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#1
第142回国会 労働委員会 第4号
平成十年三月十八日(水曜日)
    午前十時三十分開議
出席委員
  委員長 田中 慶秋君
   理事 荒井 広幸君 理事 小林 興起君
   理事 佐藤 剛男君 理事 森  英介君
   理事 鍵田 節哉君 理事 中桐 伸五君
   理事 河上 覃雄君 理事 青山  丘君
      井奥 貞雄君    飯島 忠義君
      大村 秀章君    川崎 二郎君
      白川 勝彦君    棚橋 泰文君
      長勢 甚遠君    能勢 和子君
      柳本 卓治君    近藤 昭一君
      島   聡君    松本 惟子君
      桝屋 敬悟君    岡島 正之君
      大森  猛君    金子 満広君
      濱田 健一君    坂本 剛二君
      土屋 品子君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 伊吹 文明君
 出席政府委員
        防衛施設庁次長 小澤  毅君
        労働政務次官  柳本 卓治君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        労働省労働基準
        局長      伊藤 庄平君
        労働省女性局長 太田 芳枝君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        労働省職業能力
        開発局長    山中 秀樹君
 委員外の出席者
        国税庁課税部資
        料調査課長   筒井 順二君
        厚生省保険局保
        険課長     霜鳥 一彦君
        資源エネルギー
        庁石炭・新エネ
        ルギー部計画課
        長       松井 英生君
        運輸省航空局監
        理部国際航空課
        長       井手 憲文君
        労働委員会専門
        員       中島  勝君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十八日
辞任       補欠選任
  玉置 一弥君    島   聡君
同日
辞任        補欠選任
  島   聡君    玉置 一弥君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一二号)
 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の
 締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。青山丘君。
#3
○青山(丘)委員 労働委員長を初め、自民党を初めとする各党の理事、委員の皆様方の御了解をいただいて最初に質問をさせていただきますこと、ぜひ御了承いただきたいと思います。また、ありがとうございます。
 それでは、早速、雇用保険法の改正案に入らせていただきます。
 非常に急速に経済発展をしてきた戦後半世紀、この時代から新しい半世紀への時代の大きな転換点の中で、日本経済はバブル崩壊の後遺症からまだ十分抜け切らないでここまで来ております。たび重なる公共投資の追加などを柱とする経済対策をやってきました。景気の下支えを必死に実はやってきたところでありますが、それでもなお、まだ我が国の経済は十分に回復基調に乗り切っておらない。こうした経済のいわば閉塞状態を一刻も早く打開していかなければいけない。そして、活力のある、力強い日本経済を実現していくためには、何といっても日本が構造的に持っておる問題、これを解決をしていく政策に取り組んでいかなければならないということで、経済構造改革にぜひお互いに力を尽くして取り組んでいかなければならないと思います。
 ただ、雇用の分野で見てまいりますと、経済構造改革を進めていくということになりますと、何といっても円滑な労働移動を実現していかなければいけない。円滑な労働移動を実現していくためには、その対象となる人たちが新しい産業や新しい職業の職業能力を開発していかなければ、円滑な労働移動は実現しない。また雇用の安定も図ることができない。こういう段階に今来ているということをお互いにしっかり受けとめて、ここはひとつ新しい産業や仕事、職業に対して、職業能力を開発していく手だてというものをお互いに確立をしていかなければいけないと思います。
 もっとも、現在職についておられる方が多いわけですから、現在の在職者においても、仕事や職業における知識や技能はどんどん新しく変化してきておるわけですから、そういう方にもなお対応していかなければいけない。幅広い職業能力を多様に開発をしていくという今段階だ。こういうことはひとつお互いにしっかり受けとめて取り組んでいきたいと思います。
 その意味で、労働省がこれまで職業能力開発のために取り組んでこられたこと、また今取り組んでおられることについて、まずお聞かせをいただきたいと思います。
#4
○伊吹国務大臣 まず、先生がお話しになりました基本的な認識、構造改革に取り組み、そして高度で創造的な人材をこれからも育成していかねばならないというお考えには私は全く同感でございます。特に、今日、英国でブレア労働党政権が国民から圧倒的な支持を受けて諸政策を遂行している陰に、保守党のサッチャーさんの、つらいけれどもやり抜いた構造改革というものはやはり私はあずかって力があると評価をいたしております。
 そこで、今後も産業構造が御指摘のように急激に変化する中で、頭脳と手の技術とそして心、この三拍子そろった人材を育成していくということは、私は何よりも大切だと思います。
 労働省としても、従来、終身雇用というものを前提にしながら、企業の能力開発に依存していた部分も非常に多うございました。しかし同時に、民間でそれらの教育訓練をなさる事業主に対する補助制度を行っておったとか、あるいは御承知のように年間四十二万人の方を公共職業訓練施設で能力開発を行っているとか、いろいろなことをやってきたわけでございますが、働き方の態様も経済が豊かになってくるに従っていろいろ変化をしてまいりましたので、今回御審議を願っております雇用保険法の改正において、個人として、自分で能力を開発したいという方に新たな助成の給付措置を創設した、そういう前提でひとつ法案の御審議を願いたいなというふうに考えているとこ
ろでございます。
#5
○青山(丘)委員 これまでは、公共職業訓練といいますとブルーカラー中心。ところが、産業構造が大きく変わってきますと、ここに資料を持っていますが、第三次産業へ非常に大きく労働移動しておりまして、これはまた機会があったら触れたいということになるかと思いますが、より高度な技能というものをホワイトカラーに職業能力としてつけてもらうような措置がとられてこなければいけない、そういう段階に来ておると私は思うのですね。この点について御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
 また、基本的には、何といっても物をつくっていくという技能労働者の能力をつけていくという仕事は、ぜひこれからも進めていっていただきたいと私は思います。
 それから、質問に入る前の段階ですけれども、日本の経済社会においては、自分でできることはまず第一に自分でやる、足らざるところは補っていく、助け合っていく、それでもなお足らないところは公が援助する。私どもはそれを自助、共助、公助、こういう枠組みを政策の基本に据えていかなければいけないという考え方でこれまで取り組んできました。
 今回そういう考え方も含まれていると私は思っておるのですが、今回の職業能力開発の分野においても、全体の能力開発の政策の中で、雇用保険法の改正案がどういう位置づけ、特に今回創設されていく教育訓練給付がどういう位置づけになっていくのかということについて、今私が申し上げたような、みずからできることは自分でやっていく、それから自分だけでできないところはみんなで助け合ってやっていく、それでもなお足りないところは公で援助していく、こういう考え方が全体の事業推進に必要だと私は思いますが、そういう枠組みの中で今回の教育訓練の給付がどんな位置づけになっていくのかということについて、できれば労働大臣の御見解をお願いします。
#6
○伊吹国務大臣 今先生がおっしゃいました自助、共助、公助というお考えは、私は全く同感でございます。
 戦後、日本が経済発展をして豊かになってきた中で、ともすれば自助の部分を共助がカバーし、共助の部分を公助がカバーしているという部分が結構ありまして、公助と共助というのはだれかが実はお金を負担しなければならない、まじめに税を払っている者が自助の部分を共助、公助という形で負担をしているという社会システムはだんだん難しくなっていくのじゃないだろうかというのが、今回橋本内閣が提案している構造改革の基本的な考え方だろうと私は思うのであります。
 そこで、今回御提案申し上げて御審議願っております法改正の中にございます教育訓練給付というのは、みずから費用を負担して職業能力開発に取り組もうとしている働く人たちに対して直接必要な給付を雇用保険の中からやるという形でございますから、これは自助の形へ持っていくための、雇用保険に入っている人たちの共助の一つの形かな。いずれは、経済がどんどん底上げしていきましてもっと実質賃金が豊かになってきた場合には、そして休暇がもっと潤沢にとれるようなそういう経済を我々が努力してつくり上げた暁には自助でやっていけるのじゃないか。また、そうなるために青山先生や我々が力を合わせてそういう形の日本をつくっていくための一つのプロセスかなというふうな認識をいたしております。
#7
○青山(丘)委員 産業構造が大きく変わってきますと、どうしても労働移動を避けることができない。そうすると、新しい職業能力をきちっと身につけていただくということが日本経済全体に活力を持ってくるためには必要な段階に今来ておるということをお互いにきちっと認識をして、雇用の安定のための重要な施策だということで進めていただきたいと思います。
 そこで、具体的に入らさせていただきますが、教育訓練給付は、みずから進んで自分の職業能力を伸ばしていきたい、労働者が教育訓練をみずから受けたい、受けようとしておる、主体的に能力開発に取り組む労働者を支援していくものだというふうに私は受けとめております。
 受講にかかわる費用負担に対応するものとのことでありますけれども、一般的に、教育訓練の受講にかかわる費用としては、まず入学料が大変な負担ではないか、受講料が負担にならないか。しかも、今働いていて、なお時間外で、例えば夜、あるいは土曜日曜というようなときに、自分の能力をつけるためにみずから負担をして取り組んでいくということ、これが実はなかなか、考え方としては理解できるけれどもできないこと。できないことですけれども、やっていかないと日本経済全体にはいけないし、またやらざるを得ないというような一面も同時にある。
 ということで、今回、給付率は八割ということで、私はこの数字について一定の評価をしております。そのあたりの考え方をぜひ聞かせていただきたい。それから、上限についても考え方を述べていただきたいと思います。
#8
○征矢政府委員 ただいまの御指摘でございますが、教育訓練給付の支給対象となる費用の範囲につきましては、御指摘のように入学料及び受講料という形にいたしております。
 また、八割という点につきましては、ただいま先生御指摘のように、基本的には、自助、共助、公助、こういう考え方を背景といたしまして、最大限八割という給付率を考えているところでございます。
 それから、上限につきましては、現在の一般的な教育訓練に要する費用等を勘案いたしまして、予算措置として二十万円ということで要求をいたしているところでございます。
#9
○青山(丘)委員 支援をしていただける金額は高ければ高いほどいいのかというと、実は、なかなかこれは言いにくくて言えないことなんですけれども、先ほど労働大臣がおっしゃられたように本来はみずから費用負担をするものですが、さりとて、自分が置かれている状況は労働者の立場としてよくわかっているけれども、なかなかそれはたやすくできないという一面もありまして、私は、この数字、上限二十万、給付率八割、これは評価できるものかなというふうに思っております。
 これからの社会は必ずしも何でも公的に援助してもらいさえすればいいというものではありません。これは恐らく同じ見解であろうと思いますけれども、そう言っても、こういうふうに支援をしていただけることが、新しい職業能力を身につけていきたいと前向きに主体的に取り組もうとしている人たちにとっては非常に大きな力になっていく。これは日本経済全体にかなり大きく貢献をしてくれることではないかというふうに、私は率直に評価したいと思います。
 ただ問題は、一体どのような教育訓練が指定されていくのか、現段階でどのような教育訓練コースを指定する予定でおられるのか、そのあたりの考え方を聞いておきたいと思います。
 つまり、新しい、雇用吸収力の強い、雇用吸収力の大きな分野だと考えられているところへ当然振り向けていかれなければならないと思います。そのあたりをどういうふうに理解をしておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#10
○征矢政府委員 ただいまの御指摘は基本的に御指摘のとおりでございまして、教育訓練給付の対象となる教育訓練につきましては、基本的な考え方として、労働者の職業能力の開発、向上を通じて雇用の安定等に資すると認められるものを、教育訓練機関からの申請を踏まえまして、個々の教育訓練コースごとに労働大臣が指定する、こういう考え方をとっております。
 具体的な内容につきましては、今後の関係審議会におきましての御議論あるいは教育訓練機関からの申請の状況等にもよりますが、現時点におきます考え方としては、高度情報化あるいは企業における事業の効率化、多角化への対応として、例えば情報処理関連あるいはマーケティングリサーチ等の講座といったもの、また、その他専門性が求められていることへの対応として、各種公的資格取得のための講座など、そういうものを想定い
たしておりますが、状況に応じまして、できるだけ幅広く職業に関連するものを指定するということを基本といたしています。
#11
○青山(丘)委員 今おっしゃられたように、職種別就業者の推移と見通し、これについて相当細かく分析してあるのですが、専門的・技術的職業従業者、このあたりが非常に著しい伸びを示してきております。
 そういう意味で、専門的あるいは技術的な職業従事者の分野が、あるいは今おっしゃられたような高度情報化への対応、あるいは事業の多角化への対応、こういったところへ向けられていくものだろうと思うのです。本当は労働者個人が、自分が選択するものでしょう。けれども、その人たちにも、どういう分野がこれから自分に必要な職業能力であるのかということもなかなかよくわからない。ということになれば、一つはやはりある程度の指針を労働省として持っていたり示していただけるような、情報の提供がしていただけるようなことも考えていただきたい。そして、自分が進むべきところはこういうところの技術や能力を身につけていきたいということを労働者にみずから判断をしていただくことになって、そういうところへ教育訓練を受けていただく、こういうことになっていくのでしょう。
 そのあたりが、これは言葉では簡単なんですけれども、具体的にそういう情報がきちっと伝わり、労働者がみずから正しい判断がしていただけるようなこと、そして、労働力を大きく吸収できる分野として一定の見通しが立てられるような、そういう情報の公開あるいは情報の交換、あるいは指針というようなところをきちっと示していただかないとなかなか難しいのではないか。それには、こんなところが必ず伸びてくるし、職業能力としてもどうしても必要になってくるのでしようということをきちっと指導していただけるような体制を整えていっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#12
○征矢政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、非常に難しい課題ですが、私どもとしましては、適切な支援ができるように、そんな体制も含めまして、あるいは周知徹底も含めまして、そういう方向について検討してまいりたいというふうに思います。
#13
○青山(丘)委員 失業者二百三十万人、失業率三・五%、なかなか厳しい雇用失業情勢が続いてきております。この段階で、教育訓練給付についてはできるだけ早くやっていただきたい。実施時期平成十年十二月一日、恐らくこうした状況を十分配慮していただいてのことだろうと思います。とはいえ、周知徹底、その体制を整えていくということもなかなか難しいかもしれません。しかし、私は、率直に言ってこの制度は見るべきものがあるし、ぜひ成功させていただきたい。そういう意味で、できることならばもう少し早くできないかというような思いもさらにいたしておりますが、いかがでしょうか。
#14
○征矢政府委員 先生御指摘の点は重々理解はできるのですが、実は、私どもも、これは当初、平成十一年の四月一日実施ということを想定して関係審議会で議論もしてきたのですが、やはり諸般の事情からできるだけ急ぐべきであるということで、どこまで早期実施ができるのかという点をいろいろ検討いたしまして、今回十二月一日というふうにいたしているところでございます。
 これにつきましては、教育訓練の具体的なコースの指定等の施行準備、これが相当程度の期間を要すると見込まれておりますし、なおかつ、雇用保険制度全体がコンピューター処理をいたしておりまして、このコンピューター処理ができるような状態、これは十二月一日ではできないことがもうはっきりいたしているわけでございます。ぎりぎり言いましても来年度になりませんとコンピューター処理はできないわけでございますが、手作業ででも実施をしよう、こういうことで、早期実施ということで十二月一日という施行時期を決めたわけでございまして、そういう意味での御理解をぜひいただきたいというふうに考えております。
#15
○青山(丘)委員 周知にも時間がかかる、広報も必要、あるいは修正を受けてそれにこたえていく体制というものにも、これは全国きちっと体制を整えていくということはなかなか容易ではないかもしれませんが、ひとつぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
 実は、こういう前向きな部分と、同時にやはり少し懸念される部分がありますので、労働大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
 やはり日本の産業構造を大きく転換していかなければならない。そのためには、国際競争力をつけていくためにリストラをすべき分野がたくさん出てくる。あるいは、たくさんでないかもしれないが、きちっとした合理化もしていかなければいけない。これはもう実は歴史的要請を受けているというような段階でもあるわけです。
 そういう点はどういうことかといえば、雇用の安定の分野の立場から考えていけば、軽んじられていってはいけないというような一面も同時に出てくるわけですから、雇用安定の立場で、そうした面でのリストラや合理化、あるいは、時にはそういう点から雇用に不安を持たせていくというようなことがあってはなりません、軽んじられないような配慮も十分していただかなければなりませんので、労働大臣として、労働・雇用行政の責任者として、その御決意はいかがでしょう。
#16
○伊吹国務大臣 今先生から御指摘をいただきましたことは、雇用をお預かりしている労働大臣としては最も肝に銘じておかねばならないことだと存じております。
 日本の将来のためを考えますと、経済の構造改革というのは避けて通れないわけでありますが、それをやっていく中で、ちょうどこれは一種の手術のようなものでございますから、必ず手術の副作用というのは出てまいります。景気あるいは雇用、こういうところへ出てくる副作用を最小限に抑えながら、手術というのはやらねばなりません。
 その最小限に抑える努力というものは、まず第一に、やはり経済政策について労働省としてできるだけ積極的に発言をしながら、副作用が出にくい運営をしていく。例えば、今回金融二法を国会の御判断で通していただいたということは、私は大変な副作用緩和になると思うのですが、そういうこと等景気対策にまず万全を尽くし、それについて積極的に労働大臣として発言をしていく。
 それから同時に、しかし不幸にして摩擦的な失業が生じた場合は、雇用調整助成金制度であるとか、あるいは新たな職を我々が積極的に見つけだして求人の方々にマッチングをさせていくとか、そういうことに万全を期しながら、長期的な目標に備えていく決意でございます。
#17
○青山(丘)委員 避けられない産業構造の転換という段階に今来ておりますから、国際競争力を持つためには、リストラ、合理化は一面避けられない。そういう意味では、景気対策にきちっと配慮して取り組んでいただくこと。それから同時に、やはり新しい雇用をどんどんと創出できるような、ベンチャー企業が創出できるような、そういう経済社会情勢をできるだけつくっていく。つくっていっても、しかし労働者がそれに対応できないようではいけませんから、そういう意味では、職業能力をきちっと開発できるような体制も同時に整えていく。幅広い考察と取り組みの中で、ひとつぜひ全軍指揮、労働大臣が先頭に立って取り組んでいただきたいと思います。
 それからもう一点、働く人たちが生きていくときにどこに幸せや充実感があるのかということを前向きな立場でできるだけ追求していくことが、日本の労働行政全体には大きくかかわりを持ってくるし、貢献をすることができると思っておりまして、高齢者の雇用の問題は非常に大切だと私は思っています。
 体力的に働けない、働くことができない、働きたくないという状況になってくれば、これはやむを得ません。しかし今、女性の平均年齢は世界一、それに関係するのか、男性も世界一の長寿国に日本はなってきておりまして、これは日本の政治の
輝かしい成果だと胸を張って政治家が言ってもよいことだと私は思っております。何も悪いことばかりを言う必要は少しもない。
    ―――――――――――――
 そこで、高齢者が本当に働く場所があって、生きがいを持って喜びの中で生活をすることができることは、これは当然所得にも関係してきますが、家族たちの幸せにもかなり大きなかかわりを持ってくることでございますから、高齢者の雇用について、ひとつぜひしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 そこで、高齢者雇用対策の中で、雇用保険制度としては、六十歳以上六十五歳未満の在職中の方には高年齢雇用継続給付金が支給され、また六十五歳以上の失業者の方には高年齢求職者給付金が支給されております。それぞれの給付について、支給対象者数あるいは支給総額がどのような状況になっていて、どのような所感をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
#18
○征矢政府委員 平成八年度で見まして、高年齢雇用継続給付の支給実績につきましては、月平均の支給対象者数が約九万人、支給総額が約三百六十九億円となっております。また、平成八年度の高年齢求職者給付の支給実績につきましては、支給対象者数が約十二万六千人、支給総額が約九百一億円となっております。
 所感といたしましては、この制度の適切な運用につきましては、ただいま先生御指摘になりましたように、今後の高齢社会、そういう中でできるだけ高齢者の方々が安定した生活を送る、なおかう、そういう中で希望する方はできるだけ働いていただくという考え方を背景としてこのような制度ができてきているわけでございますが、この支給実績につきましては、制度発足以来、年々実績が伸びてきているというふうに考えます。
#19
○青山(丘)委員 実は、私がよく知っている七十過ぎのおじいさんですが、もとより息子さんたちはみんな立派に家族を持ち、仕事を持ち、働いておられる。そしてこの高齢者の方は、自分で仕事を見つけまして、山村で暮らしておられる方ですから、農業のかたわら、親しい方の仕事、庭づくりであるとかいろいろな仕事をやっておられまして、結構忙しく頑張っておられて、いい収入です。近所で、どこにも働くことのできない青年がやはりいます。つまり、だれでもそうですが、どこでも働けるというわけではなくて簡易な仕事しかできない青年をちゃんと使って、もちろんきちっと賃金を払って、そして結構生きがいを持って頑張っておられる高齢者があるのですね。そういう方はそういうところで自分で仕事を見つけて、生きがいを持って喜びの中で働いておられます。
 ただ、都市生活者はどうしても仕事についていくわけですから、働きたいという気持ちがあるときは雇用継続ができますように、また、高年齢になってもなお引き続き働くことができるような意識を持っておられる方には、職がないけれどもなお働きたいという人たちの気持ちをできるだけ吸収できるような体制というのは――六十五歳以上は年金が満額支給を受けられます。受けられますけれども、じゃそれですべて解決かというと、こういう多様な社会では必ずしもそうではない。ということを考えてきますと、このことも非常に重要な事業としてぜひひとつ取り組んでいただかなければならないことだと私は思っています。そういう点で、ぜひさらに進めていただきたいと思います。
 今回の雇用保険法の改正においては高年齢求職者給付金の支給額をおおむね現行の半額にしていくということになっていますが、そういう意味では高齢者の六十五歳までの継続雇用によくない影響、悪影響が出てくるのではないかと私は思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
#20
