございます。現に、先生今御紹介されましたように、銀行によっては、あるいは地方自治体によっては、いろいろと動きがあるというふうにもおっしゃっております。
 そういった、個々で御解決をされているわけでございますので、当事者間でのお話し合いが進められることが望ましい、そういう当事者間での話し合いで解決されるべき問題だというふうに考えるわけでございます。
#67
○瀬古分科員 自治体が本当に財政力をみずからの力で回復する、こういう立場から、もっと大蔵省はそれに対する支援の姿勢を示すべきだというふうに私は思います。
 今お話ありましたように、当事者間同士の問題、こういう点で言いますと、政府債、政府の資金運用部からの地方債の問題は、あくまでも自治体と政府間の当事者同士の問題でもございます。これについても、各自治体から、繰り上げ償還や借りかえに応じてほしいという声がもう切実なんですね。これは大蔵省もよく御存じだと思います。
 私が持ってきただけでも、全国町村会だとか市長会だとか町村議会だとか数々の地方団体から、これはもう本当に毎回毎回切実な要望として上げられているわけです。徳島県を初め、今繰り上げ償還をしないのは自治体に損害を与えているのだといって知事に賠償を求める動きなども生まれているという事態も一方では起きております。
 実際には、自治省の発表を見ましても、今自治体の公債費率、公債費の負担率、警戒ラインというのが一五%以上と言われているのですが、それがもう市町村で五割を超えているという状況にございます。危険ラインと言われるのが二〇%と言われているのだそうですけれども、こういう自治体も次々と生まれて、まさに地方自治体の財政が破綻するという事態になってきているわけです。そういう意味では、今直ちに手を打たなければ取り返しのつかない事態が生まれてくるのではないかというふうに思うのです。
 そういう意味では、資金運用部からの地方債の繰り上げ償還もしくは低利の借りかえについて検討すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#68
○伏屋政府委員 今、先生が御指摘されました、金利の低下を理由といたします繰り上げ償還あるいは低利借りかえは、今の場合、借り手でございます地方公共団体が負担の軽減を受けるかわりに、貸し手でございます国といいますか資金運用部には、そのコストを転嫁するという結果になるわけでございます。資金運用部は、できるだけ低利の資金を供給するために、貸付金利と預かっております方の預託金利を同一といたしまして、資金運用部自体は利ざやを取らずに、長期固定の貸し付けを地方公共団体等に行いながら、収支相償うように運営されておるわけでございまして、このようなコストの転嫁を受け入れる余地はない仕組みであるということを御理解いただきたいわけです。
 具体的に申し上げますと、低金利のときに貸し付けました債権が、その後、例えば市場金利が上昇したことによって、その時点で預託金利を下回るようになった状態になりましても、貸付先に既にお貸しした低利貸付金の金利引き上げ等を求めるとか、もう返してください、繰り上げ償還してくださいというようなことはしないわけでございます。
 したがって、逆に、今のように高金利のときに貸し付けられました債権が、その後市場金利が低下したからといって、繰り上げ償還や借りかえによる金利引き下げ、低利借りかえに応ずることとなりますと、結局市場金利の変動の影響の不利な面だけを片面的に受けることになりまして、先生御承知のように、運用部は、郵便貯金とか年金とか、原資としては、国の制度、信用に基づいて国民の皆様から集められた資金でございます。したがって、一方的な不利益だけを受けるということはなかなかできないということで御理解いただきたいと思います。
#69
○瀬古分科員 資金運用部の貸し付けの仕組みは私もよくわかっております。しかし、今の地方自治体の本当に深刻な状況を考えれば、何らかの形で手を打たなければならないと思うのです。政府の側も、今問題になっております銀行の三十兆円だとか、また公共事業をさらにもっともっとふやすのだというもの、今財政構造改革といいながらもそういうものが出てきている。そして、財源をどうするのだといったら、こういう方法もある、ああいう方法もあるといって、大蔵省も知恵をいろいろ出されるわけですよ。そういう点では、もうこれだけ切実な要望で出てきているものを、こういう運用でございますということで。これだけの大変な事態を何らかの形で対応すべきだというふうに私は思うわけです。
 実際には、自治省も、今公債費の負担が一定の基準以上に過重な自治体については、繰り上げ償還ができるようにぜひ何とかしてもらいたいといって大蔵省に申し入れられているというふうに聞いております。その点でも、それは全部やれるかどうかはわかりません、しかし、少なくともこういう困難な自治体については、地方債の負担を軽減するための具体的な対応は、何らかの形で知恵も工夫も出していただいて、できるのじゃないかというふうに思うのですけれども、その点について御検討なさっている点はございますでしょうか。
#70
○伏屋政府委員 先生が言われるように、地方公共団体はたくさんございますので、それぞれの事情はあるかと思います。しかしながら、私どもといたしましては、やはり仕組みといたしまして、貸付金利と預託金利が同一ということでございますので、一部とはいえそれを受け入れますと、結局それはコストの転嫁を受け入れることになってしまいますものですから、そういう余地がない仕組みになっているということは、先生申しわけございませんが、御理解いただきたいと思います。
#71
○瀬古分科員 仕組みそのものはわかっています。しかし、あなたたちは、仕組みがあってもいろいろな工夫を銀行や大企業のためにはやられるわけで、そういう点では、今五割以上の自治体が深刻な状態になっている、そして、自治省からも何とかしてほしい、地方自治体からも相次いだこういう要望があるわけですから、ぜひ、もう少しまじめに、真剣に、私は考えていただきたい、このことを強く要請したいと思います。
 では、二点目に入ります。
 もう一点は、セクハラ問題なんです。一九九六年十二月に、内閣総理大臣以下全閣僚が参加する男女共同参画推進本部が決定した男女共同参画社会の形成の促進に関する西暦二〇〇〇年度までの国内行動計画、いわゆる男女共同参画二〇〇〇年プランに関して質問いたします。
 この中に、「女性の人権が推進・擁護される社会の形成」こういう言葉がございます。そして、「セクシュアル・ハラスメントの防止対策の推進」このことを掲げています。人事院は、三月十一日に国家公務員のセクシュアルハラスメント調査結果を発表いたしました。調査結果の特徴を簡潔にお答えいただき、また、防止対策に向けてこれからどのように対応していくのか、お聞かせいただきたいと思います。
#72
○小竹説明員 お答えいたします。
 人事院は、昨年末、セクシュアルハラスメントに関し、職場における実態及び職員の意識等に関するアンケートを実施いたしました。調査は、無作為に抽出した男女二千五百人、計五千人で、七八・三%の三千九百十三人から回答を得ました。調査結果の概要は、次のとおりでございます。
 まず、どういう行為がセクシュアルハラスメントであると思うかという問いに対しまして、わざとさわられた等の行為については、男女とも九〇%前後かそれ以上の方がセクシュアルハラスメントと思うと回答をし、男女間の認識に余り差がございませんでしたが、裸や水着姿のポスターを職場に張られた場合などにつきましては、男性で三五、六%、女性で五〇%前後ということで、男女間の認識に差があることがうかがえました。
 次に、セクシュアルハラスメントと思う行為を実際に受けた個人的な経験についてお尋ねしたところ、女性の場合では、性的なからかいの対象にされたり性的な冗談等を言われたというものは七〇・三%、自分の容姿、年齢、結婚等について話題にされたというのが六九・九%、さらに、わざとさわられたが六七・三%と、それぞれ高い回答率を示しております。
 また、行為を受けた者に対し、その結果生じた影響について聞きましたところ、女性の場合、転勤したい、あるいは退職したいと思った、また、仕事の能率が落ちたと回答している者もそれぞれ二割程度存在し、女性は深刻な影響を受けているということがうかがえたわけでございます。
 さらに、セクシャルハラスメント防止対策に関する意見等について聞いたところ、職場の、勤務する機関の外に独立した相談機関を設けることや、セクシャルハラスメントの被害者を報復から守る措置をとることが効果的であると回答した者が、男女とも六〇%以上と高くなっている結果を得ました。
 防止対策につきましては、これらの調査結果をもとに、人事院といたしましては、来月早々にでも有識者から成る検討会を設置し、その検討結果等を踏まえ、効果的な防止対策を講じてまいりたいと考えております。
#73
○瀬古分科員 この調査の結果でセクハラの被害の内容を見ましても、また、その広がりから見ましても大変深刻なものがございます。その中で注目しなければならない一つは、だれからセクハラを受けたかという問いに対して、女性の場合、直接でない上司からというのが五丁七%、第一位を占めています。その職場のトップや管理職にある者、つまり人事権や職務上の権限を有する上司が加害者だという場合は、とりわけ私は事態は深刻だと思うのです。
 人事院は、この点をどう受けとめ、どのような対策を講ずるつもりなのか。これは当面急がなきゃならぬと思うのです。その立場からも、例えば全省庁に注意を喚起する申し入れをやるとか、そういう対応が必要じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#74
○小竹説明員 直接でない上司から受けたセクシャルハラスメントというのは五一・七%と、先生御指摘のとおりでございまして、直接の上司の三六・三%、または、直接の上司よりももっと高い地位の上司が二七・一%というのにも比べて非常に多いという結果が出ております。調査結果につきましては、先ほど申し上げましたように、検討会の中で専門的立場から、直接でない上司からのセクシャルハラスメント防止についても分析をお願いし、その結果等を踏まえて、効果的な防止対策を講じたいというふうに考えております。
#75
○瀬古分科員 急がなければならないものは早急に検討も含めてやっていただきたいと思います。女性の地位向上を進める上で、このセクハラ問題というのは大きな障害になっています。この調査でも、女性職員の一七%が性的関係を迫られた、こういう非常にショッキングな内容になっています。日本の社会の人権意識の低さの反映のあらわれでもあると私は思うのです。
 三月十三日に、労働省から、セクハラに関する指針が示されております。これについて、企業からの照会が殺到している、日経連などが全国行脚して周知徹底させる計画を立てる、このように積極的ですけれども、自治体からの反応はいま一つ、しかも、セクハラに関する裁判では役所や学校など自治体絡みのものが多い、このように官庁速報などでも指摘されています。
 国家公務員の職場の早急な改善、対策もあわせて、これは人事院任せにしないで、ぜひ男女共同参画推進本部としても取り組んでいただきたいし、またあわせて、都道府県に設置されている男女共同参画推進本部に徹底して、自治体でも積極的な対応をとるように、室長、御指導いただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#76
○名取説明員 先主御指摘のとおり、セクシャルハラスメントは女性の人権を侵害する行為でありまして、どのような職場においても許されるものではございません。
 先ほど御指摘になられました男女共同参画二〇〇〇年プランにおきましても、重点目標の一つである「女性に対する暴力の根絶」におきまして、セクシャルハラスメントを女性に対する暴力の一形態として位置づけ、セクシャルハラスメントに関する実態把握、啓発活動、防止対策等、取り組みを推進することとしております。今後とも関係省庁と協力しつつ、二〇〇〇年プランの着実な推進に取り組んでまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
#77
○瀬古分科員 いま一つ取り上げさせていただきたいのは、国税局、税務署における深刻なセクハラです。
 全国税労働組合が、近畿地方本部なのですけれども、アンケート調査をしましたら、女性職員の六割がセクハラに遭ったり、セクハラを受けている事実を知っていると回答しています。このアンケート調査に取り組むきっかけとなったのが、女性職員の手をなめる税務署長、この存在が組合の職場新聞で告発されたことがきっかけでした。
 アンケート調査でも、特に訴えられたのは上司によるセクハラです。税務調査に同行した上司にホテルに連れ込まれそうになった、本局に入れてやるとチークダンスを強要する、職場の飲み会で税務署長など幹部の隣に座らされてコンパニオンにされるなど、こういう問題が出ております。
 大蔵大臣のところに、職場でどのようなセクハラがあるという図表をお渡ししていますけれども、本当に、見るとぴっくりするような内容の表になっているわけですね。大蔵大臣の監督下にある職場がこういう状況になっているということは、大臣、御存じでしたでしょうか。また、これを見てどのようにお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#78
○松永国務大臣 セクハラのない、女性にとっても気持ちよく働ける、そういう職場の実現に向けて努力しなきゃならぬ、こう思います。
#79
○瀬古分科員 ぜひ、この近畿地方本部の行われたアンケート調査の結果、こういう内容が出ているわけです。これは大蔵大臣としては大変な事態だということで、ぜひ現場を調査していただきたいし、幹部のセクハラ防止については、すぐにでも何らかの対応を講じていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#80
○船橋政府委員 お答え申し上げます。
 国税庁では、現在、女子職員が七千四百名在職をしております。全体で五万七千人でございますので、二二%の職員が女性でございます。また、特に二十歳代で見ますと四分の一を占めるということでございます。したがいまして、こういう状況を踏まえて、ただいま大臣の方からお話ございましたように、女子職員が働きやすい、健康で明るい職場環境をつくっていかなきゃいけないと
 我々も考えております。そこで、私どもといたしましては、職場におけるセクシャルハラスメントを防止する観点から、管理者に対する研修の実施でございますとか、セクシャルハラスメントに対する啓発用パンフレットの配布、あるいはビデオをつけて啓発をしていくということで職員の啓発を図っておりますし、また、各国税局にもカウンセラーを配置いたしまして、職員からの相談に応じているところでございます。
 今後とも……(瀬古分科員「近畿についての調査は。近畿地方についての調査をしてください」と呼ぶ)近畿につきまして、今先生御指摘のアンケート調査におきましても、私どもが改善を図った結果、認識が高まっているというような評価を機関紙等でもちょうだいしているところでございます。
#81
○瀬古分科員 実際には、深まったけれども、事実として深刻な事態はまだ続いているわけです。ぜひ調査をしていただきたいし、また、こういう女性をべつ視したり人権を踏みにじるやり方について、大蔵省としてもやはりメスをきちんと入れていただくということが大事だということを申し述べて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#82
○伊藤主査 これにて瀬古由起子さんの質疑は終了いたしました。
 次に、吉田治君。
    〔主査退席、久野主査代理着席〕
#83
○吉田(治)分科員 新党友愛の吉田治でございます。
 大蔵大臣、予算委員会から始まり、随分お疲れでしょうから、できることなら早く終わりたいな、お互いそういうふうにハッピーエンドで終わりたいものでございますが、まず初めにお聞きしたいのは、金融ビッグバンであるとか金融不安であるとか、そういうふうな中で、ここ一、二年というよりも一年ぐらいよく聞く言葉に、格付機関というのですか、金融格付機関ということがよく言われるようになってまいりました。
 場合によっては、不幸な例でありますけれども、北海道拓殖銀行の例を挙げても、また山一証券にそういう例があったかどうかわかりませんが、いろいろな金融機関の破綻の過程で、格付機関の格付によって市場からの資金が導入できなくなって、古い言葉で言ったらバンザイというのですか、だめになってしまった。
 私、まずお伺いしたいのですけれども、格付機関と、機関がついておりますね。これは、どこか大蔵省か何かが認可だとか許可をされた公的機関であるのでしょうか。
#84
○長野政府委員 お答え申し上げます。
 格付機関とはいっておりますけれども、これは純然たる民間の会社でございます。私も由来はわかりませんが、アメリカでこれをエージェンシー、普通の会社でございますので、エージェンシーという言い方をしておるものですから、日本で訳すときに格付機関という名前になってしまつておりますけれども、格付会社といっても同じことでございます。
#85
○吉田(治)分科員 それでしたら、それはすべて株式会社というふうにとらえていいのですか。
#86
○長野政府委員 そのとおりでございます。
#87
○吉田(治)分科員 それでは、その格付機関という機関が、事ほどさように、なぜそれほど市場で信頼をされているとお考えなのか。
#88
○長野政府委員 一九〇九年でございますが、アメリカでムーディーという人間が債券の格付を始めまして、それが徐々にアメリカで認知されていき、今日の格付機関として発達してきております。
 特に、アメリカにおきましては直接金融市場が大変発達しておりますから、主としてここが行うのは、社債に対するこの格付社の評価でございますけれども、そういったことが歴史の中で確立してまいりまして、今日、市場において格付機関というものが位置づけられておるというふうに理解いたします。
#89
○吉田(治)分科員 格付、格付とよく言われるのですけれども、この格付というのはどういうふうに分けられているのですか。例えば、何カ月に一度そういうふうなものが出て、どう言ったらいいのですか、勝手に資料を調べて出しているのか、それともだれかが依頼をして、それに基づいてできているのか。もっと極端な例を言うと、大蔵省や日銀がそういうふうなことを依頼して、自分らではできへんからおまえらせいというふうにしているというのか。その辺はいかがなんでしょうか。
#90
○長野政府委員 例えが悪うございますけれども、予想屋みたいな仕事というふうに理解していただけるとわかりやすいと存じますが、要するに、投資家の方から資金を投資するときに、この会社はどのくらい安全だろう、この会社の方がこっちの会社より安全ですよ、あるいはこっちの方が危険ですよというシグナルを出す。したがって、基本的には投資家のためでございます。
 ただ、格付をするきっかけといたしましては、しっかりした格付をもらわないと債券が発行できないということで、企業の方が格付機関に格付を求めることがございますし、それからアメリカの例では、格付機関の方が、いわば企業の要請もなく、独自の判断で格付をすることも間々ございます。
#91
○吉田(治)分科員 今局長、いみじくも予想屋と言われましたけれども、たしか競馬の世界では、予想屋をやるには試験か何かがあったと私記憶している。勝手にだれでも立って、こうして数字でやってよかったのかなという気も、私は競馬をやらないのでわからないのですけれども。
 じゃ、そういう予想屋さんをやることをこれは政府としてまず、野放しと言ったら語弊があります、勝手にどうぞというふうにさせているのか、何らかのどこかで、一番最初に申し上げました株式会社ということで、民間でということだったらなかなかそういうふうなお答えはもらえないかもしれないが、許可、認可であるとか指導であるとか、俗に言う規制緩和とは違うことかもしれないけれども、そういう部分で何らかのことをしているのかどうかというのがまず一点。
 二点目に、先ほど局長の話も、ムーディーズという言葉が出てまいりましたけれども、格付機関というのはそれなら海外の会社ばかりなのか、外資系ばかりなのか、国内においてはそういう企業があるのかどうか、その事実関係、二点お願いいたします。
#92
○長野政府委員 これは、先ほど一九〇九年という歴史を紹介申し上げましたのは、自然発生的にマーケットで育ってきたものであるということを御説明したかったわけでございまして.予想屋という例えば、大変私、やはりまずかったかなと思っておりますけれども、特段のそういう枠組みの中で運営をされておるわけではございません。
 ただ、政府等がこの格付の状態を、いろいろな債券のリスクの評価にこの格付機関の評価を政府側が、利用者として利用する場合もございます。
 それから第二点でございますけれども、現在日本で活躍しております海外系の格付会社が四、五社ございますが、一方、国内にも三社ほど格付会社がございます。ただ、この三社のうちの二社は近々合併するという方針を発表いたしておりますから、近い将来は日本の国内勢は二社ということになろうかと思います。
#93
○吉田(治)分科員 今、利用者として使っていると言いましたが、これはお金を払っているということですか。
#94
○長野政府委員 これは払っておるのではなく、この格付は一般に公開されておりますから、その基準に従って私どもが、例えば自己資本規制比率、自己資本のリスクを評価いたします場合に、どういう危険度の債券をどの証券会社がどのぐらい持っておるかという評価をするときに使っておるわけでございまして、これは無料で使っております。
#95
○吉田(治)分科員 そういう会社というのは株式会社、民間企業と局長何度も言われていますけれども、じゃ何で飯を食っているわけですか、その会社は。
#96
○長野政府委員 これは基本的には、投資家の求めに応じていろいろな情報を提供するその情報提供料という形で投資家から費用をもらっております。したがいまして、この格付機関は、自分の格付が非常にミスをいたしますと、投資家が相手にしなくなりますので、市場によってチェックされるという立場にもございます。
#97
○吉田(治)分科員 いろいろ聞かせていただいていて、やはり問題があるのは、その情報提供のみならず、その投資会社が、じゃもう一歩踏み込んで聞きます、そういう何かメジャーというのですか各投資会社、格付機関、機関という言葉はもうやめて格付会社と私はした方がいいと思うのです、格付会社が、会社なるものが何に基づいてやっているのか。それは例えば国際標準化されているものなのか。それとも、各企業だけが、各会社のみがその自分のところの判断基準というのを持っているのか。その辺はどうなんですか。
#98
○長野政府委員 御指摘の点は、格付社のいわば企業の一番のビジネスの中心でございますけれども、彼らはアナリストといったものを使いまして、格付をする対象先の企業の信用の状況、財産の状況、将来の経営の展望ということをそれぞれの立場で研究いたしまして、いわば確率的に、これは何年間に債務不履行を起こす確率がこのぐらいあると考えるような自分の判断を示すだけでございまして、その判断が当たっておることが多い場合には信頼を受けますし、外れることが多い場合には信頼を失っていくという関係にございます。
#99
○吉田(治)分科員 今、信用、アナリストと言いましたが、アナリストは資格がある人たちですか。
#100
○長野政府委員 アナリストと申しますのは、日本の場合で申しますと、国家的な資格ではございません。アナリストという民間団体での資格制度はございますけれども、民間ベースとお考えいただいた方が結構かと思います。
#101
○吉田(治)分科員 本当に奇妙な話を今聞かせていただいたなと私は思うのですね。つまり、格付会社という民間企業が、資格も何もない人がそれぞれの情報を集めて、決めて、それを市場へ流す、それによって市場が判断する。
 私は、ここで二点聞きたいのは、一点は、市場というふうなものは、予想屋と局長は言われましたけれども、予想屋さんの言うことが大体当たってきた、だから信頼を置いているのかというのが一点。
 二点目は、そういうふうな予想屋に話を聞かなければならないほど、日本の金融機関というものは情報公開をしていない。一般の人たちもしくはそこそこの会社のしかるべき人が日本の企業から情報を出されているものを見れば、いや、これは何も日本企業だけじゃない、世界のさまざまな、投資適格という言い方をされるのでしょうけれども、投資をする人たちが日本企業の出てきている情報だけを見れば、今それで判断ができる市場ではない。
 この二点、局長、どうなんですか。
#102
○長野政府委員 市場の判断、今度は格付社に対する市場の判断というものもございます。去年、特に問題になりましたのは、日本では例が少のうございますけれども、東南アジアで、通貨・金融不安で社債の償還ができない会社が幾つか飛び出しました。その過程で、その会社に対して、投資判断上は心配ないという格付をしておった格付会社は、当たらなかったということの批判を受けております。
 逆に、きょうの御質問の背景かと思いますけれども、最近、日本の格付が厳しい、それがまた市場に不安を与えるというきっかけになりましたのはそのあたりにございまして、格付機関の方が自分が大丈夫と思って格付しておったのが、実際にデフォルトが起こった例が東南アジアにあったものですから、非常に慎重に格付するようになったということは言われております。
 それから第二点で、情報公開との関係でございますけれども、格付機関が特にアメリカの市場において大変発達しましたのは、企業が公開します情報を、普通の投資者がそのまますべてを目を通して、ほかの会社と比較して、あるいはそこに盛られている情報というものをどう評価すべきかということを分析することができません。そこに格付会社というものの発達した素地がございますけれども、公開されておる情報をいわばいろいろ加工したり比較したり組み立てたりしながら、将来の問題というものを投資家にわかりやすく、最終的にはA、Bという符号で行いますけれども、そういった形で提供するということになったわけでございます。
 その意味で、情報公開との関連で申し上げますと、いい格付を求めたいと思う発行体企業は、まさに自分の企業はこれだけ将来性がありますよということを積極的に格付機関、アナリストにも説明した方がいいという考え方がアメリカで広くとられておりまして、日本の場合に、そのあたりにつきましては今後もさらに努力をしなければいけないという感じの部分はございます。
#103
○吉田(治)分科員 努力する部分と同時に、局長、民間企業で、私が調べている範囲では、大蔵省の省令で九機関を指定しているというふうに出ているのですけれども、これはどういうことですか。
#104
○長野政府委員 これは先ほどちょっと申し上げましたけれども、証券会社の資産と負債のバランスが十分とれておるかどうかというときに、証券会社が資産としていろんな債権を持っております。その債権にリスクがあるのかないのかという評価をいたします場合に、どのくらいのリスクがあるかということで格付機関の評価というものを引用しておるわけでございまして、私どもの立場では一つのに偏るというわけにはまいりませんので、日本の三社とそれから海外の五社だったと思いますけれども、八社というものを参考にして評価をしておるということでございます。
#105
○吉田(治)分科員 では、この場合、省令で指定しているというのは、証券会社のことに限りということでいいんですか。ですから、今、格付機関がいろいろ格付していますね、日債銀から拓銀から。これについては、いわば指定格付機関ではなく、まさに予想屋としての格付会社がそれをしているというふうに判断してよろしいでしょうか。
#106
○長野政府委員 私どもは証券行政上の必要な範囲でやっておりますので、ただいま御指摘になりました銀行についてどうかというのは、私どもの制度の外でございます。
#107
○吉田(治)分科員 本当におかしいんですね、考え方、聞きようによったら。そういうふうなある意味で認められているのが、ほかへ行ったら野方図になっている、これが日本の金融システムというのを私は危うくしているのじゃないかと。
 局長、その中で、これについて、大蔵省が省令で格付機関を指定しているのだから、何らかの指導なり通達なりできないのですか。私がずっと検索していきますと、二、三年前、しようとしかけたらアメリカからどんと言われてやめたという例があるというふうなのも聞いております。何か外圧があるからできないんだ、アメリカさんが言うからできないんだというふうなのはちょっとどうかと思うのですけれども、その辺、今検討に入っているのかどうか。
 そして二点目。先ほど勝手格付のお話をなさいましたけれども、一部の格付会社に言われている話としては、勝手格付を持って自分のクライアント、つまり顧客をふやしていると。暗に、顧客にならないと格付会社としての格付に影響を及ぼすようなことを言っているといううわさもあるのですけれども、その二点について、そのうわさがあるのかどうか。そういう事態があったのかどうか。事実関係としてあるのか。もしもそういうことがあるならば、大蔵省としてどう対応するのか。
 この二点、局長、お願いいたします。
#108
○長野政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、私どもの指定格付機関制度というのは、私どもは格付というものを私どもの行政の範囲で利用者としてやっておる立場でありますので、逆にそれを監督指導という立場に立つことはできないと思います。これはもう国際的にもこの格付機関というものは、いわば民間の企業を民間の経済の鋭い目でチェックしていくという、まさに市場そのもののいわば自律性の部分として発達いたしておりますから、いかなる国も格付機関に対する規制ということは考えもいたしませんし、行われてもおりません。
 したがいまして、勝手格付のお話につきましては、これも行政と申しますよりは、格付を受けた会社と格付社との間で時折やりとりがあることは新聞報道等で承知いたしておりますけれども、そして当事者間ではいろんな話がされておるのかもしれませんけれども、私どもとしてタッチいたしておりませんし、私どものところに何かしてくれという話が来るような形にもなっておりません。
#109
○吉田(治)分科員 次の質問に移りたいのでこれで終わりますけれども、この話題については何かずっとすっきりしないですね、最後の最後まで。その辺ははっきりとしていただかないと、どうも何とはなく指定をされたところがモンスターのように動き始めて、気がついたら日本の金融界というものを随分変えていっている。うわさの話ですから、事実、真実とか言っていないのですけれども、どこかで気がついたらそれをネタに、ゆすり、たかりと言ったら語弊があります、そこまで言ったら暴論になりますけれども、ちょっとどうだ、商売でというふうなのも、これは大蔵省として、大臣にもうちょっとお考えいただきたいな。今お戻りだからわかっていない、それは結構です。それをお願いしたいということだけ申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 大蔵省の大きな仕事の中に、税制というものをしていくというふうなお仕事があると思うのです。
 まさに大臣の出身地である浦和というところ、浦和、蕨はたしかこれから政令市を目指されるというふうなことで、何か運動がなされているやに聞いております。政令市というのは、私が申し上げるまでもなく、地方自治体の中では、さまざまな権限が県からもおりてきて、市の中で独自の活動ができるというごとですけれども、税制という部分でいきましたら、五十年前に行われたシャウプ勧告のままであって、まさに市町村とほぼ同じ税制。
 つまり、大臣はよく御承知でしょうけれども、こんなこと言うたら怒られますけれども、人口が三百万人いてる市も、北海道のずっと奥の方の何百人の村も、税源として取れるものは一緒。ただ、権限に当たる部分は特別に財源として面倒見るけれども、なかなか大都市ではそれは足らないということをよく聞いております。
 まずお聞きしたいのは、こういうふうな中でもこれから地方分権ということになっていきますと、権限と同時に財源の移譲というふうなものが非常に大きなテーマになってまいりますし、私どもの手元の資料でありましたら、地方分権推進委員会の第二次勧告であるとか地方分権推進法という法律、またそれぞれ閣議決定等も、分権は進め、権利を進めるだけではなくて、財源も進めていくというふうな今お話がなされているというふうに聞いておりますが、現実問題として、本年度の税制の見直しの中で、地方というふうなものについてどういうふうに考え、取り扱われたのか、財政当局のお考えをまずお聞きしたいと思います。
#110
○桑原説明員 それでは、自治省でございますが、平成十年度の税制改正に当たりましては、平成九年の七月に地方分権推進委員会から出されました第二次勧告、この中で、地方税源の充実確保ということを一つのテーマとして挙げておりますが、そうしたことも踏まえながら税制改正の議論が進められたところでございます。
 政府税制調査会の平成十年度の税制改正に関する答申の中でも、そうした分権推進委員会の勧告も踏まえて地方公共団体の課税自主権の拡大を図りなさいといったようなもの、あるいは地方の法人課税につきまして、平成十年度において検討を進めるようにといったような答申がございまして、そうしたことを踏まえながら今回の税制改正を行ったところでございます。
#111
○大武政府委員 お答えさせていただきます。
 ただいま自治省の方からお話ありましたように、第二次勧告、いわゆる「分権型社会の創造」の中にありまして、国と地方の税源配分の問題については、「国と地方公共団体との役割分担を踏まえつつ、中長期的に、国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら、地方税の充実確保を図っていく必要がある。」とされておりまして、大蔵省としましても、この内容を文字どおり受けとめていきたいと思っております。
 なお、今自治省からお話ありましたとおり、地方税のあり方につきましては、税制調査会におきまして、この勧告の内容を踏まえつつ、必要に応じて議論がなされていくものというふうに承知しております。
#112
○吉田(治)分科員 本日、この問題を取り上げさせていただいたのは、特に大蔵大臣の地元といったら語弊がありますけれども、これから政令都市を迎える。私の住まいする大阪市も政令指定都市でございまして、政令指定都市というのは本当に、先ほどから申し上げているように、権限的にはいろいろいただいても財源的には非常につつましやかだ。特に私どもの住まいする大阪市なんていうのは、人口、昼間百四十八万人もやってくる。住まいが二百六十万人。百四十八万人というのはどれぐらい来るかというのは、京都市、神戸市の人口がそれぐらいなんですね。だから、毎日毎日、大阪市は、二百六十万弱の人口に神戸市と、もしくは京都市の人が、おじいちゃんから赤ん坊までぞろっとやってくる。しかしながら、財源的なものは、先ほどから申し上げているように、どこか遠くの地方の、まさに何百人単位の村と同じような財源で行っている。しかしながら、行政に対する需要も非常にふえてきている。まさに仕事の特例と歳入のアンバランスというふうなもの。
 大臣もよく御承知のとおり、現行制度の二対一、一対二というふうな割合、またもう一つ言うならば、国にたくさん税金を納めているけれども通過して、大阪市のためにどれぐらい使われているのかなといったら随分少ないんじゃないかと。これはいろいろな税の考え方がありますので大変ですけれども、一部によりますと、大蔵大臣は、将来政令市になったら市長におなりになるかもしれないというふうなうわさもございます。だから、やはり政令市の市長というのは大したものではあるのですけれども、権限的には大したものであっても、やはりマルといったらいいのでしょうか財政の部分というと非常に厳しい。
 まさに大蔵大臣がこれから大臣として、市長になる、ならないは別にしても、地元がまた政令市になっていくということになれば、これは本当は自治省さんに言わなければならないことかもしれませんが、国の税制のあり方、シャウプ勧告で出された税制というのは今でも生きている。それをどこかで私は変えていかなければ、形だけ、名前だけの地方分権、もっと言うならば、形、名前だけのと言ったら怒られるな、政令市の人に。政令市という状況がひょっとしたら起こり得る可能性もあるのではないかなということが考えられますので、あえてきょうは松永大臣だからこそ、これは申しわけないですけれども、御出身がどこか地方の方にこういうことを言えないのですけれども、松永大臣で、これから政令市を迎えられるところの大臣だからこそ、あえて御質問を申し上げさせていただいた次第でございます。
 大臣の方から一言、これから自分自身の町がそういうふうに変わっていく中で、私はある意味で松永大臣だからこそ、最後、政令市の財政をちょっといいようにしてやれというふうな一言を言って大臣を終わられるということは、全国十一政令市が拍手になるのではないか、かようにも思うのですけれども、大臣のお考えをちょっと一言おっしゃっていただければありがたいです。
#113
○松永国務大臣 浦和というところと与野というところと大宮というところ、それに上尾というところが入るのかどうか、その範囲をどうするかで非常にもめているというのが実態なんです。
 私の率直な感じを言うと、浦和は人口約五十万なんです。大宮というところはこれまた人口五十万なんです。昔から余り仲がよくない二つの市たんです。そういう中で、政令市を推進しようという連中は市民に対してどういう宣伝をしているかというと、政令市になるとうんと金が来る、だからうんと豊かになるんだ、こういう言い方をしている人が多いのです。私は、そういうものじゃないよと。権限は来るだろう、権限が来るということはそれだけ義務が発生するんだよ、その義務を履行するだけの行政能力とかあるいは財政力とかというのはあるのかねと。そこのところをよく考えてやらぬというと、政令市になったけれども市民生活はそれほどよくならなかったということになる危険性もあるからじっくり考えてやれよと言っているのが私の立場なんです。