○征矢政府委員 雇用保険制度におきましては、基本的な考え方として、ただいま御指摘のように年金問題等が背景にございますが、六十五歳以上の方については現行制度では原則適用除外であるということといたしております。ただし、六十五歳までの雇用継続を図るという政策目標にかんがみまして、また、現にずっと働いてきて六十五歳以上の方が失業した場合における求職活動を支援する必要があるということから、高年齢求職者給付金を設けているところでございます。
 今回の改正につきましては、実は平成十年度から、六十歳代前半の間におきます雇用保険の基本手当と年金との併給調整が、数年前の制度改正によりまして実施されることになっておりまして、雇用保険の基本手当が出る場合には年金は調整する、こういう措置が十年度から発足するところでございます。そういうことを踏まえまして、高齢者の求職活動に配慮しつつ六十五歳までの雇用継続を図るというこれまでの高年齢求職者給付金の機能、これを維持できる水準、これは財政構造改革という視点から廃止すべきであるというような厳しい御意見もございましたが、ただいま申し上げましたようなことから、これは廃止はできない、しかし、諸般の事情を考慮して維持できる水準に支給額を改めたい、こういうことで考えております。
 これは、六十歳代前半層で年金と雇用保険の基本手当の調整を行いますと大体半分になります。そういうことを考慮して、現行の水準の約半分というような、額の少ないところについては上乗せの配慮をして半分という形での水準にいたしているわけでございまして、これによって高齢者の六十五歳までの継続雇用に悪影響が生じることはないと私ども考えております。
#21
○青山(丘)委員 ここのところは非常に長い間議論され、重要なところですが、年金支給と定年との関係、その間の谷間をどう生きがいを持ち、喜びを持ち、喜びが余り持てないかもしれませんが、前向きに生きていくことができるかということは、働く人たちにとっても、国の行政の立場にとっても非常に重要なところで、継続雇用の確立については、ぜひひとつしっかり前向きに取り組んでいただけるようにお願いをしておきたいと思います。
 最後に、労働大臣にお考えを聞いておきたいと思いますが、高齢化が急速に進んできております。さらに高齢者は増加していくことになるわけでございまして、それでいて高齢者の皆さん方が生き生きと、そして長年培ってきた豊かな経験を持ちながら社会の中で生きていくためには、高齢者雇用継続というのが極めて重要な仕事でございます。
 その意味で、高齢者の雇用問題について、その最高責任者として労働大臣はどのような認識を持っておられるのか、御意見を伺いたいと思います。
#22
○伊吹国務大臣 ただいま先生がるるお話しになりましたように、働くということは、もちろん収入を得るという一面がありますが、人間として生きていることを認識をして、社会で存在するということを認識をして、そして生きる喜びを感ずる最大の作業だと私は思っておりますので、御年輩の方も当然お元気な間は働いていただけるような制度、あるいは社会慣行をつくり上げていくのが私の仕事だと思っております。
 特に、少子化という現象がもう一方で起こっているわけですから、これはあと十五年か二十年もしたら、ちょうど青山先生や我々が高齢者と言われる年齢になると思うのですが、そのときはもう平身低頭して働いてくれと頼みに来られる状況になると思うのですね、そうしなければ労働力は足らないわけでございますから。それまでのつなぎとして、やはり高齢者の方の生きがいの上からも、できるだけ働ける仕組みをつくっておく。
 今、先生方の御協力も得て、六十歳定年というのはほぼ定着いたしましたが、六十五歳まで何らかの形で働ける仕組みを持っておられる企業も八〇%できてまいりました。しかし、希望者がすべて働けるという状態にはなっておりません。これは、残念でございますが、まだ二〇%ぐらいしかなっておりません。
 一番のポイントは、当面やはり経済を拡大させて、そういう方を受け入れていただく余裕を日本経済がつくり出すということ。そして同時に、今先生が御指摘のように、その中で社会慣行や制度
をつくり上げていく。
 先ほど、政府委員と先生との間のやりとりを私伺っておりまして、将来的に、二〇一三年を過ぎて徐々に年金財政が安定をしていけば、本来は年金支給年齢だけれども働かれて調整を受けておられる方々は、調整を受けられたその金額について、七十とか七十五になってお働きになれなくなったときに何らかの上乗せをして返ってくるような年金の仕組みを、将来の課題として私はやはり考えていかなければインセンティブはできないのではないかという気もいたしておるわけでございます。
#23
○青山(丘)委員 ぜひ進めていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#24
○田中委員長 次に、飯島忠義君。
#25
○飯島委員 自由民主党の飯島忠義でございます。
 大臣の肉声でやりとりができるという立派な委員会室で、また、私自身神奈川四区ということでございまして、お隣の神奈川五区の田中慶秋委員長のもとで質疑ができる、これも私にとって望外の喜びでございます。近年の労働市場の問題、いろいろございますけれども、昨年の日本経済のいろいろな問題、とりわけ金融システムそのものが不安定であった。国民のこれに対するいろいろな思いというものがあった一年ではなかったかなと思います。
 金融システムの安定化法案がいろいろ論議され、法案が通って、公的資金の導入。例えば日本の銀行に対するジャパン・プレミアムというものも、一%見当であったものが〇・一とか〇・一五になってきた、日本の銀行の評価というものが回復したということで、雇用問題についても大きく影響を、いい方に持つのではないかなと思っているわけでございますけれども、とりわけ大蔵不祥事、また日銀におけるもろもろの疑惑、閣僚の一人として伊吹労働大臣もいろいろお考えをお持ちのように聞いております。
 私自身は、やはりここで総理の決断というものも高く評価し、新総裁になる速水さんについて、いろいろマスコミの評価もございますけれども、中央銀行としての役割、四月一日からビッグバンということで、まさに日本の銀行の中の銀行といったことでの役割を果たしてほしいという気持ちを強く持っております。
 それで、大臣に率直に、速水さんに対する人物評価ということではなくて、今回の速水さんが日銀の総裁におなりになるということ、これによって労働市場関係というか、雇用関係も含めて、また日本の経営者が夢と希望を持って前に進むようなことになるのかどうか、これらを含めて、非常に複雑な質問かもしれませんけれども、まずお伺いしておきたいと思います。
#26
○伊吹国務大臣 今飯島先生御質問の背景には、現在の景気の問題、あるいは大蔵、日本銀行の不祥事の問題、これは、高度成長からバブルの時期に至るまでの間に、お金を持っている者、お金というものが社会の価値尺度の中で非常に高い評価を受けるような人間社会が日本にできてしまっていたということを、そういうものに意を用いねばならない政治家の一人として、私は大変責任を感じているわけです。
 速水さんは非常に清廉潔白な人でありますし、また、私はロンドン時代に御一緒に仕事をしたこともございますし、お人柄はよく存じております。したがって、日本銀行総裁という政治的に中立な立場の方々に政党人としての発言は私は慎んでおいた方がいいと思いますが、自分のしっかりされた信念を持って、状況の変化によって信念を変えられることなく粛々とやっていただければ結構ではないかと私は思っております。
#27
○飯島委員 それでは、今回提案のありました雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案についての質疑に入らせていただきます。
 私自身、労働行政については大変弱い一人の議員でございますが、従前、労働三法、これは一般的にそういう理解でいいと思うのですけれども、労働基準法、労働組合法、あるいは労働関係調整法というこの三法。今はどうかといいますと、新労働三法ということで大きく浮かび上がってきたのが雇用保険法であり、高年齢者雇用安定法、あるいは障害者の雇用促進法、これが学者の間でも新労働三法という評価が定着したように思えております。
 そこで、今回の提案でございますが、大臣の所信表明、あるいは大臣に対する質疑の中でも明らかになっておりましたし、また提案の趣旨説明の中にもそうございましたのですけれども、産業構造の変化。本当にこれはもう、例えば従前の、日本の戦後経済の発展史を見ましても、例えば、景気が悪くなる、そうしますと公共事業を拡大すれば景気が浮揚する。俗に言うケインズ理論というのですか、そういったものがなかなかのところ効果を発揮しない時代になってきた。つまり経済の枠組みが大きく変化をしてきた、こういうことにほかならないと思うのです。
 そういう面で、産業構造の変化や急速な高齢化の進展等への対応、さらには論議も大変ございますけれども財政構造改革の推進、これは法案も通って、キャップがかかった中での平成十年度の予算に相なるわけでございますから、それらの要請にこたえた中でこの法案の改正、タイミングをとらえて大変時宜を得たものと私自身は高く評価をしております。
 大臣として、今回の法改正、この趣旨でとりわけここの部分を強調したいのだという大臣の思い、きょうはマイクを使わずに肉声でやりとりができるいい部屋でございますから、ひとつお願いを申し上げたいと思います。
#28
○伊吹国務大臣 まず、飯島先生がおっしゃいましたように、旧労働三法というとらえ方もあろうかと思いますが、私は、今お挙げになった旧労働三法という中で、労働基準法というものはやはり今の時代にもしっかりとした位置づけがあるのであって、ただ、従来とかく、日本は戦争によって打ちひしがれて、経済的にもまた国民の生活水準も非常に低い中で、働く人たちの権利が守られない、また守られなければ経済がうまく動かないなどという危険があったわけですから、それを公権力によってできるだけ基本的なところを守っていきたいということであったと思います。
 しかし、諸先輩の御努力のおかげで、世界に類を見ないような拡大を遂げて、行き届いた社会保障制度と生活水準を享受している今日、労働基準法等の法律を遵守した中で、今御指摘のような新しい時代に対応していく法制度を整備しなければならない。
 そこで、経済構造の変化という切り口をおっしゃいました。これも確かに私はそういう面があろうかと思いますが、私どもは、経営者のために労働行政をやっているわけではございません、国民のために労働行政をやっているわけで、そういうことからいうと、豊かな中に社会構造あるいは日本人の生き方、生きざまが変わってきた、その生きざまの構造改革に応じて働き方が多様化してくる、それにどうこたえていくかということを考えるというのがただいま御提案申し上げている雇用保険法の大きなポイントだと思います。
 具体的に言いますと、例えば先ほど青山先生からも御質疑がございましたように、教育訓練給付をして、新しい職に自分の意思でつきたい、またっけるだけの余裕のある社会になってきたわけですから、そういう人たちを支援していくとか、あるいは高齢化社会になりましたから介護をしたいとか、あるいは働きながら育児をしていくとか、そういう方々に給付の制度をつくっているとか、同時にまた、高齢化社会になって、六十五以上の方は、年金をもらって働かれない方と、年金をもらいながら働いておられる方との間のバランスをとるために高年齢求職者給付金の見直しを行っているとか、日本人の生きざまの中の働く部分に対応した改正だというふうにとらえていただければありがたいと思うのです。
#29
○飯島委員 丁寧な御答弁をいただいて、いたく恐縮をしております。
 私自身も代議士になって一年と四カ月ですか、
常日ごろから伊吹労働大臣の言動については大変注目をしておりますし、これからますます、日本の労働大臣としての役割はもとよりでございますけれども、閣僚として大いに、閣議における発言も含め、これからの厳しい世情に対するよりよきリーダーとして御活躍を願いたいなという思いでございます。
 さて、以下ちょっと細かい質疑になりますけれども、大臣からじゃなくて結構でございますから。
 法改正の中身、私自身もここに労働省からいただいた資料の中でよく熟知をしているつもりでございますけれども、この教育訓練給付制度という項目は、青山前委員長からも質問ございましたけれども、その費用負担を保険事由として、その八割を支給する。先ほども講座の具体的な話まで出ましたけれども、その八割を支給するものであるが、この制度を創設して、法目的にも教育訓練給付というものを追加する意義、再確認させていただきたいと思います。
#30
○征矢政府委員 教育訓練給付制度につきましては、基本的な考え方としてはただいま大臣が御答弁申し上げたとおりでございますが、具体的には、職務に必要とされる知識や技能の変化、産業間、企業間の労働移動の増加等に伴い、多様な職業能力開発が求められている中で、労働者の主体的な職業能力開発の取り組みを促進するために、労働者がみずから教育訓練を受けた場合に負担した費用の一定割合を失業等給付として支給することによって、その雇用の安定等を図ろうとするものでございます。
#31
○飯島委員 おおむね理解をしたところでございます。
 次に、このような制度の金銭面での援助が一層効果を上げる、これは当然だと思うのですけれども、労働者が時間を主体的に使うことができることがさらにまた重要な側面ではないかなと思っています。
 特に経済のグローバル化に対応すべきビジネスマンにとって、今般の労働基準法改正案の中にもある裁量労働制について、これは大変に有意義な考えではないかなと理解をしているわけでございますけれども、その導入の意義及び効果、これについてはいかがお考えでございましょうか。
#32
○伊藤(庄)政府委員 ただいま御指摘ございました、今回の労働基準法の改正によりまして御提案申し上げている裁量労働制でございますが、これは、事業運営上の重要な事項を決定する企業の本社等の中枢部門で企画や立案などの業務に携わっているビジネスマンの方々を対象といたしまして、業務の遂行手段あるいは労働時間の配分等が相当任されて、使用者から具体的な指示を受けていない方々、こういう方々につきまして、働き過ぎ防止のための措置を労使委員会で決定していく、そういうことをあらかじめ条件を整えた場合には、そういったビジネスマンの方々が労働時間というものを主体的にみずからが管理する選択肢を認めていこうというものでございます。
 これは、保護にも十分配慮しながらでございますが、そういった働き方を通じて自己の創造的な能力を十分に発揮できる職場環境をつくっていこうというところにねらいがあるわけでございます。それだけに、自分の能力を常に磨き上げていく、そういった努力も同時に必要とされるわけでございますので、この制度が効果を上げるためには、こういった対象者の方々が同時に新しい知識などを吸収して能力開発をしていく、そういう意味で、この新たに設けられる教育訓練給付を効果的に利用していくということが非常に望ましいのではないかと思っております。
 そういう意味で、この裁量労働制と新たな教育訓練給付制度、両方が相まって機能していけば、我が国の従来からの日本的な雇用システムの中に新たな活力を注ぎ込むことになるのではなかろうか、そういうことを通じて我が国の雇用システムをさらに発展させていくきっかけにもなってくるのではないかと期待しているものでございます。
 よろしく御審議をお願いしたいと思っております。
#33
○飯島委員 次に、平成六年の法改正、この折、育児休業給付制度の創設に当たっても同様の論議があったと思うのですけれども、介護休業給付制度の創設は、ノーワーク・ノーペイですね。
 そこの平成六年の論議、自由民主党が野に下っているころでございまして、国務大臣は鳩山邦夫さん、その答弁等あるのですが、当時の論議としても、とりわけ問題がないように私自身は見受けておりますけれども、我が党の先輩の長勢甚遠さんの質問にこんな答弁をしているのですね。
  育児休業につきましては、その所要額は年間最大限六百億円程度、十四万人ぐらいの方が御利用いただけるのではないかと思っておりまして、途中省略しまして、また、ノーワーク・ノーペイの原則については、育児休業給付というのは、いわば、保険の世界でいいますと、育児という雇用継続が困難となる事由を一つの保険事故とみなす、そんな保険給付でありますから、費用負担も事業主のみでなくて労使折半でございますから、ノーワーク・ノーペイの原則と矛盾するものではないということでございます。
という答弁があるのです。
 ですから、私自身も、当然今回の法改正、同じような意味での創設でございますから問題はないと思うのですけれども、確認の意味でお願いをしたいと思います。
#34
○征矢政府委員 先生ただいま御指摘の育児休業給付制度における御議論、そういうものを踏まえまして、今回の介護休業給付につきましても、基本的な考え方といたしまして、介護休業という雇用継続が困難となる事由、これを保険事故としてとらえ、休業取得者に対して給付されるものであり、また、その費用負担については事業主のみでなく労使折半の保険料を充てるものであって、いわゆるノーワーク・ノーペイの原則と矛盾するものではないという考え方をとっているところでございます。
#35
○飯島委員 制度の中身でございますけれども、例えば介護保険の適用ですけれども、家族が全面的要介護状態にある場合は介護保険制度を適用する、その前段階において介護休業給付制度を適用するというイメージを持っているのですけれども、その両者の関係について整理して答弁をお願いしたいと思います。
#36
○征矢政府委員 私どもも、基本的には先生御指摘のような考え方の整理になろうかと思っています。
 今般創設しようとしております介護休業給付制度につきましては、要介護状態にある家族を抱える労働者が、職業生活を継続しながらその家族の介護のための休業を取得することを容易にするために、休業することに伴い賃金収入を喪失した労働者に対して休業前賃金の一定割合を給付しようというものでございます。
 一方、介護保険制度につきましては、加齢に伴い要介護状態となった人に対して必要な介護サービスを給付することにより、その人が自立した生活を営めるようにしようとするものでございます。
 したがいまして、介護問題につきましては、基本的には介護保険制度によることになるというふうに考えておりますが、介護保険による外部介護サービスの利用等、介護に関する長期方針を決めるまでのいわゆる見きわめ期間、準備期間、そういう期間におきまして、家族による介護がやむを得ない場合など、労働者がその家族を介護するために休業する場合に対応するためにこの介護休業給付制度を設けようとするものでございます。
#37
○飯島委員 厚生省とも十分な論議をし、そして法案が提出されたわけでございますから、その辺についてもきちっと履行できるようにお願いをしたいと思っています。
 さて、当時、育児休業のときの論議として、これは大変な問題だと思うのですけれども、私学職員の問題、雇用保険に入っていない学校というのは実に多いのですね。当時の数字で見ますと、これ
は答弁された中身だと思うので多分その数字もつかんでおられると思いますけれども、昭和五十五年には私立学校団体も労災保険については積極的に適用促進を進めてきた。にもかかわらず、現実の雇用保険の適用状況を見ますと、平成六年四月現在で、幼稚園については、学校ベースで九〇%、教員ベースで八〇%、まあこの辺はいい数字だと思っていますよ、相当適用が進んできているものの、小中高、大学、短大では適用が進んでいない。全体で見て、学校ベースで七〇%、何と教員ベースでは三五%、こういう数字なのです。
 ということは、せっかくいい中身に一生懸命練り上げてつくり上げた法律というものが適用されない、つまり一種の違法状態、こういうことになるのではないかなと思うのです。
 まず、数字の変化というか、これは平成六年の数字ですから、いや、そうじゃないよ、教員ベースでもう七〇になったよというような力強いものがあるのであるならば、ひとつ御答弁願いたいと思います。
#38
○征矢政府委員 残念でありますが、平成九年四月現在の私どもの調査結果で、ただいま先生の御指摘のような数字、変わっておりません。
 考え方といたしましては、雇用保険制度、これは私立学校の教職員に対しても適用されるものでございまして、従来加入率が非常に低いということから、その加入促進に努めているところではございますが、結果として現状では御指摘のような状況でございます。育児休業制度導入後におきましても、私学関係者の会合に私どもの職員が出席いたしまして、育児休業制度を初め雇用保険制度について説明するなど、一層の加入促進に努めてきているところでございます。
 現在のところ、まだその加入状況は高いとは言えない状況でございまして、今後におきましても、文部省等とも連携をとりながら加入促進に努めることによりまして、法案が成立した場合には、この介護休業給付制度が私学の教職員の方にも十分利用されるように、さらに努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#39
○飯島委員 数字も、平成六年から何年ですか、丸三年たっているのですか、それで動かない。私はやはり、理事会も含めた、理事長を頂点とするところの学校経営者の反省を促したいですね。学校が倒産することはない、そんな経営者の理解だと思うのですね、ですからそんな保険に入らなくていいと。
 しかし、それだけでなくて、中身の理解というのですか、例えば育児休業であるとか介護保険であるとか、このようなもろもろの保険の中身、これをもう少し熟知されれば−当然教育というのは、もう人の根幹を、これからの二十一世紀をなすところの大事な方々でございますよ、教育界は。文部省とも調整しながらじゃなくて、大臣も含めて労働省から文部省に強く要請して、ひとつ全加入を促進していただきたいということを特につけ加えておきたいと思います。
 用意した質問、時間が足りなくなりましたので、急いであと二問ばかりお願いしたいと思います。
 平成十年度、教育訓練給付制度は三カ月の見込みで五十億程度と聞いているわけですけれども、平年ベースでは幾らか、それから介護休業給付制度については幾らになるのか、これを確認しておきたいと思います。
#40
○征矢政府委員 教育訓練給付につきましては、平年度ベースで支給対象者数約三十万人、所要額約二百五十億円程度を見込んでおります。また、介護休業給付につきましては、平年度ベースで支給対象者数約五万人、所要額約百五十億円程度を見込んでいるところでございます。
#41
○飯島委員 この制度普及のためのPRも含めた施策について、具体的なものを用意されているのであるならばお示しをいただきたいと思います。あと残り三分だから短目に。
#42
○征矢政府委員 法律を成立させていただいた後、関係審議会で制度の細目を定めまして、具体的には、リーフレットの配布その他各種の広報活動を行うことによって制度の周知徹底を図るというようなこと。あるいは、新たな給付制度が十分活用されるためには支給申請の手続等についても工夫することが必要であるというふうに考えておりまして、例えば介護休業給付制度につきましては、育児休業給付の支給申請と同様に、労働組合や労働者の過半数を代表する方の同意を条件として、被保険者本人にかわり事業主の方も支給申請の手続を行うことができるようなことを行うことによって、この制度の活用を図ってまいりたいというふうに考えております。
#43
○飯島委員 最後の質問で、これは大臣に御答弁をいただきたいと思うのですけれども、今教育界の問題、きのうも日教組の川上委員長が大会で、信頼をいかに取り戻すか、まず家庭、そして地域、学校が一体となってやらなければこの厳しい状況というものを打破できない、克服できない、テレビでの放映でしたけれども、こんなあいさつをされていました。私自身も、そういう面でこれから教育の中におけるやりとりというものが大変大事になってくるんだなというような思いを強く持っています。
 それらを含めて大臣にお尋ねしたいのですけれども、平成六年の大改正を経て、雇用を継続しがたい事由を保険事由と先ほど申し上げましたけれども、育児、介護、こう来たわけですね。それで雇用継続給付の視野拡大。
 ここで、私は、今の教育界の現状を踏まえて、実のところ、きのうも私相談に乗ったケースが一件あるのですけれども、登校拒否という大きな問題。それから、これはもう大分前になりますけれども、家庭内暴力、これで本当に両親が疲れ切っている。
 そういう面でいいますと、ある方にアタッチするとすれば、雇用保険制度の中身を改善するとすれば、こうした二十一世紀を目の前にした中での日本社会における病弊、言葉は悪いのですけれども、どういう言葉をつけるか、ぐれた場合、ぐれたという言葉がいいのかどうかわかりませんけれども、そういう社会に内在する問題について、そういうものを織り込んだ雇用保険制度の改正というものも視野に入れるべきではないかなという気もするのです。
 ですから、大臣に最後に、先ほどの例えば教育関係の私学の皆さんが入っていないという問題も含めて、この二つについて、将来的な雇用保険の展望についてお尋ねしたいと思います。
#44
○伊吹国務大臣 まず、私学の方々の加入が非常に少ないということは、我々にも一端の責任があると思います。
 そこで、先生御指摘のとおり、私学はつぶれることはないというよりも、つぶれなくても自発的にいろいろ職業をおかわりになる方はたくさんおられるわけでございますから、それは当然PRをしてさらに御加入いただくと同時に、私も文部省当局に今御指摘いただいたことを申し上げて、安心していい子供を育てていただけるような状況を先生方にもつくりたいと思っております。
 それから、後の方の御質問は非常に重要な問題でございまして、何といっても子供の教育というのは、基本的には私はやはり家庭のしつけにあると思っております。そういうことができるような仕組みというのは、基本的には経済の底上げをしながら総労働時間を短縮して家庭に入られる余裕をつくっていくということが一番だと思いますが、しかし、それ以外に雇用保険で、例えば子供の教育のために学校参観に行くときにはどういう扱いをするかとか、いろいろなことがあろうかと思うのです。
 ただ、雇用保険というのは、失業したときに次のお仕事におつきになるまでの間のセーフティーネットというのは基本的な考えで、そういう状況にならないように、あるいはまたなった場合に再就職しやすいような教育訓練給付とか、そういう形で来ておりますので、五千五百万人ぐらいの方々の給付でもって全国民をカバーする教育の分野へ入っていくということがいいかどうかということについては、少し国民的な議論が必要だろうと思います。
 いずれにしろ、我々はそう長く政治家をやるよ
うな年齢でもないでしょうから、飯島先生たちが今以上に日本政治の中枢で日本を切り回していただけるときには、もう少し行き届いた、家庭と学校の教育がマッチングした中で立派な日本人ができる社会を目指して、お互いに政治家として頑張りたいと思います。
#45
○飯島委員 時間が参りましたので質問を終わりますけれども、伊吹労働大臣の言動というものは閣僚の中でも非常に注目をされておりますので、教育問題も含めて広範にわたってこれからも国民のためにお力添えをいただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
#46
○田中委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時四十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#47
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。近藤昭一君。
#48
○近藤委員 民友連の近藤昭一でございます。
 たっぷりと時間をいただきました。雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案につきまして、丁寧に質問させていただきまして、丁寧にお答えいただければと思っております。
 質問に先立ちまして、これからの日本の雇用のあり方について、若干私の考えをお話しさせていただきまして、また伊吹大臣のお考えもお聞かせいただければと思います。
 実は私も、政治の世界に入らせていただく前に、九年ほどサラリーマン、会社員の生活をしてまいりました。もう五年以上前になるわけですから、まだバブルの絶頂期、またその余韻が残っているころでございまして、おかげさまで、仕事をしていても楽しかったような状況であります。
 ところが、昨今のこの景気の状況であります。私の仲間も、まだまだリストラ、いわゆる会社をやめさせられたりという状況ではないのですが、随分と配置転換、思ったところ、今まで働いてきたところとかわらされる。かわったところは、やはり今までやってきた仕事とは随分と畑が違う。なれないところ。家族を支えていくために仕方がないと言いながらも、急な配置転換。そしてまた、景気が悪い中で今までのように賃金も思うように上がらない、あるいは残業費もつかない、そんな中で大変に苦しんでおります。
 おかげさまで政治の世界にお送りいただきましたものですから、何とか仲間を救いたいというような思いも込めまして考えているような次第であります。
 午前中、青山委員の御質問の中にもありました、働くことに対して、自助、自分の努力をするということ。そして共助、仲間というか企業の中ということだと思いますが、助け合って働いていく。そして、その中で安心して働けるように公助、国もやる部分がたくさんあるだろうというようなお話だったかと思います。私も、まさしくそのとおりではないかなというふうに思うわけであります。
 特に、日本はよくアメリカと比べられるというか、アメリカと競争してやっていくのだ。アメリカはいっとき景気が悪かったけれども、規制緩和をして、今や経済も景気も大変によくなった。そういう状況に日本も追いついてというか、もう一度日本も景気をよくしてという話もあります。
 しかしながら、人口構成を見ましたときに、日本は言われますように大変な高齢化社会であります。そして急速な高齢化社会だと思います。それに比べましてアメリカというのは、高齢化社会とはまだまだ呼べないような状況ではないか。
 また、若年の労働者に関しましても、それはやはりアメリカという国のやり方だと思うのですけれども、外国から若い労働者、いわゆる移民といいましょうか出稼ぎといいましょうか、とにかく外国からの労働者を大変にたくさん入れている。そういう人たちが、決して好ましい状況ではないと思うのですけれども、低賃金で働く。そしてまた、その人たちが大変に若いということで、それが一つの、労働社会というか雇用の中で活性化を呼んでいるのではないかと思うわけであります。
 ところが残念ながら、日本を振り返りますと、先ほど申し上げましたように急速に高齢化社会を迎える。そして、日本は狭い国土でもありますし、そういう国民性でありましょうか、外国の労働者をなかなか受け入れないということだと思います。これがいいとか悪いとかは別として、そういう状況の中で、労働の供給でいうと大変なアンバランスがあるのではないかなというふうに思うわけであります。
 そういった中で、これからますます一人一人の労働者というものは、景気をよくしていく、自分も会社の中の一翼を担っていくんだという気構えも必要でありましょうし、そしてまた、それを支えていく国の制度というものも必要だと私も考えております。
 そういった中で今回の法の改正案も出てきたのだと思いますが、その前提となる今の雇用の情勢といいましょうか、今申し上げたような雇用の形態、これについて大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#49
○伊吹国務大臣 近藤先生、大変広範な、日本の歴史、文化各般について考えないとなかなかお答えのできない御質問だと思うのです。今の御質問の中にもございましたように、私の聞き方がまずければお許しいただきたいのですが、残念ながら日本を振り返ると、高齢社会であり、外国労働者を入れないというお言葉がございましたが、高齢社会になったというのは、先輩が日本をここまで行き届いたいい国にしていただいた結果であって、私はそのことは胸を張って誇るべきことだと思うのですね。
 同時に、外国の労働者の方も、確かに日本の雇用政策としては、言うならば技術を持っている人たち以外は基本的にレーバーパーミットを出さないという形で来ているわけですが、これも、社会全体の秩序だとか社会の安全とかいろいろなことを考えると、これでうまく国内が回っていけば、私はそれはそれでいいことではないかと思うのです。
 私は、基本的にアメリカの制度がいいとは思っていないのです。確かに、大変などん底におっこちていたアメリカの経済が、レーガンさんを中心とした規制緩和と市場経済原則の導入によってよみがえりましたけれども、今先生がおっしゃったように、平均的な労働者の実質賃金はこの間必ずしも上がっていないのですね。それは、おっしゃったようないろいろなアメリカ社会のある意味では欠点みたいなところが反映されていると思うのです。その結果企業の収益だけが改善するというような労使関係は、私は日本ではとりたくない。私が労働大臣をしている限りは、やはり日本の伝統的な終身雇用制というものを維持したい。基本的には私はそう思っているわけです。
 その中で、しかし、豊かになったがゆえに女性が社会に出るだけの働き口もできました。社会に出れば社会に出たで、いろいろな価値観に触れて女性が人間的に成長できるという恩典も日本社会にできました。そして、人によっては、まだ人生のわからない大学卒業のときに選んだその選択で一生縛られるのは嫌だという方も当然出てくるし、またそういうことを許すだけの余裕が日本社会に出てきたと思うのですね。
 いろいろな価値観が出てくることは、教育だとかいろいろな制度で国家は誘導はできますが、価値観をコントロールするということはできませんし、また許されないことだと私は思うのです。そういう方々にもこたえるようなルートを開いておくというのが、やはり政治の方向じゃないか。
 したがって、基本的には、私は、できるだけ終身雇用制を基本として、しかし希望する人たちにはいろいろな道が選択できるための手だてをつくっておく、その一つの手だてあるいは高齢化社会への対応というのが今回お願いしている雇用保険法の改正だ、こういう雇用状況の判断のもとで実は
御提案を申し上げたわけなのです。
#50
○近藤委員 ありがとうございます。
 大臣おっしゃられましたように、私も地元なんかを回っておりますと、どうも昨今、高齢化社会、高齢化社会ということで、医療保険の負担の問題、あるいは介護保険、一般的に言うと負担がふえるような状況が続いております。ですから、まさしく大臣が今おっしゃったような、日本をつくってここまで繁栄させた原動力になられた先輩方が、どうもおまえら若い者は高齢者、高齢者といって邪魔にするような、そしてまた社会の負担がふえていくことの原因が高齢者にあるような言い方をするが、けしからぬという言葉がよく出ます。
 私もまさしくそのとおりだと思っておりますし、また逆の言い方をすると、多分、今後日本国内において労働力が不足してくるような状況もまた出てくるのではないか。そういった意味で、今回の法案の改正にも出てくるのでありますが、高齢者の方の力をどういうふうに活用、活用と言うと怒られるかもしれませんが、活性化させていただくか、そういうことが大変に大切だというふうに私も思いますし、日本には日本のやり方、だから外国の言うことは聞かないよ、アメリカの言うことは聞かないよということではなくて、しみついてきたと言うと語弊があるのかもしれませんが、日本がずっとやってきた方法がある、やはりいいものはどんどん取り入れてやっていくことだというふうに思うのであります。
 そういった意味では、私も今回の雇用保険法及び船員保険法の一部改正については賛成をしておりまして、その賛成の立場から幾つか確認と御要望をさせていただくというような形で質問を進めさせていただきたいと思います。
 もう一つ、全体的にちょっとお伺いしたいことがございまして、それは、雇用保険制度においては、労働者の皆さんの安定した職業生活の継続を困難にする要因である失業ということ、これを保険事故とした上で今までは失業給付というのをしてきたと思います。
 しかしながら、平成六年の改正により、失業のようないわゆる雇用関係の断絶を伴わないまでも、職業生活の円滑な継続を困難にするような要因、これについても、失業に準ずるような形、準失業と言っていいかどうかわかりませんが、そういった失業に準ずるものとして、職業生活の円滑な継続を援助あるいは促進するための対応が必要であろうということで、高年齢者あるいは育児休業取得者に対する雇用継続給付制度というものが創設されたと思います。そしてまた今回教育訓練給付が新たに創設された。
 ということは、失業という保険事故に対応してきた保険給付から、失業に準ずるものとしての高年齢者あるいは育児休業取得者に対するいわゆる雇用継続給付制度、こういったものが創設されて随分と給付の対象が広がってきた。いわゆる失業者だけでなくて、在職の労働者にもずっと広がってきたと思います。
 そして今回の教育訓練給付ということであります。在職労働者と失業者も対等に取り扱われて、求職者給付の基本手当と教育訓練給付の重複の給付もあり得るという状況になってくるわけでありますが、今回のこういった改正で、雇用保険制度が従来の失業者、本当に純然とした失業者を対象としてきた給付から、雇用に関する本当に総合的な制度に変化してきていると思うのですが、その辺の方向性みたいなものはどうでしょうか。
#51
○伊吹国務大臣 近藤先生御勉強いただいている流れで大体来ておると私も思います。
 昭和二十二年に、御承知のように失業保険法という形でこの法律の一番最初は生まれたわけですが、昭和五十年でしたでしょうか、現在の雇用保険の三事業を加えて雇用保険法という名前に実は改められました。
 しかし、基本的には、今先生がおっしゃったように、運悪く失業した場合に次の仕事を見つけるまでのセーフティーネットというのがやはりメーンであって、そして、そういうセーフティーネットにかからないようにするための給付と、それから万一運悪く失業した場合でも次の仕事を見つけやすいようにする給付というものが入ってきたわけです。今後も、必要なものについてはもちろん加えていかねばなりません。
 しかし、これはもう先生が一番御承知のことでございますが、どのような仕組みにもグレーゾーンみたいなところが実はあるわけですね。ですから、余り範囲を広くとり過ぎますと、結果的に、失業保険の保険を払っている人たちの負担で、何か本来失業、雇用と余り関係のないような給付ができてくるということは、やはりあってはならないと私は思うのです。
 したがいまして、新しい給付をつくります場合は、やはり国民の代表である国会のお許しをいただくという形で、実は一つ一つ法律に律儀にのせて国会の御決議をいただきながらやってきておりますので、国民の代表である国会の皆さん方の総意として何か新しい給付を将来加えていくということがあれば、行政府としてはそれに従うことは当然でございますが、余り野方図にセーフティーネットの役割からグレーゾーンへ拡大していくということについては慎重でありたいと私は思っております。
#52
○近藤委員 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、保険でありますから、その保険を負担する人たちがいて、そしてまた国の負担の部分があるということで、やはり、主役といいましょうか、その保険を負担していらっしゃる皆さんの意向は大変に大切だと思います。
 そんな中でもう一つだけちょっとお伺いしたいのは、まさしく先ほど大臣おっしゃいましたように、コントロールすることは余りよくない、もちろんそうだと思います。ただ、誘導というか、ある程度の方向性を持ってやっていく、そういう中でありますと、先ほど最初におっしゃられましたように、女性も随分進出してきた、そして高齢者の方もふえてきた、そして経済状況も悪くなってきた、経済構造変革も迫られているということですと、改正の根本には、やはり労働力の流動化というか、そういうものがあるのでしょうか。
#53
○伊吹国務大臣 そういう面があるということは否定できないと思います。
 しかし、これはもう近藤先生はよく御理解いただいていることなのですが、流動化をしていくというのは、経営者が流動化をさせたら、不況のときにはその流れを出してしまって、好況のときは流れを入れるから、経営に有利だ、だから経営者向きの法案だ、そういう御批判をされる方がおられるのですが、そういう面が経済効果としてあることは、私は否定いたしません。
 しかし、だからといって、それをやめれば、そういう流動化を希望しておられる方もまた道をふさがれるということでございますから、基本的に人を扱っている、労働力という人を扱っているということについての歯どめだけはやはり経営者もしっかりと持ってもらわねばならないし、そのために労働省としてはできるだけの歯どめをかげながら、いろいろな流動的な働き方を希望される方に道を閉ざしたくない、こういう考えでございます。
#54
○近藤委員 ありがとうございます。
 労働者と雇用者の双方の立場というのは、一致する部分と、全くというか、多分一致しない部分があると思うのですが、今のような経済状況の中で、流動化を進めながらも、まさしく歯どめと大臣おっしゃったように、経済全体の安定性ということだと私も理解するわけであります。
 そんな中で、今回の法律改正、まず教育訓練給付に絞りまして質問をさせていただきたいと思います。
 教育訓練給付、個人が在職中に、あるいは職を失ってからも、自分の職業のさらなるバージョンアップ、あるいは転職、自分に合わない、あるいはより給料のいいところにという、いろいろな要素はあると思うのですが、現在の雇用の流動化の状況で、転職希望を考えていらっしゃるような方が、今働いていらっしゃる方の中でどれぐらいの割合でいらっしゃるのか。そしてまた、いろいろな理
由があると思うのですが、現在どんな理由でそういうお気持ちを持っていらっしゃるのか。また、今後さらなる高齢化社会にこれから進んでいくわけでありますが、そういう中で、こういった人たちの見通しはどんなふうになっていくのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#55
○征矢政府委員 ただいま御指摘の労働移動の実態でございますが、労働移動につきましては、景気の動向によって左右されておるのが実態でございます。労働省の雇用動向調査によりますと、延べ労働移動率は、平成二年の三二・〇%をピークに低下して、平成八年では二七・六%というふうになっております。これは景気の動向を反映いたしまして、不況期にはむしろ労働移動は減少するという事態があろうかと思います。ただし、最近言われておりますいわゆる構造問題、こういう問題を踏まえて労働移動がどういうふうになっているかという点につきましては、これは統計的な調査はございませんので、その点はこの中には入っておらないというふうに考えております。
 なお、一方で転職希望者の就業者に占める割合は上昇傾向にありまして、総務庁の労働力調査によりますと、平成九年は八・七%と、比較可能な昭和四十三年以降で最も高い水準となっております。総務庁平成四年就業構造基本調査によりますと、転職希望者の転職理由を見ますと、時間的、肉体的負担が大きいから、あるいは収入が少ないから、そんなことを理由に挙げる方が多くなっております。
#56
○近藤委員 そうしますと、まさしく雇用の流動化の原因としては景気の動向がある。それによって流動化が進む部分。そしてまた、最近につきましては、以前のような、一つの会社でずっと働いていこうという、私の仲間なんかも、もうちょっと年代が若いくらいでしょうか、多分そういうところは、いい意味でも悪い意味でも、どうも会社に対する帰属意識が弱くなったなという感じがします。ですから、時間が長い、あるいは肉体的につらい、賃金が安いということで随分と転職希望の人がふえている、そういうような見通し。
 そうしますと、今、現況をお聞きしたのですが、大臣も、いい意味での終身雇用は守っていくべきだというお話がありましたが、そうした中で、やはり今後そういった流動化というのはますます大きくなっていくと見通されているのか、その辺をちょっと。二〇一〇年あるいは二〇一五年、これぐらいが高齢化社会のピークに達してくると思うのですけれども、そういった社会状況の中で、若い人たちが、違う会社に行きたい、どこか行きたいとかという状況が必ずしもいいのかどうかという心配もありますし、その辺をどういうふうに見通されているのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#57
○伊吹国務大臣 具体的な二十一世紀における推計というのはなかなか難しいと思いますが、価値観が多様化をして、同時に雇用保険が充実すればするだけ、率直に言えばだれかの負担で職を探すという余裕は出てきますから、本当に困って次の職を探すための失業の場合も自発的失業の場合も雇用保険の対象になりますから、この辺がさらに充実していくということも一つポイントになると思うのです。そして何よりも、経済がどうなっていくかということによると思いますね。
 今NHKで「甘申しゃん」というのをやっておりますが、あれを見ておりますと、昭和三十年代に、あの泉ちゃんという子供さんがお母さんに連れられて初めて榊酒造に行ったときは、他に就職口がないのですね。今だったら当然自発的失業になるような厳しいことを言われながら、じっと我慢するわけですね。ところが、職がいろいろ出てきますからだんだん自発的失業というものが可能になってくる部分もあります。そして阪神・淡路大震災が起こって、昔の状態にもう一度戻るというようなストーリーになっているのではないかと私は思いながら見ておったのです。
 そういうもろもろの要件に左右されますので一概には言えませんが、価値観が多様化すればするほど、やはり終身雇用制というのはできるだけ維持していきたいと私は思うのですが、働き手の方がそれを崩してこられるという流れになってくるのではないかなと私は見ておるのです。できるだけそれを食いとめたいと実は私は思っております。
#58
○近藤委員 残念ながら、私は余りテレビを見ないものですからちょっとわからないところもありまして、大臣もお忙しい中、そういうみんなが見ているテレビを見ていらっしゃるのは敬服するところであります。
 私も地元で話をする機会がありますと、どうして政治の世界に入ったのですかなどという質問がよくあって、まあ格好いい言葉で言えば、志を立てて、このままではいかぬと思って入りましたなんて話をすると、若い人たちというのは大変に自由です、ですから、余り職をかわることは意に介さないというか、帰属意識がない。結局給料がいいとかもっと短く、だれでも短い労働時間でたくさんの給料が得られればいいに決まっていますから、そういった感覚は持っているのです。
 ただ、逆に申し上げますと、では何をやりたいかとか、どういうことをしたいかがわからないというか、自由だけれども、自由過ぎて、その中から何を選んだらいいのか、そんなことがわからないようでありまして、そんな悩みを若い人から受けた覚えがあります。
 ちょっと話がそれてしまったのですが、そういった意味では、午前中のお話の中にもあったかもしれませんけれども、教育というものの果たす役割が非常に大きいのだなというふうに思います。
 ところで、そういった今後の雇用の流動化の状況。ただ、その中でも余り流動化してもいいわけではない、一定の歯どめが必要だろうという中でお伺いしたいのでありますが、今回の教育訓練給付制度に対して、結果としてこれから使われていくわけでありますから、もちろん試行錯誤というか、まずつくった、これからどうなっていくかわからないところがあると思うのですが、まずこの時点で、つくられて、どういうような評価をされているか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#59
○征矢政府委員 今回、教育訓練給付をつくろうということの趣旨につきましては、先ほど来先生御指摘のような経済社会情勢の変化、あるいは大臣がお答え申し上げました、そんなことが背景にございまして、国際的な大競争時代を生き抜くためには経済構造改革を推進し、経済活力を維持しなければならない。こういう状況の中で、その対策を進める上で、やはり働く方々も主体的に職業能力開発に取り組むことが重要であり、これは雇用の安定という観点からも非常に重要な役割を果たすものであろうということでございます。そういう観点から、教育訓練給付につきましては、みずから費用を負担して積極的に職業能力開発に取り組んだ労働者の方に対して、労働者に直接必要な給付を行うことによってその能力開発を促進し、雇用の安定を図っていこう、こういう考え方でこの給付を創設しようということでございます。
#60
○近藤委員 そうしますと、今お話を伺って得た範囲というか私の理解でいいますと、流動化というよりも、どちらかというと雇用の安定を目指してという方向性が強いのでありましょうか。
#61
○伊吹国務大臣 それはもちろん雇用保険特会でやるわけでございますから、法の趣旨からして、基本的には雇用の安定のためにという政府委員が申し上げたことだと思います。
 我々、政治家ですから、政治家の言葉で言えば、もう一つは、やはり高齢社会になりますから、六十歳、六十五歳以降の方々が再就職をしやすいように手だてをしておく、それが大きな一つのねらいだと理解していただいてよろしいのじゃないかと私は思っておるのです。
#62
○近藤委員 なるほど。そういっだ雇用の将来的な安定化というか御本人の雇用もさることながら、今大臣おっしゃられたように、高齢化社会に向けて、高齢者の方が再就職をしやすいような準
備をしていくような側面が強い。ということは、言葉をかえれば将来的な流動化、流動化といいましょうか、これは活性化でしょうか、流動化という言葉は余りそぐわないのかもしれませんけれども、そういった高齢者が将来働きやすいような準備をするという側面が強いという理解でよろしいのでしょうか。
#63
○伊吹国務大臣 全く高齢時代というものが定着をしてしまえば、私は七十歳定年にしても追いつかないのじゃないかと思うのですね。今生まれた方々が二十年ぐらいして二十になられたときの人口は非常に少なくてという状況でございますから。ですから、そこへ行くまでの期間、定年制は、六十歳でようやく定着したが六十五歳にはまだ至っていない。多くの方は六十歳でおやめにならねばならない、一応は。そして、二〇一三年には厚生年金は六十五歳だ。再就職をせざるを得ないのですね。この方々がどこかに雇用という形できちっと安定して入っていけるような道を開いていきたい。
 それからまた、希望される方には、若い方でも新しい職場へ移るという希望があれば、そういう技能をつけておけばミスマッチはできるだけ少なくなりますので、私は、老若あわせて雇用の安定を目指しているというふうに御理解いただきたいと思うのです。
#64
○近藤委員 そういった高齢者の人も若い人たちも、とにかく生き生きと働いていただくというようなことのための、それぞれが頑張るための、それを支える制度だというふうに理解したいと思います。
 そうしますと、今回この教育訓練給付というのが求職者給付、雇用継続給付とは別にいわゆる失業等の給付の中に位置づけられているわけでありますが、その理由をちょっとお聞かせいただければと思います。
 失業等の給付とは、先ほどからお話のあるようなことで申し上げますと別の性格を有するような給付ではないかなと思うわけでありまして、別の章に規定してもいいのではないかなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#65
○征矢政府委員 御指摘のように、この教育訓練給付について、失業等給付に位置づけているわけでございますが、この失業等給付の「等」の中に含まれるものとして位置づけている。その制度の中身はただいま申し上げたとおりなのですが、対象労働者につきましては、これは一定の失業者それから在職者の両方を対象といたしております。これは制度の趣旨からいって、労働移動が今後ふえていく、あるいは転職希望がふえていく、そういう中で、そういう希望者というのは、失業をしているという形の方もおられれば在職している方もおられるわけでございますから、そういう意味で、両方を対象とした給付制度として設けているということでございます。