 どちらかというと、市長さんたちや市会議員さんたちが非常に熱心。特に市会議員さんたちは、県会議員と同じ格になるんだということで非常に頑張っているようであります。市会議員が、その地域についてはほとんど県がやっておる事務を政令市がやるということになりますから、したがって県会議員と同じような格になるということなんでしょう。しかし、問題は、市民が幸せになるかどうかだよと。これこれしかじかこういうわけで市民が幸せになりますということを君たちはちゃんと説明できるかね、こういうふうに私は言って、どちらかというと冷静に見ているというのが私の実際の姿であります。
 そして、浦和の場合は、市民の多くが、浦和だけでいいじゃないかという感じの人が多いのです。そういうことを言えば反対していると言われるものだから、そういう人たちがたくさんいるんだけれども、その声は表に出ておりません。しかし、その人たちだけの期待でいえば、浦和が一番いいと思っているのです。それよりも、先ほどの格付機関じゃないけれども、格が下がると思っているのです、浦和市民は大宮市のことを。そこと一緒にならなくても、県庁もあるし、浦和高校もあるし、教育水準は高いし、おれたちの浦和市だけでやっていこうという人が本当は多いのです。多いのですけれども、その議員さんたちは政令市だ、政令市だということで大変動いているというのが実情なんです。
 私は思いますのに、権限は即市民に対する義務になりますね。その権限を行使し、義務を履行するのに必要な税源ないし財源というものが確保されなければ、市民の幸せは図られないんじゃなかろうかというふうに私は思います。
 ちなみに、浦和市でも昼間人口の方が夜間人口よりも少ないです。ほとんど東京に働きに来る人が多うございますから、そういう意味では大阪とは逆になると思うのですけれども、そういう状況であるということでございます。
#114
○吉田(治)分科員 大臣の話を聞いていましたら、政令市に住んでいる我々というのは随分不幸みたいな言い方になるわけですね。財源とか、そういうので権利義務という形で言うならば。
 それであるならば、大臣、まさに今もう政令市になり、大阪市のように大臣のところとはまさに逆さまのような、そういうところにもつと財源が入ってくるようなそういう施策を、今大臣が言われたことを後で読んで、私がこの質問をすれば、なるほどと多分大阪市の人は納得すると思うのですよ。大臣が言われたように、冷静に判断していけばと。じゃ、冷静に判断しているけれども、もう既に政令市になったところに対しては、やはり大臣、特段の配慮というものをしていただかなければ、今大臣が言われたお言葉ということは政令市に対してある意味で、失礼と言っては語弊がありますけれども、大臣の地元ではいいですけれども、政令市に住む我々にとっては大変、ちょっと待ってくれよという話になります。
 その辺で、もう時間ですから、最後に一言、大臣、やる、やらない、冷静に考えると一言お願いします。
#115
○松永国務大臣 一般論を申して恐縮ですけれども、事務を配分すれば、その事務を執行するのに必要な財源というものは同時につけてやらぬというと、立派な事務の執行はできないなというふうに私は思います。
#116
○吉田(治)分科員 もっと議論したいところですけれども、本当に今義務、それでいうと大阪市はやはり権限がある割には厳しいし、いろいろある。昼間人口も多いということも御理解いただいたと思いますので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございます。
#117
○久野主査代理 これにて吉田治君の質疑は終了しました。
 次に、平田米男君。
#118
○平田分科員 平和・改革の平田米男でございます。
 きょうは大蔵省の長野証券局長、大変優秀なお役人だというふうに伺っておりますが、いろいろ今疑惑が指摘されておりまして、国民も、その点について明確にしてもらいたいと。官僚の皆さんの中で私はまじめな方はたくさんおられると思っておる一人でございますが、そういう意味でぜひ、疑惑があれば疑惑に対して、政治家はもちろんでございますが、役人も、特に局長まで行かれた方ははっきりしていただきたい、こういう思いで、きょうお願いをして、たださせていただきたいと思うわけでございます。
 接待疑惑の方はもう既に何回も聞かれておりますが、御自宅、土地建物合わせると五億円ということも言われております。その土地建物の取得の経過について、本年の二月二日、参議院の予算委員会でも若干聞かれているわけでございますが、それを前提にして、私の方から具体的に質問をするわけでございます。
 今お住まいのところは、世田谷区代田二丁目六百三十五番の百七十九、宅地百六十八・八五平米でございまして、昭和六十三年五月二十日売買を原因として、同月二十三日所有権移転の登記が長野証券局長とその奥様、それから奥様の母親の方だと思いますが、荒川寿さんでしょうか、それぞれ共有持ち分三分の一で名義が変更になっております。
 そして住宅の方は、その土地に木造スレートぶき二階建て、一階八十五・〇八、二階七十一・二一平米でございまして、平成元年三月二十二日新築ということで保存登記がなされておりまして、これも同様に今の三人の方の共有名義で、所有権保存登記が平成元年五月二十六日受け付けでなされておるわけでございます。土地を買われて、すぐ家を建てられてお住まいになっている、こういうことのように登記上は見えるわけでございます。
 それで、この購入資金について、まず御自身の三分の一の持ち分についての購入資金については、このように参議院の委員会でおっしゃっていまして、一つは、全体が五億円と言われているけれども、土地は四億円に達しておりませんよ、こういうお話になっています。したがって、その三分の一というと大体一億三千万円ぐらいというふうに計算ができるわけであります。
 その中で、その一億三千万円の根拠については、九千万円は、自分のマイホームにと思って準備をしておりました土地が、まさにバブルの最盛期でありましたから、結果としては高いとおっしゃるかもしれませんけれども、九千万円の売却代金でございましたということで、売却代金九千万円がまず原資の一部ですと。それから共済組合、これは国家公務員の共済組合から千二百万円借りました。それから二千数百万円ほどが自己資金です。こういうお話で、大体一億三千万円ぐらいの計算になるわけでございます。
 まず、マイホームにと持っていたその土地の所在地、面積、購入時期、購入価格、そして売却価格は、売却代金九千万とおっしゃっているので恐らく九千万なんだろうと思いますが、その売却価格は幾らなのか、そして譲渡益課税の税額が幾らだったのかを明らかにしていただけますでしょうか。
#119
○長野政府委員 お答え申し上げます。
 この売却いたしました方の土地は、たしか昭和五十四、五年ごろに購入したと覚えております。面積はちょっと、しかと覚えておりません。今住んでおりますところよりは、土地はかなり広うございました。そしてその土地は、そのときは私と家内の二分の一共有で購入いたしました。取得価額が二人合わせて三千万だったと思います。そして、売却価格が、二人合わせて一億八千万と申し上げた方がわかりやすいでしょうか、私の分ということで九千万ということを申し上げました。
 所在地は、この点はちょっとお願いでございますけれども、東京の郊外であると言うにとどめさせていただきたいと思います。と申しますのは、これはお断りしなければいけませんけれども、私が今裁判を起こしております雑誌社がこの疑惑を報道いたしまして、取材というよりは私はもう嫌がらせだと思っておりますけれども、その私の前の前の所有者のその御親戚にまでわたって、深夜までいろいろな嫌がらせが続いておりますので、私のおりました先につきまして同様のことが起こることを恐れますので、場所は東京の郊外ということでお許しいただきたいと思います。
 それから、譲渡益につきましては六十三年分の所得として申告いたしまして、平成元年三月でございましょうか、一千万を上回っておった記憶がございます。この点は、その年、税額がそのレベルになりましたので公示されておりますので、これは私も家内も一緒でございますけれども、そんな状況でございます。
#120
○平田分科員 その三千万円で買われたときに、この資金はどうされたのですか。
#121
○長野政府委員 当時私はその三分の一ぐらいを借り入れまして、三分の二を自己の資金で手当てしたと思います。
#122
○平田分科員 昭和五十四年といいますと、入省されてから何年目ですか。
#123
○長野政府委員 十四年ぐらいでございますでしょうか。
#124
○平田分科員 年収幾らでございました。
#125
○長野政府委員 ちょっと正確には年収は覚えておりません。ただし、これは若干、もう五十の人間がしゃべることになっては恥でございますけれども、私の父親が税理士をやっておりまして、子供のために貯金をするのが趣味みたいな男でございまして、毎年毎年こつこつと生前贈与で私のために蓄えてくれたものが実は相当ございました。私自身の蓄えというより、当時は、親が何十年かにわたって蓄えてくれたものを利用させてもらったような状況でございます。
#126
○平田分科員 それから、自己資金二千数百万円というお話でございますが、この出所ですね。すなわち、預金してあったお金だとするなら、どこの銀行にあったのか。それから贈与だとするならば、だれから、いつ贈与されたものなのか。また、その贈与税は払ってこられたのかどうか。それから相続だとするなら、だれから、いっ、どの程度の相続をされたのか。この辺を教えていただけますか。
#127
○長野政府委員 当時、二千八百万につきましては幾つかに分散いたしておりましたが、都市銀行の幾つかだったと思います。その段階でも私はずっと、実は自分で資産を管理せずに、父親がそういう状態だったものですから、私自身の蓄えも全部父親に預けて管理してもらっておりましたし、それから、その少し前にイギリスに三年間行っておりまして、その間の日本での財産の管理もずっと親に実は頼んでおったものでございますから、親の方にその預金も全部管理してもらっておったような状態でございますけれども、長信銀の一つと都銀の一、二はあったように思います。
#128
○平田分科員 それから奥様の取得資金、これは一部は、同様に九千万円ですかが売却代金ということで入ってくるのでしょうけれども、それ以外はどうなっているのか。
 それから、一千万円税金で払ったということになると、ちょっと金額が、一千万円分ちょっと合わなくなってくるのですが、どういうことでつじつまが合うのか。御自身のですね。それについても教えていただきたい。
 それから、三千万円で買った土地の三分の一は借り入れだとおっしゃるわけですから、一千万円借り入れたということになるわけですが、その借金は、売却時には幾ら残っていたのでしょうか。
#129
○長野政府委員 参議院でお答えいたしました四億に行かないという金額は、土地、建物両方の合計の金額でございまして、それには御指摘のとおり税金は入っておりません。翌年、翌々年になりますか、納税は自分の方で行いましたから、それも含めろということでありますとあと一千万円、私が現実に結果として所要であった資金があと一千万膨らみます。
 それから、家内についてお尋ねでございますけれども、家内は、実家の家業を一緒にやっておりまして、三つの会社の役員をやっておりましたので、かねてからある程度の蓄えを持っておりました。私は、このときに実は千二百万借りざるを得ませんでしたけれども、家内はすべて自己資金で賄っております。母親も同じでございます。
 それから、前の土地のローン、三分の一と申し上げました。これも私の持ち分の三分の一の借金をしたわけでありまして、千五百万の三分の一の五百万ぐらい。家内の方は全部自己の蓄えで賄っておりました。この五百万のローンは、実は共済組合から借りましたものですから、五年ぐらいの期間の中に、そこに住宅を建てて住むという条件がついておりましたけれども、私が海外勤務になりましたもので、その要件を満たすことができないということになりましたので、その段階でこのローンは海外の俸給から返済いたしました。
#130
○平田分科員 奥さんが三社の役員をしておられたということで、収入があったということでございますね。
 ちなみに、どこの会社の役員で収入がどのくらいあったのか、明らかにしていただけるとしたら明らかにしていただきたいということと、それから、奥さんのお母さん名義の三分の一の持ち分の資金の出所も明らかにしていただけますか。
#131
○長野政府委員 先に後半から御説明しますと、家内の母親は、自分の金融資産を処分して賄ったと聞いております。
 家内が勤めております会社というものにつきましては、もしお許し賜れば、先はどのような私の周辺の環境にございますので、会社の名前は控えさせていただきたいと存じますが、私と結婚しましたときから既に、私は源泉徴収程度で済んでおりましたけれども、家内はずっと申告納税者でございました。
#132
○平田分科員 そうすると、四十七坪の住宅の建築費用もこの四億弱の中に入っております、こういうことでございます。そうすると、家を建てられたころに一千万円ずつ、奥さんも局長も税金を納税されたということでございますが、一千万円ぐらいの金額になるんですかね。
 当時は、たしか、四千万円までは二割所得税がかかって、四千万円を超えると二分の一総合課税だったというふうに思いますが、奥さんが相当収入を得ておられると、局長と同じ税額だとはちょっと思えないわけでございまして、今までの御説明によりますとね、申告、ずっとしておいでになって。ということになりますと、ちょっとその御説明が食い違うのですが、訂正されるところがございますか。
#133
○長野政府委員 ちょっと家内の方の税額は定かに記憶いたしておりませんけれども、家内も税額の公示対象になっておりまして、その後二年間はいろいろなところから二人あてにダイレクトメールが来ておりますから、それで間違いないことでございます。
 税務の計算は、当時私主税局の課長でございますので、一点の間違いもあってはいけないということで、全部をきちんと申告しております。
#134
○平田分科員 それで、平成三年から四年、五年、六年と、荒川寿さんの持ち分については局長と奥様とお二人のお子さんの名義に、四十八分の一ずつ贈与で名義変更が登記簿上されているわけでございますが、贈与税はその都度お支払いになりましたですか。お支払いになったとするなら、その金額は幾らなのか。
 それで、そのとき贈与した土地の評価額、幾らとして評価されて、課税もしくは課税されなかったのか。この辺、ちょっと教えていただけますでしょうか。
 ちなみに、四十八分の一というと土地の三・五一平米になりまして、一坪強なんですね。それで、お買いになったときは、同じ町内に公示価格が表示されている土地がありますが、それですと平米当たり百七十四万円ということでございまして、三・五一平米というのは六百十二万円ということになっておりまして、公示価格からいくと当然贈与税がかかるのかなと。
 まあ、その後四年、五年、六年と価格は下がってきておりますので、六年にはほぼ半分になってきていますから、ただ、それにしても三百万円ということで、当然、贈与税の控除、無税扱いになるよりも上回るわけで、贈与税を払っておいでになるのではないかというふうに思うのです。そうだとするならば、お子さんはまだそのころは中学生かそこらだったのではないかと思いますが、その方々の税金はどうされたのか。これをちょっと明らかにしていただけますか。
#135
○長野政府委員 結論を申しますと、課税対象でございますので納税いたしました。四年かかりました。
 母親が私どもに贈与するきっかけになりましたのは、その贈与が始まります前の年に父親が亡くなりまして、母親も高齢者でございますので、共有持ち分を持った財産が何か不慮のときに、相続が起こったときに、兄弟間で難しいことにならなければいいがということで、この際贈与税を払って、あなたたちにお世話になったからあなたたちに贈与するということで、贈与してくれたわけでございます。
 まさに先生御指摘のように、私どもの方はいただくのはいいけれども、いずれ私も相続が起こりかねない年に近づいておりますから、それならば子供も一緒にと思いましたけれども、子供たちがきちんと相続税を払えなくてはいけませんので、四段階に分けたというのは、子供たちの負担を考えてでございます。私が、父親に倣いまして、子供が生まれたときから、毎年贈与税の六十万という額をずっと子供のために蓄え続けておりますので、その預金で支払いました。預金口座もきちんと、私の口座からでなく、子供の口座から納税いたしました。
#136
○平田分科員 税額はわかりますか。
#137
○長野政府委員 税額はちょっと覚えておりませんが、毎年百万というオーダーではございませんでした、最初のころ。何十万かというオーダーでございまして、おっしゃるとおり、税務署の相続税評価額がだんだん下がってまいりましたから、一番最後の年あたりは減ってきておりまして、こんなに長生きするのだったら、もうちょっと遅くから始めればよかったねという笑い話を母親としたことがございます。
#138
○平田分科員 それから、今度は家屋の分をやはり同様に、荒川寿さん名義の三分の一を平成七年にやはり贈与で同様に、この場合は、今度はお子さんが入っておられなくて、局長と奥様のお二人で贈与を受けておいでになるかと思いますが、これは相当贈与税がかかったのではないかというふうに思いますが、これは一回でやっておいでになりますが、その辺の状況を御説明いただけますか。
#139
○長野政府委員 家屋は、私と家内と二人で贈与を受けることといたしました。と申しますのは、子供たちがここを利用するころには、もうこの家屋は多分使い道がなくなっているであろうということで、私たちの代限りで受けておこうということにいたしました。それで、二人分それぞれ贈与税を支払いました。
#140
○平田分科員 金額はわかりますか。
#141
○長野政府委員 金額はちょっと覚えておりませんけれども、家屋を土地の後に、土地が終わってからやりましたのは、年々の負担が集中するのは、私どもとしても生活のことがございましたから、家屋を後回しにしたという事情がございました。したがいまして、大体土地のときと同じぐらい、百万には行っていなかったと思いますけれども、そんな贈与税でございました。
#142
○平田分科員 百万に行っていなかった。
#143
○長野政府委員 至っていなかったと思います、私と家内それぞれが。
#144
○平田分科員 恐らく全体では千数百万円の評価はされているのだろうと思うのですが、それの三分の一ということで、そうすると数百万円になるのだろうと思うのですが、それを半分ずつですから、三百万前後ということになって、それでお一人ずつが百万ずつ払われた、百万まで行かなかった、こういうことですか。(長野政府委員「はい」と呼ぶ)わかりました。
 それで、そうすると、税理士さんのお子さんということで、お父さんが基本的には毎年税金がかからない金額だけおたくに贈与してきた、それが一番大きな資金ですよ、その資金で、五十四年にその資金を中心にして土地を買われて、バブルでそれが三千万だったのが六倍になって、一億八千万になりました、こういうことでございますね。約九年で六倍の値上がりをした、そういうことで、税金もきちっと払ってきましたということのように伺いましたが、やはり残念ながら、大蔵省のお役人の権威が随分失墜をしているわけですよ。
 私、大臣も覚えておいでになるかと思いますが、大蔵委員会でも、大蔵省の幹部の資産形成について、これだけ疑惑が言われておるときはきちっと出すべきだ、こういうふうに申し上げましたが、大臣は、公務員倫理法ですか、それができてからしかできません、こういうふうにおっしゃいましたが、きょう、私質問して、あるきちっとした数字が出てくれば、みんな納得するのだろうと思うのですよ。マスコミで、週刊誌でがんがん書かれて、御迷惑をこうむっておいでになるとおっしゃるならば、逆にはっきりした方がいい、お話を伺って、そう思いました。
 大臣は、公務員倫理法ができてからとおっしゃいましたが、こういうのは、やはり疑惑を受けたときは、政治家もそれから高級官僚も積極的に説明義務を果たすということが、私は、今求められている行政また我々特別公務員を含めた立場の者の姿勢なのではないかというふうに思います。奥さんまで所得を出すのは云々ということもあるかもしれませんが、しかし今大分価格は下がってしまったようで、当時は四億かかったのか知りませんが、今は二億を切っている話もあるようでございますが、一つ一つ、接待疑惑の方は知りませんが、不動産疑惑について、もしきちっと明らかにできるのだったら、明らかにするべきだ。
 大蔵省のそれぞれの局長、幹部の家が週刊誌にどんどん出て、これが幾らだ幾らだといって出て、まさに不正が行われたような報道をなされていることは、これに対して大蔵省としてきちっとした私は対応をすべきだ。何も訴訟をやるとかなんとかじゃなくて、自分たちはこうですよ、何か疑惑があったらはっきりしますよ、こういうやり方が私はいいと思います。
 一つの提案で、前回は大臣からけ飛ばされましたが、こういう疑惑があったときに、今私が聞いたよりももっと正確に、税額は幾らでしたと、調べればすぐ出てくるはずですから。公示されておられるのだし、大体そんな、国税庁にぽっと聞けば、幾らそのとき払ったのか、記録なんか出てくるはずなんですから、脱税の疑いとか何かもそれで晴れるのだろうというふうに思いますよ。したがって、そういうことをやっていただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがですか。また、御本人、いかがですか。
#145
○長野政府委員 私を名指しでこの問題を取り上げました雑誌社とは、二年前から私は既に内容証明のやりとりをするようないろいろな事実無根の記事を書かれておりましたので、その取材に対して協力するつもりが毛頭なかったということが、発端と言えば発端かなと思います。その意味では、きょう平田先生に私はお礼を申し上げるべきだろうと思いますけれども、私自身も、しかし実は胸に手を当てて恥じるところはないわけですから、きちんと御説明したいという思いはございました。
 ただ、突出して私が記者会見をして、税務申告の書類を見せるということになりますと、今度は、週刊誌がいろいろな人をいじめるときに、すべての方が、これは疑惑といえば、その人が皆必ず記者会見をしてすべてを話さなければいけないことになる。プライバシーの中身は、やはり私は多分、きょうは突然の御質問でしたから、金額をお答えできませんでしたけれども、税額については、もし出せとおっしゃれば、税額も私はお答えできますけれども、いろいろな事情をお考えの方がいらっしゃるのだろう。
 したがいまして、私だけが、やましいところがないからといって、一般公務員全体のと突出して、違うことを習慣づけるのはいいのかなという思いも私の中にはちょっとございましたので、御答弁が今日までやや中途半端だったかもしれませんけれども、きょう御質問ちょうだいいたしましたことは、私の立場では御礼申し上げます。
#146
○松永国務大臣 きょう平田委員の質問で、局長の資産形成の経過等について、細かい点まで説明がありました。これによって、いろんなことを言われておることが、そうであったのかというわけで、疑惑が晴れる点があればそれはいいことであったというふうに思います。
 なお、委員仰せのとおり、疑惑ありということで、いろんな新聞や雑誌その他に書かれた場合には、必要によっては、やはり積極的に真実はこうだということを明らかにするのはいいことではないかなというふうに私は思いました。
 ただ、今局長の言ったように、一人がそれをすればほかの人も次から次にとなってきますということも、これもいかがなものかなというふうには思います。
 しかし、長野局長の問題については、今委員の質問に応じて答えたところによりますというと、法に反するようなことがあったというふうには私はとらなかったですね。一応、筋の通った説明だった、こう思っております。
 一般論でありますけれども、高級官僚になった場合、あるいはまた政治家もそうでありますけれども、資産形成の経過、資産管理の問題、これはきちっと説明できるようにしておく必要がある。いやしくも人から疑惑を受け、それが十分な説明ができないというようなことがないようにする必要があるな、そう感じました。
 それによって初めて、政治家もあるいは高級官僚も心から国民に信頼されるということになるのじゃなかろうか。資産形成の経過等について十分な説明ができないということになってきますというと、そこから不信感が生まれてくるおそれがあるなということを私は思っておるわけであります。それが私のただいまの感想でございます。
#147
○平田分科員 もう時間が来ていますので、最後に簡単に申し上げますが、一般論として、御自身が週刊誌からたたかれたらすぐ何か答えなくてはいけないというのは、それはそのとおり、おかしなことだと思います。
 ただ、これだけ大蔵省の不祥事があって、いろいろなことが今言われると、みんな疑いの目で見るわけですから、これは例外的な事例だと私は思います。そういう点をやはり大臣としては御認識になって対応されるということが、今期待されている松永大蔵大臣の仕事なのではないかと思いますので、一般論を展開されてお答えになる点については、私もそれに対しては反論する気はありませんが、こういう特殊事情ということを踏まえた上で、いかに大蔵省の信頼回復をするのか。大蔵省をつぶすという話じゃないのですから。
 大蔵省はまた、権限はいろいろ議論はあるかもしれませんが、国の重要な官庁として続いていただかなければならないわけでありまして、そのための信頼回復の手段を、やはり早急に手を打つというのが、予算審議でお忙しいかもしれませんが、あわせて重要な大臣の責務だろうというふうに思いますので、今、長野局長も前向きなお考えもございましたので、きちっとした数字を出してやることをまず大蔵省の信頼回復の第一歩としていただきたい。
 調査もなかなか出てこないということで、この間も委員会で大臣も指摘をされて、十分な調査をしなければ、前はいいかげんな調査でだめでしたから、こういうお話でございましたが、しかし、一つ一つこうやってやれることからまずやっていくということが大事かというふうに私は思いますので、ぜひやっていただきたいということを要望申し上げて、私の質問を終わります。以上で終わります。
#148
○久野主査代理 これにて平田米男君の質疑は終了しました。
 次に、川内博史君。
#149
○川内分科員 民友連、民主党の川内でございます。大臣、よろしくお願いいたします。
 まず、今の平田議員の質問にも関連するかと思うのですが、昨年来の金融機関の破綻や、あるいは大蔵省の内部での接待の疑惑、金融検査官や日銀の課長さんが収賄の容疑で逮捕されるという、大変驚くべき事態が起こっているわけでございます。
 本来、金融機関を検査監督し、金融システムの安定を図る、信用秩序の維持を守るというのが大蔵省、日銀の役目であるというふうに私どもは考えているわけでありますが、数々の不祥事によって金融システム自体が大きく揺らいでいる。全く逆のことになっているわけでございまして、国民も大変に心配をしているわけでございます。
 もちろん、責任をおとりになられて、松永大蔵大臣の前任の三塚さんはその職を辞され、また今回、松下さんそれから福井さん、日銀の総裁、副総裁もその職を辞するというふうに、いろいろな方がいろいろな形で責任をとっていらっしゃると思うのですが、その責任のとり方というのは、ただ表面上責任をとればよいというものではなくて、けじめというものが大事だろうというふうに私は思うのですね。
 日銀は理事さんも全部入れかえをするというような大胆なことを、思い切ったことを考えていらっしゃるようですが、あと、日銀には名誉顧問という、顧問の上にさらに名誉という大変にありがたいお役職があるそうでございまして、この名誉顧問というありがたい役職に、日銀総裁をお務めになられた三重野さんそれから澄田さん、お二人がついていらっしゃるそうでございます。
 三重野さんは、今回の日銀の贈収賄の事件に絡んで責任をとられて名誉顧問をおやめになるというふうに聞いておりますが、澄田名誉顧問も、バブルをおつくりになられたときの日本銀行の総裁でいらっしゃいますし、また同時に大蔵省の御出身でもあるということですから、私などは、澄田さんも同時にもう名誉顧問をお引きになられて、年金もおありになるでしょうから、悠々自適の御生活をされたらどうかというふうに考えたりもするわけです。
 松永大蔵大臣の政治家としての御意見を、澄田さんだけが残るということに関してどのようにお考えになられるかということを、まずお尋ねさせていただきたいと思います。
#150
○松永国務大臣 率直にお答えいたしますが、大蔵省行政当局と日銀との関係、それから日銀の独立性をきちっと尊重していくという姿勢、これも大事なことだと私は思います。あと二週間すれば新しい日銀法になるわけでありますけれども、現在は現行の日銀法のもとにあるわけですけれども、新しい法律ができ、二週間後はさらに日銀の独立性が認められるという形になってくるわけであります。多少の違いはありますけれども、やはり日銀の独立性というものは本当に十分尊重していく必要があるというふうに私は思っております。
 したがって、今申された名誉顧問の話でございますが、総裁経験者を名誉顧問としておるのでありますけれども、これは法令及び日銀法の内規によって規定されたものではないのであります。したがって、日本銀行の名誉顧問については、日本銀行法に基づく解任ということの対象ではないわけですね、法律上。そうなってきますと、やはり日本銀行の独立性というものを尊重して、日本銀行自身で対処されるべき事柄ではないかなというふうに私は思います。
#151
○川内分科員 改正日銀法の中でも、大蔵省と日銀は特に協調をして、日銀の独立性を認めつつ、金融システムの安定については最終的には相談をしながらやっていくという趣旨に私は理解をしておりますが、実際に私、日銀法の改正のときに大蔵委員会で質問をさせていただきましたが、その質問の中でも、当時の大蔵大臣の御答弁はそういう御趣旨であったというふうに理解をします。
 したがって、今松永大臣から、日銀法に規定されている役職ではないし日銀の独立性を認める意味からもあえてコメントをしないという御答弁があったわけですが、三重野さんは、潔く職を引く、名誉顧問などという肩書、ポストはもうやめるというふうにおっしゃっていらっしゃる。澄田さんは何もおっしゃらずに、恐らくお手当などももらい続けられるのでしょう。無給ですか。名誉顧問は無給なんだそうですけれども、今こっそり教えていただきましたが、そのポスト、肩書を外すということを澄田さんが潔くされたらどうかということを政治家として御提言をされるおつもりはないかということをお尋ねをしたのですけれども、されるおつもりはないということですね。
#152
○松永国務大臣 そこが日銀の独立性を大事にするかどうかということの問題にもかかわってくるような感じがするのです。先ほど話がちょっと出ましたように、無給であるということ、そして総裁経験者であるということ、そういう点を考えれば、新しく内閣で任命される予定になっておる新しい方が考えられて、対処されるということの方が私は日銀の独立性が尊重された形になるように思うのであります。
#153
○川内分科員 わかりました。この問題で十分も使ってしまうともったいないので、次の、私の本日の分科会の主眼でございます、金融検査の実態についての質問に移らせていただきます。
 金融検査については、本年六月に金融監督庁というものができるのだそうでございまして、これまでの金融検査にいろいろな問題があったからこそ、この金融監督庁というものが設立をされるのだというふうに思うのですね。何が問題であったのかを十分検証しなければならないし、またそうしなければ、国民の皆さん方からも、金融システムあるいは大蔵省さん御自身に対する信頼というものの回復もないというふうに思うのです。
 まず、従前の金融検査についてお尋ねをいたしますが、日本銀行も日本銀行考査というものを各金融機関に立ち入りをした上で実施をしているわけでありますが、大蔵省検査と日本銀行の考査と、もちろん目的はそれぞれ違うのでありましょうが、しかし実態としては、やっていることはそんなに変わらないのではないかなというふうに思うのですね。
 それで、大蔵省検査の内容と日本銀行考査の内容とそれぞれ、あるAという金融機関に例えば問題があるというふうなことが判明した場合、お互いに情報交換をされていたのかどうか、正式な機関として。情報交換をしているとすれば、どのようなテーブルでそれをやっていたのかというようなことについて、まず御答弁をいただきたいと思います。
#154
○原口政府委員 お答えいたします。
 今先生御指摘のように、大蔵省が行います金融検査、それから日銀の考査というのは、その目的とか法的な性格というのは異なっております。ただ、例えば資産の状況をどういうふうに把握するかといったような面では、相当ダブる面もございます。
 そういう意味で、また我々の検査体制も、従前からも御説明しておりますように、検査期間等が、毎年なかなか各金融機関に行けない、こういう事情もございますので、全体として効果的、効率的な金融機関の監督を行うという観点から、考査結果等を含めまして、大蔵省と日銀の間では、必要に応じ情報交換を行ってきたということでございます。逆に申しますと、正式に何か定期的な会議というより、個別の運用でもって行ってきたということでございます。
 ただ、本年四月一日から新しく日銀法が施行されますが、これにおいて考査そのものがまたきちっと法定化をされた、あるいはこの四十四条において、大蔵大臣から日銀の方に考査結果等を提供していただくようなことを要請できるというような規定もできまして、こういうことを踏まえて、より一層の情報交換というものに努めていきたいと考えております。
#155
○川内分科員 今まで必要に応じ、その都度随時やってきた。改正日銀法の中では、大蔵大臣の要求によって資料を徴求できるようにしてあるということで制度的に担保したのでしょうけれども、大蔵省の検査も日本銀行の考査も、アメリカ等と比べますと、非常に少ない人数で大きな銀行を検査なり考査なりしていくわけでございますが、今までの実効性、そしてこれからの金融検査、果たしてその検査のチームが本当に金融機関検査のチームとして機能を果たし得るのかどうかということに関して、私は非常に疑問を持っているわけでございます。
 というのは、私も金融機関に実は勤めておって、大蔵省の検査を受けたことがあるのですよ。昼間は忙しいのにラインシートをつくらされて、大蔵省が来ているからラインシートをつくれという課長さんの指示で、一生懸命資料をつくって上に上げていくわけですけれども、実際に私が銀行にいる間に、臨席と申しまして、大臣、大蔵省の方が直接店に来たことは、私は経験がなかったのですね。
 都市銀行なら百や二百は支店はあるわけでございますが、実際に例えば臨席をして検査をする支店の数というのは、幾らぐらいあるのか。あるいは、ラインシートを何人で、一つの大きな銀行で何枚ぐらい見るのか。そういう検査の具体的な実務について、ちょっとどういうものなのかということを、わかりやすく御答弁をいただきたいと思います。
#156
○原口政府委員 具体的なということで、まず臨席について申し上げますと、大体現在の検査におきましては、都市銀行のうち、臨席している支店数というのは、大体九ないし最近ですと十三程度ということでございます。もちろん、そういう意味で一部しかカバーできないわけですけれども、ラインシートの話も含めまして、やはり金融検査そのものの今の機能それから要員から見ますと、悉皆的にそのすべてのことを検査でもって把握するというのは現実的に不可能かと思います。
 そういう意味で、やはりいろいろな規模の、あるいは特色のあるところを臨席する。それの中で、いろいろな項目にわたる金融機関の、例えば内部管理の実態というのがどうなっているかということを特徴的に把握して、それを指摘することによって、例えば全体的な内部管理体制を充実していただくというようなことかと思います。
 また、ラインシートについても、これはもう本当に膨大なものがございます。それを、やはりある意味では臨席等のときにサンプル調査をいたしまして、きちっとこちらで要求をしたものが整えられているかどうかということをまずチェックするということがございます。またラインシートにつきますと、先般の第一勧業銀行で所定の書式に従ってラインシートが出ていなかったというような問題がございましたが、一方におきましては、今我々も金融機関にそういうことの検査に対する
 法令遵守というのをお願いしております。
 また、先般の国会において、そういうことを仮に故意に忌避をするといったことに対する罰則も、相当大幅に強化をしていただきまして、そういう意識の向上と罰則強化というようないろいろな面をあわせて、ぜひ今後は実効性のある検査にしていきたいというふうに考えております。
#157
○川内分科員 実効性のある検査にしていかれたいということでございますが、実際に検査を担当するのは金融検査官、主任検査官以下検査のチームがおやりになられるわけだろうというふうに思うのですが、その金融検査について、銀行実務やあるいはBS、PLの見方、作成の仕方、そういったものについてきちんとした養成を、研修をされていらっしゃるのかどうか。また、どういう方たちがそういう金融検査のチームに加わっていらっしゃるのかという点について、お尋ねをさせていただきます。
#158
○原口政府委員 先生の御指摘のように、非常に金融の自由化、国際化あるいは機械化といったようなことの進展がございます。そのために、金融検査官についてもそれに追いつけるようにということで、研修体系の見直しとかあるいは研修期間の延長、充実に相当力を注いでいるつもりでございます。一方で、研修の期間をふやしますと、その分検査に充てる日数というのが減るというジレンマがございますけれども、最近また非常に増員もしていただいておりますので、それは逆に言うと、かなり経験が少ない人間も多いということでございますので、かなり研修に力を注いでいる。
 具体的には、平成九年度におきましても、従来の研修に加えまして、新人検査官向けに、直ちに必要と考えられる実務等に重点を置いて、長期間にわたる金融検査実務初等研修というものを実施しております。また、従来は金融検査基礎実務研修というものをやっておったのですが、これも見直しまして、一定の経験を有する検査官に対しましても、リスク管理等に関する最新の知識習得等を目的とした金融検査実務中等研修というものも設けて、かなり九年度においても研修体制の見直しをしております。