 その内容につきましては、失業等給付と同様、雇用の安定及び就職の促進を目的とし、かつ雇用に関する労働者共通のリスクに着目して個人に直接支給する給付としてつくるということから、その失業等給付と同じ範嗜の仕組みとしてつくることが適当である、こういう考え方をとったところであります。
 ただし、先生御指摘のように従来の失業等給付と性格の異なる面がありますので、その点をきちんと処理するために、雇用保険法の目的にその点をつけ加えまして制度の趣旨を明らかにしていく、そういう形の給付制度であります。
#66
○近藤委員 個人給付であるという点。また失業者、失業中の方にも、またそうでない在職していらっしゃる方、先ほど私はこれを失業に準じる、失業に準じるという言葉も余りそぐわないのかもしれませんが、とにかくそういう在職している方への、移動あるいは将来の転職に備えての給付、いい意味での転職に備えての給付であるということもかんがみながらこの失業等の給付に中に入れられているということ、わかりました。
 ところで、この教育訓練給付、この給付の対象となる、これだったら教育訓練として認めますよ、保険から給付をしますよという範囲はどういったものか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#67
○征矢政府委員 この教育訓練給付の対象となります教育訓練の範囲でございますが、基本的な考え方といたしまして、労働者の職業能力の開発、向上を通じて雇用の安定等に資すると認められるものを、教育訓練機関からの申請を踏まえて、個々の教育訓練コースごとに労働大臣が指定いたして実施する、こういう考え方でございます。
 具体的には、法律を制定させていただきました後に、関係審議会における御議論、あるいは教育訓練機関からの申請の状況、そういうものを踏まえて決めるということになりますが、現時点におきます考え方としましては、高度情報化とかあるいは業務の国際化への対応として、情報処理関連あるいは国際ビジネスのための会計や法律等の講座といったもの、また、その他専門性が求められていることへの対応として、各種公的資格取得のための講座など、これに限らず職業に関するものについて幅広く想定をしているところでございます。
#68
○近藤委員 教育訓練機関からの申請ということは、いわゆる民間のということですか。民間の何々学校みたいなものがあって、多分審議会で審議をされて一定の方向とか基準みたいなものができて、あとは個別の学校からの申請で、この学校はいいとか、あの学校はいいという個々の対応になるのでしょうか。
#69
○征矢政府委員 制度を適切に運用するという観点でいきますと、民間の各種学校、訓練施設、こういうものが訓練科目それぞれ特性を持ってやっておりますので、そういうところを個別具体的に申請に基づいて指定して、そのコースを指定して、そういうところでやっていただくという考え方でございます。
#70
○近藤委員 たしかこれは十年、ことしの十二月一日よりの施行となっておりますが、そうしますと、審議会で方向性が決まって、各学校からの申請が来て、かなりのスピードでそれは処理をなさるのでしょうか。一カ月ぐらいとかそんなものでしょうか。
#71
○征矢政府委員 したがいまして、私どもとしましては、できるだけ早くこの法律の成立をお願いしまして、準備を始め、今言ったような手続をできるだけ早く済ませて、その具体的な対象を決めて、それを周知広報して、それで十二月一日から発足する、こういうような手順を考えております。
#72
○近藤委員 そうしますと、今おっしゃられるように、とにかく間に合わせるようにやられるということだと思いますが、これはちょっと細かいことですが、十二月一日の施行というと、本人の利用ということになりますと、例えば来年の一月一日から学校へ行く者については利用できるようになる。例えば十一月末から学校に行ってしまったとすると、それは適用されないようなことになるのでしょうか。
#73
○征矢政府委員 施行期日が十二月一日となっておりますので、これは十二月一日から以降が対象になります。十二月一日以降学校に行った方について対象になります。
#74
○近藤委員 わかりました。そうしますと、例えば、申し込みはちょっと前でも、実際に学校に行ったのが十二月一日以降だったら、これは給付を受けられる。
 そしてまた、十二月一日から学校へ行こうと思うと、そうすると、この学校はいいよとかいうのは、めどとしては十一月いっぱいとかそんなものなのでしょうか、どの学校だったら大丈夫だろうなどというのは。せっかくつくるのですから。
#75
○征矢政府委員 今のところ、おおむねのめどとして考えておりますのは、六月ぐらいまでに指定基準をつくりまして、それから各学校の申請を受け付けて、秋に指定をするという考え方でございます。ただし、この秋に指定というのをできるだけ早く指定いたしまして、周知広報することが大事であるというふうに考えております。
#76
○近藤委員 ありがとうございました。
 せっかくこの部分につきましては随分と早く実施なさるようでありますので、できるだけ早くに周知徹底をしていただいて、多くの方に教育訓練を受けていただきたいなと思うのであります。
 その一方で、今お話しの中でも触れられた部分があると思うのですが、教育訓練の範囲です。現在の職務に役立つもの、その職務の中でよりよい仕事ができるように、あるいは中長期的なキャリア形成の中で職務に役立つ、これは同じ会社だというふうに思うのですが、また出向や再就職等のための職業能力の開発等につながる、こういった要件が必要だと思うのです。
 そうしますと、職業能力の開発につながらない、単なる趣味のためのものとか一般教養を高めるためのものは対象外、もちろんそれは考えていらっしゃると思うのですが、その辺の基準は審議会にということでしょうか。
#77
○征矢政府委員 具体的な基準につきましては、法律施行準備の段階で検討し、関係審議会に御相談するということになりますが、基本的な考え方につきましてはただいま先生御指摘のとおりでございまして、単に趣味的なものとか一般教養的な教育訓練については、これは指定しないという考え方で対処したいと考えております。
#78
○近藤委員 ただ、単なる趣味のためのものかどうかというのは随分と難しいところがあります。
 私一瞬思ったのですけれども、例えば調理学校はいいけれども料理教室はどうなのかなと。男でも、料理教室にちょっと通ってみて将来板前にとか、そんな人がもし、ちょっと愚問かもしれませんが、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。趣味なのか仕事につながっていくのだろうか、ちょっと難しいところもあると思うのですけれども。
#79
○征矢政府委員 その辺につきましては、一定の基準を決めて、それに基づいて申請を受けて個別にチェックをする、そういうことも必要であろうというふうに考えております。
 例えば、料理教室みたいな形でやっているものが、その教育訓練の課程自体が、具体的に今回の教育訓練給付の対象となり得るような教育訓練機関と言えるかどうか、そういう判断も必要かと思います。
#80
○近藤委員 多分、料理教室と調理学校は、一般的な感覚でいいますと、調理学校だったら資格みたいなものが要件になってくるのかなという気もするわけですけれども、その辺はしっかりと基準を定めてやっていただきたいと思います。
 ところで、そういった学校に行った、その学校はそういう認められた教育訓練の学校であった。ところが、ほかにもいろいろな要件があると思うのです、教育訓練給付を受けるための要件です。それをちょっとお聞かせいただきたいのです。
#81
○征矢政府委員 一定の要件として考えておりますのは、被保険者期間五年間、雇用保険制度の中で一定の期間を経た方、そういう方を対象として考えております。
 それからあと、雇用の安定等を図るために必要な職業に関する教育訓練として労働大臣が指定するものを受けまして、これを修了した場合、授業料とか入学料とか、そういうものの実費の八割を証明書類を出していただいて給付する、こういう考え方でございます。
#82
○近藤委員 そうしますと、同じ事業主のところで五年間働いているという前提条件があって、学校へ行く。学校へ行ってから、その免状というかコースを修了した証明書と、あと領収証ですか、そういったものと理解してよろしいですか。
#83
○征矢政府委員 御指摘のような理解で結構でございます。
#84
○近藤委員 そして、これはどうなのでしょう。
 一つには、同じ事業所に五年間いなければならないという前提条件。これは、五年が長いのか短いのかというのはそれぞれ判断があると思うのですが、私などは、例えば若い人が、まず会社に入ってみて働いてみたけれどもなかなか会社が合わないとか、そういう状況というのは割と早く来るかと思うのですよ。早く来るか、あるいは、しばらく働いて十年ぐらいたったときにちょっとなと思ったり、そういう感覚が出てくるのではないかなと思います。そういう意味では五年間は長いのではないかなと思うこと。
 それと、例えば、五年たって学校へ行った、給付も受けた。それで、給付を受けたらすぐ会社をやめてしまったとか、かわってしまった。こういうようなことについては、何か要件というか条件はあるのでしょうか。
#85
○征矢政府委員 まず、期間五年間というのは、一つの会社に必ずしも限らず、通算して五年間という資格で結構であるというふうに考えております。
 それからあと、五年間につきまして御指摘のような御意見も確かにあろうかと思いますが、やはりこれは、雇用保険制度の中で給付と負担のバランスということを一定程度確保するという考え方もございます。あわせまして、受講する教育訓練を慎重に選択をしていただくというような観点から、一定の割り切りをして、被保険者期間を五年間というふうに考えているところでございます。
 それから、一遍この給付を受けまして、さらに再度、その後の状況変化に応じてこの給付を受けたいという点につきましても、やはりその時点から五年間という期間、これも今言いました基本的な考え方に基づいて、そういう期間を経た上で再度の給付を受けていただく、こういう考え方でございます。
#86
○近藤委員 そうしますと、五年間というのも、同一事業主のところにいなくても、継続してということですね。継続して五年間雇用保険を払っていれば大丈夫だということですね。わかりました。
 ただ、どうなのでしょうか。今の話で、会社はかわっても大丈夫だということでありますが、そうすると、会社をかわっている、ある会社に二年いたり、一年いたり、あるいは数ケ月しかいなくて、転々とかわるような人はいかがかなとは思いますが、ただ、それでもそういった人がそういう雇用保険は払っているわけでありまして、そういった人がもうちょっと早く受けたいと思ったりすることもあるのではないかと思うのですが、その辺の五年という期間はどういうところから出てきたのか、ちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
#87
○征矢政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、これは雇用保険制度として、保険料をお支払いいただいて、保険制度として労使折半の保険料で運営しているわけですから、そういう意味で給付と負担のバランスというようなことを基本としまして、一応被保険者期間を五年間、こういう制度の仕組みとしたところでございます。
#88
○近藤委員 わかりました。
 そうしますと、雇用保険を払っている、五年ぐらいたったら二十万円ぐらいの、ちょっと細かい数字はわかりませんけれども、全体の収支でいうと二十万ぐらいの給付を与えてもいいだろうということの理解でよろしいでしょうか。
#89
○征矢政府委員 今回の給付につきましては、基本的にそういうことでございます。実費の八割で、今回の予算でお願いしておりますのは上限としては二十万円、こういうことでございます。
 ただし、これは一方で、失業された方は、失業された場合の失業給付につきましては、これは従来どおりあわせて支給するという考え方でございます。
#90
○近藤委員 わかりました。
 これもやはりバランスがあると思いますので、そのバランスの中で五年間という数字が出てきたというふうに理解させていただきます。
 こういった教育訓練を受ける、いわゆる自主的な能力開発を行うということでありますけれども、そうしますと、雇用保険の今回の改正で費用の面では随分とやりやすくなるということだと思うのです。ただ、仕事をかわるとかかわらないとかは別としまして、本人がやはり自主的に能力を開発する、それを企業あるいは国が助けていく必要があると思うのですが、そうしますと、やはり時間の面での支援、これが必要になってくると思うのです。ずっと働いてくる、十年とか二十年と
かそういう節目があると思うのですが、節目ごとにある程度長期にわたってのリフレッシュあるいはそういった能力開発に資するための休暇制度の導入が必要だと思います。
 それで、有給教育訓練休暇の付与とか、長期にわたる職業能力開発のための休暇制度、これは国の制度としてはどうなっているのか。あるいは、国の制度としてはこういうふうだけれどもそれぞれの企業ではこういう休暇制度があるんだというようなことをちょっとお知らせいただきたいのです。
#91
○山中政府委員 おっしゃるとおり、自分で職業能力を開発していくという面で、やはり労働時間面の配慮というのは非常に重要であることはおっしゃるとおりだと思います。
 民間でどの程度有給で教育訓練休暇制度があるかということについては、私ども、毎年民間教育訓練実態調査を実施いたしておりまして、最近の平成八年二月の調査によりますと、有給休暇制度の普及率は、三十人以上の常用労働者を雇用する事業所についての調査でございますが、二一・八%がそういう有給休暇制度を導入いたしております。
 また、先生のおっしゃる長期の休暇制度についてでございますが一長期の休暇制度を導入している事業所は、同じ調査でございますが、六%というふうになっております。
#92
○近藤委員 ありがとうございます。
 そうしますと、今の調査の短い方の有給期間、これは大体何日ぐらいなのか。あるいは長期の有給休暇の期間、これは大体どれぐらいを長期、最大限だとは思うのですが、どういうような調査でありましょうか。
#93
○山中政府委員 有給休暇教育訓練制度で何日ぐらいとっているかという調査は、項目としてちょっといたしておりません。
 長期については、先ほど申し上げましたように制度があるのが六%でありますが、その期間についてですが、一カ月未満が三%であります。それから、一カ月以上六カ月未満が一%、六カ月以上一年未満が〇・四%、一年以上が丁三%、こんな状況になっております。
#94
○近藤委員 ありがとうございます。
 実を言いますと、今の調査の結果を聞きまして、意外に休暇制度があるんだなというのを感じたのです。ましてや長期の休暇制度を持っているのが六%あって、丁三%と今おっしゃいましたかね、一年以上。何か一年以上の休暇制度を持っているところが全体の一・三%もあるというのは少々驚くところもあるのです。
 ただ、これは多分、制度としては会社として持っているけれども、どれだけ利用しているかなというのが、これはいろいろな残業とかそういうのとも絡んでくると思うのですが、やはり会社の中でよりいいポジションを得ていくためにはこんな長期休暇をとったらいけないんじゃないかという自己抑制が働いたり、そんなところを心配したりするわけですが、その辺のことはどうなのかなということ。
 それと、まあ三十人以上の会社というのは思ったよりも大企業でもないところでもあるのかなという気がするのですが、ただ、これは三十人以上と全部からげちゃってあるのですけれども、やはり大きい、百人以上とか三百人以上とかという企業に多いのか、本当に三十人ぐらいのこんなところにもそれなりにこういう制度があるのかというようなところを知りたいのであります。
#95
○山中政府委員 先ほどの有給休暇の取得日数、実際どの程度取得したかというデータがございましたので発表させていただきたいと思います。
 一日以上三日未満が、合計で申しますと五八・七%、三日以上十日未満が二丁六%、十日以上になりますと、十日以上かつ一カ月未満というのは六・二%、こんなような状況になっております。
 それから、長期間の教育訓練休暇制度を導入している企業を規模別に見てみますと、千人以上だと九%制度があります。五百人から九百九十九人だと八・七%、三百人から四百九十九人が七%、百人から二百九十九人が六・一%、三十人から九十九人が五・七%、こんなような状況になっております。
#96
○近藤委員 ありがとうございます。
 割とバランスよくあるのかなというところと、でもやはり三十人以上から今五十人とおっしゃいましたかね、それはちょっと少ないのかなという印象があります。
 ただ、今お答えの中にあった一日から三日が五八・七%で一番多いのですけれども、これは訓練のための休暇と言えるのかなと思ってしまうのと、企業から好きでもないのに受けさせられた訓練が休みにやらされているとか、そんなことはないのでしょうか。
    〔委員長退席、中桐委員長代理着席〕
#97
○山中政府委員 この有給教育訓練制度は、あくまで自分がこうしたいということでありまして、会社から命令があれば会社内の職業訓練ということになりますので、そこは入ってこないという状況でございます。
#98
○近藤委員 ありがとうございます。
 くれぐれも社の中で嫌々とらされていることがないことを願っておるわけであります。
 そうしますと、実を言いますと、思ったよりはそういった有給休暇を持っている会社が多いのだなという反面、ただ、これは絶対的な数でいうと決して高い数字ではないと思うのでありますけれども、今後、国としましては、各企業に対して、そういった有給休暇について、例えばもっと整備しろとか、罰則規定じゃないにしろ努力義務とか、そういったことについてはどういうふうなお考えを持っていらっしゃるのでしょうか。
#99
○山中政府委員 私ども、この有給教育訓練休暇制度等、長期のものを含めまして、主体的な職業能力開発をしていく上において非常に大切なことではないかというふうに思っております。具体的に、今私ども自己啓発助成給付金制度を持っておりまして、有給休暇の教育訓練を付与した事業主に対してそれに要する賃金等について助成措置を講じて、有給休暇訓練制度が普及していくように、いろいろなそういう助成制度を中心として普及活動をしております。
 また、長期の教育訓練制度についてでございますが、長期教育訓練は長期にわたってやる必要が非常にありますので、一カ月以上の長期教育訓練休暇制度を導入する事業主に対して、その費用、支払う賃金ですか、その一部を助成する自主的能力開発環境整備助成金制度を昨年の七月から導入いたしておりまして、こんな形でこの有給教育訓練制度、あるいは長期の教育訓練休暇の普及に今後とも力を入れて取り組んでいきたいというふうに思っております。
#100
○近藤委員 それは、この雇用保険制度とはまた別個の制度の中でそういった助成措置をしていらっしゃる。その賃金の助成はどれくらいなのですか。三分の一とか四分の一とか、そんなあれですか。
#101
○山中政府委員 長期の教育訓練休暇制度については、この制度を導入したときについて中小企業については四十万円、それに、通常は賃金の四分の一ですが、中小企業については三分の一の、取得者について賃金助成をやっている、こんなような制度でございます。
#102
○近藤委員 わかりました。
 そうしますと、こういった制度がせっかくあるのですから、どれぐらい周知徹底されているのか、あるいはどういう方法で周知をしているのか、その辺をちょっとお聞かせいただけるとありがたいのですが。
#103
○山中政府委員 長期教育訓練制度導入奨励金については、昨年の七月ということで現在まだ一社ということになっております。具体的に、事業主に対するこういう周知徹底、こういうことをやったらどうか、こういうような活動については、私ども都道府県を通じてこういう制度を中心にやっておりまして、特に私ども、中央職業能力開発協会、これは事業主の団体でございますが、そこで能力開発の相談的なことをやる事業も実施してお
りまして、そんなことを通じてこの制度が普及するよう努力いたしておるところでございます。
#104
○近藤委員 ありがとうございます。
 そうすると、昨年の七月とはいえ、もう一年近くたっていて一社というのは随分寂しいと思うのですけれども、せっかく制度をつくったが、二つちょっと気になるかなと思うのです。
 一つには、周知徹底の方法はどうなっているのだろうかということ、もう一つは、やはりそういう助成金をもらうよりはそういった制度をつくらない方が雇用主にとったはいいのだみたいな考え方があるのじゃないかなという、二点の心配があるのですが、いかがでしょうか。
#105
○山中政府委員 おっしゃるとおり、昨年の七月ということで、まだまだ、私ども周知徹底、今後ともしっかりやっていきたいと思います。
 助成金を得るというよりは何もやらない、恐らく事業主はこういうことではないと思います。やはり、これから労働者が自己啓発をやっていくということについて一生懸命やりたいということでありますので、そういう方向で私ども事業主に対して指導をやっていきたいというふうに思っております。
#106
○近藤委員 まだ一社しかないという理由はなかなかはっきりはわからないとは思いますけれども、せっかくつくった制度でありますし、今回せっかく雇用保険の改正を行ってこういう教育訓練給付を行うわけでありますから、それがより活用されるためには、ぜひとも、いわゆる有給教育訓練休暇がとれることをしっかりと後押しをしていただきたいというふうに思います。
 それと、こうしてせっかく国の制度ができる、そして個々人もかなり頑張って自分の自己能力を開発していこうという気持ちが随分と出てきたと思うのですが、能力開発をしますと、これがやはり自分がいる企業の中で適正に評価される必要があると思いますし、やはり社会全体の雰囲気として、こういった自己訓練をして頑張っていることに対する評価が適正に行われないといけないと思うのです。
 私が見た資料ですと、こういった訓練をしても、企業内では人事としては特別扱いはしないのだという会社が五割近くある。これは一〇〇%以上になるので多分重複の答えかと思うのですが、特別扱いはしないが五割近い。参考程度にするというのが四五%ぐらい、会社内での資格制度に反映するのが一二・五%、特に何もしないというか、無視しているということでしょうか、無視するというのが四六%という、そんな統計が出ているのです。
 この辺についてはどんなお考えでありましょうか。
#107
○山中政府委員 私ども労働省で、客観的に職業能力の評価をどうやっていったらいいかということでございますが、労働省国家検定として、これは物づくりを担う人材を中心とした技能検定制度百三十三職種、あるいは私どもで社内検定認定制度という制度を持っていまして、社内検定について労働大臣が認定しているというシステム、あるいはホワイトカラーの職業能力の習得あるいは評価に活用されているビジネスキャリア制度を持っております。
 こんな形で、労働者が、その能力が企業や社会において適正に評価されるよう努めておるところでございますが、先生おっしゃるように、この検定制度等々で受かった場合、どのような形で処遇していくかということは極めて大切な問題だというふうに思っております。
 そういう意味で、最近の産業構造の変化あるいは企業の人事管理制度、能力重視の傾向の高まり等々も考えまして、職業能力に対する評価について、現在のシステムをも含めて見直しを今後やっていきたいというふうに思っております。
#108
○近藤委員 ありがとうございます。
 せっかく国からそういった助成がもらえる、お金がもらえるといっても、保険がもらえるといっても、本人にとって努力が大変なわけでありますから、ぜひとも、その辺の適正な評価が行われるような、そういう環境づくりをしていただきたいと思います。
 もう一つ一教育訓練給付制度に関連して、これが新たに設けられますと、今まで雇用保険の三事業にありました各種給付金、これはやはり関連してくる給付金の整理が必要になると思います。中高年齢労働者等受講奨励金については、これはやはり廃止か何かになるのでしょうか。
#109
○征矢政府委員 ただいま御指摘の中高年齢労働者等受講奨励金につきましては、これは現在雇用保険の三事業の一環として行っている奨励金制度でございまして、これにつきましては、新たに創設されます教育訓練給付と制度の趣旨、内容が同じでございます。
 給付につきましては、今回新たに設ける給付の方が充実しておりまして、最高限度額も現行の制度十万円を二倍の二十万というふうなことは考えておりますが、重複いたしますので、これにつきましては、当然、制度の創設に伴い廃止するということで、これは来年度いっぱい旧来の制度の方については旧来制度で対処しまして、十二月一日以降新しい制度の方は新しい制度ということで、来年度いっぱいで廃止することを予定いたしております。
#110
○近藤委員 わかりました。廃止されるということで、整理をしていただくということで。
 以上、教育訓練給付について大変に丁寧にお答えをいただきまして、ありがとうございました。
 この教育訓練給付についての質問の冒頭のお答えの中にもあったと思いますが、高齢化社会に向けて、あるいは若い人たちが、転職というか、いい形で働けるようなための準備ということになってくると思うのですが、続きまして、介護休業給付に絞って質問をさせていただきたいと思います。
 介護給付、これは必ずしも女性が介護をするということではないと思うのですが、ただ、一般的なより多くの状況では女性が介護をしていることが多い。それで、この女性の人たちが介護をしながらも働くことが続けられる、そういった環境づくりのための給付だと思うのです。
 今後の女性労働力の活性化といいますか活用という面でこれが出てきていると思うのですが、少子化がこれから進んでいく。それで、労働力の需給の見通し、これはどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
#111
○征矢政府委員 我が国の労働力人口の見通しでございますが、御指摘のように、少子化に伴います若年層の労働力供給の減少によりまして、二〇〇五年をピークとして、以降減少に転ずるものというふうに見込まれております。労働力人口に占めます女性の割合、これは一九九七年の四〇・七%から、二〇一五年には四丁三%となり、女性の社会進出に伴って徐々に高まっていくものと見込まれております。
#112
○近藤委員 二〇〇五年にピークを迎えてそれから労働力が減っていくだろう、その中で女性の割合がふえていく。女性労働力への期待というのは大分高いのだと思いますが、一般的な企業の中で、介護休業のある企業というのは最近は大分ふえているのでしょうか。
#113
○征矢政府委員 介護休業制度の実施状況でございますが、平成八年現在で、規模計で見ますと二三・二%でございます。規模別に見ますと、やはり大企業の方が多くなっておりまして、五百人以上規模でいきますと六八・一%というような数字になっております。
#114
○近藤委員 ありがとうございます。
 企業の方でも、これは先ほどの教育訓練給付の中で質問させていただきました教育有給休暇とも関連してくると思うのですが、この辺はぜひとも進めていただきたいというふうに思います。
 この介護休業給付につきまして、育児休業期間中というのは社会保険料は免除されていると思います。そうしますと、今回この介護休業給付というのができますが、時間としてはそんなには長くはないと思うのですけれども、この介護休業期間中の社会保険料の取り扱い、厚生年金と健康保険の取り扱い、これはどういうふうになるのか、ちょっとお聞きしたいのです。
#115
○霜鳥説明員 お答え申し上げます。
 現在、社会保険は、先生御存じのとおり、主に被保険者あるいは事業主からの拠出をいただいております保険料によって成り立っておるわけでございます。したがいまして、制度の運営につきましては、これらの保険者等の理解が制度の運営のためには不可欠でございます。
 現在、介護休業期間中の諸保険料につきましては保険料は免除になっていないわけでございますが、介護休業期間中の免除保険料という新しい課題につきましては、そういう制度の運営にかかわるものでございますので、現在、医療保険財政は厳しい状況ではございますが、介護休業に関しての保険料負担軽減等の必要性、あるいはそのあり方について、そうした拠出者の保険者等の関係方面の議論を尽くしていただきまして、社会保険の全体のあり方を含めて、今後十分検討してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#116
○近藤委員 今後の検討課題だということでありますが、やはりこういった制度も相まって、介護休業がとりやすいとか、そういった状況が生まれてくると思うので、大変に大切な観点だと思うのですが、必要性とか割合は、今のところは白紙みたいな状況なのでしょうか。ただ、いつごろぐらいまでに検討するとか、そんなような見通しはあるのですか。
#117
○霜鳥説明員 医療保険あるいは年金保険制度につきましても、二十一世紀を迎えた制度改革ということで現在検討を進めているところでございます。
 医療保険につきましては、二〇〇〇年に抜本改正をやるということで、制度全般にわたる改正を今検討しているという状況でございますので、その中でこれも含めて検討になるかなという、そういう状況でございます。
#118
○近藤委員 わかりました。ぜひとも、私の要望としましては、先ほど申し上げましたように、社会保険料は免除あるいは軽減された方がより介護休業がとりやすいのではないかなと思うわけであります。
 ところで、ついでといってはなんでありますが、労働形態がだんだんと変わりつつあると思うのですけれども、一般的に、積極的に会社をやめて次の転職のための準備、あるいはそうではなくて完全に景気が悪くなって仕事を失ってしまう、いろいろな状況があると思うのですが、こういった失業中の社会保険料、今の厚生年金、健康保険、これの取り扱いはどうなっているのか、お聞きしたいのです。
#119
○霜鳥説明員 保険料を取っていないということでございます。
#120
○近藤委員 多分、保険料については、仕事をしていないのだから取っていないということになると思うのですが、これは年金の関係はどういうふうになっていますでしょうか。
#121
○霜鳥説明員 同様でございます。
#122
○近藤委員 厚生年金はそうでしょうけれども、失業した時点で国民年金か何かに。
#123
○霜鳥説明員 国民年金は自営業者でございますので、基本的に失業という概念はございません。被用者の場合にそうなりますので。そういうふうに制度的になっているということでございます。
#124
○近藤委員 そういうふうになっているというのは、失業しますから会社には所属をしていないですけれども、本人として見れば将来の不安があるわけですから国民年金に変えざるを得ないと思うのです。ただ、いっとき国民年金に変わる、でも、将来的にまた仕事を探して戻ると厚生年金に変わるのかなというふうに思うのですが。
#125
○霜鳥説明員 被用者が退職いたしまして、普通でありますと医療保険だと国保、年金だと国民年金に移ります。国民年金の被保険者ということになりますと、その間の国民年金の保険料を払っていただきます。ただ、所得がない場合には免除という制度がございまして、免除制度を受けられれば、普通の保険料と違う保険料を払っていただくということになると思います。
#126
○近藤委員 所得に応じて、そういった優遇措置がとられるのだと思うのですが、さっきもちょっと申し上げたのですけれども、やはり本人にしてみるといっとき厚生年金から、どれぐらいの期間かわかりませんが国民年金に変わって、うまく勤められればまた厚生年金に戻るということなんですけれども、これは通算すると、将来的に本人が受け取る年金なんかには微妙に影響とかそういうものはないのでしょうか。
#127
○霜鳥説明員 被用者保険でありますと、所得に応じて保険料を払っていただくということになりますので、その期間は違った保険料を払っていただきます。それに応じて年金は通算されていますので、その期間に応じて年金額は変わるということになるわけでございます。
#128
○近藤委員 わかりました。国民年金と厚生年金は全くシステムが違うわけではないと思いますが、ちょっと違う給付と徴収でありますから、その辺を公平に判断されてやっていらっしゃるのだというふうに思います。これも今回の改正と絡んでくると思うのですが、仕事をする人が余り不利をこうむらない形で、そういった年金あるいは健康保険制度のいいところを受けられるというふうなことを願っております。
 続きまして、今回介護休業給付が、育児休業給付と同様に休業前賃金の二五%というふうになっておるわけでありますが、どうして二五%になったのか、その根拠をお知らせいただきます。
#129
○征矢政府委員 介護休業給付につきましては、育児休業給付とは給付事由となる休業の種類は異なるわけでございますが、休業することに伴って賃金収入を失った労働者に対し、休業前の賃金の一定割合を給付するということによって職業生活の継続を図ろうという趣旨は同一でございます。したがいまして、介護休業給付の給付率につきましては、既に失業等給付として設けられております育児休業給付の給付率が二五%となっていることにならって、二五%といたしたものでございます。
#130
○近藤委員 育児休業給付が二五%である、それとバランスをとるということなんでしょうかね、二五%というのは。
 ただ、介護休業の場合は、休業期間が三カ月で大変に短いのですけれども、短いから少なくてもいいのじゃないかという考え方と、短いから、これも保険でありますのでそういう収支のバランスはあるのだと思うのですが、三カ月ぐらいだったら、もうちょっと払ってあげてもいいのじゃないかなというふうに思うのですが、いかがでありましょうか。
#131
○征矢政府委員 お気持ちは理解できるのですが、やはり制度として仕組む以上は、給付の性格その他を考え、かつその横並び、こういうことをやはり考えざるを得ないという点も御理解いただきたいと思います。
 なお、この点につきましては、関係審議会におきましても、介護休業給付の内容についてさまざまな御議論があったところでございますが、結論として、給付率については、育児休業給付の給付率にならい、二五%とすることで関係者の意見の一致を見ているところでございます。
    〔中桐委員長代理退席、委員長着席〕
#132
○近藤委員 わかりました。保険の中の収支のバランス、あるいは育児休業給付とのバランスをとっていらっしゃると思うのです。
 今の見通しとしてはどれぐらいの方が介護休業給付を使うのかなという見通しとか、それから、三カ月ですけれども、これは年に何回もとれるのでしょうか。一回が三カ月で、三カ月とったらしばらくはとれないとか、何カ月はあけろとか、そういうところはどうなっているのでしょうか。
#133
○征矢政府委員 この見込みにつきましては、この制度が平成十一年の四月実施予定でございますので厳密に計算しているということではございませんが、大体五万人ぐらいこの制度の対象者を見込んでおります。
 それから、介護休業でございますが、これは実はもとになります制度、これは介護休業等を労働
者の権利として認める法律がございますが、その法律の中におきまして、この介護休業三カ月間は一回ということでございまして、反復、継続してとれるという制度にはなっておりません。したがいまして、雇用保険の制度として、今言いました労働者の権利としてとれる介護休業、これに対する給付として構成しておるということでございますから、そういう意味ではこれも一回限りということになります。
#134
○近藤委員 一回限りということでありますと、今までよりは前進だとは思うのですが、これは介護が必要な人にとっては、もちろん雇用している側からとってみても保険制度の保険主からとってみても、常に介護で休まれたらやはり困るのかなという気はしますけれども、これについてこれ以上は申し上げませんが、なるべくとりやすい、実態にあった制度にしていただきたいなと。今五万人の方を見込んでいらっしゃいますが、どれぐらいの方が利用されるのか、そんなことも、もちろんフォローされていくと思いますが、しっかりとやっていただきたいなというふうに思うわけであります。
 介護休業は、冒頭に申し上げましたように、女性の方ばかりではないとは思いますが、かなり女性の方が中心になって介護されている、この女性の方の労働力の活性化という面がこの制度の中にあると思います。
 今度、高年齢求職者給付金についてお伺いをしたいと思いますが、これについては、やはり高齢者の労働力を活性化していくというところが一つの側面かと思うのです。先ほど労働力のピークの話が二〇〇五年でピークとしてありましたが、今後、高齢の方の就労をどういうふうに見ていらっしゃいますでしょうか。
#135
○征矢政府委員 高齢化の労働力需給に与える影響等についてでございますが、御承知のように、急速に高齢化が進む中で健康で意欲に満ちた高齢者の方々がふえていることも事実でございます。労働力人口全体に占める六十歳以上の方の割合につきましても、一九九七年の一三・四%から、推定でございますが、二〇一五年には二〇・六%となって、労働力人口の約五人に一人が六十歳以上の高齢者となることが見込まれているところでございます。
 こうしたことから、今後高齢労働者数の増加が見込まれる中で、我が国経済社会が活気に満ちたものとなるためには、高齢者の方々にやはり長年培った知識や経験を生かして社会を支える側に回っていただき、同時に生きる喜びあるいは存在することの実感を持っていただくことが非常に重要であるというふうに考えております。
 このため、当面の対策といたしましては、六十五歳まで何らかの形での継続雇用の推進、あるいは六十五歳以上の方も含めましてシルバー人材センター事業の活用などの政策によりまして、雇用・就業機会を確保し、少なくとも六十五歳までは現役として働くことができるような社会の実現に努力してまいりたいという考え方でございます。
#136
○近藤委員 これからはかなり高齢者の方の労働力を必要とすると思いますし、高齢化社会の中でやはり生きがいを持っていただくためには、こういった高齢者の方にもしっかりというか気持ちよく働いていただく必要があると思うのです。
 今回の法改正に関連しまして、新聞報道で、財政構造改革会議において、当初、前労働大臣が、高年齢求職者給付を廃止することも含めてだったと思いますが、含めて見直すというような表明があったようでありますが、今後高年齢求職者給付金がやはり廃止になるようなことがあるのか。また、今回高年齢求職者給付金の額が二分の一になったということ、この理由をお聞かせいただけますでしょうか。
#137
○伊吹国務大臣 二分の一になった場合の数字的な対比については政府委員から答弁をさせますが、先生御承知のとおり、六十歳から六十五歳までの間は失業求職者の給付と年金との調整が年金面で行われているというのは御存じのとおりでございます。
 六十五歳を過ぎますと、その調整が現行制度ではございませんので、六十五までは働きたい、働いた方が得だと言った方がいいかもわかりませんが、というインセンティブが働くということは事実でございます。しかし同時に、六十五歳以上になられて年金だけで生活をしておられる方と、年金をもらいながら同時に高年齢求職者給付金をもらう方との間のバランスの問題がまた一つ出てくるわけであります。
 そこで公平を図るために、財政構造改革という見地からは廃止という考えもあるかもわかりません、しかし労働省としては、六十五歳までは少なくとも働き続けてもらった方が人間としても存在感もあり結構だという考えもありますので、全廃などということは困るというのが実は私の考えでございまして、財政構造改革とのバランスも図りながら、今回のようなことに落ちついたわけでございます。
#138
○征矢政府委員 基本的にただいま大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、そういう意味で廃止はできないということで、関係審議会におきましてもそういう観点から意見の一致を見たところでございます。
 廃止はできないのですが、一方で、例えば一般会計が年金とこの給付金と重複しているというようなところは整理すべきであるということで、国庫負担は廃止するというようなこと。それからもう一方では、十年度から、六十歳から六十五歳の方々について、失業給付の基本手当が支給される場合に年金の併給調整が行われることになっております。したがって、これは従来に比べますとおおむね二分の一になるということがございます。
 そういうことを踏まえて、この高年齢求職者給付金につきましては、廃止はすべきでないけれども今言ったような観点からおおむね二分の一にする、そういうふうな制度の考え方の整理をしたところでございます。
 したがいまして、この給付金を当面廃止するというようなことは考えておりません。
#139
○近藤委員 年金と失業手当の併給もなくなるわけですから、六十五歳以上の方の受け取る全体の金額のバランスをとるということ。
 ただ、今の大臣のお言葉の中にもあったのですけれども、六十歳から六十五歳までは働いた方が得だ、働いた方がいいというふうに感じてもらえるようにこういった保険制度での支払いがあると思うのです。
 私の父親なんかも六十七でございますが、元気でございまして、今のお話を聞いておりますと、一つの目安としてはしようがないのかもしれませんけれども、六十五歳以上をもう引退過程にあるのではないかというとらえ方をしていらっしゃるのではないかなという気がするのです。
 六十五歳以上でも、本当に皆さん元気な方はたくさんいらっしゃいますし、今回の法改正の趣旨でいきますと、六十五歳以上の方でも、本当にその労働力を活用して、また生き生きとしていただくためには、六十五歳で区切ってしまうという考え方、区切るということ、またその年齢ということでも、もうちょっと考えた方がいいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
#140
○伊吹国務大臣 今、近藤先生がおっしゃったことに、私は基本的に賛成でございます。
 ただ、現実問題として二〇一三年からは厚生年金も国民年金と同じように、国民年金と申しますか基礎年金と同じように六十五歳支給になりますので、先ほど申し上げた、年金だけで暮らしておられる方と働いておられる方のバランスということをやはり考えたわけでございます。
 したがって、本来のあるべき姿としては、年金財政がある程度安定をいたしましたら、働いているから年金をある程度御遠慮になった方は、将来七十とか七十五になって御引退になった場合に、御遠慮なすったというか御辞退になった部分、調整された部分が何らかの形で上乗せをされて支給されるというような形の年金の体系に持っていくのがやはり本来の姿ではないかなと私は思います
ので、近藤先生などが政治を中枢で動かされるときはそういう形にぜひ持っていっていただきたいと私は思っております。
#141
○近藤委員 ありがとうございます。
 大臣おっしゃるとおり、これからもまただんだんと時代が変わっていく中で、それぞれの労働意識というものも変わっていくでありましょうし、医療も進んでいくでありましょうから健康状態も変わっていくと思いますので、私の希望というか感じとしまして、とにかく六十五歳以上の方の活用も非常に今後必要になってくるのではないかなということだけ述べさせていただきます。
 それで、この雇用保険制度についてですけれども、今回、国庫負担金が当分の間は現在の七割ということでありますけれども、雇用保険制度を考えますと、雇用失業情勢の見通しの観点と社会保障の観点ということがあると思うのですよ。
 そうしますと、雇用保険事業に要する費用の主たる財源はもちろん保険料でありますけれども、保険事故である失業等については、政府の経済政策とか雇用政策と全く無縁ではないと思います。そういった意味では、政府もその責任の一端を担っていただかないと、やはり働く方としては安心感がないというふうに思うのです。
 ですから、単に保険を労使双方のみの拠出にゆだねるのではなくて、国庫も失業等給付のりち、求職者給付、雇用継続給付に要する費用の一部を負担することとしてはいます。ところが、今回、当分の間七割とするとか、いろいろな負担についての暫定措置があるわけですけれども、この辺をとられた理由について、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#142
○伊吹国務大臣 これは、先生御承知のようにまことに悩ましい御質問でございまして、失業等給付に係る国庫負担というのは、今御指摘があったように、確かに社会保障的な色彩がございます。
 しかし、国庫負担というのは、これは大蔵省が金を持っておったり労働省が金を持っておるわけじゃなくて、国民の税金をお預かりしているものから補助をするわけですね。そして、その国民の税金というのは、実は自営業者の所得税もその中へ入っておるわけです。ですから、老人医療費のように、すべての方にその恩典が及ぶものについては国庫負担を入れるというのはそれなりの理由があると私は思うのですが、限定ざれた、限定といってもこの場合は非常に大きなところをカバーするわけですね、失業保険というのは。ここへどの程度の国庫負担を入れていくかということは、実は非常に議論のあるところだと思います。
 そこで、全般として国民の税金が足らずに、国家すべて、国民すべてとして、やや切り詰めた形の財政構造改革を行い、後世に負担を残さないという範囲で――幸いなことに、雇用保険特会というのは、先生方の御指導もあって、自主運用などという妙なことをせずに律儀に財投預託をしておりましたので、今のところ運営の資金繰りにはある程度見通しが立つので、やはり財政構造改革という大きな見地から、現行の三割だけは御協力を申し上げるのかなというのが、実は大臣折衝のときのやりとりであったわけです。
#143
○近藤委員 雇用保険制度については、そういう保険という意味合い。ただ、働く者が安心して働ける側面ということも考えれば、これはもちろんいろいろな収支、全体のバランスが絡んでくると思うのですが、ぜひとも、積立金が今のところはそれなりにある、そういう取りましの中でまだ安心感があるのかもしれませんけれども、働く者にとってみれば、最後は国の支えがあるというのが大事な働く安心感になると思いますので、その辺を十分に御考慮をいただきたいと思います。
 続きまして、もう時間もなくなってまいりましたが、こうした雇用保険の中で大切なのは、今だんだんと働く形態が変わってきて、パートタイムで働く方、あるいは派遣労働という形で働く方、こういった方々の雇用保険の加入問題。これは多分、加入率が低いのではないかと思いますが、この辺についてはどういうふうにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
#144
○征矢政府委員 現在、雇用保険の適用を受けているパートタイム労働者の方々でございますが、この方々は、週所定労働時間が二十時間以上であるなど一定の要件を満たす場合に、雇用保険の被保険者としています。そのうち、週所定労働時間が三十時間未満の方を短時間労働被保険者としているものでございまして、この方々の数は、平成八年度末現在で六十一万一千八百七十九人となっています。三十時間を超える方々については、一般の被保険者ということになっています。
#145
○近藤委員 そういった規定、要件については、パートタイムで働く方、派遣で働く方、それぞれがかえって縛られたくないという側面もあるのかもしれませんけれども、これも実態で申しますと、本当はもうちょっと働きたい、働くことによって雇用保険も入ることができるし、ちょっと安心感を持てるのではないかという労働者が多いと思うのですよね。ところが、雇い主側の方が、なるべく時間を短くさせたい、給料を低くさせたい、それで雇用保険も負担したくないという側面も、これは必ずあると思いますので、今後、こういった方々がふえる、こういう働き方をいい意味で活用していく、そのためにはやはり雇用保険制度をしっかりと充実させていただきたいなというふうに思います。
 それでは、時間も参りましたので、これで質問を終了したいと思いますが、雇用形態が変わる中で、今回の雇用保険の改正、私は、冒頭で申し上げましたように賛成の立場で、でもいろいろ見直しておく必要があると思いますので、そのあたりしっかりとフォローをしていっていただきたいと思います。ありがとうございました。
#146
○田中委員長 次に、河上覃雄君。
#147
○河上委員 時間が三十分で非常に短いわけでございますので、早速質問に入らせていただきたいと思っています。
 所信の質疑の際にも若干お話を申し上げましたが、九八年一月の失業率が三・五で、昨年十月から四カ月連続で最悪の実績。特に男性の失業率は三・七%で、過去最悪の記録。さらに、男性失業率の年齢別、つまりリストラの対象と見られます五十五歳−六十四歳の層につきましては、何と五・八%、五カ月連続で前年同月比を上回る実態にある。それに対して、有効求人倍率も、本年一月では〇・六四と、六カ月連続で下降。このような実態になっているわけでございます。民間の信用調査機関であります帝国データバンクの九七年一月から十一月の全国の企業倒産件数を見ましても、前年同月比一一・二%アップで、一万七千四百七十二件。そして、負債総額は、合わせまして約十一兆二千八百億円。これも昨年、一昨年を三兆円強上回るという大変な事態になっております。
 また、本日の日経新聞の一面のトップで家電メーカーの雇調金申請の話が出ておりました。電機業界、東芝、日立等、一時帰休を決めまして、東芝については五日間一時帰休をするうちの三日間はその工場で働く二千二百名すべて一時帰休にする。やはり現場の実態というのは、一つ一つこうした事実を見ましても、かなり厳しい情勢下にだんだん推移しているのではないのか。改めて新しい事実も出ましたので、私は、労働大臣に、まず雇用情勢の認識、今後の見通しをお尋ねしたいわけでございます。
 雇用は、景気や経済政策に左右されるわけでありまして、打つべき景気対策が有効に動かない、そして絶えず後手に回ってしまいますと、結果として雇用に与える影響は大きくなってくるわけでございます。このまま的確な経済対策を講じなければ、今後もさらに景気の低迷を続けることに伴って雇用情勢も厳しくなる、私は、こういう実感を含めまして思っておりますが、改めて大臣の御見解、見通しをお伺いしたいと思います。
#148
○伊吹国務大臣 ただいま河上先生がおっしゃったのは、もう数字の事実でございますし、また、お述べになりましたように、短期的には経済政策、景気の動向によって雇用というのは左右されます。私は、従来の日本の数字から見ると大変厳しい数字が出ているという認識を持っております。
 そこで、この状況に対する適正な経済政策というのは何だろうということはやはりみんなで知恵を絞って考えてみないといけないと思うのですが、ここのところ、消費性向がぐっと落ちてきております。一時一〇〇の収入があると大体七三ぐらい使っておったのが、今六七ぐらいになっております。消費税三%の引き上げと医療費の自己負担がございますので、消費者物価がその分だけ上がっているので実質賃金はやや下がっているわけですね。やや下がっているにもかかわらず消費性向が下げられるというのは、率直に言えばなぜだろうということですね。稼いだものを本当にみんな食べなくてはいけないような状態だと、貯蓄性向はゼロのはずなのですね。
 これはやはりバブルのときのツケが回ってきて、信用不安が起こって、その信用不安から貸し渋りだとかいろいろな現象が生じて、結果的に、自分の勤めている、御主人の勤めている会社は大丈夫だろうかとか、自分のお店がもらっている手形は大丈夫だろうか、皆さんそういう気持ちに今なっておられると私は思うのです。
 よく財政構造改革の結果だとかという話がありますが、これは、財政構造改革によって編成された予算がまだ本院すら通過していないわけですから。だから、やはり信用不安が不安を呼ぶ現象というのは何とか断ち切らないといけない。
 幸い、国会の賢明な御判断で金融二法が通りまして、十三兆円というお金を金融機関に貸し付けるということが可能になったわけですから、やはりそれを自己資本として、自己資本比率八%とすれば十二・五倍の貸し出しを行ってもらうことによって今申し上げたような不安感を払拭すれば、私は消費性向が上がってくるだろうと思っておりますので。消費性向が下がってきているときに所得減税をやれというのは、どうも私は景気対策としてはうなずけないなという気持ちでおります。