 さらに、今後、グローバルスタンダードにのっとり、国際化とか高度化の問題もございます。そういうことで、いろいろな検査の見直しの中で発表もさせていただいておりますが、例えば民間の専門家とか実務経験者を、これは処遇の関係でいろいろ難しい問題がございますが、どういうふうに登用していくかとか、あるいは主要国の監督当局との人材交流といったようなこともできないかというようなことを、今検討を進めているところでございます。
#159
○川内分科員 大臣、今のこの金融検査の体制というのは、非常に中途半端だと私は思うのですよ。いわゆる大蔵省がみずからの権威を確保するために、各金融機関に何年かに一遍回って歩く。実務を担当されているセクションは、一生懸命お仕事をされるわけですよ。ところが、すべてを見ることはできない。だから、結局、金融機関の経営の健全性というものについてしっかりとした把握をすることができずに、今こういう状況に立ち至っているんだと思うのですね。
 ちょうど十年前ですか、私が学校を出て金融機関に就職するときは、ちょうどもう大変なバブルの真っ最中で、これからの東京マーケットというのは、東京市場というのは世界の市場だ、日本の金融機関が世界を制覇していくんだというような、大変に威勢のいい時代だったわけですね。
 ところが、もう今は全く見る影もない、無残きわまりない姿になっているわけですね。その責任は、私はそれは大蔵省だけが悪いとも思っていないし、金融機関の経営者、そしてまた現場の一人一人の人間に至るまで、みんながそれぞれひとしくいろいろな責任を背負っていると思うのですよ。
 ただ、金融検査という部門を切り取って見てみると、もっと大幅に増員をして、千人という案が出ていますが私は少ないと思いますね、もっと大幅に増員をして、本当に実効ある検査をするか、それとも検査を全くしないで、悪いことをしてつぶれていく銀行は勝手につぶれていくという、全く市場にゆだねるか、どちらかしかないんだろう。
 結局、中途半端にしていることがいろいろな癒着というか持たれ合いを生んでいるんだろう、そこに原因があるのではないか。権威づけの儀式であるがために、そこに酒食の接待が出てくるというのが、私の今回の一連の事件に関する見方でございます。どうぞ、若げの至りでございますので、ひとつ御提言としてお耳に入れておいていただければと思います。
 最後に、私の持ち時間の最後でございますが、貸し渋りの問題でございますね。実は私のかみさんの実家が熱海で旅館をやっておりまして、松永大臣にも過去お運びをいただいたことがあるのでございますが、名前は言いませんけれども。この三月の末に、旅館業というのは設備産業ですから、金融機関から資金をいっぱい借り入れているわけですね。すると、もう貸し渋りどころじゃない、返せ返せと矢の催促だ、どうにかならぬものかときのうも義理の父に言われて、きょう国会で質問の時間がありますから質問しますと答えておいたのですけれども。
 実は、三月十一日に、総理みずからが銀行業界のトップの方々をお集めになられて、貸し渋りについて御要請をされたという新聞の記事を読ませていただきました。その際に総理も、中小企業の経営者の方からは、貸し渋りどころか資金の回収がすさまじいんだということを聞かされているというふうにおっしゃっていらっしゃるのですね。
 この貸し渋りの対策について、総理が各金融機関に御要請をされて、その要請が、本日現在、どのような形で各個別の金融機関の中で具体化をされているのか、営業の第一線までその指示が浸透しているのかということを大蔵省さんにお尋ねをさせていただきたいと思います。
#160
○山口政府委員 総理の要請を受けまして、金融機関におきましては、例えば地方銀行では地方銀行の協会で全頭取が集まる会がありましたので、そこで協会長の銀行からその要請を伝えております。それで、末端まで徹底するようにということをやっております。それから第二地銀の方も、全頭取に徹底をするようにいたしまして、これは本日になりましたけれども、やっております。それから都市銀行等は、個別に全部呼ばれましたので、これはそれぞれの銀行は全部、頭取は知っております。それで、現に支店長会議において周知徹底をしますというような報告が来ております。
#161
○川内分科員 今銀行局長から、各協会の会長から個別の頭取へ要請が行っているというふうな御答弁があったのですが、それは文書か何かでしつ一かりと行っているのでしょうかね。
#162
○山口政府委員 口頭及び資料も配付されたと聞いておりますが、大切なことは、それが末端まで行くかどうかということでございますので、その点は、私どもも浸透するように努めたいと考えております。
#163
○川内分科員 大臣、総理が各協会の会長さんを集められた席でも、健全な会社には貸し渋りはしていませんと頭取さんがお答えになられているのですが、今、この大変な厳しい状況で、健全な会社なんというのはそうめつたにあるものじゃないですね、特に中小企業の場合は。
 ここを何とか乗り切れば、日本人というのはまじめなわけですから、何とか乗り切れるわけですから、その健全なというまくら言葉がついてしまうと、大変難しい部分というのは出てくると思うのですね。ここはひとつ目をつぶって貸せという、さらなる御要請を大蔵大臣の方からもしていただきたいというふうに思うわけでございますが、大臣の、銀行が貸さない場合は私が貸すとか、そういう御決意をお願いいたします。
#164
○松永国務大臣 健全でない企業であっても貸せということは、これは言えませんね。不良債権になることを覚悟の上で貸せということでございますから、それは言えませんが、その企業の、現在は厳しいでしょう、しかし将来は明るい、また経営者は非常に一生懸命やっている等々の状況を見て、親切に対応してくれませんかという程度までは言えるかと思います。
 それからもう一つは、民間金融機関がそのようにきちっと対応してくれなければ、これは積極的に政府系中小企業金融機関を活用していただくというのがもう一つの手だてじゃないかというふうに思います。
 ちなみに、私は、このポストにつく前は、御存じのように、実は党の中小企業調査会長をしておりましたので、その立場で、旅館の場合にもいろいろ政府系金融機関との間で、具体的には商工中金等も使ってもらえるように話が大体できておったのですが、うまくいったかと思うのですけれどもね。確認しないままこのポストについちゃったわけでありますが。さようなわけで、中小企業金融公庫なりあるいは商工中金なり、そういったものをうまく活用されるというのも一つの手でしょう。
 いずれにせよ、政府は総力を挙げて、貸し渋り問題の解決のために努力をしていきたい、こう考えておるところでございます。
#165
○川内分科員 質疑の時間が終了いたしましたので、最後に、重ねてお願いをさせていただきます。
 もちろん、大臣が今御答弁をされたように、中小公庫、商工中金の貸し渋り対策用の資金というものについても、大変実績があるということも私もよく承知をしておりますけれども、一般的に、中小企業の経営者の場合に、全く取引がない中小公庫なり商工中金なりに飛び込んでいって、お金を貸してくださいというのもなかなか言いづらい面もあるでしょうから、やはり今まで取引のある銀行さんにしっかりと資金の面倒を見ていただけるというのが大事なことだろうというふうに思いますので、大蔵大臣もさらなる御要請をしていただけますようにお願いを申し上げまして、私の質疑を終了させていただきます。
 ありがとうございます。
#166
○久野主査代理 これにて川内博史君の質疑は終了いたしました。
 次に、保坂展人君。
#167
○保坂分科員 社会民主党の保坂展人です。
 まず、昨日衆議院の予算委員会で行われました松野元証券局長の証人喚問で明らかになった事実に関して、一、二お尋ねをいたします。
 まず、大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、きのうの喚問の中で、いわゆる飛ばし、これは我々は、こういうことを放置してはいけない、まさに証取法にかかわる違法行為であるというふうに認識をしているわけですけれども、松野元局長は、飛ばしは違法行為ではないということを再三強調されておりました。簡潔に大臣として、これは大蔵大臣としての御見解をはっきりいただきたいと思います。
#168
○長野政府委員 お答えをお許しいただきたいと思います。
 飛ばしという言葉が、やや定義が非常に正確になされていない言葉でございます。これを厳格に定義してまいろうといたしますと、一言では言いがたい。私ども、先日、飛ばしということを一斉調査を行いましたけれども、そのときは三種類に分けました。すなわち、ある企業が持っておる有価証券に含み損がある、その含み損があるものを別な企業に転売されるという行為、それから、企業が含み損を持った有価証券を持っている、それを証券会社が、あるいはその関係会社が引き取る……(保坂分科員「きのうのことに答えてください」と呼ぶ)はい。きのうのことの御説明のためにさせていただいています。それから、証券会社自身が持っておる含み損を別なところに転売する。このくらいが飛ばしの範囲かなと考えております。
 その意味では、その第一の類型みたいなものは、企業と企業の間で、含み損を抱えた有価証券でも、それが経済取引として転売されるということについては法令に触れないということでございますので、飛ばし即違法ではないということを私どもも御答弁申し上げてきております。
 ただ、引き取るような悪いやつのことを飛ばしというんだというふうに狭く定義いたしますと、また景色が変わってまいりますけれども、一般的に、そういうふうなお答えを私どもはいたしております。
#169
○保坂分科員 今の答弁を聞いてもまさに、東急百貨店からの催告書をちらっと見ただけで内容も把握をしないという証券局長は、歴代今に至るまで、この不祥事を呼んだのではないかという観点からもう一点質問をいたしますが、きのう、松野証人が、私ども「論際」という雑誌を入手して、ここに写真が載っております。この写真はいずこですかとお尋ねをしたところ、証券局長室ですと答えたのですね。
 この「論際」問題については既に羽田大蔵大臣が極めて、公務員の綱紀粛正に関して、きちっとやらなければならないということを会見されています。つまり、これは一度いわば警告として出てきた問題なのですが、その当時、大蔵省では例えば証券局長室以外のほかの、例えば銀行局だとかその他の、そういう役所のまさに局長室でこういう座談会が行われているという事実把握、調査を行ったのでしょうか。簡潔に答えてください。
#170
○武藤政府委員 「論際」問題が話題になりましたときに、当時の関係者が「論際」問題をいろいろ調査したのは事実でございますけれども、もう大分前のことでございますので、具体的な記録がほとんど残っておりません。
 ただ、この問題は、マスコミの取材に対していろいろ取材協力をする、それが一定の取材協力であれば問題ないわけでございますけれども、いろいろ批判されるようなことがある。取材協力した結果、そこの出演料のようなものを受け取っていたとか、そういうことが当時問われたわけでございますので、そういう観点から、当時羽田大蔵大臣が、綱紀の粛正を図るということで、大蔵省の中でいろいろ取り扱いを明らかにして、今後過ちのないようにしたところでございます。
 したがって、各局長室でそういうことをやったかどうかということにつきましては、そのこと自身は、マスコミの取材に対しまして局長室で応ずるというようなことは、これはかなりあるわけでございますので、そういう問題点を持って、問題意識を持って調査したということはなかったというふうに思っております。
#171
○保坂分科員 まさにこのときに、きのう申し上げたのですけれども、今回のようなことに方針を転換するべきだった、きちっとした、綱紀粛正ということが死語にならないように転換をするいいチャンスだったと思います。
 実は、きのうのことからおとといのことに移りまして、国会の予算委員会で、これまた昨年の十一月末に、泉井証人の喚問があった際に、私ども、私自身が質問者になって、当時の涌井官房長に贈られた絵について、これは御返送なさったそうですけれども、お尋ねをしたところ、議事録に残っておるのですが、これはデッサンではないが、ピカソの絵であるというふうにおっしゃるものですから、大蔵省の御説明だと、涌井さん自身は、ピカソの絵でないことだけは覚えている、版画である、こういうふうにお答えになっているので、これはわけわからない話なんで、一時、いっとき確認したいということが実現をしたわけで、これに対して、現在主計局長の涌井主計局長、そういう鑑定が行われる、そして出てきた「死せる魂」ナンバー三十四、この絵だったことは間違いないのかどうかも含めて、そして現在どういうふうに思われているのか、おとといのことを受けて、二言お願いします。
#172
○涌井政府委員 お答えいたします。
 国会の場で異例と言える形の鑑定が行われたわけですが、実は私はこういう形に鑑定をしていただいて、保坂先生初めとして先生方に大変、院の先生方に実は感謝しているわけでございます。
 なぜならば、実は、これは多分シャガールの版画であるという記憶はあるのですけれども、いただいた後で、きのうごらんいただいたようなものだったですから、ちょっと飾ったですけれども、みんなから、何か子供みたいな絵だよ、おかしいねと言うので、箱に入れて実は倉庫へ入れて、そのまま返してしまったものですから、この注意があったときは、実は、多分シャガールかもしれないけれども、ちょっと間違っているかみたいな、自信がないということで、そのままにしていました。
 ただ、ピカソで一億円の絵とかいろいろ言われまして、私はどこかでこれは確認してもらわなくてはいけないと思ったのですが、それがどこへ行っているかも含めてわからない。ということで、たまたま先生の方が、むしろそれを院の方で、それが検察の方にあるということで、ああいう形でやっていただいて、先生方にそのものも見ていただいて、私としては大変うれしいというか、真実がはっきりして、一億円のピカソとかいうデマを打ち消す、要するにものが、手段がなかったものですから、一時は裁判で、そういうことを言っている人を裁判に訴えて、法廷の場でむしろそれが証拠物件として立証できたらなということで、実はそういうことも考えていたのですけれども、むしろ院の方でこういう形で鑑定していただいて、私自身としては非常にある意味ではうれしい。
 それから、事実、先日出していただいたこれは、送り返したものをそのまま差し押さえしていたわけですし、私が見たものと間違いございません。
#173
○保坂分科員 主計局長、うれしいというお言葉なんですが、これは、先刻、公務員倫理に関する与党協議の協議を終えて私ここに来ているのですけれども、これはやはりまず謝罪の言葉があってしかるべきじゃないでしょうか。
 なぜならば、いわゆる通常の儀礼の範囲内なのかどうかとこれは問われるわけですね。一万フランで落札をされたという記録がたまたまあったという鑑定人の方の言葉もありました。当時のレートだと二十万ぐらいでしょうか。そこに手数料や何かも入るわけですから、少なくてもそういうものをさして親しくもない方から受け取ったら、これは返すべきじゃないでしょうか。
 そして、その当時官房長として大蔵省全体の、しかも田谷、中島問題の後、服務と規律保持の最高責任者だったわけで、その反省の念、そしてこういうものをすぐ返すべきだったという謝罪の言葉はないのでしょうか。
#174
○涌井政府委員 その点につきましては、委員会でも答弁させていただきましたように、この泉井さんという人は石油のブローカーであるということで、私どもの方にとっては職務上の、仕事の上では全く関係はなかった。それから、長い間霞が関のいろいろな人とのつき合いがあるということも、それで特に問題ないということも私は聞いておりました。
 ただ、普通の、通常のときに贈られてきたならば、間違いなく私は返したと思いますけれども、結婚のお祝いということで、しかもこれは査察事件の前に贈ってきたということだったので、正直言って絵ですから、そのとき二十万とか十万とか、そういうことはもちろん絵ですからわかりません、現ナマじゃありませんから。それで、多分、私の直感としては、十万を超えるのかなという感じが、非常に額が立派なものだったですから、それでこの前御答弁申し上げましたように、内祝いもある程度の金額のものでお返しした。さはさりながら、後になって、その後に脱税事件で摘発されたということで、それは結婚のお祝いといえどもまずいなということで返しましたけれども、さはさりながら、後で振り返って、それほど私の場合は親しい関係でもなかった人から、結婚のお祝いとはいえ、これを受け取ったのはやはり軽率であったなということは深く反省しておるわけでございます。
#175
○保坂分科員 その反省する対象なんですけれども、ここで印象のやりとりだけじゃなく、具体的にもお聞きしたいのですが、さして親しくもない方というふうにおっしゃいましたけれども、その泉井さんとはどこでどんな形でお知り合いになって、どの程度のおつき合い、例えば何回か宴席を囲んだとかあると思います。全く知らない方ではないということなんですが、つき合いがどの程度の範囲、いつ始まったのか、これをお答えいただきたいのです。
#176
○涌井政府委員 この点につきましても、これが、去年、おととしてしたか、ちょっとテレビでもお話ししたと思いますが、多分あのときで五年前と言っていましたから六、七年前に、ゴルフのコンペがあるということで、それはその泉井さん一という人からお誘いを受けたわけじゃなくて、知っている人から、来ないかということで、ちょうど年末でしたので、あいていましたので行きました。それが多分最初ではないかな。その前に、もっと大昔に会ったかどうかというのは、ちょっと記憶が定がでないのです。
 それから、その後、食事をしようという話がありまして、そのときは、芸者さんとかそういうのが入らない席だったらお食事しましようということで、ゴルフ一回とお食事を一回したということでございます。
#177
○保坂分科員 まさに今、公務員倫理問題でこういうことが議論になっているのですけれども、その食事というのも、千円、二千円の食事をともにするというのではなくて、料亭でかなり高額なものを食べる。こういうことが、たとえ直接の監督権限がない業者あるいは民間人であっても、いさめるべきでないかという議論があるわけです。今のゴルフコンペあるいは食事の席の支払いはどうされましたでしょうか。泉井さんが持ったのでしょうか。
#178
○涌井政府委員 ゴルフのコンペ、これは大コンペですから、私はあのときは会費も多分払っていない。ゴルフコンペは、会費を払うケースと払わないケースとあるのですけれども、払っていないと思います。
 それから、会食のケースは、これは泉井さんの負担でございました。
#179
○保坂分科員 主計局長、その答弁を押さえて、まさにそういうことを戒めなければならないということが今問われているわけです。
 それについて、結婚のときなのでというお話でしたけれども、私どものつき合いの範囲ですと、結婚祝いといっても、相当親しい方でも三万円以内ぐらいのつき合いだ。恐らく、大蔵省の皆さんの、特に主計局長の歩んでこられた人脈あるいはおつき合いの世界では、二十万あるいは十万、そのぐらいのものは安いものかな、こういう認識があったのじゃないですか。
 それについて、もしなかったのであれば、ここがやはり問われているんだということについて、国民はみんなそこを問うているわけです。きょうの天声人語にも、絵のタイトルがまさに接待そのものを表現していたということが書かれておりますが、そこについては本当に正面から答えていただきたいと思います。
#180
○涌井政府委員 結婚のお祝いというのは、受け取るのは普通は一回、私の場合はたまたま二回ということになったわけですけれども、差し上げるケースは多々あるわけです。
 それは多分、例えば私が二十代の役人の時代の結婚のお祝いと、三十代、四十代、五十代、今私が差し上げるケースですと、例えば仲人をした場合には、正直申し上げて、やはり数十万のものを差し上げるのは礼儀なんですね、仲人するケースは。ですから、それはそのケース、ケースによってさまざまではないだろうか。例えば大蔵省の若い職員の結婚式というと、今、相場は我々でしたら多分五万円だと思うのですね。友人の息子さんの結婚式のときは多分十万円近く出すんじゃないでしょうか。これも大臣だともっと高く出すとか、人によって違うと思うのですけれども、だから、ここいらは三万円じゃなくてはいかぬかどうかというのは、なかなか難しいと思うのですね。
#181
○保坂分科員 そういうことを聞いていません。そういうことではなくて、一般論ではなくて、泉井さんとはさして親しくないわけですね。そういうふうにずっと答えられています。親しくもない人との関係で相当かどうかということを聞いているのです。
#182
○涌井政府委員 その点は、先ほど申し上げましたように、例えば現ナマで泉井さんから十万とか二十万もらったら、私は受け取らなかったと思うのですね。ごらんのとおりの絵で、しかもかつ、泉井さんは、自分の家に二十枚以上あるやつで、家にあるやつを贈るから、結婚のお祝いだから受け取ってくれというやつを、残念ながら、私の意思が弱かったのかもしれませんけれども、送り返す勇気は私にはありませんでした。
 ただ、告発した段階でしたら、向こうだってわかってくれると思うわけですよ、告発される段階に送り返したら、これだったら、とんでもないことをしてやろうとは多分思わないだろうな、そういうことを考えて実は返したわけですけれども、いずれにしても、最初に申し上げましたように、やや軽率であったということは深く反省しておるわけです。
#183
○保坂分科員 もう一度、具体的にお尋ねしますけれども、我々が見たら、プレートにシャガールというちゃんと名前が書いてあるのですね。絵柄とかを忘れるのは無理もないかもしれない、いろいろな絵が贈られてくるかもしれないのですが、しかし、シャガールというのは、さほど絵に詳しくなくとも、見たらそれは認識するんじゃないでしょうか。その点は、シャガールの絵だという認識はなかったのでしょうか。
#184
○涌井政府委員 これは、官房にも二年前に登録したときには、シャガールの絵かもしれない、シャガールの版画ということかもしれないけれども、ただ、もう箱に詰めて送り返したので確認ができないですということで、シャガールの可能性が高いということは実は認識していました。
#185
○保坂分科員 そうすると、今の答弁をずっと聞いていても、やはりここで涌井主計局長には、これだけのことで、感謝している、うれしいという言葉でこれを返された、本当にこれは国民が納得しないと思いますね。これだけの不祥事が連発して、大蔵省自体の腐敗が問われている、これは御自覚されていますね。
 例えば、この「論際」なんですけれども、こういった雑誌の存在ももちろん御存じでしたでしょうし、宴席にも参加されたことはありますよね。そのときの反省ということをきっちり踏まえていれば今日のような不祥事の展開はないという認識は、涌井さんはないのですか。自分がずっと正しかったという主張だけを今されているように思いますけれども、反省はないのですか。
#186
○涌井政府委員 先ほど申し上げましたように、振り返ってみて、テレビの前ではわきが甘かったかなという反省の言葉を述べたのですけれども、時点、時点で考えればやはり軽率であったということを反省しているということを申し上げております。
#187
○保坂分科員 それでは、これが問題になったきっかけは何だったのでしょう。週刊誌や新聞の報道とかというのは、それは真実でないものも含めて多々あると思いますが、この問題、実は主計局長自身がやや不注意だったということで処分されているわけですね。この問題が将来庁内で表面化した発端は何でしたか。これは官房長にお答えいただきたい。
#188
○武藤政府委員 一昨年の秋以降、新聞、雑誌等におきまして、泉井問題というのが報ぜられました。そういうことで、当時、大蔵省の中にも泉井氏と交友関係がある者がいるというような話がございまして、一昨年の秋以降、昨年の初めにかけまして事情を聴取いたしました。その際、当時の涌井官房長からそういうことについての申告があったということでございます。
#189
○保坂分科員 もう一度、涌井さんにお尋ねしますけれども、価格の判然としない美術品なのですね、これ。よく見てみなければわからないわけです。であれば、宅急便で返送されたそうですけれども、そのときに、万が一破損したらとか心配はされなかったのでしょうか。この辺も、世間の社会的な通念、我々の側から見れば幾らするかわからない絵を、しかも脱税問題でやられている最中に送り返すのであれば、少なくとも保険を掛けるなり美術品輸送の手配をするなり、ちょっとその辺の感覚がわからないのですが、宅急便でただぽんと送り返してしまったのでしょうか。
#190
○涌井政府委員 その点につきましては、保坂先生の方から、多分、質問主意書であったと思いますけれども、ごらんのとおりの版画でございましたので、普通の宅急便で返してよろしいのではないかなと。特別そう高価なものとは私は認識しておりませんでした。
#191
○保坂分科員 もう一度聞きますが、高価なものではないという認識は今も変わりませんか。大体、金額も出たわけですね、二十万円以上プラス手数料ということですが、いかがでしょう。
#192
○涌井政府委員 宅急便は多分、二十万とかそこいらまでは紛失した場合には補てんがなされることになっていますから、特別、保険を掛ける必要はないということだと思います。
#193
○保坂分科員 そういうことを聞いていなくて、仮に二十万だとします、二十万というものは、我々は、やはり親しくもない人からもらうにしては相当高価なものだという認識があるわけです。その点、主計局長、現在の認識はどうですか。
#194
○涌井政府委員 先ほども申し上げましたように、これは現ナマでは、現金でのお祝いではございませんので、先生に対する質問主意書でもお答えしたとおり、価格についての認識は、正直言って、これが幾らというふうに判断を私はできませんので、そういう認識はもちろんありませんでした。
#195
○保坂分科員 いや、そうじゃなくて、今、価格が明らかになったわけですね。ここを聞いてみると、どうですか、高価かどうかという認識は。
#196
○涌井政府委員 要するに、二十万という価格につきましては、例えば自分の兄弟からのお祝いだったら二十万云々でも問題ないと思いますけれども、泉井さんみたいなそれほど親しくない人でしたら、それは高価だなと思います。
#197
○保坂分科員 そういうふうにお認めになった上で、もう一点、この絵にかかわらずお尋ねしたいのですが、田谷・中島問題がありました。それから、先ほどお答えになっていました「論際」にも、涌井さんの名前が入った官界のいわば交流会、懇談会というやつですけれども、そのリストが私の手元にもあります。そういった宴席が持たれて、一応そこは反省しなければいけないということが、これはもう随分前でございますね、羽田大蔵大臣の時代ですから。そのときにあって、その後、やはり官房長の職にあって、あの大蔵省の規律に対するいろいろな国民の不信、疑惑が噴出した時期に、涌井官房長、当時最高責任者だった、これは間違いございませんね。としたら、そこの面で反省、一言ありませんでしょうか。
#198
○涌井政府委員 当時、私は官房長でございました。その点はそのとおりでございます。その点については、もうその辺は何度も申し上げましたとおり、これは決して言いわけではないのですけれども、やはり結婚のお祝いだったという点は、通常の、ただ物を贈ってきた点とは違うのではないかなと。さはさりながら、その点については先ほどからも何回もやはり軽率であったと申し上げているところでございます。
#199
○保坂分科員 松永大臣に、ここまでのやりとりをお聞きになって、大臣、予算委員長で証人喚問のやりとりもお聞きになっていると思います。私は、国会で絵が鑑定されるということは極めて不正常なことだと思いますよ。やはりいろいろな疑惑に対して大蔵省自身が情報開示をして、何か疑惑に値するものはみずからが率先して調査をして国民の前に明らかにする、あるいは、議員からの質問があれば情報はできるだけ出すというふうに方針を転換しなければならないと思います。
 今までの絵の鑑定のやりとりをお聞きになって、これでまた大蔵大臣はどのように感じたか、そしてこれからどのように立て直していくべきなのか、突っ込んだ答弁をお願いしたいと思います。
#200
○松永国務大臣 私は、この絵の問題は、去年の秋の臨時国会で泉井氏を証人として喚問した、そのとき私、委員長でございました。そのときにこの絵のことを知ったわけであります。
 そして、その絵の処置については、委員の方から、ぜひ現物を見る必要があるという御主張がございまして、これは委員の属する社民党の、理事会のオブザーバーになるのですか、上原さんともよく相談いたしまして、とにかく、ではその絵を委員会に、理事会に取り寄せようというわけで、深谷筆頭を中心にして努力がなされたわけです。最初のうちは泉井氏の家にあるということであったのでありますけれども、結局それはない、当局の方に押収されているということがわかりまして……(保坂分科員「今の答弁を聞いての感想」と呼ぶ)そういう経過で、そして深谷筆頭が非常に絵に詳しい人でありまして、そして絵の価格についても、深谷氏は深谷氏なりのことを言っておりました。
 しかし、今度正式に絵の鑑定の価格も出たわけでありますが、実は私も絵についてはほとんど関心はないのです。したがって、私は絵をもらっても少しもありがたいとも思わないし、ほとんど感じないです、絵は。したがって、絵というものは、もらう人の、絵についてどういう認識を持っているのかということで価値はいろいろ違うのだろうと思うのです、私は。
 しかしながら、鑑定が出たことでありますから、それは結婚のお祝いということであったとしても、先ほど涌井局長はわきが甘かったという言葉がありましたが、それで送り主の泉井氏が問題がある人ということもわかったので、直ちに返送したという経過だということは前から知っておりました。
 したがって、このことについては、ほかのこととのかかわりも全体としての調査をしておるわけでありますから、その調査がまとまった段階で、涌井氏についても、これ以外に公務員倫理に反することがあったのかなかったのか、このことを含めて最終的な調査もして、そして公務員倫理に著しく反するという事態があったのかどうか、そういった点をひとつ調査をした上で、国家公務員法、人事院規則等々に基づいて、そして厳正な措置をしなければならない、こういうふうに思っているところでございます。
#201
○保坂分科員 もう簡明に一言で構わないのですが、鑑定の結果について、主計局長はうれしかったというふうにおっしゃったのですね。これは、国民は納得しないと思います。このことについて、大蔵大臣がどういうふうに受けとめたのかという点と、先ほど証券局長がお答えになった、飛ばしは違法行為じゃないということで、今後大蔵省はいくのかどうか、この二点だけお答えになつてください。
#202
○松永国務大臣 涌井局長の先ほどの言葉は、世間で一億だとかなんとかで非常に高価なものだというふうに言われておったのが正式に価格がわかったので、その面、一億ものものをいったんはもらったのかという、そういう点についての疑惑は晴れた、結婚祝いとして届けられたものは二十万のものであった、一億と二十万では全然感じが違いますから、それが明らかになったというのでよかったというか、うれしかったというか、そういう率直な気持ちだったろうと思うのです。結婚祝いという名目ではあったけれども、それほど親しくない人から受け取ってしまったということについては、わきが甘かったという反省の言葉があったわけですね。それはそれとして、私はそのとおり受けとめました。それからもう一つ、飛ばしということ。これは正式の証券取引上の言葉というよりは、何といいましょうか、商売人の言葉だろうと思うのでありますけれども、違法なものと違法でないものがある。違法なものについては、これは厳重に措置をしていかなければならぬ、こういうふうに思うのでありますが、その飛ばしという意味で、必ずしも違法でないものもあるという説明があったわけでありますが、違法でないものについては、それはそれとして対応しなければならぬでしょうけれども、違法なものがないようにすることが大事だというふうに思います。
#203
○保坂分科員 もう時間になりましたからやめますけれども、やはりこういう鑑定があったことについては不名誉なことというふうにとらえていただくのが筋だと思います。そして、大蔵大臣に重ねてお願いしますけれども、一般論として昨日、証人喚問があったのではなくて、これは東急百貨店という具体的な催告書というのがあっての話ですから、そこのところは本当に今後の日本のマーケットの信用にもかかわる大きな問題ですので、きちっと再調査してけじめをつけていただきたいと思います。
 終わります。
#204
○久野主査代理 これにて保坂展人君の質疑は終了しました。
 以上をもちまして大蔵省所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#205
○久野主査代理 次に、外務省所管について政府から説明を聴取いたします。小渕外務大臣。
#206
○小渕国務大臣 平成十年度外務省所管一般会計予算の概要について御説明申し上げます。
 外務省予算の総額は七千四百七十九億一千二百万円であり、これを平成九年度予算と比較しますと二百六十八億八千七百万円、三・五%の削減となっております。
 今日の国際社会においては、冷戦終結後の新たな国際秩序の構築に向け、依然としてたゆみない努力が続けられておりますが、地域紛争や軍縮・不拡散の問題、環境問題を初めとする地球規模の問題が山積しています。また、昨年夏以来のアジアの通貨・株式市場の変動は、我が国を含む世界全体に影響を及ぼしております。こうした課題を前に、我が国は増大する国際社会の期待にこたえ、その国際的地位、影響力にふさわしい、積極的で創造性豊かな役割を果たしていく責任があります。
 このような観点から、我が国外交に課せられた使命は極めて重大であり、平成十年度においては、厳しい財政事情のもとではありますが、外交実施体制の強化と外交施策の充実強化の二点を重点事項として、予算の効率的配分を図っております。
 まず、外交実施体制の強化に関する予算について申し上げます。
 定員の増強につきましては、危機管理・安全体制の強化を中心として、本省及び在外公館合計で九十三名の増員を図り、平成十年度末の外務省予算定員を合計五千百六十九名といたしております。また、機構面では、政務次官の増置及び在デンバー総領事館の新設等を予定しております。
 さらに、在外公館の機能強化につきましては、在外公館施設等の強化及び危機管理体制・海外邦人安全対策の強化のための経費四百十億円を計上しております。
 加えて、外交政策策定の基盤となる情勢判断を的確に行うために不可欠な通信・情報収集等、機能の推進に要する経費として五十五億円を計上しております。
 次に、外交施策の充実強化に関する予算について申し上げます。
 外交施策の充実強化の三つの柱は、二国間援助等の質的改善、平和・安全、軍縮及び開発のための協力、そして国際文化交流の推進であります。
 まず、平成十年度政府開発援助(ODA)につきましては、一般会計予算において財政構造改革の推進に関する特別措置法の規定を踏まえ、政府全体で対前年度比一〇・四%の減額を図っておりますが、所管の枠を超えた思い切った総合調整が行われた結果、外務省予算においては対前年度比四・八%減となっております。このうち無償資金協力予算は対前年度比八・八%減の二千四百三億円を計上しておりますが、その内訳は、経済開発等援助費が千九百九十五億円、食糧増産等援助費が四百八億円であります。
 また、我が国技術協力の中核たる国際協力事業団の事業費として、対前年度比一・八%減の千七百六十二億円を計上しているほか、国際協力事業団の定員につき四名の純増を図る等、援助実施体制の強化に努めております。
 次に、平和・安全、軍縮及び開発のための協力でありますが、国際社会全体の繁栄及び安定の実現が、我が国みずからの安全及び繁栄を確保する上で不可欠となっている今日、国連を中心とした多数国間協力の役割や重要性が増大している中で、我が国の国際的地位に見合った責務を果たすべく、軍縮・不拡散分野における貢献や開発に対する支援を積極的に行い、また北方領土問題の早期解決に向けた取り組み等を行うため、総額三十六億円を計上しております。
 次に、国際文化交流の推進でありますが、異なる文化間の相互交流を促進し、世界の文化をより豊かなものにするため各種の施策を盛り込んでおります。特に、我が国の世界遺産保護への積極的な貢献を内外に効果的に訴えるべく、世界遺産委員会会合を本年本邦において開催するため四千七百万円を計上しております。
 以上が外務省所管一般会計予算の概要であります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 なお、時間の関係もございますので、詳細につきましてはお手元に「国会に対する予算説明」を配付させていただきましたので、主査におかれましては、これが会議録に掲載されますようお取り計らいをお願い申し上げます。
#207
○久野主査代理 この際、お諮りをいたします。
 ただいま小渕外務大臣から申し出がありましたとおり、外務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載したいと存じますが、御異議はありませんでしょうか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#208
○久野主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
   外務省所管平成十年度予算の説明
 外務省所管の平成十年度予算について大要を御説明いたします。
 予算総額は七千四百七十九億千二百四十六万四千円で、これを主要経費別に区分いたしますと、経済協力費五千二百八十五億百七十四万七千円、エネルギー対策費五十五億七千六十九万一千円、その他の事項経費二千百三十八億四千二万六千円であります。また「組織別」に大別いたしますと、外務本省六千二百五十五億六千五百八十万六千円、在外公館千二百二十三億四千六百六十五万八千円であります。
 只今その内容について御説明いたします。
   (組織)外務本省
 第一 外務本省一般行政に必要な経費三百二十七億九千七百二十三万三千円は、「外務省設置法」に基づく所掌事務のうち、本省内部部局及び外務省研修所において所掌する一般事務を処理するために必要な職員二千十名の人件費及び事務費等、並びに審議会の運営経費であります。
 第二 外交運営の充実に必要な経費百四億九千八百八十九万七千円は、諸外国との外交交渉により幾多の懸案の解決をはかり、また、各種の条約協定を締結する必要がありますが、これらの交渉を我が国に有利に展開させるため本省において必要な情報収集費等であります。
 第三 情報啓発事業及び国際文化事業実施等に必要な経費百八十六億二千二百四十九万円は、国際情勢に関する国内啓発、海外に対する本邦事情の紹介及び文化交流事業等を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な経費並びに国際交流基金補助金百五十一億六千二百九十一万八千円及び啓発宣伝事業等委託費七億四千二十二万三千円等であります。
 第四 海外渡航関係事務処理に必要な経費百十三億八千八百二十三万四千円は、「旅券法」に基づく旅券の発給等海外渡航事務を処理するため必要な経費であります。
 第五 諸外国に関する外交政策の樹立等に必要な経費五十九億六千四百四十四万三千円は、アジア、北米、中南米、欧州、大洋州、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整を行うため必要な経費と財団法人交流協会補助金十八億七千九百五十万円、財団法人日本国際問題研究所補助金六億五百九十九万六千円、社団法人北方領土復帰期成同盟補助金五千百九十万一千円、社団法人国際協力会等補助金一億四千三百二十二万二千円、インドシナ難民等救援業務委託費六億七千七十八万七千円であります。
 第六 国際経済情勢の調査及び通商交渉の準備等に必要な経費二億九千八百五十万八千円は、国際経済に関する基礎的資料を広範かつ組織的に収集し、これに基づいて国際経済を的確に把握するための調査及び通商交渉を行う際の準備等に必要な経費であります。
 第七 条約締結及び条約集の編集等に必要な経費五千九十七万六千円は、国際条約の締結及び加入に関する事務処理並びに条約集の編集及び先例法規等の調査研究に必要な事務費であります。
 第八 国際協力に必要な経費二十四億五千四百九十五万五千円は、国際連合等各国際機関との連絡、その活動の調査研究等に必要な経費及び各種の国際会議に我が国の代表を派遣し、また、本邦で国際会議を開催するため必要な経費と財団法人日本国際連合協会等補助金四千二百十一万一千円であります。
 第九 外務本省施設整備に必要な経費九億三千六百二十五万四千円は、外務本省庁舎等の施設整備に必要な経費であります。
 第十 経済技術協力に必要な経費六十四億千三百六十七万五千円は、海外との経済技術協力に関する企画立案及びその実施の総合調整並びに技術協力事業に要する経費の地方公共団体等に対する補助金三十二億五千七百八十七万七千円等であります。
 第十一 経済開発等の援助に必要な経費二千四百四億五千九百六十六万六千円は、発展途上国の経済開発等のために行う援助及び海外における災害等に対処して行う緊急援助に必要な経費であります。
 第十二 経済協力に係る国際分担金等の支払に必要な経費千五十四億二千四百一万一千円は、我が国が加盟している経済協力に係る各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。
 第十三 国際原子力機関分担金等の支払に必要な経費五十五億七千六十九万一千円は、我が国が加盟している国際原子力機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。
 第十四 国際分担金等の支払に必要な経費八十四億八千百三十七万八千円は、我が国が加盟している各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。
 第十五 国際協力事業団交付金に必要な経費千七百二十九億三千四百三十九万五千円は、国際協力事業団の行う技術協力事業、青年海外協力活動事業及び海外移住事業等に要する経費の同事業団に対する交付に必要な経費であります。
 第十六 国際協力事業団出資に必要な経費三十二億七千万円は、国際協力事業団の行う施設取得等に要する資金に充てるための同事業団に対する出資に必要な経費であります。
  (組織)在外公館
 第一 在外公館事務運営等に必要な経費八百六十五億二千九百六十六万四千円は、既設公館百七十八館六代表部と平成十年度中に新設予定の在デンヴァー総領事館設置のため新たに必要となった職員並びに既設公館の職員の増加、合計三千百五十九名の人件費及び事務費等であります。
 第二 外交運営の充実に必要な経費二百二十三億九千五百九十九万二千円は、諸外国との外交交渉の我が国に有利な展開を期するため在外公館において必要な情報収集費等であります。
 第三 対外宣伝及び国際文化事業実施等に必要な経費四十億千二百九十七万四千円は、我が国と諸外国との親善等に寄与するため、我が国の政治、経済及び文化等の実情を組織的に諸外国に紹介するとともに、国際文化交流の推進及び海外子女教育を行うため必要な経費であります。
 第四 自由貿易体制の維持強化に必要な経費二億九千四十一万二千円は、自由貿易体制の維持強化のための諸外国における啓発宣伝運動を実施する等のため必要な経費であります。
 第五 在外公館施設整備に必要な経費九十一億千七百六十一万六千円は、在ドイツ大使館事務所新営工事(第一期工事)、在イスラエル大使公邸新営工事(第一期工事)、その他関連経費であります。
 以上が只今上程されております外務省所管平成十年度予算の大要であります。
 慎重御審議のほどをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#209
○久野主査代理 以上をもちまして外務省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#210
○久野主査代理 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中林よし子君。
#211
○中林分科員 日本共産党の中林よし子でございます。私は、まず米軍機の低空飛行訓練の問題で質問させていただきます。
 先月三日に、イタリアのスキー場で低空飛行訓練中の米軍機がロープウェーのケーブルを切断して二十人が死亡した事件というのは、日本でも大変な怒りと、そして不安を呼び起こしております。
 とりわけ中国山地に沿ったところ、ここは米軍機のブラウンルートと一般的に呼ばれているわけですけれども、ここでは住民に対する被害がずっと続いております。このルートの下ではひどい爆音で、驚いた牛が暴れて搾乳機が外れたとか、あるいはうるさくて授業が中断するとか、赤ちゃんが驚いて泣き出すなどの被害の苦情が相次いでおります。
 広島県の県北地域では、自治体の首長さんや地域の労働組合あるいは住民団体が一緒になって、米軍の低空飛行の即時中止を求める県北連絡会が昨年六月につくられました。そこには、今十六の町村長さんも加わっております。十六といえば、広島県の中国山地の自治体ほとんどだと言っても過言ではございません。同会の会長は君田村の藤原清隆村長なんですけれども、今回のイタリアの事故について、いっここで同じような事故が起こるか、私たち低空飛行訓練ルートの下の住民はその危険と絶えず紙一重で生活しています、こういうふうに不安を語っておられます。そして、早く危険なこの低空飛行訓練はやめてほしい、このように言い、今月二日には、この会は、クリントン・アメリカ大統領と橋本首相に、低空飛行訓練の中止を求める要望書を送付しておられます。
 また、全国十四都道県でつくる渉外関係主要知事連絡協議会は、昨年の七月に、低空飛行の実態解明と飛行中止に加え、新たに日本の航空法を米軍機にも適用することを政府に求めております。
 そこで、外務省にお伺いするわけですけれども、ブラウンルート、これは一体どこからどこまでなのか、そして、どのような経路で飛ぶルートなのか、また低空飛行の高さの制限、これは米軍に対してやっているのか、実際は米軍機はどのぐらいの高さで飛んでいるのか、お答えいただきたいと思います。
#212
○高野政府委員 まず、この中国地方を含めまして、米軍の低空飛行による、あるいはこれに関連していろいろ地元の方々から問題の提起、陳情等をいただいているところでございます。この点については外務省もこれを真剣に受けとめておるということをまず申し上げたいと思います。
 今、具体的に中国山中を飛ぶブラウンルートということでございますが、一般論で恐縮でございますけれども、在日米軍の飛行ルートにつきましては、米軍が、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響の抑制など、必要性を安定的に満たすとの観点から一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあることは外務省として当然承知しておりますけれども、具体的なルート等の詳細は、米軍の運用にかかわる問題であり承知していないということで、この点は従来から国会の場においても御説明しているとおりでございます。
 それから、具体的な飛行を行う場合の高さでございます。この点に関しましては、我が国においては、現在、航空法第八十一条及びこれに関連する施行規則に基づきまして、「航空機は、」原則として一定の「高度以下の高度で飛行してはならない。」ということとされております。
 在日米軍に関しましては、飛行訓練に当たっては、我が国の航空の安全に最大限の考慮を払い、航空法に言う最低安全高度、これは、省令で、有視界方式により飛行する航空機につきましては、人家の密集していないところにおいては人または物件より百五十メートルの距離を保って飛行できる高度とされておりますが、この最低安全高度を尊重し、規定された高度以上で飛行しているというふうに承知しております。
#213
○中林分科員 ルートの存在は知っているけれども、それぞれのところのルートについては米軍の運用の問題なのでということをおっしゃったわけですけれども、しかし私は、本当にこのルートを国民に公表しないままでは安全は担保されないだろうというふうに思うわけです。
 一九九四年に高知県の早明浦ダムに米軍機が墜落しまして、その事故に対する調査報告書というのがあるわけですけれども、この報告書にはルートが番号を打って書かれているわけです。そうしますと、この早明浦ダムの事故報告書から見ると、幾つ日本にはその米軍のルートがあるというふうになっていますか。
#214
○高野政府委員 今委員御指摘の早明浦ダムにおける米軍機の事故に関する米国の報告書においては、特定の名前を付した飛行ルートが言及されていることは私どもも当然承知しておりますが、飛行ルートの具体的な位置については詳細に言及していないというふうに聞いております。
 幾つという御指摘でございますが、一例として申し上げれば、この事故報告書の中にNTRオレンジというような名前とか、そういう名前で飛行ルートと思われる名前が書かれている、記述されていることは事実でございます。
#215
○中林分科員 事実は知っているけれども、それぞれがどこの部分を指しているかということについては、まあわかっているのかもしれませんけれども、国民には明らかにされておりません。こういうことでは本当に安全が保たれるのでしょうか。
 私は、この間のイタリアの事故で、イタリアでは六百メートル以上でなければならないというふうに新たに高さ制限を要求し、米軍機もそれに適用を受ける、こういうことになっているわけですけれども、日本の場合は、早明浦ダムの事故に見られるように、もう本当に低いところを飛んでいる。百五十メートル以下は飛ばないはずだ、このようにおっしゃったけれども、はるかにそれを下回って飛んでいる事情があるわけですから、ここに書いてあるオレンジルートどかブラウンルートとかそういういろいろなルート、一体どこからどこまでかということは調査をして国民に知らせるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#216
○高野政府委員 先ほどの在日米軍の飛行ルートということでございますが、私どもの理解では、米軍は、低空飛行訓練を実施するに際して、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響をできる限り抑制するというような観点から、安全に影響のある障害物、騒音被害を与えてはならない場所等種々の要素を検討して、継続的に飛行する経路を見直しをしながらやっているということでございます。
 そういうことを私ども承知しておりまして、その具体的なルートの詳細、これについては、米軍の運用上の問題ということでございまして、私どもは承知しておりません。
 他方、今委員がおっしゃいましたイタリアの重大な事故があったことは事実でございますし、あの事故が発生して、一つの契機といたしまして、従来から行っておりますこの低空飛行に関連した安全の確保、安全対策ということについて再度申し入れをしておりまして、例えば、今月の十三日に東京で行われました日米安保事務レベル協議におきましても、この点を再度申し入れております。
 現実に、私ども米側と話し合いを始めておりまして、安全対策ということで何ができるかということは、私どもとしては真剣に米側と話し合いたいというふうに思っております。
 イタリアの事故報告はとりあえずのものは出ているようでございますが、安全対策面で今委員がおっしゃった六百メートルにするということ、報道では承知しておりますけれども、安全対策面で最終的な措置と申しますか、どういうことをするということはまだ決まっていないというのが私どもが確認している情報でございます。
#217
○中林分科員 大臣、我が党の志位書記局長が、予算委員会でこのルートの問題を、公表して、本当に最低限それは国民に明らかにしなければ、安全の確保をどういうふうにやっていくかということをさまざまなレベルの協議でアメリカ側とやっていくんだ、実際やっているんだとおっしゃってみても、国民に対して公表しない、それから、例えば高さ制限をアメリカの飛行機にも適用するということがなければ、やはり具体的なものがなければ安全を確保できるというふうに私どもは信じがたいわけですよ。だから、イタリアのような事故がいつ起こるかわからないとこれだけの心配をしているときですから、もう少し具体性の持つ、せめてルートは地図上にチャート化するというようなことはできないものでしょうか。
    〔久野主査代理退席、主査着席〕
#218
○高野政府委員 繰り返してございますが、高さ制限の問題に関しましては、航空法で言う最低安全高度を米側としては尊重するということで言っておりますし、いろいろな報道等で百五十メートル以下の飛行があったんではないかというような御指摘をいただいていることも私ども十分知っておりますが、その都度、米側にその点を我々は注意喚起し照会しているわけでございますが、その結果は常に、日本の航空法に言う最低安全高度は尊重してやるということが米軍としての、また、この低空飛行を行うに際しての基本的な政策であるということを言っておりますので、その点は、私どもとしてはそのように理解しているわけでございます。
 ルートの件は、先ほど申し上げましたとおりでございまして、そのような事故報告書にもブラウンルート等の言及があることは事実でございますが、それが具体的にどの点からどの点だという詳細については私どもも承知していない。これは、常に米側として見直しをしていて、一番安全なルートを決めてきているというふうに理解しております。
    〔主査退席、久野主査代理着席〕
#219
○中林分科員 動くルートだからというようなこともおっしゃるわけですけれども、動いていようとも、その動くたびに公表するということはもう当然過ぎる。安全確保の上で、どういうルートかということを私たち国民が知らないでその安全を確保されているということは到底信じがたいということを強く言い、今後の協議において少なくとも公表されるべきであろうということを大臣にも強く要望して、次の質問に移りたいと思います。委員長、済みませんが、ちょっと大臣によく御理解いただくために、この地図をお渡ししてもよろしいでしょうか。
#220
○久野主査代理 はい、どうぞ。
#221
○中林分科員 自衛隊の訓練空域として、今大臣に地図をお渡ししたわけですけれども、島根県の西部から山口、広島県にまたがるエリアQというところ、黄緑のところで、横にしているところですけれども、エリアQ。それから、エリア7といって、この下の方があります。この一帯は、図のようにここに石見空港という民間の空港、県営の空港ですけれども、これがございます。そういうものを含む地域です。
 このエリア内での訓練は、小さい三角形部分では一万四千フィートから二万三千フィート、つまり四千二百メートルから六千九百メートルの高高度に制限されています。一方、オレンジのところ、これは地表部分から一万一千フィート、三千三百メートルまでの低いところがエリア7というふうに言われ、その上のところは、エリアQの一緒になっているところです。
 運輸省にお尋ねしますけれども、自衛隊の訓練空域はどのような理由、目的で設定されていますか。また、このエリアの中で、小さい、この下の部分が除外されているのはどういう理由からでしょうか。
#222
○田崎説明員 お答えいたします。
 先生お尋ねのエリアQ、エリア7につきましては、民間航空機が飛行します空域と自衛隊の訓練空域を分離する目的で昭和四十六年に策定されました航空交通安全緊急対策要綱に基づきまして、当該訓練空域周辺に位置します自衛隊飛行場の訓練機のために設定されたものでございます。
 それから、一部低高度部分を削減した部分でございますが、平成五年に石見空港が供用開始されましたが、これに伴いまして、同空港にかかわります進入、出発機のための空域を確保する観点から、エリア7の一部それからエリアQの一部低高度部分につきまして、これは防衛庁と協議の上、削減したものでございます。
#223
○中林分科員 今説明をお聞きしまして、一九七一年の雫石事故でそれぞれの飛行機の安全を確保するというために、こういう自衛隊の訓練空域が決められたということでした。
 それで、主として防衛庁にお伺いするわけですけれども、このエリアQとエリア7、ここではそれぞれどんな訓練をされているのでしょうか。それからまた、この訓練空域外で訓練をされることがあるのでしょうか。
#224
○長谷川説明員 お答え申し上げます。
 まず、Q訓練・試験空域でございますけれども、これにつきましては、戦闘航空団でございます航空自衛隊第八航空団、これは築城の基地に所在しておるものでございますが、この航空団がF1及びF15型機を使用して要撃戦闘訓練を実施しております。また、委員がおっしゃいました7の空域、当方ではNR7と呼んでおりますけれども、この訓練・試験空域におきましては、操縦学生の初級操縦教育を任務とする航空自衛隊第十二飛行教育団、これは防府北基地に所在しておるものですが、この教育団がT3型機を使用して基本的な空中操作、編隊飛行、航法訓練などを実施しております。
 それで、これらの空域外でも訓練を行っているのかという御質問でございますけれども、自衛隊が行う訓練の中でも特に曲技飛行とか操縦練習飛行等の訓練、これにつきましては航空法に関連の規定がございまして、それぞれ航空法第九十一条及び第九十二条の規定があるわけでございますけれども、これにつきましては運輸大臣の許可を得る必要があるということでございまして、その許可を得た上で、航空安全に留意しながら教育訓練を実施しているところでございます。
 他方、今申し上げました曲技飛行とか操縦練習飛行に該当しない、平たく申しますと、より簡易な訓練につきましては、必ずしもこの空域で行わなくてはいけないということでもございませんので、そういうものにつきましては空域外で行っているものもございます。
#225
○中林分科員 例えばドッグファイトみたいな訓練はやっておりますか。
#226
○長谷川説明員 ドッグファイトは、先ほどQの訓練・試験空域のところで戦闘訓練を行っているという御説明をしまして、ドッグファイトというのは対戦闘機戦闘訓練のことを指しておられるのかと思いますけれども、そういう意味でございますれば、先ほど説明しておりますように、運輸大臣から許可を得た上で、訓練・試験空域において行っているということでございます。
#227
○中林分科員 この質問をするに当たって、防衛庁の方からかなりこの訓練空域での訓練の話をお伺いしましたけれども、なかなか陸上部でそういう戦闘訓練というのは、わざわざここでしなくても、この海上沖にN空域というのがあって、そちらの方で、海上の方で存分にやれるというお話がございました。
 そういう意味で、このエリアQ、エリア7を、実は米軍がエリア567と呼んで訓練をしているということは、たびたび報道で明らかになっております。それで、この空域を米軍に調整し合いながら貸しているのだと防衛庁はおっしゃっているわけですけれども、米軍はこの空域をどの程度使用しておるか、それからまた、どんな訓練をしているのか御承知でしょうか。防衛庁。
#228
○長谷川説明員 お答え申し上げます。
 自衛隊の訓練・試験空域につきましては、自衛隊以外の者がこれを使用する際には、運輸省が発行しております航空路誌、AIPと我々は呼んでおりますけれども、これにおきまして、航空交通の安全確保の見地から、使用の都度自衛隊と調整することとされているわけでございます。
 したがいまして、米軍が、委員御指摘の7の訓練・試験空域を使用する場合も、今説明しました航空路誌を踏まえまして、空域の使用について調整をしているわけでございますが、この調整事項は使用する時間帯に限定されておりまして、訓練内容についてまで調整するということにはなっていないわけでございます。
 したがいまして、防衛庁としては、米軍機がそこで行っている訓練内容については承知するべき立場にないということでございます。
#229
○中林分科員 実は、余りにも頻繁な低空飛行訓練その他の訓練があって住民がおびえているという状況がありますので、広島県が岩国米軍基地に対して、大体ここでどういうような訓練を、どのように、いつやっているかということを問い合わせた回答がここにあるのです。英語なので、私も余り得意ではありませんけれども、それを訳した文も手に入れているわけですが、ここで、エリア567はいつからこういうことで使っているのかという問いに対して、定期的に、日常的にやっているのだ、こういう回答になっております。
 こうなると、私は、本来これは自衛隊の訓練空域だと設定されているにもかかわらず、自衛隊の訓練というのは、初心者向けのエリア7、上空の方は、海上の方でNという訓練空域がありますから、むしろそちらの方でやった方がいいんだという話もありまして、自衛隊よりもむしろ米軍機の訓練に占用されているのではないか、むしろ脱法行為ではないか、こういうような疑いを持たざるを得ません。
 運輸省として、本来自衛隊の訓練空域として使用しているにもかかわらず、ほとんど毎日、日常的に米軍が使っていいとおっしゃるのでしょうか。
#230
○長谷川説明員 自衛隊の訓練・試験空域につきましては、先ほど運輸省からも説明がございましたように、昭和四十六年八月の航空交通安全緊急対策要綱に基づきまして、航空交通の安全確保の見地から設定されているものでございまして、この空域につきまして、もとより、自衛隊以外の者がこれを使用することを禁止するというような性格を有するものではなくて、自衛隊、防衛庁といたしまして、第三者に対して訓練・試験空域の使用を禁止あるいは許可する立場にはないということでございますし、繰り返しになって恐縮でございますけれども、自衛隊以外の者がこの空域を使用する場合には、航空交通安全確保の見地から、先ほど言いました航空路誌において、使用の都度自衛隊と調整することとなっているということでございます。
#231
○中林分科員 私は、本当に住民の安全を守るということで、米軍機の訓練についてまで知る立場にないというようなことで逃れることは、許されないことだというふうに思います。
 実際、このエリア7、エリアQでどんな米軍の訓練が行われているかということの目撃が、頻繁にテレビでも報道される、新聞でも報道されるということなんですが、ちょっと紹介をしてみたいと思います。
 まず、自衛隊が低空で初心者向けの飛行訓練を一しているというエリア7なんですが、ここに大臣、石見町というのを書いておりますが、ここの石見町の日高昭夫さんという方が昨年の四月二十九日の午前十一時四十六分に自宅から撮影した八ミリビデオには、二機の米軍機が追撃訓練、いわゆるドッグファイトをしていることがおさめられております。それから、石見町周辺では、窓ガラスが二十カ所も割れたり、ビニールハウスが破れるなどの被害が出て、いかに激しい戦闘訓練が行われているかということが明らかになっております。
 ここに実は、石見町に在住の方の米軍機が飛んできた記録が、克明に、何日何時からどのような形でというのが、ずっと記録されております。一日に何度も低空で来ているということです。百五十メートル以下は飛ばないとか、日本の航空法を遵守しているとか、そういうお話がありましたけれども、とてもそれを守られているようには思えません。
 さらに、実は私、昨年十二月ですけれども、この石見空港周辺、つまり訓練空域から除外されている下のところです、小さい三角形のところですけれども、ここでもさまざまな目撃証言をお聞きしてまいりました。
 例えば、ここに、烏帽子山という三百三十九メートルのところなんですけれども、それすれすれに米軍機が飛んでいるという証言をたくさんの方々が口々にされました。この烏帽子山というのは、石見空港から十キロぐらいしか離れていない、そういうところです。ですから、本来ならば自衛隊も訓練してはならない、そういうところを米軍機が飛んでいるということになるというふうに私は思います。
 そこで、私はどうも、平成五年に石見空港が開港してからこれは除外されているのですけれども、除外されているということを米軍が知らないのではないか、そう思われるような訓練がされております。
 そこでお伺いするわけですけれども、運輸省は米側に、石見空港開港に当たって、ここは除外されたということを伝えてあるのでしょうか。
#232
○田崎説明員 訓練空域の設定または変更等につきましては、航空関係者に提供されます、先ほど出ました航空路誌、AIPに掲載することとしております。当該AIPにつきましては、もちろん米軍にも配付されているところでございます。
#233
○中林分科員 終了時間になったのですけれども、これは非常に重要なことですので。外務省は、これが除外になったことは伝えてあるのでしょうか。あるいは防衛庁は、伝えてあるのでしょうか。それぞれ、いかがでしょうか。
#234
○高野政府委員 今、御答弁ございましたが、このような情報は、航空路誌、AIPで掲載されているというふうに聞いておりまして、外務省として特に米側に伝えているということはございません。
#235
○長谷川説明員 防衛庁、自衛隊としても、米軍に伝えているということはございません。
#236
○中林分科員 大臣、非常に重要な問題、ここは民間飛行場なんですよ。それが、除外されているにもかかわらず、これだけの目撃証言があるということですから、私は少なくとも、外務省としても、こういう米軍機の違法な訓練といいましょうか、住民に不安を与えるような訓練の苦情の窓口をぜひ設けていただくし、安全を担保していただきたいということを最後にお願いしたいと思うのですけれども、一言だけお願いします。
#237
○小渕国務大臣 従来から外務省といたしましては、国民の方々の御要望や御意見というものは拝聴していかなきゃならぬ、こう思っております。今後とも適切に対応してまいりたいと思っております。
#238
○中林分科員 終わります。
#239
○久野主査代理 これにて中林よし子君の質疑は終了いたしました。
 次に、山原健二郎君。
#240
○山原分科員 今の中林さんの質問と同傾向の質問でございます。
 三月五日に、米国防総省のベーコン報道官が外国プレスセンターで記者会見をしまして、米軍機が訓練中に毎年五十機以上墜落していることを明らかにしております。飛行訓練というのは、このように危険を伴うものであることは、皆さんも御承知と思います。政府は米軍に訓練中止を要請せず、米軍は、我が党を初め関係住民、首長あるいは議会のたび重なる抗議、中止要求をも無視して、低空飛行訓練を続けている。
 私は、一昨年のこの分科会で、低空飛行訓練の問題について取り上げたことがありますが、そこで、九四年の十月十四日に起こった、先ほども名前が出ましたけれども、高知県早明浦ダム米軍機事故について、九五年八月に米海軍省に開示請求をして入手した高知新聞の資料が既に存在するにもかかわらず、なぜ外務省からは出せないのかと問うたことがございます。
 まずこの点についてお尋ねしたいのですが、事故後、二年五カ月後の九七年の三月三十一日に、外務省から米国側の調査報告書が出ています。四月一日、高知県及び高知県嶺北地域の五カ町村に広島防衛施設局総務部業務課が訪れ、調査報告書を届けておりますが、外務省からは何の連絡も説明もなかったのであります。
 この事故報告書は、米国で作成されて、日米合同委員会の合意を得て公表されたと聞いておりますが、この九七年三月三十一日の事故報告書の外務省からの正式な公表が、開示の時期よりもずっとおくれて、約七カ月たった後に行われたわけですが、この日米合同委員会の合意とはどんなものであったのか、この点についてまずお尋ねしたいのです。
#241
○高野政府委員 米軍の航空機事故の調査報告書に関しましては、沖縄における特別行動委員会、いわゆるSACOでございますが、その作業の過程で、日米両政府間において、米国政府が日本政府に対し提供するための適切な方法につき検討することとされて、平成八年十二月二日に、日米合同委員会において米軍航空機の事故調査報告書の提供及び公表に関する手続が承認されたわけでございます。
 今先生御指摘の早明浦ダムに関する事故報告書は、この提供手続を踏まえまして、平成九年三月二十七日に調査報告書が日本側に手交されまして、同月三十一日にこれらの報告書を、これは早明浦ダムの事故だけではなくてほかの事故も含めてでございますが、これらの報告書を公表することとしたわけでございます。関係の地方公共団体、この場合には高知県でございますが、早明浦ダムの事故報告書に関しましては、四月一日に手交を申し上げたという経緯がございます。
#242
○山原分科員 情報公開で開示されておりますのに、合同委員会があっても発表がない。私に言わすと、日本の態度というのは余りにも屈辱的ですね。
 御承知のように、早明浦ダムというのは私のふるさとです。私は飛行機が飛ぶのを毎日見ているのです。これはすごいものでして、常時ここに私はおるわけではありませんけれども、物すごい爆音と、そして低空飛行が繰り返し巻き返し行われているわけですが、その意味で、本当にこれは深刻な事態としてとらえてもらわないと困るのです。ただごとではないのです。
 一九九四年十月十四日に、高知県の早明浦ダムに米軍機AEイントルーダーが墜落をし、一つ間違えば大惨事だったとこの前も私は申し上げましたが、村長に言わすと、もう危なくて、幼稚園がそばにあるのですからね。高知県本山町ではこれ以来監視活動をしていますが、それによりますと、昨年九七年、目撃されただけでも延べ八十七回、四十八日も飛来しています。九七年二月には、一日七回も飛来しているという事態が報告をされております。
 また、高知県では、本年の二月二十六日、総務部長名で、米軍機の低空飛行訓練の中止を外務省北米局日米安全保障条約課長に要請しているわけでございます。
 その中身は、今度の場合はイタリアの問題が入っていまして、イタリアでの米軍機の事故は一外国の事故で片づけることができない大きな出来事だと考えています、地域住民を絶えず危険にさらすような低空飛行訓練は行わないよう米国関係当局に対し強く申し入れをされるなど、適切な措置をとられるよう要請をします、こういう申し入れでございます。
 これについて、どういうふうな態度をとられたか、お伺いしておきます。
#243
○高野政府委員 まず、日米安全保障条約、日本と米国の間で締結しております条約に基づきまして、我が国は米軍の駐留を認めているわけでございます。これは、我が国の防衛あるいは極東の平和と安全の維持に寄与するために、我が国としてのとっております安全保障政策あるいは防衛政策の重要な柱というふうになっているわけでございます。このような立場に立って米軍の駐留を認めている以上、我が国において軍としての必要な訓練を行うことは、これまた当然認めなければならないと考えております。
 もちろん、そのような訓練を行うに当たっては、我が国国民の立場から見て、安全とか騒音などについて最大限の配慮を行って実施されるべきものであることは当然でございます。米側もそういう立場に立って各種の訓練を行っているというふうに私どもは理解しておりまして、そういう中で、この低空飛行訓練も米国として必要な訓練であるというふうに私どもは理解しております。
#244
○山原分科員 日米安保のことはきょうは言わないつもりでおりますけれども、余りにもそのことを強調して、日米安保があるからだめだ、外務省に言ったら常にそれを言われるでしょう。でも、日本国民の安全はどうなるのか、だれの安全を守るための日米安保かと言いたいぐらいの問題でございまして、本当にこれは、考えなければならぬ時期を迎えておると私は思うのでございます。
 本年一月十七日に米太平洋軍の準機関紙「星条旗」で、在日米海軍のナイランダー報道官は、FA18、F14、A6といった航空機による日常の低空飛行訓練で、時には六十メートル以下を飛ぶと明言をしています。
 一方、ことしの二月二十八日の朝日新聞によりますと、高村正彦外務政務次官ですが、米国は日本の航空法を尊重するとしており、これに反する低空飛行訓練があるなら断固として対処する、こう述べています。
 この態度はまことにすばらしい態度であると思いますが、日本の政府は本当に航空法を守らせようとしているのか。「星条旗」での発言を読んで、ああやっぱりと国民が思うのは当然でございます。早明浦の事故を見ましても、この件でも、現状は日本の航空法を尊重しないで飛んでいる。どのように対処するのかということが問われているわけでございます。
 報道はすべて真実ではないと外務省の方は言っておりますけれども、間違いだったとも言っていますが、この報道というのはそんなことなんですか。
#245
○高野政府委員 今先生御指摘の太平洋軍準機関紙「星条旗」の記事でございますが、私どもは、これにつきまして具体的に米側に照会いたしました。その回答は、先ほど来申し上げておりますとおり、米軍としては百五十メートル以下で飛んでいることはない、彼らの低空飛行の訓練の政策としてそういうことはない、日本の航空法の関連規定を尊重しておりますということでございます。さらに、この点に関しましては、先ほど申し上げました低空飛行に関する安全対策をいかにあるべきかということで、今話し合いをいろいろしておりますが、その中でも、再度米側に、我が国の航空法の関連での高度制限について確認しておりまして、米側も、この点については十分配慮して飛行訓練を行っているということを述べております。
#246
○山原分科員 この早明浦に墜落した飛行機の場合も、本当に山際すれすれなんですよ。これはもうだれが見ても明らかでございまして、現行の百五十メートル以下を飛ばないという日本の航空法を尊重するだけでは、早明浦の衝突と同様な事故は必ず起こる、皆そういうふうに考えております。
 特例を廃止して、日本の航空法に従うこと、このことがイタリアの教訓ではなかろうかと私は思うのですが、ニュースブリーフィングによると、コーエン国防長官は、事故が起こった直後の二月七日に、ドイツで、イタリアのような悲劇を防ぐために低空飛行を含む通常のNATOの飛行要件を集団的に見直す必要があると語っていることが報道されております。
 低空飛行訓練の中止を要求するが、航空法の特例を見直し、米軍も日本の航空法に従うようにすべきだ、その時期が来ておると私は思いますので、断固たる決意で要求しなければだめですよ。いつまでたっても、安保条約があるから守ってくれるなんて、そんなことは、今、日本の国民には通用しません。
 私は、そういう意味で、この早明浦ダムの教訓からいかに学ぶかということが今問われているのではなかろうかと思います。今、島根県の方も、中林さんの質問にもありましたけれども、これは明らかに無法な低空飛行が行われておると私は思っていますが、その点について伺っておきます。
#247
○高野政府委員 今言われました航空法との関係でございますが、我が国に駐留する米軍との関係におきましては、安保条約の第六条の規定に基づいて駐留して、日本の施設・区域を使用すること等が許されているわけでございます。その関連におきまして、航空法との関係におきまして、米軍が使用する飛行場及び航空保安施設並びに航空機及びその乗組員等に関する諸規定を地位協定のもとでも置いてあるわけでございます。
 これを受けまして、航空法は特例法を設けまして、航空法の規定の一部適用除外を定めているわけでございます。他方、米軍機の飛行に関しては、航空法でいえば九十六条あるいは九十七条ないし九十八条は適用されるということになっているわけでございます。
 今、先生の御指摘の点に関して申し上げますと、低空飛行の関連では、米軍は最低高度の関連規定を尊重するという立場にございまして、私どもとして、航空法の特例法を廃止すべきであるというふうには考えていないところでございます。
#248
○山原分科員 こういう事実に基づいた質問ですから、慎重に検討してもらいたいと思いますが、あのときもイントルーダーが低空飛行をやって、操縦士は失神しているのですね。失神したからダムへ突っ込んだわけですよ。ダムだからまだ水がありますし、よかったのですけれども、あれがすぐそばで飛んだら大変なことになった。
 そういう具体的な事実がありますので、外務大臣とされても、ぜひ日本国民の生命を守るという立場で、米軍に対して新たに申し入れをしていただきたいと私は率直に考えておりますが、それについての大臣の御意見を伺っておきたいのです。