 いずれにしろ、力を合わせて国民の不安を払拭をして、雇用に万全を期すために、党派を超えてひとつ先生に御協力をお願いしたいと思っております。
#149
○河上委員 大分広げて大臣の御答弁をいただきました。半分大臣と同じ理屈で物を考えている部分もありますが、半分やや趣を異にするところがありまして、これから通れば、財政構造改革が逆に当面の景気対策のむしろ阻害要因になってしまうのじゃないのか、私はこう思っているわけであります。
 これは議論はさておきまして、今の時期、むしろ大臣としては、逆に申し上げますと、低迷していて失業率が高まっているというときに、やりがいがあるなんて申し上げるのは多くの働く方々にしかられるかもしれませんが、大臣としてはやりがいのある時期だろう、私はこう思うわけですね。
 その意味で、今後の厳しさが予想されますこの雇用実態の中で、何らかの積極策を打ち出した方が労働省あるいは労働大臣としての資質は高まるのじゃないのか、私はこう思っているわけです。そして、やはり機動的に対応する必要が今こそあるわけであります。当然大臣もそうでありますが、この間のお話にも出ておりました、すべてこれらの指標については遅行指標でありますので、私は、先手先手を打つべき環境とそして実態にあるという認識をされるならば、申し上げましたように、積極策、そして機動的に対応する必要性が今こそある、こう考えておるわけであります。
 その意味では、雇調金などの対応によりましてこれまでもこうした状況を乗り切ったわけでございますが、改めてこれらの現下の雇用情勢を踏まえまして、雇調金等々の対応で果たして今後の事態を乗り切ることができるのだろうか、あるいは助成金等の措置に対して強化拡充する必要もあるのではないのか、こう考えますが、大臣、いかがでしょう。
#150
○伊吹国務大臣 まず、閣僚といたしましては、先ほど申し上げたような金融二法が円滑に施行されるとともに、法人税、土地関連税制あるいは金融関係税制の減税を含んでおります平成十年度税制改正と、公共事業等の景気刺激策を含んでおります平成十年度予算が一刻も早く通過することによって、さらに株価が上がればまた含み益がふえて、その分だけまた融資もふえていくという状態を一刻も早くまずつくっていただきたいということをお願いした上で、今先生御指摘のような雇用調整助成金につきましては、私が就任して以来、まず対象の拡大を行いました。それから、特例措置として高率の助成を行っているのを、来年三月末まで延長するということを行ったわけであります。
 さらに、摩擦的失業をできるだけ解消するという見地から、先般、特にホワイトカラーの皆さんのために、中小企業団体中央会、日経連及び商工会議所の県単位の加盟会社に、何らかの形の求人を出してもらいたいということを実はお願いしてきたわけでございます。
 率直に申せば、予算、税制等の動きをもう少し見きわめさせていただきたい、こんなふうに考えております。
#151
○河上委員 ちょっと今の議論から外れてしまうのですが、厚生省さん、もし私で終わるのだったら先に一点だけ御質問したいのですが、厚生省課長、いらっしゃっていますか。
 先ほど同僚委員の質問にも出ました、私もちょっと社会保険料の免除の件についてお尋ねをしたいと思っていたのです。
 先ほどの御答弁で、聞いておりますと、総合的に勘案して検討いたします、こうお答えになられましたね。それから、時期のお話も若干出ました。医療制度全般の改革に伴ってそれらを考えたい、多分こういう御回答だったと思うのです。
 この介護休業法は平成十一年の四月に出発するのですよ。医療制度の改革とおっしゃったけれども、医療制度の抜本改革は平成十二年なのでしょう。これは合わないのです。こっちは十一年に出発するのです。既に育児休業については社会保険料は免除になっておるわけです。厚生年金保険法と健康保険法の中に、育児については社会保険料の免除ということが明確に入っております。
 ですから、時点が合わないので、私は、十一年四月に出発いたします介護休業、この社会保険料の免除については、十二年の抜本改正以前に、育児は既にやっているわけですから、早く結論を出して、やった方がいいと思うのです。そうじゃないと合わないのです、育児・介護休業法なのですから。
 ですから、今私が申し上げた点も含めて、もう一遍、厚生省課長、御答弁ください。
#152
○霜鳥説明員 育児休業のときでございますが、私、先ほど答弁いたしましたとおり、やはり社会保険は保険料拠出者の合意によって制度が運営されておりますので、過去の経緯を調べたわけでございますが、育児休業のときにおきましても、法律が施行されました後、年金におきましては年金審議会、医療保険におきましては医療保険審議会でどうするかという議論が行われていたところでございます。その後、これらの審議会におきまして合意を得たのが少し時間がかかった。五年度末に関係者の合意が得られまして、それが健康保険法あるいは厚生年金保険法の改正ということで、平成六年に国会に提出されまして成立し、平成七年から、先生御指摘のとおり、育児休業については保険料免除という制度になったわけでございます。
 この介護休業ということでございますが、今、医療保険、健康保険でございますが、その中での社会保険料の負担の水準とか、全体にかかわる問題でございますので、関係者の合意を得るべく私どもとしてはする必要があるのではないかというところでございます。
#153
○河上委員 課長、前段御説明になったのは、私もうわかっていますよ。平成三年に制度が導入されて、六年に給付をするということに基づいて社会保険料の免除もなったという事実経過はわかっているのです。その間に、雇用保険法の改正をいたしまして、育児と高齢者継続給付というこの制度ができて初めて六年にそうなったということも全部わかっているのです。わかった上で申し上げ
ている。わかった上で、十一年に実施して、あなたが言っているのは十二年じゃないと結論が出ないということだから、十二年だって今先送りされちゃうという、十五年だという話まで出ているのだもの、厚生省。
 本当に医療改革全般やったら大変ですよ。老人も保険も医療法も含めて全部でしょう。抜本的にやらないと結論が出ないのだものでも、今までの経緯に基づいたとしても、この問題だけは、社会保険料の介護についての免除だけは、私は結論はすぐ出ると思う。だから、ここで課長はおっしゃれないかもしれないから、これでもうこの点はやめますけれども、あなたの説明でちくちくやってもしようがないからやめますが、ともかく、十一年四月の介護休業制度の出発に当たりまして、社会保険料の免除については厚生省の抜本改正以前にやる、決めますと。どういう方向でやるかは御議論ください。育児は既にあって、育児の趣旨からいっても介護に出ないなんという趣旨は、私はどう考えても考えられないわけでありますので、この点は強く、強く、強く、もう一つ加えます、強く、局長等々幹部に申し上げていただきたい、このことをお願いして、答弁は要りません。
 前へ戻ります。
 やや具体的な観点から御質問をいたしますが、労働者が安心して職業生活を送る上で、雇用保険の制度というのは大変重要だと思っております。セーフティーネットとしてその役割を十分発揮すべき段階であろう、私もこう考えております。
 例えば、山一証券問題などがありまして、所信ではこの辺の問題について議論をさせていただきましたが、金融関係の離職者に対して、経営不安から離職するような場合も含めて、離職の理由によっては三カ月の給付制限をかけず離職後速やかに失業給付を支給すべき、私はこう考えるのですが、労働省の御見解をいただきたい。
#154
○征矢政府委員 雇用保険の基本手当の支給につきましては、被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、または正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、ただいま御指摘の三カ月間の給付制限が行われることとされております。
 その正当な理由があるか否かにつきましては、これは、具体的な事情を考慮することといたしておりまして、御指摘の金融業界からの離職者の取り扱いにつきましては、その離職理由が倒産等による解雇の場合には当然給付制限がかからないわけでございます。また、事業の倒産等の前に退職した場合でありましても、事業所の廃止がほぼ確実となっている場合には正当な理由のある自己都合退職として取り扱い、給付制限の対象としないというような取り扱いをいたしているところでございます。個別具体的な事情を公共職業安定所で判断をして、ただいまのような取り扱いをいたしております。
#155
○河上委員 状況によってはそうする可能性が強い、こう理解してよろしいですね。
 それからもう一点。この間も議論をさせていただきました、今回の雇用失業情勢の現状をかんがみますと、中高年者は非常に厳しい実態下にある、再就職の促進について、私はきめ細かな対応というものが必要ではないか、こう考えております。また、中高年層が最も生活にお金がかかることを考えれば、四十五歳から五十九歳、この層の基本手当の年齢別上限額を他の年齢層よりも手厚くすべきなのではないのか、私はこう考えておるのですが、この点についての御見解を賜りたい。
#156
○征矢政府委員 雇用保険の基本手当の上限につきましては、従来一律に設定されておりましたが、平成六年の改正におきまして年齢階級別に設定することとされたところでございます。その趣旨は、実態としての賃金額が、再就職時のものを含めまして、年齢階級別に見てかなり異なっていることを踏まえて、失業者の生活の安定なり再就職の促進をきめ細かに図っていくために年齢階級別に設定するというものでございます。
 四十五歳から五十九歳の方々につきましては、御指摘のような事情もございますが、現行の状況はそのような事情を十分考慮したものになっていると考えております。なお、年齢別賃金等の諸事情は変化するものでございますので、今後において必要な検討を行うということはいたしてまいりたいと思います。
 なお、中高年齢者の再就職の促進につきましては、先ほど大臣御答弁申し上げましたが、大臣からの御指示で、今具体的に求人開拓、求人情報の提供等について、公共職業安定所で全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
#157
○河上委員 現行はなかなか厳しそうな御見解でございました。しかし検討を将来においてしたい、こういうことでありますので、よく実態、情勢をとらまえまして、対処をよろしくお願いをしたいと思います。
 それからもう一点。細かくなりますが、再就職手当の特例措置の延長。私は、そういうような事情等を考慮いたしまして、再就職手当の特例措置を、雇用情勢が安定するまでの間、延長すべきだ、これは強く主張したいわけでございますが、この見解に対する労働省の考え方をお尋ねしたいと思います。
#158
○征矢政府委員 再就職手当につきましては、受給資格者の一層の早期再就職を促進するという観点から、平成六年の法改正によりまして、支給残日数が所定給付日数の二分の一以上である場合に基本手当の日額の二十日分を加算して支給することを内容とする特例措置でございます。
 これは暫定的な制度として設けられまして、その後の雇用情勢が厳しい中で、平成九年度までその期限を延長してきたところでございますが、この特例措置につきまして、最近の厳しい雇用失業情勢を踏まえまして、関係審議会において御議論をいただき、平成十年度も引き続き継続することといたしております。
#159
○河上委員 この流れでもう少し質問をしたいのですが、もう七分程度しかなくなってしまいまして、介護休業関係の問題に移りたいと思います。
 介護期間中の経済援助につきましては、三年前の介護休業制度の法制化の際に国会でも議論をいたしました。私も当時、野党の立場として政府案に対して対案を提出させていただきました。かなり長時間にわたる審議を行ったと記憶をいたしております。その際、特に所得保障の問題につきましては、私どもそれをもともと提案をさせていただいたわけでございますが、今般ようやく政府として法案化されることに至った点は一定の評価をいたしたいと私も考えるものでございます。
 しかしながら、その支給率を二五%、支給期間は三カ月としている点につきましては、家族介護あるいは仕事の両立ということを積極的に支援していこうという観点からは、当時対案を提出した私の立場としては、果たして十分なのかな、こういう気持ちを持っておるわけでございます。
 当時の大臣との議論を一言で言いますと、小さく産んで大きく育てようというところで合意をいたしたわけでございます。その意味では、小さく産んだわけでありますから、大臣、これからは大きく育てる以外ないわけであります。これが合意でございましたので、そういうことで、少子・高齢時代に突入している我が国にありましては、介護問題は喫緊の課題だ、そして重要な問題になっている、その意味を込めまして、近い将来さらに充実した内容にすべきであろう、一歩一歩前進させるべきであろう、こう私は考えますが、いかがでございましょう。
#160
○伊吹国務大臣 河上先生、大臣との御議論というのは小泉大臣ですか。どなたですか。(河上委員「いやいや、これは介護保険じゃなくて介護休業制度ですから労働省、労働大臣です」と呼ぶ。)そうですが。
 急激に大きくすると肥満児になりますので、かた太りのようにしっかりと育てていかなければいけないと思いますし、介護の制度だけを充実させるということであれば幾つもやり方はあると思います。しかし、保険をお預かりしているとか政府をお預かりしているというのは、一つのことだけをやるわけじゃございません。雇用保険全体のバ
ランスでございますとか、あるいはそこへ保険料を納めていらっしゃる方々の立場とかいろいろなことがございますから、先生の御趣旨は私も十分踏まえて、これから力を合わせて、すくすくと毎年成長していくように、お互いに努力をしていきたいと思います。
#161
○河上委員 小さく産んだ中身は一致いたしましたが、育て方にやや違いがあるのだ、こういうことだろうと思います。本当にすくすくと育っていけるような法律にしていきたい、こう考えております。
 もうそろそろ時間になりますが、もう一点だけ、この点に関します労働省の取り組みについてお尋ねをしておきたいと思っております。
 これが導入されるわけでございますが、前提として、今まで介護休業制度がどこまで進んでいるのだろう、どこまで行っているのだろうということが基本になるわけでありまして、大事だと思います。当時の議論の際も私は早期導入を主張したところでありますが、中小企業等、制度が導入されるまでの準備期間、政府として事業主に啓発指導を行う期間が必要だ、これもうなづけない点ではありませんので平成十一年の実施ということになったわけでございますが、これまでの介護休業制度の普及に対する取り組みと普及実態について御報告をいただきたいのと、今回給付という視点が加わるわけでありますので、この給付が加わりますと、その対象者としてはどの程度見込めるのか、この点について御見解を承りたいと思います。
#162
○太田(芳)政府委員 前段の実態について御説明申し上げたいと思うわけでございますけれども、介護休業制度の普及につきましては、来年の四月までにできるだけ多くの企業に導入されるようにいろいろ努力をしてきたわけでございまして、平成八年度の労働省の調査によりますと、常用労働者三十人以上の事業所の場合二三・二%の事業所でございます。特に、常用労働者五百人以上の事業所では六八・一%ということで、約七割に近いところで既に導入が進んできております。今年度まだ一年残っておりますので、来年度の義務化に向けまして、特に中小企業を中心に制度の整備を促していきたいというふうに考えておるところでございます。
#163
○征矢政府委員 介護休業給付の対象者でございますが、これは来年四月一日以降実施ということでございますが、約五万人程度を見込んでおります。所要額としてはおおむね百五十億円程度ということになります。
#164
○河上委員 わかりました。
 最後の質問になりますが、これはあわせて御質問をさせていただいて、最後に労働大臣の御見解を賜りたいと思います。
 介護休業の実施に当たって、例えば育児休業給付については支給手続を事業主が代行いたしておりますように、活用しやすいような工夫が介護休業についても必要だ、重要だと私は思っております。ですから、労働者がより活用しやすいような工夫、この点でいかなる取り組みを行おうとしているのかが一点。
 そして最後に、この介護休業給付制度の創設を含めまして、育児、介護といった家族責任と仕事の両立を支援していく、このことは、少子・高齢化が急速に進展しています我が国にとっては非常に大事だと思います。この両立支援策につきまして大臣の御決意をお尋ね申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#165
○征矢政府委員 介護休業制度が設けられました場合に、当然のことながら多くの方々にこの制度を活用していただくことは極めて重要でございます。そのために、まず事業主あるいは被保険者の方に対しまして、リーフレットの配布等を通じた広報活動あるいは各種説明会を積極的に行うことにより制度の周知を図ること、二点目としまして、御指摘のように、支給手続等の簡素化に努めることが重要でございますので、介護休業給付の支給申請の手続につきましては、育児休業給付の場合と同様に、労働組合や労働者の過半数を代表する方の合意を条件といたしまして、被保険者本人にかわり事業主の方もこの手続を行うことができるようにいたしたいと考えています。
#166
○伊吹国務大臣 少子・高齢時代でございますので、働きに出ている男女労働者が、介護それから育児に特に意を用いねばならないというのは先生御指摘のとおりでございます。もう労働政務次官をやっていただいているわけですから、いろいろな制度や助成措置をつくっていることは御存じのとおりですけれども、一番大切なのは、やはり家庭の中における夫婦の間の役割分担といいますか、お互いに助け合いながら、それをいかに活用していくかという意識にかかっていると思いますので、私のうちも家内が勤めに出ておりますし、今後将来的に育児のできる能力はないわけですが、お互いに日本社会の中の男女の役割の意識改革ということを政治家として取り組んでいきたいと思っております。
#167
○河上委員 終わります。ありがとうございました。
#168
○田中委員長 次に、桝屋敬悟君。
#169
○桝屋委員 平和・改革の桝屋でございます。
 引き続き質疑をさせていただきます。終了時間は平和・改革で責任を持って取り組みたいと思っております。
 最初に、今回の雇用保険法の改正ですが、一つは、財革法との絡みが新たな要素として今まで審議してきたもの以上に加わっているわけでありまして、実は午前中も私は予算委員会で、小泉厚生大臣とまたきょうも激しく火花を散らしてきたわけでありますが、その関係もちょっとお尋ねをしたいと思うのであります。
 それで、失業給付の国庫負担を今回変えるわけでありますが、現在、保険料が暫定的に引き下げられている中でさらに国庫負担率を引き下げると、当然ながら積立金の取りましということに場合によってはなるわけであります。
 今後の雇用保険事業の安定的な運営が大丈夫なのかということも気になるわけでありますが、積立金の状況、話が出たかもしれませんが、どんな状況になっているのか、まずお伺いをしたいと思います。
#170
○征矢政府委員 雇用保険制度につきましては、先生御指摘のように、今後とも、セーフティーネットとしての役割を適切に果たしていくために雇用保険事業の安定的運営が図られることが重要であるということは当然であるというふうに考えております。
 ただ、現在の雇用保険財政につきましては、平成九年度末の積立金残高は、見込みで約四兆円弱でございまして、今回の改正によりまして、御指摘のように国庫負担率の引き下げによる支出の増ということもございますが、当面、雇用保険財政の安定的運営に支障はないものというふうに考えております。
#171
○桝屋委員 もう一点お尋ねしたいのですが、失業保険の国庫負担については、当初予算が何かいつも補正で義務的経費ということで整理されてきたようでありますが、四兆円程度の積立金、これは今回の改正によって今年度末にはどういう見通しになるのかも、見込みがありましたら、お示しいただきたいと思います。
#172
○征矢政府委員 現時点で申し上げられますのは、見込みといたしまして、平成九年度末の積立金残高見込額約四兆円弱、三兆九千億円余ということでございます。
 その後の状況につきましては、これは経済情勢その他により変動もございますので、一概に推定することは困難でございます。
#173
○桝屋委員 それはわかるのですが、もちろん経済動向もあるのですが、今までの予算ベースでやっていて、例えば九年度と同じような状況だったとするとことしの末はどんなふうになるのか。もちろん経済変動もありますよ、わかりますが、予算案の姿で結構でございますが、お示しいただければ。
#174
○征矢政府委員 十年度末の状況について現時点で的確に申し上げることは困難でございますが、少なくとも言えますことは、現在の状況が続くと
すれば、九年度末時点で積立金取りまし額が三千五百億円程度と見込まれますが、それよりはふえるものと考えております。
#175
○桝屋委員 局長はなかなかお答えにくいんだろうと思う。もちろん経済状況がありますから、雇用状況はどうなるかわかりませんから、そういうことでしょうが、今のお話では三千億とか四千億というオーダーですから、まだ何とかなるのだろうということだろうと思うのです。
 私、財政構造改革法を見て、実はきょう午前中は、厚生予算の社会保障の中の福祉施設の財政構造改革の影響はどんなものなのか、小泉さん、大丈夫ですかという議論を随分やったのですよ。
 きょうこちらへ来て改めてまた議論をする中で、一つは、雇用保険は社会保障の一環、一翼であるというふうに私は理解しておりますが、去年の暮れあたりから、どこに行っても聞く話は、当然増、自然増が八千億、これを五千億圧縮して三千億ぐらいにとどめる、これに、予算のときに診療報酬がどうのこうのといって大騒ぎになったわけでありますが、きょうも小泉さんがその苦しみを随分おっしゃっていました。
 私の理解は、五千億圧縮というのは、本当に財政構造改革というのは大変だな、また、これをやらなければならない我が国の状況も、本当に国民一人一人が取り組んでいかなければいけない大きな課題だ、こう思っているわけであります。
 ただ、この雇用保険の話を聞きますと、実はこれ以外に失業給付に係る国庫負担は、これもまたよくわからない数字でありまして、私は頭が悪いから悩むのですが、四分の一の十分の八の七割ということで、にわかにすぐ計算ができないわけでありまして、本則が四分の一、二五パー、これに十分の八が掛かって、それでもって七割でしょう。もう本当に国民から見たら全くわからぬ話であります。
 それはそれとして、いずれにしても一四パー、二割を一四パーにするということだと思うのですね。この金額はどのくらいになるのか、まずちょっとお示しをいただきたいと思います。
#176
○征矢政府委員 ただいまわかりにくいという御指摘を受けましたが、雇用保険の国庫負担の率、これは本則で四分の一という率でございます。ただこれは、これにつきまして当分の間の措置としまして、前回の財政事情の厳しい時期に、料率の引き下げと合わせまして、国庫負担について御指摘のように二割カットして十分の八を掛けております。したがって現時点では五分の一の補助率になっています。それにさらに今回、当分の間の措置として、財政事情が非常に厳しいということで、財政構造改革法に基づく措置として、それに十分の七を掛けるということでございます。したがって一四パー、こういうことになるわけでございます。
 それではどのくらいの金額になるかという点でございますが、これは基本的に、なぜ七割にしたかというのは数字的に論理的に説明するのもやや困難な点はあるのですが、率直に言いまして、まず財政構造改革法の基本的な考え方が、当初予算で前年度予算を上回らない、多少上回るにしても二%とかそういうことですから、前年同額が最大限という前提でいきますと、雇用保険の場合には、そういう意味では、従来の補助率に基づく受給者実人員、これは積算しますと大体六十数万人ということであります。ところが実際は、雇用情勢が厳しくなっておりまして、これが八十万人を突破しております。当面の状況を踏まえますと九十万人を超えるということもあり得る、こういう状況でございます。
 そうしますと、当初予算の枠内で国庫補助を考える、こういうことで、当然補正を前提とした仕組みというのを考えないというのが財政構造改革の趣旨でございますから、そういう観点からいきますと、今後五年間程度を見通した場合に、今の補助率を大体三割程度カットする、そういうことにより対処せざるを得ない。そうしますと補正をそう多く組まなくていわば対処できる、こういうところからその三割カットという積算をしております。
 したがって、そのカットした分はどこから出すのだということになれば、これは積立金を取りますということになるわけですから、その金額がどの程度か、こういうことになります。これは、現状で見ますと一千億近い金額になるのかなというふうに考えております。
#177
○桝屋委員 今、聞けば聞くほどよくわからない話になるのですが、当分の間にまた当分の間がついたわけですね。本当に当分の間というのはわかりにくい話でありまして、当分の間の当分の間は一体どうなるのかわかりませんが、ただ、趣旨はわかりました。
 それで、私が驚いたというのは、社会保障全体の中で八千億を五千億、だから三千億だという話をずっと聞いておりましたけれども、今のような話を聞きますと、実は社会保障全体としては、この雇用保険の部分はさらに、数字はどうなるかわかりませんが、一千億ぐらいのオーダーで上がるということは大変な構造改革だなという気がするわけであります。