#249
○小渕国務大臣 早明浦における事故は大変残念なことだったと思いますが、それのよって来る原因につきましては、先ほど北米局長が申し上げましたように、明確ではないわけでございますが、いずれにいたしましても、米軍が安保条約に基づきまして我が国の安全に責任を持つという立場でございますので、米軍としては我が国の公共の安全に最大限に考慮を払って活動をいたしていくことは、当然のことだと考えております。
#250
○山原分科員 次の質問ですが、二月二十三日付で、私の県の高知新聞によりますと、県は外国艦船の入港に際して核兵器を搭載していないという非核証明がない場合には入港を拒否する、いわゆる非核神戸方式を県内すべての港湾に適用するため、県港湾管理条例の改正作業を進めていたが、県議会三月定例会への条例改正提案を見送ることを決めた、その背後に、条例化は問題とする外務省の意向が地元議員を通じて県に伝わったことが方針変更の理由と見られていると報道されているのでございます。
 この件に関してお尋ねしたいわけですが、二月二十四日の高知新聞は、社説でこういうふうに表現をしております。地方分権思想の軽視、政治家を使った工作に見られる官僚主義と批判をしておるのでございまして、これは県民の大変な注目を呼んだわけでございます。
 そこで、非核三原則は国是となっておりますね。しかし、核兵器が持ち込まれることに対する不安というものは非常なものがございまして、高知県などが心配して、非核神戸方式やその条例化を考えても私は当然であると思っているわけでございますが、こういう事実、外務省、やったことがありますか。
#251
○高野政府委員 お答え申し上げます。
 本年の一月に高知県より運輸省に対しまして、去年十二月十九日に高知県の県議会において、高知県の港湾における非核平和利用に関する決議が可決されたのを踏まえて、条例の改正等を検討しているということで、非公式に、条約及び国内法令と条例の改正等について政府の意見を照会された経緯がございます。
 これを受けて、運輸省より外務省に対して照会がございましたので、外務省のとりあえずの考え方を非公式に伝えた経緯はございます。県に対しては、運輸省を通じ、条例改正についてのとりあえずの考え方を非公式に伝えられたというふうに聞いております。
#252
○山原分科員 ちょっと御発言が聞きにくかったので、ちょっと耳が難聴になっておりますので聞き苦しかったのですけれども、この非核三原則というのが国会決議になりましたときは、もちろん大臣が所属されている自由民主党と、公明党と民社党三党が共同提案をしまして、これが通ったわけです。そういう経過を持っておりまして、持たず、持ち込ませず、つくらずというこの三原則というのは、被爆民族としまして非常に重大な原則だと思っております。
 だから、この非核三原則に基づいてさまざまなことが県の業務内容の中で行われることだってあり得るわけでして、それをとめる権限は外務省にはないというふうに思っておりますが、それを、どうしてこういうことが許されるのか、伺っておきたいのです。
#253
○小渕国務大臣 政府といたしましては、非核三原則を国の基本政策として堅持いたしておることはお話しのとおりでございます。核搭載艦船の本邦寄港は認められないという立場を内外に周知させているところでありまして、外国艦船の本邦寄港に当たりましては、このような国の基本政策及び国際条約を遵守する立場から対処しておることは、御案内のとおりでございます。
 そこで、一般論的に申し上げれば、地方公共団体が地方自治の本旨に基づき条例を制定すること自体につきましては、政府はとやかく申し上げる立場にありませんが、国と地方公共団体とは、相互に異なる次元においてそれぞれの事務を処理いたしておりまして、外国艦船の本邦寄港に同意を与えるか否かのような、国としての責任を有する外交関係の処理が地方団体によって妨げられることはあってはならないと考えておりまして、そうした観点から、国としての非核三原則を遵守するという立場は、国としての立場として政府が十分対処いたしていくということでございます。
#254
○山原分科員 今おっしゃったような御見解だと思いますけれども、高知県では、一九八四年七月に非核平和高知県宣言というのを決議しておりまして、昨年九七年十二月、自由民主党、県民クラブ等が共同提出をしまして、高知県の港湾における非核平和利用に関する決議を全会一致で可決しておるわけでございます。
 これは既に行われているわけですが、したがって、この決議に基づいて、地方自治の原則からいいまして、この見解に基づきまして非核宣言を条例化するという方向に向かっていっておるわけです。私は、その行き方というのは正当であると思いますし、外務省はこれに対して、地方自治へ干渉する権限はないという考えを持っているわけでございます。
 そのことを最後に申し上げまして、ぜひ、こういう問題につきまして、非核問題というのは、原爆の被害を受けて五十三年、四年にもなりますと、次第に薄れていく中での問題でございますし、県知事は橋本総理の弟なのですけれども、かなり思い切ったことを彼は正確に把握してやっておるわけでございまして、そういう意味でも、地方自治の立場を貫こうという精神がみなぎっておると思います。そういう意味で、これに対して外務省が妨害を加えるなどということは、今後一切しないようにしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 これについて見解を伺います。
#255
○高野政府委員 非核三原則に関しましては、これは国是であるということでございまして、これを政府として堅持しているということで、大臣から御答弁いただいたわけでございます。
 その上に立って、我が国として、日米安保条約に基づきまして、施設・区域を使用する米軍、この関連で我が国に対して核弾頭を持ち込むという際には、我が国との間の事前協議の対象になっていることは、委員御承知のとおりでございます。そういう場合に、仮にそのような持ち込みの事前協議が行われた際は、我が国として常にこれを拒否するという考えであることはこれまでも明らかにしているとおりでございます。したがって、政府としては、非核三原則を完全に遵守するための十分な枠組みは、条約上既にあるというふうに認識しております。
 他方、そういう中で、米軍艦船が我が国の港湾に出入りする権利は条約上これまた認められているわけでございますので、そういう権利を具体的な港湾への出入に当たり事実上困難にするような措置があるとすれば、これは我が国としての条約上の義務を十分履行できない形になるという考え方でございます。
 この点に関しましては従来から考え方を明らかにしておりますし、基本的な考え方としては、既に非公式に高知県の方にもお伝えしてきているとおりでございます。
#256
○山原分科員 唯一の被爆民族として、本当にそれは、国がそういう艦船の出入りは許さないという非核三原則を守ることはもちろん大事なことで、だから国会決議にもなっているわけです。国会決議というのは、そういう意味では非常に重い重みを持っているわけでございます。
 しかし、地方自治体においても、それを一つ一つ検証し、そしてそれを阻止するという気構えを持つことも大事だというふうに考えておりますから、ぜひ、これに対して妨害をするあるいは権限を縮小するというようなことのないように、今後やっていただきたいことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#257
○久野主査代理 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐藤茂樹君。
#258
○佐藤(茂)分科員 自由党の佐藤茂樹でございます。
 先日の予算の一般質疑のときに、お忙しい大臣をせっかくお呼びしながら、大臣の答弁をお聞きできなかったものですから、きょうはぜひ大臣を中心にいろいろとやりとりをさせていただきたいと思います。
 最初に、もう今週、報道もされておりますけれども、週末に、二十一、二十二だったと思うのですけれども、小渕大臣みずから韓国を訪韓されるという報道が出ております。その前の段階で、四月二日からのロンドンでのアジア欧州会議で橋本総理と金大中大統領が会談をされるという報道は前からされておりましたけれども、今週急に小渕大臣の訪韓が決まったような印象をぬぐえないわけです。大臣が訪韓されるようになった経緯と、さらに日程で今決まっているもの等ございましたら、さらに会談予定者とか場所、一番大事なのは目的ですね、何をしに行かれようとされているのか、そのあたりについてまず御答弁いただきたいと思います。
#259
○小渕国務大臣 委員御案内のように、二月二十五日に、韓国において金大中大統領が就任をされました。新しい政権の誕生でございますので、当然、新内閣も発足いたしました。その中で、今回、外務通商部長官ということに名称と役割が変わられたようですが、朴定沫新長官が誕生いたしましたので、私としてはできる限り早い機会に会談をいたしたいということで、私がお祝いを申し上げたことに対して先方からお電話をちょうだいいたしまして、ぜひ近々会いたいということでありましたので、合意をいたしました。
 ただ、土日にかかりますので、もちろん国会のお許しがなければだめですが、韓国も土日に当たりますし、場所もソウルということになりますと、二人の長官、外相会談だけに済まないのではないかと思いましたので考慮いたしましたが、金大中大統領並びに金鍾泌首相代理並びに私がかねて長い間日韓議員連盟の副会長として大変親しくさせていただいた多くの政治家ともお話ができるということでございましたので、お伺いすることにいたしました。
 そこで、その目的は、申し上げましたように新しい外相の誕生でございますので、二十一世紀を目指しての新しい日韓のパートナーシップというものが我々の段階でも確認し合えればいい、こういう気持ちで訪問することにいたしました。もとより、懸案の諸課題につきましても、この機会に率直に意見の交換ができれば大変幸甚だと思っておりまして、そうしたことを考えまして、急邊ではございましたが、ソウルに参ることに決定させていただいた、こういうことでございます。
#260
○佐藤(茂)分科員 ぜひ有意義な訪韓にしていただきたい。この後、また種々、課題について質問をさせていただきます。
 そこでまず、外務大臣に御答弁いただければありがたいのですが、外務省でも結構なのですが、この二月二十五日に成立いたしました新政権の金大中大統領並びに新政権に対する認識をどのように外務大臣または外務省としてお持ちなのか。特に、特徴といいましても、前政権との違いがあればこういうところが違うというようなこととか、さらに、今の韓国の抱えている政治課題、経済も含めての課題、そして特に日韓関係の課題というものをどういうように外務省としてとらえておられるのか、もし大臣の方から答弁いただければ答弁いただきたいと思います。
#261
○小渕国務大臣 金大中大統領の誕生というこの時期は、韓国にとりましても大変難しい、厳しい環境下に置かれておりまして、特に通貨・金融危機の克服を最大の課題として掲げておりまして、就任演説も拝聴させていただきましたが、韓国が直面する困難な経済状況のもとでさまざまな改革を推進する考え方を強く述べられておりました。
 なお、前政権との関係につきましては、与野党の交代という、韓国にして初めてのことと言われるそうした政権の交代でございますし、また、全羅道地域出身の大統領が初めて選出されたということが指摘されております。金大中大統領がその演説の中で、政治報復を行わず、地域主義を打破していく、こう述べておりまして、私自身も韓国の政情というものを知らないではありませんが、過去いろいろのことが行われたことを承知している中では、あえてこの地域主義も打破していくという姿勢は大変理解をされるところでございます。
 我が国としての関係は、この新しい時代を構築していきたいという大統領の大変前向きな考えを評価いたしております。また、政府としては、日韓の友好協力関係を未来に向けてさらに強化していきたいというふうに考えております。
 前の政権と云々ということは私申し上げる立場にはありませんけれども、新しい大統領が、対日政策も広くオープンな気持ちで対処していきたい、あるいは文化面につきましても、日本のよき文化は取り入れていきたい、こういう意思を示されているということにつきましても、私は、高く評価できるものではないか、こういう認識をいたしております。
#262
○佐藤(茂)分科員 私は、やはり今、韓国の経済が大変なときで、金融支援等も日本が本当にやらなければいけない状況でもありますし、さらに、明るい希望を持てる話題としては、二〇〇二年にワールドカップをともに開催するというような、そういう前向きな明るい話題もあるのですが、特に、やはり短中期的に見た場合に、これはもう外務大臣がずっと御苦労されてきたのですが、日韓の漁業問題というのをどうしていくのかということが、やはり日韓両国にとってこれから大事な問題になってくるのではないかなという感じがするのですね。
 改めて言うまでもなく、一月の二十三日に、それまで暗礁に乗り上げておりました韓国との新漁業協定締結交渉について、結局、政府が韓国に対して現行の日韓漁業協定の終了通告をされるという形で一つの中断という形になったと思うのです。そこでお聞きしたいのは、外務大臣も、十二月のあれは二十九日でしたか、最終の局面まで訪韓されていろいろ御努力されたのですけれども、なぜこの溝が埋まらなかったのかということなんですね。
 既にこれはほかの委員会でも何回もされていることだと思うのですけれども、当初相当開きがあったのが、平成八年の五月からずっと協議を始められて、竹島周辺に暫定水域を設定するというところまで合意されて、相当歩み寄りされた。さらにもうちょっとお聞きしますと、その水域についても、日本側が東経百三十五度以西と沿岸から三十五海里、韓国側が東経百三十六度以西と沿岸から三十四海里、違いというのは結局、経度にしてわずか一度、距離にしてわずか一海里の差、そういうところまで最終局面では煮詰まっていたというようにお聞きしているのです。
 なぜ最後のその溝というのが埋まらなかったのか。一番当事者として御苦労されてきた大臣のその辺の感想をぜひお聞かせ願いたいと思うのです。
#263
○小渕国務大臣 日韓の漁業協定を新たに結ぼうということは、御案内のとおりに、新しい国際法で二百海里をそれぞれの水域として考えるということになりまして、そのことは日本も韓国も国会で批准を得ておるということでございますので、六五年に結ばれた基本条約並びに日韓漁業協定を改めて新しいものにつくりかえなければならぬということは、これは新しい時代に即応した対応ではなかったかと思っております。
 そのために、二年有半にわたりまして日韓の間に交渉を続けてまいりました。私の前任者の池田外務大臣並びに柳長官とも本当に真摯に話し合ってまいりまして、今先生お話しの点を線に近いところまで、お互い妥協できるところに参ってきつつありました。外交交渉でございますので、そのことを今お認めすることはちょっとかないませんが、非常に難しい竹島の問題も含めまして、これが解決できるところに来てまいりました。
 しかし、漁業交渉はひとえに線引きの問題のみならず、今まで双方が、実際の漁業をめぐってそれぞれの国の漁民その他が漁獲をしてきた、この問題についてもどのように対応するかという問題も実はございます。また、そういった点で、魚の資源というものをどう守っていくかというような話し合いも当然なければならないということで、もろもろの問題すべてにわたって実は最終的な決着ができなかったということであります。
 その点、非常に残念だと思いますと同時に、日本側としては、韓国側からいいますと一方的破棄、こういうことなんですが、条約に基づきまして、一年の猶予期間を置いて一方がこれを終了通告できるということの権利を我が国としては発動したということでございまして、したがって、そういうことになりました以上は、一年の間に韓国側と誠意を持って話し合って、何とか新しい協定を結ばなければならない、こういう事態に至ってきている、こういうことでございます。
#264
○佐藤(茂)分科員 今大臣の答弁の中にも、日本としては権利を発動したんだ、そういうお話がありましたけれども、ただ、その当時のマスコミで韓国側の反応なんかを伝えてきたところによると、世論的にも、韓国が国難のときにそれにつけ込んでというような反応とか、また金大中大統領は、そのときはもう予定者でしたけれども、非常に侮辱的であるというような表現をされたりとか、いろいろ韓国側に反発があったように当初マスコミで騒がれておりました。
 もう約二カ月、今までたってきたわけですけれども、この韓国の政府並びにマスコミ、世論、そしてさらに当事者である漁業関係者の対応、反応は今どのようになっているというように外務省として掌握されているのか、お聞かせ願いたいと思います。
#265
○阿南政府委員 漁業協定の終了通告以後の韓国側の反応、対応でございますが、韓国政府は当初遺憾であると、今委員がおっしゃいましたような、金大中、当時大統領になられる前の段階での御発言もございました。韓国側の報道の論調も一般に厳しいものでございましたし、また、韓国側がとっておりました自主規制措置を停止するという挙に出たわけでございますが、他方で、この自主規制措置を停止するということにつきましても、当時の柳宗夏外務部長官は、これは漁業の問題であるから漁業の面で対抗措置をとるんだ、漁業の分野に反応を限定するんだということを説明をしておられました。
 そういうことから考えますと、私どもは、韓国側の若干感情的な反発はございましたけれども、政府としては、ある意味では抑制のきいた反応を示してきているな、そういうふうに感じております。
#266
○佐藤(茂)分科員 政府として抑制のきいた反応をされているという希望的観測をされているのはよくわかりました。そこで、具体的に今局長答弁の中で、操業自主規制の無期限中断という措置を韓国側としてとってこられたと思うんですけれども、その直後に、たしか一月の末だったと思うのですけれども、北海道沖合でも、韓国の自主規制水域内で韓国漁船が操業を始めたというようなことが当初ぼーんと報道に出たのです。
 そこで、水産庁、きょうお見えですか。この二カ月弱で、韓国の自主規制水域内で韓国漁船が何隻操業して、そしてさらに韓国のトロール船とかによって日本の網などの漁具被害というのがどれぐらい出ているのか、どういう被害が何件くらい起きているというように掌握されているのか、水産庁、まずお聞かせ願いたいと思います。
#267
○石木説明員 お答えいたします。
 一月二十三日に、韓国側は自主規制措置を停止すると言ってきたわけでございますが、翌二十四日に自主規制水域内で韓国の大型トロール漁船が操業しているのが視認されました。その後、韓国漁船は主に襟裳岬の東側から西側を中心に自主規制水域の内外にわたり操業を行っております。一月二十四日から昨日までの五十四日間に自主規制水域内で操業した韓国漁船の合計隻数、これは一日当たり何隻やったかというのを積み上げていった数字でございますが、そういう意味での延べ隻数は三百三十八隻となります。
 それから、韓国の自主規制措置停止以後の漁具被害の問題でございますが、昨日までに、北海道指導漁業協同組合連合会、北海道指導連と呼んでおりますが、ここからの報告でございますと、一月二十七日以降三月十一日まで、韓国漁船によるものと見られる刺し網等の被害が計三十件発見されております。これらの被害については、北海道指導連で関係漁協と、韓国漁船によるものかどうか調査をしておりますけれども、この三十件のうち、自主規制水域内での韓国漁船の操業による被害とほぼ特定されましたのは十四件であるということでございます。
#268
○佐藤(茂)分科員 水産庁、もうちょっとお聞かせ願いたいんですけれども、今は北海道という名前を出されましたけれども、日本の周辺には、北海道沖合と、九州沖合にも韓国の自主規制水域というのがあったと思うのですけれども、九州沖合の方は別に荒らされていないんですか。
#269
○石木説明員 ことしに限りませず、韓国漁船の操業につきましては、北海道に限らず西日本の水域でも、現行の協定に違反する操業や自主規制措置に違反する操業というのが見られます。
 ただ、今回、一月二十三日に自主規制措置を停止すると言ってきた以降、西日本の方で特段、自主規制措置違反の操業というのが認められているということはございません。
#270
○佐藤(茂)分科員 それで、今もお聞きした数でも、延べ三百三十八隻にこの五十四日間でなるというお話もありましたし、韓国漁船のものによる漁具被害というのが確定しているだけでも十四件、そういう数に上っているという水産庁からのお話がありました。あくまでも自主規制ということでいくのであれば、結局、建前論として韓国側に資源保護と漁業秩序の維持を訴えて、韓国側に自制を促すしか打つ手がないのかどうか。
 例えば、外交ルートを通じてきちっとそういう抗議をしていくとか、さらには、これをやるとまたお互いに感情は厳しくなるのかもわかりませんけれども、韓国にも、済州島の周辺にたしか今度は日本の自主規制水域というのを設けていると思うのですけれども、そういうところについての自主規制の中断を逆にしていくとか。
 どういうように外務省としてこの事態をとらえて、今後も、これはほっておくと、当然韓国がそういうところでどんどん操業を続けていくことが相当想定されると思うのですけれども、外務省としてどのように対策を考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#271
○阿南政府委員 御指摘のとおり、現状を先ほど水産庁の方から御説明がございましたが、こういうことは決して望ましい状況ではございません。さらに、今後の日韓の漁業関係、また交渉のこれからの展望という観点からも、韓国側の漁船が自主規制措置の停止とはいえ日本の近海でこういう行動をとっていることは好ましくないわけでございまして、政府といたしましては、韓国側に対して引き続き冷静かつ慎重に対応するように求めていくという考えでございます。
#272
○佐藤(茂)分科員 今、冷静かつ慎重に対応するように求めていくというのは、どういうレベルで求めていかれるんですか。もう今までも何回か求めていかれたんですか。その辺についてもうちょっと明確に答弁いただきたいと思います。
#273
○阿南政府委員 既に東京におきましても、外務省の幹部から在京大使館に、またソウルにおきましても大使館から先方政府に、冷静かつ慎重な対応を求めてきておりますし、今後も、要するに先生も先ほどおっしゃいましたように、抗議をするという性格のものではございませんが、長期的に見てこういう韓国側の行動は決していい結果にならないということをこちらとしてもきちんと向こうに申し入れをしている、さらにこれからもしていくということでございます。
#274
○佐藤(茂)分科員 それで、今実際の数を聞いてみて、なかなか大変な事態になっているなというのが現実わかったんですけれども、そういうことを踏まえながら、今度大臣が韓国に行かれるのですけれども、これは報道によりますと、外務大臣は総理と官房長官と農水大臣と協議されて、今回のこの漁業問題をめぐる韓国との協議の進め方について一任を取りつけた、これは三月十八日の産経新聞に出ているんですけれども、そういうことになっているそうなんです。
 これは事実なのかどうかということと、外務大臣として、この漁業問題について、訪韓されるに当たってどういう方針で臨んで、協議をどのように進めていこうとされているのか、お聞かせ願えればと思います。
#275
○小渕国務大臣 一任を取りつけたという記事でございますけれども、今般、私がソウルに参りまして朴長官と両国間の問題を幅広にお話し合いをすることは先ほど申し上げましたが、そうなりますれば、日韓の問題としてこの漁業問題が当然起こってくるということは想定されるわけでございます。
 この点については、日本政府としても、やはり漁業に直接責任を持つ農水省、そしてその代表たる農水大臣にも、この漁業交渉の立ち上げについて御理解も願っておかなければならぬということでございます。
 私の反省からいえば、今までこの線引きの問題、委員御指摘でありましたが、それ以外の漁業全般にわたる問題もございますので、こうした点について、やはり漁業関係者、こういう方々の、両国の、本当の意味で資源の保護その他問題について話し合うという体制が整いませんと、一つの協定というだけでは、将来にわたって、長きにわたっての両国の漁業問題というものは解決しない、こう認識しておりますので、そういった点で農水大臣にもお願いをして、漁業団体あるいはまた魚に関係しておる日本の責任者、こういう方々と韓国の同じ立場にある方と、本当に将来にわたっての話し合いを進めていただく、そういうことがなければいけないのじゃないか。
 そういう意味で、農水大臣と私とお話をし、総理も官房長官も大変関心を深くしておりましたので、四者で話し合って、私が韓国に参ってこの問題を取り上げることについて御理解を願っておった、こういうことでございます。
#276
○佐藤(茂)分科員 これで最後の質問になるかと思うのですけれども、きょうの各紙の朝刊を見ていますと、外務大臣が行かれる前に、向こうの、先ほどおっしゃっていました朴外交通商大臣が日本の報道各社のインタビューに答えて、ほかの日韓関係のいろいろな懸案も言われていますが、この漁業問題について、私は二点向こうの方から言われたかなという気がしているのですね。
 その一つが、各紙によってちょっと表現は違いますけれども、日本側が一方的に破棄通告をしたのだから、日本側から建設的な提案をしてくれなければと考えるとか、また、してくれることと信じる、何らかの提案があれば検討し得る、そういう表現になっています。それで各紙は、交渉再開というのは日本側の新提案が前提になるとの考えを示した、そういうふうに一点言われていますね。
 もう一点が、今大臣も答弁の中でおっしゃっていましたけれども、両国の漁民代表だけでこの問題を話し合うなど、まず民間レベルで始めるのが望ましい、微妙な問題なので、小渕外務大臣と私の間ですぐに妥協できるとは思わないが、民間対話を見て、どこかの段階で政府間の実務接触をしなければならないと考える、そういう二点を朴外交通商大臣がおっしゃっているのですけれども、そのことを受けて、外務大臣、この外交通商大臣の発言をどのように受けとめておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
#277
○小渕国務大臣 委員も今、それぞれメディアによって若干報道のニュアンスが違っておるというお話でございまして、私もそれは拝見をいたしましたが、まさにじかに、メディアを通じてでなくて、本当に二人がこの問題について話し合うということでございますので、今御指摘のような点につきましても率直に話し合って、那辺に長官のお考えがあるかということも確かめながら、誤解があればこれを解いて、そして新しいスタートを切りたい、こう念願しております。
#278
○佐藤(茂)分科員 時間が参りましたので、質問を終わりますが、ぜひ、冒頭申し上げましたように、有意義な、いろいろな報道で冷え切った日韓関係なんて言われていますけれども、新たな友好の、二十一世紀に向けての、先ほどパートナーシップと大臣おっしゃいましたけれども、そういう道筋が見えるような、そういう訪韓を期待しまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#279
○久野主査代理 これにて佐藤茂樹君の質疑は終了いたしました。
 次に、島津尚純君。
#280
○島津分科員 民友連の島津尚純でございます。外務大臣には、お疲れのところではございますが、よろしくどうぞお願いを申し上げたいと思います。
 短い時間でございますけれども、私は、きょうは、日ロの経済協力関係といいましょうか、日ロ関係と、それからサミットの問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず日ロ問題からでありますけれども、長年にわたって停滞を続けてきました日ロ関係が新しい発展の軌道にようやく乗りかけてきたということは、大変結構なことであるというふうに思っているわけであります。冷戦後の新しい国際情勢を踏まえて、橋本総理が対ロ外交の新方針として、一つに信頼、相互利益、そして長期的視点、この三原則を打ち出されたわけでありまして、それにこたえてエリツィン大統領も即座に書簡を送られて、相互に有益などんな内容も検討をする用意があるとの歓迎の意向を表明されたわけであります。
 これを受けて、昨年十一月一日、二日と東シベリアのクラスノヤルスクにおきまして開かれた両首脳会談で、北方領土問題の解決を通じた両国関係の完全な正常化を確認した九三年の東京宣言に基づき、二〇〇〇年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすということが合意をされたわけであります。さらに、ロシアの市場経済移行くの支援などを盛り込んだ橋本・エリツィン・プランを作成し、包括的な日ロ経済協力を推進することになったわけであります。
 このような二国間の関係がやっと改善の方向に前向きに進んでいる現時点におきまして、まず外務大臣、日ロの経済協力ということに対する基本的なお考えをお尋ねしたいということと、さらには、先ほど申し上げました橋本・エリツィン・プランというものがその後どのような形で推移をしているか、その進捗状況等をまずお聞かせいただけたらと思います。
#281
○小渕国務大臣 ロシアがソビエト・ロシアから変わられて、新しい、社会主義から市場経済を導入しておる、大きな、ある意味での革命ともおぼしき改革を始めておるわけでございまして、このロシアの改革の成功そのものは、すなわち日本も含めた世界の平和と安定に多大な利益をもたらす、こういう考え方で、ロシアによる市場経済、民主化及び法と正義の原則に基づく協調外交への転換に向けての改革を支持、支援しておりまして、今、経済協力はそういう意味では口口関係の重要な柱になっておるわけでございます。
 特に、ロシアにおきます投資環境の改善を初めといたしまして両国間の経済関係の進展のよりどころとしては、橋本・エリツィン・プランが日ロ共同で作成されておりまして、さきの私の訪ロの際も、ロシア側要人との会談におきましても、橋本・エリツィン・プランの着実な実施を双方で確認いたしました。私といたしましては、平和条約交渉も含め、すべての分野で日ロ関係の進展を図る中で、日ロ経済関係の進展にも取り組んでまいりたいと思っております。
 そこで、従来は、日本としては、いわゆる四島問題というものがありましたので、そこで実はストップしておって、経済協力という問題については非常にちゅうちょしておりました。これに対して、橋本総理大臣がエリツィン大統領との話し合いにおきまして、もとより、お話しのように、二〇〇〇年までに東京宣言で四島問題を解決しなければなりませんが、同時に、申し上げたように、ロシアとしてこの改革が成功するためには、我が国の経済的な協力というものもなければなかなか実行し得ないという認識を、ロシアも、かつ我が国も同じような認識をいたしておるわけでございます。我が国としては、そういった意味でロシア、特に極東、シベリアあるいはサハリン、こうしたところに対しての力強い経済協力も行うことによって、ロシアの改革を成功に導く努力をすることが必要ではないかということでございます。
 そこで、エリツィン・プランの進捗状況につきましては、既に投資保護協定の交渉が開始されておりまして、また、ロシアのAPEC参加が実現したほか、企業経営者養成計画につき、四月のエリツィン大統領の訪日まで、ロシア国内で四百名程度、我が国に二百名程度を受け入れるべく協力を進めております。市場経済になりまして、その基盤たる中にはそれを動かしていく経営者としての経験が実は非常に薄いのでありまして、こういった点を日本としては積極的に協力していこうということで、今受け入れをし、実務についていただいております。
 また、中小企業育成支援やシベリア・ランドブリッジに関する協定も始まりまして、さらに、日本とロシアとのエネルギー協議も開催されておりまして、先般、私が訪ロし、エリツィン大統領初めお目にかかりましたが、このプランが非常に、日本側をして極めて積極的に一つ一つ具現化しておることに対して、驚きを持って評価をされておると思っておりますし、さらにこれは続けていかなければならない、このように思っております。
#282
○島津分科員 ありがとうございました。
 私は、日本とロシアの経済協力関係というものは、北方領土の返還に対する環境整備のためにも極めて大事なことである、このように思い続けてまいりました。しかしながら、政府は長年、政経不可分の原則といいましょうか、そういうことを言い続けてきた。北方領土問題というのは政治問題でありますけれども、大変難しい問題です。私は、難しい問題の解決はちょっとこちらに置いておいて、易しい、経済協力とか文化交流とかをやりながら、お互いの国民の相互理解とか信頼関係の醸成とかをつくり上げる中から環境整備をすべきである、そのように思ってきたわけです。多少、原則は原則としてありますけれども、そのような雰囲気になってきておるということは喜ばしいことではないかなというふうに思っているわけであります。
 と同時に、日ロの経済協力には、今言ったような信頼をつくる中で、私たちの悲願である北方領土返還という問題があるわけですが、いま一つは、日本とロシアの経済協力関係といいますのは、競争関係ではなくて補完関係であるというふうに思っております。
 日本はいわゆる無資源国家であります。ロシアといいますのは、まさにシベリアというのは世界に残された最後の資源の宝庫、このように言われております。しかし、ロシアには資金がない、そして技術もないということでございます。日本にはその技術と資金提供というものがあるわけでありますから、これは相互補完関係にあるということであります。
 さらには、我が国は、昨年のCOP3の京都会議でもありますように、エネルギーの中でも、化石燃料の中でも、やはりなるべくC02排出量の少ない天然ガスに切りかえていきたいというような気持ちがあります。原子力を二十基までふやすとかいうような話もいろいろあります。しかしながら、立地の問題でなかなかそう簡単ではないということで、現実的に手をつけることができるのは、天然ガスの比率を高めていくということではないかと思うのです。
 そういう観点から、私は、橋本・エリツィン・プランの中でも、東シベリアの天然ガスの開発という問題に対して、ぜひ積極的にお進めをいただきたい、このような考えを持っているわけであります。東シベリアの天然ガスと申しますと、七〇年代から始まってきたヤクートの天然ガスというのがあります。これは、一時アフガニスタンの侵攻問題から棚上げをされてきたわけでありますが、もう一つは、イルクーツクの天然ガスの大きな埋蔵量が確認されたガス田というものがあるわけであります。
 これは、エリツィン大統領が中国に行かれたときにお話し合いをされて脚光を浴びてきた案件であるわけでありますが、現在、日ロ経済協力の中でも目玉になっておる計画でありまして、東シベリアから中国を通って、需要があれば韓国から日本にパイプラインを敷設するというような、かなり壮大な計画も今語られているという状況であります。ひとつこの辺の計画、構想について、おわかりになる範囲で結構でございますので、お話を聞かせていただければありがたいと思いますのが一点。
 いま一つは、政府がいかに熱心に続けましても、ロシア議会がこれを承認しなければ前に進まないと思うのです。ところが、ロシアの下院はなかなか、反政府勢力、共産党が多数を占めておるということで、簡単に生産物分与方式というものを承認をしないのではないかというような危惧も持たれておるわけでありまして、その辺についてもお聞かせをいただいたらありがたい、このように思っております。
#283
○小渕国務大臣 第一点のシベリアにおける資源の問題、この豊富な資源について、アジア地域が、今次通貨下落による経済困難はあるものの、今後とも中長期的にエネルギー需要を増大していくと見られる中で、その有望な供給源として我が国としても注目をしておりまして、その開発が促進されることを期待いたしております。
 我が国は、この点につきまして、本年一月に開催された日ロエネルギー協議等の場を通じまして表明してきておるところでございまして、これら地域のエネルギー資源をパイプラインで我が国に輸送することについては、一義的には民間企業が採算性及び安全性等、種々の要素を勘案した上で判断することでありますが、外務省といたしましても、長期的なエネルギー安全保障、環境問題への配慮、さらに地域協力等の観点から、その動向を注視していく所存でございます。
 島津委員御指摘のように、大変大きなプランだろうと思うのです。特に、ガスのパイプラインを、モンゴルを通り、中国北京を通り、かつ日本まで引いてきてこれを利用できるということになりますれば、この資源を持つロシア、あるいは通過地点におけるモンゴルとか中国も稗益するだろうと思うのです。
 この点については、実は昨年の三月に、前の外務大臣の中山太郎先生と私は訪中をいたしまして、江沢民主席にもこのお話を申し上げました。その後、今お話しのように、エリツィン大統領も訪中をされまして、ロシア、中国問におきましてもこの考え方について合意を見ておるようなことを聞いております。
 そうしますと、中国としては、たしか九四年から既に石油については純輸入国になっているということもありますし、環境問題からいいましても、ガスを活用できるということは非常に結構なことだ、そういう意味で、アジア全体のためにもなるんじゃないか。
 そういった意味で、日本としてもこのことについてお手伝いができれば大変ありがたいと思いますし、先般もロシアのキリエンコというエネルギー大臣が参られまして、私ども話し合いをさせていただきましたが、ぜひロシア側としてもそういうことができれば大変望ましいということを指摘しておりましたので、ロシア、モンゴル、中国あるいは韓国、そして日本、こういった形で地球の底に眠っておる資源が活用できれば、それこそ大変結構なことだ、ぜひ推進していきたいと思っております。
 第二点の、ロシアにおける国会のことでございまして、委員も恐らくいろいろニュースその他で状況については承知をしておられることと思いますが、ぜひ、まずはエリツィン大統領と国と国との平和条約を結ばなければならぬ。しかし、それが可能になったときにも、今のロシアの議会においてこれが批准できるかどうかという御懸念もあるのだろうと思います。
 したがって、この点につきましても同じような思いをいたしておりまして、政府はもとよりでございますが、議会同士でも、相当ロシアの議会の方々が最近は日本を訪れることが多いと思うのです。したがって、来られた方々は今の日本の現状認識を新たにしておる向きが非常に大きいような気がするのです。
 ですから、これから政府間でこうした条約が結ばれるという過程の中で、これが締結をされた段階にロシアの議会においてもこれがいち早く批准ができるような環境をつくっていく必要がありますし、また、議院がそうなるためには一般的国民の認識もそうでなければならないということでございまして、そういった点で、首都モスクワにおけるメディア等もぜひ日本の状況について十分認識をしていただくように、我々としても努力をしていかなければならぬ、このように考えております。
#284
○大島(正)政府委員 一点だけ、現在の東シベリアの天然ガスプロジェクトの状況につきまして、事実関係について御報告させていただきたいと思います。
 コビクタという地域のプロジェクトでございますけれども、東シベリアのイルクーツク州のところにございます。これを、御指摘のとおりモンゴル経由で中国に供給する、こういう計画でございますけれども、私どもの承知しておりましたところでは、去年の暮れにロシア、中国、韓国、モンゴル、それにもちろん我が国、五カ国の関係機関が協議をしまして、フィージビリティースタディー、それについて合意をいたしております。今現在、その実施に向けて協議中と了解しております。
#285
○西村(六)政府委員 生産物分与法につきまして先生の御質問がございました。生産物分与法につきましては、不完全なのでございますけれども、九六年一月にロシアにおきましては生産物分与法というものがございます。しかしながら、これを国際的なスタンダードとしまして有効に効力を発揮せしめるためには、その他の関連の法令を改正する必要がございます。現在、ロシアの議会におきまして、その審議が続行されている状況でございます。
 先生がおっしゃられますように、生産物分与法その他につきまして国内のいろいろな意見はあるわけでございますけれども、ロシアの政府当局は、生産物分与法などの基本的な法律体系につきましては、国際的なスタンダードに合致したものをつくらなければいけない、そうしなければ、投資を呼び込むためにも、エネルギーの開発のためにも、不十分であるという認識を非常に強く持っているわけでございまして、そういう方向で、現在諸法令の改正に一生懸命取り組んでいるという状況でございます。
#286
○島津分科員 ありがとうございました。次に、日ロの経済協力の問題の中で、現段階で最も計画が進行をいたしておるのは、サハリンの天然ガス・石油の開発であるというふうに思います。
 これは、一九七五年に基本的な調印がなされて、その後棚上げになってしまっておるわけですが、やっと日の目を見るというような状況になっておりまして、これが二〇〇〇年ぐらいからそれぞれ生産が開始されるのではないかというようなことで、特にエネルギー問題において中東依存度の高い我が国にとりましても、大変供給源の確保というような意味からも注目を集めておるわけであります。
 さらには、特に天然ガスでありますが、サハリンの天然ガスの確認埋蔵量というのは大変大きくて、例えば、現在日本で一年間に消費されている天然ガスをLNG換算をすると、四千六百万トンぐらいではないかと思うのですが、それの十四、五年分ぐらいの埋蔵量がとりあえず確認されているということで、大変魅力的な案件であるというふうに思うわけであります。
 この概要と、それからもう一つは、これもそのパイプライン建設でありますが、サハリンと日本の宗谷岬というのは四十五キロぐらいしか離れていないような大変近いところでありまして、サハリンから海底パイプラインで北海道に持ってきて、それから本州へ持ってくるというような、これまた壮大な計画があるわけであります。その辺の計画についてちょっとお聞きしたいと思います。
#287
○大島(正)政府委員 サハリンの石油・天然ガス開発プロジェクトについての御照会でございます。お答え申し上げます。
 サハリンにつきましては、サハリン1、2、3と三通りのプロジェクトがございまして、それぞれ進捗状況が少し異なっているかと思いますけれども、一番進捗しておりますのはサハリン1だと思います。御指摘のとおり、かなり前から話があったわけでございますけれども、最近また動いております。
 まず埋蔵量で申しますと、石油の方では約二十五億バレルと言われております。それから天然ガスでは四千二百十億立米と言われております。開発費用では百五十億ドルぐらいかかると言われております。日米ロの四社が連合しておりますが、最近話が進んでおりまして、石油生産でいきますと二〇〇一年ぐらいに開始する方向だということで、少しおくれるかもしれません。それから、ガスについては二〇〇二年ということで進めておるようでございます。
 そして、パイプラインでございますけれども、御指摘のとおり、関係の企業の方が日本本土まで引っ張ってくるパイプライン建設のアイデアを進めておるようでございますが、他方、いろいろ問題もあるようでございますので、さらに検討が行われているということでございます。
 政府としてのポジションは、先ほど大臣の御答弁がございましたように、民間の問題であるという認識でございます。
#288
○島津分科員 ありがとうございました。
 とにかくエネルギーの安定的な確保というような意味と、先ほど申し上げたCOP3によって日本が二〇一〇年には六%のCO2の削減ということが義務づけられてきておるわけでありまして、例えば電力におきまして、日本におけるC02の削減量の二五%が電力から排出されていると思うのですが、しかしながら、新エネルギーにしてもなかなか、頑張っているけれども、パーセンテージからいったらコンマ以下だ。それから、原子力も、二十基ぐらいつくらなければいかぬというけれども、これもなかなかそう簡単にそのようなことがクリアできるわけではない。
 そうなってきますと、現在電力で原子力比率が三四%ぐらい、天然ガスが二四%ぐらいの比率だと思います。これをサハリンとかイルクーツクとかあるいはヤクートとかそのような天然ガスによって、LNGの天然ガスの比率を上げていくことによって温暖化防止対策をやっていくということが非常に大事なことだというふうに思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただければありがたい、このように思うところであります。
 次に、時間があと五、六分になりましたので急がせてもらいます。サミット、先進国首脳会議についてお尋ねをさせていただきたいと思います。現在、サミットは世界で四巡目に入っておるわけです。それで、二〇〇〇年に日本が開催地になってくるわけであります。三回目の開催のときも地方から手が挙がったのだけれども、いろいろな理由から東京で開催されるということになったわけですが、そろそろ私は地方都市の開催というものを考えてみられたらどうだろうか、このように思うわけです。
 例えば、日本以外のいろいろなサミット参加国といいますのは、もういろいろな地方都市でやっておるわけであります。例えば、アメリカにしてもフランスにしても、首都圏でやるのではなくて、ほとんど四回とも地方都市でやるというようなことでありますので、日本もそろそろ地方に一歩足を踏み出されたらどうだろうか、このように思うわけでありますが、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#289
○小渕国務大臣 二〇〇〇年のサミット開催までまだ若干期間があります。現時点では、政府としては、開催地の具体的な検討を実は開始いたしておりません。既に、少なからぬ地方公共団体から開催の希望が表明されておりますが、今後、地方で開催する場合のプラスマイナスをさまざまな角度から勘案いたしまして、開催希望地の要望等も踏まえて、具体的に検討を進めていくことになると思います。
 今委員も御指摘されましたように、第一回から始まりまして、それぞれサミット国は交代で来たわけでございますが、事実からいいますと、三カ所同じ場所で開催したロンドンも、ことしはバーミンガムということになります。
 そこで、各国とも見てみますると、今、三回同じところでやっておりますのはロンドンと東京、こういうことになっておりますので、私も、今委員の御指摘のように、いろいろ条件は付さなければならぬと思いますけれども、今回は東京を離れて、首都圏を離れて、地方のよき地域があればサミットの開催をするということもあってよろしいのではないか、私自身はそのように考えております。
#290
○島津分科員 大変思い切った発言を、お答えをいただきまして、感謝申し上げる次第でありますが、これは分科会でありますので、多少地元の要望も織り込ませていただきたいというふうに思うわけであります。
 私は九州の福岡の出身でありまして、既に福岡は、昨年、二〇〇〇年に向かってサミットを誘致するという委員会が設立をされて、今活動を始めているというようなことであります。
 我が福岡は、今までいろいろな、ユニバーシアードの福岡世界大会であるとか、あるいは国際会議であるとか、いろいろな大会の開催地となって、それなりに大きな成功をおさめてきておるわけであります。そういうふうな経験と実績というものは、決して引けをとるものではないということが一つ。それからもう一つは、サミット参加国の中で、我が国はアジアの中でただ一つの国なのですね。
 そうなってきますと、九州がまさにアジアの窓口でありますけれども、その中でも福岡がアジアの交流の拠点の都市になっておるわけでありまして、アジアの皆さん方から見ましても、福岡というのに対しては大変意義深いものがあるのではないか、このように思いますので、ぜひ福岡開催ということも御検討いただければありがたいと思いますが、=言いかがでございましょうか。
#291
○小渕国務大臣 現在のところも、日本全国からそうした要望が出ておりますので、それぞれの地域につきましても十分検討していかなければならないと考えております。
#292
○島津分科員 最後でございますが、外務大臣にエールを送らせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思うのです。
 といいますのは、私、昨年の秋に、第二次橋本内閣の中で珍しくリーダーシップを発揮された大臣が一人だけおられた、こういうふうに思いました。それが小渕外務大臣だったのです。
 何かといいますと、あの対人地雷禁止条約の問題であります。アメリカが反対するというのでいろいろな関係省庁が反対をしている中で、外務大臣は、それはおかしいじゃないか、カンボジアを見てくれ、このようなことでリーダーシップを発揮されて、結局はアメリカも、日本の賛成の方向に反対をしないというようなことで、カナダにおいて調印がなされたわけであります。
 私は、政治家の決断によって事は動くということを示された外務大臣と思っておりますので、きょう質問した中で、ぜひ、シベリア、ロシアとの経済協力の関係を太くしていただいて、そして北方領土という悲願を達成する道筋を、そのリーダーシップでおとりいただければ大変ありがたい、こういうことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#293
○久野主査代理 これにて島津尚純君の質疑は終了いたしました。
 次に、松浪健四郎君。
#294
○松浪分科員 長時間にわたりまして、小渕外務大臣には大変御苦労さまでございます。
 最初に、財政構造改革法が成立をいたしまして、公共投資が七%カットされる、そしてODAの予算が一〇%カットされるということになりました。そして、私が長い間関係を持っておりました青年海外協力隊は、毎年千三百五十人の隊員を世界各地に派遣をしておりましたけれども、当初、三百五十人を減らすということになり、私は、顔の見える、我が国を代表する援助であるにもかかわらず三百五十人も減員されるのは残念だ、こういうふうに思い、多くの署名活動を通し、そして陳情をしてまいりましたけれども、外務大臣の英断で、その三百五十人がもとに戻され、毎年のように千三百五十人が派遣されるということになりました。心から御礼を申し上げたい、こういうふうに思うわけであります。
 私は、八年間、青年海外協力隊の技術専門委員としてかかわらせていただいた者であります。もう一つは、私は、一九七五年から七八年まで三年間、国際交流基金の人物交流プログラムで、アフガニスタンの唯一の大学であるカブール大学という大学の教壇に立たせていただきました。
 そして、このプログラムは物すごく貴重なプログラムだ、日本の文化を紹介するだけにとどまらず、日本という国を理解していただく上においては、大変貴重なものである、そして、国際交流基金の存在というものは貴重だ、大切だというふうに認識する者の一人であります。この国際交流基金は、さまざまな活動を通じ、国際社会における日本理解の増進と国際友好親善の促進に大きな貢献を果たしてきたというふうに認識する者であります。
 そこで、例に漏れずODAの予算がカットされたことに伴って、この国際交流基金は三重苦に苦しんでおります。ODAの一〇%カット、そこへ持ってきて運用益収入減、加えて円安である。この貴重な基金がこういうふうにお金で苦しまなければならない。ことしの予算を見ますと百九十二億円でございまして、平成八年度の百九十六億円よりも減少しております。非常に残念だというふうに思っておりますが、この顔の見える、我が国を代表するODAについて、外務大臣から御所見を賜りたいと思います。
#295
○小渕国務大臣 今委員から、青年海外協力隊事業並びに国際交流基金について御質問がございました。
 御案内のように、今まで右肩上がりで予算もついてまいりましたし、大変大きく発展をしてきましたODAにつきましても、一〇%カットという大変ショッキングなカットになりまして、その点、政府といたしましても、今までのODAによって信頼を得てきた世界じゅうの多くの方々にどのようにおこたえしていくかということで、苦慮して予算編成をいたしました。量より質と言っては恐縮ですが、やはり質のいい、そして顔の見える、そういうことで、これから限られた予算を有効にまた効率的に使っていかなければならぬ、こういう形で努力をしていきたいというふうに思っております。
 今、松浪委員御指摘をいただきましたが、海外協力隊につきましては、最終的には大蔵省との折衝もありまして、前年度の九年度と同じような千三百五十名になりましたが、この協力隊は、それぞれの国におきまして、本当に地をはうような苦労をしながら、現地の方々と生活をともにしながら仕事をし、実績を残してきておるわけでございます。私ごとを申し上げて恐縮ですが、私もこの協力隊を設置する時代からかかわり合いを持ってまいりましたので、今委員のせっかくの御激励をちょうだいをいたしました趣旨を、今後とも生かしていかなければならないと思っております。
 それから、国際交流基金につきましては、今お話しのように、極めて三重苦の状況であります。これから日本の文化を世界に推し広めていかなければならないためには、ぜひこの点につきましても国民的理解を得て、そしてこの基金が果たしてきた役割をさらに拡大していかなければならないというふうに思っております。こうしたところでございますが、一昨日、国際交流基金を育てる会というのが発足いたしまして、実は、不肖私が会長に任ぜられました。松浪委員にも御出席をいただきまして、この基金を守り育てていかなければならないということを議員の立場からも非常に積極的にお取り組みいただけることになったわけでございます。このことは、超党派でこの基金をしっかり育てていって、今まで果たしてきた役割をさらにひとつ拡大できるように、これはお願いでございますが、心からよろしくお願いしたいと思っております。
#296
○松浪分科員 前向きな答弁を賜りました。心から感謝を申し上げたいと思います。
 私の知る限り、小渕外務大臣は国際派であられ、そして国際通であられる。しかも、余り多くの人々が目を転じないような地域、国々に対しても非常に御理解の深い大臣であるということを私自身認識させていただいております。
 そこで、いろいろな国際的な状況の変化もございました。特に、資源を持たない我が国にありましては、文化あるいは外交というものは欧米中心でありましたけれども、資源のないこの国の状況から見たときには、全方位の外交を展開していかなければならない。とりわけエネルギー問題については真剣に取り組んでいかなければならない。そこで、さきにアリエフ・アゼルバイジャン大統領が我が国を公式訪問され、ユーラシア外交がようやく本格化してきたなというふうな印象を受けるわけであります。申すまでもなく、このアゼルバイジャンには中東をしのぐだけの油があるのではないのか、このように言われております。それゆえに、これらの国々と緊密な外交関係を構築していかなければならない、こういうふうに思うわけであります。カスピ海沿岸の国々は全部押しなべて大切であるのは、他言をまつまでもございませんけれども、トルクメニスタンからパキスタンにかけてパイプラインを引く、これはアメリカのユノカル社がやろうとしているという報道がございました。
 このユノカル社がトルクメニスタンから天然ガスのパイプラインをパキスタンに引いてくるということになりますと、現在紛争中であるアフガニスタンにそのパイプラインを通さなければいけない。本当に紛争中のアフガニスタンにパイプラインを通すことができるのだろうか、私は心配しておる者であるわけですが、ユノカル社は既にアフガニスタンの一つの勢力であるタリバーンと契約を結んだというふうに言われております。このことについて、日本あるいはアメリカがどのような形で関与されているのか、あるいはどのような形で理解をされているのか、外務大臣からお聞きしたいと思います。
#297
○天江政府委員 今、松浪委員の言われましたトルクメニスタンの天然ガスパイプラインの建設構想でございますが、おっしゃいましたとおり、パイプラインの建設は、日本、米国、ロシア、サウジアラビア等の企業が国際企業連合を設立して共同建設を計画しているものと承知しております。今おっしゃいましたユノカル社の構想は、トルクメニスタン、パキスタン両国の支持を受けて、九六年八月にパイプライン建設の趣意書が出され、また九七年七月に契約が調印されたということを伺っております。
#298
○松浪分科員 契約が調印をされた。紛争している国であって、そしてタリバーンというのは一つの勢力でしかない。これは、外務省としては、実現するだろうというふうに思われていますか。それとも、はてなマークといいますか、一つの疑念を持たれているのか、ちょっとそこをお願いします。
#299
○天江政府委員 確かに、タリバーン勢力が今アフガニスタンの約八割を平定したといいましても、北部連合がまた北の方からタリバーンの地域を奪取しようとしている。そういういわゆる内乱が続いておるという状態のもとで、パイプラインが平和裏に引かれるかといいますと、そこは大変な疑問がございます。このためにもやはり各国が努力をいたしまして、国連中心にタリバーンを含めた四派が交渉テーブルに座る、それでアフガニスタンの和平が達成されて、その上でこのようなトルクメニスタンからのパイプラインが縦断してインド洋に至るということが望ましいということは言えると思います。
#300
○松浪分科員 冒頭でも申し述べさせていただきましたように、私は国際交流基金からアフガニスタンのカブール大学に派遣をしていただいて、そして教育と研究に従事をさせていただいた者であります。
 実は、再三レポートを新聞、雑誌等に発表いたしました。外務大臣は何回も読んでいただいて、そしてこのアフガニスタンという国にまで小渕恵三代議士は興味を持ってくださるということで、私は日ごろから敬愛をしておる先生でございますけれども、この国を何とか平和な国にしたい、これは私の切なる願いでございます。私は、三年間滞在した国であるということと同時に、日本の人々とこの国をこよなく愛してくれるアフガニスタン国民のことを思いますと、これだけたくさんの戦死者を出した、大変な状況にあるし、それが既に二十数年も続いている、何とか早く平和が訪れないだろうか、このように願う者であります。
 外務省は、カンボジアの和平会議を東京で行ったと同じように、我が国もこのアフガニスタン平和のために何らかの形で協力しようという姿勢をとられ、そして小渕外務大臣が就任されてからもそのことが継承され、一歩一歩私は前に進んでいるというふうに理解しております。
 そこで、外務省は、一月二十三日にアフガニスタン和平政策検討会議なるものを開催されております。このことは、されたということだけしかわかりませんで、その会議でどのようなことが議論されたのか、教えていただければ。お願いします。
#301
○天江政府委員 確かに一月二十三日に、中東大使会議に先立ちまして、アフガニスタンに境を接しますパキスタンあるいはウズベキスタン等の大使、あとは国連からも大使が出席いたしまして、一日かけましてアフガニスタン情勢につきまして検討いたしました。これは、右会議におきましては、アフガニスタンの現状分析とともに、我が国としてアフガンの和平実現に向けて何をすべきかというところを中心に議論をしたわけでございます。
 具体的には、和平のための国連の活動への協力、あるいは各派会合開催の可能性、周辺国、米国、ロシア等との関係、人道面での援助のあり方、文化遺産の保護等に関する議論を行った次第でございます。
#302
○松浪分科員 こういうふうな和平政策検討会議が頻繁に行われ、一歩一歩和平のために我が国が協力する、こういう姿勢を明確にしていただきたい、こういうふうにお願いします。
 そこで、昨年、外務大臣は、ブラヒミ国連事務総長特使が我が国を訪れられた際、紛争当事者間の和平会議を東京で開催する意向を伝えられております。今後それらの会議の開催が可能なのか、あるいは現在どのような形で進められているのか、その状況についてお尋ねしたいと思います。
#303
○天江政府委員 この東京和平会議、確かに東京におきまして関係者が集まってその和平を確認するということが私どもの目標でございます。問題は、そこに至る前に、やはりアフガニスタンはアフガニスタンの国民が、こぞって和平を達成しようという、そういうような意気込みといいますか、一緒に和平を達成するために交渉しようという意図がございませんとだめでございまして、残念ながら現在は、北部連合は和平にも臨もう、ただ、タリバーンの方はまだいろいろと問題を提起しておるわけでございます。
 このタリバーンに対しまして影響力がございますのはパキスタン政府でございますので、先日外務大臣からパキスタンのアユブ外務大臣に対しまして、このアフガニスタンの和平を達成することに日本とパキスタンとが一緒に努力していこうということを申し入れて、日本とパキスタンとの間に、課長レベルによるアフガニスタンに関する協議というものを今後行っていこうという合意ができたわけでございます。
 これは、私どもといたしましては、日本だけがやってもこれは到底できるものではございませんので、周辺諸国、あるいはアメリカ、ロシア、それで国連のブラヒミ特使を中心とした従来の努力というものに対して側面から協力していく、最後は、できれば東京でアフガンの和平を達成するような大きな会議を開きたいということで努力したわけでございます。
#304
○松浪分科員 積極的にそのように取り組んでいただければありがたいと思いますけれども、パキスタンだけにとどまらず、既にアフガニスタンは、周辺諸国の分捕り合戦の様相を呈しております。サウジアラビアはもちろんのことインドも、それから旧ソ連の中央アジア諸国、そしてトルコ、イラン、これらの国々がアフガニスタンに関与をしておりまして、日増しに複雑な様相を呈しておりまして、大変難しい会議になろうかと思いますけれども、根気よく地道な努力を重ねられ、アフガニスタンに一日も早く平和が訪れるよう、御協力のほどお願いします。
 我が国は、国連の政務官としていち早く政務官を送られたり、積極的にやられておるわけでございますけれども、この平和問題だけにとどまらず、たくさんの難民が出ております。医療の問題、それから文化遺産の保護の問題、これら文化的、人道的問題からも、できる協力は、この会議を開催することと並行していろいろな形の援助として御尽力を賜りたい、こういうふうにお願いしておきたいと思います。
 そこで、これも外務省にはいち早く協力していただいたわけでございますけれども、二月四日にアフガニスタン北部のタカール州のロスタク地域で、マグニチュード六・一という大変な地震が起こりました。もとより泥の文化の国ですから、家屋は崩壊しやすい、犠牲者は約五千人、こういうふうに言われております。ところが、この時期は非常に寒い時期である、加えて雪がある、しかも交通事情の極めて悪いところである、なかなか援助物資を送ったりすることはできないわけでありますけれども、我が国外務省は、いち早く日赤を通じて、七千五百万円を援助されました。
 淡路・阪神大震災とまではいかなくても、この援助の額は、大きいのか小さいのか私はよくわかりませんけれども、何を根拠に七千五百万という数字が出てきたのか、この辺を教えていただければと思います。
#305
○天江政府委員 今、松浪委員がおっしゃいましたとおり、アフガニスタンの東北部での地震災害というのは非常に大きなものでございまして、死者が四千二百八十一名、負傷者が千六百名以上、家屋の全半壊が約四千以上となっております。
 それで、私どもは、いろいろ情報を収集いたしたのでございますが、なかなか情報が達していないというような不便がございましたが、二月十二日になりまして、赤十字国際委員会と国連との間で合議がございまして、被災地に対する緊急空中投下に関する国連アピールが発出されました。それを受けまして日本政府は、翌十三日、先ほど言われました七千五百万円の現金で日本赤十字に拠出、アフガニスタンヘの空中投下を行っているわけでございます。
 その根拠といいますのは、これは死者及び負傷者といった人的被害及び家屋の全半壊等の物的被害を含む被災規模全体を踏まえまして、また人道的観点から総合的に判断した上で決定したものでございます。
 ちなみに、各国のこれまでの対応は、イギリスが国連経由で三十万ドル、これは日本よりも少ないわけでございますが、イラン、パキスタン等はテント、毛布、缶詰等を輸送いたしまして、これは具体的な数字が挙げられておりません。ヨーロッパ、EU、これは十一日に合計二百二十万ドルを拠出する用意があるということを表明してございます。これは、一国ではございませんでEUでございますから、全体で二百二十万ドルということでございまして、私どもは、日本政府としてできる限りのことはやったというふうに自負しております。
#306
○松浪分科員 赤十字国際委員会、ICRCは、被災者に対する救援活動のために五百六十万スイス・フラン、約四億八千万円の特別アピールを出されました。私は、大体この四億八千万円の特別アピール、これを根拠に政府は七千五百万を支援したのかなというふうに思っておったわけでありますけれども、このアピールは、ニカ月間にわたる耐寒用物資及び医薬品の配布、飲料水確保などの活動を行うということでございまして、もしかしたならば、もう少し追加して援助していただかなければならなくなるかもしれない。その用意は外務省にあるのか、お尋ねしたいと思います。
#307
○天江政府委員 この件につきましては、引き続き私どもとしましても、赤十字国際委員会、ICRC等と連絡をとりながらフォローしていきたいと思っております。
#308
○松浪分科員 足を移しますけれども、「バーミアンの月ほのあかく石仏は御貌削がれて立ち給ひけり」、二十七年前、現在の皇后陛下がアフガニスタンを訪れたとき詠まれた歌であります。ちょうど中央部にバーミヤンという渓谷がございますけれども、左側に五十五メートル、右側に三十八メートルの石仏が建っております。タリバーン勢力は、この石仏を壊すぞというふうに昨年来からおどしをかけていることは御案内のとおりであります。タリバーンは、言うまでもなくイスラム原理主義をかなめに据えておりますので、もしかしたならば、この世界的遺産を本当に壊してしまうのではないのかという心配は私にもございます。
 この遺産を守るために、外務省は何らかの形でタリバーンに壊さないように要請をしているのか、そして、現在のこの世界的遺産の石仏二つがどのような状況にあるのか、調査されていると思いますけれども、この状況がおわかりであれば教えていただきたいと思います。
#309
○天江政府委員 これは先般、大きく新聞にも報道されました件でございます。私どもは、その前に、昨年平成九年十月六日から九日にかけまして、私どものパキスタンの大使館員がバーミヤンまで足を運んで、バーミヤンの現状報告を送ってきております。その後平成九年十一月十日、十一日と、再度ほかの館員がアフガニスタン中部のバーミヤンに出張しまして、その報告を寄せてきております。
 それによりますと、手短にお話しいたしますが、仏像は、大仏像、小仏像とも、目に見えて状態が悪化している様子はなかったけれども、約二十年前に見学した経験を持つ同行者によれば、頭部上方にある壁画がかなりはがれ、劣化しているようであるとのことであったということでございます。またさらに、大仏像の上部の壁のがけの一部に亀裂が入っていたが、高橋政務官によりますと、これは仏像の上にある丘の上に設置されている対空砲への爆撃により生じたものであるということでございました。
 このような状態でございますので、私どもは、ハリリ派がそこを占拠しておりますので、ハリリ派に対しまして、仏像の保護を申し出た次第でございます。これに対しましてハリリ派は、これまで仏像の保護を積極的に行うということを述べておりましたが、残念ながら、戦闘に巻き込まれているというのが現状でございます。引き続き、可能な限りそのような働きかけをしてまいりたいと思います。
#310
○松浪分科員 いずれにいたしましても、世界的な遺産でございます。大切に保護、保存していかなければならない、こういうふうに思いますし、もし平和が訪れたときには、かつてはインドが国連のお金で修復作業をしておりましたけれども、私は、我が国の修復技術、能力の方がはるかに高い、このように思いますので、積極的にこれらにも協力していただけるようお願い申し上げます。最後になりますが、小渕外務大臣には、対人地雷の禁止条約に批准をしていただきました。アフガニスタンにもたくさんの地雷が埋まっております。この除去のためにも、我が国がいろいろな形で協力していただけますようお願い申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#311
○久野主査代理 これにて松浪健四郎君の質疑は終了いたしました。次に、金田誠一君。
#312
○金田(誠)分科員 民主党の金田誠一でございます。インドネシア情勢につきまして質問を申し上げたいと思います。
 大臣には、先般、たしかカナダにお出かけの前段だったと思いますが、私ども東ティモール議連というものを組織いたしてございまして、カナダでアラタス外務大臣にお会いをしたとすれば、ぜひこの件について触れてほしいということで、大変生々しい写真でございましたけれども、拷問、虐待の写真を直接ごらんになっていただきまして、本当に感謝をいたしている次第でございます。
 その後、わざわざ結果の御連絡までちょうだいをしまして、残念ながら、アラタス外相には話をする機会が得られなかったということでございますけれども、御努力いただきましたことには改めて感謝を申し上げたいと思うわけでございます。そして、今後にわたりましても、ぜひひとつこの東ティモールの人権問題に注目をしていただいて、機会あるごとに、平和的解決に向けての日本の考え方というものをインドネシア側にも伝えていただきたい、こう思うわけでございます。
 本題に入ります前に、この点につきまして、御所見等ございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
#313
○小渕国務大臣 我が国は、東ティモールにおける人権状況につきまして重大な関心を有しておりまして、これまでもさまざまな機会にインドネシアに伝達をいたしております。また、我が国は、東ティモール人包括対話の実施に対し、国連を通じ資金援助を行う等、協力を行ってきております。また、東ティモール問題につきましては、我が国は国連事務総長の仲介努力を支持し、関係当事者の話し合いにより、平和的に解決されることを希望いたしております。
 そこで、今金田委員お話しのように、私、昨秋APECに出席の折、インドネシア・アラタス外相に、我が国の中で、特に国会議員の有志の皆さんで多大な関心を有していると同時に、人権問題にお取り組みいただいておる先生方にもお目にかかってお話を聞いたので、その趣旨をお伝えしよう、こういうことで努力をいたしましたが、本人には申し上げられませんでしたが、その趣旨は関係者の皆さんにも伝達したつもりでございます。
 東ティモール問題というものは、なかなか難しい問題だろうと思います。私も、昨年ポルトガルに参りましたときに、ガマ外相ともお話しを申し上げました。その後、日本に六月に来たときにも、総理とともに、ポルトガルの政府の関係者の皆さんにもお伝えをしておるところでございます。
 日本といたしましては、インドネシアとの関係も十分これは存在し、かつ長い歴史の中でこうした問題が起こっておることでございますが、委員が御指摘いただきましたように、人権問題としてこの問題は常に注視をしていかなければならない問題だと思っておりますので、私も同じ気持ちで考えていきたいと思っております。
#314
○金田(誠)分科員 前向きの御答弁をいただきましてありがとうございます。日本は、インドネシアとは特に関係の深い国でございます。他の諸外国より以上に深い関係にあるわけでございまして、日本の果たすべき役割もしたがって重要であると思うわけでございます。ぜひひとつ、今後とも御努力のほどお願い申し上げたいと思います。
 実は、このような東ティモール問題の背景には、インドネシア自体の非民主的な状態といいますか、人権が十分に確立されていないといいますか、そういうインドネシア自体の問題の投影として集中的にあらわれている形として、東ティモール問題があるのかなという気持ちで見ているわけでございます。
 去る二月二十三日でございますけれども、インドネシアから、民主化の運動を続けてこられた著名なお二方が来日されました。今の非常に深刻なインドネシアの経済状態についてのその方々の御見解を伺うことができたわけでございます。お一人は大学で教鞭をとっておられる学者でございまして、もう一人は大変著名なジャーナリストでございます。お名前を申し上げるのは、やはりインドネシアという国柄、差し控えた方がいいのかなというふうに思うわけでございます。
 その方々が、今日のインドネシアの経済危機についてのお話をしてくださいました。端的に申し上げれば、この危機の原因のよって来るところは、政治に起因をしている、単なる経済の問題ではなくて、政治危機によって引き起こされているということを話してくださいました。
 一つは、スハルト大統領のファミリービジネスがすべてを支配している状況。もう一つは、インドネシアの権力が、通訳の方の話では、権力が個人化しているという言葉を使っておりました。法の支配が貫徹しない。私なりに解釈すれば、かなり無法状態ということかなと思って聞いておりましたけれども、そういうことが言われておりました。
 ジャカルタの空港からおりて町に入るまでの間、空港から始まって、すべての施設がファミリー企業によって支配をされている。あるいは、法の支配が貫徹しないことによって、企業を起こしたとしても、いっそれが没収なりされるかわからない状態ということでございます。
 こういう中では、当然のごとく、投資の意欲が起こらない。したがって、外国の援助、外国の投資を頼りにする経済になってしまう。そこに危機の根本原因があり、ルピアの下落もそれに起因している。しかし、外国の投資に頼る、融資に頼るという経済であるから、ルピアの下落が直ちに経済危機につながってくる。そういう悪循環だということでございます。
 この状況を打開するには、ただ単に経済問題としてはもはや対処できない。政治そのものが変わらなければならない。変わるということは、ファミリー支配なり権力の個人化なりを変えるということでございます。端的に言えば、民主化ということでございます。そしてその民主化は、現体制、スハルト体制の退陣以外にはない。それ以外に、民主化が実現され、ファミリービジネスによる支配であるとか権力の個人化、法の支配が貫徹しない状況が変わることはあり得ないだろう、こういう認識を示されたわけでございます。
 これは日本政府の認識とは同一なのか、異なるのか。その辺のところをお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
#315
○阿南政府委員 インドネシアの経済危機について、政治的な不安定が先か、経済危機から社会不安、政治的な不安定が生じてきたか、いろいろな議論があることは私どもも承知をしております。今委員が御紹介になられました、インドネシアの学者、ジャーナリストの御意見、こういう見方があることも存じております。
 私どもは、スハルト大統領が七選目を果たされて新政権が発足したばかりでございますので、昨年十一月から、インドネシア政府が国内の金融危機、経済困難を乗り切るためにIMFの支援を求め、IMFが処方せんと申しますかコンディショナリティーをインドネシア側に要求している、このIMFとの合意をインドネシア政府がきちんと遵守して、そして国際的な支援がインドネシアに向かって行われるように現在期待をしておりますし、橋本総理が先般インドネシアを訪問されましたが、そういうことをスハルト大統領に話をされて、そういう前提のもとで、日本もできる限りの支援をするということでございます。
#316
○金田(誠)分科員 けさの朝日でございます。外務大臣とハビビ副大統領との会談の経過が載ってございます。今、答弁にもございましたけれども、IMFとの合意が実施されれば金融支援を集中的に考えるということをハビビ副大統領に伝えられたということでございます。しかし、スハルト体制のもとで、このIMFとの合意事項が確実に実施される状況にあるんだろうかということだろうと思うわけでございます。