 もう一つ伺いたいと思うのですが、財革法の中で、失業給付に係る国庫負担のあり方とともに、その前に、高年齢者の求職者給付金のあり方、これは「廃止を含めて」というのは、先ほどから議論がありましたように、何とか残していただいた。ただ、国庫負担はなくなったわけですね。これの影響額というのはどのくらいあるのでございましょうか。
#178
○征矢政府委員 この点につきましても、高年齢求職者給付金の支給実績等との関係でその五分の一ということになりますから、年度によって変動がございますから、大体百五十億から百八十億程度の金額でございます。
#179
○桝屋委員 ありがとうございます。
 何度も言いますが、財革法で、社会保障、雇用保険勘定も入れますと、本当に五千億ないし六千億、今の百五十億くらいですから、私は大変大きな金額になるなというふうに思うわけであります。
 きょう午前中、小泉さんとやり合ったのは、構造改革はどっちにしてもやらなきゃならぬという決意は伺ったわけでありますが、厳しい状況の中で、特に経済状況等がこういうことになりますと、雇用の状況がどうなってくるのかということもこれあり、まことに悩ましいわけであります。
 当分の間というのは、当分の間に当分の間がついておるわけで、全くわからぬ当分の間なんですが、財革法が、十年、十一年、十二年が当初の三カ年の一生懸命やろうというときだろうと思うのですが、少なくとも国庫七割になったものは、当分の間というのはこの十、十一、十二なんだというような理解でいいのですか。そうではなくて、もっと違う考え方があるのか、お尋ねしたいと思います。
#180
○伊吹国務大臣 先生よく御承知のことですが、ちょっと基本的なことをお話をしたいと思うのです。これは、確かに保険による社会保障の一環であるということは私は疑いません。しかし、老人医療のようにすべての国民を対象にしているものではありません。自営業者はこの対象外でございます。
 そして、国庫負担というのは、大蔵省だとか労働省が持っておるものではございません。政府は一銭のお金も実はないわけです。国庫負担というのは、実は国民からちょうだいした税金をお預かりしているわけでございますから、自営業者の方の所得税も実はこの国庫負担の中に入っているわけですね。そうすると、こういう事業に対して幾ら国庫負担を入れていくかというのは、正直言って、根拠がないわけですね。例えば公共事業なんかだと、国が三分の一、都道府県が三分の一、市町村が三分の一というような考えをとったりするわけですが。
 したがって、国民全体の税金が非常に厳しいときに全国民から税金を預かっている、私は、大蔵官僚はそういう気持ちで仕事をしないからああいうばかなことをするんだと思うんですが、国民全体の税金を預かっている大蔵大臣のお立場からす
ると、こういうものの国庫負担については、少し構造改革のときは助けてくれないかというお考えが出てくるのは当然だと思うのです。
 しかし、私の方は、雇用保険に入っておられる方々のお金をお預かりしておるわけですから、国庫負担はできればたくさんちょうだいした方がよろしいわけで、国民全体とのバランスの中で、先ほど政府委員が御答弁申し上げたようなことは、やはり全体の方程式を解く上では協力しましようと。しかしながら、もちろん、先生がおっしゃったように、財政構造改革の期限が終わった場合に、収支の状況とかどうだとかを見きわめてこの復元をするという話も当然出てくるでしょう。
 しかし、私はそういうことはないと思いますが、非常に不幸なことに、どんどんどんどん給付がふえちゃって、そして保険料率をさわらなければいけないというようなことになった場合に、私は所管大臣として、その時点で、仮に一年後であろうと、構造改革期間であろうと、必ずこれは復元するということを約束しろということを、実は大蔵大臣に大臣折衝のときに申し上げたわけであります。
 それで、大蔵大臣としては、こういう折衝過程のことを申し上げるのはいかがかと思いますが、その時点で、雇用保険事業の財政状況やまた国の財政状況も考えさせてもらいたいが、適切に対処をいたしますというお約束をいただいたので、雇用保険を預かっている大臣としては、それでは結構だということを実は申し上げたわけです。
#181
○桝屋委員 ありがとうございます。
 折衝過程のお話までいただきまして大分安心もしたわけでありますが、大臣が今お答えいただきましたように、確かに雇用保険全体の社会保障の中に占める性格でありますとか位置づけでありますとか、そこは十分理解をさせていただきました。
 ただ、そうしますと、逆にやはり、十、十一、十二、財革法がどうであれ、どうであれという言い方はおかしいですね、財革法はどうなるのかよくわかりませんが、財革法が今はもう動いているわけでありますから、それはそれとして、それをやった後でも、やはり雇用保険の勘定全体を見て、積立金の状況あるいは将来の動向等も見据えて、国庫負担の、あいまいとしている、はっきりした理念がないという御説明もありましたが、その辺の国庫負担のあり方についても、本当に、財革法で「国庫負担の在り方について検討を加え、」こうありますが、将来を見据えてやはり方向性を出していく必要もあるんだろうなというふうに思います。
 ただ、一つ確認なんですが、今の大臣のお話では、当面はしたがって保険料の引き上げはない、今の段階では、このスキームの中ではないというふうに理解してよろしいですか。
#182
○伊吹国務大臣 積立金の状況とかこれからの雇用状況、つまり失業給付をどの程度やるとか、そういうことによって収支は違ってくるわけでございますが、幸い諸先輩の運用よろしきを得て積立金の状況はかなり厚うございますから、当面は今先生が御心配いただいているようなことはないと思います。
 また、率直に言えば、保険事業だから大蔵大臣的に言えば国庫負担を入れているのはおかしいじゃないかという見方もあるんですよね。我々のやり方からいけば、これは五千万人の働く人たちをカバーしているんだから、当然制度の定着のために全国民の税金を分けていただいてしかるべきだという見方もあるわけでありまして、国家財政のあり方等も踏まえながら、その辺は多様な連立方程式の答えとして、保険料の問題とか国庫負担の問題は将来検討されていくべきことだと思っております。
#183
○桝屋委員 ありがとうございます。
 医療保険や年金の国庫負担、もうたくさんありまして、国庫負担の問題はこれから乗り越えなければいかぬ山がいっぱいあるわけでありまして、また大臣とも議論をさせていただきたい、このように思うわけであります。
 私、まだやりたいことがあったのでありますが、時間がそんなにありませんから、きょうはもうこのテーマだけにさせていただきたいと思います。
 最後にもう一度、これは大臣に御決意をお伺いしたいのです。積立金、先ほどから申し上げていますように、勘定全体を見てということになろうと思いますが、取りましも当然ながら限界もあるわけでありまして、さらに、今後、雇用保険事業の安定的な運営を考えたときに、経済状況、雇用状況を見て、これは大変だというようなことも当然考えられるわけであります。我が国発の金融恐慌は起こしてはならぬという総理の気持ちもわかりますが、やはり経済は水ものでありますから、どう動くかわからない。
 そんな中で、先ほど局長からも言われたように、やはり雇用保険というのはセーフティーネットとして極めて大事なものだろう。答申の中にも、この役割を考えると国家財政におけるプライオリティーは高いということを忘れてはいけないというような答申もあったやに聞いておりますので、今後の状況の中で、本当に厳しいことが出てきてはいけませんが、そういうことも踏まえて、セーフティーネットとしての機能を今後どのように運営をされていかれるのか、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#184
○伊吹国務大臣 労働大臣としては、働く人たちのためにこの制度が万全に動くように常に意を用いる、そういう姿勢でやるのが、これは義務だと考えております。
#185
○桝屋委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
#186
○田中委員長 次に、大森猛君。
#187
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。
 今も議論になったばかりでありますけれども、私、最初に基本的な幾つかの点についてお聞きをしておきたいと思うのです。今お話にあった国庫負担、大蔵大臣の見方なども御紹介がありましたけれども、国庫負担の理念という言葉もあったわけでありますけれども、国庫負担、なぜしなくてはならないのか。その基本的な点について、まずお伺いをしたいと思います。
#188
○征矢政府委員 雇用保険におきます国庫負担の考え方でございますが、雇用保険について、基本的には労使それぞれ折半の保険料と国庫負担が加わって運営されていく、こういうことでございます。
 失業のあり方として、自己希望、任意的に失業する方もおれば、例えば国家の政策により辞職せざるを得ない方もいる。典型的な例が炭鉱離職者の方ですが、そういう方もいる。あるいは会社の倒産により離職する方、これは労働者に責任はないわけでございます。そういう方もいる。
 そういう観点を踏まえて、国の雇用対策として一定の国庫負担をしていく、こういうことであります。
#189
○大森委員 先ほど大臣も義務だとおっしゃったわけなのですが、労働省監修の雇用保険法でも、今おっしゃったような国家的な課題として考慮されるべき性格を持っている、したがって、そういう性格を考慮すれば、法律論を離れ、むしろ国として当然の責務であると言わなければならない、そのことを明快に言っているわけでありますけれども、大臣としても当然そういう立場で今後対処をされていくということを、まず大臣の口から重ねて御確認したいと思います。
    〔委員長退席、鍵田委員長代理着席〕
#190
○伊吹国務大臣 先ほど桝屋先生にやや大臣折衝のやりとりを申し上げたのは適当だったかどうかは私わかりませんが、むしろオープンに理解していただいた方がいいと思って、大森先生も聞いていただいたと思いますが、そのやりとりの際に私が申し上げたことで私の気持ちは御理解いただいていると思います。
#191
○大森委員 引き続き一層そういう立場を堅持して、五千四百万の労働者のために頑張っていただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。
 これも先ほど議論になりました。来年度、九八年度給付対象数が六十数万から九十万を超えるの
ではないかという見通しがあったわけですが、もし現行法どおりの国庫負担率でいけば、国庫負担額は来年度どのぐらいになる予定であったでしょうか。
#192
○征矢政府委員 いろいろな状況がありますので正確に申し上げることは困難かと思いますが、過去の補正の状況等を踏まえて考えますと、大体一千億円程度の金額ではなかろうかというふうに考えております。
#193
○大森委員 いや、私がお聞きしているのは、現行の国庫負担率では九十万に見合う国庫負担額はどれだけになるかということです。
#194
○征矢政府委員 今、私、積み上がり分を申し上げました。したがって、現行で大体三千億円程度でございますから、それが四千億円程度になろうかと思います。
#195
○大森委員 そうすると、国庫負担削減額としては約一千億ということですね。
 次に、高年齢求職者給付に係る国庫負担、これは廃止ということになるわけですが、九八年度の高年齢求職者給付、見通しとして対象者数と給付予定額はどのぐらいになるのでしょうか。
#196
○征矢政府委員 数字的には高年齢求職者給付金の金額は約九百億円程度でございます。したがって、国庫負担はその五分の一でありますから百八十億円程度と考えております。
#197
○大森委員 そうしますと、失業者給付等に係る国庫負担と高年齢求職者給付に係る国庫負担と、削減額は合わせて約一千二百億程度ということになるわけですね。念のため確認しておきたいと思います。
#198
○征矢政府委員 過去、補正予算で対処した分、そういうものを含めまして、現行の制度を前提としますと、御指摘のような金額になります。
#199
○大森委員 私どもの計算よりちょっと少ないような感じがするわけなのですが、いずれにしろ千数百億の削減ということになるわけですけれども。
 では、雇用保険会計の収支の状況、これは五年間どういう状況でしょうか。
#200
○征矢政府委員 雇用保険財政につきまして、過去五年間の失業等給付の収支状況を見ますと、平成四年度以降暫定的に保険料率を引き下げていること等から、平成六年度以降単年度で支出が超過した状況でございまして、平成八年度におきましては、収入が保険料及び国庫負担金合わせて一兆八千四百十三億円であるのに対しまして、支出が二兆一千三百五十八億円と、二千九百四十五億円の支出超過となっております。この結果、平成八年度末の積立金残高は四兆三千億円弱となっております。
#201
○大森委員 つい先日、新聞でも報道されたように、雇用保険は四年連続で赤字になる。今年度は今お話あったように三千億を超える赤字が見込まれているということで、この新聞報道は、三月十五日の日経新聞ですが、大体こういう内容で正しいでしょうか。
#202
○征矢政府委員 大体報道のとおりでございます。
#203
○大森委員 先ほど大臣からは積立金の方が相当厚いというお話もあったわけなのですが、この取りましがずっと続けて行われているわけなのですけれども、こういう赤字の拡大で、ピーク時の九三年度で約四兆八千億円、これがわずか四年間で一兆円ぐらい取り崩されているわけですね。
 では、今後の、十年度も含めて、積立金と収支の見通し、この点はどうでしょうか。
#204
○征矢政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、今後の見通しにつきましては、経済情勢の動向により、あるいは失業情勢の動向により状況が変わってまいりますので、的確な見通し、どのくらいであるということは申し上げるのは困難かと思うのです。
 ただ、先ほどもお答え申し上げましたように、現下のような状況であるとすれば、九年度におきまして三千五百億円余の積立金取りましが予定されているわけでございますが、その金額よりは大きくなるものと推計されます。
#205
○大森委員 九年度で三千五百億を超える。十年度はどうでしょうか。
#206
○征矢政府委員 ただいまお答えを申し上げましたように、十年度につきましては、今後の経済状況等によりますので、現時点でどのくらいという見込みを申し上げることは困難であります。ただ、現下の状況等を踏まえれば、九年度の見込額三千五百億円を超えることも予測はされるところであります。
#207
○大森委員 平成六年十一月に、雇用保険事業の運営に関する行政監察結果報告書、こういうものが出されたことは御存じだと思うのですが、その中でこういう今の雇用保険の会計、財政等について厳しい指摘をしているわけですね。
 数カ所で行っているわけなのですが、例えば「労働省は、これらの制度改正を踏まえた今後の失業給付に係る全般的な中期的財政の見通しについて作成していない。」こういう指摘をして、その中で、「したがって、労働省は、失業給付に係る保険財政の健全な運営に資する観点から、今回の制度改正に伴い必要となる失業給付に係る積立金累計と徴収保険料の推移等保険財政の中期的な見通しについて必要な推計作業を行い、その結果を国民に分かりやすい形で公表していく必要がある。」こういうふうに指摘をしているわけですね。これは平成六年ですよ。
 今、国庫負担削減をする、そういう提案をされている中で、この行政観察結果報告書が指摘するように、単に必要な推計作業を行うだけじゃなくて、その結果を国民にわかりやすい形で公表していく必要がある。このことについて、きちんとやはりこたえるべきではないかと思いますが、どうでしょうか、この点。
#208
○征矢政府委員 御指摘のようなこともあるわけでございますが、他方、失業給付に係りましては、これは御承知のように、短期的な経済変動によって見通しが大幅に変わることがあり得るわけでございまして、したがって、本来的に本質的に中長期的な財政見通しを立てること自体が難しいという側面もございます。
 したがいまして、軽々に中長期的な財政見通しを立てて、それが仮に外れた場合、これもやはり一方で問題があるわけでございまして、そういう意味で、御指摘もいただいているわけですが、なかなか難しい問題になるというふうに思っております。
    〔鍵田委員長代理退席、委員長着席〕
#209
○大森委員 この結果報告書も当然、そういう景気見通し等々さまざまな条件の中で、そういうことは承知の上でこういう報告書を出されていると思うのですね。少なくとも、十年度三千五百億を超えるというような言い方ではなくて、もうちょっとずばっと言うべきじゃないでしょうか。
#210
○征矢政府委員 なかなか難しい問題でありますし、それを言うこと自体、仮に一定の前提を言うこと自体によるまた別の面の波及の問題もございます。したがいまして、私どもとしては、そういう問題については慎重に対処すべきというふうに考えております。
#211
○大森委員 来年度の見通しも言えないということであれば、これはこれでやはり大きな問題になるのじゃないでしょうか。
 これは既にいただいている資料もあるわけですけれども、それによると収入支出差し引き剰余は七千二百七十三億。先ほど三千五百億を超える程度とおっしゃった数字がこれに相当するということに、先ほどの答弁でちょっと気がっかなかったのですが、それぐらい大きな格差があるわけですね
 したがって、積立金残高も三兆円をあわや切れるような状況までいきかねない、大変な状況になっているわけですね。しかも、この七千億、これがそのとおりであれば、そのうちの千数百億は国庫負担を削減したことによって生じているということになるわけですが、いかがでしょうか。
#212
○征矢政府委員 先の見通しにつきまして、ただいま先生数字も申されましたが、私どもとしては、どのぐらいの数字になるかという見通しは、そう
いう数字は具体的なものを申し上げることはお許しいただきたいと思います。
 ただ、その中に国庫負担による削減分がどのくらい入っているかという点につきましては、御指摘のとおりであります。
#213
○大森委員 そういう点で、こういう厳しい状況の中で国庫負担を下げるということは、ますますこれはひどい、厳しい状況になってくるのじゃないかと思います。これは大臣も先ほどの御答弁でもありましたけれども、新たな保険料の引き上げとか給付内容の水準の切り下げにつながったら、やはりこれは大変重大な問題ではないかと思います。
 このことを指摘をして次に移りたいと思うのですが、大体この法案、私ども臨時国会でも再三指摘をしてきたわけでありますけれども、財政構造改革法、これが本来の浪費やむだに本当に手をつけないで、こういう社会保障、雇用保険等に削減のメズを入れるということで非常に問題がある。こういう点の見直しを改めて強く求めておきたいと思います。
 関連して、三井三池の閉山後の生活と雇用問題についてお聞きをしたいと思います。
 この点では最近新聞でも「「家でジッと」ヤマの男たち 閉山一年、三井三池炭鉱」、こういうタイトルで報道されておるわけなんですが、国内最大の炭鉱だった福岡県大牟田市と熊本県荒尾市にまたがる三井三池炭鉱が閉山して、今月末でちょうど丸一年になります。千四百人の離職者の再就職、地域振興策など、いろいろ懸念されていたことが、数々の問題が遅々として進んでいないという状況がこの新聞でも報道されております。
 そこでお聞きをしたいのですが、一つは、この一千四百名の再就職の状況と、加えて、特に三井グループ、求人は三井グループからもあったと思うのですが、三井グループからの求人数とそれに対する就職者数はどの程度か、お聞きをしたいと思います。
#214
○征矢政府委員 三井三池炭鉱の閉山後の離職者の方々の再就職の状況でございますが、平成九年三月三十日に閉山いたしました三井三池炭鉱の離職者の雇用状況につきましては、平成十年三月一日現在、直轄、下請、関連等を含めまして、千四百五十七名の方々が公共職業安定所に求職申し込みをされ、そのうち五百四十四名の方々が就職されたところでございます。
 就職先の内訳を産業別に見ますと、製造業百九十五名、建設業百四十九名、運輸・通信業五十九名、サービス業四十九名等となっております。
 なお、この再就職につきまして、三井鉱山がかかわったものがどの程度かという点につきましては、手元に資料がございませんので、お許しいただきたいと思います。
#215
○大森委員 この問題では、昨年のちょうど閉山時期に、予算委員会あるいは石炭対策特別委員会、ここで相当議論をされて、当時の労働大臣あるいは通産大臣が三井の社会的な責任、これを認められて、さまざま努力を表明されているところなわけですね。例えば、当時の岡野労働大臣は、「今までともに働いてきたそこの従業員諸君並びに周辺の皆さんの、もし離職ということになるならば、これの再就職方について全力で努力をすべきである、こう考えております。」これは去年の石炭対策特別委員会でこう言明をされているわけでありますけれども、ところが実際は、今お話があったように、再就職が決まっているのはわずか四割そこそこという状況ですね。非常に深刻だと思うのです。
 加えて三井グループ、三井グループというのは戦前戦後を通じて、戦前でいえば三井財閥、そして戦後の三井グループが形成されるその一番基本的な力になっているのが三井三池だと思うのですね。ですから、当然三井グループ全体として再就職について責任を負うべきだ、労働省としてもそういう立場で積極的な指導を行うべきだと思うのです。
 御回答なかったのですが、三井グループからの求人数は三千六百六十三名あった。確かに求人はあった。ところが百二十四名しか決まっていない。これはなぜそう少ないか、もしわかれば御答弁いただきたいのです。
#216
○征矢政府委員 会社側の努力の状況につきましては、先生御指摘のとおりの数字でございます。実績としてなぜ少ないかという点について、具体的にこの状況等について現時点で把握いたしておりませんので、理由は定かではございません。
 なお、先ほど申し上げるのを忘れましたが、就職された方五百四十四名のほか、現在職業訓練を受けている方も四百八十一名ございます。これは再就職につながるための、具体的な転職のための職業訓練であります。
#217
○大森委員 深刻なのは、この未就職者のほとんどが五月初めまでに雇用保険が打ち切られてしまうという状況なわけですね。一年前の労働大臣の言明に合わせて、この点で一層の労働省の積極的な御努力を大臣の口からお聞きできたらと思うのですが、いかがでしょうか。
#218
○伊吹国務大臣 今先生と政府委員との間のやりとりを伺っておりまして、労働省としては今後とも地元の福岡県、それから熊本県もございますから、十分連絡をとって、一人でも多くの方が再就職できるようにさらに努力を続けたいと思います。
#219
○大森委員 未就職者の八六%が四十六歳以上と、ここでも中高年の問題が悲惨に浮き彫りになっているわけです。
 そこで、関連してもう一つこの点でお聞きをしておきたいと思います。
 新聞報道で、「大牟田、荒尾市と三井石炭鉱業の協議で、大牟田市は九月の社宅退去を延長してほしいと求めた。しかし同社は応じる姿勢を見せない。」こう報道されているわけです。私も現地の方に問い合わせてみたら、大牟田市の要望というのは、来年三月に改良住宅等が建つからそれまで延長してほしい、こういう要望なわけですね。ところが、この新聞報道では「同社は応じる姿勢を見せない。」これは、企業としての社会的な責任を果たすという点でも極めて問題ある態度ではないかと思います。
 そこで、きょうは通産省にも来ていただいているわけなのですが、住宅の問題、これは昨年の予算委員会等でも問題になりました。地域対策、雇用対策について万全を期して会社を指導する、こういう指導を当時の佐藤通産大臣もやられております。
 住宅問題は人道上の問題でもありますので、通産省としても、大臣の答弁を踏まえて、三井に対して積極的な指導をしていただきたいと思うのですが、通産省の方。
#220
○松井説明員 通産省といたしましては、三井石炭鉱業株式会社及び親会社であります三井鉱山株式会社が、雇用対策などにつきまして万全の対策を期すよう指導しているところでございます。
 今先生御指摘の件につきましては、三井石炭鉱業株式会社から以下のような返答を受けております。「当社は、改良住宅及び雇用促進住宅は十年度末までに完成すると聞いているが、これらの住宅への入居希望者は、それまでの間、社宅に残すこととしたい。ただし、必要があれば一時当社の他の社宅等に転居の上、これら住宅に移っていただくこともあり得る。」こういう説明を受けております。
#221
○大森委員 いずれにしろ、入居者の意思に反した退去やあるいは意思に反した転居等は、強制的には行わない、こういう立場で指導をお願いしたいと思うのですが、重ねて、この点の指導についてお約束いただきたいと思います。
#222
○松井説明員 今御説明いたしましたように、三井石炭鉱業といたしましては、閉山後の労使交渉によりまして、社宅に住んでいる方は一年半で退去をお願いするということにしておったわけでございますけれども、やはり改良住宅などの完成がおくれたということで、それまでの間社宅に残すこととしておりますが、いずれにせよ、元従業員の福利厚生のため、できる限り努力することを三井石炭鉱業に求めてまいりたい、こういうふうに
思っております。
#223
○大森委員 ぜひ積極的な指導をお願いしたいと思います。
 次に、雇用保険三事業の一つであります雇用安定事業に、事業活動の縮小時の雇用の安定を図るために設けられております雇用調整助成金、この問題についてお伺いをしたいと思います。
 この点で、神奈川県の職業安定課から資料もいただきました。企業名は特定はもちろんしてありませんけれども、平成八年度の「雇用調整助成金支給決定状況」であります。
 これによると、雇調金の支給決定状況、神奈川県内の「高炉による製鉄業」という企業でありますけれども、神奈川県で高炉による製鉄業というのはNKKしかない、このように理解をしておりますけれども、支給決定金額が、休業で七億八千七百四十一万、それから教育訓練が一億二千二百四十一万、出向が四億五百七万、合計で十三億一千四百九十万、このようになっております。これは、神奈川県内合計で平成八年度十八億五千万円のうちの七一%を占めているわけですね。
 雇用が維持されているから雇調金の役割を果たしているではないかと言われる方もありますけれども、NKK全体では九七年三月期の経常利益が三百四十二億円ということになっております。大企業が自力で十分雇用を維持できるという判断を私はしたいと思うのです。
 当時でもそうだったのですが、中小企業が不況の中で苦境に立っているときに、労働者を解雇せずに雇調金で失業を防ぐことも可能ではなかったか。こういう点で、中小企業にもっと助成を行うべきではないか。
 神奈川県内で見ますと、雇調金の中小企業の割合は、休業等教育訓練が大部分でありますけれども、合計で見ると、平成四年度四四・六%、平成五年度四〇・一%、平成六年度二丁六%、平成七年度一三・二%、平成八年度はさらに下がって七・二%と、どんどんこれは下がっていっているわけですね。
 大企業に比べて中小企業の適用が相対的にずっと低下しているということになっているわけなのですが、これは全国的にもそういう傾向があるのではないでしょうか。
#224
○征矢政府委員 雇用調整助成金につきまして、ただいま神奈川県の例で御説明ございましたが、全国的にはむしろ逆でございまして、平成九年度下半期の計画提出事業所数で見ますと、平成九年十月から平成十年一月までの間で見ますと、休業で、大企業が四十七所、四・七%に対しまして、中小企業は九百四十三所、九五・三%の割合になっております。(大森委員「それは金額ですか」と呼ぶ)これは事業所の箇所数でございます。
 金額でいいますと、これは当然のことながら大企業の方が従業員数が多いわけですから、大企業の金額の方が多いということになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この雇用調整助成金が中小企業にさらに活用されるように、今後とも周知徹底、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#225
○大森委員 金額で見ますと全国的にも七五・六%が中小企業、かつてそういう比率を占めたときもあったわけですが、どんどん低下して、八年度でいえば三三・二%、比率でいえば半分程度になっているということで、今お話があったように、中小企業への適用のためにももっと御努力をいただきたいということを要望しておきたいと思います。
 ところで、このNKKの職場での雇調金対象となった出向の実態でありますけれども、労働組合との協定が前提であるし、雇調金適用に当たっての条件としても、出向へは本人の同意が必要だということは、これは確認できますね。
#226
○征矢政府委員 手続的には、本人の同意ということを書面で、印鑑等で確認することになっていると思います。
#227
○大森委員 ところが実際には、これが強要で行われている状況があるわけであります。同意の実態というのは、職場がなくなってしまうということとか、あなたの仕事はもうないよというようなことが言われて、結局同意させられてしまうという状況があるわけですね。
 出向させて、それに対して雇調金の助成を受ける、これは本来の趣旨に反するのではないでしょうか。リストラを円滑に進めるための賃金差額の補てんとして雇調金が使われているとすれば、これは大変問題じゃないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
#228
○征矢政府委員 出向につきましては、当該出向労働者の同意を得たものであること等を踏まえて、労使協定及び実施計画届提出時に、私ども公共職業安定所の窓口において十分な審査を行っているところであります。
#229
○大森委員 出向とはいっても、永久出向、こういう状況も場合によっては出てくるわけですね。これは、適用に当たっての条件で六カ月以内の場合等々の条件も定められているわけでありますけれども、とにかく、戻っても職場がないというような、リストラに該当する場合、雇調金が適用できるのか、終期が明確でない、こういうことにも適用できるのかという問題がやはりあるのではないかと思います。
 いずれにしろ、こうした出向の助成金の要件を実際に満たしていない状況があるかないか。私は今、神奈川県内のそういう雇調金の適用を最大受けている大きな企業について申し上げたわけなのですが、こういう状況がないということは恐らく断定できないと思うのですね。ぜひお調べをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#230
○征矢政府委員 雇用調整助成金の対象となる出向につきましては、余剰人員の解雇を出向で代替し、事業活動の縮小に伴う離職者の発生を防止することを目的といたしておりますため、出向期間について特別期限を付してはおりません。出向元が出向労働者の賃金の一部を負担している場合等には、最大二年間の助成対象期間を設けているところであります。
#231
○大森委員 今申し上げましたように、労働省としても、「雇用の安定のために」という事業主の方のためのパンフレットも出しておられるわけですが、ここに書かれております適用条件、「出向の場合」イからルまであるわけですね。こういう点で、本当にこれが、こういう多額の雇調金を受けている企業において正確に厳密に守られているかどうか、ぜひ御調査をお願いをしたいと思うのですが、重ねて御答弁をお願いしたいと思います。
#232
○征矢政府委員 制度が適切に実施されるよう今後とも努力してまいりたいと思います。
#233
○大森委員 調査した上で、適正にやられているかどうか判断をしていただきたいと思うのです。
 加えて、このNKKの場合、年間労働時間が一千九百時間を超えているわけですね。これはもう先般の労働委員会でも申し上げたように、千五百時間あるいは千六百時間にヨーロッパではいっているという中で、労働省のモデルでもある千八百時間にすれば、NKKの川崎の労働者が数千人、雇用増が見込まれると思うのですね。こういう点で、現在長時間労働をやらせていながら人が余っているということで出向、休業等をやれば、これはやはり雇調金の本来の趣旨に反してくることになるのではないのでしょうか。
#234
○征矢政府委員 雇用調整助成金の適正な執行、これは当然のことでございます。私ども、会計検査院の検査も受けながら制度の運用をするわけでございますから、御指摘の点につきましては、そういう意味で、現地の調査等も含めまして適切な執行に努力してまいりたいと思います。
#235
○大森委員 ぜひ、適正に適用されているかどうか、現地での調査も含めて、これはお約束をいただきたいと思います。
 最後に、先ほどの十三億一千四百九十万の雇用調整助成金を受給しているこの企業、これが自民党に対してどれだけ政治献金をやっているかということでありますけれども、三千万、国民政治協会を通じて行っております。こういう十三億以上を受け取って、しかも一方で三千万の政治献金を
行う、これは大変やはり問題があるのではないかと思います。
 経営が厳しいという状況で、そういう理由で雇用調整助成金の適用を受けている企業が、片や政権党に対してそういう政治献金をするのは、やはりこれは正すべきではないかと思いますが、この点、お聞きしたいと思います。
#236
○伊吹国務大臣 雇用調整助成金は企業を通じて使われることは御指摘のとおりですが、その目的は、あくまでそこに働く人たちの色活を維持するためにやっておるわけでして、その目的のために国庫が出したお金と、自由社会において法律に許されている手続をもって寄附をされたものとが何かいかにもリンクしているような御発言は、私はいささかいかがかなと思います。違法なことはこの法治社会では許されません。違法なことがあれば、自由民主党はそういうお金を受け取るべきではないと思いますが、法律に許されているものでございますから、その点は、法治国家である限りはお許しをいただきたいと思います。
#237
○大森委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、もちろん違法であればこれはもう大問題でありますから。問題は、そういう雇調金等を十数億受けるような企業から政治献金を受け取る、それを合法にしているというところに問題があるわけで、これは今の銀行の問題、あるいはゼネコンあるいは製薬業界、これらの政治献金が大問題になっていることとやはり基本的には同様の問題であることを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。
#238
○田中委員長 次に、濱田健一君。
#239
○濱田(健)委員 雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に賛成する立場で、以下、四、五点質問をさせていただきたいというふうに思います。
 雇用保険法の新制度、教育訓練給付制度でございますが、けさからお話を聞いておりまして、現下の厳しい経済状況、景気の動向等を踏まえ、また二十一世紀の雇用関係を含めて、現在働いていらっしゃる方も、そしていろいろな御事情で今働いていらっしゃらない、次の雇用を見つけようとしていらっしゃる皆さん方にも、この給付制度が適用されるということでございまして、十二月からそれをスタートさせたいというお話でございました。
 いろいろとお話を聞いておりまして、何とか学校という言葉が、けさでしたか、どなたか委員の討論の中で出てまいりました。当然、労働省のお墨つきをもらった、または文部省のというところが、再教育訓練、特に、技術的なものでございましょうか、それが中心になるかと思うのでございますが、そういうところで教育訓練を受けたときに、上限二十万でその八割を支給をするという中身のようでございます。
 やはり本日いろいろな方がお話しされましたとおりに、働きながら再教育を自分の思いで自律的にやっていかれるというときに、限定された訓練を受ける場、枠というのは当然必要だとは思うのですが、それを決定づけるときに、国の方がこれだけの枠のところしかだめだよというふうにしていった方がいいのか、それとも、多くの労働者が住んで働いている地方自治体、市町村を含めて、そういうところまでひっくるめて、そういう場というものの指定といいますか、そういうものをしていった方がいいのではないかというような気持ちもあるわけでございますが、その点、いかがでございましょうか。
#240
○征矢政府委員 一つの御意見でございますが、職業安定行政は、御承知のように全国的なネットワークで、各都道府県に職業安定担当課なり、出先機関として公共職業安定所がございますので、そういうネットワークの中で、教育訓練機関からの申請等を踏まえて個々の訓練コースを労働大臣が指定する、こういう枠組みで制度の仕組みを考えております。
 なお、その際に、基本的な考え方につきましては、公労使三者構成の関係審議会で十分議論をしていただいて考え方を整理する、こういう考え方をとっているところであります。
#241
○濱田(健)委員 今局長の方から答弁なされた部分については、審議会の中でそういう地方の部分を含めていろいろな意見をくみ上げながら当然大臣が指定をされるわけでございますから、そういう方向性で努力をするという意味なんでしょうか。
#242
○征矢政府委員 現行の枠組みでいきますと、地方の意見といいますのは、私どもの出先機関、これは地方事務官制度でございますから都道府県の中に担当課がございますから、そういう中で調整をする。一定の申請の場合の取り扱いをどうするか、そういうことを検討する。
 それから、現実の対応は各公共職業安定所ということになりますので、これはさらに国の出先機関として全国に五百カ所以上ございますから、そういうところで給付関係の手続をする、そんな枠組みになろうかと思います。
#243
○濱田(健)委員 なかなか制度的に厳しい、乗り越えにくいところもあるかと思うのですが、東京の方では見えないといいますか、教育機関と名づけていいのかわかりませんが、例えば新しい企業の中にもそういう創造的な職業訓練のできるところ、ノウハウを持っているところも地方にはございますので、そういうものの意見も聞きながらやっていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 次に、全然違った論議をしたいのですが、アメリカの航空業界は、七〇年代、八〇年代そして九〇年代、規制緩和を推進してまいりまして、いわゆる経済的な規制緩和が進んで、航空運賃が大幅に値下げされたとか、いろいろな路線が細かく入っていったとか、いろいろなプラスの面も取りざたされておりました、という過去形で書いたいと思います。
 しかしながら、これにはやはり暗い面もございまして、その後、独占、寡占といいますか、弱い企業はつぶれていって、航空会社も一つ、二つとつぶれていくということで、路線も、ドル箱路線は残るけれどもローカル路線はなくなっていく。日本も若干その傾向が今出てきつつあるのかなというふうに思っているわけでございます。
 その中で生き残ったコンチネンタル航空という航空会社がございます。いろいろな努力をされて生き残られたというふうに思うのですが、そこの子会社でありますコンチネンタル・ミクロネシア航空というところの、もう十五、六年から、短い人でも五年ぐらい働いていらっしゃる正社員三十四名の皆さんが、突然、割り増しの退職金をもらってやめてくれ、もしくは、やめた後五年を上限でいわゆる契約労働に変わってくれという話が、二月の中ごろ降ってわいたように起きたという話を聞いているわけです。
 まだ所管の労働基準監督署には届けられていないようにお聞きをしておりますが、このことについて労働省はどのように聞いておられるか、御所見を伺いたいと思います。
#244
○伊藤(庄)政府委員 コンチネンタル・ミクロネシア航空の早期退職の優遇制度といいますかそれに基づく提案でございますが、その点につきましては、現在のところ労働基準監督署の方に労働者の方から申告等は出ておりません。
 ただ、私ども、今月の初めに出ました新聞等でその概略については承知をいたしております。この新聞の概略を読ませていただいた限りでは、私ども、これを見たところを申し上げますと、早期退職の優遇制度という提案でございますが、もし労働者の方の意思に基づかず、事業主の方の一方的な発意による雇用の終了ということであれば、内容によっては解雇に相当する、解雇と見られるケースもあるのではなかろうかというような、その辺どうなんだろうかという点が一つでございます。
 それから、このように多くの人数の方の雇用にかかわる問題の提案でございますので、労使間でこれまでどのような話し合いが行われてきたのであろうか、もし行われてきていないとしても、今後どういうふうにその辺の話し合いを行っていく
ことを考えているのだろうかというようなこと等の問題があるのではなかろうかというふうに受けとめました。
 もし解雇に相当するという事実関係であれば、労働基準法上、解雇予告等の手続が必要になりますし、その辺の関係については、私ども事実関係の把握に努めていかなければならないというふうに思っております。
 もちろん解雇に該当するとしてでございますが、もし解雇の有効性等の問題にかかわることであれば、これは民事上の問題ではございますが、今まで最高裁の判例等、幾つか出ております。そういうことに基づく判例等の資料等も、労使の求めがあれば提供したりすることによりまして、問題の解決というものに協力していかなければならないのかなというふうに受けとめているところでございます。
#245
○濱田(健)委員 労基署に届けられていないというわけですから、局長も大変な答弁をしなくちゃならない、大変失礼な質問になっているような気もしますが、やがて届けられますので、しっかりと調査をしていただきたいというふうに思うのです。
 それで、二月に特別ボーナス二十万もらったというのですよ、三十四名の成田ベースというところの正社員が。これまで一回も会社が困っているというような状況を、本人たちも見ていない、聞いていない状況の中で、ある日突然、七時間ぐらい部屋に閉じ込められて、あなたたちの選択は、割り増し賃金、割り増し退職金をもらってやめるか、もしくは一年ごとの契約労働、五年間上限、これしか選択の余地はないよと正社員に押しつけるわけです。
 大阪ベースというところには四十人のいわゆる一年ごとの契約労働がいる。彼女たちには、あなたたちが固執していろいろ騒ぎを起こすのであればいつでも外国人労働者にかえるよというような主張もしているようでございます。
 今局長の方が労使の交渉というふうに言われましたが、三月二日に組合をつくられたそうでございます。まだわずか誕生して二週間ですからね。いわゆる団体交渉も呼びかけておられるようですが、それにも耳をかさないというような状況が私たちのところに入ってまいりました。
 一応そういうことを申し上げておきまして、時間がございませんので、これはもっと中身が明らかになったときに詰めさせていただきたいというふうに思うわけでございますが、整理解雇ではございません。とにかく全員やめろというような中身だと私は思うのでありまして、解雇の必要性があるのか、解雇をしなくてもいいような回避努力をしたのか、合理的な基準等々どうもないような気がするのですね、これは私の勝手な言い方かもしれませんけれども。
 そういう中で、労働省、そして飛行機が飛んでいるという意味で運輸省、きちんとこれから調査をしてみようと――運輸省の方はいわゆる労使の労働争議の中には関与しないということになるかもしれませんが、そのことが安全をモットーとする運輸行政にとって何らかの支障を来すのではないかということを含めて考えられますので、御答弁いただければ幸いです。
#246
○伊藤(庄)政府委員 まず、今回のケースが解雇に該当するかどうかについては、私ども、それに続く労働基準法上の手続等の問題もございますので、その辺の事実関係については把握に努めたいということを申し上げたところでございます。
 さらに、先生から整理解雇というお話がございました。これら解雇の正当性あるいは無効、いわゆる乱用理論に絡むかどうかというような点につきましては民事上の問題でございますが、私ども、かねてからそういった最高裁の判例等を、労使の求めに応じて提供するように資料等も整備しておりますので、そういったことも、今後求めがあれば提出して、これからの労使間の話し合いというものに協力をしていかなければならないと思っております。
 そういうことを通じて、この問題が早期に円満に解決していくように、どういう協力ができるか、十分考えてまいりたいと思っております。
#247
○井手説明員 運輸省の立場からお答え申し上げます。
 先生もおっしゃいましたように、残念ながら、運輸省は、この労使問題について基本的に何らかの処理をするという立場ではないわけでございますが、今後、この案件につきましては、そういうこととは離れて、注目をしてフォローをしていきたいと思っております。
 一例でございますが、三月六日だったと思いますが、関係の方々が運輸省の方に御相談に来られまして、それについて私どもの方で誠実に対応をさせていただいたところでございます。
#248
○濱田(健)委員 このことについてはきょうはこれだけにしておきます。大臣も、前回の私の質問のときに、労働組合がしっかりせぬといかぬと言われました。ですから、新しくつくられた、まだ誕生したての労働組合にしっかりしていただいて、相手側の使用者側も外国の企業ですけれども日本の法律が適用されるわけでございますから、局長言われたように、その部分についてバックアップもいただきたいというふうにお願いをしておきたいというふうに思います。
 外国人労働者の問題ですが、一週間前、深夜労働を見てまいりました。弁当屋に行ってまいりました、大臣。とてもきれいなところでございまして、ペルー、ブラジルの方々がたくさんおられたわけですが、きょうはその深夜業のことについては触れませんけれども、労働ビザが出ない日本の中で、三Kとも五Kとも十Kとも言われている職場に外国人の皆さんが働いているという状況がございます。
 所得を得られるわけですから、当然所得税を日本の政府に納めていただくということでございますが、短い滞在期間ですので、二〇%とか二〇何%とかという、いわゆるみなしの税金を引かれて企業主が税務署に納めるという仕組みになっております。
 それで、帰国をされようとしているその人たちが、もう終わりましたけれども、確定申告をするために源泉徴収票を出してもらいたいというのですが、それを、本人の請求にかかわらず、出さない事業主が見られるという話が割と頻繁に私たちの耳に入ってきております。これは所得税法第二百四十二条の六号の罰則規定に値をすると思うのですが、その実態を明らかにしていただければ幸いです。
#249
○筒井説明員 お答えいたします。
 源泉徴収票は、御承知のとおり、所得税法に基づきまして、給与等の支払いを受ける人への交付が義務づけられている書類であるということでございまして、私ども国税当局といたしましては、機会あるごとに会社あるいは事業主の方に対しまして、本人に対する源泉徴収票の交付の指導を行っているところでございます。
 ただいま御質問がございました源泉徴収票を交付していない事業主に対して罰則を適用した事例はということでございますが、これまでのところ、ないと承知しております。ただ、罰則は、私ども最終的な手段と考えておりまして、国税当局といたしましては、例えば悪質と認められる事業主に対しましては、源泉所得税の調査で臨場する、あるいは源泉徴収票が正しく税務署に提出されているかといった観点から法定監査を行うなどの手段をとり得るものと考えております。
 いずれにいたしましても、今後とも、源泉徴収票の受給者本人への交付が的確に行われますように、例えば、年末調整の説明会などの、言ってみますと集合的な指導、あるいはパンフレットによる周知を図りますほか、必要に応じ電話やあるいは文書での紹介、また先ほど申しました税務調査や法定監査による個別的な指導を行うなどによりまして、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#250
○濱田(健)委員 時間がなくなりましたので、また残りは細かく次に回したいと思うのですが、今お答えいただきましたけれども、それこそ成田近
辺の税務署でこういうことがあっているそうですよ。
 本人は、税務署で所得税の確定申告を行ったが、半年以上経過しても何の連絡もない。税務署に問い合わせると、書類が国税局から戻っていません、調査に手間取っているのだろうと思いますとのこと。これはそうだろうと思うのです。東京国税局資料調査第五課に問い合わせると、書類はそのままになっており、源泉徴収額が間違っています、正しい源泉徴収票を出してもらわないとできませんと言う。所轄の税務署に連絡したのかと聞くと、してないとのことである。返してない。間違っているものを返していなければ、後、また正しいものは返ってこないというような実態があります。
 ここに書いてある文章としては一つですけれども、そういうことをしっかり頭に入れて、人数が少ないところで大変だろうというふうには思いますが、やはり外国人の皆さん方も働く場を求めて来られて日本人がなかなか働かないという現実の中で働いてもらっている部分もいっぱいあるわけでございますので、こういう取り扱いについては慎重に、そして厳正に、彼らを泣かさないようにやっていただきたいということを申し添えて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#251
○田中委員長 以上で、本案に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#252
○田中委員長 次に、内閣提出、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。伊吹労働大臣。
    ―――――――――――――
 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の
  締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法
  の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#253
○伊吹国務大臣 ただいま議題となりました駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 駐留軍関係離職者及び漁業離職者につきましては、それぞれ、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法に基づき、特別な就職指導の実施、職業転換給付金の支給等各般の施策を講ずることにより、その再就職の促進と生活の安定に努めてまいりましたが、これら二法は、前者が本年五月十六日限りで、また、後者が本年六月三十日限りで失効することとなっております。
 しかしながら、駐留軍関係離職者及び漁業離職者につきましては、今後においても、国際情勢の変化等に伴い、なおその発生が予想されますので、政府といたしましては、現行の駐留軍関係離職者対策及び漁業離職者対策を今後とも引き続き実施する必要があると考え、そのための案を中央職業安定審議会にお諮りして、その答申に基づき、この法律案を作成し、提案した次第であります。
 次に、その内容を御説明申し上げます。
 第一に、駐留軍関係離職者等臨時措置法の有効期限を五年延長し、平成十五年五月十六日までとすることであります。
 第二に、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の有効期限を五年延長し、平成十五年六月三十日までとすることであります。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#254
○田中委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これで散会いたします。
    午後四時四十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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