 日本の国も今、護送船団方式とか言われて、あるいは官による支配とか言われまして、非常に硬直して、壁にぶち当たっている。これを、自己責任原則といいますか規制緩和といいますか、そういう方向で改革をしようということに今なっているわけでございますけれども、インドネシアの場合は、官による支配とかではなくて、個人による支配なのかなという思いでございます。
 日本のいわゆる護送船団方式も、戦後の復興から、一時期非常に効果を発揮した時代もあったんだろうと思うわけでございます。廃墟の中から立ち直って復興を遂げるには、ある意味では、効率的な投資であるとか、中央に権力を集中した一元的な管理とか、そういうことも必要だったのかもしれません。
 しかし、それが今日では逆にマイナス要因に転化している、阻害要因に転化している。金融のああした不祥事等が象徴しているわけでございますけれども、そういう時代の流れ、一つの事象であっても、状況によっては、プラスになったりマイナスに作用したりということがあるんだろうと思います。インドネシアも、もしかすればそういうことなのかなと。かつてプラスに作用した時代が仮にあったのかもしれませんけれども、今は硬直化して、裸の王様とでも申しますか、そういう状態になってしまったのかなと思うわけでございます。
 そうした中で、さまざまな情報が入ってくるわけでございますけれども、現在のインドネシア政府は、IMFとの合意事項に調印はしましたけれども、本当にこれを実施に移すという意思がないのではないか、こういう見方がされていると思いますし、日本政府としても、現時点ではそういう懸念を深く持っているんだろうと思います。そういう懸念のもとに、先般は総理がわざわざ出かけるという事態もあったんだろうと思いますし、今回またハビビ副大統領と大臣の会談もあったんだろうと思うわけでございます。
 さまざまなIMFとの合意事項、国営航空機会社の政府補助の停止であるとか、国民車ティモールの免税措置の停止であるとか、さまざまな合意に調印はした。しかし、その実施を先送りし、言を左右にといいますか、一向にその実施の兆しが見えてこない、そう認識すべきが順当ではないかなと思うわけでございますが、その辺、いかがでしょうか。
#317
○阿南政府委員 インドネシアの内政と申しますか、委員が、個人による支配とか権力の個人化という表現で御提起なさいましたけれども、私どもも最近インドネシアの勉強を少しいたしますと、現在の四五年憲法には家族主義ということが掲げられている。これは、インドネシアという国の一つの国是、基本理念のようでございまして、私どもがこれを云々するべきものではないと思っております。
 しかし、IMFとの約束という点につきましては、スハルト大統領も橋本総理に、また昨晩、訪日中のハビビ副大統領も外務大臣に、約束したことは守るのだということを言っておられますので、私どもは、ともかくインドネシアがIMFとの合意を尊重し遵守しませんと、日本政府の策定いたしました対インドネシア支援策も大宗が動かないという状況でございますので、インドネシア側の努力を期待しておるところでございます。
#318
○金田(誠)分科員 そこで、具体的な総額七百億の円借款についてお尋ねをしたいと思うわけでございます。
 セクター・プログラム・ローンと呼ばれているそうでございますが、円による借款。インドネシア側では、これをもって輸入の決済に充てる。ルピアが暴落した中で決済ができない状態をまずは救うということのようでございますが、この円によって何が決済されるのか、この使途は何なのかということと、そして、その使途が正確に使われたかどうかというのはどのようにモニターされるのかということでございます。
 現政権の中では、政府部内での横流しとでもいいますか、適切な表現がちょっと出てこないわけでございますけれども、そういうものがかなり横行しているやに伺っておるわけでございます。一つは、援助の効果が上がる上では使途を特定する、そしてその使途がそのとおり実施されたかどうかモニターするということがぜひとも必要だと思うわけでございますし、そうしたことが民主化支援の一環にもつながっていくだろうと思いますが、具体的にお答えいただきたいと思います。
#319
○大島(賢)政府委員 ただいま委員から御指摘のありました二百億円それから新年度における五百億円のセクター・プログラム・ローン、まさに我々もそう称しておるわけでございますが、これは、長期低利で提供されました円貨によりまして、現在インドネシアにおきましていろいろな問題のために供給が激減をしておったり、あるいは価格が非常に高騰しているといった生活必需品等の輸入決済に充てられるものでございまして、そういう意味で、国際収支を支援するということになります。
 それからもう一つ、インドネシア側とこのセクター・プログラム・ローンにつきまして合意をいたしておりますことは、円貨の供与に当たりまして現地通貨ルピアの見返り資金が生じるわけでございますが、その二百億円に相当いたしますルピア貨を積み立てまして、その使途につきましても既に合意をいたしております。
 概略を申し上げますと、インドネシアの第六次五カ年計画におきまして重視をされているもので、社会分野あるいは貧困対策に資するような分野、具体的には、社会的弱者救済の観点からは、社会福祉施設の増改築、地域保健医療強化のための資機材、学校の建設等々、こういった目的に限定をいたしまして見返り資金の使用が決められております。
 あと、モニタリング、使途の明確化の点でございますが、もちろん三月三日に交換公文を交わしておりますけれども、その中で適正使用についてはきちんと政府間の約束ということで規定をいたしております。
 それにとどまりませず、このような二百億円の円借款につきましては、別途コンサルタントを雇用いたしまして、この事業の進捗管理、これは見返り資金の使用部分も当然含むわけでございますけれども、そういった事業の進捗管理、それから日本政府に対する報告書作成の助言に当たらせるといったようなことを措置いたしております。
 それから、別途、こういった配付計画につきましても、きちんとモニタリングを行うという措置を講ずるようにいたしております。
    〔久野主査代理退席、主査着席〕
#320
○金田(誠)分科員 先般、もうお一方、これはインドネシアの著名な経済学者でございますけれども、IMFの専務理事とも大変親交のある方と伺っておりますが、来日をされまじた。その方の話もあるわけでございます。こういう話をしてございました。七百億の円借款について、日本政府が今考えているような、何でも自由に買ってよい、好きな価格で売ってよい、モニタリングはかなり難しい、報告も求めないといった商品借款のやり方では、物がやみ市場に流れたり、側近の輸入業者が優遇されたり、わいろの分がコストに算入されたりするだろう。今回の円借款が本当に弱者救済、雇用対策、人材育成を目的とするなら、今回の商品借款とルピアによる見返り事業の抱き合わせという方法が果たして適切と言えるかどうか、再考してほしい。いずれにしても、スハルトのつかみ金にしないでほしいということを訴えておられたわけでございます。円借款といえどもインドネシアの国民がこれから返済をしてくることになるわけですから、インドネシア国民の立場からすれば、知る権利があるし、適切な使用をしてもらう権利というのは当然あるのだと思うわけでございます。今の御答弁、輸入決済に充てられる部分は生活必需品である、それをモニターするのはコンサルタントである。どうでしょうか。果たして、輸入された品物がやみの市場に流れたり、側近の輸入業者が優遇されたりという懸念に対してこたえるものになりますでしょうか。
#321
○大島(賢)政府委員 委員もよく御承知のとおり、今インドネシアの国内情勢は通常の状況ではございません。経済困難に発します非常に難しい時期にあるわけでございます。したがいまして、通常の状況であればスムーズにいくであろう円借款あるいは無償資金協力その他の協力も、今のような状況ですと、必ずしもそうはいかないおそれがあるという点は、私どもも重々認識をいたしておりまして、しかるがゆえに、やはり特別の措置をとる必要があろうというふうに考えております。
 別途、円借款とは別に、医薬品等の無償による供与も既に始まっておりまして、こういった緊急の無償援助につきましても、きちんと配付計画をつくっておりますけれども、そういった配付計画がそのとおり実行されるかどうかということは、やはり別途、通常以上に気を使ってモニタリング、それから報告等を得る必要があるということでございまして、そういうことのためにいろいろ手段を我々も講じております。
 外国内で行われることでありますし、基本的には、こういった政府間の協力は相手の政府機構を中心に動かざるを得ませんけれども、しかし、今難しい状況にありますので、そういった配付、モニタリング、それから、使途が合意されたとおりにきちんと行われるということにつきましては、手段を尽くして、きちんといくように監視をしていきたいと思っております。
#322
○金田(誠)分科員 冒頭申し上げましたように、政府機構の問題によって引き起こされている経済危機であるという認識に立つかどうかということが、大きな分かれ目のような気がいたします。
 こういう場ではなかなか言いにくいことも恐らくあるのだろうと思いますけれども、かなり深刻な政治の状況でございます。IMFとの約束事が本当に実施されるのかどうか、極めて先行きの見通しは暗いという状況の中での、これから実施されたという前提のもとでの円借款ということになるわけでございますけれども、ぜひひとつ、くれぐれも懸念されるような事態にならないように、細心の注意を払っていただきたい。
 そこで、具体的に一つの効果的な方法としては、NGOの力をかりる、NGOの知恵をかりる、力を合わせるということが必要ではないのか。例えば国際赤十字であるとかユニセフであるとか、その他さまざまなNGOが現地で活動をいたしているわけでございます。
 そうしたところと、日本政府の場合、余りNGOとの交流というのが、この件によらず、諸外国に比べてもまだ十分でないように思うわけでございまして、政府の、政治の危機による経済危機という観点からすれば、ぜひひとつ、NGOとの協議、意見を聞き、話し合いのもとに事を運ぶという方策を講じていただきたいということが一つでございます。それについて、ぜひ前向きにお答えいただきたいと思います。
 それと、時間がございませんのでまとめて伺いますが、見返り資金の使途としてのリストには箱物が極めて多いようでございます。しかし、今必要なのは箱物ではない。もっと深刻な事態、食糧であり、子供のミルクであり、医薬品である。仮に箱物に投資するにしても、新規に建てるよりも、修理とか改良とか、使えなくなっているものを使えるようにするとか、そういう分野での対応が必要ではないのかというふうに思うわけでございます。
 その点も含めて、NGOの話を聞いていただきたい。輸入決済に当てられる生活必需品ということも、本当にそうなるのかどうかも含めて、NGOとの協議、協力が非常に重要だと思いますが、いかがでしょうか。
#323
○大島(賢)政府委員 先ほど委員の御指摘になりましたようないろいろな懸念が起こらないような形で実行されるように、我々も十分に留意をしてやっていきたいと思います。今具体的に御指摘を受けました二つの点でございますが、まず、モニタリングの点についてのNGOとの、あるいは国際機関との協力でございます。私どもこれはぜひ配慮してまいりたいと思います。
 具体的には、例えば医薬品の供与等に当たりまして、今予定をしておりますのは、通常のものに加えまして、例えばインドネシアには青年海外協力隊員も入っておるわけでございまして、現場で、病院等、保健所等で活躍している人も多数おられますので、こういった協力隊員にお手伝いいただくといったようなこともあります。それからユニセフ、赤十字等の国際機関の関与した形のもの、こういうものも、私どもも一つの手段ということで今現に検討をしておるわけでございますが、こういうこともぜひやっていきたいと思います。
 それから、いわゆる箱物の点に.つきましては、確かに、こういう学校、保健所等の建設、これは雇用の創出にもなりますし、それから需要の喚起にもなるという意味の効果ももちろんございます。具体的に詳細な使途につきまして合意をいたしておりますが、そういった社会的な効果という見地も踏まえながら、なおかつ、それが最もよく生かされるように、運用面に当たっては最大限の配慮をしていくようにしたいと思いますし、それに際して、NGOの方々の意見もよく聞きながらやっていくということについても、鋭意、配慮をしてやっていきたい、こういうふうに思っております。
#324
○金田(誠)分科員 時間が参りましたので、これで終わらせていただきますが、今回の経済危機は、民主主義が存在しない、法の支配が及ばない、権力が個人化している、ファミリー企業の支配というところから来る経済危機であるという認識は、私は正しいと思うわけでございます。
 ぜひひとつ、そうした点も踏まえていただいて、民主化に資する、そのことがひいては我が国の国益にも合致をしてくるということだろうと思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#325
○伊藤主査 これにて金田誠一君の質疑は終了いたしました。
 次に、仙谷由人君。
#326
○仙谷分科員 小渕外務大臣も、二十一日にソウルに行かれるということを報道で知ったわけでございますが、昨年の十二月三十日にもソウルに行かれて、韓国政府の関係者、あるいは二月二十五日から大統領に就任された金大中さんにお会いになったように報道で伺っておるところでございます。
 私も、二月二十五日の大統領就任式典に出席をさせていただいて、金大中大統領ともお会いをすることができましたし、現在の政府関係者あるいは与野党の政治家の方々ともお会いをして、今後の日韓の関係等々についても意見を交換して、帰ったところでございます。
 そのときの感想からお話をいたしますと、一つは、金大中大統領も我々にもおっしゃっておったことでありますけれども、現在韓国が、IMF体制というふうに彼ら自身が言っておるわけでございますが、大変な経済的な苦境、特に金融危機、日本の金融危機をはるかに上回るような対外債務の問題がデフォルト直前の状態にまでいって、IMFに支援を求める。つまり、昨年伺ったときには、OECDに入ったのだということで、大変国民の方々が胸を張っていらっしゃったわけですが、一年を経ずして一MFに支援要請をせざるを得ないというところまで落ち込んだ。その状況をよく認識しながら、日本の今回の韓国の金融危機に対する支援については、率直に感謝の意を述べていらっしゃいました。
 しかし、町に出て話を聞きますと、一つは、漁業協定の破棄というのは、新大統領に対するお祝いのしるしとしてはまことに神経を逆なでするようなことをやったものだ、非常に日本の外交というのはデリカシーに欠けるのではないかという痛烈な批判が、町のあちこち、あるいは政治家の間でもそういう議論がされておったところであります。
 この間、年に二、三回なるべく韓国に伺っておるわけでございますが、どう考えましても、隣国というのですか、日本の周辺国といい関係をつくるしかないのだろうと思うのですね。どんなことがあっても、隣国との間がうまくいかないで、これからの国際社会の中で日本が何らかの指導的な地位を占めるというふうなことはあり得ないというふうに考えるのが基本ではないかと思います。盧泰愚大統領が来日をされてから、そろそろ丸八年だと私は記憶しておりますが、要するに、未来志向の日韓関係というのが当時から言われておりまして、今も言葉としては生きておるわけでございます。なかなか未来志向になってこない、現実には未来志向の関係構築が非常に難しいというのをやはり痛感するわけでございます。
 今回、日本も経済的に大変厳しい状態にあるわけでございますけれども、韓国のこの苦境について、日本がやはりちゃんと、これは同情とかあるいはれんびんの情とかそういうことではなくて、まさに韓国が隣国にあるがゆえに、経済的な相互協調といいますか、相互の関係を改めてつくり上げる、未来志向の経済的な関係をつくり上げるという観点から、経済的な支援をやらなければならないのではないかと考えているところでございます。
 金大中さんの演説を聞いておりましても、やはり政治的な民主化と市場経済はコインの裏表であるといいますか、両面であるということを力説されております。それから、きょうの毎日新聞で報道されましたことを考えましても、あるいは金大中さんの今までの来し方を拝見しておりましても、やはり人権問題というものについてはそれほど軽々に扱わないといいましょうか、人権尊重ということも一つの大きな柱になっておるのだと思うのです。
 このことは、市場経済、民主化、人権というのは国際社会においてははっきりとした確立されたスタンダードでありますから、この価値を共有するという観点で日韓関係をきちっとやっていく、これからつくっていくという志向があれば、難しいことは多々ありましょうけれども、そんなに従来のような、絶えず反日闘争が起こったりということにはならないという関係をつくれるのではないかという、ある意味で楽観論に私は立っております。
 そういう中で、サハリン残留韓国人の問題というのが日本と韓国の、あるいは日本と韓国人の問題としていまだに残っているわけでございます。外務大臣は御存じだと思いますけれども、これは一九八七年ころから原文兵衛先生あるいは五十嵐広三先生という、今引退をされました両先生が大変な尽力をされて、八八年ごろから一時帰国というふうな、NGOがやっておった事業に予算がつき始めた、赤十字を通して支援が行われ始めたということでございました。そして、五十嵐官房長官が内閣に入るというふうなことも相まって、現時点では相当の進捗状況を見ているわけでございます。
 そこで、まず、サハリン残留韓国人の一時帰国ということについて、あるいは、最近では永住帰国に対する支援というふうなものも行われておるようでございますけれども、今までの実績について外務省の方から御答弁をいただきたいと思います。
#327
○阿南政府委員 お答え申し上げます。
 一時帰国支援、韓国とサハリンの間に直行チャーター便を運航するというようなことで、昨年末までに延べ一万百七十七名の方がこの支援を受けております。また、永住帰国支援につきましては、先生も御案内のように、定住施設、それは療養院それからアパート形式集団住宅というようなものでございますが、この建設にかかる費用を共同事業体に拠出をしているということでお手伝いをしております。
    〔主査退席、久野主査代理着席〕
#328
○仙谷分科員 九四年に予算がつけられて、百名収用規模の療養院それから五百世帯のアパートの着工を韓国政府にお願いするという事業が始まっているわけでございますが、これは、現時点ではどの程度の進捗状況なのでしょうか。
#329
○阿南政府委員 お尋ねのアパート形式集団住宅につきましては、我が国は三十二億円を拠出いたしましたが、これを受けまして、韓国側の方で建設用地確保の努力をされまして、昨年七月に着工いたしました。
 今後の見通しを申し上げますと、明年、平成十一年でございますが、秋、十一月ごろ完成を目指しておりまして、十二月ごろには入居が行われる予定ということでございます。
 また、療養院の建設状況は、つい最近、三月十六日に着工いたしまして、明年二月の完工、三月の入居が予定されております。こういう状況でございます。
#330
○仙谷分科員 このアパートの方も、最近現地へ見に行った人の話によりますと、まだ穴を掘っている段階で、地盤工事もできていないという報告が私どものところへ来ております。
 後に申し上げるサハリン残留韓国人の問題というのは、基本的に時間との闘いの部分が非常に大きいのですね。余りもたもた議論を重ねたり、ゆっくりと施策が進行するということになりますと、もう既にサハリンにいらっしゃった老人会の会長さんは亡くなっていらっしゃる方もおりますし、どんどんとお亡くなりになるということでございまして、意味がなくなる、意味が減殺されるということもございます。
 政府から韓国政府の方に、早くやれとか、急いでやれとか、やってくれというようなことを言うのは、そんな大変細かいこと、内政に干渉するようなことを言いにくいのかもわかりませんけれども、しかし、少なくとも工事の進捗状況については、ちゃんと何らかの方法で、つまりNGOと連携するとかいろいろなことを考えて、フォローをして、そしてまた韓国政府の方に対する要請も、政府対政府という格好でやるのが非常に難しければ、別の方法をお考えになったらいかがか、こう思っているところでございます。
 安山でございますか、ここへ現在建築中のアパートと療養院、これは三十年とか五十年とかという、何か韓国の新聞に、五十年契約でその後安山市に譲渡されるという記事が出たというふうにも聞いておるわけですが、そういう年限が切られた話なのでございましょうか。それとも、日韓の政府とかあるいは両赤十字間には、協定とかあるいは約束はないということなのでしょうか。
#331
○阿南政府委員 向こうとの取り決めでは、三十年を経過した後に譲渡するということになっております。
 それから、その前に先生おっしゃいました、建設のおくれでございますが、韓国側に事情を聞いております。着工後、産業団地の開発にかかわる認可の取得に手間がかかって、一時中断を余儀なくされた、現在は、先ほど委員がおっしゃいましたように、地盤や道路などの基礎工事を行っている段階であるということを聞いております。
#332
○仙谷分科員 ぜひ何らかの方法で工事の進捗を図っていただいて、来年の夏でしょうか、秋でしょうか、その入居が開始されるようにお願いをいたしたいと思います。
 次に、現在臨時のアパートへ入居している百世帯の御家族の方もいらっしゃるようでございますし、それへの移転の経費について日本政府、あるいは日本政府が赤十字社を通して支援金を交付するという事業もなさっておるようでございます。ただ、入ってから大変、韓国政府からの生活保護のお金が昨今の状況でカットをされたりして生活が苦しいということでございますので、この生活支援の支援金についても、別途の手だてができるようなことをさらにお考えいただきたいということを申し上げておきたいと思います。加えて、サハリンに残留することを選択した、
 つまり、韓国の方へ帰国をしない、サハリンで死ぬまで生きていくんだという方々もいらっしゃいます。そういう方々に対する支援、これはもう高齢化して、病気にもなったりもしますし、生活も相当苦しい方もいらっしゃるようでございます。この残留の韓国人の方々について、何らかの支援を具体的になさろうという計画といいましょうか、プランはございますでしょうか。
#333
○阿南政府委員 確かに御指摘のような問題があるのでございますが、事業の性格上、現在残留されている方々へ補助をするという計画はございません。
#334
○仙谷分科員 そもそも、サハリン残留韓国人の問題というのは、今まで国会でも随分議論はされてきておりまして、半ばであったか全面的であったかはともかくとして、強制徴用とかそういう格好で日本を経由してサハリンへ送ったといいますか、送られた人から見れば送られたということでしょうけれども、そういう方々である。そしてさらに、戦後は、この四万三千人の韓国人の方々を日本人とは別にそこに残して、放置したということについては、日本の政府あるいは歴代外務大臣といいましょうか、外務省も責任をお認めになって、責任をお感じになっているというふうに我々は認識をしておるわけでございます。
 そうだといたしますと、このサハリンに残留する韓国人の方々にも、これは当然のことながら、日韓基本協定の賠償権に含まれるとかなんとかという解釈は出てこないはずでございますので、何らかの手当てをする。まさに国際的な人権という立場からも、あるいは日本の戦後処理、戦後責任という観点からもしかるべき手当てがあって当然だろうと私は考えているわけでございます。
 そういう問題について、現在は対応できてないということでありますけれども、これも時間との競争の部分がございます。その点については、今の段階で外務省の方はお考えがあるのかないのか、もしないとすれば、外務大臣にここはひとつ支援策を講じようという気になっていただきたいのでありますけれども、いかがでございますか。
#335
○阿南政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、この事業は、もちろん委員の御指摘の点は私どももわかっているつもりでおりますが、そもそも事業の趣旨が、戦後、自分の意思で帰国をされる状況であればよかったのでございますが、当時のソ連の政策もあって、お帰りになれなかった方、そういう方の離散家族が再会されるというようなことをお手伝いするという趣旨でございましたので、一時帰国支援、それから永住のために帰られる方の支援ということでございまして、そういうそもそもの事業の趣旨から申しまして、残留されている方にお手伝いするということは今検討していないと先ほど申し上げたわけでございます。
#336
○仙谷分科員 大臣、いかがですか。このサハリンに残留しておる韓国人については、日本にそもそも論からいっても責任がある、あるいは戦後もこれを放置した、ここのところははっきりしているわけですね。この方々が年老いて、悲惨な状況の方もおるし、苦境の方々もいらっしゃる。
 例えば、具体的に年金的なものを、基金をつくって、あるいは赤十字を間に入れて交付するかどうか。あるいは、サハリンにお住まいの方々に、老人ホームをサハリンの地につくって、そこを利用してもらう。あるいは、医療施設を日本が、他のロシア人も利用できるけれども、サハリンに残留する韓国人が優先的に利用できるような医療施設をつくってみてはどうか。あるいは、文化センターみたいなものをつくってはどうか。こういう種々のプランがあるようでございますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#337
○小渕国務大臣 在サハリンの韓国人の問題につきましては、先ほど委員御指摘のように、原先生を初めとして大変熱心にお取り組みをいただきまして、政府としてもできる限りの御支援を申し上げてきたという経過であろうと思います。
 私自身、それほど深いかかわり合いを持ってきたわけではありませんが、昨今、いろいろテレビ等を拝見いたしておりましても、こうした事業を通じまして、韓国に戻られるに当たって夫婦別れしてみたり、また帰った方々も必ずしもふるさとに温かく迎えられなかったというような事例を拝見いたしておりますと、この状況をこのままにしてよろしいかという気はいたしております。
 ただ、国籍からいいますと、ほとんどがロシア籍だ、それから北朝鮮が一%で無国籍が一一%、こういう中でございまして、ほとんどがロシア人に今なっておられるわけですね。
 ですから、よって来るところにつきましてのいろいろ御議論はあろうかと思いますが、こうした方々にどのような手だてで協力ができるのかということについては、さらに検討しなければならないと思いますが、今、段々申し上げられているように、政府としていろいろ、韓国内にこうした施設をつくるというようなことを現実のものとしてさらに加速させなきゃならぬし、また現地に残っておられる方についての委員の御指摘だろうと思いますので、少しく勉強させていただきたいと思います。
#338
○仙谷分科員 ロシア政府も内々、聞くところによりますとむしろ賛成である、あるいはサハリン州の方も拒否反応はしていないというふうに聞くわけでございます。我々も、そういうロシア政府なりサハリン州なり、そういうところにも動いてみようと思っております。あるいは、韓国の政府筋とも非公式に話し合う機会があればやってみようと思っておりますので、ひとつこの問題は、外務省の方で積極的に、残された問題を一つずつ片づけていくという取り組みをしていただきたいと思います。
 もう一点問題がございます。
 切実な話としまして、郵便貯金の問題がございます。実は、ここ数日前から、サハリン残留の韓国人の老人会の方々と、それと大邸に本部がございます中蘇離散家族会の方々が日本に来ておりまして、そこで、私もその方々とお会いしましたら、いわゆる郵便貯金、簡易保険、国債、勧銀債、あるいは、先ほど倒産をしたといいましょうか廃業した北海道拓殖銀行、こういうところの通帳を持っていらっしゃったり、通帳はなくしたけれども確かにあったはずだというような方々が相当数いらっしゃいます。私のところへも、今、一覧表が、郵便貯金の一覧表あるいは紛失者の名簿というふうなものが届けられておるわけでございます。
 これは郵政省の方に事実関係をお伺いするわけですが、どのぐらいの金額が未払いのまま、サハリンで貯金をされた郵便貯金あるいは掛けられた簡易保険というのが存在するというふうに考えられるわけですか。
#339
○中澤説明員 お答えさせていただきます。
 サハリンで利用されていた郵便貯金等の口座数及び現在高は、平成九年三月末現在で、郵便貯金については、口座数で約五十九万件、現在高は約一億八千七百万円、簡易保険につきましては、件数は約二十二万件、金額は約七千万円となっております。
 ただ、これにつきましては、当時サハリンで預けられたものでございますので、その具体的詳細につきましてはわからないということでございます。以上でございます。
#340
○仙谷分科員 これは、原簿のようなものはどこにあるというふうに推定されますか。
#341
○中澤説明員 お答えさせていただきます。原簿につきましては、サハリンの方に残ったままになっておりまして、日本の方には返還されていないというのが現状でございます。以上でございます。
#342
○仙谷分科員 サハリンに現在も存在することは確認されているのですか。
#343
○中澤説明員 申しわけございません。その件につきましては不明ということでございます。
#344
○仙谷分科員 外交ルートを通じてでも確認をしようとしたこともないのですか。つまり、確認作業に入ったけれども確認できなかったということなのか、郵政省としては確認しようとしたこともないのか、どちらですか。
#345
○中澤説明員 今まで、そういうことにつきましては取り組んでいなかったということでございます。
#346
○仙谷分科員 預金者の方から見たら、勝手にというか、自分の知らないところで戦争が終わって、日本政府当局者は全部いなくなって、だれに請求していいのかわからない。つまり、一人一人の強制徴用された方々や、強制徴用されたあげく強制預金を強いられた方々が、相手方がいなくなったときにどうするのか。これはある意味では大変な問題だと思うのですね。
 郵政省は、今までの議論の中では、金利をつけて請求があればお返しする、こういうことを言っているらしいですね。ここはきょう時間がないからまた改めてどこかでやりますが、台湾の関係者には百二十倍を払う、こう言っているわけですね。そうですね。ここは、本当は、本来的に計算すると一千倍になるのか二千倍になるのかわかりませんけれども、いずれにしても、盗人たけだけしいというふうに思われないような措置をちゃんととらないと、これはある種の国辱の話に近いと私は思うのですね。
 これは、郵政省の課長さんにそんなことを聞いてもしようがないので、大臣に最後に聞きますが、私もこの会に、離散家族会等々に出ますと、夫の生活と私の生活と子供の生活と父、母の生活を奪ったのがこの強制連行だというのを必ず言われるわけですね。その上に、サハリン現地で貯金をした貯金まで返してくれないなどということになっているわけでございますから、これは大変ひどい話だと私は思います。
 外務大臣、これは、郵政省の方は調査もしていないということでございますので、外務省の方から外交ルートを通じて調査するように、内閣の中でひとつお取り計らいをいただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
#347
○小渕国務大臣 郵便貯金あるいは簡易保険等の信頼は世界に冠たるものだろうと思っております。そうした意味で、戦前戦中、いろいろな形で、国際情勢の変化あるいはまた我が国の敗戦等によって、いろいろな問題が惹起しておることは承知いたしております。
 そこで、今先生の御指摘いただいたことに対しての答弁の中でその数が申されましたが、これは恐らく、旧サハリンに、樺太に住んでおった日本人の貯金や保険を持っておった方々じゃないかなというふうに思っておる……(仙谷分科員「含まれているのですね」と呼ぶ)含まれていますね。したがって、そういう方々の今度権利義務の問題等も生ずるわけでございますので、こうした貯金のあり方については、郵政大臣とも、どういうことになっておるか、よく相談してみたいと思っております。
#348
○仙谷分科員 終わります。
#349
○久野主査代理 これにて仙谷由人君の質疑は終了いたしました。
 次に、田中甲君。
#350
○田中(甲)分科員 民友連の田中甲です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の毎日新聞でありますけれども、一面にこのような記事が出ておりました。金大中政権の発足により就任した韓国の朴定沫外交通商相は十八日、複数の日本報道機関と会見し、小渕外務大臣の二十一日からの訪韓を控えて日韓関係全般に関する見解を明らかにしたという新聞記事でございますが、この会見の中で、小渕外務大臣を歓迎するとし、新漁業協定締結交渉の再開にも比較的柔軟な姿勢を示したが、従軍慰安婦問題に関しては日本政府の被害者個人に対する補償措置が当然として、前の金泳三政権の姿勢よりも一歩踏み込んだ外交方針を打ち出された、そんな記事に私も目が向けられました。
 以前より強く従軍慰安婦問題その他戦後補償問題、さらには過去の歴史にかかわる問題等に関しまして、ぜひこの機会に小渕外務大臣から、この新聞報道、そして今後の金大中大統領との話し合い、外交交渉等に関してどのような御所見を現在お持ちであるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#351
○小渕国務大臣 御指摘の会見に関しましての報道につきましては承知をいたしておりますが、韓国側に確認いたしましたところ、朴長官の御発言の趣旨は、日本政府がみずからこの問題について、人権の次元において厚意を示してほしいという内容でございました。
 いずれにしても、政府としては、いわゆる従軍慰安婦問題は、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとの認識のもと、心からおわびと反省の気持ちを表明してきておるところでございます。
 このような認識のもと、政府としては、今後とも、元慰安婦の方々に国民的な償いの気持ちを行うことなどを目的として設立されたアジア女性基金が所期の目的を達成できるよう、最大限の努力を行っていく考えでありまして、お許しいただいて土日に韓国に参りました折に、こうした問題も含めて、万般にわたりまして、率直、忌憚のないお話し合いをしてまいりたい、このように考えております。
#352
○田中(甲)分科員 二月二十五日、金大中大統領の発言の中で、実はこれは日韓議員連盟が訪韓した際の会談の中で述べられた言葉でありますけれども、私の拉致事件が日韓両国ののどに刺さったとげならば、従軍慰安婦問題は精神的なとげと指摘をされたようであります。
 また、慰安婦の基金の新聞広告、女性のためのアジア平和国民基金の広告に対して、韓国政府も民間も不快感を表明し、韓国の外務省の柳アジア太平洋局長は、極めて遺憾であるというコメントも述べられているところであります。
 先ほど、みずから厚意という表現だったと思いますが、示してほしいという意図だというふうに外務大臣は述べられていらっしゃいますけれども、このような今までの発言やアジア太平洋局長の発言、さらには大統領の発言ということを考えた場合に、果たしてその範囲の受けとめ方で本当によろしいのかどうか、再度御質問をさせていただきたいと思います。
#353
○阿南政府委員 ただいまの御指摘の問題でございますが、金大中大統領のお話は、私どもが承知しているところでは、日韓間の条約で過去は清算されたと理論的には主張できるかもしれないが、同時に、本件問題は人道問題であるという趣旨のことを述べられたと伺っております。私どもは、まさにこういう立場から、アジア女性基金の活動、そして総理が公式の手紙を出されておわびと反省の気持ちを率直に表明をされている、こういうことでこの問題に対応をしてきているわけでございます。
 ただ、委員御指摘のように、韓国側の方から必ずしも御理解を得ていないということは事実でございますが、これまでも、当事者の方々はもとより、韓国政府そして関係団体の方々に対しましても、日本の対応がどういう観点から、どういう趣旨で行われているかということを説明してまいりましたし、これからも、何とか理解をしていただきたいということで、説明の努力を続けるつもりでおります。
#354
○田中(甲)分科員 私は、戦後五十年問題プロジェクトチームという、自社さ政権のときにつくられたプロジェクトチームの従軍慰安婦問題小委員会のメンバーでありました。そのとき、時の官房長官は五十嵐官房長官であったわけでありますが、村山総理のもと、五十嵐官房長官が非常に力を入れてアジア女性基金の設立に努力をされたいきさつは、私も担当小委員会のメンバーでありましたから、十分に認識をしております。
 当時、虎島メモというものがつくられまして、そのメモを持って官房長官室に私も同行いたしました。その四項目めに、私は、諸外国の情勢や、理解が得られない場合にはこの限りではなく、さらに検討を要するという項目をあえて加えてもらった、そんな経緯がございます。
 今、韓国の政権がかわりまして、金泳三前政権の姿勢と比べて、私は、金大中政権はこの問題に対して間違いなく厳しい姿勢をとり始めたという認識を持つものでありますが、その点はいかがでしょうか。できれば一言で。
#355
○阿南政府委員 新外務通商長官は、前政権はこうであった、我々の考えはこうであると言っておられますので、変化があるのかと思いますが、御発言の内容を詳細に承知した上で、そういう判断をさせていただきたいと思っております。
#356
○田中(甲)分科員 再度質問をさせていただきますが、少し質問の内容を変えたいと思います、このままやりとりしていても前に進まないと思いますので。
 フィリピンの元従軍慰安婦に、橋本内閣総理大臣のおわびの手紙というものを添えて、女性基金の償い金、さらには女性基金が手渡した医療福祉支援金、それぞれを手渡したのでありますけれども、ことし二月十七日、受け取っていた元日本軍慰安婦五名が日本政府に対して、国民の善意としてこの償い金というものはありがたくお受けをするけれども、基金が中に介在をして医療福祉支援金として渡されたお金や、この次が重要でありますけれども、受け取ったそのおわびの手紙はお返しをさせていただきたいという行動がとられたそうであります。
 外務省に確認をいたしましたら、それは総理官邸に送り、所管する内閣官房外政審議室が預かっていると聞いておりますが、これは事実ですか。
#357
○門司説明員 ただいま御指摘の五名の元慰安婦の方々からは、二月十八日付で総理あての郵便で官邸に返送されてきております。そして、それを内閣外政審議室の方で保管しております。
#358
○田中(甲)分科員 大臣はこのことをどのようにお受けとめになられますか。
#359
○小渕国務大臣 橋本総理の本問題に対するお気持ちを心からつづつたものでございまして、基金をお受けいただくということの、そうした基金とこのお手紙というのは、私は相通ずるものだというふうに考えておりますので、そのことが御理解願えなかったということは、御理解を願えなかったかどうかはわかりませんが、そのようにお手紙をお返しをいただいたということは大変残念で、橋本総理の真意を十分御理解を願えなかったとすれば、まことに残念だと思っております。
#360
○田中(甲)分科員 同じ日本人として、国の代表であります内閣総理大臣のおわびの手紙というものが、素直に御理解をいただくことなく返却されたということは、私も大変に残念で仕方がありません。なぜそのようなことになるのか。
 私も昨年の一月、韓国に参りまして、挺対協という元日本軍慰安婦の方々の活動に対する市民ボランティア団体というのですか、その団体の方々と直接面会をしてまいりました。ある面では基金を受け取ることを韓国の国民の方が強く反発をしていて、少しでも日本の誠意というものを受け取るべきではないかと考えている元日本軍慰安婦の方々は、韓国の国内の中で板挟みに遭っているという姿もあったように思います。フィリピンでも、もしかすると同様なことがあるのかもしれません。
 しかし、いずれにしても、日本がとっているアジア女性基金というものがまだ十分に理解されていないのではないかという思いを持たざるを得ないのですけれども、再度御質問させていただきまして恐縮でありますが、この点についてはいかが受けとめていらっしゃるでしょうか。
#361
○阿南政府委員 ただいまの総理のお手紙が戻されてきたというようなことも含めまして、先ほど御答弁申し上げましたが、御指摘のように、韓国におきましてもなかなか御理解が得られないという点があることは、率直に認めざるを得ないと思いますし、フィリピンの場合にも、やはり基金事業を一たん受け入れていただいた、こういう方々からお手紙だけが返ってきたということについて、こちらの真意が伝わらなかった面があるのかなというふうに考えております。
#362
○田中(甲)分科員 なぜ伝わらないのかということをやはり私たちはもう一度考え直さなければいけないのではないでしょうか。
 私は、九七年昨年の四月、スリランカに出かけまして、国連人権委員会の特別報告官でありましたクマラスワミさんの事務所を訪ねました。直接クマラスワミさんとお話をさせていただく中で、アジア女性基金というものはファーストステップとして評価をしているということをはっきりと伝えてくれました。
 ともすると、九六年四月に第五十二回の国連人権委員会においてクマラスワミ報告官が提出した報告書というものが、日本に対しては全く理解を示せないというように受けとめられがちなのかもしれませんけれども、御本人と話をしていく中で、決してそうではないということも確認をさせていただきました。
 クマラスワミさんとお会いして、話が前後いたしますが、韓国の挺対協の皆さん方とお会いして、あるいはフィリピンの日本軍慰安婦であったという女性とお会いして、何を最も求めているかというと、事実、真相というものを明らかにしてもらいたい、それが基礎といいますか、すべてのファウンデーション、下地になっていくのではないかという考えを持つようになりました。
 私は、日本のとっている行動というものを否定するものではありません。しかし、今のままで十分であるということも言えないと思います。何が欠落しているかということを考えていく際に、歴史観やあるいは過去の経緯というものを思う個人個人あるいは国々の違いはあっても、真相究明ということを行っていく姿勢、事実は何であったのかということを追求していくその姿勢を我が国日本が持つこと、これが基本になければいけないのだろうと思いますが、この点について大臣の御所見をいただければありがたいと思います。
#363
○小渕国務大臣 今委員御指摘のクマラスワミ特別報告者は、御指摘の文書の中で、国家による補償を行うべきであるとする立場から国際法上の議論を展開しておりますが、その内容及び主張は法的には成り立たないものであり、我が国政府としては、受け入れることができないものでございます。また、人権委員会として、我が国に対しこの報告書の内容を実施するよう勧告しているものでもないと考えております。
 他方、クマラスワミ特別報告者は、女性のためのアジア平和国民基金を道徳的観点から歓迎すると記述しております。
 政府としては、基金に対する関係者の御理解を得るようさらに努めながら、同基金が所期の目的を達成できるよう今後とも引き続き最大限の協力を行っていく考え方であります。
#364
○田中(甲)分科員 ありがとうございます。
 一九九六年クマラスワミ報告に対して、日本政府は五十ページに及ぶ反論書を国連人権委員会事務局に提出した、これは事実ですか。
#365
○上田政府委員 御指摘のとおりでございます。
#366
○田中(甲)分科員 当初、日本政府は反論書の存在を否定していた。否定していたということも事実ですか。
#367
○上田政府委員 国連の文書としてその都度明らかにされたもの以外のものにつきましては、日本政府としてどうこうしたということを申し上げられないということでございます。
#368
○田中(甲)分科員 もう一度質問させていただきます。
 一九九六年クマラスワミ報告に対して、日本政府は五十ページに及ぶ反論書を国連人権委員会事務局に提出して、当初、日本政府は反論書の存在というものを否定していた。そして、最終的には反論書の存在と撤回の事実を認めるということに至った。私は、そのように認識をしておりますが、それは事実ですか。
#369
○上田政府委員 委員御指摘のような経過もたどりながら、国連の文書として公表されたものにつきまして、日本政府としての立場がその中で明らかになっているということでございます。
#370
○田中(甲)分科員 大臣、今事実を認める答弁があったわけでありますが、なぜ日本政府は反論書を人権委員会に提出した事実を隠して、後になってその隠したことを撤回するようなことをしたのか。事実関係とその理由というのが非常に我が国日本がマイナスのイメージを与える。
 クマラスワミさんに私もお会いして話を聞いてまいりましたら、週に何度となく外務省が、あるいはアジア女性基金の関係者が、提出した報告書に対する反論ということを何度も何度も訴え続けに来たということも聞いておりまして、逆にその発表した後の反響の大きさに御本人は驚きを隠せないという状態のところに訪問をいたしました。再度質問させていただきますが、そのような、先ほどの大臣答弁のような答えならわかるのですけれども、なぜこのように最初に反論書を提出しておいて、そしてその提出したという事実を隠しておいて、最後にはそれは事実であったというような形になったのか。この辺の大臣の御見解がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
#371
○上田政府委員 報告者に対して、日本政府としての考え方あるいは経緯その他につきまして、御説明をしたり御理解を得るというような努力はいたしたところでございます。それから、人権委員会の場におきましても、関係のメンバーの皆様に御理解を得るという目的で、さまざまな働きかけないし御説明をしたこともございます。
 先ほど申し上げましたように、報告者の説明の意図あるいは報告の内容、そういったことを勘案いたしまして、日本政府として立場を明らかにした文書を国連で明らかにされている文書としてお配りした、あるいは発表したということでございます。
#372
○小渕国務大臣 事実として、だれが何をだれに隠したかというお話を聞きませんと、何をというのは、それは我が政府としての反論書だろうと思いますが、だれにというのはクマラスワミ特別報告者かもしれませんが、どのようにこれを秘匿したかということについて、委員から御指摘いただきませんと、私自身今初めて聞く話でもございますので、ちょっと答弁ができかねるところでございます。
#373
○田中(甲)分科員 再度御答弁をいただきました、アジア局長阿南さんと打ち合わせをいたしまして、その内容をもって、クマラスワミ特別報告官の名誉を傷つけたという点がもしあるとするならば、私からも、国会議員の一員としてクマラスワミ特別報告官に、ことしの四月、また国連人権委員会で報告をされるそうでありますから、私も出向いて、その真相ということを御本人に伝えて、理解を深めてまいりたいと思います。
 私は、どうもきょうは、元日本軍慰安婦の問題、あるいはその報告書を出されたクマラスワミさんの話などに偏ってしまいましたが、戦中戦後における真相を究明していくということが、日本の姿勢の中で欠けていたのではないかと思っているのが、それが自分の最もきょう外務大臣にお伝えをしたいと思った点でございます。
 ドイツにたまたま、AGBMという環境会議の前段の会合の中にロビーイング活動に行く中で、ドイツのハウス・オブ・ヒストリー、歴史のやかたというものを見てまいりました。そのほか、いろいろなドイツの姿勢というものを今まで肌で感じたり、あるいは書物で読んだりする中で、実に、過去の事実ということを国民に伝えようとするその努力を怠らなかった国という印象を持ちます。そして、過去の戦争の事実、真相というものを次世代に伝えていくことが、平和というものを維持していく最大のかぎなのだという姿勢を持っている国のように思います。
 そういう点では、我が国日本は、過去の事実というものを正直に認めるということよりも、真相を究明するという姿勢をアジアの諸外国に見せていくことから、信頼を醸成していくということが始まるのではないかと考えております。そこで、持ち時間も少なくなってまいりましたので、私自身、真相究明のための法案というものをぜひ外務省にも努力をしていただきたいという気持ちを持っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#374
○竹内政府委員 田中先生御指摘のとおり、真相究明が大事なことは、もちろん外務省も、政府全体としてもそのように考えていると思います。
 一言申し上げさせていただきたいと思いますのは、従軍慰安婦問題に関しまして政府がとってきました態度というのは、私は、真相究明を怠るということではなく、それなりの努力をしてきたということが銘記されるべきではないかと思います。
 ちょっと恐縮でございますけれども、一九九二年の七月に、いわゆる従軍慰安婦問題についてという第一次調査結果を公表しましたが、さらに、翌年の八月に第二次調査結果というのを詳細な調査の後に発表をいたしまして、官房長官談話をもってこれを公表いたしたところでございますし、そこにおきまして、日本政府として軍の関与を認め、おわびと反省の気持ちをあらわすということをやったということは、客観的な事実として申し上げさせていただきたいと思います。
 そういうような調査というのは、必ずしも新しい法律ということを基礎とせずとも、政府の努力、方針といたしまして、関係各省の協力が得られればできるのではないかというふうに思います。
#375
○田中(甲)分科員 ただいま十分な努力がされていると思うという御答弁でありましたが、私はそうは思いません。外務省の外交史料館から発見された強制連行についてのこれまでとは違う旧内務省の公文書というものが公表されました。
 京都大学の水野直樹助教授が発表したのでありますけれども、今回、水野助教授らが集めた史料を東京都内の出版会社が復刻出版しようとしている。そこに、外交史料館は外務省に著作権があるとして、不許可を通告したと言われて、聞いておりますけれども、その点は事実ですか。
#376
○浦部政府委員 ただいま先生御指摘のように、当初の段階では、実は著作権が外務省にあるということを主張しつつ、外務省としてもいずれこれを外に出すということを考えておるので、出版は差し控えてくださいというお願いはいたしましたが、実は外務省の出版計画というのがこれから相当後になるという予定なものですから、現在改めて、その出版会社との間でどういう形で出版ができるのかできないのかということについて、お話し合いをさせていただいております。
#377
○田中(甲)分科員 時間が参りました。
 最後に、外務大臣に、真相を究明する姿勢というものを私たち議員が持って、議員立法で提出するということに対する御理解をいただけるかどうか、御答弁の中でお聞かせいただければありがたいと思います。
#378
○小渕国務大臣 真相は常に隠ぺいされず、解明されなければならぬと思っております。しかし、今どういう法律案をお考えになっておるか承知をいたしておりませんので、これは国会は法律を制定するところでございますので、成案を得られれば、また拝見させていただいて、考え方を明らかにさせていただきたいと思います。
#379
○田中(甲)分科員 どうもありがとうございます。
 恒久平和調査局設置法案という名称を現在仮称でつけております。つまり、この真相を究明するということが、憲法の前文にもうたわれている恒久平和ということを実現していくことにつながるのだという意味合いを込めて、まだ仮称でありますけれども、恒久平和調査局設置法案というもので、国会の中で真相を究明するという姿勢をアジアの諸外国に見せていくということが極めて重要なことではないかという思いから、参議院法制局では既に法案をつくったところでありますが、衆議院法制局においては、今、要綱の段階であります。ジュネーブに出かけた際には、その要綱の説明など求められたら、ぜひとも国連人権委員会の中でもしてまいりたいと思っております。今後とも御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
#380
○久野主査代理 これにて田中甲君の質疑は終了しました。
 次に、山中Y子君。
#381
○山中(Y)分科員 時間を見まして、結構押し迫っておりますので、きょうは、今年度の予算にはもちろん間に合わないと思いますけれども、今後、ぜひ外交の上で予算をとって推進していただきたいと思う、そういう観点から、ユーラシア外交、そして予防外交の幾つかというようなことについて意見を述べさせていただいて、外務大臣の御所見も例えればというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、一番初めなのですけれども、ユーラシア外交ということを橋本総理大臣が昨年の七月ですか、おっしゃいました。そのユーラシア外交というのが今、緒についたばかりと思いますけれども、この地図を見ましても明らかでありますように、ユーラシア外交というものの中で、日本が特に、ヨーロッパ側の旧ソ連の三国を除いた十一カ国を中心にシルクロード外交ということで進めていらっしゃるわけです。
 少し調べてみますと、アメリカでは、既にこのすべての国に在外公館をきちんと置いておりますし、これは九七年のザ・ヨーロピアン・ワールド・イヤーブックというのによりますが、そのときイギリスは、バルト三国、ロシアももちろん入れまして十二カ国、その後、二つふえたという情報もあります。
 日本はというふうに見てみますと、きちんと公館として置いて、大使も置いているというのが今のところ三カ国ということになっております。これでは、ユーラシアの外交というのを促進していくのに、人的な配置からいっても、この土地の広さからいっても、なかなか難しいのではないかというふうに私は思います。
 予算を切り詰める、そういった全体の日本の予算の流れの中ですけれども、これほど海外へのさまざまな依存度の高い日本は、これからはますます国際的な活動の場というのを広げていくという意味で、もっとその辺を急いで配置していくという姿勢が必要ではないかと思うのですけれども、このユーラシアの国々の中で、次に公館を置くというふうな予定はどういうふうになっていますでしょうか。
#382
○西村(六)政府委員 今、先生おっしゃられましたように、特に米国におきましては、NISの諸国の十一カ国のすべてに大使館があるということは、そのとおりでございます。
 私どもの場合におきましては、ウズベキスタンとカザフスタンとウクライナに大使館がございまして、ベラルーシには兼勤駐在官事務所がございまして、そこでも現実に我が国から派遣いたしました職員が勤務をいたしているわけでございますので、勤務をいたしているという点でいきますと四カ国になるわけでございます。
 ユーラシア外交の重要性にかんがみましても、できるだけ大使館を拡充していかなければいけないという気持ちで一生懸命やっておりまして、早くっくりたいというのはもちろんやまやまでございますけれども、しかしながら、全体のバランスといったようなものもございます。予算の制約という点も決してないわけではないわけでございます。
 そういったものをいろいろ勘案いたしまして、できるだけ早くに一つ一つ追加していかなければいけない、そういうふうに考えている次第でございまして、一つ、この地域におきまして直近の将来の課題といたしまして考えておりますのは、アゼルバイジャンでございます。
#383
○山中(Y)分科員 私がなぜこれをお聞きしたかと申しますと、一九九四年にUSIAの招待で、それはインターナショナル・ビジターズ・プログラムということですけれども、大学人としてアメリカに四週間招かれました。そのときに、実はこういうことをアメリカの方から言われたのです。日本のビジターズ・プログラムで来る方はほとんど個人的な活動で、自分の興味のあるところを訪ねるという傾向があります。しかし、アメリカとしては、いろいろな国から来ている人たちと日本人が一緒に行動してもらうことによって、日本人との交流も図る、アメリカにおいて図りたいという意図があるのです。ですから、そのとき大学におりましたので、山中先生はできるだけグループの中に入ってもらえませんかと。それが非常に少ないということをアメリカ側でとても、本部の方でも、日本とほかの国との関係ということが難しくなる、それに一役買いたいという心があるのだというお話でした。
 私は、そのとき高等教育ということの調査だったのですが、では、どんな国の方と一緒ですかということを聞きましたときに、九四年の時点で、アメリカのことしの重点は旧ソ連の国々と湾岸の国々ですということだったのです。旧ソ連の国々の中で、全部はもちろん招けませんが、ベラルーシとかカザフスタンとかエストニアとかそういうところの方々で、湾岸はバーレーンの方、それからアメリカでは初めてガザ特別地区からも大学の副学長を招くと。
 そのときに、私はその話を伺って、知的な集積のある方たちでもありますし、そういう国の方と四週間一緒に過ごすということは、そのときの日本ではまず得られない経験になるということを考えまして、二十人のグループの中に入りまして、入学試験があったものですから私は三週間で戻りましたけれども、御一緒しました。
 そのときに体験したのが、例えばガザ・ストリップから来た人というのはもちろんアメリカが初めてで、アメリカが招待したのが初めての、第一番目の人でしたから、例えばファクスマシンというのを見て驚いてしまって、そのファクスを買うのですね。そういう形でいろいろなものを買って、線がつながっているのかしらと私は心配するぐらいなのですが、全部そういうものを買って、国に持っていって国の人に見せる。アメリカ人の家も訪ねたことがないということで、前から存じ上げていたインディアナの大学の学長のところに私が呼ばれていたときに御一緒にお連れしたら、大変喜びました。
 こういうふうにしてアメリカに来て、そしてそのときのアメリカのお金の払い方が大変おもしろい。つまり、日本もこれからこういう地域と交流していくのにぜひ考えていただきたいのは、例えばベラルーシとか、今のカザフスタンとかガザ・ストリップや何かの方は、全額アメリカが持ちます。でも日本は、テリトリーとしては、経済的に高いですから、旅費は持ってほしい、自己負担してほしいと。中のものは全部持ちますと。だから、同じホテルに泊まって同じ扱いをしている。そのイコーリティーというか、チャンスを与えるという公平さ、そういう発想でその当時既に旧ソ連の地域に焦点を当てていたわけです。
 ですから、大使館も、もちろん人数のこともあると思いますけれども、政策として集中して置くと。先ほど西村局長がおっしゃったように、バランスをとりながら公平にということと、やはり外交というのはこれからはある意味で、ある地域、あるいはある分野に特化させながら、つまり優先順位を決めながら日本というものの外交姿勢を出していく、そういう姿勢が必要なのではないかというふうに思っております。今までのバランスのとり方というのもこれまでは有効だったと思いますけれども、これからの時代はそういったふうに視点を移していく、発想を転換していくということが外交の上で非常に肝要になってくるのではないかと私は思ったわけです。
 そういう意味で、もしユーラシア外交にかなり重点を置くとしたら、そこにある程度特化させた予算の配分をしていくというようなことも考える必要があるのではないかというふうに思っておりますが、そういう発想の転換について大臣の御所見を伺えますでしょうか。
#384
○小渕国務大臣 発想の転換なのかわかりませんが、今御指摘の御主張は大変私は賛同するものでございまして、具体的にユーラシア外交の点について触れれば、私も昨年の夏に中央アジア四カ国ですが、回ってまいりました。日本としても、ウズベキスタンなどは、早い時期からこの独立国に対してかなり、輸銀その他、また経済協力もいたしてまいりまして、それなりにその国の我が国に対する協力を高く評価しておったところですが、最近は、米国が一気にこの地域に大変な力の入れようでございまして、私が申し上げてはいけませんが、さすがだという感じを率直に申し上げるのです。
 したがって、ある程度集中的に、こういったユーラシア外交というものを橋本総理が打ち出した以上は、もう本当に積極的に取り組んでいかないと、おくれをとる危険性は非常に高い。そういう意味では、この地域がややエアポケット的に、九一年独立をして以降、新しい国だという意味もありますけれども、中央アジアあるいはコーカサス、それぞれの国に対する対応というのは非常におくれてきたと思います。しかし、総理はみずからそういったことで銘打ってスタートさせようということですから、ぜひこれは国民の理解も得て、将来にわたっては、集中的にこの地域に対しても力を注いでいかなければならないのではないかということでございます。
 西村局長のお話のように、アゼルバイジャンについて公館を設けたいという外務省の希望を申し上げましたが、このアゼルバイジャンのみならずやはり中央アジアも含めて、極めて重要ですから、できる限り早い時期に、集中的にこの地域に対するプレゼンスというものが広がっていくように努力をしなければならないというお考えには大いに賛成するところであります。
#385
○山中(Y)分科員 ウズベキスタンに大使館があったおかげで、非常に日本との交流が友好的に進んで、また、日本に対して、歴史的な背景もございますけれども、非常に近い国になっていったという現実の例があるわけですから、ぜひその辺のところで来年度以降、将来にわたってというよりも、もう可及的速やかに整備をしていただきたいと思います。
 その同じユーラシア外交の中で、どういう中心的な眼目を置いて展開するのかということをお聞きしましたところ、三本の柱があって、人的な交流と経済的な支援、そして政治の安定化というふうに承りましたが、そういう柱と認識してよろしゅうございますか。
#386
○西村(六)政府委員 今先生がおっしゃったようなことでございます。
 人的な交流によりまして、やはり相互理解を深めていくということが非常に重要だと思います。その背後にありますのはかなりの文化的な結びつき、あるいは文化的にはさほど結びついていないのかもしれませんけれども、歴史的にはシルクロードでつながっていたといったような、そういう文明的な背景があるものでございますから、そういう背景のもとで人的な交流を強めていくことが非常に相互の理解に資するという点がございます。
 第二の点としまして、経済協力でございまして、これはもう私どもの国の、言ってみますれば得意なところでございますので、経済協力、技術協力に一生懸命力を注いでいる次第でございます。
 政治的な面におきましても、できるだけのことをしたいという気持ちでございまして、何か国連の政治的な、地域問題の解決のための枠組みに私どもとして参加できることがあったらぜひ参加していきたい、そういう気持ちで取り組んでいる次第でございます。
#387
○山中(Y)分科員 いただきました資料によりますと、政治的な、政治家の交流というのはかなり進んでいるようでございますし、地域によっては経済人の交流も進んでいるようでございます。先ほど私がアメリカの例を申し上げましたような例えば大学人、研究者。もしくはアメリカの場合には、大学人、研究者と、御存じのようにジャーナリストあるいは行政、官僚の方たち、法律家そして芸術文化にかかわるという五つの範疇で、毎年さまざまなところから人を呼んで、しかも、若手の人で将来国を担いそうな人ということで、日本の十万人の留学生の発想と同じなんですが、もっと短い期間で、そしてある意味では効率的にいいところを見てもらうという、そういう国のPRに大変に役に立っていると思います。あのプログラムでは、現在、九四年の時点で百四十数名の国家元首、大臣がそのプログラムの中から誕生している。つまり、それは将来の、アメリカとそれぞれの国の密接なネットワークをそういう形でやっているわけです。
 そういうことを考えますと、私は、このいただきましたリストとかあるいは経済交流ということのほかに、もう一つやはり、これはお金は多少かかるけれども、しかし、先はどのような先進国と発展途上の国、新しく生まれた国をミックスさせる、そういう発想も伴いまして、予算もそれぞれにつける、形を変えればいいわけですから、そういった形で考えていきますと、日本はここが非常に今のところ、ユーラシアだけでなくて全体に弱い、特にユーラシアとの関係は非常に弱いのではないかというふうに思っています。
 その辺を、地道ながら十五年後、二十年後の日本との関係ということの投資、ソフトヘの投資ということを考えますと、こういったことを参考にして新しいプログラム、プロジェクトを、予算をどこからつけるか、ODAからつけるかどうかというのはそれぞれ御検討いただきたいと思うのですが、私は、ぜひこれも新しいプロジェクトとして来年以降に向けてお考えいただけないかなと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#388
○小渕国務大臣 これまた非常に建設的な御提案だろうと思いますから、実現に努力をしていかなきゃならぬことだと思いますが、中央アジアで例をとりますと、今の段階ではトップリーダーを日本に招致をするということでありまして、その点につきましては、例を言いますと、今度カザフスタンの大統領もまた訪日をしたいということでした。実は私が昨年会ったときに、既に国賓として日本には行った経験があるのだけれども、何度も何度も、日本にお訪ねしたいというお話をしておりました。
 そういった意味で、大統領を初めとしたトップのリーダーにまず日本に数次にわたって足を運んでいただくことから始まっておるわけですが、今委員御指摘のような、各界各層にわたる人材をお招きしてのプログラムというようなものも今度、今いたしておるものもありますけれども、さらに組織的に集中的にする必要があるのではないか。
 いずれにしても、アメリカの伝統として、そうした人材を広く世界の中からアメリカに求めて、そして教育をしていくというスタイルというものは非常に参考になるわけでありまして、我が国でも戦後フルブライトで行った方々が、今日本の国の中で大変大きな責任ある立場になっておることを考えますと、長い長い年月の中でそうしたものが必ず生きてくるということを考えると、特に中央アジアの新しいNISの国々の方々を我が国にお招きして、いろいろな機会を通じてそうした方々の我が国に対する理解を深めるということは、大変貴重なことだと思っております。
#389
○山中(Y)分科員 経済交流につきましてはもう既に十分進めていらっしゃるようですし、ODAも対象地域、分野をもっと広げられるだろうと思っていますので、その点については申し上げることはないと思いますが、単に日本が石油を目指して来ているというふうに思われないように、今の人的なものともう一つ、三つ目の政治的な安定に対して、私がレクチャーを受けたところでは、中央アジア総合戦略セミナーというものを開催なさった、各国からお呼びになって日本でセミナーをしたと。
 私は、ただ、これを伺ってとても残念に思っていますのは、外務省の、中の場所はどこでもいいのですが、外務省の中を使われて、そして招かれた方というのはリストに載っている方を招待なさった、つまり一般の人間には、そういうことを外務省が、あるいは日本がしているということが見えない。ですから、やはりこういうふうにいろいろな国から随分すばらしい方たちを、リストをいただきましたところ、すばらしい方たちがいらしているわけですから、もっとオープンなセミナーをするとか新聞に告知をして、それに興味のある方は例えばくじでも、入らないのだったら抽せんでもいらしていただくとか、やはりそれをやっていることを広く知らしめるという努力がもう少しあってほしかったな。ひょっとしたら私も時間があったら聞きに行けたかもしれないというふうに思う方が、後になってたくさんいるというのは、非常に外務省、外交政策がクローズドなところで行われているというようなイメージも持ってしまいますので、ぜひその辺はこれから企画なさるときには、このセミナー、好評だったそうですから、多分次も企画なさるだろうと思いますけれども、その辺のところの、手間は少しかけてもぜひ広く一般にPRをする道を、あるいは一日多くいていただいてオープンセミナーをするとか、そういうことをお考えいただきたいというふうに思います。
 それに関しまして、何か予算が一千万ぐらいついていたそうですが、来年度の予算は六百万ぐらいに削られたというふうにお聞きしているんですが、それは本当でしょうか。
#390
○西村(六)政府委員 予算につきましては、一般的に非常に厳しい状況でございますので、今年度で可能であった額がそのまま来年度可能になっているという状況にないことは、先生のおっしゃるとおりでございます。しかし、その予算の枠内におきましても十分なことはできるだろうというふうに考えておりますので、限られた予算でございますけれども、その範囲内で一生懸命目的を達成しようというふうに思います。
 今、先生が前段でおっしゃられました、一般の人々にもっとオープンにすべきであったのではないかという点でございますけれども、実は、オープンではあったのでございますが、特に大々的に宣伝するというようなことはしなかったわけでございまして、相当数の学生も参加をしていただきましたし、一般の方々も参加をしていただいたわけでございます。しかし、今先生がおっしゃられましたように、今後ぜひそういう方向で開放的なセミナーをやっていきたいというふうに思います。
#391
○山中(Y)分科員 そういった形の中で、例えば、十人いらしたら翌日は二人ずついろいろな大学に行っていただいて、そして若い学生たちのところで話してもらって、学生たちとのディスカッションをする。これは昨年の九月ですけれども、やはりコロンビア大学で、私がワシントンにいたときに、そこまで来ているのなら、今まで国会議員のスピーチは何度も聞いたけれども、ディスカッションを直接したことがないので、大学院の学生がぜひしてほしいというお話をいただきまして、インマーマン博士とジェラルド・カーチスさんのところに伺いましたけれども、そのとき、どうして女性の大臣がいないかと私は突っ込まれたんですけれども、それは別として、やはりそういうふうに直接話をするということが、日本の若い人にも、例えばこの国々のこと、ほかの国々のこと、今まで自分たちの文化の中に登場していなかったところのこと、これほどの教育はないんですね。ですから、私がもったいなかったと言う意味は、お呼びになったらやはりそういう方を生かして、うまく活用させていただいて、もっと若い人たちを育てる、そういう形を考えていただければ大変幸いだというふうに思います。
 この間、予防外交についてちょっと触れさせていただきましたけれども、やはりこれから日本の場合には、先ほどのUSIAのプログラムもありますけれども、例えばブリティッシュカウンシルのような総合的な文化教育の交流の機関、これはいわば大英帝国の遺物というふうな見方をすればいろいろなマイナス面もございますけれども、現在は非常に細やかな、例えばイギリスでこういうことを研究したいけれどもと聞くと、大体二、三週間で、では幾ら幾らの費用で三週間分のその汽車の切符を渡しますとか、プログラミングをしてくださるわけです。国内にもそれに対応する組織があって、それにボランティアも加わって、各地域に行くと、ここではその町づくりを見せてくれる、ここではその文化を説明してくれる、そういう非常に連係プレーのいい組織が国内、海外ともにできていますので、そういうものか、もしくはアメリカンセンターが果たしているような、今お金がないということでクローズドしかけていますから、そういうものを日本は逆にオープンしていく。そういうことを通しまして、ぜひ教育文化の交流という理解者を、両方を育てていくということを考えていただきたいということ。
 それからもう一つは、これも非常に大きな、予算だけの問題ではなくて議論を呼ぶかもしれませんが、一度議論になったことがあるかと思いますけれども、外務大臣というのは大変な重責で、ここにおいでになる時間と海外においでになる時間と、海外からいらしている方と交渉なさる時間と、国内の大臣ももちろん大変なんですけれども、また別の意味で物理的にも大変で、そして政務次官も同じように大変でいらっしゃるとすれば、大蔵に政務次官がお二人いらっしゃると同じように、私は、外務にもやはり政務次官がお二人いらして、そしてそのどなたかが必要があれば海外に常に出かけていける。そのときは、大きな人数で動かなくても、ちょうどきょうのクック外務大臣が、飛行機に乗るとき見ていましたら、御自分で傘を差していたのを多分CNNかなんかをごらんになったと思いますけれども、小人数で動くということも含めて、大臣はなかなかそういきませんが、政務次官クラスをもう一人ぐらいふやして、つまり、全部にまたジュニアの大臣をふやすというと大ごとになりますが、外交というのはそれだけ人が動かなければいけない、そういう分野であるから、ほかの省庁と横並びではなくて、もう一人ふやすということも、ぜひ外交に携わっている議員としては要求をしていきたいと思いますし、そういう意見をここで述べさせていただきたいというふうに思っております。
 それから、同じように若い人を育てるという意味で、アジアの留学生が、今アジアの経済混乱の中で大変に生活に困窮をし始めているということもありますので、十万人招聘がどうもうまく機能しなくて、これは実は文部省の管轄かもしれません、というふうになってしまいますが、逆にODAの方で別の形の援助をしていくとか、先ほど申し上げたような小さな小さなプログラムをたくさんつくっていくとか、そういうことで、ぜひに、旧ソ連、東欧、それからアジア、アフリカ、そういったところの若い人たちをどんどん呼ぶというプログラミングをつくっていただきたいというふうに思います。
 きょうは、時間が大体このぐらいになりましたので、予防外交についてはまた改めてお時間をとっていただくことにいたしまして、来年度の予算から盛り込めるところは盛り込んでいただく、あるいは外務委員会に、こういうことについて外務委員会はどう思うか、こういう提案があるんだけれどもどう思うかということで、今までの委員会と違った形で外務委員会の中で、ぜひ、政務次官をもう一人ふやしたらいいんじゃないかというようなことを話し合えるような、委員会の持ち方も含めて御検討いただけたらと思います。いかがでしょうか。
#392
○小渕国務大臣 いずれも大変意味のある、御提案を含めてのお話でございましたので、一つ一つ具体化するように努力をいたしていきたいと思います。
 政務次官につきましては、十年度予算で一人増員を厳しい行政改革推進の折でございますが、お認めをいただきまして、本当にありがたいと思っております。
 全世界が、ますます国の数も多くなるし、また狭くなってもきておる中でございますので、日本外交を進めていく上にぜひ、政務次官ももとよりでございますけれども、職員もそれにふさわしいものを確保できるように御支援と御協力をお願いいたしたいと思います。
#393
○山中(Y)分科員 小渕外務大臣が外交と内政は表裏一体であるというふうにおっしゃったのは、まさに同感ですので、国内的にも国際的にも温かい思考のできる国として信頼の得られる日本を築くために、ぜひ御努力いただきたいと思っております。私たちも、できるだけいろいろ率直に意見を申し上げさせていただきながら、できるだけのことをしたいというふうに思っております。きょうはどうもありがとうございました。
#394
○久野主査代理 これにて山中Y子君の質疑は終了しました。
 以上をもちまして外務省所管についての質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十日金曜日午前九時より開会し、法務省所管についての審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後十時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト